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2001/03/05 第151回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第151回国会 本会議 第10号
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2001/03/05 第151回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第151回国会 本会議 第10号

#1
第151回国会 本会議 第10号
平成十三年三月五日(月曜日)
    ―――――――――――――
  平成十三年三月五日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 森内閣不信任決議案(鳩山由紀夫君外十名提出)

    午後一時三分開議
#2
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○小此木八郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 鳩山由紀夫君外十名提出、森内閣不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#4
○議長(綿貫民輔君) 小此木八郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 森内閣不信任決議案(鳩山由紀夫君外十名提出)
#6
○議長(綿貫民輔君) 森内閣不信任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。鳩山由紀夫君。
    ―――――――――――――
 森内閣不信任決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔鳩山由紀夫君登壇〕
#7
○鳩山由紀夫君 民主党の鳩山由紀夫です。
 私は、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び民主党・無所属クラブの四会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました森内閣不信任決議案につきまして、提案の趣旨を御説明いたします。(拍手)
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
  本院は、森内閣を信任せず。
   右決議する。
    〔拍手〕
以上であります。
 森総理、それから与党の皆さん、あなた方には国民の声が聞こえますか。市場の声が聞こえますか。今や、森総理の支持率は一けた台まで落ち、限りなくゼロに近づいています。もはや国民は、森自公保内閣を信任せずであります。(拍手)
 また、総理就任時に二万円以上あった株価は、わずか一年で四割も下落、一万二千三百円を下回り、十五年来の最安値を記録しています。市場もまた、森自公保内閣を信任せずであります。
 そして今、国権の最高機関である国会が、森自公保内閣を不信任するときが参りました。
 以下、我々は、四会派のみならず、国民を代表して、森内閣不信任決議案を提出する理由を申し上げます。(拍手)
 自民党の前参議院議員会長であり、密室で森首相づくりを行った五人組の一人である村上正邦前参議院議員が、KSD汚職に関連して、受託収賄罪の容疑で逮捕されました。KSD汚職をめぐる政治家の逮捕は、同じく自民党に所属していた小山孝雄前参議院議員に次いで二人目です。KSD汚職関係者の逮捕、起訴が相次ぐ中で、株価の下落が続き、我が国の政治的、経済的混迷は一段と深まっています。
 そのすべての原因は、自公保連立政権、森内閣にあります。森内閣の存在そのものが不信と不安、混迷の元凶であると言っても過言ではありません。森内閣は、政権発足以来スキャンダルが相次ぎ、三人の閣僚が辞任し、一貫して低支持率にあえいでいますが、今日、森内閣に対する国民の批判は極限に達しています。にもかかわらず、森総理がその地位に居座り続けていることに、国民は激しい怒りを感じています。(拍手)
 衆議院で与党により強行可決された平成十三年度政府予算は、財政再建にも構造改革にも真っ向から逆行する、相も変わらぬばらまき予算であり、我が国の財政危機はなお一層深刻になっています。過去最悪の失業率、下落し低迷する株価、景気の停滞、そして、森内閣の存在そのものが国民生活に打撃をもたらしています。森内閣の責任は極めて重大であります。
 また、KSD汚職、機密費疑惑など、相次ぐ疑惑の解明に対する森内閣の消極姿勢と無責任さは際立ち、さらには、米海軍原子力潜水艦による宇和島水産高校実習船衝突沈没事故に際しての森首相、森内閣の対応は、国民の命と安全に対する責任感がいかに希薄であるかを如実に示しています。
 もはや、このような自公保連立森内閣のもとで、我が国が、国家的危機とも言える今日の事態から抜け出すことは到底不可能であります。
 よって、本院は、我が国が一刻も早く危機的状況から脱却し、国民の政治への信頼を回復するための不可欠の前提として、森内閣を不信任すべきであります。(拍手)
 以下、不信任の理由をさらに詳しく申し述べます。
 第一に、KSD汚職は、単に贈収賄で逮捕された村上、小山前参議院議員の個人の問題ではありません。それは、自民党の構造的な汚職であり、自民党の体質のあらわれであります。KSD疑惑とそっくりの構図で、マンション業者に党費を肩がわりさせていたことが発覚した久世公堯元金融再生委員長。KSDの依頼によって施政方針演説にものつくり大学を後押しする文言を挿入し、その見返りに千五百万円の金を受け取った疑いがかけられている額賀福志郎前経済財政政策担当大臣。
 何よりも、KSDによる党費の立てかえと幽霊党員の存在を黙認し、選挙応援と金と引きかえに公益法人や業界団体の便宜を図り、政策や制度をねじ曲げるという自民党全体の体質があります。KSD疑惑は、自民党が金で参議院の議席を売り、自民党全体がKSDマネーに汚染されているという空前絶後の大疑獄事件です。(拍手)
 この罪は、ひとり森喜朗総理に帰すものではありません。自民党全体が負うべきものであります。かつて、森総理自身の師である福田赳夫元総理は、金で日本国総理のいすを買い取るようなことがあってはいかぬのだと、あなたをどなりつけたそうですね。今日、自民党全体が金のために政治を売る体質に堕しているのではないか、与党議員一人一人の胸に問うものであります。(拍手)
 第二に、国民生活を破綻させている森自公保政権の経済失政であります。その象徴が一万二千円台の株価です。森内閣は、景気回復最優先と称して、ばらまき財政支出を増大させています。しかし、今、日本経済を再生させるために必要なことは、構造改革路線への明確な政策転換です。幾ら政府・与党がばらまいても、あなたたちが二十一世紀に残したお土産は、六百六十六兆円にまで膨張した国と地方の借金だけではありませんか。(拍手)
 公共事業と補助金のばらまき、過剰な規制の温存という誤った経済政策は、自民党の構造的ゆがみから生まれたものであります。森総理が辞任しても、後継が自民党総裁である以上、本格的な構造改革路線など望むべくもありません。不信任されるべきは、森総理個人のみではありません。自民党型政治、自公保政権そのものが不信任され、国民の手によって解体されるべきときが迫っているのであります。与党の議員諸君には、その歴史の足音が聞こえているのでありましょうか。(拍手)
 第三は、機密費の疑惑解明に対する消極姿勢と無責任さです。国民にしてみれば、自分たちが納めた税金が、競走馬や余分な飲食代、ひいては国会対策費にまで使われているという現状は、我慢のならないことであります。与党の諸君は、この国民の怒りにどのようにこたえるつもりなのでしょうか。
 この事件は、松尾前要人外国訪問支援室長の個人的犯罪ではなく、官邸と外務省の組織的な犯罪である可能性が高いと言わざるを得ません。にもかかわらず、総理や福田官房長官、河野外務大臣は、まるで人ごとのような態度で、本気で調査する姿勢をいまだに見せておりません。のみならず、来年度予算においても報償費の減額を拒否し、何の改革姿勢も見せていないではありませんか。
 機密費疑惑の解明を進めようとしないのは、森総理個人の無責任さばかりでなく、自民党政権が持つ構造そのものに問題があります。疑惑の解明を進めれば、官僚たちが傷つくのみならず、政権政党の暗部も照らし出され、責任問題が生じることになるからです。そうではありませんか。
 第四に、えひめ丸事件に関する森総理、森内閣の無責任な対応です。
 事故の第一報を受けた後も平然とゴルフを続け、一国のリーダーとしての真剣味も危機管理能力もないことが明らかになりました。米国に事件の真相解明を迫る姿勢にも、どこかはれものにさわるような中途半端さが見られます。
 北朝鮮拉致疑惑第三国発見方式発言で既に露呈していた森内閣の外交能力の欠如は、ますますはっきりしたものになりました。その上、北朝鮮への親書のファクス通信というあるまじき行為など、次々と問題を起こしては、国会において虚偽の発言を繰り返したのであります。これ以上、この政権にこの国の未来を任せるわけにはまいりません。(拍手)
 第五に、ただでさえ疑わしい森総理の正統性は、いよいよ地に落ちています。
 思い起こせば、故小渕総理が病に倒れられた後、森政権は、いわゆる五人組による密室の協議の中で生まれました。さらに、その前提となった小渕内閣総辞職に至る経緯は、当時の官房長官であり五人組の一人でもある青木参議院議員が偽りに偽りを重ねたものだという疑いを強く持たれています。
 総理、あなたは、コネで大学に入学し、恫喝で就職したことを、みずから自慢げに著書に書かれておられるじゃありませんか。あなたがいずれまた自伝を書くときには、総理になったのは談合だったと書かれるのでありましょうか。
 そして、今日、森総理の生みの親ともいうべき五人組のうち、森総理誕生に主導的役割を果たした村上正邦前参議院議員は、KSDにまつわる贈収賄容疑で逮捕されました。
 総理、そして与党の議員諸君、森政権の正統性を最も疑っているのは国民自身であります。森内閣の支持率は、何と六%台にまで沈み込んでいます。この数字を前にして居直りを続けるあなたのような人を評して、恥を知らねば恥かかずと言うのであります。(拍手)
 森総理と自公保政権の罪状は、これまでに申し上げてきたものに尽きません。政教分離に抵触した神の国発言、ゴルフ場会員権を実質的に無償で譲り受け、贈与税も支払わないという驚くべき姿勢など、国民の常識をはるかに超えた行動も多く見られます。
 今日の日本と日本人の危機の深刻さは、森総理が日本人の道徳や教育を語る旗頭であることであります。日本じゅうに蔓延するモラルハザードは、指導的地位にある人たちの言葉と行動の無責任さによって増幅されているのです。(拍手)
 今、日本人が誇りを取り戻し、日本の危機を克服する道を歩み始めるためにまず行うべきは、その障害たる森内閣を取り除き、自民党型政治を打ち破ることであることは、今やだれの目にも明らかであります。(拍手)
 最後に、与党の議員諸君に申し上げます。
 今や、森総理に退陣を迫る大音声が、自民、公明、保守の与党内に響き渡っていると聞いています。まさに、与党の皆さんも、本音では森内閣を信任せずというわけでありましょう。
 しかし、きょうから百四日前、昨年十一月二十一日が何の日か、諸君は覚えているのでしょうか。ほかでもありません。私たちが提出した森内閣の不信任案を諸君が否決した日であります。日本経済をどん底に陥れ、愛すべき日本社会のモラルを失わせた責任が森内閣にあるとしたら、与党の諸君はまさにその共犯者であります。今日の政治の失墜に諸君は共同責任を負うべきであります。(拍手)
 与党の諸君が、再び自民党内と公明、保守両党との談合で総理・総裁の首をすげかえて事をおさめようと考えているのなら、とんでもないことです。諸君に真に国を思う心があるのならば、本日ただいま、この国会の場において、森内閣を不信任とすべきであります。
 与党の議員諸君、今こそ言葉と行動を一致させる誠実さを示して、国会に誇りを取り戻そうじゃありませんか。(拍手)
 私たちは、近い将来、必ずや政権交代を実現し、政官財癒着の構造、ザ・自民党と無責任、不適切な政策に対し終止符を打つことをここに宣言いたします。
 本決議案に多くの議員が賛同され、速やかに可決されんことをお願いし、提案を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(綿貫民輔君) 討論の通告があります。順次これを許します。尾身幸次君。
    〔尾身幸次君登壇〕
#9
○尾身幸次君 私は、自由民主党、公明党、保守党を代表して、ただいま議題となりました野党提出に係る内閣不信任決議案に対し、断固反対の討論を行うものであります。(拍手)
 昨年秋の臨時国会の終盤、補正予算の審議が衆議院で終わる寸前に、やはり野党四党から内閣不信任案が提出されました。仮に、あのとき、あの不信任案が可決されていたならば、日本経済への打撃ははかり知れないものがあり、今振り返っても、ぞっとする思いがいたします。(拍手)
 今また、野党の諸君は、不毛な決議案を提出してきました。国民生活と日本経済を人質にとり、政治を混乱させようという野党の行動がまたしても繰り返されることに、私は深い憤りを感じています。(拍手)
 本決議案に反対する理由の第一は、森政権が発足して以来実現してきた、あるいはこれから取り組もうとしている政策は、二十一世紀の日本社会の方向づけとして何ら批判されるべきものではないということであります。(拍手)
 昨年成立させたあっせん利得処罰法しかり、IT基本法しかりであります。さらには、今国会の焦点とも言うべき教育改革もそうであります。また、政策の実行力という点においても、与党三党の一致結束のもと、過去のいかなる内閣と比較しても遜色はありません。
 経済政策においても、森内閣は、先週参議院に送付された景気対策に軸足を置く十三年度予算を初め、確定拠出年金法案などによる構造改革を推進し、五年以内に我が国を世界のトップのIT国家に押し上げる政策を含め、日本経済新生へのプログラムを着実に進めているのであります。(拍手)
 政権への評価は、基本的には、何といっても政策について行われるべきであります。政策面で森内閣は非常にしっかり取り組み、大きな成果を残しつつあります。政治は、結果責任が問われるべきものであります。政策の内容で判断するならば、森内閣には合格点がつくのは間違いありません。(拍手)
 野党の諸君は、森内閣のどの政策を批判しようとしているのでしょうか。今国会召集以来一カ月余り、野党の諸君は一度でもまともな対案を出されたことがあるのでしょうか。(拍手)
 そもそも野党とは、与党の提案する政策に対して責任ある対案を示し、与党とは違う選択肢を国民の前に提示するのが役割のはずであります。建設的な議論もなく、ただいたずらにばり雑言を浴びせ、その上、かかる不信任決議案を提出して権力闘争を繰り広げる。私には、とても、ただいまの野党の行動は、国民の代表として選ばれた者の責任ある行動とは思えません。(拍手)
 本決議案に反対する第二の理由は、決議案の行方によっては、日本経済が厳しい中、国民経済、国民生活に致命的な打撃を与えかねないということであります。
 本決議案が万一可決され、十三年度予算及び関連法案の年度内成立が不可能になった場合には、国民経済に必要な資金が供給されず、日本経済は崩壊の危機にさらされることになりかねません。
 不況で職を失い、あるいはリストラの不安に直面している人々にとって、景気回復は焦眉の急であります。失業して職を求めている人々は、一日千秋の思いで予算の早期成立を待ち望んでいるのであります。幾ら年度内成立の見通しが立ったとはいえ、それだけで安閑としていられる場合ではないのであります。
 折しも、株価は一万三千円も割り込み、もはや一刻の猶予も許されません。我々与党としては、十三年度予算及び関連法案の早期成立に向かって、参議院の同志に最大限の努力をお願いしているところであります。それなのに、野党は、この決議案を出して妨害しているのであります。(拍手)
 このような日本経済がデリケートな時期に、予算及び関連法案の成立をおくらせかねない野党の行動は、政治の良識に全く反するものと言わざるを得ません。
 私が不信任案に反対するのは、第三に、日本の株価が下がり、日本の国際信用が下落しつつあるかに見えるこの時期に、このような不信任決議案の提出そのものが我が国の信用にマイナスの影響を及ぼすからであります。
 現在の日本の国会論議を外国人の目から見たらどう映るでしょうか。
 党首討論においてさえ、大部分の野党の党首は、森総理の個人攻撃に終始しております。日本経済の将来をどうするか、世界における日本の位置づけをどうするかなど、日本の政治の根幹についての議論はされておりません。野党の諸君は、一言半句の揚げ足をとっては総理を批判し、マスコミの世論調査の数字が低いと言っては非難する。そこには政策的な論点は全く見られません。このような野党のあり方では、世界の常識から見て、日本の政治家は志が低い、水準が低いと見られても仕方ありません。日本の政治家は危機感も緊張感も責任感も持っていないと見られても仕方ありません。
 国会は、本来の言論の府、すなわち政策論議の場に立ち返るべきであって、党利党略に基づいた不信任案の提出など論外であり、到底許されるものではないのであります。
 もとより、森総理も人間であります。人間は完全無欠ではなく、だれしも欠点や至らぬ点があるのは当然であります。しかし、森総理が、反省すべき点を反省され、批判は謙虚に受けとめられながら、我が国の国難とも言えるこの大事な時期に懸命に日本丸のかじ取りを行っておられることは、紛れもない事実であります。
 以上、私は、どこからどう考えても、この決議案は理不尽この上ないものだと思うのであります。
 もちろん、野党諸君の中にも良識的な人材がおられることを私は知っております。しかし、その多くは、総理と政府・与党を批判し続けていさえすれば政権を奪い取れると思っているとしか見えません。全体として見れば、日本の政党政治にはこんな不見識な野党しか存在しないのかと嘆かざるを得ない状況になっているのであります。
 それゆえに、私は、このような無責任で不見識な野党に日本の将来を任せるわけにはいかないと痛感し、改めて、与党三党がしっかりと団結し、将来に責任を持つ政治を展開していかなければならないと決意を新たにしているところであります。
 今こそ、日本の活路を見出すチャンスを確実につかみ取るために、十三年度予算に加え、教育改革、経済構造改革、IT革命の推進、規制緩和など、必要な政策を粛々と進めなければなりません。そのための関係法案を円滑に通さなければならない重要な時期に、野党諸君が専ら党利党略で提出された内閣不信任決議案に、私は断固反対するものであります。
 最後に、与党三党の結束のもと、かかる不信任決議案を圧倒的多数で否決した上、森内閣が推進している諸課題に三党、力を合わせて全力で取り組んでいく決意を今ここに力強く表明し、私の反対の討論を終わります。(拍手)
#10
○議長(綿貫民輔君) 中野寛成君。
    〔中野寛成君登壇〕
#11
○中野寛成君 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました野党四会派共同提案の森内閣不信任決議案につき、賛成の討論を行います。(拍手)
 古来、イギリスのことわざに、腐った卵ではおいしいオムレツはつくれないということわざがあります。腐った政治でいい暮らしができない、これは、今なお世界で最も厳しいと言われます政治腐敗防止法ができたころに、国民の皆さんの声から自然に生まれたことわざだと言われております。まさに、今の日本にそのまま当てはまることわざだと言わざるを得ません。(拍手)
 森内閣に対する不信任案は、昨年秋の臨時国会でも取り上げられました。そのときの不信任理由も、数々の失政とスキャンダルのうずたかい山々にありました。
 今、国民は、将来への展望を失い、数々の災害や事故にも見舞われ、永々として続く不況の中で塗炭の苦しみにあえいでおります。その中で、果てしなく続く政官財を取り巻く重大なスキャンダルの中で、国民の怒りが爆発するのは当然であります。
 森内閣は次から次へと重大な失政を重ね、我が国の経済、財政を最悪の事態へと陥れてきました。金融機関等の不良債権問題を放置し、経済構造改革を後退させた森内閣は、ようやくプラス成長に転じつつあった日本経済を再び奈落の底へと突き落としました。
 去年四月には二万円台をつけた日経平均株価は、森総理就任以来低落の一途をたどり、今や一万円割れさえも必至の状況と言われております。
 失業率も五%台へと限りなく近づき、新卒者から中高年に至るまで雇用不安が拡大しております。中小企業の倒産を初め、自殺者、経済的重大犯罪まで、その悲劇は枚挙にいとまがありません。
 さらに、二〇〇一年度末には、国、地方合わせた借金は六百六十六兆円に達する見込みであり、我が国はまさに国家破産寸前の状態に陥っております。
 今回の私たち野党四党の不信任決議案の提案理由も、悲しいかな、これら数々の失政に加えて、汚職を初めとするスキャンダルが理由に挙げられます。
 政敵である野党が、政治、政策路線の違いから内閣不信任案を提出し、国民にアピールすることは、通常の例であります。しかし、今回の森内閣の場合、数々の失政に加えてスキャンダルの山々がうずたかく重なり、国民が森内閣を見放し、野党に対して不信任案提出を促しているのであります。
 さて、そのスキャンダルでありますが、KSD汚職は、国会議員二名の逮捕と議員辞職、そして現職閣僚の辞任をもたらしました。しかし、この汚職構造の全容はいまだに解明されておりません。
 村上氏の参議院における証人喚問は、証言拒否の連発でありました。五千万円をKSDから受け取ったのかという質問に対してさえ、刑事訴追のおそれがあるから証言を拒否するという、その回答そのものに真実が含まれているではありませんか。議員を辞職し、逮捕された村上氏と森内閣はどのような関係にあったか。まさに、述べるまでもなく、いわゆる五人組の一人、森総理・総裁の生みの親が村上氏であり、この一点に限っても、森総理はみずからを恥じて、即刻総辞職すべきであります。
 また、額賀前大臣の政治倫理審査会における弁明も、疑惑を払拭できませんでした。むしろ嫌疑は濃くなったと言わざるを得ません。この額賀氏も、森総理・総裁を密室で誕生させたいわゆる橋本派のプリンスと言われる、いわば派閥の申し子であります。
 ちなみに、生みの親の一人でもある亀井政調会長についても、他の疑惑裁判において金銭収受の証言が飛び出しております。
 すなわち、国民から見れば、森内閣の実態というのは何ともうさん臭いのであります。自民党議員の皆さんは、こうした実態を野党の我々よりもよく御承知のはずであります。
 あなた方は、今、この国権の最高機関、国民の代表機関である国会において、野党の演説に対して適当にやじを飛ばし、不信任案を葬り去ろうとしているのかもしれません。しかし、あなた方は本当に森総理を信任できるのでしょうか。今日以降、三月十三日の自民党大会まで森おろしが自民党内で本格化するとも報道されています。国会での不信任反対は信任したことにはならないという言葉、何というへ理屈でしょうか。国会で信任しておいて、その直後の党大会で引きずりおろそうとしているあなた方の姿こそ、自民党全体が密室談合の構造に陥っていることの何よりの証拠ではないでしょうか。(拍手)
 そして、連立与党たる公明党、保守党の皆さん、まず予算がある、予算関連法案があると弁解されますが、では、予算関連法案が全部成立するまで、有権者に言いわけもせず、立派に森総理と心中する責任感があるのでしょうか。
 公明党幹部の皆さんの森おろし発言がテレビや新聞でよく報道され、目立っております。保守党党首も、何やら体裁のよいことをおっしゃっているようであります。しかし、公明党も保守党も、この国会では、みずからはこの議案においても反対討論をなさらず、できるだけ国民に目立たぬように気をつけながら、森総理を信任しようとしていられる。皆さん方の裏表のある言動を国民が知らないとお思いでしょうか。(拍手)
 この失政とスキャンダルにまみれた森内閣を国会の場で不信任もせず、総辞職もさせないというなら、皆さんの政治に対する理念が疑われるのではないでしょうか。
 森内閣不信任の理由は、KSDだけではありません。いや、まだあるのか、KSD一つで十分ではないか、国民の声が聞こえそうです。確かにKSD汚職は、当時の参議院自民党幹事長本人が金で議席を買い、自民党員そのものも、金で売り買いする幽霊がほとんどだったという実態を暴露したものです。議席と党員が金と幽霊であるなら、自民党という政党から政官業の黒い癒着と汚職にまみれた金を除くと、何が残るのでしょうか。その疑問に答えなければなりません。
 ところが、さらに内閣の実態を露呈させたのが機密費疑惑です。
 一外務省職員が、内閣の機密費を何億円も使い込んで競馬馬を買っていた。しかし、その実態を解明しようとしたら、官房長官も外務大臣もまともに疑問に答えようとしない。そして、何億もの機密費が何年にもわたって使い込まれていても気がつかないようなむだな予算は、その分だけでも予算から減額したらどうかと野党が提案すると、いやいや、丸々そのまま必要だと強弁しているのが実態です。機密費不正流用の実態を隠し、機密費を守ろうとする政府の姿勢を見るなら、国民に税金を納めることがばかばかしいと思わせるように政府みずからが宣伝しているようなものです。
 民主党は既にこの疑惑に満ちた予算の抜本改革案を提案し、野党四党は大幅な削減を要求しております。それに耳をかさない森内閣は、まさに万死に値し、国民に不信任されるのは当然であります。(拍手)
 第三に、この機密費を含む政府予算全体の問題が挙げられます。
 株価が低迷し、三月には深刻な大穴に落ち込むのではないかという危惧の声がささやかれています。この深刻な景気停滞と雇用不安に対するカンフル剤が森内閣の総辞職であるということは、大多数の、しかも内外のエコノミストが指摘するところであります。そして、相も変わらぬ従来型の公共事業と借金の垂れ流しを柱とする政府予算では、だれも日本経済に対する信頼を示しません。
 野党四党は、こうした政府予算に対して構造改革を求め、組み替えを要求してきましたが、それに対しても一切耳を傾けないのが森内閣であります。森総理が野党の主張を全く入れないとするなら、みずから退陣して景気回復の一助に資するくらいの責任感があってもよいではありませんか。すなわち、あなたの退陣こそ、株価を少なくとも二、三千円は引き上げることになるのではないでしょうか。
 最後に、森総理個人のことに触れざるを得ません。
 前国会でも、総理個人の資質に対する疑問がたくさん提起されました。えひめ丸衝突沈没事故に関する森総理の対応は目を覆うばかりです。米国原子力潜水艦による事故と聞いただけで、これは日米安保条約、ひいては日米関係に重大なダメージを与えるぞ、直ちに官邸へとなぜ思わなかったのでしょうか。危機管理か事故対策かという前に、我が国国民が、それも高校生が生死の危機に瀕しているときに、心配する風情もなく、かけゴルフに興じていたという一事をもっても、あなたは既に総理の資格はありません。どこの国でも、そのような冷血漢で無責任な人を総理の座に着けておくような国はありません。
 しかも、ゴルフ場会員権をめぐっては、脱税をしているのか、はたまた不正に金品を収受したのか、どちらに転んでも絶体絶命のスキャンダルをみずから引き起こしています。ばれたら返すでは済みません。あなたの財産、あなたの政治資金、みんな裏があり、届け出は信用できないと国民みんなが思っているのではないでしょうか。内閣総理大臣の地位を汚しているとしか言いようがありません。
 森総理が国会で不信任されることが日本の民主主義を守ることであり、自民党大会でうやむやのうちに葬り去られることが民主主義を冒涜するのであります。
 森喜朗内閣総理大臣、今あなたに一片の良心と謙虚さがありせば、ここに潔く退陣されんことを切望いたします。
 与党の諸君、あなた方に今、一片の使命感と良識がありせば、何とぞこの不信任案に御賛同あらんことをこいねがいます。
 賛成討論を終わります。(拍手)
#12
○議長(綿貫民輔君) 東祥三君。
    〔東祥三君登壇〕
#13
○東祥三君 私は、自由党を代表して、ただいま提案されました森内閣不信任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)
 この議場に、前回、森内閣不信任決議案が提出されたのは、わずか三カ月余り前のことでありました。自由党は、森内閣誕生の不透明な経緯、九州・沖縄サミット初め外交政策の失敗、経済政策の無為無策、軽率な発言と行動、総理としての資質、そのいずれにも問題があると指摘して、森総理大臣の退陣を迫ったのであります。今、あのとき森内閣が退陣していれば、日本は少なくとも三カ月分悪くならなかったであろうにと痛感するものであります。(拍手)
 まず、森内閣の政策運営の誤りについてであります。むしろ、政策を運営していないと申し上げるのが適切であります。
 総理、あなたは就任後四回にわたって所信表明や施政方針演説を行いましたが、どれを聞いても官僚のつくった言葉が並び、政治が、そしてあなた御自身が何をどのように変えていこうとしているのか、さっぱり見えてこないのであります。
 あなたの使う改革という言葉は、私の胸にむなしく響いてまいります。経済の現状を申し上げるまでもなく、もう日本は待ったなしの状態に置かれているのです。審議会に諮って事実上の官僚のつくる答申を待って、改革というのは名ばかりの意味もない施策を進めていては、日本丸は沈没してしまうのであります。
 我が党の小沢一郎党首との国会論戦を通じて、森総理には、一国のリーダーとしての大方針を示すことができないのみならず、自分自身の考えや意見すら言えないことが明らかになりました。
 総理、私ごときがこんなことを申し上げなければならないのは、とてもつらいことなのであります。しかし、あなたのような方に総理大臣になっていただいているゆとりは、もう日本にありません。日本を再構築するための時間はもう残されていないのであります。だから、即刻退陣いただかなければ、この国は救われないのであります。(拍手)
 世界のリーダーと渡り合っていくためには、総理大臣としてすぐれた見識と胆力を持った指導者が求められており、文字どおり、国家国民のために命がけで行動する勇気と明晰な頭脳が必要です。それなくしては、世界のトップリーダーからは相手にしてもらえません。
 沖縄サミットでの対応や、英国首相との首脳会談での第三国発言などによって、あなたはもう世界からまともに相手にされてはおりません。事実、河野外務大臣のモスクワ訪問の際には、プーチン大統領との会談は多忙を理由に断られ、首脳会談の日程すら決めて帰れないなどの扱いを受けたのであります。
 折しも、ブッシュ新政権が誕生し、日本の外交、安全保障の基軸である日米関係は、今が最も重要な時期であります。政府は、早急に日米首脳会談を開催すべく、日程調整を進めております。この会談に森総理が出席して何をするのですか。ブッシュ政権を支えている閣僚たちは、英語で言うところのベスト・アンド・ブライテストですよ。つまり、その道の専門家であり、最も優秀なプロの集団です。そして、彼らを束ね、指導力を発揮するのが米国大統領であります。大半が官僚に何から何まで依存する、現在の日本の閣僚の皆さん方とちょっと違うんですよ。
 総理みずからが、北東アジア、南西アジアの状況についての考えを述べ、ブッシュ大統領と何らかの認識を共有することができるんですか。自分の意見、見識を持たない総理は何を話されるんですか。私のみならず多くの方々は、森総理をワシントンに行かせてはならないと思われているのではないでしょうか。(拍手)
 次に、森内閣の政治姿勢を挙げなければなりません。
 KSDの政界工作事件で、村上正邦前参議院議員が逮捕されました。小山孝雄前参議院議員が逮捕され、額賀福志郎経済財政担当大臣が辞職するなど、事件は、KSDと自民党の組織ぐるみの様相をいよいよ明らかにしております。
 自民党政権は、政治家と官僚、業界団体がもたれ合い、なれ合って、経済規制や補助金や公共事業の配分という利益を与える見返りに、金と票を政治家に集めるという手法を繰り返してまいりました。国民の利益ではなく、みずからの既得権の維持のみが優先され、みずからにとって痛みを伴う改革などはみじんも考えられてはいないのであります。あらゆる面で日本が閉塞状態に陥っている原因は、挙げてこの旧来の自民党の政治体質にあると言わなければならないのであります。
 KSD事件についての総理答弁を見ても、一番肝心な点である自民党の体質、構造そのものを改革するという意思を示したことは、ただの一度もないのではありませんか。これこそが問題の本質なのであります。
 機密費問題に関する森内閣の対応も、不信任に値する重大問題であると言わなければなりません。国民の奉仕者たるべき官僚が、機密費を個人の口座に入金し、クレジットカードで決済し、その中の経費、すなわち税金が競走馬やマンションに化けていたなどというのは公務員としてはあるまじき背信行為であり、これをうやむやにしては、行政に対する国民の不信が増大することは火を見るよりも明らかではありませんか。億単位の金をノーチェックで管理するなどということは国民の常識ではあり得ないことであり、組織としての内閣の責任そのものが問われている問題なのです。
 しかるに、官房長官や外務大臣はあいまいな答弁に終始し、それが二転三転したばかりか、徹底的な実態調査をするわけでもなく、機密費のむだを洗い出して予算から削減するでもなく、抜本的な改革に取り組もうとしなかったのであります。森総理が陣頭指揮をとって真相を解明しようとしたことも、ついになかったのであります。
 官僚自身の引き起こした疑惑の解明を、まして組織ぐるみの疑いのあるものを官僚任せにして、真相の解明ができるわけがないではありませんか。それを承知の上で、これからも官僚のみこしに乗って政権に居座り続けようとする森内閣を、我々は断じて認めるわけにはまいりません。(拍手)
 本来、内閣不信任案は、政権の政策の誤りを批判して野党が提出するものであります。しかし、今回、それが、政策の誤りと同時に、総理の資質そのものが不信任案提出の主な理由にならざるを得ないところに、国民の悲劇があり、森内閣の喜劇があるのであります。
 このことは、森総理がその全責任を負うことは当然ですが、森総理を誕生させた自民党はもちろんのこと、連立政権に参加している公明党、保守党も、その責任を免れることはできないと思います。(拍手)
 総理就任以来、総理としての資質を欠いたさまざまな言動を繰り返されました。日本は天皇を中心にしている神の国だと象徴天皇制を揺るがしかねない発言をされ、衆議院選挙戦中には、無党派は関心がないといって寝てしまってくれればそれでいいと民主政治を冒涜する発言をされ、衆議院予算委員会では、沖縄・普天間飛行場の使用期限問題が日米合意として盛り込まれていると根本的な認識、理解不足の発言をされ、後継総裁選出の経緯について、私が私生子のように生まれたとおっしゃるが不愉快だと述べられました。これらの一連の発言が三カ月前の不信任の理由となったとき、あなたは一片の反省もなかったのであります。その後のあなたの言動がそれを如実に物語っております。
 アメリカ海軍の原潜によるえひめ丸の沈没事故が起きたときには、ゴルフをしておられた。それ自体を問うつもりはありません。国会で予算委員会が始まり、国の予算を国民にどう説明するのか、総理として心を砕くべき大切な休日にゴルフ場におられたという点については、心身ともにリフレッシュされることも大切です。
 しかし、問題は、事故の連絡を受けた後もゴルフをし続ける神経には驚かざるを得ないのであります。ヘリコプターを使ってでも首相官邸にまず駆けつけ、指揮官として緊張して事に備えるのが最高責任者としての危機管理の要諦ではありませんか。官邸にも駆けつけない、ゴルフ場には秘書官も連れていない、官邸の危機管理センターの直通番号も御存じない。一国の総理として、いざというときに国を預かる能力以前に、気概そのものが欠如しているとしか言いようがないのであります。(拍手)
 ゴルフをしたゴルフ場の会員権の問題に至っては、あきれるばかりであります。
 また、昨日の報道によれば、国交が結ばれていない北朝鮮の金正日総書記にファクスで総理の親書が送られたと言われておりますが、もしそれが本当のことであれば、何をか言わんやであります。
 森内閣が続けば続くほど、国民は政治から離れていきます。国民の政治不信を解消する第一歩は森内閣の退陣であるということを申し上げなければなりません。(拍手)
 最近の世論調査では、マスコミ各社とも、森内閣の支持率は軒並み一〇%を下回っております。国民世論ばかりでなく、おひざ元の自民党の地方組織からも見放されているのであります。報道されただけでも、東京都連、高知県連、埼玉県連、鹿児島県議団、名古屋市議団、厚木市議会などが、総裁選の前倒しや総理の退陣を要求しております。国民の支持率低下に加え、自民党の地方組織からも総理退陣の声がほうはいとして沸き上がっているのは、前代未聞の事態だと言わなければなりません。
 森総理退陣すべしという意見は、与党の良識ある国会議員の間にも多くあることは想像にかたくありません。
 自民党堀内派会長の堀内光雄元通産大臣は、政治家の名分の最たるものは出処進退だ、森首相はこの名分を全うしていただけるよう期待していると述べられており、主流派の派閥会長が公然と退陣を要求しているのであります。森政権では日本はだめになるという与党議員は、森総理を選んだのは自民党そのものであることを深く認識しているかどうかは別として、堀内会長を筆頭に森内閣不信任案に、当然、賛成票を投ずると私は確信します。(拍手)
 他方、連立政権に参加されている公明党、保守党は、不信任に反対するが、森総理は信任されたわけではないとおっしゃっておりますが、これは結局、議会制民主主義を否定することになり、何が何でも政権にしがみつこうとする姿勢そのもの、民意を無視した国民への裏切り行為と受け取られたとしても仕方がないのであります。(拍手)
 森総理、日本の首相、すなわちあなたが国際社会から何と言われているのか、御存じですか。英国のエコノミスト誌は、森首相は記憶にある限り日本で最悪の首相の一人との記事を掲載しました。米国のワシントン・ポスト紙は、失言癖があり、知的には凡庸、数々のスキャンダルとやみ世界とのつながりがうわさされる首相は、辞任のうわさが流れるたびに株価が上がると酷評されております。
 日本人の一人として見れば、日本国の代表である総理がばかにされて喜ぶ者など一人もいないはずです。ただ情けなくなると同時に、自分を含めた日本国民全体の名誉が傷つけられているのですから、怒りさえ生まれるのが普通の日本人だと思います。その国民の本当の思いがわかれば、総理がとるべき道はおのずと決まってくるのではないですか。
 言うまでもなく、森総理個人を責めているのではありません。森内閣に退陣を迫ることの本質は、政官財の癒着にまみれた古い構造を引きずり続け、頭で何かおかしいなと思ってはいても、結局それでよしとする自民党的体質の政治の転換、そのことにあります。
 つまり、官僚は官僚の役割があり、国民の代表である政治家には政治家の役割があることを横に置いてしまい、意識するしないは別として、実際、官僚をお上として奉り、その官僚にとことん依存した構造そのものを転換させなければならないということを意味します。この構造を転換させることなくして、何人、何十人の総理の首を取っかえ引っかえしても、創造的な政権運営は期待できないのであります。(拍手)
 そういう意味で、今、日本は、文字どおり国家危機的な状況に直面していると言っても過言ではありません。この状況から脱却するためには、まず、森内閣には退陣していただき、そして、旧来のあしき構造を保ち続けている自民党政権を丸ごと取りかえることから始めるしかありません。
 一刻も早く衆議院を解散し、国民の信を問え、これが日本の将来、国民の生命と財産を憂える人々の声であることを申し上げ、私の賛成の討論を終わります。(拍手)
#14
○議長(綿貫民輔君) 穀田恵二君。
    〔穀田恵二君登壇〕
#15
○穀田恵二君 私は、日本共産党を代表し、森内閣不信任決議案に賛成する討論を行います。(拍手)
 この内閣を国民はどう見ているでしょうか。いずれの世論調査でも、支持率は一けた台に落ち込んでいます。百人中九十人も、即刻退陣せよの声を上げています。この結果について、マスコミも、国民の大多数が森総理に対し明確な意思を持って退陣要求を突きつけたと報じるなど、国民の大多数は森内閣ノーの結論を出し、一刻も早い退陣を求めているのであります。
 森内閣ノーの第一は、政治と金の問題に余りにも無感覚、政治倫理の一かけらもない内閣だからであります。
 中小企業の共済掛金を食い物にして政治をゆがめたKSD汚職事件。KSD側から巨額のわいろをもらい、代表質問を行ったとして、村上正邦前自民党参議院議員会長が逮捕されました。自由民主党を代表しての質問で、参議院本会議を汚職の道具として使った許しがたい重大な犯罪であり、自民党としての責任も厳しく問われます。
 しかし、問題はそこにとどまりません。自民党がKSD側から約十八億円もの党費を立てかえてもらったという、自民党が丸ごと汚染されている問題にきちんとメスを入れることがKSD汚職の核心なのであります。それをしようとしない自民党に、政治を語る資格などありません。(拍手)
 自民党豊明支部の支部長とされる方々に伺うと、自分は自民党員ではない、代表者になった覚えはない、千葉県豊明支部は架空の支部だなど、実体のない事実が次々に明らかになってきました。しかも、問題が明るみに出ると解散届を出していますが、届けを出している支部の代表者とされる方々が、署名した覚えがない、捺印した覚えもない。法律も無視し、疑惑をやみからやみへ葬り去ろうという、こんなことを平気でやっている事実が明らかにされても、疑惑を解明しようとはしません。
 自民党の総裁として、責任を持った調査を行い、国会と国民の前に報告するのでなく、報告する義務はないとか、細かいことだなどという、まるで人ごとであるかのようなあなたの態度は許されるものではありません。国会での真相究明に不可欠な村上氏や額賀福志郎議員などの本院での証人喚問に応じようとしない自民、公明、保守の各党の態度は、疑惑にふたをするものと言わざるを得ません。(拍手)
 このような態度に、国民の怒りは頂点に達しているのであります。政治と金の関係をきれいにせよの国民の声に耳を傾けようとしない森内閣を、断固糾弾するものであります。
 第二に、国民の税金を食い物にし、党略的に使って恥じない内閣だからです。
 機密費の問題は、外務省の一室長個人の問題などでは決してありません。機密費に携わってきた歴代官房長官が、国会対策やせんべつと称して党略的、私的に流用してきた実態を証言しています。
 それだけではありません。我が党が明らかにした内閣官房文書は、外務省から内閣官房への上納を裏づけ、消費税を導入するため五億円もの機密費が増額されていたこと、そのうち一億円が、国会が空転していたまさにその日に支出されていたことを示しています。ところが、政府は、我が党の追及に、承知していないと言うのみ。文書そのものの存在を否定することはできません。この文書は古川現官房副長官が作成していた疑いが決定的になっており、疑惑解明のためには古川氏の証人喚問が欠かせないものです。
 国民の税金の私的、党略的流用、ここに怒りが集中しているにもかかわらず、あなた方は、そうした流用が許されないとは一言も言わず、その使い道さえ明らかにしようとせず、証人喚問にも応じようとはしませんでした。徹底解明は予算審議の不可欠の問題にもかかわらず、真相にふたをし、予算の採決を強行したのであります。
 こうした態度は、国民の政治への信頼を根本から裏切ったものと言わざるを得ません。(拍手)
 第三は、国民の生命と安全を一刻たりとも任せられない内閣だからであります。
 実習船えひめ丸が米原潜に沈没させられ、高校生を含む九名が行方不明となった際の森総理、内閣の対応の問題です。事故の第一報を受けてもなおゴルフを続けた森総理に国民の怒りが沸騰したのは当然です。
 この原潜は十六人もの民間人を乗船させ、安全を確認しないまま急浮上のデモンストレーションを行った。しかも、その操舵を民間人が行っていた。米軍の極めて傍若無人で横暴な事実が明らかになっています。
 事故直後、えひめ丸の大西船長が、原潜は救助してくれなかったと言っているときに、外務省の桜田政務官は、原潜の救助活動は適切だったと、米軍の言い分をうのみにした会見を行い、森総理は、ブッシュ大統領との電話会談で、原潜が十分な救助をしなかったという話を持ち出さなかったのであります。
 一体、どこの国の政府なのか。家族や関係者の無念の思いを真っ先になぜ伝えられないのか。断固とした抗議をせず、事故の原因と責任の究明をアメリカ側に堂々と要求することすらできない内閣に、どうして国民の命と安全を任せることができるでしょうか。(拍手)
 第四は、森自公保内閣に国民の暮らしや経済の危機に対する認識が全くないことです。
 国民の暮らしはもちろん、日本経済にとっても、森自公保内閣は最大の障害物となっています。予算案が衆議院を通過したその日の株価は、バブル崩壊後の最安値を更新したではありませんか。深刻な景気の実態を見ようともしないで、緩やかな回復などと言い続ける政府の景気判断が、これほどむなしく響いたことはありません。
 小渕内閣以来の景気対策最優先の名による経済対策で、国民の暮らしが少しでも改善したと言うのでしょうか。予算を通せば景気はよくなると強弁してきましたが、国民の暮らしと日本経済はどうなったか。この二年半、失業率は四・一%から過去最悪の四・九%へ、企業倒産は最悪の水準を続け、働く国民の可処分所得は減り続け、二年半前よりも五万八千円も減りました。個人消費も全世帯平均で四万八千円も減少しています。国、地方の借金だけは百二十二兆円もふえているのです。
 まさに政府の失政であることは明らかです。そのことに対する自覚と反省もなしに、またぞろ同じことの繰り返しをしようとしているのであります。
 政府・与党が採決を強行した来年度予算案は、社会保障では、介護と年金、医療の分野で二兆円もの負担増と給付のカットを国民に押しつける。中小企業に対する貸し渋り対策としての特別保証融資を打ち切る。不況にあえぐ中小企業にとってまさに命の綱を政府が取り上げる。血も涙もない、国民いじめの予算というべき内容です。
 しかも、宮澤財務大臣は、消費税の増税という形で国民負担をふやすという考えを改めて明らかにしています。今日の深刻な財政危機は、政府の失政によって引き起こされたものです。このツケを消費税の大増税で国民に押しつけることは、断じて許されません。
 みずからの責任を棚上げしたまま国民に犠牲を押しつけることしかできない内閣に、これ以上、国民の暮らしを任せることはできません。
 第五に、いまだに時代おくれの日米安保に固執し、アジアと世界の流れに大きく取り残されている内閣だからです。
 アジアと世界の流れは、対話による平和の実現です。ところが、森内閣は、日米同盟に固執し、戦争法に基づく自衛隊の海外派遣と国民の動員体制づくりを進めています。
 えひめ丸衝突沈没事件、沖縄での連続した基地被害や在沖縄米軍司令官の発言問題にしても、日米安保体制の維持を最優先し、アメリカに毅然と対処してきませんでした。沖縄に駐留するアメリカ海兵隊を縮減、撤退させよ、米空母艦載機による夜間離着陸訓練をやめよ、空母の母港は返上せよ、国民は外交の転換を求めています。
 ところが、森内閣は、日米安保を盾に、こうした国民の切実な願いにすら耳をかそうともしません。こんな内閣に、およそ日本の外交のかじ取りを任せるわけにはいかないのであります。
 以上、私は森内閣の五つの罪状を指摘しましたが、そもそも森総理、あなたには総理になるべき資格も資質もないということです。
 森内閣は、五人組とも言われる、ごく一部の人たちによる密室での談合で誕生しました。この十一カ月、国民が目にし、耳にしたのは、総理、あなたの問題発言と問題行動の連続だったのです。天皇中心の神の国やシナ事変発言などは、総理自身の歴史認識を疑わせるものであり、国際的に批判を浴びたのは当然です。また、いわゆる拉致事件での第三国発言は、森総理の外交能力のなさをあらわにしたではありませんか。
 また、党費立てかえ疑惑、KSD疑惑という自民党自身の疑惑にも、みずからの側近であった中川前官房長官の暴力団との交際や捜査情報の漏えい疑惑にも何らの責任を感じない、その姿勢に国民はあきれ果てているのであります。
 ましてや、原潜事故の第一報を受けながら、行方不明者の安否が気遣われていたまさにそのとき、かけゴルフを続行し、国民の生命さえも人ごととしかとらえられないあなたに、国民は総理失格を突きつけているのであります。そういうあなたが教育改革を口にするなど、何をか言わんやであります。(拍手)
 問題は、こうした森内閣を生み出し、支えてきた自民党、公明党、保守党の責任こそ重大だということです。
 相次ぐ森総理の問題発言に加え、昨年七月の久世金融再生大臣の辞任、十月には中川官房長官の辞任、この一月にはKSD疑惑で額賀経済財政担当大臣が辞任、そして、五人組の一人であった村上元自民党参議院議員会長が先日逮捕されました。
 問題が起こるたびに、自民、公明、保守、与党三党がやってきたのは、森総理の弁明を了としたいとか、責任は小さいと考えるなど、何があってもかばい続けてきたことだけでした。疑惑の究明ではなく、政権を維持することにきゅうきゅうとしてきたのであります。
 KSD疑惑でもそうです。国民に公開もされない、真実を述べなくても罪に問われないという、真相究明の場からほど遠い政倫審を一回開いただけで、額賀氏の証人喚問を拒否し、疑惑解明にふたをし、ことごとく国民の願いに背いてきたのであります。
 自公保内閣は、小渕自民党内閣の、二兎を追う者は一兎をも得ずとの経済路線を継承し、個人消費の冷え込みという景気対策の一番の問題に本気でてこ入れすることを行おうとはしませんでした。この一年間の姿は、これら与党三党には政権担当能力そのものが欠如していることを示しているのであります。
 ましてや、国民いじめの予算を押し通しておいて、国民から見放された森総理の首だけをすげかえ、自公保政権の延命を図るなどということを、国民は断じて許さないのであります。国民の森不信任は、自民、公明、保守の連立政権そのものへの不信任であります。
 最後に、だから、国民と日本の未来にとって最大の障害物、森内閣は直ちに退陣するしかないのであります。
 現在の状況は、自民党政治そのものとそれを支える自公保内閣の行き詰まりが極限に達していることを示しています。新しい二十一世紀こそ、今までの自民党政治を変え、憲法が目指す恒久平和と、国民が主人公の政治を実現したい、これが多くの国民の願いです。冒頭に述べた世論調査の結果を見ても、自民党政治とこれを支える自公保政権が国民から見放されていることは明らかです。
 KSD事件に見られるように、自民党という政党が丸ごと汚染されていて国民のための政治ができるのか。機密費に見られるような、自民党政治がずっとやってきた税金の党略的流用を許していて公正な政治ができるのか。原潜事故に見られるような、アメリカにきちんと物が言えない日本で国民のための政治ができるのか。
 いずれの問題をとっても、自民党政治そのものを一日も早く終わらせ、二十一世紀には国民が主人公と言える新しい日本への道を開くことが歴史の方向であることを示しています。日本共産党は、この道を多くの国民の皆さんと御一緒に進むことを申し上げ、森自公保内閣不信任案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)
#16
○議長(綿貫民輔君) 東門美津子君。
    〔東門美津子君登壇〕
#17
○東門美津子君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、ただいま議題となっています森内閣不信任決議案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 リクルート事件を上回る政官業の癒着によるKSD疑獄。外務省の元要人外国訪問支援室長の流用疑惑に端を発し、首相官邸、外務省全体の構造的不正が明らかになっている機密費問題。さらには、米国原子力潜水艦と衝突して沈没したえひめ丸の事故をめぐる総理の無責任な対応。ばらまきと巨額の公債を発行し続けても一向に回復しない景気。バブル後の最安値を更新している株価。今や、国民の森内閣に対する失望と不信は極限にまで高まっているのです。
 各種世論調査でも明らかなとおり、森内閣の支持率は、今や一〇%を割り、五%を割るのも時間の問題です。主権者たる国民は、森内閣に対しはっきりと不信任を突きつけているのです。最近では、総理がやめるといううわさが出れば株価が上がり、やめないことによって下がり続けるという現象すら起きているのです。今や、国民にとっての最大の将来不安とは、森内閣の存在そのものなのです。(拍手)
 総理は、施政方針演説で、「二十世紀の終わりにかけて、我が国は、経済活動が停滞し、社会全体が将来に対する不安の中で自信を喪失し、国民の間には閉塞感が充満しておりました。」と過去形で語っておられますが、それは過去形ではなく、現在ただいまのことです。
 今国会の開会直前、スイスのダボス会議の壇上に立ち、日本経済は間もなく本格的な再生を終え、再び世界経済の最先端に立って貢献できるなどと豪語した森総理に対し、参加者の一人であるゴールドマン・サックス・アジアの副会長は、日本に関して楽観的になれるのはグラフを逆さまにして眺めるときだけだと、正反対の見解を述べました。一カ月たった今もなお、グラフは真っすぐに下降線をたどっています。
 そのダボス会議に、直前になって出席を取りやめた日本の政治家がいました。KSDからの資金提供疑惑で辞任した額賀福志郎前経済財政担当大臣です。総理は、KSDからの資金提供を知りながら、額賀氏をあえて内閣の目玉である経済財政諮問会議とITの担当という重要閣僚に起用したのです。その額賀氏は、閣僚として一度もひな壇に立つこともなく、更迭されました。内閣発足以来、三人の閣僚がスキャンダルで罷免されるという事態は、総理の資質のなさを如実に示しているのです。
 三月一日には、自民党前参議院議員会長であり、森総理の生みの親、五人組の一人である村上正邦氏が、KSD汚職に関連して逮捕されました。国会議員として、小山前参議院議員に次ぐ二人目の逮捕でした。KSD疑獄は、ロッキード、リクルートなどの過去の疑獄事件に何も学んでいない自民党の体質そのもののあらわれなのです。
 かつて、リクルート事件のときも不明朗な株取引が発覚した森総理には、政官業癒着のトライアングルを断ち切ることはできないでしょう。それどころか、森内閣は政官業癒着の温床であるとしか言いようがありません。
 新世紀のスタートとなる二〇〇一年度予算案は、相変わらずの公共事業偏重、ばらまき予算にすぎませんでした。国と地方の借金は、二〇〇一年度末には六百六十六兆円に膨れ上がります。しかし、国の台所事情が極めて苦しい状態にもかかわらず、参議院選挙向けに三千億円の公共事業予備費という名のばらまき予算が計上されています。選挙で与党を応援しない地域にはこの予算は回さないとおどして、参議院選挙を与党に有利にするための予算であることは明白です。
 社民党など四野党は、国民本位の予算執行と財政の健全化に取り組むために、共同で、来年度予算案の組み替え要求の動議を予算委員会と本会議に提出いたしました。その基本的考えは、むだな公共事業費や防衛費を抑制して国債の発行額を削減し、福祉を手厚くすることにあります。機密費をめぐる不正が発覚しているにもかかわらず、その減額すらも考慮しようとしない政府・与党の姿勢は、余りにも不誠実であります。(拍手)
 また、有事法制の立法化を進めようとする総理の姿勢も断じて容認することができません。有事法制を導入するとなれば、アジアの周辺諸国の不信を招くことは必至です。立法化は緊張緩和の時代に逆行し、我が国の平和と安定にも何ら資することのない愚行と言わざるを得ません。
 その一方で、現在検定作業中の二〇〇二年から使用される予定の歴史教科書に対して、韓国や中国から、従来の記述内容よりもずっと後退していると怒りの声が上がっています。しかし、悲しいかな、総理は、情報が漏れたことが残念などと、問題の所在すら理解していないのであります。
 こうした時代錯誤や誤った情勢認識を続ける総理には、歴史の教訓も過去への反省も全くなく、日本国憲法下における内閣総理大臣として甚だ不適格と言わざるを得ません。
 さらに、森内閣が自助努力の名のもとに弱者切り捨てをもくろんでいることであります。自己責任の原則、国民の自助努力を支援する仕組みの整備などと、これほどあからさまに福祉の後退を宣言した内閣はあったためしがありません。片や、ばらまきで利益誘導を行いながら、社会的弱者にはしわ寄せというのでは、政治の道理に反するのであります。
 次世代を担う若者や子供たちに莫大な借金を押しつけ、国民に説明できないような政治腐敗、金権体質を改めることができない森内閣に、政権を担当する資格などありません。
 さて、議場にいらっしゃる自民党、公明党、保守党の皆さん、耳を澄ましてよく聞いてください。国民は、森総理では「希望の世紀」、「信頼の世紀」は実現できないと叫んでいます。国民は、クリーンな政治、安心して暮らせる社会を強く望んでいます。国民がノーを突きつけている森総理を守ろうとすればするほど、国民から政治が、否、民主主義が遠ざかっていくのです。民心は政権から完全に離れています。国政は主権者たる国民の厳粛な信託によるものである以上、政権を一新することこそが国会議員の責務ではありませんか。
 与党議員の皆様も、選挙のときには、子供たちに明るい未来を渡しますとか、一人一人が安心して生きられる日本を目指します、あるいは、私をぜひ国会へ送ってください、必ずや皆様の期待にこたえますなどと公約をされ、この国会に出てこられたはずです。
 しかし、今、政治家は本当に国民の期待にこたえているでしょうか。いや、こたえようとしているでしょうか。残念ながら、全く逆の状況にあると言わざるを得ません。弱者を食い物にする政治、国民の声に背を向けている政治、当選のためだけに頑張る政治家、数さえあればがまかり通る国会、国民にはそうしか見えないのです。
 少数野党の意見には耳を傾けようとさえしない与党の皆さんの姿勢は、大を生かすには小を犠牲にしてもよいの自民党のおごり以外の何物でもありません。沖縄に広大な米軍基地を押しつけて、一億三千万のためには百三十万沖縄県民は我慢しろと言わんばかりの自民党に、県民は、戦後この方、ずっと犠牲を強いられ、苦しめられてきました。そのような森内閣及び自民党政権に、日本のかじ取りは任せられません。
 本院並びに我が国の国会の良識を示すときです。圧倒的多数の皆さんの賛成をもって本案が可決されることを強く要望して、森内閣不信任決議案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)
#18
○議長(綿貫民輔君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#19
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#20
○議長(綿貫民輔君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#21
○議長(綿貫民輔君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百六十六
  可とする者(白票)       百九十二
  否とする者(青票)      二百七十四
    〔拍手〕
#22
○議長(綿貫民輔君) 右の結果、森内閣不信任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 鳩山由紀夫君外十名提出森内閣不信任決議案を可とする議員の氏名
    安住  淳君    阿久津幸彦君
    赤松 広隆君    荒井  聰君
    五十嵐文彦君    井上 和雄君
    伊藤 英成君    伊藤 忠治君
    家西  悟君    池田 元久君
    石井 紘基君    石井  一君
    石毛えい子君    岩國 哲人君
    上田 清司君    生方 幸夫君
    江崎洋一郎君    枝野 幸男君
    小沢 鋭仁君    大石 尚子君
    大石 正光君    大出  彰君
    大島  敦君    大谷 信盛君
    大畠 章宏君    岡田 克也君
    奥田  建君    加藤 公一君
    鹿野 道彦君    海江田万里君
    鍵田 節哉君    金子善次郎君
    金田 誠一君    鎌田さゆり君
    川内 博史君    川端 達夫君
    河村たかし君    菅  直人君
    木下  厚君    北橋 健治君
    釘宮  磐君    熊谷  弘君
    桑原  豊君    玄葉光一郎君
    小泉 俊明君    小平 忠正君
    小林 憲司君    小林  守君
    古賀 一成君    五島 正規君
    後藤 茂之君    後藤  斎君
    今田 保典君    今野  東君
    近藤 昭一君    佐々木秀典君
    佐藤 観樹君    佐藤謙一郎君
    佐藤 敬夫君    鮫島 宗明君
    島   聡君    城島 正光君
    首藤 信彦君    末松 義規君
    鈴木 康友君    仙谷 由人君
    田中 慶秋君    田中  甲君
    田並 胤明君    高木 義明君
    武正 公一君    玉置 一弥君
    樽床 伸二君    津川 祥吾君
    筒井 信隆君    手塚 仁雄君
    土肥 隆一君    中川 正春君
    中沢 健次君    中田  宏君
    中津川博郷君    中野 寛成君
    中村 哲治君    中山 義活君
    永井 英慈君    永田 寿康君
    長妻  昭君    長浜 博行君
    楢崎 欣弥君    野田 佳彦君
    羽田  孜君    葉山  峻君
    鉢呂 吉雄君    鳩山由紀夫君
    原口 一博君    伴野  豊君
    日野 市朗君    肥田美代子君
    平岡 秀夫君    平野 博文君
    藤村  修君    古川 元久君
    細川 律夫君    細野 豪志君
    堀込 征雄君    前田 雄吉君
    前原 誠司君    牧  義夫君
    牧野 聖修君    松崎 公昭君
    松沢 成文君    松野 頼久君
    松原  仁君    松本 剛明君
    松本  龍君    三村 申吾君
    三井 辨雄君    水島 広子君
    山内  功君    山口  壯君
    山田 敏雅君    山谷えり子君
    山井 和則君    山花 郁夫君
    山村  健君    山元  勉君
    横路 孝弘君    吉田 公一君
    渡辺  周君    東  祥三君
    一川 保夫君    小沢 一郎君
    黄川田 徹君    工藤堅太郎君
    佐藤 公治君    塩田  晋君
    菅原喜重郎君    鈴木 淑夫君
    高橋 嘉信君    武山百合子君
    達増 拓也君    都築  譲君
    土田 龍司君    中井  洽君
    中塚 一宏君    西村 眞悟君
    樋高  剛君    藤井 裕久君
    藤島 正之君    山岡 賢次君
    山田 正彦君    赤嶺 政賢君
    石井 郁子君    小沢 和秋君
    大幡 基夫君    大森  猛君
    木島日出夫君    児玉 健次君
    穀田 恵二君    佐々木憲昭君
    志位 和夫君    塩川 鉄也君
    瀬古由起子君    中林よし子君
    春名 直章君    不破 哲三君
    藤木 洋子君    松本 善明君
    矢島 恒夫君    山口 富男君
    吉井 英勝君    阿部 知子君
    今川 正美君    植田 至紀君
    大島 令子君    金子 哲夫君
    菅野 哲雄君    北川れん子君
    重野 安正君    辻元 清美君
    土井たか子君    東門美津子君
    中川 智子君    中西 績介君
    原  陽子君    日森 文尋君
    保坂 展人君    山内 惠子君
    山口わか子君    横光 克彦君
    川田 悦子君    渡部 恒三君
 否とする議員の氏名
    安倍 晋三君    相沢 英之君
    青山  丘君    赤城 徳彦君
    浅野 勝人君    麻生 太郎君
    甘利  明君    荒井 広幸君
    伊藤 公介君    伊藤宗一郎君
    伊藤 達也君    伊吹 文明君
    池田 行彦君    石川 要三君
    石破  茂君    石原 伸晃君
    稲葉 大和君    今村 雅弘君
    岩崎 忠夫君    岩永 峯一君
    岩屋  毅君    植竹 繁雄君
    臼井日出男君    江藤 隆美君
    衛藤征士郎君    遠藤 武彦君
    小此木八郎君    小里 貞利君
    小野 晋也君    小渕 優子君
    尾身 幸次君    大木  浩君
    大島 理森君    大野 松茂君
    大野 功統君    大原 一三君
    大村 秀章君    太田 誠一君
    岡下 信子君    奥谷  通君
    奥野 誠亮君    奥山 茂彦君
    嘉数 知賢君    梶山 弘志君
    金子 一義君    金田 英行君
    上川 陽子君    亀井 静香君
    亀井 久興君    亀井 善之君
    鴨下 一郎君    河村 建夫君
    瓦   力君    木村 太郎君
    木村 隆秀君    木村 義雄君
    岸田 文雄君    岸本 光造君
    北村 誠吾君    北村 直人君
    久間 章生君    熊谷 市雄君
    熊代 昭彦君    倉田 雅年君
    栗原 博久君    小泉純一郎君
    小泉 龍司君    小坂 憲次君
    小島 敏男君    小林 興起君
    古賀  誠君    古賀 正浩君
    後藤田正純君    河野 太郎君
    河野 洋平君    高村 正彦君
    左藤  章君    佐田玄一郎君
    佐藤 静雄君    佐藤 剛男君
    佐藤  勉君    斉藤斗志二君
    坂井 隆憲君    坂本 剛二君
    阪上 善秀君    桜田 義孝君
    笹川  堯君    自見庄三郎君
    塩川正十郎君    塩崎 恭久君
    七条  明君    実川 幸夫君
    下地 幹郎君    下村 博文君
    新藤 義孝君    菅  義偉君
    杉浦 正健君    杉山 憲夫君
    鈴木 俊一君    鈴木 恒夫君
    鈴木 宗男君    砂田 圭佑君
    田中 和徳君    田中眞紀子君
   田野瀬良太郎君    田村 憲久君
    高市 早苗君    高木  毅君
    高鳥  修君    高橋 一郎君
    滝   実君    竹下  亘君
    竹本 直一君    武部  勤君
    橘 康太郎君    棚橋 泰文君
    谷  洋一君    谷川 和穗君
    谷田 武彦君    谷畑  孝君
    谷本 龍哉君    近岡理一郎君
    中馬 弘毅君    津島 雄二君
    渡海紀三朗君    虎島 和夫君
    中川 昭一君    中川 秀直君
    中曽根康弘君    中野  清君
    中村正三郎君    中本 太衛君
    中山 太郎君    中山 利生君
    中山 成彬君    中山 正暉君
    仲村 正治君    長勢 甚遠君
    丹羽 雄哉君    西川 京子君
    西川 公也君    西田  司君
    西野あきら君    額賀福志郎君
    根本  匠君    野田 聖子君
    野中 広務君    野呂田芳成君
    葉梨 信行君    萩野 浩基君
    萩山 教嚴君    橋本龍太郎君
    蓮実  進君    馳   浩君
    鳩山 邦夫君    浜田 靖一君
    林 省之介君    林  幹雄君
    林  義郎君    林田  彪君
    原田昇左右君    原田 義昭君
    菱田 嘉明君    平井 卓也君
    平沼 赳夫君    平林 鴻三君
    福井  照君    福田 康夫君
    藤井 孝男君    二田 孝治君
    古屋 圭司君    保利 耕輔君
    細田 博之君    堀内 光雄君
    堀之内久男君    牧野 隆守君
    増田 敏男君    増原 義剛君
    町村 信孝君    松岡 利勝君
    松下 忠洋君    松島みどり君
    松野 博一君    松宮  勲君
    松本 和那君    三ッ林隆志君
    三塚  博君    御法川英文君
    水野 賢一君    宮腰 光寛君
    宮澤 喜一君    宮澤 洋一君
    宮路 和明君    宮下 創平君
    宮本 一三君    武藤 嘉文君
    村井  仁君    村岡 兼造君
    村上誠一郎君    村田 吉隆君
    持永 和見君    望月 義夫君
    茂木 敏充君    森  英介君
    森  喜朗君    森岡 正宏君
    森山 眞弓君    八代 英太君
    谷津 義男君    保岡 興治君
    柳澤 伯夫君    柳本 卓治君
    山口 俊一君    山口 泰明君
    山崎  拓君    山中 貞則君
    山本 明彦君    山本 公一君
    山本 幸三君    山本 有二君
    横内 正明君    吉川 貴盛君
    吉田 幸弘君   吉田六左エ門君
    吉野 正芳君    米田 建三君
    渡辺 具能君    渡辺 博道君
    渡辺 喜美君    青山 二三君
    赤羽 一嘉君    赤松 正雄君
    井上 義久君    池坊 保子君
    石井 啓一君    市川 雄一君
    上田  勇君    漆原 良夫君
    江田 康幸君    遠藤 和良君
    太田 昭宏君    河合 正智君
    河上 覃雄君    神崎 武法君
    北側 一雄君    久保 哲司君
    斉藤 鉄夫君    坂口  力君
    白保 台一君    田端 正広君
    高木 陽介君    谷口 隆義君
    西  博義君    東  順治君
    福島  豊君    冬柴 鐵三君
    桝屋 敬悟君    丸谷 佳織君
    山名 靖英君    若松 謙維君
    井上 喜一君    海部 俊樹君
    小池百合子君    二階 俊博君
    西川太一郎君    野田  毅君
    松浪健四郎君    宇田川芳雄君
    金子 恭之君    近藤 基彦君
    森田 健作君    徳田 虎雄君
    中村喜四郎君    藤波 孝生君
     ――――◇―――――
#23
○議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十八分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  森  喜朗君
        総務大臣    片山虎之助君
        法務大臣    高村 正彦君
        外務大臣    河野 洋平君
        財務大臣    宮澤 喜一君
        文部科学大臣  町村 信孝君
        厚生労働大臣  坂口  力君
        農林水産大臣  谷津 義男君
        経済産業大臣  平沼 赳夫君
        国土交通大臣  扇  千景君
        環境大臣    川口 順子君
        国務大臣    麻生 太郎君
        国務大臣    伊吹 文明君
        国務大臣    斉藤斗志二君
        国務大臣    笹川  堯君
        国務大臣    橋本龍太郎君
        国務大臣    福田 康夫君
        国務大臣    柳澤 伯夫君
ソース: 国立国会図書館
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