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2001/06/06 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 災害対策特別委員会 第5号
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2001/06/06 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 災害対策特別委員会 第5号

#1
第151回国会 災害対策特別委員会 第5号
平成十三年六月六日(水曜日)
   午後零時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     八田ひろ子君     大沢 辰美君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     加藤 修一君     益田 洋介君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     益田 洋介君     加藤 修一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         白浜 一良君
    理 事
                松谷蒼一郎君
                森下 博之君
                木俣 佳丈君
                加藤 修一君
    委 員
                加納 時男君
                岸  宏一君
                鶴保 庸介君
                長峯  基君
                齋藤  勁君
                谷林 正昭君
                堀  利和君
                本岡 昭次君
                大沢 辰美君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       国務大臣
       (防災担当大臣) 村井  仁君
   副大臣
       内閣府副大臣   松下 忠洋君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        阪上 善秀君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        吉井 一弥君
       消防庁長官    中川 浩明君
       外務省欧州局長  小町 恭士君
       厚生労働省職業
       安定局長     澤田陽太郎君
       厚生労働省保険
       局長       大塚 義治君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        松永 和夫君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院次長    望月 晴文君
       国土交通省住宅
       局長       三沢  真君
       気象庁長官    山本 孝二君
       海上保安庁長官  縄野 克彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○災害対策樹立に関する調査
 (地震被害早期評価システム及び応急対策支援
 システムに関する件)
 (三宅島の火山活動に伴う避難住民対策に関す
 る件)
 (常設の危機管理機関設置の必要性に関する件
 )
 (被災者の生活及び住宅の再建支援に関する件
 )
 (原子力発電所の震災対策に関する件)
 (サハリンの油田開発に伴う事故対策に関する
 件)
 (危険物運搬車両事故による災害対策に関する
 件)

    ─────────────
#2
○委員長(白浜一良君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五月十六日、八田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(白浜一良君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(白浜一良君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に加藤修一君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(白浜一良君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官吉井一弥君、消防庁長官中川浩明君、外務省欧州局長小町恭士君、厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君、厚生労働省保険局長大塚義治君、資源エネルギー庁資源・燃料部長松永和夫君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院次長望月晴文君、国土交通省住宅局長三沢真君、気象庁長官山本孝二君及び海上保安庁長官縄野克彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(白浜一良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(白浜一良君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○加納時男君 自由民主党の加納時男でございます。
 去る五月十六日、この席におきまして村井防災担当大臣からごあいさつがありました。その中で、地震防災対策の強化に努めるということ、そして発災時、災害発生時の初動体制については、防災対策にITを活用し、中央防災無線網及び地震防災情報システム、DISを引き続き充実していくというごあいさつがございました。
 そこで、そのごあいさつに沿いまして、地震防災情報システムについてまず質問させていただきたいと思います。
 阪神・淡路大震災がありましたのは一九九五年一月十七日でありますから、あれから六年を経過し七年目に入ったところでございます。あの大震災の反省の一つとして、被害実態の把握に時間がかかり、そのためにどの程度の規模の被害が現実に発生しているのかなかなかつかめなかった。地震が起きたのは一月十七日の朝五時ぐらいだったと思いますが、全容がわかったのは大体四日後の一月二十一日だったと記憶しております。このように、非常に時間がかかって、なかなか全容がつかめなかったために初動体制が決定的におくれた、これが大きな教訓だったわけでございます。
 そういったことで生まれたのが大臣が先般申された地震防災情報システム、DISだったと理解しております。具体的には、地震被害早期評価システム、EESと言われておりますが、これと応急対策サポートシステム、EMSと言われているようでございますが、これがスタートしているというふうに伺っております。
 そこで、まず最初に伺いたいんですけれども、EES、地震被害早期評価システムの概要、どういうもので、現状はどの辺まで進んでいるでしょうか、伺いたいと思います。
#9
○政府参考人(吉井一弥君) 先生御指摘の地震被害早期評価システムの概要と現状の整備状況について、まず私の方から御説明させていただきます。
 地震被害早期評価システムは、ただいま先生も御指摘のとおり、阪神・淡路大震災の際、被害状況の把握に大変多大な時間を要したということの反省を踏まえまして、地震発生直後、被災地からの情報がなかなか得られないという状況のもとで、コンピューターを活用して震度情報等から死者数及び建物の倒壊棟数について大まかな被害の規模を推計しようとするものでございまして、現在、震度四以上の地震について地震発生後三十分以内に被害推計を行いまして、この情報を政府の関係機関が共有することによりまして迅速かつ的確な政府の初動体制を図ることとしております。
 現在、既に平成八年度から運用を開始しておりまして、現在までに官邸を含む七つの省庁に対してネットワークを構築して、情報を提供しております。今年度中にはおおむねすべての防災関係省庁へ端末の設置を行いまして、ネットワーク化を図りたいと思っております。
#10
○加納時男君 私は、このDISは国土交通省に伺いまして現物を見せていただいておりまして、地質データだとか地形データ、建築物のデータ、それから人口のデータをあらかじめ整備しておきまして、それで地震が発生したときにその震度に応じてどの程度の被害が出るかという、今御説明のあったとおりの状況であることに、非常に進んできたなという感じがいたします。
 どの程度関係する各機関にこの端末が整備されるのか、つながるのかということは非常に関心があるわけでありますが、今の御説明ですと、今七つの省庁に行っているということですね。そうすると、ことしじゅうにはすべての省庁に端末が全部設置できるということだろうと思いますが、実際にこれを生かしていく場合に、どの程度の被害かというその被害規模を想定し、そして対策本部を立ち上げるかどうか、この意思決定がこれによってできるかと思います。
 それからまた、各つかさつかさといいますか、それぞれの国民の安全に関する施設を所管しておられる機関、公共機関、公益事業等も、これの情報をもとにいろいろ動いてくると思います。また、国民も、今何が起こっているのかということがわかることによって次の対応がわかる。一番いけないのは、何が起こっているのかわからない、情報が来るたびに情報はどんどん悪い方に行くというのが、特に阪神のとき私も住民の一人として非常に痛感した話でございます。
 そして、私、大事なことは、この情報が各省庁だけではなくして、例えばライフラインへの接続でありますとか、あるいはマスメディアを通じて国民に知らされることも大事かなと思うんですが、そのあたりはどうでしょうか。
#11
○政府参考人(吉井一弥君) 先生御指摘のとおり、ただいまは地震被害早期評価システムは防災関係機関の各省庁等間で情報を共有しているところでございますが、今後は、災害時には関係省庁だけではなく、一般の国民でございますとかライフライン関係の省庁等、関係機関に迅速に対応をとっていただく必要がますます大きくなると思います。
 そういう意味では、そのような対応をとっていただくためには、それぞれの方に地震被害の状況あるいは地震の揺れ等の情報を迅速に伝えるということが非常に大事なことだと思っておりまして、EESで得られた評価の内容につきましても、いろんなIT技術を駆使して、皆さんにいち早く公表、通知できるようなことを私どもとしても検討することといたしておるところでございます。
#12
○加納時男君 今、私の質問した中の半分答えていただいたんですが、もう一つ、ライフラインとの接続ということも伺ったかと思います。
 現在のEESは、私が見てきた範囲でいいますとアウトプットですね、何が出てくるのかと。ディスプレーされるものは人とか建物の被害、今のシステムでは私はこれが限界だろうと思っておりますし、これ自体は別に悪いとかいいとかという話じゃなくて、当然のアウトプットが出ていると思います。
 一方、考えてみますと、実際地震が起こったとき、神戸のときもそうだったんですけれども、生活のインフラが一体どうなっているのか。例えば、水はどうなのか、水道はどの程度の被害が出るのか、出ているのか、あるいは電気はどのくらいまで広範の停電になるのか、なりそうなのか、ガスは使えるのか、使えないのか、通信網はいつごろ復旧するのか、あるいは今の被害はどのくらい大きいのか、大きくないのか、いろんなことがわからないまでも大体の想定ができると各関係機関も動きがいいんじゃないだろうか。同じく道路にしましても、高速道路のどこが今倒壊しているとか、あるいはどの程度の被害がこの地震ならば出そうだとか、道路はどの程度のところが支障になりそうだとか、実はそういうことがわからないと対策も立たないと思うんですけれども、こういう生活インフラとかライフラインについての情報は、今は無理だと思うんですけれども、これから取り込んでいくお考えがあるのかどうか、この辺を伺いたいと思います。
#13
○政府参考人(吉井一弥君) 先生御指摘のとおり、現在の被害早期評価システムは、基本的には阪神大震災の反省を踏まえまして、人命救助を大前提といたしまして、そのためにどのようなオペレーションをしたらいいかというふうなことで、どのぐらいの家屋の倒壊、それによる死傷者数が想定されるかということを現地からの情報が全くないときに想定しようということで、自衛隊でございますとか関係機関の動員をスムーズに行うためにやっているものでございまして、そのような目的からして、専ら建物被害及びそれによる人的被害を推計する形になってございます。
 電気、ガス、水道あるいは道路等のライフライン等の被害につきまして早期把握に努めることは非常に重要だと思っております。現在までのところ、それぞれの各機関の御努力で実際にどのような被害が生じたかということがかなり早く推計じゃなくとらえられているというふうに承知しておりまして、コンピューターで推計するのも必要だと思いますが、そのような実際の被害の状況をいち早く推計するようなこともぜひやっていきたいと思っています。
 また反面、電気、ガス等の事業者の方々の持っている情報が非常に全体の被害の把握に貴重な情報となる面もございまして、それらの事業者の方々からも情報をいただいて政府としての対応を決めていくというふうなこともぜひ考えていきたいと思っているところでございます。
#14
○加納時男君 そういう方向でぜひ御検討いただきたいと思います。
 なお、ライフライン等の情報はそういう事業者の方からもらえるし、確度がいいということで、これは後ほど出てまいりますEMSといいますか、応急サポートシステムの方できっと生かされているんだろうと私は思っております。ただ情報をもらうだけじゃなくて、そういう公共的な機関にも情報を差し上げるといったような相互体制、相互乗り入れが私は大事ではないかなと。今、端末はすべて中央省庁の連絡窓口にしかないと思うんですけれども、お互いに情報をやりとりしながら、これは国民的な利益になることですから、ぜひお考えいただけたらと思っております。
 さて、今後の課題で一つ感ずることなんですけれども、EESはこれまでのところ非常にいい実績を示してきたと思っていたところ、去年あった鳥取西部地震、これは例外かもしれないんですけれども、若干想定と実績が食い違ったわけであります。食い違ったからけしかるとかけしからないじゃなくて、私は、実績というものは大事な教材ですから、それから何を学ぶかが大事なんで、違ったからけしからぬなんて申し上げるつもりは全くありません。
 データだけを申し上げれば、恐らく数字は合っているかとは思いますけれども、鳥取西部地震は去年の十月六日に起きたもので、マグニチュード七・三と伝えられております。阪神・淡路がマグニチュード七・二ですから、ほとんど同じぐらいの規模の、かなり大きな地震だった、最大震度は六とか言われておりますが。それでEESが早速作動したわけでありますが、死亡者が二百九人ぐらい、建物が八千戸ぐらいは倒れるんじゃないかというような予測を出したわけです。三十分以内に見事に出したわけですが、実際は、本当に幸いだったと思うんですけれども、実績では死亡者はゼロでした。二百人がゼロ、建物の八千戸倒壊が三百九十戸ということで、結果はいい方に狂ったわけですから、まあよかったなと国民の一人として思ったんですが、ちょっと時間がたって考えますと、ちょっと違いが大きいのかなと。
 ですから、これがいけないということを私は再三言っているように申し上げるんじゃなくて、これから何を学ぶか。いろんな理屈はあると思うんです。人口密度だとか、波形が違うんだとか、波形の周期がいろいろ特性があるんだとか、いろんなことがあると思うんですけれども、どういうことをこの差異から、違いから学んでいかれるでしょうか。ちょっと専門的な話になりますが、わかりやすく教えてください。
#15
○政府参考人(吉井一弥君) ただいま先生御指摘のとおり、昨年の鳥取県西部地震につきましては、実際の被害に比べましてEESの推計結果が大変大きく出ました。私ども、官邸で対策本部におりましたときにマグニチュード七・三、死者二百九人というふうなことを皆さんの前で御報告いたしまして、これは大変だというふうな緊張が走ったのをよく覚えております。
 ただ、おかげさまというか、EESの被害推計ほどのことなくみんな安堵したところでございますが、EESのシステム自体が基本的に先ほど来申しておりますように阪神・淡路大震災を教訓としてというか、システム設計も阪神・淡路大震災をもとにいたしまして、あのような地震が起きたときに阪神大震災の被害規模をいわば正確に出せるようにというふうなことを前提としていろんなシステムを組んでおりまして、阪神・淡路大震災と比較的地盤のやわらかい地域のデータをもとにしてシステム設計したのと、鳥取県西部地震では比較的地盤のかたい地域だったというふうなことから、地震の揺れが少なくて建物の倒壊が少なく、死者もなくて済んだのだと思っております。
 先生にもただいまおっしゃっていただきましたように、ある程度の誤差を持つことは仕方ありませんし、また多少大き目に出るということは災害対策の意味からすればそう悪いことじゃないんだとは思いますが、それにしてもより正確なシステムにすることは非常に重要なことだと思っておりまして、鳥取西部地震の後速やかに学識経験者の方々にお願いいたしまして地震被害に関する検討委員会を設けまして、現在検討を行っているところでございます。ほぼ検討結果がまとまりつつございまして、現在、システムの修正を行うべく作業していただいているところでございます。
#16
○加納時男君 わかりました。その委員会の検討結果を生かして、ぜひ改善を図っていただけたらと思っております。
 今、EESのお話を伺ったわけでありますが、第二段として、次のシステムがEMSだろうと思います。応急サポートシステムでありますが、これの概要と、現状はどこまで行っているのか、簡単に御説明いただけたらと思います。
#17
○政府参考人(吉井一弥君) EMS、応急対策支援システムと言っておりますが、これも阪神・淡路大震災の教訓でございますが、各防災機関が持っております被害情報の集約や防災機関間における情報共有が十分に進まなかったということを踏まえて整備を行っておりますコンピューターネットワークシステムでございます。
 こちらは、デジタル地図の上に災害拠点病院でございますとか避難地、避難路、ヘリポート等の防災施設等の情報を事前に入れておきまして、その上で災害発生時に被害に関する情報を入力することによりまして防災関係機関相互の情報の共有化を図って、患者さんの緊急輸送などの各種の応急対策についての計画を迅速に策定できるようにということでございます。
 現在、防災施設等のデータベースの整備を進めているところでございまして、今年度中に全国区の総合的な防災の電子地図の整備がほぼ完了する予定でございます。システム全体としてはまだ試行の段階でございまして運用の実績はないわけでございますが、今年度中に防災関係省庁のほぼ全体のネットワークが図られるのに合わせまして運用を開始したいと思っております。
 ただ、現在、私ども考えますには、災害時の混乱の中で各防災関係機関が被災データを入力していただくようなシステムになってございまして、そのようなことが本当にできるのかどうか、入力のシステムをもう少し何か考える必要があるんじゃないかというふうなことが最大の課題だと存じておりまして、今後、関係機関等と協力しながら解決を図っていかなければならないと思っております。
#18
○加納時男君 今、政策統括官の方で被災データの入力が現場では大変ではないかというお話がありますが、私は、今お話を伺っていますと、デジタル地図の上に前もって入れてあるいろんな情報がありますね。どういう道路があるとか、それから救急病院はどこに何床ベッドがあるとか、いろんな情報が入っていると思うんです。問題は、実際に災害が起きたときに、病院があるのは間違いない。その病院がちゃんとワークしていれば、最適なルートだとか、ヘリコプターで運ぶ場合にどのへリポートからどこへ運んだらいいかとか、実に見事に出ると思うんですけれども、現実にはどんな被害が起きているかという情報が大事だとおっしゃったとおりと、もう一つは、実際に災害が起きたときに病院で病床が何床あいているのかとか、それから実際にヘリポートが使えるのかどうか、大震災のことを考えておりますので、使えないこともあるだろうと。この道路を通れば一番最適なルートだと、これもわかるんだけれども、その道路が途中で陥没しているとか、いろんなことが実はあって大変だと思うんですね。
 災害が起きて、みんなそれぞれの担当の方が必死になっているときにうまく情報がとれるのかどうか、この辺非常に心配なんです。リアルタイムなといいますか、まさかオンラインでこれを全部動かすわけにもいかないとは思うんですけれども、そういった情報を絶えず入れるというのは大変ではないかと思うんですけれども、この辺はどんな工夫をされるんでしょうか。
#19
○政府参考人(吉井一弥君) まさに先生今おっしゃったようなところがこのシステムの最大の課題だと思っておりまして、私どもも、できる限り災害発生時に個別に入力してやるような形じゃなくて、何らかの形で自動的にというか、被災の状況等が自動的に入力できるようなシステムがないかというふうなことを検討しているところでございます。
 私どものシステムのほか、各県等でもいろんなシステムが開発されておりまして、そのようなものの中にはかなりそういうふうな入力の仕方を工夫しているところもございますので、そのような事例もよく勉強しながら、入力の仕方等について十分検討していきたいと思っております。
#20
○加納時男君 政策統括官からいろいろ具体的に伺いました。
 これを踏まえて大臣に伺いたいんですけれども、このDISというのは非常に私は大事なシステムだと思うんですけれども、大臣もこの間の所信でしっかりやりたいとおっしゃったので、今の討論を踏まえまして、今後の地震防災対策に臨む大臣の覚悟のほどを伺いたいと思います。
#21
○国務大臣(村井仁君) 長年にわたって電力というライフラインを維持するという大変重要なお仕事をやってこられた加納委員でいらっしゃいますから、また大変いいポイントをついた御質問をちょうだいいたしました。
 まさにIT時代、こう言ってはなんでございますけれども、例えば人工衛星とのリンクでございますとか、あるいは携帯電話などが非常に性能がよくなっているというようなこともございますので、今、委員と吉井統括官との質疑でも出てまいりましたけれども、双方向の情報交流というのは非常に大事なポイントだろうと思っております。
 それが果たしてどれだけ円滑にできるか、これはもう何といいましても緊急のときにヒューマンファクターが入ってまいりますので、その辺で幾ら訓練をやりましてもなかなかいざとなると思うようにいかないという面もあると思うのでございますけれども、そのヒューマンファクターをできるだけ極小化するような努力というのは一つの問題点じゃないかと思っております。
 それから、先ほど御指摘がございましたライフラインを握っているところが持っておられる情報、こういったものも包括的に包み込んでいくような、そしてまた、政府の持っています情報をそういう主要なライフラインを握っておられるところへ提供していくような、そういうような検討もこれからの大きな課題。
 いずれにいたしましても、最後のところは、その被災地の住民がどのように行動してくれるかというところも大きな要素でございますので、さらには、そういう被災地の住民の方々との情報の共有というところまで将来は考慮していかなきゃならない問題だろうと思っております。
 非常に難しい問題でございますけれども、ひとつ一層の御支援を賜りたいと存じます。
#22
○加納時男君 大臣、覚悟のほどありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 続きまして、先般私ども、この災害対策特別委員会の同僚議員と御一緒に、三宅島の噴火に関しまして、東京都庁にあります三宅島村、そしてまた桐ケ丘の避難住民の方との懇談等を行ってきたところでございます。同僚議員からもまたそういう関係の質問が出ると思いますので、私はごく簡単に一、二だけ伺って、あとは同僚議員に譲りたいと思っております。
 一言で申し上げまして、住民の方々は非常に苦しい長い避難生活にはなっておりますけれども、例えば住宅については、アンケートで六三%の人が満足している、不満の方は一二%というぐあいに、一例を挙げましても迅速な措置に対するかなり感謝の言葉を住民の方から伺いました。また、桐ケ丘ではございますが、コミュニティーの方々が非常に親切にしていただける、東京の人の人情のよさに関心したと。三宅島も東京なんでございますけれども、そういうことで私ども非常にうれしく思ったところでございますが、一方また、悩みも長期化に伴って出てまいっておりまして、ミクロの情報といいますか、自分の家が、写真では見せてもらったけれども、建て直すことができる程度の被害なのか、もう無理なのか、この目で見たいという気持ちをかなりの多くの方がおっしゃっておられました。何よりも先行きがどうなるのか、いつ噴火が終わって、いつ帰れるのか、また再び今までの仕事ができるのか、とてもその先行きが読めないことがつらいんですよという言葉は、本当に胸を締めつけられるように痛い言葉でございました。
 こういったようなことから一、二だけ質問させていただきますが、まず、気象庁にきょうおいでいただいていますが、火山活動の現状、噴火ガスがおさまってきつつあるのか、その兆候があるのか、今後いつごろにおさまりそうなのか、その辺を伺いたいと思います。
#23
○政府参考人(山本孝二君) 三宅島の火山活動の見通しについてのお尋ねでございますが、五月二十八日に火山噴火予知連絡会を開催いたしました。その場で三宅島の火山活動の見通しについての見解がまとめられました。
 三宅島では依然として多量の火山ガスを山頂火口から放出する活動が続いております。山頂火口からの二酸化硫黄の放出量も、昨年に比べて低下しておりますが、依然として一日当たり約二ないし三万程度の高い値を保持しております。三宅島の収縮を示す地殻活動は次第に鈍化しております。三宅島の火山ガスの放出活動は低下の兆しがあらわれているのではないかと考えております。
 今後も小規模な噴火が発生する可能性はありますが、ガスが抜けてきておりますので、この進行によりまして火山の活動は全体としては低下傾向にあり、山ろくに影響するような大きな規模の噴火の可能性は低いのではないかと考えております。
 火山ガスの放出には若干の低下傾向が先ほど申し上げましたようにあるわけでございますが、放出量は現在も依然として高いレベルでございます。このような活動は、残念ながらもうしばらくの間、今後も続くと考えられますので、私ども気象庁といたしましては、引き続き火山ガスに対する警戒並びに、梅雨期でございますので、雨による泥流にも警戒が必要ではないかというふうに考えてございます。
#24
○加納時男君 長官、ありがとうございました。
 これは内閣府に伺うことかもしれませんけれども、そのような状況のもとで一時帰島ができるかどうか、ぜひ一時的にでも島に戻ってこの目で確かめたいという、住民のこれ切なる願いでありますが、これは内閣府でございましょうか、お答えいただけたらと思います。
#25
○副大臣(松下忠洋君) 六月二日に村井大臣が三宅島に行かれました。私もその前の五月二十六日に阪上政務官と一緒に現地を見てまいりました。
 昨年の九月四日に全島民が避難されてからもう十カ月たっておりまして、島民が一日も早く帰りたいという気持ちは痛いほどわかっておりますし、大臣自身も都内の島民の方たちがおられる場所の激励にも行かれましてそういう声を聞いております。
 私も全島回ってそういう観点からいろいろ調査もし、議論もしてまいりましたけれども、火山ガスの放出に低下の兆しがあるといっても、まだ異常なガスが放出されておりまして、二万トンから三万トン一日に放出されている。私も現地へ行って、防毒マスクをつけて入らなければ現地へ行けないという状況もございまして、当時七ppmの濃度だということでした。これは、環境基本法による環境基準では〇・一ppmが基準だと。防毒マスクをつけなくても作業できるというのが二ppmと言われていますから、まだ相当高い濃度のガスが出ているということでございまして、まだ危険だなということを実感して帰ってきたところでございまして、もうしばらく時間がかかるんじゃないかなという判断でございます。
#26
○加納時男君 松下副大臣、どうも御苦労さまでございました。また、大臣も政務官もおいでいただいてありがとうございました。
 住民の方といろいろお話をしていますと、避難生活が長くなってきたので生活が苦しくなってきたという方も結構おられます。アンケートでは、公務員とか年金生活者の方を除いて、六一%の方が生活が苦しくなってきた。それからまた、同じく公務員、年金受給者を除くと、転職の方も含めて新しい職を探していらっしゃるという方が過半数になっているということでございます。
 お話を伺うと、今まで得意だったのが農業とか漁業とか、あるいは畜産は得意だと。しかし、例えば桐ケ丘のそばでそういうのを探してもちょっとないと。これはやっぱり全国ベースで探さなきゃいけないのかなとか、それから避難が長期化するならば本格的な職業を探す、だけれども、一時的避難であれば一時的な職だというので非常に迷っているというのがあるのでございますが、こういった生活支援、職探し等については、これは厚生労働省になるでしょうか、どんなふうにお考えでしょうか。
#27
○政府参考人(澤田陽太郎君) 避難島民の方々の状況は、今、委員御指摘のとおりと私どもも思っております。
 それで、これまで公共職業安定所におきまして、避難されている方々が多くおられる八王子、武蔵村山あるいは北区等々で巡回職業相談を何回かやっております。そうした中で、御本人の御希望をお聞きして常用の雇用へのあっせんをしておりますが、現在、六月一日現在で七十三件の就職が成立しております。ただし、まだまだ希望に合った職につけない方がございまして、現在、公共職業安定所には島民避難の方で六十七名が登録をされております。
 それからもう一つ、職業紹介というチャンネルだけではありませんで、四十七都道府県に交付金を交付いたしまして、臨時的、短期的な就業機会をつくっていただくという事業を実施しておりますが、東京都におきましては、大変創意工夫を凝らしていただきまして、三宅島の特産農産物を栽培し、その種苗を育成するというような事業をこの交付金事業の中で四月から来年三月まで実施していただいております。そうした中でも農業等々で御経験のある方は相当仕事についているという状況もございます。
 それから、避難の方々で高齢の方が相当いらっしゃいまして、毎日働くというのではなくて、週に二、三日とか自分の都合のいいときとかという御要望があります。そうした方々に対しましては、三宅村シルバー人材センターという、高齢者の方々に臨時的、短期的なお仕事をあっせんする仕組みでございますが、この三宅村シルバー人材センターの臨時事務所が都内に二カ所ございますので、そうしたところあるいは他の東京都のシルバー人材センターの御協力を得て、六十歳の方々にも御希望に合う仕事を今一生懸命あっせんしているという状況であります。
 今後につきましては、噴火の状況等々を見ながら、私どもとしまして各人の希望に応じた求人をまず探すということをベースにきめ細かな職業相談等々に努めていきたい、こう思っております。
#28
○加納時男君 時間になりましたが、最後に大臣に、こういった三宅島の実態を踏まえまして、三宅島の避難している住民の方々への励ましと、そしてまたこれからの御覚悟を伺って、質問を終わりたいと思います。
#29
○国務大臣(村井仁君) 私も、災害対策というのは、何と申しましても現場を踏ませていただき、また直接被災された皆様方のお話を伺うということが大切なことだと思いまして、実は天候の関係で五月八日に計画しましたがうまくいきませんで、結果的には六月二日になったわけでございますが、現場を踏ませていただきました。
 それからまた、ただいま職業安定局長からお話しのございました東京都のやっておりますげんき農園というのがございますけれども、これはアシタバとかその他の三宅島の特産品を八王子でつくっているというプロジェクトでございますが、そこへ参りまして、阪上政務官とともに現実にそこで働いていらっしゃる方のお話も伺い、激励をいたしてまいりました。
 いずれにいたしましても、自然相手の話でございまして、現段階でいつ一番願望しておられる帰島がかなうかというところの見当がつかない、そういう状況でございますので、何とか激励をし、そして東京都とも連携を保ちながら、皆様の生活の安定を図るように努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
 なお、島そのものにつきましては、幸い周回道路だけは一応回復ができまして、あとは火山灰が梅雨期になりまして当然相当流出する可能性があるわけでございますが、これによる被害というものはどんな形になるかわかりませんけれども、それに対する対策などもいろいろ工夫をされているようでございます。
 いずれにいたしましても、帰島が可能な状況になりましたときに島で生活が立ち行くような環境整備を今の段階でもできるだけ東京都と協力しながら進めてまいりたい、そんな決意でございます。
#30
○加納時男君 ありがとうございました。
 終わります。
#31
○本岡昭次君 民主党・新緑風会の本岡です。
 大臣所信に対して質問をさせていただきます。
 村井防災担当大臣は所信の中で、災害から国民の生命、身体及び財産を守ることは国の重要な責務の一つであるというふうにおっしゃいました。これは歴代これに関係する大臣がおっしゃる言葉であります。私も、国会議員として二十一年、自分が何のために国会に行っているかというと、このことを私は申します。
 そこで、阪神・淡路大震災で私の生まれ育った神戸が壊滅しました。六千四百三十二人、阪神間、淡路も含めて、失わなくてもいい命を失ってしまった。また、全壊が十万四千、半壊が十四万九千、二十五万戸の住宅が住めなくなってしまった、使えなくなってしまったということであります。
 この事実を見て、文字どおり私は戦時中の阪神、神戸大空襲の再来かと思うような事態を目の当たりにして、国会議員として、国民の生命、財産を守るために国会へ行っているんだと言った自分が一体何であったのかと私は痛烈な反省をそこでし、ただ申しわけないの涙も、単なる涙でなくて、二度とこういう、地震をとめるわけにはいかないけれども、一〇〇%やれるだけのことをやってきたかというとそうでないという反省の中で、私は今日まで自然災害から国民の生命、財産を守るということはどうすればいいのかということを追求してきたつもりであります。
 きょうは、村井担当大臣とお互いに国会議員として、政治家としてこの問題で議論をしたい、このように思いますので、よろしくお願いいたします。
 それで、自然災害の中の最大のものはやはり大地震ではないか。今も三宅島の噴火の問題がありました。噴火も大噴火ということになれば当然そうでありますが、主として私は大地震という問題で議論をいたします。
 そこで、最近の新聞を見ますと、西日本が地震活動期に入ったというふうな専門家の発言が出てくる。あるいはまた、南関東地震と東海地震にある程度の切迫性があるというふうなことが新聞に報道されるという状況にあるわけです。国民の生命、財産を守っていくという立場から、大地震の発生をどのようにするのかということについて、予測はできないまでも、こういうさまざまな情報がある中で、きょうも新聞を見ると富士山の山が崩れるかもしれないとか、いろんなそういうものがあります。
 そこで、大臣はこうした予測というものをどういうふうに認識されておりますか。専門的なことはいいんです、お互い政治家ですから。私はこう思っているんだということがありましたら、ひとつお願いします。
#32
○国務大臣(村井仁君) 尊敬する本岡委員のまた本当に御体験に基づく御発言でございます。重く拝聴させていただきました。
 私は、天然自然現象の中で地震というのは、まだまだいわゆる予知というものが厳密な意味でできない。例えば、いろいろな予知がなされましても、それは今から数百年の間にマグニチュード幾らくらいのものが起こる可能性がある、こう言われるわけでございますから、これはとてもじゃないが天気予報の世界とは全然違うわけでございまして、それはもう当然のことなのでございますが、結局私ども人間にできますことというのは、それがある瞬間に起きましたときに即座にどういう手が打てるのかというような、言ってみれば準備をできるだけしておく、これは一つの方法だろうと思います。それから、起きました場合にそれに耐える耐性、例えば耐震性の建築物などというものがこのごろかなりふえてきていることは事実でございますから、耐震、免震というようなことで対応していく、これも一つの方法でございましょう。
 そういうものに予知というものが少しでも反映すれば、私は被害をできるだけ少なくしていく方向へ私ども仕事をしているということになるのではないか、こんなふうに感じるところでございます。
 余り明確なお答えにならないのは申しわけございませんが。
#33
○本岡昭次君 防災担当大臣の責任においては、いつ、どこで、どんな地震が起きてもそれに万全の態勢で臨めるように危機管理をつくり上げるということをおっしゃる以外にないと思うんです。今も言ったように、阪神・淡路だってマグニチュード六なら耐えられるというてやった、六レベルの地震というものの想定が常識であった、しかし七が出た。こういうふうに予測というのは絶えず新しい事態の中で変えていかなければならないから、危機管理もそういう意味で、今ある危機管理がそれでは五年役に立つかというと、そういうものではないというふうに思います。
 そこで、日本は地震列島と言われているんですから、いつ、どこで起きてもということでなければいけないわけですよ。あす起きても、防災担当大臣として備えについては大丈夫だと胸を張って国民に言えるのかという、ここの問題があるんですね。
 そこで、どうです、大臣は所信で「中央防災会議の機能を十分に活用し、防災施策の総合的な推進を行う」ということで大丈夫だという裏づけをしておられるんですが、本当にこの「中央防災会議の機能を十分に活用し、防災施策の総合的な推進を行う」ことによって皆さん安心ですよと大臣は言えるとお思いですか。これは大臣がされたんじゃないんですよね。そうでしょう。各省庁の再編が行われた後、あなたは大臣になられたわけだから。
 果たして胸を張れるかどうかという質問は非常に失礼な質問かもしれませんが、しかし現にあなたは大臣ですから、どうです、十分と本当におっしゃれますか。
#34
○国務大臣(村井仁君) 私は、やはり今の体制というのはそれなりにいろいろ工夫を重ねてつくったシステムだろうと思っております。
 本岡委員御指摘の点は、恐らくアメリカにおけるFEMAのような専門的に防災をやる、そういう中央組織というものをきちんとつくったらどうだというようなことを含意しておられるのではないかと思うのでございますけれども、防災というのは、ある意味では、それぞれの担当分野でそれぞれにきちんと日常はやっていて、そして緊急事態になりましたらそれがまた一丸となって一つの意思のもとにきちんと機能するということが担保されれば私はそれなりにきちんとしたものができるんだろうと、そのニーズにこたえられるんだろうと思っておりまして、防災ということだけを明けても暮れても考え続けているのが例えば数千人いる状態というのが果たして、何といいますか、行政のコストとかというような点から評価にたえるのかというあたりはまた別の議論があり得るんだろうと思うのでございます。
 さような意味では、日本の今の中央防災会議を軸にして内閣府で防災担当大臣が総合調整の任に当たるというシステムは、私は日本の現状ではそれなりにふさわしいシステムではないか、そんなふうに考えております。
#35
○本岡昭次君 私は、FEMA型の危機管理体制というものをつくることが日本に必要だということをずっと主張して、その質問をしてきました。だけれども、政府はなかなかこれにこたえようとはしない。今、大臣がコストということをおっしゃいました。なかなか正直で結構だと思うんですよね。
 FEMAが正職員を二千六百人、非常勤職員を四千人擁して、一たん事が起こればさあっとその人たちが機動的に動く。日本のように各省庁から集まっていらっしゃいよじゃなくて、そういう人たちが常時、災害が起これば。しかし、それをコストと見るのか、ここのところだと思うんですよ。真に国民の生命、財産を守るんだ、それが国の責務だと言うなら、その責務を果たすコスト、それを高いと見るのか高くないと見るのか、この認識の問題だと思う。
 だから、日本の国は人の命をどう考えているかという問題にかかわって、今のあなたの答弁一つ見ても、政府の意識にコスト意識という、いつ起こるか知れないものに二千人も常勤を抱えて、そしてそこで専門的な研究をいろいろとやっているということ、そんなむだなことがあるかという発想がある限り、国民の生命、財産を守ることは国の責務だということとの間に大きな乖離が起こるというふうに私は考えております。
 したがって、本当の危機管理、地震列島の上に住む日本人の生命、財産を守るのなら、二十四時間、そういう地震とか水害、火山、あらゆる自然の猛威にさらされる国民を守りますよというものがあるということが、国民はそれをコストが高いと言うかどうかの問題だと思います。
 だから、小泉総理が聖域なき構造改革と、こうおっしゃった。痛みも分かち合いなさいよと。それは結構でしょう。しかし、その構造改革ということは、何も人を減らしたりあるいは官から民へとかということじゃなくて、今までそれをコストと考えておったのをコストと考えないということも私は改革の重要な視点だと思うんですよ。それを国民に訴えてみたらどうですか。皆さん、二千六百人が絶えず専門的な研究を重ねて、二十四時間、皆さんの生命と財産を守るためにそこに待機しておるんですよと。それはむだだと思いますか、どうですかという問題ですよ。私は、むだだというふうな答えは返ってこないと思います。
 そこのところに切り込めない構造改革というのは、私はある意味ではこれは片手落ちだと思うし、防災担当大臣こそそこに切り込むべきではないかということを、ここで強くあなたの意見に反論をしておきたいのであります。この反論をしたからといって、あなたが直ちに、いや、わかりましたとおっしゃるほど簡単なことだと私は思っていません。だから、いずれまたそのことについて議論をするときまで私はそれをあなたに宿題として置いておきます。
 そこで、例えば阪神・淡路大震災のときの出来事で、どれだけの被害が起こったかという被害の実態を知るそのやり方について、私は当時、自社さ政権のときに、幸いそのときは与党におりました。だから、ある意味では、阪神・淡路大震災でもっときちっと村山総理大臣が本当に僕の言うような形でやっておったら私は社会党を出なかったかもしれない。せめてそのことだけでも社会党の総理大臣であったがゆえにやってくれておったら、さすが立派やと思うんですが、そうでなかったですよ。住宅にしても個人のそういう問題にしても、個人の財産は個人が守るんだ、国が税金でもってそういう災害の後始末をすべきでないという大原則のところに全部私たちの考えはつぶされてしまったんですね。
 そこで、FEMA的な形と日本の今あなたのおっしゃるのとの違いを申しますと、例えば阪神・淡路大震災で被災を受けた神戸、阪神間を航空写真で事前にきちっと撮っておく。どのように住宅が密集しているか、道路がどこにあってということを航空写真で撮っておく。があんと地震が起こったら、また同じところを航空写真で撮る。そして、それを重ね合わせる。一目瞭然に被害を受けたところとそうでないところがわかるわけです。何市の何々町の何番地のここが被害を受けて何戸、そしてすぐ出動するというんです。よろしいか。
 そして、そこに対して小切手が、見舞金が二、三日のうちに配られるというんですよ。その配られる中に被害を受けていない人もおる。だけれども、それを配るというんですよ。それがまたコストの問題と関連してくる。中には被害も受けていないのにそれをもらってどこかへ逃げてしまって、まあ言うたら詐欺をしたような形になる場合もある。だけれども、そういうことが起こるからといって、現に被災を受けて今塗炭の苦しみを受けておる人に助ける手がおくれるということとの関係はどうかという議論をするようです。そのときにどちらをとるかというと、そちらで詐欺的な、被害も受けていないのに丸もうけする人ができても、被害を受けている人のところに一日でも早く、一時間でも早く救援の手が差し伸べられる方が大事だという発想に立って、FEMAの職員が、あのときは六千人から入ってきたといいますが、ノースリッジなんかは。九千人か。そういう形でそれぞれをこうやると。
 日本やったらどうですか。一々、本当に被害を受けたんですか、どこがどうつぶれたんですか、綿密なる調査をやって、一軒の落ちこぼれもないような状態にしてお見舞金を配っていきますね。しかし、その間にどんどんどんどん時間が過ぎていくということ。そこにくしくも先ほどのコストの問題と同じような発想が出てくるんです。
 だから、そういう危機管理庁というふうなものが、緊急の対応に絶えずふだんから訓練されている職員が事態が起こるとさっと入って、そして今言ったような対応をしていく。全壊か半壊かというのを調べるのも、それの専門の人がだっと入ってくる。阪神・淡路なんておりはしませんよ、そんな人。いろんな人が出てきて、あれ本当に専門家かなと思う人でも、黄色い紙、赤い紙をべたべた張っていくということをやるしか仕方がない、その訓練した人がいないんだから。FEMAにはそういう人たちがちゃんといて、コンピューターに携帯電話をつけたものを持って入っていって、そして何番町の何々はこうだと。ぐるっと回ったらもうそれは一つの統計になって、コンピューターで統計されて、どこにどれだけの示唆をせないかぬかということがぱっと出てくる。それで、直ちに住宅の支援だとか個人の生活支援のための申請を受けつける窓口がずっとできる、そういう仕組み。
 なぜかというと、FEMAに基金といって、各省庁と相談し、大蔵省的なところと相談しなくとも大統領とFEMAの長官の判断で使える予算というのが一千億ないし二千億基金としてあって、それを自由に使うということですよ。日本だったらそんなことはできないでしょう、足らなくなったら補正予算で組むという仕組みが。
 だから、迅速に機敏に生命、財産を守るんだということ。それで、その全体は、地域社会の復興であると同時に政治の復興だというとらえ方をしているようです。わかりますか、政治の復興。というのは、政治というのは絶えず不信感を持たれるんですよ、何にもしてくれへん、勝手なことばっかりやっているというふうに。そういう不信、不満の対象ですよ、政治は、はっきり言うて。今、小泉さんは何や物すごい人気があるけれども。だから、そういう震災のときに、国民が文字どおり生命、財産の危機に瀕しているような状態のときに国が何をしてくれたかということこそ信頼を取り戻す、信頼を回復する、いわゆる政治の復興という観点がそこにあるということでやるようですよ。私は、こういうことは大いに学ぶべきだというふうに思う。だから、FEMAのそういう仕組みを日本にもぜひ取り入れるべきだと言ったんですが、なかなかそれに対して取り入れようとしない。
 どうですか、防災担当大臣、聖域なき構造改革とおっしゃっているんです、だから思い切ってコスト論を吹っ飛ばして、そしてFEMA的な自然災害危機管理体制というものをつくる上で、あなたのような立場の人は危機管理庁の長官となって、そして三年、五年という一定の期間、自分の責任においてそのシステムをつくり上げていく。そこにおる人も、それこそ何年か継続して全体としてつくる。今のように何か人事異動でぐるぐるかわったりして、さあ必要なときに、おい、だれか経験のある者おらぬか、集まってこいというふうな形ではだめじゃないかと、このように思うんですね。
 随分たくさん私しゃべりました。一言どうですか。ちょっとFEMA的なものを考えてみようかという気にはなっていただけませんでしたでしょうか。
#36
○国務大臣(村井仁君) 大変学ぶべきところがあるということはよく理解できるところでございます。
 ただ、幾つか感想がございまして、一つは、生命を非常に尊重するという意味では、私は日本の方がアメリカに比べましてもそういう意識というのは非常に強いということは一般論として言えるんじゃないだろうかと思います。
 それからもう一つ、先ほど小切手を配るというお話がございました。このあたりは一番議論のあるところだと思いますけれども、日本の場合、とりあえずは例えば衣食、そしてまたとりあえず滞在できる場所を提供するというような、いわば一種の現物支給主義といいましょうか、そういう形になっておりますね。そのどっちがいいのかというあたりはいろいろ議論があるところだと思います。
 それからもう一点、FEMAにつきまして私も少しばかり聞きかじりをした程度のことでございまして申しわけございませんが、いわゆる危機管理というのは二十四時間常に緊張を強いられる立場でございますが、例えばFEMAの長官にしても、あるいはナンバーツーにしましても、あるいはその担当者にしましても、一種のダブル配置のシステムが設けられていて、平気で休暇をとるんですね。その間は代理者が全責任を持ってカバーするというようなシステムが構築されている。
 私は、こんなような点は、危機管理というものを実際いざ私も危機管理といいますか防災担当ということで仰せつかりましてみますと、非常に緊張も強いられますし、それから基本的に東京を離れるわけにいかないというような問題もございます。そういうことで、果たして本当にこういう一人の人間がそういうことで担当者としているということでいいんだろうか。例えば、ここに副大臣がおいででございますが、私は副大臣とはできるだけいつも行動は別にいたしまして、例えば三宅島へ参りますときも私は一人で参る、副大臣は別途おいでになるというような体制をとりまして常時注意をいたしておりますが、それにしましても、国務大臣たる立場では私だけでございます。そういう意味で、一種のダブル配置みたいな体制は防災というような立場では考える必要が一般論としてあるのではないか。
 そのほか、FEMAのシステムなりに限らず、諸外国のいろいろな防災のシステムにつきまして私ども学ぶ点は本岡委員仰せのとおり多々あると存じますので、そのあたりはまた謙虚に十分勉強させていただき、学ぶべきところ、取り入れるべきところはちゅうちょなく取り入れる努力をしてまいりたい、そんなふうに感じた次第でございます。
#37
○本岡昭次君 具体的に取り入れるところはちゅうちょなくとおっしゃいました。
 それで、私も一番疑問に感じたのは、震災が起こったときに一番初めに発動される、緊急はいろいろありますけれども、被災者にとってのものは災害救助法ですよ。しかし、その災害救助法は災害担当大臣の所轄じゃありませんわね。旧厚生省の援護局とか、どこかそういうところにあるようでして、これが何としてもしゃっきりせぬのですよ。
 震災が起こったときに最初に被災者に対してあなたがおっしゃる現物給付とか、弁当を配ったり毛布を配ったり、いろいろなことをするのは、何で災害担当大臣の、前だったら防災局の手元になくて厚生省のところにあるのかというのは、それは何かというと、スタートがあなたがおっしゃる現物主義、昔々、物、毛布、弁当、同じものを配っていくというそういうやり方のときに、厚生省がやはり難民と同じような形の中での発想でずっと出てきて仮設住宅だと、こう入っていくと思うんですよ、体育館におってとかね。それで、厚生省の援護局、文字どおり援護されておるんですよ。それはもう今日の御時世に合わぬのではないか。はっきりと援護とかという形で長期にするんじゃなくて、できるだけ短期にそれぞれの人を仕事に戻さなあかんのですよ、生活に。三年も四年も仮設住宅の中に住むというふうなことが僕は救援じゃないと思う、助けることじゃないと思う。
 それはなぜかというと、発想がそういう発想になってしまっているから。それはあなた、弁当を渡すんじゃなしにお金を渡したら何でいかぬのかと。弁当を渡すからそこの地域の経済が動かぬのですよ。体育館に入っておる人に千円を渡して、これで好きなものを食べていらっしゃいと言ったら、近所にタコ焼き屋ができるかもしれない。いろんなものができて、日本人は知恵があるから、そこで商売が起こりますがな。つぶれた市場だってそこに仮設のものをつくって物を売り始めますよ。現物を渡すからそういう経済活動が起こらぬのですよ、被災地に。
 毛布だって、何も同じ毛布でなくてもいいでしょう。それで、聞いたらどない言うかといったら、いや、毛布を渡しておる、毛布のかわりに酒を飲んだらえらいこっちゃだと、そういう失礼なこと。温まろうと思うて酒を飲んだってええやないかと。なぜそういうことまで一々構うんだと言うんですよ、その人間の一人の生活を。そうでしょう。
 だから、そういう意味で現物主義でやっていくというのが災害救助法の発想にあるんですよ。全部余りにも過保護過ぎる、あのやり方は。なぜかというと、それは厚生省の援護、生活援護と、生活保護のところをどうするかというのと同じような発想で来るからですよ。
 だから、大臣、一元化、こういう災害関係のものは全部大臣の手元に集めることですよ。まずここから始めなさい。いかがですか。
#38
○国務大臣(村井仁君) ただいまのお話をお伺いしておりまして、現物で給与するというのは、本岡委員がおっしゃるように、物流が昔と違いまして大変スムーズになっている現状では確かに実態に合わない面も私はなしとしないと思います。おっしゃるとおりだと思います。例えば、コンビニが早々と阪神・淡路のときも開いたというような例も確かにございます。
 それに対しまして、あくまでそういう物流が途絶するということを前提にいろいろな物資の給与などについては構想されている、考えられている、このあたりは確かに一つの問題点だということは私どもも認識しております。
 ただ、御指摘の災害救助法自体は、これは古い法律なんですね、昭和二十二年。これは昔の内務省から、御案内のとおり、厚生省は昭和十何年でございますか、第二次大戦中に分離した役所でございますね。いわば昔の内務省の機能というもののうちでいわゆる厚生に属すること、例えば食品、飲料水の給与、それから被服、寝具等の給与、医療、助産、それからあとは亡くなった方の埋葬、死体の捜索、処理なんということが書いてあります。これはまさに内務省の仕事の一部を、言ってみれば厚生省分を取り分けて書いたというのが災害救助法なんでしょう。
 そういう意味で、本岡委員の御指摘は確かに私は一つのポイントだと思います。それを全部私の手元に置くようにしろというのは一つの御議論だと思いますが、私、率直に申しまして、内閣府に防災担当大臣がある意味というのは、ある意味では内閣総理大臣の事務を私は分任しているんだろうと思っているんです。そういう意味で、防災というのは本来的に内閣の機能を全部挙げて対応するべき課題でありまして、内閣総理大臣の機能の防災にかかわる一部を私が分任している。
 そういう意味では、全部ということになりましたら、それこそ自衛隊まで全部私の下へ持ってこいという話にもなりかねない。私は、そういう意味では、こういう厚生労働省所管の事務と分類されるものは、それはそれで任せておいていいんじゃないだろうか。
 ただ、今のままの災害救助法で本当にいいのか、この御指摘は私は重く受けとめます。ただ、私は、何でもかんでも全部まとめてしまうということが果たしていいのかなというところはやっぱりまだ、どうも頭がかたいんでしょうか、もう少し勉強させていただきたいと思うわけでございまして、とりあえず感想だけ申し上げさせていただきます。
 なお、もう一言だけ申し上げさせていただきますと、例のFEMAの活動でございますが、アメリカにおいてああいう形をとっておりますのは、一つは、アメリカは第一次的には州がそういうものに当たるというシステムでございますから、そういう意味で、連邦としてはあのような形で州の機能を補完するというような意味合いももう一つあるんではないかと理解しております。
#39
○本岡昭次君 おっしゃるとおりです。だから、分権型社会とのかかわりの中で、それこそ文字どおり聖域なき構造改革であれば、そういう形のものに変えていく。何も経済のところだけじゃないと思うんですよね、この構造改革というのは。だから、防災の問題もできるだけ機能を一元化するという問題なんです。
 もうこれは答弁要りませんからね。なぜかというと、阪神・淡路大震災で瓦れきがいっぱい出たんですよ。瓦れきをまず片づけなかったら何も復興ができない。そのときに何が起こったか。だれが片づけるんやと、この瓦れき。自分の家につぶれたやつは自分で片づけなさい、あなたの財産やないかと。県道へ倒れたのは県道やから県が片づけたらええ、国道に落ちたものは国やから国が片づけたらええ、そういう方式で進もうとしたんですよ。わかりますか。
 それで、そんなばかなことがあるかいうて、三日間、そのとき、さっきも言ったように与党に幸いおらせてもろうたから、議論して、わかった、ごみで処理しようと。それで厚生省がごみで処理する、それで九九、一〇〇%国が持つと。
 今、それぞれもちはもち屋だとおっしゃったけれども、そのもち屋のものはそういうときにだれがするんやという議論がまずあるんです。そうやなしに、ごみがあれば早う瓦れきを片づけなかったら復興できないということが先決なのに、そのごみを片づけるのはだれか、どこの省庁かという議論になってくるんですよ。それでお金はどこが持つのかという議論にどんどん行って、それでごみを片づけるのがおくれていく。だれがしわ寄せを受けるのかというと、被害者ですよ、被災者なんですよ。
 だから、そういう意味で、あなたのおっしゃるようにそれでやっていくというのも一つだけれども、しかし機動的に迅速に被災者の生活再建のところへ行くには一元化という問題をもっと考えていかなけりゃうまくいかないんじゃないかということを申し上げている。
 トラックでごみを運ぶのはと言うたら、今度は運輸省やと。そうしたら警察は自治省がどうのこうのと言うて、もう各省庁がその問題にかかわって、こうなるんですよ。何でそんなもの一元化にしてすらっとできぬのかという、そういうこともあるということを申し上げておきます。
 それは、いや、だからいろいろ分かれてする方がいいとおっしゃるならそれでいいけれども──ちょっと、この辺にしておいてください、質問したいことがほかにあるので。私こんなことを質問するつもりはなかった。ごめんなさい、また改めてそれは議論させてください。
 それで、一番私がきょう質問したかったのは、旧国土庁の中に被災者の住宅再建支援の在り方に関する検討委員会というのがつくられて、二年間で議論した結果、答えが出た。それで、その検討委員会の委員長であった東大の廣井脩教授が、一体私たちの出したこの報告書を受けて国がどないするのやろうということで注目しておると、こう書いてあるわけで、一体この報告書を受けた国は住宅再建支援についてどうしようとされているのか。
 それで、一方では超党派の議連がいろいろと議論をやっている。その中に民主党も入っておったんですが、もう余りにもテンポがのろいし、何か政府の顔色ばかり見ておられるような気もするんで、それやったらもう民主党だけで突出してやろうというて、民主党で今私法案づくりをやりよるんですよ。
 ちょうどその図式というのは、生活再建支援法というのを柿澤さんのもとでつくってきた経過とよく似ているんですよ。政府が全然動かない。仕方がないので議員が動く。議員立法としてその問題が処理されていく。それで結局政府は責任をとらない。また同じような図式をこの住宅再建のことでもとろうとされているのかと私は非常に怒っておるんです、これは。前も、住宅再建あるいは生活再建支援法を議員立法でつくってそれでやっておる、そこへ政府が何か出してくるかと思ったら柿澤さんの議員立法が出て、私はその議員立法で通すことに賛成した側ですが、今度もまた同じことをやろうとされるでしょう。
 いつ地震が起こるかもしれない。地震が起こったときの住宅再建というのは、個人の財産だから個人が自力でやったらいいということじゃない、社会資本の問題や、だから国がこれに対してかかわらなければならぬというのがこの報告書の論旨でしょう。公共性があると、個人の住宅とはいえ。だから、そういう従来の国の論理、個人のものは個人でやれというわけにはまいらぬ、やはりこれは国がかかわってやらないと、たとえ個人の財産の問題であっても、地域社会の復興もできないしということで何か手だてを講じなさいと、こうやっておるにもかかわらず国は何にもしない。
 僕はこんなばかなことはないと思うんですが、これは一体どう今されているんですか、その報告書を受けたところは。大臣、これどうするんですか。また同じようなことをするんですか、政府が逃げて国会が責任をとると。
#40
○国務大臣(村井仁君) ただいまのお話の前に一言だけ申し上げさせていただきたい。
 先ほどの本岡委員の一元化のお話でございますけれども、私、就任のときに、記者会見だったかと思いますけれども、私の一つの務めは、防災に関してぽてんヒットが起こらないようにすることだというようなことを申しました。と申しますのは、いわゆる役所同士の消極的権限争いがありまして、それでだれも受け手がないと、そういうような事態をつくらないようにするのが私は非常に大事だと思っております。
 そういう意味で、先ほど阪神の後、ごみの処理で責任の転嫁が行われて非常におくれたという御指摘ございましたけれども、そういう事態のないようにしっかりやってまいりたいと思っております。
 ただいまの住宅再建支援の問題でございます。これにつきましては、国土庁に設置されました御指摘の被災者の住宅再建支援の在り方に関する検討委員会、ここで昨年の十二月に報告書を取りまとめたわけでございますが、この中で全住宅所有者に加入を義務づける相互支援制度を創設するという提案がございました。ただ、これにつきましては、強制加入をしました場合、加入を強制しました場合、果たして国民の理解が得られるかどうかというような課題が指摘されまして、なお「今後この提案について検討する必要がある。」、こういうような結びになっていたと承知しております。
 結局、詰めてみますと、御指摘の超党派の議連などでもいろいろ御議論があったようでございますけれども、最後のところは、財源をどうするのか、また事務をだれが実施するのかというような、やはり制度でございますと技術的な要素を十分に考えなきゃなりませんから、そのあたりでもう一つ議論が煮詰まっていないというのが現在の状況だと思っております。
 ついでながら、一つの手法として考えられましたのは、固定資産税をいわば上乗せしまして、それで全国の住宅を建てた人、持っている人に負担をお願いしてというような案がございましたけれども、これにつきましては、例えば市町村にとりまして固定資産税が根幹的な財源でございますこともございまして、市町村サイドから相当強い異論も出てきておりまして、結局のところ、地震があると言われているところと、おれのところはないと思っているところとの間でいわば利害調整ができないというような問題ではないかと思いますけれども、そういうことで、今の段階ではまだ明確な方向性を打ち出せないでいるというのが実情ではないかと思っております。
#41
○本岡昭次君 いや、そういう難しいことがあるから政府の出番があるんでしょう。簡単だったら、それこそだれでもしますよ。それをやるのが構造改革でしょう。そういうふうにして、思案投げ首でどうしようかどうしようかといって、またどおんと大きな地震が起きて住宅が落ちたときにどないするんですか。だれが責任をとるんですか。住宅再建はこうすべしという検討委員会の報告書が出て、それでどうしようかと考えているうちに地震が起きました、えらい申しわけありませんで済むことですか。だから、一日も早くこの問題の答えを出すようにせないかぬのですよ。
 あなたが大臣のうちに、この問題の決着を担当大臣として私は出してみせますと、そのぐらいのことをおっしゃらないかぬと違いますか。また、あなたのところで考えたけれども、だめやからまた次の大臣に譲りますか。先送り先送りはしないと言うておるやない、小泉さんは。聖域なき構造改革は、今大事なことは今するんやと言うておるやないか、僕らがしてもらいたくないことでも彼はすると言うておるらしいが。
 だけれども、それこそ地震列島に住む日本人の生命、財産を守るために、住宅で皆死んでいるんですよ、阪神・淡路で五千何人。そういう住宅をどうするかという問題に対する一つの答えを、再建のための答えを出す仕事でしょう。大臣、私の在任中にはこの問題の答えを出す、この国会に出せと言うたって、これはもう出されへんからね、もう時間がないから。民主党は出すつもりで今頑張っています。出しても審議でけへん。出しただけのこと。だめです。
 だから、私の在任中といったって、やめられたら困るけれども、とにかく年内とか、何とか刻んで、よく季節感でサクラの花の咲くころとか、もみじのどうやとかありますけれども、とにかくこれはあなたがどこかで区切られるべきですよ。ほっといたらだめ。見送りはだめ。そのことを最後に、もう時間が来ましたから終わりますので、やっぱり村井防災担当大臣やなあというところをここはお見せになったらいかがでございますか。
#42
○国務大臣(村井仁君) せっかくの尊敬する本岡委員からのお励ましでございますけれども、私も率直に申しまして、国会議員になりましてから、どちらかと申しますと、みずから税金屋をもって任じている次第でございますが、結局、国民がどれだけの負担とどれだけのリターンを言ってみれば期待し、また甘受されるかというあたりのところを見きわめるのは政治の非常に重要な営みだと私は思っておるわけでございますが、そういう意味で、率直に申しまして私は、住宅再建支援ということで全国の住宅を持っている人に御負担をお願いするというのは新しい税をつくるのと同じ性格のものだと思っております。それをそういう目的税として立てるということが可能かどうかという問題とも言いかえることができると思うんでございますが、そのあたりが本当に国民の理解を得られるかどうか。税というものは、私、しょせん国民の理解を得なければ実行不可能なものだと思っておりますので、さような意味で、ちょっと積極的なお答えにちゅうちょを表明させていただく次第でございます。
#43
○本岡昭次君 もう時間ですから、やめます。
#44
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 小泉総理は六月二十三日に有珠山の被災者等と対話集会をやる予定になっているそうでありますけれども、トップがそういう形でやっていくのは極めて望ましいと思っております。
 有珠山の噴火災害の関係につきましても、私、もう十回近く現地に参りましたし、また十回近く質問もさせていただきました。スピーディーな対応をしていただきまして、本当に快く思っておりますが、三宅島の噴火による災害被災者に対してもよりスピーディーな対応をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それで、富士の噴火の関係についても、タブー視をしないで、いわゆる初めての防災訓練が行われたということで一万五千人が参加したというふうに聞いております。さらに、最近、静岡県が東海地震が発生した場合におきます被害を予想しているわけでありますが、第三次の被害想定が発表されたわけでありまして、第二次の死者の二・三倍の想定を、第三次の中で五千八百五十一名という想定をしているわけであります。
 これに関連して質問を経済産業省にしたいわけでありますけれども、静岡県には浜岡原子力発電所があるわけであります。東海地震の起き方に当然よりますけれども、原子力発電所の破壊によって原子力災害、そういったものが予想されるわけでありますけれども、国としてこういった災害に対してどういう予想をし、対策を考えているか、あるいはその被害が原子力発電所について軽微であったとしても、いわゆる住民の不安感から混乱が生じる可能性がありますから、その対策についてはどう考えているか、あるいは災害時の情報伝達の方法、こういった面についてはどのような考え方でつくられてきているか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#45
○政府参考人(望月晴文君) お答え申し上げます。
 静岡県の第三次被害想定では、まず基本的には、原子力発電所の被害につきましては軽微であっても住民の不安感から混乱が生ずる可能性がある、ただしそう大きな被害は生じないであろうという前提で今回の想定もなされております。
 また、原子力発電所につきましては、基本的に設計用最強地震よりも低い一定値の地震動を感知した場合に原子炉を自動停止する設計がなされております。したがいまして、とめる、冷やす、閉じ込めるということで、被害が起こらないように想定をしているところでございますが、ただ万が一の原子力災害に備えまして、先般、昨年六月に施行されました原子力災害対策特別措置法におきまして、事業者の責務の明確化や原子力災害の特殊性に応じた国の対応体制の強化等が規定されているところでございます。私どもといたしましても、原子力緊急時の対応拠点となるオフサイトセンターの整備などを進めているわけでございます。
 それから、先生御質問の、仮に被害が少ないとしても、住民の不安から混乱が生ずる可能性につきましてどう対処するかということでございますが、御指摘の静岡県の被害想定結果の中におきましても、発電所の安全性に関する的確な広報の重要性ということが述べられております。県といたしましても、こういった考え方を静岡県地域防災計画において取り入れておりまして、東海地震発生の際に、原子力発電所の施設設備等に異常がないときにおきましても、その旨を広く住民に広報することといたしております。私どもといたしましても、静岡県や関係市町村からの依頼に応じて、技術的な助言を行ってまいるつもりでございます。
 そのような広報をなされるときには、具体的には都道府県あるいは市町村が整備しております行政防災無線や広報車による広報を行うとともに、テレビ、ラジオ等の放送機関の協力を得るというようなことになってございまして、その旨、地域防災計画においても定められているところでございます。
 それから、私どもといたしましても、仮に原子力発電所において原子炉等規制法に規定する報告事象が発生したような場合には事業者から直ちに報告を受けることになっておりまして、その情報を速やかにプレス発表するとともに、トラブル情報を関係自治体へ速やかに提供することとしておりまして、関係自治体からの照会に対する連絡を含め、密接に連携を保っていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#46
○加藤修一君 原子力安全委員会が原発の耐震安全性に関する審査指針、これを改定する方針であるというふうに言われております。私もたびたび改定するように質疑してまいりましたが、この改定する中身については、やはり現在の法体系では指針改定に伴う補強や補修、それは義務化されているわけでないわけでありますけれども、こういったことについてやはり義務化していく必要も私はあるんではないかなと思っております。
 既存原発の耐震性をどのように評価するか、これは極めて重要であると思っていますし、加えて既存原発の再審査、これは当然必要になってくると思いますが、さらに、今申し上げましたように、指針改定に伴う補強や補修、そういったものについてどのように改定に伴って変えていくかという、その点についてお願いいたします。
#47
○政府参考人(望月晴文君) まず第一に、原子力安全委員会からは、先ごろ報道されました耐震指針の基準改定についての記事につきまして、実は本年五月に耐震設計に関する最新の知見技術に関する情報収集及び整理の成果を委託調査結果を取りまとめて報告を受けたところであるけれども、発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針を改定する方針を固めたという事実はないということで、報道につきましてはそういうコメントが安全委員会の方から出ております。
 したがいまして、今、直ちに御指摘の既存炉の取り扱いであるとか等々につきまして私どもとしては申し上げる段階にはないものと考えておりますけれども、仮に原子力安全委員会において耐震設計審査指針の検討を行うことになった場合には、当省として必要な協力を行ってまいりたいというふうに思っている次第でございます。
 それから、かつての例でございますけれども、耐震審査指針を変更したことがございました。改定をしたことがかつてございまして、そのときには、私どもとしては、既存の発電所について安全点検を行って、安全上問題ない旨の確認を行ったというような経緯はございます。
#48
○加藤修一君 今の答弁でありますが、従来の審査指針というのは、近くに活断層がない場所でもマグニチュード六・五の直下型地震には耐えられるというふうにございますが、例えば鳥取県西部地震、これは活断層がなかったところに起こった地震でありますが、マグニチュード六・五をはるかに上回るマグニチュード七・三だったわけでありますけれども、こういったことは非常に私は重要な事象が起こったと考えております。これは改定はすべきだと思っておりますけれども、先ほどのお話は改定の予定がないという話だったですね、たしか。ちょっと確認したいんですが。
#49
○政府参考人(望月晴文君) お答え申し上げます。
 安全委員会として現段階で改定するということを決めたわけではないということでございまして、単に報道に対しての安全委員会のコメントを私どもは承っただけでございます。
#50
○加藤修一君 わかりました。
 ぜひ積極的に改定をすべきだと私は思っておりますので、前向きな検討をしていただきたいと思います。
 それでは、国土交通省にお尋ねしたいわけでありますけれども、先ほど静岡県の第三次想定の関係の話を申し上げましたけれども、震災後の住宅再建支援に関して鳥取県が独自の制度を創設する、そういう話も聞いております。それから、一方で震災後の話でありますけれども、倒壊した家屋の下敷きになることを避けるために最も有効なものは、やはり一つは耐震改修、そういった面での補助制度でないかなと思っております。横浜市がこういう制度を導入しておりますが、なかなか進んでいないというふうに聞いております。
 それで、静岡県では、今後の話でありますけれども、住宅倒壊による死者をゼロにしようということで、今年度からですか、住宅耐震化を促進するための事業を新規で始めた、こういうふうに伺っております。ただし、これは一自治体の話でありますから、どこまで確度をつけてやっていけるかどうかというのは極めて難しいところがあるんではないかなと思っておりますが、国が何らかの形で個人住宅の耐震化を促進させるような新事業、そういったものがあっていいのではないかなと、このように思っているわけですけれども、倒壊によって死ぬ方が相当数いるわけでありますから、この辺についてどのようにお考えでしょうか。
#51
○政府参考人(三沢真君) 今、先生の方からお話がございましたように、静岡県の方では今年度からTOUKAI―〇と名づけたプロジェクトを実施されまして、このTOUKAIは東海地方の東海と家屋の倒壊をかけている言葉のようでございますが、それで、やはり震災では家屋の倒壊によって圧死されるというケースがさきの阪神・淡路大震災でも非常に多いということを踏まえて、家屋の倒壊から一人でも多くの死者を減らしていこうというような、いろいろな施策を推進していこうという試みでございます。
 特に、私ども、こういう試みの中で非常に注目し評価しておりますのは、古い耐震基準の木造住宅にお住まいになっている方々それぞれ一人一人に、自分の住宅が、お住まいになっているところがどのくらい危険かということを知ってもらうために、例えばいろんな媒体あるいは学校教育等を通じてそういう普及啓発活動をされる、あるいはその場合の相談体制も、相談窓口にいるだけじゃなく、場合によっては県の方から専門家をどんどん派遣して診断をしていただく、そういうような仕組みとか、それから簡易で低コストな耐震装置がもっと何かないだろうかということで、県独自で耐震改修工法の提案募集を行うとか、非常に積極的な試みをいろいろされているわけでございます。
 私どもは、まず普及啓発なりあるいは耐震診断なり、こういうことにつきまして県がとりあえずお始めになるということで、国の方でもそれに対応する補助制度がございますので、それについては積極的に応援してまいりたいというふうに考えております。
 それから、耐震改修については、このプロジェクトの中で、今後ちょっとどういうものか検討していきたいということになっておりまして、まだ具体的なものは出てきておりません。耐震診断につきましては国の方の補助制度がございまして、耐震改修については、例えば住宅金融公庫の融資とか、あるいは一定の建築物の場合には耐震改修の補助が出せる制度はございます。ただ、その辺やはり、こういう自治体独自のいろいろな取り組みも出てまいりますので、私どもは、本格的にこれから耐震改修を進めていく上でどういう方策をさらにとっていったらいいかということについては、ぜひいろいろまだこれからも検討させていただきたいというふうに考えております。
#52
○加藤修一君 耐震改修の関係について、質問通告したわけじゃございませんが、静岡県もいろいろと考えているようでございます。
 いわゆる低コストの耐震補強工法ですか、こういった面についての技術開発についてもやはり国が率先してやるべきだと思いますけれども、この辺についてどうでしょうか。
#53
○政府参考人(三沢真君) 私どもは当然これについても、建築研究所等ございまして、いろんな耐震設計のあり方とか耐震補強工事のあり方についていろいろ研究しているわけでございます。
 今回は、県独自のいろんな試みということでございますが、別に私どもはこれは決して自治体任せということではなくて、一緒になっていろいろな研究をしていきたいと思いますし、また県の方からいろんないいアイデアが出てまいりますれば、それはぜひ取り上げて真剣に検討していきたいというふうに考えております。
#54
○加藤修一君 よろしくお願いいたします。
 次に、経済産業省にお願いしたいわけでありますけれども、サハリンの油田等の開発の関係でございます。
 これは事故が起こった場合は大変な状況になるということが想定できるわけでありますが、前々から油防除の関係を含め対応が鈍いということも聞いておりまして、再三再四私も質疑をさせていただいているわけなんですけれども、現在の開発状況、そういった事故発生時におきます対応、そういった面について現況はどうなっているでしょうか。
#55
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 御承知のとおり、サハリンにつきましては二つのプロジェクトがございまして、サハリンU石油・天然ガス開発プロジェクトにつきましては、日本企業と欧州系企業が出資をしておりますサハリン・エナジー社を操業会社といたしまして現在事業実施が進められておりまして、御承知のとおり、九九年の七月から流氷のない夏場におきまして原油の生産を行ってきております。ことしは生産開始から三年目に当たりますが、五月の下旬にことしの生産を開始したところでございまして、ことしにつきましては約一千三百万バレルの生産を行う予定であるというふうに承知をしております。
 それからもう一つ、サハリンT石油・天然ガス開発プロジェクトでございますけれども、こちらにつきましては、米国の企業を操業会社、オペレーターといたしますアメリカ、ロシア及び日本の企業による共同事業でございますが、現在まだ探鉱段階でございまして、今後の生産に向けた開発計画を策定しているというふうに承知をしているところでございます。
 先生御指摘の油の流出事故の問題でございますけれども、これまでの反省に立ちまして、御承知のとおり、昨年の二月に関係省庁の連絡会議の場で申し合わせを行いました。「サハリンU石油開発プロジェクト生産施設における油流出事故への関係機関の具体的な準備及び対応について」と、こういう名前の申し合わせを行いまして、この申し合わせに沿いまして、平時から必要な情報を関係省庁が連携いたしまして収集あるいはお互いにそういう情報を持ち合うということを行っておりますし、仮に事故があった場合には必要な対応がとれるように関係省庁間の連携を密にするべく努めているところでございます。
#56
○加藤修一君 仮に事故があった場合ということも含めてどうも対応が鈍いというふうに私は国際的なNPO等を含めて聞いている段階でございます。きょうは時間がないですのでここでやめておきたいと思っておりますけれども。
 次に、外務省の方にお尋ねしたいんですけれども、ロシア連邦、サハリン州、こういったところがこの問題についてどういうふうに対応しているか。さらに、いわゆる国際基準をやはり採用してやっていくべきだと私は思います。例えばOPRC条約、日本は締結しておりますが、ロシアは締結していないと。こういった面の不都合が私はあると思いますけれども、何としてもロシア側がこういうOPRC条約に加盟できるように何らかの手だてを考えていく必要もあるんではないかと思いますけれども、この点について、外務省、よろしくお願いいたします。
#57
○政府参考人(小町恭士君) お答えいたします。
 サハリン油田等の開発に伴います事故の可能性に対してロシア側がどういう対応をしているかということでございますが、サハリンUプロジェクトを初めといたします石油生産施設などからの油流出事故への対応策といたしまして、昨年八月、ロシア政府はまず国家レベルで緊急時対応計画の基本的な条件を定める政府決定を採択いたしました。これに基づきまして、万が一事故が発生した場合の基本的な作業等を定めようとしております。
 サハリン州におきましては、昨年十一月、まずサハリン州知事決定として、緊急時対応計画に相当いたしますサハリン州における石油及び石油生産物の流出事故の予防と対応に関する緊急措置を採択いたしました。それから、ことし五月八日にサハリン州における石油及び石油生産物の流出事故の予防と対応を組織する規則、一時的規則とも言っておりますけれども、が採択されております。これによりまして、ロシア側におきましては、そういった事故対策につきましてとるべき措置が明確にされてきております。
 具体的には、事故が発生しました場合に、ロシア政府といたしましては、非常事態省が中心となりまして油の流出の未然防止、流出が発生した場合の状況の確認と拡大の防止、油の除去、汚染海域の復旧等の措置をとることとされております。
 ちなみに、現地の報道等によりますと、サハリンにおきましては石油流出事故に対応し得る設備を備えた船舶を今建造中という報道がございますし、またそういった事故に対応するロシア非常事態省は海軍との間で合意を結びまして、そういった事故が起こった場合に、沿岸部における石油回収のため、海軍から特別な設備、機器を備えた船舶の提供を受けることになったというふうな報道もございます。ということで、ロシア側の対応策は徐々に整いつつあるということだと思います。
 ちなみに、日本政府といたしましては、この問題の重要性を踏まえまして、ロシア政府との間で、万が一事故が生じた場合ないしそのおそれがある場合に備えまして連絡体制の確認に努めてきております。その一環として、昨年九月、プーチン大統領の公式訪日の機会に、日本の海上保安庁とロシア運輸省との間で、海洋法条約などに基づく通報、日ロそれぞれの在外公館と相手国政府、地方行政府との連絡、海上保安庁とロシア運輸省及びその地方部署間の連絡の体制を確認いたしまして、文書の形で取りまとめて対外的にも公表いたしました。
 今、先生御質問のOPRC条約でございますが、千九百九十年の油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約の締結問題でございますけれども、我々も、ロシア政府がこの条約を早期に締結し、国際的な基準に合致した対応をとることは非常に重要だと考えております。日本政府といたしましては、ロシア政府に対しましてこの条約の早期締結を働きかけてきております。
 外務省としては、引き続きそのような働きかけを行うとともに、ロシア側との連絡、連携を密にし、油汚染の防除の問題に適切、迅速に対応していきたいと考えております。
#58
○加藤修一君 よろしくお願いいたします。
 それでは、最後の質問でございますけれども、海上保安庁にお願いしたいと思います。
 ESIの関係でございますけれども、環境脆弱指標、この適用について積極的にやっていただいているというふうに理解しておりますが、その進捗状況でございますが、いわゆる沿岸海域環境保全情報整備推進委員会との関係の中で、どういう状況でこういった面が進んでいるでしょうか、どういうふうに将来的にESIを使おうとしていらっしゃるのか、整理されていくような方向になっているかどうか、その辺についてお願いいたします。
#59
○政府参考人(縄野克彦君) お答え申し上げます。
 お尋ねのESIについて申し上げますと、海岸線の形態でありますとか、そこに生息する生物の油に対する感受性でありますとか自然浄化能力、除去の容易性などをランクづけしまして、これを指標として情報として集積をするということでございますが、例えば私どもの仕事でございますと、海上保安庁として油流出事故に備えて沿岸海域の環境保全の情報の整備を進める、そういう観点から非常に重要な情報でございます。
 そういう観点から、私ども、関係省庁あるいは学識者の方と一緒になりまして、沿岸海域環境保全情報整備推進委員会で検討を平成十年度以来行ってまいりました。この中で、整備すべき情報は何であるか、情報管理の方法、それから情報の共有、それから提供の方法について検討をしてまいったところでございます。
 お尋ねのESI、環境脆弱性指標につきまして、その重要性にかんがみまして、さらにこの委員会におきまして関係省庁とともに検討を進めていきたいというふうに考えております。
#60
○加藤修一君 全力を挙げてよろしくお願いいたします。
 終わります。
#61
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
 私は、最初に、三宅島の噴火災害についてお尋ねしたいと思います。
 先月の二十三日に、私たち、委員会の皆さんと一緒に、三宅村役場、都庁、そして避難されている方々との懇談をさせていただきました。その中で、要望がたくさんあったわけですけれども、その中からまず医療費の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 御存じのように、三宅島の噴火災害によって全島避難した島の人たちは千九百四十八世帯、三千七百九十一人、もう既に九カ月余りにわたる避難生活を余儀なくされているわけです。また、お聞きすればするほど苦しい状態をお話しされていました。住みなれた土地を離れ、また働く場所も失ってしまった、収入の道が途絶える中で必死の思いで避難生活を送っている、その中で医療費の問題が非常に深刻な問題になっていると。
 村は、国民健康保険について、自己負担分の免除をこの二月に手続を終えて、現在、国民健康保険の医療費の自己負担免除申請、七十名の方が申請されまして、そのうち免除されたのは四十二名しか適用されなかったと。高齢者の医療費の負担を免除された方は、申請されたのは四百九十九名申請したんですけれども、八十九名しか免除されなかったと。だから、なれない避難生活が長引く中で、体調は崩すし、そして収入の道が途絶えて、医療費の免除は本当に切実な問題なんです。
 だから、現在、村も本当に努力をされています。村の財政力の問題もあると言っています。六カ月ぐらいだったら何とか村も一般会計から補っていけるけれども、この国保の医療費の免除による自治体の負担分について私は国は十分な支援をすべきだと思いますが、まずその点についてお伺いします。
#62
○政府参考人(大塚義治君) ただいまお話しございましたように、三宅村におきましては、ことしの二月から国民健康保険の一部負担金の減免を始めておられるわけでございます。お示しのような状況だろうと思っております。
 国民健康保険におきましては、こうした災害によります減免などの措置が講じられますと、調整交付金という仕組みがございますので、その調整交付金を活用いたしまして当該市町村の国保財政に対する支援を行う仕組みがございます。年度単位で処理をいたしますから、現実には、今年度末までの状況を見て、所定のルールもございますけれども、そのルールに沿い適切な対応をしてまいりたいと考えております。
#63
○大沢辰美君 調整交付金の仕組み、いわゆる基準というのがあるわけですから、その基準に、三宅村の今行っている、免除している人たちが適用されない場合もあり得るわけです。その場合は、本当に人数は限られた人だけれども、村の国保会計に一般会計から入れなければならないという現状が出てくるわけです。この調整交付金、負担分を入れると言うけれども、全額入らないかもしれない、その基準に入らないかもしれない。期間の問題もありますけれども、今受けていらっしゃる人たちは二月から受けて、六カ月たったらなくなるかもしれない、そういう不安も今持っていらっしゃるんです。
 ですから、役場の人たちはこれはやっぱり続けていきたいと。村が十分な期間対策がとれるように、せめて避難されている間は、低所得の方、本当に生活が困難な人たちには医療の負担を補助できる、国の調整交付金はあるけれども、その基準を満たすか満たさないか今わからない中で、この点については特別な措置を行っていこうということを、やはり国としてしっかりと村の方への支援の要請にこたえられるような対策をとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#64
○政府参考人(大塚義治君) ただいま私が申し上げました災害に関する特別調整交付金などの支援策というのは、おっしゃいますように一定のルールがございます。その当該地域の国保の財政に一定程度の影響を与えるという前提になりますから、まあまあ全体として国保運営に支障がないというような場合には、つまりその影響度合いが小さい場合には対象外になるというようなルールでございます。
 このルールは、従来からずっとこの方式でやってまいりましたから、それ自体を直ちに動かすというわけにはまいらないかもしれませんけれども、例えば、災害などによりまして当該市町村の平均的な所得が落ちる、あるいは別途の理由で医療費が急増するというような要素の変化がございますれば、それはそれで別途の調整交付金による支援というのも可能でございます。
 全体の国保財政の運営という観点から、当該市、三宅村でございますけれども、今後の動向を私どもも把握をいたしますし、よくお話を聞いて、全体としてできるだけの御支援をするべく努力いたしたいと考えております。
#65
○大沢辰美君 そこで大臣にお伺いしたいんですけれども、今、別途の方法も考えなければいけないという答弁なんですが、村が行いましたアンケートをごらんになりましたよね。その中で、医療費がややふえている、二二・四%、かなりふえている、一九・三%で、四一・七%の方が、四割の世帯の方が医療費がふえて大変だと言っているんです。増加した金額が数字であらわれておりましたけれども、月平均大体三万円ふえているというんです。多い方は五万円以上ふえたという回答もあります。
 避難島民の三〇%の人が高齢者なんです。ですから、年金しか収入のない高齢者にとって三万円の出費というのは私は大変なことだと思うので、もう死活問題なんです。はっきり言って、住みなれた地を強制的に離れなければならなかった結果、精神的にも肉体的にも健康状態は限度に来ていると思うんです。だから、避難されてそういう思いをしている皆さんが安心できるように、そのためには村の財政が、国保会計の中でも安心できるような形をとる、特別な対策ですね。
 今、基準だとかルールはあると言うけれども、そういう現状があるわけですから、島に帰れるまでは安心して病気になったらかかってくださいよと言うぐらいの大臣の村に対する支援の言葉が要ると私は思うんですが、いかがでしょう。
#66
○国務大臣(村井仁君) ただいまの保険局長との御質疑を拝聴しておりましたが、率直に申しまして、村にとりましての国保の負担、それが増嵩するということで、東京都などに移住しておられる島民の方が医療を受けるのに、何といいましょうか、特別の負担を感じられるということには直接ならないのではないかと存じます。
 私は、村の財政そのものは、これはもう全体としてやっぱりある程度、もちろんそういう特殊な状況でございますから、いろんな意味で面倒を見ていかなきゃいけない、そういう課題だと思っておりまして、また東京都も当然そういう問題意識を持っていると考えております。
 いずれにいたしましても、私どもは明日第三回目の非常災害対策本部会議を開催する予定にしておりますので、そういうところでもよく議論をしてみたいというふうに思います。
#67
○大沢辰美君 今、負担にならないのではないかという言葉を言われましたけれども、あすのそういう会議で実態をもう一度把握していただいて、本当に被災者の皆さんが病気をしたときぐらい安心して医療にかかれるような対策を、あす方針が出されるように私はぜひ大臣の決断を下していただきたいと思います。
 そのことを申し上げて、次の質問をさせていただきたいと思います。
 今最も切実な問題、医療費の問題もありますけれども、収入の道が途絶えて激減した世帯の生活資金、ためていた貯金を崩して生活をしている。そういう中で、三宅村自身が生活実態調査をされましたね。今も申し上げましたが、それを見ていただいたようですけれども。これは村もやりましたし、東京大学の社会情報研究所もやっておりますね。非常に生活実態が困難になっているという数字が出ています。そこの数字の中で特に、収入が全くなくなった世帯が二一・九%、月額で五割減ったという世帯が一〇%にもなっています。年金生活者の方と公務員を除くと、三二・五%の人が収入がなくなったと言われているんです。調査の中で、生活維持のための資金援助の要望が非常に強うございました。
 これら生活基盤を破壊されて生活の困難に直面している方たちの支援をどのように総合的に考えていらっしゃるか。今日、避難をして九カ月余りになる中で、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#68
○国務大臣(村井仁君) 政府といたしまして被災者の方々に対する生活支援のためにこれまでやってまいりましたことをちょっと整理して申し上げますと、東京都と連携してのことでございますが、まず一つは都営住宅無償提供、それから生活必需品三十一品目の給付、それから千四百三世帯に対しまして被災者生活再建支援金、約九・五億円になりますが、これを五月末までに支給しているところでございます。
 さらに、島民の方々の就業あっせんにつきましては、これはもう委員御指摘の点もございますので大変積極的にやっておりまして、これは先ほど厚生労働省の方からお答えを申し上げたところでございますので繰り返しませんが、そのほかに、被災中小企業者の既往債務につきましてでございますが、当面一年間、元本の返済猶予を行い、それから利子補給もやるというようなことで対応をしているところでございます。
 そのほか、これは私は実際伺いまして、非常にいい事業をやっていらっしゃると思ったんですけれども、これはやはり厚生労働省の予算をベースにしたものでございますけれども、東京都が八王子に当初住宅公社か何かの予定地として持っておりました土地を農園にいたしまして、げんき農場と名づけておりますけれども、アシタバとかアカメイモというような島の特産品をそこで植えて、特に島民の中でもともと農業を営んでいらっしゃった方々に就業の機会を与え、かつ、今までつくりなれたものをつくっていただくというようなことで、一年間ということでございますけれども、やっているわけでございまして、私、お伺いしましてお話も直接させていただきましたけれども、大変生きがいを感じておられる。そういうような施策も非常に意味のあることではないかと思っております。
#69
○大沢辰美君 住宅の問題、そして農園ですか、さまざまな施策をやっていますという今の答弁ですが、またこの中で生活再建支援金も出されましたし、非常にそういう点も助かったと言われる方もあります。
 でも、平均一世帯当たり六十五万余り生活再建支援金を支給されたわけですが、月にすれば七万円程度になるわけですね、九カ月で割りましたら。だから、やはり苦しいという事態が今の現状なんですよ。仕事を探していらっしゃる方もまだ四一%あるんですよね。
 そういう実態の中で、避難の人たち、被災者の皆さんに今しなければならない問題として、仕事を失っている島の人たち、そして国民年金受給だけで生活していらっしゃる方、そういう人たちに対しては、やはり食費の支給ですね、せめて一日一人千円。そして、生活の雑費。島から都会に来て非常に重なる、医療費もそうですが、一世帯当たりやっぱり五万円は最低限度の生活を送るための支援として必要だと、私は国として支援すべきだと思うんですね。
 これは、御存じのように、十年前の長崎の雲仙・普賢岳の噴火災害の際には、食事供与事業として、生業の途絶えた避難世帯に対して、当初六カ月、さらに六カ月延長されて、一人一日千円、四人世帯で月十二万円の支給が行われています。これは、旧国土庁の要綱に基づいて予算措置がとられて実施されて、国が二分の一補助したわけですね。
 生活再建支援金が支給されましたけれども、今も述べましたように最高でも百万円ですし、実際に平均六十五万五千円しか支給がされなかったわけです。この件については、衆議院でも私どもの塩川議員が明らかにいたしましたけれども、本当に生活の手段が断たれたというのが実態です。
 新聞に載っていましたが、議長の山田さんが焼け石に水だったということも言われています。せめて雲仙と同等の食事代、そして雑費について措置ができないのかという点を私はお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか、大臣。
#70
○政府参考人(吉井一弥君) ただいま先生御指摘のとおり、雲仙岳噴火災害の際には、長崎県等からの要望を踏まえまして、食事供与事業というのを期限を切りまして臨時特例の措置として実施されております。
 三宅島の被災者の方々への生活支援に関しましては、ただいま大臣からも御答弁いたしましたが、都営住宅の無償提供、生活必需品の給付のほか、被災者生活再建支援金の支給も行われたところでございます。ただいま先生も御指摘のとおり、雲仙・普賢岳のときには被災者生活再建支援金という制度はまだなかったわけでございます。
 そのような対策をこれまでも講じてきたところでございますが、ただ、今後とも、全島避難の長期化という状況を踏まえまして、被災者の方々の声に十分耳を傾けながら、国としてどのような対策が必要であるかということは十分検討していく必要があると思っておりまして、東京都及び関係省庁等とも密接に連携をとりながら検討してまいりたいと思っております。
#71
○大沢辰美君 十年前のときは長崎県から要望があって実施ができたと。では、今回も東京都から要望があれば実施できる可能性があるのかという点を一点聞きたいと思います。
 この実施要綱を私もずっと読ませていただいたんですけれども、こういうふうに書いていますね。「雲仙岳噴火災害が長期化し、かつ、多数の住民が避難の継続を余儀なくされている状況にかんがみ、災害の継続により、本来の生活拠点における収入の途が断たれ、復旧活動への着手等本格的な生活や事業の再建活動を開始できない者に対し、食事の供与を行うことにより、自らの努力による生活の自立を支援することを目的とする。」としているんですね。
 ですから、全島避難を強いられた島の人たちの状況は、私は地続きだった雲仙の場合より一層深刻だと思うんです。本当に支援を求めている人たちが根こそぎ生活の基礎それから自助努力の基礎が失われた状態になっているわけですね。だから、このまま放置したら島に帰れる前に破綻してしまうと私は思うんです。
 だから、十年前にできて、またずっとこの間災害があって、だんだんとこういう制度というのはよくなっていくのが災害に対する国の施策だと私は思うんですが、十年前にできたことが今なぜやれないのか。そして、先ほど長崎県から要請があったのでできたという経過を言われましたけれども、今回、村とか東京都から要請があった場合は国はそのことについて御相談をされる用意があるか。あす会議があるようでございますけれども、そういう対策も含めて、そのことを検討される用意はあるか、大臣、お伺いします。
#72
○政府参考人(吉井一弥君) 先ほど御答弁申し上げましたが、雲仙岳噴火災害の際の事業は先生御指摘のような形で行われております。
 ただ、自然災害によって生じた被害につきましては、基本的には個人の自助努力というふうなことが基本であると思っておりまして、先ほど大臣からもげんき農園の事例が紹介されましたが、これまでも東京都等と連携いたしまして、就労の促進等を通じた被災者の自立を支援してきたところでございます。
 ただ、先ほども申しましたが、避難の長期化という状況を踏まえまして、アンケートのお話もございましたが、アンケートの回収率も六十数%というふうなことで承知しておりますし、全島の方々の状況がどのようなものかということを東京都、三宅村からも十分お伺いいたしまして、よく連携をとりながら検討してまいりたいと思っているところでございます。
#73
○大沢辰美君 今、自助努力ということを何回も申されましたけれども、今、自助努力をして本当に頑張っているんです。それを応援するというのが、被災者にとっては村であっても国であっても都であっても同じなんですね。ですけれども、今、村は大変だと。だから、やっぱり都と国が責任を持ってこのことについてはこたえなければいけないと私は思うんです。
 ぜひ、大臣、あすの会議でも、この問題も含めて、生活実態調査の上に立って検討を都と御一緒にやっていただけますか。
#74
○国務大臣(村井仁君) 三宅島の問題は、これだけ避難が長期化するとは政府も当初予測していなかった、そういう状態にございますし、東京都も事態を非常に深刻に受けとめていることもまた現実でございます。
 いずれにいたしましても、国として責任を持って対応しなければならない課題であるということはよく承知しているつもりでございますし、先ほども申し上げたことでございますけれども、いずれにしましても、島民の一番の希望は一日も早く島に帰ることということでございまして、そういうことが可能な状況になりました場合に、島をめぐる、例えば道路でございますとか水道、電気その他のインフラ、こういうものがきちんと整えられまして、帰るときにはきちんと帰ることが即座にできるというような体制の整備もかたがた国として支援をしながら、事態に対処してまいりたいと思っております。
#75
○大沢辰美君 強くそのことについては要請をしておきたいと思います。
 最後に、生活再建支援金制度の見直しについてお尋ねいたします。
 御存じのように、阪神・淡路大震災から、多くの被災者の皆さんの公的支援の要請の中で成立して三年が過ぎました。この中で、やはりたくさんの災害があったわけですが、私はそのたびにこの支援法の中身の不十分さを指摘してまいりました。三宅島の避難島民の方からも、生活再建支援金については、特に自営業の方などからは、現在全く収入がなくなってしまっているのに、前年の所得でこの所得の制限が入ってしまって判断されるから結局受けられないという批判も出ています。法が成立したのは三年前ですが、施行されて二年、これまでに発生した災害の中で、被災者の実態と制度はやはり乖離していること、これが本当に明らかになってきたと私は思うんです。
 ですから、私は質問の中で、九九年の七月だったけれども、この委員会で当時の関谷国土庁長官は、この法は五年後の見直しになっているけれども、附帯決議に書いてあるけれども、これが長過ぎるなら急ぎ改正したい、その前倒しの見直しもあり得ると答弁をされています。
 私は、施行されて二年間ですが、災害が続発して、支援金制度のその効果、そして問題点、検証を行って、村井大臣がこのときに大臣になられているわけですが、この間、入れかわり立ちかわりの大臣の中でいろんな災害があったわけですが、成立した法律が三年たったときになった大臣がこの検証、効果、問題点をやっていただく、その作業を始めていただいて、この生活再建支援法が被災者にとって本当にいいものになるようにつくり上げていかなければならないと思いますが、その決意をお伺いしたいと思います。
#76
○国務大臣(村井仁君) この法律、法施行後五年ということで、五年で総合的な検討をするという国会の御決議をちょうだいしている、そういうことでございますけれども、運用を始めてからまだ二年なんでございますね。十一年の四月から運用を開始しているわけで、そういう意味では二年余りの運用実績しかない。そういう中でどうするかというあたりは、これは国会の御意向もございましょうし、私どもとしましては、今の大沢委員の御指摘も踏まえまして、もちろんしっかり勉強はさせていただきますが、実際問題としまして、検討しなければならない問題は、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金の運用益を活用しているということもございますので、その財源確保の問題などもありまして、今後、都道府県等ともよく連携を図りながら検討をさせていただきたい、そのようにお答えをさせていただきます。
#77
○大沢辰美君 二年施行されてという、まだそれだけだとおっしゃるけれども、この間に八件の大きな災害が発生しているんです。そして、多くの皆さんがこの支援金に対して期待を持っていました。だけれども、その申請手続をとれば自分は当てはまらないという、家がつぶれたってそれが支給されなかったという現状もあるわけですから、勉強だけじゃなくて、やはり検証していただいて、問題点はここにある、こうすれば被災者の人たちが救済されるなというところへぜひ大臣が到達していただいて、この検証の作業を始めていただきたいということを再度申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#78
○岩本荘太君 本日の最後でございます。無所属の会の岩本荘太でございます。
 先ほど来、三宅島住民の避難の問題が出ておりました。私は質問は準備していないんですけれども、先日、避難の実態を見せていただきまして、いろいろと御要望をいただきました。私もこういう災害対策というのは前に携わったことがありまして、そのときの経験からいきますと、前にも申し上げたことがあるんですけれども、いわゆる被災者というのは物すごい不安なんですね。その不安が時間とともにいろんな形になって変わってくる。そういう不安をどう取り除いてあげるかというのが、いわゆる被災者でない、災害を受けなかった人あるいは担当部局の使命じゃないかなと。要するに、先手先手にやってあげることが一番大事であると。これは、国ばかりじゃなくて地方自治体も十分考えなきゃいけない問題、地方自治体との連携が十分必要だと思いますので、その辺、まずよろしくお願いいたしたいということを要望させていただきます。
 私の準備いたしました質問は、私の出身県といいますか、石川県でことしの一月に国道上でタンクローリーが横転いたしまして、積んであったのがトリクロロシランというんですか、これは消防法では危険物第三類で禁水性物質、毒物及び劇物取締法では劇物に指定されているようでございますけれども、これを積載したタンクローリーが横転いたしまして、火災を起こすとともに強い刺激臭、有毒なガスが発生いたしまして、住民は避難をさせられた。これが夜中の二時に起こっているんですね、真夜中の二時に。
 それで、こういうことはよくよく起こってみて考えますと、ごく当たり前に起こるんじゃないか、今の時代に、そんな感じがいたします。地元の分析では、最近、例えば自動車専用道路だったらそんな被害というのは住民との関係はないかもしれませんけれども、一般道路を通るようになれば住民に非常に近いようになる。経済が不況だと、どうしても専用道路の金を払わずに一般道路を走るというような、こういうような状況になる。こういうのは、石川県で私が自分のところを持ち出すわけじゃないんですけれども、全国的に大変不安に思われている方が多いんじゃないか。起こってみると大変不安、住民としては非常に不安に思っておりますし、また予想もできるという事故でございますので、この辺はしっかりと対応を考えなきゃいかぬ。
 我が県では、前にもロシア・タンカーが、先ほどちょっと重油の話が出ましたけれども、ロシア・タンカーが沈没といいますか、破損しまして重油が流れてきた、寝耳に水の事故に遭っておりまして、それと似たような事故かなというような感じがするんですが、この辺の事故の実態、どんなふうな事故といいますか、こういう危険物、劇物を積載した車両が全国的に動き回っている、どんなふうな危険物があって、どのぐらいの、どんなふうな状況なのか、これは防災担当部局としてどのように把握されているのか。
#79
○政府参考人(中川浩明君) いわゆる危険物をタンクローリーで運搬いたします場合は、移動タンク貯蔵所という形で規制の対象となっておりますが、この移動タンク貯蔵所に係ります事故件数は、平成十一年について見てみますと、火災事故が五件、漏えい事故が五十七件となっております。
 火災事故の原因としては、交通事故によるものが二件となっておりますし、漏えい事故の原因につきましては、交通事故によるものが二十七件、確認不十分など人為的な要因によるものが二十七件ということになっておりまして、この二つの原因がほとんどとなっております。
 なお、注油ホースが焼損した一事例を除きまして、すべて危険物第四類の石油類の輸送の際の事故ということでございます。
 また、過去十年間におきます移動タンク貯蔵所に係る事故の推移を見てみますと、火災事故件数はほぼ横ばいでございますけれども、漏えい事故の場合は件数がやや増加傾向にある状況でございます。
#80
○岩本荘太君 どんな危険物といいますか、そういうものが輸送されているかはおつかみか、第四類というだけですか。
#81
○政府参考人(中川浩明君) この移動タンク貯蔵所という許可の対象となっております危険物は、各種の危険物がございます。したがいまして、すべての、ほとんどの危険物がこの移動タンク貯蔵所という形で輸送されているものと考えておりますけれども、事故が発生いたしました場合は、今申し上げましたように、この第四類の場合が多いということでございます。
#82
○岩本荘太君 それはたまたまそういう事故が起こったということで、要するに、どの危険物を運んでいる自動車も横転したりすれば同じように事故が起こるということは考えられるわけですね。それはそれでよろしいわけですね。
#83
○政府参考人(中川浩明君) はい。
#84
○岩本荘太君 今のお話を聞いて非常にさらに不安になってきたんですが、そういうものが住民の近くを通っているということに対して、先ほどから言っておりますとおり、本当に住民は不安を感じるんですね。
 そうしますと、住民の方々はやっぱり地方自治体といいますか、自分の住んでいるところの役所に行って何とかしてくれという話が出るわけでございまして、したがって私のこの石川県においてもそういうことを何とかしなきゃいけないと考えているわけですけれども、御存じのとおり、今のお話でも、何を積んでいるか、危険物すべてがあるというようなお話で、それはどんなふうに動いているかということも、おわかりなのかどうかわかりませんけれども、わからない状態だと思うんですよね。そうしたときに、地元が対応しようとしても対応できないんですね。
 先ほどの自動車も、熊本から新潟に運ぶ途中だったと。こんなこと石川県でわかるわけがないわけですよ、何を積んでいるかも。そういうものに対して対応する。県も、地方自治体として対応していかなきゃいけないということは、これはやっぱり国の協力といいますか、全国的なネットワークでとらまえた情報というのがないとなかなかできないと思うんですけれども、その辺の地方自治体等との連携、これは事故が起こるときばかりじゃない、運ぶときもあろうかと思うんですけれども、その辺についての連携というのはどういうふうにお考えか、教えていただけますか。
#85
○政府参考人(中川浩明君) 今回御指摘の事故、大変な事故だったというように理解いたしております。特に、三百人にも及びます付近の住民の皆さんが避難するという事態でございまして、不安な一夜ではなかったかというように思っております。
 消防庁といたしましては、この事故にかんがみまして、まず二つの側面からその対策を考えております。
 一つは、現在の移動タンク貯蔵所のいろいろな基準を見直すべきではないかという観点からの検討でございまして、ことしの二月に移動タンク貯蔵所の安全性に関する調査検討委員会を設置いたしまして、過去の事故事例の分析を行い、移動タンク貯蔵所の構造に係る技術基準等の安全対策について検討を進めております。
 また、ただいま先生御指摘のトリクロロシラン等の特殊な危険物についての輸送経路に関します情報の収集方策についても検討を進めてまいっております。その結果、できるだけ関係の消防本部、消防機関に情報が伝達できるようにしてまいりたいと思っております。
 また、今回のような危険物につきまして、特に道路上等で災害が発生した場合に、消防機関に対しまして物質の性状、消防活動の要領、中和剤の提供事業所・製造等事業所名などの情報を早い段階で提供するために、危険物災害等情報支援システムを既に構築いたしておりまして、平成十年度から運用をいたしております。
 今後、特殊な危険物に関する情報を追加するなど、災害時の円滑な対応等に現地の自治体、消防機関が対応できますように、このシステムのさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。
#86
○岩本荘太君 今のシステム、ちょっと私お聞きしただけで理解しかねているんですが、要するに危険物を事前に、どこを走るかとか、そういうことを地方自治体なりに通報するということで、その種類が今までは余り多くなかったけれどもこれからはさらに加えると、そういうようなことで理解してよろしいんですか。
#87
○政府参考人(中川浩明君) この情報支援システムは、すべての輸送に関して輸送経路に当たります消防機関に通報するというものではございませんで、一たん事故が発生したときに、その危険物はどういう性状のものであるか、その性状いかんによっては消火等の対応方法も異なってくるわけでございますので、それを迅速に伝達する、知らせるという、そういう意味でのシステムでございます。
 なお、今回の事故について見てみますと、運転手等がこの物質の性状等について十分情報を持っておりまして、消防機関に直ちに連絡をしたために住民の避難等の適切な対応がとれたものというように聞いております。
#88
○岩本荘太君 要するに、事故が起こったときに情報をやりとりするということですけれども、事故を最初に知るのは地方自治体というか、そこに住んでいる住民ですよね。そこからどこにやったらいいかという、そういうシステムでないと実効性がないわけですよね。要するに、まず起こったと、それをどこか国といいますかネットワークができていて、そこに対して連絡すれば適宜いろんな処理を教えてくれると、こんなふうに理解してよろしいんですか。
#89
○政府参考人(中川浩明君) 事故の態様にもよりますけれども、今回のようなタンクローリーというような性状の自動車であれば、それが横転等によりまして火災、漏えい等が発生した場合には消防機関に通報されるのが通常だろうと思います。消防機関に通報されますと、消防機関としては、今申し上げましたシステム等を活用する中で適切な対応を迅速にとれるものと、このように考えております。
#90
○岩本荘太君 地元の消防機関といってもやっぱりこれは地方自治体の範疇ですから、同じことなんですね。だから、そこと、地方と中央といいますか、地方では知り得ないものを中央がどうコントロールしてくれるか、その辺がポイントだと思うんですけれども、それは今のお話の中で、十分そういう体制を組んでいく、あるいは充実させていくと、そういうふうに理解していいんですか。
#91
○政府参考人(中川浩明君) 今回の事故の物質でございますトリクロロシラン等の輸送がどのような実態にあるのかということについては、現時点において中央におきましても詳細に把握する実態にはございません。
 したがいまして、輸送がどこからどこへいつ行われるかということについて、その情報を各自治体、消防機関等に通報するシステムは、なかなかそれを構築することは難しいと思っておりますが、今申し上げましたように、一たん事故が発生した時点におきます対応が迅速にとられるような、そういうシステムを既に構築いたしておりますし、その運用にさらに改善を加えてまいりたいと考えております。
#92
○岩本荘太君 時間がありませんのでこれ以上申し上げませんけれども、私、実は今のお話でまだよく理解できないところがあります。
 それは、実はきのう、きょうのこの十五分の質問のために担当部局の人に来ていただきましたら、要するに所管省庁がいろんなところにわたるので質問をもっと細かく教えてくれというような要望で、それはそれでそういう要望は当然なんでしょうけれども、私の感覚からいえば住民の問題なんですね、役所の問題じゃない。確かに各省にわたると思います。先ほども本岡委員の御質問に大臣も、防災担当大臣は内閣総理大臣の分任だというようなことを言われて、確かにそうだと思うんですけれども、そうであっても、可能性のあるものはどこかがしっかりととらまえて対応していかなきゃいけないと私は思っておるんです。
 そういう対応をしっかりやっていただかないと、国民、県民のサイドとしては安心して生活できない。まさに安心をしっかり担保してくれるのが村井大臣であると思いますので、その点で、最後に一言だけお願いいたします。
#93
○国務大臣(村井仁君) ただいま消防庁長官からいろいろお答えを申し上げましたけれども、危険物等々の漏えい、流出等につきましては、平成九年のことでございますけれども、中央防災会議で防災基本計画を改定した際に危険物等災害対策編という新しいチャプターをつくりまして、そこで一通りのことを決めてあるわけでございます。
 実際、少し悩ましい問題は、今、委員御指摘のように、危険物の規制というのはこれは消防庁、それから毒劇物の規制というのはこれはまた厚生労働省、それから高圧ガスですとか火薬類はこれは経済産業省、このように分担が分かれている。それからまた、もう一つ悩ましいのは、トリクロロシランは、これはいろいろなシリコンの単結晶の原料ということでございまして、非常に今、日本じゅうそこらじゅうで使われている薬品でございますけれども、こういったものなら、このあたりでしたら、今のお話でしたら運転手が実際危険性を承知していて適切に消防署といいますか、関係者に伝えた、それで対応が円滑にいったということなのでございますが、物によりましては、例えば企業の企業秘密に属するようなものもあり得るわけでございますね。そういう意味では、端的に申しまして、事業者にもそういう危険防除のために大いに協力をしてもらわなきゃいかぬというような問題もございます。
 今、委員御指摘の点を踏まえまして、私どもとしましても、危険物災害につきましてマニュアルを整備しますとか、あるいは毒性、特性につきまして何らかの形でのデータベースを構築して、それを消防関係者がきちんと対応できるような、そういう基盤整備に努めてまいりたい、そんなふうに思う次第でございます。
#94
○岩本荘太君 ありがとうございました。
 終わります。
#95
○委員長(白浜一良君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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