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1950/11/29 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第4号
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1950/11/29 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第4号

#1
第009回国会 通商産業委員会 第4号
昭和二十五年十一月二十九日(水曜
日)
   午後一時三十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○鉱業法案(内閣送付)(第八回国会
 継続)
○採石法案(内閣送付)(第八回国会
 継続)
○鉱業法施行法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深川榮左エ門君) これより委員会を開きます。
 本日の議題はあらかじめ公報によつて御通知申上げました通り、鉱業法案、採石法案及び去る二十五日本委員会に予備付託されました鉱業法施行法案でございます。先ず鉱業法施行法案の提案理由の説明を政府より伺いたいと思います。
#3
○政府委員(首藤新八君) 只今議題となりました鉱業法施行法案につきまして、その提案理由を御説明致します。
 本年七月第八国会に提案し、継續審議に附せられ、休会中も御審議頂きました鉱業法案は、その提案の際御説明いたしましたように、現行の鉱業法及び砂鉱法を廃止して鉱業に関する統一的基本的な制度を定めるものでありまして、法定鉱物の追加、租鉱権制度の新設等新たな規定を設けている点も少くないのであります。従つて現行法の廃止と新法の制定とに伴う経過的措置を規定して、現行制度に基く既得権の保護に遺憾なからしめると同時に、関係法令に所要の改正を加える必要があるのでありますが、これを新法の附則において規定することは、いたずらに法案を膨大ならしめる虞れがあるため、特に單行法として御提案いたした次第であります。
 さて本法案の内容について御説明申し上げますと、第一に、現行法の廃止に伴う経過的措置として、新法の規定事項と旧法の規定事項との関連を明確にするための規定が設けてございます。その主要点は、旧法による試掘権、採掘権、砂鉱権または使用権は、新法施行の日に新法による試掘権、採掘権または租鉱権となるものとすること、また新法施行前に旧法によつてした処分、手續その他の行為であつて、その要件または効果の新法と異なるものは、新法施行後も従前の例によるものとしたこと等でありまして、旧法によつて権利を得、または手續をしていた者を特に支障のない限りそのまま、めて行こうという趣旨であります。
 第二に、新法が国民経済上の重要性から見て、鉱業法を適用し、合理的な開発と保安監督の適正化を図る必要があると思われる石灰石、ドロマイト等七種の鉱物を従来の法定鉱物の外にあらたに追加しておりますことは、先に鉱業法案提案の際御説明いたしました通りであります。ただ従来土地所有者または土地所有者との契約により権利を有する者が、何等公法上の制限を受けずに掘採しておりました追加鉱物を、新法施行後は鉱業権によらなければ掘採できないものとすることは、従来の掘採者、土地所有者等に不測の損害を与える虞れがありますので、次のような特例措置を規定してその保護を図つております。即ち追加鉱物の現掘採者には、新法施行後六ヶ月間の掘採継續を認め、さらに現掘採者、土地権利者、又は土地所有者が一定期間内に追加鉱物を目的とする鉱業権設定の出願をしたときは、鉱業法の原則を一部変更して、これを優先的に処理すると共に、従来の法定鉱物との重複設定を認めることにより、できる限り容易に鉱業権を取得し得る途を開いているのであります。
 最後に現行の砂鉱法を廃止して鉱業法に統合した結果、従来の砂鉱権、砂鉱区等は、すべて鉱業権、鉱区等の観念に統一されることとなりましたため、他の法令中のこれらの字句の整理を行う外、通商産業省設置法、鉱山保安法、登録税法、地方税法等のうち、鉱業法に直接関係のある規定に所要の改正を加えることといたしました。
 以上この法律案の提案の趣旨と大要とを御説明いたしましたが、本法案の成立が新法の実施に是非とも必要なことを考慮されまして、愼重御審議の上速かに可決されんことを希望いたします。
#4
○委員長(深川榮左エ門君) 只今政府より御説明申上げました当該法案は、鉱業法案と密接不可分の関係にありますので、併せて御審議をお願いしたらよかろうと思います。鉱業法案、鉱業法施行法案、採石法案につきまして、御質疑のあるかたは御発言をお願いいたします。
#5
○吉田法晴君 この際資料を要求したいと思うのですが、昨日の公聴会でも、今度の採掘による被害について西田委員から御質問がありましたが、問題は鉱山保安法に関連するものでございますので、鉱山保安法を、これはまあ資料というほどでもないのですが、頂きたいと思います。それから資料を頂きまして、不十分にしかわかりませんのですが、鉱業法改正に着手されまして、この提出原案が出るに至りました経過、そうして各段階においている、いろ法案の構成が変つております。特に土地調整委員会と、それから地方の鉱害賠償基準協議会というようなものに現在なつておりますが、その前には地方鉱委員会とか、いろいろな構造が過去において変つて来ておる。そういうものの構想を知りますためにも、従来の鉱業法改正審議の経過が必要に感ぜられるのであります。その点につきましての資料を一つ御提出して頂きたいと思います。
#6
○政府委員(徳永久次君) 法案の審議にかかりましてから、案がいろいろ変りましたけれども、それの経過の資料をお配りしたのは御覽願つたのですか。
#7
○吉田法晴君 民主的機構と申しますか、その現在出ておりますものの以前の構想が、結局一番私の知りたいところなんであります。それの中心でありますから……。
#8
○政府委員(徳永久次君) なお私この場から御説明申上げてもよろしうございますか。どういう工合に変つたかということを……。
#9
○吉田法晴君 あとで……。
#10
○西田隆男君 鉱業法の施行法案の中で、重要な点について政府の説明を一つ聞きたいと思います。
#11
○政府委員(徳永久次君) この施行法は、只今提案理由の説明書に出ております三点が、実はその大きな点なのでありますが、それに尽きてしまうのであります。と申しますのは、普通の法律の場合は、本法の終りのほうに附則といたしまして書く事項に過ぎない。又はそれだけの、意味合しか持たないものでございます。ただ便宜上条文が余りに沢山に相成りますから、附則として書くことは却つてわかりにくくなつて困りはしないかということを考えて、便宜別な法律にまとめ上げましただけであります。従いまして、いろいろ附則にございますように法律が変りました関係で、元の法律と今度の法律との関係をきめた、その点につきましても、例えば補足して申上げますれば、鉱区面積が今度の場合おおむね旧法の倍になつております。昔の鉱区面積はそのままでよろしいのでございますが、そういうのが一つのポイントになつております。それからもう一つは、新鉱種を追加しましたことに関連する問題でございますが、御承知のように鉱業権は先願主義をとつておりますが、新法施行と同時に新らしい鉱種が生れることになります。その他新鉱種のものにつきまして、現に仕事をしておられるかたもいろいろあるわけでございます。それを何もしないということで先願主義にして行くわけにも参りませんので、実際に鉱区の掘採に関する権利関係に濃淡があるわけでございます。現に仕事をしておりますかたもありますし、或いは仕事をするつもりで土地の使用権その他を設定しておられるかたもございまするし、そこらのところの調節をしなければならんだろうということで、その問題については優先順位によるということで、第一の優先順位としましては、現に仕事をしていらつしやるかたが出願なさればそれを第一順位にする。第二の優先順位としまして、仕事はしてないが、仕事をするつもりで、土地に関して権利を設定しておられるというかたがございました場合に、その人が第二の優先順位、それから第三の優先順位としまして、土地の所有者になつておりまして、そういう優先順位というものが何もない場合、新鉱種の追加されました鉱区につきまして、何も仕事をしていない、或いは権利も設定されていない場所ということに相成るのでありますが、そういう場所につきましては、鉱業法の本則に戻りまして、先願主義で認めて行くという扱いにしたのであります。
 それからそれに関連いたしまするが、従来新鉱種の追加ということは、今回が初めてではございませんので、前からあつたことではございまするが、現に仕事をしておられる人は、土地所有者に何がしかの採石賃、掘賃といいますか、そういうものを払つて仕事をしておられたわけですから、まあ鉱業法の建前から言いますと、鉱物は土地使用者のものではないのでありますから、鉱業法の鉱種が追加になりますと、そういうものは一切払わなくてもよろしいということに相成るわけでございますけれども、今まで払つて仕事をしておつた関係もあることでありまするし、新法が公布施行になつた翌日から、とたんに一文も土地所有者に払わないという仕組にすることも、適当でなかろうという問題が起るわけでございます。その問題につきまして、この法律は従来の例に倣いまして、土地所有者は相当の補償金を請求することができるということにいたしております。
#12
○西田隆男君 条文を一つ言つて貰いたい。今日貰つたんですから、条文を挙げて頂かないとわからんです。幾ら探してもわからん。
#13
○政府委員(徳永久次君) 只今私の申上げました途中に戻りますが、従来の権利と、それから新法によりまする権利との違いで、その効果がどうなるかということを経過的にきめました問題が、一条から三条までであります。例えば先ほど鉱区面積の例を挙げましたが、それは第二条に書いてあるわけでございます。それから第三条では鉱業権の存續期間ということでございますが、御承知のように現行法は試掘権は四年になつているわけです。新法は二年で、それから一回限り更新できるというようなことにいたしたわけであります。現存しまするものは、四年の存續の期間が満了するまでは元通りというような扱いにいたしておるわけです。それが第三条に出ておるわけです。それから追加鉱物に関する事項、今途中まで説明しておつたわけですが、それは第四条から第十三条までに亘つておるわけです。この中身の主要な点は、今の優先権をどういうふうな順位に考えるかということが、五条、六条に出ておるわけです。それから補償金の問題が第十三条に出ておるわけです。この十三条の説明の途中であつたわけですが、これは今申しましたこの規定は、従来新鉱種を追加いたしまする際に設けられておつた規定そのままの規定に相成つておるわけであります。その法律の仕組で申上げますと、相当の補償金を請求できるということであります。それから最後に、それにつきまして土地所有者とうまく話合いが付かない場合には、通産局長へ決定の申請ができるということに相成つておるわけであります。
 それから第十四条はちよつと独立的になつておりまするが、砂金、砂鉱につきまして、新法ではその区別をなくしたものでありまするから、その間の繋ぎの規定が書いてあるわけです。十六条以下は条文がたくさん出て来るわけなんですが、鉱業の出願、砂鉱の出願、許可の通知、鉱種名の更正、訂正の出願というふうに出て参りますが、ずつと同じような趣旨が四十二条までに亘るわけでありまするが、ここに出ておりますことは、新法と旧法との鉱業権の出願なり、設定なりに至りまする、或いはそれに関連する認可その他のことがございますが、そういうものが、現行法の手續と新法との手續なり、それから手續に関する要件なり効果というものが若干違つておるものがございますが、違つておる部分については、旧法の当時なされたものはそのままよろしいというような特例を設けたわけでございます。これは例えて申しますると、鉱業権の出願につきまして、新法によりますると、鉱害賠償の予想といいますか、要するにこの鉱区を使用するようになれば、どの程度の鉱害が予想されるかというようなものを、新法によりまして提出しなければならないように相成つておるわけであります。現行法にはそういう規定がないわけでございます。ところが現行法に基いて、すでに鉱業権の出願がなされておるというような場合に、新法によつて新らしく課した要件を充たし得ないわけでありますけれども、それは現行法によつて出したのだから、従来通りならばそれでよろしい、新法で少し要件が面倒になつたとしても、その部分は追加しなくてもよろしいというような調節が要るわけでございます。例えて申しますと、今のような例でございますが、それに類する事柄が非常にいろいろなケースに多いのでございますから、拾つてあるわけでございます。独立してそれ自身意味のあるようなのは殆んどないわけでございます。それから四十三条以降は、これは本当のこれこそ問題にならんと申しますか、言葉が違つて参つたわけであります。現行法によりますと、砂鉄とか、砂鉱とかいう言葉があつたわけでありますが、それが新法によりますとなくなつたのであります。或いは天然ガスにつきましても、現行法は石油の中に含めておつたわけでありますけれども、それを新たに起したというようなことになりまするし、そういう関係で、この鉱業法なり、砂鉱法、その他引用しまして、税法とか、鉱山保安法とかいろいろなところ現行法にした規定が、名称等が出ておりますので、それを新法の用語に書き換えたという趣旨の規定が大半でございます。大体以上のような内容になつております。
#14
○西田隆男君 第四条についてお尋ねいたしますが、これには「掘採する者又はその承継人は」となつておりますが、追加鉱物の中の石灰石等の場合は、露出状況を呈しておることが大体の状態であつて、まあ土地の所有権というものは、地下採掘をする場合は非常に異つた状態の下に置かれておる。従つてこの第四条の規定で掘採をしておつた者或いはその承継人に対してだけ他の出願者に対し優先権を認めることになると、山なら山を所有しておつた人は何らその権利が取得されないというような考え方をどうして考えられたか。私の考えは、できれば石灰石のごときものに対しては、山の所有権者と今まで掘採しておつた人とは、対等な契約の下で契約をしておつたのであるから、優先順位を認めるということであつて、共同出願の形で、やはり共同者に対しても鉱業権者に参加し得る順位をあとの条文を以て、第三位でなくして第一位に持つて来て考えるのが妥当であると考えておりますので、これに対する当局の見解と、それからあとの条文に出ておる補償の場合に、或る程度の、相当の補償をしなければならないという問題補償するというのは、今まで石灰石を掘られておる場合に、山全体を売るとか、或いは掘採する石灰石の量一トンについて何ぼというような使用料といいますか、掘採料といいますか、そういうものを払つておつた。適当な対価というものは、これを相当の額というふういに考えられているのか。或いは山全体を持つていた所有権を、鉱業権が設定されたために全然使えなくなるために、そ対策というものが考えられて、この補償という規定が設けられているのか。この二つの点の関連性について御答弁を一つ。
#15
○政府委員(徳永久次君) この問題は、鉱業権の性質というものの根本と実は関連いたすわけであります。この日本におきます鉱業権が、どういう考え方でできているかということは、沿革的にもいろいろ私共調べて見たわけでありますが、明治の六年頃出て参りました日本鉱法というものがあるわけでございます。その中の規定によりましても、鉱物は国有とするというような関連がはつきりその当時から出ております。明治三十八にできました現行法も同じような考え方で、国有とするという言葉が謳つてあります。日本鉱法以前にありましても、徳川時代というようなことに相成るわけですが、当時から鉱物は当時の藩の所有という形で、藩に大体支配さして、それを請負掘で、人を傭つて仕事をさして行くというような経過を辿つておるわけでありまして、この考え方は、日本の鉱業法が沿革的にも、鉱物についてそういう考え方をいたしておるということは、今までのことでわかるわけでありますが、それと同じように、外国でも同じような考え方で、鉱物につきましては、その支配権は国にあるのだというような考え方でできておるわけであります。その表現は国有とするなり、いろいろな表現をとつたりいたしおりますが、新法におきましては、国の立場というもの、実態に最も即するようにというつもりで、「権利を賦与する権能を有する」というふうな表現の仕方をとつたわけでありまして、これを一口に言えば、鉱物の支配権は国が持つておるのだ、逆に申しますれば、鉱物は土地所有権の一部ではないのだという考え方に基いているわけでございます。それを更に逆から申すわけでありますが、明治六年に出されました日本鉱法、これは鉱業の近代法の簡單なものでありますけれども、その元になつたようなものだと思うわけでございます。その中に、逆に土砂、土石類の、ごとき構造用の材料になるものは、これは土地所有者のものとするというようなことを反面にその当時から謳つておるようであります。そこでますます鉱物とそうでないものとに対する考え方が非常にはつきり出ているというふうに私共了解するわけであります。そういう考え方で参りまして、鉱物の範囲がどういうことに相成るかということでございますが、鉱物と鉱物でないもの、それの区別につきましては、私共はいろいろ学者その他にも相談いたしました考え方の区分というものが、鉱物というのは地下資源であつてその中の成分を化学的に利用するもの、これがまあ鉱物と言える。そうでないものは鉱物でないので、岩石なり土砂だとかいうことに相成るのでありますが、そこで土地所有権の内容なるものを見ると、鉱物でないような区分が出て参るわけであります。現実問題といたしますると、更に鉱物は抽象的にいえば、その支配権は国に属するという考え方をとるが、併し具体的にどの鉱物とどの鉱物ということは、そのときどきの経済情勢なり或いは技術の発達なり、それから資源の状況なりということからきめられるのでありまして、この法制化しましたその後の日本鉱法では、そういう抽象的な程度の書き方で、具体的に鉱種名というものは挙げていなかつたわけでありますが、明治三十八年にできました鉱業法のときから具体的に鉱種名を挙げていたが、その当時挙げていなかつたものは、鉱物ではあるが、国の支配権を、そのときにおける経済なり資源なりの状況なりから見て鉱物扱いにする必要がない、その支配権を一時眠らせて置く、そういう扱いになつておつたに過ぎないものだと思われるわけであります。で、明治三十八年以降、三十何種のものが法定鉱物になつておりまして、その以後におきまして、数回に亘りまして新鉱物の指示が行われておるわけでありますが、その際も結局考え方としては、土地所有権の範囲外にあるべき国がその支配権を保留しておつた、当然持つておるもの、それをそのときの経済情勢或いは資源の状況、それから見て、国全体として見て、はつきり国の支配権だということを明示する必要が起つて来たんだということに相成りまして、新鉱物を追加して参つたというふうにまあ考うべきものだと思うわけであります。そういう考え方をとりますると、この石灰石もこれはまさしく鉱物であることは疑問の余地がないのでございましてこれまで主な用途はセメントであつたわけでありますが、セメントから更に製鉄原料、或いは最近問題になつておりまするいわゆるビニール、その他の原料として非常に重要性が出て参つておるようでございます。これはまさしく鉱物であることは間違いないわけであります。それを今回も健全な発達のためにということで、鉱業法の鉱物というものの扱いをすることにいたそうといたしておるわけでありますが、そうなりますると、今お話ししましたように、石灰石は地表に近いところにありますので、如何にも土地所有権の内容を成しておるがごときふうには見えるわけでございまして、その鉱物というものの支配権を国が当然に持つておるんだという考え方、それは所有権以外の問題であるのだという考え方から行きますると、それらの石灰石を例外だというふうに扱う理由はないのではないかというふうに考えるわけであります。それで然らばこの補償金をどうするかということに相成るわけでありますが、これを平たく申しますると、今までは国の支配権に属しておるものであつたわけで、それをはつきりとそのときの情勢から国のものだということを抽象的には明言しておりまするが、具体的に品物として挙げていなかつたというだけにとどまつておつた。その蔭の効果として、土地所有者が勝手に始末をしても国が何も文句を言わなかつたというだけの効果でありまして土地所有権の積極的な内容として、この土地にありまする鉱物の支配権を持つておるというふうに了解することは適当でないかと思うわけであります。国の支配権に属しておるものであるけれども、国がそれを具体的に挙げることを遠慮しておつた。その反射的な蔭の効果として、土地所有者がそれを自分のもの扱いにして始未しても差支えなかつたという、蔭の効果というふうに考えているのじやないかというふうに考えるわけであります。それでそういう考え方から申しますると、鉱業法に追加になりましたとたんから、実は権利として土地所有者が幾らかの補償金をくれなきや困るというようなことを言うことを認めるということは、如何にもまあおかしいことに相成つて参るわけでございますが、ただ現実問題として見ますると、今までそれによりまして、幾らか土地所有者が利益を得ておつたという事実があつたわけでございますが、その分につきまして、施行になつた明日からということに相成るのも如何かという問題が、常識問題と申しますか、法律観念としてはそのような考え方に相成つておりまするが、実際問題として出て参るので、それの調節の仕方といたしまして、各新鉱種の追加をいたします際に、このような規定を置いておつたわけであります。事態は今回の場合、鉱種が七つになりましたけれども、七種の追加に相成つておりまするが、全然過去幾度かやつておりました事例と同じふうに解釈すべき問題だと考えまして、この補償の規定は、従来通りの規定そのままの条文を持つて来るように実はいたした次第でございます。その際の補償の基準をどういう基準で考えておるかという問題で、今お尋ねがあつたわけでございますが、私共過去の事例を若干調べて見たのでございまするが、過去の事例におきまして、実は遺憾ながら役所側に最後の決定まで持ち込まれた記録は全然ないのでございます。過去の場合ということは、逆に申しますれば、当然に土地所有者との間にいろいろな問題が起つたと思うわけでございますが、従来この新法に書いておると同じ規定であつたのでありまするが相当の補償を請求することができるという規定に基きまして、当事者同士の話合で円満に過去においではまあ話ができておつたものと逆に推測するわけであります。今後の場合、今度の新鉱種に亙りますので、実は私共内部的にもいろいろこの問題は、今まではこういう規定になつておるが、もつといい方法はないものだろうかということも研究してみないわけではございませんでしたが、まあ例えばこれを、土地所有者はもともと自分のものじやないのだから、まあいわば法律上請求する当然の権利は持たぬというものの、それが紛争の因になるので、そこに何か線を、相当の補償を請求することができるというよりも、もつとはつきりした線の引きようがないものだろうかということを研究したわけでありますけれども、例えば半年だけ残して、半年だけ元通り払いなさい、或いは一年くらいにするとか、そういう明確な線を出しまして、それによつて始末を付けるというのも一つの考え方に相成ろうかと思うわけでありますが、これは現実問題として考えて見ますると、半年とか、一年とか、こういう基準を法律で書くことが非常にむずかしいということは、実はわかつて参つたわけであります。と申しますのは、個々の具体的な契約というものが種々雑多で、ございまして、殊に終戰後経済状況にいろいろ変化がありますし、その関係から金額そのものが話合いでできたものは、それぞれ合理的なものだというふうにも見れぬこともないと思いますけれども、経済状況の変化もありまして、低いものもありますし、高いものもございまするし、或いはそういう契約をします際に、前金を取つておるという者もあるという状況でございますし、これを一概に法律で今まで払つた分をそのまま一年間継續するとか、半年継續するとかいうような書き方は、やはり実情に即しないのではないか。それで個々の具体的な事情によつてやるよりしようがないということに相成りますので、過去もそれによりまして、格別政府まで問題を持上げて来て、政府が仲に入つてあれしたというようなこともなしに済んでいることでもございまするし、従来も当事者間で円満に話合いを進めたということで、今後も行くのではなかろうかというふうに考えたわけであります。
#16
○西田隆男君 私が第四条について聞いておりますのは、あなたは一般原則をお話になつたようですが、あなたのお話になつた一般原則というものと、石灰石の仮に例をとりますれば、山状をなしている石灰石の鉱脈がある。そうした場合に山の上の、土砂、表土、これだけが土地所有権の対象になるというふうなあなたの一般原則の御説明であつたが、石灰石を取られたあとの山の状態を成している土砂、表土が、土地所有権としての価値があるかないかということは、これはもう論外であつて、そういうことにはならない。そうすれば石灰石を取られた山の土地の、今まで土地所有権者だつた者は、土地の所有権に対しては、取つてしまつたあとの平面になつた所が残されるだけであつて、土地の面積としては局限された形にしか土地の所有権は認められない。而も国が鉱物の所有権を持つているという御趣旨なんですが、それはその通りでしようが、仮に国が所有権を持つておつても、明治三十年頃から規定されたものを、新らしくここに追加された鉱物に対して同じ所有権を持つたにしても、国がここにはそれを鉱物と指定することが遅かつた。それだけに何らかの考慮が当然払われなくてはいかん。而も今までは鉱物でなかつたがために、何ら法律的な制裁を受けずに、当事者同士の契約によつて石灰石というものは採掘されておつた。そういう条件を考えて見た場合、掘採者が第一人者になつて、何故土地所有者を第一人者とは認められないかという点については私は疑問を持つが、土地所有者に鉱業権設定の、掘採権設定の場合、第一優先順位を掘採者と等しくするということが何故悪いのか。何故できぬのか。こういう問題が一応私考えられる。この第四条によるとすれば、認めないですね。いやしくも国が今まで全く、黙認の形において国の所有まる権利ではあつたが、土地所有権者の自由に任せておつたものであるならば、先ず国がそれを鉱物に指定して、国の権利にする場合においては、今までの土地所有者に第一の優先順位を認めるのが私は至当であると考える。併しながら現在までそれが若し鉱物として掘採されておつて、掘採権を持つておつて、当事者同士の間に契約されて掘採された場合は、掘採権者という者は全然度外視するわけに行かない。従つて国の持つておつた権利というものは、土地の所有者と今まで掘採しておつた人たちの間において平等というか、適当に当然按分された形において鉱業権の設定が許されなければならん。私はこれを原則的に考える。あなたの言われる一般原則を現実の問題として考えた場合に、そういう措置をなぜとつては悪いのかということになるのですが、一つずつ分けて行きましよう。それをまずきめで下さい。
#17
○政府委員(徳永久次君) 今のお尋ねは土地所有者の新鉱種に追加するのは、自分のものとしてやつておつた、自分の権利として処置して叱られもしなかつたが、これを新鉱種に追加する場合に、土地所有者を、現に掘つている者なみに扱うことが適当ではないかというお尋ね、御趣旨かと思うのでありますが、私共鉱物が国有であるという観念は、先ほど来申しましたような趣旨から、それに疑念を起すような措置というものは適当でないのではないかということが第一に私共考えられるのでありまして、土地所有者が優先権を持つのだということにいたしますると、指定になるまでの間、確かに土地所有者が権利者として法律的話合をして始末をしておつたことも事実ございますが、それによりまして、そういう経過的な扱いをしますれば、土地所有者のものを新らしく鉱物に追加して、鉱物を掘ろうという人に渡すというような、そう多いう関係になりまして、その何といいますか、土地鉱物の国有とする観念に大きなひびが入ることに相成るのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。これは但し抽象的な考え方の問題でございますが、それは抽象論ではございますが、この鉱物に対する国の所有の考え方、逆に申しますれば土地所有権の積極的な支配権の内容のものであるか、そうじやないのだという考え方をとるわけでありますので、その点に非常に混淆を来たすというように考えたわけであります。
 第二に考えますことは、その後における事態が最も平穏に行くということは、法の趣旨なり経過措置として考えなければならないことになるわけでありますが、現に仕事をしている人、掘つておる人或いは掘るつもりで権利を保つている人、そういう人たちに優先権を与えたということは、現に掘つておる間におきまして、この人がこれを仮に先願主義を適用したといたしまして、法が具体的に適用する以前から現に掘つておるということでありまして、逆に言えば、先願主義の鉱業法の建前もとつております原則から見ても、当然第一順位者に相成るべき実体を持つておる人であると思うわけであります。法の先願主義の建前からいつて、先願主義を適用することが、第一の者がおるのだということもあるのだというふうにも考えますし、その点からそういう人たちに優先順位を与えることが法の先願主義でできておる。これは鉱業法の大きな線であるわけです。その線からも問題が起きて来るということも考えられます。更に現実問題として考えまして、石灰石を掘つている人、或いは新鉱種を契約等に基き掘つている人、それによりまして、仕事をいたしているわけでありまして、その新鉱業法の鉱物に相成つたというとたんから、土地所有者が今度は逆に鉱物の所有権を持つというようなことになりますと、その人と話合をつけて、何がしかの権利を分け合うということにしなければならないということに相成りますと、現状に対する非常な変更なり、脅威でありまして、それ自体がこの鉱業法自身の円満な発達ということに重大な影響を持つことではないだろうかという工合に私共としては考えるわけであります。そういう考え方から見まして、如何にも土地所有者の立場から見ますと、今までは自分のもののような顔をして来ておつたのが、それが明日からそうできなくなるということは、如何にもそれは土地所有者の立場から見れば、未練は残ると思いますが、そういう感じがあるだろうと思いますけれども、もともと鉱物に対する権利というものが、そういう性質のものに過ぎなかつたのだというふうに考えますと、それは極端に言いますと、当り前たというふうに考えてもいいんではなかろうか。それを土地所有者の気持といいますか、気持本位を生かすごとくやりますと、全体の法の体系が崩れる。これは取りも直さず、逆に申せば鉱業法というものは、鉱業の健全なる発達のために作られる法律でございます。それを妨げるということに相成るのではなかろうかというふうに考えるわけであります。
#18
○西田隆男君 あなたの御説明は非常に長過ぎて、聞いておるとわからなくなるのですが、(笑声)私が質問しておるのは、土地所有者を第一順位にして、掘採者を第二順位にしよう、こういう意味ではないのです。土地所有者を現在掘採しておる掘採者と何故同等に認めなかつたか。あなたは今土地所有者を鉱業権者と同一順位と認めるとすると、何だか工合が悪いことが起るように御説明になりましたが、鉱業権の共同出願ということは御存じだろうと思います。結局土地所有者と掘採者が共同出願をするということが、何故悪いか。それがどこに弊害があるのか。後段で補償の規定ができておりますが、この補償の規定は、あなたの御説明によりますと、一ヶ年がいいか六ヶ月がいいかというお話が出ておりましたが、実際問題を聞いてみますれば、仮にここに一つの山がある。この山にはたくさん樹木が植わつておる。それはあなたの理論で言えば、土地所有者は過去においては年々不当な利益を得ておつた。国が鉱物に指定しなかつたために不当な利益を得ておつたという御説明のようですが、土地を所有して、これに木を植えて年々收入を得ておつた立場から考えましたならば、決してあなたのおつしやつたような御議論は生れて来ない。昨日の公聴会においても、秩父から見えておつた森林業者が縷々述べておつた。全く私は同感と思う。そういうものが鉱物に指定されて出願された場合、今まで持つておつたいわゆる土砂と表土との関係において樹木はそこに植えられない。全然收益をなくしてしまうというようなことになる。もう一つの実大例はここに大きな山がある。その山は近所にセメント会社ができて、そのセメント会社がすでに莫大な金額を以て買收済である。採掘しておる者は従つて鉱業権者として優先順位を認められておるから、その採掘には差支は来ない。併しながら仮に個人とか或いは地方官自治体というものが、所有しておつて、半年以内とか一年とかで補償を終つてしまうことになるが、あなたの考え方からすれば、すでに買收済である山が十分の一も掘採していないというような場合に、山を或る程度の財源として木を植えておつた者は、鉱業権者からその代金を返せという要求を受けることがないとも言えない。恐らくそういうことになつて来るだろうと思われますが、そういう場合に、今まで山を所有しておつた、言葉を換えて言えば土地の所有者、利用しておつた人たちは使用ができなくなるだけでなくて、そこに得ておつた利潤までも返還しなければならないという問題が必ず起きて来ると私は考える。それと鉱業法にきめられておつた鉱物というものは地下資源で、表土の利用ということには重大な関係がないわけではないけれども、全くなくなつてしまうというような形において、今までの鉱物では考えられていなかつた。併し今度の石灰石のごときは鉱物に指定されることによつて、全く地上権の使用はできなくなつてしまう。鉱業法によつて地上権といろものは消滅してしまうというようなことが考えられるので、第四条の規定をお作りになる場合に、掘採者に優先権を慰められるならば、当然所有者に共同出願権をお認めになるのが適当ではないか、こういう私は議論です。
#19
○政府委員(徳永久次君) 石灰石につきまして、地表に近い例をとつてみますれば、例えば鉄鉱石で露天掘をいたしておる者があるわけであります。それによりまして、今例えば……、私昨日の午後の公聴会には出なかつたのでありますが、秩父の人にも前私自身お会いし、お話を聞き、それに対して私どもの考え方も申上げたのであります。今お話のありましたように、地表の石、灰石の上に木を植林して、それによつて利益を得ておつたということは確かに、あるわけであります。それがこういうふうになりまして、その地下の石灰石というものが鉱業法の対象になつて掘り取られる。掘り取られるに応じましで、地表の利用というものが一時的にできなくなつて参るわけであります。そうなりますと、その限りにおきまして、土地所有者は、例えて申しますれば、北九州の石炭の掘採によりまして、地表が陥没がひどくて、全部耕作不適な地域になつてしまうという場合と同じような考え方でいいのではなかろうかというように私は考えるわけであります。土地所有者としまして、地下の鉱物が掘採されることによりまして、その地上の利用度というものが減少或いは一時的になくなつてしまうということによりまして受けるべき損害、それに相当するものは鉱業法によりまして、当然請求権を持つておるわけであります。又はそれは鉱業権者として賠償の義務があるというぐらいに考えるべきものである。そういう形における調節というものが、新鉱業法として、土地々々の関係から見て合理的な考え方じやないかという工合に考えておるわけであります。
#20
○西田隆男君 損害賠償の問題は、今あなたがおつしやつたようなことは、鉱業法のほうで扱われるならばわかるのですが、鉱業法案によると、石炭、亜炭を除く以外のものは対価は百分の一ですか、百分の一け幾らかの供託をするということになつておるが、その百分の一程度の供託で、あなたが今おつしやつたような損害の賠償ができるというお見通しですか。鉱業法案にそうなつておるでしよう。あとでいいです。今日是非御答弁してもらわなくてもいいですから、あとで御研究になつて十分御答弁の用意をして頂きたい。秩父の森林組合の人の立場は本当に昨日真剣に聞きました。私たちは福岡県におりますので、そんなに材木の沢山入つておるところの山は余り知つておりません。石灰石のある所は單に放任してある山が多いので、そう考えてなかつたのですが、昨日の公聴会で聞きまして、真剣にやらなければならんと考えたのです。施行法の第四条を見ると、そういうことが考えられていない。而も補償の条文を読んで見ても、あなたの説明を聞いて見ても半年ということで、昨日の話ですと一円四十五銭ですか、それの半年分の補償をやつたらあとはやらないという解釈のように聞いたのですが、通産省のほうでも十分その点を一つ考えられて、この次の委員会で結構です。私ばかり質問しておりますからやめて置きます。
#21
○吉田法晴君 本格的の質問は保留いたしますが、今の鉱山局長の説明を聞いておりまして、一点納得のしがたい点がありますので、これは重ねて質問をいたしたいと思うのですが、従来の鉱業法で指定をされていなかつた鉱物が今度新たに追加指定される。ところがそれを最初から国のものだつたのだ。元来鉱物というものはこれは国のものだと、こういう御説明ですが、これは一連の考え方の擬制、フイクシヨンでしかないと思うのですが、今の御説明の中にも、従来の実際の関係を保護するということがこの法の建前だ。実情を国家的に、法律的に保護するのが法の建前だという考え方があつたのでありますが、私はその通りだと思います。今までとにかく何らの鉱業法に保護関係がなかつたところに追加をして、そうして今までも、法がなかつた前も国のもので元来あつたのだ。こういうことはこれは牽強附会でしかないというふうに考えるのですが、これは外のほうへも関連して参りますから、重ねてお尋ねいたしたいと思います。
#22
○政府委員(徳永久次君) 今私が御説明申上げましたのは牽強附会だというお話があつたのでありますが、これはここにお配りしてございませんが、これも御覽願いますれば、その関係が出ております。現行法の解釈も実はそういう解釈であります。現行法によりますと、第二条か第三条に、鉱物は国有とするということが書かれてございますし、その次の条文に具体的な鉱種名が挙げてございます。併し挙げてないものについても国有なんだ。国有という言葉は正確な表現ではないが、その鉱物に対して国が支配権を持つているというようなことでありますから、その解釈は牽強附会とは毛頭考えておりません。各国も同じような方針でできている建前だと了承いたしております。
#23
○吉田法晴君 多少議論になりますが、鉱物が国の所有物であるという基本的な考えについて争いをしておるのじやないのです。今まで鉱物でなかつたものも新らしく鉱物にする。これは鉱物であるかないかということは、あなたの御説明では、自然的な属性であるというように考えておりますが、問題は結局、自然科学の問題じやないと思う。これは法律関係なんです。今まで法律関係の全然なかつたところに法律関係を作るのだと私は考える。これは例をとりますというと、採石法案は採石法の適用を受けない普通の土石、瓦轢、そういうものも鉱物だとこれを指定するならば、初めからこれは鉱物で国の所有であつたという説明ができるか。こういう点から言いますならば、今までは鉱物として指定されなかつたものをここで指定したら、それは元来鉱物であつたのだ、そうしてそれは国の所有物であつたのだと、こういう考え方は、これは法律関係を遡及する考え方ではないか。そういうことが牽強附会だと言うのです。
#24
○政府委員(徳永久次君) 鉱物は国有とするということでありまして、その次に具体的に、只今の現下の状況において鉱物はこういうものを扱つて、鉱業法でこの鉱物はこういう工合に扱いをするのだというような段階にあるのでありますが、指定されていない鉱物につきまして、今のお話では、それじや岩石を鉱物というふうに指定したら鉱物に相成るかというお話でございますが、鉱物は国有とするということで、ございまして、鉱物でないものを鉱物にするということは、鉱物を国有とするという範囲を超えた問題でありまして、それはそういう問題に相成りますれば、別途既得権の侵害だ。所有権の範囲内のものを、所有権につきましても法律はいろいろ制限を加えることがあるわけでありますが、その際には当然に相当所有権に対する償賠金というものが国としても出て参る。そういう扱いをすべき問題であると思いますが、鉱物はその範疇に属さないということであります。
#25
○吉田法晴君 まああとに譲りたいと思いますが、鉱物という包括的な概念で以て解決する。或いは局長の言われる鉱物の概念が何であるか、今自然科学的なものを持つて来られるかどうかということでありますが、これは鉱物であるかないかということ、或いは鉱物に指定するかどうかということは結局法律関係、その法律関係を規定するものは、社会党展の段階において社会的な事情によつて選別する。その選別の仕方のうちには、概念的な、とにかく鉱物じやなくして、或いは経済的な問題もあるかも知れません。或いは地表、地下の問題もあるかも知れませんが、そういうもので指定する、法律による指定があつて鉱物になる。鉱物の法律関係の適用、取扱を受ける。こういうように考えるので、その点で頭から規定のない、これは鉱物であるからという説明では説明にならないのじやないかという工合に考えるのです。
#26
○政府委員(徳永久次君) 重ねて申上げますが、鉱物と鉱物でないものというのは、そのもの自身の性質から画然たる区別があるわけであります。先ほどもちよつと申上げましたが、鉱物というのは、そのものの化学的成分を利用し得るもの、まあ金でいえば、金鉱の中の金そのものを利用する。例えば石灰石でありますならば、石灰石の中の成分を利用するわけであります。岩石ということになりますれば、これはそのものの物理的属性を利用いたしておるわけであります。鉱毒その他の関係から化学的成分は利用していないのであります。そういうおのずからなる区分がはつきりとあるものだと私は考えます。従いまして鉱物は国有とするという観念をとつておられるわけでありますが、所有権の問題につきましては、先ほども申しましたが、鉱物を国有とするという観念は、基本的に各国も同じ考え方をとつており、日本も明治以来その考え方をとつているわけでございまするが、具体的にどの鉱物を鉱業法の適用にする必要があるかどうかということは、そのときどきの段階によりまして品種は限定的にきめられて来るわけであります。それによつて一応その当時の状況としてはそれで処理されるという扱いをいたしているわけであります。その際に、鉱物でありながら鉱業法のほうの鉱種名に挙げられていない鉱物については、先ほども私申しましたように、所有権の内容として、積極的に所有権者の内容を成しているのではないので、その支配権は国が一時鉱業法によつて処置する扱いを放棄していると申しますか、一時眠らせているという、その反射的な効果として、土地所有者が、その所有権の内容を行使しても誰にも叱られないという関係に相成つている。そういうように私は了解して差支えないと思います。
#27
○委員長(深川榮左エ門君) 御質問はなおいろいろ残つていると思いますが、委員会は一応これで打切ります。
 つきましては、お諮りいたしたいことがございます。昨日鉱業法案、採石法案につきまして公聴会を開き、鉱害関係の被害者を代表して栗田藪雄君及び守田八幡市長よりそれぞれ公述をお聞きしたわけでありまするが、時間の関係上十分意を尽せなかつた憾みもあり、又委員の方々の質疑も大分残つているように思われますので、幸いにして本日悪天候にもかかわらず、被害者代表の方々も多数お見えでございますので、鉱害問題について腹蔵のない意見を交換いたしましたらどうかと思いますが、委員のかたの御賛同を得たいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○委員長(深川榮左エ門君) 御異議ないと認めます。委員会はこれにて一応散会いたします。なお政府側から通産省の外に経済安定本部、農林省、建設省からそれぞれ担当者がお見えになつておりますことを附加えて申上げます。散会いたします。
   午後二時五十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長    深川榮左エ門君
   理事
           古池 信三君
           廣瀬與兵衞君
           結城 安次君
   委員
           小野 義夫君
           松本  昇君
           下條 恭兵君
           島   清君
           吉田 法晴君
           山川 良一君
           西田 隆男君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       首藤 新八君
   資源庁長官   始関 伊平君
   資源庁鉱山局長 徳永 久次君
ソース: 国立国会図書館
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