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2001/06/04 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 共生社会に関する調査会 第7号
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2001/06/04 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 共生社会に関する調査会 第7号

#1
第151回国会 共生社会に関する調査会 第7号
平成十三年六月四日(月曜日)
   午後二時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任   
     沢 たまき君     大森 礼子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         石井 道子君
    理 事
                有馬 朗人君
                小宮山洋子君
                大森 礼子君
                林  紀子君
                清水 澄子君
    委 員
                鶴保 庸介君
                仲道 俊哉君
                南野知惠子君
                森下 博之君
                岡崎トミ子君
                谷林 正昭君
                小池  晃君
                八田ひろ子君
                高橋紀世子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   松下 忠洋君
       厚生労働副大臣  南野知惠子君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        岩波 成行君
   政府参考人
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       法務省民事局長  山崎  潮君
       法務省矯正局長  鶴田 六郎君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○共生社会に関する調査
 (男女等共生社会の構築に向けて)

    ─────────────
#2
○会長(石井道子君) ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五月十四日、沢たまき君が委員を辞任され、その補欠として大森礼子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(石井道子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(石井道子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に大森礼子君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○会長(石井道子君) 共生社会に関する調査を議題といたします。
 本調査会は、設置以来、「男女等共生社会の構築に向けて」をテーマとして広範な調査を進めてまいりました。
 本日は、三年間の調査を踏まえ、内閣官房長官・男女共同参画担当大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○鶴保庸介君 保守党の鶴保でございます。
 官房長官には、お忙しいところ本調査会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。
 調査会の調査を続けながら、私自身もいろんな勉強をさせていただいておるところでございました。
 そんな中で、そもそも男女共同参画型社会というものが一体何を目指しておるのか、その趣旨といいますか、哲学といったものが一体どういうところにあるのかというようなことまで深く考える機会をいただいたことに、私自身意義のあることであったというふうに思います。
 そんな中、新しく成立した小泉内閣、所信表明演説において、男女共同参画型社会を構造改革の一つとして位置づけられました。少子高齢化が叫ばれた昨今、女性が社会的に進出をし、そして労働力の一つとしてもっともっと進出しなければいけないというような議論もある中、具体的にその構造改革の一つとして位置づけた趣旨といいますか、理由といいますか、そういう大きな枠組みをどんなふうにとらえ、またさらに、具体的にどういうふうに構造改革を進めていこうとされておられるのか、まず冒頭、官房長官、お伺いをいたしたいと思います。
#7
○国務大臣(福田康夫君) 少子高齢化の進展とか国内経済活動の成熟化というような、我が国の社会経済情勢が急速に変化している、こういう中で社会を活性化するために男女共同参画社会の実現、これは不可欠であるということはもうだれもが今申しているところでございます。そういうようなことで、現内閣でも、総理の施政方針にございましたこの重要課題というものに全力で取り組んでいくということを申しているわけでございます。
 また、さらに申し上げれば、具体的な取り組みとして男女共同参画基本計画、これは昨年十二月に策定されたのでありますけれども、これに基づきまして、政策方針決定過程への女性の参画の拡大、また女性に対する暴力の根絶に向けた取り組み、広報啓発活動など幅広い取り組みを総合的にこれから推進していこうと、実際に今やっているところでございますけれども、そういう考え方でおるところでございます。
 また、男女共同参画会議におきましては、現在、男女共同参画社会の形成の促進ということに関するいろいろな分野における課題について専門調査会を活用して検討を進めているというところでございます。このうち、仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会では、保育所の待機児童ゼロ作戦、また、必要な地域すべてにおける放課後児童の受け入れ体制の整備、こういうような具体的なことについても検討を進めているところでございます。
#8
○鶴保庸介君 いろんなお話をさせていただきました。ただ、この調査会の中でも、女性の社会進出をもっと促すために、国会の方でももっと積極的にそれを促すような施策があってもいいんじゃないかという議論はありました。例えば、女性議員を何%か優先的に当選をさせたらどうかとかいうような話、ちょっと今、語弊がありました、優先的にといいますか、枠組みを決めてしたらどうかというようなお話、議論もこの調査会でやったことを覚えております。
 そんな中、小泉内閣は女性閣僚を五名ほど起用されました。これは画期的なことだというふうに思いますが、今後、小泉内閣が続く限り絶えず女性閣僚は最低五名程度は起用されるというようなお考えのもとで、一つのアファーマティブアクションというようなことを考えておられて起用されたのか、官房長官として、総理の心の思いみたいなものがおわかりになればお話しをいただければというふうに思います。
#9
○国務大臣(福田康夫君) 小泉総理も男女共同参画というものを真に実のあるものにしたいという思いから、今回の組閣においては五人の閣僚を任命いたしたわけでございます。
 鶴保議員はまさにそれを今実践していらっしゃるわけでございまして、私どもは、鶴保議員のやっていらっしゃること、これを本当に今申したように実のあるものにしなければいけない、こういうように思っておりますので、これは従来にも増して真剣に取り組んでいきたい、こう思っております。
 また、閣僚についてというようにお話ございましたけれども、これは総理になっていただいても結構なんでございまして、私、男女共同参画担当大臣として申し上げれば、能力、識見のある女性が積極的に起用されるということは大変好ましいことだというように思っておりますので、別に五人にとらわれることはないので、この委員会のようにもっとたくさん登用されてもよろしいというように思っております。
#10
○鶴保庸介君 私は、個人的には調査会の中ではどちらかというと、皆さんから御批判を受けるかもしれません、そういう立場でずっと発言を続けてまいりました。
 アファーマティブアクションというのは、確かに社会の一つの起爆剤としてはいいんですけれども、やはり女性の能力が活用され得る、平等に制度として能力が生き生きと発揮できる制度は必要だろうというふうに思います。ただ、それを一歩踏み込んだ形で、逆差別というような言葉はちょっときついかもしれませんが、個人的にはそんな形のものを私はつくるべきではないんじゃないかという立場でございます。
 そんな中で、いろんな勉強をさせていただいたわけでありますが、ちょっと視点を変えまして、今、官房長官のお話にありました保育所待機児ゼロ作戦ということでございます。
 仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会というのが設置されて、六月の最終報告に向けて検討が行われているということでございます。同専門部会の検討状況について、ゼロ作戦の推進方策というのがありました。待機児童数が昨年四月の時点で約三万三千、潜在的には約十万人を超えるんではないかというようなお話もございます。
 小泉総理大臣は、所信表明演説にて保育所の待機児ゼロ作戦の推進を唱えておられますけれども、先ほど申しました専門調査会においてどのような検討がなされ、またゼロ作戦の推進を図っていこうとされておられるのかお伺いをしておきたいと思います。
#11
○副大臣(松下忠洋君) 今、鶴保先生からの御質問の仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会でございますけれども、本年二月に初会合が開催されて以来、これまで六回に及ぶ会合を開催してまいりまして、一番熱心に議論をしてまいりました。きょうも七回目の会を開くことになっておりまして、仕事と子育ての両立支援策について熱心に検討をしてまいっております。
 この調査会の中間報告におきまして、待機児童ゼロ作戦として、潜在的な需要を含めた待機児童を数値目標及び期限を定めて解消する、民間活力を導入して多様化を図ること、そして基準を満たした施設は迅速に設置していくこと、公的施設を保育のために弾力的に活用していくこと、それから駅等を保育に利用するための助成を行うこと等が示されております。
 この専門調査会は、引き続き検討を進めて、きょうも行いますけれども、六月中には男女共同参画会議に最終報告を行う予定でございまして、これを踏まえて、政府としても、待機児童の解消に向けた施策の着実な実施に真剣に取り組んでいきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#12
○鶴保庸介君 ありがとうございます。
 私は、先ほど申し上げましたとおり、性差による差別というものをできるだけ制度としてなくすということがまず前提にあるというのをかねがね主張しております。
 そんな中、ある損害保険会社の方とお話をする機会がありまして、そのときにこういう状況をおっしゃられた。損害賠償、交通事故などで子供が死亡した場合、元気だったら得られるはずのいわゆる逸失利益というものがございますが、男女の性差によって命の値段の格差みたいなものがあるというふうな指摘がありました。それを見直す判決も、昨年七月の奈良地裁、ことし三月の東京地裁と相次いで判決が出ておるやに聞いております。
 男女共同参画社会基本法や男女雇用機会均等法の施行により、男女が同じく働ける、平等に働ける基盤整備がなされたわけでありますが、就労前はもちろん就労後も、男女による賃金格差をなくすことにより性差による命の値段の格差がなくなることが本来のあるべき姿ではないかというふうに思いますけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。
#13
○副大臣(南野知惠子君) ありがとうございます。
 御質問の案件でございますが、まず奈良地裁におきましては、少なくとも中学生までの女子、それに対する逸失利益の算定に当たりましては、特段の事情のない限り、男子を含む全労働者の全年齢平均賃金を用いることが合理性を有するものと思うというふうな判決も出ております。
 また、お話にございました東京地裁におきましては、未就労の年少女子が死亡した場合における逸失利益の算定、これの基礎としては、賃金センサスにおける女子労働者の平均賃金ではなく、女性が将来において選択し得る職業領域の多様さを反映するものとして、男女の労働者全体の就労を基礎とする全労働者の平均賃金を採用することがより合理性を有するものと考えられるという判決が出されております。
 そこで、先生、逸失利益についての御指摘がありましたが、男女の賃金差の問題については、いろいろな要因があるだろうと思いますけれども、一つには職種または職務上の地位が男女で異なること、またもう一つは女性の勤続年数が男性に比べて短いことなどがあるのではないかというふうに思っております。
 そのために、一つ目の問題ですが、職種や職務上の地位の違いにつきましては、募集をする、採用をする、配置をする、昇進等における男女差別の禁止などの雇用の場における男女の均等確保対策というものを推進してまいろうと思っているところでございます。また、二つ目につきましては、男女の勤続年数の差異でございますが、男女がともに育児や介護といった家族の一員としての役割を果たしながら働き続けることができるよう、職業生活と家庭生活との両立支援対策を積極的に推進してまいりたいと思っております。
 先生がいいサンプルを見せていただくことが国民に活力を与えることだと思っております。よろしくお願いします。
#14
○鶴保庸介君 ありがとうございます。
 共働きの夫婦がこれからふえていくでありましょうから、先ほども副大臣おっしゃっておられたとおり、雇用の場として女性がもっとより生き生きと働けるようにいろんな施策を打っていくべきだというふうに思います。
 そんな中、先ほど松下副大臣の方から保育所待機児ゼロ作戦というお話もありました。その保育のことについてもう一度ちょっと議論を引き戻しましてお話をさせていただきたいと思うんですけれども、共働きの夫婦の生活の中でどうしても保育をするということになりますと、一体どういう資質の方に自分の大切な子供を預けるかということは非常に重要な関心事だと思うんですね。
 先日、私も外国からの友人と話をする機会がありまして、日本で英語の話せるベビーシッターがなかなかいなくて困っているんだ、英語が話せるだけじゃなくていろいろ、優しい、年齢がどうだとかこうだとかというようなことも、どういう基準で選んでいいかわからないで悩んでいるんだというような話をしたことがあります。
 そのケースは特殊なのかもしれませんが、公設の民営型保育所というようなものでも、保育の運営を民間に委託する場合に、保育の質を問うことなしに、安い入札価格でありさえすればいいということでは困るというふうに思うんです。保育者、保育をする方の評価といったようなもの、評価制度を確立することも必要ではないか、そういう結果を公表してある程度オーソライズするような制度をつくってはどうかというふうなことも考えるわけでありますが、この辺について南野副大臣はいかがお考えでしょうか。
#15
○副大臣(南野知惠子君) ありがとうございます。
 先生のお話をお聞きすると、先生の場合はどうなさるのかななんていつも思ったりするわけですが、保育を受ける子供の立場または子供の状況、そういったものを中心に配慮されるべきであろう、子供中心にどう親が考えていくかということにあろうかと思いますが、保育所の運営主体のいかんについてということにかかわらず、保育サービスの内容につきましては、先生御指摘のとおり、第三者が公正中立な立場から評価し、その結果を公表する仕組みを確立するということは、先生おっしゃっておられる保育サービスの質の向上とか、利用者による適切なサービス選択に資するものと認識いたしております。
 そのために、現在、厚生労働省におきましては評価の基準または評価の実施方法などのあり方についても検討を行っておりまして、その結果を踏まえて質の高い保育サービスの確保に努力してまいりたいと思っております。
 その形としましては、平成十三年度に公正な評価調査者、調査をする人の養成ということにも踏み込んでおりますし、評価基準試案における試行事業を全部の都道府県に拡大しようというようなところまでも検討を進めております。そういう意味では、検討委員会の最終報告を今年度中に行いたいと、スピードを合わせて検討いたしているところでございます。
#16
○鶴保庸介君 ありがとうございます。
 民間の職業紹介というようなものが解禁になりましたから、いろんな意味で時代はそういうものを求めているのではないかというふうに思います。ぜひとも御努力をいただきたいと思います。いろいろと南野副大臣には御指摘をいただきましたが、まだ私の場合は早うございますから、これからそういう制度があれば非常にありがたいなと私個人も思っております。
 そんな中、優秀な無認可保育所への公的補助というようなことも検討課題に盛り込まれておるやに聞いております。認可保育所に入れないために、やむを得ず無認可保育所を利用している状況があって、その保育所ではなく利用者に対して助成金を支払うような制度をつくってはどうか、あるいは保育料そのものに税制控除をかけてはどうかというようなことも議論の中にあるかと思うんですが、その辺については、副大臣、いかがでしょうか。
#17
○副大臣(南野知惠子君) 保育につきましては、安定的なサービスの提供または質の確保という観点からいたしまして、認可保育所での保育サービス、その提供が基本であろうというふうに考えております。
 待機児童が多く、現状況では多少不十分な点はあろうかと思いますが、政府といたしましては、認可保育所において保育需要に的確に対応できる体制の整備を図るために、低年齢児、これはゼロ歳から二歳の受け入れの拡大や延長保育の推進など、新エンゼルプランの着実な推進を図っていくとともに、保育所に係る設置主体の制限の撤廃、それを初め各般の規制緩和を行うなど積極的に取り組みを進めているところであります。
 また、利用者に対する助成金の支払いまたは税制における保育料の控除などにつきましては、児童手当また扶養控除などの既存の制度をどのように整理できるかということが大きな課題であろうかと思いますし、またその対象となる保育サービスをどこまでできるのか、そのレベルの問題もそこに含まれておりますが、どういうことをどのようにやっていくのかといった問題も大きな課題としてあろうかと考えております。
 また、いずれにしましても、政府といたしましては、男女共同参画会議の専門調査会での審議における議論を踏まえながら、保育所入所待機児童の解消に向けた取り組みにつきまして具体化していきたいと考えているところでございます。先生の場合にも、なるべく早く間に合わせるように努力しようと思っております。
#18
○鶴保庸介君 ありがとうございます。早くしていただければというふうに思います。
 保育所の話が続くんですが、もう時間がありませんから、これが最後の質問になるかと思うんです。
 私もこんな中で、興味を持ってと言ったらちょっと失礼な言い方ですが、いろいろと勉強させていただきました。そうすると、やっぱり地域によって保育所の格差がかなりあるというふうな話に接したんです。
 専門調査会としても、そういう地域格差というようなものをどんなふうに考えておられるか、なぜその格差ができ、またそれをどういうふうな取り組みを持って変えていくか、保育所整備の取り組みの推進のあるべき姿を最後にお話しいただいて、質問を終わりたいと思うんです。
#19
○副大臣(松下忠洋君) 確かに、御指摘のとおり地域差が大きくて、主として都市部において供給が不足をしております。全国的な施策とともに、この地方公共団体の地域特性に応じた工夫や尽力がこの問題に対応するためには必要だと考えております。地方においても、地方の都市部と地方部ではまた格差がありますから、そういうところはきめ細かな対応をしていかなきゃいかぬと思っております。
 この専門調査会の中間報告でもその点は指摘されておりまして、待機児童の多い地域の保育施設を重点整備せよ、それから保育や育児に関連する各自治体の創意工夫をもっとやれ、そういうことを奨励する、それからいい事例がたくさんありますので、そういうものを広く紹介していくということを含めてしっかりやれというふうに提示されております。
 それからまた、同じようにこの調査会で、国が進めている保育所の設置主体制限の撤廃、そして民間参入の促進、NPOや企業等にも入ってきていただくというふうに広げていく必要があるということと、都市部における保育所設置基準、これをもう少し弾力化する。なかなか土地の確保も難しいところがありますので、安全ということをしっかり確保した上で、いろんな工夫があるべきだということもそうだと思いますけれども、規制の緩和等も積極的に取り入れてしっかりやっていけというふうに言われておりますから、我々もしっかりそこを踏まえて六月中にはいい答えを出したい、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#20
○鶴保庸介君 ありがとうございました。
#21
○小宮山洋子君 民主党の小宮山洋子でございます。
 きょうは、三年にわたります女性も男性もともに生きやすい社会をつくろうというこの共生社会調査会で検討をしてきたことの締めくくりに当たりまして、お忙しい中、官房長官においでいただいておりますので、余り細かいことを伺いませんから、なるべく官房長官からお答えいただければというふうにまずお願いをしておきたいと思います。
 一つ目は、この調査会、この三年何をしてきたかといいますと、女性に対する暴力の防止ということを一年目全体で検討いたしまして、この一年間プロジェクトチームなどで検討をしてきた結果、四月六日に配偶者からの暴力防止法、いわゆるDV防止法をつくることができたというのが一番大きな成果だったかというふうに思っております。この法律をつくったということは、参議院の存在意義と、オーバーに言えば、そのことからしましても、この調査会という形で超党派で三年かけて一つのテーマにじっくり取り組む、そういうことのアピールにもなったのかなというふうに思っております。
 それで、せっかくつくりましたこの暴力防止法ですけれども、これからどういうふうに運用していくのか。また、三年後の見直しに向けて、とにかく産んだので、これから大きく育てていくために内閣府の果たされる役割は大変大きいと思っております。
 それで、十月の実施に向けて一緒に検討してきたNGOなども、この間も省庁の方と話し合いの機会を持たせていただきましたけれども、例えば相談支援センターにしても、各都道府県、どこが中心になるんだろうかとか、職員の方の研修は間に合うのかとか、十月の実施に向けて準備がどのように進んでいるのか、大変心配をしているわけですが、そのあたりどういうふうになっているのかをまずちょっと伺いたいと思っています。
#22
○国務大臣(福田康夫君) まず、DV法の成立に向けて大変御協力というか御尽力くださったことに感謝を申し上げるわけでございます。
 十月から施行されるということになったわけでございまして、現在、関係府省庁において施行に向けた諸準備を進めております。今おっしゃられたようなことを含めて諸準備を進めておる、こういうように御理解いただきたいと思います。
 また、これと並行いたしまして、男女共同参画会議に設置されました女性に対する暴力に関する専門調査会、これにおいてもこの法律の円滑な施行に向けた検討を具体的に進めております。
 また、政府といたしましては、国民の御意見も聞こうということで、六月の一日から一カ月間、いろいろな御意見をいただき、これを参考にしながらこの法律が円滑に施行されるように最善を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
#23
○小宮山洋子君 プロジェクトチームには各省庁からも担当の方においでいただいて、本当に皆さんで知恵を出し合ってつくったという経過がございます。でも、まだまだ不十分なところがたくさんあるんですね。
 ですから、三年後の見直しに向けて、この調査会が選挙の後どういう形になるかわからないわけですけれども、できればフォローのできるような体制をぜひまた続けていただきたいというふうには思っておりますけれども、やはり内閣府の方に、宿題と言っては何ですが、暴力を振るう側の男性に対する更生プログラムの問題とかプロジェクトではでき得なかったものを幾つか宿題に差し上げてあります。それからまた、三年後の見直しに向けてのいろいろなチェックとか問題点の整理などもぜひこの専門調査会の方でやっていただきたいと思っておりますので、その辺についてもう一言伺わせていただきたいと思います。
#24
○国務大臣(福田康夫君) このDV法を三年をめどに再検討すると、検討を加えるというんですかね、またそういう検討の結果、必要な措置を講じると、こういうことになっておりますので、先ほど申しました女性に対する暴力に関する専門調査会で、当面は法律の円滑な施行に向けた検討を行うということになっておりますけれども、今後、法律の施行状況などを見まして、その見直しについての検討も行われるものであると考えております。
 いずれにしても、国民の御意見をよく酌み取りながら、内閣府男女共同参画局を中心として、この法律の円滑な施行や将来の見直しを含めた女性に対する暴力に関する幅広い施策を推進してまいりたいと考えております。
#25
○小宮山洋子君 それから次に、リプロダクティブヘルス・ライツと舌をかみそうな言い方であるせいもございまして、なかなか日本の中ではこうしたことに対する取り組みが進んでいないんですが、何人子供を産むか産まないかを含めて、生涯を通した女性の健康・権利を守る、そうした取り組みが非常に日本ではおくれていると思うんですね。カイロの人口・開発会議などでも、きちんと日本は守るという約束を各国としているんですが、取り組みがなかなか進まない。
 現在の男女共同参画計画など政府が取り組んでいらっしゃることのもとになっているビジョンをつくったときから、新たな法整備も含めて検討をということを、私もそのとき審議会の一員でおりまして、盛り込んであるんですけれども、なぜこれが進まないのだというふうにお考えでしょうか。
#26
○国務大臣(福田康夫君) リプロダクティブヘルス・ライツ、この視点は、女性の生涯を通じた健康を支援していくということの意味において、この男女共同参画社会形成のためには大変重要であるというように考えてはおります。
 そのために、男女共同参画基本計画、ここにおきまして、生涯を通じた女性の健康支援を重点目標に掲げまして、生涯を通じた健康の管理・保持増進のための健康教育・相談支援等の充実、それから妊娠・出産期における女性の健康支援、成人期、高齢期等における女性の健康づくり支援というような各種にわたる施策を推進しております。また、これらに関する施策は、母子保健法、感染症予防法、老人保健法というような幅広い分野の法律に基づいて推進されております。
 したがいまして、これを女性の健康の観点から一つの法体系にするというよりは、関係する施策について緊密に連携をとりつつ総合的に推進するということが重要であるというように当面考えております。
#27
○小宮山洋子君 御用意いただいた答弁の中には書いていないことかとは思うんですけれども、今おっしゃったように、一つの問題としては、日本では母子保健と、子供と一緒に母は守られているんです。それから、老人保健というように老人になると守られているんです。だけれども、女性としての新しい観点の部分が抜け落ちていると、だから新たな法整備も必要だということを言っているんですね。
 例えば、官房長官は御存じかとは思いますけれども、刑法の中に堕胎罪というものがまだ日本にはあって、とにかくどういう理由であっても子供を、どういう理由であってもと言っちゃいけませんね、幾つかは母体保護法という法律で、何か木に竹を接いだように、罪にならないようにケアをしているんですけれども、これは母体保護法がなくなったら、堕胎をした女性だけが罰せられる。こういうような偏りのある法律は廃止すべきだという北京の行動綱領とか国際会議などで常に指摘されているものがまだ残っているわけなんです。
 ですから、こういうことに取り組んでいる女性の側からは、やはりそういう偏りのある、国際的にもおかしいと言われている刑法の堕胎罪というのは廃止をして、新たにリプロ、女性の健康・権利を守るような法律をつくってほしいということがずっと言われているんですけれども、この点についてはお考えはどうでしょうか。先に官房長官からお答えいただいてから、局長にお願いしたいと思います。
#28
○国務大臣(福田康夫君) 堕胎罪はちょっと勉強させていただきますけれどもね。
 今申しましたいろいろな法律がございますし、そういうようないろんな法律の中で、先ほど申しました男女共同参画基本計画においてやっていこうといういろいろな重点目標はカバーしていけるんじゃないかと、相互の法律の連携という立場に立ってやっていけるんではないかというように考えておりますので、現状はそういうふうにやっておるわけですね。
 国民の意識がだんだん変わってくる、また国際的にもそういったような考え方が一般的だというようなことになれば、またそのときはそのときで考えなければいけないだろうというようには思っております。
#29
○政府参考人(坂東眞理子君) ただいま官房長官からお答えしたことに尽きるかと思いますけれども、一応、北京の行動綱領では、御指摘のとおり、違法な妊娠中絶を受けた女性に対する懲罰措置を含んでいる法律の再検討を考慮することと記載されておりますけれども、同時に、各国の立法プロセスに従ってこうした立法は決定されるべきものとされておりますので、今後とも、大きな課題として我が国独自に取り組んでいくべきかと思っております。
#30
○小宮山洋子君 無理に官房長官にお答えいただいたようで申しわけございませんが、いろいろなことに御理解の深い官房長官ですので、ぜひその堕胎罪も勉強していただいて、今おっしゃいましたように、人の意識も変わっていますし、国際的にもそういう流れにきちんとなってきておりますので、この内閣の官房長官でいらっしゃる間にぜひ取り組みの緒をつけていただきたいということを強くお願いしたいと思っております。
 次に、いろいろなテーマについてなるべくお考えを伺いたいと思いますが、社会保障とか税制のあり方、これもやはりビジョンでも基本計画でも、ジェンダーに偏りのある制度を改めようという項目で常に挙がっているものでございます。
 というのは、年金などの社会保障あるいは税制をもっと個人単位にするということが、これから少子高齢社会の中で暮らしのセーフティーネットをしいていくために、今の財政状況の中で広く負担し合ってつくっていくというためにも、それから特に、今の制度は女性の生き方に中立ではありませんので、どのようなライフスタイルを選んでも損得がない公正なフェアな社会をつくるためにも、いろんな問題があるのは承知しているんですけれども、経過措置も必要だとは思いますが、方向性として、そのような税制、社会保障の制度にしていくという考えについては、官房長官はどういうふうにお考えになっているでしょうか。
#31
○国務大臣(福田康夫君) 社会保障制度を個人の選択に中立的なものにするということは、先般、社会保障改革大綱というものを政府・与党社会保障改革協議会というところで決定いたしました。そこでもって、「女性の生活形態の変化などに対応し、個人の生き方の選択によって不合理な取扱いが生じない公正な社会保障制度を目指す。」と、こういう改革の理念が示されております。このことは大変重要な課題でございますので、総合的に検討を進める必要があるというように考えております。
 税制のことでございますけれども、所得を稼得する個人ごとにその所得に対して課税する個人単位課税、これを現在採用しておりますが、昨年七月の政府税調の中期答申においても、「課税単位については引き続き個人単位とすることが適当」であるというようにされております。
 いずれにしましても、御指摘の社会保障制度や税制などの社会制度は国民生活に大きな影響を与え、またさまざまな議論もございますので、国民的合意が得られるような検討をしていく必要があると考えております。
#32
○小宮山洋子君 そうですね、今の税制の仕組みというのも非常に複雑に控除が組み立ってしまっているので、私ども民主党としては、もう少し税の控除はすっきりとした形にして、必要な子供とか高齢な方については社会保障のセーフティーネットをかける、給付に変えていくというような方向性で今検討を進めておりますので、ぜひまた、国民的合意と言いますが、任せておくというのではなくて、なるべくリードをして、ある程度意見が闘わされる場をつくっていっていただきたいというふうに思っております。
 次に、今の働き方とか仕事と家族的責任の両立の支援ということなんですけれども、まだまだ女性と男性の間で働く機会の均等が図られていないと。やはり就職のときの差別とか、賃金差別もILOなどからしばしば勧告されていてもまだ六割とか五割しか女性が男性に対して得ていないということがあるわけなんですね。
 これから新しい世紀に入って、女性の側のことを直すだけではなくて、男性の働き方も含めた見直しが私は必要なのではないかと思っています。今まで日本では働くというとペイドワーク、報酬をもらう有償の労働が働くことだと言われてきたわけですけれども、人間が生きていくためにはいわゆる無償労働、アンペイドワークと言われている家族に対する子育てとか介護とか家事とかの責任などもあわせてやっていくのが、ともに生きていく人間らしい生き方になると思うんですね。
 日本の男性は、先進国に比べましてもアンペイドワークをペイドワークの十五分の一しかしていないと。ほかの一番差のある先進国でも四分の一はしているので、どちらかというと日本の男の方たちがバランスの欠けた暮らしをしていて、もう少し豊かな暮らしをするためには男の人の働き方をこそ変えなければならないのではないかと思うのですが、官房長官はそのあたりはどういうふうにお考えでしょうか。
#33
○国務大臣(福田康夫君) よくわかります。
 働く女性の性による差別とか能力を十分に発揮できる雇用環境問題を整備する、男女がともに職場を初め家庭においても共同して参画する社会を構築する、これは極めて大事なことでございます。そのために、募集、採用から退職に至るまですべての雇用管理における女性に対する差別を禁止するということとともに、実質的な男女の均等確保を実現するための、女性の能力発揮のための企業のポジティブアクション、企業の積極的取り組み、これを促進するよう働きかけを行っているところでございます。
 また、男女雇用機会均等の実現のためには、家事、育児等の無償労働の重要性について十分認識しつつ、男女がともに家族としての責任を果たすことが重要でございます。このため、固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正に努めるということ、そして同時に勤務時間の短縮等の措置の対象となる子の年齢の引き上げなど、育児・介護休業法の改正法案の今国会への提出、また年間総実労働時間千八百時間の達成、定着に向けた労働時間短縮というような、仕事と家庭が両立しやすい環境の整備に積極的に今現在取り組んでおるところでございます。
#34
○小宮山洋子君 そうした中で、ノルウェーなどでやっているお父さんが育児休業をとる、パパクオータと言われておりますけれども、これに対しては男の方の中からは、そうは言ったってとれないよというような話もございますが、官房長官はお父さんが育児休業をとれるようにお父さんの割り当てをつくるという考え方自体についてはどういうふうにお考えですか。
#35
○国務大臣(福田康夫君) パパクオータですか。今現在、確かに休みをとるとかというようなことは男性の場合しにくいというような実情もございます。そういうことについて、今すぐそういうような特別の措置を講ずるというのではなくて、男性の育児休業取得が促進されるような意識啓発を積極的に行うということが一番大事なのではないかと思っております。
 子供の看護休暇を請求権化するということですが、現在のところ事業所における普及率が相当低いという実情にございますので、我が国の現状を踏まえるとコンセンサスを得るのがいま少し時間がかかるのではないかというように思っております。
 いずれにしても、仕事と子育ての両立をいかにしていくかという点については、委員の御指摘の、また目指されている方向は我々と同じであるというように考えておりますので、目指すべき方向への着実な第一歩を踏み出すこととなる政府の今現在提出しております法案を速やかに御審議いただいて成立させていただくことが大事であるというように思っております。
#36
○小宮山洋子君 時間が余りなくなってきましたので伺っておくことにいたします。
 それから、先ほどから出ている保育の充実の問題ですけれども、これはぜひ取り組んでいただきたいんですが、五万人とか一万五千カ所とか、かけ声だけを言ってもなかなか多様な保育ニーズにかみ合っていかないという苦しい現状があるわけなんですよね。例えば、先ほども受け入れの拡大ですとか規制緩和を幾らしても一年間で参入したところは五十しかないと。それだけ今欲しいもの、ゼロ歳児とか年少保育というのはコストがかかる部分なんです。
 ですから、幾ら民間に開放しても、そこのところは民間はなかなかやりにくいと。やっぱりきめ細かくやっていかないと、かけ声をかけていただいたというのは確かにいいことなんですけれども、私も保育の問題をずっといろいろ自分の子供のことも含めてやってきた立場からすると、かけ声はいいです。だけれども、では実質的にどういうふうに進めるのかというのは相当知恵を働かせないとなかなか難しいという実情があると思いますので、例えば無認可の方のことをどの程度レベルアップしながらやっていくのかとか、保育所と幼稚園の連携とか、いろいろ大きく考えながらきめ細かにというさまざまなやり方で総力を挙げて取り組まないといけないと思うんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
#37
○国務大臣(福田康夫君) おっしゃられるとおり、この実現のためには相当知恵を働かさなければいけない、また努力をしなければいけないと思っております。
 政府の方は、新エンゼルプランに基づいて、保育所における低年齢児の受け入れの拡大を図りながら保育所に係る設置主体の制限の撤廃を初めとするいろいろな規制緩和を行っていくというようなことなど、積極的な取り組みを始めております。
 保育所の入所待機児童の解消に向けた取り組みにつきましては、現在、男女共同参画会議の専門調査会におきましてその方策について具体的な御審議をいただいており、その議論を踏まえて実現していきたいと思っております。
 また、保育所と幼稚園につきましては、それぞれの制度の中で整備の充実という問題もございます。相互に連携を進めてそういう充実を図っておりますけれども、子供とか家庭の多様なニーズに的確に対応するということはなかなか大変なことなんですけれども、両施設の連携に努力をしてまいりたいと思っております。
#38
○小宮山洋子君 もう時間が参りましたが、最後に一言だけ、例の民法改正、選択的夫婦別姓なんですが、先日、内閣委員会で質疑をしたときに、官房長官は世論調査をなるべく中立的な項目でというふうに答弁していただいて、大変心強いのですが、時系列的に見るために項目は変えられないと世論調査の担当局のところでは言っているようにも聞いております。ぜひ先日の官房長官の御答弁どおり、本当はもう世論調査も要らない、進める時期だと思っているんですけれども、なさるのでしたらぜひ中立な項目でやっていただいて、これもずっと懸案でございますので、選択肢が豊かになるのが豊かな社会だと思いますので、取り組みへの御決意を一言最後に簡単に伺って終わります。
#39
○国務大臣(福田康夫君) 先般もお答え申しましたとおり、国民の意識を中立な立場で把握するというこの考え方は変わっておりません。
 ですから、前回、平成八年に実施したものでございますけれども、このときもそういう基本的な考え方に基づいてやっておりますので、若干工夫はいたしますけれども、しかし基本的にはそういうことでやらせていただきたい、そして今申されたように時系列的にその変化を見たい、こういうように思っております。
#40
○大森礼子君 公明党の大森礼子です。小宮山委員の後を受けまして、別姓について少し質問したいと思います。ちょっと角度を変えてお尋ねしたいと思います。
 まず官房長官にお尋ねするわけですけれども、今、外国人地方参政権付与法案に絡みまして、地方参政権といえども外国人に与えるべきではないと、むしろ参政権が必要なのであれば日本に帰化すべきであるという、こういう意見も出ているわけです。
 それで、そういう立場からと思いますけれども、特別永住者等の国籍取得の特例に関する法律案というのが議員立法で用意されているやに聞いております。それによりますと、特別永住者等は、これまでは法務大臣許可制でしたけれども、届け出によっても日本の国籍を取得できると。あるいは、届け出のときに国籍を取得するという形で帰化することが非常に容易となるような、そういう内容だというふうに聞いております。
 私個人としては、外国人への地方参政権付与の問題と帰化の緩和要件というのは、これは本質的には別のものだと基本的に考えております。
 まず、その上で官房長官にお尋ねするんですけれども、帰化要件緩和のこういう法案が準備されているということについては、内容については御存じでしょうか。
#41
○国務大臣(福田康夫君) 勉強不足でございまして、質問をいただきまして勉強させていただきました。
#42
○大森礼子君 何ですか、今、お答えですか。
#43
○国務大臣(福田康夫君) 知っているかどうかというので。なお、その先申し上げましょうか。
#44
○大森礼子君 いいえ、いいです。
 ということは、どういう内容かということは御存じだということでよろしいわけですね。確かに、閣法ではなくて議員立法ですから形式的には知らないと言うのでしょうが、そういうわけにはいかないわけでありまして、こういう内容があると。
 そこで、今度は法務省の民事局の方になるんでしょうか、お尋ねしたいんですけれども、例えば、韓国は歴史的には別姓ですね。特に韓国の場合は先祖代々の家系図を非常に大事にする国でありまして、ずっと家系図があって、どこそこ出身のどこそこということで、それに誇りを持っている民族であると、それで知られているわけです。そういう韓国の方が日本へ帰化する場合、この別姓の部分がどういうふうになるのか、現行法の扱いについてお尋ねいたします。
#45
○政府参考人(山崎潮君) ただいまの点でございますけれども、日本に帰化した者は当然ながら我が国の民法が適用されるということになります。我が国の民法は夫婦同氏制でございますので、その扱いになるということでございます。
 したがいまして、現在、韓国では夫婦別姓の形になっておりますけれども、帰化をする場合にはどちらかの氏、あるいは新しく日本名を創設することもできますから、一つの氏で届け出ていただいて戸籍に記載をする、こういう扱いになります。
#46
○大森礼子君 そうですね。そうなっているわけです。ですから、別姓でしたけれども、日本で帰化しようとすると結局同姓になってしまう、強制でなるということですね。
 それで、先ほど言いましたように、非常に韓国の方は自分の先祖ということを大事にしますし、その姓も大事にする国である。今度、帰化要件を緩和して広く帰化を認めようと、その制度はよろしいのですが、しかしその場合、それを本気で進めようとするならば、合理的でない障害というのは取り除くべきだろうと思うんです。それで、特別永住者等の方にとりまして、同氏強制というのはもしかしたら合理的でない障害に当たるのではないか、このように思っているわけです。
 そこで、こういう流れがあるのであるならば、もともと夫婦別姓の国の方々への配慮の上からも、夫婦別姓、これはやっぱり認めていくべきではないか。そういう方々に認めるのであれば、日本においても別姓というのは認めるべきではないか、こういうことを一点指摘させていただきたいわけであります。
 最後に、官房長官、別姓についてお尋ねしたいんですけれども、今言った帰化のこの流れ、実現していくのであるならばこういう問題も起きます。それから、現行法のもとでも、果たして帰化のときに同姓というものを強制しているのがいいのかどうかという問題もあると実は思うんですね。それに加えて、日本の若い男女の方も希望しておられると。だから、別姓というのはもう時代の要請であると私は思うんです。先でやるんだったら、どうせやるんだったら早くやればどうかというのが私の考えでありまして、実際、どうも動きがあるということで、結婚しようとする人がこの別姓の民法改正になるまでもう少し待とうという、こういう待っておられる方が実は非常に多いんですね。たくさんメールもいただくんです。もうお互い結婚する意思があるのに、別姓のこの部分だけでそんなに待たせる必要が果たしてあるのかどうか。女性の方も年はとりますし、男性もそうなんですけれども、やはり妊娠とか考えますと、早くこういう方をハッピーにしてあげたらいかがなのかと。
 それで、男女共同参画担当大臣としては、こういう状況を一歩進める、政治生命をかけるかどうかは別としまして、こういうことも必要ではないかと。自民党は反対だけれども私がやろうと、このいきな計らいでも何でもよろしいんです。こうしますと、わあ、解禁になったということで結婚ラッシュになるかもわかりませんし、そうしますと、あの福田官房長官というのは我々の縁結びの神様であったとか、あるいは我々のキューピッドであったと、ミスターキューピッド大臣として後々まで語り継がれていく、こういういきな大臣が日本に出てきてもいいのではないか。そして、イメージ的にはまさに福田官房長官にその役を担っていただきたいなと、こんなふうに個人的には思っておりますけれども、官房長官、いかがでしょうか。やりましょうと言えませんか。
#47
○国務大臣(福田康夫君) 御意見は御意見としてよく承っておきます。以上。
#48
○大森礼子君 聞くだけでは意味がないわけでありまして、多くの男女に喜ばれたら、もう政治生命が何なんだぐらいな決意に立ってくださるような大臣が早くあらわれるといいなと思います。でも、官房長官期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、話題をちょっと変えますけれども、法務省にお尋ねいたします。
 売春防止法の中に婦人補導院というのがあるわけです。それで、これは売防法の規定によりまして、要するに客引き行為等をした場合に、条文の規定ですと、客引き行為等をした二十歳以上の女子に対して、「懲役又は禁錮につきその執行を猶予するときは、その者を補導処分に付することができる。」と。そして入るのが婦人補導院なんですけれども、これ、数字をお調べいただいていると思うんですけれども、時間の関係で私の方から申しますと、十二年、去年から十年間さかのぼりますと、平成三年から十二年までで入所者が三名であります。平成三年で二名、平成七年一名。これは、私、本当にこの判決言い渡しと同時にこれを受けた人なんだろうかどうかという疑問を持っているわけです。
 言いたいことは、時代にもかなっていないということですね。それから、売春をする傾向のある人を矯正するというのがこの目的だと思いますが、もう今本当に出会い系サイトとかいろんな形で、援助交際とかもある意味で売春行為ですが、しておりまして、もうこの法律の規定自体が余り合理性がないんだろうと思うんです。
 これまでも法務大臣に何度か聞きまして、中村正三郎大臣に平成十年十二月三日のときにこの点を指摘しましたら、大臣も、法の改正を含めてやはり検討すべきことじゃないかと思っていると。それから、陣内大臣にも確認しましたら、中村前法務大臣が法改正も含めて検討すべきとの見解を示されておる、基本的な考えは私も同様です、いろんな角度から検討を行っていると、こういうことがあるんですが、検討の過程はいかがか。これからもこの婦人補導院が必要だとお考えかどうか、時代に合ってこなくなっているんではないかという認識はおありかどうか、簡単で結構ですからお尋ねいたします。
#49
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。
 婦人補導院の活用については、ただいま委員からお話がありましたように、これまでも国会の場でいろいろと御指摘されました。私どもも部内で検討委員会をして進めてまいりました。
 今お答えを求められている婦人補導院が今後必要かどうかということでございますけれども、御存じのとおり、売春防止法及び婦人補導院法に基づいて婦人補導院というのは設置されているわけです。最近収容者がないとはいえ、平成以後合計十人補導処分を言い渡された者もおりますし、この補導処分の言い渡しを受ける者がおよそ将来にわたっていない、絶無であるということはちょっと言い切れないと思うので、そういった関係からやはり必要ではないかというふうに考えています。
#50
○大森礼子君 これからの時代は、補導処分をしたら逆に差別だといって問題になるんではないかぐらいに私は思っております。
 それから、問題は、今言ったように過去十年間で三名なんですね。そして、私の記憶に間違いなければ年間六千万ぐらいの予算がついていると思うんです。これをもっと可視的にしたらどうかというのが私の意見なんですね。かといって法務省としましては、売春防止法に施設として規定がある以上、これをなくすわけにはいかないということだと思うんですね。
 そこで官房長官、済みません、急に質問が飛びまして。この婦人補導院についてはいい施設に変えることができるんじゃないかとこれまで問題提起してまいりました。例えば、法務省管轄によるドメスティック・バイオレンス関係の公的シェルターですね。一つのシンボルみたいな形で公的シェルターとして運営するというやり方もあると思いますし、あるいは女性の人権センターのようなもの、これは今インターネットですから、そこに人が集まってなくても情報を発信するとか、いろんな使い方ができるのではないか。これを考えたときに法務省だけではやれないんです、売春防止法という規定がありますから。
 そこで、やはり法務省だけの問題ではなくて、調整役として官房長官も法務省と話し合って、この婦人補導院というものをよりよい施設に転換すると、こういうふうに希望したいわけなんですけれども、通告していなかったものですから答えにくいと思いますが、御検討いただけませんでしょうか。要望です。
#51
○政府参考人(鶴田六郎君) 婦人補導院の活用については、今、委員から御指摘になったようにいろいろ指摘されておりますが、ちょっと現状だけ御説明させていただきたいと思うんです。
 最近、少年非行が大変深刻化しておりますので、収容者も大分ふえております。今、婦人補導院は東京しかございません。東京婦人補導院は八王子の鑑別所と同じ建物の二階の一角に付設されているという状況です。その近くに多摩少年院というのがございまして、非常に収容がふえていますし、質的変化が出ておりますので、出院前の集中的な教育、例えば将来の設計をどうするんだというようなことに対する、個室でいろいろ自分で考えながらそれを文章化していくとか、あるいは、多摩少年院は男子少年院ですけれども、将来父親になった場合には父親として育児に対してもそれ相応の責任が出てくるだろうということで育児教室とか、そういった面でこれを活用させていただいているという実情だけお答えさせていただきました。
#52
○大森礼子君 それはわかっていますからよろしいかと思ったんですが、お答えになりましたから一言言うんですが。
 本来、婦人補導院として予算がついているものが、確かに人員とか少年鑑別所の、そっちの方に動いているんですね。これ自体がおかしいことではありませんかと。少年鑑別所として予算が必要になればその筋でとるべきでありまして、婦人補導院であるのであれば、その予算であれば、それに合った使い方をするのではないかということを私は平成十年十二月三日に質問しておりますので、またこれをごらんになっていただければ幸いです。
 以上です。
#53
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 きょうは、男女共同参画担当大臣ということで官房長官にお考えを伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 男女共同参画社会基本法ができまして、法に基づいての男女共同参画基本計画というのが昨年十二月に出されました。そこではいろいろと今までの皆さんの御努力も書かれていて大変ありがたい部分も多いんですが、実は男女共同参画ビジョンとか二〇〇〇年プラン、あるいは男女共同参画審議会の答申、こういうところで記載をされて最も実効あると思われているものが実は切れているところがあるんです。
 最も女性たちが期待をしていたものの一つに、給与から年金までずっと女性が差別をされ続けている男女賃金格差、こういうものの是正、解消に向けた実効ある取り組み、これが計画の中で明文化されておりません。例えば、答申には男女の経済力の格差是正とか、二〇〇〇年プランにありました男女賃金格差解消に向けた取り組み、グラスシーリング解消のための取り組み、こういうものが明文化からなくなっているわけですね。私は、ぜひこれは積極的に取り組んでいただく中身だというふうに思います。
 この間、この調査会でも働く女性の問題が論議をされておりまして、私も調べてみたんですが、一九八〇年には全就業者に占める雇用者、労働者と普通言うんですか、割合は六七・一%でしたが、九〇年には七三・四%、そして二〇〇一年には八三・九%。一般的に働くという方の中で労働者の占める割合が八三・九%で、そのうちの四割が実は女性なんですね。
 ですから、男女共同参画の実現にとって雇用の場における男女平等の取り組みが決定的で、これは単に厚生労働省という省庁の問題ではなくて、男女共同参画担当大臣としてリーダーシップを発揮していただいて、最も大切な職場での男女平等確保のために積極的に意見とか政策を打ち出していただきたい、こういう必要があると思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#54
○国務大臣(福田康夫君) 男女共同参画基本計画、ここにおきまして重点目標として、雇用などの分野における男女の均等な機会と待遇の確保、また男女の職業生活と家庭・地域生活の両立の支援などを掲げております。これらの課題の解消に向けて、雇用機会均等法の履行の確保、ポジティブアクションの推進、また仕事、育児、介護の両立のための雇用環境の整備、各般の施策に今現在取り組んでおるところです。
 政府も、今後ともこの基本計画にのっとって関連施策を積極的に推進してまいりたいと思っております。
#55
○八田ひろ子君 明文化されていないんだけれども、賃金格差の是正というのもきちんとやっていただきたい、そういうことなんです。
#56
○国務大臣(福田康夫君) この計画において明文化されておりません。おりませんけれども、今申しましたような重点目標というものを掲げてその線に沿ってやっていきたい、こういうように考えているところでございます。
#57
○八田ひろ子君 私ども、いろいろな運動をされる方からお話を聞くと、やはり文章にきちんと書いてあるというのがちょっと安心できるというのもあるものですから、これからもそういうのをやっていただきたいと思うんです。
 今度の国会で、先ほども官房長官おっしゃいましたが、育児休業法の改正案が提案をされて、育児休業、介護休業をとることによる不利益扱いの禁止というのがこの法案の中には明記されていますね。私はこれは当然だと思いまして、労働基準法にも産前産後の休暇とか育児時間の取得が最低基準として今も保障されていますけれども、私、昨年三月に労働・社会政策委員会でお尋ねをいたしまして、当時の労働省の女性局長が、産休等については労働基準法で不利益扱いの禁止の規定がある、育児休業についても育児休業法で育児休業をとったことを理由とする解雇を禁止している、基本的にこういう法律上認められた休暇を行使するゆえをもって不利益な取り扱いというものはなされないというのが望ましい、こういうふうにお答えになって、今回の法改正というのはこういう政府の立場を明記されているということで、私は非常にいいなと思うんです。
 労基法の問題では、産前産後の休暇とか育児時間の取得などの権利行使によって不利益扱いはされてはいけない、これも当然内閣の統一見解として確認させていただいてよろしいですよね。
#58
○国務大臣(福田康夫君) ただいま国会に提出しております育児・介護休業法の改正法案、これで労働者がより安心して育児休業を取得しやすい環境が整備されるように、事業主が育児休業等の申し出、取得を理由として不利益取り扱いをしてはならないことを明確に規定するということになっております。
 したがいまして、この法案を速やかに御審議していただいて成立させていただきたい。育児休業制度とともに、こうした不利益な取り扱いをしてはならないという趣旨を徹底してまいりたい、こういうことになるわけです。
 政府としては、男女共同参画基本計画において、具体的な施策として、妊娠、出産を理由とする不利益取り扱いへの対応を検討するという趣旨はここに盛り込んであるわけです。そういうことでございます。
#59
○八田ひろ子君 どうもありがとうございます。
 実際そうなんですけれども、実態ですね、今の企業で、私、この前テレビでニュースを見て、厚生労働省の方が流されたのだと思いますけれども、均等室への相談とか個別紛争解決の援助の申し出について、実は出産、育児に関してのトラブル、退職強要などの相談がふえている。その中身は、妊娠、出産を機に嫌がらせをし、退職強要をする、こうしたことがあるというんですね。
 今、大臣は、政府として一貫して許されないことだ、法改正もするんだとおっしゃるんですけれども、こういう実態に対して官房長官、どうお思いになりますか。
#60
○国務大臣(福田康夫君) よくないことですね。何とかそういうものを是正しなければいけない。そういう意味で今回の改正法案も出したわけでございますので、どうぞよろしく御協力お願いしたいと思います。
#61
○八田ひろ子君 本当に私もそう思うんです。ニュースを見ても本当にびっくりしたんですけれども。
 私、実はここに、ことしの三月に裁判所に出されました住友生命保険相互会社という会社の準備書面の副本の写しをここへ持ってきたんです。これは業界第三位の業績の会社なんですけれども、その会社が裁判に出した正式書面で、既婚女性を一律にくくって何て書いてあるかというと、「既婚者が産前産後の休業を取得したときには、結果として、労働の質・量が大きくダウンする」、「必然的に育児時間を取得する既婚者については、時間外労働を行うことは不可能となり、この点においても未婚者との間で提供する労働の質・量において自ずと差異を生じる」、こういうふうにここに書いてあるんです。
 要するに、こういうふうに既婚者は出産とかそういうのがあると。だから、その人が産休や育児時間をとっていてもいなくても、あるいは残業している方、産休をとっても残業するとか育児時間をとっても残業する人はいるらしいんですけれども、そういうにもかかわらず一律に結婚した女性は評価を低くする。これはここにも書いてありますけれども、労働の質・量がダウンしているんだから評価は最低。結果、未婚の役職の女性と比べて、年収が既婚者は三分の一ぐらい一律に低くなる、退職するまで既婚者は平ということが当然なんだというふうに書かれているんですね。ここでは、先ほど大臣がおっしゃったように、労基法上の権利行使は抑制されるし、実質的に労基法が保障した趣旨が失われると私は思うんです。
 ですから、一般論なんですけれども、官房長官、先ほどもうお答えはいただいているんですが、結婚しただけで女性が一律に低い評価になる、こういう理論が通るんでしょうかね、一般的にどうお思いになりますか。
#62
○国務大臣(福田康夫君) 今、実例ということでお挙げになったその例、実際にあるんですかね、そういうことが。今の時代にそういうのがあるというのは本当に信じがたい、そういう思いです。
#63
○八田ひろ子君 そうですね。私も本当にそういうふうに思うんですけれども、住友生命という会社、これをずっと読んでみますとまだあるんですね。
 家庭責任ということで、「結婚や出産後も勤務を続ける女性労働者にとって、家事・育児等の家庭責任は重くのしかかり、そうした負担が仕事への制約となって現れるという実態は否めない」。だから、既婚者と未婚者は「提供する労働の質・量に自ずと差異を生じる」。要するに、結婚した人は仕事ができないということで一律にくくっているわけなんです。
 男女共同参画社会の実現に向けて、先ほどもポジティブアクションのお話があったんですが、企業にも責任があると。これはことしの三月ですね、書かれたのが、出されたのが。だから、こういう時代にこういう時代錯誤な文章というのはどうなのかというふうに思います。
 当然ですけれども、女性が結婚をするとかあるいは子供を産むというのは男女共同参画社会にとっては必要だというふうに思うんですが、こういう理論が通っていけば、今私たちが論議している男女共同参画社会の実現というのは全く遠いと思って、政府自身が、私最初に明文化というふうに伺ったんですけれども、男女賃金格差解消の取り組みというのも、やはりそういった企業にも男女共同参画社会の実現のために責任があるんだと、そういうことを認識させていただきたいというふうに思うんですが、ポジティブアクションをとるという国の姿勢を示すということと、企業にそういう責任をとらせると、こういうふうではどうでしょうか、大臣。
#64
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生おっしゃいますように、例えば女性労働者が産前産後休業をとるとか、あるいは女性だけ結婚をしているということを理由とされる、あるいは女性についてだけ子供がいるということを理由として不利益な取り扱いということがあってはならないというのは、全く先生がおっしゃるとおりだというふうに思います。
 もしそういう事案がございましたら、各都道府県に労働局雇用均等室がございまして、そこで御相談いただければ、均等法等の趣旨に沿いまして企業を個別に指導し、問題を解決するように努力いたしております。
 今、先生御指摘の住友生命、個別の事案につきましては、全体的な判断が必要でございますし、また、まさに今裁判で係争中でございますので、ここではコメントをすることは控えさせていただきたいと思います。
#65
○八田ひろ子君 本当に一般的に言ってもこういうことがあり得るというのは驚くべきことで、私これを見てもうびっくりしたんですけれども、妊娠中の女性を重い資料やパンフレットを階段で運ぶ係にして、早産のおそれで入院をすると、上司がやってきて届けたのが退職願と、あるいは子育て中に保育所の送迎が困難な支店に転勤をさせると。
 ミセスだから嫌がらせをする、昇級昇格で差別をするというのは本当に信じられなくて、その結果、私これもびっくりしたんですけれども、現在も住友生命というのは子育て中の既婚女性に定期昇給率を低くしているんですが、二〇〇一年時点で一般職は全員女性なんです。男性はゼロ。明らかにさっきお話しになった均等法の運用面でも違反なんですが、二〇〇一年度入社の二百七十一人も、一般職は百六十九人、これ女性ですね、総合職百二人で、うち女性は三人なんです。
 だから、こういった企業もまだあるものですから、私、先ほどちょっと女性の勤務年数が短いというようなこともおっしゃったんですけれども、男女の賃金格差の原因はいろいろあるんですけれども、やっぱり均等法で法違反に対して厳しく対処する罰則が必要ですし、差別を迅速に是正できる救済機関というのも強化していただきたいと思うんです。
 先ほど大臣はポジティブアクションを言われたんですが、三月の人事院月報でポジティブアクションについての論文を拝見しました。ここでは、ドイツの男女同権法で昇進昇格の資格に関して、「女性の場合には育児・家庭などで勤続年数が中断されるということが考えられるため、このことによって不利益な影響を与えてはならない」、こういうのも外国にあるものですから、こういった諸外国のいいところもぜひ積極的に取り入れていただきたい。
 実は業者婦人のことも御質問したいと思ったんですけれども、時間がなくて終わりますけれども、ぜひ業者婦人の実態調査もきちんとしていただけたらありがたいと思って、私の質問を終わらせていただきます。
#66
○清水澄子君 社民党の清水です。
 私は、きょう官房長官に、男女共同参画担当大臣にいろいろお話を聞けると思って非常に楽しみにして来たんですけれども、先ほど、最初の質問に対して、この男女共同参画社会の意味というところでおやっと思ったんです。これは少子高齢化社会とか、もちろんそれに対してはそれにふさわしいものをしたらいいと思いますが、それがあってもなくても男女平等社会をつくるというのが基本なんですよね。そして、これは社会を活性化するためのものとおっしゃったので、私はその前に性別役割分業意識に基づく社会のあり方をなくしていく、いわゆる社会を民主化するということが本当は基本でないのかなと思って、これは大変だなと思って聞いていました。
 そこで、男女共同参画社会基本法をつくるときも、私は当時の官房長官に何回もこの法律は女性差別撤廃条約の理念に基づくものと認識してよいかということを聞きましたとき、そのとおりでございますとおっしゃっていたわけです。ですからそのつもりでいるんですが、それはいわゆる性差別の撤廃というのは、もちろん個々人の性別役割意識をなくしていくという意識改革というのはとても重要だと思うんです。
 しかし、では個人の意識が変わったら解決するかというとそういうものではない。それはそういう意識に基づいて社会の制度や慣行が中立的でないものができてきたから、だからそのことがまた個人の意識を規定していくという、やっぱり差別意識の再生産につながっている面という意味で意識改革というのは重要なんですけれども、もう一方では、女性が自立していくための環境整備というのは、それを阻んでいる政策、社会の制度や慣行、つまり雇用のあり方とか社会保障制度とか税制とか、それから保育や教育とか保健、介護といった社会サービスを含めた社会政策のシステムを改革していくのだということが私は基本の問題だと認識をしているわけです。
 ですから、性差別を撤廃するというのは社会構造のシステムを変えるという非常に大きな政治課題であると思うんです。そういうふうに私は認識していますけれども、官房長官、これどうなんでしょうかね、私の方が行き過ぎているんですかね、どうなんでしょう。ひとつ答えてください。
#67
○国務大臣(福田康夫君) 私は、清水委員のおっしゃることはよくわかります。
 基本的には人権とか、それからおっしゃった民主化とか、そういったような根本的な人間の問題、人間社会の問題ということからスタートしていることだろうと思います。しかし、その結果として、そういう社会の活性化とかいったようなことも起こるわけでございますので、私がすべてそういうことを申し上げていないということで、私がそういうことを考えていないというふうに理解しないでいただきたいというように思っております。
 社会制度とかサービスとか、そういうようなものを変えるというのは手段だろうというように思っておりますが、そのために日本人の意識をどのように変えていくかと、今の意識では足りない部分があるんだというようなことを我々の力でどの程度浸透させることができるかということではないかと思いますが、これは根本的には国民一人一人の考えることでございますので、そういうような国民の自意識と申しますか、責任感と申しますか、そういったようなものが根本的には大事なんだろうというふうに思っております。
#68
○清水澄子君 わかりました。
 国民も一人一人考えなきゃいけないんですけれども、それをやっぱり政策上やる、そのために男女共同参画担当大臣というのがあるんだと思います。それが新たにできたのは、そういう国際的な大きな流れの中で国連を中心にした世界の女性たちの合意で、これは各国でそういう方向に向かって、それぞれの社会のこれまでの男女役割意識を中心にした制度や法律を変えていっているんだと思うんです。
 そういう中で、私お尋ねしたいんですが、そういう位置づけの男女共同参画という視点、この政府の経済財政諮問会議は、これは構造改革をやると言っているわけですけれども、その議論の中でそういう視点といいますか、問題提起が中心的に議論されたでしょうか。これからの経済産業を構造改革するという中で、どういう問題提起がされたんでしょうか。
#69
○副大臣(松下忠洋君) 竹中大臣がこれを主宰しておりますけれども、竹中大臣の方にもそういう話をきちっと申し伝えるようにいたしたいと、そう思っております。
#70
○清水澄子君 今まさにこの構造改革をするときこそ男女役割意識に基づく今までの制度すべてをぜひやっぱり改革しながらいかないと、せっかく構造改革するときに、それが別の問題になったら、私は非常に何かここで議論していることが実効性を持たないと思います。
 そういう意味で、新たに五百三十万人の雇用創出案というのが出されて、先ほどからいろいろお話しされました。しかし、これが果たして本当にジェンダーの視点で性差別をなくすということで問題意識を持たれているのかどうかというと、非常に不安ですね。
 サービス産業、サービス業の中で働く人たちというのはほとんど女性の非正規職員とかパート、そして低賃金、アルバイト、そういう人たちで七、八割担わされている。それが今日の女性労働の中の、本当に一人で食べていけないといいますか、きちんとした雇用の待遇を受けていないという、そういうことが一番女性労働のところで問題になっているわけです。
 それを私はいつもここで議論をして、いつでも一番最初に女性の自立の社会的環境をつくるということは、やはりまず、さっき南野さんの方も女性は勤続年数が男性より異なるからと、さっきの裁判の場合の男女の賃金格差の問題のところ、そういう説明をされておりましたけれども、なぜ勤続年数が短いかというと、これ間接差別の問題なんです。育児やら介護やらいろいろ女性はそれを担う、そしてそのことが低い職業にしかつけないとか。
 だから、そういう間接差別の問題についてもっと男女共同参画社会基本法の中でこれをきちっと問題にして解決していくという方向をとらないと、これは本当に解決できないということと、もう一つは、やはり女性が非常に今、日本では特にパート即低い賃金、低い身分ということを正していく。そのためにも、ここでは男女の同一労働同一賃金という原則をまずきちんとつくるべきだ、法律をつくるべきだということと、パート労働の均等待遇法というのをきちっとつくる。そういう中で、男性でも女性でもちゃんと働いたら一人で生活していける、そういうことが確立しないと自立というのは難しい。そこがきちんとしないと、老後のときに年金において経済的な自立を確保できないということを私はずっと主張してきました。
 ですから、そういう問題をやるに当たっても、今回の雇用創出案というのは非常に楽観的なんですが、中はとてもとても大変な、これはもうきちんと税金も払い、社会保障の保険料も払い、そして自分が自立して生きていけるという本当の意味の雇用といいますか、それに値する雇用になっていない内容が多いです。ですから、現実をもうちょっと調査されて、その中で、特にこのジェンダーの比率とか、女性労働がどういう実態になっているかということをぜひ調査をされた上でこういう政策を出していただきたい、私はそのことを強く要望しておきます。
#71
○政府参考人(坂東眞理子君) 今、委員の御指摘、重々私どもも真剣に受けとめて、男女共同参画会議の専門調査会等々でも検討をしていただきたいと思っております。
#72
○清水澄子君 さっき官房長官、リプロダクティブヘルス・ライツについては法律の一本化はしないと断定されましたけれども、これはよくないですよ。国際的にも日本の現状は物すごいおかしな法律が多いんです。例えば、堕胎罪もそうですけれども、母体保護法というのも非常におかしな法律なんです。ですから、そういう自己決定権というのは女性の人権ということで国際的にはもう約束事になっている。日本も署名してきているんですよ、世界の国際会議で。
 ですから、このことは法律を一本化しないというのじゃなくて今後検討するということと、選択的夫婦別姓はいずれは実現するということはやっぱりおっしゃってくださらないと、この調査会としては非常にただ何か、もちろん今はすれ違うかもしれないけれども、私はこれは当然のことだという形で受けとめていただきたいと思います。
#73
○国務大臣(福田康夫君) いろいろおっしゃられましたけれども、確かに今現在が満足すべき状況でないということで、男女共同参画社会というものを実現するためのいろんな方策をやろうということでやっているわけですから、ひとつこの努力に対して御理解いただき、また応援をしていただきたい、そしてでき得る限りの進展を図りたいと、こう思っております。
 先ほど経済財政諮問会議の話がございましたけれども、この中でも、女性とか高齢者の社会参画の拡大、それから就労形態の多様化とかいったようなことも取り上げておりますので、これもこの諮問会議の大事な議論だと、こう思っておりますから、ひとつどうぞ御安心をいただきたいと思っています。
 また、リプロダクティブヘルス・ライツ、これは、先ほど申し上げましたのは、今現在そういう既存の法律を使ってうまく運用していこうと、こういうことなのでありまして、当面こういうことでやるということ、未来永劫そうじゃないということを言っているわけじゃないんで、ひとつそれはそういうことで御理解をいただきたいと思っております。
#74
○高橋紀世子君 清水委員のおっしゃった、本当に女性の自立というのは大変なことであると思いますし、社会的な応援も必要ですし、私たちの意識も自分自身で高めていかなければいけないと思います。
 先ほどからこれ質問が何度も出てしまったんですけれども、また重ねて質問をさせていただきます。
 福田官房長官にきょうは、私は、福田先生の奥様のお父様が実は私の行っていた学校のPTAの会長でいらして、私たちよく知った方と福田先生が結婚なさったので、代議士の福田さんというのではなくて、PTAの会長のお嬢さんをもらった方という意味で私は大変記憶に残っておりましたら、またこういうふうに運命で御一緒させていただくことになって、何か本当に何とも言えない御縁を感じております。
 きょうは、素人っぽい質問なんですけれども、また同じように夫婦別姓のことを質問させていただきます。
 夫婦が同姓を名乗ることを法の下で強制するというのは私はどうしても納得いきませんし、また、これは法律ではないんですけれども、どうも結婚した場合、男性の方の姓を名乗るんだというのが何かまかり通っているように思うんです。
 それで、本当に素人的な単純な質問なんですけれども、官房長官、この選択的な夫婦別姓の導入について、今までいろんなお話がありましたけれども、率直にどう思っていらっしゃるでしょうか。
#75
○国務大臣(福田康夫君) なかなか私も、女性の方の気持ちというものをよく理解しないでおったところは非常に悪かったんですけれども、数年前まで結婚すれば男の姓になるというのは当たり前だと、こう思っておりました。高橋委員もそうでしょう、御主人のお名前にした。これは昔から当たり前だったんですよね。
 そういうように、我が国の社会ではそういうことが当然のことのように言われ、思われ、そして広い支持を得ていたということでございますので、これは今現在そういう考え方でいらっしゃる方は日本全体の中で随分多いんではないかというように思います。
 ですから、まず今現在どうなのか、そしてこれからどうなるかということを考えた上で、どちらがいいのかというのは、これはもう広く国民の皆様方の御意見を聞きながら決めることなんだろうというふうに思います。そういう観点から、ことしじゅうに世論調査をしようということでございまして、別姓がいいのかどうか、選択的別姓がいいのかどうか、この世論調査をして、その世論調査結果を参考にしながら考えていこうと、こう思っているところです。
 前回、五年前に一回調査をやりました。そのときには、今までと同じような方がよろしいというのが若干多かったんですね。しかし、この数年間でもって非常に考え方が変わってきたんじゃないかなと、こう思っております。そのことがこれからの社会づくりのために本当に有用だということであれば、そういうふうにすべきであるというように思いますし、これからその辺のところを慎重に見ていきたいと、こう思っております。
#76
○高橋紀世子君 これちょっと本当に私ごとなんですけれども、私の祖父母、私の父の両親は三木という名前なんですけれども、それは祖母の方の名前をつけているんですね。
 祖母が家を継いだとか、大きな家だったとか全然関係ないんですけれども、祖母は山から出てきて、町中でもないんですけれども、奉公に行っていたうちの人にかわいがられて、そこで土地をもらってしていて、そして猪尾さんという人と恋愛をしたんです。なぜ三木にしたかというと、祖母の方が年をとっていたから、そして祖父の方が家柄が少しよかったから、将来捨てられちゃ困るから、三木にしちゃえ、三木にしちゃえといって三木にしたというふうに私は田舎に行くたびに聞いております。随分近代的だったなと。それは夫婦別姓のはしりみたいなものだったなと。ばあちゃんが、振られちゃいけないから三木にしちゃったと。
 それで、父も、三木武夫の方が猪尾よりずっと選挙に通れたし、何やかや。ばあちゃんが年寄りだったために、少し年とっていて、それで、子供がなかなか生まれなくて、三木にしたんだけれども生まれなくて、お地蔵さんや何やかんやに拝んでいるうちに、年とってから高年出産で、一人だけやっと生まれたのが父で、おばあちゃんはこれは神様の子だなと思って、お金もないのに大事に育てて、私がよく徳島に帰るようになったら、あんたのばあちゃんはわしのことを呼びつけして、息子のことを武夫はん、武夫はんと呼んでいた、神様にもらった、もらったと言って呼んでいたよなんという話がありますけれども、それで三木になった。
 今いろいろ姓のことで言っていますけれども、田舎の話を聞くと、何だか夫婦別姓だとか何だとかって、何か歯ぎしりして闘っているのがおかしいみたいに、振られるから三木にしたんだよなんていった話を聞いて、おかしいなと私は時々思ったりしています。
 それから、もう一つ質問。
 日本で夫婦はとか男女は平等だという憲法があるのに、皇室典範というのですか、天皇は男性じゃなきゃならないと。この間、雅子妃が妊娠なさったといって大騒ぎで喜びましたけれども、でも何だかすごく大変なことで、これもし中に入っている方が女だったら、またどうなるのかわかりませんけれども、どうも困ると思うんです。
 それで、憲法にそれこそ男と女は平等だと書いてあるのに、皇室の中では女の人は結婚すると皇室から出されるし、男の人は、もう三笠宮でも何でも、結婚しなくてもあの中にずっといられるって、何かすごく私は理屈が通っていないなと思ったりするんですけれども、長子であれば女性も天皇に即位できるよう皇室典範を改めるべきだと私は思うんですけれども、官房長官、大変失礼ですけれども、御意見を聞かせてください。
#77
○国務大臣(福田康夫君) 今度、雅子妃が妊娠されて本当によかったと思っています。同時に、そういうふうな心配をしてくださる方がたくさんいらっしゃるというのも、これもそれだけ皆さんが喜んでいらっしゃる証拠だろうというふうに思っております。
 この皇位継承制度というのは、皇室の歴史とかそれから伝統、そして、国民がどのように皇室を見ているのかということとの関連でもって考えていくということが大事なんだろうというふうに思っております。皇室に対する気持ちが国民の中でどのようなものであるかというようなことをそんたくしながら考えるべきものだろうというふうに思っています。
 ですから、この制度のあり方の問題は、単に男女平等という観点だけでなくて、国民のそういう意見がどういうものなのかということもあわせ考えるべき問題ではなかろうかな、こう思っております。ですから、いかに幅広い意見を集約することができるかどうか、そういうことをこれからしていかなければいけないかな、こんなふうに思っております。
#78
○高橋紀世子君 ありがとうございました。
 でも、明治からはわかりませんけれども、私もそんな歴史的知識がある方じゃありませんけれども、昔は女の天皇も日本にいらしたんじゃないでしょうか。それは、国民的には男性だけが天皇という、ちょっとそういうふうには受け取れませんで、明治時代のときにそういうふうになったんじゃないかと思ったりしておりますけれども、私は国民的には女性が天皇でも受け入れられる国民だと、そんな気がいたします。
#79
○国務大臣(福田康夫君) 基本的には私も反対じゃないんですよ。むしろ賛成に近いのでございまして、そのことは御理解ください。ということでよろしゅうございますか。
#80
○高橋紀世子君 ありがとうございました。
#81
○会長(石井道子君) 本日の調査はこの程度とさせていただきます。
 本調査会の設置以降、男女共同参画社会基本法が成立し、男女共同参画会議が設置されました。さらには、三人の女性知事が誕生するなど、男女等共生社会をめぐる状況の変化には大変目まぐるしいものがございました。
 本日までの質疑、意見交換をもとにいたしまして、各理事とも御相談をいたした上で、本調査会の最後の成果となる最終報告書の取りまとめに向けて対応してまいりたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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