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2001/06/12 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 法務委員会 第12号
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2001/06/12 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 法務委員会 第12号

#1
第151回国会 法務委員会 第12号
平成十三年六月十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任   
     本岡 昭次君     竹村 泰子君
 六月十一日
    辞任         補欠選任   
     魚住裕一郎君     沢 たまき君
 六月十二日
    辞任         補欠選任   
     青木 幹雄君     山下 英利君
     竹山  裕君     阿南 一成君
     竹村 泰子君     木俣 佳丈君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         日笠 勝之君
    理 事
                久野 恒一君
                江田 五月君
                福島 瑞穂君
    委 員
                阿南 一成君
                岩崎 純三君
                岡野  裕君
                佐々木知子君
                斎藤 十朗君
                竹山  裕君
                中川 義雄君
                山下 英利君
                吉川 芳男君
                小川 敏夫君
                木俣 佳丈君
                千葉 景子君
                角田 義一君
                沢 たまき君
                橋本  敦君
                林  紀子君
                平野 貞夫君
   衆議院議員
       発議者      山本 幸三君
       発議者      漆原 良夫君
       発議者      上田  勇君
       発議者      井上 喜一君
   国務大臣
       法務大臣     森山 眞弓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 一宇君
   政府参考人
       警察庁生活安全
       局長       黒澤 正和君
       法務大臣官房司
       法法制部長    房村 精一君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改
 正する法律案(衆議院提出)

    ─────────────
#2
○委員長(日笠勝之君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として竹村泰子さんが選任されました。
 また、昨十一日、魚住裕一郎君が委員を辞任され、その補欠として沢たまきさんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(日笠勝之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局長黒澤正和君、法務大臣官房司法法制部長房村精一君及び法務省刑事局長古田佑紀君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(日笠勝之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(日笠勝之君) 債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○佐々木知子君 おはようございます。自民党の佐々木知子でございます。
 このサービサー法改正法案の提案理由の説明によりますと、その趣旨は、債権回収会社、サービサーの取扱債権の範囲を大幅に拡大し、あわせてサービサー業務に関する規制を一部緩和するためで、その目的は、サービサー機能を強化することによって、不良債権処理及び資産流動化を一層促進するとともに倒産処理の迅速化を図ることにあるとございます。
 我が国経済が長期的混迷を続けております大きな原因の一つに金融機関の不良債権問題があることは疑いのない事実でございまして、金融システムを回復強化させるべく、政府は公的資金注入などさまざまな政策を実行してまいりました。二年余り前に施行されました現行サービサー法もそのような動きの中でつくられたと承知しておりますが、残念ながら、現在もなお不良債権問題を早期に解決することは対外的な約束事項にさえなっており、小泉総理が掲げる構造改革にとりましても不可欠な処理事項であると承知しております。そんな中、今回のサービサー法改正法案が提案理由で述べられた目的に立脚するものであれば、まことに時宜を得たものであると考えております。
 そこで、本日は提出者に対しまして、サービサーの意義、役割や本改正法案の理念や内容、その効果等について質問していきたいと思います。
 初めに、現行サービサー法は不良債権処理に相当の効果を上げているやに聞いておりますけれども、サービサーというのはいまだに一般の人にはまだまだなじみが薄いというふうに思われます。そもそも、なぜ債権回収会社のことをサービサーというふうに呼んでおるのか、そのことにつきまして提出者に伺いたいと思います。
#7
○衆議院議員(山本幸三君) このサービサーという言葉はアメリカの用法からきていると思うんですけれども、アメリカでは不良債権の管理回収等の金融関連サービスを提供する会社が多数ありまして、この種の会社がサービサーと一般的に呼ばれております。したがいまして、そのことを受けて、我が国でも債権回収会社のことを指して広く用いられるようになったと考えております。
 アメリカではこの種の会社は、円滑な返済を可能にするために、債務者の相談に応じたり、管理または回収に係る債権や担保不動産を証券化したり、あるいは担保不動産に付加価値をつけて、賃貸、売却等を仲介し、賃料の収納業務まで代行するなど多種多様なサービスを提供してきたことからサービサーと呼ばれるようになったとする説が有力でございます。また、英語でサービスと言いますと、元利返済額とかあるいは債務や利子を返済する、そういう用法もあることから、ここから派生した呼称であるのではないかと言われているところでございます。
 いずれにいたしましても、単なる債権回収をやるということだけではなくて、証券化スキームの担い手など、新しい機能、役割を果たすことが期待される業態であると考えておるところでございます。
#8
○佐々木知子君 もちろん、このサービサーができるまでも債権回収というものは存在していたわけですけれども、サービサーができることによってなぜ債権回収が進むようになったのか、そのことについて提出者に伺いたいと思います。
#9
○衆議院議員(山本幸三君) サービサーの業態につきましては、外資系とか銀行系のサービサーは、主に金融機関の大口の不良債権について担保不動産の競売あるいは任意売却等によって回収する、そういう形態が一つあります。あるいは一方、信販系サービサー等は、主として小口のクレジット債権など一般消費者向け無担保債権について請求書の発送や債務者との交渉等により回収する、そういうことが行われるというように聞いております。
 そういう意味で、サービサーというのは原則として債権管理回収業を専業的に、専門的に営むわけでありまして、回収専門家としての訓練を積み、回収のためのノウハウを蓄積活用して債務者と粘り強く交渉して、債務者の状況等を勘案しながら債権の一部免除もしくは支払い条件の緩和等、いろんな手段を縦横に駆使して専門的かつ効率的に債権回収を行って、その実を上げることが期待されるわけでございます。
 ところが、従前は、債権回収の分野、本来は法律的に言えば弁護士の専業であるわけですが、実態的には暴力団等さまざまな反社会的勢力が関与しておりまして、回収が非常に問題があるというようなことがあったわけでありますが、そういうことを排除するためにサービサー法をつくりまして、サービサーをきちんと監督する、そして警察庁長官による援助措置など暴力団等の反社会的勢力を排除するための施策を講じて円滑な回収行為が促進できる、そういう意味では非常に回収が円滑に進むのではないかと期待されているところでございます。
 なお、サービサー各社の回収実績でございますけれども、平成十一年十二月の時点で約千三百九十億円でありましたけれども、半年後の平成十二年六月では約三千四百八十億円、その半年後の昨年十二月の時点では約八千百億円に増加して、各半期ごとに二倍以上の伸びを示しているということでありますので、今後ともその回収が相当額見込まれて伸びていくものと期待しているところでございます。
#10
○佐々木知子君 債権回収業にどうしてもつきまとう暴力団など不法勢力の介入といった暗いイメージを排除するための担保をこのサービサーによってなされているというお答えがございましたが、先ほども、銀行系だとか信販系だとかもございました。
 現在、我が国にサービサーというのは四十八社あるそうでございますけれども、その出資母体というのはどうなっているのかお述べいただけますか。これは法務当局にお願いいたします。
#11
○政府参考人(房村精一君) 委員の御指摘のように、現在、サービサーは四十八社ございます。出資母体につきましては、主なものを申し上げますと、銀行系が八社、それから信販系、これがやはり同じく八社ございます。それから、貸金業系が四社、それからリース業系が一社、それから外資系が十三社ございます。そのほか、不動産業系が三社、そういうものに属さない独立系が八社、それと公的機関、整理回収機構がやはりサービサーの許可を受けておりますのでこれが一社、その他二社、このような出資母体となっております。
#12
○佐々木知子君 現行サービサー法は、金融機関等の不良債権処理及び債権の流動化の促進を目的として弁護士法の例外として制定されたものでありまして、そのため取扱債権の範囲が限定されたということを承知しておりますけれども、本改正案を見ますと、取扱債権の範囲を一気に拡大するものとなっております。
 そもそも、ユーザー団体からの要望によりますと、取扱債権を原則自由化してほしい、つまりネガティブリスト方式だったというふうに聞いておりますが、今回の改正案におきましては、現行法の基本構造を維持しつつ、取扱債権の範囲をニーズの強い分野を中心に重点的かつ広範囲に拡大するいわゆるポジティブリスト方式が採択されております。その理由につきまして、提出者に伺います。
#13
○衆議院議員(山本幸三君) この点は今回の改正作業で一番大きな課題になったところでございます。
 ユーザー団体は、サービサー協会等ですが、事業の遂行上、ぜひネガティブリスト方式にして原則自由に扱わせてもらいたいという意見が大変強うございました。私も個人的に含めて、そういうことの方がいいんじゃないかなというように思っていろんな議論をしたわけでありますが、他方、日弁連の方はそれは困るというような反論もございました。
 そうした中で、いろいろ議論を進めていきましたところ、原則これを自由化するということは、将来その方向は考えなきゃいかぬと思いますけれども、一応このサービサー法が、性格として二年半前に弁護士法の例外としてできたという経緯がございましたので、これをネガティブリスト方式で原則自由化にするということは、特別措置法の性格から一般的な債権管理回収業法ということにその性格を転換するということになります。したがいまして、立法目的あるいは法律の基本的な組み立て方というのを少し変えなきゃいかぬということもございました。
 それからまた、日弁連の理解もぜひ得てスムーズな形で進めたいということもありましたし、まだ二年半ばかり経過しただけでありますので、ドラスチックな方向転換というのは将来の課題にしようということにいたしまして、現時点でできるだけ速やかに改正をして、実態に即したような、そして今日、喫緊の課題であります不良債権処理あるいは債権の流動化、倒産処理ということに資するためには大方の理解の得られるポジティブリスト方式で、しかしできるだけ広くそれを広げていこうではないかということで、日弁連とも大体の了解を得てこういう形になったわけでございます。
 ネガティブリスト方式は将来的にはぜひ考えたいなと思っておりますが、当面はまずこの方式でいこうということに結論を出した次第でございます。
#14
○佐々木知子君 では、さらに今後サービサーの取扱債権を拡大されるという展望があるというふうにお伺いいたしまして、次に、サービサーの取扱債権をこのように拡大することによりまして、どのような経済効果が見込まれるのか、提出者に伺います。
#15
○衆議院議員(漆原良夫君) 今の御質問については三点、経済効果があろうかと思います。
 まず第一に、サービサーが取り扱えるノンバンク債権の範囲が一気に広がることによって、我が国において重要な金融機能を果たしているノンバンクの不良債権処理を進めることが可能になります。そして、これまでは金融機関の不良債権と独立系ノンバンクの不良債権等が一括してバルクセールで処分されるようなケースについてはサービサーが十分に対応できなかったわけでありますが、こうしたケースにも今後は対応可能になるなど、金融機関の不良債権処理が一層促進されるというふうに考えております。
 第二番目に、サービサーが流動化、証券化されている金融債権についてすべて取り扱うことができるようになるわけでございますが、流動化、金融化による資金調達が一層促進されて、我が国における直接金融も含めた金融機能全体の強化を図ることが可能になるというふうに考えております。
 三番目でございますが、サービサーが法的倒産手続中の者が有する金銭債権のすべてを取り扱えるようになるわけですが、倒産処理が迅速に行われるようになりまして、債権者への資金の還流が促進されることはもとより、倒産による経済的ロスを最小限に抑えることで我が国の金融経済再生にも大きく寄与することができるというふうに考えております。
 さらに、法改正による雇用促進効果も見込まれると思われます。サービサー業という新規産業が創設されたことによりまして、業界全体で四千八百名余りの者が雇用されておるわけでございますが、法改正により、既存のサービサーについても業務範囲が拡大することになるわけでございますので、より多くの従業員を雇用することが必要になると考えられます。また、新たな許可会社も今後さらに増加することが予想されますので、雇用促進効果には相当のものがあるのではないかということを期待しておるわけでございます。
#16
○佐々木知子君 その質問の中に大分お答えはあったと思うんですけれども、我が国におけるサービサー業を今後どのように展望していくか、そのことにつきまして提出者に伺います。
#17
○衆議院議員(漆原良夫君) サービサーの許可会社は現在四十八社でございますが、法施行後二年余りが経過した今も順調にふえ続けているところでございます。その上、本法が成立し、今まで以上にビジネスチャンスが広がった場合には、ここ数年のうちに百社を超えることが見込まれておるところでございます。
 そして、取扱債権の拡大に伴いまして、金融機関の大口不良債権の回収を中心に行う従来型のものから、証券化、流動化関連業務を中心に行うもの、あるいは倒産処理関連業務を専門に行うものなどの今まで以上に専門分野が特化されたサービサーが増加することが予想されるとともに、サービサー間の競争が一層促進されるというふうに考えております。
#18
○佐々木知子君 さて、サービサーの取扱債権がこのように拡大してまいりますと、懸念されることは暴力団等のやみ勢力がこれまで以上に参入を企てようとすることではないかと思われるわけですけれども、これを防ぐための措置は別途必要ではないのでしょうか。提出者に伺います。
#19
○衆議院議員(漆原良夫君) その点は大変大きな問題であろうかと思っております。既に、現行サービサー法においても、暴力団等がサービサー業界に参入できないように法務大臣における営業許可、監督等の制度が設けられております。これまで法務省において、警察庁や日弁連、各単位弁護士会の協力を得ながら、適切に許可、監督業務を行ってまいりました結果、現在までのところサービサー業界からの暴力団排除は貫徹されているというふうに認識しております。
 確かに、一般論で言うと、サービサーの取扱債権が拡大すれば、暴力団等がこれまで以上にサービサー業界への参入を図ろうとすることが考えられます。仮に、サービサーの取扱債権の拡大を契機として新たに不法勢力がサービサー業界に参入を企てたとしても、これまでと同様サービサー業の許可、監督業務が適切に行われる限り、別途新たな措置を講じなくとも暴力団等を排除できることは十分可能だというふうに考えているところでございます。
#20
○佐々木知子君 続きまして、今回の改正法案の具体的な中身について、何点かお伺いしたいと思います。
 今回の改正案の中身を見ますと、流動化、証券化の促進の見地に立ってのことと思われますけれども、いわゆるSPCが流動化、証券化対象資産として有する金銭債権の取り扱いが幅広く認められております。SPCを使った流動化、証券化は企業の新たな資金調達の方法として今後ますます重要性を増すものと思われ、このように流動化、証券化を促進する手段としてサービサーの活用を考えるのは極めて意義のあることだと私も思います。
 しかしながら、問題がないわけでもないのではないか。それは、ケイマン諸島のようなタックスヘーブンに所在する外国会社であるSPCなどは、その背後にいる投資家の正体が明らかにならないので、反社会的行為に悪用されている疑いがございます。このようなSPCが有する金銭債権をもサービサーが取り扱うことは、反社会的行為を助長し、国益を害することにもなりかねないのではないかと危惧いたしますけれども、この点についてお伺いいたします。
#21
○衆議院議員(山本幸三君) 御指摘の点はよくわかりますが、実態といたしまして、既にケイマン諸島のようなタックスヘーブンに所在する外国会社であるSPC、特別目的会社を利用した債権の流動化、証券化というのが相当行われておりまして、私も個人的にも、ケイマン諸島の債権者が私の近所のゴルフ場の債権を買ったとか、そういう事例も日常的に耳にするわけでございます。
 そういう意味で、既に、ケイマンSPCと呼ばせていただきたいと思いますが、それも日本の経済実態の中で相当大きな役割を果たしてきているということは否めないと思いますので、しかもそれは企業等の資金調達手段として一定の役割を果たしていると。したがいまして、それも当然、サービサーに扱わせて、資産流動化、証券化を図る方が経済の実態に合うのではないかというように考えておるわけでございます。
 仮に、外国のSPC、ケイマンSPC等が脱税等の反社会的行為に悪用されているという場合には、当然、サービサーがそのことを知りつつ債権の管理回収を行っていたときには、監督官庁であります法務省において営業許可の取り消し等の処分を行うことになるわけでございますので、御指摘のような懸念はないようにしてもらえるというふうに思っております。むしろ、そういう、えたいの知れないと言っては語弊があるのかもしれませんが、そういうものについてちゃんと法務省が監督できる、サービサーがそれを見て法を遵守させて、回収行為をきちっと監督する、そちらの方が債務者にとってはより保護になるのではないかなというように考えたところでございます。
 そういう意味で、むしろ私どもは積極的にそれも取り込もうというように考えたわけでございます。そして、きちっと法務省の監督下でやっていこうというふうに考えたわけでございます。
 なお、マネーロンダリング等のことを考えますと、私どもちょっとその点は留意いたしまして、そのほかの場合には、第三者に譲渡した場合にも取り扱えるようになっているわけでありますが、このSPCについてだけは、そこから手を離れて第三者に行った場合にはそれはサービサーとしては取り扱えないというように分けて考えております。つまり、SPCについては流動化するというときにサービサーが扱えればいいわけで、それが転々流通してえたいの知れないものになってしまえば、これは問題なきにしもあらずということでありますので、その点は、SPCについてだけは第三者に譲渡した場合には扱えないというように整理しております。
#22
○佐々木知子君 倒産処理の促進も今回の改正の大きな柱でございまして、法的倒産手続中の者が有する金銭債権についてはすべてサービサーが取り扱えることになっております。ですが、実際は、倒産処理につきましては、法的倒産手続よりもむしろ私的整理の方が、柔軟性にも富み、迅速に処理が行われることもあって、よく利用されているやに承知しております。よって、法的倒産手続中の者のみならず、いわゆる私的整理が行われている者が有する金銭債権についても広くサービサーが扱えるようにすべきではないのでしょうか。この点について伺います。
#23
○衆議院議員(山本幸三君) 実は、改正案の議論の過程でそういう意見もございました。倒産処理の手法としては、法的倒産手続で、債権者、債務者間の手続によらずに、債権者、債務者間の交渉でそれを整理するいわゆる私的整理がよく利用されている実情にあることは承知しているわけでございます。
 ただ、私的整理の場合にはいろんなケースがございまして、現に破綻ないし破綻のおそれのある企業等が行うだけではなくて、健全企業が不採算部門の整理のために行うというような場合もございます。そういうときには、倒産処理の促進という理念からは若干外れるのではないかという感じがいたします。したがいまして、私的整理が行われている者が有する金銭債権をすべてサービサーの取扱債権とするということは現時点では時期尚早かなというように、議論した結果、結論を得るに至りました。
 ただ、法的倒産の範疇には入っておりませんが、実質破綻している典型というべき「手形交換所による取引停止処分を受けた者がその処分を受けた日に有していた金銭債権」を別途、特定金銭債権として規定するというようにもしておりまして、法的倒産ではないけれども、客観的な形として見てこれはもう倒産だ、倒産手続だというようなものについては拾うようにしております。また、特定調停についてもそうでございます。
 しかし、それ以外は余りにいろんなケースがあり過ぎるので、そこは客観的に倒産手続に入っているということがちゃんと見込まれるというものに今回は限定した次第でございます。
#24
○佐々木知子君 時間がございませんので、最後の質問でございます。
 本改正案では取扱債権についての政令委任条項が一部改正され、これまでの、「前各号に掲げる金銭債権に類するもの」以外に、「前各号に掲げる金銭債権に」「密接に関連するもの」も政令で取扱債権として規定できることになっておりますが、これは具体的にどのようなものでしょうか、お伺いします。
#25
○衆議院議員(山本幸三君) 二十二号に規定しているわけでありますが、これは、その前の各号に掲げている特定金銭債権に性質上同じようなものだというようには言えないが、しかしその発生原因等を見ておりますと、扱われる特定金銭債権と密接な関連を有しているというようなものでございます。
 例えば、金融機関の貸付債権の管理回収によって、それをやっておりますときに発生いたします競売の申し立て費用の立てかえ金債権や、あるいはクレジット債権の発生原因でありますクレジット基本契約に基づいて発生する会員利用の債権、あるいは信用保証協会の求償権の発生原因であります保証契約の前提となる保証委託契約に基づいて発生する保証利用債権等が挙げられるわけでございます。
 こういうものは、債権の管理回収の実務においては実は特定金銭債権と一体のものとして扱われているわけでありまして、性質的には同じではありませんけれども、密接に関連しているということで、サービサーに一括して扱わせた方が実務的にも望ましいということで、政令でそういうものを規定することを可能にしているわけでございます。
#26
○佐々木知子君 終わります。
#27
○小川敏夫君 民主党の小川敏夫です。
 法案の審議に先立ちまして、精神障害者と思われる人物の犯行によって多数の小学生児童が殺傷されるという事件が起きました。この件に関しまして、多少時間をいただいて質問いたしたいと思います。
 この件に関しまして小泉総理が、刑法改正の必要性を述べるような発言があったと報道されておりますが、この小泉総理の発言を具体的に説明していただきたいんですが。
#28
○国務大臣(森山眞弓君) 小泉総理が精神障害者による犯罪に関してテレビの番組などで発言されたということは、私もテレビを拝見しましたし、承知しておりますが、これは、この問題に関して、医療や司法の各分野にわたり、法的な問題点や今後の適切な措置について専門家の意見を聞きながら早急に検討するという御指示であると承知しております。
#29
○小川敏夫君 趣旨といいますか、言葉そのものでは刑法の改正という具体的な言葉も使っておったように思うんですが、その具体的な言葉はどうでしょうか。
#30
○国務大臣(森山眞弓君) NHKで報道された内容の言葉を少し見せていただいたんですが、確かに、例えば医療の点においても刑法の点においてもまだまだ今後対応しなければならない問題が出ているというようなお言葉もございました。しかし、これはいわゆる刑法というあの法律のことを具体的に指していらっしゃるのではなくて、医療の問題とまたそれに対する刑事的な措置の問題というふうな意味でおっしゃっているように私は理解しております。
#31
○小川敏夫君 触法精神障害者あるいは犯罪を犯す可能性があると思われる障害者の処遇の問題につきましては、もう以前から非常にさまざまな論点、意見が取り交わされておりますが、まだなかなか結論が出ていないという非常に重要な問題だと思います。ただいまの総理の発言をお伺いしまして、マスコミ等の報道によりますと、小泉総理が直ちに刑法改正と、何か、昔あらわれては消えた保安処分の再現かのような、そんなような印象の報道もあったものですから確認させていただきましたけれども、じゃ今の内容ということで理解いたします。
 それで、しかし実際に今回こういう事件が起きました。それを踏まえてこうした触法精神障害者の処遇の問題、これについて法務省として、あるいは内閣でも結構ですが、どのような取り組みをしているのか、大臣に現状と将来の方向性の説明をお願いいたします。
#32
○国務大臣(森山眞弓君) この問題に関しましては、精神障害に起因する犯罪の被害者を可能な限り減らさなければならない、また、重大な犯罪を犯した精神障害者が精神障害に起因するこのような不幸な事態を繰り返さないようにするための対策を検討するということが必要であると思います。
 現在、厚生労働省とともに触法精神障害者の処遇のあり方をめぐりまして、両省の担当者がさまざまな角度から調査検討するための場を設けておりまして、その場を活用いたしまして検討を進めていきたい、今後とも厚生労働省と協議しつつ調査検討を推進してまいりたいというふうに考えております。
#33
○小川敏夫君 また、報道では、小泉総理が法務省あるいは法務省などに何らかの検討を指示したというようなものもあったんですが、この問題に関して総理から法務省の方に何らかの指示はあったのでございましょうか。
#34
○国務大臣(森山眞弓君) 総理の御発言は先ほど申し上げたような内容でございまして、それを受けまして関係省庁の担当者がとりあえず情報の交換をし、現状の問題点などをお互いに出し合いまして相談をしていこうということで、昨日、官房副長官を中心に打ち合わせがあったと聞いております。
#35
○小川敏夫君 ありがとうございます。
 では、法案の方に質問を移らせていただきます。
 具体的な状況に入っておきますけれども、利息制限法超過債権の取り扱いなんですが、たしかこのサービサー法案が成立した三年前の議論では、この利息制限法超過債権については、そもそも法律的に問題を抱えている債権にこのような取り扱いをすべきではないというような意見があって外したような私の記憶があるんですが、今回、利息制限法超過債権についても、超過部分については請求できないけれどもという限定つきですが、これが入っておるんですが、この必要性等については提案者はどのように考えておられるのでしょうか。
#36
○衆議院議員(漆原良夫君) もともと私法上は、利息制限法に引き直して請求できる性質のものだということがまず大前提になります。
 最初の段階では、日本で初めてサービサー法というようなものをつくったわけでございますから、暴力団等が入ってくるのじゃないかという大変心配もありまして、なるべく厳格に、あるいは抑え目に法律をつくろうじゃないかということで、今、委員がおっしゃったような場合は、サービサー業者の取扱規定から外したという経緯がございますが、ただ、二年数カ月、先ほど申しましたように実施されたわけでございますが、その実績を見ても暴力団等が入ってきて、何といいますか、暴力団等の介入があるという事実がないということで、相当法務省の監督もしっかりしているという、こういう実績を踏まえて、今回原則に戻して、私法上許されるものは私法上許されるものとして取り扱いの対象とするというふうに考えた次第でございます。
#37
○小川敏夫君 それで、制限超過利息は請求できないということですけれども、この利息制限法の超過部分につきましては、判例法によって超過利息は元本に充当できるという点が確立しております。そうすると、このサービサーが受けた後請求できるというのは、この元本充当を行った残存元本についてだけできるんでしょうか。あるいは、その元本充当は全然しないまま、サービサーが受け取った以後、その一五%なら一五%の利息の範囲で請求できるということなんでしょうか。この元本の充当の取り扱いについてはどう考えておられるんでしょうか。
#38
○衆議院議員(漆原良夫君) 貸金業者の貸付契約に係る債権の譲渡を受けた場合には、譲り受け人は、貸金業法二十四条の第二項によりまして、十七条の二項による十七条の準用によりまして債務者への書面の交付義務が課せられておるところでございます。サービサーが貸付業者から貸付債権を譲り受ける場合にも当然この義務を果たすことが課せられておるところでございますから、当該貸付債権の譲渡人から当該貸付債権の発生、消滅の経緯やあるいは弁済履歴等の情報を承継し、これら承継した情報に基づいて元利金の残高を計算することになろうというふうに思っております。
#39
○小川敏夫君 ただいまの御説明ですと、要するにサービサーに移ってからも債務者は元本充当を主張できるということだと思うんですが、私の質問は、じゃ具体的に言いますと、例えば元本が一千万円ある、サービサーに移った時点で元本充当を計算すれば五百万円ぐらいしか実際には元本がない、しかし元本に充当しなければ一千万円の元本と三〇%ぐらいの金利があるというようなケースにおいて、このサービサーに移った後は元本は元本一千万円で、ただ、金利が制限利息の一五%までしか請求できないということだけなのか、そうではなくて、サービサーに移った時点でもう判例法上確立している元本充当も当然織り込んで、その段階では五百万円の、元本充当した残りの五百万円の元本と残存元本に対する法定利息金しか請求できないという意味なのか、この点をちょっと確認したかったんですが。
#40
○政府参考人(房村精一君) ただいまの点は、提案者からも御説明ありましたように、過去の弁済履歴に基づきまして元本充当をした上で引き直して計算をする、請求するということになりますので、ただいまの例で申し上げますと、仮に元本充当をして残っているのは五百万であるとすれば、サービサーが請求できるのは五百万の限度ということになります。
#41
○小川敏夫君 その御説明を聞いて私も大変納得したんですが、それは債務者が元本充当を主張しなくても、サービサーの方は自主的に元本充当をした上でしか請求できない、こういうことですね。
#42
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、貸金業法の適用によりまして書面の交付が義務づけられておりまして、その中には当然、残存元本額等も書面に記載することになっておりますので、弁済履歴を確認した上でその計算をして、残存しているものについて請求をするということになります。
#43
○小川敏夫君 わかりました。
 ほっとしましたけれども、これに違反した場合は何か罰則規定はありましたでしょうか。この利息制限法の超過利息を請求してはいけないという点ですが。
#44
○政府参考人(房村精一君) これは、当然引き直して請求をするということになっておりますので、これに違反すれば行政処分、最悪の一番重いものとしては免許の取り消しということもございます。
#45
○小川敏夫君 ありがとうございます。
 利息制限法超過といいますと、今のいわゆるサラ金ですか、大体、利息制限法には超過しておるわけです。それを仮にサービサーが引き継ぎますと、人が違うんだから同じ取り立てをするとは思われないんですけれども、貸金業法関係では、やはり取り立てに関するトラブル等も相当多いと思うんですが、警察庁の方にお尋ねしますけれども、実際、この貸金業法違反事件、これについての実態、検挙歴とか、あるいは検挙には至らないけれども相談の受付状況とか、そうした貸金業法違反事件、特に取り立てに関する二十一条一項違反について状況を説明していただきますようお願いします。
#46
○政府参考人(黒澤正和君) 貸金業者の債権取り立てに関しまして、貸金業の規制等に関する法律に規定されております取り立て行為違反の検挙でございますけれども、平成十二年中につきましては十七事件、人員にして二十八人を検挙いたしております。これは平成十一年に比べますと十三事件、二十四人、大幅に増加をいたしておりますが、これは商工ローン問題等がございましたが、あるいは日賦貸金業者による取り立ての問題等もございまして十二年中は大変多くなっている、検挙が増加したものと考えておるところでございます。
 検挙状況は以上でございます。
 なお、相談等もございますが、私ども受けている正確な相談の件数等は現在持ち合わせておりませんが、いろいろこの種の警察安全相談も受けておるところでございます。
#47
○小川敏夫君 この貸金業法の取り立て規制ですか、これはちょうどサービサー法案でも同じ規制の仕方、ただちょっと法定刑が違うだけで同じ内容の取り立て規制がなされているんですが、非常に構成要件が漠然としているというか抽象的な部分があると思うんですが、警察庁としてはどうでしょう、この取り立て規制の構成要件が抽象的であるということでなかなか規制しにくい部分があるのか、逆に投網を打つように広いからやりやすいのか、そこら辺のところ、実際の現場としてはいかがでしょうか。
#48
○政府参考人(黒澤正和君) 取り立てに限らず、お金を貸した借りたの問題につきましてはいろいろ相談等がございますが、この取り立てにつきましても、先ほど申し上げましたように、相談はございますけれども、刑罰法令の適用について一線の方からこういうことで大変困っておるという話は聞いておりません。
 なお、ちなみに先般、一昨年、商工ローンが大変問題になりました時期に、譲り渡した債権、譲り受けた債権について、もともと譲り渡した方の社員が取り立てをしておることについて技術上いろいろ検討したという、そういったことがございましたが、その辺も既に手当てがなされておるところでございまして、現時点において一線の方から大変困っておるというような報告は受けておりません。
#49
○小川敏夫君 このサービサー法が施行された後の業者の実態等は先ほど佐々木委員の方から質問がありました。重複ですので、その次に行きたいと思います。
 法務省と警察庁の方にお尋ねしますが、このサービサー法の施行後、取り立て規制違反事件であるとか、あるいはその他のいわゆる刑事事件となったり、あるいはなるような、そうしたトラブルというものは把握をされておるでしょうか。
#50
○政府参考人(房村精一君) サービサーに関する苦情等は法務省の方で受け付けておりまして、電話あるいは手紙というようなことで法務省の方にサービサーについての意見あるいは苦情が相当数寄せられております。現在まで私どもで受け付けたものが五十六件ございます。ただ、その主な内容は、要するに債権者でない者から請求されたという、そのサービサー制度を知らないがゆえに一体どうなっているんだという、そういうことで来たものが大半でございます。
 ただ、苦情の内容で、行為規制に違反したことが場合によるとあり得るというようなものについては積極的に調査をするということにいたしております。その場合には、苦情を寄せた人のところへ直接係官が赴きまして、その話を聞く。そして、指摘を受けたサービサーについても事情の説明を求める。必要があれば、サービサーには債務者との交渉経過を記録する文書を保存するように規則で定めておりますので、その記録を提出してもらって、どういうやりとりがなされていたのかを調査する、そういうようなことをしておりまして、実際に債務者及びサービサーからヒアリングを実施した件数としては十一件ございます。現在までのところ、行き違い等で苦情に至ったということで、サービサーが行為規制に違反したというぐあいに私どもで認定できるような事案は幸い今まで発生しておりません。
 今後も、苦情が来た場合には迅速に調査をいたしまして、そのような行為規制が疑われる場合には積極的な調査をして厳格に対応してまいりたいというぐあいに考えております。
#51
○政府参考人(黒澤正和君) 警察の方でございますが、サービサーが行った債権回収に関しまして、検挙したとの報告は受けておりません。
#52
○小川敏夫君 サービサー法が施行されて、比較的トラブルは少ないようですけれども、考えてみますと、これまで取扱債権が金融機関の債権と相当限定されておりました。そうしますと、サービサーの方も当然、金融機関から信頼を得られるサービサーでなければ、債権の取り立てとかあるいは譲渡を受けられないということで、サービサーの質も相当よかったのではないかと思いますが、今回の改正によって取扱債権が相当に広範囲になるということになりますと、これまでよりも、また違った、さまざまな出資によってサービサー会社が設立されるということが出てくると思います。そうしますと、これまでとは違って、このサービサーに関するトラブルも相当ふえるのではないかというような気がします。そこら辺のところ、法務省や警察庁には適切に対処していただきたいというふうに希望を、希望といいますか、意見を述べさせていただきます。答弁は要りません。
 提案者の方にお尋ねしますが、先ほど佐々木委員の方から任意整理というお話が出たんですけれども、私も今まで、実際の一つの企業の倒産の場合、任意整理というものも相当多く社会の中に機能していると思います。特に私が思うのは、清算型の任意整理ではなくて再建型の任意整理というものもあるように思います。
 そうしますと、債務者は債権者から債権カットとか、あるいは分割の期限の猶予等を受けて企業の再建を目指すということになると思うんですが、サービサーはやはりサービサーとしてサービサー同士の競争があるという以上、債権回収の実績をより上げることがいわばサービサー同士の競争に勝つことだと思うんですね。そうしますと、債権者本人が直接債権の回収に当たるよりも、サービサーの方に行きますと、和解とか債権の一部放棄とか、そういったことになかなか債務者の側から見て応じてくれないというようなことになるんじゃないかと私はちょっと感じたんですが、そこら辺の問題意識はいかがでしょうか。
#53
○衆議院議員(山本幸三君) 御指摘の点はよくわかります。
 ただ、二つの意見があると思いますが、回収委託を受けてやる場合は債権放棄するかどうか、あるいは和解に応じるかどうかというのは債権者が決めないと、これはサービサーとしては選択権がないわけでありますので、一概にどういう傾向かというのは言えないと思いますけれども、ただ、一般的にはサービサーというのは債権回収のノウハウ等を蓄積して債務者と粘り強くやるということで、私は必ずしもサービサーの方が厳しく取り立てに執着するということはないだろうというように思っております。
 他方、私は、不良債権処理という話になってきた場合には、むしろ銀行等の債権者は、回収委託というのじゃなくて、バルクセール等で売却することの方が債権者にとってもその時点で不良債権処理ができてしまいますのでメリットがあるんだろうと思います。そういう意味で、不良債権処理ではサービサーに売却してしまうと。そうなりますと、今度は、債権放棄に応じるか和解に応じるかというのはサービサーが決めることができるわけでありまして、この点はむしろ、私は、サービサーの方がフレキシブルに対応し得るというように感じております。
 実は、私も個人的にいろんなケースを聞いているんですけれども、つい最近あったケースでは、これは特定状況を予定していろいろやったんだけれども、なかなかある一部の銀行だけが応じないと。そこで、ほかの銀行は応じて、税務署も大体いいんじゃないかというふうになったんだけれども、デッドロックに乗り上げて困っていた案件がありましたが、一年ぐらいしたらその粘っていた銀行はバルクセールをあるサービサーにしてしまいまして、恐らくただみたいな値段でやったんだろうと思いますけれども、その結果、十数億の債権がこのサービサーとの間で話し合いをすれば数十万円で話がついたというようなことがございまして、私は、その点はむしろ民間サービサーの方がいろんな手数、回収におけるコストの関係とかいうようなことを考えて、あるいは債務者の実態等をよく調べていけばむしろフレキシブルに応じ得るというように感じている次第でございます。
#54
○小川敏夫君 今のこの経済社会でさまざまな対応があると思います。経済の活力を活性化するためには、やはり企業が苦しいときに任意整理であっても再建型の任意整理、それで再び企業に活力を持ってもらいたいというのも一つの経済活性化になるんじゃないかと思いますが、そういった方面でサービサーが妨げにならないようにということを私は意見を述べさせていただきまして、次の質問に移ります。
 サービサーの報酬の実情なんですが、これはさまざまな形態があるから規制するのは難しいのかもしれませんが、実際この法案ではサービサーの報酬等について全く規制がないわけですが、これについて説明をしていただけますでしょうか。
#55
○衆議院議員(山本幸三君) 御指摘のとおり、報酬や手数料については特段規定を置いておりませんで、市場原理のもとでサービサーと債権者の自由な契約によって取り決められると。これはいろんなケースがございますものですから、むしろそういう市場原理に任せた方がいいだろうという判断をしたわけでございます。
 と申しますのも、債権者とサービサーとの関係というのはいわばプロとプロとの関係でございますので、そこはプロ同士でお互いの事情を勘案してやり合うんであろう、そのことによって適切な報酬等が決まってくるんだろうというように思うからでございます。むしろ、これは今日の規制緩和等の流れにも沿っているものであると思いますし、そのほか証券とか銀行の金利、手数料等も自由化しているわけでありますので、そういう市場原理によって適正なものが形成される、あえて法律で規制する必要がないと考えた次第でございます。
#56
○小川敏夫君 引き続いて提案者にお尋ねしますが、今回、サービサーが取り扱える債権の範囲というものが大幅にふえたわけですが、しかしすべて一律に解決されたわけではないわけです。
 それで、まず基本的にお尋ねしたいんですが、どのようなものが取り扱えない債権であり、どのようなものが今回取り扱えるということで広げられたのか、その基本的な考え方を説明していただきたいんですが。
#57
○衆議院議員(山本幸三君) 基本的な考え方は、私は個人的には全部扱えるようにしたらいいという議論をしていたんですが、今回はそうなりませんでした。
 そのときの整理する基本的な考え方は、いわゆる与信機能というものに注目して、与信の金融的な部分に着目して、そういうものはぜひすべて扱えるようにしようと。それから、新しく債権の流動化、証券化というものが非常に重要になってきておりますし、これも不良債権処理にも資する、金融再生にも資するということから、その部分もできるだけ拾おうと。それから、倒産処理、これも今日の非常に大きな課題でありまして、倒産処理に時間がかかって、その結果、債権者にも債務者にもむしろ不都合だというようなことがありますので、そこにサービサーを介在させることによって早く回収が進んで、債権者にも配当が早くできると。そして、債務者にも、その処理を早く終えることによって再生も次のことを考えられるというようなことで考えてきたのが取り込むための基本的な考え方でございます。
 そういたしますと、じゃ何が抜けるかということでありますが、そういう与信的、金融的な機能を果たしていないような個別の事業者の売り掛け債権、あるいはゼネコン等の請負代金債権、そういうものが除かれると。いわゆる一般的な事業者のやっているものについては、与信的、金融的な機能ということからは外れるんじゃないかということで、その部分が除かれていると。ただし、先ほど申し上げましたように、債権の流動化、証券化に資するような場合に入ってくるものや、あるいは倒産に入ってくるものについては、そういうものについても扱えるようになりますけれども、それ以外の一般の通常の状況における事業者の売り掛け代金やゼネコン等の請負代金債権が除かれるという形になっております。
#58
○小川敏夫君 個別な条項の点に入っていくんですが、第二条で広げられる債権の定義が非常に技術的でわかりにくいんですけれども、第二条の六ですか、要するにクレジット会社の立てかえ金のことを想定しているんじゃないかと思うんですが、ただこの規定の仕方を見ますと、「販売業者等が行う」と。ですから、例えばデパートの販売だと、それの購入を条件としてお金をかわりに払ってあげると、その商品を買った人間からその立てかえ金を返してもらうべき債権というふうになっておるわけです。
 ですから、いわゆるクレジットの個品契約ですか、これに当たるというか、それを想定していることだと思うんですが、例えば、特に債権者について限定がないものですから、私が友達を連れていって、友達が洋服を買う際にお金がないから僕がかわりに払ってあげるよと。そのかわり友達は私に立てかえ金返しなさいということで、私が友達に債権を持つわけです。それも純個人的な債権だけれどもこの六号では当たるように思うんですが、いかがでしょうか。
#59
○衆議院議員(山本幸三君) 六号で「販売業者等」と書いてあるわけでありますけれども、この「販売業者等」というのは前の五号を受けているわけでありまして、五号に言います「特定の販売業者又は役務の提供の事業を営む者」ということでございまして、これはいわゆるクレジット契約における加盟店だけを指していることは明らかだと思います。また、六号債権は加盟店の商品販売代金等についてクレジット会社が立てかえ払いをいたしました上、当該商品の購入者から当該販売代金相当額を回収する契約、すなわちクレジット契約が前提となっていることがその規定ぶり、つまり販売業者等が行う購入者云々への商品の販売を条件として、その代金云々の全部または一部に相当する金額等を販売業者等に交付し、当該購入者等から当該金額を受領することを約する契約に基づいてと、この契約に基づいて、ということからも明らかであると思っております。
 したがいまして、議員御指摘のようなそういう限定のつかないようなものは、ここでは当然含まれないというように解釈できると考えております。
#60
○小川敏夫君 どうも、五号の販売業者等をいうと言うけれども、「特定の販売業者又は役務の提供の事業を営む者」というのがクレジットの加盟店契約をしているという趣旨でしょうか。ちょっとそんなふうには私、読めないんですけれどもね。そういう趣旨だということですか。──私はそう読みにくいんだけれども、そう読むんだということなら、そういうことで聞いておきますけれども。
 それから、この十二号のハ「資金の借入れ その債務の履行」というのがあります。ですから、借入金である資産を買って、その資産を処分して、それを売却して、その売却した資金で借入金を返すというような場合が該当すると思いますが、そうしますと、例えば通常のファクタリング会社のように金銭債権を借入金で買ってきて、その購入した金銭債権を回収するなり売却して得たお金で借入金を返せば、その規定に当たるようにも思うんですが、これはどうなんでしょう。
 まず、そもそもこの第十二号はどういう今の実際のこの経済社会における取引形態を想定して規定しておられるんでしょうか。
#61
○衆議院議員(山本幸三君) 十二号に掲げておりまして、最初にその限定をしているわけでありますが、「株式会社若しくは有限会社又は外国会社」ということですが、それは借り入れ等による資金調達、当該調達資金による資産の取得、当該資産の管理、処分により得られる金銭による当該借入金の返済を、次のところがポイントですが、一連の行為として、専ら業として行うことで限定しているわけです。すなわち、そういう債権の流動化業務だけを行う会社、つまりSPCだけをやる会社ということで限定しているわけでございます。
 したがって、通常の業務が専らそれじゃないものであればこれは該当しないことになるわけでありまして、御指摘のような、業者が流動化業務だけを専らにやっているんじゃない場合には、この十二号に掲げる株式会社等には該当しないと考えております。
 しかし、御指摘の、会社が借り入れによって資金調達をして、その資金調達によって競売不動産を取得して、そしてその競売不動産の転売によって得られる金銭によって借入金の返済を一連の行為として専ら業としてやる、つまり専業としてそういうものだけをやるというのであれば、まさに流動化業務だけを行う会社に該当するわけでありますから、これが正当な経済活動である限りは何ら問題はないということになります。したがいまして、専ら専業として流動化業務だけをやっているのか、そうじゃない事業者なのかということの判断が決め手になるということでございます。
 仮に、当該会社が反社会的に悪用されている場合には、サービサーがそのことを知って、その債権の管理回収を行ったとすれば、これは監督官庁である法務省において営業許可の取り消し等の処分を行うわけでございますので、その点も十分に監督できるものと考えております。
#62
○小川敏夫君 委員のお考えのように、すべての債権が本来は入るべきものだというお考えですと、どんなに広くたっていいようにも思うんですけれども、先ほどの改正案の趣旨として、認めるものと認めないものの区別の基準を設けたという趣旨からすると、この十二号の規定は、本来認めるべきじゃない部分も含まれてしまうような規定の仕方じゃないかとちょっと私は思いましたので、指摘しました。
 あと、二十二号ですか、「密接に関連するものとして政令で定めるもの」というふうにございます。この点、先ほど佐々木委員からも質問がありましたが、衆議院の質疑を見てみますと、日本育英会の貸付資金がこの「政令で定めるもの」の中に含まれる予定だというふうにも聞いておりますが、まず、それはそういうような考えなんでしょうか。
#63
○衆議院議員(山本幸三君) 私どもも政令で日本育英会を入れようとも思っておりますが、これは先ほど申し上げましたように、与信機能を果たしているものについては、それに着目してできるだけ広く拾っていこうというように考えておるわけでありまして、育英会だけじゃなくて、今、各省にそういうものがあれば挙げてほしいということで依頼しておりますが、そのほかでも与信機能を果たして、そういうものが滞った場合等に問題になるというような場合には対象にしたいなというように考えているわけであります。
 御指摘のように、衆議院では育英会の話が出まして、実は私はある本を紹介して、その話をしたんですけれども、アメリカ人がそういうサービサー業みたいなものを日本で始めているんだと。これは組合方式でやっているんですけれども、その人があるとき新聞を読んでいたら、日本育英会の返済が滞っているのが多額にあるという新聞記事を見て、その当時は五百億ぐらいだったが、今はもう千百億ぐらいになっておるようですが、それで彼が日本育英会に電話したら、育英会の担当者は、いや、そんなものは要りませんと言ったと。それで、彼はびっくり仰天して、日本という国はどういう国だろうかと。欧米の育英資金というのは、全部サービサーにそういう滞りが起こったときには任せていると。
 そして、当然、借りて勉強したものは返してもらうということが筋だと。ノルウェーに至っては、返していないと、外国旅行しようと思ったらそこでとめられちゃう。外国旅行なんかとても許してくれないらしいですけれども、そういうことが書いてありますけれども、そんな話をちょっと紹介したりもいたしました。
 これは、ただ、そういう取り扱えるようにはするということをしますけれども、実際に育英会が必要、本当にやってもらいたいと言うかどうかは最終的には育英会の判断でありますが、私どもとしては文部科学省と一応打診したところ、入れておいてもらって結構だという話だったものですから、入れようというようには思っておるわけでございます。
 いずれにしても、そういう与信的な機能を果たしているものをどこまで拾い込むかというのはこれからの課題でもありますが、私どもとしては、社会的にそういう機能を果たしていて、そしてそれが滞って問題となれば、できるだけ対象にした方がいいんじゃないかなというふうに考えているわけであります。
 ただ、実際に生活が困っているという話になればそれはまた別の話でありまして、当然そういう考慮はあると思いますけれども、育英会もそういうものの一つだと考えています。
#64
○小川敏夫君 育英会の奨学金を返さないということがそもそも問題であって、そのこと自体、私はサービサーに移転することがけしからぬとまでは思っていないんですけれども、この法律の規定の仕方が育英会の債権も含むといっても、考えてみますと、育英会という特殊法人が一私人に貸した単なる消費貸借の債権ですよね。そうしますと、規定の仕方で、「前各号に掲げる金銭債権に類し又は密接に関連する」というのに入るのかどうか。少なくとも、では日本育英会の貸付金が前各号のどこに類するか、関連するのか、その法律の規定の仕方を御説明していただきたい。
 これで質問を終わりますけれども、それを含むのであれば、むしろ正面から一つの条項を設けて、日本育英会の債権を正面から記載したらよかったんじゃないかというその一つの法の規定の仕方について意見を申し上げておるわけですが、答弁をお願いします。
#65
○政府参考人(房村精一君) 解釈の関係になりますが、ただいま御指摘の日本育英会の有する学資貸与金債権、貸付債権ということで、その政令に規定する場合には一号債権に類するものという考え方で規定をするということになろうかと思います。
#66
○橋本敦君 続いて、私から質問をさせていただきます。
 最初に、提案者の方にお伺いしたいんですが、このサービサー法案が最初に出されまして、サービサーが取り扱う特定債権の範囲についてこれを絞るという方向で修正がなされましたね。特定債権の範囲を絞るというのは、どういう趣旨でそのときに修正がなされ、これが合意されたんですか。
#67
○衆議院議員(山本幸三君) 現行のサービサー法が提案されましたときは、私どもの当初案ではできる限り広く対象としようということで出したわけでありますが、あの金融国会のときに野党側の修正案が出まして、制限されるという形になってきたわけでございます。その中の代表的なものというのは貸金業者の有する貸付債権の部分です。あるいは特定目的会社の有する貸付債権の部分等でありましたが、その貸金業者の有する貸付債権について私どもは一般的に扱えるようにしよう、しかしそこは資本金で区別しようかという考えだったんですけれども、むしろ野党側の方は、一つは利息制限法を超えているものを扱うのは問題だ、あるいは弁護士法の特例として一挙に進めていくのは問題があると。やっぱり限定的にすべきで、そこは当時、銀行の不良債権というものが最大の問題なんだから、そこに非常に密接に関連する部分だけにすべきだというようなことで、その結果、金融機関と関係のある貸金業者だけを対象にすると。しかも、不動産担保つき事業者向けだけに限定しようというように、当時として緊急性の高いものだけにしようという野党の考え方を取り入れて修正されたものでございます。
 また、SPC、特定目的会社については、私どもは最初から挙げていたわけでありますが、しかしこれについても、まだこのSPC制度を利用した債権の流動化というのは十分実績を上げていないじゃないか、やっぱりそれは少し見るべきじゃないかという慎重な考え方から、検討課題としてそのときは外れたというようなことでございます。
 そのほか、当初はほとんど政令で書こうというようにしておったのでありますが、政府関係金融機関等の部分について、代表的なものはできるだけ法律に挙げようというようなことで改正が行われたものと承知しております。
#68
○橋本敦君 そもそも、貸し付けた債権者の方がその債権を回収するというのは、本来、貸し付けた側の貸し手責任、それ自体の中の重要な一環ですよね。したがって、債権取り立てを業とするサービサー業ができるというのはやっぱり社会的な経済体制のゆがみの一つのあらわれですよ。だから、本来、原則的に正しい取引慣行が守られて、経済が円滑に発展している中では不良債権の取り立てを特に業とする会社をつくる必要なんというのは社会的に存在しない。
 しかも、こういうサービサー業をつくるとなれば、当然一つの問題としては、貸し手責任があいまいにされるというモラルハザードの問題も出てくるだろうし、それがさらには取引との間で具体的な取引関係の実情に照らしてのいろんな抗弁なり主張なり、それから今後の取引の進展等についての意見がありますから、サービサーに債権を譲渡してしまえば一切そういうことが遮断されてしまうということで、取引の不利益を与えかねないという問題も出てくる。
 それからさらには、もう一つの問題としては、債権の譲渡ということを通じて、あるいは委託ということを通じて、先ほどもお話がありましたが、本来の弁護士法七十二条に基づく弁護士の業務との関係で余り野放しにすることは正しくないという、こういう理念もある。そういうところから、今言ったような制約ということを目的に修正もなされたというふうに思うんです。今度、それが全部と言ってもいいぐらい全部取られて、特定債権が大幅に範囲が広がったというところが今度の法案の最大の目的であり、また我々からすれば問題なんです。
 こういうことになった経過についてですが、金融国会で、九八年当時、一体不良債権はどれぐらいあったと見られ、現時点で不良債権はどれぐらいあると提案者は見ておられましたか。
#69
○政府参考人(房村精一君) 不良債権という定義がいろいろございます。ちなみに、分類別の債権額でいろいろありますが、例えば全国銀行ベースでリスク管理債権を見ますと、約三十二兆円。これは平成十二年九月期ということになります。あるいは再生法開示債権という形で見ますと、三十三兆円。それから、各銀行が……
#70
○橋本敦君 成立した時点と現在と比べてどうなんですか。サービサー法が成立した時点と現時点との。
#71
○政府参考人(房村精一君) サービサー法が成立した時点での不良債権の額でございますか。ちょっと手元にないので、まことに申しわけございません。
 ただいま申し上げたのは十二年九月期の不良債権の額でございます。
#72
○橋本敦君 それはやっぱり実態調査を含めて答弁資料として、私は検討する部分についてきちっとそこまで調べていらっしゃらないというのは問題ですよ。
 私が言うのは、金融国会当時、債権処理ということでサービサー法ができたんだけれども、そのときから現在までに一体どれくらい不良債権が大きく広がっているかということも、この改正が合理的理由を持つかどうかの立法事情の判断の一つになるから聞いたんですよ。それがわからないならわからないでいいですよ。
 次の問題に移りますけれども、まず第一に、今度の場合は一体どこの要求からこういうような特定債権を大幅に広げるという問題が出てきたのか。直接のこの改正のきっかけはこれは政府の緊急経済対策ですか。
#73
○衆議院議員(山本幸三君) 御指摘のとおり、政府の緊急経済対策におきまして不良債権処理がなかなか進まないと。正確な数字はわかりませんが、私の理解しているところでは、まさに金融国会のときと不良債権の額というのは余り減っていないんですね。したがって、不良債権処理がやっぱり進んでいないということが大きな問題で、これを急がなければ日本経済の再生はないということで緊急経済対策に取り組みまして、サービサーの取扱債権の範囲の見直しというのが取り上げられたわけでございます。
 それからまた、同時に、ではなぜ進まないのかという話で、私ども実態を聞いておりますと、サービサー協会、サービサーができて実際に業務をやっておるわけでありますが、その方々の話を聞きますと、結局、処理をしたいんだけれども、例えば銀行とノンバンクが処理をするときにバルクセールをやると。そうすると、ノンバンクについて、あるものはいいけれどもあるものはだめだというようにされちゃうと事実上できないというようなことで、せっかくできる可能性があるのに進まない一因になっているというようなことから、これはやはり全体としての不良債権処理を進めるという意味でも、サービサーの取り扱える債権をわかりやすく、そして広げて、そうしたバルクセール等が可能になるようにすることが大事だというように判断して、改正に至った次第でございます。
#74
○橋本敦君 今おっしゃるように、サービサーの関係での要望を見てみますと、サービサーの方は、二〇〇〇年十月二十日付のニッキンという機関紙の資料でもあるんですが、その業界の意見として、全国サービサー協会は法改正要望としてノンバンク債権を銀行系だけから貸金業登録などすべてのノンバンクに拡大する、これを一つ言っています。それから、今おっしゃったSPCの関係、これの金銭債権の一般への拡大。それからもう一つは、破産、会社更生、特別清算、民事再生など倒産企業の金銭債権、これに広げるということを言っています。だから、こういう点から見ると、まさに全国サービサー協会の業界としての要望に完全に即応するような法改正内容になっているのが今回の改正案だということがよくわかるわけですね。
 そこで、次の問題ですけれども、そこで言う特定債権ということで、どんどん回収をしていくということで円滑化すると言うんだけれども、法務省からいただいた資料を見ますと、これまで扱った取扱債権額は約十九兆円、そして実際に回収された金額が八千百億円とありますが、この数字は間違いありませんか。
#75
○政府参考人(房村精一君) 昨年暮れに調べた時点での数字でございますが、そのとおりでございます。
#76
○橋本敦君 十九兆円も取扱債権で、そしてサービサー業が債権回収に当たっている、そしてその十九分の一の一兆円にも届かない、そういう回収しかできていないんですよ。こういう実態があるのに、特定債権の範囲を広げてノンバンク、貸金業者の債権も全部回収してやるよ、SPCも入れるよというように範囲を広げて回収の実績が上がるとは、こういう実態から見てそう簡単に理解できません。
 法務省、どう思っていますか、この実態調査から見て。簡単に回収できるのならもとの債権者がやりますよ。
#77
○政府参考人(房村精一君) 基本的に、取扱債権十九兆円で現在までの債権額が八千百億円という、これは債権を許可会社が取り扱うようになって、回収までの期間がある程度かかりますので、これは現時点の十九兆円の債権そのものについて、最終的に八千百億円ということではなくて、なお今後回収額が増加することは当然あり得るだろうと思っております。ちなみに申し上げますと、平成十二年六月末の段階では、取扱債権額が十三・六兆円で回収額が三千四百八十億円でございましたので、その後、取扱債権額も相当ふえておりますが、回収額も確実にふえております。
 それから、サービサーが取り扱っている債権は基本的にやはり不良債権、回収の見込みが薄い債権をバルク等で大量に入手いたしまして、そのうち回収可能なものをでき得る限り回収する、こういうことが業態でございますので、一般の債権に比較すれば回収額が取扱債権額に比べて低いということは、ある意味では当然の事態ではないかというぐあいに考えております。
#78
○橋本敦君 わかりますよ。だから、そういう意味では不良債権の回収は非常に困難だという、そういうことからも来ていることはわかるが、それにしてもかなり低いじゃないかという実態を踏まえて考えないと、特定債権の枠を広げただけで緊急経済対策が言う債権回収等の円滑化というのはそう進まないんだということを私は言っているんですよ。
 それでは、今おっしゃった不良債権というのはどういうものなのか、統一的基準はどこかにあるんですか。
#79
○政府参考人(房村精一君) 不良債権という統一的な定義はございませんで、通常、銀行法等に基づきますリスク管理債権、この分類、それから金融再生法に基づく再生法開示債権、それから各金融機関の自己査定によるという、この三つのものがいわゆる不良債権ということで考えられております。
 例えば、リスク管理債権でございますと、破綻先債権、延滞債権、三カ月以上延滞債権、貸し出し条件緩和債権というような区分をしておりますし、再生法開示債権では破産更生債権及びこれらに準ずる債権、危険債権、要管理債権、正常債権、このような区分をしておりまして、それぞれの法律あるいは行政目的ということに即した分類がされているように承知しております。
#80
○橋本敦君 正常債権はこのサービサー法でサービサーに譲渡されるという、そういうことはないんですか、あるんですか。
#81
○衆議院議員(山本幸三君) 正常債権でありましても、特定金銭債権であればサービサーが扱うことは可能でございます。これは弁護士法の特例ということでございますもので、これが直接、正常債権かあるいは不良債権かという区別としてはないわけであります。
 ただ、もともとこの法案の成立経緯から考えれば、不良債権処理ということが目的でありますし、正常債権である場合に金融機関がそれまでサービサーにやらせるかということもなかなかないんじゃないかとも思いますので、実態的には不良債権の方がほとんどではないかと思います。
#82
○橋本敦君 ですから、債権を譲渡する場合に、債権者とそれから譲渡を受けるサービサーとの間でその債権をいろいろなことで選択するでしょう。その場合に、不良債権だけだと法律は特定していないわけですから、おっしゃるように正常債権も対象の範囲に入ることも出てくるわけですね。
 そうしますと、不良債権の中でも正常債権に近いものもありますよ。破綻懸念先債権といったって、まだ破綻していないんだから。それから、実質破綻債権といっても、実質的な破綻だと見られるけれども、破産手続に入ると完全に破綻していませんからね。だから、そうなると、従来の取引ということが債務者にとっては継続してほしいという要望があり、継続する努力をしている中で、そういうことが譲渡されてしまうことによっていろんな取引のこれからの継続が、もとの債権者との間でいろんな話をしていたのが切断されて取引を今後継続することが困難になるという、中小企業がそういう苦難に直面するということが指摘されていますが、提案者はそれに対してはどうお答えになりますか。
#83
○衆議院議員(上田勇君) 今の御質問に対してなんですが、サービサー法は債務者が現債権者に対して有している抗弁権の切断に関しまして民法の特例を設けているものではございませんので、サービサーが債権を譲り受けた場合にも民法の一般原則が適用されるわけであります。一々その詳細についての御説明は省略をさせていただきますけれども。したがいまして、サービサーが債権を譲り受けることによりまして債務者が従前に比べて不利益な立場に置かれることはないというふうに考えております。
 また、中小企業に不良債権処理の対象になることが広がるというような危惧の声も聞くわけでありますけれども、確かに今回の改正によりましてサービサーの取扱債権の範囲が拡大されます。それに伴いまして対象となる債務者の範囲も当然広がるということは考えております。
 しかし、債権者においても、不良債権の最終処理の形態としてはこれをすべてサービサーに譲り渡すということでもありませんし、従来、そのほか再建計画に基づきます債権放棄もあれば法的な整理に伴うさまざまな償却というようなこともあるわけでございますし、さらに、仮にサービサーに譲った場合におきましても、そのサービサーが単純に額面どおりに回収を強行するということだけではなくて、債務者の再生可能性にも十分配慮した細かな回収をこれまでも行ってきているというふうに考えておりますので、今度の法律によりまして、そうした中小企業に対する懸念が今度の法改正によって直ちに広がるというふうには私たちとしては考えておりません。
#84
○橋本敦君 非常に今の御答弁は、私に言わせれば取引の実態を深く考えない形式的な法解釈という、法の考え方を先行させた考え方だというように私は思わざるを得ないですよ。
 現実の中小企業あるいはその他商店等の取引というのは長年の取引銀行との間でいろんな蓄積があるんですよ。そういうことの中で、今の不況の中で苦労している中小企業が正常な債務、債権として取引していたものが営業が非常に困難になって支払いが大変苦労してくるという、そういう実態の中で取引を継続しながら事業を再建したいという努力をしている中で、そういう従来の何年も取引してきた金融機関との間の取引が切断されて、サービサー会社へ行ってサービサー会社の係員が取り立てに来る、話しに来るということとなるとこれはもう経営上大変なんですよ。
 だから、そういう点についての深い配慮というのはなしに、簡単に法の解釈でサービサー会社はこれまでもよく考慮していますからという、そういうことだけで判断するのは、軽々にできるような経済状態じゃないということを私は申し上げたいんです。
 週刊ダイヤモンドという雑誌がありますが、この雑誌によりますと、銀行が、本当に破綻懸念先の債権はもうこれはバランスシートの関係からいってつぶしたいと思っていると、そういうことがあるんだけれども、その大半の相手が中小企業だから、最終処理を強行すればその中小企業が倒産するし、失業がはね上がって、そしてデフレ循環にも拍車をかけるという、こういうことで、これは金融機関にとっても大きな問題だという自覚がなきゃならぬということも書いているんです。私はそのとおりだと思うんです。
 それでまた、東洋経済によっても、上位大手行になると破綻懸念先の社数は三千社前後に上る、今の不況の中で。その大半は中堅中小企業だというんです。なるほど、そうでしょうね。大企業はいろいろあるけれども、サービサーに債権譲渡して大企業が大変なことになるというのは余り聞きませんよ。やっぱり中小企業が多くなるでしょう。
 そういう状況ですから、中小企業が債権回収の円滑化という名目のもとで今の不況の中でさらに一層不況や倒産に追い込まれるというふうなことにならないようにするのが私は政治の責任だと思うんです。このサービサー法が特定債権の範囲を広げることによって中小企業に今の実態から見てそういうような不安や倒産のおそれ、こういうものを及ぼさないと言えるのかと、こういうことですよね。不良債権処理によって民間の調査機関でも百三十万の失業が出ると、こう言っていますよ。山家神戸大学大学院教授の試算によれば、百三十万の失業者が出るけれども、その中身は七万五千を超える中小企業の倒産も考えられると、こう言っていますよ。
 そういう問題について国会で追及して質問いたしますと、小泉総理は、確かにそういうことのおそれはあるが、定量的に申し上げることは困難だと言っておる。なるほど、困難かもしれない。しかし、多くの倒産や失業がふえることは総理もこれは否定できないことですよね。
 そういうことで、今度のサービサー法の改正案が中小企業に一層の負担とそれから倒産への危険を及ぼすおそれがあるのではないかという私の心配に対して、政治の立場で法務大臣はどうお考えでしょうか。
#85
○国務大臣(森山眞弓君) 先ほど提案者から御答弁がございましたように、仮に不良債権処理の一環として中小企業を債務者とする債権をサービサーが取り扱うということになりましたといたしましても、サービサーは単に額面どおりの回収を機械的に行うだけではなく、債務者の再生可能性にも十分に配慮したきめ細かな回収を行うものと認識しておりまして、委員が御指摘のような御心配がないのではないかというふうに考えております。
#86
○橋本敦君 大臣の話によっても、この法律にそういうチェック機能が法律に書かれているというわけではないので、サービサーの扱いについて今おっしゃったような政治的立場から期待をするということもおっしゃっているわけですね。それが本当に期待どおりにいくという保証があるかどうかということがこれから問われていくわけですが、私は、大臣のそういう表明されたような方向に本当にサービサーが行くかどうか、これが問われるということを申し上げて次の質問に移りますが、この法案自体ではそういうチェック機能がどこにもない。そして、全体の政府の今の不況対策、不良債権の解消を円滑化するという政策方針の中にもそういうことについてのセーフティーネットワークを中小企業のためにつくるということはセットされていませんから、心配は残るということはこれは否定できません。
 そこで、次の問題ですが、利息制限法違反の問題です。
 そもそもこのサービサー法ができたときに、この利息制限法の関係での債権については一切これはやらないということを決めてまいりました。それはなぜかということになりますと、利息制限法の制限の範囲を超える部分の請求はこれはやらない、その範囲ならいいじゃないかという意見があったけれども、しかしそもそも貸金業者が利息制限法に違反する高金利で金を貸しているという、そういう行為自体が法の理念から見たら許されないんだから、ノンバンクのそういう利息制限法を超える債権そのものについてはこれをサービサー会社が引き取って回収するという、そういうことをやるということは、そもそも法の理念を正しく守っていく上からいったらそんなものは正しくないというそういう考え方があって、元本のみの請求はいいというんじゃなくて、それも含めて一切ノンバンク、貸金業者の利息制限法を超える債権についてはこれはだめよというようにしたと私は思うんです。
 ところが、今度これが復活されてきたでしょう。これが復活されてきたということで、一つの問題は、それまでの貸金業者と債務者との間の弁済経過の情報が確実にはっきり伝えられるということが保証されるかどうかということがあります。これは先ほども議論がありました。小川議員からも質問がありましたが、それは弁済経過の情報は貸金業法によって出すことになっているからできるんだと、こういうことを言っていますね。しかし、それだけで十分だろうか。
 この点について、法務省は省令などで十分な対策を検討しているというように伺ったんですが、具体的に説明してください。
#87
○政府参考人(房村精一君) 委員の御指摘のように、今回の改正法においてサービサーが利息制限法の制限を超える利息の支払いを伴う債権についても取り扱えることとなりました。ただし、請求をする場合には制限利息に引き直した額の範囲内で請求すべきであるという行為規制がつけられております。サービサーとしては、この行為規制を遵守するためには、過去の弁済経過情報に基づきまして引き直し計算を行うということが必要になります。その意味で、サービサーに過去の弁済経過情報を的確に引き継がせることは重要であるということを法務省としても認識しております。
 したがいまして、法務省としてもこの点につきまして、追って省令等で的確な担保措置を講じたいというぐあいに考えておるところでございます。
#88
○橋本敦君 その省令等で考える担保措置というのは具体的にどういう内容のものになるんですか。
#89
○政府参考人(房村精一君) 具体的にどのような形にするかということをまさにこれから検討したいと思っているわけでありますが、先ほど申し上げたように、貸金業者は基本的に弁済経過等については帳簿の保存等が義務づけられておりますので、そういうようなものを踏まえてどのような方法があり得るか、日本弁護士連合会の御意見等も伺いながら今後検討を進めたいと考えております。
#90
○橋本敦君 今、日弁連の意見を聞きながらというお話がありましたが、ぜひそうしていただきたいんですが、日弁連もこの点には注目をして意見書でも述べておるんですけれども、利息制限法を超えた利息の支払いなどに庶民が苦しめられてきているわけですよね。それで、多重債務、商工ローン関係の被害者というのは後を絶ちません。
 だから、そういうことで苦労して元本に繰り入れさせることを貸金業者と交渉したりいろんな努力を日弁連でやってきている人たちがいるわけですが、そういう庶民の立場をきちっと法の立場からも擁護するということが非常に大事ですから、そういう意味で、この省令というのが今あなたがおっしゃったような趣旨を本当にきちっとできるようなものになるのかどうか、今中身はまだよくできていないようですから御意見はとどまりましたけれども、私は注目せざるを得ないと思うんです。
 そこで、大臣に要望しておきますが、省令でつくられるということになりますが、この問題については、高金利業者に対して悩まされている庶民の不利益が一層高まらないようにきちっと適正な法の立場が貫けるように、日弁連の意見も多重債務者の実情も踏まえた上で、省令できちっとそういった声にこたえるものとしてつくっていただきたいことを要望しておきたいんですが、いかがですか。
#91
○国務大臣(森山眞弓君) 各方面の御意見を十分承りまして、適切に対応してまいりたいと思います。
#92
○橋本敦君 それにしても、先ほど私が言ったように、貸金業者が、利息制限法という法があるのに、それを超えた高い金利を取るという契約をして庶民を苦しめている、その貸金業者の債権まで、ノンバンク、一般の債権までこのサービサーが引き受けて債権回収を業とすることで債権回収してやるというのは、私はこれはやっぱり法治国家のあり方としてそこまでする必要がどこにあるかと思いますよ。
 それから、最後にもう一つ聞きますが、今回、特定債権の範囲が広がった、破産、会社更生、特別清算あるいは民事再生などの倒産企業の金銭債権、これも問題ですね。
 これは、本来、破産管財人が債権回収をやるのが責任であり義務ですよね。会社更生等でも管理人がやりますよね。もしも、この破産者が持っている金銭債権を安くサービサー会社に売ったら、破産配当手続で金額は非常に少なくなりますから債権者を害することになりますよ。そうでしょう。だから、債権者を害さないようにやるためには、破産者の持っている債権は破産管財人としては責任を持って満額回収できるように努力するのは当たり前ですよ。ところが、サービサーに売るとなったら満額の金で売れませんから、安く売るということで便宜を省くということになりますから、ひいては、このことが安易に行われるならば、破産手続における債権者を害するという問題が起きてくるんですよ。
 そういう問題が起こらないという保証はどこかにありますか、提案者。
#93
○衆議院議員(山本幸三君) 近時、大型破産等が増加しておりまして、それがまた不良債権をなかなか減らさない原因になっているわけでありますが、この破綻企業等の倒産処理を適切、迅速に行うことは非常に重要なことでございます。
 ただ、その場合に、破綻企業等が有する資産を一括して引き受けて処分する受け皿がございませんために、その結果、何が起こっているかというと、資産の換価処分に時間がかかったり、時間がかかっているうちにだんだん資産の内容も劣化する。そして、結局、処理が終了するために時間も長くかかる、時間的なロスも大きい、あるいはそのことによって生ずる資産の劣化等による経済的ロスも大きくなるわけでありまして、必ずしも全額がちゃんと回収できるということになっていないのが実情だと思います。
 そこで、サービサーがその場合に破綻企業等の有する金銭債権の回収を一括して行えるということになれば、その時間的ロスとか、あるいは資産の減損による経済的ロスとかいうこととの絡みで判断いたしまして、管財人が裁判所の許可を得てそういう処理をした方がいいと判断すれば、それはむしろ経済的に債権者にとっても有利になるというケースも当然あり得るんじゃないかと思っているわけであります。
 したがいまして、サービサーがそういう破綻企業等の受け皿として果たすべき役割は極めて大きいというように考えております。
#94
○橋本敦君 私の質問に正面から答えていただけないですね。債権者を害するというおそれは絶対ないと言えないんじゃないかという私の質問ですよ。あなたの方は、そういうことはないということをおっしゃったという趣旨の答弁ですね、今のは。それは、またサービサーの善意に期待するということになってしまうんですよ。
 なぜ、倒産手続中の者が有する金銭債権にまでサービサーのこの特定債権を広げるという必要があるんですかという根本問題は、これは根本問題としてあるんですよ。あなたのおっしゃった債権回収の円滑化あるいは担保物権の劣化、いろんなことがあるから早くやった方がいいというのはそれは一つの理屈ですよ。
 しかし、私はこの際、この改正案でここまで入れたというのは、債権回収ということを名目にしているけれども、そこの債権まで入れたということは、今後、不良債権回収ということをどんどん進めていけば当然企業倒産や破産がふえる可能性があると、そういうときの条件整備として、その場合にもやっぱりこういうような手続をとっておくのがいいという、そういう条件整備ということがこのねらい、目的にあるんじゃないですか。
#95
○衆議院議員(山本幸三君) いや、そういうことを目的としているわけではございません。
 それから、先ほどからの御意見でございますけれども、こういうサービサーがふえることによって、中小企業等がむしろ逆に倒産に追い込まれて、そして苦しくなるんじゃないかという御意見でございました。
 私どもは、むしろ逆で、じゃ銀行なりあるいはノンバンクがちゃんとそういう企業を面倒見て将来とも救っていくようなことになっているのかというと、必ずしもそうじゃない。むしろ、自分のところが苦しくなれば、ばさっとすぐ法的倒産処理に入っちゃうというようなことの方が、あるいは突然融資を打ち切るということの方がむしろ危惧される点でありまして、そういう点からいえば、私どもは再建型の処理、そういうものをより進めやすくする必要があるんじゃないかと。
 一番端的な例は債権放棄ですけれども、ところがなかなか融資主体はそこまで踏み切れない、株主代表訴訟とかいろいろありまして。そうすると、むしろサービサーにバルクセール等で一括売却すれば、そこの時点で融資主体はそれなりの自分たちの処理ができるということで判断する、そのときには、サービサーの方は逆にそれを受けて今度は債務者との間で債権放棄なり和解なり、スムーズにやっていくことがより柔軟にできると。それをほっておけば暴力団の介入も入ってきますし、そういうことも考えると、むしろ法務省がちゃんと監督できる形で、そういう柔軟に対応できるサービサーというものをつくった方がいいんじゃないかと。
 これは、むしろ逆に、そういう債務者に対しては役に立つ、あるいは倒産処理をする場合にでもむしろ債権者にも役に立つという場面が多いんじゃないかというふうに考えているわけです。
#96
○橋本敦君 時間が来ましたからこれで終わりますが、今、私が指摘したのは私の単なる危惧やあるいは私の個人的見解じゃありません。
 経済専門紙の日経自身がこの問題に触れて、破綻した企業が持つ債権をサービサーの回収対象に含めたのも今回の法案改正の特徴だが、これは、法的な倒産手続を進めている企業の債権は、貸付債権に限らず、売り掛け債権などすべての金銭債権を扱える、不良債権の最終処理によって予想される企業の倒産増に対応できるようにする、こういうものだということを経済の専門紙も言っているわけですよ。
 だから、私は、そういう意味で今回の改正案というのは賛成できるものではないということを申し上げて、終わります。
#97
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。ほかの委員の方の質問とも少しダブるところがありますが、よろしくお願いします。
 皆さん、利息制限法に違反した貸付債権の問題について聞かれました。私自身もそれを大変思っておりまして、これはまず超過分の元本繰り入れをちゃんとやることについての担保はどうなっているか、もう一度お願いいたします。
#98
○衆議院議員(山本幸三君) この点は、先ほども法務省からお答えいたしておりますように、もともと利息制限法でその元本あるいは利息の経緯、支払いの実績等をちゃんと資料として残して、譲り渡すときにはそれを示さなきゃいけないことになっておりますが、法律上は当然そうなっているわけでありますが、実際的にはなかなか行われていないという事情もありますので、サービサーがそういうものを扱える上におきましては、その点は必ずきちっとしなきゃいかぬということで、このサービサー法の体系の中でもそれを担保するためにその手続等について省令等でちゃんと再確認する意味の規定をしよう、それによって担保しようというように考えているわけであります。
 この点は、日弁連と改正案を議論しましたときの最大のテーマでございました。最後に残った最大のテーマでございまして、私どもも日弁連の指摘はまことに正当なものであるというふうに思いましたので、そこは、省令あるいはガイドライン等でどうしたらきちっとそれが担保できるか、その書きぶりは法務省と日弁連の間で相談してやりましょうということで御了解を得たというふうに理解しておるわけでございます。
#99
○福島瑞穂君 確かに、きちんと計算するための資料を持っていなければ意味がないわけですが、ただ、利息制限法を超える過払い利息を元本に充当するに際し、帳簿の保存期間は三年なので、当初からの取引状況を明らかにしない業者がさっきおっしゃったように多いわけです。弁済資料のすべてがサービサーに渡るようにと。
 先ほど、この点については、貸金業法は債権の発生、消滅の経緯、元本履歴情報を示し、残しておかなければならないとしていて、サービサーの体系の中でも省令をつくられるというふうにおっしゃったんですが、その省令にかなりこれを書いたとしても、例えばきちっと引き渡されないとかいろんなことも起きるのではないか。なぜならば、回収する側とすれば、資料が十分ないとか、ちゃんともらっていないとか、自分の方は誠実にやりたいんだけれどもたまたま来ていないとか、いろんな口実を使ってきちっと元本充当をしないんじゃないかという点も思いますが、ちょっとその省令について、もう少し踏み込んで、こうしますとおっしゃってください。
#100
○政府参考人(房村精一君) 先ほどもお答えいたしましたが、省令の具体的内容につきましてはこれから検討をしたいと思っておりますので、省令の詳細については御勘弁を願いたいわけでありますが、基本的には、きちんとした弁済経過情報がサービサーに渡るように、またサービサーがそういう弁済経過情報を踏まえてきちんと計算をし直してその範囲内で請求するように、それを担保するための省令にしたいというぐあいに考えております。
 また、実際にそういう客観資料が渡っているかどうかというような点につきましては、法務省として定期的にサービサーについての立入検査を実施しておりますので、その際には、どのような債権を取り扱っているか、その債権の計算のやり直しをきちんとしているか、それが具体的な客観的資料に基づいているかというようなことは当然検査の際にチェックできますので、これは省令の定め方とも関係いたしますが、これをサービサーにきちんと遵守していただくということは、そういう立入検査あるいは行政上の監督権を通じて可能であるというぐあいに考えております。
#101
○福島瑞穂君 監督権も重要なんですが、サービサーは、とにかく請求するときにはきちっと過去の資料を全部持ち、きちっと整えて利息を計算し直さない限り請求できないというふうにするのはどうでしょうか。
#102
○衆議院議員(山本幸三君) 当然そういうことでございます。それをちゃんとやらなければ処分の対象になるということで私ども考えておりまして、そこは監督するときに、その点は厳しく、利息制限法のことはまさに一番問題になったところでありますので、サービサー協会に対しても、これはきちっとちゃんと証明できるものがない限りはできませんよ、取り扱えませんよということは認識させて、そしてそれは検査のときの一番の重要項目になるというように理解しております。
#103
○福島瑞穂君 そうしますと、これから債権回収を受ける側への広報も必要ではないかと思うんです。
 先ほど房村さんが苦情の中身について、サービサーの制度を知らなくて、違うところから請求が来たと驚く苦情があったというふうにおっしゃいましたけれども、この新しい法律に基づいて、一般の広報、それから回収される側の広報、それからきちっとした資料がなければ、そもそも利息を計算し直してきちっとやらない限り請求ができないのだという当たり前のことをきちっと広報する。そのたびなのかどうかわかりませんが、一般広報と回収される側の広報が両方必要だと思いますが、その点はどうお考えでしょうか。
#104
○政府参考人(房村精一君) サービサーに関する広報は法務省が担当しておりまして、この法律が制定され施行される際にも、いろいろパンフレットをつくりまして配布するなど広報には努めたつもりでありますが、ただ、先ほども申し上げましたように、サービサーのことを十分わからないということで苦情の電話あるいは手紙も来ておりますので、今後もその広報に努めたいというぐあいに考えております。
 なお、ただいま御指摘の利息制限法の関係につきましては、省令につきましてはこれからまさに内容を日弁連の御意見も伺いながら検討する段階でございますので、その利息制限法違反の債権についてどういう取り扱いをするかということは、その省令の内容を踏まえた広報をしていきたいというぐあいに考えております。
#105
○福島瑞穂君 ぜひ、普通お金を借りる人たちでもきちっと資料に基づかずに請求されて、よくわからないままやっているということも非常に多いですから、広報をきちっとしてくださるようにお願いします。
 次に、暴力団非関与者を偽装して活動する場合の取り締まり方法について教えてください。
#106
○政府参考人(房村精一君) このサービサー法では、ともかく債権回収に暴力団が関与するということを絶対排除するというそういう基本的考え方から、さまざまな方策を講じております。
 その最も基本となりますのが、サービサーに対する許可要件といたしまして、暴力団が支配している会社あるいは暴力団を従業員として雇っている会社など暴力団が関与している会社については法務大臣が許可をしない、こういうことが基本にあります。さらに、行為規制としても、暴力団を用いたりあるいは暴力的な行為による取り立てをした場合には行為規制として許可の取り消しが可能になる、こういう仕組みをとっております。
 そして、これを担保するために、具体的には警察庁の協力を得まして、法務大臣が許可をする際には警察庁長官の意見を聞くという仕組みにしております。そして、警察庁の方も、暴力団関与が疑われる会社について意見を述べる場合には、必要があれば会社に対する立入調査もできる、こういう権限を与えております。そのような方策を講じて、現在まで厳格に運用しております。
 また、取り立てに関する苦情があれば、先ほども申し上げましたが、迅速に係官を派遣して徹底的な調査を行っております。
 幸い、そのような努力の成果と思っておりますが、現在まで暴力団がこのサービサー業に介入してくるという事態は防げていると認識しております。
#107
○福島瑞穂君 去年、二〇〇〇年五月二十九日の毎日の夕刊で、「不良債権回収業務の参入企業に右翼、暴力団が介入 休眠会社買い取り「裏で仕切る」」という記事が出ているのですが、二年前に成立したサービサー法に基づいて不良債権回収業務に参入した民間企業に暴力団や右翼関係者の介入が相次いでいることが警視庁暴力団対策課の調べでわかったというふうになっているのですが、今の房村さんの答弁はこれとちょっと食い違うと思いますが、いかがですか。
#108
○政府参考人(房村精一君) 御指摘の事件はサービサーの許可の申請までは至っておりません。サービサーを設立したいという、そういう口実でおどし等の行為をしたということで警察に摘発されたと伺っております。
 こちらの関係で申し上げますと、確かにその関係者が法務省に、サービサーの手続をとるにはどうするのかというようなことの問い合わせがあった事実はございますが、実際にサービサーを設立するつもりでやっていたのか、単にそれに藉口してそのようなことを行ったのか、ここは確認できておりませんが、少なくとも法務省としてそのような申請があった事実はございませんし、幸いそういう段階で警察が摘発しております。そういうことで、先ほど暴力団が介入した事例はないと申し上げたわけでございます。
#109
○福島瑞穂君 では、今まで許可を求めた、許可を得たケースはないということを聞きましたが、今後はやはりいろんな形での介入も考えられると思いますが、ほかに何かありますか。
#110
○政府参考人(房村精一君) 幸い、先ほど申し上げましたように、現在まで暴力団関与が疑われるということで不許可にした事例はございません。
 ただ、このような制度をとっているということはいつ暴力団が入ってくるかわからないということでございますので、今後も気を引き締めまして、警察庁、日弁連とも協力関係を結んで暴力団排除を徹底していきたいと考えております。
#111
○福島瑞穂君 弁護士法七十二条と七十三条との関係について御説明をお願いします。
#112
○衆議院議員(山本幸三君) 弁護士法七十二条と七十三条で、御承知のように債権の管理回収を取り扱うのは弁護士の専業になっているわけでありますが、これを特例法としてその規定を排除してサービサーにはそういうことができるようにしているという、その意味で弁護士法七十二条、七十三条の特例法という形になっております。
#113
○福島瑞穂君 済みません、もう一回お聞きします。
 債権回収会社に関するトラブル事例で、先ほど房村さんはサービサー法を知らない人からの苦情があったということでしたが、今までほかにどのようなトラブルが起きているか教えてください。また、今後苦情の窓口がどこになるかについて教えてください。
#114
○政府参考人(房村精一君) 苦情の窓口といたしましては、法務省の大臣官房司法法制部審査監督課、ここがサービサー法を所管しておりますので、そこで受け付けております。
 それで、苦情としては、やはり多いのは従来の債権者でない者から請求されたけれども一体どういうことかというようなことでございます。中には、繰り返し電話による請求をされて迷惑しているとか、あるいはおどしまがいの言葉を使われたというような苦情もございました。
 そういうものについては直ちに調査をいたしまして、例えば電話による請求ということでありますと、サービサーには債務者との交渉経過を記録して保存しておくようにということがありますので、その記録の提出を受けて、どの程度の回数電話をしているかとか、あるいは中には会社によってはきちんと応答を残しているものもございますので、そういうものを確認いたしました。幸い、先ほども申し上げましたが、現在までのところ行為規制に違反するようなものは見当たっておりませんので、今後もそういう点は厳格に対応していきたいと考えております。
#115
○福島瑞穂君 先ほど橋本委員の方からもありましたが、回収対象の債権を拡大することが債務者保護の観点からも問題が多いのではないかということは私も思っていることです。先ほどの答弁でちょっと私自身も納得ができなかったので、再度それをお願いします。
 また、回収に当たり、債務者の抗弁権の行使を阻害しないためにどう考えているかについても教えてください。
#116
○衆議院議員(上田勇君) 先ほどの御質問の繰り返しの部分もあって恐縮でございますけれども、まず抗弁権の切断についての考え方でありますけれども、サービサー法、もともとは民法の抗弁権の切断に関しましては特例を特に設けているわけではありません。ということは、それぞれ指名債権あるいは無記名債権、クレジット債権など、それぞれが今の法律に基づいてなされるということでありますので、今回のサービサー法の改正によりまして、そのサービサーが債権を譲り受けたことによりまして債権者の抗弁権の切断の面で従来に比べて不利になるというようなことはないというふうに理解をいたしております。また、今回のサービサー法においては、この債権回収を適正に行うという意味からさまざまな行為規制が設けられておりますし、さらに法務省においても適切な監督を行っております。
 さらに、今回の改正によりまして対象となる債権が拡大する、それによってもちろん対象となる債務者も多くなるのは予想されるわけであります。ただし、そうした債権のすべてがサービサーに譲り渡されて回収されるというわけでもありませんし、またそのほかの再建計画に基づく債権放棄であるとかあるいは法的整理に比べて、サービサーがとりわけ回収だけに専念をして事業者の再建とかに配慮が足りないというようなことはないのではないかというふうに思っておりますので、そういう意味では、今回の改正によってこのサービサーが取り扱える債権が拡大すること、それ自体によって特に債務者の方の利益が害されることはないというふうに先ほどお答えしたところです。
#117
○福島瑞穂君 例えば、回収に当たり債務者の抗弁権が阻害されないための立法はありますけれども、本当にそれがきちっと遵守されるのかどうかという不安もあります。その点についての指導監督などについてはどうお考えでしょうか。
#118
○政府参考人(房村精一君) 提出者からもお答えがありましたように、このサービサーに債権が譲渡されたからといって法律上の抗弁権が切断されるわけではありませんので、当然、債務者として従前主張できたことはサービサーに対しても主張できるという関係に立っております。
 サービサーに対しては行為規制としてきちんとした説明をして取り立てをするようにということを指導しておりますので、それは債務者から抗弁に類する事由の主張あるいは説明があった場合に、当然それに対して適切に対応するようにということも含みますので、そのような交渉経過は、先ほど来申し上げておりますように、サービサーとしても記録に残しますので、法務省として立入検査等の際にそのようなものもチェックをすることが可能となっております。
 したがいまして、仮に本来有している抗弁権を無視して強引な取り立てをするというような事態があれば、これは法務省として把握できますし、当然、行政指導あるいは行政処分の対象となり得ると考えております。
#119
○福島瑞穂君 今まで答えていただいた中でも、書類がかなり大部にサービサー会社にあることになりますし、それに立入調査を法務省がおやりになるわけです。法務省としては、ちょっとこれは質問通告していなくて申しわけないんですが、どれぐらいの人員を、スタッフを考えていらっしゃるのでしょうか。
#120
○政府参考人(房村精一君) 債権の立入検査のための検査官も認めていただいて、それなりの体制を整えているところでございます。
 今後、こういう改正がされますと、当然、サービサーの業務も拡大し、あるいは会社数も増加していくのではないかと思っております。非常に定員事情厳しい中ではありますが、法務省としても適切な監督ができるように今後も人員の増強に努めてまいりたいと考えております。
#121
○福島瑞穂君 質問通告をしていなかったので済みませんが、かなりの部分を立入検査できちっとやっていただかないと、利息制限法の計算し直しとかをちゃんとやっているかどうか、今の限りにおいてもきちっと抗弁権の行使ができる形で債権回収しているのかどうか、とても専門的であったり、立入検査をしても結構難しいと思うんです。今までの人員はどれぐらいだったのでしょうか。
#122
○政府参考人(房村精一君) 現在、サービサー関係の人員としては十一名の者がおります。今後、できるだけ増強していきたいと思っております。それと、立入検査については、まさに御指摘のような非常に大変な業務内容でございますが、これは職員の訓練等をして適切に対応していきたい。
 またあわせて、サービサーにおいても、取締役に弁護士の方になっていただいているというような内部での監査体制を充実していただく必要があろうかと思っておりまして、その点についてもサービサー会社とも適切に連絡をとりながら、今後適法な運営がなされるように法務省としても努めていきたいと思っております。
#123
○福島瑞穂君 今までがスタッフは十一人ということなんですが、具体的に、このサービサー会社のやり方はひどいとか、こういう点は非常に問題があるとか、摘発とまではいかなくても、今まで二年間蓄積があるわけですから、具体的にどういう問題があったか教えてください。
#124
○政府参考人(房村精一君) 従前、立入検査をいたしまして、幸い改善命令を出すとかそういうような悪質な事例はございません。
 ただ、例えばこちらで指摘したものの例といたしましては、現在、ノンバンク債権については業者向けの、かつ不動産担保つきというものしか扱えないというようなことになっておりますが、その扱っている債権のうちに、その債権が発生した時点ではまさに業者向けの不動産担保つきであった、ところがサービサーに譲渡された段階では不動産担保がもう既に落ちていた、こういうようなものをそのまま扱っていたと。厳密に申し上げれば、譲渡された時点では不動産担保つきではありませんので、当たらないということになりますが、そういうような、過失に基づいて取り扱えない債権を扱っているというような事例もございました。
 そのような、いわば過失に基づくものとか不注意、そういった点のことについてはこちらから指摘をして直ちに改善をしていただいております。悪意に基づいて明らかに法律に違反するというような行為は、幸い今のところ見当たりません。
#125
○福島瑞穂君 今まで立入検査はどれぐらいやっていらっしゃるでしょうか。
#126
○政府参考人(房村精一君) 現在まで二十社に対して実施いたしております。
#127
○福島瑞穂君 どうもありがとうございます。
 今回の改正で、事業者向け債権ではなくて一般の貸付債権まで拡大しますし、債務者の数も非常にふえると思うんです。そうしますと、十一人のスタッフではなく、人員増強や、まあ変なと言うと変ですが、きちっとされているかどうかというチェックは大変必要だと思いますが、法務大臣、そのあたりで法務省の監督や人員などについて見解をお願いいたします。
#128
○国務大臣(森山眞弓君) 今、部長から申し上げましたように、担当者は一生懸命やっておりますが、さらにこの改正によって業務の内容も一層難しくなり、また量的にもふえてくるだろうと思います。
 法務省といたしましても、それらに対応しまして努力していきたいというふうに思います。
#129
○福島瑞穂君 ちょっと残した問題について再度確認をさせてください。これはほかの委員の方からも質問があったんですが、再度確認をさせてください。
 貸金業者の貸付債権について、商法特例法上の大会社など、一定の範囲に限定しなかった理由を教えてください。
#130
○衆議院議員(山本幸三君) 我が国の経済社会におきましてノンバンクの役割は大変大きくなっておりまして、それは必ずしも資産規模や出資母体に限定されたものではございません。例えば、金融機関の不良債権処理でバルクセールがよく行われるわけでありますけれども、その場合にノンバンク債権も一緒に一括して売却されるという実態がありまして、それをよく調べてみますと、必ずしも商法特例法上の大会社に限っておりません。
 そういうことから、ノンバンクについては、これは大きいからといって果たしている機能が少ないというわけじゃないという実態にかんがみまして、そこで切るのは難しいということで判断したわけでございます。そのかわり、行為規制等できちんと見ていこうというようにした次第でございます。
#131
○福島瑞穂君 ごめんなさい。最後でちょっとすとんと落ちなかったので、もう一回最後の方、お願いします。
#132
○衆議院議員(山本幸三君) 申しわけありません。
 いわゆる、ノンバンクの果たす役割が極めて大きくなっているということでございます。銀行の融資だけではなくて、銀行の融資がノンバンクを通じて行ったり、あるいはノンバンク自体が融資をしたりということで、そこの果たす役割が、これはもう一般消費者に対しても、あるいは事業者に対してもふえているということでありまして、それも必ずしも特例法上の大会社だけではないという実態が今日あるということを踏まえまして、現在の不良債権処理あるいは債権の流動化、倒産処理ということを考えれば、これはすべて含んだ方が問題の解決に経済実態を反映する意味で資するというふうに判断した次第でございます。
#133
○福島瑞穂君 じゃ、通告していて残っている問題についてちょっとお聞きいたします。
 本改正後も債権回収会社が取り扱うことができない債権の種類と、その理由について教えてください。
#134
○衆議院議員(山本幸三君) 大体、先ほど申し上げましたように、大きく広げたわけでありますが、これでもなお除外されておりますのは、一般の事業者の売り掛け債権あるいはゼネコン等の請負代金債権というものが外れております。ただし、その場合でもSPCに行ったりあるいは倒産に入った場合には対象になりますけれども、そうでなくて、通常の健全な場合の一般事業者の売り掛け債権や請負代金債権が外れると。これは、考え方の整理で私どもは、入れたのは基本的に与信機能、ある意味では金融的な機能を有している部分に今回は整理しようかなと。そうではなくて、個別の事業者の場合には、まだ個別性が強くて、そしてそれぞれの事情、あるいは紛争がある場合には個別の事情だと、経済全体を通しての金融的な機能というものには至っていないんじゃないかなと、そういうふうに判断した次第でございます。
#135
○福島瑞穂君 佐々木委員の方からもあって、ほかの委員の方も質問されたんですが、特定金銭債権の大幅な拡大をしているわけですが、御存じ、与野党の共同修正の際には限定をするということで、このサービサー法が限定をされて成立したわけです。五年をめどに見直すということで、現時点で改正を行うと、しかも修正をやるときには限定をするということで、いろんな問題もあるけれども、これだけ限定がついているからということで、当時成立したにもかかわらず、現時点で、五年をめどとなっているのに二年たった現時点でばっと特定債権を拡大するということはどうも納得いかないんですが、もう一度お願いします。
#136
○衆議院議員(上田勇君) 今、福島委員からお話がありましたように、前回このサービサー法が成立した折には与野党含めた協議を行いまして、共同提案でその対象債権を限定するというような修正を行いまして、私もその修正の方の共同提案者でありましたのでその経過も十分承知をいたしておりますが、そのときには、やはりまずは金融機関の不良債権を処理するということが第一優先事項であったということ、それからサービサーという業態がまだ日本に全然なかったわけでありますので、どういうことになるのかということに対する不安も懸念もいろいろあったということから、そのサービサーの活動、その取扱債権の範囲を限定的にしようということで修正、そして合意の上で成立したわけでありますが、そのときに、五年をめどにこのサービサーの業態が経済社会の中でどういうような役割を演じていくのか、定着していくのかということを見ながらまた見直しをしようということを附則の中で加えたわけであります。
 確かに、そのときは五年ということであったんですが、そのときの議論の中でも、これは当然両論ございまして、もっと対象とする債権を広げてサービサーの役割をもっと活用すべきであるという意見もありましたし、同時に、やっぱりいろいろな、暴力団の介入であるとかそういうような懸念も多いから、もっとそれは制限的にやるべきだという意見も両方あった中でこの見直しの規定があったわけであります。
 五年というふうに設けられたんですが、私は、必ずしもそれは五年を経過しなければ改正をしてはいけないということではありませんし、これまでの間にサービサーが多く設立をされ、またそれらの業務も適正に行われているということが確認をされておりますので、今回はその必要性、サービサーを活用する不良債権処理あるいは債権回収の必要性ということからこの見直しを行うということを提案させていただいているわけでございまして、まだ二年数カ月しか経過していない段階で、早過ぎるのではないかというような御意見があるのは承知をいたしておりますけれども、それよりも、このサービサーのこれまでの法律施行後の実績、そして今それに対する必要性があるということで、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。
#137
○福島瑞穂君 二年前の与野党共同修正は何だったのだろうと一瞬思うのですが、以上で私の質問を終わります。
#138
○委員長(日笠勝之君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#139
○委員長(日笠勝之君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、竹村泰子さん、竹山裕君及び青木幹雄君が委員を辞任され、その補欠として木俣佳丈君、阿南一成君及び山下英利君が選任されました。
    ─────────────
#140
○委員長(日笠勝之君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#141
○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、債権管理回収業に関する特別措置法改正案に対し、反対の討論を行います。
 本法は、一九九八年の金融国会で、金融再生トータルプラン関連六法案の一つとして提出されたものでありますが、金融機関が不良債権の回収・処理をみずから行わず、サービサーに委託・譲渡することを認めれば、貸し手責任を免罪することになるばかりか、まじめな借り手を苦況に追い込むおそれがあるとして我が党は反対しました。
 政府は、本年四月六日に出した緊急経済対策で、金融機関が抱える不良債権の最終処理、すなわち直接償却を促進する方向を打ち出しました。
 本改正案は、譲渡できる対象債権をこれまでの枠を大きく超えて全面的に拡大するだけでなく、現行法の制約を取り払い、利息制限法の範囲内といって同法違反の債権まで取り立て行為の対象とするものであり、利息制限法違反の不当な貸し出しを事実上、合法化することになります。
 このような強引な不良債権の早期最終処理によって中小企業が倒産の危険にさらされ、百三十万人を超える失業者を生み出すとの懸念が各方面から指摘されています。
 本改正案は、まさにその破綻懸念先債権を含む不良債権をサービサーに譲渡することを促進し、現に不況のもとで苦労して企業を守って努力している多数の中小企業と当該金融機関との従来の取引関係を断ち切り、それによって多くの中小企業の倒産を招くことになるのは明らかです。
 我が党は、このような法案を認めるわけにはいきません。
 以上で私の反対討論を終わります。
#142
○福島瑞穂君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、本委員会に提案された債権管理回収業に関する特別措置法改正案に反対する立場から討論を行います。
 現行法については、いわゆる不良債権の実質的処理を促進するという立法目的に沿い、サービサー各社も現在活発な業務を展開し、一定の役割を果たしていることは十分認識をしています。
 しかし、三点、問題が特にあると考えます。
 第一に、特定金銭債権の大幅な拡大です。そもそも、取扱債権の拡大については、本法制定時の国会審議においても議論が集中したところであり、審議において、立法の趣旨と債務者保護、暴力団等排除等の観点から危惧や懸念が寄せられていたところです。そのため、与野党共同修正案として提案された現行法では、サービサーが買い受けたり、委託を受けて競売にかけたりできる債権の種類を限定しておりました。
 第二に、事業を行う者に限るとした現行法の規定を撤廃する改正案は立法の趣旨と異なるものであり、ノンバンクの一般貸付債権にまで拡大することは、一般消費者の保護の観点からすれば重大な問題だと考えます。
 第三に、高利の利息を利息制限法の範囲に引き直した上での利息・元本の請求を可能とする改正案は、元本の再計算の困難性を考慮したとき、多重債務者の解決を困難にし、消費者である一般国民の利益に反し、大きな社会問題を生む危惧があります。
 さらに、今回の改正によって、弁護士法第七十三条を潜脱する会社などが出現する危険性も否定できません。本法の運用に当たっては、より一層の監督体制の充実強化を求めます。
 以上の理由により、本改正案には反対をいたします。
#143
○委員長(日笠勝之君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#144
○委員長(日笠勝之君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、江田五月君から発言を求められておりますので、これを許します。江田五月君。
#145
○江田五月君 私は、ただいま可決されました債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び自由党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、この法律の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
 一 本法が、サービサーの業務の適正な運営の確保を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とするものであることにかんがみ、サービサー制度の趣旨・内容について、研修等を通じて回収業務従事者等の関係者へ周知徹底し、債務者の権利・利益を損なわないよう努めるとともに、広く国民に対しても広報を行うこと。
 二 サービサーの取扱債権が拡大されることに伴い、サービサーに、貸金業の規制等に関する法律第十七条等に規定する債務者への書面の交付を遵守させ、利息制限法に規定する適法利息に引き直す義務を確実に履行しなければならないとするなど、業務に関する規制が遵守されるよう十分指導監督すること。
 三 暴力団関係者等不適切な者のサービサー業への参入又は関与が、いかなる形態であってもなされることがないよう、その排除に一層尽力すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#146
○委員長(日笠勝之君) ただいま江田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#147
○委員長(日笠勝之君) 多数と認めます。よって、江田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、森山法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森山法務大臣。
#148
○国務大臣(森山眞弓君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと思います。
#149
○委員長(日笠勝之君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#150
○委員長(日笠勝之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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