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2001/04/18 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 国際問題に関する調査会 第6号
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2001/04/18 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 国際問題に関する調査会 第6号

#1
第151回国会 国際問題に関する調査会 第6号
平成十三年四月十八日(水曜日)
   午後二時十一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         関谷 勝嗣君
    理 事
                佐々木知子君
                山本 一太君
                今井  澄君
                高野 博師君
                井上 美代君
                田  英夫君
    委 員
                泉  信也君
                入澤  肇君
                亀井 郁夫君
                畑   恵君
                山内 俊夫君
                佐藤 雄平君
                広中和歌子君
                本田 良一君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
                緒方 靖夫君
                高橋 令則君
                島袋 宗康君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        鴫谷  潤君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国際問題に関する調査
 (「二十一世紀における世界と日本」のうち、
 国連の今日的役割について)

    ─────────────
#2
○会長(関谷勝嗣君) ただいまから国際問題に関する調査会を開会いたします。
 国際問題に関する調査を議題といたします。
 本調査会は、第百四十三回国会において設置されて以来、調査テーマである「二十一世紀における世界と日本」のもと、国連の今日的役割、東アジアの安全保障、我が国外交のあり方などにつきまして、さまざまな角度から調査を進めてまいりました。
 最終年を迎えまして、そろそろまとめに入る段階に至っておりますことから、本日は、ただいま申し上げました調査項目のうち、国連の今日的役割について、これまでの調査を踏まえ、いろいろと御意見を伺うことといたしました。本調査会の成果を実り豊かなものといたしますため、忌憚のない御意見、御提言をお述べいただければ幸いに存じます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず大会派順に各会派より十分以内で御意見をお述べいただきます。次に、意見表明が一巡いたしました後、午後五時ごろまでを目途に自由討議方式により委員の皆様方で自由に意見交換を行っていただきたいと存じますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、御意見のある方は順次御発言をお願いいたします。まず、佐々木知子君。
#3
○佐々木知子君 自由民主党の佐々木知子です。
 本調査会は、平成十年八月のスタート以後、「二十一世紀における世界と日本──我が国の果たすべき役割──」について、世紀の節目をまたぐ形で精力的な調査を進めてまいりました。特に、二年目以降は国連の今日的役割について多角的観点から重点的な調査を行い、内外の二十名にも及ぶ有識者、研究者、加えて河野外相や現職の国連大使にも本調査会に出席賜り、積極的な議論を行ってまいりました。
 国連が創設されて五十六年、我が国が国連に加盟して四十四年がそれぞれ経過いたしました。そんな時期に本調査会がみずから国連をテーマに設定し、体系的かつ集中的に調査することは国会史上初めてと申し上げて過言ではなく、これまで能動的、積極的に議論してきた意義は極めて大きく、中長期的観点に立った参議院らしい調査であったと考えております。
 その締めくくりに当たり、私は、新世紀の国連の役割、とりわけ我が国の積極的な参画による国連改革について意見を申し述べたいと思います。
 昨年五月の本調査会において、同僚委員であった河本理事、鈴木理事、武見委員、野沢委員から意見表明がなされた国連の今日的役割についてはそれぞれ同感でございますので、本日は主として、国連に関する三年目の調査と国連ミレニアム・サミット以降の動きを踏まえ、論点を絞った形で意見を述べてみたいと思います。
 まず最初に、我が国の安保理常任理事国入りについてでございますが、結論として我が国は常任理事国になるべきと考えます。そのためにあらゆる外交の場をとらえて常任理事国入りの意思を明確に表明し、国際社会に強く訴えるべきであります。
 国連において国際の平和と安全を守る中心的役割を担っているのは安保理ですが、冷戦後、国連ではその改革の論議が続けられております。国際社会において紛争の性格や形態が変化し、伝統的な安全保障の分野のみならず、人道、開発等の分野でも安保理の重要性が高まっていて、軍事面のほか経済社会分野で貢献できる国の役割が増大しているのでございます。
 これまで我が国は、世界有数の経済大国として、平和、安全から経済、社会、文化に至るまで、国連の多岐にわたる活動に積極的に取り組み、財政面でも多大な貢献をしてまいりました。これはこれとして一定の評価を受けていることでございますが、我が国がその責務に合った国際社会の期待にこたえるためには、国際の平和と安全により能動的、積極的に取り組める地位を与えられなければなりません。
 世界のGDPの一五%を占める我が国は、貿易や資源の面で世界じゅうの国々とかかわりを持ち、各地で多発する紛争の影響を直接間接にも受けております。北東アジアの多国間安保など、我が国を取り巻く国際安全保障環境を考えた場合でも、我が国が常任理事国という地位を得て発言することはその議論に重みを増し、国益を守る上でも望ましいと考えます。
 常任理事国という地位は、国際社会及び他の国連加盟国に推されて受け身でなるものではなく、国益にのっとってみずからかち取るべき座であります。日本が国連改革の先頭に立てば、その地位はおのずから手に入るとの見方もありますが、多国間外交で最も重要なことは、まずは有力な発言の場を常に確保しておくということでございます。実際、国連本部に行ってみればわかりますが、安保理の理事国でなければ安保理の会議場に入ることさえできず、外の待合室にいて中の審議状況をうかがうということしかできないのです。
 また、我が国が常任理事国入りを目指すことをはっきりと示さなくては、我が国外交は顔の見えないという評価を受けることでしょう。その意味で、改革された国連においてなし得る限りの責任を果たす用意があるといった姿勢では、これまで国連の内外でさまざまな貢献をし、米国に次ぐ財政貢献をしてきた日本が、国連改革に一歩腰が引けているといった印象を与え、常任理事国入りのメッセージとしては十分ではないと考えます。
 日本の常任理事国入りが国連や国際社会にどのような利益をもたらすかについては、主として以下のことが言えると考えます。
 第一に、非核三原則を国是とし、戦争をしないことを明言している国が常任理事国の一角を占めること自体に大きな意味があるということです。日本が平和、軍縮・核不拡散について国連の中枢部で議論をすることで、核廃絶という人類の悲願達成に寄与することができるのではないでしょうか。
 第二に、第二次世界大戦戦勝国である五つの常任理事国に加え、そうでない国が加わることは安保理の正統性を高め、二十一世紀にふさわしい国連をつくることができるということです。
 第三に、紛争防止や紛争原因の除去への取り組みの中で、個々の人間の生存、生活、尊厳を守る人間の安全保障の考え方が重視されるようになってきており、人間の安全保障を外交の柱とする日本が安保理で果たせる役割は大きいということでございます。
 第四に、我が国が北からは先進国としての、南からは途上国の事情を理解し主張を代弁してくれるという期待を背負ったユニークな国だということです。
 国連がグローバリゼーションの負の部分に対処していくには、NGOも交えて国連改革の論議を進めていく必要がありますが、日本はこうした論議をより望ましい方向へと導いていくポジションにあります。
 安保理改革作業部会での論議が始まって七年余りが経過いたします。昨年九月に採択されたミレニアム宣言に、「全ての面における安保理の包括的な改革の実現のための努力を強化することを決意する。」とございますが、これで我が国の常任理事国入りに道筋がついたとは言いがたいと考えます。我が国は、G8沖縄サミットにおいて安保理を含む国連の改革や強化が確認されたことも踏まえ、安保理改革について各国首脳が政治レベルでの議論を行うよう訴えるべきです。
 九五年の国連創設五十周年は安保理改革の一つの目標とされましたが、その後、安保理改革の機運が弱まったことを考えれば、国連創設六十周年に当たる二〇〇五年を目標に改めて具体的な戦略の詰めを行うべきであります。多国間、二国間のあらゆる場を用いた外交努力が必要であり、国会議員もこうした動きを支援する議員外交を展開すべきであると考えます。
 なお、常任理事国たるにふさわしい実績をつくるという観点から、来年の非常任理事国選挙にはぜひ立候補するよう政府に求めたいと思います。
 次に、新世紀の国連の課題については、三点あると考えております。
 第一に紛争への取り組み、第二に人間の安全保障、第三に文化の分野における活動です。
 紛争の予防には、国際社会全体に予防の文化を育てていくとともに、紛争発生前から紛争発生後の幅広い段階で多様な政策手段を用いて取り組む包括的なアプローチが必要です。すなわち、紛争の予防から平和維持、平和構築、さらには貧困など紛争の潜在的要因の除去、紛争の解決まで段階に応じた対応が必要であり、平和と開発とのリンケージが重要です。また、コミュニティー、国、地域組織の各レベルに応じた対応能力の強化が必要であると考えます。
 この意味において、ODAは国内の社会集団間の不平等や対立の緩和のためのプログラムに充てるべきではないでしょうか。また、開発政策や治安政策が不平等や対立を増幅させ紛争の発生を招くことのないよう、幅広い対話や協議を行う必要がございます。
 平和と安全の確保のための取り組みと、経済社会開発のための取り組みは連携すべきです。紛争が起こって緊急人道援助が要請されれば、各国の政府から支援があり、NGOも支援活動を行いますが、紛争が解決の方向に向かってしまうと、国際社会の関心は薄れて緊急人道援助支援が減り、一方で安定した政府が樹立されていないため、開発のための長期的な資金援助も受けられません。紛争後の平和構築においては、緊急人道援助から長期的な開発援助までの空白の期間を解消し、紛争の再発につながる状況を防止するため、国際支援を途切れなく行う必要があります。
 また、紛争が平和に向かって進んだとき、内戦や民族浄化によって互いに恨みや恐れを抱いている人々がともに生きられるよう、共生の基盤づくりが求められております。複数の民族を同じ工場で働かせたり、紛争後の社会に生き残った女性を中心とするUNHCRのプロジェクトは多くの示唆を与えてくれます。こうした取り組みには我が国を初めとする国際社会の腰を据えた息の長い支援が必要です。
 紛争への取り組みにおける国連平和維持活動、PKOについてでございますが、今日、PKOの任務は伝統的な停戦監視から難民支援、行政部門、復興開発などにまで広がっており、アナン国連事務総長が設置した国連平和活動検討パネル、紛争後の平和解決を組み込んだ複合型のPKOに我が国も可能な協力を行うべきであると思います。
 PKO協力法が制定されて既に八年余りがたち、これまでカンボジアやゴラン高原、東ティモール等で着実に協力の実績を積み重ねてまいりました。昨年十二月の世論調査でも、こうした活動に現在と同じ程度あるいはそれ以上に参加すべきと考える人は全体の八割近くを占めており、PKO協力は既に国民の幅広い理解と支持を得たと考えてよいと思います。PKF本体業務の凍結解除や必要な法整備を早急に行い、PKO活動への人的貢献を一層強化していくべきであります。
 第二に、人間の安全保障についてでございますが、二十一世紀を迎えた国際社会は、紛争、貧困、難民、人権侵害、エイズなどの感染症、犯罪、テロ、環境など、さまざまな問題に直面しています。また、女性や子供などの社会的弱者がその権利を尊重され、才能を発揮し、すべての人々が共生できる社会を築いていく必要があります。こうした問題への取り組みにおいて、人間の安全保障の考え方がますます重要になっています。
 我が国は、これを外交の柱に据え、国連に設けた人間の安全保障基金への拠出により、個々人に直接成果が行き渡る事業の実施支援に力を注いでまいりました。今後は、こうした具体的な取り組みもさらに拡充強化するとともに、人間の安全保障を政策概念として整理し、各国の政策の立案や実施に役立つ実際的な手段に発展させることが求められていると考えます。緒方貞子さんが共同議長に就任される人間の安全保障に関する国際委員会での論議を初めとして、知的な営みの積み重ねが必要であります。
 人間の安全保障は、日本がそのユニークさを生かすことのできる政策概念であり、世界に通用するスタンダードをつくり出し、それを多国間外交の場で生かせれば国際社会をリードできることにもなります。
 第三の文化の分野につきましては、時間の制約上、同僚議員の発言に譲りたい思います。
 最後に要望的意見でございますが、本調査会は、二年目に国連の今日的役割について多角的かつ重点的な調査を行い、事前の各会派合意と中間報告を踏まえて国連ミレニアム総会に向けた調査会の提言を目指し、その過程で、当時の井上会長から各会派に「新生国連に向けて」と題する試案が提示されました。
 これは、国連に対する日本国民の熱意と多様な民意を伝えることによって、国連を新世紀の諸課題に取り組める機構に発展させる一助とし、日本の議会と国連との橋渡しの役割を担おうとしたものであり、多くの会派の代表から妥当かつタイムリーとの基本的賛意が寄せられましたが、残念ながら全会派一致の成案には至ってはおりません。
 冒頭にも申し上げましたが、国連に関する体系的かつ集中的な国会の調査は今回初めてのことであり、昨年提示された会長試案は本調査会の議論の水準を示すものでございます。したがいまして、最終報告におきましては、国連ミレニアム総会に向けた提言の試みについて審議経過で触れるとともに、会長試案も今後の幅広い議論の資料として報告書に盛り込んでいただきたいとの要望を申し上げて、私からの意見表明を終わらせていただきたいと存じます。
#4
○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございます。
 次に、佐藤雄平君。
#5
○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。
 今国会からこの国際問題調査会に出させていただきまして、本当に今までいろんな方のお話を聞いて、ある意味では感銘を覚え、またある意味では国連の一つの絶対主義というか、これが意外にも役に立っていないところもあるなと、さまざまな思いで聞いておりました。
 その中でも、私が感銘を受けたのは緒方高等弁務官の話、これも本当に戦火に行って命さながら頑張っているあんな話を聞くと、我が日本の人もさまざまなところで頑張っているんだなと、そんな思いをしておりましたら、ちょうど今、その緒方さんが今月号のたしか文芸春秋に十年間を振り返ったみずからの手記を書いております。
 その中で緒方さんが言っていることは、東西冷戦構造が終わって難民は少なくなるかなと思っていた。ところが、全くそれが結果的には逆になって、難民の数が、これはアフリカでも東ヨーロッパ、中東、それから東南アジア、こんなにたくさん出てきていると。冷静に考えてみたら、東西冷戦構造の中でいわゆる地域的な、そしてまた民族的な、さらにはまた宗教的なことが隠れていたのかなと。
 その意味から申しますと、私はやっぱり国連の役割というのは、今までの東西冷戦構造と同時に、今後、地域紛争についての役割でさらにまた大変な役割を担わなきゃいけないんだなと。これはまた考え方によっては、東西の冷戦構造よりも国内で起きる一つの民族闘争とか宗教というのは、なかなかこれは我々の感覚、いわゆる世界一般的な常識の中では解決できない複雑な問題が絡んでいるので、これは本当にさまざまな見地から私は今後それぞれの紛争解決のために努力していかなきゃいけないんだろうと。そういうふうな意味で、国連の今日までの役割と、さらにまた次の時代にわたる大きな役割というのがまさにその地域的な紛争にあるのかなと。
 さらにまた、きょうもCO2の削減で参議院で決議をしたわけでありますけれども、次の問題というのはやっぱり環境問題、それからエネルギー・資源の問題、それからまた、先ほど佐々木先生がおっしゃいましたけれども、感染症を含めたWHOの役割、これも大変な問題があるであろうと。これは、今日までの紛争と違うというのは、国民共通、全世界の共通、また地球の大きな問題であるので、それぞれの国同士の話じゃない。特に地球温暖化については、アメリカが離脱するなんという話は、京都会議のときに参加をしていたわけですから、何といってもやっぱりアメリカというのは国連の中で最大の影響を及ぼす国なので、この地球環境についても真摯に国連中心に頑張ってもらわなきゃいけない。
 それはホーキング博士が、あと一千年しか地球はある意味ではもたないであろう、災害もしくは温暖化によって住めなくなってしまうと。本当にこれは、失われた自然はもう取り戻すのはできないと、世界周知のことなわけですから、私は地球環境、これを今後の課題の中の最大課題として取り組んでもらいたいと思いますし、またエネルギーの問題も、これも化石燃料、いわゆる油についてもある程度の、五十年、六十年という限界があるとまで言われているわけでありますから、そういうふうな中で世界の経済成長というか経済活動というものもある意味では国連がコントロールするというか、要するに十年、二十年の経済成長をも国連主導になるぐらいの状況じゃないと、これもいずれ枯渇する話になって、人類の存亡、生物の存亡にかかわる問題になるんじゃないかなと。そんな思いをして、いわゆる今日の問題でもあるし、また将来の問題でもある、これはもう国連しか解決できない、一国、二国では解決できない問題なので、そういう意味でも大きな国連の課題であるなと。
 さらにまた、私はこれを解決するというか、いい方に導くには、やっぱり国際的な一つの理念ということをつくることが大事だと思うんです。いわゆる市場社会の中ではやっていけない国際的な理念。
 今度の教科書の問題にしても、日本からすれば、何で中国、韓国から言われなきゃいけないんだと言うし、中国、韓国から言わせれば、歴史の史実を曲げられたら困るという。お互いがぶつかり合う中でどこかやっぱり調整というかそれが必要なわけですから、環境問題、資源問題についてももちろんでありますけれども、国際間の一つの統一見解的な理念を創造するということはうんと私は大事だと思うので、これも今後の国連としての大きな課題に挙げていただきたいと思います。
 それとまた、これはクローンの話、これもまた個別になるんですけれども、クローン人間をつくっちゃいけないという法律が昨年日本の国内ではできました。紀伊国屋で出版している本の中で、「クローン無法地帯」という本があるんです。これを読むともう本当に末恐ろしいというか、そのコピーがそれぞれ開発途上国で売っておりまして、だれがいいですか、これがいいですかと、それぞれの同じ染色体を持ったものを売買している。これは力の強いものとか、ずば抜けて才能のある、頭のいいものとかそんなのを売っている姿を、これはバーチャルですけれども、これを見ると本当に恐ろしいし、しかも先般も、アメリカであと二年以内にクローン人間をつくることが可能になってきたと。
 これもやっぱり私は、これはある意味ではもう日本が中心になるべきだと思うんですけれども、それはなぜかというと、日本は東洋文化、西洋文化、両方を持っておりますから、人の生命の尊厳、それから日本流で言う寿命なんというふうなこともある意味では容認できる感覚を持っているんで、あくまでも西洋医学的な感覚の中でないものというのは生命倫理にもあると思うし、人間の尊厳というふうなものにもあるので、私はその理念もそういう意味でも必要であると。
 さらに国連の中で、オリンピックはあるけれども、文化の祭典というのが世界にないんです。これも去年の十月、中国に林義郎先生の訪中団で行ったんですけれども、話していると、いろいろ外務省もやっているんだけれどもなかなかその功を奏していないということが現実なんですが、つい町中に出てカラオケ屋に行ったら、今中国で一番人気があるのは宇多田ヒカルという話であって、やっぱり文化というのは、要するに外交政策というふうなフォーマルなものじゃなくて、今のインターネットの社会、これだけ情報文化の社会になるとリアルタイムに日本の文化というのは歌で実は中国人民の中に入っていけるんだなと。
 そんなことを思うと、やっぱりいろんな思想を超越した中で、私は文化、芸術というのは超えられるものだと思うので、国連の、中でも文化、芸術の振興、それでしかも各国間のそういうふうな向後、連帯感というか、そんなことも必要ではないかなと、そんな思いをしております。
 国連の今までの役割、そして今の当面の問題、さらにまた将来の国連の課題ということで、私なりのその意見を述べさせていただきました。
 ありがとうございました。
#6
○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。
 高野博師君。
#7
○高野博師君 国連の今日的役割について何点かに絞って意見を述べたいと思います。これは党の見解ではなくて、私個人の考えであることを断っておきたいと思います。
 冷戦後の国際情勢の変化と地球的規模の問題群の深刻化に伴って、国連の役割が増すことはあっても減少することはないと、それに対応するためにさまざまな国連改革が必要であるという、そういう前提に立っての意見であります。
 言うまでもなく、国連の最も重要な役割は国際の平和と安全を維持するということでありますが、これが事態、状況によっては機能不全に陥るおそれがあるという問題が存在します。もちろん冷戦時代も同様の事態はしばしばありました。
 そこで、二十一世紀の平和にとって最大のテーマは、恐らく米中関係であることは間違いないと思います。先般の海南島上空での米偵察機と中国戦闘機の衝突事故については、依然解決はまだしておりませんが、ブッシュ政権が中国を戦略的ライバルととらえる考え方からしても、二十一世紀の新たな冷戦の始まりを予感させるものがあります。これは、日本の国益あるいは日本の将来、あるいは日本の安全保障にとって極めて重大なことであろうと思います。
 そこで、万一、将来米中の衝突が起きた場合、これはあってはならないことでありますが、あるいは武力衝突寸前の状況になった場合、国連は果たして何ができるのかということであります。
 安保理は拒否権の発動でほとんど機能しないだろうと思いますし、総会での非難決議がせいぜいのところだと思います。ましてや多国籍軍の出動というふうなこともあり得ない、同盟軍の出動はあり得るかもしれませんが。この拒否権を持つ大国間の衝突の場合は、国連はほとんど無力であるというこの現実は、国連発足当時からの国連の持つ構造的な弱点でありますし、あるいは国際社会の中に軍事的な超大国が存在するというそういう問題がありまして、これは依然として戦後何も変わっていない。この厳しい現実を十分認識しておく必要があると思いますし、その上でこの国連の安全保障における機能の弱点を補う外交的な努力が求められていると考えます。
 この米中関係を良好に保つ上での日本の役割は極めて重要でありますし、決定的であると私は思っております。詳しいことは踏み込みませんが、私は日米同盟の強化と、そして一方で日中友好の深化というのは基本的に矛盾しないと思っておりますし、日本が米中関係の安全弁、橋渡し、あるいは両国を平和友好関係にリードする積極的な役割を果たすべきだと思っております。
 もう一つ、湾岸戦争のような場合は大国に共通の利害がある。このような場合は国連決議は有効に行われますが、そうでない場合は、例えばルワンダの内戦のような場合、大国が関心を持たないという点でこれまた機能しないということもあり得ると。あるいはコソボ紛争のように、米国主導で国連決議を得ずに軍事行動を起こすような新たな状況も生まれている。これは国連の権威を低下せしめるということにもなりますし、このような国連軽視の動きをどうやって食いとめることができるかということが大きな課題であると私は思っております。
 したがって、国際の平和と安全という国連の役割を十分機能させるためには、大国、特に国益優先あるいは内向きになりつつある米国をいかにして国連の安全保障の枠組みに取り込んでおくか、あるいは国連を重視させるかということが重要であることは論をまたないと思いますし、この点での日本の対米姿勢、あるいは日本の平和外交、平和戦略はもっと積極的であるべきだと思っております。
 以上を踏まえましても、さらには安保理の平和維持に果たす役割からしても、我が国の安保理常任理事国入りはぜひとも進めるべきであると思います。
 さまざまな国連改革が議論されておりますが、我が国の常任理事国入りは国連外交の中でも最優先すべきだと思います。そして、その安保理あるいは常任理事国の中で我が国はもっと平和維持のために大きな役割を果たすべきだと思っております。また常任理事国の拒否権の行使については、これを制限する方向に持っていく努力は当然必要だと思います。もう一つ、安保理の常任理事国入りについては国際的なコンセンサスはかなりできつつありますが、我が国の国内のPR不足ということも指摘されておりますので、これも十分行うべきだと思います。
 なお、今年度、ODAを三%カットいたしましたが、国連中心主義の日本外交にとって途上国を初めとしてさまざまな各国からの支持を確保していくという点ではこれ以上削減するというのは好ましくないと思いますし、ODAの国連外交とリンクした戦略的活用というのももっと考えるべきではないかと思います。
 もう一つ、グローバル化と国連の役割という点で、先ほど同僚の議員からもお話しありましたように、エネルギーの問題あるいは食糧の問題、環境、難民、地域的な紛争、さまざまな地球的規模の問題群が相当深刻化しつつあるという点で、日本は人類益とか国際益とか、こういう観点に立って、そして人間の安全保障という理念に基づいてもっと積極的な役割を果たすべきではないかと思います。
 紛争を未然に防ぐ予防外交という観点でも、ODAももっと十分に活用しながら大きな役割を果たすべきだと思っております。その中でも、特に二千二百万人いるという難民の問題、難民支援、この人道的な援助についても、人権大国というような地位を確保するという点からも、特に日本が一番大きな役割を果たしていますが、これは継続的にもっとやるべきではないかと思っております。
 最後に、日本に国連機関を設置すべきだということでありますが、これは明石前国連事務次長も言っておりましたが、PKOのアジア共同訓練所を日本につくったらどうかという点は私は賛成でありますし、横田東大教授もUNHCHRのアジア太平洋地域事務所等を沖縄につくったらどうかということについても賛成でありますし、日本がもっと国際社会の中で大きな役割を果たし、日本から平和というメッセージを発信するためにも必要ではないかと思っております。
 簡単ですが、以上です。
#8
○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。
 続きまして、井上美代君。
#9
○井上美代君 井上美代でございます。
 ことしは二十一世紀の冒頭の年であり、長期的な視野で今後の国際関係を見る必要があります。今日の国際社会の秩序維持をいかに確立するのか、そのかぎを握るのが国連憲章であるというふうに思います。
 今、国連憲章の目指す方向を否定する者はだれもいないというふうに思います。国連憲章の実現の妨げとなったのは米ソ対決でした。ソ連が崩壊し、ワルシャワ体制もなくなった今、改めて国連憲章の精神に沿った安全保障体制を実現していく重要性を強調したいというふうに思います。
 参考人は、「国際社会に妥当する法秩序を見出す困難さから、人によっては国際法の存在というのはいわば奇跡に近いんだと言う人もおります。」、こういうふうに述べられましたけれども、この奇跡に近い秩序の確立が歴史的にどのように確立され、これを今日どのように生かし、そして発展させていけばよいのかということだと思います。
 歴史的に見れば、戦争は秩序維持のための強制手段で、戦争が合法化された時代、さらに大国が自国の国内法や秩序を世界に拡大しようとした時代を経て、国際連盟、さらには今日の国連憲章、そして国連がつくられました。
 国連というのは、国際連盟の失敗を教訓に生かして、そしてかつ第二次世界大戦の苦い経験を踏まえて国際連盟にかわる新たな国際組織として創設をされました。今日の国連の第一の目的というのは、国際の平和及び安全を維持することです。
 国連というのは主権国家間の約束を持った国際組織、国連憲章で武力による威嚇、武力行使を禁止し、その禁止に違反した国に対して制裁を加える集団的安全保障の組織です。この集団的安全保障ですけれども、国際連盟時は規約に違反して戦争を行ったかどうか、その認定は個々の加盟国にゆだねられていました。しかし、国連では安全保障理事会が平和の破壊があったかどうかを認定し、集団的な措置の発動を決定するということです。国際連盟と異なって集団的措置を組織的に発動される仕組みになったということです。
 私は、湾岸戦争について振り返って問題点を述べてみたいというふうに思います。
 一九九一年、イラクがクウェートへの侵略を行いました。この侵略を糾弾し、イラクの無条件撤退を求める点では世界の世論は一致していました。しかし、これを経済制裁などの平和的手段で解決するのか、軍事的解決に進めるのか、大きな問題になりました。国際紛争の際、何よりも国連憲章の第一章の「目的」、第六章の「紛争の平和的解決」などに照らして粘り強い取り組みを行うべきでしたが、米国等は国連の名を使い、実際には国連から独立した戦争を行い、多くの人命の犠牲、国土と環境の破壊等が行われました。このようなやり方には大きな問題があったと思います。
 さらに、ことし二月十六日、アメリカはイギリス軍と共同してイラクの首都バグダッド周辺をミサイル攻撃いたしました。これはブッシュ大統領が就任後初めて許可した他国への攻撃でした。米英軍機へのレーダー照射を理由にイラクへのミサイル攻撃を行ったり、イラクの南部と北部に飛行禁止空域を設定したりしておりますが、根拠となる国連の決議も、そしてまた国際法も全くありません。アメリカはそのほか、九六年、九八年にも武力攻撃を行っております。
 日本共産党は、九一年三月十五日に湾岸戦争からの教訓と平和・軍縮の提案を行いましたが、その内容は、一つは民族主権の侵略に対する厳格な対処、そして中東における公正な平和の確立のためパレスチナ問題の解決を図る、そして世界的規模での軍縮と軍事ブロック解消の努力、国連が平和機構としての役割を果たす、そして憲法九条を持つ日本がそれにふさわしい役割を果たすことなどです。この中で国連の役割について触れていますが、今日、国連自身が国連憲章と国連決議に照らして妥当な活動を行っているのかどうかについての検証だとか検討を行うことが改めて重要になっているのではないかというふうに思っております。
 コソボ問題に関連してですが、NATO軍はユーゴに対する空爆を行いました。この調査会で参考人に対して見解をお聞きいたしました。多くの参考人からは、国際法に違反している、問題であるなどの見解が述べられました。
 私が問題としてとらえたい点は、浅井基文参考人が、アメリカがユーゴ空爆に踏み切ればそれは明らかに国連憲章違反という本質が露骨にあらわれる結果を招く、したがって、アメリカは安全保障理事会をバイパスしてみずからの行動を全く別の理由、すなわち人道、人権、民主主義というような理由で正当化するという手段をとったというふうに考えざるを得ないと、このように指摘しておられる部分です。
 一方、元国連大使の波多野敬雄氏ですけれども、波多野さんは「ユーゴの問題について言及すれば、もしかしたらば新しい国際法ができつつあるのかもしれない。従来の国際法からいえば、NATOのユーゴ・コソボ攻撃は明らかに国際法違反でございますけれども、しかし人権の問題ということになるともう国の中がおさまらない」、こういうふうに述べられました。他国の人道、人権、民主主義を口実に軍事介入することは明白に国連憲章に違反していることであるにもかかわらず、これを新しい国際法ができつつあるのかもしれないなどとして、国際法違反の事実を絶対にあいまいにしてはならないというふうに考えるわけであります。
 憲章の二条の一項、主権平等の原則との関連で、二条七項、国内管轄事項に対する不干渉原則というのがあります。「これも国内事項の中で例えば重大な人権侵害の継続状況は、むしろ国際関心事項であるとして国連が取り組むような解釈がなされてきている」との参考人の発言がありましたが、まさにこの条項の具体化が今重要だというふうに考えております。
 次には、NGOの強化の問題ですけれども、今日、世界の環境破壊、それから地域紛争、人権侵害、飢餓、貧困、そしてまた国際テロ、難民、エイズなど、グローバルな対応が本当に必要になっております。きめ細かい柔軟な活動ができて、そして機動性に富んだ、国家や国際機関とは違う活動のできるNGOの参加が重要になってきているというふうに考えております。
 調査会に提出されました資料にある弓削昭子氏の論文ですけれども、ここの中で、「NGOを含む市民社会の活動は近年めざましく、その影響は国家や国際機構を含めた国際社会を動かすものとなってきている」、このように言っておられます。そして、「二十一世紀にむけてさらに増大する」、こういうふうに述べておられます。
 国連には、設立当初より、国連憲章七十一条にあるように、国連の経済社会理事会は、「民間団体と協議するために、適当な取極を行うことができる。」、こういうふうになっております。NGOの数は、一九九九年、合計で一千七百一がNGO協議資格を与えられ、活動をしております。安保理ではNGOの参加は認められていませんけれども、意見を求められた例はあります。
 国連では、国連とNGOとの協力関係を強化することを目的として、一九七五年に、国連事務局内に国連NGO連絡業務部を設置、そしてNGOとの連絡、交流をより緊密にするために、国連事務局の多くの部局ではNGO連絡調整員や担当官が任命をされております。
 一九九〇年代の国連世界人権会議や世界女性会議など、政府代表で構成する政府間の会議と並行してNGOのフォーラムが開かれ、NGOレポートが提言として政府間会議に提出され、NGOは大きな役割を果たしています。これらの会議に私も参加いたしました。
 武者小路参考人は、人権をよりどころにして結ばれた南北の市民運動の大同団結には一つの実例があると、このように言われて、国連の世界女性会議を例に挙げ、その成果として、国連を対話の場にして到達した統一見解、女性の権利は人権であるという命題と、そして女性に対する暴力は人類に対する罪であるという、二つの命題にまとめられると述べておられます。
 これらの成果の上に立って、国家、国際機関もNGOも、また軍事紛争中の組織的なレイプも家庭内の夫からの暴力もすべて禁止しなければならないと、このように発展してきているのであります。
 ちなみにこの四月、日本でも配偶者からの暴力防止及び被害者保護法、いわゆるDV法が超党派で成立をいたしました。今後さらに、国家や国連がNGOとの連携を強めて発展させ、政策策定や国連で提唱された目的への共同行動を進めていくことが重要であると考えております。
 そしてもう一つは、調査会で日本の常任理事国入りの問題について質疑がありました。
 私は、日本の安全保障理事会常任理事国入りには反対です。参考人の発言でも、今の国連憲章の規定では、常任理事国は自動的に軍事参謀委員会のメンバーになるということになり、しかもその軍事参謀委員会というのは、国連が行う軍事行動において非常に重要な役割を果たすことが予定されているという点におきまして、仮に今後の安全保障理事会の改革が第四十三条以降の軍事参謀委員会のメンバーになる形での安全保障理事会常任理事国入りというのは、憲法に抵触する問題との発言がありましたが、日本は憲法上軍隊を持つことができない、その日本が国連の軍事力行使の指揮に責任を負うことになることは、憲法の平和原則に反するというふうに考えております。
 PKOについてですけれども、自衛隊はPKOということで米国の行う紛争にかかわっていこうとしております。軍事力による国際貢献は憲法上認められませんので、私、反対でございます。
 そして、先ほど国連のミレニアム・サミットに向けての井上会長試案を報告書に盛り込むということを発言されましたが、あくまでもあの提言は試案であり、公式の調査報告に入れることには反対であります。
 この間、調査会をずっとやってまいりまして、私は非常にいろいろ勉強させていただきました。この参議院であればこそこれだけのことができたというふうに思っております。
 今後の問題も一言加えさせていただきます。
 今後は、やはりこのようないろいろな課題を抱えておりますので、ぜひ調査を続け、しかも参考人などを大いに呼んで勉強させていただきたいというふうに思っております。
 以上です。
#10
○会長(関谷勝嗣君) 次に、田英夫君。
#11
○田英夫君 二十一世紀に入った今、改めて国連の役割を考えたときに、私は国連憲章の精神に立ち戻るべきだと、こう思います。国連憲章は、言うまでもなく、第二次世界大戦の末期にまだ戦争が続いている中で、余りにも悲惨な世界戦争の状況を感じ取った多くの人たちが、その戦争というものをなくすためにどうしたらいいか、いわばそこに貫かれているのは平和主義ということだと思いますが、この精神が日本国憲法第九条に引き継がれた、前文ももちろんですけれども、こう思っております。
 そこで、振り返ってみますと、第一次世界大戦直後に一度、戦争をなくそうという大きなうねりが世界で起こった。例えば一九二八年のハーグの不戦条約、あるいは国際連盟の結成というようなことがそのあらわれだと思いますが、このせっかくの状況を壊したのは日本の責任だと思います。一九二〇年代末から三〇年代にかけて中国に対する侵略を始めていくという、それが次第に拡大して、最後は太平洋戦争、第二次世界大戦ということに発展をしていった一つの起爆剤に日本がなったことは間違いないことだと思います。
 一方で、第二次世界大戦後、国連憲章を起草しながら、そして国連をつくりながら、世界では第二の大きな戦争をなくそうといううねりが起こった。これが国連憲章として実ったと思っておりますが、このせっかくの機運をたちまち壊したのが朝鮮戦争であります。こういうことで、二度の戦争をなくそうという空気が壊されてしまった。そういう中で、改めて今二十一世紀に、人類から戦争をなくそうということを真剣に考える必要があると思います。
 まず、その意味で、私ども日本の立場からするならば、日米安保条約の第十条を想起することから始めるべきだと思っています。日米安保条約第十条は、「この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。」と、英語の直訳そのもののこの文章ですけれども、普通の日本語で言ってしまえば、要するに、この安保条約というのは、日本の周辺で安全保障のための十分な措置がとられたと、こう日米の政府が認めたときにはこの日米安保条約は自然になくなる、消滅すると、こういうふうに受け取っていい条約だと思います。
 なぜ、戦後五十数年たつ、そして日米安保条約ができて五十年ですが、このことを重視してこなかったのか、私は反省をする必要があると思っています。我々の手でこの状況をつくり出すことが必要ではないか、いつまでも二国間軍事同盟と言っていい日米安保条約に依拠しているということでいいのかどうか、こう思えてなりません。
 私ども社民党は、このことを具体化しようとしています。それは、北東アジア総合安全保障機構をつくろうということを昨年秋決定いたしました。総合安全保障機構といいますのは、軍事的な安全保障だけではなく、むしろそれよりも、例えば環境とか、食糧とか、教育とか、エネルギーとか、水資源とか、あるいは人口の問題とか、そうした国民生活に直結するさまざまな問題について、その地域の国々、民族がお互いに話し合い、協力して、平和のうちに一つの安全保障を進めていこうという考え方であります。具体的には、日本、韓国、朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮ですね、モンゴル、中国、ロシア、さらにカナダ、アメリカ、八カ国で構成をする安全保障機構、こういうことを考えております。
 既にこの考え方は、韓国の金大中大統領あるいはモンゴルの今与党である人民革命党、野党になった社会民主党、こうした人たちに昨年来こちらから訪問して説明をし、基本的な同意を得ております。北朝鮮に対してもこの考えを提起しようと思っております。中国の政府並びに党に対してもこの考えを説明いたしました。いずれも賛成という方向で検討しようじゃないかという、ただし、残念ながら私どもは小さな野党であります。しかし、その問題提起を彼らも真剣に聞いてくれました。これを一つの出発点にして、つまり安保条約第十条というものを現実のものにしていこうということで、北東アジア総合安全保障機構をつくることを出発点にします。
 さらに、その出発点として、北東アジア非核地帯条約をつくる。これは言うまでもなく非核国家である日本と、そして南北間で既に朝鮮半島非核宣言をしております南北朝鮮、それに国連によって非核国家を認められているモンゴル、この四つの国で非核地帯条約を締結する。これを周辺にあるアメリカ、中国、ロシアといった核保有国がいわば保障をする、この地域には核を持ち込まない、核攻撃をしないということを保障するということであります。
 先ほど北東アジア総合安全保障機構と申し上げましたが、これを世界に拡大したい。国連の傘のもとに、すべての世界をこうした安全保障機構で覆うことができないだろうか。
 まず南太平洋、ここにはラロトンガ条約を結んだ国々があります。これを名づけて南太平洋フォーラムと仮に名づけますと、ASEANにはASEAN地域フォーラム、ARFが既にできております。これはまさにモデルになります。それから、アジア全体を見たときに、北東アジア、ASEAN、そして先ほどの南太平洋にそのフォーラムが完成をしたならば、これを全体ひっくるめてアジア太平洋総合安全保障機構とすると。同じようなものを、南北のアメリカ大陸あるいはアフリカ大陸、ヨーロッパの東と西と、そういうふうに地域的なフォーラムという名のもとに安全保障機構をつくり、それを総合してその地域、大陸全体の総合安全保障機構をつくるというやり方で世界を構成できないか、国連の傘のもとに。
 これが二十一世紀中に完成できれば、まさに世界は戦争をしない世界になり得るのではないか、その大きな目的のために日本は力を尽くすべきではないかということを提言として申し上げたいと思います。
 以上です。
#12
○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。
 高橋令則君。
#13
○高橋令則君 自由党の高橋でございます。
 意見を申し上げたいと思います。
 今日の国際社会では、いかなる国も一国だけで自国の安全と繁栄を守ることは不可能だと思います。また、いかなる国も世界の混乱から完全にみずからを隔離することはできません。そして、一国だけで国際社会の混乱を収拾することも不可能だと私は思います。
 世界の安全と繁栄は各国の協力なくして維持できず、また世界の安全と繁栄がなければ各国のそれぞれの安全と繁栄も保障されることはできない、私はそう思います。このような世界に私どもは住んでいると、こういうふうに思います。
 冷戦構造の終えんによって、世界は混乱と激変が続いておりますが、今なお危機的状況にあると思います。この危機的状況を切り抜けて、新たな秩序をつくり出すために、国際的に正統性を与えることができるのは、これは国連以外にはないと思っております。
 国家間の地球規模の問題、すなわち環境破壊、それから内戦、難民の大量流出、エイズ、その他の感染症、資源・エネルギーの枯渇の取り組みと協力を推進するためには、国連と国連関係の機関以外にはないと思います。
 もとより国連は、創立のいきさつから今日までの活動を振り返ってみますと、大きな問題が次々と発生し、かつ消化できない問題をも多く抱えてきました。国連憲章の目的に沿ってこの機能を十分果たしてきたとは言いがたく、そのために必要な国連改革もほとんど見るべき成果もなく、しかも先送りの連続であったと思います。
 冷戦時代の国連は米ソ覇権の争いの場でもありました。国連は東西両陣営の上に浮いた存在であったと思います。これが、ポスト冷戦の時代に入って状況が一変しました。米ソ対立の時代のような重大な対立が見られなくなってきました。その結果、国連は必要な安全保障政策を積極的に取り組んでいくことができるような状況になってきています。
 国連は、創立以来、今回初めて国際政治における安全保障のとりでとしての基本的な条件を備えることが可能となってきました。国連憲章の掲げる目的を積極的に推進し、かつ、これを実現するために国連改革がこれまで以上に必要となっています。国連にとって大変革の時代に差しかかっているのでございます。
 国連を改革し、二十一世紀における役割を果たすための条件については、国連の課題と我が国が果たすべき役割に関する調査、これは平成十一年四月の参議院の調査室の委託によるものですけれども、この報告書の百八十ページ以下に記述されていますが、この中身を見てみますと、これは横田東大教授の話でございますけれども、指摘されたこれらの七点の条件は、私は同感できると思っています。これらの条件に沿って、国連改革を現実的に実行するためには、これを推進し、積極的に実現すべきであります。日本は他のどこの国にも増してこれを追求し、努力しなければならないと思っています。
 第一に、国連を改革し、より強化することであります。
 現在の国連機関は第二次大戦後の世界秩序を構築するために戦勝国がつくったものでございます。当然ながら、戦勝国の利益を確保する仕組みとなっています。安全保障理事会の拒否権、戦勝国のみの常任理事国制度が最たるものでございます。新しい秩序が模索されている今日、このような国連機構を早急に見直す必要があり、日本は国連改革に積極的に参画すべきであります。
 第二としては、唯一の超大国であるアメリカが積極的に国連の舞台を活用し、国連と一体となって活動するようにすることであります。
 アメリカを孤立主義に追い込んでいってはならないと思います。理想は、アメリカが徹頭徹尾、国連とともに活動をすべきであります。そして、日本は国連を中心としたアメリカの平和維持活動に積極的に協力します。そして、そうすることによって、日本はアメリカ重視政策と国連中心主義を矛盾なく両立させることができます。
 このように、国連を改革し、国連にアメリカがより積極的にかかわるように働きかけることに成功すれば、日本は新しい世界秩序の基礎に大きく貢献することができたというふうに私は考えています。
 第三に、国連改革を推進し、アメリカが国連中心の世界秩序の中核となるように働きかけることに加えて、日本自身が国際社会に積極的に貢献していくために安保理常任理事国入りを目指すべきであります。
 第四としては、核の国連管理についてであります。
 世界の唯一の被爆国である日本が最初にまず世界に主張すべきことは、核軍縮の促進であります。かつ、ポスト冷戦の今日、この実現可能性が一層高まってきています。
 まず、核兵器の削減であり、最終的には国連の管理下に置くことであります。日本は積極的に各国に働きかけ、これに努力し、国連に対する報告制度を確立し、また日本やドイツなど高度技術の保有国をも対象とした国際監視制度を設置すべきであります。
 第五に、国連待機軍をつくることでございます。
 個別の国々の自衛権を行使することによって平和を保つという時代は過ぎました。国際的な安全保障、いわゆる国連による集団安全保障ですけれども、国連を中心とする平和維持以外に、平和を守り、平和を担保する道はないと思っています。
 そのために、経過的には各国がそれぞれの負担で国連に部隊を提供し、常備軍を編成し、紛争の拡大を防ぎ、必要に応じて迅速適切な対応ができるようにしておく、そしてこれに日本も参加すべきだと思っております。
 以上でございます。
#14
○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。
 島袋宗康君。
#15
○島袋宗康君 国連の今日的役割について意見を述べたいと思います。
 国連は、創設から五十六年を経た今日、世界情勢の変化、人類の直面する困難の変容等を前にして、その組織及び機能の限界、財政、人材確保等さまざまな課題と改革の必要性に直面しております。安保理の構成や拒否権の問題、総会の権限の限界、経社理の形骸化、信託統治理事会の機能停止、事務総長の権限の限界等が指摘されております。しかし一方では、人口爆発、資源・エネルギーの枯渇、環境破壊、感染症の流行、内戦、テロ、飢餓、貧困、難民、人権侵害等の地球規模の深刻な諸問題が人類共通の解決を迫られた課題として立ちあらわれております。
 我が日本と国連との関係においては、二〇%を超える分担金を支払い、アメリカに次ぐ第二の拠出国でありながら、必ずしもその実力にふさわしい地位を占めていないとの思いが交錯しております。安保理の常任理事国入りをめぐる問題や日本人職員の数の少なさ等に不満と焦燥感を覚える人も少なくないように見受けられます。
 しかし、私は、日本としては、経社理の活動や緒方貞子さんが難民高等弁務官として活躍された難民問題や飢餓の問題、感染症や環境破壊の問題等の解決のために地道な努力を積み重ねていくことが、国際社会において日本及び日本人の評価を高めていくための捷径であると信じております。いたずらに功を焦って、安保理の常任理事国入りを目指すばかりがよいとは限らないと思っております。
 最後に、私は、昨年四月二十一日の本調査会において横田洋三参考人も提案されました、超党派の複数の委員の方々からも同趣旨の御発言があった、いわゆる国連機関の沖縄への誘致について、ぜひとも当委員会の意見として採択していただきたいと考えるものであります。しかる後に、政府に対してもその実現に向けての御努力をぜひともしていただきたいと強く要望いたしまして、私の考え方を述べさせていただきました。
 以上であります。
#16
○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。
 以上で意見の表明は終わりました。
 これより委員の先生方で自由に意見交換を行っていただきます。発言を希望される方は挙手をお願いします。
 なお、限られた時間内で意見交換を活発に行っていただくため、一回の発言時間は五分以内でお願いをいたします。
 また、御発言に当たりましては、調査項目に対する御意見のほか、今期調査会の活動等を踏まえた調査会のあり方やテーマ設定等について御意見がありましたら、あわせてお述べいただいても結構でございます。
#17
○山内俊夫君 自由民主党の山内俊夫です。
 私は、新世紀の国連の課題として、文化の分野における国連の活動を中心に述べたいと思います。
 冷戦後、紛争が多発するようになった背景には、民族、宗教、文化の複雑な対立があり、またグローバリゼーションの進行は、一方で異なった文化間の摩擦を生じやすくさせているのではないかと思っております。グローバリゼーションに伴う過度の経済合理主義は長い歴史にはぐくまれた文化の価値を失わせたり見落とさせてしまうこともあり、我々の祖先がはぐくんできたものに対する尊敬と寛容さや繊細さが求められていると思います。
 本年は、国際問題を平和的に解決するため、文明間の対話を促し、相互理解に努める文明間の対話国連年であります。我が国としても文明間の対話という考えを広めるべきではないでしょうか。我が国には、自由や民主主義という価値を共有し、それを欧米とは異なった方法で実現してきた経験があります。二十一世紀を異なった文化や文明が共存できる時代にするに当たって、我が国はこうした経験を生かし、アジアの声を代弁したり、アジアの国とともにアイデアを出すべきであると思います。
 本調査会は、国連に関する調査の中で、ユネスコ勤務経験を有する二人の有識者をお招きし、国連の学術・文化協力とユネスコの果たすべき役割について論議する機会を得ました。文化や教育が平和と発展のかぎを握る今後の国際社会において、一人一人の心の中に平和のとりでを築くユネスコの役割が再び脚光を浴びています。
 一昨年十一月に、松浦駐仏大使がアジアで初めての事務局長に就任いたしました。現在、ユネスコは、基礎教育、水の安全保障、科学技術と倫理などのような活動に優先順位を絞って取り組みを強化しようとしています。我が国は、ユネスコに対する財政面での支援を強化拡充するとともに、ユネスコの事業に知恵で支えるべきであります。
 平成十二年十一月十五日の調査会において岡島参考人も指摘したように、ユネスコが提供するプログラムは地域総合安全保障を築き上げる一つの有力な手段だと思います。資金力と技術に恵まれている我が国は、近隣の国々を引っ張り、ユネスコのプログラムを有意義なものにすべきであります。そのことは我が国の国益でもあると考えます。
 ところで、本年三月、アフガニスタンを事実上支配するタリバンは、ユネスコはもとより、国連総会、安保理の求めにもかかわらず、バーミヤンの巨大石仏を破壊いたしました。貴重な文化遺産に対する不当な破壊は許されるべきではありません。世界の文化遺産を保護するユネスコの任務の重要性を改めて認識するとともに、ユネスコのこの分野における活動を引き続き支援すべきであります。
 ユネスコに関する意見を締めくくるに当たって、アメリカの問題に触れる必要があります。
 アメリカは一九八四年十二月にユネスコを脱退いたしました。それ以来、ユネスコに復帰はまだいたしておりません。教育、科学、文化、コミュニケーションに関する全世界的な活動をつかさどる国連専門機関からアメリカが外れていることの損失ははかり知れません。また、アメリカはユネスコの重要なプログラムには参加しています。分担金を払わず、プログラムだけつまみ食いをする、こういった参加のやり方は国際機関にとっても好ましくはないと思います。まして、アメリカにとっても長期的に見て国益にはならないと思います。日米関係を戦後外交の基軸としてきた我が国は、ユネスコの改革が進み、東西冷戦が終結した現在、あらゆる機会をとらえ、アメリカにユネスコ復帰を説得すべきであります。
 最後に、私は、本調査会において参考人質疑の中で質疑応答させていただきました国連憲章の旧敵国条項についてもう一度述べておきたいと思います。
 この規定は、国際情勢の変化により時代にそぐわなくなったものであり、本来、二十世紀のうちに改正すべきものでありました。国連で積極的な役割を果たしてきた、また新世紀においても果たそうとしている我が国にとって決して快い規定ではありません。条項削除の手続への着手を求めた国連総会決議が九五年十二月十一日に採択されております。次の国連憲章改正の際には必ず旧敵国条項を削除すべきであると考えます。
 以上のこと等を申し上げて、私の意見表明を終わります。
#18
○入澤肇君 短く問題意識を述べさせていただきたいと思います。途中からこの調査会に加わりましたので、過去の議事録を一応読んでまいりました。ダブらないように私の問題意識を述べたいと思います。
 一つは、非常に不思議なことなんですけれども、国連について議論がなされながら、国連における我が国の外交活動について詳細なデータが出ていないということであります。たくさんの総会決議がなされておりますけれども、これはどうして棄権するのかな、なぜ反対するのかなと思われるような行動をとっております。それは多元方程式を解くような外交の中で、当然それなりの理由があって行動しているのだと思うんですけれども、国連における我が国外交活動について具体的な説明がなされるべきであると思う。以前は「国連情報」なるものが出ていた。私もちょっと見たことがあるんです。でも、その後、国連についてのまとまった情報は出ておりません。外交青書の中に若干入っている。
 私は、まず第一に、国連についての関心を高めるためにも、国連についての活動報告みたいなものを定期的に発行すべきであるというふうに考えております。
 第二に、いつの間にか国連中心主義という外交原則が失われてきたことであります。最初は、戦後は西側との協調と国連中心ということを言って二原則が打ち出され、間もなくそれにアジアの一員としての活動をするんだということで外交三原則ということができたわけですね。これもいつの間にか外交青書からこの言葉はなくなってまいりました。しかし、きょうの京都議定書に関する国会決議にも見られますように、二十一世紀に二十世紀の大きな問題が解決することなく持ち越されたわけであります。温暖化とか、あるいは多発する民族と宗教の紛争の問題、それから南北間の貧富の格差の拡大の問題、人口の問題。こう考えますと、国連の役割は今まで以上に強化されなくちゃいけない。そのときに、やはり政府としてあるいは議会としても、今までの国連のあり方でいいんだろうかと。活動分野の見直しあるいは活動のあり方について、私は具体的な提言があっていいんじゃないかというふうに思います。
 特に、先ほどもある委員が申しておりましたけれども、安保理の拒否権のために具体的な行動を起こさないじゃないかというふうな話もございましたけれども、過去において総会が安保理を離れて強制行動をする手段を持ったことがあるんですね。平和のための提案と題する総会決議で、安保理を離れて総会が拘束力を持つ行動をすることができた。現時点においてそのようなことができるとは必ずしも思わないんですが、しかし国連の機能の強化のために、私は、安保理と総会との関係、事務総長のあり方、事務局体制のあり方、それから我が国の国連に対する関与のあり方について、もう少し議論を深めて具体的な提案をすべきじゃないかというふうに思います。
 短く三点です。
#19
○本田良一君 本田です。ありがとうございます。
 私は、民主党は佐藤さんが申し上げましたので、この国連安保理のテーマと違いまして申し上げたいのは、参考人の中に、日米間の、特にアメリカが日本を重視しているということを強調しておられた参考人がおりました。その中の引用の仕方も、ちょうどえひめ丸事件が起きまして、それにアメリカが謝罪をした、そこが非常に今日アメリカが日本を重視しているんだと、そういう表現で言っておられましたから、そのことについて、私もあのとき時間があれば参考人に質問を問い直したかったわけです。
 よって、きょう申し上げますが、私はその参考人に、そのように信じてはいけないと思う、必ずどんでん返しが恐らくありますよと。日本に対する、日本国民に日米間の重視のこの存在を、ちゃんとした結論的なメッセージを出すということはあり得ないと。
 それは、常に私の頭の中にあるのは、あの極東裁判の状況です。それは、キーナンという弁護士が、それはもう本当に、私たちがまだ高校生ぐらいでしたけれども、それを何回見ても、今もだけれども、このすばらしい民主主義の法廷というものを、キーナンは勝者であるにもかかわらず、日本の立場で弁護活動をやりました。よって、これが本当に民主主義のやはり定着をしている法廷の裁判かなということで私は関心を持って、今日もそのことが一つの私の民主主義の、デモクラシーの根底にはあるわけですけれども、しかし最終的に裁いたのは勝者の論理で裁いたわけですね。
 よって、こういう軍事的な行動によって、平和の状況でも、日米安保、安全保障があるにもかかわらずこういう事件が起きてしまった。そのことについて、恐らく勝者の結論を下すんではないかと。あの裁判は、今日まで日米安保という日米の友好的な基本があるにもかかわらず、常にアメリカは日本に最終的には勝者の論理で、経済にしろ軍事にしろ、そういうあり方で、今日までいかんともしがたいメッセージで我々は怒りを覚えたことが何回もあると思います。それを今回もやはりアメリカはやりつつあります。
 よって、軍法会議にもかけない、一般の刑事裁判でもやらない、そういうふうな状況を今報道されつつあるときに、この国際問題調査会が、調査会ですから何かの決議ができるかわかりませんけれども、国会でやるべきことであろうと思いますが、何かのメッセージをアメリカに対して送ることができれば、私はこの調査会でその結論をひとつ出していただけないか、委員長にちょっとお願いするところです。
 以上です。
#20
○会長(関谷勝嗣君) 伺いました。
#21
○広中和歌子君 国連への思いと二十一世紀国連の果たすべき役割について、多くの方々から御意見を伺ったわけでございます。
 国連というのは、二つの大戦を経て生まれた人類の英知の結集だろうと思います。ですから、それはすばらしいと。そして、多くの期待を持って国連に我が国は入ったわけでございます。国連の憲章の理念はすばらしいわけですけれども、しかしながら、現実には冷戦によって理想は多くの妥協を強いられている。しかし、そうした中でも、特に国連の中では経済社会理事会が多くのいいことをやってくれた。
 例えば、南北格差をなくすために貧しい国の子供たちに教育を与えようというユニセフの運動であるとか、文化、教育のスタンダードを上げていこうというユネスコの運動とか、それから環境問題に対応するUNEPとかUNDPとか、そうしたいろいろな役割は果たしてきたわけなんですけれども、二十一世紀、この時期にどうも、先ほど同僚の委員がおっしゃいましたようにアメリカの動きというものが非常に不透明であり、疑問を感ぜずにはいられないわけです。
 国連の分担金も未払いである。それからユネスコからも脱退している。それから、これは国連とは関係ありませんけれども、IPUからも脱退しちゃった。それから、IMFとかワールドバンクに対しても非常に疑問を呈し始めている。疑問を呈するということが改革の力につながればいいんですけれども、ただ身を引いているだけというような感じもします。私が、ついこの前出席したGEFという地球環境基金のシニアアドバイザリーボードでも、そこのアメリカの分担金の支払いがおくれている。そういうようなことで、アメリカの国連に対する腰の引け方、そしてそれを国益重視というんでしょうか、タックスペイヤーのインタレストといったような口実のもとに非常に腰が引けている。
 そして、むしろ南北アメリカを、特に今度のブッシュ政権の中では南北アメリカを中心とする地域主義的な動き、そして例えば日本であるとか、EUであるとかNATOですよね、自分たちの国益にかなうところに関してはイコールパートナーシップという形でかかわってくるというようなことで、私は国連のこれからの先行きというんでしょうか、それに対して非常な疑問を持っているわけでございます。そういう現実を踏まえて国連について語らなければ、幾ら理念がすばらしい、そしてそうあるべきだといってもなかなか世の中は思うようにいかないんではないか。
 私は、日本は非常にナイーブではないかなと思うんですけれども、ODAであるとか、さまざまな形で日本は国際協力をしているわけですが、そして私はそれを続けるべきだと思いますけれども、同時に我が国の外交が、アメリカのこうした自分たちの国益中心主義に対してやはり大きく提案をしていく、そうした外交姿勢をぜひぜひ持ってもらいたいものだと思う次第です。
 以上です。
#22
○沢たまき君 今、広中先生がおっしゃったように、私はもっと二十一世紀は国連中心で世界が動く方がいいと考えている一人ですが、国益を中心としたアメリカなどではなくて、民族益、地球民族益というのを各国が念頭に置いて国連に対処していただきたいというのが私の願いでございます。それがないと二十一世紀は少しも、一歩も前進しないのではないかという気がしております。
 もう一つの提案は、島袋先生がおっしゃるかなと思って待っていたんですが、沖縄にアジアの国連、殊に平和を研究する国連の平和研究所のような、アジアの出張所みたいなものを世界大戦の中で一番つらい思いをした沖縄の中に平和の研究所を国連の機構として置く、そこから世界平和を発信するという、それを日本の沖縄にぜひつくっていただきたいと思っているのが私の願いでございます。何とかそれを国連の中心にどなたかに働きかけていただきたいと、このように考えております。
 それともう一つ、これは全然違うんですが、私も初めて今度この調査会に入らせていただいたんですが、国民生活でしたときには調査会でいろんな視察をさせていただきました。参議院では視察ができるのは調査会だけと伺っております。国連の問題のこの三年の中で視察か何かなさったんでしょうか。もしなさったんならお聞かせいただきたいし、これでもう国連のことはおしまいですよね、ことしで。ですけれども、ぜひ見聞を広めさせていただくために行かせていただきたいと思っております。
#23
○緒方靖夫君 この間の国連問題に対するここでのさまざまな議論、大変有益だったと、そのように感じております。高く評価したいと思います。
 私は、すべての加盟国が国連を重視する、より具体的に言うと、国連憲章に明記されている国連の原則と目的を守ること、これが改めて重要だなということを痛感しております。
 この間、国連は試練を受けてきたと思うんですね。それは、国連の授権のない武力行使が行われたコソボ紛争、そしてその理由が成り立たないために、結局根拠として持ち出されたのが人道的理由等々でした。これは学問的にも国際法上も確立されていないというのが日本政府の態度でもありますし、また国際的な見解でもあると思います。
 この事件を通じて明らかになったことは、アメリカが国連の枠には縛られずに自国の利益を優先するという戦略です。国連に対しては選択的に利用する、そういうことが明らかになったと思います。つまり、国連の軽視ですね。今ちょうど広中先生がおっしゃられたことと共通すると思うんですけれども、やはり私は、国際社会がこのやり方に対して強く批判したというのは当然だと思います。
 国連憲章の中には、もちろん大国が特権を持っていることに対して改革すべきこと等々あると思います。しかし、私は、その点でやっぱり今現時点で一番大事なことは、国連憲章の原則、目的を守ること、とりわけ国際の平和と安全を守る上でこれが肝要だと思います。
 特にこの問題では、私も国連総会の各国代表の演説を通して見たことがあるんですけれども、かなりの国がこの点を強調する。非同盟諸国もそうだし、ASEANもそうだし、OAUなどがやはり組織としてもこの点を強調している。あるいはまた、日本政府もASEANプラス3の共同声明の中でこの点を一緒になって指摘しているということも改めて想起したいと思います。
 あと、簡単に三点述べたいんですけれども、一つは日本の国連の常任理事国入りについてですけれども、私はこれに反対です。
 これは軍事参謀委員会と憲法との関係云々ということが一つありますが、私は、同時に非常に大事なことは、日本が自然体で尊敬される国になることが必要だと思うんですね。確かに、そのための外交工作を繰り広げるということが今あると思います。そしてまた、参考人も述べたように、札びらでほっぺたをひっぱたくような、そうしたことも行われていると。援助をちらつかせれば表立って日本に反対する国はないかもしれません、それほど。
 しかし、例えばマレーシアのような親日国が、日本がアジアの一員になったときに初めて賛成できると、今は反対だと言っている意味の重さ、我々はそういったことをしっかりとかみしめる必要があると思います。ですから、そういう加盟するための、そのための工作だけに走っていいのかということは、やはり私たち改めて考える必要があると思います。
 それから次に、個人通報制を可能にする選択議定書、これを日本政府が批准することが大事だと思います。
 これはそれぞれの問題ありますけれども、例えば市民的・政治的自由に関する国際規約、この問題で私は九〇年代の前半にジュネーブの国連人権委員会にずっと通っておりましたので、そこでつぶさに見てまいりましたけれども、これを認めると個人通報制を可能にする、したがって最高裁で決められたものが次々国際舞台でひっくり返されるようなことになると大変だという、それが日本政府の本音だと思うんですね。私は、そうした問題についても堂々と、今の国際的な流れ、とりわけその国が人権国かどうかということを判定する基準として、その選択的議定書の批准かどうかということが今バロメーターにされているという現実を見たときに、やはりこの点は非常に大事だと思います。
 最後に、NGOと政府の関係です。
 これは武者小路参考人のお話が大変参考になったんですけれども、例えば北欧とかオランダとかそういう国で、政府とNGOが一体になって国連に報告する内容も一緒に協議する、あるいは政府代表団の中にNGOが入る、それが本当にいいのかどうかよくわかりませんけれども、そのぐらい緊密に協議し合うという、こういうことが当たり前のごとくやられてきたわけですね。
 日本でも以前はNGOを敵視してきた。例えば、人権委員会の履行報告書をつくるときにそれを見せずに、我々手に入れるのはいつもジュネーブの国連機関から手に入れると、日本の報告を。そうだったものが今はヒアリングを行う、時間は短いけれども、そういう形で改善されてきているんです。これはやっぱり非常に大事なことで、こうした方向を進めていって、日本でもやっぱりNGOと政府の関係、これを改善していく、こうしたことが非常に大事かなと思っております。
 以上です。
#24
○山本一太君 五分間ということなので、駆け足で四点ほど申し上げたいと思います。
 まず、私は、同僚の佐々木委員の意見表明に全面的に賛成です。緒方委員、井上委員とはちょっと考えが違うんですが、私は日本が安保理の常任理事国になるということは、日本の国益のみならず国際社会の利益にもつながるという考え方を持っています。世界一のODA大国であり、経済大国である日本という国が安保理のあらゆる決定に対して最初から参画をする、参加をするということ自体が国連の安保理の機能を健全に向上させることだというふうな思いを持っています。
 もう一点、佐々木委員の方からありましたが、常任理事国入りを目指すための一つの国家の戦略として、やはり安保理にいるということが極めて重要だと思いますので、非常任理事国になる選挙にいつ出るのか、非常任理事国にできるだけなる、こういうきちっとした戦略をやはり日本政府として持つべきではないかというのが一点目です。
 二点目は、佐藤委員と山内委員の方から文化について大変強調するコメントがありました。私は、これについても非常に賛同したいと思います。
 イギリスのブレア政権が誕生したときに、二十六歳のマーク・レナードという当時マスコミの寵児になったリサーチャーがおりまして、公募でトニー・ブレアの外交戦略を決めるシンクタンクの所長になりました。そのマーク・レナードと昨年二人で御飯を食べたんですが、タカビーで嫌なやつだと思っていたんですが非常にナイスガイでございまして、彼が考えた戦略、クール・ブリタニカ、イギリスというのはブリタニカの持っているような重々しい文化だけじゃなくて、イギリスは格好いい、ファッションの発信の地だ、実はイギリスはおいしい、イギリスには格好いい若者文化がある、お芝居があると。こういうブレアのイメージ戦略というものがその後のイギリスの外交に本当に大きな利益をもたらしたということを考えると、先ほど佐藤委員のおっしゃった、私は日本の外交戦略を考える上でも文化戦略というものにもっと注目すべきだと思っています。
 アジアの幾つかの国では、驚いたことに日本の歌、Jポップ、いわゆるサブカルチャーと呼ばれている分野がアメリカの文化をしのぐような、これを席巻するようなソフトパワーを持っていまして、私は日本の外交戦略としてクール・ジャポニカ的発信というものが必要ではないかと思っておりますので、佐藤委員と山内委員の問題意識に賛同したいと思います。
 さらに、三点目はアメリカの動きについてなんですが、私は基本的にブッシュ政権の誕生を大変歓迎しております。少なくとも日本にクリントン政権よりも興味を持っているということが何よりも私は大事なことだ、日米同盟を深化させるために大事な条件だと思っておりますが、先ほど広中委員あるいは本田委員、沢委員の方からもありましたけれども、最近のブッシュ政権になってからの動きには十分な注意が必要だと思っています。
 予想されたこととはいえ、やはり米国の孤立主義的傾向、国連離れの傾向というものが最近のブッシュ政権の動向に顕著になってきた。日本はアメリカの同盟国として、どのくらい説得力があるかというのはわかりませんけれども、アメリカが孤立主義に走らないようにきちっと働きかけを議員交流のレベルでも続けるべきだと思います。
 最後に一つだけ申し上げたいと思いますが、先ほど沢委員の方から国連の視察はないのかという話がありましたけれども、前も申し上げましたが、せっかく国際問題調査会がこういう形で国連改革を取り上げてやっているということなので、ぜひともこの国際問題調査会で国連総会時の国会議員の公費による派遣という制度を提案してもらえないかなというふうに思います。各会派一名でいいと思います。
 カナダ、北欧の国々は、国連総会のハイレベルセグメントのときには必ずその国の国会議員が行って各常駐代表と交渉したり、少なくともその国の外務大臣や首相を応援している。この制度を国際問題調査会から会長にまとめていただいて提案すれば実現する見込みがあるんじゃないかということで、ちょうど五分になりましたので、その四点だけコメントさせていただきます。
#25
○今井澄君 私は、安保理の常任理事国入りの問題を中心に意見を述べさせていただきます。
 まず最初に、二十一世紀初頭に当たって、これはもうある意味で常識的なことだと思うんですけれども、二十世紀の反省に立って二十一世紀はどうあるべきかということでやっぱり国連のあり方、国連改革についても考え直すと。
 夢ばかり言ってもなかなかそうはいかないという現実あるいは過去の繰り返しだったわけですけれども、やっぱり世紀の変わり目というのは、ある意味でいったら、だからこそこれからはこうあるべきだという視点に立って考えるべきいいチャンスだと思います。そういう意味では、まさに国連がつくられたのは平和のためにつくられたわけですけれども、先ほど佐藤委員、山内委員も言われましたように、いわゆる軍事的な安全保障の問題、そういう平和の問題を超えて活動が広くなっているわけですから、そういう視点から国連のあるべき姿、改革をもう一度見直すというのは私は大賛成であります。
 そういう視点に立って考えたときに、やはり安保理の常任理事国になるべきかどうかということについて、より大きな貢献をしよう、しかもそれだけの経済力や技術力を持っていれば当然常にその方針を決めていく、あるいは行動する中心のところにいるべきだということについて私は常識だと思うんですね。ですから、安保理の常任理事国になることについて、私は常識として当然そう考えていいだろうというふうにまず思います。
 それで、憲法違反云々の問題について、私は必ずしも、軍事参謀委員会云々で何か事が起こったときにそれに日本も軍隊を持っていってやらなきゃならないから憲法違反だというふうに、そんな一対一対応のものではないと思いますので、もうちょっと柔軟に、日本はこういう平和憲法を持ち、しかもこれだけの経済大国、技術大国でありながら核兵器を持たずに非核三原則を掲げているとか、こういう特徴を生かした意味で私は活動すべきだと思うんです。
 ただ、現実に、それではそれが国連改革の、あるいは我が国の国連活動の最重要課題として安保理の常任理事国入りを目指して活動すべきかというと、私は極めて疑問を持ちます。
 なぜかというと、さっき二十一世紀を迎えて夢を持ち理想に向かって進むべきだと言っておきながらちょっと言い方が矛盾するかもしれませんけれども、現実に、じゃ日本が常任理事国になれるのかどうかということについては今非常に難しい。日本だけの問題じゃなくて、日本を支持してくれるかどうかの問題じゃなくて、例えばイタリーの動きだとかカナダの動きだとかいろいろあって極めて難しいという現実がある。しかも、もう一つは拒否権の問題があるわけですね。私は、拒否権というのはなくしていくべき、これが国連改革、安保理改革の一つの大きなことだと思うんですけれども、しかし、そこのところがアメリカなり中国なり、そういう国益との関係でなかなか難しい。
 そういう中での常任理事国入りも、今コーヒー・クラブとか何かあって非常に難しい中で、例えば、参考人の中からも意見が出ましたけれども、常任理事国に入っていないと情報がとれないんだとか、何か仲間外れみたいだと、私はそういう発想での常任理事国入りがどうも、言ってみれば官僚主導といいますか、外務省主導のそういうものが今まで余りにも前面に出たことが日本のイメージを悪くしている、むしろ日本は本当に着実に実績を積み重ねる中からやっていくべきだと思うんです。
 かといって、私は、自然に尊敬されるようになったら入ればいいじゃないかと、そういう考え方もおかしいと思いまして、やっぱり国際社会というのは、そういう問題じゃなくて、自分はこういう意思を持って入りたい、やりたいというふうに言わなければできないわけですから、それはそれでみんなが推してくれるのを待っていようよというんじゃこれは方針にはならないと思いますけれども、しかし、やはり今までのやり方というのが、そういう意味では間違ったというか偏った、あるいはどうもちょっとおかしな視点からの常任理事国入りの運動だったように思います。
 むしろ、今、先ほどからのアメリカの動きにも論評があるように、一国の国益あるいは国運というふうなことでの動きが強まってきている。日本についても、アメリカの働きかけは、ヨーロッパのイギリスのように何も言わずにいつも一緒に行動してくれるパートナーになってほしいみたいで、私は非常に嫌なんですけれども、そういう意味では、もっともっと地域の集団安全保障とか地域における人間の安全保障とか、日本ができるところから、あるいは世界が手を引いているアフリカの問題とか、そういうことに力を注ぐ中からやっていくべきだと思いますし、参考人の中にもいろいろありましたけれども、差し当たってARF、ここに力を入れていくことの中からきちっとやっていくべきで、当然理事国入りは日本の中長期的な戦略としては目指す、それで、差し当たっては確かに非常任理事国の選挙があればそのたびに立候補するというのは私は当然のことだと思うし、やっぱりそういう形で前向きに進むべきだと思っております。
 以上です。
#26
○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。
 今までのところ挙手された先生方は以上でございますが、他に御意見等々ございましたらどうぞ挙手をお願いいたします。
#27
○入澤肇君 田先生にちょっとお聞きしたいんですけれども、事柄としては、北東アジア安全保障機構の構想というのは私は大変興味深いものだと思うんです。ただ、恐らく先生もいろんなところを回ってみてお感じになったと思うんですけれども、これを実現するための具体的な必要条件というのは一体何だろうかということについて、お感じになっているところを聞かせていただきたいと思います。
#28
○田英夫君 安全保障理事会の理事国になるという問題にも絡んでくるんですけれども、日本が今の態度をとっていると大変難しいというふうに思っています。
 つまり、今起こっている問題でいえば、歴史教科書の問題というようなことで、これも国連に関連するんですが、ジュネーブで今開かれている国連人権委員会に南北朝鮮がそれぞれ、歴史教科書の問題、従軍慰安婦の問題というようなことで日本を非難する発言をしております。
 こういう状況が続いている中で、まさに北東アジア諸国の賛同を得てそういう安全保障機構をつくろうと。安全保障機構というのは根底に信頼関係がなければできませんから、しかも、軍事的な問題だけではなくて、だけというよりも私の頭にあるのは、例えば中国、あの大きな土地を持って、もし中国が自分たちの国民を自分たちのつくる農産物で賄えなくなって輸入をするというようなことになれば、これはもう世界の食糧事情がめちゃくちゃになるという、そういう問題にも絡んでくる。少なくとも北東アジア地域では中国は農産物の供給の国でなければならない。しかし、その問題が、今度は最近問題になっているような、ネギだとか日本の農産物とのかかわりで逆の現象が起こっているという。
 これは、やはりエネルギー問題なんかもそうだと思いますし、今、中国は水で非常に困っているようですけれども、ASEAN諸国も含めて、お互いにあるもの、困っているもの、そういうものを協力して解決していくという、そういう構造をつくることですから、何も軍事力による安全保障の問題を第一に考えるわけじゃありませんから、本当にその根底にある信頼関係、それで過去のことをまだ言われるような状況でこの問題はできないと、こう思います。
#29
○入澤肇君 それは一つの見解だと思いますが、私は、日本の政府が行動を変えればそういう構想が実現するかというと、そう簡単じゃないと思うんです。
 今の御意見でも、信頼関係を構築するにはやっぱりお互いの交流が自由でなくちゃいけない。それから、特に人権の問題は、どこまでが問題提起として許されるかということはありますけれども、鎖国的な、閉鎖的な体制をとっている北朝鮮の皆さん方の御苦労ということについても、もう少しやっぱり赤裸々に我々は実情を知って問題にしてもいいんだと思うんですね。
 そういうふうなことは、内政不干渉という原則のもとで共同行動、共同責任の原則ということを打ち出すのであれば、ある程度それぞれの国の事情に応じた掘り下げた議論をして、その上で意見は意見の違いとして信頼を築くということが必要になってくると思うんです。一方的に我が国政府だけの態度を変更すれば一歩進めるということじゃ私はないと思う。それが一点。
 もう一つ。先ほど調査会長からの御発言で、調査会のあり方についても触れてもいいということでありましたので、ぜひお願いしたいんですけれども、中国問題等につきましても私はいろんな角度から議論をすべきじゃないかと。
 特に教科書問題。教科書問題は、一方的にいろんな批判もされているところがありますけれども、しかしこちらだって言うべきところはあるわけですね。何がいいかというのは相当議論してみなきゃわからないところもあります。国際社会における中国の位置づけの問題について、私どもは私どもなりに認識しておくことが必要じゃないかと思います。
 今も田先生がおっしゃった中国の農産物の供給問題というのは、これは食糧に対する、国民の食の発展過程の中で最大の輸入国になるのは間違いないんで、供給国として位置づけるということは歴史的にはかなり難しい、これからを見ましても。歴史的、沿革的な理由で難しい、技術的な理由でも難しいと私は見ておりますので、中国が世界の安全のために非常に大きな役割を持つし、非常に大きな意味を持つということを感じていますので、ぜひこの調査会で集中的に中国問題を議論していただけたらありがたいと思います。
#30
○本田良一君 私は、山本委員がおっしゃった国連にこの委員会から行くということ、前回も参考人に対して言っておられたとき私はうなずいたわけですが、きょうの発言で、一応私はそれに賛同するということを申し上げておきます。
#31
○山内俊夫君 対中国問題とか、この後でまた、来週ぐらいにあると思うんですが、東アジアの問題もあろうと思うんですが、教科書問題も出てきました。
 きょうはその中身のことについては私は特に意見は述べませんけれども、今、入澤委員の方から、共同行動という一つの提案があったみたいに私は理解したんですが、例えば我々の世代が教科書問題に逆戻りして、それはあったんだ、いやなかったんだと、そういう議論は不毛の議論になってしまう。もう戦後五十年たった中で事実はちゃんと押さえておかなきゃいけないけれども、ただ、最近、私はコロンビア大学のジェラルド・カーティスさんの話をお聞きしたんですが、もう既に日本の皆さん、アジアの中で文化はお互いに垣根は取り払われていますよという話があったんです。
 たまたまコロンビア大学の学生で日本の宇多田ヒカルという女性が入っておりますが、彼女の歌は台湾でも上海でも香港でも韓国でも日本ででも非常に受け入れられている、そういう世代になっているんですと。だから、二十一世紀は、やはりアジア的な視点の中で文化の交流、そこから何かを生み出す必要がある、そうじゃないといがみ合いを残してしまうんじゃないか、こじれてしまうよという話があり、私も確かにそのとおりだと思います。
 それと、私個人が昔から考えておりましたのは、例えば中国の漢字は非常に簡素化し過ぎてしまいました。韓国はハングルに変えてしまった。でも、役人の中には半分以上漢字を交えてやりとりしている、国民に向かって出すときにはすべてハングルで出してしまっているという現実があるんですね。漢字という非常にいい共通文化がありながら、お互いがその漢字を英語とかフランス語あたりにシフトしてしまって、同じアジア人が漢字をもっとうまく共通で生かしていける方法はないのか。
 例えば、お台場に今、国際交流村ができておりますけれども、漢字文化を研究するような、テーマを持った研究所をつくるとか、お互いもう少しコンピューターも、読み方は違ってでも、意味は違ってでも、漢字の活字ぐらいは同じような字にならないのかなとか、そういう個人的な感覚は持っているんですが、そういうジャンルからもっと新しい二十一世紀、若い人たちに何か共通を生み出してもらうような動きをした方がいいのかなという気がいたします。
#32
○入澤肇君 今、非常におもしろい、興味のある話がなされたんですけれども、実は国籍要件の緩和のチームにおきまして、もう一つ大きなデッドロックに乗り上がったのは戸籍法の改正なんです。戸籍法の改正の中に日本人の姓名に使われるべき漢字が特定されたわけですね。例えば、韓国あるいは中国の方々が日本に来た場合に、その戸籍法に援用してよい漢字を広げなくちゃいけないと。そうしましたら、パソコンに、インターネットに入れるべき漢字というのはJIS規格で決まっている、そこら辺が実は技術的な問題なんだけれども非常に大きなネックになるんですよなんという話が出ているんです。
 今の文化の問題、名前の問題、これは文化の根源ですから、そういうふうなことも私は、日本の国から国際的な約束事を、JISは日本の規格ですけれども、しかしインターネットに通ずるような約束事ですから、改めて変えていくんだということをやると、やはり日本が開かれた国になっていくなという印象を与えるんじゃないかと思いまして、非常におもしろく聞かせてもらったわけです。
#33
○山本一太君 さっきお話しいただいた、国連総会の時期にたとえ一週間でも、特にハイレベルセグメントといって首相とか外務大臣が演説する時期に日本から議員団を送るという構想は、いろいろ越えなきゃいけないハードルはあるんですけれども、私の感覚からいくと実現可能じゃないかと思うんです。さっき本田先生にもサポートをちょっといただいたんですが、これが外務省の予算になるのか、あるいは参議院の予算になるのか、位置づけが佐藤国連大使のいわゆる顧問団になるのか、あるいは議会の何か調査団になるのかわかりませんが、各会派から一人、例えば三日間か四日間でもハイレベルセグメントの国連総会に人を送るということは私は可能だと思うんです。
 ぜひ、今、本田先生からもサポートいただいたので、この調査会の中でどういう形があるのか、つまりこの顧問団のコンセプト、目的、それから人数等、少し具体的な提案をやはりつくって、それを少なくとも参議院になるのか、あるいは外務省になるのか、政府になるのか、政府、外務省、同じなんですけれども、その働きかけのルートも含めて研究して出してみるというのは一つの手じゃないかと。
 さっき調査会のあり方という話もあったんですけれども、さっき本田先生のおっしゃった中で、何らかのメッセージを、例えば日米の例の問題について出すべきじゃないかというお話もあって、これは井上委員もよくおっしゃっているんですが、とにかくこの調査会は全会一致でコンセンサスということなので、イシューによってはなかなかできないものもあると思うんですけれども、できるものがあればやっぱり発信するということが私は非常に大事だと思うんです。
 実は、前の調査会のときに一つだけ今までにないことを残したんですが、それはODA基本法というものをこの調査会でやりまして、小委員会をつくって十三回議論を重ねて、田先生もおられたんですが、ODA基本法の骨子というのを初めて公式に発表しまして、かなりこれはインパクトがあって、その後も、ODA基本法の議論になると参議院の国際問題調査会で出てきたODA基本法骨子というふうに取り上げられるようなインパクトがあったので、そのメッセージの一つとしても国連総会議員団設立構想みたいな話を、これは多分皆さんのコンセンサスがあると思うので、国際問題調査会で調べて案をつくって働きかけるということを、ぜひ、もし会長の御許可等あればやっていただくことがこの調査会の存在感を示すことにもなるんじゃないかと思うんですけれども。
#34
○入澤肇君 しつこいようですが、ちょっと私は意見を申させていただきます。
 調査会として国連に議員を派遣するということは、調査会としてだかどうかわかりませんが、政府がある種の問題を提案する、施政方針演説ですか、総会においてやる、それについて全会派が賛成しているような場合には調査会として行ってもいいけれども、賛成反対が半ばするようなときに調査会としてまとまった議員団を応援団として派遣することができるかどうかはわかりませんし、派遣の仕方ということは相当私は慎重に考えておかなくちゃいけないんじゃないかと思います。予算の計上の仕方とか何かは、これは技術的な問題ですから、これはどうにでもなると思いますけれどもね。
#35
○山本一太君 今、入澤委員のおっしゃったとおりだと思うんですけれども、問題は、いろんな政局もありますし、政治情勢もありますし、人数がぎりぎりのところもあるので、そこは確かに現実的にそういう問題もあるんだと思うんですけれども、例えば各会派から一人ずつ行くといういろんな知恵は私はあるんじゃないかと思います。
 それから、調査会から行くというような話じゃなくて参議院から送るという形で、別にこの調査会が行くという発想じゃなくて、この調査会の国連問題をいろいろ議論する中で出てきた発想として、例えば、もちろん通常でいけば国会議員なんだから衆参両方から行くわけなんですが、参議院は六年間というものがあって、そういういろんな状況からとにかく参議院から始めてみると。だから、調査会の人が行くというのじゃなくて、この調査会が例えば参議院から国連総会に派遣するというシステムを提案するということで、まず一つ。
 必ずしもこの調査会が行くということじゃないのと、もう一つ、入澤委員がおっしゃった、いろんな政治情勢の中の、九月あたりですからいろいろ、多分決議の人数とかそういうのもあると思うんですけれども、そこはもしかして知恵を使えば、三日か四日ぐらい各会派から例えば一名ずつだったら別に条件は変わらないので、私は、もちろん慎重にやらなきゃいけないんですけれども、そういう具体的な知恵を絞ってみれば必ずしも不可能じゃないんじゃないかと思います。
#36
○今井澄君 その問題について、基本的には国会からというか、参議院から各会派みんなで国連総会の場に、特に大事な場面で行くというのは私はいいと思うんです。ただ、結局公費をどのぐらい、全額丸々見てやるのかどうかということとか何かでは、目的とか効果とかというのは、今こういう時代ですから非常に問題になると思うし、私は、外交というのは、もちろん政府、外務省に任せておくだけの問題ではなくて、やはり国会は国会としてやるべきことだと思う。
 それから、先ほどもお話の出ていたNGOですね、これの果たす役割というのは非常に大きいわけですから、日本はそういう点で大分おくれているので、日本でのいろんな会議だけではなくて、そういう国際的にもNGOに対してどういう支援をするかということもあわせて検討するということで幅広くちょっと検討してみたらいいと思うんです。その検討をするのにこの調査会の中に小委員会なりなんなりつくるということについて私は大賛成です。
 それで、例の外交機密費が云々、官房機密費が云々、せんべつがどうのと言われていますけれども、私は現実問題として非常に外国に行きやすくなる、あるいは行くときに向こうの人に対して、まあ端的な例、お土産を買って持っていくとか、そういう点についてやっぱりせんべつみたいなものがある程度役に立った過去があるんだと思うんですよ。議員になりたてで金のないときなんかに行くのは非常に大変ですから、いや、それは変なあれですけれども。
 だから、そういうきちっと意味のある支援ができるのかどうか、あるいはどの範囲の支援ができるのか、議員だけじゃなくてNGOも含めてぜひ検討してください。
#37
○本田良一君 もう一回、くどいようで済みません。
 山本委員の発言に私が賛同いたしましたのは、これはひらめいたわけですけれども、山本委員もそういう気持ちでおっしゃったと思います。それは、一つの支援をするということもありましたし、もう一つは、国連のいろんな今日までの日本の置かれた状況、そして日本が取り組みましたいろんな成果、そういうものを参考人から聞かなくちゃいけなかったということが非常に私はある面残念でした。よって、やっぱりそういう国連というものを肌で日本の国会議員のだれかが毎年味わっている、そしてそのことによって参考人から聞かなくてもさまざまな国連の状況について国会議員はよく知っている、そういうことで非常に今からの日本の国会議員として重要じゃないかと。
 それと、NGOが国連を今より、NPOなどできますとより国連を利用すると思います。そうしたときに、NPO、NGOが今国連にこういうものを持ちかけているけれども日本の国会の方でこれを支援してくれとか、こういう問題がさまざま提起をされると思います。そのときに、やっぱり何も国連の状況を知らないということでは我々の判断はかえって笑われてしまうと思いますから、的確な判断をするためにも、そういうことは恒常的に国会議員の国連での活動が重要だと、こういう意味で賛成をいたします。
#38
○田英夫君 私も山本さんの提案に賛成ですが、いろいろおっしゃるとおり配慮することが必要だと思いますね。
 参考までに、もうかれこれ二十年近く前かもしれませんが、第一回の国連軍縮特別総会が開かれたときに、衆参超党派で十数人だったと思いますが、日本から国会議員団が行きました。これは政府代表を支援するというよりも、そういう特別の総会でしたから各国からも国会議員がかなり大勢来ていました。カナダとかアフリカのナイジェリアなども十数人ずつ来ていて、期せずして、その国会議員の集まりというのが国連の中の別室で、それこそ百人以上の人たちが出席して非常に熱心な議論をしました。
 普通の総会ですとそういうふうにはいかないとは思いますが、とにかく国連のそういう雰囲気を知るということは極めて有益だと思います。
#39
○佐藤雄平君 私はもう大賛成で、いろいろあるんでしょうけれども、これだけきょうも、国連の二十一世紀にわたる役割も今までともっと違った意味でも大事だというふうな理解をしているわけですけれども。しょっちゅう外国に行っている人は別にしても、外国、しかも国連なんというところを全く素朴な気持ちとして知らないで議論をしているのと、知っていて議論をするのでは全然違うんです。私はもう大賛成ですね。
#40
○畑恵君 各先生方のおっしゃられた御意見に賛同しますけれども、国連総会に限らず、幾つかの国際会議に私どもも派遣していただくことがございますが、やはり官僚の方が行くのと違いまして、国会議員、国民を代表して行くという、そしてその人間と交流をしてその人間が発言するという重みというのは非常に大きいんだなというのを国際会議に出させていただくと改めて痛感いたします。
 ところが、正直なことを申しますと、比較的、議員が派遣をされて行ったときの国際会議での発言内容というのは既に用意されたものを読み上げることが非常に多くて、そうではない、予定原稿ではない言葉をたとえ日本語でも申し上げますと、各国からとても感動をされるということがございます。ああ、日本人も自分の言葉で国会議員はしゃべれるんだというような、そういう新鮮な驚きを持って見られますので、やはりこれはある意味で誤った日本の国会議員に対するイメージというのが形成されているのではないのかなと思いますので、そういうことを払拭するためにもやはり積極的に、特に国連総会などは非常に重要な場だと思いますので、国会議員が行って、そこで自分の言葉でしゃべるということが大切だと思います。
 もう一点は、非常にこの会のあり方としては重要でかつ悩ましい問題でありますけれども、全会一致でないとなかなか発信ができないということについて、以前も、沖縄サミットのときでございますか、すばらしい取りまとめができたけれども最終的にそれがここから発信できなかったということがあって、やはりゼロになってしまうというのは非常にそれはさまざまな御意見の方全員にとってマイナスですし、国にとってもマイナス、国民にとってもマイナスだと思いますから、何か全会一致でなくても表に出せるような、そういう工夫というのを何とかできないものかと。
 両論併記でも、何人はこういう意見で何人はこういう意見だったということでも何でも結構なんですけれども、何かこの会から発信をしていくということがやはり大切ではないかと思いますので、御勘案いただければと思います。
#41
○山本一太君 短くまたやりますが、さっき今井委員の方からNGOの話もあったんですが、大変僣越ながら、私、ニューヨークの国連機関に勤めておりまして、大体毎年国連総会の時期はあそこら辺をうろうろしておりました。その後政治家になっても、ハイレベルセグメントと言いますが、各国の首脳とか外務大臣が演説するときには大体、毎年国連総会にたとえ一泊三日でも行って、外務大臣にくっついたり、あるいは政務次官として行ったこともあったんです。
 あのときに、一番大きく国連が動く時期だということがありまして、例えば議員団として一つの目的を持って動くというのは難しいかもしれません。例えば常任理事国入りについても意見が違うわけですから、実際、常駐代表に会っていろんなことを働きかけるということはできなくても、さっき畑委員のおっしゃった国際会議でもそうなんですが、大きな国際会議には必ず各国の大きなNGOが来ています。例えばNPT運用検討会議のときにはミドル・パワー・イニシアチブという有名な非核団体が来ていますし、その時期にニューヨークに行くことで恐らくいろんなところのNGOとの意見交換ができたり、あるいはいわゆる参議院としてのインプットをする機会があるということで一応この国連総会の時期と申し上げたので、実際には、入澤委員がおっしゃったように、本当にシステムとして提案する上ではいろいろと技術的な問題は出てくると思うんです。
 例えば、我々の時代に行けなくても、この調査会から新しいシステムを次の参議院に向けて提案ができたと、もしそれが実現をすれば、ここでこれだけの方々が国連のことをいろいろ相談して、その集積としてメッセージが出せて、それが新しい参議院の一つのシーズになれば私はすごく意味があるんじゃないかと、そういう意味でこの制度のことを申し上げました。
#42
○井上美代君 今、全会一致でないとゼロになってしまうという問題が出たんですけれども、調査会というのはやはりいろんな意見があって、それを出し合って、きょう、かなりフリーにいろんな討論ができたと思うんですけれども、それを出し合って重ね合わせ、深めて、そして新しい時代にふさわしいさらに前進したものがそこから出てくるんじゃないかというふうに思いますので、やはり私は、この調査会というのはあくまでも全会一致でいくということがより調査会としてのすばらしい仕事ができるんじゃないかなというふうに思いましたので、一言。
#43
○畑恵君 反論というよりも、御質問をさせていただきたいんですけれども、調査会としてのコンセンサスということがないと正式には、この調査会でこういう成果がありました、こういう論議の深まりがありました、それを国民の方々に、多くの税金を使わせていただいてこうやって立派な討論をさせていただいたり参考人の方々からお話を伺っているわけですので、私どもというのは還元する使命がございますよね。その還元する使命というのは、ではこの調査会はどういうふうに果たしているというふうに認識すればよろしいのか。
 先ほど全会一致であるとより、私は別に全会一致に反対するわけではないんですけれども、こういう意見もあった、ああいう意見もあったということを含めて公開できるような、提言できるような形で何かしら国民に還元しなければいけないのではないかという思いで申し上げましたので、もしそれもしなくていいということであれば、どういうふうにこの使わせていただいた税金をベネフィットとして国民に私どもは還元していると考えたらよろしいのか伺いたいと思います。
#44
○井上美代君 何も、調べてそれをただ出しているということではないと思うんです。きょうのいろいろな意見もまた報告書の中で反映させられると思うんですけれども、あの報告書自体もやはりいろいろ一致したもので書く。もちろん、違ったところがあればそれはそれでまた書かれると思うんですけれどもね。
 だから、私は一致しない中から新しいものが生まれていくと思うんです、お互いに学び合っていますから。そういう点で全会一致でやって、ただ国民にどうして返していくのかということではなくて、そして全会一致でやりながら、お互いに意見を出し合いながら、それに学び合いながら新しいものをつくって、それをまた国民の皆さんに返していくということですので、委員会なんかのときには多数決で法案を通していくというのもありますけれども、調査会はやはり全会一致というのが、ここで私が主張しているんじゃなくて調査会自身がそうなっておりますので、それにきちんと沿いながら、私たちはより発展させていくという仕事を力いっぱいやっていかなきゃいけないんじゃないかと思います。
#45
○山本一太君 極めて短く申し上げますけれども、畑委員のお話なんですけれども、インパクトがあるかどうかは別として、今おっしゃったようなふうにやっているんです。つまり、我々が多分この調査会を通じて外に発信するものは報告書だと思うんですが、報告書の中では、こういう意見もあった、ああいう意見もあった、こういう議論の深まりがあったということは一応反映をさせているので、ただその報告書がどのくらいインパクトがあるかということの問題はあるんですけれども、基本的には、今おっしゃったように、ちゃんとそれぞれの意見を併記して、同じものはある程度こういう意見では一致したと、しかし一部にはこういう意見もあって、こういう議論もあったということは報告書の中には入っているので、それは報告書という形で出るんだと思うんです。
#46
○畑恵君 もちろん報告書の存在は存じ上げておりますけれども、そういうことではなくて、先ほど例を出して申し上げましたように、サミットですとかさまざまなトップイシューというのがございますよね。アップ・ツー・デートでせっかくこういう会を開いて、そしてフリーディスカッションというのもあるわけですので、それに向けて調査会でこういう意見がありましたということに関して、調査会の取りまとめ、毎回毎回一つのルーチンとして出ていくということ以外に本当に発信という形で出すために、せっかくサミットのときにあれだけの形でまとめてきて、私はやっぱりあれはゼロになってしまったと思いますので、だからといって多数決にしろということは私は一言も申し上げておりませんので、別に法案を通すときのように多数決で何かに集約しろということではないんですけれども、全くああしたときに出せなかったということに私は重要な問題点があるのではないかということでございますので、ちょっと誤解があったようなので訂正させていただきます。
#47
○入澤肇君 山本委員、本田委員等の発言、御提案は、私は、前向きに評価するという意味はどういうことかといいますと、議員外交のあり方についての一つの提案だと思うんですね。ただ、この議員外交というのは役割を明確にしないと逆に、外交権は政府が持っているわけですから、その政府が持っている外交権を非常にディスターブするということが間々あるわけですね。
 これは、山本先生のお父さんの山本大臣のときに顧問団が大勢行って、ただホテルにいるだけで、連絡するだけでもう大変なんです。要するに、交渉してはその結果を中間報告でも何でもいいからそれぞれの議員に報告しなきゃ次の会に行かせないとか、いろんなことがあるわけです。
 だから、要するに、国連について限定して言えば、視察団なのか顧問団なのか調査団なのかということは、そういう役割を明確にしておかないと非常に外交のディスターブ要因になるということはやっぱり考えて、そういう意味で慎重に性格を特定していただきたいということを申し上げたんです。
#48
○高橋令則君 理事会で処理していただいたらどうかと思いますが、この問題については。
#49
○会長(関谷勝嗣君) では、きょうはこのあたりでいいですか。
 それでは、先生方の貴重な御意見をいただきまして本当にありがとうございました。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後四時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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