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2001/03/16 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第10号
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2001/03/16 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第10号

#1
第151回国会 本会議 第10号
平成十三年三月十六日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十号
  平成十三年三月十六日
   午前十時開議
 第一 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指
  名
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、国務大臣の報告に関する件(平成十三年度
  地方財政計画について)
 一、地方税法等の一部を改正する法律案、地方
  交付税法等の一部を改正する法律案及び公害
  の防止に関する事業に係る国の財政上の特別
  措置に関する法律の一部を改正する法律案(
  趣旨説明)
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 日程第一 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名
 内閣から、中央選挙管理会委員五名の任命について、本院の議決による指名を求めてまいりました。
 本委員を指名するときは、あわせて同予備委員を指名することとなっております。
 よって、これより中央選挙管理会委員及び同予備委員各五名の指名を行いたいと存じます。
 つきましては、中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名は、いずれも議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 中央選挙管理会委員に浅野大三郎君、石原輝君、田中昭一君、浅井美幸君及び鷲野忠雄君を、
 また、同予備委員に元宿仁君、金井和夫君、西川洋君、鳥居一雄君及び松井繁明君を、
それぞれ指名いたします。
     ─────・─────
#5
○議長(井上裕君) この際、日程に追加して、
 平成十三年度地方財政計画についての国務大臣の報告並びに地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案についての提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。片山総務大臣。
   〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(片山虎之助君) 平成十三年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成十三年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。
 平成十三年度においては、極めて厳しい地方財政の現状等を踏まえて、歳出面においては、経費全般について徹底した節減合理化を推進する一方、景気対策への取り組み、IT革命の推進等、二十一世紀の発展基盤の構築など当面の重要政策課題に適切に対処し、歳入面においては、地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額の確保を図ることを基本としております。
 地方税については、恒久的な減税を引き続き実施するとともに、自動車の環境負荷に応じた自動車税の特例措置の創設、被災住宅用地に係る固定資産税の特例措置の創設等、所要の措置を講ずることとしております。
 また、通常収支における地方財源不足見込み額については、これまでの交付税特別会計における借り入れ方式を見直し、国と地方の折半という考え方は堅持しつつ、国負担分については一般会計からの加算により、地方負担分については特例地方債の発行により対処するという考え方のもとに、地方財政の運営上支障が生じないよう補てん措置を講ずるとともに、恒久的な減税に伴う影響額については、国と地方のたばこ税の税率変更、法人税の地方交付税率の引き上げ、地方特例交付金及び減税補てん債の発行等により補てんすることとしております。
 さらに、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、自主的、主体的な活力ある地域づくり、住民に身近な社会資本の整備、災害に強い安全な町づくり、総合的な地域福祉施策の充実、農山漁村地域の活性化等を図るため、地方単独事業費の確保等、所要の措置を講ずることとしております。
 以上の方針のもとに、平成十三年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十九兆三千七十一億円、前年度に比べ三千七百七十一億円、〇・四%の増となっております。
 次に、地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成十三年度の地方税制改正に当たりましては、最近における社会経済情勢等にかんがみ、地方税負担の軽減及び適正化等を図るため、自動車の環境に及ぼす影響に応じた自動車税の特例措置の創設、被災住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の特例措置の創設、一定の者に関する輸入軽油に係る軽油引取税の課税の時期の見直し等の措置を講ずるほか、非課税等特別措置の整理合理化を行う等の所要の改正を行うこととしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、平成十三年度分の地方交付税の総額につきましては、一般会計から交付税特別会計への繰り入れ等により、二十兆三千四百九十八億円を確保することとしております。また、平成十五年度までの間における一般会計からの交付税特別会計への繰り入れ及び地方債に関する特例を設けることとしております。
 さらに、単位費用につきまして所要の改定を行うほか、国庫負担金、国庫補助金の区分の明確化、公営企業金融公庫の資金の調達手段の多様化等を図るため、関係法律の改正を行うこととしております。
 次に、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、本年三月三十一日に期限切れを迎えることとなっております国の財政上の特別措置について、十年間の延長等を行おうとするものであります。
 以上が、地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 以上、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(井上裕君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。高橋千秋君。
   〔高橋千秋君登壇、拍手〕
#9
○高橋千秋君 おはようございます。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました地方財政関連三法について質問をいたします。
 本法案は、既に危機的な状況に陥っている地方財政に関連する重要な法案であることは皆様御承知のとおりです。さらに、現在、本院では、国権の最高機関たる国会の最も基本的かつ重要な務めである平成十三年度予算案の審議の真っ最中です。本来なら、このような重要な局面においては、国民の負託を受けた与野党の議員が、それぞれの立場から予算及びこれに関連する法案について真剣な議論を行うことは当然のことであります。
 しかし、昨今の与党、とりわけ自民党のぶざまなありさまは、この国会の重要な務めをないがしろにし、さらには、アメリカ、ロシアといった我が国にとって非常に重要な二国間関係さえうそで塗り固めようとしております。
 私たち国会議員は、この余りに情けない国会の状況をどのように国民に説明すればよいのか。大人たちは子供に対してどう言いわけをすればよいのか。数少ない独自の政策として教育改革を高く掲げられた森総理がこのような事態を招いたことは、森総理だけでなく、それを支持している与党の諸君も万死に値すると言っても過言ではないと考えます。
 森総理は、総理として、先週の月曜日には衆議院で、そして今週の火曜日には本院で立派に信任をされました。しかし、一方で、自民党は火曜日の党大会で、本来九月に予定されている自民党総裁選を前倒しすることを決定されたようであります。憲法に国権の最高機関とうたわれている国会において信任されながら、事実上の退陣表明を行っているんです。しかし、いまだに総理は、密室協議に加わった自民党幹部を含めて、退陣表明を行っていないと強弁をしております。しかし、それではなぜ自民党総裁選を前倒しにするのか、国会で信任された森総理がなぜみずから自民党総裁の任期を短縮しようとするのか、これが二枚舌でなくて何を二枚舌と言うのでしょうか。
 自民党は、今までも景気対策と言いながらばらまきを行い、構造改革と言いながら既得権益の保護に走ってきました。しかし、今回の二枚舌は余りにもひど過ぎます。世間一般ではこれをうそと言うのです。そして国民は、総理の発言や自民党幹部の発言はうそだと見抜いているのです。
 一連の行動で、政治家の命である言葉に対する信頼は地に落ちました。この責任をどう考えられるのか。ほとんどの国民が今回の一連の動きを理解することができません。私たちに、そして国民にわかりやすく説明をしていただきたい。きょうは総理がお見えにならないので、福田官房長官並びに森内閣の重鎮として森さんを支えている宮澤財務大臣に答弁をお願いしたいと思います。
 また、仮に総理が今うそをついていないということであれば、最低限、次期総裁選への出馬を明確に表明される必要があると思いますが、総理の先輩として宮澤財務大臣は、総理としての身の処し方を進言するおつもりはございませんか。宮澤財務大臣にお伺いをしたいと思います。
 あわせて、極めて厳しい状況にある景気への対応を伺います。
 与党は先週末、緊急経済対策を取りまとめ、総理に提出をされました。私たちは、この対策の中身についても大きな疑問を持っております。最大の疑問は、一体だれの責任においてこの対策が実行に移されるのかということです。
 ちまたには三月危機が叫ばれ、昨今の株式市場の動向を見ておりますと、日経平均が一万三千円を割ったら日本は倒産だと言われてきました。それがあっという間に一万三千円どころか一万二千円も割り、十六年ぶりの安値にまでなってしまいました。これはまさに予断を許さない危機的な状況にあることは明らかであります。
 このようなとき、まずは政治が真剣に、そして速やかに三月危機に対応した行動をとるというメッセージが欠かせません。しかし、せっかく取りまとめた与党の緊急対策も、与党の信頼性が地に落ちているためかマーケットは全く反応もしない、むしろ逆に平成恐慌前夜かとも言われるような状況に陥っております。
 このような状況にあっても、財政の最高責任者である宮澤財務大臣は、まるで評論家のように今の日本の財政はやや破局に近いというような無責任な発言をされることによって、市場にも混乱を起こし、国民には不安をあおるような無責任な状態であります。そんな状況をつくった責任はだれにあるのですか。そもそも宮澤財務大臣、あなたにあるのではないでしょうか。
 デフレスパイラルとも言われる現在の経済状況に対し政府が全力で取り組む姿勢を見せるためにも、総理並びに財務大臣の責任で実現するという強い決意表明が必要だと考えますが、宮澤財務大臣の御見解を伺いたいと思います。
 さて、本題でありますが、地方交付税法の一部改正案外二案について伺いたいと思います。
 最も根本的な命題は、現在の仕組みで地方財政は維持することが可能なのかということです。
 現在の状況は、最も象徴的な借金残高は平成十三年度末で約百八十八兆円にも達することが見込まれており、これは地方財政の規模をあらわす地方財政計画八十九兆円の二倍を超えてしまいました。また、昨年の地方財政白書によると、自治体の経常収支比率は、都道府県で九四%、市町村で八五%となっており、実質単年度収支は、都道府県で七〇%、市町村で四七%が赤字決算となっております。
 さらに、都道府県及び大都市自治体は、既にほとんどが実質単年度収支が赤字に転落をしており、さらに経常収支比率が高い、すなわち固定的な経費率が高いために簡単には赤字から脱却できない構造となっているんです。町村においては、数字的には都道府県や大都市自治体より良好とはいうものの、税源に乏しく、財源のちょうど三割をこの交付税に依存しております。毎年、巨額な財源不足を発生し、これを借金で穴埋めをしてきた結果、四十兆円を超える借金残高を抱える交付税にその財政の三分の一までもゆだねているんです。
 さらに、都道府県、市町村共通に見られるのが、交付税、地方債、国庫支出金といった国が一定の裁量を持つ財源への依存度の高さであります。都道府県では約五〇%、市町村では約三八%をこのような財源にゆだねている構造では、決して地方自治体において財政の自治を確立しているとは言えません。
 命題の解答の一部がここにあります。つまり、地方財政が今後も維持可能なのかという問いに対し解答を持っているのは国なんです。そして、この地方財政を支える国こそがまさにがけっ縁の危機的な財政状況に直面をしております。
 では、なぜ地方の財政状況がここまで悪化したのか。皆さんお気づきのとおり、ここでも国に大きな要因があります。
 バブル崩壊以降、国は十二回、百三十四兆円にも及ぶ経済対策を行い、地方財政に過大な負担を強いてきました。その結果、平成四年度末に約八十兆円あった地方の借金残高が十年間で百兆円も膨らんだんです。経済を下支えすると称し、地方財政計画の規模を膨らませ続け、一方では大規模な地方税の増税を行えば、地方財政が悪化するのは明らかなことです。こうして国は、みずから政策で地方の財政を危機的な状況に追い込み、そしてみずからが支えるという状況に追い込まれてしまったんです。
 バブル崩壊以降、地方が実際にどの程度の借金を抱えているのかという最も基本的な問題でさえ、地方債償還における交付税措置を乱発したことにより不明確になってしまいました。もちろん、地方自治体がみずからの財政状態に規律を持つのは当然のことですが、バブル崩壊以降の国の政策を振り返れば、一概に自治体だけにその責任を押しつけるのは酷なことであります。
 そこで、片山総務大臣に伺いたいと思います。
 まず、基本的な認識として、現在の地方財政の状況をどう考えておられるのか。そして、なぜこのような状況に陥ったのか。また、先ほど述べました国の責任についてどう考えるのか、お聞かせ願いたいと思います。
 また、今申し上げたように、私どもからは現在の地方財政の実態がほとんど見えてきません。そこで、政府の責任ある答弁を求めますが、まず、来年度末で百八十八兆円とされる地方の借金のうち、国が交付税によってその元利償還に責任を負っているものはどの程度なのか、明確な額を教えていただきたいと思います。
 また、地方には普通会計で行う事業のほかに、水道、バス、病院等の公営企業が行う事業がありますが、こちらも決して経営状態が良好とは思えません。この公営企業会計も含めた自治体の借金総額はどの程度になるのでしょうか。
 さらに、地方は道路公社や土地開発公社を抱え、さらに第三セクターまであるとなると、地方財政は全くやみの中と言っても過言ではないと思います。このような複雑な会計制度をまずは改め、地方の真の財政状況を明らかにすることがまず第一歩だと考えますが、片山大臣の御見解を伺いたいと思います。
 さて、今回の法案ですが、今まで申し上げてきたように、現在の地方財政は構造的に深刻な問題を抱えています。この問題の深みに比べると、今回、政府が提案している交付税等の改正案は余りに小手先の改善にとどまっており、将来に何ら希望を持てず、またこれまでの過ちを繰り返すことになってしまいます。
 本法案では、地方の財源不足を従来の交付税特別会計借入にかえて、国負担分は一般会計より繰り入れ、そして地方負担分を個別自治体による赤字地方債の発行にかえていくとしております。この赤字地方債については、交付税により元利償還を全額補てんするという措置をとっております。
 政府は、これをもって国、地方の財政責任を明確化するとしておりますが、これでは国の特別会計で行っていた借金を見かけ上は自治体、さらに実体的には国の赤字国債につけかえるだけであり、何ら根本的な解決になっておりません。このような制度改正をもって一体何を期待しているのか、片山総務大臣に伺いたいと思います。
 現在のシステムを前提とするなら、地方財政に将来の希望があるとは思えません。この最大の被害者は住民なんです。地方は、医療、福祉、教育、下水道など国民に身近な行政サービスを提供しており、自治体の財政悪化は国民生活に直接影響をしてきます。
 先日、ある脳性麻痺の障害を持つ方を支援する方からメールをいただきました。そして、ぜひ現場を見て話を聞いてほしいということから、その障害者の方の自宅を訪問してまいりました。ちょうどボランティアの学生がその本人のトイレを手伝っておりました。彼にとってはトイレに行くことも介助者がいないとできません。しかし、その介助の多くは、公的ヘルパーだけでなくボランティアの力もかりなければ生きていくという人間として最低限のこともできない、そんな人たちにとって自治体のサービスはライフラインなんです。
 その人からは、地方の財政も大変なことはわかっていますから、そんなに無理は言えません、しかし私たちにとって、もし財政が厳しいからといって同じようにカットされてしまえば、私たちは生きていくことさえできないんですという、話しづらい中、本当に声を絞るように訴えられました。
 このような中で、地方財政の改善は一刻の猶予もありません。では、どのようにすれば地方財政を改善できるのか。私たちはそのためのポイントを自立だと考えております。
 国は、経済対策に自治体を巻き込むことなく、みずからのできる範囲で事業の選択を行っていかねばなりません。国と地方がお互いに自立できるシステムを確立することが地方財政を存続させる唯一の道だと考えます。国、地方の関係があいまいなままでは、双方が依存し、また押しつける関係が継続し、その結果、だれも責任を負うことができない借金を増大させるばかりなんです。
 私たちは、そのための当面の改革として、弊害の多い補助金を抜本的に改め、これを一括交付金化することを提唱しています。
 例えば、公共事業に関する補助金を一まとめにして交付し、その後の事業選択を自治体にゆだねたいと考えています。こうすることによって、自治体に税金の使い道に責任を持ってもらうことにより、みずからの財政に関する節度を持つことができ、また個性的でその地域に合った税金の使い方が可能になります。その上で、国の税源の一定部分を移譲し、同時に、現在さまざまな矛盾が詰め込まれている交付税についても、できるだけ簡素に、そして財政のしわ寄せが行かないような制度に改めていくことが必要です。
 さらに、財政状態をだれにでもわかるようにシステムを簡素化し、透明性を高め、その上でだれが税金の使い道に責任を負うのか、負担する国民、住民に対してだれが説明責任を負うのかを明確にする必要があります。今、まさに国がそのスタンスを大きく変え、基本的な構造改革に取り組まなくてはいけないときです。
 自民党の歌に「一人の幸福 皆の幸福」というフレーズがあるそうでありますが、本当にみんなの幸せを考えるのなら、今こそこれらのことを英断を持って進めていかねばならないと考えますが、そのお気持ちがあるのか、そしてどう考えておられるのかを片山総務大臣にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(片山虎之助君) 高橋議員から何点かの御質問がありました。
 まず、地方財政の現状認識、原因等についてのお尋ねがありました。
 私も、現在の地方財政は、大変毎年度経常的な財源不足状況が続くとともに、借入金も急増しておりまして、極めて厳しい状況にあると認識いたしております。
 なぜこういうことになったか。
 それは、御承知のようなバブル崩壊後の景気の低迷によりまして、地方税収は減る、国税収入も減るからその一定比率である地方交付税も減ると。収入は減りますけれども、同時にいろんなことを財政政策としてやらなければならない、財政調整政策というんでしょうか。景気対策をやる、それから公共事業をやる、あるいは公共事業と一緒に地方単独事業をやる、減税もやると。そうしますと、一方では税収が減っておりますから財源がございません。したがって地方債に頼ると。
 さらには、近時、住民の皆さんから生活関連社会資本をやってくれとか地域福祉施策の充実の要請がありますから、こういうものにこたえていくということが結果としては地方財政の現在のような状況を生んだわけでありまして、私は、そういう構造的な原因に起因するものでございまして、当面は景気の回復に全力を挙げる、こういうことではなかろうかと思っておりますし、いろんな御意見がございましたが、国と地方はいわば運命共同体でございますので、これをもって国の経済政策がまずかったからこういうことになったということは私は適当でないと、こういうふうに思っております。
 それから、地方財政の借入金残高についてのお尋ねがございました。
 普通会計分の地方債残高と交付税特別会計借入金のうちの地方負担分と企業債残高のうちの普通会計が負担すべき額を加えた借入金は、高橋議員御指摘のように百八十八兆円であります。さらに、いわゆる公営企業の料金で補てんする、回収する企業債も含めますと全体では二百二十一兆円になると。こういうことでございますが、一般財源で返していくものは今言いましたように百八十八兆円でございますから、この償還金につきましては、毎年度の地方財政計画の策定を通じて、必要な財源を確保して地方財政運営の支障を生じないように措置したいと。中心は地方交付税になると思いますけれども、それは毎年度の地方財政計画の策定によってきっちりと担保いたしたいと、こういうふうに思っております。
 それから、地方の財政状況を全般的に明らかにしたらどうかと、こういうお尋ねがありました。
 各地方団体の財政状況につきましては、現在、決算統計におきまして普通会計と公営企業会計の地方債の現在高等は公表いたしております。
 高橋議員御指摘の地方公社及び第三セクターにつきましては、これは千差万別でございまして、地方団体のかかわり方、その債務に対する責任の度合いもまちまちでございますからなかなか難しゅうございますけれども、少なくとも地方公社や第三セクターに対しまして地方団体が債務保証や損失補償を行っている、こういうものについてはこれは定期的に公表しているところでございます。
 今後とも、この決算統計のほかに、地方団体の資産と負債の状況を全般的にとらえることができるバランスシート、これは国の方でも御検討のようでございますけれども、その作成等を我々も検討して、地方団体にできるだけつくっていただくように要請いたしたい、さらに今後とも財政の全般的状況がわかりやすい形で国民、住民に示されるような工夫を重ねたいと、こういうふうに思っております。
 今回の交付税法案によります制度改正についてのお尋ねがありました。
 従前は、交付税特別会計が一括して資金運用部からお金を借りまして、それを地方に配分いたしておったわけであります。ところが、これは特別会計が一括で借りるものですから、地方団体の方は自分の借金という認識がないわけですね。しかも、一方では資金運用部という資金調達の手段がございましたけれども、御承知のようにこの四月から資金運用部は廃止になりまして、郵貯等の、あるいは年金等もそうでございますけれども、自主運用になると。
 一方では、このような状況で交付税特別会計の借入残高が三十八兆円を超えるようになりました。このままでは特会としてのあり方にも私は疑問がありますので、この際、国の責任と地方の責任を明らかにするように、国の責任分については国に一般会計から調達をしてもらってこれを加算してもらうと。地方のものは地方がそれぞれ特例地方債、赤字地方債と言われましたが、赤字地方債を起こしてもらいまして資金調達をすると。しかし、その特例地方債の元利償還については後年度しっかりと地方交付税で補てんしていくと、こういうことにいたしたわけでありまして、私は現在の国、地方の財政状況、景気の状況を考えるとき、この方式がやむを得ないと思います。
 そこで、地方交付税法の言う、大変な財源不足があるときに制度改正をしっかりとしろと、こういう規定がございますけれども、私はこの規定にこたえるゆえんだと、こういうふうに思っておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと、こういうふうに思うわけであります。
 それから最後に、高橋議員からいろんな御提案がありました。補助金の一括交付金化、あるいは国から地方への税源の移譲あるいは交付税制度の見直し、私はそれなりにもっともな意見だと、こう考えておりますが、とにかく国の財政も大変な状況、地方の財政も大変な状況で、抜本的な国と地方の税財源の見直しは私はまだできないと思います。
 景気が落ちついて安定的になった段階で、現在、地方分権一括推進法の施行等が行われておりますから、その事務の状況、再配分の状況を勘案しながら、しっかりとした地方税財源の移譲について国と議論をしてまいりたいと、こういうふうに思っておりますし、現在、国の補助金等は相当総合化、メニュー化が行われておりますから、これをさらに徹底いたしたいと、こう思っておりまして、とにかく地方の財政基盤の充実強化を最優先の課題としてしっかりと取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(福田康夫君) 高橋議員にお答えいたします。
 自民党の総裁選を前倒しする理由についてお尋ねがございました。
 森総理は、去る三月十三日の自由民主党大会において、KSD事件、報償費、えひめ丸などの諸問題をめぐり極めて厳しい御批判があることを踏まえ、この際、改めて原点に立ち返り、国民からの信頼をいただくために自民党の新生に取り組む決意を明らかにしたところでございます。
 森総理が述べておりますように、自民党の新生のために第一になすべきことは、現在進めている政治倫理の確立、若手の人材登用を図ることなど、清新にして開かれた政党を目指した党改革に全力を挙げることであります。
 第二に、本年秋に予定されている総裁選挙を幅広い意思を反映し得るような形で繰り上げて実施することにしたものであります。
 自民党といたしましては、これら党改革を不退転の決意で実行することにより、国民に身近で理解と信頼を得られる政党に脱皮したいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま福田長官から御答弁のありました部分は重複を避けまして、ただいまのように内外に課題が山積している現在、国政に停滞を許さないことは申し上げるまでもないことでございます。
 現在、参議院で審議をお願いしております平成十三年度予算、その関連法案はもとより、各般の改革を実施するための重要法案の一日も早い成立に全力を尽くすことがこの内閣が国民に対して果たすべき責務であるというふうに考えております。
 また、最近の厳しい経済情勢、株式市場動向等にかんがみまして、政府・与党一体となって緊急経済対策本部を昨日発足させたところであります。それは、与党三党により提示された緊急経済対策を断固として処置をいたしまして対応したいと考えておりまして、既に具体的な処置につきましても協議をいたしておるところでございます。
 今の森首相の姿勢についてお尋ねがございましたが、どのような政治情勢であれ、総理大臣は次の総理大臣にバトンタッチするまで国政に全責任を負い、その遂行をしなければならない立場でございまして、これをただ政権に恋々としているといったように考えるべきものではないというふうに思っております。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(井上裕君) 八田ひろ子君。
   〔八田ひろ子君登壇、拍手〕
#14
○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました地方財政計画、地方交付税法改正案、地方税法改正案などについて質問いたします。
 小渕、森内閣が景気対策を優先したはずのこの二年半、国民の暮らしと日本経済は深刻な事態に陥りました。国がリストラ支援をする中、大企業はバブル期に匹敵する利益を上げていますが、働く国民の可処分所得は減り続け、二年半前より月二万円も少なくなりました。個人消費も世帯平均で月一万三千円も減り、失業率は四・九%と史上最悪、企業倒産も中小零細企業を中心に最悪になっています。
 こうした国の経済政策の失敗は、地方の税収減をもたらし、地方自治体の困難を一層ひどくしています。今、国がやるべきことは、危機的な財政状況の中で、住民の暮らしや福祉、教育を守るため懸命な努力をしている地方自治体を支援することであります。ところが、あなた方のやってきたことはそれに背を向けることばかりだったのであります。
 その一つは介護保険の問題です。日本福祉大学の近藤助教授の調査では、最低所得層は最高所得層に比べて要介護高齢者が五倍も多いとの結論が出ています。所得が少ないほど介護を必要とする高齢者が多いのです。それなのに、介護保険制度は所得にかかわらず一割の利用料を徴収するため、低所得者にとって大変な打撃となっています。低所得者に対する自治体の利用料、保険料の減免に対して、厚生労働大臣は「もう少し推移を見守らせていただきたい」と衆議院本会議で答弁されましたが、こんな無責任な態度は許されません。住民の声にこたえて低所得者対策を抜本的に拡充するのが自治体とともに国の責任ではありませんか。厚生労働大臣及び総務大臣の答弁を求めます。
 二つ目に子供の問題です。
 子供たちが健康に育つことはすべての親の願いです。その対策の一つとして、乳幼児医療費無料化のための助成制度があります。これを全国すべての市町村で行っているという事実は、国民の要望の強さを示すものです。例えば六歳までの医療費無料化は、国の負担を二分の一とすれば一千二十億円で実現できます。乳幼児医療費の無料化を国の制度として直ちに実現すべきではありませんか。厚生労働大臣、総務大臣の答弁を求めます。
 また、授業がわからない子供、学校がおもしろくないという子供がふえています。基礎学力が身についていないと心配の声も広がっています。その解決のために三十人以下の学級の実現を求める要請・意見書が全国半数近い自治体から出されています。なぜすぐに取り組まないのか、文部科学大臣、総務大臣の答弁を求めます。
 三つ目は災害対策についてです。
 阪神・淡路大震災から六年、震災前から住んでいた地域に戻れた方が三、四割台にとどまる地域も少なくありません。最大の原因は、住宅再建を自助努力に任せてきた政府の姿勢にあります。その後も、有珠山、三宅島、東海豪雨、鳥取西部地震と災害が相次いでいます。鳥取県は、住宅支援に手をつけなければ道路やがけを直しても人が住まなくなるとして、住宅再建に所得制限なしで最高三百万円の支援金を一律に支給しました。住宅を含めた被災者の生活再建に対する公的支援制度の抜本的拡充は待ったなしです。防災担当大臣、総務大臣の答弁を求めます。
 次に、危機的な状況にある地方財政の再建そのものに対して国がどうかかわるのかという問題であります。
 借金返済分である公債費負担比率が警戒ラインの一五%を超えている自治体が二千を超え、全体の六割以上になっています。新年度の地方財政計画を実行すれば、来年三月には地方の借金は百八十八兆円とさらに膨らみます。まさに、地方財政は危機的な状況です。今何より必要なのは、国が責任を持って道筋をつけることでありますが、提案されている法案からはその方向が全く見当たりません。
 そこで、伺います。
 ここまで地方財政が危機的状況に至った原因は、長引く不況による地方の税収減、大企業優遇減税による税収減とともに、国による開発型公共事業の推進にあったことは今や明々白々であります。
 先日、リゾート法第一号として鳴り物入りでつくられた宮崎県の大型リゾート施設シーガイアが、第三セクターとしては最大の二千七百億円の負債を抱えて倒産しました。衆議院の質疑の中で片山総務大臣は、国の責任という指摘は当たらないなどと答弁をされましたが、リゾート法をつくり、全国の自治体をゼネコン型の巨大公共事業を推進する開発会社へと駆り立てた自民党政治の行き詰まりと破綻は明確であり、その責任は重大であります。にもかかわらず、無責任、無反省のまま引き続き中部新国際空港など大型開発の公共事業推進の誘導を改めないなら、国の借金とともに地方の借金をますますふやし、一層の財政破綻を招くことは火を見るより明らかでありませんか。総務大臣と財務大臣の答弁を求めます。
 総務省は、地方財政が厳しいことを理由に、既に現在でも十万円を超えている高校授業料をさらに引き上げることを初め、地方自治体の使用料、手数料の引き上げで不況にあえぐ住民に一層の負担を押しつけようとしています。しかし、例えば法人税、法人事業税の税率引き下げをもとに戻せば一兆三千六百億円の増収になるではありませんか。また、株式譲渡益課税の申告分離の一本化を予定どおりに行うならば年三百億円の増収です。
 地方財政が厳しいというなら、なぜこうした大企業、高額所得者優遇税制の是正を行わず、住民にだけ負担を押しつけるのですか。総務大臣の答弁を求めます。
 宮澤財務大臣が地方にも迷惑をかけたという地方単独事業に思い切ってメスを入れることも急務です。そもそも、毎年多額の計画額を残しているのに、昨年実績に四兆円も上乗せして新年度十七兆五千億円もの計画とするなど無謀としか言えません。もし、これを実行すれば地方の借金はますますふえる仕組みではありませんか。
 今回、財源不足を赤字地方債で補てんするとしていますが、これは禁じ手ではありませんか。一九七九年二月十五日、当時の澁谷自治大臣は、大蔵省から財政不足を赤字地方債で補てんする提案に対し、「地方自治体の赤字公債の発行は法のたてまえからいっても断じて容認することはできない」と明確に拒否されたのではありませんか。その赤字地方債を今回なぜ認めるのですか。総務大臣の明確な答弁を求めます。
 この赤字地方債の元利償還は後年度交付税で見るとしています。あたかも国が後で面倒を見てやるという態度でありますが、そもそも交付税は地方の財源ではありませんか。それでどうして国の責務を果たしたと言えるのですか。明確にお答えください。
 最後に、市町村合併についてであります。
 政府は、与党合意を受けて、行政改革大綱の中に市町村合併の目標自治体数として一千という数字を盛り込みました。このような政府の動きに対して、市町村議会から、強制的な市町村合併の動きは住民自治の理念に反するものとして強く反対するとの決議や意見書が寄せられています。
 勝手に数値目標を上から設定し、知事に合併パターンをつくらせ、さらに合併促進のための市町村への勧告権を付与するなど、これではまさに上からの合併そのものではありませんか。これでどうして自主的、主体的と言えるのですか。総務大臣の答弁を求めます。
 与党向けには退陣表明、外向けには続投ポーズという二枚舌を使い分け、国民と国会を欺く森政権の存在は、日本の経済、外交にはかり知れない打撃を与えるばかりでなく、地方財政をも破局へと確実に導くでありましょう。森自公保政権の一刻も早い退陣を強く求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(片山虎之助君) 八田議員から何点かの御質問がありましたが、まず、介護保険の保険料に関するお尋ねであります。
 介護保険制度は、国民みんなで介護を支えると、こういうことでございますから、能力に応じて保険料や使用料を負担いただくことが制度の基本でございますが、低所得者の方に過大な負担とならないようにすることが必要でございますので、例えば保険料については所得段階別の設定方式を採用しておりますし、利用料についても負担上限額の特例を定めるなど、低所得者に対する必要な措置を講じております。
 いろんなお話がございましたが、制度の趣旨や保険料、利用料の意義について国民の理解を深めていくとともに、市町村を通じて現場からの意見も十分聴取しながら、我々としてもよりよい制度になるように今後とも努力いたしたいと、こういうふうに考えております。
 次に、乳幼児医療費助成制度についてお尋ねがございました。
 なるほど、乳幼児の医療費につきましては、各地方団体でそれぞれ自主的に地域の実情に応じてさまざまな形で助成しているのは事実でございます。ただ、これを制度化する、あるいは制度化して地方財政措置をとるというようなことは、現下の財政状況の中で、しかもこの問題が医療制度や福祉制度の根幹にもかかわる問題でありますから、私は慎重な検討が必要と、こういうふうに考えております。
 三十人学級についてのお尋ねがございましたが、御承知のように、小中学校の教職員の配置はいわゆる標準法によりましてこれが決まっておりまして、総務省としましては、標準法に決まった数字に基づいて地方財政計画を策定して、その所要の人員の財源については地方交付税で措置いたしているところでございます。平成十三年度から第七次の教職員定数改善計画が新たにスタートいたしますので、来年度の地方財政措置はしっかりと講じております。
 これは、三十人云々につきましては、教育のこれも基本にかかわる問題でございまして、いろんな立場からの検討をして結論を得るべき問題ではなかろうかと、こういうふうに考えております。
 それから、被災者に対する公的支援制度についてのお尋ねがございました。
 御承知のように、平成十一年四月から被災者生活再建支援法の運用が開始されておりまして、生活必需品の購入や住宅賃借の礼金等を対象とした支援金の支給が行われております。
 さらに、その住宅再建に対する支援はどうかと、こういう御意見でございまして、確かに鳥取県等では行っておりますが、現在、超党派から成る国会議員の会がいろんな議論をなされております。私どもとしては、今後そういう検討が進められる中で、地方団体の意見も聞きながら適切に対処してまいりたいと、こういうふうに考えております。
 それから、景気対策で公共事業をやったことが地方財政危機の原因にもなっていると、こういうお話でございまして、公共事業にもいろいろございますが、ただ、地方にとりまして公共事業は景気対策に資するだけではございませんで、地方のおくれた社会資本の整備にもなるし、あるいは地域経済を雇用創出等で活性化するものでございまして、私は公共事業の必要性は十分認めているわけであります。必要な公共事業につきましては裏負担について地方財政措置を行っておりますので、これをもって直ちに地方財政悪化の原因だと、こういうことはないと思いますし、その公共事業とあわせて地方単独事業を行っているわけでありまして、その辺は十分の御理解を賜りたいと、こういうふうに思っているわけであります。
 それから、高校授業料等についてのお尋ねがございましたが、使用料、手数料につきましては、住民負担の公平確保と受益者負担の原則に立脚して関係経費の動向を見ながら見直しを行ってきております。
 来年度の地方財政計画におきまして、最近における人件費や物件費の増嵩等を勘案して、公立学校の授業料等の額について所要の見直しを行っているところでございまして、これも十分合理的な根拠に基づく見直しでございますので御理解を賜りたいと、こういうふうに考えております。
 それから、単独事業を含めまして赤字地方債についてのお尋ねがございました。
 今まで、地方財政法で赤字地方債は出さないように我々も頑張ってまいったわけでございますけれども、御承知のように、国が赤字国債を発行して財源調達を行っております。そういう中で、交付税特別会計が一括資金運用部からお金を借りて地方に配分するという方式は私はもうそろそろ限界が来たと、また先ほども言いましたように、国、地方の責任が不分明になる、この際そこははっきりした方がいいんではなかろうかということが今回の制度改正につながったわけでございまして、将来の赤字地方債の元利償還についてはしっかりと交付税で面倒を見ていきたいと。
 それは、交付税というのは地方の共通の財源ではないかと。もちろん共通の財源でございますが、その年度の財政運営に支障がないように所要の地方交付税はしっかりと地方財政計画で確保することにいたしておりますから、足りなければ地方交付税を増額するわけでありまして、その点はそういう形で地方団体に迷惑がかからぬように今後ともしてまいりたいと、こういうふうに思っているわけでございます。
 いろんな御意見ございましたけれども、御意見はしっかりと受けとめて、対応できるものは対応いたしたいと、こういうふうに考えております。
 以上であります。(拍手、「市町村合併の答弁が漏れています」と呼ぶ者あり)
 市町村合併につきましては、御承知のように、昨年の行革大綱で与党三党が千ぐらいをひとつ目標にしたらどうかと、こういう御提言がございましたので、与党の千というこの数値を念頭に置きながら、それを踏まえて合併を促進しようと、こういうことでございますが、現在、都道府県に合併促進のための大綱をつくっていただいておりまして、その中にパターンを幾らか示していただくと。これは単に参考、一つの考え方のたたき台でございまして、これをもって市町村合併を強制するようなことは考えておりません。
 ただ、二十一世紀のあるべき市町村の姿をしっかりと議論してもらう、首長さんにも議員さんにも住民の方にもしっかり議論していただく必要があると思いますので、その啓蒙は大いにやっていきたい。啓蒙はいたしますが、強制はいたしません。自主的な合併を推進いたします。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(坂口力君) 介護保険の利用料と保険料についてのお尋ねがございました。
 介護保険制度につきましては、御存じのように介護を国民みんなで支え合う観点から、すべての被保険者に保険料を御負担いただきますとともに、サービスを受ける方と受けない方との負担の公平性といった観点から、サービス利用者に原則として一割の利用料を御負担いただいているところであります。
 こうした御負担をいただくに当たっては、低所得の方に大きな負担とならないよう、高齢者の保険料につきましては所得段階別に五段階として設定をいたしておりますし、また利用料につきましては、月々の上限額や施設に入所した際の食費を二段階にわたって一般の方より低く設定するとともに、社会福祉法人による利用者負担の軽減といった施策を講じるなど、きめ細かな配慮を行っているところでありますが、今後も検討してまいります。
 先日、一部の自治体における利用料や保険料の単独減免の動きについてもう少し推移を見守っていきたいと申し上げましたのは、社会保険料としての枠組みの中で自治体の主体性をどう発揮していただくか研究したいという趣旨でありました。
 その後、地域でのお取り組みをお伺いいたしておりますが、社会保険の原則にのっとって創意工夫を行っている自治体も多くあることがわかり、それらに対しましては敬意を表しているところであります。今後も引き続き検討をいたしたいと思います。
 乳幼児医療費無料化のための助成制度の創設についてのお尋ねがありました。
 医療費は、医療を受ける者と受けない者との均衡という観点から、受診者に一定の御負担をいただくのが原則と考えております。
 昨年四月の時点で、三千二百五十二のすべての市区町村が何らかの形の乳幼児医療費の助成を実施しており、また国として、難病の子供、未熟児、障害児といった手厚い援護が必要な児童の疾病につきましては、既に医療費の公費負担を実施しているところであります。したがって、これ以外の乳幼児医療費一般について新たな特別の対策を講じることは今後の課題と考えております。
 厚生労働省としては、我が国を家庭や子育てに夢や希望を持つことができる社会としていくため、少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランなどを踏まえた総合的な子育てに対する支援策をどう進めるかを含めて、適切に対応してまいりたいと考えているところであります。(拍手)
   〔国務大臣町村信孝君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(町村信孝君) 三十人学級に対する考え方についてのお尋ねがございました。
 一律に三十人学級等の少人数学級を実施することにつきましては、学級規模と教育効果の関連が必ずしも明確でないこと及び個々の児童生徒にとって多数の教員がかかわることの方が効果的であること等いろいろな理由から総合的に判断をいたしまして、必ずしも望ましい方法であると言えないと考えております。
 したがいまして、今後の教職員定数の改善につきましては、学級編制の標準を一律に引き下げるのではなく、子供たちの基礎学力の向上ときめ細かな指導のため、例えば小学校の国語、算数、理科、中学校の英語、数学、理科など、習熟度に差がつきやすいような教科につきまして二十人程度の少人数指導を行うなど、学校の具体的な取り組みを支援する観点に立って進めてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣伊吹文明君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(伊吹文明君) 被災者への公的支援の抜本的拡充についてのお尋ねがございました。
 自然災害の被災者に対する生活再建の支援策といたしましては、災害援護資金の貸し付けや被災者生活再建支援法による支援金の支給制度などがございます。
 これに加えて、お説のように、現在の被災者生活再建支援法拡充の御要望のあることは十分承知をいたしておりますけれども、この制度は都道府県の拠出金、すなわち地方住民の税金の運用益と国の補助、すなわち国民の税金が財源となっており、また、御主張のような住宅再建支援制度の新設については所要の財源措置が新たに必要であることは言うまでもありません。
 この負担の議論を別にして給付の議論だけを行うことは、現実的に永続する制度とはなり得ず、かえって国民の不満や不信感をあおるおそれがありますので、この点をも含めて国民の合意を得る努力を重ね、施策の充実に努めてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(宮澤喜一君) 景気対策として国が地方に公共事業をいわば強要し続けた結果、現在の地方財政の危機が生まれたのではないか、一つの要因ではないかというお尋ねでございました。
 景気対策で公共事業を追加いたしますときに、もちろんその各地域の要望などを踏まえました上で予算措置を行っております、原則といたしましては。また、地方負担に対して起債措置を講じるなど地方の財政事情にも配意をしてまいったつもりでございます。
 他方、地方財政は、これはおっしゃいますように、我が国の全体の厳しい経済あるいは税収の伸び悩み等々がございまして、景気対策のための公共事業の追加や特別減税等による借入金が急増しておりまして、地方財政が厳しい状況にありますことはおっしゃるとおりで、私どもよく認識しております。
 それで、この平成十三年度で、先ほど片山大臣も言われましたとおり、特別地方債を発行いたしまして、また特別会計への繰入額を増額する等のことをいたしましたが、その特別地方債を出すということは、地方としては実は自分の債務になるという確認のようなものでございますから、必ずしも評判がよくないのかもしれませんが、しかし、こういうことを透明化いたしておきませんと、将来抜本改正をいたしますときにやはり大事だと思いましたので、地方交付税総額を確保するとともに透明化の努力をいたしております。国もこのためには国債をそのために発行をいたしました。
 いずれにしても、しかし、地方財政の状況というのは国と同じような意味で非常に難しい状況にあることはもうおっしゃるとおりでございますから、財政改革を国が考えますときに、やはり地方の行財政の根本的な改革ということも一緒に中に入れて考えなければならない、そういうふうにしなければならないというふうにただいま考えております。(拍手)
#20
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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