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2001/06/07 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 総務委員会 第13号
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2001/06/07 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 総務委員会 第13号

#1
第151回国会 総務委員会 第13号
平成十三年六月七日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     関谷 勝嗣君     若林 正俊君
     浅尾慶一郎君     内藤 正光君
     高橋 千秋君     櫻井  充君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     若林 正俊君     中島 啓雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                入澤  肇君
                岩城 光英君
                海老原義彦君
                内藤 正光君
                宮本 岳志君
    委 員
                景山俊太郎君
                鎌田 要人君
                久世 公堯君
                世耕 弘成君
                中島 啓雄君
                輿石  東君
                櫻井  充君
                菅川 健二君
                高嶋 良充君
                鶴岡  洋君
                弘友 和夫君
                富樫 練三君
                八田ひろ子君
                山本 正和君
                松岡滿壽男君
                高橋 令則君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       総務副大臣    小坂 憲次君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  景山俊太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       総務省情報通信
       政策局長     鍋倉 真一君
       総務省総合通信
       基盤局長     金澤  薫君
       総務省政策統括
       官        高原 耕三君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○電気通信事業法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(溝手顕正君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、関谷勝嗣君、浅尾慶一郎君及び高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として若林正俊君、内藤正光君及び櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(溝手顕正君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に内藤正光君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(溝手顕正君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電波法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省情報通信政策局長鍋倉真一君、総務省総合通信基盤局長金澤薫君及び総務省政策統括官高原耕三君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(溝手顕正君) 電波法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○内藤正光君 おはようございます。民主党・新緑風会の内藤正光でございます。
 本日は、この電波法の審議、九十分いただいておりますが、いろいろ思うところを質疑させていただきたいと思います。
 まず、私の立場を明確にさせていただきたいと思います。
 私は、何も地上波のデジタル化に反対という立場には立っておりません。しかし、デジタル化に対する国民の理解が得られていないようではなかなかうまくいかない。ですから、私は、今回の審議を通じてデジタル化に対する国民の理解を一層高めていけることができれば、そんなふうに思っていろいろ審議をさせていただきたいと思います。
 では、早速質問に入らせていただきたいと思いますが、さきの委員会また前国会でもいろいろ審議されたかと思いますが、まず、地上波のデジタル化の必要性について改めてお尋ねしたいと思います。
#9
○国務大臣(片山虎之助君) 内藤委員は御専門ですから釈迦に説法ですけれども、もう一度地上放送のデジタル化の必要性について述べさせていただきます。
 メリットとしては、何度も申し上げますように、高品質な映像、音声サービスができる。データ放送が大変十分なものができる。それから、通信網と連携した高度な双方向サービスもできる。安定した移動受信あるいは話速変換等の高齢者、障害者に優しいサービスの充実など多くのメリットを国民にもたらす上に、アナログ方式と比較しまして使用周波数を大幅に削減できる。まあ三分の一ないし四分の一だそうでございますが、そういたしますと次世代の情報通信基盤となる電波需要で増大する移動体通信分野等にさまざまな電波利用ができることになりまして、周波数の再配分が可能になりますから、大変そういう意味ではまた多様なサービス、国民の期待にもこたえることができると、こういう点もあると思います。
 さらに、このデジタル化の推進によって、大手家電メーカー等の試算によれば、今後十年間で端末放送機器使用に四十兆円に及ぶ需要を創設できるのではなかろうかと、こういうことも言われておりますし、また、先ほども申し上げましたが、通信と放送の融合に対応した新しいサービスということで、例えばインターネットとテレビを組み合わせたテレビショッピングなどの新しいビジネスも創造することができるのではなかろうかと。また、世界の各国が一斉に地上放送のデジタル化を進めておりますから、こういう面でも連携がさらに強まると、これにおくれをとることは極めて国益を害するのではなかろうかと、多々の面から、我々はやっぱり地上放送のデジタル化をこの際推進したいと考えている次第でございます。
#10
○内藤正光君 質問としてはちょっと重複するところがあろうかと思いますが、いろいろ必要性については理解できました。
 逆に、よくわからないのが、視聴者、一般ユーザー、国民にとって、じゃ地上波のデジタル化はどんなメリットがもたらされるのか。いろいろあろうかと思いますが、答えとしても重なる部分かなりあろうかと思いますが、また改めて、もし今の言葉に、大臣の答弁に含まれているというのであれば、それはそれで結構ですが、もしほかにあればお答えいただけますでしょうか。
#11
○大臣政務官(景山俊太郎君) 大臣のお答えと若干ダブる点があろうと思いますけれども、お答えをしたいと思います。
 視聴者に対してどういうメリットがあるかということでありますが、いろいろたくさんあると思いますが、まとめまして四点についてお答えをしたいと思います。
 まず、高品質な画像であるということです、映像が。それはハイビジョン放送がやれると。それから、山とかビルの谷間、こういうところでゴースト現象が出ますけれども、二重に絵がダブって映ったりするようなことがありますが、こういうのがなくなるということ、見やすくなるということです。
 それから、データ放送が現在も行われておりますけれども、これがもう少し滑らかな移動、または量も多くデータが送れるということでありますし、地域ごとのきめ細かな生活情報などを送信することが可能であると。例えば、地上波でありますから県単位で番組を作成して、関東圏は今関東圏域でありますけれども、ほかのところは全部県単位でありますので、そういったところで例えば商店街の特売りでありますとか、その他いろんなそういうものもきめ細かくやれると。それで、今後は郵便番号などを活用いたしまして、リモコンで郵便番号を入れますと自分の好きなところが選べて見れる、どういう商店で特売りしているかとかいうようなそういうことが見れると。そういうこれまでにないようなことができるんじゃないかと思います。
 それから、双方向サービス。インターネットと連携したテレビショッピングとか、将来的にはテレビバンキングですか、そういうことも行うことができるんじゃないかと思います。
 それから、お年寄りとか障害者の方々に非常に優しいサービスをやれると。聞き取りやすくするためにテレビの音声の速度を調節して聞きやすくする、そういうことができるというふうに思います。
 その他いろいろあろうと思いますけれども、主のなものは四点ぐらいじゃないのかなというふうに思います。
 それから、デジタル放送は、車についているテレビとか携帯で持って歩く、移動して持って歩くテレビ、その放送がぶれないといいましょうか非常に見やすくなると、こういうこと。
 それから、通信と放送が融合いたしまして、先ほど言いましたようなインターネットを活用することによりましてショッピングであるとかバンキングであるとか、そういうことが発展する可能性があるということではないかと思います。
 それで、車のテレビとか携帯のテレビは移動体通信と組み合わせて今後いろいろな双方向で可能性が出てくるんじゃないかというふうな、これは一つの可能性ですけれども、そういうことが想像できるということじゃないかと思います。
#12
○内藤正光君 丁寧な御説明、本当にありがとうございます。
 さて、デジタルといいますと、既にBSですとか、あとはケーブルテレビ、一部ですが、そしてまたCSでは始まっていると。そして、早ければことしじゅうにもCS百十度によるデータ放送も始まるわけなんですが、BS、ケーブルテレビ、CSあるいはまたCS百十度、それぞれのデジタル化の特徴について、それぞれ特徴があるかと思いますが、それぞれの特徴について教えていただけますでしょうか。
#13
○政府参考人(鍋倉真一君) BS、CSを含めまして衛星放送はすべて全国放送という特色があるわけでございますが、昨年十二月に開始されましたBSデジタル放送の特色としましては、いわゆるデジタルハイビジョンの放送が七チャンネル提供されているということと、それから十九事業者でデータ放送を本格的に開始しましたということでございます。
 CSデジタル放送でございますが、これはもう御承知のとおり平成八年から放送を開始しておりますけれども、これは海外ニュースですとか映画ですとかスポーツですとか、いろんな専門的な多チャンネルということで百八十八の番組が放送されているというのが特色かなというふうに思います。
 先生御指摘の東経百十度のCSデジタル放送が本年末以降に開始される予定でございますが、これは今放送されておりますBSデジタル放送ですとか、あるいは今もう放送がされておりますCSデジタル放送にはないような、例えば今予定をしておりますのは、立体テレビですとか、あるいはマルチアングルの放送ですとか、それから本格的なテレビコマースですとか、そういった高機能なサービスを特色にするというふうに聞いております。
 それから、ケーブルテレビの特色でございますが、これはBS、CSや地上放送がアンテナを設置することなく受信可能であるということ以外に、地域に根差した基本的なインフラでございますので、地域に密着した番組を提供しているということが特色でございますが、昨今、高速インターネットの接続ということで通信、放送の一体的なサービスがよりできる可能性が大きい、そういう特色を持ったメディアかなというふうに考えております。
#14
○内藤正光君 BS、ケーブルテレビ、CSあるいはCS百十度、それぞれにデジタル化の特徴があるわけですね。
 そういった観点から、じゃ地上波のデジタル化の特徴、意義、あるいはまたセールスポイントと言ってもいいかと思いますが、一体何なのか。地上波のデジタル化はほかの媒体に比べてこんないいメリットがありますよとか、こんなセールスポイントがありますよというのがあったら教えていただきたいんですが。
#15
○副大臣(小坂憲次君) 今、景山政務官また局長の方から若干申し上げたこととダブる部分もあるんですが、地上放送は、現在の地上放送を見ていただきますと、衛星放送やCATVと違いましてほとんどのすべての国民が視聴をいたしておる、また、そういった意味でほぼ一〇〇%近く普及しております最も身近な基幹的なメディアなんですね。ですから、この地上放送がデジタル化をしないということは、デジタル放送のもたらすメリットをすべての国民に享受していただくことができないということになってしまう。そんな意味で地上放送のデジタル化というのは大変重要な意味を持っております。
 その意味で、地上放送のメリットとして、今、景山政務官の方から申し上げたような、車あるいはポータブルの受像機を持っている場合に移動しながらもクリアな画面が見られる、これは大きな特徴であろうと思っております。また、地域ごとのきめ細かな情報が移動しながら入手できるということにもなるわけですから、そういう意味で地上放送の特徴というのはこういった点にも、生活密着型といいますか地域密着型といいますか、こういったメリットがあると思っております。
 さらには、地上アナログ放送から電波のより効率的な能率的な使い方であります地上デジタル放送へ移行することによりまして、周波数が逼迫する中で次世代の情報通信基盤として期待されるモバイル等の電波需要の増大に的確に対応することができる。この点においても地上放送がデジタル化するメリットというのは大きなものがある、このように考えているところでございます。
#16
○内藤正光君 地上放送のデジタル化の意義として、クリアな画面だとか地域ごとのきめ細かないろいろな番組、確かにそれもわからないわけでもないんですが、どうもそれは地上波のデジタル化というよりも、何かデジタル化の意義。
 ですから、私はデジタル化自体に対して全然異論を唱えているわけじゃないんです。なぜそれが地上波なんだと。例えば地域のきめ細かな番組であるならば、既にあるケーブルテレビ、それできめ細かな映像が送れるわけですし、また美しい画面というのであれば、それはもうほかのデジタル放送が既に持っていることですよね。
 ですから、私が知りたいのは、そしてまた国民に強く訴えていかないのは、どうしてこうまでして、国策として、そしてまたこれだけ巨費を投じてまでデジタル化を進めなきゃいけないのか。つまり、わかります、景気浮揚だとか、あるいはまた国益的観点から基幹の放送である地上波をデジタル化しなきゃいけないというのは、そういう観点からわかるんです、すごくわかるんです。ただ、一国民という立場で考えたときに、何でそんなに莫大なお金をかけてまでやるのと。
 例えば、クリアな画面とおっしゃいましたが、じゃ、果たしてアナログハイビジョンがクリアな画面です、美しい画面ですよね、あれが今爆発的な人気を呼んでいるのか。クリアな画面を見たさにどれだけアナログハイビジョンを見ている人がいるのか。まずその辺の実情をちょっと総務省にお尋ねしたいんですが。ごめんなさい、事前の質問の中に入っていなかったんですが。
#17
○副大臣(小坂憲次君) まず最初に先生がおっしゃいました、わかるけれどもまだわからないとおっしゃった部分をやっぱりどうしてもわかっていただきたい。
 すなわち、電波が逼迫している状況を解消するためには、一番帯域をたくさん使っている地上波をデジタル化することがその意味でも必要だということ。それからもう一つは、身近な、普及しているメディアという意味では、衛星放送はパラボラアンテナを設備しているそういうところか、あるいはケーブルテレビを通じて視聴するか、どちらかしかできないわけですし、またケーブルテレビも全地域に普及しているわけではない。そういう意味で、非常に広範に普及している地上波をデジタル化しなきゃいけない。これはデジタル化するメリットというよりも、やはり地上波でなければならないという一つの理由なんですね。ですから、その部分は同時に理解していただきたいということ。
 それから、今おっしゃったように、ケーブルテレビの普及その他のことについてですが、今ちょっと数字を拾っておりますので、それにつきましては数字が出次第御報告したいと思います。
 また、若干質問の範囲から逸脱するかもしれませんが、地上波で今度デジタル放送をやる際に、日本独自の方式として二つ特徴があると思っているんです。
 一つは、シングル・フリークエンシー・ネットワークという、一つの周波数を中継局と親局が同時に使うという、これは日本式の方式ですね。これは世界に誇れる方式だと思うんですが、この技術開発がなされたということ。これによって電波のより有効な活用ができますので、地上波をデジタル化するメリットがここにもまた大きく増幅されることになります。
 それからもう一つは、ソフトダウンロード型の受信機が開発されるということです。これも日本型なんですね。すなわち、受信機自体が送られてくる放送波の中に含まれた情報によって機能をアップグレードすることができるという機能を持っているわけでございまして、これはまさに日本型の特徴の見えるものだと思っております。こういった状況でございます。
 資料がそろったようでございます。──まだですか、じゃ、後ほどわかりましたら先生の方にまた。
#18
○内藤正光君 副大臣のおっしゃることは本当にわかるんです。例えば周波数の有効利用、確かに企画する立場からはそうしなきゃいけないというその必然性はわかるんです。ただ、一億数千万の人たちが見ているテレビ、十年後には使えなくなるわけですね。本当に一億数千万の人一人一人が、周波数の有効利用のために、じゃいろいろ不便もあるけれどもそれを我慢しようということになるか、そうはならないと思うんですよね。やはり、一億数千万の人たちが納得して自発的にテレビを買いかえたいと思わせる何かがないと、何かインセンティブがないと私はだめだと思うんです。それをつくっていくというのも、ひとつ総務省さんの取り組みとして一つの重要な役割としてあるんじゃないのかと。
 そこで、私が考える、提案でもあるわけなんですが、少なくともこのスケジュールにのっとっていけば、十年後にはすべての人が受像機を買いかえるわけですね。新しいものに買いかえる。ですから、これを一つの契機として、新しいテレビ受像機には例えばバリアフリー対応の新しい機能を、ガイドラインをつくった上での話なんですが、そういう新しい何か魅力的な機能を備えつけることを義務づけるとか、つまり目に見える形で、国民に目に見える形で何か見せていくというのも私は必要なんじゃないかなと思うんです。そうすれば、自発的に、ああこういう機能がついているから、じゃ買いかえようというふうに思ってくれるんじゃないかなと思うんです。周波数の有効利用はわかるんです。私の立場からそれは必要だとはわかるんです。ただ、一般国民の立場からすると、そんなのは別に私とは関係ないでしょうということになりかねないと思うんですよね。
 こういった私の考えに対して、ちょっと大臣、御答弁いただきたいんですが。
#19
○国務大臣(片山虎之助君) 内藤委員の言われること、私もよくわかるんですよ。その周波数の有効利用だとか、世界的な傾向だとか、新しいビジネスだとか、いろいろなことはそれはグロスの話で、受ける国民一人一人にとってどういうそれじゃメリットがあるんですかと、一人一人にとって、国民の。これをこれから大いにPRしていかにゃいけませんね。我々としては、十年かかってやるので、恐らくテレビその他の買いかえサイクルからいっても無理なく移行していただけるんじゃなかろうか。どうせ将来はデジタルになるので、アナログとデジタルのいつまでも並立並行ということは、これはいろんな意味でのデメリットが多いので、だからそのためにはこういうメリットもありますからということを、高品質だとか双方向だとかデータ放送だとか、いろいろなことを言っておるわけでありますけれども、もっと国民一人一人にぴんとくるような、こういう広報の仕方をこれからやっていきたい、努力してまいりたいと、こういうふうに思っております。
 それから、今、内藤委員御提案の話は、受信機についてこういう機能を加えるということのガイドラインみたいなものをつくって、そういう規格でつくったらどうかと、こういうことでございますが、今聞いてみますと、民間標準規格というものを決めておりまして、我々が今説明しているデジタルテレビの特性といいますか、メリットといいますか、そういうものは全部組み込まれるようになっておるようです。だから、このことももう少し国民の皆さんに説明していかなきゃいかぬと思いますし、各メーカーはそれでこれから製品をつくっていく、こういうことでございますから、やっぱり放送の場合には、放送事業者とそれを受ける受信機をつくるメーカーとの間のこの辺のコミュニケーションがしっかりしていなきゃいけませんので、とにかく国民の立場でデジタルテレビ化ということのメリットが最大限享受できるように今後とも我々は努力してまいりたいと思いますし、今の民間の標準規格につきましても、これについてさらに直すところがあれば関係者でその努力もいたしたいと、こういうふうに思っております。
#20
○内藤正光君 本当にこれから何年か後には新しい規格のテレビが出てくるわけですから、やるんだったら今だと思うんです。実際に市場に出回ってから、後からこの機能を加えろとか言ってもなかなかうまく進まない。だから、これを一つのいいきっかけとして、機会として取り組んでいっていただきたい。そして、おもしろい機能だったらはっきり言えば民間ベースで進んでいくこともあるでしょう。しかし、はっきり言えばなかなかバリアフリーとかいう余りそんなにマーケット的に大きくないところはコストを少しでも削減しようというのが民間企業の常ですから、往々にして省いてしまうというところがあろうかと思います。まさに、国、政府として取り組むべきところはそういったところにあろうかと思いますので、ぜひガイドラインなどをつくって、ぜひそれを標準搭載するような取り組みを進めていっていただきたいと思います。
 次に、同じような質問かもしれませんが、地上波デジタルについて、例えば友達とか周りの人と話してみても、ほとんどの人が正直言って知らないというのが実情なんですね。何のことなんというのが実態なんです。
 そこで、まず総務省の御認識をお伺いしたいんですが、私、少なくとも私の周りはそうでした。総務省としては、地上波のデジタル化に関する一般国民の認知度はどれぐらいあるんだというふうに御認識されているんでしょうか。
#21
○政府参考人(鍋倉真一君) まだアンケート調査等もしていませんので、どのぐらい認知度があるかというのは、私ども把握はいたしておりません。
 ただ、前回の委員会でも御答弁申し上げましたけれども、いろんな一般的な理解を促進するために、メリットですとかあるいは意義ですとか、そういったリーフレットは二百十万枚ぐらい、ポスターも一万枚ぐらい作成して配布をしておりますし、それから啓発用のビデオの作成とか展示というのもやっております。これらを全国の地方自治体へリーフレットやポスターを配布したりして御協力をいただいているわけですし、また、パイロット実験のデモンストレーションも全国十カ所で一般公開をしてやってきております。
 ただ、先生御指摘のように、一般の方々への周知というのはなかなかまだ進んでいないというふうに思っておりますので、この法律を通させていただきましたら、それを予定しまして予算面でも今年度は昨年度の二倍以上の予算を確保しておりますし、それから、NHK、地元の民放、それから私どもの地方機関、三者が中心になって協議会を設けまして、ここを中核にして周知活動に取り組んでいこうと思っております。その際には、地方自治体の方にも協力を得まして、いろんな面で御協力いただきながら周知活動をやっていきたいなというふうに思っているところでございます。
#22
○内藤正光君 そもそも論になりますが、地上波のデジタル化を決定した経緯についてお尋ねしたいと思います。
#23
○政府参考人(鍋倉真一君) 時系列的に申しますと、平成十年の十月に報告が出たわけですが、学識経験者の方ですとか、それからNHKの会長あるいは民放連の会長といった放送事業者等の方にお集まりをいただきまして、地上デジタル放送懇談会というものを設けました。ここで今後の我が国のテレビジョンのデジタル化のあり方を検討していただいたわけでございます。
 そこで、そこの結論が、我が国においても地上デジタル放送に全面的に移行すべきであるという御結論をいただきました。これを進めるために、一昨年でございますが、高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法とそれから放送法の一部改正をする法律を提出させていただきまして、デジタル化を進めていくという基本的な方向を定めていただいたところでございます。
 この法律の制定後、一昨年の、十一年の九月でございますが、NHK、民放、それから郵政省の三者によります共同の検討委員会を設置しまして、専門的な知識を有する方々とチャンネルプランの作成等具体的な実行方策を検討してきたところでございます。
 今回、この地上デジタル放送への移行に先立って、いわゆるアナ・アナ変更が必要でございますので、この共同検討委員会の検討を踏まえまして、アナログ周波数変更対策の経費に予算を計上するとともに、この電波法の一部改正を今御審議いただいているということでございます。
#24
○内藤正光君 九八年に地上デジタル放送懇談会でデジタル化の方向性が決定されたということなんですが、その構成メンバーとして学識経験者、放送事業者、あとメーカーが加わっているということなんですが、いわゆる一般国民とか、そういった方々というのは参加していたんでしょうか。
#25
○政府参考人(鍋倉真一君) 労働組合の代表の方ですとか、あるいは主婦連の会長さんですとか、それから国民生活センターの方ですとか、そういった方々が含まれております。
#26
○内藤正光君 そういった方々が一般国民を代表するということなんですが、入っているというんですが、例えば何十人の中に何人入っていたという言い方をすると、どれぐらいになるでしょうか。
#27
○政府参考人(鍋倉真一君) ちょっと今、人数正確に数えなきゃいけませんが……
#28
○内藤正光君 いや、いいんです、大体で。
#29
○政府参考人(鍋倉真一君) 二十五、六人中三名ということでございます。
#30
○内藤正光君 大体二十数名の中で三名、それで大半は通信放送事業者、メーカー、そういった方々でしょうから、果たして本当に国民の声がその放送懇談会、つまりデジタル化の方向性を決定したその懇談会の中に意見が本当に反映されたのかというと、私はなかなかそうはなっていないんじゃないのかという思いがしてならないんです。
 それを受けて、地上デジタル放送に関する共同検討委員会ということで、それは放送三者ですね、いわゆるNHKと民放ですか、あと郵政省、ここには全く技術的な問題だからということで一般国民を入れないというのは、それはそれで一つの理屈かもしれませんが、私は今、国民の間に地上波のデジタル化というものがほとんど浸透していないというのは、こういった決定プロセスに一つはあるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
#31
○政府参考人(鍋倉真一君) このデジタル懇談会におきましても、先生御指摘のメンバー的にはそうなんですが、デジタル化に向けましてのアンケート調査ですとか、あるいは地方懇話会というものを開催しておりまして、このデジタル化についての一般国民の方々の御意見はそういう場でお聞きしているということでございます。
 ただ、まだ周知が足りないということは先生御指摘のとおりかとは思いますが、そういうプロセスの中で国民の方々の、地方の意見を聞く場を設けながら、この懇談会はまとめてきたという経緯はございます。
#32
○内藤正光君 また、NHK予算ですとか、あるいはまた、さきの放送法改正の際に附帯決議がついていたかと思います。その趣旨は、地上放送のデジタル化の意義についてもっと国民に周知徹底を図れ、理解を求めろという趣旨の附帯決議がついていたかと思うんですが、それを受けて総務省としてはどんな具体的な取り組みをされてきたんでしょうか。
#33
○政府参考人(鍋倉真一君) 先ほどの御答弁とダブるわけでございますけれども、そういう附帯決議の御趣旨を体しまして、私どもは私どもなりにできる限り周知徹底を図りたいということで、リーフレットですとかポスターの作成ですとか、それから地方公共団体へのリーフレット、ポスターの配布、協力のお願い、あるいはパイロット実験での一般公開等を行ってきたわけでございます。今年度は予算面でも倍増のお金を確保して周知徹底をしていきたいということと、それから、これからは法律を通させていただければ三者でやる協議会で、特に民放の方あるいはNHKもそれぞれPRをメディアを通じてやっていくということになるんだろうと思います。
#34
○内藤正光君 ところで、ちょっと話が変わるんですが、地上波のデジタル化を進めている国はほかにもあるわけなんですが、そんな中でイギリスがかなり順調に進んでいるというふうに聞いております。イギリスの政府としてはいろいろな取り組みをなされてきたというふうに聞いているんですが、この地上波のデジタル化に関してのイギリス政府の一連の取り組みについて、ちょっとコンパクトに教えていただきたいんですが。
#35
○政府参考人(鍋倉真一君) イギリスでは九八年の九月から地上デジタル放送を開始いたしております。それで、全世帯の七〇%以上が地上デジタル放送を受信可能ということになっております。加入件数は、本年一月現在で約百万というふうに承知をいたしております。
 イギリスにおきましては、この地上デジタル放送を普及するために、イギリス政府におきまして、デジタル放送事業者に対して最初の十二年間は免許料を免除する。これは免許料が非常に高うございまして、毎年払うものなんですが、例えば二〇〇〇年ではアナログ十六局で六百二十億を払っておりますので、大変高うございます。これが免除になるということは、非常に放送事業者にとってはメリットがあるということだろうと思います。それから、デジタル放送受信機につきまして、デジタル買い取りマークという表示をしまして、消費者がデジタル受信機とアナログ受信機の区別ができるように、容易に選択ができるようにメーカーに要請をしているということもございます。
 これは、これまでのことではなくて、これからのことでございますが、今年の下半期にはモデル地区を選定して住民にインターネット接続可能なデジタルテレビの端末を貸与しまして、デジタルテレビの技術的な問題点とか、あるいは視聴者のニーズを調査する予定でございます。一つのデモンストレーションも兼ねているということなんだろうと思います。
 一方、放送事業者も、デジタルで有料でやっているところがあるわけでございますが、そこと衛星のデジタルの放送会社が無料で、デジタル放送を受信するためのセットトップボックス、これは価格にして今イギリスでは三・五万円から五万円ということでございますが、これを視聴者に貸与しているという、これが非常に大きく効いているのかなということでございます。
#36
○内藤正光君 それだけですか。もっとほかに何かありませんか、大きなことが。
#37
○政府参考人(鍋倉真一君) もう一つは、普及をしている一つの大きな理由と申しますのは、イギリスの場合にはチャンネル数が少のうございますので、今度のデジタル放送はSDTVフォーマットでありますけれども、非常に多チャンネルになってくるということで、いろんな番組が見られるということがあるのかなということでございます。
#38
○内藤正光君 そのほかにも、既存の事業者あるいはまた新規参入事業者を促すための何か施策はとらなかったんでしょうか。
#39
○政府参考人(鍋倉真一君) 私ども、免許料の関係以外ちょっと承知しておりません。
#40
○内藤正光君 私の知る限りでは、三十チャンネルを用意して、既存の放送事業者には、BBCだとか民放五局には優先的にチャンネルを配分したんですが、例えば既存事業者以外の、ほかの事業者に対して、例えば必ずしも高精細画像というんですか、高精細放送という方針はとらずに、例えば既存の事業者に対してはサイマルチャンネル・プラス・モアチャンネルといって多チャンネルで放送してもいいですよとか、さらにまた新規事業者に対しては有料の多チャンネル放送をしてもいいですよとか、いわゆる参入に対してインセンティブを与えたというふうに聞いておりますが、この辺は承知しているんでしょうか。
#41
○政府参考人(鍋倉真一君) ちょっと私の言葉足らずだったと思いますが、従来、英国ではチャンネル数が多くないということで、多チャンネル化ということはそういう意味を含めて私申し上げたんですが、ちょっと言葉足らずで申しわけございません。
#42
○内藤正光君 あと、私が調べた限りでは、例えばソフトとハードの分離を行って、放送事業者をコンテンツに特化して設備面での負担を軽減するなど、いろいろな措置、政策を展開したやに私は聞いております。
 私は、イギリスのデジタル化が順調に進んでいるのはなぜなんだろうと。目玉となるようなコンテンツがあったのか。よく目玉となるようなコンテンツがないからなかなか普及しないんだというんですが、私の知る限りでは、イギリスで目玉となるようなコンテンツがあったから普及したというふうには理解していないんです。それよりも、むしろちゃんとした政策の積み上げでもって順調にデジタル化が進んでいるんじゃないかなと私は理解しているんです。
 そういった観点で、イギリス政府の一連の取り組みで、私は日本政府としても参考にすべきことは多々あろうかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
#43
○副大臣(小坂憲次君) 実は、私も本年一月末でございますが、ダボス会議に出るときにイギリスを経由しまして、ヒューイット電子大臣とスミス・スポーツ・文化大臣にお会いして、デジタル化の質問をしてみたんですね。
 その結果からしますと、今、内藤委員がおっしゃったようなことの中で、特にヒューイット大臣が強調されたのは、どうもうまく進んでいない、ついては我々モデル地区を選定して、そこでインターネットとの融合を合わせた実験をしてみたいと思っている、これによって弾みがつくと思うと、こう言っておられました。今、先ほど鍋倉局長が説明を申し上げた中にあったそのモデル地区というのがそれでございますが、当時はまだ計画ということで、それを強調されておられました。
 やはりインセンティブが足りないということを認識していらっしゃいまして、特に日本の場合には高精細度テレビ、いわゆるハイビジョンタイプだ、しかし我々は標準タイプだということで、そのインセンティブがいま一つ働かない、やはりきれいというのは大きなインセンティブなんだろうと、こう言っておりました。
 その面から、反面教師のようにして、私どもの政策誘導、学ぶべきものがあるかという点で、まず一つは高精細度であるということをやはりもっとPRしていく。先ほど、今のアナログのハイビジョンとそんなに違わないんじゃないかというお話もありました。それから、過日、前回の委員会でも委員の中からそういう御指摘もございましたので、実際にそういったものがはっきり見えるようなディスプレーを皆さんの目に触れるような場所で展示をしていただくように事業者あるいはメーカーの方にお願いをするとか、そういった面でやっていくこと。それから、普及のためにやはり特定の地域でというようなこともありますので、これも普及状況を見ながらそういったものもあわせて検討していく必要があるのかもしれません。
 いずれにしても、委員の御指摘もありますし、そういったものを幅広く検討していくことが必要なんだろうと、そういうふうに思っておりまして、英国と我が国では周波数事情も違いますし、また、今のような規格も違いますし、必ずしも英国のものがそのまま私どもの参考になるというわけでもありませんが、しかし、私どもより先にやっている国であることは間違いないわけでございますので、その普及開始後いろいろな苦労をされていることを、そのときヒューイット大臣とも、じゃ先輩として今後我々にアドバイスすることがあったらぜひとも下さいと、これからお互いに連絡をとり合いましょうという話もしてまいりましたので、そういう意味で、今後とも連絡をとりながら、向こうの参考になるような事例は吸収していきたい、このように思います。
#44
○内藤正光君 私は、イギリスの方はもう世帯普及率、何か既に二十数%進んでいるということで、これは順調に進んでいるのかなという理解でいたんですが、イギリスの方としてはこれでもまだまだ足りないという認識でした。ぜひお互い政策的に学び合えるところは学んでいって、普及に努めていっていただきたいと思います。
 では、ちょっと話題変わりまして、デジタル化のスケジュールについて質問をさせていただきたいんですが、当然二〇〇三年から東名阪の地域でデジタル化放送が始まるわけなんですが、そんな中、名古屋の方で何かデジタルタワーの建設が市によって拒否されたという報道が先日行われました。一方、東京でもいろいろさいたまだとか新宿だとか多摩だとか秋葉原、いろいろ何かその建設予定地の候補が挙がってはこれはだめだとかいうような報道がなされていて、要はその決定が暗礁に乗り上げているように聞こえているわけなんですが、この辺のちょっと実情について御説明していただきたいんです。それで、なぜこの用地の確保がうまくいかないのか、その理由について御説明ください。
#45
○政府参考人(鍋倉真一君) 御指摘の名古屋のタワーでございますけれども、当初、放送事業者は東山公園内に建設をしたいということで名古屋市に要望したわけでございますが、名古屋市によりますと、このデジタル放送用鉄塔というのは都市公園法上の公園施設占用物件として想定されていないということで、都市公園法上の制約等により認められなかったというふうに私ども聞いております。
 現在、放送事業者は、早急にその代替候補地の検討を進めておりまして、本年夏ごろまでに建設地を決定すれば二〇〇三年のデジタル放送開始には可能というふうに聞いておりますが、これも非公式に聞いている話でございますが、複数の代替地を当たっておりまして、可能性もというか、その中で建設してもいいというような回答の市も、そういう動きもあるというふうに聞いております。
 東京の件でございますが、いろいろなタワーの建設の計画の予定があるということは、いろんな候補地があるというのは聞いておりますけれども、ただ、東京につきましては、放送事業者の計画でも二〇〇三年のデジタル放送の開始時は現在の東京タワーで行うという予定を想定しているというふうに私ども聞いております。
 基本的には、テレビのタワーというのは、建設場所につきましては放送事業者が事業経営の観点から決定すべきものでございますけれども、御指摘のとおり、地上デジタルテレビ放送の円滑な実施にぜひともこの決定というのは必要なわけでございますので、私ども、そういった検討が早急に進むように期待をしているところでございます。
#46
○内藤正光君 東京についてはとりあえずは東京タワーを使うということだったんですが、いずれにしてもタワーをつくらなきゃいけない。そのタワーを決めたら、それに連なる中継局だとかそういったものをつくっていかなきゃいけないわけですね。東京、名古屋の例を挙げるまでもなく、やはりちょっと用地の確保は困難をきわめるんだろうなと思うんです。
 これはあくまで放送事業者の責任において用地を確保し、そして建設を進めていくというふうにおっしゃったわけなんですが、用地の確保が困難だということはそれだけ当初の予算が大幅に上回るだろうということが容易に想像できるわけなんです。これはあくまで国策でもってやろうと決めたわけで、それに放送事業者の皆さん方は従うわけなんですが、当初の放送事業者の資金計画に大きな狂いが生じてしまった場合、総務省として予算的な措置も含めて何らかの措置を講じる考えはおありなんでしょうか。
#47
○副大臣(小坂憲次君) どのようなタワーをどこに設置するかということは、今、局長の答弁のように、基本的には放送事業者が事業経営の観点から決定をし選定をしていく問題だと思っておるわけでございますが、今御指摘のように、今後、用地が高騰をするとか、当初予算を上回るような場合どうするのかと、こういうことでございます。
 総務省としては、デジタル放送設備にかかわる経費負担については、第百四十五国会で高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法を成立させていただいておりまして、その中で地方税につきまして、取得後五年間の課税標準を四分の三に圧縮するとか、これには鉄塔を含んでいるわけでございます。また、財政投融資に、この扱いの中で鉄塔及び土地を含む支援策を講じておりますが、これも融資比率は四〇%、金利は大体一・六、一・五ぐらいですので余りメリットがあるということでもないかもしれませんが、そういうことであります。
 また、債務保証を通信・放送機構で考えておりまして、これは鉄塔も含んでおります。しかし、これも上限がありますので、そういう意味では今の支援で十分かと言われると、個人的には余り急激な変化があるとかなりきついことになるかなと。
 しかし、放送事業者が直接出資をするというか、東京タワーのように各事業者が一緒になって一つの事業体をつくって、そこが長期的な視野に立って建設をし、そして各事業者からの収入によって運営をしていく、この観点では各事業者、その鉄塔事業者は事業的には比較的うまくいっているわけですね。ただ、本来事業以外のところで欠損が出たという事例はないわけではないんですが、しかし鉄塔事業そのもので大幅な赤字を出したという会社は余りないものですから、そういう意味からすれば、資金的な面も十分に考慮して慎重な計画を立てていただければ対応できるのではないか、こう思っておりますが、そういった事情を一応注視しながら、委員の御指摘もありますので、そういった面を考慮しながら見守っていきたい、このように思います。
#48
○内藤正光君 副大臣、先ほど債務保証もあるということなんですが、例えば、総務省の見解では、その債務保証はNHKには認めない、また民放キー局が申請することは期待はしていないと。来ても要は断るということだろうと思います。逆に、本当に財政状況の悪いところが申請してきても恐らくこれは断るんだろうと思います。そもそも銀行が貸してくれませんものね。そうなると、政府が言う、副大臣がおっしゃる債務保証の対象がごくごく少数に絞られてきてしまうわけです。普通に考えても恐らく中堅の数十局程度かなというふうにしか思えないんです。
 ですから、私は、この債務保証、基本的には民放各社の本当にちゃんとした努力が必要だと、それが大前提であることは確かなんですが、やはりこれはもう十年間で国の音頭取りのもとに進める一つの大きな事業なわけですから、何らかのもっと手厚い措置が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
#49
○政府参考人(鍋倉真一君) 前提として申し上げたいんですけれども、タワーで、親局でございますけれども、ほとんどの場合は、名古屋を除きますと、現在のアナログの局のある場所でデジタル局を設置するというふうに多くの事業者の方が考えているようでございますので、問題になるところというのは、この名古屋と、それから先ほど申しましたように東京は将来は新しいところでやるという考えがあるようでございますが、東京タワーを最初のときには使うということでございますので、御懸念のことというのはほとんどの場所でないのかなというふうに思っております。
#50
○内藤正光君 なければないにこしたことはないんですが、ぜひまた、もしそうでなかった場合、適切な対応を講じていただきますようお願いを申し上げます。
 あと、この関連で言いますと、二〇一一年にはアナログ放送、つまりサイマル放送がストップをするわけなんですが、ちょっと改めて確認をさせていただきます。二〇一一年になれば、その時点でのデジタル端末の普及率がどうあろうともアナログ放送はストップするという、そういう理解でよろしいんでしょうか。
#51
○副大臣(小坂憲次君) 内藤委員からもたびたび質問をいただいて、同じような答弁を申し上げたと思うわけでございますが、恐縮ですがもう一度繰り返させていただきますと、地上放送のデジタル化に当たりましては、明確な目標期限を定めましてそれに向けて取り組むことがデジタル放送を普及させ早期に国民がデジタル化のメリットを享受できる最善の方策である、このように考えております。また、需要予測やテレビの受信機の買いかえのサイクル等を勘案すれば、今後十年間で国民視聴者に無理なくデジタル受信機への移行に対応していただけるものと考えているところでございます。
 また、デジタル放送の普及に関し予見しがたいような状況が出てきた場合、これはどういうことかというのは、なってみなきゃわからないような全く予想しがたいようなものが出てきて、これは予想しがたいのですから出てこなきゃわかりませんので、そのような状況が出てきたときには、そういった状況を十分注視してそれに必要な対応をすることはあり得るとは思いますが、現時点ではそのようなことが予見されておりませんので、今おっしゃいましたように二〇一一年に停止するというふうに考えていただきたい、このように決めたということでございます。
 また、そういった検討をする場合でも、逆に、それではアナログ放送停止期間をおくらせる必要が出ちゃうのかというと、その対応策としては、家庭におけるITの基盤整備がおくれることにもなってしまいます。要するに、いろいろなメディアがデジタル化されて初めてデジタル化のメリットというのが総合的に出てくるわけですから、その一部である、また基幹的なメディアである地上放送がおくれるといわゆるIT社会の構築スケジュールがおくれるということになりますので。また、周波数の逼迫する中での次世代の携帯等の需要も予測されてきている中で、おくらせるということはあきがなくなるということですので、それもまた支障になる。
 そういうことから、対応できる方法としては、こういったデメリットを生じないような方法、すなわちスケジュールどおりに全面移行することを前提にしつつも、普及策としてどのような方策をとるか。考えられるものは、ヒューイット大臣が英国でやったように、特定の層に対してコンバーターのようなものをどういう形かで貸与するというようなことも検討になるのかもしれませんが、そういったいろんな施策の中からそういった状況、予想しがたい状況に対応したあり方というのをその時点でまた検討したい、このように思っているところでございます。
#52
○内藤正光君 私自身もやはり目標を定めるということの必要性は重々認識しております。目標を定めなければなかなか進まないわけですから。しかし、万が一の場合どうするんだという趣旨の質問ではございますが、小坂副大臣の、予見しがたい事態が生じたらそのときしかるべき措置を考える、講ずるという答弁で、これに関しての質問は終えさせていただきたいんですが。
 では、最後のテーマになります。電波利用料について何点かお尋ねをさせていただきたいと思います。
 今回の法改正で、電波利用料をアナ・アナ変換対策に使えるようにするわけなんですが、ここでちょっとお尋ねしたいのは、なぜ一般財源を使わなかったんでしょうか。
#53
○政府参考人(鍋倉真一君) 今度のアナ・アナ変更を実施しますと、要するにデジタル化に伴いまして最終的には割り当て可能なあきの周波数が生じます。それを、今予見されますのは携帯電話等移動体の通信になると思いますが、そういった周波数の逼迫しているものに、そちらに割り当てることができるということで、この逼迫対策に寄与するということでございます。
 こういうことでございますので、地上放送のデジタル化に伴うアナ・アナ変更というものが無線局全体の受益に資するものであるということでございますので、電波利用料というものがそもそも電波の適正な利用の確保に関し総務大臣が無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用に充てるため徴収するということでございますので、一般財源よりも電波利用料を充てる方が負担の公平の観点からも望ましいのかなというふうに思っております。
 なお、先ほどの質問でございますが、先生の御認識と私どもの資料で、イギリスの普及率でございますが、デジタル化の普及率です。先生御指摘いただいたデジタル化の普及率というのは、デジタル衛星放送あるいはケーブルテレビ全部を含めましての数字でございます。
 ちょっと細かいんですが、申し上げますと、デジタル衛星放送で四百十万世帯、それからデジタルの地上放送は百万でございます。それから、デジタルのケーブルテレビが九十万ということで、合計六百万世帯がデジタルで見ているということで、この全体を足しますと確かに先生おっしゃるような二六%デジタル化普及率ということになりますが、デジタル地上放送のみの世帯普及率は四%ということでございます。
#54
○内藤正光君 今回のアナ・アナ変換に電波利用料を使うというのは、理由はわかったんですが、これはきょうの朝思い浮かんだ質問なので、通告していないので恐縮なんですが、ちょっとこの法律をきょう見返してみたんです。まさにこの七十一条の二項、つまり特定周波数変更対策業務という項目が加わることによって電波利用料がアナ・アナ変換対策に使えるようになるということなんですが、ただ、この条文を読んでみても、使える対象が必ずしもアナ・アナ変換に限られてはいないと私は読めるんです。
 ちょっと事実を確認したいんですが、いかがでしょうか。
#55
○政府参考人(鍋倉真一君) 条文の書き方は先生おっしゃるとおり一般的な書き方になっておりますので、アナ・アナという言葉は使っておりません。ですから、将来同じようなことが想定というか出てまいりました場合には、この条文がまたアナ・アナと違うようなことで起こり得るような、全部包含するような形の一般規定になっております。
 ただ、こういう規定はしておりますけれども、私ども今予見するところでは、今お願いをしておりますアナ・アナ変更のこと以外に思いつくものはございませんけれども、法律の規定の仕方としては一般的な規定をしているということで、先生御指摘のとおりでございます。
#56
○内藤正光君 ということは、法律上はまたアナ・アナ変換以外に何かこの情報通信の分野でお金を使わなきゃいけないようなものがあったら、別に国会の審議を通らなくても、通さなくてもそれを使えるということですか、技術的には。
#57
○政府参考人(鍋倉真一君) 確かに、御指摘のとおり、あとは割り当て周波数の、周波数計画の変更ということになりますので、可能性としてはあり得るわけでございますが、ただ、こういう規定以外、私ども全く予定をしておりません。アナ・アナ以外には予定をしておりません。
#58
○内藤正光君 予定はしていなくても、将来いろいろなことが起こる可能性もあるわけです。
 そこで、ちょっと電波利用料の、これまたちょっときのうの時点で予定していなかった質問なので、わかったら教えてください。電波利用料の収入、テレビからは一万二千三百円、そして携帯電話から毎年五百四十円かそこらでしたか集めているということなんですが、総額毎年どれぐらい集まるものなんでしょうか。
#59
○政府参考人(金澤薫君) これは電波利用料の歳入決算の数字でございますが、平成十一年で三百五十六億、平成十年で三百七十億、平成九年で二百五十二億ということでございまして、徐々にふえつつはございますけれども、大体三百数十億程度が現状でございます。
#60
○内藤正光君 三百億円ということなんですが、私、思いますのに、普通に考えたら携帯電話は人口の数以上に普及はしないわけなんですが、ただこの携帯というのは何も通話目的だけじゃなくて、それこそ老人の方に持ってもらうとか、そういう「いまどこサービス」とかいうのがあったかと思うんですが、いろいろな使い方がある。だから、いわゆる携帯電話一般ですね、音声通話に限ることない携帯電話一般ということで考えれば、今後ますますこの電波利用料の収入、上がりというんですか、はどんどん増していくというふうに私自身理解しているんですが、その辺の認識は合っていますでしょうか。
#61
○政府参考人(金澤薫君) 御承知のように、電波利用料というのは無線局の数がふえていけばふえていくという形になっておりますので、先ほど申し上げました数値以降の、例えば平成十二年だと、これは歳入予算でございますが四百四億、平成十三年は四百五十一億というふうな形でふえていくということでございます。
#62
○内藤正光君 つまり、この電波利用料というのは今後ますます増加の一途をたどるものであるわけなんですが、そんな中、この法案、今のところはアナ・アナ変換以外にその利用は、使用は考えていないという、予定されていないということなんですが、法の枠組みとしてはもっと幅広い使い方ができるようなものになっているわけなんです。私は余り野方図に何でも使えるようなことがあって果たしていいんだろうかと。電波利用料というものの持つその趣旨にのっとったときですね。ですから、私はここで電波利用料というものの使途を含めてそのあり方を再度見直さなきゃいけないんじゃないか。再定義と言ってもいいかもしれません。そういうふうに思うんですが、大臣あるいは副大臣の方から、方向性でもいいですから、お考えを。
#63
○政府参考人(金澤薫君) 事務的に、まず現在の電波利用料の性格論を御説明しておきたいと思いますが、現在の電波利用料は、電波の適正な利用の確保に関し総務大臣が無線局全体の受益を直接の目的として行う、いわゆる行政事務の処理に要する費用、これのために、この財源に充てるために免許人が負担すべき料金というふうになっております。
 したがいまして、性格は電波利用共益費用というものを既存の免許人全体で負担するという枠組みがございまして、その枠組みの中で私どもこの電波利用料の使途を定めているということでございます。
#64
○副大臣(小坂憲次君) 今、局長の答弁がありましたような趣旨で設けられておりますし、今の電波料の料額算定の中で総合無線局管理ファイルの構築のためにかかる費用とかいろいろあるんですね。これらも技術の進歩とかファイリングのつくり方とか申請のやり方の合理化とかいろいろあるんだろうと思いますので、どこかの時点で私も見直すことは常にやっていかなきゃいかぬと思っておりますので、私も個人的に疑問を感じた点については常に省内で議論をしておりますので、そういった意味の柔軟な姿勢で見直しを行っていくということをやっていきたい、常に検証するという意味の見直しを進めていきたい、こう思っております。
#65
○内藤正光君 これで、時間は二十分ぐらい余っているわけなんですが、私の質問を終えさせていただきたいと思います。
 最初の話に戻るわけなんですが、やはりこの地上波のデジタル化、大臣あるいは副大臣がおっしゃった理屈はわかる。携帯電話のためにあけなきゃいけないとか、そういう理屈はわかるんですが、これはあくまで国の側の、あるいはまた事業者の側の理屈であって、一般国民が納得できるものではないんです。ですから、ぜひ一般国民の立場に立って、なぜ地上波のデジタル化が必要なのか、そういったものをぜひ広めるべく、理解してもらうべく取り組んでいっていただきたい、このことを申し上げて、私の質問を終えさせていただきます。
#66
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 本法案は電波法の体系の中に特定周波数変更対策業務なるものを追加するものであり、一見しただけでは法改正の目的はわかりにくいと思うんです。
 しかし、この法改正がもたらす結論というものが二〇一一年にアナログ放送を打ち切る、つまり今や国民生活になくてはならないものとなっているテレビ放送が、テレビを買いかえたり新たな機械を買ったりしなければ今のままでは一切見られなくなる、こういう極めて重大な問題であるということが審議を通じて明らかになってまいりました。
 そして、最大の問題点は、政府がこれまでの態度を百八十度変えたこと、つまりデジタルテレビを大いに普及して、普及したらアナログ放送を打ち切るという立場から、アナログ放送打ち切りの期日を決めて国民に示すことでデジタルテレビの普及を進めようという立場に、政府が明白に立場を変えたことだと思います。ここに今回の法改正の反国民性がくっきりとあらわれている、私はきょう、これを議論したいと思うんです。
 まず、政府は視聴者にとってのデジタル化の五つのメリットというものを再三繰り返してまいりました。
 私がこの間、取り上げてきた視聴覚障害者向け字幕放送の実施状況を見ると、BSのデジタル放送においてもそれまでのアナログ放送番組以上の字幕付与率にはなっておりません。あなた方はデジタル化さえされればまるでどんな番組にも字幕がつくかのように言ってまいりました。この間の私の質疑でも明らかになったことは、それは技術的に可能になるというだけであって、放送事業者が放送番組に字幕そのものをつけなければ、勝手に字幕が流れるわけではないということでありました。
 まず、情報通信政策局に聞きますけれども、それは事実ですね。
#67
○政府参考人(高原耕三君) 先生おっしゃいますように、総務省といたしましても視聴覚障害者向け放送の充実というものを情報アクセス機会の充実という面から、放送がデジタル化されてもこの字幕放送の必要性というものは変わらないというふうに考えております。そういう観点もあります。
   〔委員長退席、理事海老原義彦君着席〕
 総務省といたしましては、平成九年度に放送法を改正いたしまして、字幕放送等のための免許を不要としたり、字幕放送の努力義務規定を設けております。さらに、行政上の目標として平成九年十一月に字幕放送の普及目標というものを策定、公表をいたしたところでございます。
 民間放送事業者においても、字幕放送の普及目標の達成を念頭に、厳しい経済状況等の中でも字幕放送等に対する着実な取り組みをいただいておるということでございますが、総務省としても、字幕放送の制作費用の助成、あるいは自動制作技術の研究開発等の支援をいたしておりまして、この努力義務規定を踏まえまして民間放送事業者におかれましてもさらなる拡充が望まれておるということで、私どもとしても引き続き要請をいたしておるという段階でございます。
#68
○宮本岳志君 小坂副大臣がデジタル化の五つのメリットというのを繰り返しおっしゃっております。これは、九八年のデジタル懇の報告書にある五点を踏まえたものだというふうに思うんですけれども、しかし視聴者が本当にそれを享受できるためには、まさにそのようなサービスが放送事業者によって提供される必要があると思うんですね。
 そこで一つ聞きたいんです。一昨日の答弁で、例えばデジタル化のメリット、双方向ということで、視聴者がドラマの幾つかのストーリーの一つを自由に選べるようになるということをおっしゃいました。これは、放送事業者がそれだけの余分な数の映像をつくった場合は選べますよ。でも、つくらない限りはそうはならないと私は思います。それともデジタルテレビがドラマというものをつくってくれるんですか。いかがですか。
#69
○副大臣(小坂憲次君) 確かに、委員が御指摘のように、将来的にはという前置きの中で、大臣及び政務官の答弁の中で、複数のストーリーの中からストーリーの結論まで選択ができるようなことになるんですかねと、ハッピーエンドが好きな人はハッピーエンドになっちゃうんですかねと若干の疑問符つきながらも述べたことは事実でございますが、おっしゃるように、やはりつくらないものは出てこないわけですね。機械が自動生成することはないだろうと思います。
 しかしながら、放送事業者側において複数のストーリーをつくるということも確かに考えられることでありますし、また映像のすべてを並行して放送していなくても、主人公のせりふ等の一部をデータとして放送しておいて、それを受信機側で選択が可能なような形にして、結論が若干変わるというようなことも、例えば最後に、実は彼は死んじゃったのというところを、いや、今彼はアメリカへ行って大成功しているよという文字に変えてしまえば変わるとかということはあるのかもしれません。そういう意味で、インターネット等を通じて送信したデータと混合するとか、いろんなアイデアが多分出てくるんだと思うんですね。
 そういった将来の可能性も踏まえて答弁として申し上げたことでありまして、おっしゃるように、つくらないものは出てこない、これは事実でございます。
#70
○宮本岳志君 決して揚げ足を取ろうというわけじゃないんですけれども、私が感じるのは、あなた方の議論が何かバラ色に描くばかりで、なかなか国民にしっかりとした情報をお伝えするものになっていないというふうに感じるからであります。小坂副大臣おっしゃるとおり、中身をしっかりつくらなければ、幾ら技術的な可能性が広がっても自動的にはいかないということですから。
 そこで問いたいのは、じゃ、今その中身をつくらせる努力を本当に尽くしているのかということを問いたいわけです。
 「視聴者にとってのメリット」の中に、「高齢者・障害者にやさしいサービスの充実」と挙げられております。先ほどお尋ねした字幕放送の充実は緊急の課題です。そのためには、テレビ番組をつくっている事業者が今のアナログ放送のうちから字幕の付与番組を大幅にふやさなければ、幾ら地上波デジタル放送が始まっても再び空手形を切ることになってしまいます。
 小坂副大臣は九七年の放送法改正のときに、字幕付与の義務化ということについて実に的確な指摘をされております。こう言っておられます。「大体においてドラマのようなものはシナリオがあるわけですから、シナリオのせりふをそのまま打ち込んでしまえばいいわけで、せりふを、一回しゃべったものを、全部本番で録画をしたものをまたビデオから書き起こして、そしてそれをまた字幕をそのシーンに当てはめていくという全く逆の作業をするのは効率が悪いに決まっている」、「やはりこれは、テレビ局がやらなければいかぬと思えば、それに踏み込んでいくわけですね。義務化されればやらなければいけないのですから。」と、こう言って、字幕放送を義務化しなければなかなか進まないと主張されています。
 副大臣、この考えに今でも変わりはありませんか。
#71
○副大臣(小坂憲次君) 義務化すればそれは早く進むだろう、こうは思うわけでありますが、しかし、それじゃ、その義務化というのが、行政が立ち入ってやることが正しいのかどうかということになりますと、これはまた別の問題でございます。
 そういう意味で、九七年当時というのは私が委員として申し上げたことだと思います。今こちらの立場で申し上げるのは行政としての立場でございますが、そういった立場で申し上げる場合には、やはり民間事業者の自助努力というものを前提にしていかにゃいけない。日本というのは民主主義の国でございますので、やはり市場原理に基づいて運営されておりますから、そういう意味では民間事業者が鋭意努力をもって、利用者の利便を考慮に入れて努力をしていってもらう、これが必要でございますので、放送事業者の努力義務というものを放送法では規定いたしておるわけでございます。
   〔理事海老原義彦君退席、委員長着席〕
 委員もう十分御存じだと思うわけでございますけれども、放送法の中に第三条の二、四項に、「放送事業者は、テレビジョン放送による」云々と書いてあります中で、「音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字又は図形を見ることができる放送番組をできる限り多く設けるようにしなければならない。」、このように申しまして努力義務を規定しておりまして、放送事業者が努力をしていることは間違いないと思いますが、ただ、欧米と比較して、なぜ日本がそんなにおくれるんだということに関していえば、これは私は、一つは日本語の特性というのがあると思います。
 英語の場合には結論が先に参りますし、それからアルファベットだけで済むわけでございますので、文字を生成する場合に非常に楽でございます。しかし、日本語の場合には結論が後に来ますので、その途中で使った言葉を漢字に当てはめるとどういうふうになるのか。同じシチョウという言葉とかホウソウという言葉にしても、包む包装もあれば、シチョウという場合にも、主張しているのか耳で聞いているのか、そういう意味の、結論から逆算してくると間違いの訂正ができるというようなロジックからすると、日本語というのは大変文字化するのが難しい。これはもう委員、十分おわかりだと思います。そういう意味では、本来不可能なものに挑戦しているぐらいに困難なものを、よくまあここまでやっていると言えばよくまあここまで進んだとも、逆の見方をすれば言えるかもしれない。
 そういう意味で、努力義務という形でお願いはしておりますが、NHKで一七・九%、民放五局で二・九%という数字からすれば、民放のなお一層の努力が求められるところであるというふうには思いますが、私は、義務化というのはやはりまだやるべきではない、このように思っております。
#72
○宮本岳志君 随分立場は変わるんですね。このときの審議を見ておりますと、明確に義務化してこそ進むという御主張をされているんですけれどもね。
 民主主義社会だからとおっしゃいますけれども、例えばバリアフリー法というものは交通事業者に義務を課したわけですよ。義務を課すのは民主主義社会ではあるまじきことだと言うんだったら、バリアフリー法というのはつくってはならなかった法律だということになるじゃないですか。そんなことじゃないんですよ。現実に進めるために何をなすべきかということをしっかりと考えていただきたいと思うんですね。それを指摘するのは、いろいろ技術的に可能性が広がりますよという話はあるけれども、じゃ、広がったら本当に字幕がつくんですか、現についていっているんですかと、放送に。そう見たときに、それはNHKはいろいろ頑張っていただいている。しかし民放が全く遅々として進まないというのはもう小坂副大臣も御存じのとおりだと思うんですね。
 私、ぜひこういう点もしっかりと進めなきゃならない。この問題はきょうの質疑の中心ではないので、また他の場に譲りますけれども、党派を超えてこの問題、しっかり議論して、国会として取り組みたいというふうに思っております。
 さて次に、本法案の最大の問題点としてこれまでも指摘してきたサイマル放送の打ち切りの期日についてお伺いします。
 本法案は、特定周波数変更対策業務の前提となる三つの条件が満たされていることをもって電波利用料財源の使用を可能とするものであります。したがって、アナ・アナ変換への支援業務を行った後になってこの三要件を覆すようなチャンネル計画の再変更は違法ということになると思うんですね。
 改めて確認をしたい。今回の法改正が成立すれば、二〇一一年の時点になって、もしアナログの免許を引き続き交付しなければぐあいが悪い事態が起こったとしてもそれはできない、そのためには法改正が必要になる、これはそういう理解でいいですね。
#73
○政府参考人(鍋倉真一君) そのとおりでございます。
#74
○宮本岳志君 つまり、二〇一一年以降は従来の受像機のままではテレビを見ることができなくなる、そのことがこの法律で決まってしまうわけであります。
 アメリカは二〇〇六年までにデジタル放送に全面移行する計画になっておりますが、その際のアナログ放送打ち切りの期限の延長条件というものが付されております。まず、その三条件を御紹介いただけますか。
#75
○政府参考人(鍋倉真一君) アメリカでは、一九九七年の予算均衡法というものがございまして、そこで地上アナログ放送免許の有効期限は二〇〇六年末までということが定められております。
 先生御質問の、例外的に、一つとしましては、四大ネットワーク系列の局の一つ以上が当該地域においてデジタル放送を放送していないというのが一つの条件。もう一つは、デジタル放送用のチューナーが当該地域で販売されていない。それから、三つ目としましては、テレビの受信機保有世帯の一五%以上が、デジタル放送を行っているCATVあるいは衛星放送に加入していない、またはデジタル受信機を保有していない。その場合には、FCCは当該期限を延長しなければならないというふうにされております。
#76
○宮本岳志君 今のこの三条件、このうちのどれか一つでも満たされる場合は打ち切れない、つまり引き続きアナログ放送が継続されるということでいいですか。
#77
○政府参考人(鍋倉真一君) そのとおりです。
#78
○宮本岳志君 アメリカの条文では、シャルという助動詞を使っているというふうにお伺いをいたしました。継続しなければならないというニュアンスであります。
 アメリカは、地上波のデジタル放送の開始は九八年ですから、二〇〇六年まで八年間かけて移行をいたします。しかし、八年かければ必ず移行できるということになっていないです。実際の国民への普及の仕方についてアメリカなりの条件を設定して、もし順調に進んでいない場合は継続しなければならないと、はっきり歯どめを置いているわけであります。
 イギリスでは、BBCが地上波のデジタル放送を開始して、民放のデジタル化も始まっておりますけれども、アナログ放送の停止は二〇〇六年から二〇一〇年をめどに段階的に進められることになっております。そして、その打ち切りの条件として、一つ、無料のチャンネルがデジタルで利用でき現行の放送エリアがデジタルでカバーされること。二つ目、デジタル受信機の普及率が九五%に達し安価に購入できる状況になっていること。この二つの条件を勘案して文化・スポーツ大臣が期限を決めるということになっております。
 間違いないですね。
#79
○政府参考人(鍋倉真一君) 二〇〇六年から二〇一〇年までの間に地上放送を完了するということで、あと、先生が言われたとおりでございます。
#80
○宮本岳志君 アメリカもイギリスも、デジタル移行の完了期日の目標というのはあるんですけれども、機械的にその期日でアナログを打ち切るということになっていないんですよ。考えてみれば、当然のことで、実際に国民にデジタルテレビが普及しないうちに移行完了の時期、期日が決められるわけがないんです。
 ところが、今回の法改正では、最初に確認したように、十年後にアナログ放送をとめなければ違法になる。しかも、アメリカやイギリスが当然想定しているような受信機の普及状況や放送エリアのカバー率など、実際の進捗状況を見きわめて判断するというごく当たり前の規定すらないわけです。第一、先ほど触れた地上デジタル懇談会の報告書でも、普及率八五%を打ち切りのめどとするという記述があります。そして、あなた方自身、放送エリアで一〇〇%、受信機の普及八五%、これを条件として繰り返し答弁をしてきました。
 一昨年四月の衆議院逓信委員会で当時の野田郵政大臣は、八五%が足切りというのでなく、そこで再度終了期日をどうするか、その時点でどういう状況になっているかというのを確認する、そういう目安だと説明をいたしました。
 我が党は、二〇一一年打ち切り期日の一年前に進捗状況を勘案し、デジタルで放送エリアが一〇〇%カバーされること、受信機が十分に普及すること、この二つの条件が満たされない場合は期限を延長するというこの一点についての修正案の提出を予定しております。
 小坂副大臣は、先日、この我が党の立場について、わざわざ反対した政党名まで列挙して、ごく少数の特異な立場であるかのように答弁をされました。しかし、これは特異な立場どころか、アメリカ、イギリス、そして地上デジタル懇を初め、つい最近までのあなた方の立場そのものではないですか。極めて常識的な立場だと思いませんか。
#81
○副大臣(小坂憲次君) 宮本委員、大変よく勉強をされているという点において、私は日ごろから敬意を表しているわけでございます。しかし、同時に、一定の目標に向かって議論を集中されて、本来の本質の問題を見失うことにならないようにお互いに議論をしていきたい、こう思って申し上げるわけでございますが。
 私が申し上げているのは、どういう観点から見たら一番国民の利益につながるかという点でお互いに議論したいと思ってやっているわけでございまして、二〇一一年に停波しないでそのまま延長した場合にどうなるかということは、先ほどお聞きになっていらっしゃったとおり、内藤委員の御質問にお答えしたように、逼迫した電波の状況等を勘案すると、モバイル等の需要が非常に強い、需要が非常に増大している中で電波の有効利用を図る必要性があるということも忘れないでいただきたいし、また米国においてはということで米国の例をお引きになりましたけれども、米国もそれではそのままスムーズにいっているのかといえば、どうも進んでいない。その中で、議会ではどういう議論がなされているかといいますと、米国議会でこの法案を所管するエネルギー商業委員会のトージン委員長が、本年三月十五日に開かれた公聴会におきまして、緩やかな最終期限の設置が確実で迅速なデジタル化への移行を妨害していることを懸念しております、また二〇〇六年を厳格な最終期限として設定することを積極的に探求してまいりたいと、このようにまた言っておりまして、米国も逆の意味で反省をしている。
 日本が今これからとろうとしている立場を米国としてやはりとるべきだったという反省の弁も議会では述べられているということを私の方としてはやはり申し上げて、また先ほど御指摘のありました、私があたかも障害者のために考えている立場を譲っているように誤解されるといけませんので、一言申し上げておきますと、義務化というのは、技術的に可能となった時点で私は義務化をしていくことは必要だと思います。しかしながら、今、それではそういう状況にあるかといえばそうではないわけで、NHKが最大の努力をしてかなりの投資を行って開発していても、一七%までしか進まないという状況の中で義務化したら、残りの部分を字幕をつけないために違法になってしまうという状況をつくり出すことはならないという意味で申し上げたのでありまして、そういう技術が開発されたときに、私は、義務化を進めて、そして障害者のためのバリアフリーの環境をつくるということにおいて私は委員に負けることは絶対にないと、このように思っているところで、それは申し上げておきたいと思っております。
#82
○宮本岳志君 どういう観点に立てば国民の利益になるか、それを基準に議論をしているというのはもうまさにそのとおりですよ。私もそういう立場から議論をしております。
 一つ、字幕の問題、つけ加えますけれども、今、義務化という議論になっているのは、字幕付与可能とされている、あなた方自身が字幕付与可能だと言っている生番組など全部除いた部分の義務化の話をやっているんですから、何もそんな自動音声翻訳装置などというものが開発されなくても十分に字幕をつけていただけるんです、技術的な問題はない部分について義務化すべきでないかという議論をやっているんですから。もう少しそういうこともきちっと踏まえて答弁をいただきたいと思います。
 それで、アメリカがスムーズにいっていない、いっていないからこそそういう議論があると言うけれども、まさに機械的にしていないからこそ今そういう議論をしているわけですよね、このままでいいのかという。だからこそ、そういう機械的に決めて、もう何が何でも、うまくいっていなくても期日が来れば終わりなんだというやり方は、国民の立場に立って、観点に立って利益にならないということを御指摘申し上げているわけです。
 それで、まず確認したいんですが、地上デジタル懇というのは先ほど申し上げたような基準もきちっと、普及率についての基準も持っていたわけです。そしてこれを踏まえて進めたいと、あなた方もかつて答弁してきました。
 今回の法案は、しかし、そういう八五%とかそういった基準、普及率で見るのではなくて、明確にもう期日で切ってしまうということを提案されているわけですから、これは地上デジタル懇の報告から明確な方針転換ということになりますね。よろしいですか。
#83
○政府参考人(鍋倉真一君) 地上デジタル懇におきましては、再三答弁をいたしましたけれども、関東、近畿、中京の広域圏において二〇〇三年末までに、それからその他の地域において二〇〇六年末までに放送を開始すると。それで、二〇一〇年を目安にアナログ放送を終了するという基本的な枠組みスケジュールをお示しいただいたわけでございます。これを踏まえて、共同検討委員会、三者での共同検討委員会で検討を重ねてきて、今回こういう御提案をしているということでございます。
#84
○宮本岳志君 なるほど、個々の部分でデジタル懇の報告をなぞってつくられている、進められようとしているということはわかるんですが、しかし、八五%で打ち切りというめどが二〇一〇年だというのと、二〇一〇年までにはとにかく終わるんだというのとでは、百八十度の方向転換だと思うんですね。そのため、二〇〇三年とか二〇〇六年とかということの意味も全く違うものになってまいります。小さな変更のように見えるけれども、これは実はコペルニクス的な転換だと言わざるを得ません。
 四月十日の衆議院総務委員会で小坂副大臣は、「期間を定めない場合のデメリットとして考えられることは、今おっしゃいましたように、今売っているテレビが安いのだからこれをもっと買っておこう、多分これがある限りはずっとやってくれるのだろうという期待の方が優先してしまいまして、買いかえがなかなか進まないという結果に終わってしまう可能性があります。」と述べております。
 今持っているテレビがいつまでも使えるという余計な期待を国民は持つべきではない、そうしないと新しいテレビは売れないということを言いたいんですか、小坂副大臣。
#85
○副大臣(小坂憲次君) そうではなくて、またいろいろなものが出てくるんじゃないかということで買い控えというものが起こってしまってはならないと。要するに、方向性は明確にしておかなきゃいけないということを、政策の方向性を明確にする必要があるということを申し上げたわけでございます。
#86
○宮本岳志君 同じ日に、小坂副大臣は、「割と先行的に新しいものを買っていただく層と、ある一定のところで理解したら先を見て買いかえていただく方と、あくまでも今のでいいのだと考えつつ最後はしようがないかと言って買いかえられる層と段階がある」と答弁されております。つまり、今のままのテレビでいいと思っている国民にもしようがないと思わせデジタルテレビを買わせるというのだから、これは買いかえの強制以外の何物でもないと私は思いますし、我が党はこんな議論を断じて容認するわけにはまいりません。
 そこで、あなた方が尊重するとおっしゃった地上デジタル懇の報告について、さらに具体的に突っ込んで聞きたいと思います。
 報告書の中にある、「全国導入までの目標スケジュール」の一、「親局レベル」の「ア」というところですね、関東広域圏のところには何と書いてありますか、情報通信政策局長。
#87
○政府参考人(鍋倉真一君) 「関東広域圏(独立U局は除く)では二〇〇〇年からデジタル放送の試験放送を開始し、二〇〇三年末までに本放送を開始することを期待。」というふうに記載されております。
#88
○宮本岳志君 デジタル本放送の開始時期、関東、近畿、中京の三大都市圏では二〇〇三年、それ以外は二〇〇六年と、スケジュールもこのあたりに出てきます。ところが、関東広域圏だけはもう一つ二〇〇〇年という期限が出てくるわけです。
 現在、地上波デジタル放送のパイロット実験が行われていることは私も承知しております。ここで言われているのは、そういうパイロット実験のことではないと思うんですね。BSデジタルの本放送の数カ月前にも行われたような受像機の購入のインセンティブになるような放送だと思うんです。それは始まりましたか。まだだとすればいつから始まりますか。
#89
○政府参考人(鍋倉真一君) 試験放送につきましては、今まだ始まっておりません。
 それで、今後試験放送をするかどうかということは、本来的には事業者側が検討することだというふうに認識をしております。
#90
○宮本岳志君 いや、「二〇〇〇年からデジタル放送の試験放送を開始し、」と書いていて、もう今二〇〇一年ですから、しかし試験放送開始の具体的な見通しも今述べられませんでした。既にスケジュールはずれ込んできているわけです。これで予定どおり二〇〇三年、二〇〇六年の放送開始ができるんですか。
#91
○政府参考人(鍋倉真一君) 試験放送というのは、試験放送であってもアナ・アナ変更がどの程度必要か検証する必要がございますので、そのためチャンネルプランの策定の作業を先行させたわけでございますが、この試験放送というのをするかしないかというのは放送事業者の決めることでございまして、この文章にも二〇〇〇年から何々することを期待というふうに書いているわけでございます。
#92
○宮本岳志君 少なくとも、しかし期待どおりには今の時点でいっていないということが明らかになりました。しかも、一昨日、八田議員が指摘した名古屋の鉄塔のような問題もあるわけです。
 しかし、仮に百歩譲ってこのとおりにいったといたしましょう。今言った二〇〇三年、二〇〇六年は、実は親局レベルという話であります。地上波デジタル懇談会の報告書のその後には、二として「中継局レベル」という記述がございます。その最初の項目「ア」には何と書いてありますか。
#93
○政府参考人(鍋倉真一君) 「各放送事業者は中継局の整備計画を明示し、親局導入後は、その計画に従って、中継局のデジタル化を進めることを期待する。」と記載されております。
#94
○宮本岳志君 つまり、もともと二〇〇三年、再来年と、その三年後ですべての放送が一気にデジタル化されるというような話ではないんです。中継局については、親局導入後にその計画に従って順次デジタルに移行するという話であります。
 それで次に聞くんですけれども、三大都市圏全体の世帯数とそのうち親局レベルのカバーしている世帯数、その他の地域全体の世帯数とそのうち親局レベルでカバーしている世帯数はどれだけか。また、中継局レベルのデジタル化が順次進んでいくのにどれくらいの時間がかかると想定しているのか。これも情報通信政策局からお答えいただけますか。
#95
○政府参考人(鍋倉真一君) 三大広域圏全体の世帯数は、これは平成七年の国勢調査でございますけれども、約二千五百四十四万世帯でございます。そのうち、親局レベルでカバーしている世帯数は約二千百三十六万世帯と推計をしております。
 それから、三大広域圏以外のその他の地域の全体の世帯数は約一千八百五十五万世帯でございまして、そのうち親局レベルでカバーしている世帯は一千八十八万世帯というふうに推計をいたしております。
 それで、たびたび出てまいります一昨年九月からNHK、民放と共同検討会を開催しましてチャンネルプラン等を作成してきたわけでございますけれども、こうした検討を通じまして、今後十年間で民放、NHKともあまねくデジタル化放送への全面移行が十分可能であるという共通認識に至ったところでございまして、アナログ放送からデジタル放送への全面移行ができるように中継局の整備が進められていくというふうに考えております。
 なお、放送局のネットワークの場合には、親局からその次に大規模中継局、それから小規模中継局と順次段階的に整備されることになるわけでございますが、大規模中継局につきましては親局の放送開始後速やかに置局される見込みでございまして、その場合には親局の放送開始から時を置かずしまして大規模中継局までカバーできるのは九割を超えるということになるというふうに私ども推計をいたしております。
#96
○宮本岳志君 三大都市圏でも親局でカバーできない地域が一六%の世帯含まれるわけですね。それ以外の地域では四一%に当たる七百六十七万世帯が中継局からの電波に頼っております。その部分のデジタル化については、衆議院で四月十二日、我が党の春名議員が指摘をいたしました。民放事業者によると、十年あるいは十五年かかるという声も事業者から出ております。それについての小坂副大臣の答弁は、「十年間で、私どもが勝手に決めて打ち切ってしまうので、そこにただただいけということじゃなくて、いろいろな援助施策、支援策をとって、そしてその中でお互いの合意のもとで進めていただく。」とお答えになりました。
 ここで副大臣が言われた「お互いの合意」とはどういうことですか。もし、放送事業者がやっぱり三年、四年での移行は無理だと言ったらどのようになるのか。デジタル放送ができなくともアナログ免許は取り上げられることになるわけで、結局は合意といっても総務省に従うしかないのではありませんか、小坂副大臣。
#97
○副大臣(小坂憲次君) 平成十三年四月十二日の総務委員会、衆議院の委員会での議事録を御参照なさってのことかと思うわけでございます。このときには春名委員の御質問が、
  その点で、二月に出された電波法が、そういうのはあるけれども、総務省の決意として打ち切りを法律として決めて、そこにみんなでやってもらおうということで出したのであって、その点で私は、三者の認識が強固なものとして確立してやられているというふうにはなかなか思えないということを一点言っておきます。
とおっしゃいまして、その後またずっと述べられまして、
 ある時点でカバー率が一〇〇%いかない可能性がある、あるいは普及率も一〇〇%いかない可能性が高い、こういう事態が起こった場合に、きちんと見直しをして打ち切り期限の延長を行う措置をとる、こういう項目が入っていないと思うんですが、改めて確認します。
こういう御質問に対して私の述べた答弁の中で、前後の関係もありますから全部読んでしまいましょうか。
  今鍋倉局長の方からも答弁を申し上げましたけれども、アンケート時点では、放送局の皆さんは、国が支援してくれればそういうことは可能かもしれないけれども、今の時点でアンケートをとられてもこれは無理だろう、こういう考え方ですね。ですから、予算措置が行われてそれが確定したのが昨年末ですから、そういう時点で初めて、そういうことをやってくれればという条件が満たされたわけで、法律の根拠というものがそこに出てくるわけですね。そういう点で、十年間で、私どもが勝手に決めて打ち切ってしまうので、そこにただただいけということじゃなくて、いろいろな援助施策、支援策をとって、そしてその中でお互いの合意のもとで進めていただく。そしてまた、ローカル局を初めキー局、ローカル局の経営
云々と言いまして、私がその先で言っている。
 そういう意味で、二〇一〇年のこの目標、十年間の目標というのは無理なく円滑に推進することができる、また、そういうふうな共通の認識を得ているというふうに思っているところでございまして、
したがって、これは、放送局と私どもとそういった推進をしていく中での支援策を講じた受け手との関係において共通の認識がということを申し上げたつもりでございます。
#98
○宮本岳志君 そんな、延々と議事録を読んでくれとだれも言っていないわけですよ。合意と言うけれども、実際に事業者はユニバーサルサービスの義務を負っている、中継局を失えば事業の基盤が狭められる、だからアナログ放送の終了期日が強制的に決められれば、これは合意などそもそもあり得ないではないかということを私は指摘したわけです。
 そこで仮に、そこを政府のイニシアチブで何とか二〇一〇年あるいは一一年までにデジタル化ができたとしましょう。そうすると、視聴者にとっては買いかえのための期間はデジタル放送が始まってから一年か二年しかないことになります。それでも買いかえを強制するんですか。
#99
○国務大臣(片山虎之助君) いろいろ委員はデジタル懇のお話をされますが、これはその時点で、いろんな方に集まっていただいて私はちゃんとした結論というか御提言をいただいたと思いますが、それが金科玉条で、憲法みたいに扱うことはないんですよ。しょせん懇談会なんですよ。
 その後に、その懇談会の報告を受けて、一昨年の九月から、NHK、民放と共同で地上デジタル放送に関する共同検討委員会を開催しまして、もちろん総務省も入って、それでずっといろいろ検討してやってきまして、何度も副大臣や局長が答えておりますように、我々は正しい方向だと、デジタル化が。この政策は正しいとまず思っております。
 それから、これから十年かけるんですから合理的な私は移行期間だ、こう思っているんですね。こういうことは、何度も言っておりますけれども、みんなで目標を定めて努力しないとスムーズにいかないんですよ。だらだらだらだら、一応ここに区切りをつけるけれども、おかしければもっと延ばす、もっと延ばすといったらいつやるんだと、こういうことになるんですよ。だから、我々は十年でやろうと、こういうことを決めて今一生懸命やっているわけですから。
 今言うように、だんだんこれはキー局を中心にローカル局まで放送を始めていく。そうしますと、どんどんマーケットも変わってくるんですよ。メーカーの方も、もうデジタル対応のものをどんどんと売り出してくる。そうなると、アナログのものはだんだん減ってくる、なくなってくるかもしれぬ。そうなると、買いかえに来たらスムーズにデジタルを私は買っていくと思いますよ。しかし、どうしてもアナログで頑張る、もうそれを使うという人がおるけれども、それはチューナーだとかいろんな手があるんだから、そういうことを総合的に考えて大きな政策の方向として我々は進めているので、宮本委員もう十分御承知の上での御質問だと思いますけれども、余り重箱の隅をこうこうやらないで、重箱の大きな中をよく御理解賜りますようにお願いいたします。
#100
○宮本岳志君 いやいや、私たちもデジタル化の方向は正しいと思っていますよ。また、私どもの修正案は、一年前に見直せということを、見直す機会を設けよということを提案しているだけであって、十年という期限をなくせという修正案を提案するつもりはないですよ。
 だから、期限でもって目標を持ち、進めていく。もちろん移行なんですから、デジタル化されればアナログ波は打ち切っていく。移行と言う以上当たり前のことなんですよ。ただ、その進め方についてきちっと国民的な合意が必要ということを提案しているわけですから、何かこの方向に異議を唱えているとかデジタル化反対ということを叫んでいるというふうにとらえられるのは心外であります。
 地上デジタル懇のことを、そうおっしゃいますけれども、一昨年の議事録で当時の品川放送行政局長は、「その中身については、この懇談会の中身を踏まえたものであることが適当」、つまりデジタル化に向けてのあなた方の施策は、この「中身を踏まえたものであることが適当であると考えておるわけでございます。」と述べているわけですから、やはりきちっと踏まえていただくということでしょうし、また先ほど方針転換ですかと聞けば、そうではありません、踏まえたものですとおっしゃっているから私は聞いているわけであります。
 それで、答えていただいていないんですよ。つまり、順々にいく。わかります、順々にいくんでしょう。最後は、しかし二〇一〇年、一一年まで一年、二年という地域が出てくるんですよ、それは中継局まで含めれば。じゃ、そこの人たちには一年、二年でテレビを買いかえなさいと言うんですかと聞いたんです。どうですか。
#101
○副大臣(小坂憲次君) 大臣も既に御答弁いただいておりますし、先ほど私も内藤委員に御答弁申し上げたときに宮本委員もお聞きかもしれませんが、全く予測できないような事態という中に──私ども、今、大臣が答弁させていただきましたように、順調に円滑に移行が進んでいくものと思っているわけですね。
 しかし、さはさりながら将来のことですから、委員がおっしゃるように、もしこういうことになったらどうするんだという御指摘でございますから先ほど申し上げたんですが、全く私どもが現在予期しないような事態になって、そしてそういう事態になったらその時点で対策は考えさせていただきますが、しかしそのアナログを停波することを延長する対策をとった場合にはやはりデメリットが出てまいりますと。
 先ほど、繰り返しになりますとまた怒られてしまいますのでちょっと省略しますが、そういったデメリットが出ないようにするためにはやはりそれ以外の対策を中心に考えることになるのかなという予見も若干含めて言いましたけれども、それはあくまでもその時点で考えるべきことであって、今はこの法律に従ってその円滑な移行を全面的にお願いして、それに確信を持って進ませていただきたい、このように答弁させていただいているところでございます。
#102
○宮本岳志君 そういう期日を無理やり決めるというやり方がどんな珍妙な結果になるか考えていただきたい。もし、きょうこの法案が可決されて、あすにでも本会議で成立ということになったら、あしたからは町の電気屋には九年後には映らなくなるテレビしか売っていないということになるんですよ。そうじゃないですか。
 では、この法案が成立したら、当分の間、急ぎでないテレビの買いかえは控えるように、アナログテレビは今は買わないでくださいと、あなた方、全国の電気店に呼びかけるんですか。いかがですか。
#103
○国務大臣(片山虎之助君) この法律が通れば、あした本会議で通していただければ、政府の考えはこういうことで進めますと、十分これを念頭に置いて御注意くださいと。
 しかし、今のアナログの受信機も、これはチューナーさえつければ十分にそれはそれで見れるわけですから、そういうこともあわせてちゃんと申し上げようと、こういうふうに思っておりますし、今、副大臣が言いましたように、我々は十年の計画をつくってやりますよ。やりますけれども、常に毎年の状況を監視しながら、常にどうかということを注視して、中で検討しながら進めていきますから、民主主義の世の中ですから一遍決めたら押し切るとかなんとかということはありませんよ。その辺は十分御理解賜りたい。我々を御信用賜りたい。
#104
○宮本岳志君 では、その十年後というものを決めてしまうということが一体どういうことなのかということを少し議論したいんです。
 ちょっと趣向を変えまして、小坂副大臣はIT革命に造詣が深いと日ごろから感じております。このITの世界での日進月歩の姿をよくドッグイヤーという言葉で表現をいたしますが、この言葉の正確な意味を教えていただけますか。
#105
○副大臣(小坂憲次君) 私も犬を飼っておりますし、宮本委員も犬を飼っていらっしゃるんじゃないかと思うんですけれども、犬はもっと長生きしてくれればなと思うんですけれども、我々に比べて大変短命でございますね。
 現代用語の基礎知識という本がありますから、それをちょっと引いてみまして、ドッグイヤーとはどういうことかと。これ引いてみますと、犬の一年は人間の七年に相当することから、一年が七年分のスピードで進んでいるという意味であろうと。情報通信の分野で使われているこのドッグイヤーという言葉は、インターネットなど情報技術の進歩で、以前だったら七年かかった技術革新が今では一年もかからずに達成されてしまうほど急激な変化であると、このように言っております。
 また、別の辞典を見ますと、最近ではドッグイヤーからマウスイヤーとまで言われるようにこの革新は一層加速していると、こうも言っております。
 また、コンピューターチップの集積密度は十八カ月で二倍になるというムーアの法則というのもよく言われることでございますね。これも付記しておきたいと思います。
#106
○宮本岳志君 最近では悪乗りをしてバタフライイヤーという言葉もあるぐらいでして、チョウの寿命は一年ですから、これなら七十倍、八十倍という話になるわけですね。
 そこで、デジタル懇の報告書ですけれども、視聴者にとってのデジタル化のメリットの後に続けてデジタル化の経済波及効果についても述べております。経済波及効果は二百十二兆円、雇用創出効果は七百十一万人。一昨日も議論になりました。
 衆議院の小坂副大臣の答弁でも「今後十年間で四十兆円にも及ぶ端末、放送機器の市場を創設する」と述べられております。結局こちらの方が主な目的になっているように私も感じるんですけれども、小坂副大臣、そういうことないですか。
#107
○副大臣(小坂憲次君) このデジタル化のメリットを経済波及効果で言うのか、それとも社会的意義あるいはその技術革新によるいろいろなサービスの多様化、こういった面に置くのか、そういった意味の御質問かと思うんですが、私は両方、総合的なものだと思っております。
 地上デジタル放送懇談会の中にありますものを例に引いて言いますと、高画質、それからチャンネルの多様化、テレビ視聴の高度化、高齢者や障害者に優しいサービス、安定した移動受信というようなものが述べられておりますし、また社会的意義といたしまして、視聴者主権を確立し新たな放送文化の創造に貢献するとか、あるいは社会構造改革に貢献する、あるいは高度情報通信社会におけるトータルデジタルネットワークの完成を図る、電波の有効利用の促進に貢献する等述べられております。また、経済波及効果として今御指摘のような数字が述べられました。
 そういう意味でいいますと、これら総合的なものを勘案してこのデジタル化というものが考えられておるというふうに認識をいたしております。
#108
○宮本岳志君 私がこういう指摘をするのは、アナログ方式のハイビジョンのときにも経済への波及効果ということを政府はしきりに言ったんです。そして同時に、そのことは、十年後のことなど、あなた方が幾ら力説しても当てにはならないということの証明にもなっております。
 八八年四月十九日の参議院逓信委員会で、当時の成川放送行政局長は、ハイビジョンの普及促進策が効果的に働いた場合には西暦二〇〇〇年で、世帯普及率が四五%と仮定した場合でございますが、累積の市場規模が十四兆五千億円、単年度でいきまして、二〇〇〇年の市場規模が三兆四千億と答弁しております。
 ところが、それからわずか六年後の九四年には、当時の神崎郵政大臣が答弁の中で、ハイビジョンがデジタル方式に変わっても既に普及している受像機はコンバーターをつければ使えると、早くも言いわけに回りました。そして、その時点での普及台数は約二万台。二〇〇〇年に四五%の普及など全く現実的でないことは明々白々になっていたわけです。
 先ほど、小坂副大臣にドッグイヤーという言葉の意味をお教えいただきました。この世界の一年は七年から十年とも言えるわけです。十年後のアナログ打ち切りなどというのは、他の世界でいえば七十年後、百年後のことを、条件もつけずに機械的に期日を法律で決めるようなものであります。
 何らかの法律の分野で、七十年後に行う行為を政府に義務づけたような例が我が国にほかにありますか、いかがですか。
#109
○副大臣(小坂憲次君) そのような法律はございません。
#110
○宮本岳志君 もう一つ、昨年三月の審議の中でも指摘をした件ですが、かつてのテレビ放送のVHFからUHFへの移行問題というのがございました。デジタル化はよく白黒からカラーへの移行ということを持ち出されますけれども、私は、今のままのテレビでは見れなくなるという点で、むしろこの方が今のデジタル化の局面によく似ていると思います。
 そのときの金澤放送行政局長の答弁はこうでした。
  一九六八年九月、昭和四十三年でございますけれども、郵政大臣は、将来の重要無線通信用の周波数の逼迫に対処いたしますために、十年を目途にVHF帯の周波数を使用するテレビジョン放送をUHF帯に移行するという発表をいたしました。これは当時、移動用の重要無線に広く利用されていたVHF帯の周波数に対する急速な需要増加の見通しがあったためでございます。
  一九六八年九月にこういうことを発表したところでございますが、その後、郵政省としてもさまざまな角度から検討を続けてまいりました。
  また、電波技術の進歩発展によりましてUHF帯を移動通信用に使えるという可能性が出てまいりました。
  したがいまして、VHF帯が逼迫しているからVHF帯のテレビジョン放送をUHF帯に移行させる必要性というものが次第に薄らいできたということもございまして、一九七八年二月にこのような移行は行わないという発表をしたところでございます。
極めて教訓的な話なんですよ。今ここが窮屈だと言って十年後にはあけるんだと決めても、十年もたてばその前提自体が変わってしまうことがあるんです。
 アナログのサイマル放送の実施は、当分の間ということにして、打ち切りの条件が整った時点で判断する、それが最も合理的なやり方ではないですか、総務大臣、いかがですか。
#111
○国務大臣(片山虎之助君) ドッグイヤーは、あれは技術革新のことを言っているわけでありますから。
 法律は、これは十年というのは合理的な目標なんですよ。何度も言いますけれども、我々は正しい方向だと、正しい政策の選択だと、こう思っておりますからね。しかも、十年間が合理的な移行期間だと、こう思って、やっぱり目標を決めて、努力目標を決めてみんなで努力すると、こういうことは必要だと思っておりますからね。
 ただ、今、委員が言われるようないろんな御心配、御懸念もあるでしょう。だから、我々は、この法律が成立すれば、それから常に毎年毎年、きっちりと状況を注視して、進行管理しながら進めていきますよ。
 それで、我々が目指す、そして恐らく国会で皆さんの御賛同をいただけるこのデジタル化をスムーズに、国民の協力もいただきながら、御理解もいただきながらぜひ成功させたいと、こう思っておりますので、ひとつ大乗的な見地から御賛同賜りますようにお願いいたします。
#112
○宮本岳志君 最後に、周波数利用の入札制度について、いわゆるオークションの導入について、この法案の審議の中で見過ごせない議論が出てきているので、我が党の立場を明らかにしておきたいと思います。
 大臣は答弁で、周波数割り当てへの入札制度の導入について、引き続いて検討したい、二〇〇五年ぐらいまでには方向づけしたいという答弁をされました。
 我が党は、電波は国民共有の資源であり財産である、しかもそれは有限なものである。それを電波利用者に排他的、占有的に利用させる以上、高値をつければそれでよしということにならないと考えております。もし、オークションを導入すれば、電波利用料の高騰とその料金への転嫁、一部の独占大企業による周波数資源の独占といったことが予想されて、我が党は、周波数割り当てへのオークションの導入には断固反対をいたします。
 政府自身、平成八年度、十一年度の二回にわたって旧郵政省に有識者による懇談会を置いて検討してまいりました。そこで入札制度の導入が見送られた理由というのはどのようなものでしたか、お答えいただけますか、総務大臣。
#113
○国務大臣(片山虎之助君) 入札制度につきましては、当委員会でも衆議院の委員会でもいろんな御議論をいただきまして、我々の基本的な立場は何度も申し上げておりますように、考えられるメリットもありますよ。しかし、諸外国の状況を見ていると必ずしもそうでないいろんな問題を起こしておりますから、そういうメリット、デメリットを十分比較考量して二〇〇五年度までには結論を得たいと。これはe―Japanのアクションプランにちゃんと書いておりますから、そういうことで今担当のところではいろんな検討をしていただいておりますが、先ほど内藤委員の電波料に対する御意見もございました。また、今の宮本委員の御意見もありましたので、両々全部の委員の御意見をしっかりと受けとめて適正な結論を二〇〇五年度までに出させていただきます。
#114
○宮本岳志君 大臣も答弁で落札金のサービス料金への転嫁の懸念とか資金の豊富な者による周波数の独占ということを触れられました。
 大臣がe―Japanアクションプランとおっしゃいましたので、改めてこのe―Japanアクションプランを見せていただきました。オークション方式については「問題点も含め調査し、」と、こう言っているわけです。私ははっきり言ってこのオークション方式というのは極めて問題が多いということを指摘したいと思うんです。
 まず、事実を総務省にお伺いしますが、昨年四月英国で、また昨年八月にドイツで第三世代携帯電話3Gの周波数割り当てオークションが行われました。その落札価格総額をそれぞれ現地通貨額と円換算でお答えいただけますか。
#115
○政府参考人(金澤薫君) 昨年四月に英国で行われました第三世代携帯電話のオークションにおきましては五社が落札しました。その落札総額は二百二十四億七千七百四十万ポンド、日本円にいたしますと約三兆七千五百億円ということでございます。換算レートは一ポンド百六十七円ということでございます。
 また、昨年八月にドイツで行われました第三世代携帯電話のオークションにつきましては六社が落札いたしました。落札総額でございますが、九百九十三億六千八百二十万マルク、日本円にいたしますと約四兆九千七百億円ということでございます。換算レートは一マルク五十円ということでございます。
#116
○宮本岳志君 もうむちゃくちゃな暴騰なんです。ドイツの五兆円などというのは、単純に加入者一人当たり二十五万円以上の利益を上げないとペイしないと言われております。イギリスのエコノミスト誌は、資本主義の歴史上最大のギャンブルと書いたほどであります。この電波の高騰は落札事業者に決定的な打撃を与えて、軒並み負債額が膨れ上がる原因となっております。
 週刊東洋経済によると、ブリティッシュ・テレコム、それからドイツ・テレコム、フランス・テレコムの負債総額は一千七百億ドル以上、実に二十兆円ということになっております。そこに紹介されている表によりますと、九八年末と二〇〇〇年末の対比で、ドイツ・テレコムは純負債額が二倍、フランス・テレコムは五倍以上、ブリティッシュ・テレコムは九八年にはほぼゼロだったものが二〇〇〇年末には五百億ユーロ、五兆円に達しております。これら企業の財務格付は大幅に下げられ、ジャンク債並みになったとも報じられております。
 それで、改めてこれは大臣に確認しておきたいんですけれども、こういう状況についても、調査するとされている問題点というものの中に含まれる、そういう理解でよろしいですか。
#117
○国務大臣(片山虎之助君) もちろん含まれます。そういうことが我が国の場合にいいのかどうか。だから、オークションといいましても単純なオークションでなくてもいいんです、いろんなバリエーションがあって、そういうことを含めて調査して結論を出すように努力いたします。
#118
○宮本岳志君 きょうは随分全体にわたって、特に十年後に機械的に打ち切るということはやはりよくない、本当に普及率をしっかり見きわめるべきだということを主張してまいりました。
 議論を通じて、失礼ではあるけれども、私はあなた方は政治家失格だと言わせていただかざるを得ないです。テレビの買いかえ時期について、十年以上持っているという八田議員の質問に対して小坂副大臣は、壊れなくても買いかえる人がいると前回答弁されました。なるほど、中にはそういう人もいるかもしれません。しかし、あなた方は今の国民の暮らしが本当にわかっているのかと言いたい。今、我が国は長期不況のどん底にあります。しかも、あなた方の失政がつくり出した大不況です。家計消費は落ち込んだまま、全く上向く兆しも見えません。当たり前ですよ、消費税の増税、医療の改悪による負担の押しつけ、企業のリストラ野放し、とにかく国民の間には本当に暮らしの大変さが広がっている。今、国民がちょっと無理してもいいテレビに買いかえようなどという状況にあると本当にお考えですか。全く逆ですよ。今、国民の常識は、ちょっと無理してでも買いかえは我慢しよう、これ今の時世の国民の普通の感覚ですよ。そうじゃないですか。それもこれもあなた方が国民に押しつけてきたことではないかと言いたいんです。
 自分たちのそういった政治を本当に反省して、国民に新しいテレビでも買いかえようという気になってもらうためにはどうしたらいいか。つまり家計を直接温める、家計の応援をする、例えば消費税を減税する、こういうことを真剣に考えてこそ、なるほどデジタルテレビの普及ということも自然な形で進むでしょう。それを、まさに鳴かぬなら鳴かせてみせよとばかりにアナログ打ち切りで国民をおどしつける、そういう政策こそ私は愚策だと言わざるを得ません。
 そして、我が党が提案する一年前の見直し、この当然の当たり前の提案すら耳をかさずに二〇一一年打ち切りを強行するというなら、まさに鳴かぬなら殺してしまえという結果になる。そのことを厳しく指摘して私の質問を終わります。
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#119
○委員長(溝手顕正君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、若林正俊君が委員を辞任され、その補欠として中島啓雄君が選任されました。
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#120
○委員長(溝手顕正君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について宮本君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮本岳志君。
#121
○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、電波法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由とその内容の概要を御説明いたします。
 今回の法改正の中心点は、新たに特定周波数変更対策業務の規定を盛り込むことにあります。これは事実上、地上波テレビ放送のデジタル移行に際しての事前の周波数調整のための公金投入と引きかえに、従来からのアナログ方式による放送の打ち切り期限を十年以内に定めるものであります。
 民放連のアンケートによれば、現在、アナログ方式でテレビ放送が行われているエリアをデジタル方式でカバーするのに必要な期間は、十年程度及び十五年程度との回答が合わせて七五%にも上っています。また、テレビの買いかえサイクルが八年から十年であるにもかかわらず、移行期間は三大都市圏でも八年、その他の地域の中継局レベルでは四年以下しかありません。このように、十年後のアナログ放送の終了に伴う混乱が予期される以上、今の時点で終了期日を法律によって確定するべきではありません。
 本修正案は附則において、アナログ放送終了期日の一年前の見直し規定を設けるものであります。具体的には、デジタル放送による受信地域の一〇〇%カバーが達成されない場合、またはデジタル用受像機の普及が十分でない場合は、アナログ放送の打ち切りの延期など、必要な措置をとることを総務大臣に求めるものであり、極めて当然の修正だと考えます。
 以上が提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
#122
○委員長(溝手顕正君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#123
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、電波法の一部を改正する法律案に反対、日本共産党提出の修正案に賛成の立場で討論を行います。
 第一の反対理由は、アナログ放送の打ち切りを二〇一一年と法律で定めることが国民にデジタルテレビ買いかえを強要することにつながるからであります。
 これまでの政府見解は、デジタルテレビが八五%まで普及した時点になってアナログの終了時期を具体的に決めるという、九九年の野田郵政大臣の答弁でした。ところが、本法案では、普及率とは関係なく、二〇一一年にはアナログ放送は打ち切るとしています。これは国民に対して、それまでにデジタルテレビに買いかえておきなさいというものであります。このことは、期限を切らなければ、消費者がいつごろまでに買いかえたらいいのか自分でも計算ができないからだという政府答弁にもはっきりしています。これは、国民の自発的な意思によって買いかえが行われるべきデジタルテレビへの転換を、国民の意思を無視し強引に進めるものです。テレビ買いかえ促進法とも言うべきものであり、認められません。
 第二の理由は、どんな高性能のデジタルテレビに買いかえても、受信できない地域があったのでは宝の持ちぐされであり、むだな高額の先行投資をさせられることになるからであります。
 三大都市圏は二〇〇三年から、それ以外の地域は二〇〇六年からデジタル放送開始と言いますが、それは親局での放送であって、その先の例えば山間地などでの中継局ではその後のデジタル化ということになります。民放連の放送事業者へのアンケートによれば、これらの地域で受信できるようになるには十年かかるというのが五〇%、十五年かかるというのが二四・六%に達しています。二〇一一年までに全国すべての地域をカバーすることは難しいということであります。
 国民がどんな高性能のデジタルテレビを買っても、受信できない地域ではデジタルの電波が届くまでじっと待つしかありません。これは宝の持ちぐされです。やっと電波が届くころにはもっと安くなるのは当然であります。これは、むだな先行投資を国民に強要するものであって、国民のためのデジタル転換とは言えません。家電業界のために高額の先行投資を国民に強制することになるのではありませんか。
 第三の理由は、アナログ放送の打ち切りに対して、アメリカやイギリスが行っているような歯どめが本法案には全くないということです。アメリカでは二〇〇六年という目標に対して多くの条件があり、これをクリアしない限りは無理に打ち切らないとの歯どめがあります。イギリスでは二〇一〇年の目標に対し、デジタル受信機が普及率九五%を超えなければアナログ放送は打ち切らないこととしています。
 テレビは国民の最も重要な情報手段であり、毎日の天気予報から災害時の報道、世界と日本のニュース、文化番組やスポーツ番組など国民生活に不可欠のメディアとなっていることを考えれば、アメリカやイギリスの歯どめは当然であります。地上波のテレビ放送は基幹放送であって、ユニバーサルサービスが前提であります。これを享受できない地域が一時的とはいえ生ずることは許されません。
 以上、反対の理由は三点でありますが、なお、日本共産党から提案されております修正案は、このような問題点を解決するためのものであって、これまでの政府の説明に照らしてもごく当たり前のものであり、最低限必要な内容であることを申し上げて、討論といたします。
#124
○委員長(溝手顕正君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより電波法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、宮本君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#125
○委員長(溝手顕正君) 少数と認めます。よって、宮本君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(溝手顕正君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 内藤君から発言を求められておりますので、これを許します。内藤正光君。
#127
○内藤正光君 私は、ただいま可決されました電波法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合、無所属の会、自由党、二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    電波法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、放送の社会的影響の重大性を強く自覚し、放送の不偏不党、真実及び自律をより一層確保するよう努めること。
 二、免許人の拠出による特定財源としての電波利用料の性格にかんがみ、電波利用料額については、電波利用の拡大や利用形態の動向を踏まえ、その算定について見直しを行い、適正な水準を確保すること。
 三、地上放送のデジタル化については、その必要性の周知・徹底を図るとともに、柔軟な対応によって視聴者負担の軽減に努めること。
 四、アナログ周波数変更に関わる経費については、必要最小限とするよう努めること。
 五、地上放送のデジタル化に当たっては、地方民間放送事業者の経営への影響が懸念されることから、放送事業者間での協力、公的支援の充実等を進めることにより放送事業者の負担の軽減を図ること。
 六、電波の割当てについては、諸外国で採用が進んでいるオークション方式を含め、公正性・透明性を確保した方式について検討を進めること。
 七、公益法人への特定周波数変更対策業務の移管については、行政改革大綱(平成十二年十二月)の趣旨を踏まえ、その業務の実施に当たり、透明性の確保と業務運営の効率化が図られるよう努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#128
○委員長(溝手顕正君) ただいま内藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#129
○委員長(溝手顕正君) 多数と認めます。よって、内藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。
#130
○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#131
○委員長(溝手顕正君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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#133
○委員長(溝手顕正君) 次に、電気通信事業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。
#134
○国務大臣(片山虎之助君) 電気通信事業法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、電気通信事業の公正な競争の促進を図る等のため、市場支配的な電気通信事業者の業務の適正な運営の確保、卸電気通信役務制度の導入、電気通信事業者間の紛争処理の円滑化及び基礎的電気通信役務の提供の確保のための措置を講ずるほか、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社が営むことができる業務を追加する等の措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、電気通信事業の一層の公正な競争を促進するため、特定移動端末設備と接続される電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者に対し、接続約款の作成、届け出、公表を義務づけるとともに、市場支配的な電気通信事業者に対し、その業務の適正な運営を確保するため、不当な競争を引き起こすおそれがある一定の行為を禁止する等の措置を講ずるほか、第一種指定電気通信設備に係るものを除き、契約約款、接続、共用に関する規制を認可制から届け出制に改めることとしております。
 第二に、電気通信事業者によるネットワーク構築の柔軟性を高めるため、専ら電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信役務である卸電気通信役務に関する規制の合理化を図ることとしております。
 第三に、端末設備の技術基準への適合を認定する総務大臣の事務の代行機関である指定認定機関について、指定の欠格事由のうち民法第三十四条の規定により設立された法人以外の者であることを欠格事由とする要件を廃止する等指定の基準に係る規定等を整備することとしております。
 第四に、線路敷設の円滑化を図るため、第一種電気通信事業者の用に供する線路等を国公有地上の工作物に設置する場合の規定等を整備することとしております。
 第五に、今後増加する可能性のある電気通信事業者間の接続等に係る紛争の迅速かつ効率的な処理を図るため、総務省に国家行政組織法第八条に基づく審議会等として電気通信事業紛争処理委員会を置くこととし、電気通信事業紛争処理委員会は、あっせん及び仲裁を行うとともに、その権限に属させられた事項に関し、総務大臣に対し、必要な勧告をすることができることとする等の措置を講ずることとしております。
 第六に、基礎的電気通信役務の提供を確保するため、基礎的電気通信役務の提供に係る費用の一部を指定法人を介して各電気通信事業者が負担する制度の整備をすることとしております。
 第七に、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社が保有する設備もしくは技術またはその職員を活用して、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、総務大臣の認可を受けて新たな電気通信業務その他の業務を行うことができるようにするとともに、日本電信電話株式会社に係る外資規制を一部緩和し、並びに新株発行に関する認可の特例措置を設けることとしております。
 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、基礎的電気通信役務の提供の確保に係る規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日、また電気通信事業紛争処理委員会の設置に関する規定のうち両議院の同意を得ることに係る部分については、公布の日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#135
○委員長(溝手顕正君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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