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2000/11/20 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 行政監視委員会 第1号
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2000/11/20 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 行政監視委員会 第1号

#1
第150回国会 行政監視委員会 第1号
平成十二年十一月二十日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         浜田卓二郎君
    理 事         太田 豊秋君
    理 事         田中 直紀君
    理 事         水島  裕君
    理 事         小宮山洋子君
    理 事         岩佐 恵美君
                阿南 一成君
                有馬 朗人君
                岩井 國臣君
                岩瀬 良三君
                海老原義彦君
                木村  仁君
                武見 敬三君
                星野 朋市君
                山内 俊夫君
                脇  雅史君
                小川 勝也君
                岡崎トミ子君
                郡司  彰君
                小林  元君
                内藤 正光君
                松前 達郎君
                加藤 修一君
                益田 洋介君
                小泉 親司君
                富樫 練三君
                梶原 敬義君
                田名部匡省君
                渡辺 秀央君
                石井 一二君
    ─────────────
   委員長の異動
 九月二十一日浜田卓二郎君委員長辞任につき、
 その補欠として山下栄一君を議院において委員
 長に選任した。
    ─────────────
   委員の異動
 九月二十一日
    辞任         補欠選任
     海老原義彦君     松田 岩夫君
     太田 豊秋君     鹿熊 安正君
     田中 直紀君     長谷川道郎君
     水島  裕君     南野知惠子君
     浜田卓二郎君     山下 栄一君
     梶原 敬義君     谷本  巍君
 九月二十二日
    辞任         補欠選任
     鹿熊 安正君     太田 豊秋君
     南野知惠子君     水島  裕君
     長谷川道郎君     田中 直紀君
 九月二十七日
    辞任         補欠選任
     田中 直紀君     畑   恵君
     石井 一二君     佐藤 道夫君
 九月二十八日
    辞任         補欠選任
     富樫 練三君     須藤美也子君
 十月二日
    辞任         補欠選任
     須藤美也子君     富樫 練三君
 十月三十一日
    辞任         補欠選任
     佐藤 道夫君     西川きよし君
 十一月一日
    辞任         補欠選任
     木村  仁君     日出 英輔君
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     山内 俊夫君     吉川 芳男君
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     吉川 芳男君     山内 俊夫君
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     櫻井  充君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下 栄一君
    理 事
                阿南 一成君
                松田 岩夫君
                脇  雅史君
                小宮山洋子君
                櫻井  充君
                岩佐 恵美君
    委 員
                岩井 國臣君
                岩瀬 良三君
                畑   恵君
                水島  裕君
                山内 俊夫君
                岡崎トミ子君
                郡司  彰君
                小林  元君
                内藤 正光君
                松前 達郎君
                加藤 修一君
                益田 洋介君
                小泉 親司君
                富樫 練三君
                谷本  巍君
                田名部匡省君
                渡辺 秀央君
                西川きよし君
   政務次官
       大蔵政務次官   七条  明君
       総務政務次官   海老原義彦君
        ─────
       会計検査院長   金子  晃君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 久雄君
   政府参考人
       総務庁行政監察
       局長       塚本 壽雄君
       外務省総合外交
       政策局軍備管理
       ・科学審議官   服部 則夫君
       外務省アジア局
       長        槙田 邦彦君
       外務省経済協力
       局長       飯村  豊君
       大蔵省主計局次
       長        丹呉 泰健君
       大蔵省国際局長  溝口善兵衛君
       厚生省生活衛生
       局長       西本  至君
       農林水産省畜産
       局長       樋口 久俊君
       通商産業省貿易
       局長       奥村 裕一君
       労働大臣官房審
       議官       坂本由紀子君
       労働大臣官房審
       議官       鈴木 直和君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   増田 裕夫君
   参考人
       国際協力銀行総
       裁        保田  博君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
〇国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (政府開発援助に関する決議の実施状況に関す
 る会計検査の結果報告に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(山下栄一君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 去る九月二十一日の本会議におきまして行政監視委員長に選任されました山下栄一でございます。
 委員長としてその職責の重大さを痛感している次第でございます。
 委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りまして、円滑かつ公正な運営に努め、職責を全うしてまいりたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(山下栄一君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#4
○委員長(山下栄一君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る九月六日、角田義一君及び長谷川清君が委員を辞任され、その補欠として郡司彰君及び内藤正光君が選任されました。
 また、去る同月二十一日、浜田卓二郎君、梶原敬義君及び海老原義彦君が委員を辞任され、その補欠として私、山下栄一、谷本巍君及び松田岩夫君が選任されました。
 また、去る同月二十七日、田中直紀君及び石井一二君が委員を辞任され、その補欠として畑恵君及び佐藤道夫君が選任されました。
 また、去る十月三十一日、佐藤道夫君が委員を辞任され、その補欠として西川きよし君が選任されました。
 また、去る十一月一日、木村仁君が委員を辞任され、その補欠として日出英輔君が選任されました。
 また、十一月十七日、小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#5
○委員長(山下栄一君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が四名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(山下栄一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に松田岩夫君、阿南一成君、脇雅史君及び櫻井充君を指名いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(山下栄一君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(山下栄一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(山下栄一君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に総務庁行政監察局長塚本壽雄君、外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官服部則夫君、外務省アジア局長槙田邦彦君、外務省経済協力局長飯村豊君、大蔵省主計局次長丹呉泰健君、大蔵省国際局長溝口善兵衛君、厚生省生活衛生局長西本至君、農林水産省畜産局長樋口久俊君、通商産業省貿易局長奥村裕一君、労働大臣官房審議官坂本由紀子君、労働大臣官房審議官鈴木直和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(山下栄一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#11
○委員長(山下栄一君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に国際協力銀行総裁保田博君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(山下栄一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#13
○委員長(山下栄一君) 次に、行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 まず、会計検査院長から、政府開発援助に関する決議の実施状況に関する会計検査の結果報告を聴取いたします。金子会計検査院長。
#14
○会計検査院長(金子晃君) 平成十二年三月二十七日、参議院議長から会計検査を行いその結果を報告するよう要請がありました本委員会百四十五回国会における政府開発援助に関する決議の実施状況に関する事項について、会計検査院は、外務省、国際協力銀行及び国際協力事業団を対象に検査を行い、十一月十日、その結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 会計検査院では、検査の要請がありました五項目につきまして、外務省等から各種資料の提出を受け説明を聴取したほか、インドネシアなど五カ国において相手国機関等に赴いて説明を聴取するなどの検査を実施いたしました。
 まず、被援助国の実情に即した国別援助計画の作成について御説明いたします。
 国別援助計画は、十二年八月までに、タイほか八カ国について政府により作成されております。
 政府開発援助に関する決議におきましては、他の援助国及び国際機関の計画を勘案すること、現地の事情に精通している人材を活用することなどが求められております。検査いたしましたところ、外務本省では経済団体、現地で活動するNGOとの間で意見交換を行い、また在外公館では援助国会合等の機会において他の援助国等の状況を把握するようにしておりました。
 また、国別援助計画の内容を検討いたしましたところ、援助の対象に関する記述が詳細になっているなどしており、援助の目標はおおむね明確なものとなっておりましたが、個別具体的でなかったりする面も一部に見受けられました。
 今後、外務省において、重点分野や援助の対象につきさらに絞り込みを行うなどして、援助の目標を一層明確にしていくことが必要と考えられます。
 次に、事業の重点化と事業間の連携強化について御説明いたします。
 この事項につきましては、事業の重点化、事業のソフト化及び事業間の連携強化の三点に区分して検査を行いました。
 まず、事業の重点化についてでございますが、どの地域に重点を置いて援助を実施するかという地域の重点化と、どの分野に重点を置いて援助を実施するかという分野の重点化に区分して検査いたしました。
 地域の重点化につきましては、二国間援助の地域別実施状況を見ますと、アジア地域に対する援助額が総額の五割程度を占めており、アジア重視という方向性が実際の援助にも反映されておりました。
 次に、分野の重点化についてでございますが、今後の援助は国別援助計画に沿って行われるわけでございます。そして、この国別援助計画は援助の対象を絞り込むなどして重点化を指向するものとなってはおりますが、重点分野の数はそれ以前に定められた国別援助方針とほぼ同数で内容的にも違いはなく、重点分野相互の優先度も定めていないことから、一層の重点化を図るには必ずしも十分ではないと認められました。
 したがいまして、今後、外務省において国別援助計画における重点分野の絞り込みを行い、また国際協力銀行及び国際協力事業団においても、政府の定めた方針に沿って援助の重点化を図っていく必要があると考えているところでございます。
 続きまして、事業のソフト化について御説明いたします。
 今回、事業のソフト化について、人材育成・制度づくりといったソフト分野とハードの運用面を補強するソフト面とに区分して検査を行いました。
 その結果、ソフト分野、ソフト面のいずれにつきましても、外務省等におきましてこれを強化するための各種の取り組みが行われておりました。
 今後は、どのような分野に、どのような態様で援助を実施すればソフト化が図られたことになるのかを明らかにするとともに、その達成状況を定量的に確認できるようにしていくことが必要であると考えるところでございます。
 続きまして、事業間の連携強化について御説明いたします。
 今回、検査いたしましたところ、外務省等では連携強化のため各種計画を作成するなどの新しい取り組みを行っておりました。今後は、外務省等における新たな取り組みが有効に機能し、援助事業間の有機的な連携が図られていくことが必要と考えられるところでございます。
 また、今後は、無償資金協力事業、円借款事業と各省庁が実施している技術協力との連携のためのシステムを構築していくことが望まれるところでございます。
 次に、評価制度の充実について御説明いたします。
 会計検査院では、外務省等の実施した評価の実績等について検査するとともに、過去、決算検査報告に援助の効果が発現していないとして掲記した事業について、その後の状況を現地調査を実施して検査いたしました。
 その結果、外務省の在外公館評価につきまして評価として十分とは認められないものが一部に見受けられたり、国際協力事業団が実施した事前調査におきまして援助の効果に関する指標が区々となっているものが見受けられたりいたしました。
 また、過去に決算検査報告に掲記し、今回出張して調査しましたエジプト及びガーナにおける円借款事業につきましては、国際協力銀行のフォローアップの結果、状況が改善されているか、近い将来の改善が見込まれておりました。
 他方、インドネシアにおけるプロジェクト方式技術協力事業につきましては、相手国の事情により国際協力事業団はフォローアップを実施しておりませんでしたが、援助により移転された技術は小規模ながら活用されておりました。
 ODA評価につきましては、現在も改善のための各種の検討がなされているところでございまして、会計検査院といたしましては、今申し上げたような問題につきまして早期の改善がなされることを期待しております。
 次に、ODAの不正防止について御説明いたします。
 会計検査院では、過去ODA不正事案といたしまして、ODA資機材供給業者による独占禁止法違反事件、ブータン王国における調達機材の無断変更等の問題を決算検査報告において取り上げております。
 今回、決議において言及されておりますインドネシア円借款事業におけるリベート疑惑につきまして、当時の海外経済協力基金における確認手続の適否という面から検査を実施いたしましたが、不適切な事態は見受けられませんでした。
 また、インドネシアに出張した際には同国政府機関に赴きまして調査の状況を聴取いたしましたが、調査継続中との回答でございました。
 不正防止に関しましては、不正事案が発生する都度何らかの再発防止措置がとられておりますほか、外務省におきましては、ODA実施省庁、関連業者はもとより、被援助国に対しても各種の働きかけや申し入れを行っております。
 会計検査院といたしましては、今後、外務省等において不正防止のための各種措置が確実に実施されることが重要であるとともに、被援助国等に対する働きかけや情報開示等につき不断の取り組みを続けられていくことが必要であると考えております。
 次に、重債務貧困国に対する債務救済について御説明いたします。
 世界銀行及び国際通貨基金におきましては、貧困度及び債務の深刻度に関する一定の基準に従い、四十一カ国を重債務貧困国と認定しております。
 我が国は、国際的な枠組みのもと十一年度までに合計九千七百十億円の債務繰り延べを実施するほか、返済がなされた場合に返済額と同額の無償資金を供与する債務救済無償資金協力を実施しております。その実績は、十一年度までに累計で二十九カ国、合計三千七百三十二億円となっております。
 政府開発援助に関する決議におきましては、資金使途の監視を強めることが求められております。今回、債務救済無償資金協力において債務国から提出されることになっております報告書の提出状況について検査いたしましたところ、六年度から九年度までの間に債務救済無償資金協力を供与した二十カ国のうち、一度でも報告書の提出があったものは六カ国にとどまっており、十四カ国につきましては一度も報告書が提出されておりませんでした。
 会計検査院といたしましては、このように相手国からの報告書が提出されておらず資金の使途が明らかにされていないものが多いことから、外務省において資金使途の監視のための取り組みを今後より一層強化する要があると考えております。
 以上をもって概要の説明を終わります。
#15
○委員長(山下栄一君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#16
○阿南一成君 自由民主党の阿南一成であります。
 今国会は、開会当初から与野党の厳しい対決の中にありまして、一カ月ほど開店休業の状態でありました。また、本日現在、極めて政治情勢は先行き不透明な状況でありますが、本日、当行政監視委員会が開会できましたことは大変よいことであったというふうに思っております。
 ところで、当委員会は、昨年の常会におきまして政府開発援助の問題を集中的に調査をし、政府参考人などに対する質疑、それから国際協力事業団の外国人技術研修生や青年海外協力隊員等との意見交換、そうして委員同士の自由な討議などを経まして、十一年の八月二日に十項目から成ります政府開発援助に関する決議を行ったところであります。
 また、ことしの三月二十七日には、決議の実施状況を監視するため、国会法第百五条に基づき、政府開発援助に関する決議項目のうち会計検査院に密接に関連する五項目の実施状況について検査要請を行ったところであります。その検査結果の御報告がただいまありました。今月の十日に会計検査院から参議院議長に文書で報告があったところであります。
 今回、この行政監視委員会が会計検査院に検査要請した国会法第百五条というものは、平成九年十二月の国会法改正で追加されたものであります。このことにより、国会の行政監視機能は一段と強化をされることになったと理解をいたしております。
 今回行ったこの第百五条に基づく会計検査院への検査要請は、当院においては初めてのものであります。参議院にとって画期的なことではなかろうかと私は考えておる次第であります。
 この要請に対して、通常業務で極めて多忙な時期にもかかわらず、短期間でその検査を実施し、結果を御報告いただきました会計検査院に対して御礼を申し上げるとともに、その労を多としたいと思います。
 今後も、当委員会としては、ODAに監視の目を継続することによって我が国のODAが内外から一層の理解と信頼を得ることを期待いたしたいと思うのであります。そしてさらに、我が国のODAが被援助国からも感謝される効果的、効率的な援助としての評価を受け、二十一世紀の国際社会の調和ある発展に我が国は貢献をしていくべきものであると考えるところであります。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、会計検査院にお伺いをいたします。
 会計検査院は、限られた予算、人員の中で各省庁、特殊法人等の検査を実施して年一回の決算報告を出しておるところでありますが、相当多忙をきわめておると推察をするところであります。そこで、国会としては、通常業務へのしわ寄せが起こらないことに配慮をしながら、会計検査院の中立的、客観的、そして専門的な立場からの検査に期待をいたしまして、国会法百五条による検査の要請を行うことが必要であると私どももみずから戒めをしておるところであります。
 今回、会計検査院は、通常業務と並行しながら九名の調査官等を検査に従事させたとのことであります。予算や人員の割り振り等で大変な御苦労があったものと思われます。これも、会計検査院が政府開発援助に関する決議十項目の内容についてその重要性を認識いただいたことによるものと考えておるところであります。
 我々といたしましても、今後とも会計検査院との連携を密にしながら、行政の重要な課題にその節々において改善を図っていくことを希望しておるところであります。
 会計検査院といたしましては、今回のこの検査、百五条に基づく検査についてどのような御認識を持たれ、また今後どのように対応をされていかれるか、まずお伺いしておきたいと思います。
#17
○会計検査院長(金子晃君) 国会との連携につきましては、検査計画の策定、検査の端緒、また会計検査の結果の実効性を確保するという観点から、会計検査院にとって極めて重要であると認識をしております。国会からの検査要請及びその結果の報告の制度は、国会と会計検査院との連携の典型であるというふうに認識をしております。
 本年三月二十七日、政府開発援助に関する決議の実施状況に関する事項について、五項目にわたって検査を実施するよう要請を受けた後、会計検査院としましては直ちに検査の体制を整えて検査を実施いたしまして、今月十日に検査結果の報告に至りました。今回の報告書が国会における御議論の参考になれば幸いでございます。
 なお、会計検査院といたしましては、今後も国会からの会計検査の要請が行われた場合には、事前に十分な協議を行わせていただきながら、可能な限り対応してまいる所存でございます。
#18
○阿南一成君 ありがとうございました。
 我が国の苦しい財政事情のもとで、効果的、効率的な予算の執行がますます求められるときであります。その実現のために、会計検査院の役割に対する期待はますます高まっておると思う次第であります。
 国会法百五条と同時に改正をされました会計検査院法の第二十条第三項によりまして、会計検査院は、従来の正確性、合規性等を中心とした調査から、さらに有効性の観点からの検査も行うことができることが明記をされております。そして、来年から全省庁で政策評価が実施をされるところでありますが、この政策評価を行う上で重要な情報となる有効性の観点からの検査は私は今後ますます比重を増してくるものと考えておる次第であります。今回の検査院の報告を見ましても、今までの正確性、合規性等の観点からの検査に加えまして、さらに有効性に着目をした検査の結果となっていると理解をいたしております。
 このような会計検査院の役割の重要性を認識いたしまして、行政監視委員会では第百四十七回国会におきまして会計検査院の検査体制の充実強化に関する決議を行っております。その中で、会計検査院が有する専門的な検査能力を大いに活用することが必要とした上で、会計検査院に対しては国会の検査要請に十分こたえられるよう予算、人員等検査体制の充実を図ること、そして財政当局に対しましてはそのことに十分な配慮を求めております。
 これからいよいよ来年度の予算折衝が始まるところでありますが、大詰めになるわけでありますが、会計検査院といたしましてはどのような体制の充実を考えておられるか、また財政当局としては行政監視委員会の決議を受けて会計検査院の検査体制の充実強化に対してどのような御配慮を賜るのかをお伺いしたいと思います。
#19
○会計検査院長(金子晃君) 会計検査院としましては、十三年一月の省庁再編の実施に合わせ、社会経済情勢の変化に対応するとともに、さらに有効性の検査などの強化を目指して組織の変更を行うこととしており、その中で国会からの検査要請などに機動的に対応する特別検査課を設置することといたしております。
 また、十三年度予算要求におきましては、決算・財務分析の検査等に係る要員の確保、情報通信技術を活用した決算確認システムの開発など、検査体制の充実強化を図ることといたしております。
 会計検査院としましては、国会における御決議の趣旨を踏まえ、予算、人員等検査体制の充実強化に引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
#20
○政府参考人(丹呉泰健君) お答え申し上げます。
 会計検査院の検査体制の充実強化につきまして、当委員会におきまして決議をされたことは私どもも承知しております。
 大蔵省といたしましては、従来から、会計検査院の検査体制の充実強化に努める必要があると考えており、予算、定員の確保につきましては十分配慮してきたところでございます。
 具体的に申し上げますと、予算につきましては、近年では例えばコンピューターを利用いたしました検査情報システムの整備、あるいは検査要員の資質向上のための研修費などに重点的に計上してきております。また、定員につきましても、厳しい定員状況でございますが、着実な増員を図ってきたところでございます。
 十三年度につきましては、現在、会計検査院といろいろ御協議をしておりますが、いずれにいたしましても、会計検査体制の充実強化のための予算、定員等につきましては、全体として財政事情等大変厳しい状況にございますが、十分配慮してまいりたいと考えております。
#21
○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、外務省にお聞きをいたします。
 検査報告では、被援助国の実情に即した国別援助計画の作成、事業の重点化と事業間の連携、評価制度の充実、ODAの不正防止、重債務貧困国に対する債務救済の各項目についてそれぞれの問題点を指摘しておりますが、外務省としてはこれらの指摘をどのように受けとめ、今後どのように改善をしていこうとされるのか、各項目ごとに、大変恐縮でございますが、簡潔に御説明を賜ればと思います。
#22
○政府参考人(飯村豊君) 今御質問のありました点でございますけれども、外務省といたしましてはかねてよりODA改革に真剣に取り組んでおりまして、今回検査対象となりました五項目につきましても、会計検査院の方から外務省の積極的な取り組みについて一定の評価をいただいていると考えております。
 他方、さまざまな改善点がございますので、内容を謙虚に受けとめて、効果的、効率的実施に向けて一層の努力を行ってまいりたいと考えます。
 具体的な点でございますけれども、国別援助計画につきましては、昨年度、九カ国につきまして国別援助計画を作成いたしまして、外務省のODAホームページ等で発表をいたしております。さらに、今年度につきましては、現在八カ国について国別援助計画を作成中でございます。
 二番目の事業の重点化と事業間の連携強化でございますけれども、一、二点例を申し上げますれば、事業のソフト化については、例えば無償資金協力においてソフト支援無償を発足させたり、あるいは留学生制度を無償資金協力もしくはJICAの技術協力の枠内で発足させたりしてソフト化に努めております。そのほか、連携の強化といたしましては、政府間の連絡調整会議というものをことし発足させていただいております。
 評価制度につきましては、従来よりさまざまな努力を積み重ねておりますけれども、有識者による評価制度の懇談会というものを昨年設立いたしまして、この春、改善点につきまして報告を受けております。評価指標の確立あるいは評価人材の育成、その他さまざまな改善点が提言されておりますので、これを着実に実施していきたいというふうに考えております。
 ODAの不正防止につきましては、またこの委員会の途中で御説明する機会があると思いますけれども、例えば日本国内において不正防止のための国内法の整備、あるいはODAにつき不正を行った関連企業、業者をODAの入札の対象から排除する等の措置をとってきております。
 重債務貧困国に対する債務救済につきましては国民の理解が必要だ等々さまざまな点の御指摘がありましたけれども、ODA白書等の各種資料あるいはホームページ等を活用して債務問題に関する広報活動を進めているほか、先般のケルン・サミット、沖縄サミットを経まして、途上国の自助努力に基づく債務救済措置というものを実施しているところでございます。
#23
○阿南一成君 今回、当委員会は会計検査になじむ五項目について検査要請を行ったところでありますが、昨年の決議にはそれ以外に、情報公開・広報の積極的な推進、NGOとの一層の連携、環境問題への取り組みの強化、被援助国の人材育成に関する援助の拡充、そして開発援助の専門家の確保の五項目もあります。
 これらの決議に対しまして、当時の高村外務大臣は、「今般、」「行政監視委員会がODAについて決議を採択されたことは、」「ODAの意義を踏まえた上でのものであり、今後国際社会において我が国としてふさわしい役割を果たしていく上で、ODAに課せられた課題についてさまざまな角度から御審議され、御意見を集約された結果であると承知しており、重く受けとめるべきものと考えております。」とされた上で、「政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を体し、ODAの効率的かつ効果的な実施の確保に向け、またODAの改革につき引き続き最大限の努力を払ってまいる所存でございます。」と決意を述べておられました。
 決議を行ってから一年を経過するわけでありますが、外務省といたしましては、この五項目についてどのように対応されたか、また今後どのように対応していかれるのか、御説明を賜ればと思います。
#24
○政府参考人(飯村豊君) ただいま御質問のありました検査、今回の会計検査院の対象とならなかった五項目についてでございますけれども、私ども外務省としては、従来以上に一層の努力を重ねて改善をしていきたいというふうに考えている次第でございます。
 具体的には、情報公開・広報の積極的な推進の点につきましては、外務省のホームページの中にODAホームページを設けまして、入札関連情報を含むODAに関する各種の情報を掲載しております。ちなみに、この九月にはODAホームページに対するアクセスは八万件を超えております。そのほか、昨年度からODA民間モニター制度を創設しておりまして、国民の方々にODAの現場を直接ごらんいただくことに努めております。現在、今年度予算で百七人の予算をいただいておりまして、全国都道府県から御参加をいただいております。
 NGOとの連携につきましては、現在、外務省において外務省・NGO定期協議会というものを開催しておりますけれども、そのほかに草の根資金無償あるいはNGO事業補助金等で支援策の拡充を行ってきているところでございます。つい最近では、この八月にジャパン・プラットフォームというNGOの連合体が結成されまして、緊急人道支援の初動において迅速に行動できる体制をNGO側が整えておりますけれども、こういったNGOとの緊密な連携を図っていきたいというふうに考えている次第でございます。
 環境分野につきましては、従来より環境は地球的規模の問題との認識のもと、重点的にODAを実施しておりまして、昨年の我が国のODA実績のうち約三四%が環境分野に向けられております。ODAの実施に際しましては、環境破壊が生ずることのないよう、環境への配慮にも留意しているところでございます。
 第四番目の被援助国の人材育成に関する援助の拡充の点では、JICAにおきまして従来より研修生の受け入れ、専門家の派遣等で人材育成を図っておりますけれども、さらに留学生の受け入れ体制をODAの中で拡充したところでございます。一つはJICA長期研修員、もう一つは留学生無償という形で、学位の取れる留学生を外務省のODA枠の中で呼べる体制を平成十一年度からとっておりまして、平成十二年度はこの抜本的な拡充に努めた次第でございます。
 最後の点でございますけれども、開発援助の専門家の確保、これは国際協力事業団において、国民から公募、登録あるいは委嘱等を通じて幅広い人材の確保を図り、また各種研修による人材の育成に努めております。また、青年協力隊経験者に対してもさまざまな研修事業の機会を提供するほか、今般、政策研究大学院と外務省所管の国際開発高等教育機構が共同いたしまして、開発援助人材育成のための修士課程を設立いたしました。定員三十名、半数は途上国の学生、半数が日本のミッドキャリアの方々ということで、皆さんが一緒になって英語で授業を受けながら開発援助の研修、勉強を重ねるというシステムでございます。
 以上でございます。
#25
○阿南一成君 次に、報告書の中でマスコミに一斉に取り上げられました重債務貧困国に対する債務救済についてお伺いをいたします。
 アフリカ諸国を中心とする重債務貧困国の問題は、人道的にも、国際社会の安定の確保の観点からも看過できない重要な問題となっております。現在、我が国は、九九年のケルン・サミットにおいて、これらの国に対するG7諸国のODA債務一〇〇%削減に合意をし、本年四月には非ODA債権に対しても削減率を九〇%から一〇〇%までに拡大、また世界銀行の多国間債務救済基金に対する二億ドルまでの拠出、それから無償資金協力の拡充等の支援の継続という追加措置を発表しておられます。
 このように、我が国はこれまでも国際的に置かれた先進国の一員としての立場から、厳しい財政状況にもかかわりませず、積極的に重債務貧困国に対する支援を行ってきたところであります。そして、相手国に対しては、債務削減により利用可能となった資金を貧困対策や教育、保健、医療等の社会開発に活用することを求めるため、我が国としては、単純な債務棒引きという方法ではなく、債務救済無償資金協力という新しい形式で対応しておると承知をいたしております。
 相手国との間で締結される交換文書や附属文書において、供与された資金の使途を限定するとともに、その使途について我が国への報告を求めることとなっております。しかしながら、検査報告によりますと、平成六年度から九年度までの四年間に、二十カ国中毎年報告をしている国は二カ国にしかすぎず、一回も報告書を提出していない国が十四カ国もあるとのことであります。しかも、報道によりますと、その金額は百四十四億円で、全額が使途不明金になっているのではないかと思われるところであります。
 国民の負担によって賄われている貴重な資金が使途不明となっているとするならばゆゆしきことであろうかと思うところでありますが、報告書を一度も出していない国はどのような事情で報告書を提出していないのか。また、外務省としては、これまでどのようなこの点に関する対応をしてきたかを明らかにしていただきたいと思います。
#26
○政府参考人(飯村豊君) 我が国の債務救済無償につきましては、交換公文におきまして被供与国に対して使途報告を行うことを義務づけているわけでございますが、会計検査院の報告書にございますとおり、我が国政府の督促にもかかわらず多くの被供与国について使途報告が期限内に提出されていない状況にあるというのは事実でございます。国の数として十四カ国という御指摘がございましたけれども、それは事実でございます。なお、金額につきましては、九四年から九七年度に供与された債務救済無償について、総額千二百五十六億円中百九十九億円、約一六%が使途報告がないという状況でございます。大口のミャンマーとかバングラデシュ等につきましては使途報告が出されております。
 そこで、委員御質問の使途報告が提出されていない理由でございますけれども、主として被供与国の行政能力等の問題ではないかというふうに考えております。例えば、報告に必要なすべての文書を整えることに時間がかかったりあるいはできないといったケースもあるかと考えます。
 政府としては、これまで在外公館を通じて繰り返し督促を行ってきておりますけれども、必ずしも十分ではなかったという点については反省をいたしております。今後、使途報告の提出を一層強く求めるとともに、新たな措置としてNGOを含む第三者機関等に使途をモニターさせるといったことも検討していきたいというふうに考えております。
#27
○阿南一成君 よくわかりました。
 私は、かねがねこの債務救済措置はモラルハザードを引き起こす可能性があるのではないかと疑念を持っておったわけでありますが、そのことは決議の中にも触れられております。
 再三の督促にもかかわらず一回も報告書を提出したことがない国には、まさに債務救済措置は既に当然の措置というモラルハザードの意識が芽生えつつあるのではないかと考えるところであります。これらの国々に対しては、報告書の提出を督促するだけではなく、債務救済無償資金供与に際し無償資金の削減を行うなどの何らかのペナルティーを科してもいいのではないかというふうにも考えるわけでありますが、外務省といたしましては、今後、資金使途の監視を強化するためにどのように対処をしていくつもりか、御所見を伺いたいと思います。
#28
○政府参考人(飯村豊君) 使途資金の監視につきましては、先ほど申し上げましたように、一つは使途報告をきちっと出すように引き続き催促するということにあわせまして、NGO等のモニタリング等について検討していきたいと考えております。
 他方、債務救済措置につきましては、ケルン・サミットあるいは沖縄サミットで決定をG8としてされました国際的な努力でございまして、国際的な努力を推進するために、まさに二国間の援助国及び国際機関が協力して枠組みをつくって、この枠組みのもとで債務救済を行うという方向になっております。
 今回、債務救済措置、債務救済無償の対象になっております国々の大半はこういったケルン・イニシアチブの対象国でございますけれども、これらの国につきましては、IMF、世銀が中心となりまして、貧困削減戦略ペーパーというものを作成することになっております。
 債務救済によって浮きました資金を有効に貧困問題、特に教育、保健分野で使われるように、国際的に認められた枠組みの中で債務救済を実施していこうという形でございますので、そういった二国間の監視措置に加えて、国際的な枠組みで、途上国に債務救済の結果、剰余が生じた資金を活用してもらうように働きかけていきたいというふうに考えております。
#29
○阿南一成君 時間ですので、質問を終わります。
#30
○畑恵君 阿南議員に引き続きまして質問させていただきます。自由民主党の畑恵でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今、阿南議員の方からもODA評価に関するお話がございましたけれども、昨今、中央省庁の再編に当たりまして、政府内にも行政評価のシステムを構築しつつあるところでございますが、どうしても日本は、どのようなシステムをつくるのか、どのような方法をとればよい評価ができるのかというハウの部分をすぐに問いたがって、そもそも何のために評価をするのか、目的は何なのかというフォーホワットのところが余り検討されていないというところが間々ございまして、そのために、制度改正を繰り返すんだけれども、なかなか本来の目的の姿というのがあらわれないために満足感が得られないということがこのODAについても起きているのではないかという気が私自身はいたしております。
 それで、ちょっと話が長くなるんですけれども、先日、ODA評価ではないんですが、個人的に米国の政府機関ですとか大学を回りまして、例えばNIHですとかNSFですとか、大学ですとMITですとか、それぞれいわゆる研究評価の制度について現地調査をいたしてまいりました。
 どの組織でも実に厳正かつ緻密な評価制度をつくり上げているのに大変感服したんですけれども、実際に評価に当たる人がやっぱり評価を行うことに対して非常に誇りを持っている、そしてやりがいを持っている。さらに、いわゆるデューティーというんでしょうか、これが自分たちの、研究者の責務であるということをきちんと自覚していらっしゃる。それがやはりよい評価制度をつくっていることに、また非常にその下支えになっているということを強く感じて帰ってまいりました。
 では、なぜ米国の各研究機関がこれほどまでに充実した評価制度をつくり得たのか、また各評価者が高い意識を持ち得るのかということを考えた場合に、その理由が大きく分けて二つあるように感じました。
 まず一点目は、冒頭にも申しましたように、なぜ評価をしなければならないのかというその目的意識が極めて明確になっている。目的意識は、それぞれ各国の目的は違うと思うんですけれども、米国に関しましては、研究資金というのは、もともとこれはタックスで賄われていると。国民の税金を使って研究を行うからには、できるだけ効果的にその資金を投入して、税金を払ってくれた、預けてくれた国民に対していかにベネフィットを最大化できるかという、そこがもう唯一最大の目的、目標であるということで、これで研究者、組織、あるいは民間まで非常にフォーカスがきちんと一点に定まっているというところがやはり評価制度をこれだけ充実させている一番のかなめではないかと思いました。
 もう一点は、評価結果が研究予算の配分などに反映されるシステムというのがきちんと整っている。
 評価というのはそう簡単にできることではありませんし、また簡単にできるような評価では意味がない。そうなりますと、やはり適切な評価者に評価をしてもらう。でも、適切な評価者というのはそれなりの専門知識も持っていますし、自分の研究もしなければいけないので、時間に余裕があるわけではない。そういう方々に、なおかつそれでも評価をやろう、いい評価をしようという気持ちにさせるにはそれなりのインセンティブが必要で、このインセンティブの一番ポイントになっているところは、やはり自分がした評価によって研究環境が変わるんだ、予算配分が変わるんだ、自分が思ったよい方向に研究環境が変わって必要なところに予算配分がなされるんだというところがちゃんと担保されているということが、よい評価者を必要な数だけきちんと得られるというそのシステムの下支えになっているという感を強くいたしました。
 今回の報告書にも、ODAの評価目的については、一つはODAが効果的、効率的に実施されているかを検証すること、二番目は評価結果をフィードバックしてODAの質の向上を図ること、三番目は結果を公表することによりODAの実態や成果を国民に明らかにすることと記されておりますので、趣旨として米国のこの目的意識と同様と考えてよろしいのではないかと思うんですが、その点をまず確認させていただきたいのと、今お話ししたような米国の評価制度、飯村局長はもう既に主要各国で重要なお役目を果たされていらっしゃいますけれども、各国の評価制度も十分ごらんになった御自身の御体験、あるいは外務省の見解ということで御所見を伺えればと思います。
#31
○政府参考人(飯村豊君) 今、委員のお話のありましたODAの評価の目的でございますけれども、会計検査院の報告書にも書いてございますように、私ども、評価の目的としては三つあると考えております。
 一つは、よく検証機能と言いますけれども、ODAが効果的、効率的に実施されているかという点を検証すること。二番目には、フィードバック機能ということでございますが、これには二つあると思います。一つは、プロジェクトレベルのフィードバック機能、プロジェクト一つ一つをよくしていくためのフィードバックということでございます。もう一つは、ODA政策全般の改善のためにフィードバックしていくというのがあるかと思います。三番目は、評価結果を公表することによってODAの実態や成果を国民の皆様方にわかっていただくということでございます。
 第二点目でございますけれども、アメリカとの比較について委員御指摘ございましたけれども、私も実は個人的には全く同感でございまして、アメリカの場合は非常に評価が発展しております。その背景には、やはり行政評価全般についての力量といいますか、アメリカの先進性というものがあるのではないかというふうに考えております。
 例えば、評価をされる人々、人材の問題でございますけれども、この八月に日本におきまして評価学会というものができました。これは約二百人ぐらいの学者の方々あるいはコンサルタントの方々等々が入っておられますけれども、私どもが承知している限りでは、アメリカにつきましては千八百人を超える方々が評価学会に入っておられるというふうに承知しております。さらに、日本におきましては評価専門の大学教育というのはございませんけれども、アメリカにおきましてはハーバード大学とかあるいはコロンビア大学等々、著名な大学におきましてパブリックポリシー、公共政策の一環、あるいは最近では評価の専門の修士、博士というものも教育し始めているようでございます。
 そういった全体的な背景の中でアメリカのODA評価の先進性というものがあるかと存じますけれども、一、二点、最近のアメリカのODA評価の特色について申し上げますれば、一つは個別のプロジェクトの評価よりは政策、プログラムレベルの評価を重視しているとか、あるいは成果重視の評価とか、そういった流れがあるかと存じます。
#32
○畑恵君 どうもありがとうございました。
 今、成果重視というお話が最後にございましたけれども、私自身も先ほど、米国の評価目的というのはタックスを払った国民に最大のベネフィットを還元するということにあると。これは別にどの国でも恐らく変わらない、日本でも皆様方もそうやって考えてお仕事をしていらっしゃると思うんですけれども、その成果、効果というのを判断するというのは、これがまたなかなか難しいのではないかと思います。
 私のようにODAの現場を直接に余り見たことのない人間でさえも、同じ効果でも、例えば食糧ですとか医療品、いわゆる消え物ではありますが、それを差し上げれば、それを差し上げた地域住民の方々というのはその時点で非常に満足するだろう、そういう意味での満足度というのは高いだろう、ただ、消えてしまってその後の将来性ということにはつながらないと。やっぱり地域の自立的な今後の発展への貢献、効果という意味になると教育というのも必要だし技術指導というのも必要で、こういうことでの効果というのもあるだろうし、地域では評価されたけれどもその国の政府は余り評価しないということもよく問題になっておりますけれども、そういうこともある。そうすると、現場と国ともまた評価基準というのは何か違うものも用意しなきゃいけない。
 さらには、もっとマクロに考えて、例えば予防外交という意味合い、その効果ですとか、地球環境の保護という効果ですとか、国際舞台におけるプレゼンスですとかプレステージがどれだけ向上するのかという、いろいろな視点、いろいろな評価項目というのがあらわれてくると思います。
 それを一応均一の何か客観的な数値にあらわして比較検討して、そのODAが効果があるかないかという検討というのは非常に難しいと思うんですけれども、現場ではこういうさまざまな評価項目というのをどのような基準で整理されていらっしゃるんでしょうか。
#33
○政府参考人(飯村豊君) ODA評価の数値化、数量化というものは、委員が御指摘になられましたようになかなか困難を伴うのは事実でございますけれども、さはさりながら客観的な評価を行うということで、可能な限り客観的な数値を用いて評価を行うように務めている次第でございます。
 具体的には、例えばプロジェクトレベルでのODA評価につきましては、目標の達成度あるいは社会的な波及効果、プロジェクトの効率性など具体的な指標、例えば識字率とか給水率あるいは乳児死亡率とか、そういった具体的な指標で評価しているわけでございます。
 ただ、まだまだ不十分でございますので、特に行政監視委員会の御指摘も踏まえまして評価をぜひ強化したいということで、例えば今年度から試行的に事前評価表というものを実施することにしております。これは無償資金協力案件すべて及びプロジェクト技術協力案件の一部でございますけれども、事前評価表を作成し、プロジェクトの事前段階での調査結果を踏まえて、予想される成果に関する指標を数値目標に影響を与える外部要因とともに明示いたしまして、この案件を継続的にモニタリングしていくといったことを検討中でございます。
 そのほか、外務省におきましては、数量的指標化の精緻化を目指して現在コンサルタントに研究を委託しておりますし、JICA、JBICにおきましても研究会等を設けまして指標化の前進を図っているところであるというふうに承知しております。
#34
○畑恵君 ぜひさまざまな工夫、努力を続けていただきたいと思うんですが、皆さんよく御存じのとおりに、今月の九日に与党三党政策責任者会議で来年度予算編成でODA予算を大幅に見直し削減しようという合意がなされたというふうに報じられました。しかもその中で、我が党の亀井政調会長がその削減目標について三〇%という数値まで明示されて、これは私自身も与党の一員でありながら、私だけではなくて外交部会の人間たちも驚天動地ということで大変驚いたんですけれども、ただ、その後早急に私どもも外交部会を初めとしていろいろな検討委員会が開かれたんですが、三〇%はともかく、大幅削減はともかく、やはり不必要なところにもし投じられているのであればそれは削減しなければいけないという声は多数出ました。
 こうしたODAに対して逆風が吹いてしまう背景には、今大変その評価というのは難しいというお話は伺いましたけれども、やはりその評価結果が国民あるいは、国民だけではないですけれども、国家ですとか国際平和ですとかいろいろなそういうことに対してどういうベネフィットをもたらしたのかという、その判断というのがなかなかしづらいというところにその逆風の原因というのがあるのではないかと思います。
 やはりODA予算がこれは国益にかなった配分額であるというふうに判断できる評価結果が提示されていればそのような議論は起きないわけですので、同じ評価結果を公表するに当たっても、それがどういうふうに国民に、国家に利益をもたらしているのかというところをもうちょっとわかるような形で評価をなさり、また結果を公表するということに関してさらなる工夫ですとか新たな方法の構築というのが必要だと思うんですけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
#35
○政府参考人(飯村豊君) 評価結果の公表の点でございますけれども、実は一九八二年以来、私ども毎年経済協力評価報告書というものを公表してきておりますが、やはり評価の実施からかなり公表までに時間がかかっているという欠点がございました。
 この七月から、評価の実施後、迅速かつ国民の方々にわかりやすい形でホームページで公表するといったことを開始いたしております。そのほかに、今申し上げました経済協力評価報告書につきましても同様にホームページで公表いたしておりまして、ODA関連の案件の中では評価に対するアクセスが非常に多いというふうに承知しております。
#36
○畑恵君 今ホームページの話が出ましたので、また、ちょっと時間の都合もありますので質問というか順番を変えさせていただきますが、私も評価結果に関するホームページを拝見いたしました。こういう形で手軽に自分たちの払った税金がどのように世界各国の方々のためにお役に立っているのかを見られるというのはとてもありがたいことで、また当然、そうすれば、ではODAに対して関心を持とう、あるいはもっと積極的に税金を投入してもらおうという気持ちになりますので、ぜひこの方向でさらに充実していただきたいと思います。
 ただ、やはり長く書けばいいというものではないとは思うんですけれども、もう少し改善点ということに対して厚く書いていただいた方が、もうこれですばらしいということに終始されますと本当にそれでいいのかなという気持ちに逆になってしまうところが一般国民というのはあると思いますので、さらにこうした方がというところをもう少し厚目に評価者の方に書いていただいた方が、かえって見た者としては真実味というんでしょうか、それがかえって伝わってくると思います。
 もう一点、お願いとしましては、たしかきちんと御意見のある方はこちらまでというアドレスが記されていたと思うんですけれども、得られた御意見をもう一度検討されてそれを公表する、こういう意見が寄せられていますということを公表するなり、できればフォーラムのような形で書き込みページのようなものがあればわざわざ公表するということをしないで済むかなと思いますが、ただ、いたずら書きというか誹謗中傷というのもよく出ますので、それを消すだけで大変手間もかかりますから、一番いいのは、やはり検討するに値すると判断された御意見は整理されてもう一回公表していただけるとよりODAに対するみんなの注目とか関心度とかというのも高まるのではないかと思いますので、御検討いただければと思います。
 最後に一点だけ、今ホームページの話が出ましたので、この電子化の利用ということについて伺いたいんですけれども、先ほど冒頭に長々話しました中に、評価者を獲得する、十分な専門知識を持ってやる気を持った方を必要なとき、必要な数、必要な期間確保するというのは本当に難しいことだと思うんですけれども、それに当たってやはりデータベースをつくっておくというのがとても有効だと思います。しかも、そのデータベースが電子化されていればいろいろな処理も非常に簡便ですし、また、そのデータベースを使って評価者の方に評価のお願いをしたり、また評価自体を行っていただいたりということができますので、一石何鳥にもなる。
 実際、私も、NSFでSBIRについての評価をしていらっしゃるところでデータベースを活用していらっしゃるという話を伺いました。あちらもいわゆる中小企業庁が非常に大きなデータベースを使っていて成功しているという話を伺いましたので、最初つくるときにはかなり金額も手間もかかるんですけれども、ぜひこうした電子的な人材バンクのようなデータベースということを御検討いただいて早急に構築していただきたいと思うんですが、御検討はもうなさっていらっしゃいますでしょうか。
#37
○政府参考人(飯村豊君) 委員御指摘のとおり、データベースの構築というのは効率的な評価業務の実施あるいは評価人材の有効活用のため極めて重要であるというふうに考えておりまして、現在、評価人材のデータベース化及び実施機関等の情報ネットワークの構築、これを進めているところでございます。あわせて、先ほど申し上げました日本評価学会というものがこの九月に設立されましたので、今後この学会を通じましてもネットワーク化を取り進めていきたいというふうに考えております。
#38
○畑恵君 ぜひ、速やかに検討されて、もし予算が必要なときにはこれは私ども議員が理解をして一生懸命仕事をするということになりますので、早急に構築をしていただきたいと思います。
 いずれにしましても、非常にその評価というのはよりよいパフォーマンスを行うためにこれから重要性を増してくる分野でありますので、評価自体に予算要求をぜひもっとしていただきたいというのが私自身の願いでございます。
 どうしても政策のプロジェクトということには予算配分されるけれども、今まで、当然その中でも評価というのは織り込み済みということになって、評価を一本立てして予算要求できるようななかなか仕組みになっていないというところが多数あると思うんですけれども、そこのところをやはり頭を切りかえていただいて、私どもも研究評価に関してはある一定の研究プロジェクトの補助金なり競争的資金を出すときには何%から何%の間評価資金をつけようというような、そういうようなことを科学技術基本計画の中にも書き込みたいというような思いも持っておりまして、今、そういう中ではODA評価というのはある意味で行政評価の一番先端を走っていらっしゃる分野だと思いますので、今後のなお一層の御活躍と御健闘をお祈りいたしております。
 どうもありがとうございました。
#39
○岡崎トミ子君 民主党の岡崎トミ子でございます。よろしくお願いいたします。
 すべての人が人間らしく生きられる二十一世紀へ、そのために最貧国の抱えております返済不可能な債務を二〇〇〇年末までに帳消しにしようということで、国会だけではなくジュビリー二〇〇〇などNGOの皆さんとも連携をしてまいりました。その連携の延長で沖縄サミットにも参りましたが、そこで確認されましたことは、やはりこれまでの通貨の切り下げ、そしてこうした国々の輸出品の値下がり、開発プロジェクトの失敗などのせいでその額は二十五年間で二十五倍にも膨れ上がって、もはや返済不可能になっております。国民生活の向上や発展のために予算が債務返済のために充てられた結果、貧しい人々の生活条件は悪化して子供たちの命までも脅かされているという現状であります。
 その沖縄のサミットにおいて、国連の統計によりますと、不正で、返済不能な対外債務の重荷を負わされている南の貧しい国では、栄養失調や予防可能な病気で一日に一万九千人の子供が死亡しております。例えば、サハラ以南のアフリカでは、保健と教育費を合わせた金額の四倍に上る債務返済を強いられておりまして、その結果、債務死をもたらしています。この数字に基づきますと、私は四十五分間の質問の時間を与えられておりますけれども、この四十五分間の間に子供が五百九十三人死亡するということになります。
 外務省はこれまでに自助というものを前提とすると言っておりまして、重債務貧困国には自助の前提があるのかと。私たちもできるだけのお話をいろんな国にも聞く、さらにペーパーもあわせて調べてまいりましたけれども、自助といっても返せない現実があるのではないでしょうか。
 例えばカメルーンの場合なんですけれども、これは一人当たりGNPは六百十六ドル、そして一人当たりの債務額は六百九十五ドルもありますのに、入ってくる方、一人当たりODAは三十ドルです。債務の輸出の比率がこれが四二五%で、GNPに占める比率は、債務返済が五・九%ですが、医療の面ではたったの一%で、教育は三・一%。
 これは一つの国ですけれども、いろんな国にもこの数字が出ていて、決して高くはないというそういう結果が出ておりますけれども、自助の前提があるのか、地力をつけていくというこのことの方が本当に大事なんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#40
○政府参考人(飯村豊君) 確かに貧困の問題というのはまことに深刻な事態でございまして、現在世界の総人口六十億と言われる中で、一日一ドル以下で暮らしている方々が十二億いると言われております。さらに、一日二ドル以下で暮らしている方々は三十億人近くということで、世界の総人口の半数が極めて厳しい貧困の中で生きているということは委員御指摘のとおりでございます。
 したがいまして、先般の沖縄サミットにおきましても、コミュニケにおいて最も重視されましたのが開発の問題、開発の問題の中でもわけても貧困の問題ということでございまして、二〇一五年に向けて貧困の人口を半減するという国際的な目標を確認しているわけでございます。
 しからば、そういった貧困をどうして減らしていったらいいのかということでございますけれども、これは国際的にいろいろな議論が行われている状況でございます。その中で、大体国際的にコンセンサスがあると私ども考えますのは、やはり途上国の方々に自助努力もしくは自助努力を行う基盤をつくる、こういったことに支援の手を差し伸べるということではないかと思っております。
 したがいまして、重債務貧困国に対する債務救済の問題につきましても、そういった自助努力をつけていただくそのプロセスを大切にしながら救済措置を図っていきたいというふうに考えておりますし、これが現在の例えばG8の沖縄サミットにおきまして合意を得た点であるというふうに考えております。
#41
○岡崎トミ子君 頑張りの中身が重要だと思うんですね。確かに基盤をつくることに支援をしていくということは私も考えられるんですけれども、しかしどんなふうに頑張るのかということなんです。
 財政状況至上主義、つまり赤字を減らせということだけでは、公務員の削減をしなきゃいけないとか、社会サービスの低下にもつながる心配もありますし、教育の現場は、これは非常に大きな影響があります。アメリカ、イギリス、フランスとか日本とかそういうところで、例えばお金を受けている方で交渉事をするときにも対等に交渉できない、なかなかそこまで達する教育がなされていないというような現状もあって、アフリカはほとんどそういうような状況になっているんじゃないかというふうに言われているんですね。
 それから貿易至上主義、これも自給の作物、これを減らして、そして輸出作物へ転換をしていくということで、食べるものを減らしてコーヒーとか綿花とかそしてパームヤシとかそういうものに転換していくということにつながる心配があるというふうに聞かせていただいております。そして、構造改革プログラムによって被援助国の経済がよくなるかどうか、ここにも疑問がございます。
 貧困層、特に女性に大変厳しい影響があるということは広く知られておりまして、二〇〇〇年、ニューヨークで行われました国連の特別総会の二〇〇〇年女性会議の中でも、この中の成果文書の中でも三十七番目のところで出ておりますのが、グローバリゼーション、構造調整計画とか多額な債務の返済、貿易条件の低下によって幾つかの途上国において開発への立ちはだかる障害がさらに悪化していると。貧困の女性化が一層深刻化している。構造調整計画のマイナスの影響はその不適切な計画と運用に起因しており、特に教育や保健分野には、基礎的社会サービスへの予算削減によって女性は不均衡に重い負担を負う状況が続いている。そして三十八番目の中でもやはり同じように、持続可能な開発や貧困撲滅を進める際の重大な障害の一つになっているという認識が広まっているという指摘がございます。
 こういうようなことも踏まえてみますと、本当に基礎的な影響、きちんとした評価の予測ということを、影響の予測ですね、いろんなプログラムをやっていく中でどんな影響を与えるのかということについて、これは基礎的な統計というのがきちんとありますでしょうか。
#42
○政府参考人(飯村豊君) 何点か御指摘の点があったと思いますけれども、一つ重要な点は、先ほど私が申し上げました途上国における自助努力の基盤づくりをお手伝いするということでございまして、そのために貧困削減戦略ペーパー、俗称PRSPと言っておりますけれども、これを途上国が主体になってつくっていくというプロセスが始まっているわけでございます。
 さはさりながら、簡単にPRSPはできません。特に教育と保健分野にどの程度予算を使うかとか、あるいはマクロ経済とのバランスをどうするかとか、そういったことをPRSPの中で考えて策定していくわけでございますけれども、その際には、先進国の方から人材を育成するための技術協力というものを行いながら途上国側の主体的な計画づくりをやっていくわけでございます。
 その貧困削減戦略ペーパーの中で、女性の問題というのは一つの大きなテーマになることが想定されておることが一点ございます。それから数値化につきましては、これはなかなか難しい問題でございますけれども、現在、国際的な開発のフォーラムの場でどうやって目標の数値をつくるのか、モニタリングをする際にどうやって数値を使っていくか等々の議論が非常に中心的な議題の一つとなっておりまして、その中で女性の貧困化、女性をどうやって守っていくかということも貧困削減戦略ペーパーの中の重要な一部でございますので、数値等々についても当然今後議論されていくというふうに考えております。
#43
○岡崎トミ子君 私は、今具体的に数値を挙げて、それが影響予測ができるかどうかについてお伺いをしたわけなんですね。
 人口当たり、例えば医療費、お医者さんの数ですとか看護婦さんの数ですとか、あるいは食料消費の会計に占める割合、エンゲル係数ですとか、あるいはたんぱく質の供給がどんなふうになっているか、過去と比べて変化を調べる資料がないということなんですね。ですから、所得階層であるとか性別ごとの統計がそろっていないのは当たり前なんというのは困るわけで、それでは影響予測というのはできないわけなんですね。
 一律にばんとこちらの方で貧困削減戦略ペーパーを出しなさいと言っても、この現状をきっちり踏まえることができるのかどうなのか、そういうことをなさるおつもりとか、どのぐらいの現状になっているか、それを知らせていただきたいと思います。
#44
○政府参考人(飯村豊君) その点今申し上げたつもりでございますけれども、まさに貧困削減戦略ペーパーをつくっていく過程、国際的な努力の中で指標、数値、こういったものをきちっと掌握するということが非常に重要なテーマになっておりまして、これは日本一国というよりは国際社会全体として、さまざまの重債務貧困国に対して数量化あるいは数量化による予測、こういった支援を行っていかなくてはいけないという状況になっております。
#45
○岡崎トミ子君 それでは、その際にやはり十分考慮をしていただきたいと思いますけれども、改革への意欲、それを見たい、一生懸命努力してもらわないと困りますよということなんですけれども、どのような努力をしたときに改革への意欲があるというふうに認められるのかが重要だというふうに思うんですね。
 ODAの債務一〇〇%削減、非ODAの債務一〇〇%削減を打ち出したと言いますけれども、日本の場合は帳消しではなく債務救済、無償資金協力という方法で、あくまでも途上国には返済してもらって、その上で返済額と同額の無償資金を提供するという方法をとっておりまして、PRSPの策定には時間がかかると思います。その間にも債務を返し続けなければならないという現状で、途上国とかそれからNGOの皆さんたちは、PRSP、その義務づけというのは返済に当たって新たに条件をつけて厳しくするものだというふうに認識は広がっているわけなんですね。
 PRSPをつくるので貧困対策も十分になるというふうに国の方はおっしゃるわけなんですけれども、このペーパーによって貧困対策が徹底される保証が本当にあるのかどうなのか、私は心配です。これをつくっていれば構造調整プログラムが要らなくなるというわけでもないんですね。これは両方きちんとやらなきゃいけないわけでありまして、やはりPRSPによるプラスの効果、これをやっていったらよくなりますよと、プラスの面で。そして構造調整プログラムをやるとこれはマイナスの効果が出てくると。だから、このペーパーの方の効果が大きくなるんだという設計をされること、そのことは求められておりますでしょうか。貧困削減ペーパーの方が構造調整プログラムよりも、このマイナス面よりもこっちの方がプラスでいいんだというような、そういうことは設計されておりますでしょうか。
#46
○政府参考人(飯村豊君) まず、委員冒頭でお話しになったPRSPの策定に時間がかかるという点でございますけれども、それは全くそのとおりでございまして、完全なるPRSPをつくるのには途上国の方々も大分苦労されるということでございますので、現在は暫定的なPRSP、非常に簡単なものでございますけれども、そういったものをつくることによって、いわゆるディシジョンポイントと言っておりますけれども、債務救済を行う決定のポイントまでとして認知するということになっております。
 したがいまして、この前の沖縄サミットで、コミュニケで書いてございますが、本年中にその決定、ディシジョンポイントに至る国々とそれからPRSPのプロセスを完全に終わった国々、合わせて二十カ国をことしじゅうに債務救済の対象にしようということで、先進諸国、国際機関が今努力しておりまして、私の承知している限りでは、現時点におきまして債務救済措置を十二カ国に対してとり得る状況になっているというふうに承知しております。
 それから、二番目の点でございますけれども、今申し上げました決定時点、ディシジョンポイントに至るまでには当然幾つか条件がございますけれども、一つはPRSPの骨子、暫定PRSPでございまして、それができましたところで決定時点ということに認定されるわけですが、決定時点に至って債務救済がさらに必要だということになった場合は、幾つかの条件を満たせば、いわゆるコンプリーションポイント、完了時点に到達するわけでございます。完了時点に到達するための条件として、完全なる貧困削減戦略ペーパーと、それから今、委員最後に御質問のありました世銀、IMFによる構造調整プログラムを良好な形で実施しているということ等が条件になっているわけでございます。
#47
○岡崎トミ子君 それでは、構造調整プログラムと貧困対策のそれぞれについて、慎重な事前評価とか、途中評価とか、事後評価とか、それを評価することが重要だというふうに思いますけれども、これをすることは想定されておりますでしょうか。これを行うような十分な設計とか評価手法というのがきちんと開発されているかどうか、お聞きしたいと思います。
#48
○政府参考人(飯村豊君) 今、委員の御指摘の点でございますけれども、これは当然、途上国、それから国際機関、最終的にはバイラテラル、二国間の援助国も入ってくるわけでございますけれども、そういった国々の話し合いの中で決定されるわけで、その構造調整プログラム自身はきちっとした評価のプロセスを経て完成、つくられるというふうに承知しております。
#49
○岡崎トミ子君 データ収集というのをしっかりしていただきたいと思うんですけれども、現在その債務返済のための予算が保健、教育費よりも大きい国が幾つもありますけれども、こういうことを経過されて、そして今お話しされたように、それをきちんとすることによってこうした状況は改善されるんでしょうか。
#50
○政府参考人(飯村豊君) したがいまして、問題は債務救済を行って、当然剰余といいますか、追加的な資金が途上国側に生まれるわけでございまして、その追加的資金をいかに有効に活用して貧困の削減に向けていくかということになるわけでございます。
 その際にやはり最も重視されますのは、教育、保健、この二つの分野でございまして、現在策定されつつある、あるいは策定済みの暫定PRSP、もしくは完全なるPRSPの中で、この教育と保健というのは重要な柱になるということでございます。
#51
○岡崎トミ子君 疑い深くて大変申しわけないんですけれども、それらのチェックをする評価のシステムがあるかどうか、チェックリスト、申しわけないんですけれども、それはありますか。
#52
○政府参考人(飯村豊君) 先ほど申し上げるのを失念いたしましたけれども、このPRSPの策定プロセス自身は、いわゆる参加型のプロセスということが必要になっております。
 と申しますのは、途上国の政府のみならず、途上国におけるNGOとか、そういう一般の市民層が関与する形でPRSPをつくっていくということでございますので、単に政府がよかれということで済むようなプロセスとして想定はされておりません。
#53
○岡崎トミ子君 それはぜひ集めていただきたいと思うんですね。日本で貧困削減戦略ペーパーを出す、あるいは構造調整プログラムを出す、そういうことで非常に厳しい状況に置かれているということであれば、私たちも、本当にNGOの皆さんたちがそれぞれの国の声を聞きながらやっておりますときに、きちんとしたことが私たちとしても数字としてわからなければいけない、チェックリストをきちんと確かめてみたい、そういう思いもありますので、いずれ、もしそのようなことが資料として手に入りましたら提出をお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 そして、返済と社会開発の両立が本当に可能なのかということなんですけれども、このPRSPが完成すると、毎年の返済額とか政府予算全体の規模、保健、教育のバランスというのが一体どのようになっていくのかですね。本気で返済と社会開発の両立を目指すのであれば、毎年のこの返済額とか、予算全体の規模と保健、教育のバランスはどのように設定するかというのは重要なポイントになってくると思いますので、望ましいレベルの設定というのがありましたら教えていただきたいんですけれども。
#54
○政府参考人(飯村豊君) これは非常に多くの途上国につきましてPRSPを現在策定中でございますので、一概に論ずることはできないと思います。
 PRSPは、途上国における今後三年間をめどとした貧困削減に資する開発戦略というものが記載されるわけでございますけれども、とりわけ教育分野、保健分野につきましてはより直接的に貧困削減に資するということで優先的に重点分野として取り上げている途上国が多く見られます。
 このような場合、マクロ経済政策とのバランス、こういった重点分野への財政支出を手厚くするのか、あるいは分野ごとの戦略を設置するか等の措置がとられているわけでございますけれども、一概に具体的に申し上げるのはなかなか難しいかと思います。
#55
○岡崎トミ子君 ケルンのときには、これはケルン・サミットで議論をリードしたシュレーダー首相ですけれども、ODAは開発のためにあって、それが債務となった開発を阻害しているとしたら許されるべきではないというような声明を発表しておりまして、非常にわかりやすいわけなんですが、殊に債務が膨れ上がっていってしまった国の中には、紛争中であったり軍事費が極端に大きな国、そしてその大きな国以外にも返済を、救済を必要としている国というのは非常に大きいということで、目標も後退したんですね。
 先ほど二十カ国というふうにおっしゃっていましたけれども、本当は二十四カ国だったのが減ったというようなこともあるんですけれども、目標後退の要因を数えることもなぜかというのを知りたいと思いますけれども、まずはその目標達成に努力をしていただきたいということと、もう一つ、先進国による武器輸出のコントロールに日本政府は大変いい発言をされました。このことに積極的な力を尽くすべきだというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
#56
○政府参考人(服部則夫君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、武器の移転が紛争の勃発やその悪化に結びついたり国際社会の平和と安定を損なうことのないようにするための国際間の協力を今後ともさらに強化していくということの重要性はますます高まっているというふうに考えます。
 既にそういうふうな取り組みもなされておりまして、例えば一九九六年から始まっておりますワッセナー・アレンジメントという、これは武器の、通常兵器の過度の蓄積を防止するということを目的といたしました、通常兵器及びその関連汎用品・技術輸出管理を主な目的としている国際間のレジームでありますけれども、当然のことながら我が国はこれに積極的に今参加をしております。
 それからまた、国連の場におきましては、一九九一年から国連軍備登録制度というものが始まっておりまして、これも軍備の透明性それから公開性をさらに向上させるということを目的といたしまして、毎年各国が武器の輸出移転につきまして国連に報告をしているという制度であります。
 なお、この国連の軍備登録制度の発足に際しましては、我が国が特にその大きな主導権を発揮いたしました。
 しかしながら、今まで行われておりますこのような取り組みだけでは十分ではないということでありまして、現在行われています国連総会の第一委員会で、これも我が国が提案した決議で通りましたけれども、来年の七月にニューヨークにおきまして、国際間の小型武器の紛争地域への流入の問題を取り扱う大きな会議が開催される運びとなっております。
 なお、我が国は、この小型武器の問題につきましても既に国連を中心とした専門家パネル等の場におきまして議長を務めるというようなことで、我々なりに積極的な役割を果たしておるつもりでございます。なお、来年の国連での小型武器の会議に対しましても、我々としては特段の積極的な取り組みをしていきたいというふうに考えております。
#57
○岡崎トミ子君 独立仲裁システムの必要性が言われております。アナン国連事務総長もG8の首脳に手紙を送りまして、そのペーパーの中でも新しい中立の債務仲裁プロセスを採用すべきだと呼びかけておりますけれども、債権者、債務者が納得できる個人としての専門家による仲裁システムの構築を検討してみてはいかがでしょうか。
#58
○政府参考人(飯村豊君) NGOの一つでございますジュビリー二〇〇〇が債務帳消しの考え方を前提に、具体的な実施方法として仲裁委員会を活用するとの提案を行われているということは承知しております。
 他方、途上国の真の発展のためには、途上国自身が自立に向けた自助努力ということを行うことが重要であると考えておりまして、債務の即時帳消し、あるいはそれに近い形での債務削減というのは、かえって途上国の開発問題の解決に資さないのではないかというふうに考えております。
 重債務貧困国の債務救済につきましては、国際的に承認された拡大HIPCSイニシアチブと呼ばれる枠組みで実施されておりまして、政府としては、この枠組みのもとでいかに迅速かつ効果的な債務救済を実施していくかということが現在の最重要課題ではないかというふうに考えております。
#59
○岡崎トミ子君 現在はそこまでしかできていないということですけれども、今後の検討課題として申し上げておきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、フィリピンのサンロケ・ダムについてお伺いしたいと思いますが、輸出信用機関が融資する事業にもODA事業と共通の問題点がございます。
 民間資金が途上国の社会、環境に及ぼす影響というのは非常に大きくて、これにあわせて民間投資における社会環境配慮の必要性が一九九七年のG8デンバー・サミットからうたわれております。ことしのG8沖縄サミットでも、民間の海外投資をサポートする輸出信用機関の政策は環境面において極めて大きな影響を及ぼし得るという、そのようなことが発表されておりますけれども、フィリピンのサンロケは多目的ダムであります。このダムへ国際協力銀行、当時の日本輸出入銀行の融資が一九九八年十月に決定されましたけれども、その二年前から地元の先住民族のグループの皆さんたちが、ダムによる地域社会への影響を心配しまして、地元自治体とかフィリピン政府、事業の主体に対して懸命に自分たちの意見を表明してきました。しかし、残念ながら、彼らとの十分なコンサルテーションが行われないままに国際協力銀行は融資を決定しております。
 私は再三国会で、輸出入銀行の段階、国際協力銀行に移行するその段階でも交渉にかかわってきましたけれども、残念ながら非常に急いで、何かこれはもう絶対いかなきゃいけないという形で、十分に私たちの意見も民族の代表の意見も聞いてもらえなかったという現実がありますけれども、ことしに入りまして、プロジェクトによって生じる立ち退き、先住民族の権利の侵害、環境破壊への対応が適切になされていないことを理由にして、地元自治体が次々にプロジェクトの支持撤回に向けて動き出しております。
 こうした動きによって、サンロケ・ダムは、フィリピンの地方自治法で求められております関連自治体による開発プロジェクトへの支持取りつけというところでは法的な根拠を問われる事態となっております。これは裁判で十二月中にこれが提訴されて始まるということが今言われております。
 それから、JBIC自身の環境配慮のためのガイドラインというのがあるわけなんですけれども、この中でも、移転を余儀なくされる住民及び周辺住民への説明がなされ、かつ女性等を含む住民の同意は得られているか、住民に対する正当な補償や移転後の生活基盤の確保等その影響を最小限とする努力がなされているか、NGOの動向はどうか、これをちゃんとJBICは持っているわけなんですけれども、この辺の条項が明らかに確保されていないわけなんです。
 それから、つい先日出たばかりでありますけれども、世界ダム委員会最終報告書におきましても、やはりダムということについてのさまざまな利益、効率というものが、効果というものが上がっていないというようなことで、私ども公共事業のチェック機構というところに入っていて、超党派の議員の集まりなんですけれども、その公共事業チェック議員の会でも声明文を発表しているという、こういう状況にあるんです。
 これでも融資を続けるのかどうかお伺いしたいと思います。
#60
○参考人(保田博君) お尋ねのフィリピンにおきますサンロケ・ダムプロジェクトと、その事業の実施に伴います社会環境面に及ぼす影響について各方面から高い関心が寄せられておりますこと、我々もよく承知をいたしております。
 旧輸銀時代に、当時の環境チェックリストによるチェックを重ねました上で融資の決定をいたしました。その後、現地の状況を見ておりますと、先生御指摘のように、依然として地方団体によっては事業の実施に必要な承認が与えられていない、あるいは既になされた承認を撤回する決議がそれぞれの団体の議会において決議されているといったような状況を惹起いたしております。
 ただ、これが違法かどうかということにつきましては、現地の法律事務所あるいはまたフィリピンの司法省、内務省の見解を聴取いたしました結果、本件は現状違法な状態にはないと認識いたしております。ただ、我々は、違法でなければ、逆の方から言いますと、合法的であれば何をしてもいいというふうには考えておりません。
 そしてまた、事業の実施団体でありますサンロケパワーコーポレーションあるいはNPC、フィリピンの国営電力公社等も必要な承認をなるべく早く取りつけたいということを我々に約束いたしておりますし、またフィリピン政府もこれを積極的に支援するということでございますので、我々もこのような懸念を生じないような状況がなるべく早くできるように督励をしてまいりたいと思っております。
 現在、かなりの程度の融資を行っておりますけれども、仮にこのような違法な状態が生じますれば、一般論といたしましては、サンロケ・ダムについてということではございません、一般論として申し上げれば、融資をその段階で差しとめるということはローンアグリーメント、貸付契約の中にきちんと入っておりますので、いざとなればそういうことも発動することは検討いたしたいと思いますけれども、一般論としてとお聞きいただきたいと思います。
#61
○岡崎トミ子君 明快ではなかったように思うんですけれども、裁判が行われるのであるから、その経過をきちんと待ってそれまで融資すべきではないというふうに思いますし、世界ダム委員会の中でも住民の皆さんの合意なくダムを建設すべきではないということについて最終報告がなされておりますので、この辺をきちんと踏まえていただきたいというふうに思っております。答えは結構です。
 とにかく、またこれからいろいろな意味でこの裁判の経緯を見ながら皆さんと一緒にまた話し合いをしていかなければいけないというふうに思っております。
 もう一つ、タイのサムット・プラカンの汚水処理問題、この問題のプロジェクトを御存じでしたでしょうか。
#62
○政府参考人(飯村豊君) タイの円借款案件、サムット・プラカン汚水処理事業については存じております。
#63
○岡崎トミ子君 どのようにしてこの問題を知るに至りましたか。
#64
○政府参考人(飯村豊君) この汚水処理事業につきましては、現在バンコクに隣接するサムット・プラカン県の住環境の改善及び健康増進を図るための下水処理事業を実施するものということで実施中でございますけれども、他方で、例えばことし五月のチェンマイにおきますADBの総会の際に反対のデモが行われましたように、環境への影響等につきまして反対する声が上がっているというふうに承知しております。
#65
○岡崎トミ子君 そのことが事実だとすれば大変な問題だと思うんですね。
 健康を守るためにこの汚水処理をやろうといって、実はここでポイントを挙げますといっぱいあるんですけれども、まず住民参加の情報公開がほとんどなかったんですね。ですから、建設が始まってから地域住民の抗議、反対運動というのは激化するという、こういう状況ですね。それから、排水が流される地域というのは汽水域で利用した貝の産地だったということですね。それから、重金属を処理できない構造だと学者が指摘をして住民がそのことを懸念している。そしてまた、この建設地は地盤がやわらかくて洪水による土地の侵食が激しいので適地ではないと。そして、これが大変ですよね、建設費の売買価格が公示地価の二倍で汚職の疑いがある。タイ政府とADB、アジア開発銀行ですか、このところずっと調査を開始しているということなんですけれども、こういうような状況で貸し付けがあると。
 これは中間の評価でこれをとめるということはできないんでしょうか、ここが重要ポイントだと思いますが。
#66
○政府参考人(飯村豊君) タイの委員御指摘の円借款案件でございますけれども、先ほど申し上げましたように、本件事業につきまして地域住民から環境への影響等について懸念の声が出されているということを踏まえまして、政府ミッション派遣の機会をとらえまして、政府としてもタイ政府に対して地域住民との対話の重要性を指摘する等の働きかけを従来より行っております。
 本事業につきましては、タイ側においてタイの法令に基づいて調査を行って環境への影響がないということを確認しております。また、本件事業に対する資金を供与するに当たりましては、当時の海外経済協力基金が環境配慮のためのOECFガイドラインに基づきまして外部の専門家を交えて適正に審査した結果、環境面で特段の影響はないというふうに結論を認めているわけでございます。事業実施中にも事業契約者によって環境に対して影響がないということが確認されております。さらに、住民との対話につきましても地域住民の代表が参加いたしました委員会が開催されるとともに、住民への説明会も行われているわけでございます。
 以上を考えますれば、現時点で貸し付けの実行を一時停止すること等は考えておりません。政府としては、今後ともこの事業が円滑に実施されるように対処してまいりたい、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
#67
○岡崎トミ子君 NGOや地域住民の皆さんたちはそのように感じておりませんので、現在国会に訴えられているという状況でございます。意見が違っているわけなんですけれども、NGOの皆さんたちが状況を大変詳しく把握しておりますので、今のお話の中でも、NGOとは、あるいは住民の皆さんとは直接的な聞き取りをしていくというようなことでございますので、NGOからも十分情報収集をしていただいて、より確かなモニタリングにつながるようなことをしていただきたいし、ガイドラインをしっかりと守っていただくということで、今後ともこのことについての検討をともにしていきたいというふうに思っております。
 最後に、仕組みの点から質問をしていきたいというふうに思いますが、国別援助計画の策定過程におけるNGO並びに現地の住民との協議についてなんですけれども、これまでNGOなど現地の事情に精通している人材を活用するということと、現地の住民の声を計画に十分反映させること、このことが決められておりますけれども、報告書では平成十一年度の援助計画の策定に当たっても在エジプト大使館あるいはガーナ大使館との取り組みが紹介されておりまして、これは大変評価できる点です。それから、参加メンバーから再三にわたってこれは提案があるというふうに聞いておりますけれども、バングラデシュとかフィリピンとかタイでは具体的にNGOとの会合、仲介の申し入れがあった、しかし残念ながら現地のNGOとのコンサルテーションは行われていないというふうに聞いておりますけれども、何らかの取り組みがあったのか、あるいは今後どのように取り組まれる方針があるのか、お聞きしたいと思います。
 それから、もう一つ続けて、もう時間がありませんので。
 NGOや住民の声を幅広く聞く、それを援助計画に反映させる、その課題をさらにどのように今後の中で生かしていくのかを外務省にお考えを伺いたいと思います。
#68
○政府参考人(飯村豊君) 開発援助分野におけるNGOの役割の重要性については十分認識しておりまして、政府としてもかかるNGOの経験や専門知識を国別援助計画の策定に当たっても十二分に生かしていく、そういった観点から民間セクター、特にNGOとの意見交換の機会を計画策定上のプロセスの中に組み込んでいるわけでございます。
 昨年度の国別援助計画につきましては、計画案策定後にNGOを含めました民間セクターの方々との協議を実施したわけでございますけれども、今年度分につきましては、より一層効果的に外部NGOの方々等の民間の方々の御意見が反映されますよう、計画案を策定する前の段階から意見交換の場を持ちたいというふうに考えておりまして、現在、対象国ごとに意見交換を行っているところでございます。最近の例では、本年度策定中のカンボジアにつきまして、十一月の二日と十四日にNGOの方々と懇談会を実施したところでございまして、近々インドネシア、ザンビアについても実施の予定でございます。
 今後とも、NGOの方々との緊密な連携を図って、よりよい国別援助計画をつくっていきたいというふうに考えております。
#69
○岡崎トミ子君 大蔵省にもお伺いしたいと思います。
 個別のプロジェクトだけでなくて、総合的な開発計画の策定から実施、モニタリング、評価に至るまで、住民やNGOとの連携を強化するためにどのような努力をなさいますでしょうか。
#70
○政務次官(七条明君) 今お話がありました、先ほどから先生の御意見もいろいろ聞かせていただきまして、なるほどと思いながらここで感心して聞かせていただきましたけれども、政府の開発援助につきましては、今後なお一層その効果的な実施が図れるように、平成十一年の八月十日に発表されました政府開発援助に関する中期政策、それに示されておりますように、事前の場合、あるいは事前の場合では事前調査あるいは環境の配慮、あるいは実施段階になりましたときにはモニタリングをする。特に、先ほど先生の話にもありましたように、環境アセスも含めて、そういう形でモニタリングも含めやっていく、あるいは先住民に対する施策なんかも含めてモニタリングをする、あるいは事後はそれの評価をしていくというような形でNGOの皆さん方とも十分に連携をとっていくことが重要であり、今後も努力をしていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#71
○岡崎トミ子君 総務庁にお伺いしたいと思いますが、今後、総務庁の行政監察に当たっては、本日議論をいたしました人権とか環境とかジェンダー、情報公開、参加といった視点、重視していくことについてどのようにお考えでしょうか。
 そして最後に、会計検査院に対しては、やはりODAの監察を行う場合に、今回の経験を生かして、これらの観点からより深い検査を行うことの必要性についてどのように感じていらっしゃるか、大変短くて申しわけないんですけれども、お願いをいたします。
#72
○政務次官(海老原義彦君) 岡崎先生の大変お熱意のこもった質問と政府参考人の大変技術的に難しい答弁とを伺っておりまして、私もなかなか感ずるところがございまして、御熱意にお答えするためにいろいろと具体例など示してお話ししたいのでございますが、時間がないということでございますので、極めて簡潔にお答え申し上げます。
 ODAにつきましては、多額の国費を投入している政府の重要な政策であり、総務庁としては、今後の政策評価等の実施に当たり重点的な課題として取り組んでいく所存であります。
 ODAの評価については既に外務省等がみずから取り組んでおられまして、その評価の視点として、ただいま御指摘の環境問題とかジェンダーの問題、あるいはNGOとの連携なども考慮されているところであります。
 このような中で、総務庁といたしましては、政府部内における評価先端組織の立場から各府省にまたがるODAについて評価するほか、各府省が行うODA評価の客観的かつ厳格な実施を担保する立場等から評価する機能を担うものとなるところであります。
 今後、総務省がODAについてこのような政策評価を実施する際には、御指摘の観点についてもその効果的な評価方法の研究を進めつつ、適切な評価に取り組んでまいる所存であります。
#73
○委員長(山下栄一君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。
#74
○会計検査院長(金子晃君) ODAの問題は国民の関心も非常に高く、会計検査院としても従来から重点を置いて検査を実施しております。
 今回の要請により、幅広い視点から検査を実施し、今後の検査に当たって参考となる多くのものを得ることができましたので、今後の検査に当たって今回の検査を生かしつつ実施をしていきたいと考えております。
#75
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。
#76
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 私は、まず最初に外務省にお聞きしたいんですけれども、国別援助計画作成における現地NGOの参加についての観点でございますけれども、今回の会計検査院の報告の中にも国別援助計画についての報告がありますけれども、この作成過程においては、外務省は他の援助国やNGOとの協議の結果等も考慮して援助計画を作成する、あるいは外務省本省は在外公館を通じて相手国政府の意見を聴取する、また民間企業、NGOの意見もあわせ聴取すると、このように書いてございます。
 先ほど来からの答弁を聞いてまいりますと、NGOについては、効果的にNGO等の意見等の場を持つ、あるいは緊密な連携を図ることが重要だという答弁がございました。昨年、平成十一年の十二月からことし、十二年の五月までの間、数度にわたって、いわゆるベトナム、タイ、バングラデシュ、エジプト、ガーナ、ケニア及びタンザニアですか、の援助計画について、現地で活躍する我が国のNGOとの間で意見交換を持った、あるいはフィリピンについては現地で活動するNGOから文書による意見を聴取している、こういったことなんですけれども、先ほど来から聞いている答弁とちょっと違う感じで私は伺っておりまして、こういったことが果たして現地のNGOの参加あるいは意見を聞いたということになるのかなという、ちょっと整理できない段階でございますけれども、この辺についてもう少し詳しく説明をいただきたいと思います。
#77
○政府参考人(飯村豊君) 先ほど申し上げました点は、主として日本のNGOでございます。現地のNGOとの対話につきましては、今手元に資料がございませんけれども、日本のNGOとは違って、場合によっては文書による意見を求めたり現地国の事情がございますので、そういうのを勘案しながら実施しております。
#78
○加藤修一君 外務大臣の諮問機関であります二十一世紀に向けてのODA改革懇談会、その最終提言実現に向けての小委員会、この中においては、国別援助計画作成における現地NGOとのコンサルテーション、いわゆる協議でありますけれども、これについて、関連してでありますけれども、会議の参加メンバーが再三にわたって提案をしてきたと。どういう提案かといいますと、バングラデシュ、フィリピン、タイなどが具体的にいわゆる、先ほどもこういう質疑がありましたけれども、NGOとの会合仲介の申し入れがあったにもかかわらず、現地のNGOとの適切なコンサルテーションが行われていないんではないか、こういった疑念があるわけでありますけれども、これはどういう経緯でこんなふうになっているんでしょうか。そこら辺についての説明をお願いいたします。
#79
○政府参考人(飯村豊君) 今ちょっと手元に個別のケースについて資料がございませんので明確にお答えできないのが非常に残念でございますけれども、決して現地のNGOとの意見交換を排除するあるいは実施しないということではなくて、むしろ、今二十一世紀に向けてのODA改革懇で明記されているという御指摘もありましたけれども、現地のNGOとしっかりとした意見交換を行うことが必要かと思います。もちろん国の政治状況によってできないところもあるかと思いますけれども、大半の場合はNGOとの意見交換が重要な意味を持つというふうに考えております。
 さらに、もう一点つけ加えさせていただきますと、従来からの二国間で援助の計画を立てるのではなくて、現在国際的に援助計画を被援助国それから国際機関、二国間、関係機関がまざった場で議論していこうという試みが世界各地で進められておりまして、例えば世界銀行がこれを取り進める場合は包括的な開発の枠組みということを言っておりますけれども、これはこの枠組みの中で途上国、関係機関のほかにNGO、地方自治体等の参加が極めて強く望まれておりまして、そういった中で日本も加わる形で開発問題の議論あるいは開発計画の策定が行われているところでございます。特に、先ほど岡崎先生より御質問のありました貧困削減戦略ペーパーは、そういったプロセス、策定過程の極めて典型的な例であるかというふうに考えております。
#80
○加藤修一君 いずれにいたしましても、今後のいわゆる報告書の作成等については、現地のODA等を含めて積極的に聴取を行って実態をより正確に把握することに努めていただきたいと思います。
 それでは次に、ODAによる資金の拡大とか民間資金の投下等によって大規模な資金あるいはプロジェクトの推進が進んでいる段階でありますけれども、やはりこういったプロジェクトの推進に当たっては、先ほど来からも議論がありましたように、環境に対していかに配慮するかということが極めて重要なところだと思います。環境にかかわるアセスメントあるいはガイドライン、そういった面について十分きちっとした対応を進めていくことがやはりこれからの時代にとっては非常に必要なことであると思います。
 それで、まず通産省にお尋ねしたいわけですけれども、環境配慮のための貿易保険ガイドラインがございますけれども、この中身に入る前に、この保険料が年間どのぐらいあるのか、あるいはその責任の残高、これはどの程度になっているか、この辺について御提示お願いいたします。
#81
○政府参考人(奥村裕一君) お答え申し上げます。
 今御質問の貿易保険の金額でございますけれども、平成十一年度中に私どもが引き受けました貿易保険の総額は約十七兆九千億円でございます。
#82
○加藤修一君 その責任残高。
#83
○政府参考人(奥村裕一君) ちょっと責任残高という資料は私どもの方ではなかなかつかみにくいのでございますけれども、そのうちいわゆる今先生御指摘の環境ガイドライン、この四月から実施しておりますけれども、それの対象になります保険種、これはガイドラインに書いてございますけれども、それの対象といたしましては七千億円でございます。
#84
○加藤修一君 適切なアセスメントがされる必要が当然あるわけなんですけれども、例えば、私、手元に今、環境配慮のための貿易保険ガイドライン、私がもらった時点のあれですけれども、全体で四十八ページになるわけですけれども、この中に環境配慮確認票というのがございます。
 これは、ABCというカテゴリーのプロジェクトがあって、そのBに対応する、いわゆる環境に対してどういう配慮をするか、それをどういう形で確認できたかという判断でありますけれども、この中身を検討していきますと、輸銀なんかは輸銀の方でこういった面については判断する話になっていますけれども、これは企業が判断するようになっているわけですよね。企業が自分のことを自分で判断する、自己評価というのはなかなか難しいものでありますけれども、この辺の問題とか、あるいはこれはいろいろなプロジェクトが中に入るわけですけれども、例えば火力発電プロジェクトに係る環境配慮確認票ということについては、廃棄物の関係の項目があります。これは、廃棄物の処理、処分方法について検討され、プロジェクトが環境に大きな影響を与えないことが確認されていますかということについてイエスまたはノーで答えると。あるいはまた悪臭についてもプロジェクトが環境に大きな影響を与えないことが確認されていますか、これもイエス・オア・ノーで答える。土壌汚染についてもそう、水利用についてもそう、事故防止対策等々含めて、プロジェクトそれ自体が環境に大きな影響を与えるか与えないか、オール・オア・ナッシングという答えの仕方になっているわけなんですね。
 これで果たして明確に適切なアセスメントが推進し得るか否かということについては、なかなか整理できる話じゃないなというふうに私なんかは判断しておりますけれども、この辺の位置づけがどうも明確になっていないように私はとらざるを得ないんですけれども、この辺についての見解を示していただければと思います。
#85
○政府参考人(奥村裕一君) お答え申し上げます。
 今の御指摘の点につきましては、このガイドラインをこの四月につくる際にも事前にそういう御議論がございまして、先生からも御指摘を受けまして、私どもは四月から実施するに当たりましてこのガイドラインの中でも記入に際してどういう考え方でやっていただくかということを明細にさせていただいたわけでございますけれども、今のガイドラインにおきましては、まず当該プロジェクトを実施いたします国におきます環境規制を遵守しているということを確認し、さらにその国に十分な規制がないという場合には、例えば我が国の基準でございますとかあるいは世界銀行の基準などを参照していただくということにしておりまして、個々の案件に応じまして適切な判断を行っていくということが現状でございます。
 いずれにいたしましても、私どもこれを始めましたのが四月からでございまして、さらに経験の蓄積を踏まえまして、また現在OECDにおきましてこの輸出信用についての環境配慮についてどう考えるかという環境会合がことしの二月からスタートしておりますけれども、そういった議論の結果、来年の末に結論を出すというふうに言っておりますけれども、そういうのも踏まえながら、必要に応じてさらに内容の改善ということを考えていきたいというふうに思っております。
#86
○加藤修一君 途中経過の段階で、まだまだ改善の余地があるという理解を私はしたんですけれども、それでよろしいですか。
#87
○政府参考人(奥村裕一君) 私、ただいま申し上げましたとおり、OECDにおける議論その他を踏まえまして、さらに検討してまいりたいというふうに思っております。
#88
○加藤修一君 検討していくということですから、例えば答弁の中にもございましたけれども、我が国の基準や国際的な基準、それを参照して環境配慮の適切性を確認していただき、これは企業が判断するわけですけれども、その結果を回答欄に入れるというふうになっているわけですけれども、企業の判断は恣意性が極めて幅が広くなる可能性があるんですね、企業によっては。それぞれいろいろな企業があるわけですから、全体として見ていった場合には恣意性が大きいという話にもなりますので、我が国の基準をとるか、あるいは国際的な基準をとるか、どっちをとるかというときの簡単な判断で変わってくる可能性が十分あり得ると私は思います。ですから、そういった企業の判断が企業によって変わってしまうということがあってはならないように思いますので、そういった面についての検討も深めてほしいと思います。
 それから、先ほど大きな影響があるという話がありましたけれども、これは極めて定性的な話でして、大きな影響がある場合についてはノーという判断になるんでしょうけれども、中程度の影響とか小規模の影響とか、しかもいろんな項目が、この火力発電所の場合は二十五項目あるわけですけれども、その項目の中で大きな影響が二つあったらだめなのか、三つあったらだめなのか、そういった検討についてもやはり私はもっと積極的にする必要があるのではないかなと。ある意味で、定量的にやるのはなかなか難しい部分があるかもしれませんが、どうも余りにも定性的過ぎてなかなか判断が企業の側でも適切に行える可能性が少ないなという考え方をとらざるを得ないというふうに私なんかは思っていますけれども、この辺についても積極的に検討を深めていただきたいと思っておりますけれども、どうでしょうか。
#89
○政府参考人(奥村裕一君) 私どもの具体的な事案のケースの積み重ね、そこから出てまいります評価、それから先ほど申しました国際的な議論の動向を踏まえて、先生の御指摘の点も踏まえて検討していきたいと思っております。
#90
○加藤修一君 国際的な動向の話が出ましたので、それを踏まえて質問をいたしますと、これは二〇〇一年の末ぐらいまでにはガイドラインの中身についてやって、ある程度の結論を得ようという話になっておりますから、ということは、この貿易保険のガイドラインについても中途段階においてもガイドラインの改定を積極的に進めていく、そういうふうに理解したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#91
○政府参考人(奥村裕一君) いずれにいたしましても、OECDの検討は来年の末まででございまして、私どもはその検討には積極的に参加を先進国の一員としてやっていきたいと思っておりまして、その検討結果をやはり踏まえてしっかりしたガイドラインの検討をしていきたいと思っております。
#92
○加藤修一君 なかなか面倒な質問をしているので答えづらいかもしれませんが。
 それから、このガイドラインの運用に関して、通産省は審査体制の拡充、あるいはスタッフのトレーニング、あるいはスタッフ、人員を配備するというふうに、前、これについては積極的に検討するというふうに私はお伺いしていたんですけれども、これは具体的にその辺はできたんでしょうか。
#93
○政府参考人(奥村裕一君) お答え申し上げます。
 先ほど申しましたことしの四月からこのガイドラインをつくりましたので、それにあわせまして私どもの貿易保険の担当の中に貿易保険環境対策室というのを新たに設置いたしまして、審査体制を整えつつあるところでございます。さらに、この審査の今後のガイドラインの方向性その他を見きわめながら必要な整備を行ってまいりたいというふうに思います。
#94
○加藤修一君 スタッフは何名ぐらいですか。
#95
○政府参考人(奥村裕一君) 現在の対策室といたしましては、併任等を含めまして十一名で行っております。
#96
○加藤修一君 貿易保険に関しては相当数になると思いますので、今IT革命云々と言われておりますけれども、こういった文書等についてもやはり電子化をして迅速化を図るということも必要だと思いますけれども、その辺についてのお考えはどうでしょうか。
#97
○政府参考人(奥村裕一君) お答え申し上げます。
 貿易保険の一般的な効率化、迅速化あるいはまた御利用いただく方々の利便性の向上という観点から、まず定型的な業務を中心にいたしまして事務処理の電子化を進めていくことは極めて大事だろうと思っておりまして、そのための検討も鋭意行っております。
#98
○加藤修一君 時間がないので、次の質問に参りたいと思います。
 国際協力銀行の方にお願いしたいんですけれども、極めて大きな公的な銀行ができたと思いますけれども、最近二、三年の出資、融資実績、それを合わせた形でよろしいですので、どのぐらいの規模になっているか、教えていただきたい。
#99
○参考人(保田博君) 数字を御説明する前に一言お断りをしておきたいと思いますが、昨年の十月に御承知のように旧日本輸出入銀行と旧海外経済協力基金が統合をいたしております。したがいまして、昨年の十月以降といいますか九九年の下期からはまさに国際協力銀行としての貸し付けを行っておりますが、それ以前は海外経済協力基金と旧輸銀とを合わせたものを一応御紹介したいと思います。
 九七年でありますけれども、両方合わせますと、融資額が二兆五千四百二十三億円、それから九八年度でありますが三兆七千六百六十四億円、それから昨年、九九年でありますが二兆四千三百六十四億円ということになっております。
 これらの数字は、御承知おきかと思いますけれども、九七年の七月に発生いたしましたアジアの通貨危機に見舞われました各国への支援が盛んな時期でございましたので、通常ベースの年よりはかなり多い金額になっているかと思います。
#100
○加藤修一君 出融資合計の関係で教えていただきましたけれども、極めて大規模なものだと思います。世界銀行に匹敵する、あるいは超える場合もあると思いますけれども、そういったことを考えていきますと、いろいろなプロジェクトが推進されることを考えていきますと、やはり環境に配慮したいわゆるアセスメント、そういった面について十分対応を考えておかねばいけない。
 国際協力銀行法の審議の際にも、附帯決議において国際協力銀行として統合化した環境・社会ガイドライン、そういったものが求められていたわけでありますけれども、その作業状況というのはどういうふうに進んでいるんでしょうか。
#101
○参考人(保田博君) 御指摘のとおり、本行は、現在、二業務を統合いたしました、共通の統合された環境のガイドラインをできるだけ早く策定すべく検討作業中でございます。加藤議員にも御参加をいただきまして、NGO、有識者等とともに意見交換を行う研究会も設けておりまして、現在、活発な議論を行っております。
 作業のめどといたしましては、先ほど話題に出ておりましたけれども、OECDのECG会合におきます議論も踏まえながら鋭意作業を進めているということで、これをにらみながら来年度のできるだけ早い時期に策定の時期的めどを立てております。
#102
○加藤修一君 時間がありませんので最後の質問にしたいわけですけれども、今、答弁の中にもありましたけれども、OECDの輸出信用・信用保証部会、ECGの会合においていわゆる共通のガイドライン策定、ハーモナイゼーションですか、そういったものが極めて必要で議論がされているわけでありますけれども、国際協力銀行において現在行われているいわゆる環境ガイドラインの統合作業においてこのECGの議論をどのように反映させていくか、ポイントが何点かあるようにも聞いておりますし、そういった点が第一点目です。
 それから、今後の環境ガイドラインの統合においてNGOなどからパブリックコメント、そういったものを聴取するということも極めて大事な点でありますけれども、これについてはどのように対応を考えていらっしゃるでしょうか、その辺についてお願いいたします。
#103
○参考人(保田博君) まず、OECDのECG会合におきます検討との関係でございますけれども、御承知のように、本行が目指しております統合ガイドラインのうち、輸出信用にかかわります部分につきましてはこのOECDのECGにおける検討と平仄を合わせる必要がございます。したがいまして、本行としましては、このOECDの策定作業に引き続き貢献をしていきたい、できるだけ高いレベルでのガイドラインをつくりたいというふうに考えておりますし、その内容をまた本行の環境ガイドラインの統合作業におきましても十分に反映させていきたいというふうに考えております。
 それから、先ほど来たびたびお話に出ておりますNGOとの関係でございますけれども、環境ガイドラインの策定過程におきましては、輸出信用機関の環境配慮にかかわるシンポジウム、ことし四月に本行が主催をいたしまして加藤先生にもスピーチをしていただいたわけでございますけれども、そういうものを開催するなど、これまでもNGO等の意見の聴取に努めてきております。
 また、本行の検討に当たりましてもNGO、有識者等の意見をちょうだいすべく研究会を設けておりまして、またその内容を研究会独自のホームページ等で公開をいたしまして、研究会の外部からの意見も承ることにいたしております。
 なお、これらの作業におきまして広くパブリックコメントを聴取することも検討しております。
#104
○加藤修一君 ありがとうございます。
#105
○岩佐恵美君 ことしの十月十二日に総務庁は食品の安全・衛生に関する行政監察結果に基づく勧告を行っておりますが、きょう私はその問題を中心に伺いたいと思います。
 まず、総務庁に伺いたいのですが、なぜ監察を行うことになったのでしょうか。
#106
○政府参考人(塚本壽雄君) 国民生活の安全の確保というものにつきましては、行政また私どもの行政監察におきましても実施上の重要課題の一つであるということでございます。
 近年、食品をめぐりましては、食生活の多様化という中で、輸入食品あるいは加工・冷凍食品が増加するなどの形で食品の製造、流通形態に大きな変化が見られております。
 このような中で、輸入食品につきましては検査率の低下とかあるいは検査した食品のうちの不合格のものの増加というものが当時見られておりました。また、健康被害という面では、御案内のO157など、これまでなかった感染症等による大規模な食中毒事件が発生していたという状況がございます。
 加えまして、食品に残留しますダイオキシンであるとかあるいは内分泌攪乱化学物質、こういうものの安全性や遺伝子組みかえ食品の表示に関する国民の関心というものが高まっておるということでございまして、全体としましてこれら食品の安全あるいは表示の対策の充実強化が求められている、こういう認識に私どもおったわけでございます。
 そこで、御指摘の食品の安全・衛生に関する行政監察でございますが、今申し上げましたような状況を踏まえまして、食品の安全、衛生の確保のあり方を検討する、こういう観点から、輸入食品に係る監視指導対策あるいは国内におきます食中毒の発生防止対策及び発生時の危機管理対策、さらに食品残留化学物質に対します安全確保対策等の実施状況についてこれを実施することにいたしたものでございます。
#107
○岩佐恵美君 勧告にあります輸入食品に係る監視指導の適切化について伺いたいと思います。
 まず、輸入食品全体の検査率及び行政検査率ですけれども、八九年は全体が一八・一%、行政検査率が三・五%、そしてその十年後の九九年は全体が七・七%、行政検査率が三・五%。また、その間の輸入食品の監視員の数、八九年が八十九人、九九年が二百六十四人ということで間違いがないでしょうか。厚生省、いかがでしょうか。
#108
○政府参考人(西本至君) 確かに、検査総数、平成元年は一八・一%、平成十一年は七・七%でございます。また、行政検査率につきましても、御指摘のとおり平成元年、十一年ともに三・五%でございます。そして、職員の数でございます。これも今御指摘ございましたように、平成元年から平成十一年の間で八十九名から二百六十四名と二・九倍に増加してございます。
#109
○岩佐恵美君 食品衛生監視員の数が二・九七倍、約三倍になっているわけですけれども、いわゆる行政検査率、これが全く横ばいである、上がっていないんですね。それはどうしてですか。
#110
○政府参考人(西本至君) まず、その一つの理由でございますけれども、平成七年からモニタリング検査というものを開始いたしまして、食品群ごとに食品衛生法違反の蓋然性を考慮したサンプリングというものを実施いたしました。第二に、全国二カ所の輸入食品の検疫検査センターというものを設置いたしまして、検査体制の質的な強化を図ったということでございます。
 簡単に申し上げますと、一番目はめり張りをつけた抽出検査を行う、第二番目は高度な検査体制を行った、こういうことで、確かに御指摘のように人数の割にはふえていないということが起こっているわけでございます。
#111
○岩佐恵美君 検査体制の質的強化を図った結果、行政検査率が上がらないというのでは困るんですね。今、食品の輸入増に対して水際での検査が間に合わない、違反品が市場に出回って、食べ終わってから汚染結果がわかるという非常に恐るべき事態になっています。
 行政監察の調査結果によりますと、残留農薬が基準値を超えていたピスタチオナッツ、生鮮アスパラガス、生鮮セロリ、生鮮ホウレンソウ、サヤエンドウ、生鮮白菜、これらは回収率ゼロであります。つまり、違反食品が胃袋におさまってしまってから違反であるということが判明したわけです。違反ジュースの回収率も八・七%、一七・二%、一九・九%、これは品目によって違うんですが、清涼飲料水も回収率が五三%、冷凍食品ホタテカツ、これは菌に汚染されているということが判明したものですが、やはり回収率ゼロなんですね。
 今、日本の食料自給率というのは四〇%です。つまり、人口の七千万人分を輸入に頼っているわけです。私は、水際で汚染食品を防ぐことができない、これは大問題だと思うのですけれども、今後どう対応をしていくのでしょうか。
#112
○政府参考人(西本至君) 現在の輸入食品の監視業務につきましては、私どもの食品衛生法に基づきまして全国三十一海空港の検疫所の食品衛生監視員において行っているわけでございます。
 二百六十四名の監視員によりまして、一つは食品等の輸入届け出の審査及び検査、第二は輸入食品の衛生確保に関する指導、第三は食品等の輸入事前相談、こういうことを行いまして、食品衛生法に違反する食品等につきましては廃棄もしくは積み戻しの処分を行っているわけでございます。
 また、先ほど申し上げました輸入食品の検疫検査センター等におきましては、残留農薬等のモニタリング検査というものを行う、それから輸入食品監視支援システムの充実強化、あるいは輸出国における製造段階からの食品の安全性確保の推進というようなことを行っておりまして、水際作戦として一応でき得るものについては最大限の努力をしているつもりでございます。
 引き続き輸入食品の安全確保に万全を期しますとともに、今後とも輸入食品の増大に対応した適切な検査体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
#113
○岩佐恵美君 総合衛生管理製造過程承認制度、いわゆるHACCP、これは食品衛生がより一層確保される、規制緩和の効果があるということで導入されました。しかし、ことしの夏、一万四千人を超す中毒患者を出す食中毒事件、雪印乳業の事件が起こりました。このことは、幾ら工程上の安全を整備してもそれをチェックする監視体制、そのための人員の適切な配置、これが伴わなければ大事故が起こるということを示しているわけです。
 私は、人の命と健康を守るためには適切な人の配置が必要だというふうに思います。輸入食品を検査する食品衛生監視員、私がかつて聞いたところによると、三百人ぐらいまでは何とかふやしていきたいという数字を聞いたことがあるわけですけれども、それに比べるとまだ今二百六十四人というのは少ないわけですね。それから、承認制度に関する人の配置、これも非常に驚くほど少なかったということが大きな議論になっているわけですけれども、そうした必要な人員の確保というのは積極的にすべきだということを申し上げておきたいと思います。
 次に、ベルギー産豚肉等のダイオキシン汚染の問題について伺います。事件の概要を簡単に説明してください。総務庁。
#114
○政府参考人(塚本壽雄君) 御指摘の件につきましては、先ほど申し上げた行政監察の中でも取り上げたものでございます。
 その内容でございますけれども、ベルギー産の豚肉のダイオキシン汚染事故というものが、平成十一年五月二十八日にベルギー政府からベルギー産の豚肉等がダイオキシンに汚染されているということが公表されまして、これを契機に顕在化をいたしました。このベルギー産豚肉等は国内でも流通しているということでございまして、我が国におきましても対応が求められるということになったわけでございます。
 行政監察につきましては、これは食品の安全衛生の問題を取り上げる、先ほど申し上げましたような観点からしますと重要な対象であるということで、関係する行政上の問題点の有無を検討するということで厚生省においての対応状況を調査いたしたところでございます。
 調査の結果でございますけれども、まず厚生省におかれては、ダイオキシン汚染事故が発生した場合に適切な対処が行われる形での汚染食品であるかどうか判定するための基準、あるいは流通による被害の発生の防止に的確に対応するための方針を当時策定しておられなかったということでございます。このため、厚生省では、このベルギーの発表がありました後、十一年直後でございますが、六月上旬に各検疫所に二つの指示を出されました。一つは、汚染の疑いのある食品については汚染状況が確認されるまでの間、販売及び使用を控えることを輸入者に指導する、また今後輸入されるものにつきましては輸入届け出を保留する、こういう通知を出したところでございます。
 ただ、豚肉等の汚染が始まったと考えられる時期といたしましてベルギー政府が示しましたのは、同じ平成十一年一月の時点でございます。したがいまして、ベルギー政府が事故を公表した五月末までの間に輸入されましたものについては、私どもの理解では仮に先ほど申し上げた基準が定められておれば流通がとめられたということが考えられるわけですけれども、現実にはそういう状況には至っていなかったということでございます。
 このような事情から、私どもの把握では、輸入されました六百二十三トンということでございますが、この六月の通知以前に輸入され流通しておりました二百七十八トンの流通はとめられなかったという結果になったところでございます。
 また、これに関連いたしまして、厚生省はベルギー政府からこの汚染豚肉等の発生がPCBが混入したことによるという情報を入手されまして、これについても各検疫所等に対しまして、輸入済み及び通関保留中のベルギー産豚肉等については輸入者に指定検査機関でのPCB検査を受検させまして、汚染されたものがある場合は検疫所等が輸入者に対して輸出者に返品、積み戻しをするよう指導いたしました。その結果、検査におきましては三十八食品のうち六食品、量にしまして九十六トンがPCBの基準値を上回ったということでございまして、これら食品は輸入者に返送されたというふうにされているところでございます。
 しかし、これに関しまして申しますと、私どもの考えでは、本事故のPCB検査の結果及びその後の汚染食品の処分状況につきましては、個別の違反事例について公表する取り扱いになっていないということで公表はされておりませんでした。
 このような状況をもとにいたしまして、私どもの勧告でございますけれども、厚生省に対しましては、今後起こり得るものも含めまして、食品のダイオキシン等の汚染に適切に対応するという観点から二つのことを申し上げております。
 一つは、健康への影響に関する幅広い調査研究を行って、その結果を踏まえまして食品のダイオキシン汚染事故に的確に対応するための方針の策定を含め、ダイオキシン事故に関する対策を検討していただくということでございます。また、二つ目は、ベルギー産豚肉等に関するPCB検査の結果及びその処分の状況については早急に公表するとともに、今後、汚染食品の検査結果及び処分の状況を公表すること。この二つを本年勧告いたしたところでございます。十月でございます。
#115
○岩佐恵美君 この事件で判明したことは、ダイオキシンの食品への基準がないため輸入の水際で汚染のチェックができないで、それが国内に出回ってしまう。輸入量六百二十三トンの半分近く、二百七十九トンが市場に出て消費をされてしまったことです。
 総務庁は、今説明されたように、日本に食品のダイオキシン汚染を判定する基準がないために対応がおくれたと指摘をしています。実際に、ダイオキシン汚染の可能性のある食品が輸入され、基準がないためにすぐには検査ができない、市場に出回って消費されてしまう、そういう結果となっています。汚染情報があっても手を打つことができない。半年近くたって、十一月にようやくダイオキシン類の一つであるPCBを基準にして処理をしたけれども、もしPCB以外のPCDDやPCDF等のダイオキシン汚染だったらお手上げということになるのではないかと心配です。
 ダイオキシン汚染食品を水際で防ぐために食品のダイオキシン基準、これを早急に定めるべきだと思いますが、厚生省、いかがですか。
#116
○政府参考人(西本至君) 食品中のダイオキシンによる健康影響につきましては、食品全体から摂取するダイオキシン類の総量というものを把握いたしまして、一日耐容摂取量、いわゆるTDIと呼んでおりますが、これと比較をすることによって評価をするべきものというのが現在の考え方でございます。
 平成十年度のトータルダイエット調査によりますれば、食品を通じてのダイオキシン類の一日平均摂取量は約二・〇ピコグラム・パー・キログラム・パー・デーという結果を得ているところでございまして、現時点においては個別の食品に係る基準値の設定をすることは必要ないんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
 なお、輸入品を含めた個別食品の汚染調査につきましても毎年実施をいたしておるところでございます。
#117
○岩佐恵美君 厚生省、おかしいんじゃないですか。きちんとされていれば今度のベルギー産のこういう事故が起こらないと思いますし、それから、これからきちんとこの事件から反省しなければ、やっぱりダイオキシンに汚染されている魚介類等が、高濃度汚染のものが入ってくる、それを水際で防ぐことができないということになるのではありませんか。
 私は、もう時間がないので、ここのところで議論をしていくと先に進めないので保留をしますけれども、しかし、ダイオキシンの新しい規制法では、食品について基準を決めるということについて、これは検討事項になっているんですね。そういうことについてきちんと前向きに取り組むべきだというふうに思うんですけれども、その点いかがですか。その点だけ答えてください。
#118
○政府参考人(西本至君) 繰り返すことになって恐縮でございますけれども、一応今の考え方は、とにかくトータルでの一日平均摂取量が二・〇ということで基準の四・〇を半分以下に下回っておるということもございますので、個別の食品に係る基準値の設定はいかがなものかということで対応しているわけでございます。
#119
○岩佐恵美君 これは全く承認できません、そういう考え方は。また別の場で議論したいと思います。
 この問題についてもう一つ、今、行政監察局から話があったように、ダイオキシンに汚染されている可能性がある食品がどのルートでどこの消費者に渡ったのか、そういうことについて大変消費者は心配をしているわけですから、可能な限り私は追跡調査をして明らかにすべきだというふうに思います。当委員会にその結果について報告をしてもらいたいというふうに思いますが、いかがですか。
#120
○政府参考人(西本至君) その結果の公表につきましては、既に十月二十七日付、私ども生活衛生局乳肉衛生課の発でベルギー産豚肉のPCB検査の結果についてということで、各都道府県、政令市、特別区あてに通知を出させていただいておるところでございます。さらなる公表ということでございますれば、それはまた検討させていただきますが、とりあえず、この結果につきましては御報告済みでございます。
#121
○岩佐恵美君 私は、二百七十九トンについてもきちんと報告をしていただきたいというふうに求めたいと思います。
 次に、遺伝子組みかえ食品について伺います。
 日本では食品にも飼料にも認められていない遺伝子組みかえトウモロコシ、スターリンクが市民団体の検査で、共立食品のコーンミール、商品名ホームメードベーキングから検出され大きな問題となっています。
 厚生省がスターリンクの食品への混入を確認したのはいつですか。
#122
○政府参考人(西本至君) 確認という意味では本年の十月二十日でございます。
#123
○岩佐恵美君 厚生省は、十月二十五日に市民団体が公表するより前にスターリンクの混入を確認していたわけですね。そのとき、なぜ厚生省として情報公開あるいは流通をとめる、そういう適切な対策をとらなかったんですか。
#124
○政府参考人(西本至君) 議員御承知のことと思いますが、このスターリンクというのはアメリカにおいては動物のえさとしてのみ認められておって、食品では認められていないということでありますので、明らかな法律違反ということでいろいろな措置がとられたわけでございます。
 一方、私どもにおきましては、現在この食品につきましては平成九年からその安全性について審査をしているところでございまして、まだ審査継続中の案件でございます。それで、アレルギーを誘発するのではないかということに関して資料が不十分なために追加資料をずっと求めてまいっておるわけでございますが、今のところこれがまだ出されていないというわけでございます。したがいまして、公表ということも、有害であるという結論が出たかのごときイメージを与えるような公表の仕方というのはなかなか難しい問題がございますので、慎重に対応したというのが第一点でございます。
 第二点は、食品衛生法というのは人への健康被害が明らかに認められるという場合にさまざまな法的措置を講ずる、こういう仕掛けになっておりまして、そういうことにおける危害の除去、拡大の防止ということを図るわけでございますが、本件につきましてはアメリカ及び日本におきましてもそのような健康被害の情報がないというのが第二点でございます。
 また第三に、検知いたしました七検体の輸入者の確認調査を実施するために時間を要したということでございます。
 第四点に、米国政府に対しまして、このスターリンクが予防的措置といたしまして日本に輸出されることがないように必要な措置を講じるよう要請しておったということが第四点でございます。
 以上のようなことから、十一月七日に公表をさせていただいたということでございまして、私ども事務当局といたしましては妥当な時期だったのではないかというふうに考えております。
#125
○岩佐恵美君 厚生省は市民団体の申し入れを受けてどのような対応をされましたか。
#126
○政府参考人(西本至君) 十月二十五日に国内の消費者団体が市販のトウモロコシ加工品からスターリンクというものを検出した由を発表されたわけでございます。
 私どもといたしましては、当該トウモロコシ製品の製造それから販売、両業者に対しまして当該製品の販売自粛をお願いしたというのが第一点でございます。それから、原料までさかのぼり調査をして、その結果を報告するように求めたところでございます。
 また、十一月二日に、消費者団体が検査に用いられたトウモロコシの加工品の残余につきまして同団体から提供していただいて、国立医薬品食品衛生研究所において確認検査を実施いたしておりまして、これは現在も継続中でございます。
#127
○岩佐恵美君 要するに、市民団体から申し入れを受けて販売自粛を指導したり、原料までさかのぼった調査、報告を指示したりしているんですね。つまり、十月二十日、厚生省が確認した時点でもそういうことをやればできたはずなんですね。
 私は、本当に恐ろしいと思ったのは、市民団体がもし自主検査をして問題にしなければ、厚生省は知らぬ顔を決め込んで何の手も打たないで済ませようとしたのではないか。これが果たして本当に命と健康を守るべき厚生省のやることなのかと非常に恐ろしく思いました。
 日本では既に、組みかえDNA技術応用食品、食品添加物の安全性評価指針で確認済みの品目が二十九あります。申請中のものが九種類。その中に、今回問題になって、アメリカでは認可が取り消されたスターリンクも含まれています。
 今後、厳正な対応が求められるんですが、来年四月から遺伝子組みかえ食品への表示が義務化をされて、承認されていないものを水際でチェックするということになるといいますが、日本で承認されていない遺伝子組みかえ食品の国内への流入防止、これはどうするのですか。それから、来年四月までの間は一体どうするのでしょうか。厚生省。
#128
○政府参考人(西本至君) 遺伝子組みかえ食品を特定いたします場合には、一般的にPCR法という検査法を用いるわけでございます。この検査を実施いたしますには、未承認の遺伝子組みかえ食品の遺伝子配列情報、プライマー情報と呼んでおります、これが必要になってくるわけでございます。
 現時点では、日本での未承認の遺伝子組みかえ食品の遺伝子配列情報につきまして、そのすべては入手していないわけでございますが、本年五月に米国大使館及びその関連業界等に対しまして、当面日本に輸出する予定のないものについても安全性審査の申請を行うよう要請したところでございまして、これにより遺伝子配列情報の入手に努めているところでございます。
 確かに、向こうで認められ日本で認められているものと差がございますが、このものにつきましても、今後とも引き続き情報の提供をしていただくよう要請することにいたしたいというふうに考えております。
#129
○岩佐恵美君 今回問題になっているスターリンクは、厚生省の調査で、二、三月の荷揚げ分の四割から検出をされています。既にそれらは市場に出回って消費されてしまっています。一体幾ら出回って、スターリンクはどのぐらいあったのか、そういう問題について輸入販売業者からきちんと情報をとって私は公表すべきだと思います。当委員会への報告を求めたいと思います。
#130
○委員長(山下栄一君) ただいま岩佐さんからございました件につきましては、後刻理事会において協議させていただきます。
#131
○岩佐恵美君 スターリンクが持つ殺虫たんぱくは、耐熱性が強く、消化器系での分解能力が低い、アレルギーを引き起こす可能性が高いということで、アメリカではスターリンクは飼料としてのみ承認され、アメリカのEPA、環境保護局は食品として認めてきませんでした。そういうものが食品に混入したということで、アメリカでは栽培そのものが禁止をされました。農水省が十一月十六日に発表したモニタリング調査結果では、調査した十五検体の飼料サンプルのうち十検体からスターリンクが検出をされたといいます。
 遺伝子組みかえ作物については、農水省と厚生省がそれぞれ食品、飼料について審査をしているわけですが、飼料用、食品加工用、これが一体として流通している大豆、トウモロコシは、飼料で承認すれば食品への混入、これを防ぐことができないことはアメリカの今回の事件ではっきりしていると思います。
 現在、農水省が飼料用として認め、厚生省が食用として認めていないものは何品目ありますか。
#132
○政府参考人(樋口久俊君) 組みかえ体を利用する飼料として私どもが確認をしていますものは全部で二十八ほどございますけれども、今お話しございましたのは、トウモロコシで一品種、大豆で一品種でございます。
#133
○岩佐恵美君 今後、農水省、厚生省、こういう別々に対応するんじゃなくて、きちんと一体となって取り組むべきだと思いますが、それぞれいかがですか。もう時間もありませんので一言ずつお願いいたします。
#134
○政府参考人(樋口久俊君) 今回、米国において起きましたスターリンクの食品への混入問題、いろんな原因はあろうかと思いますけれども、食品としては安全性確認がなされないで、飼料としての安全性がなされた、これも一つの原因であろうかと考えておりますので、私どもの方の安全性確認につきましては、流通の実態を踏まえまして、食品としての安全性審査を担当される厚生省さんと飼料の安全性審査を担当します私どもの方で緊密な情報交換を行うことは大変重要なことであろうと思っております。
#135
○政府参考人(西本至君) 私どももまさに同じでございまして、今後とも情報を密にし、連携を深めてまいりたいというように考えております。
#136
○岩佐恵美君 終わります。
#137
○田名部匡省君 冒頭、会計検査院長さん、きょうは本当にいい報告をいただきまして、ありがとうございました。数少ないメンバーでこれだけのことをやっていただいたということに敬意を表したい、こう思います。ODAにしても特殊法人にしても、会計検査院の仕事というのは非常に私は重要な仕事だと、こう思っております。特に、行政監視委員会では我々スタッフを持っていませんので、皆さん方の調査というものに頼らざるを得ないということで、今後とも大いに頑張っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 十五分ということですので、聞きたいことはいっぱいありますけれども、今までの議論を伺って、何か使命感がないなという感じを受けるんですね。もっともっとそれぞれの役所が使命感というものを持ちながらまず取り組むと。
 それから、相手国の国民にしてもそうですけれども、例えば債務救済無償資金協力を供与した国、こういう国はもともとがいろんな問題を抱えているわけでして、今の局長の話でも、まだこういうことはあるのではないかというような答弁をされておりましたが、それならばやっぱり指導する。あるいは、もう一番の問題はその国のやる気ですよ。これがないところに幾らやってもよくなっていかないと思うんですね。ですから、基本は何をやるべきかということをやっぱりしっかり踏まえてやらなければならない。
 今も農林省も厚生省もそうでしたが、ばらばらにやられたんではこれはなかなかうまくいかない。特に援助前の議論というもの、これは予算だけは我々も通すけれども、じゃ具体的にどこかの委員会で本当に徹底的に議論をやったかというと、やらないですね。
 ですから、その辺を考えてみると、外務省と国際協力銀行や事業団、NGO、それから私は会計検査院も入っていいと思うんです、国内の問題でないですから。事前に、これは正式の会議でなくても、こういうところに援助する場合にはどこに気をつけてどういうふうにやったらいいかという相談をされてやった方がいいんじゃないかと思うんですね、勝手に外務省は外務省、それぞれがやるんではなくて。どうもその辺を聞いておって、使命感がないなという感じを受けるんですが、これどう思いますか。それぞれお答えいただきたいと思います。
#138
○政府参考人(飯村豊君) 委員の今の御指摘のばらばらでやっているではないかという点でございますけれども、まさに先般の行政監視委員会からいただきました決議において国別援助計画をつくるようにというお話でございまして、その国別援助計画そのものは政府、関係省庁それからJICA、国際協力銀行が一緒になってつくっております。そのつくった結果として、それぞれの被援助国の重点分野、重点開発目標が明らかになってきているということがまず一点ございます。
 それでは、それをどうやってきちっと政府が一体となって実施しているのかという点でございますけれども、これは途上国から我が国政府にプロジェクトベースでさまざまの要請が来る段階で関係省庁と御協議をさせていただきながら進めているということで連携を図っているつもりでございます。
 それから第三点は、そういった連携をきちっとシステム化するというのが大切でございますので、先般、閣議において御了解をいただきまして、政府関係の連絡協議会というのを設置して関係省庁の協議を緊密に図るということに努めているわけでございます。
 最後に、それではプロジェクトを実施した後にきちっとその評価をしているのか、評価の段階で関係省庁がばらばらにやっているんではないかという御指摘があり得るかと思いますけれども、ここら辺は私どもまさに勉強をきちっとしていかなくてはならない段階だと考えておりまして、先般の、先ほどちょっとお話に出ました評価改善報告書の中で、評価研究会をつくって関係省庁の連携、評価手法の確立、評価基準の確立、これを図るようにうたわれておりますので、現在、この夏から関係省庁の皆様方に集まっていただいて、評価のあり方について研究を進めているところでございます。
#139
○説明員(増田裕夫君) ODAの援助は、ODA大綱、中期政策あるいはまた国別援助計画に沿って政府全体としては統一をとって実施されていくものと考えております。
 会計検査院といたしましては、援助が効果的、効率的に実施されるよう、事業効果が十分に発現しているかなど、主として有効性の観点から検査を実施しているところでございますので、これらの検査結果を事業実施機関に示すことによりまして効率的、効果的な援助が実現するよう今後も努力していきたいと、このように考えております。
#140
○田名部匡省君 次に、亀井政調会長が、これは自公保で三〇%削減をするという話で、彼独特の話しぶりだなと思って、私は同期で彼の性格をよく知っているものですから。ただ、私は、ここ数年、地元へ帰りますと、青森県というのは農業と漁業が多いんですね。私に、どうして外国へこんなに援助するのか、一兆円を超える金額を、しかも総理が行くたびにあちこちに援助してくる、どうしてなんだと、こういうことを聞かれるんですね。
 私は、国の財政が今ほど厳しいときはないと思っているんです。企業は倒産する、失業者は一向に減らない、あるいは自殺する人もふえておる、また貸し渋り対策のために保証協会を活用したんですけれども、これもまた返済不能が多くなってきて、これまた国民の負担だと。こういうのがしょっちゅうマスコミを通じて流れるものですから、私は、ODAだけが何でこんなにと、こういう質問を受けるんですよ。それは国民の感情だろうと思うんですね。
 だけれども、一方、世界には、六十億もいるわけですけれども、相当の人たちが教育を受けていない、あるいは飲料水にしても薬品の不足で命を失っている人たちもおる。日本というのは、今でこそ経済大国だなんて言われていますけれども、終戦直後のことを知っている人はここにもうどのぐらいおるかわかりませんが、私は小学校五年生でしたけれども、ひどいものでしたよ。それをアメリカを初めいろんな国が日本にいろんな援助をしてこれだけの経済大国になった。ところが、そのことを忘れちゃっているんですね、みんな、自分がやってもらったときのことは。だから、私は何といってもこのODAの実施というのは大事だと思うんです。
 日本だって、当時はアメリカがどんどん物を買ってくれた。今同じような立場は、中国であれ韓国であれ、みんなそうでしょう。それで、だんだんアメリカに日本が追いついていったのと同じように、アジアの国々もやっぱりよくなって追いついてくる、そのためにODAというものを一生懸命やっているんだろうと、こう思うんです。
 いずれにしても、この三〇%削減はどうなったんですか。
#141
○政府参考人(飯村豊君) 亀井自民党政調会長がODAの三割削減を目標として努力すべきであるという御発言をされたことは私ども承知しておりますけれども、その後、私が承知している限りでは、自民党の合同会議で議論をされ、その会議の結果を政調会長の方に自民党経済協力特別委員会の委員長が御報告なされたということを承知しております。
 それで、その自民党外交合同会議の結論と申しますのは、ODAの現在の概算要求は党として機関決定をしたものであってこれは維持いたしますが、平成十四年度から見直しを行うという内容であったというふうに聞き及んでおります。
#142
○田名部匡省君 時間が十五分なものですから簡単に答えていただきたいんですが。
 最も困難な問題を抱えているのはやっぱり近隣諸国だと思うんですね。過去のいろんな歴史を抱えている中国にしても韓国にしても北朝鮮にしても、なかなか私は難しいと思う。それだけに、この委員会でも言ったんですけれども、軍事費が増強されている国への援助というものは、少なくとも援助を受けた分ぐらいは軍事費を削減するとかなんとかというのがないとおかしいと思うんですよ。
 北朝鮮に今度五十万トンの米支援。これだって、ことしやればあの国は、もう来年から要らないというのならいいけれども、毎年足りないんですから、それを要求されたのよりもはるかに多い米を援助すると。ことしは余っているから、相当減反させるから、そんなことでやろうとしたのかどうかわかりませんけれども、そういう基本姿勢というものがきちっとしていない、その場その場でやるものですから。
 こんなことを見ておると、私はきのうもテレビを見ておって、在日韓国人、日本女性が結婚して北朝鮮へ行かれて、子供を連れて中国に逃げる、いつまでもいられないというのでまたどこかへ逃げていく、最後に子供に、お母さんがどうなろうともおまえは最後まで生き残って逃げろよと、こういうテレビを見まして、そんな状況のことなんかはそっちへ置いて、何かこんなことばかりやっておったら、日本の主体性というのは一体何なのかと、こう思うんです。これ、答えをいただいているともう時間が五分で終わりのようですから終わりますけれども。
 もう一つは、せっかく労働省においでいただいておりますから一つだけ伺っておきたいんですけれども、四十四年にできたんですか、このKSDというのは。この間資料をもらったら、平成十二年の八月ですか、皆さんから催告書が出て、改善に係る報告書というものが、九月八日にこういうふうにしますというのが出てきた。
 四十四年から今まで何をやっておったんですか。
#143
○政府参考人(鈴木直和君) 御指摘のKSDの問題でございますが、最初、昭和三十九年に任意団体として発足して、その後、四十四年に東京都の所管の法人になったわけでございます。その後、業務のエリアが拡大したこと等もありまして、昭和五十六年から労働省所管の公益法人になっております。
 平成八年まで何をやっていたかという御指摘なんですが、この間、平成五年、六年、八年、十年といろんな指導をやってまいりました。その中でなかなか改善していない問題点等もあったものですから、平成十二年の五月に二日にわたりまして立入検査を実施いたしまして、その中で問題と認められた事項について八月に改善勧告した。それに対して九月八日に文書の回答がございますが、現在においても指導中でございます。
#144
○田名部匡省君 さっき冒頭に、使命感がないと、こう私は言ったんですよ、役所に。二千円ずつ取って、そうして二百億を超える金が集まって、これは監督官庁の責任ですよ、どう見たって。それはOBも行っているんでしょう、相当。そういうところでおかしな関係になっている。だから私は、冒頭申し上げたように、この会計検査院の使命というのはこれから重大ですよということを申し上げたんですよ。
 いずれにしても、年の報酬が一億もというのは報道で報じられているけれども、本当かどうかはきょう確認できないので通常国会でたっぷりやりますけれども、本当ですよ、もう少し国民の立場というものを忘れちゃいかぬのですよ。私はそう思います。
 最後に、このことの責任はどう感じているのか、これだけはちょっとお伺いして終わります。
#145
○委員長(山下栄一君) 時間も参っておりますので、おまとめください、最後。
#146
○政府参考人(鈴木直和君) これまで指導を重ねてきたにもかかわらずこういった事態に至ったということは極めて残念で遺憾であるというふうに考えております。
 この間、KSD自体もいろいろ改革方針も出ておりますが、また大臣からも、去る十日に直接KSDに対して厳しい指導をしております。これからも厳しい指導をしながら、公益法人としてあるべき姿になるように指導していきたいと考えております。
#147
○渡辺秀央君 今ほども、田名部委員からも会計検査院に慰労の言葉がありましたが、金子院長やあるいはまた部長、大変御苦労さまでございました。
 私が、この国会法第百五条、この参議院の行政監視委員会でぜひ一度発動、そしてまたこの成り行きを委員会が設置されて以後の一つのけじめとしてODAに関してやってみたらという提案者でありますので、心から皆さんの労を多としたいと思いますし、また、ある意味においては一つの問題点が整理されてきているというふうに思います。
 きょうは、本当は各党とも、あるいは各委員ともODAに関しての質疑をこの報告に対してやりたかったんだろうと思うんですが、時局柄いろいろまた問題点も山積しておったので大分散漫になったように思います。しかし、私もせっかく今の田名部委員の発言に続いて、時間も小会派は極めて少ないので、かいつまんでちょっとお聞きをしながら私の考え方を申し上げておきたいと思います。また、委員会で委員長にもひとつぜひ取り上げていただくようにいずれお願いを申し上げたいと思っております。
 私は、今のODAのあり方ということについて、今も与党自民党の大政調会長が三分の一の削減などということを発言していることについての私自身は政治感覚を疑います。非常によく知っている仲ですけれども、そういうことを今言うべき国際的立場であるか、あるいはまた日本の今の状態がそういうことをもしやったとしたらどういうことになるのかということを考えたら、責任者として少しいかがかなという感じはいたします。
 世界の社会経済の安定、我が国の国益にとって極めて重要な問題だと、このODAというのは。また、それだけの成果と効果、そしてまた国益にかなったこともやってきていると。もちろん、整わざる、不整な面は私はあるように、会計検査院の指摘のとおり、これもまたある意味においては惰性とマンネリに入っている嫌いもあると思います。
 私もかつては衆議院時代にこのコンサルタント問題について小委員長を党内でやったことがあります、協力問題でね。だから、問題点はわかってはおるんですが、やっぱり公にしてきちんとしておいた方がいいだろうということもあって、あえてお願いをしたわけです。
 私は、この委員会が行った決議というのはODAのあり方の基本に関する問題であって、外務省においてもこの方向で取り組みを現在進めている段階であることもよくわかっております。十分に現場において徹底するには時間がかかることだと思うんです。これはモラルハザード、相手国の問題ばかりじゃなくて、実際実施をしている役人というか外務省の現場の方にもやっぱりそういうモラルの問題が出てこなきゃ、まさにそれがさっきの使命感の問題だろうというふうに思いますね。
 そういう意味で、当委員会としてはやっぱり引き続いて、せっかく百五条を発動したわけですから、しかもこれだけの大きな成果を得たわけですから、私はこの問題について関心を持ってこれからも見守っていく必要があるというふうに思いますが、さればといって、来年度以降も一々この場で百五条を決議するわけにもいきません。また、会計検査院も困ることだろうというふうに思いますね。
 したがって、このことについて私は、規定を連発することよりも、この規定の権威を軽くしてしまいますから、会計検査院の特定部門にまた過大な負担もかけてもいけませんし、会計検査院の毎年行う一般の会計検査においてODAに関する事項だけを抜き出して、検査をやるときにそういう意識でやっていったらどうかなと。抜き出して当分の間当委員会にODAに関しての報告をしてもらうということ。これだけ集中的にやってみると。一回やってみていただいたわけですから、これは各省あるいは外務省もそれだけの注意もするでしょうし、またそれだけの段取りもするでしょう。
 あるいは、今回の場合にもう一つ指摘されることは、ちょっと飯村局長にも言いたいんですが、これは外務省だけしか調べていないんです、実はODAに関して、会計検査院は。だけれども、実際には建設省も農林省も文部省も全部このODAにある程度かかわる海外協力というのをやっているわけですな。会計検査院は、外務省だけはできたにしても、ほかの省庁はできない、今回も。外務省に関してはできた。だから、そういう意味では、私は前からこの委員会で、ODAに関しては、経済協力に関しては外務省に一本化すべきだと、何らかの形で。プロジェクトその他は各省から上がってきても、実施面においては外務省がやろうと思ったらやれることだ、これは。これは大蔵省が予算のときに措置すればできないことではないと思うんです。
 そういう意味で、まず一点として、時間がありませんから、私はもうしゃべっておるととまらなくなっちゃうんで申しわけないけれども、会計検査院金子院長から、どうですか、毎年御報告をいただくような御努力をちょうだいできるか、そのことが一点。
 それから外務省も、ODAに関することと経済協力等々、今さっきもいろいろ各省庁と連携をとっているとおっしゃった。そのイニシアチブをしっかり経済協力局が持って、そして国民のそういう不況下における経済協力、資金援助というようなことに対しての経済効果あるいはまた目的、効果ということをより能率的に上げていくという方向に対してぜひ御努力を願うということ。
 そして委員長には、今申し上げた委員会でひとつ一年に一回ぐらいはODAに関する会計検査院からの、まあ極めて微に入り細に入りのことは抜きにして、ある程度の報告を当委員会としてはいただくということについてお取り計らいを願いたいというふうに思います。
 以上三点、大変ばらばらですが、時間がないですから、よろしくお願いします。
#148
○会計検査院長(金子晃君) 今回の報告書は、議員御指摘のとおり、我が国の主たるODA実施機関である外務省、国際協力銀行、国際協力事業団を対象に検査を実施いたしました。委員御指摘の他省庁についても、毎年多額のODA予算が計上されておりまして、これらの省庁のODAの検査についても会計検査院は従来から力を入れて実施してきております。
 平成十年度決算検査報告においても、農林省が実施するODAの補助事業において、補助事業主体が支出したとしていた経費の中に架空の経費が含まれていたため、約五千万円が過大に精算されていた事態を不当事項として指摘をしております。
 会計検査院といたしましては、今後も、外務省に限らず政府全体のODAを対象にして、今回の検査結果も踏まえまして、検査の手法に工夫を加えるなどして一層の努力をしていきたいというふうに考えております。
 委員御提案の件ですけれども、当委員会と御相談させていただいて、どういう形で実現するか努力をさせていただきたいと思います。
#149
○政府参考人(飯村豊君) 各省庁との連携、外務省がよくイニシアチブをとってODAの効果を発揮せよという先生のお言葉でございますが、私どもとしても一生懸命連携の緊密化、ODAの効果発揮に努力してまいりたいと思います。
 先般の行政改革におきましても、中央省庁等改革基本法において、外務省がODAに関する政府部内の一連の調整事務を行うということが規定されまして、これを受けまして外務省の設置法でもその旨の規定が入っておりますので、ぜひとも先生の御発言のラインで努力していきたいというふうに考えております。
#150
○委員長(山下栄一君) ただいまございました渡辺君からの委員長への提案につきましては、委員会そのものの運営にかかわることでもございますので、後刻理事会において協議させていただきます。
#151
○渡辺秀央君 まだ何分か残っているようですが、以上で終わりますけれども、外務省にぜひ最貧国の債務問題、やっぱり報告はちゃんとさせなきゃいけませんよ。これは新聞に、会計検査院の報告がなされた、すぐに新聞発表を委員長がしたわけですが、そういうことに対する反応がやっぱりありますね。それを見逃していることはどういうことだと、そういう非難が出ますからね。これはやっぱり全体のエネルギーをなくしていく。日本が経済協力をしている、日本国民として極めてプライド高く、しかもまたそういう意味では使命感も持ちながら、ああ我々日本人は国際平和あるいは各国のそういうことに役立っているなと、そういう気持ち、満足感というのがある傍ら、一方においてそういう問題が出ちゃうと、一体何をやっている、何なんだという問題が出ますから、そういう意味では、全体から見るとごくわずかなことということではなくて、これはやっぱり外務省の出先機関、要するに大使館の問題、そことしっかり連携をとるべきことではないでしょうか。
 特に、経済協力などにおいて、例えば、出先の大使館はわかっている、それから農林省が来る、あるいは文部省が来る、そういう意味ではどんなことをやっているのかなとおぼろげながらわかる。しかし、本省同士が連携がとれていない、あるいはまたそれによって出先の大使館が、この国はそれよりもこっちなんだがなというものもあるわけですから、そういう意味での大使会議というのを各地域ごとに毎年やっている、意見交換しているわけだから、そういう意味では、やっぱり一元化ということは私は絶対に崩してはならない方針だなと。僕が政治家をやっている限りは言い続けるつもりです。こんなばらばらなことをやって、日本の国益にかなうはずがない。そういう意味では、ほかの役所から恨まれようが、外務省のそういう意味での応援団は私は大いにやっていくつもりです。だから、あなたたちの方は自信を持って、しかも責任を持って、使命感を持ってやってくれれば必ず大きな成果が上がる、こういうことだろうと思いますね。
 会計検査院の方におかれて、金子院長以下ぜひ、なかなかお大抵でないことですが、もしあれだったら、その効果を上げるためには大いに予算を大蔵省に主張して、あるいは人員の獲得も、削減しなきゃならぬところもあるでしょうけれども、むだな人間も相当出先機関に出ているから、そういうところを削減して、そして会計検査院の立派な検査ができる体制をぜひ主計局とも、あるいはまたこれから新しくできる予算編成をやっていく内閣府、予算編成に関する方針の中で物すごく大事な問題として私は院長から大いに働きかけていただくべきだなというふうに思うんです。
 やっぱり、そういうところは今までの惰性の政治が変わっていくことになっていく、よろしく御検討をお願い申し上げ、かつまた一層の御精励を期待して、私の質問と激励を終わります。
#152
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 ODAについてお伺いをしたいと思います。私の方からは、ODAを通じて取り組まれている保健・医療対策についてお伺いをしたいと思います。
 先日も、この部屋なんですが、国民福祉委員会の方でポリオ対策について質問させていただきました。このポリオにつきましては、昭和三十五年には我が国におきましては患者さんが何と五千人、大流行ということになって、本当に寂しい、悲しい、つらい思い出ですけれども、その翌年ですが、昭和三十六年には生ワクチン三百万人分がカナダとソ連から輸入をされて、患者さんは見る見るうちに減少していきました。こういう歴史もございます。その後国内の発生はありません。少なくなっていきました。
 その視点を今度は海外に向けていったわけですけれども、そうした中で、先月の二十九日でございますが、WHOが西太平洋地域でのポリオの根絶を京都で宣言されました。この間、厚生省、外務省におかれましては大変な御苦労であったと思います。敬意を表します。我が国が今まで果たしてきた役割について、ぜひきょうは、今回のこの京都宣言が出されたのと我が国が果たしてきた役割について、国際協力という観点から外務省からお答えをいただきたいと思います。
#153
○政府参考人(飯村豊君) 一九八八年にWHOによって二〇〇〇年までにポリオを世界から根絶するとの目標が掲げられております。西太平洋地域では、一九九〇年には野生ポリオの発生件数は六千件を超えていたというふうに言われております。こういったWHOの目標を受けまして、日本としまして、国際的な目標の実現に向けて日本国内でのポリオ対策への取り組みの経験を生かしつつ積極的に協力を行ってまいりました。特に西太平洋地域につきましては、日本としまして重点地域というふうに考えて、国際機関、各国政府、専門家、NGO、これには日本のロータリーインターナショナルも含まれますけれども、などと密接に連携しつつ可能な限りの協力を行ってまいりました。
 今般、西太平洋地域において野生株によるポリオ患者の発生が終息したという宣言が行われましたことは、この地域におきます最大の援助国としての日本あるいはさまざまの国々の官民の皆様方の努力の結果であるというふうに考えておりまして、まことに喜ばしいことというふうに考えております。
#154
○西川きよし君 資料もたくさん、そしてまた京都会議のときの資料もいただきました。拝見させていただきまして、勉強させていただいて、日本のODAによるポリオ根絶への協力の中心は、途上国におけるNID、全国一斉ワクチン投与の日、この実施を支援するということで、その額として一九九三年から九九年まで六年間で百二十七億円に達しているということですけれども、これまでのこの分野における実績についてお伺いしたいと思います。
#155
○政府参考人(飯村豊君) 日本といたしまして、九三年度以降さまざまの方法、例えばポリオワクチン、それからワクチンを冷蔵、冷凍して運搬する機材、コールドチェーンと言っておりますけれども、そういったワクチン投与のための資機材などを供与してまいりましたほか、専門家、青年海外協力隊の派遣あるいは研修員の受け入れなどで我が国の専門分野の技術、これを移転してまいった次第でございます。委員御指摘のとおり、九九年度までに我が国が実施いたしました支援総額は百二十七億円に達しておりまして、このうち西太平洋地域に実施した支援額は約三十億円ということになっております。
 なお、我が国の協力によりますポリオワクチン供与につきましては、推定では西太平洋地域の子供さんたち延べ約二億五千二百万人分の予防接種が行われたというふうに考えております。
#156
○西川きよし君 御答弁の中にもございましたが、いろんな方々に御協力をいただいて本当にありがたいことだと思いますし、先日も厚生省の御答弁にもあったんですけれども、西太平洋地域の根絶が実現をしたとしても、地球上という視点から見ますと、南アジア、アフリカ地域においてはまだまだポリオが発生をしているという地域もたくさんこの資料にもございます。そういう意味では、今後世界のポリオ根絶に向けた我が国の役割というのは依然として大きいものがあるのではないかなというふうに私は思います。
 この点についてのODAによります協力としては、どのようなことを考えてこれから対応していかなければいけないのでしょうか。
#157
○政府参考人(飯村豊君) 二点ございますが、第一点は、先般の沖縄サミットの機会に我が国といたしまして、沖縄感染症対策イニシアチブということで、今後五年間で三十億ドルをめどとする協力を行うということを表明いたしましたが、このイニシアチブのもとでは、ポリオ対策を他のエイズ、結核、マラリアと並びまして主な支援対象の一つとしております。
 さらに、第二点目でございますけれども、まさに委員御指摘のとおり、西太平洋地域からはポリオは根絶されましたが、その他の地域、特に南アジア地域のポリオの根絶が行われない場合はまた西太平洋地域にポリオが伝染する可能性もあるということのようでございますし、アフリカ地域においてはポリオの問題は大変に深刻な状況になっておりますので、この地域に何とか力を入れてポリオ根絶に向けた努力を進めていきたいというふうに考えています。
#158
○西川きよし君 ありがとうございました。
 次に、ODAの事業といたしまして取り組まれております母子保健・基礎医療機材整備計画、これについてお伺いをしたいと思うんですが、先月、この事業に関連をいたしましての入札のあり方について報道がございましたのですけれども、少し一部新聞を読ませていただきたいと思います。
 「外務省の外郭団体「国際協力事業団」のブータン向け政府開発援助の入札で、最低価格を入れた業者が、納入機材の一部が入札要件で指定された日本製ではないという理由で失格し、約三千五百万円も高い価格を提示した別の業者が落札していたことが二十八日、関係者の話で分かった。指定された機材と失格機材の性能に差はなく、市民団体からは硬直化した入札システムが、税金の無駄遣いにつながっているという声も上がっている。」と、こういうふうに報道されておるわけですけれども、この報道の事実関係をお伺いしたいと思います。
#159
○政府参考人(飯村豊君) 今、委員御指摘の平成十二年度対ブータン無償資金協力案件でございますけれども、この件につきましては、ブータン王国の政府がこの八月十六日に調達機材についての入札を公示しております。日本の一つの会社が総額一億七千六百万円で落札しております。
 この入札にはもう一つの会社、具体的には豊田通商でございますけれども、がより低い応札額で応札しておりますけれども、調達機材のうち保育器が入札条件、すなわちブータン製または日本製であることを満たしていなかったということで失格となっております。
 その背景には、我が国の無償資金協力の実施に当たっては、調達は原則として一般競争入札ということでございますけれども、援助の実効性を確保するために、入札条件、技術仕様を事前に入札図書というもので示しております。したがいまして、入札条件及び技術仕様を満たした業者の中から最も低い価格を提示した業者の方に交渉権を付与するということが原則となっております。
 本件につきましては、当該業者、すなわち豊田通商がその条件、仕様に従っていなかった、日本製もしくはブータン製を要件とするということですが、それに従っていなかったわけでございまして、事前に公示されました、事前に明らかにされました入札の内容の透明性、公正性の観点からは失格はやむを得なかったというふうに考えております。
#160
○西川きよし君 ありがとうございました。
 私もこの委員会、初めて今回お世話になるわけですが、諸先生方、いろんな角度から、視点から御質問があるわけですけれども、この報道の中でも、国際協力事業団は「入札前に決められたルールに合わなかったため失格にした。」というわけでございますけれども、一般の納税者の方から見れば違和感を感じざるを得ない、あるいはまた納入品の調達国を限定することに対する疑問の声もあるわけですけれども、私の時間ももう参りました。こうした指摘に対してはどのようなお考えであるか、この問題を最後にして、御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
#161
○政府参考人(飯村豊君) 日本の一般プロジェクト無償案件の調達先につきましては、品質、価格において競争性を確保する、あるいはアフターケアの点で問題がないこと等の観点を踏まえて、相手国政府との合意によって、我が国、被援助国、それから第三国の中から適切な選択を行っているつもりでございます。
 このブータン向けのプロジェクトにおきまして今問題になっているのは保育器でございますけれども、保育器の調達先につきましては日本またはブータン王国のいずれかに限定したわけでございますけれども、これは、第三国製品に比して日本製の方が割安であるということと、維持管理、アフターケアの点でも問題がないということから第三国の調達を必要と認めなかったわけでございます。
 今回の豊田通商の応札いたしましたのは米国製の保育器でございますけれども、保育器自体の価格について申し上げますれば日本製の機材よりも割高であったということでございます。
#162
○西川きよし君 ありがとうございました。
#163
○委員長(山下栄一君) 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。
   午後四時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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