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2001/06/20 第151回国会 参議院 参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第33号
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2001/06/20 第151回国会 参議院

参議院会議録情報 第151回国会 本会議 第33号

#1
第151回国会 本会議 第33号
平成十三年六月二十日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十三号
  平成十三年六月二十日
   午前十時開議
 第一 温泉法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第二 浄化槽法の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第三 商工会法の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第四 地方税法の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第五 特殊法人等改革基本法案(衆議院提出)
 第六 短期社債等の振替に関する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第七 株券等の保管及び振替に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第八 租税特別措置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第九 金融機能の再生のための緊急措置に関す
  る法律の一部を改正する法律案(衆議院提出
  )
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、土地収用法の一部を改正する法律案(趣旨
  説明)
 一、林業基本法の一部を改正する法律案(趣旨
  説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 土地収用法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。扇国土交通大臣。
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(扇千景君) 土地収用法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 現行土地収用法は、昭和四十二年以来、抜本的な改正がなされておりません。その間に、住民の理解の促進、公共事業のより一層の円滑かつ効率的な実施が要請されてきております。さらには、循環型社会の形成の必要性等も生じてきており、現行の土地収用法が必ずしも想定していなかった状況に直面しております。
 この法律案は、以上のような状況にかんがみ、社会経済情勢の変化を踏まえた事業認定の透明性等の向上及び収用手続の合理化等を実現すべく、現行土地収用法を見直すものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、起業者による利害関係人に対する事前説明会の開催の義務づけ、事業認定庁が事業の認定に関する処分を行うに際しての公聴会の開催及び第三者機関の意見聴取並びに事業認定をした理由の公表を行うこととしております。
 第二に、土地調書及び物件調書の作成手続の特例の創設、収用委員会の審理手続における主張の整理、代表当事者制度の創設並びに補償金の払い渡し方法の合理化を行うとともに、収用委員会の委員を仲裁委員とする仲裁制度を創設することとしております。
 第三に、収用適格事業として、新たに地方公共団体等が設置する廃棄物の再生施設及び廃棄物処理センターが設置する廃棄物処理施設を追加することとしております。
 第四に、補償基準を法令で明確化するとともに、生活再建のための措置を充実することといたしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 なお、この法律案は、衆議院において一部修正されておりますが、その概要は、事業認定庁は第三者機関の意見を尊重しなければならないものとすること、政府は利害関係者等の理解を得るための措置について総合的な見地から検討を加えるものとすることであります。
 以上が土地収用法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。寺崎昭久君。
   〔寺崎昭久君登壇、拍手〕
#7
○寺崎昭久君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま提案のありました土地収用法の一部を改正する法律案に対し、扇国土交通大臣に質問をいたします。
 扇国土交通大臣、今回の土地収用法改正案によって公益と私益との調整のとれた社会資本整備が促進し、世論が納得する万全のシステムが完成したとお考えでしょうか。
 土地収用をめぐっては、これまで、成田空港建設事業や日の出町の廃棄物処分場建設事業を初めとする多くの事業においてさまざまな混乱が生じてまいりました。今回の改正案をもって、今後こういった不幸な事態が起きることはないと宣言していただけますか。この点について、まず大臣にお伺いいたします。
 そもそも土地収用をめぐる混乱の多くは、住民に甚大な影響を及ぼす公共事業計画が、住民のあずかり知らぬところでごく少数の人によって決定され、住民は後で理解を求められるという手法が常套手段化し、住民側がこれ以上の民意の無視、地域住民等との合意形成がないがしろにされるのは許さないといった行政への不信感の高まりの中で起こってきたわけであります。
 言うまでもなく、現行土地収用制度においても、必要に応じて公聴会を開催し、情報公開や住民と対話をすることは可能です。しかし、例えば日の出町の廃棄物処分場事業について、これまで公聴会が開かれたことは、信じがたいことですが、一回もありません。
 扇大臣は、先般、本院の国土交通委員会において、東京外郭環状道路の整備事業をめぐる住民との対話不足について遺憾の意を表明されましたが、この際、立場や利害の相違を超え、地域住民等との民主的な合意形成を図る手段とはどういうものなのか、お伺いをしたいと思います。
 次に、欧米と我が国との合意形成手続の違いについてお伺いいたします。
 これは、社会資本の整備に対する住民の多様なニーズや意識に対して、我が国の行政サイドがどれだけしなやかな対応をしているかという問題でもあります。
 国土交通省は、日ごろ、我が国の社会資本整備が欧米に比べて立ちおくれているということばかり強調しがちでありますが、欧米では、社会資本整備のために、関係者の合意形成手続に大変な努力が払われている事実にも注目すべきであります。政府が今思料すべきことは、むしろ、社会資本整備の過程での合意形成、民意の反映システムを欧米並みに近づけることでございます。
 本改正案は、果たしてそうしたニーズにこたえられるのか、仮にその場合はどのような措置を講じるべきなのか、扇大臣に伺います。
 次に、事業の計画段階における住民参加、情報公開のあり方についてお伺いいたします。
 前述のごとく、土地収用をめぐる混乱の多くが、地域住民等との合意形成を図るシステムの不備に起因し、そして、そのことを痛感しているのは、だれよりも土地収用に実際に携わっておられる方々に違いありません。土地収用法を円滑に運用するには、何よりも事業の認定段階以前の、事業の計画段階での住民参加、情報公開等が不可欠であることを指摘しておきます。
 情報隠しがなく、生の情報が十分に開示され、それを介して住民、行政、起業者等の間で双方向の対話が行われない限り、真の住民参加とは言えません。
 幸い、衆議院での修正によって、附則に事業計画段階における住民参加、情報公開を行うスキームの作成を早急に検討することが盛り込まれましたが、政府としてどのように取り組むつもりか、少なくともフランスのビアンコ通達にあるような合意形成プロセスの明確化を念頭に置かれていると思いますが、いつまでにスキームをまとめるのか、また内容についても明確な答弁を求めます。
 次に、事業認定及び第三者機関のあり方についてお伺いいたします。
 周知のとおり、現行の公共事業認定は、例えば日本道路公団が事業認定申請をしますと、道路整備を推進する立場である国土交通大臣が認定をするという仕組みになっております。だから、事業認定庁としての公正・中立性が疑われるわけであります。
 確かに、欧州でも、認定を関係大臣が行っている例があります。しかし、その場合忘れてならないことは、認定手続等において住民参加、情報公開による合意形成が前提になっているということであり、合意形成システムが未熟、不備な我が国と同列に論じることは適当でないと思います。
 このような中、多くの都道府県では、現在、用地買収、事業認定、収用委員会の事務局業務が同じ部署で当然のように行われております。例えば、平成十一年度の各都道府県の事業認定担当部局及び収用委員会事務局担当部局を調べてみますと、全都道府県のうち、部が同じというケースが四分の三、課まで同じというのが六割以上になっております。
 大臣、これでは土地収用制度は政府のお手盛りだと考える人が大勢いて、また不信感を高めても、決して不思議ではないと思います。
 国民の不信感を解消するためには、事業認定を外部の第三者機関にゆだね、独立の事務局と常勤の委員、それをサポートする審査官体制を整備するとともに、そこでの審議状況を情報公開することが今後の課題です。
 少なくとも当面、事業認定に当たり、第三者機関からの意見聴取が有効に機能するような措置を講ずべきであります。衆議院では、このような観点から、民主党の提案により、事業認定に際して第三者機関の意見を尊重する旨の修正がなされました。政府としてこれをどのように具体化していくのか、お尋ねいたします。
 また、修正案で、国土交通大臣が委員を任命する社会資本整備審議会等をもしも第三者機関とするお考えがあるとすれば、留意していただきたいことがあります。それは、国土交通省の意に沿わぬ委員は任命されないのではないか、あるいは排除されるのではないかという懸念を払拭することが大事だということであります。国民に納得のいく公正・中立性を確保するためにどのような措置が講じられるのか、この点についても伺います。
 次に、事前説明会、公聴会の開催の義務づけについてお伺いいたします。
 この規定が形式的に運用され、趣旨が生かされないという心配はないのでしょうか。双方向の事前説明会、公聴会が開催されると断言できるのでしょうか。もしそうであるならば、その手だてが改正案に盛られていなければなりません。
 旧建設省の通達によれば、事業認定手続は用地買収率が八割程度となった時点までに行うこととされております。これでは起業者による事前説明会の開催が用地買収がおおむね終了した時点で行われることになりかねません。事前説明会は、その趣旨から見て、用地買収が進捗する前の早い段階で行われるべきだと考えますが、大臣の答弁を求めます。
 また、公聴会についても同じことが言えます。
 欧米では一事業について複数回開かれることは今や常識化しております。例えば英国では、公聴会はインスペクターと言われる第三者的立場の審問官が主宰し、計画に対する賛否意見を要約し、計画の変更を含めて担当大臣に提言する仕組みがとられております。また、政府の道路計画は、政府から直接給料を与えられているフルタイムの公務員によって審査しないという約束を国民にしているとも伝えられております。
 我が国の場合、先般の土地収用制度調査研究会報告によりますと、公聴会の主宰者は、職能分離の立場から独立性のある審査官的な者であることが望ましいとされておりますけれども、この程度のことはぜひ守っていただきたいと思いますし、それが守れないようでは土地収用の先行きも暗いと言わなければなりません。
 いずれにしろ、事業認定手続の透明性、公正性を図ろうとするなら、事前説明会及び公聴会の運営方針を省令等において具体的に明確にしておく必要があると思います。その開催時期、周知方法、開催回数、主宰者の中立性の確保、そこで出された意見に対する回答の義務づけ、意見の反映方法等の課題に関して、国としてどのようにこたえるのか、お伺いいたします。
 次に、事業認定の要件のあり方についてお伺いいたします。
 改正案では、第三者機関の意見聴取、事業認定理由の公表などを措置することとされておりますけれども、しかし、これだけでは公益性の判断基準として十分とは言えません。事業認定要件について判断基準の細則を定める措置が必要と思いますが、扇大臣の見解をお伺いいたします。
 次に、補償金仲裁制度に関して伺います。
 仲裁という法的な性質から見て、仲裁委員には法律や不動産鑑定に関する専門的な知識が必須であります。改正案では、仲裁委員には収用委員会の委員を充てることにしておりますけれども、これは全く意外と言わざるを得ません。公正・中立性というならば、収用委員以外の外部の専門家を任命しなければならないのではないでしょうか。現行の収用委員として弁護士が就任している例も少なからずありますが、そうした専門的知識を有する者を任命しているから問題はないのだと考えるのであれば、それを制度的に担保する必要があると思います。しかし、その措置はこの改正案に盛られておりません。この点についてどうするのか、大臣の見解をお伺いいたします。
 最後に、補償金払い渡し方法の合理化についてお伺いいたします。
 現行の土地収用法では、受け取り拒否や受取人が確知できない場合は補償金の供託を行うこととされておりますが、今回の法改正で、現行の持参払い制度に加え、書留郵便の発送等の措置を認めるので、これにより供託制度そのものが形骸化するおそれがあると思います。
 法律改正の趣旨を逸脱して、起業者が本来なすべき努力を行わず、手続の簡略化が悪用されてはなりません。この点について、扇大臣より明言していただくことを期待して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(扇千景君) 寺崎議員の御質問にお答え申し上げたいと存じます。
 今回の法案により万全のシステムができたか等の御質問でございますけれども、今回の法案は、公共事業の透明性の向上と効率的な実施の一環として、事業認定手続の透明性の向上あるいは収用裁決の関連手続の合理化を図るものでございますし、またこれとあわせて、計画段階における幅広い住民参加あるいは情報公開といった施策を積極的に推進する所存でございます。
 これにより、少なくとも国民から信頼される二十一世紀型の公共事業への転換を推進しようとするものでございます。これによりまして、御指摘の成田空港あるいは日の出町の廃棄物処分場などの事業で生じたような事態の発生は再び繰り返されることがなくなると期待いたしております。
 また、東京外郭環状道路の今後の住民等との合意形成方法についてのお尋ねがございました。
 東京外郭環状道路、いわゆる外環の関越道から東名高速までの間につきましては、先般、四月十三日、計画区間を高架構造から地下構造に変更するなどの計画のたたき台を取りまとめ、東京都とともに公表いたしましたところでございます。現在、住民と行政がともに二十一世紀にふさわしい計画づくりを行うために、まずこのたたき台をもとに、地元自治体や多くの方々に御意見を伺っているところでございます。
 今後は、これらの意見を公表するとともに、これに対する国土交通省あるいは東京都の考えを示し、地元の自治体や多くの方々と十分な対話を重ね、その結果を踏まえた計画の具体化を図ってまいりたいと考えております。
 また、社会資本の整備過程におきます合意形成、民意の反映システムについてのお尋ねがございました。
 社会資本整備に当たっては、住民のニーズを踏まえるとともに、住民の理解と協力を得ることが重要であることは言うに及びません。また、我々もそれを一番重要に考えております。現在におきましても、住民のニーズを把握し、あるいは理解を得るために、計画策定段階においてアンケート調査、またパブリックインボルブメントの実施、事前説明会あるいは公聴会の開催など、幅広く、住民参加、情報公開を行う対話型行政を積極的に推進いたしております。
 今後とも、計画のできる限り早い段階から住民参加に積極的に取り組みまして、住民の意見の反映に努めてまいります。
 さらに、今回の衆議院での修正を受けとめ、より積極的に取り組む必要があると考えておりますし、また事業分野におきましても、計画策定の仕方は異なるものの、パブリックインボルブメントの実施、事前説明会あるいは公聴会の開催など、運用面での整合性が図られるように、できるだけ早期に検討を進めてまいりたいと考えております。
 事業の計画段階からの住民参加、情報公開についてのお尋ねがございました。
 公共事業の実施に当たりましては、住民の理解と協力を得るとともに、透明性を確保することが重要であると考えております。現在におきましても、河川整備計画の策定、都市計画の決定、道路整備の過程におきます地域住民等の意見の反映など、計画段階での住民参加の手続の積極的な導入を推進しており、今後とも、できる限り早い段階からの情報公開や住民参加に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 その際、事業分野により計画策定の仕方は異なるものの、パブリックインボルブメントの実施あるいは事前説明会や公聴会の開催など、運用面での整合性が図られるように、できるだけ早期に検討を進めてまいりたいと考えております。
 第三者機関の意見の尊重及び公正・中立性の確保についてのお尋ねがございました。
 第三者機関の意見の尊重につきましては、今回の法案は、事業の認定に当たり、事案によっては中立的な第三者機関から幅広い意見を聞くことが有用であるために、その意見の聴取を義務づけることといたしております。このような今回の意見聴取の義務づけ及びその趣旨及び衆議院におきます修正を踏まえまして、事業認定庁が国土交通大臣である場合には、社会資本整備審議会からの意見を十分に尊重して事業認定の判断を行ってまいる所存でございます。
 第三者機関の公正・中立性の確保につきましては、その方法として、委員の任命に当たっては特定の分野に偏ることなくバランスよく選ぶとともに、事業を推進する中央官庁のOBを入れないこと、委員の任命に当たってはその氏名を公表すること、第三者機関の意見、考え方を示す議事要旨を公開することなどを考えております。
 私どもといたしましては、社会資本整備審議会についてそのような視点から人選、運営等を行うこととしており、これによって公正・中立性を確保できるものと考えております。
 双方向型の事前説明会及び公聴会についてのお尋ねがございました。
 起業者によります事前説明会につきましては、単に起業者からの一方的説明を行うことにとどまらず、起業者からの説明の後、起業者と利害関係人との間の質疑応答を実施することを考えております。
 公聴会につきましては、公聴会において意見を述べる公述人は一方的に意見を述べるだけではなく、主宰者の許可を得て他の公述人に直接質疑することを認める考えでございます。
 以上によりまして、事前説明会及び公聴会が一方的な手続になることなく、十分に実のあるものになると考えております。
 また、事前説明会の早期実施についてのお尋ねがございました。
 今回の法案におきましては、措置する事前説明会は、起業者が事業認定を申請しようと意思決定した段階で、事業の認定に利害関係を有する者に対して事業の目的及び内容を説明するものでございます。したがって、用地買収の早期段階で行うべきいわゆる一般的な事業説明とは性格を異にするものでございますし、事業認定申請の意思決定がなされた段階で的確に行われるべきものと考えております。
 なお、公共事業の円滑な実施を図るために、計画段階や実施段階において事業説明会を開催するなど、住民参加や情報公開に努めているところでございますけれども、今後とも、できる限り早い段階から住民参加の措置を講ずることが重要との観点から、こうした取り組みを積極的に推進してまいります。
 また、事前説明会及び公聴会の運営方法についてのお尋ねがございました。
 起業者による事前説明会につきましては、あらかじめ地方紙に掲載することにより広く利害関係者に周知を行い、さらに、把握できる範囲内で地権者へも個別に通知を行うことにより十分な周知を行うこと、また、起業者からの説明の後、起業者と利害関係者との間の質疑応答を実施すること、事業認定申請書に事前説明会の実施状況を記載した書面を添付させることなどを考えております。
 公聴会につきましては、あらかじめ地方紙に掲載することにより広く周知徹底を行うこと、公聴会において意見を述べる公述人は一方的に意見を述べるだけではなく、主宰者の許可を得て他の公述人に直接質疑をすることを認めること、また、公聴会で出されました意見につきましては、第三者機関の審議に活用されるよう原則としてそのままの形で提供することとし、さらに事業認定の理由の中で意見に対する考え方をできる限り明確化することを考えております。
 以上によりまして、事前説明会、公聴会とも十分に実のあるものとなり、事業認定手続の透明性、公明性が図られるものと考えております。
 事業認定の要件のあり方についてのお尋ねがございました。
 事業認定庁が事業認定の判断を行うに当たりましては、土地収用法第二十条各号を満たすかについて公正かつ中立的な立場から慎重に検討しているところでございます。この検討に当たりましては、公共事業の施行によります利便性の向上、自然環境への影響及び被収用者の損失など、さまざまな要素を考慮した上、得られる公益と失われる公益及び私益を総合的に比較考量することとなっており、これは裁判例でも確立されているところでございます。
 なお、今回の法案によりまして、公聴会の開催、第三者機関の意見聴取、事業認定理由の公表を行うこととすることで、より公正、中立的な高度かつ複雑な事業認定の判断が行われることになると認識いたしております。
 補償金についての仲裁制度における仲裁委員のあり方についてのお尋ねがございました。
 補償金の確定のための収用委員会の審議は、厳格な手続によって公開で行われることになっております。しかし、補償金の額のみに不満がある土地所有者等については、その者と起業者との合意を前提に、簡易迅速な手続により補償金の確定を行うことは、双方にとって目的の早期実現につながり、かつ手続面からも合理的でございます。このために、収用委員会にかわる簡易迅速な補償金の確定手続として、収用委員を仲裁委員とする仲裁制度を創設したものであります。
 このように、本件仲裁制度は、収用委員会にかわるものであるため、補償金の確定に熟知した者が仲裁委員となることが好ましく、ゆえに収用委員が最も適任であります。さらに、不動産鑑定に関する知識などの専門的な知識を必要とする場合には、不動産鑑定士に必要な鑑定を行わせるなど、必要な知見を補充することによりまして適正な仲裁判断を行うことができるものと考えております。
 最後に、書留郵便によります補償金の払い渡しについてのお尋ねがございました。
 補償金払い渡し方法の改正は、我が国の郵便制度が発達していることから、現金持参、直接交付を強いることの不合理にかんがみまして、補償金額の多少にかかわらず一般的に郵送方法による補償金払い渡し方法を用いることを可能とするものであります。
 この方法によれば、通常は補償金が到達し、払い渡しに至ることとなります。また、例外的に郵便事故やまた受取人の不存在などで受領に至らなかった場合には、今回の法案において収用裁決が債務名義とすることを措置したことから、これをもとに権利者は補償金についての強制執行を後から行うことが可能となり、権利者の保護は十分に確保されているところでございます。したがって、御指摘のような補償金払い渡し方法の悪用がなされることはないと認識いたしております。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(井上裕君) 緒方靖夫君。
   〔緒方靖夫君登壇、拍手〕
#10
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、土地収用法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 初めに、与党三党などが本法案を、衆議院で公聴会も開かず、わずか二日間の審議で強行し本院に送付してきたことに対して、遺憾の意を表明するものであります。
 そもそも土地収用法は、公共事業に必要な用地を確保するため、その土地の権利者に必要な補償をした上で強制的に所有権を放棄させる手続を定めた法律であります。憲法第二十九条は、財産権を侵してはならないとし、私有財産を取り上げるには、「正当な補償の下」、「公共のため」と厳格な制限を設けております。今回の改正案は、地権者の権利を制限してその手続を簡略化させようというものであり、極めて重大であります。
 改正案は、土地収用を実施する公共事業の事業認定の手続で、透明性、公正性、合理性を確保するとして、事前説明会や公聴会の開催、第三者機関による意見聴取、認定理由の公表を義務づけております。これらは現行法の運用実態を見れば当然のことであります。これまで事業認定は昨年度も全国で七百八十三件を数えましたが、事業者が地権者側に説明の限りを尽くしたケースは見られません。
 重要なことは、こうした住民軽視の従来の政府の姿勢を根本的に反省して改めることであります。そうでなければ、事前説明会や公聴会の義務づけも結局は形式的な措置で終わることは明白ではありませんか。大臣の御認識を伺います。
 第三者機関による意見聴取について、改正案は、その任に当たる機関を、事業認定庁が国土交通大臣の場合は社会資本整備審議会にゆだねるとしております。しかし、同審議会は国土交通大臣の諮問機関として設置されたものであり、そのメンバーも国土交通大臣が任命することとなっております。第三者機関による意見の聴取とはいいながら、その聴取機関が事業を進める国土交通大臣の任命というのでは、中立性を担保することにはなり得ないではありませんか。明確な答弁を求めるものであります。
 認定手続における重大な問題は、事業認定庁が国土交通大臣または都道府県知事である現行法を改めず、本来分離すべき事業者と事業認定庁とが同一だということであります。事業者が国土交通大臣の場合など、同大臣みずからが申請も認定も行う仕組みになっております。これでは事業認定の公正性など確保できないことは明白ではありませんか。
 そこでお伺いしますが、過去五年間の大臣認定事業のうち、申請事業は何件であり、そのうち認定されなかった事業は一体何件ありますか。あわせて御答弁いただきたい。
 ことし一月の省庁再編により、国直轄の公共事業の大部分が国土交通省の所管下に入ったことで、事業者と事業認定庁との同一性の弊害がさらに大きくなることは明らかであります。事業官庁の長が事業認定を行うといったお手盛り的なやり方を見直し、事業認定は事業官庁から独立させ、住民も参加した第三者機関で行う制度こそ検討すべきではありませんか。責任ある答弁を求めるものであります。
 改正案は、事業認定段階の見直しとともに、収用委員会の審理で事業認定が違法だと主張することを禁止するとか、地権者が多数の場合も審理で発言者を制限するとか、収用手続の調書への署名押印を廃止し、補償金も郵送で送りつけるといった措置を盛り込んでおります。
 その理由について政府の説明資料は、収用手続にかかる膨大な労力とコストが事業計画をおくらせている、そのように述べております。しかし、事業者内部の事務処理負担にすぎない問題を、権利者の財産権収用の簡便な手続によって解決しようとするのは本末転倒であります。すべては早期収用を最優先させ、そのためにトラスト運動を初めとする反対運動対策を意図したものであることは明らかであります。
 これまでにも収用委員会には、公共事業そのものへの批判や公益性に対する疑問が数多く持ち込まれてまいりました。なぜでしょうか。現行法が計画策定の段階から事業の公益性や公共性を議論できる場を全く保障していないからであります。その根本を見直さずに、地権者や住民の意見の封殺を図るのでは、公共事業をめぐる問題を解決するどころか、紛糾させることになるのではありませんか。大臣の答弁を求めるものであります。
 改正案は、手続の簡略化に加えて、土地収用の適格事業として、地方自治体が設置するリサイクル施設や廃棄物処理センターが建設する廃棄物処理施設を追加するものとしております。しかし、第三セクターは情報公開法や関連する条例の適用外であり、住民が用地選定の適否を判断するための知る権利が保障されておりません。これでは、廃棄物処理施設用地の選定への住民参加や環境影響評価が万全でないまま、用地不足の解消だけを優先することになり、地権者のみならず周辺住民の不安と不信を今以上に大きくするだけではありませんか。大臣の答弁を求めるものであります。
 現在の公共事業は、その計画段階において関係住民にすら情報が十分に公開されず、公共性や公益性について住民を含め議論して合意形成を図る仕組みがありません。東京では、高尾山の自然を破壊する圏央道計画や、土壌、地下水、飛灰汚染の危険が無視され、そして強行されようとしている日の出町のごみ処分場拡張などに批判が高まっております。特定区間が長期間凍結されている東京外郭環状道路にしても、住民の合意なく線引きされたものであります。
 事業の計画段階から透明性や公正性、住民参加が保障されないもとで土地収用手続を簡略化することは、最終段階での意思決定への住民参加の場をこれまで以上に狭め、むだな公共事業の推進を一層容易にするだけではありませんか。
 事は、憲法の保障する国民の財産権を守るかどうか、住民の意思を尊重するのかどうか、自然環境を守るのか破壊するのか、税金のむだ遣いを許すのかどうか、民主主義の根本にかかわる大問題であることを強調して、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(扇千景君) 緒方議員の御質問にお答え申し上げます。
 住民軽視の姿勢についてのお尋ねがございました。
 今回の法案は、事業認定手続の透明性及び信頼性の向上を図ることによりまして、国民から信頼される二十一世紀型の公共事業への転換を推進しようとするものでございます。事前説明会や公聴会については、形式的なものにとどまらず、十分に実のあるものとなるように必要な措置を講じていきたいと存じております。
 また、第三者機関の中立性についてのお尋ねがございました。
 第三者機関の中立性の確保につきましては、委員の任命に当たりましては特定の分野に偏ることなくバランスよく選ぶこととともに、事業を推進する中央官庁のOBを入れないこと、委員の任命に当たってはその氏名を公表すること、そして第三者機関の意見、考え方を示す議事要旨を公開すること、それらを考えております。
 また、私どもといたしましては、社会資本整備審議会におきまして、このような観点から人選、運営等を行うことにしており、これによって中立性を確保できるものと考えております。
 また、事業者と事業認定庁との同一性の問題についてのお尋ねがございました。
 国土交通大臣が事業認定を行うことにつきましては、事業認定の判断には、事業に関する技術的、専門的知見が必要なこと、事業認定の中立性等を担保するための新たな措置として、第三者機関である社会資本整備審議会の意見聴取、公聴会の開催、事業認定理由の公表の義務づけを措置することとしたこと、諸外国におきましても事業所管大臣が事業認定を実施することが通例なこと等から妥当であり、この公正性や中立性は担保できるものと考えております。
 過去五年間の大臣の認定に係る申請件数及びそのうち認定されなかった件数についてのお尋ねがございました。
 平成八年度から平成十二年度までの間において、国土交通大臣または旧建設大臣に対して事業認定の申請があった件数は、五カ年度の合計で八百十八件となります。このうち、申請者において申請を取り下げた三件を除く八百十五件が認定されております。
 第三者機関による事業認定制度についてのお尋ねがございました。
 今回の法案において、事前説明会、公聴会の開催の義務づけにより住民の意見把握に努めるとともに、公正、中立な第三者機関の意見聴取、事業認定の理由の公表による情報公開の徹底を行うことにより、現行の事業認定手続を大幅に見直すものでございます。以上のことから、事業認定制度としては、今回の法案により、公正性、中立性は十分に確保されているものと考えております。
 計画策定段階における事業の議論の場についてのお尋ねがございました。
 公共事業の実施に当たりましては、計画段階におきまして、幅広く住民参加、情報公開を行う対話型行政を積極的に推進いたしております。現在におきましても、河川整備計画の策定に際して地域住民等の意見の反映、都市計画の決定における住民の意見の反映、道路計画につきましても地域住民等の関係者の意見を聴取し、計画に反映するパブリックインボルブメント方式の試行など、計画段階での住民参加手続の積極的な導入を推進いたしております。
 さらに、今回の衆議院での修正を受けとめ、より積極的に取り組む必要があると考えており、事業分野による計画策定の仕方は異なるものの、パブリックインボルブメントの実施あるいは事前説明会や公聴会の開催など、運営面での整合性が図られるように、できるだけ早期に検討を進めてまいります。
 なお、今回の法案により、公聴会の開催、第三者機関の意見聴取、事業認定理由の公表を行うようにすることによって、事業の公益性を議論する場がより実質的なものとなるものと考えております。
 最後に、リサイクル施設等を収用適格に追加するのは問題ではないかとのお尋ねがございました。
 近年のごみ問題の深刻さを踏まえ、循環型社会の形成を図るために、収用適格事業として地方公共団体等が設置するリサイクル施設及び廃棄物処理センターが設置する廃棄物処理施設を追加することといたしたところでございます。
 この措置は、あくまでも、その事業の有する社会的、客観的な公益性に着目して行ったものであり、例えば、電力会社が送電線を整備する場合にも情報公開法や環境影響評価法の対象とならず、用地選定への住民参加が制度化されておりませんけれども、その施設の公共性が高いことから収用適格を認めてきたところと同じ考え方に立っているものであり、適切なものと考えております。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
#12
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#13
○議長(井上裕君) この際、日程に追加して、
 林業基本法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。武部農林水産大臣。
   〔国務大臣武部勤君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(武部勤君) 林業基本法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 現行の林業基本法は、昭和三十九年、その当時における社会経済の動向や見通しを踏まえて、我が国林業の向かうべき道筋を明らかにするものとして制定されました。
 しかしながら、基本法制定後三十七年が経過し、我が国経済社会が急速な経済成長、国際化の著しい進展等により大きな変化を遂げるとともに、森林に対する国民の要請は、木材生産機能から、国土や自然環境の保全、地球温暖化の防止等の多面にわたる機能の発揮へと多様化しているなど、我が国森林・林業をめぐる状況も大きく変化いたしております。
 こうした中、現行林業基本法が規定する政策体系につきましては、関係者の多大な努力により成果を上げてまいりましたが、一方で、林業の採算性の悪化、林業収入への依存度の低下等による森林所有者の経営意欲の減退により管理不十分な森林が増加しつつある状況にあります。
 このため、国民の要請にこたえて、我が国の森林が将来にわたり適切に管理されるよう、木材の生産を主体とした政策から森林の有する多面にわたる機能の持続的発揮を図るための政策へと転換し、国民的合意のもとに政策を進めていくことが必要であります。
 本法案は、このような基本的考え方のもとに、林政審議会の報告を踏まえ、国家社会における森林・林業の位置づけなど森林・林業政策に関する基本理念を明確化するとともに、政策体系を抜本的に再構築し、今後の中長期的な政策展開の基軸を明確化するため、提案したものであります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、森林及び林業に関する施策についての基本理念を明らかにすることであります。
 まず、森林の有する多面的機能の発揮のためには、森林の適正な整備及び保全が必要であることを基本理念として位置づけております。
 また、林業が森林の有する多面的機能の発揮に果たしている重要な役割にかんがみ、その健全な発展を図るとともに、国民の需要に即した林産物の供給及び林産物の利用の促進を図ることについても基本理念と位置づけております。
 さらに、あわせて国、地方公共団体及び森林所有者の責務等を定めております。
 第二に、基本計画を策定することであります。
 森林及び林業に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、森林・林業基本計画を定めて、施策についての基本的な方針、森林の有する多面的機能の発揮並びに林産物の供給及び利用の目標、総合的かつ計画的に講ずべき施策を国民の前に示すこととしております。
 第三に、森林及び林業に関する施策の基本方向を明らかにすることであります。
 森林の有する多面的機能の発揮、林業の健全な発展、林産物の供給及び利用の確保に関する施策として基本的なものを定めております。
 なお、林業基本法の一部を改正する法律案は、衆議院において一部修正されておりますが、その概要は次のとおりであります。
 第一に、森林の適正な整備及び保全を図るに当たっては、定住の促進等による山村の振興が図られるよう配慮されなければならないものとすること、第二に、国は、森林の現況の調査その他の地域における活動を確保するための支援を行うものとすること等であります。
 以上、林業基本法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。広中和歌子君。
   〔広中和歌子君登壇、拍手〕
#17
○広中和歌子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました林業基本法の一部を改正する法律案について、農林水産大臣並びに関係大臣にお伺いいたします。
 私たち日本人は、古来、森林と深いかかわりを持ち、森林から多くの恵みを享受してまいりました。すなわち、森林は単に家や家具をつくるための木材や、料理し、あるいは暖をとる薪炭を提供する場としてだけではなく、水源の涵養やCO2の吸収など環境面で多面的な機能を持ち、かつ多様な野生動植物の宝庫としても人々に広く利用されてまいりました。
 また、日本人になじみの深い神社や寺の境内に広がる鎮守の森は、多くの船に水先案内の役を果たしてきたとともに、想像力をかき立てる空間でもあり、数多くの伝説や物語を生んできました。私たちが子供のころからなじみのある「こぶとりじいさん」、「竹取物語」など、寓話の多くが森にかかわっております。すなわち、鎮守の森は日本人の伝統、知性、感性と一体化し、魂の宿る森であったと国際生態学センターの宮脇昭氏は述べております。
 最近、私は、世界自然遺産に登録された屋久島や白神山地を訪れる機会に恵まれましたが、日本人がいかに森林と深くかかわり共生してきたかということを実感いたしました。森林の持つこのような文化的、環境的視点が急速な経済発展の中で忘れられ、単に木材やパルプとして利用され、あるいは経済性がないからという理由で輸入に置きかえ、他国の森林はもとより我が国の森林の荒廃を招いていることへの深い反省を込めて、以下、質問させていただきます。
 我が国の林業は、これまで、昭和三十九年に制定された林業基本法のもとで行われてまいりました。
 この基本法の背景には、戦後の復興期を経て経済の発展期に差しかかり、建築用材、パルプ用材としての木材需要が急速に拡大する一方で、戦中戦後の乱伐からようやく復旧した山林では生産供給が追いつかないため、林業の安定的な発展への要請の高まりでした。第二点として、経済成長に伴い第二次産業、第三次産業が発達するに伴って、労働力がこれらの産業に吸収され、第一次産業を担う農山村から人口が流出する社会の変化を背景として、林業従事者の経済的、社会的な地位の向上が要請されるようになりました。これら二つの課題に対処することを目的として林業基本法が制定されたのであります。
 この二つの目標を持って制定された林業基本法の果たしてきた役割について、農林水産大臣にお伺いいたします。
 申し上げるまでもなく、現在、日本の林業の置かれている状況は非常に厳しい。円高などによる外材の輸入価格の低下、小規模林業経営者が多く、経営効率が改善しにくいなど、生産コスト抑制の限界から、国産材は安価な外材に太刀打ちできません。それに伴い、林業経営は成り立たなくなり、若い後継者の確保にも困難を来しております。
 林業の弱体化は、森林の状態の悪化にもつながっております。手入れの行き届かなくなった山では、伐採後に植林されることもなく放置されております。間伐が行われないところでは、木の一本一本の育成状況が悪く、下層植生が育たないために表土が流出し、本来の森林としての機能を失っています。つまり、林業経営が厳しい状況に陥り、そのため人手が入ることを前提としている人工林は崩壊の危機に直面しているのです。
 このような状況のもとで、国民の森林に対する期待も大きく変わってきております。昭和五十五年には、森林に対する期待として第二番目に挙げられていた木材生産は、平成十一年には九番目になる一方で、平成十一年には温暖化防止機能が第三位に入っています。森林の持つ公益的機能を重視し始めてきたのです。森林を木材産出の場というよりも自然環境保全の場としてとらえ、そうした森林の機能を持続的に発揮させることが重要であるとの認識が高まってきたというのが昨今の状況と言えます。
 本改正案において基本理念の大幅な見直しが提案されております。従来の理念である国内林業の発展の上位に、森林の有する国土保全、その他の多面的機能の発揮について規定されていることがそれです。
 そもそも、理念法としての基本法の趣旨を考えるならば、現行の基本法のように林業に焦点を当てるのではなく、改正法のように、まず森林を守り育てることを主とし、その森林を経済活動の場とする林業の発展を規定することが本来のあるべき姿ではなかったかと思われます。林業が発展するためには、まずその業を行っていくための場としての森林が必要で、その場がなくなってしまえば産業も立ち行かなくなるのは当然だからです。
 このため、本改正案の趣旨には評価する点があると考えますが、森林の多面的機能の発揮を基本法に加えることに至ったいきさつと、新たな基本法のもとでの今後のビジョンについて農水大臣にお伺いいたします。
 また、こうした状況を見れば、私はもっと早期に基本法を見直すべきであったと思います。二十数年前には現在の森林・林業のありようが予測できたという意見もございますが、このような状況になるまで見直しを行わなかったことについての御見解をあわせてお伺いいたします。
 次に、本法の改正によって林業経営はどのような形になることが望ましいと考えていられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
 平成十一年度の林家経済調査の結果によると、林家の林業所得は一戸当たり平均三十五・八万円にすぎません。保有山林規模別に見るならば、二十から五十ヘクタール保有林家では二十四・七万円、五十から百ヘクタール保有林家では五十八・五万円、百ヘクタールから五百ヘクタールの林家で百十・九万円にすぎないのです。百ヘクタール以上を保有する大規模林家でさえ年間所得が百十一万円にすぎないのでは、新たに林業に取り組もうとする人が出てくるか疑問です。
 所得政策を含めて林業を考え直さなければ、林業の消滅のみならず森林環境の破壊につながります。あるべき林業経営の姿、そしてそのビジョンに対する施策をお伺いいたします。
 次に、国民参加による森林の保全についてお伺いいたします。
 冒頭申し上げたとおり、我が国は一見緑豊かでありますけれども、その内情はお寒い限りで、森林の荒廃が進んでおります。このように荒廃が進んだのは、林業経営が立ち行かなくなり、森林所有者の自助努力では管理できなくなっている状況があるからです。こうした森林については、国や自治体などの公的な関与により整備を進めるとともに、国民の自発的な活動によって整備を進めることも重要です。例えば、ナショナルトラストのような形で森林を愛する国民に森林を守る運動に参加していただく方法も考えられます。
 このような国民の自発的活動についてどのような支援を行っていくか、農林水産大臣の御見解をお伺いします。
 我が国では、都市集中化が進み、宅地開発により緑が減少してまいりました。欧米のように郊外と呼ぶにふさわしい緑地が十分に存在しないのが現状です。例えば、都市近郊に残されたトトロの森のような貴重な里山林を子孫に残していくことが我々の責務ではないでしょうか。一昨年騒動となった所沢のダイオキシン問題などは、相続税の負担によって林地が産廃業者に切り売りされたことが要因になっていると聞いております。
 都市近郊において緑が十分に保全できるような税制の見直しを含むさまざまな施策が必要ではないかと考えますが、農水大臣及び財務大臣のお考えを伺います。
 林産物は、森林の環境に寄与する多面的機能を考えれば、当然、自由貿易のルールから除外することが妥当であるにもかかわらず、貿易上、鉱工業製品同様の扱いを受けてまいりました。その結果、諸外国、なかんずく途上国の熱帯雨林は違法伐採などにより絶滅の危機に瀕しており、これまでこうした木材が我が国に大量に輸出され、大きな国際問題となって、日本が名指しで非難されることもありました。
 他方、我が国の林業は、人手難や労賃の高さ、また円高によって国際競争力を失っております。このため、日本の森林面積は日本の国土の六七%と先進国中非常に大きいにもかかわらず、森林は荒廃し、持続可能な森林経営からはほど遠い状況にあります。
 農業、なかんずく米は保護されたのに、なぜ林業にはそれがないのでしょうか。WTOのルールに環境の視点から例外をつくるべきではないかと考えます。つまり、輸出入国双方の持続可能な森林経営を確保するために、林産物に対して関税をかけ、これを国内外における植林などの森林整備費に充てるよう、WTOの小委員会で検討することを我が国は提案すべきだと思います。
 また、我が国では林業経営者が少数であり、個人経営者であることから、横の連絡が少なく、貿易ルールに対しても政治的圧力団体としての主張を行うことが難しい状況を見れば、そうした方々の声なき声を吸い上げる必要があるのではないでしょうか。
 これらの点について、農水大臣のイニシアチブをとっていただきたいと考えますが、御見解をお伺いいたします。
 森林に関しては、単に国内問題ではなく、国際的な協力のもとに森林資源の保全を図っていかなければなりません。これまで森林に関しては、リオの地球環境サミットで森林原則声明が出されて以降、IPFなど政府間で討議が重ねられておりますが、各国の利害の調整が難しく、余り進展していないのではないかと思われます。
 こうした中、昨年十月、NGOである世界森林委員会と国連大学の共催で森林と持続可能な開発に関する国際会議が東京青山の国連大学で開催され、森林保全について世界的な取り組みの必要性が確認されました。その際、森林の地球環境に果たす役割を評価し、持続可能な森林経営を推進するため、国際世論喚起の一助として国連世界森林年を設けることが提案されました。
 日本政府として、この提案を受け、国連総会で取り上げられるよう行動を起こしていただきたいのですが、環境大臣、農水大臣のお考えはいかがでしょうか。
 最後に、京都議定書についてお伺いいたします。
 残念ながら、アメリカ・ブッシュ新政権は京都議定書に断固反対の立場をとっております。しかし、我が国は、こうしたアメリカの動きにとらわれず、早期批准を明確にして七月のCOP6再開に臨むべきと思いますが、環境大臣の御決意を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣武部勤君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(武部勤君) 貴重な御提言を交えて広中議員からの御質問をいただきましたが、以下、お答え申し上げたいと存じます。
 まず、林業基本法の果たしてきた役割についてのお尋ねでありますが、現行林業基本法は、当時の旺盛な木材需要に対応した国産材の供給を確保するため、林業総生産の増大などを目標としたものでありました。これに基づき、我が国の森林の四割を占める一千万ヘクタールに及ぶ人工林の造成を初めとする森林資源の計画的な整備が進められるなど、一定の成果を見たものと考えております。
 いずれにいたしましても、森の恵みに感謝し、豊かな緑をつくり上げていくということの重要性をさらに感じております。
 次に、森林の多面的機能の発揮を新たな基本法の理念とすることについての御質問でありますが、森林に対する国民の要請は、木材生産のほか、森林の有する水資源の涵養など、多面的機能の発揮へと変化しております。また、持続可能な森林経営等の観点から森林・林業施策の見直しへの要請が高まっていること等も踏まえ、森林の有する多面的機能の持続的発揮と林業の持続的かつ健全な発展等を新たな基本理念として位置づけることとしたところであります。
 今後は、新たな基本理念に即し、重視すべき機能に応じた望ましい施業を推進するなど、森林の多面的機能の発揮に重点を置いて施策を推進してまいりたいと存じます。
 また、より早期に林業基本法を見直すべきではなかったかとの御指摘については、全く私も同感であります。
 基本法の改正については、森林・林業を取り巻く諸情勢の変化、見直しを求める国民各層の要請などを総合的に勘案し検討した結果この時点になったものでありますが、このことにつきましての御理解をお願いしたいと存じます。
 次に、林業経営についてお尋ねがありました。
 林業においても、効率的かつ安定的な林業経営を担うことができる林家、林業事業体などを育成、確保し、これらの者が林業生産の相当部分を担う林業構造の確立が必要であります。このため、これらの者への受委託等による施業、経営の集約化、林道の整備、機械化による生産コストの低減等を推進してまいりたいと存じます。
 続いて、国民の自発的な活動への支援についてでありますが、近年、森林の整備、保全に取り組むボランティア活動が大変ふえております。これらの団体は三年前に比べ倍増しているというのが現状でございまして、森林の多面的機能の持続的発揮に向けて、広く国民の理解と参加を得て森林の整備、保全を進めるため、ボランティアに関する全国情報の受発信やその拠点となるフィールドの整備等を推進してきたところでありますが、今後とも、国民の自発的な活動を促進するための条件整備に努力してまいりたいと存じます。
 次に、里山林などの保全施策についてお答えいたします。
 里山林等の都市近郊林は、生活に潤いと安らぎを与え、森林と人との豊かな関係を回復するための場として国民の期待が高まっております。このため、都市住民などの参加による保全・利用活動を推進するほか、保安林制度の活用を通じ、その保全を図る取り組みなどを進めてまいります。
 また、林産物WTO交渉において新たなルールづくりを提案すべきとの御指摘でございますが、次期WTO交渉においては、持続可能な森林経営の推進に資する貿易ルールが確立されるよう、地球規模の環境問題、資源の持続的利用、輸出入国間の権利義務のバランスといった観点を踏まえた枠組みを確保しつつ、交渉を行う必要があると考えております。
 交渉に臨むに当たりましては、このような点について合意形成を図るために、引き続き林業関係者を初めとする国民の皆様の声に耳を傾けてまいりたいと存じます。
 最後に、国連世界森林年の提案について申し上げます。
 世界の持続可能な森林経営のため、地球サミット以降、国連に設置された政府間対話の場等に積極的に参画し、国際的な合意形成に貢献してきたほか、途上国への二国間協力や国際機関への資金拠出などを推進してきたところでありますが、御指摘のありました国連世界森林年も有意義なことと考えられます。今後、関係省庁と連携を図りつつ検討してまいりたいと存じます。
 以上、答弁といたします。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(塩川正十郎君) 私に対しましては林地の相続税についての配慮を図れというお尋ねでございました。
 御質問の趣旨は私も十分に理解できておるのでございますけれども、しかし、財産税としての相続税でございますので、取得した財産の価額というものを公平にやっぱり評価しなければならぬという点におきまして、扱いに特別の政治的な判断を下すということはちょっと不可能であろうと思っております。
 しかしながら、林地につきましては、林等につきましては、従来から課税価格の算定なりあるいは延滞利息等につきまして格別の優遇措置を講じておりまして、それによりまして、できるだけ林地を私有財産として保有していただくように、環境保全のために役に立つような措置を講じていただくように努力しておるところでございますので、なお一層検討いたして進めていきたいと思っております。(拍手)
   〔国務大臣川口順子君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(川口順子君) お答えを申し上げます。
 国連世界森林年についてのお尋ねがございました。
 森林の有する多様な価値に焦点を当て、昨年、国連大学で開催されました国際会議は、広中議員がリーダーシップをとられ、私も一部参加をさせていただきましたけれども、まさに時宜を得た大変有意義な会議であったと思います。
 そこで提案をされました国連世界森林年につきましては、大きな関心を有しております我が国として具体的にどういう提案ができるかを含めまして、関係省庁とよく相談をしてまいりたいと思います。
 次に、京都議定書についてのお尋ねでございますが、我が国として二〇〇二年までの発効を目指すとの方針に変わりはなく、国会決議を重く受けとめまして、我が国を含めた関係国が京都議定書を締結することが可能となるよう、七月に開催されるCOP6再開会合の成功に向け全力で取り組んでまいります。
 また、我が国として、環境十全性の観点から米国の参加が重要であると考えておりまして、米国が京都議定書の発効に向けた交渉に積極的に参加するよう、引き続き粘り強く働きかけてまいる考えでございます。
 我が国自身も、COP6再開会合までの国際的合意も踏まえ、京都議定書を二〇〇二年までに締結できるよう、締結に必要な国内制度の構築に全力で取り組んでまいります。(拍手)
#21
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#22
○議長(井上裕君) 日程第一 温泉法の一部を改正する法律案
 日程第二 浄化槽法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長吉川春子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔吉川春子君登壇、拍手〕
#23
○吉川春子君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、温泉法の一部を改正する法律案は、温泉の保護及び適正な利用を推進するため、土地の掘削等の許可の失効手続の迅速化、温泉の成分等の掲示の届け出及び温泉成分の分析機関の登録制度の整備等を図ろうとするものであります。
 委員会におきましては、温泉の掘削等の許可基準の設定のあり方、温泉源の汚染防止対策の必要性、温泉成分等の掲示内容の改善の必要性、医療分野における温泉治療の位置づけ等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、浄化槽法の一部を改正する法律案は、浄化槽設備士及び浄化槽管理士に係る国家試験事務等の適正な実施を図るため、指定法人の制度を設け、指定基準、役職員及び試験委員の秘密保持義務、主務大臣の監督命令等について定めようとするものであります。
 委員会におきましては、下水道と合併処理浄化槽の施設整備の実態とその補助制度のあり方、既設単独処理浄化槽の廃止に対する取り組み、生活雑排水による水質汚濁防止対策の必要性、山岳におけるし尿処理のあり方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(井上裕君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十七  
  賛成            百九十六  
  反対               一  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#27
○議長(井上裕君) 日程第三 商工会法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長加藤紀文君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔加藤紀文君登壇、拍手〕
#28
○加藤紀文君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、近年の社会経済情勢の変化に伴い、商工会に創業や経営革新の支援などの新たな課題への対応が求められている一方、小規模な商工会では新たな要請に十分に対応していくことが困難な場合も出てきていることから、商工会の合併による規模の拡大を通じて、その事業の効率的かつ効果的な実施を図るため、商工会の合併に関する規定を新たに設けようとするものであります。
 委員会におきましては、商工会と商工会議所との連携のあり方、中小企業のIT化支援策、商工会合併に向けた支援、協力体制等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して二項目の附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十八  
  賛成            百九十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#32
○議長(井上裕君) 日程第四 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長溝手顕正君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔溝手顕正君登壇、拍手〕
#33
○溝手顕正君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近の経済情勢等を踏まえ、個人投資家の市場参加の促進等の観点から、個人住民税について所得割の納税義務者が、平成十三年十月一日から平成十五年三月三十一日までの期間内に、所有期間が一年を超える上場株式等の譲渡をした場合において、当該譲渡所得の金額から百万円を控除しようとするものであります。
 委員会におきましては、国と地方の間の税財源の見直し、改正案の株式市場活性化に対する有効性、証券税制をめぐる抜本的見直しの必要性、国の政策減税を地方へ連動させることの是非等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して八田ひろ子委員より反対の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#34
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#35
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#36
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十五  
  賛成             百十七  
  反対             七十八  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#37
○議長(井上裕君) 日程第五 特殊法人等改革基本法案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長江本孟紀君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔江本孟紀君登壇、拍手〕
#38
○江本孟紀君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、第百五十回国会に衆議院において太田誠一君外四名から提出されたものであり、今国会に至り、同院で可決され、本院に提出されたものであります。
 その内容は、今次の中央省庁等改革の趣旨を踏まえ、特殊法人等の改革に関し、基本理念を定め、国の責務を明らかにし、及び特殊法人等整理合理化計画の策定について定めるとともに、特殊法人等改革推進本部を設置することにより、集中改革期間における特殊法人等の集中的かつ抜本的な改革を推進しようとするものであります。
 委員会におきましては、特殊法人等の事業及び組織形態見直しの基準、整理合理化に当たっての雇用安定への配慮、いわゆる天下り問題と情報公開等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して大沢委員より反対の旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し五項目から成る附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#39
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#40
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#41
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十七  
  賛成            百六十三  
  反対             三十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#42
○議長(井上裕君) 日程第六 短期社債等の振替に関する法律案
 日程第七 株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第八 租税特別措置法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 日程第九 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 以上四案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長伊藤基隆君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔伊藤基隆君登壇、拍手〕
#43
○伊藤基隆君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 四法律案は、いずれも緊急経済対策に関連して提出されたものであります。
 まず、短期社債等の振替に関する法律案は、企業の短期資金調達手段であるコマーシャルペーパーを短期社債として位置づけるとともに、短期社債等について券面を必要としない新たな流通、振替制度を創設するものであります。
 次に、株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案は、証券決済制度をより安全で効率性の高いものにしていく観点から、保管振替機関の組織形態について、資金調達方法の多様化、業務運営の効率化等を実現するため、現行の公益法人形態を株式会社形態に改めるものであります。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案は、最近における経済情勢を踏まえ、個人投資家の市場参加の促進等の観点から、長期所有株式に係る少額譲渡益の非課税措置を創設するものであります。
 最後に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案は、最近の経済情勢にかんがみ、金融機関等が預金保険機構に対し資産の買い取りの申し込みを行うことができる期限を平成十六年三月三十一日まで延長するものであります。
 委員会におきましては、以上四法律案を一括して議題とし、短期社債等振替法案及び株券等保管振替法改正案につきましては柳澤金融担当大臣から、租税特別措置法改正案につきましては塩川財務大臣から、金融機能再生緊急措置法改正案につきましては、発議者を代表して衆議院議員塩崎恭久君から、それぞれ趣旨説明を聴取いたしました。
 質疑におきましては、コマーシャルペーパーの普及がおくれている理由、株券等保管振替機関の組織形態の株式会社化の趣旨、少額譲渡益非課税措置の創設による証券取引への影響、整理回収機構による健全金融機関等からの資産買い取り業務を延長する必要性、不良債権の最終処理に伴う雇用への影響等、各般にわたり熱心な論議が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 四法律案について質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して池田幹幸理事より四法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、順次採決の結果、四法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、短期社債等振替法案、株券等保管振替法改正案及び金融機能再生緊急措置法改正案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#44
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 まず、短期社債等の振替に関する法律案、株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案及び金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#45
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#46
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十七  
  賛成            百七十五  
  反対             二十二  
 よって、三案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#47
○議長(井上裕君) 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#48
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#49
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          百九十六  
  賛成             百十八  
  反対             七十八  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#50
○議長(井上裕君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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