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2001/06/07 第151回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第151回国会 本会議 第36号
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2001/06/07 第151回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第151回国会 本会議 第36号

#1
第151回国会 本会議 第36号
平成十三年六月七日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十一号
  平成十三年六月七日
    午後一時開議
 第一 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 行政書士法の一部を改正する法律案(総務委員長提出)
 第三 消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部を改正する法律案(総務委員長提出)
 第四 小型船舶の登録等に関する法律案(内閣提出)
 第五 自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第六 短期社債等の振替に関する法律案(内閣提出)
 第七 株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第八 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第九 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案(塩崎恭久君外四名提出)
 第十 国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(参議院送付)
 第十一 二千一年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件
 第十二 文化交流に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 第十三 税関手続の簡易化及び調和に関する国際規約の改正議定書の締結について承認を求めるの件
 第十四 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 ハンセン病問題に関する決議案(藤井孝男君外十四名提出)
 日程第一 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 行政書士法の一部を改正する法律案(総務委員長提出)
 日程第三 消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部を改正する法律案(総務委員長提出)
 日程第四 小型船舶の登録等に関する法律案(内閣提出)
 日程第五 自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第六 短期社債等の振替に関する法律案(内閣提出)
 日程第七 株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第八 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第九 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案(塩崎恭久君外四名提出)
 日程第十 国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(参議院送付)
 日程第十一 二千一年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件
 日程第十二 文化交流に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第十三 税関手続の簡易化及び調和に関する国際規約の改正議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第十四 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 土地収用法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

    午後一時三分開議
#2
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○小此木八郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 藤井孝男君外十四名提出、ハンセン病問題に関する決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#4
○議長(綿貫民輔君) 小此木八郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程第一に先立ち追加されました。
    ―――――――――――――
 ハンセン病問題に関する決議案(藤井孝男君外十四名提出)
#6
○議長(綿貫民輔君) ハンセン病問題に関する決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。藤井孝男君。
    ―――――――――――――
 ハンセン病問題に関する決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔藤井孝男君登壇〕
#7
○藤井孝男君 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合、保守党、21世紀クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりましたハンセン病問題に関する決議案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 案文を朗読いたします。
    ハンセン病問題に関する決議案
  去る五月十一日の熊本地方裁判所におけるハンセン病国家賠償請求訴訟判決について、政府は控訴しないことを決定した。本院は永年にわたり採られてきたハンセン病患者に対する隔離政策により、多くの患者、元患者が人権上の制限、差別等により受けた苦痛と苦難に対し、深く反省し謝罪の意を表明するとともに、多くの苦しみと無念の中で亡くなられた方々に哀悼の誠を捧げるものである。
  さらに、立法府の責任については、昭和六十年の最高裁判所の判決を理解しつつ、ハンセン病問題の早期かつ全面的な解決を図るため、我々は、今回の判決を厳粛に受け止め、隔離政策の継続を許してきた責任を認め、このような不幸を二度と繰り返さないよう、すみやかに患者、元患者に対する名誉回復と救済等の立法措置を講ずることをここに決意する。
  政府においても、患者、元患者の方々の今後の生活の安定、ならびにこれまで被った苦痛と苦難に対し、早期かつ全面的な解決を図るよう万全を期するべきである。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ議員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
 この際、厚生労働大臣から発言を求められております。これを許します。厚生労働大臣坂口力君。
    〔国務大臣坂口力君登壇〕
#10
○国務大臣(坂口力君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力をいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#11
○議長(綿貫民輔君) 日程第一とともに、日程第二及び第三の両案は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略し、三案を一括して議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第一 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 行政書士法の一部を改正する法律案(総務委員長提出)
 日程第三 消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部を改正する法律案(総務委員長提出)
#13
○議長(綿貫民輔君) 日程第一、地方税法の一部を改正する法律案、日程第二、行政書士法の一部を改正する法律案、日程第三、消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。総務委員長御法川英文君。
    ―――――――――――――
 地方税法の一部を改正する法律案及び同報告書
 行政書士法の一部を改正する法律案
 消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔御法川英文君登壇〕
#14
○御法川英文君 ただいま議題となりました三法律案につきまして申し上げます。
 まず、地方税法の一部を改正する法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近の経済情勢等を踏まえ、個人投資家の市場参加の促進等の観点から、個人住民税について、長期所有上場株式等の譲渡所得につき特別控除を行う特例措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る五月二十五日本委員会に付託され、三十一日片山総務大臣から提案理由の説明を聴取し、去る六月五日質疑を行い、同日質疑を終局いたしました。次いで、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。
 次に、行政書士法の一部を改正する法律案及び消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部を改正する法律案の両法律案について趣旨弁明を申し上げます。
 まず、行政書士法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 今日、行政手続の効率化等が求められる中で、行政書士の役割はこれまで以上に大きくなっております。
 このため、行政書士制度のさらなる充実を図る必要があり、行政に関する手続の円滑な実施と国民の利便の向上の要請への的確な対応を図る見地から、本案を提出することとした次第であります。
 次に、本案の内容について申し上げます。
 本案は、行政書士が作成することができる書類に係る官公署への提出手続の代理、代理人としての契約その他の書類の作成等の業務を行政書士の業務として明確化する等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る六月五日の総務委員会におきまして、賛成多数をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。
 次に、消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 消防団は、消火活動や救助活動など幅広い分野で活躍しておりますが、その活動の実態を見ますと、個人の自家用車の使用に依存する度合いが高く、その過程でこうむった損害についても、多くの場合、個人の負担となっており、これが消防団活動の支障となることが懸念されることから、消防団員等による消防等の活動に係る環境のさらなる整備を図るため、本案を提出することとした次第であります。
 次に、本案の内容について申し上げます。
 本案は、消防団員等公務災害補償等共済基金等が行う福祉事業に、消防団員等がその所有する自動車等を消防団等の活動の円滑な遂行のために使用し、または使用させたことにより当該自動車等に損害を受けた場合の見舞金の支給を追加しようとするものであります。
 本案は、去る六月五日の総務委員会におきまして、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。
 以上が、両法律案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#16
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#17
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。
 次に、日程第三につき採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第四 小型船舶の登録等に関する法律案(内閣提出)
 日程第五 自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#19
○議長(綿貫民輔君) 日程第四、小型船舶の登録等に関する法律案、日程第五、自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。国土交通委員長赤松正雄君。
    ―――――――――――――
 小型船舶の登録等に関する法律案及び同報告書
 自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔赤松正雄君登壇〕
#20
○赤松正雄君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、小型船舶の登録等に関する法律案について申し上げます。
 本案は、小型船舶を利用した諸活動の健全な発達に寄与するため、小型船舶の所有権を公証する登録制度を導入するとともに、小型船舶の登録測度事務を小型船舶検査機構に行わせることができることとするなど、所要の措置を講じようとするものであります。
 本案は、五月二十九日本委員会に付託され、六月一日扇国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、五日質疑に入り、登録制度導入の目的、登録測度事務を小型船舶検査機構に行わせることとした理由等について質疑が行われました。同日質疑を終了し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、自動車損害賠償保障制度について、政府による再保険制度を廃止し、これとあわせて、自動車事故による被害者の保護の充実を図るため、保険金支払いの適正化のための措置、保険金支払いに関する紛争処理の仕組みの整備等を行うとともに、自動車損害賠償保障制度に係る特別会計の名称及び勘定区分の変更等を行うなど、所要の措置を講じようとするものであります。
 本案は、五月二十九日本委員会に付託され、翌三十日扇国土交通大臣から提案理由の説明を聴取し、六月一日質疑に入り、五日参考人からの意見聴取を行い、昨六日質疑を終了いたしました。
 質疑の中では、指定紛争処理機関の独立性の確保策、被害者救済対策のあり方等について議論が行われました。質疑終了後、討論を行い、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。
 まず、日程第四につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第五につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#23
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第六 短期社債等の振替に関する法律案(内閣提出)
 日程第七 株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第八 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第九 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案(塩崎恭久君外四名提出)
 日程第十 国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(参議院送付)
#24
○議長(綿貫民輔君) 日程第六、短期社債等の振替に関する法律案、日程第七、株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案、日程第八、租税特別措置法の一部を改正する法律案、日程第九、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案、日程第十、国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件、右五件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。財務金融委員長山口俊一君。
    ―――――――――――――
 短期社債等の振替に関する法律案及び同報告書
 株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 租税特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
 金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔山口俊一君登壇〕
#25
○山口俊一君 ただいま議題となりました各案件につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、短期社債等の振替に関する法律案について申し上げます。
 本案は、企業の短期資金調達手段であるコマーシャルペーパーについて、ペーパーレス化を図るため、これを短期社債として位置づけるとともに、この短期社債に係る振替制度を創設することとしております。
 また、振替制度の担い手である振替機関について、監督等に係る所要の規定の整備を行うこととしております。
 次に、株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、証券決済制度をより安全で効率性の高いものにしていく観点から、証券決済制度の担い手である保管振替機関の組織形態について、現行の公益法人形態を株式会社形態に改める措置を講ずるとともに、保管振替機関について、監督等に係る所要の規定の整備を行うこととしております。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、最近の経済情勢等を踏まえ、個人投資家の市場参加の促進等の観点から、個人の長期所有上場株式等に係る少額の譲渡益を非課税とする特例措置を講ずることとしております。
 次に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、最近の社会経済情勢にかんがみ、金融機関等が預金保険機構に対し資産の買い取りの申し込みを行うことができる期限を三年間延長し、平成十六年三月三十一日までとすることとしております。
 以上の各案は、いずれも去る五月二十五日当委員会に付託され、同月三十一日、各案を一括議題とし、柳澤国務大臣及び塩川財務大臣並びに提出者塩崎恭久君からそれぞれ提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、六月五日質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、順次採決いたしましたところ、各案はいずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、短期社債等の振替に関する法律案、株券等の保管及び振替に関する法律の一部を改正する法律案及び金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案の各案に対し、それぞれ附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 最後に、国有財産法第十三条第一項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件について申し上げます。
 本件は、環境省が公共用財産として所管する公園である京都御苑の一部に、京都迎賓館(仮称)を整備するため、同予定地を内閣府所管の公用財産にする必要があることから、国有財産法の規定に基づき、国会の議決を求めようとするものであります。
 本件は、参議院先議に係るもので、去る六月四日当委員会に付託され、昨六日塩川財務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、本件は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本件に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。
 まず、日程第六、第七及び第九の三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#27
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第八につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#28
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第十につき採決いたします。
 本件の委員長の報告は可決であります。本件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#29
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第十一 二千一年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件
 日程第十二 文化交流に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第十三 税関手続の簡易化及び調和に関する国際規約の改正議定書の締結について承認を求めるの件
#30
○議長(綿貫民輔君) 日程第十一、二千一年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件、日程第十二、文化交流に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第十三、税関手続の簡易化及び調和に関する国際規約の改正議定書の締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長土肥隆一君。
    ―――――――――――――
 二千一年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 文化交流に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
 税関手続の簡易化及び調和に関する国際規約の改正議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔土肥隆一君登壇〕
#31
○土肥隆一君 ただいま議題となりました三件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、二千一年の国際コーヒー協定について申し上げます。
 コーヒーに関する商品協定は、世界のコーヒーの価格の安定等を図ることを目的として千九百六十二年の国際コーヒー協定が作成されて以来、現行の千九百九十四年の国際コーヒー協定へと引き継がれてきております。現行協定の有効期間の終了が近づくに伴い、これにかわる新たな国際コーヒー協定を作成する交渉が行われ、その結果、平成十二年九月二十八日、ロンドンで開催されました国際コーヒー理事会において、本協定が採択されました。
 本協定は、コーヒーに関する問題について国際協力を促進すること、コーヒーの消費を促進し、奨励し及び増大させること等を目的とするもので、国際コーヒー機関の組織及び活動、加盟国の主要な義務等について定めたものであります。
 次に、日ロ文化交流協定について申し上げます。
 これまで我が国とロシア連邦との間では、昭和六十一年に署名された現行協定に基づき文化交流が行われておりますが、拡大が見られる両国間の文化交流の実態に合わせて見直すべきとの観点から、新協定締結のための交渉が行われてきました。その結果、合意に達したので、平成十二年九月五日、東京において、本協定の署名が行われました。
 本協定は、我が国とロシア連邦との間の文化、教育及び学術分野の交流を促進することを目的とするものであり、その主要な内容は、学者、芸術家等の交換並びに両国の文化機関及び教育研究機関の間の協力及び交流を奨励すること、文化財の保護の分野における協力及び交流を奨励すること等であります。
 最後に、税関手続の簡易化等に関する規約の改正議定書について申し上げます。
 現行の規約は、昭和四十九年に効力を生じたものでありますが、その後、税関手続の技術の変化等に対応する必要性が指摘されるようになるとともに、税関手続の簡易化及び調和のための核となる原則は、締約国にとり義務となるように定めなければならないことが認識されるようになりました。これらの事情を背景として、関税協力理事会のもとで現行の規約を改正する作業が進められ、平成十一年六月、ブラッセルで開催された関税協力理事会において、本議定書が採択されました。
 本議定書の主な内容は、すべての締約国は一般附属書により拘束されること、税関手続等について満たすべき条件等は、国内法令に定めるものとし、できる限り簡易なものとすること、また、税関は電子的手段による書類の提出を認めること等であります。
 以上三件は、去る五月三十一日外務委員会に付託され、六月一日田中外務大臣から提案理由の説明を聴取し、昨六日質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、三件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#32
○議長(綿貫民輔君) 三件を一括して採決いたします。
 三件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、三件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第十四 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#34
○議長(綿貫民輔君) 日程第十四、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長中馬弘毅君。
    ―――――――――――――
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中馬弘毅君登壇〕
#35
○中馬弘毅君 ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの基準を改定しようとするものでありまして、最近における公務員給与の改定、賃金及び物価の変動等にかんがみ、投票所経費、開票所経費、事務費等の積算単価である超過勤務手当及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償その他の額を実情に即するように引き上げ、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価である労務賃その他の額を実情に即するように見直すとともに、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。
 本案は、去る四月二日参議院から送付され、本委員会において、昨六月六日片山総務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑の後、採決を行った結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#36
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 土地収用法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#38
○議長(綿貫民輔君) この際、内閣提出、土地収用法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国土交通大臣扇千景君。
    〔国務大臣扇千景君登壇〕
#39
○国務大臣(扇千景君) 土地収用法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 現行土地収用法は、昭和四十二年以来、抜本的な改正がなされておらず、その間に、住民の理解の促進、公共事業のより一層の円滑かつ効率的な実施が要請されてきております。さらには、循環型社会の形成の必要性等も生じてきており、現行土地収用法が必ずしも想定していなかった状況に直面いたしております。
 この法律案は、以上のような状況にかんがみ、社会経済情勢の変化を踏まえた事業認定の透明性等の向上及び収用手続の合理化等を実現すべく、現行土地収用法を見直すものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、起業者による利害関係人に対する事前説明会の開催の義務づけ、事業認定庁が事業の認定に関する処分を行うに際しての公聴会の開催及び第三者機関からの意見聴取並びに事業認定をした理由の公表を行うことといたしております。
 第二に、土地調書及び物件調書の作成手続の特例の創設、収用委員会の審理手続における主張の整理、代表当事者制度の創設並びに補償金払い渡し方法の合理化を行うとともに、収用委員会の委員を仲裁委員とする仲裁制度を創設することといたしております。
 第三に、収用適格事業として、新たに、地方公共団体等が設置する廃棄物の再生施設及び廃棄物処理センターが設置する廃棄物処理施設を追加することといたしております。
 第四に、補償基準を法令で明確化するとともに、生活再建のための措置を充実することといたしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、土地収用法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 よろしくお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 土地収用法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#40
○議長(綿貫民輔君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。大谷信盛君。
    〔大谷信盛君登壇〕
#41
○大谷信盛君 民主党の大谷信盛でございます。
 民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました土地収用法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたく思います。(拍手)
 まず、国土交通大臣にお伺いをさせていただきます。
 最初に、今回の改正の目的について、しっかりと目的を確認させていただきたいというふうに思います。
 今の法案の提案理由の中では、例えば、住民参加、円滑化、効率化、そして、何よりも大切な環境についての提案がございました。私、これは、キーワードを並べるというだけではなくして、言い方を変えるならば、新しい時代がやってきた、今までの公共事業ではなく、私たちの国民生活を真に豊かにするために、どうしてもこれから改正は必要なのだということでいいのかというふうに思います。もし、そういう目的だとするならば、我が国の次世代の公共事業のあり方について議論していかなければいけないというふうに思います。
 最初の課題といたしまして、事業の構想、計画段階から住民参加が必要だということが指摘されるというふうに思います。どうして住民参加が必要かというと、今日の厳しい財政事情、環境への配慮、そして個人個人の価値観の違いなどによって、行政のひとりよがりの公共事業計画では、国民生活を必ずしも豊かにできなくなってきているからだというふうに思います。(拍手)
 一坪運動、そして立ち木トラスト運動など、住民による事業の反対運動の増加傾向は、行政のみによる公共事業の限界をあらわしていると言っていいのではないでしょうか。二十一世紀に国民生活を豊かにし、地域の潜在能力を高める社会資本整備には、関係住民を構想段階から事業決定に巻き込むことによって、住民合意をつくっていくシステムがどうしても必要になってくるというふうに思います。
 かつて、住民の反対によって公共事業が円滑に実施できない状況に陥った経験のあるフランスやドイツなどでは、住民との合意形成を目的とした制度づくりに懸命に取り組んでいます。
 例えばフランスでは、一九九二年のビアンコ通達というものによって、計画に先立ち、国民の意向調査を目的とした、住民参加による討論委員会の開催が義務づけられています。対象は、国の一定規模以上の高速鉄道路線、高速道路でありますが、その他のインフラ整備にも適用範囲を広げることができるのだそうです。
 ドイツにおきましては、道路建設における住民の合意形成プロセスが、行政手続法という法律によって、しっかりと定められています。事業の計画段階においての説明責任、そして住民からの意見や質問に対しては、一カ月以内に、起業者、すなわち行政が何らかの形で応答をしていかなければならないというふうに定められているのだそうです。
 日本では法律に定められたものはございませんが、例えば、岩手県の国道四号盛岡北道路や島根県の玉湯町の国道九号線のバイパス建設など全国数十カ所で、旧建設省が住民合意の実験的試みをしているというふうに聞いています。また、二〇〇〇年三月には、広域道路を対象に、旧建設省が、住民と話し合いながら道づくりを進めていく、そんな実施指針案というものをまとめたとも聞いております。政府も住民合意を尊重する方向に向かっているということを知って、少し安心をしております。
 また、今、経済財政諮問会議で検討している公共投資基本計画が将来見直されることになれば、要するに予算が少なくなるならば、厳しい財政状況の中、住民合意を得ながら公共事業計画に優先順位をつけていくことが、どうしても必要になってくるというふうに思うのです。
 この際、今回の改正論議を好機に、総理、そして扇国土交通大臣のリーダーシップで、事業の構想段階からの住民参加、住民合意を形成できるような、そんな制度づくりを一気に進める意欲がおありでしょうか。ぜひとも、思いを、志をお聞かせいただきたいというふうに思います。
 もう一つ、公共事業改革として、五カ年計画や長期計画の根拠となっている需要予測というものについてお尋ねをしたいというふうに思います。
 道路や港湾、空港の需要予測は、一体どうやって計算しているのですか。最近では、下方修正がやたらと目立つのではないでしょうか。どうも、GDPの伸び率を主な根拠にし過ぎているようなことが原因ではないかというふうに思うのです。国際化、成熟化してきた我が国の経済では、必ずしも高度経済成長時代と同じ相関関係で道路や空港の利用者を正確に割り出すことができるとは、決して思いません。
 民間のシンクタンクが、企業会計に基づいた分析をしました。道路や空港は特定財源で整備しても、利用者が増加せず、整備が飽和状態にあるというような報告をきのうの新聞で読みました。
 これからは、もっと、自動車の使われ方や航空会社の将来戦略など、多方面、多角度から需要予測をしていくべきだというふうに思います。その上で、二年に一度ぐらいの割合で需要見通しをチェックすべきです。予想を大きく下回るような場合は長期計画を再修正する制度を持つことで、公共事業の効率性を高めることができるというふうに考えます。長期計画が事業を続けるための理由になっていてはいけないのです。この辺のことについて、将来展望に向けた大臣の所見をお伺いしたいというふうに思います。
 次に、収用法の事業認定の透明化について質問をさせていただきます。
 改正案では、事業の公益性を判断するために、事前説明会、そして公聴会の開催を義務づけています。また、第三者機関の意見聴取ができるというふうになっています。フランスやドイツのように、住民意見を尊重しようと努力しているものと、私は善意を持って受けとめさせていただいております。
 しかしながら、実際の運用面では、事業認定の公正さや中立さを確保しているとは言いがたいのではないでしょうか。公聴会で住民は意見を言うだけ、アリバイ的な意見聴取で終わってしまう可能性大であります。また、第三者機関からの意見は、都合のよいものは強調、都合の悪いものは無視というようなことになる可能性だって十分考えられます。意見に対して何らかの制度的な拘束力というものを与えるべきだというふうに思いますが、大臣は、この辺、どのようにお考えでございましょうか。
 また、第三者機関の運営というものについても、委員が中立公正を保つために、何か今の段階から工夫をしての提案ということなのでしょうか。その辺のことについて、ぜひともお聞かせいただきたいと思います。
 さらに、もっと認定の公正と中立性を大きく損なっているのは、事業の申請者と事業の認定者が同一人物であるということが生じることです。これは、受験生が自分でテスト問題をつくって、自分でテストを受けて、それでもって自分で採点までしてしまうというようなものです。本人が幾ら正直に、そして公正に判断したとしても、外から見れば、どうしても認定結果にうさん臭さがつきまとうのではないかというふうに思います。これでは、国民からの信用は決して得られないというふうに思います。この点について、しっかりと大臣の御答弁をいただきたく思います。
 私見を簡単に述べさせていただきますと、事業認定者は、国土交通大臣や都道府県知事ではなく、第三者機関であってこそ中立な判断ができるのではないかというふうに思います。もちろん、第三者機関の運営いかんによっては中立性を損なってしまうこともあるのかというふうに思いますが、第三者機関の委員の選定は、だからこそ議会の承認事項とし、そのメンバーは、有識者や専門家をもって構成する、公聴会の開催はもちろんのこと、他の参考意見として民意調査を当該市町村、都道府県まで広げて行うことができるようにする、認定過程の情報公開を徹底するなどの認定制度があってこそ初めて、公正中立というものが保たれていくのではないかというふうに思います。ぜひとも、この辺についてコメントをいただけたらというふうに思います。
 また、事業認定の公益性の判断要件四点は、今回の改正においてもそのままになっていますが、これは昭和二十四年、すなわち五十年前、半世紀前から内容が変わっていません。五十年前に比べたら、時代は全然違います。今の時代に合わせて内容をアップデートすることはもちろんのこと、もう少しいろいろなキーワードを明確化して述べていってもいいのではないでしょうか。循環型社会の形成を目指すのであれば、環境への影響という単語、また、事業の効率性を問うというのであれば、代替案との比較をするというようなことをしっかりと明記しておくべきだというふうに考えますが、どんなお考えでこうなったのか、ぜひともお聞かせいただきたいというふうに思います。
 次に、収用手続の合理化について質問をいたします。
 今回の改正では、収用手続に必要な土地物件調書作成において、土地所有者が百名以上、なおかつ、一人当たりの補償金見積額が一万円以下の場合は、おのおのの土地所有者から直接会って署名押印を受けずとも、市町村長による公告縦覧の手続を経て調書を作成できるというふうになっています。
 しかし、額の大きい小さいによって、所有権の移動という基本的な権利に対応の差があっていいものなのでしょうか。この辺、今回の特例措置の合理性についての御説明をいただきたいというふうに思います。
 次に、法務大臣に、司法と公共事業の関係について御質問をさせていただきたく思います。
 事業認定の結果に納得できない住民が最後に事業の公益性について争える場は、司法の場しかありません。しかしながら、現在の行政事件訴訟法では執行不停止の原則というものがとられていて、裁判所が事業を停止する判断をとるとはなかなか考えられません。すなわち、裁判中でも、対象となる事業は完成に向けてどんどんと進んでいきます。裁判では、完成直前の事業の公益性を判断するという、意味のない判断になってしまいます。また、仮に、裁判所が事業停止の判断をしたとしても、総理大臣の異議によってこの判断を覆すことができるのだそうです。
 これでは、何か司法制度が行政に侵害されていると言っても過言ではないように思います。住民を軸にし、そして、真に国民生活を豊かにできる公共事業を実現するためには、行政事件訴訟法の執行不停止の原則というものを、今、改めて検討していく時期に来ているというふうに思いますが、法務大臣はどのように考えるか、お聞かせいただけたらというふうに思います。
 最後に、今回の土地収用法の改正方向には、情報公開、住民参加、環境への配慮、そして事業効果の観点など、二十一世紀の公共事業のあるべき姿に変えていこうという努力が感じられると思います。しかしながら、改正案では、事業が進み始め、反対運動などの問題が生じてから住民の合意形成に乗り出していくという、今までと全く同じパターンで、何の変化もございません。今、求められているのは、反対運動が起こる前に住民参加ができる仕組みが求められているのです。
 今回の法案の審議を通じて将来の公共事業のあるべき姿に近づくよう、小泉総理、そして扇千景国土交通大臣の強いリーダーシップと前向きな姿勢に期待をいたしまして、私からの質問を終わりたいというふうに思います。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣扇千景君登壇〕
#42
○国務大臣(扇千景君) 大谷先生の御質問にお答えしたいと思います。
 今回の土地収用法の目的について、まずお尋ねがございました。幾つか例示を挙げられましたけれども、順次お答え申し上げたいと存じます。
 今日の社会情勢の変化によりまして、公共事業に対する住民の理解の促進、円滑かつ効率的な実施の確保、循環型社会の形成の促進など、さまざまな課題への対応が求められているのは、今先生御指摘のとおりでございます。これらの課題に適切に対応するためにも、土地収用法を改正して、そして、事業認定手続の透明性等の向上、収用裁決関連手続の合理化を図る必要があるのは、先生も御指摘のとおりでございます。
 その意味で、今回の法案は、国民の理解を得つつ、真に必要な事業を速やかに実施することにより、国民の生活の向上を図るものとなると考えております。
 事業の計画構想段階からの住民参加、住民の合意の伴う制度づくりについて御質問がございました。
 おっしゃるとおりでございまして、公共事業の実施に当たりましては、住民の理解と協力を得るとともに、透明性を確保することが、先生のおっしゃるように、重要なことであると私も考えております。
 現在におきましても、河川整備計画の策定に際しましての地域住民の意見の反映、都市計画決定における住民の意見の反映、また、道路計画について、地域住民等関係者の意見を聴取しまして計画に反映するパブリックインボルブメントの方式を試行するなど、あらゆる計画段階での住民参加の手続は、積極的に導入し、また、努力しているところでございます。
 今後とも、先生がおっしゃるように、できるだけ早い段階からの情報公開、住民参加、それを私たちは積極的に取り入れていきたいと思っておりますので、ぜひ御協力も賜りたいと存じます。
 道路あるいは港湾、空港の長期計画の需要予測についてのお尋ねがございました。
 御存じのとおり、道路、港湾、空港の長期計画につきましては、それぞれの特性に応じて、GDPの見通し、人口推計、国内外の経済社会動向に基づきまして多角的な分析を行って、需要を予測しております。
 また、これらの長期計画は、計画的な事業実施のためのいわば目安といった性格のものでもございますけれども、個々の事業の実施に当たっては、それぞれの詳細な需要予測を行って、費用の対効果分析を行っております。また、毎年度の予算執行に当たりましても、その時々におきます経済社会動向、財政事情等を踏まえまして弾力的な事業の実施を図っておりますけれども、今先生がおっしゃいましたように、ある程度検査、あるいはその年数を短くしろという御指摘でございましたので、評価制度の導入ということもこれは必ず必要である、今の時世に沿ったものだと思っております。
 公聴会におきます意見聴取の取り扱いについて、先生からの御質問がございました。
 公聴会で陳述されました意見は、第三者機関の意見の取りまとめに当たりまして、参考資料として提供することも考えておりますし、また、実施もしております。
 また、今回の法案によりまして明らかにすることにいたしておりますけれども、事業認定の理由におきましても、その意見がどのように反映されたかについては、できるだけ明らかにしてまいりたいと考えております。
 第三者機関の意見に対する取り扱いについて、大谷先生の御質問がございました。
 今回の法案は、事業認定に当たりまして、事案によって中立的な第三者機関から幅広い意見を聞くことが有用であるというのは当然のことでございますし、また、その意見の聴取を義務づけることとするものでございます。
 このような今回の義務づけの趣旨にかんがみまして、事業認定庁は、当然、第三者機関からの意見を尊重いたしまして事業認定の判断をすることにより、結果として一定の拘束力を有するというのは考えられますことから、今回の提案しました法案においては、制度的な拘束までは規定していないというところでございます。
 先生から、第三者機関の委員の構成のあり方を御質問されました。
 社会資本整備審議会のうち、土地収用法の事業認定の審議にかかわる委員につきましては、特定の分野に偏ることなく、法学界あるいは法曹界、都市計画、環境など、各界からバランスよく人選するなど、その中立性、公正性の確保に最大の配慮を払ってまいる所存でございます。
 次に、事業認定庁と事業主体が同一の者となることについての御質問がございました。
 国土交通大臣が事業認定を行うことについては、先生がおっしゃいましたけれども、事業認定の判断には、事業に関する技術的、専門的な知見が必要であることは言うまでもございません。事業認定の中立性等を担保するための新たな措置として、第三者機関であります社会資本整備審議会の意見聴取でございますとか、公聴会の開催、事業認定理由の公表の義務づけを措置することといたしております。諸外国においての事例もありますけれども、細かいことは委員会に譲ることといたしまして、事業所管大臣が事業認定を実施することが通例であるというのは諸外国でも一般化しておりますし、その意味でも、その公正性や中立性は担保されているものと考えております。
 公正中立が保たれる事業認定制度についてのお尋ねがございました。
 今回の法案においては、事前説明会、公聴会の開催の義務づけによりまして、住民の意見の把握に努めることとしております。公正中立な第三者機関の意見聴取、事業認定の理由の公表による情報公開の徹底を行ってまいりたい、そのとおり考えております。
 また、事業認定におきます環境への影響、代替案の比較といった事業認定要件の見直しについてのお尋ねがございました。
 現行法におきましても、事業の実施により生じます環境への影響は、事業認定に関する公益性の判断におきまして考慮しているものでございます。また、事業認定の公益性の判断に際しては、代替案が考えられる場合、事業の効率性については、申請案との比較検討を行ってきたところでございます。
 そして、土地調書等の特例手続を補償額が些少の場合に設けることについての御指摘もございました。
 収用手続は、公共の利益の増進と私有財産権の保護とを適切に調整するためのものであり、その具体的な内容は、実施する事業と収用される権利の性質及び内容等を踏まえて定める必要があるのは、先生御指摘のとおりでございます。
 そういう意味で、今回の法案は、土地所有者が百人を超え、一人当たりの補償金額が些少である場合について、収用される権利の内容に着目いたしまして、公告縦覧等の方式によります手続の採用という特例を置くものでございまして、合理的な理由があると考えております。
 以上、大谷議員の御質問にお答えさせていただきました。あとは、また委員会で御質問をいただきます。(拍手)
    〔国務大臣森山眞弓君登壇〕
#43
○国務大臣(森山眞弓君) 大谷議員にお答え申し上げます。
 行政事件訴訟法の執行不停止の原則等を見直すべきであるとのお尋ねがございました。
 行政事件訴訟法は、一つの行政処分がなされた場合、これを前提として新たな行政行為が積み重ねられていくことが少なくないこと等にかんがみ、行政の円滑な運営が阻害されることを防止する等の観点から、行政処分について抗告訴訟が提起されても当然にはその処分の執行等を停止しないものとする、執行不停止の原則を採用しております。
 しかしながら、その一方で、行政事件訴訟法は、行政処分の執行等により回復の困難な損害を避けるために緊急の必要があるときには、裁判所は、原告の申し立てによりその執行等を停止することができるものとしております。
 この執行停止は、本案の訴訟における終局判決とは異なり、判決前の暫定措置として、行政処分の執行等により回復の困難な損害を避けるために緊急の必要があるときに行政処分の執行等を停止するものであり、いわば行政作用に属する事柄であります。行政事件訴訟法は、このような行政作用に属する執行停止の許否の判断を、立法政策上、裁判所にゆだねたものでありますから、内閣総理大臣の異議の制度は、司法権を侵害するものではないと考えております。
 なお、御指摘の執行不停止の原則も含め、司法の行政に対するチェック機能のあり方については、司法制度改革審議会において調査審議の対象とされており、六月十二日に取りまとめられることが予定されております同審議会の意見を踏まえまして、今後、司法及び行政の役割、さらには、均衡のとれた三権相互の関係のあり方等を十分吟味した上で、総合的、多角的な検討が進められていく必要があるものと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#44
○議長(綿貫民輔君) 日森文尋君。
    〔日森文尋君登壇〕
#45
○日森文尋君 社民党の日森文尋でございます。
 私は、社会民主党・市民連合を代表しまして、土地収用法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。(拍手)
 先ほど、扇大臣や法務大臣から御答弁がございました。重複する点もあるかもしれませんが、ぜひ真摯な御答弁をお願いしたいと思います。
 土地収用法は、憲法第二十九条第三項に基づいて、公共事業に必要な用地取得に際し、地権者の同意が得られない場合に、公共の福祉と私有財産を調整するための法律である、これはもう皆さん御存じのとおりです。
 政府は、今回の法改正を、一九六七年以来の抜本改正、こう位置づけて、事業認定における公聴会の開催、第三者機関からの意見聴取の義務化を図る一方で、補償手続においては、代表当事者制度の創設や補償金払い渡し方法の合理化を進めようとしております。
 しかし、これらの改正案は、政府の言う抜本改正とは裏腹に、不要な公共事業をごり押ししてきた公共事業政策のいわばゆがんだ総括と言わなければなりません。公益性を失った公共事業でも、これを強引に進める行政に対するなけなしの抵抗手段であったトラスト運動をつぶして、住民合意を図る努力を放棄してまでも、ひたすら用地の収用を迅速化したいという意図がありありと見えるからです。
 ゆがんだ公共事業へのやむにやまれぬ抵抗手段としてトラスト運動が生まれ、それが行政の事業遂行に大きな障害となったことから、今回の法改正で、こうした障害を一気に取り除いてしまおう、そういうことにほかならないと思います。例を挙げれば、収用裁決手続の合理化は、昨年六月、日の出町の処分場に手をやいた東京都が要請したとおりの内容になっています。
 収用手続が簡素化されるなら、本来、事業認定段階での民主的手続が充実されなければなりません。しかし、改正案では、現行法でも開催可能な公聴会が義務づけられたにすぎません。また、第三者機関の意見聴取にしても、しょせん国土交通省内部の審議会である限り、独立性は担保されず、国民の意見をどこまで代弁できるか、極めて疑問であります。
 この改正案は、まさに、行政のニーズと発想に基づいた改正であり、国民の声に耳を傾け、時代の要請をしっかりと受けとめた改正とは無縁のものと言わなければなりません。
 改正の中身を検討した旧建設省の土地収用制度調査研究会がございます。この研究会は、次のように主張しています。幾つか紹介したいと思います。
 一つは、事業計画の段階で住民参加や情報公開をすることが必要であること、二つは、収用手続は慎重であるべきであって、情報公開を拒むとか環境アセスが適切になされていないとかいった行政の怠慢を収用手続が後押しするようなことは適切ではない、こう言っています。三つ目は、強引に進めてきた事業を一遍立ちどまって振り返ってみるための法律の整備が必要である、こう主張しているのです。
 当然の主張と言わなければなりません。しかし、驚いたことに、こうした研究会の貴重な意見が今回の改正案にはどこにも反映されていないのです。
 そこで、扇国土交通大臣に伺います。
 なぜ、こうした意見が排除されてしまったのか。また、仮に、これらの意見について土地収用法という法律の枠内で対応することが困難であるならば、今後の公共事業の中でどのように制度化されていくのか。さらに、計画の早期の段階で、情報を公開し、住民参加で意思決定するという、先進国では当たり前の手法をどう取り入れていくのか。具体的に大臣の所見をお聞きしたいと思います。
 次に、法案の中身についてお尋ねをいたします。
 まず、起業者による事前説明会や事業認定時の公聴会の義務づけについてであります。
 説明会や公聴会を開く際、より多くの利害関係者が事業の実態について正確に把握できることが重要だと考えますが、それぞれどのような周知方法を検討されておられるのか、また、利害関係者の範囲をどの程度想定されておられるのか、ぜひお聞きをしたいと思います。
 そして、その際、事業目的や内容が可能な限り開示されることはもちろんですけれども、最も大事なことは、住民の質問や意見表明に真摯に答えることではないでしょうか。環境影響評価の手続で、意見書に対して回答が義務づけられているのと同様、一方的な説明で終わるのではなくて、住民の意見に対し回答を義務づけ、それらを申請書に添付することが不可欠だと思います。環境大臣及び国土交通大臣の御見解を伺います。
 特に、環境大臣には、環境アセス法施行前から続く公共事業におけるアセス適用への要請の高まりをぜひ御勘案して、お答えいただきたいと思います。
 国土交通大臣には、公聴会での論議を事業認定の審査にどう反映させようとされているのか、お考えをあわせてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、先ほどの御質問にもございました、第三者機関からの意見聴取についてお尋ねをいたします。
 仮に、国土交通省内の社会資本整備審議会、これを第三者機関と呼ぶのであれば、意見の公正中立性を担保するために、少なくとも事業に批判的な市民もこれに参画させるべきだと考えますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
 事業認定は、起業者と事業認定庁を同じ行政庁が兼ねることが大変多くて、いわば右手で申請をしたら左手で認定の判を押す、こういうお手盛りの手続となっています。公正さを担保するには、起業者と事業認定庁を切り離すこと、そして、独立性、中立性、公正性、専門性、そして透明性が担保された第三者機関を設けて行うべきだというふうに考えますが、国土交通大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。
 次に、収用委員会の裁決手続についてもお尋ねをいたします。
 収用手続は、所有権の変動という基本的権利に関するものですから、現行法でも、土地調書あるいは物件調書を作成する際、土地所有者の個々の署名捺印を必要としています。
 ところが、今回の改正案では、土地所有者が百人を超え、かつ、一人当たりの補償額が小さい場合には、市町村長による公告縦覧手続だけでよい、こうされています。このような基本的な権利に関して、人数や補償額の大小で差異を設ける合理的な理由は一体どこにあるのか、これをお聞きしたいと思います。
 また、補償金の払い渡し方法でも、今回の改正では、書留郵便の発送をもって有効としています。
 これは、民法第九十七条の言う到達主義及び民法第四百九十二条、四百九十三条の言う弁済の提供の大原則に反するのではないでしょうか。財産権の侵害に当たると考えていますけれども、法務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
 次に、経過措置についてお尋ねをいたします。
 附則の中に実にひっそりと経過措置が置かれているのですが、この経過措置によれば、現行法で事業認定を申請した事業については、説明会や公聴会の開催のないまま、収用裁決手続でもまた、新法による、合理化された、迅速なやり方で済ませられることになっています。つまり、事業認定においても、収用裁決手続においても、どちらも関係者の意見を聞かずに、まさに速攻で済ますことができるとされています。
 そこで申し上げたいのですが、さきに述べた旧建設省の研究会の報告では、こう言っています。「事業認定における公益性の判断が、情報公開や地域住民の意見の反映が確保された適正な手続を経て行われる限り、」において、「収用裁決手続について、必要な手続の合理的かつ円滑な遂行が確保されるよう所要の見直しを行うべきである。」こうしているのです。
 したがって、この研究会の報告から見ると、今回の経過措置は、この見直しの考え方に根本から反していると言わなければなりません。改正案の趣旨を踏まえるならば、利害関係者の意見を反映する手続を踏まなかった事業については、新法施行以前に事業認定を申請した事業についても、可能な限り公聴会の開催に努め、地域住民の意見反映を図ることは当然だと思います。国土交通大臣の明快な答弁を求めます。
 最後に、公共という概念についてお尋ねをいたします。
 改正案のもととなった研究会の報告は、
  従来は、いわゆる公共事業であれば公益性の存在を推定し得たものが、昨今では環境問題や事業効果の観点も加わり、いわゆる公共事業であることだけでは、公益性の存在が必ずしも推定し得なくなっている。
  このため、事業の公益性に関しては、従来に比しより高度かつ複雑な判断が求められるようになってきている。このことから、事業認定に関する手続において、情報公開と住民参加の手続を保障することなどにより、その透明性・公正性・合理性を確保することが必要である。
こう指摘をしています。
 公共事業だから正しいという時代はもう終わりました。本当に公益性があるのか、このことを国民や地域住民が判断できる環境あるいは制度づくりが求められている時代なのです。聞きっ放し、言いっ放しの形式的な参加ではなくて、これまで行政が不得手としてきた、本当の意味での情報公開や参加のあり方についても変革がなされるよう、人材の育成も含めて課題としなければならないのじゃないでしょうか。
 このように考えてくると、今回の改正案は、時代の要請にこたえていないばかりか、それに逆行するものと言わなければなりません。今、国民が求めているのは、行政が求めているような単なる事業の効率化ではありません。国民が今、心から求めているのは、みずからの血税を払って行われる事業であるならば、本当に必要なものは何か、みずからも参加をして決めたい、その一言に尽きるのではないでしょうか。
 国土交通大臣の御見解をお伺いして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣扇千景君登壇〕
#46
○国務大臣(扇千景君) 日森先生からの御質問をいただきました。
 今回の法案におきましては、御存じのとおり、住民等の理解の促進を図るとともに、事業認定手続の透明性及び信頼性の向上を図るため、事前説明会の開催、事業の認定に関する処分を行うに際しての公聴会の開催、第三者機関からの意見聴取及び事業認定の理由の公表等を行うことといたしております。
 このように、土地収用法の調査委員会からの意見を十分に取り入れて法案化したものでございます。
 計画の早期段階での情報公開、意思決定における住民参加の手法についてのお尋ねがございました。
 公共事業の実施に当たりましては、住民の理解と協力を得るとともに、透明性を確保することが重要であることはおっしゃるとおりでございますし、私たちも考えております。
 先ほども申しましたように、現在におきましても、河川整備計画の策定に際しての地域住民等の意見の反映、都市計画決定におきます住民の意見の反映、また、道路計画については、地域住民等関係者の意見を聴取しまして計画に反映するパブリックインボルブメント方式を試行するなど、計画段階での住民参加手続の積極的な導入を推進してきております。
 今後とも、できる限り早い段階からの情報公開、住民参加に積極的な取り組みをしてまいりたいと考えております。
 事前説明会、公聴会の開催についての利害関係者への周知徹底を御質問いただきました。
 利害関係を有します者とは、起業地内の土地所有者など、法律上の利害関係を有する者のほか、経済的、社会的利害関係などの事実上の利害関係を有する者も包含しているものと考えております。
 また、事前説明会及び公聴会についての利害関係者への周知は、当該起業地の地方紙によりまして周知するなど、利害関係者に対しまして十分な周知を今後も行ってまいりたい、特に気をつけてまいりたいと思っております。
 事前説明会、公聴会での住民の意見に対する起業者の回答の義務づけ等についてのお尋ねがございました。
 事業の円滑な実施のためには、事業の重要性について起業者が住民に対して十分に説明するというのは、重要であることはおっしゃるとおりでございますし、また、私たちも重要視しております。
 今回の法案に当たりまして、事前説明会における実施状況を記載した書面を申請書に添付することを義務づけることといたしておりまして、その上で、他の申請書類や公聴会等において出された意見などを積極的にまた総合的に考慮して、事業の公益性の判断をいたしてきたところでございます。事業認定庁としては、公聴会において出されました意見も考慮いたしました上で、事業の公益性について総合的に判断しまして、事業の認定に関する処分を行うことになっております。
 また、その意見をどのように反映したかにつきましては、今回の法案において措置します事業認定の告示において公表される理由の中で、できるだけ明らかにしてまいりたいと考えております。
 第三者機関たる社会資本整備審議会への市民の参加についての御質問がございました。
 今回の改正によりまして、第三者機関の意見聴取を事業認定庁に義務づける趣旨は、事業認定の中立性及び信頼性を向上させようとするものでございますし、また、自然環境の保全を重視する環境の専門家や投資効果を重視する経済の専門家などの各方面の多様な専門家によって構成することにより、より中立的、客観的な審議が行われるようにすることがその目的に沿ったものであると考えております。
 事業認定を第三者機関が行うべきではないかというお尋ねがございました。
 国土交通大臣が事業認定を行うにつきましては、事業認定の判断には、事業に関する技術的、専門的な知見が必要であることは言うまでもありません。また、事業認定の中立性を担保するための新たな措置といたしまして、第三者機関である社会資本整備審議会の意見聴取、公聴会の開催、事業認定理由の公表の義務づけを措置することといたしております。諸外国におきましても、事業所管の大臣が事業認定を実施することは通例となっておりますことから、この公正性、中立性は担保されているものと考えております。
 経過措置についてのお尋ねがございました。
 新法の施行前に申請のあった事業の認定の手続につきましては、旧法の規定に基づく手続が進行しておりますし、また、公聴会の開催及び第三者機関からの意見の聴取を適切な時期に実施することはもはや困難でございますので、そういう意味では、新法を適用しないこととしたものでございます。
 なお、これらの事業について個別事業ごとの進捗状況に応じてどのような取り扱いができるかということに関しましては、今回の法案の趣旨を踏まえて、今後も検討していきたいと考えております。
 国民の要請と土地収用法の改正の関係について、最後のお尋ねがございました。
 土地収用法は抜本的な改正がここ長い間なされておりませんのは、先生も御指摘のとおりでございます。一方、社会情勢の変化によりまして、公共事業に対しては、近年、住民の理解の促進、円滑かつ効率的な実施の確保、循環型社会の形成の推進など、現行土地収用法が必ずしも想定し得なかったさまざまな課題への対応が、今、求められているところでございます。
 これらの課題に適切に対応するため、事業認定手続の透明性等の向上、そして、収用裁決の関連手続の合理化等を図る必要がございますし、そのために、今回の改正法を提出したものでございます。これによりまして、国民から信頼される二十一世紀型の公共事業の実現に向けて、大きな前進が図られるものと認識いたしております。(拍手)
    〔国務大臣森山眞弓君登壇〕
#47
○国務大臣(森山眞弓君) 日森議員にお答え申し上げます。
 まず、収用手続に人数や補償額の大小で差異を設ける合理的理由はあるかとのお尋ねがございました。
 個別の行政手続がどうあるべきかにつきまして、法務大臣として直接お答えすべきかはちゅうちょするところではございますが、収用手続は、公共の利益の増進と私有財産権の保障とを適切に調整するためのものであり、その具体的内容は、実施する事業と収用される権利の性質及び内容等を踏まえて定める必要があるものと承知しております。
 本改正案においては、土地所有者等が百人を超え、かつ、一人当たりの補償額が小さい場合につき手続を簡略化していることについては、収用される権利の内容に着目した特則を置いたものであり、合理的な理由があると考えております。
 次に、本改正案の補償金の払い渡し方法が、民法の定める到達主義や弁済の提供の原則に反し、財産権の侵害に当たるのではないかというお尋ねがございました。
 本改正案におきまして、書留郵便の発送をもって補償金を払い渡したものとみなしているのは、権利取得の時期までに補償金の払い渡しがないときは、権利取得裁決は効力を失う旨を定めた土地収用法第百条の規定を適用する関係に限られており、書留郵便が発送されたことのみをもって、土地所有者等の補償金を受領する権利が失われるわけではありません。
 したがいまして、本改正案は、民法第九十七条の到達主義並びに民法第四百九十二条及び第四百九十三条の弁済の提供の原則に反しておりませんし、財産権の侵害にも当たらないと考えております。(拍手)
    〔国務大臣川口順子君登壇〕
#48
○国務大臣(川口順子君) 住民の意見に対する回答の義務づけについてのお尋ねがございました。
 御指摘の環境影響評価法における住民等の意見聴取の手続につきましては、環境情報を収集する趣旨から、事業者が、住民等だけではなく、広く環境保全の見地から意見を有する者より意見を求める仕組みとしております。
 準備書に対する今申し上げました方々からの意見につきましては、意見の概要とそれに対する事業者の見解を取りまとめまして、関係地方公共団体に送付することが義務づけられております。
 一般的に申しまして、各法律の趣旨、内容に応じて、住民等からの意見聴取などを位置づけることは、今日、重要なことと考えます。ただ、土地収用法と環境影響評価法とは、法律の趣旨や住民等の意見を求める理由が異なるものと思われますので、一概に比較することは困難と考えます。
 以上でございます。(拍手)
#49
○議長(綿貫民輔君) これにて質疑は終了いたしました。
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#50
○議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時二十八分散会
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 出席国務大臣
        総務大臣    片山虎之助君
        法務大臣    森山 眞弓君
        外務大臣    田中眞紀子君
        財務大臣    塩川正十郎君
        厚生労働大臣  坂口  力君
        国土交通大臣  扇  千景君
        環境大臣    川口 順子君
        国務大臣    柳澤 伯夫君
 出席副大臣
        国土交通副大臣 佐藤 静雄君
ソース: 国立国会図書館
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