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1950/11/24 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 図書館運営委員会 第1号
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1950/11/24 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 図書館運営委員会 第1号

#1
第009回国会 図書館運営委員会 第1号
昭和二十五年十一月二十四日(月曜
日)
   午後三時二十八分開会
  ―――――――――――――
  委員氏名
   委員長     徳川 宗敬君
   理事      平沼彌太郎君
   理事      羽仁 五郎君
           岡田 信次君
           徳川 頼貞君
           梅津 錦一君
           金子 洋文君
           森崎  隆君
           西田 天香君
           星   一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十五年度国立国会図書館の補
 正予算に関する件
○図書館の一般の問題に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(徳川宗敬君) それではこれから委員会を開催いたします。
 本日はお手許に差上げてございます昭和二十五年度国立国会図書館予算補正要求書、これに関しまして初めに金森館長から御説明を願いたいと思います。
#3
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 今日お願いをしておりまするこの補正要求は、狙いどころといたしましては、十二月におきまして臨時手当を含めました給与一ケ月の半分というものを臨時に支給するという方針を立てておりまするし、それから来年一月以後におきまして職員の俸給を或る程度増加したいという考えを持つております。そこでこの十二月に支給いたしまする臨時の手当の予算と、それから明年の一月、二月、三月におきますところの俸給の増額分に必要なる予算の手配をしなければならんという立場に立至りましたので、印刷物に出ておりまするように手当をいたしまするのは、合計いたしまして二百三十五万四千円となるのであります。これはまあ一回限りの支払であります。それからその次に、一月、二月、三月につきましての俸給の増加額は、大体は二百六十二万八千円、これは数字はここに出ておりません。出ておりませんが、三ケ月分の給与改善に必要でありまするところの増額は二百六十二万八千円要るのであります。そこで表面的に計算をいたしますると、以上の二つの金額の合算額をこの予算の中に準備しなければならない理窟になるのでございます。併しながら俸給予算として現に持つておりまするものの中で百五十万円だけは不用額に立てることができまするので、それを差引計算をいたしますると、明年の三ケ月分の給与改善の追加額は百十二万八千円となるのでございます。百五十万という数は一応は頭の中に入れて、それを俸給不用額で以て差引いたという計算になるのであります。かようにいたしましてこの二つの金額の合算額を予算に計上する必要を一応は生じまするが、更に本年度予算にすでに盛つておりますものの中からいろいろの節約をいたしまして、この図表の中に出ておりまする二百三十九万六千円だけは経費を減少することにいたします。そうするとこの二つのプラスの金額とマイナスの金額とを差引いたしまして、結局百八万六千円というものが今年度の補正増額を必要とする金額になるのであります。大体の金額の計算は、公務員一般に対しまする方向に従つていたしておるのであります。何分よろしく御審議をお願いいたしたいと存じます。
#4
○委員長(徳川宗敬君) 何か御質問ございましたら御質問願います。
#5
○森崎隆君 第一の年末手当支給に必要なる経費ですね、これは政府の申されておりまする何月分という計算でございますが、それが一つ。もう一つは、第三の節約等による既定経費の減少ですね、この中には国会図書館の職員の給与に関するものといつたようなものが含まれていますかどうか、この二点をちよつと……。
#6
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 第一の点の年末支給に必要なる経費は、経営の給与の半額、半月分を目途として計算をしております。
 それから第二のお尋ねの、節約額の中に俸給費の節約があるかと申しますると、その節約の額は、ここでは計上しておりません。この刷物の下の方の半分の中に出ておりますように、旅費、物品費、役務費、食糧費その他いろいろの項目の中から節約をいたしまして、二百三十九万六千円というものを生み出しております。尚先ほど俸給支払に余裕のできる金額百五十万円を差引いたということを申しましたが、それはこの計数の中には直接に顔を出しておりません。
#7
○岡田信次君 只今館長のお話だと、一―三月分の基本給は百二十万何がしか要る、そうすると一年として千万円ばかり要るわけでございますね。その中から百五十万円、一割五分不用額……、どうしてその不用分というのが出て来たのでしようか。
#8
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) これはこの年度の予算の補正でありまするから、来年の一月、二月、三月分だけの俸給増額を見ております。即ち一年分ということには関係ございません。で、今年は三月分の増額といたしまして正味二百六十二万八千円の所要額を必要とするのであります。ところが本年度すでに予算に計上されておりまする全体の俸給予算の中におきまして、百五十万円だけは浮かせることができまするので、それを差引くのであります。なぜ浮くのかと申しますると、本年いろいろの事情によりまして、定員が少し欠けておる。実際予算の上には定員がありましても、任命をしなかつたような人たちがありまして、それらのために、百五十万円の予算は浮き得る、こういうわけであります。
#9
○岡田信次君 もう一つお伺いしたいの円ですが、三番目、節約等による既定経費の減少、この元額はどうなつておりますか。
#10
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 大体これは根本の建前が、物件費的なものにつきましては、この年度の初めからおよそ五分だけは節約をすべき旨を大蔵省から要求されておりまして、従つてその予算の中から五分だけを保留しておつたのであります。それが今回正式に削ることになりまして、旅費の根源は百九十二万二千円の予算になつております。その中から節約九万六千一百円というのでありまして、全額の五分を、一年分に対する五分を節約したのであります。それから次に、物品費につきましては、三千八百五十二万六千七百円でありまして、これに、対しまして、百四十三万三千九百円を節約したのであります。これは或る特殊のものだけは節約の余地はございませんので、例えば図書購入なんというものは非常に困難でございますので、そういう節約の非常に困難なものを除きまして、あと五分節約するということになります。あと役務費もそうでございます。役務費の二千三百二十七万余円の中から四十八万二千円を節約したわけであります。あと食糧費以下そのような形でございます。
#11
○梅津錦一君 政府は、すでに第九臨時国会以前に、年末賞与は一ケ月ということを何回も発表しておるわけですが、政府が前にそうした意思表示をしているのだから、忠実に政府がその公約を果すとすれば、年末賞与は一ケ月分、こう私たちは了承するわけです。最近の政府の考え方が多少変つておるとは思いますが、すでに何回も声明をしておりますから、我々はその声明通り公務員には一ケ月、こう考えてよろしいかと思います。そういう点から、二分の一という予算で政府がその点公約した場合に、どういう措置をとつて財源を捻出するか、館長のそうした場合における心がまえを一つお聞きしたいのです。
#12
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 実情を申しますと、国立国会図書館というものは、国会にくつついておりまして、政府プロパーとは別ものになつております。従つてこの給与の点につきましては、人事院等の方針に従いまして、結局大きな動きに歩調を揃えて進行するより外にしようがないのでありまして、自分のところだけで特別の意見を立てるということは困難であります。大体噂によつて一ケ月分の手当が給与できるということで、どうせきまつたこととは思つておりませんけれども、それによりまして職員のためには非常にいい結果が得られるだろうと考えておりまして、実情を申しますと、この予算を組みまするにもその方針で組んでおつたのであります。ところが極めて最近に至りまして、大体の方針が半ケ月ということになりましたので、それに合したのでありまして、私共財務当局の立場を離れて考えて見ますと、相当執行上困難を感じておる次第であります。
#13
○金子洋文君 給与改善に必要な経費、その項目ですね、具体的にどういう経費が必要なのか……。
#14
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 給与改善に必要な経費と出ておりまするのは、つまり来年の一月以後の公務員の俸給の単価を上げるということであります。俸給の単価を上げる方法は、いずれ内閣の側によつて法律的にきめられることと思つております。私共のほうではその詳細に通ずることはできませんが、大蔵省の持つておる方針に歩調を揃えて、予算の上であらかじめその準備をしておる、こういうふうの段階であります。今のところでは職員の給与の単価、つまり月給でございます。月給につきまして一人当り千六百三十円を増額するという計算を立てまして、その千六百三十円に職員の数をかけますると、三ケ月分でここにできておりまする二百六十二万八千円という額になるのであります。これが公務員の今回の給与改善の一般方針に従つて予算のほうで準備をしておる額でありまして実際の給与の率は又別にきまることと思います。
#15
○金子洋文君 必要な経費というのは私にはわからんのです。月給を上げる、給与を上げるためにどういう必要な経費が要るか。
#16
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) これは予算のほうの専門家の書きます文字は、非常に常識的でございませんので、実情を申上げますると、国会図書館の給与というものの予算は、すでに予算として我々は国会の議決を経て決定を受けておるのであります。ところが来年の一月から二月、三月の三月に亘つて俸給の増額をしたいのであります。けれども只今の予算額ではどうしても俸給の増額をすることができませんので、そこで大体大蔵省とも連繋をとりました結果、私のほうでは月給の標準単価を或る分量上げまして、そこで一人当りの月給の平均額に一千六百円ばかり殖やす計画を立てておるのであります。従つて今まで単価が六千円であるといたしますると、今度は七千何がしということになりまして、一月と二月と三月にはどうしてもそれだけ余計な予算を持たなければ何とも動きがつかんのであります。実際のことは給与の法律できめますけれども、予算のほうはあらかじめ準備しないといけないのでありますから、そこで今日補正の要求をするわけであります。
#17
○梅津錦一君 人事院の勧告が八千五十八円ですか、あれは政府のほうの考えておるのは、その後の増給があるから、実際上はどういうことになるのです。人事院は一つの階梯を踏んでおるわけですね。それを一応考えないで、そうして裸の数字にして、その上に、その基礎数字の現在昇給されておるものを考えないで、これは当然昇給を含むのだから、年限がたつておるのだから、それを基礎数字に置かないで、それを取払つたもの、裸の数字を基準に八千五十八円ベースですか、政府のほうはずるく全部こみにして大体もうすでに七千円を越えておるわけですね。だから少し千円何ぼ上げれば人事院の八千五十八円になる、こういうわけですね。そこに人事院との食違いがあるわけですから、国会職員、図書館の職員がそういう計算からいつて、全部を寄せて割つて千六百三十円乗せたのでは階梯が八千五十八円にはならないかも知れない、そこのところをよく……、そういう点はよくわかりませんけれども、そういう点もお考えになつて、増給の分は当然時が来れば増給するのだから、その増給分をベース改訂の中に織り込まれてはマイナスになる、貰うほうとすれば……。そういう点を、私はよくわかりませんが、専門家の考え方を取入れて増給率の訂正をなすつて貰いたい、こう思うのです。
#18
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 将来どういうふうに具体的に動いて行くかということは、今日私共にはわかりません。これは今の給与の法令でも変つて行くときに、いろいろな議論を起しつつきまつて行くものと思つております。今は予算でそういう建前になつたときの準備をしておるような立場でございますので、詳細についてはわかりませんけれども、ただ現在の私共の立場として、予算で頂いておるよりも、一人当り相当の額を増加いたしまして、結局三月に対して三百六十二万八千円だけを殖やす、そういうのでありますから、順当に運用して行きますれば三月についてのこの額に従つて一年に延ばしますれば、もつと大きな額になりますが、それだけは給与が殖やし得るものと思つております。ただ実際理想的なところまで行くようにいたしまするのは、これは全体の空気によつてきまり得るのでありまして、私共のほうで何かいろいろな主張をすることは困難な立場にあります。
#19
○森崎隆君 これは、私の今日の委員会におきまするこの問題に対する態度でごいまするが、私としましては、結論的に今日は保留させて頂かなければならないかと思つております。と言いますのは、丁度私人事委員会に属しておりまするので、人事委員会においては、去る九月二十二日以後一回も委員会が開かれておりませんが、まだ政府……新聞なんか見ても勿論出ておりまするけれども、政府並びに人事院のほうからも正式にベース変更、又は年末の手当の問題につきましてはつきりしたものを聞いてもありませんし、私自身といたしましては、年末手当の問題にいたしましても、やはり一ケ月分ということを、はつきり現在として私は意見として持つております。最近に人事委員会も開かれるだろうと思いますが、現在私もそういう気持を持つております関係、又給与改善にいたしましても、基本的な問題がまだ討議される機会が何回か私はあろうと自分としては考えておりますので、今日非常に館長さんの謙虚なこの予算の問題につきましてのお気持ちはよくわかるのでございますが、私の立場といたしましては、今日ここで結構でございますとは言い切れない立場にございますので、反対というわけじやないのですけれども、今日は私はこの議決につきましては保留させて頂かなければいけない立場に立つております。その点御了承頂きたいと思います。勿論改善をする必要なしというのでは毛頭ございません。もつと大幅によりよくいたしたいという私自身は考えを持つております。それにつきまして、人事院とも折衝なり交渉など、勿論委員会も開いでございませんので、委員会の結果、人事委員会のほうで最後的な、たとえ私の意見が葬むられましても、そのときは止むを得んじやないかと思つております。現在といたしましては、私共は年末手当の半ケ月分、又給与改善、いわゆる大蔵省案といいますか、例の八千円ベースと大蔵省では唱えておる、非常に危かしい八千円ベース、これは現在といたしましては私は不満足でございますので、今日は、私といたしましては賛成はできかねる。これは私自身の立場でございますから、これだけはつきり申上げて置きたいと思います。
#20
○金子洋文君 ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#21
○委員長(徳川宗敬君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#22
○委員長(徳川宗敬君) 速記を始めて下さい。
#23
○羽仁五郎君 国立国会図書館の予算は、一般の予算、それから又この国会の予算の中でも別の意味を持つておることは皆さんのよく御承知の通りであります。で、その点について館長及び図書館の担当の諸君が非常な努力をしておられるということは重々感謝しておるのでありますけれども、而も尚その第一に、この国立国会図書館の予算というものは、特に別に考慮されるという建前になつておることの意味は、一つには、やはり国立国会図書館というものが、国政全般の進歩の根源をなす国会議員の立法活動のためには至上の、パラマウントの意味を持つておるということがあると思うのです。で、こういう重要な意味を持つておる国会図書館の予算を惜しむということは、実際一文惜しみをして百文を失うという古い言葉の通り、実に愚かなことだと思う。国会議員が立派な立法をして、そうして国全体の経済の復興の根源をなす国会図書館が、国会議員の立法活動のために十分の活動をして頂かなければならない、そのために国会図書館の予算というものは特に別個に考慮せられておるというふうに私は了承しておるのです。
 それから第二に、国立国会図書館は御承知のように最近創立せられたものであつて、現在まだ創立期にある、従つて先に行政整理などが行われた場合にしても、この戦争中非常に拡大した官庁の整理、節約の方針というものを仮に承認するとしても、それは国立国会図書館には当てはまらない。国立国会図書館は、戦争中厖大な機構を持つたりしたものではないので、これは民主主義によつて設立されて、まだ現在は創立の時期であつて、我々国会議員としては一刻も早くその機能を完備せられんことを希望しておるのですが、館長初め皆さんの非常な努力にもかかわらず、まだそこまでは行つておらん。そのために我々国会議員の重大なる責任を果し得ない点で非常な欠陷を生じておるわけなんです。このように一般的な意味から言つても、それから第二の創立早々であるという意味から言つても、この国会図書館の予算について、この我々の委員会というものは、只今館長の御説明になつたようなところに到達せられるまでの御苦心というものは重々拝察いたしますけれども、先ほど来のいろいろなご不満の意見があるというのも、そういうところから私は来ておると思うのです。それで私は特にさつき大蔵省の意向として、大体本年度五分くらいの節約をするということが了解されていたというのですが、それは今のような一般に非常に膨脹した官庁の場合にはそういうこともあり得るわけです。納得されるという筋もあるかも知れないけれども、国会図書館の場合には、私はそういう可能性は全然ないと思うのです。それで第一の年末手当支給に関する部分、それから国会図書館職員の来年一月からの給与改善に関する部分についても、只今の御意見がいろいろあつた意見に私も賛成ですが、この第三の節約等による既定経費の減少というものは、私はでき得るとは思はないのです。こういうことをなさるならば、必ずやさなきだに創立早々で非常にその機能の活動が不十分である国会図書館の機能を著しく阻害されて、そのために我々は国会図書館を設立したが、戦後国民経済窮乏の際にあの大きな機構を持つた国会図書館を創立して置いて、甚だ不十分にしか動かないというものを作つて行くぐらいならばやめてしまつたらよい、それをあえて我々が創立したということは、そういう財政窮乏の一般的な状況の中ではあるけれども、国会図書館は国政全体の改善進歩のための立法の根源をなす場所であるから、あえてこれを創立したものである。従つて創立した以上は、それが一刻も早く完全な機能が発揮せられるように運営しなければならない。こういう意味から、私はたとい額はどうであろうとも、こういうような節約額をお出しなさるということは非常に不思議に思う。さつきから御説明を伺つておつても一向納得しません。その意味で私は第一に、節約をこれだけなさるということが可能だとは信じませんので、これに対しては反対です。そして万一さつき館長が御説明になつたように、いわゆる一般的状況というもので、年末資金、或いは給与の改善というものが、理論上正当と考えられるものを実現しないというようなことがあるにしても、併し今申上げましたように、国会図書館の特に重要な任務又創立早々であるというようなことからいつても、私は願わくば、やはり只今他の委員から御発言があつたように、人事院の勧告、或いは合理的だと考えられる年末資金の一ケ月、それから給与改善の人事院勧告を正当に評価するというようなことが、決して不可能だというふうにきめることはできないので、若しそれが、実現された場合のこともあり、そういう場合のことを考えますと、一層この節約等による既定経費の減少ということを、今から予定されて置くということはますます納得できません。館長に対する質問から少し討論になつてしまつたが、館長に伺いたいと思いますのは、節約等による既定経費の減少ということは、館長は本当に自信がおありになるのか、これだけ節約して国会図書館が我々が期待するように、機能を立派に果せるとお考えになつてするのか、恐らくそうではあるまいと思う。随分無理をされておると思う。従つてそのために大切な国会図書館の機能が阻害されるのではないかと私は思うのです。
#24
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 今お話下さいました通り、予算で以て物件費その他の金額を予定して置きながら、それを節約するという名目で五分見当縮小するということは相当苦しいところであります。物件費につきましては、一時物価が安かつたものですから、多少そこに節約の余地があつたのでありますけれども、とにかく努力して最大の工夫をしてここまで持つて来たのでありまして、決して楽にやつて来たとは考えておりません。繰返し申しますけれども、予算の増額がない限りは、僅かの給与も払えないものですから、世間並の標準で、この予算の更正を願いたい。これが全体の精神であります。
#25
○羽仁五郎君 そうすると第一、第二の年末資金の面、それから給与改善の面というものは、皆様からいろいろ御意見があるとしても、第三の節約等による既定経費の減少ということだけは撤回されてはどうなんですか。
#26
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) この問題は、私の立場としては非常に困難と申しますか、実際予算を取つて置いたものを節約しろと言われても、初めの予算が嘘でない限り、節約のできるものではございません。ただ物価が下つたものだけは、その精神に従つて一生懸命やりましたけれども、できないものもございまして、どうしてものつぴきならんという強い主張のできるものだけは節約の範囲から外に除いて貰つた分もあるのです。例えば外国から書物を買いまする場合は、日本の物価が下つたつて外国の書物の値が安くなるわけではございません。そういうふうなものにつきましては、極く少額ではありますが、図書の節約の配慮をして頂いたものは五十万円ばかりありますけれども、とにかくそれはやつております。あとはできるだけ協調して行くためにやつておる、こういうのが趣旨でございます、
#27
○羽仁五郎君 併し国会図書館というものは、或る意味において外の館長と全く違うものなんです。従つて又第二には、創立早々のものであるというふうな点からも、そういう点で勿論他の館長も模範的に運営されていると思うのですけれども、併しなかんずく図書館はそういう点で模範を示すべきであり、途中で以て五分引けるような、節約のできるような予算でないということを御主張になつて、館長の別に御不名誉にもならないように思うのですが、どうでしよう。
#28
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 少し大雑把な説明になつておりましたけれども、節約額はこの表の下のほうにあります、真中の欄の△のしるしのついたものでそれが示されておるのであります。全体で節約いたしましたのが二頁三十九万六千円です。そのうちいろいろな項目が下のほうにありまして、旅費九万六千百円、こういう旅費というものは、多少そのときと場合によりまして節約のできるものであろうと考えております。それから物品費のほうは、これは物価減少という線に沿うところに注意をいたしまして節約はできております。役務費、食糧費なんというものは本当は節約できないもので、これは実際人件費のようなものでありまして、節約できません。結局それだけ仕事を減らすということでこれも止むに止まれんものとして減らしております。あと細かいのは、一番大きいのはしまいのほうの三十二万円の減少がありまして、その費目は共済組合の分担金でありますが、これは実は合理的に減らし得たものであります。と申しますのは、共済組合の分担金は、昔の考えで言うと、雇員以下の人に余計共済組合の分担をしております。雇員以下の人がたくさんあるとその分担金を沢山出さなければならんのであります。曽てこの委員会の御承認を経ましたように、私のほうでは雇員以下の人の数を減らしまして、その数だけ本官と申しますか、昔でいえば判任官以上の人に振替えました。そういたしますと、共済組合に出す分担金がずつと減つてしまいまして、そうして三十二万円浮いております。それでまあこれはいろいろなものが含まれおるのでございまして、事実この辺であつたならば我慢できるという建前でこの案を出しましたのであります。
#29
○金子洋文君 私としましては、年末手当はやはり一ケ月を与えるべきであり又、給与改善の点については、人事院の勧告通りすべきものと思うのです。この点、これらの要求に対しては、甚だ不満でありますが、これが審議が遅れた場合に、職員諸君に手当並びに給与が遅れて渡る、遅れて渡る結果、職員が迷惑するということがあり得るかどうか。その点お尋ねしたい。
#30
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 今、お仰せになりましたところは、全くそのお言葉の中に含まれておる御趣旨通りでありまして、給与手当金一ケ月というようなことは、まあ私共腹の中から非常に望ましいところと思つております。ところで、若し、この予算が遅れまして、二月の初め頃にきまるとすると、恐らく十二月に手当を出すといつても財源がございませんので、結局遅れてしまうことと思います。それから給与の増額のほうは、これは一月になりますので、多少そこに余裕があると思いますけれども、それでも国会の様子等を想像いたしますと、一月の初めにその給与予算を殖やすということはできませんので、そうすると給与に関する法律ができましても、私のほうだけは余裕がないから出せんと、こういうことになりそうな懸念はあるのですが……。
#31
○金子洋文君 そこでですね、仮に要求通り通したとしまして、あとで臨時国会において手当が仮に一ケ月にきまつた、給与改善が人事院勧告通りきまつた。そういう場合を予想して、これを更に補正する、要求を更に補正するということが可能であるかどうかということをお尋ねいたします。
#32
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 給与の規則が増加いたしますれば、もとより我々は予算を増額する措置を講じなければなりません。それはもう法律があつてこれを執行する途がないというのでは困りますから……、そういうことはないかと思つております。ただその間に時間のズレがありまして、必要なときに金が渡らないということもあるかと思つております。
#33
○委員長(徳川宗敬君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#34
○委員長(徳川宗敬君) 速記を始めて。
#35
○梅津錦一君 館長さんの言われた今までの御趣旨はよくわかつたわけです。その御趣旨をよく了解いたしまして委員会として次の動議を出したいと思うのですが、動議の文章を、粗雑でありますが簡単に申上げますと、「図書館運営委員会は、本予算は理論上、実際上不十分と認める故、議長において是正するよう万全の努力をせられたい。」、こういう意見を附して本予算に対する意思表示をしたわけですが、御賛成が頂ければ幸いだと思います。
#36
○金子洋文君 只今の梅津議員の動議に賛成いたします。
#37
○委員長(徳川宗敬君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#38
○委員長(徳川宗敬君) 速記を始めて下さい。それではお諮りいたしますが、昭和二十五年度国立国会図書館予算補正要求書に関しましては、只今梅津委員より御発言のありましたような勧告書を附して承認することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(徳川宗敬君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#40
○委員長(徳川宗敬君) 尚図書館の一般の問題につきまして御質問なり御意見がございましたら、この機会にお伺いいたしたいと存じます。
#41
○森崎隆君 只今から申上げる件は、館長さんに今日御返答を頂くつもりもございませんし、これは私の意見というよりは、むしろ現在図書館の各地方におきまして直接運営している責任者の方々や多くの人々の意見であり、要望であり、希望であるということを申上げまして、お考えを願い、御善処方を要望する次第でございますが、第一には地方におきましては、現在図書館が開設されたばかりのときでございまして、大いに指導面を要求しておるわけでございます。現在の組織のままでは国会図書館自体のほうが忙がしくて、とても最高責任者の方々に各地方のほうの図書館の御指導を頂くわけには行きませんので、強く要望する第一といたしまして、副館長さんを是非とも二名に増員して頂いて、お一人は事務系統、もう一人は渉外系統とでもいいますか、常に全国をお廻り頂きまして、積極的な御指導を頂きたいという熱望が一つございます。
 それからもう一つは、これはとんでもない希望のようで、私もびつくりしたのでございますが、そのままお伝え申上げますると、上野図書館も、できましたならば、地方公共団体のほうへでもお譲りを頂いたほうがいいのではないかという意見でございますが、どういうわけかとびつくりして聞きますと、現在国立国会図書館は三ケ所ございますが、技術面が現在統一されていないように実は承わるのでございます。それで上野の図書館が一番地方としては今のところ同調しやすい点があるということで、上野図書館の現在の運営そのものも、あのままでは地方では非常に不満を持つておる。若しこれを例えば東京都へでもお譲り頂ければ、そこで徹底的に上野の図書館の運営……すべての面を完備いたしまして、地方図書館全体のモデルといいますか、ライブラリー・センターとして守立てて行くという希望があるわけなのです。
 それから第三には、カードの問題でございますが、これは聞きますと、昨年の四月以来、国立国会図書館のほうで全国に配付して頂きますようにお約束頂いておるようでございますが、現在になりましてもまだこれを頂いてない。各地方の図書館のものは非常に今か今かと熱望しておる。これを早くして頂かないと地方図書館の運営それ自体に大きな支障を来たすので、是非ともこれだけは早くやつて頂きたい。それでB式、A式とあるようでございますが、私は言葉を換えて日本式と国際式と申しますが、一度こちらのほうから日本式といつたような形を出されたように承わつておりますが、地方の図書館関係の専門家からいろいろ批判されておるようでございますが、併し、これは高松の図書館のほうでございますが、この様式を掲げまして図書館を利用しておる一般市民の方々の御意見を聞きますと、国立国会図書館から出された様式のほうが非常にいいという意見が絶対多数であります。そういう点を是非とも早くお願いいたしたい。それからこれの価格が一円二十銭というようなことを伺つておりますが、アメリカにおいては無料で、運賃のみということになつておりますが、一枚が一円二十銭ということになりましては、各県立図書館その他市立図書館、公共団体の図書館としては、この予算だけでも大変だ。是非とも一つ国立国会図書館のほうで予算面の、例えば今日の節約分など、そういう面がございましたならば、カードの費用に廻して頂きまして、成るべく地方の図書館を救つて頂きたいという強い希望がございます。
 それから現在国立国会図書館と地方の図書館との間の連絡系統といいますか、これがしつくり行つていない、いろいろな仕事などのときには県立図書館等のほうにずつとこちらのほうから要望があるようでございますが、府県には例えば県議会の図書館もあるようですが、この連絡系統というものをはつきりおきめ頂きましたならば、それに対して、例えば国立国会図書館と県立の図書館とが直結をするということにおきめ頂きますと、それ相当の予算等の準備もいたしまして、連絡系統に遺憾のないように万全の準備をいたしたいという希望でございます。
 それからもう一つは、印刷物が現在三十五部納入することになつておりますが、この部数が、小さなパンフレツトその他につきましては、これは大したものではないのでございますけれども、ときには非常に限定された……一部とても相当高価なものにつきましては三十も取られますと、実は地方では非常に困るというお話があるのです。何とかこれを二部とか三部ぐらいで済ませて頂けないだろうかということも希望なんであります。
 それから現在地方図書館の責任者等におきましては、非常に図書館運営の技術面に枯渇しておりますので、非常に各方面のことにつきまして現在勉強中でございます。で、例えば「読書春秋」なんかも御親切に配付して頂いておりまするが、主に随筆等もたくさんいいものが盛られておりまして非常に感銘いたしておりまするが、できましたら、ああいうものの中には技術面の研究に役立つような資料、御意見といつたようなことも是非とも一つ併せて御教示頂きましたならば、非常に地方でも助かるといつたような、これは中国並びに四国、九州の一部等の直接図書館に携わつておる人々の総合的な意見であるということで、そうした機会に私に要望されて、是非とも館長さん初め皆さん方に強く要望して頂きたいということでございますので、御研究頂きまして、別に今日御返事とか何とか私は欲しているわけじやございませんから、何とか一つこれが実現できまするように御尽力、御協力を頂きたい。
 あとはまだ二、三ございますが、これは又事務局のほうに参りまして申上げたいと思います。以上私受継ぎと申しますか、それだけ一つ申上げて置きます。
#42
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 只今いろいろの御所見を頂きまして、大変有難うございました。この国立国会図書館というものの本質が、日本の図書館人には非常に誤解せられるといいますか、少くとも正当に了解せられておりませんし、正直に申しまして日本の政府、中でも国会を除きましての政府の側におきましても、まだ十分の了解がないように思つておりまして、それがためにいろいろの紛雑が起つておるわけであります。大体国立国会図書館は、法律に精神が示されたごとく、国会に対するサービスをし、又国民に対するサービスをし、外国との関係を持ち、それから行政官庁と最高裁判所との関係を持つ、こういうようないろいろな面を持つております。ただこの内閣に属しておりませんので、従つて日本の各地域にありまする図書館に対してどういう働きかけをするかというところに大きな問題がございます。まあ普通から申しまして、図書館行政は普通の行政事務でありまして、従つて文部省がこれを所轄しておられまして、その系統によつていろいろなことをしておられます。ところが国立国会図書館は文部省と関係ございません。完全にこれと隔離しているものでございます。その性格が違いますために、その間を結付けます方法は可なりむずかしいのでありまして、極く卑近なことを申しますれば、文部省側におきましては、或る人々はこの図書館が国会に属することそれ自身について何となくおもしろからざる目を以て見ておらるるがごとき感じがせんでもございません。それはもとより個人の意見でありまするが、そこに我々としてもよほどこれはやりにくいところがございます。何か権限争いというものが、大体官庁の常套手段のようになつております。私はそういう権限争いにできるだけ入らないようにという、こういう注意をしておりますと、自然そこに又疎遠になるようなきらいもありまして、自分でいい答えが出ないのでありますが、只今のところでは、政府の行政面には法律的な力を以ては全然関係をしない、そこで地方の公共団体の図書館に対しましても、何らの指図がましいことは一切やらないという方針を立てまして、その線に沿つて動いております。でありまするから、向うが特に御希望があれば友達として援助する、国の中の地方の図書館も国立図書館も同じく友達でありまして、白々しい法律的力というような形をとらない本当の友達として御相談に応ずる、こういう態度をとつております。でありまするから、いろいろお示しになりました点も、その考えに従つて処理して行きたいと存じております。
 第一にお話になりました副館長を二人置いて、その一人が地方の図書館を指導して廻る、こういうことになりますと、非常にそこに権限の争いが、何か内閣所管の事務に行政的に働きかけるような感じがいたしますので、この点は相当注意深く扱わなければならんと思いまするが、この技術上の助言、援助をいたしますることは、毫も吝かではございません。必要なる方法をよく考えたいと存じております。
 第二の上野の図書館を地方公共図書館にするということは、現在も国立国会図書館法の中に、そういうような趣旨の規定がございまして、上野の図書館はこれを東京都の図書館に移管するというような趣旨のことが規定せられております。ですからその線に沿つて行動することは私共の恐らくは職責である、法律が変らない限りはその線に沿つて行かなければならんものだと思つております。但し上野の図書館は、これは従来国の経費を以て、そうして国の所管で以ていろいろな種類の珍奇な書物を集めておりまして、そういうような国家的に築き上げられたる図書館がそのままそつくりと東京都の図書館になるということは、やや、と申しまするか、可なり理論上もおかしいのであります。移管いたしまする場合には、やはりそれ相応の措置をいたしまして、国家的な集積はやはり国家的にどこまでも扱つて行かなければなりませんというふうに考えております。この点は東京都なども多少の実際上の連繋等もとつておりまするけれども、幾多の問題が含まれており、外国から我我のほうに助言をするために来られましたところのドクター・ダウンスのごときも相当の意見を持つておられます。
 第三のカードの問題でありまするが、カードは昨年から着手して、漸次実行面に入つておりまするが、何しろ国の予算がこの面につきましては非常に乏しいのでございまして、可なり苦しんでおりますけれども、最近いわば広告をいたしまして必要なるかたにはカードを売るというような、第一着手をいたしております。併し実際は予算が少いために、自由自在に売るということもできませんので、三つばかりの条件を附して売り出すことにして、今現に注文を取つております。尚カードの代価が一円二十銭もしておるということでありますが、私のほうでは只今のところでは一円二十銭で手に入れるところまでは届き難いように思つております。と申しますのは、紙代が一枚どうしても一円くらいかかるのでありまして、それに印刷費用を加えまして、それからあと輸送その他の手数料を加えますと、もう少し高くなるのであります。これとても実はカード普及のために大部分の経費は国会図書館のほうの負担にしておりまして、紙代と印刷代だけで配ろうとしておりますけれども、どうも今のところ、そんなに安くするということは、実際問題として不可能、実費が出ないのでありまするから不可能と考えております。
 それから国立国会図書館と地方の公共図書館との直接の関係をどうするか、これは先ほどもちよつと申上げましたように、何らか密接な関係はとりたいものと考えております。けれども友達関係として、決して権力関係でない姿におきまして極力努力をするつもりであります。それがどういうことになりまするか、狙いどころといたしましては、いろいろ書物の貸出等の関係とか、目録等について助け合うとか、こういうような方法によつて必ずできまするけれども、ただ人事の権能とかその外中の仕事のやりくりまで余り手出しをいたしますことは、内閣の行政の機能を脇から妨げるようなことになるので遠慮をいたしております。
 それから次に、印刷物三十部ばかりの納入とういことは、これは国の官庁出版物との問題でありましては、つまり政府自身の予算で動いておりまするのは、必要に応じまして三十、或いはそれ以上もただで頂いておりまして、大体出版物の一割を超えないのであります。一割弱でやつておるのでありまして、国の公共団体、地方の団体には、これはその規定は全く関係はございません。ただ大きな自治体になりますれば、送付実費を頂くということがございますが、いずれも交換の基礎が含まれでおりまして、例えば県の議会に属しまする図書館等におきましては、私共の出版物も或る程度送付をいたしておるのであります。多分三十というのは、何か国のほうのものでありまして、大体二、三部、或いは一部しか頂いておりませんです。
 次に技術面のことでありますが、これは私共も非常に努力しておりますが、今後大学等におきまして、図書館に関する技術を教育し、知識を普及せしむることができて来ると思つておりまして、私共のほうも権限を侵さない限度におきまして御援助をいたしたいというふうに考えております。それから「読書春秋」に技術面を載せるということは、今後の研究問題として考えておりますが、私が「読書春秋」を出版するような方向に持ちましたのは、やや着想が違つておりまして、図書館技術を教えるという印刷物は、日本図書館協会の印刷物もございまするし、その外いろいろなものがございまするが、図書館におきまして、今一番注意の行届いていないところは、日本の読書階級というものの非常に浅いことでありまして、学生は書物を読むけれども、学生でない人々が読書というものと親しみを持たず、その結果といたしまして、日本中の図書館はあたかも学生の図書館である、或いは隠居さんの図書館であるという形を生じまして、中堅層の人々が書物を顧みないと、こういう点がございます。むしろそういう点に読書の興味と実益とを知らしめようとこういう努力でございまするから、技術面のことは、好奇心を刺戟する、そうして読書の興味を超させる、この限度まではもとよりこれでやることと思いますけれども、技術的のことは、外の方面で若し必要があればやるべきことと私は考えております。いろいろ問題は非常に複雑でございまして、私共幾多考えなければならん問題がございましたけれども、要するに国立国会図書館は、図書館行政の官庁ではないという一つの制約がございまして、そこが私共の手足を幾らか縮めさせる点でございます。
#43
○森崎隆君 非常によくわかりました。私共もこの問題を持つて来られましたときに、国立国会図書館のあり方、又実際の規定等につきましても或る程度の説明はいたしたのでございますが、現在全国に多数できました図書館としましては、現在あのまま放置いたして置きますると、実際運営に困るというような、処置なしというような状態に至る危険がございまして、どこに頼るすべもない、結局国立国会図書館にこのような要望を持つて来るということは、如何に地方公共団体の図書館が、国立国会図書館の指導その他の面につきまして大きな期待を持つておるか、機構その他の問題は、館長さんのおつしやる通りでございますが、そういうものを超越いたしまして、縋り付いておるという、この熱意と申しますか、真摯な気持だけは、是非館長さんが図書館長さんであるという限りにおいては、持つて頂かなければならんと考えますので、機構の問題につきましては、是非館長さんなんかが中心になられまして、何とかそこに行政面を侵さずに、本当に親切に彼等の欲するところを与えてやる素地を一つ作つて頂かなければならない。そのプロセスの間といたしまして、やはりできるだけ一つ友達の立場で結構でございまするけれども、そういうような幾多の宿題を持つておる図書館の育成のために万全の御尽力をお願いいたしたいと思います。
 最初から申上げましたように、決して国立国会図書館が何だかんだといつたような気持を持つて私申上げておるわけではございません。如何に各図書館を運営しておる責任者たちが、館長さん初め国立国会図書館の方々に大きな信頼と、これに縋り付いておるかということを現わす現われなのであります。それだけに一つよろしく今後お願いいたしたいと、そういう気持でここに要望されておるので、或いは筋違いになつたかも知れませんけれども、どこにも言いようがないのでございまするから、是非館長さん初め皆様方にお願いしてくれというので、端的に申上げましたのでありまして、是非その精神だけはお酌み頂きたいと思います。
#44
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 只今のお話、誠に有難うございました。私共心からそれを努力いたしておりまして、実は私、当然の職責でないかも知れませんけれども、機会あるごとに地方の図書館をよく見せて貰いまして私共の印刷物も、今の「読書春秋」なども、これは国の予算でやつでやつておるわけではございませんので、予算外のものとして、私共のサービス事務としてやつておりまするけれども、これもできるだけただでたくさん送りたいと考えております。
#45
○森崎隆君 今の「読書春秋」に対してえらい失礼な希望もありますのは、各府県その他公共団体の予算面から、極端に申しますと、ただで頂くこういういいものに自分の希望も載せて貰いたいという、そういう気持から来ておるので、結局、予算に直結する問題なので、その点は一つ御了解願いたいと思います。
#46
○羽仁五郎君 只今非常に貴重な御意見と、それに対する館長の非常に立派な御答弁があつたのでありまするが、事実例えばさつきの上野図書館のごときは、上野図書館は文部省が所管しておつて、それを国会図書館の支部図書館として、やがて東京都に返すという措置を、理論上最も最善であるということで、そういう措置をとるということにも随分いろいろな困難があります。併しこれもさつき館長から御説明がありましたように、文部省もちやんと納得をされ、そうしてやがてさつき館長がおつしやつたような国家的な面を国会図書館が継承されて、都民図書館として委譲されるということになると思うのです。併し今の御意見の中でやはり一番重要なのは、公共図書館というものは法律によつて作られながら、地方公共団体なり何なりで十分な予算を与えられないということがやはり根本的な問題だと思う。地方の公共図書館でも十分な予算を持てば、皆さん有能なかたがおられるのだし、立派に技術面も研究なさり、立派なことがおできになるので、必ずしも国立国会図書館に御指導を期待されるということもないと思うのです。併し勿論それはさつき館長も御説明になつたように、政治的或いは行政的にいわゆる支配するということは一切なすべきでないが、併し技術的に援助するということは十分国会図書館としてもお考えになつておることは、殊に最初のタラツプ、ブラウン両使節団を迎え、又ドクター・ダウンスなどを迎えて、国会図書館が特に非常な研究を積まれておるのですから、そういう点の指導は十分なさつたほうがよいと思う。つまり結論として、私はその意味でさつきも予算について申上げたのですが、国立国会図書館は、いろいろな意味で全国公共図書館の模範とならなければならない。例えばさつきもお話のありました県議会の図書館も立派な図書館を持つて頂きたいわけですが、それについても国の国会図書館というものが貧弱な予算でよたよたしておるようじや、とても県が県議会として、立派なものをお作りになるということはできない。だからどうかそういう意味で、日本の国立国会図書館であつて、そして唯一のものであるという点の認識を一層高められて、そうして国会図書館が、国があれだけ経済的に困難な中を、あれだけの予算を以て、あれだけの立派な仕事をしておるのだ。従つて県議会としても立派な図書館を持たなければならない。又国会図書館があれだけの予算を国会から協賛されて、そうしてやつているのだ、そうすれば公共図書館も十分な予算を持つて行かなければならないというふうに、万事唯一の国立国会図書館として、地方公共団体が国会図書館に注目しておられるということは、私はさつきの御意見の中の一番重要な点であろうと思うので、そういう点は館長も十分、一層の認識を深められたことだろうと思う。
#47
○委員長(徳川宗敬君) 他に御意見はございませんか。
#48
○梅津錦一君 本日はこの程度にして、次回に譲つて頂きたいと思います。
#49
○委員長(徳川宗敬君) それでは本日はこれで散会いたします。
   午後五時二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     徳川 宗敬君
   理事
           羽仁 五郎君
   委員
           岡田 信次君
           梅津 錦一君
           金子 洋文君
           森崎  隆君
  国立国会図書館側
   国立国会図書館
   長       金森徳次郎君
ソース: 国立国会図書館
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