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2001/06/04 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 行政監視委員会 第4号
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2001/06/04 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 行政監視委員会 第4号

#1
第151回国会 行政監視委員会 第4号
平成十三年六月四日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     小川 敏夫君     小宮山洋子君
     益田 洋介君     荒木 清寛君
 五月二日
    辞任         補欠選任
     山下 栄一君     風間  昶君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     海老原義彦君     片山虎之助君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     海老原義彦君
     荒木 清寛君     弘友 和夫君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     風間  昶君     益田 洋介君
     弘友 和夫君     荒木 清寛君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     益田 洋介君     風間  昶君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     山内 俊夫君     木村  仁君
     浅尾慶一郎君     木俣 佳丈君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     木村  仁君     山内 俊夫君
     木俣 佳丈君     浅尾慶一郎君
     千葉 景子君     直嶋 正行君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     千葉 景子君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     阿部 正俊君     仲道 俊哉君
     鈴木 正孝君     岸  宏一君
     田村 公平君     斉藤 滋宣君
     武見 敬三君     森下 博之君
     宮崎 秀樹君     日出 英輔君
     風間  昶君     益田 洋介君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     長峯  基君     鈴木 正孝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         続  訓弘君
    理 事
                阿南 一成君
                星野 朋市君
                千葉 景子君
                本田 良一君
                大脇 雅子君
    委 員
                海老原義彦君
                釜本 邦茂君
                岸  宏一君
                斉藤 滋宣君
                鈴木 正孝君
                仲道 俊哉君
                畑   恵君
                日出 英輔君
                森下 博之君
                山内 俊夫君
                足立 良平君
                浅尾慶一郎君
                郡司  彰君
                小宮山洋子君
                山下八洲夫君
                荒木 清寛君
                益田 洋介君
                岩佐 恵美君
                大門実紀史君
                吉川 春子君
                福島 瑞穂君
                田名部匡省君
   国務大臣
       外務大臣     田中眞紀子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       農林水産大臣   武部  勤君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  中谷  元君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       総務副大臣    遠藤 和良君
       外務副大臣    植竹 繁雄君
       経済産業副大臣  松田 岩夫君
       国土交通副大臣  泉  信也君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       西川太一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 久雄君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       長        石川 重明君
       警察庁交通局長  坂東 自朗君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        上杉 秋則君
       外務大臣官房長  飯村  豊君
       外務省経済協力
       局長       西田 恒夫君
       水産庁長官    渡辺 好明君
       国土交通省総合
       政策局長     風岡 典之君
       国土交通省自動
       車交通局長    高橋 朋敬君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第五局長   円谷 智彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (外務大臣の外交姿勢に関する件)
 (報償費の適正な執行に関する件)
 (公益法人改革に関する件)
 (水産庁の船舶燃料入札談合事件への対応策等
 に関する件)
 (刈羽村の電源立地促進対策交付金の不適正使
 用に関する件)
 (全国宅地建物取引業協会等と全国不動産政治
 連盟との関係に関する件)
 (中国に対する政府開発援助の在り方に関する
 件)

    ─────────────
#2
○委員長(続訓弘君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月九日、益田洋介君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。
 また、去る五月二日、山下栄一君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君が選任されました。
 また、六月一日、阿部正俊君、鈴木正孝君、田村公平君、武見敬三君、宮崎秀樹君及び風間昶君が委員を辞任され、その補欠として仲道俊哉君、岸宏一君、斉藤滋宣君、森下博之君、日出英輔君及び益田洋介君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(続訓弘君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(続訓弘君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に千葉景子さんを指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(続訓弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に警察庁交通局長坂東自朗君、公正取引委員会事務総局審査局長上杉秋則君、外務大臣官房長飯村豊君、外務省経済協力局長西田恒夫君、水産庁長官渡辺好明君、国土交通省総合政策局長風岡典之君、国土交通省自動車交通局長高橋朋敬君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(続訓弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(続訓弘君) 次に、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○阿南一成君 自由民主党の阿南一成であります。
 私は与党でありますが、本日は、我が国の命運を左右する重要なポストに多くの国民の期待を背に就任された田中外務大臣でありまするので、エールを送るつもりで少し辛口の質問もさせていただきたいんです。ぜひ冷静にお聞きいただきたいと思います。
 田中外務大臣は、我が国の外交の元締め、首相にかわって日本を代表して各国と安定した関係をつくることがその最も大切な仕事であります。私は、外務大臣が職務を遂行していくためには、事務方の知識と知恵、情報等の裏打ちが必要ではなかろうかと考えております。いかに有能な大臣が就任されたとしても、決して自分一人ですべてを掌握し的確な判断をすることは不可能であると私は考えております。
 その点、霞が関の多くの官僚諸君は大変に有能であります。国家国民のために意欲に燃えて日夜遅くまで働いております。また、職務遂行のために全力を傾注して大臣を補佐する覚悟も持っておると私は思うのであります。ただ、霞が関の官僚は、国民の皆さんが思っておるほど巨象のような存在ではなく、これだけ官僚バッシングが続きますと、ひ弱なエリートになっているのではないかと私は考えるところであります。官僚組織の中に私もいたわけでありまするので、例えば警察庁出身のK先生あるいはH先生、そして私などのような余りひ弱でもなさそうなのもいますけれども、これらの者は大体官僚組織を途中下車しておる者が多いわけであります。
 エニウエー、特に政治家と官僚の関係は、人事権を持つ側の政治家に対してはまさに泣く子と地頭のような関係にあると私は考えております。私は、大臣は官僚を大いに活用し、我が国の国益を守っていただかなければならないと考えておる次第であります。大臣が官僚の能力を最大限に引き出し活用していただくためには、何よりも大臣と官僚との信頼関係を構築することが一番重要であると思います。常に官僚との意思疎通を図り、自由に意見が言える環境をつくり、官僚との意見の相違は徹底的に議論をする、そして最善の判断をするということが必要であろうと思います。特に外務大臣というポストは、他の大臣ポストとは違いまして、まさに我が国の命運を握っておるポストであります。その判断の誤りは我が国の国益にとって致命傷になるということであります。
 しかしながら、私は、大臣が就任以来の外務省職員に対する言動をマスメディアでしか知りませんが、私にはどうも首をかしげることもあります。最も機密保持に神経を使うべき官庁外務省にあって、大臣の側からあるいは官僚の側からそのお家の事情が次々とマスメディアに登場しております。また、幹部職員の出入り禁止、人事のフリーズ等の人事介入の行動は、人によると国民受けをねらった大衆迎合主義ではないかというような批判もしております。大臣みずから情報を遮断し官僚の信頼を失えば、大切な情報を得ることもなく適切な指示も行動もとれないことになり、国益を損ねることになりはしないかと心配するものであります。最近は幹部諸君との和解も徐々に進んでいるとの一部の報道もありまして、ほっとしておるところであります。
 私は、大臣が行おうとする人事刷新は、恐らく機密費事件の再発防止を初めとする外務省の不祥事に対する国民の信頼を回復するということにあろうかと思います。しかし、性急な人事あるいは長年の外務省の人事慣行を無視した仮に強権的な人事となるならば、ますます大臣と官僚との溝を深くするのではなかろうかと危惧するものであります。
 例えば、報道によりますと、機密費事件の責任をとらせるために外務省事務次官を早期に更迭するとも受け取られました、すぱっとやるとの発言もありました。官邸側の反対もあり、閣議の承認を得られないということで、その人事を見送ったというような記事を拝見いたしました。これは、局長級以上の人事につきましては閣議の承認を得て発令することになっていることを大臣は知らなかったのではないかという指摘もされております。真偽のほどはわかりません。
 確かに外務省の人事権は大臣にあります。大臣としても、官僚の士気に気配りをし、やる気を起こさせることが極めて重要である。そうして政治にすり寄る者を排する。真に国家国民のことを考える者が元気に頑張れる環境をつくることが一番大切であると思っております。
 大臣は、先般の中国訪問の際、恐らくこれはジョークを含めた大臣一流のユーモアかもしれませんが、某局長のことに関連をいたしまして、まだひげをそらない局長がいるとの発言がありました。行政の長である一国の大臣が部下の身体的な問題に触れる発言をするというのは、私は個人的にはいかがなものであろうかと思っております。
 公務員は、一政治家の使用人ではなく、国民全体の奉仕者であります。三権分立の原則もあります。それゆえ公務員は公平かつ中立性が求められておりますので、人事に関しても、もし仮にそれが不当であるとするならば、不当な政治介入は認めない、当然のことであろうと思います。私の古巣、警察庁においては、警察庁を管理する国家公安委員会は独立行政委員会のシステムをとっております。大臣といえども、五人いる国家公安委員の中の一人、すなわちワン・オブ・ゼムであり、恣意的な人事は全く許されない仕掛けになっております。
 エニウエー、私は、外交に絡む人事も、政権の交代や政策の変更などに大きく左右されない継続性が必要であると考えております。もし仮に強権的な人事を行うとすれば、事は外務省職員とのあつれきが生じるだけでなく、今後の外交政策への影響も大きく、国益にとってもマイナスになるというふうに判断をいたしております。
 そこで、さらに具体的な例を申し上げますが、大臣は、三月二十六日付で発令をされました小寺前ロシア課長を英国公使に転出させた人事を白紙に戻されました。ロシア課長を復帰させました。小寺氏は五月七日に日本を出発し英国のヒースロー空港に到着をいたしました。駐英大使館員が帰りの便のチケットを持って待ち構え、帰国を指示し、乗ってきたのと同じ全日空機でトンボ返りをしたとの報道がありました。急な指示であったと思います。そして、この小寺氏を英国公使にするという人事は、河野洋平前大臣のときに既に発令をされたものであります。
 一度発令された人事が、大臣が交代したとはいえ、一カ月余りで変更されるというのは極めて異例であると私は感じます。今回の人事により、英国やロシアとの関係、そうして当該課長や課員の職務上に何か悪影響が生じていなければよいがと心配をするものであります。
 また、今回の人事は事務手続上どのような扱いになっているのか。前回の発令を撤回したのか、または新たに発令し直したのか。そして、帰国の指示についてはどのような発令行為があったのか。厳粛に行わなければならない人事発令が簡単に凍結されたり撤回されることはあってはならないと私は考えております。
 去る五月三十一日の読売新聞には、「大使「停滞」十九か国」との記事が出ておりました。また、六月一日の朝日新聞には、真相はわかりませんが、新聞の記事によりますと、外相、田中大臣の「私よりえらいつもりなの」、外務官僚の「当分は仕事はしない」という大変センセーショナルな小見出しのもとに、「対立続き外務省機能不全」、「外交にも影響深刻」という大見出しが躍っておりました。「田中外相が就任後に宣言した「人事凍結」で、河野洋平・前外相時代に内定した十九か国の大使人事が閣議にもかけられないまま宙に浮いている」との指摘もありました。相手国に打診してアグレマンを得ている大使人事も含まれておると思いますが、人事凍結も結構でありますけれども、日本外交を最優先にして考えるべきであることを進言しておきたいと思います。
 また、外国要人との会談キャンセルについての報道。外交については、相手国に失礼がないように、そうして外国要人とは信頼関係を築きながら、しかし主張するときは主張するというスタンスが必要であると思います。
 今回、アーミテージ米国国務副長官がブッシュ新大統領の親書を携えて来たわけでありますが、大臣がその会議を直前にキャンセルしたという報道がありました。その理由として、心身ともに疲労しパニック状態になっていた、また日程を調整中だったのでキャンセルではないとの発言も報道されています。しかし、私は、外交の舞台ではそのような理由は通用しないと思っております。アーミテージ米国国務副長官は知日派として知られておるわけでありまして、対日政策の実質的な責任者でもあります。ブッシュ政権の中でもとりわけ我が国にとって重要な人物であります。
 田中大臣は、今回のキャンセルについてアメリカから抗議は来ていないと簡単に答弁をいたしておりますが、これは私は単にアメリカが大人の対応をしたのではないかというふうに思っております。新内閣となって最初に訪日された重要人物との意見交換を通じて信頼関係を築くせっかくのチャンスであったと思います。
 また、今回のアーミテージ米副長官とのキャンセルが特に今クローズアップをされておりますが、大臣がキャンセルをした各国要人との会談はこれだけではないという話もあります。真実のほどは確かめておりませんが、イワノフ・ロシア外相、クック英外相、ソラナ欧州連合共通外交上級代表、パッテンEU欧州委員等との電話会談もキャンセルをされたというふうに聞いております。
 もしそれらのことが事実であるとするならば、各国では新大臣はどのような人物なのか早く知りたいと考えて時差があるにもかかわらず無理をして会談をセットしてくれたことに対し、非礼ではないかと私は思います。また、この会談をセットした外務省の担当者は、今後当該国との会談をセットすることは今までのようにスムーズにはいかなくなるということでもあろうかと思います。そうして、この一連のキャンセルが事実であるとするならば、今後の日本の外交にどのような影響が出るのか心配でもあり、しっかりと注目をしていきたいと思います。
 ところで、先般の衆議院予算委員会における外務大臣と達増議員との質疑は、アーミテージ米国務副長官との会談について、先方は会談できると思って来日してきたにもかかわらず、結果として田中外務大臣はアーミテージ副長官とお会いしなかったことの理由をめぐって議論が交わされました。アーミテージ氏と会談しなかったことは、外務大臣としての見通しの甘さ、ひいては責任放棄と受け取られても仕方がないことであると厳しく指摘した達増氏の発言に対しまして、最初外務大臣は答弁を拒否する姿勢を見せられました。その後、外務大臣は、達増氏に対し、外務省のしっぽを引きずっていると答えるなど、激しい応酬が繰り広げられたことをテレビで見ておりました。
 この模様を放映したNHKの全国中継の視聴率も普段の数倍の数字に上がった。また、一方の当事者である達増氏のもとには国民からたくさんの抗議、非難の電話が寄せられたとのことであります。国民が国会議論の行方に高い関心を示している証左であると思います。一見、大変好ましいことでありますが、しかし私は、田中外務大臣の人気が高いゆえに、一方を善とし他方をすべて悪とするような国民の皆さんの認識には率直のところ一種の危うさを感じます。これは私だけではないと思います。
 真の外交論議は、相手を非難中傷することによってではなく、外交方針のあり方をめぐってちょうちょうはっしと行われるべきものであります。そうした立場に立って、私は、みずからが正しいと思ったことには敵が何百万いようとみずからの信念で進むべきであると考えますが、同時に、国益がかかる外交にはバランス感覚も必要であり、いかに国民的人気が高い田中外務大臣といえども、みずからの信念だけで外交を展開されるということはいかがなものかと心配をいたしておる次第であります。
 また、外務大臣は、できるだけ外国に行かなくても済むようにスケジュールを組んでもらうよう事務方に指示をし、情報通信が発達している今日でもあるので電話とかメール、ファクスなどで対応したい旨表明したと聞いております。さらに、外国賓客の接遇は主として外務副大臣に分担させる旨表明しておるとのことでありますが、このような姿勢は一国の外務大臣としていかがなものかと私は考えております。
 私は、このように情報通信技術が発達した今日とはいえ、無味乾燥な機器に全面依存するのではなく、真の国際平和と安全に貢献する責任のある国として、その顔である我が国外務大臣が積極的に他国の要人に会い、互いの親交、理解を深め、外国にも積極的に出かけていき、フェース・ツー・フェースの外交を展開することが必要ではないかと思います。それこそが外務大臣の仕事ではないかと思っております。外国にはなるべく出かけずにメール等によって行う、あるいは要人接遇は副大臣に任せるといったこのような外交姿勢は、我が国の国益にとって望ましいことではないと私は考えております。
 ところで、大臣は、中国の唐家セン外相との電話会談を五月七日に行っておりますが、その中で、台湾の李登輝前総統の査証発給は今後認めないと発言したとの報道があります。事実は知りません。先日の参議院予算委員会でもこの問題が取り上げられましたが、大臣は相手方の立場もあるのでやりとりを逐一説明しないと答弁をし、発言の事実の有無を明らかにしておりません。しかも、この問題は我が国の外交政策の基本にかかわることでもあり、もし事実であるとすれば、前内閣が決定したことを一大臣が勝手に変えたことになると思います。これは外交の継続性の視点からいっても大変に大きな問題で、我が国の国益にもかかわることであると思います。
 小泉総理は、田中大臣の一連の発言に対する各議員の質問に対しましてノープロブレムと言っております。が、いつまでエールが送れるのか心配であります。田中大臣の発言はこれまでの一議員の個人的な発言とは違い我が国を代表する言葉となることを十分認識していただいて、慎重に対応していただきたいと思います。指導力を発揮することは構わないのですが、独断で行わないように閣内で意思統一を図った上で発言していただくことをお願いしたいのであります。
 私は、田中大臣に我が国を代表するすばらしい大臣になっていただくことを念願しております。これまでの一連の報道を受けて、中にはためにする報道もあるかもしれません。が、外務大臣という重責を担って、今までのことは今までのこととして、今後どのような決意で仕事を遂行されるのか、その決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
#9
○国務大臣(田中眞紀子君) 阿南委員から時系列的に報道等をフォローしながら克明に御指導をいただきまして、ありがとうございます。まず御礼を申し上げます。皆様、大変未熟者の私を不安に思っておられるということをいたく感じますし、また私自身も、なお一層御指導を仰ぎながらしっかりと重責を担っていかなければならないというふうに今痛切に感じております。
 個別のことよりも、最終的にどのような決意でこの重責を担っていくつもりかということをお尋ねくださっているというふうに理解いたします。
 外交というのは、もう全部今委員がおっしゃった中に、外交政策、それからその心構え等はいかに重要であるかということはもうすべて阿南委員がおっしゃっておられるわけでございますけれども、私はまず、その政策的な側面というのもお尋ねの通告の中にございますので、これから申し上げます。
 私は、もう日米同盟が基軸であるということは、これは基本的なスタンスの第一でございまして、常時いかなるときにもこれは私の念頭にございます。それに次ぎまして、近隣諸国ですとか、そのほか世界じゅう、ともに今生きている地球上の皆様、それから今現在ではなくて将来にわたってこの地球に住む人々の幸せとかそれから繁栄、そうしたことに資するために、今現在、日本の外務大臣として、また日本国がどのようなことをすることが立派なことであるか、お役に立つかということを政策の基軸に据えております。したがって、私がこの重職を拝命いたしました四月二十六日の夜に、総理官邸での記者会見で外交の要諦ということを申し上げましたことに尽きるんですが、基本は国益でございます。しかし、国益を踏まえながら世界の国の平和と安定のためにどのようにして私どもが貢献できるか、このことを物差しとしてあらゆることに対応していきたい、これがすべての基本にございます。
 次に、改革ですとか人事ですとかいろいろ細かいことまで大変よくお調べでいらっしゃって、御指摘いただきました。個々にそれぞれ申し上げていると切りがないと思いますが、私はこの外務省に伺って最初に感じたことは、ほかの省庁もそれぞれ皆様御苦労なさっていますが、松尾事件というのでしょうか、これに象徴されるように機密費に関して大変大きな報道があって、そしてまた、事実四回目の起訴が今度されていますのでしょうか、そういう詐欺罪ということがありまして、省内の約五千人の方たち、それから在外公館も含めまして、大変な不安といいますか動揺といいますかいら立ちというか、そういう精神的なものがあるところに高支持率の小泉内閣が聖域なき改革、これを総理は今もずっとおっしゃっていますけれども、そうしたことを掲げて乗り込んでいったといいますか伺ったわけでございますので、それは、心理的なものは想像を絶するものがあるのではないかというふうに思います。長い間日本の外交を担っていらっしゃった先輩や現在いる方たち、それから若い方たち。
 ですから私は、河野前大臣と私との引き継ぎの会がございましたときにもそういうことを、もっと早くこういうことを解決して、一挙にすべては解決できません、けれども、少しでも若い皆様たちが生きがいを持って、ポジティブなエネルギーということを申しました。前向きないい仕事ができるような環境を整備しましょう、そのためには私も先頭に立ちますし、皆様からぜひアドバイス、意見、おっしゃってください、これを申しました。
 そしてまた、これは表に出ておりませんけれども、在外公館の方にも私はメッセージを書いていただいて、自分で目を通して発出してございます。すなわち、国家の危機管理、これは大変なことだと思います。海外の経済情勢やら気候ですとか大変条件の悪いところで一生懸命働いていらっしゃる館員の皆様、御家族、そういう皆様たちが、キャリア、ノンキャリア関係なく、そういう方たちが邦家のために全身全霊を挙げて働いていらっしゃいますから、本当に苦しいこと、国家の危機管理に関することがあった場合には、私は大臣室の番号と自宅の電話番号を併記いたしまして、ここに直接おっしゃってくださっても何ら差し支えはありませんということもお伝えしてあります。そして、皆様が日本のために外交官として御家族としてよい仕事ができるように私も最善の協力をいたしますという言葉で結んでございます。
 したがって、そういう環境の中でいろいろなことが起こっておりますが、私は基本的に、外務省の皆様だけではなくて日本の官僚の皆様は大変優秀であると思っておりますし、一々申し上げませんが、個人的に本当にたくさんいろんな知り合いの方がおられるのは外務省でして、むしろ皆様が陰に陽に大変よくバックアップしてくださっているというふうに思います。直接お会いしていない若い方たちも匿名とかあるいは実名で手紙をくださったり連絡をくださって、こうやったらもっとよくなりますよという非常に前向きな忠告もいただいております。幹部の皆様もしかりでございます。決して足引っ張りがあるというふうには思っておりません。
 ただ、外交政策というものをやりながら、本来の外交は待ったなしであるわけでございますから、それをこなしながら、機密費に関して皆さんが非常に不安に思っている、その中でいろいろ発生してくることを、両方を回しながらこの一カ月間ちょっとやってきておりますので、意を尽くさなかったこともありますし、それから誤報もかなりあるというふうに思いますが、そういうことはぜひ御理解いただきたいと思います。
 長くなるといけませんから、改革でございますけれども、皆様御関心がおありになると思いますけれども、機密費の全容はほぼ明らかについこの間やっとなりました。それに対する攻防がなかなかありまして、やはりなかなか政治家にそういうものは開陳したくないというような役所側の意思が大変強うございましたけれども、これはもう方向性が固まってきているということを御報告申し上げます。
 それから、それに関連して人事についてもお尋ねでございますけれども、これもきょうの朝になりますけれども、お尋ねの例えば転勤でございますとか、それからあとは退官する方とか、そういう方たち、アグレマンをとったところもありまして、それも、私がこれらを早くしなければいけないからといって、四月三十日の段階、着任してすぐにお話ししてあったんですが、機密費との関係でなかなか動かしていただけませんで、それは細かいことは申し上げませんけれども、機密費に対する思いが大変役所の側が強うございましてうまくいかなかったんですが、これも本日の朝九時十分に事務次官に、これはもう凍結ではない、すぐ承認いたしましたということをお話し申し上げて、次官も大変喜んでおられましたので。このように、どんどんともう時間を追って早くにこういうことは片づく方向にやっとなりました。
 ですから、私が基本に踏まえておりますことは、国民の皆様の目線、国民の皆様を忘れた顔のない外交というものを皆様はまずは望んでおられるのではなくて、私たち国民にもわかりやすい、しかし何でもかんでも全部お話をすればいいということではないんですけれども、国民の皆様の視点、目線に立った外交をしていく、顔の見える外交、そしてそれは基本は何かといいましたら、やはり透明性でありますし、先ほど来先生がおっしゃっているバランス感覚を持って、説明責任を持って進めていくと。それは外国との関係も同じでございます。
 ですから、冷静に客観的に、そしてなおかつ国益を踏まえて、多難ではございますけれども、皆様の御理解と御協力を得ながら外交政策を着実に進めてまいる覚悟でおります。
#10
○阿南一成君 私は、外務大臣が田中角栄というたぐいまれな才能を持った政治家の血を受け継いでおられるのでありますから、できることならばイギリスのサッチャー首相のように大いに大成していただきたい、日本における初の女性総理になってほしい、またその可能性も十分にあるというふうに思ってエールを送っておるわけです。そういう意味からも多少苦言に過ぎたかと思いますが、その点はお許しください。
 私は、田中角栄という政治家は極めて好きです。官僚時代からそうでした。上級職合格のいわゆる一流大学のエリートたちが中心の霞が関を、褒めながら、時にはなだめながら、実にうまくコントロールをされたと思っております。
 また、小泉総理は、私の見たところ、相当に熟達、成熟した政治家、練度の高い政治家であると考えております。さすがに当選回数十回、親子三代にわたって大臣を経験した家系だけあって、緩急を心得、ウイットにも富んでおります。国会答弁も、機微にわたる部分は官僚の作成したメモを棒読みなさる、しかしながら自分の得意な分野あるいはアピールすべき分野につきましては手振り身振りのパフォーマンスであります。そして、メディアも、官僚作成メモの棒読みの部分はおもしろくもおかしくもありませんので、カットされます。パフォーマンスの部分のみが連日映し出され、国民の拍手喝采を浴びているという現象でもあろうかと思います。
 私は、官僚の中にも唯物的教育が中心で唯心的教育、心の教育の徹底されなかった時代に育った者が多いのでありますから、中には心得違いの者もいるかと思います。しかし、大方の多くの官僚は極めてまじめで、日本国及び日本国民の幸せのために心血を注いで日夜努力している者たちであります。私は、政治家は霞が関を敵に回すのではなく、有能なブレーンとして使うべきであるというふうに思っております。
 外務大臣というポストは日本の命運を左右する重要なポストであり、また行政の継続性が多く求められるポストであります。ぼつぼつマスメディアもハンドルを切り始めていて、基本的な知識も資質もない不適格な田中外相を即刻更迭すべしなどという政治評論家の辛口の発言等も登場してきており、心配をしておるところであります。
 また、小泉総理は野党議員の質問に対してノープロブレムを連発いたしておりますが、外務大臣にエールを送り続けておる小泉総理であります。そして、その小泉総理の最大の支援者が最大のアキレス腱になるということであってはならないというふうに考えておる次第であります。
 次の質問に移ります。
 外務大臣が会談を簡単にキャンセルしたと言われるアーミテージ米国務副長官は、米国と日本、成熟したパートナーシップに向けての前進という対日政策の報告書を超党派でまとめた実質的な責任者であり、知日派としても知られております。このことは田中大臣も十分に御承知のことかと思っております。
 アーミテージ報告書は、アジアは米国の繁栄にとり死活的な地域である、安全保障環境下において日米二国関係は以前にも増して重要であると指摘をしております。さらに、その報告書の中では、政治、安全保障、情報、経済関係、外交と多岐の分野にわたっております。例えば、日本の政治について政官財のいわゆる鉄のアングルは崩壊しつつあると認識をしておる、日米間で防衛技術に関する双方向の流れを拡大させるためには、米国の防衛産業に対して日本企業との間で戦略的同盟関係を築くことを奨励すべきであるなどなど、我が国と米国の二十一世紀における新しい日米関係の構築に向けた注目すべき報告書であります。
 その中で、日米における情報協力を強化すべきことが特に強調されております。報告書は、日米の情報協力の強化に失敗すれば、同盟国の間で共通の理解や行動が必要な際に、両国の認識、そして恐らくは政策がまとまらないおそれがあると指摘をしております。
 確かに、我が国は情報というものをこれまで余り重視してこなかった嫌いがあります。さかのぼれば、第二次大戦においても、米国との技術力の差もさることながら、情報収集能力の差も敗戦の一因であったと分析がされております。我が国の命運を左右する重要な事柄の一つとして、まさに質のいい情報の収集能力の充実強化が叫ばれる今日であります。ところが、現実には、国際社会にあって我が国はスパイ天国であると言われております。日本政府の秘密や重要な技術情報が毎日のように流出しているとも言われております。この報告書が日米の情報協力は国家レベルでの管理が必要であると指摘しているのは、まさにそのことであろうかと私は感じておるわけです。私は、我が国においても、情報保全関連法の制定について真剣に勉強をする時期が来ておるのではないかと考えております。
 また、この報告書は、情報の共有は政府内部でも行われるべきであると指摘をいたしております。現在、我が国では、警察庁、外務省、公安調査庁、防衛庁等々、我が国の情報官庁が保有する情報はほとんど共有されず、ばらばらに官邸に上げられているのが実情であります。個々の戦術情報はそれでもよいのでありますが、国策にかかわる戦略情報は内閣情報室で統合する必要があると私は考えております。そのためには、危機管理監のもと、内閣情報調査室がこれら情報官庁の有する情報、そしてこの情報に関する予算を一元的に統括し各省庁に配分するシステムを構築するならば、官邸に対する情報の集約はよりスムーズに進むのではないかと考えておる次第であります。
 そして、国会との関係でありますが、米国においてはインテリジェンスコミッティー、情報委員会なるものがあります。私は、この行政監視委員会でも、委員長の御理解を得て、超党派で一度この米国のインテリジェンスコミッティーを視察し、その運営方法を勉強したいと考えておるものであります。政府におかれても、情報を独占するのではなく、国会にも共有させることで国会の外交政策監視立案能力を育てていかれるよう積極的な検討を望みたいわけであります。
 官房長官には情報管理に関する私見を聞いていただきましたが、情報保全関連法の制定準備あるいは制定、内閣情報調査室の機能強化、国会への情報共有等について御所見を賜りたいと思います。
#11
○国務大臣(福田康夫君) 幾つかお尋ねがございました。
 順を追って御回答申し上げますけれども、委員御案内のとおり、まず秘密保全に関しましては、例えば国家公務員法、自衛隊法上の守秘義務の規定、また日米間という立場でいえばMDA秘密保護法、こういうものが制定されておるわけでございまして、今後とも秘密保全のための体制強化、これは我が国として当然のことであるというふうに思っております。
 御指摘のように、このために何らかの立法措置を講じるかどうかと、こういうことでございますけれども、これはその必要性もないわけではないと私は思っておりますけれども、しかしそれにしても、国民各位の御意見など諸般の状況を総合的に勘案しながら検討をされるべきものであるというふうに私は今のところは思っておるところでございます。
 次に、情報の統合ということでございますけれども、我が国の、または国民の安全に関する国内外の情報のうち、内閣の重要政策に関するものにつきましては、内閣における情報の収集、集約機能などを高めることは重要な問題であるというように考えております。
 このため内閣におきましては、外交、防衛、治安などの関係行政機関が相互に緊密な連絡を行うことによりまして、こういう情報の総合的な把握をすることを目的とした内閣情報会議を平成十年の閣議決定により設置することにいたしました。その機能を担う内閣情報調査室の体制の強化も進めているところでございます。
 あとは、国会で情報を共有すべきか、こういう御質問がございましたけれども、外交、防衛に関する情報につきましては、特に相手国政府の、また国際機関などとの関係で、我が国の安全とか相手国との信頼関係、交渉上の利益などに直接かかわりますから、その扱いは慎重な配慮を要すると思っております。しかし他方、政府といたしましては、こうした点に十分留意しながら我が国の外交、安全保障に関する国民の理解を得るという観点から、従来から国会への情報提供に努めてきたところでございます。
 議員の御指摘も踏まえまして、今後より一層こうした情報提供を継続、強化してまいりたい、こういうふうに思っております。
#12
○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、情報漏えい防止の構築についてお伺いをいたしたいと思います。
 我が国では、秘密情報の管理が不十分で、耳を疑うような機密情報が時にして報道されることがあります。しばしば外務大臣を引き合いに出してまことに恐縮でありますが、最近でも、外務大臣が中国唐家セン外相との電話会談の内容が新聞にすっぱ抜かれました。さらに、五月三日の夕刻に金正男と見られる一行四人の身柄拘束が民放テレビを初めとして報道されました。その際、この事件の端緒は海外の情報機関からの通報であったのではないかというような話も私のところにも伝わってまいりました。
 本来、このような情報の漏えいは、我が国の国益上あってはならないものであると私は思います。また、このような情報漏えいが重なれば、外国の要人は警戒をいたしまして会談をするようになります。さらにはまた、海外からの情報がシャットアウトされるというようなことにもなりかねないと思います。
 かつてキッシンジャーは、日本の頭越しに米中協議を開始したことがありました。その理由として、北京に行くことを日本に連絡をすれば必ず漏れるという懸念があったからだと、後に回顧録で語っております。
 今回私が指摘した件につきましては、その情報というのは関係者しか知り得ない内容でありまするので、盗聴されていない限り内部から漏れたことは明白であると思います。キッシンジャーが日本の頭越しに中国を訪問してから三十年という時の経過があります。しかし、このような事例を見てみますと、いまだに我が国の情報管理体制は確立をされておらず、極めて脆弱であると言わざるを得ないと思います。このままでは、我が国は国益を大きく損なうとともに、諸外国から信用されない国になってしまうおそれもないわけではないわけです。
 早急に、情報管理の内部監視システムあるいは外部からのアクセスコントロールの構築、そうして、ここは私は重要だと思う部分でありますが、政府高官、副大臣、政務官、大使等々も含めた秘密情報にアクセスできる人を任命する場合には、当該者の安全を高めるために徹底したセキュリティークリアランスを実施するなど、総合的かつ機能的な情報漏えい防止策を早急に構築する必要があると考えておりますが、官房長官の御見解をお伺いいたします。
#13
○国務大臣(福田康夫君) 外交、防衛とかそういうような、非常に国の安全とか国民の利益とかいうものを損なうようなことが機密の漏えいによって起こってはいけないということもございますし、また仕事を進める上においてもそういうような漏えいが起こることは好ましくない、そういうことでございます。
 もちろん国務大臣は、これは国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範というものが今あるわけでございまして、そこでは職務上知ることができた秘密を漏らしてはならないということになっております。一般職の職員、大使についても、国家公務員法などにおいて同様の守秘義務が義務づけられております。また、各省庁におきましては、秘密保全を要する文書の区分などを定めた秘密文書などの取扱規程、こういうものも設けておりまして、情報管理の徹底を図っているところでございます。
 一般的に申しますと、外交上のやりとりの逐一については、これは明らかにすることはできないことは当然でございますけれども、時として我が国の政府以外からそうした内容の一部が表に出るということも考えられるということもございます。いずれにしても、阿南委員の御指摘も重要なことでございますし、参考にしながら、今後とも情報管理には十分注意を払ってまいりたい、このように思っております。
#14
○阿南一成君 今年度の報償費予算でありまするが、減額をめぐって激しい議論が交わされました。政府は減額をかたくなに拒否してまいりました。外務省においては、報償費額の現状維持を主張するだけでなく、国際的な情報収集戦争のためにはむしろ増額をすべきであるという答弁もなさっております。結果として、今年度予算は衆参両院により政府原案どおり可決をされたところであります。
 これに対し、四月末に発足した小泉新内閣は、所信表明演説や予算委員会における答弁で一転して今年度の報償費を減額する意向を示されました。もちろん必要に応じて予算の減額がなされることは当然でありましょうし、否定するものではありません。しかし、今回のように、国会の場において一貫して減額を拒否し続けながら、一方では整合性のある説明もないままその姿勢を一転させることは、国会軽視も甚だしいのではないかと私は考えております。
 予算案は、我々議員として、財務省が十分に精査した上で自信を持って国会に提出したものであると今までは受けとめておりました。国会で議決された予算を減額補正にするのではなく議決を通さずに減額するということがもしあるとすれば、予算の議決権を有する我々は、我々国会議員の一員としてとても容認できるものではありません。財務大臣の明快な御答弁を期待いたします。
#15
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねのございました報償費の減額の問題でございますけれども、この不祥事によりまして、目下政府内におきまして厳格にこれを受けとめまして、適正な執行に対する国民の信頼が失われることのないようにその執行に十分注意をしてまいって、厳正に行っていきたいと思っております。
 内政、外交の円滑な執行に役立つという報償費の原点に立ちまして抜本的に見直していくつもりでございますし、またその意味において、本年度の予算において認められております執行に対しましては極力減額の方向で執行し、改めて平成十四年度等におきまして、報償費のあり方等を根本的に見直した結果といたしまして、今の御質問の趣旨を生かしていきたいと思っております。
#16
○阿南一成君 わかりました。
 次に、若干郷里の問題に入りますが、私は、昨年、日本中央競馬会を当委員会で取り上げました。今回、同じ公営ギャンブルで競輪についてお聞きをしたいと思います。
 戦後の我が国の荒廃した社会の立て直しに寄与するのに、現在に至るまで競輪の果たしてきた役割は大きい。一方、競輪がシドニー・オリンピックに取り入れられましたように、楽しいスポーツとして国民に受け入れられつつあるわけでありますが、暴力団等によるのみ行為などの不正も後を絶ちません。
 公営競技につきましては、昭和六十年十一月に暴力団、のみ屋等の排除の運動を全国の公営競技場で開始してから平成十二年度は十五年目を迎えたとのことで、全国公営競技施行者連絡協議会などの関係団体が取り組みを一層強化していることを承知いたしております。競輪においても、今後とも「競輪場における追放対策中央推進会議連絡会」での真摯な議論を行うなど、暴力団、のみ屋の排除活動等の一層の推進をお願いしたいと思うところであります。
 また、競輪は、競馬などと違い人間同士の試合でありまするので、八百長がやりやすいということもイメージとして明るくない理由の一つであろうかと思います。競輪選手に関しましては、外部者との接触の厳禁及び携帯電話の不携帯の徹底など管理監督を行っていることでありますが、八百長があったのではないかなどという風聞が出ないように厳正にお願いをいたしたいと思うわけであります。
 そこで、サテライト日田の問題でありますが、地元住民の理解がまだ得られないにもかかわらず、旧通産省、現経済産業省が昨年の六月に設置の許可を出したということから、現在訴訟になっております。この点について松田副大臣の御見解を賜りたいと思います。なお、大変お呼びして恐縮でありますが、私の持ち時間五十七分ということでありまするので、そこでお願いをできればありがたいと思います。
#17
○副大臣(松田岩夫君) ただいま御質問のありました競輪の場外車券売り場でありますサテライト日田をめぐる訴訟についてのお尋ねでありますが、サテライト日田は、主として大分県別府市がこれを賃借し、その開催する競輪の車券発売をしようとするものであります。
 経済産業省では、平成十二年六月に自転車競技法及び関係法令に照らしまして厳正に審査をした結果、これに設置許可を付与したところであります。本件設置許可をめぐる訴訟に対する対応につきましては、今後の審理において当省としての考え方を主張していきたいと考えております。
 ただいま先生御指摘のように、この場外車券売り場につきましては、いわゆるのみ行為の防止を通じて競輪の公正かつ安全な実施に大きく貢献しております。また、この場外車券売り場は、近時、車券購入にかかわります利便性、快適性を高めるものとして多くのファンに支持されておりまして、競輪の売り上げ全体に占める比率も年々上昇してきております。売り上げ減少が続く競輪事業の活性化のための重要な方策として、今後とも全国各地において場外車券売り場が着実に設置されることが期待されております。
 もちろん、今お話しのように、この場外車券売り場の設置に当たりましては、競技法に基づきまして厳正に審査をいたしておるわけでございますが、これに加えまして、できる限り、当然のことでございますが、地元の理解を得て円満に設置されるよう今後とも十分注意してまいりたいと考えております。
#18
○阿南一成君 ありがとうございました。
 なお、ECHELON関連、それからサッカーくじについては次回の行政委員会に回したいと思います。
 終わります。
    ─────────────
#19
○委員長(続訓弘君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、長峯基君が委員を辞任され、その補欠として鈴木正孝君が選任されました。
    ─────────────
#20
○千葉景子君 民主党・新緑風会の千葉景子でございます。
 ちょっと質問の順番が変わろうかと思います。官房長官が他の委員会と時間が重なっておられるということもございます。また、機密費に係る問題は官房長官の専権ということで、他の皆さんではお答えが得られないというふうにお聞きをいたしましたので、冒頭、恐縮ですけれども、官房長官にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 後ほど田中外務大臣にもまた御意見をお聞かせいただきたいというふうに思っておりますけれども、機密費に係る問題につきましては、この間、私どももいろいろな問題提起をさせていただき、そして外務省の方でも田中大臣を先頭にいたしまして改革の取り組みが進められているとお聞きをいたしております。ところが、官房長官、官房機密費の方につきましては、この間、余り改革のどうも取り組みが見えてこないというのが実情でございます。
 官房長官も、政権がかわられましてずっと官房長官を継続してお務めでございます。先般、予算委員会などの中でも官房長官は、機密費については野党の減額の請求やあるいは問題点の指摘にもほとんど問題はないという、そういう姿勢で臨まれてこられました。
 ここに至りまして、どうでしょうか、外交機密費のみならず、官房機密費につきましても何らか問題意識は持たれておられるのでしょうか、それともこれまでどおり問題はないんだ、そういう姿勢で今もおられるのでしょうか、その点お聞かせをいただきたいと思います。
#21
○国務大臣(福田康夫君) 官房の報償費についての御質問でございますけれども、このことについて、私、今まで問題がないんだということは一度も申し上げたことないというように思っております。ただ、予算審議のときには、この事件の全貌もよくわからぬ、今でもわからないんですけれども、よく実態がわからないというようなこともございましたので、それはそういう実態解明された後にお答えしますというような答弁は何度かした記憶がございます。
 現在、報償費の適正な執行に対する国民の信頼が損なわれている、こういうことは重く私どもも受けとめておることでございまして、これはもう当初から変わりません。この際、報償費については抜本的に見直して、今年度の執行に当たりまして方針を打ち出して、新内閣としての姿勢を明らかにしていきたい、こういうふうに思っております。
 もう少し具体的に申し上げれば、総理の内政、外交の円滑な推進、広範な情報の収集、褒賞など、報償費の目的に照らして適正な支出であるかどうか、これまでの経緯にとらわれることなくその都度厳正に吟味を行った上で内閣官房長官の判断に基づいて執行するということがまず第一であります。
 次に、報償費の執行に当たりましては、事務処理の補助が必要となる場合には、複数の担当者に当たらせて二重チェック、ダブルチェックを徹底するというなど、適切な管理体制のもとで執行したい、こういうような考え方で厳正かつ効果的に使用しようというように考えております。
 こうした考えのもとで、平成十三年度、今年度予算につきましては、執行に当たりましては方針を明確にして、効率的な使用への努力の徹底を図る中で減額も含めた具体的な使用の節減を検討していこう、こういうように思っているところでございます。
#22
○千葉景子君 ぜひその具体的な今後の改革への取り組み、また改めてお尋ねをする機会があろうかと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 ありがとうございます。
 さて、ちょっと何か前後するので、私の長い演説をしてもしようがありませんので質問をさせていただきたいと思いますけれども、ちょっと前段に私の認識といいましょうか、それを聞いておいていただいて、田中外務大臣にもまた御答弁をいただきたいと思います。
 小泉総理になられましてから、いわば聖域なき構造改革ということを掲げられまして、多くの国民の皆さんもそれに対して大変な期待を持たれておられます。私は、この聖域なき構造改革、その大きなポイントは、やはりこれまでどうも国民に見えなかった、そして納めた税金も本当にきちっと使われているんだろうか、こういう部分で行政のやはり透明度とかあるいはシステムのあり方、こういうものをきっと抜本的に見直してもらえるのではないか、そういう期待も相当あるのではないかというふうに感じているところでございます。
 そういう意味では、外務省あるいは外務大臣におかれましても、外交問題、本当にこれはいっときたりとも休むことがありませんので大変御苦労をいただいておろうかと思いますけれども、やはりそれを遂行するに当たっても、それをサポートする体制あるいはその基盤となる行政の部分が本当に国民にとっても透明度があり、そして信頼し得るものであること、ここからスタートすることが私は大変大事なことだろうというふうに思っています。
 そういう意味で、田中外務大臣が本当にもう身を粉にして先頭に立っておられるということには心から敬意を表させていただき、やはり外交機密費にかかわる部分というのは、この間国民にとっても非常に不明朗、そして何か本当の意味での外交が行われてこなかったのではないか、せっかく外交機密費を設けていろいろな情報を収集したりあるいは適切なこれからの日本の進路を考えていくべきところを、何かそれが自分たちの懐に入ったりあるいは勝手なところに使われていて外交に生かされていなかったんじゃないか、一体外交は何をやっていたんだろうかという疑問につながっているんじゃないか。そういう意味では、やはりこの外交機密費にかかわる問題を根本的に抜本的にきちっと明らかにしていただくこと、これを私は本当に期待するところでございます。
 そこで、田中外務大臣にお尋ねをさせていただきたいと思いますが、外務大臣も、まだ外務大臣におなりになる前に衆議院の予算委員会の中などでも、従来の政府の答弁などには、これでは国民が本当にすとんと納得できるようなものではまだないということを御発言なさったりされておられます。そういう意味では、多分この外交機密費の問題などにも外務大臣としての非常に何かうっせきをされたものがこれまでも持たれておられたのではないかと思います。
 そこで、この外交機密費問題、従来の各政権では問題がない、そして、例えば室長の問題などが出ても、むしろ被害者のようなもので、それに対しての姿勢というのは非常に消極的なものでもありました。そこを抜本的に改革していこうとなされるそのポイント、どういう点が問題で、だからどのような方向に改革をしようと御覚悟を持っておられるのか、その点についてまずお尋ねをさせていただきたいと思います。
#23
○国務大臣(田中眞紀子君) 千葉景子委員にお答えを申し上げますが、多分私たちみんな、国会議員も党派を超えて、また国民の皆様とも思いはそんなに違っていないのではないかという思いを私はこの四十日間の中で深くしております。
 それで、ズームを引いて考えてみますと、先ほど阿南委員がおっしゃったような確かにいろいろなことが錯綜をして本当のこともそうでないことも全部一緒になっていますので、一々弁解もしませんし、する気も時間もないわけでございますが、この今お尋ねの機密費も含めてなんですが、私は、やっぱりトータルで言うと、この小泉内閣のできた基本は何であるか、あの選挙戦中からずっと携わってきて思いますことは、今時代が本当に新しくかじを切る、それを国民の皆様が主導でこの内閣が生まれたと思います。その新しいものを生み出す痛み、それが本当に集中的に外務省に来ているなということを直観、直観だけだとまた怒られちゃうんですけれども、ということを感じています。
 それは、マスコミ、メディアもそうですし、我々議員も官僚の側の方も、外務省だけで変わりませんけれども、みんなが古い方式とか発想とかそういうものを引きずっていますから、今が転換地点というのは、多分二十年ぐらいたって振り返ってみて、あのとき時代が変わったんだ、だからあれだけあつれきがあったり、いろんな間違った報道があったり、いろんな批判があった、でも、ああやって時代というのは変わるものなんだということをきっと認識するときが来ると思うんです。今は、その生まれ出る痛み、生まれ出す苦しみがあらゆる日本じゅうにあるというふうに私は感じています。
 それで、今おっしゃった報償費のことですけれども、報償費というのはどこの国にもあります。それはほかの国の方に、政治家にも外交官にも聞いたことがありまして、シークレットファンドというものがあることは聞いておりますけれども、それはどこの国でも、やっぱり本来の外交政策を円滑に推進するために必要不可欠な経費であるということが基本でございます。
 であるにもかかわらず、やはり長いこと慢性化して予算を請求しやっているうちに、時代のニーズも変わり、システムも変わってきているにもかかわらず、ただそれをチェックするというふうなことが機能しなかったこと、これが最大ではないでしょうか。だれが悪いとかそうではなくて、それがなかった、チェック機能が働いていなかったこと、それからそれを許していたやっぱり組織上の問題、これも看過できないと思います。
 そして、今回の事件ですけれども、ある特定の人物だけに会計処理を事実上任せてしまっていたということ。それで、一人の人に責任を転嫁してあとは知らんぷりでいいのかしらという議論が国会だけではなくて一般の国民の皆様の中にもあるわけですけれども、そういうことがあっていいはずももちろんないわけです。したがって、四月でしたか、十六人ぐらいの方たちの減給処分の紙も出てきましたけれども、そういう形で、一人だけの事件ではないのだということをあれでもって当時の外務省は表明をなさったというふうに考えております。
 いずれにしましても、基本的には、私たちはそういう今申し上げたようないろいろなポイントを、もとを正常化すること、もとへ戻して本来の報償費が目的にかなったように使われるように変えていくこと、改革すること、それが私たちの使命であろうというふうに考えております。
#24
○千葉景子君 それは当然のことであろうというふうに思います。今後、今、大臣がおっしゃったチェック機能をきちっとつくる、そして国民にも納得できるようなそういうシステム改革をしていくということは当然のことであろうというふうに思います。
 ただ、それに当たっても、やはり事実関係をきちっと一回明確にして、そしてどういうところに問題があったのかということを考えていくということもその前提になろうかというふうに思っているんですね。
 それで、私どももなかなかその実情はこれまでわかりませんでした。そういう意味では、さきに野党で、少なくとも機密費に対して一回減額をして、そして総ざらいをした上でまた必要な予算を盛り込んだらどうかということで、国会に予算の減額の修正を出させていただきました。そのときにも、従来は本当に残念ながら全くこのような私どもの提案には耳を傾けていただけず、一切額もこれまでどおりでよいのだと、こういうことでこれは否決をされるということになりました。これまでの理由は、やっぱりそれがないと国益にも反するようなことになるんだ、機密費は大事なんだと、こういう御答弁もあったわけでございます。
 ところが、今回、多少なりとも執行の段階できちっとチェックをしたり、あるいは減額の方向にしていこうということになりますと、考えてみると、これまでは国益にも反するから減額はできないんだ、今度減額をする方向にということになりますと、ひょっとして、従来の考え方が正しいのだとすれば、じゃ減らして国益に反することになってしまうのではないかと、こういう矛盾も起こってしまうわけですね。
 そういう意味で、ここで非常に政府の考え方も大きく変換、転換をされようということでございますけれども、どうでしょう、従来のかたくなな姿勢に立っていたことを踏まえて、田中外務大臣、これまでもうちょっときちっと野党の声にも耳を傾け、そして早期にこの機密費についての取り組みをすべきだったというようなことはお考えになりませんでしょうか。
#25
○国務大臣(田中眞紀子君) 小泉内閣はとにかく聖域なき改革ということをおっしゃっていますし、それから機密費の減額ということもたびたび総理がおっしゃっておられます。
 それを踏まえまして私たちが今目指しておりますことは、実態が何であるかということの掌握なんですね。それに一カ月近くもかかったわけで、そのことと外務省の政策のことが絡んでいろいろ誤報されたりいろいろな問題があったわけですけれども、基本は私は、やっぱり新しい内閣、新しい体制が今でき上がったわけでございますし、その私たちが目指しているものは何かといいますと、もう間違いなく国民の皆様の政治に対する信頼を回復すること、これは何党であるとかそういうことではなくて、皆様から、やっぱり自分たちの税金の使途を目的にかなったように得心のいく形で使ってほしいということに尽きると思いますので、私どもは減額も含めまして厳正に執行することとしておりますし、こうしたことを含めて、外務省全体の改革要綱というものに盛り込むようにいたしております。
 ちょっと、この後は副大臣で、すぐ戻ってまいりますが、よろしゅうございますか、答弁。ちょっと冷えたので。すぐ戻ってまいります。
 委員長、よろしいでしょうか。
#26
○千葉景子君 ちょっと大臣に御答弁をまた引き続きお願いさせていただきたいので。
#27
○国務大臣(田中眞紀子君) もちろんいたします。ちょっと寒くなったので、済みません。ちょっと行ってすぐ帰ってきます。副大臣がおられますので。
#28
○千葉景子君 せっかくの機会ですから、大臣に御意見を聞かせていただきたいと思います。
#29
○委員長(続訓弘君) 休憩いたします。
   午後二時十二分休憩
     ─────・─────
   午後二時十九分開会
#30
○委員長(続訓弘君) ただいまから行政監視委員会を再開いたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#31
○千葉景子君 ちょっと中断ということになりましたので気が何か少しそがれるようなところがあろうかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。
 今、田中外務大臣から、これからの御決意のほど、きちっとはっきりさせていく、あるいはチェック機能を働かせていくというようなことがございました。
 それで、私もそういう方向で進むことを願っておりましたところ、またまた新聞の記事等で機密費の問題が取りざたをされております。これは六月三日の読売新聞でございますけれども、「家族の食費は機密費から出せ パーティーで使ったことにして」と、総領事館の話が報道をされております。
 事実かどうかという問題になるわけですけれども、当然この報道も外務大臣も目にされておられるかと思いますけれども、こういう問題がまだまだ明るみに出ていない部分があるのではないかと、こういう気がするんですね、こうやって次々に出てまいりますと。
 そういう意味では、やはりもう一度きちっと事実関係あるいは機密費の内実を私どもにもはっきりしていただく、そしてこういう問題については、それが事実であるなし、そういうものについてきちっと調査をいただくというようなことも当然必要だと思いますけれども、これはちょっと事前にお知らせをしておかない問題でございましたが、ちょうど急に記事を私も目にいたしましたので、ちょっとお尋ねをさせていただきます。今後の取り扱いなどについて田中大臣、どうしていただけるか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#32
○国務大臣(田中眞紀子君) 今ほどは失礼しました。
 おっしゃる御趣旨はわかりますけれども、やはり報償費というものの性格上、先ほど申し上げましたけれども、すべてをつまびらかにしていくというような性格のものではないというふうに思っております。ただ、今回のようなことがあって、渋々役所側もこれだけの時間がかかってやっと開示してくれるところまで行きましたので、これをすべて公開ということではなくて、やはり日ごろからその使われ方にチェックを厳しくしていくと。先ほど申しましたようなチェック体制ですとか組織体制ですとか意識改革、それを進めていくということが重要であろうというふうに考えます。
#33
○千葉景子君 ただ、こういう報償費について一つ一つつまびらかにできない、こういう性格のものであることも私も十分承知をいたします。しかし、逆にこれまで出てきている問題は、本当の意味で明らかにすぐにはできない、そういうものではなくて、むしろ明らかにして、そして、いや実はこういうことがあったんだけれども、これからはむしろそういうもので真の意味での報償費としての機能を十分に考えていくということをしませんと、こういうことをきちっと調査をし、いやこれは事実だった、いや事実でないということがはっきりしていないと、みんなまだ思い続けますよ。また機密費というのは結局は食費に使われていたんじゃないか、あるいは私生活と一体になっていたんじゃないか、こういうやっぱり疑い、疑念、こういうものを持ち続けて機密費というものが運用されていくということになりかねないと思うんです。事実であれば事実、あるいは事実でないんだとすればこういうものは事実でない、こういうことを言われたのでは本当の意味での外交に支障があるということであればそうおっしゃっていただくということが必要だと思います。
 それにはまず、もしこういうことがあればやっぱりこれは事実を調査していただき、その結果を何らか私どもに御回答をいただく、それによって国民の信頼度あるいは不信感も払拭されると思うんですけれども、大臣、どうでしょうか、そこを御決断をいただいて、きちっと対処いただきたいと思います。
#34
○国務大臣(田中眞紀子君) 今回の機密費の問題は、副大臣を中心として新しい改革案とか、その他いろいろお仕事をしていただいています中でも、すべてあらゆる項目が機密費という中でもって処理されているということは一番初めに指摘されておりますし、また副大臣ではなくて、前の内閣から発足しています改革委員会におきましても、例えば天皇誕生日のときに使ったレセプションの費用などというものは使ってはいけないなどというものではありませんから、そういうふうに、機密費なんという項目に入れなくても済むものはむしろそれから出してはっきりしていくんだというような改革案も出ております。
 そのほかたくさん随分私はいい提言をしていただいているので、それを現実にあとはやるだけだというふうに思っております。ですから、そういう中で頑張っていきたいというふうに思います。
#35
○千葉景子君 今おっしゃっていること自体は私も賛同させていただきます。当然のことだというふうに思います。
 それを本当に真の意味あるものにするために、そして今申し上げましたように、その改革が、これは本当にみんながこぞってその方向でいこう、これから報償費にも疑義はないということを国民がこぞって納得するという意味でも、こういう記事なりがまた出てくるということをやっぱりどこかできちっとしておかなければいけないというふうに思うんです。
 そういう意味で、私は、ぜひ事実関係をきちっとお調べをいただく、今おっしゃったことと関連すると思います。これまで報償費として計上しなくていいもの、そういうものが逆に言えば中に組み込まれていたのでむしろ疑念が生まれてしまう、こういうことだったわけですから、当然、報償費に含まれなくていいものがこういうところに使われていたということで出てきているわけですので、改めてその調査をすることを要請しておきたいというふうに思います。
 そこで、今おっしゃいました改革に向けて、今年度も、先ほどからお話がございますように、報償費の規模を少しでも適正に運用するために額もできるだけ減額をしていく、適切に運用していくということが小泉総理からも言われているところでございますが、一体これはどんな問題についてどのぐらい減額をしたり縮小したり、あるいは適正にといっても、またこれまでどおり、いや結局は結果的に全額適正なものでしたという結果であれば何ら変わらないんじゃないかということになってしまうだろうと思います。私どもも、少なくとも多少なりともこれぐらいの規模は減額をしてその中でやりくりをしてみるくらいの、そういう気概があるいは意思があってもいいのではないかということで減額修正も求めさせていただいたわけですから、ことし減額をされる、あるいは適正な運用に努めるという、どんなポイントで、そしてどんな額をおよそ念頭に置かれて考えておられるんでしょうか。その辺は外務大臣、いかがですか。
#36
○国務大臣(田中眞紀子君) 具体的な額ですとか、それは今の段階では申し上げられませんけれども、これは国民の皆様から内閣を信頼していただけるかどうかということだと思います。
#37
○千葉景子君 先ほどからの繰り返しになりますけれども、方向性は私も同感いたします。ただ、それを信頼できるかどうかは、先ほどからくどいようですけれども、やっぱりこれまでの事実関係がいま一つ不明朗である、それからこういう記事もまた改革を進めているさなかで出てくる、こういうことがありますと、なかなか信頼をしてくださいと言うだけでは納得されないということになるのではないかというふうに思います。
 私も、真の意味での報償費ということになれば直ちにすべてをつまびらかにできないということは当然わかっておりますけれども、それではない、むしろ報償費として使うべきではなかった、そういうものが紛れていたとか、あるいはそういう部分で報償費がむだに使われてきたというような部分、そういうところはやっぱり一度こういう実態だったんですとむしろ率直に出していただいて、そしてこういうことなきようこれからチェック機能を働かせていく、こういう順序立てが必要なのではないかというふうに思います。
 そこで、せっかくそういう意思を固めておられるということですので、私どももこういう内閣の改革の姿勢に少しでもお役に立つことができたら、こんな思いで機密費の使用に係る提言をまとめさせていただきました。
 それは細かくは申し上げられませんけれども、民主党では、機密費については目的をきっちりと明確に限定をする、そして機密費支払い計算書、何かきちっとどういうものに使ったかということを保存をするそういう義務を設ける。そして、先ほどもお話がありましたように、機密費はすぐにつまびらかにできないということもあろうかというふうに思います、本当の意味の機密費であれば。そういう意味では、例えば十年、あるいはもう少し秘密性の高いものであれば二十五年経過したところでその支払い状況、どういう目的にどういう支払いをしたか、使用したかということを公表する、こういう制度でチェック機能を働かせていく。後々国民がこぞってそれをチェックすることができるという制度をつくったらどうかということを提言させていただいているところでございます。
 多分田中外務大臣の今のお考えにもかなり即したものではないかというふうに思いますけれども、どうでしょう、こういう提言をぜひ取り入れて改革の大きな柱にされてみてはいかがかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#38
○国務大臣(田中眞紀子君) また参考にさせていただきたいと思いますし、またお骨折り、本当に御立派だと思って、敬服いたします。
#39
○千葉景子君 ぜひ改革の参考にしていただければ、私どもも、こういう方向での改革であればぜひ歓迎をさせていただくところでございます。
 さて、ちょっと時間の関係であと一問だけお聞かせをいただきたいというふうに思うんですけれども、これも事前にお知らせをしませんでしたので事実関係だけお聞かせいただきたいというふうに思います。
 けさ、福田官房長官が定例の記者会見をなさったと伺っております。その中で、福田官房長官は、先般、先ほどもお話に出ておりましたけれども、田中外務大臣がオーストラリアの外務大臣と会談された際にNMDについての御発言をなさったということにつきまして、そんなことはないというお話でございました。官房長官は、橋本元総理と確認をして、そういう話があったということは事実だよということでありますのでということで、事実だったと、記者会見でそうおっしゃっているそうでございます。
 田中外務大臣はこの間、いやそんなことはございませんということでお話をされておられますけれども、これ、政府の中で全く矛盾したお話ということになってしまいますが、外務大臣、どうでしょう、どっちが事実なんでしょうか。当然外務大臣が事実ということになるのかなと思いますけれども、いかがですか。
#40
○国務大臣(田中眞紀子君) 私も今、お昼のニュースでしょうか、それを私はちょっと来客中で見ておりませんでして、メモが入ってきまして、そういうふうなことが報道されていると、元総理がそういう発言を官房長官になさって云々というふうなことを聞きまして、どういうことかしらと私も思いました。
 私が、これはきっとほかの委員の方もお尋ねになることだと思いますので申し上げなければいけないと思っておりますが、それはオーストラリアのダウナー外務大臣が外務省にお見えになってお話し合いをいたしておりましたときのことだと思いますけれども、その後どなたにお会いになったのか、それから元総理がどなたからどのように何をお聞きになったのか私は存じませんが、会話というものは、そのダウナーさんあるいはそのASEMという北京の会議もそうですけれども、会話というのは自分だけが一方的に話しているわけでもありませんし、こんなことは言うまでもないことなんですが、相手の方がいろいろ問題認識を持っておっしゃったらそれに答え、こちらが何かを言ってあちらが答えられるという、会話というのはやっぱり回っていくものだと思いますね、人が会って話をするときに。今のこのやりとりと同じようだと思います。
 ですから、そのときにうなずくことだとか、それからそれに関する自分の意見を言うということもあるわけでございますけれども、私が一番基本としてこのダウナーさんに対しても申し上げていることは、アメリカのミサイル防衛計画、これにつきましては、もうずっと私、委員会でも言っていることなんですけれども、核兵器の削減ということをアメリカがおっしゃっておりますから、これを日本は歓迎するという立場でございます。
 それから、私たちは、弾道ミサイルの拡散というものがもたらす深刻な脅威については認識がアメリカと同じであると、ミサイル拡散になったらそれは脅威であるということを同じように認識をいたしております。
 それから、アメリカがミサイル防衛計画というものを検討しているということについて、私たちも、日本として理解もいたしておりますし、それから弾道ミサイル防衛ですけれども、これに関する日米で共同の研究をすることについては引き続き推進するというスタンスで政府は一貫しております。
 我が国は、ミサイル防衛問題が軍備の管理ですとかあるいは軍縮の努力を含む国際安全保障環境の向上に資する形で扱われていくということを望んでおりますし、アメリカ自身が日本を含めた同盟国、ロシア、中国にも十二分に話をして、協議をした上でするのだというアメリカの態度を私たちは歓迎しておりますし、今後もアメリカと本件について緊密に話し合いをしていくのであるというスタンスは何も変わっておりません。
 そのことも発言しておりますのですが、そうではないところを何か違った形で報道されて、ASEMについてもそうですが、それは今お触れになっていませんから申しませんが、どうしてそういうふうなことが報道されるのか、漏れるんだったら何で正確に漏れないのか、それを受けてまた何で元総理がそういうことをおっしゃるのか、極めて不思議だなというふうに思っております。
#41
○千葉景子君 わかりました。
 そうすると、官房長官の記者会見での御発言は外務大臣の御認識とはいささか違って会見をなさっているということでしょうか。官房長官がもう少し事実関係といいますか、それをきちっと把握されて、外務大臣からも話を聞いて、そして会見をなさった方が正確だということになりますね。
#42
○国務大臣(田中眞紀子君) 今ほど申し上げましたように、私はお昼のニュースを来客中で見ておりません。メモで、そういうふうなことが、やりとりが報道されていましたよということを後で伺いました。今も官房長官いらっしゃったんですが、そういう話は全然しておりませんので、官房長官も多分定例の記者会見がおありになって聞かれたのでおっしゃったんだと思うんですけれども、やっぱり事実を確認をするということがないと困るなということを今御質問を受けながら、困るというのは官房長官じゃなくて私の立場も踏まえて感じております。
#43
○千葉景子君 ありがとうございました。
 田中外務大臣とはその改革の中身等について、機会がありましたらぜひまた意見交換もさせていただきたいというふうに思っております。
 さて、限られた時間になってしまいましたけれども、この委員会でも公益法人にかかわる問題、特にKSD問題をきっかけにいたしまして積極的に議論をしていこうということでございました。この公益法人問題につきましては、先般、公益法人に対する総点検なども行われておりますし、そして総務省の方での各省庁に対する立入検査の実態などの把握などもなされておられます。
 ちょっと総務省の方にお尋ねをさせていただきますけれども、公益法人に対する立入検査の実施、各省庁で行われておりますけれども、必ずしもそれぞれ一律ではございませんで、ばらつきもありますし、それからその内容もいろいろ問題を残しているような気がいたします。
 そういう意味で、この立入検査のあり方につきまして、ちょっと時間の関係で総括的にお尋ねをさせていただきたいというふうに思いますけれども、今後三年に一回は立入検査を実施しようというようなことがありますけれども、大変な数の公益法人、そして今回の立入検査でもなかなかその中身を十分にはなし得ないということもあります。本当にできるんだろうか、あるいはやったとすれば非常に平板な、おざなりなものになってしまうのではないかというおそれもございます。
 それから、その中で、例えば情報公開などについては必ずしも十分でない、そういう公益法人が全体で百五十五法人あったというようなことも言われておりますし、役員報酬などの点でもどの程度が本当に適正だというふうに言えるのかどうか、こんな問題点も多々ございます。
 どうでしょうか、この立入検査の実施などを振り返りまして、今後の検査のあり方あるいは問題点、それから具体的にどう進めていくかなどについて御所見あるいは考え方がございましたら教えていただきたいと思います。
#44
○副大臣(遠藤和良君) 国所管の公益法人は現在約七千ございますが、これに対して、従来立入検査というのは大変有効な手段であったわけですが、必ずしも十分にこれができておりません。特に労働省等においては大変実施率が低い、こういう実態がございまして、御指摘のとおりでございます。
 このことにかんがみまして、ことし二月に、この七千の国所管の公益法人については総点検をしよう、そしてできれば三年に一遍は必ず立入検査をする、またこのほかにも必要であれば臨時に立入検査をする、こういうことが申し合わせられまして、今、総点検の結果を明らかにいたしまして公表したところでございます。
 この立入検査の今後の見通しですけれども、既に各府省におきまして立入検査を行うときのチェックリスト、どことどこの項目をやるということは全部公表済みでございますし、その体制が整っております。したがいまして、毎年度、三月三十一日が年度末ですけれども、それまでに少なくとも七千の三分の一ずつはきちっとやりまして四月か五月には全部公表する、こういう形で三年過ぎれば七千の公益法人をすべて立入検査をした、こういう形にしていきたいと思っている次第でございます。
 立入検査の結果どんなことが改善されるかということでございますけれども、チェックリストをやって全部総点検して立入検査をしまして、その結果不十分であるといった場合は、外部の公認会計士等専門家の御協力をいただいて、さらに客観的に実態把握をしていただく、あるいは、立入検査の結果改善すべき点が明らかになった場合は、文書等によって期限を付して改善命令を出す、こういうふうな形で厳正にとり行っていきたいと思います。
 それから、役員報酬の話がございましたけれども、これは七千の公益法人に対してそれぞれ役員報酬が高い低い、いろいろな議論があるわけでございますが、これは、例えば常勤の理事の報酬とか退職金等が当該法人の資産とか収支の状況等に比べてどうかとか、民間と比較してどうかとか、そうした基準をつくりましてこれを公表する、例外的に高いというところについては厳正に公表の結果監督をしていく、こういう方向で取り組んでいきたいと思っている次第でございます。
 以上でございます。
#45
○千葉景子君 私も、総点検の結果などを拝見いたしました。
 ただ、確かに、マル、ペケ、三角とかついておりましたりするんですけれども、これで本当の意味で公益法人の問題点あるいはあり方、こういうものが見えてくるんだろうかという気が率直に言っていたします。KSD問題なども、やはりそういうこれまでのチェックのあり方、あるいはこれまでの公益法人の位置づけ、そういうものではやはり見えなかった、そういうところから問題が起こってきたということが言えるのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、私もきょうはたまたまちょっとリストを持たせていただいているんですけれども、例えばKSDの場合も公益法人があり、そしてそこに政治団体があり、そして率直に言ってそこに自民党の支部がありと、こういうような構造、こういうものが存在したということが後から明らかになり、そしてそういう構造を通じて党費が上納されていたというようなことなどが出てきたわけですね。同じような構造というのは総点検をやったとしても見えてこない。ただ、そういう同じようなものは、例えばいろんな業界を取りまとめている公益法人、そしてそれに対する政治団体、そしてそこに自民党さんの支部、こういうような構造、これは幾つも見られるような構造なんですね。こういうところこそが本当の意味でこれからの公益法人のあり方を考える上でチェックしていかなければいけない部分なのではないかというふうに思っています。
 そこできょう、済みません、石原大臣せっかく来ていただきまして、もう本当に少ない時間ですけれども、こういう中でやっぱり今特殊法人の方も進められています。ただ、特殊法人を改革すれば今度はその抜け道として公益法人というようなこともあり、中間法人法というのが今審議をされ、あるいは一方ではNPO法が、そしてNPOが盛んに活動している。そういう中で、公益法人という問題は、やっぱり主務官庁制というのが本当にいいのかどうか、あるいは公益性というものが余り明確でないままに裁量的に公益判断がなされている、こういうこともあろうかというふうに思います。
 こういうことも踏まえて、今後の公益法人全般の改革ということが大きな課題ではないかと思うんですけれども、石原大臣の御所見あるいはそれに向けての御決意のほどをお聞かせをいただいて、終わりたいと思います。
#46
○国務大臣(石原伸晃君) 千葉委員の御質問にお答えさせていただきたいと思います。
 千葉委員御指摘のとおり、いわゆるNPO法人あるいは中間法人法も現在審議中でございますけれども、こういうものが法制化される中で、じゃ公益法人というのはどうあるべきなのかということが今問われているんだと思うんですが、特殊法人の方は、ここ十年間で見ても、私も特殊法人改革に携わった経験があるように、かなりの行政の側にも蓄積があるんですが、調べましたら、明治二十九年に法律をつくって三十一年に施行して以来、抜本的な改革をやってないというんですね。これはまあ恐ろしいことだなと。何で手をつけてこなかったのか、この辺も調べてみなければわかりませんけれども、やはり今新しいこの中間法人、NPO法人というものが同じような非営利なボランタリーな仕事をしている中で、今後、今遠藤副大臣からお答えがあったのは国所管の七千ですけれども、二万六千ぐらい都道府県等も入れたらあるわけですから、この公益法人のあるべき姿みたいなものを全体の、年度内ぐらいにどういう形でどう改めてどう位置づけしていくのかといったような抜本改革の処方せんとか羅針盤的なものを年度内に精査して発表して先生方と御議論をさせていただければと、こんなふうに考えております。
#47
○千葉景子君 ありがとうございました。
    ─────────────
#48
○委員長(続訓弘君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に警察庁長官官房長石川重明君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○委員長(続訓弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#50
○益田洋介君 上野官房副長官に質問いたします。
 六月一日金曜日及びけさの官房長官の田中外務大臣の発言に対する談話、そしてその真意を伺いたいと思います。
#51
○内閣官房副長官(上野公成君) 一日の記者会見における官房長官の発言につきましては、一般論として各閣僚が閣僚としての発言の重みに十分な注意を払っていただきたい、こういう趣旨だというふうに承知をしております。
#52
○益田洋介君 特定の事項に関してのコメントもあったと思いますが、その点を伺いたいと思います。
#53
○内閣官房副長官(上野公成君) 特定の事項ではなく一般論として申し上げたということで承知しております。
#54
○益田洋介君 けさの記者会見についてはいかがでしょうか。
#55
○内閣官房副長官(上野公成君) けさの、午前中の記者会見につきましては、福田官房長官が橋本元総理に確認したところ、元総理は、ダウナー・オーストラリア外務大臣から日豪外相会談においてミサイル防衛に関するやりとりがあったということを伝えられたということを述べていると承知しております。
#56
○益田洋介君 二十九日、韓国の崔駐日大使が金大中大統領の総理大臣あての親書を持って首相官邸を訪れ、官房長官に手渡されました。この親書の内容及びそのとき交わされた会話について、特に教科書問題ですけれども、お願いします。
#57
○内閣官房副長官(上野公成君) 今おっしゃられたのは、二十九日に崔相龍在京韓国大使が福田官房長官を訪問したことでございますけれども、先方の目的は去る五月四日に訪韓した冬柴公明党幹事長から金大中大統領に伝達した小泉総理の親書への返書でありました。
 その返書の概要は次のとおりでございます。
 まず、小泉総理より丁重な親書をいただいたことを感謝する。それから二番目に、九八年に大統領が訪日以来日韓関係が著しい発展を遂げてきたということが二番目でございます。三番目、両国の関係が歴史教科書問題で損なわれることになれば大変残念である。日本政府が積極的かつ誠意ある措置を講じられることによってこの問題が早期に解決せられることを強く希望している。四番目、来年のワールドカップ共同開催及び国民交流年を成功させることにより両国関係がさらに発展していくことを望んでいる。
 返書の内容は以上でございます。
 そして、会談におきまして崔大使から官房長官に対しても親書の中身と同様な発言があった。官房長官からは、韓国からの修正要求についてはこれを真摯に受けとめており、まずは文部科学省において教科書検定制度にのっとり、専門的、学問的見地から歴史学者など外部の専門家の御意見もお聞きする中で十分精査を行っているところである旨、官房長官が述べたということで承知しております。
#58
○益田洋介君 本日、扶桑社から一番問題になっている中国の歴史教科書が市販されました。これは韓国や中国が一番指摘が多いところで、三十五カ所の訂正を韓国が求めてきております。これが市販されたことについて、政府はどのような対応をするつもりですか。
#59
○内閣官房副長官(上野公成君) 御指摘の市販の件についてその旨の報道があったことは承知をしております。
 我が国には教科書の内容を市販することを制限する法令等は存在せず、また憲法に保障された出版の自由の関係もあり、政府としてはその点については慎重に対応する必要があるというふうに考えております。
#60
○益田洋介君 法律的に問題ないと言っていますが、またこれは韓国と中国を教科書問題で逆なでするような結果になりませんか。外務大臣、いかがですか。
#61
○国務大臣(田中眞紀子君) この問題は前から質問がありましたときもお答えしておりますけれども、委員は違う方だったかと思いますけれども、採択の決定前の市販を禁止する法令は今のところ日本にはございません。したがって、文部科学省の所管の事項でございますので、これ以上今申し上げることはできません。
#62
○益田洋介君 これは文部省の検定の問題よりも、私は外交問題だと思います。そういうふうな観点からの対応をぜひしていく必要があると思います。
 次に、外務大臣にお伺いします。
 先週、台湾側の中台交渉の窓口になっております海峡交流基金会の顔副秘書長が講演をしました。その中で、アメリカの政府が中国を長期的な競争相手とみなせば、アメリカの一つの中国政策と七二年体制は空洞化してしまう、台湾との関係は実質化する可能性が出てきた、こういうことでございます。
 この問題は、やはり我が国としては態度をきちっと表明する必要があるのではないか。七二年体制というのは上海コミュニケとそれから日中共同声明です。我が国のこの問題に対する姿勢はいかがでしょうか。
#63
○国務大臣(田中眞紀子君) アメリカの対中政策に大きな基本的な変更はないということをブッシュ新大統領もおっしゃっておりますので、それを私どもはそのとおりに認識をいたしております。ブッシュ政権は米中間の三つのコミュニケに基づいて一つの中国の政策を継続する旨表明しておりますし、その中国及び台湾に対する政策に大きな変更はないというふうに私どもは理解いたしております。
#64
○益田洋介君 クリントン政権時代には凍結をしておりました台湾への武器の輸出ですが、アメリカはこれを新政権になってから始めようとしております。この点についてはどう思いますか。
#65
○国務大臣(田中眞紀子君) 確かにクリントン政権では中国を戦略的なパートナーシップだと言っておりますし、今度のブッシュ大統領は戦略的な競争相手ということを言っておりますけれども、それにつきましてはほかの国のことでございますからコメントはいたしません。
#66
○益田洋介君 アメリカの件ですが、TMDとそれからNMDを一体化させるという構想が新政権になってから発表されました。日本はやはりTMDについては共同研究しているわけでございますが、このNMDの一体化についてはどういうふうな考え方をお持ちですか。
#67
○国務大臣(中谷元君) NMD等の構想につきましてはまだ概要しか伺っておりませんで、このTMDと一緒に考えるというところまではこちらも説明を受けておりません。今後さらに、このNMD等ミサイル構想、その具体的なものを情報収集しまして検討していきたいというふうに思っております。
#68
○益田洋介君 しかし、これを一体化した場合には地球のどこからミサイルが飛んできても迎撃するシステムになっているわけですから、集団的自衛権の行使にそれを否定しても結果としてなってしまうんじゃないか、だからこの構想に参加することは非常に僕は慎重に検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#69
○国務大臣(中谷元君) せんだって来日しましたアーミテージ氏は、現在行っている日米の共同研究においてはいささかも支障のないようなものであると言われておりましたので、その集団的自衛権の問題にかかわらないような形で米国政府も考えておられるのではないかというふうに思います。
#70
○益田洋介君 公正取引委員会に伺いますが、金曜までに石油の卸会社十五社に対して総額千百二十四万円の課徴金の納付命令を出した入札の談合事件です。この事件について説明をお願いします。
#71
○政府参考人(上杉秋則君) お尋ねの件につきましては、水産庁が一般競争入札の方法によって発注する船舶用の燃料油についての入札談合事件でございまして、昨年十月五日、その共同行為入札談合に参加していた四十五社に対しまして当該行為の排除を勧告し、その勧告を応諾したために十月二十七日審決がなされております。
 今回の課徴金納付命令は、この審決が下されたことを受けまして、本年五月三十日に行ったものでございまして、先生御指摘のとおり十五の事業者に対しまして総額千百二十四万円の納付を命じております。
#72
○益田洋介君 水産庁はいかがでしょうか。
#73
○政府参考人(渡辺好明君) 公正取引委員会の御指摘のとおりでございます。
#74
○益田洋介君 これからどのような対応をされるおつもりでしょうか。
#75
○政府参考人(渡辺好明君) 課徴金という前に、既に公正取引委員会から御指摘がございましたように、昨年の十月五日に勧告がなされております。その勧告を受けまして私どもは、十月十七日に四十五社に対して九カ月の指名停止、二社に対して六カ月の指名停止措置をとったところでございます。なお、九カ月の指名停止措置につきましては、本年七月十六日までまだ指名停止の状況が続いております。
#76
○益田洋介君 十五社も結託して談合しているということは、慢性的になっているような私は印象を持ちますけれども、もっと抜本的な指導をしていなきゃいけないんじゃないですか。
#77
○政府参考人(渡辺好明君) もちろん、談合というのは許せない行為でありますので、そうした行為がシステムとしてやはり二度と出ないように、私どもは、指名停止措置を講じましたときに各社に対しまして厳重に注意をすると同時に、各社においていかなる改善措置をとり得るか、これからとるのかということを書面で報告を求めております。
 それらにつきましては、倒産をいたしました一社を除きまして報告がございまして、例えば社内に倫理規範を設ける、あるいはコンプライアンスの委員会を設けるといったような措置が講じられているところでございます。
#78
○益田洋介君 当委員会にその報告書を出していただきたいと思います。いかがでしょうか。
#79
○政府参考人(渡辺好明君) 各社からの報告でありますので、委員長、理事と御相談をさせていただいた上で、提出が可能であれば出すことにいたしたいと存じます。
#80
○委員長(続訓弘君) ただいまの益田洋介君の資料につきましては、後ほど理事会で協議させていただきます。
#81
○益田洋介君 次に、警察庁に伺います。
 けさ報じられたところによりますと、県警の委託を受けて車庫証明の調査業務を代行している公益法人の自家用自動車協会とその傘下にあります地区協会が、条例で定められた手数料のほかに、これは地方自治法の第二百二十七条、のほかに一件当たり七千百円を法的根拠のないままに協会費などの名目で事実上上乗せして徴収していることがわかった。
 この件について説明いただけますか。
#82
○政府参考人(坂東自朗君) お答えいたします。
 自家用自動車協会におきましては、保管場所証明の申請書面の提出代行の申し込みを受ける際などに、協会の会費等を徴収するといったような協会があるというようには聞いております。
#83
○益田洋介君 聞いておりますだけじゃしようがないでしょう。こういう実態があるのは、これはいいことなんですか。
#84
○政府参考人(坂東自朗君) そういった会費等を徴収している場合におきましては、これは任意で徴収しているものと、このように承知しております。
#85
○益田洋介君 支払いの有無によって手続期間が異なれば手数料に当たる、したがってこれは条例に違反しているんじゃないか、こういう疑いを持たれているわけです。この点いかがですか。
#86
○政府参考人(坂東自朗君) そういった審査期間を短くするなどの便宜な取り扱いといったようなものはないものと、このように承知しております。
#87
○益田洋介君 これも、こういうふうな形でかなり細かい資料をつけて報道がなされていますから、ぜひ調査をした上、当委員会に報告していただきたいと思います。
#88
○委員長(続訓弘君) ただいまの益田洋介君の要求に対しましても、後ほど理事会で協議させていただきます。
#89
○益田洋介君 警察庁の官房長にお伺いします。
 先ほど入ったニュースで、千葉県警の五十二歳の警部補が事情聴取を受けている。その目的は、警察庁が発注する信号機の見積もりを行っていた人物ですが、業者にその見積もりの金額を教えたんじゃないか、そういう疑いを持たれている。この点いかがですか。
#90
○政府参考人(石川重明君) 今お尋ねの事案でございますが、千葉県警察の前交通規制課の警部補が信号機の設置工事などの契約事務に関しまして、千葉市内の信号機設置業者と癒着があったのではないかという情報に基づきまして、現在、千葉県警察が調査、捜査を行っているところでございます。
 この調査、捜査の結果、刑罰法令に触れるといったような内容がございましたら、それにつきましては法と証拠に基づきまして厳正な措置をとる、こういう方針であるというふうに承知をいたしております。
#91
○益田洋介君 警察の犯罪については、昨年、当委員会でも嫌というほど議論がなされた。十分に反省がなされていなきゃいけないと思う。警察とか防衛庁というのは、特に国民から一般の社会人よりモラルが高いというふうに思われている。それは国民の生命や財産を守るという立場にあるから。何でこんなことを繰り返しするんですか。
#92
○政府参考人(石川重明君) 今申し上げましたように、千葉県警察において、現在、徹底した調査、捜査を行っているわけでございますが、事実関係を解明いたしまして必要な再発防止対策をとってまいりたい、こういうふうに考えているという報告を受けております。
 その内容につきましては、今、先生御指摘のような職務倫理の問題あるいは業務管理の徹底の問題といったことが中心になると思うわけでございますが、警察庁といたしましても、従来から交通安全施設関係業者との不適切な交際は行わないこと、あるいは関係書類の管理を徹底することといったような指導を行ってきているわけでございますが、さらに事実関係に基づいて必要な指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
#93
○益田洋介君 私が聞いているのは、意識、モラルの向上、職員の。それを警察庁は今後どうするつもりでいるのか、それが私の質問なんです。
#94
○政府参考人(石川重明君) 昨年来の一連の不祥事で大変厳しい御批判を国民から受けて、現在、警察改革要綱というものを国家公安委員会と警察庁が取りまとめまして、鋭意取り組んでいるところでございます。
 こういった教育の問題、人事配置の問題、それから高い使命感と誇りを持って仕事をする、そういう基底にある問題につきまして、さらに各県警と一緒になって徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
#95
○益田洋介君 最後に防衛庁長官にお伺いします。
 昨年、海上自衛隊の防衛システムの作成にオウム真理教の信者の青年が関与していた、そしてこのシステムのソフトが外部に流れた、漏えいした、そういった事件がありました。
 この問題について、その後どのような対応をしたのか、そして今後の情報管理について防衛庁はどのように取り組んでいく予定か、それをお聞かせ願いたいと思います。
#96
○国務大臣(中谷元君) 昨年四月にその事案が発生しまして、直ちに防衛庁では作成プログラム等について詳細に解析チェックをいたしました。その結果、問題がないということを確認いたしまして、現在、支障なく運用に供しているわけでございますが、しかし今後の取り組み等につきましては、再発防止を図るためにも、機密物件として厳格に管理しているものと機密物件以外のシステムについても、下請企業等の発注につきましては届け出をすべきなどを規定した事務次官通達を昨年九月に発しまして、製造時のシステムの安全確保に遺漏なきを期しております。
 また、MOFシステムのように重要な指揮通信システムは、外部ネットワークと遮断して外部からの不正アクセス侵入を完全に防止いたしておりまして、今後とも情報システムの安全性、セキュリティーの確保に万全を期してまいりたいというふうに思っております。
#97
○益田洋介君 ことし三月に発表されたアメリカの防諜センター、NACICの報告書では、日本は中国に次いでアメリカの軍事機密や先端技術などの情報収集活動を行っているんだと。G7の中では日本とフランスの名前しか挙がっていない。かなりアメリカにおいて日本の企業が情報活動をしているんじゃないかと。
 先日も理化学研の二人の研究者がアメリカで告発をされたということですが、このような情報のとり合い、日本企業のアメリカでの諜報活動、そういうものについてはどのような御所見をお持ちですか。
#98
○国務大臣(中谷元君) 先生御指摘の情報機密防衛の必要性につきましては、まさに御指摘のとおり大変重要なものだと私は思っております。
 現在、どのようにして対応をしているかというと、訓令を設けまして、企業に対して秘密保全規則を作成させ、そして立ち入る者を制限した保全区画を設けさせ、保全の状況について検査指導を行っておりますし、また漏えい等が発生した場合は速やかに防衛庁に報告することを義務づけております。
 しかし、これは法律等でつくられた処罰規定がないものでございまして、現在、防衛庁といたしましても、今後の企業契約等の技術機密をいかに守っていくかということにつきましては、法的整備も含めまして万全を期すように努めてまいりたいというふうに思っております。
#99
○益田洋介君 最後に外務大臣にお伺いします。
 十九人の内定済みの大使の人事凍結についてですが、既に同意を得ている国もあるわけですから、このまま放置しておけば外交問題に広がっていくのは確実だと思います。先ほどのお話では、これをポジティブな形で凍結を解除したいということですが、いつごろのタイミングで、どこの大使からなさる予定ですか。
#100
○国務大臣(田中眞紀子君) けさ、最初の阿南委員のお尋ねのときにお返事を申し上げてあるんですが、けさの、朝九時十分に事務次官を通じまして凍結を解除といいますか承認をいたして、完結いたしましたことを御報告いたします。
#101
○益田洋介君 十九人全員でございますか。
#102
○国務大臣(田中眞紀子君) はい、そうです。転勤及び退職、十九人全員です。十九人、十八足す九ですから十七人じゃないでしょうか。十九人というのはどこから出てきますか。
#103
○益田洋介君 どこから出たって、これは新聞報道ですから、私が外務省に確認したわけじゃありませんけれども、金曜日に質問通告をした段階では、十九人ですねと言ったら、十九人だと言っていましたから、外務省の職員が。十七人でも十九人でもそれは構わないけれども、凍結を解除していただければ。ただ、名誉のために、十九人というのは外務省の職員に確認をしております。
#104
○国務大臣(田中眞紀子君) 私がきょう役所からもらった書類は、質問通告なさったのは十九人の大使の人事と書いておられますね、通告には。きょう正確に役所の方から来ましたものは九人足す十八人でしたね、九足す……
#105
○益田洋介君 時間がもったいないから結構です。
#106
○国務大臣(田中眞紀子君) いえ、もったいなくない。正確にしますから。
 十七名ですね。退官プラス転勤で十七名。間違いありません。
#107
○益田洋介君 わかりました。結構です。
 終わります。
#108
○岩佐恵美君 原発プルサーマル計画の受け入れをめぐって全国初の住民投票が行われ、過半数の住民が計画反対の意思表示をして全国的に注目された新潟県刈羽村で、もう一つの大きな問題があります。
 それは、原発にかかわる電源立地促進対策交付金をめぐる疑惑です。
 電源立地促進対策交付金は、いわゆる電源三法に基づいて原発や火力発電所などの所在地あるいは周辺の市町村に交付をされるもので、今年度の予算総額は七百二十五億円です。原資は利用者が電気料金として負担をしています。
 ところが、刈羽村でその交付金を使った生涯学習センター、ラピカあるいは源土運動広場、この建設整備をめぐって、極めてずさんな工事と多額な不適正な使用、これが発覚をして今大問題になっているところです。
 最初に、実務的なことですけれども、ラピカと源土運動広場の総事業費及び交付金の額は幾らかお示しいただきたいと思います。
#109
○大臣政務官(西川太一郎君) お答え申し上げます。
 刈羽村生涯学習センター、ラピカ及び源土運動公園につきましては、柏崎刈羽原子力発電所にかかわる電源立地促進対策交付金を交付しております。先生の御指摘のとおりであります。
 そのうち、ラピカにつきましては総事業費六十二億円のうち交付金が五十七億円、運動公園につきましては総事業費十八億円のうち交付金を十四億円交付いたしております。
#110
○岩佐恵美君 刈羽村の人口は五千三百人です。小さな村に総額八十億円を超える大きな事業です。そのうち、ラピカは本館と陶芸館、茶室で建設費は約四十七億円です。本館は鉄筋コンクリート二階建てで、図書館や体育館、プールなどがあり、坪単価百八十八万円です。学校の校舎建設費がおよそ六十万円ですから、ラピカ本館はその三倍になります。茶室に至っては坪単価二百五万円ですから、極端に高い価格となっています。
 驚いたことに、一畳十二万八千円もしたという茶室の畳が、実は中がわらではなくて発泡スチロールの一枚一万円もしない安物である、こういうことが住民の監査請求などで判明しました。私も現地で見ましたけれども、十二万八千円もする畳とは到底思えないちゃちなものでした。たたくとポンポンと音がする、そういう代物でした。床の間の畳はベニヤ板にござをホチキスでとめただけのものでした。畳代として総額三百数十万円が支払われていますけれども、実際に納品した畳屋さんは三十万円で納入したというふうに村議会の百条委員会で証言をしています。畳だけで三百万円近くが行方不明になっております。
 会計検査院はそのことを検査しているでしょうか。
#111
○説明員(円谷智彦君) お答えいたします。
 昨年の七月に刈羽村に対しまして会計実地検査を行いまして、茶道館の畳につきましても検査をし、その事実を確認いたしております。
#112
○岩佐恵美君 畳以外にもいろいろあります。
 例えば、かわらですけれども、設計では六百万円余りの三州本磨き一文字かわらぶきと、こうなっていたものが実際は普通の銀いぶしがわら。かわら屋さんは百九十万円で納入したというふうに言っています。使用木材も、ヒノキの板張りの設計が合板になっていたり、構造合板の厚さが足りなかったり、ヒノキ材を使うべきところが六分の一も安い米松になっていたりしています。ガラス戸も厚さ八ミリの設計が六ミリ、六十万円の洗面台が二台あるはずなのに実際には五万円もしない洗面台が一台しかないなどなど、全くひどい実態にあります。
 検査院として、厳正な検査をして交付金の流れを解明すべきだと思いますが、その点、いかがでしょうか。
#113
○説明員(円谷智彦君) 先生今御指摘の点につきましても、昨年の検査の際、その事実を確認してきております。それから、今お話しございましたように、本件につきましては、問題発覚から一年たっておりますけれども、検査の結果判明した事実につきまして、村に対しまして報告を求めてきております。
 三月末以降、その中間報告を受けまして、検査院といたしましても再度中身について検討しておるところでございますけれども、この問題が設計上の問題であるとか、施工上の問題であるとか、施工管理上の問題であるとか、そういうふうに問題が非常に多岐にわたっているということで時間を要しているというのが実情でございますけれども、今、エネ庁におきましても、村からの報告等を受けまして、どのような処置をとるか検討されていると承知しておりますので、本院といたしましても、こういったものが出そろいました段階で、補助金の適化法等の規定にのっとりまして厳正に対応したいというふうに考えております。
#114
○岩佐恵美君 今、会計検査院が言われましたけれども、もう事件が発覚してから一年間たっているんですね。何でそんなに時間がたってしまったのか、不思議で仕方がないんですね。なぜそんなに時間がかかったんでしょうか。
#115
○大臣政務官(西川太一郎君) なるほど、御指摘のように一年の時日が経過をいたしたわけでございますけれども、私も、前にもこの問題につきましていろいろと御質疑をいただいた経験もございます。そこで、係、担当の者にできるだけ速やかにこの種のものは結論を出さなければいけないということを督促してございますが、村から上がってまいります情報によりますと、当初の計画に比しまして三百数十カ所が変更されているなどという事実がございまして、それらにつきまして、設計図、また仕上がりの状況の差異を現地に係官を派遣したりして調査をさせております。
 したがいまして、それを督促をいたしておりますが、できるだけ早く、もう年を越すなどということがないように結論を出したい、急がせたいと思っております。
#116
○岩佐恵美君 会計検査院の答弁にもありましたように、村が三月に報告を出したということで、それでかなり検査が進んでいくわけですけれども、やっぱり一番大事ないろいろなデータをきちっとしなければいけない経済産業省の調査がおくれればおくれるほど、会計検査院の検査もおくれることになるんですね。言ってみれば、経済産業省の検査のおくれというのは、これほど大きな社会問題になっている事件の真相解明の私は足かせになるというふうに思います。
 ですから、年を越すことがないようにと言われましたけれども、もう一年もたっているわけですね。それで、村はとにかく報告を出しているわけですから、経済産業省が年を越さないようになどというようなのんびりしたことじゃなくて、本当に近々にやるべきだというふうに思うんですけれども、その点をもう一度きちっと、年を越すことがないようにじゃなくて、いつごろまでにどういう調査をするのかというのを明確に答えていただきたいと思います。
#117
○大臣政務官(西川太一郎君) 交付金の交付決定内容と事実が大きく異なっているということがこの問題で先生の御指摘のように発覚をしてきているわけであります。
 私どもとしましては、補助金等適正化法に基づく報告を徴求いたしておりました。そして、その結果、ただいまお話しのとおり、刈羽村からそれが出されてまいりました。しかし、その中身たるや、ただいま申し上げましたとおり、三百数十カ所原案と違うものが施工されているという事実が出てまいりました。これをきちっと調査をいたしますのにはやはりしかるべき時間を要したわけでございまして、したがいまして、私、先ほど年を越さないようにという表現をいたしましたが、もうできるだけ早くやらせるように頑張りたいと思います。
 ただ、いつになるかということを明確にこの場でお答えすることはちょっと難しゅうございますので、とりあえず、ここではできるだけ早く調査をいたさせますということでお許しをいただきたいと思います。
#118
○岩佐恵美君 今回の工事は、今話に出ているように、設計と違う箇所がもう山ほど出てきた、ラピカ全体でこれまでわかっただけで三百四十カ所もあったということです。しかも、その変更は、住民からおかしいという声が上がって、村議会の百条委員会などで調査をする中で判明したものなんですね。
 村の調査報告では、竣工図より安物だった部分を合計すると二千九百万円なんですね。しかし、村は、設計よりもうんと安いものもあるけれども高いものもあったんだということで差し引きで損はないんだというような、そんな計算をして、これで幕引きをしましょうという意向だと聞いているんですけれども、会計検査院はこれでよしということになるのでしょうか。
#119
○説明員(円谷智彦君) 村の調査結果をそのまま了解するということはございませんで、その妥当性につきましては、十分検討した上で検査院としての結論を出すということでございます。
#120
○岩佐恵美君 村の報告は、受注業者に調べさせたものなんですね。ですから、本人たちがやったことについてそんなに正直に言っているかどうかというのはやっぱり疑わしいと思います。それ以外に、見えない部分がどうなっているのかということはわからないわけです。わかった部分だけが三百四十カ所。それから、約四億円の外構工事、これはその見直しの対象に入っていないんですね。だから、業者の申告だけで済ませるわけにはいかないというふうに思います。
 そもそも、経済産業省が交付金を決定するときに、できたものが設計図や竣工図と違っているということをチェックしなかった、このことが私は問題だと思います。設計書、積算書、工事の仕様書、請負代金内訳書など、当初の元資料、これを全部出させてチェックをしていく、これが当然だというふうに思いますけれども、それらの資料をきちんとチェックをしていただきたい。そして、それらの資料を当委員会に提出していただきたい、こういうことをお願いしたいと思います。
 調べていただくということについて、そして当委員会に提出していただくということについて経済産業省からお答えいただきたいと思いますし、また委員長に、資料の調査報告とそれから資料の提出を求めたいとお願いしたいと思います。
#121
○大臣政務官(西川太一郎君) 現在、私ども、調査を鋭意進めているわけでございますけれども、村から提出されました設計図等につきまして、当初の交付決定の際に検討いたしましたものと事実上、設計上も相違が見られるというのは先ほど来申し上げているとおりでございます。したがいまして、そういうものにつきまして、私どもはきちっとどういう根拠でそういうふうになったのかということにさかのぼって検討して、そういう資料を求めていきたいというふうに思います。
#122
○委員長(続訓弘君) 岩佐恵美さんの要求資料につきましては、後ほど理事会で協議させていただきます。
#123
○岩佐恵美君 物品納入についても疑問が出されています。
 ラピカの備品発注資料によりますと、予定価格はカタログ価格の八〇%で算出をしている。通常、役所がまとめて備品などを購入する場合、複数の業者から見積もりをとって予定価格を計算するというものだそうです。カタログ価格の八割という今回の積算は極めて異例で、通常の価格の倍だといいます。特に図書館用のいす、テーブル、書架などの場合、予定価格六千二百八十万円に対して落札額はわずか一万円低いだけの六千二百七十九万円、九九・九八%の落札額でした。
 落札した業者についてなんですけれども、この業者は原発への人材派遣業の会社で、お弁当販売もやっている。ところが、この業者は入札のその年に事務機器販売を業務に追加したんだそうです。ですから、大変不自然だということを地元の皆さんは指摘をしておられます。
 カタログも精査をして、価格が適正かどうか調査をして、やはり同じように報告をしていただきたいと思います。同時に、当委員会にも報告を求めたいというふうに思います。
#124
○大臣政務官(西川太一郎君) ただいまの御指摘のことが事実であるかどうかということにつきまして私どもきちっと調査をいたしたいと思いますが、現時点で私が承知をいたしておりますのは、先生御指摘のように、スウェーデン製の机、かなり高額なものを購入したと。それは全体の色調とバランスをとるという意味で、カタログ価格は七十万円とかいう高価なものだと。いすも一脚八万円くらいするものも購入しているという事実は調査の過程で報告がございます。
 なお、ただいま御指摘がございましたような定価を改めたのが極めて急であったとか、いろいろなことにつきましては、まことに私、不勉強で恐縮でございますが、ただいま承知をしたような次第でございますので、早速これも早急に調査をして対応させていただきたいと思っております。
#125
○委員長(続訓弘君) ただいまの岩佐恵美さんの資料要求につきましては、先ほどの資料要求とあわせて後ほど理事会で協議させていただきます。
#126
○岩佐恵美君 それから、源土運動公園の部分なんですが、多目的広場、それからテニスコートのわきの部分、そこにコンクリートやアスファルトの塊、古い木材や合成ゴムのベルトなどが埋まっていました。ちょっと委員長の御了解を得て写真をお示ししたいと思うのです。(資料を示す)こういうシートだとか、それからこれは木材ですね。それから、これがよくわからないんですけれども、自動車の窓枠のところの部品なのかなというふうに思うんですけれども、だとか、これは木片ですけれども。(資料を手渡す)
 これが非常に奇々怪々で、たくさんあるんです。あちこちに見られるんです。最初に住民から指摘されて、拾って歩いたんです、村の方々が。だけれども、私は一回目に行ったときに確認して、もう一度行ったときに、半年後ぐらいですか、二回目に行ったときにそれを確認しているんですね。だから、拾っても拾っても出てくるわけですね。何でかというと、大昔に何か埋めたものを攪拌しているから出てくるんだというんです。
 ところが、工事をやった熊谷組に聞いてみると、もう基礎工事はきちっとしてあった上に自分たちは土を埋めただけなんだ、だからそんなものが入るすきがないと言うんですね。天から降ってきたのか地からわいてきたのかわかりませんけれども、いずれにしても、この産廃について、なぜそこにあるのかということについてきちんと調査をして教えてほしいと思うのですが、いかがですか。
#127
○大臣政務官(西川太一郎君) 源土運動広場につきましては、新潟県の調査によりますと、本交付金事業を実施する以前に産業廃棄物等が不法に投棄をされ埋め立てられていたという事実が判明したと聞いております。現在、この調査結果を踏まえ、村において水質調査等が実施されているものと承知をいたしておりますが、これを交付決定時点では残念ながら当時の通産省といたしましては承知をいたしておりませんでした。
 現在、種々の調査が村によって行われているところでございますが、当省といたしましては、その結果を待ちまして、当然のことでございますが、必要な対応を検討してまいりたいと思っております。
#128
○岩佐恵美君 今回の事業を調べていくうちに、財団法人電源地域振興センターが密接にかかわっているということがわかりました。
 このセンターは、常勤役員六人のうち通産省のOBが四人もいる、そういう天下り法人です。そのセンターの理事が計画の検討段階から村の検討委員会の委員長代行を務める。ラピカの設計コンペの選考委員にもなっています。その委員会でセンターから委託を受けている設計事務所の案が選定されました。しかもこの設計事務所はコンペ参加基準を満たしていない業者だということです。
 さらに、工事の施工管理もこの事務所が受注し、問題となった茶室はこの設計事務所の社長の実父が設計も施工管理も担当して、そして設計では高級品を使うこととし、施工管理では安い材料をみずからこれにしろあれにしろというので指示をして、それで差額を浮かせていたようです。まさに一部の人たちの癒着の構造だと思います。その中心に経済産業省の天下り法人が座っている。
 経産省からセンターへの天下り、これは私は大きな問題だというふうに思います。ですから、天下りをやめるべきだと思います。また、センターの交付金へのかかわり、これを根本的に見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#129
○大臣政務官(西川太一郎君) 御指摘の財団法人電源地域振興センターでございますが、これは電源地域の振興に関する調査研究等、専門的な知見を有する者がどうしても責任ある立場につくことは組織の性格上当然の面もございます。したがいまして、私どものOBも含めまして四名の者が常勤の理事としてそこについておりますことは御指摘のとおりでございます。常勤の理事は六名でございまして、あとの二名は電力会社の責任者等がついているわけでございます。
 そういう意味で、私どもの方からここにそうした人を派遣しているということが必ずしもこの問題に直接的に関係しているというふうに理解はいたしておりませんが、ただいまいろいろと先生から御指摘をいただきました問題につきまして、関係なしというふうに言い切って逃れられる性質のものではないと私は思いますので、この点につきましても、どのようにその者がかかわってきたのか、十分に、今までも調査をいたしてまいりましたが、さらにできるだけ早く調査をして御報告したいと思っております。
 ただいま失礼をいたしました。常勤六名と申しましたが、常勤は四名、非常勤として電力会社の社長ではありますが当省のOBが二名、合計六名ということに訂正をさせていただきます。
#130
○岩佐恵美君 常勤のうち、六名のうち四人が通産のOBであるということです。
 最後になりますが、総工費十八億円の源土運動広場の問題もあります。山を削って沼地や田んぼを埋めて、野球場、テニスコート四面、ゲートボール場八面、三ヘクタールの多目的広場などをつくりました。
 ところが、ゲートボール場は竣工後三十センチも沈んで、現在でも沈下が進んでいます。私が見たときも、幅一、二センチの亀裂が一直線にできていました。傾斜や水たまりができて使い物にならないという。これはゲートボール場じゃありませんが、多目的広場です。(資料を示す)
 施工者の熊谷組に行きました。そうすると、村はもともと高齢者が利用するゲートボール場なので、完成後も沈下することを想定した上での工事だったと言うんです。多目的広場も、雨が降ると水がたまって、表面がでこぼこになっていて何にも使えない、それは当初からわかっていた状態だと言うんです。
 私はその回答を聞いて非常にびっくりしました。こんなずさんな計画に多額の交付金が使われていいんだろうか。それに、ラピカ本体だとか茶室の問題もあるんです。
 そもそも交付金の額というのは、発電施設の規模で自動的に決まります。交付期間も限られていて、それを消化するということが最優先になるわけです。だから、ずさんで高い買い物をしてもみずからの懐が痛まない、早く消化しなきゃいけない、こういう構造がこのような事態を生んでしまったのではないかというふうに思います。
 私は、ラピカ問題の原因を徹底的に究明して、その教訓を踏まえて、交付金のあり方そのものを洗い直す必要があるというふうに思いました。村長も言っていました。五千人ちょっとの村に多額な交付金が来て、担当する皆さんも大変なんだと言うんですね。
 ですから、そういう意味で、総務省行政評価局として、私はこういう問題についてこそきちっと調査をして評価をしていくという必要があるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#131
○大臣政務官(西川太一郎君) もう時間があれですから、簡単に。
 ただいまのゲートボール場、県や村からもそういう報告が上がっておりますが、これもよく調査をしていきたいと思いますが、先生の御指摘とは違って、ゲートボールに支障があるほどの沈下はない、こういう報告が来ておりますことも申し上げさせていただきたいと思います。
 それから、ラピカは平成十一年十月の開館以来既に延べ二十八万七千人を超える利用もございますこともこの際申し上げさせていただいて、御指摘のようなことがございましたけれども、これが必ずしもむだな事業であったとは当省は決して考えておりませんことをこの機会に申し上げさせていただきます。
#132
○副大臣(遠藤和良君) 新潟県の刈羽村の個別の問題につきましては、既に会計検査院が検査をしておりまして、その結果をまとめておる、このように聞いておりますから、私ども総務省といたしましても強い関心を持って見ておるところでございます。
 お話がございました総務省が行います行政評価あるいは監視というこの仕事は、あらゆる行政の行っております制度についてこれを対象にいたしまして、その制度が一般的にどのように改善を図る必要があるのかということをチェックする、こういう仕事でございます。したがいまして、お話がございました電源開発交付金制度、これについても対象の例外ではございません。
 したがいまして、しっかり見詰めていきたい、このように思っておりまして、今後どのように具体的に対応していくか、これはやはりこの制度が国民の皆さんの一層の御理解をいただけるようなものでなければならない、こういう観点から冷静に対応を勉強していきたい、このように思っております。
#133
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 私は、きょうは政治連盟と宅建協会と保証協会の関係についてお聞きをいたします。
 これまでKSD問題などで自民党と業界団体、公益法人との癒着問題は繰り返し問題になってきております。いわゆる政官業の癒着問題です。土地改良区の自民党費の立てかえなど国会でも多く議論になっておりますが、きょうは政治連盟と宅建協会、保証協会、つまり不動産業者の人が多く入っている業界の問題についてお聞きをいたします。
 政治連盟と宅建協会とそれから社団法人全国宅地建物取引業保証協会の三つは、三つの入会申込書を一括して申し込まないと入会できないと言われていますが、問題ではないですか。
#134
○政府参考人(風岡典之君) お答え申し上げます。
 全国保証協会の会員資格でございますが、これは協会の定款あるいは施行規則に定めておりまして、宅建業協会の会員であることを要件としておりますけれども、不動産政治連盟の会員であることの要件というのはもちろん設けておりません。
 しかし、一部の宅建業協会の入会に際しまして、定款等で不動産政治連盟の入会を義務づけている例も残念ながら見られておりますので、この点につきましては、今後、関係都道府県と連携をとりながら改善を行いたいというふうに思っております。
 それから、全国保証協会と宅建業協会との関係でございますが、保証協会は宅建業法上義務づけられている営業保証を集団的に行う、そういう団体でありまして、その場合、宅建業協会の会員を要件とするということにつきましては、必ずしも私どもは不適切だというふうには考えておりません。
#135
○福島瑞穂君 今、政治連盟に入ることは義務づけていないとおっしゃいましたが、全国にあります四十七の中で実質的に政治連盟に入ることが要件とされているのはどれぐらいありますか。
#136
○政府参考人(風岡典之君) 私どもの方で、所管の全宅連を通じまして各県の協会の定款とか施行規則とかあるいは入会案内とかパンフレットとか全部取り寄せて、今精査をしているところであります。
 今私どもが調べている範囲では、一部でございますけれども、例えば定款に基づく施行規則の中で政治連盟への加入を条件としているというのも若干あります。それからまた、入会の申込書とか誓約書のひな形、ここでも事実上不動産政治連盟への入会を義務づけているというものも、これも若干あります。また、パンフレットにおいてもそういったところへ加入することが原則であるというような形になっているのがありますので、この点については、先ほど申し上げましたとおり不適切なものというふうに考えておりますので、ここは今調査をしておりますのがしっかりまとまりました段階で適切な対応というものを行っていきたいと思います。
 若干そういう事例が見られているのは事実でございます。
#137
○福島瑞穂君 若干ではなく、それが常態だったのではないですか。
 岩手県では、三年前に不動産業を開業した花巻市内の男性が、宅建協会への入会手続で政治連盟への入会賛助金二十万円を求められた。返事を保留すると、一カ月後に協会への入会を断られた。彼は損害賠償請求訴訟を起こし、かつ和解で彼が要求した以上の金額を払うということで取り下げになっております。岩手ではどうも政治連盟と宅建協会は切り離されているようですが、他のところではこれがくっついている例が多いと思います。
 今、精査中ということですが、既に裁判が起きて解決している事件なわけですから、徹底的にこの政治連盟、これは自民党に対して政治献金がされております。ですから、この関係を切るように、宅建協会と政治連盟が切られるように、強くきっぱりとこれを切るように指導すべきだと考えますが、もう一度前向きの答弁をお願いします。
#138
○政府参考人(風岡典之君) 御指摘の点でございますけれども、先ほど申し上げましたように、宅建協会と不動産政治連盟というのはそもそも関連ある団体ではない、本来別々の活動だというふうに思っておりますので、私どもとしましては、宅建協会に加入するに当たりまして、条件として不動産政治連盟に入るという形のことをやっているのは問題があるというふうに考えております。定款等で一部まだそういうのが残っておりますので、これは精査をしましてきっちりと整理をしたい、このように思います。
#139
○福島瑞穂君 定款にあるだけではなくて、このように一方に入らないと一方に入れないという関係があるということを、きっちり今後このような問題が起きないようにお願いします。
 先ほどの答弁で、宅建協会に入らなければ全国宅地建物取引業保証協会に入れないことは問題がないかのような答弁がありました。非常に問題だと思います。
 この岩手の裁判を起こした人が、本年五月十八日、宅建協会に入らないと、全国宅地建物取引業保証協会、略称して保証協会と言いますが、これに入れないというのはおかしいのではないか、他団体加入義務規定は民法三十四条に抵触するのではないかということで照会をしております。これに対して、弁護士名で、御趣旨が不明ですが、民法三十四条には抵触しないと思いますという木で鼻をくくった回答が五月二十五日に来ております。
 団体としては別で、しかもこれは公益法人、社団法人ですよね。きょう問題にしたいのは、建設省が認可をしている社団法人、扇さんが去年きちっと役員の改選のときに認可をしている団体で、そもそも不動産業者のほとんどの人が入っていると言われているいわゆる保証協会、宅建業法は新規の不動産業者に一千万円を国に供託するよう義務づけている、取引で顧客に損害を与えた場合に支払う賠償金などを保証する、しかし保証協会に入って入会金二十万円と分担金六十万円を払えば供託は免除されると。このように保証協会に入ることは大変メリットがあるわけですが、これのためには宅建協会に入らないといけない。これは非常におかしいと思いますが、いかがですか。
#140
○政府参考人(風岡典之君) 保証協会と宅建協会との関係ということで、私どもは、保証協会に入るに当たりまして宅建協会のメンバーであるということの条件をつけることは、必ずしもそのことをもって問題があるというふうには考えておりません。
 ただ、保証協会のあり方としてはいろんなあり方があると思います。そういう形でやるものもありますし、また例えば保証協会で完全に自主的にやるというのももちろん法律上構わないと思います。
 今行われております会員要件を重ねておりますのは、これは当然、保証協会に入っていただく方々というのは、もし事故があった場合に、他の会員の方々がその事故に伴う負担金というのをかぶらなければならないということでありまして、当然やっぱり会員の資格については一定のレベルというのを要求するわけでございます。そのレベルを達成するためには、日ごろの研修とか、あるいはもし苦情処理があった場合にその苦情が弁済の支払いに当たるような苦情かどうかの整理をするとか、そういった仕事がいろいろありまして、これにつきましては保証協会と宅建協会が共同してやっている。
 また、それは私は必ずしも問題ないと思っています。そういうことを共同でやるということは何ら問題がないと思っていますが、そういうようなやり方も一つのやり方だというふうに申し上げまして、その意味で、今条件をつけていること自身が問題であるというふうには思っておりません。
#141
○福島瑞穂君 ふざけた答弁だと思います。
 というのは、それぞれその団体の成り立つ意味が違うわけです。保証協会に入る人たちは、その人たちが適切かどうかをきちっと審査をすればいいわけじゃないですか。(資料を示す)今まではこの三つが三位一体でぐちゃっとくっついていた。これとこれとこれと三つ入らなければ保証協会に入れなかった。これが問題じゃないですか。
 私は、ある意味でKSDよりひどいと思います。KSDの場合は、一生懸命信用組合やいろんなところが勧誘をしてKSDに入らせた、入るように勧誘をしたと言われています。それは一生懸命勧誘して入ったわけです。ところが、この保証協会は、不動産業者にしてみれば入るメリットが大変あるわけです。しかし、これだけに入りたいと思ったときに、これにもこれにも入らなくちゃいけなかった。
 これは先ほど切るとおっしゃいました。政治連盟と宅建協会は切るとおっしゃいました。しかし、この制度、社団法人の保証協会と同業組合は成り立つ根拠が違うわけですから、ちゃんと大臣が認可している保証協会なわけですから、ここできちっと審査をすべきだと考えますが、いかがですか。つまり、マクドナルドで食べなければ隣のケンタッキーを食べられないみたいなことはおかしいじゃないですか。
#142
○政府参考人(風岡典之君) 先ほど申し上げましたように、政治連盟とはきっちりと整理をするということで、残った二つについての関係ということでございますが、もちろん保証協会と宅建協会はそれぞれ独立の法人でありますし、目的もあります。
 ただ、例えば宅建業者の資質の向上、あるいは問題を起こさないように業者の指導をするということは、これは保証協会にとってもそういう指導は必要なことでありますし、宅建協会の方はもちろんそれは必要なわけです。その仕事を、例えば研修事務、これを一体的にやるということは私は何ら問題がないと思いますし、先ほど申し上げましたように、苦情処理というのも、業界に対して広く消費者の方から苦情が来るわけですが、それを受けるのも宅建協会と保証協会が協力して受けて、債務の弁済につながるようなものはこれは保証協会で処理する、そういうふうに共同でやるということ自身は、必ずしも別に癒着だとか問題が起きるとかということでなくて、私は今のやり方についても合理的な仕組みとして一定の成果を上げているというふうに考えておりますので、その辺はぜひ御理解をいただきたいと思います。
 ただ一点、その仕組みしかないのかと言われれば、もちろんそういう連携型でないような保証協会の設立がもし提案されれば、法律の要件を満たせばもちろんそれはそれで許可する、指定するということは考えられる、こういうことでございます。
#143
○福島瑞穂君 考えを変えていただきたいんですね。さっきも言いましたように、マクドナルドで物を食べなければケンタッキーで物を買えない、ロータリーに入らなければライオンズに入れない、こういうのは非常に苦痛じゃないですか。つまり、自分がその団体に入りたいか入りたくないか自己決定権があり、ある団体に入ることを選ぶわけです。どうしてそこでそこがぐちゃっとくっついていることを、ある団体に入ることをこっちの団体の入会要件としていることを恬として恥じないのかと思います。
 もっと言います。私自身は、この三つが癒着をしていること、ぐちゃっとくっついているところが問題だと思います。
 ここに役員名簿がありますが、では、お聞きします。政治連盟の会長はだれですか。
#144
○政府参考人(風岡典之君) 政治連盟の会長ということでございますけれども、政治連盟の方は、もう先生御案内のとおり、政治資金規正法によって規定された団体で……
#145
○福島瑞穂君 時間がないので、会長の名前だけ言ってくだされば結構です。
#146
○政府参考人(風岡典之君) はい、わかりました。
 会長は藤田和夫氏でございます。
#147
○福島瑞穂君 宅建協会の会長はだれですか。
#148
○政府参考人(風岡典之君) 同様に藤田和夫氏でございます。
#149
○福島瑞穂君 保証協会の会長はだれですか。
#150
○政府参考人(風岡典之君) 藤田氏でございます。
#151
○福島瑞穂君 すべて同じ会長です。
 そして、手元に全宅連、全宅保証、全政連、つまり政治連盟と宅建協会と保証協会の役員名簿がありますが、共通役員名簿となっているんですね。つまり、この三つは、政治連盟の役員名簿、それから宅建協会の役員名簿、それから保証協会の役員名簿なんて面倒くさいことやっていないんですよ。共通役員名簿となっているんですね。これこそが三位一体、癒着じゃないですか。
#152
○政府参考人(風岡典之君) 役員名簿が現在そういうような状況になっているのは御指摘のとおりでございます。ただ、役員は確かに共通なんですが、その役員の役職、副理事長とか専務とか常務とか、そういったものはそれぞれの団体が別々になっているということでございます。
 なお、役員名簿につきましては、先ほど私が申し上げましたような、政治連盟と一体だというふうなこと自身は必ずしも適切ではありませんので、役員名簿自身も今後はもう少し注意してつくる必要がある、このように思っております。
#153
○福島瑞穂君 KSDのときにさんざん言われたのは、別に政治団体をつくって、集めたお金を政治連盟に流し込んで、その政治連盟のお金が自民党に献金されていることにみんながとても怒ったわけです。つまり、保証協会に入る人はさまざまな考え方の人がいます。しかし、それは来ているわけですね。
 それでは、この三つの団体は同じビルに入っていますか。
#154
○政府参考人(風岡典之君) 三団体の事務所の関係でございますけれども、ちょっと関係者に確認をしてきたところ、これは宅地建物取引業連合会とそれから保証協会両方共有の名義のビルがありまして、そのビルの一部を不動産政治連盟が借りているということです。ビルとしては同じビルでございますが、もちろん階が分かれたり、独立した活動ということになると思います。
#155
○福島瑞穂君 KSDのときも同じビルの中にあったわけですが、この三つは同じビルの中に入っているわけです。不動産登記簿謄本を調べましたが、宅建協会と保証協会の共有登記になっています。
 では、お聞きします。政治連盟は賃料を果たして払っているのでしょうか。
#156
○政府参考人(風岡典之君) 政治連盟は両協会に対しましては、一般の管理費、水道、光熱費とか電気使用料とか警備費とか清掃費、そういった管理費については案分して本来の負担部分というのを支払っているというふうに聞いておりますが、賃料については支払っていない、こういうように報告を受けております。
 なお、この点につきましては、やはり適正な賃料負担というのは当たり前のことでございますので、そういった点につきましては当然適切な指導をしなければならない、このように思っております。
#157
○福島瑞穂君 政治連盟は結局賃料を払っていないんですよね。つまり、全く所有権がないにもかかわらず、この政治連盟は同じビルの中にあってただで、ただでと言うと変ですけれども、賃料なしでやっていたわけです。これこそが三位一体だと思うんですね。同じビルに入って賃料は払わない、そして役員名簿は共有の役員名簿で、会長も全部一緒である。つまり、政治連盟はトンネルだという批判があったって当然だと思います。これは今まで三位一体で入会申込書が一緒だったからです。
 さっきの質問に戻りますが、ここまで言われていて、ある団体に属することをきちっと認可している。保証協会の入会要件とすることは妥当ですか、まだ続けますか。
#158
○政府参考人(風岡典之君) 繰り返しでまことに申しわけございませんけれども、今のやり方が、今のような会員要件に他の団体の会員であることを求めていることは、その仕事自身を合理的に進める上で必要だということであれば、必ずしもそのこと自身は問題ではないというふうに思っております。もちろん、適切に業務執行するというのは当たり前のことでございますけれども、今のような共同で連携するやり方というのが絶対にだめだということではないと、このように思っております。
#159
○福島瑞穂君 全く合理性がないじゃないですか。つまり、宅建協会の方は不動産業者の人たちの集まりですよね。そして、保証協会の方は何かトラブルがあったときに担保というか保証していくというもので、制度の成り立ちが全然違うじゃないですか。それぞれ研修が必要であったり入会のときの審査が必要であれば、それはちゃんとやればいいんですよ。ここを、癒着をこのままにして、しかも政治連盟は、ただでと言うと言い方はよくないんですが、トンネルとして使っているところそのものが問題じゃないですか。
#160
○政府参考人(風岡典之君) 確かに先生御指摘のような形で私ども改めなければならない点というのは、率直に言いまして、調査をして適切にやっていきたいというふうに思いますけれども、一番議論の、御指摘をいただいております両団体との関係につきましては、これによって現実に何か弊害が出ていると、業務執行のやり方としては、研修を統一的にやるとか苦情処理についての受け付けを両団体で一緒にやるということは、私はそれなりに一つのやり方であるというふうに思っております。もちろん、それしかないということではないというふうに先ほど申し上げていますけれども、今のやり方自身が全面的に否定されるべきではないというふうに思っております。
#161
○福島瑞穂君 わかってくださらないんですが、両方の団体が同時に研修するということは構わないんですよ。両方の団体が同時に研修するということは構わないし、一緒に何かをやることはあるでしょう。ただ、非常に問題にしているのは、ある団体に入る、つまり保証協会に入るためには宅建協会に入らなければそもそも入れないという、前提条件になっているということを問題にしているんです。どうですか。
#162
○政府参考人(風岡典之君) 例えば研修につきまして、先生御指摘のように、保証協会がみずから研修する、宅建協会もみずからの立場で研修する、そういうやり方ももちろんあります。ただ、研修につきましては、やはり宅建業者が適正な事業活動を行うということを目的とする研修というので共通項が非常に多いわけですので、二つに分けてやるというやり方自身ももちろんありますけれども、一体的にやるというやり方も一つの方法ではないかというふうに思っております。
#163
○福島瑞穂君 ちょっと答弁になっていないのでひどいと思うんですが、私は、研修を一緒にやっても別々にやってもいいんじゃないか、それは構わない、しかし入会要件としているところが問題ではないかと言っているんですよ。答えがずれているじゃないですか。
#164
○政府参考人(風岡典之君) 入会要件としてということでございますけれども、今、両団体が協力し連携をしているやり方について、研修だとか苦情処理のやり方は私は一つは合理的にやっている、問題は生じていないというふうに思っておりますので、仮にそういうことが合理的であるということであれば、入会要件に当たってそういう資格基準を設けることも一概に否定されるべきではないと、そういうふうに申し上げているつもりでございます。
#165
○福島瑞穂君 これは一般的に社団法人がどうあるべきかという問題とも関係すると思うんですね。ずるずるずるっと三位一体でやってきた。今こんなに質問しても、くっついていて、前提要件とすることを恬として恥じないということそのものが、癒着を断ち切ろうと思う気持ちがあるのかどうか、非常に疑問に思います。
 扇大臣は保証協会の認可を去年、役員交代のときにしています。さっきも言いましたように、政治連盟の会長と全宅連の会長と保証協会の会長は同じです。共通役員名簿もあります。それから、総会をやるときに時間をずらして同じ場所でやっているというふうに聞いていますが、いかがですか。
#166
○政府参考人(風岡典之君) 最後の総会の点についてでございますけれども、私ども調べてみましたら、日にちが変わったりはしていますけれども、それぞれ三団体が同じ場所でやっているケースというのは通例だというふうに考えております。
 問題は、どこでどういう形で会合を持つかということにつきましては、私どもとしては、それは各団体の判断のことでありまして、どういう形でやることが一番効率的かという判断の問題でございますので、今のような会議の設定の仕方が本来の趣旨に反するようなことであれば、それは指導していきたいと思いますけれども、会議の持ち方、総会の持ち方ということについては、それぞれの判断というのはまずは尊重すべきだと。問題は、それによって問題が生じているかどうかということをよく見て、指導すべきものがあれば指導するということかなと思います。
 それから、共通役員名簿につきましては、先ほど言いましたように、これは私どもも、そういう形のもので、今のままでいいというふうに申し上げているつもりはありません。その点については、区別するものは区別する、そういったことはしっかりやらせるべきだというふうに考えておりますが、その点についてはきっちりとした指導をしていきたい、このように思います。
#167
○福島瑞穂君 保証協会からお金の流れなどについてもちょっと質問したかったんですが、時間が来ました。
 裁判も起きていて、これは断ち切るべきだという、その起こした人間が、保証協会に入るのになぜ前提条件かということで議論になっています。いろんな業界が政治連盟をつくり、その政治連盟が献金をしている。要するに献金のための団体になっているのではないかと。そこで政官業の癒着が言われるわけですから、今後、ここが、すべて三つがきれいに分かれるように、前提要件としないことを強く要求して、私の質問を終わります。
#168
○田名部匡省君 きょうはODAについて意見を申し上げて質問したいと思うんですが、田中大臣、私たちが、去年でしたか、政府開発援助に関する決議というのをここで行いました。高村大臣と太田大臣に来ていただいて、ODAを見直してほしいということと、会計検査院に実態を調査してほしいと。これは本会議場で報告して、全党で了解して、その結果、いろんな調査をしていただいた。
 冒頭に、この決議を実行されていると思うんですが、今までは言いっ放し、聞きっ放しで終わっていましたので、私はそのときに、これがどう実行されたかということを後から尋ねますからと、こう言っておきましたので、会計検査院が実際に指摘したことを外務省として、我々の決議がどこまで実施されて、どこが実施されていないでいるか、まずお答えをいただきたいと思います。
#169
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 今、先生御指摘のように、政府開発援助に関する決議を平成十一年八月二日、十項目にわたりましていただきました。その後、会計検査院の検査対象になった項目、あるいはそれ以外を含めまして、主に以下のような点について政府として改善のための努力をいたしましたので、それをかいつまんで申し上げます。
 第一番目の「被援助国の実情に即した国別援助計画の作成」ということにつきましては、現在、既に九カ国について策定済みでございます。さらに八カ国についても、現在、作成の努力をいたしております。
 二番目の「事業の重点化と事業間の連携強化」につきましては、ODA中期政策を策定いたしまして、重点の課題あるいは重点分野を明確にいたしました。また、資金協力と技術協力の連携というようなことについても努力をいたしてまいったところでございます。
 三番目が「評価制度の充実」でございますが、これにつきましては、従来のプロジェクトレベルのみならず、政策あるいはプログラムレベルの評価という拡充に努めてまいりました。また、第三者評価の実施、それから在外公館への評価専門家派遣等も行ってまいりました。
 「情報公開・広報の積極的な推進」につきましては、ホームページ、年次報告等を拡充しましたし、十一年度よりODA民間モニター制度も実施いたしてきております。
 「NGOとの一層の連携」、これは大項目でございますが、これにつきましては、NGOとの定期協議会の開催、あるいは草の根無償の拡充、ジャパン・プラットフォームの立ち上げ等を通じた支援等を行ってまいりました。
 「環境問題への取組の強化」につきましては、円借款の供与条件を緩和すること、あるいは地球環境無償を本年度より新設いたしました。現在、九九年でございますが、約三四%の我が国ODAは環境関係のODAとなっております。
 七番目でございますが、「被援助国の人材育成に関する援助の拡充」につきましては、留学生支援無償の拡充、さらには円借を活用した新たな私費留学生支援の導入等も試みております。
 「開発援助の専門家の確保」でございますが、これは公募あるいは委嘱等によります幅広い専門家の確保に努めております。また、FASID、国際開発高等教育機構でございますが、における人材育成も拡充をいたすべく努力をいたしております。
 「ODAの不正防止」でございますが、これにつきましては、不正防止措置をガイドラインとして導入いたしました。また、外国における不正疑惑につきましては、相互の主権を尊重し合いながら緊密に協力して徹底した調査を実施する、不正が発覚した場合にはそれぞれ国内法に基づき厳格に対処するということで対処をしようとしております。
 最後でございますが、「重債務貧困国に対する債務救済」につきましては、ODA白書を初めとする各種広報資料におきまして国民の理解を得るべく情報公開に努めるとともに、平成十三年三月の二十三及び二十六日、報告提出がおくれておりましたシエラレオネあるいはブルンジより使途報告が提出された結果としまして、会計検査院より使途報告未提出が指摘されておりました十四カ国すべてから報告書が提出されたということでございます。
#170
○田名部匡省君 そこで、大臣、私が一番ここで問題にしたのは、軍事施設の多い国に対するODAはやっぱり見直すべきだと。
 一つは、河野外務大臣にも申し上げたんですけれども、北朝鮮への米の援助、これは人道的だと。私はそうではないと。結局、国が責任を持って国民の食生活というものを確保しなきゃならぬ、それを肩がわりして日本がやったことによって、その金が軍事費に使われたかどうかという確認はできないでしょうと。テポドンが飛んできて皆慌ててみたり、特に中国はこの間行かれて靖国神社だ教科書だといろいろとあったようですけれども、ODAの話はあったんですか。
#171
○国務大臣(田中眞紀子君) 心から感謝をしているという旨の発言はございました。
#172
○田名部匡省君 そこで、この間、私は地元で若手の経済界の連中と懇談をしましたら、この問題が出てきまして、中国政府は一兆五千億を超える国防費を使っているわけですが、一体何で中国というのはこんなに国防費を、軍事費をどんどんどんどんふやすんですかと聞かれて、私は答えられなかったんですよ。これは何でこんなに一生懸命やるんでしょうか。だれかわかりますか。
#173
○政府参考人(西田恒夫君) 中国の国防費に関しましては、委員御指摘のとおりに、近年特に二けたの伸びを示しておるということにつきまして、大変にその事実に注目をしているところでございます。中国がどのような事情によりまして予算をふやしているのか、これにつきましては、予算の中身あるいは国防政策そのものを含めまして引き続きまだ不透明なところがございますので、透明性の向上を図ることが重要であるというふうに考えているところでございます。
#174
○田名部匡省君 そこで、そういう目的が何なのか、どこに脅威を感じてこれほどの軍事費をつぎ込んでいくかと。これに対して我が国は、対中資金援助は有償、無償援助があると思うんですが、これはどのぐらいになっていますか、両方合わせて。
#175
○政府参考人(西田恒夫君) お答えいたします。
 対中円借につきましては、既に対中協力全体に対しましては、九九年度交換公文ベースで、有償資金協力が千九百二十六億円、それから無償が五十九億円、技術協力七十三億円でございますので、合わせまして約二千億円となっております。
#176
○田名部匡省君 そのとき若い人たちに言われたのは、日本の経済が今大変な状況だ、この苦しんでいるときに国民の、我々の税金を使って援助していると。経済と景気と私は無縁でないと思うんですね、大臣。いいときはいいなりに援助すればいい、厳しいときはやっぱり厳しいように私はやっていいと思うんですが、大臣、今度ODAの削減も含めていろいろおやりになるというのも新聞に出ていましたので、そのとおりですか。
#177
○国務大臣(田中眞紀子君) まさしく今現在、ODAの見直し、ほかももちろんそうですけれども、鋭意やっている最中でございまして、衆議院でも皆様関心がおありになって、国内にも中国に対するODAについてはさまざまな意見があるということは私も十二分に承知しておりまして、今役所の方でお答えした中国への供与ですけれども、トータルでいきますと一九九二年までの供与の累計額が二兆六千八百八十三億円もあるんですね、中国に対して。
 これの使われ方については、基本は要するに環境とか貧困対策とかということで重点分野として言ってはきておりますけれども、今のような軍事費の増大ということを考えてみますと、私どもももう一回やっぱり基本の原点に返って、国民の皆様の税金の使い道でございますから、ですから中国と隣国として仲よくやっていくということは別問題として、私たちはやっぱり有権者の皆様、納税者の皆様の気持ちというものをしっかりと理解しながら、もう一回効果的なODAの見直し、そして聖域なき改革というのに中国も例外ではないということははっきり申し上げさせていただきます。
#178
○田名部匡省君 中国に援助をして、中国が何か新聞なんかを見るとベトナムに自分たちも援助をしていると。数カ国にやっているようですが、これはおかしいと思うんですね。
 それを私は聞かれたときに、答えに困って、この国はおかしいことをおかしいと思わないようになったからおかしくなったんだと答えたんです。これはすべての分野ですよ。本当におかしいと思わなくなっちゃった、みんな。警察官というと不祥事を起こす、自衛隊というと問題を起こす、病院というと人を殺す、学校の先生というと教え子にどうしたこうしたという。これはおかしいとだれも思わなくなってきたからおかしくなったんだと私は答えたんですけれども。いずれにしても、こういうことを私は大臣のお話を聞いて、国益を踏まえてやるんだ、そして外交は継続性だと。
 私は、ウルグアイ・ラウンドのときあれだけ長くお世話になって、やっぱり言えないこともありましたよ。そのかわり、全責任はおれがとると。大臣、さっきからいろんな指摘をされていましたが、私はアイスホッケーをやっておったものですから、どうやって力を出させるかということをいろいろやりました。聞いていると、これはだれかに言われて私のところに来て言っているなというのはわかるんですよ、話をしていると。そうでなくて、本当にこうだと。それからはもう一切表へ出せなかった。
 アメリカとカナダの状況を行ったときにはつぶさに調べてこいと、ウルグアイ・ラウンドをどうしようとしているのか。それで、その中のいろんな情報を集めた中で一番いい方法でいこうやということで随分伏せました。小倉さんが私のところへしょっちゅう来たんですよね、当時。もうだめだと。あんたたちに答えを二つ与えたら楽な方で交渉するから、苦しいだろうけれどもこれで頑張ってくれ、最後はおれが責任とると、こうやって私はやりました。つらかったですよ、私も。しかし、これは国益を踏まえてやらなきゃならぬ。しかし、国益だけで通せるかというと、なかなかそういかない分野、それは最終的には私は大臣の判断でやるべきものであって、それまではやっぱり選手をうまく使って、力を出すように育てて、そうして日本のために頑張るということは必要でないかなと、いろんなマスコミを見ながらそう思っていました。
 どうぞ、言いにくいこともやっぱり言わなきゃならぬときがあります。中国で私は言われました、靖国神社参拝しているのはけしからぬと言われて。私たちは、多くの人は自分のおじいさんにお参りに行っているのであって、戦犯をお参りに行っているのではないと中国で私は議論したんです、長城計画行ったときに。いいことをした人たちもおる、悪いのは謝る、しかし全部ひっくるめて悪いと言われると日本の国民感情からいって納得できません、それならば世界の歴史学者を集めて一つの答えを出してくれたらそれには従いますといって随分やったこともあります。
 どうぞ、言いにくいことでもやっぱりはっきり言うことの方が後からいい結果を生むんだなということを、私もアメリカへ行ってヒルズと交渉したりマディガンと交渉してそういう経験をしましたので、外務大臣としてのやっぱりこれからの仕事というのは、日本国の国益を踏まえて国民のために頑張るというこの決意を持ってこれからもやっていただきたい。
 もう時間、二十三分で終わりますから、そのお考えをまずあったらお話しいただきたいと思います。
#179
○国務大臣(田中眞紀子君) お返事申し上げる前に、先ほど私、一九九二年と申しましたでしょうか、速記で、間違えておりまして、訂正いたします。一九九九年までの供与累計が二兆六千八百八十三億ということでございましたので、もう一度確認をいたします。
 それから、田名部先輩がいろいろと御苦労をなさって、そしていろいろなところで実際の体験をしながら御苦労なさったお話を今伺っていて、本当にやはりすごいものだなと思って再確認をいたしました。確かに、政治をやっている最中は誤解も多いですし、正確になかなか伝わらないこともあって、違うと思うけれども立場によっては言えないということもありますが。
 ダウナーさんの、けさほどこの委員会でお尋ねがあったことで、田名部先生がもしお許し、もちろんいただけると思うんですが、ほんの一言なんですけれども、たった今、お昼過ぎに、先ほど阿南先生がおっしゃったことですけれども、オーストラリアのダウナー外務大臣と会ったときに、私がアメリカのミサイル防衛についてこう言った、ああ言ったということが、これはメディアも真っすぐ、正しく伝えていただきたいんですが、それは間違いであるということが、ダウナーさんから連絡が来ました。
 日豪が日米のミサイル防衛システムを求めることを理解することについてはよく知られているんだ、そして、自分、ダウナー外相自身が橋本元総理に対し、田中大臣との議論の内容を米国に伝えるなどと話したという報道は事実無根であると、自分はそんなことは橋本総理に言っていないと、自分と田中大臣との建設的かつ友好的な会談がメディアの報道でゆがめられ誤解されていることを極めて残念に思うというお手紙が、これはファクスレターでいただきましたので、この委員会で御報告できてほっといたしました。またこれであしたからとっちめられないで少し一つは済んだかなと。少し胃が痛いのもちょっとばかりおさまるかと思ったんですが。
 こういうことがやっぱりございますので、そういう経験も先輩はたくさんなさりながら、違うということがわかっていてもやはり立場上言えないこともありますし、それから今おっしゃったODAの問題は私は深刻だと思いますし、中国だけ聖域にしていこうとか思っておりません。中国の目覚ましい発展ぶりをこの間つぶさに見てきまして、その中でもって、やっぱり一般の内陸部であえいでおられる方たち、教育を受けなきゃいけないと思っている方たち、食事に苦しんでおられる方たち、食糧不足、いろいろあると思うんですね。そういう中でもって、それは中国のポリシーではありますが、日本の私たちの税金の使われ方が今までと同じように累々として続くことがいいかどうかということは、それはもう一回きちっと原点をわきまえて、しっかりと確認をしていく、減額しなければいけないものはするということは確認しなければいけないと思っております。それが私の外務大臣としての大きな務めの一部であろうというふうに思っております。
 発言の機会をいただきまして、ダウナー外相のことにつきましても発言ができて、本当にきょうはいい日だったと思っております。ありがとうございました。
#180
○田名部匡省君 もう時間ですから終わりますけれども、私の経験を最後に一言申し上げて。
 ウルグアイ・ラウンドのときに、もうぎりぎり詰められまして、これをのむか、三度の国会決議を破るかというところまで来まして、そのとき私は役所の幹部を集めて、これは一回国会に戻すと、三度も輸入反対の決議をしているんだから。ガット脱退せいと言うんなら松岡洋右立派にやってみせると。返すと、国会へ。これで農林省ぶったまげちゃったんですよ。しかし、そうせざるを得ない、どの道を選ぶかというのは国会で最終結論を出してもらわなきゃならぬというので、最後は苦渋の選択で、そこまでやられちゃ大変だというので、私の最終決断に従っていただいた。
 どうぞ、腹をくくらなきゃならぬときは何回かあると思うけれども、しかしさっき言ったように、言うべきことはきちっと言っておかないと、何となくずるずるずるずるやっていると、国民が本当に何だと、こういう感じを、日本が、ということを持たれると思うので、どうぞ外務省の諸君も一緒になって、本当に情報を集めて、大臣にやって、その中でどうしていくかという方向を定めたら、ひとつ日本の方向に向かって一生懸命やると。スポーツがそうですから、そのことを忘れずにやっていただきたい、こう思います。
 終わります。
#181
○委員長(続訓弘君) 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。
   午後四時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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