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2001/04/11 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第18号
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2001/04/11 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第18号

#1
第151回国会 本会議 第18号
平成十三年四月十一日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十八号
  平成十三年四月十一日
   午前十時開議
 第一 宮内庁法の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第二 税理士法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 第三 伝統的工芸品産業の振興に関する法律の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、農業者年金基金法の一部を改正する法律案
  (趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 農業者年金基金法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。谷津農林水産大臣。
   〔国務大臣谷津義男君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(谷津義男君) 農業者年金基金法の一部を改正する法律案の趣旨につきまして御説明申し上げます。
 農業者年金制度は、昭和四十六年一月に発足して以来、経営移譲年金等の給付を行うことにより、専業的農業者の老後生活の安定とともに、適期の経営移譲を通じた農業経営の近代化と農地保有の合理化の促進に寄与してまいりました。
 他方、農村における高齢化が著しく進展していることにかんがみ、経営移譲を通じて農業経営の若返りを促進するよりも、中高年齢者を含めた幅広い農業者を確保することが重要となっております。
 また、現行制度においては、加入者数に対する受給者数の割合が高まり、今後、受給者を支える加入者の負担が著しく大きくなることが見通されております。
 このような最近の農業を取り巻く情勢の変化、年金財政の現状に対応して、農業者年金制度を農業者の確保に資するものに改めるとともに、現行制度の受給者等に係る年金給付について適正化措置を講じた上で、その費用を国庫で負担する等の措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第でございます。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、目的規定の改正であります。
 農業者年金基金の目的を、農業者の老齢について必要な年金等の給付の事業を行うことにより、その老後の生活の安定及び福祉の向上を図るとともに、農業者の確保に資することに改めることとしております。
 第二に、加入要件の変更であります。
 農業者を幅広く確保する観点から、農業経営者のみならず、農業に従事する者にも加入資格を認めることとするとともに、農業者からの申し出に基づく任意加入制とすることとしております。
 第三に、財政方式の変更であります。
 加入者数等に左右されにくい安定した年金とするため、年金給付に必要な費用をその時々の現役世代の保険料で賄う賦課方式から、将来の年金給付に必要な原資をあらかじめ積み立てておく積立方式に改めることとしております。
 第四に、農業者老齢年金の支給要件の変更であります。
 農業者老齢年金については、保険料納付済み期間を有する者が、原則として六十五歳に達したときに支給することとしております。
 第五に、特例付加年金の創設であります。
 効率的かつ安定的な農業経営を担うべき者として、長期間農業に従事する加入者について、通常の保険料の下限額を下回る額の特例保険料の納付を認めることとします。一方、国庫は、毎年度、農業者年金基金に対し、通常の保険料の下限額と特例保険料の差額を補助し、農業者年金基金は、この国庫から補助された額を積み立て、特例保険料を納付した者に特例付加年金として支給することとしております。
 第六に、制度の変更に伴う経過措置であります。
 財政方式の変更に伴い、受給者等に係る年金給付について適正化措置を講じ、具体的には、受給者について平均九・八%の年金額の引き下げを行うとともに、加入者についていかなる世代においても掛け損防止が図られるよう措置することとします。その上で、現行制度に関する給付の財源を国庫で負担することとしております。
 また、現行制度が継続したとすれば年金の受給資格を得たであろう現行制度の加入者に対し、その者の選択により、年金給付にかえて、納付済み保険料総額の八割に相当する額を特例脱退一時金として支給することとしております。
 以上、農業者年金基金法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。郡司彰君。
   〔郡司彰君登壇、拍手〕
#7
○郡司彰君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました農業者年金基金法の一部を改正する法律案につき、関係大臣にお尋ねをいたします。
 二年前に新基本法たる食料・農業・農村基本法が成立し、日本農政史上初めて食料自給率の向上を目標とすることができました。しかし、その際の国民的議論が十分であったかと言えば、必ずしもそうはなっておりません。その原因は、相対的に農業の比重が軽くなったことだけではなく、これまでの農林水産省の政策が幾多の情勢や変化の中で変更や転換を余儀なくされ、その都度農業者の失望が続く中、一度たりとも率直に反省するという真摯な態度を示すことなく、逆に糊塗することにより、結果として農政の不信を助長させてきたことにあります。
 さらに、昨今の手法として、政府、与党、各系統組織によるいわゆる三者協議による合意方式が常態化していますが、このことは国民の食料・農業・農村政策を仲間内だけで進めようとするものであり、生産者、消費者の双方から懐疑的な目を向けられる一因となり、国会審議を形骸化させ、国民的議論を妨げていると言えます。
 今回の農業者年金基金法改正に当たっても、まずこうした点を率直に正すことが求められていると考えますが、農林水産大臣の御見解をお聞かせいただきたい。
 さて、農業者年金制度は、農業者にもサラリーマンのような老後保障をという農業者の声が上がる中で、当時の佐藤総理が農民にも恩給をと公約したことに端を発して創設されたものであります。また、農業者すなわち加入者の老後の生活の安定と福祉の向上という公的年金の側面と、年金手法を通じて世代の交代を促進し、農業経営の近代化、農地の細分化防止、規模拡大による農地保有の合理化を図るという農業構造政策的な側面をあわせ持つ制度として発足したものであります。
 そこで、農業者年金に関する具体的なお尋ねをする前に、農業者年金制度が政策的にどのような役割を果たしてきたか、今後どのような効果を上げるのかという点について、まずお尋ねをしたいと思います。
 制度発足後の農業をめぐる情勢を見ますと、農業就業者の高齢化が進行し、現在では約六六%が六十歳以上となっています。また、規模拡大も思ったような進展を見ていないなど、十分な効果を上げているとは言いがたく、年金手法を用いた構造政策の推進には無理があったと判断せざるを得ません。この点について農林水産大臣の御認識を伺います。
 また、改正後において、本制度は、食料・農業・農村基本法の理念に基づいて、担い手を確保するという政策目的のもとに再構築することとしておりますが、新たな制度が担い手の確保にどのような効果を上げると見通しているのか、あわせて農林水産大臣の御認識を伺います。
 次に、現行の農業者年金制度の財政が実質的に破綻するに至った要因とその責任の所在についてであります。
 農業者年金の財政状況は、加入者の減少と受給者の増加が続き、現在、一人で二・七人を支えなければならない状況にあります。こうした状況のもと、昭和六十一年度からは単年度収支が赤字となり、まさに平成元年以降は破綻は不可避と判断できたにもかかわらず、放置してきた責任は問題の解決を先送りしてきた政府・与党にあると言えますが、農林水産大臣の見解をお聞かせいただきたい。
 ところで、本制度は、旧農業基本法の柱の一つである構造政策を推進するため、農地の移譲を通じて規模拡大を図るということをねらいとしておりますが、これは、この構造政策が効果を上げれば上げるほど、受給者に比して加入者が大きく減少することになります。しかも、このような制度に、昭和五十六年以後、世代間負担を念頭に置いた賦課方式的要素の強い財政方式をとったことによって、財政基盤が一層不安定となったことは当然の帰結と言えるのではないでしょうか。
 そもそも、農業者すなわち現役世代を減らし、離農者すなわち年金受給者がふえていくことを前提にした構造政策を推進する手段に社会保険方式による政策年金を導入すること自体に無理があり、年金財政がこのような状態に陥ることは十分に予測し得たことであります。
 また、今回の改正後においても、政策年金を保険方式として継続することには変わりはありません。過去の失敗に対する反省は全くなく、その失敗を繰り返すものであり、これにより財政基盤が安定するとは考えにくく、清算の時期を先送りすることにほかならないのではないでしょうか。これでは今後加入する人はたまったものではありません。
 しかも、政策年金として継続するとしながらも、今後は任意加入のみとすることには甚だ疑問を感じます。すなわち、政策年金、公的年金であれば強制加入を原則として政府が責任を持つのが当然であり、任意加入とするのであれば、もはや政策年金として継続する必要はないのではないかと思われますが、この点について政府はどう考えるのか。
 また、強制加入によっても見通しを大幅に誤り、財政基盤の破綻を招いた制度が、任意加入のもとでどのような保険設計が成り立つのかどうか疑問であります。そこで、保険母集団すなわち加入者の見通しなど保険数理上の具体的な数字を挙げてお示しいただきたい。
 次に、保険方式について伺います。
 政府は、昭和五十六年改正以降、賦課方式としたことが財政破綻の一因であるとしております。また、今回の改正で、財政方式を賦課方式から積立方式に移行することによって、今後、掛け損は生じないと説明をしております。しかし、全く理解できません。昭和五十六年改正以降の財政方式は、国会答弁でも明らかなように、修正積立方式への移行であります。すなわち、保険数理上の必要な掛金に修正を加え、加入者の掛金負担を抑えることとしたのであります。したがって、無拠出部分、すなわち掛金の徴収不足が生ずることになり、結果的に賦課的部分がふえたことは事実であります。
 しかし、他の公的年金と同様に、社会政策として、加入者すなわち現役世代の掛金負担を抑え、このツケを後代に求めたことが筋違いであったのであります。まして、農業者年金制度発足時に社会保障制度審議会から指摘がなされたように、元来、財政基盤が不安定な農業者年金にその手法を導入したのは明らかに政策判断の誤りであり、政府の責任は重いと言わざるを得ません。
 他の年金制度にも言えることでありますが、この無拠出部分は社会政策として国の負担で手当てをし、財政再計算期ごとに財政基盤の健全化を図っておくべきであったのであります。
 さらに、今回の改正によって新たに積立方式を採用するとしておりますが、この積立方式も従来の確定給付型のものではなく確定拠出型であり、運用の結果いかんによって給付額、すなわち年金額が大幅に変わるもので、政府の責任は極めてあいまいであり、年金制度そのものへの不信感を増大させるものであります。
 さらに、農業者年金制度においても、これまで七回の財政再計算が行われておりますが、例えば、前回の平成七年の財政再計算を見ても、その見通しと実績が大きく乖離しております。また、平成十一年度の加入見込み一万四千人に対し実績は千六百九人であり、こうしたことが生ずるのは、財政再計算を行う際に無理な基礎率の設定等を行った結果と思わざるを得ません。
 このように、政府は、制度発足以降、根本的な問題の解決を先送りしてきたのではないでしょうか。こうした点について、政府はどのような見解を持たれるのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
 次に、今回の改正案において最大の問題である既裁定年金受給者の年金額の引き下げについてであります。
 今回の改正においては、現行制度を実質的に清算した上で財政方式を積立方式に改めて新制度を仕組むこととしておりますが、これに伴い、年金受給者について年金額を平均で九・八%引き下げることとしております。このように、現在受け取っている年金の額を引き下げるということは事実上初めてのケースであります。
 農業者年金制度は、既に述べたように、農業者の公的な老後保障が国民年金によるだけでは低位な水準にあるという事情に対処し、農業者の老後生活の安定と農業経営の近代化、農地保有の合理化に寄与することを目的として、国が保険数理に基づいて設計を行い、また制度の改正を行ってきたはずであります。したがって、年金受給者の給付額を切り下げることが果たして許されるのでありましょうか。また、財政的に厳しくなったことを理由に、ないそでは振れない、制度を継続するのであれば給付額をカットするしかないというのであれば、無責任のそしりは免れません。しかも、カットの対象とされるのは農業者年金制度の中核をなす経営移譲年金であり、農業者の引退後の生活の支えとなるものであります。
 今回の措置は、国が農業者との約束を履行せず、まさに憲法二十九条に保障する財産権を侵害するものではないでしょうか。
 この点について政府は、昭和五十三年七月十二日の最高裁大法廷判決が、自作農創設などの目的に供されない強制買収農地を旧所有者に売り払う場合の価額を時価の七割とすることは合憲であるとした判例を根拠に、公共の福祉の実現、維持のためには必要に応じて法律により財産権に制約を加えることも憲法上許容されるとの立場から、改正案の正当性を主張しております。
 しかし、そもそも、国有農地売り払いの対価の価額に関する問題と農業者年金の既裁定の年金額に関する問題を同列あるいは類推して論じ、年金額を引き下げることの根拠とすることが法的に妥当と言えるのでしょうか、農林水産大臣の御見解をお伺いいたします。
 また、今回の受給額の削減は、財政方式の積立方式への移行とあわせて、世代間扶養が限界に来ているとの見方もある中、我が国の公的年金制度全体に及んでくる問題との見方もなされておりますが、厚生年金、国民年金など他の公的制度についても今回の農業者年金制度への措置と同様に既裁定年金額を減額するということはあり得ないのか、厚生労働大臣の明快な答弁を求めます。
 農業者年金制度は、その創設時と異なり、国民年金基金等が創設をされている現状においては、あえて農水省が政策年金としてこれを仕組む必要はなく、公的年金全体のあり方を検討する中で農業者の老後保障を考えるべきであると思います。日本が先例としてきた仏、独の農業者年金制度は、フランスでは早期退職年金について役目を果たしたということで一九九七年に、ドイツでは生産中止年金部分について、もともと時限立法であり、一九九六年の申請をもって廃止をされました。
 時あたかも、今月末には初めて輸入農産品三品目に対するセーフガードの暫定発動が準備されています。現下の日本農業のもとでは、今回の事態は一過性のものではなく、国を挙げての持続型農業の振興策を初めとする思い切った施策を講ずることが求められていると考えますが、農林水産大臣の見解を伺います。
 WTO体制下における食料輸入国の権利を国際社会において認識させる取り組みを早急に行い、それぞれの国における食料主権に基づく力強い政策の実現こそ世界の飢餓を救う道であり、ローマ宣言が訴える各国の責務であると考えます。
 これらの点に対する農林水産大臣及び厚生労働大臣の認識を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣谷津義男君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(谷津義男君) 郡司議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、今回の農業者年金制度の改正に当たり、国民的議論が行われたかどうかという御質問についてでございます。
 今回の農業者年金制度の改正に当たっては、国民各層を代表とする委員で構成する農業者年金制度研究会における論議を初め、農業委員会系統、JA系統における意見集約や、これを踏まえた農業団体代表者との意見交換、さらには国民各層に開かれたパブリックコメントの実施などを通しまして、国民各層の意見を幅広く反映したところであります。
 なお、議院内閣制のもとで政府が国会に提案する法律案については、関係者を初めとする国民の意見を十分に伺い、与党とも調整した上で、国会において国民的議論を行っていただくことが通常であると考えております。
 続いて、農業者年金制度が果たしてきた役割と新たな農業者年金制度の効果についてのお尋ねでありますが、本制度は、今日までに、九十八万人に対して三兆八千億円もの年金を支給し、農業者の老後生活の安定を図るとともに、三十歳代前半の後継者を中心に八十七万件の経営移譲が行われるなど、農業経営の若返りに寄与したほか、百五十七万ヘクタールの農地が細分化されずに後継者に継承され、また十五万ヘクタールの農地が第三者に移譲されるなど、農地の細分化の防止や規模拡大にも寄与してきたところであります。
 新しい農業者年金制度は、老後所得の充実を図り、農業の担い手の確保を図ることを目的としております。中でも、政策支援は、長期にわたって食料の安定供給に貢献すると見込まれる者であって、きちんとした経営管理を行って経営改善に努力する意欲ある担い手に対して行うものであります。
 この政策支援について、農業者にとっての意義を考えた場合、農業者の人生設計の上で、老後において他の公的年金と遜色のない水準の年金所得が展望できれば、現役時に思い切った経営改善努力が可能となると考えられ、他方、自営業者たる農業者には被用者年金のような事業主負担はなく、特に若い農業者には保険料負担は相当重くのしかかると考えられます。このような点を考慮すれば、長期にわたり保険料負担の軽減を図ることは、意欲ある担い手にとって、経営改善に取り組みながら長期間経営を継続する上で相当の効果があると考えられます。
 次に、農業者年金制度の抜本的見直しを先送りしてきたのではないかとの御質問についてでありますが、農業者年金制度については、五年ごとの財政再計算時の制度改正において、例えば、昭和六十年改正では経営移譲年金の支給額を抑制するために加算つきと基本額との二本立てとし、平成二年改正では年金財政の長期的安定を図るため給付体系の大幅な変更と追加的な定額国庫助成を措置し、さらに平成七年改正では農地の権利名義を有さない配偶者にも加入資格を拡大するなど、できる限りの改善努力を行い、その都度、国会で御審議いただいてきたところでございます。
 しかしながら、結果的に見れば、農業構造の変化や年金加入者数等の見通しが十分でなかった面もあり、加えて平成七年改正以降、新規加入者の激減、保険料収納率の低下等が続いたことから、年金財政が破綻するに至ったものであります。
 このため、国民の皆様や加入者、受給者の方々に負担をおかけし、その御協力を得る形で抜本的改革を進めることとなりましたが、このような事態に至ったことについては、率直に申し上げて申しわけなく思っているところでございます。
 次に、新制度への加入を任意加入としたことについてのお尋ねでございますが、現行の農業者年金制度においては、農業経営の近代化と農地保有の合理化を政策目的としていたことから、一定面積以上の農地所有者について当然加入制を採用しておりました。
 一方、新制度においては、他産業並みの生涯所得を上げる効率的かつ安定的な農業経営を目指す意欲ある担い手を支援することが重要となっていることにかんがみ、その政策目的を我が国農業の担い手の確保へと改めるとともに、保険料負担の軽減措置を講ずることとしたものであります。
 このように、新制度は、現行制度のような農業構造の変革を目的としたものではないことから、加入に当たっては、それぞれの人生設計に応じた担い手の自由な選択にゆだねることが適切であると考え、任意加入としたものでございます。
 また、新制度が安定した年金制度となるかとのお尋ねでございますが、現行制度は、世代間扶養の方式であり、加入者数などに大きく影響を受ける制度でありますが、新制度は、加入者が納付した保険料とその運用分が年金化される方式であり、加入者数の影響を受けにくい長期的に安定した年金財政の仕組みとするものであります。
 こうした新制度におきましても、一定以上の加入者数を確保し、効率的な運用を確保することは重要な課題であり、この加入者数につきましては、現行制度加入者のうち約二十五万人が新制度に移行し、現行制度未加入者のうち政策支援の対象となり得る認定農業者やその配偶者、認定農業者を目指す農業者の一部など約四万人が新規に加入する結果、全体で約三十万人が加入するものと見込んでいるところであります。今後、新制度の仕組みなどを十分に説明し、制度の普及に努めてまいりたいと考えております。
 続いて、農業者年金の制度発足以降、政府は問題解決を先送りしてきたのではないかとのお尋ねでありましたが、農林水産省は、これまでにも五年ごとの財政再計算等を契機に、その置かれた農政上、年金財政上の課題のもとで加入促進、給付体系の見直し、保険料の引き上げ等、できる限りの運営改善を図るための制度改正を行ってきたところであります。しかしながら、新規加入者の激減、保険料収納率の低下等が続き、このままでは年金財政の破綻を免れないと認識するに至ったところであります。
 このため、新しい農業者年金制度においては、これまでの反省に立って、長期的に安定した制度となるよう財政方式を賦課方式から積立方式に変更するとともに、幅広い農業者の確保に資するよう加入資格を緩和し、農地の権利名義を有する者から農業に従事する者であればだれでも加入できることとし、こうした改善措置を講ずることにより、二度と同じ轍を踏まぬよう努める考えでございます。
 次に、既裁定の年金減額の論拠として昭和五十三年最高裁大法廷判決を引用することについてのお尋ねでありますが、昭和五十三年七月十二日の最高裁判決は、国が買収により取得した農地を自作農の創設等の目的に供しなくなり、もとの所有者に売り戻す場合の対価について、農地法上は買収の対価相当額となっていたものを、事後の特例措置法において時価の七割に改めたことが、憲法第二十九条に保障する財産権の侵害に当たるかどうかが争われた事案に関するものであります。
 今回の農業者年金の既裁定年金額の引き下げ措置にかかわる財産権は、この最高裁判決で争われた事案における財産権と具体的な内容等は異なるものの、この判決は、財産権を事後に変更することによって保護される公益の性質などを総合的に勘案し、その変更が当該財産権に対する合理的な制約として容認されるかどうかという論点の原則的な判断基準を示したものであることから、この基準自体は今回の措置についても適用できるものと考えております。
 次に、持続型農業の振興策を初めとする思い切った施策を講ずるべきとのお尋ねでありますが、輸入農産物の急増等に対し国内産地の体質強化を図るためには、食料・農業・農村基本法に掲げる食料の安定供給、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展及び農村の振興という四つの基本理念の実現を図ることが基本と考えられます。
 このため、品目ごとの生産及び流通をめぐる状況を踏まえ、昨年三月に策定された食料・農業・農村基本計画に従い、生産・流通段階における低コスト化、高品質化、需要の拡大等の施策を推進しているところであり、今後とも、これらの施策の展開によって農業の持続的な発展に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、食料の安定供給の確保に関するお尋ねがございました。
 食料自給率が主要先進国中最も低い我が国にとって、国内農業生産を基本とした食料安定供給の確保を図ることは国の基本的な責務であると認識をしております。このような食料の安定供給の考え方については、食料・農業・農村基本法においても明確に規定されているところでございます。
 今回の農業交渉においても、このような基本法の基本理念及びそれらに基づく施策が国際規律の中で正当に位置づけられるよう、我が国の考え方を積極的に主張していきたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(坂口力君) 厚生年金、国民年金等に関するお尋ねがございました。
 厚生年金、国民年金等につきましては、社会保険方式のもとで世代間の扶養で進んでおりますことは今さら申し上げるまでもございません。成熟度におきましても、農業者年金のように三〇〇%近いというような状況にないことも事実でございます。
 一方、農業者年金につきましては、農業上のいわゆる政策目的を有しておりますし、給付に必要な財源を専ら国庫助成で賄っておりました。その成熟度も、今申しましたように現在の厚生年金や国民年金とは異なっております。こうした大きな違いがございます。このような状況の違いを十分念頭に置くことが必要であるというふうに考えております。
 厚生年金、国民年金の将来につきましては、十分にこれは推測のできることでございますので、どんなことがございましても守り抜くという決意でもってこの任に当たりたいと考えているところでございます。
 もう一問、食品行政についてのお尋ねがございました。
 国民が生涯を通じて健康で安心して暮らせるためには、国民生活の基本であります食品の安全を確保するということが非常に大切でございます。厚生労働省といたしましては、近年の輸入食品が非常に増加をいたしておりますし、食生活の多様化も進んでいるところでございます。したがいまして、食品保健行政をさらに着実に進めまして、食品の安全確保に対する国民の期待にしっかりとこたえてまいりたいと考えているところでございます。
 以上、御答弁を申し上げました。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(井上裕君) 須藤美也子君。
   〔須藤美也子君登壇、拍手〕
#11
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題になりました農業者年金基金法の一部を改正する法律案について、農林水産大臣に質問をいたします。
 今、日本農業の状況は一段と深刻の度合いを強めております。何をつくっても採算がとれない、農業をやめたいが、長年続いた先祖代々の山や田畑を捨てることができない、こういう農家の悲痛な声が出されております。この五年間で、全国平均農業所得は約三割激減しております。農産物の輸入増大は日本農業を押しつぶそうとしています。耕作放棄地の増加や、集落が自然消滅しているところも生まれております。二十一世紀を迎え、国民の生存と生活基盤が脅かされているのです。
 私は、この間、農業問題に携わってまいりました。つくづく感ずることは、WTO路線のもとで農産物自由化推進、市場原理優先の自民党農政を続けては、自給率を高め、食料を安定的に国民に供給し、農業、農村の多面的機能を守ることはできないということです。
 まず、法案に先立ちまして、大臣は、今までの農政の延長でこれからの食料・農業問題を打開していけると考えているのか、お尋ねをいたします。
 また、昨日、政府は、ネギ、生シイタケ、畳表の三品の暫定セーフガードを決めました。セーフガード発動は我が党もこの六年間一貫して求めてまいりました。四割を超す自治体と多くの農業団体が要求してきたものです。早速農民の皆さんから、何とか光が見えてきたと声が上がっています。洪水のように輸入で苦しめられてきた産地が守られることは、二十一世紀の日本農業の展望を切り開く上で大変喜ばしい限りです。今後とも、セーフガードの本格的発動とともに、調査を要請しているワカメ、ウナギ、調査から外したトマト、タマネギ、ピーマンなど、他の産品についてもどう発動に向け検討していくのか、大臣の決意を伺います。
 さて、農業者年金は、そもそも農業者に年金を支給して経営の若返りや規模拡大を促進するという政策年金であり、国民年金の上乗せ年金として発足しました。同時に、農民にもサラリーマン並みの老後保障をという農家の運動を反映したものであり、まだまだ不十分ですが、農業者の老後の生活に寄与してきたことは事実であります。
 ところが、本法案は、現に年金を受けている者から平均で九・八%もの経営移譲年金額を削減しようとしています。
 大臣、公的年金制度では、さまざまな改悪があっても、既に受給している人の年金額は削減しないという原則があったのではありませんか。私が昨年の予算委員会で、受給者の年金額を削減するという例はあるのかと聞いたところ、当時の厚生大臣は、今までにないことだと認めました。これが今回初めて破棄されるのであります。その重大性について大臣はどう認識されていますか、まずお聞きいたします。
 今、七十万人に上る受給者は、戦中戦後の幾十年にわたって食料の増産、農地の開発に励み、厳しい労働と生活水準の中で国民の食料と国土を守ってきた人たちです。
 大臣は、衆議院の論議で、削減によって老後の生活が直ちに脅かされるものではないと言われました。しかし、農家の高齢者はどんな状態に置かれているのでしょう。長い年月をかけて築き上げ、息子に託した農家経営は、米価や野菜の大暴落によって赤字続きで、農業の先行きに心を痛めています。さらに、医療費や介護保険の負担増など、相次ぐ社会保障の改悪にさらされています。その上、年金額の削減が加わるならば、生活への打撃は一層増幅されることは間違いありません。大臣はそれでも支障のない引き下げと言うのでしょうか、お尋ねいたします。
 一部の疑問として、なぜ農業者年金だけ税金の投入をふやすのかという声もあります。しかし、大事なことは、国の制度に従って義務加入してきた農家に対し、既に決定済みの年金額を支給するという、年金受給者の方々と法律に基づいた契約を国が守るのかどうかという問題です。これは公的年金制度の信頼につながるもので、他の年金加入者にとっても影響を与えかねない問題だと言えます。
 そこでお尋ねいたしますが、今回の削減は受給者の方々から了解を得た上でのことなのでしょうか。本来、この問題は関係団体との協議にとどまらず、そういう性格の問題であると思います。どう了解を得たのか、この点、お聞きをいたします。
 次に、年金財政の基盤が崩壊してきた原因であります。
 一九九五年の財政再計算では、十年後には単年度収支は均衡し、安定に向かうという見通しを示してきました。しかし、新規加入者は九九年度で見通しのわずか八分の一にすぎない千六百九人と、ごくわずかにとどまりました。保険料納入率も七〇%台へ低下するとともに、後継者不足から経営移譲のケースが減少し、国庫助成額も減少しました。その結果、財政的に大きな影響を与えました。
 大臣は見通しの間違いを認めているようですが、後継者不足や保険料も払えない経営難は、まさしくWTO体制後の農産物の自由化路線、市場原理の徹底による農業経営衰退の結果であります。苦しい中、高い保険料を払い続け、農家女性の加入も熱心に働きかけた農業者に何ら責任はありません。財政危機をつくったのは国の農政の責任ではありませんか。大臣はこのことをお認めでしょうか、御答弁を求めるものであります。
 法案は、年金の政策目的を農業者の確保に転換し、加入者の保険料負担に国庫補助を導入しようとしています。
 しかし、問題なのは、その支援対象を認定農業者と青色申告者に限定していることであります。認定農業者は、全販売農家二百三十四万戸のごく一部、十六万人にすぎません。また、税金の申告方法は、青色であれ白色であれ、農家の自由でさまざまであります。申告の方法で支援対象を区別すべきではありません。
 本来、農業を続けたい人はみんな大事な農業の担い手であります。その人たちに区別なく老後の生活を安定させるべきなのに、なぜ認定農業者と青色申告者だけに保険料助成を限るのですか。政府の農業者確保という政策は一段と選別的なやり方になり、支援の対象から外れる多くの農家の生産意欲を奪っていく方法ではありませんか、大臣の見解を伺うものです。
 先般の農水委員会審議で、私は、農水省が今検討している農家の経営安定対策について、一部の経営を対象にするのではなく、すべての農家を対象に手厚い対策を進めることを求めました。これに対して大臣は、その財源の検討に際しては公共事業も含めて農水予算全体を見直すと答弁されました。ほとんど使われない広域農道や環境破壊や農家負担を増大させる大規模な土地改良事業を見直し、今最も必要な、直接、農家経営を立て直すところに予算を重点的に回すべきであります。
 大臣、この農業者年金問題についても、農水の公共事業予算を見直し、追加財源を生み出し、財政的にも国の責任で解決すべきではありませんか、この点についての大臣のお考えをお聞きいたします。
 最後に、農家に何の責任もない年金財政危機のしわ寄せを、支給額カットという暴挙をもって受給者に押しつけるのは断じて認められないことを重ねて申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣谷津義男君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(谷津義男君) 須藤議員の御質問にお答えをいたします。
 食料・農業問題についてのお尋ねでありますが、我が国農業の持続的発展を図り、国民に対する食料の安定供給の確保と農業、農村の多面的機能の十分な発揮を図っていくことは極めて重要な課題であると考えております。
 このため、食料・農業・農村基本法及び基本計画に基づき、食料自給率の向上を図ることを旨として、望ましい農業構造の確立、市場評価を適切に反映した価格形成と経営安定対策の実施等、各般の施策を総合的かつ積極的に推進していく考えでございます。
 次に、農林水産物のセーフガードに関するお尋ねがございました。
 輸入の増加により国内の農林水産業に影響を及ぼすおそれがあると認められる品目について、セーフガードの検討に必要な情報を常時収集していく体制を整備しております。現在、政府調査三品目に加え、トマト、ピーマン、タマネギ、ニンニク、ナス、加糖調製品、木材、合板、干しシイタケ、ウナギ、ワカメ、カツオの合計十五品目を対象としております。この体制のもとで、政府調査を開始するに足る十分な証拠があると認められる品目については、政府調査を行うよう関係各省に要請していくこととしております。
 次に、農業者年金基金法改正に関する御質問にお答えいたします。
 まず、受給権者の年金額をカットすることの重大性についてのお尋ねがございました。
 農林水産省は、農業者年金制度を設計、運営する立場にあるため、不断に農業者年金をめぐる財政状況等について整理、点検をし、必要な制度改善を行いながら、健全な制度運営を図っていく責務があると考えております。
 このため、これまでにも、五年ごとの財政再計算等を契機に、その置かれた農政上、年金財政上の課題のもとで、加入促進、給付体系の見直し、保険料引き上げ等でできる限りの運営改善を図るための制度改正を行ってきており、その過程では国会での御審議をお願いしてきたところでもございます。
 しかしながら、新規加入者の激減、保険料収納率の低下等が続き、平成十二年の財政再計算の結果を見ると、過去に行ってきたような現行制度の継続を前提とした制度改善では、年金財政の破綻を免れることはあり得ないと認識するに至ったものであります。
 このような経緯の中で、農林水産省がその置かれた状況のもとでできる限りの制度改善努力をしてきたとしても、結果的に見れば、農業構造の変化や年金加入者数等の見通しが十分でなかった面があったと認識せざるを得ないと考えています。
 今般、国民の皆様や加入者、受給者の方々に負担をおかけし、その御協力を得る形で抜本的改革を進めざるを得ない事態に至ったことにつきましては、私といたしましても、率直に申し上げて申しわけなく思っているところであります。
 次に、支給額の削減が老後生活に与える影響についてのお尋ねがございました。
 平成十二年の家計調査によると、いわゆる高齢夫婦世帯の一カ月の消費支出は、全国平均で約二十四万三千円となっております。他方、今回の既裁定年金額の引き下げ措置については、制度発足時六十歳まで加入した方で、平成二年の法律改正以前に受給を開始した現在七十九歳の人の場合で月額千七百五十九円の減額、平成二年の法律改正以後に受給を開始した現在六十九歳の方で月額三千六百八円の減額となります。
 このように、今回の措置による削減額は二ないし四千円であり、高齢夫婦世帯の消費支出約二十四万三千円の一%程度であることから、これにより老後生活の安定が直ちに脅かされるものではないと考えております。
 次に、年金額削減について受給者の了解を得たかとのお尋ねでありますが、今回の農業者年金制度の改正に当たっては、農業者年金制度研究会において、受給者や加入者も参加した十二回にわたる議論を重ねた上で、中間取りまとめを行い、これをもとに各方面との調整を行ったところであります。また、農業団体においても、受給者、加入者の生の声をくみ上げた意見集約が行われ、これを踏まえ、関係者と農林水産省との間で率直な意見交換会を計四回行ったところであります。
 こうした農村現場からの意見の積み上げ等を踏まえ、今回、改正法案を提出したところであり、特に、農業者年金制度を再構築して継続することや、受給者の給付額の削減を最小限にとどめること等の農村現場の切実な声を反映してきたところであります。
 次に、農業者年金の財政危機に関する国の農政の責任についてのお尋ねでありますが、さきにも述べましたように、農林水産省は、農業者年金制度を設計、運営する立場にあり、その健全な制度運営を図っていく責務があると考えております。
 前回の改正においては、平成七年の財政再計算に基づく見通しに基づき、保険料の段階的引き上げや、追加的な国庫補助による経営移譲年金の全額国庫補助、さらには、農業者年金加入者等の配偶者に加入の道を拡大すること等で、できる限りの運営改善を図るための制度改正を行ったところであります。
 しかしながら、兼業化の進展や近年の農業の担い手の減少等を背景として、新規加入者数が大幅に減少したことや、成熟度の高まりに伴う保険料の引き上げが続く一方、農業所得が低迷している中で、農業者の保険料の負担感が増大し、保険料収納率が低下したこと、また、景気の低迷に加え、年金資産の減少により運用成績が悪化したこと等により、平成七年の財政再計算における見通しと実績が大幅に乖離するに至ったものであります。
 次に、新制度における政策支援の対象者についての御質問がございました。
 新制度における政策支援は、担い手の中でも、特に長期にわたって我が国農業を支え、国民に対して食料を安定供給していくと見込まれる者であって、目標を掲げて経営改善努力を行うとともに、きちんとした経営管理を行っている意欲ある担い手を対象とすることが適切と考えております。
 このため、意欲を持って経営改善に取り組む担い手であることが客観的に確認できる認定農業者であり、簿記記帳等を行い自己の経営状態を客観的に把握して常に経営管理の点検、分析を行い得る青色申告者を対象とすることとしたものであります。
 また、意欲ある担い手を確保、育成する観点から、青色申告を行う認定農業者とともに農業経営に参画している家族や、将来、青色申告を行う認定農業者になることを目指して努力している者についても、一定の要件のもとで支援対象とすることとしており、その他の農業者の意欲をそぐのではないかとの御指摘は当たらないと考えております。
 最後に、財政的に国の責任で解決すべきではないかとの御質問がありましたが、農業者年金制度につきましては、加入者一人が受給者三人を支えるという財政状況のもとで、現行制度をこのまま継続した場合には、遅くとも平成十四年度には年金財政が払底すると見込まれる状況にあります。これに対処して、現役世代の負担能力を超える大幅な保険料引き上げをしたとしても、結局、未納者の増大等により制度の破綻は避けられないことから、今回、既裁定年金額の引き下げ等の自主的な努力を前提に、国民負担により今後の年金支払いを行うこと等を内容とする抜本改革を行うこととしたものでございます。
 このような今回の現行制度の処理について、国民の御理解を得るためには、既裁定者について、今回の制度改革に伴う約三兆六千億円にも上る国民負担のさらなる増大を回避するため、全額国庫助成で賄われている経営移譲年金に限定して、農業者の老後生活の安定を脅かさないわずかな額について、年金額の引き下げという負担を求めることもやむを得ないものと考えておるところでございます。
 以上でございます。(拍手)
#13
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#14
○議長(井上裕君) 日程第一 宮内庁法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長江本孟紀君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔江本孟紀君登壇、拍手〕
#15
○江本孟紀君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案の内容は、第一は、香淳皇后崩御に伴い、皇太后に関する事務をつかさどる皇太后宮職を存置しておく必要がなくなったため、同職を廃止すること、第二は、皇太后宮職の廃止により、同職に置かれる皇太后宮大夫を廃止する等の改正を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、福田内閣官房長官より趣旨説明を聴取し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#17
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#18
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百八  
  賛成             二百八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#19
○議長(井上裕君) 日程第二 税理士法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長伊藤基隆君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔伊藤基隆君登壇、拍手〕
#20
○伊藤基隆君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近の税理士制度を取り巻く状況の変化を踏まえ、納税者利便の向上に資するとともに、信頼される税理士制度を確立するため、税理士が裁判所において補佐人となる制度の創設、税理士試験の受験資格要件の緩和、試験科目の免除制度の見直し、税理士からの意見聴取制度の拡充、税理士法人制度の創設等所要の改正を行うものであります。
 委員会におきましては、補佐人として弁護士とともに出廷しなければならない理由、書面添付に係る税理士からの意見聴取制度の拡充の意味、今後の税理士業務に対する報酬の決め方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表し池田幹幸理事より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#22
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#23
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百九  
  賛成            百八十六  
  反対             二十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#24
○議長(井上裕君) 日程第三 伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長加藤紀文君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔加藤紀文君登壇、拍手〕
#25
○加藤紀文君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、伝統的工芸品の売り上げの減少と、それに伴って経営難や後継者不足などの問題が深刻化していることを踏まえ、製造協同組合以外の者においても振興計画を作成することができるなどの作成主体の範囲拡大、需要開拓、新商品開発のための活性化計画制度の創設など、産地の意欲的な取り組みを支援しようとするものであります。
 委員会におきましては、これまでの振興対策の評価、伝統的工芸品流通のあり方、後継者の確保策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#26
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百八  
  賛成             二百八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#29
○議長(井上裕君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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