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2001/03/08 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 予算委員会 第6号
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2001/03/08 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 予算委員会 第6号

#1
第151回国会 予算委員会 第6号
平成十三年三月八日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     清水嘉与子君     野沢 太三君
     常田 享詳君     亀井 郁夫君
     三浦 一水君     松村 龍二君
     加藤 修一君     浜田卓二郎君
     白浜 一良君     大森 礼子君
     西山登紀子君     小泉 親司君
     堂本 暁子君     松岡滿壽男君
     戸田 邦司君     高橋 令則君
     石井 一二君     島袋 宗康君
 三月八日
    辞任         補欠選任
     筆坂 秀世君     宮本 岳志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡野  裕君
    理 事
                岩城 光英君
                木村  仁君
                須藤良太郎君
                吉村剛太郎君
                高嶋 良充君
                円 より子君
                弘友 和夫君
                小池  晃君
                照屋 寛徳君
    委 員
                有馬 朗人君
                石渡 清元君
                入澤  肇君
                鎌田 要人君
                亀井 郁夫君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                斉藤 滋宣君
                陣内 孝雄君
                野沢 太三君
                南野知惠子君
                日出 英輔君
                保坂 三蔵君
                松谷蒼一郎君
                松村 龍二君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                木俣 佳丈君
                櫻井  充君
                内藤 正光君
                堀  利和君
                峰崎 直樹君
                簗瀬  進君
                柳田  稔君
                大森 礼子君
                浜田卓二郎君
                益田 洋介君
                大沢 辰美君
                小泉 親司君
                宮本 岳志君
                清水 澄子君
                松岡滿壽男君
                高橋 令則君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
       法務大臣     高村 正彦君
       外務大臣     河野 洋平君
       財務大臣     宮澤 喜一君
       文部科学大臣   町村 信孝君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   谷津 義男君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国土交通大臣   扇  千景君
       環境大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    伊吹 文明君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  斉藤斗志二君
       国務大臣
       (沖縄及び北方
       対策担当大臣)  橋本龍太郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    麻生 太郎君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   坂井 隆憲君
       内閣府副大臣   仲村 正治君
       防衛庁副長官   石破  茂君
       総務副大臣    小坂 憲次君
       外務副大臣    荒木 清寛君
       厚生労働副大臣  増田 敏男君
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       農林水産副大臣  田中 直紀君
       経済産業副大臣  松田 岩夫君
       国土交通副大臣  高橋 一郎君
       国土交通副大臣  泉  信也君
       環境副大臣    沓掛 哲男君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        岩屋  毅君
       防衛庁長官政務
       官        米田 建三君
        ─────
       会計検査院長   金子  晃君
        ─────
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局人事局長   金築 誠志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       内閣官房内閣情
       報官       杉田 和博君
       警察庁長官    田中 節夫君
       警察庁刑事局長  五十嵐忠行君
       警察庁警備局長  金重 凱之君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
       外務大臣官房長  飯村  豊君
       外務省北米局長  藤崎 一郎君
       経済産業省商務
       情報政策局長   太田信一郎君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十三年度総予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日の質疑の割り当て時間は百三十八分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・保守党四十分、民主党・新緑風会四十二分、公明党十七分、日本共産党十七分、社会民主党・護憲連合十分、無所属の会四分、自由党四分、二院クラブ・自由連合四分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付申し上げてありますとおりであります。
    ─────────────
#3
○委員長(岡野裕君) 平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算、平成十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 質疑を行います。松村龍二君。
#4
○松村龍二君 自由民主党の松村龍二でございます。きょう予算委員会におきまして質問させていただきますので、よろしくお願いします。
 本日は教育の問題あるいは地方自治の問題、予算全般についての問題等について質問させていただくつもりでございますが、まず農業問題について御質問させていただきます。
 「楽しみは茜の空に染められて明日刈る稲穂掌に計るとき」。我が郷里は橘曙覧という歌人を輩出しておりまして、独楽吟という歌は「楽しみは」から始まりまして「とき」で終わる。ことしも平成独楽吟のコンクールが行われまして、その優勝した歌がただいま申しましたように「楽しみは茜の空に染められて明日刈る稲穂掌に計るとき」という歌でございます。
 私の地元では、北陸で都会地にも遠い、また米の生産が適しているということで、粗生産額のうちの七割ぐらいが米なんですけれども、昨今、米の価格、コシヒカリを産するわけですが、コシヒカリの価格が二万円から一万五千、六千円に下がってきたと。
 考えてみますと、六十キロ一万六千円ということになりますと、仮に十俵とれても、一町歩で百俵、百六十万円にしかならない。二町歩つくっても三百万円の粗収入。その中から農機具代あるいは肥料その他の代金を引きますと、本当に百万円以下の収入しかないというのが米づくりの農家の姿ですけれども、ただいまの歌にありますように、やはり日本人の食糧を生産しているということの喜び、また家計にも足しになるということで、第二種兼業農家が多いわけですけれども、やっておるわけです。
 しかし、このように価格が下がるということに対しまして、政府は何をやっているのかというふうな非常に厳しい声もあるわけでありますが、私は自民党におきまして農林の勉強会にも参加いたしまして、政府・与党は一生懸命対策をしているというふうに思いますが、昨今の米の価格の動向等も含めまして、農林水産大臣、どのような対策を打っておられるのか、お話しいただきたいと思います。
#5
○国務大臣(谷津義男君) おはようございます。
 先生には、日ごろ、農政等につきまして大変な御見識をお持ちでございまして、いろいろと御示唆、御指導いただいておりますことに心から敬意を表する次第でございます。
 ただいまの米の価格の低迷を踏まえてどのような対策を打っているのかという御質問でございますけれども、確かに最近、米の価格というのは、需給の関係も踏まえ、あるいは在庫等もかなりあるというふうなことが引き下げの圧力にもなっておりまして、そういった面で低迷をしているところでありますが、しかし一方では、この米の需給の均衡と稲作経営の安定を図るために、昨年の九月に平成十二年緊急総合米対策を決定いたさせていただきまして、これに即しまして米対策を推進しているところでございます。
 具体的には、まず政府米対策でありますところの持ち越し米七十五万トンの援助用隔離、先生もこれについてはいろいろと御議論いただいてそのようにさせていただいたわけでありますが、うち五十万トンは御案内のとおりWFPを通しまして北朝鮮への援助に回しているところであります。
 また、十二年産米対策としては、生産オーバー分の配合飼料用の処理、これは十五万トンということでございますが、自主流通法人による一元的な調整保管も推進をしているところでもございます。
 また、十三年産米対策といたしましては、二十五万トンに相当する五万ヘクタールの生産調整の緊急拡大及び作況一〇〇を超えた場合の対応としての需給調整水田への取り組みについて、地方自治体とそれから生産者団体とともに着実に推進をしているところでもございます。
 まさに、自主流通米の販売環境を整備するために、精米表示の適正化やリベート販売の監視についても強力に今推進をしているところでありまして、米の消費拡大対策としましても、各種メディアの活用によります御飯食を中心とした健康的な食生活の普及、あるいは米飯学校給食の推進等にも取り組んでいくことといたしました。このような対策の推進によりまして、自主流通米入札が十二月以降三回連続して前回の価格を上回っておりまして、低水準ながら改善の傾向が続いているところでありまして、先生もそれについては御案内のことかと思います。
 今後とも、対策による需給改善効果等を最大限に発揮するために適切な実施に努めていきたいというふうに考えているところであります。
#6
○松村龍二君 米の商いというのは江戸時代以来非常に難しいものであると。昔、大阪の堂島において、各大名が米を持っていって商いをしたと。古来、非常に難しいものだというふうに思います。
 今の日本人がだんだんお米を食べなくなって、食べるお米と生産するお米のバランスがとれなければ、これは価格も値崩れするということのことわりが容易に理解できるわけですが、ただ、そこで一つそういうふうに言い切れないものがミニマムアクセス米の輸入であります。
 細川内閣が、米一粒たりとも入れないということで頑張ったのはいいんですが、最後の土壇場であっという間に崩れてしまって、米は輸入させない、自由化はさせないけれども、四%から八%の米をミニマムアクセス米として輸入しないといけないということで、自来七十万トンのお米を輸入している。
 私の地元の福井県は年間二十万トンのお米を生産しますので、その全生産量の三倍のお米をミニマムアクセス米として買わなければならない。片一方で減反、生産調整をしながら、七十万トンものお米を輸入するというWTO体制については何としてでも打破したいという強い願いを持つわけでありますが、自民党におかれましては、ここ本当に四、五年来、鋭意研究してこられて、今ひのき舞台でちょうちょうはっしと交渉を始めておられるというふうに伺うわけですけれども、その辺、どういうふうにWTO体制を打破する努力をしておられるか、お話をお聞かせいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(谷津義男君) WTOの農業交渉における米の取り扱いでございますけれども、これは米や稲作の重要性にかんがみまして、米の需給と価格の安定に支障を及ぼさないように、まずミニマムアクセスについては国家貿易による一元的な輸入管理を行う、またミニマムアクセスを超える米の輸入については高水準の枠外税率を設定するといった現在の総合的な国境措置あるいは輸入管理体制を維持することを基本としているところであります。
 米のミニマムアクセスについても、輸出国がアクセス数量のさらなる拡大を今求めている中でいきなり数量の議論を行うのは得策ではないというふうな考え方から、昨年来決定した日本提案においては、我が国との受け入れ可能な交渉の枠組みを確保する観点から、制度が有する種々の問題点を指摘しているところでありまして、今後の農業交渉の中で制度の改善にまず取り組んでいくことが大切であるというふうに考えておるところであります。
#8
○松村龍二君 現在、森内閣の人気度がいろいろ新聞で取りざたされますけれども、谷津農林大臣におかれましては今の政治家の中で最も適任である、また副大臣等もスタッフをそろえてこれらの問題に取り組んでおられるというふうに承知しておりますので、御健闘をお願いします。
 次に、教育問題に移りますが、文部科学大臣、現在、青少年の教育が云々されますけれども、戦後、マイナスの面もあったかと思いますが、プラスの面もあったかと思います。そのプラスとマイナスの面についてどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(町村信孝君) 戦後教育についていろいろな評価があろうと思います。間違いなく言えることは、やっぱりプラスの面として、戦後の日本経済の発展を支えるに足る人材をしっかりと供給することができてきたというあたりが一番大きいのではないかなと、こう思いますし、また戦後教育の自由に伸び伸びとというプラス面もあったかと思います。
 また、逆の面からいいますと、またその裏腹でありまして、例えば、戦後は日本社会もそうですし日本の教育も特に平等ということを言ってきた。しかし、この平等も、あるところまではいいんですが、それが行き過ぎると悪平等の弊害ということで画一的になる。これは文部省の自己反省も含めて申し上げておりますが、やっぱり子供の個性を伸ばす、子供が生き生きと輝くというあたりに余りにも一つの枠に、例えば授業についても四十人全部あるいは五十人で一斉に教育をやるというあたりが子供の個性を伸ばすことをいささかなりとも妨げてきたのではなかろうか。そんな面もあろうかと思いますし、あるいは、自由に伸び伸びはいいんですけれども、逆に自分で自分をコントロールする力といったようなものがうまく身についていない。
 いろんな面でいい面もあったし、また反省しなければならない面もあった、そのことが子供にいろんな形で出ているんだろうなと、こう思っております。
#10
○松村龍二君 私も、昨年、短期間でありましたけれども文部政務次官をさせていただきまして、オリンピックを激励に行くようにという使命をいただきまして行ってきたんですけれども、成果につきましては皆さん御存じのとおりですけれども、やはり感じましたことは、非常に外国の中へ行っても選手も観客も伸び伸びしておる。昔ですと日本人というのは外国人の間に入りますと緊張してしまってがちがちだったわけですが、本当に伸び伸びと交流をしておる。また、マラソンにしましても柔道にいたしましてもその他の団体競技にしましても、物おじしないで世界の中で伍すことができるというふうな、非常にプラスの面を戦後の教育にも感じるわけです。
 しかし、今、政治の面で考えてみますと、非常に若い方が政治に対して冷淡であると。マスコミを見まして、政治の悪い面だけを見て政治に対して冷たいというふうな感じを受けるのは私だけでないというふうに思います。
 しかし、青年だけを責めていいものだろうかというふうに考えますと、私も正月以来いろいろ考えておったんですが、青年が就職期を迎えて就職しようというときに就職ができないと。この理由が、単に不景気だというだけでなくて、不景気の時代にいろいろな企業が採算を考えて人件費を浮かさないといかぬ、合理化をしないといかぬというときに、高齢者を大事にして若い人の採用をしない。これが日本人全体、労働市場がオープンになっていないということもありまして、アメリカのようなレイオフをするわけにもいかないということで、若い人にすべてしわ寄せが来た、無意識のうちにしわ寄せが来たということ。
 これがありますと、やはり若い方も政治に対して感謝しろと言われても感謝できない。あるいは、大学生にしても高校生にしても、そのような圧迫を受けて、政治に対して非常に悲観的というか冷たくなるというのも当然だと思うんです。
 厚生労働大臣、現在の青年あるいは学卒者の就職率の状況と、ともしますと対策が、定年者あるいは高齢者に対する労働政策は耳にするわけでありますけれども、こういう青年に対する対策というのはどのように行われ、またどのようにしたいとお考えなのかお聞かせいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(坂口力君) 新規学卒者の就職につきまして私たちもかなり神経を使っているわけでございますが、この一月におきますことし卒業される皆さん方の就職状況の結果も出てまいりました。それを見ますと、昨年非常に悪かったものですから、昨年よりは若干改善されている、しかしまだ厳しい状況であることには間違いがございません。昨年はとりわけ短大ですとかあるいは専修学校を卒業される皆さん方の就職が非常に悪かったわけでございますが、ここはかなり改善をされてきている。しかし、大学、高校、この辺のところが、まあ去年よりは若干いいんですが、しかしまだ安心できるような状況ではないというのが現状でございます。
 まだ今月、それから来月とございますので、就職の決まっていない皆さん方に対して積極的にひとつ取り組んでいきたいというふうに思っております。
 先日も経済関係のところをずっと、日経連を初めといたしまして私自身も回ってまいりまして、新卒者の皆さん方をひとつ中心にしてぜひともさらなる採用をお願いをしたいということをお願いをしてまいりました。それで、各団体ともに必ず下までこれを流して、積極的にひとつ新卒者の採用に努めるように努力したいということを表明していただきましたので大変ありがたかったわけでございますが、その結果がどこまで出るかということでございます。
 私の方の全国のハローワークの方におきましても、学卒者の皆さん方にできるだけいろいろの情報を提供したい。このごろ、若い皆さん方の中にはいろいろのお気持ち、御主張をお持ちでございまして、そしてたとえいろいろなことがありましても、求人がございましても、いや、そこには行きたくないというはっきりとした意思をお持ちの方が多いものでございますから、できるだけ詳細な情報を提供して、そしていわゆる面接会というのも各地域で行わせていただいているところでございます。
 また、昨年、不幸にして就職に至らなかった皆さん方がまだ残っている方もお見えになるわけでございますので、その皆さん方には短期の職業講習でありますとか職業訓練等の実施、面接会等、これもまた行っておりまして、ことし卒業をされる方、去年既に卒業をされてなお決まっていない人、こうした人を中心にして特別な配慮をして今は取り組んでいるところでございます。
 しかし、全体といたしまして経済状態がこのような状態でございますので、私たちが思っておりますほど成果が上がっていないということも事実でございますので、ここは御指摘をいただきますように、高齢者だけのことを一生懸命にやっているけれども若い皆さん方のことをやっていないというふうなことがないように、私たち、高齢者も大事でございますけれども、お若い皆さん方はそれ以上に大事だという思いで今一生懸命やらせていただいておるところでございます。
#12
○松村龍二君 ひとつよろしくお願いします。
 教育というのはいろんなとらえ方があると思うんですが、やはり教育の要諦に、教える人と教わる側の秩序といいますか尊敬といいましょうか、その場では静粛さが保たれるということが教育のイロハではないかな、いつの時代にもそれが必要なんではないか、こういうふうに思うわけですけれども、先般の成人式の騒ぎがはしなくもそれを露呈しておりますように、戦後長い間かかりまして、先生も背広も着ないでジャージーで、ジャージーというんですかスポーツウエアで授業をしましたり、プラットホーム、教壇がなくなったり、日教組ということを指摘する方もありますし、いろんな原因があろうかと思うんですけれども、やはり教育の要諦に秩序というものが必要ではないか。
 私も二年ほど前、参議院の同僚の方と中近東へ視察に行ってまいりまして、パレスチナの日本が支援している学校へ行きまして、パレスチナの子供が目をきらきらさせて、昔の日本の学校にありますような風景を見まして、世界共通の問題ではないかなというふうに思うわけですけれども、そのような観点につきまして、文部大臣、どのような対策を打たれようとしておられるか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(町村信孝君) 学校という場は、当然のことでありますが、まず安心できる場所であるとかあるいはそこに一定の秩序があるとか、集団でみんながそこで学びあるいは遊びあるいはスポーツをしという場所であるわけですから、一定の秩序感覚、あるいはお互いがお互いを信頼するということがなければ成り立たない場であるということは委員御指摘のとおりでございます。
 どうも昨今、先生方の服装が乱れているとか、いろんな批判があります。その辺もやっぱり形というものの重要性というものを少し大切にするのを忘れてきた嫌いもあるのかもしれません。どちらかというと、例えば先生と生徒は友達感覚がいいということで、子供の目線でと言うと言葉としては美しいのでありますが、そこには先生、もちろん人間としては対等かもしれませんが、やっぱり教える側、教えられる者という、そういう感覚というのもなければならないと、こう思っておりまして、やっぱり親しき中にも礼儀ありという感じというのは常に必要なんだろうなと、こう思っております。
 例えば道徳の時間でも、小学校一年、二年、「気持ちのよいあいさつ、言葉遣い、動作などに心掛けて、明るく接する。」とか、そういうような基本的に身につけるべきものというものがうたわれておりまして、こうしたことがやっぱり子供たちに身につくように、それは何も道徳の時間ばかりではなくて、すべての機会に応じてそうしたものは大切にされなければならないだろうと、こう思っております。
#14
○松村龍二君 この通常国会におきまして、教育改革国会だということが言われて、いろいろ文部省は法案を準備しておられるようですけれども、生徒に対する対応、あるいは不良先生を排除するとか、いろいろ対策をお考えかと思いますが、それはどのようにお考えでしょうか。
#15
○国務大臣(町村信孝君) 松村委員もかつて文部政務次官として大変文教行政の進展に御尽力をいただき、また現在も教育改革について大変なお力添えをいただいておりますことをまず心から感謝申し上げたいと思います。
 私ども、一月二十五日に二十一世紀教育新生プランというものを決めさせていただきまして、それに基づいての法案を六本、さらに今回御審議をいただいております予算の中にも数多くの教育改革に関連する予算が含まれているところであります。そうしたものをしっかりと進めることによって、国民の皆さん方がよりよい教育、それは学校教育だけではなくて家庭の教育でもそうでありましょうし、また社会全体の教育力を高める、そうした幅広いものとして教育というものをとらえて、その中でよりよい教育をつくっていくということで一生懸命努力をしたいと、かように思っておりますので、どうぞ今後とも御指導またお力添えを賜れば幸いだと思っております。
#16
○松村龍二君 従来、小学校以上あるいは幼稚園以上が文部省の所管、それより下は厚生省が所管する、こういうことになっていて、託児所が保育園になり、保育園に対する予算が膨らみ、ゼロ歳児保育その他非常に保育の予算が拡充されてきたと。そこに、文部省も最近ではやはり家庭教育、幼児教育が大切だということで家庭教育手帳とかそんなものを発行されましたり、いやが応でも関心を持たざるを得ないと。
 しかし、都道府県の現場といいましょうか町の中へ行きますと、厚生省がやっている施策と文部省がやっている施策、これが、保育園がだんだん幅をきかせて幼稚園が小さくなっているというように、幼稚園と保育園はそれじゃ分けてある必要があるのかと。それから、児童館というようなものがありましてこれは厚生省の所管、公民館というのがあって、これは親が集まるわけですが、親も教育の問題に関心があるということで、民生委員、児童委員、主任児童委員とかいろいろふくそうしてきまして、その辺、何か今の時代整理していく必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、特にそういう保育の場において教育、しつけというものがどのように配慮されているか、まず厚生労働大臣にお伺いいたします。
#17
○国務大臣(坂口力君) 御指摘をいただきますように、保育所とそして幼稚園と中身がだんだんと似通ってきているではないかという御指摘もあるわけでございますし、一方、これを一元化していこうじゃないかという御意見もたくさんあるわけでございます。
 現在、保育所の方は、保育所という名前のごとく、今まではどちらかと申しますと保育と申しますかお子さん方を養護するという、養護という言葉がいいのかどうかわかりませんが、養護するということが中心でございましたが、最近は保育所の方も教育ということにも重点を置いてまいりまして、この養護と教育というのを二本柱に現在しているわけでございます。かなり内容はそういう意味では幼稚園化をしてきたということが言えるのではないかというふうに思いますし、地域によりましては幼稚園と保育所と同じ場所で、そして同じ建物の中で部屋を別々にしながらやっているというようなところも出てまいりました。かなり接近はしてきているというふうに思いますが、御承知をいただいておりますように、省庁を異にし、そしてその内容をまだ異にしている部分もある、こういうことでございます。
#18
○松村龍二君 それでは、文部省、保育所における、幼児教育における教育ということについてどこまで突っ込んでいく気概があるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#19
○国務大臣(町村信孝君) 三年前、私、文部大臣を務めさせていただきました。その折に、家庭教育、幼児期からの心の教育、これを何とか充実したいという思いでいろいろ考えたのでありますが、なかなか家庭教育というところにどこまで行政が立ち入っていっていいものかという、率直に言って戸惑いもありました。
 ただ、これだけ重要性が言われておりながら、ほとんど何にもやってこなかったと言っても過言ではない。それはやっぱりまずかろうと、こう思って、ああしなさい、こうしなさいということを行政の立場で言うことは難しいんですが、家庭教育の際に当たって考えるポイントを少しお示ししてはどうかと、こんな思いで急遽補正予算を投じてまで家庭教育手帳、家庭教育ノートというものをつくって、母子手帳をもらうときにそれをお渡しをする。さらに、一歳半、三歳健診あるいは就学前健診の際にそれをお渡しする。それから、すべての小学校、中学校の保護者にそれをお渡しするというようなことで、家庭教育に少しでも考える材料を提供して、こういうことを考えてくれないかなということを始めたわけです。
 どうも渡すだけでは家庭教育手帳をぽいと捨てられるかもしれないというので、十三年度予算の中には、小学校入学前の子供を持つ親が参加する就学時健診や母子保健活動の機会を活用した子育て講座というものを全国的に展開して、渡すだけではなくて、それについて少し皆さんで議論をしてもらう、あるいは人生の達人がそこに行って少しお話をしてもらう、そんなようなことをやったらどうかなと、こういうことを今考えているところであります。
 委員御指摘の保育園と幼稚園の関係ですね、私は、将来的にはこれは一元化すべきものと、こう思っておりまして、なぜならば保育に行くとこれは措置費でほとんど親の負担がない、幼稚園に行くと、特に私立幼稚園の場合は相当程度親の負担があると。このアンバランスは私は率直に言っておかしいと思っておりますが、一挙にそれは難しいものですから、平成十年から当時の小泉大臣と私との間で担当局長同士の教育・児童福祉施策連絡協議会というものを設置いたしまして、今でも折に触れてかなり頻繁に両省間の、言うならば教育と福祉の関係をできるだけ接点を持たせていこうと、そんな努力も今行っているところでございます。
#20
○松村龍二君 保育、教育について質問は終わりますが、やはり子供は親が育てる。私も孫の教育を横から見ておりますと本当に手がかかるものですね。それを、ゼロ歳児保育をただふやしていけばいい、駅前のコンクリートの部屋に託児所、保育所をつくればいいということでは子供が健全に育たないという点をよくお考えになりながら保育行政を進めていただきたい、こういうふうに思います。
 次に、地方自治関係等について触れるわけですが、正月、この正月は国会が始まるのが遅かったので、県下各市町村をずっと回りまして市町村長にもお会いしてきたわけですが、大体私の印象は、各首長が予算編成に四苦八苦している。従来は、事務方が作業しまして、町長さん、この町政の目玉はどれにしますか、選んでください、考えてくださいというのが今までの相場であったのが、昨今は、もう事務的に削ったけれども、どこも削りようがない、この十のうちどうしても三つ削ってください、それが町長の仕事だと、こういうようなことも聞きまして、だんだん地方自治体の財政が詰まってきているなということを実感するわけであります。
 それから、ことしは北陸の方では雪が大変降りまして、除雪費にも事欠くといいましょうか、県にすべて仰がないといかぬというふうな状況でございました。
 そこで、まず雪の問題についてお伺いするわけですが、雪害が従来と意味が変わってきたんですね。雪国ですと、雪が一メートルぐらい一晩に積もっても、それはなれていることでどうってことはなかったんですが、また屋根の雪をおろされて道路にたまっておっても、それを冬の風物として楽しんでおったわけですが、何しろ昨今マイカー時代で、もう次の日、車が車庫から出て、あるいは野放しの車庫から出て、勤め先まで走れないともうすべて生活が成り立たないというふうなことで、この雪の意味が大分変質してきているなという感じをいたしました。
 それから、御承知のとおり、各企業ともむだなストックは持たないで、もうかんばん方式というんでしょうか、我が福井県でも越前の平野でつくったものを翌日名古屋に納めないといかぬというふうな工業をしているわけでありまして、あるいはスーパーマーケットの品物がもう一日通らないと困ると、こんなようなことでこの雪の意味が大分変わってきているなということを実感したわけですけれども。
 あわせて伺いますが、国土交通大臣と総務大臣にそのことについての対応をお聞かせいただきたいわけですが、もう一つ、ローカルの問題といたしまして、今申しましたように福井県の敦賀と今庄というところに山がありまして、日本海側の動脈になっているところですけれども、毎年ちょっと雪が降りますとストップしてしまう。これは海抜二百メートルぐらいの高さがあるところを急に上がってくる、カーブが四百と、四百メーターというふうなカーブがある、また四%の傾斜で下っていると。それがミックスしているためにどうしても不通になってしまう。こういうようなことですけれども、融雪対策等も十分ではないというふうにも思うわけでありますが、ただいまの豪雪対策について国土交通大臣、総務大臣に御所見を伺います。
#21
○国務大臣(扇千景君) 今、松村先生お話しのように、ことしは特に豪雪ということで、本来は暖冬だと私どもも聞いておりましたけれども、現実に私たちが冬を迎えてみますと、あらゆるところで豪雪が続いております。また、今おっしゃいましたように、北陸地方では特に今回は豪雪が多くて、少なくとも北陸地方の九三%の貨物はいつもこの道路を使って我々の生活のところへ届いているわけでございますけれども、この豪雪によって、今、先生がおっしゃいますように、切断されている。道路が雪があってとても通れないという現状が続いております。
 今回は、少なくとも私どもの把握しておりますところでは、福井県では一時的には昭和五十九年の豪雪を超える量が降っているということで、手元に数字がございますけれども、特に私どもはこの福井県も視察しようということで、国土交通省といたしましては、一月の十九日に福井県には今村政務官を、そして新潟県には吉田政務官、そして山形県には岩井政務官を調査に出させていただきました。また、二月の十七日には岩井政務官に青森に行っていただいたというようなことで、実情の把握に努めてまいりました。
 その実情を把握しましたけれども、本当に、今申しましたように山形県でも平均の累計が二倍近く降っているということで、福井県におきましても、少なくとも過去の十年間あるいは三十年間に五九豪雪という時代がございましたけれども、そのときでも百五十七・四センチが降ったということですけれども、ことしは一月の二十日の現段階でも百六十六・八センチという、もう既にそれを超えているわけでございます。
 この国道及び県道の除雪費というものの増大、また地方の皆さん方が県において大変財政難でもう困っていらっしゃるということでございますので、私たちはこの除雪費の補助をできないかということで調べまして、昨年が事業費で百六十六億円使っておりますけれども、ことしも何とか、雪寒法という法律がございまして、寒いところの雪をという法律で、この法律の特例措置法がございますので、これに何とか当てはまって適用できないかということも検討してまいりたいと思っています。今、先生がおっしゃいましたように、除雪費の補助を特例的に実施するということでの方向性で検討を進めてまいりたいと思っておりますので、地域の皆さん方、本当にお困りだと思いますけれども、ぜひこれに打ちかっていただきたいし、私たちもできる限りの対応をさせていただく。そのためにも調査を、念には念を入れて調査させていただいて、適用を可能にするように努力していきたいと思っています。
#22
○国務大臣(片山虎之助君) 委員御指摘のように、ことしは本当に雪が多いですね。それで、この地方団体の除雪、排雪の経費というのは今こういうルールになっているんですよ。
 まず、通常の、平年並みというのはおかしいんですけれども、平年度の除雪を見込んでの除雪や排雪の経費は普通交付税で算定しているんですよ。これが全国で千五百四十億ぐらいあるんですね。それで一般財源を充てていただく。ところが、それを超えて今回のような大きな雪が降る場合には、普通交付税だけでは対応できませんから、上に特別交付税を乗せると、その差額を、こういうことにしております。
 今、国土交通大臣のように特別の補助等をお考えになるようなお話ですから、それをまず充てていただいて、そのあとの一般財源は今の普通交付税や特別交付税で充てていただくと。
 いずれにせよ、地方団体の除雪や排雪に支障がないように我々の方も一生懸命対応いたします。
#23
○松村龍二君 どうも適切な対応、ありがとうございます。
 国土交通大臣に、ちょっと特定の問題といたしまして、敦賀と今庄の間のいつも不通になってしまう道路につきまして、抜本的な改善とか前向きに御検討いただきたいと、融雪対策等ですね。高速道路でも、関越自動車道は何もとまらないのに、北陸自動車道が毎回とまってしまうということでは、どこか欠陥があるんだろうというふうに思うわけですが、そこら辺の問題につきまして前向きに御検討を賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。
#24
○国務大臣(扇千景君) 今お話ございましたように、それぞれの地域でそれぞれな特徴がございます。今、先生がおっしゃいました福井県の敦賀―今庄間の国道八号及び北陸自動車道、本当に勾配が急でございまして、ふだんでも大変危険なところでございますけれども、特に今おっしゃいました国道八号から、北陸自動車道の敦賀インターチェンジ―今庄インターチェンジの間に並行いたします十七キロにわたります区間は本当に地形が、私も聞きましたら急なカーブが九カ所、地図も拝見させていただきました。急な勾配が続く箇所が二カ所ございますということで、本当に道路の構造について厳しい区間であるというのは私も認識をしております。
 そこで、安全を図るためには除雪に特に力を入れなければいけないということで、二カ所の雪崩防止さく、これをつくっておりますし、また総延長三・八キロメートルの間は消雪施設、いわゆる雪を解かす消雪施設の整備を実施しております。
 そういうことで、私は、今後、さらには峠部の手前におきましてチェーンの着装場、チェーンをつける場所を新たに拡充し、そして路側放送、いわゆる道路がどういう状況かという放送も情報板による適時な適切な道路の情報の提供を行うなど、あらゆる安全対策を施していきたいと。そうしなければ、皆さん方に、北陸自動車道につきましては特にみんなスピードを出すものでございますから、そこへ基準に決められた普通の勾配、いわゆる決められたとおりの勾配等々が確保されておりますけれども、なおかつ敦賀インターチェンジから今庄のインターまで、今、先生がおっしゃいましたように、特に標高が二百メートルという、大変ふだんのときと違った位置にあるということから考えましても、二百メートルから二百五十メートルと高いものですから勾配が急になっておりますので、ぜひこの連続区間におきましてはすべてのトンネルの入り口付近にロードヒーティングをこれも設置させていただいております。
 そういう意味で、今後、さらに冬場の交通の安全を図るためにいろんな手だてを施行してまいりたいと思っていますし、現在もその手だてをかなり充実させていただいていますので、ぜひ今後も除雪の機械等々を運用しながら、なおかつ路側放送等と今申しましたことを適時適切に対応しながら道路の安全と皆さん方の走行の安全を図っていきたいと思っております。
#25
○松村龍二君 先ほど申しましたように、市町村を回りましたら、市町村合併のことが大変な話題でありまして、反応は二つあります。自分の方へ周りの町村が合併してくるなと思う町は賛成でありまして、自分の方はどうも吸収されるなというところの町村は反対ということでございます。
 大変、町村、市町村合併が騒がれている割に、昨年一件か二件しか合併していないわけで、この町村合併について市町村にお任せと、こういうことなんですけれども、確かに人件費その他合理化していくためには必要だという気もしますけれども、またしっかりした理念がないとなかなか市町村も合併できないというふうに思いますが、地方財政の強化の問題と市町村合併についての総務大臣の御所見を伺います。
#26
○国務大臣(片山虎之助君) 市町村合併の問題ですけれども、何度も同じような答弁を今までもさせていただきましたが、昨年の四月から地方分権一括推進法が施行になりまして、私は、これはこれで大きな地方分権の一区切りではないか、こういうように思っておりますが、さらなる地方分権の推進のためには基礎的な自治体である市町村の充実強化は避けて通れない、市町村の規模、能力を強化していくことが地方分権のさらなる推進になると、こういう考え方でありまして、一方、与党等でも、野党も含めまして国会でも大変な議論がある、民間経済界等でも強い要望があると、こういうことで市町村合併をそれじゃ推進しようと、こういうことになったわけであります。
 補助金の方で言いますと、平成十年度に合併の準備補助金、この協議会なんかをつくる場合に補助金を出す。それから、合併したらいろんな施設整備等に補助金を出すと。こういう予算を計上いたしまして、十三年度はさらに、都道府県で大いに応援してもらう、体制を整備してもらって応援してもらうということの補助金を府県の方につけるようなことも考え、予算に計上させていただいております。
 さらに、住民発議ですね。合併協議会を置くための住民発議を拡充していく、やりやすくする。さらに、場合によっては、なかなか市町村の議会が合併協議会をつくらないときは、住民投票で合併協議会をつくれるようにするという法律改正をこの国会に提案させていただく予定でいるんですよ。
 それと同時に、都道府県にそれぞれの府県内の合併のパターン、一つのたたき台、こういう合併が考えられるという合併のパターンを全都道府県につくってもらうようにしておりまして、恐らく三月中か四月中には全部そろうと思いますね。
 そういうことで、私は認識としてはかなり高まってきたと思います。ただ、昭和の大合併から大分時間がたっておりますし、それから今の体制を変えることにやっぱり首長さんや議員さんはもう一つ消極的なところがあると思うんですよ。
 私は、それはよくわかりますが、二十一世紀の地方自治、地方分権、それから当該地域社会の将来像を考えたときに、しっかりとみんなで議論していただいて合併を進めていただきたい、そのために我々もいろんな応援をしようと、こういうふうに思っております。もう応援の中身は言いません、長くなりますから。
 それから、地方税財源の拡充は、これはどうしてもこれまた避けて通れない大きな課題でございまして、今、地方団体が一番要望しているんですよ。なるほど機関委任事務はなくなった、国の関与は減った、事務や権限はもらったと。しかし、お金がついてこないではないかと。言われるとおりなんですね。言われるとおりなんですが、これも何度もお答えしておりますように、今大変景気が悪くて、国の財政も地方の財政もかなり困っているときですよね。こういう不安定な時期にきっちりした税財源の議論というのはなかなかできないんですよ。私も適当でないと思います。
 だから、景気が落ちつき、財政の見通しももう少し明るくなった時点で、国と地方の権限、事務に見合った税財源の再配分をしっかりと議論して移譲の実現に努めたい、成果を得たいと、こういうふうに思っている次第であります。
#27
○松村龍二君 今、景気がよくなったらと、こういうことで、私も余り経済のことは詳しくないんですが、ぜひ景気を回復したいと、こういうふうに思うわけです。
 ところで、財政のマイナスの規模が大変大きいわけでありまして、将来どこかの時点で国民に負担を求めないといかぬという時点があるかと思うんですけれども、私も選挙を前にしてこんなことを言うのはちょっと大変勇気が要るわけなんですが、いずれにしても物の理屈を考えれば負担をどこかにお願いせぬといかぬと、こういうことになります。そのときに、今回の外務省の機密費横領事件は大変な国民に対して説得のマイナス材料をつくっていると思います。
 競走馬を、アケミボタン、サウンドオブパワー、サウンドオブタンゴ、アケミダリア、サウンドオブワルツ、サウンドオブキング、サウンドオブダンス、サウンドオブサンバ、サウンドオブルンバ、アケミタンポポ、サウンドオブマンボ、こんなような馬を購入しておられるわけでありまして、唖然と言うしかないわけですけれども、国家公安委員会、これだけの犯罪をどのように捜査しているのか、昨日もお話あったようですけれども、お聞かせいただきたいと思います。
#28
○政府参考人(五十嵐忠行君) 警視庁では、去る一月二十五日、約五千四百万円の業務上横領の事実で外務省からの告発を受理し、これを極めて重要なことと受けとめ、証拠に基づいた事案の解明を可能な限り速やかに行うため、鋭意捜査を推進しているところでありますが、事案の解明には御案内のように一つ一つの証拠の積み重ねが必要でありまして、このため関係者からの事情聴取や関係資料の収集等を行っているところでございます。
 現在捜査中の事案について捜査の具体的状況を申し上げることは今後の捜査に支障を生じるおそれがありますので、答弁を差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても警察は刑事事件として取り上げるべきものがあれば法と証拠に基づき厳正に対処する所存でございます。
#29
○松村龍二君 もう少し詳しくお聞きしたいんですが、時間もありませんので。
 法務大臣も法秩序の責任者といたしまして大いに関心をお持ちかと思いますが、捜査に対する御決意を伺いたいと思います。
#30
○国務大臣(高村正彦君) 今、警視庁において、告発を受けて警視庁で捜査をしている事件と承知しておりますので、事件の内容についてはお答えを差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば、警察当局から送致を受ければ、検察において警察と密接な連携のもとで所要の捜査を遂げて、適切な処置をすると、こういうふうに思っております。
#31
○松村龍二君 本年の予算をじっと眺めておりましたら、私は与党ですから、予算を組み替えろというようなことを言っているわけではありませんが、将来ぜひ検討していただきたいというようなことで申し上げるわけですけれども、防衛費が四・九兆円、五兆円なんですね。ほかの公共事業費は全部合わせて九・四兆、文教費が六・六兆。あとは申しませんが、中小企業費は全部合わせて千九百五十億円というふうなことに比べますと、防衛費が何ともこれは大きな数字だなと、何で平時にこんな五兆円も使わぬといかぬのかなと。
 諸外国に比較しても大変に大きな数字だと思うんですが、防衛庁長官、そのように思われませんか。
#32
○国務大臣(斉藤斗志二君) お答え申し上げます。
 防衛庁としては、現下の厳しい財政状況のもと、経費の効率化、合理化に努めながら、他方、国際情勢等を踏まえまして、さらに防衛大綱及び昨年末に決定されました新中期防に基づきまして引き続き節度ある防衛力を計画的に継続的に整備することといたしております。
 御指摘のように、平成十三年度の政府予算案につきましても、私ども、あらゆる経費の合理化、効率化を図りつつ、ぎりぎりの最小限の経費を計上した結果、対前年度比若干の増と、十分抑制的なものになっているというふうに考えております。
 特に申し上げたいのは、大量退職者時代に入りました関係もございまして、一つは退職見込み者数の増加、これは大幅でございます、に伴う人件費の増加がございましたし、さらに御案内のように国際的な燃料価格の高騰といった増加要因がある中で、私ども精いっぱいの努力を重ねてきたところでもございます。
 委員、外国通でもございますし、また防衛庁にもかつて御勤務された経緯もございます中で、よく事情を御案内かと思いますが、先進国比較の中で、米国、イギリス、ドイツ、フランス、そしてさらに日本を加えた五カ国の中では、一人当たり国防費というのは日本が一番少のうございますので、どうぞ御理解を賜りたいというふうに思います。
#33
○松村龍二君 このたび、BMD、どこかの国から日本へ目がけてミサイルが飛んできたときに途中でそれを撃ち落とすというBMD、TMDともいうわけですが、これの予算はどのようになっているんでしょうか。
#34
○国務大臣(斉藤斗志二君) お答えを申し上げます。
 ただいまBMDの御質問を賜りました。これは、近年、弾道ミサイル等の移転、拡散が進展する状況下にございますので、それに対しまして、私ども、そのような攻撃に対して我が国の国民の生命、財産を守る純粋かつ防御的な手段であること、また他に代替手段のない唯一の手段であるというようなことを踏まえまして、重要な課題であるということで研究を重ねているところでございます。
 御指摘の金額でございますが、平成十二年度には約二十・五億円の予算を計上させていただき、また平成十三年度におきましては三十七・一億円を計上させていただいております。
#35
○松村龍二君 時間もありませんので御指摘しておきたいんですけれども、このBMDは、採用する段になって、イージス艦でワンセットつくると二兆円というような金額なんですね。
 それから、過去、シーレーンのときに、P3C、これを今百機持っているんですね。恐らくアメリカの潜水艦同様、ソ連の潜水艦も遊んでいるんじゃないかなと思いますけれども、P3Cが百機あって、これが一機百二十億円ですから一兆二千億ですね。
 それから、日本の防衛というのは、空の防衛はアメリカ、イスラエルに次いで世界で三番目に強いと、こういうことを言われるわけですが、これは、日本を守りたい、東京を守りたいのか皇居を守りたいのか、国会を守りたいのか銀座を守りたいのか、あるいは横須賀の空母を守りたいのか沖縄を守りたいのか三沢の基地を守りたいのか。
 日本の自衛隊が、やはり潜水艦の事件があったからこうナショナリズムをあおって言うわけじゃありませんけれども、やはり日本の防衛についてお金を使うということを余り逸脱して、日米安保の維持という点では必要かと思いますけれども、アメリカの基地を守るためにだけ自衛隊が存在するというようなことはないようにひとつしていただきたい、こういうふうに思います。
 後年度経費その他もありまして、来年からというわけにいかぬと思いますが、よろしく、参考になればお聞きいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事須藤良太郎君着席〕
 最後に、財務大臣にお伺いするわけですが、我々、普通の生活、個人の生活を見ておりましても、立派な家に住んで中に立派な家具を備えて着ているものはブランドのものである、それから外国旅行ばっかり行っている、つき合いも派手だと。それが、その人はお金持ちならいいんですが、サラ金から実は大変な借金をして、毎年、毎月借金しながらやっておるということでは個人の生活が成り立たないと同じように、やはり国家においてもすべて豪華にというわけにはいかないと思うんですけれども、その辺について、財政の運営の責任者といたしましてどのようにお考えか。
#36
○国務大臣(宮澤喜一君) 財政のどの部分ですか。
#37
○松村龍二君 財政の責任者は今後とも日本の財政のプラス・マイナス、バランスをとらぬといかぬと思うのですけれども、そのような意味におきまして、私は今個人の生活の例を挙げたわけですけれども、国家におきましても、防衛も一流、何も一流、すべて一流というわけにはいかないと思うんですが、私の考えはどのように御判断されますか。
#38
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど日本の防衛費について御質問がありまして、よくいろいろ御存じでいらっしゃるので違うことを申し上げるのもいかがかとは存じながら、私は長いこと日本の防衛、日本の財政を見てまいりまして、日本の防衛費は決して私は大き過ぎないと実は考えておりますことを、これ外部者のことではございますけれども、一言つけ加えさせていただきます。
 それから、我が国の財政は、今おっしゃいますように非常なやや破局に近い状況でございますが、もう根本的な財政再建をしなければなりませんし、その財政再建は、たびたび申し上げておりますように、これから二十一世紀の十年なり二十年を展望いたしまして、国の財政ばかりでなく、税制、中央、地方の関連、あるいは殊に社会保障でございますが、これらをどのようにバランスのとれた姿にするかということのために、経済財政諮問会議で既にマクロモデルをつくることを決定いたしました。
 半年ぐらいでできるのかと思いますが、その上でシミュレーションをいたしまして、今度こそは言葉のつじつま合わせでなく、これならば十年なり二十年健全な経済社会が営めるという案をつくらなければならない。そのためには恐らく非常に、給付と負担という、一言で申せばそういうことについて、何となくこうふわふわしておりましたことから厳しい選択を迫らざるを得ないところになるだろうと思います。それは私はやむを得ないし、それでこそ二十一世紀の日本というものが国内も国際的にもちゃんとやっていけるんだというふうに考えておりまして、国民生活そのものは、今お話がございました、これはいろいろな見方があると思いますが、経済の面だけから見れば、日本人の生活は貯蓄率はやはりごらんのように非常に高いわけでございますので、それ自身が生活の乱費に流れておるといったようには言わなくていいのではないだろうか。むしろ、あるとすれば、そういう経済面ではなくて、そういう一種の風潮みたいなものについていろいろなことを考えなければならないのではないかというふうに私としては思っております。
#39
○松村龍二君 それでは、時間が参りましたので、関連質問を亀井郁夫先生にお願いします。
#40
○理事(須藤良太郎君) 関連質疑を許します。亀井郁夫君。
#41
○亀井郁夫君 亀井でございます。
 それでは、関連質問をさせていただきたいと思います。
 参議院の選挙もいよいよ七月ということでございまして、各党とも公認候補を次々と決定いたしました。激しい選挙戦が静かにといいますか、各地でいろいろと展開されているのが昨今の状況ではないかと思います。
 私が申すまでもなく、選挙戦におけるマスコミの役割というものは大変大きいものがあるわけでありまして、マスコミの公平性、公正性というものがいつも問題になるわけでもございます。そういう意味では、良識あるマスコミが選挙戦についてこうした公平性、中立性をいかに維持するかということでいろいろと心を砕いているのが実態でございます。
 そうした中で、私は非常に問題になる新聞を手に入れたわけでございまして、お手元に配っておりますけれども、二月二十四日の朝日新聞でございます。これは、ここに書いてありますように「電子署名・認証ってなに?」という題目でございまして、四月一日から実施されます電子署名・認証制度についての広告でございますけれども、この広告の全面に大きく写し出されている方が、これは実は今度の参議院選挙に東京都の方から民主党の公認候補として立候補される方でございます。この方は慶応義塾大学の環境情報学部の助教授だそうでございますけれども、一月二十日に既に民主党の公認候補として発表されておる方でございます。
 この方が真ん中に座っておられまして、キーの上に座っておられますから、いかにもこの人がキーパーソンだというような形でございまして、この方が電子署名・認証についてすべて中心になってやっているんだというような感じがこの新聞では受けとめられるわけでございますけれども、そういう意味で、この新聞についていろいろと御質問してみたいと思うわけでもございます。
 参考まででございますけれども、この鈴木寛さんという方は昭和六十一年に通産省に入省されました。れっきとしたキャリアでございまして、そうして平成十年五月二十二日には、今から三年足らず前ですが、機械情報産業局の電子政策課長補佐になられました。その後、休職されまして、十一年六月からは慶応義塾大学の環境情報学部の助教授をしておられるということでございますが、去る一月十五日に通商産業省を退職されたわけでありますから、今は国家公務員ではありませんが、やめられてすぐ五日たった一月二十日にはいち早く民主党の公認候補になられたという方でございます。
 そういう意味では、新聞広告に出られたのが二月二十四日でございますから、一カ月前ぐらいに経済産業省をやめられまして、そうしてまたすぐに民主党の公認候補になられたと。この方が、全身大のこうした写真が一般紙である朝日新聞に出るということになりますと、ただではちょっと理解できないということですね。大変なことではないかと思うわけでもございます。
 そういう意味では、これがすぐに公職選挙法に違反するかどうかという問題に絡みますけれども、まずこの広告になぜ鈴木さんが、タレントでもない鈴木さんがここに出られたのかということもよくわからないわけでありますし、そうしてまた鈴木さんをそういう意味でなぜ選ばなきゃいけなかったか、もとの通産省ですね、役人であった鈴木さんをなぜ選ばなきゃいけなかったか、これはちょっと調査しておりませんのでまだわかりませんから、ぜひこれは調査して教えていただきたいと思うんです。
 また、鈴木さんがこの内容と意義について解説されたということになっておりますけれども、しかし専門家に聞きますと、この解説は鈴木さんでなくてもいいんじゃないかということを言われる方もおられるわけでございまして、そういう意味では、なぜ鈴木さんにこういうことを聞く必要があったのかということについても、これから公職選挙法違反の問題について検討するについては調べなきゃいけないと思うんですけれども、こういう点についてもぜひ調べて教えていただきたいと思うわけでもございます。
 そうした立派な方なのかもしれませんけれども、どうも民主党の公認候補がこういう形で出られることについては、私はいかがなものかと思うわけでもございます。同時にまた(発言する者あり)こうした名前も出ておりますから、そういうことで、名前もちゃんと出ておりますから大丈夫です。そういうことで、これが売名目的であって、いわゆる事前運動の禁止、百二十九条に該当するかどうかということについては、そうしたいろいろな問題を調べていかなきゃならないと私は思いますけれども、そういった状況の中で、これについて、これが事前運動禁止に該当するかどうか、お聞きしたいと思います。
#42
○国務大臣(片山虎之助君) 公職選挙法には、選挙運動は選挙の告示から投票日の前の日までと書いてある。それは、特定の選挙で特定の候補者を当選させるために入れてくれ、投票してくれという直接間接の働きかけが選挙運動で、その期日の前に、告示の前にやるのは事前運動と、こういうわけでございますけれども、私も、その広告、今初めて見ましたけれども、これがどういうふうになるかということは、一つは投票依頼の文言等がその中にあるのかどうか、あるいは売名目的の有無、そういうことも総合的に勘案して決めざるを得ないと思いますけれども、私どもの方は実質的な審査権はないんですよね、うちは、総務省なり選挙管理委員会は。具体的には捜査当局なり、最終的には裁判所と、こういうことになるわけであります。
#43
○亀井郁夫君 選挙違反につきましては、今、大臣おっしゃったように、司直の手で具体的に調べていかなければわからないわけでございますけれども、このような選挙違反の疑いの濃い広告を出したところがどこかと調べてみて驚いたわけでありますけれども、これが政府の外郭団体である日本情報処理開発協会でございまして、平成十二年度予算でこの日本情報処理開発協会に金を渡し、そしてここが宣伝のために、PRのためにこの新聞広告を出したということのようでございますけれども、この広告費用等についてはこれからまたお尋ねしたいと思いますけれども、どの程度の広告費用をお支払いになったんでしょうか。
#44
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。
 私ども、委員御指摘の財団法人日本情報処理開発協会といわゆる電子署名法の広報普及のための委託契約を結んでいるところでございます。そのために、具体的には国民や企業等を対象とした研修やセミナー等による普及啓発あるいは海外の事情の調査等を行ってもらっております。
 契約金額は九千六百二十四万三千円でございますが、そのうち新聞広報等については約二千八百万を用意しているところでございます。
#45
○亀井郁夫君 九千万余りの金が渡り、そしてまた二千万を超える金が広告料ということで使われるということでございますけれども、この写真が載っている鈴木さんにはどの程度金が払われたのか。これはちょっとわからないんじゃないかと思いますので、これはもし何でしたらこの次まで調べておいていただきたいと。わかりますか。じゃ。
#46
○政府参考人(太田信一郎君) 日本情報処理開発協会が新聞広報するということで、朝日と日経に広告代理店を通じて交渉いたしました。
 日経の場合は純粋広告ということで、日本情報処理開発協会と日経広告がともに一緒になって作成した広告が出ております。朝日の場合は、それプラス、朝日の方でインタビューをした上で記事体広告を出したいということがございまして、財団の方もそれを了解いたしました。ということで、インタビューをされた者がどういう形で報酬を受けているかというのは私ども承知していないところでございます。
#47
○亀井郁夫君 さっきのがわからないということでございますので、調べてまたお知らせ願いたいと思います。
 このように外郭団体に多額の金が出て、その使われた先が政党の公認候補者の宣伝のために使われたということになりますと大変なことでございまして、今、公益法人の見直しが閣議でも決定され、国民の目というのが注がれている中でこうした使い方がされるということは非常に大きな問題だろうと私は思うわけでありますし、慎重にそういう意味では考えていただきたいと思うわけでもございます。
 特に、この事件が公職選挙法に違反するかどうかについては手元の資料だけじゃわかりませんし、片山大臣言われたとおりでございますけれども、そういう意味では、この広告が配布された地域が日本全体なのか、例えば東京都だけなのか。一説には東京都だけだと、鈴木さんが関係ある、鈴木候補に関係ある東京だけだという話もございますけれども、その辺もわかれば教えていただきたいし、わからなければ調べていただきたいと思いますので、この次に。わかりますか。
#48
○政府参考人(太田信一郎君) 朝日の今の記事体、申し上げました記事体広告については、二月二十四日に東京版にその記事体広告が出されております。三日後の二十七日に、統合版ということで東北地方に配布される、頒布される朝日新聞にも出されていると承知しております。
#49
○亀井郁夫君 そうしますと、全国じゃなくて特定した地域しか配られていないようでございますし、東京を中心にしか配られていないということでございますし、そういう意味では非常に問題であろうと思います。
 それから、いろいろよくわかるようですからお尋ねしたいと思いますけれども、この鈴木さんを広告に使おうという形で考え出したのはだれなのか、わかれば教えてください。わからなければまた教えてください。
#50
○政府参考人(太田信一郎君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、全国紙、日経と朝日に広報をしようということは、その団体と、私ども経済産業省、それからこの法律は総務省、法務省と三省で共同で所管しておりますので、相談しまして決定いたしました。
 その後、朝日について、朝日の方から全十五段のうち下段五段については純粋広告、上の方の十段につきましてはインタビューを載せたいということで財団法人の方に相談がありまして、そういう意味でその人物を選定して編集をしたのは朝日側でございます。
#51
○亀井郁夫君 どうも鈴木さんをなぜ選んだかということについては非常によくわからないわけでございまして、ある種の意図があったんではないかと私は思いますけれども、これについてもよく調べていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 現在、先ほど申し上げましたように、外務省の機密費等をめぐって非常に問題になっている中で、経済産業省のキャリアの役人がこうした形で問題になるということは、私はまことに恥ずかしいことだと思うし、問題だと私は思うわけでもございます。
 こうしたことが選挙応援として問われることかどうかについては、まだまだ続けて調査しないときょうの段階では断定できないのが残念でございますけれども、こうした少なくとも公職選挙法違反の疑いがあるんではないかと思われるようなことをしたと、そうなったということに対してどのようにお考えか、大臣にお尋ねしたいと思います。(発言する者あり)
#52
○理事(須藤良太郎君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#53
○理事(須藤良太郎君) 速記を起こしてください。
 質疑者の発言の問題については、後刻理事会で協議いたします。
#54
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘の広告につきましては、特定の者の政治活動を支援するものではないかとの疑念を招く結果となったことにつきましては、私といたしましても大変困惑をいたしております。また、当省においても財団においても、広告に起用する人選について入念なチェックを行わなかった点につきまして、極めて遺憾であると考えております。
 当省といたしましては、本件の事実関係について入念に調査を行った上で、昨日、文書にて当該財団法人に対して厳重な指導を行ったところであります。その内容は、第一に、事業の実施・管理責任体制を総点検し、その結果を早急に報告すること。第二に、この結果を踏まえ、事業の重要性に応じてその実施・管理責任体制を明確に定めること。また、当省内の処分として、昨日、私より担当局長に対して厳重注意を行いました。さらに、同日、当該広告に起用された人物に対し、今回の事態を深く憂慮していること、特定の政党の公認を受けた者として自制すべきであったことなどを指摘し、強く抗議をいたしたところでございます。
 一方、当該財団からは、昨日、当省の指導を受けて直ちに業務改善委員会を設置し、二週間以内に総点検の結果を取りまとめ、事業の実施・管理責任体制を明確にするとの報告を受けたところでございます。また、当該財団法人は、会長及び専務理事の処分を行ったこと、加えて広告記事掲載に関して、当該新聞社、広告代理店及び当該広告に起用された人物に対し、文書による抗議を行ったと承知しております。
 当省としては、当該財団法人の改革、改善を指導監督するとともに、今後、今回のようなことが二度と起きないように十分注意してまいりたいと、このように存じております。
#55
○亀井郁夫君 この件につきましては、まだ十分な資料もそろっていない点がございますので、先ほど申し上げましたように、幾つかの点、お願いいたしました点も調査していただきまして、次回、またいろいろと詳しく、事前運動に該当するかどうかという問題についても質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、教育の問題についてお尋ねしたいと思います。
 昨今の若い子供たちの凶悪事件、本当に目に余るものがあるわけでございますけれども、これは子供たちが身をもって私たち大人に対して戦後の教育がこれでよかったのかということを問いかけているんだというふうに受けとめなければならないと私は思うわけでもございます。そういう意味では、戦後の教育の中で一番大きな問題は、日本人としての心、魂を失ってきたのではないかということであり、このことについて大いに反省しなきゃならない。
 もちろん、子供たちの教育につきましては、社会教育あるいは家庭教育、学校教育の三つでございますけれども、特に学校教育につきましては、戦後五十五年間、日教組の果たした役割が非常に大きいわけでございまして、その影響力の中で、今、日本の現在が、教育の現在があるわけであります。そういう意味では、文部省と日教組の関係でございますけれども、いろいろと緊密な連携をとりながらやっておられるのだと思いますけれども、いろいろな諸制度の変更等につきましては、日教組に対してどのような形で説明し、話しておられるのか、お教え願いたいと思います。
#56
○国務大臣(町村信孝君) 今、教育制度の改革等々を鋭意進めているところでございますが、こうした施策の推進に当たりまして、特定の教職員団体等の了解を事前に得るというようなことはやっておりません。
 ただ、教育行政を進めるに当たりまして、広く教育関係者の意見を聞き、また御要望にも耳を傾けるという姿勢は、これはこれとして大切なことだろうと、こう思っておりますので、従来から、諸団体から必要に応じて御要望を伺ったりお話を聞いたり、またこちらから説明をしたりということはやっております。
#57
○亀井郁夫君 地域によりましては、組合と教育委員会が、教育長が確認書等を結んでいるケースがあり、それが大きな害になっておるわけでありますが、広島県のを例にとりましても、昭和六十年に教職員組合、解放同盟、そして県知事、県議会議長、教育長の間で確認書が結ばれたわけでございまして、それが大きな災いのもとになったわけでございまして、学力は最低、非行は最高という状況になってしまい、そして三年前の文部省の指導によってようやく今戻りつつあるわけでございます。
 北海道におきましても、大臣の地元でございますけれども、昭和四十六年に教職員組合と教育長の間で結ばれた協定書、いわゆる四六協定があり、これがあるために人事を初めとして学校の運営がうまくいかないというのが実態でございまして、このことにつきましては昨年の十一月の文教・科学委員会で指摘いたしまして、大臣から破棄するんだという話がございましたが、これはその後どうなっているのか、これについてお尋ねしたいと思います。
#58
○国務大臣(町村信孝君) 四六協定の問題点、既に亀井委員から御指摘をいただいているとおりでありまして、管理運営事項を交渉の対象とする、これは明らかに法令に違反をいたします。さらには、学校の管理運営における校長の権限というものを著しく制約する事柄が多く含まれております。
 こうしたことから、昨年の十一月の参議院文教・科学委員会での御指摘を踏まえまして、四六協定を早急に破棄するように北海道教育委員会を指導してまいったところであります。これを受けまして、先月の二十六日、北海道教育委員会は四六協定の一部削除を北海道教職員組合に提示をしたということでございまして、文部科学省といたしましては、今後とも引き続き四六協定の破棄に向けて北海道教育委員会に対する指導を徹底してまいりたいと考えております。
#59
○亀井郁夫君 組合活動に絡んでの問題でございますけれども、組合活動をやる場合は、普通、建前は年次有給休暇を使ってやるわけでございますが、広島の場合には、届けを出して帰ってきたら破って捨てるということで、破り年休でございましたが、北海道ではこれが鉛筆年休といいまして、鉛筆で書いていって帰ってきたら消すということで、事実上、有給で組合活動をやっておるわけでございます。広島の場合にはこの制度をやめまして、同時にまた先生方に給与の返還請求をしておりますけれども、北海道についてももう三十年近くこういう状況でございますので大変な金額になると思いますけれども、北海道についても給与の返還請求をすべきだと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
#60
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘の広島県における破り年休あるいは北海道における鉛筆年休というおよそ法治国家にあり得べからざる違法行為がまかり通っているわけでございます。これは地方公務員法の規定に完全に違反をするわけでありまして、こうした違法な勤務管理は早急に改める必要があるということで、昨年十二月に北海道教育委員会に対しまして勤務時間中の組合活動を含めて勤務管理の実態について詳細な調査を行うように求めまして、三月三十一日までに回答を得るということにしてございます。
 ノーワーク・ノーペイという原則からすれば、職務に従事していない時間について給与を支払うべきでないというのは当たり前のことでございまして、詳細な調査の結果、不適切な事実があれば当然給与返還等を含めて厳正に対処するように指導してまいりたいと考えております。
#61
○亀井郁夫君 次に、校外研修の乱用についてお尋ねしたいと思うわけであります。
 北海道では、夏休みだとか冬休み、休暇のとき、校外研修という形で先生方は全部家におるそうでございまして、それだけならいいんですけれども、家で校外研修していますから、学校で研修会をしようと思って出てくる必要はない、行く必要はないということでございます。二学期が始まりますと、夏休みをとっていないからという理由で今度は交代で夏休みをとるという想像もつかないようなことが行われておるわけでございますし、また教師が遠隔地の実家へ帰るときも、これも校外研修ということでちゃんと研修扱いで実家に帰るということでございますし、また勤務の日におきましても、きょうはちょっと校外研修ですからといって家に帰って在宅で研修すれば、これも校外研修ということでございます。
 そういう意味では、校外研修が非常に乱れておるわけでございますけれども、こういうことも即刻是正する必要があるということで、昨年十一月、このことについて指摘したわけでございますけれども、その後どのようになっておるでしょうか。
#62
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のその四六協定におきまして、夏、冬の休業日等を原則として職専免研修扱いというんでしょうかね、要するに職務に専念するあれは外して研修扱いとするということで、これも校長の承認権限を大幅に制約しているというようなこと、これは研修が法令の趣旨にのっとり適正に運用されていない、そして学校運営等に支障が生じているおそれがあるわけでございます。さらに、帰省のような私的、極めて私的な用事について、これはもう年次有給休暇で処理するのが当たり前でございますが、給与条例上有給の取り扱いとされている職専免研修とすることについては極めて問題であります。
 そうした実態について、今、北海道教育委員会に対して同じく詳細な調査を求めているところでありまして、実態が明らかになった段階で適正に対処するように、先ほどの問題と同様厳しく指導してまいりたいと考えております。
#63
○亀井郁夫君 時間がございませんので二点しか指摘できませんでしたが、ぜひお願いしたいのは、広島も大変厳しい状況でございましたが、大臣の地元の北海道も広島以上に厳しい状況にございます。これは四十六年から三十年間にわたって革新道政のもとでゆがめられたものだと私は思うわけであります。そういう意味では厳しく指導していただくように心からお願い申し上げまして、質問を終わります。
#64
○理事(須藤良太郎君) 以上で松村龍二君及びその関連質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時三十五分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
#65
○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十三年度総予算三案、これを一括して議題とし、質疑を行います。江田五月君。
#66
○江田五月君 二十一世紀になりました。新しい世紀最初の国会でございます。予算の審議は参議院に入りますと、もう三十日で自然成立ということではございますが、森総理大臣も一日一日一生懸命予算審議のために尽くすと言っておられることですから、ひとつよろしくこの審議に対応していただきたいと思います。
 二十一世紀は人権の世紀などと言われたり、あるいはNPOの世紀などということも言えるかと思います。私は、ことしになって一月に参議院の方の憲法調査でアメリカへ行ってまいりました。新しい時代の新しい国や社会のあり方を見ようということで、NPOの皆さんのところへも行ってまいりましたら、彼らがこんなことを言うんですね。
 NPOなんというのはアメリカができる前から、アメリカ政府というのができる前からあるんだと。教会にしたって、病院にしたって、学校にしたってというようなことで、後から行政も出てきたし、後から株式会社も出てきたし、だからNPOというのは、もう当然それは自由な活動が保障されているんだというようなことですが、今我が国でもこれまでの、一つは営利法人がいろんな社会活動をやる、もう一つは行政がさまざまな国民のニーズを満たしていく、仕事、サービスを提供していく。それだけでなくて、行政でも営利主体でもない法人といいますか、活動をする団体がさまざまな社会サービスをきめ細かく地域に密着して提供をしていく、それに人々が皆自分の生きがいを感じて社会が活発になっていくということが非常に必要な大切な時代になっていると思います。
 そんなわけで、九八年にNPO法が施行になって二年で二十一世紀に入って、やっと法人格を認めるもう一つの車の両輪である税制についての制度をつくる、そういう税制改正が租税特別措置法の改正として提案をされておりますが、このNPO税制について、経済財政担当大臣、恐らく麻生大臣の方からの要請でこういう制度が財務大臣の御努力で取り入れられたのかと思いますが、まず麻生大臣のそのあたりについての基本的な哲学をお伺いしたいと思います。
#67
○国務大臣(麻生太郎君) NPOという団体の活動を積極的に評価するようになったというのが、端的に申し上げたらそういうことになります。
 直接的には、多分阪神・淡路大震災、その後に続きました福井のナホトカ号の油の流出事件に伴う福井ボランティアセンター、この二つの事件というか、この二つの出来事がNPOというものに関する関心を日本人に広めたんだと思いますが、ノンプロフィット・オーガナイゼーション、略してNPOという言葉になっておりますが、日本では今、特定非営利活動法人という難しい名前になっておりますけれども、背景といたしましては、そういうことが今お説にありましたように、お互いに向こう三軒両隣助け合ってみたいなものもあったでしょうし、顔見知りじゃなくてもその種のことをしてくるという土壌は日本にも昔からあったんだと思いますけれども、直接的には阪神・淡路が特に評価を受け、海外からの評価もあれは極めて高かった。
 神戸には御存じのように外国人も多く在住しておりますので、それに対する救助活動等々、ほとんどあれはNPOに基づくものというのが言われるぐらい多かったものですから、それを後続けて受けました福井ボランティアセンターも、同じようにあれの経験を経てもっと組織的にはうまくいった、そういったものが全部重なり合いましてNPOというものの評価が出てきて、法人格を与え、少なくともそれに対していろいろな税制的な優遇を与えるべしという意見が出てくるようになり、ことし一月閣議決定され、このたび法案の提出というような形になりつつあるというのが背景であります。
#68
○江田五月君 これは今、ノンプロフィット・オーガナイゼーションと言われている、利潤を上げない法人と。最近はそうじゃなくて、もう一つ進んで、ノット・フォー・プロフィット・オーガナイゼーション、利潤を上げることを目的とするんじゃない、だけれども、やっぱり利潤を上げて自分で自立していくということはそれは当然結構なことだという、そういう言い方もあるようですが、NPO税制というものの基本的な構えといいますか、これはNPO活動を支援するあるいは促進をする、そういう税制だ、こういうふうにお考えいただいているでしょうか。
#69
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にはおっしゃるとおりです。
#70
○江田五月君 そうしますと、この制度設計のもとで、これは聞いてもいいんですが、もう時間省略で、全国で今大体三千五百団体ぐらいNPO法人が認証されていると思いますが、そのうちのどの程度が今度のこの税制優遇措置を受けられるというふうに見込んでおられますか。
#71
○国務大臣(麻生太郎君) 今日、日本で申請されたものが四千二百十七、認証されておりますのは、三千二百二というのは今現状のいわゆる非営利法人として認められていると思います。済みません、三千四百九十八。内閣府で認めましたものが二百九十六ありますので、それを足しますと三千四百九十八、約三千五百あると思いますが、このうち何団体がその対象になるかというと、まだ申請をいただいておりませんものですから、どれぐらいの団体が申請されるかはわからぬ段階でどれぐらいになりますとはちょっと申し上げにくいところです。
#72
○江田五月君 それは申請されなければ実際には幾らになるかわからないのは当たり前で、どのくらいと見込むといいますか、あるいは大臣の方の願いといいますか目標といいますか、つまりいろんな要件が厳しくてとてもこれは認定される団体は数が少ないんではないかという見方が一方である。しかしもう一方で、政府の方はそうでもないんだ、結構捨てたものじゃないよという、そういう説明もあるので、そのあたりをお聞きしたい。
#73
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもとしては、基本的に認可をした以上、その認可された団体が積極的に活動していただいているというのが望ましいんであって、よほどNPOに隠れて何かしているとかいうことでもない限りは、私どもとしてはできるだけ多くの法人が積極的にこの制度を活用していただくということを期待しておるというのが私どもの立場です。したがって、数を絞ろうとかそういったようなことを無理にしているということはありません。
#74
○江田五月君 衆議院の方で、せんだってある程度の数字をお答えになっているようですが。
#75
○国務大臣(麻生太郎君) 私の記憶ではありませんけれども、ただいま役所に聞いたところでも、衆議院でその数字をお答えしたことはないと言っております。ちょっと確認をしてもよろしゅうございますけれども。
#76
○江田五月君 それではもう少し詳しく。
 パブリック・サポート・テストというのがございますが、これはどのくらいの法人がクリアできるというふうに見込まれていますか。
#77
○国務大臣(麻生太郎君) 約半分ぐらいというような、申請いただいたものの約半分ぐらいかなと今言われております、まだ最終的な審査は終わっておりませんので。
#78
○江田五月君 大分、衆議院のときとトーンダウンしてきたようですが、いろいろ調べてこれはやっぱり簡単じゃないなとわかってきたのかもしれませんけれども、衆議院のときには九月にこの調査をすると五割ぐらいはクリアできると言われたようですが、私どもはこれはそう簡単じゃないんじゃないかと。NPO法人の皆さんにいろいろ聞くと、パブリック・サポート・テストだけじゃありませんが、全体に今政府がお考えになっている要件をクリアできるのは一%ぐらいじゃないかというような、一%、一〇じゃありません、というような意見もある。やってみなきゃわからぬという点はあるんですけれども、もう一度お答えください。
#79
○国務大臣(麻生太郎君) 一%ということはちょっとないんじゃないかと思いますが、大体今半分で約五〇%とお答えしましたけれども、これは本当にやってみなきゃわからないところは一部ありますけれども、一%というほどひどくもないんじゃないかと思いますが。
#80
○江田五月君 そうしますと、要は一%と五〇%、こんなに開いているわけですよ。やってみて一が二とか三、それはあるかもしれませんよ。だけれども、四〇とか四五とかというような数字にならなかったら、やっぱり制度設計がちょっと違っていたなということになるんじゃありませんか。そこはどうでしょう。
#81
○国務大臣(麻生太郎君) 何度もお答えするようですけれども、やってみないと本当にこれは、何せこれはちょっと本当に内容をよく洗ってみないとわかりませんので、どの程度が、私幾つか知っているものがないわけじゃありませんけれども、一つは間違いなくというのがありますけれども、もう一つのはどうかなというのもあるから、私の知っているのはたった二つなんですけれども、だから五割ぐらいかなという、自分の実体験に基づいてちょっと申し上げているにすぎないところなんで、かなりちょっといいかげんなところがあろうかと思いますけれども、何となく私の感覚で申し上げておるところもありますのは御容赦いただきます。
#82
○江田五月君 総理大臣もいつまでやるかわからぬという、そういうときですから、麻生大臣ももうそろそろというようなことでいいかげんなことを答えられては困りますので。
 ぜひこれは財務大臣、今のようなことで、衆議院のときに、どうも思ったように使われないんでしたらこれは柔軟に考えなきゃという、柔軟にという言葉を使われておりますが、事態の推移を見ながらちゃんと見直しをしていくんだと、そういうお考えをあのとき表明されたと伺っていいですか。
#83
○国務大臣(宮澤喜一君) 私が行政をする諸君に言っておりますことは、今までNPOというのはとにかく政府というものとは関係なく、ある意味で政府の対極的みたいな気持ちで仕事してこられているわけです。ですから、それがこんなところで政府と折衝が起こるわけで、これは恐らく両方ともふなれなんだろうと思います。
 ただ、こういう動きがこれからの世の中の一つの大事な動きになってくるんですから、そしてそれに対して納税者のいわば負担においてというのは大げさですが、において免税をするということは、やっぱりそれなりに意味のあることなんですから、それを恩恵だと考えることはよくないし、それから極端なはしにも棒にもかからぬというようなものもそれはございますでしょう。それをどうしろというのではない、しかし予見を持たずに行政をやってみろと申しておりまして、今、麻生さんが言われたように、本当にちょっとどのぐらいになるのかよくわからぬというのはやってみないとわかりませんですが、何かでき上がってみたら極端に厳しい物差しを当てているんじゃないかなという気がしましたらそれは直させますし、なるべくそうでないような行政をしてみてもらうつもりでそうは言っております。
#84
○江田五月君 これはもっともっと聞きたいこといっぱいあるんですが、行政をやっている皆さんがやってみなきゃわからぬと言われるんじゃ、これはもう、ましてその適用を申請する方がどうなるかわからぬと言うのも当たり前でして、政省令で決めることが随分多いんですね。これでは受ける側は本当にわからない。
 第一、私はもう行政がとても手が回りかねる、行政ではうまくいかない、そういうところをぜひひとつ市民の自発的な努力でしっかり埋めていってくれという、国が全部税金を集めてそれをこちらから回す、それだけがお金の公的な回り方だというんじゃないやり方をいろいろ考えようということですから、積極的にいろんな知恵を働かせていただきたい。私どももいろいろ提案をしたい。現に衆議院では法案を出しました。ひとつよろしくお願いします。
 麻生大臣、いろいろ予定がおありのようで、どうぞお出かけください。
#85
○委員長(岡野裕君) お疲れでございました。どうぞ御退席いただいて結構です。
#86
○江田五月君 ちょっと一遍笑いをとらないと、笑っているときじゃないので。
 二十一世紀を今のような人権の世紀、NPOの世紀、こう考えようとしているところですが、しかしどうも二十一世紀は余り輝かしいスタートとは言えない。この国会も三K国会などと言われまして、三K、株とか景気とか経済のK、二番目が言わずと知れたKSDのK、三番目が機密費のK、それにどうも危機管理のKとか会員権のKとか、Kがどんどん並んでいっているわけです。
 日本経済は再び危機的状況となった。景気は本当に心配でたまらないというところへ来ているわけですが、景気あるいは経済、金融、こういうことは後ほど内藤議員の方から聞かせていただきますが、別の見方でいえば、この国の形の根幹といいますか、これは立法と行政と司法、その立法も行政も司法も三権がすべてそろいもそろって大変な不祥事が起こってしまった。国民の皆さんの信頼が大きく損なわれた危機的な状況にあると思います。
 立法府ではKSD、行政府が外務省の機密費、司法府がいわゆる福岡事件、この三つをどうやったら一体国民の信頼回復に持っていくことができるか。これは、もちろんKSDは自民党の皆さんのことではあるけれども、私どもを含めてみんなが本当に真剣に考えなきゃならぬ課題だと思います。ところが、どうもその最高責任者である総理大臣の姿が最近日に日にかすんでいっている。不信任案を否決した、つまり信任をした、その皆さんが信任じゃなくて辞任の環境づくりに腐心をしているという大変おかしな状態になっているわけです。
 そこでまず、KSDで、小山、村上両前参議院議員の逮捕で新たな局面を迎えましたが、あと額賀前経済財政担当大臣のこととか、あるいは自由民主党の組織的な関与の解明が残っておると思いますが、特に自由民主党の問題というのは、個人の刑事責任を追及する体系である我が国の刑法体系、このもとではどうしても組織の責任追及というのは難しいんですね。これは国会が役割を果たさなきゃならぬ課題だと思っております。
 法務大臣、KSD事件では自民党員の党費の立てかえ、あるいは架空党員、村上証人の言葉で言えばもみ殻党員、これが問題になりました。自民党の架空党員とかもみ殻党員とかの問題は、これはまれに見る大規模な有印私文書同行使事件だと思いますが、いかがお考えになりますか、法務大臣。
#87
○国務大臣(高村正彦君) 具体的なその事件、事案につきましては、証拠によって認定された事実について判断すべき話でありますから、今私がお答えするのは差し控えさせていただきます。
#88
○江田五月君 まあそういうお答えでしょうが、だけれども、評論家の中にも、本当にもう何万人、何十万人という、あるいは全体ではもっとですが、全体がもみ殻党員だとは言いませんけれども、ある特定の支部がもみ殻党員によってできているというようなことが言われて、これはまれに見る大規模な有印私文書偽造、同行使事件、つまりその政党支部というのは偽造支部だというような指摘もあるんですよね。法と証拠ですけれども、やっぱりこれは法務大臣としてひとつ神経を張り詰めていただきたいと思いますよ。
 そこで、きのうお願いしておきましたが、総務大臣、自由民主党東京都豊明支部、この政治資金収支報告書に記載された平成九年と十年の党員数、党費について報告してください。
#89
○国務大臣(片山虎之助君) 今、委員御指摘の平成九年、十年における自由民主党東京都豊明支部の収支報告について東京都選挙管理委員会に確認しましたところ、平成九年に党費が六千九十八万九千五百円、納入者数七万四千百六人、平成九年でございます。平成十年が党費八千二百八十九万七千百円、納入者数九万九百五十九人と記載されております。
#90
○江田五月君 そういう記載、しかし、いろんなこれまでの情況証拠によりますと、どうもこれが先ほどのもみ殻党員でありあるいは立てかえ党費であったということのようで、これは総務大臣は、きょうは自民党総裁である森総理大臣御出席でないので、自由民主党の参議院の方の大幹部でございましたので片山総務大臣に伺いたいところですが、ちょっと時間の方がだんだん迫っておりまして、その辺すっ飛ばしますが、やっぱりこれは大事件だと思いますね。
 村上証人ももみ殻党員だと言われたので、これはもしそうだとすれば架空の人やもみ殻の人に返す、もみ殻は人じゃないか、返すわけにいきませんから、KSD、そしてその会員である中小企業の経営者の皆さんに返すべきだと思いますけれども、総務大臣、どう思われますか。
#91
○国務大臣(片山虎之助君) これは何度も衆議院でもお答えし、こちらでもお答えしたんですが、個々の事案の事実認定の問題になるんですよね。幽霊とかもみ殻とか話がありますが、どういうもみ殻であり幽霊であるかの事実認定が要りますので、私の方は、何度も言いますけれども、実質的な審査権がないものですから、受領したものを公表するというのが我々の主なる、あとは公表して社会的な監視や批判をしてもらうと、こういうことでございますので、事実認定して後の議論だろうと、こういうふうに思います。
#92
○江田五月君 法務大臣は、やはり法と証拠ですか。
#93
○国務大臣(高村正彦君) やはり法と証拠であります。
 刑事事件として取り上げるべきものがあれば検察は法と証拠によって適宜適切に処理するものと、そういうふうに承知をしております。
#94
○江田五月君 これは、KSDの会員の皆さんは本当に怒っているんですね。食い物にされたと言っているわけですよ。それをわかりませんとか、いや法と証拠だとか、もうちょっとこういう皆さんに対して、いや、申しわけなかったということは、口では言うけれども、全然態度に出てきていないんではないですか。いかがですか。本当にそれでいいんですか、総務大臣。
#95
○国務大臣(片山虎之助君) 私がお答えする立場なのかどうか大変疑問に思っておるんですが、総理も総裁として、事実をしっかり調査して、その結果しかるべき対応をとると言われておりますので、それをぜひ早期にやっていただくということではなかろうかと思っております。
#96
○江田五月君 このKSDは、自民党参議院比例代表選挙の構造的な問題という面が一方であるわけです。二万人の基準を廃止と決められたようですが、もう一方で自民党の参議院比例選挙の構造的問題。それは、今二十三名公認をされた。大きく二つに分けると、民間出身者が十四名、官僚OBが九名。
 KSDの方は民の犯罪。官の方の犯罪で公職選挙法百三十六条の二の公務員の地位利用というものがございます。
 資料を配ってください。
   〔資料配付〕
#97
○江田五月君 資料といっても公職選挙法百三十六条の二の抜粋でございますが、昨年、長野県では地方の土木事務所長などが逮捕された。衆議院の和歌山県三区の選挙では現職の有田市長が地位利用で逮捕されたと聞いていますが、これも総務大臣、百三十六条の二の内容を説明してください。
#98
○国務大臣(片山虎之助君) 本当にこれこそ釈迦に説法でございますが、お求めでございますのでお答えしますが、公職選挙法第百三十六条の二の第一項においては、公務員等はその地位を利用して選挙運動をすることができないとされております。また、第二項において、その地位を利用して後援団体を結成したり後援団体の構成員となることを勧誘したりすること等のいわゆる選挙類似行為も禁止されております。
 「地位を利用して」とは、公務員等としての地位があるがために、特に選挙運動を効果的に行い得るような影響力または便益を利用する意味であり、職務上の地位と選挙運動の行為が結びついている場合をいうものと解されておりますが、これも個々具体の事例に即して判断されるべきものだと、こういうふうに考えております。そういう解釈で今運用されております。
#99
○江田五月君 地位を利用して、例えば上司が部下に対して、あるいは出入り業者などに対して特定の候補者の後援会に入会を勧誘したりする、これは犯罪であって刑罰に処せられる、そういうことでよろしいですね。
#100
○国務大臣(片山虎之助君) 今言いましたような解釈のもとで、この規定に違反した場合には罰則が科せられることは当然であります。
#101
○江田五月君 もう一点。これは直前でなくても、半年前でも一年前でも禁止されている、それでよろしいですね。
#102
○国務大臣(片山虎之助君) 御指摘のとおりであります。
#103
○江田五月君 国民の目から見ると、役所の皆さんが出入り業者などにOBなどの特定の候補者への後援会名簿を集めさせる、これはもうしょっちゅうあることなんですよ。現に、先日の証人喚問で村上証人も、後援会員全部集めれば有権者の大半を占めるような、あるいは有権者の数を上回るような後援会員を自民党の比例候補は集めていると、こんな証言もあるわけで、これは私は、夏の参議院選挙をめぐって既にもういろんなさや当てが始まっておりますが、やはり関係する大臣の皆さん、それぞれ自分のところの行政各部に、こういう百三十六条の二の違反になるようなことがないように周知徹底、指導監督をしなきゃならぬと思いますが、総務大臣も特に自分の所管のところにOBの候補がおられますが、どうですか。
#104
○国務大臣(片山虎之助君) 常々、私のところは旧総務庁もありますし、総務庁、人事院がそういうことの服務規律を含めて今までも通知を出し、徹底を図ってきておりますが、今後ともさらにそれを遵守してまいりたいと考えております。
#105
○江田五月君 遵守してといっても、どうも甘くていらいらするんですが、国土交通大臣、あなた御自身も当事者のようですが、特に旧建設省、旧運輸省OB、これは既に自民党の公認候補になっておりますが、いかがですか。
#106
○国務大臣(扇千景君) 今もるるお話を聞いておりまして、まさにそのとおりでありますけれども、特に国土交通省はまだできたばかりでございますので、昨年の衆議院選挙のときのことを考えてみますと、昨年は建設省ということでございまして、その当時も、運輸省もそうですけれども、六月に衆議院選挙がございましたので、六月五日に総務事務次官及び人事院の、総務庁それから事務次官等々からきちんと文書にしまして各地方機関、公団等々に文書で周知徹底した通知を出しております。
 ですから、私は、国土交通省に名前は変わりましても同じことをしなければならないと認識しております。
#107
○江田五月君 坂口厚生労働大臣、同じ質問。
 あなたのところも旧厚生省からOB二人が自民党の公認候補になっていますが、いかがですか。
#108
○国務大臣(坂口力君) これはもう先生御指摘のとおりでございますので、これは私の方も周知徹底をしたいと思っております。
#109
○江田五月君 農水大臣のところも二人ですね、いかがですか。
#110
○国務大臣(谷津義男君) 公務員は国民全体の奉仕者でございますから、そういった面では政治的には中立を保つ、それで行政上は公正な運用を図らなければならないということでございます。
 そういう面から、国政選挙に際しましては、国家公務員の服務規律の確保について総務庁あるいは人事院の方からその趣旨の徹底を図るための通知が来ておりまして、これを受けて、農水省といたしましては事務次官が関係機関の長に対しましてこの同様の通知を出しまして徹底を図っているところであります。
#111
○江田五月君 国土交通大臣、先ほどの文書は後でお渡しいただけますか。
#112
○国務大臣(扇千景君) 昨年のでよろしゅうございますか。では、後で。
#113
○江田五月君 昨年のということは、もう一度新たにお出しになるおつもりがあるということですか。
#114
○国務大臣(扇千景君) 今はそのつもりはありませんけれども、私は公正を期する意味でもう一度出してもいいと思っていますし、また、出すように私からも申し上げておきます。
#115
○江田五月君 では、それをお出しになったらまたぜひお示しください。
 農水大臣の方は文書をお出しいただけますか。
#116
○国務大臣(谷津義男君) 出しましたならば、それはお渡ししたいと思います。
#117
○江田五月君 さっき、前お出しになったというお答えじゃなかったですかね。
#118
○国務大臣(谷津義男君) 前に出しております。もしそれでよろしければ、お出しをさせていただきます。
#119
○江田五月君 新たに文書をお出しになるつもりは。
#120
○国務大臣(谷津義男君) 出すつもりでありますから、そのときはまた出してまいります。
#121
○江田五月君 総務大臣のところは文書をお出しになりましたか。
#122
○国務大臣(片山虎之助君) 総務庁の時代に、去年のあれは六月ですか、総務庁が各省庁に出したわけです。その文書のことを今、扇大臣や谷津大臣は言われているわけです。それを徹底されたということですよ。総務庁が出したものをさらに徹底されたと、そういうことです。
#123
○江田五月君 参議院選挙を前に新たに出すおつもりは。
#124
○国務大臣(片山虎之助君) 私自身は今のところ考えておりませんけれども、そういう江田委員の御要請があれば、中で十分検討します。
#125
○江田五月君 国土交通大臣、農水大臣、積極的なお考えもおありのようですから、ぜひ前向きに検討、前向きに検討というのも怪しい言葉ですが、怪しいことでなくてやっていただきたい。
 坂口厚生労働大臣、いかがですか。
#126
○国務大臣(坂口力君) 以前に出しているようでございますから、お見せしても結構でございます。
 いずれにいたしましても、けさも問題になりましたように、いろいろわかりにくいようなことが起こらないようにきちっとしたいと思っております。
#127
○江田五月君 参議院選挙を前に新たに出すことは。
#128
○国務大臣(坂口力君) もう一遍出さなきゃならないような事態になれば出したいというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、これはもう当然のことでございますから、改めて法律で決まっていることを通達を出して云々のことでは私はないので、もうとにかくそういうことがみじんでもあれば、ぴしっと指導をするということが大事ではないかというふうに思っています。
#129
○江田五月君 法律で決まっていることだから当然、それはそうなればいいんですけれども、そうなっていないから問題なんで、これはみじんでもとおっしゃったけれども、みじんどころの騒ぎじゃない、もうごまんとあるという感じじゃないですかね。
 どうですか、もうちょっと坂口大臣、せっかく厚生労働省を預かっておられるわけですから、そこはしっかりおやりになったらどうですか。もう一度答弁ください。
#130
○国務大臣(坂口力君) しっかりやらないと申し上げているわけではなくて、しっかりやると申し上げているわけでございまして、私がやらないわけがありません。
#131
○江田五月君 私がやらないわけではないというその言葉は信じたいと思います、期待をしておりますが。
 さて次ですが、公務員の地位利用は、私たち民主党もこれは本当にこれから厳しくひとつ監視をしていきたいと。
 KSD事件に、もう一つ。
 厚生労働大臣、これだけの犯罪を引き起こしたKSDですが、これは財団法人としての許可、これをなぜ取り消さないんですか。
#132
○国務大臣(坂口力君) KSDの問題につきましてはいろいろ皆さん方から御批判をいただいているわけでございます。それで、このKSDがなければ日本の国が回らないかといえば、そんなことないわけで、これはなくても全然何ら問題ないわけでございます。
 しかし、この経緯を見てみますと、昭和三十六年ですか、スタートいたしまして、そして公と民間との間のところを埋めてきたというそういうメリットのところもあったわけでございまして、そこは評価をすべきところもあるというふうに思っております。
 ただ、こういうことを起こしたものでございますから、今後これをどうするかということだろうというふうに思いますが、いずれにいたしましても現在のところ、私たちはとにかく一から出直しをすべきだということを言っているわけでございまして、理事の皆さん、古関前理事長はもう司直の手にゆだねられているわけでございますが、その他の理事の皆さん方にも責任があるわけでございまして、この皆さん方もやはり明確な責任を明らかにしてもらわなければならないというふうに思っております。
 そうしたことができるかどうかということを今のところ注意深く見守っているわけでございまして、できないということであるならば、先生が御指摘になりましたように、これはけじめをつけるということもあり得るだろうというふうに思っております。
#133
○江田五月君 先ほどは片山総務大臣は、あれは電子認証の関係でかなり果断、機敏な措置をおとり──ごめんなさい。平沼大臣の方は、同じ岡山で、かなり果断、機敏な措置をとられたようですが、これはどうも選挙があっていろいろというよりも、むしろ鈴木寛さんという人はそういうプロの方でああいうところにしっかり登場されるべき人であったようなことだと思いますけれども、それはそれとして、坂口大臣、ひとつああいう果断、機敏な措置もぜひ見習っていただきたいと思います。
 橋本大臣、公益法人改革ですね、本当に熱心に取り組まれておるということに敬意を表します。
 ものつくり大学の大切さ、これをこの間お話しになっていて、それは私も全く同感で、それはいいんですが、一方でしかし、ものつくり大学がこういうスタートになっておるということに対するいら立ち、腹立ち、これは私も同じで、やはりKSDという公益法人、これに対しては、橋本大臣のお考えからするとこれはもっと厳しい措置があってしかるべきと思いますが、橋本大臣のお考えはいかがですか。
#134
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先日、閣僚懇談会、一月三十日でありますけれども、私の方から国所管のすべての公益法人、民業を圧迫していることはないか、あるいは目的から外れた活動をしていることはないか、さらに役員の報酬や退職金が高額過ぎることはないか、あるいは法人からの委託先やあるいは発注先が公正に選定されているか、こうした四項目の観点から今年度内を目標に総点検を実施するようにお願いをいたしました。
 KSDという、そのトップの方は別として、事業の中にこうしたものがあれば、当然今回問題になる対象になるでしょう。今まで報道されておりました中にも、委託先あるいは発注先といったところに問題があったという報道もありましたし、これはだからKSDだけを目標にするものではございません。しかし、いずれの公益法人でありましても、こういう点はチェックを必要とすると思います。
#135
○江田五月君 トップのこれだけの犯罪を全くチェックできなかった運営体制というものもこれも大問題でして、先ほどの四項目のどれにというとどこもちょっとずつ外れるかもしれませんが、全体としてこういう公益法人というのはやっぱりおかしいということになると思いますよね。いかがですか。
#136
○国務大臣(橋本龍太郎君) たまたま今KSDについてお尋ねをいただきましたので今のようなお答えをしましたけれども、先月九日に、指導監督の責任体制の確立、あるいは立入検査の確実な実施、一定規模以上の公益法人に対する外部監査の要請、こうしたところに対して政府全体としてしっかりと取り組んでいきたいと、今申し合わせたところであります。
 同時に、特に国の行政事務あるいは事業にかかわりのある公益法人、これにつきましては、特に行革大綱の中でも官民の役割の分担、規制改革、財政負担の縮減合理化という観点から厳しい見直しを進めているところで、このスピードもできるだけ上げていきたいと思いますし、この夏ぐらいにはその改革の具体策の策定に向けて基本的な考え方をお示ししたいと、今努力をいたしております。ぜひ御声援を願いたいと思います。
#137
○江田五月君 時間がなくなっておりますが、機密費の問題、新聞に「国家のウソ」と書かれております。これは捏造ですか、官房長官と外務大臣。
#138
○国務大臣(福田康夫君) これまで何度も繰り返して国会で答弁させていただいておりますけれども、報道にありますいわゆる外務省の上納というものはございません。
 よろしいですか。
#139
○国務大臣(河野洋平君) 官房長官御答弁のとおりでございますが、もう少し申し上げれば、外務省報償費は外務省の責任において支出されておりまして、外務省の報償費が内閣官房に上納されているということはないというふうに申し上げます。
 そこで、外務省報償費を支出する際におきます決裁手続等についてちょっと申し上げたいと思いますが、本省におきましては取扱責任者、これは局長とか部長以上でございますが、それに会計課長、官房長、また事案によっては事務次官以上の決裁を経ることとなっております。また、在外公館に配賦されました外務省報償費につきましては、会計担当官、出納管理及び取締責任者でございます公館長の決裁を経て支払いが行われるということになっておりまして、こういう仕組みがきちんと機能をいたしておりますので、今御指摘がございました官邸への上納ということがあり得ようはずがないというふうに私は思っております。
#140
○江田五月君 官房長官は上納ということはない、外務大臣はあり得ようはずがないと。あり得ようはずがないことが実はあったということだってあるんですが、どこはなくてどこはあったのか。今、外務大臣のお話の中にある程度説明はございましたが、「国家のウソ」と言われているんですから。「国家のウソ」と言われたのは、これをそのまま聞くと、もし全然これは捏造記事だったら大変な名誉毀損になるわけですが、それでいいんですか。
#141
○国務大臣(福田康夫君) これは今月五日付の新聞報道でありますけれども、私、同日の定例の記者会見におきまして改めて上納はないということを明確に申し上げております。
 それからなお、外務、財務両省では、同日、直ちに報道のような事案はない旨の通告を書面にてそれぞれの記者クラブに対して行ったと、こういうふうに報告を受けております。
#142
○国務大臣(河野洋平君) 外務省におきましても、五日に行われました外務事務次官によります記者会見におきまして、今、官房長官御答弁のとおりの点を確認いたしますとともに、上納という事実はない旨、外務省記者クラブに対して説明をした次第でございます。
 先ほど、私の答弁であり得ようはずがないというのは官房長官答弁と違うではないかという御疑念があるやに伺いましたけれども、もう一度答弁をし直させていただきます。
 上納はございません。
#143
○江田五月君 上納の定義によるとかいって言い逃れするんじゃないんですかね。つまり、外務省報償費というのはどこへ出ていくかというのは、それは出ていく先は事の性質上秘密だ、だけれども、出ていく先が官房機密費、内閣官房報償費ということはないと。そこの部分だけはノーと言える、あとは全部秘密だと、そういう構造ですか。これは外務大臣。
#144
○国務大臣(河野洋平君) 先ほども御答弁申し上げましたように、私どもが、外務省報償費の支出につきましてきちんとした決裁のマニュアルがございまして、そのマニュアルにのっとって決裁が行われているわけでございまして、そうした決裁の方法に間違いはないということも確認ができますので、今、議員お尋ねでございますが、そうしたことはないということをはっきりと申し上げていいと思います。
#145
○江田五月君 じゃ、官房長官と外務大臣、埋め込みという言葉を御存じですか。
#146
○国務大臣(福田康夫君) 今初めて聞いた単語でございます。
#147
○国務大臣(河野洋平君) 新聞の記事では拝見をいたしましたけれども、そうした言葉を私どもが使ったことはございません。
#148
○江田五月君 現実に、外務省やあるいは官房の実務を担当している皆さんの中ではこういう言葉もあるし、事実もあるというのが現実のところではないかと思いますよ。この事態をこういうことで全部隠ぺいしてそれで、隠ぺいと言うと怒られるのかもしれませんが、これで事足れりと。国民は納得しないと思いますね。
 私は、例のえひめ丸の査問会議、あれはやっぱり非常に国民の納得というもの、単に説明してもらったというだけではなくて、本当に納得する一つの手続ではないかという気がしております。きょうは、北米局長に来ていただいてそのあたりの話も聞きたかったんですが、時間がありません。
 なお、福岡事件について、これもいろいろ聞かなきゃいけないんですが、申しわけない、せっかく来ていただいたんですが、時間がないので法務委員会の方でこれは厳しくまた追及をさせていただきたいと思います。
 それでは、同僚委員にかわります。
#149
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。内藤正光君。
#150
○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤でございます。江田議員の関連質疑で、私は日本の経済状況についてお伺いをさせていただきます。
 まず、宮澤大臣並びに日銀総裁にお尋ねをいたしますが、消費者物価を見てみますと、平成十一年度はマイナス〇・五%。それ以降、毎四半期マイナス〇・五から〇・七%で落ち続けている。そして最新のデータでは、平成十三年一月期は〇・五%マイナスと。客観的な事実として物価は継続的に下落を続けているということでございますが、こういったことを踏まえて、現在の日本経済の状況をどのようにごらんになっているのか、さらにデフレなのか否かについてお尋ねをいたします。
#151
○国務大臣(宮澤喜一君) 日本の経済は回復過程に入りまして、企業活動、設備投資等々は期待のとおり回復してまいりましたが、いわゆる個人消費、家計というものがいまだに回復をしない、普通の景気回復のときとパターンが違っておるというのが一番の問題でございます。
 それから、物価の問題はおっしゃるとおりであって、これをデフレと呼ぶか呼ばないかは私は余り興味がありませんで、物価は確かに落ち続けていて、これは正常な状態ではない。
#152
○参考人(速水優君) お答えいたします。
 日本経済の状況を見ますと、海外経済の減速、それから株価下落、この二つの影響を受けまして景気回復の動きというのが一段と鈍化しております。先行きの不透明感も強まっているように思います。
 この間に、各種物価指数は全般にやや弱含みの動きを続けております。その背景としては、景気の回復が緩やかなものにとどまっているという需要サイドの要因に加えまして、技術革新や流通合理化、規制緩和といったような供給サイドからのコストダウンも要因として寄与しているように思います。
 こうした状況について、現段階では、物価の低下が企業収益や家計の所得を圧迫して、気と物価の悪循環をもたらすといういわゆるデフレスパイラルといったような状況ではございません。
 ただ、ここに来て景気回復テンポが一段と鈍化して、今後需要の弱さを反映して物価低下圧力が再び強まる懸念もありますだけに、経済・物価情勢につきましてはこれまで以上に入念に点検してまいりたいと思います。
 物価が引き続き下がったといいますのは九〇年代に、今回を含めて三回ぐらいございますので、その点は物価が下がったからどうということではないと思います。
#153
○内藤正光君 現在の継続的な物価下落によってどういうことが起こっているのかといえば、まず、会社は売り上げが減る、そのあおりを受けて個人では給料が減る、そして国としては税収が減っていくわけです。そして、さらにまた債務の実質的な負担がどんどん増していくわけでございます。
 私が聞きたいのは、単純に物価下落がよいのか悪いのか、そういった議論じゃありません。私がここで聞きたいのは、多額の債務を抱える会社、そして国は大変な額の財政赤字を抱えている、こんな状況において、今の物価下落、継続的な物価下落が経済に対してどんな悪影響を与えているのか、それをお伺いします。そしてさらに、どんな対策を講ずべきなのか、宮澤大臣と日銀総裁にお尋ねします。
#154
○国務大臣(宮澤喜一君) 今の消費者物価下落は私はよくないと思っていますけれども、今あなたのおっしゃったような現象を伴っているかといえば、そんなことはありません。それはそういう事態になっているわけではない。
#155
○参考人(速水優君) 先ほど申しましたように、現在の日本の物価動向には需要と供給の両面が複雑に影響を与えていると思います。こうした状況のもとでは、単に物価指数が下落しているかどうか、その期間はどうかというようなことだけでなくて、それが経済の全体の健全な発展と整合的かどうかということが注意深く点検されなければならないと思っております。
 先ほど、前にもあったと申しましたが、九五年、九六年、あるいは九九年から昨年にかけて物価指数は前年比マイナスとなっておりますが、企業収益や賃金がそのころは改善しまして景気は回復傾向をたどったわけでございます。ごく最近につきましては、景気回復テンポが一段と鈍化しておりますだけに、物価動向についてはこれまで以上に入念に点検してまいりたいというふうに思っております。
 金融政策をどうするのかという御質問でございますが、日本銀行としてはこれまでかなり思い切った金融緩和策をとってきております。市場に対しましても極めて潤沢な資金を供給してまいりましたが、これがマネーサプライの増加とか経済活動の活発化に必ずしもつながっているわけではございません。
 一つ数字を申し上げてみますと、この五年間の平均で日本銀行が直接的に供給しましたいわゆるマネタリーベースという資金は七%強でございます。その同じ期間に、いわゆるマネーサプライ、M2プラスCDと言っておりますが、それは伸びは三%強でございます。その間に成長、一体実質経済、名目成長率がどうなったかというと、ほとんどゼロになっておるわけです。金はかなり出ていますけれども、経済は伸びなかったということでございます。これらの事実は、日本銀行による資金の供給量の割には経済活動が活発化しにくいというのが現状ではないかと思います。
 言いかえますと、金融システムの問題の解決とか、その裏腹の関係にあります企業経営の立て直しといったようなこと、日本経済の構造問題を解決することが金融政策の効果を引き出して日本経済の持続的な回復を確実にしていくものではないかと、このことが重要な前提条件になると思っております。
 日本銀行としましては、各方面における構造改革に向けた取り組みが一層速やかに進展することを強く期待している次第でございます。
#156
○内藤正光君 宮澤大臣、日銀総裁と比べると随分状況認識が違っている、乖離があるように思えるんですが、打つべき対策は、何ら対策は講ずべきでないということですか。どういうことなんですか。
#157
○国務大臣(宮澤喜一君) いえ、やっぱり今の物価下落の状況というのはよくないと最初に申し上げております。
 ただ、これが企業の売り上げの減少になって、そこから雇用の減になってという、そういう動きにはなっていないと。そういう教科書にあっておるようなことではないが、しかし、やっぱりこれだけ継続して物価が下落しているのは心配すべき状況だと考えておりますことは何にも否定もいたしません。そして、やはりここは私はどうして家計が、いわゆる消費が伸びないのかと、そこのところをやっぱり政治としては一番突かなければならないんだというふうに考えておるわけです。
#158
○内藤正光君 それでもやはりちょっと認識に乖離があるような気がしてならないんですが、ちょっとそれは後からするとして、日銀総裁にお尋ねしますが、日銀法では物価安定は日銀の役割だというふうに定められております。昨年でしょうか、物価安定についての考え方の中で、家計や企業等が物価変動に煩わされることなく経済活動等を続けられる、そんな状態が物価が安定した状態だというふうに書かれているかと思います。
 そこで考えてみますと、今、多くの不良債権を抱えた企業等は、あるいは銀行もそうなんですが、このデフレ下において、先ほど申し上げたように債務の実質負担が増加する中で設備投資もできないだとか、そういった状態にあえいでいるんだと思うんです。
 そこで、総裁にお尋ねしたいのは、日銀はデフレに対して、さきの質問の繰り返し、重なる部分もありますが、何らかの手を打つべきだとお考えですね。
#159
○参考人(速水優君) 物価は、インフレでもない、デフレでもない、安定というのが私どもの責任であります。その安定を通じて経済の安定的な成長が行われることを私どもの理念とせよということが新日銀法二条に書かれております。ですから、上がる方も下がる方もなるたけ幅を少なくして安定させていくことが企業にとっても家計にとっても安心して日々を過ごしていけるということになるのではないか、そういう状態をもたらしたいというふうに思っております。
#160
○内藤正光君 そういう状態にしたいというのは日銀総裁という立場でのお考え、そういう理解でよろしいですね。
#161
○参考人(速水優君) 私はもとよりでございますが、中央銀行というのはそういうことが使命だと思っております。
#162
○内藤正光君 なぜ冒頭こういうような質問をしてきたかといいますと、私は一つ思うところがあるわけなんです。
 最近、政府・与党は、昨今の景気低迷をすべて何か日銀の責任に転嫁しているように思えてならないんです。いろいろな要求を金融政策面でやれやれと言っている。その一つにゼロ金利政策なんというのがあるわけなんですが、このゼロ金利政策というのはどういうのかと考えてみますと、一昨年の二月、ゼロ金利をやったわけなんです。
 その結果どうなったかといえば、一つにはインターバンク市場が縮小してしまった、仲介機能が縮小してしまった。その結果としてお金が必要なところに回らなくなってしまった。これが一つ。そしてもう一つが、非効率性を抱えた企業の構造改革が行われなくなってしまった。二つ大きな問題を私はゼロ金利政策というものは生んでしまったのではないかなと思っているんです。そういった意味では、私はゼロ金利政策というのは本当に異常な政策なんだろうと思います。
 そこで日銀総裁にお尋ねしたいんですが、ほかからいろいろな強い圧力があって総裁も大変なことはよく存じておりますが、本当に思うところをおっしゃっていただきたいんですが、ゼロ金利のもたらす影響はどういうものなのか。そしてまた、ゼロ金利やれやれという要求に対して総裁自身どういうふうに思われているのか。そしてあわせて、ゼロ金利にもし戻してしまったら経済にどういう影響を与えるのか。そういった考えもあわせてお答えいただけますでしょうか。
#163
○参考人(速水優君) ゼロ金利というのは一昨年の二月に採用した、思い切ってそこまで持っていったわけですけれども、このころの経済情勢は御記憶だと思いますが、日本経済がデフレスパイラルの瀬戸際まで来て講じた前例のない金融緩和策であったと思っております。
 ただ、この政策は、当時の流動性がどうなっていくかといったような市場がおびえているときに、流動性の面での安心感を金融市場に与えることができましたし、企業の方もかなり心配をしている状況の中で企業金融の円滑化をもたらしたといったような効果は十分あったというふうに思っております。
 ただ、こうした通常ではない政策につきましては、その効果とともに、やはりおっしゃるような御指摘のような副作用を常に考えなければいけないことでございまして、この異常な事態というのを一年半続けてきたというのはそれなりの副作用も出始めておったわけで、御指摘のように、市場が小さくなる、あるいは資本主義経済のもとで大きな金をオーバーナイトでも貸してそれがただであるということは、やはり金利というのはリスクのカバーのためにつけるものでございますから、資本主義経済を否定するようなことになってしまうというふうに思います。
 そうした政策に踏み込むべきかどうかにつきましては、今後、経済とか物価の情勢判断がどういうふうに変わっていくか、あるいは落ち込んでいくのか、いや、そのまま少しよくなっていくのか、そういうことをもう少し見定めないと何とも申せませんが、私としては、政策としては極めて異常な政策であるというふうに思っております。
#164
○内藤正光君 また日銀総裁にお尋ねします。
 これも一部に大変強い圧力があるかと思います量的緩和でございます。これも思うところをありのままにおっしゃっていただきたいんですが、量的緩和のもたらすであろう影響、あるいはまた、それをやれやれという要求に対してどのようにお考えになられているのか、お尋ねします。
#165
○参考人(速水優君) 私どもも、この量的緩和というのはよく使われる言葉なんですけれども、具体的に何を指すか人によって違っているんじゃないかと思うんです。
 私どもはかなり既に潤沢な資金を市場に供給しておりますし、また、二月九日、そしてまた二月二十八日の決定会合で思い切った緩和措置をとりまして、その効果も出始めております。国債の買い切りオペとか、あるいは先ほどのゼロ金利とかいったようなことを具体的におっしゃる方々もおられるんですが、長期国債の買い切りを増額するという意味であるならば、日本銀行は従来から、銀行券の増加トレンドにほぼ見合っただけの長期国債の市場からの買い取りを毎月いたしております。
 これをさらにふやしていくという場合には、その効果や副作用は慎重に検討しなければならないと思っております。例えば長期金利の低下をねらう場合でも、経済政策全般への信認が毀損されたり国債への内外からの不信認感が出てくれば、長期金利が上昇していくリスクも十分あるというふうに考えなければいけないと思います。
 このほかに、例えば介入によって為替相場を円安に持っていったらどうだというような意見もあると思います。このことについて私が何か、けさの新聞だと、きのうの講演でそれを示唆したと言っておりますが、それは全く、それは、そういう示唆があるけれども、私はいろいろ問題があってこれは難しいことだと思いますよということを言ったつもりなんですが、前半だけをとって新聞が書いておりましたのは甚だ不愉快でございましたが、この方法につきましては、そもそも財務省の権限でもございますし、それを別としましても、輸入コストの上昇とかアジア諸国への影響をどう考えるか、そういったことを慎重に考える必要があると思います。
 日本銀行ではさまざまな政策の選択肢を幅広く考えていく方針ではございますが、同時に、こうした手段というのは、その効果が不確実な場合に副作用の方だけが出てくることを無視してはいけないと思います。そこまで踏み込むべきかどうかということにつきましては、経済や物価の情勢判断の問題に帰着するのではないかというふうに思っております。
#166
○内藤正光君 続きまして、柳澤大臣と、同じ質問を速水総裁にお尋ねさせていただきます。
 よく言われる例なんですが、例えば日銀が心臓だとすれば、銀行が血管、そして手足が企業、日銀が心臓ですね、そういうふうに例えたとします。政府・与党は、やれゼロ金利をやれだとか、やれ量的緩和をやれやれと。要は、心臓にもっと血液を送り出せと言っているわけなんです。ところが、どれだけ血液を送り出そうにも、その肝心な血管が今詰まっているという状態ではないのかと思うんです。そして、この血管が詰まっている原因は何なのか、そこに詰まっているコレステロールは何なのかといったら、不良債権そのものだと思うんです。
 そこで、大臣並びに総裁にお尋ねしたいのは、不良債権が実は血管を詰まらせている最大の原因なんだということに対する認識、いやそうじゃないというんであればそうお答えいただいても結構でございますが、お考えをお聞かせいただけますか。
#167
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生の例え、心臓から血液が肉体の各部署にわたって送り出される、そのときの血管の役目をしているのが銀行である、その銀行が幾ら血液が回ってきてもうまくそれぞれの部署に血を回していないんじゃないか、血管が詰まっているんじゃないか、その詰まっているという現象は不良債権に最も大きな理由があるのではないかと、こういうお話でございます。
 不良債権があるからこの血液が行かないのか。今の、きのうあたりの経済産業省の御議論あるいは調査の報告を聞いておりましても、一つの大きな理由として、実は企業に資金需要がないということもひとつ指摘があったように思います。
 つまり、何と、先生の例えでいうとちょっと思いつかないんですけれども、金融そのものに即していえば、やっぱりひとつ企業に資金需要がないために貸出残高の順調な伸びが見られないということがあるということは私はやっぱり否めない事実ではないか、このように思います。
 じゃ、銀行の側に全く問題がないかといえば、私はそれはある。それはまさに先生が御指摘になられるように、不良債権のゆえに問題が生じている。それは結局銀行のリスク負担能力ということでありまして、非常にやっぱり銀行が不良債権があって収益力が鈍っておるものですから、したがってリスクがあるというところに思い切った貸し出しがなかなかできかねる、どうしても貸し出し態度が慎重になるというようなことがあって、リスクが若干認められるというようなところに血液を流し切れないというような側面がありまして、それはまさに不良債権の存在のゆえであるということは言えようかと、このように考えております。
#168
○参考人(速水優君) 不良債権問題というのは、内外から今や日本経済に対する一つの不信感の原因になっているように思いますし、先般のG7のコミュニケでも、金融セクターについて日本は、当局はもっと一生懸命努力をしなさいというような意味のことを書いております。
 この不良債権問題は九八年ごろから随分いろいろ手が下されて、銀行の償却というのはかなりの金額を償却しているわけなんです。だけれども、この不良債権の残高というのはここのところ減らないんですね。やっぱり新しくどんどん出てくるし、それから要注意貸し出しと言っていたのが不良債権になっていくという、そういう要注意貸し出しというのもかなりの残高があるわけなので、そういうものをやっぱり早くバランスシートから落としていかないといけない。そのことを私も就任以来ずっと言い続けているんですが、なかなかそれが言うべくしてできない。資産勘定に残しておきますと、ある以上はやっぱり不良の取引先がそのまま続いていくというようなことになってくるわけで、不良貸出残高を減らすと同時に、今大事なことは、そういう要注意貸し出しについても十分手を打って手配をしていくということが必要だと思います。
 そのためには、銀行はむしろコアのキャピタルをふやしていく。そのためには、一生懸命貸し出しをふやして稼がなければいけないと同時に、リストラをやって人件費、物件費を落としていくということが当面の利益の源泉になっていくんじゃないかと思っております。
 借り入れ需要が余りないということは、これは景気の一つの反映でもございますけれども、貸し出しをよくふやしていくと同時に、コストを下げていくという努力が期待されるところでございます。そこのところは私どもも今後も注意して見ていくつもりでおります。
#169
○内藤正光君 柳澤大臣は企業の側に資金需要がないとおっしゃいましたが、私は、それは今までの産業構造というものを前提にした発想ではないのかなと思うんです。つまり、本当は欲しいところがあるんだけれども、そこにお金が回らない、銀行がリスクテーキングできずにそこに回らないんだろうと私は思うんです。ですから、私は、一番大きなポイントは、血管が詰まっている、つまり銀行に不良債権が余りにもまだたまっていると、そこなんだろうと思います。
 そういったことを前提に、日銀総裁にお尋ねしますが、私は、血管が詰まった状態で、いろいろな手段があります、量的緩和あります、幾ら量的緩和をしても私は効果はないんではないかと思うんですが、日銀総裁のお考えをお聞かせください。
#170
○参考人(速水優君) 御指摘のように、金を幾ら出してもやはり企業家及び家計が動き出さないとなかなか需要というものはふえていかないと思います。
 そういうことをやっぱり、何をきっかけにそういうことができていくかということが、私どもは非常に、財政の面でも金融の面でもかなりやるべきことをやってきたつもりでおりますので、金融の面でも既に二月九日、二月二十八日とかなり思い切った緩和措置をとったわけなので、その効果は少しずつ市場には出てきておりますけれども、それが実需、需要をふやしていくようなところまで行くのかどうかというのは、もう少し何か、けじめといいますか、一つの、政府の方でも総合的な手段が打たれていくことが望ましいんではないかなということを私は国民の一人として感ずる次第でございます。
#171
○内藤正光君 ちょっと確認させていただきたいんですが、国民の一人でもあると同時に、中央銀行総裁という発言、そういう理解でよろしいですね。
#172
○参考人(速水優君) 国民の立場からということと同時に、日本経済を持続的な回復、確実なものにしていくためには、金融システム面、それから経済、産業面での構造改革が不可欠だと思っております。
 日本銀行としましても、各方面での構造改革に向けて取り組みが一層速やかに進展していくことを期待しておりますと同時に、そういう動きが出てきたときに、必要な資金は極力サプライしていくようにしてまいりたいというふうに考えております。
#173
○内藤正光君 何度も足を運ばせて申しわけございません。うなずいただけだとちょっと公式の記録に残りませんものでして、申しわけございません。
 ところで、ちょっと宮澤大臣にお尋ねしたいんですが、先日、スタンダード・アンド・プアーズによって日本の国債の格付がトリプルAからAAプラスに落ちたと思うんです。普通だったらば国債の格付が落ちれば国債価格は落ちる、すなわち利率は上がるはずなんですが、そうはならなかった。これはどういうことなんでしょう。
#174
○国務大臣(宮澤喜一君) きょうはまだ見ていませんけれども、利回りが一・一幾つになっておりますから、大変な人気がいいわけです、国債の利回りがそこまで下がっていますから。
 それは、ただ余り喜んでいいことでもないわけでございまして、国債を発行する立場から申しましたら、これはクーポンレートはもうそこまで下げられるわけでございますからいいんですが、それだけ資金需要が民間にない、あるいは株式に回っていないのかということからいいますと、どうも余り喜んでいい話でもないんですが、これはスタンダード・プアーズが何と言おうとムーディーズが何と言おうと、日本の国債というのはそれだけの利回りで売れているということが現実でございますから、その方が、現実の方が強いと言うしかありません。
 ただ、それが大変うれしいことかということになりますと、日本経済の一つのやはりこれ通常でない、正常でない姿でございましょう。
#175
○内藤正光君 本当に宮澤大臣は本心からそう思っておっしゃったのかどうか甚だ疑わしいんですが、国債が人気があるとおっしゃったんですが、そんなことを信じている人はどこにもいないんじゃないかと思うんです。どこにも日本の国債が人気があるなんて思っている方はいないと思うんですよ。
 マネタリーサーベイを見てみますと、民間向け融資は減少の一途をたどっている一方、政府向けは三〇%、ばばっと急増しているわけですね。これはどう解釈するかといえば、BIS規制のもと、不良債権を多く抱えた銀行がリスクテーキングを避けて、要は、腐ってもタイじゃないですけれども、国債を買う以外道がないと、ただそれだけじゃないんですか。
 別に好きで国債を買っているわけじゃなくて、国債を買わざるを得ない、それだけの話で、もっと言うならば、本来民間に行くべきお金を国が吸い上げちゃっている、で、経済活動を収縮させちゃっている、そういうことじゃないんですか。
#176
○国務大臣(宮澤喜一君) ですから、民需がないというのは残念だと申し上げましたが、前おっしゃったことはおかしいので、買うもの幾らでも世界じゅうにございますよ。それが日本の国債は売れているわけですから。
#177
○内藤正光君 日銀総裁、ちょっと通告はしてないんですが、本当に日本の国債、どうなんでしょうか。先ほどの宮澤大臣の答弁に対して何かございますでしょうか。
#178
○参考人(速水優君) 日本の国債が海外で持たれている比率というのはまだかなり少ないんです、七%ぐらいですね。それはやっぱりこれからいろいろ市場を拡大していって、海外からも買いに来るのに対して、税制上のいろいろな、日本の国債を買うのは世界の全体と同じ土俵で買えるようにしていきたいと思っています。決して信認が薄くなっているというものではないと思います。
 先ほど御指摘のあったように、銀行が預金がふえて、貸出先がないといったようなこともあって、国債を前年比かなりふやしておることは確かでございます。それは、決して嫌々買っているわけではないんで、ほかに適当な投資先がないということもあって国債を買っているという、国債なら間違いないというので買っているわけですから、その辺は宮澤大臣のおっしゃることと私は全く同感でございます。
#179
○内藤正光君 ちょっと言葉のあやでして、嫌々買っているというか、買わされているというのではなくて、ほかに資金の運用の仕方がないという、そういう意味で申し上げたまででございます。つまり、少なくとも積極的に国債を買おうという気持ちが果たしてあるかというと、私はそれはないんだろう。
 そこで、ちょっと先ほどの量的緩和の話に戻るわけなんですが、これ、宮澤大臣と速水総裁にお尋ねしたいんですが、決して国債に対しての私は積極的に買おうという気持ちがあるわけでもない中、与党の一部に、ハイパーインフレを起こして財政赤字を一気に解消してしまおうということで、結局は日銀の国債引き受けを強く主張する向きが一部にございます。
 しかし、これを実施したらどんなことになってしまうのかといえば、ここまでしないと日本の国債はだれも買ってくれないのかということで市場の信頼、日本の国債に対する信頼は一気に失墜すると。そして、景気回復が伴わないまま国債価格が暴落する、つまり金利が上昇するということになってしまうんじゃないのか。
 つまり、そうなってしまったら、景気回復が伴った上で金利が上昇するんだったらいいんですよ、これはよいか悪いかといえばよい金利上昇だと思うんです。しかし、景気回復が伴わない金利上昇というのは、私は月並みの言葉で言えば悪い金利上昇だと思うんです。そうなったらどうなるのかといったら、財政破綻の道を歩む以外ないんじゃないかと思うんです。
 で、本当にまたちょっと答えづらい質問なのかもしれませんが、日銀総裁に対してはこういう言葉を言います。一部与党の幹部の露骨な圧力もあって、総裁は非常に苦しい立場にあるということは重々存じ上げております。そこで、この日銀の国債引き受けというのは、私は本当に不見識も甚だしい要求ではないのかなと思うんですが、大臣、そして総裁、いかがお考えでしょう。
#180
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもの党内にそういうことを言う人がいるかどうか、どうも私は寡聞にして本気で聞いたことはありません。むしろ、学者の中にそういうことをこれは学問的な見地から言われる人はあるようですけれども、私は現実の政策としてそういうことはやるべきでない、私は反対でございますから、私が反対で日銀総裁がおやりになる気がなければそういうことは起こらぬと思います。
#181
○参考人(速水優君) 与党の方から日銀が国債を引き受けるべきだといったようなお話はまだ一切伺っておりません。これは、短期証券につきましても日銀引き受けを昨年からやめておるわけで、市場で引き受けて日銀は必要に応じて買っていくと。短期国債の買い入れにつきましては、この二月九日の日銀の政策の中でもう少し積極的に市場から買おうということで二月だけで三千億ほど買っておりますが、こういうことはいたしてまいりますけれども、引き受けるということはやるつもりは全くございません。
 これは、やっぱり国債を引き受けることによってインフレをもたらしたというのは、高橋是清に始まって戦中戦後の、私どもの、インフレは私自身経験をしてきておりますので、これはやるべきでない。第一次大戦後のドイツもそうでしたし、イタリアなどでもそういった国債引き受けをやって、あるいは長期国債を買い過ぎてインフレになったというケースは見ておりますから、中央銀行としてはこれはやりたくない政策でございます。
 インフレ政策というのはとるつもりはございませんし、日銀の目的はインフレでもないデフレでもない状態でございまして、そういう意味で国債の引き受けはいたしたくないと思っております。
#182
○内藤正光君 与党にそういう要求をする人はいないということなんですが、仮にあったとして、そして、もしこういう政策をやってしまったとしたら確実にインフレが起こるわけですね。そういうことで一たんインフレが始まってしまったら、もう日銀にはそれをコントロールする力はないという理解でよろしいですね。
#183
○参考人(速水優君) 国債を引き受けるということは、今の財政法で禁じられておりますから、法律でも変われば別でございますけれども、そういうことは起こらないと思っております。それから、日本銀行としてはそういうことはするつもりは全くございません。
#184
○内藤正光君 わかりました。
 宮澤大臣も党内にないという、そういう要求はないということなんですが、仮にあったとしてもそんなのは押さえつけるといいますか、大臣として反対をしていくという、そういう理解でよろしいですね。
#185
○国務大臣(宮澤喜一君) それで結構ですし、余りそんなことは言う人は私はいないと思いますけれども。
#186
○内藤正光君 さて、その血管が詰まった原因である不良債権問題にここでまた戻りたいと思います。
 柳澤大臣にお尋ねしますが、銀行の不良債権の処理が私は一向に進んでいるようには思えないんですが、なぜなんでしょう。お尋ねします。
#187
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の処理はかなり一生懸命やっておりまして、平成四年からだったと思いますが、それ以降の、かなりこの不良債権問題というものが意識されて以降の不良債権処理額というのは、実は六十八兆円に上っているというようなことがございます。
 しかし、先ほど来、日本銀行総裁も言及されておりますとおり、不良債権の残高が減っていないわけでございまして、その意味するところは、先ほどもお話があったように、いわば不良債権の新規発生も何と申しますかそれを打ち消すように進んでいると、こういうことでございます。
 ただ、最近になりましてその両方ともが少し度合いが低くなっていますけれども、基本的にはそういう構造のもとで残高が減っていないと、こういうことでございます。
#188
○内藤正光君 これは、そもそも論に戻ってしまうかもしれないんですが、今、地価は下落を続けていますね。下落局面にあるかと思います。つまり、担保価値というのは時とともに下がっていくわけなんですね。普通に考えたらば、担保価値ができるだけ高いときに償却、すなわち直接償却をしてしまった方が有利に思えるわけですね。にもかかわらず、銀行は直接償却を進めずに間接償却で済ませてきた、その理由は何なんですか。
#189
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど申しましたように、不良債権の処理というのはかなりのテンポで進んでおりまして、その処理をする際には、もちろん部分償却ということで、実は借入先との間では債権債務の関係をそのままにしておきながら、それで担保はそのままに、担保相当額はバランスシート上に置きながら、その他の引当金によってカバーされている部分についてバランスシートから落としてしまう、そういうような処理も一つあるわけでございます。その場合には、まさに先生がおっしゃったような事態が起こっているわけでございますけれども、私どもそういうことが不良債権処理の大宗になっているというような認識は持っておりません。
 だといたしますと、不良債権の処理が行われている、償却が行われているというときには当然、担保物件もろともにどこかへ売却されるなり、あるいはそれを含めての債権の放棄が行われるとか、あるいは裁判所の命令によって償却が行われるとかいうようなことが行われているということでありまして、償却がそれなりに進んでおるということでございますので、今、先生が言われたように、何かそのまま維持されている、塩漬けになっているというようなことを前提にしての御質問にはなかなか的確な答えが見出しにくいということであります。
#190
○内藤正光君 ただ、現実問題としてなかなか直接償却が進んでいないのは事実ですし、また柳澤大臣も最近になってやたらとオフバランス、オフバランスということをおっしゃるようになった。つまり、直接償却を進めろ進めろというようにおっしゃるようになった。つまり、銀行がなかなか直接償却を自主的には進めてこなかったという、好んで進めてこなかったという現実はあるわけですよね。
#191
○国務大臣(柳澤伯夫君) ですから、償却を、あるいは償却を含めた不良債権のオフバランス化というのもそれなりに銀行も一生懸命やってきた。しかし、まだなかなか残高が減らない。したがって、もっと拍車をかけたらどうですかということを言っているというふうに御理解をいただければありがたいと思います。
#192
○内藤正光君 大臣も、私は御存じ、もう重々承知だと思いますが、直接償却が進まない一番の理由というのは、引当金を積むということは結局は資産を少なくするということで、結局は自己資本比率を下げるということ、つまりBISの規制に引っかかってしまうということですよね。だから、言ってしまえば間接償却という仮想的な償却の中で実は十分な引当金を積んでこなかった、引当金を積まずに来れてしまった、これが実は直接償却が進んでこなかった理由じゃないんですか。
#193
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、先生せっかくのお尋ねなんですけれども、引当金を積みますと損益勘定にまず影響があるんです、引当金は損金になりますから。したがって、その限りでは、もしそういうものがなかりせば、剰余金とかなんとかいってバランスシート上資本を、自己資本を増強する要因にはなるんですけれども、そういう得べかりし、あるいは実現するであろう自己資本比率の上昇、向上の機会を失するということはありますけれども、自己資本比率を、それでストレートに低下するというようなことにはならないというふうにとりあえず御理解をいただきたいと、このように思います。
 それから、引当金が十分引き当てられていないから、償却をするとすごい損失が出るから償却をしていないんではないかということについても、やはりこれはちょっと事実と違う。それは、引当金というのは、まず公認会計士協会の実務指針によりまして貸出債権の評価をし分類をすると。そして、今度は監査法人の監査等のもとで必要な引き当てを行う。そして、それ全部自主的に行うんですが、それらが適切に行われているかというのはこの我々監督当局の検査マニュアルによる厳格な検査が行われるということでございますから、いわば三重のチェックを受けているというふうに御理解をいただきたいわけでございます。
 そういうようなことで、かつては、私もここでいつぞや申し上げたんですけれども、引当金というものについてはどちらかというと利益を操作するというか、そういうような傾きがあるということで、税務の方面からこれをできるだけ圧縮しようというような圧力がかかっておったんですが、今やそうではありません。今や税務当局の御理解も得て、できるだけ適切な、潤沢な引当金を積むようにと、それでないと不健全なんですよというようなことになっていますから、今、先生がおっしゃったような事態ということは全く現実には存在しないということを御理解賜りたいと思います。
#194
○内藤正光君 大臣、厳格な検査とおっしゃいましたが、言うまでもなく債務者区分としては、悪い順に破綻先、実質破綻先、破綻懸念先、要注意先、そして正常先と五つにまず分類されるわけでしょうが、ちょっとお尋ねしたいんですが、そごうは昨年破綻したわけなんですが、破綻直前のそごう、そしてまた昨年末債権放棄の合意が達成できた熊谷組、そして今、債権放棄要請中の三井建設、これらは皆どの分類に属しているんでしょう。
#195
○国務大臣(柳澤伯夫君) 破綻をするときには……
#196
○内藤正光君 直前で結構なんです。もしわかったら。
#197
○国務大臣(柳澤伯夫君) 直前は要注意先であったということです。
#198
○内藤正光君 これら皆三つですね。
#199
○国務大臣(柳澤伯夫君) いや、そごうでございます。そごうは破綻を既にしましたのでここでお答えできるということで御理解賜りたいと思います。
#200
○内藤正光君 要注意先というのは正常先の一つ上の、二番目ですね、いい方から数えて二番目。この要注意先という判定に対して、金融再生委員会は昨年の五月でしたか、その分類に対して適当だというお墨つきを与えたんだと思います。ところが、三カ月もしないうちにそごうは破綻をしたわけなんです。つまり、五月の時点では要注意先だという区分分けをされてたものが、三カ月後には一気に三階級特進で破綻先になってしまったんです。これはどういうことなんですか。
#201
○国務大臣(柳澤伯夫君) 三階級特進になったわけでは実はないんですね。これは平成十一年の資産判定時では検査結果もあり、それからそこから上がってきたいろいろな資料を総合的に見まして、このそごうの問題でございますけれども、リストラ三カ年計画の効果によって経常赤字の黒字化も実現しているというようなことがありましたので、そこで結論として適資産ということに分類したということでございます。
 その後、現実にそごうの譲渡が行われるわけですけれども、そのときにはその直前の期、これは既に特別公的管理のもとに行われていた期でございますけれども、そこで赤字に転落したわけであります。そして、同時にその再建計画からかなり逸脱をするというような財務状況というか業績になってきましたので、これを破綻懸念先というように分類をして必要な引当金を積んで長銀から譲渡したと、こういうことでございますので、譲渡をしたときには破綻懸念先であったと、こういうことでございます。
#202
○内藤正光君 ただ、この金融再生委員会がオーケーだという判定を下したのが、要注意先分類ということで適というお墨つきを与えたのが五月ですよ。で、三カ月もしないうちに破綻ですよ、破綻。これが本当に厳格な査定なのかどうか。もっと言えば、熊谷組だって債権放棄直前では単に要注意先の分類になっていたんですよ。これは私は、厳しい査定、厳格な査定と言う割には余りにも甘過ぎやしませんか。
 さらに言えば、もっとお伺いします。その債務者区分をした後に債権分類するわけなんですが、その際、担保価値を公示価格の何割ぐらいに設定されているんでしょうか。
#203
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは一般的な原則ですけれども、土地担保の場合は、公示価格であるとか、あるいはそれがないというような場合にはこれは不動産鑑定人の鑑定結果というようなことで、まず基本を決めます。それからその後、担保の場合には、担保を実行するということになりますと、これは買い手市場になりますから、そういったことを勘案して担保掛け目というものを通常掛けて減額するわけです。その担保掛け目は通常七割、最小限七割と、こういうことになっておりますので、その準則に乗っかってこの担保の評価も行われていたと、このように申し上げたいと思います。
#204
○内藤正光君 最小限七割ということなんですが、大臣、お尋ねしますが、裁判所の競売価格は公示価格の何割ぐらいか御存じですか。
#205
○国務大臣(柳澤伯夫君) 七割がいけないということになりますと、担保掛け目を一体幾らにしておくことが検査上パッサブルなラインかということが根本からこれ問題になるわけでございますが、私どもの検査マニュアルでは今申したように七割ということ、これは売り急ぎますから当然買い手市場になるということでそういう評価をしている。その基本は、今言ったような客観的な市場価格と目されるもので基本を決め、それに担保掛け目を掛けているんだということを御理解賜りたいと思います。
#206
○内藤正光君 私は、聞くところによれば、とてもじゃないが七割じゃ今売れないということを聞いているんです。私は、適切な引当金を積むということであるならば、競売価格が公示価格の何割程度なのか、これは当局としては当然押さえておくべき数字だと思うんですが、いかがですか。
#207
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生、どういうことをおっしゃっているのかちょっと私も理解しがたい面があるのかもしれませんけれども、今地価が下がっているというのは公示価格とか不動産鑑定人の価格も下がるんです。ですから、不動産の鑑定というのは、不動産の担保価値というのは一度貸し出しをしたときに決めたらもうそれでほっておくというものでは実はありません。そうではなくて、できれば半年ごとに、少なくとも一年ごとにそういう評価をまずして、それに七掛けして、できるだけアップデーテッドされた市場価値に対して七割のディスカウント率を掛けていると、こういうことでございますので、できるだけ市価との乖離は、そういう評価、最初の評価でもって、一年おきに行われる評価でもって調整されていると、こういうことで御理解を賜りたいと思います。
#208
○内藤正光君 私は、債務者の区分分けのときでもすごく大甘査定、そしてまた担保価値の評価も大甘査定、もう本当に二重の大甘査定じゃないかなと思っているんですが。
 では、ちょっとさらにお伺いします。各銀行は、債権分類T、U、V、Wとあるわけなんですが、不良債権の債権分類ごとにどの程度の引当率を積んでいるのか、教えていただけますでしょうか。
#209
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、分類ごとにというお話でございますが、破産更生債権及びこれに準ずる債権では約九六%、引当率ですよ、それから危険債権では約六七%、要管理債権で約二四%、これが主要十六行で開示されている再生法開示債権における担保保証によってカバーされていない部分に対する引当金の割合であります。
#210
○内藤正光君 時間の関係もあるんですが、ということは、柳澤大臣は、もう引き当てはもう十分積まれている、適切に積まれているということですね。ということは、もっと言えば、これ以上の公的資金の注入という話は絶対にあり得ない、そういう理解でよろしいんですね。
#211
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず不良債権の認識をして、そして分類をして、それについては検査マニュアル等でパスするような引き当てを積むと、こういう処理が行われておって、それで検査も行われておるということでございます。したがって、引き当てについては、今申したように適切に引き当てが行われていると、こういうことでございます。
 引き当てが、先生今どうおっしゃられたか、引き当てが積まれているんだから資本注入が必要ないと、そこの論理がちょっとなかなかうまく私の、大変恐縮ですが、頭ではつながらないものですから、お答えがちょっとできないんですが、まあいずれにしても、公的資金による資本増強という問題には直ちにつながってこないというふうにお答え申させていただきたいと思います。
#212
○内藤正光君 じゃ、引き当ての話とはちょっと切り離して、資金注入というのはやらないんですか、やることもあるんですか。
#213
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、一番形式的に先生の御質問にお答えするとすれば、申請主義ですので、強制的注入主義じゃありませんから、申請があった後に考えると、これが形式的なお答えでございますが、それでは先生の恐らく御質問にはお答えになっていないんだろうと思いますので、さらに若干敷衍させていただきますと、資本の増強というのは、自己資本比率というものが、これは自己資本に対するリスクアセットの割合でございますけれども、そういうものが国際的な基準として八%ということで今決められているわけでございます。それが非常に八%を割るような事態になったらこれは資本注入をしなきゃいけないというようなことになるわけですが、現在の我が国の例えば大手行でいいますと、自己資本比率というのは一一%の高いところから一二%というような状況でございます。
 これが少なくなる場面というのは一体どういう場面かといってこの間じゅうから非常に議論があったのは、株価というものが非常に今低迷、低下をしているわけでございますが、これが平成十三年度から、つまり一番直近でいいますとことしの九月期からでございますけれども、これが時価会計というものが導入されて、株価の評価損というものが自己資本の減額要因として立つわけです。それはストレートに自己資本比率を下げるという作用をするわけでございますけれども、そのことは十三年九月期からでございますけれども、仮に今のような状況の株価がそのまま九月期に実現されておっても、その減少率というのは一番多く見ても〇・八%ポイントぐらいだということでございますから、さっき言った自己資本比率の国際基準の八%まで行くというようなことになると、それはまだ相当の距離があって、資本注入がすぐ必要となるというような事態にはならないであろうという我々は想定をしているということでございます。
#214
○内藤正光君 ということは、今の大臣の発言は、大手と地銀に関してはまず公的資金注入ということは考えられないということでよろしいですね。これはとりもなおさず早期健全化法の言うところであるわけですよね、三月までに日本の金融システムを健全化を図るということで。そういう理解でよろしいですね。
#215
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私が申し上げたのは、今、大手行と言われている、昔で言いますと都市銀行というかあるいは長信銀というか、それに信託銀行といったようなものをひっくるめて最近大手行と言っていますが、大手行の問題でございます。
 大手行の中でも、今、国際基準に合わせなきゃならないということで、国際的な業務を展開しているのはその一部なんですけれども、大手行は総じて、国際的な業務から手を引いても自分たちはどうしても国際基準の八%以上を実現したいんだという、そういう態度をとっているわけでございます。
 先生、今ちょっと大手、地銀とこうおっしゃられたんですけれども、地銀あるいは第二地銀といったようなグループについては、これは三月まで、私どもは三月末までいわば店を開いており窓口を開いておりまして、申請に必要というふうに各行が考えて申請をしてきた場合には、それに対して我々は一定の審査をして、必要とあらばこれに注入する、こういう立場であるということでございます。
#216
○内藤正光君 じゃ、ちょっと確認をさせていただきます。
 ということは、仮にこの大臣のおっしゃる大手行ですね、ひっくるめて大手行の中で、公的資金注入問題がもし万が一再燃することがあったとしたら、これはもう責任問題だという、そういう理解でよろしいんですか。
#217
○国務大臣(柳澤伯夫君) まだ、三月末で一応健全化法は切れますけれども、あれは預保法の改正だったと思うんですが、国際的な金融システムの危機が起こったときには金融危機対応勘定というものが発動されて、これは必要とあれば資金注入ができるというシステムはバックアップ体制として存在しております。
 で、先生が今もし注入が必要となる事態となればというのは、いつまでの期間のことをおっしゃっているのか、ちょっとよくわからないわけでございまして、永遠にと言われますと私もなかなか責任がとれない、こういうことでございます。
#218
○内藤正光君 私は何も永遠にと言っているわけじゃありません。少なくとも、一応早期健全化法では三月までに日本の金融システムを、健全化を目指すと言っているわけですから、これで例えば四月、五月に、あるいはまた九月の会計方式が変わるあたりでこの公的資金注入問題が再燃したら、私はこれは大きな問題だろうと思うんです。だから、そういったスパンでということですが、いかがですか。
#219
○国務大臣(柳澤伯夫君) 九月までのスパンでどういうことが自己資本比率を脅かすような要因かと言われれば、今、我々の展望するラインの上では、一つは先ほど言った株価、もう一つは不良債権の発生があり得るわけです。
 しかし、その双方ともに、株価については我々がそのよりどころとしておったのは昨年の九月期、これが直近の決算期でございます。この昨年の九月期の日経平均一万五千七百四十七円、これが例えば一割落ちたときどうだ、二割落ちたときどうだ、今が二割ぐらいになっているわけですけれども、そういうような相場であっても先ほど言った程度の自己資本の毀損というか低下率でございますから、この面については心配要らないであろうということでございます。
 不良債権の処理額についても、私どもは、業務純益の範囲内で大体おさまる程度の今は発生のぐあいであるから、したがってこれの処理損が大きく自己資本比率のところまで脅かす、こういうようなことはないであろうと、こういう展望を我々としては持っているということを重ねて表明させていただいておるということでございます。
#220
○内藤正光君 柳澤大臣には最後の質問になろうかと思いますが、私はもう不良債権問題の処理は大変な覚悟が必要なことだろうと思うんです。これこそまさに政治の決断が求められるでしょうし、やっぱりこれこそ本当の私は政治主導というところが問われてくるんだろうなと思うんですが、その辺の決意をお聞かせいただけますか。
#221
○国務大臣(柳澤伯夫君) まさに今、先生がおっしゃったとおりでありまして、不良債権、我々リスク管理債権というようなことで、これはアメリカ等との比較の上で便利なものですからこのメルクマールをとっているわけでございますけれども、こういうものが三十兆とか三十一、二兆だとかというようなレベルで持っているというようなことはやっぱり金融機関の収益力を非常に圧迫していますし、それから、今、先生が冒頭のあたりで御質問になられたように、もっとリスクをとってでも貸し出しをふやしていくというようなことが望まれると思うんですけれども、なかなかそういう資金需要にこたえていけない、体力がなさ過ぎるということでこたえていけない。これをどう是正していくかということで、私どもは不良債権の残高の圧縮をこれからドライビングをかけてやっていくべきだということをかねて呼びかけさせていただいておる。
 私もこれは重大な覚悟で臨んでいるということでございまして、幸いにして、宮澤大臣のような御経験の豊かな大臣も、また日本銀行の方でも、先ほどの御見解にもあらわれているように、こうした私どものこの動き、方針というものをバックアップしてくださるというようなことをおっしゃっていただいているものですから、私も勇気づけられているということでございます。
#222
○内藤正光君 平沼大臣にお尋ねします。
 不良債権処理というのは私は構造改革そのものであると。ということは、不良債権処理だけやってもだめだと。やはりそれと並行して、例えば参入障壁の撤廃だとかさまざまな規制改革もやっていかなきゃいけないでしょうし、また受け皿として新たな産業が生まれやすいような、そんな環境づくりを進めていかなきゃいけないと思いますが、その辺の御認識についてお尋ねします。
#223
○国務大臣(平沼赳夫君) 私は議員御指摘のとおりだと、こういうふうに思っています。新規産業を創出、育成するための施策は、良好な雇用機会の確保のためにも極めて重要であると、こういう認識を持っています。
 今御指摘のように、新しい市場の創出と、そうした新しい市場においてベンチャー企業などが円滑に企業活動を行えるようにするための環境整備、こういう二つの側面からの施策を講じていくことが必要だと思っています。
 一つ目の御指摘のあった新しい市場の創出の側面からは、昨年十二月に「経済構造の変革と創造のための行動計画」、これを閣議決定いたしまして、IT、エネルギー、医療、福祉や環境など、今後の成長が期待される分野における新規産業創出のための施策に一生懸命取り組んでいるところでございます。
 また、今、議員が御指摘になられました参入規制の撤廃についてもそのとおりだと思っておりまして、この行動計画において、電力・ガス事業における自由化についての検討、医療・福祉分野における民間参入の促進などの施策も盛り込んでいるところでございます。
 もう一つ、ベンチャー企業などが円滑に企業活動を行えるようにするための環境整備の側面については、従来から資金面、人材面、技術面の各般の措置を積極的に講じております。
 具体的にどういうことをやっているかといいますと、資金面からの対応として、エンジェル税制の抜本的拡充、担保に乏しいものの成長性の高い中小企業に対する融資制度の創設等に加え、議員御指摘の、これは直接金融市場の活性化、こういった措置も必要だと、こういうふうに思っています。
 これまで当省としては店頭登録基準の見直しや公開前規制の緩和について関係行政機関に働きかけてきたところですけれども、最近ではマザーズ、ナスダック・ジャパンといった市場が新たに設立され、ベンチャー企業が新規公開を行い、株式市場から資金を円滑に調達できる環境が整備されてきました。さらに商法上、株式分割を円滑に行えるための純資産額規制の見直しや優先株の発行要件の見直しなど、ベンチャー企業が直接金融市場をより利用しやすくする、そういったための施策も今一生懸命取り組んでおります。
 また、人材面、技術面からは産官学の連携に積極的に取り組んでいるところであり、具体的には、大学等技術移転促進に基づき承認を受けたTLO、これは技術移転機関、これに対して助成金を交付するなどの支援策や、産業技術力強化法によって国公立大学の教官が民間企業の役員を兼業する場合の規制を緩和する、こういった措置を講じることによって大学等における研究成果のベンチャー企業等への技術移転が円滑に進むような施策にも取り組んでいます。
 当省といたしましては、今後とも新規産業の創出また育成に全力を挙げて取り組まなければならないと、こう思っています。
#224
○内藤正光君 坂口大臣にお尋ねします。
 構造転換が進めば当然のことながら一時的に大変な雇用問題が発生すると。これを放置すれば社会不安がもう本当に巻き起こるわけなんですが、そこでお尋ねしたいんですが、予想され得るさまざまな雇用問題に対して私は二年あるいは三年というふうに期限を区切ってやはり積極的な対応が必要だろうと思いますが、大臣としてその問題への対応をどのようにお考えになられているのか、お聞かせいただけますか。
#225
○国務大臣(坂口力君) 今までの議論をずっと聞かせていただきまして、不良債権の問題、そうした問題と絡んでの雇用問題ということではないんだろうと、もう少しトータルとしての雇用問題ではないかというふうに思っております。
 今議論がありましたように、不良債権の直接償却等が起こったときにどうなるかという問題は、それは直接償却が起こりましても、その分その雇用対策という特別な雇用対策があるというわけではなくて、そういうことが起こります経済環境、トータルで見てそれに対してどう対応するかということではないかというふうに思っております。
 現在の雇用状況をずっと見てみますと、この半年ぐらいの間失業率は四%後半の高どまりをずっとしているわけでございますが、しかし、私の方が調べております有効求人倍率の方は去年の一月から十二月までずっと徐々ではございますけれどもだんだんと回復をしてまいりまして、この一月には若干、〇・〇一下がりましたけれども、有効求人倍率の方はいい状況を示してきた。このいわゆる完全失業率と有効求人倍率との乖離は何を意味するのかということを私もずっと検討してきたところでございます。それを見ますと、かなり新求人、新しい求人がかなりふえてきていることは事実でございまして、この一月もかなりふえております。
 ただし、その皆さん方がミスマッチがあって全部が全部雇用に結びつかないということもありますが、その皆さん方の中にはかなりな部分新しい職を求めて就職なさる方もあるわけです。しかし、その分それじゃよくなるはずでございますけれども、それがよくならないのは、今まで労働市場に出てこなかった、今まで労働市場に乗っかっていなかった人たちが新しく手を挙げてひとつ働きたいというふうに言っておみえになる。その皆さん方がその後を埋めるものですから完全雇用としてはなかなか減らないという事態が起こっているということでございまして、これらの問題に対応していかなきゃならないというふうに思っております。
 総合的な対応といたしまして、これらのことに対応いたします点に、一つは、第三次産業が日本もふえたとはいいますものの、欧米先進国に比べますとまだまだこの第三次産業は少ないわけでありまして、ここはまだゆとりがある。もう少しこの辺のところの環境を整備して、ここに新しい雇用をつくり出していくということができるのではないかというふうに思っております。
 今まで、どちらかといいますと、雇用対策といいますと産業が悪くなりました後片づけという感じでございましたが、その後片づけだけをしている雇用対策ではいけないので、新しい仕事を生み出す雇用対策なるものがやっぱり必要なんだろうと。そこの私たちも考え方を転換していかなきゃならない時期に来ているというので、旧労働省、今厚生労働省の皆さんにもひとつその辺の新しい考え方に立って施策を続けてほしいということを言っているわけでございます。
 例えば、ベンチャー企業がありますときに、そのベンチャー企業をやろうとする人に対する雇用を支援するといったようなことはその一例ではないかというふうに思っておりますが、そうしたことをより積極的に進めていく雇用対策というのが今必要になっているというふうに考えておりますことを申し述べたいと思います。
#226
○内藤正光君 質問を江田議員にお戻ししたいと思います。
#227
○委員長(岡野裕君) 江田五月君の質疑に移ります。江田五月君。
#228
○江田五月君 時間が多少残りましたので、質問を続けます。
 報償費について、高村法務大臣、外相当時の責任をとって外相の給与を返還されるということを伺いましたが、説明してください。
#229
○国務大臣(高村正彦君) 外相の給与じゃなくて、法務大臣としての給与を六カ月分返納する、法務省から現金でもらう分を六カ月分返納する、こういう手続をとったところでございます。
#230
○江田五月君 外務大臣当時の責任をとってということですか。
#231
○国務大臣(高村正彦君) 私の外務大臣当時も含めて言語道断のことが行われていたということにかんがみまして、現時点での外務大臣が返納されたということをお聞きしまして、私はたまたま現時点では外務大臣ではありませんけれども、政治家としての気持ちとして返納する、こういうことでございます。
#232
○江田五月君 あなたのその潔癖さに期待をして、もう少し質問をさせてください。
 埋め込みとか、潜り込ませか、こういう言葉があるのは御存じですか。
#233
○国務大臣(高村正彦君) 先ほどの予算審議の中で江田議員が言っているのをお聞きしましたし、その数日前に新聞でそういうような言葉を見たような気がいたします。
#234
○江田五月君 私は本当に去年からことし、あるいはこの二、三年、信頼の崩壊ということがこの国を覆ってしまっているような気がするんですね。先ほどのような、この上納システムという言葉で表現される金の動きがなかったという、これで本当に国民が納得するか。それから、福岡事件の場合もそうです。警察と、あるいは検察、法務当局と、いろんなことが出てきますが、何が本当だかわからない。そして、最後に何か、きっちり調査をしました、この調査で間違いありませんと全部が整った調査報告をされて、それでおしまいでは、これは国民は信頼回復できない。
 司法のシステムというのは、これは高村さん、信頼だけが頼りですね、信頼だけが頼り。どういうふうにしてこの今の福岡事件で崩壊した司法の信頼を取り戻そうとお考えですか。
#235
○国務大臣(高村正彦君) 検察の公正さ、ひいては司法の公正さに国民が疑念を持っていると、こういう事件が起こったことは心から憂慮しておりますし、国民に検察を所管する大臣として大変申しわけないことだと思っております。できるだけ早くできるだけ詳細な調査を行って、そしてその詳細な調査をできるだけ国民に明らかにしたいと。
 国民に明らかにした段階で、当然、江田委員を初め多くの国会議員の方からも法務委員会等を通じて質疑もあると思いますし、そういったことについて誠実に答えていきたい、そういうふうに考えております。
#236
○江田五月君 私はやはり、これまでのこの国のシステムで信頼回復というのはなかなか難しいところがあると。例えば特別検察官という制度もアメリカではあると。査問会議はああいうことをやった。特別のトライビューナルをつくるといったことも必要かもしれない。何かやっぱり、みんなの見ている前、情報公開をしながら、反対尋問にさらしながら、信頼回復ができるものならそういう手をとりながらやっていくということでなきゃならぬと思うんですね。
 報償費については、この新聞の報道、外務省の中堅幹部がこう語った、「ウソを重ねた結果、今さら事実を認められなくなっているんだ」と。やっぱりこれは政権交代をやらなきゃいかぬ。KSDは私たちはつぶす、あるいは機密費はちゃんと明らかにしていく、司法も本当に事態の推移をその都度情報公開で明らかにしていく、そこまでの覚悟がなければいけない。
 本当にこの国は今、そういう切りが、けじめがつかなくなってしまっているということを最後に申し上げて、質問を終わります。
#237
○委員長(岡野裕君) 以上で江田五月君及びその関連質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#238
○委員長(岡野裕君) 次に、益田洋介君の質疑を行います。益田洋介君。
#239
○益田洋介君 日銀総裁、大変に御苦労さまでございます。
 昨日、都内で総裁は講演をされました。その中で、景気回復は一段と鈍化をされているということを御指摘になった上で、さらに日本経済の再生策について言及をされました。それは、金融機関の不良債権処理を促進するということを中心にした、言ってみれば構造改革の具体策の提言という形でお話をるるされたというふうに伺っております。
   〔委員長退席、理事須藤良太郎君着席〕
 特に総裁は、構造改革に対して政府がどれだけ積極的に推進していくかということが金融緩和の一つの条件になるんだと、そういうふうに示唆をされたというふうに伺っております。この点、若干敷衍をしていただけますでしょうか。
#240
○参考人(速水優君) 構造改革につきましては、私もかねてから、日本はやはり、アメリカがかつてやり、イギリスもかつてやり、サッチャリズムとかレーガノミクスとかいって十年かかっていろいろな規制を緩和、撤廃し、政府に頼らないで自分で自分の道を開いて新しい仕事をどんどんつくり上げていくといったような措置をとっていって、それがアメリカの場合もイギリスの場合も見事に花を咲かせた。九〇年代になってそれが経済の成長、財政の黒字、金融もかなり安定した姿でつい昨年末まで続いていたわけでございます。
 日本の場合も、財政、金融、いずれもかなり思い切った不況に対する対策をとってここまで来たわけですけれども、それぞれ、財政の方もそうでしょうし、私どもの方も超低金利でここまで来ておるわけでございまして、ここで先ほども説明したんですが、ただ金を出すということだけで生産力がふえ、あるいは経済成長が行われていくというものではないことは、この十年の日本の経験からも数字で出てきております。
 きのうの講演でも、構造改革の中で特に二つのポイントを、特に金融関連で言わせていただいたんですが、私の考えで、やはり銀行の不良債権については直接償却を推進するとともに、その予備軍である要注意債権についても十分な引き当てを行っていくように銀行を指導していくことが必要であると。銀行も努力して信任を回復して増強していくように努めていただきたいということが一つと、もう一つは、リスクキャピタルの増大に成功したドイツの例を挙げまして、現在現金や預金に偏っている、千三百八十兆、約千四百兆の五四%が現預金に日本はなっているんですけれども、一方、市場に直接投資する株や債券を買うというのは非常に少ない。今のところ一四%ぐらいですが、アメリカは逆に一〇%が現預金で、市場を通ずるものが五〇%ぐらいになっていると思いました。
 そういうような偏った家計の金融資産というものを何とか市場に引き出していくことができないか。特にこういうときに、今株価を動かしている大部分、半分以上が外資であるということを見ておりますと、もう少し一般の家計が積み上げた金融資産を市場に、いろいろファンドを通じたりあるいは投資信託を通じたりするような形でもいいですから、直接投資の形で新しい企業を育てていくとか、あるいはこれから伸びるであろう企業に投資をしていくとかいったようなことが行われていくことが望ましいと思うと。
 ドイツはそれに成功して、ここのところ現預金からかなりの部分が直接投資の方へ移っているんですね。それには九一年から十年近くかかっていろんな手を打ってそういうふうに流してきたんですが、そういう例を見ておりますと、日本もここで何かそういう手を打っていく必要があるというふうに思いましたので、そのことをこの講演で言わせていただきました。
#241
○益田洋介君 ありがとうございました。
 さらに総裁は興味深い話をされたそうでございます。それは、企業向けの融資、ローンでございますが、それをマーケットで売買するという、債権売買マーケットの整備もやはり不良債権の最終処理を推進する一つの大きな役割を果たすであろうと。これについてはどういうことでございますか。
#242
○参考人(速水優君) 直接償却といってもなかなか難しいことだと思いますけれども、そういう場合に、例えば会社を分割して不良資産を別会社に移して償却していく、部分的に償却していくといったようなやり方と、貸出債権の売買市場を改善していって、そういう不良債権についても、売買市場が大きくなっていくということがそういうものをやりやすくしていくことになるんではないかといった例を挙げさせていただいた次第でございます。
#243
○益田洋介君 昨日の東京の外国為替市場は、この総裁の発言に非常に機敏に反応いたしまして、終わり値が百十九円二十三銭。大変量的緩和の一つの手段として為替介入による円安の誘導というのが市場を動かしたようでございますが、三時三十分現在で百二十円二十六銭までつけている。非常に効果があったわけでございます。
 さらに、市場介入のために売った円を買い戻さずに市中に出回ったままにして結果的に資金供給をふやすという、これはこうした業界では非不胎化介入と呼ばれているそうでございますが、こういうことも提言されている。これについてはどういうふうにお考えでしょうか。
#244
○参考人(速水優君) 非不胎化介入というのは、私どもの方では事実上国内市場の繁閑を見て円資金の供給、吸収をやっておるわけでございまして、それはその方が適切であると思うし、それに例えばドルを買って過剰に円を出した場合には、それを適当な形で吸収していくといったことをやってきておるわけで、その逆の場合は逆でございますが、それで引き続きやっていきたいと私どもは思っております。
 それから、先ほど申したわけですが、きのうの講演の中で、為替介入による円安誘導というのは、世の中で言われているけれども、これはそうした手法について基本的な考え方を説明したものでございまして、そうした政策を採用すべきだと主張したものではございません。もとより為替介入は財務省の権限でございますし、また講演でも申しましたように、輸入価格を上げたり、近隣のアジア諸国から物を日本に輸出する、日本が大きな市場でございますから、それを邪魔するようなことにもなりますし、そういう意味ではよく考えてやる、問題点は非常に多いと、むしろ否定的な意味で申したつもりでございます。
 為替相場につきましては、経済のファンダメンタルズを反映して安定的に推移していくということが望ましいわけでございまして、その基本的な考え方は私も長い中央銀行生活の中でずっと持ち続けております。通貨の強いことは国益に反しないということを中央銀行の人たちはよく申しますけれども、私もそうだと思っております。
#245
○益田洋介君 それでは、財務大臣にお伺いしたいんですが、昨日、総裁のこの講演の中で総裁自身がお触れになったように、介入の規模には当然限度があるだろうと。そこで、介入での為替相場の人為的なコントロールはどこまでできるか、どこまで可能なのかわからないといった発言がございました上に、さらにアメリカの景気が現在のように急減速している中で、円安で対米輸出を伸ばせばアメリカの貿易赤字はさらにふえるわけで、不況の輸出というふうな批判をこうむっているわけで、アメリカはこれ以上の円安ドル高というものを容認しないんじゃないかという見方も一方であるようでございますが、この辺、財務大臣、どのようにお考えでしょうか。
#246
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、御自身からお話がありましたように、その点について総裁は、ポリシーの考え方を御説明になったのではなくて、いろいろ説があることについて、その説の由来を説明されたということであったと私はあのときから承知をいたしております。
 それで、私自身、今のお尋ねでございますけれども、為替を人為的にどうかしてそれを経済政策に役立たせようという気持ちは私は一切持っておりません。
#247
○益田洋介君 あした、与党三党が緊急経済対策をまとめる予定でございますが、その中にも日銀への金融緩和要求を盛り込む予定だというふうに伺っております。
 中央銀行への政治的な圧力というのは、洋の東西を問わず、歴史的にも百害あって一利なしというのが世界の共通認識であると私自身も理解しておりますが、九九年の初めに、当時発足したばかりの欧州中央銀行に値下げを求めたドイツのラフォンテーヌ大蔵大臣が欧州各国の政府とそれからマーケットから強い非難を浴びて辞職に追い込まれたと。この中央銀行と政治の力関係というのは、当然のことながら日銀はこれは独立した今組織に日銀法も改正になってなったわけでございますが、やはりどうしても総裁とか役員の任命を政府がする以上は、全くその関係が断ち切られたわけじゃないと思います。この点について総裁はどういうふうにお考えでしょうか。
#248
○参考人(速水優君) お答えいたしますが、新しい日銀法によりまして中央銀行の独立性といったものが保証されたわけでございます。政策については、私ども政策委員会で決定会合を開いて基本的な政策を決めることになっておりまして、そのことについては政府の側でもよく御承知いただいて、私どもにお任せいただいておると思っております。
#249
○益田洋介君 日銀総裁、最後の質問でございますが、量的緩和、先ほど来ずっと御議論を同僚議員とされてこられましたが、具体策の一つとして、長期国債の買い切りのオペが考えられますが、これに加えて、一部経済学者の間では、一般企業の社債あるいは不動産担保証券、こういったものも買いオペの対象にするべきじゃないか、こういう意見があるようですが、この点はいかがでしょうか。
#250
○参考人(速水優君) 日本銀行では、本行資産の健全性を確保するという観点で、信用度とか市場性というものが十分にあって、日本銀行の権利が保全されるということが確実なものをオペの対象にして買っております。適格担保と称しておりますが。また、オペにつきましては、機動的な実施の観点から、対象資産の決済が円滑かつ迅速に行われるものが重要であるというふうに思っております。
 こうした点から考えますと、今おっしゃった転換社債とかあるいは不動産担保証券といったようなものはまだ市場が非常に小さいんです。ですから、そういった意味でのこの流動性、機動性というものは十分でないというふうに私どもは現状では考えております。
#251
○益田洋介君 日銀総裁、ありがとうございました。
 次に、財務大臣にお伺いしたいんですが、経済財政諮問会議というのは非常に今国民が期待をしているわけでございます。そうした期待を裏切らない政策の立案の責務が会議にはあるわけでございますが、構造改革を促すさまざまな税制改革、規制緩和による市場の活性化の具体化が必要でございますが、これは相当実行する意思と能力、責任感といったものがこの会議には必要とされておりますが、この点についての財務大臣の御決意をお聞かせ願いたいと思います。
#252
○国務大臣(宮澤喜一君) 今日までのところ、何回かの会議で諮問会議としては一つ、二つ大切な決定をいたしております。
 一つは、平成十四年度の予算編成に関することでございまして、諮問会議で、しばらくの間、国の大事な政策とおぼしき問題について関係閣僚あるいは関係者の意見を聞いた上で、ある時期に来年度の予算編成の中で最も大事と考えるべき事項について諮問会議として大まかな一つの意見交換をする、そしてそれを、やがて来年度予算の概算要求基準が大蔵省から決定されるわけでございますが、そういう段階において、諮問会議のそういう議論の骨太なところを各省庁にも大蔵省にもよく承知の上で概算要求基準等々の決定に持っていきたいと。
 つまり、従来ばらばらでありました予算の主たる項目についてアクセントをつけて諮問会議でそういう意味での主要な問題についての表示をしようと、こういう部分が予算編成についてのさしずめの決定でございます。これは、従来の予算編成方針をそういう形で改めていこうという問題でございます。
 もう一つは、かねて御議論になっております財政再建につきまして、これは、私が前から申し上げておりましたが、それに関係いたします中央、地方の行財政の問題あるいは税制の問題、なかんずくソーシャルセキュリティーの問題について、全部を含めました同時的な、サイマルテニアスな政策決定を行うための方法として、マクロモデルの作成を内閣の経済社会問題研究所に、作成を依頼と申しますのですか、作成をするように伝えたと。
 これは半年ぐらいかかるそうでございますが、そのマクロモデルの上に立ってシミュレーションを行うことによって、財政再建のみならず二十一世紀の最初の十年あるいは二十年における経済社会のあり方についての基本を決定しよう、いわばこれは負担と給付をどういうふうにするかといったような国民の選択にかかることでございますが、そういうことについての経済財政諮問会議としての作業を進めていこうと。
 このぐらいなことが二つ決まったところでございまして、恐らくこれからは、したがいまして前段に申し上げました来年度の予算編成に関して特に重視すべき事項についてのヒアリングに入るということになるのではないかと思います。
#253
○益田洋介君 次に、柳澤金融担当大臣にお伺いします。
 不良債権に関してでございますが、最終処理の早い道の一つとして、大幅に値引きをして売却する、これは足切りというような言い方を業界ではしているそうでございますが、債権を買った機関投資家は全額回収しなくても購入価格を上回る程度に回収すればいいということで購入意欲がマーケットに強いんだと伺っています。
 これまで簿価で約二十兆円の不良債権を売却されている。これは、一つの転売市場の整備が必要なのと同時にやはり売却を活性化させる、この方法でするためには情報開示が一番大事であるというような指摘がございますが、実感としてどのようにお感じでありますか。
#254
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権のオフバランス化の方法として三つなり四つなりの形態を私、かねて申し上げているわけですが、もうちょっと大きく分類をいたしますと、今、先生がお触れになられたような不良債権の売却ということと、もう一つは償却と申しますか、そういうふうに大別もできようかと思うわけであります。その意味で、先生がまさに御指摘になられたように、不良債権の売却というのはオフバランス化の有力な手段であるというふうに私、考えておるところでございます。
 問題は、そういう市場が少ないんではないかと。特に、日本の場合になかなか根っこの貸し付け方がコーポレートファイナンスであるということで、プロジェクトファイナンスの場合のアメリカなどと比べまして、やっぱり債権を一つまとめて、このプロジェクトの債権を売りますよというような形がなかなかとれなかったことが一つ大きな障害であったと思うんですが、不良債権問題が顕在化してまいりまして、やはり当初は外資系と申しますか外国系のそうした受け皿と申しますか、そういったものが随分活動をしていただきましたし、最近では、日本の大手行でも子会社をつくってそういう売却の受け皿としての仕事をしようと、こういうような動きがあるように私聞いておりまして、大変このようなビジネスがまた盛んになるということは、私どものオフバランス化にとって有力な手段であって大変期待をしたいなと、そんな気持ちも持っているわけでございます。
#255
○益田洋介君 続きまして柳澤大臣に伺いたいんですが、民事再生法の適用による直接償却ということで、これは金融機関の不良債権の最終処理が進むのに加えまして企業の再建可能性が高まるわけですので、金融と産業の一体再生につながるというふうな論理が背景にあると思います。ただ、申請後における人件費や仕入れなどの運転資金が不足すると結局事業継続が困難になるので、弁護士などではアドバイスをする際に二の足を踏む人がかなりいるんだというのが現実であるということも伺っております。
 さらにはまた、懸念されるのは、再建の見込みが本当にないのに申請するだけで融資が受けられるといったことでモラルハザードが生じるんではないかということで、金融庁の検査を弾力化するように経済産業省では望んでいると同時に、また、この運転資金の融資のために商工中金に融資制度を設けるというお考えがあられると思います。
 さらには、その融資の担保を確保しやすいように、土地や工場などは大体担保に入っている場合が多いので、売り掛け債権や在庫などを担保登記するような、あるいはその手法を、事務手続を簡便化するというような、そういう組み立てであると思いますが、経済産業大臣と金融担当大臣に、両方お伺いさせていただきます。
#256
○国務大臣(平沼赳夫君) 民事再生手続等の再建型倒産手続に入った企業等については、一般的に言いますと、社会的評価の厳しさや、融資を行った場合の当該債務の法的、制度的取り扱いの問題に起因して、その事業を継続のための新たな資金供給に困難を伴うのが実態であります。
 経済産業省といたしましては、こうした事業再生過程にある中小企業に対する資金供給を円滑化するための方策について、有識者等の意見等を踏まえつつ今検討を進めております。一部新聞にも出ました。
 その一環として、政府系金融機関が事業再生過程にある中小企業への資金供給を行うことについても、今、委員御指摘のとおりモラルハザード防止等の観点から、融資を受けられるのは事業の再建可能性の高い企業に限る等の適切な対応が必要だと思っています。基本的には経済産業省としては積極的に検討をしていきたいと、こういうふうに思っています。
 また、今ちょっとお触れになりましたけれども、再生手続等の新たな融資債権の金融検査上の取り扱い、こういった問題を含め、事業再建途上にある企業への円滑な資金供給のため、さらなる環境整備、これを行っていかなければならないと思っておりまして、金融庁や法務省とも連携をとりながら進めてまいりたい、このように思っています。
#257
○国務大臣(柳澤伯夫君) 民事再生法による企業の再建型の処理というのは、私どもも不良債権のオフバランス化のこれまたもう一つ有力な手段であるというふうに考えております。この関係で申しますと、一つは私的整理、法的整理というのがあるわけですけれども、その法的整理の中でも一番、特に最近制定されただけに使い勝手のよいそういう法制であるというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、今、先生もいみじくも指摘され、また経済産業大臣からも御言及がありましたとおり、若干の問題があるということでございます。
 一つは、その話し合いの過程に入った後の合意を得るまでの運転資金等の融資を一体どうするかということがあるわけでございまして、これは俗に言う共益債権ということで、本来、残余財産というか整理の場合の保護されるべき最もプライオリティーの高い債権ということで尊重されるべきものでございますけれども、なかなかその間のルールがまだ判然としないというようなこともあるわけでございまして、そうした中で、今、経済産業大臣の方から、政府関係金融機関でこうした共益債権的な話し合いの過程の中の期間における融資、こういうものを考えてくださるというのは大変ありがたい措置であって、私ども、この制度が円滑に運営されるためには非常に大きな力になるのではないか、このように考えているわけでございます。
 それからもう一つは、今、法的な整理の中で再建型の倒産法制、会社更生法であるとか、さらに最近の、今、先生御言及の民事再生法による処理、これらも、例えばNHKの放送などでは何と言われるかというと、これで事実上の倒産になりましたといって、もう倒産というレッテルが張られてしまうわけでございます。
 そうしますと、やっぱり社会的な評価も下がりますし、取引先等も、ああ、じゃ倒産した先と自分も取引を続けるというのはどうかなというようなことになってしまうということで、これはもう本来法律が考えているものと逆の結果を生んでしまうということでありまして、このあたりの何というか社会的なパーセプションというあたりも何とか少しずつ変えてもらわなければならないなというように感じております。
 それからもう一つは、残債、一部分整理をしてあと当然健全な、バイアブルな事業部門が残りますし、それに対応した債務が残るわけでございますが、この残債の金融検査上の評価というものが、倒産をしたからこれはもう非常にグレードの低いものだというようなことになってしまうと、もうこれは金融機関としては、ここにさらに貸し増しをするということは、これは背任とかなんとかという問題が起こって実にやりづらいというようなことになりますので、この残債の金融検査上の評価というものについてももう少し工夫をしなければならない余地が多いというように私自身も感じているわけであります。
 ついでといっては恐縮ですが、益田先生の御質問のついでに申し上げますが、私はさらに、民事再生法はやっぱり債権の犠牲というもの、毀損というものがプロラタなんですね。メーンバンクだから少しおまえさんはもうちょっと持ちなさいよと言いたいところなんですが、民事再生法になると完全にプロラタになります。私は、やっぱりメーンバンクというのは情報をかなりとっているわけでございますから、それなりの負担というか犠牲というものを負っていいのではないかというようなことで、民事再生法プラスそうしたことを入れる、そういうスキームというようなものをちょっと私的な整理と法的な整理の間ぐらいのところに一つ何か制度が生み出せないか、スキームが生み出せないか、そんなことも今考えておるわけですが、いずれもそうしたことは民事再生法の経験に学んでいるということであります。
#258
○益田洋介君 次に、河野外務大臣にお伺いしたいんですが、アフガニスタンのイスラム原理主義勢力でありますタリバーン、これが石仏像の破壊ですとか最近いろいろな耳目を集めているわけでございますが、石仏の破壊の停止とそれから平和交渉のために、与党三党の派遣団が昨日の朝、成田を出発したが、もう現地に着いていると思いますが。私は、外務大臣の親書を持っていって、アフガニスタンのムタワキル外務大臣にあてた親書と言われています。政府のこのタリバーンに対するといいますか、対するという言い方はいけないんでしょうか、外交的には、に関する基本的なスタンス、それから外務大臣はこの派遣団、三名の与党派遣団に何を期待されているのか、それをお伺いしたいと思います。
#259
○国務大臣(河野洋平君) イスラム原理主義勢力とでも申しますか、このタリバンによります仏像破壊につきましては、これは議員もよく御承知のとおり、イスラム原理主義というものが行くところまで行けば、これは偶像崇拝と言われるような、そうした仏像をみんな、物を破壊するというところまで考え方としては行ってしまうということはかねてから言われていたことではあるわけでございますが、今回そうしたことが現実に起こってまいりまして、私どもとしても大変驚いているわけでございます。
 とにかく、歴史的に見ましても、文化的に見ましても、これはやはり国際社会にとって大事な財産とでも言えるものであろうというふうに考えておりますので、これの破壊が行われることがないような手だてを国際社会がみんなでとっていかなきゃならぬというふうに思います。もちろん、ユネスコも一生懸命これに対して対応をしておりますし、日本でも民間の方々では平山郁夫先生なども大変心配をして署名を集めたりというようなことをしておられました。
 そこで、私どもといたしましては、このタリバンに対する働きかけをどういうふうにするかということについていろいろ考えているわけでございますが、何と申しましても場所はパキスタンでございまして、パキスタン政府と我が国政府との関係というものは、失礼、アフガニスタンでございまして、アフガニスタンと我が国との関係というものとタリバンと我々との関係というものは、これはもう全く、タリバンと日本政府との関係は全く非公式なものでございますから、さっき議員は外務大臣に書簡を届けたと言われましたけれども、これも実はそのタリバンの外相と言われる人に対して私どもとしては書簡を届けたわけですが、このやり方も厳密に言えばこれはなかなか難しいところだと思いますが、私はもうこういう緊急な事態でございますから、何はともあれ与党三党の方が現地へ飛んでいってくださるということでございますから、あえてタリバンのいわゆる外相と言われる方に書簡を持っていっていただいたわけでございます。
 その書簡の内容でございますけれども、書簡につきましては、私どもはこうした行為について我々がどれだけ深い憂慮を持っているかということを伝えて、そして持っていかれた三党の代表の方と会って十分意見を聞いてほしいということを書いてお持ちをいただいたわけでございます。
 私は、それと同時に、何と申しましてもここでこうした行為をとめるために大事なことは、イスラムの方々、イスラム世界の人たちが、こうしたことについて自制を促す発言、行動をしてほしいと、こう考えましたので、この三人の方々、三党の方々にはそうした書簡をお持ちいただきましたけれども、それと並行してイスラムの国、例えばカタールでございますとかクウェートでございますとかサウジアラビアでございますとか、そうした国、およそ七カ国か八カ国の国にも書簡を出しまして、ぜひイスラムの方々の中でこうした行為を自制するようにしてもらいたい、我々は文化、文明というものをいかに大切にしていかなければいけないかをお互いによくわかっているではないかと、こういう意味の書簡を発出したところでございます。
#260
○益田洋介君 けさほど米韓首脳会議がワシントンDCで閉幕いたしました。共同声明が発表されました。外務大臣はお聞きになっていると思いますが、通告していないで申しわけございません。
 非常に私もショックだったんですが、かなり激しい口調でジョージ・ブッシュ大統領が記者会見の中で、共同声明の中で北朝鮮のことを取り上げている。その中でブッシュ大統領は、北朝鮮というのは信用がならない、それから米朝会談の再開については全くめどがついていないと、こういうふうな発言を公然とされている。これ、外務大臣、どのようにお考えですか。
#261
○国務大臣(河野洋平君) ブッシュ政権が発足をしてまだまだアジア政策と申しますか、アジアの国々に対する対応については、現在のところは原則というものを非常に強く言っておられるというふうに私はまず感じました。
 ブッシュ政権のスタートに当たって私はパウエル国務長官とお目にかかりましたが、そのときにもパウエル長官は、同盟国とはできるだけ協力をし合っていこうということを非常に強く言われたわけでございますが、その反面、同盟国、つまり価値観を共有している、いない国との関係についてはほとんど言及をされなかったわけでございます。
 今回の米韓首脳会談は、まだ私は詳細に内容を分析もしておりませんし承知もしておりませんけれども、印象だけ申し上げますと、アメリカはやはり北に対して、今、議員がおっしゃるように、きちっとした対応をすると。どうも今までの政権はともすれば少しグレーゾーンを設けてやってきたけれども、自分たちはもうある意味で白黒はっきりさせて、そしてこちらの主張というものは先方が歩み寄ってくればそれはやると。そうでなければ、今そのグレーゾーンをそのまま続けるという感じは持っておられないという感じを私はいたしました。
 ただし、パウエル長官と私お目にかかりましたときにも、朝鮮半島の問題については、従来やってきたことについて、自分たちはこれから先は今までやってきたことに積み重ねていくんだと。つまり、それを全部ゼロにしてもとからやるというのではないというような口ぶりであったわけでございますが、クリントン政権の一番最後のところにそのまま考え方がつながっていくということではないというふうに、今回の米韓会談ではそこは非常にはっきりブッシュ大統領は言われたというふうに思います。
 この考え方は、私は、ブッシュ大統領のこうしたやり方は、必ずしも米韓だけではなくて、いずれの国ともやはりはっきりさせるところははっきりさせようというお気持ちがあるのではないかという感じも実は持っております。
 ただ、そういうやり方で世界じゅうのいずれの国ともきちっとできるかどうかということは、まだまだこれからよくブッシュ政権の外交の出方は見なければならぬところだと思います。
#262
○益田洋介君 もう一点、北朝鮮についてでございますが、先月の二十二日、アメリカの議会調査局は、上下両院議員の法案審議用資料として、北朝鮮テロリズムリスト解除かと題する報告書を作成して発表しました。
   〔理事須藤良太郎君退席、委員長着席〕
 その中で明らかにしたことによると、昨年二月に北朝鮮に対して、今アメリカの国務省は議会の承認を得て七カ国にテロリズム支援国家の指定をしているわけでございますが、北朝鮮に対する指定の解除のための四条件を明示したとされております。そのうちの四番目の過去のテロ支援問題に対処する。これが四条件のうちの一番最大の障壁であろうと言われている。
 その中で、北朝鮮による韓国国民の拉致問題もありますが、日本に関して二案件がございます。それは日本国民の拉致問題、はっきりそういう言い方をしています。それから日本赤軍メンバーの自国内での保護、これは国際犯罪者です。この二点をどういうふうにこれから交渉の末打開していくかということで、アメリカは相当積極的に、自国においてもカーター政権で七九年にはイランで人質にとられておりますし、八〇年代にはレーガン政権のときレバノンで人質にとられている。そういった辛酸をなめてきている国でございますから日本の政府の気持ちもよくわかってくれていると思うんですが、私が外務大臣にお聞きしたいのは、日本はアメリカに任せっきりにして、この拉致問題と赤軍派の日本への引き渡しといいますか、日本政府としてはどのような姿勢でこれから臨まれますか。具体的に何か今までされてきましたか。今後どうされますか。
#263
○国務大臣(河野洋平君) 北朝鮮政策は、今、議員が御指摘になりました問題が我々にとって非常に大きな問題であることはもう間違いございません。この問題をどう解決するかということについては、今、議員はアメリカ任せにするのかと、こういうお話でございましたが、私どもは日朝国交正常化交渉の中でこの話はずっと先方と議論をし続けてきているわけでございますが、この問題の解決には日本一国だけで交渉をするよりも、アメリカ、韓国、日本、この三カ国が北朝鮮政策について政策調整をやりながら政策合意を、いつも政策を確認しながら北朝鮮との交渉をやってきたというこれまでのいきさつがございますから、そういう意味で、その中で拉致事件につきましても、よど号の問題につきましても、我々はアメリカとは緊密な連絡をとってきたことは事実でございます。
 一番顕著な例は、前のオルブライト国務長官がピョンヤンへ行かれますときにも、ピョンヤン空港へ着く少し前、飛行機の中から私に電話をかけてこられて、これからもうじきピョンヤンへ着くと、日本からの話は改めてもう一度何かあるかと、こういうお話でございまして、そのときにも私どもは、この問題は特にミサイルのテポドン、ノドンの問題と赤軍派、それから拉致事件の問題、この二つだけはきちっとよく理解をして先方に言ってほしいということを申しました。オルブライト国務長官は、それはよくわかっていると、そのことは自分の頭の中に十分入っていると言って電話を切ったわけですが、ピョンヤン訪問の帰りにソウルで、またソウルまで私参りましてお目にかかったときにもそのことは、私どもの主張といいますか、説明を十分聞いて先方と話をしてくれたということがございます。
 これは日米でやはり協力をして対応するということでございますし、他方、日本は当然我が国の問題でございますから、日朝国交正常化交渉という交渉の中でこの問題を進めていくということは、これはもう当然のことでございますし、でき得る限りの努力を今していると、こういうふうに御理解をいただきたい。
#264
○益田洋介君 何回か、外務大臣、外交・防衛委員会で話題に上げてまいりました中国のノンバンク。
 最初は、平成十一年十一月十八日、外交・防衛委員会で、十一月の十三日と十四日に、倒産をいたしました、債務不履行になりましたGITIC、これは広東省でございますが、広東省の債務保証がついている、うち日本の借款団が融資した金額は八百八十億円、債務不履行。
 それから二番目には、平成十二年十一月九日、これは東方リースでございます。これは、一九八二年に設立された中国の外国企業との合併第一号、日本の会社ではオリックスが融資をしておりました。これは二百十数億円の未払いのリース代金がそのまま凍結している。これも債務不履行でございます。
 それから三つ目が、平成十二年十一月十六日の外交・防衛委員会で指摘をいたしました。わずか東方リースの破滅から二日たった十一日、今度は海南省にありますHITIC、これが日本の銀行の借款団に対して正式にデフォルトを通告したと。これは住友銀行と新生銀行のコングロマリット、総額百八十五億円。いずれも、この場合は中国の四大銀行が債務保証をしているけれども、デフォルトしても債務不履行である。
 これについて、その後どういう経過、私はあのとき外務大臣に指摘をさせていただきました。こういうことをしていくと、日本の企業は、金融機関は中国への投資をしなくなるでしょう、そういうことでよろしいんでしょうかと。その後どうなりましたでしょうか。経過をお願いいたします。
#265
○国務大臣(河野洋平君) しばしば議員からこの問題については御指摘をいただいているところでございます。
 今、議員もおっしゃいましたように、近年、日中間の経済関係、着実に拡大をしておりまして、日本からの投資も大変伸びてきているわけでございますが、その反面、こうしたさまざまなビジネス上の問題が出てきているわけでございます。いろいろなトラブルはございますけれども、とりわけ債権回収にかかわる問題というものは深刻な問題だというふうに私どもも認識をいたしております。
 ただ、政府としても、ビジネス上の基本的な信用にかかわる問題として、中国側に対して早くやれ、迅速に解決をしろということを強く求めてきておりますが、これに対しまして中国側の反応というものは、残念ながらもうひとつ機敏な対応にはなっておりません。昨年の十月の日中首脳会談の場で、森総理から朱鎔基総理に対して、この問題、こうした問題への適切な対応を求めた経緯がございます。
 その後、昨年十二月に天津国際信託投資公司が発行いたしましたサムライ債の利払いの遅延問題が発生した際には、我が方、在北京大使館を通じまして適切な対応を求めた結果、債務不履行は回避されたということがございます。
 政府としても、こうしたことで問題が拡大しないように最大の努力を払っているわけでございますが、議員が御指摘になりました広東国際信託投資公司の債務処理あるいは海南省のサムライ債権の回収、そしてその他各地でのリース債権の回収などにつきましては、我が国は従来から中国側の関係機関に対しまして適切な処理を随時求めておりますけれども、まだ解決をしていないのでございます。
 我が方といたしましては、引き続き先方に対しまして、今、議員からも御指摘がございましたように、こういう状況では日本からのビジネス、中国におけるビジネスに対する興味は冷めてしまうということを指摘いたしまして、問題解決に向けてもっと積極的に取り組んでほしいということは累次にわたって伝えているところでございます。
 昨年十一月の外交・防衛委員会におきまして御答弁を申し上げまして以来、今申し上げましたように、天津国際信託投資公司の利払い遅延問題が解決を、回避をされたということ以外には、なかなかこの問題解決ができていないということをまことに申しわけないことだと思いますが、そう御報告するわけでございます。
#266
○益田洋介君 斉藤防衛庁長官にお伺いします。
 昨日、東京地裁で萩嵜元自衛隊三等海佐に対して自衛隊法違反、これは守秘義務違反でございますが実刑判決、懲役十カ月という実刑判決が下りました。
 その中で裁判長は、吉村典晃裁判長は判決文の中で、情報管理の重要性を熟知していた幹部自衛官としてあるまじき行為で自衛隊の情報管理の甘さを露呈することになった、国民の自衛隊への信頼を大きく損ねたと、このように感想を述べています。これをどういうふうにお考えですか。
#267
○国務大臣(斉藤斗志二君) 委員ただいま御発言いただきましたように、昨日でございます、東京地方裁判所におきまして萩嵜、これは元海上自衛隊三等海佐でございますが、自衛隊法第五十九条、これは秘密を守る義務違反で懲役十カ月の判決が出されたところでございます。
 このたびの事件は、現職の幹部自衛官が外国武官に対して秘密を漏えいしたというあってはならないことでございまして、国民の自衛隊に対する信頼に背き、我が国の防衛に対する不信を招きかねないことについてまことに遺憾な不祥事だったと、心からおわびを申し上げたいというふうに思っております。
 今回の事件を教訓といたしまして、外国駐在武官などの接触、これの仕方を改める等幾つかの再発防止策を策定いたしまして、防衛庁、自衛隊に対する信頼の確保に努力しているところでございます。
#268
○益田洋介君 さらに、吉村裁判長は判決文の中で、有為な人材だった、しかるべき責任をとり更生して社会復帰してほしいと、個人的には非常に同情されている。
 しかし、これは自衛隊自体の量刑が、求刑は一カ月なんですけれども、判決は十カ月でしたけれども、懲役一年というのはこれは余りにも国家機密を漏えいした罪としては軽過ぎる。アメリカの場合なんかは最高刑で死刑ですよ。そこまではもちろん言いません、死刑というのは廃止されていますから。これについては御検討なさりましたか。
#269
○国務大臣(斉藤斗志二君) 防衛庁では、秘密漏えい事件の後、主に四つの柱で対応しているところでございます。
 一つは、秘密漏えい防止等のための事務次官通達を発出いたしました。二つ目は情報保全関係事務担当組織の整備を行っておりますし、三つ目として情報保全隊等の新編を行います。加えまして、委員今御指摘の秘密漏えいに係る罰則の強化の検討などを再発防止策として鋭意進めているところでございまして、その秘密漏えいに係る罰則の強化については、具体的には、自衛隊の保有する重要な秘密を漏えいした一定のものを対象とする罰則を新設、新しく設ける方向で検討を進めているところでございます。
 なお、罰則の対象とすべき秘密の範囲等種々の検討を要する法的問題点がございまして、関係省庁と密接に協議しつつ所要の検討を現在行っているところでございます。
#270
○益田洋介君 防衛庁長官、もう一問伺います。
 台湾海峡に面した福建省の海岸沿いで、この二、三年、台湾攻略の準備と見られる中国軍の弾道ミサイル、短距離弾道ミサイル、射程が百三十キロから六百キロ、これを集中的に配備し続けてきています。毎月、今、二基のペースでミサイルが配備されている。二〇〇五年には七百基にも達する。昨年末では二百基を既に確認されている。これは、防空ミサイルを備えたイージス艦システム搭載の駆逐艦四隻をアメリカが台湾にこれを売却するという動きが見えると言っているんです。
 これは、我が国の防衛庁としてはどのような情報収集をしているのか。これは国家危機の管理ですよ。これ、矛先を逆に向けられたら、壱岐、対馬、福岡、鹿児島を通り越して沖縄まで到達する。七百基ですよ、二〇〇五年に。
 僕は、やっぱりこの国家危機管理の問題というのは防衛庁の方からしっかりしていただきたいと思いますが、現状と御決意をお願いいたします。
#271
○国務大臣(斉藤斗志二君) 委員御指摘のように、台湾海峡にかかわりましていろんなことが指摘されているところでございます。また、中国の二〇〇一年の国家予算の中で、新しい年度の防衛予算の伸びが一七%という大変高い伸びもしているということも、私どもは注目しなければならないという点だと思っております。
 そこで、委員御指摘の、短距離弾道ミサイルを集中的に台湾海峡に配備しているのではないかという御質問でございますが、御案内のように、中国は近年、海空軍力並びに核ミサイル戦力を中心に軍事力の近代化を進めておりまして、短距離弾道ミサイルにつきましても、台湾対岸における新たなミサイル基地の建設の動きなどが伝えられているところでございます。ミリタリーバランスからとりましても、DF十五については発射機二十両とミサイル二百基以上、またDF十一についても約二十基が配備されているというふうに私ども承知しているところでございます。
 御案内のように、その将来の動向につきましては、はっきりした数字は明示されていないものの、今後増大するという見解がございまして、私どもは、中国の弾道ミサイルが増加傾向にあると見られることにかんがみまして、このような動きがこの地域、アジア太平洋地域における軍事情勢に与える影響について注意深く引き続き注目していきたいというふうに思っております。
#272
○益田洋介君 ありがとうございました。
#273
○委員長(岡野裕君) 以上で益田洋介君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#274
○委員長(岡野裕君) 次に、小泉親司君の質疑を行います。小泉親司君。
#275
○小泉親司君 日本共産党の小泉親司でございます。
 私は、アメリカの原子力潜水艦グリーンビルによる愛媛県宇和島水産高校の実習船えひめ丸への衝突事件について質問させていただきたいと思います。
 今回の事件は、御承知のとおり、アメリカの原潜グリーンビルが、ハワイのオアフ島沖九マイル、領海の中でありまするけれども、この中で大変無謀な緊急浮上という訓練を行った。その結果えひめ丸に衝突をいたしまして、九名の方々が依然行方不明になられている大変悲劇的な事件であります。
 私たち日本共産党は、この事故が起こりました直後に直ちに調査団を派遣いたしまして、事故原因の究明初め、家族の方の支援、捜索の継続などを沿岸警備隊に要求するなど、調査活動を行ってまいりました。私もその一員としてハワイで一週間この調査活動を行ってまいりました。
 当時、大変国民が苦難の中にあり、海の中にほうり出された状況の中で、森首相がかけゴルフに明け暮れていた。私は、やはり一国の首相としてこのことは断じて認められない、このことをまず初めに申し上げたいというふうに思います。
 私たち、この問題というのは、決してあいまいな決着がされてはならない、事故原因の徹底的な究明、そしてその責任の明確化のためにあいまいな決着やうやむやな決着は絶対に許されない、こう考えておりますが、これは政府全体の問題でありますので、官房長官にまずお伺いをしたいというふうに思います。
#276
○国務大臣(福田康夫君) この今回の事件は米国との交渉という部分がほとんどでございますので、本来ならば外務大臣から御答弁申し上げるのが適当かもしれませんけれども、御指名でございますので、私からまず申し上げたいと思います。
 政府といたしましては、今回のような事故が再び繰り返されないためには、まず事故原因を徹底的に究明する必要があると考えており、米側に対しまして、現在、米国国家交通安全委員会と海軍がそれぞれ行っている調査を通じ、事故原因が早急かつ徹底的に究明されるよう求めているところでございます。
 二月二十七日、米国政府特使として来日しましたファロン特使より手渡されましたブッシュ大統領から森総理大臣にあてた親書において、米国政府は事故原因に関して十分かつ透明性のある調査を行うことを保証する旨約束をしております。また、五日からホノルルで開催されております海軍の審問委員会に政府は海上自衛隊の将官をアドバイザーとして派遣しております。
 政府としては、今後とも原因究明のため、しかるべき協力を行っていく所存でございます。
#277
○小泉親司君 私、今、官房長官にお尋ねいたしましたが、昨日の予算委員会、一昨日の予算委員会で河野外務大臣は、今後の問題として、当面は家族の方と海軍の話し合いになるんだと、つまり政府としてはできる限りサポートしていきたい、こう発言された。私、現段階で大変これは情けない発言で、今後の問題を論じるときに、政府はサポートをすると。
 私、この問題というのは、アメリカ原潜といういわゆるアメリカ政府の国家機構が起こした事件でありまして、これはやはり日本政府が責任を持って事故原因の究明、責任の明確化をするべきだというふうに思います。それをサポート役に回るというのは、いささか私は責任回避の発言ではないか、このように思いますが、いかがでございますか。
#278
○国務大臣(河野洋平君) いつも他の委員会でしばしば議論をさせていただいている小泉議員でございますから、あえてまずお答えする前に一言申し上げれば、どうもこういう悲劇的な、確かに悲劇的な事故でございました。そこまでは議員のおっしゃることは正しい、まことに正しいと思いますが、その後、森総理はかけゴルフに明け暮れていたというのは、いささか少し発言としては正確を欠いていると思いますから、それだけは私からあえて申し上げておきます。
 そこで、補償の問題について、少しおまえの言っていることは情けないことだというふうにおっしゃいましたけれども、きのう私の答弁申し上げたのを正確に見ていただけば、私は、これからの問題は船体の引き揚げ、事故の原因の徹底的究明、そして補償の問題が出てくるであろうと。そして、補償の問題ということになれば、我々としてはアメリカに対しても、個人対海軍の関係になることだろうから適切なサポートも考えなければ、考えるのは当然だということを申し上げたわけでございまして、私としては既にアメリカに対して補償の問題については話をしておりますし、恐らくこれから補償の問題がテーブルにのるということになれば、我々が果たすべき役割というのはおのずから出てくるというふうに思っているわけです。
#279
○小泉親司君 総理がかけゴルフをしていたことは事実でございますから、その点では私が言っていることは正しいことです。
 それでは、事故原因の究明の問題に入りたいと思いますが、今回の事件というのは、私、決して艦長の個人の責任だけに帰着できない問題だというふうに思います。
 現在開かれている海軍の審問委員会で、アメリカ海軍は五つの事故原因を挙げている。それによると、ソナーが故障していたこと、艦長が部下の進言に耳をかさない体質であったこと、それからそれ以外の問題というのは、ほとんど民間人が搭乗していた、そこに原因があったということが審問委員会の中で明らかになっております。例えば、民間人の多数がコントロールルームに入って、えひめ丸を探知していたにもかかわらず、それが正しく艦長に伝わらない、こういうふうな問題が指摘をされております。これまでアメリカ海軍は、民間人の搭乗は事故とは無関係というふうなことを繰り返し主張してきましたが、民間人の搭乗が事故に影響を与えたということが審問委員会で明らかになったということだというふうに思います。
 そこで、私、お聞きしたいのは、アメリカ原潜への民間人の搭乗が今回の事故原因の究明に当たって大変重要だというふうに思いますが、この点は日本政府はどのように考えられておられるんですか。
#280
○国務大臣(河野洋平君) 審問委員会においてグリフィス氏から今お話しになったようなおよそ五つの点について指摘があったことはもうそのとおりでございます。少なくともきょうまでの間、そういうことがこの事故の原因であろうというふうにグリフィス氏の報告で我々も承知しているわけでございます。これまでさまざまな報道その他を総合しても、私どもはそうしたことが問題であろうというふうに、これは報道それから先方からの説明などを聞いて我々もそういう感じを持っておりました。
 しかし、事故原因の徹底的究明そしてその事故原因というものがはっきりするというのは、審問委員会の最後の判断というものを待つのが一番正確だろうと思います。私は感じとしては、これまでの先方から得ている情報あるいは報道機関からの報道その他で私は感じは持っておりますし、きょうの段階ではグリフィス氏の指摘というものも、確かに委員のおっしゃることはそのとおりでございます。
#281
○小泉親司君 やはり民間人の搭乗が今回の事故につながったことは明らかでありますが、私、アメリカの原潜に民間人が搭乗して原潜クルーズなるものを繰り広げるということは言語道断だと。その結果、大事故を引き起こしたことは私、重大問題だというふうに思います。
 そこで、ちょっと私、外務省にお聞きしたいんですが、一体原潜への民間人の搭乗というのはどのぐらいの数があるのか、この点お答えいただきたいと思います。
#282
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。
 民間人の搭乗の件でございますけれども、グリフィス少将の証言につきましてはこれまで幾つかの証言がございまして、専門家として民間人の乗船は事故とは無関係であると考えられるという証言もございましたし、他方、乗艦していた民間人の数は問題のない範囲であったけれども、衝突時における民間人の艦内位置については議論があり得ようといったような証言もあったというふうに承知しております。
 いずれにいたしましても、ただいま外務大臣が御答弁申し上げましたとおり、現在審問委員会進行中でございますので、その結果を見つつ判断されるものというふうに承知しております。
 それから、御質問の日本国民、日本における民間人の艦船の問題でございますけれども、これにつきましては現在実態把握中でございます。
#283
○小泉親司君 いや、民間人の搭乗のデータを出してください。
#284
○政府参考人(藤崎一郎君) 今お答え申し上げましたとおり、本件については今データを把握中でございます。
#285
○小泉親司君 太平洋艦隊のことを聞いているんですよ。日本のことを聞いているんじゃないですよ。通告しているんですから。
#286
○政府参考人(藤崎一郎君) 今お答え申し上げましたとおり、日本におきますものについては把握中でございますけれども、太平洋艦隊全体ということでございますと、原子力潜水艦に二〇〇〇年に搭乗しておりますのは五十回、数といたしましては一千三百四十七名というふうに承知しております。
#287
○小泉親司君 初めから言えばいい話を、ぐるっと回らなくちゃいけない。外務大臣が民間人の搭乗はこの事件に関係すると言っておきながら、数を言わないというのはおかしな話なんですよ。実際に、二〇〇〇年、五十回、千二百八十七名。数字が違うんです。毎週これやっているんですね。つまり、完全な常態化しているんですよ。
 昨年、じゃ一年間で、先ほど横須賀の問題について私、お聞きしました。日本にアメリカの原潜が五十一隻、昨年寄港いたしております。これに日本人の民間人がどれくらい乗ったかということを私、質問しようと思ったら、先に北米局長言われましたので、私、実は、アメリカ海軍のパールハーバーにあります太平洋海軍にこの数がどれくらいか照会いたしました。この数は、二〇〇〇年で六十名だそうであります。平均十五名だそうですから約四回、これが日本で行われているものだと。そういうことをやはり外務省は、外務大臣、その点は確認して報告いただけますか。
#288
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。
 ただいま申し上げましたとおり、データを今把握中でございますので、データを得次第、御報告させていただきたいと思います。
#289
○小泉親司君 やはり、今回の事故は、こういう民間人の搭乗に加えて、ハワイのオアフ島沖九マイルという多数の船舶が往来する海域で民間人を乗せて危険な無謀な緊急浮上訓練をやった、ここにやはり根本的な原因があるというふうに思います。
 私、外交防衛委員会で、この問題も外務大臣にも先ほどおっしゃられたように質問をいたしました。そのとき、河野外務大臣は、危険があるかないかはきちんと確認してなされるべきものだというふうに衆議院で答弁されておられる。
 私は、やはり安全確認というのは当然だと思いますが、今回の民間人を搭乗させてやった緊急浮上訓練というのは訓練や演習じゃないんです。つまり、民間人の、ジェットコースターに乗せてやるような、そういうデモンストレーションなんですね。ここにやはり一番の大きな問題があるというふうに思います。
 ですから、家族の会の方の要望書の中に何と書いてあるか。民間人にローラーコースターのようなスリルを楽しませるために緊急浮上を経験させたのではないか、これからも多数のヨットやボートがいるこのような海域でばかげたレジャーランドツアーを続けるのかと、これが行方不明者の家族の会の方の要望書の中身であります。
 こういうデモンストレーション、つまりジェットコースターのような緊急浮上訓練というのを日本政府はお認めになるんですか。
#290
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。
 アメリカ側の説明によりますと、この今御質問のございました緊急浮上につきましては三つの目的がございまして、デモンストレーション、訓練及び装備の機能の有効性の検証チェックと、この三つの目的があるということでございます。
 この一つを目的とする場合もございますし、これを複合的にやるということもあるということを承知しております。このいずれの目的についても重要なものであるというふうに、先般来日いたしましたファロン特使からの説明もございましたところでございます。
#291
○国務大臣(河野洋平君) アメリカは、日本でも恐らくそういうことがあったと思いますけれども、民間人を乗せるということの意味は、民間人に理解を求めると、十分な理解を求めるためにそういうことをやられたんだろうというふうに思います。日本でも戦車に乗せるとかそういうことはあったというふうに私は思いますけれども、潜水艦に乗せていたかどうかは私は確認しておりませんが、とにかく民間人にそうしたものの理解を求めるための作業というものはあったんだろうと思います。
 しかしながら、今回の事件発生以来、アメリカは、こうしたことにつきましては、二十三日のラムズフェルド国防長官から、あらゆる軍事機器に関し、その操作を民間人に対し許可することを停止するモラトリアムを発出した、こう言っておりますから、今はそういうことはないわけでございます。
#292
○小泉親司君 ここで、民間人の搭乗の問題と無謀な緊急浮上訓練のデモンストレーションの問題と分けて考えなくちゃいけないんですよ。今、外務大臣が答弁されたのは、民間人を搭乗させて、それに操舵をさせるということの問題について言っている。私が言っている問題は、民間人を搭乗させて、こういうデモンストレーションという、いわば訓練でも演習でもない、こういうジェットコースターのようないわば原潜クルーズツアー、そういうことでこのような悲劇的な事故を起こした。
 その原因究明の問題として、日本政府として、アメリカに対してこういうことをやめるべきだということをきちんと私言うべきだと思いますが、外務大臣、いかがですか。
#293
○国務大臣(河野洋平君) ちょっとお答えをする前に、先ほど小泉議員から、今回の事故で五つほど原因が指摘されているという御指摘がありまして、私もたしか五つか六つあったなというふうに思っておりまして、おおむね議員のおっしゃることは私の記憶にあったものですからそのとおりだというふうに申し上げたんですが、今、印刷物をもう一度確認してみましたが、特に民間人の部分につきましては、グリフィス少将は、体験乗艦していた民間人の数と衝突時におけるこれら民間人の艦内の位置、これが事故発生の要因だったと考えられると、こういうことを言っている。これが正確なグリフィス氏の発言でございます。
 恐らく、議員が先ほどおっしゃったのもこのグリフィス少将の発言を引用されたものだと思いますから、私からそこは正確に言うとそう書いてあるということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、デモンストレーションの話でございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、アメリカの原子力潜水艦の航行については三つの種類がある。その三つの種類のうちの一つにデモンストレーションというカテゴリーがあるわけです。ただし、それが無謀なことをやる、もっと言えば民間の艦船に対して危険なことをやるというようなことは決してあってはならぬことだというふうに私は思います。それについては、我々としてアメリカに対して、こういうことがあってはならぬということはきちっと言わなければならないと思います。
 私は、先般特使として来られたファロン氏に対しては、まずは日本の基地周辺でこういうことが絶対あってはならぬということはきちっと指示してくださいよということを言いまして、先方も承知しました、それは当然指示をいたしますという返事はもらっております。
 しかし、今の議員のお話は、恐らく日本の基地周辺の問題だけではなくて、ハワイを初めとしてどこでもそうあるべきだろうということをおっしゃっておられるのだろうと思いますが、民間人を乗せてそんな危険な無謀なことがあっていいというふうに私は思いませんから、当然それはアメリカにも言いますし、アメリカの当事者でも恐らくそんなことはやろうと思っていないと思いますので、私はそれはアメリカにきちっと言いたいと思います。
#294
○小泉親司君 私たちはどういうふうに緊急浮上訓練がやられているか調べました。これはインターネットだけでたくさんの情報がある。
 例えばヨルダンでは、デモンストレーションとしてアラビア海、地中海でヨルダンのアブドラ国王を乗せて緊急浮上訓練をやっている写真がインターネットでも出ている。
 そして別に、去年はアメリカ海軍では、外務大臣は御承知かどうか知らないけれども、潜水艦ができてからの百年祭なんだそうです。その百年祭の行事をあちこちでやっている。カリブ海でもフロリダ沖でもいわゆる原潜のクルーズをやっている、民間人を乗せて。
 神奈川県の相模湾の問題がありました。ここにも今御承知のとおり、潜水艦の行動区域というのが領海内に設定されております。この相模湾の潜水艦行動区域は射撃訓練以外のすべての訓練ができることになっている。アメリカ海軍がここで緊急浮上訓練をやらないという保証はない。そういうやはり今回の問題というのは、その結果この事故が引き起こされたわけです。
 だから、私、日本の領海の問題も当然でありますけれども、やはりこれが今アメリカ海軍で、今度のファロン特使が来られていろんな報告されている中でも、公海上のどこでもやっているということはファロン特使も認めておられます。それは家族の方への回答書の中ではっきりと言っておられます。
 こういうことをノンルールでやるというこの緊急浮上訓練、こういうものを、日本近海はもとよりあちこちやはり日本の漁船がいるわけですから、当然世界の漁船もいるわけですから、こういうノンルールの民間人を搭乗させてのデモンストレーションとしての緊急浮上訓練はやめるべきだと、こういうことをアメリカにやはりきちっと言うべきだ、このことをもう一度念を押しておきたいというふうに思います。
#295
○国務大臣(河野洋平君) 繰り返して申し上げますが、ファロン特使がおいでになりましたときには、私は、日本の港には原潜を含め米軍艦船が入港しているけれども、これらの艦船について改めて安全確認を徹底するように指導してほしいと。この発言に対しましてファロン特使は、今回の事故の対応として、米側はクラーク海軍作戦部長から下のレベルに至るまで細心の注意を払って適切な手順を構築するよう新たな指示が出ているということを言っておりましたことをまず申し上げます。
 私は議員のお話はわからないではありませんが、民間人を乗せて無謀なことをやるのはけしからぬと、危険なことをやるのはけしからぬと、こういうことをおっしゃる。無謀なことをやるのはもう全くけしからぬと思います。しかし、無謀なことをやることをだれも認めているわけではないと思うんですね。それは、潜水艦に乗っている人だって、潜水艦に乗せられた民間人だって、無謀なことをする、あるいは危険なことをされるということについて、そんなことがうれしいとか望ましいとか思っているとは私は思いません。
 これは、我々がアメリカに対してそういうことを言えば、それは当然のことだと言われると私は思いますが、だから言わないと私は言いません。きちっと言います。
#296
○小泉親司君 私は、きちっとこの問題については、もうやめるように抗議するという姿勢がとれないんですか。
#297
○国務大臣(河野洋平君) 無謀なことはやめろと言います。
#298
○小泉親司君 私、民間人の搭乗のアメリカ海軍省が発表したマニュアルというのがあります。これは外務省は、もうインターネットで書いてありますから秘密でも何でもありません。これは外務省も入手しておられると思いますが、この中で、例えばその指令書の中では、民間人の原潜や軍艦によるクルーズが常態化しておる。先ほど言いましたようにカリブ海ツアーとか地中海ツアーとか、こういうことがやられておる。これが事故原因の根本原因だという点については、やはり行方不明者の方々にとっては本当にやりきれない気持ちだというふうに思うんです。
 しかも、この指令書の中には、例えば民間人が操舵桿を握っちゃいけないとか、コントロールルームに入れちゃいけないとか、こういうことは何ら規制措置は書いてないんですよ。それとは逆に、例えば乗った民間人がすべての関係者から大変親切な取り扱いを、待遇を受けなくちゃいけない。しかも、司令の将校たちは乗った民間人が喜ぶようなことをやってやらなくちゃいけない、本当に厚遇された、歓待されたというふうにやらなくちゃいけない。そういうことが書いてあるんですよ。
 やはりこういうところに今度の緊急浮上訓練が起きた、操舵桿が握られた、その点では私は、こういうやはり海軍のマニュアルに基づいて艦長もやったものであって、艦長の責任は重大だと私も思いますが、やはりアメリカの海軍省やアメリカの太平洋艦隊、こういうところの基本方針自体が今回の事故の根本原因だというふうに思いますが、その点は政府はどのように考えられておられますか。
#299
○国務大臣(河野洋平君) 先ほども申し上げたと思いますけれども、ラムズフェルド国防長官は民間人に機器をさわらすことはしないということはもう既に言っているわけでございますから、民間人が操縦することがあったらどうする、何はどうするとおっしゃるけれども、そこはもう既に先ほど私申し上げたじゃありませんか。ラムズフェルド国防長官はそういうことはさせないということを言っているわけですから。それがどうして納得されないのか、私にはわかりません。
#300
○小泉親司君 ということは、今までしていたということですね。
#301
○国務大臣(河野洋平君) ですから、それは今、原因究明の中でそういうことがあったのではないかということがグリフィス氏から言われているわけで、それについて国防長官は今後はそういうことはもうさせないということを、そして今モラトリアムだと言っているということを先ほど、もう二度も三度も申し上げているつもりでございます。
#302
○小泉親司君 私、やはりこの事故原因の最も大きな問題となった民間人を搭乗させての緊急浮上訓練、こういうものに対してはきっぱりとやはりアメリカ政府に物を言うべきだというふうに私は思います。
 そこで、私、事故の真相究明のために日本政府が、現在海軍で出しております中間報告、この報告を私、政府として提出を求めるべきであるということを外交防衛委員会で言ってまいりました。そのときの外務大臣の答弁はどういうものだったかといいますと、議事録がありますから、「私どもはワシントンでもホノルルでも予備的調査の提出について既に要求をしているんです。ただ、」「審問委員会の開会というものがおくれていると。それに先立ってこれを出せということは、これは幾ら何でもなかなか難しいだろうというふうに私は思う」とおっしゃった。
 審問委員会、開かれましたが、提出されましたか。
#303
○政府参考人(藤崎一郎君) 本件事故に関しますいろんな資料につきましては、私どもといたしましても可能な限りのものを入手するという方針でございまして、米国に対しましては、御指摘の報告書等を含めまして可能な限りの資料の提出を求めているところでございます。
 本件につきまして、今審問委員会が進行中であるということでございまして、現在入手するには至っておりませんけれども、今後とも可能な限りの情報は入手してまいりたい、こういうふうに思っております。
#304
○小泉親司君 外務大臣に私、答弁を求めているんですが、外務大臣は私に対して、私はこの問題というのは、例えば八一年の日昇丸の事件がありました。これは皆さん御承知のとおり、一九八一年にアメリカの原潜ジョージ・ワシントンが東シナ海において日昇丸という民間船舶を同じように安全確認を怠って沈没させた。衝突しておきながら当て逃げしてしまった、この事件でありました。
 そのときには、当時は鈴木善幸内閣、伊東外務大臣でありました。この伊東外務大臣は、三十日以内に暫定的な中間報告を行うべしということをアメリカ政府に強く要求した。私、この点については既に太平洋軍から、CINCPACの太平洋軍から「コマンドヒストリー」という司令部の司令部史をいただいてまいりました。そのときの八一年のそのやりとりが全部出ております。そのときには伊東外務大臣が大変強くこの中間報告の提出を要求された。その結果、アメリカ海軍は暫定報告という今審問委員会に提出されている報告書、この報告書をわずか三週間で提出したんです。何でこれがアメリカ海軍が提出できないのか。
 このことからすれば、この今までの八一年の日昇丸の事件からすれば、当然、日本政府がこれを強く求めるべきではないんですか。
 外務大臣、いかがでございますか。外務大臣。
#305
○国務大臣(河野洋平君) 議員はもうよく御存じの上でお話をされていると思いますし、私から申し上げるのはどうかと思いますが、日昇丸事件のときには伊東外務大臣という大変能力にすぐれた外務大臣がおられたわけでございます。それは、伊東外務大臣に比べれば私の能力が大変劣っていると思われるのはやむを得ないことではありますけれども、しかし申し上げますが、あの日昇丸事件のときには審問委員会は開かれていないんですね。
 この審問委員会というのは、とにかく二十世紀中に六回しか開かれたことがない。一世紀に六回しか、過去のことを言うようですけれども、開かれたことがないものなんですね。その審問委員会をこれからやろうということだったわけです、せんだって御答弁を申し上げたときには。
 そして、審問委員会がいよいよ開かれているわけですが、この手順、手続というものはなかなかきっちり決まったものでございまして、公開によって毎日毎日そこで議論されたことは外へ出てきますけれども、それは例えば、証人は証人尋問及び証拠の提出というものがあって、それには法律アドバイザー、当事者、法律アドバイザーの反対尋問、委員の順で行われる。証人は尋問され、反対尋問され、必要に応じてこれが繰り返される。他の証人の証言から影響されないように、証人は証言時を除き審問から退席する。委員長が有用と認める場合には現場検証も行うというように、手順は、それはこの前に報告書が全部公開をされることによってこれが影響されるということもあるいはあるかもしれないというさまざまなことがきっとあるんだろうと私は思うんです。
 ですから、私は、日昇丸事件のときと同じように今回できないということは、外務大臣の能力にもよるかもしれませんが、状況も違うということはぜひ御理解をいただきたいと思うんです。
#306
○小泉親司君 私は、日本政府が強く要求するかどうかの差なんですよ。これを外務大臣の質の差で置きかえるというのは問題ですよ、これは。
 実際に、例えば日昇丸事件の場合は四月九日に事故が起きた、予備報告は五月二日に提出された、最終報告は八月二十四日であります。三週間前後でできることなんですよ。これ要求しているんですか、実際に。どういうルートでどのように要求しているんですか。
#307
○政府参考人(藤崎一郎君) ただいま御質問のございます予備調査報告というのは、審問委員会のための報告でございます。そして、外務大臣が今御答弁申し上げたとおり、審問委員会はアメリカの海軍の最高の審問形態でございまして、その意味で申しますと、今回のえひめ丸事故に対する対応は日昇丸事故の対応よりもより米海軍としてはハイレベルと申しますか、厳しい対応をしているということでございます。
 この審問を通じまして事故究明をして、事故の原因究明をするということでございますので、私どもとしては審問委員会の結果を十分にフォローするということで体制を組んでいる次第でございます。
#308
○小泉親司君 でたらめなことを言っちゃだめですよ。私は、審問委員会の手続について全部調べてあるんです。予備的な報告というのは審問委員会のためにやるんじゃないんですよ。まず、何よりも予備的な報告をつくるんです。それから審問委員会に付するかどうか。だから、日昇丸のときはやらなかった、今回はやった。予備報告を求めたんです、鈴木善幸内閣のときは。何で求められないんですか。
#309
○政府参考人(藤崎一郎君) この予備調査は、お答え申し上げますと、今申し上げましたとおり、太平洋艦隊司令官よりグリフィス少将に対しまして予備調査を行わせたわけでございますが、その結果審問委員会が必要であるという判断になりまして審問委員会をやっているものでございますので、結果として審問委員会のための予備調査ということになったわけでございます。本件、審問委員会ですべての原因究明が行われるということでございまして、日本政府といたしましても、海上自衛隊の将官を派遣する等の形をとりましてこの審問委員会に関与し把握していくという体制をとっている次第でございます。
#310
○小泉親司君 私、このいわゆる審問委員会の資料をインターネットでとりました。この資料の中に何て書いてあるかというと、いかなる報告もアメリカ海軍長官及びアメリカ海軍法務官、この許可なしにすべての人間についてこの報告書は提出をされないというふうに書いてある。
 つまり、海軍長官と海軍法務局長に了解を得れば報告書が手に入るということが書いてあるんですよ。何でそれを求めないんですか、外務大臣。
#311
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。
 私どもといたしましても、この調査報告について、先ほど申しましたとおり、可能な限り入手すべく米側にも照会したわけでございますけれども、本件につきましては審問委員会の規則上お渡しすることができないということでございました。
 他方、審問委員会は御案内のとおり公開となっておりますので、現在審問委員会を通じまして可能な限りの情報を収集しておりますし、別途アメリカ側にも可能な限りの情報を得るよう努力しているところでございます。
#312
○小泉親司君 外務大臣。
#313
○国務大臣(河野洋平君) 今、政府参考人が申し上げましたように、米側に対しまして予備的調査の結果の報告書の提示を我が方は求めておりますが、審問委員会の規則上渡すことはできないとの回答がございました。
 二十二日より開始の審問委員会は基本的に公開となっておりますが、政府としては引き続き米側より本件に関し情報収集に努めていく考えであります。
#314
○小泉親司君 私、先ほど申し上げましたように、八一年の日昇丸の事件のときには実際に伊東外務大臣がアメリカ政府に要求して、予備的調査、いわゆる中間報告という形で出たんです。これは、例えばなぜ原潜は救助しなかったのか、なぜ通報がおくれたのか、日本政府が疑問を呈した四つの問題について報告をしているわけです。それがなぜ提出できないのか。
 これが、外務大臣は状況が違うとおっしゃったけれども、日昇丸事件のときにも実際に最後は政府の責任がうやむやになってしまって、実際私この日昇丸事件のときの弁護団の方が語っておられる記事を読みましたけれども、ここでも実際にはこの日昇丸事件が、地元のハワイの新聞でも日昇丸事件と同じように大変類似しているんだと、これは、ひょっとして決着がうやむやにされてしまう、事故原因が究明されないで終わってしまうというような危惧する意見があるんですよ。
 だから、ぜひこの問題は事故の原因究明のために私やはりこの報告書の提出すべしということを強く要求をしたいというふうに思います。私は、口では真相究明と言うけれども、何か日米同盟の維持にのみ腐心して、実際は真相究明に背を向けていると、このことを指摘して、時間が参りましたので質問を終わります。
#315
○国務大臣(河野洋平君) もう余計なことだと思いますけれども、我が方としては、総理大臣、外務大臣、防衛庁長官を初めとして、先方のカウンターパートにあらゆる情報を渡してもらうように、できるだけ早期に渡してもらうということを申し入れておりまして、この我々の申し入れに対して米側としてはでき得る限り早期にでき得る限りの情報は提供しますということになっております。
 ただし、ルールがあればこれはそのルールに従うということはやむを得ないことだと思いますが、でき得る限り早期に情報は我が方に伝えられるというふうに私は確信をしております。
#316
○小泉親司君 終わります。
#317
○委員長(岡野裕君) 以上で小泉親司君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#318
○委員長(岡野裕君) 次に、照屋寛徳君の質疑を行います。照屋寛徳君。
#319
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳です。
 先に、現下の景気、経済状況等について財務大臣にお伺いいたします。
 一月の失業率が四・九%、これは一九五三年以降最悪の状態だというふうに言われております。私の住んでいる沖縄では、さらに失業率が八・三%という状況でございます。有効求人倍率も〇・六五倍で、これもまた二十カ月ぶりの悪化だと言われておりますし、完全失業者数も三百十七万人。こういう状況について宮澤大臣と坂口厚生労働大臣にお伺いいたします。
#320
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのお尋ねは、我が国全体における失業の状況、それでよろしゅうございますね、我が国全体の経済における。
#321
○照屋寛徳君 失業。
#322
○国務大臣(宮澤喜一君) そこは、実は非常に、私はしばらく前からいろいろ観察したりしておりますのですけれども、昨年の秋ごろに企業がもう明らかにカムバックしましたのに、それが家計に続かないところが今の経済の一番泣きどころでございます。
 いろいろあると思いますけれども、私は、例えばアメリカでITをやりましたときに労働側はレイオフで対応したと、グリーンスパンが何度も私にそれを言うわけです。それでああいうことができた。しかし、日本の場合レイオフということはもちろんできないんだから、そこはいろいろ問題があるだろう、苦労だろうと言っておるのがだんだんその後になってわかってきたように思いますが、つまり、アメリカでレイオフという大きな形でやってしまったことを、我が国としては、長い間の慣行である労働、年功序列であるとか終身雇用であるとかいうものが、恐らくITが二十一世紀の主たるいわゆるニューエコノミーになるのならば、それに対応する労働というものはそういうふうに対応しなければならないのだろう。そのゆえに政府も一生懸命対策はしておりますけれども、時間がかかっているのではないかと。
 いろいろ理由はあるでございましょうが、現実には、有効求人倍率はよくなってまいっておりますが、完全失業率は改善はしていない。むしろ新しい、女性がマーケットに入ってくるということがあるのかもしれませんが、いずれにしても、これだけ企業の採算がよくなり設備投資がふえてきたときに、それが家計に連結していないということ、私は、時間の問題だとは思いますものの、どのぐらいかということにやや自分なりに焦燥を感じておるということは事実でございます。
#323
○国務大臣(坂口力君) きょう、民主党の方にも御説明を申し上げたわけでございますが、御指摘をいただきましたとおり完全失業率は四・九ということになりました、一月でございますが。もう少し詳しく言えば、四・八六でございました。四捨五入いたしまして四・九になったわけでございます。
 有効求人倍率の方は、去年の一月が〇・五一でございまして、去年一年間はずっと順調に有効求人倍率の方は十二月まで参りまして、〇・六六まで回復したわけでございますが、この一月におきましては〇・〇一ちょっと下がりまして〇・六五になったところでございます。
 この完全失業率が四%台後半で継続をしております。それにもかかわらず、なぜ有効求人倍率が上がってきているのか。逆に言えば、有効求人倍率が上がってきているにもかかわらずなぜ失業率が減らないのか。ここのところを私たちもずっと着目をしてまいりました。今まで旧労働省、ここをミスマッチで皆さん方に御説明を申し上げてまいりました。しかし、ミスマッチだけでは説明し切れないところがあるというふうに思っておりました。
 この四カ月ないし五カ月を見ますと、この失業率の中身を見ますと、非自発的、自発的、その他というのが主な三項目でございますが、実はふえてまいっておりますのがその他の部分でございます。その他とは一体何なのかというので調査をいたしました。そういたしますと、ここは男性もある程度ございますが、六割は女性でございます。女性の比較的若いところ、二十歳代のところが非常にその他で新規に労働市場に参入をしてきているということがわかってまいりました。
 有効求人倍率がふえまして、そしてかなりそこが、職につかれる皆さん方もおみえでございますけれども、そのつかれた、そのあいた部分を新しくまたこの労働市場に参入をしておみえになる方がある。そこがどちらかといえばお若い女性の皆さん方が参入をしておみえになる。そこに参入された皆さん方は、どちらかといえば、今までお勤めになっていなかったものですから比較的雇用に結びつく度合いが高い。そういたしますと、今までの失業をなすった皆さん方は一度勤めておみえになった方なものですから、いろいろの条件もあってミスマッチのところが多い。しかし、新しい人たちは比較的新しく参入されたものですから、雇用につかれる確率が高いといったような実は実情がございます。
 それで、このミスマッチのところも直していかなければなりませんが、トータルでそういう状況であることも踏まえて雇用政策というものを立てていかなければならないというふうに思っておりますし、沖縄の例を挙げていただきましたが、沖縄でございますとかあるいはまた近畿でございますとか、そうしたところが非常に労働条件が悪くなっているわけでございます。そうしたところにも目を配りながら、地域的にも目を配りながら、そしてそういう失業の中身の問題にも目を配りながら、この失業対策というものを立てていかなければならないのではないかというふうに思っております。
 大枠でお答えをさせていただければ、一つは、第三次産業がかなりふえてきておりますけれども、まだ欧米先進国に比べれば第三次産業が少ない。これは第三次産業の雇用環境というものをもう少し整備をしなきゃならないんだろう、もっとここへついてもらいやすいようにしなければならないんだろうというふうに思っております。
 そして、全体として、雇用政策としては、今までのように、どこかの産業が悪くなった、あるいはどこどこの企業が倒産をしたという、そのときに雇用保険を出動させたいということで後片づけをするような雇用政策が今まで主体でありましたけれども、それよりもやはり新しい産業を生み出すような雇用政策というものをとっていかなければならないんだろうというふうに今思っているところでございます。しかし、そこがなかなか難しいところでございますので、今そういう行き方は何かということを一生懸命にやっております。
 一例だけ挙げさせていただきますと、これは例えば新しいベンチャービジネスが生まれましたときに、その新しいベンチャービジネスに雇用対策をしてそして御支援を申し上げるといったような、そういうことが幾つかこれは必要なのではないかというふうに思っている次第でございます。
#324
○照屋寛徳君 私は、この高い失業率の解消、それから今し方厚生労働大臣がお触れになりました新しい産業の創造による雇用の創出というのは大変大事になってくるだろうと思います。
 そこで、宮澤大臣にお伺いいたします。
 雇用対策、失業率の解消、それから新しい雇用の場の創出、これらについての予算上の処置、これはどういうふうになっておりますか。
#325
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、実は平成十年の補正のときから、当時の労働省でございますが、要求しておられるものは、労働省も大きな保険も持っていらっしゃいましたけれども、一般会計も支援をして、ほとんどまあ考えられる完全と言うに近い財政的な手当てはしてまいったと思います。労働省もその点についてはそう考えておられますが、恐らく我が国としていわゆるジョブクリエーションというようなことは戦後ほとんどする必要がございませんでした、成長を続けましたから。そういう新しい問題がきっとあって、そういうことについての最初のつまり問題にぶち当たっているのではないだろうかと。
 照屋先生お尋ねの、ついでに申し上げるんですが、グリーンスパンは、ITというのは非常にむごく言えば人間のやっていることを機械が取りかわることだと、それでその人間をどうするかという問題を、自分の国ではレイオフということがあって、その先は言いませんでしたが、第三次産業なりなんなりに流していく、しかしそれができない国はやっぱりこれは正面からぶち当たらなきゃならないという、それが私は恐らく問題の本質かもしれない。
 それが今、平成十年ごろから予算の手当てなりなんなり労働省も非常に一生懸命やられたんですけれども、問題の本質というものが今、坂口大臣が言われるようにわかってきたのではないかなという感じがしておりまして、何しろ、やはり何といったって雇用ができない政治はだめでございますから、このためにはもう何をおいても予算的な努力はいたしてまいりましたし、これからもしなければなりません。
#326
○照屋寛徳君 坂口大臣に一点お伺いをいたしますが、私はやっぱり保育だとかあるいは教育の現場、医療、福祉、そういう現場にもっともっと雇用をつくり出すような政策が大胆にとられなければいけないのではないかと。要するに、充実した雇用対策こそ有効な景気対策につながるのではないかと、こういうふうにも思うわけでありますが、雇用対策についての大臣のお考えあるいはお考えになっておられる政策展開についてお聞かせをいただきたいと思います。
#327
○国務大臣(坂口力君) 私の考えを述べます前に、平成十三年度厚生労働省といたしまして組んでおります新しい雇用に対する枠組みと申しますか予算についてでございますが、新たな雇用機会の創出への支出といたしまして、これは千六百二十八億円でございますが、その一番大きいのは中小企業新規成長分野における雇用機会の創出でございまして、これは中小企業労働力確保法に基づきます支援施策の活用促進でございますとか、とにかく新しいものをつくり出していこうというところに大きな支援をしていこうということでございます。
 この中には、今御指摘いただきました介護分野における人材育成・雇用管理改善対策の推進というようなものも含めております。あるいはまた、地域の実情に即した雇用対策もその中に進めているところでございます。
 今、雇用の問題、あるいは医療、福祉、そうしたところにもっと新しい雇用の場があるのではないかという御指摘でございまして、私たちもできるだけ、介護も新しく始まりましたしいたしますからそうしたいというふうに思うわけですが、例えば医療の問題を例に挙げさせていただきますと、医療で大体五二、三%が現在、人件費でございます。トータルといたしましては、医療にかかります財源というものをある程度ふやさないように、あるいはできれば少し将来的には縮めていかなきゃならないというような問題もございまして、トータルとしては、少なくともこれ以上余り大きな、年々歳々一兆円ずつふえていくというようなことはぐあいが悪い。高齢化は進んでいきますけれども、そんなに大きなふえ方というのは抑えていかなければならないだろう。しかし、その中で働く人たちを少なくしていいかといえば、それはやっぱり働く人たちは維持していかなければならない。
 今後のことを考えますと、この辺のところは雇用の大きな受け皿になるんだろうというふうに私も思っております一人でございます。その辺のところを、雇用を減らさずに、そして大枠としての医療費が余り伸びないようにどのように改革をしていったらいいのかということが今後の医療改革の一番大きな柱になってくるというふうに思っております。
 そうしたことをやっていくのにはどうしたらいいのかと私も小さな頭を悩ませておるわけでございますが、そういうふうにしようと思いますと、やはり医療を行いますのに、例えば地域に、沖縄なら沖縄で開業する先生方もたくさんお見えでございますし、私立の病院もあちこちにあるだろうと思うんですが、その皆さん方が全部それぞれ自分の医院あるいは病院に設備も完全に備えられるというような現在のこの行き方というのは、非常に多くのお金が医療の中に入りますけれども、また多くのお金がそこから返済のために出ていくわけでございます。いわゆるサラリーマンでいえば可処分所得がそんなに多くないわけです。
 大きなものが入ってくるが大きなものが出ていくという、その辺のところにももう一度見直しを行い、制度的にも行って、そしてやはり人は雇うことができ得る、しかし全体としてはふえないようにしていくという、その辺のところを考えていかなければならない。そのことは介護についても同じようなことが言えるかもしれません。私は、その辺のところにメスを入れていかざるを得ない状況に来ていると思っている次第でございます。
#328
○照屋寛徳君 坂口大臣、終わりましたのでお引き取り願って結構でございます。
 では、麻生大臣にお伺いいたします。
 物価下落が進んでおるというふうに言われております。消費者物価、卸売物価含めてでございますが、これは単純に喜んでいいことなんでしょうか。要するに、よい物価下落なのか悪い物価下落なのか、あるいはいろいろ難しい言葉でデフレスパイラルに入ったのかそうでないのか、いや、そのおそれは全くないんだとか、いろいろ議論がありますけれども、わかりやすく、よい物価下落と受けとめておられるのか、あるいは日本の景気、経済のために悪い物価下落だと受けとめておられるのか、率直な所見をお聞かせいただきたいと思います。
#329
○国務大臣(麻生太郎君) 人によって違うんだと思いますが、率直に申し上げれば。
 年金生活者にとりまして、入ってくるものは同じとすれば出ていくものが減るというのは、それは正直申し上げていい物価下落ということに多分なるんだと思います。傍ら、商売をしておられる方にとりましては、やっぱり値段が下がるというのは、それは明らかに売り上げ減になりますので、同じものが下がりますので、なかなかさようなわけにはいかない。(「仕入れが下がったらどうするんだ」と呼ぶ者あり)仕入れが下がったらという御意見が今あったので、ついでにそっちの方もお答えした方がよろしゅうございますか。お答えしましょうか。
 そこのあれには時間差ができるんです。そこのところはタイムラグができますので、そこがなかなか難しいところだと思っておりまして、そう簡単な話ではないと、私どももそう思っております。
 しかし、いずれにしても先進諸国の中で日本だけが、消費者物価の下落をやっておりますのは日本だけということになりますので、その意味では、今の状況というものは簡単にいいというような状況ではないんであって、正直に申し上げて、物価は安定しているのが最もいいんだと、私どもは基本的にそう思っております。
#330
○照屋寛徳君 私は、大臣、現下の日本の経済状況、景気の問題、そういうトータルな中で、今の先進諸国の中で日本だけが消費者物価が下落をしている、こういう状況を担当大臣としてはどういうふうに見ておられるのか、もう少し詳しくお聞かせください。
#331
○国務大臣(麻生太郎君) 財政の問題等々考えたときには、当然のこととして借りた金は返すということになりますので、その意味では価格が下がっていくということは、いわゆる返す額がその分だけ負担が多くなるということになりますので、その意味から考えましても、今の状況が、このままずっと下がっていくという方が財政を考えましたときには大きな問題だと思っております。
 そういった意味では、今の状況というのは、デフレという、この間からよく話題になりますが、このデフレという言葉の定義が、これ学説がいろいろございますので、単なる値段が下がればそれイコールデフレというようなことでもないような気がいたしますけれども、いずれにしても、今御質問の意味でいけば、やっぱり今の状況というものは、これはいろんな意味で明らかに生産設備が過剰であってみたり、消費の方が沸かなかったりということで、明らかにギャップができておるという状況というのは、これは正直申し上げていい状況ではないと、基本的にはそう思っておりますので、この状況は解消されるべきだという方向で努力されるべきだと思って、下がっているからいいじゃないかというような話だとは思っておりません。
#332
○照屋寛徳君 それじゃ、麻生大臣もお引き取り願って結構でございます。
 それで、私、官房機密費、外交機密費、いわゆる報償費の問題についてお伺いをいたします。
 そうですね、ちょっとこの問題で集中してやりたいので、時間がなくなってしまいそうですので、橋本大臣、それから総務大臣、防衛庁長官、環境大臣、次回に回したいと思います。残っていただけると御迷惑をおかけしますので、済みませんでした。
#333
○委員長(岡野裕君) 御足労をいただきましたが、どうぞ各大臣はお引き取りください。
#334
○照屋寛徳君 それでは、外務大臣にお伺いをいたします。
 松尾克俊元要人外国訪問支援室長が九州・沖縄サミット準備事務局の次長に発令された年月日と在職期間についてお教えください。
#335
○政府参考人(飯村豊君) お答え申し上げます。
 松尾元室長は、平成十一年六月一日付で九州・沖縄サミット準備事務局次長に発令され、その在任期間は約一年七カ月でございました。
#336
○照屋寛徳君 この松尾元室長は、九州・沖縄サミット事務局次長としてどのような職務を担当しておったのでしょうか、具体的にお教えください。
#337
○政府参考人(飯村豊君) 松尾元室長は、九州・沖縄サミット準備事務局におきまして、五人の次長の一人として、主に会場設営や警備などの業務といったいわゆるロジスティック業務を担当しておりました。
#338
○照屋寛徳君 総理を含めて随行員などのホテルの手配、それからホテル代の支払いと精算、そういったのを松尾さんがやっておったんでしょうか。
#339
○政府参考人(飯村豊君) 松尾元室長は、先ほど申し上げましたようにロジ担当でございますので、ホテルの手配等を行っておりました。
#340
○照屋寛徳君 松尾元室長が九州・沖縄サミット準備事務局次長として沖縄へ出張した回数と宿泊ホテルについてお教え願います。
#341
○政府参考人(飯村豊君) 松尾元室長のサミット準備事務局在任期間中の沖縄への出張回数は十一回でございます。
 宿泊ホテルの名前につきましては、沖縄サミット開催期間中は総理の宿舎でございますブセナテラスホテルでございました。そのほかの出張につきましては、これは準備の一環で元室長は出張しておるものでございますけれども、彼自身が決めておりましたので記録は残っておりません。
#342
○照屋寛徳君 大臣にお伺いいたしますが、マスコミ報道によりますと、恐らく準備の期間中の出張に絡むことだと思いますが、そのホテル業者との会食問題、あるいはホテル代について特別な計らいを受けておったということで人事院の国家公務員倫理審査会に報告をされた、こういうことが報ぜられておりますが、それは事実なんでしょうか。
#343
○国務大臣(河野洋平君) 本日も一部報道がございましたが、松尾元室長が九州・沖縄サミット準備事務局次長のときに沖縄の企業から接待を受けていたとの報道が一月にもあったことがございまして、外務省としては、国家公務員倫理法に基づきまして直ちに国家公務員倫理審査会に対して同法違反の疑いがある旨の報告を行っております。
 その後、外務省としては、松尾元室長の横領疑惑について調査する過程で本人及び関係者に確認したところ、同元室長が九州・沖縄サミット準備事務局長のときに関係業者と食事をともにしていたことが確認されましたので、その旨を同審査会に対して報告いたしております。
 いずれも文書で報告をしております。
#344
○照屋寛徳君 じゃ、マスコミで報ぜられたことはほぼそのとおりであったということですが、そもそも外務省が、この松尾元室長の公金横領と言われる機密費の問題、この疑惑を知って調査チームを立ち上げたそのきっかけはどういうことだったんですか。
#345
○国務大臣(河野洋平君) 昨年の十二月二十日前後だったと思いますが、本人から捜査当局から事情聴取を受けた旨上司に報告がございまして、そこで私どもとしてもさらに事実関係を知るべく、本人ともあるいは本人周辺とも話を聞きまして、一月四日に調査委員会をスタートさせたということでございます。
#346
○照屋寛徳君 これは外務大臣、外務省が松尾元室長本人からそういう申告を受ける前に、警視庁でこのサミットに絡んで松尾さんの贈収賄の疑いで捜査を受けておった、こういうことじゃありませんか。
#347
○政府参考人(飯村豊君) お答え申し上げます。
 そのようなことは私どもは承知しておりませんでした。
#348
○照屋寛徳君 そうすると、大臣、松尾元室長はどういうことで捜査機関から事情聴取を受けている、こういうことだったんでしょうか。
#349
○政府参考人(飯村豊君) そのときの松尾元室長からの私どもに対する発言については、今詳細手元にございませんけれども、いずれにいたしましても、直ちに当人に対して事情聴取を行い、一月四日に調査委員会を立ち上げて集中的に調査したわけでございますけれども、私どもとしては、公金の横領ということの確信を持ちまして一月二十五日に告発した次第でございます。
#350
○照屋寛徳君 私は、今資料ないということで、時間がありませんので突っ込んで聞きませんが、いずれまた機会を見てやりたいと思います。
 いずれにしろ、この今大きな社会問題になっている官房機密費の松尾さんに絡む疑惑、このきっかけは、外務省が探知をしたんじゃなくして、警察サイドからこういう問題が起こってきた。いろんなことが今県内でも言われているんです、サミット終わった直後から、松尾さんに絡んで。いずれ具体的にやりたいというふうに思っております。
 それで、官房長官、この機密費の今度は使途の問題ですが、これが、九八年十一月の知事選挙で機密費が一億円ぐらい使われたんじゃないかと、こういうことがマスコミでも報道されております。これまた選挙の当時から沖縄では公知の事実のようにみんな語られておったんです。
 私もこの新聞報道を見ていろいろ調査をやりました。もちろん、これはそうだという直接的な物証を確認するには至っておりませんけれども、私は、それはどうなんですか、官房機密費が沖縄の知事選挙のように自民党の、自民党というか、ここで稲嶺さんとはっきり言っておるんですけれども、そういうものに使われると。しかも、県連の関係者が選対本部の会議でそういう報告を受けたと証言しているんですね。これについてはどうなんですか。
#351
○国務大臣(福田康夫君) 私もそういう新聞報道を見まして、そんなことがあったのかなと思ったのでありますけれども、そもそも報償費の使途については、これは申し上げるわけにいかない、そういう性格のものであるということは御承知おきいただきたいと思います。
 報償費というのは、責任者であります官房長官、その官房長官の都度の判断で厳正に使用されているものであると、このように承知しております。それだけに官房長官の責任というのは非常に重いのでございまして、歴代の官房長官は内政、外交を円滑に、また効果的に遂行するという報償費の目的に沿って厳正な運営に意を用いてきたと、このように思っております。もちろん、私も就任以来、厳正な使用に常に意を用いてきたところでございます。
#352
○照屋寛徳君 官房長官、何に使われたということ自体が機密かもしれません。なかなか官房長官から言いにくいのかもしれません。しかし、これだけ報ぜられている、しかもその直接の自民党関係者が証言をしたということですから、お調べになってみるお考えはございますか。
#353
○国務大臣(福田康夫君) ただいま申し上げたことを繰り返すことになりますけれども、この報償費の目的に従って厳正な運用に当たってこられた過去の官房長官、歴代そのようにやってこられたというふうに私は思っておりますので、用途の内容について申し上げることはできないので、大変十分なお答えになっておりませんけれども、ひとつ御容赦いただきたいと思います。
#354
○照屋寛徳君 これは稲嶺陣営の選対幹部の証言として言われているんですが、資金の手当てを自民党本部に頼んだと、人はよこさないでいいからお金だけお願いと言ったと。四億か五億使ったけれども、そのうち二億から三億自民党から来たかなと自分は思っておると。別の自民党の県連の関係者が、いやいや、官邸の官房機密費が一億円以上含まれておったんだ、こういう話でありますから、私は、これは官房機密費が選挙に使われる、とんでもない話だというふうに思います。
 同時に、一九九七年でしょうか、例の名護市の市民投票、普天間基地の移設の是非をめぐる市民投票の際にも官房機密費が使われていたんだ、こういうことがあのとき実際に言われていたんですね。
 沖縄のことに関して言いますと、一九六八年の十一月に行われた当時の琉球政府の主席公選のときに、当時は沖縄はドルですから七十二万ドル、当時の自由民主党から沖縄の自由民主党にお金が渡った、西銘さんの方に渡った、裏ではこれはどうもCIAが絡んでおった、こういうふうなことがアメリカの公文書にはっきり出ておるということが報道されていたんです。
 ちょうど三十年後に同じようなことが出ておるわけでありますから、私は、やっぱり官房機密費あるいは外交機密費、報償費というのは国民の血税であるということをしっかり肝に銘じて、この支出については、私どもこれから調査をしてまいりますけれども、ぜひ官房長官も責任ある立場で御調査いただきたい。こういうことを申し上げて、私の質問を終わります。
#355
○国務大臣(福田康夫君) いろいろ事例を挙げて御説明いただきましたけれども、私どももそういう事実関係があるのかどうか、これはわかること、わからないことはあると思いますけれども、わかることは調べてみたい、このように思っております。
 しかし、我々は、我々と申しますか歴代官房長官は、先ほど申しましたように、それはその責任を感じてやはりそれなりの配慮をしてやってきたというように思っております。そして、なおかつ、さらに申し上げれば、毎年会計検査も受けている、こういうことでございますので、御承知おきいただきたいと思います。
#356
○照屋寛徳君 調査をするんですね。
#357
○国務大臣(福田康夫君) できるものはね。
#358
○照屋寛徳君 終わります。
#359
○委員長(岡野裕君) 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#360
○委員長(岡野裕君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。
#361
○松岡滿壽男君 無所属の会の松岡滿壽男です。
 KSDの問題は参議院初の不祥事件であります。私も、ここ十年の間に確かに参議院の地位、力関係が向上したということはやはり大変な功績だと思うんですけれども、同時に、こういう事態、不祥事になりまして、衆議院の悪い部分までコピーしてしまっていると。これは、参議院はもう要らないんじゃないの、良識の府というのはどこへ行ったんだというような厳しい見方が国民の間に広がっております。
 この中で選挙を戦われるというのはこれは大変なことだなという思いがいたしておるんですけれども、参議院出身のお二人の大臣にお越しいただいておるんですけれども、それぞれ、この汚名挽回のために、この問題についてどのように考え、どのように対処されようとしておられるのか、お考えをいただきたいというように思います。
#362
○国務大臣(片山虎之助君) 今、松岡委員から御指摘がありましたように、私も参議院議員としてこの問題は大変残念に思い、かつ深刻に受けとめております。きのうも申し上げましたが、できるだけ早く司法の場で全貌、全容が解明されることを望んでおります。
 幸いにと申しますと語弊がありますが、参議院の選挙制度が、去年、特に全国区比例は拘束式から非拘束に変えることができまして、そういう意味では、今まであった拘束における順位づけのいろんな議論あるいは批判、そういうものが私は少しはクリアできるようなことになったのかなと思いますし、我が自民党ではいろんな今回の事件の反省に立って、全国区比例の場合における党員確保の要件をやめることにいたしましたし、現在、こういう問題を含めて、古賀幹事長のもとで解党的出直しのいろんな今議論を始めておりますから、私も自民党所属の参議院議員としてその議論に加わって、国民の皆さんの信頼回復ができるような、ぜひ解党的出直しについて頑張りたいと、こういうふうに思っております。
#363
○国務大臣(扇千景君) 今、松岡先生から本当に残念だというお言葉をおっしゃいましたけれども、私も考えてみますと、村上先生より三年前から私は参議院に籍を持っております。私の方が三年先輩でございます。
 そのころから考えますと、私は、議員会長という職がございまして、村上先生が自由民主党の議員会長、そして鶴岡先生が公明党の議員会長、私が保守党の議員会長と、連立与党三党の参議院の運営というものに絶えず議員会長同士で連絡をとり合ったり、特に私も個人的にも親しくさせていただいていました。
 そういうことで、公私ともに、とてもいい奥様でしたし、そういう意味ではなぜこういうことを私は知らなかったのだろうと、ざんきの気持ちもございます。これだけおつき合いが長いんですから、なぜ私からも注意できるような機会がなかったんだろうと、私はそういうことも思っています。
 私は、テレビを拝見しましても、あの古関さんという人は顔も見たことなかったなと思っていますので、そういう意味では同じ同僚でありながら注意もできなかったということは私には大変残念で、参議院から現職二人も逮捕者を出すという、こういう参議院にかかる名誉というものに対しては、本当に私も籍を同じくする者としては申しわけないという気持ちの一方で、なぜあの人がと思わざるを得ない事件でございます。
 今後はその真相解明に向けて、司直の手で、少なくともどこがどう悪いのかということをきちんと国民の前に示さなければ、今、片山大臣から自由民主党は解党的出直しとおっしゃいましたので、私はそれを信じておりますけれども、少なくとも我々参議院にとっては、政治というものは少なくとも私が最初に当選しましたときから、ちょうど私はロッキード事件で自由民主党が地に落ちているときに国会へ出てまいりました。
 信なくば立たずというのが原則でございました。信頼をなくせばすべて、どんな立派なことを言っても私はだめだと思いますし、あそこにいらっしゃいます、きょうは午前中御質問いただきました江田先生も、一番最初は一緒に参議院に出てきた仲間でございます。そういう意味では、私どもは一九七七年、一年生のときには志を同じくして頑張ろうと、日本のためにと思って私たちは頑張ってきましたけれども、今のこういう事態を考えますと本当に私は恥ずかしい、情けない、こんなことで選挙できるのかなというぐらいな心配をしておりますけれども、どうにかこうして皆さん方と本年度予算も真剣に審議させていただき、一刻でも、皆さん方の働き、御活躍によって、私たちも働かせていただいて、信頼を戻す何かにしていきたいと、そういう気持ちでいっぱいでございますので、私も大変残念に思っていますし、遺憾でございます。
#364
○松岡滿壽男君 本年度予算も一応参議院は四百四十億円という予算を計上していますね。これが本当に有効に使われるかどうかということが国民の関心だろうと思っています。
 二院制の中で参議院はいかにあるべきかというのは、去年も実はここで小渕さんと議論をしたわけです。抑制、補完、均衡という機能を果たすためにどうすべきか。これについてやはり歴代の議長が、あるべき論、それから選挙制度、いろいろ検討してきたんですけれども、今回、やっぱり院を挙げて参議院のあるべきものについて改革の意思表示をきちっと私はすべきと思いますね。そういう会をやはり持つべきだというように思います。どうかひとつ御出身のお二人の大臣に頑張っていただきたいというふうに思います。
 それから、外務省の問題ですけれども、ずっと一日、外務大臣もこの問題で大変だろうというふうに思うんですけれども、きのうも堂本さんの方から予算の組み替えをやったらどうだと。確かにこの問題の中で予算が私は余ったと思うんですね、全体の予算が。だからああいう形になって気がつかなかった。穴があいていて気がつかないわけですから、これは必要な予算とは思えません。
 だから、国民の側から見て、これはやはり、例えば五千四百万、外務省が訴えられておるわけですから、競馬の購入の代金ですね、このぐらいは減額するとか、もっとわかりやすい対応を私はされるべきだと思うんです。
 きのうの堂本議員の質問に対して、財務大臣から、官庁から減らしていいという話があれば別だが、特に減額の理由があるとは思わないというような御答弁です。
 それで、最近、私は川柳を時々読んでいるんですけれども、宮澤大臣に対しては、「一寸見が投げ遣りみたい宮沢さん」という川柳が出ております。ひとつこの問題について外務大臣と財務大臣からお答えいただきたいと思うんですが。
#365
○国務大臣(河野洋平君) 国民の皆様から外務省の報償費について大変厳しい御批判があることは私ももう十分感じております。
 報償費は、議員も御承知のとおり、その性格上、使途その他をオープンにしないということがございますので、とりわけ国民の皆さんには信頼をしていただいて、それはもうちゃんと使っているねということになってこなければならぬ性格のものだというふうに私は思います。この国民の厳しい御批判にどうこたえるかということは、私にとりましては今一番大きな問題でございます。
 と申しますのは、一方で国際情勢が極めて流動的でございます。こうした国際情勢の流動的なときにこそ我々は情報というものが必要でありますし、国際会議あるいは国際間の交渉において、その会議や交渉を有利に導くためにも報償費というものも非常に有効なこともあるわけでございます。
 そうしたことを考えますと、確かに議員がおっしゃるように、こういうばかなことを起こした外務省はその分差っ引けとおっしゃる国民の声も私の耳には聞こえてまいります。聞こえてまいりますが、私はここで余りへ理屈を申し上げるつもりはございませんけれども、例えば五千四百万円むだ、むだというか、私的に使っちゃったじゃないか、だからあれぐらい減らせと、こういうのは非常にわかりやすい御議論だと思いますけれども、しかしよくよく考えてみると、あの五千四百万は実は官房報償費であって外務省報償費ではないわけでございます。つまり、外務省報償費はむしろ九九%ぎりぎりに使ったのはおかしいんじゃないかという御批判も逆にいただいているわけでございまして、外務省報償費の使い方について私はこう考えております。
 私自身、その目的にしっかりと、その使途が目的に合致しているかどうかということを外務省は全責任を負うてチェックをする必要がある、これが目的外に使用されるなどということが絶対あってはならぬということを考える。と同時に、事後の精算におきましてもそれが正しく使われていたかどうかということがきちっと厳正に精算されなければならぬ。この二つは我々にとって最も今重要なことだということを考えて、このことをやること、そして報償費をもって国の外交が円滑にかつ効果的に進むということが外務省に課せられた最も重大な任務だ、期待だというふうに私は考えておりまして、お気持ち、御意見、私にとりましては、もうよくそうした御意見に私はしばしばこのごろは出くわしますからよくわかりますけれども、外交を預かる人間としては、ぜひここは御理解をいただいて、御提案を申し上げております予算についてはお認めをいただきたいとひたすらお願いをするところでございます。
#366
○松岡滿壽男君 私は、四分しかないものですから、なかなかこの議論、本当はもう少しゆっくりしたいんですけれども、別の機会に譲りたいと思います。
 いずれにしましても、今、国会と国民の乗っている船が別々じゃないかという感じが非常にするんですよ。
 せっかくおいでですから、警察の問題です。私も、警察刷新会議の答申に基づいて、今度の予算の中で二千五百八十人の増員と、それから三億五千万円のこれに伴う予算額が計上されていますね。衆議院、参議院のそれぞれ地方行政・警察委員会でいろんな議論を積み重ねまして、その中で警察刷新会議の答申はほとんど載っているんですよね、その話が。全く重複しています。ただ一つ違うのがこの増員の問題なんですよ。
 今こういう日本の状況の中で、二万人の機動隊員を有効に使ったらどうかとか、いろんな議論を我々はしたんですけれども、警察刷新会議の答申にのっとってすぐそれをやっちゃった。国民に対して、この増員によって警察の不祥事は解消するんだろうか、あるいは検挙率とか、そういうことについて国民にわかりやすく、なぜ増員してなぜ増額するのかということを御説明いただきたいというふうに思います。
#367
○国務大臣(伊吹文明君) 先生おっしゃるとおり、増員をしたということですべてが解決することでは私はないと思います。
 いろいろ社会情勢が変わってまいりまして、外国人の犯罪、あるいはハイテクの犯罪、カードの犯罪、いろいろふえてまいりましたし、また日本が大切にしておりました家族制度や地域社会の美点のようなものがなくなってきている中で、人間社会を律するよき慣習のようなものが薄れてきております。
 犯罪が多発していることは先生御承知のとおりでございますので、まず警察としましては、今御指摘がございましたように、全国の都道府県警察に人員の配置の根本的な見直しをやっております。それでもなお足りないところについて、全国の知事さんから大変な、一万人を超える実は増員要望が来ております。治安を守らねばなりませんが、国民の税金、地方住民の税金をむだに使うわけにはいきませんので、再配置をし、なお足りざるところを今回お願いしたということで、本当に治安を守るための人手が足りないと。だから、先生の今の川柳でいえば、「捕らうべき人多けれど人手なし」という今状況なのでございます。
 一生懸命やらせていただきます。
#368
○松岡滿壽男君 総務大臣、あと予定しておったんですけれども、時間が参りましたので、これで終わります。
 ありがとうございました。
#369
○委員長(岡野裕君) 以上で、松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。
    ─────────────
#370
○委員長(岡野裕君) 次に、高橋令則君の質疑を行います。高橋令則君。
#371
○高橋令則君 自由党の高橋でございます。
 私は、この予算に当たって、非常に暗い気持ちであります。それはなぜかというと、歴史的に、亡国は足元からと言われるんですね。そういう意味で、今、三Kとか六Kとも言われるようなこういう暗い事件、この二十一世紀に向けて本当に我が国は大丈夫かなという心配が多々あります。
 その中で、私は外務省と内閣官房の報償費の問題をあえて取り上げさせていただきたいと思うわけです。
 第一点は、まず外務省の報償費、機密費の問題と、それからこれはまた改めて申し上げますけれども、内閣官房のこれが報償費と言われているわけですが、これについて、今々のこと、実態調査ですね、それとこれに対する対策、今、各委員がるる申されたわけですから、それをはしょって核心の分だけ改めてお聞かせをいただきたいと思います。
#372
○副大臣(荒木清寛君) 外務省における今の調査の状況を御報告いたします。
 一月二十五日に松尾元室長に係る公金横領疑惑についての報告書を発表いたしました。いろいろ御意見もありまして、そうしたことを踏まえまして、私が大臣から調査委員会の委員長を仰せつかって今日に至っております。資料を精査し、また関係者から事情を聞く等で調査を継続しております。
 我々が調査をしておりますのは、この松尾事件に係る外務省の体制上の問題について今調査をしております。
 そういう中で、いわゆる松尾元室長からの供応接待という報道にかかわる疑惑につきましては、幹部職員を中心に六百三十人に対しまして、文書で回答を求めるという方法を中心にしました調査を行いました。これは自己申告を求めるわけでして、限界があることは事実でありますが、その中ではまだ問題となる事案というのは出てきておりません。さらに調査を継続しなければならないと思っております。
 また、先般、この委員会でも御報告しました松尾元室長によります九州・沖縄サミットに係る通訳手配に係る疑念につきましても調査をいたしまして、その結果得られました情報は捜査当局に提供いたしました。
 本委員会での議論も踏まえながら、今後ともさらに調査を継続し、適宜御報告をしてまいりたいと思っております。
#373
○高橋令則君 対策はどうですか。
#374
○国務大臣(河野洋平君) 事件発生からきょうまでの間に、まず、今御報告申し上げましたように、報告書を発出いたしまして警視庁に告発をいたしました。捜査につきましては捜査当局にお願いをして、外務省としては全面的にこれに協力するという、そういう態度をとっております。
 それからもう一つは、省内の調査は今の荒木副大臣を長として継続をいたします。それから、外部の有識者にお集まりをいただいて、再発防止策、これは主として外務省のシステムでございますとか人事の動かし方でございますとか、そういったことについて御意見を伺おうということで、これはゴールデンウイーク前までにぜひ取りまとめていただければありがたいというふうに期待をしながらお願いをしているところでございます。
 さらに、細かいことを少し申し上げれば、要人外国支援室は廃止をいたしました。それから、カードによります支払いも一切これを今禁止しております。これにつきましては、合理的なやり方ではないかとか、いろいろ御意見はございますけれども、現在はそれを禁止いたしております。支援室は廃止をして、官房総務課にそのまま仕事は引き継がせておるという状況になっております。
#375
○高橋令則君 同じように、官房長官。
#376
○国務大臣(福田康夫君) この不祥事は過去において総理が海外出張するというときに起こったわけでございます。今現在はそういう方式をとらなくなっております。ですから、今またこれからのことについてはその懸念はないというように私は思っております。
 実は、やはり海外に参りますときにはどうしても外務省の応援をいただかなければやれないという部分がございまして、その辺につきまして今後どうするか、これは今外務省と相談をしているところでございます。
#377
○高橋令則君 ちょっと確認をしたいんですけれども、その横領されたと言われる公金、あれは外務省ですか、それとも官房ですか、確認したいと思います。
#378
○国務大臣(福田康夫君) 総理の海外出張のときに必要とされる経費、これを外務省にお渡しして、そこで発生した事件でございまして、もとは内閣官房の報償費でございます。
#379
○高橋令則君 報償費の議論については多々ありましたけれども、それをはしょって直に申し上げたいわけですけれども、報償費は交際費と同じようになかなか出せないということはある程度わかります。しかし、今の御説明を聞いていますと、なかなか国民はわからないと思うんですね。十分な説明責任を果たしているとは私は思えないんですね。特に官房関係についてはそうなんです。したがって、もう少し踏み込んで説明できるようなことをなさるべきではないかと私は思うんですけれども、特に官房長官、いかがですか。
#380
○国務大臣(福田康夫君) この報償費につきまして、今回、国民の信頼を裏切るというような不祥事が起きたわけでございまして、大変遺憾に思っております。この事態は厳粛に受けとめておるところでございます。政府といたしましても、捜査の進展を見ながら原因の解明と再発防止に万全を期していきたい、このように思っております。
 しかし、この報償費は、ただいまの委員のお話にもございました、使途をその性格上公表できないという、そういうことがございまして、なかなか理解していただけないという部分もあるわけでございます。しかし、こういう制度は他の先進諸国においても大体認められているようなことでございまして、日本の場合にはその事後の会計検査というものも受けておる、そういう性格のものでございます。
 この報償費というのは、官房長官の判断で支出をすると、こういうものでございますので、もう官房長官のその責任というのは極めて大きいと、こういうふうに思っております。そういうことでございますので、これからも厳正な使用ということに十分意を用いていかなければいけない、そのように思っております。
#381
○高橋令則君 いわゆる上納と言われるようなものについては、マスコミから再々言われているわけですけれども、これは事実はどうですか。
#382
○国務大臣(福田康夫君) いわゆる外務省からの上納というものはございません。
#383
○高橋令則君 会計検査院の方からお聞きしたいんですけれども、会計検査院は外務省及び内閣官房の機密費について調査をしていますか、検査していますか。
#384
○会計検査院長(金子晃君) いわゆる報償費につきましては、従来からいろいろな議論があった経緯もございまして、会計検査院としても注意を払って検査をしてきているところでございます。
 外務本省の実地検査については、年二回、各五日程度実施し、ODA、拠出金、施設整備、委託費、補助金など外務省の歳出全般を対象に検査を実施する中で報償費についても検査をしてまいっております。また、内閣官房の実地検査については、年一回、三日程度実施する総理府本府の実地検査の中で報償費についても検査してきているところでございます。
 これらの実地検査においては、証明責任者の手元に保管されております領収証書等の証拠書類の提示を受け、説明を聴取するなどして、違法、不当な事態がないか、また支出目的に従って適切に予算が執行されているかなどについて検査をしてきております。
#385
○高橋令則君 今までのあれですけれども、指摘事項等、問題になったことはありませんでしたか。
#386
○会計検査院長(金子晃君) 会計検査院では、毎年度、検査を効率的に実施するため、検査計画を立て、その中で検査をしてきておりますが、これまでの検査においては検査報告に特に掲記する事態は見受けられませんでした。
#387
○高橋令則君 そうすると、お聞きすると、この松尾元室長の事件は相当金も高いし、金もあれだし、時間も結構、五年間でしたか、その経過を全然会計検査院は指摘できなかったんですか。
#388
○会計検査院長(金子晃君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、これまでの検査の中で特に掲記するような事態ということで今回のような事態を見受けることはできませんでした。
 ただ、現在、会計検査の観点から、報償費の管理体制を含め報償費の執行状況について事実関係を調査いたしております。本件問題の発生原因の究明、再発防止の方策を検討していきたいというふうに考えております。
 その経過の中で、これまでの会計検査のあり方についても、当然不十分な点があれば明らかになってくるというふうに考えておりますし、今後、これらの点も踏まえて報償費等について厳正な検査をしていきたいというふうに考えております。
#389
○高橋令則君 時間ですのでこれで終わりますが、私は会計検査院も少しきちっとした検査をしていただきたいと思うんですね。外務省関係の機密費の外国公館の問題についてもあるわけですね。問題が言われているわけですね。
 それからまた、時間になりましたので財務大臣には申しわけないんですけれども、いわゆる財政法の三十三条の疑いが言われているわけですね。そういうことを含んで十分検討をしていただきたいと思います。
 終わります。
#390
○委員長(岡野裕君) 以上で高橋令則君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#391
○委員長(岡野裕君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋宗康君。
#392
○島袋宗康君 きょうの最後の質問者になっておりますので、お疲れでしょうけれども、よろしくお願いします。
 二院クラブ・自由連合の島袋宗康でございます。
 私は普天間飛行場の移設問題についてお尋ねしていきたいと思っております。
 代替施設協議会におけるこれまでの審議の経過と概要等について御説明をいただきたいと思います。橋本大臣、よろしくお願いします。
#393
○国務大臣(橋本龍太郎君) 普天間飛行場の代替施設につきましては、平成十一年末の閣議決定に基づきまして、昨年八月、代替施設協議会を設置いたしまして、基本計画に向けて鋭意協議を進めてまいりました。
 第一回の協議会におきましては、代替施設協議会の設置及び代替施設基本計画の策定に係る今後の取り組みについて話し合い、第二回協議会におきましては、沖縄県から軍民共用飛行場としての民間機能の位置づけについての御説明を受け、協議を行ったと聞いております。第三回協議会、第四回協議会及び第五回協議会におきましては、防衛庁から建設地点の地形、生物分布などの状況及び各工法の概要などについて説明を受け、協議を行ってまいりました。
 また、三月六日行いました第六回代替施設協議会におきましては、ジュゴンの生息状況に係る予備的調査及びサンゴ、藻場の補足調査の結果説明を受け、質疑を行いますとともに、これまでの本協議会における協議結果を踏まえて基本計画策定に必要な主要事項全般について意見交換を実施いたしました。
 今後とも、アメリカ側とも緊密に協議をいたしながら、本協議会の場を中心に、沖縄県及び地元地方公共団体の御理解と御協力をいただきながら、できるだけ早く成案を得られるよう着実な検討を進めてまいりたいと考えております。
#394
○島袋宗康君 先日の協議会において軍民共用空港の滑走路の長さを二千メートルとするという案が話し合われたようでありますけれども、それはどういうような趣旨で言われたのか、御説明をお願いします。
#395
○国務大臣(橋本龍太郎君) 二千メートルの滑走路と申しますものは、軍民共用の施設設営に際しまして、県側から、民間の飛行場として必要な滑走路の長さ、これを中型の旅客機の発着可能な長さとして二千メートルを基本にしたい、また民間空港機能を維持いたしますための必要な面積として約十ヘクタールを想定しているという御説明があり、これにアメリカ側も異論がないという報告も受け、協議の結果、軍民共用飛行場における民間滑走路としての二千メートルという基本的な長さ及び十ヘクタールの民間機能用地としての面積を確保するという計画を決定いたしております。
#396
○島袋宗康君 稲嶺知事はこの普天間施設の予定地を辺野古沿岸域というふうなことを言われまして、今その沿岸域の調査を進められているわけでありますけれども、それは海上が含まれるのかどうか、それについてお尋ねいたします。
#397
○国務大臣(橋本龍太郎君) その平成十一年末の閣議決定におきまして、普天間飛行場代替施設の建設地点をキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域というふうに決定をいたしましたが、このキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域は、昨年の十月に開催をされました第三回代替施設協議会におきまして示されましたように、キャンプ・シュワブ水域内の名護市辺野古区を中心とした陸域の前面海域及びこれに連なる一部陸域を含む地域を指す、そう認識をいたしておりまして、その意味では海上といいますか海面を含んでおると思います。
#398
○島袋宗康君 海上が含まれるということであれば、さきに実施されたいわゆる名護市民投票において、海上ヘリポート反対ということで市民投票が行われたわけです。そういったふうな手続によって、反対の市民投票が行われたわけですから、やはりそういったふうな面からすると、名護市民の意思表示というものは反対でありますから、そういった海上につくるということは、市民投票との整合性についてはどういうふうに位置づけされておりますか。
#399
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平成九年十二月の名護市の市民投票というものは、議員よく御承知でありますけれども、当時、政府が提案をいたしました米軍専用の海上ヘリポート基本案について一つの判断材料にしたいとのお考えから名護市当局が実施されたものと承知をしております。翌平成十年二月、当時の大田県知事から同基本案についての受け入れ拒否がございました。その後、岸本氏が名護市長に就任されるとともに、基地問題の現実的な解決を訴え、軍民共用飛行場としての整備を提案された稲嶺知事の御就任があり、さらに平成十一年、同年末の閣議決定に至る普天間飛行場代替施設受け入れに係る一連のプロセスがありましたこと、議員御承知のとおりであります。
 ですから、もし議員の御意見あるいはその御主張というものが、平成九年十二月の住民投票で反対という意思表示がされた、同時に県民の財産となる新空港を陸上に建設すると言われた稲嶺知事の選挙公約、あるいは第五回代替施設協議会において議題となりました海上での建設を想定する代替施設の各工法との整合性ということをお尋ねになりたいということでありますなら、県として、政府が提案した海上ヘリポート案は米軍の専用飛行場として建設され、米軍が使用しなくなれば撤去されることとなっている海上に対して、代替施設は軍民共用飛行場として将来にわたって地域及び県民の財産となるものとして、海上に対比した意味で陸上と申し上げているものであるとの見解をとられたと承知をしております。
 いずれにいたしましても、普天間飛行場代替施設につきましては、代替施設協議会において施設の規模、工法、具体的建設場所などを内容とする基本計画策定に向けて鋭意協議を進めてきているところでございますが、今後とも、今申し上げましたように、アメリカ側とも緊密に協議をしながら、この協議会の場を中心に沖縄県及び地元地方公共団体の御理解と御協力をいただきながら努力をしてまいろうとしておるところでございます。
#400
○島袋宗康君 斉藤防衛庁長官にお伺いします。
 普天間の移設予定地とされた辺野古沿岸域を含む沖縄本島北部の海域で実施された防衛施設庁の環境予備調査について、その概要を御報告いただきたいと思います。特に、ジュゴンの生息状況について詳しく御説明を願いたいと思います。
#401
○国務大臣(斉藤斗志二君) お答え申し上げます。
 今回行いましたジュゴンの生息状況に係る予備的調査につきましては、四つの方法によって行ったところでございますし、またこの調査に関しましては、環境省より技術的助言もいただいたところでございます。航空調査、アンケート調査、さらに海上調査及び食跡確認調査でございます。
 この結果、航空調査においては、沖縄本島東側の名護市嘉陽から宜野座村周辺海域で五頭、西側の古宇利島周辺海域で一頭のジュゴンを目視により確認をいたしました。この確認された六頭について個体識別をいたしたところ、五頭は別の個体であることを確認してございます。アンケート調査によりましては、沖縄本島東側では二十六件、西側では十一件のジュゴンの目撃情報を収集したところであります。さらに、海上調査におきましては、辺野古周辺海域において船上から目視によって行いましたが、ジュゴンは確認されませんでした。四つ目の食跡確認調査におきましては、観察員による潜水調査を行いましたところ、沖縄本島東側の辺野古周辺海域及び西側の屋我地島周辺海域においてジュゴンの食跡を確認いたしました。
 これらのことから、一つは、今回の調査期間において沖縄本島周辺には少なくとも五頭のジュゴンが生息をしていたこと、また今回確認された食跡において食べられる海藻の量が確認されたジュゴンの頭数に比べて極めて少ないことから、今回確認されたジュゴンは食跡が確認された海域や他の海域において明確な食跡が残らないほど植生密度の薄い海藻藻場などで採餌している可能性が高いことなどが考えられるところでございます。
 以上です。
#402
○島袋宗康君 川口環境大臣にお伺いいたします。
 ジュゴンの保護について、IUCN、国際自然保護連合による日米両政府に対する勧告が出されておりますけれども、環境大臣はこの勧告をどう尊重されますか。
#403
○国務大臣(川口順子君) お答えいたします。
 IUCNの勧告決議は、おっしゃるように沖縄のジュゴンについての保護を勧告いたしておりますけれども、これは山原地域の希少な、沖縄の希少な野生生物資源への国際的な関心のあらわれだというふうに理解をいたしております。
 それで、環境省といたしましては、勧告に盛り込まれたジュゴンの保全については十分に検討しまして、環境保全の立場から適切に対処をしてまいりたいと思っております。
#404
○島袋宗康君 外務大臣にお伺いいたします。
 米国政府の海洋哺乳類委員会、MMCがこのたびの普天間移設予定地である辺野古沿岸域に生息するジュゴンの生息環境の悪化を懸念して徹底した環境影響評価を、アセスメントをするよう国防総省や国務省に勧告したと伝えられておりますけれども、これについて外務大臣はどういう御見解ですか。
#405
○国務大臣(河野洋平君) アメリカの海洋哺乳類委員会が国務省及び国防省に対してただいま御指摘のような勧告を行ったということは承知をいたしております。しかし、これはあくまでもアメリカ国務省及び国防省に対するものであるところから、我が国としてこれは一つの見方だということは考えなければならぬと思いますが、我が国としても、ジュゴンの保護のためには、今、環境大臣がお話しになりましたように、適切な環境保全とともに、十分考えていく必要があると思います。
#406
○島袋宗康君 これもジュゴンが生息する状況というものが非常に国際的な問題になりつつあります。
 そこで、もう一度環境大臣にお伺いいたしますけれども、ジュゴン保護に対する国際的な関心が非常に高まっております。環境大臣の沖縄のジュゴンの保護対策に関する責任は非常に極めて大きいというふうに思わざるを得ません。今後、大臣はどのような対策を考えておられるのか、承りたいと思います。
#407
○国務大臣(川口順子君) 環境省といたしましては、代替施設協議会においてジュゴンを含む自然資源の、自然環境の保全という観点から適切に対処をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、全般的なジュゴンの保護の枠組みでございますけれども、現在、文化財保護法、それから水産資源保護法によりまして捕獲が規制されているということでございます。
 それから、環境省といたしましては、これから後、さらにどのような対応が必要かについては今後検討いたしてまいりたいと考えております。
#408
○島袋宗康君 私が申し上げたいことは、ジュゴンの、貴重な生物の生息地であるというふうなことが調査の結果はっきりしておりますので、そういった貴重な国の天然記念物であるジュゴンの生息状況というものの調査をして、そういった環境が破壊されないように、保護が十分できるように、そういったふうなことをしないと、世界から、各国から恐らく大変な非難を受けるだろうというふうなことでございますので、もう一遍その辺についてよろしく御答弁願います。
#409
○国務大臣(橋本龍太郎君) 去る三月六日開催されました第六回の代替施設協議会におきまして、先ほど御報告をいたしましたように、ジュゴンの生息状況に係る予備的調査の結果が報告をされ、その調査結果について、環境大臣から、海藻藻場についてはジュゴンのえさ場としての機能も踏まえて藻場の保全に十分留意することが必要という御指摘をいただきました。私ども、今後、代替施設の規模、工法、具体的建設場所などについて総合的、具体的な検討をする際、この点も踏まえた検討がされることになると考えております。
 そして、この普天間飛行場代替施設の整備に当たりまして、平成十一年末の閣議決定に基づいて環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限にとどめるための適切な対策を講ずるなど、ジュゴンを含む自然環境に著しい影響を及ぼすことのないように最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。
#410
○島袋宗康君 終わります。
#411
○委員長(岡野裕君) 以上で島袋宗康君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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