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2001/04/03 第151回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第151回国会 本会議 第20号
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2001/04/03 第151回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第151回国会 本会議 第20号

#1
第151回国会 本会議 第20号
平成十三年四月三日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十号
  平成十三年四月三日
    午後一時開議
 第一 航空事故調査委員会設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 航空事故調査委員会設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)
 確定給付企業年金法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

    午後一時三分開議
#2
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 航空事故調査委員会設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○議長(綿貫民輔君) 日程第一、航空事故調査委員会設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。国土交通委員長赤松正雄君。
    ―――――――――――――
 航空事故調査委員会設置法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔赤松正雄君登壇〕
#4
○赤松正雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、航空事故及び鉄道事故の防止に寄与するため、所要の措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、航空事故調査委員会を航空・鉄道事故調査委員会に改組すること、
 第二に、航空・鉄道事故調査委員会に航空事故及び鉄道事故の原因を究明するための調査並びにこれらの事故の兆候についての必要な調査を行わせることとすること、
 第三に、鉄道事業者は、鉄道事故が発生するおそれがあると認められる事態が発生したと認めたときは、国土交通大臣に届け出なければならないこととすること
であります。
 本案は、去る三月二十三日本委員会に付託され、同日扇国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十七日質疑に入り、同日参考人からの意見聴取を行い、去る三十日質疑を終了いたしました。
 次いで、本案に対し、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合、保守党及び21世紀クラブから、航空・鉄道事故調査委員会は、事故等が発生した日から一年以内に事故等調査を終えることが困難であると見込まれる等の事由により必要があると認めるときは、事故等調査の経過の報告及び公表を行うものとする内容の修正案及び日本共産党から、航空・鉄道事故調査委員会を内閣府設置法第四十九条第一項の委員会とするものとする等を内容とする修正案がそれぞれ提出されました。
 両修正案について趣旨説明を聴取し、日本共産党提出の修正案について内閣の意見を聴取した後、採決の結果、日本共産党提出の修正案は賛成少数をもって否決され、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合、保守党及び21世紀クラブ共同提出の修正案並びに修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し、航空・鉄道事故調査委員会は、独立性を確保し、公正中立な立場で適確に事故調査を行うこと等を内容とする附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)
#7
○議長(綿貫民輔君) 日程第二、経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長鈴木俊一君。
    ―――――――――――――
 経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔鈴木俊一君登壇〕
#8
○鈴木俊一君 ただいま議題となりました経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、経済社会の変化に対応して円滑な再就職を促進するため、事業主による離職予定者の再就職支援を促進するとともに、都道府県が策定する計画に基づく地域雇用開発の推進、職業能力の適正な評価のための制度の整備等を行おうとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法を廃止すること、
 第二に、雇用対策法の一部を改正し、事業主は、一定の事業規模の縮小等を行おうとするときは、その実施に伴い離職を余儀なくされる労働者の再就職援助計画を作成し、公共職業安定所長の認定を受けなければならないものとするとともに、政府は、認定を受けた再就職援助計画に基づき、対象労働者の再就職の援助のための措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うこと、また、事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときは、労働者の募集及び採用について、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えるように努めなければならないものとすること、
 第三に、職業能力開発促進法の一部を改正し、労働者の自発的な職業能力の開発及び向上を促進するため、関係者の責務及び事業主が必要に応じて講ずる措置を定めるとともに、技能検定試験に関する業務を行わせることができる民間試験機関の範囲及び当該機関に行わせることができる業務の範囲を拡大すること、
 第四に、雇用保険法の一部を改正し、雇用安定事業として、離職を余儀なくされる労働者の再就職を促進するために必要な措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うこと、
 第五に、地域雇用開発等促進法の一部を改正し、雇用機会増大促進地域等四地域について、都道府県が策定する計画を厚生労働大臣が同意し、当該計画に基づき対策を講ずる方式に改めること
などであります。
 本案は、去る三月十五日の本会議において趣旨説明が行われ、同月二十三日坂口厚生労働大臣より提案理由の説明を聴取し、三月三十日に質疑を終了し、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#10
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 確定給付企業年金法案(内閣提出)の趣旨説明
#11
○議長(綿貫民輔君) この際、内閣提出、確定給付企業年金法案について、趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣坂口力君。
    〔国務大臣坂口力君登壇〕
#12
○国務大臣(坂口力君) ただいま議題となりました確定給付企業年金法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等、社会経済情勢が大きく変化しており、公的年金に上乗せして給付を行う年金制度につきましても、このような変化に対応することが要請されております。
 この法律案は、確定給付型の企業年金について、受給権保護等を図る観点から、労使の自主性を尊重しつつ、統一的な枠組みのもとに制度の整備を行うもので、これにより、公的年金を土台としつつ、確定拠出年金と相まって、国民の自主的な努力を支援する仕組みを整備するものであります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、確定給付企業年金は、事業主が、労使で合意した規約に基づき、信託会社、生命保険会社等と年金資金を積み立てる契約を締結するか、または、事業主とは別法人の企業年金基金を設立することにより実施することとしております。
 第二に、給付は、加入者が老齢になった場合及び脱退した場合に支給するものとしているほか、障害を負った場合または死亡した場合にも支給することができることとしております。
 第三に、加入者の受給権保護等を図る観点から、将来にわたって約束した給付が支給できるよう、約束した給付に見合う積立金を積み立てなければならないものとするとともに、企業年金の管理または運営にかかわる者の責任や行為準則を明確化するほか、年金規約の内容を従業員に周知し、企業年金の実施内容について加入者に情報開示することとしております。
 第四に、確定給付企業年金相互や、厚生年金基金、確定拠出年金との間での移行ができることとしております。
 最後に、確定給付企業年金に係る給付、掛金及び積立金について、各税法で定めるところにより、税制上必要な措置を講じることとしております。
 なお、この法律の施行日は、一部の事項を除き、平成十四年四月一日としております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 確定給付企業年金法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#13
○議長(綿貫民輔君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。大島敦君。
    〔大島敦君登壇〕
#14
○大島敦君 民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました確定給付企業年金法案について、厚生労働大臣に質疑を行います。(拍手)
 まず、施行一年後を迎えた介護保険について伺います。
 高齢社会になりつつある我が国に介護を社会全体で支え合う介護保険ができ、この四月で施行一年を迎えました。各種世論調査では、全体的にはまずまずと評価が出されております。私は、国民の皆さんの間に介護の社会化という理念が定着しつつあるのかなと思います。しかし一方で、市町村の窓口には多くの批判、苦情も出されており、それらの問題点を早急に解決し、介護保険をより使い勝手のよい制度にしていかなければならないと考えております。
 そのために、私は、何より介護サービスの整備充実、そして要介護認定を正確に行い、その達成感を高めることが最優先だと考えております。ホームヘルパーなどマンパワーの量と質の改善、自立した生活を送るためのグループホームや介護施設などの増設を速やかに行い、地域住民が安心、そして信頼して制度を利用できるようにすべきと考えます。また、利用料の一割負担が厳しいため、サービス利用を制限せざるを得ない負担困難者に対する支援措置も検討しなければなりません。他にも、ホームヘルパーやケアマネジャーの待遇を改善することなど、数多くの課題が浮き彫りになっております。
 そこで、坂口大臣、制度導入からの一年をどのように総括なさっているのか、また、今後の課題とその対応についてどうお考えなのか、答弁を求めます。
 次に、確定給付企業年金法案についてお伺いいたします。
 確定給付企業年金と聞いて、イメージがわかれる方は少ないと思います。また、今通常国会では、確定拠出年金の法案という、よく似た名前の年金法が継続審議となっております。もう一度繰り返します。一つは確定給付企業年金法、もう一つは確定拠出年金法です。給付か拠出かの違いです。皆さん、まずこれを理解してください。
 確定給付とは、契約時に決めた掛金を支払っていれば、保険会社あるいは信託銀行の運用がうまくても下手でも、将来受け取れる年金が決まっている年金です。つまり、将来の給付が確定している年金なのです。運用リスクは企業が持つことになります。今回、私が質問するのはこの年金です。
 もう一つ、確定拠出というのがあります。これは、日本版四〇一kと言われているものでございます。運用リスクは、将来、年金を受け取る人が負います。以前、変額保険が社会問題になりましたが、変額保険の年金版と思えば理解しやすいと思います。ただ、変額保険ですと、何で運用するのか、株なのか債券なのか、金融機関に指示できず、運用リスクだけを加入者が負っておりました。今回の確定拠出年金は、何で運用するのか加入者が細かく指示するようです。企業が掛金を払う場合も、従業員が運用先を指図します。したがって、複雑なコンピューターシステムが必要なために、システムを維持するコストがかかるデメリットがあります。これが確定拠出年金です。
 確定給付、確定拠出と非常にわかりにくいと思いますが、続けます。
 さて、国がこうやって定めるのですから、また、所管が厚生労働省でもあり、国民年金や厚生年金など公的年金制度の延長かと考える方がいらっしゃるかもしれません。しかし、両年金とも、退職金の支払い、受け取り方法の一つであると理解するのがわかりやすいと思います。もちろん、両年金制度ともに、自分のポケットマネーから支払う方法もありますが、その利用者は少ないようであります。企業が退職金の積み立てとして掛金を支払い続けると理解されるとよいでしょう。さらに、つけ加えれば、私的年金制度なので強制力はありません。使い勝手が悪いとだれも加入しないということになります。
 それでは、まず、本論に入る前に、退職金とはどんな性格を持っているのか、御説明したいと思います。
 企業の退職金規定ですと、おおむね、基本給を勤務年数で掛けた金額を退職金としております。つまり、十三カ月目の給与の積み上げと考えられます。退職時にその積み立てをまとめて受け取るのが退職金です。その退職金を年金の形で受け取る方法として、厚生年金基金、税制適格年金があります。ともに、公的年金を補う私的年金と理解するよりも、その給付額は退職金の内数として労使間で合意されるので、退職金の支払いと理解する方が正確であると考えます。
 そこで、坂口大臣にお尋ねします。
 今回の法案は、この退職金を年金で受け取る制度である厚生年金基金と税制適格年金を一つのテーブルにのせるためのものと理解できると思いますが、御所見を伺いたい。
 私は、厚生年金基金、税制適格年金を一つのテーブルにのせるために確定給付企業年金法を制定する必要があるのか、疑問を持たざるを得ません。例えば、政府案に盛り込まれている内容のうち、企業にとって過重な負担となっている厚生年金基金の代行部分の返上を認めることや、税制適格年金から厚生年金基金への移行に伴う措置などは、現行法の改正によって対応可能だと思いますが、なぜ確定給付企業年金法を制定する必要があるのか、その理由をわかりやすく、明確に御答弁いただきたい。
 この税制適格年金、厚生年金基金のうち、税制適格年金について質問いたします。
 税制適格年金は、企業にとって大変使いやすい制度で、一千三十万人が現在加入しております。従業員が一けたの零細企業から、鉄鋼、電力のような大企業までが、退職金の積み立てとして導入しております。実際に企業経営者の話を聞いてみると、導入の手続が複雑でなく、掛金も経費として認められ、退職金の積み立てとしては使い勝手がよいとのことです。積み立て義務はありませんが、使い勝手のよさから、多くの中小零細企業が同年金制度で退職金制度を整備した事実もございます。
 今後十年で税制適格年金を廃止するとしておりますが、中小零細企業だと、制度見直しに伴い、今回の確定給付企業年金制度など、他制度に移行しない企業が多く出てくるように思われます。硬直的な制度にすると、中小零細企業などが退職金積み立てから離脱するおそれが高いと思われますが、いかがお考えでしょうか。あるいは、今回審議の確定給付企業年金法案の中で税制適格年金を存続させることも考えられますが、お考えをお聞かせください。
 厚生年金基金について、代行を返上して確定給付企業年金に移行できるとしています。そもそも厚生年金基金は、公的年金を代行しているため、面倒な規制も少なくなく、選択の自由も縛り、その創設が誤りだったと考えます。本来、企業年金は退職金の支払い形態の一つであり、それを公的年金の一環として取り込んだことに誤りがあったと考えます。
 つまり、厚生年金基金の積立金は、代行相当分と加算相当分が区別されていない。しかも、公的年金である厚生年金の代行相当分の完全積み立てが最優先される。代行相当分に積み立て不足が生じると、加算相当分の積立金が代行相当分の積立金に充当されることになる。
 つまり、これまで運用利回りが五・五%前提であったので、代行部分の運用が五・五%に満たない基金では、本来の退職金に相当する加算部分が代行部分に充当され、退職金そのものが受け取れず、あるいは目減りしてしまうこともあるわけです。厚生年金基金を設立、加入したことのメリットどころか、デメリットが出てくることになります。
 今後は、厚生年金基金の代行部分は年限を切って廃止すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、代行部分を返上して今回の確定給付企業年金に移行する場合、代行相当部分について、積み上がっている厚生年金基金、あるいは不足部分を充当できる余力がある企業しか移行できず、各厚生年金基金間での不平等が生じるおそれがあります。各厚生年金基金の実態を厳格に査定し、情報開示すべきであると考えますが、どうお考えですか。
 また、厚生年金基金を導入している企業と税制適格年金を導入している企業の合併などは、確定給付企業年金法により、確かにスムーズに行われるでしょう。ということは、逆に、大企業のみが享受するメリットのために確定給付企業年金法案を提出したのではないかと考えられますが、いかがお考えでしょうか。
 厚生年金基金の代行返上について、具体的なスキームが明示され、法制化されるべきと考えますが、いかがでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。
 今回の確定給付企業年金法によって税制適格年金は廃止され、退職金積み立てを行っている中小零細企業の多くは、新制度に移行せず、退職金積立制度を持たなくなるおそれがあります。これら企業に雇用されている多くの方の不利益にならないのか、危惧します。また、厚生年金基金にしても、確定給付企業年金に移行できるのは、優良な基金、財務力のある大企業に限られ、基金加入者の間での不平等が助長されるおそれがあります。
 冒頭申し上げましたとおり、私的年金は、公的年金とは異なり、強制ではなく、使い勝手のよさが制度導入の動機となります。今回の新制度に企業と従業員が魅力を感じるとは思えません。多くの企業が、給付が保障されていない確定拠出年金に移行すると考えますが、いかがでしょうか。
 先日の厚生労働委員会で、坂口大臣は、これから質疑に立たれる自由党の佐藤公治議員の質問に答えて、いよいよ仕事にけじめをつける日が近づいていると答弁されております。私は、森内閣、そして森総理は、やめる必要がないと考えます。
 昨年の四月五日に首相に指名されて以来四回、国会は森総理を信任してきました。私は、国権の最高機関である国会の意思は尊重されなければならないと考えます。
 一カ月前の内閣不信任案で、私は賛成の票を投じました。この気持ちは変わりません。しかし、国会の意思で信任された森総理が、国会の意思と関係なくやめることになれば、日本が漂流していると言わざるを得ません。まさに、ファシズムという危険な扉が開かれようとしているのではないか。森総理みずから職を辞するのであれば、解散・総選挙で国民にその信を問うべきと私は考えます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣坂口力君登壇〕
#15
○国務大臣(坂口力君) 介護保険についてのお尋ねがありました。
 介護保険は、介護を国民皆で支え合うという考え方のもとに創設された全く新しい制度でありまして、大きな制度改革でありました。サービス現場や市町村を初めとする関係者の方々の多大な御努力により、全体として見れば、大きな混乱なく実施されているというふうに思っております。制度の施行後、サービスの利用者数や利用量がふえるといった期待された効果もあらわれているところであります。
 しかし一方で、昨年四月の施行後、現場の方々からは、短期入所サービスの利用や、介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーの業務、あるいはまた痴呆性高齢者の要介護認定の一次判定などにつきまして改善すべき点の指摘がありましたが、こうした御指摘も真摯に受けとめ、逐次、必要な改善措置を講じてきているところでございます。
 介護保険は生まれたばかりの制度であり、まずは国民の間に一層の定着を図っていくことが肝要でありますが、制度の趣旨や内容について引き続き周知に努めたいと考えております。
 今回の法案は、厚生年金基金と税制適格年金を一つのテーブルにのせるためのものではないかとのお尋ねがありました。
 御指摘のように、現行の確定給付型の企業年金としては、厚生年金基金と税制適格年金があり、いずれの制度も、退職金を年金化したケースが多いのは事実であります。今回の法案は、こうした確定給付型の企業年金について、積立基準の設定など受給権保護を図るための措置を統一的に定めたものであります。
 確定給付企業年金法案を制定する必要があるのか疑問であるとの御指摘がありました。
 厚生年金基金が代行返上を行います場合には厚生年金保険法に基づく制度としては継続し得ない、適格退職年金については、税法の体系の中では受給権保護措置を整備することが難しいといった理由から、現行法の改正では対応できず、新たな法律の制定が必要と考えております。
 適格退職年金を実施していた中小零細企業の中には、他制度に移行しない企業が多く出るのではないかとのお尋ねがありました。
 適格退職年金については、受給権保護のための措置のある新制度に移行させることを基本としておりますが、円滑な移行が図られますよう、十年間の移行期間を設けますとともに、一定の経過措置を講ずることとし、また、移行先につきましても、新制度への移行のほか、確定拠出年金や中小企業退職金共済制度への移行も可能であることから、適格退職年金の単純な廃止が相次ぐということはないと考えております。
 また、確定給付企業年金法では適格退職年金を存続させてはどうかというお尋ねがありました。
 適格退職年金は税制上の制度でありますが、税法の体系の中では受給権保護のための措置を講ずることは困難でありますことから、今回、制度等を移行させることとしたものであります。
 厚生年金基金の代行制度についてのお尋ねがありました。
 厚生年金基金は、終身年金を原則としておりますが、老後の生活設計の面で、終身年金は信頼感が大きいなどの点から、なお意義を有しているものと考えております。また、厚生年金基金につきましては、従来から、毎年度の決算を把握した上で、適切な積み立てがなされるよう必要な措置を行ってきており、基金全体の財政状況についての情報開示も行われているところであります。なお、代行部分は公的年金の一部でありますので、当然、必要な積み立てがなされるべきものであります。
 さらに、今回の法案は、大企業か中小企業かといったことを問わず、受給権保護の観点から制度の整備を行うことを目的としたものであります。なお、代行返上の具体的な仕組みは、今回の法案の中に明示されているとおりであります。
 多くの企業が確定拠出年金に移行するのではないかとのお尋ねがありました。
 公的年金の上乗せの企業年金を確定給付とするか、あるいはまた確定拠出とするかは、それぞれの制度の利点などを踏まえつつ、各企業の労使間で十分協議して決定するものであり、必ずしも多くの企業が確定拠出年金に移行するものではないと考えているところでございます。
 大島議員からのお尋ねにつきましては、以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○議長(綿貫民輔君) 佐藤公治君。
    〔佐藤公治君登壇〕
#17
○佐藤公治君 自由党佐藤公治でございます。
 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました確定給付企業年金法案につきまして、質問いたします。(拍手)
 現在、日本は、歴史上かつてない速さで、少子高齢化、人口構造の変化が進んでおります。そればかりではなく、現在の社会保障制度を支えていた雇用・経済構造も激変しています。今までの経済社会構造の問題を抱える中で、それを前提とする社会保障の基盤が危機に瀕していることは、だれの目から見ても明らかであり、国民は、将来の生活をどのように設計しようか、不安に陥っているのであります。
 第一に、合計特殊出生率は下降線をたどり続け、平成十一年では一・三四という水準となり、少子化に歯どめがかかっておりません。
 特に見過ごすことのできない重要問題は、政府の楽観的な予想とは裏腹に、常に合計特殊出生率は中位推計を下回っているということにあります。少子高齢化が進行する中で、従来から修正積立方式の名のもとに事実上の賦課方式をとり続けている公的年金制度が、このままでは破綻してしまうことは明らかであります。
 第二に、社会経済構造が大きく変化していく中で、右肩上がりで成長していく経済を前提としている社会保険方式で将来を先読みすることも難しくなっています。
 このような社会経済構造の急激な変化の中で社会保険制度を維持しようとすれば、極端に保険料を上げていかなければならなくなります。しかし、それができないということになれば、つじつま合わせに給付水準を引き下げるしか方法がありません。
 このように、少子高齢化と経済構造の変動が進む中で、給付を確定した年金制度が今後も成り立つものなのか、疑問を持たざるを得ません。この点について、厚生労働大臣の御見解をまずお伺いいたします。
 大切なことは、目先の均衡に終始する保険料負担増や給付水準引き下げを行うことではなく、社会保障のビジョンを明確に示し、国民全体の安心と安定を確保して、人生設計を描きやすくすることであります。すなわち、基礎的社会保障を安定させることは、国民の安心を確保する社会政策であり、安心だからこそ活発にチャレンジする意欲が出せる経済政策でもあるのです。
 私たち自由党は、消費税を福祉目的税化し、その使途を基礎年金、高齢者医療、介護の財源に限定すること、つまり、消費税を国民全体で支える基礎的社会保障の保険料がわりとすることで、基礎的な社会保障の財政基盤を強化し、負担の公平化を図るべきであると考えます。
 先月三十日、政府・与党は、社会保障改革協議会において、社会保障改革大綱を決定いたしました。この中で、「経済・財政と均衡のとれた持続可能な社会保障制度を再構築し、後代に継承していくことが我々に課せられた重要な課題となっている。」と指摘しています。
 すなわち、これは現在の社会保険方式をこれからも存続していくことが前提となっておりますが、年金制度において、自助と公助のあり方、すみ分けについて、政府はどのように考えておられるのでしょうか。基礎年金制度を初めとする年金制度の全体的な枠組みのあり方を含めて、厚生労働大臣にお伺いいたします。
 次に、企業年金のあり方についてお聞きいたします。
 労働省のアンケート調査では、従業員の多くが、終身雇用は崩れているとの意識を持っており、派遣労働者を中心とする会社や、企業においては退職金の前払い制度の導入を始めるなど、労働市場の流動化が進んでいます。
 現在の労働市場の流動化についてどのように認識し、企業年金制度を再設計するつもりなのか、その理念についてお伺いいたします。
 特に、雇用・労働環境が流動化する中で、転職時の企業年金の取り扱いが課題の一つとして取り上げられます。厚生年金基金においては、基金間の年金原資の移換は厚生年金基金連合会を通じて可能となっていますが、新企業年金においては、転職に伴う企業年金の移動についていかにお考えでしょうか。
 また、確定拠出年金においては、拠出可能な対象者が限定されています。例えば、女性が一定期間勤務をし、その間、確定拠出年金に拠出していたとして、結婚をして専業主婦になると、拠出ができなくなるということとなり、将来の年金原資として十分であるとは言えなくなります。
 拠出型も給付型も含め、将来設計の選択肢として、現在示されている法案で十分にこたえられるものであるとお考えか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
 次に、厚生年金基金の代行部分の返上に関連してお聞きいたします。
 法案では、企業年金の新たな形態として、規約型、基金型の新企業年金を設け、厚生年金の代行部分を含む既存の厚生年金基金については、代行部分を返上し、新企業年金に移すことが可能としております。また、返上の際には、有価証券など現物による返還を認めています。
 しかし、保有株式の中で低落傾向が続くような銘柄に偏って返上されることがあるとすれば、予想以上の運用リスクを厚生年金が負うことにならないでしょうか。また、厚生年金全体に占める株式運用比率が高まることにより、厚生年金本体の積立金の運用に対してどのような影響を与えるとお考えでしょうか。代行部分の返上について、どのようなルールや基準をもって行うこととするのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
 次に、適格退職年金から企業年金への移行についてお聞きいたします。
 適格退職年金については、十年以内に企業年金制度等へ移行することとしております。適格退職年金は、既存の厚生年金基金とは異なり、年金給付に必要な積立金を保有しているかどうかという財政検証が義務づけられていません。近年相次ぐ適格退職年金の解散においても、積み立て不足があらわれる例が見られます。新制度に移行することで、財政検証や掛金の増加などのリスク負担を回避するために、適格年金を廃止したまま新企業年金制度には移らないことが考えられます。従業員の退職後の人生設計も、いや応なしに変更を余儀なくされます。適格退職年金の制度移動に当たって、企業、従業員双方についてどのような配慮がなされているのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
 次に、受給権保護のための措置についてお聞きいたします。
 本法案では、受給権保護のための措置として、積み立て義務、企業年金の管理運営にかかわる者の責任や行為準則の明確化、財務情報などについての加入者への開示を行うこととしております。
 確定給付にしても確定拠出にしても、どちらにおいても重要なことは、情報の適切な提供や説明責任、そして、運営に係る約束事と責任を十分に果たすことであると考えます。適切な運営方法が行われているか、つまり、運営するに当たって役割を果たすべき担当者、責任者が従業員、受給権者の利益に反する意思決定を行っていないか、そのような不正はないかをチェックするというところにあると考えます。
 今までの企業年金では、運営方法をめぐって、どのように監視し、対応が行われてきたのか、今後、管理運営責任をどのように明確にするつもりか、具体的にお聞かせください。また、仮に不当不正な運営を行った場合、どのような措置をとるおつもりか。さらに、財政破綻した場合、対処するためのスキームをどのように整備しているのでしょうか。以上の点につきまして、お伺いいたします。
 最後に申し上げます。
 急激な人口構造、経済・雇用構造の変化の中で、求められているのは、中長期的な国家の基本戦略であります。その中でも、どんなことがあっても国が保障するセーフティーネットは何か、その上で個人の自由な将来設計の一助となる選択肢は何かを示すことにあります。将来不安を払拭する社会保障政策を明確にしなければなりません。公的年金、私的年金それぞれのあり方、税制のあり方等、一つ一つを検証し、将来に向け、安定し、安心できる年金制度の未来を描いていかなければならないと考えています。
 この点につきまして、厚生労働大臣の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣坂口力君登壇〕
#18
○国務大臣(坂口力君) 佐藤議員にお答えを申し上げたいと思います。
 最初に、給付を確定した年金制度の持続可能性に関するお尋ねがございました。
 経済構造の変動が進みます中で、高齢者がどんなに長生きしても安心して生活を送ることができるよう、実質的な価値を維持した公的年金を終身にわたって保障することが重要でありまして、このためには、世代間扶養を基本とした確定給付の仕組みとすることが必要と考えております。
 公的年金制度につきましては、昨年三月に、制度の長期的な安定を図るための制度改革を行ったところでありますが、これは、少子高齢化の進行や経済基調の変化を踏まえまして、長期的に給付と負担の均衡の見通しを立てました上で実施したものでございます。
 年金制度の全体的な枠組みのあり方についてお尋ねがありました。
 高齢者の生活の基本部分を終身にわたり確実に支える役割を持つ基礎年金それから厚生年金等の公的年金制度につきましては、自己責任の原則に立った社会保険方式を基本としつつ、保険料と公費を適切に組み合わせることによって、給付に必要な費用を賄っていく必要があると考えております。
 このような公的年金制度に加え、多様化する老後のニーズにこたえて、上乗せの企業年金などの私的年金の充実もますます求められていくものと考えております。
 労働市場の流動化と企業年金制度の再設計についてのお尋ねがありました。
 我が国の雇用慣行は、年功序列賃金や終身雇用などに特徴づけられてきましたが、こうした雇用慣行は、勤労者の意識や産業構造の変化などによって変わりつつあると認識いたしております。
 このため、公的年金の上乗せの新たな選択肢として、離職、転職の際の年金資産の移転、すなわちポータビリティーが確保された確定拠出年金を導入するための法案をさきの臨時国会に提出したところであります。
 また、既存の確定給付型の企業年金につきましては、今回の法案において、企業再編にも対応できるよう、企業年金制度間の移行に関する規定を整備したところでございます。
 これらの措置により、労働市場の流動化にも対応し得る企業年金制度の構築が図られるものと考えております。
 転職に伴います企業年金の移動についてのお尋ねがございました。
 この法案による確定給付型の企業年金は、企業が将来の年金給付をあらかじめ約束する年金でありますが、この約束された給付内容は、個々の企業によってまちまちであります。したがって、転職前の企業が約束していた年金給付等を、転職後の企業が引き継いで通算したり、終身年金という共通部分のある厚生年金基金のように通算措置を講じることは困難でございます。
 政府といたしましては、離転職が多く、確定給付型の企業年金を実施していく企業でも企業年金が実施できるよう、新たな選択肢として、確定拠出年金法案を提出しているところであり、両者が相まって、国民の老後の所得確保の一層の充実が図られるものと考えております。
 将来設計の選択肢として現在の法案で十分かとのお尋ねがございました。
 今回の法案は、現行の確定給付型の企業年金について、積立基準の設定など受給権保護を図るための措置を講じることなどを内容とするものでありますが、確定拠出年金の導入と相まって、国民の老後の所得確保の一層の充実が図られるものと考えております。
 なお、専業主婦につきましては、一般的に税制措置を講ずる対象となる所得がないことから、確定拠出年金の加入対象者となっておりませんが、公的年金における女性と年金についての検討を踏まえまして、今後検討する課題と考えております。
 代行部分の現物返上についてのお尋ねがありました。
 厚生年金基金が代行部分を返上する場合、払い込みは金銭で行うことが原則であります。
 しかし、代行返上に伴い、厚生年金基金が市場で一度資産を売却し、一方、公的年金の管理運用を行う年金資金運用基金が同じ資産を買い入れることとした場合には、株価等が不必要に変動することで積立金の運用にマイナスとなることなどの支障が生じますことから、一定の条件のもとに、厚生年金基金から株式などの現物により返上できる道も開くこととしたところでございます。
 適格退職年金からの移行についてのお尋ねもございました。
 従業員の受給権保護の観点から、今回の法案に基づく積立基準などの規定が、原則どおり適用されることが最も望ましいと考えております。
 しかしながら、適格退職年金から新制度への移行については、円滑な移行が図られるよう、十年間の移行期間を設定した上で、積み立て不足の解消や給付設計等の見直しについて、一定の経過措置を講ずることとしたところでございます。
 受給権保護のための具体的な措置の内容についてもお尋ねがございました。
 現行の適格退職年金につきましては、運営状況の監視の仕組みなどの受給権保護を図るための措置が十分に講じられておりませんでした。
 このため、今回の法案では、積立基準を定めるとともに、毎年度の決算について厚生労働大臣に報告を行うこととしたほか、事業主などについて、加入者に対する忠実義務や利益相反行為の禁止などの規定を設けたところでございます。
 最後でございますが、将来に向け、安定し、安心できる年金制度の未来についてのお尋ねがございました。
 まず、公的年金につきましては、高齢者の生活の基本部分を終身にわたって確実に支えることをその役割としております。
 老後生活の基礎的費用を賄う基礎年金を全国民共通の給付として保障するとともに、被用者に対しましては、退職後に賃金収入がなくなることに配慮して、報酬比例の年金を保障し、両者合わせて、現役世代の手取り年収のおおむね六割を確保することとしたところでございます。
 以上、佐藤議員の御質問にお答えを申し上げたところでございます。(拍手)
#19
○議長(綿貫民輔君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#20
○議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十八分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        厚生労働大臣  坂口  力君
        国土交通大臣  扇  千景君
 出席副大臣
        厚生労働副大臣 桝屋 敬悟君
ソース: 国立国会図書館
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