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2001/06/26 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 総務委員会 第18号
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2001/06/26 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 総務委員会 第18号

#1
第151回国会 総務委員会 第18号
平成十三年六月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十一日
    辞任         補欠選任
     海老原義彦君     中島 啓雄君
     鹿熊 安正君     世耕 弘成君
     久世 公堯君     尾辻 秀久君
     高嶋 良充君     佐藤 雄平君
     本田 良一君     高橋 千秋君
 六月二十二日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     久世 公堯君
     中島 啓雄君     海老原義彦君
     野間  赳君     関谷 勝嗣君
     佐藤 雄平君     高嶋 良充君
     富樫 練三君     笠井  亮君
 六月二十五日
    辞任         補欠選任
     海老原義彦君     佐藤 泰三君
     関谷 勝嗣君     野間  赳君
     笠井  亮君     富樫 練三君
 六月二十六日
    辞任         補欠選任
     佐藤 泰三君     海老原義彦君
     高橋 千秋君     円 より子君
     鶴岡  洋君     木庭健太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                入澤  肇君
                岩城 光英君
                海老原義彦君
                浅尾慶一郎君
                宮本 岳志君
    委 員
                景山俊太郎君
                鎌田 要人君
                久世 公堯君
                世耕 弘成君
                野間  赳君
                輿石  東君
                高嶋 良充君
                円 より子君
                木庭健太郎君
                弘友 和夫君
                富樫 練三君
                八田ひろ子君
                松岡滿壽男君
                高橋 令則君
   衆議院議員
       総務委員長    御法川英文君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       総務副大臣    遠藤 和良君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       警察庁交通局長  坂東 自朗君
       消防庁長官    中川 浩明君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   白取 健治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○消防法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する
 法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相
 互承認の実施に関する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(溝手顕正君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日、鹿熊安正君及び本田良一君が委員を辞任され、その補欠として世耕弘成君及び高橋千秋君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(溝手顕正君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に海老原義彦君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(溝手顕正君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 消防法の一部を改正する法律案及び消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁交通局長坂東自朗君、消防庁長官中川浩明君及び国土交通大臣官房技術審議官白取健治君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(溝手顕正君) 消防法の一部を改正する法律案及び消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は去る二十一日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○高嶋良充君 民主党の高嶋良充でございます。
 まず、消防法の改正条項の中で、火を使用する設備、器具等についての改正の条項について四、五点御質問させていただきたいと思っております。
 消防法の第九条の改正案を見てみますと、現行では「必要な事項は、市町村条例でこれを定める。」と、こういうことになっているわけでございますけれども、改正案では「必要な事項は、政令で定める基準に従い市町村条例でこれを定める。」と、「政令で定める」という項目が入るわけでありますけれども、このことは、画一的な市町村条例をこれからは設けるべきだと、そういうふうに理解していいわけでしょうか。
#9
○政府参考人(中川浩明君) 今回の改正案につきましては、東京商工会議所から市場開放問題苦情処理対策本部を通じまして指摘を受けました、消費熱量の大きい火気設備等に係ります市場アクセス問題等を踏まえまして、市場アクセスの一層の改善を図るという趣旨から、今回、火気設備等の規制内容について政令で基準を設定することとしたものでございます。
 この政令によります基準につきましては、必ずしも全国的な基準を示す必要のないものにつきましては、できる限り各市町村が必要に応じて具体的な規制内容を定めることができるようにしたいと考えておりますし、また全国的な基準を示すものにつきましても、安全性を確保する上で、必要なときはそれぞれの地方の気候風土の特殊性に応じて、条例によりましてこの基準にいわゆる上乗せ、横出しを行えるようにしたいと考えているところでございます。
#10
○高嶋良充君 今御答弁がありました地方の気候風土という、いわば独自性を発揮できる条文というのは消防法の第十七条の二項だというふうに思いますが、私はこの十七条の二項というのは分権的要素があるものだと理解をしておるわけですけれども、どうも今度改正される九条の「政令で定める基準に従い」というそういう項目が入ると、十七条の二項では分権的な要素がありながら、九条ではどうも集権的な要素が強まるのではないかと、その辺若干危惧をしているんですけれども、それらの観点については消防庁としてはどうお考えでしょうか。
#11
○政府参考人(中川浩明君) ただいま御指摘がございました消防法の第十七条につきましては、消防用設備等の設置及び維持について、本来原則といたしましては政令で技術上の基準を定めるとしているものに対しまして、この十七条二項におきましては、ただいま御指摘のように条例によりまして、政令またはこれに基づく命令の規定のみによっては防火の目的を十分に達しがたいと認めるときは条例でこの消防用設備等の技術上の基準に関してこれらの政令等の規定と異なる規定を設けることができるというふうに定めているものでございまして、本来の建前は法律、政令の基準に従うのが原則であり、特別の場合において条例で規定を設けることができるという特例を定めているものでございます。
 一方、消防法第九条、今回改正を予定いたしております第九条は、今回の改正によりまして政令で定める基準を設けることとはいたしますが、原則は火気設備等の規制は従来どおり市町村の条例ということでございますので、あくまでも原則が条例という点において十分いわゆる分権的な考え方に立つものではないかというように思っております。
 また、ただいまも申し上げましたように、消防法第九条に基づきます火気設備等の規制につきましては、安全性を確保する上で必要な場合は地方の気候風土の特殊性に応じまして条例で政令で定める基準のいわゆる上乗せ、横出しができるということも考えているところでございます。
 なお、消防法第十七条二項と同様に、安全性を確保する上で必要なときは地方の気候風土の特殊性に応じまして政令で定める技術上の基準と全く異なる規定を設けることができるかどうか、これを条例で設けることができるかどうかということについても前向きに検討してまいりたいと考えております。
#12
○高嶋良充君 いずれにしても、今までは消防法の第九条に関しては消防庁としては、市町村火災予防条例基準を示して、その標準性のみを図ってきた、こういうふうに私としては理解をしているわけですが、先ほども若干市場開放という関係から申されましたけれども、いずれにしてもなぜ政令が必要なのかということと同時に、市町村で違いが大き過ぎるということがあるなら、どのぐらいの市町村で基準と対応して乖離があるのか、その実態がわかっていればお示しをいただきたいと思います。
#13
○政府参考人(中川浩明君) 今回問題となっておりますのは、いわゆる離隔距離と呼ばれます基準でございます。これは消費熱量の大きい火気設備等の設置につきまして建築物等との間の火災予防上安全な距離を指すわけでございますが、この離隔距離につきましては現在の条例上はほとんどの団体がいわゆる火災予防上安全な距離を保つという規定を掲げているのみでございまして、具体的な内容は運用に任されているところでございます。
 各消防機関が個別に、当該火気設備等が必要とする離隔距離を建築物の構造やメーカーの試験データ等をもとに独自にそれぞれ判断して指導を行っているところでございます。この試験データ等に基づく離隔距離の判断に当たりまして、一部の消防機関ではメーカーの試験データ等をもとに設置することを認める運用を行っているところもある一方、これらを認めず民間検査機関による試験評価を求める運用を行っているところもあって、その意味において各消防機関の取り扱いがまちまちだという、こういう判断のもとに先ほど申し上げました市場アクセスへの参入阻害要因となっているという指摘を受けたものでございます。
 具体的に各消防本部の取り扱いの全体の実態は把握をいたしておりませんけれども、例えば政令指定都市につきましては、約三団体につきまして、他の九団体と異なる扱いをしているというように我々としては把握しているところでございます。
#14
○高嶋良充君 では、改正案で言う政令で定める基準の消防庁としての考え方や方向性、具体的にどのようなものなのか、お示しをいただきたいと思います。
#15
○政府参考人(中川浩明君) 政令で定めます基準につきましては今後検討させていただきますが、現在、市町村条例がほとんど定めております内容をそのまま踏襲するということを前提といたしますが、今回問題にされました消費熱量の大きい火気設備等の設置に係る離隔距離につきましては、先ほど申し上げました火災予防上安全な距離を保つというあいまいな書き方ではなくて、規制内容を例えば一定の距離を明確に定めるようにする基準を政令で明記するなど、その規制内容の明確化を図ることといたしているところでございます。
#16
○高嶋良充君 今までの答弁をお聞きしていますと、市町村消防の分権型業務の推進にブレーキをかけることの意図ではないなという、そういうことは理解できるわけでありますけれども、今後の消防行政という観点からも、まさに安全な町づくりやあるいは災害に強い町づくりを行っていく原点というのは、やっぱり自治体から発信をしていくというのは非常に重要なことだろうと思っておりまして、今後も消防庁としては、地方分権という立場からも、自治体の消防行政を軸にこれらの課題に対処していくという、そういう方向性については従来どおりというふうに理解してよろしいんでしょうか。
#17
○政府参考人(中川浩明君) 今回の法律改正をもとに政令を定めることといたしたいと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、全国的な基準を示す必要の高い規制については明確な基準を定めるという前提で検討をいたします。先ほど申し上げた消費熱量の大きな火気設備等の離隔距離については、その要件に該当するものと考えておりますが、それ以外の必ずしも全国的な基準を示す必要のない規制については、できる限り各市町村が必要に応じて条例で定めることができるということにしたいと思っております。
 例えば、現在の火災予防条例の中には、いわゆる火の使用に関する制限という規定を持っている条例がほとんどでございますが、例えばたき火、喫煙等について一定の要件を規制するという、そういう規定になっているわけでございますけれども、このような内容については、地域性が高いということもございますし、それぞれの地域の防火という観点から必要な規制を行えば足りるということもございますので、政令で特段基準を定めるということはできるだけ差し控えるべきではないか、このように考えているところでございます。
 また、政令で定めることとする基準につきましても、先ほど申し上げましたように、地域の安全性を確保する上で必要な場合は、特殊性に応じまして条例で、政令で定める基準のいわゆる上乗せ、横出しを認めるということも考えておりまして、その意味におきまして、条例を定めるそれぞれの地方公共団体の独自性が発揮できるように配慮してまいりたいと考えております。
 分権の流れの中で、できる限りこの火災予防につきましても、そのような市町村の考え方というものを尊重する方式をとってまいりたいと考えているところでございます。
#18
○高嶋良充君 では、次の改正条項の危険物の範囲の関係について御質問いたします。
 ヒドロキシルアミン等について危険物の範囲に入れる、こういうことに改正をされるわけですが、本件は二〇〇〇年六月十日でしたか、群馬県内の化学メーカー日進化工工場で発生した爆発災害を踏まえての対策であるというふうに思っているんですが、まず、この爆発災害でその原因物質であったヒドロキシルアミンについて消火に当たった消防隊員は事前に知っていたのかどうか、また付近住民にも周知をされていたのかどうか、さらに事業所の情報提供として、ヒドロキシルアミンの存在を事業所として明らかにしていたのかどうか、その点についてお尋ねをいたします。
#19
○政府参考人(中川浩明君) ただいま御指摘のように、昨年の六月十日に群馬県の日進化工株式会社群馬工場で爆発火災が発生をいたしました。この爆発火災では、当該工場を中心に半径約千五百メートルの範囲で死者四名、負傷者五十八名、建物全焼四棟、全壊十一棟、半壊七棟、一部損壊二百八十六棟などの被害が発生をいたしました。
 この爆発に関与いたしました物質は、製造中に生じる高濃度のヒドロキシルアミン水溶液と考えられますけれども、爆発の原因につきましては、何らかの要因でこの高濃度のヒドロキシルアミン水溶液の鉄イオン濃度の上昇、温度の上昇などが起こり爆発に至ったというように推定されているところでございます。
 この爆発火災に関しまして地元の消防本部から報告を受けたところによりますと、この工場におきましてはいわゆる劇物が使用されていると認識をしておりまして、爆発事故を覚知した当初から危険物毒劇物災害に対応するための指令を発令していたと聞いております。また、事故現場に到着した消防隊による工場関係者からの聴取によりまして、事故当時、事業所においては硫酸、ヒドロキシルアミンなどの劇物が取り扱われていたことをその場で確認しているところでございます。
 町役場におきましては、広報車によりまして周辺住民に対して、事故が発生したこと、煙を吸わないようにすること、二次災害防止のため家の中に入り窓を閉めることなどについて広報を行っております。
 なお、爆発の原因物質につきましては、その付近住民への広報は特段行われていない、このように報告を受けているところでございます。
#20
○高嶋良充君 私が聞いている関係者の情報によると、当該の消防本部では、爆発音を聞いた時点で多数の死傷者が出ているという判断をして、直ちに体制の強化を図って職員の非常招集をかけたと。最初に消防隊員がかなり現場に行ったわけですけれども、そのうち二十六人の消防隊員に目、のどの異常が出ると同時に、現場活動中の消防隊員の長靴に薬品まじりの水が入って溶解性の負傷を負ったと、こういうことがあったということを聞いておりますし、さらに、当初現場では禁水性の物質とは判明できずに放水をしたことによって逆に対応に苦慮したという、そういう報告もあります。さらに、マスコミのヘリコプターの風圧によって発生ガスが拡散をしてさらに多くの消防隊員が目、のどの痛みを訴えると、そういうことが起こった、こういうことであります。
 そこで、消防庁に伺いたいんですが、なぜ従来からこのヒドロキシルアミンを危険物に指定していなかったのか。また、今後の新規危険性物質というのが今回指定される以外にもまだあるのではないかというふうに私ども心配しているんですけれども、そういう今後の新規危険性物質の把握体制をどうされようとしているのか、その点についてお伺いをします。
#21
○政府参考人(中川浩明君) ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン塩類につきましては、従来、国内におきましては毒物及び劇物取締法に規定する劇物に指定をされておりました。また、国際連合の危険物輸送専門家委員会、これは国際間の危険物の安全輸送を確保する基準を策定することを目的として設置されたものでございますが、この専門家委員会の勧告におきましても、火災の危険性が高い物質というものではなくて、いわゆる腐食性の物質として分類をされていたということから、従来、消防法上の自己反応性を有する火災危険性の高い危険物という認識は持っていなかったというのが現状でございまして、そのため危険物に指定をしていなかったわけでございます。今回、この群馬県の化学工場での事故を踏まえまして、危険物に指定をするということで法律改正を提案させていただいたところでございます。
 今後、このような事故を未然に防止するということがぜひとも我々として必要であると考えておりますが、今後、科学技術の進展等によりまして新たに出現する物質で火災危険性を有すると想定されるものにつきましては危険物として規制をして保安の確保を図るということが必要でございます。その前提といたしまして、物質の性状や流通の実態を早期に把握することが重要であると認識をいたしております。このため、独立行政法人消防研究所あるいは関係省庁との連携の強化、関係団体との協力体制の強化に努め、新たな火災危険性を有する物質に係る情報の把握、そしてその危険性評価のための体制を充実し、危険物に係る保安の一層の確保を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 今後とも、このような事故が再現することのないように、危険性の高い物質については早期にその認識を深めて危険物として指定をする努力を続けてまいりたいと思っております。
#22
○高嶋良充君 まさに今御答弁をいただきましたように、事故が起こってから後で指定をするということでは基本的に遅いわけでございまして、やっぱりこの種の危険物については早期にきちっと把握をしていただいて、ぜひ早急にそういうものがあれば危険物に指定をしていただくようにお願いをしておきたいと思っております。
 次に、情報収集の関係でお伺いをいたしますけれども、いずれにしても、先ほど申し上げましたが、現場で対応する場合にはやはり適切な情報を迅速に把握して周知してあげるということが二次災害につながらないためにも重要な課題だというふうに思っております。
 そこで、その情報を、現場付近の住民や消防隊員はもちろんですけれども、関係する各行政機関等々に迅速かつ的確に周知できる体制というのが消防庁も含めて消防組織に求められているというふうに思うんですけれども、危険物災害に際しての自治体消防への危険物の性質等についての情報提供に関する支援方法というか施策について、消防庁としてはどのような考えを持っておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
#23
○政府参考人(中川浩明君) 御指摘のように、危険物災害が発生いたしますと、消火等につきましても困難性を高めるということから、できる限りその危険物の性状等を瞬時に把握して適切な対応をとることがぜひとも必要でございます。したがいまして、先生御指摘のように、危険物の性質等についての情報をできる限り自治体あるいは消防機関へ提供する、そしてそれを共有するという仕組みが必要ではないか、このように考えているところでございます。
 消防庁におきましては、危険物の判定に活用するという趣旨から、危険物のデータベースを構築いたしているところでございます。登録されております化学物品の中から、消防機関において危険物に係る許認可の事務や事故時の対応等に活用できると考えられるものにつきまして、その化学名、液体、固体の別、該当する危険物の類及び性質、引火点などの情報を取りまとめましてデータベースとしているところでございまして、これを消防機関に活用してもらうように御連絡をしているところでございます。
 さらに、消防庁におきましては、危険物等に係る災害が発生した場合に、消防機関に対しまして、物質性状、消防活動要領、中和剤提供事業所、製造等事業所名などの情報を早い段階で提供するために、危険物災害等情報支援システムを構築いたしておりまして、平成十一年から運用をいたしております。今後、特殊な危険物に関する情報を追加するなどいたしまして、災害時の円滑な対応等に活用できるよう、当該システムのさらなる充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
#24
○高嶋良充君 ぜひ情報提供についてはよろしくお願いをしておきたいというふうに思います。
 そこで、一点だけ確認をさせていただいておきますが、引火点二百五十度以上のものを危険物から除外をすることについて、ここで除外する危険物の取り扱いについては、市町村火災予防条例の基準に入れていくというふうに理解してよろしいんでしょうか。
#25
○政府参考人(中川浩明君) 今回の法律改正におきまして、ただいま御指摘のように、第四石油類のうち二百五十度を超える物品、そしてまた動植物油類のうち同じように一気圧において引火点が二百五十度以上のものにつきましては法律上の危険物から除外するという法律改正案を御提案しているところでございます。
 今回、危険物から除外されることとなります引火点が二百五十度以上のものにつきましては、通常の使用状態においては着火しにくいという判断から今回危険物から除外することとなるわけでございますが、火災になりました場合には消火活動が困難となるという側面もございますので、また着火の危険性が大きくなると考えられます高温、高圧下で取り扱う場合には火災予防上十分な注意が必要である、こういうふうに考えております。
 したがいまして、今回この法律改正の後に、政令によりまして指定可燃物、この指定可燃物といいますのは、可燃性のものについて政令で指定することになるわけですが、可燃性液体類の指定可燃物という指定をいたしまして、この指定をいたしますと、市町村が条例に基づきまして貯蔵、取り扱いに係る技術上の基準の遵守と貯蔵、取り扱いの消防庁等への届け出を義務づけるという規制を市町村の条例で行うことになるわけでございます。
#26
○高嶋良充君 では、次に消防力の整備についてお伺いいたします。
 まず、全体的な消防力の整備状況について伺いたいんですが、すべての消防本部の消防力現況とその整備状況について統計をとっておられるというふうに思いますので、まずその全容を提示いただきたいと思います。
#27
○政府参考人(中川浩明君) 平成十二年四月一日現在、全国の消防施設の整備状況につきまして、消防力の基準とその実際の整備数との対比によります充足率で申し上げたいと思います。
 消防ポンプ自動車につきましては九五・三%、はしご自動車につきましては八一・八%、化学消防車につきましては九六・四%、救助工作車につきましては七九・一%、救急自動車につきましては九四・一%、消防水利につきましては七八・六%、消防職員につきましては七六・五%となっております。これは、消防力の基準を改定したこともございますが、平成八年四月一日現在と比べまして上昇しているものもあれば一部はそれをさらに低下しているものもある、こういう実態にございます。
#28
○高嶋良充君 今、全体的な内容をお聞きをいたしました。消防力の基準をクリアしている消防本部というのは、私どもの調査によると残念なことではありますけれどもないに等しいのではないかと、そういうふうに思っているんですが、その点については消防庁としてはどのような認識を持っておられるんでしょうか。
#29
○政府参考人(中川浩明君) 消防力の基準は、市町村が消防の責任を確実に遂行していくために必要とされます消防力を整備するための指針でございまして、市町村はこれを参考として地域の実情等を勘案して整備目標を定めているわけでございます。
 実態について今申し上げましたけれども、各個別の本部ごとのデータは今手元に持ち合わせておりませんが、全国的な平均値からして、ほとんどの団体がまだ一〇〇%を超えていないという実態にあるのは御指摘のとおりではなかろうかと思います。以前より向上しているという面もございますので、今後ともその整備目標の到達に向けてそれぞれの市町村で努力をしていただくということになろうかと思っております。
 消防庁といたしましても、各市町村におきます消防力の整備を支援していきたいということから、国庫補助金の確保などを通じましてその支援をしているところでございます。今後とも、各市町村におきまして計画的に施設整備や人員充実が図られるよう、消防庁としても努力をしてまいりたいと考えております。
#30
○高嶋良充君 この問題で総務大臣にお伺いをいたしますが、消防力の整備に取り組む姿勢、今、消防庁長官も若干補助金等々の問題も含めて言われましたけれども、総務大臣としてはどのように考えておられるのか。とりわけ、先ほども報告がありましたように消防力の充足率では、装備という面では九割あるいは八割以上は、まあまあ達成されてきている。ただ問題は、人員の関係については、示されている指針というか基準は二十万人なんですけれども実際の人員は十五万人と、五万人程度少ないという、こういう状況になっています。
 総務大臣として、とりわけこの人員の整備についてもどのようにお考えになっているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#31
○国務大臣(片山虎之助君) 消防力の基準は、市町村消防がそれぞれこの消防力を強化していく場合の参考ないしは基準ですよね、消防力の基準でございまして、私は前よりは相当基準充足率はよくなっていると思います。去年かなり大幅に変えたんですね。十何年も変えていなかったというものですから、私もあのときは大臣じゃありませんでしたけれども、一遍見直して変えた方がいいんじゃないかということで変えてもらったんですよ。だから、旧基準と比べても大分進んでいると思いますけれどもね。
 ただ、この人の問題は、高嶋委員、例えば警察は政令で決めるでしょう。教職員さんは標準法で決めるでしょう。消防まで基準で決めると。保健婦や保母さんまで何か基準で決めると。そういうものはもっと地方の自由にしたらどうかという意見がかねがねございまして、私なんかもそう思っているんですよ。
 だから、全体の数字は確かに七十何%ですけれども、やっぱり市町村によって、うちはこのくらいやろう、うちはこの程度だと、こういうふうに選択自由度を上げていくことも必要じゃないかと思いますが、ガイドラインは要りますから、そういう意味でできるだけ基準に近づくような努力を求めたいと思いますが、小さなところはどうしても充足率が低くなるんですよ。それで、専門家がおらぬようになる。だから、できるだけ広域でやってくれと。今、一部事務組合等で本部、広域事務組合ですか、そういうことで消防をやっているところもたくさんありますけれども、そういうことを含めてできるだけ全体としての消防力を、人員の配置も効率的にしながら全体としては基準に近づくような努力を今後ともいたしたいと、こう思っておりますので、ひとつよろしくお願いします。
#32
○高嶋良充君 総務大臣言われるように、分権的な立場で市町村が独自に決めていくという部分も理解はできますけれども、ただ、市町村財政を取り巻く非常に厳しい状況との絡みもありますが、これはこれからの国と市町村のあり方の問題を含めてこの問題も議論されていくんだろうなというふうに思います。
 いずれにしても、消防には、消防団という問題もありますけれども、人員は不可欠な要素だというふうに思っておりまして、とりわけ先ほどからも危険物、爆発災害等との関係もありますけれども、災害が多種多様化をしてきているという問題と、それから救急の業務が非常に増加をしてきている、さらに災害時の広域の応援体制というのもかなり取り組まれるという状況になってまいりますから、そういう意味では人員の整備が非常に重要な課題だというふうに思っておりますから、今後とも整備に向けて御努力をいただくように、これは要望として申し上げておきたいと思っております。
 それでは次に、消防職員委員会の関係についてお尋ねを申し上げます。
 九六年にこの消防職員委員会は発足をしたわけでありますけれども、既に五年を経過しております。消防職員委員会の今日までの活動というか、機能面の状況も含めて、消防庁としてどのような評価をされているのか、お尋ねをいたします。
#33
○政府参考人(中川浩明君) 消防職員委員会につきましては、ただいま御指摘のように、平成八年から実施をいたしております。消防職員の勤務条件等に関して消防職員から提出された意見を審議し、その結果に基づき消防庁に対し意見を提出するというのがその委員会の役割となっているところでございます。平成九年四月一日までにすべての消防本部、当時は九百二十三本部ございましたが、すべての消防本部で設置をされておりまして、法の趣旨に沿った円滑な運用がなされているものと考えております。
 その実態でございますけれども、消防職員委員会の委員の半数は消防職員の推薦に基づき指名されることとなっております。平成十二年の三月末現在で委員の九割近くが管理職以外の一般職員となっている実態にございます。また、平成十一年度におきまして各消防職員委員会で審議された件数は全国で五千二十六件となっております。そのうち千九百九十五件、三九・七%につきましては、意見の内容を審査の上、実施をすることが適当であるとされたものでございます。
 具体的な事項について見てみますと、勤務条件等に関するものにつきましては、資格取得のための助成金制度であるとか、昇任試験に伴う受験基準の見直し、救急救命士の手当の支給、夜間受付勤務の廃止、禁煙対策の実施などがございますし、被服及び装備品等に関するものにつきましては、難燃性作業着の導入であるとか、消防の用に供する設備、機械器具に関するものにつきましては、消防用訓練施設の整備、消防車両のオートマチック化などの事項が実施されたという報告を受けているところでございます。
 こういう実態を見てみましても、消防職員委員会は消防職員の勤務条件の改善のために十分機能していると、このように考えているところでございます。
#34
○高嶋良充君 十分に機能しているという、これはILOの総会でも日本政府としてそういう報告をされておりますから、その辺は評価をしたいというふうに思いますが、これは、御承知のように消防職員には労働組合がつくれない、団結権が付与されていない、そのかわりのものとして五年前につくられたわけですから、その点のことに関連をしながら以下質問を申し上げていきたいというふうに思いますが、出てきた意見で約四割は実施をされているけれども六割は却下されている、こういうことになるんだろうというふうに思います。
 とりわけ、いろいろ意見を聞いてみますと、勤務条件にかかわる部分はかなり進展をしていく部分があるんだけれども、先ほどから言っていますように、消防力の整備に係るようなまさに装備に関する職員の提言は、なかなか意見を提出しても改善や進展が見られないという意見もあるわけですけれども、その辺はどのように認識されていますか。
#35
○政府参考人(中川浩明君) 法律の規定によりまして、消防長は消防職員委員会の意見の趣旨を尊重して処置するように努めるものとされております。したがいまして、意見を審査の上、実施することが適当であるとされましたものにつきましては、消防長としてはその実施をするような努力をすることが必要であろうと考えております。
 ただ、中身を見てみますと、実施することが適当とされたもののうちにも、消防長の権限と責任において実施することができるもののほか、予算措置を伴うものなど、消防長限りにおいては直ちに実施することが困難なものもあるのもまた事実でございます。このような実施困難なものにつきましては、予算措置をとるべく関係部局へ働きかけるなど、所要の手続を消防長として行うことが望まれるところでございます。
 全国消防長会主催の消防長研修会や消防大学校におきますトップセミナー等におきまして、このような消防職員委員会制度の趣旨を踏まえた対応を各消防長において努めていただくように要請をするなど、消防職員委員会が一層円滑に機能するよう我々消防庁といたしましても努力をしているところでございます。
#36
○高嶋良充君 消防職員委員会というのは、職員の意見を集約して審議をすると同時に、やっぱりその実効性を上げるということが、これはILOの報告をされたときにいつも求められているというふうに思うんですけれども、とりわけこの委員会は労働組合と違って勤務条件だけじゃなしに、この委員会をつくるときにも国会でもかなり議論になりましたけれども、装備、すなわちポンプ車を買うことについても職員から意見が出せるんだと、そういうところまで認めていいのかという議論が当時与党からもありましたけれども、そういうことも認められている、こういうことですから、その辺の実効性を上げることが重要だというふうに思うんですけれども、ただ、これは予算措置、市長部局との関連もありますからなかなか消防本部だけで決められない部分があるというふうに思いますけれども、その辺は、今後改善をしていっていただける方向も含めて、どのようにお考えなんでしょうか。
#37
○政府参考人(中川浩明君) 消防職員委員会の実効性を上げることが必要であるという認識を我々としても持っておりますので、そのためにいろいろな対応を図っているところでございます。
 先ほども申し上げましたように、消防長に対しましてまず認識をしてもらうという趣旨から、研修会、セミナー等においてそこの点を十分説明し、認識をしてもらうということを続けているところでございます。
 また一方、消防職員の方にとりましても、この委員会がどういう機能を持っているのか、そこに意見を提出すればどのような審査が行われるのか等々につきまして十分認識をしてもらうという必要もあるということから、平成十二年度におきまして、消防職員全員に対しまして制度の概要、運用事例を紹介するパンフレットを配付することによりまして周知を図っているところでございます。
 また、消防職員委員会の運営状況につきましても、ただいま御報告をいたしましたような数字も含めて各消防機関にお知らせをして、みずからの消防職員委員会の運営との比較においてその改善の一助とするように努めているところでございます。
 今後とも、いろいろな手法を組み合わせながら実効性を上げるための措置をとってまいりたい、このように考えております。
#38
○高嶋良充君 ぜひ、ILOとの関係もございますから、円滑に運用されるように御要望しておきたいと思っています。
 そこで、消防職員委員会というのは、基本的には、九六年のときにもいろんな議論がありましたけれども、本来は労働基本権を付与していくという方向と、なかなか警察や消防職員にはその種の労働基本権というのはなじまないからこのような職員委員会で対応するんだという御意見があって、最終的に消防職員委員会ということで落ちついたんですけれども、私どもとしては、本来は消防職員も労働者であるわけですから、基本的には憲法に保障された労働基本権が保障されるべきだ、こういうふうに考えています。
 そこで、お伺いしたいんですけれども、政府は今、公務員制度改革、もうすぐ、今週じゅうですか、基本方針が出される、こういうことでございますけれども、この中でもとりわけ人事院との絡みで公務員の労働基本権付与が大きな課題になってきていると思うんですけれども、この際、懸案の消防職員の労働基本権についても公務員制度改革の中で同様に検討されていくべきだというふうに思うんですが、総務省としてはどのようにお考えでしょうか。
#39
○副大臣(遠藤和良君) 消防職員の団結権問題は、これは当時自治労本部の書記長をされておりました高嶋委員を初め関係者の皆さんの御努力によりまして、平成七年に、いわゆる団結権は認められない、地方公務員制度の改革はやらない、しかし、ただいまお話があります消防職員委員会の創設というものが合意されまして、この場でいろんな労働条件その他について意見をまとめてお話し合いをするという場が設けられたわけでございまして、消防組織法の改正を当時行いまして導入をした経緯がございます。
 したがいまして、今はこの消防職員委員会をさらに活性化し充実し、それが所期の目的が達成されるようなものに育成をしていくというところに今総務省としては取り組んでいるところでございます。
 こうした消防職員の団結権問題に対する経緯を踏まえますと、いわゆる消防職員の団結権を初めとする労働基本権制約のあり方については一応結論が出ておるというふうな理解をしておりまして、今回の公務員制度改革とは直接関連するものではない、このように私どもは認識しているところでございます。
#40
○高嶋良充君 遠藤副大臣の方から、既に九六年の消防職員委員会の発足の時点で結論が出ているということのようですけれども、実際は結論がまだ出ていないんですよね。
 総務大臣に最後にお伺いしますけれども、九六年のときにこの問題の決着を最終的に決断されたのは、当時、野中自治大臣でした。このとき、この職員委員会制度を設けるけれども、団結権問題については最終的な決着でないはずだというのは、これは私どもからも申し上げてきたわけですけれども、当時の野中自治大臣は次のように表明をされています。
 団結権自体の協議に関する取り扱いについては、労働基本権の制約に関する国民のコンセンサスの推移に応じ、さらに将来においても関係者間で論議することまで否定するものではないと、こういうふうに表明をされました。これは自治省にもメモがきちっと残っているというふうに思います、今は総務省ですけれども。
 そして、この内容はILOの総会で日本政府の意見として表明をされているということですから、基本的に国民のコンセンサスと、それから近い将来には団結権問題について関係者間で論議することについては否定しないんだと、こういうことを表明されているわけですから、この総務省なり政府の考え方については、総務大臣、今も変わりはないと思うんですが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#41
○国務大臣(片山虎之助君) 私も、野中大臣当時に、高嶋委員も自治労の書記長をおやりになって、委員長は後藤さんだったでしょうか、そういうやりとりがあることは承知いたしております。総務省側といいますか消防庁の方は団結権を認めるべきでないということでずっと来て、皆さんの方は認めるべきだということで来ているので、その間をとったのが今の職員委員会ですよね。
 だから、これからまさに状況の変化、国民のコンセンサスの推移、そういうことの中、私は議論することは一向に差し支えないと思っておりますので、そのときの自治大臣と皆さんとの、皆さんというか自治労さん等との話し合いは現在も変わっておりません。その話し合いの趣旨については私も十分承知して、そういうふうに対応していきます。
#42
○高嶋良充君 終わります。
    ─────────────
#43
○委員長(溝手顕正君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君が選任されました。
    ─────────────
#44
○宮本岳志君 消防法の改正案は危険物にかかわる二つの改正が含まれております。一つは、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン塩類の危険物への追加を行う、これは我が党が当初から要求してきたことであり、当然のことだと思うんです。もう一つは、逆に引火点二百五十度以上の品目を危険物から除くというもので、規制緩和です。我が党は、必要な規制緩和は反対しませんけれども、国民の生命や安全にかかわるものについては極めて慎重であるべきだと考えており、賛成できません。
 今回の改正のもととなった昨年の規制緩和推進三カ年計画の策定の過程では、国際的な水準との整合性ということが議論になってまいりました。しかし、安全規制を緩めるときには国際水準との整合性と言うんですけれども、安全確保のための国際水準については国連勧告さえ無視しているという実態があります。
 危険物輸送に関する国連勧告、日本では既に航空輸送、海上輸送では国連勧告に基づいた番号や図案に日本語を加えた標識が使われております。ところが、道路輸送ではこの国連勧告を遵守していない、これは一体どういうわけですか。
#45
○政府参考人(中川浩明君) 危険物輸送に関する国連勧告に基づく番号及び図案の表示につきましては、国境を越えて危険物等を輸送する場合には、それぞれの国の言葉で危険物等の名称を表現するということは困難な面があるということから、共通化した番号等で表示することとしたのがこの勧告の趣旨ではないかと認識をいたしております。
 一方、我が国内の危険物の道路輸送につきましては、国境を越えることがなく、現在の危険物輸送時の掲示及び表示が広く一般に認識をされているということがございます。また、消防法の危険物の分類は、引火点の区分の違いなど、今申し上げました国連勧告とは必ずしも一致していない点がございます。また三つ目に、消防庁では、危険物災害等情報支援システムを構築いたしておりまして、消防機関等への危険物等に係る情報提供の体制を整備しているところでございます。さらに、消防庁など関係省庁におきましては、危険物輸送時におきますイエローカードの携行を推進し、その普及が進んでまいっております。
 このような点にかんがみまして、国連勧告に基づく番号及び図案の表示については、我が国において現時点で導入するという考えは持っておりません。
 なお、今後とも、災害時の危険物等に係る情報提供につきましては、国連勧告に基づく番号及び図案による方法も含めまして、十分研究、検討してまいりたいと考えております。
#46
○宮本岳志君 国境を越える道路はないという話なんですが、では聞きますけれども、日本と同じ島国であるイギリス、国境を越える道路を持たないオーストラリア、国連勧告を守っておりませんか。さらには、先進国、EUや米国で、道路輸送で国連勧告を採用していないような国がほかにありますか。お答えください。
#47
○政府参考人(中川浩明君) それぞれの国に直接確認をとっているわけではございませんので不正確な面があるかもしれませんが、我々が承知している限りについてお答えいたしますと、イギリスにつきましては、危険物道路輸送に係ります欧州各国合意書というものがございますが、この合意書に参加をしておりますし、オーストラリアにつきましては、オーストラリア運輸省の基準から今お話ございました国連勧告を危険物の道路輸送に採用していると考えられるところでございます。
 また、アメリカやEU各国につきましてすべてを網羅的に調べているわけではございませんが、ほとんどの国がこの国連勧告を危険物の道路輸送に採用しているのではないかと、このように把握をいたしております。
#48
○宮本岳志君 きょうは国土交通省鉄道局に来ていただいております。
 鉄道輸送における危険物の輸送に関する国連勧告については、火薬類を運搬する場合の技術上の基準として、平成十年三月二十七日、運輸省告示第百二十一号で国連勧告に対応した措置が講じられたと聞いておりますけれども、これは事実ですね。
#49
○政府参考人(白取健治君) 鉄道等によります火薬類を運送する場合の包装の基準につきましては、鉄道等により火薬類を運送する場合の包装の基準等を定める運輸省告示でございますけれども、これを定めまして、国連勧告に対応してきたところでございます。
#50
○宮本岳志君 鉄道も、我が国においては国境を越える鉄道というものはないと思うんですね。
 では、本当に道路輸送についてこの国連勧告の遵守の必要性は低いかどうか、このことについて議論したいと思います。
 一九九七年八月五日午前五時三十三分に静岡県菊川町で発生したタンクローリーの単独横転事故ですね。積載していたステアリン酸クロライド一・六トンが流出をいたしました。雨水と反応し、塩化水素が発生をいたしました。この事故では、漏れ出した危険物が何であるかがわからずに、また薬品名が誤って伝わったことから対処がおくれて、高速道路が十五時間も閉鎖されるという事故でありました。
 この事故で物質名がステアリン酸クロライドであることが判明したのは、事故が五時三十三分に起こった後、何時何分だったか。また、小笠消防が静岡県消防防災課からステアリン酸クロライドの製品データシートをファクスで受領したのは何時何分だったか、お答えいただけますか。
#51
○政府参考人(中川浩明君) ただいま御指摘の小笠地区消防組合という消防本部から入手をいたしました資料によりますと、五時三十三分ごろ事故が発生し、午前六時四十五分、タンクローリーの運転手を病院へ搬送する必要が生じ、その途上におきまして救急隊がこのタンクローリーの積み荷はステアリン酸クロライドであることを聞き出していたと、このように聞いております。
 このほか、午前六時四十六分、事故現場に到着いたしました消防隊が、車両に掲示されております標識板により、積み荷はステアリン酸クロライドであることを確認しております。また、管轄の小笠地区消防本部は、午前九時三十六分に静岡県消防防災課からステアリン酸クロライドの製品データシートをファクスで受領していると、このように聞いております。
 このような手段、方法によりまして、積み荷がステアリン酸クロライドであることを消防本部としては把握をしたと、このように報告を受けております。
#52
○宮本岳志君 物質名の特定に事故発生から一時間、消防のデータシートが届くのは実に四時間が費やされているんですね。その間、六時十三分には、品名はクロロホルムですとの通報があったと。六時三十三分には静岡県消防防災課はクロロホルムに対する危険情報を流したということも私の手元の資料で出ております。物質名の正確な特定とその対処法の徹底がいかに大事かということを示す重大な事故だったと思います。
 次に、一九八八年八月三日に起こった事故。二十三時十九分、中央道で塗料用シンナー入り十八リットル缶一・五トン積載の大型貨物車が中央分離帯ガードレールに衝突、車両火災を起こした事故です。二十三時四十一分、上り車線に消防車が到着し、同四十二分に放水を開始したけれども、その後、事故車両の積載危険物名が不明なため放水をやめ、爆発が続いた。一時間以上たってやっと再び放水を始めたが、車両は二台とも全焼、通行どめ解除は四時間後であった。これは間違いないですね。
#53
○政府参考人(中川浩明君) 長野県伊南行政組合消防本部によりますと、事故発生日時は昭和六十三年八月三日二十三時十分でございまして、消防本部が覚知した時間は二十三時二十分でございました。当初、中央道上り線の事故という内容を受けまして、上り線担当の消防隊が出場いたしまして、二十三時三十分の現場到着時の状況では、大型車二台と積み荷が炎上していた。二十三時三十八分にはタンク水で消火活動を開始いたしました。しかし、実際の事故現場が下り線の事故でもございましたので、下り線担当の消防隊、これは伊那消防組合の消防本部になりますが、消防隊が出場いたしましたが、交通渋滞等により到着がおくれたこと、付近の水利が状況が悪かったこと、接着剤、これは第四類の第一石油類でございますが、この接着剤の金属容器百二十缶のうち、一部が破裂、炎上したこと等から消火活動に困難を来し、鎮火をしたのは放水開始から約二時間後の八月四日一時四十二分であった、このように報告を受けております。また、上り線の通行どめが解除されましたのは、発生から約四時間後の三時七分、このように報告を受けております。
#54
○宮本岳志君 私の手元に日本道路公団の記録があります。二十三時四十二分、放水開始、零時零々分、輸品名不明のため消防車放水せず、爆発が続くと、道路公団の記録ではそうなっているわけです。
 そこで、これを見ていただきたいのです。(資料を示す)これが国連番号と国連表示を使った場合の塗料用シンナーの標識なんですね。この八月三日の事故で燃えたものは塗料用シンナーだったわけですけれども、この一二六三というのが塗料用シンナーの国連番号です。それで、この三三というのは、これは引火点二十一度以下の塗料用シンナー、常温でも引火するというものです。それから、三〇となったのは引火点が二十一度以上ということですから、そういう塗料用シンナーはこの三〇と、引火点によって二種類あるんですけれども、こういう表示をきちっと掲げるというのが国連勧告の趣旨なんですね。
 そして、水をかけてはいけない場合はどうかといいますと、ここに持ってきたこのXというこの番号が水をかけてはいけない、禁水性という意味です。(資料を示す)このパネルは、アセチルクロライドという、国連番号一七一七番という物質ですけれども、水をかけると有害な塩化水素が発生いたします。だから、このバツという、Xというのがついております。引火点二十一度以下で三三、腐食性があるので八、そして禁水性を示すXがついてX三三八というのがあれば、ああこのXとあるのは水をかけたらいかぬなと一目見てわかることになるわけです。
 こういうものをすべて物質ごとにまとめたものを国連はつくっているわけです。これがまとめたオレンジブックと言われる冊子です。(資料を示す)日本は使っていないですから日本語のものはなくて、これは英語のものですけれども、これがオレンジブックなんですね。
 国連勧告では、危険物一つ一つを四けたの番号であらわして明確に示しております。それを一冊にまとめてこういうものにしている。これならば物質名を誤る可能性もないわけですし、対応も迅速になる。なぜ、国際的には常識とも言うべきこの国連勧告、こういう方式を改めて採用しないのかと思うんですが、いかがですか。
#55
○政府参考人(中川浩明君) 危険物の輸送の安全を確保するためにどのような標識を表示して事故時に的確にその実態が把握できるようにするのかということにつきましては、確かに重要なポイントであろうと、このように考えております。
 我々としても、よりよい、より望ましい方式について研究、検討することはやぶさかではございませんが、あえて先ほど申し上げましたことをもう一度申し上げれば、現時点において国境を越えない、あるいは危険物自体の分類が今お示しのような国連の定めております勧告の前提となっております分類と異なっている等々の問題もございますし、また、実際の消防機関において現状の標識、表示あるいはいろいろなデータによります情報で消防活動に的確に対応している実態もございますので、なお引き続いて国連勧告の取り扱いについては研究、検討させていただきたいと思います。
#56
○宮本岳志君 なかなか適切に対応できていないから、私、こう申し上げているわけですよ。
 それで、例えば日本語名というのはほとんどの薬品に複数の呼び名があるんですね。アセチルクロライドというのは別名塩化アセチルとも言いますし、先ほどクロロホルムというのが出ましたけれども、これに至ってはトリクロロメタン、塩化メチニル、三塩化メタン、四つも名前があります。これらは国連番号なら、一七一七、一八八八と明瞭なんですね。
 そこで聞くのですけれども、消防庁で持っているデータベース、これは国連番号に対応しているんじゃないですか。
#57
○政府参考人(中川浩明君) 平成十年度消防庁で構築いたしました危険物災害等情報支援システムは、道路上等で危険物に係る災害が発生した場合に、消防機関に対しまして物質の性状、消防活動要領、中和剤提供事業所、製造等事業所名などの情報を早い段階で提供する、この趣旨で作成をいたしているものでございます。
 現在、このシステムの中には約二千五百のデータが登録されております。それぞれの物質に対応する形で化学名、英語名、通称名などの名称、分子式、分子量、比重、融点、沸点、引火点、毒性、外観などの性状、また消防活動方針、人体応急処置などでございます。
 この名称データには、国連番号により検索することが可能となっております。当該システムに登録されている物質のうち国連番号の情報が提供できるものについては、名称データの一部にも国連番号を追加しているところでございます。
#58
○宮本岳志君 総務大臣、このやりとりを聞いていただいて、やっぱり国際標準ということが議論になっている時代に我が国だけ国連勧告を採用していない、それが危険物特定の障害になる場合さえあると。この問題は、つい最近ベルリンで開かれたOECDの不安定物質爆発危険性に関する専門家会議、IGUSというところでも問題になったと私はお聞きをいたしました。
 この際、やっぱり国連勧告を採用するということも含めて検討すべきだと私は思うんですけれども、いかがでしょうか、大臣。
#59
○国務大臣(片山虎之助君) いやいや、宮本委員がお詳しいのにちょっとびっくりしているんであれしております。よく勉強されたと思いますけれども、私、消防庁の方から聞いておりますのは、今言ったように島国で国境通過がないというのと、その危険物の引火点ですか、それが必ずしも国連の分類と同じじゃないんで、直ちにそういうことを採用するといろんな混乱が起こるし、それから少なくとも車にそういうものをつけなきゃいけませぬ、表示を、そういうことでさらなる負担がかかるんで、そういういろいろなことを考えて、当面はこれで支障がないという報告を受けておりますので、それはそのとおりだろうと思いますけれども、しかし、言われる長官とのあれを聞きまして、研究はさせていただきます、今後とも、研究を。
#60
○宮本岳志君 私は、今回これ調べて本当に驚いたんですよ。ぜひ研究していただきたいんですけれども、これは本当に省庁ごとの縦割りの非常にきつい分野でして、火薬類は経済産業省及び警察庁、危険物は消防庁、毒物は厚生労働省、高圧ガスは経済産業省と、それぞれ法令を所管する省庁ごとに規制を分け合っているんです。
 それを調整するために危険物運搬車両の事故防止等連絡会議を開催しているというけれども、これは年一回なんですね。しかも、各省庁横並びの連絡会にすぎないと説明を受けました。この連絡会は警察庁で開くんですけれども、別に警察庁が各省庁に指示、命令したり、政策変更を求めたりするものでないというふうにお伺いしたんですけれども、そうですよね、警察庁。
#61
○政府参考人(坂東自朗君) 委員御指摘のこの連絡会議は、関係行政機関等の申し合わせに基づきまして警察庁において事務局を担当しているところでございますけれども、この連絡会の性格は、警察庁が関係行政機関等に指示あるいは命令したりする性格のものではございませんでして、関係行政機関等が連携協力し合って、総合的に事故防止対策とかあるいは事故発生時対策というものを推進していこうというものでございます。
#62
○宮本岳志君 縦割りでもそれぞれが責任持てば大丈夫という話も一部いただいたんですけれども、一例を挙げたいと思うんですよ。
 警察庁はことし四月から高速道路での危険物流出事故に係るデータベースというのをつくって活用を開始されております。このデータベースの作成に幾らの予算おかけになりましたか、警察庁。
#63
○政府参考人(坂東自朗君) 委員御指摘のように、警察庁では全国の都道府県警察に危険物に係るデータベースというものを整備したところでございまして、これに必要な経費は約七千万円ということになっております。
#64
○宮本岳志君 一方で、消防庁が平成十一年度から運用している危険物災害等情報支援システム、さっき長々と説明いただいたものですが、これも危険物に係る災害が発生したら災害現場で使うデータベースを構築したものなんですね。実は、これ以外に厚生労働省も毒物・劇物情報データベースというのをつくっておりまして、これもおおよそ一千三百万円かけて平成十二年四月から活用していると。
 だから、消防が十一年四月から、厚生労働省が十二年四月から、十三年四月から警察と、毎年毎年別々の役所がつくっているんですが、消防庁、聞きますけれども、消防のものは厚生や警察と同じものですか、消防庁。
#65
○政府参考人(中川浩明君) 警察庁あるいは厚生労働省のデータベースについて必ずしも詳細を把握しておりませんけれども、お聞きした限りにおきましては、例えば警察庁のデータベースには化学名だけではなくて商品名なども入力をされていることや、あるいは事故発生の際に危険物質を特定し危険有害性を認識した上で適切な事故処理を図るため高速道路交通警察隊に配備をしているというような点について異なるところがあるのではないかと、このように考えております。
#66
○宮本岳志君 つまり、違うところもあるんでしょうけれども、よく似たものを三つの役所がばらばらにつくっていると。これを本当に一つにすれば、そしてみんなで力を合わせてよりよいものをつくればもっと節約になるのではないかと、私などは本当にこれ話を聞いて感じたわけです。
 縦割りの弊害というものをもう一つ私御指摘したいんですが、今回新たに危険物指定の対象となるヒドロキシルアミン及びその無機塩類について聞きたいと思います。
 ヒドロキシルアミンというこの薬物は、毒物及び劇物取締法の指定による劇物であります。幾つかの資料で調べましたら、これらの物質の致死量は体重一キログラム当たり大体数百ミリ程度で死ぬと書かれてありまして、おおよそバケツ一杯で数百人の致死量ということになります。同時に、この物質は昨年六月の、先ほどお話にあった爆発事故でも明らかになったように、空気の供給がない条件下でもそれ自体が爆発的に化学反応を起こす、つまり自己反応性物質として指定されることになりました。これは、つまり爆発物や火薬類と同じグループに入れられるということになります。
 そこで聞きたいんですけれども、このヒドロキシルアミンはどのような形態で輸送されているのか。純粋な物質や日進化工の事故の原因になった高濃度の溶液として運ばれているんですか、いかがですか。
#67
○政府参考人(中川浩明君) ヒドロキシルアミンは、現在、通常濃度約五〇%の水溶液として流通をしていると把握しております。その際、プラスチックドラム等の容器に収納されていると、このように把握をいたしております。この容器は、国連勧告におきます腐食性物質に適用する容器でございますが、消防法第五類の自己反応性物質に係る消防法の基準にも適合するものでございます。
 爆発事故の原因となりました高濃度のヒドロキシルアミンは、製品でありますヒドロキシルアミン五〇%水溶液を製造する工程の中で中間的に生成されているものでございまして、このような高濃度のものを輸送することは現在ないと考えておりますし、今後とも想定されないところでございます。
#68
○宮本岳志君 本当そうだと思うんですね。純粋な物質のまま道路を輸送するというのは、ダイナマイトをトラックに満載して走るようなものであり、許されないのは当然だと思います。
 しかし、硫酸塩として運べば安全かというと、そうは言えないからこそ今回の危険物指定にその硫酸塩や硝酸塩も含まれているんだと。硫酸ヒドロキシルアミンも加熱されれば急速に反応して有毒なガスを発生すると思うんですね。
 そこでまた確認ですが、硫酸ヒドロキシルアミンの熱分解生成物は何であるか、また燃焼生成物は何ですか。
#69
○政府参考人(中川浩明君) 硫酸ヒドロキシルアミン自体は可燃性ではございませんが、加熱した場合の分解生成物としては、アンモニア、窒素、水などが考えられます。また、この硫酸ヒドロキシルアミンをさらに空気中で加熱をいたした場合は、分解生成物のアンモニア等の酸化あるいは硫酸の分解などが起こることとなり、その結果、二酸化窒素、二酸化硫黄等が発生すると考えられます。
#70
○宮本岳志君 万一交通事故による火災に巻き込まれれば、こういう毒性の高いガスが出てくるわけです。非常に危険な状態だと。だからこそ、危険物の種類の表示、それから危険性についての知識を持った人間がそこに同乗することが非常に大切になります。危険物取扱責任者の同乗義務が課せられているのは当然です。
 ところで、日本道路公団による道路輸送危険物のデータシート一九九六年には、固体の硫酸塩の運搬方法について、輸送時の輸送形態、紙袋、石油缶、ドラム缶と書かれてあります。トラックに紙袋、石油缶、ドラム缶に入った硫酸ヒドロキシルアミンを積んで走る場合に危険物取扱責任者の同乗は義務づけられておりますか。
#71
○政府参考人(中川浩明君) 硫酸ヒドロキシルアミン、現在危険物ではございませんが、仮にこれを危険物といたしますと、これを容器で運搬する場合には、他の危険物と同様に危険物取扱者の同乗は必要ございません。
 この趣旨は、この容器によります運搬では、危険物は小分けをされて容器に密封して収納されており、それぞれ出発地、到達地におきまして実際に危険物を出し入れするという作業はなく、容器の積みおろしという作業があるのみでございます。また、容器に小分けされておりまして、事故時におきましても一つの容器から漏れる量というのは限定されるということから、危険物取扱者の同乗を義務づけてはいないものでございます。
 現在、危険物取扱者の同乗を義務づけております移動タンク貯蔵所については、その運転手自体が荷積み及び荷おろしに際して移動タンク貯蔵所の弁などを操作して実際に危険物を出し入れするというそういう作業を行うために、危険物に関する知識を有する危険物取扱者の同乗を義務づけている、このような違いがあるわけでございます。
#72
○宮本岳志君 紙袋、石油缶、ドラム缶ですから、それは密閉されたものもあるでしょうし、紙袋などは紙ですから。それで、タンクローリーならば危険物取扱責任者の同乗義務があるけれども、同じものを石油缶やドラム缶、紙袋でトラックに積んだら同じ量でも同乗義務はないと、これはどう考えてもざるだと私は言わざるを得ないと思うんですよ。
 タンクローリーは、法律上、今本当に長官がおっしゃったとおり、移動タンク貯蔵所と言うんです。トラックはそうじゃないんですよ。つまり、これも結局縦割りの行政、縦割りの法的システムに大きな問題があって、これをひっくるめて道路上の危険物輸送ということについてやっぱり突っ込んだ議論というのがされていないことから、こういう矛盾というか、おかしな話も出てくるんだと私は思うんですね。
 昨年の我が党寺前議員に対する政府答弁書では、政府がこれを責任を持って総合的に推進すると、こうお答えいただいているわけですよ、大臣。そうだというならば、警察庁、消防庁、国土交通省、経済産業省、厚生労働省と横並びで、年に一回、報告をお互いし合って交流するという程度の話でなくて、責任を持つ役所を明確にして対策を進めるべきではないかと。その中でぜひ、先ほど検討するとおっしゃいましたけれども、国連勧告の採用についても改めて議論すべきではないかと、私はそういうふうに思うんですけれども、最後に大臣の政治家としての御答弁をお伺いして終わりたいと思います。
#73
○国務大臣(片山虎之助君) 日本の役所というのは、みんな使命感、責任感が旺盛で、それぞれの根拠のある法律を持って行政をやっていますから、それを一つにまとめるというのは、なかなか全部をカバーできるようなことは難しいと思うんですよ。
 とりあえずは、今関係省庁で連絡会議をやっているようですから、年に一遍というのはちょっと少ないことは少ないですね、これはもう少し頻繁に情報交換をしてもらったりするようなことをやってみて、それでやっぱり問題があるようなら、今や改革の時代ですから、研究だけは今後も続けてまいります。
#74
○宮本岳志君 終わります。
    ─────────────
#75
○委員長(溝手顕正君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として円より子君が選任されました。
    ─────────────
#76
○松岡滿壽男君 今回の法改正で、火を使用する設備、器具等の位置、構造及び管理等の規制について、規制内容を条例に包括的に委任している消防法第九条を改め、条例を定める際の統一的な基準を政令により国が定めることとしているわけです。政令で定める基準が大ざっぱなものだと、市町村の規制のばらつきは依然解消できないことになり、政策目的の達成は困難になるものと思われますが、防災上の目的を損なうことなく規制のばらつきを解消する基準を定めることはこれまた非常に困難なことと考えるわけですが、御所見をまず伺いたいというふうに思います。
#77
○政府参考人(中川浩明君) 今回、法律改正によりまして、九条に「政令で定める基準に従い」というフレーズを入れることといたしておりますが、この趣旨は、先ほどもお答え申し上げましたように市場アクセスの改善を図ると、こういう趣旨でございまして、一面、市町村におきますいろいろな規制をできる限り統一したいと、こういう趣旨に出るものでございます。ただ、この火災予防条例の内容につきましては、できる限り地域の実態を反映するというそういう要請もございますので、それの兼ね合いの中で必要な規制がとられるように考えていきたいと思っております。
 ただ、今回の政令で定めます基準は、特に消費熱量の大きい火気設備等の設置に係る建築物等との間の火災予防上安全な距離について定めることといたしたいと思っておりますが、いわゆるこの離隔距離につきましては、政令で明確に定めることによって条例においてもその基準を遵守できるようなそういう定めとしたいと、このように思っております。
 今後、政令等を定めた後、市町村に対しましてこの基準をできる限り遵守するような要請をしてまいりたいと考えております。
#78
○松岡滿壽男君 ヒドロキシルアミンの危険物への追加ですが、先ほど高嶋委員の方からも質疑があったんですけれども、毎回ああいう事故が発生すると追加と、いわゆる後追い行政という批判がつきまとってくるんですけれども、先ほども御答弁にありましたように、消防研究所とかいろいろなところで研究をして対応していきたいということですけれども、現在の段階で予測されることというのは考えられないんでしょうか、本当に。また何か出てきたらまた追加するということじゃ同じことの繰り返しになるわけですよ。
 さらなる危険物ですね、身近にあるもので、それについての対応をもうちょっときちっとされるべきだろうと私は思うんですが、改めてひとつ御見解を賜りたいというふうに思います。
#79
○政府参考人(中川浩明君) 今回、危険物に追加をしようといたしておりますヒドロキシルアミンにつきましては、今までいわゆる毒物劇物取締法の劇物という認識で扱ってきたわけでございますが、爆発事故があったということで今回法律に追加をする措置をとりたいと思っているものでございます。その限りにおいては、ただいま御指摘のように、事故が発生するまで放置していたという御指摘は、実態として我々としては重く受けとめなければならない、このように思っております。ただ、今後、このような物質を的確に把握して、こういうことが二度と起きないようにしたいと思っております。
 現在、いろいろな物質が流通しておりますけれども、この危険物に追加しなければならないようなものはないと思っております。ただ、今後、いろんな科学の進展等によりまして新しい合成物質なども出てこないとは限りません。そういうときのために適切な対応がとれるように、関係機関あるいは関係団体との協力支援体制を強めてまいりたいと、このように思っているところでございます。
#80
○松岡滿壽男君 我々としては、その今の長官の言葉を信じるしかこれはないわけでありますけれども、ひとつ今後も危険物に対する対処方はよくきちっとした形での対応をしていただきたいというふうに思うんです。
 それから、これも先ほど来の繰り返しになりますからもう余り詳しく質問はいたしませんが、素人考えで見ると、二百五十度以上のものの危険物からの除外ということですよね。外国はもっと低いでしょう。改めて二百五十度に設定したという根拠がどうもちょっとよく我々には理解できないんですけれども、外国との関連でその辺をどのように御説明いただけるか、ひとつ所見を賜りたいというふうに思います。
#81
○政府参考人(中川浩明君) 今回、高引火点の危険物についてはその危険性が他に比べて少ないということから、高引火点のものについては危険物から除外してはどうかというような御意見がございまして、今回検討をして、その結果が引火点二百五十度以上のものを除外するという、そういう判断に立ったわけでございます。
 その際には、その引火点の実態に応じた試験を行いまして、その試験の結果によって今回の判断を導いたものでございます。一つは、着火試験と呼ばれます試験、バーナーの炎を試料に接触させる試験でございますが、これをやってみましたところ、二百五十度以上の試料では着火しなかったということがございます。また、漏えい火災試験という、油槽に満たした試料の上に火源を浮かせて油槽の全面に火炎が拡大するかどうかを見る試験におきましては、二百五十度以上の試料では、火源を大きくしていっても火源からの延焼がなかった、こういう試験結果をもとに、今回、二百五十度以上のものにつきましては除外をしたいと考えております。
 また、過去の火災事故の事例を見てみましても、二百五十度以上のものが大半を占めます動植物油類の火災の件数は少ない、また火災がありましても被害はごく軽微なものに終わっているという実態がございますし、第四石油類の火災の大半につきましても二百五十度未満の油種の火災である。こういう実態を踏まえて、今回、二百五十度未満のものに危険物を限定するということとしたものでございます。
 諸外国におきましては、ただいま御指摘のように、例えばドイツ、フランスでは引火点の上限が百度、アメリカでは九十三度となっていると承知をいたしております。このような実態を承知の上で、日本においては現在二百五十度までのものについてはなお危険物としてその規制を行うことが必要である、こういう判断に立ったものでございます。
#82
○松岡滿壽男君 先ほど、消防職員の団結権の問題に絡んで消防職員の充足率の意見がありましたが、消防団の方も充足率、職員に比べればかなり高いんですが、九十五万人ですか、今。消防職員が十五万、団員が九十五万と。充足率は九五・四%というふうに伺っておるんですけれども、全国的に減少傾向なんですよね。なかなかこれは難しいんですわ。それで、女性が一万人ぐらいになってきているということなんですが、今後の消防団員数の減少傾向の歯どめ策、それをどういうふうに考えておられるのか。
 それともう一つは、本委員会でもこのところ市町村の合併問題でいろんな議論があります。御存じのように、もう三十年前から広域市町村圏で広域消防とかやっていますね。広域消防の数はいわゆる広域市町村圏と同じぐらいの数なのか、幾つぐらいの数なのか。この前も、与党三党合意は千だという議論、それから小沢さんは三百と言い、NTTの市外局番でいけば五百じゃないかという議論をしたりしているんですが、その辺、合併問題に対して消防の立場からこういうことを注意したらいいという意見があればお聞かせもいただきたいというふうに思います。
#83
○政府参考人(中川浩明君) 消防団員につきましては、ただいまお話しのございましたように、九十五万人、女性団員が一万一千人となっております。消防団員は最近十カ年で約四万六千人減少している、逆に女性団員は八千二百人増加をいたしているところでございます。
 消防団員の減少対策といたしましては、まず団員の処遇面におきます改善をできる限り行ってまいりたいということで、平成十三年度におきましても報酬、出動手当等を引き上げたところでございます。さらに、消防団のイメージアップ等を図るため、ポスター、テレビ等を通じたPRを行っているところでございます。また、女性消防団員は防火指導等の面で活躍をされておりますので、この女性消防団員の増加もぜひ図っていきたい、このように考えているところでございます。
 また、二点目の広域消防についてのお尋ねでございますが、現在、消防本部は九百七となっております。したがいまして、消防の単位は九百七ということになるわけでございまして、その大半が広域市町村圏、広域連合等の広域行政によって管轄区域を広域化している実態にございます。ただ、実際の管轄人口を見てみますと、五万人未満となっておりますのが三七%、十万人未満が累計で六六%となっておりますので、十万人未満の消防本部が依然として三分の二あるという実態にございます。
 消防庁といたしましても、消防機関の広域化は消防のサービス向上等に非常に有用であると考えておりますので、ぜひこの広域化を推進してまいりたいと考えております。
 ただ、一方では、やはり市町村の合併という要請もございますので、消防の広域化はまず合併を志向してもらいたい、合併によって広域化を図ってもらいたい、ただ合併の結果依然として人口がまだ五万人というような実態にある場合にはできる限り十万人を目標に消防機関の広域化を図ってもらいたい、このような方向で施策を展開しているところでございます。
#84
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。
 終わります。
#85
○高橋令則君 二法に関連して、私は環境関係について、消防をめぐる環境について質問させていただきたいと思います。
 消防体制については、御承知のとおり、その根幹が消防職団員であることはもう多言を要しません。しかし、その中で、消防団員について見ておりますと、松岡さんもおっしゃったわけですけれども、かなり減っているんですね。ちょっと古いかもしれませんけれども、昭和五十年に比べますと十六万ぐらい減少しているんですね。すごい減少であります。私の地元の岩手の場合も累減しておりまして、昭和五十年と今の平成十二年を比較しますと四千ぐらい減っているわけですね。常備の職員の増なりあるいは消防施設整備によって、全体として消防力が脆弱になっているとは私は思っていませんけれども、やっぱり心配される問題だと私は思っております。特に、人口の減っている地域の住民の安全の確保のために、地方消防団員の維持、活性化が非常に大きな課題だというふうに考えております。
 私ごとになりますけれども、昭和五十八年の四月に久慈というところで大きな山林火災があったわけであります。そのときはいろんな問題があったんですけれども、私も三日三晩、たまたま総務をしておりまして、結果的に国、県、そして市町村、全体として延べ五千人人員ができたわけですね。その総括をやらざるを得ないようになりまして、やったわけですね。それを見たときに、消防団員の活動というのはすごいなと思ったわけです。本当に頭の下がる思いだったわけです。そういう意味で、常備消防も非常に重要でありますけれども、やっぱり地域にとって消防団員というのは非常に大事だなとしみじみ考えたものであります。
 長官は岩手にも在職しておられまして、この地域の状況はよく御存じだと私は思っていますが、岩手のような地域の状況に合わせた消防団員の活性化、そしてまた災害に対する対応について、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#86
○政府参考人(中川浩明君) 消防団は、ただいま御指摘のように、地域防災に重要な役割を果たしておりまして、阪神・淡路大震災を初めといたします近年の大規模災害に際しましても重要性が再認識されているところでございます。特に岩手県のような県土が広大な地域においての災害は多くの人手を必要とするという実態にもございますので、消防団員の活躍は必要不可欠の災害対応力になっているのではないか、このように思っております。
 しかし、他方では、社会環境の変化に伴いまして、団員のサラリーマン化、団員の減少、高齢化といった課題が消防団を襲っているところでございます。
 このような状況のもとで、消防団の活性化、充実強化を図り、地域の災害対応力の向上を図っていくことは、消防の全体の力を高めるという意味において重要な課題であるという認識を持っているところでございます。
 消防庁といたしましては、まず消防団の施設、装備の充実を推進するという観点から、消防団活性化総合整備事業について、平成十三年度におきましては前年対比で一一%を超える増の金額を確保するなど、財政支援の充実に努めているところでございます。
 また、消防団員の処遇の面におきましても、交付税によります報酬、出動手当につきましてその引き上げ等を行ってきておりまして、平成十三年度におきましても改善措置を講じております。
 さらに、消防団のイメージアップ等を図るため、ポスター、テレビ、インターネット上のホームページ等を通じたPRを行っているほか、団員の制服を全面的に見直し、消防団に対します国民の理解促進を図るためのシンポジウムの開催等の措置を講じております。このほか、本年度から、平常時におきます地域に密着した消防団活動について、優良な事例を表彰し全国に紹介するということも行いたいと考えております。
 また、消防団に関する制度はこれまで大きな改正が行われておりませんが、社会環境は大きく変化しております。このような状況を踏まえまして、時代の変化に的確に対応した地域防災体制のあり方、その中で消防団が果たしていくべき役割、これらを踏まえた消防団制度、あるいは国による支援のあり方などにつきまして、広範囲にわたりまして学識経験者、消防防災関係者の御意見を伺うための調査検討を始めたところでございます。その成果等も踏まえながら、消防団の活性化に向けて今後とも適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
#87
○高橋令則君 もう一つは、コミュニティーと消防団の関係であります。
 地域のコミュニティーは、地域によりますけれども、これも心配される面が多々あるわけです。家庭が崩壊という部分はありますし、いろんな意味で地域の消防能力というものも下がっているというふうに私は心配をしておるわけであります。その過程で、消防団のコミュニティーとの関係についてはやっぱり整備をして、それなりの連絡をとるなり連携とかそういうことについて取り組むべきではないかというふうに私は考えておりますが、その件についての長官の意見をお聞かせください。
#88
○政府参考人(中川浩明君) 確かに、消防団の性格からしまして、地域に密着した存在であるわけですので、地域住民との連携協力関係が何よりも大切でございます。それを深めていくことによりましてその機能も高められていくものと考えております。また、消防団と地域住民との連携は、狭い意味での消防防災の分野に限定されるのではなくて、さまざまな分野での連携協力が必要でございますし、また実際にも進められているところでございます。
 具体的な例を若干申し上げてみますと、自主防災組織との協力や指導のほかに、例えば京都の西京消防団におきましては、独居高齢者宅に対して福祉ボランティアとの協力のもとに訪問防火指導を行うとともに、火災報知器を無料で設置しているというような事例がございます。また、山口県の下松市の消防団のように、地域の伝統芸能の保存に取り組んでいる例もございます。熊本市の消防団のように、青少年の健全育成活動、リサイクル活動等に取り組んでいる事例もございます。このように多くの事例がございます。
 消防庁としては、このような地域住民との連携協力関係の重要性にかんがみまして、地域住民に対する協力、啓発等の業務を消防団の業務としてぜひ積極的に推進してほしいということを明らかにしたところでございます。今後とも、地域住民との連携協力の一層の促進を通じて円滑な消防団活動が実現し、地域の活性化にも資することとなるような必要な措置を充実するように努力をしてまいりたいと考えております。
#89
○高橋令則君 大臣にお尋ねしたいんですけれども、最後ですけれども、消防団員の対応について、認識なり取り組みの所信についてお聞かせをいただきたいと思います。
#90
○国務大臣(片山虎之助君) 私はかねがね言っているんですけれども、日本は消防は世界一だと言っているんです。それはなぜかというと常備消防もしっかりしているんですね、常備消防。それとやっぱり消防団という、義勇消防というのかボランティア消防が常備消防を補完しているんですね。その組み合わせが大変うまくいっている。昔は大名火消しと町火消しから来ているんだから。この連携が非常にうまくいっているから、私は日本の消防は世界で一番ではないか、こう言っているんですが、今、高橋委員が言われたように、やっぱり地域社会の安定は消防の力にかかっていますよ。消防団がしっかりして、常備消防ももちろんそうだけれども、そういうところは地域社会が私は安定していると。そういう意味でも、そういう面での消防の充実強化というのは必要ですね。
 今いろいろ話がありましたが、単に消防や防災や救急だけじゃなくて、青少年だとか福祉だとか民生だとか、そういうことをもっと私は消防団はやったらいいと思うんです。
 だんだん団員が、昔二百万おったんですから、百万になって、それが百万切れたんでしょう。だから、もっと女性をたくさん、もう男女共同参画なんで、今は女性の方が場合によっては勇ましいんですから、閣僚でもいろいろな方がおられますけれども。そういう意味でももっと女性の消防団員を大いにふやして、男女共同参画で地域を守ることは地方自治の原点ですから、私は、今後とも我が省としては消防団の育成、充実強化に全力を挙げたいと、こういうふうに思っております。
#91
○高橋令則君 終わります。
#92
○委員長(溝手顕正君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#93
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、消防法一部改正案に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、引火点二百五十度以上の引火性液体物を危険物指定から外すことは、国民の生命や財産を守るという消防法の基本原則に反するからであります。
 危険物指定から外されますと、その取り扱いが許可制から届け出制になります。また、貯蔵や取り扱いの点では、製造所の制限がなくなり、保有空地や耐震性が緩和され、運搬の点でも、タンクローリーなどの完成検査済み証あるいは点検記録の備えつけ、危険物取扱者の同乗義務、これも必要なくなります。タンクの容量は三万リットルを超えても制限がなくなると同時に、標識の設置も必要なくなります。
 川崎のコンビナートで危険物の管理をしている専門家の意見では、一たん火がつけば、動物や植物の油であろうが石油の一類、二類、三類、四類であろうが、その区別なく燃え続けるという危険物の本質には変わりはない、引火点だけに着目して危険物から外してもその本質は変わらない、これまで比較的事故が少なかったのは危険物として一定の規制の枠がはめられていたからである、危険物を扱う我々の立場としては安全面での規制緩和には反対であると言っております。
 これらの点から考えて、被害拡大の危険性が増大する法改正は認められません。
 反対の第二の理由は、引火点を基準にして危険物から除外することは、その引火点をさらに引き下げる方向に道を開くことになるからであります。
 アメリカでは、引火点の基準を九十三度にしていますが、日本の財界はこのアメリカの基準を国際基準だとして、引火点百三十度、さらに百度以上のものを危険物から外すように求めています。今回の二百五十度はその第一段階であります。アメリカと日本では条件が違います。国土が広く、木造住宅の少ないアメリカに比べ、日本は木造家屋が密集する住宅地が多く、かつ地震災害の多い日本に、アメリカの基準を機械的に当てはめることは適切ではありません。
 今回の法改正は、一たん火がつけば極めて危険なものを、今後も引火点を基準にして危険物から除外するための突破口となるものであり、安全性第一という消防法の精神から見ても認められないものであります。
 なお、群馬県の化学工場爆発事故の原因であったヒドロキシルアミン類を危険物として指定することには、私自身も二回現地調査に行きまして、その危険性と被害の実態をよく調査し、政府に質問主意書も提出して、その管理や取り扱いに関する規制を要求してきたものであります。この点に関しては賛成であります。
 日本共産党は、国民の生命と財産を守ることが政治の第一の課題であると考えています。今後とも、新たな危険物の規制など、消防法の一層の強化が必要であることを強調し、反対討論を終わります。
 以上であります。
#94
○委員長(溝手顕正君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、消防法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#95
○委員長(溝手顕正君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#96
○委員長(溝手顕正君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#98
○委員長(溝手顕正君) 次に、特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相互承認の実施に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。
#99
○国務大臣(片山虎之助君) 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相互承認の実施に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国及び欧州共同体が相互の市場への進出を容易にし、貿易を促進する上で製品に係る規格への適合性の評価を相互に承認することが重要であること、また、規格の国際的な調和の促進を図ることに相互承認協定が積極的に寄与し得ること等にかんがみ、相互承認に関する日本国と欧州共同体との間の協定への署名を本年四月に済ませたところであります。
 この協定につきましては、今国会に提出され、既に承認をいただいているところでありますが、我が国としては、この協定の的確な実施を確保するために、通信端末機器、無線機器及び電気製品に係る国外適合性評価事業の認定等に必要な事項を定めるほか、電気通信事業法、電波法及び電気用品安全法の特例を定める等の国内法整備を行うことが必要であります。
 このような要請に対応するため、今般、本法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、欧州共同体向けの通信端末機器、無線機器及び電気製品に係る国外適合性評価事業を行おうとする者は、協定に定める欧州共同体の基準に適合していると認められるときは主務大臣の認定を受けることができるものとし、認定を受けた者について協定に従い登録の手続をとる旨を規定するとともに、必要な監督措置を整備しております。また、主務大臣は、国外適合性評価事業の認定に当たり、その指定する指定調査機関等に認定に関する調査の全部または一部を行わせることができることとしております。
 第二に、登録を受けた欧州共同体の適合性評価機関が実施した、我が国向けの端末機器、特定無線設備及び特定電気用品に関する我が国の関係法令に定める技術上の要件への適合性評価の結果を我が国において受け入れることができるようにするため、電気通信事業法、電波法及び電気用品安全法の特例を定めることとしております。
 以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律案は、一部を除き、協定の効力発生の日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#100
○委員長(溝手顕正君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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