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2000/11/22 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 予算委員会 第3号
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2000/11/22 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 予算委員会 第3号

#1
第150回国会 予算委員会 第3号
平成十二年十一月二十二日(水曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     堂本 暁子君     田名部匡省君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     金田 勝年君     長峯  基君
     久世 公堯君     国井 正幸君
     山本  保君     福本 潤一君
     宮本 岳志君     八田ひろ子君
     水野 誠一君     岩本 荘太君
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     岩本 荘太君     堂本 暁子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡野  裕君
    理 事
                岩城 光英君
                尾辻 秀久君
                陣内 孝雄君
                吉村剛太郎君
                足立 良平君
                高嶋 良充君
                弘友 和夫君
                笠井  亮君
                照屋 寛徳君
    委 員
                入澤  肇君
                大野つや子君
                岸  宏一君
                久野 恒一君
                沓掛 哲男君
                国井 正幸君
                斉藤 滋宣君
                田中 直紀君
                竹山  裕君
                長峯  基君
                南野知惠子君
                長谷川道郎君
                保坂 三蔵君
                松谷蒼一郎君
                依田 智治君
                江田 五月君
                木俣 佳丈君
                千葉 景子君
                羽田雄一郎君
                堀  利和君
                前川 忠夫君
                円 より子君
                峰崎 直樹君
                簗瀬  進君
                魚住裕一郎君
                福本 潤一君
                松 あきら君
                小池  晃君
                須藤美也子君
                八田ひろ子君
                清水 澄子君
                三重野栄子君
                田名部匡省君
                堂本 暁子君
                石井 一二君
   国務大臣
       内閣総理大臣   森  喜朗君
       法務大臣     保岡 興治君
       外務大臣     河野 洋平君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       大島 理森君
       厚生大臣     津島 雄二君
       農林水産大臣
       国務大臣
       (環境庁長官事
       務代理)     谷  洋一君
       通商産業大臣   平沼 赳夫君
       運輸大臣
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)      森田  一君
       郵政大臣     平林 鴻三君
       労働大臣     吉川 芳男君
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  扇  千景君
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    西田  司君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       福田 康夫君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    相沢 英之君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  虎島 和夫君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   政務次官
       大蔵政務次官   七条  明君
       文部政務次官   鈴木 恒夫君
       厚生政務次官   福島  豊君
       農林水産政務次
       官        三浦 一水君
       運輸政務次官   泉  信也君
       郵政政務次官   佐田玄一郎君
       労働政務次官   釜本 邦茂君
       建設政務次官   植竹 繁雄君
       自治政務次官   荒井 広幸君
       総理府政務次官  中原  爽君
       金融再生政務次
       官        宮本 一三君
       総務政務次官   海老原義彦君
       北海道開発政務
       次官       橋本 聖子君
       防衛政務次官   仲村 正治君
       防衛政務次官   鈴木 正孝君
       経済企画政務次
       官        小野 晋也君
       環境政務次官   河合 正智君
       沖縄開発政務次
       官        白保 台一君
       国土政務次官   蓮実  進君
        ─────
       会計検査院長   金子  晃君
        ─────
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宍戸  洋君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官室内閣参事
       官        岩崎  勉君
       人事院事務総局
       職員局長     中橋 芳弘君
       内閣総理大臣官
       房管理室長    坂東眞理子君
       法務省刑事局長  古田 佑紀君
       外務省アジア局
       長        槙田 邦彦君
       外務省条約局長  谷内正太郎君
       文部省高等教育
       局長       工藤 智規君
       厚生省社会・援
       護局長      炭谷  茂君
       農林水産省食品
       流通局長     西藤 久三君
       食糧庁長官    高木  賢君
       林野庁長官    伴  次雄君
       水産庁長官    中須 勇雄君
       労働省労働基準
       局長       野寺 康幸君
       労働省職業安定
       局長       渡邊  信君
       労働省職業能力
       開発局長     日比  徹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十二年度一般会計補正予算(第1号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成十二年度特別会計補正予算(特第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
○平成十二年度政府関係機関補正予算(機第1号
 )(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りをいたします。
 平成十二年度補正予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じます。御異議はございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、そのように決定をいたします。
    ─────────────
#4
○委員長(岡野裕君) 平成十二年度補正予算三案に関する理事会決定事項、これにつきまして御報告をいたします。
 本日の質疑は総括質疑方式とし、質疑の割り当て時間は百四十分とすること、また各会派への割り当て時分は、自由民主党・保守党五十二分、民主党・新緑風会四十分、公明党十二分、日本共産党十四分、社会民主党・護憲連合十一分、無所属の会七分、二院クラブ・自由連合四分とすること、質疑順位はお手元に配付しておりますとおりでございます。
    ─────────────
#5
○委員長(岡野裕君) 次に、平成十二年度一般会計補正予算(第1号)、平成十二年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これから質疑に入りたいと存じます。まず、簗瀬進君。
#6
○簗瀬進君 おはようございます。民主党・新緑風会の簗瀬進でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 一昨日、加藤派、山崎派は本会議の直前になって急遽欠席、結果として内閣不信任案は否決されることとなりました。自民党は分裂の危機を回避できたわけであります。
 まず、今回の政局を無事乗り切られた御感想を森総理から聞かせていただきたいと思います。
#7
○国務大臣(森喜朗君) 我が党の中にさまざまな、いろんな皆さんのお声というのは常にございます。そのことが政局であるとか我が党の内部の分裂であるとか、それは簗瀬議員がそのようにお考えになるのかもしれませんが、党としてはそうした意見の対立があったりあるいは意見の交換があったりして、政党としての中ではそうしたことはやっぱりしばしばあることでございます。
 ただ、私は、今回のことは私自身の不信任を野党の皆さんからお出しをいただいて、それを与党三党で否決をしていただいたということで、私自身、極めて大事な国会でありますし、今御審議をいただいております補正予算を初めとして、国民生活にとって、また日本の経済を下支えする意味でもより大事な法案でありますので、こうした法案の成立のためにひとときの停滞もあってはならない、このように考えておりました。
 また、来年の一月六日からは国会の皆さんで御苦労していただいて新しい日本の新生を目指した新中央省庁もスタートする、そういうこともございますから、できる限りそういう政治的な空白がないことを私自身願っておりましたので、そういう意味で、今回こういう形で否決をしていただいたということは、大変私にとりまして、国会を優先していただく、国民生活あるいは国のことを第一義に考えていただいたという、そういう適切な判断を国会はしていただいたと、こういうふうに考えて、私としては大変ありがたいことだと思っております。
 ただ、私自身に対する不信任であるということであれば、国会で信任をされたということでありますが、こうしたことに至ったことについては謙虚に受けとめて、なお一層、国家国民にとって大事な政治を果敢に進めていく、そういう心境でございます。
#8
○簗瀬進君 私は、今回の、加藤政局と言われたりしますけれども、今までの政局の様相と若干の違いあるいは大きな新しい時代の予感みたいなものを感ずるんですけれども、今までの政局とちょっと違った印象を持っているんですが、この点について総理は何かお感じになったことはありますか。
#9
○国務大臣(森喜朗君) 簗瀬議員がどういう視点でそういうふうにおとらえになったかというのを伺ってからの方がいいと思いますが、加藤議員はしばしば国民の皆さんにという発言をされておられたような気がします。私たちも、形は変わるかもしれませんが、国家国民のために内閣をお預かりしているわけですから、常に国家国民のために何をすべきかという、そういう観点に立っているわけでありますから、そう大きな私は違いはなかったんだろう、こう思っております。
 簗瀬さん、私の発言によってまたどういうふうに持っていかれようとしているのか、お聞きしなければわかりませんので、そういうお尋ねであればこのようにしか申し上げることはできないと思います。
#10
○簗瀬進君 総理は恐らく歴史にはIT総理という名前で残られるかもしれません。私は、そういう意味ではITというこの新しい情報ツールが社会全般にいろんな影響を及ぼしている、それは政治の世界でも同じであると思います。
 私は、今回の政局というのは、加藤さんに寄せられたインターネットを通しての国民の大きな声、たくさんのメールが来たと聞いています。まさにそういう意味では国民がホームページを通して直接に加藤さんに声を寄せる、そしてそれが加藤さんを大きく動かした。そういう意味では、加藤政局というよりもインターネット政局ともいうべき新しい事態が生まれたのではないのかなと、そういうふうに感じておりますけれども、総理はどうでしょうか。
#11
○国務大臣(森喜朗君) 加藤さんのみならず、官邸にも毎日いろんな多くのお声が届いております。Eメールなどもちょうだいをいたしておりますし、そしてまたお電話もいただいておりますし、また私自身も家に持っておりますパソコンにはいろんなお話や、あるいはしかし、私にとりましてはむしろEメールは激励の方が多かったというふうに私は承知しております。
#12
○簗瀬進君 加藤さんが言うならば総決起ののろしを上げたのは彼のホームページでございました。ここに彼のホームページのトップページがございます。ここに一番最初に「加藤紘一からの緊急メッセージ」というのがありまして、それをダウンロードしてまいりました。今もホームページに載っております。
 この緊急メッセージの中身をちょっと御紹介させていただきたい。「私は現在の自民党の状態はかなり危機的な状態であると感じております。これは、単に森内閣の問題ではなく、こういう危機的な状態になっているのにわが党が何もしない、できない、そして思っているのに、発言できないという状況が国民の批判を受けているということだと思います。」、これは加藤さん御自身が書いた言葉だと思います。どうですか、この加藤さんの御指摘。
 そこで、総理に質問したいんですけれども、まずここに書かれている自民党は危機的な状況であるとお感じになっているかどうか、また思っているのに発言できない状況が現在の自民党にあるのかどうか、総理の考えを聞かせていただきたい。
#13
○国務大臣(森喜朗君) 内閣の責任ある立場にとりましても、また党の一員という立場にとりましても、常に危機的ということよりも緊張感を持って事に当たっていくという気持ちは加藤さんも私も同じだというふうに思っております。
 簗瀬議員もかつて我が党におられましたので、我が党の組織あるいは活動の運営はよく御存じだと思いますし、我が党にはそれぞれの部会もあり、朝はもう八時から、八時半から常にいろんな政策課題について議論をしているわけでありますし、あるいは政調の審議会もあり、あるいは総務会もありまして、だれでも来て、だれでも発言ができる。たとえ総務会で総務でなくてもいわゆる委員外発言ということは認められているわけでありますし、そういう意味では発言が全く抑えられているという、そういうふうに私どもは考えておりません。
 どういう視点のことを加藤さんがおっしゃったのか私わかりませんけれども、ただ、加藤さんのように幹事長もなされ、党の活動を執行部として御経験を積んでおられますから、そういう加藤さんが総務会へ出てこられたり、あるいは政調会に出てこられて御発言をされることについて、加藤さん自身が御遠慮なさっておられるのかもしれませんけれども、発言が全く封じられているとか発言ができない政党であるということだけは断じてありませんので、むしろこれくらいオープンな政党は私はないというふうに思っております。
#14
○簗瀬進君 欠席をするということで、事実上の敗北をなさった。そして、その後の報告会が合同で加藤派、山崎派の間で行われました。自分一人でも出席をして賛成をしたいという加藤さんを皆さんで涙ながらに押しとどめているという光景も見させていただきました。
 総理はこのテレビをごらんになりましたか。
#15
○国務大臣(森喜朗君) ニュースで拝見しました。
#16
○簗瀬進君 総理はこのテレビをごらんになってどのような感想をお持ちになったのか、まず聞かせてください。
#17
○国務大臣(森喜朗君) 加藤さんが出てどういうお立場を本会議でおとりになるのかは、私は結果がなかったわけですからわかりませんが、党としては、党にはやはり規律があるわけでありますし、党の内規もありますし、党則もあるわけであります。したがって、党の判断と違う行動をなされば、それだけの党則の違反ということになるわけでありますから、事前にそういうことを幹事長から加藤さんに対しては御注意をされておられるというふうに報告を聞いておりますので、そういうお立場で、もし党の決定と違うお立場になるということになれば、政治家として大変大きな御判断をされるということになる。そうあってはならない、党の中でさらにまた建設的な御意見をいただきながら解決していってほしいというのがあの友人たち皆さんのお考えだったんだろうと思うし、加藤さんも最終的にはその判断に従われて欠席をされたというふうに、私はそのように、どういう感想を持つかといえば、そういう私は感想を持っております。
#18
○簗瀬進君 報道によりますと、大変すさまじい切り崩しが行われたやに聞いております。
 言うならば、あめとむちといいますか、私は、今も総理御指摘のように、七年前、九三年、宮澤内閣の不信任案に自民党の中で実は賛成票を投じる第一番目の人間になってしまいました。あのときに大変な苦しみの中で自民党を飛び出した。しかし、あのときと今の自民党は体質的にはほとんど変わっていないのではないのかなと、こういうふうな思いをあのテレビを見ながら見させていただいたわけであります。
 そして、そのような言うならば密室と談合、そしてある意味で大変派閥の強権政治を、デジタル革命といいますか、インターネットに寄せられた国民の声が打ち破ろうとしたけれども、結果として加藤さん御自身も最後には国民の声をしっかりと受けることはできなかった。その証拠に、この加藤紘一さんのホームページのトップページ、けさ午前三時にこれを私はダウンロードいたしましたけれども、ここのメッセージは十一月十九日で終わっています。今週の日曜日ですね、それで終わっている。その後の状況までホームページにしっかりと載せていただければ、ある意味では、敗北しながらも加藤さんは新しいデジタル政治の先鞭を切れたのではないのかなと。しかし、加藤さん御自身も、やはり自分自身もそのデジタル体質になり切れなかった、自民党の古くからの談合体質の中に再び戻らざるを得なかったということが私は今回の一つの政局の象徴的な出来事であったんではないのかなと思います。
 結果として、自民党のある意味での次代の希望の星であった加藤さんも大きく傷つかれた。確かに森さんとしては勝利をいたしましたけれども、この一連の政局を通して多くの国民の皆さんは、やっぱり自民党というのは新しい政治の風、新しい国民の期待、これをしっかりと受けられる政党ではないんではないのかな、こういうふうな気持ちを持ったんではないでしょうか。
 森さんとしては勝利した、しかし自民党としては大きな敗北ではなかったかと思うんですが、いかがでありましょうか。
#19
○国務大臣(森喜朗君) 先ほども申し上げましたように、これは私が勝ったとか自民党が敗れたとか混乱をしたということじゃないと思います。
 先ほど触れましたように、申し上げましたように、今一番大事なことは、政治にいっときの停滞もあってはならない大事な時期だということは、これは与野党の皆さん通じて御理解をいただけるところだと思うんです。
 いよいよ新しい世紀が始まります。先ほども申し上げましたが、中央省庁もスタートします。何としてもこの国会でこの補正予算、そしてこれは簗瀬議員も大変な御専門でもあるわけですが、IT関連についての施策も進めていかなければならない。少年法もあります。国民の皆さんにとって、ここ近年、警察に対するいろんな思いがあるわけですから、この警察法もある。そうしたさまざまの二十一世紀に向けて日本にとって大事な法律がたくさんある。そういう大事な時期でありますから、この時期をそうした空白ができない、生じない形での国会を、国会は国民を第一義に考えるという、そういう適切な判断を下していただいたという意味で、私は大変感謝をしているわけです。森一人、個人のものではないと私は思っています。
 そして、自由民主党の中のことについていろいろお話しになりますけれども、逆に言えば、加藤さん御自身の御判断、それをお仲間の方が同調される、そのこと自体が逆に言えばまた派閥構造になるわけであって、私は一人一人の政治家が一人一人の判断で反対を投じられる、あるいは賛成をなさる、あるいは欠席をなさるということになるんだろうと思います。
 グループですべてを縛ってしまうということは私はあり得ないし、それはおもしろおかしくいろんな評論家の方やマスコミが報じておりますけれども、やはり政治家は、一人一人が今何をなすべきか、今何が一番大事なことなのかという判断をなさったと思うんです。完全にグループで締めて、そしてグループ同士での話し合いでどうこうしたということは、それは外からごらんになって、外からそういう今までの一つの、何というんでしょうか、先入観でもって御判断なされていると思います。
 今度は、私は、我が党の衆参両院すべて、直接には参議院の皆さんの御投票はありませんでしたけれども、いずれにしても、みんなそれぞれの正しい判断で、今何をやることが大事なのかという判断によって私は最終的な本会議におきます不信任案に対して対応されたのだと思います。他党の皆さんがいろんなことをおっしゃるのはそれは御自由でありますけれども、我が党の中は、我が党の議員の皆さんはそれぞれ真剣にまじめにしっかりと考えてそれぞれの行動をなさったということを私はこの委員会の場で明確に申し上げておきたいと思います。
#20
○簗瀬進君 加藤さんを突き動かしたのは、恐らく毎日何万通というメールが彼に届けられた、それが加藤さんを動かしたんではないのかなと。その自民党のコップのあらしをインターネットに寄せられた国民の声が突き破ろうとした。しかし、最終的にはそれを自民党が、今までの密室談合の体質、強権政治、そういう中で国民のインターネットに寄せられた声をねじ伏せた。
 私は、今回の政局というのは、まさに加藤さんという方を通した国民の声と自民党の対話が、やはり皆さんの今までの体質によって閉ざされてしまったと。私は、そういう意味では加藤さんへの失望感とそれから自民党への国民の皆さんの失望感というのは大変なものがあると思います。
 この点について総理はどのようにお考えになっていますか。
#21
○国務大臣(森喜朗君) 何か加藤さんが不信任案に同調されて賛成票を投じられたり私が不信任を食らって退陣したらあなたは納得なさるのかなと、そう思いますけれども、それはあなたやそれをすることに同調される方の考えでありまして、そうでないことを願っている人たちの方が国会では多かったということじゃないでしょうか。
 それから、ホームページのこともいろいろおっしゃいますが、ホームページやEメールは加藤さんだけじゃないんですね。私もやっていますよ。多くの先生方もみんなやっておられますよ。しかし、基本は、ホームページやEメールやそういう国民の皆さんの御意見は大事にしなきゃならぬと思いますよ、参考にしなきゃならぬと思いますが、それによって政治は行うべきものではないんじゃないでしょうか。大事に参考にしなきゃならぬが、衆議院にとっても参議院にとってもやっぱり国民から選ばれた代議員という立場があるわけですから、その皆さんによって国政のいすをお預けいただいて、その中で政治家として判断をしていく、あるいは政党人として。やはり今の選挙制度は政党本位の政治に変わったわけですね。
 あなたもあのときに、自民党を出られたときには、政党本位の政治にしなきゃならぬというその信念で、個人的には宮澤さんに不信任を、内閣に不信任をすることは大変苦しい判断だったと思いますよ、あなたも。しかし、それは政党本位のあの政治改革をやりたいという一心だったというふうに、私は当時幹事長でしたからよく知っております、あなたのおやりになったことは。
 ですから、そういう意味で皆さんがやっぱりそれぞれ御自分の判断をなさっているので、先ほどから簗瀬議員のお話を聞いていると、何かホームページの意見がすべてであって、その意見に従って動かなきゃ国民を代表する政治家ではないんだという御議論には私は必ずしもくみすることはできないと思いますね。
#22
○簗瀬進君 これはホームページの声だけで政治をやれなどとそういう短絡的なことを言っているわけではありませんけれども、やっぱりインターネット等に寄せられた直接的な声なんですよ。今まで国民はそういう直接的な声を政治家が受けて行動してくれるというふうな、そういう経験は持っていなかった。しかし、それが今度行われようとしたから大変な期待感が高まったということはぜひ御理解いただきたい。
 そしてもう一つ、そうおっしゃりながら、IT総理といいながら、森さん御自身はホームページをお持ちですか。
#23
○国務大臣(森喜朗君) 先ほど申し上げましたように、官邸にホームページがございます。それから、党にもホームページがございまして、総裁としての発言が出されたり、官邸はもう日々日々まさにリアルタイムで考え方をお示ししております。私自身、家にもそうしたパソコンも用意しておりますから、いろんな方々から御意見がございます。
 加藤さんには加藤さんに対する期待感で、立ちなさい、不信任に賛成しなさいという声がたくさん来たのは、それは私は否定するものじゃありません。しかし、逆に言えば、我々にも、多くの議員の皆さんにもいろんな電話もありあるいはEメールがあって、頑張りなさい、ここはしっかりと否決をしてしっかりと国民のために政治的責任を果たしなさいという激励の声が来ているんじゃないでしょうか。
#24
○簗瀬進君 そろそろこの質問を閉じたいと思いますが、私は今回の一連の流れを見て、やっぱり自民党の時代錯誤のアナクロ政党的な体質というようなものが国民の目の前で大変明らかになった、もはや自民党の歴史的使命は尽きようとしている、加藤政局はろうそくが燃え尽きる寸前の一瞬のはかない光芒であったのではないのか、私はこのように感じています。どうかこの国民の声というようなものを忘れずに、しっかりとした政治をやっていっていただきたいとお願いを申し上げます。
 それでは次に、第三国発見方式発言、これは非常に問題でございますけれども、その点を総理にまずは御質問させていただきたいと思います。
 この問題、論点が非常に拡散をしていてわかりづらくなっているということもありますので、まず第一番目に事実を確認させていただきたい。
 まず第一点でありますけれども、外交もさまざまなチャネルがあるわけでありますけれども、三年前の訪朝団、これは自社さで行かれた。総理は当時、自民党総務会長として総団長というお立場であった。
 このときの交渉の中身というのは政府間交渉と位置づけるべきなのですか、それとも議員間の交渉のレベルというべきものなのでしょうか。
#25
○国務大臣(森喜朗君) 政府の交渉ではないわけですね、政府の関係者はだれもおりませんから。あくまでも政党代表でお伺いをした、当時の与党三党としてお伺いをしたということでございます。
#26
○簗瀬進君 政府の交渉と議員間の交渉はどこが違うんですか。明確に答えてください。
#27
○国務大臣(森喜朗君) 政党の場合は、相手側の立場もあると思いますが、お互いにフランクに率直ないろんなお話ができることであって、いわゆる政府が決めたことを持ちかける、話しかける、そのことを議題にして議論をするということではないと思います。
 私たちは、あくまでも日朝関係が少しでも正常化してほしい、そしてまた当時としては、日朝の話し合いの機運が、政府間の話し合いが高まりつつあったというふうに我々は承知をしておりますが、そういう政府間のお話し合いが少しでも進むように、そういう環境をつくり上げていこうということで、あるいは問題点などは何なのか、政府同士であれば余り具体的なところにまで話が詰められないけれども、政治家同士であるならばあるいは政党同士であるならば率直な意見も交わせるのではないかということで、あくまでも政府の交渉がより前進でき得るように、そういう環境をつくろうという意味で私たちは訪朝をしたわけです。
#28
○簗瀬進君 第二点、いわゆる第三国発見方式は当時の自社さ訪朝団の一致した提案であったのでしょうか。
#29
○国務大臣(森喜朗君) 訪朝いたします前に、すべて話し合って、こういうふうにやろうとか、こういうことをしようというふうなことを別にまとめて行ったわけではございません。
 先ほど申し上げましたように、あくまでも政府間の交渉が少しでもできるように、もし障害物があるということであれば事前に政治家同士、政党同士で話し合っておく方がより進むんではないかという思いで参りましたから、当時、議論をどうこうするということではなかったと思います。現場でフランクなお話し合いをしていくということが大事だったと思います。
 ただ、当時の私たちの思いといたしましては、正常化交渉ができるだけ具体的に正式に始まってほしいということが第一義であったと思いますし、そして日朝間におきます幾つかの安全保障の問題がございますし、あるいは過去の歴史的な経緯もございますから、そうした問題もあるでしょうし、それから何といっても日本の国民にとって最大の関心事といいましょうか、解決をしてほしいという思いがあったのはやはり拉致問題であったと思いますから、そうしたことは現地に行っていろんな話し合いの中からお話し合いをしていこうという、そういうことで臨んだというふうに私は承知しております。
#30
○簗瀬進君 拉致された方を行方不明者とするということについての三党の合意はあったんですか、訪朝団の。
#31
○国務大臣(森喜朗君) 事前にはそういう打ち合わせはございません。
#32
○簗瀬進君 第三点の事実確認です。
 総理、当時は自民党総務会長、総団長という立場でありましたけれども、中山正暉衆議院議員の提案の内容については了解をしていたわけですか。
#33
○国務大臣(森喜朗君) そうした中山副団長の御提案については、事前にそういう話し合いはいたしておりません。
#34
○簗瀬進君 事前にはなかったということですけれども、その発言が出たときについて、総理はよく御了解を、あるいは随分御記憶がはっきりとしておられるように私は思っておるんですけれども、事前に了解をちゃんとしていたんじゃないんですか。どうなんですか、そこは。
#35
○国務大臣(森喜朗君) 直接的にこういう方式でどうしようとかああしようという、そういう話は何もいたしておりません。
 向こう側といいますか、北朝鮮側は拉致というものはないんだという姿勢をとっておられますね。我々としてはこれはある程度間違いなく北朝鮮側に拉致されたものだという判断をいたしておりましたから、どうしてこのことが解決するだろうかと。
 基本的には、政府とはまた違うわけですから、我々としては、あの行方不明になられたお子様たちの御両親を含め御家族の皆さん、そういう皆さんの思いをまず頭に一番先に描くと思います。何とかして帰していただきたい、何とか親御さんのもとに何らかの安否、消息等が伝わることができないんだろうか。政治的にはあるいは外交上は大変難しい話なのかもしれませんけれども、何かいい方法はないんだろうか。ただひたすらその御家族のお気持ちを考えると、何か具体的ないい手だてがないものだろうかなということを考えるのは、だれしも私は同じだろうと思うんです。
 ですから、あの会議の中で大変問題になりましたときには、会議そのものがもう暗礁に乗り上げてしまいました。そこで、中山副団長としては、こういう考え方もあるんじゃないかというお話をされたと。私はそのときに、これは外交交渉とかそういう政府の交渉とは別に、そのことによってもしお子たちの安否がわかるものならこれはいいなと、私はやっぱりそのときに思いました。
 そういう考え方で何とか判断してもらえませんかという気持ちを、私はあのときの雰囲気の中におりまして、そういう中のことを、今政府としては日朝の大事な交渉時期でございますから三年前のことは余り申し上げたくはございませんが、はっきり申し上げて、この拉致問題に入った途端に立ち上がって、もうこの話は終わりだという状況になったんです。それで、まあまあ待ってください、我々もこうやって来ているんだから落ちついて話しましょうと言うけれども、そういう問題を出すのならもうこの会議はだめだといってみんな立ち上がっちゃうという、そういう雰囲気でしたから、まずは席へ座ってくださいということで、中山さんは当時、超党派だったか我が党だけでしたでしょうか、拉致議員連盟の会長をしておられましたから、その問題の対応を彼はテーマとして持っておられた。たしか当時の参議院の関根さんもその担当だったと思いますから、お二人で一生懸命、そのことを何としても解決させたいというお気持ちで参加されたわけですから、あの状況の中では中山副団長のお話は私はなるほどなと、こう思ったし、もしそういうことを含んでもらえて何かいい兆しが見えればいいなというのは、率直に申し上げてあのとき私はあの場所を、紛糾した会議をおさめるためには本当にいい提案だと思いました。
#36
○簗瀬進君 本当にいい提案だと思ったというのが今の答弁のまとめですね。それでよろしいんですね。
#37
○国務大臣(森喜朗君) そのときの議場で、それでまず皆さんが席へ着かれて、それでまたいわゆる三党の訪朝団の話が進んだものですから、それはそれで私はよかったなと思っています。
 私は、何度も申し上げておりますが、衆議院でも予算委員会で申し上げた、あるいは本会議場でも申し上げた。そのことが政府の判断として示したものじゃないということだけはこれは明確に申し上げておきますし、今でも政府側からそういう問題をそういう考え方で解決してくださいということは正式には何も言っておりません。
 あの三年前のその会場の中で中山副団長としてそういう提案で、それで拉致ということでやるならもうこの話は決裂だ、もうやめよう、お帰りくださいという感じでしたから、それじゃ何のために我々は来たのかということになりますから、中山副団長がとっさにそういう御判断を示されたわけです。私は、その当時その場所にいる立場としてはそれでよかったなと、何とかそういう方法でもいいから、何かいい案で消息だけでもわかればいいがなという、そんな思いを私は当時としては持っておりました。
#38
○簗瀬進君 本当にいい提案だと今おっしゃられましたけれども、その具体的な提案の中身をもう一回ここで説明してください。
#39
○国務大臣(森喜朗君) これは中山さんのお気持ちを全部詳しく承知して聞いて話をするわけじゃないので、拉致問題が暗礁に乗り上げてこれ以上話が進まないということであれば、当時の思いとしては、後のことは外交交渉で政府がおやりになることであろうと思うけれども、拉致問題だけはこれはなかなか難しいんだなと思えば、そういう中山さんのように、もし第三国という、そのときは直接具体的な国の名前をおっしゃられなかったと思いますが、どこかほかのところに、第三の地域に、地球上とおっしゃったと思いますが、地球上のどこかにいらっしゃったというような形でもどうなんだろうかと、あるいは御家族が家に帰ってきたらその家の自宅でテレビを見ておったということのようであってもいいんではないかとか、そういうような解決方法というのはないでしょうかねという、そういう提案をされたというふうに私は記憶をいたしております。
#40
○簗瀬進君 事実関係として今いろいろと聞いているわけでありますけれども、今も御答弁の中にありましたけれども、拉致された方の発見されるべき場所はどこであるというふうに中山さんは提案なさったんですか。
#41
○国務大臣(森喜朗君) 具体的な国の名前はそのときにはお話しなされなかったと思いますけれども、他の地域のどこかで発見をされたと。いわゆる行方不明者という考え方からいえば、そういう解決方法でもあるのではないかという、そういう私は示唆をされたと思っています。
 ただ、その後、日本に帰ってこられてから、また私どももその場にいた者として、党の外交部会等で報告をされたときに、もう既にそのことは何度もおっしゃっておられますし、その後私も中山さんといろいろお話をしたときには、具体的に例えばねと、こういうような場所はとかこういうような国ということは言いましたし、私自身もいろいろなところで講演をしたときもそのことは何度も言っております。後に具体的な資料も、コピーを持っていますが、日本の新聞にも中山さんはそのことを堂々と論じておられますし、新聞もちゃんと扱っておられますから、決して秘密めいた話でもなければ、ただ、具体的にどこの国どこの国ということは何も特定をして言っているわけじゃありませんから、要は、北朝鮮にいるということであれば、いろいろなかなかそこが出せないということであるならそういう解決方法もあるじゃないかということで地球上のどこかにという、そういうお話はその当時出た話だと思いますよ。
#42
○簗瀬進君 肝心なポイントをまだしっかりと答えられていないんですね。
 拉致された方が解放されるべき場所として中山さんはどこを言ったんですか。日本の国内のことを言っているんですか、国外のことを言っているんですか。
#43
○国務大臣(森喜朗君) 国外とか国内というふうに特定はしておられなかったと思いますよ。拉致なんてないんだということをおっしゃるわけですからね、北朝鮮側は。それ以上のことは前に進まないし、それ以上言えば立ち上がってこの会談は終わっちゃうという形になりますから、それじゃ解決にならぬという、そういうお気持ちが中山さんにあったと思いますね。
 先ほど申し上げましたように、副団長というお立場ですが、拉致の問題の担当ということで議員連盟の会長さんをなさっておられましたから、そういうことで御出席を、参加をされておられたわけですから、例えば第三国、地球上のどこかの国で行方不明者であったのがおられたというような、要は、人命といいましょうか、拉致されている子供たちあるいはその親御さんたちの気持ちになって、それは国としては確かにおっしゃるとおり国のもう大事なことでありますから、主権の問題ですから、そんなことを政府としては言える話ではないけれども、先ほど冒頭に触れましたように、政府ではなくて党と党、政治家同士の話し合いですから、そういう意味で副団長がおっしゃった言葉は私は非常にそのときは適切だと思いますし、そういう、形だけでもいいから安否の消息が、お元気でおられるんですよということが親御さんたちにわかったらどんなにいいだろうなと私はやっぱり思いますよ。今でもそう思っていますよ。
 ですから、これはしかし政府の立場でいえば、主権という問題がございますからそういうことを政府としては今言えませんが、当時のその場の雰囲気としては私はそういう適切な発言で、それではということでまず一同立ち上がった人たちが皆座ってまた会議が続行したという、そういう当時の経緯があったわけです。
#44
○簗瀬進君 まだお答えになっていない。
 私が質問しているのは、行方不明者が発見される、その発見される場所がどこだというふうな提案の中身になっていたのかということを聞いているんですよ。
 総理御自身は、こういう発言はもう周知の事実であって、新聞にも出ていて、自民党の中でもしっかりと報告されているからみんな知っていると言っていながら、拉致された方がどこで発見されるかということが一切はっきりとしていないじゃないですか。どこですか。これはもう一回はっきりと答弁してください。
#45
○国務大臣(森喜朗君) 例えばということを言っているわけであって、○○国にいたらいい、どこの国にいたらいい、そんなことを言っているわけじゃないんですよ。北朝鮮としては拉致をしていないと、こうおっしゃるわけですから。しかし、我々はある程度の資料を持っておりますから、間違いはないという判断でお願いしているわけですから、それ以上前へ進みませんから。だから、そのとき中山さんがおっしゃったのは、記録を調べてみればわかるんですけれども、地球上のどこかでというような御発言があったと思います。
 ただ、それから日本に帰ってきてから、しばしば私もいろんなところで講演しました。そのとき、例えば北京とかあるいはバンコクであるとかというようなことを私も言いましたし、あるいは中山議員も方々で具体的な名前をおっしゃっておられます。それはあくまでも例えばの話ですよ。
#46
○簗瀬進君 例えばの話は、それは事後談なんですよ。外交交渉の場合重要なのは、相手と話しているときにこちら側が何を言ったかということなんです。その部分を聞いているんです。
 これは、発見された場所が日本であるならば、ある意味では原状回復なんですよ。しかし、第三国に持っていくというような形になれば、さらに拉致されている方を別なところに移すということで、新たな行為がそこに加わるんです。これは大きな法的な違いなんです。その部分をしっかりと認識していないんじゃないですか。
#47
○国務大臣(森喜朗君) 何度も申し上げていますが、政府の話じゃないんですよ。政府間同士の話じゃないんですよ。政党の、政党人としてあるいは政治家として、一般人でもいいと思いますよ、そういう皆さんの話し合いの中での話であって、そこまで具体的に第三国云々、どうこうしたらもっと別の問題が起きる、それは政府がやれば問題が起きるかもしれません。しかし、それぞれの政治家がそういう思いで、ただ一点、その拉致された人たちが何とか元気でいてほしい、何とか親御さんと連絡がとれるようになってほしい、ただその思いで、まさにその思いでおっしゃった中山議員の発言というのは、私はひとつ、だからこそ、彼らも立ち上がったんだけれどもまたもとの席に座られて、そして行方不明者として考えましょうという、最後にはそういう結論になったんです。
 その話がなければ決裂したまま終わりですよ。しかし、そういう話になったから、じゃ一般行方不明者として捜査をしますということで北朝鮮側も納得してくれたわけです。どこの国がどうだと、そんなことは何も必要ありませんし、そこまで、我々は政府じゃないんですから。今、私が政府におりますから、どうもそこをダブらしてあなたは盛んにおっしゃる。当時は私は政府側でも何でもないですよ。政府の一員ではないですよ。
#48
○簗瀬進君 全くある意味で支離滅裂ですね。政府のところに環境づくりをすると、一番先にそういう御答弁なさったじゃないですか。自分の記憶がはっきりとしなくなってくると、政府とそれから議員外交は違うと、今度はこっちで逃げる。こんな支離滅裂な答弁はありませんよ。
#49
○国務大臣(森喜朗君) いや、失礼ですけれども、簗瀬さん、あなたもちょっと整理してください。
 政府の交渉ではないので、政府の交渉がよりスムーズにいけるような環境を整えるために行ったと、こう申し上げているんです。
#50
○簗瀬進君 環境を整えるためだったらいいかげんなこと、不確定なことをどんどん言ってもいいんですか、相手との交渉のその場で。
#51
○国務大臣(森喜朗君) 政治家同士、あるいは恐らくこれまで例えば労働組合の代表の皆さんもおいでになったりいろいろしていますね、いろんなそれぞれの。その皆さんは、何も拘束されて、何をおっしゃろうと、少なくとも二国間の友好が、あるいは二国間が正常化になるための少しでも一助にでもなれかしと思って皆さんはおっしゃっておられるわけであって、別に政党同士で行くから、我々三党の訪朝団で行くからあれは言っちゃいかぬこれは言っちゃいかぬとか、そういう制約は私はないと思いますよ。あくまでも常識の範囲の中でお話をしていくということが大事だというふうに思いますよ。
#52
○簗瀬進君 どうも水かけ論で終わってしまう。この前、水をかけた方がいましたけれども。
 もう一回確認しますよ。拉致された方の発見されるべき場所は日本と言ったのか、それとも日本あるいは北朝鮮以外の第三国と言ったのか、どっちですか。
#53
○国務大臣(森喜朗君) 中山副団長がお話しになったのは、地球上のどこかの地点でというふうにおっしゃったように私は記憶しています。
#54
○簗瀬進君 次の事実の確認で、このような提案は秘密でも何でもない、周知の事実だと総理は強弁なさっておるけれども、その根拠は何ですか。
#55
○国務大臣(森喜朗君) 中山議員がその後帰国されましてから、我が党の外交部会であるとか外交調査会であるとかそういうところでも御発言がございますし、あるいは拉致議員連盟の会合などでもそのようなお話をされているというふうに私は聞いておりますし、それから新聞などでの対談であるとかそういうものにも明確にそのこともおっしゃっています。
 それから、私自身も、その話を聞いて帰国してから方々でいろいろな報告をするときに、こういうような考え方で一応行方不明者ということで調査をしていただくということになりましたという報告は私もしておりますし、そのときにおられた他のメンバーも恐らく随所、いろんなところでそういうお話をされているんじゃないでしょうか。ですから、そのことは何も秘密めいたことでもないし、ましてをや、あなたは盛んにそこを一緒にされていますけれども、政府側が言ったことでも何でもないんですよ。
#56
○簗瀬進君 周知というのは世間一般にあまねく知られると。周というのはあまねくというようなことなんですよ。自民党の部会あるいは御自身の後援会、あるいは一部の新聞、それであまねくと言えるんでしょうか。
#57
○国務大臣(森喜朗君) 僕はどうも簗瀬さんのおっしゃることがわからないんだけれども。今ちょっと参考までにいただいたんですが、これは平成十年の六月十四日の産経新聞です。中山さんと元赤軍派の議長であった塩見さんとの対談という中にこのことも明確に出ております。一新聞に出ただけでそれは周知とは言えないというのはちょっとおかしいんじゃないでしょうか。
 それから、自民党の部会なんかはそれは周知じゃないとおっしゃるというのはおかしいので、そうでしょう、九七年のときには簗瀬さん党におられたかどうかちょっと定かじゃないんですけれども、もしあなたもいらっしゃったら聞いておられるはずだと思いますよ、あなたのような正義感の強い人は恐らく。当時、私は記憶していますが、安倍副長官いませんか──安倍副長官が当時議員連のときに中山さんとこのことで大論戦をやっているんですよ、党で。
#58
○簗瀬進君 今、総理が御指摘なさった、それは平成十年の新聞ですね。この問題があったのは三年前ですよ。三年前の新聞、どこの新聞にどういうふうな記事が載ったか御存じですか。周知とおっしゃっているんでしょう。
#59
○国務大臣(森喜朗君) 三年前の新聞をすべて知っているかと言われても、それは無理な話ですよ。
#60
○簗瀬進君 その程度の記憶しかないんだったら、これは新聞に載ったとしてもとても周知とは言えない、私はこういうふうに思います。
 実は、私の手元には九七年の十一月十四日付の読売新聞、それから九七年の十一月二十日の産経新聞、この二つの新聞があります。確かにこの新聞には載っている。載っているから周知になったと総理はおっしゃりたいんですか。
#61
○国務大臣(森喜朗君) もちろんそうでありますし、私自身もいろんなところで話をしておりますし、その問題はいろんなところで議論にもうなっていることです、なったことです、かつて。
#62
○簗瀬進君 新聞は大変周知をさせるのに力があるということは私も認めます。しからば、この三年前の新聞の記事をそのまま読んでみましょう。
 先ほど、総理は、どこで発見されたのかというようなことははっきりとしないと、そう言いながら周知だ周知だというのをおっしゃるけれども、この二つの新聞に共通点がある。それはこう言っているんです。「日本でテレビを見ながらビールを飲んでいたというのが一番いい方法ですと。」、これは産経新聞ですよ。行方不明者が発見されるべきところは日本だと中山さんは言っているんです。それから、読売新聞、「拉致された人が突然、日本のどこかで発見されるような解決策もあっていい。」と。両方とも日本というようなことを、発見されるべきところを日本というようなことを言っているんです。第三国なんていうのはだれも言っていないんです。それが帰国直後の記者会見ですよ。
 何か総理の先ほどの答弁、それから新聞に載っているから周知ということと、それをあわせて考えてみても全然違うじゃないですか。周知もされていないし、また事実関係も総理自身の頭の中で非常にいいかげんになっている。これは明らかじゃないですか。
#63
○国務大臣(森喜朗君) 周知だと申し上げているのは、何もこのことは外交上の機密事項であったということではありませんということを申し上げているんです。それから、政府が政府間交渉で出した話ではありませんよということを申し上げているんです。
 あくまでも政党同士、政治家同士で行ったときのそういう一つの解決策としてどうでしょうかということを中山当時副団長がおっしゃったことであって、今あなたがお読みになったのは、日本の家の中に帰っておられたということは、これは願望でしょうね。一つの願望だと思いますが、親御さんの立場から見ればそれが一番ありがたいわけですよね。
 何かがあって、北朝鮮政府との間でそれを交渉して、発見されてこうでございましたというのがわかれば、それは最高のことでしょうけれども、何といっても、さっきから申し上げているように、中山さんの立場からいえば、何とか帰してほしい、何とか親御さんたちとお会いできるようになってほしいというのが、やっぱり親御さんのお気持ちじゃないでしょうか。
 中山さんもそういう思いがあったと思うし、それから、あなたはその新聞だけをおっしゃっていますけれども、この平成十年六月十四日の産経新聞ではずっとこういろいろおっしゃっていまして、アフリカに旅行していましたよとか南アフリカにいましたよといって連れて帰ってくれることもいいし、忽然といなくなった人が突然帰ってきて、日本の中でビールを飲んでテレビを見ていたということも理想でしょうと、ちゃんとお国の名、そういう地域のこともおっしゃっていますし、それからその後も、東京に帰られてからもいろんなところでそういう例えばというようなことをおっしゃっておられます。
 それはあくまでも例えばの例えの話であって、そういう話を、別に政府の話じゃないんですから、議員同士の話で、そこが定かでない、私の記憶が不安定だって、そんなことは大した問題じゃないんじゃないんでしょうか。
#64
○簗瀬進君 重要な問題ですよ、これは。御自身で周知というふうにおっしゃっているから私は反論しているんです。結果として全然周知じゃないということが明らかになったじゃありませんか。
 それから、これは中山さんの願望で言っているんじゃないんです。これはまさに記者に対してこういうことを申し上げたということを中山さんが言っている、その事実を会談直後に載せているんですよ。願望じゃないんですよ、これは。
#65
○国務大臣(森喜朗君) 周知とか願望とか、国語の時間じゃないので、そう詳しい意義といいますか定義づける必要はないんだと思いますよ。
 要は、そうしてでもいいから帰ってきてほしい、帰してほしいという中山さんの願望、思いがあったということじゃないでしょうか。
#66
○簗瀬進君 外交交渉というのは、もう総理も十分御経験をしておりますから、議員間の話でも同じです。そのときは事実として何を言ったのかということが非常に重要なんです。その部分について第三国発見方式とは言ってないんですよ、中山さんは。第三国発見方式じゃない、自国発見方式なんですよ。全然違うじゃないですか。
#67
○国務大臣(森喜朗君) たまたまあなたがごらんになった新聞がそういうふうに書いてあるだけであって、ここにはちゃんとほかの国のことも書いてあるわけです。事実、お話しされたのを私が聞いていたわけですから。他の第三の国におられるというような解決方法もあるじゃないですかというふうにおっしゃった。
#68
○簗瀬進君 その新聞は平成十年でしょう。私が引用したのは、これは九七年ですよ。全然違うじゃないですか、時間が。まさにそれは、平成十年のやつというのは記憶で語っている。これは会談直後に事実として語っている。違うじゃないですか、それは。それ自体が非常にいいかげんにぶれているということじゃないですか。
#69
○国務大臣(森喜朗君) だから、時間差があっても基本的にはこういう考え方を述べたということであれば、これが周知の、まさに周知の証拠じゃないですか。
#70
○簗瀬進君 私はとても周知とは思えないし、また提案の中身も、いい提案だと言いながら、どこでどう発見されたのかということの中身自体についても非常にいいかげんな記憶しかない。そういういいかげんな記憶の中でブレアさんに総理として今回のようなお話をするから大変問題になるんだ、私はこう思うんですけれども、いかがですか。
#71
○国務大臣(森喜朗君) ブレア首相とはいろんなお話をいたしました、さまざまな。その中の一つとして、我が国にとってはどの国にもない障害があるんですというお話で、それはどういうことかということですから、北朝鮮に拉致されたのではないかという問題があるんです、これは非常に難しい話なんですということで経緯のお話もいたしました。
 そして、かつてたまたま私がその団に参加をしていなければそういう気持ちはなかったと思いますが、たまたまそのときの三党の総団長ということで九七年に参りました、そのときにこういうような考え方で解決方法もあるんだがなということを提案したんだけれども、残念ながら半年ぐらいして行方不明者はいないという御返事でした、それぐらい大変難しい問題なんです、そういうことが日本にあるんだということをどうぞひとつ御承知おきくださいということを私は申し上げたのであって、外交上の秘密を何も漏らしたとは私は思っておりません。
#72
○簗瀬進君 事実関係の確認についてもこれだけ答弁が非常に不明確であるということをまとめとさせていただきまして、今度は法的な確認をさせていただきたい。
 拉致とは法的に言うと何を意味するのか。これは外務大臣とそれから法務大臣にそれぞれ御答弁をお願いしたい。
#73
○国務大臣(河野洋平君) 一般国際法上、拉致について確立された定義があると承知しておりません。
#74
○国務大臣(保岡興治君) 拉致というものがどういう事実関係であるか、そういうことが確定しないとその法的な評価はできません。
#75
○簗瀬進君 言うならば、日本の国内で自由な生活をしている方の意思に反してその人を国外に運び出す、この行為をどのように評価したらいいんでしょうか、法務大臣。
#76
○国務大臣(保岡興治君) 拉致というものが、実行した人がどういうふうな犯罪が成立するかという前提に立ってお尋ねをされていると理解していいでしょうか。
#77
○簗瀬進君 はい。
#78
○国務大臣(保岡興治君) そうであれば、具体的な事実、事案において収集された証拠というものがあって初めて法の適用というものは正しく行われるものでございます。それはもう委員もよく御理解いただけるところだと思いますが、一般論として申し上げれば、不法に人を逮捕または監禁した場合には刑法二百二十条の逮捕罪または監禁罪が成立する、未成年者を略取または誘拐し、あるいは営利等の目的で人を略取または誘拐した場合には同法二百二十四条ないし二百二十五条の二の略取誘拐罪がそれぞれ成立し得ると考えられます。
 また、略取または誘拐が人を日本国外に移送する目的でなされた場合には同法二百二十六条第一項の国外移送目的拐取罪が成立する、略取または誘拐された者などを日本国外に移送した場合には同条第二項の国外移送罪がそれぞれ成立し得るものと考えられます。
#79
○簗瀬進君 外務大臣、今、法務大臣が申されたような行為を国家機関が行ったとしたら、これは国際法上どういう問題が起こりますか。
#80
○国務大臣(河野洋平君) 私どもとしては、具体的なケースというものを見ないと、一般論として申し上げることは差し控えたいと思っております。
#81
○簗瀬進君 総理大臣、北朝鮮との間で拉致の問題は存在するんですか。
#82
○国務大臣(森喜朗君) 私どもといいましょうか、私個人の気持ちとしては、七件で十人の方が日本の国土から行方不明になっていらっしゃる、それについて警察白書等によれば、他国に連れ去られたのではないかというそういう客観的な資料が警察白書などにも出されておりますので、私自身としては、そういうことがあり得たのかなというそういう判断でありますし、当時は、私どもとしてはそういう問題意識を各党、どの政党も持っておられたと思いますよ。ですから、そういう問題として私たちは話し合ったということです。
#83
○簗瀬進君 どうも答弁がはっきりとしないのであれなんですけれども、北朝鮮との間で拉致の問題はあり得べしというようなそういうふうなお話だったけれども、ほかの委員会での答弁等では、ありますと断定しているんですけれども、どっちなんですか。
 いや、それは総理大臣に聞いているんです。総理大臣に聞いているんですよ。今、総理の認識について聞いている。
#84
○国務大臣(河野洋平君) 北朝鮮によって拉致された疑いがある云々という文言が今、総理から御披露がございましたが、正確に書いてございます。
#85
○簗瀬進君 そこに書いてある拉致というのはどういう事実を言うんですか、外務大臣。
#86
○国務大臣(河野洋平君) 法的な問題というよりは事実関係として述べられていると思っております。
#87
○簗瀬進君 そんなことを聞いているんじゃないんですよ。国際法上あるいは外務省の言葉の中には拉致ということはないというふうに言っているけれども、今は拉致という言葉があるというふうに認めたじゃないですか。どっちなんですか。どういう内容か説明してください。
#88
○国務大臣(河野洋平君) 先ほどから申し上げておりますように、一般国際法上は拉致という言葉については定義は定かではないと。確立されたとは我々思っておりませんが、事実関係としてそういう状況があったということが警察からの文章の中に書かれているということを申し上げているわけです。
#89
○簗瀬進君 外務省としては、そういう事実関係があったときにどういう国際法上の問題が生ずるとお考えになっているんですか。
#90
○政府参考人(谷内正太郎君) 大臣から御説明がございましたように、拉致についてはそういう一般国際法上の言葉として明確な定義があるわけではございません。したがいまして、具体的な拉致行為というものが確認されれば、その事実に即して国際法上の評価をすべきものと、こういうふうに考えます。
 ただ、先生の御指摘されております拉致行為が、主権国家たる他国の同意がないにもかかわらず、当該他国の領域内において、ある国またはその機関によって行われる公権力の行使と呼ばれるような行為に当たる場合には国際法上の違法行為を構成し得るというふうに考えておりまして、そういう観点からも検討を行っております。
#91
○簗瀬進君 第三国発見方式と簡単に言葉では言っておりますけれども、それを整理いたしますと、私は三つのポイントがあると思うんです。
 一つ目は、拉致の事実を行方不明としてしまうこと、これがまず第一点です。それから二つ目は、第三国とすれば、拉致されていた方を第三国に移してそこで新たな拘束状態を生ぜしめること、これが第二点。第三点は、第三国で新たなそういう意味での状態、監禁を開始すること。こういうふうな三つの中身が言うならば第三国での発見方式というふうに言われているものであると思います。
 それらの行為を行ったとして、拉致された方に対するいろんな刑事責任とか民事責任が出るわけであります、まず個人にして。それを国家機関がやったとすれば、国家機関についての責任が生ずる。この二つの部分が出てくる。まず、個人については、この第三国発見方式をやったときにどういう刑事上の問題が出ますか。これを一般論として答えてください、法務大臣。
#92
○国務大臣(保岡興治君) 委員もよくおわかりと思いますが、一定の仮定の状況を想定して、法務大臣がその表の評価をしたり、いろんな制度について一般論を申し上げることも、このように具体的な事案に非常に近いところで一般論を申し上げることは非常に適切でないと存じますので、発言を控えさせていただきたいと存じます。
#93
○政府参考人(谷内正太郎君) 繰り返しになりますけれども、一般国際法上の問題として言えば拉致については定義がないということでございますので、御指摘の行為がいかなる法的責任を発生させるかということにつきましては、具体的条項を見なくてはいけないと思います。
 ただ、国際法のレベルで申しますと、先ほど申しましたけれども、ある国が他国において公権力の行使ということをその当該国の同意を得ないで行った場合には国際法上の違法行為の可能性があり得る、こういうことを申し上げておるわけでございます。
 それからまた、私法上の評価はどうかという御質問でございますけれども、法務大臣から申し上げられたとおりでございまして、私がさらにつけ加えるべきではないかもしれませんけれども、あえて一般論を私どもの考えとして申し上げれば、このような行為が私法上の不法行為を構成すればその実行者は被害者に対し損害賠償等の責任を負うということがあり得るということだと思います。
#94
○簗瀬進君 法務大臣も答弁を逃げておられるような感じがいたしますけれども、一般論として聞いておきながら答弁をしていただけないということで、質問をさらに進めさせていただきますけれども、私は、拉致された方、それは刑法上、民法上いろいろな問題が発生をするということになると。それを行方不明者とするということは、ある意味では超法規的な免責行為をしてしまうということにつながるんではないのかなと。犯罪の事実をある意味で消してやる。そして、それを提案するということはそれに手をかすということではないのかなと、ある意味では我が国の主権、これを自己否定する行為そのものではないのかと。だからこそ、この第三国発見方式というのは非常に問題だと私は思っているわけでありますけれども、それについて外務大臣と法務大臣の見解をお伺いしたい。
#95
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど来から総理から御答弁がございますように、政党レベルの日朝の議員外交と申しますか、議員団の北朝鮮におきます御発言あるいは先方との話し合い、これはもう議員も御承知のとおり、当時は日朝の国交正常化、つまり外務省レベルでの政府間での交渉が中断をいたしておりまして、そうした状況の中で政党レベルで話し合いをすることによって政府間レベルの交渉が再びできる、そういうことを恐らく期待して政党の訪朝団というものは行かれたと思うんです。
 そして、その訪朝団の方々がかなり自由に発言をなさって先方との意見交換をなさったのではないかと私、想像をいたします。そういう折にいろいろな話が出てきて、その話は結果として日朝の国交正常化交渉というものを再開する一つの要素になったというふうに私どもは理解しておりまして、そのときの話し合いの法的根拠とか法律上の問題を云々するということを私どもは考えておらないのでございます。
#96
○国務大臣(保岡興治君) いわゆる拉致事件の刑事責任が免責されることがあるのかというお尋ねだと思いますが、それについては先ほどから申し上げているとおり、その前提として、いわゆる拉致事件と言われるものの事実関係が証拠によって具体的に確定されるとともに、第三国ないし日本国内というお話もありましたが、行方不明者として解放するということの具体的な意味、内容というものが明確に確定しない段階で具体的にお答えすることは差し控えたいと存じます。
#97
○簗瀬進君 外務大臣の御答弁の中に、政党レベルの自由な、そういう立場での交渉であったからというふうに御答弁なさいました。
#98
○国務大臣(河野洋平君) 交渉じゃない、話し合い。
#99
○簗瀬進君 話し合いであったからと。
 しからば、そういう話の内容を総理大臣として、総理大臣対英国首相という立場で披瀝するということは非常に問題があるんではないでしょうか。どうですか。
#100
○国務大臣(河野洋平君) 政党レベルと申しますか議員同士で、先方が議員であったかどうかということには多少問題がございますけれども、日朝間で自由な意見の交換が行われたということを何年かたって話をされるということについては、それは、私どもは総理からこういう話を英国の首相としたぞというお話も伺いましたけれども、私どもは総理からお伺いをしております限りにおいて、そのことで何か特別問題があるというふうには思っておりません。
#101
○簗瀬進君 外務大臣、懐かしい思い出話をしているんじゃないんですよ。終わった話じゃないんですよ。まさに今交渉中の話であります。
 それから二点目として、今は総務会長じゃないんです。総理大臣ですよ。現在も懸案の、続いているそこに総理大臣としてこの話をする、これはどういうことなんですか。
#102
○国務大臣(河野洋平君) 日朝の正常化交渉は続いております。それはもう議員がおっしゃるとおりでございます。
 しかし、私が申し上げましたのは、何年か前に議員レベルの訪朝団として行ったときにはこういうやりとりもあったぞということを先方に話されるということは、私が伺っております限りにおいてそう問題はないということを申し上げたわけです。
 そして、もちろん首脳会談でございますから、双方の総理が出会ってお話をされる、それは私もよく存じ上げておりますけれども、そのことで、総理がかつて自分が総理でなかったころ議員団のリーダーとして行ったときにこういうことがあったという話をされたということが、議員がおっしゃるほどそうひどく大きな問題だというふうに私は思っていないということを御答弁申し上げたわけです。
#103
○簗瀬進君 総務会長としての議員間のお話の中で出たことと、それを総理として現在の問題として語るということはこれは大きな違いがある。それについてしっかりとわきまえて、果たして話していいことと話すべきでないこと、これはあると思うんですよ。そういうわきまえを私はしなければ絶対だめだと、このように思っております。
 私は、この問題での総理の責任はいろいろありますけれども、三つ挙げることができるのではないのか。
 まず、第一の罪。それは、総理の不用意な発言によって拉致された方たちの救出を実は限りなく不可能にしてしまったという点なんです。
 拉致された方たちを解放したとしても、拉致の事実をひた隠しにするなんということはできないですよ。まさにメンツを重んじる国の北朝鮮だったとしたら、そういう裏ありのことをしたというふうなことを表に出せるわけないじゃないですか。したがって、総理がこれをブレア首相との話の中で出したということによって、この方法は、永遠にと言うと言い過ぎかもしれないけれども、かなり困難な方法になってしまった。すなわち拉致された方たちの救出を限りなく不可能にした。この点の責任をどうお感じになるんですか。
#104
○国務大臣(河野洋平君) 拉致問題の解決については、今私ども先方との話し合いをいたしておりますけれども、私どもとしてはさまざまなケースを考え、さまざまな状況を頭に入れながら先方との話し合いをこれからもしていかなければならないわけでございまして、私は、解決策は一つしかないと、今、議員がおっしゃったように、これを言っちゃったからこれはもうできなくなったんだというほど限定的に考える必要もないのではないか。しかし、さらばといって、それじゃ、これを言っちゃったからこのケースはもうないねというふうにこれを全く排除するというつもりも私はございません。
 さまざまなケースを考え、さまざまな解決策を追求していくということが重要であって、一つのことでもうだめだとか、これで終わったとかというふうに断定的におっしゃるということは私はとらないのでございます。
#105
○簗瀬進君 私、総理大臣に聞いているんです。限りなく困難にしたのではないのかという質問です。どうですか。
#106
○国務大臣(森喜朗君) 河野外務大臣のお答えのとおりでございますが、テレビで国民の皆さんもごらんになっていますからここのところは明確に申し上げておきますが、私が総団長として行った当時のお話をブレア首相に、党としてこういう活動があったんですよとお話をしたことは、政府の外交上の機密を漏らしたんじゃないんですよ。そこのところは明確にあなたにもぜひ理解してもらいたいんです。いいですか。
 これこそ、私とブレア首相の会談はまさに外交上の話ですから、つまびらかなお話をここで申し上げるのはどうかと思いますが、例えばイギリスなどにはアイルランドのような問題があったり、それぞれの国には幾つかいろんな問題があるわけですね。なかなか我々にとってはやっぱり理解できないところもあります。中東紛争でもやはりなかなか難しいものだなというふうに私も思います。それはもう、議員も勉強されているからよくおわかりだと思います。
 我が国と北朝鮮の拉致の問題というのは、やはり他の国々の皆さんはそんなに深く私は知っていらっしゃらないと思うんです。ですから、我が国との間にこういう問題があってなかなか解決しないんですということ、なぜ正常化が早く進まないのかということについては、こういう問題があるんですよということをお話を申し上げた。
 そして、昔、私が党として、昔と言うとまたあなたに怒られるけれども、三年前にそういう三党の代表団と行ったときにこういうような解決があるということを申し上げたんだけれども、残念ながらそれについてのお答えももうだめだったんだとこう申し上げた、その当時の経緯をお話を申し上げたことであって、別に外交上あるいは政府が政府間同士で話したことを話したわけじゃないんだということだけはぜひ御承知おきをいただきたいんです。
 そして、そのことが、そういう方法をとり得なくなったじゃないかと、こうおっしゃるんだとすれば、じゃその方法がよかったんですかと逆に聞くことになりますけれども、しかし、これからどういう解決法があるか、それは誠心誠意、我が国としては外交交渉上これをきちっと申し上げていかなきゃならぬことでありますけれども、しかし、多くの国々にやっぱり日本と北朝鮮との間にこういう問題があるのだということを知っていただくこともより大事で、私どもは、助けを求めるとか力添えをしてくださいということを言っているのじゃないので、日本と北朝鮮の間にこういう問題があるんですということを申し上げたにすぎないわけであります。
 しかも、なおかつ、何も隠し事があったことでも何でもないのであって、まあ議員は知らなかったとおっしゃればそうだけれども、もしあのとき自民党におられれば、そのことを十分私は御存じだったろうと思いますよ。
#107
○簗瀬進君 第二の罪。私は、それは我が国の名誉と国民の誇りを傷つけた点であると思います。
 みずからへの主権侵害も、また自国民への違法行為も簡単に不問に付してしまう、日本とは正義と誇りを簡単に捨て去る国なんだと、こんな印象を諸外国に与えてしまった。この点の責任を総理はどうお感じになっていますか。
#108
○国務大臣(森喜朗君) たびたびで恐縮ですが、当時、中山副団長としては、何とか子供たちの消息を知りたい、何とか子供たちを親元に帰してやりたい、そういう思いでお話をされたということなんです。そのことをぜひ理解していただきたいと思うんです。
#109
○簗瀬進君 第三の罪は、私は、総理の発言によって我が国の外交上の交渉能力を著しく低下させることになった。
 日本という国は機微の話ができない国だと、これはもう諸外国に思われてしまった。それによって外交交渉の能力は著しく私はおとしめられたと思うんですが、この責任をどうお感じになりますか。
#110
○国務大臣(河野洋平君) 外交交渉はさまざまなやりとりがあるわけでございます。
 これは本当にケース・バイ・ケースでございますから、一概に申し上げて誤解をされると困るのですが、場合によっては先方にかなり機微な話をすることによって信頼を得るという、この国はいろんなことは我々には教えてくれるんだなということで信頼関係を得るということもあるわけです。場合によっては一切言わない、これは言わないでくれと言われたことを一切言わないことによって信頼を得るというケースももちろんございます。しかし、君にだけはこういうことを言っておくからということによって信頼関係をより深く厚くするということもあるわけで、そこは外交交渉というものを一つのパターンにパターン化して、これを言ったらだめだ、これを言ったらどうなるというふうに決めるのはいささかどうかというふうに私は思います。
#111
○簗瀬進君 私の持ち時間がもう来ましたので、最後に質問をさせていただきたい。
 不信の根源は何かということであります。私は、北朝鮮がある意味での国際常識を超えた大変難しい国であるということは認めております。そして、その困難な関係の根源にあるものは、かつての戦争の歴史の総括ということが我が国においてきちんとなされていないということにあるのではないのか。拉致問題に対して正々堂々の対処をするためにも、私は戦争の歴史を逃げずに真正面から総括する必要がある、それによって初めて我が国の国家の正義あるいは国民の誇りというようなものを訴えるということができるようになるのではないのかなと思います。
 私は、そういう意味では、かつての戦争は侵略戦争であったとしっかりと認めるべきだと思います。その点についての総理の認識、また歴史の総括についてさらに積極的な取り組みをすべきと考えていますが、その点についての総理の見解を聞かせていただきまして、私の質問を終わります。
#112
○国務大臣(森喜朗君) 九五年の村山内閣総理大臣談話というもの、これが我が国の過去の問題についての政府としての正式な見解でございます。これに基づいて、特に周辺近隣アジア諸国とはこの精神をしっかり受けとめて、そして外交交渉を進めていくということが大事だと考えております。
#113
○簗瀬進君 答えてないじゃないか。
 結構です。
#114
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。木俣佳丈君。
#115
○木俣佳丈君 民主党・新緑風会、木俣佳丈でございます。
 けさの同僚議員の御発言を聞いて、そしてまた総理の答えを聞いていましても、この国の正義というのは一体どこにあるのか、そんな思いでございます。厳しい経済状況の中で世間では本当に弱い人にしわ寄せが行っている、こういうふうに結論づけたいと私は思います。
 例えば、介護保険の導入以来も、介護一時金といって、私がこの四月から追及してまいりましたけれども、六カ月もたってようやくこの一時金支払いを何とかしなさいと公取が動いたり、そしてまた弱いといえば中小企業、この冬どうやって師走を乗り切るか、こんな思いで今、中小企業の皆さんが頭を抱えている。繊維だってそうですよ。外務大臣、通産大臣に申し上げたいのは、例えばセーフガードの発動、こういったものを一回もやっていない、こんな国がありますか。
 そこに巣くい、食い物にしているのがKSDの問題でございますけれども、我々民主党というのは、中小企業を日本の元気の中心として今まで頑張ってまいりました。冒頭、このKSDの目的と、どこに問題があったか、労働大臣からこのパネルをちょっと見ながらお答えください。(資料を示す)
 KSDの目的ですよ、本来の、もともとの。
#116
○委員長(岡野裕君) KSDの目的についての質問であります。どなたがお答えになりますか。
#117
○木俣佳丈君 大臣でしょう。通告してあるじゃないか。
#118
○国務大臣(吉川芳男君) お答えします。
 KSDの目的は、災害補償と共済にあると思っております。
#119
○木俣佳丈君 もう少し具体的にお答えください。
 中小企業からどのようにしてお金を吸い上げて、何に使ったか。要するに、災害補償にどのぐらい使ったか。何が問題だったか。
#120
○国務大臣(吉川芳男君) では、資料に基づきましてお答えさせてもらいます。
 KSDは、主に災害補償共済事業、二に災害防止事業及び三に福利厚生事業等を総合的に行っており、平成十一年度において会員数約百七万人、会員事業所は約六十三万事業所、会費収入は総額二百四十六億円であります。
 また、支出状況につきましては、平成十一年度において災害補償共済費には約八十三億円、災害防止事業については約十億円、福利厚生事業については約三十九億円となっております。
 以上であります。
#121
○木俣佳丈君 今回、その理事長が捕まりましたね。要は、このときの理事長の犯罪性は、何を犯罪だと思われて捕まったわけですか。
#122
○国務大臣(吉川芳男君) 業務上横領の罪で逮捕されております。
#123
○木俣佳丈君 先ほどもお答えがありましたように、本業、労災にという意味での共済保険に三分の一しか使っていない状況ですね。それでよろしいですか。
#124
○国務大臣(吉川芳男君) 御指摘のとおりでございます。
#125
○木俣佳丈君 これ、KSDの問題は横領しかないと思っていらっしゃいますか。所管の官庁としてお答えください。
#126
○国務大臣(吉川芳男君) 目下、東京地検、捜査中でございますので、詳しい内容についてはわかりません。
#127
○木俣佳丈君 いや、そうではなくて、今まで何回も監察を出しましたでしょう。
 では、この目的を言ってください。なぜそういった業務監察を出したか、労働省が。
#128
○国務大臣(吉川芳男君) 過去、約五年から七年前から、口頭、文書によるとを問わず、四回その改正を労働省としては警告しておりました。
#129
○木俣佳丈君 内容は何ですか。
#130
○国務大臣(吉川芳男君) それは公益法人としての目的、趣旨に沿っているかどうかということが内容の最大ポイントであります。
#131
○木俣佳丈君 目的に沿っていましたか。
#132
○国務大臣(吉川芳男君) 大部分は目的に沿っていたと思いまするけれども、目的に沿わない事項があるから指摘して改善を求めたわけでございます。
#133
○木俣佳丈君 その内容は、どこが沿っていなかったわけですか、具体的にお答えください。
#134
○国務大臣(吉川芳男君) KSDに対する主な指導監督状況につきましては、平成五年三月に立入検査を実施し、災害補償の事務処理要領の策定等について指導したところであります。また、その後も随時指導するとともに、平成十年七月には評議員会の設置や役職員数及び組織の肥大化の抑制などについて、平成十年十一月には豊明会における補助金の使途、区分経理について指導してきたところであります。
 しかしながら、これらの指導内容について是正が確認されないこともあり、本年五月に立入検査を行い、八月の十日に評議員及び評議員会の設置等、寄附行為の所要の改正、豊明会の関係における審査・検査体制の確立、補助金の使途の明確化及び組織、職員、場所についての明確な区分、豊明会における経理について補助金と他の経理との区分経理、KSD会館の使用の適正化、KSDの行う事業の適正化、例えば宗教法人への融資の解消、KSDブライダルへの便宜供与の是正等について改善勧告を行ったところであります。
 さらに、十一月十日には私みずから直接KSDの副理事長に対し、公益法人としての責任を自覚し、労働省の改善勧告及びKSDが発表した改革方針を年内に着実に実施することなどについて指導したところでございます。
#135
○木俣佳丈君 要するに、このパネルで御説明すれば、KSDに二百五十億円入って、要するに本来の資金にほとんど使われていない、七十億しか使われていなくて、KSD豊明会という任意団体をつくって、そこへ横流し、またその他に横流ししているという現状だと思いますが、平成五年からこういう勧告を出しながら、要するに十分に所管の公益法人を監督できない大臣を任命した総理の責任はどのようにお考えですか。
#136
○国務大臣(森喜朗君) この問題は、先ほど労働大臣からもお答え申し上げましたとおり、理事長が逮捕されているわけでございますし、その調査、その捜査の状況を私としては見守るというのが私の今の立場でございます。
 また、今おっしゃいましたように、そのための労働大臣を任命したのはいかがかとおっしゃるのは、労働大臣がこの理事長をお選びになったわけでもないと思いますし、その点についてはやっぱり捜査をよく見きわめることが大事だというふうに私は考えております。そしてまた、労働大臣には厳正に監督をきちっとしていっていただきたいというふうに私は希望いたしているわけです。
#137
○木俣佳丈君 いや、もちろん現大臣もそうなんですが、十月の六日に強制捜査が特捜の手で入ってもう一カ月以上、一カ月半かかっているんです。しかしながら、労働省からの説明は一向に腑に落ちないものばかり。こういったものをどうお考えですか、総理。
#138
○国務大臣(森喜朗君) だから捜査をし、理事長を逮捕されたんじゃないでしょうか。そして、これをさらにこれから捜査を続けて、内容をつまびらかにしていくということが捜査当局の意向ではないでしょうか。その間のことを木俣議員が納得されるように労働省が説明できるはずがないじゃないでしょうか。
#139
○木俣佳丈君 それじゃ、監督責任というのは一体どこから発生するんですか。
#140
○国務大臣(森喜朗君) 監督責任がありますから、先ほど労働大臣がお答えしたような指導をしたり、あるいは呼ばれてきちっと勧告をされたりしておられるんだと思います。
#141
○木俣佳丈君 現内閣以前からずっとこういったものがある。労働省に対しての責任はどのようにお考えですか、総理は。(発言する者あり)じゃ、だれに聞けばいいんですか。いや、だから総理に聞きたい。じゃ、だれに聞けばいいんですか。
#142
○委員長(岡野裕君) だれに聞くかは……
#143
○木俣佳丈君 総理、総理です。
#144
○国務大臣(森喜朗君) 先ほどから申し上げておりますように、こうした問題が生じて、そして捜査が続けられ、そして理事長が逮捕されたという経緯だろうと思います。それ以前のことにこういう問題があったとか云々と言われても、その当時としてはそうした話は全く聞いておりません。
#145
○木俣佳丈君 いずれにしましても、このボードにありますように、要はKSDが公益法人のくせに要するに豊明会に補助金という名のお金を出し、そこから自民党豊明支部へ流れた、これが非常に不明確であるということなんです。
 ちょっと質問を変えますけれども、やはり戦後、自民党の体質というのは権益政治の象徴たるものが参議院にあると思いますが、総理はどのように思いますか。
#146
○国務大臣(森喜朗君) 参議院であれ衆議院であれ、我が党にそういう権益政治があるということの御発言に対しては、私は極めてそういう御発言があることを遺憾に思います。
#147
○木俣佳丈君 参議院全体ではなくて、参議院の自民党でございます。
 つまり、久世問題の真相というのは、総理、どのように御認識されて、今どのように御認識されて、解決されましたですか。
#148
○国務大臣(森喜朗君) 久世問題もたびたびこの委員会でも、あるいは本会議場でも申し上げてまいりました。財団法人自由民主会館に大京から寄附としてちょうだいをし、そのことについては明確に銀行にもそのことの記入がございますし、我が党といたしましても自由民主会館の運営にその経費を使わせていただいている、そのような報告を受けておりますし、これは平成たしか三年だったと思いますが、そして、そのお金が久世議員なりあるいは他の政治家に渡っているというような事実は全くございません。
#149
○木俣佳丈君 今の御答弁と久世さん御本人の答弁は、説明は合っていますか。
#150
○国務大臣(福田康夫君) ただいまの久世議員との言い分と違っているのではないか、こういう御質問でございますけれども、これは久世議員については、中川前官房長官等を通じまして確認いたしましたところ、自分は霊友会を応援されていた大京の社長さんに党員集めの御協力をお願いしていた、しかし具体的にどのようにしたかについては実務を自分がしたのでないのでよくわからないというような御返事をいただいております。そういう報告をかつていたしております。
#151
○木俣佳丈君 記者会見をした際には久世さんはどのようにおっしゃられましたか、官房長官。
#152
○国務大臣(福田康夫君) 会見のときに久世前委員長は、十年近く前のことではっきりしたことは覚えておりません、どういう事務手続がされたかもよく知らないということを申しております。
#153
○木俣佳丈君 それはちょっと違うと思いますね。三万三千三百三十三人の霊友会名簿を使って、大京からその党費分を一億円支払ってもらったと、こういう会見をされておるんですが、違いますか。
#154
○国務大臣(福田康夫君) それは、今私が申し上げた会見の以前の会見でそのようなお話があったということは私も承知しております。
#155
○木俣佳丈君 ですから、そのようにおっしゃったのが事実だと私は思います。
 自民党の比例名簿登載の要件は、何万人の新規の党員を集めれば登載できるんですか、総裁。
#156
○国務大臣(森喜朗君) 比例代表の名簿に登載される我が党の基準といたしましては、党員二万名が基準になっていると思います。そして、その数によって順序を決めるというようなことはありませんということもきちっと詳細明記されております。
#157
○木俣佳丈君 それはちょっと事実と違いますよね。
 要は登載順位、これはやはりその新規の党員数獲得で決まるんじゃないですか。もう一回お答えください。
#158
○国務大臣(森喜朗君) 木俣さんは自民党の方じゃないんですから、私は自民党の基準を総裁として申し上げているんです。
 ですから、二万名というのが基準であって、少なくとも参議院で一人の方が、当時の制度ですね、比例で上がるにはやっぱり五、六十万必要なんでしょうね、組織としては、支持票としては。(「もっと」と呼ぶ者あり)仮にもっとといたしましても、そうすればやはり党員は、そういう数字からいえば、今もっとというような声も聞こえましたが、そうであれば二万名の党員というのが一つの私は党活動の上においては適当な数字だと思っています。
 それから、何かそれで順番で決めているとおっしゃいますが、木俣議員は自民党の方じゃないんだからおわかりにならないので、これは私は何度も申し上げています、総合的ないろんなものを選ぶ基準とするんです。党活動、国会での活動、広報活動、選挙に対するいろんな応援の回数、そうしたものを全部総合的に細かく点数を積み上げて最終的にそういう数字の上で順序を決めているものでありまして、どうぞ誤解がないようにしていただきたいというふうに思います。
#159
○木俣佳丈君 いずれにいたしましても、選挙の直前になって、やらせ党員、水増し党員といったらいいんでしょうか、急に党員が増減するということはございますか。
#160
○国務大臣(森喜朗君) 党員を獲得するということも党活動にとっては大変大事なことだと思います。また、参議院のいよいよ選挙に近くなったその立候補なさる予定の方にとっては、選挙が近くなればそれだけ活動が盛んになるというのは、これは自民党だけじゃなくて、民主党の皆さんだって、どの政党だって同じことじゃないでしょうか。
#161
○木俣佳丈君 いや、もう一度申しますが、選挙の直前になって党員が急にふえたり急に減ったりということはございますか。
#162
○国務大臣(森喜朗君) 皆さんが一生懸命努力をされているわけでありますから、また党に対して御協力をいただけるかどうかということもあるわけですから、私は増減はやっぱりあるんだろうと思います。基本的には減というのはないんだろうと思いますが、やはり増減はあるのじゃないでしょうか。
 私は全国規模にいたしておりませんが、私も自分の選挙区におきます自分の党員というのを持っておりますが、やはり集計をしますと、地域によって減ることもございますし、またふえていくこともございますし、それは皆さんのそれぞれ党に対する思いというのがあらわれてくる数字ではないかというふうに思います。
#163
○木俣佳丈君 これはマスコミ報道でございますが、参議院、この自民党のまさに権益政治というものがこの非拘束式名簿導入によって助長されるか、それとも消えてなくなりますか、どちらですか。(発言する者あり)
#164
○国務大臣(森喜朗君) どうも権益政治というふうに断定をされてお話をいただいては、党としては大変そういう御発言は不愉快です。それぞれ皆さんが見識を持っていらっしゃって、そしてそういう支持団体、支持母体によって選挙運動の支持をしていただいているわけでありますから、そういう皆さんの期待にこたえて皆様方は政治活動をされておられるわけだというふうに私は承知しております。
#165
○木俣佳丈君 要するに、先般一次公認、きょうの朝二次公認が発表されたらしいんですが、名前は伏せますけれども、要は主な経歴と、そしてまた支援団体がこれは掲載されております、十七人。ある新聞では、官僚出身者がほぼ半数を占めるなど、相変わらず中央省庁とその関連団体に依存する姿が浮き彫りになったとありますが、この御批判どのように受けますか。
#166
○国務大臣(森喜朗君) 衆議院もこういう比例並立制というものになって、これまでの参議院の選挙の仕組みとそう変わらなくなってしまったと。もともと言えば、衆議院と参議院はやはり異なる選挙制度によってさまざまな層の有権者の方々の民意を国政に的確に反映するという、そういう役割が期待されているわけでありますから、さまざまな団体がその御判断で特定の候補者を支持するということは私は正当な政治活動の一環であると、このように考えております。
#167
○木俣佳丈君 いずれにいたしましても、このパネルによりますと、十七人の一次公認中十四人が何かしらの大きな支援団体を持つ、そしてまた官僚出身者である、こういう団体。まさに票を金で買う、票と順位を金で買うということを私は申し上げたいと思います。そしてまた、KSDの問題というのは実はここにある。(発言する者あり)
 労働大臣、もう一度伺いますけれども、労働大臣、KSDの問題と絡めてちょっとお答えください。(発言する者多し)
#168
○委員長(岡野裕君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#169
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
 ただいまの木俣佳丈君の発言の一部につきましては、後刻議事録を精査の上、理事会で協議をすることといたします。
 引き続き、木俣佳丈君、発言を願います。
#170
○木俣佳丈君 自治大臣に伺いたいんですが、先ほどもパネルで御説明しましたが、KSD豊明会、そこから自民党豊明支部に多額の献金がされております。そしてまた、自民党の党員に対しても要はお金が豊明会から出ておりますが、この党員数を自治大臣、九一年から九九年度まで、自民党豊明支部に限ってお答えください。自治大臣。
#171
○政務次官(荒井広幸君) ただいまのお尋ねは九一年から九三年でございますか。もう一度確認をさせていただきたいと思います。
#172
○木俣佳丈君 いや、九一年から九九年。
#173
○政務次官(荒井広幸君) はい。
 平成三年から平成五年におけるいわゆる豊明会中小企業政治連盟の収支報告書の要旨に係ります官報告示を確認いたしましたところ、個人が負担する会費を納入した者、その数は、平成三年は五百七十六人、平成四年は一万三十五人、平成五年は九千六百六十六人となっております。
 また、平成十一年ということになりますと、平成六年―十一年におきましては、自由民主党東京都豊明支部でございますが、その収支報告書の要旨に係る東京都公報告示または収支報告書について東京都選挙管理委員会に確認いたしましたところ、個人が負担する党費を納入した者の数として、平成六年は四万人、七年は六万五百二十人、平成八年は記載なし、平成九年は七万四千百六人、平成十年は九万九百五十九人、平成十一年は七万六千八百二十八人となっております。
#174
○木俣佳丈君 今挙げていただいたように、九六年では急にゼロになるのを見て、こういったあり方、総理・総裁として、総裁としてお答えいただけますか、総理。なぜゼロになるのか。
#175
○国務大臣(森喜朗君) 我が党の支持団体も大変多うございますし、支部もそれぞれ職域支部もたくさん抱えております。総裁としての立場であれ、それぞれの一支部のことを詳細に、その活動をつまびらかにしているということは、これは不可能でございますし、今のことは私としては承知をしておりません。
#176
○木俣佳丈君 自民党の党員として自治大臣と労働大臣に伺いたいんですが、こういったことはよくあるんですか。職域支部で党員数がゼロになるということは、自民党では。
#177
○委員長(岡野裕君) 吉川労働大臣、手を挙げられましたが、違いますか。──西田自治大臣。──労働大臣よろしいですか。しからば、吉川労働大臣。
#178
○国務大臣(吉川芳男君) 政党がどのような形でその行為をやるかということについて、私はつまびらかにするような立場ではございませんので、お答えの限りではありません。
#179
○国務大臣(西田司君) 今、労働大臣からもお話がございましたが、政党がその支部をどのように構成し、党員獲得等の政党活動をいかなる形で展開するかは、まさに政党の自主的判断によるべきものと考えております。
 なお、一般論として申し上げれば、政党が政権の獲得、維持や、政策の実現を目指して党勢の拡大に努めることは当然のことであり、そのような意味で、国政選挙に際して党員獲得等の政党活動を強化することは十分あり得ることと、このように考えております。
#180
○委員長(岡野裕君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩をいたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#181
○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十二年度補正予算三案、これを一括して議題とし、質疑を行います。木俣佳丈君。
#182
○木俣佳丈君 午後の部でございますが、冒頭、補正予算について伺いたいと思います。
 大蔵大臣、バブルの崩壊以後、これで十一回目の補正予算でございます。しかし、当初の実質成長率も一・五%に上方修正されている、そしてまた、蔵相は、年当初から、今年度の補正予算は全く必要ないんだと、こういうふうに言ってこられましただけに、今回の変節ぶりには大変がっかりしたわけでございます。
 なぜ前言を翻されたのか、その御説明をお願い申し上げます。
#183
○国務大臣(宮澤喜一君) ことしの三月ごろに経済状況を見ながら、今年の秋には前回、前々回のような大きな補正予算を組むことは多分必要ないと思いますということを申し上げました。そのように、正確に申しますと、前々回のような大きな補正は必要がないと、こういうことを申し上げました。
 現実に、四―六のQEを見ましても回復は順調であると。殊に企業の回復は非常によろしいわけですが、そして、失業率も五%には達していないし、有効求人倍率はよくなっておる。表面よろしいようなんですが、どうもやはり雇用、家計といったようなところがもう一つ力強くないという感じが四―六を見ておりましてもいたしますものですから、ここはやはり一つには今年度の末の公需の落ち込みというものがあってはならない、バトンタッチをやっぱりちょっと難しくしますから。そのことと、二十一世紀に入ればいろいろ、ITを初め今から準備しなければならないいわゆる新生プラン、たくさんございますので、それもあわせました上で、両にらみと申しますか、ここで最小のことはやはりしておくことが安全であろう。
 各党の中には、補正は要らないとおっしゃる御主張もあるのですが、私は、要らないと言い切るにはちょっとそういう、殊に雇用、国民消費に不安がある。もう一つバトンタッチが、片っ方はいいんですが、もう片っ方はという感じで、しかし、それにしましてもできるだけ財源は国債によることを減らそうと考えまして、半分だけ国債を出させていただきますが、そのような経緯でございました。
 したがいまして、御審議いただいておりますものは、前回、前々回よりはかなり小ぶりのものになっておるのが事実でございます。
#184
○木俣佳丈君 再度KSDの問題に戻りますが、先ほど、午前中、自民党の職域支部でございます豊明支部の件で、党員がゼロになる年があると申しました。この還付金というか、職域支部に支払われた党費の総トータルを自治大臣お答えください。
#185
○政務次官(荒井広幸君) 数字でございますので、私の方からお答え申し上げます。
 平成三年から平成五年、豊明会中小企業政治連盟の収支報告書の要旨に係る官報告示、これを確認しましたところ、平成五年に支部還付金として一千七百五十七万七千三百円の収支があった記載がございます。
 なお、官報告示においては、この支部還付金がどこからなされたかについては確認できません。
#186
○木俣佳丈君 この還付金のトータルをお答えください。九一年から九九年までです。自民党豊明支部。
#187
○政務次官(荒井広幸君) ただいまお答え申し上げましたように、還付金としてはただいま申し上げたとおりでございます。
#188
○木俣佳丈君 お調べになっているかどうかわかりませんので、九一年から九九年までで四億六千三百六十万円、一応この支部に自民党都連から入っているわけでございます。ということはじゃ党費がどのぐらい、つまり千三百円戻ってくるわけですね、ここの職域支部に。四千円を自民党に払ったときに千三百円がこの職域支部に戻るようになっている。つまり、十三分の四十を掛けますと、何と十七億四千三百万円、要するにKSDが負担していた、こういうふうに言えるんですが、労働大臣、このような認識でよろしゅうございますか。
#189
○国務大臣(吉川芳男君) 任意団体である豊明会が自前の収入をどのように支出するかということについては、労働省としてはとかくのことを言う立場にはございません。
#190
○木俣佳丈君 再答弁を求めます。要は、労働大臣は、KSDがこれを負担していたかどうか、ちょっと御説明ください。(「そんなのわかるか」と呼ぶ者あり)わかるんだよ。
#191
○国務大臣(吉川芳男君) 先ほど御答弁申し上げたとおりでございまして、さらに答弁することはできません。
#192
○木俣佳丈君 二日前、我が党の議員が、KSDの関連合同部長会議、この議事録、読まれましたね。
#193
○国務大臣(吉川芳男君) 読んでおりませんし、承知しておりません。
#194
○木俣佳丈君 いや、衆議院で報告しておりますし、これはKSDの、つまり労働省が担当、所管でしょう。読んでいないんですか、これ。読んでください。読んだでしょう。
#195
○国務大臣(吉川芳男君) 再三にわたっての御質問ですけれども、知りません。
#196
○木俣佳丈君 もう監督責任放棄だと私は申し上げたい。
 これに書いてあることを読みます。
 これ、九二年の話、一月十日。古関理事長が、村上正邦先生の、「今回の七月の選挙では三番に上げたい。恩返しの意味もある。」、「村上先生はIMMの設立を三ケ月で労働省を捩じ伏せた。」、「三年以内には外国人労働者の雇用特別立法を作らなければならない。」、「村上先生は国対委員長で次期大臣は確実で、参議院なので労働大臣に就任する可能性は八〇%ある。」。事実、この十二月に労働大臣に就任しました。「KSDで自民党の党員数二十万票を確保する。」、「百万人署名実現のための手段、方法を考えて頂きたい。」。
 はい、労働大臣、これについて、つまりKSDと自民党のこの関係、どのようにお考えですか。
#197
○国務大臣(吉川芳男君) 委員御指摘の合同会議については承知していないことは先ほど申し上げましたが、公益法人の政治活動については種々議論がありますが、KSDについては会員の会費より災害防止事業や災害補償共済事業等を行うものであり、設立目的、業務内容にかんがみると会費により政治活動を行うことは適切ではないものと考えております。
 なお、KSDによれば、政治活動は豊明会が行ってきたものであり、今般のKSDの改革方針によれば、豊明会を解散し、今後は一切の政治活動を行わないということを承知しております。
#198
○木俣佳丈君 今言われましたように、大臣は、KSDはやっていない、豊明会がやったんだからKSDの責任ではない、このように言われましたね。しかし、人事の面で役員で重複している人の名前、そしてまたKSDと豊明会で役員の重複の名前と人数をお答えください。
#199
○国務大臣(吉川芳男君) 平成十二年五月の立入検査時に豊明会の常勤理事を兼務するKSDの常勤理事がいるということが判明したので、平成十二年八月十日付をもって、改善勧告において公益法人の適切な運営を図る観点から、KSDの常勤理事が他の団体の常勤理事を兼ねるということについて、これを解消するよう労働省としては指導したところでございます。
 具体的には、当時KSDの理事長、副理事長、専務理事、常務理事二名、理事二名が豊明会の役員を兼務していることが認められたところですが、この指導に従い、全員について常勤の理事兼務を解消したと報告を受けております。
#200
○木俣佳丈君 何人おったかと聞いているんです。
#201
○国務大臣(吉川芳男君) 何人かというと、理事長、副理事長、専務に常務が二人、それから理事が二人ですから、これは七名ではないでしょうか。
#202
○木俣佳丈君 初めから答えればいいじゃないか。
 もう一問申します。
 このKSDの豊明会、今の豊明会、この豊明会と自民党の職域支部の代表者で重なる方をちょっと労働大臣言ってください。
#203
○国務大臣(吉川芳男君) 事務的な問題でございますので、ゆっくり調査をすればわかることだと思いますけれども、現在のところは私は承知しておりません。
#204
○木俣佳丈君 通告してあります。
#205
○委員長(岡野裕君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#206
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
#207
○木俣佳丈君 それでは自治省に、自民党豊明各支部の代表者、会計責任者、事務担当者はどなたですか。九八年のを聞いて、その後、労働大臣、KSD各支局の代表と重なっている人をちょっと言ってください。
#208
○政務次官(荒井広幸君) お答え申し上げます。
 自民党豊明各支部、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県でございますが、平成十年の収支報告書の記載状況について、関係四県それぞれの選挙管理委員会に確認をいたしましたところ、自由民主党埼玉県豊明支部、代表者岡野元昭、会計責任者中村勝彦、事務担当者河野道明。自由民主党千葉県豊明支部、代表者大塚道也、会計責任者中村勝彦、事務担当者河野道明。自由民主党東京都豊明支部、代表者関根辰昭、会計責任者平川康次郎、事務担当者河野道明。自由民主党神奈川県豊明支部、代表者保坂博、会計責任者小林一幸、事務担当者河野道明でございます。
#209
○国務大臣(吉川芳男君) 労働省が承知しているのはKSDの支局長でございます。
 そこで、平成十年四月一日現在では、KSD埼玉支局長は青柳忠良、KSD千葉支局長は鈴木英二、KSD東京支局長は安井常雄、KSD西東京支局長は橋本進、KSD神奈川支局長は尾崎健であるとKSDから聞いております。
 以上です。
#210
○木俣佳丈君 それでは、豊明会の各、質問を変えますが、例えば東京の支部長は関根さんですね。よろしいですね、それで。
#211
○国務大臣(吉川芳男君) 豊明会の支部長であれば知りません。
#212
○木俣佳丈君 今の、要は、豊明支部の支部長と豊明会の役員と重なる方をじゃお答えください。
#213
○国務大臣(吉川芳男君) たびたび御答弁申し上げていますように、労働省といたしましては、豊明会の役員の出入りについては承知しておりません。
#214
○木俣佳丈君 私どもの調べでは、もう全員重なっております。
 つまり、KSDイコール豊明会であって、そしてまた豊明会がイコール自民党ということでよろしゅうございますか。つまり、KSDというのは自民党そのものだということで、大臣、ちょっとお答えください。
#215
○国務大臣(吉川芳男君) 知り得る立場ではないということを申し上げております。
#216
○木俣佳丈君 いや、KSDを監督する責任としてお答えください。
#217
○国務大臣(吉川芳男君) 私が直接会ったのは副理事長でございまして、一支局長にあれこれ言うつもりは私はございません。
#218
○木俣佳丈君 いや、支局もKSDそのものですよ。そんな監督責任は絶対にないと思いますね。
 先ほど議事録の中でアイム・ジャパンというのがありましたが、このアイム・ジャパンというのはどういったもので、何の目的で設立されたものですか。労働大臣。
#219
○国務大臣(吉川芳男君) お答えいたします。
 アイム・ジャパンは、平成三年十二月二日、労働省が許可して設立された財団法人であります。設立の目的は、中小企業の国際化への対応に向けた人材育成及び技術、技能者の交流に関する事業を行い、我が国の中小企業の発展と国際貢献に寄与することであります。
 本財団が現在行っている人材育成事業は、平成五年に創立された外国人技能研修制度に基づくもので、日本で働きながら習得した技術、技能等を生かし母国の産業界の発展に寄与するもので、人づくりを通じて国際貢献を目指すところであります。本財団は本制度の受け入れ団体の一つであり、主にインドネシアから毎年約二千人の研修生を受け入れている有力な受け入れ団体であります。
 以上でございます。
#220
○木俣佳丈君 今、その二千人の中で行方不明になっている方は何人ぐらいいらっしゃいますか。
#221
○国務大臣(吉川芳男君) 六百人内外だというふうに聞いております。
#222
○木俣佳丈君 ここの前理事長はどなたですか。
#223
○国務大臣(吉川芳男君) 古関忠男氏であったと聞いております。
#224
○木俣佳丈君 そこの労働者を受け入れて単純労働を中小企業に派遣するという役割でございますが、平成四年に労働省の省政令が変わっておりますが、これについて御説明ください。
#225
○国務大臣(吉川芳男君) 法務省の省令と聞いております。
#226
○木俣佳丈君 それでは法務大臣、お願いします。
#227
○国務大臣(保岡興治君) 御指摘の研修に関する法務省告示、これは、中小企業等の海外進出に寄与し、国際協力の一環としての受け入れを認め、途上国のニーズにこたえた研修の実施を可能とするため、それまでの中小企業等で実施されていた研修の実績等も踏まえて平成二年八月に制定したものでございますけれども、平成三年十二月に、行政改革推進審議会の第二次答申だったと思いますが、これの中での提言を受けていわゆる行革大綱「平成四年度に講ずべき措置を中心とする行政改革の実施方針について」という閣議決定をいたしまして、送り出し国のニーズへの的確な対応等の観点から、研修制度の各種基準等について見直すこととされたことなどを踏まえまして、研修制度の合理化を図る観点から、平成四年十二月に本改正を行っているところでございます。
#228
○木俣佳丈君 具体的に十二月のいつでございますか。
#229
○国務大臣(保岡興治君) 審議会の第二次答申が十二月の十二日で、閣議決定が多分十二月の二十八日だったと記憶しております。
#230
○木俣佳丈君 労働大臣に伺うべきかどうかわかりませんが、その年同じように十二月の十二日に村上さんが大臣に御就任になっていらっしゃいます。この関係を、先ほどの議事録等々を重ね合わせて、労働大臣、どのようにお考えですか、どのようにお感じになりますか。
#231
○国務大臣(吉川芳男君) 特に関係あるとは思っておりません。
#232
○木俣佳丈君 法務大臣に伺います。
 収賄の定義をお答えください。
#233
○国務大臣(保岡興治君) 公務員がその職務に関しわいろを収受することでございます。
#234
○木俣佳丈君 この利益とは何を指しますか、利益。
#235
○国務大臣(保岡興治君) わいろとは、公務員または仲裁人の職務に対する不当な報酬としての利益をいいまして、利益は財産上の利益にとどまらず、およそ人の需要、欲望を満足させるに足るものであればよいと解されております。これが通説、判例でございまして、明治の大審院の判例以来定着しております。
#236
○木俣佳丈君 最後に申し上げたいのは、つまり、古関さんが要は政治家、政治家秘書を使って、そういったものを使わにゃいかぬ、そしてまたそういって明言されて献金をされ、そして法を変えて、要は外国人どんどん受け入れられるように、そういう構造をつくったのがこのKSD。
 まさに、最後にちょっと御質問したいんですけれども、大臣、このKSDの解散を要求しますが、いかがお感じですか。総理にもお答えいただきたい。
#237
○国務大臣(吉川芳男君) 今後とも、KSDが本来の目的に沿って立派に公益法人を努めていくというふうに将来とも指導していかなければならぬ、指導していくつもりでございます。
#238
○委員長(岡野裕君) 木俣君、時間が過ぎております。
#239
○木俣佳丈君 私は、これは本当に、こういった形で村上さんを支援し、その直後に大臣に就任して、そしてまたこれが利益につながっているということは、まさに収賄に当たると私は思いますよ。
 我々は、来年の参議院選挙に向けて、とにかくこの権益政治を打破しなきゃいけない、それが我々民主党の使命であるということを宣言させていただきまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#240
○委員長(岡野裕君) 以上で簗瀬進君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#241
○委員長(岡野裕君) 次に、沓掛哲男君の質疑を行います。沓掛哲男君。
#242
○沓掛哲男君 自由民主党の沓掛哲男でございます。よろしくお願いいたします。
 冒頭、本題に入る前に一言申し上げます。
 歴史的な転換期にある我が国は、今、景気回復が極めて重要な段階にあり、多発する少年犯罪への対応を初め、教育の抜本的見直し、間近に迫った中央省庁再編等重大な課題が山積しているところであります。そこで、景気の腰折れを招かないための補正予算や二十一世紀の国づくりの推進力となるIT基本法、少年法の改正を初め多くの重要法案の処理が急務となっております。
 このように臨時国会が山場に差しかかっている重要な段階で、二十日、内閣不信任決議案が野党から提出され、これに伴い補正予算などの審議が一時停滞いたしましたが、我が党は挙党態勢のもと、国民の期待に沿うよう会期末まであと一週間、補正予算を初め重要な課題に全力を挙げて取り組む決意であることを冒頭申し上げます。
 これから具体的な質問に入りますので、お答えいただければと思います。
 まず最初に、森総理大臣にでございますが、APEC首脳会議が十一月十五、十六日にブルネイで行われ、グローバル化やWTO等、地域貿易協定等が議論され、十六日、会議終了後に首脳宣言が発出されたと報道されております。
 総理には大変タイトな日程で本首脳会議に御出席され、本当に御苦労さまでございました。その際、米ロ首脳とも会談され、特にプーチン大統領とは予定を上回っての会談とも伺っております。
 これらを含め、今回のAPEC首脳会議の成果についてお伺いいたします。
#243
○国務大臣(森喜朗君) 今回のAPEC首脳会議では、主要なテーマといいましょうか議題は、グローバル化とWTOが御指摘どおり議題に上がっておりました。
 とりわけグローバル化につきましては、いわゆる途上エコノミーを含めました域内の首脳が一堂に会しまして、それがもたらす具体的な利益とかあるいは課題について極めて率直な意見交換ができたという意味では大変大きな成果があったと思います。
 WTOにつきましては、新ラウンドの立ち上げにつきまして議論になりまして、先般の、河野外務大臣が御出席されましたが、いわゆる大臣会合でかなりの粗ごなしといいましょうか、問題の焦点をある程度整理していただきました。したがいまして、立ち上がりがいつになるか、また議題をどうするかということに絞られてきていたわけでございます。私からも可能な限り早期のラウンドの立ち上げの必要性を強調いたしました。結果といたしましては、二〇〇一年中の立ち上げを目指すという前向きな内容の首脳宣言を発出することができました。そういう意味では、我が国のイニシアチブのもとに新ラウンドの早期立ち上げに向けて道筋を示すことができた、こう考えております。
 また、いわゆるデジタルデバイドといいましょうか、情報格差解消のための包括的な協力策でありますとか、あるいはWTO協定実施のためのAPECの戦略的能力構築計画の提案など、APECに対します貢献策を示しました。そして首脳たちからの高い評価もいただいております。今後、我が国としても協力を着実に実施するように努めてまいりたい、こう考えております。
 なお、御指摘いただきましたように、この会談の間に日ロの首脳会談、日米の首脳会談、日韓の首脳会談を行いました。特に日ロにつきましては、今後さらに平和条約交渉に向けて具体的な進展が得られるような方向に感触を得た、このように申し上げていいかと思います。
#244
○沓掛哲男君 どうも総理、本当に御苦労さまでございました。ありがとうございます。
 では次に、外交、防衛についてお尋ねいたします。
 毎年、米国の大学院の学生たち二十人余が日本の政治、経済の研修に来ておりますが、平成八年と九年の秋に来られた方と、当時、私、自民党の国際局長をいたしておりましたので対談いたしました。大変驚いたのは、この人たちの最初の質問が、中国が経済的に急成長しており、また軍事力の強化が進んでいる、この中国の経済力と軍事力に日本はどのように対応していくのかとのことでした。彼らのこれらの関心事が日本よりも中国にあることにはっとする思いでした。
 種々説明いたしましたところ、経済問題についてはある程度の理解が得られたと思います。防衛について、私の方から、日米安保条約を基軸とし専守防衛とすること、しかし集団的自衛権については現行憲法九条のもとでは認められないこと、また種々基地問題のあることなどを説明いたしました。
 これに対する彼らの反応も非常に印象的なものでした。まず第一に、日本国民にとって必要があるのならば憲法は改正すべきではないかということでした。二番目、我々アメリカの青年は日本のために血を流すようなことはいたしませんという強い決意を述べられました。
 そこで、まず防衛庁長官に、中国の軍事力増大に対して我が国はどのように対応していくのかの御所見をいただきたいと思います。
#245
○国務大臣(虎島和夫君) 中国は、改革・開放路線の推進の前提となる安定的環境維持のため、内政の安定、周辺諸国との関係改善とともに、軍事力の近代化、強化に努力中と承知いたしております。また、海洋における活動範囲の拡大の動向については今後とも注目する必要があるという認識を持っておるわけであります。
 他方、アジア太平洋地域の平和と安定への寄与という観点からは、中国との間で防衛交流や安保対話を推進強化することが重要であるということで、防衛庁としてはこれを基本政策に据えております。と同時に、十月には森総理と中国首脳会談が行われまして、両国間の艦艇相互訪問等の早期実現のために意見が一致したということも承知いたしております。
 今後とも、私どもは、防衛交流や安保対話を通じて我が国の防衛政策などについて十分説明していくとともに、中国の軍事力や国防政策の透明性の向上への働きかけを強めていく考えであります。
#246
○沓掛哲男君 ことしの八月に八年ぶりで中国を訪問いたしました。都市部の発展は目覚ましいものがあります。
 我が国と比べて労働賃金は十分の一くらいでしょうか、電気料金も五分の一ぐらいと、生産要素の価格は比較にならないほど安いです。それでも十年くらいほど前までは品質に問題がありましたが、我が国等からの生産財の輸入、技術導入で品質の面でも遜色のないものがつくられております。国際化に伴い、これらの製品が日本市場に怒濤のごとく押し寄せています。一例を挙げれば、繊維では綿製品の八七%はもう輸入品です。合繊ものでも五六%が輸入品です。産地は崩れつつあります。
 これらの現状を踏まえ、先ほどの米国大学院生の、中国の経済の急成長に日本はどのように対応していくのかを通産大臣にお伺いしたいと思います。
#247
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。
 委員御指摘のように、今中国の経済成長率というのは我が国と比べて大変高いものがございまして、七%から八%の経済成長率でございます。さらに、我が国との貿易関係というのも大変拡大をいたしておりまして、ことしの一月から九月までの統計でも米ドルで六百十三億ドルを超える、このような実績でございます。
 そういう意味で日中の経済にとっては非常に、そういう貿易が好調であるということは悪いことではございませんけれども、御指摘の特に繊維製品の場合には、今おっしゃったように、ある意味では洪水のような形で日本の市場に入ってきているわけであります。そういった中で、特に繊維製品を初め、あるいはそれに関連するいわゆる地域産業というものが大変大きな打撃を受けていることも事実でございます。
 御承知のように、今中国はWTOに加盟する、そういう寸前の状況にあるわけでありまして、私どもはWTOの中国加盟を応援しておりますけれども、やはりWTOにはルールがあるわけでございまして、セーフガード発動に当たっても、我が国といたしましてはその辺に力点を置いた交渉を中国側と進めていかなければならない、このように思っております。
 繊維のいわゆるセーフガードにつきましても、構造条件というような他の国にはないそういう条件も日本のセーフガードの中に入っておりましたけれども、思い切ってそういうこともなくした形で正しい取引が行われるようなそういう体制を確立して、やはり正当な形でいわゆる発動要請があればきちっと発動できる、こういう体制をとっていきたいと、このように思っています。
#248
○沓掛哲男君 次に、中国に対するODAのあり方を外務大臣にお尋ねしたいと思います。
 我が国は、中国に対してこれまでにODAとして二兆四千八百億円もの多額の援助を行っています。この援助総額は、二国間援助実績累積ではインドネシアに次ぐ額となっています。しかし、中国側は我が国からの援助を自国国民にほとんど知らせていませんし、中国は十二年連続で対前年度比一〇%以上の国防費を増大させています。また、我が国などから援助を受け取る一方で、開発途上国に対する援助を着実にふやしています。また、中国の都市部の発展には目覚ましいものがあります。
 他方、我が国では、バブル崩壊後経済は停滞し、特に中小企業の経営は厳しい状態にあり、ODAを削減して国内の中小企業を助けよという声もあります。
 このような状況を踏まえるとき、対中ODAの縮小も視野に入れざるを得ないのではないかとも考えられますが、これからの対中経済協力にいかなる方針で臨まれるか、お伺いいたします。
#249
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、日本から中国に対しますODAは大変巨額に上っておることは事実でございます。しかし、これを他国と横並びに比較するということは必ずしも簡単ではございません。その国土の広さ、人口の多さ、そういったことを考えますと、ただ単に金額だけを並べてみてもそれでは十分ではないというふうに思うわけでございます。
 先ほど来議員がお話しになりましたように、例えば日本と中国との安全保障上の問題その他を考えてみましても、我々にとって二十一世紀の安全保障を考えますときには、周辺諸国とのよりよい関係をつくっておくということがどんなに大きな軍事力を保持するよりも私は正しい道ではないかというふうに考えておりまして、こうした点について、外交努力というものもまた我が国の安全保障には極めて重要だというふうに思うわけです。その外交努力の中にODAというものは非常に重要な部分になっておりますことは、これはもう議員がかねてから御承知のとおりでございます。
 また、中国がさらに途上国に対して援助を行っているという御指摘がございました。これもそのとおりでございますが、昨今、国際社会の中におきましては、議員も御承知のとおり、南南協力という考え方がございます。
 北の先進国が南の途上国に援助をする、そして南の途上国はそれによって一定の力をつけてくると、そこで蓄えた知識とかそういったものを使ってさらに南の途上国に対する支援をする。北の先進国は、いきなり南の途上国に支援をするよりも、南の事情をよく知っている国と協力して支援をすることの方が効果が多い場合もございます。中国もかなり幾つかの国と協力して途上国を支援するというケースもまたあるわけでございまして、この点についても実態をよく調べてみる必要があるかと思います。
 議員がお話しのように、我が国の経済状況を考えますと、従来どおり対外援助を行うことが果たして適当かどうかという点については、これはもう国内的にさまざまな議論があることを私どもも承知いたしておりますが、先ほども申し上げましたように、日本外交の非常に重要な、何といいますか、外交上のこれは我々が持ちます大事な部分でございまして、外交上のこうした言ってみれば道具といいますか、武器といいますか、考え方といいますか、そういうものをやはりできるだけ効率よく的確に使っていくと。そして、日本の安全保障、さらにはその途上国の経済が潤って、途上国の経済、それは例えば極端なことを言えば、中国の経済がよくなるということは日本の経済がよくなるということにもなるわけです、中国は日本にとって極めて大きなマーケットでございますから。
 そうしたことも考えますと、対中ODAというものもさまざまな角度で検討しなければならぬと考えておりまして、現在、対中ODAについての有識者の懇談会をつくりまして意見を伺いまして、今後の対中ODAのあるべき姿を検討中でございます。
#250
○沓掛哲男君 次に、日米安保条約に対する国内の支持基盤の強化について、大変これは大事なことなものですから、総理大臣にお尋ねしたいと思います。
 本年は、現行の日米安全保障条約が発効して四十年になります。この条約が日米安保体制の基軸となり、我が国の平和と繁栄に大きく貢献してまいりました。しかし、近年、基地に関していろいろの問題が発生しております。九月に実施された在日米軍によるNLP、夜間発着訓練ですが、これは三沢、横田、厚木、岩国の四基地で行われましたが、このNLPに対し、三沢市、大和市、綾瀬市、三市が米海軍に友好関係を中断してもやめてもらう、やめないのなら友好関係を中断するという考えをも表明しております。基地問題に対する自治体の対応を見ているとある種の心配を感じます。
 また、十月中旬、米国のリチャード・アーミテージ元国防次官補やジョセフ・ナイ元国防次官補ら超党派の有識者が米国の対日政策について提言を行っております。その中で、冷戦後の日米関係について、ソ連の脅威が解放されてからアメリカ側も日本側も二国間同盟というものの価値を無視するようになり、それにかわるものの模索も何ら成果を上げていないと述べています。
 冷戦終結後の日米安保に対する国内の支持基盤に変化が見られるのではないか、そしてそれがゆゆしき事態に発展しなければよいがという懸念を持っております。
 総理はこうした動き、変化をどう認識されているのか、またその対策についてお伺いいたします。
#251
○国務大臣(河野洋平君) NLPの事実関係だけ私から御答弁をさせていただきたいと思います。
 NLP、つまり夜間の離発着訓練でございますが、これはもう議員がお話しのとおり、基地周辺の住民に対しては大変な騒音被害というものがございまして、周辺住民あるいは自治体から非常に強い抗議が私どものところにも参っております。
 私どもといたしましては、日米関係というものを考え、さらに一方で日米安保条約というものも考えながら、夜間の離発着訓練を行う場所を当初は三宅島でそういう訓練基地をつくってはどうかというような話もございましたが、これは地元と話がつきませんで、結果、硫黄島にその訓練基地をつくったわけでございます。一時、全体の八〇%近くが硫黄島で訓練をするという状況でございましたけれども、ことしに限って言いますと、硫黄島で訓練を行ったのは二五%しかございません。そんなことから基地周辺の自治体から大変強い抗議がございました。
 私どもも、これにつきましては、米側に対して、付近住民のこうした騒音被害というものを重く受けとめて、ぜひ訓練は、我々との間で話し合ってきた硫黄島で訓練を行うということにすべきであるということを申し入れております。米側としても、これらについて天候上の理由その他があるという説明はございましたけれども、私どもとしてはなお一層米側に話をしたいというふうに考えているところでございます。
#252
○国務大臣(森喜朗君) 日米安保体制についてのお尋ねでございましたが、アジア太平洋地域におきます安定と発展のための基本的な枠組みといたしましては有効に今日まで機能してきたと、このように私どもは評価をいたしております。このような日米安全保障条約の役割は、やはり国民の大多数によって今日まで支持されてきたものだと考えております。
 今、NLPにつきましては外務大臣からお答えを申し上げたとおりでございますが、日本に駐留する米軍がその活動に当たって公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきものであるということは言うまでもないことだと考えます。政府としては、アメリカ側に対し、累次の機会に地元に与える影響を最小限にとどめるように申し入れてまいっております。
 もう一点、御質問の中にございましたアメリカの超党派の専門家が公表した報告書のことについて引用をされたわけでございますが、この御質問の報告書は対日関係に十分な知識と経験を有する有識者によるものでありまして、私としてもこの報告書には関心を持っております。
 この報告書はあくまでも民間の報告書でありまして、政府としてのコメントは差し控えることが適当であると考えますが、この報告書の中で、アジアが米国にとって極めて重要な地域である旨を強調した上で日米同盟関係の重要性を指摘しているというこの点については注目をいたしておるわけです。
 政府としては、冷戦終結後の現在の国際社会において、アジア太平洋地域の情勢が好ましい方向に向かう兆候が見られることを歓迎する一方で、この地域に依然として不安定性、不確実性が存在していると言わざるを得ない。日米安保体制がこの地域の平和と安全を維持する上で極めて重要な役割を果たしているということは、九月のいわゆる2プラス2の会合におきましても共同発表において明らかにいたしているところでありまして、我が国としては、引き続き日米同盟関係の維持強化のために努力していく考えでございます。
#253
○沓掛哲男君 次は、北朝鮮問題についてお伺いいたします。
 北朝鮮問題ほど解決の難しいものはないと思います。平成九年十一月、森総理、当時の総務会長が北朝鮮を訪問されました。私もその四カ月後の平成十年三月に中山正暉衆議院議員を団長とする調査団の一員として北朝鮮に参り、拉致問題、食糧の支援、さらに、昭和三十八年、石川県の能登沖で行方不明になり、現在北朝鮮におられる寺越武志さんのお母さん、今金沢在住ですが、その方をお連れして、武志さんと再会させることなどに携わりました。
 交渉を困難にしている最大のものは、北朝鮮側の日本に対する強い憎しみと不信であります。もちろん、交渉のテクニックという面もあったかと思います。今の日朝間で一番大切なことはお互いの信頼関係を回復することであり、そのためにも日朝間のいろんなパイプでの交流が望まれると思います。
 そこでまず、拉致問題についてお伺いします。
 国民の生命を守ることこそ、何にも増して国家が優先してなさねばならぬことであります。にもかかわらず、何人もの日本人がこの国から消えていきました。この人たちはどうなっているのでしょうか。
 平成十年三月、私たちが訪朝した際、我が国の行方不明者の調査を誠心誠意かつ執拗にお願いいたしました。北朝鮮の代表者はその調査を暗黙のうちに認めてくれました。しかし、三カ月後の平成十年六月に、北朝鮮赤十字社から行方不明者は存在しないとの声明が伝達されたと新聞で報じられました。
 そこで、外務大臣に、拉致問題解決に向けた取り組みと見通しについて、またあわせて、北朝鮮赤十字社の行方不明者は存在しないとの声明をどのように受けとめておられるか、お伺いいたします。
#254
○国務大臣(河野洋平君) 政府といたしましては、拉致問題は我が国国民の生命にかかわる重要な問題であると認識しておりまして、国交正常化交渉その他の日朝間の対話の場でこの問題の解決に向けて粘り強く取り組んでいるところでございます。
 今、議員がお話しになりましたように、この問題は、九七年の与党訪朝団の際に北朝鮮側が行方不明者として調査を行うとの反応を示したことを受けまして、赤十字間において調査が行われた経緯がございます。先ほど来、総理初め御答弁がございました。
 当該調査につきましては、御指摘のとおり、九八年六月五日、朝鮮赤十字会が日本が求めている人物は我が国領土内には存在しない旨の談話を発表して、中断をしたわけでありますが、我が国政府としては、そのような発表は到底受け入れられるものではないとの立場をとっております。
 ただ、その後、昨年十二月の村山訪朝団の際のやりとり及び同訪朝団を契機として開催されました日朝赤十字会談におきまして、北朝鮮側より、当該機関において行方不明者のしっかりとした調査を改めて行うとの立場が表明をされておりまして、現在まさに当該調査が実施されている状況にあります。
 政府としては、赤十字会談を通じても、この問題について納得のいく結果が得られるよう北朝鮮側の誠意ある対応を求めていく考えであります。
#255
○沓掛哲男君 次に、食糧支援についてお尋ねいたします。
 北朝鮮では毎年、洪水、干ばつがあり、さらに肥料等の不足もあってずっと食糧が不足いたしております。山にほとんど木がなく、河川も原始河川のままです。雨が降れば洪水が起き、その後は水不足が起きます。かんがい施設が整備されておりませんでした。したがって、今後とも食糧の不足は持続すると思います。
 我が国は、WFPの要請を受け、九五年以来五回にわたり人道的立場で支援してきております。拉致問題の解決の道筋がつかない中での支援には釈然としないものがあります。特に本年は、WFPアピールの要請量十九・五万トンを大幅に超える五十万トンの支援をされることとしておりますが、本年は何かの理由で特別の支援をするということでないと、来年からはこれがベースとなってしまうのではないでしょうか。
 ここで、いま一度今回の米支援の決定経緯について、国民の理解と支援が得られるようなわかりやすい御説明を外務大臣にお願いしたいと思います。
#256
○国務大臣(河野洋平君) 食糧支援のあり方については議員十分御理解をいただいていると考えますので、五十万トン支援の規模といいますか、考え方を御説明申し上げたいと思います。
 世界食糧計画、つまりWFPでございますが、WFPによりますと、ことしの緊急食糧支援活動についてはおよそ三十万トンが充足される必要がある。これは、先般の発表は十九万五千トンでございましたが、それ以前に、不足であるというWFPからのアピールに対してまだ未調達分が十万トン残っておりまして、それを加えますとおよそ三十万トンになるわけでございます。さらに、来年の緊急食糧支援活動は、ことしの当初の計画、すなわち五十八万トンと同等もしくはそれ以上になるだろうと、これもWFPのアピールでございます。
 そこで、ことしの残り分及び来年必要となるであろうと思われる分、この両方を合わせますと、つまりWFPの緊急食糧支援活動は少なくとも八十八万トンは必要になってくるであろうというふうに考えているわけでございます。
 これは、議員御承知のとおり、ことしも五十八万トンと当初WFPは言っておったわけでございますが、この五十八万トンはWFPとしての支援分でございます。これは、WFPというのは病人とか子供とかそういう立場の弱い人にやるためにこれだけのものが必要だということを言っているわけでございますが、それやこれや考えますと、およそ百万トンは食糧不足が生ずるであろうというふうに考えておりまして、そのおよそ半分、五十万トンを拠出することが、この時期五十万トンを拠出することが適当であろうというふうに考えたわけでございます。
 これは、現在の南北の緊張緩和へ向かっての流れ、動き、こういったものを後押しをするという意味もございまして、あくまでも人道支援の立場に立った数量でございますが、その食糧支援をどのタイミングで行うかということについては総合的な判断を下すということで、先般五十万トンの食糧支援を決めさせていただいたわけでございます。
#257
○沓掛哲男君 北朝鮮は、最近、南北問題や米国との関係改善等について積極的な外交を展開していますが、一方では、国内の政治、経済、軍事体制等には大きな変化が見られません。一体このような北朝鮮の外交姿勢の変化は何を意図しているのでしょうか。
 我が国も、日朝国交正常化に向けて最善の努力は必要ですが、日朝間にある基本的な問題、戦後補償あるいは植民地政策の謝罪云々云々といったような、そういうものの、私は、解決に焦ることなく、辛抱強くクールに、タフな解決をしていただきたいと思います。
 先般、読売新聞に、元タイの大使をしておられました岡崎さんがこれに関連した論説を載せておられましたけれども、私は全くあのとおりだと思いますので質問させていただきました。外務大臣、よろしくお願いします。
#258
○国務大臣(河野洋平君) 北朝鮮が昨年来急激に国際社会に向かって積極的な外交姿勢をとるようになった、この理由がどこにあるかということについては全く私どもも推測の域を出ないわけでございますけれども、その中には、やはり我々の推測からすれば経済上の問題もあるのではないかと。非常に厳しい経済危機、その中には食糧危機というものもあるだろうと思います。
 また、さらに別の角度から考えますと、金正日総書記が、これは金大中韓国大統領やオルブライト・アメリカ国務長官の御報告などを伺いましても、非常に国際問題に関心を持って、御自身でCNNを毎日のように見ているようだとか、つまり我々が考えているよりもはるかに国際的な知識、認識というものを持っている人物だと、こういう報告もございます。それらを聞きますと、国際社会にやっぱり自分たちは積極的にかかわっていく必要があるというふうに考えられているかもわかりません。
 そこで、北朝鮮の外交方針といいますか外交政策というものは、やはり従来とは変わってきている。この変わってきているこの変わり目に、やはり我々は日朝の国交正常化を初めとしてなすべきことはやった方がいいということも一つあると思います。
 それから、この北朝鮮の変わり方に対して、アメリカは米朝会談でミサイル問題について非常に積極的に北朝鮮と会談を行っておりますし、南北は南北会談において一つの民族を統一という夢を考えて積極的に取り組んでおられます。
 こうしたことを考えますと、私どももまた、日朝関係を正常化することによって北東アジアの安全保障といいますか、北東アジアの安定あるいは繁栄というものをつくり上げる一つの場面ではないかというふうには思うわけでございます。
 しかし、今、議員がお話しになりましたように、決して、ただバスに乗りおくれるなというようなことから不必要な妥協をするとか、急ぐ余りにやってはいけない、我が国としてやってはいけないことをするというようなつもりは全くございません。我が国として言うべきことはきちっと言い、やるべきことはきちっとやるということが絶対に必要であるというふうに考えているところでございます。
#259
○沓掛哲男君 時間の関係もありますので、次にロシアのことを話そうと思ったんですが、それは飛ばして、次の経済対策の方に移らせていただきたいと思います。
 平成十二年度一般会計補正予算に関連いたしまして、まず補正の必要についてお尋ねします。
 平成七年、八年の我が国経済は、数度にわたる景気対策により順調な回復軌道に乗っておりました。設備投資も、対前年比、七年では七・八%増、八年では一二・一%増もしております。個人消費も七年には三・二%増、八年には二・七%増となっております。もう一息で民需中心の自律的回復が成るかとの思いでしたが、財政構造改革を急いだ当時の内閣が、平成九年度から、消費税二%アップと医療費の個人負担合わせて八兆円の個人負担増と、公共事業費の対前年比四兆円の減額を行いました。
 ところが、さらに驚くことが起きていました。それは、財政構造改革の必要性を強調するため、将来の我が国の財政は破綻寸前の状態と繰り返し政府はPRしましたから、国民は前途に不安を抱き、支出に急ブレーキをかけました。民間の建設投資だけで対前年比八兆円も減となりました。これでは我が国の経済はもちません。平成九年十月から景気は急速に悪化しました。景気対策をあと二、三年続けていたら確実に民需による景気回復は実現したと悔やまれますが、今回の補正による景気対策はこの学習効果もあったのではないかと思います。
 そこで、経済企画庁長官に、平成十二年の我が国の景気は、今申しました平成七、八年と比較してどうなんでしょうか。また、今回の事業規模十一兆円による景気浮揚の効果をどのように見ておられますか。経企庁長官、お願いします。
#260
○国務大臣(堺屋太一君) 委員まことに御指摘のように、平成七、八年、一九九五年から九六年、日本経済は好調にありました。大体バブルが崩壊いたしまして、九三年ぐらいまで物すごい勢いで下がったんですが、それから徐々に上がってきて、九五年、ちょうど阪神大震災の復興需要、それから携帯電話などが出てまいりました新しい商品需要等が重なりまして非常に好調に見えました。そして、御指摘のように個人消費、設備投資等々が上昇いたしまして、景気回復してきたからここで財政再建という声が官民の間にもかなり強くなった、これは事実でございます。それにこたえて当時の内閣はかなりの財政再建路線、引き締め路線になりまして、国債発行額も一時、九八年の当初予算では十五兆ぐらいにぐっと抑えたこともございました。
 ところが、九七年の三月ぐらいが頂点でございまして、ちょうど消費税を引き上げましたのはその翌月でございますが、そのころから景気の循環が下り坂になっていったと。そこへ引き締め路線をやって、増税をやり、また医療保険関係の増収も合計九兆円ぐらいの増収を図った。これが契機になりまして下がったのでございますが、それだけではなしに、この九五年、九六年、平成七、八年ごろの景気回復は、実は景気はそういう阪神の復興とか新しい商品でよくなっておりましたが、構造的に見ますと、金融機関はたくさんの不良債権を抱えておりましたし、各企業も多くの不良債権を抱えていた。構造的にはバブル崩壊以後の改善がほとんどなされていなかった、その状態で財政再建に踏み込んだという構造的な問題も抱えておりました。私どももそのことは十分研究いたしまして、今回の景気回復の参考にもさせていただいております。
 そして今回、九八年、あの大変不況の年から緊急経済対策をとりました。この年は、先ほど申しましたように一たんは国債発行額をぐっと締めたんですが、急に景気が悪くなったものですから、第一次補正予算で六兆一千億、第三次補正予算で十二兆三千億、合計十八兆四千億も国債の追加発行をしなければならないというような情勢になりまして、緊急経済対策で大変大きな金融再生、中小企業の倒産防止、公共事業の追加、減税等、合計二十七兆円に及ぶ大規模な緊急経済対策をとって下支えをするということになりました。
 その効果が出まして、九九年、去年の四月ごろを底に今度は緩やかな回復状態に入ってまいりまして、去年の後半といいますか、去年の十―十二月ぐらいから設備投資などがプラスになって緩やかな回復状態が続いている。しかし、まだ消費、雇用の面は非常に厳しい状況がございまして、今のところまだ手放しで安心できる状態ではとてもございません。
 そういうことを考えまして、この第二次森内閣が発足いたしました七月から、我々はこの秋の景気、今でございますが、これはかなり下押ししてくる可能性があると見まして、補正予算の対策をしておりました。
 しかし、こういう景気の動向に応じまして補正予算の規模も徐々に変えておりまして、平成十一年には事業規模で十八兆円、国債追加発行額で六兆八千億円。ことしは、新発展政策というので、単なる対策ではなしに構造改革を含めた次の発展を準備するということで、事業規模十一兆円、国債発行の追加額では二兆円という形の、中規模といいますか、以前に比べますとかなりこの目的を絞ったものにしております。そして、その中で重点をITと環境と高齢化と都市基盤という四点に絞り、構造改革をしながら次の発展を準備する、そういう両にらみの形でやってきております。
 この補正予算を通していただきますと、かなり来年前半、来年の一―六月ぐらいの公的需要の減少が支えられまして自律的回復軌道に乗る効果が出てくるのではないか、同時に、IT等新しい産業が出てきて構造的にも回復する段階に持っていけるのではないかと、こう考えております。
#261
○沓掛哲男君 次は、税制についてお尋ねします。
 まず建設大臣に、住宅ローン減税の期限切れに伴う拡充についてお伺いします。
 今、堺屋大臣は平成十一年の我が国の経済成長はある程度よくなった、対前年比伸びは〇・五%なんですが、その〇・五のうち実に〇・二はいわゆる民間住宅投資の伸びなんです。民間住宅投資というのはこういうときの景気へ非常に大きな影響を及ぼすもので、そしてそれを支えてきたのが住宅ローン減税なわけです。
 これが来年切れますので、それが切れないように、またさらには拡充していただきたいというのが今のお願いですが、それと同時に、住宅ローン減税の景気対策効果がどういうものかについてもあわせて建設大臣にお伺いいたします。
#262
○国務大臣(扇千景君) 今、沓掛委員からお話がございましたように、我々国民はすべからくあすに希望を持つというのが私は大きな課題であろうと思います。まして、来年二十一世紀を迎えますときに、我々は新しい希望を持って、そして家を持てるんだというような希望も私はぜひ持っていただきたい。
 そして、今おっしゃいましたように、今までの例の中で喫緊のものを私はぜひ御紹介したいと思います。それは、平成十一年度、持ち家系の住宅の建設が七十八万四千戸でございました。その中で、住宅ローン控除の制度適用戸数は六十八万七千戸に及んでおります。これは約八八%に及びます。
 そういう意味で、今、沓掛委員がおっしゃいましたように、〇・五%の中の〇・二%は下支えしているという効果がはっきりわかっておりますし、まして住宅着工が十一万八千戸、そしてその原材料の生産も八兆三千億に及んでおります。そして、それに対する雇用はどうかといいますと、これは三十一万一千人の雇用に及んでおります。これも十一年度できちんとデータが出ております。
 私は少なくとも、来年の六月で切れますので、これでもう終わりだということと、かてて加えて今土地の下落、いわゆる土地が下げどまりだなという感覚がございますので、何としても今からでも、下げどまりだったら自分の家を持ちたいという人には六月に切れて間に合いませんので、今おっしゃいましたように、これから経済効果あるいは雇用効果等々を含めまして、ぜひ私は今回建設省が要望しております選択式マイホームの減税はぜひ通させていただきたいし、自民党税調、政府税調、そして与党三党の税調におきましてもこれは継続させていただきたい、そして二十一世紀に夢のある国民の生活ができるようにということをぜひかなえてさしあげたい、またそういう方向に持っていきたい、そしてより経済効果を発揮したいというふうに考えております。
#263
○沓掛哲男君 次に、金融再生委員長にお尋ねいたします。
 株式の譲渡益課税が来年四月から、それまでは源泉分離方式か申告分離方式かの選択であったのが申告分離方式に一本化されることになっています。株を長く保持して利益の多い人は、売った金額の一・〇二五%の税を払えばよい源泉分離方式を選択すればよかったのが、利益の二六%を払わねばならなくなり、大増税になります。したがって、そういう株主の多くは、持っている株を来年三月までに売ることになります。ただでさえ株価が低迷しているこの時期に、さらに株価が下がるのではないでしょうか。源泉分離方式の廃止は株価にどのような影響があるのかも含めてお答え願います。
#264
○国務大臣(相沢英之君) 大変いいことを質問していただいたのでありまして、今お話しございましたように、一昨年有取税が廃止になりました際に、従前ありました株式の譲渡益課税に関しまして源泉分離と申告分離を一本化するということになりまして、今、源泉分離が廃止になったわけであります。
 そこで、これに関しましては、今まさに委員から御指摘がございましたように、申告分離に一本になりますと、申告にふなれなサラリーマンの多くにとりましては、その申告事務の負担が非常に大きいと。それから、古くから株式を所有しております者にとりましては、取得価額の把握が困難な場合もありますし、また同時に、他の金融商品が源泉分離である中で、株式譲渡益課税のみが申告分離課税へ一本化されるということについては、特に株価の低迷を主体としております現在におきまして、個人の株式離れということが問題となっております。さらに個人投資家の株式離れを引き起こすおそれが強いのではないかということが心配されているわけであります。
 そこで、十月十九日に決定されました日本新生のための新発展政策におきましては、「株式譲渡益課税について、これまでの経緯を踏まえ、株式市場の役割や株式市場への影響、一般投資家の参加、公平な課税等の見地から、検討し、年度改正の中で早急に結論を得る。」と。ちょっとはっきりしない点もございますけれども、要するに、決まっておりました申告分離一本につきましての言うなれば再検討の方針をここで明らかにしているわけでございます。
 欧米各国におきましても、株式譲渡益課税については、リスクマネーの円滑な供給のためにさまざまな措置をとられておるということ等を勘案いたしまして、既に金融当局としては大蔵省等にこの株式の譲渡益課税については幾つかの考え方を申し上げておるのであります。
 それは、その一つは、証券会社による源泉徴収課税である源泉分離課税が選択できる制度を、申告分離と源泉分離が選択できる制度を引き続き維持する。それからなお、申告分離に関しましては、現在の税率二六%を二〇%へ下げる。それから、現在は譲渡損の繰り越しは認められておりませんが、翌年度以降へこれを認めるということ。それからもう一つ、長期保有株式につきまして、これは外国にも例がございますが、特別控除をでき得れば一年超保有したものについての譲渡益について二百万円ぐらいまでは認める。こういうような株式のリスク等においての制度の改善を図る。それから、ただし今まで取引のそれぞれについて源泉分離、申告分離を選択することができておりましたが、そうではなくて、その年度ごとに申告分離か源泉分離かを一年間を通じての選択を行う、言うなれば年間選択制を導入する。
 こういうようなことについてお願いをしている段階でありまして、この税制の実現につきましてはまた御協力をお願い申し上げたいと思います。
#265
○沓掛哲男君 次に、国の貸借対照表について大蔵大臣にお尋ねいたします。
 平成十一年三月三十一日現在の国の資産と負債の状況を示す国の貸借対照表が明らかにされました。いろいろな問題はあるにしろ画期的なことと高く評価しますが、気になる点についてお尋ねいたします。
 一、この試案の内外に与える影響は大変大きいものと思いますが、この試案の位置づけはどうなっているのか、責任者はあるいはこの試案のオーソライズのプロセスはどうなっているのか、これからもこういうものを出されるのか、あるいはその際どのような形でこれをつくっていかれるのかをお尋ねしたいこと。今の形であの表を見ると数人の学者の名前が上に載っているので、この人たちがつくったのかなというような思いなんですが、その辺をすっきりしていただきたいということが一つ。
 二つ目には、この中で公的年金について案一から案三まで三通りの案が示されております。その結果、マスコミは最悪の状態である案三を、今のままずっと行くというものですね、改善をしないということですね、案三をベースに七百七十六兆円も債務超過があるがごとく報道されています。年金に種々問題があること、また財政事情の厳しいこともよくわかりますが、この試算結果の見方次第ではいたずらに国民に不安を抱かせることとなり、ますます消費や設備投資に消極的になり景気に悪い影響がないか懸念するのですが、試算結果を公表したことによる内外の反応とかあるいは影響等をどのように見ておられるか、お尋ねいたします。
#266
○政務次官(七条明君) 今、先生の方からお話がありました国の貸借対照表、いわゆるバランスシートについてでございますけれども、この問題につきましては、国会やあるいは経済戦略会議などから作成の御提言をいただきました。そのことを踏まえまして、大蔵省でも昨年の九月に大蔵省において財政事情の説明手法に関する勉強会、いわゆるプロジェクトチームをつくりまして、先ほど先生からお話がありましたように六人のメンバー、外部からいわゆる会計学あるいは会計実務あるいは財政学等の有識者によります御意見を承りながら、その作成の趣旨あるいは目的やら作成に対する基本的な考え方をまとめました。そのまとめによりまして大蔵省が各省庁との作業を終えて、先ほど言いましたプロジェクトチームとして責任を持ってまとめさせていただいたという経緯でございます。
 さらに、その六人のメンバーの皆さん方にいろいろな形で御審議をいただきながら、先ほど先生のお話にありました公的年金につきましても非常に苦慮をする段階がたくさんありまして、特に公的年金のいわゆる範囲、負債と認識をするのはどういう形で認識をしたらいいかということでるる意見が分かれたところがありまして、一案、二案、三案というふうになりました。
 その関係で、先ほど先生からお話がありました三案につきましては、公的年金が社会保険方式により運営されていることを重視いたしまして、国にいわゆる年金支給義務が生じるとの見方をしながら考えたのが、いわゆる年金の支払い全額を負債計上するという考え方が三案でありますし、一方では、第一案につきましては、年金の将来支払いは負債として計上しないという方向を考えたのが第一案、二案がその真ん中に入るという形で、将来、一案、二案、三案、あるいは全額負債計上するかどうかという観点に立って考えたものが三案、つまり全額負債計上するという形で考えたものが三案ではないかと思っておるところでございます。
 今後、この方法を皆さん方に御審議をいただくいわゆる試案としてまとめたわけでございますから、試みの案としてまとめたわけでございますので、国会の皆さん方や先生方の御意見をいただきながら、なお一層より透明性の確保を目指して頑張っていこうと考えておるところでございます。
#267
○国務大臣(津島雄二君) 今、大蔵政務次官から概略のところを御説明になりましたが、私の方から一言所見を申し上げます。
 この国の貸借対照表において年金の将来債務をどう考えるかという、その処理で三つの方法があるのは当然でございますけれども、いわゆる積立方式は社会保険方式でやっている場合には当然一番いいやり方だということになる。しかし、このやり方でございますと、例えば将来だんだんと国民の所得が上がっていくにつれて保険料の調整をやっていくと。今、現実にはそういうやり方で、それから足らない分はいわゆる公的なお金をつぎ込むという前提でやっているとすると、今の段階で足らないやつを全部これを国の債務に積むというのは非常に大きな債務があるかのごとく膨れてしまうという意味で、純粋な社会保険方式をとっていない今の日本の段階では、私は、あり得る方式だけれども適当でない、大き過ぎるという今の委員の御指摘はそのとおりだと思います。
 一方、賦課方式でいけばだんだんと保険料で調整をしていく面もございますから、いわゆる一案のように現実に今たまっている部分だけを、将来のためにためている分だけを国の債務と見るというやり方もあり得ますけれども、これはこれでいいというにはやっぱり私は一抹の議論があるだろうと。
 だから二がいいということでもありませんけれども、今のようなことを考えて、要は国民に一番適正に判断してもらえるところにその結論を導くのがいいだろうと。だから、一でもないし三でもないというのが私の考えでございます。申し上げました。
#268
○沓掛哲男君 非常に厚生大臣わかりやすい、私もそれが一番いいとは思いますので、ありがとうございました。
 では次、IT担当大臣の堺屋さんにお尋ねしたいんですが、時間の関係で、もう前段をやめて質問だけにさせていただきます。
 まず、二十一世紀の我が国の繁栄のかぎを握るITを国家戦略としてどのように位置づけ、今後いかにしてその具体化に向け取り組まれるのか。
 それから、今、IT革命IT革命と言われるけれども、それによってどうなるのか。競争力の強化や新事業の創出に道を開くとかインターネットショッピングが可能になるとか言われますけれども、多くの国民は実感できないのではないでしょうか。そこで、IT革命によって私たちの生活がどうなるのか、産業、経済がどう変わるのか、そして雇用はどうなるのかについて、具体的にわかりやすく説明していただきたいと思います。
#269
○国務大臣(堺屋太一君) 簡単に言うのは大変難しいことでございますけれども、まず、ITが発達いたしますと、もうやっておられる方は十分御存じなんですけれども、どなたも非常に便利に情報に接近できる、自分の好きな情報を発信しかつ受信できる、自分の方から訪ねられるというよさがございます。
 そういうことで、これから職場を離れて新しい人間関係が出てくる。例えば、園芸の好きな人は園芸の話で、天文の好きな人は天文の話で仲間ができる、また助け合いもできる、ボランティア活動がやりたいというときにはそういう仲間を探すことができる。そういう一つのコミュニティーといいますか、情報での人間関係ができまして、寂しくない、そういう社会ができるというのがまず生活面の第一でございます。
 そして、産業の面でいいますと、例えば流通の面でITを使えば、本当に自分の欲しいものを探しやすい、安いものがよければ安いもの、凝ったものがよければ凝ったもの、そういうような流通面の利点がございます。
 そして、企業経営、産業から見ますと、情報が入りますことによって非常に生産効率が高まってくる、したがって人間一人一人の生産能力、人的能力が高まっていくということになります。こういう時代に合うためには、生活者として最低限度のITの使い方を知る、それから働く者としてはかなり高度なものが要る。
 今、政府が来年、この補正予算でお願いしておりますのは、一方においては光ファイバーを引いてどこでも使えるようにすること、二番目には皆さんに、五百五十万人の方々に生活者としての教育を、百五十万の人にプロとしての教育をすることによってだれでも使えるようにすること、そしてインターネット博覧会や電子商取引、あるいは電子政府をつくることによってこれが便利で楽しくなること、この三つをお願いしております。
 これができれば、日本社会が、徐々に浸透して、寂しさがなくて便利で効率のいい世の中になっていくだろうと期待しております。
#270
○沓掛哲男君 では、次に中小企業対策について通産大臣にお尋ねしたいんですが、中小企業を振興していく上において、その企業の経営改革と技術革新、技術開発というのは両輪で、また非常に大切なことだと思いますが、これについていろいろ質問しようと思ったんですが、時間もございませんので、最後の三番目の特許問題について通産大臣にお尋ねいたします。
 我が国の特許は、米国などに比較して改良的特許が多く、創造的特許、特に画期的なものが少ないと聞いております。今のアメリカのサマーズ財務長官も五年前に日本の二大失敗というレポートを出しておりますが、その一番最初に、日本人は創造性豊かな人材の育成を怠ってきたということを書いているので、私はこの第一番目の、画期的なそういう創造的な特許がなかなか出てこない一つには、やっぱり今、サマーズ財務長官の言われた、日本が創造性豊かな人材の育成を怠ってきたわけではないんですけれども、なかなかそういう人が成長しにくかったということと、もう一つは、我が国はこの特許の問題について、例えば企業の研究所が、この研究家がどういう業績を上げたか、国の機関もかなりそういうときがあるんですけれども、去年はこの人は特許を三本とった、この人は二本とったということが業績評価とかなりなっております。私も研究機関にいたんですけれども。そうすると、そんな画期的な大創造的なものをやるよりも、改良的なちょっとしたものをやれば特許はとりやすいですから、どうしてもそっちの方に行く。そのことが、アメリカよりもはるかにたくさんの特許が毎年日本では生まれているんです。だけれども余り実用化されていないし、それがまたいろいろロイヤルティーにつながるということも非常に少ないんです。
 ですから、やはりこれからの二十一世紀の日本は知恵を生かしていかなければならない。それは何といっても、この特許にひとつあらわれてくるような画期的な創造的な特許、そしてそれの利用が普遍的である、そういう大きなそういうものがぜひ必要だと思いますが、そういうものは一年や二年でできるものではありません。私は非常にアメリカのやり方というのがすごいなといつも思っているんですけれども、アメリカは世界じゅうの知恵を集めているんですね。そして、大学等から出ているいろいろな論文なども向こうで一生懸命調べる。そして、この人はなかなか将来性のあることを研究しているな、そういう意欲があるなと思うと、その人をアメリカに誘惑じゃないけれどもいろいろ連れていって、そして給料もたっぷり払って、私らの友達でも行っているのが何人もいるんですけれども、やっているんですよ。そして、彼らのそういうすばらしい知恵から出てきたものはみんなアメリカの知的財産になっているんですよ。
 ですから、やっぱり日本もいろいろな面でぜひ、画期的な創造的特許が生まれるような、そういう意味でのまたいろんな施策をぜひ通産大臣にお願いしたいと思いますので、その点、通産大臣のお考えをいただきたいと思います。
#271
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに沓掛委員御指摘のように、我が国は特許の総数というのは大変多いものがございまして、特許庁が調べましても現存約百万件の特許がございます。そのうち六十五万件が推定でございますけれども利用されていない、こういう状況であります。また、この六十五万件の内訳のうち三十四万件がライセンス提供の用意がありながら利用されていない、こういう実情がございます。
 いずれにいたしましても、通産省といたしましては、こうした未利用特許の利用を促すことということがやっぱり一つ、今おっしゃった観点からいっても重要なことだと思っております。このために、知恵を出して特許を取得した人とこれを利用したい人を効果的に、サマーズさんの話もございましたけれども結びつけて、せっかくあるそういう特許を発掘して、それをやっぱり効果あらしめる、こういうことをしていかなければならないと思っています。
 具体的に特許の流通、活用を図るためには、私どもとしては以下のようなことをさせていただいています。
 一つは、他者に利用される用意がある特許の情報等をインターネットを通じ情報提供していこうと、特許流通データベースを今現在で約三万三千件整備をいたしました。
 それから二番目といたしまして、特許導入に関する指導、相談を行う特許流通アドバイザーの派遣、これは常勤のアドバイザーでも現在約百名を確保して、そしてどんどんそういうことを知らしめようと、こういうことをさせていただいています。
 それから、そういうものは出会いというものが大切でございますから、そういう場を提供する特許流通フェアの開催をいたしました。これは本年では十一カ所全国でやらせていただいています。
 こういった施策を通じまして、過去三年程度の期間、約三百七十件の特許導入が成約に至った、こういう実績も持っております。
 さらに、これからの問題といたしまして、大学等技術移転促進法に基づく技術移転機関、TLOと言っておりますけれども、この整備も着々と進めておりまして、大学等から生じた特許の移転、流通も促進される、こういったことにインセンティブを与えて、御指摘の点どんどん積極的にやっていかなければならないと思っておりまして、今後とも、御指摘の点を十分踏まえて、こうして先進性のある、独創性のあるそういう特許が生まれ、またそういう技術が生まれるように努力をしてまいりたい、このように思っています。
#272
○沓掛哲男君 次に、エネルギー問題についてお尋ねいたします。
 原子力エネルギーとか自然エネルギーの質問もしたかったんですが、時間がございませんから、一つ実務的な話をさせていただきたいと思います。
 原子力発電は安い電気を大量におこせるが、立地に地元の反対が強いことがあります。一方、県内の主要産業で安い輸入品に押されて経営が苦しいが、安い電気が供給されればやっていけるし、雇用もできるものがあれば、この二つを組み合わせることにより短所を相補うことができる、そういう施策が考えられないかということです。
 私の地元の珠洲市では原子力発電の立地が検討されていますが、住民の一部の反対で進みません。この市では高校卒業のほとんどの人が市外に勤務いたします。典型的な過疎で高齢者比率の高い地域です。通産省が県、市を通じていろいろな施策をするといっても、この高齢者の人たちにとってそんなに必要性はないんです。この高齢者の人たちは、子供が地元で勤務し一緒に生活することを何よりも望んでいます。その子供さんの多くは金沢周辺に来ていますが、その人たちに聞いてみると、地元に働く職場があれば帰りたいと言っています。
 一方、石川県の主要産業に繊維がありますが、主に中国からの安い繊維製品に押されて綿製品では八六%が輸入品、合繊でも五六%が輸入品です。繊維製品のコストに占める電気料金は約二七%ぐらいです。合繊が生き残れるためにも、例えば珠洲市に合繊の産地を形成し、原子力発電の立地により安い電気を供給してもらい、地元に帰ってきた若者を雇用する。
 他方、原子力発電立地のそのことによって地元の協力が得られやすくなるといったエネルギー政策と繊維政策とを組み合わせたセット政策が行えないか、これから単にエネルギーだけ繊維だけということではなくて、そういう幾つかの産業をうまく組み合わせて立地できないかというふうに思いますが、一私案ですけれども、通産大臣の御所見をいただければと思います。
#273
○国務大臣(平沼赳夫君) 我が国において原子力発電というものは、今、電力のいわゆる三四・五%、これが原子力発電で賄われている、こういう実態があります。そして、原子力発電の着実な推進のためには、御承知のように、地元よりの一層の御理解を得ることが不可欠だと思っております。
 このような観点から、委員がよく御承知のように、電源開発促進対策特別会計電源立地勘定において電源地域をめぐる経済的、社会的情勢等を踏まえた交付金、補助金制度を設けて、電源地域における企業立地の支援あるいは地域おこしのための多様な地域振興策を講じているところでもあります。
 特に、御指摘ありました電気料金の割引につきましては、原子力発電所の周辺地域の住民や企業の電気料金について幅広く割引を行っているところであります。大体、おおむね一〇%と、こういうことでございますけれども、行っております。
 また、原子力立地地域における今おっしゃったような雇用機会の創出、そして産業の振興を図るためのいわゆる政策といたしまして、一定の雇用の増加、例えば七人以上を生む、そういう企業に対しては、企業の新規立地または増設後の八年間、電気料金のおおむね半額を補助させていただく等、実質的な割引措置を講じているところでもございます。
 さらに、本制度については、十三年度予算の要求においては、割引の効果をより一層向上させるためのきめ細かな施策の充実を要求しているところでもございます。
 いずれにいたしましても、各電源地域がそれぞれの地域特性に応じた自立的かつ継続的な発展を図っていくことができるよう、今後とも電源開発促進対策特別会計による施策の拡充に努めてまいりたい、きめ細かくやらせていただきたい、こう思っております。
#274
○沓掛哲男君 以上で私の方が終わりまして、あとは関連質問を、長峯、国井同僚から行っていただきますので、よろしくお願いいたします。
#275
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。長峯基君。
#276
○長峯基君 自民党の長峯基でございます。
 まず、野菜価格が大変暴落いたしておりまして、一般セーフガードをどのように検討なさっているか、農林大臣に伺いたいと思います。
 輸入の急増によりまして野菜価格が暴落、産地の困窮はきわみに達しているところであります。野菜農家が悲鳴を上げております。輸入野菜は一九九一年ごろから一般的になり、年々増加いたしております。ことしは過去最高と言われた昨年を大きく上回る輸入になりそうであります。品目ではトマト、ネギ、生シイタケなどが既に昨年を上回っているのであります。九五年と九九年の輸入量を比較いたしますと、韓国産トマトで十八倍、オランダと韓国産ピーマンで四・七倍、韓国産のキュウリは二倍と増加いたしております。
 例えば、中国の施設栽培の状況でありますけれども、一九八〇年には一万ヘクタールであったものが一九八五年には大きく増加をいたしまして、一九九八年には九十三万ヘクタールに達しております。つまり、我が国の約十八倍になっているのであります。
 ネギは、中国において伝統的な野菜でありますけれども、かつて日本での不作のときに若干輸入された程度であったのでありますが、近年は、日本の商社等による日本への輸出を目的とした開発輸入が行われているのであります、契約栽培という形で行われておりますけれども。この中国での輸出用のネギの生産実態につきましては、種子は日本の種子が利用され、技術指導も一部日本の専門家が行っている、こういうことでございます。
 農水省は実態調査を始めたと聞いておりますけれども、この実態についてどのように御認識をしておられるか、伺いたいと思います。
#277
○国務大臣(谷洋一君) ただいま御指摘をいただきました野菜等の値上がり問題についてお答えしたいと思います。
 新しい農業基本法では自給率を高めるということを最大の、大きな課題にしております。そして、本年は特に米価の値下がりあるいは野菜の高騰等々ございまして、非常に農家が不安感を持っております。そういうときでございますから、きょう参議院の予算委員会が始まってから四時間にして初めてこの食糧問題が出まして、やはり関心を持っていらしていただいて、本当にありがたいと思っております。
 そこで、政府の考え方でございますが、ただいまおっしゃいましたように、政府の方はそれを正式に調査をするということにはなっております。そもそも私は、農林水産省の立場からいえば、この二十品目とか二十数品目の中でそういう価格の調査を常日ごろしておくのが当然のことだと思うんです。ところが、現実の問題としては、今まで値上がりをしたから、品不足になったから調査をするというふうなことが従前の経緯であったんですが、これからは品目を決めて、その品目に限ってはもう随時各府県から、それぞれの状況について十分知っておくということをやりたいと思っております。
 そこで、外務省あるいは通産省に対しまして、ガードの発動をするためにも準備はどうだというふうなことで省庁の考え方について言っておりますけれども、まず農林水産省が責任者でございますから、その点しっかりとした態度でいきたい、こう思っております。
 そこで、従前は、各国が余り発動したところは少ないのでございますが、例えて言いますと、韓国にニンニクが中国から入ってくるというので発動いたしましたけれども、結局、当事者間の国と国との話を進めるにつきましてなかなか話し合いが十分でない、また中国側からはその根回しの話がどんどん進んでいくというので、最終的には、正式な取り上げ方でなくて話し合いということに落ちついたようでございます。
 そういうことで我々は、農家の方々がこれだけ下がったらやっぱり政府で面倒を見てもらいたいという気持ちが非常に強い、それにこたえるべくしなきゃなりませんので、ただ格好だけするということでなくて、どうするかということを的確にとらえてやりたい、こういうことでございますし、また党におきましては、連日早朝からこの方の御審議をいただいておると聞いております。
 そういうことでございますから、我々としては今後どういう形でできるのか、なかなか難しいものがあることはわかっております。例えて言いますと、輸入量はさほどふえていないにかかわらず我が国の生産がふえてきたということもありましょうし、また輸入が極端にふえてきたということで品が下がったというところもありましょうし、また特定な品だからなかなか維持するのが難しいというのもありましょうし、その事情はいろいろと多面的な面があると思うんです。
 そういう点を十分調べて、そして農林水産省の考え方について通産省や外務省も同調していただくようにしたいと、こう思っておるようなことでございます。
#278
○長峯基君 ただいま大臣の答弁の中で、値下がり、値上げという言葉がございましたので、それは訂正をいただきたいと思います。
 実は、昨年、食料・農業・農村基本法というのができたわけでございますが、当時、中川農林大臣と私もこの委員会で議論したところでございました。
 実は、その基本法の十八条に「農産物の輸出入に関する措置」というのがございまして、「農産物の輸入によってこれと競争関係にある農産物の生産に重大な支障を与え、又は与えるおそれがある場合において、緊急に必要があるときは、関税率の調整、輸入の制限その他必要な施策を講ずるものとする。」という法律ができたわけでございます。
 それで、農林省がそれは所管しておるわけでございますから、もっと積極的に現状分析をしていただいて、これはもうほとんど輸入によってこの問題が起こっていると私は認識いたしておりますので、十分これは農家の側に立った政策を行っていただきたい。
 そして、地方自治体からのセーフガードの発動に関する要請件数は、十月三十一日現在でございますが、県レベルで十一県、市町村レベルで三百八十四団体となっているわけであります。これは十月三十一日ですから、それからまたかなりこのようなセーフガードの要請が出てきていると思います。
 確かに、今の制度は通産省あるいは大蔵省との協議というのもあろうと思いますが、これはあくまでも農家を守るという意味において農水省が主体的に御判断をいただきたい。このセーフガードの問題について大臣の御所見を伺っておきます。
#279
○国務大臣(谷洋一君) 先ほどお答えした中で外務省と申し上げたのは間違いでございまして、大蔵省と通産省の誤りでございます。
 先ほど来お話をお聞きしましたように、農林水産省はその責任者、担当者でございますから、しっかりとした情報をキャッチしまして、そして各府県からの状況で判断をして、そして大蔵省、通産省にしっかりした考え方で我々の話を詰めていきたい、こう思っております。
#280
○長峯基君 次に、木材価格の問題につきまして、林野庁長官に伺いたいと思います。
 最近は木材価格が暴落いたしておりまして、宮崎県の杉の丸太で一立方当たり平均価格が九月で一万二千五百五十三円、十月が一万三千百四円、熊本では九月が一万九百六十円、十月が一万二千七百七十円であります。
 木材につきましては、経費が一立方当たり、搬出費用が平均で八千円、運搬が二千五百円、市場の手数料が一〇%でございますから、ざっと一万一千円から一万一千五百円程度かかるわけでございます。ということになると、もうとんとんか赤字、こういうのが現況でございます。この価格では林業者の生活も成り立たない状態になっております。再造林する資金もないわけでございます。
 放置すれば山は崩壊が始まり、あっという間に山が死んでしまいます。森林は、もう私が御説明するまでもなく、国土の保全、水資源の涵養、自然との触れ合いの場提供など重要な役割を担うとともに、地球規模で進む温暖化を和らげる大切な役割を果たしております。林業者は何世代にもわたって植林、育林をし、国土を守ってきたのであります。
 国は、国土保全の観点からも再造林の資金を全額補助してもよいのではないかというふうに考えておりますが、現状をどのように認識し、対策をお考えになっておるか、林野庁長官にお伺いしたいと思います。
#281
○政府参考人(伴次雄君) 木材価格の動向につきまして申し上げますが、一点目は、短期的には平成十年、十一年がほぼ横ばいで推移してまいりましたが、平成十二年に入りまして、住宅需要の不透明さや、それから乾燥材への転換ということもありまして、非常に国産材が下がってまいりました。そして、八月には一番低い値になったわけでございますが、九月、十月でやや上向きでありますけれども、昭和五十年のピーク時から考えますと、約半額になっているというような現状だというふうに認識しておるところでございます。
 したがいまして、本問題が林産業、そしてまた林業へ大きな影響を与えているということで認識しておりまして、本問題につきまして、今、今後の森林・林業、林産業をどうするかというような基本的な検討をしているような状況にあるわけでございます。やはり、今後とも森林整備というものをきちっとしていくためのいろいろな方策が必要であるというふうに私は考えております。
#282
○長峯基君 少し深刻さが足りないんじゃないかと思いますが、堺屋長官のお書きになった「「次」はこうなる」という本だったと思いますが、七十代は林業、六十代は農業、五十代が小売店、四十代が工場、三十代がOL、二十代がフリーターと、現在の日本の状況を書いておられますが、本当にそういう感じもいたします。しかし、そうなると、七十代が林業で六十代が農業でございますから、あと十年したときは山は死んでしまう。十五年ぐらいしたときは農業をやる人はほとんどいなくなってしまうというような大変悲壮なというか、時代が来るのではないか。
 私は、戦後五十五年、確かに工業社会、工業中心の社会を日本は目指して豊かになりました。その事実は認めます。しかし、その豊かさを求める余りに山や食糧、農村を犠牲にしたのではないかという気持ちがしてならないのであります。
 これは答弁は要りませんが、閣僚の先生方、政治家の皆さん方、二十一世紀は食糧危機の時代が来る。かつては国際分業論といいまして、金をもうけて買えばいいじゃないか、こういうことが幅をきかした時代もございます。しかし、二十一世紀は果たしてお金を出せば食糧を買えるのか。戦争を体験した御年配の方はその体験の中であると思いますが、米がなくなって農家に走っていかれた方もたくさんいらっしゃると思います。私は、元のドゴール大統領が食糧を自給できない国家は独立国家ではない、こういう名言を吐いております。ぜひ森総理にもそのような名言を吐いていただきたいのでありますが、本当に今のような食糧の豊かさが十年も二十年も三十年も続くということは保証がないんです。
 もちろん、この美しい空気、そして潤沢にある水、そういうものも山が崩壊したら、我々は毎日飲み水にすら困るようなそういう時代が来るかもしれない。私は、そういう意味では、ぜひ二十一世紀がそのような反省の世紀にならないように御努力と御理解をお願いしたいと思います。
 そこで、林野庁長官にもう一点お伺いしますが、やっぱり林業基本法をつくって、どうやって山を守るか、これは国策の中で、国の責任の中で明確にしていただきたい。
 それからもう一つ、この木材価格の暴落は、建設省で出しております品確法の施行の影響も非常にあるということでございますので、乾燥施設を今後積極的につくっていくべきだと思いますが、その点についても御答弁をいただければありがたいと思います。
#283
○政府参考人(伴次雄君) 林業基本法の問題でありますが、実は昭和三十九年に制定して以来三十六年も経過しておるわけでございます。その間に森林・林業問題、大きく変わっております。そういう意味で、この新しい基本法を制定すべく林政審議会の報告も既にちょうだいした次第でありまして、現在、新基本法の準備を鋭意進めている次第であります。
 もう一点、乾燥材の問題でございます。
 住宅の方が、いわゆる乾燥材が狂わないとかいろいろな点ですぐれているということで、乾燥材以外はもう使わないというような風潮もあるわけでございまして、これの生産というものは非常に重要だというふうに考えております。したがいまして、本補正予算においても、乾燥施設の緊急の整備、それから低コストの乾燥技術の開発等の計上をお願いしている次第であります。
#284
○長峯基君 少し夢のある話をしたいと思いますけれども、実は食料・農業・農村基本法の中で、第三十六条に都市と農村の交流というのがございます。国は、国民の農業及び農村に対する理解と関心を深めるとともに、健康的でゆとりある生活に資するために、都市と農村の間の交流を促進する、いわゆるグリーンツーリズムというやつでございますが、もう皆様方よく御理解と思います。
 三浦政務次官とは、たしか四、五年前にヨーロッパを一緒に回りまして、このグリーンツーリズムいいなという話でずっと語り合ったことがこの前のようでございますけれども、きょうは政務次官もお見えでございますので、農林水産省のこの取り組みについて積極的な御発言をお願いしたいと思います。
#285
○政務次官(三浦一水君) お答えいたします。
 長峯委員御指摘いただきましたように、近年、緑と自然に対します国民的ニーズを背景に、都市と農村双方からグリーンツーリズム、いわゆる農村あるいは山村漁村におけます余暇利用でありますけれども、このグリーンツーリズムの機運が高まってきております。また、新たな食料・農業・農村基本法におきましても都市と農山村との交流の促進が今後の重要な政策課題の一つとして位置づけられておりますと同時に、農家所得の向上対策としても期待をされているところでございます。
 このグリーンツーリズムを具体的に推進していきますために、まずその目標設定を行っております。現状で、平成十二年、九百万人の見込みがあるところでございますが、これを十年後には倍増をするということで二千万人という目標を立てながら各政策の実施を図っているところでございます。
 まず、都市住民に対しましてはインターネット等も活用をいたしました情報提供の支援措置を行っております。また、農林業者、そして農山村住民に対しましては、農家と林家それぞれの民宿等への支援措置を講じております。金融の事業でありますとか、あるいはその施設支援のための技術化事業等でございます。
 さらに、より具体的な推進目標の達成をしていくために全国的なグリーンツーリズム協議会というものをつくって全国的な整備を図っていこうということでございまして、今後ともにグリーンツーリズムの普及定着に積極的に取り組んでまいりたい所存でございます。
#286
○長峯基君 この都市と農村の交流というのは、私は非常に期待をいたしております。それで、都市で生活された方が農山村の実態を知るということは非常に大切なことだと思います。
 文部大臣にお伺いいたしますけれども、例えば中学生、高校生が農村に行く。そうしますと、植物採集をしたり昆虫採集をしたり、あるいは豚がどうやって生まれるか牛がどうやって生まれるか、そういうことも体験できるわけでございまして、あるいはそこにある文化、古くから伝わっているいろいろな伝統文化というものも学ぶことができる。しかし、それは、それを教育するというか、一つのやっぱりカリキュラムがその地域地域に必要だと私は思います。
 そういう意味では、地域の、地方の教育委員会が受け入れる、特に学生を受け入れる場合にはそれ相応の準備をしていただくことも大事ではないかと思いますので、これは積極的にやっぱり農林省と文部省が話し合っていただいて、まず子供たちからが一番大事でございますから、お取り組みをいただきたいと思いますが、文部大臣の御所見を伺いたいと思います。
#287
○国務大臣(大島理森君) 長峯先生の御指摘は、子供たちに農業農村の実態を知っていただきながら、子供たちに自然やあるいはまた一次産業である農業あるいはまたその地域のいろいろな伝統を知ってもらうということが大事だという点で、もっと農林省と提携してグリーンツーリズムを利用して子供たちに社会体験をさせよという御指摘だと思います。
 先般も、森総理から来年度の通常国会における教育改革の一環の私どもの宿題を与えられた中間報告をいたしました。そのときに森総理から非常に強くさらに下知をいただきましたのは、子供たちにある意味では団体生活の重要性とそれからいろいろな社会体験を、それも長期的に考える方策をもう少し詰めろという御指摘をいただきました。
 私どもも、十二年度に農林省とのグリーンツーリズムの連携をかなりさせていただきましたが、しかし、そういう新しい教育改革の社会体験の充実、その中には奉仕活動もあるんですが、一層このグリーンツーリズム、農業農村を肌で感じてもらう、そして自分以外の自然というものがあるし、自分以外の伝統というものがあるし、都会の子供たちからすると第一次産業というものがあるということを知ってもらう。そういう意味で、子供自然体験、長期自然体験というものの中で既に協力してやっておりますが、なお一層、そういうふうな観点からの大きな教育改革という視点から、先生の御指摘をちょうだいしながら努力してまいりたいと、このように思っております。
#288
○長峯基君 積極的な御発言をありがとうございます。
 最後に、総理にひとつ、所感で結構でございますけれども、欧州でこのグリーンツーリズムが定着しているのは、やっぱり余暇に対する、休みに対する考え方があると言われているが、日本人はとにかく働き過ぎであるという批判もあるわけでございます。休みがあるとせかせかと一泊二日程度でテーマパークや観光地を飛び回る、そういう傾向があるわけでございまして、やっぱり夏休みが一カ月ぐらいでも親にもあれば、親子で地方に出かけていって、親子の対話もある。今の非行問題とかいろいろ考えてみますと、もう少しゆとりのある親でもありたいし、子供は夏休みというのがあるわけでございますので、ゆっくり自然の中で語り合うようなそういう時間もあったらいいなと。
 そういう意味で、何もすぐ総理から御返事をいただこうと思っておりませんが、考え方として、せめて夏休み一カ月ぐらいでも親の方も休みがとれるようなシステムというか制度づくりというか、そういうものが教育改革の中でも非常に大事ではないかなという感じがいたしておりますが、総理の御所見を承りたいと思います。
#289
○国務大臣(森喜朗君) 沖縄のサミットがございましたが、日程が全部終わりましてから各首脳で食事をしながら、これから夏休みはどうするのかという話になりまして、大体首脳に聞きましたら、皆さんお休みが一番短い人で三週間。プライムミニスター・モリはどうなんだと、こう聞かれたから、私はスリーデーと言ったんですが、三十日かと言うので、いや三日だと言ったらみんなびっくりしておりまして、私ども日本にとっても三日休みをとることはなかなか大変なことだなと思いました。休みが多くとれることがいいことなのか悪いことなのかは別としまして、生活様式の違いというものをまざまざと見せつけられたような気がいたしました。
 ちょうど先々週でしたか、私、うちへ帰りましたら、三歳の孫が飛んできまして、お芋をとってきたお芋をとってきたと見せたんですが、どこにあったのと。八百屋から持ってきたのかなと思ったら、砂の中にあったと。つまり、娘と一緒に何か畑へ行って芋を掘ってきたようです。お芋さんというのは土の中にあることを初めて三歳の孫が知ったようですけれども、ああ、いい経験をしてきてくれたなと思いました。
 今、子供たちにキュウリの絵をかきなさいと言ったら、恐らく真っすぐかくでしょう。キュウリがこんなふうにひん曲がっていたら、これはだめなものだというふうにしちゃうと。主婦の生活様式からいえば真っすぐの方がいいのかもしれませんけれども、そういう自然なことが全く忘れ去ったまま大人になっていって、先ほど長峯議員がおっしゃいましたように、いつまでもこういうことが続いていくということは考えられないわけですから、いろんな体験をさせてあげることはとても大事だなというふうな、そんな思いでございます。
 今、文部大臣からもお話がございましたけれども、ぜひ、短い、二、三回やるとかそんなことじゃなくて、今、真後ろに羽田さんいらっしゃいますが、長野県の山の中に一カ月入ってみるとか、いろんなことをやはり子供たちに体験させてあげることが今生きている大人のまた私は責任だろうなと、そんなふうに思いました。
 長期休暇というのはとてもそういう意味で大事なのでありまして、本年七月に取りまとめられました長期休暇制度と家庭生活の在り方に関する国民会議の提言に基づいて、労使の協力のもとで二週間程度の長期休暇がとれるようにその普及啓発に今取り組んでいるところでありまして、中小企業にもこの長期休暇が広がるように、長期休暇導入についてのモデルとなるような企業に支援を行うということも今検討いたしております。
 長期休暇を地域や季節ごとの行事などに対応して取得することは、今、先生のお話にありましたグリーンツーリズムの促進にも役立ち、そして同時にそのことが家族の触れ合いを深め、お父さんやお母さんに対するまた子供たちの見方が違ってくるのではないか。そういう意味では、家族のきずなの回復のためにも大変よい機会だろうなというふうに思います。
 ぜひ私もこれ、都会地と地方が過疎になっているようなところとお互いに自治体や教育委員会などが協議をして、そしてそういうことを受け入れてあげられるような、そんなことを積極的に各自治体が話し合って進めていくということもぜひ必要だろうと思うし、そのことによって何が弊害があるか、その弊害に対して行政が、あるいは政治がお手伝いをしていくということであるのが一番いいのかなという、今、先生のお話を聞きながらそんな感想を持った次第であります。
#290
○長峯基君 もう余り時間もありませんが、文部大臣に、ちょっと余り気乗りのしない質問なんですけれども、最近は児童生徒を導くはずの先生の不祥事が大変たくさんになっております。免職や停職などの懲戒処分を受けた公立学校の教師の数がここ十年で一・五倍、特にわいせつ行為を理由とする懲戒処分は四倍以上に急増しておる。平成元年でわいせつ行為二十四名でございましたが、平成十年度は七十七名、毎年上がっている。体罰が百九十一名であったのが三百八十三名。数日前に熊本で小学校三年の女の子に七名全裸にして体罰を与えたとか、常識では考えられないようなことが起こっている。
 それで、一般の人ならいいという気持ちは全然ございませんが、教師というのは、私どもは小さいころから、三歩下がって師の影を踏まず、先生というものは偉いものだと、学校の先生というのは立派なものだと教えられてきましたので、こういうことが起こっている教職員の現場というものは想像もつかないわけであります。
 それで、先週帰りました折に、親しい学校の先生方二、三人おいでいただいていろいろ聞いてみますと、いやもう全くそうですよと、昼間からパチンコに行く職員もおりますと、中にはですね。
 ですから、出てくるのも氷山の一角かなというふうに感じますけれども、そういうことを防止するために、研修制度も含めてどのようなお取り組みをしておられるか、簡単で結構でございますが文部大臣の所見を伺いたいと思います。
#291
○国務大臣(大島理森君) 先生の御指摘のように、人の道を子供たちに教えるその先生が、わいせつ行為等を含めてそういう犯罪が多くなってきていることに非常に怒りと同時に問題意識を持っております。
 いずれにしても、今はそういう先生方に対しては厳正な処分をすることがまず第一義でありましょう。これもまた教育改革でございますが、まさに昨日も、またこれ総理の御下知でもあったのでございますけれども、まず、今の先生方に競争原理がないということが一点。それから先生方の社会性、子供たちの社会性の欠如という問題があるということを私はたびたび申し上げましたが、先生方の社会性というもの、つまり社会の常識というもの、こういうものをしっかり身につけてもらうということも必要ではないだろうか。
 そういたしますと、当然に先生方の試験をするときの問題もありますけれども、その途中経過の中における研修というあり方についても、よほどこれは改革をしていかなきゃならぬ。
 そういう問題意識を持って、来年の通常国会にぜひ私どもとしては、どうしてもだめな先生についてはやっぱり違うところへ行って働いてもらうという一方の判断がきちっとできるような仕組みと、そして一方では評価をし、一方では先生方が採用された後にもしっかりとした研修、社会体験の研修、そういうものをしながら先生のプロとしての資質を高めていくということに思い切ってこれから取り組んでいかなければならないなと、このように思っておりますし、それらを含めて来年の通常国会に、総理からの御下命で、教育改革の一環としていずれ皆様方に御審議をいただくような法案も考えております。
   〔委員長退席、理事陣内孝雄君着席〕
#292
○長峯基君 やっぱり学校にそういういろいろな事件があっても同僚教師の問題ですから隠すという体質もありましょうし、教育委員会も余り表に出したくないというような体質もあろうと思いますので、そこら辺は今後十分御検討いただきたい。
 それで、文部大臣、最後の質問でございますけれども、私は恩師の先生やらいろいろな方とお話をするのでありますけれども、定年退職後の先生方、これは立派な先生がたくさんおられます。別に現職の先生が立派でないという意味ではございません。やっぱり教師になるという気持ちで教育を受けて、ずっと教育者として来られた、大体六十歳定年でございますから、それ以上の定年退職の方々。昔の師範学校を出て、教師としてはこうあるべきだという理念を持って、志を持っておられる先生方がたくさんいらっしゃる。その方々が定年退職後、ボランティア活動で公民館の活動をしたり、いろいろ積極的な活動をしておられる人もたくさんおられます。
 外部講師の導入という意味で、もちろんその政策もとっておられると思いますが、この定年退職後の教職員の中から、登校拒否もありましょうし、厚生省でいうと民生委員制度みたいなものをつくりまして、これは日本の財産でありますから、立派な先生方がたくさんおられる、そういう人をやっぱり活用する。そうすると、若い先生方もそういう先生に、校長にはちょっと相談しにくいけれども、そういう方がおれば相談するということもありましょう。先生方に聞いてみたら、そういう制度があればボランティアででも積極的に手伝うよという方はたくさんおられました。
 ですから私は、今高齢化社会でございますから、六十五でも七十でもまだお元気でございますから、そういう意味では、この退職された先生方を何とかいま一度、二十一世紀へ向けて教育の指導者として何らかの形で復帰していただけるようなシステムをつくったらいかがかと思いますが、御所見を承りたいと思います。
#293
○国務大臣(大島理森君) 先生の御指摘は、一方において私は大変ありがたい御指摘だと思います。一方においては若い先生もたくさん採れという御意見もございますが、ただ来年度から新たな再任用制度というものが実施されます、これは年金制度が変わることによりまして。したがって、そういう意味で今、先生の御指摘のように、一層そういうことの制度を受けながら、大変長い間の経験を積んで、人生としても経験を積んで、そして言葉の一語一語に重みとまた指導力のあるそういう方々をぜひ積極的に活用してまいりたい、このように思っております。
 今でも多様な再就職をしていただいて頑張っていただいておりますが、例えば初任者の研修あるいは心の教室相談、つまりストレスがたまったり、先生方の相談とか子供たちの相談とかというと、やっぱりある一定の年齢を、経験を経られた先生方は非常に有効であるし、ありがたいというお話を伺っております。
 そのように大いに今後とも活用してまいりたいと思いますし、ボランティアでというお願いの仕方もあると思いますが、しかしやっていただく限りにおいては、やっぱりきちっとそれなりの報酬も差し上げるということがないと私はいけないと思います。いろんな形で一層の活用というか、そういう先生方に教育の場面で大いに働いてもらえるようにこれからも努力してまいりたいと思っております。
#294
○長峯基君 最後の質問にしたいと思います。厚生大臣に伺いたいと思います。
 痴呆症、これはグループホームというのが一番痴呆症の治療には有効だと言われております。厚生省の計画では、二〇〇〇年度中に全国で千二百カ所、六千二百人が利用できるようにして、五年後には三千二百カ所を見込んでいるのであります。ところが、痴呆症の高齢者は現在百五十五万人に達しておりまして、三十年後には六十五歳以上の老人で十人に一人は痴呆症になるだろうと。高齢化社会を迎えますので、これはいたし方ないことだと思います。
 このグループホームというのは、小規模な生活の場、大体八人程度で共同生活をする。食事の支度、掃除、洗濯等、利用者が共同で行い、一日じゅう家庭で落ちついた雰囲気の中で生活を送ることによって痴呆の進行をとめるというか穏やかにして家庭の負担の軽減を図るものだと。スウェーデンで一九八五年から始められまして、高い評価を、国際的な広がりを見せている、こういう現況でございます。
 実は、私のおふくろがこのグループホームにお世話になっておりまして、非常に元気になりました。──済みません、時間が過ぎておると。
 それでは、専門スタッフの養成について一点だけ伺いたいと思います。
#295
○国務大臣(津島雄二君) 委員御指摘のとおり、グループホームが痴呆性高齢者、そしてまたある意味で知的障害者の方にも非常にいい対応の方法だということでございます。痴呆性高齢者の場合には、やはり人と接してコミュニケーションを持つということがとても大事なことだという点は、外国においても我が国においても非常に重視をされております。
 この制度が普及するように今一生懸命やっておるわけでございまして、職員も三対一でここに配置をする、それから、一カ月当たりの利用者一人当たり運営費二十五万円を支給するということをやって効果を上げ、またどんどん普及したいと思っているんですが、最大の問題点が御指摘のこれを担う方々、やはりだれでもいいというわけではございませんので、しっかりした研修を受けた方々にやっていただく必要がございます。現在、全国三カ所に高齢者痴呆介護研究センターを整備いたしまして、都道府県を単位とする全国的な研修のネットワークを築こうと考えているところでございます。
 そして、痴呆性高齢者を専門に処遇し、ケアの質の確保が問われることにかんがみ、研修体制が整う来年度以降、ホームの管理者とサービス計画作成担当者に対して、センターのノウハウをもとに都道府県が実施する実務者研修の受講を普及、義務づけてまいりたいと考えております。
#296
○長峯基君 終わります。
#297
○理事(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。国井正幸君。
#298
○国井正幸君 時間もないので、簡潔に質問をさせていただきます。
 先ほども長峯委員から青果物の価格の暴落に伴うセーフガードの問題が出ましたが、国民の皆さんから見れば、なぜこういう状況になっておってセーフガードが発動できないんだというのが疑問として呈せられているわけでございまして、そういう意味では、局長からでもいいですから、このセーフガードを発動するための手順、今どういう状況にあるのか、この事実関係をちょっと説明してください。
#299
○政府参考人(西藤久三君) 御説明させていただきます。
 一般セーフガード措置を発動するためには、まず私ども、輸入によって国内産業に重大な損害またそのおそれが生じて国民経済上緊急に必要があると認められると、それで関税の引き上げなり輸入制限を行うということになっておりますけれども、輸入の増加により国内産業に重大な損害が生じていることについて、その因果関係を客観的な証拠に基づいて立証するということになっております。
 それで、例えば輸入の動向でありますとか価格の動向につきましてはかなり私ども定時的にとれるわけでございますけれども、それが損益、農業所得なり雇用の状況にどう及ぼすかというところも含めて整理をするということが求められておりまして、それがいわば輸入の増大によって、天候のせいで供給がふえて価格が低落しているということではなくて、輸入の増大によって、その因果関係によって価格が低落しているということを説明するという状況にございます。
 そういう点で、非常に季節性があって腐敗しやすい、こういう特性を有する農産物、特に野菜について、現在その状況把握に、大臣の御指示もあり、一生懸命取り組んでいるという状況でございます。
#300
○国井正幸君 農林省から出されている資料によっても、野菜については、加工品でもって大体一割、それから生鮮野菜でもって二割以上、三割近く、合わせて大体一五%ぐらいふえている、こういう状況にあります。
 なお、価格についても、東京都の中央卸売市場の価格もありますが、私、たまたま栃木でありますので、JA栃木経済連の調べでありますと、トマトなんかについては前年比七八%、一昨年に比べると六八%、タマネギなどについては五八%、昨年に比べて、一昨年に比べると三四%、こういう水準であって、なぜここでできないんだというのが率直な気持ちだというふうに思うんです。
 けさの党の農林部会においてもそういう意見があって、決断をすべきだということであるわけですが、農林大臣どうですか。調査しているのはわかりますが、もうやるかやらぬか、こういう話なんですが、いかがですか。
#301
○国務大臣(谷洋一君) 先ほども申し上げましたように、大蔵省と通産省と農林省が話し合いをするということがWTOの場合は必要なんですが、それをすると同時に、今度は相手国との話し合いをするということになっておるんです。
   〔理事陣内孝雄君退席、委員長着席〕
 ですから、農林省では従前、十分資料がなかった、だから都道府県に対してどういう状況になっているかということを問いただしておったというのが現状なんです。
 ですから、今の段階としましては、都道府県からの実情に基づきまして、どういう形で取り上げるかということについて話をする、そしてWTOにも連絡をして相手国との話し合いをするということが先決な問題で、特別なものだけを取り上げてするということは難しいと思います。
 そういうことですから、国民生活に直結するような問題について一番に取り上げるべきであるとは思っております。
#302
○国井正幸君 いわゆるこの一般セーフガードが使えないとするなら、これはやっぱり直すべきことだというふうに思うんです。
 それともう一つ、私も与党でありますけれども、大臣も御案内のとおり、ハイファットクリームチーズ、これはHS委員会でバターまがい品だと、こういうふうな裁定が出ている。にもかかわらず国境措置がきちっととられていない。これは大臣、農林省はやる気がないんじゃないか、こういうふうに思われても仕方がないというふうに思うんですね。やっぱり行動で示す必要があると思うんです。
 それから、どういう形でこれを直していこうと農林省で考えているのか、このセーフガード、WTO交渉で。その考え方をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#303
○国務大臣(谷洋一君) 今の問題につきましては、まず農林水産省としましては、値下がり傾向が強くなったから調査するというのでなくて、品目は二十品目か三十品目もないと思うんです。そういうことですから、その品目については常時、常日ごろ調査をするという体制にしておくことが必要だと、こう思っております。
 それに基づいて、取り上げるということについては三省間の話し合いをして相手国との話をする。そして、相手国と話をする前にはWTO本部の方との、こちらの考え方を言っておくということが必要でございますから、ことしのWTOの問題につきまして、各国がこの年末までには国の考え方を表明することになっております。そういうことですから、そういうことを取りまとめたときに、このWTOの各国から輸入がふえて、そしてその国の農産物、食料品が困っておるということについての事情を訴えるのも当然な話だと思っております。
#304
○国井正幸君 だから、どういうふうに直そうと我が国は考えているのか、その辺をお聞かせください。
#305
○国務大臣(谷洋一君) 今、党内でもいろいろと朝早くから会合していただいて討議をしておるということはよく聞いております。そういうことですから、一品目とか二品目の問題でなくて、相当多品目の問題が出ておりますので、ここでその問題を一々、これは取り上げる、取り上げないということを言うのは、まだ結論の段階になっておりませんからはばかります。
 しかし、農民の皆さんといいますか、国民の皆さんがよくわかる解決をしなければいけないと、こう思っております。(「セーフガードの仕組み」と呼ぶ者あり)
 セーフガードの仕組みは、やはり先ほど来お話ししましたように、大蔵省、通産省、そして農林水産省がまず了解点に達する、しかし、その前には責任者である農林水産省が態度を決めて三省の協議に入る、同時にまた、WTOにも通知しまして相手国との話し合いをするということも義務づけられておりますので、そのことが一番大事なことだと思います。
#306
○政務次官(三浦一水君) WTO次期農業交渉に向けました我が国の姿勢について、補足をさせていただきたいと思います。
 農産物につきましては、季節性がありまして、腐敗しやすい等の特性を有しております。そのことから、セーフガードの迅速な発動について、現状の制度は問題があると農林水産省では認識をしておるところでございます。
 このため、これらの特性を持った農産物について、輸入急増等の事態に機動的、効果的に発動できるよう、運用の透明性を高めたセーフガード措置をWTO農業交渉における提案の一部とすることにつき検討してまいりたいと思っております。
#307
○国井正幸君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それから、十月二十六日付の新聞によりますと、我が国で未承認の遺伝子組みかえ食品が食用それからえさともに入っておったというわけでありますが、これらに対して、国民の食糧の安全を守るという観点から、厚生省、農林水産省においてはどのように対処するつもりなのか、それぞれにお聞きをしたいと思います。
#308
○委員長(岡野裕君) 官制名を名乗ってください。
#309
○政務次官(福島豊君) 福島厚生総括政務次官でございます。
 お答えさせていただきます。
 厚生省としましては、来年の四月から、遺伝子組みかえ食品の安全性審査が法的に義務化されるということになりますので、それに向けまして、検査法の確立に向けての研究を今進めておるところでございます。
 ただいま先生から御指摘のございました、二十五日に消費者団体から遺伝子組みかえトウモロコシが混入しているという事実の指摘がございましたけれども、厚生省としましては、検査法の確立のための研究の中で、本年の二月、三月に採取しました検体、その十八検体のうち七検体について遺伝子組みかえのトウモロコシ、スターリンクが混入しているということについて、十月の二十日に確認をいたしております。この二十日に確認をしました後に、私どもは七検体の輸入業者に対して、トウモロコシの卸先や在庫の有無等の国内市場における流通状況を早急に確認するように指示をいたしました。
 そしてまた、米国政府に対しまして、スターリンクが食品として我が国に輸出されないように強く要請をいたしまして、現在、十一月七日の日に、米国側でスターリンクの混入しているトウモロコシは輸出をしない、そしてまた出港前に厚生省に対しまして同じサンプルを送っていただいて、こちらの日本の側でも確認をする、そういう合意に達しました。その十一月七日に、合意について、そしてまた先ほど申しました二十日に確認をされましたスターリンクの混入について公表したところでございます。
 今後も、こうした承認されておりません遺伝子組みかえ食品の日本に対しての輸入に関してはきちっと対応していきたいと思っております。
#310
○政務次官(三浦一水君) 遺伝子組みかえ飼料に対します基本的姿勢をお答え申し上げます。
 我が国の安全性確認は、開発業者が品種の開発後、作物の市場流通前に安全性確保が終了しますよう、事前に農林水産省に申請することが前提となっております。これにより、農林水産省が安全性確認をしたもののみ我が国で流通することを確保することに努めているところでございます。
 今回の事例は、そのような仕組みがあるにもかかわりませず混入していたものでありまして、そのようなことがないように米国側における担保措置を強化するように申し入れているところでございます。
#311
○国井正幸君 極めてこれ消化不良なんですが、時間の関係で次に移らせていただきます。
 大蔵大臣、一つ質問でありますが、自動車重量税というのがあるんですね、自動車に乗るときに。ほかの自動車税は県税でありますが、これは戻るんです。自動車重量税は、重さに比例し、期間に比例して課税されておるわけでありますが、途中で廃車をしても戻らぬということなんですね。国民から見れば、ぜひこれは戻すべきではないのかと、こういう強い意見があるんですが、いかがでしょうか。
#312
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっとお時間を拝借することになるかもしれませんが、そういうお話があることを承知しております。
 この税ができましたときの実は経緯にさかのぼるわけでございますが、佐藤内閣のころであったかと思います。随分古いことでございます。
 そのときにございました議論は、自動車には御承知のように保有税というものがございます。これは保有ということにかかる税金でございますから、廃車になりますとこの税金が還付される、それは当然のこととしてそうされております。
 次に、取得税というものがございます。これは取得という事実に対する課税でございますので、取得いたしましたら課税があってそれでもう終了、その後廃車になろうとなるまいと、取得という事実で一遍限りのものである。
 それに対して、第三の税金として重量税というものは何に課税をするのかということが大変専門家の間で議論になりまして、もちろん保有ではない、取得ではもちろんない。それで、課税の対象というものは道路を走ること、それが許されるという、そういう地位が車検によって与えられると、そういう大変難しい理屈を専門家がおっしゃるわけですが、そういう一種の権利を創設するのであるという、そういう理念のもとにこの税を設けることが認められた。
 したがって、この重量税というのは、狩猟免許であるとか教員の資格であるとかというのと実は同じことであって、それを取得した以上、自動車を持っていようと持っていまいとそれは関係がないと、こういう説明のもとに当時創設されたという経緯が、随分前でございますが、あるそうでございます。
 そういう理屈になりますと、もちろん保有税はそういうこと、取得税はそういうこと、それに対して重量税は、いわば車検によって道路が走れるという権利が与えられたのであるから、権利を行使しようとしまいと与えられた権利についての還付というものはない、もちろん車検が満ちますとそこで問題が出るはずだと。こういう理屈が、創設当時に議論されたことがそのまま今日まで残っておるようでございまして、したがって還付というものは税の観念上考えられないんだということを専門家の間では一般の議論として承認されているようでございます。
 恐らく、しかし車検がだんだん長くなります、そうしますと昔のようでありませんから、長くなってくれば、車検はあるが車は持っていないような事態というのは昔よりも私は多いであろうと思いますが、それにもかかわらず税の専門家の間の理論はそういうようだと聞いております。
#313
○国井正幸君 大臣、非常に御理解が深いので、これはもう見直しをすると言っていただけぬかなと、こう思ったのでありますが、国民から見れば登録免許税と同じだとか権利創設税だというのは私も承知しています。だけれども、いわゆる課税基準が重さに比例をし期間に比例をするということになれば、その権利を返戻した場合、お返しした場合はそれはやっぱり返してくれてもいいんじゃないでしょうかと、そういうふうに国民の皆さんが思うのは至極当然だと思うんですよ。
 そういう意味で、大臣、税というのはやっぱり納税者の基本的な理解が必要だ、そしてみんなが納得することが必要だ、そういう観点から、これは見直しをぜひ検討してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#314
○国務大臣(宮澤喜一君) もし権利を与えられることに対する税金であれば、重いものであろうと軽いものであろうと走る限りは同じだろうと、それは重いものに余計取るというのはどういうことかねというような議論というのは、恐らく私は……
#315
○国井正幸君 長いとかね。
#316
○国務大臣(宮澤喜一君) 長いとかね、いろいろあるのではないかねと私としてはちょっと専門家たちに疑問を呈しているところでございますが、いろいろまだ議論が続くように思います。
 御指摘のことは、私も一遍しっかりしてみたいとは思っております。
#317
○委員長(岡野裕君) 国井君、時間が参っております。
#318
○国井正幸君 はい。
 そういうことで、新しい世紀を迎えて、森総理、国民の期待にこたえてぜひ頑張っていっていただきたい。そういう意味で、また各省庁にまたがる問題があるんですね。さっき時間がなくて言いませんでしたが、食べ物の安全ということは厚生省と農林省にまたがる、省庁再編の問題等もありますが、ぜひそういう面で総理のリーダーシップを発揮して安心できる社会をつくっていただきたい。
 お願いして、私の質問を終わります。
#319
○委員長(岡野裕君) 以上で沓掛哲男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#320
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
 先ほどの木俣君の発言中、委員長、私から、発言の一部につきまして後刻議事録を精査の上、理事会で協議することを申し上げました。
 その他の部分についても不穏当な箇所がある旨の指摘が出ております。委員長といたしましては、この件につきましても後刻理事会において協議の上、適当な処置をとることといたします。
    ─────────────
#321
○委員長(岡野裕君) それでは次に、魚住裕一郎君の質疑を行います。魚住裕一郎君。
#322
○魚住裕一郎君 気分を変えて質問をさせていただきたいと思います。
 けさの冒頭の質問は、内閣不信任案に関連しての質問でございました。私も、非常に気にかかるものですから四時ぐらいまでテレビ中継を見ていたところでございますが、本当に日本の政治が一体どういう方向へ行くのかと本当に気をもんだところであります。とともに、一緒になって思い起こしたのは、三宅島の全島避難をされている方々でございます。
 六月二十六日の地震情報から約五カ月、そしてまた全島避難して三カ月になるわけでございますが、暑い時期に避難されて、寒い時期に入ってきた。
 きのうも三宅村の長谷川村長とお会いしたんですが、その前は、島の関係者から大変生活が困窮してきている、そういうお話でございまして、避難者が多く集まっている地域で寄り集まってどういう話をしているかとお聞きいたしましたら、本当に避難者の中からスーパーで万引きするのが出なけりゃいいけどね、こういうようなことを話をしていると。そこまで生活が大変になってきている、そういう状況の中で、この島の再建をかけたこの補正予算、衆議院の採決直前に不信任案を出された。私は、本当に国民生活というものを提案者は一体何と考えているのか、このように思ったところでございます。
 そこで、何とか政治の面からも手を差し伸べなきゃいけないじゃないかと、このように思うところでございますが、まず生活の面というところで、避難者の方々もみんな一生懸命やっております。漁業、農業あるいは商業等で全部生活基盤をほうり投げて避難させられているというのが実態でございまして、まず仕事をしたいというふうなことがあるんだろうと思うんですね。これは、今までと全然生活環境、自然環境が違うわけですから、就職するのも大変だろうというふうに思うわけでありますが、まず労働大臣、避難者の就職についてどのような状況で、かつどのような手を打っておられるか、お聞きをしたいと思います。
#323
○国務大臣(吉川芳男君) 魚住委員の質問にお答えします。
 労働省におきましては、三宅島からの避難者の方々を対象として、これまで、特別相談窓口によるきめ細かな職業相談の実施、雇用保険の特別支給、就職面接会の開催、緊急地域雇用特別交付金事業やシルバー人材センター事業の活用により就職支援策を講じてきたところであります。
 避難の長期化に伴い、生活の安定を図るため、就職を希望する方々も増加することが予想されるところですが、避難者の方々はこれまで漁業や自営業についていた方も多く、大都市部での就職に適応しにくい面もあると考えられます。このような方々については、今後、それぞれの事情に即したきめ細かな就職相談を行うとともに、それぞれの方に適合する求人の開拓に努め、その雇用の安定を図ってまいりたいと思っております。
#324
○魚住裕一郎君 今はそういう状況でございますけれども、ぜひ引き続き手厚い就職できるような手だてを打っていただきたいというふうに思います。
 それから、大人だけが避難しているわけじゃございませんで、子供たちも避難しております。
 今、東京都のあきる野にあります秋川高校に合計三百二十六名ですか、そういう数の児童生徒が集団で、昔の集団疎開みたいな形でなっているわけでございます。それはもう親元を離れてという形になるわけでございますが、その生徒たちのメンタルな部分のケアというのは大事だなと思うとともに、実は先生方も一生懸命付き添いというか、やっておられる。昼間は教育をし、夜は生活の面倒を見る。しかも、先生方自体が実は被災者なんですね。
 先ほど教員の不祥事というような質問も出たわけでございますが、この三宅島の先生方は本当に自分の生活をなげうって一生懸命児童生徒のために動いているというのが実態でございまして、その辺の手当てにつきまして、文部大臣、御答弁よろしくお願いします。
#325
○国務大臣(大島理森君) 魚住先生から御指摘のように、私も最初に秋川高校にお邪魔したときに、生徒も対応は万全を期さなきゃなりませんが、先生がこれは大変だろうなと思いました。
 その後、先ほど先生から御指摘いただいたように、児童生徒、小学生が百五人、中学生が百五人、高校生百十三人の合わせて三百二十三人でございますが、現在引率の教職員の先生は百三十二人と、こうなっております。数的に見ればかなりの数かなと思っておりますけれども、その仕事は、宿直あるいはまた生活指導、それから心のケアの問題、非常に多様にわたっておりますので、私どもとしては都教委とよく常々相談しておりますが、もし都教委からいろいろな御要請があれば十分に話し合いに応じて対応してまいりたいと、こう思っておりますので、今のところ都教委からさらに人数をふやしてくれとかというお話はございません。むしろ、魚住委員の方から都教委ともお話をいただきながら、都教委の方から御相談があれば対応してまいりたいと思いますので、そういう覚悟でおります。
#326
○魚住裕一郎君 阪神・淡路大震災のときにも、先生方のフォローにつきましていろいろ地元神戸市あるいは兵庫県の方でやっておられたこともございまして、そういうことも参照しながら対応策を一緒に考えさせていただきたいと思います。
 それで、こういう災害における生活の再建といえばやはり被災者生活再建支援法ということになろうかと思っております。地震を中心にいたしました立法措置であるわけで、十世帯以上の住宅の全壊というような要件になっているところでございますが、私どもも九月四日に総理のところに何とか生活再建の支援のためにやってもらいたいということで申し入れをいたしました。あるいは予算委員会等でも要請をしたところでございますが、いまだに適用になっていないところでございまして、本当に住宅の被害状況というものを一体どのようにとらえられているのか、その被害調査につきまして御答弁をいただきたいと思います。
#327
○国務大臣(扇千景君) 今、魚住委員がおっしゃいますように、本当にことしは災害が続きまして、今なお被災者の皆さん方は苦しんでいらっしゃる、そういう状況は私どももよく承知しておりますし、何とか皆さん方のお力で少しでも明るい二十一世紀を迎える、年が越せるようにと、そういうことで対処しております。
 今、魚住先生がおっしゃいました三宅島のことに関してだけ申し上げますと、もう三カ月を経過しておりますけれども、現在もなお噴火に伴う有害ガスが発生しておりまして、被害状況を調査するのに大変困難をきわめているというのは先生御存じのとおりでございますけれども、その中で、少なくとも早期に被災者の生活再建支援法を適用したい。それにはなるべく早く東京都の御報告がいただきたいと思いまして、東京都とも綿密な連絡をとりながら今私ども対処しているところでございます。
 私は、今冒頭に魚住先生がおっしゃったことが本当に切実な問題だと思うんです。それは、私ども少なくとも森内閣といたしましても、予備費ということで今まで四百三十億円使い、そして今回の補正予算に関しましても、細かいことは時間があれですから申しませんけれども、総額において今回は合計で六千七百五十一億円という補正予算を組んでおりまして、一日も早く私はこれを通していただいて今計画しております被災者の皆さん方への諸施策に適用したいと思っておりますので、一日も早く補正予算を通していただくことが各地域の被災者の皆さんあるいは地方自治体にも少しは明るい兆しが見えるというふうに頑張っておりますので、ぜひ一日も早く補正を通していただいて苦しい皆さん方の一助にしたいというふうに考えておりますので、東京都と最後まで綿密な連絡をとって生活再建支援法を適用できるような対策に持っていきたいと思っております。
#328
○魚住裕一郎君 これは今ガスが出ているわけですね。なかなか調査できない、十戸全壊したというのが調査できないというような話があるんですが、ただ、テレビニュースを見ると、マスクをつけてカメラマンが行っているわけですね。できるじゃありませんか、調査は。どうなんですか、そこの部分は。
#329
○国務大臣(扇千景君) 実は、そのことに関しまして、国土庁としましても三宅島の住宅災害状況を調査するために、あす総括政務次官を現地に派遣いたしまして調査することにいたしておりますので、また御報告ができると思います。
#330
○魚住裕一郎君 ぜひ一刻も早くということでよろしくお願いをしたいと思います。
 私どもも現場の人あるいは島の関係者から聞きますと、もう十戸以上当然そういう状況ですというようなお話を伺っておりまして、ガスがあるから行けないからということだけではちょっと現場の、東京あるいは全国に散らばっている避難者の皆様の生活を考えた場合、許されないだろうというふうに思うところであります。
 そして、生活再建支援法の関係の適用でございますけれども、今十一月ですが、もう少しで年末になるわけですね。有珠山のときは四カ月ぐらいで支給されたと思うところでございますが、もうお正月になるわけでございまして、何とか年末年始、少しでも明るいお正月を迎えられるように、約二千世帯弱なんでございますけれども、このような対処を至急していただきたいと思うところでございますが、総理の御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
#331
○国務大臣(森喜朗君) 今、扇国土庁長官からも御答弁申し上げました。明日、蓮実総括政務次官に現地に行っていただきます。
 この模様をテレビでごらんになっている方は、今ごろ行くのかねとおっしゃるかもしれませんが、そうではなくて、これまで何度も何度も、私も参りましたし皆さんが調査に行っておりますが、今、委員から御指摘がございました被災者生活再建支援法が適用されていない、どう見たって不思議なことなんです。しかし、いろいろな条件を備えなきゃならぬということですから、厳密に言えば十軒以上被害を受けているかというと、当然受けているだろうと思います。しかし、それは現実にはなかなか調査できないということです。
 しかし、マスコミの皆さんだって入っているじゃないかという御指摘があるわけですから、そういうペーパー上の、卓上の議論をしていてもいたし方ないことでありますから、もう一度明日きちんと行っていただいて、そして皆さんから再三にわたって、特に公明党の皆さんからも御指摘を受けているところでありますので、適用に今日まで至っていないということを非常に私自身も矛盾を感じて心を痛めておりますので、この被災者状況をもう一度しっかりと確認をして、そして本日の議員から御指摘ございましたこと、これに対して何か打つ手がないものなのか可及的速やかに検討するように、今、国土庁にも関係省庁にも私からそのように指示をいたしたい、こう思っておりますので、明日の蓮実総括政務次官の調査の結果を待って直ちに具体的な作業ができるようにさせたいなと、こう思っております。
#332
○魚住裕一郎君 ぜひ年内に支給できるように手を打っていただきたいというふうに思います。
 関連質問をお願いします。
#333
○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。福本潤一君。
#334
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 公明党が与党に入りまして一年たちました。政策実現の政党として基本政策を出して与党入りしたわけでございますが、わかりやすい言葉で三ゼロ社会という基本政策をまとめました。エゴゼロ、むだゼロ、ごみゼロ。そのエゴゼロは、きょう、本日昼の本会議で参議院をあっせん利得処罰法が通過いたしましたし、むだゼロも公共事業評価法、またごみゼロで循環型社会基本法、ことしの通常国会で通過させました。
 きょうは、通常国会で通過させた循環型社会形成推進基本法に基づく関係法五法が成立いたしましたので、今回の補正予算並びに十三年度要求においての予算、どのような内容が盛り込まれているか、これを最初にお伺いしたいと思います。
#335
○政務次官(河合正智君) 循環型社会の構築につきましては、先般取りまとめいただきました日本新生のための新発展政策にも循環型社会の構築等環境問題への対応のための新施策として柱の一つに挙げられているところでございます。
 これを受けまして、今次補正予算におきましては、廃棄物処理施設整備費七百十二億円、建設廃棄物処理施設の整備を促進するための予算措置三十億円、家畜排せつ物のリサイクル推進関係経費百億円、不法投棄衛星監視システム開発調査等不法投棄原状回復対策としまして三十億円、リサイクル技術開発の推進のための民間支援等のリサイクル対策としまして三十七億円、環境配慮型物品に係る情報提供事業のグリーン購入推進としまして二・五億円等を措置しているところでございますけれども、個々の施策につきましては、複数の目的を持つことがございまして一義的に分類することは困難でございますが、環境特別対策として分類しました二千六百五十九億円のうち、およそ九百億円以上が循環型社会づくりに密接に関連するものと認識いたしております。
 一方、現在編成作業中の平成十三年度概算要求要望におきましては、循環型社会づくりに密接に関連すると考えられる施策としましては、例えば新環境省における循環型社会づくり関係経費要求・要望額は合計二千五百億円余となっておりますが、それに加えまして、食品リサイクル施設先進モデル事業、資源循環型畜産確立対策事業、建築廃材・ガラス等リサイクル技術開発、また公共事業のゼロ・エミッション推進に向けました研究開発等が挙がっているところでございます。
 なお、今回の補正予算案に盛り込まれました施策及び平成十三年度予算に基づきます施策が、先般成立させていただきました関係法とともに実施されますことにより循環型社会の構築を強力に推し進めていきますように、政府一丸となって努力してまいる所存でございます。
#336
○福本潤一君 こういう形でさまざまな予算がついておるわけでございますが、公明党は今年度、循環型社会元年と名づけまして、さまざまな予算を獲得しております。
 この循環型社会という言葉ですけれども、ただ単なるリサイクルという考え方だけではなくて、二十世紀の工業化社会を、大量生産、大量消費、大量廃棄の時代からシステム構造も変革していく、その中で循環型社会を築いていく、資源エネルギー、食糧、新しいシステム構造の中で次の産業も形成していく、有限な地球を持続可能な社会システムにしていくという考え方でございます。と同時に、今までの消費型の動脈産業、これを再生型の静脈産業に育てていくと初めて成り立つということでございますし、日本のさまざまな環境技術、レベルは高いけれどもまだ日の目を見ていない技術もたくさんあります。生ごみで発電するとか、こういう新しい技術を積極的に普及、再生させていくという考え方についてどういうふうに思われるか、最初にお伺いします。
#337
○政務次官(河合正智君) 環境に関する技術につきましては、循環型社会の重要な基盤の一つと考えております。福本委員の御質問を踏まえまして、関係省庁とも連携を図り、その開発普及に努力してまいる所存でございます。
#338
○福本潤一君 この循環型の前に、野党時代でございますが、公明党ダイオキシン対策本部で議員立法で提出させていただきました。そのときに、コプラナPCBはダイオキシンに含めるという法案の中身にさせていただきましたけれども、今回、PCBに関しまして箇条的に若干質問をさせていただこうと思います。
 と申しますのは、八王子の小学校で三十年たった蛍光灯のPCB使用安定器が破裂して、子供たちがそれを浴びるということが起こりましたし、ちょうど安定器が使用期限の来ている段階に来ていますので、これに対して対応をどうしていかれるか、これをお願いしたいと思います。
#339
○国務大臣(大島理森君) 大変残念なことですが、八王子以外でもPCBの照明器具の破損事故が起こりました。
 私どもは、十月二十六日、都道府県の教育委員会に改めて強い要請をいたしまして、こういう事故が多発している、実施主体はあくまでも地方教育委員会でございますので、PCBの照明器具を取りかえるよう全力を尽くしてやってくださいと、そういうふうなことで徹底的な指導をしてまいりたい、このように思っております。
#340
○福本潤一君 もう一カ月たっておるわけでございますし、PCBの処理という意味では、現在は保管だけしているという状態を、十三年度中にもう対応していかなければ、子供たちに、また事業所等々にある古い蛍光灯で問題は起こりますし、十三年度中にすべて撤去するということを申し入れしたいと思いますが、どうでしょうか。
#341
○国務大臣(大島理森君) 十三年度中に日本全国の学校全部そういうふうにかえていただければいいと思いますが、そのように全力を尽くして努力していきたいと思います。
 ただ、予算が伴う話でございます。したがって、各市町村あるいは県、それらの事情もあるかと思いますが、できるだけ速やかにそういうPCBの照明器具が早く取りかえられるようになお一層、せっかくの御発言でもあり、また私ども、非常にこう続いておることを重く受けとめて努力してまいりたいと、こう思っております。
#342
○福本潤一君 これ通産省、電気絶縁物処理協会というのをつくって処理すると言いながら、今まで何十年も処理できない。アメリカ、海外等においてやられていることが日本で行われていないという実情がございますけれども、どういうふうにお考えでしょうか。
#343
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えいたします。
 確かに、御指摘のとおり、PCB協会を設立して大変な年月がたったわけであります。処理方法につきましては技術的には確立をされて、そして、当初全国三十九カ所でこの処理を進めていこう、しかしあくまでも住民の方々の合意が得られなきゃならない、こういうことで一生懸命努力をしたところでございますけれども、ちょうどカネミ油症の問題等がありまして大変住民の方々はナーバスになっております。
 そういったことで、本当に現時点に至るまでこの問題が協会がありながらできていないということは、私ども甚だ遺憾に思っておりますし、またある意味では大変残念なことだと、このように思っております。
#344
○福本潤一君 これは民間だけに任せていてもなかなか進まないという状況でございますので、前回も質問の中で投げましたけれども、基金をつくってやるという考え方に関してはどうでございましょうか。
#345
○国務大臣(津島雄二君) 厚生省といたしまして、平成十三年度概算要求におきまして、PCB廃棄物の早期処理を促進するため、特に中小企業者の場合にはなかなか難しい問題を抱えているようでございまして、この方々を対象として処理費用の一部を助成する基金の創設を要求いたしております。これは二十億要求いたしまして、十年間で二百億ぐらいのかなり立派なものをつくりたいということでございます。
 この基金に対しましては、産業界もやはり拠出していただくということがいろんな意味で必要だと思っており、経団連を中心に要請をしておりますが、産業界の方は現在のところまだ理解を得ていただいていないのをまことに残念に思っております。引き続き、PCB廃棄物の早期処理の重要性にかんがみまして、産業界の理解を得つつ、国としての責任も果たしてまいりたいと思っております。
#346
○福本潤一君 国としての責任を果たすということは、基金をつくってやっていくというお考えだというふうに受けとめさせていただきますけれども、廃掃法で保管するだけというのでは無理だと思いますので、今後PCB処理の特別の法律をつくる方がいいと思いますけれども、厚生大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#347
○国務大臣(津島雄二君) 委員の御指摘、そのとおりでございまして、特にPCBの使用機器につきましては、事業者で保管しておりますけれども、これを処理するについて、先ほど通産大臣から御答弁がありましたような進め方がうまくスムーズに動いていないわけでございます。保管されているPCB使用トランスやコンデンサーの相当数がまた実は行く先がわからなくなっているという問題もございます。
 そのような環境汚染をぜひとも防止しなければならないということで、処理のめどなくこれ以上保管が長期にわたることがないように処理体制の構築を図り、早期処理を進める必要があると考えております。
 このPCB処理施設の整備を促進するために、処理費用の負担力が小さい中小企業者を対象といたしまして、一定期間内の処理を促進する基金の創設について要求をしていることは既に申し上げましたが、こうした施策の実効性を確保するため、御指摘の法制化を含めて、抜本的な処理方策の確立に取り組んでまいりたいと思っております。
#348
○福本潤一君 非常に前向きな答弁でございますけれども、今後、二十一世紀、PCBというと環境ホルモンの最たるものでございますし、総理に、負の遺産、これを二十一世紀、いよいよ環境省もできるわけでございますし、決意をお伺いしておきたいと思います。
#349
○国務大臣(森喜朗君) PCB処理対策につきましては、PCB廃棄物の早期処理を進めてまいりますためには、今御議論ございましたように抜本的な方策を講じていく必要がある、このように認識をいたしております。
 このため、具体的には、PCB処理施設を促進するなど総合的なPCB処理体制の確立を図って、国、地方自治体、産業界が一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
 今後とも、PCBという今御指摘の二十世紀のまさに負の遺産の解消を図るという意味で、循環型社会の構築に向けて積極的に政府として対処してまいりたい、このように考えております。
#350
○福本潤一君 そういう意味では、命の安全保障という意味で、先ほどもありましたけれども、今、災害が頻発しております。ですので、国土庁長官、私も鳥取西の地震で行ってまいりましたけれども、被害の現在の実態、実情と、これ激甚災害の指定という形で持っていけないものか、この点に関してお伺いしたいと思います。
#351
○国務大臣(扇千景君) 先ほど魚住委員にもお話し申し上げたんですけれども、本当に災害が続いておりまして、私も十月七日に鳥取に入りましたけれども、公明党の先生方もいち早く御一緒に視察をさせていただきました。
 今の激甚災害の話でございますけれども、少なくとも私どもは、今現在におきましても、鳥取県全域及び島根県安来市あるいは伯太町に、被災者生活再建支援法、これを適用しております。
 ただ、激甚災害ということになりますとまだはっきりしたことが言えないわけでございますけれども、今まで少なくとも鳥取におきましては、すぐに三機のヘリコプターを現地に飛ばしまして、下から見えない、あるいは通行どめになったところも、上からどのようにしたらいいかということで全部見てまいりまして、今まで建設省関係としまして公共施設の被害は、河川が百二十カ所、そして道路が五百七十三カ所、ダムが七カ所、砂防施設二十三カ所、急斜面の崩壊防止の施設が四カ所、橋梁が二十カ所、また下水道が四十七カ所、公園九カ所と、言っていれば切りがないような多くの災害被害が出ております。
 そういう意味では、今回、少なくとも応急工事に必要なことは、国と県と市町村におきまして、十一月二十日から鳥取県の第一次災害指定を実施中でございます。年内には各県の災害調査をすべて終了するという状況になっております。そういうことで私どもは、鳥取県、そして隣の島根県も含めまして、この激甚災害の指定に対しての対応というものを早期に終結したいと思って、現地は、特に地方自治体がまず国に先行してしますという知事さんの大変な意気込みで、皆さん方に不安を与えないように最大限の努力をしているところでございます。
#352
○福本潤一君 被災地は豪雪地帯でございますし、過疎地帯でございます。ぜひともそういう早急な対策をお願いしたいと思います。
 私どもも募金活動をして緊急に支援活動に行ってまいりましたけれども、まだまだこれから寒い冬に向かって家もないという状態もございます。不幸中の幸いといいますか、死者は一人もいなかったとはいえ、なかなか大変な今後の状況でございますので、総理、これだけ地震が続いております、ぜひとも最後に、この一連の自然災害を含めて対策の決意をお伺いしておきたいと思います。よろしくお願いします。
#353
○国務大臣(森喜朗君) 今お話がございましたように、ことしは有珠山噴火を初めといたしまして、三宅島の噴火、新島、神津島近海の地震、さらには東海地方の豪雨、そして今お話しの鳥取県西部地震など、本当に災害が相次いで発生をいたしました。
 災害から国民の生命、財産を守ることは政府の最も重要な責務の一つであると認識をいたしておりまして、政府一体となって災害対策に全力で取り組んでいる次第でございます。
 それぞれの災害によって、例えば鳥取県西部地震では液状化による被害が大きく、また高齢者の方々の被災が多いなど、被害の状況や被災者が必要とする対策もそれぞれ異なっておりまして、きめ細かな対策が必要だというふうに認識をいたしております。
 まず、復旧・復興や観測・監視体制の強化のため、平成十二年度におきましてこれまで四百億円を超える予備費を使用させていただきました。ほかに、今回の補正予算におきましては、速やかな復旧・復興に向けた経費や被災者生活再建支援金の支給に要する経費など六千七百億円を超える予算を計上して災害対策にも十分配慮した編成をし、まさに今御審議をいただいておるところでございまして、一昨日の私ども内閣に対する不信任が出ましたときに、この補正予算がどうなるのかなということは率直に心配でございました。まず冒頭にきょう予算委員会で申し上げましたように、与党三党の御協力をいただいて不信任案を否決していただいた。それは何も森内閣云々ということではなくて、こうした大事な災害対策費が入っている、あるいは年末を控えての中小企業の対策費が入っている、こういう大事な補正予算だということから考えますと、国会が国家国民のためのことをまず第一義と考えていただいた国会の判断だとして、大変私は感激をいたした次第でございます。
 今後とも、被災者の方々の御苦労や御負担が少しでも軽減されますように、被災地の早期の復旧・復興を含めて、政府として最大限の支援を行ってまいりたい、このように考えております。
#354
○魚住裕一郎君 終わります。
#355
○委員長(岡野裕君) 以上で魚住裕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#356
○委員長(岡野裕君) 次に、笠井亮君の質疑を行います。笠井亮君。
#357
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。
 総理は、国会では信任をされたと強弁されておりますが、失言問題、資質の問題、そして政治の中身、町の声は森自公保政権の継続こそ最大の政治空白だと、圧倒的に不信任であります。同時に、衆議院の事態は自民党に自浄能力なしということを見せつけました。
 そこで、まずKSD問題について伺いたいと思います。
 法務省、KSD古関忠男前理事長らの逮捕容疑は何ですか。
#358
○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの逮捕事実の要旨は、財団法人の理事長等として財団法人の預金の管理等の業務に従事していたただいま御指摘の古関忠男らが、被疑者古関忠男の私的用途に充てる目的で、共謀の上、ほしいままに財団法人のため業務上預かり保管中の預金、合計約八千九十五万円を横領したものであるというものでございます。
#359
○笠井亮君 労働大臣、KSDとはどういう目的の団体か。加入者数と財政規模、そして政治活動との関係、はっきり答えていただきたいと思います。
#360
○国務大臣(吉川芳男君) KSDは、主に災害補償共済事業、災害防止事業及び福利厚生事業等を総合的に行っており、平成十一年度においては、会員数約百七万人、会員事業所は約六十五万事務所、会費収入は総額約二百四十六億円です。また、支出状況につきましては、平成十一年度において、災害補償共済事業について約八十三億円、災害防止事業については約十億円、福利厚生事業については約三十六億円となっております。
#361
○笠井亮君 政治活動。
#362
○国務大臣(吉川芳男君) 政治活動につきましては、あえて申しますれば豊明会という団体がありますが、任意団体として独自の定款及び都道府県に組織を持ち、会員の親睦を図るための諸活動を行っており、KSDとは別個の団体でありまして、またそこにおいて、任意団体として独自の判断によって政治活動をやっているということは聞いております。
#363
○笠井亮君 KSDそのものと政治活動の関係はどうなっているかと伺っております。大臣、やっていいのか悪いのか、そういう形できちっと答えてください。
#364
○国務大臣(吉川芳男君) 公益法人の政治活動についてはいろいろ議論がありまするが、KSDについては会員の会費により災害防止事業や災害補償共済事業等を行っているものであり、設立目的、業務内容にかんがみますと、会費により政治活動を行うことは適切でないと考えられています。
 なお、KSDによれば、政治活動は豊明会が行ってきたものであり、今般のKSDの改革方針によれば、豊明会を解散し、一切の政治活動を行わないというふうに言っておると私は承知しております。
#365
○笠井亮君 今回の事態について触れられましたので、労働省の指導勧告、繰り返しあったと。それに対して、現時点でKSD側は、関連団体の今解散ということがありましたが、いつまでに何をどういう改革するということでちゃんと返事しているんですか。
#366
○国務大臣(吉川芳男君) 本年八月十日、KSDに対し改善勧告をしたところでありますが、その改正状況は次のとおりであります。
 一つとしましては、「寄附行為」の改正については、評議員会の設置を含めた改正素案がKSDから労働省に提出され、労働省における事前審査を終了し、現在、KSDからの正式申請を待っているところであります。
 また、豊明会との関係に関しましては、KSDの常勤理事と豊明会の役員との兼務については是正がなされております。豊明会への補助金に係る審査検討体制の確立及び補助金の区分経理については引き続き指導中であります。豊明会との関係における組織、職員、場所の分離については、KSDと豊明会の兼務職員の解消、パーテーションによる間仕切りが行われております。なお、十月十八日には豊明会の解散方針が示され、労働省としては、その解散に向けて指導中であります。
 KSD会館、ゴルフ会員権等については売却する方向で手続を進めていると聞いております。また、宗教法人への融資については、本年末を限度として一括繰り上げ返済の手続を進めていると聞いております。また、株式会社ケーエスデーブライダルへの便宜供与問題については、抜本的に見直すと聞いております。
 また、申し上げた項目に含まれないKSDが十月十八日に発表したKSDの改革の項目については、豊明会については年内の解散に向けて諸準備を行っていると聞いております。
 同族色の排除につきましては、既に実行したと聞いております。関連会社との関連につきましては、現在、業務委託契約を含め見直しを行っていると聞いていますが、情報の開示につきましては、改正「寄附行為」に規定を盛り込むと聞いております。
 以上です。
#367
○笠井亮君 軽井沢と熱海の別荘、どうしました。別荘。
#368
○国務大臣(吉川芳男君) 別荘のことについてはまだ聞いておりませんので。
#369
○笠井亮君 ちゃんと答えてください。軽井沢と熱海。
#370
○国務大臣(吉川芳男君) 現在、売却手続を進めておるという現状であります。
#371
○笠井亮君 いろいろ言われました。別荘にしろ、会員には一切使えない、政治家への接待ということが問題になっていた。一連のことをやめるのは当然です。売却も当然だと。いかにこれまで癒着し、天下りがあり、そして生ぬるかったか。今の答弁自身が示していると思います。
 残っている問題は、自民党への献金の問題であります。年間二百五十億規模という莫大な中小企業経営者の血と汗の結晶が食い物にされて、自民党や自民党議員に相当流れている。
 第一の問題は、パネルにしました。(資料を示す)ここにはっきり出ていますように、財団法人KSDからKSDの会員の福利厚生事業を行うKSD豊明会に対して、年間約三十億円、九五年以降の五年間で百三十七億円の補助が出されている。そこから自民党豊明支部に二億五千七百四十万円という巨額の献金がされている。つまり、零細な経営者の共済の会費からこれが出ているということじゃないですか。重大だと思うんですが、総理、いかがですか。
#372
○国務大臣(森喜朗君) 政治資金に関しましては、政治資金規正法によりまして収支報告を行うことが義務づけられておりますが、収支報告書は公開されてもいるわけでありまして、自民党の支部がKSD豊明会から寄附を受けておりましたことは事実でございます。その点については政治資金規正法上の収支報告が行われておりまして、それによって明確にされているところでございます。
 また、自民党の党費は党において適正な手続を経て処理をされていると、このように報告を受けております。
#373
○笠井亮君 私、今言った問題、でたらめだと思うんですよ。もう一つパネルを持ってまいりました。(資料を示す)
 豊明会の収入、収支計算書から収入別にまとめてまいりました。九七年の場合であります。収入源、豊明会というのは三つあります。一つはKSDの補助金二十九億九千二百二十一万円、二つ目に会員負担金二億二千五百九十万円、そして雑収入九十一万円であります。
 補助金から出ていない、このように政府言われるわけですけれども、そうすると会員負担金か雑収入からしか出ようがない。ところが、会員負担金といいますと、スポーツでいえばボウリングに参加する、旅行に行く、文化教養でいうとカラオケ大会に参加する、こういう形での会員の負担金、行事に参加する負担の一部だからそれを出さないと実際には参加できないと。ここから政治献金に流れる金などないはずであります。残るは雑収入九十一万円。自民党支部への政治献金はこの年五千万円。収支報告ですから、丸々ほとんどこれでいきますと補助金から出ている以外にないと思うんですけれども、総理、このことどういうふうに考えられますか。
#374
○国務大臣(森喜朗君) 先ほども申し上げましたように、政治資金に関しましては政治資金規正法によりまして収支報告を行うことが義務づけられているわけでありまして、収支報告書は公開もされているわけでございますので、自民党の支部がこの豊明会から寄附を受けているということは事実でございますけれども、その点につきましてはこの収支報告書によって明確にされている。いろいろ今御指摘ございましたけれども、私どもとしては、この収支報告書が報告されていることが私どもとしてはそのことを明確にしているところであるというふうに考えています。
#375
○笠井亮君 私の質問に答えていないです、全然。どこから出ているんですか、じゃこれ。どれですか。だってこれしかないんだもの。出ていないって、どこから出ているんだ。
#376
○国務大臣(吉川芳男君) では、答弁いたします。
 KSDから受けた説明によれば、豊明会から自由民主党東京都豊明支部への寄附に関する支出にはKSD補助金は充当されておらず、これはまあ委員おっしゃったとおりでございまして、会員負担金等により、それ以外の自前収入から、この豊明会というのも自前収入があるんですよ、年間約二億ぐらいですかな、充当しているとのことでしたが、豊明会においては両者を区分経理されるようKSDに対して指導したところであります。どうもKSDと豊明会というものの経理の区分が明確でないというので労働省としてはたびたび指導しています。
 なお、豊明会における会員負担金等による自前収入の使途については、労働省としてはとかくのことを言う立場にはなく、豊明会が判断することであると考えております。
#377
○笠井亮君 KSDの説明といいますけれども、だからそれが違うと言って私根拠を示して出しているわけじゃないですか、そうでしょう。
 補助金から出ている以外ないじゃないですかと言っているんですよ。何の説明にもなっていません。
 自前の収入、さっき言ったじゃないですか。負担金ですよ。
#378
○国務大臣(吉川芳男君) それは私からもたびたび御説明していますように、豊明会は自前の収がある。その額は二億ないし二億五千だというふうに記憶しておりまするけれども、その中からそれ以上に少ない献金はできることだと思うんです。
 ただ、その金に色はついていないというかもしれませんけれども、ただどういう金であったかということについてきちんとやっぱり区分経理をする必要があるということは労働省も指導しておるということを何回も私説明しております。
#379
○笠井亮君 だめですよ、答えになっていないですよ。それじゃだめですよ。全然だめですよ。私にちゃんと答えていないもの。答えていません。
#380
○委員長(岡野裕君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#381
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
#382
○政務次官(釜本邦茂君) ただいま大臣からも御説明がありましたように、KSD豊明会は任意団体であり、自前の収入をどのように支出するかということについては労働省としてはとかく言う立場にはないわけでございまして、そして、今問題になっておりますKSDからの補助金、それからまたKSD豊明会の収入、その収入の中から豊明支部へ寄附されているというところでございますので、何ら問題はないのじゃないかと、こう思います。
#383
○笠井亮君 KSDから豊明会への補助金の使途、三十億円の使途が問題になっているわけですよ。でしょう。自前の収入と言われますけれども、私、ここに豊明会の収支計算書持っています。私、ここに書きましたけれども、まさにこの三つしかないんですよ。二番目というのは実際に行事に参加するためのお金なんですよ、二億五千万円は。献金にどうやって回すんですか、それを。大体、補助金しかないということですよ。
#384
○政務次官(釜本邦茂君) 自己負担金をどのように使われようが、それは豊明会のことでございまして、労働省がとかく言うことじゃないということでございます。
#385
○笠井亮君 私、ここに具体的な行事の参加費、持っています。テニス教室五千円、一回当たり五百円。じゃ、この中から自民党に出ているというんですね。どうですか、大臣。自己負担金何に使おうがと言ったって、実際に参加費じゃないですか、これ。参加費ごまかして、じゃそれを政党に入れているんですか。
#386
○国務大臣(吉川芳男君) 重ねての答弁になるかもしれませんが、豊明会の活動に関し労働省としてはとかくのことを言う立場にはなく、豊明会がイベントとして会員から徴収した会費を政治献金に振りかえていることができるか否かは豊明会自身が判断することと考えております。
#387
○委員長(岡野裕君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#388
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
#389
○国務大臣(吉川芳男君) 豊明会は、寄附の額からいいましても自前収入が二億数千万あるわけでございますから、その中から五千万円献金したからということは十分考えられるわけでございまして、いずれにいたしましても区分経理について、していないからこういう疑いを受けるというわけでございますので、十分今後とも指導を徹底してまいりたいということを申し上げているわけでございます。
#390
○笠井亮君 いいかげんなことを言っちゃいけないですよ。KSDからの補助金が自民党の献金に使われているかどうかということを問題にしているわけですが、私が先ほどこれを示しました。もう一回出します。(資料を示す)二億二千五百九十万円、これは収支報告計算書を見ても、実際に行事参加の実費ですから、これはもう消えてなくなっているわけですよ、使っているんです。だから、それから五千万円も出しようがないわけですよ。説明になっていないでしょう。実費なんですよ、はっきりしているの、実費って書いてあるの。
#391
○委員長(岡野裕君) 御答弁がいただけますか。
#392
○国務大臣(吉川芳男君) 会費がスポーツ団体の会員に……
#393
○笠井亮君 会費はないですよ、豊明会は。
#394
○国務大臣(吉川芳男君) いや、使われようと、カラオケに使われようと、それはやっぱり我々がそこまで一々文句がましいことを言うわけはないんでして、みずから二億五千万円……
#395
○笠井亮君 そんなんじゃだめですよ。だって、三十億の使途が問題になっているわけでしょう。あなた方は違うということを証明しなきゃだめじゃないですか。証明にならないでしょう、本当に。証明にならないですよ。そんないいかげんなことじゃだめですよ。
#396
○国務大臣(吉川芳男君) 先ほど来申し上げましたように、自前収入も二億五千万あるわけでございまするから、その中から数千万円献金をしたからといって問題にする必要はないと思っています。
#397
○笠井亮君 じゃ、何で解散することにしたんですか。そういう方向になったんですか、これ。
#398
○政務次官(釜本邦茂君) その補助金の使用につきましては、イベントについては補助金からも出しており、自前収入から献金することも考えられるというぐあいに思います。
#399
○笠井亮君 そんなこと言っていないでしょう。だめですよ、説明になっていない、何にも。
 三十億の助成金から五千万円ですから、そのほか使っているのは当たり前です。
#400
○政務次官(釜本邦茂君) 何度もお答えしますように、平成十年十一月にKSDから受けた説明によれば、豊明会から自由民主党東京豊明支部への寄附に関する支出にはKSDからの補助金は充当しておらずというように労働省は説明を受けております。
#401
○笠井亮君 その説明おかしいわけですよ。説明を受けた相手は、理事長は古関容疑者でしょうが。うのみにするんですか。(「とりあえずはそう答えるしかないじゃない」と呼ぶ者あり)とりあえずはとは何ですか。まじめにやってくださいよ、自民党は。
#402
○委員長(岡野裕君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#403
○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。
 答弁はどなたがなさいますか。
#404
○国務大臣(吉川芳男君) 答弁の繰り返しになるかもしれませんけれども、額からいって自前収入は二億数千もあると文書によってもおわかりだと思うのでございますので、その中から献金をしたものと考えられますと。
 いずれにいたしましても、区分経理がされていないということが今回落ち度だと言えば落ち度なわけでございますから、十分これは指導を続けていきたいというふうに思っております。
#405
○委員長(岡野裕君) 質疑者は質問を続けてください。
#406
○笠井亮君 今パネルをもう一回出します。(資料を示す)
 いいですか、先ほど労働大臣はKSDの会費による政治活動は適切でないと冒頭に言われました。そして今、KSDのお金が、会費が自民党に流れているんじゃないか、補助金として流れているんじゃないかということが問題になっている。そして、今私が二枚目のパネルで、三十億の中から実際の行事の負担金を除くと五千万円献金が出ているわけですから、これは助成金の中から出ていくしかないと言ったわけですよ。
 そうじゃないということの証明ができないでしょう、あなた方は。自前の収入と言っているけれども、これはこれでもうなくなっているわけです、消えてなくなるお金。そうしますと、これしかないと、つまりこの三十億の問題についてあなた方が証明するためには、この中身についてもそうだということできちっとやらなきゃだめでしょう。これ以外にないじゃないですか。助成金からしか出ようがない。あなた方は否定できなかったということですよ、否定、助成金から出ているということについて。いいですか、そういう問題でしょう。
#407
○国務大臣(吉川芳男君) 本事案については、古関前理事長が逮捕されていることもあり、現時点では調査をこれ以上行いようがないというのが現状だと思うのでございまして、捜査の推移を見守りたいと思っております。
#408
○笠井亮君 要するに否定できないということですよ。そして、あなたは逮捕された古関理事長からの説明を今うのみにして、使われていないと説明していますと言っているしかないんですよ。
 徹底して調べるべきでしょう。どうですか。そうしないとあなた方証明できないですよ、三十億から出ていないということを。
#409
○国務大臣(吉川芳男君) これはもう何回も御説明申し上げますように、一番真実を握っておる古関理事長が今入っていらっしゃるわけでございますから、これは出てくるまで、そういうことで、調べてからまたこういう機会があれば御報告申し上げましょう。
#410
○笠井亮君 調べて報告すると言われました。
 それだけではありません。もう一つの問題、久世問題で大問題になりましたけれども、KSDではもっと露骨に行われていると。村上正邦参議院議員ら自民党の比例代表の議席がKSD会員の金で買われているという重大な疑惑であります。
 自民党の比例代表名簿登載の基準は、党員二万人、そして後援会百万人、そういうふうに言われました。KSDの関連合同部長会議、この文書を見ますと、出席したKSDの古関、当時の理事長が「KSDで自民党の党員数二十万票を確保する。そうなれば自民党の幹事長が最敬礼する。中小企業の意志を反映できる。この前哨戦が村上先生の署名運動である。」、このように喝破しております。九八年参議院選挙では、「総数九十五万名に及ぶ署名をいただき、誠にありがとうございました。この署名が本年七月の参議院選挙で大きな力となります。」、このように報告をされて、見事に村上議員は二位で当選されているわけであります。
 公益法人のKSDがこんなことをやっていいんですか。
#411
○政務次官(釜本邦茂君) 公益法人の政治活動につきましては種々議論がありますが、KSDについては、会員の会費により災害防止活動や災害補償共済事業等を行うものであり、設立目的、業務内容にかんがみますと、会費により政治活動を行うことは適切でないものと考えます。
 なお、KSDによれば、政治活動は豊明会が行ってきたものであり、今般のKSDの改革方針によれば、豊明会を解散し、今後は一切豊明会は政治活動をしないということで承知しております。
#412
○笠井亮君 KSDが自民党の政治活動をやっているという文書なんです、これは。出席者、古関理事長、赤松専務理事、小山理事、嶋田部長、これはKSDの肩書です。一九九二年一月十日、この議事録から言っている。
 そして、KSDがやっているのは紛れもない事実です。千葉の支局の職員から内部告発がありました。KSD本部の古関から千葉支局で一万人の自民党員をつくれという指示が来た。職員は通常業務の中で自民党の署名運動という名称で必死でやらされる。KSD会員名簿、自民党後援会員名簿、学校卒業生名簿を勝手に使って、職員が三文判を数百個買いに走ってそろえて、どんどん書いて本部に送った。こんな仕事っておかしいよね、声が上がったけれども仕方がなくやったということであります。幽霊党員づくりそのものであります。
 こういうやり方でいけば、自民党豊明支部の党員数は九五年以降の四年間で三十万二千三百二十三人、掛ける党費四千円とすれば計十二億円、これが立てかえられて、その資金がKSD会費から出ている、こういう疑惑であります。
 総理、まさに自民党の体質があらわれているんじゃないんですか。いかがでしょうか。
#413
○国務大臣(森喜朗君) 午前中であったかと思いますが、お答えを申し上げたわけですが、それぞれ自由民主党の組織にはいろんな幅広い職域があるわけでございまして、その皆様方がいろんな御熱意で党員の獲得の協力をされたり後援会をおつくりになったりなさっているわけでありまして、どういう形でどういうふうにされたということは、我々はそこまで細やかに、細かに承知できるわけではないわけです。自由民主党の職域支部というのはいろいろな分野の人の要望を吸収しながら活動を行っているということでございまして、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団やKSD豊明会などがどのような活動をしているかということは、私自身は承知をいたしておりません。
 しかし、いずれにしても自民党の党費、これにつきましては適正な手続をもって処理されているわけでありまして、そのような報告を私どもとしてはきちんと受けておるわけでございます。
#414
○笠井亮君 自民党に入ってきた党費、そして名簿が適切に普通に処理される。そこからは当たり前でしょう。しかし問題は、ではもう一つパネルがあります。(資料を示す)
 自民党東京都豊明支部。党員と党費の一覧にしてみました。この五年間であります。九五年と九八年、この参議院選挙のときには六万人、九万人の党員と党費が集まる。九九年には自民党総裁選挙もありました。ところが九六年、これ党費も党員もゼロと。こんな党組織がありますか。どう説明されますか。
#415
○国務大臣(森喜朗君) 党本部の私どもとしてはどういう党員手続をされてどういうふうになさるかというのは、我々は受け入れる側でございますから、豊明支部の方の事情が何かあったんだろうと思います。それを我々としては、事情は正確に承知をしているというわけには、申し上げることはできないと思います。
#416
○笠井亮君 事情と言いますけれども、苦しいですよね。まさに幽霊ぶりを証明していると私は思うんです。
 実際に私もたくさん聞いています。入党届にサインはしたが党費は払わなくていいと言われた、入党届に家族の名前もまとめて書いたけれども党費は一切払っていない、直接私ども聞きました。九万人の金が一体どこから出てきたか、これが問われているわけであります。
 総理は先ほど詳細に承知をしていないと。しかし問題は、KSDの会費、不明金が出ている、そしてそれが自民党に流れている、こういうことが出ている、たくさんの疑惑がある。承知していないんだったらこういう事実をきちんと調べる、自民党の問題ですから。それぐらいはきちんとされる。当然ですよね。
#417
○国務大臣(森喜朗君) 委員は御自分でこう決めつけられて、そして……
#418
○笠井亮君 決めつけているわけじゃない。
#419
○国務大臣(森喜朗君) いや、そういうお考えもあるんだろうと思います。
#420
○笠井亮君 いや、実態です。考えじゃない。実態です。それが実態ですから。
#421
○国務大臣(森喜朗君) いや、だから、それはあなたがそうおっしゃって、そういうふうに決めつけて、そのとおりにお答えをしなきゃならぬという、我々はそういう義務はないわけでありまして、KSDに関連いたしましては今捜査が進められているわけです。ですから、私どもの立場としてはその推移を見守るということしかないわけであります。
 いずれにいたしましても、政治資金に関しましては政治資金規正法によりまして収支報告を行うことが義務づけられておりまして、収支報告書は公開もされているところでございます。自民党の支部の収支についても政治資金規正法上の収支報告が行われておりまして、それにより明確にされているところでございます。
#422
○笠井亮君 御自分の党の問題です。これだけ疑惑を持たれて、では私が言った実態というのはうそだというふうに言われるんですか。
#423
○国務大臣(森喜朗君) うそだとは申し上げておりませんが、議員の方がそういうふうに決めつけておっしゃることを私どもとしては……
#424
○笠井亮君 いや、調べた。事実ですから。
#425
○国務大臣(森喜朗君) だから、お調べになったという、あなたはそういう捜査をされる権利があるのかどうかわかりませんが、我々としては、今理事長が逮捕されているわけですから、その捜査が何らかの形で明らかになっていくものだと思うから、それを見守りたい、こう申し上げているわけです。
 党といたしましては、どのような事情でそこのところがゼロになったかどうかということは党において聞くようにしたい、こう思っております。
#426
○笠井亮君 自民党豊明支部についてきちんと調べると今おっしゃいました。聞くと。きちんとそのことも国会に報告していただきたい。
#427
○国務大臣(森喜朗君) 私どもの党の支部のことでございますから、支部の方に聞いてみると、こう申し上げたんです。
#428
○笠井亮君 これだけ大問題になっても本当に真摯に問題を考えるという態度は見られないと。私、大変に怒りを感じます。
 今、不況と倒産の不安、そして労災、この危惧もあって、そしてなかなかこういう問題でもどうしたらいいかと。そして勧められたら断れない。これでもう冬を越せるかという大変な状況の中で、中小企業経営者の皆さんと家族の皆さんの気持ちが本当にわかるか。自分たちがなけなしのお金で払ったそういう会費がこういう形で使われている重大な疑惑がある。
 ところが、総理は、捜査中ということでそれを正面から取り上げようとしない、国会にもきちっと報告しようとしない。こういう公益法人を食い物にするそういうやり方、自民党政治のあり方が今大問題となっているわけであります。
 しかもこれは、お金をもらって議席を買う、それだけではない、見返りがちゃんとある。ものつくり大学の問題あるいはアイム・ジャパンの問題、こういう問題が出ているわけであります。こういう問題、きちっと解明するんですか。
#429
○国務大臣(森喜朗君) 事業団の方の今事業のことをおっしゃったわけですが、それは今捜査をしておるところじゃないでしょうか。
#430
○笠井亮君 何でも捜査中ということでまともに対応されようとしない、私はこれが自民党政治のやり方だと思います。国民の声は、こうしたやり方で政治をゆがめて、そして腐らせてきた自民党政治全体への不信任であります。自浄能力を発揮できない、そして発揮して本当にやめなきゃいけないのに、それができないような自民党政治には、私はだれが首相になっても未来がないと思うわけであります。
#431
○委員長(岡野裕君) 笠井君、時間が……
#432
○笠井亮君 このことを申し上げて、質問を終わります。
#433
○委員長(岡野裕君) 以上で笠井亮君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#434
○委員長(岡野裕君) 次に、照屋寛徳君の質疑を行います。照屋寛徳君。
#435
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。
 冒頭、私は官房長官にお伺いをいたします。
 過日の内閣不信任案決議をめぐる衆議院の本会議に際して、官房長官は、野党議員は餓鬼だとか、餓鬼以下だとか語ったようでありますが、その真意をお尋ねいたします。
#436
○国務大臣(福田康夫君) ただいま私の発言の真意と、こういうことでございますけれども、実は、先日一部の新聞などで放送されたのでございますけれども、私が餓鬼とか餓鬼以下と、こういう発言をいたしたのでございます。
 これは、二十一日未明の衆議院本会議における内閣不信任案採決後、国会内の通路において歩きながら、記者が後ろから呼びかけたことに対して感想を述べた、こういうことでございますけれども、こういうことで、正式な記者会見とかそういうことでもって話をしたことではないのでございますけれども、不適切な表現だった、こういうように思っておりまして、このことは先ほど記者会見でもって、そういうようなことを申したことは率直におわびを申し上げる、こういうことを申し上げたところでございます。
#437
○照屋寛徳君 大蔵大臣にお伺いをいたします。
 補正予算に関連して、現下の景気の現状と今後の見通しについてどういう所見をお持ちかお聞かせください。
#438
○国務大臣(宮澤喜一君) 私としては、大体この秋ぐらいにいわゆる民需というのがほぼそろって出てくるだろうと考えておりましたが、設備投資の方はまずまず満足と言ってもいいほど盛り上がってまいっておりますが、それが雇用あるいは家計につながってこないといううらみがあります。四―六ではまあまあいい姿になっておるのですが、どうも展望すると、雇用、殊に家計が弱いと。そうしますと、民需の片方が動いてこないということでございますので、いろいろ考えまして、この際、大型ではないが、ある程度の補正をした方がいいと考えました。
 その目的は、一つは、この年度末において公需に落ち込みがないようにということ、もう一つは、たまたま将来に向かってのIT等々の施策を急ぐという状況でありますから、それはまた民需をつくることにもなりますので、両方をあわせまして補正をお願いした。ただ、その財源としてはできるだけ国債に頼りたくないということで、国債は二兆円ほど発行させていただきます。
#439
○照屋寛徳君 今非常に雇用情勢厳しいですね。それから、生活不安による消費支出も私は不振だろうと思うんですね。
 さて、大蔵大臣、今度の補正予算で大蔵大臣は景気回復の有効打になり得ると、こういうふうにお考えなんでしょうか。
#440
○国務大臣(宮澤喜一君) 二年数カ月にわたりまして景気対策をやってまいりました。その一つ一つが有効打ということはなかなか難しゅうございまして、その累積的効果と申し上げるべきかと思いますが、設備投資は、つまり企業活動は大丈夫そうだ、消費も雇用も決して五%の不況になったわけではないし、また有効求人倍率は少しずつはよくなっているが、いかにもそのテンポが弱いということでございますから、これ一つが有効打というよりは、やはり重ねまして累積的効果を図るということが大事であろうと思います。
#441
○照屋寛徳君 この補正予算での建設国債の発行高、加えて二〇〇〇年度国債発行額は幾らになるんでしょうか。
#442
○政務次官(七条明君) 今のお答えをさせていただきますけれども、建設国債でございますけれども、十二年度の当初予算におきましては九兆一千五百億円、今回補正をいたしまして一兆九千八百八十億円を追加いたしますと、二〇〇〇年度の補正後の建設国債は十一兆一千三百八十億円となるわけであります。
#443
○照屋寛徳君 大臣、私は国の歳出というのは基本的に税収で賄うということではないかなと思うんですね。二〇〇〇年度の税収、純税収の見込みは幾らなのか、そこら辺お教えください。
#444
○政務次官(七条明君) 今、二〇〇〇年度の税収ということでございますけれども、これにつきましては今回の補正予算の編成に当たりまして、これまでの課税実績や大企業、いわゆる大法人に対する聞き取り調査の結果、最近の経済状況等を踏まえてその見直しを行いました。
 当初予算額に対して一兆二千三百六十億円の増額補正を行い、補正後の一般会計分計といたしまして四十九兆八千九百五十億円と見込まれておるところでございます。
#445
○照屋寛徳君 大臣、国債の発行額の方が純税収を上回る、こういうことは私は異常な事態だと思うんですね。どうなんですか、今度の補正予算の結果、またぞろ二年連続でそういう事態になるんじゃありませんか。こういうふうなことを続けておると、もうこの国は財政崩壊の道を歩むんではないでしょうか。まず、大臣の御見解をお聞かせください。
#446
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに我が国の財政は、累次にわたる不況対策のことに、結果といたしまして非常な危機的状況にございます。
 私としては、いきなり財政再建にまで突っ込めませんので、先ほどちょっとお触れになりました来年度の予算等々の編成におきましては国債発行額を少なくとも今年度よりは減らしたいと考えておりまして、このたび、ささやかですが、補正でも幾らか国債以外の財源を使おうと考えましたのも、そういう努力のささやかなあらわれであります。
#447
○照屋寛徳君 では、労働大臣にお伺いいたします。
 労働力調査によると、完全失業率が四・七%、失業者は実に三百二十万人であります。この深刻な失業率、この事態をどういうふうにお考えになっていますか。
#448
○国務大臣(吉川芳男君) 現下の雇用失業情勢につきましては、完全失業率が高水準で推移するなど依然として厳しい状況にあります。その中で、これまで政府、与党が一体となって大胆かつ迅速に取り組んできた政策の効果によりまして、本年になってから求人が製造業やサービス業など主要な産業で増加するなど改善の動きが見られていますが、これが失業率の改善になかなかつながらないのは、労働力の需要と供給の間にミスマッチが生じているためであると考えられます。
 このため、労働省といたしましては、本年五月に、今後成長が見込まれる新たな産業に必要な人材を早期に育成し、着実な就職促進を図るため、情報通信技術や介護関連分野の職業訓練の拡充強化、成長分野等に重点を置いた雇用機会の創出や就職促進策等を柱とするミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策を策定し、現在実行しているところでございます。
 さらに、今回の補正予算については、働く人すべてのIT化対応を目指した、ITに関する多様な職業能力習得機会の確保、提供、試行的な就業を通じて中高年齢者の就業の場をふやす事業主への支援などの政策を織り込んでおるところであります。
 今後とも、これらの施策の効果的な実施に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
#449
○照屋寛徳君 今度の補正予算で、雇用創出に係る施策、予算措置はどういうふうにとられておりますか。
#450
○国務大臣(吉川芳男君) 今回の補正予算における雇用創出に係る対応といたしましては、一つ、三カ月程度の試行的な就業を通じまして中高年齢者の就職機会をふやす事業主への支援をしようと。それから二番目といたしましては、介護分野における良好な雇用機会の創出を図るための介護雇用創出助成金の増額等の施策を織り込んでおるところであります。
 なお、働く人すべてのIT化対応を目指した、ITに係る多様な職業能力習得機会の確保、提供の施策もあわせて盛り込んでおります。
 以上であります。
#451
○照屋寛徳君 それらの雇用創出策によって何名の雇用創出が生まれるんでしょうか。
#452
○国務大臣(吉川芳男君) 今回の補正予算による雇用創出の見込みについてお尋ねでございますが、試行的な就業を通じて中高年齢者の就業機会を増す事業主への支援の対象数は約五万人、介護雇用創出助成金については平成十二年度当初予算と今回の補正予算を合わせまして約三万人の雇用創出を見込んでおります。
 なお、働く人すべてのIT化対応を目指した、ITに係る多様な職業能力習得機会の確保、提供の対象者は約四十万人となっております。
 以上です。
#453
○照屋寛徳君 自発的離職者が九十九万人、学卒の未就職者が十七万人と言われております。これに対する労働省としての対策はいかがなものでしょうか。
#454
○国務大臣(吉川芳男君) お答えいたします。
 若年の自発的離職者や学卒未就職者が増加している大きな要因といたしましては、ここ数年の厳しい雇用情勢のもとでの就職の困難さや、希望に合った就職、職業につけないということによる早期の離職があると思われます。
 このため、先般、求人確保を私みずからが直接経済団体の首脳に要請したほか、就職面接会の開催等の支援を積極的に行っているところであります。また、未就職のまま卒業せざるを得ない方には、職業の講習や職業訓練を行うなど、早急の就職に向けた支援を実施してきております。また、早期に離職、転職する若者の増加につきましては、再就職に係る迅速、的確な情報の提供や、各人の希望に合った能力の開発等が必要と考えており、官民挙げて雇用情報システムの構築等の施策の充実を図っているところでございます。
 なお、我が労働省は文部省とも連携いたしまして、事務次官によるところの雇用就業の機会をふやすべく打合会を何回かやっておる次第でございます。
#455
○照屋寛徳君 私は、この雇用創出を積極的に図るための施策を速やかに実施することが景気対策にとって有効ではないか、こういうふうに思っておるわけであります。したがって、介護や福祉関係あるいは医療、教育、保育、こういう分野で百万人以上の雇用創出を図るような施策をとらないと大変なことになるんじゃないか、こういうふうに思っておりますが、大蔵大臣のお考えをお聞かせください。
#456
○国務大臣(宮澤喜一君) その点は、もう既に最初の不況対策のとき、当時、小渕内閣でございますが、雇用が問題になっておりまして、従来、我が国に本格的な雇用創出、雇用を創設するということはその必要もなかったのでございましょうが、初めてのことでございますが、労働省は非常に一生懸命最初からきょうまで続けてやってもらっております。
 なお、もう一言申しますならば、どうも私の感じでは、このたびのリストラの結果、あるいはIT等々のいわゆる新しい経済と申しますか、そういうもとで我が国の経済社会に相当の大きな変革があって、雇用についての慣行あるいは伝統等々も、外国と一緒ではありませんが、かなりの変化をするだろうと。構造的なものがあると考えますと、なおさらに今、照屋委員のおっしゃいますような雇用の創設ということが大事であると考えます。
#457
○照屋寛徳君 ぜひ総理、政府を挙げて、私は雇用創出のための緊急なそして実効性ある施策をとっていただきたいと思います。しかもそれは政府の責任、当然であります。
 さて、西田自治大臣にお伺いをいたします。
 地行委員会でも聞きましたが、週刊ポストの十一月十日号に、「国家公安委員長が許永中企業と親密交際」ということで大見出しで報道されました。
 大臣は、許永中やあるいは許永中関連企業と面識がおありなんでしょうか。
#458
○国務大臣(西田司君) 先般、一部の週刊誌で、憶測に基づいてあたかも私が許永中被告や石橋産業と極めて親しい関係にあるような記事が掲載されたことは、まことに私は遺憾であり、残念であります。
 私は、今までもたびたび申し上げておりますように、許永中被告や石橋産業とお会いしたことは一度もございません。また──よろしゅうございますか、それで。はい。
#459
○照屋寛徳君 大臣にお伺いいたしますが、あなたの所得等報告書、それから資産等報告書によると、二十億円の借金があるということですが、これは委員会では株式会社西田興産から借りているんだと、こういうことでしたが、間違いありませんか。
#460
○国務大臣(西田司君) 地方、国を合わせて約四十年間政治をやってまいりました。その間に、今御指摘になりましたように、数字を私も調べてみましたら、二十億四千万円の借り入れをいたしております。ただし、今御指摘があったように西田興産だけかということでございますが、戦中からいろいろと築いてきました会社の大半の株式を私が持っておるわけでございます。そういうことで、西田興産から政治資金として私は借り入れておるわけでございます。
 関連会社とか、他の企業とか、そういうところからは一切ございません。
#461
○照屋寛徳君 この二十億余の借金については何か担保を提供しておられますか。
#462
○国務大臣(西田司君) 私が西田興産の株式の七十数%を持っておるものでございますから、それを全部会社へ預けてあります。
#463
○照屋寛徳君 何株持っていらっしゃいますか。
#464
○国務大臣(西田司君) 私は、こういう仕事をやり出しましてから会社の経営というものには一切タッチをいたしておりませんので、今、おまえ何株持っているのかという御質問でございますけれども、きちんとした株数については私も記憶をいたしておりません。
 ただ、七十数%の株を持っておるということだけは頭の中にあります。
#465
○照屋寛徳君 経営と株式は別なんですよ、株式会社は。経営のことにかかわっていないから自分の持ち株知らないなんというのは話にならぬでしょう。ここは問題だから答えてください、具体的に。
#466
○国務大臣(西田司君) 今資料が手に入りましたので、御報告いたします。三十三万五千株でございます。
#467
○照屋寛徳君 大臣は、株式会社西田組の相談役だという報告書を提出しておりますが、それは事実なんでしょうか。
#468
○国務大臣(西田司君) 先ほども申し上げたとおり、私は、株式会社西田興産の大株主でございます。
 先ほども申し上げたように、若いときから町長とか国会議員とかをやってまいりましたので、会社の経営等につきましては一切タッチをいたしておりません。
#469
○照屋寛徳君 ちゃんと質問を聞いて答えてくださいよ。西田組ですよ。西田組の相談役をしているんですかと聞いている。
#470
○国務大臣(西田司君) 西田組。
#471
○照屋寛徳君 はい。
#472
○国務大臣(西田司君) そういうものは私は知りませんよ。何か間違いじゃございませんか。
#473
○照屋寛徳君 とぼけないでくださいよ。間違っているのはあなたでしょう。あなたの報告書を見てごらんなさいよ。
 自治省、だれか答えてください。あなたは株式会社西田組の相談役だといって毎年報告しているんですよ。冗談じゃないよ。間違っているのはだれだよ。
#474
○国務大臣(西田司君) 私は、残念ながら西田組という名前はきょう聞くのが初めてでございます。私は、株式会社西田興産については大臣就任を機に相談役も辞任をいたしておるところでございます。
#475
○照屋寛徳君 あなたの資産等報告書に西田組の相談役となっているでしょう。事実は違うんですか。虚偽の報告したのかね。
#476
○政務次官(荒井広幸君) 西田組という記載はございません。
#477
○照屋寛徳君 ないの、資産等補充報告書にありませんか。
#478
○政務次官(荒井広幸君) ただいまの資産等の報告書、これは自治省の所管ではございません。
#479
○照屋寛徳君 では大臣に聞きますが、あなたは肱川漁業協同組合の組合長、代表理事をやっていますか。
#480
○国務大臣(西田司君) 要請を受けて組合長になったことは事実でございます。しかし、大臣就任と同時に、兼務はできませんので、私は組合長代行を置きまして、そして今、組合経営にはタッチをいたしておりません。
#481
○照屋寛徳君 私は、国会議員やあるいは大臣が漁協の組合長をしておるのを驚きましたよ。水産業協同組合法による組合員資格の要件を明らかにしてください。
#482
○政府参考人(中須勇雄君) 漁業協同組合の組合員資格につきましては、いわゆる海面漁業を行っている組合と内水面漁業で異なっております。
 ただいまのお話の関連で言えば、内水面漁協の正組合員の資格ということになりますと、地区内に住所を有し、かつ漁業を営み、もしくはこれに従事し、あるいは河川において水産動植物の採捕もしくは養殖をする日数が三十日から九十日までの間で定款で定める日数を超える漁業者、そのほか漁業生産組合等が正組合員資格を有すると、こういうふうに法律で定められております。
#483
○照屋寛徳君 大臣、あなたは漁協の正組合員なんですか准組合員なんですか。それとも、どういう資格で組合長になられたんでしょうか。
#484
○国務大臣(西田司君) 私は、正組合員でございます。
 なお、肱川という私の内水面漁協は、流域の非常に大事な会でございます。今の御質問を聞いておって、何か自分で飛び出てなったような印象があるんじゃないかと思いますが、私は決してそういうことではございません。いろいろな河川環境の問題あるいは今の内水面漁業者の問題、そういうことを強く要請を受けてなったわけでございます。(「立派だ」と呼ぶ者あり)
#485
○照屋寛徳君 何が立派ですか。
 大臣は、そうすると漁業を営み、またはこれに従事する正組合員の要件を満たしていると思うんですか。
#486
○国務大臣(西田司君) 私も、子供のときには毎日のように川につかって魚をとっておりました。しかし、現在は私は漁業を直接はやっておりません。しかし、何とかして川をよみがえらせて、何とかして流域を発展させていくという情熱は人に負けないつもりでございます。
#487
○照屋寛徳君 これは大問題ですよ。
 水産業協同組合法には、ちゃんと正組合員資格とあるんですよ。子供のときに魚とっておったから組合員、冗談じゃないよ。
 農水省、答えてください、まじめに。これは笑い事じゃないですよ。
 大臣に本当にそういう資格はありますか。
#488
○委員長(岡野裕君) どちらにしますか。
#489
○国務大臣(西田司君) 誤解をされては困ります。
 私が子供のときにと言ったのは、例えの話をしたのでありまして、私は厳然とした正組合員でございます。
#490
○照屋寛徳君 農水省、漁業に従事しない、漁業も営まない者が正組合員ですか。
#491
○政府参考人(中須勇雄君) 私、先ほどお答え申し上げましたように、内水面漁業と海面漁業では若干性格が異なっておりまして、確かに海の方の組合では、漁業を営むあるいは漁業に従事するということが基本的要件になっておりますが、内水面漁協に関しましては、先ほどもお答えしたとおり、河川において水産動植物の採捕もしくは養殖をする日数が一定日数以上の者ということでございまして、いわゆる遊漁者を含めて組合員資格があり得ると、そこが異なっておるわけでございます。
#492
○照屋寛徳君 これは、どんなに弁解しようがおかしいんですよ。いずれまた追及しましょう、大臣が正組合員の資格を満たしているかどうかね。
 さあ、小さいころ魚をとった大臣でもお目にかかったことのないジュゴンの話をやりましょう、ジュゴンの話を。(資料を示す)
 ヨルダンのアンマンで開かれた総会で、ジュゴンやノグチゲラやヤンバルクイナの保全を求める勧告決議がなされました。ところが、あのIUCNの勧告決議に日本政府は棄権したんですね。
 その理由をお聞かせください。
#493
○国務大臣(河野洋平君) 採択された勧告決議におきまして、我が国及びアメリカに対し、ジュゴン、ノグチゲラ及びヤンバルクイナの生存の確保を助けるための適当な措置を講ずることが要請をされていますが、政府としては、これらの動物の保護策のあり方については今後よく検討していく必要があり、確たることを申し上げることは困難であることから、勧告決議の採択に際し、コンセンサスに参加をしなかったというものでございます。
#494
○照屋寛徳君 私は、この貴重なジュゴンを保護するというのは、もう国際社会のこれは責務だと思うんですね。
 それで、IUCNの勧告決議における日本政府への四項目、そして日米両政府への二項目、合わせて六項目の具体的な要請について、各項目ごとに政府はどういう対応をとられるか、外務大臣、環境庁長官にお伺いいたします。
#495
○国務大臣(河野洋平君) 海牛目ジュゴン科といいますか、このジュゴンが貴重な種であるということは私も十分承知をしております。さらに、沖縄にはヤンバルクイナであるとかノグチゲラであるとかホントウアカヒゲであるとか、鳥を愛する人間にとってみれば本当に貴重な種が幾つか残っているということも承知をいたしておりまして、沖縄周辺がその種の保存に十分配慮をされなければならないというふうに思っております。
 議員が御指摘になりました決議でございますけれども、この決議は主としてジュゴンに対しまして、もちろんノグチゲラとヤンバルクイナも言及がございますが、主としてジュゴンに対しまして、できるだけ早期に調査をしろと、そしてその種が生存できるような状況を確保しろと、概略こういうことがその決議の中で書かれているわけでございます。
 私どもとしては、その保護策について具体的に、今そうした決議に自分で賛成をして、自分自身ができるかどうかということについてもっとよく検討する必要があるということから、コンセンサスに参加をしなかったというふうに私は報告を聞いております。
 私としては、こうした種の保存が今極めて重要だと考えておりますから、政府としては、その決議のコンセンサスに参加したしないではなくて、それもさることながら、この種の保存のためにはできる限りの措置をとる必要があるというふうに考えております。
#496
○照屋寛徳君 環境庁、IUCNの勧告、要請についてどういう具体的な対策をとられるか。
#497
○政務次官(河合正智君) 照屋先生にお答えさせていただきます。
 国際自然保護連合、IUCN総会の勧告決議は、沖縄のジュゴン等の保全への国際的な関心の高さのあらわれと認識をいたしております。
 以下、個別に勧告への対応を述べさせていただきたいと存じます。
 対日本国政府に対してでございますけれども、勧告の(1)の(a)、ジュゴンの生息地やその周辺での軍事施設の建設に関する自主的な環境影響評価を早期に実施することに対しましては、普天間飛行場代替施設の建設に当たりましては、昨年十二月二十八日に閣議決定されました「普天間飛行場の移設に係る政府方針」に基づきまして、防衛施設庁におきまして環境影響評価を実施いたしますとともに、その影響を最小限に食いとめるための適切な措置を講ずるものと聞いております。
 また、これとは別に、防衛施設庁におきまして、現在、ジュゴンの生息状況に係る予備的調査を実施しているところと承知いたしております。
 次に、勧告(1)の(b)でございます。ジュゴンの減少を食いとめ、その回復に資する保全措置を早急に実施することに対しましては、ジュゴンにつきましては文化財保護法に基づきまして天然記念物に指定されております。捕獲等が規制されておりますし、また水産資源保護法によっても採捕が禁止されているところでございますが、ジュゴンの保護のためにさらにいかなる対応が必要かにつきましては、今後検討してまいりたいと存じております。
 次に、勧告(1)の(c)につきましてでございますが、山原の生物多様性や絶滅危惧種及びジュゴンの保全計画を早急に作成し、詳細な調査を実施することという勧告につきましては、環境庁におきましては国立公園の指定を念頭に置きまして山原地域の自然環境の調査を実施しているところでございます。
 また、ノグチゲラやヤンバルクイナにつきましては、種の保存法に基づきまして国内希少野生動植物種に指定しております。さらに、ノグチゲラにつきましては、保護増殖事業計画を策定しているところでございます。ジュゴンにつきましては、環境庁におきまして国内外の研究論文等の収集調査を行っているところでございます。
 次に、勧告(1)の(d)でございますが、山原の世界自然遺産への登録を検討することに対しましては、世界遺産への登録につきましては国内法上その保護のための措置をとることが必要とされております。環境庁におきましては、国立公園の指定を念頭に置きまして調査等を進めている段階でございまして、世界遺産への登録につきましてはその次の段階と考えております。
 次に、日米両国政府に対する勧告でございます。
 勧告(3)の(a)でございますが、自主的な環境影響評価の結果を考慮し、ジュゴンの生存を助けるための適当な措置を講ずることに対しましては、環境庁といたしましては、防衛施設庁による環境影響評価の実施等に際しまして、ジュゴンの保護を含め環境保全への十分な配慮がなされるよう対処していく所存でございます。
 次に、勧告(3)の(b)でございますが、勧告(1)の(c)の調査を踏まえまして軍事施設建設等の環境影響評価を行い、ノグチゲラ等の保護対策を講ずることにつきましては、北部訓練場のヘリパッド移設につきまして防衛施設庁におきまして自然環境調査等を実施したところと聞いております。
 環境庁といたしましては、希少な野生動植物の種の保存の観点から、必要に応じ防衛施設庁に対しまして助言を行ってまいりたいと、かように考えております。
 以上でございます。
#498
○照屋寛徳君 現在、防衛施設庁が予備的な調査を行っております。私は、この調査は普天間代替施設の建設を前提とした調査ではなくして、あくまでもジュゴンの保護を前提にすべきだと、こういうふうに考えておりますが、防衛庁長官の見解をお伺いいたします。
#499
○国務大臣(虎島和夫君) これは、この間も参議院の外交・防衛委員会で実は質問がありまして答えたわけでありましたが、委員からはジュゴンの保護、それを目的としているということなんですねという発言がありましたので、私としては、非常にこれは希少な種であるから、そのような流れになるとは思うけれども、防衛庁としては要請を受けて調査に入ったということであると。しかも、それは政府においてつくられておりますし、地元の知事さん方も入っていらっしゃいます協議会において要請を受けたのでそれらの措置をとっておるところであるという答弁をいたしましたが、見解としてはそのとおりであります。
#500
○照屋寛徳君 私は、重ね重ね外務大臣、防衛庁長官、そして環境庁に対して、もう沖縄がジュゴンの生息する北限だと言われておりますし、もう明治以来、あるいはもしかすると私ども人類より先にジュゴンがあの地域にすんでおったかもしれません。また、そのとおりだろうと思います。そういう自然と共生していけるような、希少なジュゴンと共生していけるような、そういう自然保護の施策を十分とっていただきたい、こういうふうに思います。
 それでは、ジュゴンからまたいきなりKSDの問題に移ります。
 そのKSDの古関前理事長の逮捕容疑を法務大臣、明らかにしてください。
#501
○国務大臣(保岡興治君) お尋ねの事件については、東京地方検察庁において、十一月八日、財団法人ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団の元理事長、古関忠男ら三名を業務上横領の罪により逮捕したものと承知しております。
 逮捕事実の要旨は、財団法人の理事長などとして財団法人の預金の管理等の業務に従事していた被疑者らが、被疑者古関忠男の私的用途に充てる目的で、それぞれ共謀の上、事情を知らない財団法人経理部職員等をして、ほしいままに財団法人のため業務上預かり保管中の預金合計約八千九十五万円を横領したというものであると承知しております。
 東京地方検察庁においては、所要の捜査を遂げ、適正に処分をするものと存じます。
#502
○照屋寛徳君 労働大臣、まずこの古関前理事長の逮捕をどのように受けとめておるんですか。
 KSDは公益法人なんですね。労働省から許可をもらった公益法人なんです。これまでの公益法人としてのKSD、どういう問題が労働省から見てあったんでしょうか。
 この二つをお聞かせください。
#503
○国務大臣(吉川芳男君) 私も今回のような大規模なのは聞いたことがないと率直に申し上げたことがあるわけなんですけれども、やっぱり西洋のことわざに、絶対の独裁は絶対に腐敗するという格言があるそうでございますけれども、私もやっぱりこのことが当てはまるのではないかと。初めの理事長の志というものは立派だったと思うのでございますけれども、だんだんなれてくれば、やっぱり身内かわいさのために、どうも事件があるということについては、私も大変に遺憾としておるところでございます。
 それから、今後のKSDの運営につきましては、数次にわたり指導を行ってきたにもかかわらず今般KSDがこのような事態になったことは極めて遺憾でありますが、本事案については東京地検特捜部の捜索が行われているところであり、その推移を見守りたい。これを見守るしかないと思うんですね、ここで我々がいろいろ議論しても、御本人もここにいらっしゃらないわけですから。
#504
○照屋寛徳君 前理事長が逮捕されていようが、私は真相究明できると思うんですよ。理事長が細々とした経理にタッチしているわけじゃないでしょう。そんなことじゃ労働大臣、だめですね。
 それで、公益法人であるKSD、このKSDの会員をもってKSD豊明会というのが任意団体としてつくられているんです。KSDの会員はみんなKSD豊明会の会員なんですね。これは、こういうやり方というのは、公益法人の趣旨に反しませんか。どうですか。
#505
○国務大臣(吉川芳男君) 今、委員の言わんとするところはちょっと聞き取りにくかったわけなんでございますので、なんですけれども──今、宮澤先生から発言の御趣旨をお聞きしまして、公益法人にやっぱり身内がたくさん入っているということは好ましくないと思っております。
#506
○照屋寛徳君 公益法人たるKSDの会員をもってKSD豊明会という任意団体をつくる、丸ごと会員を移して。こういうことが公益法人の趣旨に合致しているんですか。
#507
○政府参考人(野寺康幸君) 豊明会の定款の方に、確かに先生がおっしゃるとおりKSDの会員は自動的に豊明会の会員になるということになっておりますが、豊明会がそもそもKSDから主要な事業として請け負いました福利厚生事業をやるということになっておりますので、これについては特に公益法人であるからといって問題はないというふうに考えております。
#508
○照屋寛徳君 KSDからKSD豊明会へ年間約三十億円が補助金として流れ、そしてKSD豊明会から政治団体豊政連に五年間で約三億円、自民党の豊明支部に五年間で約三億円、これが献金、いわゆる寄附されているんですね。
 私は、このことについては自民党とかかわることなのでぜひ総理に、総裁としての総理に調査をして、事実関係の調査を含めてやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#509
○国務大臣(森喜朗君) たびたび申し上げておりますように、財団法人の方は理事長が今逮捕されておりますから、この捜査の推移を見守りたいと、こう思っています。
 任意団体との関連は、その財団法人との関連性もありますので、私どもの方から、それがどういう事情に、どういうふうになっておったかということは、これは私どもとしては調べようがないと思っております。
 ただ、同支部から寄附を受けていた、自民党の支部としての党への会費が払われ、党費が払われていたということについては承知をいたしておりますので、これにつきましてのいわゆる政治資金規正法に基づく報告については私どもはそれを確認いたしておりますし、また事務局の方でもその確認を、政治資金規正法の中で問題ないということで私どもは報告を受けております。
 ただ、こういう状況になっておりますことについては私も大変遺憾だと思っておりますし、先ほど申し上げましたように、まずは理事長の捜査といいましょうか、このことが出てくるまでこれを見守るのが私は適切だというふうに考えております。(「時間」と呼ぶ者あり)
#510
○委員長(岡野裕君) 時間が参っております。
 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。
    ─────────────
#511
○委員長(岡野裕君) 次に、田名部匡省君の質疑を行います。田名部匡省君。
#512
○田名部匡省君 総理、きょう、パラリンピックの選手が官邸にあいさつに来ているという、まことに申しわけありません。
 私は、近年この国が何かおかしいと感じているんですね。私ばかりではなくて、本当にこの国はおかしくなったなと。総理はどのように感じて、どうあるべきだというふうにお考えか、御所見を伺っておきたいと思います。
#513
○国務大臣(森喜朗君) おかしいというのはどの範囲のことをおっしゃるのか、どうも私もわかりませんが、こうして新しい世紀に入るわけでありますから、従来と違って、国際化がどんどん進むとか、あるいは少子化、高齢化が非常なスピードで進んでいくとか、またいわゆるIT革命と言われるように情報というのはどんどん行き交うという時代になっていきますし、この間のAPECでも各首脳が議論をしたんですが、このグローバル化というこういう方向が、これも物すごく急激に進んでいる。そういう意味では、従来の仕組みというものがなかなか現状とは合わなくなってきているということがあるだろうと思います。そういう意味では、それがおかしく、変になっているということは言えないと思いますが、一つの過渡期として解決しなければならぬところはたくさんあると思います。
 田名部議員はスポーツの専門家でありますから、教育の面におきましてもどうもやはり昔の、これまでよかったなという、ある程度の一つの目的に達したのかもしれませんが、この教育制度でよかったのかなという思いはやはり田名部議員にもあると思いますし、スポーツも大変いい、プラスの面もありますし、明るさもありますし、今御指摘ありましたように、パラリンピックの入賞者の皆さんが今官邸にお見えになって、私から顕彰することになっておりましたけれども、今かわりに副長官が行っておりますが、こういう障害を持つ皆さんが努力をして、涙ぐましい努力をして、国民に、これだけのことをやれるんだよ、つまり可能性というものに挑戦をしてそういうことを国民に見せてくださるというのはとても私は崇高なことで、スポーツ関係に一番詳しい恐らく田名部議員も大変感動を持っておられると思います。
 しかし、それじゃ果たして、今の一般の子供たちや若者がスポーツというものをどう考えているんだろうかと思えば、どうもその辺については余り希薄、情熱がないんじゃないかなという、そんな思いもあります。
 各般、いろんな社会の制度、仕組み、物の考え方、確かに一つのやはり新しい価値観というものを求めていかなければならぬということは、私もこれは否定できないと思います。ただ、すべておかしくなったな、変になったなということは、総理という立場では申し上げるということは適切ではないんじゃないかなと思います。
#514
○田名部匡省君 私がおかしくなったなと思っているのは、国民の生命や安全を守る政治家、公務員、こういう人たちが毎日マスコミに登場してくる。警察の不祥事、あるいは教員、調達本部、最近では治してくれる病院が人を、命を失う。これを見ておかしいと思わないのかな、そんな気がしているんですね。ですから私は、何か役所にも使命感というのはなくなったのかなと。緊張感もなくなったし、割合無責任なんですよ。今までの答弁を聞いておっても何か人ごとのような、逮捕されているから確かにKSDの理事長にもそれは聞くわけにもいかぬと。聞くわけにいかぬけれども、それまでの間の調査というものはなかったのかどうか。
 前に続総務庁長官にも特殊法人のことで、これ、ばらばらなものですから余りにも多いんですよ、関係しているところが。公益法人はどこだ、特殊法人はどこだ、天下りだけ見ても民間は、人事院だとか、役所でもいっぱいあるんですよ。
 この間聞いたんですけれども、そんなに調査しておったらオウムとか法の華というのはわからなかったんですかと、こういう質問をしました。今のKSDの問題もこんなになるまで何で全然調査しなかったのか。そういうところが何か無責任だなという感じがして。そればかりではありません。子供たちも問題を起こす。しかし、大人の方がだらしなくて、子供の法律だけつくってびりびりやるなんというのもこれはおかしな話ですよ。だから私は、この国は本当におかしくなったなと、こういうことを申し上げたので、その感じをお伺いしたい。
#515
○国務大臣(森喜朗君) 田名部さん、そういう意味で嘆かわしい時代だなという、そういう思いだろうと思います。私個人としてもそういう思いはないわけではございません。
 今、言葉の中に使命感とおっしゃいましたけれども、確かに子供たちが教育のプロセス、過程の中で使命感というものを持つ。なぜ医者になるのか、なぜ教師になるのか、なぜお巡りさんになるのか、看護婦さんになるのかという、そういうやっぱり使命感を持って、その使命感がとうといものだという価値観を、指導あるいは助言、あるいは学校における教育、そういうものが残念ながらやはり私は少しおざなりになっていたなと思います。
 学校にしても、上級の学校に行けばいいところに就職ができていい生活ができるんではないかという、それだけのことを方向づけてきたけれども、今の時代はそうではなくなったことはもう明確なわけでありますから、そういう意味では価値観もまた変わってきた。
 改めて、そういう意味で人づくりの問題を今ぜひ二十一世紀の大変大事な問題として、亡き小渕総理がこのことに思いをいたし、そして今、各般の皆さんから御意見をいただき、間もなくそのことも答申をいただいて、そしてまた国会で各党、各諸先生のいろんな御意見を伺いながら、我々の責任として二十一世紀をしっかり支えてくれる子供たちへの教育の仕組みも考えてみたいというふうに私も思っているわけです。
#516
○田名部匡省君 そこで、宮澤大蔵大臣が適当かどうかちょっとわかりませんが、少子化、高齢化の時代を迎えて、これからも相当のスピードで行くわけですけれども、日本の将来というのはどうなるとお考えですか、財政面も含めて。
#517
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、自分にこれ申していることなんですが、私もどうもおかしいと思うことがいろいろありますけれども、自分自身が年をとって何か愚痴っぽくなっちゃいかぬなと、これは私、自分に言っていることですが、そういうこともあって、基本的に考えますと、我々のこの民族と申しますか、日本人というのは大丈夫であって、そして二十一世紀、アメリカが随分先へ行っちゃったようですけれども、それは我々ちゃんと努力をして、その差は詰めていかれるし、きっと違う時代になっても我々の子孫はそれにふさわしいように生きていけるに違いないと確信しています。
 財政のことは、まことに申しわけない、心配でございますけれども、それでも経済をちゃんとやっていけばマネージできないことはないと思っております。
#518
○田名部匡省君 私は、いい面もあるんでしょうけれども、しかし相当税金を納める子供たちが生まれていない、しかし一方では新幹線もつくる、空港もつくる、あれもつくると。乗る人もいない高速道路をつくったって、将来はもうこれ走る人はいなくなるんじゃないかと、減っちゃって。料金が入ってこなきゃこれが借金になっちゃうというようなことが起きてくる。家を建てる人もいなくなる。一人っ子ですから親の家をもらえば、兄弟がいっぱいいればあっちこっち行ってつくったけれども、建設大臣の言っているようにはいかなくなってくる、そういう面を私は感じているんです。
 そこで、いつまで景気対策を続けるのかということなんですね。私は大臣にお仕えして平成四年ぐらいからもう今日までずっとやってきた。その結果はどうだったのか、まだ続けるのか、いつまで続けるのかということ。
#519
○国務大臣(宮澤喜一君) しょせんは、国民の皆さんが働く意欲のある人は働けて、そしてまずまずの生活をしてもらうと。失業や貧窮の恐怖におののかされることがないようになるまで続けなければならないと思います。
#520
○田名部匡省君 いつごろまでだかはお答えがなかったんですが、しかしいずれにしても、国債増発によって市場の消化に心配ないのか、あるいは金利の上昇はどうなると考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#521
○国務大臣(宮澤喜一君) 決して心配ないと申し上げているのではないのですが、国債は今でも十年国債が一・七、一・八ぐらいのクーポンレートで実際に売れておって、それが金融資産として大事にされておるということから考えますと、この管理さえ間違えなければ、確かに債務が多いので国の国債費が大変でございます。そういうことはいろいろ心配すれば切りはありませんが、日本の国債というものが信用を失うといったようなことは、我々の子孫は、私どもはしませんが、子孫もしないでくれるだろうと思います。
#522
○田名部匡省君 だから、私は少子高齢化を迎えてどうなさるんですかということをお伺いしているんであって、今度与党内で無利子国債の発行の何か構想が出たりなんかしておりますけれども、いずれにしても、我々が借金したものは子供たちが返していく、孫たちが返すと。この責任感というものを持ってかじ取りをしていかなかったらいかぬと私は思うんですね。
 そこで、その国債の借換債と合計してどのぐらいになりましょうか。
#523
○国務大臣(宮澤喜一君) 毎年の、例えばことしぐらいでございますと、総発行額あれこれ含めまして八十五兆とか、そういう数字でございます。
#524
○田名部匡省君 来年のまたこの市場での販売額というのはどのぐらい想定されておるのか。
#525
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、例えば財投機関債といったようなものは、これは国債ではございませんが、財投債は今度新しく出ますので、やはりその借りかえ等々含めますと百兆オーダーの、そのぐらいを考えておかなきゃならない。正確にはまだ申し上げられません。
#526
○田名部匡省君 いいところはいいんだろうと思うんですが、もうだめなところは機関債発行したってこれはできるかどうか。何かマスコミ報道によると、大蔵省、三つの特殊法人が何かえらい反対しているという話を聞いたんですが、本当でしょうか。
#527
○国務大臣(宮澤喜一君) 機関債について国会がお考えになられましたことは、野方図に国が金は見てくれるということであっては、財投機関というものはまことに経営が放漫になると、したがって自分で機関債が出せるような努力をさせろと。
 これはごもっともなことでありますので、今財投機関というものが自分の機関債が発行できるかどうかを市場で一生懸命努力をしている。自分がそれだけいい機関にならなければ信用がつきませんので、そういう意味で機関債を自分で出させるということは、必ずその機関をいわばリストラクチャーさせるそういうよすがになる、その考えは間違いないと思うんですが、ただ、何分にも市場で一種のランキングをもらいませんと発行ができないということで、ただいまの現状でまあ全部合わせましても数千億、一兆出せるかどうか。
 苦労することがいいことでございますので、国会のお考えあるいは私どものやり方は間違ってはいないのですが、おっしゃいますように、そう簡単に機関債だからといって出せるのではないという実情は確かにそうでございます。
#528
○田名部匡省君 そこで、私は本会議でも言いましたように、国民に負担を求める前に、国も徹底的にやっぱり節約をするという姿勢が大事だと思うんですね。国民は納得しませんよ、このままでは。
 例えば、特殊法人は七十八もありますし、赤字でもお給料をもらって、ボーナスをもらって、退職金をもらう。こんなことをやっておって、国民はそれは黙っているわけがないですよ。ですから、総務庁長官、これは何回か行政監視委員会でやりましたが、どういうふうに思いますか。
#529
○国務大臣(続訓弘君) 田名部委員からは今御案内のように行政監視委でいろんな御質問がございました。行政監視委といえば、参議院では大変ユニークな委員会でございました。それこそ、与野党問わず本音の議論ができる委員会でございました。初代委員長がそこにおいででございますけれども。そういう中で議論されたことは、今、田名部委員がおっしゃるように、この国のありようを真剣にお互いに考えようじゃないかと。その中で特に田名部委員がおっしゃったのは特殊法人の改革の問題でございました。
 このことにつきましては同じ問題意識を持ちまして、森総理から八月四日に、全閣僚がメンバーとなる行革推進本部の中で、八事項二十四項目にわたる具体的な議論をやりなさいと、そしてその議論は今年中に結論を出せと、こういう指示をいただきました。
 私どもは、与党三党と真剣な議論を闘わせながら、またその議論を踏まえながら、近々のうちに結論を出させていただこうと、こんなふうに思います。その結論は、先ほど申し上げたように田名部委員の御主張も十分入っておりますので、御安心ください。
#530
○田名部匡省君 もう時間がありませんので、外務大臣、ODAの大綱が本当に守られているのかどうかというのをちょっとお伺いしたいんですが。
#531
○国務大臣(河野洋平君) ODA大綱の中には四つのポイントが指摘をされております。ただし、このODA大綱は、その四つのポイントを一つずつ見るということと同時に、総合的な判断ということも考えていかなければならないわけでございまして、そうした総合的な判断をしつつODAを実施しているというのが今の状況でございます。
#532
○田名部匡省君 米についても五十万トンの支援、まあいい。ことしは米は余っているんですよ、豊作で。来年は相当減反をやってもらわなきゃならぬという状況の中で、みんな見ていると、米が余っているからやるんだろうと、こういう感じですよ。
 それで、もし余っていなかったら、日本も余剰がなかったら、これはお金でやるのか、買ってやるのか、どういうことをやるんですか。
#533
○国務大臣(河野洋平君) 北朝鮮に対する米の支援についてのお話でございますが、これは我が国として、近隣諸国で食糧に極めて乏しいという状況になっている国があれば、それは人道的支援として我々としては考えなければならないというふうに思います。
 そして、さらに国際的に見ましても、北朝鮮に対する人道支援を行う必要があると、こう考えておりますし、また北朝鮮を取り巻く最近の状況は、緊張緩和の方向への動きが、これは兆しでございますけれども出ている。この兆しを後押しするという意味からも、こうした支援が今必要ではないかというふうに考えているわけでございまして、今まさに議員がおっしゃったように、余っているからやる、余っていなきゃやらないというものではないというふうに思います。
#534
○田名部匡省君 北朝鮮は毎年足りないんですよ、ことし助けてもらえばあとはいいという話でなくて。そういうこともあるし、きょう拉致問題のこともいろいろ議論されましたが、私は、これが公になって本当に帰してもらえるんだろうか、もし帰ってくれば、どういうふうにしてやられたのか一遍にしゃべっちゃう、しゃべられたくないと思ったら帰さないんじゃないかなと、私は何となくどうかされるんではないだろうかという不安をちょっと感じましたが、どうお考えですか。
#535
○国務大臣(河野洋平君) 米の支援が直ちに目に見える形で、これを出したから何が起こる、何が解決をするという、直接つながったものだというふうには実は考えられない状況でございます。
 現在の日本と北朝鮮との関係を考えれば、双方が交渉相手をいかに信頼するかということを、その信頼を醸成していくということもまた交渉の前段階として必要であろうというふうにも考えておりまして、先ほど申し上げましたように、人道的支援ということについては、我々としても積極的にこれを行うことがよいのではないかという判断でございます。
#536
○田名部匡省君 ちょっと最後に……
#537
○委員長(岡野裕君) 時間がなくなっております。よろしいですか。
 以上で田名部匡省君の質疑は終了いたしました。
    ─────────────
#538
○委員長(岡野裕君) 次に、石井一二君の質疑を行います。石井一二君。
#539
○石井一二君 自由連合の石井一二でございますが、会派、二院クラブ・自由連合を代表して質問をいたします。
 総理以下各閣僚におかれましてはお疲れと思いますが、最後の質問者でございますので、ひとつよろしくお願いをいたします。
 総理、支持率が下がったとか何か言われていろいろ大変だと思いますが、私はやはり国民の目から見て、なぜあんなことをするんだろうとか、なぜあんなことを言うんだろうというようなことがない方がいいんじゃないかと思うんです。その中の一つとして、今も話が出ましたし、沓掛議員の質問に対して外務大臣から御懇切な答弁もございましたけれども、北朝鮮の米支援の問題について、総理は最高責任者として、いつ、だれが決めたのか、またどう考えておられるのか、特に森訪朝団密約説というものがございますが、ちょっとその辺の御見解を賜りたいと思います。──いや、ちょっと、特に総理から頼みたいんです。
#540
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと事実関係だけ。
 先月のことでございますが、WFPのアピールその他を見まして、私どもとして、今、田名部議員に御答弁を申し上げましたが、総合的な判断をして、これは五十万トンの米支援を今行うことが有効だというふうに考え、政府としてこうした判断をさしていただいたわけでございます。
#541
○国務大臣(森喜朗君) 九七年の与党訪朝団のときに参りましたときには、全体会議でもございましたが、そういうときにはそうした具体的なお米の話などは出ておりません。その後、非公式にそれぞれのレベルでそれぞれの党の皆さんが個々にいろんなお話をされておられました。そういう非公式の場におけるやりとりで食糧についての希望が出ておりまして、食糧困難にある北朝鮮側としては食糧が非常に逼迫して厳しいという、そういうお話はございましたけれども、具体的にこういうふうにしてほしいとか、また私どもからこういうことでお手伝いしましょうとか、そういうことは一切申し上げておりません。
#542
○石井一二君 ごく簡単に五十万トンと言いますけれども、いろいろ聞いてみますと五百万人の人間が一年間食べていけるという膨大な量なんですね。
 それで私は、うがった考え方かもしれませんが、これは野中自民党幹事長がかかれた一つの政治的な絵じゃないかと思っております。
 まず、村山、森両訪朝団に国会議員として両方とも参画されたのは当時野中官房長官お一人だけなんです。それから、野中さんの隣の村に中川泰宏さんとおっしゃる方がおられます。この方は京都南丹農協の組合長で、全農の理事です。ここにパンフレットもございますが、この組合のナンバーツーが野中さんの弟さんなんです。野中一二三さん、一二三と書いて私の兄貴みたいな名前ですが、こんな怖い顔をしたおじ様でございますが、「国のための都道府県やない 通達を後生大事にしないこと」という恐ろしいことをおっしゃっております。町長さんでもありますが、農協のナンバーツーであります。
 この人たちはずっと熟知した深い深い友好関係もあろうかと思いますけれども、中川さんが、この方が両訪朝団の間に六回訪朝していろんな接触を持たれて、こういった話をしておられると。特に全農の、政府に対する米百万トン支援要請決議案の発議者で、全農でそういう決議をして米を出せということを政府に圧力をかけられたのもこの方なんです。
 御承知のように、新食糧法ができてから、百五十万トン在庫がたまった場合、生産者にも財政的な負担をかけようというような動きになっておりますから、それに対して米をどこかへ処分したいというような強いお気持ちがあったんじゃないかと思います。
 それで、この中川さんの北朝鮮の交渉相手が北朝鮮の対日交渉責任者の金容淳という方なんです、いつも接触しておられる方が。それで、この方は、ここにございますが、文芸春秋の十二月号にこのようなことを言っておられます。「わが国は衣食住問題を基本的に解決しています。」、「「日本が謝罪の意味でコメを送ると言うのに受け入れないことはない」ということです」と、こういうように考えておられます。
 私は、向こうの食糧難の実態というものに対して誤認が、ないのじゃないか、そのようなまず心配をいたすものであります。人道的人道的という言葉が出てそれがすべてのように思われますけれども、拉致問題を初め、日朝関係というもので我々がとるメリットは何かといったらほとんどないわけであります。
 そういう中で、私はこの問題について国民の不満というものも非常に強いんじゃないかと思うわけでありますが、また自由民主党が五十万トン米支援決定に先立ってタイミングよく十二年の九月二十八日に緊急総合米対策というのを決議しておられますけれども、その中で七十五万トンまでの米支援はオーケーだということを書いているわけですね。だから、すべて政治的に書かれた中で正当づけられて美化された話になっているように思うんですが、何か総理、御見解ございませんか。
#543
○国務大臣(河野洋平君) 議員からいろいろと御説明がございましたけれども、私どもはそうした話を一切聞いておりません。
 また、政府間の交渉についても、私どもは私どもなりに議員間の、政党間の日朝の交渉が一つのきっかけといいますか、一つの要素となって復活をいたしまして、今回で三回の交渉を行いましたけれども、その間にそうした話が出たということは全く聞いておりません。
 また、米支援につきましても、タイミングがいいなというお話がございましたけれども、そうしたことも私どもが米支援について判断をいたした材料には外務省として全くなっておりません。
#544
○委員長(岡野裕君) 以上で石井一二君の質疑は終了いたしました。
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了をいたしました。質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#545
○委員長(岡野裕君) それでは、これより討論に入ります。
 討論の通告がございますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。羽田雄一郎君。
#546
○羽田雄一郎君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成十二年度補正予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。
 本補正予算は、日本新生、IT革命等を掲げておりますが、その内容は旧態依然の予算のばらまきであり、到底認めることはできません。
 以下、本補正予算に反対する主な理由を申し上げます。
 第一に、景気が回復基調にあると言いながら、大型の補正予算を編成した点です。
 宮澤蔵相自身、さきの通常国会において、十二年度当初予算は最後の積極型予算であると明言され、大きな補正をお願いするつもりはないと予算審議の中で繰り返されました。なぜ政府はこの時期に大型の補正予算の編成を行ったのか。六月の衆議院総選挙を目当てに公共事業等予備費の支出を決定したと同様、本補正予算が来年の参議院選挙を前にした選挙対策であることはだれの目にも明らかです。
 第二に、旧態依然とした従来型の公共事業中心の予算となっている点であり、二十一世紀に向け、福祉、教育、環境問題等に配慮もない、構造改革に踏み込んだ予算とはほど遠い内容となっていることです。しかも、既に地方自治体の多くは危機的な財政状況にあり、景気対策のための公共事業上積みを求めても地方自治体は実施できず、政府が意図する事業規模の確保は困難です。地方分権を政府も口にはされておりますが、小さな権限だけ移譲し、省庁再編だけしても本物にはなりません。権限、財源そして中央にいる優秀な人間、この三ゲンを地方に移譲していかなければならないと考えます。
 第三に、ばらまき財政の結果、さらに国債を増発し、危機的財政状況を招いている点であります。子供たちに何を残すおつもりですか。
 本補正予算では、公共事業の追加等のため二兆円もの国債を増発、これにより国債発行額は三十四兆六千億円と三年連続三十兆円台の国債発行が続き、年度末の国債残高は三百六十五兆円に膨らむ見込みであり、国債費は二十一兆円を超え、歳出全体の四分の一にも上り、財政の窮状は目を覆うばかりで、貴重な一兆二千億円に上る自然増収と前年度余剰金は国債発行削減に充当すべきです。
 以上、本補正予算に反対する主な理由を申し述べてまいりました。
 最後に、一言申し上げます。
 内閣支持率は政権末期と言われる一〇%台まで落ち込み、国民の大多数が森内閣に不信任を突きつけ、与党内部からさえ公然と森内閣の退陣要求が言われるありさまです。今や森内閣の一刻も早い退陣こそが大多数の国民の声であり、国家国民のためになることを申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)
#547
○委員長(岡野裕君) 次に、弘友和夫君。
#548
○弘友和夫君 私は、自由民主党・保守党、そして公明党を代表して、ただいま議題となりました平成十二年度補正予算三案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。
 賛成の第一の理由は、我が国経済の飛躍的発展に資する情報化推進型の予算となっている点であります。
 毎年四%を超える高い成長を続ける米国経済が、情報技術、すなわちITの発展に支えられていることは周知の事実であります。我が国においても、世界の潮流を見誤ることなく、ITを中心とした二十一世紀の発展基盤を整備することは、グローバル社会の政府に求められる喫緊の課題であり、国民に対し果たさなければならない責務であります。
 政府は、さきの経済対策でIT革命の飛躍的推進を大きな柱の一つに据え、本補正予算においては、地域に超高速通信網を整備する地域インフラネット基盤整備事業や新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業など、光ファイバー網の整備に資する施策を実施するとともに、教育の情報化に関連する施策に手厚い予算配分を行い、公立学校の校内LAN整備の大幅な前倒し、高速インターネットによる未来型教育の研究開発事業の実施、IT講習推進特別交付金の創設など、情報化時代を創造するための経費が約七千九百億円盛り込まれております。かかる施策が相まって、必ずやIT立国日本が誕生するものと確信いたすものであります。
 賛成の第二の理由は、公共事業の重点配分を行い、未来型社会の構築に資する内容となっていることであります。
 本補正予算では、二十一世紀における発展のかぎを握る情報技術関連の基盤整備はもとより、国民の生命と安全を守るためのダイオキシン対策など、循環型社会の実現のために二千七百億円の予算を計上するほか、高齢化に対応した公共空間のバリアフリー化の促進、交通渋滞の解消を図る都市基盤整備事業の推進など、いずれも国民が切に願う経費の拡充を図っております。これらの社会資本整備はすべて今まさに必要なものに限定され、しかも時代を先取りした経済構造改革に資するもので、高く評価いたすものであります。
 賛成の第三の理由は、将来世代に負担を先送りする赤字国債の発行を回避している点であります。
 経済の自律的回復への動きが出始めた現在、景気対策を行う中においても財政規律に配慮することは当然であります。政府は、今年度の税収増加分一兆二千億円、前年度剰余金一兆五千億円を活用することで、国債発行は社会資本の整備のための建設国債二兆円のみにとどめております。かかる政府の努力により、三年連続となる経済対策としては初めて事務費など経常的支出に充てられる赤字国債の発行が回避され、景気と財政の両面に十分配慮した予算となっております。
 以上、賛成する主な理由を申し述べました。
 政府におかれましては、本補正予算成立後は速やかに執行に移されるとともに、来年度予算の編成におきましても、本補正予算に息づく精神を生かし、我が国を希望に満ちた明るい社会に先導されんことを切にお願い申し上げ、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#549
○委員長(岡野裕君) 次に、小池晃君。
#550
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、二〇〇〇年度補正予算三案に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、景気対策にとって最大の課題である個人消費の回復に何ら有効な対策を立てていないことであります。
 森内閣自身、自律的回復に至らない原因が、なお厳しい雇用情勢と一進一退の消費の動向にあると分析しながら、補正予算では、肝心の雇用対策、個人消費拡大策について何一つ具体的な手だてをとっていません。それどころか、年金、医療、介護など社会保障の歯どめなき負担増が国民の将来不安を増大させ、消費を冷え込ませています。これでは、景気、財政をともに悪化させ、日本経済のゆがみを一層拡大させることにならざるを得ません。
 日本共産党は、昨年度の剰余金一兆円について、当然財政法の定めるとおり、少なくとも五千億円を国債の償還財源に充てた上で、残りの五千億円を公共事業ではなく、有珠山、三宅島、東海水害などの被災者支援、介護、医療の負担軽減、失業者のためのつなぎ就労などに充てることを提案しました。景気回復を言うのであれば、この道こそ一番確かな道であります。
 第二は、看板をかけかえただけで依然として大型公共事業中心のばらまき予算であることです。
 補正予算は二兆五千億円の社会資本整備費を中心として、国際空港、港湾、整備新幹線などの従来型の大企業、ゼネコン向け公共事業を大幅に積み増すものとなっています。IT関連公共事業も、既に世界最高水準にある光ファイバー網が余りにも料金が高いために使われていないという問題にメスを入れることなく、さらに敷設しようとやみくもに光ファイバーを入れる空間をつくるなど、むだな公共事業のための口実を新たに追加するものにすぎません。
 第三の反対理由は、危機的な我が国財政をますます深刻な状況に突き落とすものになっていることであります。
 昨年度の剰余金も今年度に見込まれる税収増分までもつぎ込んだ上、二兆円もの国債増発をするならば、長期金利の上昇を招いて景気の足を引っ張り、ひいては財政を破局的状況に陥れることは必至です。
 今回の補正予算は、もはや森内閣の存在そのものが景気回復にとっても財政再建にとっても障害物となっていることを示しました。国会の中では与党の数の力で不信任を抑え込んだとしても、国民の怒りを抑え込むことはできません。
 二十一世紀を目前にして、森内閣はもちろん、今の自公保政治の根本的転換こそが我が国の政治と経済を立ち直らせる道であることを指摘して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#551
○委員長(岡野裕君) 次に、清水澄子君。
#552
○清水澄子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、平成十二年度補正予算に対し反対の討論を行うものであります。
 ことし四月、森内閣が急遽発足してから七カ月が経過しましたが、森総理は就任直後から、天皇を中心とする神の国発言や教育勅語の賛美など、憲法の執行者としてあるまじき発言を繰り返し、最近も拉致疑惑者の第三国発見発言など、総理として信じがたい失態を繰り返してきました。
 その結果、森内閣の支持率は一〇%台にまで低下しています。与党内部からさえ、主流、反主流を問わず森総理の退陣要求が公然と出される中で、一昨日の不信任案、大量の欠席という事態を迎えたのです。
 さきには金融再生委員長と官房長官という二人の大臣の更迭もあり、こうした一連のてんまつは、もはや自民党にはみずから政治を改革し、国民の信頼を回復する能力がないことを証明しています。今や国民の失望は、森内閣を超えて自公保政権全体に対する退陣要求へとエスカレートしているのです。
 我が党は、一刻も早い森内閣の退陣こそが国民の声であることを申し上げ、以下、補正予算案に反対する主な理由を申し述べます。
 第一は、今回、かかる大型の補正予算を編成しなければならない必要性が極めて疑わしい点であります。
 経済は、企業活動面では回復の動きが続いており、ことし四月には宮澤大蔵大臣自身、景気回復のための補正予算は必要ないとの発言を繰り返していました。その後も景気に関する指標は順調で、経済企画庁自身、今年度の実質成長率を一・〇%増から一・五%増に上方修正したところです。
 一体、なぜこの時期に五兆円近い大型の補正予算を編成しなければならないのか全く納得できないのであります。
 反対の第二の理由は、いわゆる六百四十五兆円の借金を抱えながら、財政再建に取り組む姿勢が全く見られない点であります。
 本補正予算案では、景気の持ち直しによる税収増加も昨年度の純剰余金もすべて注ぎ込み、さらに二兆円もの国債を増発するとしております。
 今こそ貴重な自然増収と剰余金は国債発行の削減にこそ充当し、財政再建への方向を打ち出すべきであります。
 反対の第三の理由は、雇用対策の実効性が極めて疑わしい点であります。
 雇用情勢は依然として厳しく、失業率の高どまり、求人求職のミスマッチなど雇用をめぐる環境が構造的に変化しており、創業、起業を含む総合的な雇用対策の実施こそが何より求められております。
 ところが、本補正予算案の雇用対策は、四百億円と今回の景気対策予算全体のわずか一%にすぎず、また内容的にも小手先の対応が目立ち、現下の厳しい雇用環境を改善することは到底不可能であります。
 反対の第四の理由は、本補正予算は財政法第二十九条に抵触する疑いがある点であります。
 財政法は、補正予算編成の要件として、予算作成後に生じた事由に基づくことを定めております。
 しかるに、本補正予算案に盛り込まれたIT革命の推進、環境問題への対応などは、いずれも本来当初予算に盛り込むべき経費ばかりであります。シーリングのかからない補正予算を常態化させ、安易な予算計上を図り、子孫に膨大な負担を残す政府のやり方は断じて認めることができません。
 今、何よりも求められるのは、財政破綻、雇用、社会保障などについて国民が抱いている将来への不安を解消することであります。そのためには、財政支出依存体質から脱却し、構造改革を推進して景気回復を確実なものにするとともに、我が国経済の潜在能力を最大限引き出さなければなりません。しかるに、政府の経済・財政運営は、経済構造改革に背を向け、選挙目当ての予算のばらまきに終始する財政紊乱そのものであり、今回の補正予算案は到底容認できないことを申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)
#553
○委員長(岡野裕君) 以上をもって討論通告者の発言はすべてこれを終了いたしました。討論は終局をしたものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 平成十二年度一般会計補正予算(第1号)、平成十二年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#554
○委員長(岡野裕君) 多数と認めます。よって、平成十二年度補正予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。(拍手)
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#555
○委員長(岡野裕君) 異議なしと認めます。さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後七時散会
ソース: 国立国会図書館
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