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2000/10/10 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 選挙制度に関する特別委員会 第3号
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2000/10/10 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 選挙制度に関する特別委員会 第3号

#1
第150回国会 選挙制度に関する特別委員会 第3号
平成十二年十月十日(火曜日)
   午前十時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月六日
    辞任         補欠選任
     山崎  力君     長谷川道郎君
 十月十日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     鶴保 庸介君
     入澤  肇君     星野 朋市君
     長谷川道郎君     脇  雅史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                小山 孝雄君
                鴻池 祥肇君
                森山  裕君
                森本 晃司君
    委 員
                阿南 一成君
                入澤  肇君
                岩瀬 良三君
                亀井 郁夫君
                木村  仁君
                斉藤 滋宣君
                鶴保 庸介君
                仲道 俊哉君
                長谷川道郎君
                林  芳正君
                星野 朋市君
                吉村剛太郎君
                若林 正俊君
                脇  雅史君
                弘友 和夫君
                益田 洋介君
                佐藤 道夫君
   委員以外の議員
       発議者      片山虎之助君
       発議者      須藤良太郎君
       発議者      魚住裕一郎君
       発議者      月原 茂皓君
       発議者      保坂 三蔵君
   国務大臣
       自治大臣     西田  司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       自治省行政局選
       挙部長      片木  淳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(片山虎之
 助君外四名発議)
○参考人の出席要求に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(倉田寛之君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#4
○委員長(倉田寛之君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○森山裕君 おはようございます。自民党の森山でございます。
 西田大臣には大変お忙しい中御出席をいただき、ありがとうございます。
 まず初めに、去る十月六日午後一時三十分ごろ、鳥取県西部を中心に西日本一帯で広範に発生した地震災害被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。報道によれば、幸い死者はない模様でありますが、負傷された皆様の一日も早い御回復をお祈りいたします。
 なお、家屋倒壊、道路損壊、農作物被害等の損害が報道されており、被災地において迅速かつ適切な救助、復旧が進むよう切望いたします。余震が続いている上、雨が降った関係もあり、二次災害防止が重要であります。被災者の皆様の安全を重ねてお祈りするとともに、事態の推移を重大な関心を持って見守りたく思います。
 また、災害援助に出動された自衛隊、そして近隣地はもとより全国から救援に駆けつけられたボランティアの皆様の活動に衷心から敬意を表したいと思います。
 それでは質疑に入ります。
 我が国の歴史の大きな岐路に立ち、奔流のように激変をし、とどまるところのない内外折々の諸問題に国民を代表し機敏に対処すべき民主的政治機能は、憲法上専ら衆議院と参議院に与えられております。我々は、この二院制をいかに駆使して、民主主義の理念のもと、国政に誤りなきを期すかが問われていると思います。
 参議院とは何か、そしてどんな役割が国民から期待をされているのか、この問題を常に検討しなければなりません。それが政治に責任を持たなければならない与党としての問題意識であります。参議院のあり方を問い、これまで先延ばしされるばかりであった選挙制度の改革こそ喫緊の課題であると考えます。
 六年間の議員任期を保障されている参議院は、解散がある衆議院とは異なり、安定をした長期的視点でそれぞれの議員の見識と研さんの成果を発揮し、教育、社会福祉、外交、防衛など、国家と国民の存立にかかわる基本的問題に取り組むことが可能であります。まさしくその機能こそ参議院が良識の府たるゆえんであり、政党政治の場である衆議院に対する抑制と補完、そして政治の均衡を発揮することを可能にするものであります。
 来年、いや二十一世紀冒頭の参議院選挙を控え、新しい選挙制度を考えるのは今しかないという切迫した与党としての決断であります。
 高い見識を持つ人材を広く求めるにしては、現行の比例代表選挙では候補者の顔が見えにくい選挙である、過度の政党化が進む、政党の行う候補者の順位づけが有権者にわかりにくい等々の批判があります。参議院がそのあるべき機能を発揮するためには非拘束名簿方式が適切であり、今回の改正案の提案はまさに時宜を得たものであると考えます。
 議題となっております公職選挙法の一部を改正する法律案では、第一に、参議院の定数を現行の二百五十二人から十人減じて二百四十二人にすることとし、比例代表議員を百人から九十六人に、選挙区選出議員を百五十二人から百四十六人にする改正であります。第二に、参議院比例代表選出議員の選挙を非拘束名簿式比例代表制とする改正であります。
 本特別委員会では、これまでそれぞれの立場の方が委員名簿の提出について、さらには委員会への出席について、野党に対したび重なる要請を行ってこられました。しかし、そのような努力にもかかわらず、一部会派は名簿の提出もなさいませんでした。また、十月六日には、法案の趣旨説明が野党の議員が出席をされないまま行われました。そして本日も、佐藤議員さんを除いて野党の皆さんは全員欠席であります。審議拒否が続いていることはまことに残念なことであります。国会審議こそ議会制民主主義の根幹であります。それなのに、議員が最も大事な責務を果たさず、審議拒否を続けるということはどういうことなのでしょうか。
 また、この法案を白紙撤回しろと野党の一部は主張しております。国会は国の唯一の立法機関であります。この法案は参議院議員の発議による議員提出法案であります。それにもかかわらず、法案の提出を認めないということは、国民の代表である国会議員に憲法が保障している国会議員としての機能を否定するとともに、立法機関として国会の活動をも否定するものであると言えるのではないでしょうか。議会制民主主義のルールに基づき趣旨説明も終わっているこの法案を白紙撤回しろと主張されることについては、どうしても理解ができないのであります。
 良識の府と言われている参議院であります。どうか速やかに委員会に出席されますことを強く望みます。
 片山議員さんにまずお尋ねをいたします。
 平成十一年六月、各会派代表者懇談会のもとに設置をされた参議院選挙制度協議会は、ことしの二月、協議会報告書を議長と各派の代表に提出をいたしました。この報告書には、抜本的改革は次回の通常選挙に間に合わせることは時間的に困難であること、当面は、現行の比例代表と選挙区制という制度の根本的枠組みは堅持することを前提としつつ、何らかの改革を行う余地があるかどうかを検討することとし、抜本改革については参議院の役割のあり方を踏まえつつ引き続き検討が行われるべきであることで意見が一致したと述べられております。
 この協議会報告書に見られる合意に違反をして非拘束名簿式比例代表制の導入を行わんとすることは全くの党利党略、御都合主義にほかならないといった、あたかも代表者懇談会の下審査機関である協議会が具体的な方向性を見出す役割を担っていたかのような間違った判断に基づく批判がありますが、この件について、まず見解をお述べいただきたいと思います。
#6
○委員以外の議員(片山虎之助君) 今、森山委員からいろいろなお話がございました。
 お尋ねの点に直截にお答え申し上げたいと思いますけれども、昨年の六月に御指摘の実務者会議というものができたわけであります。それは、議長と代表者会議の意を受けて、実務者が集まっていろんな相談をしようと、こういうものができたわけでありますが、その際議長は、年内にひとつ報告書をまとめてくれ、こういうことなんですね。六月にできて年内にということなら、わずかな期間しかありませんから、当面は衆議院の関係で一番問題になっている定数削減をどう扱うか、これが皆さんの認識だったと思うんですね。そこで、定数削減以外のことについては、現行制度を時間もないから前提に物を考えようと、協議の前提に現行制度だと、こう実務者会議は決めまして検討のスタートを切ったわけであります。
 そもそも、今、森山議員言われたように、実務者会議というのは代表者懇の下に置かれたいろんなことを検討する機関でありますが、我々は、これは各会派の考え方を整理したり意見を集約するところでございまして、そこが結論を出すとかじゃない。仮に結論を出しても、それが代表者懇で認知されなければ、各会派あるいは参議院の統一した意思決定にならないわけであります。
 ところが、御承知のように、定数削減すら、何回も議論をやったけれども実務者会議でまとまらずに、三案併記というんですか、三論併記というのか、そういうことでしか結局まとめられなかったわけでありまして、それを受けて二月に、二月の二十五日ですか、それがまとまったものですから、報告書ですよ、まとまったのは、代表者懇四回やったんですよ。しかし、定数削減すらまとまらないんですね、これは。いわんやその他のことがまとまるわけではなくて、最終的には物別れ、平行線で終わったんですね。そこで、議長は、最終の、六月の二日だったですか、何日かの代表者懇では、引き続いて議論だけ続けてくれと、こういう御注文があったんですね。
 そこで、我々与党は、定数削減しかできない、来年は二十一世紀だ、しかも衆議院と違う選挙制度で参議院の独自性を出そうというときにこのままでいいんだろうか、無党派層というのもふえている、やっぱり国民の多様な意思を吸収するような仕組みが必要じゃなかろうか、それは急ぐんではなかろうかというのが我々の認識でございまして、もし今回見送れば四年先になるんです。しかし、今までの選挙制度改革議論というのはいつも次の次から、次の次からなんですよ。ということは、一個も進まない。
 拘束比例代表制も五十七年に導入しました。そのときの議長は、二回やったら見直そうということを議長所信で各派に伝えているわけですね。そこで、そういうことの経緯もあって、第八次の選挙制度審議会がこれを取り上げて大議論して、平成二年に第二次答申というのをまとめているんですね。それから、さらにことし、議長さんの諮問機関としての有識者懇も同じ趣旨のことをまとめているんですよ。
 だから、我々は十分議論を尽くしたこの非拘束をこの際思い切って導入することが我が国の民主政治、あるいは参議院のあり方、今、森山議員るる言われました参議院のあり方、独自性、機能、そういうことからいっても必要ではなかろうかと。しかも、ぜひ次の選挙からそれをやるべきだと、二十一世紀初めての国政選挙でありますからね。そういう認識でやったわけでありまして、党利党略なんか一切ないわけでありまして、むしろ私は言っているんですよ、今の制度を一歩も変えない、今の制度でなきゃ嫌だというのこそ見方によったら党利党略じゃないかと、こういうふうに考えているわけであります。
#7
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 関連しまして一言申し上げたいと思います。
 私は座長をやったわけでして、この報告書がこれだけ問題視されておりますので申し上げたいと思いますけれども、これは御承知のように九回にわたって会議をやっております。
 一番最初に出ましたのが、この協議会の位置づけは何か、こういうことでございまして、議長の最初のお話等もいろいろありましたので、二回目までに私がいろいろ確かめまして報告いたしたところでございます。これは、各会派がこの協議会の位置づけをしっかりしてくれと。それで、各会派同意しましたのは、この協議会は代表者懇の下にある一つの実務者会ということで、代表者会議にいわゆる報告を上げる、そういう性格なものに了解を得たわけであります。
 そういう意味では、いろいろな意見、多様な意見でできるだけ共通点を見出し、あるいはそれを集約すると、そういうことで努力してくれという議長の話もあったわけでありまして、そういう方向でまとめてあるわけでございます。この点だけ一つ申し上げておきたいと思います。
#8
○森山裕君 御答弁をいただき、ありがとうございました。
 今、片山議員から御答弁をいただきましたとおり、非拘束の話というのは唐突に始まった話ではないというふうに私もいろんな資料を見させていただいて思っております。
 ちょうど第九十六回の国会、昭和五十七年七月十五日に「公職選挙法改正案の処理に関する「議長所信」」というのが述べられておりますけれども、この中でも、「この法律の施行の後(昭和六十一年の参議院通常選挙終了後)に新法施行状況等を勘案し、必要により本制度に検討を加えるものとする」という所信が述べられておりまして、昭和六十三年十一月、議長の私的諮問機関の「参議院のあり方及び改革に関する意見」という中にも、比例代表選挙制度を存置する場合には非拘束名簿式の当否を検討することという議論もなされたというのがよくわかるわけでありまして、決して党利党略なものでもないし、唐突なものでもないということを国民の皆さんもぜひ御理解をいただかなきゃいけないと思います。
 私は、週末鹿児島に帰っておりましたら、ある先輩がこんな話をされました。昔から、選挙と相撲とサツマイモはとってみないとわからぬというものだから、どんな制度でも党利党略ではないんだというお話をされますけれども、なるほど、いい例えだなと思って聞いたところでありますが、ただ、何か党利党略とか唐突にやってきたということではなくて、与党がやはり政治に責任を果たすという一点に絞ってとってきた行為であるということを国民の皆さんもぜひ御理解をいただかなければいけないというふうに思います。
 次に、片山議員さんに三点伺ってまいりますが、まず定数是正について伺います。
 週末、選挙区に帰りまして、私の選挙区であります鹿児島県も定数が減るということになっております。いろんな方と意見の交換をいたしましたけれども、それぞれ複雑な思いを持っておられますけれども、現行法の中で、世の中がこんなに変わり、また民間企業がリストラをし、国家公務員の定数を減らすという流れの中で、国会議員の定数だけが変わらないというのはおかしいよな、甘受せざるを得ないのかなという意見が大多数であります。
 ただ、長期的にわたって参議院の定数の議論をするときには、本当に人口だけでいいのか、行政面積等々も考慮する必要はないのか、それは非常に難しい問題かもしれないけれどもそんな議論もそろそろ始めてくれよという意見も一部あります。
 前国会から、野党の反対のために定数十名の削減が成りませんでした。先ほど申し上げましたとおり、国家公務員の定数の大幅削減や民間企業のリストラからして、政治家みずからも痛みを分かち合うためには選挙制度の改正とあわせて今回どうしても定数削減というものを成就させなければならないというふうに思っておりますが、まず、そのことについての片山議員さんの見解をお聞かせください。
 次に、提案理由説明では、候補者の顔の見える、国民が当選者を決定する選挙にすることを決断し、現行の拘束名簿方式を非拘束名簿方式に改めることとしたということでありますが、なぜ拘束名簿式比例代表を非拘束名簿比例代表制に改めたのかをお伺いいたします。
 次に、今回の改正について、個人名投票を政党投票とみなし、個人名投票の少ない候補者に横流しをする方式ではないかというように野党は盛んに批判をしております。
 選挙制度の類型は、御承知のとおり多数代表制と比例代表制に大別をされております。多数代表制は、当該選挙区での最も多くの票を獲得した候補者から当選人を決定するという制度であって、現在、参議院の選挙区選挙に採用されているわけであります。これに対して比例代表制は、各政党から提示をされた候補者名簿に対する有権者の支持票の数に応じて当選人を決定するという制度であります。
 非拘束名簿式の比例代表制では、政党の届け出た名簿の中から有権者が最上位の当選人になるべき人の氏名を記載することを認めたのが今回の改正案だろうというふうに私は理解をいたすわけでありますが、したがって、旧全国区における多数代表制の考え方に基づいて票の横流しだとする批判は、非拘束名簿比例代表制の本質を理解していない、全く的外れの批判なのではないのかなというふうに考えるところであります。
 そこで、非拘束名簿式のメリットは何であるのか、現行の制度と旧全国区とを比較してお示しいただきたいと思います。
#9
○委員以外の議員(片山虎之助君) 森山委員から三点の御質問がございました。
 まず、定数削減問題についてでございますけれども、森山委員言われましたように、国家公務員はこの十年間で二五%削減する。独立行政法人に移行するのもカウントしておりますから実質はそれより低うございますけれども、かなりな定数削減をやる。地方公務員も、これは各都道府県、市町村でやっておりますけれども、自治省等の資料で見ると、これも相当な、かつての定数よりは削減していっている。それから、地方議会の議員さん、都道府県会議員さんも、市町村区議会議員さんも、特に市町村区議会議員さんの場合にはかなり大幅な定数削減を自主的にやっている。民間は、今お話しのようにリストラということで大変なこれも努力をしている。
 こういうときに、国会議員だけが我々は別だ、ほかのところはやりなさい、公務員はやりなさい、地方はやりなさい、民間はやりなさい、我々は別だというのが果たしていいのかなと。こういう行財政改革の大きな流れの中での認識でございまして、衆議院は、御承知のように大議論があった後二十人の削減をやったわけでありますから、我々も国民の前に参議院としての姿勢を示すためには何人かの定数削減に踏み切らざるを得ない。
 そこで、どういうやり方があるか。これもいろんな議論があったんですが、結局は一人区はこれはもうしようがありませんよね。それから、多数区も、三人区、四人区も、これは人口にスライドしてしようがないんで、二人区で人口の少ないところからと、こういうことになったわけです。それで、何人にするのかというのが十人になって、衆議院が二十人だから十人ということでもないんですが、大体五%ぐらいの見当ということになると、四、五%の見当だと十人になって、それから参議院の場合には、全国比例というのは大変職域代表として意味がありますから、現行の定数の職域、地域の比率でいくとこれは三対二になる。そこで、十人なら六対四になる。半数改選だから一回の選挙で五人。都道府県選挙区が三人。そこで、申しわけないんですが、人口の少ないところからいくと鹿児島県、熊本県、岡山県と、こういうことになったわけでありまして、鹿児島の方が大変そういう意味での御理解をいただいていることは私は結構なことだと思います。
 そこで、人口だけじゃなくて面積も考えろと、そういう議論は昔からあるんです。ただ、そのために、人口の多寡にかかわらず参議院の定数は各都道府県一律で二人なんです、半数改選ですから。そうなりますと、四十七掛ける二で九十四人なんです。そうすると、残るのは五十六人なんです。そして、五十六人も半数改選なら二十八人なんです。そういう意味では、各都道府県一律に二人配分しているということで面積を考えている、こういうふうに理解していただかなきゃいかぬのじゃなかろうかと思いますが、北海道はあれだけ大きいし、鹿児島県は海まで入れたら物すごいですよね。そこのお気持ちはよくわかりますが、そういうことだということで、これはもう御辛抱賜らぬといかぬのじゃなかろうかと、こういうふうに思います。
 それから、我々は、顔の見える選挙、参議院は衆議院に比べて党より人だと前からこう思ってきたわけでありまして、しかしいろんな議論があって、五十七年に拘束比例になって党名しか書けなくなって、しかしその見直し議論は、森山委員御指摘のように、埋もれ火のようにずっとあったんです、与野党に。特に自民党は何度もそういう議論をしてきたんですがなかなかまとまらなかった、党内も、ほかの会派の間も。まとまらなかったんですが、やっぱり顔の見える選挙、人を選ぶ選挙、それから、順位は党の幹部が決めるんじゃなくて、やっぱり有権者が決める選挙というのが、私は参議院の独自性というか自主性から見てベターではなかろうかと。
 それから、本来、今は政党政治ですからしようがないんですけれども、衆議院に比べて参議院の方が政党化が私は程度が少なくてもいいと思うんです。そういう意味からいっても、今の選挙制度は衆議院と似ているんですよ。向こうは小選挙区、ブロック比例、こっちは都道府県選挙区、全国比例で、あり方が似ていますから、やっぱり違う選挙で多様な国民の意思を吸い上げるということはどうしても必要なので、その意味では、先ほども言いましたが、無党派層がふえておる現状から見ると、やっぱり人を選ぶということは私は最大のメリットではなかろうかと、こういうふうに思います。
 それから、三番目の横流し議論は、これはなかなか、一般に考えるとなるほどという議論なんですよ。しかし、そこは森山委員が言われたように、今回は人を選ぶんだけれども名簿なんですね、比例で名簿なんですよ。
 そういう意味で、例えば森山と書く一票は、まず森山さんの属する自民党を選んでいるんですよ。森山さんの属する名簿を出しておる自民党まで選ぶということが第一義的。選んだ中で森山さんを当選させてもらいたいというのが第二なんですね。まず自民党を選ぶ、それから選んだ中では森山さんだと。
 そういう意味では、個人名は当選順位に対する一つの要件になっているので、だから森山さんを選んでいるからほかの自民党は全く知らないんだ、森山さんだけだというのはこれは俗論でありまして、自民党が名簿を出しているんです、森山さんを含む。だから、名簿を選んだということは自民党を選んだということなんです。その自民党の中で森山さんをぜひ上位で、できればトップで当選させたいと、こういう組み合わせですから。
 だから、一番たくさんとった人の票が横に回って横流しだ横流しだというのは、それは比例そのものを否定する議論なので、これはよその国でも似たようなことをやっていますし、それは比例は自民党と書くだけですから、これこそある意味では全部横流しなので、そこの点の、私はまだなかなか理解が届かない点があると思いますけれども、私はこれは憲法上も十分合致する正当な議論だと、こういうふうに思っております。
 大体、以上だったですかね。
 全国区はこれは個人選挙ですから、政党選挙じゃなくて。
 よろしくお願いします。
#10
○森山裕君 今、片山議員さんの答弁を聞かせていただいて、よく理解ができたように思います。
 どうもごっちゃにして議論があるものですから、国民がわかりにくいんだと思います。何となく、横流しだと言われるとそうなのかなと思ってしまいますけれども、第一義的には政党を選んでいるという原則が比例代表の選挙であり、憲法違反だとおっしゃるとすれば、今の制度も憲法違反なのではないかと問わなければならないことになるわけでありますから、決してそういうものではないということを私どもはよく国民の皆さんにも説明を続けなきゃいけないなというふうに思います。
 次に、須藤議員さんに四点伺います。
 名簿登載者個人の氏名記載による得票も、先ほど申し上げましたとおり、第一義的には政党の得票ととらえるべきものであろうと考えますけれども、政党の名簿に登載をされた候補者間の順位の決定を有権者の意思にゆだね、顔の見える制度とする以上、個人の選挙運動量というものもかなりのものになるのではないかというふうに思料されるところでありますが、名簿登載者個人の選挙運動量についての基本的な考え方をまずお示しいただきたいと思います。
 次に、参議院全国区というのは、当初、全国的知名度の高い学識経験者と職能代表を選出させようとした制度であったと思っています。ところが、選挙区が広過ぎること、有権者にとって候補者の数が多く選択が困難であること、当初からいろんな問題が指摘をされました。そのほかにも、第一に政党化が進んだこと、第二に競争激化により金がかかり過ぎる選挙になったこと、第三に全国的規模での選挙違反が続発したこと、第四に専門的学識経験者にかわってマスコミ、スポーツ、芸能界などで得た知名度と人気を背景にしたタレント候補が増加をしたこと、これはいい悪いは別の問題として、現実にそうだったと思います。
 という問題点が次第に大きくなってまいりました。中でも、候補者にとって膨大な経費と過酷な肉体を行使する選挙になったということが最大の問題点だったのではないかというふうに、旧全国区の場合は思っています。
 そこでお伺いをいたしますが、今回の制度でまた旧全国区に言われた銭酷区あるいは残酷区に逆戻りするのではないかという心配が一部あるんですけれども、そのことについては今度の改正の中でどういう配慮がされているかをお示しいただきたいと思います。
 次に、名簿登載者個人の選挙運動について公営とされることによって増加をする国費はどの程度という試算をしておられるのか、お示しをいただきたい。
 三点お願いいたします。
#11
○委員以外の議員(須藤良太郎君) お話しのように、この非拘束名簿式比例代表制におきましては、当選人となるべき順位が各名簿登載者の得票数によって決定されることになるわけであります。
 したがいまして、政党の選挙運動のほかに、名簿登載者個人の選挙運動を認める必要が当然あるわけでございます。これは衆議院の小選挙区なりあるいは参議院の選挙区のいわゆる個人の投票と同じで、やはり情報なりあるいは政策等々をしっかり有権者にわかっていただく。特に今度は顔の見える、しかも選択しやすい、関心をそそる、そういう選挙にしたいということでありますから、そういう個人の情報、政策等をしっかり示す必要があるということだと思います。
 そこで、旧全国区が非常に膨大な運動あるいは経費を要した、こういうことでありますが、この問題は本当にそうなのかどうかという問題は私はあると思っていますけれども、それはそれとして、そういう膨大な労力なり経費を要する問題点がありますので、今回は個人の投票をしてもらう条件はできるだけわかりやすくPRしなきゃいかぬわけですけれども、それはそれとして、旧全国区で認められておりました選挙運動量を参考にしながらも、これは政党の運動も一緒にやるわけですから、そういう面も考慮して、最小限に候補者個人の運動は抑えるように考えた次第でございます。
 具体的に申しますと、例えば選挙事務所については前は十五カ所、これをもう一カ所にしてしまおう、こういうことで決定いたしましたし、自動車につきましては三台を二台にするとか、あるいはビラ、ポスター、これも相当数、三割以上削減をする。例えばビラにつきましては三十五万を二十五万に減らす、あるいはポスターについては十万枚を七万枚に減らす、こういうことをしておるわけでございます。
 もう一つ、はがきの問題があるわけですけれども、いわゆる静かな選挙といいますか、そういう意味で、はがきはできるだけ多くてもいいんじゃないかということで、特に有権者が二十年前の八千万人から一億人にふえている、こういう事情を考慮して、これは十二万を十五万枚認めよう、こういうことで決定しておるわけでございます。
 それから、二番目のいわゆる残酷区、銭酷区という問題でございますけれども、これは要するに広い範囲である一定の期間に行うということですから、これは制度として言うのか、あるいは候補者になる人がそれなりの条件を備えて出る、こういうことが私は基本的には重要だと思っておりますけれども、それはそれとして、できるだけ経費あるいは運動等を軽減しよう、こういうことで進めておるわけでございます。
 先ほど申しましたように、今拘束でやっております政党活動、これはやはり今日政党が果たしている機能、政治に果たしている機能というものを考えますと、個人だけでいいということじゃなくて、政党も込めてやると。要するに、政党と個人と両方でやるという選挙にしたわけでございまして、そういう二つの、政党と個人という面からまず負担は軽減されるのではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。
 ぜひひとつ、そういう面で、例えば政見放送なり新聞広告なりあるいは選挙公報というものは今やっている拘束式の政党活動の中でやる、個人はやらない、こういうことにしておるわけでございます。
 いずれにしろ、選挙はどこも厳しいと思いますので、そういう面に適応する候補者が必要ではないか、こういうふうに私は思っております。
 それから、登載者個人の選挙運動についてで、公営、いわゆる国費でどの程度になるかという問題でありますけれども、これは今試算して、自治省においてやっておりますのが、名簿登載者をこれはいろいろの実績等々から三百五十九人の名簿登載者ということを念頭に置いて、これより少なくなると思いますけれども、この数値を用いて計算いたしますと、大体国費が五十一億。ただ、これは多いようですけれども、選挙にかかる費用というのは六百五十億から七百億ぐらい参議院選挙でかかるわけですから、そういう意味では有権者にしっかりわかっていただくという費用としては決して大きいものではない、必要なものではないかと、こういうふうに思っております。
 内容は、自動車の使用費が一億二千万、通常はがきの作成費が九千五百万、無料はがき購入費が二十一億、ビラ作成費が一億二千六百万、選挙事務所の立て札等々が千五百万、それから選挙運動用の自動車、船舶等が三千八百万、ポスター作成費が二億三千五百万、演説会の施設公営費が九千百六十万、それから無料のパス購入費等が十五億、候補者用の交付物資が七億三千万、これで大体五十一億という国費が必要になるというふうに計算しておるわけでございます。
#12
○森山裕君 須藤議員さん、御答弁をいただきありがとうございました。
 今御答弁を聞かせていただいて、かなり量の面で抑制をしていただいておりますので昔みたいなことはないのかなというふうに思いますが、ただ、私は選挙というのはある意味では命がけで有権者に自分の政策を訴えるということは必要なことだというふうに思っております。
 鹿児島県の選挙区を見てみましても、与論島から熊本県境まで実は六百キロぐらいございます。飛行機を乗り継ぎ、漁船を乗り継いで離島まで有権者の皆さんに政策を訴えて歩くわけでありますけれども、大変な労力を必要といたしますが、ただ、それに耐え得る体力があるかどうかというのはやはり政治家としての必須の条件なんだろうなというふうに思いますと、幾らか選挙運動というのは過酷になることもやむを得ないのかなというふうに思っておりますし、皆さんお元気なのもそういうことをクリアしてきたからなのかなというふうにも思っておりますが、できるだけ金銭の面でも銭酷区と言われることにならないような配慮というのはお互いがしなきゃいけないことなのかなというふうに思っています。
 また、国費がどの程度かかるのか少し懸念をいたしておりましたが、全体の量からしますとそんなに極端に国費がかかるという制度になっていないということでも理解をいたしますし、ある意味では安心をいたしました。
 次に、魚住議員さんに一点、保坂議員さんに一点伺ってまいります。
 魚住議員さんにまず伺いますけれども、非拘束名簿式比例代表制で、個人名または政党名の選択投票方式をとっている例が諸外国の中にどの程度あるのかをまずお示しをいただきたいと思います。
 次に、保坂議員さんに伺いますけれども、今回の改正法におきまして候補者が設置できる選挙事務所は、旧全国区の場合は十五カ所であったものが今回は一カ所というふうになっているようでありますが、選挙事務所とはどのようなことを言うのか、そこの定義を少しお示しいただければと思います。
 以上でございます。
#13
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) 非拘束名簿式比例代表制においては、名簿中の候補者を選択して投票する制度でありますので個人名投票が行われているものでございますが、個人名投票のほかに、多くの国においては個人名投票と政党名投票の選択制を採用しているところであります。
 この非拘束式比例代表制を採用している国といたしましては、ベルギーの上院下院、それからノルウェーの上院下院、オーストリアの下院、オランダの下院、フィンランドの、これは一院制でございます、とデンマークなどがあるわけでございますけれども、オランダとフィンランドは別でございますが、個人名だけでございますが、ベルギー上院下院、ノルウェー上院下院、オーストリア下院、デンマーク一院でございます。この個人名投票と政党名投票の選択制を採用しているというところでございます。
 今、一カ所訂正いたしますが、オランダの下院が個人名投票だけというふうになっております。
 以上でございます。
#14
○委員以外の議員(保坂三蔵君) ただいまお尋ねがございました今回の法の改正におきまして、候補者が設置できる選挙事務所は一カ所となっている、しかしこの選挙事務所とはどういうものかというお尋ねでございました。
 御案内のとおり、選挙事務所とは候補者の選挙運動の本拠地でございます。特定の候補者が当選を期するために選挙運動に関する事務について継続的かつ総合的に事務を取り扱う場所的な設備、これを選挙事務所と称しております。
 したがいまして、次のような場所は逆に選挙事務所ではないと言われております。
 一つには、政党の対策本部のように候補者全体の選挙運動について対策を練るところ、これは選挙事務所ではございません。また、単に一回限り演説の打ち合わせをやるとか、あるいは選挙運動用の文書、図画の単なる保管をする用にすぎないような場所、あるいは一時的にビラの証紙張りの作業を行うような場所も選挙事務所とは言われません。
 それからもう一つは、電話センターでございますが、電話による選挙運動を行うにとどまる限りの場所、これも選挙事務所ではないと解されております。
 以上でございます。
#15
○森山裕君 魚住議員さんと保坂議員さんから御答弁をいただきました。
 非拘束名簿式比例代表制というのは、何か我が国が特殊なことをやろうとしているかなという感じを国民は受け取っていますけれども、決してそういう制度ではなくて、先進諸国で広く行われている制度であるということがよく理解をできましたし、このことも国民の皆さんにわかっていただく努力を我々はしなきゃいけないなというふうに思っています。また、選挙事務所のことにつきましてもよく理解ができました。
 私の質問は以上で終わりまして、あと阿南議員さんにお願いをいたします。
#16
○阿南一成君 自由民主党の阿南一成であります。
 今回の参議院議員の選挙制度の改正につきましては、非拘束名簿式比例代表という従来からの比例代表選挙とは異なり、個人の顔、名前が見える選挙制度になるということであり、選挙を実際に行う者にとっては大変やりがいのある制度であろうと思うのであります。
 しかしながら、明年に選挙を迎えられる方々にとりましては、準備期間などからも若干の戸惑いがあることは事実ではないかと思います。さはさりながら、一たび国会で決められれば与野党が全く同じ土俵で競うこととなりますので、我々も精いっぱい努力をしなければならないというふうに考えている次第であります。
 さて、それでは早速我が党森山議員の総括的な質問に引き続き、私は若干技術的、個別的な事項に関して質問させていただきます。
 まず、今回のこの法改正案が国会で議決をされたならば、参議院名簿登載者である個人にも選挙運動が認められることになります。候補者本人の選挙運動を認めれば、当選人の決定に有権者の意思が反映され、選挙への有権者の関心が高まり、政党色が薄まり、参議院にふさわしい人が選ばれるということで、大変意義が大きいと考えておる次第であります。
 しかし、一方で、先ほど森山議員も指摘をしておりましたが、選挙にお金がかかり、残酷区、銭酷区などという批判があることも事実であります。それでも候補者本人の選挙運動を認めることとされた理由は何でありますか、まず最初に発議者にお伺いをしておきたいと思います。
#17
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 先ほど申し上げましたけれども、今回は個人名への投票を認めるわけでございます。そうしますと、今の拘束で党名を入れる選挙と違って個人名を売らなければなりません。よく理解してもらわなければなりません。そういう意味で、今の衆議院の小選挙区、参議院の選挙区と同様の選挙運動を認めざるを得ない、こういうことで個人への運動を認めたわけでございます。
 ただし、これは拘束のときと同じ党としての選挙運動がありますので、それと一体となって個人運動をやるということで個人の運動はできるだけ最小限に絞る、そういう方向で決めたわけでございます。
#18
○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、参議院名簿登載者に認められる選挙運動の量ということでありますが、範囲はどのような基準で決定をされたのかについてお伺いしておきたいと思います。
 全国区制時代の当初は、選挙運動期間は二十三日間でありました。昭和五十八年にはこれが十八日間になり、現在は平成四年から十七日間に短縮をされております。その期間中に全都道府県を回るということは実際には困難なことであろうと考えております。選挙運動の量はどんな基準でお決めになったのであるか、お伺いしておきたいと思います。
#19
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 二十三日の旧全国区から、今回は十七日間と、日数は相当減った面もございます。そういう意味で、いろいろの選挙運動についてはできるだけ絞るということでやるわけでありますけれども、一つは政党にやっていただく運動が政見放送、新聞広告、それに選挙公報、これはかつては個人ですけれども、これを政党がやる、こういうことにいたしました。
 あと個人は、先ほど申しましたようにできるだけ政策なり情報を有権者にわかっていただくという意味でビラなりポスターなり、あるいははがき、そういうものを認める。それから自動車、街頭演説等々も認めることにしておりまして、いわゆる法定選挙運動経費というものがあるわけですけれども、これをかつての全国区のものに比べて四割ぐらい少ない形で抑えよう、そういう方向で認めておるわけでございます。
#20
○阿南一成君 次に、参議院の名簿登載者に今回から認められることになった選挙運動、ダブるようでありますが、実際に戦う我々といたしましてはこの辺が非常に重要であります。どういう種類の運動が認められることになるのか。
 さらに、全国区制の時代にはお金がかかり過ぎる、肉体的に過酷な行動を候補者に強いるというような批判が行われておりました。今回の改正では、全国区制の場合と比較をいたしまして、どういう点が認められ、どういう点が認められなくなったのか、全国区制との異なる点についてクリアに御説明をいただければありがたいと思います。
#21
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 今もちょっと触れましたけれども、具体的に申しますと、今度選挙運動として認められるものは選挙事務所、これはかつては十五カ所でありましたけれども、一カ所。これは相当経費の節減にもなるわけでございます。
 それから、自動車、船舶等でございますけれども、かつては二十三日間ありまして、これを三台で回っていたわけでありますけれども、今回は十七日間、回れないところもちろん出ますけれども、二台に減らしたと。
 それから、はがきにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、どうしても有権者数が二割四分ぐらいふえている、八千万から一億と。こういうことで、私としては、これは非常に静かな選挙運動でありますから、ぜひはがきの数はふやそうと、こういうことで十二万枚から十五万枚にふやしております。
 それから、ビラは三十五万枚、多い方がいろいろ宣伝はできるんですけれども、これはひとつ絞ろうということで、約三割以上減の二十五万枚、三十五万枚から二十五万枚に減らしております。
 それから、ポスターにつきましては、これはいろいろプロジェクトチームの議論のあったところでありますけれども、今いわゆる投票所が全国で五万三千カ所ということでありますから、その五万三千カ所に一枚ずつ、これは二、三十万人の投票者がおると思うんですけれども、そこに一枚だけ張っても五万三千、いわゆる地域の広狭がありますから、そういう面も含めて七万枚を今回認めようと。かつては十万でありますから、これも三割減にしております。
 あと個人演説会、これは自由にやる、街頭演説もやれるということで、それに乗車券等のパスを認めておるわけでございます。
 以上でございます。
#22
○阿南一成君 選挙運動の方法は多様であることはよくわかりました。
 比例代表のように全国という、選挙区も広大であるために多くの経費を要するということになるのでありますが、しかし、経費には一定の制限を設けなければ、選挙そのものが候補者の人物、識見、政策等を争うことよりも候補者の資金力の争いになる危険性があります。
 そこで、公選法では選挙の公正を確保するために選挙運動に関する支出の限度額を定め、候補者はこの限度額を超えて支出できないこととしてあります。これを超えて支出すれば、出納責任者に罰則を科し、連座制により当選人の当選を無効とするという制裁制度を設けておると承知いたしております。
 そこで、今回の改正により参議院比例代表選出議員選挙の候補者の選挙運動に関する寄附、収入、支出に関する制度は従来とどのように変わるのか、その違いを御教示賜ればと思います。
#23
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 参議院比例代表選出議員の選挙におきまして、このたび候補者の選挙運動が認められることになりますと、これについて衆議院の小選挙区選出議員及び参議院の選挙区選出議員の選挙の場合と全く同様に、出納責任者、収支報告書、法定選挙費用に関する規定等の寄附、収入、支出に関する規定が適用されることとなります。
 ちなみに、出納責任者につきましては、候補者一人につきまして一人を候補者または政党等が選任し、または候補者みずからが出納責任者となることになっております。
 出納責任者の主な職務といたしましては、御承知とは存じますが、選挙運動に関する支出に関する事務、また二番目には会計帳簿の備えつけ、記載及び三番目には収支報告書の提出が挙げられております。
 選挙運動に関する支出につきましては、一部の費用に関する場合を除きまして、出納責任者以外は行うことができないことになっております。
 次に、収支報告書でございますが、選挙運動に関する寄附、収入、支出につきましては、その相手方の氏名、住所や金額を記載した書類であり、領収書を添付した上で中央選挙管理会に提出することになっております。
 選挙運動に要する支出につきましては、政令で定める額を上限としており、これを超えて選挙運動のために支出を行うことは禁じられているところで、ただいまお話のあったところでございます。
 なお、出納責任者が買収等の一定の選挙犯罪を犯した場合は、選挙運動に要する支出の上限を超えて選挙運動のために支出をした場合には連座制の適用がございます。
 以上でございます。
#24
○阿南一成君 従来までの拘束名簿式比例代表の選挙では、いわゆる連座制の適用がありませんでした。それは、選挙運動は政党が行うものであったということで連座制の適用がなかったのであろうと理解をいたしております。
 しかし、今回の改正では、以前の政党色が幾分弱まったとはいえ、個人が得票した票は政党に合わせて計算されその政党の当選人の数を決定することとしており、政党が行う選挙の部分もあると考えられます。しかも、政見放送などは候補者個人には認められず政党等にのみ認められることとなっております。全国単位で行われる比例代表選挙では、候補者の目はなかなか全国に行き届かない点も否定できないのではないかと思われます。その結果、選挙犯罪について連座制を適用するのは少し酷なような気がいたすわけでありますが、この点についてどのような見解を発議者はお持ちであるか、お伺いをいたしたいと思います。
#25
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) 連座制は、選挙の腐敗を防止して公正な選挙の実現を図るために、候補者のために行われる選挙運動において一定の選挙犯罪が犯された場合には、その候補者の当選を失わせたり、あるいは立候補の制限をする制度であります。
 これまでの政党等の得票数を競う拘束名簿式の選挙においては、そもそも候補者のために行われる選挙運動というものが想定されておりませんでした。また、仮に政党が行う選挙犯罪について連座制を適用して政党などのすべての当選人の当選を無効にすることは、選挙の公正を確保するためといえども余りにも過大な制裁となるものである。そのような理由から、参議院の比例代表選出議員の選挙につきましては連座制の適用がなかったところでございます。
 今回の改正では、参議院比例代表選出議員選挙における候補者の選挙運動が認められる以上、他の選挙の場合と区別して連座制を適用しないという理由は見出しがたいわけでございまして、候補者個人のために行われる選挙運動における選挙犯罪につきまして連座制を適用することが適当である、このように考えるところであります。
 また、目が行き届かないんではないかというお話、確かに全国広いわけでございますが、過去にも全国区の選出議員選挙におきまして連座制が適用されていたところでございまして、選挙が行われる地域が大きいことをもって連座制を適用しないということは適当ではないというふうに考える次第でございます。
#26
○阿南一成君 ありがとうございました。
 参議院名簿登載者に連座制を適用するに際して、その連座制の対象となる選挙犯罪は候補者のために行う選挙運動において行われた行為に限定をされておるようでありますが、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
 また、その場合に、選挙運動員の選挙活動が、一体、名簿届け出政党等のためになされたものであるのか名簿登載者個人のためになされたものであるのかの区別はどこで判断をすればいいのか、この点についてもお伺いをしておきたいと思います。
 そして、仮に当選人について連座制が適用されて当選が無効とされたとした場合、その当選人の獲得した得票は名簿届け出政党等にカウントされ、無効とはならないのではないかと愚考する次第でありますが、これはちょっと不合理ではないかというふうにも考えます。しかも、同じ名簿届け出政党等の別の候補者がその連座制の適用となった候補者の得票の助けをかりて当選するとなると、どうも矛盾があるような感じを受けるのでありますが、その点についてはどのように考えたらいいのか、発議者の御見解をお尋ねしておきたいと思います。
#27
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) そもそも連座制は当選人の当選を失わせる制度でございまして、当選を失った者の得票を無効とする、そこまで及ぶ制度ではございません。また、連座制の効果を政党などの得票にまで及ぼすということは、候補者の氏名の記載による投票を行うことによって候補者への投票の意思を示すと同時に、候補者の所属する政党等への投票の意思をも示した有権者の意思にも反するということになると思料します。
 しかも、これまで拘束名簿式の選挙においては、選挙に与える影響が過大であるというような理由から政党等への連座制の適用を排除してきたところでございまして、非拘束名簿式の選挙においても、特に連座制の適用対象となった候補者の得票数が多い場合には同様な問題が生じるところでございます。
 以上の理由から、連座制の適用対象は当選人の身分についてのみに限定することが適当であるこのように思料する次第でございます。
#28
○阿南一成君 議員立法でありますので、大変細かい質問を議員先生方にして申しわけないと思うのでありますが、比例区で戦う我々としてはどうしても押さえておきたいことが数々ありますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、連座制の適用についてさらに技術的な質問でありますので、答弁者は政府参考人、自治省選挙部長にお願いをいたしたいと思います。
 今回、候補者の選挙運動に関しまして、従来の総括主宰者等にかかわる連座制のほか、平成六年に拡大をされました連座制も適用されることとされています。つまり、組織的選挙運動管理者等が買収等の犯罪を犯し禁錮以上の刑に処せられた場合、候補者の当選が無効となり、かつ五年間同じ選挙で同じ選挙区から立候補できないこととなるわけであります。
 そこで、この組織的選挙運動管理者等にかかわる連座制についてお尋ねをしたいわけでありますが、まず組織的選挙運動管理者等とはどういう者を指すのか、これまでの適用例を含めてお答えをいただきたいと思います。
 さらに、組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による連座制については、候補者等が、組織的選挙運動管理者等が買収等の行為を行わないことについて相当の注意を怠らなかったときは適用されないこととなっております。どのような場合に相当な注意を怠らなかったと認定されるのか、これまでの適用例を含めてやや詳細にお答えをいただき、議事録にとどめて参考にいたしたいと考えております。
#29
○政府参考人(片木淳君) 二点のお尋ねにつきましてお答えを申し上げます。
 まず、組織的選挙運動管理者等についてでございます。
 組織的選挙運動管理者等とは、公職選挙法第二百五十一条の三第一項におきまして、公職の候補者等と意思を通じて組織により行われる選挙運動において、当該選挙運動の計画の立案もしくは調整または当該選挙運動に従事する者の指揮もしくは監督その他当該選挙運動の管理を行う者と定義されているところでございます。
 このうち、選挙運動の計画の立案調整を行う者とは、選挙運動全体の計画の立案または調整を行う人を初め、ビラ配りの計画、ポスター張りの計画、個人演説会の計画を立てる人、いわば司令塔の役割を担う人をいい、次に、選挙運動に従事する者の指揮監督を行う者でございますが、選挙運動に従事する者の指揮監督を行う者とは、ビラ配り、ポスター張り、個人演説会の会場設営、電話作戦などに当たる者の指揮監督を行う人、いわば前線のリーダーの役割を担う人をいうとされておりまして、最後に、その他選挙運動の管理を行う者とは、弁当の手配、車の手配など後方支援活動の管理を行う者をいうとされているところでございます。
 具体例につきましては、判例を申し上げますと、選挙計画の立案調整、運動方針の決定、運動員の指揮監督等を行っていた後援会の事務局員、あるいは候補者の後援者名簿用紙への従業員らの氏名の記入、名刺の配付、ポスターの貼付等を各営業所長に指示した会社の部長につきまして、組織的選挙運動管理者等に該当する者としているところでございます。
 二点目のお尋ねの、相当の注意の問題でございます。
 相当の注意とは、社会通念上、それだけの注意があれば組織的選挙運動管理者等が買収行為等の選挙犯罪を行うことはないだろうと期待し得る程度のものをいうとされておるところでございます。
 判例につきましては、単に口頭の注意や注意文書を事務所内に貼付することで足りるというものではない、あるいは通り一遍の注意や努力をすれば連座制の適用除外となるというのではないとしておりまして、組織的選挙運動管理者が買収等をしようとしても容易にこれをなすことができないだけの選挙組織上の仕組みをつくり維持することが相当な注意の内容になると判示しておるところでございます。
#30
○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、参議院名簿登載者に認められる選挙運動のうち、候補者自身が負担しなくていい、いわゆる公営とされるものについて若干お伺いしておきたいと思います。
 選挙に巨額な費用がかかり、それが選挙の腐敗の大きな原因になると言われております。公職選挙法ではできるだけお金がかからない選挙を実現させることを目指しておるわけでありますが、候補者間の選挙運動の機会均等等を図る手段として選挙公営制度を採用し、これまでその拡充合理化を進めてこられたと理解しております。
 その公営の範囲でありますが、今回の改正でどの程度認められることとなったのか。例えば、選挙事務所の維持費や選挙はがきのあて名書き、それからビラの配布に要する人件費、ポスターを張るための人件費などについては実は実際には膨大なものになると考えておるわけでありますけれども、どこまでが公費で負担することになると考えておられるか、発議者の御見解を賜っておきたいと思います。
#31
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 参議院名簿登載者が認められました選挙運動のうちで公的な負担になる、公営とされるものは次のとおりでございます。
 具体的に申し上げます。
 一つは、選挙運動用自動車の使用に関してでございます。二つ目は、通常はがきの郵送料。三つ目は、通常はがきの作成費。四番目には、ビラの作成費。五番目には、選挙事務所用並びに自動車及び船舶用の立て札及び看板のたぐいの作成費でございます。六番目に、選挙運動用ポスター、いわゆる五号ポスターの作成費でございます。七番目に、公営施設での個人演説会の開催。これは、同一施設につきましては一人一回となっております。八番目に、特殊乗車券及び特殊航空券でございます。
 なお、ただいま申し上げました中で、通常はがきの郵送料、これは発送した分ですね、それから公営施設での個人演説会の開催、そして特殊乗車券及び特殊航空券以外につきましては、一定の条件を満たしていない場合には公営となりません。
 以上でございます。
#32
○阿南一成君 今のお答えを聞いておりますと、ビラの配布に要する人件費、ポスターを張るための人件費等々については公費負担でないというふうに理解をしてよろしいのではないかと思います。でき得るならばその辺も考えてほしいという気はありますが、これはこれで次に移ります。
 そして、この選挙運動費用を公費で見てもらえるための条件ということでありますが、何ぴとも被選挙権があれば立候補することが認められており、若干の形式的要件はあるものの、本来は自由に立候補できることとなっております。それはまた憲法が保障するものでもあります。
 ところが、残念ながら、本当に当選することを目的としない、例えば泡沫候補、言葉は悪いですが、というような方々も現実にはあらわれるわけであります。そういう人々まで公費で一定の選挙費用を見るとすると、国からの支出は膨大となり、またそれは妥当性を欠くことになると考えるのであります。したがって、公費で負担する対象者を制限するのもまた当然であろうかと思います。
 そこで、一定以上の得票が得られないような候補者については公費で選挙費用を負担する必要はないのではないかと考えますが、公費から選挙費用を支出する条件というか要件をどのように設定していかれようとしておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#33
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 従来より、一定の範囲の選挙運動につきましては、候補者等の過重な負担を避けるために公営とされてきたところでありますが、今般参議院の比例代表選出議員の選挙におきまして、参議院名簿登載者個人に選挙運動を認めることとする以上は、同じような趣旨から一定の範囲の選挙運動について公営を行うことが適当であるものと判断されたところでございまして、お説のとおりでございます。
 しかしながら、すべての名簿登載者の選挙運動について公営を仮に認めるということになりますと、参議院名簿届け出政党等において名簿登載者を乱立させる、そんな事態もあり得るために、公営となる場合には制限を設けたところでございます。
 すなわち、公営の対象となる参議院名簿登載者は、自己の所属する参議院名簿届け出政党等において当選者の数の二倍までの順位にある者と限定しております。これはいわゆる足切りでございます。なお、基本的にはこれは参議院名簿届け出政党等において、供託物が没収とならない参議院名簿登載者の数に相当すると考えられております。
 以上でございます。
#34
○阿南一成君 ありがとうございました。
 公営選挙の対象に認められれば一定の選挙費用について公費で面倒を見てもらえることになるわけでありますが、その条件が当選人の二倍までの名簿登載者までという条件であるとお伺いしました。
 そうであるとすれば、名簿届け出政党等の間の比較をいたしますと、ある政党等で公営となる名簿登載者よりも多くの得票を得ていながら、少ない得票の他の政党等の名簿登載者の方が公営選挙の恩恵に浴するということになる場合もあると考えられます。もしそういうことがあるとするならば、これは矛盾ではないか、ミスマッチではないかというふうに私は愚考するわけでありますが、このような状況についてどのように理解をすればよろしいか、御見解を賜りたいと思います。
#35
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 確かに御説のとおり、ミスマッチが全くないとは言い切れないと思います。しかしながら、今回新設した公営のいわゆる足切りの制度は、供託金の没収対象とならない限りで参議院名簿登載者に公営を認めようというものでございまして、個人を選択するほかの選挙において供託金が没収されるときに公営が受けられないということがないことと同様のものでございます。
 そして、参議院名簿登載者の氏名を記載した投票とは言いながらも、参議院名簿届け出政党への投票でございますから、それには変わりなく、参議院名簿登載者の氏名の記載はあくまでもその参議院名簿届け出政党内での順位の格付という点でのみ意味を持つものでございます。したがって、異なる参議院名簿間においてその名簿登載者間の得票数を比較するということ自体はそもそも意味がないものであると考えておりまして、これによって公営の対象とするか否かを判断すべきではないと考えております。
 以上でございます。
#36
○阿南一成君 次に、選挙用ポスターについて若干お伺いをしておきたいと思います。
 参議院名簿登載者は、候補者個人の選挙運動としてはポスター、ビラ、はがきなどが認められることになりました。全国の有権者に自分の名前を書いてもらうためには有権者に名前が浸透しなければなりません。そのためには、日本全国を対象にすればポスターは我々にとっては何枚あっても足りないわけであります。しかし、枚数制限なしとするならば、幾らでもポスターを印刷して張れる候補者が有利になり、結局はお金が当選を決定するということに相なるのではなかろうかと考えておる次第であります。ただ、今回我々は政見放送その他で電波を使ってのみずからの名前を売り込むことができない仕組みになっております。そうであるとすれば、このポスターは大変重要であります。
 今回の提案ではポスターの枚数制限が七万枚ということであるようでありまするが、過去の全国区の時代には十万枚であったということでありまするので、それよりも少ない七万枚になった理由は何であろうかと。ポスターを張る人件費はみずからが持つということでありまするので、十万枚が七万枚になったことについての発議者の御見解を賜りたいと思います。
#37
○委員以外の議員(保坂三蔵君) 引き続きまして私から御答弁をさせていただきます。
 ただいまお話がありましたポスターの件でございますが、旧全国区選挙におきましては、お話しのとおり候補者一人当たり十万枚のポスターが認められておりましたが、今回お金のかからない選挙、これを何とか実現したいという観点から、これを削減することを基本的な発想としたところでございます。
 具体的には、平成十年、さきの選挙でございますが、執行された参議院の通常選挙の投票区数、これが全国で五万三千カ所ございます。また、各投票区に最低一枚のポスターを掲示することを前提といたしまして、投票区の広さがございますから、広さなど複数枚掲示をする場合があるということを総合的に勘案いたしまして、旧全国区の選挙の三割減の七万枚、これを御提案しているところでございます。
#38
○阿南一成君 お金のかからない選挙というのは国費もかからないということをよく理解いたしました。ただ、戦う者といたしましては、公営の部分はできれば多い方がありがたいというのもまた我々の率直な意見であることを申し添えておきたいと思います。
 次に、以前の比例代表選挙と変わりまして、今度は参議院名簿登載者は候補者個人としての選挙運動が認められることになりました。それは有権者に個人名を書いてもらわなければならないのでありますから、個人の選挙運動は当然であります。
 しかしながら、さらに候補者自身を知ってもらうために有効と思われる政見放送、経歴放送、新聞広告及び選挙公報を認められなかったのは、我々選挙を戦う者にとっては大変不十分ではないかという気がしてならないのであります。また、非拘束名簿式比例代表は個人の選挙と言いつつもこれを認めないというのは矛盾しているのではないかとも考えるのでありまするが、これはなぜ認められなかったのでありましょうか。何か認めると不都合なことがあるのでありましょうか。
 また、あわせて伺いたいのは、政見放送、新聞広告及び選挙公報において参議院名簿届け出政党等が名簿登載者の氏名、経歴などについて紹介することはあり得るのか、どうなるのか。その点についてもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
#39
○委員以外の議員(保坂三蔵君) 御答弁申し上げます。
 全く御趣旨は私も理解できます。今回参議院の比例選出選挙はいわゆる全国を一つの選挙区として行われるために、お話しのとおり選挙運動においてはマスメディアを利用することは重要であると思います。今回候補者個人に選挙運動が認められるようになりましたことで、その氏名等を周知徹底するためには、政見放送、経歴放送、新聞広告及び選挙公報といった選挙運動を行うことが効果的であることは私も言うまでもないと思っております。
 問題は、しかしながら、限られた放送時間また紙面の枠内において政党のほか候補者個人に時間や紙面を割り当てるのは物理的に困難であると判断したからでございます。このような点から、マスメディアの利用に関しては、残念ながら現行のとおり参議院名簿届け出政党等に認められているものの中で利用してもらう、限定するということにいたしました。
 したがって、経歴放送は行わず、政見放送、新聞広告及び選挙公報につきましては参議院名簿届け出政党ごとに行うことにしたものでございます。
#40
○阿南一成君 ありがとうございました。
 今日、国民の多くがパソコンを持ち、インターネットを利用して情報を収集いたしております。これからは、政党や政治家にとってもますますインターネットを使った情報のやりとりが重要になってくるのではないかと思うのであります。選挙においても、インターネットをどのように活用していくべきか、選挙にお金がかからないようにするためにはインターネットを上手に利用することも大変重要ではないかと考える次第であります。
 そして、お隣の韓国においてはコンピューター通信を使った選挙運動が認められていると聞いております。しかしながら一方で、そのインターネットの匿名性を悪用して他の候補者の誹謗中傷が後を絶たないということも事実の問題であります。
 今回、参議院名簿登載者は、全国を単位とする選挙でありまするから、全国を対象に選挙運動をしなければならないわけで、インターネットの利用が認められれば選挙費用の観点からも大変助かるという気もするのでありまするが、今回の法改正でインターネットの利用を見送った理由についてお伺いをいたしたいと思います。
#41
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) お答え申し上げます。
 御質問の趣旨は全く私も同感するところでございまして、今連日のようにIT革命でありますとかまた電子政府等々言われている中で、なぜ今回インターネットによる選挙運動を認めない、改正を見送ったのかという質問でございます。
 今現在、インターネットのホームページにアクセスいたしましてコンピューターのディスプレーに表示される画面は現在の公職選挙法上の文書図画に当たるものというふうに解されておりまして、公職選挙法に規定されました文書図画以外は掲示、頒布できないというふうになっておりまして、インターネットを利用した選挙運動は禁止されているというふうに承知しているところであります。
 ただ、インターネットは時代の趨勢でございますし、それを活用した選挙運動というものを認めるか認めないか。ただ、これにつきましては、参議院のこの比例代表選挙のみならず、他の選挙を通じて選挙運動全般の問題でございまして、パソコンの普及状況でありますとか、あるいは情報格差の問題など他に検討すべき点が多いことから、今回の改正では手をつけないこととしたものでございます。
 このような点も含めまして、インターネットを活用する選挙運動につきまして、今後各党各会派において議論していただくことが肝要であるというふうに思料するものでございます。
 以上でございます。
#42
○阿南一成君 次に、供託金の没収についてお伺いをいたしたいと思います。
 新聞報道では、今回の改正によれば各名簿届け出政党等はできるだけ多くの名簿登載者を立てるのが当選人をたくさん得られる方法だということであろうかと思います。ただ、名簿登載者の数には上限があり、比例代表選出議員の総数は本法改正後は九十六人になりまするから、半数改選での総数は四十八人ということに相なろうかと思います。一回の選挙でそこまでは名簿登載者を立てることが可能であるのではないかと考える次第であります。
 しかし、名簿登載者一人につき六百万円の供託金を必要といたしますので、四十八人ですと総額二億八千八百万円が必要であります。これで仮に二十人が当選をいたしたとするならば、ぜひ二十人当選していただきたいと思うのでありますが、二十人の倍数四十人までは供託金が返還されるということに相なろうかと思います。その差の八人分の供託金である四千八百万円が没収されるということになるのかなと素人で判断をいたしておるわけでありますが、この点について発議者の御答弁をお願いしておきたいと思います。
#43
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) 御質問のとおりでございます。
 参議院比例代表選出議員の選挙における供託金の制度につきましては、今回の改正でも特に変更していないところでございます。すなわち、参議院名簿届け出政党等は「名簿登載者一人につき、六百万円又はこれに相当する額面の国債証書を供託しなければならない。」こととなっております。当初の届け出時の名簿登載者の数がその政党の当選人の数の二倍よりも多いときは、六百万円をその超える人数に乗じて得た額が国庫に没収されるというふうになっております。
 以上でございます。
#44
○阿南一成君 選挙運動に関する質問でございますので、やや当該者として細かい質問をさせていただきましたが、大変よく理解をいたしました。
 これで私の質問を終わり、木村議員に引き継ぎます。
#45
○木村仁君 自由民主党の木村仁でございます。
 私は自由民主党・保守党を代表して質疑する者の一人として若干の質疑をいたしますが、既に同僚の森山、阿南両委員から、非拘束名簿式比例代表制及び定数削減の問題について、その背景、経緯等を含め基本的な問題についての御質疑がありましたので、私は主としてこの新しい選挙制度についての投票者から見た若干の問題点について明らかにする意味で御質問を申し上げたいと思います。
 まず、端的に御質問を申し上げますが、投票において個人名とともに政党名投票をお認めになる、その趣旨をわかりやすく御説明いただきたいと思います。
#46
○委員以外の議員(月原茂皓君) お答えいたします。
 今回の制度は御承知のように代表制というものが伴っているわけであります。前のように、全国区のように党というものを離れているわけじゃなくて、そういう意味では党に対する投票である、そしてまた個人は党の順番を決める場合の役割を果たす、こういうことであります。そして、今既に答弁者からもありましたが、多様な意見を吸収していくというシステムを考えたときに、党ということが非常に大きな役割を果たすわけであります。
 そして、この選挙制度そのものでどういうふうにして当選者が決まるのかということは、委員御承知のように、個人名、そしてまた党の名前、党名、そういうものを合算して、そして案分ドント方式で決めていく、そしてその順位については個人名が多い順番からしていく、こういう制度でありますから、当然のことながら政党名というものは非常に大きな役割を果たすわけであります。
 また、十二年の五月から、御承知のように海外の投票も行われています。こういう方々について考えると、個人名というよりは党の方に、ちょっと迷って、この人もいい、あの人もいいんだがこの党に信頼がある、こういうような場合に党名を入れたい、こういうふうなことも考えられるわけであります。
 以上のようなところから、政党名の投票を認めるというふうに考えているわけであります。
#47
○木村仁君 平成二年七月三十一日の選挙制度審議会の答申では、参議院の議員というものは職域的な代表や専門的知識、経験にすぐれた人材が選出されるようなものとする必要があるとともに、参議院の政党化をできるだけ抑制することができるようなものとする必要がある、こういう二つの理想を述べております。
 しかしながら、その中で、非拘束名簿式比例代表制を採用すべきであり、かつ候補者個人名による投票にあわせて政党名による投票も認めるという提案もされており、今回の制度改正もその答申と一致しておりますので、私はあえて異を唱えるわけではありませんが、投票する投票者としては、やはり顔が見える選挙をしたい、自分はこの人を先ほど申しました職域的な代表や専門的知識、経験にすぐれた人だと思って投票するのだ、だから一層純化して個人名による投票だけを認めた方がいいのではないか、政党名を書くのは有権者の気持ちとしては矛盾するのではないかという疑問を呈する向きがございます。これについてはどのようにお答えをいただけるのでございましょうか。
#48
○委員以外の議員(月原茂皓君) 第八次答申においても書いてありますが、これは両方書くということがいいんじゃないかというふうになっております。
 御承知のように、投票者側からいえば、自分がもちろんAならAという人を投票したい、これは自分たちの意見を代表している職域の代表でもある、こういうことがあろうかと思います。しかし、その名簿を提出している党、この人は個人として出ているのではなくて、甲という党の代表であるとして出ているわけであります。しかし、御承知のように、そういう職域以外の方でもやはりその比例制の方を選ぶ権利があるわけであります。しかし、必ずしもその職域代表だけではなくて、その他のことで、党としての意見、そのような多くの職域の代表を出しているその党に信頼を置いて投票しようという方も私はおられる、こういうふうに思うわけであります。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、多様な意見、単に職域代表という意味だけではなくて、党というものに対する信頼というようなことで、このAという人、Bという人を推している党そのものを信頼して投票しようという方々もおられると思います。
 繰り返しますが、先ほど委員も御指摘になったとおりでありますが、余りにも政党性が強くなり過ぎた、そしてその順位も党が決めていく、そういうふうな拘束制であると、それはかえって選挙に対する関心が薄くなる、こういうようなところから、顔の見える選挙であり、そして職域代表というものを選んでいただく、活性化していく、そういうようなことで個人名というものを出しておりますが、御承知のように、繰り返しますが、あくまでそれは政党の代表として出ている方でありまして、順位にそれが非常に大きな役割を果たすとともに、その案分においては党ということの代表としてのドント方式を採用されておるということも御理解願いたいと思います。
 御承知のとおりであります。
#49
○木村仁君 よくわかりました。
 ただ、選挙民は、今地元に行っていろいろお話をします、また東京でいろんな方々にお会いしますと、今回の制度改正によって昔の全国区と同じように個人の候補者を投票するものだと、みんなそう思っているわけでございます。
 そこで、個人名でもいいし政党名を書いてもいいのだということをかなりよく周知徹底しないと混乱が生ずるおそれがあると思います。例えば、また後ほども問題にしますけれども、政党名を書いていいんだね、それなら個人名は候補者の名前、政党名はほかの政党に入れておこうかみたいなのが出てこないとも限らないから、そういうところは十分周知徹底をしなければならぬのではないかと思います。
 少し理屈っぽくなりますが、今回の投票行為というのは、個人名、候補者名で投票をし、あるいはそれにかえて政党名で投票するという二重になるわけでありますが、一体この投票の本質的な性格というのは政党に対する投票なんですか、つまり個人名を通じて政党に対して投票をするのか、それとも政党、直接政党に投票した人は当然そうでありますが、個人の得票なのか、最終的には政党の投票として理解すべきものか。
 先ほど発議者の御説明では、有権者は第一段階として政党を選ぶのである、第二段階として個人を選ぶのであるというお話がありました。私はそのとおりだと思いますけれども、心理的には個人をみんな入れるんだとそう思いますので、国民の皆さんに政党に対する投票であるならば政党に対する投票だということを理論的に明らかにしていただいた方がいいのではないかと思いますけれども、そこのところはどうなっているのでありましょうか。
#50
○委員以外の議員(月原茂皓君) なかなか難しい御質問、十分おわかりになりながらおっしゃっているわけであります。
 しかし、先ほど申し上げましたように、拘束制比例代表制ということではなくて、これは非拘束比例代表というところに重点があるわけでありまして、党の方がリストを出す、その中から自分たちの職域代表であり、また自分の意見を代表していただけるということで、より親しみのある人を選んでいく、個人名で投票していくということでありまして、私は、究極的には党に対する投票であるとこう考えなければ、例えば当選後、じゃその人が他の党に移っていいのかという話にまで発展するわけでありますから、基本的には党であると。
 しかし、今までの方法、拘束制であると党が官僚化してくる、党の方が順番を決める、そういうことによって有権者の方々から見れば遠い存在になって政治そのものに関心を失ってくる可能性もある。憲法学者もそういうことをるる述べているところであります。また、多くの方々もそういうふうに言っておる。それを打開するために、個人という識見を、思う人、この人をぜひ通してもらいたい、上位におって必ず議会で活動していただきたい、こういうふうな感じで投票されるわけであると。
 だから、繰り返しますが、基本的には党に対するものであるとともに、党がバラエティーに富んだいろいろな層の方々をリストに出して選んでいただく、こういうふうなことだと考えておるわけであります。
#51
○木村仁君 御趣旨はよくわかりました。この点についてもやはり国民に十分説明をし、自分たちはまず政党を選び、そしてその政党の参議院名簿の中から自分が最も望ましいと思う人を入れるのであると、こういう過程について十分認識をしていただく必要が私はあると思います。それゆえにこそ、できるだけ早くこの制度を議決して、そして十分の周知期間をとる必要があるなというようなことを私も考えている次第でございます。
 次に、投票者が投票いたします場合に、原則としては名簿の中から個人名を選んで候補者名で投票することになろうと思いますが、あわせて政党名を、あわせてといいますか、それでもいいし政党名でいいともいうことになると、あるいは両方書きたくなる人がいて、山田太郎、自由民主党、あるいは自由民主党、山田太郎と書く人がいるかもしれません。あるいは、中にはさっき申しましたように早合点をして、山田太郎、自由民主党でなくて他の政党を書くというような場合もひょっとして起こってくるのではないかと思いますが、この両方書いたもの、まあ二つ違うのを書いたのは当然無効であろうかなと私も思いますが、二つ書いたものは有効になるんですか、無効になるんですか。
#52
○委員以外の議員(月原茂皓君) お答えいたします。
 今のお話で、複数という今御質問のことに絞って申し上げると、個人名と党名というものを書くとした場合に限定してお答えいたしますと、個人名とその名簿登載をされておる党と両方書かれた場合には、個人としてカウントする、有効であると、有効であるとともに個人としてカウントするということであります。なぜならば、既に御承知のように、最後はその個人に幾ら票が入ったかということによって順位が決まっていくわけですから、そういうふうになります。
 そして、違う党、木村先生をほかの党と一緒に書いた、仮にそうした場合には、これは今お話しのとおり無効であります。
 以上です。
#53
○木村仁君 この点も、余り両方書いてもいいんだよということは宣伝しない方が、個人名をきちっと書いていただくということでよろしいんだと思いますが、中には変わり者がいて、自分の票は二つ書いたから案分してくれと、個人はこっちでいいが政党はこっちにしてくれというようなことがあるやもしれません。これは変わった人でありますから、そこまで考える必要はないのではないかと思いますが。
 いずれにしても、一般にいろいろな話を聞いておりますと、もう大変複雑な投票になるおそれがあると。各党が参議院名簿を出して、そしてその中から選んで一つの名前を書くということでありますから、三百五十九人、もっとふえるかもしれない、そういうものをどうして判断するんだろうかということの中から、あるいはいっそのこと記号式にして、ある政党部分の中の一人のお名前にチェックをしてはどうかという意見を言う方もいらっしゃいます。これもしかし、相当膨大な事務量になりますし、大変だろうとは思いますけれども、記号式とするという意見に対してはどのようにお考えになりますか。
#54
○委員以外の議員(月原茂皓君) 記号式というのはまたこれは非常に複雑なことになりまして、結局書くのは何かといえば普通の選挙と同じように原則として多くの場合個人名を書かれる、一人だけ書くわけですから、ほかの選挙と同じであります。そういう意味で、記号式をとらなかったということであります。
#55
○木村仁君 記号式という方は、記号式の方が政党名もはっきりしているから開票の集計がやりやすいんじゃないかと。一体、四百人、五百人という選挙でもってどのように開票するのか、開票が非常におくれるのではないかということを心配する人がいます。心配する方は主としてジャーナリストの方でいらっしゃいますから、私どもは選挙というものはそんなに一晩でわからなくてもいいんだという気がしないでもありません。アメリカの選挙なんかは一週間ぐらいしてやっと結果がわかっているようなこともあるわけでありますから、しかし我が国の国民性として迅速を重んじるわけでございますから、またこの開票の問題についてはいろいろと御議論があることかと思いますが、私はきょうはそこの面については触れないようにしたいと考えております。
 そこで次に、大変概括的な質問を申し上げて失礼かとは思うのでございますが、やはり非拘束名簿式比例代表制を採用した場合に、有効投票は大体わかりますけれども、無効投票というのがたくさん出てきはしないかと心配する方がありますが、その典型的な無効投票というのはどんなものだろうかなということを、私もよくわかりませんが、国民によくわかっていただく意味でお尋ねしておきたいと思います。
 例えて言えば、山田太郎・自民党と書くとそれは他事記載になるのかもしれませんし、そこまでお答えになる必要はございませんが、典型的な無効投票というのはどういう類型のものがあるのか、時間いっぱいお答えいただければ切りがいいかと思います。
#56
○委員以外の議員(月原茂皓君) お答えいたします。
 どのような投票が無効投票と扱われるかと、我々発議者の方でもいろいろ検討いたしました。そこで、国民の皆さんにも理解していただけるように具体的に幾つか例をつくりましたので、それを御紹介したいとこういうふうに思います。
 名簿に登載されていない者、あるいは除名、離党等の届け出がなされている名簿登載者または被選挙権を有しない等の理由で本来は公職の候補であることのできない方を記載したもの。我々が検討したとき、森喜朗というふうに書いた、これはもう無効だということになるわけであります。
 そのほか、名簿届け出政党以外の政党、その他の団体を、先ほど申し上げましたが、政党も書くことができるわけですから、その他の団体を書いたと。例えば、新撰組と書いたと、こういうのが無効である、こういうことであります。
 それから、一票中に二人以上の名簿を、先ほど党と複数のお話を申し上げましたが、一票中に二人以上の名簿登載者の氏名または二以上の名簿届け出政党を記載した場合どうなるだろうか、こういうことも考えました。ここに検討したときのお名前を申し上げて恐縮ですが、須藤良太郎、小山孝雄、これは二人書いたら無効だと、こういうことであります。これは小山と書けば有効ということであります。そして、自民党、保守党と、こう二つ書いたらこれは無効である、保守党と書いていただいたら有効である、こういうことであります。
 次に、一票中に一人の名簿登載者の氏名及び当該名簿登載者にかかわる名簿提出政党以外の、要するに本人が属していない党の名前を書いたもの、例えばAという人が甲という党から推薦されておるのに、A、乙党、こう書いた場合は無効である。ここに書いてあるのはちょっと例が悪いんですが、須藤良太郎、共産党、こういうふうに書いたらこれは無効だぞ、こういうことであります。
 次に、候補者たる名簿登載者の氏名または名簿提出政党の名称、略称のほか、他事を記載したものも、要するにほかにいろいろなことを書いたものは無効だと、これは今の選挙でもそのとおりであります。
 しかし、こんなものは有効だと。須藤良太郎(自民党)と括弧して書いた、これは有効だと。須藤良太郎先生と書いても有効だと。永田町自民党と書いても有効じゃないかと。自民党(森)と括弧して書いても、これは括弧して自民党の代表者ですからそれは有効じゃないかと。自民党さんと書いても有効だと。ですから、公明党さんと書いても有効である、魚住先生と書いても有効である、こういうふうに相なるわけであります。
 以上の御答弁させていただきました。
#57
○木村仁君 では、午前中の質問を終わらせていただきます。
#58
○委員長(倉田寛之君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#59
○委員長(倉田寛之君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#60
○木村仁君 午前に引き続き御質問を申し上げます。
 午前の最後の時間切れの直前に私ちょっとコメントをしようと思ったのでございますが、投票の有効無効の問題については新しい制度のもとで若干難しい問題が生ずるおそれがあるわけであります。
 特に、公職選挙法第六十八条の「無効投票」という項は、従来は衆議院について規定し、参議院については、「前項の規定は、参議院(比例代表選出)議員の選挙の投票について準用する。」となっていて、あとは技術的な読みかえ規定だけだったわけでありますが、今回は第六十八条第三項に、「参議院(比例代表選出)議員の選挙の投票については、次の各号のいずれかに該当するものは、無効とする。」ということで、「所定の用紙を用いないもの」でありますとか、あるいは「公職の候補者たる参議院名簿登載者でない者、」、そういう者を書いた場合でありますとか、そういうものをずっと列挙して第十号に及んでいるわけでございます。
 これは、やはりこれから新しい事態が生ずる場合を想定して細かな規定をなさったのであろうと、私はそのように解釈し、またこれが本当に国民にわかりやすい形で運用されることはもちろんでありますが、そのことが事前に国民にもできるだけ周知徹底されることが望ましいと考えております。
 そこで、これは議員立法でありますから発議者の皆様のお力によって書かれた法律でありますけれども、極めて技術的な部分でございますので、この条文が入ったことによって、一体有効無効の判定にどのような差が出てくるんであろうかということを私なりに疑問に感じるわけでございます。
 そこで、大変恐れ入りますが、議員提案に係る法律について自治省の感覚をお聞きするのはいけないのかもしれませんけれども、ぜひお答えをいただきたいんですが、これは今までの拘束名簿式比例代表制のもとにおける有効無効の判定と、今回の新しい法律のもとにおける判定でこの条文等が入って整理されることによって有効無効の判定に大きな差ができるだろうかということが一つ。
 それから、今度の新しい制度では、一般的に地方選挙区等で行われている有効無効の判定、例えば先生と書いてもいいけれども、のばかやろうと書いたら無効であるとか、そういう積み重なった事例がございます。そういう点についても大きな差ができるのか。やや、まあ今までの常識に従って判定されるであろうと、違うところは候補者名と政党名が二つ書いてある場合の判定ぐらいが変わってくるので、あとはおおむね同じだよということなのか。
 ちょっとその感覚だけでも結構でありますから、お教えをいただきたいと思います。
#61
○政府参考人(片木淳君) お答えをいたします。
 まず現行法でございますが、今回の制度は、登載者個人に対する投票とそれから政党に対する投票、両方を兼ねて許されておるという制度でございます。
 そこで、現行につきましても二点について若干御説明をさせていただきたいと思います。
 まず参議院の選挙区選挙の場合でございますが、いろいろと投票の効力に対する取り決めが公職選挙法上に定められております。その中で、今御指摘のありましたとおり、「公職の候補者の氏名のほか、他事を記載したもの。」、これは無効とされておるのが一般原則でございます。しかしながら、ただし書きがございまして、「職業、身分、住所又は敬称の類を記入したものは、この限りでない。」というのが現行法第六十八条一項六号に書いてあるわけでございます。
 それから、もう一つ申し上げました比例代表の、政党に今現在投票しておる制度についての規定でございますが、同じような規定が六十八条の二項以下にございまして、その中で、「名簿届出政党等の」「名称及び略称のほか、他事を記載したもの。」ということで、同じく他事記載は無効だという規定になっておりますが、これも同じくただし書きがございまして、「本部の所在地、代表者の氏名又は敬称の類を記入したものは、この限りでない。」ということで、何々先生というふうに書かれたものは有効になるという規定がございます。
 今、先生御指摘のとおり、今回の新法におきましては議員立法でございますが、それらの規定を勘案されまして六十八条の二に三項を起こされまして、ちょっと省略いたしますが、参議院名簿登載者の氏名、氏もしくは名または参議院名簿届け出政党等の名称もしくは略称、失礼いたしました。もとへでございます。ちょっと条文を間違えました。六十八条第三項第八号でございます。「公職の候補者たる参議院名簿登載者の氏名又は参議院名簿届出政党等の第八十六条の三第一項の規定による届出に係る名称及び略称のほか、他事を記載したもの。」ということで、同様の規定を置かれておられます。
 そして、そのただし書きで、「公職の候補者たる参議院名簿登載者の氏名の記載のある投票については当該参議院名簿登載者に係る参議院名簿届出政党等の同項の規定による届出に係る名称若しくは略称又は職業、身分、住所若しくは敬称の類を、参議院名簿登載者の氏名の記載のない投票で参議院名簿届出政党等の同項の規定による届出に係る名称又は略称を記載したものについては本部の所在地、代表者の氏名又は敬称の類を記入したものは、この限りでない。」と。
 前段申し上げましたのは、参議院名簿登載者の氏名の記載のある投票については職業、身分、住所もしくは敬称の類を、後段申し上げましたのは、参議院名簿届け出政党の名称または略称を記載したものにつきましては本部の所在地、代表者の氏名または敬称の類を記入したものはこの限りでないというふうにされておるところでございまして、御指摘のとおり、基本的には考え方は従来の線を踏襲して立案されておると、このように理解をいたしております。
#62
○木村仁君 先ほど私が例に出しまして、自分でもよくわからなかったからこれは別としてと申し上げましたけれども、専門家にお尋ねしておきたいんですけれども、山田太郎(自由民主党)、これは有効である、それでは山田太郎・自由民主党ならばいかがですか。
#63
○政府参考人(片木淳君) ただいま御紹介いたしました提案されております法文によりまして、「・党名」というものも有効と考えられます。
#64
○木村仁君 では、概して言えばこう理解していいでしょうかね。
 今まで我々は候補者名で投票した経験もある。今まで我々は比例名簿については政党名で投票した経験もある。今度新たな時代は、ひょっとして政党名と候補者名二つが書かれる場合がある。大体今までの有効無効の判定はずっと引き継がれるのであって、もしそこにややこしい問題があるとすれば、両方書いていいということに伴って新しい事態が生ずるかもしれない。その程度に考えておいたらよろしいでしょうか。
#65
○政府参考人(片木淳君) 御指摘のとおりかと存じます。
 従来からの考え方の蓄積がございますのでその上に立ちまして、しかしながら、今回の制度は初めて名簿登載者個人の名前とあるいは政党の名前、名称を書けるという新たな制度でございますので、その制度の考え方に基づきまして、従来の解釈の延長線上に立ちまして、御指摘のような基本的な方向で解決をしていくべき問題というふうに考えております。
#66
○木村仁君 これは発議者に対する要望か選挙管理委員会に対する要望か知りませんけれども、国民はやはりできるだけ無効票にならない投票をしていただきたいわけでありますから、周知期間の間、候補者名で投票してもいいし政党名で投票してもいいし、事によったら、矛盾しない限りにおいては両方書いてもいいんだということを十分周知徹底させていただきたいと思いますし、基本的には選挙の常識が引き継がれていくんだよ、新規な部分が余りたくさんあるものではないんだよということを国民が納得できるようにしておいていただきたいと願うものであります。
 次に進みます。
 候補者の氏名、政党名というのはいろいろあるわけでありますが、従来も政党、氏名が全く同じ、政党名簿の中の、参議院名簿の中の順位づけは違うでありましょうけれども、全く同じ候補者がいるという事態は十分予想され、それに対する対応の制度はあったというふうに考えてよろしゅうございましょうか。選挙部長、お願いします。
#67
○政府参考人(片木淳君) 基本的には御指摘のとおりかと存じますが、現行法上、政治資金規正法と公職選挙法上に政党の名称保護の規定がございますので、両立する場合はかなり少ないというふうに考えております。
#68
○木村仁君 発議者にお尋ねいたしますが、候補者の氏名及び政党名が全く同一である候補者、政党が存在して、選挙人の投票がいずれに対する投票であるか判明しがたい場合も有効な投票であることには間違いがない、こういうふうに存じますが、いかがですか。
#69
○委員以外の議員(月原茂皓君) お説のとおり、改正法の六十八条の二第三項の規定によって有効と判断されます。
#70
○木村仁君 両方が有効であるという場合には、当然案分によってその得票数が決まっていくだろうと思いますけれども、この案分の方法でありますが、これはどのような方法で案分なさる、例えば政党名で全部案分するとか、あるいは政党と氏名両方書いたものも加えて案分するとか、どのような想定でこの条文は書かれているのでしょうか、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。
#71
○委員以外の議員(月原茂皓君) その点については、まず前提条件と申しますと、開票区ごとに当該候補者その他の有効投票数または政党名投票に係るその他の有効投票数、要するに有効投票数を見て、それによって案分していくということであります。
#72
○木村仁君 そうすると、有権者に対するわかりやすい説明としては、要するに個人で書かれたものも政党で書かれたものも両方書いたものも、すべて政党に対する投票であると。これは先ほど確認したところです。したがって、政党の勢力によって案分するんですよと、こういう説明でよろしゅうございますね。
#73
○委員以外の議員(月原茂皓君) 非常にわかりやすく問うていただいてありがとうございます。そのとおりであります。
#74
○木村仁君 次に、非拘束名簿式比例代表制の導入によって、立候補者の立候補の際の手続がどんなふうになるかということをお聞きしておきたいんですが、これは制度そのものの成り立ちを一応確認しておきたいんですけれども、私がここであえてコメントをつけ加えますならば、平成二年七月の選挙制度審議会の答申においてこのあたりがどう書かれているかというと、各政党はあらかじめ候補者選定に関する手続を定めなさい、そして、かつこれを届けるものとすると。そして、「候補者届出及び名簿届出の際に、候補者選定の経過及びそれが定められた手続に基づいて適正に行われた旨の宣誓書を提出するものとし、虚偽の宣誓については罰則を設け、かつ、公民権停止の対象とする。」というようなことを示唆しているわけです。
 今回の改正にはここまでは書いていないだろうと思いますが、したがって所定の法定の手続によって行われるんだと思いますけれども、私どもは、この部分については自由民主党もやっぱり反省し、きちっとしたことを少なくとも明らかに、法律になくとも明らかにしていくべきだと思うのでございますが、できればそういう部分も含め、どのような手続、法定の手続とそれから心構えについて御感想をいただければありがたいと思います。
#75
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 過去の経緯まで触れていただきまして、大変わかりやすいお尋ねになりましたことに感謝しております。
 このたびの非拘束名簿式の比例代表制の導入に伴いまして立候補の手続の変更がございました。参議院名簿提出について次の二点の変更でございます。
 一つは、拘束式から非拘束式に変わったために、当選人となるべき順位をあらかじめ付さないで候補者の氏名を名簿に記載することとなったわけでございます。なお、これに伴いまして、従来は名簿登載者の補充をする際、この届け出の際に当選となるべき順位の変更も可能でございましたが、今回の規定はこれが適用されないことになりました。
 二番目でございますが、先ほどのお話にも触れておりますが、比例代表選出の選挙に連座制が適用されることとなりました。その場合には、立候補制限が課されるということとになったために、立候補の際に候補者が提出する宣誓書の中に連座制による立候補制限が自分には課されていない旨を誓うことになったものでございまして、当然これは遵守されるものと考えております。
#76
○木村仁君 政党の候補者名簿、参議院名簿作成が透明度の高い公正なものにならなければならないということを私はここで強調いたしておきたいと思います。そして、思いはすべて御同様であろうと思いますので、あえて答弁は必要といたしません。
 次に、これは国民の皆さんのためにここで御質問をしておきたいと思うんですけれども、大体地方に行き、あるいは東京で友人等と話し合っても、案外理解度が低いのでございます。ですから、昔のとおりの拘束式比例名簿制度が導入される以前の全国区の選挙がまた行われるんだね、そうすると名前はその名前を書けばいいのかねぐらいの話で、これは相当世俗的知識のある方でもそう言われることがあるので驚くわけでございますが、そこで念のために、非拘束名簿式比例代表選挙においては当選人は一体どうして決まっていくのか、その点についてわかりやすく御説明をいただければ幸いでございます。
#77
○委員以外の議員(保坂三蔵君) この点につきましても私から御答弁させていただきます。
 今回の非拘束名簿比例代表選挙におきましては、当選の順番でございますが、次のように決定される仕組みになっております。
 まず、各参議院名簿提出政党ごとに各名簿登載者の氏名が記載された投票と名簿届け出政党名の名称、略称、先ほども御説明がありましたが、記載された投票を合算いたします。各参議院名簿提出政党等の得票数をそこで計算することになります。次に、二番目に、これをドント式によりまして各参議院名簿届け出政党等の当選人の数を決定いたします。このあたりは前回と同じでございます。そして、その後でございますが、個人名が記載された得票数、これ順番になりますが、各参議院名簿届け出政党等ごとに、いわゆる各政党ごとに当選人となるべき順位を定めます。政党内で仮に同じ得票になったといたしますと、この際は、従前同様くじで決めることになっております。
 以上のように、定められた当選人となるべき順位及び当選人の数に従いまして、各参議院名簿届け出政党、いわゆる各政党ごとの当選人が定められることになっております。
#78
○木村仁君 その中で、これはもう従来からやっていることでありますから社会的常識だよと言ってしまえばそれまでなんですが、各政党の得票をまず一で割りなさい、二で割りなさい、三で割って四で割りなさいと。そして、その一覧表をつくっておいて、まず一番多いところを一人と割り当てると。これは当然総得票の多いところが第一位になります。それから、一で割った中でその次に大きいところがあればそれをとる。二で割って三で割って、ずっと行くわけでありますが、これは選挙部長にちょっと確認の意味でお尋ねしておきたいと思いますが、ドント方式というのは、いろんな方式がある中で一番国民にわかりやすい、大体比例案分だねというふうに理解をしたらどうかなと思いますけれども、それでは不正確でしょうか。
#79
○政府参考人(片木淳君) ドント式についてのお尋ねでございます。
 今、先生から詳しく御説明がありましたように、一、二、三、四を基数といたしまして、それで割って大小関係で各党の候補者数を決定していくということで、国民の皆さんにも大変わかりやすい制度ではないかということで、従来いろんな御議論の中で、現行衆議院の比例選挙においても採用されておりますし、参議院についても拘束式でございますが採用されているというふうに理解をいたしております。
#80
○木村仁君 ドント方式という言葉、かなり広い人々がわかっておりますが、国政報告会や何かで、表をつくって、そしてこうなるんですよと。まず、一番多いところはこれでありますからそこに丸をつけてください、二番目は二で割ったこの党が多いからここに丸をつけてくださいと言って、これはビンゴじゃないんだから丸がそろったから手を挙げないでくださいなんて言って説明しておりますと、ああそうか、おれやっとわかったよというような、ドント方式という名前は皆さんよく御存じですけれども、実際はわかっていない。そこで、まあまあいろいろあるけれども、比例的に多くとったものが多くとるという常識なんだよということを申し上げておりますので、ただいま答弁をいただいたので、その方向で私も一生懸命説明を地元でしたいと存ずるのでございます。
 これは参考までに申し上げますが、選挙制度をわかりやすく説明するということは非常に自分の票もふえます。これは確かでございますので申し上げておきたいと思います。
 ともかく早く議決をして、そして来年の七月までに国民がこの制度をよくよく知って投票なさる、それが私は一番重要なことではないかと思います。
 平成五年十一月十二日に参議院自民党の参議院選挙制度検討委員会が公にした参議院選挙制度改革大綱というのがあります。それを勉強させていただきましたが、比例代表制を非拘束比例代表及び拘束比例代表制の組み合わせでやったらどうかということも検討をしたという記載がございます。当選人の決定について、各政党を通じて個人名得票の上位三十人をまず当選人とすると。そしてその後に、あらかじめ計算して定められたドント式の当選獲得実数から、その三十番までと称して、によって当選した人の頭数を引いて、残りを、この場合は拘束名簿でありますから、順番に高い方から拾っていくということをやったらどうかということも検討されたというふうに書いてあります。
 あるいは今回の場合も、事によったら各政党を通じて三十人までは当選させておいて、あとドント方式で来たものを今度は新しい個人の投票によってつけた順番によって、もう三十人枠で当選した人は衆議院の重複立候補者みたいに失格させていけば決まっていくのではないか、こういう感じもしないではありません。
 そのことをお聞きしたいのではありませんけれども、新制度のもとでは、候補者の得票数というものは参議院名簿に登載された候補者の当選の優先順位を定める資料にすぎないと。政党に対する投票であって、順位は資料であるとするならば、先ほども阿南先生から御指摘があったと思いますけれども、ある党の当選者が他の落選者の得票よりも非常に少ない、そういう場合があり得るわけでございます。そうしますと、これは法定得票数あるいは供託金没収にも満たない比例の方が当選した、これはけしからぬという感情と同じように、何だおれが投票して、しかもたくさんとっているのに落選したのに、向こうの党では少ししかとっていないやつが当選しているじゃないか、これはおかしいと、こう国民は皆思うと思うんです。
 ですから、先ほど申し上げました参議院の自民党で一度検討されて、これはもちろんその大綱自身でもとらないという意思は明らかなのでありますけれども、このあたりのところをどういうふうにお考えになっておられるか、お尋ねをしておきたいと思います。
 参議院自民党のことでありますから、須藤発議者にお願いいたします。
#81
○委員以外の議員(須藤良太郎君) たしか坂野重信先生が中心にやられた方式だと思いますけれども、おっしゃるように今の非拘束と拘束式をミックスした、一つは投票で何十人か決める、あとは拘束式で決めると、こういう方式があったわけで、これは相当実現に向かって進んだわけですけれども、最後にやはり認められなかった、こういう経緯があったと思います。
 この理由は、恐らく、我々も今回この一、二年検討している中で、ミックス方式はどうかという話があるわけですけれども、どうしても候補者名の得票によるということになりますと、現実にみんな得票に走ってしまう、こういうことでかえっておかしい格好になるんじゃないかと、こういう考え方があったわけでして、そういう意味では、今回はいわゆる党の枠としては数えるけれども当選には影響しない、こういう格好にした、こういうふうに思っておるわけであります。
#82
○木村仁君 ただいまお尋ねいたしました、今回そういう逆転現象ではありませんけれども、非常に個人得票数の少ない人が当選し、しからざる、多くとっても落選する場合がある、こういうことについての国民感情についてどのようにお考えになっているか、お尋ねいたします。
#83
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) 御答弁申し上げます。
 ただいまの逆転現象でございますけれども、非拘束名簿式ではありますけれども、あくまでも比例代表選挙でございます。その数え方が、名簿登載者の氏名を記載した投票の名簿届け出政党の政党の得票数に換算されて各党の当選人が決定されるというシステムになっているわけでありまして、いわゆる名簿登載者の氏名の得票数というものは、当該名簿届け出政党の中における当選人となるべき順位を決定する際の意味を持つ、それにすぎないというふうに考えられるところでございます。
 したがって、今先生お尋ねの異なる参議院の名簿間において逆転現象が生じたといたしましても、名簿登載者の得票数を比較すること自体ほとんど無意味というふうに考えるべきだろうというふうに思います。
 しかも、選挙運動は名簿届け出政党自体も選挙運動が認められるわけでございまして、各政党の事情によりまして政党の名称、略称を中心に運動を展開するということもあるわけでございまして、今御指摘のなされた逆転現象という事態は、むしろ当然の前提として含まれているというふうに考えるところでございます。
#84
○木村仁君 この問題も結局、今御答弁がありましたとおりだと存じますが、要するに個人名で投票するけれども、その本質は政党に対する投票なんだよということを国民が十分に御理解いただかなければそのような不満が生じてくる。これは法定得票数に達した人がたまたま当選したとか、あるいは供託金没収になるのに当選したとかということとは全く質の違うことだということを理解していただかなければいけないと思います。
 当然のことですけれども、供託金没収の方はもう当選できないという法改正はできたわけでありますから特に心配する必要はないと思いますが、そのような感じを持っている次第であります。
 次に、これは大変技術的な瑣末なことで申しわけございませんけれども、ある政党の得票がすべて政党名による得票のみだと、こんな場合は私は考えられないと思いますけれども、私が議論する中でこういう理屈を言う人があります。参議院名簿登載者の当選人となるべき順位の決定はくじで定められることになると。それはそうでありますが、これは大変不合理ではないか、制度に欠陥があるんじゃないかということを議論する、よく勉強する人がいるものだと思って感心しますが、しかし要するに気持ちはわかるけれども、いずれその当選の順位を党で決めなきゃいけない、それをあらかじめ決めておらない、得票数によって決めるのがこれなんだから、決められなきゃくじで決めてそれで当然だと、こういうふうに開き直って私は答えたんですけれども。
 それで、ばかな質問で申しわけございませんが、これでよろしゅうございますよね。
#85
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) 今回の非拘束名簿式の比例代表選挙においては、投票に名簿登載者の氏名を記載することを原則としておりまして、すべての投票が政党名ということは望ましいことではありませんし、また余り考えられない事態であります。
 私どもも、今回のこの改正案は有権者の民意をより反映させる、その順位にまで反映させる、より有権者に近づいた改正だというふうに考えておるところでございますが、仮にこのような事態が生じた場合、公平を期すということから考えますと、やはりくじによるというふうにならざるを得ないというふうに考えるところでございます。
#86
○木村仁君 大変幼稚な質問をいたしましてまことに申しわけございませんでしたが、たまたま議論する中でそういうへ理屈を言う人がいるものですからお尋ねをしてみたわけでございます。
 次に、この新制度のもとではと申しますか、もとでもでありましょうけれども、一の政党の参議院名簿に登載されて当選した候補者が当選後他の政党に移籍した場合は、これは失格するという規定は特に書いてありませんけれども、私はこれまでどおりではないかと理解します。
 つきましては、百四十七国会の五月十七日に公職選挙法の改正が行われました。これは御承知のとおり、主要な部分は補欠選挙の統一の制度改正ではなかったかと思いますが、その中で、この新しい、比例名簿に載っかって当選した人が他の政党に移籍した場合は失格するという規定が入ったわけでございまして、このこと自体がまだ私は余り国民に周知徹底されていない、だから依然として政党間を渡り歩く人がいるのではないかなと思っておる方があると思います。
 そこで、自治省選挙部長さんにまことに申しわけありませんがお尋ねしておきたいんですけれども、去る五月に成立しました、政党を移籍した場合には失格するという、その起こってきた背景とか審議の経過、そういうものについて御説明をお願いしたいと思います。
#87
○政府参考人(片木淳君) ただいまお尋ねの件でございますが、五月十七日に公職選挙法の一部を改正する法律が公布、施行されました。
 御指摘がありましたとおり、補欠選挙の期日等を含みまして六項目の改正の中の一項目が、ただいま御指摘の衆参両院の比例代表選出議員の方がその選挙における他の名簿届け出政党等に移った場合に退職者となる、あるいは当選人でなくなるという規定でございます。
 経緯でございますけれども、いろいろと長い論議の経過がございますけれども、具体的には、私どもお聞きいたしておりますところによりますと、憲法論議もかなりあったというふうにお聞きをいたしておるところでございます。憲法に言う国民の代表者という概念、国民代表の観念との関係でどうなのかという議論を中心に、従来から学界においてもまた政党間においても御論議があったというふうにお聞きをいたしております。
 今申し上げました五月十七日の改正前の公職選挙法におきましては、参議院議員の選挙に比例代表選挙が採用されて以来、一たび選挙された議員は全国民の代表者であるとの考え方から、所属政党等を移動したとしても議員の身分は失わないものとされ、この点についての法的な規定は置かれていなかったものでございます。
 これに対しまして、今回の国会法等の改正法におきましては、いろいろ御論議がありましたけれども、提案理由において次のような説明がなされておるところでございます。
 政党への投票をもとに選出された拘束名簿式の比例代表選出議員が当選後他の政党に移動することについては、選挙に示された有権者の意思と全国民を代表する議員の地位をめぐって、国会を初め学界、マスコミ等各方面で種々論議のあったところであります。
  これらの論議を踏まえ慎重に検討した結果、本案は、衆議院及び参議院の比例代表選出議員が当選後当該選挙で争った他の政党等に移動することは、有権者の意思に明らかに背くものであることから、これを禁止することといたしております。
と述べられておりまして、そのようなお考えで、新たに比例代表選挙であるという点に注目をされまして禁止する措置を講ぜられたというふうに承知をいたしております。
#88
○木村仁君 念のため確認しておきますが、政党を離れて無所属議員になることは差し支えないんですね。
#89
○政府参考人(片木淳君) 先ほど申し上げましたように、拘束名簿式比例代表制によりまして当選した議員が選挙で争った他の政党等に移動することが有権者の意思に明らかに背くものであることからその身分を失わせることとしたものでございまして、したがってもとの所属政党等を離れて無所属になった場合や選挙時になかった新たな政党等に所属した場合は退職者とならない、また当選人の場合も同様でございます。
#90
○木村仁君 選挙人の意思を裏切って他の戦った相手に行くのは余りひどいじゃないかということで、党籍離脱をして無所属になること自体は差し支えないように私も理解しております。
 ただ、この問題は、有権者の感覚からすれば二様あると思うんです。今回は以前にも増して政党の選挙であると、しかし個人の候補者の名前も書くものですから、おれはこの候補者に入れたのであって、それがどの政党に行こうとおれはこの者を支持するんだ、それが失格になるのはおかしいんじゃないかと。そういう事態が生じませんから実際には有権者は余り感じないのかもしれませんけれども、そういうことがありますし、逆によく理解すれば、以前よりももっと本当は政党対政党の選挙であるということが明確なんだ、だから当然のことが引き継がれたまでであるというふうに議論する人もいると思います。
 それから、無所属になってしまえば欠員が生じないから繰り上げもないというようなことで、これも大変、あるいはうんと名板貸しだけしておいて、何百万も稼いで、当選したら、はいさようならと言って、無所属で悠々としたいなんというけしからぬ人も出てくるかもしれませんけれども、逆にそういう人をお願いして乗っかってもらう、いや別にうちの党に賛成してもらう必要はないんだ、票だけ稼いだらどうぞ無所属になってくださいと。そうすると、当選する人も参議院議員にはなりたい、しかしどの政党も採用してくれない、おれは人気者だから票だけ稼いであげる、そのかわりやめてしまうぞというようなことがある。
 こんなばかなこともないとは思いますけれども、国民の投票者の感情はさまざまであろうと思いますが、この今採用された制度で絶対大丈夫だという確認をお願いしたいと思います。
#91
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 確認は難しい面もありますけれども、まずそういうことはないと私は考えております。
#92
○木村仁君 今までないであろうと思ったことがいろいろ起こって我々は困惑した経験がありますが、今回はそのようなことはないと確信をいたしております。
 次に、若干午前中の議論の中で、私が担当しようという以外のところで残された問題がありますので、もう一遍発議者の御意向を幾つかの問題点について御質問しておきたいと思います。
 国民一般は、またぞろ旧全国区のような残酷区あるいは銭酷区に逆戻りするのではないかという疑問を持っていると、これは先ほどもお話の中では議論がありました。そういう制度にはならないよということを御説明いただければまことに幸いでございます。
#93
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 残酷区なり銭酷区ということが言われるようになりましたからそういうことがあったんだと思いますけれども、私が見た五十八年にこの拘束式に変えるときの提案の理由は、たくさんの中から候補者を選ぶのが大変だということが一点と、やはり一つはあとは大きい経費がかかる、もう一つはやはり参議院も政党化を少し考えたらいいんじゃないか、そういうことで政党の活動ですか、選挙運動、そういうものを考えるべきだという三点を提案理由に挙げてこの拘束式に変えております。
 御指摘のように、いろいろ残酷、銭酷の問題が論議されたわけですけれども、たびたび申し上げているように、今回は政党と個人が相互に補完し合って行おう、政党が拘束でやっている面も、いわゆる政見放送なり新聞広告なりあるいは選挙公報、こういうものはもう個人でやらないで党がやるというようなことで相当分け合っておりますので、相当個人の負担は軽減されるのではないかというふうに思っておりますし、前にもいろいろ話しておりますけれども、いわゆる全国区で認められていた運動量を相当、四割ぐらいは落としたのではないか、こういうふうに思っておりまして、できるだけかつての過大な運動は避けるようにということで考えておる次第でございます。
#94
○木村仁君 とはいうものの、候補者になってみれば、まずいずれかの政党の参議院名簿に入ること自体がまたいろいろ難しい運動過程になるのかもしれませんし、どうしてもやっぱり個人票をたくさんとりたいということで駆けずり回るということが十分考えられるわけでございます。これはやはり候補者の意識改革ということもぜひ必要でございますし、逆にまた有権者の方にそれを期待することは制度をつくる者としてはよくないのかもしれませんけれども、有権者の方もこれは昔の残酷区、銭酷区の参議院選挙とは違うんだと、政党対政党の運動であって、その運動は政党の運動であるということをよく理解していただかなければいけないと思います。そういう努力を今後続けなければならないのであろう、こういうふうに思います。
 昔は五当四落と言うんですか、五億円お金を使えば当選し四億円ではまだ落選する、そういうことがよく言われて、そして全国をまたに走り回らなければいけない。それは制度を改正して拘束式名簿の比例代表制になった後も、私はブラウン運動の運動量は余り変わらぬように思いますけれども、票を稼ぐのとただ支持を受けていくのとではかなりやっぱりエネルギーが違うと思うんです。
 参考までに、そういうことが今後はないように願いながら、自治省にお聞きしておきたいと思うんですが、よく五当四落の中で多くの候補者が、そのときとは言いませんけれども、選挙後短期間にしてお亡くなりになるとかいうことがありましたし、また選挙違反者が陸続として出たというふうにも言われます。死亡者、選挙違反者が多く出た選挙で、大体そういう過去の統計から見て、残酷選挙、銭酷選挙の時代は死亡者とか違反者とか、ちょっと妙な質問でございますけれども、統計がございましたら参考までに教えておいていただけませんでしょうか。
#95
○政府参考人(片木淳君) 全貌を把握する統計、情報等ちょっと持ち合わせておりませんので、参考までに選挙期日から三カ月以内の当選人の死亡によりまして繰り上げ補充となった例、これは掌握できるわけでございまして、これで申し上げたいと存じます。
 その例といたしましては、第六回選挙、これは昭和三十七年七月一日に執行されておりますが、この際に松村秀逸議員、自民党の方でございまして、九月七日にお亡くなりになっているということで二カ月ちょっとたった時点でございます。そういう事例が一つございます。
 それから、第九回選挙、昭和四十六年の六月二十七日執行でございまして、山本伊三郎議員がお亡くなりになっておられます。社会党でございまして、七月八日でございますので十日ほど過ぎてからでございます。
 また、村上孝太郎議員が、自民でございますが、九月八日にお亡くなりになっているということで、これは二カ月ほどたっておる、二カ月以上でございますが、というこの三例を私ども掌握させていただいております。
 このほか、第十二回選挙、昭和五十五年六月二十二日執行におきましては、向井長年氏が選挙期日の翌日に死亡された例がございますが、このときは当選人の告示は行われておりません。
 次に、選挙違反者の人数でございますが、第六回選挙、昭和三十七年七月一日施行が、検挙人数が最も多くて一万四千八百二十人、そのうち買収、利益誘導による者が五五・七%に当たります八千二百五十八人となっておるわけでございまして、それよりは少なくなっておるという状況にございます。
#96
○木村仁君 お亡くなりになった方の中には私どもも大変お世話になった与野党の先生がおられるわけでございまして、余り不吉なことを聞いて本当に申しわけございませんでしたが、特に選挙違反者については、この六回にわたる拘束名簿式比例代表制のもとでは顕著な事実ではなかったと私は思います。この制度を改正したことによってそういった違反が出てくるということでは困ります。もちろん連座制が強化されておりますのでそういうことは起こらないであろうと思いますし、起こらないことを心から祈念いたしたいと思います。
   〔委員長退席、理事鴻池祥肇君着席〕
 次に、ちょっと十分な理解ができませんでしたので、お答えいただいているのかもしれませんけれども、もう一度聞いておきたいと思いますが、非拘束方式の選挙の導入によって国費五十億ぐらいが選挙管理費用としてふえるだろう、こういうことでありまして、その人数は三百五十九人ですか、という御説明があったと思いますけれども、三百五十九人を積算された根拠はどういうことでしょうか。
#97
○政府参考人(片木淳君) 私ども、この制度が議論される以前でございますけれども、来年度の概算要求で三百五十九人という数字を用いております。これは過去の選挙の実績から、予算でございますので不足すると困るということで、過去二回の多かった年を参考にいたしまして、選挙公報の区切りの問題がございまして、三百五十九がちょうど区切りのいいところということで採用して概算要求をいたしております。
 今回の議員立法におかれましては、私ども三百五十九と使っておることをお聞きになられまして、同じような考え方で三百五十九人をお使いになっているというふうにお聞きをいたしているところでございます。
#98
○木村仁君 そうすると、この三百五十九人という数は発議者に聞いた方がわかるんですか。いかがでございましょうか。
#99
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 三百五十九人は、今までのいろいろの実績から見てこうだという話を自治省の方から我々聞いておるわけです。
#100
○木村仁君 目の子計算で積み上げられる数字ではありませんから、恐らく今までそうだったということで大体そういう数字が出ているんだろうと私も理解はいたしますが、一般の国民から見て大体どれくらいの人が立候補するんだろうかということは大変関心事でございまして、本当に単純な理屈からいえば四十八名の定数があるわけでありますから、できるだけ多くの人に努力をさせて、できるだけ多くの票をとるためには四十八人目いっぱい、少なくとも大きな政党は五、六千万の供託金を没収されても構わぬというところは出してくるのではなかろうかなというふうに思いますけれども、そういうことになるとまた不健全なことが起こるのかなと、そういうふうに思います。これは自問自答でございますから、お答えは要りません。
 それから、今回の改正附則において公定費用の基準法の改正が行われておりますが、これは技術的なことでございますからその内容について知りたいと思いますが、発議者でよろしゅうございますか。
#101
○政府参考人(片木淳君) 今回の改正附則におきます国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の改正の内容でございますが、一つは、非拘束名簿式比例代表制の導入に伴いまして政党への投票、名簿登載者個人への投票のいずれもが認められることになりまして、候補者別の分類、案分票の計算等の開票事務が複雑になると見込まれますことから、開票諸経費を増額されておられるということ。それから二番目といたしましては、氏名等の掲示について、当日の投票所における掲示及び不在者投票記載場所内の掲示の方法等に変更がありましたことから、候補者氏名等掲示費の額を改められたこと。この二点であるというふうに承知をいたしております。
#102
○木村仁君 午前中にちょっとだけ言及いたしましたが、地方公共団体の実務者に言わせますと、四百人近くもの人が各政党の参議院名簿によって出てきたんでは開票がもう大変難しくなるということを言うんですけれども、私はそれについては、まあ選挙の開票なんというものは本当は数日かかってやってもいいんだという気もいたしますけれども、事務担当者として自信がおありになりますか。
#103
○政府参考人(片木淳君) お答えをいたします。
 ただいまお答えいたしました基準法の改正によりましても、地方団体に向けまして基準の改正を行っていただいておるところでございます。
 今後、政令、省令は政府の方で整えるわけでございますけれども、それと予算、この点を詰めていきまして、事務につきまして万遺漏のないようにやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 開票につきましても、御指摘のとおり大変な人数でございまして、これを現場でどのように開票して行っていくかということは、従来にはなかった作業になりますけれども、全国区制度のときには百人、二百人の人数を開票していたわけでございますので、過去の経験も十分に研究しながら、早急に遺漏のないように詰めてまいりたい、このように考えております。
#104
○木村仁君 過去の経験のみならず、ITの時代でございますから、そういうことも駆使して、効率的な開票をお願いいたします。
 最後にもう一度申し上げておきたいと思いますが、この委員会は正当な手続によって成立し、そして審議を続けている委員会でございます。ここに与党各党以外の会派においては佐藤道夫先生一人しか出ておられないことはまことに遺憾であります。
 しかし、周知徹底の期間を考えるならばぜひ早く議決をして、その周知徹底期間を半年以上は置かなければいけないということを考えると、粛々として審議は進めなければいけないと思いますが、発議者の御意見を承って、終わりたいと思います。
#105
○委員以外の議員(片山虎之助君) 今、木村委員から大変適切なる御指摘をいただきました。
 この委員会は全く適法、正常な手続を経てできた委員会でございますし、そういう意味では我々は全く問題ない、こういうふうに思っております。むしろ、野党の皆さんがそれぞれの思惑でお出にならぬことが大変遺憾だと思いますし、今、木村委員が言われましたように、できるだけ早く十分な審議の後にこの法案を通していくということが我々の任務ではなかろうかと、発議者全員思っておりますので申し添えます。
 ありがとうございました。
#106
○益田洋介君 私どもが理解しているところによりますと、当法案は十分な協議が各党実務者の間で行われた末、最終的には与党三党が政策合意をした、そのようにして発案された法案でございます。
 まず、法案の立案の理由についてお伺いしたい、それが一点でございます。それからさらに、この法案の底流に流れます基本的な考え方、この二点につきまして、公明党の参議院制度検討プロジェクトの事務局長までお務めになっていた魚住議員にお答え願います。
#107
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) お答え申し上げます。
 参議院の選挙制度につきましては、参議院の創設以来、都道府県単位の選挙区、それから全国を単位とする全国区、二本立てで行われてきたわけでございますが、先ほど来御答弁ございますけれども、全国を単位とする旧全国区につきましては、選挙を行う地域が他の選挙と比べて格段に広いことから、候補者個人の肉体的、また経済的な負担が極めて過酷であるというふうに指摘されておりまして、先ほどお話しになりました残酷区、銭酷区というふうに称されてきたところでございます。
 そこで、候補者個人の負担を軽減して、政党の責任において国家有為の人材を名簿という形で国民に提示して投票を行う、そういう拘束名簿式比例代表制ということが昭和五十七年に導入されたわけでございますが、これにつきましても、政党が順位づけを行う名簿に対して政党名のみの投票を行うという形でございまして、顔が見えないということが指摘されておりました。また、過度の政党化がこの参議院にとってふさわしいのかという疑念もございましたし、政党の行う順位づけというものが有権者にとってわかりにくいんではないか、こういうことが指摘されていたところでございます。
 この拘束名簿式につきましては、我が公明党は反対の立場で、昭和五十七年当時反対を示していたところでございます。やはり顔が見える、そして参議院にふさわしい選挙制度を追求していくべきだと、そういう立場であったわけであります。
 その後、議長の方から二回選挙をしたら見直しも考えましょうということで声明が出されたところでございますが、それも各党各会派で議論をされてきたところでございますが、平成六年になりまして、衆議院でブロックではございますが同じように拘束式の比例代表制が導入されまして、より一層参議院における選挙制度の改革の必要性が認識されるようになってきたところでございますが、今日までなかなか政党間におきまして意見集約を行うことができないという状況であったわけであります。
 しかし近年、特定の支持政党を持たないといういわゆる無党派層も増加する中、有権者の政治意識が非常に多様化してきた。このまま拘束名簿式を維持して有権者に政党名投票のみを求めるということは、国民の多様な意思を反映できないんではないか。さらに、衆議院に対する抑制、均衡、補完というような役割が我が参議院には期待されているところでございますが、その独自性を十分に発揮するためにも、この拘束式というのは問題があるんではないかというふうな認識が広まってきたわけでございます。
 そして、来年が通常選挙でございます。この機を逃しますと、次の改革のチャンスというのが四年後になってしまう。そういうこともございまして、来年は二十一世紀の最初の年でございますので、この際、与党として国民に対して責任を負うというその立場で今回の改正案の合意に至ったところでございます。
 公明党におきましても、先ほど申し上げたようなやはり顔が見える選挙が必要である、いわば代表制の中における当選者の順位づけを有権者にゆだねるということでございまして、有権者にとってみれば、より有権者に近づく選挙制度への改正であるというふうに認識をしております。
 私ども公明党としてはブロック別の、比例区も選挙区も廃止をいたしまして全国を十程度のブロックにして、そこで個人名投票をすべきであるという改革案を持っているところでございますが、一歩前進をする改革案という評価をいたしまして、与党のほかの皆様と一緒に御提案をさせていただいている次第でございます。
 以上でございます。
#108
○益田洋介君 ありがとうございました。党の立場また考え方、よくわかりました。
 第二次世界大戦終了後に、現行憲法の制定時にさまざまな論議がなされて、二院制についても当然論議がなされまして、貴族院が終局的には廃止されて参議院が新しく設置された。
 なぜその参議院という名称ができたのか。参議院の参議という言葉は、これは国政に参与する、またはそのことをつかさどる重臣といいますか高官の名称であった。これは奈良時代から始まって明治の初期まで我が国に実際に置かれていた官職名でございます。そういった古い名前がなぜ戦後新しい体制で出発しようとした現行憲法の制定時の論議に出てきたか、このことについて若干興味がありましたので引用させていただきます。
 当時の憲法改正担当の金森徳次郎国務大臣は、このように述べております。古い言葉かもしれないが、諸国の制度を見て知恵を真に出して衆議院を補完し、議会の機能を達成しようという意味が参議院という名前には含まれている。私、来てからわかったわけでございますが、大変高尚な場所だそうでございます。
 さらには、最近ではイギリスの貴族院の機能、二院制のチェック・アンド・バランスの貴族院の機能を果たすために選挙によらないで、むしろ名誉職的なものとして大所高所から御審議を願う場所にしたらどうかというふうな意見まであって、かなり高尚な位置づけにされておる。
 一方で、今一般の方々、広く懸念されていることは、こうした議論を踏まえましても、今回の法案によって参議院の比例選挙が著名人やタレント候補といった人たちの人気投票化されるのではないかという懸念がなされております。
 この点につきまして、経験豊かな片山議員に御意見を拝聴したいと思います。
#109
○委員以外の議員(片山虎之助君) 今、益田委員が言われましたような御指摘をあちこちで私も耳にするわけでありますが、有名人、人気のある人といいましてもいろいろあるんですね。人気だけの人もありますしね。人気だけではなくてもう実力も十分ある、専門的な学識がある、もう大変レベルの高い文化人である、知識人である、いろんな有名人があると思いますが、実力ある有名人が参議院の選挙に出ていただくというのは私は大変いいことだと思いますよ、参議院の実力が上がるし。そういう意味で国民の方も大変関心を持っていただける、選挙運動も盛り上がる。そういう意味で、実力ある有名人の皆さんにはぜひ出ていただきたい。
 各党は、そういう人を名簿の中に入れるような私は努力をすべきだと思いますが、ただ単に人気があるだけ、有名であるだけの人を、そういう人ばかりをずっと選ぶような政党というのは、長い目で見れば結局国民から信頼されない、票だけ欲しいのかと、私はこういうことになると思いますね。また、そういう意味では国民の皆さんも大変賢明で良識がありますから、そういう政党はやっぱりその評価を下げると思いますよ。
 そういう意味で、私は、政党自身の自制と国民の良識で、今いろいろ言われている有名人投票化するんじゃないかという心配はそんなにないのではなかろうかと。過渡的には幾らかあるにしても、長い目で見ればそういうことに私はならないと、そういうように信じておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
   〔理事鴻池祥肇君退席、委員長着席〕
#110
○益田洋介君 各政党、ただいま御指摘いただいたようにそうした方向性で、視座をそうした点に据えて、やはりこれから人選を一生懸命やっていただけるものと思っております。
 さらにはまた、選挙民の方々も十分に、先ほど申し上げたような参議院の成り立ちの由来、それから名称の由来、そういったことを御理解いただいた上で間違いのない選挙をしていただけるものと信じております。
 それから、他の先進諸国、特にヨーロッパのオランダですとかベルギー、スイス、オーストリア、スウェーデン、デンマーク、フィンランド等では既に非拘束名簿方式が導入をされて運用がなされております。さまざまな小さな点での差異はそれぞれございますが、非拘束名簿方式というのがこれだけ時間を経てなおも有用に運用されているということは、やはりこれはいい方式であるという一つの証左ではないかというふうに、歴史的にも現実的にもそういうふうなことではないかと思います。
 それで、さまざまな各国におきまして議論や経験を経た末で導入した方法であるといったことで、そういうメリットというものも当然、委員の方々、発議者の方々、議論をされ研究をされて、そして今回この法案を立案するに至ったというふうに私は理解しております。
 この点について若干の見識、御見解というものを須藤議員にお伺いしたいと思います。
#111
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 見識のほどはないのでありますけれども、今、先生御指摘のとおりに、非拘束名簿式比例代表制は、オランダ、ベルギー、スイス、オーストリア、スウェーデン、デンマーク、フィンランド等各国で導入されておりまして、今回の改正案のような、名簿登載者の間に順位をつけない完全な非拘束名簿式の比例代表制も既にフィンランドでは実際に運用されているというふうに聞いております。
 こういうふうに非拘束名簿式比例代表制が多くのヨーロッパの先進諸国で採用されており、しかもこの比例代表制の主流を形づくっているということは、議員がおっしゃるように、私もこの制度が円滑に行われているというふうな証拠ではないかと、こういうふうに思っておるわけであります。
 この拘束、非拘束とは関係ないのでありますけれども、せっかくの機会でございますので、参議院の存在とも関連いたしまして若干申し述べさせていただきたいと思います。
 一院制がこの時代の趨勢であるような誤解が多いわけでありますけれども、このところ二十近い国々が新たに二院制を導入しているという実績はやはり強く認識すべきじゃないかと、こういうふうに思っております。
 例えば、現在準備中のものを含めまして、ポーランド、ルーマニア、チェコ、ユーゴスラビア、クロアチア、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、南アフリカ、ガボン、ナミビア、レソト、フィリピン、マラウイ、マダガスカル、コロンビア等、たくさんの国々が挙げられております。
 これらの二院制増加の原因としては、冷戦終結後の諸国の民主化、改革の成功、及びアフリカ等独立後の政治情勢の中では一院制しかとり得なかったような国々がその民主化の進展によってこのような複雑な制度を採用できるようになったものであるというふうに思っております。
 参議院のような直接公選型の上院の増加の理由につきましては、直接公選の二院制がおおむね十四ほどあるわけでありますけれども、これは最近の改革によってこれが設置されておるということでありまして、これはさきに行われた上院サミットの対象国となっておりますフィリピンとかルーマニアとかコロンビアとかチェコ、ポーランド等であります。
 これらの国々につきましては、ある程度の人口規模を擁し、あるいは近年専制的な国家体制から民主化を実現した国々であります。こうした国々においては、国家の民主制の最終的な担保として上院が設けられ、上院の権限というものは極めて強いものとなっておるわけであります。
 日本の参議院は、私は、現代社会で最も進んでいる制度ではないか、日本の参議院はそういうものではないかと、こういうふうに認識しておるところでございます。
#112
○益田洋介君 ありがとうございました。
 ただ、私も若干の勉強をさせていただきまして、ほかの国の選挙制度でございますが、ベルギーの非拘束名簿式というのは、日本の場合、今発案されております法案では全国を一つの選挙区ということでしているわけでございますが、ベルギーは国を三十の選挙区に分けまして、定数は人口の比率にしているというふうな方式をとっております。先ほど魚住議員が、最終的には十ぐらいの選挙区に分けてというふうなお話をされておりましたが、こういうふうなことが既にベルギーでは導入をされている。
 このことのメリットはどういうことかといいますと、選挙民の方々と候補がより緊密な、選挙運動のときもそうでございましょうけれども、対話ができるということで、全国一つの選挙区では広過ぎるんじゃないか、こういうふうな考え方も当然あるわけでございまして、この件につきましては、発議者の方々、発議をされるに当たりましての議論の最中にありましたんでしょうか。もしありましたとしたらどういうふうな御意見が交わされたか、その辺を須藤議員に伺いたいと思います。
#113
○委員以外の議員(須藤良太郎君) おっしゃる問題は、特にそういう提案もなされておるわけでございまして、確かに全国では広過ぎる、もう少しブロックを小さくして選挙してやったらどうか、こういう御意見があることはよく承知しておるわけでございます。
 衆議院がああいう形で、十一ですか、比例代表の制度を持っておることもございますし、またやはりこの制度自体が全国的に職能なり職域なりあるいは組織、そしてまた知名度の高い優秀な人材を出そうと、そういう全国的な規模での考えから発足しておるわけでございまして、そういう意味では確かに広過ぎるという面もありますけれども、この全国単一の選挙区をぜひ維持していきたいと、そういうことで一応決定したわけでございます。
#114
○益田洋介君 ありがとうございました。
 これはいずれにしましても将来的にまた議論がなされるべきテーマではないかというふうに考える次第でございます。
 それから、九月六日でございますが、先月、最高裁の大法廷が一九九八年の参議院選挙の結果で、これは要するに一票の格差ということで四・九八倍あった。これの合憲か違憲かという議論の末に判断を下したわけですが、結果的には合憲ということでございましたが、十五人の合議体裁判官のうちの五名の裁判官が違憲であるという主張を最後まで曲げなかった。そして、是正をすべきであると、こういうふうな提言をして今日まで至っているわけでございますが、この点について保坂議員、どのようなお考えでしょうか。
#115
○委員以外の議員(保坂三蔵君) 私からお答え申し上げます。
 お話がございました九月六日の最高裁大法廷のさきの九八年の参議院通常選挙の四・九八倍の一票の格差の問題でございますけれども、お話しのとおり合憲という判決でございました。しかし、十五名の裁判官のうち五名、三分の一の方々が違憲という意思を表示いたしましたことは大変重いことだと思っております。しかしながら、このことに関しましては立法府の立場から、司法の独立性をかんがみますと、論評することはいかがかと思っているところでございますが、したがいまして、私からは一般論といたしまして一票の格差についての見解を申し上げたいと思っております。
 参議院の選挙につきましては、私どもが考えなくてはならないのは、選挙区の特殊性というものに心を寄せなくてはいけないのではないかと思っております。参議院が創設以来、都道府県単位を選挙区としてきたことは御案内のところでございます。あわせて、半数改選、さらには三年に一度でございますから、したがって偶数で選挙区の定数を配置していかなくてはならない、こういう基本的な枠組みがございます。それは、先ほど片山発議者からも御説明があったところでございます。
 このような仕組みを現実的に処理してまいりますと、定数のうち半分の七十六名、百五十二名の選挙区の定数の七十六名のうち既に四十七都道府県でもう一名ずつとってしまうわけです。残りの二十九名の中で格差是正をするわけでございますから、これは正直言ってなかなか難しいわけでございます。
 参議院が創設されたときでさえも既に二・六二倍の格差が存しておりましたから、我々は、こういうことを考えますと五倍程度の格差というのはある意味では仕方ないんではないだろうか。しかし、それがもし仕方ないんではなく是正をしなくてはならない、例えば益田先生からお話がありましたように、全国で、あるいはブロックでというような方法をとっていくということになりますと、都道府県単位を要件としておりました参議院の選挙区の制度そのものを変える必要性が出てくる。
 あるいはそれをやらないといたしますと、例えば私は東京出身でございますけれども、今回の鳥取、東京間の一票の格差の重みで申し上げますと、鳥取県は人口六十二万でございまして、二名を一名で割りますと三十一万が配当基数になります。三十一万で東京都の一千百六十万を除してまいりますと、東京都には三十六名の議員が必要になるということになりまして、このままの数字を全国で当てはめてまいりますと、おおむね全国では三百五十五名の定数が必要になってくる。我々は定数削減しようとしている昨今の情勢の中、百名ふやさなくちゃならない、こういうような計算式も成り立つわけでございます。
 したがいまして、現状の方式をとっていくということになれば、五倍以内はやむを得ない。また、私ども東京都民の一人といたしましても、今度は非拘束の比例代表制の選挙が行われるわけでございますから、そのあたりでもフラストレーションは解消できるんではないだろうか、このように評価をしているところでございます。
#116
○益田洋介君 それでは、同じ問題でございますが、法律の専門家でいらっしゃいますし、東京在住、前回の選挙は東京選挙区からお出になった魚住議員、この定数是正の問題、それから定数削減の問題、御意見を拝聴したいと思います。
#117
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) お答え申し上げます。
 定数削減につきましては、公務員の数でありますとか、また民間企業が一生懸命大変な不況の中リストラをやっているわけでございまして、小さな政府、そして効率的な政府ということを考えた場合、やはり定数削減をしていくべきだというふうに基本的に考えるところでございます。これはもう今回御提案をさせていただいております十という数字、今回合意をさせていただいて、大体同比率という形で御提案をさせていただいているところでございまして、この程度はぜひ実現をさせていきたいというふうに考えておるところでございます。
 さて、一票の格差ということでございますが、今御指摘のとおり四・九八倍、今、保坂議員からは一対五程度はやむを得ないんではないかと。まあそういう数字になりますとぎりぎりの数字になるわけでございまして、先ほど保坂議員からもお答えありましたように、都道府県単位の選挙区制というものをもう一回見直す必要が将来出てくるかもしれない。また、大幅な定数増と、特に東京の場合私もそういうふうに考えるところでございますが、そうすると、逆に鳥取等考えた場合どうなるのか、大変難しい問題に遭遇するわけでございます。
 今後なお、今回の改正にもかかわらず、さらに議論を詰めていきたい、このように考えている次第でございます。
#118
○益田洋介君 東京二十一区の補選が先ほど告示になりました。非常に残念な事件が起きてしまったわけでございますが、これは私どもの院ではございません、ハウスではございませんでしたが、やはり当然のことながら、選挙のたびに国民の方から国会議員の倫理観とか質とか、そういったものが問われる、残念なことではございますが、そういった現況だと思います。
 最近私がお話をする機会がありました慶応大学の村田昭治名誉教授という方が、やはり国会議員の資質について、もっと各政党また候補者本人がいろいろと考慮すべきじゃないかというふうな大変厳しい御意見を拝聴したわけでございますが、村田名誉教授によりますと、国会議員というのは本来創造力にあふれていなきゃいけない、それから洞察力を持っていなきゃいけない、創造力と洞察力を持続する力がなけりゃいけない、そういう多面的な才能を持った人間が望まれるんだといって、全く私とは反対のことを言われたのかなと非常に耳が痛かったわけでございます。
 経験豊かな、また人材を輩出しておられます片山議員、一般論で結構でございますが、将来待望される国会議員の心構え、そういったものを、特に私どもの選挙、来年でございます、心してまいりたいと思いますので、御指導賜りたいと思います。
#119
○委員以外の議員(片山虎之助君) どうも益田委員に大変難しい宿題をいただきまして、私も常日ごろ国会議員のあり方、政治家のありようということを考えております。自分としてはまだ結論を得ておりませんけれども、今、益田委員が言われたことは全くそのとおりだと思います。そういう意味で、今後お互いに十分あるべき政治家像を目指してともに精進してまいりたい、こう思います。
 そういう意味で、この選挙制度も、そういう議員を選ぶ一つの、私は選ぶ方法としては大変今よりは進んだ制度だと、こういうふうに確信しておりますので、まずこの選挙制度をしっかりと成立させることに全力を挙げたい、こういうふうに思います。
#120
○益田洋介君 やはり国のため国民のためということで、青雲の志を持って防衛庁で働いておられました月原先生、保守党の立場から御意見を拝聴したいと思います。
#121
○委員以外の議員(月原茂皓君) どうも私が答えるには大変重い質問をいただきまして、恐縮しております。
 今、益田先生のおっしゃったような資質、足らないところがあればお互いに切磋琢磨してそれに近づくように努力し、またこの選挙制度を通じてより若い人たちの中から国のために役立つ人が参議院に出てくれることを期待し、お互いにこの法律を早く成立させてそういう機運を盛り上げていきたい、このように思います。
#122
○益田洋介君 ありがとうございます。
 これだけやはり大事な議論が今回の特別委員会のテーマとして私たちの眼前にありまして、我々は今粛々と審議を進めているわけでございますが、こういった国会のシステムそのもの、また国会議員の資質にもかかわるような大事な議論に参加してこないという野党の方々、非常に残念に思います。もし国会の中のテレビあるいはラジオ等で聞いている方がいたら、ぜひもう一度真剣にお考え直しいただきたい。やはり国民の皆様を裏切る結果になってしまうんじゃないか、そういう心配をしてならないわけでございます。
 最後に、非常に現実的な問題で一問だけ質問させていただきたいと思いますが、例えば選挙区候補の方の場合、具体的には例えばポスターを並べて、比例区と選挙区とを並べられた場合に、なるべく比例区の場合も顔が見えるということで、個人名を書いていただきたいということでございます。この際、選挙民の方に混乱が生じはしないか、そんな気がしてならないんですけれども、何か特別いい手だてというのは、発議者の方、細かい点ではございますが大事な点だと思いますので、お話しになられたんでしょうか。
 東京選挙区の保坂先生、いかがでしょうか。
#123
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答えいたします。
 今回の選挙はあくまでも比例選挙でございまして、多数の個人選挙じゃございませんので、政党とそれから個人が補完し合って選挙を戦う、しかも運動量も七割に抑えられているという点では、全国的な選挙になるのに気の毒な点もございます。しかし、私どもから考えれば、今回の選挙によって全国的な選挙の運動におれは向かないと言われるような立派な方でも当選させるべく、集票能力のある方を戦術的に前面に出してこられると思いますが、そのことをもってそれぞれの選挙区で選挙区から立候補している人と直接的にバッティングするということはないと思います。
 ただ、町の中に一方では公営掲示板に選挙区の候補者の名前が出る、公営掲示板の横に比例区の候補者の名前が出る、こういう点では同じ政党でも二人出ているような錯誤があり得るとは思いますので、それは技術的にしっかりと、違う選挙の、二回投票する選挙の二種類のポスターであるということがわかるようにしていけば決して失敗はないと思っております。
#124
○益田洋介君 特に、都議会議員選挙も来年の夏は行われるわけでございまして、東京都の場合は何種類ものポスターが並ぶことになるわけでございます。この点やはりしっかり、無効投票を出すということはもったいないことですし、これは当然我々も、国会議員も留意していかなきゃいけないんですが、やはり監督官庁である自治省、具体的にこれはどういうふうな方策を考えていますか。東京の場合は三枚も四枚も張られるわけですね、同じ政党から。いかがですか。
#125
○政府参考人(片木淳君) ただいま御指摘のような問題もあろうかと思いますので、私どもは選挙民であります国民の皆さんに対する啓発には十分取り組んでまいりたいと思いますし、また選挙事務を執行しておる担当につきましても、まだ法案が成立したわけではございませんが、今後進むに応じまして私どもも徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
#126
○益田洋介君 具体的な話まで詰めていらっしゃったのかと思ったんですが、まだ法案が通過していないと、それはそうなんですが、ぜひとも留意をされて、一票の格差と言っているそれほど大事にしている一票でございますから、無効票がぜひ出ないような方策を頭脳を絞ってぜひとも実現させていただきたい、そのようにお願いして質問を終わります。
 ありがとうございました。
#127
○佐藤道夫君 佐藤でございます。
 まことにもって異常な事態としか言いようがございません。参議院のあり方そのものにかかわる選挙制度をどう改めるかと、抜本的な改正を施そうというこの法案審議の際に、ほとんど半分以上と言ったら怒られるか、半分近くの席がもうあいたままになっている。これは一体どうしたことであろうかと、私は思わずそう言わざるを得ません。
 これにつきましては、与党サイドからは、これだけ重要な法案の審議に出てこない、審議拒否と、民主主義の敵だと、こういう言い方がなされております。一方、野党サイドからは、それだけ重要な法案をある日突然、唐突に提案して、さあ審議をしてくれと、もう今国会なるべく早く結論を出したい、急げ急げと、そんな大事なことをそう言われても早急に応ずるわけにはいかないと、与党こそ民主主義に反しているのではないかと、こういう意見もあるわけであります。
 さて、いずれが非なのか。国民に聞いてみれば、それはどっちもどっちじゃないでしょうかと、こう言うに違いないと思います。
 実は、私、この問題が起きてから、周辺にいる人たち、家庭の主婦を初めとして大学生、サラリーマン、友人、知人、時にはタクシーに乗った際にタクシーの運転手にも、今国会でこういうことが問題になっている、君たちわかっておるかと。だれ一人答える者はいない。さあ、たしか参議院の選挙制度を改めるとかいうふうには聞いておりますが何をどうするんですか、そこまで答えた者はむしろ優の方でありまして、大体は、さあ何も知りません、何か国会が勝手にやっているんじゃないでしょうかと、自分たちが好きにやればいいでしょうと、そんなこと我々に意見を求められても困りますよと、これが国民の大多数の率直な感想だと思います。
 なぜこうなったのか。これはやはり与党サイドに重大な責任があると、私はこう言わざるを得ません。
 まさしくある日唐突に、いやもう何年も前から議論してきたんだと言いましても、国会内部でひそかに議論がされていたことはあるかもしれませんけれども、それが一度も新聞をにぎわせたこともない、テレビに取り上げられたこともない、全くもって国会議員だけの話として進んできまして、さあ改正するぞと、これは国の将来、二十一世紀を見据えた大変な改正なんだと、こう言われても、国民は全くもって無関心そのものでしょう。そんなことは勝手にやってくれと、こちらはこちらで忙しいんだと、こう現に言っているわけであります。
 やっぱりこういうことはきちっと与党から、こういうことで法案を出したいと、国民の皆さん、御理解してもらいたいということを、幅広く強く何回にもわたってPRすべきでしょう。
 あるいはまた、そういう話し合いの場を設けて、野党に来ていただいてそして話し合うと、それをまたマスコミが取り上げて報道する。それで次第次第に国民の関心が高まっていって、あの問題はおれはこう思う、おまえはどうだと、いやおれはこっちだと、おまえはあっちかということで盛り上がっていく、これが本当の民主主義なんじゃないかと私は思うわけであります。
 私だって、本当のことを言うと余りこんなの関心も何もなかったんですよ。私自身も来年か何か選挙になるらしいのですけれどもね。その私が、非拘束名簿とは何だと、こういうことを最初に聞いたくらいなんですよね。
 ですから、与党といたしましては、もう一回思いをなして、やればいいと。相手が応じてこないのが悪いんだと、そんなことを言うのは簡単なんですけれども、責任ある立場ですから、もう一回この問題を振り出しに戻して考えると。
 今私が言ったようなこと、国民がほとんど無関心だということについて、提案者の方でどなたでも結構ですからコメントをいただければと思います。
#128
○委員以外の議員(片山虎之助君) それでは、私がお答え……
#129
○佐藤道夫君 簡単で結構ですから。
#130
○委員以外の議員(片山虎之助君) ああそうですか。
 この問題が唐突だという御指摘でございますが、これは拘束比例代表制を導入したときに議長が、これ二回やったら見直そうと、大変問題がある制度だと、こういうことを言われて、平成二年でちょっと昔ですけれども、第八次の選挙制度審議会できっちり議論して、今我々が考えている法案と同じ答申をしているんですね。あるいはことしの議長の有識者懇も同じことを言われている。ずっと埋もれ火のように何回も参議院の中では議論してきたんですよ。
 ただ、佐藤委員言われるように、国民に対する啓蒙やPRが十分かというと私は十分でないと思います。もともと選挙制度というのは大変わかりにくい。しかも、名前が拘束とか非拘束とか、法務省の何とかの用語みたいなあれですからね。それは私は各党全部の努力が必要だと、こう思いますから、おまえ少し遅いじゃないかという御指摘ですけれども、今からでも十分国民の皆さんに理解していただくような我々も努力をしてまいりたいと、こう思います。
#131
○佐藤道夫君 平成二年に議論して答申をと言ってみましても、それから死んだ人も大勢いますし、新たに選挙権を取った人もいますし、その人たちは本当に何も知らない。もっときちっと説明をして、これ法案を決めるのは国民ですから、国会議員じゃございませんからね、そして国民の意見を踏まえて話を進めていく。これは当たり前のことでしょう。民主主義の原点だと言ってもいい。
 今、与党の話を出しましたけれども、ほぼ四十年ほど前に池田勇人という総理大臣がおりまして、彼のモットーは寛容と忍耐、こういうことでした。要するに、あの当時、自民党はもう三百近い議席、圧倒的過半数を誇っていたんですけれども、それを率いる人が、民主主義というのはそういうものじゃないんだと、野党、少数派の意見に耳を傾ける、時間をかけて辛抱してやっていく、寛容と忍耐ということをスローガンみたいにして言っておられました。私、よく覚えております。
 これだと私は思うんですよ。野党が反対するのはけしからぬとか決めてしまえば、もう数だけで決まるわけですから、国の政治というのは。
 この前亡くなられた小渕総理も謙虚という言葉を使っておられたでしょう。一段とへりくだって野党の言い分に耳を傾けてとるべきものはとると、率直な意見を交換してその中から国の一番役立つ法案は何だということを決めていく、そういうものだというのは私よくわかると思うんですよ。
 それから、決断と実行と言った方がおられました。田中角栄さん、決断と実行。そして、彼はじっと、あのときも自民党はもう三百近い衆議院の構成員を握っていたわけですけれども、あのときも決断と実行、さて何をやるかと思ったら、突如として小選挙区制の導入を言い出したわけです。まさしく国民皆があっと驚いた。野党もびっくりして、こんなものは認められないと言って猛反対、マスコミもこれに対して反対と。いかに何でもこういうことは国民全部で議論すべきではないのかと、こういう意見が圧倒的に多かった。
 そこで、田中角栄氏はどうしたかというと、しばらく若干考えまして、そうかと、じゃこれはもうやめたと。この取りやめについても彼ははっきりと決断と実行をしたわけですよね。
 大事なことだと思いますよ。民主主義の根幹は私はこういうことにあるんです。やっぱりみんなで議論をする雰囲気が大事じゃないかと。
 何か今回のいきさつ、私どちらの肩を持つわけじゃないんですけれども、やっぱり野党の言い分にもそれなりに言い分があるでしょう。票の横流しにつながるとか、いろんなことが言われております。
 そもそもが比例代表というのは民主主義の根幹、政党政治そのものですから、政党が責任を持って政策をぶつけ合って、A党、B党が投票してくれと、国民はA党を選んで投票をする。その中から国会で活躍する議員にはどういう人がいいか、政党が責任を持って一から十五番なら十五番まで順位をつけて、その上位十名が国会に送り込まれる。これは当たり前のことでございましょう。それが政党がやるべきことをやらないと。そういうことは大体裏で金が動いているから、それが国民にわかったら大変なことになると。
 では何かいい方法はないかと、じゃ非拘束名簿式だと、名前を書かせようやと。それが開かれた政治、顔の見える政治だと言われましても、自民党の二十名のうちだれを国民は知っているというんですか。周辺にいる人一人二人ならわかるかもしれませんけれども、その順番がこれでいいのかどうなのかと、こう言われたって国民は応答のしようがない。北海道の人間が大阪を中心として立候補している人を、一体あれは自民党の第何位ぐらいに当たるんだろうかと、こんなことを言われたって困るだけですよ。
 率直に言いますと、これは政党の責任ですから、自民党が党大会を開いて、その場で大勢の党員を集めて候補者一人一人に演説をしてもらいまして、質疑応答もして、そしてさあ投票してくださいよと。それは少なくとも党の党員の間では顔の見える選挙、そこで候補者の順位が決定される。マスコミもそれはおもしろいといってかなり大々的に報道するでしょうから、その他の国民、党員でない国民も、ああ自民党は今度こういう人をリストアップしているのかと、おれはこの男に入れようか、いやこっちがいいんだろうかと、そういう議論も沸き上がってきて、顔の見える選挙になっていくと。各党皆そういうことをやれば大いに盛り上がっていくんだろうと思います。
 さあ投票してくださいよと、選挙が始まったらもう自民党のことなんかどうでもいいんでしょう。要するに、二十人リストアップされれば十五番目に入ることが問題ですから、自民党はいい政党ですなんと言う人は一人もいませんよ。おれのことを知ってください、おれに投票してくださいと走り回るだけですよ。それで比例代表制だと、政党政治の根幹をなす比例代表制だということで大口たたけるんですか。本当に不思議でしようがない。
 大体時間でございますので、今早口で申し上げましたけれども、要点についてお答えください。時間は幾らかかっても結構ですから。
#132
○委員以外の議員(片山虎之助君) 佐藤委員、いろんなお立場がありお考えがある中でこの委員会に御参加賜っていることには、発議者として私はまず感謝を申し上げたいと、こう思います。
 それから、池田総理や小渕総理のことを言われて、寛容と忍耐、謙虚、全くそれは心しなければならない、政治家全部、特に与党は心しなければならないことだと思いますけれども、同時に、国会の手続、ルールはちゃんと守るということが必要でございまして、国会は国会で審議するところなんですよね。国会で審議して、審議を尽くして物を決めていくというところでございますから、自分が嫌いなものは出てこないとか、自分の嫌いなものが決まるのは嫌だとかというのは、これは民主主義の根幹を否定するようなことになりますので、その点は私は御一考いただきたいと思いますし、候補者の選び方は各党それぞれが考えて、それぞれが自信を持つちゃんとした候補を出すので、今、佐藤委員が言われたことも一理ないとは言いませんけれども、それは各党に対するやや冒涜のような点もありますので、選び方が、二十人選ぶのが、だれもどこも何にも知らないような人を選んで、党の悪口を言いながら選挙運動をするなんということは、佐藤委員のお考えでしょうけれども、必ずしも私は実態はそういうことじゃないと、こういうふうに思いますので、各党のそこは候補者の選び方、選挙運動については各党にお任せ賜りたいと、このように思いますし、粛々と我々は審議していきますので、今後ともひとつ御協力をよろしくお願いいたします。
    ─────────────
#133
○委員長(倉田寛之君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案の審査のため、来る十月十二日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#135
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#136
○委員長(倉田寛之君) 現時点におきましても、民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び無所属の会所属の委員の出席が得られておりません。
 出席が得られ、質疑が行われることをお待ちいたします。
 再開時刻は追って連絡することとし、暫時休憩いたします。
   午後二時四十二分休憩
     ─────・─────
   午後五時十五分開会
#137
○委員長(倉田寛之君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を再開いたします。
 この際、御報告いたします。
 民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合、無所属の会及び自由党所属の委員の御出席を得て、質疑が行われることをお待ちいたしましたが、御出席が得られませんでした。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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