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2000/11/15 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
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2000/11/15 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号

#1
第150回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
平成十二年十一月十五日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         立木  洋君
    理 事
                末広まきこ君
                中川 義雄君
                松崎 俊久君
                福本 潤一君
    委 員
                鎌田 要人君
                月原 茂皓君
                森田 次夫君
                依田 智治君
                郡司  彰君
                小林  元君
                笹野 貞子君
                風間  昶君
                木庭健太郎君
                小泉 親司君
                照屋 寛徳君
                堂本 暁子君
   国務大臣
       外務大臣     河野 洋平君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (沖縄開発庁長
       官)       福田 康夫君
   政務次官
       外務政務次官   荒木 清寛君
       総務政務次官   海老原義彦君
       沖縄開発政務次
       官        白保 台一君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣官房内閣内
       政審議室内閣審
       議官       安達 俊雄君
       総務庁北方対策
       本部審議官    坂巻 三郎君
       防衛施設庁長官  大森 敬治君
       環境庁自然保護
       局長       松本 省藏君
       沖縄開発庁総務
       局長       榊   誠君
       沖縄開発庁振興
       局長       襲田 正徳君
       外務大臣官房審
       議官       森  敏光君
       厚生大臣官房審
       議官       中野 秀世君
       厚生大臣官房障
       害保健福祉部長  今田 寛睦君
       水産庁次長    川本 省自君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (沖縄の水資源開発に関する件)
 (沖縄のモノレール整備に関する件)
 (ポスト三次沖縄振興計画への取組に関する件
 )
 (沖縄観光の振興に関する件)
 (北方領土返還交渉とビザなし交流に関する件
 )
 (沖縄の自然保護に関する件)
 (北方領土隣接地域振興等基金の運用に関する
 件)

    ─────────────
#2
○委員長(立木洋君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りいたします。
 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣内政審議室内閣審議官安達俊雄君、総務庁北方対策本部審議官坂巻三郎君、防衛施設庁長官大森敬治君、環境庁自然保護局長松本省藏君、沖縄開発庁総務局長榊誠君、沖縄開発庁振興局長襲田正徳君、外務大臣官房審議官森敏光君、厚生大臣官房審議官中野秀世君、厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君及び水産庁次長川本省自君、以上を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(立木洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(立木洋君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○森田次夫君 自由民主党の森田次夫でございます。
 両長官を初め皆様方、大変御苦労さまでございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。特に、きょうは沖縄のことについて何点か質問させていただきたい、このように思っております。
 かつての戦争で、沖縄というものは日本で唯一地上戦が行われまして二十万余を超える軍人軍属あるいは住民が犠牲となられた、これは御承知のとおりであるわけでございます。当時の人口等につきましては六十万ぐらいというふうに聞いております。そうした中でもって十二万の住民が犠牲になられた、県の二割の方々が犠牲になられた、そういうところでございまして、その傷跡といいますか、そういったものは今もいやされていないだろうというふうに思います。そしてまた、加えまして、戦後二十七年間米国の施政下にあったわけでございます。そうしたことで、私たち戦没者遺族というものは、沖縄に対しまして本土とは違う何か特別な思いというものを持っておるわけでございます。
 終えんといいますか六月二十三日、現在、県の戦没者追悼の日になっておるわけでございますけれども、私どもとそれから沖縄県の遺族会、これが毎年、糸満から摩文仁まで十キロの平和慰霊行進を行っております。当初は那覇市から二十四キロ、あの炎天下を行進しておったわけでございますけれども、やはり皆さん高齢化しておりまして、そういったこともあれなので最近は十キロと。そういうことで、これには本土あるいはまた沖縄の県民、そういった方々が千から二千名毎年参加をし、そして行進をして、摩文仁での県主催の戦没者追悼式、こちらの方に参列をしておるわけでございます。
 来年で四十回目になるわけでございますけれども、当時を思い出しますと、沖縄に行くのにはパスポートが要って、米ドルに交換して、そして鹿児島から船で行くというようなことでもって、船も小さいものですから当時としては相当船酔い等もしました。そういったことが現在いい思い出になっておるわけでございますけれども、まさに日本であって日本でない、そういった時代が二十七年間続いたということでございます。今でもアジアの安全保障上の要衝ということで、米軍の基地が七五%沖縄には集中しておる。むろん地理的な要因があるかと思いますけれども、こうしたことが沖縄の発展に大きく影響してきているんじゃないか、こんなことも思うわけでございます。
 そこで、新大臣として沖縄県につきましてどのような感想をお持ちか、まずその辺お伺いをさせていただきたいと思います。
#6
○国務大臣(福田康夫君) 私、沖縄を訪れましたのは数えることができるくらいの数でございますけれども、もう今から二十年ほど前になりましょうか、私が初めて訪問いたしましたときは観光旅行でございました。沖縄の海はこんなにすばらしいのかということを感じたのでございます。その後、何度か訪問いたしましたけれども、そのたびごとに立派なホテルもできるとか、だんだん変わってきているなというような思いもして、沖縄の魅力がさらにふえたなと、こんなふうにも思っております。
 その後、国会議員になりまして、国会における委員会派遣で二度沖縄を訪問いたしました。沖縄戦において旧日本軍の組織的な抵抗の終えんとなった摩文仁の国立戦没者墓苑なども訪問をいたしました。その際、国内で唯一の地上戦が行われまして大変多くのとうとい命が、今先生がおっしゃられたような数に上ります犠牲者がとうとい命を失ったのでございまして、苛烈なる戦禍をしのぶと同時に、その後も二十七年の長きにわたって米軍の施政権下にあったということ、こういうことは、まことに沖縄の方々のお立場を考えますと筆舌に尽くしがたい、そういう苦難の連続であったというように思っております。その歴史を私どもは決して忘れることはできない、そんな思いでございます。
 多少感想と同時に、仕事のことで私これからしなければいけないというようなことにも触れさせていただきますけれども、日米安全保障条約、このことを考えますと、これは日本全体にとって欠くことのできない中核的な安全保障の枠組みでございます。その枠組みを確保していく中で、沖縄県民の皆様に多大な御負担をおかけしているということは十分認識しておるわけでございます。
 こういうような御負担、御迷惑については、今後とも米軍施設の区域の整理とか統合、縮小、こういうことに向けて着実な取り組みの推進を図っていかなければいけない、このように思っておりまして、さまざまな対応策をこれからも続けていかなければいけないということを十分これも認識いたしております。このことは相手がございまして、米軍ともよく相談して改善に努めてまいりたいと思っております。
 また、沖縄は現在もなお生活産業基盤の面で整備を要するものが数多く見られます。さらには、雇用の問題とか産業振興の問題など、解決をしなければならない多くの問題を抱えていることもこれも事実でございます。私といたしましては、私の立場でこのような沖縄の歩みを心に刻みながら、沖縄県や県民の皆様と一体となって二十一世紀に向けて夢と希望にあふれる沖縄の発展の基盤を築いていけるようにしたい、このように思っており、今後とも沖縄が抱える課題の解決に向け、誠心誠意取り組ませていただきたいと思います。
#7
○森田次夫君 ありがとうございました。
 そこで次に、長官もちょっと触れておられましたけれども、水の問題につきましてお伺いをさせていただきたいと思うんです。
 沖縄はことしで復帰してから二十八年になるわけでございますけれども、その間三次にわたります沖縄振興開発計画で、今長官もお話がございましたが、各般の施策が施行されまして社会資本の方も大分整備をされ、復帰前の面影というものがほとんど見られなくなったわけでございます。
 長い間、沖縄というのは水不足に悩まされてまいりまして、しかしながら今では、行きましても水不足という話を聞かないようになったわけでございます。こうしたことでもって解消されたのかどうなのか。沖縄独特といいますか、屋上のところには必ず各軒にタンクがありますけれども、そういったものも必要なくなったのかどうなのか。そういったことにつきましてお尋ねをしたいと思います。
 私は、やっぱり沖縄というのは激戦地とともに断水というのがどうも頭にあるものですから、その辺ひとつお伺いをさせていただきたいと思います。
#8
○政府参考人(襲田正徳君) 沖縄の水問題についてのお尋ねでございます。
 御案内のように、沖縄におきましては降雨量の季節的な変動が大きいというのがございますし、小規模な河川が多くて流量が安定しないといった特性がございまして、お話しのように渇水に見舞われやすい、そういう状況にございます。このため、安定的な水源としてのダムの開発を積極的に進めてまいりまして、これまでダムによりまして日量約四十万トンの水資源の開発をいたしているところでございます。
 これに加えまして、平成八年には北谷町におきまして日量最大四万トンという全国最大の海水淡水化施設を建設いたしております。この施設は、渇水時でも自然条件の影響を受けないということで、まさに安定的な水源として機能するものと考えているわけでございます。
 このように本土復帰以来、水資源の開発に係る事業を積極的に推進してまいったわけでございますけれども、全体として水不足は改善の方向にある。平成六年度以降、給水制限あるいは断水等の事態は見られないわけでございますけれども、ダム等による安定供給以外の部分ということになりますと、流量が不安定な河川水に依存しておりまして依然として不安定な要素を抱えている、このように認識いたしております。
#9
○森田次夫君 平成六年から給水制限はないということで、随分水の供給状況というものも改善されてきたのかなというふうに思うわけでございます。しかしながら、これから経済の発展あるいはまた環境衛生の問題、そして沖縄の場合まだちょっと、こちら本土もそうですけれども、まだ沖縄というのはこれから人口増という問題もあるんじゃないのかな、そうしたことでもって需要の増大というのがこれからもあるんではないだろうかなというふうに思うわけです。そうしたことでもって、今もお話がございましたけれども、やはり水の安定的供給を図るため、いろいろと北の方にダムをつくられるとか淡水化だとか、そういったお話等もございました。
 そうした中で、現在まだダムを三つぐらい建設中だそうでございますね。これができますと、先般開発庁でつくられました資料をちょっと見せていただいたんですけれども、その三カ所が建設される、そして竣工されますと、今よりも水の供給量が三割ぐらい増大をする、こういうようなことが載っていたと思うのでございますけれども、そういった認識でよろしいんでしょうか。
#10
○政府参考人(襲田正徳君) 本島の水資源開発を中心にお答え申し上げますと、お話しのように今までもダムの整備を進めてまいってきたわけでございますが、さらにダムが必要であるということで、現在三つの事業でダムの建設を進めているところでございます。
 一つは羽地ダムでございます。それから、もう一つは沖縄東部河川総合開発事業ということで、ダムの名前で言いますと億首ダムということになるわけでございます。それから、三つ目には沖縄北西部河川総合開発事業ということで大保ダムと奥間ダムと含まれるわけでございますが、以上三つの事業、建設を進めておりまして、これらの事業が完成することになりますと、新たに日量約十万トンの都市用水供給が可能となるわけでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように依然として流量等が不安定な河川水に多く依存しておりますし、今お話しのように、今後も人口がふえるあるいは産業の振興、生活水準の向上等いろいろ水需要が増大していく要素がございますので、私どもとしては、引き続き水資源開発を計画的に推進していくことによりまして必要な水源の確保を進めてまいりたい、このように考えております。
#11
○森田次夫君 離島の現況でございますね、こちらの方はいかがでございましょうか。
#12
○政府参考人(襲田正徳君) 離島の水の状況についてお尋ねでございますけれども、やはり生活水準の向上等に伴いまして水需要は増大をいたしております。
 これまで、それぞれ地域あるいは島の状況に応じまして、ダムとかあるいは河川水、地下水等の水資源の開発を進めてきたところでございます。さらに、水源の乏しい離島につきましては、本島あるいは近くの離島から海底送水管を持ってくるということで、現在までに十五カ所、十八の島におきまして敷設が完了いたしております。
 それからさらに、水源に恵まれなく、また海底送水管の敷設もできないという、こうした離島もございまして、ここにつきましては、海水の淡水化施設あるいはかん水の淡水化施設というものの整備を行っておりまして、現在までに北大東村を初めといたしまして五つの町村におきまして施設完成をいたしております。
 ただ、御案内のように水源というのは、離島の場合にはどうしても小規模でございます。他方、生活水準の向上あるいは観光の開発ということで、今後とも水需要がふえていくということでございますので、引き続き多角的な水資源開発を推進してまいりたい、このように考えております。
#13
○森田次夫君 ありがとうございました。
 次に、モノレールにつきましてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。
 先ほども申し上げましたとおり、幹線道路はやはりかなりもう整備をされてきたな、ただ五十八号線でございますか、あれは今でもやはり相当ひどいなというふうにいつも思うわけでございますけれども。ところが、幹線から一歩入りますと、裏通りというのは非常に車の渋滞が激しいといいますかひどい。特に朝夕の通勤時ですね、これはもう全く動かないということで、都内よりもひどいんじゃないかな、そんな気もするわけでございます。そうしたことで、インフラが一番おくれているのが道路の整備じゃないだろうか、こんなふうに私思うわけでございます。
 これらの原因につきましては、いろいろとあろうかと思います。一つはやはり沖縄が車社会であるということ、それからやはり戦争の後遺症といいますか、そういったこともあるんではないだろうか。
 聞くわけでございますけれども、基地のために、そこへ住んでおられた住民が追われたといいますか、やはりやむを得ず移り住まなくちゃならなかった。そうしたことでもって、当時は焼け野原であったわけでございますけれども、そういったところにバラックを建てて住まわざるを得なくなった。そういうことが、今でも地主との間でいろいろとトラブル等もあるというようなことも聞いておるわけでございますけれども、いずれにしても強制的といいますか、そういったことでもって、あいているところ、住めるところにバラックを建てて住んでおったと。そういったことで土地の区画整理等もおくれてきておるんではないだろうか。
 それとあと、人口というのは非常に、現在沖縄県は百三十一万でございますけれども、九割が本島で、そしてそのうちの八割が那覇市を中心に集中をしておるということ等も聞いております。いつも思うんですけれども、この渋滞というのは何とかならぬのかなというふうに思うわけです。
 そこで、先般も私、サミット会場となった万国津梁館、こちらの方を見てきたわけでございますけれども、それらの近くの部瀬名あたりのホテル等を見ましても、ほとんどが「わ」ナンバーなんですね、駐車場にとまっている、いわゆるレンタカーでございます。タクシーの運転手に聞きましたらば、観光客はほとんどレンタカーを利用しておると、これがいわゆるツアーのパックの中に入っているんだと、こういうようなことでもってタクシーよりもレンタカーの数の方が多いんじゃないかと、こんなことも言っておりました。こういったことがやはり渋滞の原因の一つにもなっておるんではないのだろうかと、こんなふうに思うわけでございます。
 そこで、御質問でございますけれども、那覇空港から首里までモノレールが建設中でございまして、十五年には開業するということも伺っておるわけでございますけれども、このモノレールの開業というのは沖縄にとりまして私は画期的なことじゃないだろうかと、こんなふうにも思うわけで、大いに期待をしておるわけでございます。
 しかしながら、私は、なぜかちょっと沖縄の県民はさめた目で見ているような気がするわけでございます。これは私の思い違いであってほしいというふうに思うわけでございますけれども、何かちょっとそんな気もするわけでございます。
 そうしたことで、沖縄県としてまた那覇市として、経済的効果あるいは渋滞緩和など、どの程度期待をしておられるのか。お地元でございますところの政務次官の御見解を承りたいと思います。
#14
○政務次官(白保台一君) 委員大変よくお詳しいことで、いろんな状況を御承知のことでございます。
 そこで、モノレールというのは、やはり渋滞を緩和していく、そういう意味からいうと、定時性、決まった時間の中で行ける、あるいは定速性、こういったものを公共交通機関として導入すべしという考え方がそもそもの基本的な考え方でございまして、那覇都市圏における交通渋滞の緩和等に資することを目的としての導入が進められているものでありますので、この導入というのは、お話しのように大変画期的なことだと、このように認識をいたしております。
 県や市といたしましては、まず交通渋滞の緩和については、モノレールの導入により、他の交通手段との連携強化と相まって自動車交通量が減少すると予測されることから、那覇市中心部の交通混雑、特に交通混雑の激しい朝夕の交通渋滞が緩和されると、こういうふうに期待をしているところであります。
 また、そのことは経済活動の円滑化にプラスの効果を及ぼすほか、モノレール駅が街づくりの核となり、御存じのように非常に、先ほどもバラックとかいろんな話がございましたが、核となる街づくりがなされておらない、そういう状況でございますから、モノレールの駅がまた街づくりの核となってこの地域の活性化にも大きく寄与していくんじゃないかと、このように期待をしているところでございます。
#15
○森田次夫君 ぜひそうなってほしいなと私も願っております。
 そこで、このモノレールのことについてもう少しお尋ねをさせていただきたいと思います。
 これは長官の方にお尋ねをしたいと思うのでございますけれども、モノレールの運営主体は沖縄都市モノレール株式会社という第三セクターで運営されるそうでございますけれども、社長は知事というふうに聞いております。
 先般の委員会で白保総括政務次官の方から、十年間は赤字だろうと、それからそれ以降は単年度では黒字と、そして累計で黒字となるのは開業後二十三年ぐらいからではないだろうかと、こういうような御答弁があったと記憶しておるわけでございますけれども、これは大変失礼でございますけれども、私は果たしてそううまくいくのかなという懸念を持っております。
 これもタクシーの運転手の話でございますけれども、うちのお母ちゃんなんか百メートルの買い物に行くのにも車を使うよと、こういうようなことを言うわけですよね。それも、私もタクシーばかりじゃなくていろいろと聞いたんですけれども、どうもやはり沖縄というのはまさに車社会というかそういったところのようでございまして、こうしたことが非常に頭から抜けないわけでございます。それに第三セクターというのは、何と申しますかやはり性格が、責任が明確でないというか、そういったことで赤字のところが大変多いといいますか、そういった状況だろうというふうに思います。
 営業展開の面からも、また交通渋滞の緩和ということからも、やはりこれは抜本的な対策というものが必要じゃないだろうか、私はそんなふうに感じておるわけでございます。沖縄の新たな県民の足でございますので、政務次官もおっしゃいましたけれども、立派に育てていただきたいなと、こういうことを願うわけでございます。
 そうした中で政務次官も御答弁されて、長官に今度はそんなことをお尋ねするのは大変御無礼でございますけれども、採算の見通し等も含めまして大臣としての決意のほどといいますか、そういったことをお聞かせいただければということで、大変御無礼な質問をして申しわけございませんが、よろしくお願いします。
#16
○国務大臣(福田康夫君) 沖縄の都市モノレール、これを事業運営するにつきましては、採算性がとれないと安心して長い間使えるものにはならないわけでございます。事業としても必要だし、またモノレールという新しい交通手段を有効活用するというそういう沖縄の方々の利便のためにも何とか採算性がとれるようにしなければいけない、これはもう当然のことでございます。ですから、いろいろと精算と申しますかいろんな計算をしてやっておるところでございまして、ただいまの委員の方からお話しございましたような数字も一応頭の中に置いておるということでございます。
 今、先生は抜本的な方針が必要だというふうにお話しございましたけれども、確かに抜本的なことも必要かもしれないけれども、同時にきめ細かい施策も必要だと、こんなふうに思っております。そういうものを総合して、いかにして利用者をふやしていくかということではないかと思います。
 そういう面におきまして、沿線開発をするために土地区画整理を進める、それからまたモノレールの主要駅での交通広場を設置しまして、そしてパークアンドライドなんというそういうやり方を県民、市民の方にしていただくというような、そんな駐車施設の増強ですね。また、バス路線もモノレールに合わせた時間帯を組むとか、また路線の変更をお願いするとかいうようなこともございます。また、公的な機関、例えば空港とか病院、市民病院がございますけれども、そこと直結するような通路を整備するとかいろんな方法があるんだと思います。そういう多面的な利用というようなものも含めまして一層の需要喚起に努めていく、そのことをこれからやっていかなければいけないだろうと、こう思っております。
 沖縄開発庁としましても、これらの取り組みに対しましては積極的に支援をしてまいりたい、このように思っております。
#17
○森田次夫君 わかりました。
 私は、抜本的対策と申し上げたのは、本当にそんなばかなことができるかというふうに思われるかもわかりませんけれども、例えば沿線付近の通勤者あたりの方は、もう車はだめだよというようなことで車の通勤は禁止しますよということとか、一日じゃなくて朝夕だけはそれを禁止するとか、これはできるかどうかわかりませんけれども、まさにそういったことも必要なのかなと。
 そして、やはりモノレールになれていただくというか、通勤というのはモノレールに乗れば時間どおり行くわけでございまして、車で行けばどうしても早く行かなくちゃいかぬと。そういうようなことで、やはりなれていないものですから、そういったことが便利だというようなことも理解をいただくためにそういうことも必要なのかなというふうに思いますし、また、あのモノレールというのは本当に都市を走っておりますものですから、なかなか車を駐車させるような場所というのは難しいだろうというふうに思うわけですね。
 そうした中で、今長官がおっしゃるようなことでもって、バスでまずは駅まで行くと。それも私は、やはり沖縄の場合には、余り大きなバスよりも少し小型のようなバスで行くという方がいいのではないのかなと、そんなふうにも思っておるわけでございます。そういったことでもって、車社会、この意識改革ということも必要じゃないのかと、そんなふうにも思うわけでございますので、ひとつ御検討をいただければなと思うわけでございます。
 そこで、次にお伺いするわけでございますけれども、SACOの最終報告から四年になるわけでございます。稲嶺知事も就任後一気に動き出したと、そんな感じをいたしておるわけでございます。全国の基地の七五%が沖縄に集中をしており、また整理、統合、縮小というのは、長官もお話しございましたが、多数県民の念願でもあろうかと思います。
 そのような状況下での昨年十二月の普天間基地の県内移設の決定でございますけれども、まさに知事あるいは名護市長の苦渋の選択であったろうし、その英断というものについては敬意を表するわけでございます。
 これも先般、嘉数高台の公園から普天間基地を見てまいりましたけれども、基地の周りというのはびっしり住宅が建っております。一たん事故でもあれば大変な惨事になるだろうし、またその騒音というものも住民には大変な影響を及ぼしているんじゃないのかな、こんなふうにも思ったわけでございます。
 そして、その基地がある宜野湾市でございますけれども、まさに市の中心に基地があるわけでございまして、地域振興開発の面からも基地返還と跡地の利用ということへの住民の要望というのはこれまた十分理解をできるわけでございます。
 さらに、受け入れ側の名護市としましてはさらに大変だろうと思いますし、国としてもしっかりと支えていかなければいけないんじゃないかなというふうに思います。
 基地の移設と北部振興というものをこれはセットで考えてはいけないだろうというふうにも思うわけでございます。ということは、もともと南部と北部、これにつきましてはやはり大きな格差があったわけでございますし、これらをやはり均衡を図っていこうと、こういうことがやはり沖縄振興のねらいでもあろうかということで、やはりセットで考えるべきではないだろうというふうには思うわけでございます。しかしながら、基地を受け入れるということになりますと、やはり北部住民もこれまた期待するというのは当然だろうと思います。
 そうしたことで、今後十年間、北部振興費として毎年百億ずつ投入される、こういうことが決まっておるわけでございます。
 そこで、私として伺いたいのは、沖縄北部特別振興対策、ここまで一緒なんですね、特定開発事業推進費、これは公共事業というふうにお聞きしておりますけれども、これが五十億円、それから沖縄北部特別振興対策、ここまで一緒で、事業費、これ非公共事業だと。これは五十億、五十億で分かれておるわけでございますけれども、これがどういうふうに違うのか、ちょっとその辺がわからないものですから具体的に御説明をいただければというふうに思います。ひとつよろしくどうぞお願いいたします。
#18
○政府参考人(安達俊雄君) お答え申し上げます。
 本年八月二十四日に、国と県、地元市町村から構成されます北部振興協議会並びに移設先及び周辺地域振興協議会の合同会議におきまして、北部振興、そしてその中でまた移設先及び周辺地域の振興に関しての基本方針を取りまとめをいただきました。
 現在、先生御指摘のこの公共事業そして非公共事業、それぞれにつきまして協議会において審議いただきまして、現在までのところ公共事業十一事業、非公共事業十二事業を採択したところでございます。
 具体的にどういう内容であるかという点でございますけれども、公共事業でございますけれども、例えば海岸防護機能の向上を図り、あわせて観光リゾート地にふさわしいような景観形成に資する海岸整備の事業でございますとか、あるいは観光リゾート地においてアクセスが不便であるといったところでの道路整備を中心とした観光リゾート客の利便性の向上に資するようなそういった道路整備事業でございますとか、あるいは産業振興に資するその他の施設整備といったところを公共事業で進めようとしているところでございます。
 また、非公共でございますけれども、これにつきましては、雇用効果が期待できますIT産業等の集積基盤整備事業、サーバーファーム整備事業といったものを、これまで既に採択いただいている事業の例でございますけれども、こういったものを非公共事業の予算を活用して進めているところでございまして、現在、こういった対策の中でおおむね七百人程度の新しい雇用が逐次可能になってくるというふうに期待しているところでございます。
#19
○森田次夫君 よくわかりませんけれども、後でまたじっくりと議事録等を見せていただきたいというふうに思います。
 沖縄は我が国唯一の亜熱帯圏でございます。恵まれた自然環境と独特の伝統、文化、歴史というものを沖縄は有しておるということでございまして、しかしながら第一次産業、第二次産業、これはいろいろと御努力はされておられるんですけれども、なかなか効果が出ないといいますか、逆に第一次産業、第二次産業にしても減少傾向にあるのかなというふうに見ております。唯一伸びておりますのが第三次産業の中のサービス業でございますね。卸だとか小売なんかというのをいろいろと統計等を見せていただきますと、これはちょっと減少しておるけれども、伸びておるのはやはり観光リゾートだと。
 そこで、全国的には観光客というのは減少しておるわけでございます。そうした減少傾向の中で唯一伸びているのが沖縄県だろうと思います。しかしながら、ここのところ十年間ぐらい見てみますと、客単価というのはほとんど伸びていない。ただ、伸びているのはやはり観光客、お客さんの方ですね。客数、これは非常に伸びておりまして、十年間で一・五倍伸びております。平成二年が三百万だったのが十一年には四百五十六万ということで本当に、前年度比でも一〇・五%増ということで非常に期待できる産業だろうと思います。
 そうしたことで、沖縄のリーディング産業というのはやはり観光リゾートの関連産業ではないのかなと。この傾向というものはこれからも持続されていくであろうし、やはりこれらについて重点的な対策というものも必要になってくるだろうし、そこで、今後どんなような対策を考えておられるのかどうか、この点が一点でございます。
 それと、昨年だったと思うんですけれども、首里城初め琉球王朝時代の城跡などを世界遺産に登録申請したということを新聞で見ましたけれども、その後どうなっておられるのか。
 そういったことにつきまして、政務次官にお尋ねをさせていただきます。
#20
○政務次官(白保台一君) 沖縄の、先ほどもお話がございました、まさに観光がぐっと伸びてきている状況にございます。
 本年は、七月、八月は若干落ち込みましたが、九月、十月にまた盛り返しまして、そして昨年最高であった、先ほど委員お話しございました四百五十五万、こういった数字に届くのではないかと、こういうふうに今見られているわけでございます。したがいまして、これからも観光関連産業というのは主要な経済の柱であろうということはそのとおりだと思います。
 政府といたしましては、沖縄における観光を振興するために、これまで本土―沖縄本島間の航空機燃料税の軽減による本土―沖縄本島間航空運賃の引き下げを行ってまいりました。そしてまた、平成十年三月には、御存じのように沖縄振興開発特別措置法を改正いたしまして、観光振興地域制度及び沖縄型特定免税店制度を創設したところでございます。さらに、関連する道路、空港、港湾等の交通基盤や必要な施設の整備を行ってきております。
 沖縄の経済にとって重要な位置を占める観光についての今後の振興の方向としましては、通年型それから長期滞在型リゾート地域の形成に向けて受け入れ体制の整備や観光関係者による誘客宣伝活動等の努力が求められており、沖縄開発庁としては、引き続き関係省庁等と連携をしつつ、各施設や制度運用が適切かつ効果的に行われ、沖縄の観光産業がより一層振興されるように今後とも努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
 それから、もう一問ございました。首里城の世界遺産の問題でございますが、首里城跡を含む琉球王国のグスク及び関連遺産群、こういうことについては昨年六月に文化庁長官からユネスコの世界遺産センターに推薦書を送付しております。
 来る十一月末から十二月初めに開催される第二十四回世界遺産委員会で審査され、登録の可否が決定されると、こういう予定であるというふうに聞いております。
#21
○森田次夫君 ありがとうございました。
 これが世界遺産に登録されれば、さらに沖縄の観光に弾みがつくんじゃないかなというふうに思います。期待をしておるわけでございます。
 そこで、最後の質問になろうかと思いますけれども、対馬丸につきましてちょっとお尋ねをさせていただきたいんですが、対馬丸が、平成九年だったか十年だったですかね、発見されまして、私も二回目の慰霊祭、平成十年十一月でございましたけれども、当時の宮下厚生大臣あるいは鈴木官房副長官らとともに遺族会の代表ということで参列をさせていただきました。千四百八十四名の犠牲者のみたまに冥福を祈ってきたわけでございます。
 それまで沖縄に行くたびに対馬丸遺族会からは、その沈没地点が確認できるのかどうなのかと。日米で四カ所があったわけでございますけれども、せめて沈没地点だけでも確認するように遺族会としても努力してくれというようなことでもって再三そういうことを言われておりまして、私なりにも調べてまいってきておった関係で思いもひとしおであったわけでございます。
 そこで、対馬丸の死没者学童の父母や祖父母に対する特別支出金でございますけれども、これが初めてできましたのが昭和五十二年、いわゆる前年度給与金の五〇%から出発をしておるわけでございますけれども、その後逐次改善がなされまして平成四年からは七〇%に改善されておるわけでございますけれども、その後の改善というのは行われていない。遺族会としても、毎年要望としてその改善のお願いが出てきておるわけでございますけれども、その後の改善はないわけでございます。
 その沈没以来五十六年ということでございますが、そうしたことで、支給対象者も当初は五百人ぐらいおられましたけれども、今では百十二名でございます。ほんのわずかになって、五分の一ぐらいになっております。
 そうしたことで、遺族の高齢、先般ちょっと資料等見せていただいたんですけれども、もうその遺族も平均年齢九十・一六歳ですかね、九十歳だと。こういうようなことでございますので、そう言ってはなんですけれども、もう行く先幾らもないわけでございますし、また百十二名という非常に数的にもそう言ってはなんですけれども、少ないわけでございます。また、船体等の引き揚げも難しい、遺骨収集も難しい、こういうようなことのようでございます。
 そうした中で、せめて支給率の改善といいますか、一〇〇%ということは言いませんけれども、その改善等もひとつお考えをいただきたいなというふうに思うわけでございますけれども、そういったことで、政務次官のひとつ御意見等をお聞かせいただければというふうに思います。
#22
○政務次官(白保台一君) 対馬丸遭難学童遺族特別支出金は、沖縄開発庁が昭和五十二年度から毎年度予算に計上し、対馬丸遭難学童の遺族に対し支給をしてまいりました。
 この特別支出金は、沖縄戦が目前に迫った時期に政府の軍事政策に協力するという形で対馬丸による学童疎開が行われ、その途中で遭難したという特別の事情を考慮して、このような特別な状況下で死亡した学童の遺族に対し国として弔意をあらわす措置として支給してきたところであります。
 特別支出金の支給額は、昭和五十二年十月から昭和五十七年九月までは戦傷病者戦没者遺族等援護法の遺族給与金の二分の一相当額を支給し、昭和五十七年十月以降は遺族給与金の十分の六に、昭和五十九年十月以後は十分の六・二に、平成元年十月以後は十分の六・七に、平成四年十月以後は十分の七に相当する額を支給し現在に至っているところでございます。委員仰せのとおりでございます。
 特別支出金の一人当たり支給年額は、遺族給与金の毎年の引き上げに伴い、平成四年、百十六万円であったものが平成十二年には百三十六万円まで引き上げられているところであり、遺族給与金との均衡等も考慮すれば支給率自体の引き上げは困難であるということを御理解いただきたいと思います。
#23
○森田次夫君 終わります。
#24
○松崎俊久君 民主党・新緑風会の松崎でございます。
 長官に伺います。長官は就任されたばかりでございますので、細かいことではなく基本的なことをお伺いします。
 三次振計、残すところ二年弱となっております。そろそろ恐らく開発庁としても、その後の何らかの振興計画、新法を準備されているというふうに伺っておりますが、今後のポスト三次振計への取り組みの基本的方向、その柱というようなものをお伺いしたいと思います。
#25
○国務大臣(福田康夫君) 沖縄が本土に復帰して以来、三次にわたる沖縄振興開発計画に基づきまして沖縄の振興開発のための諸施策が講じられてまいりました。その結果、本土との格差は縮小するなど着実にその成果を上げてきたところでございます。しかし、さらなる発展を図るためには、雇用の問題とかそれから産業の問題など、なお解決しなければならない分野が存在しているということは十分認識いたしておるところでございます。
 このような認識に立ちまして、現在進められております沖縄振興開発審議会の調査審議状況も見守りつつ、沖縄県ともよく相談しながら総合的な観点からポスト三次振計について鋭意検討してまいる所存でございます。
 なお、さらにこの検討状況ということでありますれば、これまで沖縄開発庁におきまして沖縄振興開発計画に基づきまして実施されてきた諸施策、事業全般について広く総点検を行いまして、去る六月に沖縄振興開発の現状と課題というものを取りまとめたところでございます。沖縄振興開発審議会においても、昨年の九月に総合部会のもとに専門委員会を設置いたしまして調査審議を実施していただいております。本年の十月には中間報告を取りまとめていただいたところでございます。また、来年の五月ごろには専門委員会としての最終報告を決定していただくというようなことになっております。
 沖縄開発庁といたしましては、ポスト三次振計については沖縄振興開発審議会の調査審議状況を見守りながら、総点検結果などをもとにして、沖縄県とも十分相談しながら鋭意検討してまいる、そういう所存でございます。
#26
○松崎俊久君 私は沖縄出身ではございませんが、琉球大学の教授で五年半向こうにおりましたので、私自身は沖縄を自分の第二のふるさとというふうに位置づけております。そういう意味で、沖縄のこれからの開発振興ということに一段の御努力をお願いしたいと思います。
 本委員会で各党の委員の方々が質問あるいは議論なさいましたことなどを沖縄振興開発審議会の委員の皆さんに、ぜひとも今までの本委員会の討論経過などをお配り願って、その討論の中にこの委員会で論議されたことが生きていくようにお取り計らいいただきたいというふうに思います。
 昨年だったと思います。この委員会で中城湾のいわゆるフリーゾーン、自由貿易地域の開発状況というものを視察してまいりました。ところが、伺うところによりますと、あれからもう一年以上、二年近く過ぎておりますが、百数十区画の分譲が予定されていたものがまだそのうちの三つしか決まっていないというふうに漏れ聞いております。そのようなスローなテンポで果たして、あそこのせっかくの大きな事業がとんざする危険性というものを何となく感じるわけでありますが、この点についてどのようないわゆるPR、あるいは台湾企業の誘致などということを言っておられましたが、そういう外国企業の誘致などが、特に台湾の企業の誘致などがどの程度進行しているのか、お伺いします。
#27
○政務次官(白保台一君) お尋ねの特別自由貿易地域についてでございますが、おっしゃいますように特別自由貿易地域につきましては、現在、分譲用地につきましては一社、賃貸工場につきましては二社が入居しているところであります。
 沖縄開発庁におきましても、制度が創設された平成十年度より制度の内容の周知、広報に努めるとともに、関係省庁と連携をとりつつ企業誘致説明会の開催等、企業誘致を促進するための取り組みを行っているところでございます。
 また、沖縄県におきましても、パンフレットの作成や配布等の広報活動、企業誘致説明会の開催、企業訪問の実施等の各般の企業誘致に関する取り組みも行っていると聞いております。
#28
○松崎俊久君 次に、沖縄の産業の問題を伺います。
 沖縄が今後、いつまでも補助体質を温存するのではなく、どうしても自立への道を強く歩み出さなければいけないと思いますが、その点で沖縄の基本産業というものは、製造業があそこに発展する見込みなどというのはまずあり得ない、重工業などはましてやあり得ないわけでありますから、基本的には第三次産業の分野、これは先ほど森田委員も御質問なさいましたが、どなたに聞いてもまず観光だろうということをおっしゃいます、観光が第一と。
 このごろ、県内の期待を込めてあるいは政府筋からも、情報通信産業が二番目に登場してくるというような位置づけになっていると思いますが、私は、この情報通信産業に対してはかなりの疑問を持っております。いつ何どき、そういうものがまた本土へ引き返してこないとも限らないという危険を感じております。くれぐれも、そういうことには御注意いただきたいと思うのであります。
 さらに三番目には、規模は小さいでしょうが農水産業製品の加工、水産物の加工というようなものが恐らく第三番目に位置づけられるだろう。
 それで、産業という意味ではなくて多数の人が集まるという意味では、私は沖縄振興開発審議会の中間報告を拝見しましたが、琉球大学に私はいたこともありまして、せめて琉球大学の定員の半分は東南アジアの人々に大胆に開放すべきであるというふうに思います。沖縄の人たちをあそこで教育するというのは大変重要なことではありますが、中にはそれを重視する余り、例えば教育学部のごときは卒業生が一人も沖縄県の教員試験に合格しなかったという年が一昨年なんかありますが、こういうことを見ましても、また位置的な問題を考えましても、東南アジアに突出した日本の先端のとりでという位置にありますから、これはぜひとも東南アジアに開放されていかなきゃならないというように思います。
 その中で、一番最初に申し上げました観光の問題であります。
 一年に観光客が五百万人を突破したというふうに伺っていまして、つい二、三年前までは四百万人突破がいつかなどと言っていたわけですから大変すばらしいことだとは思うんですが、沖縄の観光の特徴の致命的な欠陥というものが同時にあります。それは、沖縄の観光ほどリピーターの少ない観光はないということであります。要するに、二度沖縄には行かないと。一回は行ってみたい、しかし二度は行かないという観光客がほかの観光地よりもかなり多い。これは沖縄の観光の最大の問題点だろうというふうに思います。
 それは一にかかって、航空機会社が自分の飛行機で客を、若者を運び、そして宿に泊め、宿で金を使わせ本土へ帰す、こういうシステムが一貫していることと、それからもう一つは、沖縄の食事を人一倍、恐らく日本で私ぐらい普及行動を行った者はいないと思うぐらい私はやってまいりましたが、しかしうまくないという点では、沖縄の料理はそういう意味では本土からは大変評判が悪いわけであります。
 問題はここからでありますが、この観光客をぜひとも定着させるという意味で考えてまいりますと、一体観光客は何をしに沖縄に行くんだろうというふうに考えるべきだと思うんです。青い海などという宣伝に恐らく目を引かれるわけです。しかし、あの観光ポスターが実はオーストラリアで撮られているというようなばかげた観光宣伝をやっておりますし、それだけではなくて、若者にだけ限られている、いわゆる中年層、老人の旅行が非常に少ないと。
 ですから、こういうものを直していくものの第一歩として、やはりいわゆる特定免税店の活用を考えないといけないと思います。シンガポールが国全体として商業のために発展し、日本の女性たちは恐らくブランド物の買い物にシンガポールへ殺到するわけでありますし、一国二制度の香港、これもそのたぐいであります。沖縄がもしも、せめてあの半分でも特定のそれだけの能力を持っていたならば、那覇市への買い物というものは、これはもうずっと近いわけですし、恐らく発展するだろうと思うんです。ところが特定免税店たるや、沖縄に一度行かれた方はおわかりのとおり、飛行場の中にみすぼらしいのが二つあります。商品内容貧弱、そして売るものはろくになしと。私は、あれを見るたびごとに沖縄の人間の商売感覚のなさに憤りを感ずるのでありますが、せめて一国二制度とはいかないまでも、現制度の中でぎりぎりの接点まで、この特定免税店の発展並びにこれだけで町の一画が形成されるぐらい那覇の商業地にもそういうものをつくるべきだろうというふうに考えていますが、この点いかがでございましょうか。
#29
○政務次官(白保台一君) 松崎委員おっしゃるとおり、いろいろの課題がございます。
 そういった中で、沖縄観光の魅力を増すために、今お話がございました沖縄型の特定免税店制度を創設してきたわけでございますが、平成十年三月に沖縄振興開発特別措置法を改正して、沖縄を訪れた観光客等が輸入物品を関税免除の価格で購入できる制度として創設したところであり、昨年十二月より店舗の営業が開始されたところでございます。まだ一年足らずのところでございます。この特定免税店の現状は、当初の見込みに比べまして売り上げが伸びておりません。事業者としても、取り扱い商品の変更、拡充による販売促進に現在取り組んでいるところでございます。
 沖縄観光の魅力を増すためには、沖縄型特定免税店制度は重要な役割を果たすものと考えており、御指摘のような現状にあることを踏まえて、沖縄県の要望を伺いつつ、今後の沖縄振興新法検討の中で本制度のあり方についても議論を深めてまいりたい、このように存じております。
#30
○松崎俊久君 もう一つの問題点としまして、観光客が長期間沖縄に滞在する方向を選ぶべきだろうと、そういうふうに思うんです。
 十年前に、福島県の地方紙と沖縄県の地方紙に私の意見が両方の社説に載りました。これが長期滞在型保養基地という概念が沖縄に定着した最初の少なくとも見解だと信じていますが、私はそのとき、寒い東北の老人たちが何も冬、こたつでじっとしている必要はない、そっくり村ごと沖縄へ行けということで、今その準備を整えているのが福島県の西会津町でありますが、三カ月ぐらいは沖縄にむしろ滞在し農業に従事する、みずからの健康を確保して帰ってくるのと同時に生活費が沖縄に落ちる、それから沖縄農業への刺激になる、農業構造改善につながる、こういうような視点から提案してきました。それを長期滞在型保養基地と呼んでおります。
 これは恐らく、手を挙げる沖縄の自治体すべてに積極的に、政府はむしろこういうところにより資金援助を行うべきであろう。それを特定の団体に任せたりするのではなく、手を挙げる自治体に、私の村は本土のどこと提携して冬は呼び寄せる、こういうような意見を申し出る自治体に大胆に金を出していくべきであろうと。ある特定の団体に資金援助をしたりするのではなく、長期滞在型の保養基地をぜひ積極的に展開していただきたい。
 これが私は、沖縄に相当大きなお金を落とすことに、しかも長期間、それで本土の人たちが冬は沖縄へ行って生活するものだと、それが当たり前なんだというくらい、二十一世紀、国土の有効利用につながるようにぜひ取り計らっていただきたいというふうに思いますが、どうでしょうか。
#31
○政務次官(白保台一君) 松崎委員の長い琉球大学での教授としておられた、そのころからよくお話は伺っておるわけでございます。
 ただいまの御質問に直ちにお答えできるかどうかわかりませんが、観光を通年化させるために、そしてまた長期滞在型の施設等のことにつきまして申し上げれば、観光振興地域制度というのを平成十年三月の法改正で行いました。そして、それを創設してきたわけでございますが、この観光振興地域制度は、民間事業者が指定地域内においてスポーツまたはレクリエーション施設、休養施設等の施設を新設または増設する場合に税制上及び融資上の優遇措置を受けられる制度となっており、御指摘の長期滞在型の施設であるこういったものも対象に含まれているのではないかと思います。
 沖縄開発庁としましては、観光振興地域制度が大いに活用されて施設の整備が進むことにより、より多くの高齢者が沖縄観光に訪れる、こういうことを今期待しているところでございます。
#32
○松崎俊久君 しょせん、第二次大戦で非常な被害を受けた沖縄の人たちが幸せになれるかどうかというものは、単に経済だけの問題ではないというふうに思います。心の平和というものが大変望まれるところであります。
 ところで、その国の国民が本当に幸せかどうかというのをはかる尺度というものはたくさんあります。その一つとして、その国の自殺率を検討するのも大変一つの尺度につながるのではないか。日本はちょうど世界の中で真ん中辺の位置にあります。
 ところが、今度は国内を見てまいります。そうすると、厚生省が発表したデータ、統計でありますから厚生省はよく御存じだと思いますが、一九七五年、次に一九九五年、この二十年の移り変わりを全国で分析してまいりますと、常に第一位を走っているのはどういうわけか秋田県、男も女も秋田。これはもう悲劇的な県と言わざるを得ません。二番目、これは非常におもしろいので出すのですが、沖縄です。
 沖縄は、一九七五年には順番としては三十何番目ですからむしろ平均より自殺が少なかったんです、男も女も。女は日本で一番少ない。男が真ん中よりちょっと下で低い。ところが、一躍一九九五年には男だけ第二位、実はその前の年は第一位だったのでありますが、第二位にはね上がりました。それで、自殺が日本で二番目に多い県、沖縄の男、一番少ないのが沖縄の女。この差は一体何を物語るのか。これは単に私は、おもしろ半分に男女の差を申し上げているのではない。この男の自殺の中に隠れて背景にあるものをぜひ考えたいわけです。
 ところで、厚生省においで願っているようですが、沖縄が自殺が男だけ急にふえた理由をどうお考えになっているのか。それと同時に、それへの対策を精神衛生上どういう処置を行うべきだと思われるのか、御意見を伺いたいと思います。
#33
○政府参考人(今田寛睦君) 御指摘の自殺者の数でございますけれども、私ども、自殺者につきましては警察庁の調査によっているわけでありますが、実は最近非常に自殺者がふえているという状況にございます。
 平成十二年八月の調査結果によりますと、平成十一年の自殺者が我が国で三万三千人ということであります。そのうち男性の方が二万三千五百人、女性が九千五百人ということで、非常に男性が高いという状況にございます。これらの主な原因につきましては、その遺書等から類推した範囲では、健康問題でありますとかあるいは経済問題というものが主要な原因だというふうに言われております。
 委員御指摘の沖縄県でありますが、確かに男性の数は他の県も同様に著しく高いわけでありますが、合計の数字で申し上げますと、平成十一年度は人口十万対二十五・四人ということで、合計いたしますと全国で十九番目、そういう意味では全国の平均よりも確かに高い自殺傾向があろうかというふうに考えられます。
 特に、ここ数年を見てみますと五十歳代、つまり働き盛りのしかも男性が非常にふえているということもございまして、厚生省といたしましては、職場の問題もこれに深くかかわっているだろうということもありまして労働省とともに地域と職域というものを、連携いたしまして自殺防止の相談窓口に関する普及啓発が必要ではないかと、このように考えております。
 委員御指摘の原因の究明ということでありますが、その自殺の背景を個別的に検討し、うつ状態というものの診断あるいは治療に対する研究といったものもあわせてする必要があるのではないかと思います。
 来年度の日本新生特別枠におきましても、この自殺対策を一つの柱といたしまして必要な予算要求を行っているところでありまして、これらを踏まえながら今後自殺に対する的確な対策のあり方について検討を深めてまいりたい、このように考えております。
#34
○松崎俊久君 一九九五年では、全国の男の自殺、これを標準化いたしますと、昭和六十年人口モデルに計算し直して出されたのを見ますと、十万対男全国平均二十一・三に対し沖縄の男三十五・九というわけでありますから、倍まではいかないにしてもかなり高い。しかもこの上がり方が、アメリカに占領されていたときあるいは占領直後はむしろ低い、それ以後どんどん上がる一方であります。一九七五年には全国平均に近い数字でありましたが、これが男だけ動いていると。沖縄の女は全然動かない。日本で一番死なない女性、自殺しない女性と言ってもいい、沖縄の女性が非常に強いのかあるいは楽天的なのかは別として。
 とにかく男にだけ自殺が、しかもこの数年急激にふえて日本で一、二を争うというところまで来た裏には、当然これは日本一低い所得、日本一高い本土の二倍の失業率、こういうもので男が社会的に追い詰められて同時に目標を見失う。そういう沖縄の男の姿というものを非常に、特にパチンコ屋などが多いところを見ましても、私は沖縄へ行くたびごとに沖縄の男性の目に生気が宿っていない感じが何かするわけでありますが、こういうようなものを基本的にとらえていかなければ、個々の自殺者の動機をいかに調べても私は結論は出ないだろうと。
 そういう意味で、精神衛生対策を全国に進められるのは結構でありますが、常に日本一を走っている秋田県とか急激に日本一、二になった沖縄県の男とか、特殊な問題を抱えているに違いないわけです。そういうところに対しては重点的にぜひとも取り組んでいっていただきたい。各県同じような対策を立てられておろされるんじゃなくて、この県はこれを目標にということをきちんと立てられるべきだろうと思います。
 同時に、進学率も極めて低いわけでありまして、沖縄の男性は、中産階級の子供たちを学校へ進学させるときには九州へ行くケースが非常に多い、福岡、熊本、鹿児島ですね、その負担は大変大きいと思います。こういうような問題も家計を逼迫させる大きな理由につながっているかと思うんですが、こういうところを厚生省はきちんと見抜かれまして、ぜひとも特殊な対策を、それぞれの個別的な対策を持たれるべきだろうと。
 全国に自殺が急激にふえているのはだれでもわかっていますが、これはもう日本の経済の低迷が背景にあること以外の何物でもありませんし、リストラの問題が巨大な理由になっていることは当然でありますけれども、沖縄はそれ以外の要素がやはり絡んでいるだろうというふうに思いますので、厚生省にそれをぜひお願いしたいと思っております。これは要望事項でございます。
 さらに、ちょっと白保次官に、このいわゆる沖縄の自殺対策というものは、特に宗教に造詣の深い白保議員でありますから当然そういう面からもお考えだと思いますが、ぜひともこの沖縄の死亡率から見た、沖縄にもしも自殺が減りますと〇・八歳ぐらい寿命が男は延びるわけでありまして、そこまでわかっているわけでありますから、沖縄の追い詰められた経済状況、失業率あるいはひょっとしたら日本一高い離婚率も響いているのかもしれませんが、そういう問題をぜひともお考えいただいて、開発庁も厚生省に任せっきりじゃなくて、開発庁もその背景になる分野に大胆にメスを入れていただくようぜひ大臣ともどもよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 以上で終わります。
#35
○政務次官(白保台一君) ただいまの委員のことをよく受けとめて取り組んでまいりたいと思います。
#36
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 今まで沖縄・北方特別委員会でずっと沖縄の問題、造詣の深い先生方から御質問がございました。私の方は、最初に北方領土の問題、今まで出ておりませんので先にさせていただこうと思います。
 今まで二〇〇〇年という区切りを、二十世紀中に起きた問題は二十世紀にという回答を外務大臣、さまざまな形で平和条約締結に向けて言ってはおられましたけれども、二十世紀もあと一月半という時点になってまいりました。私、前回の沖縄・北方特別委員会で、現実に北方領土におられる方々の生々しい実感をやはり体験してみられる必要があるんではないかと。あそこに住んでおられる方ももう五十五年になりますので、日本のビザなし交流の方々が、私、生まれ故郷はここなんですと泣きながら返還を要望いたしますと、あちらの村長さんでしたけれども、私もここが生まれ故郷なんです、同じ故郷ですね、同郷人ですねという形で、何か一つの長い年月を象徴させるようなこともありました。
 その要望を入れていただいて、続総務庁長官、早速九月に北方領土へ行かれたということでございますので、最初に、北方領土へ行かれたときのあそこで生活されている方、また今後の交流の中でどういう展望が開かれそうなのかという見通しも含めてお伺いさせていただければと思います。
#37
○国務大臣(続訓弘君) 私は、総務庁長官として初めて九月の十四日から十七日まで択捉島に行ってまいりました。そして、今お尋ねのように現地の行政担当者やあるいは議会議長さんや学校教師との意見交換や、さらには一般住民との対話集会などを通じまして在住ロシア人の方々との相互理解を深めるとともに、日本人墓地を訪問するなど元島民のふるさとの北方領土の現状を実地に視察し、領土問題解決に向けての決意を新たにしたところでございます。北方領土の早期返還を実現し平和条約を締結するためには、粘り強い外交交渉の継続はもとより、それを支える幅広い世論の存在が不可欠であるということを実感してまいりました。
 総務庁としては、返還の実現に向けて、北方領土返還要求運動を支えている多くの団体などと連携を密にしながら、広報啓発活動を積極的に展開してまいりたいと存じます。また、今回同行いたしました北方四島交流事業や元島民による自由訪問につきましても、このような施策を一つ一つ積み重ねることが返還への道のりを縮めることになるとの確信を抱いてまいりました。
 今後ともさらなる充実強化を図ってまいりたい、このように決意を新たにした次第であります。
#38
○福本潤一君 このビザなし交流を九年間行った中で、大変な地震があそこで起こったという中で、国会議員にも現状を見ていただきたいということで始まったわけでございますが、と同時に、択捉、国後関係と、また色丹島の島民感情もかなり違いが出てきているという現状も私は行って感じさせていただいたわけでございます。
 特に、日本側の要求が平和条約締結という形で推進していますと、平和友好協力条約にしようというようなことを私はずっとるる歴史を見てみますと、平和というところには北方領土返還という日本の願い、また国境が画定されていない状況を終結させるという望みがありますし、友好協力というのは、どうもロシア側は経済援助を望んでいるというところでのジレンマが現実に起こっているように思います。
 続長官も択捉島を訪れたときに、新聞によれば小児科の診療所建設を求められたというお話、ここへ新聞に出ておりますが、こういう経済援助に対する現状の状態というのはどういう事態であったか。人道援助で日本もかなりやっておるわけでございますけれども、そこらの点は要望として求められたわけでございますけれども、今後どういうふうに対応していくのか。これは外交案件かもわかりませんけれども、若干の所感を伺わせていただければと思います。
#39
○国務大臣(続訓弘君) 現地の行政責任者やあるいは議長さんや住民の方々との対話集会等を通じまして、今お話しのような経済援助などについてのお話もございました。
 特に、ロシアになってから自分たちは捨て子にされている感じがないわけではないと。例えば、あの地震が起きまして、特に油の問題が大変必要なときにロシアからの援助はない、あるいは電気が通じない、おかげさまで日本から人道援助の一環としてディーゼル発電所が建設されました、本当にありがたいことですと、こういう話をるるしておられました。そういう意味では、私は、日本の人道援助が住民の皆様に対して大変感謝をされる、そういうことを通じてお互いが理解し合える、そんな感じを実感としてしてまいりました。
 なお、いろんなそういう要望はございましたけれども、これはいろんな諸般の状況もこれあり、私どもはただ状況を伺っただけでありまして、具体的にお約束をしたわけではありません。
#40
○福本潤一君 そういう意味では、なかなか大変な外交案件を抱えたまま現在二十一世紀を迎える段階に来ているということでございます。
 そこで、ビザなし交流、かなり日本側からあの島に行くということと、またあちらの島民をこちらへ受け入れるという作業もしてきておるわけですけれども、元島民の方々のお話、きょうも来ておられ、またさまざまな形でお話を伺わせてもらいますと、ビザなし交流、友好、交流はでき上がった、相互理解もでき上がっている、九年たってこれが返還には全然結びつくような動きになっていないのではないかと。ある意味では、あの島民にとって日本側の出した予算、これが一つの一大産業になっている、島民のビザなし交流受け入れという状態になって、これが返還という形に結びつく形のものに本当になっているのだろうかという御心配をしておられる方も結構おられます。
 そういう意味では、今後さまざまな形で対応していかれるにしても、今までトータルで予算をどれぐらいこのビザなし交流、また受け入れ側で総務庁また外務省は使われたのか。また、その効果はどうだったのかということを聞かせていただければと思います。
#41
○政府参考人(坂巻三郎君) 先生御質問の北方四島とのいわゆるビザなし交流でございますが、平成四年度から開始をされまして、総務庁ではこちらからの訪問経費について予算措置をしているところでございます。これまで、平成十二年度まででございますが、予算措置をいたしました総額は約十二億一千三百万円となっているところでございます。
 受け入れの関係は外務省さんの方で措置をしておりますので、交代いたします。
#42
○政府参考人(森敏光君) お答えいたします。
 外務省といたしましては、四島住民の受け入れのためにこの四島交流の予算措置をしてまいっております。平成十二年度までに約十一億三千二百万円、そのうち本年度分は約一億九千七百万円となっております。
 私どもといたしましては、この四島交流が、当初からの目的であります領土問題解決のための相互理解の増進を図る上で相当な役割を果たしてきているというふうに考えております。
#43
○福本潤一君 相当の役割を果たしているという御認識だとお伺いいたしました。
 そこで、現実に外交交渉をしていただいております外務大臣、戦後五十五年、この問題は大変難しい問題、案件として持っておるわけでございますし、日本国にとっては逆に、あそこは日本領土なのかどうかというのが今の若い人たちはわかっていない状態が続いている。私も、あそこへ行きますと海外旅行でしょうと、いや、あれは海外旅行ではない、あそこは日本国だと、占有はロシアがしているというような答えをせざるを得ないという現状がございます。
 それで、今世紀中というのはなかなか厳しくても、今後どういう形でこれに対応していくのか。一時、二島先行返還論というのがございました。と同時に、島民にとって二島先行返還というのはまた問題が多いということで、ある意味ではジレンマに陥っているのではなかろうかと。外務省としての正式な認識というのはあるとは思いますけれども、二島返還論に対する外務省の姿勢、さらには今後どういう対応をしていかれようとしておるかということをお伺いさせていただければと思います。
#44
○国務大臣(河野洋平君) 北方領土問題を解決して平和条約を日ロ間に締結をするということは極めて重要な政治課題でございます。
 御承知のとおり、クラスノヤルスク合意におきまして、二〇〇〇年に問題を解決するために全力を尽くすという両国首脳の合意がございまして、その両国首脳の合意に従って二〇〇〇年までに解決するということで全力を挙げているわけでございますが、お話しのように残すところ一月半ということになりました。
 本月月初めに私モスクワへ参りまして、先方のカウンターパートとも話をいたしましたし、きょうは両国首脳がブルネイにおきまして、今官房長官に伺いますと、今晩六時から日ロの首脳会談が行われるということになっているようでございまして、この日ロの首脳会談でも当然この問題が議論されることになると思います。
 私、先般の東京におきます首脳会談でもそうでございましたし、私が訪ロいたしましたときにお目にかかりましたプーチン大統領もそうでございますけれども、いずれも大変難しい問題だけれども、この問題を避けては通らないと、つまり逃げることはしないということを言っておられまして、非常に正面からこの問題に取り組むという姿勢でございます。したがいまして、森総理との間で非常に率直な領土問題についてのお話し合いがなされるに違いないと思っております。
 仮にきょうの結果がどういう結果でありましょうとも、そのフォローアップも必要かと思いますが、少なくとも今年じゅうにできるだけこの努力をしたい、全力を尽くしたいと、こういうふうに思っているところでございます。
#45
○福本潤一君 そういう意味では戦後の最も案件が北東アジアに、ある意味では北朝鮮の問題、またロシアとの国境線の問題が残っておるわけでございますし、鋭意努力しておられる、また難しい問題であるということもわかっている中で、今回プーチン大統領が新しくなられて、今までのロシアの対日姿勢、この北方領土問題に関して若干、友好条約、平和条約を結べる形から遠ざかる方向に行っているんじゃないかという懸念が我々ございますので、プーチン外交もかなり変わってきておるのかどうか。その現状認識と今後の対応策も含めてお伺いさせていただければと思います。
#46
○国務大臣(河野洋平君) 私の印象を申し上げることになると思いますが、プーチン大統領は、大統領になられて以来極めて精力的に国の内外でさまざまな仕事をしておられまして、ロシア国内におきます支持率も非常に高いというふうに聞いております。潜水艦の事故を初め、問題も全くないわけではございませんけれども、それでもお目にかかりますと自信満々という感じがいたしますし、これを支える人たちも非常によく整理をされているように私感じました。
 この問題、つまり日ロ関係について、これまでの、ずっと以前はいざ知らず、エリツィン大統領のころと比べてどうかということを考えてみますと、エリツィン大統領のころ日本の何人かの首脳と首脳会談が行われたわけでございまして、そのときには、これは印象でございますけれども、割合と明るく、あけっ広げの性格とでも申しましょうか、大統領の性格がそういう性格だったんでしょうか、かなりざっくばらんにいろいろな話をしておられるように記録などで見ますけれども、プーチン大統領の場合にはかなり理詰めに話をされるというふうな感じがいたします。
 しかし、エリツィン大統領当時に法と正義に基づいて問題を解決するということを言っておられて、この法と正義に基づいて問題を解決するというロシア側の考え方はプーチン大統領もこれを継承されるかと、こう伺うと、そのとおりと、こういうふうに言っておられますし、ロシア外務省のこの問題への対応ぶりは、国際社会が理解できるような解決をしようという姿勢をとっているというふうに今感じております。
 こういう状況の中で日ロ関係を進めていくわけでございますが、プーチン大統領は日本に対してさまざまな期待もまた持っておられます。
 例えば、経済的に日本とロシアは相互補完的な性格があるではないか、あるいはまた地政学的に共通する点があるではないか、こういう点をしっかりと認識した上で平和条約を結ぼうではないか、こういう感じを持っておられまして、首脳会談に同席をいたしました私ども両国外務大臣に対して、両首脳から、例えば両国の問題についての世論に対する広報をもっとしっかりやるように考えろと、あるいはこれまでの歴史的経過について、両国が合意できる歴史的経過についての歴史資料の編さんをやれというような指示がございましたり、また両国にまたがる、両国の間にある問題を解決するために新たな方策とでもいいましょうか、そういったものについても両外務大臣はよく話し合って新たな方策を探せというような指示もございまして、その辺は割合と具体的にきちっと指示を両国首脳が両外務大臣にされまして、それを受けて私どもは仕事をしているわけでございまして、そうした点は非常に理論的に、理詰めに話を進めろという感じの指示がございます。
#47
○福本潤一君 そういう意味では理詰めだということでございますが、と同時にしたたかな印象を我々どうも受けるというのがございまして、これは学者の時代に、学者同士の交流でも、どちらかというと予算とか経済的なものをきちっと獲得するような方向性に持っていく外交戦術というのはたけているような印象を我々も受けておりました。
 それで今後、二〇〇一年、新しい省庁再編をしていく中で引き続きこの案件続けていくだろうと思いますけれども、外務省は外務省としてさらに続けられる、総務庁は今度さまざまな形で再編される中に入っていますけれども、この北方領土の問題は内閣府でそのまま対応して扱っていくのかというところを、現状私知りませんので、今後どうなっていくのかというところをお答えいただければと思います。
#48
○政府参考人(坂巻三郎君) お答えいたします。
 北方対策本部、現在総務庁の一部局でございますが、来年一月六日の中央省庁再編に際しましては内閣府の北方対策本部として、内閣府の一部局になってこの北方問題を担当するということになっております。経緯だけお答えいたします。
 以上でございます。
#49
○福本潤一君 外交案件、大きな課題でございますので、二十一世紀、またさらに解決方向に向けての熱心な外交政策をとっていただくように要望しておきまして、沖縄問題、若干しか時間ありませんけれども、最後に触れさせていただこうと思います。
 先ほどからポスト三次振計とかいう話、また沖縄でサミットがあって、沖縄の振興政策また北部の開発に対する予算手当て、かなり大きな予算がついております。
 それで、私としては特化して聞かせていただこうと思いますけれども、沖縄で情報通信産業、ITという問題に特化して考えたときに、人口が過疎のところまた遠方のところ等々に関してはIT産業が大きな柱になっていく、また希望の持てる産業として進んでいくんではなかろうかというふうに思います。
 先ほど、一九九五年はかなり沖縄、男性の方の自殺者が日本ナンバーツーぐらいの自殺者だというお話がございましたけれども、経済、産業、一家の柱として進むときに、弊害があるときにこういうことが起こりがちでございますので、ぜひともこの情報通信産業の分野に、企業誘致も含めて、雇用の機会も含めて、どういう手当てを沖縄にされようとしているか、この点をお伺いさせていただこうと思います。
#50
○国務大臣(福田康夫君) 情報通信産業は、沖縄が抱えております遠隔性とか、それから島嶼性という地理上の制約を考えますと非常に好ましい産業であるというふうに思います。また、豊富な若年労働力とか特有の伝統文化、そしてまた快適なリゾート環境など、沖縄の特性を生かし得る産業として沖縄において成長がこれから期待される産業といたしまして考えております。
 このために、平成十年三月に沖縄振興開発特別措置法を改正しまして、税制上及び融資上の優遇措置を備えた情報通信産業振興地域制度を創設いたしまして、現在、那覇市など二十三市町村を指定して情報通信産業の振興に努めているところでございます。また、沖縄県におきまして、県といたしましても誘致企業の通信コスト低減等の施策を実施いたしております。
 このような政府及び沖縄県における取り組みの結果、これまでにコールセンターなどを中心に情報関連産業の進出が進んでおり、新たに二千人規模の雇用の創出の効果が出ております。
 情報通信産業が今後リーディング産業として発展していくためには、コールセンターのみならず、コンテンツの制作やソフトウエアの関連産業なども視野に入れましてその振興を図る必要があると考えておりまして、情報通信産業の振興のためのインキュベート施設、言ってみればふ化育成施設の整備などの事業を通じまして関連産業の集積を図ってまいる、そのような所存でございます。
#51
○福本潤一君 こういう通信産業とともに、沖縄は基地が大変大きな産業発展の弊害また本土で高度経済成長時期に日本に返還されてなかったために第二次産業が大変おくれているということもございます。
 その中で基地の問題、普天間基地、十五年の代替施設使用期限等々の問題もありますけれども、ずっと以前、二十六年前になりますけれども、那覇軍港も、やはり返還ということが合意が成ったにもかかわらず二十六年間そのまま膠着状態でジレンマに陥っているという大きな問題がございますので、最後にこの点だけ聞かせておいていただこうと思います。
 というのは、浦添に移転するということになったわけでございますが、浦添移転の後、浦添市長が、民間港湾として整備して軍港の一部機能を移設するという考えを提示されております。こういう形で提示された中での調整をこれから進めていく必要がございますので、国としてどういう立場で調整していくのかという方針をお伺いさせていただいて、質問を終わろうと思います。
#52
○国務大臣(福田康夫君) 那覇港湾施設の移設先となります浦添の市長が、先月、軍港の機能を移設し日米共同使用する案を検討したいというこれまでの方針を撤回しまして軍港施設に全面的に反対するという考えを示されまして、このことは報道等により承知をいたしております。
 他方、沖縄県におきましては、引き続き那覇港湾施設の移設、返還については前向きに検討していただいているということであると理解をいたしております。
 いずれにいたしましても、政府としては沖縄県のお考えを十分拝聴し、地元地方公共団体等の御理解と御協力を賜りつつ、本問題の解決に向け真摯に取り組んでまいりたいと存じております。
#53
○福本潤一君 終わります。
#54
○照屋寛徳君 社会民主党の照屋寛徳でございます。
 冒頭、福田長官、御就任おめでとうございます。
 沖縄は、ポスト三次振計へ向けて沖縄経済新法また新たな沖縄振興開発計画を策定する重要な時期でございますので、長官の御活躍を心から期待を申し上げたいというふうに思っております。
 最初に、厚生省おいででございますでしょうか、厚生省に一点お伺いをいたします。
 戦時遭難船舶犠牲者の洋上慰霊祭の実施についてでありますが、私は、戦時遭難船舶犠牲者の問題というのは沖縄における残された戦後処理の問題ではなかろうかと、こういうふうに思っておりまして、過日、質問主意書も提出をさせていただきました。犠牲者に対する、国が補償すべきかどうかとかさまざまな問題ありますけれども、きょうは一点だけお伺いいたしますのは、遺族会の皆さんが切望いたしております洋上慰霊祭の実施ですね。遭難地域ごとに海上における実施をしてほしいということについてどのような手はずが整っておるのかお聞かせをいただきたいと思います。
#55
○政府参考人(中野秀世君) お答え申し上げます。
 厚生省におきましては、さきの大戦におきます主要戦域となった地域あるいは海域における戦没者の霊を慰霊するために、御遺族の参加を得ながら慰霊巡拝を実施してきているところでございます。
 お尋ねの洋上慰霊につきましても、日本から直接船で出航して行う大規模なものを昭和五十三年度以降十回にわたり実施してきたほか、陸上におきます慰霊巡拝の際に現地で船を借り上げて行う洋上慰霊といった形式のものも数多く実施してきているところでございます。平成十二年度におきましては、トラック諸島周辺海域におきまして現地で船を借り上げて実施をしたいというふうに予定をしているところでございます。
 お尋ねの今後の洋上慰霊の実施についてでございますが、平成十三年度の予算概算要求におきまして海外における慰霊事業の実施のための経費を要求しているところでございまして、洋上慰霊につきましても、この平成十三年度予算が成立し次第、各海域の御遺族の御要望だとかあるいは参加の状況等を伺いながら実施地域、日程等について決定してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#56
○照屋寛徳君 今、平成十三年度予算の概算要求と関連して海外におけるとおっしゃいましたかな、沖縄の遺族会の皆さんが要望しております、例えば本土と、鹿児島と沖縄の海上における慰霊祭、その一帯には戦時遭難船舶、五隻ぐらい犠牲になっているというふうに思いますが、その一帯での洋上慰霊はいかがなものでしょうか。
#57
○政府参考人(中野秀世君) 基本的には、私どもが考えておりますのは、海域における洋上慰霊というのはこれまでも実施してきているところでございますので、今ほど申し上げましたように、各海域の御遺族の御要望だとか、あるいはそういったものを勘案しながら実施地域、日程等について決めていきたいというようなふうに思っているわけでございます。
#58
○照屋寛徳君 遺族会の要求にこたえて、速やかな洋上慰霊祭の実施の実現を要望しておきたいというふうに思っております。
 環境庁、十月十一日にヨルダンの首都アンマンでのIUCN、国際自然保護連合の総会で、名護市辺野古一帯海域を中心に生息するジュゴンと、沖縄本島山原の森に生息するノグチゲラやヤンバルクイナなどの保全を求める勧告決議が採択されました。日本政府に対して四項目、日米両政府に対して二項目の要請勧告でありますが、この勧告を受けて、政府はどういうふうな対応、対策をとろうとしているか、お聞かせください。
#59
○政府参考人(松本省藏君) 御説明を申し上げます。
 今お話にございましたように、IUCNの先般の総会で、日本政府に対して四項目、日米両国政府に対しては二項目と、日本に対しては合計六項目にかかわる勧告がなされております。順次、環境庁としての対応の考え方、御説明を申し上げたいと思います。
 まず、勧告の(1)の(a)でございます。これは、ジュゴンの生息地やその周辺での軍事施設の建設に関して自主的な環境影響評価を早期に実施をせよと、こういう勧告でございます。
 これにつきましては昨年の十二月二十八日に閣議決定をいたしておりまして、普天間飛行場代替施設の設置に際しましては、「自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」ということにされておりまして、代替施設の基本計画を策定する代替施設協議会におきましては、ジュゴンも含めた環境にかかわる課題の協議も現在行われているわけであります。
 また、この閣議決定に基づきまして、代替施設の設置に際しましては環境影響評価を実施することになっております。代替施設協議会での基本計画の策定を経て、いずれ防衛施設庁において環境影響評価が実施されるものと承知をいたしております。
 それから、勧告の(1)の(b)でございます。これはジュゴンの減少を食いとめ、その回復に資する保全措置を早急に実施するようにと、こういう勧告でございます。
 ジュゴンの保全につきましては政府全体で取り組むべき課題であると私ども認識しておりますが、今後の代替施設協議会での論議等を踏まえまして、環境庁としてどのような対応が可能か今後検討してまいりたいと考えております。
 それから、勧告の(1)の(c)でございます。これは、山原の生物多様性あるいは絶滅危惧種及びジュゴンの保全計画を早急に作成しまして、詳細な調査を実施するようにという勧告であります。
 御承知のとおり、山原は大変固有種、希少種が生息する自然性の高い地域でありますので、環境庁としては、自然公園法に基づく国立公園の指定というのを念頭に置きながら、現在、山原地域の自然環境の調査を実施しているところでございます。また、山原地域にのみ生息をいたしますノグチゲラにつきましては、種の保存法に基づきます保護増殖事業計画を策定しているという状況でございます。また、ジュゴンにつきましては、分布あるいは生態学的特徴などに関する国内外の研究論文、文献、資料等の収集、調査を行っているところでございます。
 勧告の(1)の(d)でございますが、これは山原の世界自然遺産への登録を検討することという勧告でございます。
 世界自然遺産登録に当たりましては、まずその自然環境が世界的に見ても飛び抜けてすぐれているものであるという条件と同時に、国内法によります具体的な保全措置が必要であるということになっております。
 まず、環境庁といたしましては、山原地域の国立公園化というのを念頭に置いた調査検討を現在進めているところでありまして、世界自然遺産登録についてはその後の検討課題になろうかと考えております。
 それから、対日米両国政府に対する勧告というので二項目ございますが、まず勧告の(3)の(a)でございます。先ほどの、自主的な環境影響評価の結果を考慮してジュゴンの生存を助けるための適当な措置を講じるようにという勧告でございます。
 先ほども申し上げましたとおり、環境庁といたしましては、代替施設協議会における環境にかかわる事項の検討あるいは基本計画策定後の環境影響評価の実施、そういうそれぞれの段階におきまして、ジュゴンの保護を含めて環境保全への十分な配慮がなされるように対応してまいりたいと考えております。
 それから、最後ですが、勧告(3)の(b)でございます。先ほどの勧告(1)の(c)の調査を踏まえまして、軍事施設建設等の環境影響評価を行って山原、ノグチゲラなどの保護対策を講ずること、こういう勧告でございます。
 沖縄北部訓練場のヘリパッド移設につきましては、現在、防衛施設庁におきまして自然環境調査を実施されているということを聞いております。環境庁といたしましては、希少な野生動植物の種の保存などの観点から、必要に応じ防衛施設庁に対して今後も助言を行ってまいりたいと考えております。
 以上、六項目について御説明いたしました。
#60
○照屋寛徳君 防衛施設庁が既に着手をしております予備的調査で、ジュゴンの生息が先日一頭確認をされました。一方で昨日、宜野座村の大型定置網にジュゴンが混獲された、死亡しているのが確認されたというのを見て非常に心を痛めておりまして、IUCNの勧告決議に従った十分な保全策をとられるように要望しておきたいと思います。
 ところで、防衛施設庁に一点お伺いいたしますが、嘉手納基地、普天間基地周辺における防音工事区域の拡大、周辺市町村から非常に強い要望があると私は理解いたしておりますが、どのような対応をしておられるのか、お聞かせください。
#61
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の住宅防音につきましてでございますけれども、確かに関係の市町村から住宅防音工事の対象区域の拡大等につきましての極めて深刻なといいますか御要望がなされているのは承知しておりますし、私どもも、嘉手納、普天間周辺の騒音問題の改善ということが、私ども防衛施設庁として非常に重要な課題であるというふうに認識しているところでございます。
 この住宅防音工事の対象区域の見直しを行うに当たりましては、実際の騒音状況を的確に調査する必要がございます。そういう面で、私ども、本年の四月から、現在設置しております自動騒音測定装置をふやしまして地元の市町村ともよく連携をしながら測定を今行っているところでございまして、その結果を見ながら考えていきたいと思っておるわけでございますけれども、こちらの見直しはやや時間がかかるところがございます。
 一方、沖縄の地理的な特性といいますか、基地が都市部周辺を占めている、また返還後に住宅を建てられたというふうな非常に沖縄の特別な考慮しなければいけない状況もございます。そういう緊急な状態につきまして、やはり告示後住宅をどういうふうに対応していくかということで、私ども、十三年度の概算要求におきまして、告示後住宅の防音工事につきまして手当てするように今概算要求をしているところでございます。
 このように、私ども、できることを何とかやっていきたいというふうに思っておるところでございますけれども、防音工事を中心といたしまして、騒音軽減の民生安定施策ですとか、そういうもので努力をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
#62
○照屋寛徳君 時間がなくなってしまいました。
 外務大臣には日米地位協定の改正問題をお聞きしようと思っておりました。それから、沖縄開発庁長官には沖縄振興開発事業におけるさまざまな公共事業等について、私はその趣旨に照らして地元業者に優先発注すべきだと、こういう趣旨の質問を予定しておりましたが、時間がありませんのでまたの機会にしたいと思います。
 特に外務大臣、いよいよ総理大臣の声もかかっているようでございますが、私が申し上げたいのは、地位協定はもう運用の改善だけじゃだめなんだと、改正をぜひ、強いリーダーシップでアメリカと交渉すべきだと。特に、沖縄県が要望しているのは新設条項もありますからね、環境問題。そこもお含みの上で、今後の取り組みに期待をして、時間がありませんので終わりたいと思います。
#63
○小泉親司君 領土問題とその関連する問題についてお尋ねをしたいと思います。
 まず領土問題でございますが、この問題については私も当委員会で何度か質問させていただきました。
 東京宣言及びクラスノヤルスクの合意、川奈会談、モスクワ会談と一連の合意がされて、私も元島民の方と、この前領土問題についていろいろと懇談をさせていただきました。元島民の方の意見は、これまでのクラスノヤルスク、川奈、モスクワと来た会談が一体どのような前進があったのか、ひょっとすると前進がなかったのじゃないか、一体今の現状についてどうなのかというのを大変危惧されておられたところであります。
 そこで、外務大臣にお聞きしたいのは、今のこういった二〇〇〇年に平和条約を締結するというのが、あと残り一カ月半あるかないかというような状況で、きょうも森総理とプーチン大統領との会談が行われているやに聞いておりますけれども、その点について外務大臣としてはどのように現状を分析されておるのか。
 そのことがお聞きしたいのと、時間がないのでもう一点まとめてお聞きしたいのは、日ロの外相会談で新たな方策で合意したと。つまり、年内について新たな方策をつくると、こういうふうに合意されておられるわけですが、一体その新たな方策というのはどういう意味なのか。二〇〇〇年に平和条約が締結できないというものの新たな方策というふうなものなのか、その具体的な期限を設定する問題なのか。そういった問題について、この新たな方策というのが大変言葉だけ躍っているような私感じがいたしますので、どういう中身なのか。
 その点、二つまとめてまず外務大臣にお尋ねをしたいと思います。
#64
○国務大臣(河野洋平君) まず、日ロ首脳会談について申し上げたいと思います。
 森総理とプーチン大統領との間でことしに入りまして四回目の首脳会談ということになります。
 一回目は、これは先方も大統領になって直後、総理も総理になられて直後の会談でございますから、そう深い領土問題についての話があったとは私は思いません。これは二人だけでやられた部分であるいはあったかもしれませんが、私はそういうふうには聞いておりません。これは、例のG8の沖縄サミットの協力あるいはサミットの打ち合わせといいますか、そういうことでございました。
 その次が、今度はプーチン大統領が沖縄に来られて、沖縄で首脳会談がございました。このときには領土問題に触れて、双方でこの問題をどうしても避けては通れないということでは、双方はそうだなという話がございました。私は同席しておりまして、非常に率直に大変難しいとお互いが認識し合いながらも、しかし避けては通らないということでは合意をしております。
 三度目が、東京で行われた先般の首脳会談でございます。
 この首脳会談では、プーチン大統領の方から、領土問題を解決するためにはやはりいろいろ難しい問題があるというようなことを言われたと。これは二人きりの会談でございまして、私も入っておりませんから詳細はわかりませんけれども、難しい問題があるということをるる話された。しかし、それについても森総理は、いや難しい問題は双方にある、そちらだけにあるわけではなくて双方にある、しかもこの問題は我々が引き起こした問題ではなくて五十年前にこういう問題が、つまり半世紀前から我々の間に横たわった問題であるけれども、しかし我々が今両国の首脳になった以上は、我々は責任を持ってこの問題に取り組まなければいけないというような話をされているわけです。そのときに両首脳から、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、両外務大臣に対して新たな方策についても考えろという指示があったということでございます。
 それで、両首脳はきょう四回目の首脳会談を行う、つまり二〇〇〇年というこの二十世紀最後の場面、何としても全力を挙げてその問題を解決するために努力をしようということで相当頻繁に、私はほかの首脳会談がこんなに頻繁にあるのはないと思いますけれども、大変頻繁に行っているわけで、きょうも恐らく領土問題について話をされる、当然されると私は思っております。しかし、その結果がどういうことになりますかは、これはまだこれから行われるわけでございますし、私にはわかりません。
 結果はわかりませんが、いずれにしても総理としては、この二〇〇〇年中に解決するという、全力を尽くすという合意があるのだから自分は全力を尽くすつもりだと、外務大臣も全力を尽くせということを言っておられまして、私どもとしても全力を挙げたいと思っております。
 新たな方策でございますけれども、新たな方策について合意をしたというのは、とにかく新たな方策を考えなきゃいけない、今は少しにらみ合って、にらみ合ってといいますか、がっぷりと取っ組んでいるわけで動きがないわけですから、もう一度いろいろと考えてみる必要があるかなという感じは私はしておりますが、しかし、こう言いますと少し誤解されるといけないのではっきり申し上げておきますが、新たな方策というのは別に四島返還以外の方策を考えているわけではありません。私どもは、かねてから政府の方針として北方領土問題については四島返還と、これが基本的な考え方でございますから、その考え方に乗って解決を目指すということでございます。
 そして、その何かヒントはないかということでしきりに考えておりましたのは、先ほどもこれも御答弁申し上げましたけれども、法と正義にのっとって解決をするんだぞということと、国際社会が理解できる、納得するような方法で解決するんだよと。もちろん両国の国民も納得するのは当然のこと、大前提でございますけれども、その両国民の納得と同時に、それは法と正義によらなきゃいけない、もちろん法と正義によらなきゃ納得もしないと思いますけれども、そして国際社会が理解するということが重要だと、これがヒントだというふうに私は思っております。
#65
○小泉親司君 きょうは時間がありませんので長々と私やる必要はございませんが、やはり道理に立った外交でこの領土問題の一日も早い解決というのをきちんと政府としてやるべきだということを申し上げて、私、領土問題に関連する若干の諸問題について三つお尋ねさせていただきます。
 一つは北方領土隣接地域振興等基金、いわゆる北方基金の問題であります。
 この問題は、御承知のとおり、この法律ができたときの説明は、いわゆる北方領土の隣接地域に対して大変特殊な事情がある、そのためにやはりこれに対しての資金援助を十分に行うべきだと、それがひいては、ここにも書いてあるのは、いわゆる領土問題の解決をして、「平和条約を締結して日ソ間の平和友好関係を真に安定した基礎の上に発展させたいというのが本法律案の趣旨であります。」ということでつくられたものであります。
 この基金は、いわゆる百億円を基金としまして、その運用資金を関連市町村にいわば資金的な形で対処するというものでありますが、この現状を見ますと、基金の運用益が相当減っておりまして大変地元が困っておると。
 時間がないから私申し上げますが、例えば九一年には五億九千百九十九万円あった、つまり百億円の運用益でありますから約六億円近くあった。ところが、九九年度になりますと、この低金利の状態のもとで現在二億七千三百万、ピーク時から比べますと四六%という激減状態なんですね。ですから、この運用益で実際に地方自治体、私、例えば根室市などに話を聞いてみますと、九一年の振興事業で、水産加工研究費四百五十万円、教育施設整備費五千九百三十万円、厚生施設整備費が二千五百万円となったけれども、昨年度はゼロだと。
 目減りのおかげで、例えばある小学校、中学校でグラウンドの整備を行っていた、しかし実際はその間目減りしちゃったのでグラウンド整備ができなくて、グラウンドに水たまりができて、そこがカモメの休息地になっていたという笑うに笑えない話がまかり通っているというような状況なんですね。
 この問題というのはもともと政府が、法律そのものは議員立法の形でできたというようなことを伺っておりますけれども、政府自体がやはりこの問題を運用するに当たって、当然こういった低金利の状態で、しかも四六%減というのは甚だ大きな問題ですので、この点について政府として一体どういう方策を考えておられるのか。総務庁長官になるのかどうかわかりませんが、御答弁をいただきたいと思います。
#66
○国務大臣(続訓弘君) ただいま小泉委員が調査をした結果、今るる具体的な事例をお述べになりましたが、まさにそのとおりであります。
 確かにこの基金は百億円で、その運用主体は北海道庁が責任を持って運用されているわけですけれども、今お述べになりましたように低金利の関係で一番多いときの四六%と。その中では、笑うに笑えないような今の実情だというお話がございましたけれども、今しからば低金利を埋める手段があるのかといえば私どもにはございません。やはり基金の運用は、安全確実な方法で運用し、かつその果実を先ほどお述べになりましたような事業に配分する。
 そこで、私どもが北海道庁に申し上げていることは、住民の一番要望の強いものに特化しながらこの基金の目的が果たせるようにぜひ配慮してほしい、そういう助言といいますか要請といいますか、それ以外にございませんので、その辺のところはひとつ基金の運用、その益から果実の配分でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
#67
○小泉親司君 いや、配分しようにできないから、だからその基金を例えばふやしてほしい、ないしは基金を取り崩していいのか、こういう問題が地元から要望として寄せられているわけですね。
 例えば、この法律が成立するときに全会一致で附帯決議が出て、「基金の運用に当たつては、元居住者及び地域住民の意向を十分に反映すること。」ということが出ていますので、これは総務庁長官おっしゃるとおり、そのことについては別に地元の住民の方に、当然それを尊重するというのはこれは当たり前の話なんですが、問題はパイが昔は、十年前か七年前は大きいパイだったのがいつの間にかそれが半分以下のパイになっちゃったわけですから、それをたくさんのところで食べろといってもそれは実現不可能なわけで、そこは総務庁自身が一体それをどうするのか。
 実際に、例えば基金の取り崩しができないというようなお話もあるし、現実問題として、この基金というのはもともと百億だったんですが、初めから百億あったわけじゃないんですね。初めは五十億あたりから出発して、どんどんふえて百億になった。ひょっとすると百五十億もいいかという議論もあった。
 そういうもともとのもので、現実問題としては、この法律自体の九条では地元の自治体が十分にこの法律を運用できるように財政上、金融上、技術上の処置をとらなければならないと、こういうことをきちんと明記しているわけです。ですから、これは金融上、財政上の処置としても、当然のこととして私は政府自身が考えなくちゃいかぬというふうに思いますが、その点、やはり総務庁長官の答弁としては、ちょっと私はこの法律の趣旨及び現状を十分な認識をされていないと思います。
 もう一度その点、何かの方策を、やはり新たな方策ではありませんが、きちんとした対策を考えるべきだということを御答弁願います。
#68
○国務大臣(続訓弘君) 基金は百億積み増すというのが基金の目的なんですね、そしてその運用益を利用すると。その運用益が、たまたま金利のこういう低迷で減ってきた。しからば一番最高のときから埋めなさいと、こう言われてもこれはどうにもならない状況なんです。
 今おっしゃるように、それならば基金を積み増すのか、あるいは改めてその差額を予算を組んで配分するのかということになると存じますけれども、いずれにしても、百億の基金から生ずる果実を今申し上げたように公平にといいますかニーズに合わせて特化して運用していただく以外に私はないと、現状では。その辺のところは幾ら議論しても、これはもうそういう性質のものですから、これは御理解を賜りたいと思います。
#69
○小泉親司君 政府として積み増しをすれば事足りることで、なぜ一定の利息の支払いの目減り状態を補てんするための、つまり基金というのは百億円であるという現状はそのとおりでありますから、そんなことは当たり前で、基金というのは積んでそれを運用益でやるということは別に私も十分承知していることであります。しかし、それを例えば五十億円を一定の政府の資金として、例えばですよ、出してやれば十分それは利息としてふえることは可能な、それは基金なわけですから、やはり私はその点、この法律の第九条で金融上、財政上の処置をとると言っている以上、この法律の趣旨から見てもそういったところを十分政府としてとるべきだと。
 特に、やはり当委員会でも私はぜひ議論をいただいて、この点についての要求をぜひさせていただきたいというふうに思います。
 もう二つ、ちょっと時間がありませんのでお尋ねしたいのは、一つは漁業の問題で外務大臣にお尋ねをしたいと思います。
 ちょっと漁業問題というと外務大臣の何か所管外のように聞こえますが、実は漁業問題について、御承知のとおり根室地域というのは、戦前は三大漁場として北海道全体の四割の漁獲高を占めるという日本の経済に大変貢献してきたところなんですね。ところが、領土問題があったために大変ひどい今漁業の状況になっている。例えば二百海里の規制から始まりまして、九一年のサケ・マスの沖取りの禁止、ソ連海域内での底刺し網の全面禁止、三角海域での日本漁船の操業締め出しといった、こういう問題が続きまして、今本当に魚価の安値が急速に進んで漁業経営自体が成り立たないという状況があるんですね。
 そこで、私も漁業者の方にいろいろとお話を聞いてまいりました。その点については後でお尋ねしますが、この漁業の中で特に民間等、民といいましても相手は、ロシアの方は国の機構なんですが、サケ・マスの問題でいわば漁獲量を決めて、この漁獲量が果たしてそれをオーバーしていないかどうかと、こういうものが今ロシアが大変取り締まりが厳しくなっていて、実際に日本の漁船がチェックポイントを通過しなければだめだとか、それからオブザーバーという人たちを漁船に乗せなくちゃいけないとかという規定になっている。しかもひどいのは、根室の漁港にロシア人のオブザーバーがいて、現実に漁獲高をはかって、実際にはそれを根拠にして違反漁船の摘発をやっている。
 私、そうなってきますと、一体日本の主権はどこに行っちゃったのかと。それは、日本自身が独自にやるということは当然必要かもしれません。しかし、やはりロシアがそういう形で、オブザーバーという形で根室の港に、市場にまでロシアの人たちが来て、それをオブザーバーが規制をするというのは、ちょっと私行き過ぎというか日本の主権上重大問題だと思いますが、外務大臣、こういう点はいかがロシアの政府にお話をするのか、その点を二番目にお尋ねしたいと思います。
#70
○国務大臣(河野洋平君) オブザーバーというロシアの、何というんでしょうか、公務員とでもいうんでしょうか、そういう人が船に乗り込んで漁獲量その他をチェックするというようなことがあるというのは私も聞いて知っております。
 今、議員がお話しのように、ロシアの官憲が根室まで入ってきて日本の国内で日本側の了解なしに水揚げ量をチェックするとか水揚げ量の検査を行うということは、これは認められない問題であることはもうこれは当然だと思います。
 そこで、次はどうするかということをお尋ねでございますけれども、議員もこういう問題になれば、外務大臣に聞くよりは水産庁に聞く方がよくわかると思って水産庁にきっと聞いておられると思いますけれども、それは水産庁などは一生懸命この問題は調べて事態の把握をしておられると思っておりますが、当然ロシア側に対してこの事実関係を照会して、もしそういう事実があれば、そういうことはやってはいかぬという申し入れをするということになるのは当然だと思います。
#71
○小泉親司君 最後に私、四島の墓参問題についてお尋ねしたかったんですが、時間がありませんので要求だけいたしておきたいと思います。
 今、墓参で五十二カ所中一カ所だけ、国後島の瀬石というところで現地調査、所在確認が実施できないというような状況があるというふうに聞いておりますので、ぜひこの点についても政府として、もう最低所在確認ぐらいはきちんとしてもらうように、ここは何か国境警備隊の基地だというふうに聞いておりますけれども、やっぱり軍事施設よりもこういう亡くなられた方々の墓参という問題での所在確認というのは、私は大変大事な仕事だというふうに思いますので、この点だけ政府に御要望申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#72
○堂本暁子君 まず外務大臣に一言申し上げたいんですけれども、私、IUCN、世界自然保護連合というところの理事を七年ほどやってまいりまして、今度バンコクの赤尾大使が立候補して当選してくださって、これから日本の国を代表してお働きいただくことと思いますが、ぜひとも外務省としても大いにバックアップしていただいて、日本がそういった環境の面でも大いに国際的に認知されていくと申しますか、よりもむしろリーダーシップを発揮できるような形で理事として御活躍いただけたら大変うれしいということを最初に申し上げたいというふうに思っております。
 きょうは、そのIUCNに関連しての質問をまずさせていただきとうございます。
 現在、沖縄県の名護市の東海岸を中心に防衛施設庁がジュゴンの生息調査を実施しております。これは普天間の代替基地の建設を前提とした予備調査でありますけれども、IUCN、世界自然保護連合の勧告にあるジュゴンについての国際的に認められる環境アセスメントとは別途行うものとして理解しておりますけれども、外務大臣の御所見を伺いたく思います。
#73
○国務大臣(河野洋平君) IUCNは、堂本議員が長い間その主力メンバーとして活躍をされておられた国際的に認知されたといいますか知名度の高い環境保護団体であるということは私も個人的によく承知しております。
 そのIUCNが希少動物について大変心配をして、世界各地で希少動物を保護すべしという運動を展開しておられるということも承知しておりまして、今回沖縄におきまして、ジュゴンでありますとかノグチゲラでございますとか、あるいはヤンバルクイナでございますとか、とりわけノグチゲラ、ヤンバルクイナは沖縄特有の鳥類でございますから、こうした鳥類を守るべしということをお決めになったと。ジュゴンについては、これは何というんでしょうか、北限のジュゴンとでも言うのでございましょうか、このジュゴンというのは生態もまだもう一つはっきりしないわけですが、こうしたジュゴンについて十分保護に当たれというそういう御指摘は、やや個人的な趣味も加わって私もよく承知をしているところでございます。
 今お尋ねの、自然環境保護の必要性というものを政府が十分認識をしてきちんと当たれと、こういう御指摘だと思いますが、この普天間飛行場の移設に当たりまして、昨年末の閣議決定におきまして自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力をしようということにいたしておりまして、こうした観点から、現在、環境庁の助言を得て防衛施設庁がジュゴンの予備的調査を行っているわけでございます。さらに、この調査とは別に、閣議決定において環境影響評価を行うこととされております。これにより、ジュゴンの生息状況を含む自然環境への影響につき詳細な調査が行われるものと考えております。
 先般の調査の結果を私も聞きましたけれども、主として藻場の調査でありますとか、潮流の調査でございますとか、水深の調査でございますとか、そういう調査で、まだまだジュゴンそれ自体の個体数でありますとかその他についての調査というところまでは伺うことができませんでした。恐らく、そうしたことまで考えてどういう調査をなさるか、これは環境庁の技術的助言がきっとあるんだろうと思いますが、その環境庁の助言に基づいてなされるものというふうに思っております。
#74
○堂本暁子君 ありがとうございました。
 普天間基地の建設のための予備調査とは別に、IUCNの勧告にある国際的に認められた環境アセスメントが別途に行われるものと理解させていただいてよろしいのではないかというふうに思います。
 続いて防衛施設庁の方に伺わせていただきますが、お願いいたします。
 その環境アセスメントには、企画段階からジュゴンの調査の研究に、研究者とかNGOが参加してもらって有意義な調査を行うべきだというふうに考えておりますが、この点についてはお約束いただけるでしょうか。
#75
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。
 普天間の代替施設に当たりまして、自然環境に与える影響につきましての基本的な考え方は、先ほど外務大臣がお答え申し上げました基本的な考え方でございますけれども、この基本的な考え方に沿いまして私ども防衛施設庁といたしましては、移設工事に先立ちます環境アセスとは別の調査といたしまして、先般の代替協議会におきまして、第二回の協議会でございますけれども、名護市長の方からの御要請を受けまして、ジュゴンにつきましての予備的な調査を実施することにしております。
 現在、予備的調査を実施いたしまして、なるべく早く調査を終え、今後の協議会の議論の参考にしていただこうということでやっているわけでございますけれども、この調査に当たりましては、環境庁の技術的な支援をいただくと同時に、専門家の方のいろいろな御助言をいただきつつ実施しているところでございます。
#76
○堂本暁子君 大変霧が多くて今ジュゴンがよく見えない時期だそうですが、実際に同行してもらうと、専門家やNGOの人ですね。そういうことはいかがなものでしょうか。
#77
○政府参考人(大森敬治君) 私どもやっておりますのは、政府といたしましてといいますか防衛施設庁として責任を持ってやっている調査でございます。調査に当たりましては、関係のところの方々のいろいろ御助言を受けながらやっていこうというふうに思っておりますけれども、具体的に参加していただくということにつきましては非常に難しいんじゃないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、関係の方々のいろいろ御理解を得てやっていかなきゃいけないわけでございますので、できるだけその調査に当たりましても専門家の方の御意見を伺わせていただきまして、それに沿うような形での努力はしていきたいと思っております。
#78
○堂本暁子君 先ほど外務大臣もおっしゃいましたけれども、ジュゴンの生態というのはまだ余りわかっていない。ましてや専門家なしで出かけても、見るべきものも見られないということがあると思うんですね。ですから、それが難しいとおっしゃられることは正確な調査ができないということだと私思いますので、日本に少ない専門家あるいは外国から来てもらってもいいのかもしれませんが、やはりそういう方に同道していただくことが大変大事だと思いますが、もう一度だけそのことに。
#79
○政府参考人(大森敬治君) 基本的には国の方の責任のもとにやらせていただくということでございますけれども、やはり今の御指摘の点も十分踏まえまして私ども具体的にお話を聞かせていただきまして、できるだけの努力をしていきたいというふうに思っております。
#80
○堂本暁子君 意見を聞いたり話を聞くだけではなくて、動物というのは見ない限りわからないわけですから、そこはやっぱり参加を求めるということが本当の意味の調査だと思います。さもないと、やはり国際的にもその調査を認められない、正確な意味のアセスメントではないというふうな評価を受けても仕方がないというふうに私は思っております。
 先ほど外務大臣お答えくださったのかもしれませんけれども、IUCNのアンマンの会議でも外務省の方たち大奮闘してくださいまして、アメリカ政府ももちろん一緒に交渉に当たったわけですが、ジュゴンなどの生存を保障するために最大限の努力をするということをいろいろおっしゃっていただいたわけですが、これはさらに伺うことがございますでしょうか、先ほどのお答えで大体、もしかしたら。
#81
○国務大臣(河野洋平君) 今やこうした自然環境を守るという考え方は世界の一番大きな潮流の一つになっているわけでございます。とりわけ種の保存といいますか、こうした問題については決して無関心でいてはいけないわけでございまして、私どもとしても、この問題には十分、何といいますか関心を持っていかなければいけないと思っております。
 とりわけ、堂本議員が副会長でいらっしゃいましたか。
#82
○堂本暁子君 そうでした。
#83
○国務大臣(河野洋平君) 副会長をやっておられた団体でございますから、今回は任期が満了だということでおやめになるということを伺いましたので、日本からこうした団体にやはりきちんとした情報がとれる、あるいは情報をこちらから送り込む、そういうことができる必要があるというふうに考えておりまして、外務省としても関心を持っているという状況でございます。
#84
○堂本暁子君 次に、水産庁に伺いますけれども、十三日に宜野座村で定置網にジュゴンの死骸が一頭かかったと。混獲による被害が非常に大きいということで、これは専門家が指摘しているところです。これから漁業補償など、大胆な政策をおとりになるのかどうかということを一つ。
 それから、沖縄開発庁長官にも伺いたく思っていますが、海藻の移植について中城湾のことを夏に伺いましたが、これは先日、沖縄で国際湿地シンポジウムが開かれ、アメリカの商務省の海洋気象局の方が、マーク・フォンセカ博士という方のようですが、泡瀬の実験のような形ではほとんど意味がないということ、それからアメリカでは約九〇%はそういうやり方で失敗をした、そして二十四平方メートルの移植実験から二十五万平方メートルの移植事業を演繹することはほとんど信頼できないというようなことを発言されたと。このことについてどう思われるのかということをお答えいただきたい。
 そして、出島方式の埋め立てなら渡り鳥への影響が少ないというふうにおっしゃっていますけれども、やはり陸地から鳥類を調査したのでは大変不十分な調査しかできないということでございますし、ラムサール登録地の漫湖という湖をしのぐ沖縄最大の湿地の埋立事業が今進められていますので、こういったのでは問題なのではないでしょうか。
 そういったことをお答えいただきたいと思います。以上三点です。
#85
○政府参考人(川本省自君) 宜野座村の大型定置でジュゴンの死骸が発見されました件につきましては、昨日、沖縄県より報告を受けておるところでございます。
 このジュゴンにつきましては、水産資源保護法の施行規則第一条の規定に基づきまして、採捕、所持及び販売の禁止という最も厳しい措置を講じているところでございますし、また偶発的に意図せず捕獲した場合につきましても、生きているものは生きたまま速やかに海に戻すようという形で漁業者への指導を行っているところでございます。
 今後とも、水産庁といたしては、県を通じまして漁業者等への指導の徹底を図ってまいる所存でございます。
#86
○国務大臣(福田康夫君) 中城湾港の泡瀬地区において、まず現状を申し上げます、平成十年度より行っている藻場の移植実験につきましては、移植した株は、本年数度にわたり来襲した台風の影響を受けたにもかかわらず順調に生育していると、こういうふうに聞いております。また、沖縄海域では、平成八年には石垣港新川地区で、平成九年には糸満市南浜地先でも同様の実験が行われておりますが、いずれも順調に生育していると聞いております。これらのことから、移植は可能である、このように考えております。
 御指摘の米国政府の専門家の意見、これは新聞報道を通じて承知しておりますが、どのような根拠を持ってそのように言われているのか明らかでございません。したがいまして、コメントは今差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにしましても、藻場を広範囲に移植する場合においても、専門家の指導、助言を得ながら調査を実施してまいりますが、環境への影響を可能な限り低減させるように努めてまいりたいと思っております。
 それから、出島方式でもって鳥類の、渡り鳥への影響はないかということでございますけれども、他の埋立地で鳥類の個体数が減少したという報告がされたということは承知しております。
 泡瀬地区の埋立事業については、出島方式にすることにより、鳥類の主な生息域でございます沿岸干潟域を埋立区域から外した計画となっておりまして、鳥類の生息環境に十分に配慮した計画となっております。また、新たな人工干潟の造成を行うとともに、干潟と隣接して野鳥園の整備を行うなどの配慮もいたしております。
 なお、人工干潟や野鳥園等の整備に際しては、専門家の指導、助言を得つつ進めてまいりたいと思っております。
#87
○委員長(立木洋君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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