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2001/04/06 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第17号
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2001/04/06 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第17号

#1
第151回国会 本会議 第17号
平成十三年四月六日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十七号
  平成十三年四月六日
   午前十時開議
 第一 環境省設置法の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 第二 犯罪被害者等給付金支給法の一部を改正
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 障害者等に係る欠格事由の適正化等を図
  るための医師法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、経済社会の変化に対応する円滑な再就職を
  促進するための雇用対策法等の一部を改正す
  る等の法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 広中和歌子君から海外渡航のため明七日から八日間の請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ─────・─────
#5
○議長(井上裕君) この際、日程に追加して、
 経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。坂口厚生労働大臣。
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(坂口力君) 経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 現在、雇用情勢は依然として厳しい状況にあり、産業構造の転換等経済社会の変化が進む中で、労働者が離職を余儀なくされる場合の円滑な再就職を可能とするとともに、労働者個人の自発的な能力開発を促進するなどにより、職業生活の全期間を通じてその職業の安定を図ることが重要となっております。
 政府といたしましては、必要な施策を整備充実するため、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法の廃止であります。
 特定の業種にかかわらず離職を余儀なくされる労働者について円滑な再就職を促進するための施策を講ずることを踏まえ、同法を期限どおり平成十三年六月三十日をもって廃止することとしております。
 第二に、雇用対策法の一部改正であります。
 事業規模の縮小等を行おうとする場合に、事業主は、再就職援助計画を作成し、公共職業安定所長の認定を受けなければならないものとするとともに、政府は、認定を受けた計画に基づき対象労働者の再就職援助のための措置を講ずる事業主に対し必要な助成及び援助を行うこととしております。
 また、特に中高年齢者の再就職を促進するため、事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときは、労働者の募集及び採用について、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えるように努めなければならないものとすることとしております。
 第三に、職業能力開発促進法の一部改正であります。
 労働者の職業生活の設計に即した自発的な職業能力開発を促進するため、関係者の責務及び事業主が必要に応じて講ずる措置を定めるとともに、職業能力評価制度を整備することとしております。そのため、技能検定試験に関する業務を行わせることができる民間試験機関の範囲及びその業務の範囲の拡大を図ることとしております。
 第四に、雇用保険法の一部改正であります。
 雇用安定事業として、離職を余儀なくされる労働者の再就職を促進するために必要な措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うことができるものとすることとしております。
 第五に、地域雇用開発等促進法の一部改正であります。
 地域の主体性を最大限に生かしつつ、就職の促進及びその他地域雇用開発を図る観点から新たに整理した雇用機会増大促進地域等四つの地域区分について、都道府県が策定する計画を厚生労働大臣が同意し、当該計画に基づき対策を講ずる方式に改めることとしております。
 第六に、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法の廃止に伴い必要となる経過措置を定めるとともに、その他所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は、一部を除き、平成十三年十月一日から実施することとしております。
 以上が経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。長谷川清君。
   〔長谷川清君登壇、拍手〕
#9
○長谷川清君 民主党の長谷川清でございます。長い谷川は清いと書いて長谷川清と言います。
 私は、民主党・新緑風会を代表し、経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案について、官房長官並びに厚生労働大臣に質問をいたします。
 今日、我が国の金融、経済は極めて深刻な状況にあり、抜本的な経済対策による景気の回復が急務となっております。しかし、不良債権の抜本処理等の特別対策を緊急に進めれば、現在四%台後半で高どまりをしている失業率が一時的には急上昇するおそれがあると指摘されております。これまで積み重ねられてきました自民党政権の経済政策の失敗に伴う緊急措置とは言いながら、こうした緊急経済対策を実行すれば、我が国は、かつて経験したことのないほどの産業構造の大転換に直面することが予想されております。
 これを乗り切るには、まず、国民一人一人の不安や不信を解消し、安心してその能力を十分発揮し、働くことのできる環境をつくることこそ不可欠であります。あらかじめこうした緊急事態に対応できる社会的セーフティーネットを整備しなくて、景気の回復は望めませんし、あり得ません。日本経済の再生もまたあり得ないのでございます。このセーフティーネットは、イギリスが行ったように、人に対する投資を重点的に進めて労働力の質を向上させることに資金を投入すべきであります。安心こそ日本の元気の源であります。
 かかる視点に立って民主党は、雇用に対する安心の確保を目指して、一つには雇用保険制度の充実、そして職業能力開発支援制度の創設を提起しております。さらに、具体的には再チャレンジの生活を支援すること、再チャレンジの教育の支援を行うこと、これらを制度化しようと提案いたしております。
 政府は、このセーフティーネットについて、緊急経済対策との関係においていかなる認識を持っていらっしゃるのか、官房長官にお伺いをいたします。
 次に、雇用失業情勢についてであります。
 さて、現下の雇用失業情勢は、政府のたび重なる施策にもかかわらず、依然として厳しい状況となっております。特に最近では、今後の動向が再び危惧されるような状況も生じてきております。このことが国民の不安をさらにかき立てていることについて、私はこれを案じざるを得ません。
 先月末に発表されました政府統計資料によりますと、二月の完全失業率は四・七%と、前よりはわずかに低下をしておりますけれども、この完全失業率の低下は六カ月ぶりのこととなっており、四・七%という水準自体については依然として高いものであります。雇用失業情勢が改善したと見るにはほど遠い状況であることに変わりはないのであります。むしろ、それどころか、この先において悪化する気配を感じさせるような兆候すら見られるのでございます。
 日銀の短観はそれを裏づけております。すなわち、昨年後半から急増してきた新規の求人数が、ここへ来て二カ月連続、その伸びを鈍化させております。有効求人倍率は、二カ月連続してこれまた前月よりも低下をしてきているのでございます。これまで失業率が高どまりをしているという中にあって、唯一の救いであったはずの求人数の増加にも陰りが出ているということは、大変にゆゆしき事態であると言わざるを得ません。
 厚生労働大臣は、これらの問題についてどう認識をされておるのか、お答えをいただきたいのであります。
 またさらに、今後の雇用失業情勢についてどういう見通しを持っておられるか、また、今後の状況につきましてどのような施策を新たに追加しようとしているのか、その点についてお聞かせをいただきたいのであります。
 これまで政府は、この不況下にありまして数次にわたる雇用対策を講じてまいりましたけれども、しかし、そのかいもなく、雇用失業情勢は改善したと言うにはほど遠い状況下にございます。従来の発想を変えて、これからは新たな観点に立った対策を講ずる必要が断じてあるものと考えるのであります。
 例えば、時間外労働の規制強化にいたしましても、これからはあめとむちを本気でやるという、そういう視点に立って時間短縮を完成させることであります。多様な雇用形態の推進などによりまして、ワークシェアリングを実現させ、失業を抑制させるという積極策をとるべきであります。さらにまた、各地におきましては、自主的に労使が結束をいたしまして合意しながら地域雇用創出プランというものを持っております。既に全国で三十三カ所の地域でそのプランを持っているところが確立されていると聞いております。こうした地域を生かした雇用創出というものについて、これを重点的に進める必要があると存じます。さらに、国はこれらに対して積極的な支援を行うことが肝要であると考えますが、厚生労働大臣のお考えをお聞きしたいのであります。
 次に、労働の移動についてお伺いします。
 国民生活にとって雇用の安定というものは極めて重要な意味を持つものでありますから、でき得る限り長期の雇用というものは守るべきであります。とはいいながら、経済・産業構造の変化や技術革新の進展というものが一方に押し寄せ、今後、労働の移動というものが増加をするということは避け得ない不可避の問題であると思います。
 本法律案におきまして示されておりますように、政府が今後の雇用対策として失業なき労働移動の支援策に重点を置くということ、これは私も同感であり、やむを得ない点であると思います。しかしながら、その場合におきましても、長期雇用という問題についての重要性を軽んじてはいけないと思います。長期雇用のもとにおいての熟練、キャリア形成が果たしてきた役割というものは、今後におきましても、労働者のみならず、経営の立場からいっても有効であり、有用であるからであります。
 こうした長期雇用による熟練、キャリア形成の果たす役割の重要性を十分認識して、政府はその上に立って労働移動の支援策を行うべきであると思います。決して、雇用の維持安定というものの観点を見失ってはならないと思いますが、厚生労働大臣、その認識をお聞かせいただきたい。
 この労働移動増大への対応策としましては、単に労働力の需給調整機能の強化や移動前後の支援への助成を強化するというだけではなくて、雇用にかかわるセーフティーネットを充実させることが不可欠であると思います。むしろ、これの整備を先に行って、その上で施策をのせるべきであると存じます。
 具体的には、五点申し上げたいと思います。
 一つには、個人のキャリア形成、教育訓練の受講機会の確保を行うということであります。二つには、移動後の公正な処遇を実現するための職業能力評価システムの整備を行うという点であります。三つ目には、安易な解雇を防止するための解雇手続に関するルールを整備しておくという点であります。四点目には、移動による労働者の不利益を防止するための環境の整備を行うことであります。第五点については、パートのような雇用形態によって不当な差別が行われないためのルールを確立することであります。
 これらのように、さまざまな問題がここにはあります。厚生労働大臣は私が信頼をしている坂口厚生労働大臣でありますから、こうしたセーフティーネットの整備に向けましてどのような方針で挑もうとしているのか、今申し上げましたそれぞれの具体的な問題について施策を講じていただくべく、前向きな答弁をいただきたいと考えております。
 また、改正案につきまして、事業主は再就職援助計画の策定に当たっては労働組合等の意見を聞かなければならないと規定してありますけれども、果たしてこれで十分でありましょうか。
 例えば、再就職援助計画の認定に当たっては、事業主の最大限の解雇回避の努力がなされたか否かというこの点が重要であり、判例で確立されました解雇の法理を踏まえたものであるかの確認を行った上において認定を行うようにするべきであると考えますが、これも厚生労働大臣としてのお考えを伺っておきたいのであります。
 次に、年齢差別について伺います。
 今回の法改正では、民間の事業主に募集、採用において年齢差別を行わないような努力義務が課せられております。しかしながら、リストラなどによりまして中高年労働者が解雇をされ、再就職活動を行う際、企業側が画一的な年齢制限を設けているがために応募すらできないという実態がここにあります。こうした不合理ともいえる状況を速やかにまず改善すべきことが断じて必要であると思います。
 厚生労働大臣としまして、努力義務という規定の中で、これら差別を行わないようにすることについての実効性の確保を、どのような工夫でもって防ごうとしているのか、微妙なところでありますが、その工夫をお聞かせいただきたいし、今後におきまして、本規定においてはもっと強化を図っていくべきではないかと感じますけれども、この点についてもお答えをいただきたいのでございます。
 また、企業が差別を設ける背景の中には、中高年労働者の職業能力の問題というものが指摘されております。
 在職中からの自発的な職業能力の向上を支援するための訓練、失業者が保有する職業能力を向上させるための訓練など、幅広い職業訓練の拡充を図るとともに、そうした職業訓練と紹介というものが一体となったときに地域サービスの創出が初めて生まれるのだと思います。さらにまた、IT分野における最新の専門性の高い職業能力を身につけるための仕組みというものが必要になっておると考えます。こうした中高年齢者の能力開発の強化などについて、労働の質を高めるという視点から、誠意のある人、厚生労働大臣、この対処についてお伺いをするものでございます。
 最後になりますが、障害者の雇用促進に関して伺います。
 今日の不況の中にあって、障害者の解雇が増加をしているというマスコミの報道もございます。好況の段階においても就職が難しいと言われるこうした方々についての雇用の促進は、不況のときにおいてはなおさらのこと、何よりも増してこれは優先すべき課題であると思うのでございます。しかしながら、今回の法改正による雇用対策法から障害者の職業安定に関する規定が削除されることになります。
 障害者雇用促進法が別途存在をしているということから、政府としましては法令上の整理を行うという立場かもしれませんけれども、ともいたしますと、ここが削除されますと、障害者の方々に就職の機会がこれまで保障されていた政府の取り組みというものが後退をするのではないかな、こういうおそれと不安というものを抱かせております。
 障害者の雇用の促進等に関する法律に基づきまして法定雇用率が定められているにもかかわらず、その半数以上の企業がこれを達成できないでいるという現状があります。職業安定関係法規の基本ともいうべきこの雇用対策法から障害者に関する規定というものが削除されるということは、障害者の方々にとってのみならず、私としましても不安を感じているのでございます。
 このように、雇用を初めさまざまの分野において障害者の人々が不安を感じているというのが事実でございます。この不安を一掃するような高い次元からの官房長官の前進する明解な答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(坂口力君) 長谷川議員からのお尋ねにお答えをさせていただきたいと存じます。
 まず、雇用失業情勢についての認識、見通し、対策に関するお尋ねがございました。
 現下の雇用失業情勢につきましては、二月の有効求人倍率が〇・六四となりまして、依然として予断を許さない状況にあると考えております。
 政府といたしましては、経済を一日も早く本格的な回復軌道に乗せるように努めるとともに、本日策定されました緊急経済対策に基づきまして、経済構造改革に大胆に取り組んでいるところであります。
 厚生労働省といたしましては、雇用情勢の変化に機動的、弾力的に対応するため、緊急経済対策に緊急雇用創出特別奨励金及び新規・成長分野雇用創出特別奨励金の拡充措置の延長、二番目としまして、中高年ホワイトカラー離職者向け訓練コースの充実やIT関連の能力開発、人材育成の推進等を取り上げ、また三番目といたしまして、中高年齢層を中心とした倒産、解雇等によりますところの離職者に対しまして、一般の離職者と比べて手厚い給付日数を確保することを内容とした雇用保険法改正法の円滑な実施等を盛り込んだところでございます。
 さらに、円滑な再就職を促進し、そして職業生活の全期間を通じて職業の安定を図っていただくために、本法案を早期に成立させていただくことが必要であると考えております。
 今後とも、雇用の動向に十分注意を払いながら、雇用の安定に万全を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。
 従来の発想を変え、新たな観点からの対策を講じる必要があるのではないかとのお尋ねがございました。
 経済・産業構造が大きく転換する中で、雇用をめぐる環境が大きく変化しており、従来と異なった新たな観点からの対応が必要であることも事実でございます。こうした変化を踏まえまして、現行の雇用対策を総合的に見直し、今後、離職を余儀なくされる労働者に対する在職中からの計画的な再就職支援の促進、個人の主体的な能力開発の促進等を図る本改正法案を御提案するに至ったものでございます。
 なお、労働時間短縮や多様な雇用形態の推進などによるワークシェアリングの実現につきましても、当面は労使を初めとして十分な議論を行い、社会的コンセンサスを形成していくことが重要であると考えております。
 また、御指摘の地域の特性を生かした雇用創出を進めるという御趣旨は極めて重要であると認識をいたしております。このため、地域雇用開発等促進法の改正案につきましては、地方公共団体がこの趣旨に即して計画を策定することを期待しているものであります。また、国がこの計画に対し同意をする際にも十分配慮してまいりたいと考えております。
 労働移動を支援する際の雇用の維持安定についての認識についてのお尋ねがありました。
 雇用の維持安定は、企業が事業活動を行う場合の大前提であるとの観点に立ちつつ、労働者が離職を余儀なくされる場合にはその円滑な再就職を支援するとともに、労働者の職業生活設計に即した自発的な能力開発を促進するなどにより、労働者の職業生活の全期間を通じてその職業の安定を図っていくことが必要であると考えております。このような考え方に基づきまして、今般、雇用対策法ほか関係法律について所要の整備を行うこととしたものでございます。
 労働移動の増大への対応策としてのセーフティーネットの整備について、五項目を挙げてお尋ねがございました。
 個人のキャリア形成、教育訓練の受講機会の確保につきましては、労働者に対するキャリアコンサルティングを行いますとともに、公共職業訓練の充実、教育訓練給付制度の効率的な運用を図ってまいります。
 職業能力評価制度の整備につきましては、本改正法により、技能検定制度について民間機能のノウハウを十分活用できる仕組みとするほか、中長期的には業界労使等との協力をしつつ、ホワイトカラーも含めた適正な評価基準の確立を図ってまいります。
 解雇につきましては、その理由、態様等は多様であることから、いわゆる整理解雇の四要件や合理的な理由を必要とするという裁判例の考え方を踏まえ、具体的な事情に応じ、労使間で十分話し合っていくべきものと考えております。今後とも、解雇に至る裁判例の考え方の周知を図ってまいります。
 移動による労働者の不利益を防止するための環境の整備につきましては、転職した場合でも持ち運ぶことのできる確定拠出年金の導入を図る法案について御審議をお願いしているところでございます。
 パート等雇用形態による不当な差別が行われないためのルールの確立につきましては、パートタイム労働者と通常の労働者の処遇の均衡についての労使の一層の理解を深めるよう情報提供を行っているところであります。さらに、パートタイム労働研究会におきまして、処遇の均衡の問題を含め、今後のパート対策のあり方について検討を進めているところでございます。
 再就職援助計画の認定についてのお尋ねがございました。
 再就職援助計画は、関係労使が離職を余儀なくされるに至る諸事情を含めまして、離職を余儀なくされる労働者が発生することを了知した上で、事業主が当該労働者に対し再就職に向けての支援を有効かつ計画的に行うためのものであります。公共職業安定所長は、その計画に記されている再就職援助措置が適切なものであるかについて判断をいたしまして認定を行うものでございます。
 年齢差別に係る努力義務規定の実効性の確保についてのお尋ねがございました。
 この実効性を確保するため、事業主が適切に対処するために必要な指針を定めるとともに、公共職業安定所が中心となって行う求人年齢制限の緩和の指導を一層積極的に行う所存であります。
 なお、本規定を強化することにつきましては、我が国の雇用慣行にもかかわる大きな問題であることから、国民各層の参加を得て開催する有識者会議において幅広く議論していただくことも含め、社会全体の合意を形成しつつ検討を進めていくべき問題であると考えているところでございます。
 中高年齢者の職業能力開発についてのお尋ねでございます。
 高年齢化の急速な進展に伴う職業人としての生涯の長期化により、就業ニーズの一層の多様化が見込まれることから、年齢にかかわらず働き続けることができるようにするための職場環境整備等の諸施策と相まちまして、中高年齢者の能力の有効活用を図るための支援が必要であると考えております。
 具体的には、中高年齢者がその経験や知識を十分に活用しつつ人材ニーズの変化に対応した職業選択が可能になるよう、職業生活の設計やこれに即した多様な教育訓練の受講機会の確保等の支援に努めてまいります。
 また、今後の構造改革に伴う雇用情勢の変化に的確に対応する観点から、中高年ホワイトカラー離職者向けの訓練コースの充実や、基礎から高度に至るレベルごとのIT関連の能力開発等を推進してまいります。その際、各地域における公共職業安定所と公共職業能力開発施設とが密接に連携し、職業訓練を通じた中高年離職者の再就職支援に万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
 以上、御答弁を申し上げました。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(福田康夫君) 長谷川清議員にお答えします。
 雇用におけるセーフティーネットについての認識に関するお尋ねがございました。
 我が国経済を本格的な景気回復に移行させるために構造改革を推進することが必要でありますが、これに伴い、雇用面のセーフティーネットの整備を図ることも当然必要であると考えております。
 このため、本日策定された緊急経済対策には、中高年齢層を中心とした倒産、解雇等による離職者に対して手厚い給付日数を確保する雇用保険法改正法の円滑な施行、中高年ホワイトカラー離職者向け訓練コースの充実など、中高年離職者に重点を置いて雇用面のセーフティーネットを整備するための施策を盛り込んだところでございます。
 次に、障害者の就業機会の保障のための取り組みについてのお尋ねでございますが、雇用対策法中の障害者の職業の安定に係る規定は、既に障害者雇用促進法に吸収され発展を遂げているところでございます。今回の改正後も政府の取り組みが後退することはございません。
 今後とも、障害を持つ方々が不安を抱かれることのないよう、ノーマライゼーションの理念の実現に向け、障害者の職業の安定を図るための施策を初め、各般にわたる障害者施策を強力に推進してまいります。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(井上裕君) 大脇雅子君。
   〔大脇雅子君登壇、拍手〕
#13
○大脇雅子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題になりました雇用対策法等改正法案について、関係大臣にお尋ねいたします。
 日本は、返すめどの立たない膨大な国債や地方債、十年たっても終着駅の見えない不良債権処理、慢性デフレ圧力とゼロ金利政策の中で経済が低迷しています。かかる重要法案の質疑に責任者である総理が欠席されている状況を強く抗議いたします。
 最初に、最近の経済財政状況に関する基本政策、基本認識についてお尋ねいたします。
 ことし三月十六日、政府は、日本経済を緩やかなデフレにあると発表されました。
 私は、平成十年十二月十一日、参議院行財政改革・税制等に関する特別委員会において宮澤大蔵大臣に対し、公共事業によって景気回復を軌道に乗せる政策に大きな疑問を呈しました。卸売物価の下落が続いていて景気が低迷し、日本経済が縮小しつつあって、失業率のアップや賃金カットも行われている、今、日本はデフレがデフレを呼ぶデフレスパイラルの第一段階に到達しているのではないかと指摘をいたしました。大臣は、ややデフレ現象である、その憂いは恐らく正しい、私もそう思います、ここで一番警戒しなければならないのは雇用であろうと述べられました。しかし、打つべき基本政策としては、金を使ってディマンドを起こす財政運営を心がけるとの見解を示されました。
 しかし、その後、消費者物価は平成十一年、十二年と戦後初めて二年連続して下落し、マクロの国民所得は平成九年三百九十二兆円を最高に減少傾向にあり、家計調査によれば、平成九年二・一に対し、平成十年はマイナス一・二、平成十一年はマイナス三・一、平成十二年も期待薄で三年連続して減少しています。
 企業の厳しい人件費抑制姿勢は続いており、労働分配率もまた減少しています。企業利益の増加が雇用者の所得回復につながり、やがては下流の中小企業や労働者の個人消費を回復させるといういわゆる日銀ダム論も既に破綻しました。
 現在は、一時的に有効求人倍率が上昇しても、失業率は四・七%に高どまりして雇用なき回復を示し、パート、アルバイト、派遣労働等の不安定雇用を含めて、正社員の賃金や賞与も上昇せず、明らかに賃金デフレの現象を示しています。
 我が国は、緩やかなデフレではなく、既にデフレスパイラルの深刻な状況に入っているのではありませんか。厳しい認識を国民にお示しにならなくてはなりません。日本が生きるか死ぬかの転機にあるという状況をすべての国民が共有するところから日本経済の再生の可能性が生まれてきます。財務大臣及び経済財政政策担当大臣に率直な答弁を求めます。
 第二に、なぜかくも甘い見通しをし、状況を見誤り、有効な施策を講じずに漫然と時が過ぎたのですか。それに対する政府と大臣の責任について、財務大臣及び経済財政政策担当大臣にお尋ねいたします。
 第三に、正しい状況認識に立った場合、本日、閣議決定された緊急経済対策の中核の雇用対策はどのようなものなのでしょうか。
 銀行の不良債権処理は、債務を返済する側からいえば資産デフレの結果をもろに受け、過剰な債務負担に苦しみ、リストラ失業、賃金の低下、企業倒産への道をたどらざるを得ない人々がいることになります。
 既に三百万人有余の人たちが失業という深い井戸のやみの中に浮き沈みしているのです。こうした状況に対応する具体的かつ有効な雇用対策として、政府は今何を用意していますか。厚生労働大臣にお尋ねいたします。
 例えば、倒産企業における積極的に労働者のキャリアを生かした企業再建への援助策、雇用保険の再度の見直しによる給付期間の延長、失業者を雇用した企業に対する大胆な賃金援助策など、人情味のある効果的なセーフティーネットないしサポートネットを用意し、働く人々に温かい手を差し伸べなければなりません。
 世界でも例を見ない少子高齢社会の到来に直面している日本では、雇用の確保とともに、IT等さまざまな成長分野、福祉・教育分野における雇用の創出に加えて、特に各地で展開されている協同労働の協同組合、ワーカーズコープやNPO等による活動に対し、若者にも中高年労働者の雇用にも新分野を切り開く新しい雇用政策こそ今最も重要だと考えます。厚生労働大臣、文部科学大臣、いかがお考えでしょうか。
 第四に、今回提出された改正法案は、労働者の主体的なキャリア形成を掲げ、労働需給のミスマッチを解消し、かつ失業なき労働移動に対する支援策を打ち出しています。失業なき労働移動は、もとより自発的、非自発的理由を問わず、移動する労働者にとってでき得る限り自己の希望する業種や職種への雇用の可能性が保障されなければなりません。
 そして、注意を喚起したいのは、だれもがその職業生活を通じていかなる差別もされることなく、公正な労働条件の保障を受けつつ、職業と家族的責任の両立をさせながら安心して仕事ができ、自己のキャリアを高めることができるという安心の確保こそ重要だということであります。
 この法案が労働者個人の自己責任を強調するだけのものとならないよう、使用者が積極的な役割と責任を果たすべきことの重要性を確認したいと思います。
 今回の改正法案は、どのように使用者が責任を果たす構造になっているのか、そのためのイニシアチブを政府はどのようにとろうとされているのか、厚生労働大臣にお尋ねします。
 第五に、本改正法案には募集・採用時に年齢にかかわりなく均等な機会を与えるよう努めるという事業主の努力義務を規定しました。年齢別の有効求人倍率を見れば、この規定の意義と社会に及ぼす影響は評価できると思います。
 そして、このような年齢差別禁止の意義は、中高年労働者だけではなく、パート労働や派遣労働で働く女性労働者に対する三十五歳の壁にも有効な施策として機能していってほしいものです。法的、社会的背景の相違はあっても、年齢差別禁止法を持つアメリカ、労働移動を前提として厳しい均等待遇の枠組みを規定するEU指令等と比較したとき、日本の法制度は大きくおくれをとっています。今回の努力義務規定を足がかりに、パート労働、派遣労働等、雇用形態に基づくあらゆる差別の禁止、均等処遇の原則を実現することが日本の雇用の活性化のために非常に重要な課題だと考えますが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
 第六に、今回の法改正は、三十人以上の人員整理を行おうとする雇用主に対し再就職援助計画の作成を義務づけています。このことを理由に、リストラ、特に解雇に対する企業の経営責任や経営努力を免責することがあってはなりません。
 雇用主が雇用責任をきちんと果たすべきことをどのように確保していくおつもりか、その指導をどのように現場で徹底されていくのか、厚生労働大臣に覚悟と決意をお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(坂口力君) 大脇議員にお答えを申し上げたいと存じます。
 本日策定されました緊急経済対策の中の雇用対策についてのまずお尋ねがございました。
 この対策につきましては、不良債権のオフバランス化等構造改革に伴います雇用情勢の変化に機動的、弾力的に対応をしますため、特に中高年齢者の離職者に重点を置きまして雇用面のセーフティーネットを整備することの対策を盛り込んでおります。
 具体的には、中高年の非自発的失業者等の雇い入れに対します助成を行います緊急雇用創出特別奨励金の要件の緩和及び対象労働者の拡充措置、並びに新規・成長分野雇用創出特別奨励金の拡充措置の延長、中高年のホワイトカラー離職者向けの訓練コースの充実でありますとかIT関連の能力開発、人材育成の推進等も盛り込んでおります。三番目には、中高年齢層を中心といたしました倒産、解雇等による離職者に対しまして、一般の離職者と比べて手厚い給付日数を確保することを内容とした雇用保険法改正法の円滑な実施を掲げているところでございます。
 また、本日御審議いただいております雇用対策法等の改正法案につきましても、早期に成立させていただき、これらの施策を効果的に活用することも盛り込まれているところでございます。
 二番目に、雇用機会の確保と並んで安定した市民の生活が可能となる雇用政策についてのお尋ねがございました。
 育児の分野においては新エンゼルプランの実施によります、また介護分野におきましてはゴールドプラン21の実施によりまして雇用の創出、増加が見込まれているところでございます。
 これらにIT分野を加え、今後成長を見込まれる分野について良好な雇用機会を創出しまして着実な就職促進を図ってまいりたいと思います。
 介護関連事業主による新たな介護サービスの提供等に伴う労働者の雇い入れ、雇用管理の改善等に対する支援、それから医療・福祉関連分野を初めとした新規・成長十五分野などの事業主が労働者を前倒しして雇い入れる際の支援、創業や異業種への進出を行います中小企業の事業主が労働者を雇い入れる際の支援等の施策を講じてきておりまして、平成十三年度予算におきましても所要の経費を確保しているところでございます。
 さらに、ワーカーズコープでありますとかあるいはNPO等を含めた多様な働き方を前提とした就業環境の整備は、地域における安定した生活にとっても重要であると考えております。こうした新たな雇用の機会に若い世代だけでなく中高年齢の労働者の就職を促進することも重要と考えております。これらの施策を着実に推進することが安定した市民生活の実現にも資するものと考えている次第でございます。
 労働者のキャリア形成及び失業なき労働移動に対する事業主の責任についてのお尋ねがございました。
 労働者のキャリア形成については、本法案において、労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力開発を促進することを事業主の責務とするとともに、事業主が必要に応じて、労働者に対する情報提供、相談その他の援助を行う、また配置その他の雇用管理についての配慮を行うこととしているところでございます。
 また、失業なき労働移動につきましては、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者が相当数生じる場合に、事業主に対して再就職援助計画を作成することを義務づけております。事業主は、この計画に基づく在職中からの再就職援助措置を講ずることとしております。
 政府としては、これらの事業主が講ずべき措置が的確に行われるよう、事業主に対し、キャリア形成支援に係る指針の策定を初め、必要な指導、助成等を行ってまいりたいと考えております。
 雇用形態に基づくあらゆる差別の禁止についてのお尋ねがございました。
 増加するパートタイム労働や派遣労働につきましては、その就業条件の整備を進めていくことが重要であると考えます。このため、パートタイム労働対策や派遣労働対策として、適正な労働条件の確保や雇用管理の改善等を図るための施策を推進しているところであり、今後とも、雇用形態の多様化に対応する就業条件の整備に努めてまいりたいと考えております。
 最後になりますが、再就職援助計画と雇用主の雇用責任についてのお尋ねがありました。
 本法案は、離職を余儀なくされる労働者の再就職促進を目的とするものであり、再就職援助計画を制度化することによって、かえって事業主の雇用維持に対する努力を阻害することのないよう配慮する必要があると考えております。このため、再就職援助計画におきましては、計画作成に至る経緯等を記載していただくことを予定しておりますほか、その作成に際しましては労働組合等の意見を聞かなければならないこととし、この点につきましては本法案にも明示しているところであります。
 以上、五項目につきまして御答弁を申し上げました。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(宮澤喜一君) 経済の現状でございますが、個人消費はやはり横ばいの状態が続いておりまして、厳しい状況を脱しておらない現状であります。
 企業部門はかなり以前から活発に動いておりまして、自律的回復に向けた動きは続いておりますが、しかし、もうかなり長いこと活況に転じておりますので、ややこのところ弱含んでいるという現状でございます。したがいまして、景気の改善には足踏みが見られるというのが現状でございます。
 こういう中で、御承知のようなアメリカ経済の変化等がございまして、現況にかんがみて、過般、日本銀行がかなり思い切った金融措置を決定され、実施に入りました。また、政府・与党におきましても、本日、緊急経済対策を決定いたしまして、速やかに実施することを決めたところでございます。
 このような我が国の経済の最大の問題は、やはり企業活動がかなり活発になったにもかかわらず、それが雇用、家計に反映するのに時間を要していることでございます。
 雇用の方は、統計的には多少、有効求人倍率など上がっておりますけれども、どうもやはり賃金というものの問題がございますので、どうもそういう雇用の方がやや、賃金の問題がございますために、両方が犠牲になる関係になっておるということではないかと思いまして、家計が伸びておりませんことが十分な成長を阻害しておる実情でございます。
 ただ、四半期ごとに検討をいたしますと、ちょうど先週終わりました平成十三年の一―三月期、最後の期でございますが、これにはまだ統計が出てまいりますのに時間がかかっておりますが、かなりの成長が見込まれているように看取をいたしておりまして、政府は平成十二年度一・二%の成長を計画しておりますが、それは可能であろうと。
 ややその程度の景気の動きはあるということは申し上げられるかと存じますが、先ほど申しましたような金融政策あるいは緊急対策によりまして、なおそれを促進してまいらなければならないと考えております。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(麻生太郎君) 最近の経済状況の基本的認識についてのお話をいただきました。
 私ども内閣府としては、去る三月の月例経済報告におきましても、これは日本では戦後初めてのことだとは思いますが、二年連続、消費者物価が前年度比を下回るということは極めて異例なことでもあり、私どもとしては、大変例外的なことではあるとは思いますが、国際的に見ても歴史的に見ても、これはデフレの定義というもの、従来いろいろ学説がございましたけれども、持続的な物価下落をデフレーション、デフレは日本語でデフレーションが多分英語になっているんだと思いますが、デフレというこの定義がいろいろございましたんですが、持続的な物価下落とした上で、現在の日本の経済は緩やかなデフレにあるということをはっきりさせていただいたところであります。
 景気の現状につきましては、これはアメリカの経済というものが私どもの予測をはるかに上回って減速をいたしております関係もありますので、それに伴いまして日本から輸出や生産がそれに関連して落ち込んできております。
 そういったことで、景気の改善には足踏みが見られる。先ほど宮澤大臣からも同じ御答弁があっておりますけれども、そういった表現に下方修正をさせていただいておりまして、先行きにつきましても、アメリカの経済の減速や、設備投資が今まで順調に伸びておりましたのが少し陰りが見られてきておりますので、そういったことなどなど、懸念すべき点が見られると指摘をしたところであります。
 その後公表されております日銀の短観におきまして、企業の景況感を示すいわゆる業況判断というものが製造業を中心に前回と比べて悪化をしてきておりますので、そういう意味で動きが弱いところでありますので、このような動きを踏まえながら、四月に出します月例経済報告におきましては、この判断に基づいて検討させていただかねばならぬと思っております。
 また、これまでの経済見通し等々の御意見があっておりましたけれども、これまでも経済対策につきましては、九七年、九八年と前年度比マイナスになった、GDPマイナスになった、ああいった時代もありまして、非常に金融危機等いろいろな問題が発生したことは否めない事実だと思いますが、それを私どもとしてはいわゆる緊急対策をその当時講じて、いわゆるバブル時代の地価、株価の高かったものがいきなり急に下がったことによりまして、企業においても個人においてもバランスシートがいわゆる過剰債務ということになってきておりますので、そういった問題の調整がまだ終わっていないということも考えられます。
 こういったものがきちんと終わらない限りは、これが終わらない限りは、今後とも、今までは土地の値段が上がる前提ででき上がっておりましたが、初めて下がってきております。これはもう明らかに、土地の値段が下がればいいという話じゃ、これは景気対策としては非常に大きな問題を抱えたことは事実でありまして、そういったものを含めて、償却したにもかかわらず、土地の値段がさらに下がるものですからまたさらにその点が新規に発生するということに、不良資産が新規に発生をしますので、これは償却してもらう。自己償却、オフバランス化という新しい日本語になっていますが、そういったものをつくらさせていただいて、企業におきましても、また担保に持っている金融機関にいたしましても、それを解消してくださいということで、本日、緊急経済対策本部のもとで、私どもとしては金融再生と企業の再生、それから証券市場というものが非常に今活況を呈していない、大変落ち込んできておりますので、そういったものを含めての構造改革、それからまた都市やらの土地の再生、そういったものを柱とした緊急経済対策をさせていただくことにしております。
 また、お尋ねあっておりました構造改革に伴う雇用情勢というものが、これ明らかに急変いたしますので、雇用情勢にかなりの痛みが伴うことは事実であります。そういったものを含めて、先ほど坂口大臣の方から御答弁があっておりましたけれども、いわゆる対策につきましては従来と違っていろいろな対策を考えねばならぬということは事実だと思っておりますので、そういったものを含めてセーフティーネットの整備などもさせていただいて、私どもといたしましては、不良債権処理ということが一番の問題だと思っておりますが、日本経済の構造調整というものを一層進展させていくことが今後の経済成長、また日本経済の繁栄につながっていくものだということを考えて対策をさせていただきたいと思っております。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣町村信孝君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(町村信孝君) 大脇議員から三十人学級の実現による教員の確保、雇用対策というお尋ねがございましたが、去る三月三十日に可決、成立をいたしました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律によりまして、教科等に応じた少人数指導等を行うことができるように、平成十三年度から平成十七年度までの五年間で二万六千九百人の教職員定数の改善を図ることとした第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画をスタートさせたところでございます。
 全国一律の三十人学級の実施につきましては、先般この本会議でも御質疑をいただきましたけれども、いわゆる学級王国という閉鎖的な状況は変わらないこと、あるいは学級については人間関係の形成、切磋琢磨という面からある程度の規模が必要ではないかというような問題がありまして、より効果的な手段として、このたび少人数学級、少人数指導の実施を図るということにした次第でございます。
 したがいまして、雇用対策という観点のみで教員の数をふやすという御主張には賛同いたしかねます。(拍手)
#18
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#19
○議長(井上裕君) 日程第一 環境省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長吉川春子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔吉川春子君登壇、拍手〕
#20
○吉川春子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、環境行政の一層の推進を図るため、環境省に地球環境審議官を設置するとともに、地方における環境省の所掌事務に関する調査等の事務をつかさどる職員を配置しようとするものであります。
 委員会におきましては、地球環境審議官の役割と選任方法、地方環境対策調査官の役割と自治体環境行政との関係、土壌汚染防止法制化の必要性、環境情報の公開基準、飲料容器のリターナブル推進の必要性、廃家電のリサイクル費用負担のあり方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#22
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#23
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百八十五  
  賛成            百八十五  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#24
○議長(井上裕君) 日程第二 犯罪被害者等給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長江本孟紀君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔江本孟紀君登壇、拍手〕
#25
○江本孟紀君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、人の生命または身体を害する犯罪行為により不慮の死を遂げた者の遺族または重傷病を負いもしくは障害が残った者が受けた心身の被害の早期の軽減に資するため、犯罪被害者等給付金として新たに重傷病給付金を支給するとともに、障害給付金の支給対象となる障害の範囲を拡大するための規定等を整備するほか、警視総監もしくは道府県警察本部長または警察署長がこれらの者に対してとるべき援助の措置、当該被害の早期の軽減に資する事業を行う犯罪被害者等早期援助団体の指定等に関する規定を整備しようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人からの意見聴取を行ったほか、犯罪被害給付制度の性格、過失、親族間の犯罪被害に対する適用問題、民間援助団体に対する支援措置、心的外傷後ストレス障害、PTSDへの適切な適用等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し六項目から成る附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#26
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百八十四  
  賛成            百八十四  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#29
○議長(井上裕君) 日程第三 障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長中島眞人君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔中島眞人君登壇、拍手〕
#30
○中島眞人君 ただいま議題となりました障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、障害者の社会経済活動への参加の促進等を図るため、医師等の資格制度、薬局開設等の許認可要件等において、障害を特定して、資格等を与えないこととしている欠格事由について、障害を特定せず、業務を行う能力に応じて資格等を与えることとする等、障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るほか、医療関係資格の中で現在守秘義務規定が設けられていない保健婦、看護婦、准看護婦及び歯科技工士について守秘義務規定を整備するものであります。
 委員会におきましては、欠格事由見直しの全体像、改正の理念及び方向性、相対的欠格事由の具体的基準、不服申し立て制度のあり方、障害者の教育、資格取得及び就業に関する支援の拡充等の諸問題について、質疑を行うとともに、参考人からの意見聴取を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局した後、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、二院クラブ・自由連合、さきがけ環境会議を代表して亀谷理事より、附則に、施行後五年を目途とする検討条項を追加する旨の修正案が提出されました。
 順次採決の結果、修正案並びに修正部分を除く原案はそれぞれ全会一致をもって可決され、本法律案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#31
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#32
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#33
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百八十六  
  賛成            百八十六  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#34
○議長(井上裕君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十六分散会
     ─────・─────

ソース: 国立国会図書館
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