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1950/11/30 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 電気通信委員会 第2号
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1950/11/30 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 電気通信委員会 第2号

#1
第009回国会 電気通信委員会 第2号
昭和二十五年十一月三十日(木曜日)
   午前十時四十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○電波行政に関する調査の件
 (漁業無線に関する件)
 (ラヂオ受信機に関する件)
○電気通信事業運営状況に関する調査
 の件(電話事業の復興及び給与改訂
 に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(寺尾豊君) これより会議を開きます。
 速記のかたが今日は割当が極めて少いので、十一時頃までしかありませんから、成るべく簡潔にお願いいたします。
#3
○新谷寅三郎君 水産庁長官がお見えになつておりますので、ちよつとお伺いしたいのですが、先般来本委員会で漁業無線関係につきまして種々審議が行われたのであります。多分その内容はお聞き及びのことと思います。水産庁からは漁政部長が見えられまして漁業無線に対する要望を種々伺いました。本委員会でも大体水産業運営の上に差支えないような結論を得まして、この点については電波庁におきましても、水産庁におきましても、大体異論がないというところに到達したように考えるのであります。これにつきまして水産庁長官としての御所見をこの機会に伺つておきたいと思います。
#4
○政府委員(家坂孝平君) いろいろ漁業無線のことに関しまして御審議を願つて参りましたことにつきまして厚く御礼申し上げます。実は十七日の当委員会にいろいろ行き違いがありまして、私が出席できなかつたことにつきましては、大変恐縮に存じておる次第でございます。この点お詫び申上げます。
 漁業用の無線施設に関しましては、従来地方公共団体並びに漁業協同組合を主体といたしまして、これが運営に当らして参つたのでありまするが、非常に有効適切に利用して参つておつたのであります。ところがたまたま電波監理委員会のほうから開設者の根本基準をお出しになりまして、これらの経営の主体が編成替しなければならない、かようなことに相成りましたのでありまするが、御承知のように非常に目下漁業界はその経営難に陥つておるのでありまして、殊に零細漁民を以て編成しておりまする協同組合というものが非常に沈淪しておるような状態に相成つております。それでこれの経営主体の編成替に相成りますると、これらの負担が非常に過重することになりまするので、何とか今までの施設主体を変えないで行けないものであろうかというようなことで、漁業無線の施設法というようなものでも出して、是非現状の姿を維持して参りたいと、かように考えておつたのでありまするが、いろいろこれにつきましては支障のあるような点も考えられましたので、今度は水産業協同組合の組合法の一部の改正をいたしまして、これによつて私共の希望いたしておりまするような経営の主体を堅持して参りたい、かよう旧委員会に考えまして、目下鋭意これが改正法案を作成中であります。今までの進捗の状況から見ますると、大体本臨時國会に提案して参ることができるように考えておりまするので、是非この趣旨をお酌み取り下さいましてよろしく一つ御審議をお願いしたいと、かように考える次第であります。
#5
○鈴木恭一君 水産業協同組合法の一部を改正されますれば、私共といたしましても、電波法に則つてそれが作られるものと一応考えられます。そうすれば問題は解消するのではないかと思われるのでありますが、電波監理委員会ではどういうふうにお考えでありまするか。
#6
○政府委員(長谷愼一君) 只今の御質問に対してお答え申上げます。只今水産庁関係並びに水産関係の方々が考えておられます協同組合法の改正案というものの内容をお伺いいたしますというと、電波法に基きまして制定されましたところの御案内の無線局の開設の根本基準に合致いたしておるように存ぜられますので、そういうような法律の改正が若しも本國会におきまして御審議の上に通過制定されるということになりますれば、支障なく根本基準に副う電波法或いは関係法に合致した態勢において仕事が続けて行かれるようになるものと見ておる次第であります。
#7
○鈴木恭一君 その手続につきまして私ども、どの程度に進んでおるかよく詳細承知しておらないのでありまするが、今臨時國会には必ず間に合うでしようか。と申しますのは、御承知のように、この再免許の期限が十二月三十一日までになつておりますから、是非とも本國会に改正されないとやはり問題は残ることになるのでありますが、くどいようでありますけれども、その点を今一度確かめたいと思いますので、如何でございましよう。
#8
○政府委員(家坂孝平君) 極力間に合うように進めておりまするし、大体可能性があるのではないかと思つております。
#9
○鈴木恭一君 ああそうですか。
#10
○新谷寅三郎君 水産庁関係はこの程度にしたいと思いますが、他の質問をしてよろしうございますか。
#11
○委員長(寺尾豊君) どうぞ。
  ―――――――――――――
#12
○新谷寅三郎君 大蔵省電通の政府委員が来るまでの間に電気通信省の関係についてお伺いしておきたいと思います。
 先般来、各地の状況を見ておりますと、やはり当委員会におきまして各委員から述べておられまするように、どうしても電話事業については建設費が絶対に不足であるという結論になるのでありますが、それで予算の増額については、これは本委員会の意向を体して、電気通信省でも来年度以降は大いに努力して行かれると思うのでありますけれども、万一この予算のほうが御希望のように増額せられないというような場合に、私どもは実情から言いますと、少くとも加入電話を無闇に殖やすということよりも、むしろこの際は既設のものに重点を置いて、全体の電話事業について施設の均衡を図りまして、そして現在ついておる加入電話をもう少し活かして使つたらどうか、というような考えを持たざるを得ないのであります。先般拝聴いたしますと、建設費が二百億になつた場合には十三万、百三十五億の場合は七万五千、というような計画をお持ちのようでございますが、こういうふうに、どんどん電話を増設して参りましても、既設のほうを充実さして頂かないと結局かからない電話を殖やして行くということにしかならない。これでは現在電話を持つておる人も利用価値が半減されてしまつて、電話が用をなさないということになるのであります。いろいろ見方の違いもありましようが、その点について新規増設をうんと減らして既設のほうに力を注いで行くというような計画の御意向はないでしようか。
#13
○説明員(靱勉君) 誠に御尤もな御意見と拝聴いたしたのでありすが、在来としてもただ無闇に電話の数だけ殖やすという方向はとつていないのでありますが、何分にも戰災をこうむりまして電話がなければ仕事ができないんだというような痛切な要望がございましたので、ともかく戰災電話を至急復旧するという意味合におきまして、現在施設を或る意味において総動員して架設もやつたという、こういう形になつておるのであります。その結果只今御指摘のように非常に疏通が惡いという点はまあ明らかに現われておるのでありますが、先程お話のように、借入金が百三十五億というような場合に七万五千くらいしかできないというような形になつておりますが、これも実は既設設備に相当来年度は重点を置かなければならんということで、数の点におきましては本年度の予算総額から比較して見れば、それに応じた加入者数になつていない。前々から御説明申上げた通り、百三十五億の場合に、ほぼ二十五年度と同じくらいな建設資金を持つということになりますが、一方只今の御意見の通り、大都市等の電話の設備の改善整備という点に重点を置くといたしますれば、内部資金はそれに投ずる。外部資金を以て拡張に充てて行くという方針をとるためにそういう数になる。或いは見方を換えて申しますれば、もつと加入者数ができるはずではないかというような御意見があるかと思われるような数に、一応相成つておるのであります。而も大都市の整備を行います場合におきましても加入者の増設を全然抑えてしまうというわけには参らんのは、只今御指摘の通話疏通或いは完了率を向上するという場合におきましても、電話器の数が少いために非常に話中になる、或いは大きな部屋に一個しかないために回線ふさがりが多く出て来るという現象も勿論あるのであります。前々から御説明しております通り、中継線その他、中間設備等の整備ということが完了率を向上するために必要な措置でありますが、一方、非常に通話の多いところには、加入者と申しますか、電話器を増設して行くということも、これを現在持つている電話を有効に活かす一つの大きなフアクターをなすことは当然であるのであります。勿論かからない電話を多く造つても、これは何にもならんのでありまして、やはり両々相待つてそのバランスをとつて計画いたして行くよりいたし方がない。而も二十五年度の予算におきましては、御指摘の通り、設備の改善及び既設設備の充実を行いますことも、何分にも加入者の需要というものは非常に高い、これにもできるだけ応ずるという、非常に困難な状況でありますが、そういう方針で進んでいるような次第であります。
#14
○新谷寅三郎君 御尤もな点も私はあるように思いますが、併し全体としてはまだ靱次官のおつしやつた件は、私は十分には納得ができないのです。いずれこの問題は、大蔵省の政府委員でも見えましたらもう少し質問したいのですが、その前に電波庁のかたに一つ伺いたいことがあります。それは先般、私は極めて個人的でありますけれども、NHKの人から聞いたのですが、NHKの研究所で只今受信器の研究を進めている。それで三球のスーパーを造つて、まあ只今のところそれを実用化するようにしたいと思つているのだが、恐らくこのコストは四千円くらいだろうということを聞きました。荷、二球のスーパーを造りつつある。ほぼそれも成功の域に達しておるということを聞いたのであります。非常に結構なことだと私考えております。そういう場合にこれを國民に普及いたしますために、政府においても何らかの措置をとつて頂かなければならんと思うのであります。私の意見を申上げて恐縮でありますけれども、私は果してそれが現在の日本の技術の最高のものであるかどうか、受信器一つ買いますと、やはり数年間は國民はそれで持つて行くわけでありますから、ここ三年なり五年というものは、この型で普及しようというような、やはり決心を政府のほうでもして貰わなければならんと思うのです。それで日本の技術のこれが最高のものであるかどうかということを、更にもう一遍検討する必要がある、それには電波庁は勿論のこと、民間のメーカーのほうの技術者か或いはそのほうの学界の人とかというものを動員されまして、そうして適当な機関を作つて、そこで検討されて、今の日本の技術ではこれ以上は無理だということを認定されるならば恐らくそれが最高のものになると思う。そうすればそれを基にして、必要があれば一つの実用化するような標本を作つて見る。つまり試作をさせて見る。その試作についてはできるだけ政府のほうでも何らかの形において委託研究とか何とか、いろいろな方法をとつて助成をしてやる。そうしてそのできたものを、型をきめてできたものを各メーカーに示して、そうして、いわゆるマスプロをやらせる。マスプロをやつても、國民のほうにじかには普及しませんから、できればラジオ受信機の月賦販売法というような特別法を作りましても、大体三年、或いは長ければ五年という期間を目途にして、月賦販売法によつて國民が安く簡單に買えるというような手配をしてやるというような方策を並べて行いますことが絶対に必要じやないかと、私はそういうふうな考えを持つておる。勿論電波庁のほうでも、これについていろいろ研究されておると私は信じておるのでありますが、今申上げましたような方法によつて、安い、又性能の高いいい受信機を國民に成るべく近い期間に普及させて行くというような方法をこの際おとりになる御意思があるかどうか。又今申上げたような私の意見に対しましてどういうふうな御意見をお持ちでございますか。この点、電波庁のほうから御説明を願いたいのであります。
#15
○政府委員(網島毅君) お答え申上げます。只今のお説及び御意見は誠に御尤もだと思います。現在、日本放送協会の研究所におきまして、只今お話ございましたように、二球或いは三球のスーパーを試作して、それぞれ或る程度の成果を收めているということは私どもも聞いております。これは或る程度感度を犠牲にいたしまして、その代り選択度を増して行く、それから値段をできるだけ安くする、という趣旨でできたものでございますが、この或る程度感度を犠牲にしたという点は、我が國の実情から見て、これはそう大して問題にする必要はないと私ども考えております。と申しますのは、従来我が國の受信機が、比較的感度の低い受信機が普及しておりまして、その計画の下に全國の日本放送協会の放送計画が立てられておりまするし、今後できますでありましようところの民間放送も、現在の出願状況を見ますると、大体都市というものを目標においていろいろ計画を進められておるようでございまして、そう感度のいい、即ち非常に遠い局を聞くという必要は、我が國においてはそう大きくないというふうに考えられまするので、現在NHKがとつておるところのこの方針は、大体私どもの方針と合致するものだと考えておる次第でございます。ところでこれらのものを更に広い見地から見まして、それが果して妥当であるかどうか、技術的にも十分性能のいいものであるかどうかというようなことにつきまして、これはNHKの研究所のみに任せて置きませんで、更に広い分野の人たちに御研究願うということも必要なことでございまして、この点に関しましてはいろいろな構想が持ち得るのでございまするが、さしむき、そういう方面を担当する適当な研究機関もできておりませんので、取りあえず通産省の工業標準の方面を一つ取上げて、それらと一緒になつてやつて見たらどうかということを考えておるのであります。御承知の通り、工業標準化法によりまして、現在JESというものができております。これを作りまするのには、関係の官庁のみならず、学識経験者、その他民間の関係者、そういうものの技術方面の人が集まりまして、いろいろ專門分科会を作つて研究して、それぞれ十分な研究を遂げまして、JESとして公表されるわけでございます。従いましてこういう機関でも利用いたしまして、それらを更に検討し、最後の仕上げを行いまして、一般に公表するというようなことを考えたらどうかということで、通産省とも現在連絡をとつておるのであります。ところで、このJESは御承知の通りこれは強制力はございません。従いましてJESができたら、直ちにこれが普及するとも限らないのでございますが、その前に先ずこれを量産化する方策をやはり研究する必要があると私どもも考えておるのでございます。この受信機の量産而も昔流の量産ではございませんで、最近アメリカがやつておりまするような、ああいう新らしい方式による量産方式によつて、安い受信機、而も性能のいい受信機を多量に出すということは、我が國の一流のメーカーの有識者の間におきましても、最近大分認識されておりまして、一部のメーカーではその方面の研究もいたしております。私どもといたしまして、現在私共から直接助成金を出すとか、或いはいろいろ補助政案とることによつてその量産化を援助して行くということは、残念ながらできないのでありまするが、できるだけそういうメーカーと連絡をとつて、今後そういう問題を解決して行きたいと思います。尚、このメーカーの直接指導に当つておりまするところの通産省とも十分連絡をとりまして、お説のようにとり運びたいと考えておるのであります。
 それから受信機の普及のための一つの特別法と言いますか、そういう法律でも考えたらどうかというお話でございますが、こういう方面の必要性は、現在民間の方面からもいろいろ言われておるようでございます。私どもといたしましては目下研究中でございまして、できるだけ早くそれらの問題につきましても私どもの結論を出したいと考えておる次第であります。
#16
○新谷寅三郎君 大体分りましたが、今研究中であるとおつしやつた最後の月賦販売法の問題ですが、通産省のほうでも、もつと広い意味で月賦販売のようなことを考えておるということを新聞で見たのであります。そういうものが出ればこれは問題はありませんけれども、併し若し出ない場合に、私は個人的な考えでありますけれども、ラジオ受信機に関して特別法を出してもいいのじやないかという気が最近非常に強くして来たのであります。それは申すまでもありませんけれども、いろいろラジオの問題について検討いたして見ますると、やはり受信機の問題が相当大きな影響を持つておりますので、今出来上つております戰争中にできた國民型の受信機というものでは、もう今日如何に放送施設のほうをよくして参りましてもむつかしい。又電波のほうも限られておりますから、非常にこれは困難な問題であります。どうしても受信機を改善しなければならんことになると、このラジオ受信機について特別法を出すこともこの際極めて適切なことじやないかというような見解を持つようになつたわけであります。御検討中というのは、それを実現すべく御検討中なんでありましようか。ただまだ研究の範囲を出ないで、これからどうなるか分らんというような状態でありますか、この点をもう一遍お答え願いたい。
 それからもう一つ伺いたいのは、仮に、例えば試作費とか奨励費のようなものは先般も出ましたが、電波庁で予算を要求しても取れなかつた。それは止むを得ない点ですが、この際に大蔵省の政府委員から御説明がありましたら……。通産省のほうでそういつた経費を相当見込んで、例えば通産省の機械局あたりの、そういうものに該当する経費をラジオ受信機のほうに割いて呉れるような交渉をなさつているのかどうか。又それは可能性があるのかどうか。必要があれば本委員会に通産省の委員を呼んでもいいのですが、今まで何か御交渉があればその経過を伺つて置きたいと思います。
#17
○政府委員(網島毅君) 第一の問題についてお答え申上げまするが、この受信機の普及に関する法律案という問題に関しまして、私共の委員会といたしましては、只今全く研究中であるという範囲を出ておらないのでありまするが、御意見の程もよく分りましたので、成るべく実現するように今後努力をするということで進みたいと存じております。
 それから第二の問題につきましては、通産省の機械局から受信機の改善の経費といたしまして、約一千五百万円か二千万円かと思いましたが、予算を大蔵省に出しまして、この予算につきましては勿論通産省のほうから私どものほうに連絡がございまして、私どものほうもできるだけ応援したわけでありまするが、残念ながら非常に削減を受けまして、ようやく百万円前後のものが目鼻がついたという程度であります。誠に微々たる金でありまするが、この金の使途につきましては、今後とも通産省の機械局と十分連絡をとりまして万遺漏のないようにして行きたいと存じます。尚、若し当委員会におきまして通産省から直接来て下さつても非常に結構だと思います。それがなくても私どもとしてできるだけの努力はいたしたいと存じます。
#18
○新谷寅三郎君 いずれ通産省の政府委員にも一度この委員会に出て貰いまして、受信機問題について審議をして見たいと存じますが、今おつしやつたような数字では到底試作にも研究にもならんと思いますが、そこで、そういう場合に、今NHKの経費の中で、NHKはいろいろメーカーとの直接の関係を持つちやいかんという法律の規定はありますけれども、國民一般にラジオ放送を聞かせるというのがNHKの目的であるということに法律ではなつているのです。そのために必要な受信機を、いい受信機を國民に普及するために経費を出すということは、言い方を変えればやはりNHKの一つの目的にも副うのじやないかというふうに考えられるのでありますが、そうしますとNHKの経費の中で、或る部分をこういう國民全般のためのラジオ受信機の改善のために支出して行くということは可能ではないかというふうにも考えられますがこの点は法制的にどうお考えになつておりますか。
#19
○政府委員(網島毅君) NHKを通して受信機の普及発達を図るということでありまするが、先般の当委員会におきましても申上げましたことでありまするが、その受信機そのものの研究につきましては、現在NHKも相当経費は出してやつております。来年度の予算につきまして、目下いろいろ連絡して研究しておりまするが、やはりこの方面にも相当研究費を出して、而もその研究成果を一般に公開いたしまして、一般に利用して貰うということには努力しております。ところで只今御質問にございましたその研究の成果、或いは一般に研究されたところのものを工業化するための助成金或いは補助金というものをNHKから出さないかという御趣旨かと思いますが、今までの私どもの見解では、そういうことは現在の法律におきましては非常に困難だと考えております。それは法律の精神から申しましても、NHKが特定のメーカーと或る特別関係を結ぶということは避けるようになつておりまするし、或るメーカーと助成金という問題で特殊関係を結んで、それが外のほうにもいろいろ波及して行くということになりますれば、勢いそこに起る弊害ということも考えなければならないのであります。併しながらこれが果して厳格な意味において法律上不可能であるかどうかということになりますれば、これは必らずしも私どもは絶対に不可能であるということを断定するまでには至つておりません。と申しますのは、放送協会の業務の一つといたしまして、放送の普及発達或いは周知宣伝ということが協会の一つの業務内容にもなつております。そういうようなことを広く解釈することによつて、只今御説のようなことも或いはできるかと思いまするが、要するにそれが可能であるといたしましても、それによつて起るところのいろいろな副次的なものが法律の精神に副わないようになるというわけでありますれば、行政の立場から見まして相当考慮しなければならない問題でございますが、只今お説にもございましたので、そういう副次的なこと、その他を十分考慮いたしまして、今後研究してみたいと思つております。
#20
○新谷寅三郎君 もうちよつと時間があるようですから、もう一つ伺いますが、それではそういうふうにメーカーと何か特殊の関係ができないような方法におきまして、NHKの経費をそういう全体の日本の放送事業の普及発達のために使うということは当然よかろうと思う。その方法について例えば先程申上げました技術関係の最高の権威者を集めて、そうして一つの標準になるような受信機の型をきめるというような仕事を仮にやるとして、そういつた方面にNHKが財政的に大いに援助するというようなことはこれは法律的には可能なんでしようね。
#21
○政府委員(網島毅君) 只今の、全く中立的な立場をとつた、而も公共性の非常に強い機関を設けまして、それを通しまして放送協会が直接自分でやれない分野を担当して貰うということは私は可能だと存じております。而も現段階におきましては、そういう機関を私どもの仕事の分野において設けられた方が工合のいい場合が非常に多いのであります。私どもといたしましても、そういう機関ができることを願つている次第でありまして、いろいろ研究しております。まだお示しするような成案まで漕ぎつけておりませんけれども、この問題につきましても至急研究して、結果を御覧に入れたいと存じております。
  ―――――――――――――
#22
○委員長(寺尾豊君) その前に大臣から所管事項について……。
#23
○國務大臣(田村文吉君) 所管事項につきましては、継続調査のときにかなり申上げてありますから、或いは重複する部分も多いかと考えますので、今回提出いたしました補正予算の内容について取りあえず御説明申上げまして、尚、時間を頂きましたならば詳細の現状を申上げたい、こう考えておる次第であります。
 本年度の電気通信事業特別会計の当初の予算は、歳入歳出ともに五百十七億四千万円余りでありましたが、その後、朝鮮の動乱及び國際情勢の変化等によりまして、歳入歳出ともに増加する必要を生じましたので、歳入歳出とも八千三百八十万余円の補正を提出しておるのであります。この金額の内訳を申上げますると、歳入においては、電報並びに市外通話の増加によりまして三十二億七千百余万円、國際連合軍へ供給する通信サービス、工事等の代金が二十五億六千五百万余円、増設電話の工事を受託する代金として、二億七千四百万円余、電信並びに電話の設備の増加によりまして七億一千四百万円余、連合軍軍人等住宅公社より借入のものが、一億二千万円、連合軍の通信設備を建設する設備負担金として終戰処理費よりの受入れが八億八千五百万円余、その他、手持在庫品の使用等が七億二千五百万円余であります。
 それから歳出では損益勘定で、國際連合軍へ協力するための経費が二十三億六千五百万余円、増設電話委託工事費二億四千九百万円余、給与べースの改訂、年末手当の支給等、給与改善に必要な経費が九億二千万余円、災害復旧費が六億六百万円余、その他十八億五千万円余りで、計五十九億九千百万円余りであります。建設勘定は二十五億九千二百万円余でありまして、國際連合軍へ協力するための電信電話設備の建設に八億六千六百万円余、銅、鉛等の値上りによる資材費の不足十億円、災害復旧費五億円、その他、連合軍住宅用電話、東京都警察電話等の建設費、給与ベースの改訂等で二億二千五百万円余となつておるのであります。
 来年度の予算につきましては、申上げておりまする通り、その後、尚関係方面と折衝中でありまするので、最後的の決定は見ておらないのでありまするが、先刻も次官から御説明申上げましたように、昭和二十六年度の電信、電話設備計画につきまして、先般本委員会におきましても申上げましたように、熾烈な電話需要に対処するとともに、市外通話の待合せ時分の短縮を図るため、外部資金二百億円を以て加入者増設十三万、市外電話回線十二万五千粁の増設等を計画したのでありますが、大蔵省におきまして、これを百三十五億程度に査定せられておるのであります。これによりますると、加入者の増設は七万五千、市外電話の回線は七万粁に削減せざるを得ないということになるのであります。
 これでは本委員会の電気通信事業経営状況視察報告において御指摘になりましたように、不備欠陥の改善は困難でありまして、資金の不足を痛感いたしておる次第であります。当局といたしましては、大都市における基礎設備の充実と、各種の施設整備によりまして、極力疏通の改善に努力いたしまして、市内通話完了率の向上を図るとともに、大都市近郊の市外通話に重点を置きまして、これが改善を図りたいと考えておるのであります。
 尚、電信設備につきましても、通信方式の印刷化と、中継方式の機械化に重点を置きまして、電信運営の合理化を実現するように計画いたしておるのであります。
 以上が大体補正予算に関するあらましでございます。尚、明年度の問題になつております建設予算の百三十五億の外部資金の問題につきまして、経過の一端を申上げたのであります。若し時間がありますればもう少し詳しく……。
#24
○委員長(寺尾豊君) この程度でよろしうございますか。尚、時間がありますれば……。
#25
○國務大臣(田村文吉君) 現在の実況につきまして、少しく現在の電気通信事業の概況を簡單に御説明いたしたいと思いますが、最初に市内電話について申上げます。戰災によりましてその半ばを失いました我が國の加入電話は、五ケ年間の努力によりまして、二十五年三月末には有料加入者の数が百万余になりました。ほぼ戰前の数に達したのであります。併し産業の復興に伴う電話の需要には到底応じ得ないのでありまして、二十五年度におきましては、加入者開通に関する各種制度の改善と現有の室施設の極度の利用等によりまして十一万七千五百を増設することにいたしたのであります。併し本年度末までの需要見込数は四十二万余が予定されておりまするので、十一万七千五百を増設できましても、漸くその二七%を充足し得るに過ぎないのであります。他面、市内電話のサービスの程度を見ますると、戰災による基礎設備の甚大な破壊のために、その完全接続率は大都市によりましては、戰前が十回に七回通じたものが、現在は十回に四回通ずるのみであります。その原因は、前記基礎設備の不足の外に、電話の話中率の高いこと、中間機器中継線の不足等であります。これらに対しましては鋭意努力中でありますが、資金の不足のためその改善は遅々として捗らないのであります。市外通話におきましては、二十四年度は一加入電話が一日平均〇・六七回通話したのでありますが、本年八月中で見ますと、同じく平均一日〇・七四回通話したことになりまして、二十四年度に比較いたしまして、市外通話の利用数が相当増加しており、今後もますます増加の一途を迫ることが予想せられるのであります。従いまして市外回線は依然として不足を告げ、特急における全國の平均待合せ時分は短距離で一時間四十分、中距離で二時間三十分、長距離三時間を要するのであります。東京大阪の例を見ましても最大三時間を要し、戰前の至急通話で四十分の待合せでありましたのに比べますると遙かに及ばない情勢にあるのであります。併し市外回線の安定化に関しましては、戰後非常な努力を払つた結果、最近に至りまして所期の効果を挙げ、障碍時間は一日一回線当り約十分程度まで短縮することができたのであります。
 電信につきましては二十四年度は内國電報発信は八千百六万六千余通でありまして、昭和十五年の八八%に達したのでありますが、二十五年八月の利用通数を前年の同月に比べて見ますると、一一九%を示しておりまして、利用数も漸次増加の傾向にあります。
 電信のサービスの現況は、東京より全國主要各地への普通電報が一時間乃至二時間以内に到達しておりまして、不十分ながら一応常態に復したと考えられます。
 國際電気通信、殊に國際電報の利用は二十五年度初頭より対外貿易の好転等に伴いまして、増加の一途を辿つておりましたが、今次朝鮮動乱勃発に伴つて新聞電報、國際電話中継放送、國際放送電報等が特に著しく増加いたしました。今これを動乱の勃発前と比較いたして見まするというと、新聞電報は約六倍強、國際電話中継放送は約一五三倍、國際放送電報が約二倍強となつております。又昭和二十五年九月末までの取扱い実績及び今後における取扱推移等を勘案して、二十五年度における國際通信取扱数を概算いたしますれば、二十四年度に比べて電報及び電話は約二倍に増加するものと考えられます。これらの激増する通信の疏通のための回線措置は次の通りであります。東京オークランド間の無線電話連絡三回線を五回線に増強いたしましたのが大月の三十日、東京・サンフランシスコ・プレスワイヤレス無線の第二回路を設定いたしましたのが七月五日、國際電話中継放送業務拡張整備のため、東京國際電話局内にマスター・コントロール・ルームを設定いたしましたのが十月六日、又動乱のため一時業務を停止しておりました福岡―京城間電信一回線、東京―京城間、福岡―京城間電話おのおの一回線は、國際連合軍の京城奪回に伴いまして対韓國との通信連絡を無線により復活いたしまして、十月十九日に東京―京城間無線電話回線を、十月二十日には東京―京城間無線電信回線を設定、それぞれ業務を再開いたしました。又朝鮮動乱勃発後とみにその要請の高められましたニュース写真等を取扱うために、九月二十日から米國との間に写真電信回線を設定いたしまして、正に九年振りにこの業務を再開することに相成つたのであります。
 本年度におきまする收支状況を見ますると、八月までの累計で、支出が百五億三千七百万円余、收入は百七十三億七千二百万円余となつておりますが、六十八億三千五百万円の收入超過でありまして、二十四年度の八月までの收入の累計額に比較いたしますると、およそ二八%の増加となり、増收に向つている次第であります。大体以上凡そ現況を御報告申上げた次第であります。
#26
○新谷寅三郎君 大蔵政務次官も見えておりますから、先般来この委員会で問題になつておりました電話事業の建設資金の問題につきましてお伺いしたいのでありますが、先般来委員会で主計局の次長が見えましていろいろ御説明がありました。又委員会としましても大蔵大臣にも会いまして、大蔵大臣にも要望しておいたのであります。結局委員会としては今の大臣の説明の一部にもありましたが、非常に建設方面の資金が足りなくて弱つておる。勿論敗戰後でありますから世界の一流の國と同じような電話というものを我々持ちたいということは望むべくもないことであります。一方、國鉄とか或いは重要産業方面を見ますると、殆んど戰前の状態に回復しておる。それに比べますると電話事業のほうは産業、広くいえば政治経済の殆んど神経系統であるといわれる電話が、只今の政治経済の一般の状況には応じ得ない極めて程度の低いものであるということは明瞭なのであります。この点については我々も責任を感ずるのでありますが、どうしてもこの際に少なくとも二十六年度から建設方面の経費を相当殖やして、そうして根本的に電話事業の再編成と申しますか、再建を図るようにしないと、これはいつまでたつても單なる工事量が昨年と同じだからいいじやないかというような機械的なことじやいけないというような結論になつて来ると思うのであります。政務次官は細かいことはおわかりにならないでしようが、こういう大きなあらすじの問題につきまして大蔵省としての御見解をお述べ願いたいと思います。
 又委員会の我々の気持も十分お考えになりまして、これに対して今後とも二十六年度予算の編成の上にどういうふうな努力をして頂けるか、この点も併せてお伺いしたいと思うのであります。
#27
○政府委員(西川甚五郎君) 実は二十六年度の建設関係の予算につきましては、ここにおられまする大臣並びに政務次官は実に心痛せられまして、たびたび大臣並びに私と会合いたしまして、この問題について何とか預金部のほうから少なくとも経費を持つて行きたいというので御相談を申上げてやつて参つたのであります。殊に大月の朝鮮動乱以来、建設関係のほうとか、或いはすべての建設に関係する資材が他の物価に比べまして上りかたがきついということもございまするから、この点につきまして、我々は最初記憶いたしておりますのは、百八十億を請求せられたと思うのであります。いろいろの財政上の都合を勘案いたしまして百二十億という線に最初なつたのであります。併しながら物価の値上りもありまするし、又大臣初め当局の関係のかたがたといろいろ御相談し、又御希望がありまして、最後に何とかして百五十億ぐらいを持つて行きたいというので、この点も関係方面並びに我々のほうにおきましても折衝を重ねて来たのであります。結局最後に百三十五億という線が大体にきまつたような次第でございます。併しながら只今新谷委員からおつしやいます通りこの建設の方面がちよつと他のものに比べまして遅れておるということは実際でありまするが、ここに一つ来年度の問題について殊に朝鮮の動乱以来ここに輸出方面が相当殖えまして、又特に特需関係も殖えた関係上、これに伴いまして果して……今政府におきましては懸命にこの材料の輸入に努力いたしておりまするが、例えば九月におきましては輸出超過が昨年と比べまして三五%超過しておるのに、輸入の方面におきましては大体同額である。こういたしますると、その後に特需関係も相当ありますし、輸出も本年度はこのまま行けば十億近くなるのじやないかというような、まあ一方考えれば嬉しいような、又これに伴わない輸入の財源がない場合には心配であり、これは一つの大きなインフレーシヨンの原因となりますから、この点をよく考えまして、例えば公共事業費におきましても来年はやはりこのインフレーシヨンを余程考えなければならないという点もあるのでございます。でございますから、只今新谷委員の御質問を承りまして、又よく私も事情を存じておりまするから、ここに最近御存じの通り預金部のほうも変つて参りまして、変つて参ることになるのでありまするが、その点が又一つの希望であろうと思います。政府といたしましては、できる限り皆さんの御意思に副うように善処いたしたいということを私は申上げることができると思うのであります。それ以上ちよつとここで私が申上げるのはお許し願いたいと思います。
#28
○新谷寅三郎君 今の西川さんのおつしやつたことは私もよく承知しております。併し通信関係では例えばニツケルなんかが問題になるのでありますが、所要の分量といいますか、最近新聞等で見ますと、鉄とかその他の方面に数十トンの日本の手持ちのニツケルを出すというようなことが伝えられております。私は、この特需関係も勿論大事でありましよう。國連に協力するという態勢からいいまして大事でありましようが、それによつて非常に日本の経済がびつこになつて行くということは我々としては忍びないのであります。その点が一番明瞭に現われておるのが電話なんです。この点を十分にお考えになると、インフレも非常に心配しなければなりますまい、或る程度においては資材関係も御心配しなければならないのでありましようが、それならば、日本の経済の形を整えるという意味においては、むしろ電話事業なんかに対しては優先的にそういう資材も資金も割当てて然るべきではないか。極めて公共的な、そうして一般國民の政治、文化、経済に影響のあるものでありますから、現在においても官営事業になつておるのですし、政府でやつておられるものだと思うのであります。電力も大事でありましよう。鉄、石炭も大事でありましようけれども、その方面に優先的に持つていかなければならん。電話には資材関係からして資金はいくら出しでも資材がないからできんというような御議論をなさるなら、我々としてはその点については反対だということを言わざるを得ないのであります。資金も潤沢にあるが資材がないからできないのだという御議論であれば、今申上げたような意味においては、私は違つた見解を持つておるのであります。おつしやることは私もわからんことはありませんけれども、それには十分に私は納得ができないのであります。今度お話のように預金部資金の運用の方法が変つたけれども、見返資金は公共事業に投資してはいかんというような方針になるようでありますが、電話建設のごときは殆ど見返資金を当てるということには参りませんで、今度預金部資金を大いにこの方面に投資して貰わなければならんということになるわけでありまして、そうなりますと大蔵省の電話に対する御認識の如何ということが電話事業の復興を促進するかどうかということの分れ道になる。極めて大蔵省は重大な責任を持つておられると私は思つております。その意味で、大蔵省の内部の方々もよく認識して頂いて、殊に大臣、政務次官においては、特に政治的にお考えになつて、日本の電話事業をこの際に相当思い切つた手術をして行かないと、これはどんどん惡くなつて行くばかりであるということをお考えになつて、格段の御努力をお願いいたしたいと思います。我々はその御努力を期待いたしまして、そうして、その成果を監視というと少しきついのですけれども、我々はそれを見て行きたい。最大限の努力をされるように要望しておきます。大臣に、ついでにお伺いしておきますが、電通大臣にお伺いしたいことは、これはまだ十分に検討しておらないのでありますが、今度の給与ベースの改訂問題に関連いたしまして、郵政とか或いは電通のような電業要員関係の等級表がございますけれども、今までは別表で処理されておつたのでありますが、今度はそれが一般の公務員と同じような建前で法制上はきめられるというようになることと聞いておりますが、従来これは警察とか税務署員といつたようなものに対しましては、別の観点から俸給を出すことになつておつたのでありますが、これは或る程度やはり電業要員を優遇するといいますよりも、電業勤務の特殊性を考えて、そういう措置をとつておられるものと考えております。それらの点が今度急に変りまして、果して電信電話なり或いは郵便なりという方面の現業の能率がうまくいつておるかどうか、私は多少の憂慮をしておるのであります。この点につきましては現在どういうふうになつておりますか、又大臣がこれに対してどういう御見解をお持ちになつておるか伺つておきたいと思います。
#29
○國務大臣(田村文吉君) 今度の給与の改正に伴いまして、各特殊の職務に対しまして、特殊の給与の別表がある。電気通信関係におきましては、調整号級と申しまして、或いは一号或いは二号上げて在来支給されておつたのでございます。そこで今度その問題が、在来は勤務時間も、いわゆる企業官庁における勤務時間は、一般の公務員よりは長かつたのでありまするが、先般それが同時間に相成りました等の点から、今度の号俸の機会にそれを調整したい、かような考えで、凡そそういう特殊のものは半分程度に減額するというようなことに相成つたのであります。それにつきましては今御指示がございましたように、電気通信関係は企業官庁で、主として現業の仕事をいたしておりますので、たとえ、いわゆる拘束時間が同時間に相成つたといたしましても、その間おのずから一般の公務員とは異なる技倆もあるのでありますので、それに対しましては、殊に電気通信関係におきましては、号俸の調整は一号でございますので、その一号を全部なくするというようなことは、どうしても不当であると考えられましたので、それにつきましては大体号俸の半分を、一号の半分を政令によりまして調整する、かようなことに目下運びつあるのであります。併しこれと申しましても、私の方といたしますると、現業員の現在の働きを考えて見まする場合に、当然一号ぐらいは高い現在のままが正当ではないかと考えております。これはおのずから見解の相違もございまするのでありまするが、でき得ればさようなことにいたしたいと電気通信大臣としては努力いたしておるのでありまするが、各般の事情もありまして現在政令によりまして、その一号の半分を現業官庁としての意味を認める上において出そう。こういうような今日の状況に相成つておるのであります。大体の現況を申上げます。
#30
○新谷寅三郎君 現在の状況はわかりましたが、私は、やはり官業でありましても、或いは公共企業体でありましても、ひとしく政府が政府の資金でやつて、政府が責任を持つておるのでありますから、形が多少異りましても、やはり現業というものは現業らしい待遇をし、そういう組織をして、そうして能率の上るようにして行かなければならんと考えておるのであります。鉄道或いは專売が公共企業体になつた。公共企業体という形がいいのではないのであつて、その内容が、その事業にとつて必要であるというに外ならないと私は考えておるのでありまして、従いまして、官業であるからこれは別だとか、或いは公共企業体は政府職員でないから別だというような考え方は、私は採らないのであります。先般も第八國会でありましたか、鉄道職員の給与べースについての裁定がございました。その際に田村大臣も労働関係の委員として関係しておられたのでございますが、我々はやはり政府の当時の説明が、若しこれを鉄道のほうだけを上げるということになると、一般公務員に対するその影響が相当財政的に大きなものであるから、あの原案はどうしても呑むわけには行かないというような均衡論が相当強かつたと思うのであります。そういう点がら申しますと、今後同じような現業をやつておつて、鉄道とか專売とかは單なる形の上で公共企業体になつたために、非常に勤務状況が違う、給与が違つて来るということになりますと、むしろ形を尊重して、その内容を放棄したということにしかならないのでありまして、この点は今後の政府の行き方がどうなりますか、我々は非常に関心を持つて見なければならんことだと私は思つております。その意味で今度の号俸改正に当りましても、事柄は小さいかも知れません、或いは金額が小さいかも知れませんけれども、やはり建前としては、私は鉄道従業員なり、或いは專売の職員なりと同じような意味において、現業というものに対しましてはそれに相応するような給与体系の制度を立てて頂きたいという考えを持つておりますので、大臣の御説明もございましたが、この上とも大臣としてできるだけの努力をされまして、恐らく國会におきましても相当審議せられると思いますが、御努力を希望しておきます。
#31
○鈴木恭一君 只今の問題、私も実は非常に心配しておるのでありますが、私まだ、今度できまする法律の内容を存じておりませんので、どういう点で電気通信省の従業員に対する号俸が不利になるという理由をつまびらかにしておりません。併し、只今新谷委員から申されましたように、電気通信、従来の逓信省の従業員と鉄道の従業員とは大体同じような仕事をし、多少鉄道の勤務時間は逓信省のものよりも長かつた、そういうふうな関係で、最近も給与につきましては常に問題がそこにありまして、先に新らしい給与法に則りまして給与の表ができたわけでございます。鉄道は別表を使つておつたのでありますが、逓信省は一般公務員の表によつておつたことは御存じの通りでございますが、その間におきましても両者の調整ということに対しては政府当局も非常に苦慮いたしまして、成るべく両省の従業員、同じような事業に従事しておる従業員の給与を木公平にしてはならないという考え方から考慮がめぐらされておつたわけであります。併しながら実際の面におきましては、そのテーブルが違うという点もありますし、又従来のいきさつもありまして、逓信省の従業員はずつと給与が下廻つておつたことは事実であります。そういうような点で逓信省の従業員に対する考慮は、給与法の中にも勤務時間その他の問題に対しまして特別の給与をし得るような途を開けてあると私は思つておるのでありまするが、そういう点も考えられまして、現在の給与の号俸が、これは公然ときまつておるわけでございます。それがこのたびの給与の改訂に対して下廻らなければならない、下げなければならないというふうなことは、私にはちよつと考えられないのでありますが、その理由を一つお聞かせ願いたいと思います。
#32
○國務大臣(田村文吉君) 無論そういう意味でおつしやつたこととは私考えませんが、下がるというのは今度上がる場合における加減でありますから、その点は御了承だと思いますが、問題は拘束時間も今度同じになつたのですから、そうかといつてその通りに直すということも、増俸がないというと收入がずつと減る、こういうことになりますので、そういう意味で、今度は、増俸の際に現業官庁も一般の官庁も同じでよろしいではないか、こういうことなんであります。ところが、或る程度までさような点も認めて肯定し得る点もあるのでありますが、その他の多数の特別号俸或いは特別の俸給表によつて支給されておる人達があるのであります。およそそれが半分に減る。一号、二号、三号と、或いは一号減るものもあり、二号減るものもあり、三号減るものもあるというような形になるのでありますが、たまたま電気通信に関しましては大部分の人が一号だけ上つておるのであります。でありますからその一号を減らすということになりますと、全くなくなつてしまう。こういうことでありますので、これはどう考えても不当に考えますので、政府といたしましては半額までは仕方がない、こういうことで、或いは五号の人が三号減る、二号の人が半分の一号減るという、こういう例に従いまして、一号の半分、これを政令によつていたしたいと、こういう考えに相成つておるのであります。これは皆さんもお心づきのことでありまして、現業官庁というものは仕事が常に流れて参りまして、一分一秒をゆるがせにすることができないような仕事なのであります。これは一般のデスクワークとは違いまして、そういう点については特殊の任務を背負つておるのであります。かような意味におきまして、ただ時間だけで現業官庁を一般公務員と同じようにするということは当らないことは申すまでもないのであります。現に、同じ給料でどちらに勤めるかと言えば、もうあらゆる人が、百人が百人、現業でない体裁のいいテーブルに坐る仕事を求めるのは当然であります。少しくらい給料が安くてもその方に行く。こういうような状態にあるのでありますから、現業官庁に対する考え方は人事院でも十分考えて行つて貰つておると思いますし、私ども省を預かつておるものといたしましては、十分にこの点についての考え、主張を人事院にも申出てあります。場合によりますと、かような現業官庁は特殊な給与規程等を用いて行かなければならんという点まで考えておるわけであります。でありまするから、一号俸違うとか二号俸違うというくらいのことは当然だと思うのでありますが、問題はただ程度の問題でありまして、この点はいろいろな予算の関係上等から現在のような政令によりまして半分というような考え方に今なつておるわけであります。御趣旨の意味は私は十分感得いたしておりまするので、できるだけの努力はいたして参りたいと、現業官庁の在り方をよく誰人にもわかるように今後ともよく説明したいと、こう考えております。
#33
○鈴木恭一君 只今大臣のお話、誠に御尤もと拝聴いたしました。是非大臣が只今お考えのような線で進んで行つて頂きたいのでありまするが、ただ我我としては現在の給与というものがいろいろの事情から来ておるのでありまして、こうした際に少くともまあ一人当り千円昇給するというふうな際に、半分しか昇給できなかつたというふうな結果というものは、やはり従業員の士気に何か私は影響が非常に及んで来る問題だと思います。只今お話のありましたように、現業従事員というものは、八時間勤務と申しましても、御承知のように朝出る者もあれば又夜出る者もあり、夜中の勤務もあるというふろに極めて勤務が複雑でありまして、現業があの通りの職場でありますので、確かに私はデスクに坐つて仕事をし、ただ上官の命令を受けてその通りに仕事をしておる者とはまるで違いまして、常に自分の判断で自分が一人の本当に行政官として働いておるものでございまするので、そういう点をよく一つ政府として御認識頂きたいと思うのであります。アメリカあたりでも逓信従業員というものは外の役所の従業員よりも一級程確かに上のはずでございます。そういうふうな点も一つ御考慮頂きまして、特に大臣の御努力をお願いいたしたいと思います。
 尚、この理由はどこにあるかを今少し聞きたいと思うのであります。
#34
○説明員(楠瀬熊彦君) 只今、鈴木委員の御質問の調整号俸を全部削除して給与制度を作り上げる、その一号俸取つてしまつた理由がどこにあるのか、こういうふうに私は拝聴いたしたのでありますが、これはちよつと複雑な事情があるかと思うのでありますが、私共といたしまして、実は、はつきりした意図を十分聞いておりません。想像をまじえて申上げて、恐縮でございますが、私ども聞いております点では、逓信事業の従業員が一般表よりも大体八級以下の現業員が一号俸上に増俸して切替えられておるということの理由は、現業員は大体一般官庁勤務時間のものに比べまして勤務時間が長い。これが切換えられました時期は御承知と思いますが、昭和二十三年の一月に二千九百二十円ベースの切換えのときに、この調整を行なつたのであります。その際に一般の官庁職員の一日の平均勤務時間は六・六時間、逓信職員につきましては現業勤務者は七・五時間、一般の官庁勤務時間のものは六・〇時間、逓信職員といたしましては平均いたしまして六・九時間となりまして、その比率が大体五%程勤務時間が長いということになりまして、その分を給与の上に反映させまして、大体一号俸を昇給させて、一般表によりまして決めて行きたい、こういうことになつたのであります。この際に、実は、税務とか警察とか、船員、鉄道というような方面は、勤務時間という点ではなくて仕事の重要性と申しますか、非常に労働が附加されるという建前から、特別な俸給表が適用されることになりまして、それが今日又問題になつておるわけでありますが、そう考えて参りますと、二千九百二十円ベースの切換えの際に、こういつた特殊の職員の号俸を調整いたしました理由が、必ずしも勤務時間のみでなかつたと言えると思うのであります。この点につきまして更に今少しく詳しく申上げますると、昭和二十三年の法律第四十六号によかますと、第十三条におきまして、俸給は、その職務の複雑、困難及び責任の度に基き且つ勤労の強度、勤務時間、勤労環境その他の勤務条件を考慮したものでなければならないと、こうございまして、必ずしも俸給というものは時間だけではきめられないというようなことになつておるのでありまして、そこで問題を今日の問題として考えて見ますと、そこに問題が起りまして、まあ私共聞いております点では、勤務時間が長いから一号だけ殖やしてやりたい。だから今日勤務時間が一般なみになつたので、これを削除するのが当然だというような見解があるやに聞いておりますけれども、実情は必ずしもその通りではございませんので、現在でも電通職員内部におきましても、一般の勤務時間よりも長いものも一部ございますし、又いろいろの関係から勤労の質というものも違つておる。それで二千九百二十円ベースの際に切換えられまして、今日調整されたものが実は自分たちの本当に貰うべき俸給というふうに従業員は考えて来ておるわけでありまして、ここへ参りまして若し仮に時間差だけで号俸を調整したのだから、時間が短縮されたから、号俸も削除して旧の号俸で新俸給表を作るのかと言われてみましても、必ずしも現実的には納得がいかないものがあろうかと思いますし、殊に従業員の立場に立つて考えて見まする時に、やはりそこに動揺が起つておるということも見逃せませんので、只今大臣がおつしやつた趣旨に私ども御同感でございまして、でき得べくんばこの一号俸を調整して、増加しましたものはそのままとして、それを基礎にして新給与を構成して頂きたかつたわけでございます。いろいろの事情でこうなります。大体そういうようなことで、必ずしも明確な理由を私ども掴みにくいのでございますが、一応このことにつきまして申上げました。
#35
○鈴木恭一君 私お尋ねするのは、現在貰つておる俸給というのは、公務員給与法ですか、給与法に基いて平穏当然に貰つておる俸給だと思うのですが……。そこに過去における調整俸給というふうなものはあり得ないと私は思つておるのです。従つて今度給与法で、今度の改正で、どういうふうにこれを解釈するのか、その点が私にわからないものだから、お尋ねしておるのです。現在の給与は暫定的に貰つておるというふうなことではないと思うが、過去に、法規上そうなつておるんですか。
#36
○説明員(楠瀬熊彦君) これは一応現在のやつは暫定的という建前になつております。
#37
○委員長(寺尾豊君) では本日はこれにて散会いたします。
 尚、次回は来月四日月曜日頃に開催いたしたいと思います。さよう御承知を願います。
   午後零時十二分散会
 出席者は左の通り
   委員長     寺尾  豊君
   理事
           村尾 重雄君
           新谷寅三郎君
   委員
           鈴木 恭一君
          橋本萬右衞門君
           尾崎 行輝君
  國務大臣
   郵 政 大 臣
   電気通信大臣  田村 文吉君
  政府委員
   電波監理委員会
   委員長     富安 謙次君
   電波監理委員会
   副委員長    網島  毅君
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
   大蔵省主計局次
   長       石原 周夫君
   水産庁長官   家坂 孝平君
   電波監理長官  長谷 愼一君
   電気通信政務次
   官       加藤隆太郎君
  説明員
   電気通信次官  靱   勉君
   電気通信省人事
   部長      楠瀬 熊彦君
ソース: 国立国会図書館
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