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2001/03/30 第151回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第151回国会 経済産業委員会 第6号
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2001/03/30 第151回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第151回国会 経済産業委員会 第6号

#1
第151回国会 経済産業委員会 第6号
平成十三年三月三十日(金曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 山本 有二君
   理事 青山  丘君 理事 岸田 文雄君
   理事 新藤 義孝君 理事 馳   浩君
   理事 田中 慶秋君 理事 中山 義活君
   理事 久保 哲司君 理事 達増 拓也君
      伊藤 達也君    石原 伸晃君
      小此木八郎君    梶山 弘志君
      高木  毅君    中馬 弘毅君
      萩野 浩基君    林  義郎君
      松野 博一君    松宮  勲君
      茂木 敏充君    保岡 興治君
      山口 泰明君    北橋 健治君
      後藤 茂之君    後藤  斎君
      鈴木 康友君    中津川博郷君
      肥田美代子君    松本  龍君
      山内  功君    山田 敏雅君
      赤羽 一嘉君    石井 啓一君
      土田 龍司君    大森  猛君
      塩川 鉄也君    大島 令子君
      西川太一郎君    宇田川芳雄君
    …………………………………
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   経済産業副大臣      中山 成彬君
   経済産業副大臣      松田 岩夫君
   経済産業大臣政務官    西川太一郎君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   興  直孝君
   政府参考人
   (総務省政策統括官)   高原 耕三君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房長) 林  良造君
   政府参考人
   (経済産業省産業技術環境
   局長)          日下 一正君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月三十日
 辞任         補欠選任
  山口 泰明君     萩野 浩基君
同日
 辞任         補欠選任
  萩野 浩基君     山口 泰明君
    ―――――――――――――
三月三十日
 石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第五号)
同日
 台湾への原発輸出に対する外為法上の許可反対に関する請願(佐々木秀典君紹介)(第八三一号)
 同(藤木洋子君紹介)(第八三二号)
 同(金田誠一君紹介)(第八六四号)
 同(阿部知子君紹介)(第一〇一八号)
 脱原発への政策転換に関する請願(金田誠一君紹介)(第八六三号)
 同(吉井英勝君紹介)(第九〇六号)
 出版物再販制の廃止反対に関する請願(岩永峯一君紹介)(第八九一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)

     ――――◇―――――
#2
○山本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として経済産業省大臣官房長林良造君、経済産業省産業技術環境局長日下一正君、内閣府政策統括官興直孝君及び総務省政策統括官高原耕三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○山本委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田敏雅君。
#5
○山田(敏)委員 民主党の山田敏雅でございます。
 最初に総務省にお伺いいたします。
 きょうは高原政策統括官がお見えだと思います。この基盤技術センターの基盤技術について出資をし、融資をしてきたわけですが、総務省のお考えで、まず、その基盤技術というのは何なのか、それをちょっとお答えいただけますでしょうか。
#6
○高原政府参考人 先生のお尋ねでございます基盤技術というのは、大体基礎技術とほぼ同様のものではないか。基礎から応用に少しかかる面もあろうかと思いますけれども、大体基礎技術というふうに私どもは理解いたしております。
#7
○山田(敏)委員 まさに基礎技術、すなわち国民の生活とか経済がその技術ができることによって大きく変わっていくとか革新を起こすとか、そういう技術のことだと思います。
 さて、まず出資の件ですが、百九件ございます。約二千七百億円出資をされました。そして、これは総務省と昔の通産省と分けてやったわけですが、総務省の方の御担当の出資のリストがここにございます。その金額と主な出資企業について書いてございます。これを見ますと、情報システムの開発というのがたくさんございます。この一ページだけを見ても、高崎、鹿児島、福島、長野、山口、久留米市、熊本県、松江市、旭川市、新潟、伊万里市。伊万里市などは三億一千万円の出資をされて情報システムの開発をやる。大分、岡山、上田、田辺、ずっと永遠に続くわけですね。恐らく十数件あると思います。
 さて、先ほどの、基盤技術というのは基礎的な技術である、これを開発することによって大きく応用が広がって国民生活が変わっていく、そういう技術であるということを言われました。これだけ全国何十カ所にばらまいて、二億円とか十億円とかいく、これは本当に基盤技術の開発を目的にしてこういうことをやられたのか。あるいは、単に鹿児島もやったから福島もお願いします、松江もやったから岡山もお願いしますというように、地方にお金をばらまいている、本来の基盤技術の開発とは趣旨が全く違うのではないかと思いますが、その点について、いかがでしょうか。
#8
○高原政府参考人 今委員お尋ねのいろいろ地域の名前がついたプロジェクトは、多分、基盤センターから出資をいたしておりますテレトピア関連の出資法人だというふうに私どもは理解いたします。
 それで、委員お尋ねの、似たような名前あるいは地域名がついたものがいっぱいあるではないかということでございます。
 それぞれのこういうテレトピア関連の出資法人におきましては、例えば、主にキャプテンシステムを使ったものもございますけれども、地元の観光情報とかあるいはイベント情報についていろいろな画面表示の技術をそれぞれの地域の特性に合わせて開発していくといったようなこともございます。地域特性がそれぞれ違いますので、それぞれに合わせた技術開発あるいは研究開発をしていくということがございますので、似たような情報センターとかそういう名前がついているのもございますけれども、それぞれの特性を持った開発をするということで非常に必要だというふうに考えておるわけでございます。
#9
○山田(敏)委員 先ほど申しましたように、この基盤技術センターの目的は基盤技術の強化である。そして、日本の基礎技術を高めようというのが趣旨でございます。
 このように数億円ずつばらまいていくと、何をやっているのか、本来の趣旨から離れてしまう。しかもこの制度は、出資をして、株式が成功してその配当を受ける、リターンを最初は目的としてやってきたわけですね。
 ですから、その目的からいうと、二千七百億使ったわけですけれども、こういうのをまとめて五百億円とか六百億円とか、そして本当に日本が世界をリードする技術を開発した方がはるかにこの基盤技術センターの設立趣旨に沿うものではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#10
○高原政府参考人 今委員、まとめてやってはどうかというお尋ねでございました。
 先ほど申し上げましたように、このテレトピアのいろいろな推進法人につきましては、それぞれ地元あるいは地域に密着した情報技術の開発という面もございますので、そういう面もあわせてやる必要があるということで一件一件は少ない出資金額ということになっているものでございます。
#11
○山田(敏)委員 これは後で議論いたしますけれども、我が国の基礎技術、基盤技術は外国に比べて非常におくれている。しかも、それをキャッチアップしなきゃいけないという趣旨で貴重な税金を使われたわけですが、これがその本来の趣旨から外れて、今おっしゃった地域の事情に合わせてやるということは一種の応用編でございまして、基礎的なものがあって、それについて高崎ではこんな情報だ、岡山ではこうだ、そういうふうなやり方だと思いますので、これは明らかに本来の趣旨からは外れているというふうに思います。
 続きまして、経済産業省にお伺いいたします。
 この際、この基盤技術センターを見直すということでございますので、我が国の技術開発をもう一回レビューしてみて、本当に正しく効率的に行われたかどうか、少し議論させていただきたいと思います。
 御承知のとおり、我が国の競争力は一九九二年には世界第一位だったのですが、二〇〇〇年には世界第十七位、二〇〇一年には、あるところが試算しましたら二十二位になったということで、我が国の競争力がどんどん落ち込んでいっています。そして、長期的な傾向としては、民間の設備投資も減少傾向にある、さらに政府はこういう財政危機でございますので、非常に大きな伸びはないというところでございます。
 それからさらに、日本とアメリカの政府の研究開発の姿勢を示す一つの数字がございますので、御紹介します。
 政府の研究開発の投資額があります。情報通信分野について、日本は四百億円、アメリカは千八百億円。環境技術について、日本は一千億円、アメリカは三千億円。ライフサイエンスについては、日本は三千億円、アメリカは一兆七千億円という数字がございます。アメリカは、明らかに政府の額は日本と比べ物にならないほど大きいわけです。さらに、戦略的選択と集中ということが行われているわけですね。明らかに、ライフサイエンスについて一兆七千億、日本はそれに対して三千億ということでございます。
 そこで、大臣にお伺いします。今までの日本の技術開発の方向、通産省はそれなりにやってきたわけですが、これからの方向について少しコメントをいただければと思います。
#12
○平沼国務大臣 これまでの我が国の技術開発というのは、市場や目標が明確であったキャッチアップ型の時代には比較的有効に機能してきたと思っております。しかし、新事業、新市場を創出するプロダクトイノベーションが必要となる昨今、制度の細分化やふくそう化に伴う資源配分の硬直性等から、総合的戦略性や市場化までを視野に入れた一貫性が欠如するなどの問題が顕在化してきていると思っています。
 このため、経済産業省といたしましては、研究開発の出口までを見据えた対応を図り、戦略的な研究開発を推進していくため、効果的、効率的な研究開発の企画、実施、評価システムの構築をこれから図っていく、このように思っております。
 具体的に申し上げますと、研究開発による技術的ブレークスルーを主たる手段として達成すべき政策目標について、その政策目標のもとに複数の研究開発や普及導入策等他の施策との連携を含め、統合されたプログラムというパッケージのもとで研究開発を実施しようとしているところでございます。十三年度予算においては、情報化、高齢化、環境、材料ナノテクノロジーといった分野においてこのような研究開発の取り組みを進めることにいたしております。
 例えば、情報化については、高度情報化社会の実現に必要な情報通信機器の共通基盤である半導体LSI技術について、半導体の微細化に対応した基盤技術を確立し、我が国の半導体の競争力を取り戻すべく、筑波に建設されるスーパークリーンルームにおいて、産学官の能力を結集して、集中的に研究を実施することにいたしております。
 また、材料ナノテクノロジーについては、物質の構造をナノレベルという超微細で制御することによりまして、従来の加工技術では達成できなかった高強度かつ軽量な材料を開発したり、高密度の記憶デバイスや三次元の光回路といったITデバイスを製造するための基盤技術を確立する研究開発を実施するとともに、ナノレベルの技術が広範な分野において活用可能となるような知識基盤を体系化する、こういうこともやっております。
 こうした産学官の総力を結集した大規模な研究開発を効果的に運営していくため、国と運営機関の役割を明確化して、新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOが統合的に研究開発の運営管理を行っていくことにいたしております。
 また、国立研究所につきましても、山田先生御承知のように、従来十五ございました工業技術院の研究所を、日本最大の公的研究機関として、独立行政法人産業技術総合研究所として統合して、産業競争力強化や新産業の創出に向けた研究を効果的に実施していくことにいたしております。
 このように、経済産業省といたしましては、議員の御指摘がございましたように、こうした取り組みを進めることによって、重点的かつ効果的、効率的な研究開発の実施に努めてまいる所存であります。
 あわせて、このような取り組みは、本年一月に発足をいたしました総合科学技術会議のイニシアチブのもとで、科学技術基本計画を踏まえて、政府が一丸となって各省庁が連携しつつ取り組んでいくべきものと認識しており、経済産業省といたしましても、全力でこれに協力をしていきたいと思っています。
 山田委員御指摘のとおり、やはりこれからは集中的にそして効率よくそして資金も有用に活用できる、そういう形で私どもは取り組んでいかなければならない、このように思っております。
#13
○山田(敏)委員 私がお尋ねしたかったのは、過去三十年間に通産省がやってきた国の技術開発というものがどういう点で今時代に合わなくなったのか、それを具体的に総括されたのかどうかということでございます。現実に、技術競争力の評価は、今各国で出ているものを見ましても、日本の相対的な低下は非常に著しいものがあります。先ほど申し上げましたように、国際競争力についてはもうどんどん低下の一途をたどっております。
 そこで具体的に、もう一回、今までやってきたことが果たしてうまくいったのかどうか、そして、それを引き継ぐ形で今回の法改正によってそれがうまくいくのかどうかをちょっと考えてみたいと思います。
 基盤技術センターは、御承知のように、二千七百億円の出資をしました。年間約二百六十億円を毎年使い続けました。それによって回収された資金は皆無、ゼロでございます。それから、現在十五社の成果管理会社、すなわちもう終わったという会社ですが、百九十六億円の欠損金、さらに、ほとんどの事業が成功しておりませんので、二千七百億円の出資のうちのほとんどが欠損金として出てくるという状況であると思います。この制度は、そもそも出資をすることによって利潤とか配当を得よう、そしてさらに基盤技術の投資を広げていこうというのが趣旨でございましたが、当初の目的と違って、今申し上げましたように、センターの回収資金はゼロでございます。一体全体何が起こったのか。
 今総務省に指摘をしましたように、基盤技術をやって、これを起業化して回収していくという方向ではなくて、全国にお金をばらまいてそれで終わり、それで全部それは欠損金になって上がってくる、こういうことが行われたわけであります。これは経済産業省にいただいた資料で、多少成果は上がったじゃないかというのがございます。しかし、毎年二百六十億円もお金を使って、それはマネジメントはどうであれ、多少の成果が上がらなければおかしいので、このセンターが正しく機能してこのような成果が上がったとは私は言いがたいと思います。
 それからもう一つ、研究開発組合というのがございます。研究開発組合は、サンシャイン計画、ニューサンシャイン計画で進められたものでございます。今度の改正後、NEDOは、この研究開発組合に委託をして研究を続けていくという予定でございます。
 大臣にお伺いしたいのですが、研究開発組合は、過去三十年間約百十三の研究組合ができました。八十七は既に解散しております。この三十年間の研究開発組合の成果について何かコメントがございましたら、お願いいたします。
#14
○中山副大臣 技術研究組合についてのお尋ねでございますけれども、昭和三十六年に制定されましてから、これまで百五十七件の技術研究組合が創設されました。
 例えば、半導体製造技術の基礎を確立した超LSI技術研究組合や、金属並みの導電度を有し、安定的かつ加工の可能な機能的高分子材料の研究開発を実施した高分子基盤技術研究組合、原子、分子レベルでの観察、操作技術等の研究を行い、ナノテクノロジーの地歩を築いた技術研究組合オングストローム研究機構等が活動してまいりました。
 他方、アメリカにおきましても共同研究開発を支援する制度に対する期待が高まりまして、一九八四年に国家共同研究法を成立させましたけれども、これは日本におきます研究組合の考え方を導入したものだ、このように言われておりまして、アメリカの産業界は素早くこの法律を上手に利用いたしまして百以上の共同研究コンソーシアムを設立させた、このように聞いております。
 このようなことから、限られた資金や研究人材を最も効率的に活用して技術水準の向上を図るためには、研究組合形態を含む共同体制による試験研究を推進することは適切な方法の一つ、このように考えておるところでございます。
 もちろん、その場合におきましては、適切なテーマの設定とか、あるいは役割の分担、責任体制、成果帰属、全体のマネジメント等が研究開発の成否を決することは明らかでございまして、今後の民間基盤技術研究支援制度におきましても、テーマの選定時等におきまして、研究体制についても十分勘案した見きわめがなされるべきものだ、このように考えておるところでございます。
#15
○山田(敏)委員 私がお尋ねしたかったのは、今までのことを、成功したのか失敗したのか、その原因は何かという分析をされたことはございますかという質問なんですが。
#16
○中山副大臣 今回の基盤センターの改正等におきまして、民間の方々も入れましてそういった評価についての検討を行いまして、その結果、今回提案しております改正をお願いした、こういうことでございます。
#17
○山田(敏)委員 では、今まで余りうまくいかなかったということを今お認めになったと思うんですが、実は、経済産業省の担当者の方に何回もお伺いしました。研究開発組合についてその評価はどうなんだ、成功したのか失敗したのか、うまくいったのか、そのいかなかった原因は何なのかということを何人にもお尋ねしました。答えはございません。これについて省内で総括が行われておりません。
 したがいまして、やむを得ずいろいろ探しました。後藤晃先生という一橋の先生が、「日本の技術革新と産業組織」という本をお書きになっております。この中で、日本の研究組合というのはどういうことが行われたのか、そしてそれは結果としてどういう評価があるべきなのかということが詳しく書いてございます。経済産業省の方から今全然お答えがいただけませんので、これについて多少御紹介いたします。
 まず、共同研究をするということがどういうふうに行われているのかという実態のアンケートをされました。企業は、ライバルの会社、すなわち同じ業界の会社と共同研究するということはまずやらない。一般的な共同研究の場合一九%しかない。それから、たくさんの、五社以上でやるというのが五・八%しかない。すなわち、ライバル企業を入れないで、自分のライバルでない会社、しかも少数の会社でやるというのが、今まで日本の会社が、民間が行ってきた共同研究の実態であります。
 こういう特殊さです。これはもう明らかに考えればわかることですね。会社にとって、技術を開発されるとそれによってマーケットが一変しますので、できるだけライバルには知らせないように、そして身内の、関連の会社だけでやろう、そういう傾向があるわけですね。
 通産省を初め国が行ってまいりました研究開発組合について、いろいろ分析をされたわけですけれども、そのような中で、結論として、これは政府の補助金の受け皿である、要するに方便で技術研究開発組合ができている、そのチャネルにすぎないという点、それから、非常に成功の見込みの少ない、商業的な研究を納税者の負担で実行することの正当性が問われなければならないというふうに結論されております。
 簡単に申し上げますと、ここにいろいろなケースがあります。技術研究組合に入っている会社、今国が行っている研究組合は、民間の実態とは違って、ライバル同士の会社が集まってやっているわけですね。会社が研究組合に入る目的は、他社のライバル企業はどの程度開発が進んでいるかということを探りたい、それから第二の目的は、自分の会社でやっている研究開発についてはできるだけ相手に知らせたくない、こういう企業が集まって技術研究開発組合というのをやって、政府から補助金を受けてやってきたわけですね。ですから、出発する時点から、この研究開発組合によって目標を持ってこれを必ず開発するというところを逸しているわけでございます。これがこの先生の分析でございます。
 今経済産業省からその分析についてお答えいただけませんでしたので、お答えさせていただきます。
 実際どういうことが起こったかといいますと、例えば風力エネルギーでございます。これは新エネルギーでやられましたけれども、二十一年間共同研究という形でやられました。
 それから、燃料電池は、いろいろな燃料電池があるんですが、十八年間、これは技術研究組合でございます。約五百億円。このケースでは、電力会社九社、すなわち今言いましたようにライバル会社がみんな入ってやったわけですね。ガス会社が三社、そのほかにたくさんの会社がこの研究組合に参加している。この分野について、当初目的とした世界をリードする研究成果というのは恐らく十八年間の中で出てきていないと思うんですが、そういう評価でございます。
 今の点について、大臣、何かコメントがございましたらお願いいたします。
#18
○平沼国務大臣 確かに分析という中でそういう評価もあるかもしれませんけれども、やはりライバル会社が組合をつくってやるから効果が上がらないということは一概に言えないと私は思います。
 したがって、今燃料電池なんかを例にとられて、余り見るべきものはなかった、こういう御指摘ですけれども、しかし、それだけの期間一生懸命そういう形で研究をしたということは、やはり基盤技術の強化には役立っているし、それが、燃料電池もいよいよ実用化になりまして、燃料電池の実用化推進協議会、こういうものが今般発足をいたしました。ここには八十七社が参画をして、これから本格的に取り組んでいこうと。これは、やはり日本のそういう燃料電池の技術というものが非常に確立をされてきつつあるという中で、海外からの企業も参画をする、こういう形に相なってきておりますし、私は、全くゼロ、こういうことじゃなくて、やはりその中で、技術ですから、一生懸命蓄積したものがだんだん固まってきて、そしてこれから花を開いていく、そういうものもあると思います。
 ただ、山田先生が御指摘のように、そういう意味で、やはり地方に分散したりでなかなか思った成果が上げられなかったりという側面はあるかもしれませんけれども、全体的に見れば、それをどぶに捨てるようなものではなくて、やはりそこで技術者が最先端ではまじめに取り組みつつ全体のレベルアップにはつながっている、そういうふうに私は思っております。
#19
○山田(敏)委員 ここに、ニューサンシャイン計画、大型風力発電システム開発、これの産業技術審議会評価部会の評価委員会の報告書がございます。すなわち、大型風力発電システムの評価、今まで研究開発が行われてきた評価がされているわけでございます。私、この評価を読みまして、改めて評価委員会の評価をしなきゃいけないと、要するに、ここに書かれている評価が正しい評価が行われていないということでございます。簡単に申し上げます。
 まず、運営、マネジメントはどうだったのか。今言いましたように、非常に長期間にわたって風力発電が研究されたわけですが、プロジェクトの運営はおおむね妥当であったと判断されると書いてございます。それから、いろいろな評価については、目的は達成された、妥当であったというのが評価なのでございます。
 しかし、今、御存じのように、風力発電については、日本の技術レベルはヨーロッパに比べて約十年間おくれております。今北海道で行われようとしております日本鋼管のウインドファームなんかも、この間ヒアリングいたしましたが、この技術、材料はすべて、一〇〇%オランダ製でございます。日本の技術では太刀打ちできる部分はもう何もないという状況でございます。さらに、このプロジェクトで目標といたしました発電コストでございますが、ヨーロッパの技術では既に五円とか七円とか、数カ月の間にさらに二〇%コストダウンができたとか、もう既に日本ははるかかなたにおくれていってしまったわけですね。
 それがこの評価委員会の評価であるべきで、そこに何が原因でこういうことになったのか、巨額な国の税金が使われて、その結果何が原因であったのかというのが書かれているのがこの評価委員会だと私は思って読んだんですが、今申し上げましたように、おおむね妥当であったという結論でございます。
 そこで、風力発電を例にとりまして、では日本の技術開発は何で十年間ヨーロッパにおくれたのかというのは、大臣御存じのとおり、ドイツでは十年前に電力の買い取り義務というのを法律で決めたわけですね。その時点では、確かに、ここに書かれた、目標とされた風力のコストとか設備投資のコストとかいうのは高かったわけですが、電力の買い取り義務というのを導入してどんどん下がっていったわけですね。その結果が、御存じのように、ドイツでは七百万キロワットという非常に大規模な、オランダ、デンマークもそうですが、産業としても三千億円から四千億円のマーケットができて、数万人の新たな雇用が生まれて、そして今やデンマークなんかは国際的な大企業ができまして、風力ビジネスとして、アメリカ、日本、大変な産業として成長しております。
 この段階に来て初めて、このサンシャイン計画でやった研究開発の方式というのを、どんどん世界が進んでいっているときにこれをやり続けたわけですが、やっている間に、こういうものは詳しく読むとわかるんですが、ああ、どんどんヨーロッパに比べておくれているな、五百キロワットのものをやろうと思ったら、もう既にヨーロッパでは商業化されている、日本では今から研究開発をやるというようなことが書かれております。
 ですから、このやり方そのものが、やること自体が、どんどんお金を使うだけで、結果的にここにできた成果は世界的にも日本の中でも通用しない、何にも役に立たないものになってしまったわけですけれども、その時点でやはりマネジメントというのが非常に大事だったんじゃないか。そして、日本ではそういう政策をとられなかったわけですから、これはもうやめよう、幾らやってもだめだ、あと三百億使ってもドイツやデンマークにかなわないというのは早い段階でわかったわけですから、普通のマネジメントでしたら、これはもうやめた方がいいというところでございます。しかし、これはずっと続けられてこういう結果になったわけです。
 大臣、今我が国がやろうとしている技術開発は、ほとんど国際競争力から見て、国際的な競争ができるかどうかということでやっているわけですから、国の政策がこういうふうにしっかりバックアップされていないと、ただ研究開発をやりましょう、重点的にやりましょうということであればほとんど成果はない、それからもう一つ、やはり勇気のある迅速な決断をやらないと大きな税金のむだ遣いを起こしてしまうということがあると思うのですが、その点についてはいかがお考えでしょう。
#20
○平沼国務大臣 風力発電のことで大変詳しい山田先生からの御意見を承りました。ただ、これまでサンシャイン計画でやってきた、それが全くゼロであったというような御評価というのは、私は非常に残念な気持ちで聞いているわけであります。
 確かに、ドイツでありますとかデンマークというのはそこのところを非常にインセンティブを与えるような政策で、現実は今おっしゃったように五百万キロワットを超えるような実用化になっております。しかし、我が国といたしましても、それなりに一生懸命にやってまいりまして、そしてこれからそういう成果というものを今まで培った土台の上に強力にやっていこう、こういう段階に今あるわけであります。
 確かに、御指摘のような、インセンティブを与えるというような面ではヨーロッパに比べていろいろな事情からおくれていたということは私は認めざるを得ないと思います。しかし、冒頭に申し上げましたように、全くそれがむだであったということではなくて、現実に北海道を中心として、まだゼロが一つ少ないけたでございますけれども、日本もこれからそこのところに力を入れていくという基盤はできてきているわけであります。
 そういう反省の上に立って、御指摘の点も踏まえて、これから新エネルギーというものは力強く開発していかなければなりませんから、我々としてもそこのところは力を入れてやってまいりたい、このように思っています。
#21
○山田(敏)委員 風力エネルギーについては一言だけ最後に申し上げますが、風力発電は日本ではこれから進んでいくという見通しは今ほとんどなくなってしまいました。原因は、電力会社が買い取りを拒否する。ですから、法律で買い取り義務をつけて、総括的に自然エネルギーの開発をやらないと日本の風力発電はこれから先伸びないというふうに思います。
 それでは次に、今研究開発組合のことについてお尋ねいたしました、基盤技術センターのことについてもう少し総括をお願いしたいと思います。
 今申し上げましたように、当初この基盤センターというのは、基礎技術を日本の民間企業にどんどんやってもらおう、そして成果を上げて、その出資に対して配当を受け取るとか利潤を受け取るという方向でやっていったわけですが、現実には、先ほど申し上げましたように、二千七百億円の出資のうち回収資金はゼロである、さらに欠損金がどんどんこれからふえていくということでございます。この点について経済産業省の所感をお願いいたします。
#22
○中山副大臣 基盤技術センターのこれまでの仕事に対する評価の質問でございますけれども、過去十五年間の基盤センターの出資プロジェクトの総括的な評価ということにつきましては、これまでセンターは、民間が取り組むべき基盤技術研究に対しまして、出資や融資等によります支援を通じて、さまざまな研究成果や波及効果をもたらし、新たな市場創出にも貢献してきた、このように考えておるところでございます。
 具体的には、国際電気通信基礎技術研究所、ATRや生物分子工学研究所、BERI等の世界的に評価の高い研究所の輩出とか、あるいは約二万件の論文、約二千件の特許登録等の知的資産も形成されました。また、プロジェクトに参加した研究者によるベンチャー企業の創業とか、あるいはポスドクの受け入れ等による人材の育成、産学連携の促進、そしてまた特許権の実施許諾等を通じた製品化等の成果をもたらしておりまして、総括的に見まして、我が国の基盤技術の向上の観点から有形無形の成果を上げてきた、このように考えておるところでございます。
#23
○山田(敏)委員 ただいま申された成果は、先ほど申しましたように、年間二百六十億円も使い続ければ、これはセンターでやらなくても、どこでやっても、私がやってもその程度の成果は出ます。
 そうではなくて、今申し上げたのは、当初、二千七百億円の出資金に対して、研究開発会社をつくってやったわけですが、それについてリターンを得て、それでさらに基盤技術を広げていこうというのがこのセンターの趣旨でございます、これについて全く回収がゼロであったということ、それについてどう思われますかという質問です。
#24
○中山副大臣 全くなかったということではございませんで、約二十五億というような帰属もあったわけでございます。それは少ないではないかと言われれば確かにそうでございますけれども、先ほど答弁いたしましたように、やはり全体としてそういう基盤が広がった、そういう意味の評価をしている、このように考えていただきたいと思います。
#25
○山田(敏)委員 それでは、今の御答弁では、当初の目的は全く達成されなかったというようにうかがうことができますが、それでよろしいでしょうか。
#26
○中山副大臣 お答えいたします。
 この評価につきましてはいろいろな御意見もあろうかと思いますけれども、当初、日本の基盤的な技術水準を高めよう、あの当時、アメリカに比べまして相当おくれているな、あるいはまた基盤的な技術につきましてただ乗り論とか、そんなことがあったわけでございまして、全体として底上げをしようということが一つのテーマであった、そういう面からは効果があった、このように考えておるところでございます。
#27
○山田(敏)委員 わかりました。それでは、出資をして回収するということでは全くだめだったけれども、基盤技術の底上げには多少貢献した、こういう理解をさせていただきます。
 今、基盤技術に非常に貢献したということでございますが、個々のプロジェクトを一回ちょっとごらんになっていただきたいと思います。百七、そして八百億円の融資をされたわけですが、恐らく数百のプロジェクトがあったと思います。このプロジェクトリストというのがございますが、これをごらんになっていただければわかると思うのですが、ほとんどが大企業でございます。そして、非常に少ない企業の共同研究に使われております。
 このような基盤技術というのは、大企業が中心になっていることでございますけれども、実は、中小企業、あるいは全く会社を持っていない方が非常に革新的な特許を持っていらっしゃったり、それからいいテーマを持っていらっしゃるということでございます。実は、この基盤技術センターの制度では、そのような中小企業や、あるいは会社というものを持っていらっしゃらない方については、全くこれは取り上げられないシステムになっております。
 これは、出資をする場合に、ある程度財務的に、経理的に確立された会社でないとだめ、あるいは、融資をされる場合には全額担保を出してください、五千万借りるときは五千万の担保を出してください、こういう制度でございます。
 たくさんの応募がございました。数字は手元にありますが、その中の、今申し上げました基盤技術、基礎技術について、これは大企業だけではなくて中小企業も大変あるわけですけれども、結果的にこのような会社は全部制度的に外されて、せっかくの技術が行われなかったという点がございます。その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#28
○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 このセンターの、最初の法律の制度をつくるときの国会での議論にも御指摘がありますが、もちろん中小企業を制度として排除したものではなくて、中小企業の研究能力が活用できれば活用したいという考え方であったわけでございます。
 ただ、先ほどからございますように、対象は基礎技術、応用技術、基盤技術でございますので、中小企業側の持っている研究能力との関係で、先生御指摘のように、中小企業の方が参加したプロジェクトの採択が非常に限られていたというのは事実でございます。
 私どもの調べたところによりますと、四百社ほど参画しているわけでございますが、その中で三十社ほど中小企業に当たる社が株主として参画され研究に当たられているようでございますが、非常に限られているということは御指摘のとおりでございます。しかしながら、基盤技術でございますので、ここで出てきた成果を利用していくということで中小企業も受益してくるということを期待していたところでございます。
#29
○山田(敏)委員 実質的に成果を上げてそれを中小企業に及ぼしていこうという今御答弁でございますが、実態的には成果が上がらなかった。上がっていれば、そのような売り上げも、出資金の利益も配当もあったわけですから、実際十五年間そのようなものはなかったということでございます。
 それから、このリストで一つ一つ見てみますと、大企業に研究開発の一つのテーマを出して、それに対してお金を上げる。最初に申し上げましたように、ほとんどの会社が既に今整理、清算をするという状況になっておりまして、出資金がほとんど全部欠損金になるわけですが、ということは、大企業は、出資金として受け取ってそれを使ってしまった、そして欠損金になりました、それで今成果は余りございませんという状況になっております。今後、この欠損金が恐らく二千億近くになると思います、どんどん広がっていくと思いますが、それについてどういうふうに処理するお考えでしょうか。
#30
○日下政府参考人 センターの累積の欠損について、あるいはその処理についてお尋ねでございます。
 もちろん会社をつくりました際には、民間の方からプロジェクトの提案があって、センターの方は七割でございますが、民間の方も三割出資をして、その両方の出資が経済的価値として研究に使われて実態がなくなっているケースが多いというのが私どもの直面している実態であるわけでございます。
 今までの解散しました十五社の成果管理会社の残余財産からの回収によりまして、今まででございますと、センターからの出資金額の二百三億のうち七億円が回収されてきているところでございます。今後、この研究開発会社を解散させることによりまして、残余財産の回収を行うこととしております。
 残余財産の中身を見てみますと、もちろん社会にとって重要な研究成果があるわけですが、経済的な成果ということで申しますと、御指摘のように特許権が主体でございます。このような特許権を客観的に評価して適切な価格で売却を行うとともに、その他の保有資産につきましても同様に売却処分などを進めることにしまして、資金回収に努めていきたいと考えております。
 その結果につきましては、先ほどちょっと御紹介しました、従来の既に解散しました十五の会社の事例から見ましても、出資金の大半が欠損金として計上される可能性も考えられるところでございます。
 このように、欠損金ということになりましたら、これはセンターに対する政府及び政府以外の者からの出資金を減資して処理することになろうかと考えております。
#31
○山田(敏)委員 今後の進め方でございます。これをNEDOに移して、今までどおり基盤技術の募集を行ってこれに委託していくというやり方では、これまでの十五年間の反省なり総括がほとんど生かされていないのではないかなと思います。
 最初に申し上げましたように、アメリカの政府の研究開発というのは、NSFという一つの組織ですべての国の研究開発をコントロールする、そしてそれを早い判断で、二年とか三年とかで判断して、だめなものはだめ、やるものはどんどんやっていく、そして集中的な動かし方もスピードを速くしていく、そういうことが日本では行われていないわけですね。
 今申し上げましたように、このセンターでも、総務省と経済産業省と別々のやり方でやる。さらに、似たようなものが農林省それから厚生省、同じようにこの制度でやられておる。どんどん縦割りされ、そしてその中身が、今総務省のケースで申し上げましたように全国にばらまかれる。そして、それで何が得られたのか。リターンはありません、それによって企業化もされませんというような状況でございます。
 大臣、アメリカのこのNSFによる国の研究開発の進め方についてどのような御意見をお持ちですか、お聞かせください。
#32
○平沼国務大臣 今、山田先生から米国のNSF、全米科学財団、この例が挙げられまして、日本もこのように統合して技術開発を行うべきではないか、こういう御指摘でございました。
 NSFというのは、バイオやITを初めとする幅広い研究分野を対象に、大学機関に対する基礎研究を中心に助成を行っている、このように承知しています。またNSFというのは、一九九九年度予算では二十七億ドル、こういうものを計上しておりますし、アメリカにはこのほかにも、NIH、国立衛生研究所、これは百六十億ドルを投じておりますし、また国防省は三百八十三億ドル等、それぞれ集中的に技術開発を実施している、こういう例があります。
 我が国においては、御指摘のように縦割りの中でそれぞれやっていた、こういうことは私は御指摘のとおりだったと思っております。そういう意味からも、ことしの一月に総合科学技術会議というものを発足させまして、国の全体的な科学技術政策の推進の司令塔としてそれを位置づけて、総合科学技術会議のイニシアチブのもとで、縦割りという弊害を排しながら、国全体からの視点に立って、私もそのメンバーでございますけれども、各省庁が行っている技術開発について、それをどういうふうに重点化していくかとか、あるいはどういうふうに調整するかとか、戦略的な技術開発を実施する、こういうことになりました。
 経済産業省といたしましても、総合科学技術会議に協力をして、政府一体となって、今御指摘の点も踏まえさせていただきまして、これからの技術開発に取り組んでいかなければならない、このように思っております。
#33
○山田(敏)委員 総合科学技術会議の答申案がここにございます。これを全部読みましたけれども、非常にわかりにくい。はっきりしない。何をやるのかわからない。具体的に、統合するのであれば予算を全部ここに一元化するのかというと、そうでもない。
 特に、今回の基盤技術センターの法律案の改正でNEDO、TAOに移されるわけです。その中で、今後基本方針をつくりますということが法律に書かれております。基本方針はだれがつくるかというと、総務大臣と経済産業大臣の二者だけで基本方針をつくって基盤技術研究の促進に当たりましょうということが書かれております。今御答弁いただきましたように、その総合科学技術会議で国の方針を決めてやるんだと。一方で、この基盤技術については総務大臣と経済大臣の二者で話し合って決めましょうという法律的な根拠でございます。
 そこで大臣にお伺いしたいのですが、総合科学技術会議、だれにもよくわからない内容になっておりますけれども、この中で、基盤技術の基本方針との関係、あるいはどういうふうにそれをやっていくのか、その点はいかがでございましょうか。
#34
○平沼国務大臣 それは、総合科学技術会議というものも発足をして動き出しておるわけではございますけれども、私も総務大臣もそのメンバーでございまして、そして、総理大臣が中心になって国の基幹的な問題についてそこで方向を決めていく、こういうことになっておりますから、私どもと総務大臣と一応方向を見つけて、やはり総合技術会議に諮って決めていく、こういう手順に相なると思っております。
#35
○山田(敏)委員 明確な答弁を期待していたのですが、ちょっとよくわかりません。
 いずれにしましても、今までの技術開発が非常に縦割りで、ばらまきのやり方で、その結果日本の技術競争力は、いろいろな評価が出ておりますが、どんどん落ちている。ここで政府は、日本の投資は、八割は民間でございます、二割しかありませんので、この貴重な財源を使ってやはり抜本的に考え直す、この制度そのものをやりかえるというような努力が今必要でないかと思います。
 そして、今言いましたように、研究開発組合とか、このようなやり方をもう一度、基本方針をやり直していただきたいと思っております。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#36
○山本委員長 鈴木康友君。
#37
○鈴木(康)委員 民主党の鈴木康友でございます。質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、一つの調査の結果からお話を始めたいと思うのですが、これは一九九五年に米国の商務省が行った調査があります。これによりますと、三十八のいわゆる画期的な商品と言われるものを選び出しまして、それがどのように製品化をされていったのかということを調べたわけでありますが、この中で、日本が新製品として商品化したものはたった五%、米国が七二・五%。そして、その製品の発明国となっているものについては、日本がゼロで米国が七九%という結果が出ているわけであります。
 八〇年代の前半からいわゆる基礎研究ただ乗り論というものが出されてバッシングが行われて、日本がそれ以来さまざまな形で基礎研究を充実させなければいけないということでいろいろやってきたわけでありますけれども、こうした結果を見ますと、余りその成果があらわれていないんじゃないかというふうにも思うわけであります。
 まずこの点について、大臣に率直な感想をお伺いしたいと思います。
#38
○平沼国務大臣 ただいま鈴木先生から、具体的な数字をお示しになられまして、日本の技術開発、成果が上がっていないのではないかという御指摘がございました。
 今委員の示された数字というのは、やはりアメリカのひとり勝ちのような、そういう数字でございまして、そのほかの国は大体日本と横並び、こういうようなことも側面から言えると思っております。
 現在の基盤技術力とこれまでの取り組みに対する評価、そういうことについてのお尋ねだと思いますけれども、同センターは、民間が取り組む基盤技術研究に関する出資や融資などによる支援を通じて、世界的に評価の高い研究所の輩出や論文や特許登録等の知的資産の形成、そして関連ベンチャー企業の輩出などの研究成果や波及効果をこれまで上げてきたとは思っております。
 これらにより、いろいろ御指摘がございますけれども、日本総体で言うと、この基盤技術センターを含めて、やはり総体的には基盤技術の向上は図られてきたのではないか、こう私は思っております。
 今御指摘のように、アメリカが官民を挙げて一層積極的に取り組んでいる現状においては、この数字にもあらわれておりますように、我が国の産業技術力の相対的低下も懸念をされております。我が国の取り組みは、そういう意味では、御指摘のようにまだまだ十分ではない、こういうことは言えるわけでございまして、産業技術力の強化に向けて、今後、官民挙げて一層強力な取り組みはしていかなければならないと考えております。
 そういうことで、御指摘の点は確かにあったと思っておりますけれども、私は、日本というのはポテンシャリティーはあるわけでありますから、やはり過去の反省の上に立って、これから官民挙げてきっちりと取り組んでいけば必ず成果が上がってくる、このように思っておりまして、全力を尽くして頑張ってまいりたい、このように思っております。
#39
○鈴木(康)委員 日本のポテンシャリティーの件に関しては、私も大臣と全く同感でありますけれども、確かに、技術に対してどういう評価を下すかということはなかなか悩ましい点であるわけでありますけれども、ちょっと別の観点からお伺いしたいと思います。
 日本のいろいろな研究開発がうまくいかないということの一因に、政府が研究開発に余り投資をしない、はっきり言うと、お金を使っていないんじゃないかということが挙げられるのではないかと思います。
 よく言われるように、日本は、公共事業の対GDP比を見ますと、諸外国に比べて圧倒的に高いわけであります。しかし、研究開発に対する政府の支出を見ますと、平成十一年度の実績で三兆五千三十七億円、これは対GDP比でたった〇・六%、主要先進国の中で、英国に次いで低い数字となっているわけであります。
 この政府の支出の中身のアンバランスというものを見ますと、非常に大きなひずみを感じるわけでありますけれども、この点、大臣はいかがお考えでしょうか。
#40
○中山副大臣 我が国の研究開発投資水準が低いのではないか、こういう御指摘でございますが、九〇年代半ばごろまでは、確かに、GDP比率におきまして、〇・六%程度で推移してまいりました。それに対しまして、欧米諸国が九〇年代初頭までは一%前後を継続してまいった、そのとおりでございます。
 このため、これまで日本政府一丸となりまして政府研究開発投資の拡大に努めてまいったところでございまして、この結果、近年、ようやく我が国の政府研究開発投資の対GDP比率は欧米とほぼ同一水準まで近づいてきたということでございます。
 しかしながら、科学技術創造立国を目指します我が国といたしましては、まだまだ現状では不十分であるという認識のもとに、科学技術振興の努力を今後とも行っていくという観点から、本日閣議決定されました新科学技術基本計画の期間中、これは平成十三年度から十七年度でございますけれども、この間に対GDP比一%を目指すという前提を置くこととされたわけでございます。
 経済産業省といたしましても、必要な分野に必要な投資がなされるように、政府全体の取り組みの中で最大限の努力を払っていきたい、このように考えているところでございます。
#41
○鈴木(康)委員 今御答弁があったわけでありますが、技術開発の中身も選択と集中ということが必要だと思いますが、今の日本の厳しい財政状況を考えますと、財政全体でも、やはり戦略的に選択と集中ということが必要だと思いますので、この点をぜひ御考慮いただきたいと思います。
 今の点にもちょっと絡むのですが、今日本が大変に厳しい財政状況にあることは、皆さんも御承知のとおりだと思います。こうした中で、これから研究開発投資をどう行っていくかということについても、先ほど来御指摘があります選択と集中という考え方の中で、例えば、今後、新産業の土台となるような技術の開発を行っていく、こういうことも大変大事だと思います。
 また一方で、国家の方も戦略的な観点からやっていかなきゃいけない、国がリードしてやっていかなきゃいけないというような技術開発もあると私は思います。例えば、原子力研究などがその一例に当たるのではないかと思います。
 今、原子力研究というのは非常に不人気だというふうに聞いております。このことは、科学史が御専門であります村上陽一郎先生なんかも御指摘をされまして、非常に嘆いておられるわけであります。
 原子力技術というのは、これから原子力を推進していくということだけではなくて、例えば、廃棄された炉をどうするかとか、あるいは核廃棄物の処理の問題に対してどう対応していくかといったことがこれからどんどん起こってくるわけでありまして、そうしたものに対応するためにも、やはり継続して原子力研究というものに力を入れていかなきゃいけないと私は思います。こうした分野が非常に人気がなくなって研究者が減っているということは、非常に残念なことであると私は思います。
 こうした原子力というような分野だけではなくて、ほかにも、ほっておけばどんどん衰退をしていくような研究分野、しかしながら国の将来を考えれば必要な研究分野というものが必ずあるんだろうと私は思います。こういう分野こそ、国がしっかりとリードしていく必要があると私は思いますが、いかがお考えでしょうか。
#42
○平沼国務大臣 大変力強い御指摘をいただいたと私は思っています。
 国民が豊かな暮らしを享受する、それには、新しい産業を創出し、それを発展させていかなければならないと私は思っています。そういう意味では、技術フロンティアの開拓への取り組みとともに、今御指摘の原子力のような我が国の社会の基盤を現在支えている技術分野、これに対する取り組みも重要だと私は思っています。
 ですから、そういう意味で、今御指摘になられました、例えば廃棄物の処理の技術の向上でありますとか、あるいは将来、夢のエネルギーと言われているような核融合、これの効果というものはいろいろな面で科学技術の応用に役立つ、そういうことも考えられますので、私は、今委員から大変力強い御指摘をいただいた、このように思っております。
 そして、我が国が取り組むべき科学技術の基本的な課題につきましては、ちょうど本日でございますけれども、平成十三年度からの五年間の科学技術振興の基本となる科学技術基本計画、きょう私も朝閣議に出ておりましたけれども、決定をされたところでございます。
 その基本計画の中で、今、先生御指摘のような、我が国が重点的に取り組む分野として、これからそういうことを一生懸命取り組んで、そして日本の総合科学技術力をつけていく、そのために必要な分野としては、やはり一つは、ライフサイエンス、この分野でありますし、また情報通信、これも、やはりITの時代と言われておりますから、ここの分野も力強く取り組んでいこう。
 また、二十一世紀というのは、環境問題をいかに克服して、そして、どっちかというとマイナスに見られていた環境問題というものを技術力によってプラスの成長エンジンに変えていこう、こういうことで、環境の問題、こういった技術開発というものもこの基本計画では重点的に取り組んでいこう。
 それから、日本の得意な分野でございますけれども、ナノテクノロジー、非常に微細な、大変高度な技術、これも経済産業省の技術研究所の中で大変高いレベルで今研究が進んでおります。そういったことも一つの基礎として、基幹的な問題として取り組んでいこう。さらには、そのナノテクノロジーに関連して、材料分野、こういったことも日本の大きな潜在力に結びつけて、この発展を期待できる。そういうことでやっていこうという形で基本計画が取りまとめられております。
 また、エネルギー分野を初めとする、国の存立にとって基盤となり、国として取り組むことが不可欠な技術領域、これを有する分野、これは原子力を含めて、私どもは取り組んでいかなければならないと思っております。
 そういった形で、基礎的なこれからの技術というものはそういうところに重点を置いて取り組んでいこう、こういうふうに考えております。
#43
○鈴木(康)委員 技術の問題というのは、時代の一つの流れや風潮というものが大きくあると思うんです。人気はないけれども非常に重要な技術分野、科学分野というようなことに関しては、やはり総力を挙げて、研究者の確保を含めて、行っていっていただきたいというふうに思うわけであります。先ほど山田委員も指摘をされていましたけれども、これから縦割りの壁を少し取り除いて、総合的に科学技術開発の政策を行っていかなきゃいけない。大臣が総理になられたときには、そういう観点でぜひ積極的に推進をしていただきたいというふうに思います。
 さて、今回のテーマになっています基盤技術研究促進センターについて、少し各論に入ってまいりたいと思います。
 まず、このセンターができたいきさつについてでありますが、当時、NTTの株、この配当金をどうするかということが非常に大きな問題になっていた。その中で、郵政省と通産省がその綱引きを行って、これをどっちが使うんだということの中で、当時行財政調査会の会長をされていました橋本龍太郎氏がある意味で仲裁裁定を行ってこの基盤技術促進センターに集約をされたというような経緯があると伝えられているわけであります。
 もしこれが本当だとすれば、今回いわゆるNEDOとTAOに事業が引き継がれるということは、もとに戻って、権益が二分割をされることになるというふうに思うわけでありますが、そういう面があるのかどうか、御回答をいただきたいというふうに思います。
#44
○日下政府参考人 新たな業務をNEDOとTAOの二機関が行うことについてのお尋ねでございます。
 産業技術力の強化に資する知的資産の形成を目指した、委託契約による支援制度を創設することを目指しているわけでございます。これは、今までのセンターが事業を開始する段階では、実は、NEDO自身は存在しておりましたが、産業技術の面での役割は付与されておりませんでした。TAOも、その後創設された機関でございます。そういう面で、センター創設後、技術開発についてノウハウを有するNEDO及びTAOが育ってきたという実態がございます。そういうことで、今回、委託制度を創設するに当たって、知見を蓄えてきているNEDO及びTAOに行わせることが効率面からも最も適切であると考えたわけでございます。
 この見直しに当たりましては、そのような観点から、当省及び総務省が、合同で審議会を開催するなど、共同で当たってきているところでございます。大臣からも御説明申し上げていますように、新たなNEDO及びTAOが基盤技術の研究促進業務を行うに当たっての基本方針につきましても、経済産業、総務両大臣が共同で策定するということで、両機関が有機的な連携を図りながら進めることを予定しているものでございまして、ばらばらの二つの機関に任せるというような実態にはならないと考えております。
#45
○鈴木(康)委員 今御回答をいただいたわけでありますが、今の御回答でいきますと、私は、一つの機関に集約をしてもいいんではないかな、何も二つにきれいに分割をする必要はないんではないかということも感じるわけであります。
 別の面からちょっと御質問したいんですが、例えば今回の十三年度の予算の中で、産業投資特別会計、産投会計において、NEDOの業務追加のために百三十億円、また一方で、TAOに対して業務を追加するために百三十億円、きれいに同額で予算が計上されているわけであります。これを見ますと、やはり両省横並びということを思わず勘ぐりたくなってしまうわけでありますけれども、この百三十億ずつ同額の予算計上をしたという根拠を御回答いただきたいと思います。
#46
○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 NEDO及びTAOはそれぞれの分野での研究開発について蓄積を持っている、TAOはTAOで、通信面の委託をするに当たりましても、評価をしたり目標を設定したりするのに蓄積を持っているという、それぞれの専門性が背景にございます。
 NEDO及びTAOで十三年度のそれぞれの必要経費を見積もりまして、NEDOの場合には、委託事業費を十三年度三十億円とする、新制度の運営、これは人件費などの諸経費でございますが、これに充てるべきものとして出資する基本財産百億円を充てるということでございますし、TAOの場合には、委託事業費が六十四億円、十三年度予算に計上されたわけでございまして、基本財産は六十六億円、それぞれ必要な額をお願いしたところでございます。
#47
○鈴木(康)委員 多少中身は違うんですが、足すと同額の百三十億円になったということであるようであります。
 ちょっと朝日新聞の記事を引用させていただきたいと思います。
 朝日新聞の記事によりますと、当初この仕組みをつくったときに、本来なら一般会計から補助金を出すのが筋で、基礎研究に対し特許料収入で回収するなどということは無理があることはわかっていたが、当時一般会計には厳しいシーリングがかかっているし、八〇年代の当時ですね、技術開発予算ということであれば各省の草刈り場になってしまうし、チェックも厳しくなるので、産業投資特別会計を利用した出資形態にしたという関係者のコメントが出ておりました。
 当初、基礎研究に対して、その成果から出資金を回収するということを本気で思っていたのかどうか。そして、その前提で、補助金でないこの仕組みを採用したのかどうか。この点について御回答いただきたいと思います。
#48
○日下政府参考人 出資制度にした理由でございます。
 やはり民間における研究開発、民間のイニシアチブによる研究開発を基盤技術の面でも期待したいというのが当初のねらいでございましたので、民間企業のマネジメントのもと、出資制度でございますと、費目、使われ方についての細かい制約がないという利点もございますので、比較的自由で柔軟な研究活動を可能にするものとして出資制度が採用されたところでございます。
 また民間企業の側にとりましても、リスクの高い基盤技術研究を行うに当たって、出資額を限度にしてリスクを負担するということはリスクマネジメントの視点からも評価されていたというふうに承知しております。
 そういう面で、出資をするのは産投会計の産業開発という目的にまさに合致をしていくところでございまして、産投会計の出資という制度の組み立てになったわけでございます。
 また、当初の法案審議の際にも、基礎段階、応用段階の基盤技術でございますから、短期間に経済的な成果を上げるのは大変難しいというような政府側の答弁をしているところでございますが、その中で、特許の利用などによって成果が出てきました場合には回収していく仕組みをつくったところでございます。
 仕組みとしては、投資をしてリターンが出てくれば、それは出資制度でございますから回収をしていく。基盤技術ということでございますので難しいことを予想しなかったかと申し上げますと、なかなか難しいチャレンジであるということは当初から予想していたところではなかろうかと思います。
#49
○鈴木(康)委員 今の御答弁でもございましたけれども、やはり基盤技術の開発、そこから上がる特許料ということが当初からかなり無理な仕組みであったということだろうと思います。
 一九九五年当時に、今言ったように出資制度というものが極めて無理のある制度ではないかということで、これの廃止あるいはこのセンターの組織の見直し等を大蔵省が求めて、経団連が制度の見直しの意見書を取りまとめようとした経緯がある、それに対して通産省の方からストップをかけたことがあったということが言われているわけでありますが、これは事実であるかどうか。それと、この制度、途中で問題が多々あるということがわかっていながら、これまで放置されて改革に手がつけられなかったのはなぜか。
 この二点について御質問したいと思います。
#50
○日下政府参考人 先生御指摘の平成七年の新聞の記事の件でございます。
 これは、事実関係としましては、私ども調査したところによりますと、大蔵省が通常の予算編成過程におきまして収益性の向上を求めていたという経緯があるようでございますが、基盤センターの組織の見直しを求められたという事実はございません。
 しかしながら、この制度についてどのような指摘、議論、問題点の把握があったのかという先生の基本的な御指摘のところでございますが、平成四年に総務庁の方で科学技術に関する行政監察結果に基づく勧告というのが出ておりまして、私どものこのセンターの事業につきまして、出資期間が終了した研究開発会社の研究成果につきまして総合的評価を速やかに実施して、研究開発会社の適正な運営が図られるように求められたところでございます。
 これを受けまして事業の見直しを行いまして、外部評価制の導入による経済的観点からの評価の強化、評価回数の増加などによりまして、プロジェクトの効率性を確保するとともに、研究開発会社の評価を実施し、存続の意義が認められないものにつきましては解散させることとするなどの見直しを行ってまいりました。この結果、平成十一年度末までに十五件の成果管理会社が解散したところでございます。
#51
○鈴木(康)委員 人事の問題等幾つかお伺いしたいこともあるのですが、ちょっと時間の関係がありますので。
 次に、これまた新聞の記事でございます。平成十二年九月、つまり半年前の日経産業新聞の記事でありますけれども、基盤センター見直しについての論議の記事が出ておりました。
 それによれば、この見直し論が表面化した三年前に、当初の見直し案では、通産、郵政両省とも、NTTの配当金を一般会計に繰り入れる、産投会計ではない一般会計に繰り入れて、それを利用するという新助成制度を目指したけれども、これだと配当金をプールするという今の産投会計自体の見直しにつながってしまうのではないかと大蔵省が懸念をし、以前と同じ産投会計を利用する仕組みに落ちついた経緯があるという記事が出ておりました。
 私は、やはりこれは産投会計から一般会計に移すべきではないかと思うのですけれども、その点についてお伺いをしたいと思います。
#52
○日下政府参考人 産投会計ではなくて一般会計になじむのではないかという御指摘でございます。
 産業投資特別会計は、産業の開発及び貿易の振興のために国の財政資金をもって投資、出資及び貸し付けでございますが、投資を行うことによりまして、国民経済の発展と国民生活の向上に資することを目的とするもの、これは産業投資特別会計法の第一条に規定されているところでございます。
 そういう面で申し上げますと、我が国の将来の産業が育つための種となる基盤技術に関する研究開発を推進して知的資産を形成する本制度は、まさにそういう産業投資特別会計のねらいとする産業の開発を達成するのに合致するところではないかと考えているところでございます。
 このような産投会計の性格もございまして、引き続き、産業投資特別会計を財源として今回、制度設計が行われているところでございます。
#53
○鈴木(康)委員 産投会計の御趣旨等はわかりますけれども、実は今、こういった特別会計制度自体が非常に大きく問題になりつつあります。
 私どもの同僚の中では石井紘基議員が今この問題に非常に積極的に取り組んでおられますけれども、全特別会計を合わせると、三百三十兆とも六十兆とも言われるような巨額のお金が流れているわけであります。こういう不透明な制度自体、今後メスを入れていかなければいけないと思うわけでありますけれども、そうした流れの中からいきますと、やはりこういう特別会計制度を利用するよりも一般会計を利用する方がよいのではないかというふうに思うわけであります。
 時間が参りました。最後に一点、お願いをしておきたいと思います。
 今回、特許技術というものがなかなか世に出てこない一つの理由として、日本に特許についての流通市場が確立をされていないということが指摘をされています。これから眠っているいい技術なんかも積極的に世に出していくためには、この流通市場の確立というものが非常に必要であると思いますので、ぜひそうした整備についても御検討いただきたいというふうにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#54
○山本委員長 肥田美代子君。
#55
○肥田委員 民主党の肥田美代子でございます。よろしくお願いいたします。
 これまでの審議の中でも、基盤技術研究促進センターは果たして基盤技術の開発という本来の役割を十分に果たしたかどうか、その成果のほどに疑念が出されております。つまり、基礎センターの役割は技術開発における新たなフロンティア分野に挑戦していくというものであったと私は理解しております。しかし、他方、技術の優劣の日米比較調査でも多くの分野でアメリカが優位とされております。さらに、国際競争力の総合評価でも、かつて、一九七〇年代にはジャパン・アズ・ナンバーワンと言われたその日本、総合一位でありましたけれども、現在ではアジア諸国にも追いつかれている、十七位に転落しております。
 日本の技術力の相対的な低下が懸念されておりますけれども、製造業のキャッチアップのスピードは日本に対抗できる国はないと言われておりますし、また、情報端末機器の製造能力では世界の最高水準にあると言われております。そう言われながらこの国際競争力の総合評価が低下するという現象が起きているわけでございますけれども、大臣は産業技術力の強化の観点からこの現状をどのように考えていらっしゃるか。
#56
○平沼国務大臣 お答えさせていただきます。
 今、肥田委員御指摘のとおり、近年我が国の国際競争力の低下が、今具体的な数字をお示しになられましたけれども、各方面から指摘されております。国際競争力強化の源泉である産業技術力についても低下が懸念されているわけであります。
 具体的には、情報通信やライフサイエンスといった先端的分野における米国の優位を示す調査結果もあるわけでありまして、また、従来我が国が得意としてきたコスト削減あるいは品質改善に係る技術につきましても、アジアの諸国に激しく追い上げられている、こういう現状もあるわけであります。
 また、近年において、民間企業の研究開発投資に占める基礎研究費の割合が残念なことに低下をしておりまして、中長期的な産業技術力の低下が委員御指摘のように懸念されているところであります。
 こうした厳しい状況を背景として、先ほど申し上げましたように、たまたま本日閣議決定されました科学技術基本計画におきましても、今後の我が国の目指すべき姿として、国際競争力があり持続的発展ができる国の実現がその基本計画の理念の一つとして明確に位置づけられているところであります。
 経済産業省といたしましても、この科学技術基本計画に基づきまして、これまで我が国が強みといたしてまいりましたコスト削減あるいは品質改善に係る技術の維持向上を図りつつ、我が国産業の発展につながる技術フロンティアの創造に向けた取り組みに積極的に取り組んでいかなければならない、そういうふうに思っているところでございます。
#57
○肥田委員 要するに、基盤技術促進センターが当初の役割を果たせなかった。ということは、今見直しを余儀なくされているわけですけれども、それは、基礎技術開発の基本にかかわる問題点と基盤センターの行き詰まりとを切り離して考えることができない、そういうことではないかと思うんですね。
 先ほど同僚議員からのお話もございましたけれども、各省庁がやはり縦割り行政になっている。この縦割りのままで開発体制を維持する限り、私は、国家としての技術開発戦略の推進はかなりやはり難しいのではないかと思うわけですね。
 科学技術基本法では、科学技術の開発に国家が責任を有すると明記してあります。全体の開発に目配りした調整機能を果たす司令塔が要るわけですけれども、それがあってこそ初めてその実効性を発揮することができると思うわけです。
 今度の省庁再編で新設されました総合科学技術会議、先ほどから大臣もお答えになっていらっしゃいますけれども、それが本当に司令塔の役目を果たすかどうか、これがやはりこれからの大きな課題になってくると思います。経済産業省としてはこの司令塔にどのような機能を持たせようとお考えになっていらっしゃいますか。
#58
○平沼国務大臣 お答えをいたします。
 総合科学技術会議は、今おっしゃった科学技術政策推進の司令塔として、省庁間の縦割りを排しまして具体的な政策を主導するため、本年一月に発足をいたしました。私もそのメンバーの一人であります。
 同会議における議論を踏まえまして、本日、科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画として、科学技術基本計画が策定をされたところであります。基本計画には、平成十三年度から五年間に講ずべき施策として、ライフサイエンス、情報通信等の分野に対する研究開発の重点化でございますとか、産学官連携の強化等の科学技術システム改革の推進等が示されているところでございます。
 今後、総合科学技術会議には科学技術基本計画の着実な実施に向けリーダーシップを発揮していくことが期待されておりまして、経済産業省といたしましても、政府一体となって我が国の科学技術振興が図られるよう、御指摘の縦割りの弊害というものを打破してそこが本当の司令塔として機能するように、私もその一員でございますので、全力を挙げてこの総合科学技術会議と協力をして司令塔の役割を果たしていきたい、このように思っております。
#59
○肥田委員 ちょっと伺っておきますけれども、この総合科学技術会議にはどことどこの省庁がお入りでいらっしゃいますか。
#60
○平沼国務大臣 省庁といたしましては、私ども、それから文部科学省、総務省、国土交通省、それからあと、データがありますが、厚生労働省等、大体、ライフサイエンスでありますとかITでありますとかそういった科学技術、それに関連する省庁はみんな入っているわけでございます。
 後で詳しく全部申し上げます。
#61
○肥田委員 通告しておりませんでしたので、失礼いたしました。
 それで、この基盤センターの特許登録数ですが、約二千二百件となっております。このうち実施許諾件数、これが百四十六件ですね。この中には電子辞書などの形で製品化されたものもございます。これは、当初、基盤センターの出資制度が、基礎的な研究の支援に加えて、開発された特許の対価を回収し、それを基盤技術研究の新たな研究資金にして、それがさらに新たな研究成果を生むという循環を期待していらっしゃったと私は思うんですが、いかがですか。
#62
○中山副大臣 お答えいたします。
 今先生御指摘のように、出資に対しましてそのリターンということで、特許料等の収入により金銭的リターンを期待する仕組みになっておりました。
 先ほどもお答えいたしましたけれども、残念ながら二千七百二十億円の出資に対しまして、研究開発会社からの特許料等収入は約二十五億円にとどまっていたというのが事実でございます。
#63
○平沼国務大臣 ちょっと先ほどの件で、今手元に参りましたので。
 総合科学技術会議というのは、担当大臣が科学技術担当大臣、この人が進行役でございます。具体的に言うと、笹川大臣が司会進行をいたします。それに官房長官と総務大臣と経済産業大臣、それから財務大臣、これが内閣のいわゆる主要メンバーでございまして、あとは随時、例えばライフサイエンスのときには、先ほど言いました厚生労働大臣が入る、そういう形で臨機応変にやっております。
 もう一つは、学識経験者が入っておりますけれども、従来でございますと自然科学の方ばかりだったのですが、今回からは人文科学の方にも入っていただいて、そういった観点から総合的な科学技術政策を進めていこう、こういうことになっております。
#64
○肥田委員 せっかくこうやって大きな構想でもっておつくりになった総合科学技術会議でございますので、ぜひ立派な、機能的な働きをしていただきたいと思っております。
 それで、今お答えいただきました残念ながらという話でございますけれども、二千七百二十億円投資した、しかしロイヤルティーの収入は二十五億円であった、成果管理会社の解散、清算でもって七億円の回収はしたものの、特許料で回収した金額はゼロであるということでございます。
 特許料などの収入により資金回収するという前提が崩れてしまったわけでございますけれども、この背景には、やはりNTT株の配当金という安定した供給があったからじゃないかと私なんかは思うのです。だからこそ、特許の実施許諾を広げるという努力を怠ったのじゃないかと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
#65
○中山副大臣 やはり基盤技術研究というのはリスクが高い、そしてまた、その成果が製品となって収益に結びつくということは長い時間かかるというようなこともあるわけでございますし、また一方で、技術進歩の加速化によりまして成果の陳腐化が早まっている、さらにまた近年の景気の後退ということもございまして、なかなか思うようにいかなかったということではないか、こう思っておるわけでございます。
 今般の改正というのは、この辺のことを考えまして、基盤センターによる出資制度を廃止して、本来の目的であります産業技術力の強化に資する知的財産の形成を目指した委託による支援制度に移行しよう、こういうふうに考えておるところでございます。
#66
○肥田委員 もう一つ、私、こういうふうにも考えるわけです。要するに、知的財産を駆使する経済を本当に潤沢に回していこうと思うときには、知識の発見とか認知というのがまずございますね、その後その知識を商品化するということ、それから三番目には知識の流動化ということがございます。要するに、一番は普通の企業でいえば仕入れの部分になります、二番目の知識の商品化というのが加工でありまして、三番目の知識の流動化というのが販売に当たるわけですが、この販売の方のセールスを怠られたのじゃないかと思うのですね。
 それで、ちょっとお聞きしましたら、この知識の流動化に対する、販売への資金というか予算が組み込まれていなかったのじゃないかという話もあるのですが、いかがですか。
#67
○中山副大臣 いわゆる販売という面につきましては、出資会社がそれをやるということで、出資会社に任された、そういうことのようでございます。
#68
○肥田委員 いわゆる知的財産を駆使する経済ということの最後の部分がひょっとしたら欠け落ちてしまっていたものだから、はっきり申し上げてこういう失敗の事例もあったのではないかと私見として申し上げておきたいと思います。
 それから、基盤センターの出資制度による登録特許の扱いは、センターが廃止されると永久に眠ってしまうわけでございます。私は、やはりこの大切な宝物を死蔵させないように、有効活用されるようにすべきだと思いますけれども、今後はどういう扱いになりますでしょうか。
#69
○中山副大臣 今般、基盤センターが解散することに伴いまして、当該株主とも相談しながら、解散や株式譲渡等により既存の出資事業の清算を行うということにしているわけでございます。
 この際、出資会社を解散するに当たりましては、出資会社が保有する特許権につきまして、客観的に評価いたしまして適切な価格で原則売却することによりまして可能な限り的確な資金回収に努めるとともに、こうした売却処分等を通じまして、特許権を活用したい人たちに対しまして技術移転が促進されまして有効に活用されるように努めてまいりたいと考えております。
#70
○肥田委員 買い手を求めるためにも、ぜひきちっとした情報公開をしていただきたいものだと思っております。
 御承知のように、アメリカでは、スタンフォード大学それからコロンビア大学、マサチューセッツ工科大学と、いろいろな大学の研究成果が企業に活用されております。やはりその企業は飛躍的に進展しているわけですね。スタンフォード大学のロイヤルティーなんというのは四十億円と言われているわけです。これがまさにアメリカの経済の再生の原動力になっていると思うわけです。
 ところが、日本は、企業の廃業率が開業率を上回っております。これはかなり危機的な状況だと思いますが、アメリカは逆に企業の開業率が上回っている。しかし、このアメリカに移動した知的財産の中には、ゲノムそれから光ファイバー、デリバティブ、これはまさに日本の知識が向こうに移動してしまったのですね。光ファイバーなんかは元東北大学の西澤学長のものでありますし、ゲノムは理研の和田さんということで、本当にもったいないなというのが実感なんでございます。
 今、日本経済は閉塞感に満ちあふれております。ですから、ベンチャー企業の創業が焦眉の急でございますけれども、ベンチャービジネスに対する関心もやはり今国民の中で大変大きくなっております。
 そのために、一つには、大学とか国立研究所の研究者がベンチャー企業を創業することを支援しなきゃいけないわけです、人の移転ですね。それから二つには、大学とか国立研究所が保有する特許権等の技術移転をすることも応援しなければいけないと思うのですが、この人と技術の移転について経済産業省はどのように考えていらっしゃるか、そして、どんな施策をお持ちでいらっしゃるか、今後どうしようと思っていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
#71
○松田副大臣 お答え申し上げます。
 先生まさに御指摘のとおり、日本の企業の開業率は米国と比較いたしましてかなり見劣りするわけでございます。こういった状況を打破いたしましてベンチャー企業の創出を促進してまいりますためには、まさに先生御指摘のとおり、大学等における研究成果を活用することが極めて大事であると考えております。
 一つは、今先生がおっしゃいましたように、大学等の研究者がベンチャー企業に兼業したり、あるいはまたみずからベンチャー企業を起こしたりすることができる環境を整備すること。二つ目に、大学等の研究成果を産業界に移転する技術移転機関、TLOと申しておりますが、この整備を推進していくことが必要だと考えております。
 こういった考え方のもと、これまた御案内のとおりでありますが、平成十二年四月の産業技術力強化法の制定等によりまして、大学等の研究者による民間企業役員への兼業について規制緩和が実施されました。平成十三年三月時点で六十八名の兼業が既に行われております。
 また、今申しましたTLOの整備につきましては、文部科学省との連携で平成十年五月に大学等技術移転促進法を制定させていただきまして、同法に基づきまして承認を受けたTLOに対し助成金の交付等の支援措置を講じておりますが、平成十二年十二月末までに十七のTLOが承認を受けております。こうしたTLOの特許出願件数は約七百件、またTLOの特許実施許諾件数で約七十件の実績を上げているところでございます。
 経済産業省といたしましては、今後とも、文部科学省とも連携しながら、大学等の研究者による民間企業への兼業の行いやすい環境整備にさらに努めさせていただきますとともに、大学等における研究成果の民間企業への技術移転を一層促進させていくことで、おっしゃるとおりのベンチャー企業といったものが日本の各地に陸続と出てくる、そんな方向にさらに努力を傾注していきたいと考えているところでございます。
#72
○肥田委員 副大臣の力強い思いをちょうだいいたしまして、私も、ぜひそうあってほしいと願います。
 先ほど、本日の閣議決定で科学技術基本計画が出されたという話でございますが、結局、これを実際担っていくのは今の子供たちなんですね。それで、省庁の縦割りということがございまして、文部科学省と経済産業省、じゃ、どちらが子供たちの教育に責任を持つかというと、それはもちろん文部科学省でございますけれども、しかし、その省庁の壁を取り払って、そこから子供たちをどう育成して、今副大臣がおっしゃったような社会づくりに持っていくかということがとても大事だと思うのです。
 最後に、この人材育成についてお尋ねしたいと思います。
 経済産業省は、とりわけ大学生以下の子供たちに産業技術に興味を持ってもらうようなイベントをどんどん起こしていってほしいと思うわけです。今申し上げましたけれども、それは文部科学省の仕事ですよというような狭い了見ではなく、大いにやっていただきたいと思うわけですね。
 NHKのロボットコンテストというのがございましたけれども、あれが大変好評でございまして、子供たちの大きな夢が膨らんだわけでございます。iモードが出現しましたら、あっという間に普及してしまった。子供たちはやはり最新の技術に大変敏感ですし、使いこなす力も持っているわけですね、柔軟な頭でございますから。
 そこで、私は提案をしたいと思うのですが、子供の物づくり技術コンテストとか、コンピューター時代に対応したハッカーへの対策コンテストとか、そういう現代的なテーマに挑戦させてみて、優秀な子供には大臣から、子供技術者でありますとか、子供たくみのバッジを贈呈するとかして、ぜひ子供たちに産業技術に大きな思いを、願いを持ってほしいと思うのですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
#73
○平沼国務大臣 肥田委員から大変前向きの御提言をいただいたと思っております。
 やはり大学生以下の青少年に対して、科学技術の基盤になってもらうような方策というのは私は非常に必要だと思います。
 御指摘のように、文部科学省が主体的にやることは教育でございますから、それは必要だと思いますけれども、私どもといたしましては、一つの試みといたしましては、経済社会のニーズにこたえ、国際的に通用する研究人材を育成するために、一つは大学の工学教育プログラムの外部評価、認定を行うアクレディテーション制度の導入等を、関係省庁の縦割りを排して横の連携でやっております。さらに初等中等教育の段階におきましても、産業技術に興味を抱くために、特許庁において、小中高生向けの工業所有権の教材の配布や発明の日のフェア、こういうことで、いろいろ興味を持って参画をするようなこともやっております。
 今、たくみのバッジですとかそういう御指摘がありましたけれども、そういうことは非常にいいアイデアだ、こういうふうに私は思っておりますので、そういう御提言も前向きに取り入れて、日本は科学技術創造立国というのが一つのナショナルゴールでございますから、そういう形で、非常に重要な御指摘だと思いますので、私どもとしては積極的に取り組んでいきたい。
 また、御指摘のロボットコンテスト、こういうのも非常に青少年の、特に小さい子供たちの科学技術に対する一つの芽を育てたと思っています。このロボコンには、委員御承知だと思いますけれども、経済産業の大臣賞も出しております。そういう形で、いろいろな形で協力をしておりますけれども、大変いい御指摘をいただきましたので、問題意識を持って、そして縦割りにならないように、文部科学省とも連携をとって一生懸命やらせていただきたい、このように思っています。
#74
○肥田委員 大臣が、子供たちに大変優しい目線で今私の提案を受け取っていただきまして、ありがとうございます。
 それで、これは通告を申し上げておりませんけれども、もう一つだけ提案させてください。
 毎年子ども国会が開かれます。これは、毎年毎年開こうということで去年から約束されまして、去年は二回目でございましたけれども、あの子ども国会のテーマの中で、環境とか人権とかそういうことはあるのですが、産業技術というような視点がことんと抜け落ちているんですね。ですから、ひょっとしたら、そういうテーマを入れてみて、子供たちがどれほど興味があるかというのは一度観察されてみたらいかがでございましょうか、大臣。
#75
○平沼国務大臣 子ども国会に対しましては、肥田先生も大変積極的にお取り組みで、今おっしゃったように二回、去年も開催をした。こういうことで、産業技術に関するテーマというのはまだ取り上げていないということで、私はぜひ取り上げていただいて、そういう企画があれば、経済産業省としてもいろいろな形でそれの手助けをさせていただきたい、こういうふうに思っています。
#76
○肥田委員 ぜひお願いしたいと思います。
 やはり、今私どもがやっていることというのは次の世代につなげていくしかないわけでございますから、ここで今何を失敗したとかいう話よりも、むしろ次に何をしていくかということを大きく大きく広げていただきたいというのが私の思いでございます。よろしくお願いします。
 ありがとうございます。
#77
○山本委員長 後藤斎君。
#78
○後藤(斎)委員 民主党の後藤斎でございます。
 法律の中身に入る前に、先ほど来お話がありますように、総合科学技術会議の件について二、三お尋ねをしたいと思います。
 今まで、科学技術の振興ということでは、科学技術基本法第八条に基づく年次報告が毎年出されています。その中で振り返ってみますと、我が国の科学技術というのは、先ほど来、基盤センターの中で十九、「ネイチャー」や「サイエンス」に論文が掲載されたというのがありますが、我が国は「ネイチャー」や「サイエンス」への掲載論文数は世界で第四位であります。両方を足すと、アメリカでは五千五百七十八件、これは一九九五年から九九年の五カ年間のトータルですが、我が国は三百六十二件と、まだまだ米国には大変及ばない数字になっています。
 そして同じ十一年の年次報告には、ノーベル賞の各国の受賞者数がございます。米国では一九〇一年から九九年までに、物理学、化学、医学・生理学、今回の議論の対象になっています基盤技術、基礎研究という分野に当たると思いますが、その人数が百九十三人、我が国では五人と、まだまだ大変おくれた国になっています。
 そんな中で、きょう閣議決定をされたと言われております科学技術基本計画の中で、基礎研究というか基盤研究について、総合科学技術会議としてどういうふうに位置づけされているのか、冒頭お尋ねをしたいと思います。
#79
○興政府参考人 御説明申し上げます。
 先ほど先生お話がございましたとおり、本日の閣議で科学技術基本計画が決定されたところでございます。
 決定されました科学技術基本計画におきましては、重要政策といたしまして、科学技術の戦略的重点化と科学技術システムの改革が掲げられているわけでございますが、この基礎研究の推進は戦略的重点化を図る第一のものとされているところでございます。
 この基礎研究は、御案内のとおり、研究者の自由な発想に基づきまして、新しい法則あるいは原理の発見、さらには独創的な理論の構築、未知の現象の予測、発見などを目指すものでございまして、人類の知的資産の拡充に貢献し、同時に、世界最高水準の研究成果や経済を支える革新的技術などのブレークスルーをもたらすものとされているところでございます。
 今回、まさにその第二の柱としてうたっておりますのは、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料を中心としました重点分野としまして、この四つを特に国として重点的に資源を配分する必要があるものと考えているわけでございますが、この基礎研究の成果はこれらの分野に極めて重要な意義を持つものでございまして、人類の知的資産の拡充に貢献し、同時に、世界水準の研究成果や経済を支える革新的技術のブレークスルーをもたらすものとなるわけでございます。
 こういう観点から、この基本計画において、基礎研究を一層重視し、幅広く着実に、かつ持続的に推進し、その研究水準を高めていくために、同時に、公正で透明性の高い評価によりまして、競争的な研究環境の中で研究が行えるようにすることが必要だとされております。
#80
○後藤(斎)委員 今お話があったように、確かに概念的にはそうだと思います。それを総合科学技術会議として、各省横断的に今対応なさっている基礎研究、基盤研究をどういうふうに振興していくかということが問題になってくると思います。
 我が国では、基礎研究の比率としたら大学教育の中のものが五割を超えておりますが、まだまだ、民間または国の研究機関におきましても、基礎研究部分は諸外国に比べて充実をしているとは決して言えないと思います。総合科学技術会議として、今おっしゃられた基礎研究をどのように具体的に振興なさっていくのか、お尋ねをしたいと思います。
#81
○興政府参考人 この基礎研究は、先ほどおっしゃいました四つの重点分野に対しましては特にプロジェクト的な対応で行っていくわけでございますが、基礎研究につきましては自由包括的な研究を促進させる必要があるところでございます。
 そういうふうな意味で、これまでは、どちらかといいますと、研究助成というふうな観点から、例えば科研費の補助金等によりましてこの研究を助成させるような制度が確立されていたわけでございます。さらに、最近ですと、基礎研究にシフトするような形で、関係行政機関の方の研究も基礎研究重視型の対応がとられてきたところでございます。
 今回、総合科学技術会議が発足いたしまして、資源の全体の重点配分を行おうというふうな形になってございます。その配分の方針、具体的には、予算でございますとか人材でございますとか、そういう資源の配分の方針を打ち出しまして、その打ち出された方針にのっとって各省庁が所要の予算要求をしていただきまして、また、その要求された予算がしかと政府予算案という形ででき上がりますように図っていくことが重要でございます。そういうふうな観点から、総合科学技術会議がこれから政府予算案の策定までいろいろと努力していくことが問われているところでございます。
 その際、先ほど申し上げました、この重点四分野を初めとしますそういう投資と同時に、科学研究費補助金とか、あるいは研究環境を、各研究者の方々が非常にいい形で研究ができるような、その方法を考えていくことが必要だろうと考えてございます。
 御案内のとおり、大学における研究施設の荒廃の問題が最近指摘されてきたところでございまして、今回の基本計画では、大学の施設整備に対して重点的に配意をしようではないかというのが一つ大きな方針として打ち出されてございます。
 と同時に、若手研究者の育成を図る制度を考えようというふうなことでございます。若手研究者と申しますのは、第一次基本計画でポストドクター一万人計画という制度がございましたが、おかげさまでこの五年間で一万人は達成できました。さらに、今次計画では、若手の研究者の方々に研究資金も与えて、さらに自由な発想のもとで研究ができるように、その置かれている社会の中で余り束縛がないような形で研究ができるような研究環境の整備も同時に図っていきたい、こんなように考えてございます。しかし一方では、競争環境化、これもまた極めて重要でございまして、そういう中で知的刺激を与えることが必要だろうと思ってございます。
 そういうふうな努力をこれから払っていくことが求められているものでございます。
#82
○後藤(斎)委員 それでは、その中で、本日議題になっております基盤技術円滑化法の一部改正について、総合科学技術会議はどういうふうにとらえておられるのか、お伺いしたいと思います。
#83
○興政府参考人 御説明申し上げます。
 昨年、総合科学技術会議の前の科学技術会議の場におきまして、この科学技術基本計画の案についての審議が行われたところでございます。それらの成果を踏まえまして、この基本計画にも総合科学技術会議が検討を加えまして、いわゆる基盤技術に関します点についての考え方も打ち出したところでございます。
 この総合科学技術会議の基本計画におきまして、基盤技術研究円滑化法に盛り込まれている制度を含め、我が国経済の発展の基盤となる技術の研究開発を促進する制度については、より効果的、効率的なものとなるよう見直しを行うことと記載されてございます。
 今回の法律改正は、出資制度を念頭にその見直しを行うものでございまして、この基本計画の考え方に沿ったものであると考えてございます。改正法によりまして、新たな制度がより一層の効果を発揮して、我が国産業の国際競争力の源泉であり、国民生活を支えるあらゆる産業活動を活性化していくその原動力となる産業技術力の強化につながることを期待しているものでございます。
#84
○後藤(斎)委員 今のような総括的なお話を総合科学技術会議にお尋ねしたのは、先ほど来同僚議員がお話しになられているように、今回の基盤技術円滑化法がややもすれば、現行でいえば総務省と経済産業省のいろいろな意味で綱引きの中で、その妥協の産物と言われても仕方がないのかなという点をちょっと確認しておきたかったということでございます。
 そして、今お話にも若干出ましたが、今までこの基盤センターは出資、融資制度をメーンに対応なさってきました。そして、今後は基本方針にのっとって委託制度に変更されるということでもありますが、先ほど興統括官が話をされましたように、民間が基礎研究を行う場合、より自由度の高いもの、そして競争環境がいろいろな意味で整っている場合がいいというような総合科学技術会議としての御見解がありました。今回、委託制度に変更されるということでこの法律制度は構築をされていますが、まず、今までの出資、融資対象をどのように選定してきて、そして、今後委託制度に変更された場合、どのような観点からその委託対象を決めていくのか、お尋ねをしたいと思います。
#85
○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 現在までの基盤センター制度におきまして、出融資プロジェクトを選定するに当たりましては、八分野計八十五名の大学教授等の有識者から成る外部評価委員会がございます。現在中央大学の辻井重男教授が委員長でいらっしゃいますが、この外部評価委員会が、もともとは民間からの案件が公募されてまいりますので、民間から公募されました案件につきまして外部評価を行いまして、その結果を踏まえて基盤センターが判断してまいりました。
 新たな委託制度におきましては、経済産業大臣及び総務大臣が共同で策定する基本方針に基づきまして、この基本方針は科学技術基本計画との整合性を図りながらつくられるものでございますが、基本方針に基づきまして、その対象を、例えばIT分野やバイオテクノロジー分野など国として重要な戦略分野に重点化した上で、民間から広くテーマを公募いたしまして、的確な外部評価に基づいて、将来の我が国の産業の種となる知的資産の形成が期待できる最もすぐれたプロジェクトを選定してまいりたいと考えております。
 そのような選定に当たりましては、可能な限りルールとプロセスを公表することによりまして、評価の透明性、公平性を確保してまいりたいと考えているところでございます。
#86
○後藤(斎)委員 センターが融資ないし出資をした総体の、今までの過去十五年の中で、融資を行った件数が、採択件数では三百九十一件、申請では七百九十九件であります。出資をした件数が、申請ベースで二百十六件、採択件数で百十三件というふうになっておりまして、要するに二分の一くらいのものしか採択はされない。
 これは、先ほど来外部評価委員会ということでそれなりの検討はしてきたと思うのですが、落ちた人から見れば、何で自分たちがと思っている方もいらっしゃると思うのです。まさに先ほど来の議論のように、この基盤技術、基礎研究というのは大変時間がかかるものでもありますし、その点の評価について、過去の出資、融資対象を絞り込む際にどのような観点をメーンに御議論をなさってきたのか。
 そして、今後委託制度に切りかえるという話ですが、委託研究ではなくて逆に助成制度的なものにした方が、先ほど内閣府からお話がありました、より自由度の高い研究ができるような感じを持っているのですが、その点はいかがでしょうか。
#87
○日下政府参考人 プロジェクトの採択についての考え方でございます。
 当初、昭和六十年の立法当時、基盤技術についてどういうものであると考えていくかという議論がなされているわけでございます。
 基盤法上の定義にもございますように、利用分野に広がりがあって国民経済にインパクトが大きい技術というのが基本的考え方でございますので、プロジェクトの採択に当たりましては、研究の成果、目標としているところが十分であるかどうか、また、その場合のインパクトがどのぐらいあるか、利用分野に広がりがあるかというようなところを判断の基準にしてきたわけでございます。
 また、委託制度をとることにした理由、考え方でございます。
 基盤技術でございますので、先ほどから総合科学技術会議の方からも御答弁がありましたように、やはり国として重点を置いていく分野がございます。そういう面で、基本指針で、分野、達成すべき目標についてある程度方向づけをしていくということが戦略的に大切ではなかろうかと考えているわけでございます。
 そういう国の考え方が入ってきているという面で、委託制度ということになじむ面がございますし、また、バイ・ドール法、先般制定していただきまして、委託の成果物を受託を受けた者が利用できることによって、研究成果が産業を起こすことにつながる、雇用を創造することにつながるようにという制度改正をいただいているところでございます。
 これは、六十年に法律制度を立てたときにはそういうことが可能でなかったわけでございますが、現在そういう面で委託制度の、使い勝手と言うとあれでございますが、民間において基盤技術研究をする場合に、使い勝手がよくなり、その成果がまた利用されやすくなっているということが、委託制度をとることとした考え方でございます。
#88
○後藤(斎)委員 その基本方針を策定する際に、今局長がお話しになられたようなことをぜひ明示しながら、目標をきちっと、限られた予算ですから何プロジェクトになるのかわかりませんが、その点ぜひ御配慮を賜りながら、基本方針にのっとった委託先の決定をしていただければというふうに思っています。
 そして、今お話しになられたようなことが出資をされた受託者側からあるのかもしれませんが、ちょうど昨年の十二月に、産業技術審議会の総合部会と電気通信技術審議会の総合政策部会の合同専門委員会で、今般の基盤技術円滑化法のいろいろなアンケートや、経緯も含めて取りまとめをしております。
 その中で、実際に出資を受けた民間企業の方に、なぜこの制度を使ったのかという質問をしているところ、一番は、みずからの事業戦略上重要な位置づけにあった、自分だけでやるのはリスクが高かったので、その成果を活用することを期待して参加したという答えが一番多くなっております。
 そして、もう一つ答えが多かったのは、自社にとってみたら新規分野であり、将来的にも重要なものと考え、研究参加することによって自社に知見を蓄積できることを期待したということで、今まで基盤センターが思って、外部評価委員会が考えていることと、私は若干そごがあるのかなというふうに思って、それが委託制度ということに変わる中で、国としての戦略上の重要な事業、そして民間に委託をするわけですから、その点ぜひ両者が一番いいような形のものをとっていただければというふうに思っています。
 そして、今、法律が制定をしてから今般の改正に至るまで十五年間たっているわけなんですが、いろいろな御評価がこの事業にはあると思います。戦略的に推進すべきという文言はつけ加わったものの、なぜ今日の時点で、二十一世紀がスタートしたからといえばそれまでかもしれませんが、この制度を大きく見直す必要があるのか、お尋ねをしたいと思います。
#89
○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど先生から御指摘がありましたように、やはり民間の方における制度についての実需、リスクが高いものはなかなか自分ではやれない、しかし成果は活用したい、そういうような実需でございましたり、あるいは、こういう制度で支援をしてきて、なおかつ、国際的に比較いたしますと、なかなか日本の基盤技術のレベルとして望んだようなレベルに達し切れていない、競争が激化しているという外の環境、こういうことをあわせまして、昨年、現行制度の評価を行いました産業技術審議会、電気通信技術審議会の合同専門委員会の報告におきまして、情報通信技術分野やバイオ技術分野など、近年国際競争が激化しており、我が国として重要な戦略的技術分野に対して研究資源を集中的に投資する重点化政策が一層重要かつ緊急の課題になっている、こういう報告、指摘を受けたわけでございます。
 片方でまた、先ほども御指摘がありましたように、実際の研究の担い手は民間企業でございますが、民間企業の方から見ますと、近年の企業会計基準の変更によりまして、出資制度による研究支援制度が困難になってきたということでございますので、そういう民間を主体としながら、国の目標、戦略的な目標を達成できるように、両方の要請を満たす形ということで委託制度になったわけでございます。
 その場合に、研究の管理につきましては、競争的な管理も大変重要だという指摘が先ほどもございましたが、もう一つは、やはり特に委託制度などにおきましては、目標を定めていくということでございますので、そのような評価をしっかりした形での委託制度という形で設計をさせていただいた次第でございます。
#90
○後藤(斎)委員 今お話がありましたように、まさに基盤、基礎技術研究、ここに集中的に今投資をしていかなければいけないことは、私も全くそのとおりだと思っています。
 逆に言えば、先ほど鈴木委員からも話がありましたように、現行の二百六十億の産投会計からのセンターへの配当金の繰り入れだと思いますけれども、入れ込んで、それで基本的に回しているというふうな仕組みであります。産投会計全体では、現行で歳入が、トータルで平成十二年度で一千百億あります。若干、基盤、基礎研究ということでは、基盤センター、そして生研機構、そして医薬品機構ということで、経済産業省、総務省、農林水産省、厚生労働省、四つの省庁にまたがったいろいろなセンター出資があるのですが、仮に集中的にもっと投資するということであれば、二百六十億を百三十と百三十に割るのではなくて、この千百億の歳入のもっと多くの部分を集中的に投下すべきだという議論が出ても、真っ当な考え方だと思うのですが、なぜ従来と同じ比率で、NEDO、TAOに移行する以降も予算計上して、集中的な投下ということに制度を変えなければならない本質論になぜ入らなかったのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
#91
○日下政府参考人 政府全体としての研究開発の戦略化、重点化全体につきましては、総合科学技術会議で、先ほどから御紹介がありますように、科学技術基本計画などで重点分野を定めながら、この戦略化、重点化が行われてきているところでございます。
 その中でも、まさに基礎的な分野が知的資産の社会としての共有という面で大変大切である、まさに基本計画にうたわれているところでございまして、そういう面では、基礎的な分野でございますから、ある程度安定的な財源をもって研究開発に、この制度に充てていくということが期待されているところでございます。
 そういう面で、二百六十億の財源をこのような科学技術基本計画においても重要とされている分野に今後とも充てていきたいと考えているところでございます。
#92
○後藤(斎)委員 今お尋ねしたのは、二百六十億は前と全く一緒であって、もっと集中的に、そしてこれから五年、十年先にしか逆に基礎研究、基盤研究というのは花が咲かないわけですから、実用化されないわけですから、急務のものであれば、集中的に予算を増加させても対応すべきだということをお尋ねしたわけであります。その点について、いかがでしょうか。
#93
○日下政府参考人 総務省及び経済産業省、私どもで扱っております基盤技術の分野というのは、まさに産業の面で見ましても八割を超える分野ということで、私ども、大変重要な分野であるということで取り組んできているところでございます。
 しかしながら、また基盤技術という観点、切り口とは違う形で、それぞれの政策目的に従って産投会計からの歳出はなされているものだと理解しているところでございまして、そのようないろいろな歳出を科学技術の振興という観点からどういう形で全般に資源配分をしていくか、政府としてどこに取り組むかということにつきましては、まさに総合科学技術会議での議論、総合戦略、科学技術基本計画も策定されてきているわけでございますので、私どもといたしましては、それを受けまして、今後の重点化を図っていきたいと考えているところでございます。
#94
○後藤(斎)委員 じゃ、時間ももうすぐなくなりますので、若干論点を変えます。
 NTTの配当を純粋な収入として産投が運営されているわけです。そして一方で、電気通信審議会、今で言うと情報通信審議会の昨年の答申での、NTTの政府保有義務を基本的には撤廃の方向で検討するということになりますと、近い将来、この検討方針のとおりにいくと、産投会計の収入がなくなるという逆の論点が出てくると思うのです。その点についてはどうお考えでしょうか。
#95
○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、NTT株式の政府保有義務の見直しにつきましては、現在、情報通信審議会での議論がなされているところでございますが、現在のところは結論が出ていない段階だと承知しております。
 いずれにしましても、私どもとしては、我が国の産業技術力の強化のために、民間の基盤技術研究に対する支援は今後とも引き続き重要でございまして、そのために必要な財源を確保していくことが不可欠であると認識しております。
#96
○後藤(斎)委員 最後に、幾つか質問が残っているのですが、大臣の方にお尋ねをしたいと思います。
 今回、基盤センターが解散をされ、NEDO、TAOにその清算業務が引き継ぎになりますが、特許権の売却など残余財産の分配、回収をぜひ最も効率的に、高い金額で売るようにその御指導をお願いしたいと思います。そして、過去、基盤センターは、出資金の二千七百億円の大半が欠損金になっております。そして私は、このセンターの役員の経営責任というのが、今バブル崩壊以降の金融関係のあり方もそうですが、そして政府の監督責任も大変あるというふうに思っております。
 一方で、昨年の三月二十九日、アルコール事業法の改正に係る附帯決議の中に、NEDOの業務は不断の効率化を図るという一項が入って国会で決議をされているものを、業務がまたふえてしまうというふうな、これらもろもろのことを踏まえて、大臣は、そうはいっても、戦略的に基盤、基礎研究はもちろん一方で進めなければいけないと思うんですが、今お尋ねをした点も含めて、これからの基盤、基礎技術研究を抜本的に強化する、それは過去の反省に立った上でのものであるべきだと考えますけれども、大臣の御見解を最後にお尋ねをしたいと思います。
#97
○平沼国務大臣 まず最初の、特許権の売却などによる残余財産の分配、回収、この問題でございます。特許権の売却などによる残余財産の分配、回収の方法についてですが、基盤センターが出資した研究開発会社等が研究成果として得た特許権や研究施設資産については、客観的に評価した上で適切な価格での売却等を行うことによって、的確な残余財産の回収に努めてまいりたいと思っております。
 その際、特許権によっては、既に技術が陳腐化しており、早急に売却等をすることが適当なものや、これから大きな特許料収入が見込まれ、一定期間保有することが適当なものなど、さまざまなものがあり得ることから、今後、研究開発会社の関係株主等とも相談しつつ、個々の特許について最も適切な売却方法を検討していきたいと思っております。
 センターの制度によって二千七百億円の出資金の大半が欠損金と考える、その責任という問題ですけれども、センター役員の経営責任と政府の監督責任について、センターの出資制度はこれまで、有形無形の知的資産の形成等の成果を着実に上げてまいりまして、我が国の産業技術力強化に重要な役割を果たしてきたものと思っております。その意味で、センターの制度は総体的には成功したもの、私はこういうふうに評価しております。
 今回の制度の見直しを行うのは、近年の企業会計基準、その見直しにより出資方式の継続が困難化してきたこと、特許料等収入により金銭的リターンを期待する仕組みを見直すことが結果的に必要となったことによるものでありまして、センターの運営に当たる役員の責任ではない、私はこのように思っております。
 また、当省のセンターに対する指導監督責任についてですけれども、当省、総務省とも、センターに対しては外部評価の強化を指示するとともに、研究開発終了後の研究開発会社の評価を実施し、存続の意義が認められないものについては解散させることとする等、センター制度の運営について、これまで所要の指導監督をしてきたものと考えております。
 さらに、今般、より効率的に民間の基盤技術研究を促進する制度を見直すことにより、産業技術力の強化を任務とする当省の責任を果たしてまいりたい、このように思っております。
 今回新たな委託業務を追加するNEDOについてでございますけれども、新エネルギー・産業技術総合開発機構、これはNEDOでございますが、技術開発関連業務及びエネルギー関連業務以外の業務につきましては、現在、石炭鉱害賠償等の石炭関連業務及びアルコール販売製造業務を行っておりますけれども、平成十四年度に石炭関連業務の廃止を予定していること、また、アルコール製造業務についても時限的に実施するものであることから、NEDOは技術開発及びエネルギー関連の業務を核として、より一層効率的な機関となることが予定されております。
 また、本基盤技術支援制度の実施につきましても、役職員体制は必要最小限のものとすることにいたしております。
 最後に、私といたしましては、我が国の国際競争力の帰趨を握る産業技術力の強化は、現下の国家最重要課題の一つと認識しておりまして、今般の基盤技術研究円滑化法改正及びこれに伴う大臣基本方針の策定に当たっても、全身全霊を込めて基盤技術力の強化という責務の全うという観点から取り組んでまいりたいと考えておりまして、全力で、御指摘の点を踏まえて、一生懸命に頑張ってまいりたいと思っております。
#98
○後藤(斎)委員 ありがとうございます。
#99
○山本委員長 土田龍司君。
#100
○土田委員 基盤技術研究促進センターは、昭和六十年に設立されて以来十五年になります。その間、多数の民間プロジェクトを支援してきたわけですが、今日に至っても我が国の基礎研究費の割合は低く、依然として、多くの技術分野において欧米先進諸国の研究開発の方が優位に進捗していると思われます。
 そこで、まず、政府は、我が国の技術力の現状をどのように分析し、認識しておられるのか。また、この促進センターによるさまざまな支援の結果、昭和六十年当時と比べ、どの程度基礎技術が向上し、産業競争力の強化に寄与してきたと考えておられますか。
#101
○平沼国務大臣 日本は、人的資源はあって天然資源のない国でありまして、そういう意味で、科学技術というものがやはり一番大切な分野だ、こういう認識で、科学技術創造立国、これがナショナルゴールになっていることは事実です。そして、従来は、科学技術力というのは総合力で、いろいろな外国の評価もありますけれども、日本は大変優位な状況でございました。
 しかし、近年これがだんだん低下してきている、こういうことで、直近はどういう評価をしているかということのお尋ねでございますけれども、残念ながら、従前に比べて総合力では劣っている状況になったということは否めないと思っています。しかし、私どもとしては、潜在的なポテンシャリティーはありますから、これから一丸となって頑張っていけば、必ずもとのようにこの科学技術の総合力を発揮できる、このように思っております。
 それから、二番目の、基盤センター設立によって我が国の基盤技術の向上がどれだけ図られたか、こういうお尋ねでございますけれども、同センターは、民間を活用して我が国の基盤技術の向上を図ることを目的として、民間が取り組む基盤技術研究に対して出資あるいは融資等による支援策を通じて、一つは国際電気通信基礎技術研究所、ATRや生物分子工学研究所、BERI等の世界的に評価の高い研究所を輩出したことも事実でございまして、それは非常に基盤の強化に役立った、私はこういうふうに思っています。
 また、これも委員御承知だと思いますけれども、この間、約二万件の論文や約二千件を超える特許登録等知的資産を形成することができた、これもやはり非常に基盤強化に資していると思います。
 それから、この期間、プロジェクトに参画した研究者、そういう方々がベンチャー企業に参画をして、そして実績を上げている、こういうことも、やはり総体的に見れば基盤の強化に役立っていると私は思います。
 また、ポストドクターでございますけれども、ポスドクの受け入れ等による人材の育成や産学連携の促進、これは数では約二百四十人、こういう実績がございますけれども、こういった実績も上げることができました。
 また、特許権の実施許諾等を通じた製品化等の研究成果や波及効果をこれまで上げてきておりまして、これらにより我が国の基盤技術の向上が図られてきたものと考えております。
 具体的に例を挙げますと、センター出資会社である日本電子化辞書研究所は、日本語を自然に処理する基盤技術、自然言語処理エンジンを確立して、これが電子辞書でございますとかワープロの日本語変換技術、インターネットの検索技術、音声認識技術のベースとなるなど、我が国の基盤技術を広く向上させてきているもの、このように考えております。
#102
○土田委員 座っている方が極めて少ないんですが、関心が低いのでしょうか、わかりませんが。
 現行の支援スキームの融資制度は、特許料等の収入によって一定の資金回収を期待することが前提になっていたわけですが、累計で約二千七百二十億円に上るセンターの出資制度は明らかに破綻をいたしました。今回の法改正によって今後は委託方式に改めようとしておりますが、円滑化法制定時に、支援策として補助金制度をとらないで、なぜ出資という形態をとったのでしょうか。また、当時既にNEDO及びTAOという特殊法人が存在していたにもかかわらず、特別認可法人を新たに設置する必要があったのでしょうか。
#103
○中山副大臣 お答えいたします。
 基盤技術研究促進センターは、民間活力を利用いたしまして、我が国経済社会の発展に不可欠な基盤技術の研究等を促進するために設立されたということはもう既に御承知のとおりでございまして、出資制度というのは、民間企業のマネジメントのもと、比較的自由で柔軟な研究活動を可能にするものということで採用されたものでございます。民間企業におきましても、リスクの高い基盤技術研究を行うに当たりまして、出資額を限度にリスクを負担するという出資制度はリスクマネジメントの観点からも評価されていたところでございます。
 また、その際、わざわざなぜ基盤センターを設立する理由があったのか、こういう御質問でございますけれども、本センターは、民間において行われております基盤技術に関する試験研究の促進に関する業務を行うというその性格から、民間の主体性が十分発揮できるものとする必要があったわけでございます。
 一方、産業投資特別会計の資金を受け入れて民間において行われる基盤技術に関する試験研究の促進を図るという極めて専門性、また公共性の高い業務を遂行できる体制が必要であると考えられたわけでございます。
 以上のような要請を同時に満たすという意味で、特別認可法人とすることが適切であると考えられたものと認識しているところでございます。
#104
○土田委員 この促進センター設立の背景には、初めにNTTの株式配当ありきという感じがするわけです。つまり、巨額の安定的な資金供給が期待できるからでありますが、この技術開発支援を、一般会計によらず、NTT株式を産業投資特別会計に帰属させ、その配当収入をもって技術開発に活用することとなった経緯について御説明ください。
 もう一点、基礎技術はそもそも産業に分野横断的に使われる技術であって、特定の分野にあっても、核心的な技術で他の分野にもその波及性や影響性が相当高いものであります。この円滑化法がその対象を当時の通産省と郵政省の所管技術に限定したのはどのような理由からか、御説明ください。
#105
○日下政府参考人 どういう形で、私どもの当時通商産業省及び郵政省が一緒にこの基盤センターを産投の出資によってつくることになったかという設立経緯でございますが、当時、通商産業省及び郵政省それぞれにおきまして、やはり基盤技術の振興が非常に大切である、米国などからも、日本の産業競争力が大変ふえていく中で、欧米で開発された基礎技術にただ乗りして、最後の開発、実用化研究、商品化だけをしているのではないか、日本として、やはりここまで来れば自主的な技術開発がなされるべきである、こういう議論があったわけでございます。私ども通商産業省及び郵政省合わせますと、大体産業界の八割を超えるところでございまして、それぞれ波及度の高い、インパクトのある分野、基盤技術を抱えていたわけでございます。
 そういうこともございまして、このNTTの政府保有株式の配当金を原資とする形で基盤技術の振興をそれぞれの分野で図ろうということが、期せずして同じ時期に構想があったわけでございます。これはやはり、基盤技術の振興というところで目的を同じにするところでございますので、一つのセンターという形で、融合する形でその制度が成り立ったものだと理解をしております。
#106
○土田委員 これは、NTTの株式配当に関係するからじゃないんですか。通産省と郵政省とが八割を占めるというけれども、それだけの理由でこの二つの所管にしたわけですか。
#107
○日下政府参考人 産投会計の目的としては、産業の開発ということが目的となっているわけでございます。そういう面で、当時、産業の開発ということを見据えた上で、つまりそれにふさわしい財源を、安定的な財源を持った形で基盤技術についての研究開発をしようという構想は、当時の郵政省、通商産業省、二省だけから出てきた状況であったと理解をしております。
#108
○土田委員 今回の法改正によって、民間に対する支援策は促進センターによる融資制度から既存の特殊法人による委託事業になって、促進センターは解散されることになりますが、このセンターが破綻するに至った理由、特に支援スキームについての徹底的な検証が当然必要なわけです。本改正案を提出されるに当たり、現行の支援制度にどのような問題点があり、どのような見直しを行ってきたのか、具体的な見解をお聞かせください。
#109
○平沼国務大臣 お答えをいたします。
 現行の基盤センター制度の検証についてまずお尋ねでございますけれども、これまでの基盤センター制度を客観的に検証するため、昨年九月から十二月にかけて、産業技術審議会総合部会と電気通信技術審議会総合政策部会に合同専門委員会を設置いたしまして、外部の第三者により外部評価を実施してまいりました。
 この外部評価の結果、本センター制度は、新規事業の創造等の波及効果も含めた知的資産の形成等のパブリックリターンの大小で評価されるべきものとされるとともに、現行の出資制度については、特許料等収入により資金回収を期待する前提となっていること、また、企業会計基準の変更等によりまして、出資方式の限界が指摘をされ、見直すべきだ、こういうふうに評価されたところでございます。以上の外部評価の結果を踏まえて、本センター制度を見直すことにいたしたわけでございます。
 新たな制度について、これまでの問題点をどのように見直しを行って今回の改正になったか、こういうお尋ねでございますけれども、基盤センターの出資制度は、民間の基盤技術研究を促進するために創設され、世界的に評価の高い研究所を輩出する等、大きな研究成果を上げてきたところであります。
 しかしながら、特許料収入で金銭的リターンを期待する前提となっていること、また、平成十一年度の、今申し上げました企業会計基準の変更によりまして、民間企業にとりまして研究開発費を出資形態で負担することが困難となってきたことなどから、現行の制度継続が非常に困難に相なりました。
 他方で、我が国の産業技術力、今後の国際競争力が懸念される中、民間の基盤技術研究のより一層の強化を図るため、基盤センターの出資制度を見直すことにいたしたところであります。
 具体的には、基盤センターの出資制度というものを廃止いたしまして、知的財産権を受託者に帰属させるいわゆるバイ・ドール方式により、民間企業に研究を委託する制度に改めたことであります。
 また、新たな委託制度は、ノウハウを持つ既存機関である新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDO及び通信・放送機構、TAOに行わせるとともに、基盤センターを二年以内に解散させることとしまして、これに伴い、従来の事業による欠損金を処理することにいたしたわけでございます。
 以上の見直し措置を内容として、今回の基盤技術研究円滑化法の一部改正法案を提出させていただいております。いろいろな社会の動き、そういう中で今までのやり方というものにいろいろ不都合を生じてきた、こういう形で、今回、改正を通じて抜本的な見直しをお願いしているところでございます。
#110
○土田委員 さて、今回の法改正によって同センターの事業はNEDOに引き継がれるわけですが、NEDOにおいてはこれまでも産業技術研究開発業務が実施されております。その事業の一つに研究基盤整備事業があります。これは企業や大学に最新鋭の実験設備を貸すために設立される第三セクターに出資する事業で、促進センターと同様に、設備利用料などから得られる利益をNEDOが配当として受け取るというシステムになっているわけです。NEDOからはこれまでに株式会社イオン工学センターや株式会社超高温材料研究センターなど五社に約八十五億円が出資されておりますが、基盤センターと同じく、五社とも累積債務を解消できないままにあるというふうに聞いております。
 例えば、これら出資会社の一つに地下無重力実験センターがありますが、長引く不景気で近年利用者が大幅に減少し、採算がとれておりません。もし採算をとろうとすれば、一回八十万円の利用料を二百七十万円ぐらいまで引き上げなければならず、これによって利用者がさらに減少するという悪循環に陥っているようです。また、基盤法改正と研究開発システムの総合的見直しを受けて、今後は提案公募型研究委託による予算確保に移され、経営の将来展望に少なからず不安を抱いていると聞いております。
 政府は、これらNEDOの既存の出資事業について現状をどのように把握しておられますか。
#111
○中山副大臣 研究基盤施設整備事業についてのお尋ねでございます。
 本事業は、高度な研究開発に必要な設備であって、個々の企業や研究機関などでは保有することが非効率、困難であり、かつ民間の資金のみでは整備が困難であるというものにつきまして、その整備を行い、広く研究者の共用に供することによりまして、産業技術に関する研究開発の促進に寄与することを目的としたものでございます。
 この目的を達成するため、平成元年から四年にかけまして、先端技術分野として注目されます超高温材料技術のハードウエア等を備えた超高温材料研究センターなど五つの研究基盤施設法人が設立されたところでございます。
 先生御指摘のように、平成十一年度末では各センターともに累積赤字が残存しておりますが、平成七年度からは、すべてのセンターにおきまして単年度では黒字基調で推移してきているところでございます。
 また、これまで、千七百度の高温でも使用できる等の特徴を持った耐熱セラミックス複合材料の開発など、センターが保有します施設を活用した高度かつ先端的な研究開発プロジェクトが行われるなど多くの成果を上げてきているものと認識しております。
 先ほど地下無重力実験センター等も取り上げられましたけれども、今後とも、各センターの利用ニーズ等を踏まえ、そのあり方につきましては総合的に検討していく所存でございます。
 なおまた、今回の新たな制度は基盤技術研究開発を民間に委託する制度でありまして、施設整備に対して出資する御指摘の事業とは内容が全く異なることから、同様の問題は生じないもの、このように考えております。
#112
○土田委員 今回の基盤法改正と一連の研究開発システムの見直しの中で、現状において制度運営に関しどのような対策を講じようとしているのか、具体的な見解をお答えください。
#113
○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの地下無重力実験センターなどにつきましても、バブルの崩壊によりまして民間の基礎研究離れがございましたり、当時としては、この設備がないと民間における研究が行われないということで、設備としてもほかに類似の設備がなかった、必要があってできたところでございますが、類似設備の出現などによりまして民需が伸びていない、需要の方が伸びていないというのが事実でございまして、各センターの経営につきまして、各センターが自主的な経営努力により使用頻度を向上させるなど改善を図ってきているところでございます。
 その中で、五つのセンターはそれぞれ目的に合った形の設備を有しているものでございますから、研究内容によって設備が異なることがございまして、設備ごとの使用頻度にもばらつきがあり、そういう面で、対応策についてもそれぞれ少しずつ事情が違うところでございます。
 しかしながら、先生御指摘のように、需要が停滞している中で維持費がかさむことでもございますので、各センターの努力により使用頻度を向上させるなど、各センターの自主的な努力を続けながら、各センターの利用ニーズを踏まえて、そのあり方について私どもとしても総合的に検討してまいりたいと考えております。
#114
○土田委員 今問題になりました地下無重力研究センターの件ですね、総合的に判断をしてやっていきたいと。確かにほかにない重要な施設であるということはわかるのですけれども、利用料金がもっと安ければ活用したいという企業がたくさんあるわけでございますので、国として、このような設備の利用料金、助成制度まで考えていいのじゃないかという気がするのですが、この点はいかがですか。
#115
○日下政府参考人 お尋ねの地下無重力実験センターの使用料についての考え方でございます。
 現在の使用料についての考え方は、センターの設備、建物の購入価格、これは償却ということを考えながらですが、購入価格、耐用年数などを勘案して、一回当たりの使用料が、代表的な事例でございますと、基本的には二百七十万になっているところでございます。
 先生御指摘のように、重力のある状態、重力のもとでは実現し得ないような高精度なシリコン微小球の結晶創製など、このセンターを活用した研究としての成果を上げているものがあるのも事実でございますが、片方で、類似の民間設備があらわれている中で、需要が限られておるとすれば、私どものセンターだけ特別低価格なものを提供していくということは、逆に民間における仕事をとってしまうということにも相なる側面もございます。
 当初つくりましたときには、まさにこの設備がないと日本の中において無重力での研究ができないということで、大変貴重だったわけでございますが、需要、供給面、双方における変化を踏まえながら、どういう対策をとるのがいいかについて総合的に検討したいと考えている次第でございます。
#116
○土田委員 先ほど副大臣の答弁の中で、平成七年度までは赤字だったけれども、それから単年度では黒字に転じているのだというふうにおっしゃいましたけれども、やはり累積赤字を解消できない現状があるわけでございますので、今の促進センターがうまくいかないから、赤字だから、破綻したから、また別なところに移しかえる、そこもうまくいってないということになれば非常に問題だなということで、今の問題を提起させてもらったわけでございますし、NEDOが出資している会社についても、政府として、総合的にうまくいくように、順調にいって当たり前なわけで、税金がうまく活用されていくということですので、ぜひこの点を考慮願いたいと思います。
 大臣に最後に一問だけお尋ねしますが、きょう、新たな科学技術基本計画が閣議決定されましたね。経済大臣は、先日の所信表明演説において、この科学技術計画に基づいて、ライフサイエンス、IT、ナノテクノロジーの技術分野に資金、人材等の資源を投入して、我が国の研究開発システムを開かれた効率的なものとすべく、競争的で柔軟な研究環境の整備に取り組むというふうに表明されました。
 そこで、本改正案に言う民間の基礎技術試験研究の促進は、この新たな科学技術基本計画においてどのように位置づけられているのか。また、大臣は、この基本計画を踏まえて、本改正案において作成するとされている基本方針に関して、どのような目標を掲げ、どのような技術分野に重点を置いて定めようとしているのか、具体的な見解をお尋ねします。
#117
○平沼国務大臣 お答えをいたします。
 新しい基盤技術研究支援制度の運用におきましては、戦略性、効率性を確保し、最新の技術動向を反映させることがかぎだと思っております。そのため、経済産業大臣と総務大臣が、おのおのの所管分野の動向に応じまして、共同で新制度の運用の方向性を示す基本計画を定めることに相なっております。具体的には、国として戦略的に推進すべき重要な技術分野、国として達成を期待する民間の基盤研究促進の目標等を定めることになると思います。
 一方、総合科学技術会議は、本日閣議決定されました科学技術基本計画を踏まえまして、その具体的な推進を図っていくために、各重点分野における推進戦略を策定することとなっております。新しい基盤技術研究促進制度の基本計画の策定に当たりましては、総合科学技術会議が策定する推進戦略との連携を十分図ることで、同制度が科学技術基本計画の実現の一翼を担うものとなり、我が国の基盤基礎研究の抜本的な強化に資するようになるように努めてまいりたい、私はこのように思っております。
#118
○土田委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#119
○山本委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時三十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十五分開議
#120
○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。塩川鉄也君。
#121
○塩川(鉄)委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 基盤技術研究促進センターの中核事業である新規設立型企業出資制度は、出資先の研究開発会社が特許料等で収益を上げた結果としての配当や、研究開発会社が解散する際の残余の財産で出資金を回収することを期待しておりました。
 実際には、研究開発会社の特許料収入は二十五億円にとどまり、二千七百二十億円の出資に対してセンターへの配当はゼロであります。研究開発会社の解散による残余財産として約七億円回収したものの、センターの累積欠損は約百九十六億円になっております。出資したお金が返ってこないというのは事実。今後も出資金の多くが欠損金となることが予想されます。いわば財務的には破綻をしていると言えます。
 出資金回収のできないこの制度は、そもそも制度設計上無理があったのではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#122
○平沼国務大臣 お答えをいたします。
 センターからの出資について、制度設計上問題があったのではないかとの御指摘でございます。
 センターの出資制度は、民間企業に対する出資によって、比較的自由で柔軟な研究活動を可能として、その中で十分な研究成果を上げてきたもの、私どもはそういう認識をしております。他方で、今後、特許料収入等により金銭的リターンを期待する仕組みの見直しが結果的に必要となったこと、平成十一年からの企業会計基準の変更によって出資制度の継続が困難になったことを総合的に判断したわけでございます。
 こうしたことから、御指摘の出資制度を廃止いたしまして、本来の目的である産業技術力の強化に資する知的資産の形成を目指して、企業への委託による支援制度へと移行することにいたしました。
 そういう意味で、制度設計上無理があった、こういう御指摘でございますけれども、いろいろな状況の変化によって今回新しい制度に相なりましたけれども、繰り返しになりますけれども、私どもとしては、基盤技術の強化ということにいろいろな面で役立った制度だ、このように認識しております。
#123
○塩川(鉄)委員 出資制度に無理があるというお話は、これは出資企業も同じ見方をしているということです。
 こちらの方でいただいたこの資料の中でも、基盤センターのこの新規設立型出資制度を利用した民間企業へのアンケートの結果を載せておりますけれども、特許料等収入による資金回収について、基礎的、基盤的な研究開発の成果たる特許料等収入のみで資金回収することは困難との回答が大多数を占めたとまとめています。
 寄せられた意見の中でも、基礎研究で特許料等収入を回収することは常識的に無理、また、研究開発はそれ自身リスクが高く、成功の確率は百分の一とも千分の一とも言われており、リターンを前提とすることは無理と言われておりますけれども、当然の声だと思うのです。
 この基盤センターの支援スキームがうまくいかないということは最初からわかっていたことじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#124
○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、制度創設時におきましても、基礎研究であること、リスクが高いことから、短期間に経済的成果を出すことは大変難しい課題である、チャレンジであるということは認識されていたわけでございます。したがいまして、この制度を運用していく中で、どのような成果が出てくるかということが判明してきたわけでございます。
 この制度上の無理にいつごろから気づいていたのかという点でございますが、まさに基盤技術研究はリスクが高く、その成果が製品化されるまで長期間を要するということで、成果につながるかどうかの見きわめが必要でございますし、片方で技術進歩の加速化によりまして、成果も陳腐化がまた早まってくるということも状況としてあらわれてきたわけでございます。そのような中で、特許料収入による出資金の早期回収が現実的に困難であることが顕在化してきたものでございます。
 先生御指摘の民間の認識、アンケート調査でございますが、これは昨年調査をしたところでございます。民間におきましても、これは最初、みずから三割出資をしてプロジェクトを提案しているところでございまして、基礎研究に民間として初めて取り組んでみて、やはり難しいことを経験として学んできたことを踏まえて、昨年のアンケートの結果に至ったのではないかと推察するところでございます。そういう面で、そういう経験に学んで、制度改正につながってきている展開だろうと思います。
 それで、先ほどの制度上の無理に気がついてきたのを受けまして、平成七年度には、外部評価制の導入による経済的観点からの評価の強化でございましたり、平成九年度には、鉱工業案件における新規出融資の停止といった制度改正を行ってきたところでございます。その中で、平成十一年には企業会計基準の変更等を受けまして、民間側としても出資方式による研究資金を出していくという形が難しくなったものでございますので、当初の制度の継続は困難であると判断して、制度の抜本的見直しにつながったわけでございます。
#125
○塩川(鉄)委員 午前中の答弁の中で、局長も、当初から難しいと思っていたというふうに述べておりました。
 さきに紹介した民間企業のアンケート、もう一つ紹介します。リターンを要求することに大きな疑問だ、基礎研究ただ乗り論を背景として、国の総力で取り組むという雰囲気であったにもかかわらず、しばらくして、財政当局がリターンを厳しく要求してきたことに大きな驚きを感じたと述べております。政府が当初から、本気で資金回収をする気がなかったということを示しているのじゃないですか。
 九二年の総務庁の行政監察の結果報告では、資金回収が難しいのじゃないかと問われたときに、この中で通産省は、「仮に、個々の研究開発会社において資金の回収ができない場合が生じても、あくまでも基盤研究センター出資事業全体として、長期的観点に立って資金の回収を目指すべきものと考える。」と述べております。
 それが破綻をしたわけであります。この時点で、こういうスキームが実際に破綻をしたわけですが、国民の共有財産を食いつぶすことになるこのような制度をつくった責任はだれがどのようにとるのか、大臣にお聞きしたいと思います。
#126
○平沼国務大臣 センターの欠損金に関する責任についてのお尋ねでございますけれども、センター出資制度というのは、これまで有形無形の知的資産の形成等の成果を着実に上げ、我が国の産業技術力強化に重要な役割を果たしてきております。その意味で、センターの制度は総体的には私は成功したものだ、このように思っております。
 当省のセンターに対する指導監督責任については、当省そして総務省とも、センターに対して、外部評価の強化を指示するとともに、研究開発終了後の研究開発会社の評価を実施いたしまして、存続の意義が認められないものについては解散させることとする等、センター制度の運営について、これまで所要の指導監督をしてきたものと考えております。さらに今般、より効率的に民間の基盤技術研究を促進する制度に見直すことにより、産業技術力の強化を任務とする当省の責任を果たしてまいりたい、このように思っております。
#127
○塩川(鉄)委員 お金を使えばいろいろな研究成果が生まれるのは当然で、その場合に、補助金という形も当然あるでしょうし、なぜこういう出資制度を行ったのか。本来これで効果があるからこういう設定をしたわけで、そこの制度設計上の責任が問われているのだと思うのです。
 その上で、基盤センターの出資事業が回収不能、破綻に陥ることは、基盤センターの経営陣の方も当然承知をしていたわけであります。法律にも、センターの自主性を尊重すると規定されている中で、このような財務的破綻状況を放置してきた役員の経営責任を問うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか、大臣。
#128
○日下政府参考人 制度を創設しましたときに、民間が研究の担い手になる、また民間からの提案を受けてプロジェクトを選定していく、そういうことで、民間の経験を生かした形でプロジェクト選定が行われることを期待してセンターが設けられたわけでございます。
 しかし、全体の制度として、出資制度によろうというところは政策的な判断でございまして、出資制度の持っているよさ、研究のあり方について出資会社が責任を持つ、あるいは、細かい費目、特に基盤研究は細かく研究費の細目をあらかじめ決めてしまうと研究の現場で自由度がなくなる、そういう中で、出資制度による自由な、柔軟な対応も評価されて、民間の方としても一定限度額の出資をもって基盤研究をやりたい、そのような考え方の中で出資制度が選ばれて、当初の制度をおつくりいただいたのだと考えております。
#129
○塩川(鉄)委員 お聞きしていますと、役員の方には責任がないというお話と承りましたけれども、そうすると政府の責任だ。その点で政府の方は、いや、これからよくするために努力をしますとおっしゃいますけれども、では、こういう制度をつくったその責任というのはいずれにも明らかになっていないと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#130
○平沼国務大臣 先ほどお答えをいたしましたけれども、私どもといたしましては、確かに、特許料の収入というものを期待いたしましてこういう仕組みを構築いたしましたが、いろいろな理由でそれが伸びずに、そして回収ができなかった、こういう事態に相なりました。しかし、ある面では、研究開発というものに関しましては、やはりいろいろな面がございまして、その研究開発によって有形無形で得られる成果というものもあるわけであります。そういう中で、私どもとしては、決して少なくない、ある意味では大きな基盤的な成果が得られたと思っております。
 そういう中で、その役員等の責任、そしてこういう仕組みをつくった政府の責任、こういうことでございますけれども、そういう意味で、一定の成果が上がったわけでございます。また、先ほども御指摘がございましたように、研究開発というのはなかなか成果が上がってこないという側面も実はあるわけであります。しかし、それは形にあらわれないけれども、その技術によって新しい企業が創出されたり、また人材がそれぞれの分野に行って活躍をする、こういうようなことを総合的に考えれば、一定の成果が上がった、こういうことでございまして、責任の所在ということでございますけれども、そういう意味で目的を達したわけでございますから、責任というものはない、私はこういうふうに思っております。
#131
○塩川(鉄)委員 研究成果が上がるということは、どんなお金の使い方もできるとか、先ほども述べたとおりであります。問題は、こういう支援スキームが破綻したということについて何らの反省の言葉がない、それは私は納得ができない。
 その上で、この基盤センターの役員体制の問題ですが、役員の構成はどのようになっているのか、御答弁ください。
#132
○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 センターの役員の構成についてのお尋ねでございます。
 現在、会長は経団連の会長がされていらっしゃいます。役員の任命につきましては、同センターの基盤技術研究の推進という業務の性格に照らしまして、基盤技術に対する知見あるいは産業に対する知見を踏まえまして、それぞれ任命されているところでございます。
#133
○塩川(鉄)委員 本委員会に資料を配付させていただきました。ごらんいただきたいんですが、上の表に、基盤センターの歴代役員を紹介いたしました。ここにありますように、会長にはその時点の現職の経団連会長がいつも就任をしております。理事長は通産省OBで、副理事長は郵政省OB、専務理事は大蔵省OB、監事は経団連から選んでおります。いわば経団連と官僚OBによって運営をされているわけです。
 そこでお聞きしますが、この基盤センターの会長職は経団連会長の指定ポストと考えてよろしいですね。
#134
○日下政府参考人 それぞれのポストについての任命につきましては、業務の性格を踏まえて、知見を有されている方から適材適所で任命されているところでございまして、民間において基盤技術の研究が担われるということが基盤技術研究促進センターの中核的な考え方でございましたので、経済界を代表される方が歴代基盤センターの会長になられてきたのではないかと考えております。
#135
○塩川(鉄)委員 経団連会長の現職の期間とこの基盤センターの会長の期間は対応しているわけです。私は、この基盤センターの設立、運営に当たって、経団連が大きな取りまとめ役を果たしたというふうに思います。もともとこの基盤センター発足のきっかけとなったのが、一九八四年十一月の産業構造審議会でまとめた「産業技術開発政策のあり方」であります。この答申を受けて設立をされたわけです。この産業構造審議会の会長も経団連会長であり、いわば指定ポストとなっております。私はこれを見たときに、センターの成り立ちから運営まで、私は実質経団連主導で行われてきたというふうに思わざるを得ません。それをいわば天下り官僚が支えてきた。経団連こそ経営責任が問われるんではないかというふうに思います。
 この点で、過去の経験にも学ぶべきだと思います。昨年、経団連は、計画が行き詰まった青森県のむつ小川原開発株式会社問題で総額三十億円の資金を負担することを決めました。国と青森県及び経団連加盟企業百七十五社が出資する形で一九七一年に設立されたむつ小川原開発株式会社は、当時の経団連会長を役員に迎えて、経団連や通産省などの支援のもと、事業を手がけることになりましたが、この行き詰まりによって、いわばだからこそ、この行き詰まったときにみずからの責任を明らかにせざるを得ず、通常会費とは別に特別会費を徴収するなどの責任をとることになったわけであります。
 私は、やはりこの基盤センターも同じような実態に対応して、このむつ小川原開発にも学んで、経団連の経営責任が問われるべきだと考えますし、応分の負担をするよう政府として求めるべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#136
○日下政府参考人 先生御指摘の点でございますが、基盤センターの業務の性格といたしまして、やはり民間における研究開発を担っていく上での専門性、あるいは民間の産業の実態をよくおわかりになられている方に会長としてお務めいただいてきた、こういうことでございますし、また、金融という面もあることも反映しまして、金融に明るい方もその理事などになられているわけでございまして、それぞれの方の専門的な知見を期待して、それぞれのポストの任命が行われたものだと考えております。
 そういう面では、経団連の会長としてお仕事をされているということではなく、それぞれの方の知見を期待して、基盤センターの役員におつきいただいているものだと理解をしております。
#137
○塩川(鉄)委員 大臣、いかがでしょうか。
#138
○平沼国務大臣 今御指摘のように、歴代のトップというのは経団連の会長が兼ねている、その責任はどうかというお話でございますけれども、我々といたしましては、やはりその与えられた中で一生懸命努力をしていただいたことは事実でございますし、もしそういう責任ということであれば、それぞれ独自に判断をするべき問題であって、私からその責任の所在というものを明確にする立場にない、こういうふうに思っております。
#139
○塩川(鉄)委員 私は、制度の問題については、その制度の運用上の中身の問題についても問われるべきものがあると思います。破綻した新規設立型企業出資制度の中身に立ち入った検討も必要だと思います。国民の共有財産は大きく損なわれることになりますが、恩恵を受けた者もいるわけであります。
 配付した資料をごらんいただきたいのですが、下の表にありますように、基盤センターの出資プロジェクトの総数は七十四件ですけれども、そのうち、ここで取り上げたような企業、日本電気はその七十四件のうち十八件に出資をしている。日立製作所は十八件、富士通は十四件、東芝は十三件、NTT十三件。こういうふうに見ますと、いわばトップの五社のかかわる件数が、出資プロジェクト総数の七十四分の四十二で五六・八%、六割にも上っているわけであります。
 ここには書いておりませんけれども、件数に加えて、出資の割合で見ますと、七十四件全体では二千六百五十五億円ですが、この五社のかかわる四十二件をとりますと千八百五十六億円で、その割合は六九・九%、七割です。ですから、ここに出資された費用の七割がこの五社のかかわる出資ということになるわけであります。その点でも、一部の大企業に偏った出資制度の実態が今問われていると思います。
 その点で、事業採択制度に偏りがあるのではないか、また、天下りOBと業界との癒着があるのではないか、これらの疑問にきちんと答えていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#140
○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 プロジェクトの選択に当たりましては、これは会社を選んでいるわけではございませんで、まさに、このような基盤技術の研究を担える研究人材、研究資源があるかどうか、また、テーマを応募してくる構想力があるかどうかということが大きな問題になるわけでございます。
 テーマのそれぞれのプロポーザルの選定に当たりましては、これはまさにこのセンターの執行部とは別の外部の専門家から成る評価委員会で、プロジェクトについて、プロポーザルにつきまして精査をした上で、最も見込みのあるものを採択してきたわけでございます。
 また、これはまさに民間側としても三〇%の自己資金を出して研究に当たっているわけでございまして、それぞれ研究に当たる社としても、これでもって研究にめどがつく、これが必要である、その後の応用に期待できる、こういうことがなければ、提案し、なおかつ貴重な人材を充て、その出資金を充てて研究に参画してこない、担わないわけでございますので、そういう面で、結果としてうまくいかなかった場合も、みずから出資をした三〇%、それからその間投入した貴重な人材を、その間経済的な成果が出せなかったという面で、それぞれ、センター側同様、それなりの責任、それなりの結果を享受してきているのだと考えております。
#141
○塩川(鉄)委員 三割を出すことで十割の仕事ができるわけですから、そういう際にやはりきちんと、ふさわしい問題がなかったのかということをただしていくということが基本だ、ここに挙げたような数字に、特定の企業に偏っているという実態についてしっかりと見ておくべきだと思います。実際に、失敗した事業の中でも、十三の事業のうち四つが、この五つの企業が関与しているということもありますので、この点について改めて調査をお願いしたいと思います。
 それで、そもそもこの基盤センター設置の土台となった八四年のこの政府・党合意、これも問われてくると思います。
 国民の共有財産であるNTT株の配当益を基盤センターへ流し込む仕組みをつくったのが、八四年の政府・党合意でした。電電株式の処理と技術開発関連要求の扱いについて決めたこの仕組みの検証が改めて必要だと思います。
 基盤センターの廃止、この合意の三番目の項目になりますけれども、三番目の項目がこれによって廃止をされるわけですので、この合意そのものも無効になったと考えていいんでしょうか、大臣、いかがでしょうか。
#142
○日下政府参考人 政府・与党合意の効力についてお尋ねでございますが、まさに御指摘のように、昭和五十九年の政府・与党合意におきましては、第一には、政府保有義務に係るNTT株式を産投特別会計に帰属させること、第二には、同株式による配当益を技術開発等に活用すること、第三に、まさに旧通商産業省所管の貿易センターを廃止し、両省共管の新法人、これが基盤センターになるものでございますが、基盤センターを設立すること、主にこの三点が定められているところでございます。
 この政府・与党合意を見ますと、基盤センターを解散させることに伴い、基盤センターにかかわる部分は当然意味を失うわけでございますが、一方、NTT株式による配当益を技術開発等に活用すると定めており、今回の見直しにより、その部分につきましては当然にすべての意味を失うということにはならないわけでございまして、基盤センターを設立する、そういうセンターにかかわる部分の効力がなくなってきたのであると理解をしております。
#143
○塩川(鉄)委員 そういう意味でもこの制度、合意の一部がこういう形で否定をされたわけです。改めてこの党合意の問題点を指摘しておきたいと思います。
 出資金の回収ができないというのは、やはり制度設計上の問題にあったわけで、やはり、それであるならば、このような制度を設計した者の責任が問われます。さかのぼれば、やはりそもそものこの政府・党合意に至るわけであります。政府・党合意をつくった方々の名前、この合意の文書で拝見をしました。自民党の役員の方、当時の大臣の名前がありますけれども、例えば、自民党の総務会長で宮澤喜一現財務大臣がおりますし、行財政調査会長として橋本龍太郎行革担当大臣もいらっしゃるわけです。
 そういう意味では、現在の内閣自身がこの当初の問題に深くかかわっていたという点でも、いわばこの制度設計の基本設計者が今の内閣を構成しているという点でも重大な問題があるということを指摘して終わりにしたいと思います。
#144
○山本委員長 大島令子君。
#145
○大島(令)委員 社会民主党・市民連合の大島令子でございます。基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律案について質問を行います。
 まず、基盤技術研究促進センターの総括について、次の四つの観点から質問をいたします。
 第一点目は、昭和六十年に制定された本法の立法趣旨をどのように果たされたのか。二点目、法律で制定された資金回収が期待されるという前提は成り立ったのか。三点目、法制定後十五年経過した今日に至るまで、通産省、郵政省は基盤技術研究促進センターに対する所管の責任をそれぞれどう考えているのか。四点目、職員の雇用はリストラ出向ではなく人事ローテーション出向だと聞いていますが、出向した人たちがもとの職場に戻る際には、以前と同様の業務に戻ることができるのか。
 以上の観点から、総括について見解を伺います。
#146
○平沼国務大臣 大島先生から四点についてのお尋ねでございます。
 昭和六十年の制度成立の趣旨をどのように果たしてきたか、基盤センターの設立趣旨がどのように果たされているか、こういうお尋ねだったと思います。
 将来の我が国の国際競争力について懸念される中、我が国の研究開発の大宗を占める民間を活用して我が国の基盤技術の向上を図ることをその設立趣旨として、今御指摘のように、昭和六十年に、基盤技術研究円滑化法に基づきまして特別認可法人として設立されました。
 同センターは、このような目的のもとに、民間が取り組む基盤技術研究に対して出資や融資等による支援等を通じて、国際電気通信基礎技術研究所、ATRや生物分子工学研究所、BERI等の世界的に評価の高い研究所を輩出したところであります。
 また、約二万件の論文、約二千件の特許登録等の知的資産も形成をされたと思っておりますし、また、このプロジェクトに参加をし、そしてそこで研さんをした研究者によるベンチャー企業の創業、こういう側面もあったと思っておりますし、ポストドクターの受け入れ等による人材の育成、産学連携の促進もこれによって果たされたと思っております。
 また、特許権の実施許諾等を通じた製品化等の研究成果や波及効果をこれまで随分上げてきておりまして、我が国の基盤技術の向上という設立趣旨を果たしてきたものと私どもとしては考えているところでございます。
 それから、特許料収入によって資金回収を期待するという前提だったが、この十五年運用した結果どうだったか、こういうお尋ねでございます。
 基盤センター新規設立型出資制度というのは、我が国の民間の基盤技術の向上を目的とする制度でございますけれども、特許料等収入により金銭的リターンを期待する仕組みとなっておりました。
 他方で、同制度が対象とする基盤技術研究というのは、いわば基礎的研究であり直ちに製品化に結びつかない、そういうものであるということと、中長期的観点から行われ、リスクが非常に高い性質のものであることから、これまで研究成果として今申し上げたような論文や特許を生み出してまいりました。これまでに出資額約二千七百二十億に対して、研究開発会社が上げた特許料等収入は約二十五億円にとどまっているところでございます。
 この間、平成十一年の企業会計基準の変更によりまして、民間企業にとって出資制度という形での研究開発制度の利用が困難となってまいりました。
 一方、我が国の基盤的な産業技術力の強化が今非常に重要となっている状況を踏まえまして、今般、基盤センターの今までやってきた出資制度を廃止しまして、知的資産の形成を目指した委託契約による支援制度に移行したわけでございます。
 十五年間そういうことで本当に一生懸命やってまいりましたけれども、諸般の事情でこういった新しい制度のもとでやっていただく。十五年を総括いたしますと、今申し上げたように、それなりの成果が上がったと私は思っております。
 また、基盤センターに対する指導監督責任について経済産業担当大臣としてどういうことを考えているか、こういうお尋ねでございますけれども、当省のセンターに対する指導監督、これは総務省とも、センターに対して外部評価の強化を指示したところでございます。また、研究開発終了時の研究開発会社の評価を実施し、存続の意義が認められないものについては解散させることにいたしました。センター制度の運営について、これまで所要の指導監督をしてきたものと認識をしております。
 また、センターにおいても、第三者により構成される外部評価委員会により、個々のプロジェクトについて評価を行う等、これまで適切な運営がなされ、また、十分な研究成果を上げてきたものと考えております。
 他方、同センターの制度については、同センターの解散も含めて抜本的に見直し、我が国の産業技術力を一層戦略的かつ効率的に強化するために、新たな制度を整備することによって責任を果たしてまいらなければならない、このように思っております。
 また、最後の、基盤センターを廃止することによってセンター職員の雇用の問題はどうか、こういうお尋ねでございます。
 センターの職員は、役員を除きすべて出向者でございます。センター解散後は出向元に戻ることを予定していることから、雇用問題は生じない、こういうふうに認識しております。
 センターの職員数は、委員御承知かと思いますけれども、平成十三年三月の実員ベースで申し上げますと、経済産業省からの出向者が十六名、総務省からの出向者が十四名、財務省からの出向者が三人、民間からの出向者が十二人。これは金融関係、通信関係、放送関係企業等、こういうことになっておりまして、今申し上げたように、それぞれのもとに戻るという前提でございますので、雇用問題は起きない、このように考えております。
#147
○大島(令)委員 それでは、今大臣の御答弁では、立法の趣旨を十分果たしてきた、リスクの高い研究ではあるがそれなりの成果はあったということ、また外部評価制度も設けてきたということでございます。
 しかし、大臣も申されましたが、総額二千七百二十億円が出資され、特許料収入は累計で二十五億円。
 私は、この法律を見たところ、第三十二条には業務方法書の規定がございます。そして、三十五条には予算等の認可、これも経済産業大臣及び総務大臣の認可を受けなければならない。財務諸表についても、損益計算書等含まれておりますけれども、同じく両大臣の承認を受けなければならない。そして、三十八条には利益及び損失の処理の規定。さまざまな規定がこの法律の中に含まれているわけです。
 このようなことをきちっとやっておけば、途中で、十五年もたたずに何らかの手を打つ中で対策がとれたのではないか、NTTの国が持った三分の一の株の配当の利益は国民共有の財産であり、見通しがおかしいなと思った段階で手を打てばこのような損失はないのではないかと私は思います。
 こういう法律の条項に照らし合わせての総括は、どのようにお考えでしょうか。
#148
○日下政府参考人 特別認可法人でございますので、先生御指摘のような形で、両省でしっかりセンターの運営のあり方について見ていくことになっているのは、御指摘のとおりでございます。
 センターが従事をしていますのが基盤技術の研究でございますので、やはり成果につながるのに時間がかかるという面がございます。そういう面で、制度創設以来研究成果を見守ってきたわけでございますが、なかなか難しいと予想していたとはいえ、それが特許につながる、また特許そのものがまさに活用されて特許料収入が続々と入ってくるということにはなかなか立ち行かないということがわかってきたわけでございます。
 そういう面では、総務庁からの指摘でございましたり、それまでの研究の成果を踏まえまして、平成七年には外部評価、特に経済性の面から、単に研究開発がうまくいっているかどうかではなくて、それがまさに基盤研究、幅広い形でインパクトがあって産業につながっているかどうかという経済性の面からの評価を強化してきたわけでございますし、その後、新規案件の採択につきましても停止をするに至ったわけでございます。そういう面では、それぞれ、私どもとして気がついたところで手を打ってきたところでございます。
#149
○大島(令)委員 では、ここに当時の議事録がございます。昭和六十年四月三日の商工委員会で、社会党の松前委員が、いろいろ各省庁でやっております基盤技術のすべてをカバーしていかないと、通産、郵政の部分だけで恩恵を与えるということになれば非常に不公平になる、政府の中でこの辺についてもっとしっかりと整理をして、すべての基盤技術について、こういうものをつくっていくのだという姿勢を示していただきたいという質問に対し、当時の村田通産大臣は、国益また国民の利益に合致するという意味からいえば、基盤技術は本来そんな狭いものであるはずがない、当面は予算的な裏づけのある通産省と郵政省の所管技術に限定するが、中長期的には委員のおっしゃる方向に向かって努力してまいりたいと答弁しております。
 したがって、今回の改正に当たり、こうした当時の村田大臣の約束とも言える努力がどのように果たされ、きょうの総括になったのか、御答弁をお願いいたします。
#150
○日下政府参考人 先生御指摘の点でございます。昨年の年末にかけて、亡くなられました情報学研究所所長の猪瀬博先生をヘッドに、今までのセンターの事業につきまして厳しく評価をいただいてきたわけでございます。その中で、今後のあり方として、引き続き民間における基盤技術の研究に対する支援、これはますます重要性を増しているところである、しかし、これはやはり分野について重点化あるいは戦略的に行うことが必要であるという指摘を受けているわけでございます。
 そういう指摘も受けまして、今般の改正におきましては、総務大臣、経済産業大臣、両大臣による基本指針をつくり、研究開発分野の重点化、戦略化を図っていくところとしているわけでございます。総務省と経済産業省の基盤技術関係のカバーしているところは、もちろん全部ではございませんが、研究費あるいは特許などで見ましても、過去八割を大きく超える状態でございまして、今戦略分野と言われている分野をかなりカバーしているのではないかと思います。
 また、全般につきましては、けさの科学技術基本計画においてもうたわれていますように、政府全体として重点化が行われ、総合科学技術会議がその重点化を行っていくについての司令塔になっていくことを期待しているわけでございます。
#151
○大島(令)委員 厳しい評価を受けての今回の改正ということでございますね。わかりました。
 では次に、総務庁行政監察局のセンターに対する指摘について、大臣に質問させていただきます。
 平成十二年十月、総務庁行政監察局がまとめました特殊法人に関する調査結果報告で、NEDOについて次のように述べられております。
 「NEDOが実施する産業技術に関する研究開発には、経済社会の新たな発展に資する研究開発、社会的使命に応じる上で必要な研究開発及び外国の研究機関と共同して行う研究開発がある。昭和六十三年度以降平成十年度までに三千五百九十八億円投入され、このうち、新規産業創出型の研究開発には二千三百六十五億円」投入されている。「研究開発の目的である新規産業創出との関係については、産業界への波及が期待されると評価された二十三件の中には開発終了後相当期間を経過したものもみられるが、研究開発の成果が具体的にどのように産業界に波及したかは明らかでない。 研究開発は、多額の公的資金に依存するものであり、国民に対する説明責任が求められることから、研究開発の成果がいかに新規産業の創出に結び付いているか明らかにしていくことが必要である。」と書かれております。
 以上の指摘につきまして、今後このセンターの業務を引き継ぐことになっているNEDOは、十分にその機能を発揮しなければならないと考えますが、大臣の見解を聞かせてください。
#152
○平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
 昨年十月に総務庁が取りまとめました新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOに対します特殊法人に関する調査結果報告書においては、議員が御指摘になられたような調査結果をいただいたところでございます。
 産業技術研究開発においては、既に終了したものでは、例えば導電性高分子の技術開発では、本研究開発を契機として世界的に導電性高分子の研究開発のブームを引き起こし、こうした研究の成果は、固体電解コンデンサーやプラスチック電池、リチウム電池の電極材料、パネルディスプレーに生かされるなど、広く今日のIT社会を支えるパソコンや携帯電話の小型化、高性能化等に大きく貢献しているところでございます。
 また、現在実施しているものについて申し上げれば、例えば、高度情報化社会において必要となる大容量の記憶媒体を開発するため、次世代の光ディスクの開発などにも取り組んでおり、このような研究開発により、今後の新市場の創出が期待されるところであります。
 このように、産学官の英知を結集した研究開発を実施することにより、新規産業の創出や研究人材の育成等、有形無形の成果を上げているものと認識をしておりますけれども、経済産業省といたしましては、今般の調査結果も踏まえ、平成九年度から行っている技術評価指針に基づく研究期間中及び研究開発終了後の技術評価を引き続き確実に行うとともに、こうした評価を今後の研究開発の効果的、効率的な企画、運営に生かしてまいりたい、このように思っておりまして、新しい形でNEDOに引き継がれますけれども、しっかりとそういった形で万全を期していきたい、このように思っております。
#153
○大島(令)委員 わかりました。
 では、次の質問に参りますが、国民から批判の強い官僚の天下りに対する見解を、三点にわたって質問をさせていただきます。
 まず大臣に、中央官庁から関連する特殊法人や認可法人に対する天下り問題は、これまでも多くの国民の批判の的となっています。このたびの法改正の対象となっている基盤技術研究促進センターもそうですが、このセンターの業務を引き継ぐNEDOやTAOについても、その役員構成を見ますと、相当数が関係官庁出身で占められています。天下り問題は、これまで何度も閣議決定され、一定の規制を行ってきたことは認めますが、実情は余り改善されていないと思います。こうした実態について、まず、基本的にどのような認識を大臣が持っているのか伺います。
 二点目、天下り問題については、特殊法人等で働く労働者は非常に厳しい目で見ています。現場の労働者は、自分たちの仕事が、国民へのサービス向上につながり国民に支持される業務改善を求めています。ところが、実態はそうなっておらず、特殊法人や認可法人を利権、特権政治に奉仕させようとしているのは、監督官庁からの天下り官僚だとの指摘さえあります。こうした人々については、不正についてのチェック能力や自浄能力さえもないとの指摘もありますが、特殊法人や認可法人に多くの役員を送り出している官庁を代表する大臣の立場から、こうした現場の声に対し、どのような見解を持っているのか伺いたいと思います。
 三つ目は、天下り官僚の給与、退職金等について改革の必要性はないかという観点からの質問でございます。役員の退職金と役員の認可法人等を渡り歩くという問題がございます。例えば、NEDOについて見ますと、平成十年度現在十五人の役員がおり、このうち行政機関の出身者は十人になっています。この人々の給与月額は、副理事長で本俸が約百二十万円。その額の妥当性についての論議はともかく、問題は退職金の算定です。退職金の算定は、退職時の本俸月額掛ける〇・三六掛ける在職月数になっておりますので、この計算で概算しますと、例えば副理事長でも、一期三年勤務すれば約一千五百五十万円の退職金となります。一般的な国民の常識の範囲は大きく超えると思います。
 きのうの夕刊で愛知県の人事異動がありまして、やめられる職員の退職金、三十年愛知県庁に勤めてきた、県の職員とこういうところの職員とでは、仕事の責任とか意味合いも違ってくるとは思いますが、その方々からすれば、一期三年、副理事長で勤務すれば一千五百五十万円という金額は、一般的な国民感情の範囲を大きく超えると私は思いましたので、質問させていただきます。
#154
○平沼国務大臣 三点のお尋ねでございます。
 当省所管の特殊法人及び特別認可法人は十六法人ございまして、これら法人の常勤役員数は、全体で百二十九名となっております。このうち、当省から常勤役員に就任している者は三十八名、二九%でございます。なお、五年前の平成七年度には、当省主管の特殊法人等の常勤役員に占める当省からの就任者の割合は三二%でございまして、若干減少をいたしております。
 なお、特殊法人については、平成九年十二月二十六日の閣議決定によりまして、各省庁が主管となっている特殊法人全体について、当該省庁からの就任者をその半数以内にとどめるべきものとされておりますけれども、当省の場合は、三分の一を下回る水準、二九%となっており、閣議決定の基準を相当下回る水準となっている、このように思っております。
 また、現場の労組の皆様方が天下りを厳しい目で見ている、そのような現場の労組らの意見を広く聞くべきではないか、こういう御指摘でございます。
 特殊法人等の役員の任免につきましては、所管の大臣または当該特殊法人の長が法律等に基づき責任を持って行うことになっておりまして、これらの役員の任免に関し、労働組合の意見を聞く機会を設けることとはいたしておりませんけれども、しかし、やはりともに働くわけでございますから、意思の疎通をしっかりとして、そしてこの運営がスムーズにいくように、そういう心構えでやらなければならない、私はこのように思っております。
 また、特殊法人の役員の給与や退職金は庶民感覚に照らして高過ぎるのではないか、こういう御指摘でございます。
 この給与、退職金という問題に関しましては、累次の閣議決定に従って、個別の法人の業務内容や事業規模等を勘案して決定されているもの、このように承知しております。具体的には、特殊法人役員の給与につきましては、平成十年九月二十九日の閣議決定におきまして、事務次官の俸給額より低くなるように調整する旨定められており、これに従った措置を講じているところであります。また、特殊法人役員の退職金の支給率については、昭和五十二年十二月二十三日の閣議決定において、在職期間一月について俸給月額の百分の三十六相当とする旨定めており、これに従った措置を講じているところであります。
 なお、特殊法人等の役職員の給与、退職金につきましては、昨年十二月に決定された行政改革大綱において、平成十三年度に特殊法人等の事業及び組織形態の見直しが行われること等を通じて、民間及び公務員との均衡、業績等に留意しつつそのあり方を見直し、平成十三年度に所要の調整を行うとともに、この調整を踏まえ各特殊法人等が定めた役員給与・退職金の支給基準を公表することといたしておりまして、これに従って適切な処理がなされる、このように思っているところでございます。
#155
○大島(令)委員 今大臣が述べられたこと、行政改革推進本部の言葉も新聞に載っておりました。
 そこで、お伺いしますけれども、課長以上の役職者が退職する際には大臣の許可、承認が要るということでございますので、この行政改革推進本部では、新しい再就職先まで大臣の承認制とするということでございますが、平沼大臣、課長職以上の方が申し出たときに、ただ承認するだけじゃなく、君は次はどこに行くのだねということで、特殊法人であるかないか、今までそういう場面に遭遇したことはございますか。
#156
○平沼国務大臣 私、昨年の七月から就任をいたしましたけれども、課長級についてはそのような経験を持っておりません。
#157
○大島(令)委員 わかりました。NEDOやTAOが新たな天下り機関として使われることのないように、今御答弁いただきました行政改革推進本部のこの方針を受けて今後もやっていただきたいということで、質問を終わらせていただきます。
#158
○山本委員長 次回は、来る四月四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十六分散会

ソース: 国立国会図書館
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