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2001/03/16 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 予算委員会 第9号
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2001/03/16 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 予算委員会 第9号

#1
第151回国会 予算委員会 第9号
平成十三年三月十六日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     福山 哲郎君     江田 五月君
     浜田卓二郎君     山本  保君
     山下 栄一君     大森 礼子君
     阿部 幸代君     緒方 靖夫君
     照屋 寛徳君     福島 瑞穂君
     高橋 令則君     平野 貞夫君
     石井 一二君     佐藤 道夫君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     谷林 正昭君
     大森 礼子君     松 あきら君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡野  裕君
    理 事
                岩城 光英君
                木村  仁君
                須藤良太郎君
                吉村剛太郎君
                高嶋 良充君
                円 より子君
                弘友 和夫君
                小池  晃君
                清水 澄子君
    委 員
                有馬 朗人君
                石渡 清元君
                入澤  肇君
                鎌田 要人君
                岸  宏一君
                佐々木知子君
                佐藤 昭郎君
                斉藤 滋宣君
                陣内 孝雄君
                野沢 太三君
                南野知惠子君
                日出 英輔君
                保坂 三蔵君
                松谷蒼一郎君
                松村 龍二君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                木俣 佳丈君
                谷林 正昭君
                内藤 正光君
                堀  利和君
                峰崎 直樹君
                簗瀬  進君
                柳田  稔君
                益田 洋介君
                松 あきら君
                山本  保君
                緒方 靖夫君
                西山登紀子君
                宮本 岳志君
                福島 瑞穂君
                松岡滿壽男君
                平野 貞夫君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       内閣総理大臣   森  喜朗君
       法務大臣     高村 正彦君
       外務大臣     河野 洋平君
       財務大臣     宮澤 喜一君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   谷津 義男君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国土交通大臣   扇  千景君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   村井  仁君
       外務副大臣    荒木 清寛君
       財務副大臣    若林 正俊君
       文部科学副大臣  河村 建夫君
       厚生労働副大臣  増田 敏男君
       厚生労働副大臣  桝屋 敬悟君
       農林水産副大臣  田中 直紀君
       経済産業副大臣  松田 岩夫君
       国土交通副大臣  泉  信也君
       環境副大臣    沓掛 哲男君
        ─────
       会計検査院長   金子  晃君
        ─────
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       警察庁刑事局長  五十嵐忠行君
       外務大臣官房長  飯村  豊君
       厚生労働大臣官
       房長       戸苅 利和君
       厚生労働省職業
       安定局長     澤田陽太郎君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   酒井 英幸君
       農林水産省生産
       局長       小林 芳雄君
       農林水産省農村
       振興局長     木下 寛之君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   石野 秀世君
   参考人
       日本中央競馬会
       理事長      高橋 政行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十三年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十三年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十三年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

平成十三年三月十六日(金曜日)
   午後一時開会
#2
○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。
 委員の異動に伴い現在理事一名が欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたい、かように存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に清水澄子君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(岡野裕君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 平成十三年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本中央競馬会理事長高橋政行君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(岡野裕君) 異議ない、かように認め、決定をいたします。
    ─────────────
#6
○委員長(岡野裕君) 平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算、平成十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 本日は、財団法人ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団及び報償費問題等に関する集中審議を行います。
 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりであります。
 それでは、これから質疑に入ります。山本保君。
#7
○山本保君 公明党の山本保です。
 最初に、今、委員長の方からもお話がありました、まずきょうの主問題でございますケーエスデー中小企業経営者福祉事業団につきまして、総理大臣にお伺いをしたいと思います。
 この事件はまだ解明されてないところが多いわけでございますが、会費の流用でありますとか、また海外研修機関とか、ものつくり大学の設立について有力な議員が受託収賄の疑いで逮捕されるというようなこと、まさに国民の政治家とか官僚、行政についての不信を大変増大させている大変重い事件だと考えております。
 総理大臣、まず政治家として、また自民党の総裁として、このような事態に立ち至ったことの責任、責任といいますか、それについての感想、また内閣総理大臣としての管理監督責任、このようなものについてどのようにお考えで、また今後どのような改善を図られるつもりなのか、お答えいただきたいと思います。
#8
○内閣総理大臣(森喜朗君) 今回のKSDをめぐります一連の事件は国民の政治への信頼を損なうものでございまして、私としても大変深刻に受けとめております。
 本件につきましては、まずは司法当局の捜査によって徹底的な真相究明が行われて、国民の前に真相が明らかにされていくべきものであると考えております。しかし、今御指摘のとおり、私ども自由民主党にかかわる問題でもございますので、自民党といたしましても調査すべき点は調査し、真相究明に全面的に協力をしてまいりたいと、このように考えております。
 また、我が党といたしましては、真相究明を待つことなく、今回の事件を教訓といたしまして、党内の仕組みについても見直すべきものは思い切って見直していくということにいたしております。
 既に当委員会でもたびたび申し上げてまいりましたけれども、参議院の比例代表名簿への登載基準のあり方というのはこれは見直すとか、それから党内の仕組みの見直しに着手するとともに、政治倫理の確立のために党内に政治倫理審査会を立ち上げるべく、さきの、先日行われました党大会で党則改正を行うなどの、そうした党改革にも着手をいたしております。
 また、KSDという財団法人に対する、内閣総理大臣としてどう考えるかというお尋ねでございました。
 行政の指導監督という観点からは、私としては、旧労働省の指導が結果としては十分徹底していなかったというふうに我々としても反省をいたしておりまして、今後KSDが公益法人として適切な運営が図られますように、厚生労働省にも厳しく指導を行わせているところでもございます。さらに、行政改革の一環としての公益法人改革についても、政府、与党連携のもとに、できる限り前倒しをして推進をしていきたい、このようにも考えております。
 私といたしましても、このような取り組みによって、今回のような事件の再発の防止に万全を期すとともに、政治の信頼回復に全力を尽くしていきたい、このように決意をいたしておるところでございます。
#9
○山本保君 総理、私どもの支持者の皆様からも大変厳しい声が私どもにも入っております。自民党が今後日本の国を支えて変革していく、またそれを私どもも力いっぱい応援する、こういう形で連立内閣を持っているわけでございます。ぜひ、ただいまおっしゃられたことにつきましてはなるほどと言われるような結果を出していただき、また今後、行政の進展に遺漏のないようにお願いしたいということを申し上げます。この点についてはまた今後同僚の議員からもお話があると思いますので、私ちょっとここで視点を変えまして、環境問題についての中で干潟の保全についてちょっとお聞きしたいと思っております。
 まず、環境省の副大臣で結構でございます。名古屋に藤前干潟という五十ヘクタールほどの干潟が、ちょうど港区といいますから重化学工業地帯の真ん中に取り残されております。一たんは言うならごみの焼却灰を埋めるというような計画もあったのでございますけれども、名古屋市もこの方針は完全に撤回をし、そしてできればこの地域を渡り鳥の飛来する公園なり、そのような干潟、都市部における大変貴重な地域でございますので保全をしたいという、こういう地域運動が大変今盛り上がっております。先日も一万人以上の署名が集まりまして環境省等にお持ちしたところでございます。また、名古屋市長も最近前向きの発言をされたというふうにも伺っております。
 私どもといたしましては、その辺を事務方にもお聞きしますと、まず最初に鳥獣保護法ですか、この法律に決められております国設鳥獣保護区、特別保護地区と、こういう指定を環境省がされますと、この地域の環境保全、そしてその動物についての保護が図られると、このように伺っておるわけでございますけれども、この地区の指定について環境省は今作業を進めていると聞いておりますけれども、どのように進んでいるのかお聞きしたいと思います。
#10
○副大臣(沓掛哲男君) ただいま藤前干潟についての御質問でございますが、藤前干潟を含む庄内川、新川、日光川河口部は我が国でも最大のシギ、チドリ類の渡来地でございます。これらの鳥類は、シベリアで繁殖して、そして越冬を東南アジア、オーストラリア等で、その中継地としてここを使っているのでございまして、環境省としても大変重要な干潟と考え、平成八年十二月に国設鳥獣保護区として設定すべき地域として位置づけているところでございます。さらに、昨年三月に、今お話がございましたが、藤前干潟の埋め立て計画が正式に港湾計画から外されました。そのことを受けまして、環境省として国設鳥獣保護区の設定に向けた具体的な検討を進めているところでございます。
 今後、愛知県及び名古屋市等の関係自治体や関係行政機関とも連絡を密にしながら、できるだけ早く今おっしゃいました国設鳥獣保護区の設定及び特別保護地区の指定を実現していきたいというふうに考えております。
 さらに、平成十三年度予算におきまして、国設鳥獣保護区が設定された場合、その後での藤前干潟を自然との触れ合いや環境教育等の場として活用するための構想づくりの調査費として千六百万円等をも計上いたしているところでございます。
#11
○山本保君 今、国の方の施策についての状況を伺いました。できますれば、これは国際条約、ラムサール条約という干潟などの保全の条約がございます。これの登録をするということ、これは国内のまず整備が整いませんとできないわけですけれども、これについてぜひ積極的、前向きに環境省は取り組んでいただきたいとお願いをしておるわけでございますが、これについてはいかがでございましょうか。
#12
○副大臣(沓掛哲男君) 藤前干潟とその周辺は我が国最大のシギ、チドリ類の渡来地であり、環境省としてもラムサール条約の登録湿地としてふさわしい地域と考えておりますが、登録するためには大きく分けて三つの条件が必要でございまして、水鳥等の生息地として国際的に重要な湿地であること、それから、今御指摘のありました国設鳥獣保護区、特別保護地区等の地域指定によりまして将来にわたり自然環境の保全が図られること、そしてまたもう一つ、三つ目として、地元自治体等から登録への賛意が得られていることが必要でございます。
 そういうことを踏まえまして、環境省としては、地方自治体や環境行政機関等と連絡を密にしながら、まずはできるだけ早く国設鳥獣保護区の設定及び特別保護地区の指定を実現させていきたい、それから、続いて今申し上げたような手続も進めていきたい、そういうふうに思っております。
#13
○山本保君 もう一つ、これに関連してお聞きしたいといいますかお願いをしたいことがございます。
 このラムサール条約の締約国会議というのが三年に一度ずつ開かれるそうですが、二〇〇五年に、次の次になりますが、予定されている。ちょうどこの年はこの地域、愛知県におきまして、自然との共生をテーマとします環境の国際博覧会が開かれることになっております。ですから、ぜひ、できるものならばこの締約国会議をこの国際博覧会の最中に開く、こういうことが行えれば最高であると考えているわけでございます。
 相手の、また外国との関係がありますから、なかなかそれがそのまま難しいとすれば、それに準ずるような会議を開くというようなことはいかがかという二つですね、環境省にお聞きしたいと思います。
#14
○副大臣(沓掛哲男君) 第一点の、ラムサール条約の締約国会議を我が国でこの万博、愛知万博と一緒に二〇〇五年に行えないかということでございますが、これは確かに今おっしゃられるように、「自然の叡智」をうたった愛知万博の開催と時期を合わせてそういうことができれば、本当に我が国の自然環境の保全に対する取り組みについてのアピールとしても大変いいことだというふうに思っております。
 しかし、これを開くためには、締約国の各国との関係、また条約事務局との関係、さらにはこの締約国会議は我が国でも既に一九九三年、釧路で第五回目のものが実施されているなど、いろいろなこともございますので、そういうものを総合的にやはり検討していかなければならないというふうに思っております。
 そこで、第二番目、なかなか締約国会議が難しいとしても、何らかのそういうことが努力でこの万博と一緒にやれないかというお話ですが、そのことについては、何らかのことをやることは大変やっぱりすばらしいことだし、ぜひそういう方向でいきたいと思いますが、その前提としてやはり何といっても地元の協力、それからやっぱり関係行政機関との関係などなどいろいろなことがございますので、そういう地元の意向を伺いつつ、環境省としてもこれからどういうことができるか、そういうことを検討してまいりたいというふうに思っております。
#15
○山本保君 ありがとうございます。環境省の積極的なお答えをいただいたと思っております。
 そこでそれに関連しまして、少し関連する省庁にもお聞きしておきたいと思います。
 来年ですか、もうその次の会議の内容が決まるというふうにも聞いておりますので、ぜひ外務省の方で、この次の会議、また二〇〇五年の開催についてのいろいろ情報を収集していただいたり、またできればそのための働きかけをしていただくということになるかと思うわけでございますが、この辺について外務省ではどのように進められる予定なのか、お聞きいたします。
#16
○副大臣(荒木清寛君) 二〇〇五年の愛知万博は環境万博でありますので、その機会に、ラムサール条約締約国会議の招致などを通じまして環境保護のメッセージを発出できるとすれば、大変私は有意義だというふうに考えます。
 もちろん、委員がおっしゃいましたように、この条約の締約国会議の招致につきましては、各締約国あるいは条約事務局の動向等を見きわめる必要があります。そこで、このラムサール条約の締約国会議につきましても、まずはそうした情報の収集に努めながら、その可能性を追求してまいりたいと考えております。
#17
○山本保君 重ねて国際博覧会の担当省庁でございます経済産業省にも、この国際博覧会の意義とまた干潟保全、ラムサール条約登録ということについて関連すると思うわけでございます。ぜひこの国際博覧会で行いたいと思っておるわけでございますが、確認の意味で、この辺について答弁をいただきたいと思います。
#18
○副大臣(松田岩夫君) 二〇〇五年の愛知万博をぜひ成功させていただきたいと心から願っております経済産業省といたしましても、「自然の叡智」という万博のテーマを、地元を初めとする国民の皆様方あるいは世界各国の方々に十分御理解をいただきまして、日本国内のみならず世界各国から大勢の方々に来場していただくことがとても大事であると考えております。その意味で、「自然の叡智」という万博のテーマに関連したさまざまな行事が地元等で開催されますことは、愛知万博を盛り上げる上でも極めて望ましいことであると考えます。
 先生御指摘のとおり、環境に関連した国際的な行事が開催されますれば、世界各国の方々にまた万博をごらんになっていただく機会も提供できるわけでございます。そういう意味でも、愛知万博にとりましても、先生御指摘の会合を開かれるというようなことであれば意義のあることだと存じます。
#19
○山本保君 総理大臣、今、このラムサール条約登録、また干潟の保全について関係の大臣、副大臣からお話を伺いました。
 二十一世紀はまさに環境の世紀とも言われているわけでございます。このような環境保全、また一度失われてしまいますとなかなかもう一度取り戻すのは難しいとも言われております。環境問題はこれだけではないわけでございますが、この水鳥の生息ということも含めまして、環境保全ということについての今後の方針についてお伺いしたいと思います。
#20
○内閣総理大臣(森喜朗君) 今、山本委員と沓掛副大臣等の議論を伺わせていただきまして、私、国連で昨年、ミレニアム・サミットで人間の安全保障ということを提起してまいりました。これは、人間が一人一人この地球で安心をして生活ができるということだろうと思いますが、同時にそのことは動物や植物にとってもやっぱり同じだろうと思う。同じように生命を与えられて、そしてこの地球上に飛来をしている鳥にしても動物たちにしても、やっぱりこれは安全で安心できる、そういう生涯を過ごせるようにしてあげることも人間の私は大事な務めだろうと、こういうふうに思っています。
 子供のころから、実は私の郷里の近くに、そのラムサール条約で指定をされた潟がございまして、そこにいつもカモなどが来るのを見て不思議だなと。どうして遠いところから、磁石を持っているわけでもないし、どうしてそんなところから飛んでまたここへ来るのかなんて、本当に子供のころはそう思って見ていました。そう思うと、そういう鳥たちがここには必ずそういう潟があるんだ、湖があるんだと思って来たらそれがなかったなんということは、これは私は人間としてやるべきことではないなというふうに思います。今、お話、先生のお考えを伺っていても、そのことを非常に感じました。
 政府としても、施政方針演説にも申し上げたとおり、二十一世紀において国民生活の基盤となる恵み豊かな環境を守り、そして子孫に引き継いでいくことが我が国のみならず世界においても最も重要な課題の一つだと、このように考えております。
 環境問題を解決していくためには、各府省が環境の視点を織り込んで各般の施策を講ずることはもちろんでありますが、国民、事業者等がそれぞれの立場から取り組みを進めていく必要があると、このように考えております。
 このような見地から、先般、全閣僚そして十名の有識者の参加を得まして、二十一世紀「環(わ)の国」づくり会議というのを開催いたしました。この会議の議論等を踏まえまして、二十世紀型の大量生産、大量消費、大量廃棄の社会にかわる簡素で質を重視した循環型社会を築いて、地球と共生する環の国、環は環境の環でございますが、環の国日本を実現してまいりたいと、このように考えております。
#21
○山本保君 どうもありがとうございました。
 以上で私の質問は終わりまして、同僚の松あきら議員に関連の質問をお許し願いたいと思います。
 ありがとうございました。
#22
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。松あきら君。
#23
○松あきら君 松あきらでございます。
 私は、まず、財団法人KSDから旧労働省時代に会食やゴルフなどの接待を受けていたとしまして、厚生労働省は三月十四日に旧労働省幹部八人の処分を行いました。旧労働省の職員倫理規程施行後の会食もあったとのことです。このことで、当時直接の担当でなかった坂口厚生労働大臣、本日は衆議院の本会議でおいでになっておりませんけれども、監督責任ということで、昨年十二月の就任時にさかのぼって大臣給与を全額返納され、今後もその大臣給与を受け取らないと報道されているわけでございます。
 厚生労働省は、労働行政だけでなく厚生行政もあるわけでございます。大臣は今後とも給与を受け取らないとの異例の御自身に厳しい決意をなされました。今回の厚生労働省の処分について厚生労働省としてどのような考えで行われたのか、まずお尋ねをいたしておきたいと思います。
 そして、こういったことで大臣が給与を全額返納するという事態を総理はどう受けとめていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#24
○副大臣(増田敏男君) お尋ねの関係をお答え申し上げていきます。
 KSDをめぐる問題が社会各方面に多大な影響を与え、行政に対する信頼を損なう重大な問題であることと厳しく受けとめております。前例や過去の他省庁等の処分例も比較いたしまして、国会議員からの誘いであるものも含め、より厳正に処分を行ったところであります。
 大臣自身に触れられましたが、誠心誠意国民の信頼を回復すべくきちんと取り組もうというのが基本の姿勢で歩んでまいりました。御理解賜りたいと思います。
#25
○松あきら君 ありがとうございました。
 では総理、一言。
#26
○内閣総理大臣(森喜朗君) 昨日、坂口厚生労働大臣がお見えになりまして、今、松議員から御指摘がございましたようなことで給与を全額返納したいと、また在任中の給与はこれは受け取らないというふうにお話しになりまして、以下、当時の労働省関係の皆さんの処分等のお話を伺いました。
 率直に、私、このお話を承りながら、お気の毒だなという感じはいたしました。恐らく、議員の方やその役所の皆さんの、すぐ私は奥さんのことを思い出したんです。どんなにお困りだろうなと、こう思って、説明に来た事務次官には、あなたは奥さんに報告したのかと言ったら、言いましたと。奥さんは、当然のことです、覚悟しておりますと、こう言われましたと言うから、よく私からもおわびしておいてくれと、こういうふうに私は申し上げてもおきました。
 就任時にさかのぼって、厚生大臣として受け取る給与を全額返納して、今後も受け取らないことを明らかにしたことは、KSDをめぐる問題が社会各方面に多大な影響を与えたことについて厚生労働行政を預かる最高責任者としてみずからけじめをつけられたものであろうと、このように認識をいたしております。
 今後は、坂口厚生労働大臣のもとに職員一丸となって国民の信頼の回復のために全力を尽くしてほしいと、そういうふうに私は事務次官にも申し上げておきましたし、けさ方閣議の前にも坂口労働大臣にもそのことを申し上げておきました。
#27
○松あきら君 ありがとうございました。
 それでは、質問が変わります。
 扇国土交通大臣もきょうはいらっしゃっておられますので、国土交通大臣、そして桝屋厚生副大臣にお伺いしたいと思います。
 それは、介護タクシーについてでございます。
 介護保険が実施されまして間もなく一年を迎えます。課題もいろいろございますけれども、全体としてはまずまずの滑り出しではないかなというふうに思っているところでございます。このことで福祉制度に企業が多数参入して、いい刺激となっているという指摘もございます。
 ところが、企業ならではのユニークな発想を厚生労働省が否定するような動きが出ていると言われております。定期的に病院へ治療に通う要介護者のタクシー利用の問題でございます。
 介護保険では、乗車時そして乗車中の付き添いを介護として認めているが、利用客が乗車料金を通常どおり支払わなければならないわけです。毎回タクシーを使うとかなり高額になるわけでございます。
 そこへ、ヘルパー資格を持つ運転手さんが乗車中も介護を続けます、乗車料金は不要というタクシー会社があらわれました。もちろん調理やあるいはおむつの交換などをする訪問介護事業者の指定を受けての参入でございます。三十分以内の身体介護なら給付額は二千百円で、利用者の負担はこの一割。往復でも四百二十円で済むわけなんです。
 昨年五月、福岡県のメディスというところが先陣を切りまして、次いで堺相互タクシー、これは大阪ですけれども、などが取り入れまして、各地でこれは広がり出しました。安くて喜ばれているんですね。メディスなどは北九州市からも呼ばれて、利用者が約九百人と急増して車が足らない状態になっていると、こういうふうに言われております。タクシー会社としては、通常三十分走れば保険給付額以上の料金を稼げるわけですけれども、固定客がつけば全体としては十分な収入が確保できるというわけでございます。
 双方が満足するアイデアなのに、厚生労働省は待ったをかけたのかなというふうに思うのでございますけれども、そこのところを桝屋副大臣、よろしくお願いいたします。
#28
○副大臣(桝屋敬悟君) 私の方からお答えを申し上げます。
 今、介護タクシーというお尋ねでございまして、御案内のとおり、介護保険が始まりまして、今、委員の皆様もお聞きになった松委員の御説明で大体御理解をされたと思うんですが、確認をいたしますと、介護保険が始まりまして、タクシーの会社が訪問介護指定事業者の指定を受けて介護保険の対象として患者さんの送迎等をされるという場合のお話だろうというふうに承りました。
 お話がありましたように、ユニークというお話がありましたけれども、もともと介護保険を仕込む段階で、こういうある意味で患者さんの送迎、お年寄りの送迎ということに特化をするようなサービスが出てくるということはなかなか想定をしていなかったわけでありまして、そういう意味では極めてユニークだろうというふうに私も思っております。
 ただ、問題は、訪問介護というのは、御案内のとおり、入浴、排せつ、食事など、さまざまな日常生活の世話を総合的にお世話をする、そのお世話全体で介護報酬が設定をされていると。したがって、どうしたものかなというのが今実は悩んでいるところでありまして、先ほど厚生労働省が待ったをかけたと、こう言われたわけでありますが、決してそんなつもりはありませんで、しかしながら、もとより介護保険制度というのは四十歳以上の国民の保険料と公費によって賄われるということがあるわけでありますから、保険給付の対象となるサービスの範囲も、保険料等を負担していただく国民の御理解がいただけるように適正な制度運営を行っていくことが重要だというふうに考えているところであります。
 そういう意味で、ちょっと長くなりますけれども、こうした観点からは、介護保険法上の訪問介護事業は要介護者の生活全般にわたってぜひ援助をいただきたいと、こう思っているわけでありまして、(発言する者あり)そういう意味では、はい短くしろと、こう言われるわけでありますけれども、大事な話でありまして、たとえタクシー会社が訪問介護事業者の指定を受けて事業運営を行う場合にあっても、通院とか外出介助、食事など総合的なサービスをぜひともやっていただきたいと、これをお願いする立場であります。
 どうぞそのことを御理解いただいて、その趣旨を徹底させていただくということでございます。
#29
○松あきら君 しっかり御答弁いただきましてありがとうございました。
 総合的に提供すべし、こういうことだというふうに思います。しかし、こうしたタクシー会社に通院介助が集中しているわけですけれども、頼んでくるのはケアマネジャー、こちらは利用者を選べませんと会社は言っているわけですね。そしてケアマネジャーの指名を断れば、これ違法になるわけでございます。
 利用者が一番便利なところを選ぶというのは、自由な市場でこれは当たり前だというふうに思うわけですね。
 例えば、訪問入浴を長年手がけてきた事業者に身体介護の入浴サービスの需要が高まることが起こるのも、これは当然だというふうに思うわけです。サービス提供者が持ち味を売り込み、利用者や代理人であるケアマネジャーが選択する、ここに措置から契約への転換と言われるこの介護保険制度の革新性があるのではないかというふうに思います。
 通院者の中には、週二、三回の透析治療を受ける高齢者も多いんですね。やはり、病院への移動が不可欠なケアです。
 ただ乗りなら道路運送法違反と反発するタクシー業界の声などに反し、国土交通省は乗車料金は保険給付から出ていると新解釈を打ち出してくださいました。運転手とヘルパーの一人二役を容認しております。厚生省とは見解が少し違うわけでございますけれども、ぜひ国土交通大臣、新アイデアを後押ししてくださっていると思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。
#30
○国務大臣(扇千景君) 今、松あきら先生からお話ございましたように、私は、我が国の二十一世紀の姿を考えるときに、こういうこともなければ、またこういうことをしなければ新しい二十一世紀型の福祉とは言えないんだろうと、これは原点だと思っています。先ほど松先生はユニークだとおっしゃいましたけれども、私はこれが二十一世紀型だと、ユニークではなくてこれが普通になるというのが私は二十一世紀型の福祉のあり方だと思っております。
 特に私は、ホームヘルパーとおっしゃいますけれども、運転手さんは百三十時間の講習を受けてホームヘルパー二級の資格を持った私は貴重な人材だと思っておりますので、当然これは道路運送法違反という、最初はそういうこともおっしゃいましたけれども、我々は一月の五日、これは旧運輸省時代でございますけれども、特に道路運送法違反にはならないと、道路運送法では認可運賃としての認可をしているんだから、これは運賃を収得したものという解釈で、これは違反にはならないと、そういう解釈をいたしております。今後とも私は、国民の皆さんが一番望むものは何かということを考えれば、私は、一番国民の皆さんが喜んでいただいて、なおかつ全然お金を出さないわけじゃないんですから、私は、そういう意味ではこれは二十一世紀型の新しい福祉のあり方として今後も後押ししていきたいと思っています。
#31
○松あきら君 大変に心強い御答弁をありがとうございました。まさに私は、ここの席で今拍手をいたしましたけれども。
 しかし、厚生労働省は四月一日には省令を改定しまして、現行のタクシー会社の方式を排除する方針と伺っているところでございます。このまま続けると、会社は自治体から事業者の指定を取り消されかねない。保険の責任者である自治体の独自判断が求められているわけです。
 こういう事態を縦割りでなく、まさに扇大臣がおっしゃった、介護を受ける立場、国民の皆様が望む立場、二十一世紀型、こういうことを考えて、もちろんこれからますます高齢者がふえるわけですから財源の問題も当然起こってくるとは思いますけれども、この辺のところを手短に厚生省から、手短によろしくお願いします。
#32
○副大臣(桝屋敬悟君) 手短にやれということでありますが、松さんと扇大臣の先輩後輩のネットワークに押されぎみでありまして、原点だけ申し上げなきゃならぬのですが、私どもは決して今回のユニークなこの取り組みを邪魔しようとかとめようとかいうことではありません。今日までも各市町村の現場では、この移送サービスについては極めて特に地方の地域については大事だ、ニーズが高いということもあって、さまざまに取り組みがされてきたということがあります。
 問題は、介護保険の本体部分、本体の給付でどこまでその対象とするかということでありまして、指定の基準については、先ほど申し上げたように、訪問看護事業者として総合的なサービス提供をしていただきたい、これがお願いでありますし、それから、たとえ都道府県の指定がない場合であっても、それぞれの市区町村において基準該当ということでその地域だけでその住民を対象にやるということもありますし、さらにまた、その他のさまざまな介護保険以外の、例えば介護予防、生活支援事業などのメニューの中にも入っているということでありまして、これは介護保険の外側のサービスでありますが、こうしたものをしっかり活用していただいて、現場でしっかりと、介護保険は現場でありますから、現場の市区町村でしっかりと知恵を出していただくようにお願いを申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
#33
○松あきら君 桝屋副大臣の国民の側に立つお気持ちは重々感じられましたので、今後ともどうぞよろしく御検討のほどお願いいたします。総理もぜひこの点よろしくお願い申し上げます。
 続いて、教育改革国民会議に続きまして政府は、現在の規制改革委員会にかわって、来月内閣府に設置する新機関で、小中高の授業内容や学校の選択の幅を広げることができるよう制度の見直しを進める方針を固めたと漏れ聞いております。二〇〇一年度から規制改革推進三カ年計画に盛り込むということですが、その中に高等学校を中退した生徒が卒業資格を取ることができる認定試験の導入が考えられていると伺いました。
 私は初当選以来、もうかねがねずっとこの問題に取り組んでおりまして、質問を繰り返しておりました。しかし、今まで大検があるということで突っぱねられておりまして、大検、私が初めて質問したころは二十一科目受けなきゃならない、だんだん少なくなってきて、今は八プラス一ということで九科目の試験になったそうでございますけれども、今、不登校が十三万人、いやそれ以上と言われているこの時代で、私は、専門学校にも高校の卒業の資格がないと受けられないという、こういう現状を考えますと、大検よりも易しい高等学校卒業認定試験制度、これがぜひ必要であるというふうに思うわけでございます。
 総理の、この高等学校卒業認定試験制度など、新機関へのお取り組みの御所見をお伺いしたいと思います。
#34
○副大臣(河村建夫君) 松委員がこの問題についてずっと熱心に取り組んでおられること、私も承知しておるわけでございます。
 昨年十二月の、今御指摘の行政改革推進本部の規制改革委員会において、「高等学校卒業段階における習熟度を客観的に評価するための学力評価基準や評価方法等の具体的な方策について検討を進め、高等学校の卒業と同等の学力を有することを認定する試験の在り方について検討すべきである。」、こういう御指摘をいただいたところでございます。
 文部科学省といたしましては、これはまさにこういう御指摘がございますからこれから鋭意検討していかなきゃならぬ課題である、このように考えておりまして、これから文部科学省内部において検討委員会等を設けていかなきゃいかぬだろうと思います。
 松委員から御指摘ありましたように、大検制度というのもあるわけでございます。これとの関係をどうするか、また大検制度そのものも高卒資格と同等に認めることを検討しろ、こういうことも指摘をされておるわけでございます。そのことも含めてあわせて検討に入らなきゃいかぬ、このように考えております。
#35
○松あきら君 ありがとうございます。ぜひ私は多様な生き方を子供たちにさせてあげたい、そんな思いでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
 最後でございますけれども、私の地元の神奈川県横浜に坂東玉三郎さんが芸術監督を務める横浜21世紀座というのが十二月二十九日にオープンをいたしまして、場所も山下公園の近くにドーム型の仮設型の劇場となったわけでございます。しかし、これ、ちょっと時間がなくなりましたので簡単に言いますと、21世紀座、すばらしい公演していただいたんですけれども、幕あきに。しかし、いろいろありまして、県側と玉三郎さんとの間で損害賠償の訴訟に発展かという事態になったわけでございます。だから、玉三郎さんが総監督を辞退すると。
 私は、神奈川の県民あるいは横浜市民が、いわゆる行政と文化が歩み寄ったともうすごく皆さん期待して、喜んで、私も大いに期待していた一人なんですけれども、これがこういう形になった。非常に大きな文化のうねりができるんじゃないかな、ワールドサッカーも参りますので、関連して盛り上がるんじゃないか、非常にこれを楽しみにしておりましたけれども、残念なことになりました。
 総理、行政と芸術文化のあり方について、最後その御見解を伺って、終わりたいと思います。
#36
○内閣総理大臣(森喜朗君) すべて申し上げるにはもう時間が来てしまいました。
 ただ、私は、今の件について、最初テレビを見ておって、ああすばらしいことをされるなと、そう思いました。豪華なお金をかけた劇場をつくらなくても、そういうテント式の、サーカス小屋と言うと失礼ですけれども、そんなような形でできるものが非常に最近よくミュージカルなどでもありますし、いいアイデアだなと思っていました。そうしたら、この間またそのニュースを見ましたら、今、松議員からおっしゃったように、何かいざこざがあって、そしてお互いに今度は訴訟をするというふうに聞いて、実はがっかりしたんです。
 ですから、せっかく市民のためにすばらしい芸術、歌舞伎であるとか能もやれるようになっていましたね。そういうものを市民に非常に身近に見せてあげることができる。恐らく玉三郎さんもそのことに意欲を持ってそのディレクターというんでしょうか、監督をやろうということだったと思いますから。ところが、どうも音響の面でしょうか、外からの音が聞こえるのでどうも自分の趣旨に合わないということのようですけれども、これはやっぱり僕は話し合うことであって、訴訟すべきことではないような気がいたします。
 お互いにいいものを市民、国民に見ていただこうと考えられたことで歩み寄られたことですから、これは、私は文化庁がそういう中に入ることがいいのかどうかわかりませんけれども、関係者に、お互いにそういうことを話し合って、こんなことで訴訟しないで、円満に、そして本当に市民のため、県民のためにいい伝統のそういう舞台芸術を見せてあげられるようにすることが、一々東京の歌舞伎座でありますとか国立劇場に来なきゃならぬと、横浜市民が。そんなことがない、すばらしいことをしようというんですから、お互いによく歩み寄って話し合われたらいいと思いますから、河村副大臣も聞いておられると思いますから、しっかり、私は、その間の中に立ってあげることが大事じゃないかなと思いました。
#37
○松あきら君 ありがとうございました。
#38
○委員長(岡野裕君) 以上で山本保君及びその関連質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#39
○委員長(岡野裕君) 次に、簗瀬進君の質疑を行います。簗瀬進君。
#40
○簗瀬進君 総理、自民党大会、御苦労さまでございました。自民党大会が終わって、参議院で総理の、この委員会でお声を聞くのは初めてということで、端的にまずお尋ねをさせていただきたいと思います。
 森総理、辞任をするんですか、続投するんですか、どちらですか。国民にわかりやすく明瞭な言葉で説明をしていただきたいと思います。
#41
○内閣総理大臣(森喜朗君) この予算委員会でもたびたび委員の皆さんから御質問がございましたので、ずっと私は同じように答弁をいたしております。
 先般は、参議院におきます本会議でも私の問責決議を否決していただきました。それも衆議院の内閣不信任を否決していただいたと同様に、今がやっぱり一番大事なときで政治にいっときも空白をつくってはいけないという、そういう皆さんの思いで否決をしていただいたものだろうと思っています。しかし、不信任をいただいたりあるいは問責をいただく、それだけのまた事態になっているということについても謙虚に私は受けとめて、反省すべきところは反省しなければならぬと思っています。
 ただ、今申し上げられるのは、国民がみんな本当に期待をしておりますことは、年度内に予算を何としても成立をしてほしい、あるいは関連法もぜひ成立をしてほしいという気持ちが私は強いだろうと、そう思います。こうした経済状況の中で、まずはそうしたことを考えましても、予算あるいは予算関連法、そしてさらには重要な法案をたくさんこの国会に内閣としてお願いをいたしておりますので、これらの法案が成立でき得るように私としても今、内閣の責任ある立場で全力を挙げてそのことに対応していきたいと、このように思っておりますのが私の全く偽らざる心境でございまして、お尋ねのように、続投するのですかあるいはやめるのですかというような御質問でございますが、今の時点では全くそのようなことを考えておりません。
 ただ、私から申し上げたように、党の方で、いわゆる総裁の任期を早めてやったらどうかというそういう声もあったので、これは私のことでありますから、どうぞ御存分に、私は皆さんがお考えになっておやりになることは結構でございますからと、そういうふうに私は党の五役にも申し上げ、そして党大会でも、できるだけ幅広く多くの党員の総意によって選ばれるような形でどうぞ総裁選をやってくださいということを、約一万人近い党員の前で私はそのことを申し上げたわけでございます。
#42
○簗瀬進君 御答弁の中でただ以下の言葉がなければ、恐らく新聞は、大変続投への強い意思を表明したと、こう書くでありましょう。しかし、必ず、ただ、総裁選挙を前倒しいたしますと、こういうふうなことをおつけになるんですね。それをとってマスコミもあるいは諸外国も、総理はこれは辞任の意思を固めたし、また自民党もそれを内々では理解をしている、こういうふうな解釈をされてしまう。
 私はそこで聞きたいわけでありますけれども、党の方でとおっしゃられましたけれども、その総裁選挙を前倒しするという求めに総理はみずからそれでよしと、こういうふうにうなずいたわけですね、自民党総裁として。
#43
○内閣総理大臣(森喜朗君) 簗瀬議員もかつて我が党におられたわけですからその辺の仕組みはよく御存じだと思います。
 私の任期は九月になっているんですね。これは決められたことです。ですから、党内にはさまざまな声あり、また党外からもいろいろな声もあり、ですから、その九月までの私の任期にはそんなに私はこだわりませんと、もし党の皆さんが御判断をされて少しでも早くやろうということであれば、どうぞ御心配ないように進めてくださって結構ですと、党内手続の問題について現職総裁である私は、どうぞ党の方でお考えくださって結構ですと。しかし、私はそれまでは一生懸命やるのは当然なことでございますし、そのまた責任も特に今のこの期間はあるわけでありますから、全身をなげうってこれらの諸課題が解決できるようにぜひ私は努力をしていきたいと、こう申し上げているわけで、そんなに私は矛盾はないというふうに思っているんです。
#44
○簗瀬進君 私は、実は本業は弁護士でございます。民法上、期限の利益という言葉がございます。期限の利益は債務者のためにあると、期限を定められたときまでは借金を返さなくてもいいと、しかしその期限の利益をみずから放棄した場合は直ちに借金を返さなければならない、これが民法の期限の利益の考え方でありまして、まさに任期もそういう意味ではないでしょうか。
 まさにそういう意味では、九月までやれるという総理としての残任期限、それはみずからの利益でございますけれども、それをみずから放棄した、それが前倒しを認めたということではないんでしょうか。これはだれにとってもまさに辞任の意思表示である。総理はみずから期限の利益を放棄なさった、それは辞任の意思を明らかにしたということではないんですか。
#45
○内閣総理大臣(森喜朗君) あなたが弁護士さんであることをよく知っていますよ、私は。しかし、これはまた法とは別の問題であって、我が党の中における総裁の公選の規程というのがありまして、それはどのようにでも、これまでも前倒しをしたり、あるいは半年、選挙にちょうどぶつかったときなどは先送りをしたり、先延ばしですね、いろんなケースがございます。
 それは党員のみんなでの合意でそのことはできるわけでありまして、そういう意味からいえば、法の世界では確かに今御指摘のようなことになるのかもしれませんが、政治家として、また党の私は責任者として、党員の皆さんの総意でそういうふうにお決めになることであれば、これは私はそういうことをお考えになっても結構ですよということを申し上げたわけであって、そのことは何も早く任期を終えるとか終えないとか、そういうことで申し上げたのではないというふうにぜひ理解をしていただきたいと思います。
#46
○簗瀬進君 総理という地位は、まさに一国の最高の政治責任者であります。その政治責任者の地位がまさに揺らいでまいりますと、その瞬間から政治空白が生ずると、ということは、それは総理は私が言うまでもなく十分御存じだろうと思います。
 そこで、お尋ねをしなければならないのは、前倒しをするとして、いつなんですか。連休の前ですか、あるいは連休から参議院選挙の間ですか、あるいは参議院選挙の後ですか。四月だとか六月だとか、自民党の中の派閥抗争の中でいろいろな意見が今出ているようでありますけれども、まさに国民はあきれています。最高の政治責任を持つ方のその地位が一体いつまで続くんだろうか、また後継者が一体いつの時点で出てくるのか、それが明らかでないから株式市場もあのような大暴落をするのであります。
 まさにそういう観点から、総理は、前倒しをするとしてもその時期を明らかにする、これは責任があるし、ある意味では去り行く総理としての最後に残された良心がそこにあるとお思いになりませんでしょうか。
 まさにそういう意味では、今御質問を申し上げた前倒しの時期が連休の前なのか、連休から参議院の選挙の間なのか、参議院選挙の後なのか、はっきりと示すべきであります。どうでしょうか。
#47
○内閣総理大臣(森喜朗君) 今お話しのとおり、党の総裁であるということによって、そういう党の規程をどのようにするかということに対する私のやっぱり意見あるいは責任もあると思いますが、しかし総理大臣として、先ほどから申し上げておりますように、今の私ども内閣からお願いをいたしました予算案、あるいは関連法案については全責任を持っていきたいということで今努力をし、皆様方にもお願いを申し上げているわけでございます。
 一つの設定をされて、連休の前ですか後ですかというようなことをおっしゃいますが、これは私が決めることではないわけで、党として皆さんで御判断をなさることでありますから、恐らく党の執行部は今いろいろと考え合わせておられるんだろうと思います。いずれ御相談があるのだろうと、こう思っています。
#48
○簗瀬進君 前倒しを言いながら時期を明らかにしない、まさにそこにこそ今のこの国の大変な政治空白と、そして経済の混乱と世界からの信用失墜を呼んでいる原因があるということをどうか御認識をいただきたい。
 その上で、総理はこれからアメリカに向かおうとなさっているようであります。さあ、アメリカに行ったときに相手側がどういう対応をするのか。もうこれは政権基盤が揺れ動いているから、これ幸いと厳しい要求を突きつけてくる可能性もあるし、また、これはもうどうせかわってしまうのだから何を言ってもしようがないから適当に御接待だけ申し上げてお帰り願おうかと、こういうふうな、いずれにしても大変、非常に意味のない訪米になるのではないのかなということを私たちは恐れております。
 特に、今、世界同時株安等の大変な問題が起きています。アメリカからいろんな要求が来るでありましょう。そのときに、前倒し、だれが見てももう辞任を示唆したと思われるそういう状況の中で、どんな決断とどんな考え方でアメリカに対してこられようとしているのか、その考え方を聞かせていただきたいと思います。
#49
○国務大臣(河野洋平君) 日米首脳会談はこの十九日にワシントンで行われるわけでございます。アメリカ側もまだまだスタッフが下まで決まっているわけではないということもございまして、日程上、多少私どもとしてもおくれてこの首脳会談の実現ということになったようにも思いますし、また一方で、今回の首脳会談が、今、議員がおっしゃいますように、経済問題が極めて重要な場面に首脳会談が行われるということにもなるわけでございまして、いずれにせよ、この首脳会談は重要な意味を持つ首脳会談になるというふうに私どもは思っております。
 アメリカとしても、新ブッシュ政権が同盟国日本に対して一体どういうことを期待し、どういうことを考えているかということを一日も早く知るということはそれなりに意味があると思いますし、また総理がブッシュ大統領に対して言うべきこともたくさんございます。沖縄の問題を初めとしていろいろあるというふうに思います。この首脳会談の持つ意味は重要な意味を持っているということはぜひ御理解をいただきたいと思います。
#50
○簗瀬進君 アメリカに行かれるのは総理でございます。その総理から御発言がなかったということを私は大変遺憾に思います。ありますか。
#51
○内閣総理大臣(森喜朗君) 簗瀬さんは、私は党にいらっしゃったときから大変賢明なお考えをされている方だと思って御尊敬も申し上げておりました。別にこびを売っているんじゃないですよ。非常にあなたは理論的にいつも展開される。
 でも、よくお考えになってみてください。仮にですよ、これは誤解しないでください、またすぐ皆さん誤解するから。仮に私が、仮にですよ、辞意表明をしたからといって、仮にきょうの時点ですると、あしたすぐ総理かわれますか。どうです、かわれないでしょう。次の総理大臣が決まるまではこの政権の責任を持っていかなきゃならぬのじゃないですか。そうすれば、国会の対応もそうだし、仮に外国との首脳会談や会議があれば、当然それにも出なきゃならぬのじゃないですか。辞任を表明してもそうしなきゃならぬのが当然のことじゃないですか。それが責任でしょう。
 現にこれまでも、あなたも御存じだと思うけれども、例えば竹下さんも、四月二十五日か何かに辞意表明をされて、翌々日か予算を通されて、それから約二カ月間総理大臣としてお務めを果たしておられましたよ。橋本総理も、たしか、辞意表明をされてから外交を一つおやりになったというふうに橋本さんからも私は伺いましたし、それは日本だけじゃないでしょう。クリントン大統領もきちんと、ブッシュさんが当選をされた後も正式に交代をなさるまでは、やはり中東和平については彼はその仕事をずっとしておられたじゃないですか。
 私は、間断なく、そういうすき間をつくらないことの方がやはり総理として、責任ある立場として国民に対する私は責任、務めの果たし方だろうというふうに思っております。
#52
○簗瀬進君 まさに竹下さん、橋本さんという辞任を決意なさったお二人の先輩の名前を挙げられたということで、私自身としては勝手ながら、総理の御本心はやっぱり御辞任なさるのだなと、このように解釈をさせていただきます。
 御本人を目の前にして大変甚だ恐縮と思いますが、私は、今や総理という名の亡霊、そして連立与党という名の権力亡者が国会を徘回しているような、そんな気がしてなりません。やはり政治の空白というのは、本当に最高の責任を負うべき意思を持つ、そういう者が厳然として存在をすることによって国家と社会は存立をするわけでありまして、そういう意味では私は、直ちに辞職をすべきである、そして辞職をして、手続で自民党の中のいろんなそういう事情はあるだろうと思いますけれども、これは場合によっては一週間で後継の総裁そして総理を選ぶことも可能なはずであります。どうかそういう賢明な御決断をしていただけるよう心からお願いを申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
 農水大臣、昨日の衆議院の農水委員会における御答弁の中で、栃木県の土地改良区の党費立てかえ問題が取り上げられました。土地改良負担金の支払いで大変多くの農民の皆さんが苦しんでいらっしゃる、そういう状況の中で、知らないところで党費に化けていたり、あるいは知らないところで会費が払われていたり、まるでこれはKSDの構図とそっくりじゃありませんか。
 私は、そういう意味で、まず農水大臣にお尋ねをしたいのは、党費についての御答弁はあったようでありますけれども、私が手元で見た範囲では、各県の土地改良連盟にタイアップして存在をしている土地改良政治連盟というものがあります。新聞に載った栃木県においても自民党系の政治団体という新聞の紹介でありましたが、土地改良政治連盟というようなものがありまして、そこに年間、土地改良区から合わせて四百万円の会費が払われている、こういうふうな報道がなされたわけであります。
 まず御質問したいのは、党費の立てかえについての違法であるという明瞭な大臣の見解はわかりました。ついては、会費負担、このような土地改良政治連盟に払われた会費というものについての法的な意味を御説明いただきたいと思います。
#53
○国務大臣(谷津義男君) お答え申し上げます。
 土地改良政治連盟に土地改良区の経費の中から支払われているというお話でございますが、そのことについては、私ども今それを掌握しているわけではございません。もしそれが支払われている、土地改良区の費用の中から支払われるということはまずないと私は思っております。
#54
○簗瀬進君 まずないというお話でございましたけれども、この下野新聞三月十四日では、平成九年度の目標額として、土地改良事業推進協議会が四百万円、それから建設業協会が五百万円等の会費を集める目標額が定められておって、現実にその会費についても知らないうちに土地改良区のお金が納められていたということが問題になっているようであります。
 私は、そういう意味では、この問題は栃木県の例がまず取り上げられたわけでありますけれども、このような土地改良の組織は土改連と言われまして、全県にあるわけです。例えば、この目標額、栃木において一千百五十万円という金額でありますけれども、これ全国にするともう四、五億の金が自民党系の政治団体に流れているというふうなそういう構図になっているような感じがするわけであります。
 私は、そういう意味では、まさにこの全国の実態について早急に明らかにしていただきたい。それが、大変、その土地改良の成果を期待しながら苦しい中で負担金を払っている農業者のためにも大きな信頼を得る道であると、このように思っておりますけれども、具体的にどんな指示をどんなタイミングで出そうとしているのかについてお尋ねをしたいと思います。
#55
○国務大臣(谷津義男君) 個々の土地改良区の指導でありますけれども、これは都道府県の自治事務でありますことは先生も御案内のとおりだと思います。農林水産省といたしましては、早急に都道府県に対しまして、報道されたような事例の有無について調査依頼を行うとともに、土地改良区が公共の性格の強い団体でありますから、かかる行為が再び繰り返されないように指導の文書を発出したいと思っております。
#56
○簗瀬進君 関連でお尋ねをしたいんですけれども、土改連が各県にありまして、それを全国で束ねる組織として全土連というものがあると聞いております、全国土地改良のそういう組織だと思うんですけれども。この指示の対象として、調査の対象としてこの全土連も含めるべきであると思いますが、いかがでしょうか。
#57
○国務大臣(谷津義男君) 当然のこととして、全土連に対しましてもそういう指導をしていきたいと思っております。
#58
○簗瀬進君 私は、土地改良ということでありますけれども、もう一つ、この新聞に出ております土地改良政治連盟のお金を集める目標額のところに、土地改良関係者から半分、そしてあとの半分が建設業協会等の、言うならば農業関係の公共事業の仕事をいただいている人かなと思われるそういう業界が入っていると、これはかなりの問題なんじゃないんでしょうか。いわゆる迂回をして、公共事業のために国から流れた金がこの土改連あるいは土改連の上部団体である全国の土地改良政治連盟、これを通して自民党系の方にバックマージンのように流れているのではないのか、こういう重大な癒着の構図が透けて見えてくるわけでありますけれども、農水大臣、その点についても明らかにすべきであると思いますが、いかがでありましょうか。
#59
○国務大臣(谷津義男君) 土地改良政治連盟に対するいろいろの献金というのは、これは各土地改良の理事さんとか何かが千円とか二千円とか、そういう会費の形で納められているということは聞いておりますけれども、そういった業者との件につきましては把握をしておりません。
#60
○簗瀬進君 大変公式的なお話でございますけれども、そういう公式的な形式張った指導監督を続けている中でKSDみたいな抜き差しならない癒着の問題がさらに進行化していくという、こういう大きな教訓があるわけでありますから、どうかその問題については積極的にいつも注目をしていただきたい、このようにお願いをして、次の質問に移ります。
 外務大臣、機密費の話なんですけれども、外務大臣の前にまず警察庁長官の方にちょっと話を聞かせていただきたいと思います。
 実は、これは報道で確認をまだ現実のものとしてはしていないので、まず事実関係を確認させていただきたいんですが、時事通信社の三月十日付、二十二時五十九分の発信ということで、これはインターネットでチェックをさせていただいたんですが、警視庁捜査二課長さんがこういう発言をしている。
 機密費詐欺事件で、警視庁捜査二課長は十日、記者会見し、外務省に対する家宅捜査について、協力的で任意提出を受けており、現段階では必要はないと述べ、捜索をしない方針を明らかにした。また、証拠隠滅の報道があったと、記者の方からそういう問いかけがあったところ、同課長は語気を強めて、隠滅は把握に至っていないと否定をした。さらに、総理官邸の捜索についても、ありませんと述べたと。
 私は、捜査機関というのは真実を明らかにする、特に外交機密の問題というのは、国民が、本当にそんな乱脈が内閣官邸と外務省の間で行われていたのか、十億に近いお金が競馬馬に化けたりしているということが、本当に信じられない思いで見ているわけであります。まさにそういう意味では、あらゆる手段を尽くしてこの国民の疑問に答えるというのが捜査機関の責務ではないか。にもかかわらず、最初から外務省、官邸の捜索必要なしと、このように言い切ってしまうということは、真相を明らかにすべき捜査機関の対応として極めて問題である、このように思っておりますが、いかがでしょうか。
#61
○政府参考人(五十嵐忠行君) 外務省室長を逮捕した後の記者会見におきまして、今、議員指摘されたような趣旨の発言をした旨の報告を受けております。
#62
○簗瀬進君 私の質問をもう一回させていただきます。
 そのような事実があったとして、まさに先ほどと繰り返しになりますけれども、真相を究明すべき捜査機関の態度としては極めて問題だと思いますが、いかがでしょうか。
#63
○政府参考人(五十嵐忠行君) 警視庁におきましては、外務省や内閣官房から捜査上必要な協力を得ながら鋭意捜査を推進いたしまして、三月十日に外務省の元室長を詐欺の疑いで逮捕いたしたところであります。
 捜索につきましては、捜査機関が関係者からの事情聴取や関係資料の収集等の具体的な捜査の状況に照らしまして、その必要性を判断し決定するものであります。警視庁におきましては、そのような観点から検討いたしまして、現在捜査中の本件について捜索する必要はないと判断し、そうした発言になったものと思います。
#64
○簗瀬進君 官房長官、今お話しにあったように、十分な協力をしている、こういうふうなお話でございます。具体的にどんな協力をしたんですか、挙げてください。
#65
○国務大臣(福田康夫君) 内閣官房といたしましては、真相解明のため捜査当局による捜査に全面的に協力いたしております。したがいまして、捜査当局から捜査上必要であるという資料の提出を求められたものについては積極的にこれに対応いたしております。
#66
○簗瀬進君 提出をなさった書類の具体的な中身を教えてください。
#67
○国務大臣(福田康夫君) 捜査当局から捜査上必要であるという求めのあった資料は提出いたしております。
 具体的にどのような資料と申しましても、これは捜査に支障を来すおそれがあるから、お答えは差し控えさせていただきます。
#68
○簗瀬進君 外務大臣、同じ質問です。
 どのような協力をしましたか。また、どのような帳票を提出していますか。
#69
○国務大臣(河野洋平君) 外務省といたしましては、かねてから、外務省の職員の問題でもございまして、全面的に捜査には協力をいたしますということを当委員会でも申し上げてまいりまして、私どもとしては全面的に捜査に御協力を申し上げてきたわけでございます。捜査上必要とする資料あるいはその他捜査当局から御要請のあった事項につきましては、全面的に御協力を申し上げてきたというふうに考えております。
 いかなる内容に及ぶかという御質問につきましては、ただいま官房長官からも御答弁を申し上げたとおりでございまして、現在捜査進行中でございまして、私から申し上げることは控えさせていただきたいと思います。
#70
○簗瀬進君 捜査の壁という、必ずこの国会の質問のときに出てくるのはこれでございますけれども、その壁をどの程度崩せるかわかりませんが、私、この報償費支出のプロセスという、こういう一つの図をつくってまいりました。各委員のお手元にも参っております。これをどうか官房長官もごらんになり、また外務大臣も見ていただきたいんですけれども……(「ないよ」と呼ぶ者あり)
#71
○委員長(岡野裕君) 資料を、事務局。
#72
○簗瀬進君 報償費の支出プロセスという、分けていませんか。それじゃありません、これです、これ。これはパネルだけということ──そうですか。失礼いたしました。パネルだけだそうです。はい。残念でございます。じゃ、これは高々と掲げながらやらせていただきますけれども。(図表掲示)(「それじゃ見えないよ」と呼ぶ者あり)はい、じゃ、こっちに見えるように。
 官房長官、ごらんになっていただきたいんですが、内閣官房長官、これは報償費の支出プロセスということで、昨日、官房の会計の担当者から聞かせていただいたものでありますけれども、内閣官房長官が報償費の請求書というようなものを支出負担行為担当官の方に出す。それから、支出負担行為担当官、これは通常内閣参事官、首席参事官などと言われる内閣参事官でありますが、それから支出官に指示が行きまして、支出官、これは通常会計課長でありますが、支出官とそれから参事官の連名の決裁が、決裁印が入っている支出決議書というのが出てくる。そして、その支出決議書が資金前渡官吏に行き、その資金前渡官吏が日銀小切手を内閣官房長官に振り出して、その日銀小切手に対する領収書を官房長官名義で資金前渡官吏に渡すと。ここまでのプロセスになっています。
 そして、機密というのは、内閣官房長官がその小切手を、それに「X」と書いてありますが、機密目的の支出行為として出したその相手からいただく領収書については添付する必要はない、こういうふうな会計検査のルールになっているわけであります。してみますと、ここに言っている報償費、それから支出決議書、領収書、これについては秘密でも何でもないんですね。会計検査院にもちゃんと見せなきゃならない。これはちゃんと警察の方に提出をしてあるんですか、今どこにあるんですか、この松尾さんが在任期間中のものについては。答えてください。
#73
○国務大臣(福田康夫君) この図面はこの流れでよろしいようなんですけれども、今おっしゃられたことについては、これも捜査上のことということでもってお示しできない、こういうことでございます。
#74
○簗瀬進君 会計検査院長、お尋ねしたいんですけれども、会計検査院も当然報償費についての、大変、先の具体的な支出行為まではそれは機密ですからチェックするわけにいかないけれども、どのような請求があって、どのような金額が出されたかと、その部分についてはちゃんと会計検査院チェックしているはずですよね。
#75
○会計検査院長(金子晃君) いわゆる十一条で手元保管が認められている場合について申し上げますと、会計検査院の方には支出決議書、それから取扱責任者の領収書、それから明細書が会計検査院の方に提出されてまいります。これについては在庁検査という形で書類検査をしております。
 それから、実際に現場で検査をする場合には、個々の領収書につきまして、これは支払いをして、役務提供者から支払いを受けたという領収書、領収書がない場合にはそれにかわる支出を証明する証書その他が手元保管されておりますので、それらについては現場で提示を求め、また質問を発して検査をするという検査をしております。
#76
○簗瀬進君 もう一回ちょっと、お答えが多岐にわたりましたので理解できなかったんですけれども、今御説明申し上げました報償費の請求書、支出決議書、領収書、この三つについては在庁検査をした後、その後、書類は最終的にはだれが保管するんですか。
#77
○説明員(石野秀世君) 今お話ありましたように、計算証明書類として出てまいります支出決議書等については検査院で保管をしておるということでございます。
#78
○簗瀬進君 支出決議書については会計検査院に保管してある、こういうふうな御答弁です。
 それじゃ、この松尾さんが在任中の支出決議書、これ警察に提出してありますか。
#79
○説明員(石野秀世君) まだ十分承知しておりませんが、私の範囲内ではそういう問い合わせはないというふうに思っておるところの状況でございます。
#80
○簗瀬進君 警察庁長官、刑事局長、今の御答弁、まさに松尾さんが報償費関係でいろんな動きをしている、それの一番スタートになるのが、どの程度の報償費のものが動いたのかということが、それがスタートじゃありませんか。それは内閣官房になくて、会計検査院にあるじゃありませんか。それについて任意提出も求めていない。どこが十分な捜査しているんですか。完全に何もやっていないのと同じじゃないですか、一番スタートラインもチェックしていないんだから。
#81
○政府参考人(五十嵐忠行君) 何回か御答弁申し上げておりますように、警視庁では、要するに関係者からの事情聴取とか関係資料の押収を鋭意進めてきておるところであります。それに基づいて先般、松尾室長を詐欺罪で逮捕した、こういうことでございます。
#82
○簗瀬進君 何を言っているんですか。答弁になっていないじゃないですか。
 一番最初のスタートラインでちゃんと会計検査院にある、それについてのチェックもしないで何が捜査なんですか。金の出と入りですよ。入りの方の一番最初のスタートラインを押さえていないじゃないですか。これで十分な捜査をしている、熱心に捜査をしていると言えますか、それは。全くやっていないと同じじゃないですか。もう一回。
#83
○政府参考人(五十嵐忠行君) 警視庁といたしましては、外務省あるいは内閣官房の方から必要な資料を得まして、捜査を進めてきているところでございます。
#84
○簗瀬進君 次の質問に移りますけれども、今の質問と関連をしておりますので。
 毎日新聞の、これはたしか三月九日付の朝刊、誤解のないように、今度は官房じゃなくて外務省の話であります、外務報償費の話であります。
 「外務省会計課の審査室内には、」と、そういう書き出しで始まるこの毎日新聞の記事は大変重要な意味を持った記事だと私は思います。タイトルは「国家のウソ 検査院の沈黙 上納の証拠素通り」、上納の事実を会計検査院がつかんでいながらそれを素通りさせたというこの記事であります。
 ちょっと読んでみますと、「会計検査院の検査課長は、」、これは外務省の報償費ですよ、外務大臣。会計検査院の検査課長が外務省の報償費のチェックをしていた。一枚の支出決議書、先ほど言ったこの支出決議書ですよ。同じようなメカニズムを外務省もやっています、報償費については。その支出決議書、それを目にとめた。支出先を示す債主、その欄に何と内閣官房長官とあった。
 わかりますか、これ。内閣官房長官が自分の金を、払うべき金のその支出決議を外務省に回してきたという、そういう明瞭な、今までずっと外務大臣も官房長官も否定をしてきたいわゆる外務省予算それから内閣官房予算の混同、それを上納と。言うならば内閣官房機密費の少ない金額を外務省予算の方で補っていた、それを明瞭に示すその支出決議書を会計検査院の検査課長が目にとめたっていうんですよ。これは財政法違反、どの国だって省を越えた予算の流用なんというのは認めません。これは補正予算つくるしかありませんから。
 そういう大変な問題の帳票が出ておりながら、「これは何ですか? お分かりでしょう。外務省のカネではありません ああ、官房長官のところに出てるんですね その通りです」、これで素通りだ。こんな事実があったら、会計検査の意味ないじゃないですか。
 この実態があったかどうか、まず事実確認させてください。
#85
○説明員(石野秀世君) 委員お尋ねのような報道があったということは承知しておりますが、本院でいろいろ見ましたところ、そのような発言をした者がいるという確認はとれてございません。
#86
○簗瀬進君 先ほどの質問と繰り返しになりますが、支出決議書は今も会計検査院にあるんですね。
#87
○説明員(石野秀世君) 支出決議書については先ほど申し上げたとおりでございますが、通常ですが、本件についてどういう状況になっているのかは定かではございませんが、通常は証拠、証明、計算証明の書類につきましては、提出するそれぞれの省庁においてその写しといいますかというものを持っておるというのが通常ではないかというふうに考えております。
#88
○簗瀬進君 支出決議書が今あるかどうか聞いているんです。
#89
○説明員(石野秀世君) 今、手元でわかりませんので、確認をしたいと思います。
#90
○簗瀬進君 先ほど、支出決議書は会計検査院が持っていますというふうに言ったばかりじゃないですか。
#91
○説明員(石野秀世君) 一般論と申し上げて、計算証明書類というのは検査院に提出され、検査院が保管しておるということを申し上げたところでございます。
#92
○簗瀬進君 あるという御答弁でございますので、委員長に御請求申し上げたい。
 これはまさに大変な、国のトップで十億以上の金が非常にいいかげんな使い方をされて、その事実がまだもって解明の糸口が見えていないという大変重大な問題です。そのかぎをまず握っているのはこのような支出決議書ですよ。この帳票が、債主が内閣官房長官となっていて、そしてそれを外務省が決裁をしているという、こういう帳票が会計検査院にあるらしいという事実が今明らかになりましたので、私は委員長に、松尾室長在任中の外務省報償費の支出決議書、会計検査院が保管しているものすべての提出を予算委員会に求めたいと思います。
#93
○委員長(岡野裕君) ただいま簗瀬君から資料の要求方、御要望がありました。
 これの取り扱いにつきましては、改めて理事会において協議をするということにいたしたいと存じます。
 進めて、簗瀬進君。
#94
○簗瀬進君 刑事局長さんにもう一点聞かせていただきたいんですが、たしか告発の罪名は業務上横領罪でした。それが今回の立件に当たっては詐欺ということになっている。これはどういう理由ですか。
#95
○政府参考人(五十嵐忠行君) 警視庁において証拠に基づく事案の解明を進めてきたところでありますが、内閣官房から元室長に対し、多年、多数回にわたり公金が交付されておりまして、うち今回の逮捕に係る三回分については元室長が公金を受領する段階で詐欺を犯していたことが証拠上明らかになったため、元室長を詐欺容疑で逮捕したものでございます。
 警視庁におきましては、今回の逮捕分以外の公金受領について、容疑を含め事案の全容を解明すべく引き続き鋭意捜査を進めているところでありまして、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき厳正に対処する所存でございます。
#96
○簗瀬進君 まさに厳正に対処していきたいと、業務上横領立件の余地もあるという御答弁として理解をさせてください。
 この詐欺ということは、通りすがりの間柄でもそれは詐欺はできるんですよ。業務上横領となるとちょっと違う。業務が、まさに職務行為がどういうものであったのか、どういう立場でどこのお金を使ったのかということをきっちりと立証するということが業務上横領罪であると思うんですね。
 そういう観点からいきますと、まさにこの国家の頂点で大変いいかげんなお金の使われ方をしたと。これを解明できるかどうかということは、まさにその業務上横領が行われたのかどうかということがやっぱりポイントだろうと思う。松尾さんがいかなる業務でいかなる権限を持って外務省でありながら例えば内閣のお金に手をつけちゃったのか、こういうふうなところがはっきりとしない限りは真相の究明にはほど遠いと思う。どうか、詐欺罪ということで個人犯罪にこれを矮小化することでこの問題を終わらせようとすることのないように、ぜひとも積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
 次の質問に移ります。
 実は、私の手元に、我々の同僚の衆議院議員古川さんのところに匿名のはがきが来ておりました。このはがきについてちょっと問題だなと思いまして、これは高級ワインを買った等の外務省の体質がやっぱりこういうところで庶民にも見られているのかなということであります。
 ちょっと、私の手元にあるこの匿名のはがき、紹介をさせていただきますと、
 この大不況下、パリの日本大使は公邸改修工事のためのサントノレ通りのブリストルホテルに長期逗留しています。ブリストルホテルは世界最高級のホテルで、一泊五万から七万円、スイートルームならば十五万から三十万円以上の世界有数の高額ホテルです。そこに公邸改修工事完了まで半年以上宿泊している。外務省の金銭感覚は確実に一般の人々と異なります。
 パリで豪遊をした有名な人で歴史上薩摩治郎八という人がいます。この人が泊まったのはリッツというホテルであります。試みに、このリッツそれから今話題に出ているブリストルホテル、この料金表をインターネットからちょっと取り寄せてみました。
 リッツが例えばどれくらいの料金設定をしているかということをちょっと御紹介させていただきたいと思います。最新のものであります。これは日本の旅行社のホームページなので日本円に直っていますけれども、シングルでリッツは六万一千円、ブリストルが五万三百円、ダブルでリッツが七万五千五百円、ブリストルは六万七千七百円、トリプルでリッツは八万八千八百円、ブリストルは八万一千八百円。これはホームページにある、ある意味でのバーゲン的な値段でもあるんで、もっと高いスイートルームなんというのはたくさんあるだろうと思うんですね。
 まさにこのはがきにあるように、確かに日本国の大使としては自分の体面を守る、またセキュリティーの問題もあるでありましょう。そういうことはわかるんだけれども、これまでの高額ホテルに半年も滞在する必要があるんだろうか。まさにこういうところから国民感情と、国民感覚と全く遊離した外交というようなものが展開をされていると思われてもしようがないんじゃないのかなと。
 こういう実態があるかどうか。また、その費用がパリの大使館の予算の中でまさか報償費で処理はされていないんでしょうなと、この辺を確認させていただきたいと思います。外務大臣。
#97
○政府参考人(飯村豊君) 委員ただいま御指摘の在フランス大使公邸の件でございますけれども、建築以来三十五年以上が経過したということで、全館にわたり内装の老朽化が進み、大幅な改修工事が必要でございました。本年一月から三月まででございますけれども、改修工事を実施いたしまして、この工事を短期間で効率的に行うため、工事期間中、パリ中心部のホテルに仮の公邸を設けまして、大使はこの公邸で公務等を行ってまいりました。
 大使公邸は、大使の居住施設にとどまらず、外交活動の拠点として、相手国政府関係者、この場合はフランス政府関係者でございますが、あるいは各界の有識者、外交団との会合等に活用するなど、公的な機能を果たすものでございまして、またフランス政府関係機関に近接していること等の立地条件も必要でございますので、仮公邸の選択に当たってはこうした点について考慮した次第でございます。
 経費の件でございますけれども、この仮公邸の借り上げに要する経費は在外公館等借料から支払っております。
#98
○簗瀬進君 金額は幾らだったですか。最後、一点だけそれを確認させてください。
#99
○政府参考人(飯村豊君) 金額でございますけれども、これはスイートでございますので広うございますが、通常は一泊一万二千フラン、約二十万円ということでございます。
#100
○簗瀬進君 トータルで、そのほかいろいろあったんでしょう、もろもろ。この間のホテル、改修のためのそういう滞在費用、もろもろ含めて幾らですか。
#101
○政府参考人(飯村豊君) 委員の御質問は、そのほかの改修工事の費用というふうに理解してよろしゅうございますか。
#102
○簗瀬進君 いや、そのホテルの滞在。
#103
○政府参考人(飯村豊君) ホテルは、ですから、先ほど申し上げましたように、公邸の機能を果たすということで、接客等々果たせるように施設を借りましたので、先ほど申し上げた金額でございます。
#104
○簗瀬進君 いずれにしても、在外におられる邦人の皆さんの感覚からいうと、随分まゆをひそめたり、本当の意味で我々のための大使館であるのかななんて思わせられるようなそういう事案が案外多いようでありますので、くれぐれもお気をつけいただきたいと思います。
 私の持ち時間、あと本当に残り少なくなってまいりました。法務大臣、恐縮でございますが、結構でございます。ありがとうございました。
 最後に、KSDの問題、たくさん聞きたいことがあったんですけれども、一点だけ事実関係を指摘させていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
 これは皆さんのお手元にお配りをしております。(図表掲示)いかに公益法人に天下りをしているのかということをこれほど如実にあらわしてくれている例はないなと思うのがこのKSDの例でございます。
 一番はっきりとしているのは、このケーエスデー中小企業経営者福祉事業団、いわゆるKSDの本体の中央省庁出身者の一覧ということで、ずっと時系列、あるいは払われているであろう報酬、それから出身官庁というようなものをここで整理させていただきました。ずっと年代的に追ってみますと、昭和六十一年、常勤理事の数とそれから報酬総額と、報酬総額は正確なところは幅でしかわからなかったので若干少な目かなと思いますけれども、常勤理事とそれから報酬総額ということで言わせていただきますと、昭和六十一年に一名、二千六百万、年俸ですね。昭和六十二年、一名、二千六百万。昭和六十三年、二名、四千四百万。平成二年になりまして、四名、八千二百万。それが続いて、今度は平成五年になりますと、五名、一億円。それから平成七年、六名、一億一千六百万円。平成八年が頂点であります。平成八年が七名、一億三千四百万円。これがKSDに天下りをしておりましたトータルの中央省庁官僚の皆さんであります。
 平成八年の一番多かったとき、常勤七名の内訳を見てみますと、労働省が三名、大蔵省二名、総理府一名、警察庁一名。こういうふうな、労働省三名、大蔵省二名ということでおわかりのように、ポイントは全部このKSDの中に取り込んで仕事をしていった、そういうふうな状況がありますけれども、問題は、これは公益法人なんですよ。皆さんの貴重なお金をいただいている、そういうところからこれらの中央省庁の常勤理事に毎年一億円前後の金を払い続けていると。これほどまでの天下りを受けるという、そういう実態になっている。
 公益法人とは一体何なんだろうかということを我々は本当に疑問に思わざるを得ません。公益のための法人でなければならない、みんなのためのものである。それがお役人さんのためのものになってしまって、そこからいろんな不祥事まで起きてくる、こういう構造がKSDの中では間違いなくあったし、さらに、KSDだけではなくて、先ほどの土地改良区の問題もある意味で似たような、公を隠れみのにして金を不当にそこから吸い上げていくという構造ですよ。
 民主党は、こういう問題について、KSDだけではなくて、さらに、やっぱり国民の皆さんの納得がいくようなお金の使い方をしていただかなければならない、そのために次から次へとこれからさらにチェックを続けていきたいと思っておりますけれども、所管であります厚生労働大臣の御所見を聞いて、私の質問を終わります。
#105
○国務大臣(坂口力君) いろいろの御指摘をいただきましたし、きょうは余り時間がございませんから多くの議論をする暇はございませんでしたが、橋本行革大臣が天下りに対しまして、出身省庁の権限、予算を背負った天下りは禁止したいと考えているが、能力を買われての異動は歓迎できるものもあり、公務員制度全体の中で考えたい問題であると、こういうふうに今述べておみえになります。私もこの行革の中でこれは進めていくべき問題と思っております。
#106
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。小川敏夫君。
#107
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫です。
 厚生労働大臣には質問の予定ございませんので、退席していただいて結構でございます。
 総理に簗瀬議員の質問に関連してお尋ねしますが、総理は、予算や予算関連法案の成立に全力を挙げるという御趣旨でございましたが、そうすると、予算、予算関連法案が成立するまではやめないと、こういうふうにお聞きしてよろしいんでしょうか。
#108
○内閣総理大臣(森喜朗君) たびたび申し上げておりますように、この予算案を多くの国民が注視をしておられると思います。私どもとしては、何とか年度内に成立ができるように、また関連法も成立ができるようにお願いも申し上げているわけです。同時に、また多くの構造改革に関する法案もお願いしているわけでありますので、こうした法案が成立できるように、国会におきまして、私どもとしては全精力を傾けて成立のために今努力しているというのが私の気持ちでございます。
#109
○小川敏夫君 そうすると、どうも私の質問を何か肯定していただいたようにも思えるんですが、そうすると、今度は予算、関連法案が成立したらやめるという意味にも理解できるように聞こえるんですが、そういうことではないんですか。
   〔委員長退席、理事須藤良太郎君着席〕
#110
○内閣総理大臣(森喜朗君) 予算案、それから予算関連法、さらには改革のための多くの諸案件というふうに申し上げていると思います。
#111
○小川敏夫君 外務省の関係に移りますが、外務大臣にお尋ねします。
 この松尾室長、外務省の調査報告書で、松尾容疑者が競走馬を購入したという報告が出ておるんですが、この競走馬の購入先ですが、これはその大半が社台牧場及び鍋掛牧場、こういうふうに調査したところ判明したんですが、これはそういう事実でよろしいでしょうか。
#112
○国務大臣(河野洋平君) これらは、馬の登録を見れば生産牧場といいますか、購買した先の牧場もたしかその資料についてくるわけですから、間違いのないものだというふうに思います。
 ただ、何頭の馬がどうであったかということについては、今もし正確な資料を必要とすれば、私、調べますが。
#113
○小川敏夫君 結構です。
 それから、サンデーサイレンスの種つけ権を二千五百万円で購入したということも報告書に出ております。
 中央競馬会の理事長にお尋ねしますが、サンデーサイレンスの飼養者はどなたですか。
#114
○参考人(高橋政行君) シンジケート・サンデーサイレンスでございます。
#115
○小川敏夫君 飼養者は、吉田照哉氏が飼養者として競馬会に登録、届け出られているんじゃないですか。
#116
○参考人(高橋政行君) そのようなことはございません。
#117
○小川敏夫君 事前に競馬会からいただいた資料では、飼養者、飼養というのは飼う方ですよ、飼う方の飼養者としては吉田照哉氏と、今資料をいただいたんですが、じゃ後ほどそれを確認いたしますが。
 いずれにしろ、そのサンデーサイレンス、経営をしている社台コーポレーション、これの代表は吉田照哉氏ですね。
#118
○参考人(高橋政行君) 社台コーポレーションの代表者は吉田照哉氏です。
#119
○小川敏夫君 河野外務大臣は、衆議院の予算委員会での答弁でも述べておりますように、この吉田さんとは大変懇意にしていらっしゃるということですが、それはそのとおりでよろしいわけですね。
#120
○国務大臣(河野洋平君) 亡くなられた吉田善哉氏と私は非常に懇意にいたしておりました。今、お話がありました吉田照哉氏は、その吉田善哉氏の長男でございます。
#121
○小川敏夫君 吉田照哉氏、それからその御兄弟含めて毎年二百十万円を外務大臣の資金管理団体、政治献金を受けていらっしゃいますね。そのほか、外務大臣の御子息の河野太郎議員も政治献金を受けているんじゃないですか。
#122
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと息子がだれから政治的に支持をされているかはわかりませんが、私は、吉田照哉氏、そしてその二人の弟さんから個人献金をちょうだいしております。
#123
○小川敏夫君 社団法人日本競走馬協会という社団法人があるんですが、これは外務大臣は長期間ここの会長をしておられましたですね。
#124
○国務大臣(河野洋平君) かつて会長をしていたことがございます。
#125
○小川敏夫君 かつてというあいまいな言い方ではなくて、大臣が国務大臣をしている期間を除いては昭和六十三年以降会長をしているんじゃないですか。
#126
○国務大臣(河野洋平君) したがって、かつてと申し上げたわけでございます。
#127
○小川敏夫君 じゃ、私の質問の趣旨は肯定していただいたということでよろしいわけですね。
 それで、副会長あるいは会長代行というあなたに次ぐポジションの責任ある方、これは現在吉田照哉氏、それから、先ほど大臣が述べられた善哉氏が亡くなるまでは吉田善哉氏だったということはいかがでしょうか。
#128
○国務大臣(河野洋平君) 平成十一年以降、私は会長も引いておりますし、会の理事も引いておりますので、その後だれが会長でだれが副会長であるか、正確に今申し上げられません。
#129
○小川敏夫君 私は外務大臣が会長をしておられたときのことを聞いておるんです。
#130
○国務大臣(河野洋平君) 私が会長をいたしておりました当時は、恐らく吉田照哉氏が副会長でありますか会長代理でありますか、しておられたと思います。
#131
○小川敏夫君 松尾容疑者が競走馬を購入した先のまた有力な一つの鍋掛牧場、この牧場もこの日本競走馬協会の会員ですね。
#132
○国務大臣(河野洋平君) 競走馬協会には大変多くの牧場が加盟を、参加をしておりまして、恐らく百を超える、百を超えるだろうと思いますが、牧場が参加をしておりまして、どの牧場が参加をしているか現在していないかは、ちょっと名簿でも見ないことにはわかりません。
#133
○小川敏夫君 この鍋掛牧場は大臣が実質的にオーナーをされておられる那須野牧場のごく近くにあって、大変に大臣も競馬の世界には傾倒されておられるようなんですけれども、そういう面でよく御存じの方じゃないんですか。
#134
○国務大臣(河野洋平君) 簗瀬さん、おられますけれども、栃木県ですぐ隣といっても相当な距離があるわけで、鍋掛牧場はたしか大田原ですか、ちょっとどこの町であるかわかりませんが、とにかく栃木県内であることはそのとおりでございます。
 ただ、私が鍋掛牧場の方々と、何といいますか、ひどく懇意でひどくよく知っているとか、あるいは年じゅう行き来があるとか、そういったことはございません。
#135
○小川敏夫君 どうも松尾容疑者がそうした横領資金、あるいは詐取した資金ですか、そうした公金を競走馬の購入あるいは種つけ権の購入に買った先が、どうも外務大臣の懇意にされている方とかそうした周辺の方だということなんですけれども、大臣は、これは松尾室長が競走馬を購入している、あるいは持っている、あるいは競馬場に通っているというようなことは御存じだったんでしょうか。
#136
○国務大臣(河野洋平君) 私は全く知りませんでした。今回の事件の後、調査委員会が調査をいたしまして、調査報告書にこういう事実があるぞといって見せられたときに初めてそうしたことを承知したわけでございまして、その当時、たしか十三、四頭の競走馬が購買、松尾室長の手で購買されているということを聞きまして、そのときにどこの牧場から買われた馬かというのでその牧場の一覧も見ましたが、牧場で私と懇意の牧場は一軒もありませんでした。
#137
○小川敏夫君 いや、だって、サンデーサイレンスの種つけ権はあなたが、外務大臣御自身が大変懇意にしておると言われたその吉田照哉氏が自主的に管理する社台コーポレーション、こうした大変関係があるところの先じゃないんですか。
#138
○国務大臣(河野洋平君) 種つけの権利というのはあくまで種つけの権利であって、馬そのものではないわけですね。ですから、その種つけの権利を買って、何らかの馬に種つけをして、受胎をして、それが生まれれば初めて馬になるんであって、種つけの権利は馬ではないことは、小川議員はよく御存じだと思います。
 それから、誤解があるといけません、もう十分御承知だと思いますけれども、社台牧場というのと社台ファームとか社台コーポレーションとかというものは全く違ったものであるということも御存じだと思います。
#139
○小川敏夫君 松尾容疑者がお金を使った先だということがこれはポイントなんでね、その使った先が馬だろうと種つけ権だろうとそんな大した違いはないですよ、そんなの。だから、馬のことだけ答えたから、種つけ権のことであるだろうと、そのような横領した金の使い先があなたの懇意の先でしょうと言ったわけで。
 ところで、この日本競走馬協会ですけれども、これちょっと調べてみたところ、ちょっとおかしな経歴がありまして、昭和六十一年にそれまでの役員が全員辞任して、そして河野大臣を初めとする、吉田さんとか、そうした新しい方が全員理事になっている。これは、我々日常的には社団法人売買が行われたんではないかと、こういうふうに見ておるんですが、どうなんでしょう、仮に社団法人売買ということであれば、これはやはり公益法人のあり方として非常に不適切なことだと思うんですが、直接の当事者であります河野大臣がそれにかかわっておられるようなんで、そのいきさつをちょっと説明していただけませんか。
#140
○国務大臣(河野洋平君) 私ども、そのころのことを、直接私がやっていたわけではないのでわかりませんが、少なくとも社団法人の売買があったなどということは全く報告を聞いておりません。
 たしか昭和六十一年とおっしゃいましたが、当時どういういきさつがあったのかということについて、私、どうしてもそのころのことを承知しておりませんで、お答えができないことを申しわけなく思います。
#141
○小川敏夫君 では、御記憶を喚起していただくために事実関係を私の方で説明させていただきますが、河野大臣は牧場を持っている馬主だということでオーナーブリーダーということですが、吉田善哉氏と一緒になってオーナーブリーダーズ協会という任意団体を設立し、大臣が会長になりましたね。そういう事実は思い出しましたか。
#142
○国務大臣(河野洋平君) 任意団体として、何といいますか同好の士が集まるといいますか、同じような立場、考え方、そうした人間が集まっていろいろ話をする、そういう場としてオーナーブリーダーズ協会でしたか、オーナーブリーダーズ会でしたか、そういうものをつくったという記憶はございます。
#143
○小川敏夫君 さらにつけ加えますと、そのオーナーブリーダーズ協会を社団法人として認可を受けようと努力したけれども結局受けられなかったと、こういう事実はいかがですか。
#144
○国務大臣(河野洋平君) 社団法人になりたい、あるいはなろうという意欲がどのぐらいあったかということについては、ちょっと記憶がありません。
#145
○小川敏夫君 この日本競走馬協会ですが、それまでの役員が全員退任したと。そして、入れかわりに新しくなった理事が全員そのオーナーブリーダーズ協会の方々だったんじゃないですか。
#146
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと記憶がございません。
#147
○小川敏夫君 役員欄は登記簿に載っておるわけですから、それは名簿を対照すればすぐわかるわけですから。
 ところで、大臣に一般的な見解をお伺いしたいんですが、町にはいろいろ財団法人、社団法人があると、しかし役目を果たしていない、何の活動もしていないような法人があれば、それは解散していただくというのが本来の筋じゃないでしょうか。これは一般のお考えとしてお尋ねしますが。
#148
○国務大臣(河野洋平君) これは、橋本大臣か片山大臣の御答弁の方が権威があると思いますけれども、今そうした法人を整理するといいますか、しようという声はここ数年大変高いというふうに一般的に認識しております。
#149
○小川敏夫君 中央競馬会理事長にお尋ねしますが、六十一年九月にそうした役員の交代が行われておるわけですが、六十一年九月以前にこの日本競走馬協会から業務に関する活動報告書が出ておりましたか。
#150
○参考人(高橋政行君) 中央競馬会としましては、ここの法人の監督とかそういうことをしておりませんので、そういうものをいただいておりません。
#151
○小川敏夫君 では、農水大臣、農水省の所管としてはいかがでしょうか。
#152
○政府参考人(小林芳雄君) 私どもこの日本競走馬協会を主管しておりますが、事業報告書につきましては、十年間の保存期間ということでございまして、したがいまして平成二年度分以降、これにつきましては事業報告書を受け取っておるところでございます。
#153
○小川敏夫君 では、聞き方を変えますが、昭和六十一年以前の日本競走馬協会について何らかの活動を行っていることを確認した事実はございますか。
#154
○政府参考人(小林芳雄君) 競走馬協会としてはもちろん存在をしておりますけれども、具体的な事業活動等につきましては、今申し上げましたように資料が既に廃棄ということでございまして、現在では具体的な確認はできない状況でございます。
#155
○小川敏夫君 競走馬協会の登記簿を取り寄せますと、昭和四十五年に設立して四十九年に役員の登記をした、その後十数年間全く登記が放置されているという実態、それから関係者等に事情を聞きましても、何の活動もしていない休眠法人だったというふうに私どもの調査では確認されているんですが、どうでしょう、日本競走馬協会を引き継いで会長になった河野大臣の認識では、この日本競走馬協会は休眠法人だったんじゃないですか。
#156
○国務大臣(河野洋平君) 休眠状態であったかどうか、ちょっと定かに記憶をしておりません。
 オーナーブリーダーズ協会でしたかオーナーブリーダーズの会でしたか、私どもが集まっていろいろ話し合っておりましたときに、日本の競走馬の何といいますか、強化といいますか、つまり外国産馬に負けないような馬をつくるのにはどうすればいいか、これはブリーダーの当然の夢でございますが、そうしたことでありますとか、あるいは新しい技術といいますかトレーニング方法をどうやって取り入れることがいいかとか、そういう話をしておりまして、それはいわゆるオーナーブリーダーズの夢、希望、そういったものが議論をされておりまして、それがだんだん、少し集まってそういうことが話し合いがきちんとできるようにした方がいいねというようなことではあったかと思いますが、それからそのためにどうすることがいいかという話については、私はそれに専従していたわけではございませんので、どうも十分な記憶がございません。
#157
○小川敏夫君 私の質問には何にも答えていただいていないんですが、要するに大臣がこの協会の会長に就任したその直前まで活動実績がない実態ではなかったですかと聞いておるわけです。
#158
○国務大臣(河野洋平君) したがって、大変申しわけありませんが、記憶が十分ないということを御返事をしたわけです。
#159
○小川敏夫君 もう一つ確認しますが、この日本競走馬協会のこの事務所、事務局、これは麻布台ビルといいまして、河野さんのファミリー企業が持っていらっしゃるそのビルに事務局があるんじゃないですか。
#160
○国務大臣(河野洋平君) それは、ブリーダーズの会、ブリーダーズ協会でしたか、の会のころから、私などのもとにみんなが集まって話し合うというようなことがございましたから、恐らくそのビルの中で空き部屋があればそこを使うということになったと思います。
#161
○小川敏夫君 御自身が有力なオーナーブリーダーであって、しかも会長という地位について、事務局が御自分のファミリー企業のその所有ビルの中にあるという、深く関与しているその社団法人について、会長に就任する直前のその活動実態を知らない、記憶がないということはおかしいと思うんですが、しかし記憶にないと言うんだから、ぜひまたいずれ質問するときまでに思い出していただきたいと思いますが。
 ところで、日本中央競馬会はこの日本競走馬協会に調査委託ということで年間二千万円ぐらいの調査費を支出しておりますが、これはこれまでの累計としていつからどの程度の調査費を日本競走馬協会に支出しているんでしょうか。
#162
○参考人(高橋政行君) ただいま先生がお話しのように、我々、軽種馬の生産、育成、振興に役立つ、そういう基礎資料を得るということでいろんな調査をしておりますが、その一環といたしまして、オーナーブリーダーズに関する経営、生産、育成状況、あるいは競走馬飼養の実態というものの調査を日本競走馬協会に委託してやっております。
 それで、まずいつごろからそういう調査をやっておったかということでございますが、昭和六十三年から、いろいろな目的はそれぞれ変わっておりますが、やってまいりまして、平成四年からは軽種馬動向経済調査ということで続けてきております。
 それから、金額の方でございますが、ちょっと今、それまでの間の金額がどのくらいになるかというのを計算しておりませんので申し上げるのはちょっと差し控えますけれども、二千万近くですね。それから、一時は千四百万程度のこともございましたけれども、二千万近くの調査委託費でございます。
#163
○小川敏夫君 その調査の内容に関しては、調査する価値は私は全然見出さないんですが、その議論は時間の関係がありますので別の機会に改めてさせていただきますが、そうした例えば最近は二千万円強の調査費がこの競走馬協会に支出されております。一方、競走馬協会の方は調査費として一千万円程度しか使っていなくて、この調査に関して一千万円の利益が出ていると。大体、この収支関係は半分ぐらいが競走馬協会の実質上の利益になっているという収支状況になっております。
 ところで、また競馬会理事長にお尋ねしたいんですが、昭和六十三年、それまで何の実績もないこの日本競走馬協会になぜそのような業務を委託することになったのか。どうも私は、河野大臣が会長におられるということが大変大きなウエートだったんじゃないかと想像するんですが、そこら辺はどういう事情でこの日本競走馬協会にそのような調査を委託することになったのか、御事情を説明してください。
#164
○参考人(高橋政行君) 先ほど先生のお話でちょっと申し上げておきたいことがございますが、調査費の内訳の方でございますけれども、調査簿の取りまとめであるとか、あるいはデータ分析あるいは報告書案の作成といったいわゆる管理人件費的なものとして千百万程度、それから調査旅費あるいは調査員謝金とか印刷製本といった直接的な経費といたしまして九百八十万円程度ということでございまして、何か差額が利益になっているとか、そういうことでないということをまず申し上げておきたいと思います。
 それから、昭和六十三年から始めたわけでございますが、そのときには競走馬の生産、育成、調教等に関する実態調査ということで始めておりまして、私は、昔のことでもございますので、現在これがどういう経緯でこういう調査がなされたかということについては把握しておりません。
#165
○小川敏夫君 その調査費の実費が実質差額利益が出ていないという答弁、まさかそんな答弁が今あると思わなかったので私、資料を部屋に置いてきちゃったんだけれども、事前に資料をくれたじゃないですか。その調査費は、旅費だ調査員謝金だ、そういうものを一切合財含めてが全部で一千何万円で、あとは全部法人の一般経費ですよ。今はちょっと手元に、まさかそんな白々しく違う答弁をすると思っていなかったので置いてきちゃいましたけれども、まあ別の機会にまたやりましょう、これは客観的な資料をいただいたものがあるんだから。
 ところで、この日本競走馬協会が大臣のそのファミリー企業の麻布台ビルに賃料を払っておりますね。最近、どのぐらいの賃料を払っているんでしょうか。
#166
○国務大臣(河野洋平君) 競走馬協会は、月額四十九万八千円を家賃として払っております。これは、三十数社入っているたな子の坪単価と全く同じ金額でございます。
#167
○小川敏夫君 麻布台ビルから大臣に対して年間五十万円、それから百五十万円のパーティー券を購入するという政治家としての協力が毎年続けておられますね。
#168
○国務大臣(河野洋平君) 恐らくそうだと思います。
#169
○小川敏夫君 この日本競走馬協会は、中央競馬会が特に好意的な扱いをしているんじゃないかというふうに思うんですが、まずこの日本競走馬協会の公益性ですが、どのような点が、具体的に行っている公益事業、その定款の説明ではなくて、具体的にどのような公益事業を行っているのか、その点について説明していただけますか。
#170
○政府参考人(小林芳雄君) この競走馬協会におきましては、いろいろなオーナーブリーダーの皆さんの経営状況に対する実態調査でありますとか、それから競走馬のセレクトセール、あるいは海外の競馬事情に関する研修等、こういうことをやっておりまして、いわば競馬はまさに馬を生産してその血統を育てていくという、そういった一つの世界的なスポーツの関心がございますが、そういったものに向けていろいろな幅広い活動をされていると。会員の皆さんも二百二十人ぐらいの皆さんが参加しておられるということで、そういった観点での公益事業をされているというふうに私どもは理解しております。
#171
○小川敏夫君 日本競走馬協会が平成四年度に農水省に提出したこの「事業報告に関する件」、こういうふうに書いてありますよ。「当協会の第一の事業は、馬主席の確保であり、これがなくしては何の協会であるかが疑われることから、」と。この競走馬協会の目的は、要するに日本中央競馬会に働きかけて馬主席を確保することが一番の目的だと言っているんです。
 これは、実際にこの事業報告を受けている農水省、どうですか。こんな団体で公益性があるんでしょうか。
#172
○政府参考人(小林芳雄君) 確かにそういった会員の皆さんの席の確保といったことも一つのこの協会の事業になっておりますが、そのほか、先ほど申し上げましたように、経営調査でありますとか海外事情調査、あるいはセレクトセールといった事業を進めておりまして、そういった方の事業ウエートも相当大きゅうございます。
   〔理事須藤良太郎君退席、委員長着席〕
 そういう意味で、全体としてバランスのとれた事業を推進されているというふうに考えております。
#173
○小川敏夫君 セレクトセールは、これは収益事業ですよ。しかも、最近二、三年になって始めたばかりで、それ以前はやっていないじゃないですか。
 それから、この事業報告書を見ても、公益的事業がないんですよ。中央競馬会が行った研修に会員の牧場の人が二名参加したとか、それから馬主席を確保したと、これは協会の第一の目的らしいけれども。それから、忘年会をやったと。それから、アメリカで行われるブリーダーズカップという非常に大きな競馬、これは競馬観戦と周辺の牧場を毎年会員が行っていると。毎年の事業報告書を見てもないんですよ、その公益性が、実際の事業の行っているところは。
 これは、農水省、いかがですか。
#174
○政府参考人(小林芳雄君) 確かに競馬と申しますのは、先ほど申し上げましたように、馬の血統を育てて、それで優秀な馬が競馬場を走って、それで国民の皆さんがそれをスポーツとして観戦されるという面がありますので、そういった面から見たときに、少し私ども農政でやっているようなものとは若干違った目で見られるかもわかりませんが、ただ、そういった国民スポーツの振興という意味での役割、そういったものはこの競馬事業という中で十分あるんじゃないかというふうに私どもは理解しております。
#175
○小川敏夫君 公益性について説明できないんだから、要するにないということだと思いますがね。
 ところで、平成四年でこの協会の目的は馬主席の確保が第一の目的だと言っておるんですが、実際、日本中央競馬会にお尋ねしますが、馬主席を与えているんじゃないですか。今現在、どれだけの馬主席を与えていますか。
#176
○参考人(高橋政行君) 今、馬主席のお話がございましたが、中央競馬はいわゆる競馬サークルの協力がありまして成り立つものでございますので、こうした観点から、現在、日本中央競馬会では、馬主の皆さんとかあるいは生産者等の皆さんで席を確保するという要望があればこれに応じていくということが非常に必要なことであるというふうに考えております。したがいまして、この社団法人日本競走馬協会につきまして、ここは軽種馬生産に関係する団体でございますので、競馬場の席等に配慮いたしまして、協会からの席の利用の申し込み状況に応じまして、その都度対応しておるところでございます。
 少し詳しく申し上げますと、例えば先生御存じの東京競馬場で申し上げますと、今まで五十席、いわゆる席ですね、部屋ではなくて席の方でございますが、これを用意しております。ことしからはちょっと工事の関係で四十席ということになりますが、その範囲内で、あるときは五十用意しておっても四十になることも三十五になることもいろいろございますが、独占的に利用させるということではなくて、その範囲で申し込みに応じてやっておるという、こういう状況でございます。
#177
○小川敏夫君 この日本競走馬協会、大臣は法人売買じゃないと言いますけれども、だけど社団法人のそうした売買はまさにこういう形で、理事の全取っかえという形で行われると。
 それで、結局、単にオーナーブリーダーという一部の同好の士、それは大臣でもありますし、大臣と懇意にされている吉田さん関係、社台ファームの関係者、こうした同好の士が集まったそのグループが休眠の社団法人を裏口で取得して、何の公益活動もしない。馬主席の確保が目的だといって、その馬主席の確保に中央競馬会がこたえてあげていると。
 これはやはり、大臣、単にお飾りでいるんじゃないんだから、あなた自身深く関係している、まさに会長として非常に長期間深く関係しているまさにその団体の関係ですから、これはやはり政治家の姿勢として相当な問題があると思いますが、いかがですか。
#178
○国務大臣(河野洋平君) ここで余り競馬論議をするつもりもございませんけれども、競馬というものは、馬を生産する人、それからその馬を買う馬主、それからその競馬を楽しむ、一般の馬券を買ったり競馬場でいろいろと楽しまれるファン、こういった人たちによって成り立つわけでございまして、オーナーブリーダーというのは割合と特殊な立場でございます。それは、馬の生産をやり、また馬主としてもかかわると、こういうことでございまして、そういう人たちが二百人を超えているということは、それはごく一部ではないんでございます。私とだれかその仲間、ごく一部がとおっしゃいますけれども、そうではない。やっぱりオーナーブリーダーとして競馬にかかわっている人のグループからすれば、それは大部分がその協会に入っていると考えていただいていいだろうと思うんです。
 このオーナーブリーダーという人たちはじゃどういう存在なのか、あるいは競馬にとってどういう意味がある人たちかといえば、馬を生産して馬を売るというだけの牧場と、そうではなくて、馬を生産してそれを育てて競馬に、自分の馬として競馬に使うという人とはやはり違いがあるわけです。
 例えば、議員は公益性のことを言われました、あるいは調査のことを言われましたけれども、軽種馬の生産の調査をするといっても、馬をつくって売る人たちはなかなかその調査に喜んで積極的にすべてを協力するということがない場合もあるわけです。もちろんある場合もありますけれども、ない場合もあるわけです。ところが、オーナーブリーダーということになりますと、そこは積極的に協力をするという場面もあるわけです。つまり、そこは生産者とオーナーブリーダーとの違いがありますから、それぞれの立場、それぞれの協力の仕方というものはあるわけでございまして、したがって、日本の軽種馬全体を見たときには、さまざまな人たちの意見、あるいはさまざまな人たちの経営状況、あるいは軽種馬生産の考え方というものを調査するということには意味があるだろうというふうに私は思っているわけでございます。
 私は、かつてオーナーブリーダーズの仲間が、同好の仲間が集まっていたころは、それは趣味といいますか同好の士というふうに思っておりましたけれども、今、競走馬協会という、おっしゃるように公益性を求められるという団体ということであれば、その公益性というものに十分こたえていく必要があるというふうに思っておりまして、それが何年か長い間の調査による貢献といいますか協力といいますか、そういうものにもなっているということだというふうに私は考えております。
 私は、会長を務めたこともございますし、閣僚になるということになればそのすべてをやめて、競走馬協会から離れて、離れてといいますか横から見るという立場になって、競走馬協会の運営自体に私はかかわってはいないわけでございます。現在もそういう運営に直接かかわってはいないという状況でございますが、競走馬協会というもの、あるいはオーナーブリーダーというものはそういうものだろうし、そういうもので今申し上げた公益性というものを、そういう意味で公益性の期待にこたえるべきものだというふうに私は思っております。
#179
○小川敏夫君 余り私の質問に真正面からではなくて、何か思いを語られたような感じで、随分私の質問時間が食われてしまいましたけれども、結局、公益事業を行っていない任意グループがそういう社団法人を買収して公益性を装って、そして不公平な利益を得ている。その代表、会長が河野大臣だし、しかもその会長代行という競走馬協会の実力者が、松尾室長が横領資金、これを購入した先であるというようなこと。やはりそのあり方、政治姿勢として相当問題があるんじゃないかと思います。
 それから、競走馬協会に、これはまた改めて客観的な資料に基づいて議論しますが、委託調査の関係、そこのお金がビルの賃料というような形、あるいは利益を受けた業者から毎年政治献金を受けているという状態、やはりこれについてはきちんと説明していただかなくてはいけないというふうに私は思っております。
 予定した時間がほぼなくなってしまったので、質問をできない大臣もございました。大変失礼申し上げました。
 経済産業大臣にお尋ねしますけれども、今、産業の空洞化ということが大変言われております。大企業までリストラ、リストラして大変雇用の問題が大きく起きておるんですけれども、実際に生産拠点が海外に行ってしまうということになりますと、そこで下請企業とか流通関係とか、そうした下請の中小企業は仕事そのものがなくなってしまう。まさにこれが産業の空洞化なんですが、そうしますと、今、中小企業が大変苦しい苦しいというときに、単に資金的援助をするだけでは足らないんで、むしろ実際に仕事をつくってあげなくちゃいけない。
 まさに産業の空洞化という状況が起きていると思うんですが、大臣はこの生産拠点がどんどん海外に行ってしまうということについてどのようにまず状況を認識しておられるのか。そして、今後それをますます進める考えなのか。それとも、そうではなくて何らかの産業の空洞化を防止する対策を講じなくてはいけないのかということを考えておられるのか、そこの所感をお聞かせください。
#180
○国務大臣(平沼赳夫君) きょうは御質問が私に飛んでこないと思いましたが、最後にしていただきまして、ありがとうございました。
 大企業の生産拠点の海外への移転等経済のグローバル化、それに伴いまして我が国の経済成長過程において形成されてきた系列的な下請を含め中小企業、そういったところが非常に空洞化が起きていることは御指摘のとおりだと思っています。
 こうした経済構造の大きな変化に対応していくために、それには経営力や技術力の向上、それから中小企業の経営基盤の強化を図っていくとともに、新たな取引先、そういったところの開拓等を通じて中小企業の自立化の動きを支援していくことが一番重要なことだと思っております。
 そういう意味で、当省といたしましては、下請中小企業に対する対策として、一つは取引先企業に対して積極的な提案を行う、まずその下請や中小企業、それを対象とする試作品の製作等に対しては積極的に補助を行っていこう。また、これは当然のことでありますけれども、政府系金融機関による設備資金でございますとか運転資金の貸し付けを行っていく。また三つ目は、中小企業では下請業者も多いわけでございまして、その下請取引のあっせん事業による新たな受注開拓の支援もしていこう。
 それから、IT戦略本部、戦略会議という形でITに対する基本戦略ができました。したがって、このITに伴って新しい企業を創出したり、また中小企業に新たな力をつけていただく、そういった面でIT革命の対応の支援など幅広い支援策を講じていく。
 こういう形で、私どもとしては、一生懸命前向きな経営革新の努力に対しては力いっぱい支援をしなければならないと思っています。
 また、空洞化についての御指摘がございましたけれども、確かに空洞化というのは現実起こっておりまして、それがいろいろな問題を惹起しているということも私どもは問題意識として持っております。
 こうした認識の中で、我が国の高コスト構造や規制の存在など、そういったことで産業が海外に移転する、そういうケースが多いわけでございまして、いわゆる産業の空洞化に対する懸念を払拭していかなければならない。したがって、今も申し上げましたけれども、国際的に魅力ある事業環境を提供できるように経済構造改革のさらなる推進に努めていかなければならない。
 具体的には、昨年末に取りまとめました経済構造改革、このための新たな行動計画、これは二百六十項目列挙をいたしました。そのうち百三十の半分は三年以内に達成する、その百三十のうちの百は年内に達成する、こういうことで、エネルギーや物流や情報通信などの産業基盤分野での高コスト構造の是正を図りまして、国際的に競争力のある中小企業の育成、そして環境整備に全力を挙げて努めていきたい、このように思っております。
#181
○小川敏夫君 もうひとつ細かく細かく答弁していただければ議論ができたと思うんですが、全部まとめて一遍にお話しいただいたので、私の質問をする時間、議論をする時間がなくなりましたので、きょうはこの程度で終わります。
#182
○委員長(岡野裕君) 以上で簗瀬進君及びその関連質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#183
○委員長(岡野裕君) 次に、緒方靖夫君の質疑を行います。緒方靖夫君。
#184
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 機密費について質問させていただきます。
 我が党の筆坂議員は、七日の本委員会で独自の鑑定結果を示して、我が党が示しました「報償費について」と題する官房文書が古川現官房副長官によって書かれた、このことを裏づけました。
 官房文書は、国民の血税である機密費が自民党の党利党略に使われていたことを示すと同時に、この間、官房長官経験者が証言している内容を見事に裏づけたと思います。
 きょうはこれらの証言をさらにこの場で検証したい、このように思います。
 村山首相がある国に外遊した際に、当時の官房副長官の秘書官がほかの随行スタッフにせんべつを配っていた、そのような報道がございます。週刊朝日九八年四月十日号でありますけれども、その場にいた政府関係者は、自分がもらったのは三十万円から五十万円の間だが、参事官や局長、審議官クラスなら百万円はもらっている、自分の場合は現地でのお土産代に十万円ぐらい使い、残りはへそくりとして貯金した、このように述べております。
 この報道を裏づけるように、村山内閣で官房長官を務めました野坂浩賢氏は、その後の新聞インタビュー、朝日新聞のことしの一月二十六日付でありますけれども、官房機密費の使途について、最も多い使い道はせんべつだ、このように証言しております。
 官房長官、このような事実はあるわけですか。
#185
○国務大臣(福田康夫君) 報償費は、毎度お答えしているんですけれども、具体的な使途を明らかにすることは報償費の性格上差し控えているところでございます。歴代の官房長官はこうした報償費の目的に従って厳正な運用に当たってこられた。こうした報償費の目的というのは、内政、外交を円滑に遂行するため、責任者である官房長官がその都度の判断で機動的かつ効果的に使用する、こういうことでありますけれども、いずれにしても厳正な運用に当たってこられたものと私は考えております。
 私も就任以来この点には常に意を用いてきたところでございまして、報償費が不正に使用されてきたということはないと思っております。
#186
○緒方靖夫君 官房長官、そんな答弁は通用しませんよ。いいですか、だって、歴代の官房長官は厳正に使用してきたと思うと言われたけれども、せんべつに使ったって当事者が述べているでしょう。
 それから、何ですか、今回の松尾事件。こうしたことが、この機密費のずさんな使い方、これがいかにひどいか、でたらめか、その一端をこの間浮き彫りにしてきたわけですよ。
 官房機密費が首相外遊時のせんべつに利用された、こういう証言は何も野坂氏に限ったことではないんですよ。宇野内閣で官房長官を務めた塩川正十郎氏、彼もまた、一月二十八日放映のテレビ番組で、官房機密費の三分の一は野党対策やせんべつなどに使っている、そのように証言しているわけですよ。
 今、長官が言われるように、歴代の官房長官が厳正に機密費、報償費を使ってきた、そう言うならば、せんべつや野党対策費もまさに厳正ということになるんですか、官房長官。
 私は、こういう野坂氏も、そしてまた塩川氏もこのように述べているわけですから、あなたが言われることが本当なのか、それともその二人が、歴代の官房長官がうそを述べているのか、その点を私は両氏にただしたらどうかと思うんです。ただしましたか、官房長官。
#187
○国務大臣(福田康夫君) 歴代の官房長官が、報償費というのは今申しましたような目的に従って支出するというものでありますので、それ以外の使途というものでもって使用したというようなことがあるとは私は思っておりません。
 お二人のお名前を挙げられましたけれども、塩川議員については私は確認をいたしました。塩川議員は官房長官をしておられましたけれども、短期間であったらしいんです。したがいまして、当時のことはよく覚えていない、複数の記者が聞いた、聞かれたことはあると、昨年。それで、そのときに答えたのは、当時新聞、雑誌などに出ていることを述べたと、こういうふうに言っておりました。
#188
○緒方靖夫君 官房長官、私はどうもいいかげんなことを言われていると思いますよ。なぜならば、塩川氏が述べていることは一回に限らないんですよ。彼は以前にも、私はそのビデオを見ましたけれども、九四年十二月九日、テレビ朝日の番組で述べているんですよ。ですから、繰り返し述べているわけで、その点で、せんべつに使った、そうした事柄についてやはりはっきりとそこを決着をつける必要があると思いますよ。しかも、塩川氏といえばあなたの派閥のまさに大先輩ですよね。
 ですから、その点で、私はまさにこうした問題について、今、塩川氏には聞かれたと言われました。改めて聞いていただきたい。それから、塩川氏に一度聞いたと言うならば、野坂氏にも聞いていただきたい。それをお約束していただきたいと思います。
#189
○国務大臣(福田康夫君) 私は塩川議員から確かに聞きました。もしそれをお疑いになるんだったら、本人に直接議員からお尋ねになったらいかがかと、こう思っております。野坂議員についても同じ、議員じゃないですね、野坂さんにも聞かれたらいかがでしょうかと思います。
#190
○緒方靖夫君 官房長官、私たちも聞くことはやぶさかではありませんけれども、私がここでお願いしているのは、御両人に改めて聞いていただきたいということです。ですから、野坂氏には聞いておられないわけですから、きちっとそれを聞く、聞いて調査すると、その点ただすということを約束していただきたいと思います。
#191
○国務大臣(福田康夫君) 繰り返しますけれども、私の方からさらに尋ねる気持ちはございません。会計検査の検査も受けておるところでございます。
#192
○緒方靖夫君 やはり今大きな疑いが、税金の使い方、報償費がどう使われているかということについて大きな問題になっているわけですから、こうした問題がこの国会で出された以上、私は、官房の報償費の使用の責任者であるあなたがこの点についてきちっとはっきりさせる、このことが必要だと思います。しかし、それをやらないと今言われました、野坂氏については。
 私は、御両人に対して、私がここできょう問うこと、新たにいろいろ問うてまいりますので、そのことについてやはりきちっとした形で改めて聞いていただく、確かめていただく、このことを要望しておきたいと思うんです。
 このせんべつというのは、私いろいろ調べてみましたけれども、少なくとも四十数年前から続いている疑いがあるということです。
 私、きょうここに議事録を持ってまいりました。これは昭和三十一年、一九五六年三月二十日の参議院予算委員会で当時の根本龍太郎官房長官が機密費について次のように答弁しております。
 政府の代表なんかが、あるいは外務省ばかりでなく、いろいろ海外に行ったときなんかでも、まあある程度まで政府の方でめんどうみてもらわなければ困るということをずいぶん言われまして、やはり、そうした国際的な関係、折衝、そういうためにはある程度の金額を増して、支障を来たさないようにいたしたい
このように述べているわけですよね。これは何も宿泊費の差額とかそういうことを意味しているんじゃなくて、この議事録を読むと、せんべつのことを示している。ある程度の金額のせんべつが配られてきた、このことを私は示していると思うんですね。
 ですから、私は、こうした事柄について、国会でこれだけ問題になっているわけだし、ここで改めて問うているわけですから、官房長官としてその点きちっと調査する、このことを約束していただきたい。
#193
○国務大臣(福田康夫君) 半世紀前のことを言われましても、私、何とお答えしていいかわかりません。一体何を調べたらいいのか、それをお聞かせ願いたいと思います、具体的に。
 この報償費は、繰り返しますけれども、内政、外交を円滑に遂行するために支出するものであると、機動的に、そしてその都度の判断で行うと、こういうようなことでありますから、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
#194
○緒方靖夫君 官房長官、私は、そうした問題について、せんべつが行われているという当事者のその証言を示しながらこうした議論をしているわけで、したがいまして、報償費が外交やその他の活動を円滑に進めるための必要な経費というふうに考えられるなら別ですけれども、そうじゃないわけですから、その点についてやはりきちっとした形で調べる、調査する、このことが必要だと思いますが、あなたは繰り返し拒否された。
 そこで、総理、お伺いいたしますけれども、総理が外遊するときとかそうしたときにせんべつが行われてきた、そういう証言が数々あるわけです。あなたの大先輩である塩川氏も、同じ派閥の先輩である塩川氏もそういうふうに述べておられる。その点で、やはり総理、これだけ国会で問題になり、そしてまた国民世論の中でも、この報償費をめぐって、せんべつに使われているのではないか、あるいは目的外に使われているのではないか、そうした疑いが行われているときに、やはり総理はそういうことについて率先してその疑いを晴らす、調べてみる、そういう立場に立たれませんか。
#195
○内閣総理大臣(森喜朗君) 私、官房長官という仕事をいたしたことございませんので、今、福田官房長官からお答えのとおり、官房長官がその都度機動的に判断をなさって、これらが内政、外政が進め得るようにお使いになっているものだというふうに聞いておりまして、私自身は全くどういうふうにされるものかも承知いたしておりません。
#196
○緒方靖夫君 総理の答弁も大変情けないと思いますよ。そういう官房長官を指揮する、監督する、その立場にあられる総理がその程度のことを言われるのは、私は情けないと思います。
 私、先ほど示した、これは古文書じゃなくて、長期にわたって、少なくとも四十数年前からこうした現実がある、せんべつに使われてきた、このことを示していると思うんですよ。ですから、私は、その点では、機密費の使い方の中で、せんべつが長期にわたり体系的にしかも組織的にこれまで続いてきた、このことを示している、そう思います。ですから、私はそのことを指摘しておきたいと思うんです。
 そして次に、私、それでは外務大臣にお伺いしますけれども、要人外国訪問支援室、これが置かれる以前に、外務省にはサミットの際、経済局サミット準備室という部署を設けていたと聞いておりますけれども、それは事実ですか。そして、その主な職務は何ですか。
#197
○国務大臣(河野洋平君) 準備室、要人外国訪問支援室をつくります前には、それぞれの原局がこうしたロジスティックその他の仕事をやっておったわけですが、そういう仕事の中で、室という組織的なものがあったというふうには私は承知しておりません。
#198
○緒方靖夫君 正規な部署かどうか別として、サミット準備室というのはあったんじゃありませんか。そのことを聞いております。
#199
○国務大臣(河野洋平君) 今おっしゃるように、そういう組織的なものではなくて、サミットの前に、何といいますか、いわゆる準備のために、何人かをそこに集めて準備をするというような後方支援のための、バックアップのための人が集まって作業をする、そういうものを臨時的につくっていた、臨時的にそういうものがあったということはあると思います。
#200
○緒方靖夫君 それでは、ちょうど塩川氏が官房長官だった八九年の七月の宇野内閣時に行われたフランスのアルシュ・サミットの際の、そのときの、今、大臣があると認められた経済局サミット準備室の室長を務めていたのはだれですか。
#201
○国務大臣(河野洋平君) また、すぐにあると認めたその室長はだれかとお尋ねになるのはちょっと私の答弁と違うので、そういう室というものがあったわけではありませんと、ただその準備のためにそういう人たちを集めていたということはありますということを御答弁申し上げたわけです。その中の一人に松尾元支援室長がおったということはあるようです。
#202
○緒方靖夫君 ですから、そのときの、経済局サミット準備室があってその室長はだれかと端的にお伺いしているんですよ。松尾氏ですよね、それは。
#203
○国務大臣(河野洋平君) ですから、私のどうも表現というか答弁が下手なせいでしょうか、室長かと聞かれると室長ですと申し上げていいのかどうなのか、少なくとも私の理解は、そういう組織的なものではなくて、準備のために集まっている人間が、一つのグループがあって、その中に松尾氏がいたということは私は承知しておりますが、その松尾氏がどういう役割を演じていたかということについてまでは詳細は私は承知しておりません。
#204
○緒方靖夫君 私は、そのちょうどアルシュ・サミットのときの役職のリストを外務省からいただきました。そこには準備室長として松尾氏の名前が書かれているのでね、それは間違いないと思うんですね。とにかく、いずれにしてもその仕事をしていたということを認められました。正規なものではなくても、経済局サミット準備室が外務省内の部署であって、その当時そこで松尾氏が仕事をしていた、このことは外務大臣も今認められたとおりですよね。
 それでは、資料を配付していただきたいと思います。
   〔資料配付〕
#205
○緒方靖夫君 今配付させていただいております資料ですけれども、この資料の一ページをとって、資料T、そこをごらんいただきたいと思います。
 この資料は私のもとに寄せられた内部告発の一部で、外務省の経済局サミット準備室が作成した「サミット一行リスト(案)」と題するものです。右肩には極秘扱いを示す「秘」、そして「無期限」の印が押してあります。資料の提供者によって作成年月日などは黒く塗りつぶされておりますけれども、調査の結果、この資料が宇野内閣時に行われたアルシュ・サミットの際につくられたものであるということがわかりました。
 リストにはサミットに出席した宇野首相や三塚外務大臣、村山大蔵大臣、梶山通産大臣などの各閣僚のほか、首相に随行した総理官邸の秘書官や外務、大蔵、農水、通産、経企庁などの幹部名がずっとここに列記されている。ごらんのとおりです。
 外務省の経済局サミット準備室長の欄には、ここだけ名前あけてありますけれども、松尾元室長の名前もあるわけですね。
 ここでぜひ注目していただきたいのは、これら随行幹部の氏名、黒く塗りつぶされているわけですけれども、提供者によって、その部分の横に三十とか四十とか二十などの数字が手書きで記されております。内部告発によると、これらの数字はアルシュ・サミットの随行員に官房機密費から支出されたせんべつ額を示すもので、単位はすべて万円ということです。総額は二千万円。いずれも局長クラスには四十万円、秘書官クラスには三十万円、課長クラスには二十万円が配られております。松尾氏にも十万円が渡っているということです。当時の官房長官は塩川氏なんですね。まさに同氏の証言がリアルに裏づけられているのではないか、私はそう思うんですけれども、官房長官、いかがですか。
#206
○国務大臣(福田康夫君) いきなり資料をお出しいただきまして、一体この資料、どういう性格のものか見当もつきません。
#207
○緒方靖夫君 官房長官、いいですか、この資料にはちゃんと経済局サミット準備室と出どころがはっきり書かれているわけですよ。ですから、わからないと、そういうふうに言われるのは非常に私は無責任だと思いますよ。
 先ほど、外務省の中に経済局サミット準備室、これが置かれているということ、それは外務大臣が先ほど認められたばかりですよね。ですから、こういうことを見たときに、私はその点で、これについて今言われたような御答弁は納得できないですね。
#208
○国務大臣(福田康夫君) そもそも、この資料は内閣官房の資料ではないと思います。私ども、関知するものではありません。
#209
○緒方靖夫君 それでは、外務大臣にお伺いしましょう。
 これは外務省の文書だと思います、確かに。それで、私、ちょうどアルシュ・サミットの際の出席者の名簿、外務省に出していただきました。ここにあるんですがね。(資料を示す)
 これをずっと見ていくと、このリストの並び方とすべて同じなんですよ。私はこれを見ながら、役所というのはなかなか正直なところだなと、そう思ったわけですけれども、こういう形でまさにこの役職とこの文書が符合している。こういうことから見ても、私は外務省にはまさにこの極秘扱いの資料、これと同じか、そのもととなる文書が存在しているのではないかと思うわけですけれども、そういうことはないですか。
#210
○国務大臣(河野洋平君) そういうことはないと思います。
#211
○緒方靖夫君 なぜないと言えるのか、全く気楽なものだと思いますね。私は、その点についてはやはりきちっと調べる、そのことが必要だと思いますよ。
 そして、この内部告発によると、私、その証言を紹介したいと思うんですけれども、これらのせんべつは官房長官秘書が首相側の要請で準備し、官房長官側が金額をチェック、現金が官邸側に届くと後はリストに沿って機械的に仕分けされ、各省庁から出向した首相秘書官らが手分けして官僚に手渡した、そう言うんです。サミット同行者に宇野総理の気持ちを伝える、これは名目で、皆黙って受け取るのが当然という表情で自分の懐に入れた、そのように言っておりました。私、これ実にリアルな話だと思うんですよ。
 そこでお聞きしますけれども、官房長官、宇野内閣時に首席内閣参事官を務めた人はだれですか。
#212
○国務大臣(福田康夫君) 宇野内閣当時の首席内閣参事官は古川貞二郎氏及び多田宏氏でございます。
#213
○緒方靖夫君 そして、ちょうどアルシュ・サミットの当時というのは多田宏氏なんですね。多田宏氏は、我が党が示した官房文書を書いた人物とされる確かに古川貞二郎氏の後任者なんですよ。後に厚生事務次官を務めた人物です。
 当時の官房長官である塩川氏は、テレビ番組で、官房機密費の管理について、会計課長と参事官が協議して扱っていたと証言しております。このことからもこの極秘の資料の全容を知る人物が多田氏である、このことは間違いないと思うんですね。その点で、先ほど官房長官は、塩川氏はそういうことはないと証言されたと言われたけれども、塩川氏の証言というのは非常に具体的で、微に入り細に入りこのことを述べているわけですよ、どうやってこのお金を扱ったかということも含めて。
 ですから、私は、先ほど官房長官が言われたことは信憑性がないということを改めて痛感するわけですけれども、その点で、私はこの多田宏氏、彼がこうしたせんべつも含めて機密費を扱う、そうしたことをよく知る、かぎを握る人物である、そういうふうに考えますけれども、官房長官、彼についてもきちっとその事実を、関係を確かめる、そういう御意思はありませんか。
#214
○国務大臣(福田康夫君) 報償費の使途についての責任者は内閣官房長官なんです。ただいま申された多田氏について、彼がもし何かにかかわっているということが仮にあったとしても、それは官房長官の指示に基づいてやっていると、このように御理解をいただきたいと思います。
#215
○緒方靖夫君 私は、こうしたせんべつ、これが外務省からの官邸への上納分で支払われた疑いがある、このことが非常に重大だと思います。
 官房長官だった塩川氏は、テレビ番組で、総理の外遊費は官邸の報償費ではないから外務省の枠内から持ってこいと、このように指示したとみずから語っております。そのことは、こうした資料が外務省の側でつくられた、このリストも外務省の側でつくられた、そのことからも言えると思うんですよ。その点、こうしたものについて、出どころも経済局サミット準備室がつくったものということは明らかだし、そしてこうした塩川氏の証言があると。あなたは先ほどそういうことはないと言われたけれども、活字になっているし、メディアに流されているわけですよ、本人の生の声が。
 ですから、私は、その点で、あなた自身、これだけ世論で問題になっている、税金の使い方がおかしいという、そういう声が出ている、そういうときにこの問題について今ここで出された問題を含めてきちっと調べてみる、このことは必要と思われませんか。
#216
○国務大臣(福田康夫君) 繰り返しになりますけれども、塩川議員には既に私はお尋ねをしております。先ほどの御答弁のとおりであります。
 いずれにしても、この報償費のことにつきましては毎年会計検査を受けているところでございますので、私どもは厳正に使用されているというように思っております。
#217
○緒方靖夫君 そうしたら、官房長官、塩川氏にいつ聞かれましたか。尋ねたのはいつですか。
#218
○国務大臣(福田康夫君) 正確に記憶いたしておりませんけれども、この問題が出てきてからですから、一月以上前だと思います。
#219
○緒方靖夫君 私は、事は予算の省庁間の流用を禁止している財政法に違反する、そうした重大な問題だと思います。
 私は、その根拠を示さずに、そんなことはない、そういうことはあり得ないと、そういうことを繰り返す、一方的に繰り返す、このことは許されないことだと思うんですね。そして、そういうことで反論されるならば、こちらはこれだけのことを示しているわけですよ。ですから、それに対してきちっと根拠を持ってこうだと述べる必要がある、このことを述べておきたいと思います。
 我が党の志位委員長はさきの衆議院予算委員会で機密費の上納を裏づける内閣官房の極密資料を示して追及いたしました。これにも長官はまともな根拠を示さず、一方的に否定するばかりでした。それでは国民は到底納得できない、そう思います。
 長官は、二月九日の衆議院予算委員会で、官房機密費がせんべつに使われている事実があれば幾らでも責任をとる、このように明言された。それだけの覚悟があるならば、私は、今挙げた、ここで私が問題にしたそうした事柄について関係者にさらにきちっと事実を確かめるなり、国会にきちっと説明できるそういう改めた調査、それをやるべきだと思いますけれども、官房長官、いかがですか。
#220
○国務大臣(福田康夫君) 報償費は、また繰り返しますけれども、内政、外交を円滑に遂行するため責任者である官房長官のその都度の判断で機動的かつ効果的に使用されている、報償費の使途についてはその性格上申し上げるわけにいかないと、こういうことを再三申し上げているわけでございまして、私もそういう趣旨に従って厳正に使用している、過去の歴代官房長官もそのような趣旨に沿って運用されてこられたものというように確信いたしております。
#221
○緒方靖夫君 官房長官、全くあなたの答弁は無責任だと。だって、ここに書かれている「秘 無期限」、これは永久に秘密にするという意味でしょう。ですから、これを永久に国民の目から隠す、そうした問題に今国民は怒っているわけですよ。それに対してまるでオウムのように同じことを繰り返す答弁、これはやはり私は極めて無責任だと、そのことをきちっと指摘しておきたいと思います。
 さらに、外交機密費についても重大な問題があります。
 お配りした資料Uをごらんください。ちょうどこの資料の真ん中あたりになりますけれども、外務省が官房長名で各局部課室長に出した「情報収集活動用設宴限度額等について」と題する文書です。情報収集の名目で機密費の会食利用を認めるもので、日付は昨年の三月三十日付、右肩には機密扱いを示すマル秘の印があります。文書は会食の対象者として外交団や国際機関や外国政府の関係者らを挙げる一方で、意見交換が必要な邦人有識者も設宴の対象として認めるとして、相手方を事実上限定していないのが特徴です。
 外務大臣、この文書が外務省のものであるということ、これはお認めになりますね。
#222
○国務大臣(河野洋平君) どうも先ほどのサミット一行リストといい、これといい、私にはどういうものであるかよくわかりません。
#223
○緒方靖夫君 大臣、わからない。つまり、否定はされないわけですよね。それは当然のことだと思います。それはぜひ確かめていただきたいと思います。
#224
○国務大臣(河野洋平君) これ、見てわからないと申し上げたんで、否定していないというふうにおっしゃるのは、これもまたちょっと私の答弁の技術が下手なせいであるかもしれません。改めて申し上げれば、こうした文章というものが外務省の文章であるというふうには少なくとも今私は申し上げかねます。
#225
○緒方靖夫君 それならば、この資料の中にある添付資料、立替払請求書の「外務省支出官会計課長」の記述とか、設宴・会食承認要求及び支出依頼書と題する極秘指定の文書、ここに外務本省、報償費、そうした記述があるわけで、私はこれが、今しかと申しかねると言われたように思いますけれども、私は、これについてもきちっとした形で大臣自身が外務省の文書かどうかこれをきちっと調べてみる、調べていただく、このことが必要ではないかと思うんです。
 表紙にありますこの官会回章第二四号という文書番号、これは外務省の会計課の内規を示すものではありませんか。
#226
○国務大臣(河野洋平君) ここに書いてございますものが今おっしゃるようなものであるかどうかについても、申しわけありませんが、今ここで確認はできません。
#227
○緒方靖夫君 確認できないと大臣言われました。そうかもしれません。
 ならば、大臣、後で確かめていただいて、そしてそれについて御報告いただきたいと思います。
#228
○国務大臣(河野洋平君) こうした文書がどういうルートで委員の手に入ったのか私には理解ができないわけでございまして、もしできますならば、こういうものだということをもう少し御説明をいただきたい。
 私どもは、調べろ調べろと、こうおっしゃいますが、調べなければならないものはたくさんございまして、その中で調べるべきものがあれば私は調べることにやぶさかではございませんが、調べるには調べるだけの、何といいますか、根拠というものがあればと思いますが。
#229
○緒方靖夫君 大臣、これまで報償費の問題については機密機密と何も答弁されないで、こういうものを出したらそれについて説明せよと。説明はしても構いません。しかし、いずれにしても、これらの問題について調べるものがたくさんあると言われても、国会で、この予算委員会でこういうものが出されてどうなんだということを言われている、今提起されているわけですから。これについては必要な説明をしましょう。しかし、これはそのものが事実なわけですよ。ですから、これについてどうかということについてやはりきちっとした形で調査していただきたい、このことを私は要求しておきたいと思います。
 私は、その点で非常に重大だと思いますのは、この文書の中で、飲食費の月額上限額が限度額を超えた場合、超過理由書を会計課長に報告して承認されれば事実上無期限で使えるようになっている。そのことが書かれている。あるいは、残額が生じても翌月への繰り越しは一切認められずに、よって月内にすべて使い切ってしまうことを求めている。
 私、ある外務省のOBの方に伺いましたけれども、飲食が報償費の大半を占めている、そういう話もあります。また、本来の情報活動には余り使われていない、このような証言もあります。ですから、この文書、やはり私はこうしたずさんな実態を裏づけるものと、そのように思います。ですから、私は、大臣、お伺いしているわけですよ。
 ですから、この点についてぜひ、大臣、やはり国会で問題になったわけですから、調査事項はたくさんあると思います。しかし、これを調べることは時間はそんなにかからないと思います。ですから、その点お願いしたい。
#230
○国務大臣(河野洋平君) 今、議員が御指摘になりましたように、元外務省の人間が報償費はほとんどが食費に使われているとか、情報収集には余り使われていないとかということをおっしゃいましたけれども、私はそのこと自体とても信用ができない、とても信ずることができないんです。そんなことがあるはずがない。私は私なりに報償費について関心を持って、当然のことですけれども、関与しているわけで、そのことが元大使であるか外務省のOBであるか知りませんけれども、そういう人がほとんどが食費だ、会食費だ、ほとんど情報収集に使われていないなどという話を、よもや議員が信じておっしゃっておられるのではないと思いますけれども、でもそういう言い方と同じ感覚で、何といいますか、紙を調べろ、この紙をどうしろとおっしゃられても、私は、もうその前段のお話だけで、これはとても信頼できない、信用できる根拠ではないなというふうにしか思えないんです。
 で、私はぜひ議員にお願いをしたいと思いますけれども、根拠のある話をしていただきたい。全く根拠のない話をされるということは、我々にとってはもう本当に残念に思っているわけでございまして、ぜひ一つ信憑性のある、根拠のある話をしていただきたいと思うんです。
#231
○委員長(岡野裕君) 緒方君、時間がもう終わっております。
#232
○緒方靖夫君 わかりました。最後、これで終えます。
 大臣、今そう言われたけれども、私は非常に残念に思うのは、やはりこの資料というのは外務省が作成したものだということを私は明白だと思います。しかし、これだけのものを示しても何も言われない。
 私、その点で委員長にお願いしたい。
 私はその点で、こうしたこの配付資料の中にある情報収集活動費の月額限度額という文書及び昨年四月からの月額限度額超過理由書、立替払請求書、設宴・会食承認要求及び支出依頼書の各文書の提出、これを私は当委員会に提出いただきたい、このことを委員長に取り計らっていただきたいということをお願いしたいと思います。
#233
○委員長(岡野裕君) 時間外の発言でありますので、その発言の是非を含め、資料については後刻理事会協議のことと、こういうふうにいたします。
#234
○緒方靖夫君 終わります。
#235
○委員長(岡野裕君) 以上で緒方靖夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#236
○委員長(岡野裕君) 次に、福島瑞穂君の質疑を行います。福島瑞穂君。
#237
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 森総理、あなたは料亭で食事を何人かでしたときにそのお金はだれが払っていますか。
#238
○内閣総理大臣(森喜朗君) 今突然のお尋ねでございますが、そういうことのどういうふうにするかということを御説明する、そういう必要はないと私は思っています。
#239
○福島瑞穂君 官房機密費から払われているのではないかと言われておりますが、だれが払っているかについて教えてください。
#240
○国務大臣(福田康夫君) 官房の報償費ということをおっしゃったので、私からお答えいたしますけれども、総理のだれが支払うかと、経費について。それはその都度いろいろございます。ただ、報償費から私的な目的でもって支出することはないんだと、こういうように御理解いただきたいと思います。
#241
○福島瑞穂君 再びお聞きします。
 森総理が料亭で食事をしたときに官房機密費から支払われたことはありますか。──いや、森総理にお願いします。
#242
○内閣総理大臣(森喜朗君) 私は、官房の機密費を扱う、そういう立場ではございませんのでわかりません。
#243
○福島瑞穂君 では、福田官房長官にお聞きします。
 森総理が料亭で食事をしたときに官房機密費から支払われることはありますか。
#244
○国務大臣(福田康夫君) また同じことになってしまうんですけれども、いろいろなケースがあるわけで、官房報償費の中で支払う場合には私的な目的のものはないと、こういうふうに先ほど申し上げました。
#245
○福島瑞穂君 いろんなケースがあるということは支払われることがあるということですか。今私がお聞きしているのは私的なことに使われているかどうかではありません。料亭で食事をしたときに官房機密費から支払われることはあるかという質問です。
#246
○国務大臣(福田康夫君) 申しわけないんですけれども、官房報償費の使途についてのことにつきましては明らかにするわけにはいかないので、御了承いただきたいと思います。
#247
○福島瑞穂君 否定をされないということは非常に重要だと思います。
 次に、赤坂の料亭大乃、これは福田派の御用達の料亭ですが、元下足番の人が本を出していて、ちょうど福田総理大臣の時代のことなんですが、当時の秘書官がほとんど毎日のように夜十時ごろ七、八人でやってきて、飲食、芸者さん、マッサージという、一人当時で五万円くらいの費用を使っていたと書かれています。御本人にも私はお会いしましたし、当時のメモや日記帳も見せていただきました。
 当時の秘書官というのは、福田康夫官房長官、あなたのことなんですが、毎日のように四十万円くらいを料亭で使っていたそのお金はどこから出ていたのでしょうか。
#248
○国務大臣(福田康夫君) 随分昔のお話を持ち出されましたけれども、そのとき、ああいう下足番の方がそういう記録をとったというんですけれども、どうも内容を見ますと、事実と違う記述が大分ございます。
 私も、今あなたは毎日と、こういうふうに言われましたけれども、私はずっと見ましたよ、一月一回行くか行かないかというぐらいなところです、私自身につきまして。秘書官の名誉のこともありますので申し上げますけれども、ほかの秘書官もそんなにしょっちゅう行っているわけでない。ただ、凝縮すると、毎日行っているように、毎ページ書いているでしょ、行っている日だけ書いているわけですから、そういうものだと思っております。
 それから、費用の出所ですか。これは、それもいろいろケースがあると思います。政治家、事務所、そういうところから支出するときもございます。いろんなケースがあります。
#249
○福島瑞穂君 いろんなケースがあるということの中の一つに機密費があるということでしょうか。
#250
○国務大臣(福田康夫君) 私も二十数年前のことをよく記憶しているわけでありませんけれども、公私のわきまえというものはしっかり持っていたと思います。
 また、先ほど何か大乃の料亭が福田何とかと言いましたね、御用達ですか。これ、そういう表現は不穏当だというように思っております。
#251
○福島瑞穂君 じゃ、その言葉は失礼しました。
 ただ、重要な点は、いろんなケースがあるということで、中身について答えられないわけです。秘書官だけが来ていた場合もあるという中で、政治家のみの給料あるいは秘書官の給料で払えるような金額ではありません。こういうことに機密費が使われているのではないかというふうに言われています。明確に答えられないじゃないですか。明確にだれが使ったか、自分が払ったのか、だれが払ったのか、答えられないじゃないですか。
#252
○国務大臣(福田康夫君) 昔のことを今思い出して言えというふうに言われたって、覚えていませんよ、正直言ってね。
 ただ、報償費を私用に使うとか、そういうことはないということを私は申し上げているんです。
#253
○福島瑞穂君 何が私用で何が公用かは国民が決めることだと思います。
 次にお聞きをいたします。
 外交報償費が官房長官あてに支払われることはありますか。外務大臣、官房長官、ともにお聞きします。外交報償費が官房長官に支払われることはありますか。
#254
○国務大臣(河野洋平君) 外務省の報償費が内閣官房に支払われる……
#255
○福島瑞穂君 いや、官房長官です。
#256
○国務大臣(河野洋平君) 官房長官に支払われるということはない、こう申し上げていいと思います。
#257
○国務大臣(福田康夫君) いただいておりません。
#258
○福島瑞穂君 松尾元室長が見積書を官房に提出し官房機密費をもらっておりました。その問題の見積書なのですが、福田官房長官は問題の見積書を見ていらっしゃるでしょうか。見積書はどこの外遊でも宿泊費はみんな一泊四百六十ドルとなっているというふうに言われております。それをごらんになったかどうか。それを見て、内閣官房長官は変だと思われなかったかについてお聞きします。
#259
○国務大臣(福田康夫君) 私が官房長官になったのは昨年の秋でございます。そのときは、松尾室長がやっていたようなそういうシステムはもうやっていなかったわけです。今現在でもそうでありますけれども、今後もそうだろうと思いますけれども。したがいまして、そういうものを見たことはございません、私自身は。
#260
○福島瑞穂君 今回の事件が起きて、見たことはありますか。
#261
○国務大臣(福田康夫君) この問題が発生してから説明は受けましたけれども、実物は見ておりません。
#262
○福島瑞穂君 非常に重要なことだと思います。
 松尾室長がどういう見積書を内閣官房に提出していたのか。それこそが、まず少なくとも機密費がどういう請求でされていたのか、最も重要なポイントです。それを見ていらっしゃらないということは、どうなんでしょうか。
 次にお聞きします。
 官房機密費なんですが、松尾元室長は、内閣官房の職員の宿泊費の差額だけでなく、通産省や他省庁の宿泊費差額まで官房機密費に請求をしたとされています。それは、なぜそのようなことができるのでしょうか。他の省庁の分についてなぜ差額分を請求できるのでしょうか。
#263
○国務大臣(福田康夫君) この差額は、官邸職員、それから外務省職員、そしてまた他省庁の職員と、こういうことになっております。それは、そういう人員等については外務省の方で把握をしておるということでございますので、私どもはその報告を受けて対応した、こういうことであります。
#264
○福島瑞穂君 よくわからないのですが、松尾さんは外務省の職員です。外務省の職員がなぜ官房機密費を取り出すことができるのか。それはどうなんでしょうか。
#265
○国務大臣(河野洋平君) 別に取り出したわけではないんで、そういう仕組みになっていたわけですね。
 これは、ちょっと長くなって恐縮ですが、総理が外国出張をなさるときに、例えばアメリカに出張されるというときには外務省の北米局、大体は北米一課でございますけれども、総理が例えばワシントンへいらっしゃるというときには北米一課が、ワシントンのホテルでありますとかあるいは飛行場からホテルまでの車でございますとか、そういうことをやるわけですね、そういうセットをするわけです。我々ロジスティックスと言いますけれども、その仕事を北米一課がやる、ヨーロッパへ行くときには西欧一課がやる、そういうことに昔はなっていたんですけれども、西欧一課にもそういう専門家を置き北米一課にもそういう専門家を置き、どこにもそういう専門家を置くよりは、要人外国訪問支援室という室をつくってそこに専門家を全部集めて、そこでそのロジスティックを全部やろうという、いわば合理的にしようと当初考えたわけですね。
 そこで、総理がアメリカへいらっしゃるときにはその支援室がアメリカから見積もりをとって、そしてその支援室の室長がその見積もりを持って官邸に行って、今回の旅行でこのくらいのお金がかかりますということを申し上げてそのお金を官邸からもらって、そして総理の訪問に同行をしてホテルの支払いその他をやっていたということで、そこで、松尾室長が室長時代には見積もりを届け、官邸からその見積もりに合った額面を預かったということだと御理解をいただきたいと思います。
#266
○福島瑞穂君 松尾室長の見積もりは、一人一泊どこの国も四百六十ドルで、それから他の省庁の分も入っていたわけです。
 ところで、松尾元室長の後任の五十嵐元室長のときは旅費法が改正されて差額請求の必要はなくなっていたと思いますが、五十嵐元室長は官房機密費を請求したりはされなかったのですか。
#267
○国務大臣(福田康夫君) 松尾室長のやっていたときから運用が変わったわけです。平成十二年度から変わりました。変わったんですけれども、平成十二年の四月末からG8を総理が一回りするということがございました。このときは、旅費法の変更ということがあったものの、これが急にあったということ、それからその手続等が間に合わないということがありまして、その分だけ従来と同じような仕組みで内閣官房から差額を払うと、こういうふうなことをいたしました。
#268
○福島瑞穂君 松尾元室長は九億六千五百万円をすべて宿泊費差額として請求したとされていますが、内閣官房長官は現在これが何に使われたと認識をしていらっしゃるでしょうか。今でもすべて差額だったと認識をしているのか、どうでしょうか。
#269
○国務大臣(福田康夫君) 内閣官房から支出した九億六千五百万円、おっしゃる、総理外国訪問に際して生ずる宿泊費差額として松尾元室長に手渡したものでございます。これがすべて現時点において宿泊費差額に充てられていたかどうか、このことについては、松尾元室長の逮捕によりまして現在捜査当局により解明が進められているところでありまして、その中で真相が明らかになるだろう、このように思っております。
#270
○福島瑞穂君 官房でお金を出したときと現時点で状況が変わっておりますよね。それは何が理由でチェックができなかったというふうに官房長官は思っていらっしゃいますか。
#271
○国務大臣(福田康夫君) こういうことですか、なぜ……
#272
○福島瑞穂君 なぜこういう事件が起きたか。
#273
○国務大臣(福田康夫君) はい。それは結局、総理の海外出張と申しますと、例えばサミットなんかになりますと二百人ぐらいの人が移動する、日本から職員がその地域に行くというようなこともございますし、まただれが行くとか行かないとかそういうようなことも、それから日程なんかも本当に寸前、二、三日前になって確定するといったようなことがあるものですから、そういうことは内閣官房ではなかなか把握できない。したがいまして、松尾室長にお願いをするというか外務省にすべてをお任せして、そしてその経費的なことは面倒を見てもらったと、こういうことであります。そういう役割分担で、外務省にはそういうことをお願いするということでもってずっとやってきたわけでございます。
#274
○福島瑞穂君 やはりこの見積書は非常に重要です。どういう形で見積書があったのか。もし一泊四百六十ドルという形ですべての国についてなされているのであれば、見積書がずさんなことを念頭に置きながら支出されていた疑いが極めて強いのです。ですから、この委員会でぜひこの見積書の書面要求をしたいと思いますが、後ほど理事会で諮ってください。
#275
○委員長(岡野裕君) はい。資料につきましては、後刻理事会協議で決定をすることにいたします。
#276
○福島瑞穂君 はい。ありがとうございます。
 官房長官にお聞きをいたします。
 活動に対する報償費として国会議員に支払われたことはありますか。
#277
○国務大臣(福田康夫君) 報償費の使途については、内政、外交にわたる効果を期待してやるわけでございますけれども、その使途については、繰り返しますけれども、明らかにできないと、こういう性格のものであるということを御承知おきいただきたいと思います。
#278
○福島瑞穂君 明らかにできないとおっしゃいましたが、衆議院では官房長官ははっきりとせんべつに使ったことはないというふうに言い切っておられます。ないと言い切られたので、あったら責任とられますかということについても、幾らでもとりますというふうに衆議院で答弁されております。ですから、せんべつについては使っていないと言い切っているわけですから、私はお聞きします。
 国会議員に対する、ですからこれが怪しいとか怪しくないということではないんです、国会議員に対して活動に対する報償費として支払われたことはありますか。
#279
○国務大臣(福田康夫君) せんべつですか。せんべつはですね……
#280
○福島瑞穂君 いや、違うんです。せんべつではないんです。
#281
○国務大臣(福田康夫君) わかりました、はい。
 せんべつは、私は、私の場合ないということを申し上げました。
 まあ、ほかのことについては、これはまた使途にかかわることということで御理解ください。
#282
○福島瑞穂君 せんべつは自分のときに出していないということなのか、歴代官房では、内閣官房では出していない。どっちですか。
#283
○国務大臣(福田康夫君) 歴代官房長官が使用している内容について、これは公私の別を峻別して、そして厳正に使用しているというように私は思っております。
#284
○福島瑞穂君 答えがよくわからない。
#285
○委員長(岡野裕君) 福島君、もう一度。どうぞ。
#286
○福島瑞穂君 ずっとさっきから、緒方委員のときもそうですが、せんべつを使ったかという質問に対して……。でも、いいです。次の質問に、残り、移ります。
 外務大臣に二点だけお聞きします。時間がありませんので。
 松尾元室長は、年明け早々にパリに異動になりますと、十一月中旬に送別会、サミット御苦労さん会などが何回も行われ、その席で私はパリに異動しますというふうに言っております。こういう、彼に対して、あなたはパリに異動になりますということは外務省の中で言ってあったんでしょうかというのが一点です。
 彼が逮捕される前に、実は彼は外務省の研修施設の寮におりました。外務省を懲戒解雇された人間がなぜ外務省のそういう施設にいたのか。ずっと、話では、携帯電話で連絡をとり合っているという話だったんですが、それは食い違うと思いますが、いかがですか。
#287
○国務大臣(河野洋平君) どうも議員の御発言は、外務省の研修所におりましたとおっしゃいますけれども、おりません。そんな事実はありません。
 それから、パリに自分は行くことになったと言ったと議員はおっしゃいますけれども、そんな、パリに松尾氏が異動するなどということはございません。したがって、恐らく彼は言っていないと思います。
#288
○委員長(岡野裕君) 時間が切れています。
#289
○福島瑞穂君 はい。
 じゃ、この点については証言などもありますので、これからも追及させてください。
#290
○委員長(岡野裕君) 以上で福島瑞穂君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#291
○委員長(岡野裕君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。
#292
○松岡滿壽男君 月曜日に総理と、失われた十年についての御意見をちょっと伺ったわけですけれども、確かに明治維新のときに、まあ総理のお好きなITでいえば、新しい日本のあるべき基本的なソフトをつくりまして、いわゆる富国強兵ですか、富国強兵、そういう形でずっと頑張ってきまして、戦争が終わった後、終戦後、また新しいソフトにつくりかえなきゃいかぬということで頑張ってきたわけですね、先進国に追いつけ追い越せという形で。しかし、それがもう今の時代に合わなくなっていると、十年ぐらい前から。それがいわゆる失われた十年ということだと私は理解しているんですね。
 やっぱり、きょうもいろんな、KSDとか外務省の機密費のやりとりを聞いておりますと、やはり自民党の一党支配時代うまくいった、官僚とセットでですね、そういう仕組みが。もう新しい連立の時代にもなってきているし、新しいソフトをつくらなきゃいかぬのだけれども、それがどうもうまくいっていないんじゃないかという感じが実はするんですね。全部先送りするとか、いいかげんにしているということじゃないんでしょうけれども、どうも我々の方から見ているとそれがうまくいっていない。
 中国の言葉で、いいかげんにするとか、たかをくくって先送りするというのはマーマーフーフーと言うんですよ、馬馬虎虎と書いてね。だから、まさに今、日本はそういう状況に置かれているんじゃないかなという危機感を非常に、やりとりを聞いておって私は思うんですが、そういうことについての総理のお考えを伺いたいというふうに思います。
#293
○内閣総理大臣(森喜朗君) 松岡議員のおっしゃりたいことはわかるんですが、それはどのことを指しておっしゃっているのか、これはちょっと判断に私、例えば教育ならこうだとか、外交上はこうだとか、今のようないろんな不祥事があってこうだとかと何かそれを特定されればお答えはできるかもしれませんが、いずれにしても、そのことと今日起きている事柄と、必ずしも私はそのために起きているというふうに思いませんけれども。
 経済もまさにそうだと思いますが、グローバル化しているわけですね。あるいは、日本の国内でいえば高齢化だとか少子化だということがありますから、福祉やそういうものに対する今までの仕組みではもう間に合わなくなりますねということならよくわかるわけですね。それからもう一つ、やっぱり情報化というのがあるんだろうと思いますし、そういう意味で、確かにおっしゃるとおり、いろんな意味でこれまでのシステムは合わなくなっている面はかなり私はあるというふうに思います。だからといって、それをマーマーフーフーと言って先送りしているという、私はそんな気持ちはございません。
 施政方針演説で申し上げましたように、大事なことはやはりできるだけ早く取りまとめていかなければならぬし、進む方向を国民に明示していくことも大事なことだというふうに考えまして、かなりの問題点については三月末にはまとめたい、こういう意見の集約をしてみたいというようなことを申し上げてきているわけでありまして、決して先送りにしてまあまあというような気持ちでやっておるようなことは、私はないというように思っております。
 しかし、松岡先生のおっしゃることもよくわかります。だから、そこのところをみんな知恵を出し合って、日本の将来に対してみんなで責任を果たしていくということが私はやっぱり大事だというふうに思っております。
#294
○松岡滿壽男君 梶山さんが、ハードランディングと、梶山静六さんが総裁選挙に出てですね。だから、ある面では私は梶山さんがやった方がよかったのかなと。いわゆる構造改革ですよ。今度も株価対策として公的資金を入れる。それよりもっと急がなきゃいかぬのは構造改革の方じゃないかと私どもは思うんです。そういうところに対して思い切った集中ができないという意味を込めて私は、先送りしちゃっているとか、痛みはなるべく遠ざけて先に送ろう、そういう姿勢に対して申し上げたわけなんです。
 特に、やはり政官業がセットでうまくやってきたんですよ、戦後のソフトは。うまくいったと思うんです。かなりうまくいき過ぎたから、そのままずっと惰性で流れてきちゃっている。だから、やっぱり先輩がやっていることだからそのままやる。いわゆる官もそうだし政もそうだ。
 ところが民間の方は、これ生きていかなきゃいかぬのですから、大変なリストラですよ。リストラをやってそれに耐えながら、今は春闘をやっている時期ですけれども、せんだっての麻生大臣のお話を聞きますと、確かに製造業は昨年より三一%収益を上げているんです。だけれども、借金返さなきゃいかぬし、先が見えない。そうすると、賃金交渉ではどうしても厳しい回答をせざるを得ない。そういう中では、もうとにかく消費に回るどころじゃこれはないですわ、今の国民の実態というのは。
 ところが、政と官がやっぱりずっと昔のままやってきている。ここにメスが入らないということを、私は国民は感じていると思うんです。例えば、我々政治家は政党助成をもらっているわけでしょう。そうすると、そこでやっぱり一つの意識が変わらなきゃいかぬ。十年前にリクルートやっておるじゃないですか。そこの反省がない。やっぱり国民はそこを私は見ていると思うんです。
 そういう問題について、総理のお考えがあれば伺いたいと思います。
#295
○内閣総理大臣(森喜朗君) 今、具体的な事例として、例えば公的資金が入るようになった、そこに政治家の反省がないじゃないかということですが、そういう中から、例えば企業・団体献金はこれは個人では受け取れないというふうに踏み切ったわけだし、あるいはあっせん利得に対することも踏み切ったわけですし、かなり意識はやっぱり皆さん変わってこられたんじゃないでしょうか。
 まだまだ政治活動に対する出費といいましょうか支出というのは、なかなか従来のようにすぐにはこのことですべてが変わるというふうにはならぬと思いますけれども、しかし、例えば昔ですと、ちょっとお祝い事でお酒を持っていくとかお花を持っていくなんというようなことはもうごく当たり前のことだったけれども、最近はほとんど皆さんがやっぱりそれは、ほとんどというよりも、むしろそのこと自体が法に触れるということになりますから、ほとんどそういうことはなくなったんじゃないでしょうか。そういう意味で、やっぱり政治家の意識も私はどんどん変わっているというふうに思います。
#296
○松岡滿壽男君 「報道二〇〇一」の調査ですね、去年の暮れにたしか野中さんと加藤さんがやりとりやりまして、総裁選を前倒しするというような話をされたあの番組の調査結果が、次期衆議院選挙ではどの党に投票するか、自民党九・八ですよ。民主党が一八・八になってしまっておる。森内閣を支持するか、支持するが六・四、支持しないが九一・六です。しかし、これ全部、全国の視聴者が見ているわけですから、これは東京都に限定されているけれども。
 今の政治を信頼できるか、これが私は一番こたえているんですよね。はいと言っているのは二%ですよ。いいえが九〇・〇です。どちらとも言えないが八%ですよ。もう既に一〇〇%近い国民が今の政治、既存政党とか政治家に対してノーを突きつけているんです。その中で参議院選挙を戦わなきゃいかぬということですね。自民党の解党的出直しに期待できるかが、はいが一七・四%、いいえが七八・〇%、わからないが四・六。
 こういう世論の動向に対して、総理はどのようにお考えになるか。
 もう一つ、昨日公述人で出てきました連合の笹森さんが、今の状況がこのまま続けばサラリーマンの反乱が起きるということを言っています。やはりこういうことは真摯に受けとめて対応すべきだと私は思いますが、総理のお考えを伺って、私の質問を終わりたいというふうに思います。
#297
○内閣総理大臣(森喜朗君) 世論調査につきましては、私はその都度、国民の一つの判断であるということで、これは謙虚にやっぱり受けとめておかなければなりませんけれども。
 さて、今も松岡さんおっしゃいましたけれども、このとり方というのはいろいろあるんですね。ですから、テレビは、「報道二〇〇一」なんかもそうですが、関東だけとっていらっしゃるわけです。私はよくフジテレビの方にも言うんですよ、関東だけとって、それがあたかも全国平均みたいにお出しになるのは、ちょっと下に書かれますけれども、だれも気がついていないんですね。そういうふうになると、何とか世論というのはまた自民党批判している方がいいというようになっていくケースもあるわけです。
 それはまあこういういろんな不祥事があるということは謙虚に受けとめなきゃなりませんし、また私個人に対する国民の拒否反応というのもあるんだろう、これも私は謙虚に受けとめなければならぬというふうに思っているわけです。ですからこそ、総裁選挙が必要であれば前倒しをされてもいいですよということを申し上げたのも、そういう意味で私は申し上げているわけでありまして。
 いずれにしても、世論調査というものが、私は大事なことだと言いますよ、否定はしませんが、世論調査というものがすべて物事を動かしていくようなそういうことで本当にいいんだろうか、世論調査だけで政治というのは動いていっていいんだろうかという、そういう私はやっぱり気持ちも持ちますね。(「世論」と呼ぶ者あり)
 世論、世論と宮本さん言っておられるけれども、やっぱりその問いかけの仕方というのも随分あるんですよ。いろいろこう自民党がこうしたことをやっている、こんなことがあっている、さあそれで自民党を支持しますかとこうやれば、だれもうんとはおっしゃらないわけですから。呼びかけ方も、やられた人から聞くといろいろ事実がよくわかりますけれども、やはり本当に公明正大に選ばれたものかどうかということであるかどうか、私はやっぱりその点は疑問があると思うんです。事実、内閣に対する不信任案のことは私は謙虚に受けとめておると、こう申し上げております。
 それならば、ずっとこう見ております、きょうもある調査を見ましたけれども、じゃ自民党が減っているのか、じゃ自民党がだめだということで民主党さんがふえているんだろうか、共産党さんがふえているんだろうかというと、ふえていないですね、ずっと見ていましても。(「余計なお世話だ」と呼ぶ者あり)余計じゃありません。私は感想を言っているだけの話です。
 ですから、私はそういう意味で、逆に言えば政治に対して不信が出てきて、いわゆる政党に対する支持しないということがふえていくことの方が、これは大変私は危険なことだなと思って心配をいたしております。
#298
○松岡滿壽男君 時間が来ましたので、終わります。
 ありがとうございました。
#299
○委員長(岡野裕君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。
    ─────────────
#300
○委員長(岡野裕君) 次に、平野貞夫君の質疑に入ります。平野貞夫君。
#301
○平野貞夫君 森総理、本当に内外の御心労、お疲れさんのことだと思います。宮澤元総理、本当に経済のことで大変お疲れのことだと思います。
 限られた時間でございますので意見が多くなると思いますが、御答弁は簡潔にお願いしたいと思います。
 異常な株安の原因は、私は森政権の失政にあると思います。それを証明するものはさきの三与党の緊急経済対策。平成十三年度総予算の内容、性格を変えるもの、あるいは否定するもの、そういう内容だと私は思います。
 予算編成のときに、アメリカの経済の先行きの観測は、今日の状態は予測できるはずでございます。また、予算の内容は構造改革を先送りするなど、そして森政治に対する国民の不信というものが今日の経済低迷、株安の原因だと思っていますが、宮澤大臣、予算編成の責任者として今日の状況にどう責任を感じられておるか、また与党の緊急経済対策の提案に対してどう対応するものか、お答えいただきたいと思います。
#302
○国務大臣(宮澤喜一君) 簡単に申し上げますと、公需から民需へのバトンタッチのうち、企業の活動は十分回復しつつございますが、それが家計における国民消費につながっていかない。ふだんですと、もうつながるはずでございますが、それに時間がかかっている。私は時間の問題だと思っていますが、それが一番の原因であります。
 そういうこともありまして株が低迷しましたが、ニューヨークの状況とも、アメリカの経済の動向ともやや絡み合ったところがあると思います。
 それから、与党の経済対策のうちで何を主に考えるか。昨日議論いたしましたところでは、いわゆる不良債権の処理でありますとか、銀行の持っている株式の持ち合いの問題であるとか、日本銀行に対する政策要請であるとか、あるいは都市再生本部を立ち上げまして都市再生の実現をするとか、たくさんございますが、そのような問題が主に議論されました。
#303
○平野貞夫君 ただいまのお話に全部了と言うわけにはいきませんが、時間がありませんので先に進ませていただきますが、要するに、今、政府・与党で議論されている証券税制とか土地・住宅税制の見直しとか、そういったものは本来これは緊急政策ではないと私たちは思っております。これは恒常的に整備してこなきゃいかぬ構造改革、規制緩和だと思っております。
 それから、宮澤大臣が特におっしゃった株買い上げ機構への公的資金導入の発言なんかは、これはいわば究極の対策だと思います。市場経済原理の根本にかかわる重大な問題でして、実行するとすれば大変な時間もかかりますし、議論も起こります。
 ああいったことは私は口先介入という思惑があったんじゃないかというふうに、大先輩に対して非常に悪い言葉を使いますが、そういう程度のものじゃないかと思いまして、自由党では一連の与党三党の緊急経済政策に対してこのようなコメントをつくっております。それは、実効性のない単なるポーズにすぎない、特に経済構造改革の基本方針がないことを三与党は露呈している、びほう策にすぎないというのが自由党の考え方でございます。
 さて、今、宮澤大臣のお話にもありましたんですが、やはりポイントはこれからの米国の経済の先行きだと思います。日本の株にも大きく影響すると思いますし、経済にも大きく影響すると思いますが、どうでございますか、これから、ことしじゅうぐらいのアメリカの経済の先行きというのはどういう見方をしておればいいのか、御教授を宮澤大臣からお願いしたいと思います。
#304
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、間もなく総理が答弁されて御議論になることでございますけれども、やはり十年間上がり続けたアメリカの経済でございましたから、それが屈折点に来たということ、それから今回は大変たくさんの人が株をやりまして、いわゆる資産効果というものが活性をして、その資産逆効果がこれから発生するだろうということは今まで経験のないところでございます。多くの人が、後半からはアメリカの経済はよくなるであろうが、しかし年間を通じてちょっとまたその予想率が下がってまいりまして、二%もあるだろうかというようなことを言う人が多うございます。
#305
○平野貞夫君 宮澤大臣は、先般取り消された発言で、日本の財政の破局的なということがあったんですが、私は、取り消すより本当のことをおっしゃっているんじゃないかと。財政だけじゃなくて経済の破綻ということが今後非常に心配されるということを申し上げておきます。
 柳澤大臣にお尋ねしたいんですが、実は、恐縮でございます、予定ではございませんでしたが、けさ実は学者さんとかエコノミストさんとの勉強会をしたときに、ぜひ柳澤大臣に聞いておけということを言われましたので。
 昨年九月末、金融庁が発表しました金融機関のいわゆる不良債権ですが、三十一・八兆円というふうに発表されておりますが、その後大きな経済変化が今日も行われているわけでありますが、現状においてどのようにその実態を把握されているのか、簡明にひとつお願いしたいと思います。
#306
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の開示、ディスクロージャーというものは非常に重要なことだということをまず申し上げておきます。
 かつてはこれを、ちょっといいかげんと言ってはあれですけれども、なかなかディスクローズしたいろんな統計というようなものもほかからは信頼されないというような時期もあったんですが、この金融危機の中で、金融国会等の成果で本当に真実をもっとしっかり把握してそれを開示しろと、こういうことだった。ただ、その後どうなったかということは、これはやっぱり三月末の決算を見なければどうにもならないということでございます。
#307
○平野貞夫君 わかりました。そういうことだと、そういう答弁だと思いました。
 実は、専門家の先生方から要望がございまして、とはいいながら、やっぱり推測とか実態的なものは金融庁が把握しているはずだと、だからそれを、国民に開示することは難しいかもわかりませんが、専門家には早く情報を開示して、やっぱり対策を練るためには、どうも金融庁、特に柳澤長官は学者、専門家に冷たいということを言っておいてくれということでございます。これは要望しておきます。答弁は要りません。
 あと三分少しでございますので、一気に意見を申し上げます。
 今日の日本経済の長期低迷の根本原因について考えた場合、空白の十年という言葉がありますが、野中先生は小沢党首や私のことを細川政権をつくったから空白になったという批判をされていますが、私は、空白の十年というものでとらえるべきでなくて、空白の二十年、場合によっては空白の二十五年という把握の仕方、いわゆる一九八〇年代からの問題だととらえなきゃならぬと思っております。
 一つは、やはり七〇年代の後半、国民総生産が西側で二位となって豊かな国となった。これに国民が全然甘え出して国家観とかあるいは価値観について全然そういう意識がなくなったこと。
 それから、八〇年代に自民党の指導者が世代交代したことです。私は、大変指導を受けました前尾繁三郎先生だとか椎名先生とか、それから保利先生とかという立派な自民党をつくり上げた立派な指導者がこの時代に交代して、大変失礼ですが、その後のやっぱりリーダーである総理大臣の方たちの歴史観、国民観、価値観に私はやっぱり一つの大きな問題があったと思っております。
 それから、バブル経済にみんなが酔いしれた。そして、日本の資本主義の構造的危機というものを直さないかぬということが何度も言われながら、それを直せなかった。そして、既得権にしがみついて同じことを続けてきたと、こういうことが言えると思います。
 特に私が指摘したいのは、連立時代になりまして二度にわたって、二度じゃないんですけれども、二、三度にわたって政党間の合意を自民党が破棄したことが、構造改革について、これが私は大きな原因になっていると思っています。
 簡単に言いますと、一つは、平成八年の住専国会のときに、実は大変紛糾したんですが、あのときの住専の六千八百五十億をめぐって予算総則まで修正したんですよ、予算総則まで。そこでは、制度を整備した上でそれを措置するという総則まで入れて、その制度を整備するというのは、現行の金融・財政制度及び経済構造全般にわたる改革を行って、あわせて金融機関等の諸問題について協議して処理するための特別な機関をつくるということを与野党で合意したやつを、橋本総理大臣がてんぷら屋のおかみさんの問題とか、加藤紘一さんがいろんな問題で、我々が騒がなくなったら途端にこれを破棄したことが一つ。
 それから、昨年の四月に私たち自由党が結果的に連立政権を離脱したときに、約束した構造改革、基礎的社会保障の制度の整備とか、あるいは税制改革、所得課税改革等について、やる約束をやらないと言ってそのままになっていることに問題があると思います。
 そこで、森総理に一つ要望がございますが、一年間大変だったと思います。特に、内外からいろいろな評価、批評がされていますが、私はたった一つ、森首相の決断で、森首相が歴史に残る総理であるということを証明できる方策があると思います。
 それは、もうあらゆる世論調査で……
#308
○委員長(岡野裕君) 平野君、時間がとうに切れております。
#309
○平野貞夫君 自由民主党はもたなくなっております。自由民主党を解党されて、退陣の決意とともに、そしてその引き金を引くことによって大政界再編成ができます。そうしますと、これは歴史に名を残す……
#310
○委員長(岡野裕君) 時計をごらんください。
#311
○平野貞夫君 健全な政治の完成になると思いますが、それを要望して、質問を終わります。失礼しました。
#312
○委員長(岡野裕君) 以上で、平野貞夫君の質疑は終了しました。(拍手)
    ─────────────
#313
○委員長(岡野裕君) 次に、佐藤道夫君の質疑を行います。佐藤道夫君。
#314
○佐藤道夫君 長時間にわたり、さぞお疲れのことと思いますけれども、ラストバッターでございますので、しばらくおつき合いを願いたいと思います。
 私は、昨年の一月行われた小渕総理大臣の施政方針演説にものつくり大学という固有名詞が、特定大学の固有名詞が登場した、これはなぜなのかと。もう大分議論もされておりますけれども、そのいきさつについてちょっと総理大臣にお伺いしたいと、こう考えております。
 言うまでもなく、ものつくり大学というのはKSDなる特定団体が設立を考えていた特定大学の固有名詞でございまして、総理大臣の施政方針演説に特定団体あるいは特定の大学という固有名詞が登場することは余り考えられないこと、初めてじゃないかと言ってもいいぐらいだと私は思いますけれども、間違いがあったらお許しください。
 森総理は早稲田大学、この演説を行った小渕さんも早稲田大学のOB。小渕さんや森さんが、我が母校の早稲田大学は非常にすばらしい、政府としても全力を挙げて応援していきたい、こういうことを施政方針で言ったといたしますればこんなばかなことはないんですけれども、一体何だ、なぜ早稲田大学だけを特別扱いするのかと、こういうことにもなりかねないわけでありまして、やっぱり政治というのは──ちょっと、聞いていてくださいよ、申しわけないですけれども。そんなにおもしろくない話じゃないですよ。まじめに聞いてください。
 あのね、ちょっと忘れちゃったですよ。政治というのは、特定大学を考えるんじゃなくて、全体の私立大学のことをどうしていくかと考えるのがこれが政治でありまして、特定大学に力を入れるなんというのはこれはいわゆる口ききなんですよ。政治屋のやることであって政治家のすることではないのであります。それが行われた。国民はだれだって、不思議だな、これはどうしたんだろうなと、こう考えるでしょう。できたら、その事実関係を明らかにしてほしい。
 現に、KSDがいろんな金を使った。じゃ、小渕総理大臣にもひょっとして金が行っているのかなんて、そこまで考える国民も少なくはないと思いますよ、大変大事なことですけれども。ですから、きちっとその辺は政府としてもいきさつを説明してほしい。
 ところが、その間のいきさつなるものを調べてみますると、額賀官房副長官、当時の、彼は政治倫理委員会で、一切知りません、記憶にありません、どうも自分ではない、こういうことを言っている。
 そういたしますと、当時の労働省の担当局長は衆議院の予算委員会で聞かれまして、これも、私らは全然知らないことでございます、ある日突然官邸の方からものつくり大学に言及した、することにした、こういう連絡があって、はっと思って皆驚いてしまった、労働省の関与することではございませんでしたと、こういうことなんですね。
 そういたしますと、その次は官房長官にでも聞くしかないということになりまして、衆議院予算委員会ではそこにおられる官房長官を呼んで、恐らく調査をされておるであろうから、どういういきさつでこのものつくり大学が総理大臣の施政方針演説に盛り込まれたのか、はっきりさせてほしいと。この問いに対して官房長官がお答えになったのは、それは昔のことです、それ以上事実の確認はもうできませんと。一年前ですよ、これは。一年前を昔という日本語を私、初めて聞きました。
 十年一昔と言います。十年たてば大体昔という言葉が使われるんですけれども、一年前、先ほど、何か半世紀前はわしは知らぬということを言っておりました。多分そうだろうと思います。一年前を昔ですよと言うのはこれは一体何だろうか、そんな日本語があるんだろうか、まじめに答弁なされているんだろうか、ふざけるなということぐらい、私はテレビを見ていて思わずそういうことを口走ったくらいでありまして、ちょっとまじめさを欠くんじゃないか。
 しかし、老人の場合は別なんですよね。老人に一年前のことを聞くと、そんな古いことはわしは知らぬと、半年前、もうそんな昔も知らぬ、三日前のことだってわしは知らぬと言う。そうすると、そこにおかけの官房長官なる方は、見かけは大変お若いんですけれども、大変な高齢者なんだろうか。一年前はもう昔でさっぱりわからない、そういうことなんだろうかという気もしないわけではないので、これはどうしても総理大臣にお答えいただきたい。高齢者を余り引っ張り出しても仕方ありませんので、それでお願いしたい。一体どういういきさつで、この特定の大学の固有名詞があの総理の施政方針に盛り込まれたのか。国民はやっぱり疑惑の目を持って見ておる。
 総理大臣の施政方針演説は大変重要な、この国で一年間に何十万という演説が行われているでしょうけれども、その中の一番意味のある重要な演説なんでありまして、国民もそういう目で聞いておりますし、後世の歴史にも、例えばワシントンの演説、ケネディの演説、いろいろ残っておる、そういう演説が。そして、言の葉に触れてそれが引用されている。いつか小渕さんの演説だって日の目を見ないとは限らない。確かですよ。このものつくり大学が立派な大学になりまして、だれかがその歴史を書きたいとか、あるいは、こういう職人大学をつくった、一体だれがつくったんだろうか、しかも当時の総理大臣はそれをわざわざ引用までなさっている、そのいきさつを調べる研究者、歴史家が五十年先、百年先に出てこないとも限らない。そうして調べてみると何もさっぱりわからない。当時の議事録なるものを調べると、官房長官、最高の責任者だと思われますけれども、この方がそんな昔のことは知りませんよと。あれ、百年前は一年を昔と言ったのかというようなふうに議論が流れていってしまうおそれもないわけではない。
 どうか、この歴史的な演説、これが総理大臣の施政方針演説、あなたの演説だってそうですからね。百年先に引用されて、あのときの森総理はこういうことをおっしゃった。そうだ、ジョージ・ワシントンにも匹敵する大政治家であった。銅像でもつくろうかということにならないとも限らないわけなので、どうかこれだけ問題になっていることですから、官房長官はともかくとして、総理は、内閣官房の首席参事官その他にちょっといきさつを調べろと一言おっしゃれば、こんなものは一時間でぱっと役人は結論を持ってきますよ、こういういきさつでこれに入りましたと。
 それ、お調べになっているんでしょう。まず、そのことをお尋ねいたします。
#315
○委員長(岡野裕君) まず、官房長官から答弁させましょう。
#316
○佐藤道夫君 いえ、こちらに聞いているんですから。
#317
○国務大臣(福田康夫君) 私の名前を何回か言われたから、私から答えましょう。
#318
○佐藤道夫君 あなたの弁解を聞いているんじゃないんですよ。
#319
○国務大臣(福田康夫君) まあ、一年前が昔かどうかというような話を私はするつもりはございませんけれども……
#320
○委員長(岡野裕君) 手短に願います。
#321
○国務大臣(福田康夫君) まあ、時によっては昔ということもあるわけですね。私ももう六十五歳ですから、世間並みにはそんな年かなと、そういうことです。
#322
○委員長(岡野裕君) 手短に願います。
#323
○国務大臣(福田康夫君) 施政方針演説のことにどういうかかわりがあるのかと、こういうお話でございますけれども、調べないと、調べなかったということじゃないんです。これは私、たしか衆議院の予算委員会で答弁したと思いますけれども、調べております。それはきちんと答弁をいたしております、当時の関係者に私は何人か聞いておりますので。
 ですから、その結果、当時の官邸内スタッフによれば、額賀元副長官がものつくり大学を施政方針演説に盛り込むよう主張されたことはないと、こういう答弁はしているんですよ。調べてないということじゃないということだけはっきり申し上げておきます。
   〔佐藤道夫君「大事なことですから私からも。これ、調べてないと同じですよ。額賀氏は関係がない、じゃ、だれが入れたんだということを調べるのがあなたの仕事でしょう。それをやってないのは何もやってないに匹敵するんです。だからだめです、彼は。あなたお願いします」と述ぶ〕
#324
○委員長(岡野裕君) 佐藤道夫君、佐藤君、指名があってから発言してください。
   〔佐藤道夫君「わかっていますよ、そんなこと」と述ぶ〕
#325
○委員長(岡野裕君) 答弁、だれに求めますか。──森内閣総理大臣。
#326
○内閣総理大臣(森喜朗君) 佐藤議員に大変失礼でございますが、この伝統的な日本のものづくりといいましょうか、ある時期には職人とかいろいろ言っていました。このことについては本当に、特に私は文教関係をやっていましたので、もうそうですね、二十年ぐらい前からいろんなところでこうしたものをどうすべきか。例えば、どんどん電気を使って、機械を使って進む中で、例えばよく古い日本の寺社などをどう整備するかとなると、宮大工がなかなかいないとか、そのことによってとても予算が高くつくとかそういうことがあって、もう二十年ほど前から我が党では絶えず議論して、(発言する者あり)聞いてください、私が言っているんだから。あなたも随分長い間、時間かけてしゃべられるから、だからちゃんと聞いてください。
 ですから、このことはもう随分長い間議論をしてきたことなんです。どういう形でこういうものができるだろうかということも我々としては議論をしてきたことは私は今でも記憶しています。
 たまたま、私はこの経緯というのはよくわかりませんが、平成十一年の三月には議員立法でものづくり基盤技術振興基本法というのが全会一致で成立しているわけですね。ちょうどまたその一方では、十一年の秋には、例の宇宙開発、原子力安全管理でいろいろ事故災害が起きて、やっぱり我が国はものづくりという、本当に手にあるいは額に汗してものをつくるということはどうも欠如しているんではないだろうかというのは、当時いろんな新聞の社説までも随分これを取り上げていたと思うんです。そういうものの流れ、経緯から、恐らく私は、施政方針演説に小渕さんがこれを盛り込もうと、その延長の流れから私はそういうふうにお考えになったのではないかなというふうに私は推察しているんです。
 私が直接そのときに内閣にいたわけじゃありませんし、どういう形でできたかということは承知しておりませんけれども、そういう私はやっぱり空気として、ムードとして長い間議論してきたことをやっぱりここでしっかりと実現したいという、そういう思いが私は小渕当時総理にあったのではないかというふうに思います。
#327
○佐藤道夫君 一言だけよろしいですか。(発言する者あり)だめだと言っているから……
#328
○委員長(岡野裕君) 佐藤君、いいですか。よろしいですか。──はい、じゃ時間です。
 以上で佐藤道夫君の質疑は終了いたしました。
 これにて、財団法人ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団及び報償費問題等に関する集中審議は終了いたしました。
 次回は来る十九日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会をいたします。
   午後五時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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