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2001/06/08 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第30号
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2001/06/08 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第30号

#1
第151回国会 本会議 第30号
平成十三年六月八日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十号
  平成十三年六月八日
   午前十時開議
 第一 農業協同組合法等の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 第二 農林中央金庫法案(内閣提出)
 第三 漁船法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 第四 電波法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第五 中間法人法案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 確定給付企業年金法案(内閣提出、衆議
  院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、ハンセン病問題に関する決議案(山崎正昭
  君外八名発議)(委員会審査省略要求事件)
 一、短期社債等の振替に関する法律案、株券等
  の保管及び振替に関する法律の一部を改正す
  る法律案、地方税法の一部を改正する法律案
  及び租税特別措置法の一部を改正する法律案
  (趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 山崎正昭君外八名発議に係るハンセン病問題に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。山崎正昭君。
    ─────────────
   〔議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔山崎正昭君登壇、拍手〕
#5
○山崎正昭君 ただいま議題となりました自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案に係るハンセン病問題に関する決議案につきまして、無所属の会、自由党、二院クラブ・自由連合及びさきがけ環境会議の御賛同を得て、発議者を代表し、提案いたします。
 案文を朗読いたします。
    ハンセン病問題に関する決議案
  去る五月十一日の熊本地方裁判所におけるハンセン病国家賠償請求訴訟判決について、政府は控訴しないことを決定した。本院は永年にわたり採られてきたハンセン病患者に対する隔離政策により、多くの患者、元患者が人権上の制限、差別等により受けた苦痛と苦難に対し、深く反省し謝罪の意を表明するとともに、多くの苦しみと無念の中で亡くなられた方々に哀悼の誠を捧げるものである。
  さらに、立法府の責任については、昭和六十年の最高裁判所の判決を理解しつつ、ハンセン病問題の早期かつ全面的な解決を図るため、我々は、今回の判決を厳粛に受け止め、隔離政策の継続を許してきた責任を認め、このような不幸を二度と繰り返さないよう、すみやかに患者、元患者に対する名誉回復と救済等の立法措置を講ずることをここに決意する。
  政府においても、患者、元患者の方々の今後の生活の安定、ならびにこれまで被った苦痛と苦難に対し、早期かつ全面的な解決を図るよう万全を期するべきである。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本決議案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#7
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#8
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百七十五  
  賛成            百七十五  
  反対               〇  
 よって、本決議案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#9
○議長(井上裕君) ただいまの決議に対し、厚生労働大臣から発言を求められました。坂口厚生労働大臣。
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(坂口力君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力をいたします。(拍手)
     ─────・─────
#11
○議長(井上裕君) この際、日程に追加して、
 短期社債等の振替に関する法律案、株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案、地方税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、以上四案について、提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。柳澤金融担当大臣。
   〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま議題となりました短期社債等の振替に関する法律案及び株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、短期社債等の振替に関する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 本法律案は、短期社債等について、券面を必要としない新たな流通、振替制度を創設するため、所要の法整備を図るものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、企業の短期資金調達手段であるコマーシャルペーパーについて、ペーパーレス化を図るため、これを短期社債として位置づけることとし、必要な商法の特例措置を設けることとしております。
 第二に、この短期社債に係る振替制度を創設することとし、券面の交付による権利移転の場合と同等の流通の保護を実現することとしております。
 第三に、短期社債の振替制度の担い手である振替機関について、監督等に係る所要の規定の整備を行うこととしております。
 第四に、この法律の制定に伴い必要となる関係法律の整備を図ることとしております。
 次に、株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 本法律案は、証券決済制度をより安全で効率性の高いものにしていくため、保管振替機関について、所要の法整備を図るものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、証券決済制度の担い手である保管振替機関の組織形態について、資金調達方法の多様化や競争可能性の確保による業務運営の効率化を実現するため、現行の公益法人形態を株式会社形態に改める措置を講ずることとしております。
 第二に、保管振替機関について、監督等に係る所要の規定の整備を図ることとしております。
 以上、短期社債等の振替に関する法律案及び株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(井上裕君) 片山総務大臣。
   〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(片山虎之助君) 地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、最近の経済情勢等を踏まえ、個人投資家の市場参加の促進等の観点から、個人住民税について長期所有上場株式等の譲渡所得につき特別控除を行う特例措置を講ずるものであります。
 以上が地方税法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(井上裕君) 塩川財務大臣。
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、最近の経済情勢等を踏まえ、個人投資家の市場参加の促進等の観点から、個人の長期所有上場株式等に係る少額の譲渡益を非課税とする特例措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を御説明申し上げます。
 個人が、平成十三年十月一日から平成十五年三月三十一日までの間に、所有期間が一年を超える長期所有上場株式等を譲渡した場合における申告分離課税の適用については、その年分の長期所有上場株式等の譲渡所得の金額から百万円の特別控除を行うこととしております。
 以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。前川忠夫君。
   〔前川忠夫君登壇、拍手〕
#19
○前川忠夫君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました緊急経済対策関連法案の趣旨説明に対し、小泉総理に質問を行います。
 まず、小泉内閣の高い支持率と内閣の現状についてお伺いをいたします。
 発足後一カ月半を経過し、本来なら高い支持率にふさわしい仕事をして期待にこたえてほしいものですが、健忘症になられたのかと皮肉られる塩川財務大臣、外務省官僚と責任のなすり合いを続ける田中外務大臣など、重い責任を忘れたのかと思う事態が続いており、大臣の資質を問う声も上がっています。総理の発言スタイルも、時としては高圧的な態度に危うさを感じるのは私だけでしょうか。
 一カ月半の総理の責任と大臣への指導責任をお伺いいたします。
 次に、日本経済の情勢認識と緊急経済対策の位置づけについて伺います。
 小泉総理は、構造改革なくして景気回復なしと、従来の小渕内閣、森内閣のもとでの景気回復優先・改革先送り路線からの決別を宣言されました。このことは民主党が従来から主張してきたところであり、当然のことと考えます。
 しかし、小渕内閣、森内閣のとってきた政策は、単に景気回復を実現できなかっただけでなく、むだな公共事業や税金のばらまきによって国の財政を急速に悪化させ、また、金融機関の不良債権の抜本処理等を先送りし続けることによって、一層不良債権の増加を招いたのではないでしょうか。
 改めて、我が国経済の現状認識、そして小渕内閣、森内閣の進めた景気回復優先の経済政策について、総理の評価を伺います。
 その上で、今回政府が提出した緊急経済対策関連法案の位置づけとは一体いかなるものなのでしょうか。
 もともと、森内閣当時の四月に決定された緊急経済対策は、株価低迷に慌てふためいた与党が株価対策として取りまとめた対策をそのままなぞったものであり、緊急と言いつつ二カ月がたち、いわば冷え切って伸び切ったラーメンのようなものであります。
 また、総理の言う構造改革、あるいは総理の主宰する経済財政諮問会議において近く取りまとめるという骨太の方針と、これらの株価対策とはどのような関係にあるのか、総理の見解を伺います。
 次に、金融・不良債権問題についてお伺いいたします。
 これまで、金融システムを守るために、総額二十八兆円もの公的資金が投入されました。金融システムの不安定解消が経済再生に不可欠であること自体は、民主党が一貫して主張してきたことです。しかし、政府がこれだけ巨額の公的資金を使いながら、金融システムはいまだ健全化されたとは言えない状況にあります。むしろ、政府がいかに安易に国民の税金をどぶに捨てるような公的資金の注入を行ったかが、さきに同僚議員の要求により開示された金融危機管理審査委員会、いわゆる佐々波委員会の議事録によって明らかとなりました。
 現在、銀行は、グループ化、巨大化で競争を乗り切ろうとしていますが、不良債権を含めた経営実態のディスクロージャーは一向に進んでおりません。銀行の不良債権処理や経営実態のディスクロージャーが進まない原因はどこにあると総理はお考えでしょうか。
 今回の対策の中で、銀行の不良債権について、既存分は二年、新規分は三年で直接償却によりオフバランス化を進め、最終処理を行うとされましたが、破綻懸念先、要注意先などの債権の線引きもあいまいで、オフバランス化の対象となる不良債権の規模も不明確なのではないでしょうか。
 一体、幾らの不良債権を最終処理すればいいのでしょうか。この最終処理により、経営困難となった個別の金融機関に対して、政府としてはさらに公的資金を投入して延命を図るのかどうか、総理のお考えをお尋ねいたします。
 また、債権放棄への指針づくりに当たってのモラルハザードについて伺います。
 不良債権処理については、私的整理に伴う債権放棄など、やり方や基準次第ではモラルハザードを招くおそれがあると考えます。これまでも政府・与党は、ゼネコンに対する債権放棄には甘い姿勢をとってきました。
 今後の不良債権処理について、中小企業を対象に倒産を促進させるものになるとの指摘がありますが、総理、この指摘は事実なのでしょうか。経営者や株主責任についてどのような考え方で対処するつもりでしょうか。国民が納得する指針を示すべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 次に、セーフティーネットの構築について伺います。
 現在、消費回復の最大の足かせは雇用や将来の不安にあり、GDPの六割を占める個人消費を回復させるには仕事や将来の不安を取り除くことが不可欠であります。
 政府や経済界は、これまで雇用の流動化、労働市場の弾力化によって雇用不安が解消するかのごとく吹聴してきましたが、特に中高年の求人市場はそれほど甘いものではありません。また、年金の将来像も示せないのでは、高齢世帯のみならず現役世代でも財布のひもがかたくなるのは当然なのではないでしょうか。そこには生身の人間の生活がかかっています。
 総理は、貴乃花の痛みはわかっても失業者の痛みや苦しみは本当にわかっていないのではありませんか。各地のハローワーク周辺が朝から大渋滞を起こしているのを総理は御存じでしょうか。また、各地のポリテクセンターでパソコンあるいは情報処理のコースを修了しても、次の職につける者はほんのわずかという現実を総理は御存じでしょうか。
 こうした厳しい雇用環境の中で、国が政策として金融機関等の不良債権処理を思い切って進めていくには相当の覚悟が必要であります。政府の政策で失業するとしたら、その対策に政府が万全を期すのは政府の責任であり、国として従来の制度の延長線上の対策に限定せず、思い切った格段の努力を傾注すべきであります。
 政府が雇用の受け皿づくりに責任を持つ必要はないと平然と言ってのける大臣がおりますが、政治とは、国民の生活の安定こそが使命なのではないでしょうか。国民が犠牲の経済回復をだれが喜ぶのでしょうか。痛みが一時的なものであるとだれが保証してくれるのでしょうか。
 民主党としては、万一の場合に備え、雇用保険財政安定化のための総額四兆円程度の基金も創設すべきだと主張しております。雇用を中心とするセーフティーネットの構築についての政府、政治の使命、具体策について、総理からはほとんど発言も提案もないように思えますが、総理のお考えをお伺いいたします。
 次に、証券税制改正等について伺います。
 今回の政府の改正案は、政府・与党の緊急経済対策のうち、証券市場活性化策の一環として、本年十月から一年半の間、個人が所有期間一年超の上場株式を譲渡し、申告分離課税を選択した場合に譲渡所得金額から百万円の特別控除を行うというものであります。本法案とあわせて、いわゆる金庫株解禁に関する商法等の改正、老人マル優における株式投資信託への株式組み入れ比率規制緩和のための財務省令改正などが予定されております。
 しかし、これらの一連の緊急対策は、与党の場当たり的な株価対策の寄せ集めにすぎず、中長期的視点からの公正かつ透明な証券・金融市場を目指す改革からはほど遠いだけでなく、むしろ逆行するとさえ言わざるを得ません。
 五月三十一日付の毎日新聞の社説では、「筋のよくないつまみ食い」であると厳しく論評されておりますが、総理はこの論評をごらんになってどうお感じになりましたか。
 個人の株式譲渡益課税について、政府・与党は、この三月末で廃止されるはずだった源泉分離課税選択制度を、株価への影響を理由に無理やり二年間延長したばかりであります。しかし、今回は、申告分離一本化への誘導策として百万円の特別控除を創設するのだと言います。このような朝令暮改、継ぎはぎの税制では安定した投資などできるはずがないと考えるのが通常の感覚であると思いますが、総理、いかがでしょうか。
 私たち民主党も、間接金融偏重の是正、個人の株式投資の活性化は重要な政策課題であると認識しています。そのためには、まず何よりも、企業自体がROE、すなわち自己資本収益率を引き上げる努力をすることが不可欠であります。
 株価操作やインサイダー取引に対する監視、規制を抜本的に強化し、市場の透明性、公正さを確立することが強く求められております。民主党は、このために、現在の証券取引等監視委員会を改組、強化する証券取引委員会設置法を既に提出しております。
 株式譲渡益課税については、まず、主要国に類例のないみなし源泉課税を速やかに廃止して申告分離課税に一本化した上で、金融資産課税全体の中で税率の水準等を見直すのが本筋であります。総理のお考えを伺います。
 また、今後具体化されるであろう株式取得機構の設立は、やり方次第ではさらなる公的資金すなわち国民の血税の投入に道を開くものとなり、仮にそうではないとしても、これまた株式市場の透明性を著しく損ない、全くの逆効果となるおそれが大きいと思われますが、いかがでしょうか。
 一番の経済対策は、このような与党政治家の思いつきのような継ぎはぎ、つまみ食い、ツケ回しの対策の寄せ集めではなく、政治が将来への明確なビジョン、プログラムを具体的に示すべきであります。そのことによって、国民は一時的な痛みを分かち合うことはできるでしょう。残念ながら、小泉総理の叫ぶ構造改革は、今のところ表紙とせいぜい目次であります。これでは不安は解消できないと断言いたします。改革の項目を示しただけでも、自民党内からは反発の声が上がり、見直すという言葉だけが躍っています。参議院選挙では何を争点にするとお考えなのでしょうか。
 先行きの見えない不安が続く限り、国民は自己防衛をせざるを得ないのであります。このことについて総理の明快なお答えを伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#20
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 前川議員にお答えいたします。
 初めに、この一カ月半の私の責任についてお尋ねがございました。
 二カ月足らずで責任を問われるとは思いませんでしたが、もう少し長い目で見ていただきたいと思います。私も、しっかりと国民の支援と御理解を得て、一生懸命なすべき改革に向かって努力を続けていきたいと思います。
 経済の現状認識及び小渕・森内閣の経済政策の評価についてのお尋ねでありますが、小渕・森内閣における経済運営は、民需の落ち込みを相殺する形で、景気がスパイラル的に悪化していくのを防止し、景気の下支え効果があったものもあると思いますが、同時に、一方では、国債の増発による財政悪化をもたらし、これがまたある面においては経済の不安をもたらしているのも事実だと思います。
 このため、我が国経済の再生を図り、景気の本格的な回復を図るためには、経済、財政の構造問題への取り組みが必要であると考えております。
 私は、構造改革なくして景気回復なしとの考え方に立ち、経済、財政の構造改革と景気回復を一体ととらえ、取り組んでまいります。
 緊急経済対策の実行がおくれているのではないか、また、構造改革や骨太の方針と緊急経済対策との関係はどうなのかというお尋ねであります。
 緊急経済対策は、本格的な景気回復をおくらせている構造問題の根本的な解決のため緊急に取り組むべき課題が盛り込まれたものであります。日本経済の再生を最重要課題と位置づける小泉内閣の仕事として、緊急経済対策の速やかな実行に全力を挙げているところでありまして、個々の施策ごとに既に実施の段階に入りつつあります。
 経済、財政の構造改革をさらに強力に推進するため、経済財政諮問会議においては、今月中を目途に今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針を作成することとしております。基本方針においては、財政を含む経済社会の構造改革の基本的考え方を国民にわかりやすく示すメッセージとともに、具体的かつ実現可能性のある政策の方向性について示していきたいと考えます。
 銀行のディスクロージャーについてですが、銀行の業務及び財産の状況については、ディスクロージャーの義務が法令上詳細に定められており、特に、不良債権については、米国証券取引委員会の基準と同様な基準によるリスク管理債権の開示が定められているところであります。このような法制度のもとで、金融機関の財務内容については、国際的に見ても遜色のない開示が現実に行われているところであります。
 最終処理すべき不良債権についてでありますが、平成十三年三月末決算時に主要行が保有する破綻懸念先以下の債権の合計額は約十一・七兆円となっておりますが、今後、新規に発生する破綻懸念先以下の債権の額については、経済環境や債務者の業況により変動するものであり、定量的に推計することは困難であります。
 不良債権の最終処理に伴う公的資金の再投入についてですが、不良債権の最終処理が銀行経営に与える影響について確たることを申し上げることは困難でありますが、不良債権は、基本的には担保及び引き当て等により適切に保全がなされていることから、不良債権の最終処理を進めた場合であっても銀行の自己資本比率に与える影響は限定的と考えられます。したがって、不良債権の最終処理により公的資金の注入が必要となるとは考えておりません。
 不良債権処理が中小企業の倒産を促進するのではないかという御指摘がありました。
 不良債権の最終処理の方法については、個々の企業の実態等も十分踏まえつつ取り組む方針であり、もちろん中小企業の倒産を促進しようとするものではありませんが、こうした構造改革を実施する過程で倒産など社会の中に痛みを伴う事態が生じる可能性も否定できません。このため、中小企業に対する金融面での対応や雇用面での不安を解消する施策の拡充を講じ、痛みを最小限にするための対策に万全を期してまいります。
 不良債権処理に伴う経営者や株主責任についてですが、不良債権の処理に当たっての個別の対応は、私的自治の原則のもとで、民間当事者の経営判断により行われるものであり、行政において一般的な指針を示すことにはなじまないものと考えております。
 なお、私的整理における債権放棄については、安易に行われるべきでなく、その企業の持つ価値を持続させるために不可欠であり、かつ、企業の厳しい自助努力による再建への道筋が確かなものとなる場合に限り行われるべきであると考えております。
 失業された方の再就職の難しさに関するお尋ねでありますが、雇用失業情勢が予断を許さない状況のもと、失業者の方々が求職活動や職業訓練等に取り組まれ、再就職に向けて努力されていることは承知しております。
 政府として、これまでも、ハローワークでのきめ細かな職業相談や紹介の実施、公共職業訓練の充実、各種助成金の整備等により求職者の方々の状況を踏まえた対応を図ってきたところでありますが、今後とも引き続き、求職者の方々が一日も早く再就職できるよう努めてまいりたいと思います。
 雇用を中心とするセーフティーネットの構築についてですが、不良債権の最終処理等構造改革に伴い厳しさの増す雇用情勢に的確に対応していくことは、この雇用対策というのは内閣の重要な課題であると考えております。
 このため、私が本部長を務める産業構造改革・雇用対策本部において、労働市場の構造改革に適した雇用面のセーフティーネットの整備や新市場、新産業の育成による雇用創出などについて、具体的な施策に向けて検討しているところであり、今月末を目途にその方向性を提示したいと考えております。
 証券税制についてのお尋ねでありますが、緊急経済対策に係る税制上の措置として、長期保有株式に係る少額譲渡益非課税制度を創設するための法案を国会に提出するとともに、上場型株式投資信託に係る税制の整備及び老人マル優の対象となる株式投信の拡大のための改正などを行ったところであります。これらの措置は、現下の経済情勢等を踏まえ、個人投資家の市場参加の促進等、直接市場の活性化に資する観点から、緊急経済対策の一環として行ったものであります。
 租税特別措置法の提出についてのお尋ねでありますが、株式等譲渡益課税制度については、景気情勢や株式市場の動向等を踏まえ、先般成立した十三年度税制改正法により、本年四月に予定されていた申告分離課税への一本化を二年間延期したところであります。
 政府としては、緊急経済対策の一環として、個人投資家の株式市場への参加を促進する等の観点から、現行の源泉分離選択課税制度のもとで最大限の政策的な配慮を行うこととしたものであります。
 なお、申告分離課税への一本化の方針を変えるものではなく、朝令暮改との指摘は当たらないものと考えます。
 今後の株式譲渡益課税についてでありますが、先般の与党合意において、申告分離課税への一本化の実施時期及び一本化後の株式譲渡益課税のあり方について、引き続き協議の上、早急に結論を得るとされたところであります。また、申告分離課税への一本化後の株式譲渡益課税のあり方については、政府税制調査会において新たに幅広い検討を開始しております。
 政府としては、与党の議論や政府税制調査会における議論をしっかりと踏まえ、今後検討をして適切な対応をしてまいりたいと思います。
 株式買い取りスキームについてでありますが、株式買い取りスキームについては、株式保有制限の導入に伴う銀行からの株式放出が、株価水準によっては金融システムの安定性や経済全般に好ましくない影響を与える可能性もあることから、一時的なものとしてそのスキームを検討しているものであります。
 本スキームに対する公的支援のあり方については、それを行うこととする場合においても、いたずらに財政負担をもたらすことのないよう適切な仕組み等を検討してまいります。
 いずれにせよ、今後、金融システムの安定化と市場メカニズムとの調和を念頭に具体策を講じることとし、しっかりとした検討を行ってまいります。
 言葉だけの構造改革では国民の不安は解消しないとの御指摘がありましたが、私は、例えば、道路特定財源や郵政三事業のあり方など、これまでタブーとされたことをはっきりと見直すと申し上げました。これからも聖域を設けず構造改革を推進していく決意ですが、その際には、痛みを恐れず、既得権益の壁にひるまず、過去の経験にとらわれず、恐れず、ひるまず、とらわれずの姿勢を貫き、二十一世紀にふさわしい経済・社会システムを確立してまいります。今月中に経済財政諮問会議において、今後の経済財政運営や経済社会の構造改革についての基本方針を明らかにすることとしております。
 国民に対し、こうした改革に取り組む姿勢をはっきりと示すことが、我が国経済に対する将来不安を払拭し、自信を取り戻すことにつながるとともに、政治への信頼回復につながるものと考えております。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(井上裕君) 笠井亮君。
   〔笠井亮君登壇、拍手〕
#22
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、緊急経済対策並びに関連法案について質問いたします。
 総理、あなたがこの壇上から所信表明演説をされてから一カ月がたちましたが、日本経済は光が見えてくるどころか、一段と深刻の度合いを増しています。最近発表された政府調査において、消費支出、完全失業率を初め、どの指標を見ても景気は明らかに一層の後退局面に入っています。総理はこの現状をどう認識されているのですか。
 世界各国では、景気が悪くなれば家計をどう応援するか、個人消費をどう拡大するか、まず対策をとるのが常識であります。ところが、自民党政治はこれには目もくれず、的外れの対策ばかり行ってきた結果がここに冷厳に示されているのであります。
 総理は、個人消費はGDPの六割と大きな割合を占め、景気を左右する重要な要素であると認めました。それなら、なぜ緊急経済対策に個人消費を刺激する直接の対策を盛り込まないのですか。まず、総理の答弁を求めます。
 小泉内閣がやろうとしているのは、結局、森内閣からそのまま引き継いだ緊急経済対策がその中心であることは、不良債権の早期最終処理を見ても明らかであります。
 竹中経済財政担当大臣は、不良債権の最終処理を二年、三年でやり切るために、目標年次を設定し、それに基づいて強力な指導を行うと言いました。つまり、政府が積極的に介入するということであります。そうであるなら、この処理でどのくらいの中小企業が銀行によって切り捨てられ、倒産などに追い込まれるのか、明確にすべきであります。介入はするが結果はわからないというのであれば、これほど無責任なことはありません。総理及び竹中大臣の答弁を求めます。
 総理、あなたは所信表明演説の中で、構造改革を実施する過程で非効率な部門の淘汰が生じると言い放ちました。そこで伺いたい。あなたが言う淘汰されて当然の非効率な部門とは、具体的にどういう業種のどういう分野なのか。例えば、相次ぐ大型店の出店ラッシュで廃業が相次ぐ商店街、輸入製品の急増で苦しむ繊維産業など地場産業、貴重な伝統産業などはその対象だと考えているのか。具体的で明確な答弁を求めたい。
 政府が早期最終処理を行うと言っている不良債権の圧倒的な部分は、まじめに仕事をしているが、景気が悪くて売り上げが落ち込んだため赤字経営になり、資金の返済が滞っている中小企業であります。もとをただせば、あなたも閣僚だった橋本内閣による九兆円負担増という大失政の被害者であります。しかも、今、毎月きちんと返済している企業であっても、赤字というだけで将来の不良債権とみなされ、資金を回収されるという事態さえ進行しているのであります。不良債権の早期最終処理は、この不況の中で何とか歯を食いしばってきた多くの中小企業を無理やり倒産させるものではありませんか。あなたはこうした事態も肯定するのですか。
 帝国データバンクの専門家は、最近、日本経済が最悪のときに不良債権早期最終処理という最悪の方針を打ち出した、これをこのままやったら、景気回復どころか日本経済の基盤そのものが掘り崩されると厳しく警告を発しています。
 総理、政治の責任として今やるべきことは、こんな対策ではなく、不況のもとでも物づくりの基盤技術を継承し、高齢者など地域住民に買い物の機会を提供し、そして雇用の八割を担っている中小企業を日本経済の重要な担い手として応援することではないのですか。
 小泉内閣は、不良債権の早期最終処理によって失業者が出ても、安心のセーフティーネットをつくるから大丈夫だとしきりに強調します。
 これまでも政府は、九八年以降でも合計四回、二百五万人の雇用創出・維持の計画を立て、進めてきました。総理は、衆議院でこれらの雇用対策が一定の効果を上げてきたと答弁されましたが、実際はどうだったでしょうか。完全失業者は、九八年に二百七十九万人、四・一%だったものが、ことし四月には三百四十八万人、四・八%となり、実に六十九万人もふえたのであります。これでも雇用対策が成果を上げたというのですか。あなたは、この三年間で失業率、失業者とも増大し、雇用状況がますます悪化している理由をどう認識されているのか。また、その教訓が今回の対策のどこに生かされているのでしょうか。お答えいただきたい。
 政府は、新たに五百万人雇用創出を打ち出しましたが、これは五年先の数字で、しかも五百万という数字は、竹中担当大臣が潜在的労働需要の可能性としか言えないものであります。これが本当に実現可能であるというのなら、なぜ現実に三百四十八万人もの失業者がいるのに、それには何一つ有効な対策を打てないのですか。
 総理、あなたが雇用確保をまじめに考えているというなら、確実に成果が上がり、即効性のある労働時間の短縮による雇用創出計画をなぜ提起しないのですか。その効果はフランス、ドイツでは既に実証済みであり、社会経済生産性本部の試算でも、サービス残業をなくせば九十万人、残業をゼロにすればさらに百七十万人の雇用が確実にふえるのであります。総理には、そういう発想すらないのですか。
 今回、法案として提出された証券市場の活性化にも重大な問題があります。株式譲渡所得に対する百万円までの非課税制度や保管振替機関の株式会社化は、国民資産を株式市場に取り込むためのものにほかなりません。他方、政府は、銀行保有株式取得機構が銀行から株式を買い取る際、その買い取り資金に対して政府保証などの公的な支援を検討することを緊急経済対策に盛り込みました。国民には株式売買のリスクを押しつけ、銀行には政府保証をつけた買い取りの仕組みまでつくって株式価格変動リスクを減らしてやる。これでは、まさに銀行のリスクを国民につけかえるという従来型自民党政治そのものではありませんか。
 この一カ月、小泉内閣の消費税増税計画が明らかになってきました。塩川財務大臣は、本院財政金融委員会で、二、三年後にプライマリーバランスの実行に入る段階として、そのときには消費税の増税も視野に入れて税制の改正をしたいと答弁しました。これは消費税増税の方向を明示したものにほかなりません。竹中大臣も、みずからの著書の中で、二〇〇三年から段階的に消費税を上げ、最低でも一四%にしなければならないと明言しています。また、この間、経済戦略会議のメンバーとして、小渕内閣の時代に出された最終報告が消費税引き上げも視野に入れざるを得ないとした際にも、消費税一〇%などが検討されたと述べています。
 総理、あなたの任命した経済財政担当の閣僚が、いずれも二、三年後には消費税増税を主張していますが、あなたも同じ考えですか、違うのですか。
 竹中大臣の主張する消費税一四%というのは、何と二十三兆円、国民一人当たり二十万円もの増税となり、実に全国の企業が国に納める法人税の三倍も国民の毎日の暮らし、売り買いから税金を取り立てるという、とんでもない弱い者いじめの計画なのであります。
 総理、橋本内閣時代の消費税増税が、あなたが進めた医療改悪とあわせて国民の消費を冷え込ませ、景気をここまで悪くしたことは明らかであります。これに対する緊急の対策として、消費税を三%に戻すことこそ有効だという声と意見が国の内外に高まってきています。
 この間、政府は、景気対策として所得税と法人税など、消費税以外の主要な税金を減税してきました。なぜ消費税の減税だけは検討もしないのですか。結局、この税だけは将来上げる必要があると考えているから、下げることを検討すらしないのではありませんか。明確な答弁を求めるものであります。
 今こそ、消費税減税、社会保障連続改悪計画の凍結、雇用・中小企業応援による景気回復を図るとともに、直接税中心、総合・累進制、生計費非課税という民主的な税制の確立を柱に据えることです。そして、我が党が提案しているように、公共事業のむだを削り、国民の暮らし、社会保障を政治と予算の中心に据えるかじ取りに切りかえてこそ景気回復と財政再建の両立が可能になることを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#23
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 笠井議員にお答えいたします。
 景気の現状についてですが、我が国の景気はさらに弱含んでおり、先行きについては、アメリカ経済の減速や設備投資に鈍化の兆しなど、懸念すべき点が見られます。なお、最近公表された統計を見ると、家計の消費支出に弱い動きが見られ、失業率が高水準となっている点などに留意が必要だと思います。
 個人消費に対する取り組みでございますが、御指摘のとおり、個人消費は景気を左右する重要な要素であり、その回復は不可欠であります。
 景気の現状を見るとさらに弱含んでおり、このような景気の脆弱性の背景には構造問題の存在があると考えております。このため、小泉内閣では、構造問題の根本的な解決に取り組むため決定された緊急経済対策の速やかな実行に努めるとともに、聖域を設けず構造改革を強力に推進していく方針であり、国民にこうした改革に取り組む姿勢をはっきり示すことが我が国経済に対する自信を取り戻すことにもつながるものと考えております。これにより、我が国経済の再生を図り、所得環境の改善や国民の不安感の解消を通じて個人消費の回復と本格的な景気回復を実現してまいります。
 不良債権の最終処理でどのくらいの中小企業が倒産などに追い込まれるのか、また中小企業の経営に影響を与えるのではないかとのお尋ねがありました。
 不良債権の最終処理の方法については、個々の企業の実態等も十分踏まえつつ取り組む方針であり、もちろん中小企業を倒産に追い込もうとするものではありません。しかし、こうした構造改革を実施する過程で、倒産など社会の中に痛みを伴う事態が生じる可能性も否定できません。また、不良債権処理の手法や、対象となる企業の状況によって影響度合いが異なるため、どれくらいの中小企業が倒産に追い込まれるか、定量的に申し上げることは困難であります。
 こうした構造改革に伴う情勢変化に的確に対応していくことは、内閣の重要な課題であると認識しております。このため、中小企業に対する金融面での対応や雇用面での不安を解消する施策の拡充を講じ、痛みを最小限にするための対策に万全を期してまいります。
 構造改革の過程における非効率部門の淘汰についてのお尋ねであります。
 構造改革を推し進めていく過程では、非効率な経済主体の淘汰が生じることも考えられます。ただし、特定の業種、産業分野の中でも個々の経済主体ごとに効率性は異なるものであり、特定の業種、産業分野が淘汰されてなくなることが当然だという議論ではないと考えております。
 私としては、競争力ある産業社会を実現するために、各経済主体の効率性の向上に向けた努力を積極的に支援してまいりたいと思います。同時に、構造改革に伴う雇用面での不安を解消するとともに、中小企業に対する金融面での対策等に万全を期してまいります。
 中小企業を日本経済の主役として応援するべきではないかとのお尋ねであります。
 厳しい状況のもとでも、技術と経営にすぐれた中小企業が生き残り、伸びられる環境を整備することが重要であります。このため、ITの活用により、物づくりの基盤技術の向上を推進したり、魅力ある商店街づくりのための助成策を講じるなど、中小企業を積極的に支援してまいります。加えて、中小企業に対する円滑な資金供給の確保や中小企業支援センター等における経営相談や助言などをきめ細やかに実施するなど、中小企業に対する支援に万全を期してまいります。
 数次にわたり実施してきた雇用対策の成果についてでありますが、政府は、数次にわたり雇用対策を講じてきており、昨年五月に策定したミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策を例にとれば、平成十二年度を中心に三十五万人程度の雇用・就業機会の拡大の現実化を図るとの目標に対し、全体として約三十二万人の雇用・就業機会が創出されるなど、一定の下支え効果を上げてきているところであります。
 失業率や失業者の増大への認識と、その緊急経済対策への反映についてのお尋ねであります。
 失業率や失業者数が高水準で推移している要因としては、最近の経済情勢を反映して労働力需要が不足していることとともに、中長期的には、産業構造の変化や就業意識の変化等を背景として労働力需給のミスマッチが拡大していることなどが考えられます。
 今般の緊急経済対策は、不良債権の最終処理等の構造改革を推進するとともに、これに伴う雇用面への影響を最小限とするため、セーフティーネットの整備として中高年の非自発的離職者対策等の雇用対策を盛り込んだところであり、政府としては、その効果的な実施に取り組んでいるところであります。
 雇用創出についてのお尋ねでありますが、経済財政諮問会議のもとに設置された雇用拡大専門調査会が取りまとめた緊急報告においては、雇用創出型の構造改革を推進した場合に、サービス部門を中心に今後五年間で五百万人の雇用創出を期待できるものとされております。
 政府としては、産業構造改革と雇用対策を一体的に進めるため、先般、私が本部長を務める産業構造改革・雇用対策本部を設置し、新市場、新産業の育成による雇用創出、人材育成、能力開発の推進、安心して働ける就業環境の整備、労働市場の構造改革に適した雇用面のセーフティーネットの整備の四つの検討項目を決定したところであります。
 現在、経済財政諮問会議と連携を図りながら、具体的な施策について検討を行っているところであり、今月末を目途にその方向性を提示したいと考えております。
 労働時間の短縮についてのお尋ねでありますが、労働時間の短縮がどれだけの雇用創出効果をもたらすかは明らかではありませんが、労働者にゆとりをもたらすほか、高齢者や女性等が働きやすい環境づくりに資するという観点からも、経済計画等において目標としている年間総実労働時間千八百時間の達成、定着に向けて今後とも労働時間の短縮に努めてまいります。
 株式買い取りスキームについてでありますが、株式買い取りスキームについては、株式保有制限の導入に伴う銀行からの株式放出が、株価水準によっては金融システムの安定性や経済全般に好ましくない影響を与える可能性もあることから、一時的なものとしてそのスキームを検討しているものであります。
 本スキームに対する公的支援のあり方については、それを行うこととする場合においても、いたずらに財政負担をもたらすことのないよう、適切な仕組み等を検討してまいります。
 いずれにせよ、今後、金融システムの安定化と市場メカニズムとの調和を念頭に具体策を講じることとし、しっかりとした検討を行ってまいります。
 財政再建と消費税の引き上げについてのお尋ねがございました。
 財政再建に取り組むに当たっては、歳出面にむだはないか等についての徹底した見直しを行わないまま安易に増税に頼ることは考えておりません。
 したがって、まずは歳出の徹底した見直しを行います。その上で、公的サービスの水準とそれを賄うに足る消費税も含めた国民負担の水準はどうあるべきかについての国民的な議論が必要であると考えます。
 景気対策としての消費税の減税についてのお尋ねがありました。
 我が国の急速な少子高齢化の進展や、現下の厳しい財政状況等を考えれば、消費税の減税については考えておりません。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(竹中平蔵君) 私の名前が何回か挙げられましたので、議論すべき点は本来たくさんあるのかと思いますが、直接お尋ねいただきましたのは雇用の問題だと思いますので、この点について御答弁を申し上げたいと思います。
 不良債権処理によってどのぐらいの影響が出るか、特に雇用面での影響が出るか、これは何度も申し上げましたけれども、これは大変幾つかのことが想定されますので、予測は大変困難な問題です。困難ながらも、幾つかの議論を今私たち進めておりますので、その点についてはやはり一種の枠組みといいますか、方向性のようなものは議論の進捗を待ってぜひ御一緒に議論をさせていただきたいというふうに思っています。
 ただ、重要な点は、恐らくこういったさまざまな構造改革によって痛みが伴うことはあり得るわけですけれども、構造改革を行わないで、例えば不良債権処理を行わないで、これをこのまま放置したら、その後のコストは、その後の痛みはもっともっと大きくなるということをやはり多くの専門家は今認識しているのだと思います。
 その意味では、繰り返しになりますけれども、大変これ厳密な予測は困難な問題でありますけれども、一定の専門家による議論は我々させていただきたいと思いますので、ぜひともこの困難な試算について、例えば共産党がどのような試算を行っているのか、ぜひその試算も示していただいて、将来的な建設的な議論をさせていただきたいと思います。(拍手)
    ─────────────
#25
○議長(井上裕君) 福島瑞穂君。
   〔福島瑞穂君登壇、拍手〕
#26
○福島瑞穂君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、政府の緊急経済対策について質問をいたします。
 まず、不良債権処理について質問いたします。
 五月十六日付の日経新聞は、大手銀行の間で同じ貸出先企業に対する自己査定にばらつきがあるとの記事を掲載しています。五月二十五日付の日経新聞は、前倒し処理を目指す東京三菱銀行が甘かった資産査定を厳しくした結果、グループの不良債権残高は四兆五千億円強と一年間で一挙に五割増しになったことを報道しています。
 優良行と言われる東京三菱銀行ですらこうなのですから、他の銀行も資産査定を厳しくしたら、不良債権残高は一体どうなるのでしょうか。発表されている不良債権額は正確ではないのではないですか。金融庁の評価は甘いのではないでしょうか。金融担当大臣にお聞きします。
 評価が甘い中で、本当に三年以内に不良債権を処理できるのでしょうか。三年以内に不良債権処理ができなかった場合の総理、経営者の責任はどうなるのですか。金融機関の不良債権額、収支、役員の給与等、今よりも厳格なディスクロージャーをすべきではないでしょうか。以上、総理にお聞きします。
 金融機関の役員の平均退職金は六千七百万円です。公的資金、税金を入れながら、こうした巨額の退職金はおかしいと思います。しかも、経営者の人たちは経営者責任をほとんど問われていません。金融庁は、役員報酬や退職金が妥当かどうか、ひいては経営陣に対するリストラなどを指導すべきではないでしょうか。また、金融庁は経営者に対する責任追及をどう考えているのでしょうか。金融担当大臣にお聞きします。
 次に、構造改革と雇用の確保の問題についてお聞きします。
 総理は、構造改革について痛み痛みということをおっしゃいます。この点について、五月十五日の衆議院の予算委員会で社民党の辻元清美さんは、「痛みというのは、だれのどういう痛みと考えていいのでしょうか。具体的にお答えください。」と聞いています。総理はこの質問に対して、「今まで職についていた人が心ならずも職を失うということは、相当な痛みであります。」と答えています。構造改革には痛みを伴うと予告されている、その痛みとはずばりリストラという名の首切りです。
 ニッセイ基礎研究所の試算によれば、不良債権の最終処理が失業の悪化を加速し、建設、不動産、卸・小売業のいわゆる構造不況三業種を中心に失業率は一・九%上昇し、新たに百三十万人の失業者が生まれると言われています。しかしながら、総理は、五月二十五日の本会議において、痛みを最小限とするための各般の対策に万全を期してまいりますと述べているだけで、具体的でありません。
 イギリスのファイナンシャル・タイムズは、四月上旬、日本の銀行はスウェーデンに学べという見出しの記事を掲げました。九〇年代初め、不動産バブルの崩壊に直面したスウェーデンの金融機関は、巨額の不良債権を抱え、経営が悪化しました。政府は、九二年に問題の深刻さが明らかになるや、わずか三カ月で金融システム強化のための法案を成立させました。国内総生産の約四%に当たる公的資金を注入し、九四年にはすべての大手銀行が黒字に転換しました。
 不良債権処理が成功した理由としては、一、金融緩和と通貨安を背景に景気が回復に転じたこと、二、銀行が徹底的にリストラを進める一方、再雇用支援など失業者保護のセーフティーネットが手厚かったことの二つが挙げられています。
 つまり、雇用の確保があったからこそ苦境を脱することができたのです。小泉総理の、初めに構造改革ありき、その次に雇用については議論をして考えるというのでは、順序が逆ではないですか。スウェーデンの、会社はつぶれるが人はつぶれないというのに対し、日本は、会社は残るかもしれないが人はつぶれてしまうという状況です。
 この数年間、政府・与党の経済対策といえば、財政・金融の制度、スキームについての議論に終始し、人が安心して暮らし、働ける社会の実現のために社会の設計図を描くという発想がなおざりにされてきました。景気の回復、安定は、暮らしを営むための基盤を固めてこそという発想が何よりも重視されるべきではないでしょうか。
 次に、セーフティーネットについてお聞きします。
 緊急経済対策の中にも雇用の創出とセーフティーネットの整備は盛り込まれていますが、十分とは思えません。失業者に再起を促すような雇用のセーフティーネットの構築を急ぎ、敗者復活が可能な社会、生き直しができる社会をどうつくるかが問われています。
 欧米各国が失業率を下げ、財政赤字を解消していく過程で共通した特徴が女性政策の充実でした。例えば、パートと正社員の時間単価を同じくする均等待遇なども推し進められました。日本の社会は、女性の活用について明らかに失敗している社会です。女性が生き生き働ける環境をつくることは、男性も働きやすくなり、社会に活力をよみがえらせます。人、特に女性に着目して、その可能性を引き出すシステムづくりと充実化こそが経済活性化のための特効薬です。この明確な目的意識に基づき、女性版ニューディール政策、革新的経済活性・再生政策を積極的に展開すべきではないでしょうか。
 まず、雇用の面で、女性の活用、ワークシェアリング、職業訓練や保育園の整備など、安心して働けるインフラを整備すべきではないでしょうか。また、こうした安心して働けるインフラを整備しない限り個人消費も伸びないと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、巨大な公共事業についてお聞きいたします。
 構造改革、構造改革と言いますが、細かいところをやって、巨大な利権、公共事業のところは復活しているのではないですか。
 例えば、尾身大臣は、ITER、核融合実験炉の誘致を決定しました。ITER計画については六千九百億円かかるという見積もりもあります。研究・資材費用、人件費は年平均三百億円かかるとも言われていますが、土地取得のための費用や、道路、港湾、発電所、送電線などのインフラ整備のための費用などはこれらの見積もりに入っていません。
 高速増殖炉「もんじゅ」は、開発費で一兆円、とまっているだけでも年間百億円浪費しています。
 また、NMD、米本土ミサイル防衛構想については、二十発の迎撃ミサイル配備と二十年間の運営で約二兆七千億円かかるという見積もりがあり、TMDについては、配備まで進むと、日本は二兆円前後を負担しなければならなくなるという専門家の試算もあります。
 危険なもの、巨大な公共事業、軍需産業などについてはじゃぶじゃぶお金を使い、国民には痛みをというのであれば、それは、強きを助け、弱きをくじくにせものの財政構造改革です。「聖域なき構造改革」と言いますが、はっきりこれらに聖域があります。こういうところにメスを入れ、削るべきではないでしょうか。こういうところにメスを入れられないのであれば、「聖域なき構造改革」という看板はおろしていただきたい。総理のお考えをお聞かせください。
 最後に、地方交付税についてお聞きします。
 総理は、地方交付税の削減を言っています。地方に独自財源がほとんどない状況で、地方交付税がなくなれば地方は生きていけません。地域の経済をどう考えているのでしょうか。これもまた弱い者いじめだと考えます。総理にお聞きします。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#27
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 福島議員にお答えいたします。
 三年以内に不良債権を処理できるのかとのお尋ねでありますが、主要行において、新規に破綻懸念先以下となった債権については三年以内、既に破綻懸念先以下に区分されている債権については二年以内に最終処理につながる措置を講ずることと緊急経済対策においてはされております。
 政府としては、こうした主要行における不良債権の最終処理について実績の公表を要請するとともに、進展状況を把握するなど、その実現に向けて万全を期しているところであります。
 三年以内に不良債権が処理できなかった場合の責任についてですが、政府としては、先般の緊急経済対策に盛り込まれた不良債権の最終処理を着実に実施すべく努力をしていきたいと思います。また、関係の金融機関におかれても、本対策の重要性を理解し、その実施に全力を挙げて取り組んでいただけるものと考えております。
 銀行のディスクロージャーについてでありますが、銀行の業務及び財産の状況については、ディスクロージャーの義務が法令上詳細に定められており、特に、不良債権については、米国証券取引委員会の基準と同様な基準によるリスク管理債権の開示が定められているところであります。このような法制度のもとで、金融機関の財務内容については、国際的に見ても遜色のない開示が現実に行われているところであります。
 構造改革と雇用対策についてのお尋ねでありますが、構造改革を実施する過程で痛みを伴う事態が生じる可能性は否定できません。しかしながら、暗い面ばかりを見るのではなく、新しい時代に新しい産業に立ち向かっていけるような対策を講ずるのが大事ではないかと考えております。
 このため、先般、私が本部長を務める産業構造改革・雇用対策本部において、新市場、新産業の育成による雇用創出、労働市場の構造改革に適した雇用面のセーフティーネットの整備などについて、具体的な施策に向けて検討しているところであり、今月末を目途にその方向性を提示したいと考えております。
 安心して働けるインフラの整備についてでありますが、女性や高齢者を初めとしたさまざまな労働者の多様な要望に対応し、安心して働けるインフラを整備していくことは重要な課題であります。
 先般設置した産業構造改革・雇用対策本部においても、安心して働ける就業環境の整備などについて、具体的な施策に向けて検討を行っているところであり、今月末を目途にその方向性を提示したいと考えております。
 安心して働けるインフラ整備と個人消費の関係についてのお尋ねでありますが、安心して働ける環境を整備することは、雇用や所得を安定させることにつながり、国民の生活に対する不安を払拭することにより、個人消費を改善する効果もあると考えており、こうした観点からも、その推進に努めていくことが必要であると考えます。
 必要なところに構造改革のメスが入っていないのではないかとの御指摘がありました。
 十四年度予算の編成においては、財政健全化の第一歩として、国債発行を三十兆円以下に抑えることを目標として、公共事業を含め、あらゆる歳出について聖域なく見直しを行ってまいります。
 具体的には、例えば公共事業については、規模の見直し、めり張りのある事業配分といったことを通して新しい時代に対応した事業の実現を図り、科学技術についても、巨大プロジェクトが投資に見合う成果を上げているのかなど、聖域なく見直し、重点分野と削減すべき分野とのめり張りをつけるなど、我が国経済社会全体の諸課題も含め、経済財政諮問会議等の場でさまざまな御意見を踏まえつつ検討を進め、できる限り早く国民に示してまいります。
 地方交付税についてのお尋ねでありますが、平成十四年度予算編成においては、地方交付税などの国から地方に対する支出を含め、内閣が一体となって歳出を聖域なく見直し、その抑制を図っていくことにより、財政健全化の第一歩を踏み出してまいりたいと考えております。
 その際、国と地方が協力して徹底した行財政改革に取り組むことなどにより、国、地方、それぞれの歳出全般を見直し、抑制することが必要でありますが、同時に、地方財政の運営に支障を生ずることのないよう、所要の地方財源を確保してまいります。
 また、地方公共団体が地域の特色を生かしたより自主的、自立的な行財政運営を行えるよう、自主財源である地方税の充実確保を図り、地方財政基盤の強化に取り組んでまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣柳澤伯夫君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私に対しましては、金融機関の自己査定と金融庁の評価が甘いのではないか、不良債権の実態は開示より多いのではないかとの御質問がありました。
 金融機関の資産査定等につきましては、金融機関による自己査定、さらに、これに対する公認会計士など会計監査人による外部監査により行われております。
 金融庁といたしましても、国際基準に沿い、パブリックコメントも経て作成された検査マニュアルに従い、こうした金融機関の査定に対して厳正な検査に努めているところであり、御指摘は当たらないものと考えております。
 次に、公的資本増強行の経営責任についてのお尋ねでございますが、早期健全化法では、資本増強行のリストラや経営責任につきまして、自己資本の区分に応じて必要とされる措置が定められておりまして、それを経営健全化計画に盛り込んだ上、実施状況を公表させる等によりその履行を確保しているところでございます。
 これまで資本増強を行った金融機関につきましては、役職員数等の削減、利益流出の抑制等が経営健全化計画に盛り込まれておりまして、その履行状況も基本的に順調であります。
 政府といたしましては、今後とも、経営健全化計画の履行状況の適切なフォローアップを行い、経営規律の確保に努めてまいる所存であります。(拍手)
#29
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#30
○議長(井上裕君) 日程第一 農業協同組合法等の一部を改正する法律案
 日程第二 農林中央金庫法案
 日程第三 漁船法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長太田豊秋君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔太田豊秋君登壇、拍手〕
#31
○太田豊秋君 ただいま議題となりました三案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、農業協同組合法等の一部を改正する法律案は、最近における我が国の農業及び金融をめぐる情勢の変化に対応して、農業協同組合等の健全な発展を図るため、農業を営むすべての法人への正組合員資格の付与、信用事業を行う組合等の執行体制の強化、農業協同組合中央会による監査対象の拡大その他の措置を講ずるとともに、組合等の信用事業の再編及び強化を図るため、農林中央金庫による指導業務の実施等の措置を講じようとするものであります。
 次に、農林中央金庫法案は、農林中央金庫の適正かつ効率的な業務運営を確保するため、理事会及び経営管理委員会の設置による執行体制の強化、監事会の設置による監査体制の充実、貸付対象者の範囲についての規制の緩和等の措置を講ずるとともに、法文の表記を口語化・平易化するため、現行農林中央金庫法の全部を改正しようとするものであります。
 委員会におきましては、両案を一括して議題とし、農協改革の基本的な考え方、営農指導事業の強化策、業務執行体制の強化と兼職・兼業の規制、地域農業の振興と農協金融のあり方、ペイオフ解禁に向けた不良債権処理対策、新しい農協金融システムにおける農林中央金庫の役割等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了したところ、農業協同組合法等の一部を改正する法律案に対し、郡司理事より、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の四会派共同提案に係る修正案が提出されました。
 修正案の要旨は、この法律の施行後五年を目途として、改正後の規定の実施状況等を勘案し、組合員である農業者の利益の増進を図る観点から、組合の役員に関する制度のあり方、組合の事業運営のあり方等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることであります。
 次いで、両法律案及び修正案について討論に入りましたところ、日本共産党を代表して須藤委員より農業協同組合法等の一部を改正する法律案、農林中央金庫法案にそれぞれ反対である旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、まず、農業協同組合法等の一部を改正する法律案について採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本法律案は賛成多数をもって修正議決すべきものと決定をいたしました。
 次に、農林中央金庫法案について採決の結果、賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、漁船法の一部を改正する法律案は、行政事務の簡素化及び民間能力の積極的活用を図るため、農林水産大臣及び都道府県知事の許可の対象となる漁船の区分を見直すとともに、漁船建造の認定事務を指定認定機関に行わせることとする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、二百海里時代における漁船法の果たす役割、適正な認定・検認を確保するための措置、海難事故の防止対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#32
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 まず、農業協同組合法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#33
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#34
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百七十一  
  賛成             百五十  
  反対             二十一  
 よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#35
○議長(井上裕君) 次に、農林中央金庫法案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#36
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#37
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           百七十  
  賛成            百四十九  
  反対             二十一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#38
○議長(井上裕君) 次に、漁船法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#39
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#40
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           百七十  
  賛成             百七十  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#41
○議長(井上裕君) 日程第四 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員会理事岩城光英君。
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   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔岩城光英君登壇、拍手〕
#42
○岩城光英君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近における電波利用の増加等の状況にかんがみ、電波の適正な利用の確保を図るため、一定の要件に該当する周波数割当計画等の変更に伴う無線設備の変更の工事をする免許人等に対して、給付金の支給等の援助を行うことができるようにするとともに、無線設備の技術基準適合証明制度等において民間能力の一層の活用を図るため、指定証明機関等に係る制度を合理化する等の改正を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、地上放送デジタル化のスケジュール、デジタル化のメリットと国民の理解を得るための広報の徹底、デジタル化がもたらす経済波及効果及び雇用創出効果、アナログ放送停止への柔軟な対応、周波数割り当てにおけるオークション方式導入の是非等について質疑が行われました。
 質疑を終局しましたところ、本法律案に対し、日本共産党を代表して、宮本岳志理事より、アナログ放送終了期日の一年前の見直し規定を設けることを内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して富樫練三委員より原案に反対、修正案に賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、修正案は賛成少数により否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#43
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#44
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#45
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           百七十  
  賛成            百四十九  
  反対             二十一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#46
○議長(井上裕君) 日程第五 中間法人法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長日笠勝之君。
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   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
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   〔日笠勝之君登壇、拍手〕
#47
○日笠勝之君 ただいま議題となりました中間法人法案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、公益も営利も目的としない団体の社会経済活動が我が国において重要な地位を占めていることにかんがみ、これらの団体について、準則主義による法人格の取得を可能とする一般的な制度を創設し、法人格取得の要件及び法人格取得後の組織及び運営についての規律を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、中間法人制度の意義とその創設がおくれた理由、公益法人改革と本法律案との関係、公益法人から中間法人への移行の問題、非営利法人制度全般の見直し等について質疑が行われ、また、参考人から意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#48
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#49
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#50
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百七十一  
  賛成            百七十一  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#51
○議長(井上裕君) 日程第六 確定給付企業年金法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長中島眞人君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔中島眞人君登壇、拍手〕
#52
○中島眞人君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、事業主が従業員と給付の内容を約する確定給付企業年金について、規約型または基金型により実施することとし、積立基準の設定、行為準則の明確化、情報開示等の受給権保護を図ることによって、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援しようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、確定給付企業年金を実施する事業主等及び厚生年金基金は、加入者等に対し行う業務の概況についての情報提供を、受給者に対しても同様に行うよう努める旨の規定を追加する修正が行われております。
 委員会におきましては、支払い保証制度の必要性、新制度への移行を円滑に行うための具体的措置、厚生年金基金の代行給付部分の返上のあり方、企業年金税制のあり方、企業年金における年金給付の性格等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して小池委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#53
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#54
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#55
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百七十一  
  賛成             百五十  
  反対             二十一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#56
○議長(井上裕君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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