2000/11/07 第150回国会 参議院
参議院会議録情報 第150回国会 国土・環境委員会 第1号
#1
第150回国会 国土・環境委員会 第1号平成十二年十一月七日(火曜日)
午前十時開会
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委員氏名
委員長 石渡 清元君
理 事 市川 一朗君
理 事 福山 哲郎君
理 事 高野 博師君
理 事 緒方 靖夫君
太田 豊秋君
坂野 重信君
末広まきこ君
田村 公平君
月原 茂皓君
橋本 聖子君
山下 善彦君
脇 雅史君
北澤 俊美君
広中和歌子君
藤井 俊男君
森本 晃司君
岩佐 恵美君
大渕 絹子君
戸田 邦司君
島袋 宗康君
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委員長の異動
九月二十一日石渡清元君委員長辞任につき、そ
の補欠として溝手顕正君を議院において委員長
に選任した。
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委員の異動
九月二十一日
辞任 補欠選任
市川 一朗君 溝手 顕正君
太田 豊秋君 若林 正俊君
森本 晃司君 加藤 修一君
九月二十二日
辞任 補欠選任
石渡 清元君 松谷蒼一郎君
山下 善彦君 長谷川道郎君
若林 正俊君 岡 利定君
十月二日
委員岡利定君は逝去された。
十月十九日
選任 清水 達雄君
十一月七日
辞任 補欠選任
北澤 俊美君 櫻井 充君
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出席者は左のとおり。
委員長 溝手 顕正君
理 事
長谷川道郎君
松谷蒼一郎君
福山 哲郎君
高野 博師君
緒方 靖夫君
委 員
末広まきこ君
田村 公平君
月原 茂皓君
脇 雅史君
櫻井 充君
広中和歌子君
藤井 俊男君
加藤 修一君
岩佐 恵美君
大渕 絹子君
戸田 邦司君
国務大臣
建設大臣
国務大臣
(国土庁長官) 扇 千景君
国務大臣
(北海道開発庁
長官) 森田 一君
国務大臣
(環境庁長官) 川口 順子君
事務局側
常任委員会専門
員 杉谷 洸大君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
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#2
○委員長(溝手顕正君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。この際、一言ごあいさつを申し上げます。
去る九月二十一日、本会議におきまして国土・環境委員長に選任されました溝手顕正でございます。
本委員会の運営に当たりましては、皆様方の御協力を賜りまして、公正かつ円満に行ってまいりたいと存じます。何とぞよろしく御指導、御支援のほどをお願い申し上げます。(拍手)
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#3
○委員長(溝手顕正君) 皆様既に御承知のとおり、本委員会委員岡利定君は、去る十月二日、逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。
どうぞ御起立をお願いします。黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
#4
○委員長(溝手顕正君) 黙祷を終わります。御着席願います。─────────────
#5
○委員長(溝手顕正君) 委員の異動について御報告いたします。去る八月十日、佐藤雄平君が委員を辞任され、その補欠として藤井俊男君が選任されました。
また、去る九月二十一日、市川一朗君、太田豊秋君及び森本晃司君が委員を辞任され、その補欠として若林正俊君、加藤修一君及び私、溝手顕正が選任されました。
また、去る九月二十二日、山下善彦君、若林正俊君及び石渡清元君が委員を辞任され、その補欠として長谷川道郎君、岡利定君及び松谷蒼一郎君が選任されました。
また、本委員会は、岡利定君の逝去に伴い一名の欠員となっておりましたが、去る十月十九日、清水達雄君が本委員会委員に選任されました。
また、本日、北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
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#6
○委員長(溝手顕正君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認めます。それでは、理事に長谷川道郎君及び松谷蒼一郎君を指名いたします。
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#8
○委員長(溝手顕正君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。本委員会は、今期国会におきましても、国土整備及び環境保全等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。─────────────
#10
○委員長(溝手顕正君) この際、扇国務大臣、森田北海道開発庁長官及び川口環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。扇国務大臣。#11
○国務大臣(扇千景君) 建設大臣の扇千景でございます。第百五十回国会における国土・環境委員会の御審議に先立ちまして、所信の一端を申し上げ、委員各位の御理解と御指導を賜りたいと存じます。
まず、去る九月十日からの東海地方の秋雨前線に伴う都市型水害及び土砂災害、十月六日に発生しました鳥取県西部地震、さらには有珠山、三宅島火山活動や周辺における地震活動などの災害が頻発しておりますが、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、被害をこうむり、不自由な生活を余儀なくされている方々に心からお見舞いを申し上げます。
建設行政の推進に当たりましては、国民の生活基盤をより豊かで快適なものとし、我が国の発展基盤を揺るぎないものにするため、住宅・社会資本の整備を着実に推進し、夢のある二十一世紀へとしっかり橋渡しをすることが私の最大の務めと考えているところであります。そのために、広く知恵を集め、工夫し、努力をしてまいりたいと考えております。
我が国経済は、緩やかな改善が続いているものの、民需はいまだ力強さを欠いており、景気をしっかりした自律的回復の軌道に乗せることとともに、日本経済の新生に向け新たな発展基盤を構築することが現下の喫緊の課題であります。そうした点から、公共事業の果たす役割は大きなものがあると認識しており、平成十二年度所管事業の円滑、着実な執行に鋭意取り組んでいるところであります。
政府におきましては、先般、日本新生のための新発展政策を決定いたしました。この中には、頻発する災害に対する復旧事業や防災対策のほか、光ファイバー収容空間の整備、都市部の交通混雑、住宅金融対策などの各般の建設省関連施策が盛り込まれており、今後御審議いただくことになる補正予算案の早期成立を得て、その積極的な推進に努めてまいりたいと考えております。
また、平成十三年度予算についても、真に必要な分野に戦略的、重点的な投資を行うとともに、都市交通を初めとする多様な施策の連携を従来の省庁の所管を越えて強力に推進するべく概算要求を行っているところであります。
公共事業の見直しにつきましては、先般、与党三党で取りまとめられました合意を踏まえつつ、建設省として積極的な取り組みを行うとともに、今後とも政策課題に対応した予算の重点化、事業評価の厳格な運用、コスト縮減等を図るなど、国民生活に真に必要な公共事業の執行に努めてまいります。
公共工事の執行に関しましては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないようにするとともに、適正な施工を確保し、良質な社会資本の整備が効率的に推進されるようにすることが求められております。
そのため、公共工事の入札、契約について、国、特殊法人等及び地方公共団体を通じて適正化の基本となるべき事項を定めるとともに、情報の公表、不正行為等に対する措置及び施工体制の適正化の措置を講じ、あわせて適正化指針の策定等の制度を整備することを内容とする法律案を今国会に提出いたしました。
また、国土交通省への移行を間近に控え、その準備を鋭意進めているところでありますが、地方分権、規制改革など、よりスリム化を図ることはもとより、統合のメリットを生かし、効率的でスピーディーな政策決定を実現し、国民のためによかったと言えるように国土交通省としてのビジョンの策定を進めるなど、諸般の改革に取り組んでまいります。
以上、建設行政に取り組む基本的な考え方につきまして、私の所信の一端を申し述べましたが、今後とも国土の適正な整備、管理に全力で取り組んでまいりますので、溝手委員長初め委員各位の格別の御指導と御協力をお願い申し上げます。
続いて、第百五十回国会における国土・環境委員会の御審議に先立ちまして、国土行政に関する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御指導を賜りたいと存じます。
まず最初に、有珠山の噴火、三宅島の火山活動、神津島、新島、式根島等で地震、秋雨前線と台風第十四号に伴う大雨、さらには鳥取県西部地震により被害に遭われた方々に、重ねて心からお見舞いを申し上げます。
私も、災害発生後直ちにそれぞれの被災地を視察し、状況を把握するとともに、地元の知事、被災者の皆さんから直接御要望などを伺ってまいりましたが、今後とも火山活動の観測監視に万全を期すとともに、被災者の生活支援や災害復旧を行ってまいります。また、先般、激甚災害の指定基準の見直しを行いましたが、今後とも予防、応急、復旧・復興の各段階において政府一丸となって施策の充実に取り組んでまいります。
国土庁では、先般決定しました日本新生のための新発展政策及び平成十三年度予算要求において、関係省庁とも連携しつつ幅広い分野で国土づくりに取り組むこととしております。
まず、国土計画につきましては、地方分権等の諸改革に対応した二十一世紀の国土計画のあり方について検討を進め、本年中にその基本的な考え方を取りまとめたいと考えております。また、IT革命の推進のため、基盤的な地理情報を原則として平成十三年度までにインターネットで提供するなど、地理情報システムの整備、活用を推進いたします。
大都市圏においては、国際都市として世界レベルの都市機能が発揮できるよう、都市空間の再編整備を進めます。また、大深度地下を活用した都市基盤整備の推進を図ります。
首都機能移転については、国会における審議を重要視し、今後も国会での御論議を活発にしていただき、国民の皆様にもより御理解を得られるよう努めてまいる所存であります。
地方圏におきましては、地方間の連携、交流を促進し、豊かな自然を生かした地域づくりを進めます。さらに、過疎地域など特定地域の生活環境等の整備を進めます。さらに、土地有効活用の促進のため、不動産鑑定評価の充実など、市場の条件整備や低未利用地の有効活用に取り組みます。また、健全な水循環系の確立を基本とし、七水系の新しい水資源開発基本計画の施策に取り組みます。
以上、国土行政に取り組む基本的な考え方について所信の一端を申し述べました。委員長を初め委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
ありがとう存じました。
#12
○委員長(溝手顕正君) 森田北海道開発庁長官。#13
○国務大臣(森田一君) 北海道開発庁長官の森田一でございます。一言ごあいさつを申し上げます。第百五十回国会における国土・環境委員会の御審議に臨み、所信の一端を申し上げ、溝手委員長を初め委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
北海道は、九七年十一月の北海道拓殖銀行の経営破綻以降、経済が非常に低迷し、さらに本年三月の有珠山噴火の影響により厳しい状況となっております。
また、北海道はゆとりある国土空間を有し、雄大な自然環境などすぐれた観光資源を持つ可能性あふれる地域でございます。その可能性を開花させるべく、北海道開発庁としても、その発足以来積極的に開発、整備を推進してまいりました。この間、道路や河川、港湾、空港、農業・農村整備などの社会資本は着実に整備が進み、北海道の経済社会の発展に寄与してまいりました。
しかしながら、人口密度が低く、都市と都市とが離れていることや、本格的な開発の歴史が短いゆえに、全国との対比で見ると経済社会の発展基盤がまだ不十分な状況にあります。
このような現下の課題に的確に対処して北海道の開発可能性を最大限に発現させるために、第六期北海道総合開発計画に基づき各種施策を積極的に推進してまいる所存でございます。
まず、平成十二年度の予算執行については、有珠山対策を初め、依然として厳しい北海道経済の回復や活性化に資するため、平成十二年度公共事業等予備費による追加事業を含め事業の円滑な実施に努めてまいります。また、来年度以降も整備の立ちおくれた分野を中心として、新たな時代や国民ニーズに即応した社会資本の重点的な整備を図ってまいります。
次に、根室市等の北方領土隣接地域については、この地が北方領土返還運動の拠点であり、日本とロシアの相互理解の拠点ともなっていることなどから、八月に現地の視察を行ったところでありますが、改めて北方領土の島々の近さと、この地域の振興の重要性を認識しました。今後とも、隣接地域の振興計画に沿って地域の安定、振興を図るための施策を推進します。
また、苫小牧東部地域については、昨年、多くの関係者の支援により、これまでの事業主体にかわる新会社として株式会社苫東が設立されたところであります。十月に視察を行った際には、新会社より、分譲状況も好調である旨の報告を受けたところでありますが、今後とも、当該地域の開発の推進に向け、関係者と連携を図りつつ最大限の努力をしてまいります。
アイヌ文化振興関連施策については、今後とも施策の充実を図り、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現に努めます。
最後に、来年一月に北海道開発庁、国土庁、運輸省及び建設省は国土交通省となりますが、その移行を円滑に進め、あすに希望を持ち、将来に夢が持てる北海道の実現を目指し、北海道の開発、整備に全力を傾注してまいる所存です。
以上、北海道開発行政に関し所信の一端を申し述べましたが、溝手委員長を初め委員の諸先生方におかれましては、一層の御理解と御協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
ありがとうございました。
#14
○委員長(溝手顕正君) 川口環境庁長官。#15
○国務大臣(川口順子君) 環境庁長官の川口でございます。第百五十回国会における参議院国土・環境委員会の御審議に先立ちまして、環境行政に対する私の所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。
私は、本年七月に環境庁長官に就任以来、広範にわたる環境問題に取り組んでまいりました。来るべき二十一世紀を人類社会が健全に存続できる環境の世紀とするためには、決して避けて通ることのできない課題が山積しております。
人類の存続にかかわる重大な環境問題として、地球温暖化への取り組みが喫緊の課題となっております。平成九年十二月、京都で開催された気候変動枠組み条約第三回締約国会議におきまして、我が国が議長国として京都議定書を取りまとめました。それから約三年を経た今、京都議定書の発効に向けて、吸収源の問題、排出量取引等の京都メカニズムの実施方法、削減目標量の遵守のための担保措置、開発途上国との関係の整理等について合意を得なければなりません。
その合意を得るための第六回の締約国会議、いわゆるCOP6がオランダのハーグにおきましていよいよ今月十三日から開催されます。私は、就任以来、非公式閣僚会合などに積極的に出席し、各国の担当大臣や国際機関のリーダーとじかに顔を合わせ、率直な意見交換を行ってまいりました。
二〇〇二年までの京都議定書の発効を目指し、各国による議定書締結が可能となるような合意が得られるよう引き続き全力で国際交渉に当たるとともに、国会のお許しが得られれば、私自身が閣僚会合で主導的な役割を果たし、COP6の成功のために最大限の努力を尽くしてまいります。あわせて、我が国みずからも議定書を締結することが可能となるよう、我が国に課された温室効果ガスの六%削減目標を確実に達成するための国内制度の構築に総力で取り組みます。
地球温暖化の問題と並ぶ人類共通の課題として、フロンガスによるオゾン層の破壊の問題も深刻であります。
我が国においては、特定フロンであるCFCの排出量が現在ピークを迎えている一方、自主的な取り組みによるフロンの回収率は依然伸び悩んでおり、新たな制度の確立が急がれる旨、各方面から指摘がなされております。環境庁といたしましても、問題解決のため鋭意対応を進めてまいります。
一方、国内では、大量の廃棄物の発生、最終処分場の逼迫、不法投棄の増加が依然として大きな社会問題となっております。この問題の解決のため、さきの通常国会において成立した循環型社会関連六法の的確な施行のための準備を着実に進めてまいります。
さらに、来年一月に省庁再編により廃棄物行政が環境省に一元化されることを踏まえ、これまで以上にリーダーシップをとり、政府一体となった総合的な廃棄物・リサイクル対策を推進し、循環型社会の形成を確実に進めてまいります。
これらの課題のほかにも、大都市における自動車による大気汚染への早急な対応、ダイオキシン、環境ホルモン、PCB等の化学物質対策の充実、水環境、土壌環境の保全、人間と自然との共生等、環境庁が取り組まなければならない課題は山積しております。
私は、大臣に就任する前に民間企業で働く経験をいたしましたが、環境問題を解決していく上では、幅広く国民の皆様の御理解を得ることが必要であり、環境庁が経済界、NGOを初めとした国民各層との対話をこれまで以上に深めていくことが不可欠であると痛感いたしております。来年一月の環境省発足を控え、国民の皆様からの声に謙虚に耳を傾け、これまで述べてまいりました諸課題を着実に解決し、恵み豊かな環境を二十一世紀へ確実に引き継げるよう全力で取り組んでまいります。
溝手委員長を初め委員各位におかれましても、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
ありがとうございました。
#16
○委員長(溝手顕正君) 本日はこれにて散会いたします。午前十時二十一分散会