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2001/05/11 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 総務委員会 第7号
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2001/05/11 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 総務委員会 第7号

#1
第151回国会 総務委員会 第7号
平成十三年五月十一日(金曜日)
   午後三時十四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十日
    辞任         補欠選任
     弘友 和夫君     荒木 清寛君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     荒木 清寛君     弘友 和夫君
     笠井  亮君     八田ひろ子君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     木村  仁君     岩井 國臣君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     北岡 秀二君     海老原義彦君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     南野知惠子君
     常田 享詳君     佐々木知子君
     輿石  東君     藤井 俊男君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     鎌田 要人君     鹿熊 安正君
     南野知惠子君     森田 次夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                入澤  肇君
                岩城 光英君
                海老原義彦君
                浅尾慶一郎君
                宮本 岳志君
    委 員
                鹿熊 安正君
                景山俊太郎君
                久世 公堯君
                佐々木知子君
                関谷 勝嗣君
                森田 次夫君
                高嶋 良充君
                藤井 俊男君
                鶴岡  洋君
                弘友 和夫君
                富樫 練三君
                八田ひろ子君
                山本 正和君
                松岡滿壽男君
                高橋 令則君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       総務副大臣    遠藤 和良君
       総務副大臣    小坂 憲次君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  景山俊太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局長       芳山 達郎君
       総務省郵政企画
       管理局長     松井  浩君
       総務省郵政公社
       統括官      野村  卓君
       郵政事業庁長官  足立盛二郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○郵便振替法及び簡易郵便局法の一部を改正する
 法律案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(溝手顕正君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月十一日、笠井亮君が委員を辞任され、その補欠として八田ひろ子君が選任されました。
 また、去る八日、木村仁君が委員を辞任され、その補欠として岩井國臣君が選任されました。
 また、去る九日、北岡秀二君が委員を辞任され、その補欠として海老原義彦君が選任されました。
 また、昨日、世耕弘成君、常田享詳君及び輿石東君が委員を辞任され、その補欠として南野知惠子君、佐々木知子君及び藤井俊男君が選任されました。
 また、本日、南野知惠子君が委員を辞任され、その補欠として森田次夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(溝手顕正君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りをいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に海老原義彦君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(溝手顕正君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵便振替法及び簡易郵便局法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省自治行政局長芳山達郎君、総務省郵政企画管理局長松井浩君、総務省郵政公社統括官野村卓君及び郵政事業庁長官足立盛二郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(溝手顕正君) 郵便振替法及び簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は去る四月十日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次発言願います。
#8
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。
 ただいま議題となりました郵便振替法及び簡易郵便局法の一部を改正する法律案に関連して質問をさせていただきたいと思います。
 まず、本法律案は、民間金融機関と郵便局との間の資金の決済ということの利便性を高めるという趣旨が入っておりますが、現状について伺いたいと思いますけれども、現在、郵便局のATMにおいて引き出されます一日当たりの民間金融機関の預金の額というものを、平均値でもちろん結構ですが、総額とそれから業態別にお答えいただけますでしょうか。
#9
○政府参考人(足立盛二郎君) 現在、全国で二万五千台ほどあります郵貯のATM、CD、このネットワークは国民生活のインフラであるということで、民間金融機関と積極的に接続しているところでございます。
 そこで、利用状況でございますが、民間の金融機関のカードをお持ちの方が郵貯のATMを御利用される状況でございますが、年間、平成十二年度の実績でありますが、払戻金額は一兆八百二十八億円となっております。これは一日当たりで見ますと、二十九億九千万円となっているところであります。
 お尋ねの業態別にどうなっているかということでありますが、業態を約三つに分けまして、まず第一の業態であります国内銀行、都銀、地銀、第二地銀でございますが、これらの関係の方が三億七千万円になります。一日当たり二十九億九千万のうちの三億七千万円であります。それ以外に、第二グループといたしまして、信金、信組、農協、漁協、こういったところの業態が五億七千万円。それから第三グループといたしまして、預金を取り扱わない生保、証券、信販会社といったような金融機関のものが二十億六千万円ということでございます。
 営業区域が比較的狭かったり、あるいは自社のATM網が少ないところの利用が多いというのが言えると思います。
#10
○浅尾慶一郎君 それでは、数字だけで結構でございますが、逆に、郵便局のカードをお持ちの方が民間金融機関で引き出される額について、同じようにお答えいただきたいと思います。
#11
○政府参考人(足立盛二郎君) 逆のケースでございますが、平成十二年度の実績で申し上げますと、総額三千八百四十九億円になります。一日当たりで申し上げますと、十億六千万円ということになります。これを先ほどの業態別に三分類で申し上げますと、国内銀行が四億六千万円、それから信金、信組等の第二グループの業態が二億二千万円、そして生保、証券、クレジット会社等の第三グループの業態が三億八千万円という利用状況になっておるところでございます。
#12
○浅尾慶一郎君 私どもが仮に郵便局のATMを使わせていただいて民間金融機関の口座等からお金を引きおろす場合には百五円程度かかるということだと思いますし、逆に、郵便貯金のカードでもって民間の金融機関でお金をおろすとやはり手数料が百五円かかるということだと思いますが、まず、私が郵便局のカードでもって民間金融機関からお金を引きおろしたケースでお答えいただきたいと思いますが、実際に総務省から民間の金融機関に支払っておられる金額というのは百五円でしょうか、それとも二百五円でしょうか。
#13
○政府参考人(松井浩君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、預金者が御自身の口座から他の、郵便局のATMからでもそうでございますし、金融機関のATMからでもそうですが、引きおろす場合の手数料の百五円というのはございますが、郵便局と、それから、お互いに提携しておりますが、民間金融機関の間で支払われるお互いの金融機関同士の手数料の支払いは異なったものになっております。
 具体的に申しますと、郵便局と民間金融機関でツーウエー、相互にATMを利用する契約を締結している場合と、そうでなくて、民間金融機関が郵便局のATMを一方的に利用する契約を締結している場合で契約形態は異なっております。
 それで申しますと、まず相互にATMを利用する契約の場合でございますが、民間金融機関の預金者が郵便局のATMを利用したときには民間金融機関が郵便局に対する手数料を、そして郵便貯金の預金者が民間金融機関のATMを利用したときには郵便局が民間金融機関に手数料を払うわけでございますが、時間内のものと時間外で扱いを分けております。
 時間内につきましても、さらに利用金額が十一万円以下の場合と十一万円超の場合で一件当たりの金額が異なっております。十一万円以下の場合は一件当たりで二百十円でございます。それから、十一万円超の場合は一件当たりで三百十五円ということになっております。また、時間外になりますと、十一万円以下の場合は一件当たりで三百十五円、それから十一万円超の場合は一件当たりで四百二十円を支払うことになっております。
 これがツーウエーの両方で利用し合う場合の関係ですが、片方の一方的に利用する関係の場合は金額が違っております。
 先ほど申しました時間内の場合で、利用金額が十一万円以下の場合は一件当たりが五百二十五円となります。それから、十一万円超の場合は一件当たりが七百三十五円でございます。それから、時間外になりますと、利用金額が十一万円以下の場合で一件当たり六百三十円、それから十一万円超の場合は一件当たり八百四十円でございます。
 それから、これは定額ですけれども、一方的に利用する場合でも利用金額に応じた従量制で料金を選択することも可能になっておりまして、これは契約によるわけでございますが、その場合は、時間内の場合は、利用金額に〇・七%を掛けまして、それに百円を足して、それに消費税額を上乗せした額になっておりますし、時間外の場合は、さっき私が百円と申しましたのも、さらにそれが二百円ということで数字が違っているわけでございます。
 時間内と申しますのは、平日の八時四十五分から十八時まで、土曜日の場合は九時から十四時まで、それ以外の時間帯の場合は時間外としておるところでございます。
 いずれにしましても、そういうふうにかなりきめ細かく分かれております。
#14
○浅尾慶一郎君 わかりました。
 いわゆる我々消費者の立場に立つと、百円ないし二百円しかかかっていないと思われるところがその裏で相当なお金がかかっているというのはよくわかったのでございます。現状を見ますと、郵便局のカードを持っておられる方が民間金融機関でおろすのが一日当たりで十億六千万円、民間の金融機関のカードの方が郵便局でおろすのが二十九億九千万円ということがわかったわけであります。
 私の理解では、民間の金融機関から郵便局にお金を、要するに民間のカードの人が郵便局でおろすということは、その分のお金を民間金融機関から郵便局、総務省はもらわなきゃいけない、郵政事業庁はもらわなきゃいけないということなので、それがもらいやすくなるというのが改正の趣旨の一部だというふうに思いますが、今回の改正によって、今の手数料収入等々にさらに郵政事業庁にとっていい変化があるのか、それとも改正自体は余り影響がないのか、端的にで結構でございますから、お答えいただけますでしょうか。
#15
○政府参考人(松井浩君) 数字でどういう予想をしているかということはすぐに申し上げられませんけれども、今回の改正は、特に御利用いただく個々のお客様の利便向上というよりは、提携させていただいている民間金融機関の利用者の利便の向上に資するものだと思っておりますが、いずれにしろ、円滑な関係が構成されれば、それから、一層ATM等の相互利用が進めば利用稼働状況が上がりますので効率がよくなるものというふうに考えております。
#16
○浅尾慶一郎君 ここで広く郵政事業についてお伺いをしてまいりたい、こういうふうに思います。
 片山総務大臣、それから遠藤、小坂両副大臣、また景山政務官、御留任でございますけれども、過去に、今回の内閣ができる前に、郵政三事業の民営化についてそれぞれ御主張、これは民営化すべきでないというような御主張をされておったかもしれませんし、あるいは民営化すべきだという主張を持っておられたかもしれませんが、簡潔にで結構でございますから、それぞれ過去の御主張をお答えいただきたいと思います。
#17
○国務大臣(片山虎之助君) 今、浅尾理事から、郵政三事業民営化についての過去の発言ということでございますが、私が大臣になりましたときは例の中央省庁改革基本法案というのがもう決まっておりまして、あれは橋本内閣時代でございまして、私、そのころから一応の認識は持っておりましたが、さらに郵政大臣になりましてから、去年の十二月からそれまでの認識よりはさらに進んだ、勉強いたしまして、大体公社になるということは知っておりましたから、これは公社化ということだなと、こういうふうな認識でそういうことを言っておったわけでありまして、これも大変私は当時からいい選択ではないかと、こういうふうに言っておりました。
#18
○副大臣(遠藤和良君) 今、日本全国には二千五百五十八の町村があります。そのうち民間の金融機関がない町村が私、調べると五百三十九ございまして、約二割強の町村で民間金融機関がないところを郵便局が頑張っている、こういう状況になっているわけです。
 私は、逓信委員会に所属しておりまして、今までは答弁する立場ではありませんで質問する立場だったんですけれども、この日本全国のユニバーサルサービスというものを郵便局が本当に担っていただいている、これは今後とも大きな国民の財産として共有をしていきたい、こういうふうな気持ちでお話をしたことがあります。
 また、この経営形態につきましては、この間の中央省庁の統廃合をするときの法案の中で、まず郵政事業庁を発足した後二〇〇三年度に国営の公社をつくるというところで、三事業一体としてこの公社で経営をしていくと、こういうふうに決まったところでございまして、そういう基本方針に沿って今まで私は考えを述べてきたところでございます。
#19
○副大臣(小坂憲次君) 浅尾委員にお答え申し上げます。
 私も、副大臣に就任いたしましたときは基本法がもうできておりますし、そういう中で、二万四千七百の郵便局のネットワークというものは国民共有のインフラとして、地域のコミュニケーションセンターとして国民に深く信頼を得て運営してきておると思うわけでございまして、その中で、八十円を張った郵便物、定形の封書はポストに入れるだけでこれはちゃんと届くんだと、こういうふうに思って皆さんの信頼を得ておりますし、五十円のはがきも投函すればちゃんと届けてもらえる、そこに人がいなくてもポストに入れるだけでそれが届いている。こういう信頼関係を築いてきた郵政事業というもの、これが平成十五年には国営の新たな公社として三事業一体でスタートをさせていただくと、こういうことが決まりましたので、その方向に沿って今後とも国民の信頼を集め、より一層の効率性を高めてこの事業が運営されるように努力をしていきたいと、こういうようなことを発言してまいりました。
#20
○大臣政務官(景山俊太郎君) 今までのお答えと同じようでありますけれども、郵政事業はこれまで非営利の国営事業といたしまして、まさに全国津々浦々に二万四千七百の郵便局を通じまして国民生活に不可欠な郵政事業のサービスをあまねく公平に提供してまいりました。国民利用者の立場に立ちまして、その利便を向上させるということを特に訴えてきたところでございます。私としましては、郵便局の地域に根差しました機能を今後も維持しながら、国民のニーズにマッチしまして、そしてサービスを行っていくことが極めて重要であると考えております。
 郵政三事業につきましては、中央省庁等改革基本法におきまして、企画部門を分離いたしまして、また実施部門は郵政事業庁とした上で、平成十五年にこれを自律的、弾力的な経営を可能とする国営の新たな公社へ移行することとされておるところであります。
 こういった方針に基づきまして、この枠組みの上に立ちまして、これまで発言をいたしてきたところでございます。
#21
○浅尾慶一郎君 大体皆様、郵政事業庁の公社化、公社化後はその公社化の体制を維持し、現在の二万四千七百の全国津々浦々にあるネットワークを駆使して、特に二千五百五十八町村ですか、民間金融機関がないところにサービスを提供していくためには、やはり今までどおり公社化後も少なくとも国営ということは維持をしていこうということで発言されていたというふうに理解をいたしました。
 そこで、小泉総理が誕生したわけでありますけれども、小泉総理が誕生してから、今申し上げたような今までどおりの公社化は粛々とやって、その後も今の利便性を維持するため国営でやっていこうという考えに変化はございますでしょうか。総務大臣にお伺いいたします。
#22
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほど答弁いたしましたように、橋本内閣のときに基本法ができまして、その中で、郵便局の郵政三事業は国営公社で三事業一体でやると。大体中身は独立採算だとか企業会計原則だとか経営目標方式だとか書いていますよね。我々はそれで、これは国会で、法律で決まったわけですから、いわば国民の合意だと、こう受けとめてまいったわけですね。
 今度は小泉総理が誕生しまして、小泉総理は天下周知の民営化論者でございまして、そこで、国営公社というのは決まっているけれども、国営公社に移行した後に、そのあり方についてさらに議論をするのはどうだろうかと、こういう御提案で、私は民主主義ですから、今の基本法で国営公社は決まっておりまして、そこまでは、移行をするということは国会、国民の合意ですから、これはもうやらなきゃいけませんと。そしてその後に、さらに移行後に、そのあり方について国民的な議論を起こして、その結果国民が選択するのならそれは結構です。中には全民営化という方々もおられるし、いや国営がいいという方がおられるし、あるいは民営化でも国営でもない、もう一つの何らかの方途があるという議論もあるし、それは大いに万機公論で、いろんな有識者の方を含めて国民的な議論を起こして、国民が選択されるのなら私は結構でございますと。
 そういう新たな提案を小泉総理が与党の三党の合意でおやりになったわけですから、我々はそれに従ってやっていくと、こういうことでございます。
#23
○浅尾慶一郎君 そういたしますと、大臣は、今の自分の立場としては、国営を堅持するということでもないし民営化をぜひ推進したいということでもない、要は国民が決めることに従うということでよろしいですか。
#24
○国務大臣(片山虎之助君) 我々の当面の課題は、いい国営公社をつくるということ、その国営公社をつくる過程で郵便事業に民間参入を認めるということ、どういう範囲で民間参入をどう認めるかと、これをしっかりやりたい、当面の課題は。
 その後について広く議論が起こって、その結果、国民の皆さんが選択されれば私はそれで結構だと思いますけれども、実はそこまで私らは能力的にいっていないので、当面やることは、公社をどうやってうまい制度設計をやるか、民間参入をどう認めるか、これに全力を挙げたい。
 またぜひ総務委員会の先生方の御指導をいただきたいと、こう思っております。
#25
○浅尾慶一郎君 民間参入のことは後に議論をいたしますが、ただし、短期的には確かに民間参入の問題が当面あると。
 しかし、中長期のビジョンを、本来は大臣として総務省を指揮するという立場に立つのであれば、どういう方向性でどういうビジョンを持っているのかということを明らかにしていただきたいと思いますので、能力がないということは私は決してなくて、大変能力の高い大臣というふうに思っておりますので、中長期的にはどういう方向性で大臣個人としてはビジョンを持っておられるのかをちょっと再度伺いたいと思います。
#26
○国務大臣(片山虎之助君) これはなかなか答えにくいあれなんですが、いずれにせよ、小泉総理は私的な懇談会を立ち上げて、そこでいろいろな方に入ってもらって議論をしようと、こういう段階ですから、私は総理に申し上げているんですけれども、予断を持たずに我々は検討していきますと、予断を持たずに。
 総理は国会答弁で「白紙」と言われましたけれども、真っ白なところで、これからどれが国民のための郵政事業としてあるべきか、これを議論していきたいと、こういうふうに思っておりますから、どういう私的懇談会ができるかということも一つありますし、それから我々の方では、公社化のためのあるいは民間参入のための研究会的なものも今いろいろ事務的には検討しておりますから、そういうことの議論を踏まえながらまとめてまいりたいと、こういうふうに思っております。
#27
○浅尾慶一郎君 では、私の理解では、現段階では私的懇談会の議論を待ちたいということで、そこについては白紙だということで再度の御答弁、イエスかノーかだけで結構ですけれども。
#28
○国務大臣(片山虎之助君) この私的懇談会がどういう構成でどういうスケジュールでやるか、まだ定かではありませんで、今事務的にいろいろな議論を官邸なり、あるいは官邸の絡みで党なりがしておりますけれども、この私的懇談会の立ち上げとその議論を当面は待ちたいと。
 これは公社移行後の議論ですから。我々がまずやることは公社移行ですから。そういう順序で物を考えております。
#29
○浅尾慶一郎君 再度の御質問で恐縮ですけれども、すなわち今おっしゃっていることを聞くと、確認させていただきたいのは、私的懇談会がいつ立ち上がるかわかりませんが、立ち上がってある程度の議論をして、結論が出た段階についてはそれに従うということでよろしいんですか。
#30
○国務大臣(片山虎之助君) いや、それは諮問機関ですから最大限に尊重しなければなりませんし、どういう結論が出るかまだわかっておりませんので、今からその結論がこうならこうということはなかなか言えませんけれども、しかるべきしっかりした結論が出ることを私は期待しております。
#31
○浅尾慶一郎君 では、なかなかお答えいただけないんで、郵便事業への民間参入について具体的に質問をさせていただきたいと思います。
 総理は、「私は、郵便事業についても民間参入を促進することについて、できるだけ民間にできることは民間に任せていくという方針を貫いていきたい。かつてのように、商品券は民間企業が配達してよい、しかし地域振興券は民間企業が配達しちゃいかぬという旧郵政省のわけのわからない論理は、小泉内閣には通用しないということを銘記していただきたい。」というふうに言っておられますが、具体的にかつて旧郵政省が民間参入に関して妨害をしたという事実はあるんですか。
#32
○国務大臣(片山虎之助君) いや、これは総理一流の御表現だと思いますけれども、意図的に妨害したということは私はないと思います。
 それで、商品券と地域振興券の話は、結局、信書というものの範囲をどう考えるかということなんです。これは、判例があったり、いろんな今までの長い間の有権解釈がありまして、地域振興券は特定するわけですから、特定の人や代理人に渡すものですから、信書としての特定性があるというわけです。そこで、商品券はだれが使ってもいいわけですから特定性がないんで、今までの有権解釈や判例に従ってこれは信書だと。信書は郵便局でなきゃだめだと、こう書いてあるんですね、法律に。だからそういう扱いをしたんですが、一方、国民の方から見ると、似たようなものじゃないか、これが信書でこれが信書でないということはそうすぐ簡単にわかるかなと、こういう確かに議論が私はあり得ると、こう思いますので、今度の民間参入については、そういう今までの経緯も踏まえてどういう参入のあり方がいいか検討いたしたいと、こういうふうに思っております。
 ちょっと声がかすれております。風邪引いておりますので、故意にかすれたわけじゃありませんので、ひとつよろしくお願いいたします。
#33
○浅尾慶一郎君 そうすると、あれですか。総理が言っておられる「旧郵政省のわけのわからない論理は、小泉内閣には通用しない」ということは、具体的なことは念頭に置いていなくて、総理一流のコメントとして、具体的なことはないけれども発言されたということですか。
#34
○国務大臣(片山虎之助君) まあ総理はこういうことだと思うんですよ……
#35
○委員長(溝手顕正君) ちょっとお待ちください。片山総務大臣。
#36
○国務大臣(片山虎之助君) 総理の御発言は、民間でできることはできるだけ民間にやらせるべきだと、またできるだけ国民にわかりやすい形でやるべきだと、こういうことを私は言われていると思うんですね。そこは私は郵政省の方のPRというのか、国民に対する説明もあるいは不十分だったかなという気はしますけれども、それは今までの、何度も言いますけれども、法律というものがあって、法律の解釈があって、それに対する判例もあって、そういうことの上に基づいて中立的に考えれば、地域振興券は信書で商品券は信書でないと、そういう扱いになったんですね。だから、それは私はしっかり説明する必要があると思いますよ、国民にわかりやすく。
 そういうことがあるんで、やっぱり総理のような御意見が出ることもあるいはやむを得なかったかなと、こう思います。
#37
○浅尾慶一郎君 私、この総理の本会議の速記録を読んで感じるのは、多分ここで言っておられることは、すなわち郵便事業についての有権解釈は総務省が、旧郵政省が持っておったということなんだと思うんですね。商品券はいいけれども地域振興券はだめだというのが最高裁の判例として確定したということは、私は寡聞にして聞いていないと思いますし、恐らくそんなことはまだ、そういう裁判も、最高裁判例で出ているものもないと思いますし、地裁レベルであるのかどうか、それは知りませんが、したがって、ここで言っていることは、すなわちそういう有権解釈を持っている総務省が、自分たちの郵政事業を守るために、国民にとっては今まさに大臣が言われたように理解が難しい議論でもってやっていることは、私の内閣においては許さないんだということなんだと思います。
 そうだとすると、その小泉内閣の総務大臣として少し、総務省が今、有権解釈をする立場にあるわけでありますけれども、国民に理解ができるような形で有権解釈を変えていくつもりがあるのかどうか、そこをお聞きしたいと思います。
#38
○国務大臣(片山虎之助君) 私は、同じことの繰り返しになりますが、総理のこの前の答弁は、できるだけ民間にできることは民間に任せなさいと、それからあることをやる場合に、できるだけ国民の理解を得てわかりやすくやりなさいと、この二点だと思います。
 それは今後とも我々は守っていきたいと、こういうふうに思っておりますが、今の郵便法なり信書に対するいろいろな解釈については、私も少し勉強して、一応の勉強はいたしておりますけれども、ぎりぎり言うとどういうことがどの範囲になるか。信書というものは文書性と特定性がなきゃいかぬと、私は今そう理解しておりますけれども、これが解釈上ぎりぎりした点でどういうことになるのか、なお検討いたしたいと考えております。
#39
○浅尾慶一郎君 先ほど来、大臣から御答弁いただいております郵便事業への民間参入については、これはきょうの日経新聞にも出ておりますけれども、少し開放していく方向であるということなんだと思いますが、これは信書というものに関してのいわゆる法律も変えて開放していくつもりなのか、それとも単に政省令の改正で臨むおつもりなのか、その点をお答えいただきたいと思います。
#40
○国務大臣(片山虎之助君) 信書そのものの定義は、法律じゃなくて、これは今までの判例の積み重ねや有権解釈の積み重ねなんですね。だから、今こういうことでほぼその判例が出ておりますから、判例が出ている範囲で運用上どこまでどうできるか、なお検討いたしますけれども、私は、今までの旧郵政省の解釈、運用は、それはそれでやむを得なかったところがあると思います。
 ただ、今後、民間参入をやる上で、やっぱりしっかりした基準を持って、ここまではこう、こっちはこうと、こういうことの整理をする必要があるかなと、これはそう思っております。
#41
○浅尾慶一郎君 総理は、民間にできることは民間に任せろというふうに言っておられるわけです。
 それで、信書というものは確かに法律で規定がされていないということになれば、もしその範囲を広げるに当たって過去の判例が阻害要因であるということであって、しかも民間にできるものは民間に任せるべきだという総理のもとであるとするならば、これは法律改正すれば、仮に判例があったとしても別にそれは全く問題がないわけでありますから、法律改正のおつもりがあるのかどうかということを伺ったわけであります。
#42
○国務大臣(片山虎之助君) それは先ほども答弁いたしましたが、我々は有識者その他の研究会を立ち上げて、そこで公社化のあり方と民間参入については議論いたしたいと思っておりますので、そういう中で今、浅尾理事御提案のことを含めて検討してまいりたいと、こう思っております。
#43
○浅尾慶一郎君 小泉総理は、今は郵便事業のことを申し上げましたが、郵便事業に限らず、いわゆる郵政三事業についてもむしろ民間の活動を、「過去の郵政省の事業を見ていると、むしろ民間企業の活動を妨害している面がある。こういうことは小泉内閣では断じて許さない。」というふうに言っておられます。
 実は今、ペイオフ解禁ということが言われておりまして、仮にペイオフが解禁されますと、各地方自治体が民間の金融機関に預けている預金については一千万円までしか保護がされません。ところが、地方自治体が、公共団体が郵便局に預けているものに関しては、これは上限がありませんから幾らでも保護がされるということが現実の問題としてあるわけであります。
 そうすると、少なくとも民間と同じ競争環境に置くということを考えた場合には、地方公共団体が郵便局に預け入れる預金についても一千万円という上限を設けないと、これはその競争のベースが違ってしまうんではないかなというふうに思いますので、ここの上限の部分を法改正で、要するに地方公共団体に預け入れ限度額を設ける意思があるかどうか、お伺いしたいと思います。
#44
○国務大臣(片山虎之助君) 地方団体の場合は、普通の一般個人の預金者と違いますから、これは公の金をいろいろ運用していく場合に一時お預けするということで、今の地方団体のそういう財務会計では指定金融機関と指定代理と収納代理とありまして、指定代理には郵便局はなれないんですよ。だから、今、郵便局がやっているのは指定代理と収納代理なので、恐らくその額は、必要なら事務方に説明してもらいますけれども、極めてわずかな比率でございまして、そういう意味で一千万の限度額を設ける余り意味がないと私は思っております。その必要がないんです。だから、そのことが民間の金融機関に対する営業の妨害だとか、シェアを取り合うとか、そういうことにはなっておりません。一千万というのは、例えば定額や何かで、限度額を設けることによってペイオフとある程度連動するという、こういう思想ですから、地方団体の場合にはそういうあれがないんですね、今、仕組み上も。
 ただ、せっかくの御提案ですから、そういうことも含めて検討はさせていただきます。
#45
○浅尾慶一郎君 現実論に即して意味があるのかないのかというのは後ほど数字を伺いますけれども、私は、そもそも競争というものは少なくとも、国営でやるか民営でやるかは別として、同じ土俵でやらないといけないんではないかなと思っておりまして、今、指定代理にはなれないけれども収納代理にはなれるというような御発言がありました。
 実は、小さな自治体もそうかもしれませんし、大きな自治体になればなおさらそうかもしれませんが、例えば小学校、何とか町立でも何とか市立小学校でもいいです。そこの遠足のための積立金なんというのも、これは全部その市の、あるいはその町の預金としてカウントされるということでありますから、収納代理という形で遠足のためのあれを積み立て、そこでというのはちょっとこれはおかしいのかもしれませんが、多分足し上げれば、名寄せをして足し上げればかなりの市町村で一千万円というのを超えていくということがあり得るんではないかなと、こういうふうに思っていまして、そこはやはり、ということが現実問題としてもあるであろうと。
 そして、そもそも論として、片方は一千万円までしか保証されなくて、片方は無制限で保証されるというのはおかしいんではないかと、こういうことなんで、そこについて再度御見解を伺いたいと思います。
#46
○政府参考人(松井浩君) ちょっと事実関係を私の方から最初に申し上げたいと思います。
 こういった個人の場合ですと一千万円という預入限度額があるわけでございますけれども、地方公共団体だとか、あるいはその他特殊法人なり、あるいは財団法人だとか、そういった公共的な性格を持った法人につきましては限度額を設けていないところでございます。
 それで、実際に、じゃどれだけその金額があるのかということでございますけれども、公共法人のみに限った、地方公共団体のみに限ったその数字はございませんが、そうした法人の預金というのはどれだけあるかということでございますが、郵貯全体の中で〇・四%でございます。全体では約二百五十兆あるわけですが、一〇〇%の数字が、そのうち約一兆で〇・四%でございます。口座数で申しますと、これはその他の会社等のものも入っているんですが、この一兆というものが約五十九万口座でございまして、単純に申しますと、単純な平均数字だけ申し上げていいのかどうかという問題もあるんですが、単純に申しますと、一口座当たりで残高が約百七十三万円でございます。公共団体には大きいところも当然あるわけでございますが、先ほど申し上げました指定金融機関になっていないだとかなれないだとか、そういったいろんなことがあるからだと思いますが、金額は小さいということでございます。
#47
○国務大臣(片山虎之助君) そこで、浅尾委員の言われることも私、わかるんですが、いわゆる市町村にはいろいろありまして、本当に、そういう意味で郵便局がなければいろんな資金の運用上困るというところも私はあるに違いないと思うんですよ。
 今、五十何万口座で一兆円と言いましたかな。一兆円とかと言いましたから、そこで浅尾委員の御提案も我々は検討いたしますけれども、その場合に町村会、市長会というよりは町村会等の現場の意向も十分に聞いて、我々が限度額を仮につくったことによって市町村の資金繰りやいろんな預け入れや払い出しや、そういうことが不便になるということでは私は困りますから、その辺は町村会その他の関係のところの意向も聞いた上でその検討を深めてまいりたい、こういうふうに思っております。
#48
○浅尾慶一郎君 私がこのことを取り上げているのは、今一兆円というふうにもおっしゃいましたけれども、多分、今度ペイオフ解禁になった場合に、現実の問題として、各市町村ないしは都道府県で資金を運用されておられる方の立場からすれば、場合によっては一千万円しか守られないんだったら民間金融機関はやめて郵便局に預けかえしましょうという考え方も出てくる可能性がある。であるとすれば、そこはやはり一千万円ということで、保証される限度額ということが一千万円ということでお互いに同じ土俵にしていかないといけないんではないかなと、こういうふうに思っておるからこのことを申し上げている次第であります。
#49
○政府参考人(松井浩君) 郵便貯金の性格が基本的には個人のための貯蓄手段として機能してきたということが先ほどの数字でおうかがいいただけるかと思うんですが、先ほど申しました数字を改めて申しますと、地方公共団体だけでなくて他の公共法人、さらに営利法人も含めた数字でございまして、いかに郵貯が個人のための手段になっているかということを申し上げたわけでございます。そういう点から見ますと、仕組み的にそういったその郵貯に、ペイオフ解禁後におきましても郵便貯金に目立った利用増加が出てくるとは私どもは今のところ考えてはおらないところでございます。
 と申しますのも、例えば企業がそういった金融機関と取引する場合は、借りることだとか、それから限度額、資金決済のための手段だとか、いろんなことがございます。総合的な関係の中でその取引形態というのはできておりますので、先ほど申し上げました、先生御提起の問題だけでそういった大きな話になるようなことはちょっと考えにくいのかなと思っております。
#50
○浅尾慶一郎君 もう一つだけ申し上げておきます。これは御答弁要りませんけれども、御案内のとおり、地方自治法の中においては、仮に破綻をうわさされているようなところに預金をしてそれが破綻した場合にはその責任者に対して賠償、今度その法案、改正を提案されるようでありますけれども、賠償を求めるというような条項も入っておりますので、かなり御案内のとおり地方自治体の現場においてはこのペイオフの解禁の問題というのは重い問題として受けとめられております。その中に一つだけ最後のラストリゾートみたいなものがあれば、当然の経済行為としてそっちに行くんではないかという観点もあって主張させていただいておりますが、このことは別途の機会に譲りたいというふうに思います。
 そこで、時間の関係で余りもう残り質問できないかもしれませんが、先ほど来出ております郵政事業の民営化懇談会というのは、総理の私的、位置づけをちょっと伺いたいんですが、私的な懇談会ということになるんでしょうか。例えば、本日発足いたしました総合規制改革会議、これは多分総務省が関係すると思いますが、そういったようなものと同じような位置づけになるんでしょうか。そこの点だけ簡潔にお答えいただきたいと思います。
#51
○国務大臣(片山虎之助君) これは、今決まったものがあるのは三党合意だけなんですね。それで、三党合意は私的な審議機関とありまして、総合規制改革会議、あれは政令に根拠を置くものですね、あれは私的じゃありませんね、規制改革委員会の後、更新ですから。そういう意味で、根拠あるいは形式、やり方等については私はまだ決まっていないと思うんですね。だから、これから官邸が中心で、我々も協力してどういう懇談会にするかを詰めてまいりたい。その際、浅尾委員言われるような根拠やそういうこともきちっと整理いたしたいと、こう思っておりますし、これは民営化の懇談会じゃないです。これは三党合意であり、総理も答弁いたしておりますように、民営化問題を含めて公社移行後のあり方についての検討をすると、こういうことでございますので。
#52
○浅尾慶一郎君 もう時間がありませんので、じゃ簡単に伺いますが、そうすると、総合規制改革会議ですか、よりは位置づけが私的なものであるということからすると低いものであるという理解でよろしいですか。
#53
○国務大臣(片山虎之助君) しかし、事は総理大臣の私的な、私的であっても懇談会ですから、そういう意味での私は大変権威があると思いますし、また根拠をどうするか、そういうことによっては、私は総合規制改革会議ですか、それと比べてどっちがどうだなんという議論には私はなかなかならないんではなかろうか、その辺を含めて十分検討していい懇談会を立ち上げたいと、こういうふうに思います。
#54
○浅尾慶一郎君 時間が来たので終わりますが、そうするとしっかりと根拠を、総理の言っておられることですから少なくとも根拠はつけた形で決めていただきたい、こういうふうに申し上げて、終わります。
    ─────────────
#55
○委員長(溝手顕正君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鎌田要人君が委員を辞任され、その補欠として鹿熊安正君が選任されました。
    ─────────────
#56
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 本法案は、ATM提携などのサービスに伴う郵便局と金融機関の資金決済を日銀ネットを使って電子的に行えるようにするということと、それから、今でも簡易郵便局でできている国保料の納付を引き続きできるようにするというものであって、我が党もこれは当然賛成でございます。
 そこで、一つだけ確認をしておきたいと思います。今回導入される日銀ネットにある民間銀行の当座預金と政府当座預金の日銀の仲介による決済、このシステムは郵政事業庁が新型の公社に移行した場合でも何の変更の検討もなくそのまま使えるかどうか。これ、いかがですか。
#57
○政府参考人(松井浩君) お答え申し上げます。
 今回導入を予定しておりますのは、ATM提携等の提携サービスに係る民間金融機関との間の資金決済につきまして、郵政事業庁の国庫金の受け払いを日本銀行に電子的に通知して、提携先の民間金融機関の日本銀行当座預金との間の資金授受を行うものでございます。
 そこで、移行後の新型公社の扱う資金でございますが、国庫金ではなくなるということにはなろうかと思います。しかしながら、その後の決済方法につきまして幾つかのパターンがあると思います。国庫金でなくても国庫金扱いというパターンもありますし、それから当座預金、日本銀行への当座預金というパターンもあります。それから、その中でもまた民間の中であります銀行の全銀システムの中に入るとか入らぬだとか、そういったいろんなバリエーションはあり得るんですが、まだ決まっておりません。
 公社の制度設計、新しい国営公社の制度設計と深くかかわる部分がございまして、今後の具体的な取り扱いにつきましては、関係者と鋭意協議させていただきまして検討してまいりたいというふうに思っておりますが、大幅な費用が、何といいましょうか、今回取り組んだことがむだになるというふうなことはないのではないかというふうに思っております。
#58
○宮本岳志君 国庫金でなくなるので検討が必要になるということが御答弁だったと思います。
 そこで、この法案にかかわって幾つか窓口業務のことについてお伺いしたいと思います。
 私は、一九九九年三月九日に参議院交通・情報通信委員会で、郵便窓口におけるいわゆる過不足金問題について質問をいたしました。
 そのときの議論では、平成九年度で過剰金が六十五万件弱、六億円強、欠損金が一千件で三億円強、任意弁償が四十万件で十一億五千万程度でしたので、合計年間約百万件、総額二十億円という過不足が生じているというものでありました。
 そこで、まずお伺いいたします。この件数と額はそれぞれ平成十一年度でどのようになっておりますか。
#59
○政府参考人(足立盛二郎君) 郵便局におけます現金、過剰金でございますが、平成十一年度は六十五万一千件、七億七千七百万円となっております。それから欠損金につきましては一千百二件、四億四千二百万円、それから任意弁償金でございますが、平成十一年度三十九万二千件、金額で九億七百万円でございます。
#60
○宮本岳志君 合計すると百四万件、総額約二十一億円と。これ、減っていないわけであります。百万件といいますと、全国約二万五千の郵便局で割っても一郵便局当たり年間四十回、週に一回程度はお金が合わないということであります。
 なぜ減らないのかと。これも前回私は指摘をいたしました。過不足事故が生じたときに原因がわかるような実務処理になっていない、そして、原因がわからないにもかかわらず、郵政省は会計法の善管注意義務にあぐらをかいて、不足金は職員の任意弁償という形で自腹を切らせてきたからではないのかと。
 私が前回質問してから以降、過不足事故の原因を特定するための改善措置を何か講じてきましたか、郵政事業庁。
#61
○政府参考人(足立盛二郎君) 先生御指摘のとおり、現金の窓口の過不足事故はなぜ発生するのかということでありますが、基本的には私、やはりお金の授受を慎重に行うことが必要であると。極めて地味なことでありますけれども、そういうことを職員に徹底することがまず基本であると。それとあわせて、なるべく機械化をして人の手によらないでお金を計算することが必要であるというようなことから、職員の指導と機械化という二つの側面から取り組んでまいりました。
 前回、先生に御指摘いただきました以降、平成十一年度以降でございますが、特定局の郵便窓口へポスタルスケールVという機械を全局配備いたしまして、平成十一年度末に完成しております。また、貯金の窓口におきまして紙幣硬貨入出金機、いわゆるオートキャッシャーと呼んでおるものでございますが、こういったものにつきまして全国一千四百三十五台を配備したところでございます。平成十三年度、本年度につきましては、このオートキャッシャーという機械の少し小型版のものを開発いたしまして、これをさらに普及を図っていくということを考えております。
 また、窓口の現金管理機、こういったものを導入いたしまして、従来ですとお客様とのやりとりをしたときにレシートとかそういったものがない場合がございますが、今度この現金管理機を導入いたしますと、確認票といいますかレシートをお客様にお渡しする、また私どもの内部にも現金の受け払いの記録が残るというようなことで、事故が起こった場合に後で究明が可能であるといったようなことなどができますので、こういった両方の側面から、職員の指導それから機械化、そういったことに一層取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#62
○宮本岳志君 今御答弁になったオートキャッシャーあるいは紙幣計算機及び硬貨計算機の配備、あるいはビデオとかマニュアル、今回質問に先立ってどういう防止策があるかと聞いたら、この四つが出てきたんですけれどもね。前回の質問のときの答弁を一つ一つ調べてみたら、前回も同じことを実は答弁されているんですよ。
 それで、私、前回ここがかぎだと指摘したことがあります。民間の金融機関では現金は金種別に扱うのが常識になっている、金種別に扱うように伝票などを切りかえろと指摘したはずですが、伝票は金種別のものにかえましたか。
#63
○政府参考人(足立盛二郎君) 民間金融機関におきましては、非常に店舗数、店舗の規模も大きい、そして取扱金額も大きいということから、いわゆる現金の受け払いを計算する機械、そういったものが広範に導入されておるわけであります。それに相当いたします郵便局の機械と申しますのが先ほどのオートキャッシャーということになります。また、それのいわゆる小型版であります窓口現金管理機といったようなものになってくるわけでございまして、郵便局につきましては、いわゆる局の規模、取り扱いの量、そういうことを考えますと、民間金融機関と全く同様な施設設備を導入するということは、その必要がないんではないかというふうに考えております。
 ただ、先ほど来申し上げましたとおり、なるべく職員の注意喚起、また可能な限りの機械の開発、そういったものに努めてまいりたいというふうに思っております。
#64
○宮本岳志君 民間と同様なものはできないんだとおっしゃいながら、実際には過不足金が生じたときにはどういう処理になっているか。民間はそんな職員に自腹を切らせるという処理はやっていないんですよね。ところが、現実に郵便局では、不足金の大半を任意弁償という職員の自腹切りに押しつけている。過剰金は国庫金の収益としてきたということがあります。つまり、過不足事故の原因がわからなくても郵政は決して損をする心配はないということになっているんですよ。
 しかし、私、ここで問いたいんです。不足金の対応は後で論じるとして、過剰金ですよ。少なくとも過剰金の原因となったお客様にとっては、本来受け取るべきお金が受け取れなかった、損をしたということなんです。過剰金の原因が特定されないということは、つまり郵政が損をしない、事業庁が損をしないシステムは必然的にお客様の損によって成り立っていると言っても過言ではないんですよ。そうでしょう。こんなことをやっているところはほかに一つもない。
 総務省のきょうは自治行政局に来ていただいておりますけれども、地方自治体の手数料など現金を扱う窓口で過剰金が生じた場合、これを地方財政に繰り入れる明文上の法的根拠はありますか。
#65
○政府参考人(芳山達郎君) お答えいたします。
 地方団体の財務会計手続を定めております地方自治法におきましては、ただいま御質疑ありましたような過剰金についての明文上の規定はございません。
#66
○宮本岳志君 ないんです。
 事前のレクで自治行政局の説明では、これを雑収入として地方財政に繰り入れるということは少し乱暴な処理ではないかと。では、どうするのかと聞いたら、あえて厳密に言えば拾得物ということで警察に届けるということになるのではないか、こういうことでありました。
 そこで、郵政省に聞きますが、会計法上、郵便局で発生した過剰金を国庫金に収益として繰り入れる法的な根拠はありますか。また、現在繰り入れる際に、何という費目で繰り入れておりますか。
#67
○政府参考人(足立盛二郎君) 郵便局におきましては過剰金を国庫に繰り入れておるわけでありますが、これは会計法に特別な規定があるものではございません。いわゆる権利者が不明な過剰金につきましては、国がひとまず保管をしておきまして、時効が完成した後は権利者の請求権が消滅する。そうしますと、いわゆる民法の時効の法理に従いまして国のものになってくるということでありますので、現在、国が保管をするという考え方で処理しておるところであります。
 具体的には、後日、過剰金のいわゆる権利者が判明した場合にはその方にお返しをいたします。そして、一定期間以上経過してもその権利者が判明しないものについては先ほどの時効の法理に従いまして国庫に組み入れているということでございます。国庫に組み入れております歳入科目は業務収入、目は為替振替業務収入、区分は為替貯金の雑収入でございます。
#68
○宮本岳志君 雑収入ということなんですね。まさに自治行政局さえ乱暴だと言う処理をやっている。一年間保管して民法上の時効の考え方を援用という説明を受けました。私は、どうもほとぼりが冷めるのを待ってというふうに聞こえたんですけれども。
 それで、年間七億七千七百万円ですよ。いいですか。警察白書によると平成十一年に全国で拾得届が出された現金、総額百三十二億円なんです。年間七億七千七百万というのは実にその六%ですよ。本来受け取るべきお客様に、個人に返さなければならないこのお金が雑収入という乱暴な処理で国庫金の収益として扱われている。
 前回の私の質問でも郵政省は、この過剰金について国庫金の収益として間接的にお客様に返していると答弁されて、当時の委員会では与党委員の間でさえ失笑が漏れましたよ。大臣、これ聞いていただいて、あなたの政治家としての一つの御答弁、感覚で答弁していただきたい。こんなことが国民に理解が得られると思いますか。いかがですか、大臣。
#69
○国務大臣(片山虎之助君) 宮本委員言われるように、本当はこういう過剰金というんですか、そういうのはないのが一番いいんですよね。しかし、やっぱり人間ですから、いろいろの手違いが出て、過剰金が出る場合もあるし、足りないのが出る場合もあるんだけれども、過剰金が出たら、それは善意で拾ったのと同じような状況で、一年間持って、時効になって、それは郵便局の中で大体起きているんですから、郵便局絡みだから郵便局の特別会計の恐らく雑収入で入れていると、こう思いますけれども、私もこの話を聞いて額が大きいなと思ったんですよ。
 ただ、郵貯自身の額が大きいですから、比率からいうと大したことはないといえば大したことないのかもしれぬが、いかにも額は大きいので、今、長官が言うように、こういうことが起こらないようにするのが一番だと思いますので、職員のいろんな研修だとか訓練だとかというのもあるんでしょうし、事務のやり方、それから機械の入れ方、IT時代ですから、何かもう少し私は工夫する必要があるんじゃなかろうかと、こう思っておりますので、御指摘は十分重く受けとめて、しっかり検討させていただきます。
#70
○宮本岳志君 まさに人間だからいろいろ間違いがあるというお話もありましたね。
 では、次に、不足金の問題なんですよ。
 この不足金については、正規の会計手続は欠損金扱いというのがあるんです。ところが、欠損金として処理されているのは年間千件、わずか〇・二五%。ほとんどが任意弁償、つまり職員個人が自腹で出すというのが九九・七五%になっているんです。
 インターネット上に「2ちゃんねる」という巨大掲示板がありまして、そこの郵便、郵政関係者の掲示板というのがあるんです。私、そこをずっと見てみますと、「任弁、過剰金 あなたの最大記録」というスレッドがあって、郵政職員や郵政関係者がいろいろと掲示板に書き込みをしております。
 この中身を見てみますと、五十万欠損が出て、サラ金で借りて任意弁償したとか、貯金の担当になって数日目の新人が七万欠損、出勤者全員で頭割りして任意弁償したとか、枚挙にいとまがないんですね。この中に「任弁しない方法てあるの?」という質問があって、それにある人が答えを書き込んでいる。「任弁しません。と宣言すればいいんじゃないの?要するに自分に落ち度は全然なかったということでしょ。でもそれを証明しないといけないでしょうね。あと監察とかやって来そうですね。」「多分、最終的に払わされると思います。」と、こう書いてあるんですね。これほど任意弁償というのは日常茶飯になっているんですよ。しかも、任意とはいうものの、事実上は強制になっている。
 これもひとつ総務大臣の御見解を聞きたいんですけれども、これは事実上やっぱり強制になっているんじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。
#71
○政府参考人(足立盛二郎君) 現在の郵便局で取り扱っております現金は国庫金でありまして、いわゆる欠損が生じた場合には、出納職員は会計法の規定によりまして、善良な管理者の注意を怠ったときは弁償の責任を免れることができないというふうにされておるわけであります。
 そういう制度のありますことを前提といたしまして、職員がいわば自発的に善管注意義務を自分が欠いたというふうに判断して、いわゆる自己の債務として現金を補てんしたものでありまして、国としては、任意弁償というのは事実上の制度でありますが、決して強制して行っているものではないということは御理解いただきたいと思います。
#72
○国務大臣(片山虎之助君) これは会計法の規定や仕組みもあるんですね。善良な管理者としての注意をちゃんとやったということを証明せにゃいかぬのですよね。ただ、これはなかなか簡単にいきませんよ。そうすると、あとは面倒だから、ややこしいし、大した額でなけりゃ出しておこうかと、こういうことになるんですよね、恐らく。私は、強制じゃないと思いますけれども、雰囲気としては、出した方がいいなという、そういう感じになるのかなという気がいたしますので、これも一遍、郵政省が総務省になったんですから、仕組みも変えるという、国営公社になりますし、そういうことの中で、どうやってこういうことが少なくなるか、件数も額も。そういう検討をやっていきたい、こういうふうに思います。
#73
○宮本岳志君 それは当然で、強制にもし仕組みとしてなっていたらさらに問題なわけですけれども、大臣おっしゃるとおり、そういう空気になっているというのはこのスレッドを見てもひしひしと伝わってまいります。
 そして、やっぱりこのことが非常に職員の負担になっているし、そういうことについてさまざまな議論があるということは事実でして、この今のスレッドで、任弁しませんと宣言すればどうなるかと。任弁しませんと宣言した例がございます。そうすれば、郵政監察がやってきて、会計検査院が検査に入ると。総務大臣の名前で弁償命令が出ます。それも拒否したら、国から裁判に訴えられると。こういう裁判が行われてまいりました。
 去る二月二十一日、東京地裁民事第二十四部において、この不足金裁判、不足金の処理をめぐる裁判の判決が出されました。その判決のうち、郵便窓口での不足金については、郵政省、国側の主張を退け、請求を棄却いたしました。この裁判は、一九九〇年から九六年にかけて、六名の郵便局員が郵便窓口で発生した不足金について正規の取り扱いである欠損金として処理したところ、郵政大臣から六名に対して合計三十九件、四十一万三千二百五十四円の弁償命令が出されている。この弁償命令に対して六名が異議を唱え、支払いを留保したところ、一九九七年八月に郵政省が不足金の支払いを求めて提訴し、裁判となったものです。
 判決によりますと、郵便窓口での不足事故は、現金亡失、お金がなくなったのか、切手類亡失、切手、物品がなくなったのかを特定できない以上、会計法に基づく、先ほどおっしゃった善管注意義務違反を根拠とした弁償義務はないと、こう言って国側の請求を棄却したんです。これに間違いないですね。
#74
○政府参考人(足立盛二郎君) この原判決は、郵便窓口におきまして、現金亡失か切手類の亡失かいずれであるかを認めるに足る証拠がないということで、会計法に基づきまして現金亡失を前提とした善管注意義務違反を求めておりました当方の請求を一部棄却するという内容でございます。
 なお、棄却されたものにつきましては、当方としては現金の亡失であるというふうに考えておりまして、本件につきましては、今後、控訴審の中でその事実関係等を主張してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#75
○宮本岳志君 ここに判決の全文があります。今後この裁判がどのように争われるかというのは司法の問題なんです。ここでやろうというふうには思っておりません。しかし、確認したいんですが、国側は、この不足金が切手など各種販売品の亡失でなくて現金の亡失であるという主張はしておりますよ。しかし、現金亡失か切手類亡失かが特定できなければ善管注意義務違反には問えないということについては争っていないと思うんですね。
 この判決の趣旨、つまりこれがはっきりしなければ善管注意義務違反としての弁償責任は問えないという判決の趣旨に立つと、また、国側が争っていない、国側も認めているこの論理、これに立てば、今後、現金以外に切手や印紙などを扱う郵便窓口においては、切手や印紙の数え間違いなどの可能性が全くないと、これは間違いなく現金が亡失された事故であるということが明らかになったときのみに会計法に基づく弁償責任が出てくると。逆に言えば、今後、郵便窓口においては、その現金不足の原因が切手や印紙の亡失でない、確かに現金を亡失したということが具体的に明らかにできない場合は、職員に会計法上の善管注意義務違反に基づく弁償責任は問えない、こうなると思うんですが、間違いありませんね。
#76
○政府参考人(足立盛二郎君) 先生の言われますとおり、この判決の趣旨に従うならば、現金亡失か切手亡失かのいずれであるかを認めるに足る証拠がない限り、職員に会計法上の弁償責任を問うことは困難になるものと考えます。
 ただ、先ほども申し上げましたように、本件裁判で争っております具体的な事件につきましては、この事実関係の認定を、私どもは先ほど申し上げましたような観点で今後控訴審の中で主張していくということでございます。
#77
○宮本岳志君 今後はやっぱりそういう扱いにしていただくということだと思うんですね、その両方を扱っている窓口においては。そのことが明らかにならない限り弁償責任は問えないということをはっきりさせて運用に当たっていただきたいと思っております。
 そこで、今後の郵政のあり方にかかわる問題で、先ほど少し総務大臣も先取りして答弁をいただいたわけですけれども、中央省庁改革基本法によりますと、郵政事業庁は二〇〇三年にも新型の公社に移行いたします。そして、基本法の第三十三条の四では、新型公社の予算及び決算は企業会計原則に基づき処理する、予算は国会の議決を必要としないものとするほか、繰り越し、移用、流用、剰余金の留保を可能とするなどその統制を必要最小限のものとすると、こうしております。また、国会審議では、当時の大森法制局長官が、郵政公社に関する財務会計費用の支出、これは国費に当たらない、明確に国庫金でなくなると、これはこうお答えになっているわけですね。
 だからこそ冒頭、私質問で確認したように、今回の法改正で行われる日銀ネットとの決済も、新型公社となったらその扱いを検討する必要が出てくるわけです。これはそうなると明確に会計法の適用がなくなると思いますので、その際には当然こういった問題についても現状のままでいかなくなると思うんですが、この点よろしいですね。
#78
○政府参考人(野村卓君) 新公社の財務会計制度につきましては、中央省庁等改革基本法に基づきまして現在検討中のところでございますけれども、新公社は国と別の人格を持つ法人として設立される予定になってございますので、新公社の取り扱う郵便貯金等の現金につきましては国庫金でなくなるということになると考えております。また、会計法の適用につきましても、そういった現金等の取り扱いの手続につきましては直接適用にはならないというふうに考えているところでございます。
#79
○宮本岳志君 相当明快な答弁ですので、少し早目に終われそうなんですけれども。
 私は実はこの件をめぐって勉強してみたんです。会計法、とりわけこの弁償責任というものがどのように歴史的に発展してきたかと。
 実は、明治会計法、明治二十二年制定の会計法で初めて弁償責任というものが出てくるんです。この当時は、実は現金もしくは物品の出納をつかさどるところの官吏はと、主語はこれは物品も現金も一緒くたになっているんです。しかも結果責任、もう無過失責任なんですね、このときは。
 その後、大正会計法、大正十年に改正されまして、このときもまだ現金または物品を亡失毀損した場合はということですが、初めて善良な管理者の注意を怠らなかったことを証明すればその責を免れ得ると。しかし、挙証責任は依然として出納官吏の側にあったんです。
 そして、昭和二十二年、新憲法とともに会計法を再び全面的に改正しました。弁償責任の主観的責任要件である善管注意義務について、立証責任は出納職員にあるんじゃなくて国の側にその立証責任を転換したんです。
 しかし、決定的だったのは、その後三十一年に物品管理法という法律をつくって、物品については会計法から外したんです。そして、物品の管理に係る職員は物品管理職員として新たな法律で律することにしたと。そして、そのとき物品管理法は「故意又は重大な過失」というふうに、つまり善管注意義務じゃなくて故意でやったとか重大な過失があったということがない限り問わないということになったんですよ。
 だから、この問題のさまざまな学術書も読みましたけれども、少しバランスに欠くと。物品がそう緩和されているのに、いつまでも現金、出納の職員だけこういう扱いでしているのはやっぱりバランスを欠くという議論も随分学界にあるんです。
 ぜひこの機会に、やはりもうこういう取り扱いについてもきちっと民間金融機関並みにしていくと、この方向での御検討を、ひとつ大臣からその御決意というか所見をお伺いして、五分残りますけれども、私の質問を終わりたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#80
○国務大臣(片山虎之助君) 宮本委員が言われるように、やっぱり今度は国でなくなりますよ。しかし、国営の公社でして、それから国民の皆さんの貴重なお金を預かって、それがキャッシュであるか小切手か印紙であるか、それは形はともかくとして重要度は私は同じだと思いますね。だから、いずれにせよ、この国営公社の財務会計制度というのは仕組まなきゃいけません。
 その中で、いろんな御議論がある、宮本委員の御意見も御指摘もありますから、そういうことを含めて、やっぱり国民の目から見て安心できるような、それからバランスをとって公平なような仕組みは十分検討させていただきます。
#81
○宮本岳志君 終わります。
#82
○委員長(溝手顕正君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 郵便振替法及び簡易郵便局法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#83
○委員長(溝手顕正君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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