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2001/06/28 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 総務委員会 第19号
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2001/06/28 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 総務委員会 第19号

#1
第151回国会 総務委員会 第19号
平成十三年六月二十八日(木曜日)
   午前十時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十六日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     須藤良太郎君
     野間  赳君     関谷 勝嗣君
     富樫 練三君     筆坂 秀世君
 六月二十七日
    辞任         補欠選任
     須藤良太郎君     岩城 光英君
     円 より子君     高橋 千秋君
     木庭健太郎君     鶴岡  洋君
     筆坂 秀世君     富樫 練三君
 六月二十八日
    辞任         補欠選任
     岩井 國臣君     河本 英典君
     鶴岡  洋君     益田 洋介君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                入澤  肇君
                岩城 光英君
                海老原義彦君
                浅尾慶一郎君
                宮本 岳志君
    委 員
                景山俊太郎君
                鎌田 要人君
                河本 英典君
                久世 公堯君
                世耕 弘成君
                常田 享詳君
                輿石  東君
                高嶋 良充君
                高橋 千秋君
                弘友 和夫君
                益田 洋介君
                富樫 練三君
                八田ひろ子君
                松岡滿壽男君
                高橋 令則君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
   副大臣
       総務副大臣    小坂 憲次君
       外務副大臣    植竹 繁雄君
       経済産業副大臣  松田 岩夫君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  景山俊太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局選挙部長    大竹 邦実君
       総務省総合通信
       基盤局長     金澤  薫君
       総務省政策統括
       官        高原 耕三君
       外務省経済局長  田中  均君
       厚生労働大臣官
       房審議官     鶴田 康則君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相
 互承認の実施に関する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○防衛庁を省に昇格させることに関する請願(第
 一九〇五号外三件)
○行政の公正・中立性を確保するための公務員制
 度確立等に関する請願(第二一四三号外六〇件
 )
○継続調査要求に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(溝手顕正君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十六日、野間赳君が委員を辞任され、その補欠として関谷勝嗣君が選任されました。
 また、昨日、円より子君及び木庭健太郎君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君及び鶴岡洋君が選任されました。
 また、本日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として益田洋介君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(溝手顕正君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に岩城光英君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(溝手顕正君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相互承認の実施に関する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省自治行政局選挙部長大竹邦実君、総務省総合通信基盤局長金澤薫君、総務省政策統括官高原耕三君、外務省経済局長田中均君、厚生労働大臣官房審議官鶴田康則君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(溝手顕正君) 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相互承認の実施に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は去る二十六日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。
 まず、本法案について幾つか総論的な見地から伺わさせていただきたいと思います。
 この法案は日本と欧州共同体との間の相互承認協定が背景にあるというふうに承知しておりますけれども、この相互承認協定は日本にとって初めての二国間の相互承認協定であるというふうに思っておりますが、この協定の内容やあるいは署名の経緯、国会での審議等について簡潔に外務省に伺いたいと思います。
#9
○副大臣(植竹繁雄君) ただいまの浅尾委員の御質問の件でございますが、日本・欧州共同体相互承認協定は、通信機器、電気製品、化学品及び医薬品の四分野につきまして、輸出国で行われる一定の手続を輸入国が受け入れるために必要な法的枠組みを定めるものであります。
 署名の経緯につきましてでございますが、平成七年五月に欧州側と協議を始めまして、各国の国内制度についての調査研究を行った後に、平成十年十月の日本・EU閣僚会議におきまして、前述の四分野について協定締結交渉を行うことで意見が一致いたしました。これを受けまして締結交渉を行ってまいりました結果、本年四月四日にブラッセルにおいて署名が行われたところであります。
 国会での審議状況につきましては、衆議院におきましては、去る五月三十日、外務委員会で審議が行われ、翌三十一日、本会議で採決が行われました。また、参議院におきましては、六月五日、外交防衛委員会で審議が行われ、翌六日、参議院本会議で採決が行われました。
 以上でございます。
#10
○浅尾慶一郎君 それでは、この相互承認協定が実際に発効することによって、日本からEU、欧州には特定輸出機器が多少恐らく輸出がしやすくなると。それは具体的には、検査期間が短縮されたり、あるいは検査に係る費用が削減されたりということなんだと思いますけれども、これがどの程度検査期間が短くなるのか、あるいは費用がどのくらい削減されるかということを具体例に基づいてお伺いしたいと思いますが、経済産業省、いかがでございましょうか。
#11
○副大臣(松田岩夫君) お答え申し上げます。
 この協定の発効によりまして、我が国と欧州共同体との間で通信端末機器等の特定機器を輸出する際に、相手国で必要とされる手続を輸出国側で実施することが可能となります。その結果、これらの製品を相手国に輸出する際にこれまで必要でありました翻訳、現地出張、現地事務所の開設等の費用が節約されますとともに検査期間が短縮されまして、我が国と欧州共同体との間におけるこれらの製品の貿易の円滑化が大いに期待されるわけであります。
 協定実施によりまして具体的、定量的な効果はいかがかということでございますが、なかなか数値で示すということは難しいところもございますが、ある民間シンクタンクの調査によりますと、例えば検査に係る直接的な費用や人件費の削減、検査期間の短縮による機会損失の回復による効果をあわせまして、今後五年間で、これらの品目にかかわります分で約二百五十億円程度の経済効果があるのではないかとの試算もございます。
 より具体的な例としては、例えばパソコンの場合、この民間シンクタンクが企業ヒアリング結果等をもとに試算したものといたしまして、一型式当たり直接コスト、人件費が約百二十万円かかっていたものが約七十万円に削減され、また期間の短縮に伴いまして機会損失が回復されるわけでございますが、その効果をあわせますと約八百五十万円程度のコスト削減効果があるとの試算もございます。
 また、今申しました検査期間についてでございますが、例えば通信機器について申しますと、現在およそ二カ月程度要しているものが相互承認協定の実施によりまして二週間程度に短縮されるとしている企業もございます。
#12
○浅尾慶一郎君 わかりました。
 日本からの輸出の場合はよくわかりましたが、逆にEUの製品を輸入する場合はどんな感じになりますでしょうか。
#13
○副大臣(松田岩夫君) 先ほど申し述べました民間シンクタンクの同じく調査によってお答えいたしますと、協定の発効が欧州製品の価格に実際に与える影響、これもまた数字的にはなかなか難しい面があるわけでございますが、この調査によりますと、欧州において日本と同程度のコスト削減効果があると仮定いたしまして考えてみますと、製品の種類によって若干違いますけれども、製品価格のおおむね〇・一%から〇・二%程度の低下が見込まれるのではないかと試算が出てございます。
 このように、欧州製品の対日輸出に関しましても協定の発効によってコスト削減等の効果が期待できるものと考えております。
#14
○浅尾慶一郎君 それでは、総論のところの最後で大臣にお伺いしたいと思いますが、本法案はこの協定の発効のためにどういう効果を持っているか、具体的に御教示をいただきたいと思います。
#15
○副大臣(小坂憲次君) ただいま植竹副大臣、松田副大臣が答弁申し上げましたように、本協定が発効いたしますと、我が国及び欧州共同体が相互の市場への進出を容易にしまして貿易を促進する効果が出るということでございます。
 そういった観点から、我が国は、欧州向けの適合性評価機関の監督をする、あるいは協定上、登録された適合性評価機関の実施した適合性評価結果の受け入れ等が義務づけられてくることになりますので、その当該義務を履行するために国内的な措置を講ずることが協定の発効の前提となっております。
 その意味で、本法案において必要な措置を講ずることとしたわけでございまして、具体的に申し上げますと、第一に、主務大臣は、輸出用の製品が欧州の技術基準に適合していることの適合性評価の事業を行おうとする者から申請があり、また協定の定める欧州の指定基準に合致していると認められる場合には欧州向けの適合性評価機関としてこれを主務大臣が認定することになるわけであります。
 また第二に、今度は、欧州製品について欧州の適合性評価機関が実施した我が国の技術基準への適合性評価結果を我が国において受け入れるために、そういうために電気通信事業法あるいは電波法あるいは電気用品安全法の特例を設けて、これを可能とするように規定しているところでございます。
 以上がこの必要性と具体的な内容でございます。
#16
○浅尾慶一郎君 それでは、この法律で定めるところの特定輸出機器あるいは特定輸入機器といったようなものについて伺ってまいりたいというふうに思います。
 まず、特定輸出機器についてでありますけれども、この法律の第二条二項一号で定める特定輸出機器の具体例を挙げていただきたいと思います。なおかつ、これは日本から輸出するものだと思いますけれども、それに当たらないものというものも何か具体的に挙げていただければと思います。
#17
○大臣政務官(景山俊太郎君) お答えいたします。
 本法第二条第二項第一号に規定されております通信端末機器、電話機とかファクスとか携帯電話でありますが、そういったものと無線機器、こういうものにつきまして、日本と欧州共同体相互承認協定の通信端末機器及び無線機器に関する分野別附属書におきまして、これを定める欧州側の関係法令としてRアンドTTE指令、RアンドTTE指令というのは、無線機器及び通信端末機器並びにこれらの適合性の相互承認に関する欧州議会及び閣僚理事会の指令というのを簡単にRアンドTTE指令と言いますけれども、これで規定されております。
 当該欧州側の法令によりまして、通信端末機器及び無線機器の具体例といたしましては、電話機、携帯電話、ファクス、こういったものが対象になっております。ただし、あわせまして適用除外となる製品も列挙されておりまして、これは特に治安とか国防、捜査関係に類するものでありまして、船舶用の無線機器、航空用、航空管制用の無線機器等が対象にならないものとして挙げてございます。
 以上でございます。
#18
○浅尾慶一郎君 同じく特定輸出機器の電気製品について伺ってまいりたいと思いますが、今の景山政務官の御説明からもわかるように、私の理解では、日本から輸出する場合は基本的にはこういうものはだめよというネガティブリストになっているんだと思いますが、その適合する具体例とネガティブリストに当たる具体例を挙げていただきたいと思います。
#19
○副大臣(松田岩夫君) 本法第二条第二項第二号に規定されております電気製品についてのお尋ねでございますが、欧州側の法令によりますと、交流で五十ボルトから千ボルト、直流で七十五ボルトから千五百ボルトの定格電圧で使用するよう設計されたほとんどのあらゆる機器が対象となっております。
 本法第二条第二項第二号の電気製品の具体例、ほとんどの製品が対象になっているわけでございますが、具体例として例えば申しますと、家電製品全般、電気工具等でございます。また、本法の対象とならない製品の具体例につきましても、先ほど申し上げました欧州側の法令におきまして適用除外となる製品が列挙されておりまして、具体的には医療目的のための電気機器、リフト、電気メーター等が対象とならない製品として挙げられております。
#20
○浅尾慶一郎君 次に、第二条三項で定める、今度は日本が輸入をする側の特定輸入機器について具体例を伺いたいと思います。
 日本が輸入するものについてはリストがあって、それに当たるもの以外は基本的には当てはまらないという理解でいいんだと思いますが、その点の確認も含めて御答弁をいただきたいと思います。
#21
○副大臣(松田岩夫君) 電気製品分野におきます特定輸入機器は、電気用品安全法第二条第二項に規定されます特定電気用品であります。
 特定電気用品は、その構造または使用方法等によりまして感電、火災等の危険や障害を発生するおそれが多い電気用品として百十二品目が指定されております。具体的に例示を申し上げますと、電気温水器、電気ポンプ、直流電源装置及び電線等であります。特定電気用品以外の電気製品の例といたしましては、例えばテレビ、冷蔵庫、エアコン等、家電製品や照明器具、モーター等がございます。
#22
○副大臣(小坂憲次君) 委員御指摘のように、日本の場合は限定列挙型になっておりまして、八十六品目の特定無線設備及び十七品目の端末機器が日欧相互承認協定の対象となっているところでございまして、これに対して欧州の規制は包括的なものとなっておりまして、ほぼすべてが欧州側の法令に基づく適合性評価の対象となっております。
 ただ、一部、治安、国防関係の機器につきましては適用除外となっておりまして、具体的に申し上げますと、マイクロ波帯の固定局など比較的規模の大きい無線局に使用するための無線設備につきましては、我が国における電波法における技術基準適合証明の対象となっておりませんので、この結果、特定輸出機器の品目の方が多くなってくるような結果になります。
 しかしながら、いずれにしても、これは欧州と日本が相互に貿易の上での円滑な発展ということでございますので、連絡をとり合ってまいりますので、これによってどっちかが得するとか損するとかというような性格ではございませんが、現在、厳格に読みますと、こういう形になってまいります。
#23
○浅尾慶一郎君 大分、次の質問の部分も含めてお答えいただいたんじゃないかなと思うんですが、つまり、特定輸出機器と特定輸入機器で定められている分野が必ずしも一〇〇%重なっていないというのがこの法案の特徴なのではないかなというふうに思うわけであります。特定輸出機器として定められているけれども特定輸入機器としては定められていないものもあるでしょうし、場合によっては、今お答えいただいたように、特定輸出機器として定められていないけれども特定輸入機器として定められているものがあるのではないかなというふうに思うわけであります。
 そこで、そういった品目、要するに両方で合致しない品目について具体例をお答えいただきたいと思います。
#24
○副大臣(松田岩夫君) 電気製品につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、欧州の規制対象品目は包括的なものとなっておりまして、一般的に電気製品と呼ばれるものはほぼすべてが規制の対象となっております。他方、日本の方は、日本の電気用品安全法の対象品目は限定列挙でございまして、先ほど申しましたように百十二品目の特定電気製品のみがこの協定の対象となっております。
 具体的に申しますと、欧州において規制の対象となっており、日・欧州相互承認協定の締結によって日本からの輸出品のみの円滑化効果が期待される品目としては、パソコン等のIT機器、ビデオ、テレビ等の家電製品等、多くの電気製品がその例として挙げられます。一方、我が国の規制の対象であり、本協定により輸入面のみにおいて円滑効果と申しますか、そういうものが期待される品目といたしましては、コンセント、差し込みプラグ、携帯発電機等の品目が一部含まれております。
 しかし、全体として申し上げれば、規制対象品目は、先ほど小坂副大臣からもありましたが、欧州の方が広くなっているところでございまして、総じて電気製品の分野に関する円滑化効果は我が国において大きいのではないかと考えられます。
 また、輸入の面において特定の産業に対して大きな影響を与えるといったことは、相互の円滑化のための改善措置でございますので、そういう何か輸入の面で特定の産業に大きな影響を与えるといったことは想定しなくてもいいのではないか、想定しがたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、相互承認の推進に当たりましては、貿易に与える効果というものもよく見ながら、今後とも市場の規模だとか産業界のニーズといった要素についても十分注視しながら、運用に当たってはいろいろ注意していきたいと考えております。
#25
○副大臣(小坂憲次君) 若干先ほど第二条三項の問いと第二条二項の問いとを混同してお答えした部分もあるかと思いますので、あわせてもう一度お答えしておきます。
 第二条三項の「特定輸入機器」については電気通信事業法の関連ということでございますので、電気通信事業法第五十条の総務省令で定められているものでございまして、具体的には電話機とかファクスとかモデム等でございます。また、第二条三項第二号の「特定無線設備」でいいますと、小規模な無線局に使用する設備でございますので、電波法第三十八条の二の総務省令で定められているものでございまして、具体的には携帯電話機、無線LAN、タクシー無線等の業務用無線機等でございます。
 そして、この第二条第二項の「特定輸出機器」と第三項の「特定輸入機器」の差でございますけれども、これにつきましては先ほど申し上げたような形で、今、松田副大臣の答弁にありましたように総じて欧州の方が包括的になっておりまして多いわけでございますが、マイクロ波帯固定局などの例外があるところでございます。
#26
○浅尾慶一郎君 おっしゃるように、総じて日本側の方が、ポジティブリストとネガティブリストの多分性格の違いから多くのものが対象になって、輸出される方が、まあ有利不利という言葉は余り使いたくないんでしょうけれども、多くの品目が対象になるということなのかなという気はいたします。
 今お答えいただいたように、仮に輸入だけが、ある特定の品目については欧州側の製造業者にとっては特定輸入機器の指定を受けられる、しかしながら日本で同じものをつくっている業者が特定輸出機器として指定を受けられないということも当然考えられるんだと思うんです。そのことについて、先ほどの松田副大臣の御答弁では、それはそれである面仕方がないという感じというふうに受けとめたわけでございます。
 再度の繰り返しで恐縮ですけれども、輸入だけがある面促進されるという言い方がいいかどうかは別として、例えば、国内用のコンセント差し込みプラグといったようなものをつくっている業者にとってみれば、欧州の業者はそのまま特定輸入機器として認証を受ければある面欧州からの輸出が短縮される、間接経費が削減されると。ところが、日本の輸出を考えた場合には間接経費が削減されないということがあるんだと思いますが、少なくとも、そうした国内業者に何らかのそういうことになりますよということのPRあるいは通知はされるんでしょうか。
#27
○副大臣(松田岩夫君) 先ほども申し上げましたが、円滑化効果を双方認め合いましてこの制度を導入するわけでありますが、委員御指摘のように、輸入の面において特定の産業にとって、今、委員がおっしゃるように、向こうの産業にとっては円滑化されることに伴いまして当方の日本の産業に影響が若干あるのではないかという点でございますが、先ほどの御質問でも委員からどの程度の効果があるのかというお話で私答弁させていただきましたけれども、トータルのコストの例えば〇・二とか〇・三とかいう手続上のコスト減になるのではないかという御答弁を申し上げさせていただきました。それでも大きいと言えば大きいわけでございます。
 事柄といいますか、量的な感覚としてはそんなふうに受けとめておるということをまず踏まえさせていただきまして、今おっしゃった点につきまして、PRその他、いろいろ御理解をいただくという努力も当然あわせてさせていただくつもりでございます。
#28
○浅尾慶一郎君 同じ質問を、総務省が所管しております例えばマイクロ波無線機をつくっている国内事業者に対して、こういうことになりますよというようなことは通知される御意思があるかどうか、伺いたいと思います。
#29
○副大臣(小坂憲次君) 今、松田副大臣が御答弁申し上げたのと同じような意味において私どもも十分な広報を行ってまいりたいと存じますし、また、先ほども申し上げましたが、本協定の実効性を担保するために本法律が施行される中で国内業者が不利益をこうむることのないように、また欧州側との円滑なこの法律の運用、趣旨が達成されるように協議を進めてまいりたいと考えております。
#30
○浅尾慶一郎君 では、ちょっと進めさせていただいて、いわゆる国外適合性評価事業ということが法律の中で定められておりますけれども、ちょっと言葉がかたいものですから、この国外適合性評価事業を行う者というものは一体どんな機関であるか、なかなか具体的に名前まで挙げてというのは答えづらいのかもしれませんが、どういうところがあるだろうなと予想されるかということをお答えいただけますでしょうか。
#31
○副大臣(小坂憲次君) 適合性評価機関の認定につきましては、今、委員が御指摘のように、申請を待って対処をすることとしておりまして、現時点で特定の者を想定しているということではございませんので、名前を挙げてというようなことはなかなか難しいわけでございますが、しかしながら、かみ砕いて申し上げると、本法案において言っておりますところの国外適合性評価事業を行う者というのは、特定輸出機器についてRアンドTTEというEU指令、それから電磁両立性指令という、これはいわゆる電磁的な影響があるかないか、ペースメーカーに対する影響みたいなものですね、あるいは低電圧指令というようなもので感電の安全性というようなものに基づいて適合性評価を行うものでありまして、この要件としては、国際的な指針でありますISO、IECガイドに則して定められる技術的能力あるいは財政的な基礎、公正性、こういったようなものを主務大臣がこの基準に合致しているかどうかを判断していくわけでございます。
 現在、国内で本法案の国外適合性評価事業と同様な事業を行っている機関があるかということで見てみますと、電気通信事業法の関係でいきますと財団法人電気通信端末機器審査協会という機関がございますし、また、電波法関連でいきまして指定証明機関という形で見ますと、財団法人テレコムエンジニアリングセンター、または財団法人日本アマチュア無線振興協会等という機関がございます。また、電気用品安全法関連を見ますと、認定検査機関といたしまして財団法人日本品質保証機構、財団法人電気安全環境研究所、あるいは社団法人電線総合技術センター等という機関があるわけでございまして、例として申し上げたわけでございますが、こういったような国内にも類似の機関がございますので、そういったところがどのようにお考えになるかわかりませんが、具体的なイメージとして御説明を申し上げればこういうことでございます。
#32
○浅尾慶一郎君 経済産業省に同じようなことを伺ってもきっと重なってくると思いますので、結構でございます。
 それで、五条の方に移らさせていただきたいと思いますが、五条の中で今言われた国外適合性評価事業の認定の基準について定めておりますが、すべて裏にあります協定をそのまま引っ張ってありまして、「指定基準」という書き方になっておりますが、この指定基準というのが具体的にどのような基準かいま一つわかりませんので、その点についてわかりやすくお答えいただけますでしょうか。
#33
○大臣政務官(景山俊太郎君) 国外適合性評価機関の認定の基準は、欧州が定めます指定基準に即しまして主務省令で定めることになっております。欧州の指定基準は、通信機器分野、電気製品分野、それぞれに該当する指令で定められておりますが、基準に合致しているか否かというのは、適合性評価機関が満たすべき要件を定めました国際的指針であります、先ほど副大臣も言われましたが、ISO、IECガイドへの適合性をもって判断することになっております。
 ISO、IECガイドには、一つ、機関及び職員の公正性が確保されていること、二つには、適合性評価の業務に必要な技術的、財政的基盤を持つこと、三つには、業務に必要な人員がきちんと確保されていること、四つには、各種手続が文書化されていること、こういったことが定められておりまして、これに即しまして、主務省令におきまして認定の基準を定めることになっておるところでございます。
#34
○浅尾慶一郎君 それでは、第十四条の方に移らさせていただきたいと思いますが、ここに「指定調査機関」という形でまた言葉が出てまいりますが、これは具体的にはどのような機関を想定されておるか、伺いたいと思います。
#35
○副大臣(小坂憲次君) 指定調査機関についてのお問い合わせでございますが、指定調査機関というのは、総務大臣が、指定調査機関に認定適合性評価機関の認定に必要な実地の調査を行わせることができるとされておるところでございまして、当該指定調査機関につきましては、申請者が技術的能力、また財政的基盤、公正性等の指定の基準に合致していれば指定の対象となるところでございます。
 現在、国内において試験場認定等、同様の業務を実施している法人も見受けられるところでありまして、これらの機関は指定調査機関の対象として想定し得るということでございますが、指定調査機関の指定は申請を待って対処することとしておりまして、現時点での特定のものを想定しているということではございません。したがいまして、具体的名前というのは今のところ想定をしていないところでございます。
#36
○浅尾慶一郎君 それでは、次に移りたいと思いますが、第三十一条の関係で、総務省令で定める表示ということが記されております。これは、例えば携帯電話の裏の電池のところについているいろんなマーク等、現在使われているものがあると思いますが、新たに相互承認によって特定輸入機器として日本に入ってくるものについて、どのような表示をされるか決まっておりますでしょうか。
#37
○大臣政務官(景山俊太郎君) 当該表示につきましては、具体的には目下検討中でございますが、国内での技術基準適合認定を受けました機器と欧州において適合性評価を受けた機器との区別が可能となりますように表示をしたいと思います。
 現在、皆様方の携帯電話なんかについていると思うんですが、こういうマークがついておりまして、(資料を示す)何かこれに類して、もうちょっと表示がわかりやすいようにしていくということになろうと思っています。携帯電話はここをあけるとついておりますので、ごらんになっていただければいいと思います。
 現在、技術基準適合認定を受けました端末機器には、電気通信事業法第五十条第四項の、総務省令で定めて今のこのTの字を用いた表示を示すことにいたしておるところでございます。
#38
○浅尾慶一郎君 今の話はよくわかりましたので、なるたけわかりやすい表示にしていただければと、このように思います。
 登録外国適合性評価機関、海外の評価機関が行う認定の精度あるいは公正さというものは、基本的には海外の機関を一義的には信用するということなんでしょうけれども、その精度というものはどうやって担保しようとしておられますでしょうか。
#39
○副大臣(小坂憲次君) 欧州の適合性評価機関の登録に先立ちまして、我が国としましては、当該機関が日本の関係法令に定めるところの業務の公正性等を担保するための指定基準を満たしているかどうかを検討することにいたしております。そしてまた、必要な場合には当該機関に対する我が国と欧州による合同検証も可能であります。また、登録後も欧州の適合性評価機関が日本の指定基準を満たしていないと考えられる場合には、異議申し立てを行いまして適合性評価手続の結果の受け入れを停止することが可能でございます。
 このような仕組みを通じまして、認定等適合性評価の業務の精度や公正性を確保する所存でございますし、万一、欧州側で適合性評価を行った製品について我が国で事故があったような場合、この場合には、法的責任についても一般的には製造物責任法等に基づく輸入業者の賠償責任が考えられますので、こういったいろいろな方法で担保してまいりたいと考えております。
#40
○浅尾慶一郎君 今、製造物責任法のお話をいただきましたけれども、それは確かに輸入業者あるいは実際にその物をつくっている業者の責任であるんだと思います。
 問題は、検査をした海外の機関についてもある面、検査をするという行為に対して当然責任を負ってくるということだと思います。万一事故があった場合に、国内の検査機関であればその根拠法規に基づいて国内の検査機関に対して行政罰等ということも考えられるんだろうと思いますが、海外の機関の場合には、国民がそれによって仮に被害に遭った場合に、その機関に対してはどうやって法的責任を問うていくおつもりか、伺いたいと思います。
#41
○副大臣(小坂憲次君) 欧州の適合性評価機関が行う認定等につきましては、電気通信事業法の指定認定機関が行う認定と異なりまして国の事務の代行性がないことから、欧州の適合性評価機関の認定等に問題があった場合に、消費者との間で国は法的な責任は生じないというふうに理解をいたしております。
 しかしながら、相互承認の制度を運用する行政機関として、消費者からの情報を受けて、先ほども申し上げましたように、欧州側への異議申し立てといった必要な措置を講ずる、こういうことは必要だと思っております。
 その際、総務省におきましては、それに対応するような窓口を指定していきたいと思っておりますが、先ほども申し上げましたように、一般的な責任という面におきまして、製造物責任法に基づく輸入業者の賠償責任ということが考えられるところでございます。
#42
○浅尾慶一郎君 それでは今の、窓口を設けたいということでありますが、総務省が所管する分野について海外の登録外国適合性評価機関に対する日本の国内の消費者が持っていく窓口というのは、総務省の中でどこの課を想定しておられますか。
#43
○副大臣(小坂憲次君) 政策評価広報課が行政の相談窓口として対応することになるかと思っております。
#44
○浅尾慶一郎君 経済産業省は電気製品を担当しておられますけれども、同趣旨のことについて、窓口はどこに置かれるつもりですか。
#45
○副大臣(松田岩夫君) 担当窓口の御質問でございますが、お答えいたします。
 主として、消費者の使用に供される製品につきましては経済産業省商務情報政策局製品安全課、それ以外の各種部材につきましては原子力安全・保安院電力安全課で所管していただくことになっております。
 また、経済産業省の場合、各地域に経済産業局がございます。各経済産業局の施設課もまたこの担当の窓口になる予定にいたしております。
#46
○浅尾慶一郎君 そうすると、確認でございますけれども、事故があった場合、当然電気製品であっても通信関係の製品であっても一義的には輸入業者がPL法において責任を負うというのは私もそのとおりだと思いますが、検査機関に対する何らかのクレーム、特にこれは海外のことですからどういう形で行うかというのはわかりませんが、日本の法で言えば、多分検査をした、しかも検査に瑕疵があった場合には民法上の恐らく不法行為による損害賠償ということが考えられるんだと思いますが、再度の確認で恐縮でありますけれども、仮にそういうような事態があった場合には総務省あるいは経済産業省においてそれぞれの製品に応じて今おっしゃった課が窓口になるという理解でよろしいでしょうか。
#47
○副大臣(小坂憲次君) そのとおりでございます。
#48
○副大臣(松田岩夫君) そのとおりでございますが、さらに今おっしゃいましたように、消費者に損害が生じたような場合でも一義的には輸入事業者に責任が生ずることになるわけでございますが、経済産業省といたしましても速やかに異議申し立てやセーフガード措置を発動してまいりたいと考えております。
 国内法に基づきますセーフガード措置が認められておるわけでございまして、電気用品安全法の基準適合義務等の規定に違反した輸入製品によって日本国民が事故に遭った場合には、電気用品安全法の規定に基づきまして、輸入事業者に対して製品の回収命令等の措置をとることができることになってございます。こうしたセーフガード措置も当然のことながら発動してまいる考えでおります。
#49
○浅尾慶一郎君 次に、三十五条の方に移らさせていただきたいと思いますが、三十五条におきまして一号で「国際証明書」ということが言葉として出てまいります。この国際証明書というものは具体的にどのようなものかというのがいま一つわからないものですから、どんなものかお答えいただければと思います。
#50
○副大臣(松田岩夫君) 三十五条に規定いたします国際証明書についての御質問でございますが、これは日・欧州共同体相互承認協定により登録された欧州の適合性評価機関が特定輸入機器について適合性検査を行い、電気用品安全法の技術基準等に適合していることを証明するものでございます。
 証明書に記載されるべき事項は、今後経済産業省令で定めていくこととしておりますけれども、電気用品安全法によります証明書と同様の事項とすることを考えております。
#51
○浅尾慶一郎君 同じく三十五条の第三号の、これは今のお答えで同じというふうに考えればいいんですか。
#52
○副大臣(松田岩夫君) 三号に規定いたします「国際証明書と同等なものとして経済産業省令で定める証明書」についての御質問でございますが、我が国の輸入事業者が入手いたしました欧州の製造事業者が本法に準拠して保有する証明書の写しを主に念頭に置いております。
 輸入事業者が当該写しを保有することによりまして、改めて電気用品安全法に基づきます適合性検査を受けることなく日本国内で当該電気用品を販売することが可能となるわけでございます。
#53
○浅尾慶一郎君 それでは、次に移らさせていただきたいと思いますが、この法案の対象となる機器というのは大変幅広いものだと思います。特に、国民が日常生活で使用するものが大変多いというふうに考えております。その意味では、安全性の確保というものが大変重要になってくるんだろうと思いますが、今までのお話である程度わかるんですけれども、その対策というものはどういうふうに考えておられるか、お答えいただきたいと思います。
#54
○国務大臣(片山虎之助君) この協定は、我が国と欧州とで制度的、技術的に同等性が確認された分野を対象にしているということと、それから欧州の適合性評価機関がこれは安全性の上から見ても十分能力があると、我が国の基準を向こうで使ってもらう、そして能力がある評価機関についてはヨーロッパの方でしっかり監督してもらう、こういうことでございますから、その点、私は安全性の確保は心配ないと思います。問題が起これば異議の申し立てだとかセーフティーガード措置だとかいろいろ担保を二重三重にとっておりますから、そういう意味で安全性の確保に万全を期したい、こういうふうに思っております。
#55
○浅尾慶一郎君 では、具体例で伺ってまいりたいと思いますが、それぞれ、総務省所管の例えば通信端末・無線機器あるいは経済産業省所管の電気製品について伺いますが、この法案が対象といたします特定輸入機器に該当する輸入製品が今までに日本国内で事故を起こした事例というのを把握されておられますでしょうか。
#56
○大臣政務官(景山俊太郎君) 幸いなことに、今まで事故を起こしたという事実は把握いたしておりません。
#57
○浅尾慶一郎君 経済産業省。
#58
○副大臣(松田岩夫君) 我が省といたしましても、総務省と同じことでございますが、収集した事故の情報の中では、過去五年間調べてみますと、本法案の特定輸入機器に該当する欧州からの輸入製品が日本国内で事故を起こしたという事例は見当たりません。
#59
○浅尾慶一郎君 それでは、最後の質問にさせていただきますけれども、基本的にはそう大きな問題がないと、今のお答えでなかったということであろうかと思いますが、新しい制度を入れられるということである程度国民に対して、今度新しい制度になりますよというようなPRということも考えていく必要があるのかなと思いますが、具体的に何か考えておられますか。その点を伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(片山虎之助君) 国際化時代にこういう制度というのはこれからいろいろ、場合によってはもっと広がっていくということがありますが、新しい制度ですから国民の皆さんに十分わかっていただく、周知、広報する必要があると思います。
 法案が成立いたしますれば、総務省のいろいろな広報手段を使いたいと、まずホームページに必ず載せるということにいたしますし、広報室その他でもぜひ周知徹底を図ってまいりたいと、こう思っておりますので、ひとつ御指導、御協力をよろしくお願いします。
#61
○浅尾慶一郎君 大体、用意した質問が終わりましたので、ここで終わりたいと思います。
    ─────────────
#62
○委員長(溝手顕正君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岩井國臣君が委員を辞任され、その補欠として河本英典君が選任されました。
    ─────────────
#63
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 この法案は、通信端末・無線機器と電気製品についての基準・認証を日本とEUでお互いに受け入れるものであります。基準・認証制度とは、製品や施設設備が満たすべき基準とそれが満たされていることを確認する方法について定めるものだというふうに思うんですね。
 本法案の衆議院での審議の中で、平沼経済産業大臣は、国民の生命、財産の保護は、言うまでもなく、基準・認証制度の果たすべき最も重要な目的と答弁されました。通信端末については、これまでの質問で取り上げてきた携帯電話の電波による健康リスクという問題もあります。総務大臣も経済産業大臣と同様に国民の生命、財産の保護はこの制度の最も重要な目的と、この認識で間違いございませんね、総務大臣。
#64
○国務大臣(片山虎之助君) 平沼大臣がそういう答弁されたようでありますが、基本的には同じでありますが、これらの制度によりまして、電気通信機器の利用に係る手続の簡素化だとか、電波の混線による電波利用秩序全体への障害の防止だとか、電気通信ネットワークの損傷の防止等が図られることによって、国民の生命、身体等の安全を確保する、こういうことでございますから、国民の生命、身体の安全確保というのはもちろん一番大切なあれですけれども、その前段階の目的も十分満たす、こういうことでございます。
   〔委員長退席、理事海老原義彦君着席〕
 特に、携帯電話の電波の人体に与える影響につきましては、これは研究会をつくりまして研究を行ってまいりましたし、そのための省令の整備を六月に行ったところでございまして、今後とも国民の生命、財産の保護についても基準・認証制度の重要な目的の一つであると認識していろいろやってまいりたいと思っております。
#65
○宮本岳志君 今回の二つの品目について、日本の基準に合致しているというEU内の機関の認証を日本が受け入れる、そのかわりにEUに製品を輸出しようとする日本のメーカーも国内でEUの基準に合致、適合しているという認証を受けられるようになる、そのこと自体は合理性のある方法だと私どもも思います。
 しかし、基準・認証制度自体がいわゆる規制緩和の流れの中で政府認証から民間機関による第三者認証へ、さらには自己適合宣言方式へと緩められていく方向にあることは、国民の生命、財産の保護との関係で見過ごすことのできない問題をはらんでいるのではないかと思うんです。
 そこで、重ねて金澤局長にも確認をしておきたいと思います。この法律による相互認証制度の運用もあくまで国民の生命、財産の保護という目的の達成を損なわないことを大前提として行われるというのは当然のことだと思うんですけれども、それでよろしいですね。
#66
○政府参考人(金澤薫君) 相互承認協定により欧州は、製品の技術基準及び適合性評価機関の指定基準について我が国の基準を用いることが義務づけられております。また、指定した適合性評価機関を引き続き監督するということも義務づけられているところでございます。このため、国内の適合性評価機関が適合性を実施する場合と同等の安全性がまず確保されていると私ども考えているところでございます。
 また、本協定上、欧州の適合性評価機関の能力などに問題が生じた場合でございますけれども、欧州及び合同委員会に異議申し立てを行うことによりまして、その機関の適合性評価結果の受け入れを停止することができるということがございます。また、合同委員会が合同検証の実施を決定した場合、当該適合性評価機関の同意を得て、その適合性評価機関が我が国の指定基準を満たしているかどうかという点について合同検証という手もございます。また、健康または安全の保護のために必要なセーフガード、これは協定の十条でございますが、とることも認められていると。
 いろんな措置が講じられるわけでございまして、相互承認制度によりまして国民の生命、財産の保護という目的の達成に支障を及ぼすものではないというふうに私ども考えておりますけれども、先生のおっしゃいますように、国民の健康、生命、身体、財産の保護というものは当然重要な目的というふうに考えているところでございます。
#67
○宮本岳志君 この三月三十日に閣議決定された規制改革推進三カ年計画でも、「基準認証等の制定・運用に当たっては、国民の生命、身体、財産の保護などそれぞれの制度が本来目的としている様々な政策目的の達成に支障が生じないことを前提として、」と、こういう文言があります。くれぐれもこの基本的な立場を忘れないで政策の遂行に当たっていただきたい。
 さて、この法案は名前のとおり日本・EU間で既に結ばれている協定の実施のために提出されております。この協定の締結に当たっての交渉の当初では医療機器もその対象として検討されてきたと聞きました。今回、医療機器はこの協定の対象に含まれてはいないんですけれども、医療機器といえば携帯電話の電波のペースメーカーへの影響ということが社会問題となっておりまして、繰り返し国会へも請願が提出されているということがございます。
 ここに総務省の基盤局からもらった「電磁波が医療機器に与える影響について」という資料があります。これによりますと、医療機器の妨害波排除能力、イミュニティーというものについての国際規格がつくられていて、要するに今後製造される医療機器は携帯電話の電波などでは誤作動を起こさないようなものでなくてはならないとされております。この資料には、「欧州における規格」として、「医療機器指令に基づき医療機器はイミュニティを持つこととされている。」と書かれてありますけれども、この医療機器指令というのはEU域内で法律としての強制力を持つかどうか、外務省にお答えいただけますか。
#68
○政府参考人(田中均君) お尋ねの点でございますけれども、いわゆる医療機器指令につきましては、欧州共同体の域内で法的拘束力を持つものというふうに承知しております。
#69
○宮本岳志君 同じ資料には、「我が国の規格」として、「医療機器のイミュニティに関するガイドライン」ということが書かれてあります。「現在、日本工業規格(JIS)の策定を準備中」とございます。
 そこで、厚生労働省にお伺いしたい。このガイドラインや日本工業規格、JISは法的な拘束力を持ちますか。
#70
○政府参考人(鶴田康則君) 日本医療機器関係団体協議会が作成いたしました医用電気機器のEMC適合化基準、ガイドラインは業界団体が自主的に遵守する基準でございまして、法的な強制力を持つものではございません。
 また、工業標準化法に基づき、社団法人の電子情報技術産業協会が作成いたしました日本工業規格の、先生おっしゃられました原案につきましては、現在、日本工業規格として適当か否か鋭意検討を行っているところでございます。日本工業規格は法的な強制力を持ちませんが、本規格の内容を薬事法体系の中で活用することが可能か否かを検討してまいりたいと思っております。
   〔理事海老原義彦君退席、委員長着席〕
#71
○宮本岳志君 EUでは法的な拘束力を持たせてきちんとやっておるんです。日本では業界の自主的なガイドラインに任せている。今度はJIS規格にしようということですけれども、JISというのも別に強制的なものではございません。肝心なところではこうしてやはりEUと比べてもおくれているということを指摘しておきたいと思うんです。
 次に、携帯電話から発生する電波の影響について、これはペースメーカーだけでなくて、人体直接の影響という問題があります。これについては「携帯電話の電波防護基準について」という、これも基盤局の資料をいただきました。その冒頭には、「我が国において携帯電話に適用する電波防護基準は、以下に示すとおりEUの基準と同じであり、双方ともに強制規格化されることとなっている。強制規格化されれば相互承認協定(MRA)の対象となる予定。」と。EUと同じということが妙に誇らしげに書かれてあるわけです。ともかく、相互承認協定の対象ということですから、電磁波の直接人体への影響という問題は医療機器とは違って本法律案の射程の範囲に入る問題であります。
 この資料の1の(3)には、「電波防護基準の遵守を義務付けるため、関係省令を改正(平成十三年六月一日公布、平成十四年六月一日施行予定)。」と、さっき大臣がお触れになった省令の改正がありますと書いてあります。つまり、我が国では来年の六月まで待たないと法的な拘束力、強制力を持った規制はかからないということになると思うんですが、通信基盤局長、そうですね。
#72
○政府参考人(金澤薫君) 総務省では電波防護基準の遵守を義務づけるため、携帯電話端末に対して電波が人体へ吸収される量、いわゆるSARと言っていますが、の許容値を規定するための関係省令を改正し、来年六月より施行する予定でございまして、先生のおっしゃるとおりでございます。この結果、これ以降は電波防護基準は電波法に定める技術基準の一つとして法的な拘束力を持つこととなります。
 改正省令では、測定者の技能習得期間及び携帯電話の端末製造者の基準への対応措置期間、これを確保する必要があるということ、それから、国民への周知啓発により制度の円滑かつ着実な導入を図るために公布より一年間の経過措置を置いているということでございます。
 法的な強制力を持った規制は……
#73
○宮本岳志君 もういいです。つまり、来年六月なんですよ、強制力を持つのは。
 同じ資料の2、「EUの電波防護基準」のところを読むと、「RアンドTTE指令において、健康と安全性に関する規定に基づき強制化されているが、」云々とあります。このRアンドTTE指令がEUで出されたのはいつか、そしてこの指令によって何年何月をもってこれは強制化されたのか、これも外務省経済局、お答えいただけますか。
#74
○政府参考人(田中均君) 御質問のRアンドTTE指令でございますけれども、作成されましたのは一九九九年の三月九日でございまして、一九九九年の四月から発効をいたしました。
 この指令は、その後EU加盟各国における実施法令の整備を得まして、二〇〇〇年四月より適用が開始されております。したがって、この指令に盛り込まれたさまざまな技術上の基準というのは同じく二〇〇〇年四月から強制力のあるものとして適用されていると承知しております。
#75
○宮本岳志君 外務省、ありがとうございました。これで結構です。
 EUと同じと言うけれども、EUは既に一年以上前に強制化しているわけです。我が国は、先ほどの答弁でもあったように、来年六月から初めて強制化される。二年以上もおくれるということになるんですね。
 私は、昨年五月二十九日、参議院交通・情報通信委員会の質問で、この問題について、「結局、日本の携帯電話を外国で売るためには国際的な基準をクリアしておかなければならない。」、そちらに力点が置かれて、健康のためではなく業界の利益のために国際基準を研究しているのではないかと指摘をいたしましたけれども、改めてこのことが問われているのではないかと思うんです。大臣も局長も、国民の生命、財産の保護が大前提だと最初に約束をしていただきましたものですから、そういう決意でぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、これまで何度も取り上げてきた問題ですけれども、視聴覚障害者向け字幕放送の拡充の取り組みについてお伺いいたします。
 今、審議されている法案についてもグローバルスタンダードということが言われておりますけれども、一昨日の審議でも指摘をしたように、政府は都合のいいときだけ国際基準を持ち出すんですけれども、本当に自分たちのやっていることが国際的な基準に照らしても恥ずかしくないものかどうか、これは真剣に検討しておられるのかと私思うんですね。
 障害者への情報保障ということについて言いますと、国際的な趨勢はバリアフリーから今やユニバーサルデザインへと進みつつあります。つまり、視聴覚に障害のある方々にもテレビを楽しんでもらうために何か特別な対策をするという考え方ではなくて、障害があってもなくても楽しめるテレビというのが結局は健常者にとってもいいテレビなんだと、こういう考え方ですね。
 そこで、議論の前提として現状を大まかに確認しておきたいと思うんです。総務省のこれは統括官になりますか、総務省の基準でいうところの字幕付与可能番組とは何か、現在放送されている地上波のテレビ番組のうち字幕付与可能番組は総放送時間のおよそ何割になっているか、字幕付与可能番組に対するNHK及び民放の字幕付与率の実績、字幕付与可能とされていないにもかかわらず字幕付与がされている番組がNHKにあるかどうか、端的にお答えいただけますか。
#76
○政府参考人(高原耕三君) まず字幕付与可能番組の定義でございますが、一点目として、技術的に字幕を付与することができない放送番組、例えばニュースとかスポーツ中継とか生番組が一点目。二点目として、オープンキャプション、手話等による音声を説明している放送番組、字幕つき映画、手話ニュース等でございます。三点目として、外国語の番組。それから四点目として、大部分が歌唱、器楽、演奏等の音楽番組。五点目として、権利処理上の理由等により字幕を付すことができない放送番組、こういうものを除くすべての放送番組が字幕付与可能な放送番組というふうに定義をいたしております。
 それから、二点目のお尋ねの字幕付与可能番組の総時間の割合でございますが、約四割というふうに認識をいたしております。
 それから、三点目のお尋ねの実績でございますが、平成十二年七月に一週間について行った実態調査によりますと、NHKは六〇・九%、民放キー五局は九・〇%となっております。
 それで、四点目のお尋ねの現在NHKで行われている例でございますが、平成十二年三月二十七日から「ニュース7」でリアルタイム字幕放送を試行的に行っておるというふうに認識をいたしております。
 以上です。
#77
○宮本岳志君 小坂副大臣が七日に答弁されたのは、この「ニュース7」でNHKが試行的に行っているような取り組みのことだと思います。そこまで今すぐに義務化というのは確かに時期尚早だと。しかし、総務省が今二〇〇七年までに字幕をつけると言っているのは、そういう技術的な問題がある番組はすべて除いた残りの四割、いわゆる字幕付与可能番組についてつけると言っているんです。
 そこで、小坂副大臣に聞くんですけれども、総務省の基準でいう字幕付与可能番組というのは、現在の技術で字幕を付与することが可能なのか不可能なのか、お答えいただけますか。
#78
○副大臣(小坂憲次君) 今、可能な番組というのは高原政策統括官が申し上げたとおりでございます。それ以外のものができるのか、また現状はどうなのかということでありますが、その技術的な問題だけではなく、時間的な問題も含めたすべてのものをおっしゃっているんだろうと。宮本委員も全部……
#79
○宮本岳志君 いや、技術的な問題です。
#80
○副大臣(小坂憲次君) 技術的な問題ですか。技術的な問題で、前回答弁申し上げたように、自動的につけられるとかそういう問題の中には、日本語独特の困難性というものも入っているという御答弁を申し上げたと思います。
 そういう中で、宮本委員と同じように障害者の皆さんに楽しんでいただける番組はみんなが楽しめる番組だというふうに私も思っていますので、そういう意味で基本的に義務化できるならば義務化していきたいという気持ちは持っているということはこの前申し上げたとおりでありまして、その姿勢は御理解いただいておいて……
#81
○宮本岳志君 可能かどうかはどうですか。
#82
○副大臣(小坂憲次君) 技術的に可能かどうか、それは経済的な問題とかいろんな問題を含めた上で、単に技術的なものだけを言えば恐らく可能であろうというふうに思います。
#83
○宮本岳志君 小坂副大臣は七日の答弁でこう言ったんですよ。「障害者のために考えている立場を譲っているように誤解されるといけませんので、一言申し上げておきますと、義務化というのは、技術的に可能となった時点で私は義務化をしていくことは必要だと思います。」と述べたんですよ。今、答弁で技術的に可能だと答弁されたんですから、そうしたらこの義務化に向かって今すぐ努力すべきだという結論になるんじゃないですか。いかがですか。
#84
○副大臣(小坂憲次君) 私はこの前も申し上げたことと変わっておりませんで、その努力は常にしているというふうに認識をしていただきたいと思うんですね。しかしながら、義務化というのを法律で決めてしまいますと、そこに今度その義務化ができない何らかの事情があった場合に、ここに違法性が出てくるということなんですね。そういうことを踏まえながら、現実と、そして我々が考えている、障害者に対する健常者と同じような環境づくりという問題等折り合っていかなきゃいけない。そういう点で、今、時期尚早であるという部分もありますというふうに申し上げているわけであります。
 また、義務化と、義務化したものとその例外を設ければいい、できる範囲内で規定するということを私は言っているんだというふうに宮本委員たびたびおっしゃいますが、そうした場合、それじゃ義務化しているものと義務化していないものの内容をだれが判断してどういうふうに分けていくか。これは非常に難しい境界領域が出てくるわけですね。
 そういう点で、私は民放にもNHKにもみずから努力するということをお願いし、また彼らもそういった意味で努力するという姿勢を持ってやっていただくように私どもこれからもお願いをしてまいりますし、そういう意味で私どもの努力は今も続けておりますし、これからもやってまいりたい、このように考えているところで、決して後ろ向きではなく前向きに、宮本委員と同じような気持ちで私どもも努力しているというふうに御理解をいただきたいと思っております。
#85
○宮本岳志君 あなたは七日に、障害者のためのバリアフリーの環境をつくっていくことにおいて委員に負けることは絶対にないとまで答弁をされたんですよ。今の答弁を聞いていると、負けることは絶対にないどころか勝負にならないじゃありませんか。やっぱりこれはまじめに取り組む必要がある。
 九七年に現在の放送法の努力義務の規定ができたんです。それは、超党派の議員の努力と関係各団体の運動が結実して法改正にこぎつけた。しかしその後の状況を見ると、我が党が入れかわり立ちかわり質問しておりますけれども、NHKは着実に努力しているけれども、民放の方は遅々として進まない。全体としては欧米諸国の水準から大きく立ちおくれたままなんですね。この状態を打開するためには、もう一度立法府のイニシアチブが求められていると思います。聞くところによると、民主党さんもこの問題での法案準備を進めておられるというふうに聞きました。私は歓迎したい。各党の協議を進めて、本委員会で多数の一致ができる点をぜひ見出して、我々もなし得ることがあればともに努力をしていきたいというふうに思っております。
 そこで、少し情報保障の問題で具体論に移りたいと思うんです。
 最近、党首討論への関心が急に高まったということで、NHKだけでなく民放もこれを中継するようになりました。民放では字幕スーパーで議論の要点を画面に入れているのもあると聞いたんですけれども、私の地元には、ぜひ党首討論に字幕や手話をつけてほしいという有権者の声も届いております。
 前提の認識を大臣に聞くんですけれども、国会審議の中継や選挙の政見放送など、これをすべての国民や有権者に届けることは、これらの方々の参政権に直結する問題であり、民主主義の基礎として重要だと私は思うんですけれども、これはもう意見は一致していただけますね。
#86
○国務大臣(片山虎之助君) 今、放送メディアというものの影響力等を考えますと、言われるように、国会の中継や党首討論等をできるだけ国民の皆さんに見ていただくということは必要でしょうね。だから、そのための努力はすべきです。
#87
○宮本岳志君 小泉内閣のメールマガジンは登録二百万人を突破したと聞きましたけれども、情報を求めてくる人にだけ情報提供するのがディスクロージャーでないはずです。情報弱者にもきちんと情報保障することこそ政治の務めだと思うんですね。党首討論や予算委員会での総括質疑などについては、政府の責任なり国会の責任で要約の文字情報を提供するなり、最低限手話通訳を付与することなど、急いで検討すべきだと思うんですけれども、これは国会、政府という問題ですから、ひとつ大臣に、これは検討の必要をお感じになりませんか、大臣。
#88
○国務大臣(片山虎之助君) 望ましいんですが、技術的な問題その他どういう問題があるかをまず研究して、どうクリアしていくかということが必要でしょうね。御趣旨はよく私もわかりますので、いろんな検討は幅広くやっていきたいと思います。
#89
○宮本岳志君 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会から私どもに、選挙における情報保障の要望書というのを受け取っております。その要望の第一項目めには、「政見放送に字幕を付けていただきたい」とあるんです。衆議院選挙ではビデオ持ち込み方式なので、政党の側で文字をつけることもできるんですね。しかし、参議院選挙の政見放送はスタジオ撮りになるので、手話通訳者を一緒に立たせても、高齢になってからの失聴者や難聴者には手話のわからない方が多いんです。
 そこで、これは総務省の選挙部長に聞くんですが、スタジオ撮りの政見放送に放送局の責任で字幕をつけていただくなり、あるいは全部ビデオ持ち込み方式にして、候補者の責任で参議院選挙でも字幕をつける、こういうふうに改善すべきかと思うんですが、いかがでしょうか。
#90
○政府参考人(大竹邦実君) まず、政見放送でございますけれども、この政見放送につきましては、早いところでは公示日の翌日から放送が行われている状況でございます。したがいまして、政見放送の収録は公示日前後の極めて短い期間で行われているわけでございまして、この間に字幕を制作することは非常に難しいというふうに聞いております。それからまた、政見放送につきましてはNHKに限らず多くの一般放送事業者でも行っているわけでございますけれども、字幕を自主制作番組に付与しておりますローカル局が非常に少ないというふうに承知しております。したがいまして、現時点におきましては、政見放送に字幕を付することにつきましては多くの解決すべき課題があるものと考えております。
 それから次に、持ち込みビデオ方式でございますけれども、これにつきましては、政策本位、政党本位の選挙制度のもので、一定の要件を満たす候補者届け出政党ができるだけ自由に政策を訴えることができるようにというふうな観点から、平成六年の法改正により設けられてございますけれども、これにつきましては、衆議院の小選挙区選挙の候補者届け出政党に限り認めるということにされたわけでございます。この時点におきましてはいろいろ議論が行われたわけでございますけれども、その際には、政見放送の品位保持規定との関係もございまして、これらの政党に限ることとされたものというふうに承知してございます。
#91
○宮本岳志君 もう一つこの要望書に書かれていることを見ますと、街頭演説などで候補者の言っていることを文字で聴覚障害者に伝えようとすると、公職選挙法の壁にぶつかるということです。「候補者の声をパソコン要約筆記者が文字通訳すると公職選挙法で「電光ニュース」に該当するとされ、できません。人混みの中で紙に筆記して伝えようとしても「文書」にあたるとされ、できません。屋内の集会で、候補者の政見をOHPで要約筆記を行うと「幻灯機」に該当するとされてできません。」と書かれてあります。
 このような状態を解決する必要があると私思うんですけれども、これについてはいかがでしょうか。
#92
○政府参考人(大竹邦実君) 公職選挙法におきましては、選挙運動用文書図画は、法に定められた一定のものに限り頒布または掲示することが認められているわけでございます。これ以外につきましては、頒布または掲示することができないとされているところでございます。この場合におきまして文書図画とは、紙によりますもののほか、パソコンのディスプレーに表示される画面でございますとか、あるいはただいま御指摘ございましたOHPにおける映写画面なども含むと解されるところでございます。このことから、御指摘のように、演説内容を筆記したものを頒布いたしましたりあるいはOHP等によって掲示しますことは、公職選挙法に禁止される文書図画の頒布または掲示に当たるというふうになるわけでございます。
 障害者の方々が選挙に参画しやすいものになりますようにその便宜を図りますことは、非常に重要な問題と私どもも認識してございます。御指摘のような個別の事例におきましては、いろいろと聴覚障害者にとりまして不都合な点が生じていることも十分承知しているわけでございます。いずれにいたしましても、私ども、今後、障害者の方が投票しやすい環境をつくることができますように幅広い観点から検討を進めてまいりたいと考えております。
#93
○宮本岳志君 情報をつけてくれ、字幕をつけてくれと要求してそれはなかなか技術的に難しいと、じゃ自分たちで情報をつけようとすると公職選挙法違反でだめと、ここにやっぱり非常にやりきれないものを感じておられるんですね。
 この要望書の最後に書かれてあるのは、「総務省内に政見放送研究会を再度設けていただきたい」と書いてあるんです。以前、自治省内にあった政見放送研究会が九四年に行った答申で、今のように政見放送の手話通訳が制度化されました。そのときに、手話でなく字幕をつけるということについては、技術的に不可能だから今後の検討課題ということになって今日に至っております。
 衛星放送に続いて地上波のデジタルのスケジュールも具体的になりました。技術的な条件が当時と明確に変わってきているんですから、改めて検討すべき時期に来ていると私は思います。先ほどから局長とのやりとりを聞いていただいて、これも公職選挙法を所管する大臣として、大臣の方からひとつどうお考えか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
#94
○国務大臣(片山虎之助君) 私はかねがね、今IT時代で、しかも世界で一番進んだITの先進国にすると、二〇〇五年までに、こう言っていますから、今のインターネットやホームページやそういうものの利用もいかがかなということをこの委員会等でも申し上げてまいりましたので、そういう中に含めまして今の問題も、限定的な文書図画というのもいかがかなと本当に思っておりますので、いずれにせよ研究は始めさせていただきます。
#95
○宮本岳志君 きょうは、法案の直接の中身に限定せずに、通信機器について、またいわゆる情報バリアフリーの問題について幾つかのことをお聞きしました。
 最後に、一つ皆さんに紹介しておきたい話があるんです。
 テレビのリモコンというものを最初につくったのは大分県別府市の福祉施設だったんです。そこで重度障害者の人のためのモデルハウスをつくったときに、テレビのところまで行ってチャンネルを変えることができないので、遠隔操作用のスイッチというものを考えた。それが今日では、リモコンのついていないテレビの方が珍しいぐらいにまで普及したんです。これはユニバーサルデザインということの意味を非常によくあらわしております。障害者に優しいということはすべての人に優しいということなんです。
 政府はすぐに世界最先端と言いますけれども、企業の技術力だけに目が行くのではだめだと思うんです。国民に何が必要か、国民がひとしく恩恵を享受するにはどうすればいいかを考えることが大切だし、そうしてこそ実は企業の活動も伸びるということを指摘して、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#96
○委員長(溝手顕正君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相互承認の実施に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#97
○委員長(溝手顕正君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#99
○委員長(溝手顕正君) これより請願の審査を行います。
 第一九〇五号防衛庁を省に昇格させることに関する請願外六十四件を議題といたします。
 まず、理事会において協議いたしました結果について、専門員に報告させます。入内島専門員。
#100
○専門員(入内島修君) ただいま議題となりました請願六十五件につきまして、理事会における協議の結果を御報告申し上げます。
 理事会におきましては、第一九〇五号外三件の防衛庁を省に昇格させることに関する請願及び第二一四三号外六十件の行政の公正・中立性を確保するための公務員制度確立等に関する請願、以上六十五件はいずれも保留とすべきものと決定いたしました。
 以上であります。
#101
○委員長(溝手顕正君) それでは、理事会において協議いたしましたとおり、第一九〇五号防衛庁を省に昇格させることに関する請願外六十四件はいずれも保留といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
#103
○委員長(溝手顕正君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#106
○委員長(溝手顕正君) この際、委員会を終了するに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 本年一月、総務委員長に選任されて以来、委員の皆様方には、委員会の運営に御協力を賜りまして厚く御礼申し上げます。おかげさまで何とか委員長としての職責を果たすことができましたことを、この機会をかりまして厚く御礼を申し上げます。
 委員の皆様におかれましては、今後とも御自愛の上、ますます御活躍されますことを祈念申し上げまして、ごあいさつといたします。
 ありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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