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2000/11/06 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 国際問題に関する調査会 第2号
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2000/11/06 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 国際問題に関する調査会 第2号

#1
第150回国会 国際問題に関する調査会 第2号
平成十二年十一月六日(月曜日)
   午前十一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月三十一日
    辞任         補欠選任
     谷林 正昭君     小川 勝也君
 十一月一日
    辞任         補欠選任
     加藤 紀文君     山下 英利君
     鈴木 正孝君     松谷蒼一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         関谷 勝嗣君
    理 事
                田中 直紀君
                畑   恵君
                広中和歌子君
                井上 美代君
                田  英夫君
    委 員
                亀井 郁夫君
                河本 英典君
                佐々木知子君
                武見 敬三君
                月原 茂皓君
                野沢 太三君
                山下 英利君
                浅尾慶一郎君
                小川 勝也君
                輿石  東君
                佐藤 雄平君
                福山 哲郎君
                松 あきら君
                緒方 靖夫君
                高橋 令則君
   国務大臣
       外務大臣     河野 洋平君
   政務次官
       外務政務次官   荒木 清寛君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        鴫谷  潤君
   政府参考人
       外務省総合外交
       政策局長     竹内 行夫君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高須 幸雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
〇政府参考人の出席要求に関する件
○国際問題に関する調査
 (「二十一世紀における世界と日本」のうち、
 国連の今日的役割について)

    ─────────────
#2
○会長(関谷勝嗣君) ただいまから国際問題に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一日までに、谷林正昭君、加藤紀文君及び鈴木正孝君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君、山下英利君及び松谷蒼一郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(関谷勝嗣君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際問題に関する調査のため、本日の調査会に外務省総合外交政策局長竹内行夫君及び外務省総合外交政策局国際社会協力部長高須幸雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(関谷勝嗣君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○会長(関谷勝嗣君) 国際問題に関する調査を議題といたします。
 本日は、本調査会のテーマである「二十一世紀における世界と日本」のうち、国連の今日的役割について質疑を行います。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、国連をめぐる最近の動向と我が国の対応について政府から十五分程度報告を聴取した後、午後零時四十分を目途に自由質疑を行いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、報告、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。
 また、質疑に当たりましては、本日は国連問題に絞って質疑していただくよう御協力をお願いいたします。
 それでは、まず政府から報告を聴取いたします。河野外務大臣。
#6
○国務大臣(河野洋平君) 本日、参議院の国際問題調査会の開会に当たりまして、ただいまお話しのように、国連をめぐる最近の動向と我が国の対応についてお話をさせていただきたいと存じます。少し長くなりますが、お許しをいただきたいと思います。
 二十一世紀の国際社会は種々の課題に直面しております。これらのうち、国連にとって重要課題であるとともに、今後、我が国として一層積極的に取り組んでいくべき課題として森総理がミレニアム・サミットで取り上げ、私がミレニアム総会一般討論演説で強調いたしましたのは、第一に、軍縮・不拡散、紛争予防、国連の平和活動といった国際社会の平和と安全の問題であり、第二に、開発、貧困削減といった国際社会の繁栄の問題、第三に、人間中心の世界の実現、そして第四に、安保理改革や財政改革といった国連の機能強化の問題であります。本日は、これらの点を中心として御説明を申し上げたいと存じます。
 二十一世紀を真に平和の世紀とするためには、軍縮・不拡散の問題に国際社会が一致して取り組むことが何より重要だと思います。我が国は、唯一の被爆国として、また原子力に関する高度な技術と能力を持ちながら核兵器を保有しない国として、この分野で積極的役割を果たしていく必要があります。
 この分野での具体的取り組みとしては、我が国は、大量破壊兵器及びミサイルの不拡散の確保、包括的核実験禁止条約、いわゆるCTBTの二〇〇三年までの発効、カットオフ条約交渉の即時開始と二〇〇五年までの早期終了、STARTV交渉以降の核軍縮プロセスの継続、さらには、我が国はそれ以降の大幅な核兵器削減などを通じて、核のない世界を実現するための具体的な道程を示す核廃絶決議案を国連総会に提出し、今月一日、この決議を米英の核兵器国を含む圧倒的多数のもと採択に導きました。我が国としては、今回採択された決議を受け、核軍縮・不拡散分野での外交努力をより一層拡充してまいります。
 冷戦後、紛争解決における国連の役割が見直されるとともに、国際社会が対応を迫られる紛争も、国家間の紛争に加え一国内における紛争が多く発生しております。このような中、近年、国際社会において、紛争は一たん発生してから対処するよりも発生前に芽を摘む方がさまざまな点でコストがかからず、紛争をその勃発する前の段階で防止することが重要との認識が高まっています。このような認識を踏まえ、アナン国連事務総長は国際社会において予防の文化を育てていくことを提唱しております。
 我が国は、紛争を効果的に予防するためには、紛争発生の背景にある種々の要因を総合的に把握し、かつ紛争発生前から紛争発生後の幅広い段階での取り組みを視野に入れるとともに、その手段として、政治、安全保障、経済、社会、開発などの分野での政策、措置を念頭に置いて取り組みを行う包括的アプローチが重要であると考えており、機会あるごとにこれを国際社会に対して訴えてまいりました。
 G8宮崎外相会合で取りまとめられた紛争予防に関する宮崎イニシアチブはそのような考え方を踏まえたものであり、紛争の発生や再発防止に資するような開発援助の強化にG8として積極的に取り組むこととしております。また、小型武器問題について同イニシアチブで、他国に対する侵略や抑圧に使用される明白なおそれのある場合の輸出を許可しないことを明らかにいたしました。我が国はG8議長国として、G8のこのような成果を国連を通じて加盟国と共有するよう努めてまいりました。
 次に、国連の平和活動について申し上げます。
 紛争解決における国連の役割や紛争の性質の変化に対応してPKOの任務も、停戦監視などの伝統的なものに加え、選挙、人権、難民支援から行政事務や復興開発などに関するものがふえ、全体として多様化しております。アナン国連事務総長は、多様化しているPKOを平和活動という大きな枠組みの中で包括的に見直すために、専門家によるパネル、いわゆるブラヒミ・パネルでございますが、を設け、活動の改善強化のための方策を諮問いたしました。ブラヒミ・パネルは、八月に報告書を提出し、国連事務局の機能強化や国際社会の機動的な対応等に関する種々の提言を行いました。この報告書及びその実施のために、国連事務総長が提出した計画案について総会及び安保理で検討が行われております。我が国としても、平和活動強化の観点から積極的に議論に貢献していきたいと考えております。
 また、我が国としては、PKOに対する人的貢献のほか、緊急復興、民主化促進のための法制度整備の支援、国際機関への支援などについて引き続き可能な限りの支援を行っていく考えであります。
 開発と貧困削減の問題は、ミレニアム・サミットで最も多くの首脳が強調した点であり、このことは、この問題が国際社会にとって優先度の高い問題であるということを示しております。我が国としては、今日まで開発や貧困削減を支援するため、TICAD、アフリカ開発会議でございますが、開催を初めとする多大な努力を払ってまいりましたが、引き続き国際社会が積極的にこうした問題に対処するよう国連を通じた働きかけを行ってまいります。
 国連は、収入が一日一ドル未満という絶対的貧困者の割合を二〇一五年までに半減させるなどの具体的な開発目標を設定し、その達成に向けて成果重視の開発への取り組みを進めており、開発関連諸機関間の調整、連携を強化しております。また、二十一世紀におけるITの重要性に着目し、ITの発展が途上国の開発促進に資するように国際的な取り組みを進めようとしております。
 我が国は、引き続き開発途上国自身による主体的な開発への取り組みを基礎に、援助受け入れ国と国際機関、各ドナー、NGOなどのパートナーシップを推進してまいります。また、一定の発展段階に達した開発途上国が発展の経験やノウハウを生かしてほかの途上国を支援することは極めて有意義であり、国連機関などとも連携しながら南南協力への取り組みを強化していく考えであります。
 ITと開発の関連では、デジタルデバイドへの対応が重要との認識から、我が国は、九州・沖縄サミットに先駆けて、国際的な情報格差解消のために今後五年間で百五十億ドル程度をめどとした包括的な協力策を用意いたしました。今後、UNDPなどの国際機関とも連携をとりつつ協力を進めていきたいと考えています。
 二十一世紀に向け我々は、紛争、貧困、難民、人権侵害、エイズなどの感染症、犯罪、テロ、環境などさまざまな問題に直面しております。また、女性や児童、さらにはさまざまな社会的弱者がその権利を尊重され、その才能を発揮し、すべての人々が共生できる社会を築いていく必要があります。
 このような問題への取り組みにおいて、個々の人間の生存、生活、尊厳を確保するという観点から、人間を中心に考える取り組みを強化することがますます重要となっています。これが人間の安全保障の考え方であります。
 ミレニアム・サミットにおいて森総理は、二十一世紀を人間中心の世紀とするため人間の安全保障を外交の柱に据える旨述べられましたが、我が国として、今後この考え方を次のように具体化する考えであります。
 まず我が国は、故小渕総理のイニシアチブで昨年国連に設置した人間の安全保障基金に対し、これまで九十億円以上を拠出してまいりました。この基金は、コソボ、東ティモール、タジキスタンなどにおいて、紛争後の緊急支援、復興や保健医療、基礎教育などの分野において個人に直接裨益する事業の実施支援に実績を上げてきましたが、人間の安全保障の促進のために高まるニーズにこたえることを目的とし、この基金にさらに百億円程度を目指して拠出する考えであります。
 また、人間の安全保障の概念を深め、国際社会の取り組みを強化する方途を検討するため、有識者の参加を得て、来年の早い時期にも人間の安全保障のための国際委員会を発足させる考えであり、現在、国連などとも協議しつつ準備を進めております。
 人間の安全保障の観点からも地球環境問題への取り組みはますます重要であります。環境問題における当面の最大の課題は、気候変動枠組み条約第六回締約国会議を、いわゆるCOP6を成功させて、地球温暖化問題に対処する京都議定書を二〇〇二年までに発効させるということであります。我が国としては、今後ともこの分野において最大限の努力を傾注する考えであります。
 続きまして、国連の強化について申し上げます。
 国際社会の新たな現状に合致する新たな国際秩序を構築していく上でも国連の体制強化が急務であります。特に、国際の平和と安全の維持に主要な役割を担う安保理の改革及び国連の財政基盤の一層の健全化のための財政改革が重要であります。
 安保理改革について、ミレニアム・サミットにおいて、各国首脳の演説時間が五分と限られている中で、約百カ国が改革の必要性に言及したことや、ミレニアム・サミットで採択されたミレニアム宣言において、「全ての面における安保理の包括的な改革の実現のための努力を強化することを決意する。」との文言が盛り込まれたことが示すように、改革の必要性については加盟国の総意と言えると思います。しかし、改革の各論に入ると加盟国の思惑、利害が交錯し、意見が収れんしておりません。
 そのような論点として、一、常任・非常任議席双方を拡大すべきか、非常任議席のみの拡大でよいか、二、拡大後の安保理議席数をどうするか、三、新常任理事国の選出方法をどうするか、四、拒否権の扱いをどうすべきかという論点があります。このようなことから、安保理改革について国連で七年にわたり議論されていますが、いまだに改革は実現しておりません。
 このような中、我が国としては、改革の進展を図りつつ、その後戻りをさせないとの観点から、合意できる点を一つ一つ積み上げていくことが重要であると考えており、その観点から、まず多くの国が賛同し得ると思われる常任・非常任議席双方の拡大について確認し、その後に安保理拡大後の議席数の問題などほかの論点の議論に入っていくことが有効であると考えています。
 これまで我が国は、安保理改革が実現する暁には常任理事国として一層の責任を果たしたい旨表明していますが、これは今日、国際の平和と安全の維持のためには、政治、安全保障のみならず、経済社会などさまざまな分野にわたる活動が求められており、我が国として、軍縮や不拡散、開発、人間の安全保障といったさまざまな分野での我が国の能力と経験を生かすことができるとの考えに基づくものであります。
 次に、財政改革について申し上げます。
 国連の機能強化のためには健全な財政基盤の確保が不可欠であり、我が国は、滞納金の解消、予算の効率化及び分担率の公平化を主に主張しております。
 二〇〇〇年から二〇〇一年度の国連の通常予算については、二十五億三千六百万ドルで、一年分換算ですと千三百三十億円になります。予算交渉において、我が国は節約と効率化を粘り強く主張して交渉に臨み、前年度の二十五億三千二百万ドルに比してほぼゼロ成長の予算を達成いたしました。今後とも、国連財政の合理化、効率化、透明性向上により、各国が支払う分担金が有効活用され、説明責任が全うできるよう引き続き働きかけていく考えであります。
 国連財政基盤強化のためには、国連予算を支える各国の負担のバランスがとれていなければなりませんが、我が国としては、現在の分担率は均衡を失したものとなっていると考えており、本年の分担率改定交渉の機会をとらえ、その全体的な見直しを実現すべきであると考えています。厳しい経済・財政状況のもとで、加盟国中第二位の分担金支払い義務を履行している我が国にとって納得のできる分担率を実現することは極めて重要であるとの認識のもと、今後とも交渉に臨んでいく考えであります。
 国連における邦人職員の増強は、国際社会において我が国が顔の見える外交を展開していく上でも喫緊の課題であるとの認識のもと、政府、外務省としても、優秀な人材の発掘や国連に対する働きかけを引き続き積極的に行っていく考えであります。また、NGOにつきましても、UNHCRなどと連携して活躍することができるよう支援してまいります。
 最後に、私は、我が国が平和と安定から受けたものと同様の恩恵を他の国際社会の国々も受け、より一層平和と繁栄を享受することができるようになることを心から願っております。そのためにも我が国は、未来に向かって国連をさらに強化し、自由と民主主義に基づいて平和と繁栄のための新たな国際秩序を構築していくために、一層の貢献を行っていく決意であります。
 ありがとうございました。
#7
○会長(関谷勝嗣君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は挙手をお願いいたします。
#8
○田中直紀君 自由民主党の田中でございます。
 慣例でございますので、着席のまま質問をさせていただきます。
 さきの国連ミレニアム・サミットの河野外務大臣の演説につきましては、我々にとりましても常任理事国の改革の問題については大変関心の深いところでありますが、我が国が常任理事国として一層の責任を果たしていくという意欲的な姿勢で臨まれたことを大変心強く思っておる次第でございます。提案をいたしましたCTBT、二〇〇三年に至る今回の核廃絶決議案が採択をされたことを大変評価し敬意を表するわけでありますが、なお一層の御努力をいただきたいと思います。
 私の方からは、委員の方々も御質問があろうかと思いますので、安保理改革について若干の質問をさせていただきたいと思います。
 今回、大臣が言われますように、長年、改組につきましては検討し、また提案をされてきておるわけでありますし、諸外国からも理事国の拡大については中国を除いて相当の理解が得られてきておる、こういう状況でありますが、いまだに最終的な形が出てきていないということであります。
 手順として、一つは、来年の秋までに、国連ミレニアム総会が建前上継続をしてきておる、こういうことでありますから、ここ一年の間に相当青写真をつくって総会に臨んで、ある程度の前進が見込めるかどうか、こういうことをお聞きいたしたいと思います。
 それから、聞きますと、今までアメリカが拡大については理解を示しておりましたが、常任理事国、非常任理事国の十五を二十四ぐらいに何とかおさまるのであればと、こういうことを言われておりますが、その辺の具体的な枠の問題が相当煮詰まってきておるのかということが一つであります。
 それから、我が国が常任理事国に入った場合に、何といっても国際協力ということからいえば、今のPKOをPKFまでできるような形で環境づくりをしていくこと、拒否権の問題はそのときの判断によることだと思いますが、やはり国内の環境づくりをしていく必要があるのではないか。そういう面では、来年を目指して政府として協力体制をどう進めていくかということが一つであります。
 それから最後に、日中共同宣言の中でもうたわれておりますけれども、安保理の改革については中国は理解を示しておる。そしてまた、我が国も経済協力については最大限の中国に対しての協力を宣言しておるわけであります。ですから、我が国が一番外交上、国連外交として常任理事国を目指しておることについて唐家セン外相との会談の中でもいま一つ踏み込んだ対応がない、協力する姿勢がないというのは、我が国にとってはこれだけ中国に対しての協力をしておるにもかかわらず理解を示さないということについては大変不満が多いのじゃないか。私はそういうふうに思っておるわけでありますが、その辺の努力というものは今後どういうふうに進めていかれるか。
 この点、三点、四点ございますが、御質問をいたしたいと思います。
#9
○国務大臣(河野洋平君) 国連改革は、議員の御指摘のとおりもう七年にわたって国連は改革されなければならないという議論を続けているわけですね。毎年毎年国連改革について議論を続けているわけですが、何か一つの節目というかきっかけをつかんでそれを実現したい、こう思っておりまして、その節目といいますかきっかけとして我々は、二〇〇〇年ミレニアムといいますか、二十一世紀には改革された国連でと、こういうことを言って、これをひとつ何とかして改革の節目にしようということで議論をしてまいりました。
 我々の前にはいろんな問題がございまして、今、これも議員がお話しになりましたように、既存の安保理のメンバーの中から、安保理の数をふやすことについては非常に慎重な議論もあったりしました。それから、非常任理事国と常任理事国とどっちをどういうふうにするかという議論などもございました。
 今、議員が御指摘でございましたからあえて申し上げれば、アメリカにもさまざまな議論があって、日本の安保理常任理事国入りには理解を示してくれるんですが、数となるとこれはなかなか十分な数についてアメリカは理解を示さない。アメリカは、むしろこれ以上数をふやせば議論が躍ってしまって結論が非常に導き出しにくくなるというようなことすら言って、数は余り多くない方がいい、こういう主張がずっと長く続いてまいりました。ということになると、限られた数の中に日本だけ入れるよと言っても、これは国際社会がそれを認めるかどうかということになるとなかなか難しいわけでございまして、我々とすればアメリカに対しても、つまり既存の安保理のメンバーの各国に対しても、やはり一定の数をふやしてほしいということを言ってきたわけです。
 これは余計なことでございますけれども、国際社会の多くが見ておりまして、安保理に入るとすればやっぱり日本とドイツだなというふうに見ている国が多いと私は推測をいたします。数を実際に当たったわけではございませんが、多くの国がそう思っているに違いないというふうに思うのです。
 そこで、日本もドイツなどとも話し合って、どうやって安保理改革というものを進めていくかということについて十分議論もしてまいりましたが、そうやって議論を広げてすればするほどなかなか難しいという状況にもなってきたわけでございまして、やっと昨年になってアメリカは今まで言っていた数よりももう少しふやしてもいいかもしれぬというようなことを言ったということを我々漏れ聞きまして、それを頼りにアメリカとも少し話をしましたが、そうやっているうちにアメリカは大統領選挙で新体制になる。恐らく大統領がかわれば、これはかわることは間違いないわけですから、大統領がかわれば国連大使以下みんなかわる可能性が当然あるわけで、そうなると、これまでの議論が一体継続されるかどうかということもあったりして、なかなかミレニアムきっかけ論というのが、必ずしも我々の思ったとおりにいくかどうかということには多少の問題があるわけでございます。
 しかし、私どもとしてはでき得る限り早期に国連が改革されなければならないという国際世論といいますか、そういうものをつくろうということで、いろいろな国に対しても説明をし、説得をしてきた結果、あえて結果と申し上げていいと思いますが、先般のミレニアム・サミットの折に演説をなさった各国首脳の方々のうち百カ国の国が国連安保理の改革は重要だということを指摘されたということで、我々は非常にその点では心強く思っているわけです。
 しかし、これは議員も御承知のとおり、数だけというわけにはいかない。拒否権を持った安保理のメンバーがこれについての了解をくれなければならないわけですから、そうした点についても我々としてはさらに努力をしていかなければならないと思っています。
 それから、ちょっと順番があれこれになりますが、中国の問題でございますけれども、中国とは安保理問題について私は再三話をしております。再三話をしておりますが、中国の私に対します一般的な答弁は、言ってみれば自分たちは開発途上国の立場に立っている、そこで開発途上国がどういうふうになるかということにより多くの関心を持っているということを繰り返し言いました。決して日本がいけないと言ったことは自分たちはないと思っているが、どの国はいい、どの国は悪いということを今言うつもりはないということで、中国からは議員御指摘のとおり、いまだに日本はいいじゃないかという発言を聞いておりません。
 これは非常に残念なことでございまして、いわゆるP5と言われる安保理メンバーの中でアメリカもイギリスもフランスもロシアも日本の安保理入りについて理解を示してくれているにもかかわらず、中国だけが明示的に公式には発言をしておられないということを私は非常に残念に思って、これは引き続きでき得る限り中国とは話し合っていきたいというふうに考えております。
 それから、我が国の仮に安保理のメンバーになったときの国際貢献といいますか、国際的な我が国が果たすべき役割ということについての準備が必要ではないかという議員の御指摘でございます。
 これは、安保理のメンバーになったからどう、ならないからどうということではないと思いますが、一般的に国際社会に対して日本がどういう貢献をしてきたか、あるいはこれからしようとしているかということをはっきりさせるということは重要だと思います。私は、少なくとも今、日本が国際社会に貢献をしていないと思っている国はないと思います。相当大きな貢献をしている、これはもうはっきりだれもが認めていると思います。
 ただ、問題は、議員がお話しになりましたように、紛争処理とか紛争解決に他国と同じようなことを、どんな問題でも他国と同じように日本はやりますよと言った方がいいのではないかということになりますと、これについてはやっぱりいろいろ国内でも議論がございますし、国際的にもまだまだ議論が残っていると思いますので、そこまではまだ私は踏み込めないと思いますし、踏み込むべきではないと思っております。
 ただ、国内でいわゆるPKOあるいはPKFの問題については与党のプロジェクトチームその他で大変熱心な御議論が続いておりますし、その御議論なども十分伺って、さらには国会での御議論を踏まえて我々としては対応したいというふうに思っております。
#10
○井上美代君 私も、国連の常任理事国入りのことでお聞きしたいというふうに思います。
 日本共産党の井上美代でございます。
 これまでも、この調査会で日本の常任理事国入りについての発言もありました。今春の参考人として出席されました小和田前国連大使は、常任理事国入りには賛成するとしながらも、安保理の常任理事国になることが日本の大国としてのステータスに重要だというようなことではないというふうに言われまして、私、この発言に必ずしも同意するわけではないんですけれども、先に常任理事国入りありきではないのだというふうに受けとめました。
 国連加盟国の中には日本の常任理事国入りに賛成している国もあれば反対している国もあるということは、今、大臣がかなり具体的にお話をされましたけれども、私ども日本共産党といたしましては、日本が常任理事国になれば国連による軍事行動で戦略的な中枢としての役割を果たすことになってしまいますということで、日本国憲法の平和原則に背くというその理由でもって日本が常任理事国入りをするべきではないというふうに考えております。
 ところで、森総理が十一月の中央公論で書いておられますのに注目をいたしました。特に、二〇〇〇年における国連の財政負担の割合をずっと書いておられます。一位がアメリカで、次いで我が国が二〇・六%、そしてドイツが九・九%というふうに書いてありますけれども、我が国のODA、政府開発援助は連続して年間約一兆円に及ぶというふうにそこは書いてあります。そして、これは世界の第一位であると。
 そのことを言いながら、「だから、このこと一つをとっても、わが国が常任理事国に迎え入れられるのは当然だとする見方や主張もあるだろう。 しかし、私は必ずしもそうした考え方をとるものではない。国連分担金やODA拠出が多いからといって、それだけで国際社会で大きな顔をしようとするならば、それは私は金満家的発想であろうと思う。個人でも、国際社会の交際でも、金力、財力だけにモノを言わせるのは誤りだ。」「だから、私は外務省の人たちにも「常任理事国、常任理事国」と言って、わが国が最初から常任理事国入りするのが当然というような言い方をするのではなく、幅広い国際社会の理解と支持を得て、わが国だけでなく他の地域の主要国からも、あるいは発展途上国の中からも常任、非常任理事国の仲間入りをするような、そういう国連機能の強化を促進するように求めたのである。」と。ちょっと長くなりましたけれども、そのようなことが述べてありまして、私はここに注目をしたわけでございます。
 河野外務大臣も国連でも同じような趣旨のことを言われているんですけれども、やはり私は国連の常任理事国入りということを拙速に運ぶべきではないというふうに考えているわけなんですけれども、その点について大臣のお考えをお聞きしたいというふうに思います。
 以上です。
#11
○国務大臣(河野洋平君) 議員、誤解があるといけませんので、ちょっと答弁の前に一言だけ申し上げておきますが、私が先ほど申し上げたのは、私の答弁の中で日本の国連常任理事国入りに反対する国があるということを言ったつもりはございません。中国はいまだにはっきりとその意思を表明してくださらないということを言ったのであって、具体的に日本の安保理入りに反対をしている国があるということを申し上げたわけではないので、そこだけ誤解のないようにまずお願いをしたいと思います。
 それから、総理のお書きになったものについて、私は別に相談にあずかったわけではございませんけれども、しかし総理の御指摘は、私は納得できる箇所が多うございます。私も、また国連予算の相当部分を日本が分担しているからそれに見合う当然の役割をよこせというような言い方は必ずしも適当ではないと思います。しかし客観的に見て、やはり国連予算のうちの二〇%を分担している日本という国に対して国際社会が理解を示してほしいという気持ちはあります。しかし、だからといって云々というつもりはございません。
 ただ、私がまず最初に申し上げたいと思いますことは、じゃ、なぜ日本は安保理入りについてそう強く望むのかというふうに私が質問を受ければ、実際に今の安保理の中へ日本がもし入るとすれば、核兵器も持たない、戦争もしないということを明言している国が国連の安保理のメンバーの一つになるということには非常に大きな意味があるんじゃないかということを私は言いたいと思っているんです。そうしたことをやはり考えないと、これから先の二十一世紀の国際社会というものは今までどおりの考え方でいいかどうかということには、新しい考え方も必要ではないかということを私は申し上げたいということをお答えしたいと思っています。
 したがいまして、安保理の常任理事国になるということについてどういうことを我々が目指しているのかというふうにお尋ねであるとすれば、もし我々が安保理のメンバーになるとすれば、例えば開発途上国の人たちの問題についても我々は理解ができますよと。それから、平和、軍縮・不拡散、こういった問題について我々は国連の中枢部で議論をする、したいという気持ちが強いですよと。そして、それによって二十一世紀国際社会から核を廃絶するという我々の気持ちというよりは人類の願いというものを実現するためにも必要じゃありませんかということを私は気持ちとして申し上げたいと思っております。
#12
○田英夫君 ちょっと大臣の言われたのと離れてしまうかもしれませんが、人間の安全保障という考え方は全く私も賛成ですし、国連がアナン事務総長を中心にしてそういう方向を重視しようじゃないかということを言っておられるのは大変いいことだと思います。ただ、人間の安全保障というのを具体的に生かしていくということになるとなかなか簡単ではないということだと思うので、一つのアイデアとして世界を幾つかの地域に分けて考えると。
 そういう考えを私は持ったのは、実は非核地帯条約というのが、今南半球は全部できているわけですが、中南米、南太平洋、ASEAN、アフリカと、おのずからそういう地域がまとまって非核地帯条約をつくってきた。そういう中で、もう一つはARFですね。ASEAN地域フォーラム、これが一種の総合安全保障機構、別の意味で人間の安全保障ということも含まれているのではないかなと。
 従来、安全保障というと軍事的な結びつき、日米安保条約のような二国間条約というのはだんだん影を潜めつつありますが、地域別に安全保障、それも軍事的なことに限らないで総合的な安全保障、その最も典型的なモデルがARFじゃないか、あるいはヨーロッパのOSCEじゃないかというような感じがしておりますので、国連がみずから、みんなで話し合いをする中でそういう構造を世界に持って、その総括的なものが国連総会であるという、そういう考えはできないものだろうかと。ちょっと空論といえば空論かもしれないと自分でも思います。
 しかし、人間の安全保障というのはまさに二十一世紀の国連の主要テーマでなけりゃならぬということは私も全く賛成なんで、人間の安全保障を実現するにはどういうふうにしていったらいいかという言い方の方がお答えになりやすいかもしれませんが、全く私見で結構ですが、その点をお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
#13
○国務大臣(河野洋平君) 正直、大変難しい問題提起で、これは武見委員から御答弁をいただいた方がいいのだろうと私は思っているんです。いつも武見委員からこの問題については考え方についていろいろ御教授をいただいているものですから、そんなことで、もし後で御意見があれば武見さんからもお願いしたいと思うんですが、私、人間の安全保障という考え方は非常に重要な考え方だと思っています。ただ、まだまだ漠然としていて、その概念あるいはそれをどういう枠組みで考えるかということについては全く漠としているように思うんですね。
 これは、したがって武見議員からも私に御指摘がありましたように、何か専門家のコミッティーをつくってもう少し専門的にこれをやったらどうだという御提言があって、私は全くそれは大事なことだと。今は人間の安全保障という考え方といいますか、非常にみんなが心配していることに答えるような言葉がまずあって、それに対して、これは小渕総理が非常に熱心に取り組まれ、森総理はそれを引き継がれて人間の安全保障についての基金をつくってそこに金も出す、こう言っているんですが、今そこまでなんですね。それではやっぱり余りに話は部分的、小さいといえば小さいかもしれません。
 しかし一方で、今、田さんが言われたように、もっと大きく取り組もうとするとやっぱり国と国の関係が出てきてしまう。この国と国との関係が出てきてしまうと、人間の安全保障というのはなかなか難しい部分もある。例えば、人権一つをとってみても、これは国と国との関係では人権についての考え方のレベルに差があったり、進んでいるおくれているという言い方はどうかわかりませんけれども、取り組み方の違いが出たりいたします。
 ですから、ヨーロッパで今それは大変深刻な議論になっているのは、つまり国家主権というものを考えるのか、主権を飛び越えて人権が侵されているときには中へ入っていってその侵されている人権を助け出すのかという議論については、なかなか難しい議論なんだろうと思っているんです。
 ただ、私どもが考えております人間の安全保障の中には、田さんは一番そこの、もうこれが最大の環境破壊だし、最大の安全保障に対立する概念だとお考えになって紛争とか戦争とかというものをとらえておられる。それは私はそのとおりだと思いますけれども、一方で、もっと根本的な原因になるかもしれない貧困とか、それから具体的に言うと難民の問題であるとか、あるいは感染症、エイズの問題であるとかテロの問題であるとか、そういう問題に対しても人間の安全保障というものは対応しなければならないと思っているんです。
 したがって、まだその概念について十分私も御答弁を申し上げるほど考え方がまとまっておりませんので、委員長、ひとつ武見議員から御発言をぜひいただきたいと思います。
#14
○会長(関谷勝嗣君) 広中理事は委員の皆様方の御質問の後に、きょうは時間が余りありませんので、気を使われまして二、三分で質疑をするということでございますので、これから委員の先生方の質疑をいただきたいと思いますが、今、外務大臣が御要望されております武見委員にお願いをいたします。
#15
○武見敬三君 この人間安全保障という考え方は、大臣がまさに御指摘になったとおり、極めてまだ漠たる考え方であるということは確かでありますが、やはり二十一世紀を人間を中心とした新しい世紀としようと。その根底にあるヒューマニズムというものについては、かなりのきちんとしたコンセンサスが国際社会の中には形成されている。それをいかに守るための政策概念としてこの人間安全保障という考え方を知的なレベルでまず整理して、そして政策を組み立てていくときの優先順位をきちんと提示できるようなものにしていくのかということが今現在まさに国際社会の中で問われている。
 それを日本がまさに率先して、国家として国際社会の中でこうした知的営みを促進することによって大きく国際社会の中に貢献しようと。その具体的なツールとして、この人間安全保障委員会というものを国からもあるいは国連からも独立した形で創設をしようという御提案をされたというふうに私は理解しているものであります。
 この場合に非常に重要になってくることは、大きくこの具体化の過程で意見が分かれ始めてきたことであります。それは特に国家の主権とのかかわりに関する部分であって、例えばカナダのようにヒューマニタリアンインターベンションという考え方を時には軍事力をも有した形で国家の主権よりも優越した考え方として定着させようという考え方があります。
 ただ、私は、こうした考え方というものは現在の国際秩序の中においてまだまだ受け入れられる考え方ではないということで、むしろそういう主権というものを尊重しつつも、いかに包括的な非軍事的手段を通じて、大臣御指摘のような紛争を予防するようなより果敢な政策が実現できるかということが具体的な課題になってくるだろうと思います。
 そして、この人間安全保障という考え方自体は民主主義と同じようなもので、時には政策を考えるための概念にもなり、あるいは時にはその考え方自体が目的にもなるような、恐らくそういった性格の考え方として国際社会の中に定着していくべきものということになるだろうと思います。
 しかし、これには大変大きなジレンマがあり、まさにその点をこれから大臣にお聞きしたいわけでありますけれども、例えばインドネシアにおけるアチェあるいはイリアンジャヤ、こういったところで現在生じている宗教的、民族的な対立、こういったものに対しては、国連機関というものが十分に関与し、その紛争を抑止し予防するための効果的な措置がまだ講じられておりません。これはかなり大きな人間安全保障的考え方、そして、その中でもヒューマニタリアンインターベンションというものはあくまでも回避するというような考え方で取り組む限りにおいては、やはりかなりその方法論自体にも限界があるということを私は示しているのではないかと思います。
 そういった点で、では次に、こういった国家主権の枠組みというものを尊重しつつも、こうしたアチェだとかイリアンジャヤのような民族・部族対立という問題を上手に解決していくための我が国及び国連等々の、あるいはさらにNGO等とも連携をした形での解決の仕方というものは果たしてあり得るのかどうか、これは極めて具体的かつ深刻な問題であろうかと思いますので、御質問させていただきたいと思います。
#16
○国務大臣(河野洋平君) インドネシアの問題を提起されましたが、インドネシアの問題について国連は懸念を表明していることは事実だと思います。懸念は表明しておりますが、現時点では国土の一体化といいますか、やはりインドネシアという主権のもとで、イリアンジャヤにしてもアチェにしても、今そこを例えば独立させるとかなんとかということで国連が動くというふうに私は感じておりません。
 一方、インドネシアはメガワティ副大統領のもとで、アチェにしてもイリアンジャヤにしても非軍事的にこの問題をおさめようという努力がなされたわけですが、なかなかこれはうまくいっていないというふうにも私は聞いております。
 しかし、いずれにせよこの問題はまだまだインドネシア主権のもとで問題解決の努力がなされるべきであって、インドネシアの外からこの問題に対してこの時点で何かをするということではない。まだその時期ではないのではないかというふうに私は思っているわけです。
 我々とすれば、インドネシアというあれだけの人口を抱えたアジアの大国ですから、あそこが不安定になるということはアジアの安定という意味からいうと非常に問題がありますから、十分注意を払わなければならないというふうに思っておりますが、それと同じように、あの地域がやはりインドネシアの指導者の指導によって、例えばこれは余り言い過ぎてはいけませんが、一部にある天然資源から得ることができるであろうさまざまな利益をどういうふうに配分するかとか、そういった議論というのも一部行われているというふうにも仄聞をしておりまして、何かこれは知恵によってあの地域の安定というものがもう一度図られるということを私としては期待しているところでございます。
#17
○松あきら君 私は、一連の関連のことではないんですけれども、やはり国連機関の一つでございますユネスコについて御質問したいと思います。
 私もユネスコ国内委員をさせていただいておりますけれども、ユネスコというのは第二次世界大戦の反省に立って、二度と人類が過ちを犯さないために、御存じのように教育、科学、文化、これを中心としたサポートする機関なんですね。
 しかし、残念ながら、今例えばユニセフとよく比べられるんですけれども、ユニセフは非常に目に見えた形で黒柳さんなどがメディアなどを上手に利用あるいは活用していらっしゃるという面もあるんですけれども、具体的な成果が上がっているように思えます。そして民間の活動の色彩が濃い、あるいは自由な発想からいろいろ成っている。しかし、ユネスコというのは残念ながら非常に地味で、世界遺産などのすばらしい番組もあるんですけれども、その中身あるいはこういったことをやっておりますということがなかなか国内の皆様にもわかっていないし、あるいは世界的にもわかっていないんじゃないかなと。
 しかし、これからの今後の国際社会において、先ほどヒューマニズムというお話も出ましたけれども、やはりますます文化的あるいは教育的要素が平和と発展のかぎを握るものとして非常に大事になってくるというふうに思うわけです。しかし、今のままですと、私は、ユネスコというものがなかなか先進国あるいは発展途上国双方の官民から理解され、あるいは必要とされるような評価がそういうふうにされないのではないか、やっぱり一部関係者の自己満足に終わってしまうんじゃないかという危惧があるわけでございます。
 私も国内委員でいろいろ御意見を申し上げるんですけれども、それについて、じゃ一年たってどういうふうになったかということも反応がないんですね。それで、やはり私は、今後例えば外部の開発研究あるいは科学研究機関との組織的連携を進める、あるいは過度に定型化あるいは細分化した事業活動については外部移管や見直しを図る、またさらには、例えばNGO、NPOなどと連携して合理的かつ一貫した戦略のもとで推進するようなことを進めていくべきではないかと。
 しかも、お金を出したから云々ではないですけれども、やはり日本は最大の拠出国であるわけで、アメリカなどは残念ながらまだ復帰してくれないわけでございますので、こういった改革に向けてやはり日本は強いリーダーシップをとるべきではないかというふうに思うわけでございますけれども、これにつきまして大臣の御所見を伺いたいというふうに思います。
#18
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおりだと思います。
 私もユネスコの重要性というものを非常に強く感じておりまして、これは、今そんなことを言ってはいけないのかもわかりませんが、日本人が、松浦さんがユネスコの責任者になられたということもあって、大いにユネスコがこれから新しいユネスコとして積極的な活動をしてほしいと心から願っております。
 一般的にもそうですし、松浦さんの話を聞いても、やはりユネスコは改革されなければならないということをしきりに言われます。松浦さん御自身も今その改革に取り組んでおられる。これは大変難しいと。人間の数、それから、それはただ単に数だけではなくて、適材適所といいますか、大事なところに大事な人間を、きちんと能力のある人間を置くことができるかどうかというような問題まで含めてユネスコの改革に、時間をかけずにこれをやり遂げたいと言っておられますが、それでも一年や二年はきっとかかるのではないかというふうに思いますが、まずユネスコ改革というものが行われて、その中には当然アメリカの復帰なども、ユネスコが改革されて非常に効果的な活動ができるようになれば恐らくアメリカも復帰する可能性も私はあるんだろうと思っておりますから、まず改革が行われ、アメリカを初めとしてそういう国がみんな復帰して、そして国際社会の中で科学技術とか教育とか文化とか、そういった面でユネスコの果たすべき役割というものをみんなが理解をし、そして尊重するということに一日も早くならなければいけないというふうに思っております。
 これについて、ちょっと担当の高須君から一言。
#19
○政府参考人(高須幸雄君) 追加してお話し申し上げます。
 確かに、お話しのとおり、日本の国内ではユニセフは非常によく知られている、しかしユネスコは、一部の方はあれだけれども、具体的な活動が目に見える形で我々の生活にどう影響するのかというのがよくわからないという問題があるんだと思うんです。
 ただ、これは松浦事務局長が就任されまして、大臣がお話し申しましたように、中の事務局の改革だけではなくて事業の活動が、具体的には教育というのは非常に重要だということと、それからもう一つはグローバル化した世の中の文化の多様性というのが非常に重要だということで、御指摘のとおりユネスコの担当している分野というのはこれからの世の中で非常に重要なんだと思うんです。
 そういうことで、政府といたしましても、事務局長に日本人がおられるということですので、全面的に追加的な、具体的には人づくりの開発信託基金をつくりまして追加的に我々としては拠出をさせていただきますし、かつまた、学生、教員等の国際交流を目的とするユネスコ青年交流信託基金というものを強化するというようなことで、具体的に改革を進める上で、こういう形で教育、文化の面で成果が上がるという活動をするための資金援助もするということで努力しております。
 この結果が出てくるのにはやっぱり時間は少しかかると思いますけれども、日本政府といたしましては、日本人がユネスコの専門機関の長になったということで、具体的なユネスコの活動がこういうふうに変わってきたということを世界に誇れるような形でバックアップしたい、そのために日本の国内にも還元していきたいというふうに考えております。
#20
○浅尾慶一郎君 先ほど来の当調査会の議論を拝聴させていただきまして、私は、安保理改革にしても今のユネスコの改革にしても、我が国としての改革をした後のリーダーシップをいかなる形で発揮していくのか、あるいはどういうメッセージをその改革の後に出すために改革をするのかということが問われているのではないかなというふうに考えております。
 そしてまた、近来のグローバル化、グローバリゼーションあるいは冷戦構造の崩壊以降、経済面においてはまさに世界的な市場が誕生しつつあるということも一つ言えるのではないかなというふうに思っております。その中で、一方で、先ほど来お話のありますように、民族紛争あるいは宗教観といったようなものも関係してくるのかもしれませんが、に基づく紛争というものも幾つか散見されるわけであります。
 先ほど、大臣の方から国連の中におきましてデジタルデバイドへの取り組みというようなお話をいただいたわけでありますが、ここから先が御質問でありますが、そのデジタルデバイドへの取り組みというのはもちろん大切というふうに考えておりますが、IT、インフォメーションテクノロジーは、基本的には私は南北の格差を縮める方向に働くのではないかなというふうに考えております。なぜならば、労働市場、労働力の価格が当然南の国の方が安いということであれば、情報の伝達が早くなれば南にとって福音になるのではないかなというふうに思っております。
 むしろ、もちろんそのITのデジタルデバイドへの取り組みは国連としてやるべきだと思いますが、日本として、先ほど冒頭申し上げましたリーダーシップということで問題提起ということを考えていただくならば、今IP、インテレクチュアルプロパティー、知的財産について先進国が比較的独占する傾向があります。
 具体的な例で申し上げますと、例えばバイオに関して、ヒトゲノムについてはこれは特許にしないということでありますが、ヒトゲノムの派生であります、そこからつくられるたんぱくについてはすべて特許を認めるとか、あるいはヒトにかかわらず、例えば稲についても稲のゲノム、これは日本だけじゃなくてインドとかでつくっております在来種の稲についても、例えばインドにおいてはこれはかけ合わせでつくっていくと。ところが、アメリカのどこかの研究所である部分を変えると、そこを特許で押さえられるというふうになりますと、こちらの、バイオを例にとりましたけれども、知的財産についてはむしろ南北格差を広げる方向につながっていくのではないかなと。
 特に最近の知的財産については、稲の遺伝子にしても人の遺伝子にしても、もちろん自然界にもともと存在するものから派生するものを特許として認めるということが果たして本当に、それはいろんな議論があるんだと思うんです、いいか悪いかということを断言はできないと思いますが、いろんな議論ができるのではないかなというふうに思っております。
 そこで、私の質問といたしましては、この知的財産で、バイオを例に挙げましたけれども、こういったようなものについて、例が正しいかどうかは別として、宇宙開発条約とかあるいは南極開発条約といったような形で、ある面先進国がその果実を独占し過ぎないような条約ないしはそういったような動きがあるのかどうか、あるいは我が国としてそれを、冒頭申し上げましたリーダーシップの発揮という観点から南北格差を広げない方向でどういうふうに考えるのかという点を御質問したいと思います。
#21
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど来のいろいろなお話を踏まえて、私なりにまず一つ考えを申し上げたいと思いますが、それは、今お話がございましたように、国際社会の中でグローバリゼーションが進んでいって一種の経済中心の合理主義というものがだあっと地球上を覆ってしまうと、そういう中で長い間の歴史にはぐくまれた文化とかそういったものがその価値を失っていく、あるいは価値はあるんだけれども見落とされ、振り返られなくなってしまうということについて、我々は相当深刻に考えなければいけないのではないかと思うんです。
 そこは先ほど松さんから御指摘がありましたように、そういった点は、やはりユネスコがここはやっぱりかなり頑張らないといけないところではないかというふうに思って、その歴史的、文化的遺産というものにどうやって我々がずっと関心を持ち続けるか、あるいはその価値というものを我々が守り続けていくかということは非常に重要だろうと思っているんです。
 先般、日本へ来られましたイランのハタミ大統領が文明間対話ということを言われて、国連も来年は国連文明対話の年というふうに来年の国連を位置づけているわけですが、これはさっき武見さんからもお話がありましたように、民族とか宗教とかそういったものの衝突、そういったものをどうやって克服するか。それはもう軍事的に克服するのではなくて、何か別に新たな克服の方法を考えなきゃいけないということを考えれば、やっぱりこれは文明間対話というのは一つの大きなヒントであろうというふうにも思いますし、それと同時に、その文明間対話というものを考えていこうとすれば、それぞれの歴史とか大事にしてきた文化とか、そういったものの価値というものを守るというか、あるいは守るというよりさらにはぐくむために、今まさに浅尾さんがおっしゃったように、南北が相当寛容の精神といいますか、それから繊細にそうした点について目配りをして寛容の精神を持って当たる必要があるんだと私は思っているんです。
 しかし一方で、経済合理主義というものはそういう寛容さとか繊細さを飛び越えてしまう勢いがありますね。つまり、今のIT革命というのは、ともすればこれは、ほうっておけばそちらへ相当な勢いで加速度がついて流れていくことはもう間違いがないわけです。そして、今言われているのは、その流れが大事なので、規制はできるだけ取り除いて流せと。だあっと流していけば、世界じゅう非常に速いスピードでIT革命が世界を席巻すると。なまじ規制があると、その堰をつくっていると流れが滞ってしまって時間がかかっちゃうんだと。だから、堰はできるだけ外して流せという意見が非常に強い意見としてあるんですが、もしそうすれば、今私が繰り返し申し上げているように、文明とか文化とかそういったものはもう流されていってしまうかもしれないということがあると思うんですね。
 そこには、むしろ生命の尊厳とかそういったことすらも流される可能性があるわけで、そこは今お話がありましたように、ヒトゲノムについての問題はこれはもう別だぞというふうにはなりましたけれども、これから先どういうふうにしていけばいいのかということについて、私は今ここでお答えをする能力がありませんが、相当にそうした我々の先祖がはぐくんできたものについて十分な配慮といいますか、あるいは繊細なタッチといいますか、あるいは寛容さというものを持って当たることがやっぱり望ましいというふうに私は思います。
 ただ、そのことをどういうふうにどういうテクニックで、これはいい、これは守る、これはどうするというふうなことが、どういう仕分けといいますかテクニックでできるのかということについて、私にはお答えする能力がありませんが、全体の流れというものを見ていると、私はそういうところにやはりもう少し配慮が必要だろうと。それだけに、繰り返して言いますが、ユネスコとかそういったところの果たすべき役割というものはあるなというふうに私は思っております。
#22
○広中和歌子君 私も、資料として渡されたものの中に、森総理大臣が中央公論の中で書かれていることに非常に新鮮な驚きを感じたものでございます。
 我が国のODAは連続して年間約一兆円に及び、世界第一であると、しかし日本には陰徳を積むという考え方があり、財政面での援助、支援も黙々と静かに努力していくことこそ望ましいのであって、そうした長年の積み重ねの中から、自然にみんなに喜ばれ、感謝され、そして例えば安保理一つとっても推挙されていくようになればいいというようなお考えを述べていらっしゃることに関して、同僚議員の御質問に河野外務大臣としては先ほどお答えになりましたのであえてコメントは求めませんけれども、その後のことで、こうした国連分担金といい、ODAといい、その財源はいずれも国民の皆さんの汗と努力の結晶に基づくものであり、それですから、国民への感謝は絶対に忘れてはならない、私は常々外務省の人たちにもそう言っているというふうにおっしゃっているわけですけれども、これも大変すばらしい御指摘だと思います。
 やはり私たちの汗の結晶であるのなら、それが非常に有効に使われるということ、それはいわゆるグッドガバナンスというんでしょうか、それをぜひ担保していただきたいと、私もこの場でお願いしたいと思う次第でございます。
 それから、先ほど外務大臣は、国連分担金は今二位であると。これを維持するかどうかということに関して、均衡したものであり、納得できる分担金に向けて努力してみたいというふうにおっしゃったわけでございますけれども、国連の分担金はどのようにして決まっているのか。GDPによるものなんでしょうか。
 例えば、戦後一時期、アメリカがたしか世界のGDPの四五%を占めていたころ、アメリカの分担金は非常に高かったと思うんですが、それが今二五%レベルに下がってきたということは、下がる可能性というのはあるわけでございますね。一方、例えばドイツとかフランスなんかも上がっていく必要があるんではないか。それから、中国なども大きな途上国という感じでございますけれども、こういうところも上げていただかなければならないんではないかなというふうに思うんですが、それについてお答えいただければと思います。
 それから、国連機関に対する拠出金、これは任意の拠出金というふうに言われておりますけれども、日本はGDPにおいて世界第二位ということで、ほとんどの国連機関においてアメリカに次いで二位を占めているんですが、ユニセフに関しては、先ほど大変いい活動をしていらっしゃるんじゃないかという同僚議員からのコメントがございましたが、これに関しては日本の拠出金は七位ぐらいになっているわけです。もう少しといっても大した額じゃないんですけれども、例えば一千万ドルぐらい上げることによって二位に簡単になれるのに、どうしてこの辺にとどまっていらっしゃるのか。アメリカが一位、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、オランダ、そして六位が日本ですね。二千五百万ドル、ですからそれを一千万ドル、つまり、あと少し上げれば二位のノルウェーより上に行くというような感じなんですが、これが少ない理由というのはどうなのか、ちょっとお答えいただければと思います。
 ついでに、やはり世界二位を保っていらしてよろしいんじゃないかと思うのでございますけれども、いかがでしょうか。
#23
○国務大臣(河野洋平君) 分担金の問題については高須君から御答弁をさせたいと思いますが、ODAその他、一兆円を毎年使って云々というお話は、私どもにとりましても、まことに貴重な国民の皆様からいただいているお金の使い道については十分注意をしなければならないと思いますし、それがよい方向で使われる、しかも正しく使われるということについては、もうできるだけきちっと見ていかなければならないというふうに思っております。
 御指摘のグッドガバナンスの問題も、当然我々の判断材料の一つになければならないというふうに思っております。
 それでは、ちょっと具体的な数字その他を。
#24
○政府参考人(高須幸雄君) お答え申し上げます。
 まず、分担率の計算方式でございますけれども、基本的には国連ができたときから支払い能力の原則によるというふうに決められております。具体的には経済力による、各国のGNPが世界の経済全体に占める割合で決める、それが支払い能力の原則でございます。
 しかし、国連ができたときから、一つの国が余り払い過ぎるのはその国の影響力が強過ぎるから上限を設けるべきだと。かつまた、財政共同責任という考え方から、加盟国である以上、最低は少なくとも何%払わなきゃいけないという下限というものを決めるということで、確かにおっしゃったとおり、国連ができましたときには上限は四〇%でございました。その後、順次下がりまして、今は二五%であるということです。
#25
○広中和歌子君 上限がですか。
#26
○政府参考人(高須幸雄君) 上限がです。
 それから、下限と申しましたのは、できたときには〇・〇四%だったんですけれども、それも多数の加盟国が入ってくると非常に小さな規模の国があるということで、これも順次下がっておりまして、今は最低〇・〇〇一ということで、非常に小さいということでございます。ただ、これには支払い能力の原則に今みたいな例外がございます。
 それからもう一つの例外は、途上国に対しては、一人当たり国民所得が低いので、それに応じて最大限控除するという考え方がございまして、この控除率も国連ができたときから順次変わってというか、上がっておりまして、現在は八〇%ということでございます。ということは、どういうことかといいますと、国民所得が小さな国は自分の経済の規模よりも五分の一でいいという、こういうことでございます。
 問題はこの後者でございまして、こういうことなものですから、経済規模がとても大きな開発途上国が当然ございます。それから、非常に小さな国で、一人当たり国民所得が同じであると控除率が同じだということで、支払い能力の原則からいうとおかしいのではないかという問題が発生してきているわけです。つまり、低所得国に対して割引するという考え方が、わずか五カ国がほとんどそれをとっているという状態になっているわけです。ですから、これをやはり抜本的に変えるべきではないのかなということを我々は考えているわけでございまして、実際に日本の経済シェアよりは高い二〇%を払っているということで、これは今度の見直しの際に考えるべきではないかという主張をしている次第でございます。
 それから、拠出金につきましては、確かにユニセフはほかの国連機関に比べると私ども政府の中核の拠出金が低いことは確かでございます。ただ、これを全体のユニセフに対する日本からの拠出ということで見ますと、実を言いますと二千五百万ドルとか二千六百万ドルよりはずっと大きいわけでございまして、具体的には、最近できました人間の安全保障基金を使いましてコソボで学校を直すとか、非常に人間の安全保障にかかわる活動をユニセフはしておるわけですから、そういう意味で今申しました信託基金から相当支援している。
 さらに、日本のODAの二国間援助の中でユニセフと共同して援助する、これはマルチ・バイといいますけれども、これでも相当感染症等の関係で日本政府からユニセフに援助しているということがございますものですから、それをトータルで考える必要があるということでございます。さらに、先ほどから出ております日本国内の非常に強い支援があるものですから、民間のユニセフに対する基金というのは非常によろしいわけです。
 これを全部、政府と民間、日本からを合わせますと、世界でやはり一番の拠出国になっておりますので、全体の中で見ていただければというふうに考えております。
#27
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
#28
○会長(関谷勝嗣君) なお、途中でございますが、退席をいたしました委員の方々もいらっしゃいますし、またこれからも退席をされると申し出のある委員の方が大勢いらっしゃいますが、一時から本会議がございますので、その点、外務大臣初め皆さんに失礼になりますが、御了解をいただきたいと思います。
#29
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 核兵器の廃絶の問題について伺いたいと思います。
 先日の国連総会の第一委員会では、スウェーデン、メキシコ、アイルランドなどの新アジェンダ連合が中心になって提案した核兵器廃絶決議が昨年を上回る賛成多数で採択されました。これは、今春のNPT再検討会議で核兵器国が自国の核兵器全廃の達成を明確に約束する、誓約するなど、核兵器廃絶が国際世論の高まりの中で国際政治の中でその本流を広げた、そういうふうに思うわけです。
 そこで伺いたいんですが、三点あります。
 このアジェンダ連合決議をどのように評価されているのか、これが一点。それから、日本政府が従来の棄権から賛成に態度を変えた理由は何か、これが第二点目。最後に、日本の核兵器廃絶のための具体的な行動の提案ですね、それが何か。その三点についてお伺いしたいと思います。
 以上です。
#30
○政府参考人(竹内行夫君) 御質問の新アジェンダ決議でございますけれども、これは御指摘のとおりNPT運用検討会議の結果を極めて強く踏まえた趣旨の決議でございまして、我々といたしましてもそれを高く評価してこれを支持するということにしたものでございます。
 それで、我々日本が提案しております、そして採択されました核廃絶決議につきましても同様に採択を圧倒的多数でされたわけでございますけれども、この両者の決議の間には共通点が多いということを考えております。核軍縮のみならず不拡散という点を取り上げまして、核軍縮と不拡散のバランスをとりつつ進めるということでは、日本が提案いたしました決議がさらに踏み込んだものとなっているということでございますが、いずれにせよ、新アジェンダ連合の決議と我が国の決議というものは、核兵器のない世界を早期に実現するという基本的考え方を共有しているところでございます。
 今後の核廃絶に至る道筋と申しますか、道程につきましては、まさに日本が提案いたしました決議案におきまして具体的に踏み込んで提案をいたしたところでございまして、具体的に決議の中にそれが書かれております。
 先ほど大臣から冒頭に御発言がございましたとおり、大量破壊兵器及びミサイルの不拡散の確保それからCTBTの二〇〇三年までの発効、これは具体的な年を日本は言及しておりますけれども、これは新アジェンダ連合決議にはない点でございます。さらに、カットオフ条約交渉の即時開始と二〇〇五年までの早期終了ということを我が方の決議では触れております。加えまして、STARTV交渉以降の核軍縮プロセスの継続といったようなことに具体的に触れておりまして、核のない世界を実現するための具体的な道程を示す決議案ということで各国の支持を求め、それが得られたものというふうに考えております。
#31
○月原茂皓君 保守党の月原です。
 簡単に質問いたします。
 我が国が国連にいろいろ貢献している中に、財政的な点というのが最大の問題だと思うんですね、何でも行おうとしたら金が要るわけですから。そこで私が思うのは、黙々として評価を受けるというような国際社会かと。
 むしろ私は、こういうものはリストラすべきだとか、こういうものは切るべきだとか、そういうものを日本が強く主張して、そして日本をアピールする。必要なものについてはつけるけれども、今のまま惰性で大人風で国民の税金をどんどん出しておると、こういうふうに思われるのは私は国民から見ても非常に不満があると思うんですね。そういう意味で、国連はこういうところは切るべきである、こういう点はリストラすべきである、そういうものを強くアピールすることによってかえって日本の国の地位を高めて、この国を安全保障理事会の理事国にせんといかぬなと、このくらいに思われてくると私は逆の手であるかとも思いますが、そういうふうに思うわけであります。
 そこで、お尋ねしたいんですが、国連について組織とかあるいは事業とか、そういうことについてこうすべきである、こういうのは切るべきである、そういうことをかつて主張されておると思いますが、代表的なもの、どういうものをされておるか、そのことだけをお尋ねしたいと思います。
#32
○政府参考人(高須幸雄君) 行財政問題につきましては、日本は非常に一貫して改革を主張してきております。
 これは九〇年代に始まったわけではありませんで、八〇年代の中ごろ、国連の財政危機に対応しまして、国連の合理化を図るべきだ、組織をもうちょっと近代的なものにすべきだということで、日本の提案で行革のための賢人会議というものを組織いたしました。これには最初は非常に抵抗がありましたけれども、日本は厳しいけれども決まったものについてはきちっと払うという評価があるものですから、最終的に認められたわけです。この結果、職員を大幅に削減いたします、かつまた組織が非常にトップヘビーになっていた、非常に幹部の数が多かった、局が非常に多いということで非常に合理化をいたしました。
 現在におきましても国連の財政、通常予算がほとんど実はふえておりません。これは新しい仕事をやっていてふえていないわけです。なぜかといいますと常に合理化をしているからでして、この主張が実現しているのは、日本の非常に強い一貫した立場があるからということだと思います。
 それからもう一つ、拠出金の分野におきましても単に惰性的に出すのではなくて、最近やはり我々としては、先ほど国民の汗の結晶という話がありましたけれども、それを使う以上はめり張りをつけて、かつまた日本のためにどういう利益になるのかということを考え、かつまた日本人の職員がどういうふうにそこで活躍しているかということを踏まえて評価し、その上で優先順位をはっきりさせてめり張りをつけるということで、来年の要求におきましても、そういうことでよりいい評価を受けたものには出す、しかしそうでないものには削減したりするということで生かしていくということでございます。
#33
○会長(関谷勝嗣君) 予定は十二時四十分まででございますので、あと畑理事に質問二分で答弁を三分で、それで終わりたいと思いますが、よろしくお願いします。
#34
○畑恵君 自由民主党の畑でございます。
 最後の穴埋めの質問をさせていただきたいと思います。
 穴埋めでございますが、ちょっと漠然とした質問で恐縮なんでございますけれども、さまざまな国際会議などにもこうした立場で出席させていただいて常々感じますのは、国際舞台で日本が十分に貢献しようとした場合、日本という国はどうあるべきなのか、そして日本は世界をどういうふうに持っていきたいのかという日本国内のビジョンに基づく世界ビジョン、グローバルビジョンというものがやはり大変、大臣を前に恐縮なんですけれども、この国には明確に見えていないのではないかと、私も含めてでございますけれども。
 それで、例えば先ほど浅尾議員の方からインテレクチュアルプロパティーの話でありますとかITの今後の動向の問題、そうした中でやはり大国と言われる国々は御自身のスタンスというのを鮮明に打ち出されると。ある意味で、それが本当に私どもから考えて世界の繁栄に、グローバルな繁栄と言えるのかどうかと首をかしげるようなことがあったとしても、やはり御自身の国の主張というのは明確に持っていらっしゃる。
 そうした中で、では、例えばアメリカのように、ある意味でITなどは行け行けどんどんでとにかくどんどん規制緩和をして、その結果、強者が勝ち残って弱者はというようなことがあってもという方をとるのか、あるいはフランスのように、それぞれの多様性の中で文化が失われないようにそちらの保護に回るのか。決して私は二者択一を、ここで何か選んでくださいということを申し上げているわけではないんですけれども、例えばこれからITを日本の看板にしていこう、立国になるのであれば、やはりそれを何かしら一つ特色として打ち出せるような、そういう支援の仕方で日本のプロパガンダというのができるんじゃないか。
 例えば今、予防外交センターでつくっていただきましたけれども、あちらの方にサイトを立ち上げていらっしゃいます。今、なかなかすぐに機能するのは難しゅうございますけれども、それこそパレスチナの問題ですとかスリランカの問題ですとか、さまざまな対話フォーラムというのがバーチャルリアリティーの中に立ち上がって、それが新たな突破口になるのではという可能性も秘めております。
 こうした部分に日本が大きな支援をするということになりますと、そうした中で、これからの日本のあり方であるとかまた日本の科学技術立国というようなあり方ですとか、いろいろなメッセージが盛り込めると思うんですけれども、何か日本の顔が見える、ビジョンの見える、そしてある程度具体的な国連活動ということに対して、何か御所見があったらぜひ伺えればと思います。
#35
○国務大臣(河野洋平君) 大変重要な御指摘だと思います。
 国連を舞台にして一体国際社会にどういうスタンスで臨むか、日本の特色といいますか、そういうものがもう少し輪郭が明確になった方がいいのではないかという御指摘だと伺いましたが、先ほどから御議論がありました人間の安全保障というのは、私は日本のかなりはっきりした特色にこれからしていかなければならないというふうに思っております。
 おっしゃるように、ただただ困ったときに資金を出してくれるのは日本だというだけではこれはいけないというふうに思っておりまして、私どもが主張する、日本が主張しているのはこれなんだということははっきりさせたいと思っておりますから、私は、核廃絶とか軍縮とか、そういったことがやっぱり日本としてはきちっと言わなければいけない重要なテーマの一つだと思いますと同時に、先ほどから御議論がありました人間の安全保障というものは、弱い人たちの立場というものを十分考えた国際的な活動を支援する、それは支援だけではなくて日本が主体的にそういう活動の主体にもなるということを含めて、これはやっぱり国際舞台でやっていかなきゃいけないものではないかというふうに思っております。
#36
○会長(関谷勝嗣君) 予定した時間が参りましたので、本日の質疑はこの程度といたしたいと思います。
 次回は十一月十五日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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