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2001/03/23 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第11号
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2001/03/23 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第11号

#1
第151回国会 本会議 第11号
平成十三年三月二十三日(金曜日)
   午後零時二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十一号
  平成十三年三月二十三日
   正午開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(米国訪問及
  びえひめ丸衝突事故に関する報告について)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 一、日程第一
 一、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案
  (趣旨説明)
 一、国立国会図書館法の規定により行政各部門
  に置かれる支部図書館及びその職員に関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関
  する件
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第二百五番、比例代表選出議員、黒岩秩子君。
   〔黒岩秩子君起立、拍手〕
#4
○議長(井上裕君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、黒岩秩子君を厚生労働委員に指名いたします。
     ─────・─────
#5
○議長(井上裕君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(米国訪問及びえひめ丸衝突事故に関する報告について)
 内閣総理大臣から発言を求められております。発言を許します。森内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#6
○内閣総理大臣(森喜朗君) まず、私の米国訪問について御報告を申し上げます。
 私は、三月十八日から二十一日まで米国を訪問し、十九日、ワシントンでブッシュ大統領と首脳会談を行いました。今回の首脳会談は、ブッシュ大統領の就任後初のものであり、今後の日米関係のあり方の基本的方向性について忌憚のない話し合いを行い、その中で、日米同盟関係を強化し、二国間の当面の問題への対処につき緊密な対話を行い協力していくことで意見が一致し、所期の成果を上げることができました。
 具体的には、当面の大きな課題である日米両国の経済運営を中心とし、また、えひめ丸の衝突事故を含め、日米安保、朝鮮半島情勢、さらには国連改革等のグローバルな課題といった幅広いテーマにつき率直な意見交換を行い、会談終了後、共同声明を発表いたしました。また、私は、ブッシュ大統領に対し早期の訪日招待を行い、ブッシュ大統領は訪日招待をお受けになりました。
 首脳会談及び会談の結果発表されました共同声明の主要点は次のとおりであります。
 まず、日米同盟関係のさらなる強化のため、安全保障、経済及びグローバルな課題について日米間の対話を強化していくことを確認いたしました。
 経済分野においては、ブッシュ大統領より、米国経済を再び成長させるため、財政・金融・貿易政策を活用していきたいとの発言があり、さらに、日本経済の早期回復のための金融改革の推進や不良債権問題解決への期待の表明がありました。これに対して、私から、米国経済の減速傾向がアジア経済に影響を与えている旨指摘をいたしました。
 また、日本経済の現状と景気回復に向けた政府の取り組みを説明するとともに、十五日に設置された政府・与党緊急経済対策本部における不良債権問題への取り組みなども説明の上、日本経済の再生及び金融システムの強化のための構造改革及び規制改革を精力的に促進する決意を改めて述べました。さらに、私とブッシュ大統領は、経済・貿易分野での日米間の対話を強化するための新たな方策の探求のための協力やWTO新ラウンドの本年立ち上げに向けた協力についても意見の一致を見ました。今後の経済面での政策運営について日米両首脳間で確認することができたことは、時宜を得たものであったと考えます。
 さらに、えひめ丸の衝突事故については、後ほど詳しく述べますが、私より、本件は遺憾な事故であったが、ブッシュ大統領による特使派遣等の米側の謝罪を真摯なものと受け入れている、引き続き原因究明、引き揚げ及び補償等につき努力いただきたい旨申し入れました。これに対しブッシュ大統領より、えひめ丸の事故については、深く遺憾に思う、できることはすべて行う、御家族のために努力したいとの発言がありました。
 日米安保については、私とブッシュ大統領は、日米同盟関係及びこれに基づく米国のプレゼンスの重要性につき意見をともにし、一九九六年の日米安全保障共同宣言等に基づく取り組みを引き続き実施することの必要性を再確認するとともに、日米安保協力の拡大深化のため引き続き協力していくことで意見の一致を見ました。
 沖縄に関する諸問題については、私より、最近、事件、事故が頻発していること、県民の負担への配慮が重要であり、県民の気持ちを酌む必要がある旨伝え、SACOを引き続き実施すること、普天間基地の移転の問題を含め、沖縄に関する問題につき日米が緊密に協議していくことで意見の一致を見ました。
 さらに、大量破壊兵器及び弾道ミサイルの拡散の脅威が増大していることについて、私より、米国と認識を共有する、米国がミサイル防衛計画を検討していることは理解する、米国が同盟国や関係国と十分協議する旨表明していることを歓迎する旨述べました。
 この他の国際情勢についても、緊密な意見交換を行い、朝鮮半島の問題について、改めて日米韓の三国間の連携の重要性を確認いたしました。さらに、グローバルな課題について、国連安全保障理事会改革について今後とも日米両国で緊密に協力していくことで一致し、我が国の常任理事国入りにつき米国が協力していくとの表明がありました。
 首脳会談終了後、私は、ワシントン近郊にあるトマス・ジェファーソン科学技術高校を訪問する機会を得、ITの次世代を担う若者たちを養成している教育の現場を視察いたしました。
 さらに、二十日、ワシントンからの帰路にホノルルに立ち寄り、えひめ丸の衝突事故というまことに悲しむべき事故が発生した海域に万感の気持ちを胸に御家族の方々とともに赴きました。また、日系兵士等も奉られている国立太平洋記念墓地を訪問いたしました。
 冒頭述べましたとおり、今回のブッシュ政権発足後初めての日米首脳会談を通じ、日米両国が、二国間問題のみならず、国際情勢を含む幅広い分野において緊密な対話を通じた政策協調を通じて世界の平和と繁栄のために協力していくことを確認し、今後、日米同盟関係を維持強化していくという日米関係の基本的な方向性を打ち出すことができたことは、大きな成果であったと考えております。私としては、我が国外交の基軸である日米関係の一層の強化のために今後とも尽力してまいる所存であり、議員各位の御協力をお願い申し上げます。
 次に、えひめ丸の衝突事故につき申し上げます。
 二月十日にこの事故が発生して以来約六週間が経過しております。私は、日米首脳会談後訪問したホノルルにおいて、御家族とともに事故現場に赴きました。御家族の皆様の深い悲しみと御心労を改めて痛切に感じますとともに、引き続き、御家族のお気持ちを踏まえて、政府として全面的な支援をしていく決意を新たにしたところであります。
 政府といたしましては、私の指示に基づき、これまで関係省庁がおのおの所要の措置をとってきています。現地ホノルルにおいては、事故当日より対策本部を設置するとともに、桜田外務大臣政務官を派遣し、その後、元潜水艦艦長の現役自衛官及び民間の引き揚げ専門家を、また、二月二十四日からは望月外務大臣政務官を現地に派遣する等、この問題に全力を挙げて取り組んでまいりました。
 事故発生直後の最優先事項は捜索救助活動であり、河野外務大臣からフォーリー大使への電話等により、米側に対し捜索救助活動に全力を尽くすよう要請をいたしました。また、二月十五日には衛藤外務副大臣が私の親書を携行して米国を訪問し捜索救助活動の継続を要請しました。米側は、捜索救助活動に全力を挙げ、大規模かつ広範囲な捜索活動を行いましたが、残念ながら九名の方が依然行方不明のままであります。
 同時に、事故発生を受け、自分とブッシュ大統領の電話を初め、あらゆるチャンネルを通じ、この遺憾な事故への抗議の意を伝えました。これに対して米側よりは、ブッシュ大統領から私への電話やファロン特使の派遣も含め、さまざまなチャンネルを通じ、謝罪の意が表明されているところであります。また、先ほど申し上げたとおり、今回の日米首脳会談においても、ブッシュ大統領より改めて深い遺憾の意が表明されました。
 政府といたしましては、原因究明、引き揚げ及び補償等、今後の課題につき、米側に対し適切な対応を求めてきています。今回の日米首脳会談におきましても、私より、これらの課題につき米側の努力を要請し、ブッシュ大統領は、できることはすべて行うと述べました。
 このうち、原因究明に関しては、五日より米海軍審問委員会が開催され、ワドル前艦長らの証言を得て、二十日午後結審に至りました。我が方は、米側の要請を受け海上自衛隊の将官をアドバイザーとして派遣しております。今後とるべき措置についての勧告を含む委員会としての報告がファーゴ太平洋艦隊司令官に提出され、同司令官がその内容を検討し必要な措置をとることとなっております。
 船体の引き揚げに関しては、えひめ丸引き揚げ専門家チームをホノルル及びワシントンに派遣し、米側と協議を行いました。これらの協議を経て十三日には、米国政府は、詳細な計画並びに環境及びその他技術的諸問題の解決は依然残されているものの、引き揚げに取り組むとの決定を行っております。
 さらに、補償については、今後本格的に議論されることになると見られますが、米側が誠意ある対応を示すことが重要であり、このことは既に米側に対し申し入れてきております。
 日本政府としては、これらの点について、引き続き主張すべきことは主張し、きちっとした対応をしていく方針ですが、同時に、日米関係は我が国外交の基軸であり、日米関係の維持強化という大局を踏まえて適切に対処していく考えであります。
 以上、私の米国訪問及びえひめ丸の衝突事故につき御報告を申し上げました。(拍手)
    ─────────────
#7
○議長(井上裕君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。齋藤勁君。
   〔齋藤勁君登壇、拍手〕
#8
○齋藤勁君 齋藤勁です。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま報告のあった米原子力潜水艦によるえひめ丸沈没事故に関する政府報告について、そしてあわせて、三月十九日に行われた日米首脳会談について、総理と関係大臣に質問をいたします。
 冒頭、二月十日に起こったこの痛ましい事故により、いまだに行方の知れない九名の犠牲者の方々が発見されるよう祈念し、御家族、関係者の方々に心からお見舞いの言葉をささげるものであります。
 民主党は、二月十六日から二十三日までハワイとワシントンに調査団を派遣し、調査活動と申し入れを行ってまいりました。その活動を踏まえて質問をいたします。
 さて、このたび総理は訪米をされ、ブッシュ新大統領との首脳会談をしてこられました。二十一世紀初頭、国際情勢が揺れ動く中で、日米関係はますます重要になっていると考えます。しかし、それにしても、なぜこの時期に行われたのか、事実上退陣表明した森総理が訪米して国益が守れるのかというのが率直な国民の感想だということを申し上げます。
 まず、総理に伺います。
 今回の痛ましい事故の原因は現在米側で明らかにされる手続が行われておりますが、その原因は何だったのか、責任の所在がどこにあるのか、政府としてどのように認識していますか。そのことは今後の政府としてのアメリカ合衆国に対しての交渉にかかわってくるので、まず伺います。
 次に、事故の報告を受けて日本側のとった緊急対応について、総理は、危機管理ではなく、事故でしょう、相手がたまたま米国の原潜だっただけと言われたと報道されています。その時点で情報が不十分であっても、米国の原子力潜水艦と我が国の実習船とが衝突し救助しているという情報を聞いた段階で、国政に責任を持つ方であれば、乗船者は大丈夫か、死傷者はいないか、どのような原因か、放射能などは大丈夫か、米政府との対応はどうするかと、次から次へと考え、ゴルフどころではないと私は思うのです。それを総理は平気でゴルフを続けられた。国民は、国の最高責任者が国民の生命、安全に対してむとんちゃくであることに大変な憤りを感じたわけです。現時点で総理はどうお考えなのか、この場で国民に対して危機管理の対応について率直に謝っていただきたい。
 事態がどれほど重大な状況であるのか、危機的な状況であるのか、そういう情勢判断を迅速にし、その上、的確な指示を下さなくてはいけない。いかに立派な設計図も、そこに携わる人の自覚と責任感と意思がない限り、全く機能しないし、何一つ実行できないのではありませんか。
 総理、外務大臣、官房長官、危機管理担当大臣にお伺いいたします。
 今回のえひめ丸事件から何を教訓として得られましたか。その結果、危機管理に関して政府としてどのような改善策をおとりになりましたか。まだとっておられないのであれば、どうされようとお考えですか。事故、災害は政府や政治家の都合を待ってくれません。ぜひお考えをお伺いいたします。
 さて、査問委員会ではワドル艦長の証言が行われ、次々と新たな事実が明らかになってきました。同委員会においては、公開、公正の姿勢であらゆる真実が究明されることこそ、今回のような悲劇が繰り返されないためにも極めて重要であると考えます。
 こうした作業を踏まえ、えひめ丸の船体引き揚げの具体的見通し、あわせて、家族、関係者への補償はどのように解決が図られるべきか、その交渉の今後のあり方について、総理並びに外務大臣に明らかにしていただきたいと思います。
 日本国民の生命、安全を守る政府として、今回の被害者の方々への支援、補償等がしっかりなされるよう図っていかなくてはなりません。法的解決においても、米国の司法手続を尊重するにせよ、民間人の関与もあり、さらに、この事故がもし我が国領海内であったらどうだったか、米国でなかったらどうであったかなども考慮し、普遍的な正義、公正の視点から、米国に対し言うべきことは毅然として言っていくという姿勢が大切かと思います。総理、外務大臣は、政府として米国に対し今後どのような折衝をされるのか、また被害者の方々に対してはどのような対策をお考えか、その所見をお伺いいたします。
 再発防止策について、総理、外務大臣並びに防衛庁長官にお伺いいたします。
 二十年前、鹿児島県沖で米原子力潜水艦ジョージ・ワシントンが貨物船日昇丸に衝突、沈没させた事故がございました。原子力潜水艦は頻繁に佐世保、横須賀、沖縄など我が国の基地を出入りしております。日本近海で唯一米潜水艦の訓練水域に指定されている神奈川県相模湾の訓練区域は、漁業に適しており、またプレジャーボートが多数行き交う海域ですが、米原潜が訓練を行う際はその時期や場所など一切の情報は公表されないため、今回の事故で関係者は大変不安を覚え、沿岸各自治体議会で今月中にも国への意見書の決議を提出する、そういった声が上がっております。
 さらに、今回のような米原子力潜水艦による民間人を含む体験航海が、我が国の横須賀基地においても過去五年間で十一回も実施されてきたとの報道を考えますと、このような事故が日本近海でも起きかねないからであります。
 日本政府は、米政府に対し、訓練区域の見直し、日本近海では訓練の事前通告を行う、緊急浮上訓練は行わないなどの再発防止策を強く迫るべきと考えますが、日米首脳会談で総理はそのような申し入れを行ったでしょうか、具体的にお答えいただきたい。
 また、外務大臣及び防衛庁長官は、我が国として今後どのような対応をとるべきかとお考えなのか、お尋ねいたします。
 御承知のとおり、ブッシュ政権の外交・安全保障担当のトップ人事からも明白なように、米国はこれまで以上に日本重視を打ち出しています。あわせて、金正日朝鮮労働党総書記の訪中、プーチン大統領の訪朝、金大中大統領の訪米など、極東情勢をめぐるさまざまな動きがある中、米国は中国、北朝鮮へのクリントン政権よりはるかに厳しい姿勢を示すとともに、TMD、NMDの積極的な方向を出すなど、我が国にとって極めて大きな影響を及ぼす可能性のある変化が見てとれます。また、四月には、米国は台湾に対する武器輸出について新たな決定をしていくと見られます。
 こうした中で首脳会談は行われたわけですが、総理、国の最高責任者同士が会談するということは大変なことです。今回、会談に臨む総理の姿勢に根本的な問題があったと言わざるを得ません。
 ブッシュ大統領と会談して、何を得ようとして訪問したのか、国民に何もメッセージは伝わってきませんでした。アメリカに対しても同様でした。総理は事実上退陣表明をし、諸外国もそのように認識していました。訪米日程を政局に絡め、政権の延命に利用したとの認識を私も含め多くの国民が持っているんではないですか。また、自民党内部にも訪米花道論も言われていたんではないでしょうか。アメリカのマスコミでも、やめていく首相とブッシュが会っても時間のむだではないかとの論評がされました。たまたまアメリカ経済に陰りが出て株が下がった途端、日本経済にその原因を求め、総理に注文をつけるという態度に米国が出たというのが、今回の訪米をめぐる客観的な日米の関係ではなかったんですか。総理は日本国民の代表として何をブッシュ大統領に伝えようとし、交渉で何を得ようとしたのか、このことを明らかにしていただきたい。
 そして、会談内容を明らかにしていただき、原潜事故について大統領はどう謝罪し、何を約束したのか、改めて伺いたいと思います。
 総理、あなたのあいまいな姿勢は交渉の隅々にあらわれているんです。基地をめぐるトラブルに苦しみ、沖縄県が切実に願い、民主党からも提案している基地をめぐる日米地位協定の改定を提案せず、総理は共同声明で単に運用の改善という言葉を使い、基地問題を解決していく課題を後退させてしまっています。沖縄基地の十五年使用期限問題も、本気で談判しようという気迫がありませんから、ブッシュ大統領の困難な問題だの一言で後が続かない。一体、沖縄県民の真剣な要求を受けとめているんですか。
 総理並びに外務大臣は、地位協定改定と基地の使用期限問題をこのまま放置しておいてよいと考えているのか、お答えいただきたいと思います。
 さらに、総理は、米国のミサイル防衛計画に理解を表明し、有事法制の法制化を国会での議論を踏まえないで約束してきたようであります。これは日本国民の代表の姿勢として問題があると言わざるを得ません。これで総理は訪米目的が達成されたと考えているんですか。
 さて、日米首脳会談の主たる議題となった経済問題についてお尋ねをいたします。
 会談の中でブッシュ大統領は、邦銀の不良債権問題について日本が全力で取り組んでいないとの見方が米国内にあると懸念を示し、早期処理を強く要請しました。総理は、対応を急ぐ方針を強調し、共同声明においても、我が国が不良債権の問題に効率的に対処することを含め、日本経済の再生、金融システム強化のための構造改革、規制改革を促進することが明記をされました。この内容自体は我が民主党が従来から主張してきたことであり、当然のことでございますけれども、あなたの発言は表向きのポーズでしか見えません。本気で取り組む姿勢があるんですか。
 この間、不良債権処理を先送りしてきたのは、まさに我が国の政府・自民党、与党自身じゃないですか。国民に向け不良債権の早期処理と財政再建のメッセージを発せず、財務大臣が日本の財政は破局に近いと評論家的に述べていたものを、いきなり総理が外国の大統領に改革を約束してくるというその姿勢は本末転倒です。こうした森内閣に大胆な施策の実行を期待することは到底不可能です。予算案の審議中にもかかわらず、最近与党が決定した緊急経済対策では、金融検査の弾力化とか実情を考慮しなどと検査に手心を加える趣旨の項目も盛り込まれており、全く整合性がありません。不良債権の抜本処理を進めるには、金融検査をやり直し、厳格な資産査定と引き当てを行わせることが不可欠であります。
 日米首脳会談については、二十日付のニューヨーク・タイムズは、邦銀の不良債権処理問題に関して日本側のあいまいな態度が示されたにとどまったと指摘をしております。ワシントン・ポストは、日米間の解釈の食い違いが表面化したと報じ、米高官は、日本が輸出に頼らず、内需拡大に努力をすることで合意したと強調しましたが、日本側はそのような約束をした事実はないと説明したと指摘をしています。
 首脳会談において、一体総理は何を約束しているのか、円安誘導に関する発言をなさったのか、また、ブッシュ大統領の輸出に関する指摘に対して有効な反論をしたのかどうか、お聞かせいただきたい。また、苦い薬は早く飲めば効くといったようなことを日本経済に関しアメリカ大統領から言われたようですが、反論をしたんですか、首相がどう感じたのか伺いたい。
 GDPで世界の四割を占める日米両国の世界経済に対する責任は極めて重いものと言えますが、政策ミスを繰り返し、日本経済をどん底に陥れ、あげくの果てに事実上退陣を表明し、後継者も決まらないままにブッシュ大統領と会談したことは、米国に対し失礼な話であり、遺憾にたえません。死に体の森内閣が小手先の施策を積み重ねても、日本経済が本格的な回復軌道に乗ることは不可能であります。民主党を中心とした政権を一日も早く樹立し、不良債権処理、規制改革、財政再建に取り組む以外に選択はないと考えます。
 森総理に経済政策についての質問をすること自体、もはや無意味と言わざるを得ませんが、総理に思うことがあれば、御所見を伺いたいと思います。
 民主党は、森総理の訪米、そして訪ロシアに反対の態度を明らかにしています。しかし、総理はロシアのプーチン大統領に会われるようですが、何を獲得目標にしていかれるんですか、その姿勢について伺います。
 また、昨日のアメリカの在米ロシア外交官五十人追放へという報道について、政府はどう把握をされておりますか。今後の米ロ関係への影響をどう見るのか、プーチン大統領との会談でこのことをどう触れられるのか伺います。
 そして最後に、事実上退陣表明された総理がみずから責任をとれないような国際的な約束はなさらない方がよいという意見を申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#9
○内閣総理大臣(森喜朗君) えひめ丸衝突事故の原因と責任の所在について、まずお尋ねがございました。
 米側は、繰り返し本件事故に対する遺憾及び謝罪の意を表明し、この事故に関するあらゆる責任を有する旨表明しているほか、ファロン特使も、審問委員会における原因究明の結果次第では責任を問われる者もあるだろうが、これらについてはきちんと対処していくと述べられたところであります。
 審問委員会は、ワドル前艦長らの証言を得て、二十日午後、結審に至り、証言及び最終弁論を通じて、潜望鏡による確認不足、火器管制員による解析不足及び報告漏れ、当直体制の不備等が明らかにされました。今後とるべき措置についての勧告を含む委員会としての報告がファーゴ太平洋艦隊司令官に提出され、同司令官がその内容を検討し、措置をとることとなります。
 このように、現在、米国は、審問委員会の結果を受けて、原因究明及び責任の所在の明確化に取り組むこととしており、我が国としては、引き続き米側の誠意ある対応を求めてまいります。
 えひめ丸事故発生後の私の対応についてのお尋ねがございました。
 本件は米国領海で発生した事故であることから、政府としてなし得る措置は、情報の収集と人命救助について万全の対応を図るよう米国政府に要請することでありました。
 こうした認識のもと、第一報後、私は直ちに人命救助と情報収集について、米国政府の最大限の協力を確保すべしとの指示を行ったところであります。この指示に基づいて、外務省及び防衛庁のチャンネルで働きかけが開始され、また、内閣官房、外務省、文部科学省の連絡室や対策本部などの体制も構築されたところであります。したがって、私はこの種事案の初動において、総理としてとるべき措置はとったものと認識しております。
 しかしながら、事故発生後の私の行動をめぐって国民から強い御批判のあることは十分承知をいたしており、謙虚に受けとめるとともに、御不快、御不信の念をお持ちの皆様にはおわびを申し上げたいと存じております。
 えひめ丸事故から得た教訓は何かとのお尋ねがございましたが、さきにも申し上げたとおり、私は、政府として、この種の事案においては必要な初動措置は講ぜられたものと考えております。
 しかしながら、国民の生命、財産を守ることは政府の最も重要な責務であるところから、緊急事態への対応体制等については、今後とも万全かつ十分かどうか不断の点検を行ってまいりたいと考えております。
 船体引き揚げの見通し、関係者への補償及び今後の米国との交渉のあり方についてのお尋ねがありました。
 政府としては、これまで、引き揚げ及び補償といった今後の課題につき、米側に対し適切な対応を求めてきております。今回の日米首脳会談においても、私から、これらの課題につき米側の努力を要請し、ブッシュ大統領は、できることはすべて行うと述べたところであります。
 日米首脳会談後、私はホノルルにおいて御家族とともに事故現場に赴き、御家族のお気持ちを踏まえて、政府として引き続き全面的な支援をしていく決意を新たにいたしたところであります。
 本件事故につきましては、主張すべきは主張して、きちっと対応する必要がありますが、同時に、日米関係の維持強化という観点も踏まえて適切に対処していく考えであります。
 日本近海における訓練と事故の再発防止につきお尋ねがありました。
 我が国周辺海域に設定されている米軍の海上演習場については、日米安保条約の目的達成のため必要なものであると考えております。これらの海上演習場において米軍が航行船舶の安全に影響を及ぼす訓練を実施する際には、米側から事前通告がなされ、これを受けて政府が水路通報等により一般に周知しているところであります。
 また、事故の再発防止については、先般、ファロン特使が来日した際に、米軍艦船の航行安全の確保について申し入れたところであり、ファロン特使からも再発防止のために必要な措置をとると述べています。また、二月二十三日、ラムズフェルド国防長官は、あらゆる軍事機器の操作を民間人に許可することを停止させております。
 今回のような事故が再び繰り返されないためには、事故原因を徹底的に究明する必要があると考えており、今般の日米首脳会談においても、私よりブッシュ大統領に原因究明等につき努力を要請いたしました。ブッシュ大統領より、できることはすべて行うとの発言があったところであります。
 いずれにせよ、政府としては、米側に対し今後とも事故の再発防止を含め、艦船の航行安全に万全を期すよう求めていく考えであります。
 今回の首脳会談のねらいについてのお尋ねでありますが、今回の会談は、ブッシュ大統領の就任後初めてのものであり、両国の国民を代表する首脳同士が直接会って、日米同盟関係の重要性を改めて確認した上で、安保、経済、国際情勢の分野における戦略対話を通じた日米同盟関係の維持強化という二十一世紀の日米関係についての基本的な方向性を打ち出すとともに、えひめ丸事故や両国の経済運営を含めた幅広い問題につき意見交換を行うことを主眼といたしました。今回の首脳会談において、その目的は十分達成することができたと考えております。
 首脳会談における原潜事故に関するやりとりについてのお尋ねですが、私の方から、えひめ丸の事故は遺憾な事故であったが、米側の謝罪を真摯なものとして受け入れていると述べつつ、引き続き原因究明、引き揚げ及び補償等につき努力いただきたい旨述べたのに対し、大統領から深い遺憾の意が表明され、できることはすべて行う、日本において強い感情があるのはわかっている、御家族のためにも努力したいとの発言がありました。その上で、共同声明において、私と大統領は、日米両国の間の強固なきずなの存在が日米両国が遺憾なえひめ丸の事故のような問題に取り組むことを可能にしている旨確認した次第であります。
 日米地位協定及び普天間飛行場代替施設の使用期限問題についてのお尋ねがありました。
 日米地位協定の問題については、まずは閣議決定にあるとおり、運用の改善により個々の問題に機敏に対応することが重要であると考えますが、それが十分効果的でない場合には、相手もあることですが、地位協定の改正も視野に入ってくると考えます。かかる考えに基づいて、先般の日米首脳会談で、私より、日米地位協定の運用改善等を通じ日米で協力して沖縄の負担軽減に努めたい旨ブッシュ大統領に述べたところであり、引き続き地位協定に関する諸問題に取り組んでまいる所存であります。
 また、普天間飛行場代替施設の使用期限問題については、先般の首脳会談の結果をも踏まえつつ、今後とも、平成十一年末の閣議決定に基づき適切に対処してまいるとともに、あわせて、国際情勢が肯定的に変化していくように努力してまいる所存であります。
 今回の首脳会談における米国のミサイル防衛計画と有事法制の扱いにつきお尋ねでありますが、我が国は、米国のミサイル防衛計画に関し、従来より、米国が近年の弾道ミサイルの拡散に対処するために外交努力を行うとともに、国家ミサイル防衛計画を検討していることにつき理解するとの立場を示してきています。
 今回の首脳会談において、私は、ブッシュ大統領に対し、このような我が国の立場を示すとともに、米国が本件について同盟国及び関係国との間で十分協議する旨表明していることを歓迎する旨述べました。
 有事法制については、先般の施政方針演説において述べたように、関係省庁間で協力しつつ検討を開始していくこととしております。これを受け、私は、今回の首脳会談で、ブッシュ大統領に対し、有事法制について法制化を視野に入れて検討を開始していくことにした旨を述べました。
 このように今回の会談においては、ブッシュ大統領と安保・防衛問題を含め忌憚のない話し合いを行うことができ、また、日米両国が緊密な対話を行い協力していくことで意見が一致しました。私は、今回の訪米は所期の目的を十分に達成することができたと考えております。
 今回の日米首脳会談において何を約束してきたかとのお尋ねでありますが、私とブッシュ大統領の間で意見の一致を見た点は日米共同声明に明確に述べられたとおりであり、経済分野においては、規制緩和、構造改革、外国直接投資の促進の重要性、日米間の対話の強化、WTO新ラウンドの年内立ち上げなどであります。
 円安誘導に関する発言があったかとのお尋ねでありますが、為替に関する議論は一切なされておりません。いずれにせよ、円安誘導により輸出主導の景気回復を図るべきという考え方は我が国としてもとより持っておりません。
 大統領の各発言に有効な反論をしたのかとお尋ねでありますが、今回の首脳会談の大きなねらいは、個々のやりとりで反論し合うということではなく、我が国の景気の改善に足踏みが見られ、米国においても景気の減速が鮮明になってきているこの時期に、日米両国間でそれぞれ経済政策及び経済運営について首脳レベルで政治意思を確認することにあった次第であります。この点、私は、ブッシュ大統領と今後の日米関係のあり方の基本的方向性について忌憚のない話し合いを行うことができ、極めて有意義な会談を行うことができたと考えております。
 経済政策についてお尋ねがありました。
 最近の経済状況を見ると、景気の改善には足踏みが見られ、先行きについては、アメリカ経済の減速や設備投資に鈍化の兆しなど懸念すべき点が見られます。こうした中で、引き続き景気に軸足を置いて経済を一日も早く本格的な回復軌道に乗せることが最重要課題であります。このため、平成十三年度予算の一日も早い成立が必要不可欠であると考えております。
 さらに、日本新生という包括的なプログラムのもとで、着実に経済のバランスシート調整を進めること、規制改革により新産業の創出、競争促進、教育改革を通じた人的資源の強化など、サプライサイドの政策を進めること、この政策の中核としてIT革命を強力に推進することなどにより、時代を先取りした経済構造改革を実行しているところであります。
 また、政府・与党緊急経済対策本部を発足させ、株式市場の需給改善及び活性化策、企業の再生と債権放棄を一体的に行うとの観点に立った不良債権の的確かつ迅速な処理策について、その具体化を早急に検討することといたしております。都市再生の実現や土地等の流動化対策についても、その具体化を早急に検討する必要があるものと考えております。
 こうした道筋に沿って適切かつ機動的な政策運営を行うことにより、民需を中心とした経済成長を実現し、日本経済の復活を達成したいと考えております。
 私の訪ロについてのお尋ねがありました。
 今回の日ロ首脳会談においては、二〇〇〇年までの平和条約締結という目標に向かって両国が全力を尽くした結果を総括し国民の皆様に示すこと、また、それを基礎として、今後の平和条約交渉をさらに進めていく旨、明確に合意することを目標といたしております。
 いずれにせよ、政府としては、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの一貫した方針のもと、交渉に取り組んでいく考えであります。
 ロシア外交官の追放については、米国政府により既にロシア大使館員四名が退去を命ぜられたと承知しており、引き続き関連情報を収集するとともに、今後の米ロ関係に与え得る影響を注視しております。
 なお、日ロ首脳会談において個々の案件をどのように取り上げるかについては、予断を避けたいと思います。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(河野洋平君) えひめ丸事故から得られた教訓についてのお尋ねがございました。
 外務省としては、本件事故の第一報を受けまして、海外における日本人の安全及び我が国と米国との関係にかかわる重要な問題として直ちに事実関係確認のための情報収集を開始し、判明した情報を逐次、総理、官房長官などに連絡をした次第でございます。
 総理が、今回の事案について、政府として行うべきことは、情報の収集と米国の主権下における人命救助について万全の対応を図るよう米国政府に要請することであるとの御認識のもと、これらを外務省に指示されたことは御承知のとおりであります。
 外務省としては、本件事故によりまして、このような重要な問題について日本人の安否確認を含む情報収集、分析、関係者への迅速な連絡及びこれらに基づく適切な対応が極めて重要であることを改めて強く認識したところであり、今後ともこれらを徹底していく考えであります。
 船体引き揚げの見通し、関係者への補償及び今後の交渉のあり方についてのお尋ねが次にございました。
 船体の引き揚げにつきましては、十三日、アメリカ政府は、詳細な計画及び環境及びその他技術的諸問題の解決は依然残されているが、引き揚げに取り組むとの決定を行っており、政府としては、御家族の御要望も踏まえ、引き続き米側に対し引き揚げについてあらゆる手だてを尽くすよう求めてまいりたいと存じます。
 補償につきましては、今後本格的に議論されることになると思われますが、米側が誠意ある対応を示すことが重要であり、政府としてできる限りの支援を行っていく所存であります。
 今後の米国との折衝方針及び被害者の方々への対策についてお尋ねがございました。
 ただいま総理から、ワシントンで行われた日米首脳会談等についての御発言がございました。そのとおりでございますが、本件事故につきましては、御家族の方々の御要望を十分踏まえて、主張すべきは主張し、政府としてできる限りの対応をしていきたいというのが我々の考え方でございます。同時に、日米関係の維持強化という観点も踏まえて適切に対処してまいりたいと存じます。
 我が国周辺海域における訓練については、先ほど総理より申し述べた御答弁のとおりでございます。
 事故の再発防止につきましては、先般ファロン特使が来日した際、私から、米軍艦船の我が国への入港につき改めて安全を徹底するよう指導願いたい旨申し入れたところであり、ファロン特使からも再発防止のために必要な措置をとるとの発言がございました。また、ファーゴ太平洋艦隊司令官からは、審問委員会の結果が出るまでは緊急浮上のデモンストレーションを制限する旨述べております。
 さらに、今回の事故発生の後、日米合同委員会において、我が方より相模湾潜水艦行動区域における航行安全につき要請をしたことに対しまして、米側よりは、日本の領海内における潜水艦の行動の安全は引き続き米海軍の最重要事項であり、日本近海においてその安全確保のために今後ともあらゆる努力が払われ、またその行動及び安全に適用される関係法令は遵守される旨回答がありました。
 いずれにせよ、政府としては、米側に対し今後とも事故の再発防止を含め、艦船の航行安全に万全を期すよう求めていく考えでございます。
 日米地位協定の問題につきましても、総理が御答弁されたとおりでございますが、現状について一言申し上げますと、先般、私はこの問題について担当者に指示をいたしまして、起訴前の被疑者の身柄の引き渡しの問題について運用改善に取り組むべく、日米間で協議を開始することとなったところであります。
 普天間飛行場代替施設の使用期限問題につきましては、先般の首脳会談で、総理よりこれを取り上げたのに対し、ブッシュ大統領より、御承知のとおり使用期限の問題は困難な問題である、この問題は国際情勢に照らして考えていかなければならない、この地域での米のプレゼンスは重要である、普天間の移設問題については引き続き日米間で協議していきたいとの応答があったところでございます。
 政府としては、今後とも、平成十一年末の閣議決定に基づきまして、本件に適切に対処していくとともに、あわせて、国際情勢が肯定的に変化していくよう努力をしてまいる考えでございます。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(福田康夫君) えひめ丸事故から得た教訓は何かとのお尋ねがございました。
 政府といたしましては、これまで阪神・淡路大震災などで得られた貴重な経験を踏まえて、二十四時間体制の内閣情報集約センターを設置して、緊急事態の初期の段階から必要な情報が官邸に集中され、総理等に迅速に連絡がなされる体制を整備してまいりました。
 えひめ丸事故の発生についても、迅速に関係者に連絡されたところであり、これを受けて総理から初動対応について適切な指示がなされ、危機管理担当大臣はもとより、この事案に直接関係された外務大臣及び防衛庁長官においては、米側への申し入れ、乗組員の御家族などへの支援などについて速やかに対応されました。政府として必要な処置が講じられたものと考えております。
 これらの緊急事態への対応体制については、今後とも万全を期して、不断の点検を行ってまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣伊吹文明君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(伊吹文明君) えひめ丸事故から得た反省、教訓についてのお尋ねでございました。
 今回の残念な事故は、内閣法十五条に規定をいたしております国民の生命が大規模に危険に侵されるという危機管理対象の事案ではございませんけれども、米国の主権下の原子力潜水艦により引き起こされました我が国の外交、安全保障を揺るがしかねない、日米の信頼関係を損なう可能性を含む重大な緊急事態でありました。
 特に、第一報が参りました時点では、すべての乗組員の安全が確認されていなかったことから、私からは、直ちに外務省、防衛庁を通じて、米側に人命救助を第一とするよう強く依頼をいたしました。同時に、総理から同様の御指示をいただいておりまして、初動措置としては間違いのない対応がとれたと思っております。
 今後の反省、教訓といたしましては、危機管理の対象であろうと、それに至らぬ緊急事態への対策であろうと、その事態に直面したときには一刻の猶予もないというのが国民の命を預かっている担当者の置かれた立場であるだけに、政治的責任を負う者は、法律や制度を超えて動かねばならない局面があるということが大きな教訓だったと思います。この教訓を大切に、今後の緊急事態の発生に対処するのが私たちの責任であると自覚をいたしております。(拍手)
   〔国務大臣斉藤斗志二君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(斉藤斗志二君) 日本近海における訓練と事故の再発防止についてのお尋ねでございますが、総理から御答弁がございましたように、我が国周辺海域に設定される米軍の海上演習場については、日米安保条約の目的の達成のため必要なものでございます。
 一般論として申し上げれば、これら海上演習場において米軍が射撃訓練のような航行船舶の安全に影響を及ぼすような訓練を実施する際には、米側から事前通告がなされ、これを受けて政府が水路通報等により一般に周知しているところでございます。
 御指摘の相模湾潜水艦行動区域については、当庁としては、引き続き外務省とも連携して、当該区域での安全確保及び事故防止のため、万全を期すよう米側に求めてまいりたいと考えております。
 今回のような事故が再び繰り返されないためには、事故原因を徹底的に究明する必要があると考えており、今般の日米首脳会談においても、森総理大臣よりブッシュ大統領に対し原因究明等につき努力を要請され、ブッシュ大統領より、できることはすべて行うとの発言があったと承知しております。
 いずれにせよ、防衛庁としても、米側に対し今後とも事故の再発防止を含め、艦船の航行安全に万全を期すよう求めていく考えでございます。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(井上裕君) 緒方靖夫君。
   〔緒方靖夫君登壇、拍手〕
#15
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、十九日、ワシントンで行われた日米首脳会談について、森首相に質問いたします。
 我が党は、与党向けには事実上退陣表明をし、既に政権統治能力も国際的信用も失っている森首相が日米首脳会談に臨むこと自身、国益を失うと批判してまいりました。訪問の結果は、その危惧を裏づけるだけでなく、国益を損なう表明や約束により、日本国民に多くの重い負担を背負い込むことになったと言わざるを得ません。
 その第一は、米原潜によるえひめ丸衝突沈没事件です。
 あなたは、米側に抗議するどころか、迅速で誠意ある対応に感謝を表明いたしました。そもそも、この事件は、何の落ち度もない日本の民間船と日本国民の安全が米軍艦により重大な損害を受けた事件であり、米軍と米政府に全面的責任がある政治外交問題であります。加害国が必要な対応をすることは当然のことであります。
 私は、事故直後に日本共産党調査団長としてハワイに急行し、アメリカ当局と会談するなど調査を進めてまいりました。そのときにも日本政府の態度で痛感したことですが、そもそもあなたには事件後初の首脳会談で、被害を受けた国の代表として、加害国アメリカの責任を問うという対応をされたのですか。
 米海軍の動きを見ると、事故に影響したと認めざるを得ない民間人の搭乗は続ける。日本の船舶も含めて、民間船舶の往来の激しい海域で原潜の訓練もデモンストレーションも続ける。これでは事故前と危険性は何一つ変わっていないというのが実態ではありませんか。被害国日本として、これを是とされるのですか。こうした切実な問題をなぜ首脳会談で提起されなかったのですか。明確な答弁を求めるものです。
 あなたの対応は、切実な日本国民の生命と安全にかかわる問題で、日本国民の立場に立っていないものであり、それだけでも日本の総理の資格がないことは明らかであります。
 第二に、日米安保協力の拡大深化を宣言したことであります。
 あなたは、ガイドラインの実効性の確保、諸分野での協力の推進、さらに有事法制まで言及し、共同声明で、日米防衛協議と計画への取り組みを合意し、ミサイル防衛計画への理解を表明しました。これらへの日本の参加と関与が平和への寄与になると本当に考えておられるのですか。
 あなたが提起されたことは、ガイドラインにせよミサイル防衛にせよ、すべて軍事対応一本やりではありませんか。外国軍事基地を撤去した非同盟国である東南アジア諸国は、東南アジア非核条約を実質化するための核保有国との協議開始や紛争の話し合い解決など、新しい平和の動きをつくっております。あなたの立場は、このようにアジアで広がっている二十一世紀に生きる新しい平和の動きに反するものではありませんか。
 日米首脳会談で平和の流れに逆行する対米誓約を行ったことは実に重大であります。
 第三に、不良債権の早期処理を対米誓約としたことであります。
 これは、長期の不況をさらに深刻化させ、国民の負担増、倒産、失業をひどくする極めて重大な問題であります。
 森首相は、日本の不良債権処理について、六カ月をめどに処理すると表明したと言われております。これを別の意味に述べたなどと言い繕うことなど、およそ国際的に通用しないことであります。
 事実、会談後、ワシントン・ポスト紙は、日米間の合意の解釈の相違は、ワシントンと東京の関係改善へブッシュ政権の決意を際立たせるための友好的首脳会談のねらいを損ねたと論評し、ニューヨーク・タイムズ紙は、両首脳が同じ部屋にいたことが信じがたくなると皮肉っております。
 このように、重大な問題を国会に諮ることなくアメリカに約束し、国際公約としたのです。総理、こうした重要な問題をなぜ国会に諮らずに、また、国民にも相談せずにアメリカ大統領に約束してきたのですか。明快な答弁を求めるものです。
 総理は、首脳外交での発言を自分たちの都合で言いかえることが世界に通用するとでも思っておられるのですか。
 あなたが公約してきた不良債権の早期処理、すなわち直接償却というやり方は、国民生活と日本経済に重大な災難をもたらすものであることを指摘しなければなりません。
 一つ目は、乱脈や投機的経営によって傾いた大手ゼネコンや大企業の不良債権についてです。
 大銀行が大手ゼネコンや大企業の不良債権の放棄、すなわち借金の棒引きを堂々と行える環境を用意し、産業再生法を改悪し、債権放棄を受けた企業の減税をする。そして、企業にリストラ計画を出させて、不採算部門の切り捨てや人員削減を実行させる。その結果は、大量の失業者の発生と下請中小企業の経営悪化をもたらすことは明白ではありませんか。明確な答弁を求めるものです。
 二つ目に、大銀行の不良債権処理は、多くの中小企業を貸しはがしの対象として、中小企業の運転資金の貸し渋りとともに一層の経営困難をもたらし、倒産を激増させる危険を招くということであります。事実、日商の稲葉会頭は、不良債権処理を集中して行うのは危険であります、特に中小企業への影響が大きいと危惧を表明しているほどです。こうしたやり方は、中小企業を経営困難に陥れることにはならないのですか。総理、しかとお答え願いたい。
 三つ目に、大銀行の不良債権処理やその処理に伴う税制措置の原資を財政資金という国民の税金にすべてを求めているという問題であります。
 既に七十兆円の銀行支援の枠組みがつくられていますが、今回の処理は、この枠組みを使い放題にするという流れを加速するものだけでなく、日本の財政赤字をさらに深刻にするだけではありませんか。明確な答弁を求めたい。
 不良債権の処理を正しく行う必要があるということは言うまでもありません。しかし、あなたが約束した不良債権の処理は、失業者や中小企業の倒産をふやし、国民生活を困難に陥れるだけでなく、また新たな不良債権の拡大を招くだけではありませんか。
 そもそも、景気対策の中心が公的資金投入を軸とした銀行の不良債権処理であること自体、国民の願いに逆行しているではありませんか。バブル崩壊後、実体経済が十年以上にわたって冷え続け、家計所得の下落と失業者の増大の悪循環に何の歯どめもかからず拡大してきたではありませんか。従来のやり方を転換し、GNPの六割を占める個人消費を拡大する直接的手だてこそ政治の責任ではありませんか。
 毎日の売り買いの現場で、消費拡大に直結し、とりわけ中低所得層に厚い恩恵の及ぶ消費税の減税こそ行うべきであります。
 以上見てきたように、あなたの訪米と首脳会談は、日本国民の利益を守る姿勢がみじんもない、アメリカの言いなりの外交を示しました。その結果、国民の安全にとって、平和にとって、さらに国民の暮らしにとって、どれも重大なことばかりではありませんか。
 森内閣は直ちに総退陣すべきです。それこそ日本国民の利益にも合致し、対外的な信頼回復の道であることを指摘して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#16
○内閣総理大臣(森喜朗君) 今般の日米首脳会談とえひめ丸衝突事件に関する米側の責任についてのお尋ねでありました。
 これまで我が国は、あらゆるチャンネルを通じ米側に対して遺憾な事態が起きたとして抗議の意を伝えてきており、既に米側は、先月訪日したファロン米国政府特使を通じ、米国政府及び米海軍がこの事故に関するあらゆる責任を有する旨、私に直接明言をしております。
 今般の日米首脳会談におきましても、私から改めて本件事故が遺憾な事故であったこととして取り上げ、ブッシュ大統領より改めて深い遺憾の意が示されたところであります。
 民間人の米潜水艦への搭乗と訓練の安全性につきお尋ねがありました。
 二月二十三日、ラムズフェルド国防長官は、あらゆる軍事機器の操作を民間人に許可することを停止するモラトリアムを発出いたしました。これを踏まえ、米軍は民間人の体験搭乗を行っていると承知をいたしております。
 今回のような事故が再び繰り返されないためには、まずは事故原因を徹底的に究明する必要があると考えており、十九日行われました日米首脳会談におきましても、私から原因究明等につき米側の努力を申し入れました。これに対しブッシュ大統領より、できることはすべて行う、御家族のために努力したいとの発言がありました。
 今回の日米首脳会談における日米安保協力についてのお尋ねがありました。
 私は、会談において、日米安保協力の拡大深化のため、当面、新たな日米防衛協力のための指針の実効性確保、装備・技術協力の充実、情報面での協力の推進、弾道ミサイル防衛技術にかかわる共同研究等の施策を促進していくことを確認いたしました。また、有事法制について、法制化を視野に入れて検討を開始していく旨を言及いたしました。
 このような日米安保協力の拡大深化は、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保する上で基本的な重要性を有していると考えております。政府としては、日米安保体制はアジア太平洋地域における安定と発展のための基本的な枠組みとして有効に機能しているとの認識に基づき、今後とも日米安保体制の信頼性を一層向上させていくため、できる限りの努力を払っていく考えであります。
 アジアで広がっている新しい平和の動きへの我が国の対応についてのお尋ねでありますが、アジアでは、緊張緩和に向けた前向きな動きも見られますが、依然として不透明、不確実な要素も存在しています。このような中、アジアにおいては、従来より米国を中心とする二国間同盟を軸として平和と安定が維持されてきました。我が国としては、これに加え、二国間の安保対話、防衛交流や、ASEAN地域フォーラムのような多国間の対話の枠組みにも積極的に取り組むことを通じ、新しい平和の動きを促進していく考えであります。
 今回の日米首脳会談における不良債権処理の扱いについてのお尋ねでありますが、会談の席上、私が不良債権問題について半年で結論を出すと述べたことはありません。また、私が自分の発言を自分の都合で言いかえているということもありません。ブッシュ大統領に対しては、私から、政府・与党緊急経済対策本部において不良債権の処理問題に焦点を当てて取り組んでいることなどを説明いたしましたが、政府としては、企業債務及び不良債権の問題に効果的に対処する方針であり、不良債権の問題に早急に取り組む考えであることは言うまでもありません。
 なお、私が首脳会談で半年程度と述べたのは、財政問題に関し米国側から、米国においても国のバランスシートの改善に取り組んできたとの紹介があったのに対し、我が国の財政を含む構造問題の方向性について半年程度で議論の成果が得られるのではないかと考えて申し上げたものであります。
 不良債権処理と失業問題や下請中小企業への影響についてのお尋ねがありました。
 金融機関が多額の不良債権を抱えていることは、金融機関の収益性という点で問題があるほか、貸出先企業にとっても、多額の過剰債務を抱えることは収益分野への投資を困難にさせ、ひいては日本経済の再生の障害になることも懸念されているところであり、不良債権のオフバランス化が必要と考えております。不良債権の処理に積極的に取り組み、我が国経済の再生を進め、本格的な回復軌道に乗せることが雇用の安定につながるものと考えております。
 こうした中で、離職を余儀なくされた方々への対応としては、円滑な労働移動を実現することが重要と考えており、今国会で御審議をいただいている雇用対策法等改正法案において円滑な再就職促進対策を提案しているところであります。
 今後とも、新規産業の育成により雇用機会の創出を図るとともに、職業能力開発を通じ需給のミスマッチ解消に積極的に取り組むことにより、雇用の安定を図り、雇用不安の払拭に万全を期してまいる所存であります。
 また、下請中小企業においてもこうした経済構造の大きな変化に対応していくため、経営力、技術力の向上等、中小企業の経営基盤の強化を図るとともに、魅力ある商品の開発、新たな取引先の開拓等を通じ自立化の動きを支援してまいる所存であります。
 不良債権処理と中小企業への貸し渋り等の懸念についてお尋ねがありました。
 金融機関の不良債権問題の解決に積極的に取り組むことは、金融機関の収益力を増し、我が国金融システムに対する内外の信頼を高めるとともに、金融仲介機能の強化により、健全な中小企業や次代を担う新規産業等に対する資金供給を円滑化するものと考えております。
 健全な中小企業への資金供給については、資本増強を行った大手行の中小企業向け貸し出しは、十二年度の増加目標の達成に向けてこれまでおおむね順調に推移してきております。政府としては、今後ともその達成を強く促してまいりたいと考えております。
 また、これまで信用保証協会等の信用補完制度の拡充や金融機関への円滑な資金供給の要請なども行っており、今後とも金融機関の融資動向については注視してまいりたいと考えております。
 不良債権処理と財政負担の問題についてのお尋ねがありました。
 不良債権オフバランス化のための具体的な環境整備については、与党三党の緊急経済対策でも述べられており、私からも関係大臣に早急に検討するよう指示をしているところであります。今後、政府として不良債権の抜本的な解決を図ってまいる所存でありますが、その際、いたずらに財政負担をもたらすことのないよう留意が必要なことは言うまでもないことであると考えております。
 実体経済を回復していく責任についてのお尋ねがありました。
 我が国経済は、平成十年秋にはデフレスパイラルに陥るのではないかとの懸念がありました。しかしながら、政府がこれまでに取り組んできた大胆かつ迅速な政策運営により、一定の下支え効果もあって、こうした危機を乗り越えてまいりました。こうした中で、設備、雇用、債務のいわゆる三つの過剰という問題についても、総じて見れば解消の方向に向かいつつあると考えております。
 ただ、最近の我が国の経済の現状を見ると、景気の改善には足踏みが見られ、先行きについては、アメリカ経済の減速や設備投資に鈍化の兆しなど懸念すべき点が見られます。
 こうした中で、引き続き景気に軸足を置いて、経済を一日も早く本格的な回復軌道に乗せることを最重要課題として取り組んでまいる所存であります。このため、十三年度予算の一日も早い成立が必要不可欠であると考えております。
 また、政府・与党緊急経済対策本部を発足させ、株式市場の需給改善及び活性化策、企業の再生と債権放棄を一体的に行うとの観点に立った不良債権の的確かつ迅速な処理策について、その具体化を早急に検討することといたしております。都市再生の実現や土地等の流動化対策についても、その具体化を早急に検討する必要があるものと考えております。
 なお、先ほども申し上げましたが、金融機関が多額の不良債権を抱えていることは日本経済の再生の障害になることも懸念されているところであり、不良債権のオフバランス化は必要なことであると考えております。
 こうした道筋に沿って、適切かつ機動的な政策運営を行うことにより、民需を中心とした経済成長を実現し、日本経済の復活を達成したいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(井上裕君) 三重野栄子君。
   〔三重野栄子君登壇、拍手〕
#18
○三重野栄子君 社会民主党・護憲連合の三重野栄子でございます。
 去る二月十日、ハワイのホノルル沖で、アメリカ原子力潜水艦グリーンビルが宇和島水産高校の実習船えひめ丸に衝突、沈没という痛ましい事故を中心に、先ほど御報告もございましたが、それらを加えまして質問させていただきます。
 まず最初に、えひめ丸沈没によって行方不明になられた方々並びにその御家族の皆様、そして今回の事故に遭われた皆様並びに関係の皆様に心からお見舞い申し上げます。
 そして、何よりも、行方不明となっておられる方々の安否を心より案じ、水深約六百メートルの海底にあるえひめ丸船体の一日も早い引き揚げを実現されることを心から望んでいるところであります。
 ところで、米海軍の査問会議が三月五日から真珠湾で行われ、結審をいたしました。
 二十年前に貨物船日昇丸がアメリカの原子力潜水艦ジョージ・ワシントンに当て逃げされ沈没した事件のときにも、今回同様完全に米側の過失でしたけれども、軍法会議も開催されず、司令官による戒告のみでございました。近年注目を集めた米軍の事件、事故の例を見ても、不起訴かあるいは無罪がほとんどです。
 今回の件に関し、米海軍の査問会議あるいは軍法会議等々が今後も審理されていくでありましょうけれども、その結論がどのように導かれようとも、しかし、その経過と結果がどのようになろうとも、今回の問題は、アメリカ海軍並びにアメリカ政府の、えひめ丸関係者並びに日本政府に対して謝罪と弁償は当然行われなければならないと考えるところであります。総理、この点の認識をお聞かせください。
 そもそも、冷戦が終わった今、六十隻の攻撃型の原子力潜水艦、SSNを配備していることに時代錯誤があるのではないでしょうか。ソ連が消滅し、潜水艦配備の必要性が弱まる中で、発言力のあるマスコミや財界人など、今後の海軍に対する支持を広げるためにこのようなことが行われているところを見ても明らかであります。
 原子力潜水艦体験ツアーに軍人と民間人が浮かれぎみに乗り込んで、その結果このような事故が起こった。えひめ丸関係者は全く浮かばれないわけでありまして、日本国民としても許すことができない怒りを覚えるのであります。
 最近は米国内で、日本に配慮し過ぎだという声もありますけれども、私は、少なくともこの問題に関しては毅然とした姿勢を示していただきたいのであります。日米安保条約を理由に主張すべきことを主張しなかった、これまでの日本政府の態度をここまで繰り返してきたのではないかと思うわけであります。
 今回の事故は完全に米軍の責任であり、完全な賠償を含めまして、えひめ丸の引き揚げの費用あるいは日本側が対応に費やした費用、すべて米側が負担すべきでありまして、責任追及のあり方も含めてどのようにお考えか、お聞かせください。
 大体、民間船が往来する海域において平気で緊急浮上訓練をするということが全く理解できません。いかなる理由があっても認められません。今回の事故の背景に、唯一の超大国となったアメリカのおごりが見え見えであります。
 昨年以来、日本国内の米軍基地周辺や諸都市におきまして、米軍・自治体間のあつれきが次々と表面化しております。夜間訓練あるいは低空飛行訓練あるいは艦船の入港をめぐるトラブルであります。さらに、わいせつ事件、放火事件、暴力事件などなど、次々と沖縄で起こっております米兵の犯罪は、米軍の綱紀の甚だしい緩みであると思います。そしてそれは、日米関係が重要とひたすらアメリカに追随してきた日本政府の姿がこれを引き起こしてきたのではないかと思うのであります。
 えひめ丸の今日のかえがたい大きな犠牲はどのような教訓があったのかということで、先ほども種々大臣からの御説明がありましたけれども、私は、日米安保条約による密接な防衛協力を続けている日本自身の問題として、日米防衛協力のあり方、新しい時代の安全保障のあり方を見直すべきだというふうに思うわけであります。
 具体的には、復帰以来、沖縄の人々が強く求めてまいりました日米地位協定の改定をぜひとも実現するときだと思います。運用の改善などでどうにもならないわけでありまして、矛盾は噴出しているばかりです。
 冷戦終結後、ドイツはNATO軍地位協定の見直しを粘り強く交渉して、九三年のボン補足協定によって、国内法優位の原則を確立したドイツ並みのようなことが日本はどうしてできないのでしょうか。お隣の韓国でも地位協定の見直しを求める世論が高まっています。日本も即刻交渉を開始し、せめてドイツ並みの地位協定の見直しを求めるべきだと思うのですけれども、御所見を伺います。
 もう一点、思いやりの予算のことです。
 六千数百億円の思いやり予算は何のためにいつまで続くのでしょうか。その理由と期間、見通しについてお尋ねをいたします。
 さて最後に、十九日に行われました日米首脳会談に森総理が出席されました。私どもは、間もなく辞任することが決まっている総理大臣が何のためにお出かけになるのか、全くその必要性を認めることはできません。森総理は行くべきではないと申しておりました。結果は危惧したとおりとなりました。やめさせられる森総理の花道などと言われておりますけれども、そのようなわけのわからない、自民党内の駆け引きのために外交日程を使うなど、もってのほかではないかと思います。
 会談の中身を見ましても、終始ブッシュ大統領ペースで押し切られ、宿題を突きつけられました。えひめ丸についても何となく軽くあしらわれましたし、沖縄問題でも何の進展もなく、むしろ日米軍事同盟の一層の拡大強化を請け負っていく。本来、我が国が進むべき方向とは全く逆の、アメリカの都合を不見識に受け入れただけではないでしょうか。
 冷戦が終わり、北東アジアの安全保障関係も好転しつつある中、アメリカ国内でも反対の強いMMDやTMD計画を支持するなど、不安定化させ混乱させるばかりではないでしょうか。私は、今こそ平和憲法の理念を高らかに掲げ、軍事力によらない安全保障体制を築くために、積極的にリーダーシップを発揮していくときだと確信しております。
 具体的に社民党は、日米二国間関係だけにむやみに依存することをやめて、日米関係を相対化し、多国間の信頼醸成を進めて、総合的な安全保障機構を構想していくことが今の状態であると私どもはかねがね思っています。
 私は、今回ほど準備不足で拙速に行われた日米首脳会談はなかったと思っております。今の内閣に対して何を申してもむなしい気持ちを隠せませんが、日米首脳会談の結果を踏まえて、そして、えひめ丸の犠牲を無にしないために、今後どのような対処をしようとお考えか、森総理の明確な御意見を伺いまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣森喜朗君登壇、拍手〕
#19
○内閣総理大臣(森喜朗君) えひめ丸事故に関する米海軍及び米政府の謝罪と補償につきお尋ねがありました。
 米側は、本件事故に関し、繰り返し遺憾及び謝罪の意を表明してきておりまして、また、この事故に関するあらゆる責任を有する旨表明しております。また、ブレア太平洋軍司令官が、今後審問委員会の結果を受けて補償問題に取り組む旨述べておるほか、ファロン米政府特使は、補償問題につき今後詳細を詰め、適切な時期に取り決めたい旨述べているところであります。
 また、今般の日米首脳会談において、ブッシュ大統領より深い遺憾の意の表明があり、私より補償を含む今後の課題につき米側の努力を要請し、ブッシュ大統領はできることはすべて行うと述べました。このように、米国は謝罪を行うとともに、補償問題への取り組みを行うことを明確に打ち出しており、米側の誠意ある対応を引き続き求めてまいります。
 えひめ丸衝突事件の責任と米側の費用負担についてのお尋ねがありました。
 既に米側は繰り返しこの事故に関するあらゆる責任を有する旨表明しております。また、米側は、これまで事故後急遽ホノルルへ赴いた御家族等関係者及びその後審問委員会の傍聴のためホノルル入りした行方不明者の御家族等の渡航費及び滞在費を負担しております。
 また、引き揚げについても、米国は技術的実現可能性のみに基づいてその判断を行うとし、十三日、詳細な計画及び環境及びその他技術的諸問題の解決は依然残されてはいるが、引き揚げに取り組むとの決定を行っております。
 さらに米側は、さきに申し上げたとおり、補償問題への取り組みを行うことも明確に打ち出しているところであります。
 日米地位協定についてお尋ねがありました。
 本問題については、まずは、閣議決定にあるとおり、運用の改善により個々の問題に機敏に対応することが重要であると考えますが、それが十分効果的でない場合には、相手もあることでありますが、地位協定の改正も視野に入ってくると考えます。
 なお、地位協定と米国が他国と締結している地位協定との比較については、おのおのの協定の実際の運用のあり方や改正に至った背景等も検討する必要があるので一概に論ずることは困難でありまして、また、日米地位協定が他の地位協定に比べ不利なものになっているとは考えておりません。
 在日米軍駐留経費負担を行う理由と期間、見通しについてのお尋ねでありますが、在日米軍駐留経費負担の問題を考える際には、これが日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保することに大いに役立っており、日米同盟関係において基本的な重要性を有していることを十分考慮する必要があると考えております。
 政府としては、今後とも、日米安保体制の円滑で効果的な運用の確保のため、在日米軍駐留経費負担につき適切に対応していくことが必要だと考えております。
 日米首脳会談の結果を踏まえた上での総合的な安全保障機構を構想していくための我が国の対処についてのお尋ねがありました。
 さきの日米首脳会談においては、日米同盟関係を強化していくことで意見の一致を見るとともに、強固なきずなの存在が日米両国がえひめ丸事故のような問題に取り組むことを可能にしている旨確認いたしたところであります。
 政府としては、北東アジアの平和と安定の確保という観点から、日米安全保障体制を堅持しつつ、域内諸国間の信頼醸成を促進するため、二国間及びARF等の多国間のさまざまなレベルでの対話を促進することが重要と考えております。また、我が国はかねてから、日、米、中、ロ、韓国、北朝鮮の六者が参加した対話の場の設定も提案しているところであります。政府としては、今後ともこのような努力も継続していく考えであります。
 なお、我が国としては、これらの枠組みが日米安保体制等に取ってかわるものではないと考えており、将来的に米国を中心とする二国間同盟を補完するものとして発展していくことが重要だと考えております。(拍手)
#20
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#21
○議長(井上裕君) この際、日程に追加して、
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。扇国土交通大臣。
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(扇千景君) 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 住宅金融公庫は、従来より、国民の住宅建設に必要な資金を融通することにより、国民の住生活の安定に大きく寄与してきたところでございますが、官民の適切な役割分担のもと、国民の住宅取得を促進し、良質な住宅ストックの形成を図っていくためには、諸般の改善措置を講ずることが必要であります。
 この法律案は、このような観点から、今国会に提出された平成十三年度予算案に盛り込まれている特別割増貸付制度の延長、住宅融資保険制度の改善等、所要の改正を行うものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、国民の住宅取得能力を引き上げ、居住水準の向上を図るため、特別割増貸付制度の適用期限を平成十八年三月三十一日までの五年間延長することといたしております。
 第二に、住宅取得者への円滑な資金確保を図るため、金融機関の貸し付けに住宅金融公庫が保険を行う住宅融資保険制度について、保険金のてん補率の引き上げ等を行うことといたしております。
 第三に、住宅市街地における共同建てかえ、マンション建てかえを円滑化するため、高齢者に対する融資については、死亡時に一括償還する方法を導入することといたしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 ありがとうございます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。寺崎昭久君。
   〔寺崎昭久君登壇、拍手〕
#25
○寺崎昭久君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案について、関係大臣に質問いたします。
 快適な住まいは、健康で文化的な生活を送るための基本であります。
 戦後の混乱期から高度成長時代を経て今日に至るまでの間、国民生活が豊かであるかどうかの基準は、快適な住まいが確保されているかどうかにかかってきたと言っても過言ではありません。とりわけ、農村から都市への人口移動、大家族中心の世帯構成から核家族中心世帯への移行など、我が国の社会や家族を取り巻く環境が大きな変化を遂げる中、都市部における貧困な住宅環境の解消は極めて緊急な課題でございました。そのような時代に、莫大な財投資金と政府補給金に基づき、長期、固定、低利の融資を行う住宅金融公庫は、我が国の住宅投資の牽引役として、また、国民の住宅不足解消の立て役者としてまさになくてはならない存在であったと言えましょう。
 しかし、住宅不足の時代が過去のものとなり、住宅の量から質が問われるようになった今日、住宅に対する国民のニーズはさまざまな面において転換点に差しかかりつつあります。また、金融ビッグバン以降、民間金融機関をめぐる状況も大きな変化を遂げました。
 今後の我が国の住宅政策は、国民の多様なニーズにこたえるという視点を第一に据えながら、民間分野での競争を喚起しつつ、より市場に適合した方法で行われるべきであります。
 しかし、現在の住宅金融政策にその変化の兆しを見出すことはできません。それどころか、住宅金融公庫の存在が住宅金融市場の健全な発展を阻害している状況さえ見出されるのであります。今や住宅金融の供給総額に占める公的機関融資の割合はほとんど四割以上に達し、今後もその割合はふえる傾向にあります。諸外国の例を見ても、公的金融機関がこれだけ多くの住宅取得資金を供給している例はほとんどありません。我が国の金融市場の特異性がここにもうかがえるのであります。
 我々民主党は、住宅金融公庫の直接融資を縮小し、民間金融機関を中軸とする住宅ローン供給の体制に改めるとともに、それを補う形での利子補給、減税措置などへ住宅政策のあり方そのものを転換するべきであると考えます。その結果、民間の住宅ローン市場がより活性化すれば、民間金融機関同士の競争の高まりによって、金利面における競争や新たな商品の開発など、ユーザーにとってより利用しやすい環境が整備されることでしょう。
 しかし、本法案は、特別割増融資の期限延長や、はじめてマイホーム加算の増額など、住宅金融公庫が直接融資を行う体制を強化するものでしかありません。官から民への時代の潮流の中で、このような措置が民間の圧迫につながるとはお考えにならないのか、国土交通大臣の答弁を求めます。
 さて、金融公庫法第一条には「住宅金融公庫は、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設及び購入(住宅の用に供する土地又は借地権の取得及び土地の造成を含む。)に必要な資金で、銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的とする。」と記されております。
 つまり、この第一条は、業務範囲を政策的に限定する旨が規定されており、民間の金融機関が供給しにくい融資を行うことこそ住宅金融公庫の存在意義があると言えましょう。しかし、現在の住宅金融公庫は、この第一条の理念を超えて極めて幅広い融資を手がけているのが実態であります。
 確かに、以前の民間金融機関は、企業部門の旺盛な資金需要にこたえるのが精いっぱいで、個人向けの住宅ローンに対しては消極的でございました。そのような時代においては、住宅金融公庫の存在意義は極めて高いものであったと言えます。しかし、現在では、貸し倒れ懸念の少ない個人向け住宅ローン分野に対する関心は民間金融機関の間にも徐々に高まりつつあり、また各種ローン商品の開発、供給も盛んに行われているのであります。このような観点から考えると、住宅金融公庫の業務範囲は徐々に縮小し、より政策的な分野に業務をシフトしていくべきではなかろうかと考えるわけであります。
 今後の住宅金融公庫は、真に民間金融機関からの融資が受けにくい案件、例えば障害者、高齢者、低中所得者やシックハウス症候群患者など、特別な事情があり、かつ民間からの融資を受けることが困難である案件に絞って、より優遇するものへと改善していくことも一考であると思います。業務範囲の焼け太りを防ぎつつ、真に住宅を必要とする人たちへの措置を講ずることこそ、住宅金融公庫に課せられた社会的使命を改めて再確認することになるのではないかと私は考えますが、国土交通大臣はいかが考えますか、明確な答弁をお願いいたします。
 さて、来るべき高齢化社会の到来に備えて、高齢者のための住宅対策は喫緊な課題であります。本案件では、定期的な収入の少ない高齢者に対して、共同建てかえ、マンション建てかえにかかる費用を融資し、リバースモーゲージの手法を応用した償還方法の導入が盛り込まれております。また、今国会で同時に審議される高齢者の居住の安定確保に関する法律案では、高齢者向け優良賃貸住宅制度の創設や、終身建物賃貸借制度の創設などが盛り込まれており、これら高齢者の住まいを守る諸制度の創設は、私も一定の前進であると評価するものであります。
 しかし、高齢者が安心して暮らすためには、これら建物などハード面の整備だけで本当に十分なのでございましょうか。高齢者が生き生きと老後を暮らすには、若いサラリーマンや地域事業者、ボランティアやNPO団体など、地域で生活するさまざまな人たちとの交流が欠かせません。これら各層各分野の人たちと高齢者の方々がともに地域コミュニティーを形成することで、本来の意味での高齢者対策、ひいては高齢者が充実した老後を送れるための環境整備が図られるのだと考えるのであります。
 この法律のとおり、たとえ共同建てかえ、マンション建てかえが進捗したとしても、それだけでは単なる建物の整備ができるだけでありまして、全く不十分であると言わざるを得ません。住まいというのは、ハードウエアを整備すれば事足りるという考え方では、各層各分野の住民が協力し合うという本来の意味での高齢者に優しい社会の建設はおぼつかないのであります。このような視点と配慮が本案件には全く欠落していると言わざるを得ません。
 本案件によって高齢者が生き生きと安心して生活を送ることにつながるとお考えなのかどうか、国土交通大臣の答弁を求めます。
 最後に、特殊法人改革に対する政府の姿勢について伺います。
 住宅金融公庫を初めとする特殊法人については、昨年末に閣議決定された行政改革大綱において、廃止、整理合理化、民営化などの措置を講ずるとされており、すべての特殊法人はゼロベースから見直すという方針が既に明らかにされております。
 しかし、この法律では、特別割増融資制度の期限延長や、はじめてマイホーム加算の増額など、既存制度を強化こそすれ、整理縮小とは全く別のベクトルを指向しているのであります。高齢者対策の美名にかこつけて既存制度の維持拡大を図るこのようなやり方は、まさに姑息としか言いようがございません。
 私は、この法律が、特殊法人改革の流れに逆行するような事態を招くことを非常に危惧しております。この法律にかかわらず、昨年末示された特殊法人改革の流れがいささかの揺るぎもないことをここで明らかにしていただきたいと思います。
 行政改革担当大臣の明確な答弁をお願いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(扇千景君) 寺崎議員から御質問をいただきました中でも、住宅金融公庫の特別割増制度の延長に対しての民間圧迫ではないかというお尋ねでございました。
 住宅金融公庫が、金融動向にかかわらず、長期あるいは固定または低利の住宅資金を安定的に供給し、広く国民の住宅取得を支援することは今後とも必要であると考えております。
 本法案につきましては、国民の住宅取得に必要な公庫融資額を確保するための特別割増融資制度の延長等を行うこととしておりますが、平成十三年度予算におきましては、一次取得者層に配慮しつつ、なお公庫融資が民業を圧迫することのないよう、現在一千万円としている特別割増融資額を八百万円とすることなどの見直しをしているのが現状でございます。
 また、住宅金融公庫の今後のあり方についてのお尋ねもございました。
 住宅の取得は、年収の数倍の借入金を必要とし、人生設計にも大きな影響があることを踏まえますと、私どもは、金融動向にかかわらず、今申しました長期、固定、低利の住宅資金を安定的に供給し、広く国民の住宅取得を支援する必要があると考えております。このような住宅ローンは、民間金融機関では提供されておりません。公庫が長期、固定、低利の住宅資金を供給することは、公庫法の第一条にあるとおり、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通しているものと考えております。
 したがって、御指摘のような低中所得者の、あるいはシックハウス症候群患者などに絞って融資を行った場合、国民の円滑な住宅取得に支障を来すおそれがあると考えております。また、住宅ストックの質の誘導、あるいは経済対策の要請に応じた住宅投資の促進も困難になると考えております。
 第三には、本法案による高齢者の安心した生活の確保について御質問がございました。
 住宅は、地域を構成する重要な要素でありますし、高齢者が安心して生き生きと暮らせる良好なコミュニティーの形成に大きな役割を果たすものと認識いたしております。
 本法案の死亡時一括償還制度につきましても、共同建てかえ、マンション建てかえに参画しやすくすることを通じて、高齢者が、引き続き、住みなれた地域のコミュニティーの中で、さまざまな人々と交流をしながら、安心して暮らせていけることに寄与するものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(橋本龍太郎君) 寺崎議員にお答えを申し上げます。
 特殊法人改革につきまして、既に何回か申し上げてまいりましたが、子会社なども視野に入れてゼロベースから見直すということを申し上げてまいりました。
 御懸念をいただきました点につきまして、本年二月六日の閣議におきまして、以下のように私は発言をし、各大臣の了承を得ております。
 すなわち、各特殊法人等については、昨年十二月に閣議決定された行政改革大綱に基づいて、事業についてゼロベースから見直し、あわせて、組織形態などについても抜本的に見直すこととしております。
 今国会に提出されるこれら特殊法人などの業務内容の改正などを含む各法案につきましては、いやしくも今般の特殊法人等改革に係る今後の取り組みを一切制約すべきものではなく、また、改革の趣旨に反してはならないと考えますので、各位の御理解をお願いをいたします。そして、各閣僚の御同意をいただきました。
 御心配のないように努力いたします。(拍手)
#28
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#29
○議長(井上裕君) この際、日程に追加して、
 国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長山崎正昭君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔山崎正昭君登壇、拍手〕
#31
○山崎正昭君 ただいま議題となりました法律案につきまして、議院運営委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成十三年四月一日から、金融庁に国立国会図書館の支部図書館を置こうとするものであります。
 委員会におきましては、審査の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#32
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#33
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#34
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百七十八  
  賛成            百七十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#35
○議長(井上裕君) この際、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件についてお諮りいたします。
 議長は、本件につきまして議院運営委員会に諮りましたところ、議席に配付いたしました参議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案のとおりとする旨の決定がございました。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#36
○議長(井上裕君) 本規程案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#37
○議長(井上裕君) 過半数と認めます。
 よって、本規程案は可決されました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十二分散会
     ─────・─────

ソース: 国立国会図書館
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