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2001/06/12 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 総務委員会 第14号
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2001/06/12 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 総務委員会 第14号

#1
第151回国会 総務委員会 第14号
平成十三年六月十二日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     海老原義彦君     釜本 邦茂君
     櫻井  充君     高橋 千秋君
     高嶋 良充君     朝日 俊弘君
     内藤 正光君     浅尾慶一郎君
     弘友 和夫君     浜四津敏子君
     八田ひろ子君     笠井  亮君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     釜本 邦茂君     海老原義彦君
     中島 啓雄君     若林 正俊君
     朝日 俊弘君     高嶋 良充君
     浜四津敏子君     弘友 和夫君
     笠井  亮君     八田ひろ子君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     若林 正俊君     関谷 勝嗣君
     菅川 健二君     岡崎トミ子君
     高橋 千秋君     内藤 正光君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                入澤  肇君
                岩城 光英君
                海老原義彦君
                浅尾慶一郎君
                宮本 岳志君
    委 員
                景山俊太郎君
                鎌田 要人君
                久世 公堯君
                世耕 弘成君
                岡崎トミ子君
                輿石  東君
                高嶋 良充君
                内藤 正光君
                鶴岡  洋君
                弘友 和夫君
                富樫 練三君
                八田ひろ子君
                山本 正和君
                松岡滿壽男君
                高橋 令則君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       総務副大臣    小坂 憲次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       乾  文男君
       総務省総合通信
       基盤局長     金澤  薫君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      鈴木 孝之君
       財務省理財局次
       長        白須 光美君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○電気通信事業法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(溝手顕正君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、櫻井充君及び内藤正光君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君及び浅尾慶一郎君が選任されました。
 また、去る八日、中島啓雄君が委員を辞任され、その補欠として若林正俊君が選任されました。
 また、昨日、若林正俊君、菅川健二君及び高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として関谷勝嗣君、岡崎トミ子君及び内藤正光君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(溝手顕正君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に海老原義彦君及び浅尾慶一郎君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(溝手顕正君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りします。
 電気通信事業法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁総務企画局長乾文男君、総務省総合通信基盤局長金澤薫君、公正取引委員会事務総局経済取引局長鈴木孝之君及び財務省理財局次長白須光美君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(溝手顕正君) 電気通信事業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は去る七日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○世耕弘成君 自由民主党の世耕弘成でございます。
 私、補欠選挙で当選したばかりのころに、当時国対委員長だった片山大臣から、質問に立つときは与党であっても堂々と厳しい質問もしなさいという御指導をいただきましたので、きょうはその精神を忘れずに質問してまいりたいと思います。
 まず第一点に、きょうも新聞等に出ておりますし、きのうも片山大臣も御出席だったと思うんですけれども、経済財政諮問会議が方針の素案というものを出しております。
 その中に、例えばNTTの経営形態の見直しであるとかあるいは非対称規制の前倒しとか、そういったメニューが盛り込まれているわけでございますけれども、NTTの経営形態見直しというのは本法案に密接に関係するテーマでもあります。非対称規制なんというのはまさにこの法案そのものというか、この法案に盛り込まれているものそのものなわけですけれども、政府としてこういったものを盛り込んだ法案を出しておきながら、経済財政諮問会議でその方向性を修正するような案が出てくるということに関して、大臣としてどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
#9
○国務大臣(片山虎之助君) 昨日、お話しのように第十回の経済財政諮問会議をやりまして、今月末までにまとめるものの原案の提示と説明と意見交換がございましたが、なるほどあの中には今、世耕委員が言われたようなNTT問題に対する記述もございます。基本的には、規制緩和三カ年計画とe―Japanのアクションプラン、これに基づいた表現なんですけれども、まあ原案が幾らか踏み込んでいますね。
 これは、私どもの方の基盤局を中心に検討いたしまして、この程度ならやむを得ないかなという感じもありましてああいう案を出してもらったんですが、最終調整はこれからでございますので、最終的には字句を調整してまいりたいと思いますが、基本的な考え方は規制緩和三カ年計画やe―Japanのアクションプランと変わっておりません。
 実質的にインセンティブ活用型の競争政策を持ち株会社のNTTさんや東西NTTさんに求めて、その結果を見守って、しかし基本的にはやっぱり競争政策の促進ですから、それが不十分な場合にはいろいろお考えを賜ると、こういうことでございますから、表現のよしあし、強弱はありますけれども、基本的には全然変わっておりませんので、そこはそういうふうに御理解賜りたいと思います。
#10
○世耕弘成君 基本的に変わらないという御答弁をいただきまして少し安心しましたけれども、このところ電気通信に関する政策というのが割と右へ左へ動くというか、一般の人から見ていてもなかなか安定感がない。これで決まったのかなと思ったらまた次のテーマという形で、まあ動きの激しい分野でありますからそれも仕方ないのかと思いますけれども。
 一方で、やはり株式市場というのはこういうところを敏感に反映するんですね。特に、この一年ぐらいのNTTの株価の動向なんかを見ていますと、特に去年、当時の郵政省が電通審にNTT法の改正を諮問決定されて以降は、全体の東証の平均値よりもNTT株価というのはどんどん下がっていく。また、その中で、例えば日米規制緩和協議でLRICの導入なんかが決まったらまたそれで下がるとか、そういう形で非常にNTT株が、一時期、去年の七月には百四十九万、百五十万前後まで行っていたわけですけれども、それが今の段階では七十万円台、半額以下で低迷をしているという状況でございます。
 まず財務省にお伺いしたいと思いますけれども、NTTの株価が非常に低迷しているというこの状況について、NTT株式を今まで売却してきた主管官庁である財務省としてどうお考えになるのか。私は、恐らく外国の機関投資家なんかはもううるさいですから、政府の行為といろいろ密接に関係しているところもあるわけですから、苦情なんかも財務省に寄せられているんじゃないかと思うんですけれども、通り一遍ではなくて、株価についてはコメントできないなんというそういう答弁は私は一切期待しません。過去十三兆円もやっぱり販売をしているわけですね。十三兆円も買ってくれた株主に対する気持を込めて、今の株価の状況について財務省としてどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
#11
○政府参考人(白須光美君) お答え申し上げます。
 NTTの株式は、今御指摘のように、昨年あるいは一昨年の末のころが一番高くて、その後、特に昨年の春以降下がっているというところでございます。
 政府におきまして、このNTTの株式、これを売却している立場でございますが、そういう立場からいたしまして、政府保有のNTT株式の売却、これは当然何らかの需給関係に影響を与えるということが基本的に想定されるところでございますので、政府保有株式の処分に当たりましては、従来から需要動向調査等も踏まえながら、証券・金融市場の動向に十分配慮しながら実施してきたところではございます。
 今お話がございましたが、個々の、個別の銘柄の動向についてのコメントという点につきましては差し控えさせていただきたいところではございますが、市場のことは市場に聞けというようなことが言われておりまして、市場関係者の間では、最近のNTT株式の動向、この要因につきましては、極めて大きな要因としては世界的なテレコム銘柄、これが全般的に低迷している、またこれはかなり大きなウエートを占めております米国のナスダック指数等の連動、こういう点が指摘されているというように承知いたしているところでございます。
#12
○世耕弘成君 いや、既に十三兆円分買ってくれた株主に対してはどうなんですか。
#13
○政府参考人(白須光美君) これまで六次にわたりまして売却をいたしておりまして、それぞれ、その時々の市場の株価に基づきまして売却をさせていただいているというところでございまして、特定の株価水準、これが維持されるべきとか、そういうような考え方ではないということでございますが、私どもといたしましては、株価の動向、これを見ながら今後の売却その他の処分につきましても考えさせていただきたいということでございます。
#14
○世耕弘成君 やはり財務省としても、これは機関投資家もそうですし、NTT株の場合個人株主も多いわけですから、私は何もトヨタの株価についてコメントを求めているわけじゃないですから、政府が売った株価についてコメントを求めているわけですから、もう少し株価動向というものについては真摯にあっていただきたいなと思います。
 総務省にはもうこの株価のことはお伺いいたしませんけれども、じゃ、これからちょっと具体的な議論に入っていきたいと思いますが、総務省は先日、NTTに対しまして自主的実施計画の策定というのを要請されたというふうに聞いておりますけれども、この自主的実施計画というものの定義、それと目的、何のために要請をされているのか、これについてお伺いしたいと思います。
#15
○国務大臣(片山虎之助君) 五月の連休明けに私どもの方からNTTの社長あてに文書で自主的な計画の策定の要請をいたしたわけでありますが、これはそもそも年末の電気通信審議会の第一次答申に基づくものでございまして、その答申を受けまして、一月から総務省になったわけでありますが、総務省で検討して、この分野における競争政策の促進とNTTグループさんの経営改善ということで、こういう方針でいこうというものを、先ほども言いましたが、規制緩和三カ年計画とe―Japanのアクションプランの中に書いたわけでありまして、それはあくまでもNTTグループさんに自主的な計画をつくってもらう、NTT持ち株会社と東西NTTさんに自主的な計画をつくってもらって公表する、そしてそれに従って実行してもらうと。
 我々として期待することは、地域通信網の開放の徹底が一つ、それからNTTコミュニケーションズとNTTドコモに対する持ち株会社の出資比率の引き下げを含むNTTグループ内の相互競争の実現をお願いする、三つ目が東西NTTの経営の効率化の推進をお願いする、これについて自主的につくってくれと、こういうことを申しまして、それはわかりましたと、こういうことでございますが、事柄の中身は労使交渉事項、世耕委員は大変御専門家でございますので、等も入っておりますからその結果を少し待たなければいけませんけれども、現在、NTTさんは自主的な実施計画の策定に一生懸命取り組んでいただいている、こういうふうに理解しております。
#16
○世耕弘成君 自主的と言いながら逆にこの三本のことは期待するというあたりが私どうしてもなかなか理解をしづらいわけで、これはちょっと今この中でいろいろと質問していきたいと思いますけれども、まず、この自主的実施計画というものが、そもそも今我々が審議しているこの法案と何か関係があるのか。
 例えば、東西NTTの業務範囲拡大というのがこの法案の中に盛り込まれているわけですけれども、その業務範囲拡大とこの自主的実施計画が何かリンクをしているのか、この法案とこの自主的実施計画のリンク点がどこかあるのかどうか、ないのか、その辺をちょっと確認しておきたいと思います。
#17
○国務大臣(片山虎之助君) これは当然リンクしているわけでありまして、自主的な計画の我々の期待は先ほど言ったように三点でございまして、三点といってもかなりふわっとした、地域通信網の開放でも、持ち株比率の引き下げでも、経営の効率化、改善でも、私はかなりふわっとした包括的な要請だと思いますので、具体的にはそれを詰めていただくわけでありまして、そういうことの前提に立ってこの法案、例えば東西NTTさんの業務範囲の拡大等はそういうことが進むだろうということの想定のもとに法案をつくっておるわけでありますから、直接これがこうだというそのリンクではございませんが、全体としてはそういうつながりだというふうにお考え賜れば私は結構だと、こう思っております。
#18
○世耕弘成君 ちょっと法案の審議において、全体的なふわっとしたリンクというのは、非常にこれは法律という精緻なものを詰めていく上で私は問題があると思いますね。
 例えば業務範囲の拡大については、法文を読めば、新しいサービスを始めるに当たって、その新しいサービスが公正競争上問題がなければ認めるという明文になっているわけですから、それ以外のことで何か前提条件があるなんてなるとこの法案の審議の根底そのものが崩れてくるんじゃないかと思うんですけれども、そこをちょっと明確に、リンクがないと私は思うんですが。
#19
○国務大臣(片山虎之助君) 世耕委員、私が言ったのは、直接的なリンクはないと言ったんですよ、思想は一緒だと。この法案の思想と我々がNTTグループさんに求めている自主的計画の思想は一緒だと。直接のリンクはありませんよ、こっちは法律なんだから。そこは御理解賜りたい。
#20
○世耕弘成君 では、直接のリンクがないと明言をいただいたということで理解……
#21
○国務大臣(片山虎之助君) ふわっとしたリンクはある。
#22
○世耕弘成君 いや、それは、精神は当然同じ土俵で議論をしているわけですからわかりますが、直接的なリンクはないということでございます。
 では、次にお伺いしたいんですが、自主的実施計画について、片山大臣は記者会見でもあるいは衆議院の答弁でも、要するに要請ではある、要請ではあるけれども、できるだけ我々の要請に沿っていただきたいとか、あるいは記者会見などでは、状況によっては、内容によっては分割を含めた経営形態の見直しも踏み込む場合がある。衆議院の答弁では、この計画をどう実施するかを注視し、それが公正な競争の確保上、我々が考えていることと違う場合は、速やかに電気通信制度、NTTのあり方の抜本的見直しを行うという形で書かれているわけですけれども、この場合、そうすると、大臣というか総務省として、NTTの出した自主的な実施計画が合格か不合格か、恐らく判定をされると思うんですが、その判定の基準というのは何なんでしょうか。
#23
○国務大臣(片山虎之助君) それは何度も申し上げますけれども、我が国の電気通信市場における公正な競争の促進なんですよ。それと同時に、NTTさん全体の経営の質の改善というか、効率化ということはもちろんあると思いますけれども、そういうことのために我々は求めているので、それは現在の規制緩和三カ年計画やe―Japanのアクションプランの中身になって、政府としてはそれを認知しているわけですよ。
 だから、それに従って自主的にやっていただく、しかし自主的にやると言ってやらないということもありますから、そこで、我々が期待したことは一個も、事態が進まない、進展していない、改善されないということになったら、それは我々の意思決定は、進めるということを前提に今言ったような政府としての意思を決定していますから、それはしかるべき対応をとらせていただくということでございまして、それはこの法律の附則にも、ちょっと表現がかなり広がった形になっておりますけれども、附則にも書いてあるところでございます。
 だから、基準はどうかという今お尋ねがありましたが、これはいろんな物差し等は私は考えなきゃいかぬと思います。それから、物差しにおける、あるいは数値的なものも要るか要らないかは今後の検討課題ですけれども、裁量的にやるつもりは全くありません。世間が見ても納得できる基準のもとでいいか悪いかということを判断させてもらいたい、こういうふうに思っております。
#24
○世耕弘成君 今の物差しの話は全くおっしゃるとおりだと思います。この辺の、いわゆるNTTの出した自主的な計画が合格なのか不合格なのか、その辺はやはり裁量でやっていただきたくない。判断基準をきっちり明確に透明性の高いようにやっていただかないと、白紙の状態で作成をさせて、作成をさせてから判断して、場合によっては分割しちゃうぞというのでは、これは非常に不透明な裁量行政の典型になってしまうと思いますので、これはぜひ注意をいただきたいし、できれば国会の場等でもまた機会があればその辺の判断基準等も明らかにしていただきたいと思います。
 もう一つ、今、片山大臣のおっしゃった発言の中で少し気になったのは、附則の中にその自主的実施計画によってはNTT見直しもあり得るという趣旨が入っているんですか。──いや、附則は私も見ていますから、条文は見ていますから、大丈夫ですよ。
#25
○国務大臣(片山虎之助君) この附則はいろんなことを欲張って全部書いていますから、これは一遍ぱっと読んだだけではなかなかわかりにくいんですけれども、この最後のところですよ、「通信と放送に係る事業の区分を含む電気通信に係る制度の在り方について総合的に検討を加え、その結果に基づいて法制の整備その他の必要な措置を講ずる」と、ここに我々の願意があるわけであります。
#26
○世耕弘成君 でも法律、そうなればこれは何でも解釈できるわけでして、これはちょっと委員各位に申し上げたいと思いますが、我々委員会として決議するときにはやっぱりここをしっかり縛っておかないと、解釈のところでちょっと危険があると思いますから、皆さんそこはぜひ注意をしていきたいなというふうに思います。
 それでは、次にちょっと話題を変えます。
 この中で、コム、ドコモに対する出資比率の低下ということが言われております。きょうは、ちょっとその中でもドコモの出資比率の低下に絞って話をしたいと思います。
 実は、イギリスにブリティッシュ・テレコムという会社がございます。イギリスのブリティッシュ・テレコムというイギリス版のNTTみたいな会社ですが、ここの会社が、先月、スタンダード・アンド・プアーズとかムーディーズといった格付会社から大幅に格付を下げられた。この事実は御存じですか、大臣は。
#27
○政府参考人(金澤薫君) BTの社債等の格付が相当下がっているということは事実でございます。
#28
○世耕弘成君 これは、ムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズ社から、もともとブリティッシュ・テレコムというのはA2という格付であったわけですけれども、Baa1という格付に二ランク下げられました。このBaa1というのは、日本語で言いますと長期的な元利払いに不確実性を含むということで、非常に社債が発行しづらくなる、あるいは既に発行している社債の金利が上がるようなものもBTの出している社債の場合はあるそうでございますが、そういう形になっております。
 その原因は何か。スタンダード・アンド・プアーズ社とムーディーズ社が出しているそのときのコメントを私持っておりますけれども、その中では、要するに、ブリティッシュ・テレコムというのは再編計画を立てた、再編計画の中で携帯電話会社を分離することを決めたんですね。この携帯電話会社の分離というのがこういう成長分野の収益源を失うことになるということと、ブリティッシュ・テレコムがもはや統合的な通信会社としてのメリットを生かすことができない会社になったということで、この二つの格付会社はブリティッシュ・テレコムの格付を下げたわけでございます。
 あと、一般常識で考えても、NTTのドコモに対する出資比率の低下ということが単に今NTTが持っている六十何%かの比率を何%に下げるという議論になるわけですけれども、これは経営の理屈で考えた場合は、お金をどこへ置いておくかという議論なんですね。
 当然、NTTがドコモの出資比率を下げるということは株を売るということです。売って得たお金を今度どこかへまた、当然現金で持っているわけはないわけですから、それを何らかの形で別の場所へ置きかえるわけですね。そのときに、純粋に今一般常識で考えて、NTTドコモへお金を置いておく以上のほかの有利な置き場所があるのかといったら、私は、これは恐らくほとんど皆さん賛同していただけると思いますが、置き場所はないと思います。ないと思っているんですね。ですから、NTTの経営判断、しかも自主的な経営判断でドコモの出資比率を下げるなんということは当然常識で考えてあり得ないと思うんですが、この辺はどうお考えでしょうか。
#29
○副大臣(小坂憲次君) 確かに、現在のNTTとNTTドコモの株式の時価評価額を見ますと、それぞれNTTが十一兆二千九百四十二億円、またドコモの方が二十一兆九千七百八十八億円となっておりまして、株式市場においてNTTがNTTドコモ株を保有していることがNTT株の評価につながっているという状況にあることはそのとおりでございますし、また、そういう意味で、経営判断としてどうだと言われると、世耕委員のおっしゃっている意味はわからないわけじゃないんです。
 しかし、本年二月のドコモの公募増資に見られるように出資比率が下がっているところでございまして、今後ともNTT持ち株会社がNTTドコモの株を売るかどうかというのは、一つはNTT持ち株会社の資金需要がどういうふうに変化するかということですね。NTT東西の事業の行方とかいろんな形の中でNTT持ち株会社の資金需要が変化するということは当然考えられるわけですが、そういう意味で、そのためにNTTドコモ株を売却するということも当然あります。
 そういうようなことで、出資比率を低下させることはそういう意味ではあり得るんだと思うんですね。
#30
○世耕弘成君 あくまでもNTTの経営の中での資金需要の中で発生するドコモの出資比率の自然な低下ということを今、副大臣がおっしゃったと思いますけれども、私はそれは別に問題がないと思っています。そういうことは当然発生し得ると思っています。
 それで、もう一つお伺いしたいのは、我々、この法律を議論するときにやっぱり一番重要なのはユーザーのメリットだと思っています。きょうも新聞にはNTTが光のサービスを月五千円で提供するなんというメニューが出ていましたけれども、こういうことをいかに電気通信事業者が自主的に行えるような環境を整備するかというのが一番重要なポイントだと思うわけです。
 そのドコモ、これがやっぱり自主的実施計画要請項目の中の三項目の一つに入れられているわけですから、ドコモへの出資比率を低下させるということが一体何をねらっていらっしゃるのか。例えば地域の競争の促進とかユーザーメリットとか、そういうことにドコモへの出資比率を低下させると具体的にどうつながるのかというところを教えていただきたいと思います。
#31
○副大臣(小坂憲次君) ドコモに対する持ち株会社の出資比率が低下いたしますと、その経営を実質的に独立させる程度まで引き下げればドコモの経営の自由度というのは当然増すわけでございます。そういう自由な経営判断のもとに自由な事業展開が行われるということによりまして、またNTTの、東西NTT、ドコモ間の一層の競争の活性化というものも考えられますし、そういうようなことによりまして、ドコモ自身の立場からして移動体通信分野における公正競争条件の確保というドコモの分離の趣旨を徹底することにもなりますし、また音声通信における加入電話と携帯電話の逆転現象やデータ通信におけるLモードとかiモードの競争などを背景にいたしまして、地域通信分野における東西NTTとの競争の今申し上げたような活性化が図られることがユーザーメリットにつながっていく。こういった面ではユーザーメリットというのは明確になると思うんです。
#32
○世耕弘成君 iモードとLモードの競争なんていっても、私はそんなことが本当に起こるのかなと。きょうはもう時間がありませんから、もっとあればその辺ちょっとじっくり議論したいところですが。
 でも、本当にドコモへの出資比率の低下ということが市場のためになる、公正競争のためになる、あるいはユーザーのメリットになるというお考えをお持ちだったら、ぜひこれは政府の手でドコモへの出資比率を下げるような行為をとられるべきだと思うんですね。それをNTTに対して、民間企業たるNTTに自主的にやれと言っているところに私は今回のやり方の非常に大きな問題があると思うんです。
 ブリティッシュ・テレコムがやって格付を二ランクも下げられたようなことをNTTの経営者が自主的にやるわけはないんですね。本当に国民の利益につながると考えるのであれば、NTTの経営判断じゃなくて、立法をするなり、政府の責任において実施をすればいい。当然その場合は、株主から損害賠償で訴えられる可能性もありますし、財産権侵害ということで違憲立法訴訟も覚悟していただかなきゃいかぬと思いますが、私はそうするべきだと思うんですが、なぜNTTの自主的計画にこだわられるのか、この辺をお伺いしたいと思います。
#33
○政府参考人(金澤薫君) BTの社債の格付を下げたという話についてもう少し御説明申し上げておきたいと思います。
 BTの株をボーダフォンに対して売却したという過程の中でBTからの説明を受けたんですが、それは、BTとして三百億ポンドに上る借入金があった、オークションで七千億程度の資金需要が必要となったというふうなことから、経営が非常に苦しくなってボーダフォンに対してBTの株を売却したというふうな御説明がございました。そういう意味で、BTの格付が下がったというのは移動通信分野を売却する以前の問題というふうに理解しております。
#34
○副大臣(小坂憲次君) NTT持ち株会社によるドコモ株への出資比率の引き下げは、NTTドコモの経営の独立性を高める、そしてまたNTTグループ内競争の活性化を図るという意味では重要なものだと考えてはいるんですが、今、委員御指摘になりましたように、株主利益保護の観点からしますと一定の配慮が必要だと、こういうことにも当然なるわけです。したがって、バランスをとる意味もあって、売却に当たっては市場の動向等、高度な経営判断が必要である、こう考えて、まずはNTTの自主的な経営判断を尊重する、この方が適当であろうという考えに基づいて自主的実施計画をお願いいたしたところでございます。
#35
○世耕弘成君 今の副大臣の答弁、非常に重要だったと思いますが、ということは、基本的にNTTの経営判断を重視していただくということですから、自主的実施計画に盛り込まれたドコモへの出資比率の低下が、政府の基準がまだはっきりしていないので何とも言えないですが、政府の期待どおりでなくても、あるいは極端な話、やっぱり出資比率は今のところ低下できないという経営判断が示されて、それが盛り込まれた自主的実施計画が出されたという場合は、その場合は認められると考えてよろしいんですか。
#36
○副大臣(小坂憲次君) また繰り返しの答弁になると思うわけでございますが、株主利益保護の観点から一定の配慮が必要だと、そういうことを加味しながら、まずは自主的な経営判断を尊重して、その上で市況その他全体を見て判断させていただく、こういうことでございます。
#37
○世耕弘成君 わかりました。じゃ、株主利益を非常に重視していただけるという答弁だったと思いますので、その辺よく私も覚えておきたいと思います。
 最後に、きょう金融庁にお見えいただいておりますけれども、ドコモの売却を進めるという話がやはり経営の議論からしておかしいということと、もう一つ、やっぱり市場の理屈からしても非常にしんどいと思うんです。というのは、今ドコモの時価総額というのは大体二十二兆円ほどございます。例えばNTTがその中で今たしか六七%か八%持っていると思うんですが、一〇%下げただけで要するに市場に二兆円のドコモ株がぼんと流れ出ることになるわけです。例えば電気通信審議会が期待されているような五〇%を切るところまで行くのに、二〇%放出ですから、そうすると四兆円から五兆円のドコモ株が市場へぼんと流れるんです。
 今、東証の株の吸収力というのはどれぐらいか。去年一年間で大体四兆五千億ですよ、新しく株が発行されたり売却をされて市場が吸収できる能力が四兆五千億ですよ。それに匹敵するだけの株を市場に流して本当に大丈夫なのかと私が思うぐらいですから、今、市場の専門家はみんな思っているわけです。だから、せっかく小泉政権ができてあれだけの改革メニューを示されて、経済界はみんな好感をしているのに、やっぱり市場はいずれ二兆円とか四兆円のドコモ株がどんと流れ出てくるんじゃないかという心配で今なかなか東証の株価が上がらないんじゃないかというふうに私は思っているんです。いや、本当にそうだと思います。専門家の中には、アナリストの中にはそれを指摘する人もいます。
 金融庁としては、その辺どうお考えですか。
#38
○政府参考人(乾文男君) 今御指摘になりました、NTTがNTTドコモへの出資比率を引き下げた場合、引き下げた限りにおきましては、その限りでは供給の増加要因になるわけでございますけれども、そのことが株式市場全体に与える影響につきましては、これは先生よく御案内のように、株価あるいは株式市場全体の市況の動向が、まず第一には発行企業の将来の収益見通し、それから第二に、これはマクロ的に我が国の景気動向でございますとか市場における需給関係等、あるいはまた、最近では東京証券取引所の取引高の五〇%がいわゆる外国人投資家でございますけれども、そうした海外の投資家が日本のマーケットあるいはその将来の方向をどのように見ているかということ、さまざまな要因を背景に置いて決定されるものでございますことから、今の御指摘の点につきまして、金融庁といたしまして確たることを申し上げることは困難であることを御理解いただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、株式市場の動向につきまして引き続き注視してまいる所存でございます。
#39
○世耕弘成君 もう時間が来たので、以上で終わります。
#40
○内藤正光君 おはようございます。
 民主党・新緑風会の内藤正光でございます。
 私は、本日六十分、そしてあさって木曜日四十五分いただいて、二日間にわたってこの法案の審議に民主党・新緑風会を代表して立たせていただくわけでございますが、私は、日本の情報通信文化なるものが健全にそして多様に発展するためにはどうあるべきか、こういった観点から、今はやりの言葉で言うならば骨太の議論をしっかりとこの二日間にわたってさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
 さて、まず私が取り上げさせていただきたいのは、ドミナント規制と、そしてまたあるべき情報通信政策についてでございます。
 今回の法改正でドミナント規制なる新たな概念が導入されるわけです。新たな概念が導入されるというよりも、今回の法案の柱の一つとも言ってもいい内容がまさにドミナント規制だろうと思います。
 まず、そこでお尋ねをさせていただきたいのは、ドミナント規制、アメリカの地域電話市場でも既に導入されているというふうに聞いておりますが、その現状についてお尋ねしたいと思います。
#41
○政府参考人(金澤薫君) 御指摘のとおり、アメリカにおきましては古く一九八〇年のFCCルールに基づきましてドミナント規制が導入されております。その後、何度かの変更が加えられたものの、現在も有効に機能しているということでございます。
 例えば、地域通信市場におきまして独占的な地位にございますRBOCといいますか、ベル系の地域電話会社は厳格な接続義務等の非対称規制が適用されるドミナント事業者とされているところでございます。こうした地域通信市場におけるドミナント規制の目的は、主にボトルネック設備の設置による市場支配力の乱用を防止して公正な競争を促進することにあるというふうに認識いたしております。
#42
○内藤正光君 局長が最後の方にちらっと触れられましたが、ドミナント規制を導入するその目的は、ボトルネック設備を地域電話会社は持っている、特にRBOC系の地域電話会社は持っている、通信ネットワークということで。それを解消して競争を活性化させて、ついてはユーザーに対しては料金の値下げを実現させること、ここにドミナント規制の目的があるというふうに理解してよろしいわけですね。
#43
○政府参考人(金澤薫君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#44
○内藤正光君 そこで、本会議でも大臣にお尋ねをさせていただいたわけなんですが、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
 日米の通信料金の比較、特に前回の本会議ではインターネットの定額についてお答えいただいたかと思いますが、今回は、市内、県内市外、アメリカの方では州内市外と言いますが、そしていわゆる長距離、県外、そしてインターネット、それぞれの項目で日米の通信料金の比較についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
#45
○政府参考人(金澤薫君) 通信料金におきます諸外国との比較でございますが、各国ごとに料金体系が異なっているという点がございます。例えば、市内電話では日本は十円で何秒話せるかということに基づいて料金が決定されておりますけれども、米国では何分話しても一回当たり同一の通話料金というふうになっているなど、これをどういうふうに比較するかというのは非常に難しい点がございます。
 また、通常料金のほかにも最近日本でも随分割引制度が導入されてまいりましたが、アメリカでは特にさまざまな割引制度が導入されておりまして、どの割引制度で比較するのが妥当かということは非常に難しい点がございます。
 こういう難しい点があるということを前提にした上であえて比較すればということでございますけれども、我が国の市内通話料金のうち、まず県内市外通話料金でございますけれども、最遠距離区分で平日の昼間三分四十円となっております。県間市外通話料金は八十円というふうになっております。これに対しましてアメリカの州際市外通話料金でございますが、百十二円というふうになっております。アメリカの方がある意味で若干高いということでございます。
 割引料金につきましては、割引の形態自体が異なりますので正確に比較することは非常に難しいわけでございますが、我が国におきまして県内市外通話料金二十八円、県間市外通話料金四十四円ということでございまして、米国では最遠距離料金が二十六円となっておりますので、我が国がやや割高というふうになっております。
 また、インターネット利用料金につきましては、我が国のISDNによる定額料金制が月額五千五百五十円。これはNTT東日本とISPはNTTコムという組み合わせでございます。米国ではニューヨークの代表的通信事業者でございますベライゾン、ISPはAT&Tという組み合わせで四千四百十四円というふうになっておりまして、若干我が国の方が割高ということでございます。
 しかしながら、より高速のDSLにつきましては、我が国の料金が月額七千百円から六千円に値下げされたのに対しまして米国料金、これはベライゾン社の料金でございますが、月額四千九百六十六円から六千二百九円に値上げされたため日米間の料金が逆転いたしまして我が国の方が安くなっているというふうなことでございます。
 全体を見ますと、ほぼ日米間の料金は似通ったものになっているということでございます。
#46
○内藤正光君 ありがとうございます。
 市内についてはいろいろ比較が難しいということでありましたが、私が持っておりますデータ、アメリカ・ニューヨークのベライゾンのデータでございますが、三分間に換算して日本は八・五円のところをアメリカでは住宅用が十三円、そして事務用が九円、いずれにしても日本の方が市内においても安いと。そしてまた、県内市外もいろいろあるとおっしゃったんですが、日本の方が安いと。ところが、いわゆる長距離、県外、これについてはアメリカの方が安いと。そして、インターネットについてはほとんど変わりがなくて、ADSLに関しては最近日本の方が安くなった、つまり日米逆転が起きたというような傾向が見られるかと思います。
 そこで、ちょっと私がお尋ねしたいのは、日本でよく言われていることは何なのかといいますと、長距離はいろいろな複数の会社が参入してきて競争も激化していて問題ないだろうと。ところが、県内だとか市内に関してはNTTがボトルネックでなかなか競争が進まない、これが問題だと。だから、何とかこの辺を対処しなきゃいけないということで、今いわゆる情報通信政策なるものがいろいろ議論をされていると。これは間違いないと思います。
 ところが、現状はどうなのか、実際はどうなのかと調べてみますと、本来高いはずの、そういう御主張をされている方が言うことを信じるならば、本来高いはずの市内と県内市外が実は日本の方が安い。ところが一方、県外は大丈夫だろう、長距離は大丈夫だろうというところが実は日本の方が高くなっているという現実が現実としてあるわけです。特に、市内といわゆる県内、ボトルネックがあると言われているそこの通信についてお尋ねしたいんですが、米国は総務省さんが御主張されているように料金値下げを導くようなドミナント規制が何十年にもわたって導入されている。本来、圧倒的に安くなっていなきゃおかしいんです。ところが、実際はアメリカは随分高い。これはどういうふうに理解したらよろしいんでしょうか。
#47
○副大臣(小坂憲次君) 米国の地域市場におけるドミナント規制というものの評価でございますけれども、それは接続における公正な競争の確保、それからドミナント事業者による市場支配力の乱用、これを防止するためにこの規制が行われるわけでございますので、その有効性は地域、長距離の料金ということだけではなくて市場全体の活性化が図られているかどうか、そういったことも踏まえて全体的に総合的に判断をすることが必要なんだというのがまず一点にあると思うんです。
 現在、米国の地域通信市場におきまして新規参入事業者は四百九十六社と増加しております。また、地域電話市場に占めるシェアが前年の四%から八%に急成長していることからもドミナント規制は有効に機能している、このように理解されます。
 また、米国の長距離電話料金の水準についても、地域電話会社との接続料のみによって決まるものではないので、仮に高い水準であっても、その水準のみをもってドミナント規制が機能していない、有効性を疑問視するということには直接的にはつながらない、このように考えているところでございます。
#48
○内藤正光君 ただ、いろいろな審議会等の議論でも、まずそもそもの問題意識の発端は日本の電気通信料金が高いということにあったわけです。その手段として市場を活性化させて、つまりいろいろ新規参入を促して市場を活性化させて、そしてその結果として料金値下げだとかサービスの多様化を図ろうとしているわけです。
 ところが、その結果、目指そうとしている結果が実はアメリカの方では実現されていなかった。私は、これは大きな問題と見るべきだと思うんです。つまり、ドミナント規制のあり方だとかドミナント規制そのものに私は問題があるんじゃないのかと。だから、総務省さんがよくおっしゃるように、アメリカでドミナント規制が導入されている、だから日本も導入せいと言うのは余りにも私は短絡的ではないのか、そんなふうに思えてならないんですが、いかがですか。
#49
○政府参考人(金澤薫君) 料金というのは加入者に対するいわゆる利用者料金と接続料等の料金がございますけれども、アメリカと日本との接続料、例えばZC接続で申しますと、日本の場合は二〇〇一年で五円八十八銭というふうになっておりますけれども、米国では三円三十八銭というふうになっています。また、GC接続では、米国では二〇〇一年で二円十六銭でございますが、我が国は四円六十銭というふうになっておりまして、接続料で見ますと我が国の方が圧倒的に高いという状況にもなっております。
 このドミナント規制の一つの目的は、適正な接続を確保していくということもございまして、その主要な要素として接続料金というものも念頭に置くわけでございまして、接続料金から見ますと米国における接続料金というのは相当低くなっているということでございます。
#50
○内藤正光君 局長に反論したいのが二点ございます。一点。ユーザーが求めているのは何も接続料金じゃないんです。その結果としてのユーザー料金なんです。これが一点です。二点。局長は接続料金の比較が大分ゆがんでいると思います。接続料金も分けて考えなきゃいけない。例えば、いかにも安いようにおっしゃったんですが、それは地域の電話会社間の相互であったりあるいは県外接続であったり。
 では逆にお尋ねしますが、県内市外接続はどうなんでしょうか。
#51
○副大臣(小坂憲次君) 今、局長の答弁があったんですが、私は、今日、米国と日本の通信市場における、特に市内通話の料金が日本の方がむしろ安くなったというのは、このような競争を導入してでも外国よりも高いと言われている日本の通信料金を下げなきゃいけないということに対してNTTグループがその認識を持って大変な努力をしたと思うんですね。その努力が結果として新たな市場競争環境を生んで、そして市場競争におけるマイラインの導入等のそういう競争関係が地域通信網の利用料金の低廉化を推進したという分野が非常に大きいと思うんです。これは基本的なドミナント規制導入に対する考え方というものをある意味では行政指導の形も踏まえながら少し先取りしたようなところがありまして、そういった影響がやはり出ているというふうに考えて、これはドミナント規制の効果、有効性を疑問視することにはつながらないと思うんですよ。
 やっぱりこれは、それも入って、そういうものが今後入ってくるということ、それからそれを少し先取りしてやった部分があったのでこういう低廉化が起こってきたと。また、それに事業者自体の理解といいますか努力と、それから利用者の要求というものが相まって生まれた状況であって、これが直ちにドミナント規制の有効性云々ということにはつながっていない、こう考えております。
#52
○政府参考人(金澤薫君) 私は、接続も一つの重要な問題であるというふうに申し上げましたが、最終的にやっぱり利用者料金が下がるということが重要でございまして、それは先生のおっしゃるとおりでございます。
 それから、先ほど申しましたのは州際接続の料金でございまして、日本では市内接続という概念はございませんので比較はできませんけれども、この州際接続料金よりもさらに低い料金になっているというふうに聞いております。
#53
○内藤正光君 まず、私、誤解なきように申し上げておかなきゃいけないのは、何もアメリカよりも今県内、市内、もう既に安いからこれでいいだろう、一息ついていいだろうというふうに申し上げているつもりは全くありません。全くありません。何もアメリカがスタンダードでもないわけですから、さらなる私は値下げに向けた努力が必要だろうとは思うんです。ただ、ドミナント規制が二十年間もいろいろしかれているアメリカの実態がこうなんですよと、だから何も無批判にアメリカのやっているいろんな政策をそのまま導入していいのかと、私はそこを一つ問題意識として提起させていただいたわけです。ですから、くれぐれもその点については誤解をなされないようにひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 そして、先ほどの接続料金のことをついでに申し上げるならば、例えば中継交換機接続で確かに地域電話相互間だとか、あるいはまた県外の接続料金はアメリカの方が安い、それは認めますが、ところが県内の市外については実は日本の二倍ぐらいの接続料金を取っていると。そこで実は電話会社というのは内部相互しているという、そういう仕組みがあるわけなんですね。ですから、よく接続料の比較のときにアメリカの安いところだけを持ち出してどうだというふうによく主張されますが、私はそういう比較というのは果たしてどこまで意味があるんだろうかと思います。ただ、それは局長が接続料の問題を持ち出したから私も申し上げたまでで、これ以上接続料の話について議論しようとは思いません。
 そこで次にお尋ねしたいのは、長距離はさすがにやはりアメリカの方が安いと。漠とした質問で恐縮ではございますが、なぜアメリカの方では長距離が安いのか。逆に別の聞き方をするならば、何がアメリカにおいて長距離料金の値下げを先導していったとお考えになられているんでしょうか、お尋ねします。
#54
○政府参考人(金澤薫君) 米国における競争政策のそもそもの原点はAT&Tの分割でございまして、地域電気通信分野の事業者とそれから長距離分野を分割し、長距離分野に対して競争促進策を講じていくということによりまして競争促進的な動きがあり、料金引き下げにつながっていったというふうに理解しております。
#55
○内藤正光君 そういう御認識ですか。
 それも一つの理由なんでしょうが、私が理解する限り、私がアメリカをいろいろ回って調べた限り、それだけではあそこまで長距離の値下げというのは進んでいかなかったんじゃないのかと。やはり日本でも最近フュージョンという全国一律どこにかけても三分間二十円という、そういったIPネットワークを使った電話サービスが登場して、それがかなり日本の長距離料金値下げを先導していくんじゃないかと思いますが、私はアメリカにおいて長距離の値下げを先導していったのはIP系の電話サービスではなかったかと思いますが、その点をどのように御認識なされているんでしょうか。
#56
○政府参考人(金澤薫君) 日本におきましても、フュージョン・コミュニケーションズというIP、いわゆるインターネットプロトコルを用いたボイス・オーバーIPといいますか、そういうものが一部分でございますが導入されているということによりまして、三分二十円という長距離分野における非常に安い値段が導入されたということでございます。御指摘のような点は確かにアメリカにおいてもあろうかというふうに思っております。
#57
○内藤正光君 そして、これは私の私見なんですが、ただ私見といっても思いつきの私見じゃなくて、いろいろ研究開発分野の方々とのお話を通じての私の考えなんですが、やはり地域電話市場でも今後本当に劇的な値下げを先導していくのはIP電話ではないのか、インターネット電話ではないのか。今でこそ中継系しかIPというのは使われておりませんが、あと数年したら末端までこのIP電話というのが伸びていくだろうというふうに私は理解しているんですが、いかがお考えでしょうか。
 副大臣、うなずきながら聞いていただいているんですが。
#58
○副大臣(小坂憲次君) まず、米国の長距離系が安くなったのは、一つには日本と違う公専公接続のあり方という、専用線を使って端末端末でかけられるという、こういう制度がアメリカは古くからあります。そういうことが一つあることと、やっぱりIP電話の効果というのは大きいと思うんです。
 日本においても、IP電話というのは何となくまだなじみがないものですから何か違うんじゃないかと思いますが、実際に使ってみて、ダイヤルを回して相手の番号を入れて話してみる、音質もそんなに変わらないということになれば、これは全く同等のものとして扱われるようになる。それによってその方が料金が安くなれば、当然その市場の占有率もそちらの方にシフトしてくる結果になるし、既存の事業者もそういったIP電話を自分たちのサービスの中に取り入れてくることになる。したがって、今、委員が御指摘のように、将来的にはIP電話のシェアというのは高まってくる傾向にあるだろう、私もそのように思っております。
#59
○内藤正光君 もしそうであるとするならば、私は今回の法案を私なりに評価させていただくと、やはりまだ旧来の電話という発想を引きずったものなんだろうと思います。審議会の答申ではインターネット、インターネットと未来を見据えているような文面がちりばめられている割には、中身はといって読み進んでいくと結局また電話の時代に戻ってしまう、それが今回の審議会の一連の答申であり、今回の法案の中身だろうと思います。
 これからインターネットの時代を見据えてどうあらねばならないかという議論をしていかなければならないのに、やはりこの法案は何か旧来の固定の電話のシェアに基づいてやたら規制をかけるというようなものでございまして、私はどうかなと思うんですが、ちょっとこの辺はまたあさっていろいろ議論させていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 また、ドミナント規制の継続ではございますが、特にさらにユーザー約款、サービス約款と言ってもいいかもしれませんが、このユーザー約款に関する規制について何点かお尋ねをしたいと思いますが、NTT東西のユーザー約款だけが認可なのはなぜなのか。ほかが届け出であるにもかかわらずNTT東西のユーザー約款だけが認可制となっているのは、その理由についてお尋ねしたいと思います。
#60
○副大臣(小坂憲次君) 東西NTTはボトルネック設備という独占性を有する電気通信設備を保有、設置しているために、これを用いて行うサービスもまた独占性が認められることになるわけでございまして、特に契約約款というものにおきましては通常その事業者が内容を一方的に設定していくという性格にあるわけです。そのために、仮に不当な内容の契約約款が定められた場合には利用者側にとってはこれを甘受せざるを得ないという環境にあるために、利用者に与える影響の大きさが大変大きい。そのようなことから、利用者利益の保護の観点で、事後的に是正措置を行ったのでは不十分であって、あらかじめ内容の適切さを十分担保しておく必要がある。
 すなわち、事業者間であれば数は事業者対事業者で済むわけですが、このサービス約款というのはもう既に利用している皆さんが一斉に適用されてしまうという環境にありますので、それを事後的に是正してもその数が大変多いということから、その是正には非常に困難性が伴う。このような点に着目しておりまして、そのために現時点では東西NTTの一般利用者向けの契約約款について認可制とするということが適当であると考えておるわけでございます。
 なお、欧米諸国におきましても設備の独占性に着目して、接続規制のみならず地域の独占的事業者や事業者の契約約款について認可制をとったり、あるいは、認可制をとっているのはドイツとかフランスですが、契約のより長いファイリング制、米国のような場合、といった非対称規制を行っているところでございます。
#61
○内藤正光君 ありがとうございます。
 ただ、総務省は、これまでNTT東西は地域網というボトルネック設備を持っている、このボトルネックを解消しなきゃいけないということでドミナント規制を導入すべしと御主張されているわけです。
 ところが、新サービスの提供はどうなのかというと、これは実はアイデアと研究開発力が勝負であって、ボトルネック論とは全く無縁のものじゃないかと私は思うんです、全く無縁。アイデアがボトルネックのどこにあるのかといったら、どこを探してもありません。研究開発力、これはあくまで経営者の判断で、研究開発力が必要だと思えば、どんどんその辺をお金を投下してやっていけばいい、いや、そんなのは外国から買えばいいというところもあるでしょう。それはそれでいいわけです。それはあくまで経営判断に基づくものであって、ボトルネックというものとは私は無縁のものではないかなと思うんです。
 そこでお尋ねしたいのは、あくまでボトルネックというのは回線設備ですよね。サービスというのはこの分野ではレイヤーと言っていますが、全く違うレイヤーに属するものだと思うんです。ですから、全くレイヤーが異なる新しいサービスの研究開発あるいは提供にまで規制をかけようとする、この合理的な理由があれば教えていただきたいんですが。
#62
○政府参考人(金澤薫君) 現在の約款規制というのはボトルネック設備を用いてサービス提供を行うということでございまして、レイヤーが上の方のサービスをたとえ提供するといたしましても、そのサービスをボトルネック設備を用いて提供するという以上は、独占性、非代替性がその部分について生じる場合もございますし、NTTの独占的な地位が乱用される可能性もあるということでございます。
#63
○内藤正光君 ボトルネック設備を用いて提供するサービスもやはりボトルネックだというそういう御主張ではございます。
 では、そこでアメリカのドミナント規制はどうなっているのか、これについてちょっと一回私も調べてまいりました。確かにドミナント規制がある、しかし規制のかけ方がアメリカと日本とで根本的に違っていると。日本というのは設備の有無、設備を区分けの基準として規制をかける、かけない、あるいは強くかける、弱くかけるというふうにしているわけですね。ところが、アメリカはどうかというと、サービスごとに区分けをして、つまり基本サービス、いわゆる電話サービスか高度サービス、インターネットサービス、これを区分けにして規制をかけるかどうかというふうに決めている、判断をしているということなんです。そこで、アメリカの方はどうなっているのかというと、高度なサービス、インターネットサービスには規制がかからない、だから幾ら設備を持った事業者が提供するサービスであっても、高度サービスであるならば規制がかからないというふうになっていると思います。
 ですから、私は、何もアメリカがいいとか言うわけではないんですが、これからどんどんいろいろなアイデアだとか発想力でもって伸びていくだろうこの新サービスの分野に規制をかけてしまうということは、本来あるべきサービス競争を抑制してしまうことになりはしないのか、そう思いますが、いかがでしょうか。
#64
○副大臣(小坂憲次君) サービスはアイデア次第ということは確かにあるわけですが、それを利用する設備が特定の事業者が独占的に保有している設備ということになりますと、どんないいアイデアでもそこの設備を使わざるを得ないというところに着目しているわけですね。ですので、アメリカと規制の仕方は確かに違いますが、日本におけるこの規制の仕方は、私は、現在のNTT東西が保有しているこの状況、そういうものからしてやむを得ないものだと思いますし、またこれが公平公正な競争環境をつくる上で必要なことだと思っているところでございます。その辺は委員御自身の考え方と若干違うかもしれませんが、私どもはこれでいきたいと、こういうことでございます。
#65
○内藤正光君 私と副大臣あるいは総務省の考え、若干違うということなんですが、ただ目指すところは違わないと思います。いかにこの競争という枠組みの中で料金値下げを誘導していくか、あるいはまたサービスの多様化、質の向上を目指していくか、導いていくか、こういった点で同じだと思います。
 そこで、何度も言って申しわけございませんが、新サービスの開発というのはアイデアと研究開発力が勝負だと。条件は皆同じなんです、新サービスの開発という点に関して言うならば、全く同じだと思います。
 ボトルネックというのは、あくまで設備なんだろうと思います。このボトルネックを解消するということは、その必要性を私は十分認めます。それは本当にボトルネックというのは解消していかなきゃいけないというふうに認めます。
 であるならば、本来、規制をかけるべきは、まさにそこのところであるべきだと思うんです。イコールアクセスを確保するために、まず当面のしっかりしたルールをつくって、そしてそれを守らない場合は事後的に厳正な処罰を下す、そのことによって私はまずこのボトルネックというものを徹底的に解消していくべきだと。そして、この土俵の上では本当に完全に自由な競争をまず演じてくださいということが私は本来のあるべき姿だと思います。ですから、私は、全く回線とはレイヤーの違う新サービスの開発だとか提供のところに本来規制をかけたとしたらば、とんでもないことになってしまうと。
 ですから、思いますのに、本来、今認可制となろうとしているんですが、私はそれは将来どこの事業者も同じ届け出制とすべきだろうというふうに思います。ところが、その暫定的措置として、それまでの措置として、私は、よりよい新サービス開発競争を促すためにも、暫定的措置と申し上げましたが、ちょっと言葉を変えまして、やはり認可制をやめて届け出制とすべきではないのか、そんなふうに思います。衆議院の附帯決議の第一項目めにもその旨が書かれているかと思いますが、その辺、また改めてちょっとお考えをお尋ねしたいと思います。
#66
○副大臣(小坂憲次君) 確かに、今、東西の加入者線の独占的な状況にありますけれども、技術の進歩によってまだいろいろな問題が残るとも言われておりますが、電力線、すなわち全部の家庭に入っている電力線を使ってこの通信サービスが行われるというような状況に仮になったといたしますと、このボトルネック性というのは解消されてくるわけです。音声通話に関してあるいはインターネット通話等においても、恐らくそういう状況になるんだと思いますが、そういうふうになったときに、それではこれを、ボトルネック性がまだあるんだと、すなわちメタルの電話線という名前のものは東西だけが持っているんだからということで規制を続けるのかといえば、私はそのときにはもう一回考え直さなければいかぬのだと思うんですね。そういった電力線による通信設備というものが可能になった状況でこのボトルネック性というのは解消されているという判断も当然働くと思います。
 そういう点においては、将来的にこれが許可制に移行していくというようなことは十分あると思いますし、あるいはもっと自由な規制のあり方というものも検討されるべきだと基本的には考えております。
#67
○内藤正光君 当面は認可制を続けるということなんですが、じゃ、ちょっとお尋ねしたいのは、二点ございます。二つの観点から申し上げさせていただきます。
 開発をより一層、競争をより一層促進させるために、そしてまたこの分野、前の交通・情報通信委員会の方では日進月歩ならぬ秒進分歩という言葉がはやったかと思いますが、本当に時々刻々と変わるこの分野に的確に対応するために、私は、ドミナント事業者に対する認可を与えるに当たって、やっぱりより迅速に与えなきゃいけない、問題がなければ、そして恣意性が加わってはいけないというふうに思いますが、そこでどんな点に具体的に留意をされて運用に努められるのか、お尋ねしたいと思います。
#68
○政府参考人(金澤薫君) サービス約款の認可についてのお尋ねだと思いますけれども、いろいろなケースがございますので一概に言えませんけれども、利用者保護の観点、あるいは公正競争上重大な問題があるというふうな特別な場合を除きまして、原則として一カ月程度で迅速に処理したいというふうに考えております。
#69
○内藤正光君 原則として一カ月程度で処理と、衆議院段階に比べてかなり踏み込んだ発言ではないかと思って評価しますが、ぜひ本当にこの分野の競争をより活性化させるために、そしてユーザーである私たちがより魅力的なサービスをより安価に提供を受けることができるように、ぜひこの辺はしっかりと運用に努めていただきたいと思います。
 そこで、ちょっとこれは事前通告していなかったので、大変恐縮ではございますが、副大臣が将来的な動向を踏まえて認可制のあり方を見直すとおっしゃったわけなんですが、その辺、見直すための条件、どういう条件が整ったら見直すのか、大体の方向性、考え方をおっしゃっていただきたいんですが。
 シェアというと、私はもう何年後かしたら電話というものはなくなっているんじゃないかと思います。高速インターネット、ブロードバンドを基本としたものになっていると思います。ですから、その時点ではシェアという言葉は通用しないと思います。これを踏まえてお答えいただきたいんですが。
#70
○副大臣(小坂憲次君) 現状をまず前提にせざるを得ないと思うんですね、将来どうなるかという仮定の上に現在のあり方を議論することはできないと思いますので。
 まず、現状においてはやはりシェアだと思うんですね。これは、加入者線というものがどれだけの割合で利用されているかということになりますので、加入者と事業者をつなぐ加入者線のシェアというものが一つ基準になってくる。
 しかし、電話サービスというものに着目した場合に、ワイヤレスアクセスというものもあるわけですね。こういう無線の発達によってFWAというようなものが一般的になってくる。一般的というか、かなりふえてくる。これを通じてのアクセスが非常にふえてきて、ボトルネック性がだんだん変化してくるということもあります。また、電力線を使った、今申し上げたようなものもある。こういったものの全体に占める割合、分母にこういったものを全部据えて、その分子の部分に各事業者のシェア、すなわちNTT東西の加入者線というものを上に置いて計算して、それでNTTのボトルネック性というものを判断していく、これが一つあると思うんですね。
 それから、将来、今、委員がおっしゃったように、ブロードバンドになって、インターネット経由でIP電話が生じる、あるいは電話というものは必ず絵がついているのが当たり前だという状況になるとか、いろんな変化が起こったときには、やっぱりその時点その時点で判断せざるを得ないので、今の時点で何を基準に判断するかといっても、まだ現実に出てきていないものでございますので、それはその時点その時点で判断をさせていただく、こういうお答えになると思うんです。
#71
○内藤正光君 わかりました。ありがとうございます。
 続きまして、公取委さんの方にもきょう来ていただいていますが、公正取引委員会はことしの一月十日に公益事業分野における規制緩和と競争政策というレポートを発表されております。この報告書の中で、ドミナント規制の持つメリットも何点か挙げられておりますが、同時にデメリットについても三点御指摘をされております。
 このデメリット、実は私、本会議で既に指摘はさせていただいたんですが、再度読み上げさせていただきますと、一つ目として、独占禁止法との重複規制により規制体系を複雑化し、事業者の円滑、自由な事業活動を阻害するおそれがある。二つ目といたしまして、規制が恣意的に運用された場合には、事業者間の公正な競争条件をゆがめるおそれがあること。三つ目に、既存の規制の緩和や撤廃と一体的に行わなければ、かえって規制強化になってしまうという三点のデメリットがこの時点では報告書の中に盛り込まれております。
 まずお尋ねしたいのは、今でもこの御主張は変わらないという理解でよろしいでしょうか。
#72
○政府参考人(鈴木孝之君) お答え申し上げます。
 先生御指摘いただきましたように、公正取引委員会の研究会におきまして検討をいたしました結果でございます。その検討の段階というのは、ただいま一月に発表したというふうにおっしゃっていただきましたように、昨年後半の時点でございます。
 それで、何か特定の非対称規制の内容を前提としたものではなく、一般的な問題点として御指摘申し上げておりますので、その非対称規制の内容によりましては、ただいま御指摘いただきました三点のような問題点があるという点については変わりございません。
#73
○内藤正光君 では、この報告書が提出された時点で、どんな懸念を想定してこういうような予想され得るデメリットを指摘されたのか、ちょっとそれぞれ具体的に説明をしていただけませんでしょうか。例えば、規制の重複だとか規制の強化というふうな言葉が散見されますが、具体的にどういう事態を想定されていたのでしょうか。
#74
○政府参考人(鈴木孝之君) ただいま申し上げましたように、あくまでも一般的ということで、その時点で特定の非対称規制の内容が明らかになっているわけではございませんので若干抽象的な指摘にとどまっておりますが、例えば独占禁止法の中に大きな事業者によります不当な競争業者の排除行為があるとする、それを事業法の中においても同じような規定が持ち込まれるとすればそれが二重規制になるということで、事業者の方としてこの円滑、自由な事業活動の展開においてさまざまな余分な規制を受けるとか、そういった点を考えたものでございます。
#75
○内藤正光君 その一月十日の時点では、まだこのドミナント規制なるものの骨格が見えてこなかったと、だからその時点で、こういうおそれがありますよという抽象的な懸念をここに表明されたということですね。
 ということは、すべてここでの懸念事項として書かれたこのドミナント規制に関するデメリット、これは全部解決されたというふうに理解していいのか、あるいはまた、まだまだドミナント規制との調整を図っていかなければならない事項が若干残されているのか、もし残されているとしたらどういった方向で調整を図っていかなけりゃいけないのか、教えていただけますでしょうか。
#76
○政府参考人(鈴木孝之君) 今回、電気通信事業法改正案の中で導入されようとしております市場支配的事業者規制については、現在、我が国においてIT革命を成功裏に進めることが喫緊の課題となっていることにかんがみ、競争相手の事業者と接続することにより利用者の効用が大きく増大するなどのいわゆるネットワーク産業の特殊性を前提とした上で、電気通信事業分野が独占から競争への過渡的な状況にあることから、公正競争促進の措置として必要最小限の範囲で行われているものと認識しているところでございます。
#77
○内藤正光君 もうちょっと何か具体的にわかりやすく教えていただけませんか。何となくわかるようでわからない話なんですが。
#78
○政府参考人(鈴木孝之君) 競争との関係では、今回の法案の中では、例えば接続関連情報の目的外利用とか特定事業者の不当・有利取り扱い等、それから機械メーカーに対する不当な干渉等、これらが禁止行為として市場支配的事業者について規定されているように、こういったところまでをあらかじめ独占禁止法の方で手当てするというには不十分なところがございますので、公正取引委員会としては、独占禁止法に基づく競争制限行為の排除とこの電気通信事業法における今回の公正競争促進のための非対称規制の導入が相まって、この分野における公正かつ自由な競争がさらに促進されることを期待しているところでございます。
#79
○内藤正光君 総務省さんと公取委さんのその調整のテーブルというのは具体的に現在あるのか、あるいはこれからつくられていくんでしょうか。
#80
○国務大臣(片山虎之助君) 公正取引委員会も総務省の所轄にありまして、コミュニケーションは十分やって協議をやっておりますし、ガイドラインもつくろうということなんですが、基本的には、今、局長が言っているのは、我々は、全体では規制緩和なんだから、そうでしょう、市場支配力のある人には少しブレーキをかけようということだけれども、それ以外は規制緩和なんですから。そこのところはぜひわかってもらいたいと思います。
 二番目については、我々は、この明確な基準的なものによって運用するので、いわば覊束裁量ですよ、自由裁量じゃなくて。そういうところで、公取の御心配にも当たりませんし、公取は一般的な競争制限なんですから。我々は電気通信事業分野の競争制限なんで、適正な競争確保なんで、それはプラスアルファでもう当たり前なんですよ。だから、そこは調整さえしっかりすれば私は何ら問題はないと思っていますし、局長はちょっと難しく言い過ぎますけれども、簡単に言うと私が言ったようなことだと理解しております。
#81
○内藤正光君 では本当に、一月十日の時点で懸念として出された、規制の強化になってしまうんじゃないかとか重複になってしまうんじゃないのかということが現実のものにならないように両者でしっかりと議論していっていただきたい。この分野は規制をかけたらとんでもないことになってしまいます。ぜひ、よろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、ユニバーサルサービス基金についてお尋ねしたいと思います。
 ユニバーサルサービス基金は、この法案施行後、一年後に始まるわけでございます。
 そこで、その基金の中から交付金が算定されるわけなんですが、その算定に当たって長期増分費用方式を用いるというふうに聞いておりますが、それは本当でしょうか。
#82
○政府参考人(金澤薫君) そのとおりでございます。
#83
○内藤正光君 長期増分費用方式というのは、あくまで仮定に基づいた状況から算出される費用ですよね。今ある最新の設備、最新の技術を用いたと仮定してネットワークを構築したとした場合、設備を構築したとした場合、どれぐらいお金がかかるのかと。あくまでそういう仮定に基づいて費用算定をすると。しかし、私は何もこれを否定しているわけじゃありません。値下げの効果が期待できるということで、私は評価はしています。
 しかし、今回のユニバーサルサービスというのはどういうものなのかと考えた場合、何も新しい光ネットワークをつくるためにここから交付金が算定されるわけではない、あくまで既存のメタルネットワーク、これの維持のためにメンテにかかるお金が支給されるわけですね。よくよく考えてみますと、今後は急速にいわゆる交換機ネットワークからIPネットワーク、いわゆるコンピューターネットワークのようなものに切りかわっていくわけです、急速な勢いで。
 そこで、そういったことが予想される中で、何か設備を新しく更改することを前提にはじき出す長期増分費用方式を適用するというのが果たして妥当なのかどうか。私は妥当ではないと思いますが、いかがお考えでしょうか。
#84
○政府参考人(金澤薫君) ユニバーサルサービスの提供に要する費用を算定するに当たっては、ユニバーサルサービスを提供する事業者の非効率性によって生じる費用を排除しやすい長期増分費用方式を用いるということを考えております。
 このように長期増分費用方式を用いることといたしましたのは、今回の基金制度が、ユニバーサルサービス維持のための費用の一部を東西NTTの通信設備に接続等をして受益している他事業者に負担を求めようということでございますので、その負担額は適格電気通信事業者の効率的な経営を前提に算定するものでなければ負担側の理解を得られないという問題がございます。
 また、仮に長期増分費用方式を用いないことといたしますと、適格電気通信事業者の非効率性に基づく費用が他の事業者に転嫁されると。これは、結果として利用者に負担が転嫁されかねないという問題が発生いたします。また、適格電気通信事業者におきまして能率的経営に努めれば、交付金の交付を受けることとあわせて必要コストを賄い得ると考えているところでございます。
 ただ、先生おっしゃいましたような点も確かにございますが、長期増分費用方式につきましては、現在、長期増分費用モデル研究会というものを開催いたしまして、加入者回線部分の地中化状況の反映、架空による場合の方が費用は安いんですが、現実は地中化の率が非常に高いというふうな場合には地中化状況の実態というものも反映させる、それから移動通信における衛星回線や海底ケーブルの利用など、現実にネットワークがどういう形で動いているのかという、そういうものも考慮いたしまして長期増分費用方式のモデルを最終的にはつくり上げていきたい。
 このモデルをつくるに当たりましては、関係者との調整も十分図りたいというふうに思っておりまして、当然、NCC、NTT等の意向も反映させながらこのモデルの策定を行ってまいりたいというふうに思っております。
#85
○内藤正光君 ユニバーサルサービスについてはちょっと最後の質問にさせていただきたいんですが、急速なブロードバンド化の進展が予想されるわけでして、今後、ユニバーサルサービスそのもののあり方も大きく見直されてくるだろうと思います、次世代ユニバーサルサービス等々ということで。
 先ほど、副大臣、そのときになってみなければわからないということをおっしゃったわけなんですが、やはり現時点でユニバーサルサービスに対する位置づけを明確にしておかないとどんどんこのユニバーサルサービスというのが肥大化していってしまうおそれがあろうかと思います。無定見に肥大化をさせないために、ユニバーサルサービスというのはどういうものなのか、社会政策なのかあるいはまた競争政策なのか、そういったことも含めてその位置づけについてお尋ねしたい。
 そしてまた、もし今後、ユニバーサルサービスの中に吸収していくようなものがあるとするならばどういう基準でもってそれを判断するのか、お尋ねしたいと思います。
#86
○副大臣(小坂憲次君) 現時点では、ユニバーサルサービスは、加入者電話サービス、公衆電話サービス、緊急通報サービスと、この三点を原則といたしまして規定をしているわけです。いわゆる国民生活に不可欠な電話サービスという中でそういったものを提供している、こういうことで、あまねく適切に、公平かつ安定的に確保すべきというものを規定しているわけでございますが、将来的にはどうなるかといえば、先ほど申し上げたような状況はあるだろうと。
 そして、このユニバーサルサービスというのは、今の委員の御指摘ですと、競争政策的にやるべきことなのか社会政策的にやるものなのか、こういう御質問ですが、この社会政策というのがどういうものなのかというのは、私どもも言葉の意味としては若干不明確な部分があると思うので、これは公共的な側面のあるサービスということを御指摘なのかなと思うんですが、そういう意味でとらえた場合、もちろんそういった側面もあるわけでありますが、しかし今回のユニバーサルサービス基金そのものは、これまでNTT東西の社内の地域間補てんにより維持してきたサービスを、都市部等の採算地域において事業者間の競争が急速に進展すれば、NTT東西のみの負担によって維持し続けることは競争中立性の観点から見て適切ではないだろう、したがってNTT東西の通信設備に接続することなどによって受益する他の事業者に応分に費用負担を求めることができるような措置を講ずるようにした方がよろしいだろうという、これはあくまでも競争政策の一環として、その側面をとらえて今回は導入をしているわけでございます。
#87
○内藤正光君 どうもありがとうございます。
 私の残りの質問はあさって木曜日に回すことにいたしまして、関連質疑ということで岡崎さんに渡したいと思います。よろしくお願いします。
#88
○岡崎トミ子君 続いて、新緑風会の岡崎トミ子でございます。よろしくお願いいたします。
   〔委員長退席、理事海老原義彦君着席〕
 情報革命には大変大きな期待を寄せております。日本の経済を再生させる、あるいは新しい社会を創造していくということにつながる可能性を持っているからであります。二十一世紀の基幹産業として位置づけられますのは言うまでもありませんが、従来型の産業もこのIT革命によって大変効率的になるだろうというふうに思っております。また、新しい社会を創造していくという面からいいましたら、分散型の経済社会構造をつくることができると思います。
 みんながみんな東京に住む必要がなく、都市に住む必要がなくて、地方に住んで、そして半分農業をやりながらITにかかわっていくという電脳半農生活をしている人もおりますし、農業の方で農業法人で成功しているといういい例もございます。それは出荷の管理ですとか、新しい作物、何がいいだろうかというときに新しい情報をぱっとつかむことができる。あるいはマーケティング、これも上手に利用することができるだろうと思います。
 また、手間がかかるためにこれまでできなかった丁寧な手続をとることもできるようになって、情報公開あるいは直接民主主義、パブリックコメント、電子入札、ディスクコミュニケーションということで広範な参加を可能にすることができます。
 また、距離の壁を乗り越えることもできまして、私はアジア諸国の学校との双方向的な遠隔教育ができるようになったらいいななんというふうにも思っております。障害を持つ人や高齢者も利用できる、みんな発信ができるという意味では社会のバリアフリー化ということにも貢献をするだろうと思っておりますが、課題としては情報デバイドの問題や労働者の再教育の問題があろうかと思います。
 こんな現状認識を持っているんですが、問題は現在の競争ばやり、規制改革ばやりですね。日本がもちろん今、閉塞状況の中にあって思い切った構造改革をしていかなければいけない。これは間違いがないというふうに思うんです。政府の過保護は、それぞれの産業ということの活力をそぎこそすれ、成長を促すことにはつながりません。しかしながら、無原則に規制緩和をやっていいのか、あるいは競争原理を導入すべきかということについては、明らかにこれは間違いだと私は思います。
 雇用についても、つい四、五日前でしたか、報道がされておりました。四人に一人の人がこの一年間の間に自分は職を失うのではないかという心配なんですね。構造改革の間には、必ずこれは古い産業から新しい産業に変わっていく、配置転換が行われるわけですが、新しい産業に向かう希望というものがなかなか見えてきていないという状況だというふうに思うんです。
 私は、二十一世紀の基幹産業と言われるIT産業にはやはり夢と希望を持っていただきたい、これがなければ困るというふうに思うんですが、利用者や国民の利益を、IT革命を推進するという立場から政府に見解を伺いたいと思うんです。
 まず、競争政策を推進しようとする場合、重要なのは適切な競争が行われることの確保だというふうに思います。競争によってどのようなメリットが期待できるのか、あるいはデメリットが心配されるのかという、こういう議論と同じように冷静に分析をしながら、利害者関係の間で丁寧に議論をしていく必要があろうかと思います。
 片山総務大臣は衆議院の総務委員会で、競争戦略のデメリットとして、やってみなければわからないが、過当競争と国際競争力の問題が想定される、しかしこれらは克服できると考えると答弁されております。この間、電話料金の値下げがどんどん進展して、どこも値下げ競争に疲れているというふうに思います。中身についてなんですから、競争に関して、大臣、競争一本やりというのではなくて、サービス開発の競争に移っていくべきだというふうに思いますが、この点についていかがでしょうか。
#89
○国務大臣(片山虎之助君) IT革命について、いろいろ今、岡崎委員言われましたけれども、私も、やっぱり情報がどこにいても瞬時に集まって情報の発信ができる、いろんなことが地方分散型、意思決定にみんな参加できて、それを分散していくという、大変いい社会がうまく利用すればできてくる、こう思います。だから、いい方向にIT革命を進めていくということは私はこれはどうしても必要だ、こう思います。そこで、今いろんな競争促進の我々は施策を考えているわけですが、その前には公正なというのがつくんですよ。単なる競争じゃない。公正な競争促進なんですよ。
 そこで、岡崎委員が言われるような懸念もありますので、競争は促進しなければなりませんけれども、きっちりしたルールをつくって環境を整えて、それでそれによるデメリットはできるだけ抑えるということが必要なので、構造改革でもこれはやっぱり痛みが出るので、総理は痛みを恐れずと、こうおっしゃいますけれども、その痛みはできるだけ抑えなきゃいけません。そのためには、セーフティーネット的な雇用対策や今言いましたような転換、そういうこともあわせてやる、こういうことでございます。
 言われましたように公正な競争で、それは今言われたように公正な競争の中にはサービス競争というのも含むと思うので、何でも競争して勝てばいい、過当競争だとか、それによってシェア拡大だけが命のような競争は我々は必ずしもとるべきではない、こういうふうに思っております。
#90
○岡崎トミ子君 IT時代の競争政策のあり方として、ただいまのようにサービス開発競争が大変重要だということをおっしゃっていただきましたが、既に衆議院の総務委員会でも事業者みずからの努力による競争が必要であるという御見解を示されましたけれども、それでよろしいですね。
#91
○国務大臣(片山虎之助君) 今言いましたように、我々政府の役割は競争のルールをつくることと環境を整えることなんですね。その中で、あとはそれぞれの関係の事業者の方に努力してもらうと。競争というのは、汗を流して知恵を出して頑張る者が報われるということなんですね。じっとして何もせずに恩恵だけを受けようということではないんだと。こういうのが私は正しい競争だと思いますので、基本的には事業者の自主的な努力です。
#92
○岡崎トミ子君 NTTはこれまでに日本の研究開発の分野で大きな役割を果たしてきたというふうに思います。アメリカの科学技術情報会社でありますISI社のハイ・インパクト論文ランキング、つまりどれだけ論文が引用されたか、大変な数になっていて、NTTは国内総合部門で第七位の評価を得ております。
   〔理事海老原義彦君退席、委員長着席〕
 また、NTTは権威ある科学雑誌「ネーチャー」にもたくさん掲載されたという実績もございますし、米国電気電子学会の活躍も目覚ましいものがあるというものを私はこの間に見せていただきました。
 そこで、大臣、サービスの開発競争促進の立場からなんですが、この研究実績という点でNCC各社の名前は見当たらなかったんですが、政府としてはどのようにお考えでしょうか。
#93
○政府参考人(金澤薫君) 電気通信事業における研究開発でございますが、今の新サービスの開発というのは多分応用的研究というふうに理解すればいいんだろうと思いますけれども、NTTグループ各社はもとより、他の事業者もこの分野については互いに競い合って実施しているところではないかというふうに思っております。
 ただ、純粋基礎研究を含む基盤的研究開発、これはNTT持ち株会社の規模が突出して大きくなっており、他の事業者においてほとんど実施されていないということでございます。研究開発費の総額で見てみましても、NTTの連結で一九九九年で三千五百四億使用しておりますが、KDDは百五億円、DDIが八・七億円、これは一九九九年の数字ですが、日本テレコムが四十二億円ということで、金額ベースで見ましてもNTTが断トツに多いというのが現状でございます。
#94
○岡崎トミ子君 大臣も副大臣も衆議院での審議の際に、過度の規制緩和はいさめるべき、どこまで行ったら過当競争になるか注意深く見守るという趣旨の発言をされているんですが、今後の日本経済社会のあり方や多くの市民の日常生活に密接にかかわる分野でありますだけに、公共性と競争強化の両立ということをどういうふうに実現していくのか、この模索が必要だというふうに思うんですね。
 そのために、現状をどれだけ的確に把握しているか、認識しているか、どのような理屈で規制するか、あるいは規制緩和を行うかというのが非常に重要だと思うんですが、六月六日に行われました参議院本会議において片山総務大臣は、通信料金、とりわけ日米インターネット利用料金の格差は既になくなっているというふうに答弁されました。その点、再度確認したいんですが、内外価格差は既になくなっているという認識でよろしいでしょうか。事実関係のみ簡潔にお答えいただきたいと思います。大臣がおっしゃったわけですから、大臣にお答えいただきたいというふうに思います。
#95
○国務大臣(片山虎之助君) なるほど、私、本会議でお答え申し上げました。
 サービス競争ということで、ユーザーといいますか国民の皆さんに私は低廉で多様で高速のサービスをこれから提供していくことが大変大きい必要性があると思いますし、そのためにはやっぱり各事業者にいろんな努力をしてもらわなきゃならぬ、こういうふうに思っております。
 その一つが通信料金でございますけれども、これは先ほど局長が御説明申し上げましたように、各国ごとに料金体系が異なっていることやいろんな割引料金のサービスがあって、これをどれとどれを比較するかというのが大変難しいところもございますけれども、こういう中で、インターネットの利用料金につきましては本会議でもお答えしましたように、日米間で料金の逆転が生じている。日本のNTT東日本は六千円になりました、七千百円から。ところが、アメリカの料金はニューヨークの代表的な通信事業者ベライゾン社が六千二百九円に逆に値上げしたわけでありまして、この関係では逆転になっている、日本の方が安くなっていると、こういうふうに言えると思います。
 また、市内通話料金については、マイラインを契機に引き下げが進みまして、これまで以上米国に比べて安くなっております。市外通話料金につきましては、県内、県間とも、これもマイラインを契機に引き下げられたことから、米国を含めてほぼ国際水準並みになったと。国際通話料金については、例えば、米国との間では我が国からかけた方がやや安いのに対し、ヨーロッパとの間では我が国の方からかけた方が高いと、こういう状況でございまして、私は、この関係は相当改善されてきたと、こういうふうに認識いたしております。
#96
○岡崎トミ子君 そういう現状にあるにもかかわらず、産業構造審議会での議論とかe―Japan計画の中身を拝見しましても、価格の引き下げを目的とした方策が多く講じられているんですね。
 この点について、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#97
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほども言いましたように、サービスはできるだけ安く多様で、しかもこの関係でいったらスピードが速い、こういうことが必要でございます。これはもう国際間でも大変熾烈な競争になってくると思いますよ。そういうことで絶えざる努力を関係の事業者へもお願いせにゃいかぬと、こういうふうに思っておるわけでありまして、もうこれこそ今のドッグイヤーか秒進分歩か知りませんけれども、どんどん技術開発が進んであっという間に追い抜かれたりしますから、そういう意味ではこれでいいとか十分だということは私はないと、こういうふうに思っております。ただ、むちゃくちゃはいけませんよ、私が言っているのは適正な競争を引き続いて促進していくと、こういうことでございます。
#98
○岡崎トミ子君 そこで、産業構造審議会の情報経済部会の議論を見ますと、私はこれ欲しいのでお伺いしたときに、そういう競争環境整備ワーキンググループというのはないというふうに言われたんですが、ここに報告書というのがあるわけなんですけれども、この中をちょっと読ませていただいて、難しいんですよ、私も本当に理解に苦しんでいるわけなんですけれども。
 その産業構造審議会の情報経済部会の議論を見ますと、ドミナント規制の議論には、構造規制と行為規制が混在している、それでかえってその問題を一層複雑なものにしていると思われるというふうにここに記述されているわけですが、どういう意味なのか、これについてお伺いしたいということと、これはよく読んでみますと、総務省や電気通信審議会の議論のあり方を批判しているように受け取れるんですけれども、この点については大臣いかがですか。
#99
○政府参考人(金澤薫君) 産構審の審議の模様及びその意味合いというのは、私ども総務省では推測でしかお答えできないということでございますけれども、構造規制と行為規制があるということをおっしゃいましたが、今総務省が電気通信事業法等の一部を改正する法律の中で考えておりますのは、例えば一定の行為について禁止いたしまして、それについてもし違反があれば停止命令、変更命令をかけられるというふうになっておりますが、それはいわゆる行為規制というふうになっております。それから、ファイアウオール規制で子会社の役員の兼任禁止というふうなものもございますけれども、そういうものは構造規制に近いのではないかと、それから内部相互補助の問題についての規制、これも構造規制に近いのではないかというふうに考えております。
#100
○岡崎トミ子君 つまり、事業の業界のあり方とかNTTのあり方を事前に規制するというこういうやり方と、何かあったときに規制するというこういうやり方に関して混在しているんだというような言い方ですね。やはり、これまでの電気通信審議会の議論のあり方を批判しているというふうに私自身は考えられるわけで、e―Japan計画は関係省庁が一体となって、政府が一体となって進めていくべきものだというふうに理解をしておりますから、こうした見解の不一致に関しては議論というのをもっときっちりと詰めていかなければいけないんじゃないかという、調整を図ってほしいというふうに思うんですね。
 先ほどの答弁からいいますと、きょうは内外価格差の問題は解消されているというふうな見解で私は理解をいたします。それでよろしいですよね。
 それで、これはこれまでの議論の前提を私は大きく変えるものだというふうに思うんです。政府の中にも規制のあり方についてさまざまな考え方があるんだなということをうかがえるんですけれども、こうした現状を踏まえまして、情報通信審議会とIT戦略本部による競争政策についても、これも冷静な見直しが必要ではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#101
○国務大臣(片山虎之助君) 委員、いろいろお話がありましたね。産業構造審議会というのは前の通産省ですよね、今は経済産業省というんでしょうか、そこでいろいろ議論をしたんで、議論をするのはそれは御自由でいろいろしていただけばいいですけれども、当方に関係することはちゃんと、こういうことをあれしますよというあいさつをしてもらわにゃいけませんよ。私は言えと言ったんですよ、文句を言えと言ったんだ、言ったか言わぬか知りませんが。それは、しかしその議論をするなということじゃありませんよ、触れるなということじゃありませんよ。大いに議論を起こしてみんなで議論をすればいいんだけれども、関係があることを公にするときにはそのくらいは当然のことなんですよ、礼儀なんですけれどもね。今後はよく私が注意します、ほかの省だって。
 それで、今のお話は、e―Japanアクションプランと規制緩和の三カ年計画につきましては、まだつくったばっかりなんですね、三月末ですから。ただ、e―Japanの方はe―Japan二〇〇二プログラムというのを、来年ですよね、二〇〇二というのは。それで中間の目標をつくろうと、こういうことになっておりますから、三月に決めたばっかりですけれども、このアクションプランの中身については再度吟味して必要なものは直すと、必要なものはですよ。直す必要がないものは直しません。そういうことをやりたいと思います。
 規制緩和三カ年計画は、これは私どもの方の総務省から今は内閣府の方に移っていますから、フォローは内閣府の方でおやりになるわけですけれども、内閣府の方からいろんなお話があれば私どもの方でも対応いたします。
 そういう状況です。
#102
○岡崎トミ子君 競争政策によって一体何を目指すのか、そしてまた競争政策によって何が起きるのかというこの議論の整理と同じように、何をもって競争政策というのが良好に進展したと言えるのか言えないのか、この冷静な議論が必要だというふうに思うんですが、この例として地域競争の進展の問題を取り上げたいと思うんです。
 小坂副大臣は、五月二十九日の衆議院の総務委員会で、地域通信市場における競争の現状について、「営業的に有利な部分には多くの事業者が参入するが、営業的に採算性のとりにくい分野にはなかなか事業者が参入しないということが考えられる」と答弁されました。これは国会のホームページにも議事録として載っておりますが、そのことを確認させていただきたいと思います。
#103
○副大臣(小坂憲次君) そう申し上げたと思います。
#104
○岡崎トミ子君 都市部には営業が有利なので参入する、地方にはなかなかそれは採算がとりにくい、これ現状だというふうに思うんですが、なかなかその事業者が参入しないということをもって、NTT以外の事業者がそこの地方にはないと、結果として入れないわけですね。そして、結果としてNTTのみがそこで事業を行っていると、そういう状況がずっと続いていくということがあり得ると思いますが、この点はいかがでしょうか。
#105
○副大臣(小坂憲次君) 何もしないでほっておけばそうなる可能性はありますね。
 しかし同時に、それぞれの地域に住む住民の福祉を考えた地方自治体の動きというのもまた別にあるわけですね。例えば三重県等は非常に積極的な県でございますし、その中に、町村によって、全戸に光ファイバー網を敷設して、そしてそれを利用した地域内の電話サービス等を行ったりブロードバンドのサービスを行ったりしているところもございますので、それぞれの自治体のそこには意思というものも反映してくるだろうと思いますね。
 ですから、基本的な経済原則といいますか、営業上の競争環境だけであれば基本的にはそういう流れになってくる。しかし、そこにやはり過疎過密に対する行政的な判断とか、それから地方自治体の努力とか、あるいは地域における企業の努力とか、そういうものもまたかかわってきますので、そういうことがあるということを前提として申し上げるならば、先ほど申し上げたようなのが基本的な動きだろうと思っております。
#106
○岡崎トミ子君 そのような地方での努力というのは大変大事なことだろうなというふうに思うんですが、現実の問題としては、NTT東西の場合には赤字地域から撤退せず、そこで事業を続けているというような状況がありますね。もうこれは会社法で当然そうした事業運営の責務というものを負わされているという側面があろうかというふうに思いますが、こうした実態について実は理解が進んでいないというふうに思うんです。
 地方でNTTのみが事業を行っているということをもってして、独占であるのでよくないという、こういう言い方は成り立たないというふうに思うんですね。結局採算性のないところには入れない。もちろん、それが行政の努力あるいは自治体の努力によってそういうことが行われるだろうという期待があるだろうと思いますが、結果としてそこでは事業をしていないという、それはあるというふうに思うんです。
 このことに関して、総務省の電気通信審議会が行ったパブリックコメントに対して寄せられた意見の中にもそうした趣旨の御意見があったわけなんですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
#107
○副大臣(小坂憲次君) 御質問の趣旨がいま一つわかりにくいところがあるんですが、そういう地域間格差が出る状況にあって、それでNTTが地域のサービスを行っている状況にあるが、それに対してのパブリックコメント云々というその辺の関係がちょっとわからないんであれですが、御説が、NTTが地域のサービスをやっているのはやむを得ずやっているのであって、それをもって独占と言うのは酷じゃないかと、こういうような趣旨であれば、それは今までNTTにはあまねくこういうサービスを提供するユニバーサルサービスの義務が課せられておりますので、それに基づいて努力をしてきておるわけでございますので、現状はそういうふうになっておる、こういうことだとお答えしたいんですが。
#108
○岡崎トミ子君 私が申し上げたのは、赤字の地域からも撤退しないで事業している、当然その側面に会社法でそこで事業を続けていくというその責務があるというのがありますと。結局、結果としてNTTが事業を行っているということなんですが、それが地方で独占でけしからぬという、つまりこれは理解が進んでいないためにパブリックコメントで寄せられたときにもそういう意見があったということですから、これは正確に伝わっていないんだなと、そういう意味なんですね。
#109
○副大臣(小坂憲次君) おっしゃるとおりに、NTTは地域網を独占していてけしからぬという御意見はそういう意味で当たらないわけですね。これはNTTがユニバーサルサービスを提供するということで努力をした結果でございますので、それをもってそういうふうに言うのは酷な話だと思っております。
#110
○岡崎トミ子君 昨年の電気通信審議会の一次答申の中には、地域競争が進展しない場合にNTTの完全資本分離を行うべきだという記述がございました。先ほどの副大臣の答弁にあったとおり、NTT以外の事業者による地域への進出が必ずしも期待できない状況では、地域競争の進展をNTTの完全資本分離を行うか行わないかを決める基準とするのは不適切ではないかというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。
#111
○国務大臣(片山虎之助君) 再三お答えしておりますように、今度のドミナント規制というのは、大変市場支配力のあるそういう事業者については市場支配力を乱用しないようにある程度の防止、乱用しないようなブレーキをかけると、他の事業者については規制を緩和する、あるいはいろんな地域通信網についても開放をしてもらうとか、その他のことをいろいろ決めておりまして、さらにその上に、NTTグループさんに自主的にどういうふうに公正な競争促進に資するかという計画をおつくりいただきたい、こういうことをお願いいたしました。それはもう岡崎委員言われるとおり、電通審の答申に沿ったものでございまして、規制緩和三カ年計画にもe―Japanアクションプランにも全部入って、政府としては意思決定していることでございます。
 そこで、この計画をつくっていただきたいというのを五月八日に局長名でNTT持ち株会社の社長にお出ししましたので、いずれにせよ、しかるべき時期に御回答が来ると思います。来ましたらそれを公表しまして、あとはそれを実行してもらう、こういうことでございまして、事実の経過の中で、なかなか計画どおりいかないよと、計画をちゃんとつくっていただくことが最初でありますけれども、ちゃんとつくっていただいた計画がなかなか実行できない、公正な競争の促進に余りプラスでない、こういうことになりましたら、やっぱりこれは第一次答申の言うように、経営形態の見直しを含めて、抜本的な見直しを含めてこちらとしても対応を考える、こういうことでございます。
 それじゃ、どういう場合が合格で、どういう場合が不合格か。世耕委員も言われましたけれども、これにつきましては、我々としては客観的な物差しをぜひつくって、それによって世間が納得する、国民が納得するような、そういう判断をする何かが要るなと、こう思っておりまして、これは今から研究してまいります。
 それから、NTTさんにこういうことをやってくれという注文は出しました。それは事前に向こうにお伝えして、向こうの意思も酌みながら我々は行っていこうと。押しつけるとか、強制するとか、一方的にということは考えておりませんので、それは今後ともそういう方針で努力をいたします。
#112
○岡崎トミ子君 昨年の十二月二十一日に、旧郵政省は東西NTTに対して「光ファイバ設備の接続について」という文書を送りました。この中には、電気通信審議会第一次答申を根拠にして、NTT東西の光ファイバー設備を指定電気通信設備として指定する旨の記載がございました。ところが一月になって、十二月に言ったのに、一月になって情報通信審議会で光ファイバー設備の扱いについてパブリックコメントを求めておりますよね、一月から三月までということで求めております。
 これらについて二つ伺いたいと思うんですが、まず、なぜ指定電気通信設備の指定根拠を国会を通さずに電通審答申に求めたのか。それから、昨年の十二月に一たん指定電気通信設備とみなしたものを、なぜ年明けに再度再検討に入ったのか。その理由についてお尋ねしたいと思います。
#113
○政府参考人(金澤薫君) 光ファイバーの接続について昨年末に一定の考え方を示してNTTを指導したという事実がございますけれども、これは仮というか暫定的なものというふうに考えております。それをルール化いたしますために、電通審に諮問いたしまして最終的な判断を求め、それに基づいて規則を制定したという経緯がございます。
 指定電気通信設備に何を指定していくかということは、情報通信審議会に諮問いたしながら最終的には省令で決めるという仕組みになっております。
#114
○岡崎トミ子君 光ファイバーの回線の開放というのは大変重要だというふうに思うんですね。必要なのは、問題は開放の仕方だというふうに思うんです。国主導でやるのか、ビジネスベースで行うのかということだと思うんですけれども、事業者の活力をそぐようなやり方になっては困るというふうに思いまして、やはりあくまでも国民、利用者の立場に立って、事業者にとってもこれをきっちりとやってもらいたいという意味で、国の方針はどうも腰が定まっていないということをこの場合感じるんです。
 規制についてやはり冷静な議論が必要だというふうに思います。そして競争するについても、健全な競争について開かれた場で政策を丁寧に、前提条件に冷静な判断をしていってもらいたいと思いますし、恣意的な裁量行政でなくて、市場にさらして、そしてITの推進をしていくということが、この産業の推進のためには、活性化のためには、そしてその可能性を大きく伸ばしていくためには大事だと思いますけれども、再度、その点いかがですか。
#115
○政府参考人(金澤薫君) もう少し事実関係だけまず説明しておきたいと思いますが、昨年末に決めましたのは、光ファイバー設備のアンバンドルに関するルール整備、これは省令改正をやりまして、光ファイバー設備を指定電気通信設備とするということは決めました。ただ、その内容、詳細についてさらに省令を改正すべく情通審に諮問したというのが事実関係でございます。
 私ども、これ恣意的にやっているわけではなくて、現行法にのっとって、省令によって何を指定電気通信設備とするか、またアンバンドル化における手続等を定めるということでございます。
#116
○岡崎トミ子君 それでは、時間も残り少なくなってまいりましたので、最後にこれだけは伺っておきたいなというふうに思ったことなんですけれども、私は常任委員会は環境委員会に所属をしておりまして、電子政府というふうに言った場合、手続の合理化、あるいはホームページの充実などに目が行くことが多いようなんですけれども、せっかくIT革命を語るということであれば、政府が持っている情報、これへの市民のアクセスを飛躍的に高めるということをもっと考えていただきたいなというふうに思うんです。
 環境委員会に取り組んでいて、多くの場合には、市民の知る権利というのが確保されるという点では日本政府は私は大変おくれている、まだまだ不十分だなというふうに思わざるを得ないんです。これをせっかくやるのであれば、政府が集めたデータを生のまま公開して、インターネットで市民がそのまま入手して、そしてそれぞれの市民が持っている問題意識によって整理することができる、これは情報の価値がさらに大きくなっていくだろうなというふうに思います。
 そこで、その行政が集めた情報を市民が生でとって加工する、市民や住民がさまざまな政策の意思決定過程に参加することを可能にしていくというこの可能性を現実のものとしていただきたいという意味で、その努力が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
#117
○副大臣(小坂憲次君) まず第一に、岡崎委員の考え方と私どもは、その方向性では完全に一致しているように思います。私も、できる限り情報公開を進めて、そして市民の意思というものが的確に行政にも反映してくるようなチャネルをつくるべきと思っております。
 そういう意味において、まず私どもが努力をいたしましたのは、本年四月一日から省庁再編後の状況を見ますと、大変に省庁のいろいろな窓口が変わったにもかかわらず、それが十分に一般に周知されていない。これを何とかしなきゃいけないということで、総合案内クリアリングシステムというのが従来から運用されておりましたが、これは非常にわかりにくいものですから、電子政府の総合窓口システムという、eガバメントというサイトを立ち上げまして、そこにアクセスすれば全省庁に、あらゆるところにも飛べるし、またそこにパブリックコメント等のいろんな情報が全部集約されている、こういった窓口をつくろうということで提案をいたしまして、四月一日から運用を開始いたしました。二カ月間で四十万件のアクセスがあるということで、国民の皆さんに一定の理解を得られ始めたと、こう認識をいたしております。
 さらに、本年の三月二十九日に行政情報の電子的提供に関する基本的考え方、すなわち指針を取りまとめまして、提供内容の充実、アクセス方法の改善、意見受付欄の設置等によります双方向のコミュニケーションの推進を図るように指針を各省庁に提示をいたしまして、平成十三年度から十五年度までを重点取り組み期間として、提供内容、提供方法の一層の充実を図るようにしているところでございます。
 今後とも情報通信技術を活用した政府の保有する情報提供について、私ども総務省のみならず、各省庁、全省庁が一丸となってこれに取り組んでいきたい、このように考えておりまして、そのように私ども総務省としても推進を図ってまいりたいと存じます。
#118
○岡崎トミ子君 最後に一つ、最初に申し上げた教育の現場でも、特にアジア諸国の学校との遠隔教育ができたらいいなということを申し上げましたけれども、教育の現場でインターネットを使った国際交流というのも進められておりまして、宮城県でも、公立でいいますと仙台東高等学校、加美農業高等学校、私立では仙台育英高等学校という、海外の学校と交流を行っているんですが、こういうふうに、どうも日本の中では今国益をというような話が割とメーンになりがちなんですが、国際の中で孤立化していかないという意味でも、教育の現場でインターネットを利用するのは大変重要なことだというふうに思うんですが、特に私が最初に申し上げたアジア諸国との教育の双方向、これは日本の真の国際化のためにも進める一助になっていくのではないかと思いますが、その点について一言お願いします。
#119
○国務大臣(片山虎之助君) これは、世界的にIT革命を進めていくというのは沖縄サミットの一つの合意でもありますし、特にアジアでは日本がいろんな国に対して技術協力や研修やいろんな形で私は支援をしていかなければいけないと思いますし、同時にITを利用したお互いのコミュニケーションの緊密化というのはぜひ必要だと、こういうふうに思っております。国内では小泉メールマガジンというのが大変な人気でございまして、登録四十万人を超したそうでございますので、とにかくそういうふうに国内も国際も大いにITを使ったいろんな交流の活発化に努力いたします。
#120
○岡崎トミ子君 どうもありがとうございました。
#121
○鶴岡洋君 公明党の鶴岡でございます。
 先に質問された方々とダブるところがあると思いますけれども、お許しください。
 本法律案は、電気通信事業の公正競争の確保を図るため、非対称規制の整備、卸電気通信役務制度の整備等々、整備を図るほか、東西NTTの業務拡大、こういう措置を講ずるものと思いますけれども、そこで端的にお伺いしますが、新たな競争政策の基本的な考え方、総務省でどういうふうに思っておられるのか。
 私は、我が国の電気通信市場を取り巻く内外の環境が急激に変化する中で、欧米に立ちおくれることなくIT革命を円滑に推進するためには、電気通信市場において公正かつ有効な競争を促進するための新たな競争政策を速やかに導入して、通信市場の全体の活性化、これが必要であると思います。したがって、政府としても昨年IT基本法をつくられ、さらにIT戦略会議、それからIT戦略本部ということで、大きくIT革命を展開しているわけでございますけれども、日本の経済というのはバブル経済があって、その後一時景気がよくなるというようなときもありましたけれども、景気の面においてはバブル崩壊後依然として現在も景気はよくない、こういう状況に日本はあるわけです。
 ここで、IT革命、こうやって国を挙げて今進めているわけですけれども、これは景気のいわゆる一つの大きな目覚ましにもなるんじゃないか。また、景気浮揚の一大要因にもなる、こういうふうに私は思うわけでございます。単に電気通信事業者の問題にとどまらず、生活者としての国民へどのようにしてIT革命の果実をまた還元していくか、こういう問題も私はあわせて重要であると思うんです。
 そこで、今申しましたように本法律案に対する総務省の基本的な見解をまずお伺いをいたします。
#122
○国務大臣(片山虎之助君) 今、鶴岡委員からお話がございましたが、我々の基本的な考え方はe―Japan戦略なりアクションプランなり、規制緩和に絡むことは規制緩和三カ年計画に盛り込んでおりますけれども、電気通信分野における規制緩和、競争促進を着実に実施いたしたい。この結果、現在でいいますと九千五百を超える事業者が電気通信事業に参入して、その事業者の皆さんの競争を通じて、先ほどもお話し申し上げましたが、通信料金の大幅な低廉化やサービスの多様化や高度化が進展し、利用者利益といいますけれども、そういう意味では国民の皆さんの利益が大変実現をしつつある。これをさらに推進してまいりたい、推し進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
 また、今、委員からお話がありましたように、景気が依然低迷いたしておりますから、やはりこのIT化を景気回復の一つのてこにいたしたい。ニュービジネスをこれによって創出したり、あるいは産業構造を変えていく、こういうことが必要じゃなかろうか、こう思っておりますし、また、政府の関係でいいますと、電子政府、電子自治体、あるいは電子商取引、そういうものの活発化も図りたい、こういうふうに考えております。
 私ども総務省は、そのうちで競争政策の推進と超高速ネットワークインフラの整備、電子政府、電子自治体、あるいは人材育成、学校教育は文部科学省の方が中心でございますけれども、今IT講習等も大々的にやっておりますが、そういう面を主として担っていくので、それを今後とも、先ほども言いましたが、国家戦略に基づいてしっかりやっていきたい、こういうふうに思っているわけでございます。
#123
○鶴岡洋君 それでは、この課題になっている非対称規制の整備ということについてちょっとお伺いします。
 我が国の電気通信事業は、昭和六十年ですか、抜本的制度改革から十六年が経過しましたけれども、この間に長距離通信では、事業者数も大幅にふえて競争は大きく前進をいたしました。例えば東京―大阪間では、昭和六十年当時は平日昼間三分間四百円、現在では八十円、十六年で料金が五分の一に下がった。しかし、市内通話はほとんど下がらなかった。この五月からマイラインが導入されまして事業者間で競争するようになった。したがって、十円が八・五円ですか、半年で一五%下がったわけでございます。
 本法案によって地域通信分野でもさらに競争が促進をされ、通信料金の低廉化に弾みがつくことは望ましいことですが、具体的にどのように東西NTTの市場支配力、これを防止というんですか、またその他の事業者の規制緩和を図っていくのか、利用者にさらにどのようなメリットがもたらされるのか、この点について具体的にお願いをしたいと思います。
#124
○副大臣(小坂憲次君) まず、東西NTTにつきましては、これまでの接続ルールに加えまして、接続情報の目的外の利用、提供をすることを禁止いたしました。一定の業務における特定の事業者に対する不当な取り扱いをしてはならない。さらには、特定の事業者と比べて他の事業者に対する不利な取り扱い等、禁止すべき行為類型を法律上明確化いたしております。また、それに違反した場合の是正措置として、行為の停止、変更命令制を設けることによりまして、その市場支配力の乱用を速やかに除去することができる体制を整えております。
 他方、市場支配的でない事業者、その他のいわゆるNCCにつきましては、自由な事業活動を一層促進する観点から、これまでの契約約款、接続協定の認可制を届け出制に改めまして、より一層自由な事業展開ができる環境を整え、これまで事業者間の競争の促進によりましてもう既に新規参入が起こり、また長距離、国際電話、最近では委員御指摘のように市内電話等の料金の低廉化が図られましたし、DSL等のインターネット利用形態の多様化がもう既に実現をしてまいりました。さらに、今回の非対称規制の整備によりまして、利用者がより低廉でより高速でより多様な通信サービスを自分のニーズによって選択できるような環境を整備する、こういうようなことが実現をいたしまして利用者利益の拡大が起こっておりますが、これをさらに最大化が図られるように推進してまいりたい、このように考えております。
#125
○鶴岡洋君 競争政策、競争政策といいますけれども、今言われたように消費者それから提供者、両方にいいようにするのが政策でございます。マイラインの導入によって業者間のいわゆる競争が生じるわけですけれども、そこで料金の値下げという、利用者にとって、我々にとって非常にプラス面があります。逆に事業者にとっては値下げによって収入減という厳しい経営状況を強いられるわけでございますけれども、端的に言って総務省が考えている望ましい競争というのは、どういうのを望ましい競争と思われるんですか。
#126
○国務大臣(片山虎之助君) 大変必要なことなんですが難しいんですね、望ましい競争というのは。
 ただ、今、委員がいろいろ言われましたように、競争をやれ競争をやれと言いますと、それは大変でしょうね、事業者の方は、体力を弱くしちゃいかぬと。私は、だから経営体質、経営体力は基本的には強化してもらうと。そのためにはやっぱりリストラをやっていただく、あるいは効率化を思い切ってやっていただくということが一方ではどうしても必要じゃないかと思いますし、それから、これだけどんどん進む技術革新の成果をやっぱり経営に結びつけていただく、こういう努力は必要だと思います。
 その上で、その体力を維持しつつできるだけ安くと、こういうことになると思います。少なくともよその国、ほかの国並みの国際水準の料金というのは維持してもらうというのか安くしてもらうというのか、そういうことはぜひお願いせにゃいかぬと思いますし、また一方では、何度も同じことを言いますけれども、高速化や多様なサービスは、これは一方でちゃんとこれも提供していただくと。
 三次方程式の難しい答えを出すようでございまして、余りまとまっていないですけれども、そういうのが望ましい競争状況かなと、こう思っております。しかし、国際競争力の維持とともに、通信主権という言葉がございまして、全部外国にやられてしまうようなことでは、この電気通信分野は大変重要な分野ですから、これは少なくとも背景、念頭にはそういう感覚は置いていかにゃいかぬと、通信主権、これは維持していくと、こういうふうに思っております。
#127
○鶴岡洋君 競争政策に関連して、今、国際競争力という話が出ましたけれども、公正な競争というのが基本になっているわけです。しかし、この法案を詰めていくと、これは国内競争政策ということが主な点になっているわけです。
 そこで、NTTに私はごまをするわけじゃないんですけれども、NTTに強い規制をすればこれは弱体化してくるわけです、NTTは。そこへNCCとの競争を促進しよう、こういうことになると、それは外国資本が今どんどん入ってきています。そうなってくると、国際競争力というものはどうなるのかなと。何でも大きければいいというものでは私はないと思いますけれども、組織の面であるとか、それから資産の面であるとか、また人材の面であるとか、これは幅が厚くなければ国際競争力には私はなかなか勝っていけないと。国際競争力に勝てないということは、おくれるということは、日本全体がおくれる。日本がおくれるということは、消費者が困る、行き先はそうなってくると私は思うんです。
 そういった面で、国際競争力との関係、特に外国の資本が入ってくれば、日本の国の電波ですから、それが外国に使われる、こういうことにもなるわけです。そういった面でちょっと心配もあるんですけれども、この国際競争力との関連はどういうふうに考えておられるのか。
#128
○副大臣(小坂憲次君) 委員御指摘のような国際競争力を弱めて日本の通信主権が侵されるようなことになっては困るわけでございまして、競争の促進という観点から規制の緩和を進めてまいります。しかし、その中で国際的な競争環境というものにも注視をしていくということはe―Japan計画あるいは第一次答申等においても配意がされているところでございますので、私ども今後ともそういった国際競争力の観点から規制のあり方というものについて常に配慮をして考えてまいりたいと存じます。
#129
○鶴岡洋君 もう一点。東西NTTの業務の拡大ということがこの法律の中にありますけれども、東西NTTが今後激化するであろう今言った競争の中で生き残っていくためには、これも質問がありましたが、インターネット分野への進出が不可欠ではないかと、こういうふうに思うんですが、本法律案では、一定の条件のもとで東西NTTがインターネット分野への進出もできるよう業務拡大が図られますけれども、利用者のニーズに柔軟に対応をしつつも、NTTの点も考えなければならないと。どんなような対策を講じられるか、御説明をいただきたいと思います。
#130
○副大臣(小坂憲次君) 今回の法の改正によりまして、東西NTTの業務範囲を拡大する趣旨は、今御指摘もありましたが、東西NTTの設備、職員等の経営資源の有効活用による経営効率化の促進をするということ。それから、消費者のニーズに対応したより多様なサービスの提供ができるように経営の自由度の向上を図ろうとすることがあるわけでございます。
 ただ、東西NTTは地域通信市場を事実上独占していることから、その業務範囲の拡大に当たっては、これを認可するに当たっては、東西NTTの支配力が乱用されることがないように、電気通信事業の公正な競争の確保に支障を及ぼすおそれの有無を審査することとしているわけでございます。
 また、東西NTTなど市場支配力を有する事業者の反競争的行為を防止、除去し、公正な競争を促進するための措置として、電気通信事業法においていわゆる非対称規制の整備充実を行おう、このようにしているところでございます。
#131
○鶴岡洋君 それでは次に、紛争処理委員会の件ですけれども、電気通信分野の競争促進に伴う事業者間のいわゆる契約に際してのトラブルですとかいろいろ出てくるわけですけれども、こういうことで紛争処理委員会が設置される、こういうことになるわけです。簡単にこの機能と権限を説明していただきたい。と同時に、なぜ、公正競争の確保という点から見て、総務省にこの紛争処理委員会が設置されるということですけれども、どうしてそうなったのか、その辺がちょっとわからないんですけれども、教えていただきたいと思います。
#132
○副大臣(小坂憲次君) 今回設置します電気通信事業紛争処理委員会というものは、電気通信事業者間の競争が非常に活発化していく中で、その紛争もいよいよふえてまいりますし、またその内容が高度化といいますか複雑化していくことが見込まれるために、この紛争処理機関の機能を強化して公正競争の確保を図っていく必要がある、そのために紛争処理を専門的に扱う部門をつくる必要がある、こういうことでこの委員会を設置していくわけでございます。
 この委員会は、電気通信事業者間の接続にかかわる紛争等につきまして、機能としてはあっせん及び仲裁を行うこととしておりまして、これによりまして紛争の程度に応じた処理手続の選択肢がふえるとともに、紛争処理を専門的に扱うことによりまして迅速な効率的な処理を行うことが可能になると思料されます。
 また、紛争処理機能の強化が図られる中で、総務大臣が接続の裁定や電気通信事業者に対する料金変更命令、業務改善命令などの行政処分を行う場合には、透明で公正な判断を期すために総務大臣は委員会に諮問を行うこととなっておりまして、このような過程で委員会がルール整備が必要である等の判断をした場合には総務大臣に対して勧告を行う権限も有している。すなわち、あっせん、仲裁と、それから大臣が行政処分を行う際に対しての諮問、勧告の機能を有している、こういうことでございます。
 次に、委員会を総務省になぜ置くのかという御質問がございました。
 これにつきまして、独立した機関として設置すべきではないかという御意見も一部にあるわけでございますが、急速に市場環境が変化しているこの電気通信分野におきましては、ルール整備からルールの運用、紛争処理までの情報通信行政を独任制の総務大臣のもとで一体的に行うことによりまして、より効率的、合理的に行政を行うことが期待されることから、今回、総務省のもとに委員会を設置するとしたところでございまして、米国のFCCとよく比較されるわけでございますが、FCCもこういった一体的な機能を有しているところでございまして、その意味で御理解を賜りたいと存じます。
#133
○鶴岡洋君 もう一度聞きますけれども、その説明はわかります。わかりますけれども、専門的であるとか、電気通信事業が急速に進歩しているとか、それから一体的であるとかと、こういうのはわからないわけではないんですけれども、常識的に考えて、監督官庁が許可した、認可した、その監督官庁の中に紛争処理委員会をつくるというのは、私、余りよくわからないんですけれども、これはそれこそ第三者、全然関係のないところでそれを設置して、そして紛争を解決するのが私は常識的じゃないかなと思うんですが、そういう議論はなかったんでしょうか。
#134
○副大臣(小坂憲次君) 確かにそういう議論はあるわけでございますが、その議論に対しての答えとして、私どもがこのような一体的な処理機関を設けたのは、米国のFCCは合議制の機関でございますので、そういう意味で意思の決定には全会一致というような形で大変時間を要するということになります。それよりも機動的な意思決定機関としての紛争処理委員会が必要であること、それから電気通信市場というのは、ドッグイヤーとも言われるように、技術的な革新も、また市場の変化も非常に激しいものでございますので、そういったものを日常的に十分把握できるような機能を有していませんと、その紛争がどのような経緯で生じてきたか、あるいはその紛争解決に、将来的な方向性も踏まえた上で、どのような解決をしていったらいいのかというところが非常に判断しにくくなると思うんですね。
 そういう意味で、私どもはルールの整備から運用、そして紛争処理までを一体的に行うことが必要だ、こう考えたわけでございます。
 もし、米国等の詳細について御説明が必要であれば、局長の方からまた別途答弁をさせていただきます。
#135
○鶴岡洋君 最後に、ユニバーサルサービスの提供確保ということですけれども、端的に大臣にお伺いしたいんですけれども、デジタルデバイドということが今言われていますけれども、そういう観点からして、福祉の関係、それから年齢差、それから障害者、こういうのはユニバーサルサービスの範疇に入るのか入らないのか、端的にお答えください。
#136
○国務大臣(片山虎之助君) 今我々が考えておりますユニバーサルサービスは、何度も言いますように、普通の電話の事業と、それから公衆電話と、それから緊急通報電話ですね、それだけを考えておりまして、ユニバーサルサービスということで、これからお金を取るんですね。そのユニバーサルサービスの一番不採算の末端をやっている業者の方だけが今は損を覚悟でやっているやつをみんなで補おうと、こういうことで基金をつくりまして、そこにお金を出してもらうと、こういう制度にしましたので、ある程度国民的な合意がある分野でしかユニバーサルサービスはスタートできないんじゃなかろうかと。いろんな議論はありますよ、もっとこれも入れよ、これも入れよと。だけれども、とりあえず我々はこういうことでスタートしていきたいと、こう思っております。
 それからもう一つ、デジタルデバイドにつきましては、特にこれはIT行政をやる上での大きな課題だと思っておりまして、特に高齢者の方、障害者の方、山村、僻地、離島なんかのIT化をどういうふうに進めるか。特にこれは機器の問題もありますよね、特に障害者や高齢者の方は。
 そういうことを含めて、これは別の問題として、デジタルデバイドの解消あるいは情報バリアフリーということについてはしっかりとやっていきたいと、こう思っておりますので、とりあえずユニバーサルサービスは今の三部門でやらせていただきたいと、こういうふうに思っております。
#137
○鶴岡洋君 今の大臣のお話はわかりますけれども、基金を創設するということもあって三種類にしたと。あとを含めるとこのユニバーサルサービスというのは際限がないというか、陸の孤島という、離島ばかりじゃなくて陸の孤島ということもあるし、今のこの複雑な社会の中にこのユニバーサルサービスの範囲に入るのが私はたくさんあると思うんですよ。そういうことをやると大変なのでとりあえずは三種類と、こういうふうに私は理解しているんですけれども、今までこういうことについて検討されてきた記録が幾つもありますよね。
 だから、これからもますますこれは拡大していくわけですから、こういう点について三種類でとめるというのではなくて、そういう点についてこれからも十二分に検討をしていくというその用意があるのかどうなのか。
#138
○国務大臣(片山虎之助君) 今、総務省になりまして、総務省の中にIT有識者会議というのをつくりまして、これは大きなテーマはデジタルデバイドの解消と情報バリアフリーだと、こういうことで今議論しておりますので、このいわゆる今回始めますユニバーサルサービスの今後の範囲をどう考えていくか、あるいはお金の持ち方についても一応の結論は出しておりますけれども、それを今後どういうふうにさらに深まる検討をやっていくかについては、その有識者会議等で大いに研究してまいりたいと思います。事務方は事務方で、ユニバーサルサービスについての研究や何かはもう今までしてきておりますけれども、もっと大きな形で省としての課題にいたしたいと、こういうふうに思っております。
#139
○鶴岡洋君 大臣にそれじゃ念を押しておきます。よろしくお願いいたします、そういう点については。大臣は何でもはっきり言うし、ずばずば言う方ですから、余りごちゃごちゃ言わないで、こういうことはもう国民にとってのいわゆる国益の問題ですから、きちっとやってもらいたいと思います。よろしいですね。
#140
○国務大臣(片山虎之助君) 今、鶴岡委員言われましたことについては、しっかりと受けとめてしっかり対応いたします。
#141
○鶴岡洋君 終わります。
#142
○委員長(溝手顕正君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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