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2000/10/13 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 選挙制度に関する特別委員会 第6号
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2000/10/13 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 選挙制度に関する特別委員会 第6号

#1
第150回国会 選挙制度に関する特別委員会 第6号
平成十二年十月十三日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月十二日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     泉  信也君
     若林 正俊君     久野 恒一君
 十月十三日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     鶴保 庸介君
     岩城 光英君     亀井 郁夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                小山 孝雄君
                鴻池 祥肇君
                森山  裕君
                森本 晃司君
    委 員
                阿南 一成君
                泉  信也君
                入澤  肇君
                岩瀬 良三君
                亀井 郁夫君
                木村  仁君
                久野 恒一君
                斉藤 滋宣君
                鶴保 庸介君
                仲道 俊哉君
                長谷川道郎君
                林  芳正君
                吉村剛太郎君
                弘友 和夫君
                益田 洋介君
                佐藤 道夫君
   委員以外の議員
       発議者      片山虎之助君
       発議者      須藤良太郎君
       発議者      魚住裕一郎君
       発議者      月原 茂皓君
       発議者      保坂 三蔵君
   国務大臣
       自治大臣     西田  司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       自治省行政局選
       挙部長      片木  淳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(片山虎之
 助君外四名発議)

    ─────────────
#2
○委員長(倉田寛之君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○小山孝雄君 おはようございます。自民党の小山孝雄であります。
 今週最後の日になりましたが、本日も佐藤委員を除く野党の皆さんの御出席がいただけておりませんことを大変残念に思う次第でございます。
 質疑に入りますが、ここに「日本国憲法制定の過程」という、これは本のコピーであります。連合国総司令部側による記録でございまして、この中に参議院の誕生の経緯が書かれてございます。
 御案内のとおり、マッカーサー草案は一院制になっておりました。ところが、日本は貴族院があるのできっと日本側は二院制を要求してくるであろうという想定のもとに、ケーディス大佐は、内部には最初から二院制の案もあったにもかかわらず、一院制にしよう、一院制の草案を総司令部案としようと。きっと日本は二院制を要求してくるに違いない、そうしたら、それはいわゆる変更のできない、すなわち米国本国政府の指令、SWNCC、スウィンク指令に基づく変えてはならない政策の一つではないから、それをのむかわりに、受けるかわりに総司令部案のすべてをのめ、その取引の種として役立たせられると、憲法草案の実務者の最高責任者のケーディス大佐がそのようなことを語ったということが記録に残っております。
 そして、昭和二十一年二月十三日でありますが、これは一つの今日の日本をつくる運命の日でもあると私は思うわけでございますが、総司令部案が松本国務相に、憲法担当大臣に草案が手交されるわけであります。松本大臣はケーディスが予測したとおり、一読をし持ち帰り熟読熟考いたします、こう答えるのですが、その時点で、ただ一点、一院制に対して異議を申し立て、日本側は二院制を希望しますという発言をしておるわけでございます。
 その後の過程で、草案では国会という極めて単純な表現になっておったのが衆議院、参議院ということでその倍ぐらいの量の憲法条文になり、現在の四十二条、「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。」という案になって今日に至っておることは御案内のとおりでございます。すなわち、今日我が国が二院制をとり、そして参議院があり、そのもとは現憲法のこの誕生の秘話の中にその経緯を見出すわけでございます。そのことを私は常に参議院にあって思うものでございます。
 そこで、発議者の各党代表にお尋ねをいたします。
 選挙制度の改革というのは、これは常にあるべきその議会の姿、あるべき参議院の姿というものに、理想に限りなく近づく、そのための手段であって、そのためにこそ改革が行われてきたんだと思うわけでございます。そこで、法案の質疑に入る前に、よく参議院は良識の府だ、こう言われておりますが、良識の府と言われるゆえんをどうお考えになり、そしてまたあるべき参議院というものをどうお考えになっていらっしゃるか、自民党、公明党、保守党の代表お三方にお願いを申し上げます。
#4
○委員以外の議員(片山虎之助君) さすがに小山委員は憲法調査会の理事さんだけあって、憲法の制定過程も相当御研究されておりまして大変参考になりましたが、二院制をとっているわけですね、我が国は。そうしますと、一院を衆議院にし、第二院を参議院ということにしますと、やっぱり一院というのは権力争奪の府なんですね。その権力争奪を生々しくやるところと、距離を置いてもう一遍いろいろなものを考え直してみる、こういう役割が一番大きいので、そういう意味で参議院は良識の府だと言われる。衆議院が良識がないとは言いませんよ。ただ、参議院の方が良識がある。そのために、仕組みも例えば六年の任期保障をして、安んじて落ちついていろいろなものが審議、研究できる、あるいは被選挙権は三十歳にして思慮分別がある人から選んでもらうとか、そういうこともあるし、選挙制度もやはり党よりも人、こういうことがどうしてもあるんだろうと思いますね。
 そこで、あるべき参議院というのは、衆参あわせて国会として国民の代表としてのいろんな機能をしっかり果たしていくということは、衆議院とは違う国民の意思を、国民の意思は多元的ですから、それを吸い上げる、しかもそれを党という集団じゃなくて個々人の良識でできるだけ発揮していく、こういうことが私は参議院だと思いますし、またこれもよく言われておりますように、衆議院との関係では抑制、補完、調整ですか、衆議院の行き過ぎを抑え、衆議院の足らざるを補い、衆とあわせて全体で均衡をとってバランスをとる、それが国民の期待にこたえるゆえんだと、こういうふうに考えております。
#5
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) 存在意義、それからあるべき姿、そして良識の府、同じような観点から考えられるところでございまして、今、片山発議者が述べられたことにオーバーラップすることとなろうかというふうに思っております。
 第二院はなぜあるのか、第一院と同じ議決をすればその存在意義はない、あるいは第一院と違う議決をすれば反動になる。たしかシエイエスかだれかが言ったと思いますが、第二院というものはそういうふうに見られてきたところでございます。
 しかしながら、やはり第一院のみの議決でドラスチックに物事を決めていくということよりは、より丁寧に民衆、国民の意思というものを反映する制度、これが私は日本国憲法において二院制をとられた一つの理由ではないかというふうに考えているところでございます。
 それに見合った制度として、被選挙権が三十歳以上。四十歳以上がいいのではないかとかいろんな議論があったというふうに伺っておりますが、三十歳以上。また、解散なしの任期六年という制度になっているわけでございまして、落ちついた、そして良識ある議論ができる、これを目指しているのではないか、このように考えているところでございます。
 私も参議院の憲法調査会に入れていただきまして勉強させていただいているところでございますが、現憲法の審議をする際に、貴族院の議論が非常にハイレベルで、もう教科書、さらに参考書といいますか、そういうような議論をこの場でやっておられた姿を見まして、やはり理性的な、知性に基づく審議ができる、またそういうような人を選ぶことが必要である、そのための選挙制度にすべきであると。ですから、今回私どもはこの法案を提案しているところでございますが、より人物がわかるような制度にすべきである、このように提案をしているところでございます。
#6
○委員以外の議員(月原茂皓君) 小山議員、大変勉強されて、私もお話を聞いて参考になったところが多いわけですが、今既に片山、魚住両議員からお話があったところと私は基本的には考え方が同じでありますから、重複を避けて申し上げますが、やはりこれから、森総理もIT時代だとか、こう言って情報化が非常に進んでくるとやはり一気に国民の世論というものが固まってきて、そして小選挙区制度における衆議院、それはそれにこたえなければならないという要素が非常に大きくなってくる。そういう意味において歴史的な、今、小山議員の言われたこともありますが、これからさらに二院制という参議院の任務は別の意味で大きな意味を持ってくると思います。
 要するに、最終的に言えば、この二院制というものをもって国が本当に活力ある、それぞれの機能を発揮する、国家をよくするのにどうすればいいかという観点から考えなければならない。それには、今既にお話のあるとおり、選挙制度あるいは年齢の問題とか、それから国会における機能とか、衆議院に与えられた機能と参議院におけるそれぞれの処置の仕方が違ってくると思いますが、私は、そういう点において別の角度から、特に参議院で今議題になっておる点を特に申し上げると、比例代表制の議論からいえば、やはり国家として、いや、現在の政治において政党制というものを参議院から完全にぬぐい去ることはできない。それは戦後のこの参議院の歴史がそれを示しているわけであります。そうかといって、余りにも政党化が強過ぎる、政党の締めつけがきつ過ぎて、それが逆に拘束制になってきて国民から非常に離れた存在になってくる、そういうふうなことになってはならない。最後は国民の代表であるという正統性を確保しなければならないという点から考えなければならない。私もそのように考えているわけであります。
 お答えに十分なっているかどうかわかりませんが、既にお二人の委員が述べられた別の観点から私は取り組む観点も出てきたんではないかということをあえて申し上げたいと思います。
#7
○小山孝雄君 ありがとうございました。
 御案内のとおり、参議院発足当初には、いわゆる保守的な考えを持ちながらも衆議院の多数派とは一線を画する無所属議員から成る緑風会というのがございました。大勢力でありました。最大会派であったわけであります。当時の活動といたしまして、国家行政組織法案や破壊活動防止法案などの審議の際に重要な修正を行ったり、あるいは緑風会の議員提案でできた法律には、年齢のとなえ方に関する法律あるいは文化財保護法などがあることは御案内のとおりであります。しかし、時代とともに、衆議院における多数派あるいは政府からこうした参議院のあり方についていろんな意見が起こり、選挙のたびごとにその勢力は減少していったわけであります。そうした緑風会の活動が参議院のあるべき姿だということを指摘なさる向きもたくさんあるわけでございます。
 そこで、この提案されております法案、これが憲法違反じゃないかという指摘もございます。週刊誌等で憲法学者等の指摘もあるわけでございますけれども、どういう点かと申しますと、Aという候補者に対する一票によってBやCも当選するということになれば、一票が二票にも三票にもなって、一人一票の原則というのが平等選挙を定める憲法第四十四条の趣旨じゃないのか、それに違反するではないか。二つ目が、自分が投票した人への票が別の候補者の票として影響することから、これは憲法第十五条第一項に規定する公務員の選定・罷免権を侵害するもので違憲だと、こういった論もございます。
 これについての発議者の考えをお尋ねいたします。
#8
○委員以外の議員(片山虎之助君) 選挙制度には大きく分けて比例代表制と多数代表制とあるわけですね。多数代表制というのは個々人に投票して多数を得た者が当選する。比例代表制というのは、小山委員御指摘のように、各政党が名簿を出してその名簿で政党を選んでもらう投票なんですね。政党を選ぶ選挙なんです。ただ、政党が候補者の名簿を出す、その名簿の出し方に政党が順位をつける拘束式と順位をつけない非拘束があるんです。しかし、あくまでも比例代表選挙は政党を選ぶ、政党が名簿に出している候補者総体の政党を選ぶ、こういうことなんですね。だから、政党を選んで投票するわけですから、そういう意味では憲法四十四条の平等原則に全く触れない。A党に行く一票もB党に行くのも同じですから何らの差はない。
 それから、候補者を選定する権利ですか、公務員を選定する権利、憲法十五条ですね、議員も公務員だそうですけれども。それは名簿で選ぶわけで、ただ非拘束は名簿に順位をつけませんから、個人名を書いてもらって、その個人名での多数をとった者で当選していく。順位づけを固有の名前で行うと、比例代表制の枠の中で。当選人の順番を党があらかじめ拘束して決めるんじゃなくて国民に選んでもらって順番を決める、それだけにすぎないんですよ。だから、その一票が横流しだとかなんとか大変マスコミがおもしろおかしく書いておりますけれども、全く比例代表制選挙の本質を解さない議論だと、私はこういうふうに思います。
#9
○小山孝雄君 今、御答弁で横流しという御答弁がありました。すなわち、集票力が極めて高い、いわゆるタレント性の高い候補者を立候補させることによって、その候補者が今の東京都知事の石原愼太郎さんだとかあるいは藤原あきさんだとか三百万票を超えた人というのは数名、あるいは我が党の宮田輝候補だとか、等々のそうした候補を出すことによってたくさんの票をとる、そしてそれが、そのたくさんの票をとった方を支持した人が支持していない候補者も上げるというのがいかがなものかと。これはいわゆる横流しということで問題視する意見もあるわけでございますが、あえてもう一度この件についての御見解をお尋ねいたします。
#10
○委員以外の議員(片山虎之助君) やっぱり比例代表選挙ですから、政党を選ぶということがあって、仮に今、小山委員の言われる石原さんに入れた人も、石原さんが属する党を選んでいるんですね。ただ、その選んだ党の中では石原さんにトップ当選をしてもらいたい、そういう意思が石原愼太郎という票に出るわけで、私は、何ら横流しでもないし、いかにも話がおもしろいですから、横流しだとか縦流しだとかというのは、そういうことを言われているんだろうと思いますけれども、比例代表制選挙の本質をよく私は理解してもらいたいと思うし、世界各国で比例代表制選挙というのはいっぱいあるんです。非拘束の選挙をとっている国もたくさんあるわけでありますから、ぜひ御理解を賜りたいと思います。また、そういう人気だけのタレントを並べるような比例名簿をつくった政党というのは私は結果的には長持ちしないと思います、一時的にはともかく。
 そういう意味で、政党の良識、選ぶ国民の良識に私は期待いたしたいと思います。
#11
○小山孝雄君 政党名の投票でもいい、個人名の投票でもいいという法案になっているわけでありますが、帰属が不明な票の案分についてお尋ねいたします。
 この両方認めることになったときに、これまでに想定されなかったケース、案分の方法というのが問題になってくるんだと思いますが、どんな点が想定されますか。
#12
○委員以外の議員(保坂三蔵君) この点は私からお答えいたします。
 ただいま小山委員から御質問がありましたとおり、氏名、名称が同一である候補者、政党が存在する場合が生じます。
 帰属が不明な票の案分につきましては、御指摘のとおり、これまでは、衆参両院とも比例選挙におきましては政党の名称あるいは略称が同一であるというケース、そしてまたその他の選挙におきましては候補者の氏名が同一であるというケースがあったわけでございますが、今回の改正によりまして個人名投票と政党名投票の両方を結果的に認めることになりました。これに伴いまして、政党の名称、略称と候補者の氏名が、もしくは名前が同一である場合も想定しなければならなくなったわけでございます。
 例えば、公明党という名称で略称をこうめいという政党で書いたつもりが、自由民主党に諸葛孔明という人がいて、こうめいという名前が想定される場合がございます。この場合につきましては、有効票となりまして、案分で開票区ごとに追加して上乗せして振り分けることになっております。
 御理解のほど、お願い申し上げます。
#13
○小山孝雄君 そうすると、政党と候補者個人両方に案分するということになるのでございますか。
#14
○委員以外の議員(保坂三蔵君) そのとおりでございます。
#15
○小山孝雄君 連座制の適用の問題につきましてはたびたび質問も出たところでございますが、参議院比例代表選出議員の選挙に連座制が適用されることとなるわけでございますが、もう一度、その内容について確認をいたします。
#16
○委員以外の議員(保坂三蔵君) 連座制についてのお尋ねでございますが、連座制は、選挙の腐敗を防止いたしまして公正な選挙を実現するために、公職の候補者または公職の候補者となろうとする者のために行われる選挙運動の中におきまして一定の選挙犯罪が犯された場合は、その者の当選を失わせたり、立候補を制限する制度となっております。
 今回の改正によりまして、これまでと異なりまして、参議院比例代表選出議員の選挙において候補者の選挙運動が事実上認められることになりまして、他の選挙とは区別できなくなりました。参議院名簿登載者またはその予定者のために行われる選挙運動におきましては、選挙犯罪について連座制を適用するということになった次第でございます。
#17
○小山孝雄君 次に、定数削減についてお尋ねをいたします。
 これは衆議院の定数削減を受けて参議院の定数も削減する、こういうことでしょうか。
#18
○委員以外の議員(保坂三蔵君) この点も私から御答弁をさせていただきます。
 衆議院の定数削減は、御高承のところとは存じますが、平成十年十一月十九日の与党の自由民主党と自由党の合意から始まったものでございます。この合意に基づいて、自民、自由両党の合意の場が設けられまして、翌年の平成十一年一月十二日に、両党の定数削減に関する協議会の合意事項といたしまして衆議院比例代表選出議員の定数を五十人削減するということになったところであります。
 ところが、参議院の定数問題は、このいわゆる自自合意に先立つ前の年の平成十年九月九日に、各派の代表者懇談会におきまして斎藤議長から選挙制度改革に取り組むべきであるとの指示がございまして、各会派において検討が既に行われていたところであり、そういった経緯を踏んまえまして、最終的な両党の定数削減に関する合意事項から参議院の議員定数問題は削除をされたものでございます。
 したがいまして、衆議院が定数削減をしたことを受けまして参議院の議員定数も削減したのではないかという指摘に関しましては、事実と相異なるものでございまして、参議院の定数問題はまず議長の諮問を受けて参議院の各会派が独自性を持って検討を行ったものだ、こういうふうに私たちは考えております。
#19
○小山孝雄君 続いて保坂議員にお願いいたします。
 衆議院は比例区のみの二十人削減になっております。提出されている法案というのは、選挙区六人、比例区四人削減することにしておりますが、その点、なぜですか。
#20
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 現行の参議院の選挙は、都道府県を単位とする選挙区制度でございまして、全国区を単位とする比例代表選挙が並立した存在となっておりますが、選挙区制度は事実上、都道府県の代表的な意義ないしは機能を有する制度と考えられております。また、比例代表選挙は、ただいままでお話がありましたとおり、全国共通の職域等を代表する意義ないし機能を持っている制度でありますことを考えますと、両制度は等しく評価をすべきであると考えております。
 そこで、定数削減を行うに際しましては、現行の両制度の定数比、すなわち選挙区におきましては百五十二、比例におきましては百という、これを定数比で計算いたしました点から、このたび選挙区六、そして比例区四という削減数に振り分けたところでございます。
#21
○小山孝雄君 選挙区のうちで、削減される選挙区が岡山、熊本、鹿児島と、この三県に定まった理由は何でしょうか。
#22
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘がございました岡山県、熊本県及び鹿児島県の各選挙区の定数をそれぞれ二名削減するという改正案でございますが、現在生じているいわゆる逆転区を解消するためでございまして、定数削減に当たりましてはこれ以上定数の格差を拡大しないためという措置でございます。
 すなわち、現在、鹿児島選挙区では定数四であるのに対しまして、三重選挙区では二名でございます。平成七年度の国勢調査の結果によりますと、鹿児島県の人口は百七十九万四千二百二十四名、そして、これに対しまして三重県の人口は鹿児島県より多い百八十四万一千三百五十八名。百七十九万と百八十四万。ところが、人口の多い三重県の方が定数が二名で少ないわけでございます。このような逆転現象を今回はゼロにしようということで三県を減らすことになったわけでございます。
 また、現在各選挙区の配分定数の一議席当たりの人口格差、これは最高裁でも判決が出たところでございますが、合憲とはなっておりますが、東京都と鳥取県の間では、平成七年度の国勢調査によりますと四・七八七倍になっております。これが合憲でありましても、これ以上拡大できないという範囲まで来ていることは事実でございます。
 このような観点から、定数を削減する際に、議員定数が八である東京都や、議員定数が六である埼玉県、愛知県、神奈川県及び大阪府の定数を削減するということは、事実上さらに最大格差を広げてしまうことになります。そしてまたその逆に、それらの区を、東京や愛知県をふやすということになりますと新たな逆転区が起きかねません。これに対しまして、議員定数四の都道府県のうち人口の少ないものから順に定数を削減すれば最大格差をこれ以上拡大することにはならない。それに相当する意味合いから、鹿児島県、熊本県、岡山県の三県の議員定数を削減させていただくことになりました。以上の結果から、逆転区もゼロとなった次第でございます。
#23
○小山孝雄君 今削減の内容についてお尋ねしたわけですが、今回の改正法案について多くの国民は定数削減のことが含まれているということを知らないんじゃないんでしょうか。佐藤委員を除く野党の皆さん、きょうもおいでになっておりませんが、その審議拒否の理由はこの法案の内容ではなく、削減することに反対なんだと、こういう声も聞こえてくるのでございますけれども、きのうここで午前、午後二時間にわたり参考人の意見を拝聴いたしました。各界のというよりも選挙制度の専門家の御意見でありましたが、参議院の削減は必要ないんじゃないかと、四人ともたしかそのような御意見であったと思います。身を削るんだという発議者の意向も伺ったわけでございますけれども、それでも、四人の参考人がそろってああいう意見を述べるというのは私は予想しなかったことだったんですけれども、定数削減には否定的でございました。
 発議者は、定数削減について、それでもやるということでありましょうか。
#24
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 定数は削減しなくてもいいという四人の参考人のお話は、参議院の今置かれている役割なりそれに対する定数の問題を非常に考えている結果ではないかと、こういうふうに思っておりますけれども、この定数問題については、例の協議会におきましても相当論議をされておりまして、確かに両論あったわけでございます。
 定数削減は要らないという論拠は、やはり衆議院の三分の二は二院として必要ではないかという問題と、あるいは国民との太いパイプが必要ではないかとか、いろいろ理由がございます。
 そしてまた一方では、やはり既に話がありましたけれども、行政庁等の削減問題あるいは民間あるいはマスコミ等の世論の問題等々を考えますと、やはりここで少しでも前進といいますか、姿勢を示す必要があるだろうということでございまして、特にこの問題は二、三の党が相当抜本的な改革を数年前に出しております。それは、これは相当抜本的な改革になりますから当然かもしれませんけれども、二百五十二人を二百人程度に削減すると、そういう改革案を出しておりまして、そういう面からしますと、これから抜本改革、きのうの話では、いわゆる応急措置の比例代表の中で変えるという問題でなくて、抜本改革のときにはそういう削減が考えられているということからいたしましても、今回この程度の削減をやるのは一つの姿勢としてもいいし、また、手戻りといってはおかしいですけれども、少なくも前進の方向で考えられるのではないかと、こういうことで削減に踏み切っておりまして、これを今変えるあれは全くございません。
#25
○小山孝雄君 参考人の御意見を総合いたしますと、参議院は創設当初二百五十、沖縄県が祖国復帰をいたしまして二百五十二、創設以来一議席もふえておりませんよという御指摘でありました。当然そのとおりでございます。
 衆議院が、一票の格差等の問題から次第次第に、本則はそのままにして附則でもってふやし続けて今日に至って、そして小選挙区制に移ったというわけであります。一議席も戦後参議院がふえていないにもかかわらず、今回の改正案で身を削るんだというその姿勢、これは極めて大事なことであり、多くの国民に知ってもらいたいと、こう願わずにはおられません。
 次に、自治省にお尋ねいたします。
 一つは、今回の改正によりまして基準法の改正内容があろうかと思います。お答えください。
#26
○政府参考人(片木淳君) 今回提案されております改正法附則におきまして、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律が改正されております。
 その内容につきましては、一つは、非拘束名簿式比例代表制の導入に伴いまして、政党への投票、名簿登載者個人への投票のいずれもが認められることになり、候補者別の分類、案分票の計算等の開票事務が複雑になると見込まれますことから開票所経費を増額したこと、二つには、氏名等の掲示につきまして、当日の投票所における掲示及び不在者投票記載場所内の掲示の方法等に変更がありましたことから、候補者氏名等掲示費の額を改めておることの二点であるというふうに承知をいたしております。
#27
○小山孝雄君 それに続いて自治省にお尋ねしますが、開票体制の問題でございます。
 先ほども、政党と個人、両方への案分という、これまでの日本の政治史の中でないんじゃないんでしょうか、選挙史の中でない案分も行われるとなると大変時間がかかる。そしてまた、三千三百近くに上る市町村と都道府県選管とのオンライン化がどこまでどう進んでいてどう機能していくのか。
 私も、かつての旧全国区選挙、若いときから事務局でやった経験を持つ者の一人でございますけれども、あの時代で、全国区の開票でも最高で二晩徹夜したことがあります。今度は、候補者名と政党名と、それを案分し、全部合計して政党別の得票数を算出して、それに従って議席を確定し、そしてその政党内の投票の多寡をもって当落が決まるという極めて複雑な開票作業になろうかと思います。
 まず、どんな開票体制になると想定され、またその場合の経費増、これも莫大なものじゃないかと思うんですが、手当てはどうでありましょうか、自治省、お答えください。
#28
○政府参考人(片木淳君) 先ほども申し上げましたとおり、非拘束名簿式比例代表制の導入に伴いまして、これまでの政党への投票に加えまして新たに名簿登載者個人への投票が認められることによりまして、開票におきましても、今御指摘ございましたとおり、候補者別の票の分類、疑問票に係る審査、案分票の計算等に係る選挙事務の増加が想定されるところでございます。
 経費につきましては、今後予算で確保していくことになりますが、先ほど申し上げましたように、今申し上げたことも勘案されまして、法案の附則において国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律を改正し、開票所経費を増額されておるものと承知をしておるところでございます。
#29
○小山孝雄君 新制度の導入に伴いまして、どうでしょう、先ほども申し上げましたが、即日開票というのは維持できますか。
 即日開票と申しましても、投票日の夜中の十二時までとはあえて言いませんけれども、少なくとも深夜、日付変更線を過ぎて深夜には全部議席が定まるということは維持できるでしょうか。
#30
○政府参考人(片木淳君) 公職選挙法の六十五条に開票のことが規定されております。これによりますと、開票は投票の当日または翌日に行うということとされております。
 即日開票を行うか否かは市町村選管が決めることとされているところでございますが、いずれにいたしましても、選挙の結果を選挙人に対して速やかに知らせるという公職選挙法第六条の趣旨を基本としつつも、開票事務に要する時間等を考慮して総合的に判断しなければならない問題であると考えておるところでございます。
 先ほども申し上げ、また御指摘もございましたとおり、繰り返しになりますが、政党への投票のほかに名簿登載者個人への投票が認められることとなりますので、旧全国区の開票同様、候補者別の分類あるいは案分票の計算に時間を要することが想定されるところでございます。
 いずれにいたしましても、非拘束名簿式比例代表制導入後の参議院通常選挙におきまして即日開票とするか翌日開票とするかは、今後開票手順をどうするか、さらに具体的に詰めてまいりますとともに、全国の市町村選管の実務の実態も勘案しつつ、十分に調査を行って最終的な判断をしてまいりたいというふうに考えております。
#31
○小山孝雄君 予測しがたい点が多々あろうかと思いますが、最も大事なのは、素早くやはり有権者に選挙結果が知らされるということだと思います。
 そこで、市町村選管と各都道府県の選管のオンライン化が完全にできている県、何県ぐらいあるんでしょうか。
#32
○政府参考人(片木淳君) 都道府県選挙管理委員会と市町村選挙管理委員会間においてオンラインシステムを設置しております県は九つでございます。九つの都道府県でございまして、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、香川県、福岡県の九都道府県でございます。
#33
○小山孝雄君 四十七都道府県のうち九県しか完全オンライン化ができていないとなると、相当開票体制に、特に比例区の開票体制については大変だなという感じがするわけでございます。これは、全国の市町村まできちっとそれを広げる、予算をとってやったらどうですか。お考えを聞きます。
#34
○政府参考人(片木淳君) 今回の非拘束名簿式比例代表制が導入されますと、繰り返し申し上げているように選挙事務が相当大変になるわけでございますが、特に名簿登載者が多数になった場合には集計に多くの時間も必要になります。報告が従来よりも遅くなることも考えられますことから、ただいま御指摘がありましたように現行の中央選挙管理会と都道府県選挙管理委員会間にはオンラインシステムができているわけでございまして、これを市町村選挙管理委員会まで拡張していく。全国的に拡張していくということにつきましては、都道府県選挙管理委員会の御意見も聴取しなければならないと思いますが、そしてまた、ただいま御指摘のありました経費の問題もございます。こういう問題を含めて検討していく所存でございます。
#35
○小山孝雄君 自治省、国の指導でそういうことをやろうということであれば、私ども応援することはやぶさかではございません。
 そこでもう一つは、法改正が成った後の制度の周知について十分な啓発が必要だと思うわけであります。法成立後、どのように速やかな周知徹底を図る予定か、自治省のお考えをお尋ねいたします。
#36
○政府参考人(片木淳君) 改正法が成立いたしました場合には速やかに啓発を行う必要があると考えているところでございまして、その場合、所要の予算を確保する必要がございますけれども、パンフレットや新聞、テレビ等の各種媒体を通じまして広く国民の皆様に制度の周知を図ってまいりたいと考えております。特に、選挙執行時においても周知を図っていく必要がございますが、非拘束名簿式比例代表制による投票方法の周知を重点として各種の啓発事項を実施していく所存でございます。
#37
○小山孝雄君 片山先生、今制度の周知徹底についてお尋ねしたわけでありますが、よく声が聞こえてまいりますのは、非拘束名簿式というのは極めてなじみが、言葉として入らない。大体、拘束なんということ自体が嫌なことでありますので、それにまた非なんてつきましても本当にそこから既に面倒くさいという感じを国民に与えている、やっぱりいろいろなところでざっくばらんなお考えを聞きますと、そんな声がよく聞こえます。
 どのような略称が考えられるのか。例えば、全国比例区であるとか、あるいは制度の本質を突いた言葉として直接指名投票制比例代表、直接指名投票制だということでもいいんじゃないかという提言も私のところに寄せられております。何かお考えありませんでしょうか。
#38
○委員以外の議員(片山虎之助君) 小山委員御指摘のとおり、拘束式とか非拘束式とかというのはわかりにくいですね。拘束なんというのは何となく何かぎゅうぎゅう縛られたような感じがしますし、それじゃ非拘束といってもイメージが定かでないので。
 ただ、恐らく専門的には法令の用語やそういう学問上のあれとしてはそういう言い方なんでしょうけれども、別に愛称を決めたらいいですね。あるいは個人名投票方式とか、今言われた直接指名方式とか、そういうことはもしこの法案が通って制度が確立しましたら、ぜひそういう愛称を広くみんなで議論して出して、国民に親しまれるようにすれば大変結構ではなかろうかと思っております。
#39
○小山孝雄君 ぜひマスコミの皆さんの協力もいただいて、親しめる名称、あああの制度ねと、こう言葉がすぐ頭に入る制度の名前が全国的に行き渡るよう願ってやまない次第でございます。
 最後に申し上げますが、この論議が始まりまして、旧全国区は残酷区だった、あるいは銭酷区だったということがもうまくら言葉のように使われてまいったわけでございますが、私も自民党の公認をちょうだいいたしまして来年の選挙に臨む一人でございます。
 その候補者の立場から申しますと、残酷区ということ、これは私たちは言えない。選挙はすべからく過酷なもので非情なものだと、こう思っております。そしてまた、いささかきざっぽいことを申し上げますけれども、二十世紀の初頭の議会政治の発祥のイギリスの著名な政治家、政治学者で、「近代民主政治」という本も古典的な民主政治の本として世界各国語に訳されて残っているわけでございますけれども、ジェームス・ブライスという人がおります。この人の言葉に、民主政治とは弾丸、鉄砲の弾のかわりに投票用紙をもってする戦いである、しかり名言だなと、こう思うわけでありますが、私はそのような選挙の持つ宿命だと、こう思いますので、残酷区だからどう、銭酷区だからどうという論議はそれだけでは当たらないと、こう思っている次第でございます。
 そしてまた、昭和五十八年から採用されてまいりました拘束名簿式比例代表制、これで私ども自由民主党の議員は五十八年十九人、六十一年二十二人、元年十五人、四年十九人、七年十五人、十年十四人、他党に移られた方、あるいは他党から移ってこられた方もおりますが、その選挙の時点ではちょうど延べにして百四人の私どもの党のこの制度に基づいて当選をした議員がおるわけであります。
 論議の中には、あるいはマスコミの論調の中には、いかにも自由民主党のその議席がお金をもって左右されたというような一部の指摘がございますが、そのようなことは断じてない。私は、百四人の皆さんの誇りと名誉にかけて、きっちりとした順位決定のルールがあって、それに基づいてその順位が決められてきたんだということをこの審議の、日本国が続く限り永久に残るでありましょうこの審議の議事録にこのことをとどめおきたいと思いまして、申し上げさせていただく次第でございます。答弁は要りません。
 以上をもちまして質疑を終わります。
#40
○岩瀬良三君 自民党の岩瀬でございます。
 諸先生から多彩な質問が発議者の先生方になされております。私は、感想を入れながら何点か質問させていただきたいというふうに思っておるわけでございます。
 先ほどの小山先生のお話にありましたけれども、野党の皆さんは審議拒否のまま、いまだに出席がないままでございます。十月六日の趣旨説明から五日、その前の議長の委員指名等も入れますと、かれこれ十日くらい空席のままであるわけでございます。このような選挙制度の改正でございますので、与野党一緒になっての審議が望ましいことはもう申すまでもないことなので、私は私なりにこの野党の言い分は何なのかなと、こういうふうに思いました。
 もちろん野党の党首の方とお会いするわけにいきませんので、新聞報道等から見させていただいたわけでございます。これを幾つか紹介させていただきますと、九月二十八日、街頭で各党首がやったということの中で、旧全国区の金権選挙を復活させるというようなことも言われている。民主党の菅さんでございます。また、民主主義を根本から崩す党利党略だというようなことで共産党の志位書記局長も言われておるわけでございますし、また土井たか子党首も、与党は自分たちの都合のいいように勝手に変えようとしているというようなことも言われておるわけでございます。また、民主党の鳩山代表は、同じようなことで与党の党利党略、また金のかかる選挙、こういうようなことで反対の姿勢を強めておるところでございますけれども。
 そういう新聞の中で、九月十九日の朝刊に載っておりましたけれども、今月初めの労組の大会で、候補者の名前を書く選挙になることも想定して御支援をお願いしたいというようなこともあらかじめ事前に述べておるということで、ちょっとここら辺が筋が通っておらないのかなというふうにも思うわけでございます。
 また、昨日、参考人質疑が行われました。四人の先生方全員と言ってよいと思います。私もちょっとメモをとりましたんですけれども、そんなに正確でございませんので、新聞に報道されておりましたところから引用させていただきます。
 清水教授は、いかなる場合も審議拒否をすべきでない、堂々と反対意見を述べ、仮に法案が通っても選挙民に訴え、将来、自分たちが改正できる方向へ政党として努力していくのも一つの選択肢だというようなことをおっしゃっております。前田教授は、審議拒否は原則として認められない、国会は審議する場だ、しかも審議は野党のためにあり、いろいろな情報を国民に提供する機会、野党の戦術としてもマイナス、公開の場、国民の見ている前で議論し、我々に判定させるような情報を提供してほしい、こういうようなことも言われております。また大石教授は、きっかけや動機がどうであれ、言論人は言論を通じて戦わなくてはいけない、しかも公の場で意見をぶつけ合うのが基本だ、何とか出席した上で私の考え方にも大いに批判をいただきたい、非常に残念だと述べておられます。田中教授は、審議拒否をすることはいいことではないと、こういうように全員の先生方がおっしゃっておられるわけでございます。先生方の中では、私どもにも辛口の先生方もおっての中での話でございますので、全体の意見ではないかと思うわけでございます。
 後でまた感想などをお願いしたいと思いますけれども、選挙制度は議員選出の方法であるので、各党からの意見というのは十分今までやってきておりますし、代表者会議ということも今までのいろんな議論で聞いておるわけでございます。
 こういう中で、またもう一つ別の紹介をさせていただきますと、これは経済新聞の記事でございますけれども、九月の世論調査で、非拘束について賛成三二、反対一五、どちらとも言えない四七%だったとしてあります。かなりの有権者が戸惑っているが、拒否反応は少ないようだと、こういうようなことも言われておるわけでございます。
 また、十分我々としてもいろんな会議に行って、私も集会でこのことを今問題になっておりますこともありまして言わせていただいております。いろんな集会の皆さんからはよく耳で聞かせていただいておりますけれども、反対というのは一回も聞いたこともございませんし、また削減するということに大いに賛成だというのは、これも余り聞いておらないんですけれども、選挙民の皆さんはかなり理性的にこのことを聞いておられる、こんな感じがするわけでございます。
 ぜひ野党の皆さんも出席していただきたいというふうに思うわけでございますけれども、この点につきまして、今までのような話の中から片山先生に御所感をお願いしたいと思います。
#41
○委員以外の議員(片山虎之助君) 今、岩瀬委員からいろいろ御意見をお聞かせ賜りました。参考人の先生方も言われたようですが、国会議員は国会に出て審議に参加して堂々と意見を言うというのが基本的な責務ですね。そういう意味で、審議を拒否するということは自殺行為でございまして、ぜひそういう意味で、国会に出てきておられない議員さん方に猛省を促したいと改めて申し上げたいと思います。
 野党の党首の皆さんそれぞれのお立場がありますからいろんな言い方をされておりますが、大きく分けると党利党略ではないかということと、もう一つは唐突ではないかと、こういうことだと思いますね。
 それで、唐突の方から言いますと、これは昭和五十八年に拘束式名簿の比例代表が導入されてから約二十年たっているんですね。二十年たっておりますが、これはもともと導入するときから大議論があって、したがって導入が決まったときに徳永議長が二回やったら見直そうと、こういうことをはっきり言われているんですね、各会派に。それを受けて選挙制度審議会がいろいろ議論を始めて、平成二年七月の終わりには今我々が提案しているのと同じ答申をしているんですね。これは大変な学識経験者の先生が集まって議論しているんで、それは現在と状況が違うんでおかしいなんという議論は私は余りないと思うんですよ。十分な議論を積んで、自信と責任を持って審議会は答申されている。
 それを受けて、平成六年から各党間の検討委員会が始まりまして、そこでかなりな議論をやった。非拘束の方がいいなという議論が多かったんですが、あのときのまとめはミックスだったんですね、非拘束と拘束の。これも結局、各党持ち帰ってまとまらず今日に来ているんで、今の議長さんの認識にも今の拘束ではよくないという認識があるんですよ。だから、ことしの有識者懇でも結局、非拘束の方がいいよという答申をしているんですね。
 そういう意味では唐突ではひとつもない。この二十年間、常に心ある参議院議員の念頭には拘束でいいのか、直すべきではないかという議論が埋もれ火のようにずっと来たんですね。それを我々は、何度も言いますように来年は二十一世紀ですし、このままこの議論を放棄すると先送りになるんで、国民の期待にこたえられないんで今度やろうではないか、こういうことなんですね。
 実務者懇でも少し議論になったんだけれども、時間がないから絞ろうではないかということが定数削減中心の報告になったわけでありまして、ぜひその辺は御理解を賜りたいと思いますし、党利党略じゃありませんよ。参議院の自主性を衆議院に対して確立する、そういう意味では衆議院と違う制度をこの際入れて、やっぱり党より人、顔が見えて国民の信頼をつなぐような制度にするということが私は参議院の使命だと、こういうふうに思っておりますから、党利党略と言われますけれども、それじゃ投票した結果、どこがどういうふうになるか何にもわかっていませんよ。森山委員の質問にありましたように、それはやってみなければわからぬです。選挙と相撲とサツマイモですか、サツマイモは鹿児島県だけですけれども、それはとってみなければわからないです。
 しかも、選挙制度だから全党が合意してと、全党の合意なんかできません、今までの例だと。結局、そういうことを言うのは問題の先送りになるんです。努力はしなきゃいけませんけれども、合意しなければ法案の提出ができないなんということは憲法にも国会法にもどこにもない。堂々と法案がまとまったところは出して国会で審議をして、審議を尽くした後に結論を得ていくというのが国会のあり方なんで、法案も出せない、うちの党が反対だから出すのはけしからぬと、こういうことこそ議会制民主主義を知らない人の議論だと、こういうふうに思っております。
#42
○岩瀬良三君 よくわかりました。
 それともう一つですが、これは昨日の参考人質疑でもちょっと話が出たわけですけれども、今度の非拘束名簿比例代表制、国民の皆さん余り、先ほども名前になじみがなかなか得られないよというようなこともあったわけでございますけれども、これにつきまして、提出することに緊急性がないんじゃないか、今でなくてもいいんじゃないか、こういうような議論をおっしゃる先生もあったわけでございます。
 ただ、今お聞きしますと、かなり前からこういう議論がなされておりまして、しかもその非拘束式への導入が言われておるわけでございますけれども、国民は新聞で見たとき、また話を聞いたときが初めてというような感じを持っている方もおるわけでございまして、こういう議論がなされますと、今回急に出てきたのかと、こういうような印象も与えられるわけでございます。
 この点、前からもいろいろこれに取り組んでこられました片山先生に、今この緊急性がないんじゃないかと、こういうような点についてちょっとお答えいただければと思うわけでございます。
#43
○委員以外の議員(片山虎之助君) 今の世の中は大変変化のテンポが早うございまして、もう一年前、二年前のことは大昔になっちゃう。さらに何年か前のことはもっと遠い過去になるわけでございますから、そういう意味でそんなことがあったのかなと、こういうことになると思いますけれども。
 ただ、私は同時に、この問題は国民に対するPRが自民党を含めて与党も野党も不足していると思います。だから今こういう議論になっているんだけれども、国民の皆さんはわからないんですよ。拘束式、非拘束式、小山委員のお話じゃありませんが、名前がもう一つなかなか難しいということもありますし、事柄がおわかりになっていない。だから今、党しか書けないのに、今度は皆さんの好きな人も党の中から選んで書けますよ、こういう個人が選べる選挙ですよと言ったら、ああそれならその方がいいや、党なんか書くよりずっとおもしろいではないかと、こういうことになるんですけれども、なかなかおわかりにならないんですよ。
 だから、今言われたある新聞の世論調査でも、どちらかわからないというのが四割でしょう、賛成が三割で反対が一割ですよ。私はそれが本当の実態だと思いますので、さらにこの制度の今までの過去の経緯や、この制度の持つ特色や長短を国民の皆さんにPRする必要が私は大いにあるんではなかろうかと。
 このところ新聞やテレビが取り上げていただいて、この前NHKでもそういうことをやりましたから前よりはわかってきていただいておりますけれども、どうも話が難しいから、この話になるとチャンネル回すというんですよね。いや、本当に視聴率が下がるというんです。
 ぜひ、この話になったら視聴率が上がるように、こっちよりこっちがいいやという、チャンネルをこっちに切りかえていただくように我々も努力いたしたいと思いますし、緊急性がない、唐突だという感じはなくするように私は努力せにゃいかぬと思います。
#44
○岩瀬良三君 私もいろんな集会でそういう点で話をさせていただくというふうなつもりでおります。
 今、片山先生の方からなかなかなじみが少ないというような話もありましたけれども、私もこの間の衆議院選などで運動しておりますと、やはり比例区の方は、そんなに多くはありませんけれども、といって少ない数ではないと思うんですけれども、名前を書きたいよと、だれだかわからないんだよと、こういうような要望もありました。私は、今の制度は政党に入れてもらう制度なんだからというようなことで話しました。そういう方が、そんなにたくさんではありませんけれども、結構おいでになったことも事実でございます。
 それから、選挙区の選挙でも今は小選挙区制でございます。正直なところを言いまして、私はこっちじゃないよ、こっちあっち、どっちだかわかりませんけれども、右なら右、左なら左にしますと。左ではない、右なんだけれども、その人が余り好きじゃない場合がある、好まない場合がある。その場合には選択権を与えてほしいよ、こういう意見がやはりかなりありました。人数としては、全体としては少ないんですけれども、そういう希望を持っておられるのが事実じゃないか、そんなふうに思うわけでございます。
 そういう中で、今度の選挙制度でございますけれども、今までのお話のとおり、拘束名簿式比例代表制というのは性格を前面に出した政党への選挙でございますし、一方、名簿登載者という方も限定された候補者への投票という抽象的な面があったわけでございますけれども、今度は顔が見える政党選挙ということになったわけでございますが、今までの比例代表制、これが今回は個人名を記入することになるので、政党に投票する制度が変わったんじゃないかと、こういうことの質問を寄せてこられる方もおります。
 この点について御答弁をいただければと思います。
#45
○委員以外の議員(片山虎之助君) もう何度もここで御答弁申し上げておりますように、あくまでも比例代表なんですね。比例代表というのは党を選んでいただいて、その票で正確に議席を配分する方式なんですね。
 ただ、そこで、その中に出す名簿があらかじめ順位をつけている拘束式名簿か、順位をつけないで平等に並べて選んでもらう非拘束式か、こういうことなんで、政党を選ぶ選挙なんです、第一義的には。第二義的には、やっぱりその政党の枠の中で個人を選ぶ選挙なんです。そういうふうに私は御理解賜りたいと思います。
#46
○岩瀬良三君 次は、選挙運動の点についてちょっとお聞きしたいと思うわけでございます。
 非拘束名簿の導入、だからということじゃございませんけれども、全国の有権者を相手に皆さんが運動されるわけでございまして、その場合、政見なり識見なり経歴なり、こういうことも知ってもらうことが大事であります。法律上十七日間という期間が定められておりますけれども、この十七日間は選挙運動の期間であって、本来は平素から政治活動をしていかなきゃなかなか全国の皆さんにこれを理解していただくことは難しいんだろうというふうに思うわけでございます。
 この十七日間、短いという方もあれば長いという方もあるわけでございますけれども、十七日間の選挙運動期間は今までと同じような形でなされておるわけでございますが、この点についての御議論なりお考えなり、いかがでございましょうか。
#47
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 政党と個人と一緒にやるということになっておるわけでありますけれども、やはり個人情報なり政策をしっかりしてもらうということは極めて重要なことだと、こういうことで個人の選挙運動も認めておるわけでございます。
 そういう意味で、前の全国区では二十三日間という期間がありまして、今回は十七日間と決めたわけでありますけれども、これはできるだけ短くしようという意見と、少なくもしかし全国ということを考えますともっと長くすべきだと、こういう意見、いろいろありまして、協議のときに、結局は、それじゃひとつ今の選挙区とあわせて十七日にしようと、こういうことで期間を決めたわけでございます。
#48
○岩瀬良三君 選挙期間と、それからもう一つ政治資金の問題があろうかと思うわけでございます。
 この期間中の資金というのはもう法律で決められておるわけでございますけれども、全国は非常に広いわけでございますし、しかもまた、名前を知ってもらうというのは非常にこれがなかなか大変なことであるわけでございますので、この政治資金の面でのいろんな議論というのはそのときなされたのでございましょうか。その点についてお伺いしたいと思います。
#49
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 選挙活動、その費用の件はいろいろ議論したわけでありますけれども、恐らくその前にある事前の政治活動、こういうことに対する選挙資金、この問題は特に深めたわけでありませんで、その前も党の活動がありますから、そういう中で極力活用してやっていくべきではないかということで終わっておるわけでございます。
#50
○岩瀬良三君 次に、選挙違反の点についてお伺いしたいと思います。
 我々、いつもクリーンな選挙を心がけておるわけでございますけれども、意図している場合、意図していないが法に触れる場合があるわけでございます。今回の改正は名前を書くという、しかもその書くことによって当落が決まるというようなことになるわけでございますので、候補者は当然、選挙運動が過熱してくるんだろうというふうに思うわけでございます。
 今までの過去の選挙違反件数などを見させていただきますと、これが比例代表制になりましてから選挙違反件数というのががたっと減っておる。これは、ちょっと参考までに数字を申し上げますと、第十二回、このときは検挙件数というのが全国区の場合千七百二十三件であったわけです。これは少なくなってきておりましてこれなんですが、十三回、昭和五十八年の比例代表制になりますと、これが八十八件というようにもう極端に少なくなってきておるわけでございまして、これが今維持されておるわけでございます。
 この傾向は非常に好ましいという傾向であるわけでございますし、また先生方もいろいろ考慮されて前の全国区ではない形になっておりますけれども、先ほどのように、過熱してきますといろんな方が行き過ぎる場合もあるということでございます。
 この点につきましてのお考えをいただきたいと存じますし、また事務方としてどう防止に努めるのかというのもあわせてお聞きしたいと思います。
#51
○委員以外の議員(須藤良太郎君) おっしゃいますように、一番拘束式でよかったのは選挙違反がない、こういうことで、今度この個人に投票を入れる非拘束になるとその問題が一番頭の痛い問題というふうに思っておるわけです。
 かつての全国区のときに、今おっしゃいますように本当に違反が多かったわけでありまして、当選した議員は任期中ほとんど選挙違反の対応で過ごすというようなケースも多かったわけであります。
 今回は、党と個人と一緒に選挙運動をするという問題もありますし、もう一つは、やはり社会の公正感というのが相当二、三十年前とは変わってきているんじゃないかというような点、そしてもう一つは、これは候補者にとっては大変きつい話でありますけれども、連座制を導入することになっておりますので、この面がいわゆる選挙違反の抑制に相当きくと言うと悪いんですけれども、働いているんではないかと、そういうふうに思っておるわけでございます。
#52
○岩瀬良三君 事務方の。
#53
○政府参考人(片木淳君) 自治省、中央選挙管理会また各都道府県選挙管理委員会、市町村選挙管理委員会さらには明るい選挙推進協会という組織もございますので、そのような関係者一丸となりまして選挙違反のない選挙を目指して努力してまいりたいというふうに考えておりますし、またそのためのPRにも力を入れていきたいというふうに考えております。
#54
○岩瀬良三君 それから次は、投票率の問題でございます。
 両議院は全国民を代表する選挙された議員でこれを組織するということになっておるわけでございまして、国民から負託を受けていろんな仕事をするわけでございますけれども、国民の皆さんにたくさんの御支援をいただくことが一番大事でございますし、関心を持っていただくことも大事でございます。
 ただ、残念なことに、この投票率は低落傾向がずっとあったわけでございます。これは私どもも反省しなければいけない点があるわけでございますが、政財官に対する不信の事件があったことも、こういう不信感もそれの一因ではないかと思うわけでございますが、それにしても民主主義の基本は選挙が非常に大事でございます。
 この選挙の投票率を見ますと、非常に今減ってきておるというのが実情でございます。近年では十六回選挙で、平成四年でございますが五〇・七二、その前は六五・〇二というようなものでございまして、平成七年の十七回では四四・五二。ただ、この場合はよく言われますように統一選のある年、四年ごとのときはぐっと減るというようなこともありまして、その前の四年も低かったということで、これは一概に言えないわけですが、非常に低落傾向がある。ただ、平成十年にはこの四四・五二が五八・八四ということで回復の兆しを見せてきておるわけでございまして、これは投票時間の二時間延長等、大変いろんな皆さんの努力もあるわけでございますけれども、この傾向は何としても維持していかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。
 この点について発議者の方の御意見を伺いたいと思います。
#55
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 先ほどとってみなきゃわからぬという話もございましたけれども、私はこれは確実に投票率は上がるのではないかと、こういうふうに思っております。特に個人の投票になります。政党のあれもありますけれども個人の投票で、相当政策等々個人は選挙運動をするわけでありまして、有権者の関心もそれは拘束に比べたら相当高まる。一つの今回の大きい理由は、やはり関心がもう相当薄くなっちゃった、拘束式はつまらぬと、こういう有権者の声があったわけでありまして、そういう意味では関心をそそる個人への投票、これが入りますので投票率は上がるんではないか。
 なお、今おっしゃいますように時間延長それから不在者投票、こういう面も加わって確実にこれまでよりは投票率は上がる、こういうふうに私は考えております。
#56
○岩瀬良三君 次に、議員定数について伺いたいと思いますけれども、先ほど小山議員からもお話がありましたので私は簡単にしたいと思いますけれども、衆議院、参議院の議員定数の比率というのは、もう御承知のとおり二院制を採用する諸外国と比較しても我が国の議員定数というのは決して多くない。先般、十万人当たりに一人というようなことも言われておるわけでございますけれども、日本ではこれは五十万近くなっておるというようなこともあるわけでございます。その他のところは十万前後でございますし、また憲法制定当時、参議院の定数を衆議院の定数の三分の二内外にというようなことの議論もあったところでございます。
 また、昨日の参考人質疑におきましても、それぞれの先生方、皆さん議員定数を減らすというお考えは余りとらなかった。皆さんがそういう形でございます。本来の議会の任務である参議院の役割、衆議院の優越事項もあるかもしれませんけれども、逆に参議院はこれを補佐する、補佐するというよりは補う、抑制する、こういうようなことから考えればその役割は非常に重要であるわけでございまして、議員定数を少なくするという考え方は余りとらなくてもいいんじゃないか。
 先ほどこの点について意のあるところのお話ありましたけれども、今度は魚住議員からこの点についてお伺いできればと思います。
#57
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) お答え申し上げます。
 今、委員からお話ございましたとおり、昨日の参考人の御意見の中でも減らすことはいかがなものかという御意見が多かったということでございます。私どもも単純に減らせばいいという考え方ではありませんが、ただ、行政改革で公務員の総定数を減らす、あるいは地方議会におかれましても選挙のたびごとに定数を削減するという努力をされている。また、民間においては企業のリストラ等大変な努力をされている、そういう全体のことを考えると、やはりふやすというわけにはいきませんし、若干でも努力を、身を削る決断は必要ではないか、そういうふうに考えたところであります。
 参議院のこの改革につきましては、先ほど御答弁ございましたけれども、衆議院の定数削減とは別個に議長の主導のもとで話が始まったところでございまして、衆議院が減らしたからということではないわけでございますが、衆議院においては五十を、一割削減というような方向性を目指し、そのうち比例区を今回二十減らす。そして平成十二年の国勢調査を踏まえて、小選挙区を中心にあと三十を減らそうというふうな方向性であるというふうに承知をしているところでございますが、我が参議院におきましては、選挙区また比例区、等しく評価すべきであるというような立場から、そして削減の比率も大体四%ぐらいかなというようなことで今回十という、その中で選挙区で六、比例区で四を削減しよう、このような御提案をさせていただいているところでございます。
#58
○岩瀬良三君 次に、きのうも参考人の皆さんがひとしく強調されておったわけでございますけれども、参議院の自主性の問題でございます。
 衆議院とは異なった形で、同じことを結論的にはやるんですけれども、異なった形でやってはどうかというようなことでございますし、そういう中で選挙制度も思い切った異なった方法で切りかえてやってはどうかというような意見もございました。
 この選挙制度にかかわらず、参議院の自主性の問題、それぞれ今までも先輩方がいろいろ苦労しておられるところでございますけれども、この選挙制度に限っては、今回の場合は当面の課題、これの対応というようなこともお話がありました。根本的解決の選挙制度の問題ではないと思いますけれども、そういう自主性の観点からどのような協議なり意見があるのか、その点、保坂議員からお願いを申し上げたいと思います。
#59
○委員以外の議員(月原茂皓君) 今の自主性、選挙に関してこの自主性がなぜ必要かということは、今、岩瀬委員が既にお話しのように、今まで小山委員を中心にして相当冒頭に議論がされたところであります。
 そこで、歴史を振り返ってみると、先輩諸氏がいろいろとおっしゃっておりましたが、そのとおりでありまして、最初は全国区というのがあったと。しかし、それではなかなか国会そのものが、その流れを見てみると、憲法に政党という規定はないんだけれども、政党というものが大きな役割を果たしておる。そして国民の意思というものがそれを通じてあらわれている。そういうところから政党というものも考えなければいけないというようなことで拘束制というものが生まれたことは委員御承知のとおりであります。
 ところが、それが余り進んでくると、これは党の官僚主義化というふうな意味にもとられてくるし、そういうところから国民から遊離してしまってくる。政党化が余りにも進み過ぎてくる。そういうところから一つのまた反省が出てきたわけであります。
 そして、今回のように非拘束制、名称、愛称は後で考えなければならないんでしょうが、そういうふうなことで、政党本位というものは無視はできない、流れとして政党化ということをゼロにすることはできないけれども、しかしそれをできるだけ薄めて、参議院に与えられた使命というものをどうやっていくかと。比例部分について申し上げると職能代表的な色彩、選挙区選挙においては地域代表的な色彩、そういうものをどういうふうに加味しながら、国民と密着し距離を縮めて、国民に自分が選んでおるんだという気持ちを再びよみがえらせていただける、そういうような制度をつくっていかぬといかぬなと、こういうところが反省点として出てきたわけであります。
 そういう意味で、今回、参議院の自主性というものを発揮させるためにこのような制度を考えたわけであります。
#60
○岩瀬良三君 それでは、最後に選挙事務の方を自治省の方へお聞きしたいと思うわけでございます。
 今度の新しくなります選挙制度は非拘束式という個人名の投票であるので、選挙人に名簿登載者名を周知させて投票を行う必要があるわけでございます。しかし、余り多数の登載者があったときには、その張り出される数、これなかなか見切れないというふうなこともあったり、有権者が錯綜してしまうようなことがあるわけでございますし、また前にもお話がありましたように、初めの方に書かれた方が有利じゃないかとかいろんな影響が出てくるわけでございますが、この点、たくさんの方々を出す場合の出し方でございます。
 投票所に余り大きく出すと、見やすい点があるわけでございますけれども、場所がなかなか得られないし、といって小さく印刷しますと、お年寄りや目の不自由な方々がなかなかこれを記入する投票台で見られないというようなこともあるわけでございますが、この辺のところはどう指導されますか。
#61
○政府参考人(片木淳君) 氏名掲示等に関してのお尋ねでございます。
 投票事務の関係で、御指摘がありましたとおり、政党の投票に加えまして名簿登載者個人への投票になるわけでございまして、名簿登載者の氏名掲示が必要になるということと、また投票の方法についても広く国民に周知を図っていく必要があるというふうに考えております。
 御指摘のありましたとおり、選挙人の方々が見やすい氏名掲示を工夫してまいらなければならないというふうに考えておりますが、具体的な方法につきましては、法律が通りましたら早急に細部を詰めてまいりたいというふうに考えております。
#62
○岩瀬良三君 それから、あと開票事務でございますが、市町村の方に聞きますとかなり心配されておるわけでございます。今までよりもかなり時間が多くかかるだろうというようなことも言っております。また、票の分類、こういうものもやらなきゃならないし、点検作業もかなり複雑になっていくのじゃないかというようなことでございますので、人をたくさん増員しなければならないということも言われておるわけでございます。
 ただ、開票場所によっては増員がきかない、広さによってはきかない場合があるわけでありますので、かなりの時間をとるような形になってくるんじゃないかと。そうしますと、大体日曜でございますから、これが相当かかりますと徹夜のまま翌日の窓口業務に市町村の場合入るというようなことで、市町村の平常業務にも支障が来るんじゃないかというようなこともあるわけでございますので、この開票の時間、そんなにも急がなくてもいいんじゃないかという考えもするわけでございます。
 この点お答えいただきまして、終わりにしたいと思います。
#63
○政府参考人(片木淳君) 御指摘ございましたとおり、今回の非拘束名簿式比例代表制におきまして名簿登載者個人への投票が認められることになりますので、先ほども御答弁申し上げましたとおり、旧全国区の開票同様、候補者別の分類、案分票の計算、時間を要することが想定されるわけでございます。それを今後どのようにやっていくかということにつきましては、開票手順をどのように細部的にしていくのかを今後具体的に詰めてまいりますとともに、今お話のございました全国の市区町村選管の方々の御意見あるいはその実態、これも十分に調査をいたしまして、細部を詰めてまいりたいというふうに考えております。
#64
○岩瀬良三君 よろしくお願い申し上げまして、これで終わります。
#65
○仲道俊哉君 自由民主党の仲道でございます。
 参議院比例区を拘束名簿式から非拘束名簿式に改めて、あわせて参議院の定数を十名削減することを主な内容とする公職選挙法改正案の審議が、今、二院クラブを除く野党欠席のまま粛々と進められ、全国の心ある有識者やマスコミがかたずをのんで見守っております。
 昨日、私は参考人の質疑の中でも申し上げたんですが、少なくとも昨日の外部から招聘する参考人のときだけでも私は野党の諸君に出てもらいたかった。中には、国対の関係上そんなことができるかというような意見もありましょうが、それは衆議院にお任せして、良識の府であるこの参議院では、少なくともそういう良識があってよかったのじゃないか、そのように思うわけでございます。
 議員の議は議するという字でございまして、これは議員そのものが、私たちはこの国会で議しなければいけない。その国会議員がその議することをやめるということは自分の権利を放棄するものでありまして、このことを私は全国民の皆さんに強くお訴えをまず冒頭申し上げたいと思う次第でございます。
 野党と一部マスコミは、自民党は自分に有利な制度になることを強行しようとしており党利党略だと批判しておりますが、これには、自分に不利な制度にしたくなくて審議に出てこない野党こそ党利党略だという反論も成り立ち得るわけで、与野党のいずれが党利党略に走っているのか、結局主権者である国民の判断にゆだねられるというふうに思います。
 いずれにいたしましても、与党だけのなれ合いによる形骸化した審議であったとの印象を国民に与えることだけは絶対に避けなければならないと思います。公平な審議を十分に尽くすことは、主権者である国民に対する私は与党の義務でもあると思います。
 そこで私は、本委員会の審議内容が批判にさらされないためにも、もし野党がここに出ていたらこういう質問をしたであろうということを念頭に置きまして、つまり、野党の立場に立って何点か質問をいたしたいというふうに思います。先輩議員を前にしてなかなか言いづらいところもあるわけでございますが、御了承いただきたいというふうに思います。
 まず、定数についてでありますが、参議院の議員定数の人口に対する比率は、二院制をとる外国と比較して多過ぎることはないし、憲法制定当時、参議院の定数を衆議院の定数の三分の二内外とする旨の議論があり、また全国民を代表して衆議院とほぼ同様の権限を有している参議院の委員会審議の現状等からすれば、現行定数が多過ぎるという議論には根拠がないのではないかと思いますが、この点についていかがでしょうか。
#66
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答えいたします。
 ただいま仲道委員の、欠席されている野党の方々にかわってという御質問でございます。まことに意義のある御質問でございまして、まじめに答えたいと存じております。
 確かに、お話がございましたとおり、憲法制定時の記録を見てまいりますと、参議院の選挙制度をどうするかという議論をいたしました臨時法制調査会が昭和二十一年十月二十六日に答申をいたしました参議院議員選挙法案要綱では、定数につきまして衆議院議員の定数の三分の二内外とするとはっきりと明記されておりました。
 当時の衆議院の定数が四百六十六名おりましたので、これを単純に計算いたしますと三百十名程度になります。これを受けて、同じ年の十一月十二日に閣議決定をいたしました法案では定数を三百名といたしたところでございますが、実はそのときの社会情勢がございまして、GHQとの交渉が経緯の中に入ってまいります。そこで、それらのサジェスチョンを受けまして、全国区の議員を百五十名を百人に減らすことになった次第でございます。
 このような経緯から参議院がスタートした状況でございまして、経緯あるいは諸外国との比較におきましても、先生がおっしゃるとおり、現行の定数は決して多くないと考えております。多過ぎるから今回のように減らすということではないということをおわかりいただけるのではないかと思っております。また、我々は、現下の諸情勢から総合的に判断をいたしますと、あえて定数十の削減に踏み切るべきという決断をしたということはこの辺にあるわけでございます。
 今後は、委員会の再編その他、参議院の議会運営のあり方の見直しなどをあわせて行いまして、より充実した審議が行えるよう努力していく必要があるのではないかと考えております。
#67
○仲道俊哉君 引き続き定数についての質問ですが、衆議院の定数を減らしたから参議院もというのは理念も哲学も主体性もない。そういう議論は参議院の自己否定につながるのではないですか。むしろ、本年行われる国勢調査による人口に基づいて定数削減を論ずるべきではないかと思いますが、これに対してはいかがでしょう。
#68
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 まことにごもっともな御指摘だと存じますが、このことに関しましては、さきに御答弁申し上げましたとおり、平成十年十一月十九日の与党の自由民主党と自由党の合意から実は始まっております。そこで、協議会の合意事項といたしまして、衆議院の比例代表の選出議員の定数を五十人削減するということを決めたわけでございますが、ところが、その平成十年の議論をしております前に、参議院では既に議長の命によりまして選挙制度の改革に取り組んでおりました。そこで、参議院の定数問題に関しましてはこのとき削除したわけでございます。衆議院だけを先行させたわけでございます。
 したがって、衆議院議員の定数を削減したから参議院の議員を削減したというロジックは事実と相反するものと私は考えております。しかも、議長の諮問を受けて参議院の各会派が独自性を持って議論をしていたわけでございます。
 また、御説のとおり、拙速ではなくて、次の国勢調査、十月一日に終わったところでございますが、これに基づいて定数削減を論ずるべきだという御意見もございまして、お話のとおりだという気もいたしますが、現実考えてみますと、定数削減を求める国民の声というのは非常に多いということを私たちは肌身で感じております。来年の通常選挙を控えておりまして、一定の期間を置いて準備をすることが必要でございますので、本年行われている国勢調査の速報値を待たないでも、既に現時点でわかっている数値をもって直ちに定数削減を行うべきであると判断したゆえんでございます。
#69
○仲道俊哉君 本当の野党であればもう少し今の点については質問いたしたいところでございますが、次に進みます。
 民意を反映する比例区の定数を減らすことは民意に反する。むしろ、比例区を減らさないで選挙区を減らす方がより民意にかなうと考えられるのですが、今回の改正も選挙区における逆転区を解消するという必要最小限の対応にとどめるべきではなかったかと思うんですが、いかがでしょう。
#70
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 今回の定数削減に関しましては、御案内のとおり参議院の選挙制度そのものに由来しております。都道府県を単位とする選挙区制度と全国を単位とする比例代表選挙が並立して存在しているわけでございます。選挙区制度は事実上、都道府県の代表の意義ないしは機能を有している、そしてまた比例代表制はおのずから全国共通の、例えば職域等を代表する意義あるいは機能を有していると考えられております。提案者といたしましては、この両制度を等しく評価すべきである、こういう観点に立って定数を見直したわけでございます。
 そこで、定数削減を行うに当たりましては、現行の両制度の定数比、すなわち選挙区は百五十二名、比例区は百というこの定数比をできる限り維持すべきであると考えまして、その結果、選挙区を六、比例区を四という削減の割り振りを行ったところでございます。
 また、後段でございました逆転区をとりあえず解消しておけばいいじゃないかという御説がございますが、なぜ参議院において議員定数を削減する必要があるかにつきましては、既に片山提案者を初めといたします皆さんからお答えしたところでございますが、せっかくのお尋ねでございますので、改めて私どもの考えを述べさせていただきたいと思います。
 第一に、中央省庁の改革においては国の行政組織並びにその事務及び事業の効率化、並びに国の果たす役割の重点化が現在推進されていること、それとともに地方分権の推進を伴いました国の果たすべき役割の重点化が図られていることを踏んまえたところでございます。
 すなわち、中央省庁等改革に係る大綱、これは平成十一年一月二十六日の推進本部の決定でございますが、「国の行政機関の職員の定員について、十年間で少なくとも十分の一の削減を行う」としております。また、中央省庁等改革基本法の第三十二条には「国の行政組織並びに事務及び事業の減量、」「効率化並びに国が果たす役割の重点化を積極的かつ計画的に推進」すると規定されております。
 さらに、ただいま申し上げました地方分権推進法の四条におきましては、「地方分権の推進は、国においては」「国が本来果たすべき役割を重点的に担い、」「住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体において処理する」と規定されております。実際、平成十一年、昨年の七月に成立いたしました地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律におきましては、機関委任事務の廃止、国の権限の地方への移譲等が行われているところでございます。
 このような国の果たすべき役割の重点化、スリム化に近い表現でございますが、図られている状況を踏んまえますと、同じ国家の機関でありながら、しかも行政を監視すべき地位にある立法機関である参議院において、当然にその構成をスリム化した上で立法に係る事務の効率化やその果たすべき役割の重点化を推進する必要があるということは申すまでもないところでございます。
 長くなりまして恐縮でございますが、第二には、現下のゆゆしい経済情勢のもとで国会議員の定数削減を求める国民の声は非常に多いところとなっております。
 すなわち、現下のゆゆしい経済情勢のもとで民間企業においては遠慮容赦なくリストラが進行し、平成十一年の年間失業率は御高承のとおり四・七%にまで至っております。このような厳しい雇用情勢を受けまして、世論調査の結果やマスコミなどの投書等をつぶさに見てみますと、国会議員の定数削減を求める声が多いことは実態でございます。そうである以上、国民の選良である私たち国会議員はこの国民世論にこたえるべき責務もあります。この責務にこたえることなく安穏としてその地位を保持しているということに仮になりますと、国民の国会議員ひいては国政に対する不信感を一層醸成することになりかねないとも考えております。
 最後でございますが、第三は、参議院制度の抜本改革の端緒となりたい、こういう決意がございます。
 すなわち、参議院議長の諮問を受けて各会派代表者懇談会のもとに置かれました通称須藤委員会、選挙制度改革に関する協議会においては、参議院の選挙制度の改革は参議院のあるべき役割に適合したものであることが必要であるといたしまして、参議院の役割とあり方についても並行して協議が行われてきたところでございます。その結果、参議院に期待されている役割を十分果たすためには選挙制度の抜本的な改革が必要であるとする立場からは、議員定数の削減をすることは抜本改革の端緒になるのではないかと考えておりまして、決して定数削減によってこれらが後退するものではないと考えております。
 以上、長くなりましたが、あえて説明をさせていただきました。
#71
○仲道俊哉君 野党議員に対する丁寧な親切な答弁をありがとうございました。
 次に、非拘束式の提案趣旨の問題について、まずこの選挙制度改革は民主主義の基盤であります。改める場合は野党への審議参加の説得に最大限の努力を払い、すべての野党の出席を待ち、できるだけ多数の政党の合意の上で行うのが原則ではないかと思うのでありますが、この点についてはいかがでしょう。
#72
○委員以外の議員(月原茂皓君) お説のとおりであります。しかし、この現状を眺めてみますと、まず基本的にはおっしゃるとおり選挙制度の改革は民主主義の基本でありますから、そして全議員が出席して、野党も出席して議論するのが筋であります。
 最近の経緯、もう委員御承知のとおりでありますが、十月二日、法案提出のときには各派代表者懇談会の開催を議長が呼びかけた、そして与党の方は四時に出ていくつもりでみんなそろっていたところ、その十分前に野党の方が拒否したということがあるわけであります。そしてまた、私は聞いておるのですが、この国会開会前に自民党の方は実務者会議を呼びかけていた、こういう話であります。
 そして、国会の場で議論するのが民主主義の基本であるということを我々は強く言っておるわけでありますが、議運そのもの、本来、もう赤十字と言われておるその議長のもとで活動する、どんなに荒れていても議運は円滑に進んで、粛々と進んでいかぬといかぬと言われているその議運の開催そのものすら妨害をしたということ、委員長はいまだ入院されておるということでもう十分おわかりいただいておる。
 我々はすべての手だてを尽くしながら、粛々と進んでいるわけであります。
#73
○仲道俊哉君 十月二日の代表者会議に野党が出なかったということは大変申しわけなく思います。これは当然私は出るべきである、そのように思う次第でございます。
 次に、選挙制度改革は参議院の役割やあり方を議論すべきでありまして、与野党の協議機関で徹底した議論が必要じゃないかと思うんです。
 例えば代議士という言葉、これは衆議院議員には代議士と呼びますが、参議院議員にはなぜ代議士と呼ばないのか。衆議院と参議院のその抜本的なあり方について、ただ補完するとかチェック機能であるということだけでなくて、非常にここのところが私は大事なところだと思うんですよ。
 ちょっと文献を調べてみますと、明治憲法下のときに我が国の貴族院議員も皇族、華族、勅選議員をもって組織されており、公選の形をとる衆議院とはその構成を異にしております。外国でも上院と下院というのがございまして、アメリカ合衆国の連邦議会におきましても、上院は各州を代表し下院は国民を代表する、そういう意味で下院議員を代議士と呼ぶと、そういうように明記されております。そういう意味で、この参議院が上院であり、衆議院が下院であるということから、そういう一つの歴史的な、法令で決まっておるわけじゃないんですが、そういう文献が残っているわけでございます。
 そういう意味からしますと、この選挙制度というのはそういう徹底した参議院のあり方、定数も含めてどうあるべきであるかということについて議論をすべきだと思うんですが、その点についていかがでしょうか。
#74
○委員以外の議員(月原茂皓君) 野党の方から本質的な議論を提起していただいて、ありがとうございます。おっしゃるとおりであります。
 それで、今までの経過を考えてみますと、第八次の選挙制度の問題から始まって、冒頭に片山議員から御説明したとおり、一つ一つ議論を積み重ねてここまで来たわけであります。しかし、御承知のように、もう二十一世紀は目の前だと。そして、参議院そのものの長期的な視野に立って、自主性を持って判断しなければならない問題が山積しておる。それに対処するためには、この機を逃がしたらまた三年後、四年後で、二十一世紀にちんたらちんたら同じようなことになっていく、こういうことでは申しわけない、国民に。我々の与えられた責務というものを全うするためには、今までの議論というものを踏まえて、そして与党として責任を持って今までの議論を集約して国会に出す。そして国会の場で、まさに民主主義の原点でありますが、この議場で大いに議論を闘わせてよりよい法をつくっていく、そういう努力が必要だろう、こういうふうに考えておるわけであります。
 先ほどの御質問にもお答えしましたが、悲しいかな暴力的な行為も行われ、そしてちゃんとした手続を踏んで行っているにもかかわらず、仲道先生、野党の方に叱咤激励していただけると思いますが、こういうときにこそ出ていただいて二十一世紀に向かっての基本的な問題について議論していただきたい、このように思います。
 よろしくお願いいたします。
#75
○仲道俊哉君 次に、名簿順位が発表されると、当落の予想がついて選挙運動が鈍くなるや、候補者や支援組織に競争させて議席増につなげたいなど、与党の選挙に有利かどうかで判断されているように思われますが、これは党利党略以外の何物でもありません。有権者をないがしろにし、また本年二月二十五日の参議院選挙制度協議会での与野党合意を無視するものではありませんか、いかがでしょうか。
#76
○委員以外の議員(須藤良太郎君) おっしゃるとおり、名簿順位が発表されますと、私も拘束で二回経験ありまして、最初は七番で次が十番、これは大体大丈夫だろうということでほっとした面もありますし、やはり、いい人、それから危ない、悪い人、これはもう相当楽になってしまうということは、これは人情として当然あるわけでありまして、これは自民党だけでなくて各党もそういう問題は持っておる、こういうふうに思っておりますから、これが与党の党利党略とかそういう問題では全くない、こういうふうに考えております。
 それから、二月二十五日の報告書が、全党合意で、何か参議院の選挙関係、全部ここで決まるようないろいろ報道がなされておりますけれども、これはもういろいろ言われてきましたけれども全くおかしい話でありまして、これは六月からことしの二月まで、国会開会中ですから実質は三、四カ月でありましたけれども、九回やっております。これは、一回目から九回目まできれいに議事録をもって毎回委員の方にはチェックしてもらって、相当な厚さで残っておりますけれども、これを見ると明らかなように、最初はもうとにかく野党を初め与党の方も、この性格はどうなんだ、位置づけはどうなんだと、これをはっきりして進もうということで始まったわけでありまして、それはいわゆる代表者懇談会、会長、幹事長、各党の最高責任者の懇談会の下に設けられたものということで、実務者のいわゆる意見なり議論をやって、それを整理してその代表者懇に報告する、そういう性格のものであったわけでございます。
 これが非常に高く評価されたわけでありますけれども、現実にはこれが何らの参議院の方向なり政策を決定するようなものではないということははっきりしているわけでございます。
#77
○仲道俊哉君 逆転区の解消と違いまして、すぐに改正しないと次期選挙の公平を害するといった差し迫った事情があるとは思えないのであります。むしろ、第三者機関を設けて意見を諮問するなど、公平さを担保し大多数の国民の理解を得るためにも、もっと幅広い議論が必要ではないかと思うのでありますが、なぜこのように急ぐのか、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。
#78
○委員以外の議員(片山虎之助君) 野党の模擬質問ですから少し丁寧に答えなければなりませんが、第三者の関係で言えば、第八次の選挙制度審議会もありますし、有識者懇もありますし、それはもう十分議論を積み重ねているんです。もともと、導入したときの議長は二回やったら見直そう、こう言っているんです、二回やったら。六十一年ですよ。ということは、十年以上おくれているということですよ、十年以上。あるいは第八次選挙制度審議会の答申からいうと十年ですよね。十年もほうっているからもっとほうっておいていいじゃないかという議論ありますけれども、我々は、もう二十一世紀がすぐそこまで来ているし、衆議院の選挙制度がブロック比例と小選挙区で定着してきている。参議院と似ているんですよ。それで、このままでいくと参議院の独自性はいよいよ埋没するので、二十一世紀を目前にしたこの機会しかないと。しかも、それはこのままほっておくと四年後なんですよ。こういう改革は、必ず次の次からやろうというのが合い言葉なんです。じゃ、やらないということなんです、ずっと先送りしようという。そういう意味では、私は大変緊急性があると思います。
#79
○仲道俊哉君 まだまだ通告してある質問がかなり残っておるんですが、時間がもう終わりましたし、野党の立場として疑問に思っていたことがかなり私は私なりに理解ができたと思いますので、これで質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#80
○委員長(倉田寛之君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#81
○委員長(倉田寛之君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#82
○林芳正君 自由民主党の林芳正でございます。よろしくお願いいたします。
 野党の立場に立った御質問も午前中あったわけでございますが、私は与党の本来の立場に戻りまして引き続きましていろいろと聞いてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。委員長並びに発議者の皆様、本当に長時間の審議、大変に御苦労さまでございます。
 私も先週末、地元に帰りましていろんなところで演説会また座談会等やってまいりましたが、これはサクラではなくて、この演説会で多少時間が余ったものですから、会場から御質問ありませんかと、こういうふうに聞きました。そしたら、これは下関市の小月というところの公民館でやった百人ぐらいの会でございますが、男性の方が質問といいますか意見ということで立たれまして、国会の今の状況は大変見るに見かねる、審議拒否ということで出てこないということは、我々は何のために税金を払ってあなた方の給料をお支払いしているのかわからなくなると、こういうおしかりをいただいたわけでございます。そして、私は自分ではきちっと出てきているということをもちろん申し上げたわけでございます。
 それから、こういうことをおっしゃっておりました。今教育問題、非常にいろんな荒廃が叫ばれておりまして、学級が混乱して授業が成り立たないとか登校拒否ということが言われておりますけれども、こういう国会、一番、国の最高の立法機関として、立法をつかさどるこの機関において、いわば国会に出てこないということを子供たちがテレビや新聞でこれを見て、自分たちが登校拒否をやってもいいんじゃないかと、こんなようなことを実際に言っておるということをその方は切々と訴えておられました。
 ぜひ、子供のいい手本にやっぱり野党の皆さんにもなっていただいて、正々堂々とここへ出てきていただいて議論を尽くしていただきたいということを、これは同僚の皆様からもそれぞれ指摘があったことでございますが、私からもぜひお願いを申し上げたい、こういうふうに思っておるところでございます。
 また、参考人の皆様からもきのう御意見を聞きましたし、拙速だという議論を随分ここでもやりました。しかしながら、どなたか同僚の先生がおっしゃっておられましたけれども、まだ一年もあるわけでございます。今IT、ITということでございまして、ドッグイヤーということが言われておりますけれども、昔の七年が一年にも匹敵するというようなこのスピードの時代でございます。
 スイスの有名なダボス会議というのを主宰しておりますシュワブ博士というのが最近よくおっしゃっておられますのは、ファスト・イート・スローと。これは、我が国では竹中教授もよくおっしゃっておられますけれども、昔は弱肉強食で大きくて強い者が弱くて小さい者を食べてしまうということでございましたけれども、現代におきましては早い人が遅い人をも食べてしまう、こういう時代になっているんだということでございますから、まさに我々も、この現代の中で何年もかけて結論が出ないというのは、やはり国民に対してきちっとした対応をとれていないんではないかと私は常々思っておりまして、そういう意味からも、迅速に決めるときは決めるという態度が必要だと思います。
 これは外国の例でございますからそのままというわけにはいかないと思いますが、同じ議院内閣制をとっておりますイギリスにおきましてこういうことを聞きました。税法が国会に提出されたときのお話だそうでございますが、議院内閣制におきましては、内閣が、また与党が提出した法案というのは、審議を尽くせば必ず多数を持っておりますから通るわけでございます。そして、税法におきましては、既に大蔵省が内閣から国会に提出した瞬間にその税法が即施行になる、まだ審議をする前からもう税率そのものが変更されてしまう。
 これは長年の慣習によりましてそういうことになっておるわけでございますけれども、同じ議院内閣制をとりますイギリスにおきましてもこれぐらいいろんな知恵の積み重ねの中からやるべきことを早くやるということがついておるわけでございまして、我が方先輩諸氏がいろいろ御議論された中で、このこと一つが何年かかっても決まらないというのは大変に、我々の給料を払っていただいている納税者の皆様に何と説明をしていいのか、こういうように思うわけでございまして、そういった気持ちをぜひきょうは吐露したいと思ってここに立たせていただいたわけでございます。
 先輩の皆様や同僚の皆様から非拘束については種々御質問があったところでございまして、私は定数の削減の方について若干の御質問をしてまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。
 まず、今回の参議院議員の定数を削減するパートが入っておるわけでございますが、特にこの部分につきましてどのような経緯でこの提出をするに至ったか、その経緯を御説明願いたいと思います。
#83
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) お答え申し上げます。
 まず今、林委員の政治にスピードをというのは全く私も同感でございまして、この審議にも鋭意努めてまいりたいと考えております。
 今お尋ねのどのような経緯によるものなのかということでございますが、前回の参議院選挙、平成十年七月でございますが、その秋、九月九日、各派代表者懇談会におきまして、斎藤議長の方から選挙制度改革に取り組むべきである、そのような指示があり、十一年四月をめどに各会派において考えをまとめることとなったところでございます。
 我が党におきましても、その翌年の四月に考えをまとめて議長に提出したところでございますが、それを受けまして、同年の六月十六日、各会派代表者懇談会におきまして協議会方式により参議院の選挙制度を協議することとなる、そういうふうに方向性を決めていただきまして、年内をめどに報告書を取りまとめて、次の通常選挙までに間に合うように改革を行うことで合意があったというふうに承知をしているところであります。
 この合意に基づきまして、この各会派代表者懇談会のもとに、須藤発議者でございますが、須藤先生を座長といたしまして参議院選挙制度改革に関する協議会、いわゆる須藤協議会が設置をされまして、六月二十四日以来九回にわたりまして参議院の選挙制度の改革について協議を行い、本年の二月二十五日に議長に報告書を提出した次第でございます。不肖魚住、私もこの協議会九回にわたり参加をさせていただいた次第でございます。
 三月三日に各派代表者懇談会におきまして、この報告書に基づく報告が行われ、その取り扱いが協議されまして、定数問題につきまして各会派の幹事長などにおいて協議することとなったというふうに承知をしております。
 四月二十六日の各派代表者懇談会におきまして、各派幹事長から参議院制度改革における定数問題について報告がなされまして、その報告自体が三論併記となっていたというふうに承知しております。そのため、自由民主党・保守党、公明党・改革クラブ及び参議院クラブは、各派幹事長協議会協議における主張を法律案に取りまとめまして第百四十七国会において提出したところでございますが、残念ながら委員会に付託もされないまま廃案となったものでございまして、その内容を今回の改正案に盛り込ませていただいたところでございます。
#84
○林芳正君 ありがとうございました。
 魚住発議者からもお話がありましたように、この定数の部分についてはもう二回目の国会なわけでございまして、まさにスピードという面でもぜひこれは早急に結論を出して成立させていかなければならないと思っておるわけでございます。
 そこで、なぜ議員定数削減なのかという議論も随分ありました。きのうの参考人の質疑におきましても、むしろ胸を張ってもっとふやしてもいいんではないかというような御議論もあったわけでございますし、片山発議者からは、余っているんじゃないんだ、もうぎりぎりでやっているんだと、長谷川先生からもそういうお話がありましたけれども、そこをあえて削るんだというようなお話もあったわけでございますが、改めて魚住発議者から、これなぜ削減なのかということをお聞かせ願いたいと思います。
#85
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) お答え申し上げます。
 先ほどお話し申し上げました須藤協議会におきましてもその部分が実に議論の重ねられたところでございまして、今回、提案者といたしましては次のように考えているところでございます。
 午前中の答弁の中で保坂発議者もおっしゃっていたとおりでございますが、まず中央省庁等改革に係る大綱、平成十一年一月二十六日の決定でございますが、国の行政機関の職員の定員につきましては十年間で少なくとも十分の一の削減を行うというふうにしております。また、中央省庁等改革基本法におきましては、国の行政組織並びに事務及び事業の減量、効率化並びに国が果たす役割の重点化を積極的かつ計画的に推進する、これは三十二条でございますが、このように規定をしているところでございます。
 そこで、同じ国家機関といたしまして、しかも行政組織に対して監視すべき立場にございます参議院においても、その構成をスリム化した上で、立法に係る事務の効率化やその果たすべき役割の重点化を推進する必要があろうかというふうに思っております。
 第二点目は、現下の大変な経済情勢のもとで、民間企業におきましてはリストラが進行がしているところでございます。厳しい雇用情勢を受けまして、世論調査の結果でありますとかあるいはマスコミへの投書等には、国会議員の定数削減を求める声が非常に多うございます。国民の選良と言われております国会議員が、国民世論に耳を傾けることなくひとり安穏としてその地位を保持するということはいかがなものか、ひいては国政に対する国民の不信感を醸成しかねないというふうに判断をするところでございます。
 さらに、私どもといたしましては、統一外の選挙等におきましても、地方選挙におきましても、各市区町村において定数削減、毎回のように見聞をするところでございまして、やはり国会においても、参議院においてもしっかりこの部分は議論すべきかというふうに考えているところでございます。
 参議院に期待されている役割を十分に果たすためには、選挙制度の抜本的な改革が必要であるというふうにも考えるところでございますが、議員定数を削減するということは抜本改革の端緒となるものであって、決して後退にはならないというふうに考えているところでございます。
#86
○林芳正君 ありがとうございました。
 まさに魚住発議者がおっしゃられたように、抜本改革の中で、これを端緒として、できれば長期的な将来においては、やっぱりこれぐらい仕事をしてもらっているんだから少し定数を削減した分ぐらいもとに戻そうというような声が国民の中からほうふつとして巻き起こってくる、こういうふうにしていかなければならないんではないかなと思うわけでございます。
 理屈は、きのう参考人がおっしゃったように、ほかの国に比べて必ずしも多過ぎることはないということでございますが、やっぱり肝心のお客様といいますか、選んでくださる皆様の声を我々は感じてこういうことになったわけでございますから、まさにこれを端緒として抜本改革につなげてまいらなければならない、こういうふうに思っておるところでございます。
 そこで、ちょっと細かい話になるかもしれませんが、今のに関連しまして、今回十人、裏表で五人ずつで十人ということでございますが、これはなぜ十人なのかということについて魚住発議者からお伺いしたいと思います。
#87
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) お答え申し上げます。
 協議会の中でもいろんな議論をいたしましたけれども、例えば今の定数から百名削減したらどうなるのか、ほとんど今の参議院の役割は全く果たせないというか、我々参議院は寝る時間もなくなるぐらいになるんだろうというふうに思います。そうなれば相当な、委員会の審議のあり方等を含めて抜本的なあり方といいますか、機能も含めて考えなきゃいけない。ただ、そこまではちょっとドラスチックにできないなということでございまして、十全に役割を果たすためにはかえって確かに増員ということも考えてもいいんではないかという議論もございました。
 ただ、先ほど申し上げましたような事柄から考えて、やはり削減方向ですべきではないかというふうに考えた次第でございますが、削減するに当たっては、公選による二院制を採用する憲法において参議院に期待されている役割を損なわない程度の数とすべきであるというふうに考えた次第でございます。
 そこで、この削減の必要性、そして参議院の役割等を総合的に勘案して慎重に検討を行った結果、定数を十人削減するということが適当であり妥当であるというふうに結論に達した次第でございます。
 衆議院の方の削減、二十名定数を減らしたわけでございますが、やはりその対比の上でも十名程度が適当かというふうに考えているところでございますが、これは衆議院を見習ったという趣旨ではなくて、この程度が今の時点では一番最も適しているんではないかというふうに判断した次第でございます。
#88
○林芳正君 まさに何人かというのは、なかなか理屈でこういう計算式があってこれに当てはめてこうでございましたというんではなくて、やっぱり民意を敏感に感じております我々が、協議を尽くしていただいて、今魚住発議者からもございましたように、まあこのぐらいはというような線が出てきたということではないかと、こういうふうに思っているところでございます。
 そこで、参議院の選挙区の定数格差ということでございますが、これはちょっと後ほど、いろんな判例も出ておりますし、諸外国の例もございますので、それと一緒に後でお聞きしたいと思っておりますが、もう少し具体的な話として、この定数が実際に削減されるのは具体的にはいつの時点からどういうふうになっていくのかということについて、保坂発議者からお願いいたしたいと思います。
#89
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 いつの時点から定数が削減することになるのか、このようなお尋ねでございますが、この法律案は、公布の日から起算して二十日間を経過した日から施行することとしております。
 ただし、議員定数に関する部分につきましては、附則第二条第二項におきまして、「施行日以後その期日を公示される参議院議員の通常選挙並びにこれに係る再選挙及び補欠選挙について適用し、施行日の前日までにその期日を公示された参議院議員の通常選挙並びにこれに係る再選挙及び補欠選挙については、なお従前の例による。」こととしております。
 これを具体的に説明申し上げますと、平成十三年に行う次の通常選挙においては新しい定数で行われ、その通常選挙に選挙無効等の事由が生じて行われる再選挙や欠員などが生じて行われる補欠選挙、これにつきましても同様に新しい定数で行われることにしております。しかしながら、さきの平成十年に行われた通常選挙において、この法律の施行日以降に選挙無効等の事由が生じて行われる再選挙や欠員等が生じて行われる補欠選挙におきましては、従前の定数で行われることとしております。
 なお、このように、「施行日の前日までにその期日を公示された参議院議員の通常選挙並びにこれに係る再選挙及び補欠選挙については、なお従前の例による。」とした理由でございますが、今回選挙区の定数が削減となる選挙区においては、たまたま再選挙事由や補欠選挙の事由が生じた場合に新しい選挙を具体的に適用することとなりますと、それをきっかけといたしまして参議院議員の定数自体が五月雨的に変更されることになりまして、議員定数として安定性を欠くことになる、こんなおそれがあるからでございます。
 以上でございます。
#90
○林芳正君 御丁寧に御答弁いただきましてありがとうございました。
 端的に言えば、半分はそのルールでやって残りの半分は三年後までにそれになるということになろうかと思いますが、ここは非常に細かいところですが大事なところですので、我々も、せっかく今御答弁いただきましたので、よく地元の皆さんや関係者の皆さんに混乱が生じないように説明をしてまいらなければならないなというふうに思っておるところでございます。
 そこで、条文の細かいところでございますが、参議院議員の定数を附則の第三条において定めておるということでございますが、これはなぜここに定めてあるのかということについてお尋ねしたいと思います。
#91
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 ただいまお尋ねの附則第三条において参議院議員の定数を定めている理由でございますが、憲法第四十三条第二項に、両議院の定数は法律でこれを定めると既に規定されておりますことは御承知だと思います。これに基づいて公選法第四条第二項に参議院議員の定数が定められているところでございますが、また国会議員の定数は、憲法はもちろん国会法においてもしばしば用いられます重要な概念でございます。これが幾らかであるかを明らかにすることは極めて重要なことでございます。
 今回の法律案におきましては、公職選挙法第四条第二項を改正させていただきましてこの参議院議員の定数を削減するものでございますが、参議院議員はただいまもお話がございましたとおり三年ごとにその半数を改選するというシステムになっておりますので、具体的には二回の選挙を経過しなければ改正された同項の定数にはならない仕組みになっているわけでございます。
 そこで、本則中に定められた参議院の定数に至るまでの経過的な参議院の定数を法律上規定しておく必要があるためにこのような規定をわざわざ設けさせていただいたわけでございます。
#92
○林芳正君 ありがとうございました。
 そこで、経過措置等いろいろ必要だということでございますが、具体的にこの附則の第三条の規定、これはどういうふうに解釈を、実際、人数とかいろいろあると思うんですけれども、していったらいいのか、ちょっと細かい点でございますが御説明を願えればと思います。
#93
○委員以外の議員(保坂三蔵君) ありがとうございます。大事なところでございますので、さらに詳しく述べさせていただきます。
 まず、平成十三年七月二十二日または平成十三年に行われる、七月二十二日というのは任期でございますが、十三年に行われる通常選挙の期日の前日のいずれか遅い日までの間は二百五十二人とするのは次の理由によります。
 平成七年の第十七回の通常選挙、これは七月二十三日に実施されておりますが、において選挙された議員の任期満了日が実は来年の七月二十二日でございます。その日まで定数が二百五十二人であることは現に明らかでございます。しかし、その日よりも後に平成十三年の通常選挙が行われた場合は、その通常選挙によって選出された者の議員としての任期の開始日は当該通常選挙の期日からとなる。すなわち、削減された新しい定数となるのは通常選挙の期日からとなるわけでございます。したがって、そのような場合には通常選挙の期日の前日までの定数は二百五十二名、こういうことになるわけでございます。
 次に、次の平成十六年の選挙ですね、次の次の選挙、これは七月二十五日までの間は二百四十七名とするのは次の理由でございます。
 平成十年の第十八回通常選挙において選挙された議員の定数は百二十六名おります。その任期満了日は平成十六年の七月二十五日でございます。そして、平成十三年の第十九回通常選挙において選挙された議員の数は百二十一名に減っております。両者を合計して得た定数が二百四十七名でございます。
 しかし、平成十六年七月二十五日以降においては、たとえ通常選挙がその後に行われた選挙でありましても、残っております参議院議員は百二十一名でございます。その通常選挙において選挙すべき議員の定数も百二十一名になります。
 したがって、次の次の選挙の平成十六年七月二十六日以降においては、これは定数を二百四十二人とすべきである、こういうような理論構築になっております。
#94
○林芳正君 細かく御説明をいただきましてありがとうございました。
 この数字の部分は本当に身分にかかわるところでございますし、今お答えいただきました保坂発議者、私も含めまして、まさに来年の七月二十二日までの任期で今こうやって活動をしておるわけでございますから、我々自身の身分にもかかわることでございますが、今お話を聞いておりましてもやっぱりこれは文章で、ここまで何人、何月何日まで何人、こう言われて、今はわかりましたけれども、またこれは帰って皆さんに説明するのはなかなか容易ならざることだろう、こういうふうに思うわけでございます。
 これは大変大事なところでございますので、自治省、答弁は結構でございますが、これは通った後お得意のポンチ絵をつくっていただきまして、一目見たらわかるような広報の仕方を、これはもう必ず通るわけですから、今からきちっと工夫をいただいておきたいと思いますが、何かコメントございますか。
#95
○政府参考人(片木淳君) 御指摘の点も含めまして、国民の皆さんに対する啓発につきましてはいろいろと工夫をさせていただきたいと思っております。
#96
○林芳正君 ありがとうございました。
 そこで、先ほどちょっと先に延ばすというお話をいたしましたけれども、参議院の選挙区、地方区の間の定数格差問題というのがございます。
 私はかねてよりこれは非常に関心を持っておりまして、いろんな判例も出ております。きょうはこういう機会でございますので、いろいろ私の考えも述べながら発議者のお答えをいただきたいと思うんですが、いわゆる今回の定数削減につきましても、人口の多い少ないでどこの県からと、こういうふうに割り当てをするわけでございます、これは選挙区の方でございますけれども。なぜいわゆる人口比例の原則というものをこの選挙区でとっていかなければならないのかという根本的なところにつきましてちょっと考えてみたい、こう思うわけでございます。
 最高裁の判例でこれはもう確定、何回も何回もこういう判例が出ておるわけでございますが、参議院の場合は衆議院と違いまして、これは憲法十四条だと思いますが、やはり一票の平等の価値というのは原則としては重んじられなければならない、ただ衆議院と違いましていろんな要素を加味して、衆議院と違った選び方をして二院制の価値をお互い高めなければならないという見地から、いわゆる都道府県からの代表というような要素も加味してやる、これが最高裁の法理、理論の立て方であろう、こういうふうに思っておりまして、ですから衆議院は二倍以内、こういうことになっておりますけれども、参議院はそれよりもかなり数の多い倍率までは違憲とは言えないというのが最高裁の多数意見の考え方であるわけでございます。
 しかしながら、一票の平等の価値というものは基本的な憲法に定められた原則でありますから、これを著しく逸脱する場合は違憲と言わざるを得ないということが最高裁の多数意見でありますし、最高裁の少数意見はそれをさらに人口に重きを置いた考え方をとっておりまして、今の段階でもこれは著しく逸脱しているんではないか、こういうようなたしか論理での展開だったかと、こういうふうに記憶をしておるわけでございますが、二院制をとっておりますほかのいろんな国を見ましても、ここまでいわば厳しくこの人口の問題というのをやっている国というのは余りないような気がいたすわけでございます。
 最も極端な例としてアメリカの上院というのがございます、セネットでございますが、ここは下院議員はもちろん人口比例でございまして一・五倍ぐらいに、センサスという人口統計、国勢調査に当たるものでございますが、これが行われるごとに定数を変えておるわけでございます。ですから、例えばデラウェア州のように下院議員が一人の州もございますし、一番多いところはカリフォルニアだと思いますが、これは五十名を超える下院議員がおりますから、このことからだけ見ても五十倍以上の人口の格差を許容しておると。上院議員はお互いデラウェア州も二人、カリフォルニア州も二人でございますから、もう五十倍以上も格差があるわけですね。でも、これは憲法にきちっと規定がありまして州から出すということが書いてございますので、これは憲法上問題がないと、こういう考え方でございます。
 私はむしろ、これだけ地方分権、地方主権という言葉が、そして政策がいろいろ出ている中で、こういうところを原点に立ち返って我々は考えをしなければいけないんではないかなと思っておるわけでございます。立法と司法の関係というのはお互いに抑制と均衡と、こういうことを我々も中学生ぐらいで習ったわけでございますから、まさに司法がこういう判断をしているからそこから先は考えないんだということではなくて、やはり我々は我々として、もう少し白紙の大きなキャンバスの上に、二院制というものはどういうものか、参議院というのはどういう選ばれ方をするのかということをこれにとらわれずに議論をしてみるということが大事なのではないかなと、こういうふうに思うわけでございます。
 そういう観点でいろいろと調べてみますると、実はこの最高裁の判決の前に東京高裁の判決というものがございまして、これは大変におもしろいことを言っておりますのでちょっと引用させていただきますと、「参議院議員の選出方法に関する憲法の要請」というところがございまして、
  国家意思形成の中心機関である衆議院について、
ちょっと「中心」というところは参議院議員の私にはひっかかるわけでございますけれども、これは高裁が言うことですから。
 衆議院について、人口比例主義を厳格に貫くことによって、国家統治の正当性が満足されていることを前提とすると、衆議院とは異なる独自の役割を担う参議院について、憲法は、それを構成する議員の選出方法について、人口比例主義とは異なる独自の方法を採用することを求めているものと解するのが相当である。
 東京高裁ではもう既にこういう判決が出ておるわけでございます。
 そこから少しさらに先の方に進みますと、
  このようにみてくると、本件で問われているのは、結局、参議院(選挙区選出)議員選挙の方法について、人口比例主義を他の要素に優先して尊重すべきものとして、参議院を衆議院化させるのか、それとも、参議院の存在意義を確保するため、議員の総定数を限定したり、選挙区の規模を大きくするなど、人口比例主義とは別の政策を採るのかの選択の問題であるといえる。
こういうふうに書いておるわけでございます。
 このような選択を含めて参議院議員の定数の決定は、憲法上、立法機関である国会がこれを行うものとされている
という解釈でございます。これは憲法四十三条の二項の解釈としてそういう解釈になるということをおっしゃっておられるわけでございます。
 そして、
 立法機関である国会が、参議院の存在意義を確保することを優先する場合には、選挙人の投票価値には、右四のような大きな較差が存在する場合も生じうる。そして、議員一人当たりの人口較差が四ないし五倍に及ぶという状況を、人口に比例していると称することは困難である。しかし、これは、憲法の精神に従い参議院の制度趣旨を優先した結果によるのであり、これをもって違憲とするべき根拠はないものといわねばならない。
 これが高裁の趣旨でございます。非常に示唆に富む、なかなかこれは最高裁に行きますと従来の判例でバインドされてしまうわけでございますが、もう高裁のレベルにおきましてこういう考え方が出ておるわけでございます。
 法学の中では、判例通説、こういうことがよく言われておりまして、今のが判例のもう少し出かかっているところまで来ておるわけでございますが、じゃ学説はどうなっておるかということでございますが、これも多数説は最高裁の判例と一緒でございますけれども、いわゆる少数説と言うと大変失礼に当たるような憲法の大家、佐藤功先生また佐藤幸治先生の先生方にはこの少数説でかなり思い切ったことをおっしゃっておられます。
 これは佐藤功先生の有斐閣の憲法の教科書でございますが、「公選制の下で、参議院の構成を衆議院の構成と異なるものとすることが望ましいとする主張は可能であり、憲法もそれを期待しているといいうる。」、「そして、地方区的な制度をとる場合に、アメリカ上院的な方式すなわちすべての地方区の定数を一律に同数(たとえば都道府県につき一律に二名)とすることも違憲ではない(国会の裁量の範囲に属する)と解される。」と、はっきりこれはおっしゃっておられるわけでございます。
 佐藤幸治先生も、もう少しやんわりとした言い方でございますが、そのような方向に進むべきではないかというような御意見でありまして、私は、だんだんこれは国民の皆さんにも浸透していかなければならない話でありますが、判例通説におきましてもこのような考え方が有力な考え方として高裁の判決に出ておるわけでございますし、両佐藤先生のような高名な先生方にもこういう説が出てきておるということは、我々もこういうことに対して立法府として議論をしていかなければならないのではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。
 きょうは法律の審議でございますので、このことについて今の発議者の立場では最高裁の通説、判例ということにならざるを得ないということはもう重々承知をしておりまして、その答弁もいただかなければなりませんが、それに加えまして、須藤先生、もう大家であられますし、また保坂先生もずっとこの問題、特に人数の多いところで選挙を戦っておられるわけでございまして、答弁に加えまして先生方の御見識も賜れればと思うわけでございますが、須藤先生いかがでございましょうか。
#97
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 大変高い見識、お話を聞きまして、私が申し上げることもないわけでありますけれども、高裁の方がむしろ最高裁よりも相当参議院のいわゆる格差の問題には寛大というか非常に別な見地から出しておりまして、私自身はこれは非常にありがたいことではないか、こういうふうに思っておるわけであります。
 今まともに鳥取それから東京のあれを比べますと二十倍近いことになるわけですから、そういう意味で、できるだけひとつ地方、都道府県の一つ単位がありますから、こういう特性は生かした形でいいのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
 定数を論議するときに、例えば今いろいろおっしゃいましたアメリカの州政府のように、各州から二名ですか実際には、そういうことで都道府県全部同じにしたらどうかという話もあったわけでありますけれども、これはちょっと、アメリカは合衆国憲法でそれを決めておるわけでありますし、日本の憲法からいたしますと非常にこれは無理だということであったわけでありまして、いずれにいたしましても、私、格差の問題は、余り大きくてはいけませんけれども、ある程度は認めていくのがいいのではないか、こういうふうに考えておるところでございます。
#98
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 特にアメリカの事情に詳しい林先生のお話を承りまして、アメリカのセネターの制度等は大変参考になりました。しかし、考えてみますと、アメリカの場合は連邦制が徹底しているわけでございますから、日本の地方分権がいかに今日進んできたといいましても、国情の違いがあることは歴然としているわけでございます。
 最高裁の判決も、平成八年の九月の判決はたしか六・五九倍で違憲であるという判断をいたしました。今日、先月の九月六日の最高裁の判決は、十五人中五人の裁判官が違憲という意見を表明いたしましたけれども、現実には四・九八倍の格差を合憲の範囲である、こういうことで判決が出たわけでございます。
 私は、その一票の票の重さと、それから衆議院と参議院のありようから発するところの選挙制度の違い、また多元的に時期や制度の違いから国民の意見を酌み取るというような参議院の独自の選挙のあり方、こういうものを両々組み合わせた部分が実は判決で出ているんじゃなかろうかと思うわけでございます。
 ちなみに申し上げますと、お話のとおり私は東京でございまして、今最大格差は東京と鳥取の間が四・七九七倍、これは平成七年の国調でございますが、五倍違いますと都民の一人からいうと軽過ぎるという意見があることは事実でございますが、されど、昨今定数を削減しようという社会情勢の中で、鳥取県の六十一万、これを二で割って、一名が例えば三十万とか三十一万を仮に配当基数でいたしますと、この間もお話し申し上げました東京は三十六名にしなくちゃならないんです。
 こういう方式を全部オーソライズしますと、参議院の定数三百五十名必要だということになるわけでございますから、このあたりは東京都民が、例えば五倍程度の範囲では合憲であるという最高裁の判決はひとしく私は支持をしているんじゃなかろうかと思いますし、また一方では、今回の非拘束の比例選におきまして個人名の投票を導入したことによりまして、このあたりは民意が反映される制度が新たに加味されたと歓迎しているという世論を私は感じているところでございます。
#99
○林芳正君 お二人の先生から大変に高い見識をいただきまして、感謝をしているところでございます。
 長期的な、先ほど魚住発議者からもありましたように、抜本的な改革の端緒にしなければならないということでございますが、こういうことも含めて、皆さんがきちっとごらんになっていただけるこういう委員会の場でいろんな議論を闘わせていくということが本当に大事なことではないか、こういうふうに思うわけでございます。
 特に、今のアメリカの場合は、今、保坂発議者がお話しされたように、最高裁の判例、今のままでいきますとかなりの倍率になる。それから、東京の皆さんも五倍ならともかくそれ以上になるとというお話は、実際に都民の皆さん、また国民の皆さんと接しておられる保坂先生ならではの感覚だと、こういうふうに思うわけでございます。
 それからもう一つは、憲法四十三条の問題もございまして、法律上、例えば都道府県の代表であるというようなことにしてしまった場合は、議員が全国民を代表するという規定が憲法にございますので、こことの絡みもどうするかという問題も出てこようと思いますが、いずれにしましても、私は、判例がこうだからこの範囲内で考えるんだということではなくて、立法府はやはり立法府として、その範囲を、頭の体操でもいいですから、取り払ってみたらどういうことになるのかということをまず考えて、そしてそれが現行の判例通説とどう整合性があるのか、なければどうしていくのか、こういう議論をしていきたい、またしていかなければならない、こういうふうに思っておるところでございます。
 定数ばかりやっているわけにもまいりませんが、今週ずっとこの議論をやってまいりました。そこで、もう一回総まとめの意味で、皆さんがこの審議をごらんになっていて、今の制度と新しい非拘束、名前はまた皆さんに考えていただかなければなりませんが、新しい制度になった場合に、一体どこがどう変わって、何がいいんだろうかということを一番中心に我々は訴えていかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。
 私は、いろんなところで今ディスクロージャー、会計もディスクローズしろ、情報も公開しろということが叫ばれておる中で、どの候補にどれぐらい票が集まるかというのがもうはっきり数字で出るというディスクロージャーの意味もこれはあるんではないかなと。いろんな職能団体、職域団体、こういう団体の皆さんの意見を反映させていくときにも、逆に言えば、数字で出ておりますと、余り数字がないところの意見ばかり通っておると何をしておるんだと、こういうことにもつながってくるという意味で一つのディスクロージャーにもなるんではないかなと、こういうふうに思っておりますが、そういうことも含めて、最初の根本的な質問に戻るわけでございますけれども、なぜこの非拘束名簿式に改めるのか、またそのメリットはどういうところなのかということを改めて須藤発議者にお伺いしたいと思います。
#100
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 既によくおわかりのことと思いますけれども、第八次選挙制度審議会第二次答申におきまして、次のような問題点が繰り返し主張されておりまして、参議院におきましてもいろいろの党派で共通の認識になっておるものでございます。
 一つは、参議院の政党化を促進して参議院にふさわしくない、二つ目は、候補者の顔の見えない選挙になっている、三つ目が、候補者名簿の順位の決定が有権者にわかりにくい、こういう問題が認識されておるわけでありますけれども、選挙制度の改革というのは各政党、各候補者にとりましても非常に大きい影響を及ぼすということで、こういう問題はもうしっかり認識しながらもなかなか実現をしないで十七、八年、今日に至っておるわけであります。
 ところが、参議院選挙制度の改革を行うことが次のような理由で非常に緊急になっておるわけでありまして、一つは、参議院に期待されている役割の一つとして、衆議院と異なる選挙制度、また異なる時期に行われる選挙によって国民の多元的な意思をより多く国会に反映することが必要である。ところが、衆議院にも比例代表が入りまして、これが定着している一つの事情がございます。
 それからもう一つは、最近、特に特定の支持政党を持たない有権者が大幅に増加しておりまして、有権者の政治意識の多様化が急速に進んでいる。ところが、党名だけしか書けないこういう今の拘束式ではなかなかその意思を十分に国政に反映できなくなっている、こういう事情がございます。
 さらにつけ加えますと、特に最近の憲法問題を初め、教育、外交、防衛等、国家の基本にかかわる問題が山積しておりまして、これらの課題に対処するために、参議院は六年という長い期間もありますので、長期的視点に立っていわゆる国政にしっかり取り組む必要がある、こういう必要があるわけでございます。
 そういう意味で、今回、これは先延ばしということでなくて、真っ正面から取り組んで、余り先に延ばさないでひとつ変えよう、こういうことになったわけでございます。
#101
○林芳正君 ありがとうございました。
 私も後ろの方の席で何度もお聞きをしておったわけでございますけれども、やはりそこは大事なところなので、改めて最後に聞かせていただきました。
 ちょっと時計が最初回っていなかったようでございまして、私の時間がもう来たようでございますので、ここでやめさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#102
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 発議者の皆さんには、もうここ数年来、一生懸命この参議院制度をどうしていけばいいのかという御議論、殊に須藤座長を中心にしていただき、そしてこの改革の案をお出しいただき、そしてまた連日にわたりまして我々の持っている疑問に丁寧に、そして時にはたび重なる質疑も出てくるわけでございますけれども、できるだけ多くの皆さんに理解していただこうと一生懸命私どもと御議論をいただいておりますことを感謝申し上げる次第でございます。
 しかし、私は極めて残念だなと毎日この席に座りながら思っているんです。すばらしい委員長が選任されて、そしてきちんと委員会として何の瑕疵もなく連日こうして質問をさせていただいている。野党の皆さんが、佐藤道夫先生だけ御出席いただいて、あとの方々が一人もお見えにならないけれども、その時間を毎回毎回委員長が丁重にお待ちをされて、そして夕方五時過ぎにここにまた集まってきて、そして時間が経過したのでやむを得ず散会しているというこの日々、私は非常に座っていながらむなしさを感じるんですね。
 何で審議拒否されているんだろうかな、何でここへ入ってきて、いろんな御意見があれば述べられないのかな。きのうも参考人の先生もおっしゃっていましたけれども、ある党の方はインターネットで一生懸命この制度の欠陥を訴えておられるという。ならば、なぜここへその方が出てきていただいて、そして発議者と意見を交わし、少しでもよりよいものにしようと思われないのかな、そんなことを思ったりしているところでございます。
 ずっとお見えにならなかったのに、急に、私の時間が近づいたのか、後ろの方にありがたいことに傍聴人の方がお見えいただいていますね。もしよろしければ、この中に委員の人がおられたらどうぞお座りいただいた方が、そしてまた意見をおっしゃっていただいた方がいいんじゃないだろうかと。委員会に出ずに、街頭に行って、どなたがどうこうとは申し上げませんけれども、それでこの委員会の審議の状況は民主主義の危機だと街頭で叫ばれているんです。私は、ちゃんとルールを守っておらないこと、ここで議論をしないで外でやっておられることこそ、もうそのこと自体が民主主義の危機だと、そう思うんです。
 きのう、参考人がお見えいただく前に、野党のかねてから親しい議員さんでこの提出名簿に上がっている方々にちょうどばったりと会いましたので、せっかく参考人がお見えいただくのだからそれを機会に入って御意見を伺われたらと、このように申し上げましたら、いや、森本さん、今さら恥ずかしゅうて入っていかれへんねんと、こうお答えになられるんです。思っておられるんじゃないかと思うんです。僕は言ったんです。これ以上出てこないことが余計恥ずかしいことやでと、出てきて国民の皆さんに一生懸命答えられる、議論されるのが大事なことではないかと思うんです。
 今度の、先ほど保坂先生からいろいろ定数削減の問題が出ている。そこは全部与党ばっかりの議席ですか、野党の方もいらっしゃるんでしょう。そんな方々がこの場で自分にかわって、あるいは党のだれかがやってくれれば、あるいはみんな出てきて、私の地域の鹿児島はと、こう言って、どうなるんだということをやっぱりここで意見を述べられるのが正当な、その人を選出してくださった国民に対する答えだと思うんです。ここで一言も言わずに、今度この国会が終わったら、選挙が近づいたら言われますよ。あんなの暴挙だとか勝手にやったとか言って、そんなん言うのやったら今言えと言うんだ、ここへやってきて。
 我々は、いろいろとここで申し上げたこと、これはありがたいことに丁寧に国会の議事録に残っていくんです。後の人が議事録を見たら、佐藤道夫先生以外、野党の人はだれも何にも意見言うてない。後の人見たら、これ一体どないなっとったんやろ、野党の人は何してたんやろということになりますね。
 きのう私が参考人の先生方に、審議拒否についてこの状況を見ていかがですかとお尋ねしたら、四人が四人ともおかしいとおっしゃったし、せめて私の意見を聞いてもらいたい、そして私にも批判をちょうだいしたいという御意見まであったんですね。きょう、幸い私の時間に傍聴人がたくさんお見えいただきましたので、ひょっとしたらきのうの参考人の意見を聞いておられないかもわからないので、私、紹介をさせていただきたいと思うんです。
 中央大学の清水参考人。いかなる場合でも審議拒否はすべきではない。反対なら反対の意見を述べ、仮に法案が通っても、それを選挙民に訴えて将来において改正できる方向に努力する、それも一つの選択肢だと思う。対案を出して、一応数の上では破れても、次、将来を期すというのも一つの考え方になると思う。対案も出てない、何にも出てへん。これどうなっているんですかね。この先生はすばらしいことをおっしゃったと思います。
 駒澤大学教授、前田参考人。審議拒否はほとんどの場合原則的に認められない。国会は審議する場である。しかも、審議は野党のためにある。野党として審議拒否はマイナスである。そうですね、審議は野党のためにあると、ここまでおっしゃっていただいているのに何で出てこられないのかなと思います。いかなる場合でもまず出てくる。五五年体制は終わった。議会の先進国には見られない、一つもない。ぜひこういう慣行はないようにしてもらいたい。国民の見ている前で論議をしてほしい。スポーツと同じです。リングの外でけんかをされては困ります。けんかはよろしいが公開の場で、国民の見ている前で、我々の判定できる、させるような情報を提供してほしい。
 午後の大石参考人。きっかけがどうであれ動機がどうであれ、言論人は言論を通じて闘わないといけない。しかも、隠れた形ではなく公の場で、できれば皆さんそろっていただきたかった。大いに批判を、意見をぶっつけ合うのが基本と思っている。残念な思いがしている。
 田中参考人。百二十六国会、百二十八国会の過去にも紆余曲折があったが与野党が審議した。審議拒否することはいいことではない。このようにおっしゃっておるんですね。
 私は、恐らくいろんな人たちがきのう院内テレビ等々で見ていただいたと思いますが、せっかく傍聴にお見えいただいたのであえて申し上げさせていただいたんです。
 今のこの審議拒否の状況、発議者の中心者としても頑張っていただいておりますし、また国会の運営の中心者として頑張っていただいております片山先生に、ぜひ御高説を賜りたいと思っております。
#103
○委員以外の議員(片山虎之助君) 今、森本委員るる言われまして、私も全く同感でございますし、今、昨日の四人の参考人の御意見の開陳もありました。言われることはほぼその点、審議拒否がだめだという点で全く一致しておりますね。
 傍聴に野党の先生方もおられますけれども、これは釈迦に説法ですが、国会議員は国会に出て議論をして、議して、議員の議は議論の議ですから、審議の議ですから、議論をして物をまとめていく、審議を尽くした後に多数決で決めるというのが議会制民主主義でございまして、国会の方をボイコットされて、街頭やテレビでおやりになるのもそれはそれで結構ですけれども、私はやっぱりリングの上で、学校でいえばちゃんと学校に出て、課外活動じゃなくて私はやっていただくことが必要だと思いますので、ひとつよろしく、今からでも遅くはありませんので、どうか御参加を賜れば大変ありがたいと、こういうふうに思います。
 また、反対は反対でも、議案の提出権はそれぞれあるわけでありますから、それを堂々と反対論を展開するということも、国民のために野党の先生方の私は責務だと思いますよ。その点はぜひ反省を促したいと、こういうふうに思います。
 また、この選挙制度特別委員会の設置については、今さらもう繰り返しませんけれども、全く手続的にもいろんな法的にも瑕疵はないんですね、瑕疵はない。野党の方でも出されて、名簿を出されなかったのは三会派だけなんだから。あとは民主党さんも無所属の会さんも二院クラブ・自由連合さんもみんなお出しになられた。設置が適法に決まって皆さんが本会議に出て設置を決めて、それで名簿を出さないなんというのは、これは妨害行為だと言われてもしようがない。議長は何度も説得して、国対、議運が説得して、九日たってもお出しにならぬのだから。だから議長が手続に従って、これは法的な当たり前の話です。そうでなきゃ、どこかの党がだだをこねて名簿を出さなかったら委員会はいつまでもできない。そういうことで、職権で指名したのは私はやむを得ない措置だと思うし、その後に各派代表者懇を招集されましたけれども、これも開会の十分前にお出にならぬということの御通告があったわけでありまして、私は議長の権威のためにも大変残念なことだと、こういうふうに思います。
 もう繰り返しませんけれども、どうか今からでも遅くはありませんので、野党の先生方にひとつお考えを改めていただくように重ねて申し上げます。
#104
○森本晃司君 ありがとうございました。
 発議者のおっしゃるとおりに、私は野党の皆さんは場外ではなく国会に戻っていただきたい。そして委員の人も、傍聴席に座っているのではなしにちゃんとこの中へ入って座っていただきたい。(発言する者あり)今、法案審議になっていないとおっしゃいます。質問にもなっていないとおっしゃいます。おっしゃっているけれども、僕は大事なことを今質問し、お話もさせていただいているので、もしそういう傍聴席からおっしゃるんであれば、委員のお届けを出してすぐにでもお座りになってその場で、そしてここへ来ておっしゃればいいんです、ここへ来て。そうしたら、僕らも幾らでも謙虚に聞きますよ。僕が質問をしているのに質問になっていないと後ろから、無礼な話ですよ、やみ討ちみたいな声を出して。それはいかぬですよ、実に。もう言いたければ言えばいいけれども。(発言する者あり)
#105
○委員長(倉田寛之君) お静かに願います。
#106
○森本晃司君 本当に私は、この姿は非常に情けないと思っています。
 そこで、定数削減を先ほどちょっと申し上げましたが、削減されるところに在籍の野党の皆さんもいらっしゃいますから、定数削減についてちょっと伺いたいんですが、きのうの参考人の方々の御意見を聞きましたら、私は参議院へ寄せていただいてよかったなと思います。四人とも、参議院は一生懸命今やっている、だからこれ以上定数を削減するなという御意見を聞かせていただいて、きょうもう一度、この削減の意味は何なのかな、ここの部分についてもう一度考えることはできないんだろうかなというふうに思っているんです。
 三つの選挙区が削減になります。これは先ほど来、保坂先生から一生懸命一票の格差の是正とか、今、林先生の議論の中にもございましたし、それからまた逆転区の解消という意味でそういうことをお述べいただいて、私も大体わかってきたという気はいたします。
 そこで、あれだけ参考人の先生がおっしゃっていただいた、選挙区は削っても比例区はそのままでいってはどうかなと、きのうの意見を聞きながら私はそんな思いに立ったんですが、比例区だけでも定数を現状のままにされてはいかがかな、そういう修正するお考え方はないのかなと。発議者の中に各党の代表者の皆さんがいらっしゃいますので、それぞれ各党の代表者の皆さんから御意見を賜りたいと思います。
#107
○委員以外の議員(須藤良太郎君) この定数問題、既にいろいろ説明しておりますけれども、今回十名ということで、その内容は、比例の方が四名、選挙区の方が六名、これを二回でやろうと、こういうことになっておるわけであります。
 いろいろこれも議論がありまして、削るのは比例だけ削れ、あるいは比例はぜひ変えないでくれといろいろ議論があったわけでありますけれども、これは、いわゆる十名という数字が本当の、何といいますか、つまびらかな積算でやっておるわけではありませんで、できるだけひとつ前進の端緒としようと、こういうことで十名ということに決めておりますので、これはやはり今の選挙区と比例区の比率で百五十二対百、こういう比率で案分するのがよかろうと、こういうことで決定したわけでございまして、それが十人の内容でありまして、比例を落とせ、残せ、そういう話にはならない、こういうふうに思っております。
#108
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) お答え申し上げます。
 今、森本委員おっしゃるように、比例区は削減しないでということも十分に成り立つ議論かというふうに思っております。参議院は、衆議院と異なった制度そして時期における民意の反映、それで議会を運営していくんだという、そういう役割がございます。やはり民意の反映というふうになりますと、それは比例区を充実させるというふうになろうかと思っているところでございますが、発足時からずっと経緯を考えてみますと、やはり県単位とした選挙区の制度、そして全国の制度という二本の制度で来ておりまして、提案者の中での議論は同等の評価をすべきであると、このような議論になったわけでございまして、今回、定数十削減という中で、選挙区と比例区の比率というものを同率の比率で削減する、このような形で提案した次第でございます。
#109
○委員以外の議員(月原茂皓君) 既に、二党の自民党及び公明党の発議者からお話がありました。その中で重複しない範囲でお答えしたいと思います。
 考えてみたら、参議院の制度というものは地域的な色彩のある、そして片や専門的というか職能代表的な、そういうような色彩の強い、この二つを母体とする、その方々が代表者として全国民を代表する者として選ばれているわけであります。今までそのバランスを保ってきているわけでありますから、特に魚住先生がお話しのように、そのバランスを今のところ崩すところではない。
 しかし、先ほど定数削減のときにこちらの発議者の方から説明申し上げたように、これがさらに大きな参議院改革の第一歩となる、そういう意味であると私は思っております。これを機会に参議院のあるべき姿というものがさらに深まっていく、こういうふうに考えている次第であります。
#110
○森本晃司君 ところで、ここで一生懸命発議者の皆さん、この間からの審議の中で御説明いただいているわけでございますけれども、残念ながら、繰り返して申し上げて恐縮なんですが、欠席の方もいらっしゃる。それでわかりにくいという声も確かに国民の中にあるんですね。
 この制度を導入された理由、今までも須藤先生の方からもたびたびお答えいただいております。しかし、きょうは幸いにも傍聴者の方がたくさんお見えいただいていますので、ひとつ導入の理由をわかりやすく、せっかく野党さんも足を運んでいただいたので、御説明いただけたらと思います。
#111
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 特に森本先生から導入の理由をわかりやすく言ってくれと、こういうことでございます。
 余り作文が上手でありませんので、おわかりになるかどうかわかりませんけれども申し上げますと、現行の拘束名簿式比例代表制につきましては、その導入以来、政党が順位づけを行った名簿に対して政党名のみの投票を行う選挙ということで、候補者の顔の見えない選挙と評され、また過度の政党化の促進が参議院にとってふさわしくない、政党の行う順位づけが有権者にとってわかりにくいといった批判がなされ、各党各会派内におきまして絶えずその改革の議論がなされてきたところであります。
 とりわけ、平成六年には衆議院にブロック単位とはいえ同様の拘束名簿式比例代表制が導入されまして、より一層改革の必要性が認識されるようになったところでありますが、これについてさまざまな改革意見がある中できょうに至ったわけでございます。
 しかしながら、このところ、特定の支持政党を持たない有権者が増加するなど、有権者の政治意識の多様化が急激に進んでおりまして、このまま拘束名簿式を維持し、政党名投票のみを有権者に求めることは国民の多様な意思を十分に反映することができないのみならず、政党化の進んだ衆議院に対して抑制、均衡、補完といった役割を期待される参議院の独自性を十分に発揮するためにも問題があるという認識を持つに至ったわけでございます。
 そこで、この時期を逃すとまた四年後になるわけでございまして、これを先送りせず、与党として真っ正面から取り組むべく、現行の拘束名簿式を改め、個人名投票を行って候補者の当選順位の決定を有権者の意思にゆだねる非拘束名簿式比例代表制を導入することといたした次第でございます。
 以上でございます。
#112
○森本晃司君 ありがとうございました。
 ところで、私、今度のこの非拘束名簿、党名書く、それから名前書く、どちらでもいい、党は党である。これは非常にいいことを考えていただいたなと思うんです。
 私もたびたび選挙を経験してまいりまして、この前の参議院では比例区で名簿登載していただいたんです。私は、党名を書いていただくことに全力で頑張りました。我が誇るべき公明党の一員として公明党のところに名簿登載いただいたことはうれしい、公明党はこういう方向でいくということでやってきたわけですけれども、それまではいつも森本と書いていただいていたわけですね。回りながら、公明党とも書いてもらいたいし森本とも書いてほしいなと。中には、森本と書きたいですという人、やっぱりそういう人たちもあらわれてきていただいて激励いただくんです。今回、両方をきちんと比例代表という形で、しかも名前も書いてくださるということをやっていただいたんですがね。
 魚住先生、党名書きたいあるいは名前書きたいという人がいろいろいらっしゃると思うんですね。大体どのぐらいの程度の党名書きたい、名前書きたいという人がいらっしゃるか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
#113
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) ただいま候補者としての心情からのお話、私もまさにそのとおりだなというふうに思うところでございますが、有権者が政党あるいは候補者、どちらを重視するのか、お一人お一人の有権者に聞くしかないわけでございまして、一概には申し上げられないところでございます。
 明るい選挙推進協会というところがございまして、前回第十八回参議院議員通常選挙の実態、そういう実態調査をされまして発表になっているところでございます。九八年の前回の参議院選挙の選挙区での投票理由という、そう聞いたところによりますと、候補者の政策や主張に賛成だからというのが一九%、そして支持している政党の候補者だからという方が一八%ということで、ほぼ同数かなというふうに考えております。投票候補者選定の基準につきまして、政党か候補者かに絞った質問では、政党重視という方が四八%、候補者重視という方が三六%、一概に言えない、わからない、一六%というふうになっているところでございます。
 今回の改正案では、政党名または候補者名で投票するというふうになっておりまして、このような投票後の明るい選挙推進協会でのこの調査にまた合った改正だというふうに自負をしているところでございます。
#114
○森本晃司君 今、政党重視四八%それから候補者重視が三六%とおっしゃいましたが、やっぱり私は、今度のこの制度は、政党だけ書くのか、名前は書くのかというだけじゃなしに、ちょうど国民の世論も四十数%、三十数%に分かれているように、どちらも選択できる、二者択一できる、どっちかの一つじゃなしに両方選ぶことができると。これは私はすばらしいことだなと思っております。
 私は、民意に沿った投票行動になっていくんではないか、こう思っておりますが、今回のこの非拘束のメリット、せっかく傍聴者の皆さんがお見えでございますので、もう一度お答えいただければと思います。
#115
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 拘束方式の問題といたしましては、一つは参議院の政党化をさらに一層促進する結果をもたらしており、参議院にふさわしくない。二つ目は、候補者の顔の見えない選挙になっている。三つ目が、候補者名簿への登載、その順位の決定をめぐり問題が生じており、金のかからない選挙を実現するという所期の目的が果たされていない。これが問題点であります。
 このような問題点を改善するために平成二年の制度審の答申では、非拘束方式への制度変更を行って、参議院の政党化の行き過ぎの歯どめとする、候補者の顔の見える選挙、国民が当選者を決定する等のメリットがあり、国民にとってわかりやすい選挙となることが期待できると、こういうことを考えておるわけでございます。
#116
○森本晃司君 そういったメリット、あるいはまた、この制度が決まったら自治省も全力を挙げてやっていただけるでありましょうし、私どもも一生懸命、当然発議者の意をお聞きして各党で今度の選挙のよさを、あり方を、また一人でも多くの人に正しい投票行動をしていただくように、これはもう我々一生懸命訴えていかなければならないと思うんです。ところが残念なことに、こういう選挙制度をなさんがためにやる、こう一部のマスコミの取り扱いもあるわけですね。
 この間、私、帰っていまして、さっき林先生も懇談会をされたとおっしゃっていましたが、私もちょっと懇談会やっていましたら、私はいつも大体質問を受けるわけですけれども、何か質問をと言ったら、ぱっと手を挙げて、森本さん、公明党は千葉すずと乙武さんを今度候補者に出すんですかと。突然僕も言われて、びっくりしたんです。え、いやいや公明党はそんなの出すって……。書いていましたよと。どこにそんなの書いてあったんだと、うちの党内では協議もしたことがないと、そんな話は。まだ今この制度を通そうと思って全力を挙げていると。一部野党さんの人が欠席されているけれども一生懸命やっているのやと、こういう話も我々はやりますよね。そして、聞いたんです。僕もうっかりしておったんですね。うっかりというか、わからなかったんです。十月六日のある週刊誌に千葉すずさんと、もう本当に申しわけないんですけれどもね。写真入りで、もう名前入りで、見出しでばっと「公明党の参院 復活・全国区 候補に」、こう書いてあるんです。
 私、中をじっと、どこで協議したんだ、おれの知らぬところで党が決めたのかというぐらいに思って読んでいました。そしたら、そうではないと書いてあるんですよ。「それも当然で、実は、現在千葉選手は二十五歳、乙武氏は二十四歳、来年七月はまだ参院の被選挙権(三十歳)がないのだから、たとえ立候補しようとしても法的に無理なのだ。」と、中を見たらこんなふうに書いてあるんです。ところが、見出しだけ見たらこんなんです。しかも、うちの代表の顔と森総理の顔が入っている、何で森総理が入っているのかと思うかもわからぬけれども。
 僕、こういうのが出て、これもちゃんと中まで読みません。電車のつり革の中でぱっとある、あるいは新聞広告をぱっと見る、それだけで国民はぽんともう頭の中に入ってしまうんですね、国民の皆さんも。
 こういうことは我々はよほどこれから注意をしていかなければならないし、あえてまたそういったことを利用して、曲げて、いろいろと横流しやとか、そんなことをおっしゃっていたら何にもできないじゃないですか。わざとそういうことをここで言わぬと街頭でおっしゃるわけですね。その言葉だけ聞いた通行の人たちは、国会の中で野党さんが出てこずに、きょうは傍聴の方もお見えいただいているわけでございますけれども、こういうことがもうわからないで、その言葉だけを思っておられるんじゃないかと思います。
 最後に片山議員、発議者のこういったことに対する御意見をお伺いします。
#117
○委員以外の議員(片山虎之助君) その横流しの話はきょうも何度も御指摘がございましたのでお答えしましたが、この制度はあくまでも比例代表の選挙制度でございまして、政党の名簿を選ぶわけであります、政党の名簿を国民の選択に仰ぐと。
 その名簿のやり方に二通りあって、党が決める拘束名簿と、党が決めないでみんな平等で有権者の皆さんに選んでいただける非拘束名簿があるわけでありまして、名簿を選ぶわけでありますから、一義的にはですね。その名簿を選んだということがその党に対する投票でございまして、だからそれを合算して、政党票と個人票を合算して政党の票として議席を配分するわけで、比例代表制を認めるとすればもう当たり前の話でございまして、そこの点の私は誤解があるんではなかろうか。
 一部のマスコミの皆さんもよくわかっていないのかもしれませんが、あくまでも比例代表のパターンの変更なんですよね。そこのところがなかなか国民の皆さんに技術的にわかりにくいわけでありますけれども、ぜひ御理解を賜りたいと思いますし、私は、平成二年の第八次選挙制度審議会が十分な審議を有識者が重ねて出した答申をそのまま今度法案化したわけでありますから、内容については今の拘束名簿よりははるかにまさっている、はるかに国民の信頼を得る制度だと、こういうふうに思っております。
#118
○森本晃司君 ありがとうございました。
#119
○佐藤道夫君 二院クラブの佐藤でございますが、先ほどの仲道野党議員の質問と一部重複するかもしれませんけれども、あしからず御了承ください。
 さて、昨日、四名の参考人の方を意見聴取しておりますけれども、この方々の意見を随時、つまみ食いと言っては語弊がありますけれども、自分に有利な点を引用してお尋ねしていると。私もそれに倣いまして、重要だと私が考えることについて御意見を承ればと思います。
 清水参考人、中央大学の教授。これは、なぜこの時期にこの法案が国会に提出されたのか、明らかにこれは時期尚早である、フェアではないということをはっきり言っております。
 それから、田中参考人、日大の教授でございますが、これまた同じように、今なぜ提出されたのか説明が全くなされていない、新聞を見てもよくわからない、自民党のインターネットにアクセスしても何も説明はしていない、国民に訴える気持ちがないのではないか、これはある意味では党利党略だと言われても弁解できないのではないかという趣旨のことをはっきりと申しておりました。
 それから、前田参考人、駒澤大学。良識の府である参議院の異常な状態、まことに遺憾である、与野党ともに虚心坦懐に話し合ってほしい、これを希望するということも言っておられました。
 これは実は、野党推薦の参考人でありますれば、こんなものは聞き流しておけ、勝手なことを言っているんだと、これで済む話ではありますけれども、いずれも与党が責任を持って世の良識を代表する方々であるということで御推薦の上、その人たちがここに来て発言をしたわけであります。これはちょっと聞き流すわけにはいかないのではないかと、こう思いますね。
 この一番大事な、法案がなぜこの時期に提出されたのかということについて、世の良識を代表するというふうに皆さん方が考えておられる方々がこういうはっきりしたいわば消極的な意見を述べている、これは重大なことだと思って受けとめまして、先生方もう一回その点については議論をいたしましょうということで一回党に来てもらって、時期尚早と考えるその理由は何でしょうか、それはこういうことでございますということで議論をすることが良識ある国会のやり方ではないでしょうか。
 聞き流しだ、そんなものはどうでもいいと、何か自分たちが責任を持って御推薦しておいて、まああれはどうせしょせん参考人だからいいわいいわと、こういうふうに考えておられるのかどうか、その点ちょっと良識ある方々の御返答をお願いしたいと思います。
#120
○委員以外の議員(片山虎之助君) 今回の法案の審議で、いろんな経緯があるんですが、野党の皆さんがなかなか出席に応じていただけない。私は、参考人の先生方はできるだけこれについて批判的ないしは消極的な意向の人を入れたらどうかということを理事さんに示唆いたしまして、そういう先生方が選ばれたんだろうと思います、中立的な。だから、その意見は、今、佐藤委員が言われた意見は謹んで我々は承らなけりゃなりません。
 ただ、我々の考え方は、来年から二十一世紀が始まって初めての選挙ですからね。しかも、衆議院がブロック比例の小選挙区で二回もやって定着してきた。衆議院と異なる国民の意思を代表するのが我々の役目ですから、党よりも人で。そういう意味では、この機会に、二十一世紀初の国政選挙のこの機会にぜひ、定数削減はまとまりませんでしたけれども、定数削減とあわせて非拘束を導入いたしたいと。これをやらなければ四年先送りになるわけであります。
 しかも、我々の案は、八次審議会の答申と同じでございまして、十分たたかれたのであります。何度もいろんな経緯があったわけでありまして、ここでまたもう少し慎重に、もう少し議論して、もう少し時間をかけてということは、四年後に先送りになるんですよ。
 そういうことで常に制度改革は見送られてきたわけでありますから、我々は、機運ができて与党がやろうというこの機会に国会に出していただいて、野党の皆さんにも議論していただいて、うまくまとまればそれでやりたいと、こういうふうに思ったわけであります。
 済みません、時間をとりまして。
#121
○佐藤道夫君 参考人の方々は大学法学部の先生方でありまして、日夜法学部の学生に法律を教えておられる。法学部の学生というのは、私もそうですけれども、法律の議論が飯より好きだと、皆さん方もそうだと思いますけれども、そういうことであります。何か法律問題があると夜を徹しても議論をする。当然この問題についても、これだけ参議院あるいは国会のあり方そのものを問われるような法案ですから、学生たちも関心を持ってそれなりに議論をしておられるんだろうと、こう思いまして、昨日参考人の方々にお聞きしましたら、回答がまことにもって意外としか言いようがない。何の関心もございません、何の知識もございません、それで済んでしまったんですね。私は大変問題だと思いますよ。法学部の学生がこういう法案について何の関心も抱かない。
 これは一般国民はそうなんですよね。例えば、外国人に選挙権を与えようかと、あれは大体皆知っておりますよ。自民党がああいう考え、与党がああいう考えを発表しますと、それに応じて、賛成だ反対だ、いろんな意見が各方面から寄せられる。そのうちに自民党の中で意見が分かれまして、何か反対同盟ができまして、それまた大きく新聞が取り上げる。そして、世間の人たちも、そうだ、こういう問題だ、おれは賛成だ、おれは反対だと、そういう盛り上がりの中から政治の方向、立案の方向が決まっていくわけでありまして、ある日突然のように今回の法案が出てきて、さあどうだと、こう言われたって、国民が、何のことかわからない、そんなものは勝手にそっちで決めてくれと、こう言うのも当然といえば当然だろう、こういう気もいたします。
 唐突かどうかということが争われておりまして、一昨日ですか、片山議員は、唐突ではございません、何しろ十年前の答申か何かに出ております、それからその後水面下でずっと議論がなされてきました、唐突ではございませんとおっしゃるけれども、これ唐突かどうかというのは国民にとって唐突かどうかと、主権者にとってね。議員たちが勝手に内輪の議論をしている、そんなものは言うならばもう本当の内輪話にすぎないのであって、世間に訴えるような問題じゃありません。こういう問題がある、国民の方々は大いに考えてほしいと、こう言うのが政治家の責任なんでありますよね。
 それから、去年の六月、議長が何か諮問をして、この三月に答申があったと。そのときに正面からこの問題を取り上げて、非拘束導入についてどう考えるかと、そういうことでけんけんがくがくの議論があったならば別ですよ。マスコミだって十分な関心を持ってそれを報道するでしょう。それを国民が受けとめまして、おれは賛成だ反対だということで盛り上がっていきまして、その中から法律がまとめられて出てくるわけでありますよ。
 そこまでやっておるなら唐突ではありませんと言えるんですけれども、ある日突然すっと水面からカメが首を出しただけではないのか、こういう感じすらしておるわけであります。
 いずれにいたしましても、こういうことをきちっと報道していくことが大切だろうし、国民の意見を常に採用、耳を傾けて法案づくりをしていくことが大切なんで、本当にある日突然のように出てきまして、こんなものは唐突じゃないよ、かねがね議論していたんだよと言われたって、国民は何を言っているかと言うだけでありましょう。
 その点について、時間があと三分ですか、一分ぐらいでお願いします。
#122
○委員以外の議員(片山虎之助君) この審議が始まりまして以来、佐藤委員の言われるような議論はいろいろあるわけです、唐突論は。
 そこで、今学生のことを言われましたが、今の学生、若い人は政治的無関心がふえているんですよ。これはやっぱり政党、政治家ともに私は責任だと思います。また、選挙制度はある意味では技術論ですから、これは国民に大変わかりにくい。そういう意味で、今後とも我々は国民の皆さんにわかっていただく努力をしなければならないと、こういうふうに思います。
 経緯からいうと、私は十分国民の皆さんもわかるようなことでやってきたと思いますが、ただ、国民の皆さんに浸透していないとすれば、これはこれから努力せにゃいけません。
 そこで、我々は国会にこの法案を出したんですから、野党の皆さんも大いに出てきていただいて、けんけんがくがく、この法案がいいか悪いかやって、それが一番国民に対する啓蒙なんですよ。一切出てこないで場外でやるのは、私はそれこそアンフェアだと思いますし、この議論の中で、あなたは結構でございます、佐藤委員には敬意を表しますけれども、ここの国会での議論が国民に対する一番の啓蒙なんですよ。
 ひとつよろしくお願いします。
#123
○佐藤道夫君 実は、これ議員のすべての人がそうだと思いますけれども、来年の参議院選挙は今までどおりの方法でやられるんだというふうに考えていたと思うんですよ。それで車が回転していたと。ところが、突然のように六月か七月に例の久世問題というのが起きまして、それから自民党の順位づけについては大変問題がある、多くの党員を紹介して、その党費を大企業に立てかえ払いさせたりしている、大変問題だということで、久世さんは大臣を辞任までいたしました。
 そこからこの久世問題を追及して、この現行制度の問題が一体どこにあるのか協議が続くのかと思いましたら、何かあれよあれよという間にこの久世問題はどこかに押しやられて、かわりに登場したのが今回の非拘束名簿式。私、勉強不足ですけれども、この言葉自体知らなかったんですよ。非拘束名簿式、何だそれは、懲役にするわけでもあるまいし、拘束だ非拘束だと。何だろうなと。これは大体一般の人、恐らくここにおられる議員の方々の九割ぐらいまでは知らなかった問題だろうと思うんです。そういうことを取り上げて、議員にすらそういう状況ですから、国民も全然知識がなかったと、これは唐突でなくて何だろうかと。
 どうしてもう少し慎重に時間をかけて説明をして、国民の間に議論を呼び覚まして、この前も例として挙げましたけれども、小選挙区制度を導入する際に、議長さんがあっせんに入りまして今回はやめておこうと、国民の間に、あるいは議会でも十分これから議論していこうと、そういうことで二十年もそれは水面下で何かずっと続いてきて、議論が続いて、国民もそれを了解しておって数年前に小選挙区制度が導入されたといういきさつもあるわけで、これだけの大法案、参議院のあり方自体を変えかねないようなものについては、やっぱり三年か五年か議論をするのが当たり前でしょう。これは生活保護法でも何でもありませんから、これができなくたって……(発言する者あり)ちょっと黙ってください。参議院がつぶれるわけでもないんですよ。(発言する者あり)あなたに言われる筋合いはありません。
 ということなので、この点について、これからは時間を十分差し上げますから、どうぞ遠慮なく発言してください。
#124
○委員以外の議員(片山虎之助君) 繰り返しましたように、これは五十七年に導入したときに、当時の議長が二回やったら見直そうと、それが六十一年なんですよ。それから、平成二年の第八次選挙制度審議会の答申、皆公になっていますよ、国民の皆さんの目に触れている。平成六年に上野委員会というのができまして、非拘束でいこうということも一応の結論を出した。さらに、ことしの議長の有識者懇も同じなんですよ。そういう意味では、国民の皆さんは事が難しいからそれほどの認識がないかもしれませんけれども、常にそういうことで埋もれ火のように議論があってきたんですよ。
 そういうものをこの機会に、まだ約一年ありますから、大いに国会で議論して、国会でまとまればぜひこの方式でやりたいというのが我々の考え方でございまして、一方的に三年、四年といったらもうずっと先送りなんですよ。こういう選挙制度の改革というのは常に次の次からやろう次の次からやろう、ということはやらないということでありますから、この際、与党は勇断を持ってまとめて、野党の皆さんの協力も仰ぎながらしっかりした制度をつくろうと、こういうことでございますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
#125
○佐藤道夫君 では、終わります。
#126
○委員長(倉田寛之君) 現時点におきましても、民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党・護憲連合、無所属の会及び自由党所属の委員の出席を得て、(発言する者多し)お静かに願います。質疑を行うことができません。
#127
○森本晃司君 私は、本案の質疑を終局し、討論を省略して、直ちに採決を行うことの動議を提出いたします。(発言する者多し)
#128
○委員長(倉田寛之君) ただいまの森本君の動議、質疑終局し、討論を省略し、本案の採決を求めることに賛成の方は起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#129
○委員長(倉田寛之君) 賛成多数と認めます。よって、可決されました。(拍手)
 公職選挙法の一部を改正する法律案に賛成の方は御起立ください。
   〔賛成者起立〕
#130
○委員長(倉田寛之君) 多数と認めます。よって、本案は可決されました。(拍手)
 審査報告書の作成につきましては、委員長に一任することについて賛成の方は御起立ください。
   〔賛成者起立〕
#131
○委員長(倉田寛之君) 起立多数と認めます。よって、可決されました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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