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2001/04/12 第151回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第151回国会 本会議 第24号
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2001/04/12 第151回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第151回国会 本会議 第24号

#1
第151回国会 本会議 第24号
平成十三年四月十二日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十三号
  平成十三年四月十二日
    午後一時開議
 第一 石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)
 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 税理士法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)の趣旨説明及び質疑

    午後一時二分開議
#2
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)
#3
○議長(綿貫民輔君) 日程第一、石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。経済産業委員長山本有二君。
    ―――――――――――――
 石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔山本有二君登壇〕
#4
○山本有二君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、石油の安定的な供給を確保するため、石油備蓄法及び石油公団法について所要の改正を行うとともに、石油業法を廃止しようとするものであります。
 その主な内容は、
 石油業法を廃止し、石油精製業の許可制度等を撤廃する、
 また、石油備蓄法について、
 第一に、法律の題名を、石油の備蓄の確保等に関する法律に改め、
 第二に、石油輸入業を登録の対象とし、石油精製業、石油販売業等を届け出の対象とする、
 第三に、経済産業大臣は、石油の供給が不足する等の場合において、特に必要があると認めるときは、石油公団に対して備蓄石油を譲り渡すことを命ずることができる
等とすること、
 さらに、石油公団法については、石油及び本邦周辺の海域における可燃性天然ガスの採取をする権利等を譲り受ける等のために必要な資金を提供するための出資を行うことを石油公団の業務に加える
等としております。
 本案は、去る三月三十日本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託されました。
 四月四日平沼経済産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑が行われたのを初め、同月十日には参考人から意見を聴取するなど慎重な審議を行い、昨日質疑を終局いたしました。
 質疑終局後、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合、保守党、21世紀クラブの七会派から、本法の見直し時期を施行の五年後から同三年後に短縮することを内容とする修正案が提出されました。
 修正案の趣旨説明を聴取した後、討論を行い、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#6
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。
     ――――◇―――――
#7
○小此木八郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、電波法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#8
○議長(綿貫民輔君) 小此木八郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#10
○議長(綿貫民輔君) 電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。総務委員長御法川英文君。
    ―――――――――――――
 電波法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔御法川英文君登壇〕
#11
○御法川英文君 ただいま議題となりました電波法の一部を改正する法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における電波利用の増加等にかんがみ、電波の適正な利用の確保を図るため、一定の要件に該当する周波数割り当て計画等の変更に伴う無線設備の変更の工事をする免許人等に対して給付金の支給等を行うことができるようにするとともに、無線設備の技術基準適合証明制度等において民間能力の一層の活用を図るため、指定証明機関等に係る制度を合理化する等の改正を行おうとするものであります。
 本案は、去る四月三日本委員会に付託され、五日片山総務大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。十日質疑に入り、本日質疑を終局いたしましたところ、本案に対し日本共産党から修正案が提出され、その趣旨説明を聴取いたしました。次いで、討論を行い、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#13
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#14
○小此木八郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#15
○議長(綿貫民輔君) 小此木八郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#17
○議長(綿貫民輔君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。安全保障委員長川端達夫君。
    ―――――――――――――
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔川端達夫君登壇〕
#18
○川端達夫君 ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案につきまして、安全保障委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、防衛庁の任務の円滑な遂行を図るため、防衛庁設置法、自衛隊法、防衛庁の職員の給与等に関する法律及び自衛隊員倫理法の一部を改正するものであります。
 その主な内容は、次のとおりであります。
 第一に、陸上自衛隊の自衛官の定数を三千五百九十九人削減し、統合幕僚会議に所属する自衛官を百七人増員して、自衛官の定数を総計二十五万八千五百八十一人に改めること、
 第二に、即応予備自衛官の員数を八百三十四人増員して、五千七百二十三人に改めること、
 第三に、民間の専門的な知識経験またはすぐれた識見を有する者を任期付隊員に採用することができる制度を導入すること、
 第四に、防衛庁長官が予備自衛官に対し災害招集命令を発することにより、予備自衛官が自衛官となって災害派遣活動に従事することができる制度を導入すること、
 第五に、新たに導入する予備自衛官補について、その所要事項を定めるとともに、予備自衛官補の教育訓練を修了した者を予備自衛官に任用する制度を導入すること
等であります。
 本案は、四月五日本委員会に付託され、十日斉藤防衛庁長官から提案理由の説明を聴取し、本日質疑を行いました。質疑終了後、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 税理士法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)の趣旨説明
#21
○議長(綿貫民輔君) この際、内閣提出、参議院送付、税理士法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。財務大臣宮澤喜一君。
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#22
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました税理士法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、最近の税理士制度を取り巻く状況の変化を踏まえ、納税者利便の向上に資するとともに、信頼される税理士制度を確立するため、所要の見直しを行うものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、納税者の利便向上を図るため、租税に関する事項について、税理士が裁判所において補佐人となる制度を創設することとしております。
 第二に、税理士試験において、規制緩和の要請も踏まえ、受験資格要件を緩和するとともに、税理士の資質の確保を図り、税理士制度の信頼性を向上させるため、試験科目の免除制度の要件をより適切なものとすることとしております。
 第三に、複雑化、多様化する納税者の要請に的確にこたえるため、税理士法人制度を創設することとしております。
 その他、税理士からの意見聴取制度の拡充等、所要の改正を行うこととしております。
 以上、税理士法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を申し上げた次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 税理士法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)の趣旨説明に対する質疑
#23
○議長(綿貫民輔君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。中川正春君。
    〔中川正春君登壇〕
#24
○中川正春君 民主党の中川正春でございます。
 税理士法の一部を改正する法律案に対して質問を行いたいと思います。(拍手)
 森総理が実質、退陣表明をされました。きょう、私の質問は、まさに幻の内閣、蜃気楼に対して質問をすることになります。このことに対して非常に憤りを感じておりますし、さらに、これから自民党の総裁選挙に入る一カ月余りの政治空白。この大事なときに、国会と内閣が機能不全に陥ってしまっておるわけでありますから、これに対する責任を、そしてまた、政府・自民党の危機管理能力が全く欠如しているのだというその現実を、ここで明らかにしていきたいというふうに思います。(拍手)
 振り返って、日本の税制を語るときには、今、国民の間に広がる厭税感、税金を払うことへの抵抗が日増しに大きくなってきていることを感じております。むだな公共事業や一向に進まない特殊法人改革、そこに隠された膨大な不良債権。最近では、政府機密費をめぐる組織ぐるみの不正流用あるいは着服等の疑惑が明るみに出てまいりました。国民が政府に対して信頼をなくしてきている、最近の政治状況の中では、このことを痛切に感じるものであります。そして、この国民の政治不信という問題は、国会の権威の失墜ということを伴って、さらに根が深いところにあることを指摘しなければなりません。
 ここで、最近の具体的な問題を取り上げて、私たち国会の統治能力が問われている、その問題として改めて指摘をしていきたいというふうに思います。
 第一に、この国会で一たんは総理大臣としての信任を受けた、合計四回にもなりますが、その森さんが、今度は国会の外で、しかも自民党の仲間から、その座を引きずりおろされるような形で退任をする。これは、政権与党がみずからの手で国会を空洞化したことにほかなりません。自殺行為であります。日本の憲政史上に大きな汚点を残しました。
 第二に、自民党の政調会長が総裁選への立候補を表明いたしましたが、同時に、消費税の減税を公約しております。消費税減税は、これまでの亀井さんの言動からはいかにも唐突であり、周りでも、やたら無鉄砲な発言だとの声が上がっています。私は、亀井さんの発言は全く動機不純だと思うのであります。
 総裁選のライバル候補である橋本さんが、四年前の総理大臣のときに、消費税の増税を中心にした経済財政政策の失敗をしているのであります。ここで亀井さんは、単にそれを、その失敗を際立たせるために消費税減税を持ち出したのではありませんか。これは、国家のために表明された政策論争とはほど遠い次元の議論であります。
 私は、一国の総理大臣を決めようというときに、個人レベルの揚げ足取りがそのまま自民党の政調会長の口から政策公約として発表される、ここに、自民党の与党としての責任感の欠如と統治能力の限界を見るものであります。(拍手)
 宮澤財務大臣、この消費税論争を中心にした自民党の中の混乱をどのように理解しておられるか、まず最初にお尋ねをしたいと思います。
 次に、税理士法改正案の中身について質問をしていきます。
 国民が、日常の窓口で接する税務当局に対して、特に厳しい目で接することが多くなったという事実があります。税理士は、中立的な立場で、国民には税の理解を求め、税務当局に対しては、申告納税制度を可能ならしめる納税者の信頼を確立する役割を担っております。これが、今、国民の税務当局に対する目が一段と厳しくなっているときだけに、税理士制度の役割を充実する方向で新たに見直されている、それについては、時宜にかなったものだと思っております。
 その上に立って、今回の改正が、主に、業務運営を法人組織に基づいて行うことを可能にし、税理士の資質を向上させるために受験制度などを厳しい方向に見直していること、これを評価していきたいというふうに思います。
 このことを申し上げた上で、幾つかの質問をいたします。
 まず第一に、新たに職につく受験制度の改正は今回の法律案で厳しくなったわけでありますが、もう一方で、現職の税理士の研修は現状のままでいいかということであります。時代が速いテンポで変わるだけに、新たな研修制度をつくる必要があると思われますが、どうお考えでしょうか。
 そして第二に、最近の事象の中には、税理士が絡んだ悪質、不心得な脱税事犯などが報告されております。公正、信頼が命とされる税理士職だけに、こうした悪徳税理士が安易に再登録されることのないよう必要な措置をとるべきだと思いますが、どうでしょうか。
 そして第三には、税理士試験制度のひずみを指摘していきたいというふうに思います。
 今回の改正のように、必要な試験は受ける、逆に試験科目免除を少なくする方向、これは理解できます。しかし、肝心の、試験を受けて税理士になる人たちが全体の四〇%に届かないという現実はおかしいと思うのであります。別の言い方をすれば、六〇%の人たちが試験を受けずに税理士資格を得ているという、この事実はどういうことなのでしょうか。
 特に、国、地方を問わず、税務関連の職員が、指定研修だけで試験免除、退職後には自動的に税理士になる制度は、一般国民を納得させられるものではないと思います。これは、国民の立場からいえば本末転倒であって、税務署に勤めるためには、まず税理士試験に合格して、その資格をもって徴税業務をする、これが正しい方向ではないでしょうか。これからもこの特権制度を続けていくつもりか、お尋ねをいたします。
 四つ目、国民の立場から心配な改正があります。それは、報酬の最高限度額の撤廃であります。これがなくなると税理士報酬が青天井になるのではないか、そのおそれがあります。しっかりとした競争原理が働く業界であれば、それでよし。しかし、現実はそうとも限らないことであるだけに、どのような対応を考えているのか、お聞きをしたいというふうに思います。
 最後に、宮澤財務大臣に改めてお尋ねをしたいと思います。
 先ほどから申し上げているように、きょうから、自民党では本格的な総裁選挙が始まって、実質的には、森内閣で開催される衆議院の本会議は、きょうが最後になります。したがって、財務大臣としての宮澤さんの本会議答弁も、きょうで一つの区切りとなるわけであります。そういった意味で、まず、心からその労をねぎらい、素直に、御苦労さまでしたと申し上げたいと思います。
 しかし、もう一方で、厳しい指摘もしておく必要がございます。それは、大臣が日本経済に対して一体何をしたかということに対する国民の評価であります。
 日本が、バブル崩壊後、景気の停滞を本格化させ、ついには深刻なデフレスパイラルの入り口に立っている現状の中で、この間の大臣の仕事に対する評価は、残念ながら、地に落ちたと言っても過言ではありません。ある意味では、十五年ほど前から、日本がバブルに至る道筋を宮澤さん自身が政策責任者として導いてしまったということですから、それが再び、大蔵大臣として経済政策の指揮をとれ、こうした形で人事をしたのが間違っていたのだということだと思います。
 しかも、この三年間の歩みの中に、宮澤さん御自身の意思と責任で経済運営にリーダーシップを発揮しておられるという姿は、残念ながら見られなかったのであります。すべてに、先送りした懸案だけが残り、御本人も言われたように、日本経済は今や危機的な状況であります。私には、宮澤財務大臣は十分に職責を全うできなかった、このように国民が評価しているように映るのであります。
 これまでの御自身の経済財政運営を振り返って、今どのように総括されるか、最後にこのことを大臣にお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#25
○国務大臣(宮澤喜一君) 自民党の総裁選挙における税制の論議に関してお尋ねがございました。
 自民党の総裁選挙におきまして、各候補者が税制に関してさまざまな議論をされることとなるものと思いますが、それについて、具体的な賛否を申し上げることは差し控えたいと思います。
 ただ、財政当局の立場から申し上げますならば、財政の現状から見まして、そのような減税の結果、国債をこれ以上増発するような事態に至ることは避けたいと考えております。同時に、歳入の削減について考える場合においては、歳出についてどのような削減が可能かについても、一体として議論される必要があると考えております。
 次に、この法律案につきまして、研修制度の必要性についてお尋ねでした。
 納税者利便の向上に資する、信頼される税理士制度を確立するという意味では、御指摘のように、納税者等の要請の複雑化、多様化に対応するため、税理士の資質がより一層向上することが必要であります。
 このため、今回の改正では、税理士は、日税連、税理士会等の実施する研修を受講し、資質向上を図る努力義務があることを法令上、明確にしております。また、税理士会は、会則において、会員の研修に関する規定を定めるべきこととしておりまして、これを受けまして、税理士会において、研修制度の一層の充実が図られることになるものと考えております。
 それから、悪質な税理士の再登録についてでございます。
 例えば、脱税に関与して禁錮以上の刑に処せられた者、懲戒処分により税理士業務を行うことを禁止された者は、税理士法の規定により、登録を抹消されます。一定の期間、税理士となる資格を有しないこととなります。また、再登録に際しては、税理士としての適格性を欠く者でないことが法律上の要件とされております。
 このような取り扱いは、公認会計士等の他の職業専門家においても同様であると承知しておりますが、納税者の税理士に対する信頼にこたえるためには、悪質な税理士には、今後とも、厳格な処分を行うとともに、更生されないまま再登録されることのないよう、実効性のある登録業務の運用に配意してまいります。
 それから、税務職員に対する試験免除についてのお尋ねでございます。
 税理士の業務は、納税者を支援し、また、納税義務の適切な実現を図るための専門家としての業務でございますから、十分な税務実務の経験が大切でございます。そのような者が資格者になること自体は、税理士制度の運営の実情に沿うものと思います。また、税理士試験に限らず、実務経験者に対して一定の試験免除を認めることは、弁理士、司法書士等、我が国の他の公的資格や諸外国の職業専門家にも多く認められるところであり、試験免除制度を廃止すること自身は考えておりません。
 しかしながら、お尋ねのようなさまざまな御指摘があることも踏まえまして、今回の税理士制度の見直し案においては、税務職員の試験免除のうち会計科目の免除について、免除要件に係る指定研修制度に関し、所定の試験合格が研修修了の条件であることなどを明らかにするとともに、指定した研修の実施状況及び所定の試験のレベルが税理士としての必要な学識として十分なレベルであるか等を国税審議会が継続的に検証し、制度の公正性、透明性を確保してまいりたいと思います。
 また、もう一つ、税理士報酬の最高限度の規定についてのお尋ねでございます。
 現行法では、税理士の公共的使命と業務の独占性にかんがみて、不当に高額な報酬を防止するため、税理士会は会則に税理士業務に関する報酬の最高限度額に関する規定を置くべきことを御承知のように規定しておるわけでございます。
 しかし、昨年三月末に決定されました規制緩和推進三カ年計画、あるいは「規制改革についての見解」において指摘を受けまして、今回、税理士報酬の最高限度額に関する規定を会則記載事項から削除いたしました。
 したがいまして、今回の改正が実現いたしました場合には、それを踏まえまして、日本税理士会連合会において、報酬規定のあり方につき見直しを行うこととなります。その際には、公正、有効な競争の促進とともに、依頼者の保護の観点も十分に踏まえた算定基準の策定の検討が行われますよう適切に指導をいたしてまいりたいと思っております。
 最後に、大蔵大臣あるいは財務大臣として、過去を振り返ってどういう感想であるかというお尋ねでありました。
 平成十年七月の小渕内閣の発足とともに、大蔵大臣の任命を受けました。不況克服のため、財政金融面にわたり微力を尽くし、また、我が国の不況が世界の金融危機を招くことのないように努力をいたしました。
 今日、振り返りまして、企業活動は、新しいITの時代に向けて活発になりつつございます。投資も行われております。これがやがて、家計にも及んでいくものと考えております。しかし、現状では、雇用、家計にいまだ十分波及していない嫌いがございます。しかし、これは従来以上に時間がかかるということであって、平成十二年度におきましては、我が国経済の実質成長率は、政府見込みの一・二%を達成可能であると考えております。これが現状であります。
 他方で、国、地方にわたって、大きな債務を背負うに至っております。経済を安定的な成長軌道に乗せ、財政構造改革に着手することが焦眉の必要となっておりまして、既に政府では、経済財政諮問会議等々におきまして、その準備を始めているところでございます。(拍手)
#26
○議長(綿貫民輔君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#27
○議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十五分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        総務大臣    片山虎之助君
        財務大臣    宮澤 喜一君
        経済産業大臣  平沼 赳夫君
        国務大臣    斉藤斗志二君
 出席副大臣
        財務副大臣   村上誠一郎君
ソース: 国立国会図書館
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