くにさくロゴ
2000/11/09 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 国土・環境委員会 第2号
姉妹サイト
 
2000/11/09 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 国土・環境委員会 第2号

#1
第150回国会 国土・環境委員会 第2号
平成十二年十一月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月七日
    辞任         補欠選任   
     脇  雅史君     阿部 正俊君
 十一月八日
    辞任         補欠選任   
     阿部 正俊君     脇  雅史君
     櫻井  充君     北澤 俊美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                長谷川道郎君
                松谷蒼一郎君
                福山 哲郎君
                高野 博師君
                緒方 靖夫君
    委 員
                坂野 重信君
                清水 達雄君
                末広まきこ君
                田村 公平君
                月原 茂皓君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                広中和歌子君
                藤井 俊男君
                加藤 修一君
                岩佐 恵美君
                大渕 絹子君
                戸田 邦司君
   国務大臣
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  扇  千景君
       国務大臣
       (環境庁長官)  川口 順子君
   政務次官
       建設政務次官   田村 公平君
       総理府政務次官  中原  爽君
       環境政務次官   河合 正智君
       国土政務次官   蓮実  進君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       中央省庁等改革
       推進本部事務局
       次長       松田 隆利君
       環境庁長官官房
       長        丸山 晴男君
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  浜中 裕徳君
       環境庁大気保全
       局長       廣瀬  省君
       国土庁大都市圏
       整備局長     板倉 英則君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  岡澤 和好君
       農林水産大臣官
       房総務審議官   田原 文夫君
       運輸省運輸政策
       局長       岩村  敬君
       建設大臣官房長  小川 忠男君
       建設大臣官房総
       務審議官     林  桂一君
       建設省建設経済
       局長       風岡 典之君
       建設省都市局長  山本 正堯君
       建設省河川局長  竹村公太郎君
       建設省道路局長  大石 久和君
       建設省住宅局長  三沢  真君
   参考人
       都市基盤整備公
       団総裁      牧野  徹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国土整備及び環境保全等に関する調査
 (都市基盤整備公団の業務に関する件)
 (建設産業の再編促進に関する件)
 (気候変動枠組条約第六回締約国会議に関する
 件)
 (公共事業の見直し等に関する件)
 (廃棄物の不法投棄対策に関する件)
 (公営住宅の家賃減免制度に関する件)
 (低周波音対策に関する件)
 (首都機能移転に関する件)
 (公共工事のコスト縮減に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(溝手顕正君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨八日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として北澤俊美君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(溝手顕正君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土整備及び環境保全等に関する調査のため、本日の委員会に環境庁長官官房長丸山晴男君、環境庁企画調整局地球環境部長浜中裕徳君、環境庁大気保全局長廣瀬省君、厚生省生活衛生局水道環境部長岡澤和好君、農林水産大臣官房総務審議官田原文夫君、運輸省運輸政策局長岩村敬君、建設大臣官房長小川忠男君、建設大臣官房総務審議官林桂一君、建設省建設経済局長風岡典之君、建設省都市局長山本正堯君、建設省河川局長竹村公太郎君、建設省道路局長大石久和君及び建設省住宅局長三沢真君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(溝手顕正君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土整備及び環境保全等に関する調査のため、本日の委員会に都市基盤整備公団総裁牧野徹君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(溝手顕正君) 国土整備及び環境保全等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○松谷蒼一郎君 おはようございます。自民党の松谷でございます。
 きょうは、公共事業といいますか社会資本の整備について、特に論点を絞って建設大臣を中心にお伺いをいたしたいと存じます。
 もう御案内のとおり、我が国の社会資本整備につきまして、このところ、もう充足したのではないかというような意見が散見をされます。が、しかし、これは私ども、例えばヨーロッパやアメリカ等に行きまして比較をいたしますと、かなりまだまだ社会資本の整備はおくれているんじゃないかというような印象を持つわけであります。
 例えば、ヨーロッパでいいますと、ロンドンやパリというような大都会でもそうでございますが、中小都市あるいは地方都市に行きますと、我が国の地方都市に比べまして非常に環境面を配慮した上での社会資本がきちっと整備がされている。そういう点から見ますと、まだまだ社会資本の整備はおくれていると私は思っております。
 このところ、公共事業の見直しということで、与党三党を中心に、従来実施をされておりました公共事業について、これを抜本的に見直して、その継続が難しいものあるいは必要と認められないもの等については、これを廃止を含めて検討すべきではないかということで提案をいたしております。
 このことは、それではそういう社会資本整備、すなわち公共事業が必要でないのかということと、冒頭私が申し上げました、社会資本整備はまだまだ充足されていないということと矛盾するようでございますが、実はそうではなくて、効率的に公共事業を実施して、そしてすぐれた、効率のいい社会資本の整備を行っていくべきではないかということを申し上げたいわけであります。
 そういう意味では、今まで若干マンネリになっていた公共事業というものをこの際きちっと見直して、できるだけ効率的に公共事業を実施していくべきではないかというように思いまして、与党三党におきまして二百三十三事業、建設省関係で百二事業の見直しを打ち出したわけであります。
 これについて、建設省は非常に素早く扇建設大臣のもとで対応をされたというように伺っておりますが、どのように対応されたのか、大臣にお伺いをいたしたいと存じます。
#9
○国務大臣(扇千景君) 今、松谷先生がおっしゃいましたように、我が国の社会資本整備というものがまだまだ世界水準的には、私は胸を張って申し上げられるような状況でないことは皆さん御承知のとおりでございます。
 一時は経済大国等々と言われましたけれども、現実の我々日本人の国民生活の生活状況というものは、まだまだ私は世界水準に達していると感じる人は少ないであろうと思います。また、政府といたしましても、何としてもこの世紀の変わり目、今世紀にできなかったもの、また今手をつけなければ来年の二十一世紀迎えて、国際的にも日本がすばらしい日本だなと言えるような日本にするためには今何をしなければならないかという、そういう観点に立って、私は、皆さん方が、与党三党において公共事業の見直しということを、メスを入れて、そして公共事業に必ず冠がついておりますむだ遣い、ばらまきあるいは丸投げ、談合等々、公共事業に必ず冠がつくようになってしまった今の日本の現状を何としても是正しようと。そして、公共事業が全部が悪ではないというのは皆さん御承知のとおりなんです。
 戦後今日まで、公共事業によって我が国の今日の繁栄もできたし、ただ、バブル以後いろんな事件が起こっておることもるるございますけれども、少なくとも今日公共事業を見直すというのは、今世紀末を迎えた今日こそ私は大変意義があったと思っておりますし、今、松谷先生がおっしゃいますように、与党三党で公共事業の見直しのリストアップをいたしました。これは、一律の基準を設けてリストアップしたわけでございますけれども、三党の公共事業の見直しの案の前に、大臣就任と同時に建設省独自で、建設省が新しく出直す、改革すると、そういう意味においても公共事業の見直しをしようということで、私は、二カ月間という期間を切って、公共事業の見直しを建設省独自で行ったわけでございます。
 それから、三党の合意事項を形成するということで、そのことも、私に自民党の亀井政調会長からお電話をいただきまして、こういうことをするのでよろしくというお話がございましたので、大いに結構であるということで、三党でしましたけれども、三党の合意の中、別途私は、建設省としては百二の事業、そして独自の建設省の三十四の事業をしまして、今、先生がおっしゃいましたような建設省独自の見直しを積極的に進めてきたわけでございます。
 現在あらゆる、百三十六になりますけれども、三党と独自と含めますと、その百三十六の事業に対しまして、私は、現在は各事業主体、そこで学識経験者から構成されております事業評価監視委員会のもとに全部判断をしていただいて、少なくとも今月中に各見直し事業を評価監視委員会からの御答申をいただいて、少なくとも本年度中には今申しました建設省関係の百三十六の事業の中で見直して、来年度予算決定までには少なくとも三けたに持っていきたいと思うのが私の念願でございますし、そういう作業を今進行中でございます。
#10
○松谷蒼一郎君 今、扇建設大臣から極めて積極的なスピーディーな素早い対応をお聞かせいただきました。与党三党としては、建設省関係で百二の事業の見直しを打ち出したのでございますが、建設省としては独自に別途三十四の事業も見直すということで、合計百三十六の事業見直しを図るというように伺いました。その対応に大変敬意を表する次第でございます。
 ただ、必要な事業は、冒頭申し上げましたように、我が国の社会資本整備はまだまだおくれておりますので、必要な事業はどんどん進めていくべきであるというように思います。ただ、戦後五十年をたちまして、やはり公共事業の考え方にも若干新しい考え方というのか、そういうのを導入すべきではないかというようにも思います。
 我が国は災害常襲地域でありますから、どうしても河川事業、ダム、そういうような大規模な防災事業について、これまで公共事業の基本的対応として事業を実施してまいりました。あわせて、産業の発展のため、我が国経済の発展のため、効率化のため、高速道路を中心とした幹線道路の整備を公共事業の根幹に据えてやってまいりました。
 しかし、ある程度そういうようなものの見通しが得られた現在、私はやはり冒頭申し上げました欧米諸国との環境の違いといいますか、美しさというか、そういうようなものについても十分細やかな配慮をして、社会資本の整備を実施していっていただきたい。
 例えば、オランダなんかでも、道路の沿道に二メーター、三メーターの側道をつくって、そこを芝生で埋めて、そして非常にきれいな環境を醸成しております。そういうような配慮というか、社会資本整備というものは、これから住民の精神生活構造の充足のためにも極めて重要ではないだろうかというように思っております。
 例えば、河川についても、ただコンクリートの堤防をつくるというだけじゃなくて、やはり環境に配慮した形での緑に覆われたような堤防をつくっていくとか、あるいは海岸事業もそうでございますね。そういうような配慮に満ちた事業を実施していく必要があると思いますが、これからの公共事業の考え方について、大臣にその所信をお伺いいたしたいと存じます。
#11
○国務大臣(扇千景君) 今、松谷先生からお話しございましたように、日本が町並み等々を含めて美的にはあるいは必ずしも良と言えない、もっと町づくり等々も美しくあるべきだというお話ございました。私はそのとおりだと思います。ですから、今までの二十世紀の公共事業のハードの面と、二十一世紀の公共事業はソフトの面も私は考慮に入れるべきだと。それが今、松谷先生がおっしゃったとおりのことであろうと思います。
 そういう意味で、私どもはこれからも公共事業の中で幅広い考え方を持つべきだと思っておりますし、例えば御存じのとおり、今、先生がおっしゃいましたように、私たちは町並みをきれいにするということでずっと電柱の地中化、あるいは皆さん方の都市の良好な水、いわゆる水辺ですね、川のそばの整備等々を行っております。
 また、先生も御存じのように、いかに日本は緑が少ないかということも含めまして、都市緑化公園、そういう都市の公園というものも、私は少なくとも、オーストラリアのキャンベラは国民一人に七十八平米もございますし、日本は残念ながら国民一人は七・七平米しか緑が公園にございません。そして、まして東京の二十三区は三・〇平米でございます。ですから、そのように世界水準から見ても、キャンベラが七十八平米であるにもかかわらず日本の平均は七・七平米であるということで、ニューヨークは二十九平米、ロンドンも二十八平米等々、世界の都市に比べて日本が景観的に劣るということは、この緑の公園一つとってみても私はお寒い限りであると言わざるを得ない。
 そしてまた、町並みをきれいにするために電柱を地中化して、そして町が暗くなったらいけないということで、車道と歩道の間に電気を入れると。そうしますと、車道と歩道の区別がはっきりわかるというので実験的に、もしお時間がございましたら夜、外務省のあの通りを見ていただきたいと思いますけれども、建設省が即対応しまして、あの外務省の前のところの地中に電気を入れて下からライトアップする。そうすると、車道と歩道が完全に夜でもわかって、事故も防げるし、またライトアップですから木もきれいに見えるということを、今外務省のそばで建設省は即実行に入っております。
 そういうことも含めて、私は今、先生がおっしゃった、ハードだけではなくて、二十一世紀のソフトの都市づくり、町づくり、そういうものに建設省としても努力していきたい、かように思っております。
#12
○松谷蒼一郎君 建設大臣から非常に細かい配慮に満ちた、環境への配慮、美しさへの配慮を考慮した公共事業の実施についての所信を伺いまして、大変意を強うしたものであります。
 ところで、本日は大変お忙しい中を都市基盤整備公団の総裁に御出席を賜っておりますが、二、三お伺いをいたしたいと存じます。
 ちょうど一年ちょっと前、この場所において都市基盤整備公団法を可決いたしました。ちょうど一年になるわけであり、従来の住宅・都市整備公団から都市基盤整備公団に変身をいたしました。その理由は、公団経営のあり方、事業の見直し等々の理由があったかと存じますが、この一年間を経過して、当初の法改正の趣旨に即応した目的が十分に実現できるような成果があったかどうか。あるいは、まだ一年でありますから、今後そういうようなものをつくるための準備体制が整って、これから大きく住都公団ではない都市基盤整備公団としての進展を見ていくんだというようなことになるのか。その辺の経過について、お伺いをいたしたいと存じます。
#13
○参考人(牧野徹君) ただいまの松谷先生の御質問にお答えする前に、前提として、場合によると矛盾するようなことですが、二つ申し上げておきたいと思います。
 一つは、ただいまおっしゃられましたように、私どもの都市公団発足は昨年の十月一日でございます。ただ、それは要するにスタートしたということですが、実は新公団にしなきゃいかぬという思い、あるいは作業は四、五年前から始まっておりまして、今思い起こしますと、前回の衆議院総選挙、平成八年だったかと思いますが、あの総選挙のたしかニックネームみたいなものは行革総選挙と言われたというふうに記憶しております。
 その当時、私ども前身は住宅・都市整備公団でございましたが、非常に国会でもいろんな御議論をいただきましたし、マスコミでもいろんなことを言われました。そういうことがありましたので、私どもは、こういうことではいけないからみずから変革しようということでこの四、五年努力を続けてきたことの成果があらわれている面もあるということを一つ御理解いただきたい。
 それからもう一つは、今御質問の後段で、一年だからそういきなり変われないのかということに対しても、実はそういう面もあります。と申しますのは、全く白いキャンバスに絵をかくように新公団がスタートしたわけではございませんで、当然のことではありますが、前住宅・都市整備公団の原則としておおよその事業を承継した上で事業展開をしているわけでございますから、かなりのものが地元の自治体とか地元の住民の方とのお話し合いの上で面的整備事業を積み重ねておりますので、一気にがっと進路を変更するということはできない。
 この、ちょっと矛盾するようですが二つのことを前提にしてただいまの御質問にお答えいたしますと、一番やはり端的に申し上げまして、私は公団の組織なり定員なりについて徹底的に合理化しろ、効率化しろということは着実に実行しておりますし、今後も実行いたします。
 例えば、定員で申し上げますと、これは法案の御審議の際にも申し上げましたが、全体の一割強に当たる五百人を十年間で純減いたします。しかも、前半五年でそのうちの八割に当たる四百人は減員いたしますと申し上げましたが、着実にその線に沿って進めております。もちろん、役員の数も減らしております。
 それから、仕事で申し上げますと、民間で完全にできることからは撤退しようということで、シンボリックになりましたのは一般的な土地を買って提供する分譲住宅でございますが、これは撤退する。これはもうそのとおりにしておりますし、それから単なる宅地供給を目的とする面的整備の区画整理事業等は今後やりません。これはやっておりませんし、現に十三年度の要求をただいまさせていただいておりますが、新規箇所はゼロということでお願いをしております。
 そういうことでございまして、スリム化といいますか効率化、合理化も進めておるつもりでございますが、一方、積極的なことを少し申し上げておきますと、新しい法律の第一条の中で、今までも実はそうだったんですが、明快に書いていただいたのは、地方公共団体、民間事業者と協力、役割分担のもとに仕事をしなさいと書いていただいております。
 それを一つずつ例を申し上げますと、例えば民間との役割分担で申し上げますと、私どもの公団が土地を取得して基盤整備をして、その上でその町にとって必要とされる賃貸住宅も供給いたしますが、同時に、やはり賃貸だけではなくて分譲住宅もつくった方がいいという自治体等の御希望がある場合には、その部分は民間の事業者にお願いして相協力して仕事をやる、こういうのは例えば三軒茶屋等で実行にもう既に移しております。
 それから、自治体との御協力の関係で申し上げますと、自治体がいろいろ町づくりをする上で必ずしもマンパワーが十分でないと、そこで公団の方から支援してくれないかというようなお話が間々あるわけでございますが、それについても、例えば東京都の区部からのそういう意味の御依頼というのは非常にふえております。
 一つ一つ申し上げましたが、そういうことで着実に成果も上げておりますし、いま一つだけ、ちょっと長くなって恐縮ですが、例えば建てかえに関することでございますが、これは私どもも昭和六十年以来、昭和三十年代に建てた十六万戸の賃貸住宅を建てかえようという大方針のもとに着々と仕事をやっておりましたが、法律上明文の規定はございませんでした。それを、新公団法で建てかえの規定を明定していただきましたので、今までも私どもは自信を持って仕事はしておりましたが、今後、より公団業務の中心として真正面から取り組むことができるようになったというふうなことであろうかと思います。
#14
○松谷蒼一郎君 大変な成果が上がりつつあるというように承ればいいのかと思いますが、これからの御健闘を期待いたしております。
 ただ、私は、都市基盤整備公団法が成立をして住都公団から都市基盤整備公団になったんだけど、しかしこの五十年間にわたった、五十年まではないけれども、それに近い長い間の住宅建設についてのノウハウというものを、恐らく我が国で最大のノウハウの蓄積を持っているのが都市基盤整備公団ではないかというように思うんです。
 ただ、やはり政府関係事業公団という制約もあって、環境をきちっとする、それから住宅の質を高める等々で非常に立派な住宅をつくっていった、そのことは大変すばらしいことであるんだが、一方、民間のディベロッパーの方は、そういうことよりも市場原理に支配されて、多少質は悪くてもコストを下げていくとか、あるいは四時間日照はとらなくても三時間で何とかいくとか等々のようなことでコスト削減を行う。しかも、金利の面で住都公団は、政府関係の出資の公団は従来はある面で優遇されていたわけですが、それがそういう状態ではなくなってきたというようなこともあって分譲住宅の面から撤退せざるを得なくなってきた。
 そのことはわかるんですが、先ほど申し上げましたようなすばらしい技術のノウハウ、そういうものを発揮するべきところがあれば、これはこれでやっていったらいいんじゃないかと。余りかたくなに、法律でどのように書いてあるか私も精査したわけじゃありませんが、しかしそれはそれ、せっかくのノウハウを国民のために大いに使っていったらいいんじゃないかというように思います。
 その一つの例として、公団は今までの古い公団住宅を所有しているわけですが、それの建てかえの時期にかなり来ております。あるいは、多摩ニュータウンに見られますように、四階建て、五階建てでもエレベーターがついていない。少子高齢化時代に対応した住宅とはなっていない。これはやっぱり建てかえた方がよろしいというようなものもいろいろあります。そういうようなものについては賃貸とか分譲とかいうような分け方ではなくて、あるいは同じ棟の中に、高層の建物であれば、低層部分は賃貸、高層部分は分譲というような分け方もあるかもしれません。
 そういうようなこともありますので、そういった建てかえあるいは再開発のような場合にはどしどし分譲住宅であろうとやっていったらいいんじゃないかと、これが結局国民のためになるんじゃないかというように思いますが、いかがでございましょうか。
#15
○参考人(牧野徹君) 確かに、いい町をつくっていく上において、一方的に賃貸住宅だけというようなことは不適切な場合が間々ございます。
 そこで、今、先生がおっしゃったようなことが必要になる場合はあろうと思いますが、私どもは、先ほども申し上げましたように、昭和三十年代の十六万戸について全面的な建てかえを計画的に進めておるわけですが、その建てかえについて、実は今年の六月、建設省の住宅宅地審議会の今後のことについての御答申の中で、建てかえに当たっては、土地の適正利用を図るとともに、「社会福祉施設等との併設や公営住宅、民間住宅等の敷地として一部敷地を譲渡し、多様な住宅供給を促進する必要がある。」というふうにはっきり書かれております。
 私どもとしては、民間で完全にできることは撤退というのは大原則でございますから、そこはそういうふうにするとしても、ただいま申し上げました答申にも即しまして、やはりここは共同作業かな、民間事業者の方との。そのときに、先ほど言いましたようなこともございますし、建てかえの際には、これちょっとひとつ誤解のないように、建てかえの際に、今までお住まいの方が、ついの住みかは自分は持ち家で住みたいという御希望があります、一割近くございます。だから、これらの方々に対しては、現在既に建設中の五万数千戸の中でも四千五百戸ぐらいは持ち家を建てております。これは今までお住まいの方が戻ってきて入居するためでございます。
 先生がおっしゃるのは、それもいいけれども、それにアルファして必要ならばということだと思いますが、それにつきましては、やはり私どもは、分譲撤退という原則も踏まえながら、先ほどの御答申の精神に即して、私どもは賃貸、民間事業者の方に分譲ということで、バランスのとれた良好な市街地を形成していくのがいいのかなというふうに現在は考えております。
#16
○松谷蒼一郎君 総裁としても法律の厳しい制約の中でやっていかなくちゃならない。大変でございましょう。御健闘を祈っているんですが、冒頭申し上げました三十数年か四十年にわたった住都公団のノウハウ、ダイニングキッチンから始まって、ああいうノウハウを十分に生かしてもらいたい。あるいは再開発等についての非常なノウハウもあるわけです。それを非常に希望する地域があるんです。
 ところが、都市基盤整備公団は三大都市圏に限定されている。福岡はその中に入るのかどうかわかりませんが。であると、地方の県庁所在地、例えば広島、岡山とか、あるいは私の選挙区ですが長崎とか、そういうようなところでもぜひ都市基盤整備公団のノウハウを使って再開発をやってもらいたいという希望が非常に多いんですが、そういうことは今の法律の中ではできないんでしょうか。
#17
○参考人(牧野徹君) これはなかなかいろんな思いがあるところでございますが、まず法律の第一条で、我々の事業をする範囲として「人口及び経済、文化等に関する機能の集中に対応した秩序ある整備が十分に行われていない」、その次に「大都市地域その他の都市地域」を対象として事業をしなさいと、「大都市地域その他の都市地域」を対象と、こうなっております。この解釈は一応あるわけでございまして、もとの住都公団のときからもほぼ同じだということになっておりますが、一方、若干古くはございますが、昭和六十一年六月の臨時行政改革推進審議会の答申と同年十二月の閣議決定がございまして、私どもの、これは前身の住都公団の時代ですが、「事業区域を原則として四大都市圏に限定し、このうち、京浜、京阪神の二大都市圏に重点化する。」とされておるわけでございます。それで、これが新公団でどうかということにつきましては、私どもは、公団といたしましては、引き続き適用されているんだなというふうに理解をしております。
 一方、ただいま先生がおっしゃったような県庁所在都市等の方で、地方分権の流れもございます、町づくりはみずからの手というのがございます。いろいろ積極的な町づくりをしようとする際に、残念ながら必ずしも十分なマンパワーがないと。そこで、お前のところの熟練している者を貸してくれというようなお話もございます。
 そこで、私は、全面的といいますか、しっかりやっていくためには、やはりただいま申し上げました臨時行政改革推進審議会なり閣議決定の考え方の整理が、これは私ではなくて政府の方できちっとしていただくのかなと思いますが、それまでの間は、私どもは受託でございます、私の方からいえば、ができますので、可能な範囲内で受託を活用して対処できるところは対処してまいりたい、このように考えております。
#18
○松谷蒼一郎君 総裁もなかなか言いにくいところがあるんでしょうが、せっかくのノウハウでありますし、持っていらっしゃるわけですし、大都市は、逆に言えば民間ディベロッパーでそこそこのノウハウを持った企業が結構ありまして、市場原理に合った形での住宅の提供あるいは再開発をやっているわけです。
 ところが、地方都市、県庁所在地の都市等においては、そこまでは民間企業が入ってまいりません、どうしても市場原理で若干劣る部分がありますので。となれば、やはり政府施策公団としての性格を十分に生かしながら、そういう地域にも勇断を持って入っていって、よいことをすれば別に与野党を問わず、おかしなことをしたとは言わないわけですから、ぜひおやりになっていただきたいというように思います。
 どうもいろいろありがとうございました。これから大変な時代が待ち受けておりますが、大いに御活躍をされますよう祈念いたします。本日はこれで結構でございます。どうもありがとうございました。
 ところで、町づくりの観点に若干戻りますが、御案内のとおり、東京山手線内の建物の平均階数は現在でも二・三階であります。私が以前こういう仕事をやっておりましたときも、これはもうそれこそ何十年も前ですが、それもやっぱり二・二七階かせいぜい二・三階だった。少しもふえていないんです。
 中曽根内閣のときに、当時の中曽根総理から、山手線の中を全部五階建てにしろというような指示が出ました。ただ、五階建てにしろといっても、容積率の緩和はできましても、建物を建てるのはこれはまさに民間、市場原理に沿って民間がつくるわけですから、それはなかなか難しいということであったんですが、現在依然として二・三階。
 これについて、もう少し欧米並みにコンパクトな町づくりというものを考えてもいいんじゃないかというように思います。パリは環状線の中は平均五階建てぐらいになっているわけですね。
 現在非常に、都市生活者の通勤時間がどんどん延びまして、今でも通勤時間はふえている。平均往復で三時間もかかっていると。大変に疲労こんぱいをしているわけです。だから、町づくりの観点というのは都心への住宅の回帰ということが非常に大きな命題であるというように思います。
 こういう点につきまして、建設大臣に、時間がございませんので、最後にお伺いをして締めたいと思いますが、なお、その場合、行政がやるべき仕事もありますが、NPOに手伝っていただいて細かい町づくりについてもやっていただくと。そのためにNPOに対する支援策を考えていくというようなことも考慮してもいいんじゃないかというように思います。
 いずれにいたしましても、これから二十一世紀へ向けての我が国の住宅・社会資本整備というのは非常に緊急な課題であるというように思いますので、それらを含めまして総合的に建設大臣に御意見を伺い、決意の一端をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#19
○国務大臣(扇千景君) 今、先生がおっしゃいますように、私も東京都内に住んでおりまして、大変距離は短いのに長時間かかるという今の東京の混雑状況、そしてまた、御存じのとおり、先生もおっしゃいました職と住のバランスが欠けている。まさにそのとおりでございまして、あらゆる面で、そして逆には、都心部の空洞化あるいは長時間の通勤等、ギャップができているわけでございまして、それを何とかということで、今、先生がおっしゃいましたような、全部第二種にしたらどうだと、一種だけではおかしいじゃないか、もったいないと、むしろ。
 そういう意味では、私は、一種から二種にして五階建て、私は二種にしてもいいだろうという、個人的にそういう希望も持っておりますけれども、今の法律改正ができない限りは、今は住宅基準法でできない、また東京都の協力もなければできない。また、私どもも、道路幅というのも高さとこれは並行して決められていることでございますから。
 私はそういう意味では、職とそれから住のバランスの解消、そして勤労意欲とまたその経済的効果、そういうものを含めて、先生がおっしゃるような国際都市のあり方とそれから二十一世紀の日本の物流と経済的な効果のあり方等々、課題は山積していると思います。
 そういう意味では、都市基盤整備公団の今、総裁からお話しございましたけれども、職住が近接した良質な賃貸住宅、これも今若い世代、若い御夫婦の大きな要望でございますので、私はそういう意味では、東京都内、職に近いところに公団が良質な賃貸住宅をつくるということも、私は今、先生がおっしゃったことの一助にはなろうと思います。
 けれども、基本的には私はこの後は民間活力を使って少なくとも良質な中高層住宅を建設する。今も既に、場所を挙げては失礼ですけれども、例えば今六本木で大開発をしておりますけれども、これも民間活力で、六百戸のおうちが一度の訴訟もなく全部立ち退いて、そしてあれだけの大きな新しい町づくりというものを行っております。
 ですから、そういう民間の活力も使って私は都心の共同住宅というものはある程度今後活発に行われるであろうと思いますし、私は、建設省あるいは建設省だけではなくて国としても国際都市のあり方というものは今後考えていかなければならない。そういう戦後五十五年たった瀬戸際で私は重要なことであろうと思っておりますので、今後も私はその研究もさせていただき、また民間との協力あるいは工場の跡地利用等々、私は少なくとも都市基盤整備ということは一体として職と住のあり方、このバランスの是正というものも私はとっていくべきであろうと思いますので、今後も頑張っていきたいと思います。
 また、今、先生がおっしゃいましたNPOとの関係でどうなんだ、もっとNPOを活用したらどうだというお話ございました。これもごもっともだと思いますし、私たちも先ほどからも申しました、あるいは公園だとか歩道だとか河川、そういうものの私たちは維持管理の一環として、少なくとも私はあらゆるものの、先ほど冒頭に申しましたソフトの面、どういうふうに維持していくか。そういうことに関しては、私はNPOの活力とNPOのお知恵と、そういうものの御協力もいただきながら私はやっていくべきであろうという姿勢も持っておりますし、日本の住みやすい居住環境、職環境、町づくり等々、山積しておりますけれども、一つずつ着実に私は手をつけていくというふうに考えておりますので、皆さんの御協力も得ながら二十一世紀の日本の国土づくりのグランドデザインというものを私は早急に提出していきたいと思っております。
#20
○松谷蒼一郎君 どうもありがとうございました。
#21
○月原茂皓君 保守党の月原です。
 きょうは一般質問でございますので、最近建設省が取り組んでおられる建設産業の再編の促進についてという考え方を示されておりますが、これに基づいて質問をしていきたいと思います。
 今や建設産業再生プログラムでも示されているように、建設市場が淘汰の時代を迎えているわけであります。良質なものが残って、そして国にとって必要な仕事がちゃんとできる、そういう体制をつくらなければ私はならないとき、そのときに当たって、より踏み込んで建設省が建設産業の再編の促進についてということで各関係者に意見を聴取されていることを高く評価するものであります。
 そこで、これに基づいてお尋ねしたいと思います。まず、建設投資の動向ということでありますが、ピーク時を一〇〇とした場合に、最近三年間の建設投資動向を民間投資と政府投資に分けて示していただきたいと思います。
#22
○政府参考人(風岡典之君) 官民合わせました建設投資の総額でございますけれども、ピークは平成四年度でありまして、このときは八十四兆円でありました。これを一〇〇といたしまして、最近の状況の御紹介をさせていただきます。
 平成十年度は八五・五、平成十一年度八四・四、平成十二年度、これは見通しでございますが、八四・八ということで、平成四年から十二年にかけて約一五%程度減少しております。
 内訳としまして、民間投資でございますが、これはピークは平成二年度でありまして、約五十六兆円であります。これを一〇〇といたしますと、平成十年度は六六・二、平成十一年度は六四・四、それから平成十二年度、見通しですけれども六五・六ということで、近年大幅に減少してきております。
 一方、政府投資でございますけれども、ピークは平成七年度でありまして、約三十六兆円であります。これを一〇〇といたしますと、平成十年度は九八・一、平成十一年度九八・二、平成十二年度九七・三ということで、政府投資の方は最近は、近年は横ばいないし微減、こういうことであります。
#23
○月原茂皓君 今の数字、一〇〇とした指数を見ても全体に民間の方は減っていっておる、そして政府の方は九八前後を維持しておる。これはまた政府の政策ということで、景気のいいときにはどんどん仕事があるけれども、悪くなるとたくさんの労働者を抱えている建設業を、失対と言ったら言葉は悪いですが、雇用を維持するというような観点から資源が投入されておる。
 しかし、こういう状態がいつまでも続くものではないと私は思っております。国の予算の構成を見ても、こういうふうな状態がいつまでも続くような国家では私はないと思っておる。それだけに冒頭も申し上げましたが、この趨勢を見ながら建設省がいい業者というか、施行の主体を残していこうということは、私は繰り返しますが、高く評価しておるわけであります。
 そこで、ところがこれを見ると、こういうふうに需要というものが落ちていっておるのに、不思議なことに業者は非常にふえておる。これは非常に不思議な現象だと、我々というか私のような素人は思うんですが、それはどういう原因というふうにとらえられておるのでしょうか。
#24
○政府参考人(風岡典之君) 平成十二年の三月末の建設業の許可業者数ですけれども、これは全国で六十万九百八十業者になっております。これはことしの三月末の数字でございまして、その後、月別の動向を把握しておりますけれども、四月以降は少し減少傾向に入っております。
 しかし、いずれにしても相当な数でふえてきているわけでございますが、この背景としていろいろ考えられるわけでございますが、一つは平成六年に建設業法の改正を行いました。今までの許可の有効期間は三年でありましたのが、これを五年に延長しております。この時点で本来であれば廃業をして更新をしない方が統計上少し残っているのではないか、そういったものもあります。
 加えて、建設経済研究所が最近アンケート調査をいたしましたが、その内容を見ますと、本来であれば許可を要しない、五百万円以下の工事を行う場合には許可を要しないんですけれども、そういった業者についても許可をとるような傾向が非常に出てきている。それから、やはり企業がいろいろ独立をするという傾向もありますし、また他業種から建設業に参入をしてきている、こういうことがあります。
 私どもとしましても、もう少し詳しい実態を把握する必要があるということで、現在、調査及び状況分析中でございます。
#25
○月原茂皓君 これはある経済学者の書物ですが、こういうことを書いてあるんです。
 これは一昔前の話で、七〇年から八五年ぐらいにかけての議論ですが、私は同じものが適用されるんじゃないかというふうに思うんですが、この七〇年から八五年にも二十万人ふえておるんだと、そして家族従業員も十万人ふえておるんだと。高度経済成長期を経て時代は大きく変わったにもかかわらず、七〇年代以降も中小企業、自営業が減少しなかったのは政府による保護政策が一段と強化されたからであると、今の雇用政策の議論にも絡んでくると思います。しかし、積極的役割を担った中小企業、自営業の多くが効率性を欠くセクターに転落してきておるんだと。要するに、中小企業としてのメリットというか活動分野、戸建ての家をつくっていくとか、大手ではできなかった面で非常に社会のために努力されておる。ところが、それは経済成長が落ちてきたときに同じことを期待されるものでなくなってきておる。そういうことからいって効率性を欠くセクターに転落してしまっておる、こういうふうに前に、有名な経済学者は論文に書かれておるわけでありまして、私は、そういう意味で、今もう局長もそういう点は十分認識されておると思いますが、この原因分析をきちっとして対処していただきたい、このように思うわけであります。
 そこで、この再編のペーパーでありますが、この中に「ITへの取り組みなど新たな動きも見られるが、産業としての活力、新しい創造的な取り組み、収益向上の期待に乏しく、」という、「新しい創造的な取り組み、」というのはどういうものを創造的取り組みと考えておられるのか、教えていただきたいと思います。
#26
○政府参考人(風岡典之君) 再編対策の中で先生御指摘のような現状認識というのを記載しているわけでございますが、私どもとしましては、各企業、いろいろ必死なリストラとかあるいは外注費の削減とかを進めておりますけれども、なかなかそれだけでは魅力ある産業にならないということで、やはり新しい分野にいろいろ積極的な取り組みが必要ではないか、こういうふうに考えております。
 創造的取り組みとして、ここで抽象的に書いてありますけれども、例えばの例としましては、IT等を活用した建設生産システムの合理化を図っていくとか、あるいは企業が単独で生きるだけではなくていろいろ合併だとか企業連携等で、そういった形を通じて企業の経営の効率化を図っていくとか、それから進出する分野につきましても成長性のある分野に移行していく、例えばリフォーム部門とかあるいはIT関係のインフラの整備とか環境、高齢化社会への対応の分野とか、そういったところへ事業の重点を移していく。あるいはCM方式の活用とかPFIの積極的な参加とか、そういったような部分というのはここで言っております創造的取り組みの一つの例示ではないか、このように考えております。
#27
○月原茂皓君 さらにお尋ねしたいのは、ちょっとここを読み上げますと、重要なことですから、「行政に対しては、「建設産業再生プログラム」などで建設市場が「淘汰の時代」を迎えているという認識を示しながらも、具体的な政策においては、結果的に更生会社や経営状況の改善が遅れている企業に保護的なスタンスとなっているのではないかという批判が根強い。」という表現がありますね。
 私もよくちまたで聞くんですが、会社更生法の議論というのはなかなか難しい背景があると思いますが、企業が多過ぎるときに、会社更生を使って身軽になって、そしてまたけんかに、殴り込まれたら一生懸命苦労しておるところはどうなるんだと。
 だから、更生法自身の問題に絡んではくると思いますが、その点はさておいて、ここで言われておる保護的なスタンスになっているのではないかという批判がある、こういうふうな表現があるんですが、保護的スタンスというのはどういうことを指しておるんでしょうか。
#28
○政府参考人(風岡典之君) 先生ただいま御指摘をいただきましたように、建設業に対するいろんな支援措置として更生会社になるというのも一つの生き方であるわけですが、それとあわせまして、金融機関による債務免除、こういったことも行われているわけです。
 例えば、その債務免除について見ますと、これはそういった債務免除を受けた企業も例えば経営事項審査だとかあるいは公共事業の入札において特別区別して扱われてはいない、そういうふうになっております。したがいまして、その債務免除などを受けずに自力で必死にやっている企業にとってみると、そういった企業については非常に保護的な扱いになっているんじゃないか、こういうような批判がなされておりまして、そんなようなことを受けて、ここでは保護的なスタンスという批判があるということを記載したわけでございます。
#29
○月原茂皓君 そこで、さらにお尋ねいたしますが、「行政は、発注や建設産業行政を支える制度の在り方や運用について、企業活動や組織に対して過度な規制が行われていないか等について不断に見直すことが必要である。」と、まさにそのとおりだと思うんですが、「過度な規制」としてどういうものを考えておられますか。
#30
○政府参考人(風岡典之君) 現在、入札・契約制度あるいは許可とか経営事項審査制度、そういった制度を持っているわけでございまして、それぞれ一定の目的のもとにこういった制度を創設しているわけでございますけれども、例えばそういった制度の運用が結果的に個別企業にとりましての活動とかあるいは組織形態について思わぬ制約要因になっているようなことがあるのではないか、こういった指摘もあります。
 例えば、経営事項審査について申し上げますと、これは中身の一つとして完成工事高というものをその経営審査の項目の一つとして見ているわけですけれども、これが大きい方が有利であるというふうに一般的に経審では言われておりますが、こういった考え方を進めていきますと、分社化みたいなものについて、企業が分社化をしようとするときに阻害要因になるのではないか、こんなような指摘もありまして、ここでは、そういうように既存の制度が結果的に思わぬ過度な規制になっているのではないか、そういう制約要因になっているのではないかということでこういうような記載をしているところであります。
#31
○月原茂皓君 また同じところに、「このため、公共工事の市場において、不良不適格業者の排除を徹底するとともに競争力のある企業が生き残るような環境整備を引き続き早急に進める」必要がある、これはもうおっしゃるとおりであります。
 そこで、不良不適格業者というのはどういうものを指すのかということでありますが、やはりある書物に書いてあることでありますが、八五年、古い話です、現在ではありません。建設省が大変努力されてそういうことはないと思いますが、八五年三月時点で建設業法に基づく許可業者はそのころ五十二万だったと、そのうち、八三年度、元請、下請を含め施工実績を持つのが二十五万だと、だから残りは元請とか下請を含めた施工実績を持たない業者なんだと、要するに仲介専門業者だと、こういうことがこの当時、八五年当時の話として示されているわけであります。
 そういうことからいって、不適格業者というのはそういうものも含めると思うんですが、どういうものを今取り組んでおられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
#32
○政府参考人(風岡典之君) 不良不適格業者として私どもが考えておりますのは、一つは技術力とか施工能力とかを全く有していないペーパーカンパニー、これは典型的な不良不適格業者だということになります。さらに、例えば経営を暴力団が支配しているような企業とか、あるいは技術者がいるんですけれども既に受注している事業で技術者がもう手いっぱいになっている、それを過大に受注しようとする企業、これも不適格な企業だと、こういうように考えております。
 こういったものにつきましては、やはり適正な競争を妨げるとかあるいは公共工事の品質の確保にもやっぱり影響が出てくる、そういうことでありますし、また優良な業者の意欲をそぐ、こういった問題があるわけでございまして、私どもとしましては、不良不適格業者対策というのを特に重点を置いてやっていかなければならない、このように考えております。
 具体的な取り組みとして、いろんな取り組みをしておりますけれども、一つは工事現場に必要な技術者が専任で配置されているかどうか、こういったことを十分調査をする、チェックをするということが重要でありますので、それについての調査確認を進めていく、また施工体制台帳を使いまして現場の元下関係がどうなっているのかというものも確認をしていく、必要に応じて立入点検などを行う、こういうような取り組みを行っておりますし、また暴力団を排除するというような観点からは、警察本部との連携、警察との連携ということでいろんな会議を持って連携をしておるわけでして、こういうようなことによりまして不良不適格業者の排除に努めているところであります。
 この問題については、粘り強くさらにいろんなことを駆使しながら、この不良不適格業者対策に全力を上げてまいりたいと考えております。
#33
○月原茂皓君 こういうのがはびこってくるというところに問題が、そういう業界の体質が古くはあったと。これから近代化して、建設省も大いに指導されておるのでありますが、非常に難しい問題として指摘されておる中に、官公需法によって競争が制限されておると。これは中小企業を保護するための話でありますが、それが裏目に出てくるとどういうことになるかというと、目標の比率を決めるから分割せぬといかぬ、そうすると非効率的なコスト高になってくる、そして能力のないのを承知で地元企業に発注して大手ゼネコンに丸投げ、上請すると。
 前の建設大臣のときに私は鹿児島の水道の話をしたんですが、本当に国民の税金を使う以上、また地域の企業発展ということも大切ですが、そこのバランスをよく考えてやらぬと、余りにも過度に分割して、コストを考えずに過度にそういうことをすることによって、国民経済からいったら大変なことになってくる。そして、まして今、局長がおっしゃったように暴力団というか、そういうものもはびこってくる可能性がある、そういうものの資金源になるということでありますから、ちゃんとした処置をしていただきたいと思います。
 次に、総合評価方式やVE方式などの一層の活用を図るというふうに言われておりますが、現状ではどの程度活用されているのか、そして今後の取り組みはどういうふうに考えられておられるのか、そのことをお尋ねしたいと思います。
 特に、こういうことがあるんですね。私は別に建設業の方じゃなくて一般の製造業なんかの契約に少し携わったこともあるんですが、昔マクナマラという国防長官がおられまして、これは大変な会計士ですが、この方が国防調達についてメスを入れたと。そのときに、どうやってインセンティブを与えるかというふうなところで、一番悩んだのは何かといったら、百円でできるものを八十円まで努力したと。じゃそれは十円ずつ、官が十円で、努力したところへ十円あげましょうと。そしたら、その次の年から今度は八十円でないと買わないと、こうなると業者の方は、長い目で見たら余り努力してもこれは得でないなと、こういうふうな人間心理が動いてくるわけですね。
 そういうふうなことも含めまして、私は、今後の課題、どういうふうに取り組まれようと、非常に立派な考え方なんですが、現実問題なかなか厳しい状況があるんじゃないかと思うんですが、確認したいと思います。
#34
○政府参考人(小川忠男君) 公共工事の入札あるいは契約を考える場合には、やはり一番大きな要素というのは価格だとは思います。ただ一方で、品質という問題、さらには今お話ございましたように、やはり技術力を背景とした競争環境を整備するというのも一つの大きな政策的なターゲットだろうと思います。そういうふうな観点からは、やはり今お話ございました総合評価方式あるいはVE方式というのも一つの大きな切り口というか、有力な方法だろうと思います。
 そういうふうな観点から、まず総合評価方式でございますが、平成十一年度から始めております。今年度は十件程度実施が予定されておりますし、去る九月には基本的なガイドラインを定めたというふうなこともございますので、これから大いに活用したいというふうに思います。
 また、VE方式でございますが、これは平成九年度から施行しておりまして、平成十二年度にはもう既に入札時におけるVE方式が十件程度、さらには契約後のVE方式が二百件程度というふうな形で、かなり活用しつつございます。ただ、その運用の過程で、お話のような問題もあるいは出てこようかと思います。その意味では、かなり試行を重ねながら制度を練り上げていくというふうな状況であろうかと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、やはりこれからこの二つの方式をもう少し状況に応じながらどんどん活用していくというふうな方向で対応したいというふうに考えております。
#35
○月原茂皓君 このたびのこのペーパーの提案の中で一つ非常に画期的だと思うのが、大企業の経常JVを認めていこうという考え方、これは今まで認められてこなかったのはどうしてなのか。そして、どのような考え方で今後このようなJVを認めようとしているのか、その思想、そのことを御説明願いたいと思います。
#36
○政府参考人(風岡典之君) 経常JV制度でございますけれども、これは建設業者間の継続的、通年的な協業関係を確保することによって経営力とか施工力の強化を図ろうと、こういったのがねらいであります。
 これまでは、特に経営力とか施工力の弱い中小企業とかあるいは中堅企業、これに限って経常JVというのを認めてきたところであります。しかしながら、この経常JV制度というのは、今申し上げましたようなことのほかに企業連携の促進を図る上でも有効なものではないかというように思われておりまして、その必要性は中小とか中堅企業以外のいわゆる大手についても考えるべきではないか、こういったような考え方があり得ます。
 このため、現在の経常JVが認められていないような大手企業につきましても、例えば大手企業同士が共同受注をするというようなことを内容とする緩やかな業務提携を行うような場合について経常JVを認めるということも考えられるんじゃないかということで、そういうことにつきまして現在、建設省において検討しているところであります。
#37
○月原茂皓君 冒頭からずっといろいろ数字をお尋ねしたり流れをお尋ねしていっているわけでありますが、こういう中にあってより能力のあるところがいろいろな分野で力を合わせて生き残っていくというか、二十一世紀における新しい建設の仕事にたえられるものをつくっていくという意味で私は、これは画期的なことだと思っております。
 さて、ちょっと次元が低い話ですが、合併したら、今まで二つの会社がそれぞれ手を挙げたら一つずつくれておったのに、二つ一緒になったら一つしか仕事をくれないとか、それはランクの議論があるんでしょうけれども、何かそういうようなものが、案外素朴なものでありますが、それが建設業のいろいろな合併とかもろもろの体質を変えていこうとするときの障害にもなっているんじゃないか、こういう声を聞くんですが、この点はどういうふうに考えておられますか。
#38
○政府参考人(風岡典之君) 建設業者の中には合併しても一足す一が二にならないということで非常に否定的な見解というか、考え方をお持ちの方も多いわけでございます。そういった側面ももちろんあるわけでございまして、私どもとしましては、こういったものを少しでも緩和をしたいということから、合併企業につきましては、例えば合併後一定の期間、これは客観点数とか主観点数を加算を行うというような合併企業に対する支援措置というのを今実施しております。これは建設省だけで実施をすれば足りるものではありませんので、地方公共団体も含めて同様な支援措置ということが非常に有効ではないかということでいろんなお願いもしているところであります。
 いずれにしても、こういった合併あるいは資本参加とか業務提携とか、そういった企業連携というのもこれからの企業戦略としては非常に重要な課題だというふうに思っておりますので、そういったものが進みやすいような環境整備ということについて建設省としても努力をしていきたいと、このように考えております。
#39
○月原茂皓君 時間が迫ってきましたので最後の質問にいたしますが、今までお話しのように、重要な問題点を十分認識されながら、これを乗り越えていこうとされておる努力は高く買うものであります。特にまた、公共工事における瑕疵担保保証や品質確保のあり方についても検討を進めておる、こういうことで喜ばしいことだ、私はこういう点について真剣に取り組んでいただきたいと、こういうふうに思っております。
 そこで、最後に大臣にお尋ねいたしますが、ずっと局長さんにいろんな現在の置かれた状況、それから今後取り組むべき課題、そういうことをお尋ねしていったわけでありますが、私がたびたび申し上げているように、将来二十一世紀、日本の、公共事業等を含めて建設業というものがやはり大きな担い手であることは間違いありません。
 そういう意味で、かつてのバブルときのそれがそのまま生きて、効率の悪いのが生き残っておるというようなこと、急にぶった切るというわけにはいかぬと思いますが、体質としては、これは海外との競争もこれから向こうからも乗り込んで来るだろうと、もう既に乗り込んで来ておるわけですが、そういうものにたえるためにも、今後、建設業の再編についてどのように取り組んでいかれるのか、建設大臣のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。
#40
○国務大臣(扇千景君) 今、月原先生からるる日本の今の建設産業の状況等々を御質問いただきまして、また建設産業の再編の促進についてのこの提出したものに対しても細かい御質問をいただきました。本当に今の日本の建設業界の現状が皆さんにおわかりいただけ、また建設投資が伸び悩む中で建設業者数というのが、今、月原先生の御質問の中にもございまして局長が答えましたように、平成十二年で六十万九百八十業者になっているということ自体も、私は大変再編等々を含めた、そしてまた業者数がふえたためにお互いの利益率の低下、そういうことで苦しくなって、マスコミには次はゼネコンではないかというようなクエスチョンマークが出ていること自体も私どもも認識しております。
 そういう一層厳しい現状の中で、銀行等々金融業界が淘汰され、あるいは合併するというところで、次は今申しましたようなゼネコンではないかと言われますけれども、私たちは建設業界の再生のために、個々の企業が自己責任あるいは自助努力で積極的な経営改革を図るべきであるというのは言うまでもございませんけれども、個々の企業レベルの取り組みだけではなくて、また私どもの企業同士の合併等の連携強化を通じた建設業界の再編への取り組みが必要だと考えております。
 少なくとも合併あるいは協業化、企業の、今、先生がおっしゃいましたJV等々の活用など企業連携の促進に努めるべきだと存じますし、例を挙げますと、御存じのとおり、先生のお地元にもそうですけれども、橋は世界一の技術、トンネルを掘る技術も世界一等々、今、日本の各業者が持っております世界一の技術が合併されるなり、あるいは倒産することによってその技術が失われるのではないか、そういう危惧も私は持っておりますので、少なくとも技術力を重視した、あるいは入札とか契約の促進というものも私は図っていかなきゃいけないと思いますし、何よりもこれは民間でございますので、それらの技術を持った企業の自主的な経営改善の促進に我々もできるだけ協力できる部分があるのならするという姿勢だけは私は持っていきたいと思います。
 それらに対応して、少なくとも二十一世紀、今現存します、またもっとよくなるであろう日本の持ち得る技術、世界レベルであるということに誇りを持って、私はその技術が消えていかないように二十一世紀にも活用されるであろうということを祈念、念願しつつ、役所としてでき得る限りの対応をし、また考え方にも意見をどんどん出していきたい、そのように思っております。
 ありがとうございました。
#41
○月原茂皓君 大臣の決意、よくわかりました。一丸となって、これは非常に難しい問題ですが、取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。
#42
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。
 本日は、川口環境庁長官に対しまして、十三日、来週から始まることになりました気候変動枠組み条約第六回締約国会議、いわゆるCOP6について集中的に質問をさせていただきたいというふうに思います。
 川口長官におかれましては、ノルウェーでの非公式の閣僚会議とか、オランダでの閣僚会議とかに本当に精力的に御出席をいただいて、最近ももう本当にこの十三日からの会議に向けて精力的に御精励いただいているということで、心より敬意を表する次第でございます。
 また、市民グループ等との対話も積極的にされているというふうに伺っておりますし、あちらこちらのマスコミでの精力的な発言等も含めて本当に一生懸命取り組まれているということに関しては本当にありがたいなというふうに思いますし、ぜひCOP6の成功に向けてさらに御努力をいただきたいとまず冒頭申し上げておきたいと思います。
 それで、きょう、実は冒頭はアメリカの大統領選挙の結果について、共和党か民主党かによってアメリカの対応が変わることもあるということで長官にコメントをいただこうと思ったんですが、御案内のような状況で、まだはっきりしていないというようなことでコメントのもらいようがなくなってしまったんですが、長官、きのうの大統領選挙の開票をごらんになられてでもいいですし、共和党、民主党、両大統領、どちらかになったときの対応を含めてでもいいですし、簡単にもし御見解をいただければと思います。
#43
○国務大臣(川口順子君) 昨日のアメリカの大統領選挙の結果は、民主主義社会で選挙制度がどういうものであるか、どういう機能を果たすのかという観点からも非常に私は興味深く実は見ておりましたけれども、COP6との関係で言いますと、前々からアメリカの行政府の人たちは非常に一生懸命にクリエーティブに取り組んでいらっしゃいまして、それから大統領選挙で仮に今の時点でどちらかの党ということで結果が出ていたとしましても、実際にポリティカルアポインティー、政党によって任命される行政機関のトップの、幹部の人たちが新しく任命されて仕事につくというのは早くても半年ぐらい先ということでございますので、結果が出ていない、あるいはどちらかの形で結果が出るということにかかわらず、今度の大統領選挙の結果はCOP6の交渉におけるアメリカの態度にそれほど影響は及ぼさなかったんではないだろうかというふうに感じております。
#44
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 では、本題に移りたいと思います。長官は所信的あいさつの中で「COP6の成功のために最大限の努力を尽くしてまいります。」というふうに述べられておられますが、具体的によくCOP6を成功、成功と。私も先ほど申し上げたんですが、成功というのは一体具体的にどういうことなのか。今、長官が、十一月二十四日の明け方か夜かわかりませんが、その段階でどういった状況がCOP6の成功だというふうに思われているのか、具体的に御答弁をいただきたいと思います。
#45
○国務大臣(川口順子君) 大変にお答えしにくい問題、御質問でございまして、といいますのは、COP3、京都で開かれた締約国会議の性格と今度のオランダにおける締約国会議の性格とかなりそもそもが違っているということでございます。
 京都の場合は非常に外から見ていましてわかりやすくて、それは、先進国がある数値で削減を約束するかどうか、そのときの数値が何になるかというのはもう非常にはっきり、それで成功、失敗というのがよくわかったわけでございますけれども、今度のは全くその性格が違うというのは、京都の議定書を実際に運用を可能なものにし、発効することができるようなものにするためにかなり多岐にわたる点について合意をしなければいけないということでございます。
 それで、なおかつ、その多岐にわたる点の合意というのが、お互いに連携をした形で合意が成立するということでございまして、今いろんな国が自分の国のポジションを述べておりまして、これから妥協に向けて、合意に向けての歩み寄りが始まるということでございますけれども、どの国も一〇〇%自分の国が言っていることで合意ができるということは論理的にあり得ない話でございまして、そういう意味でどういう形のパッケージができるか、どういう形の妥協ができるかということも、これもさまざまな選択肢といいますか、さまざまな組み合わせがまたあると思います。
 そういう意味で、できたパッケージ、妥協し合った結果のパッケージがどういう顔をしているか、その顔を見たときに参加国が実際に、特にそれを批准して責任を持つことになる、義務を持つことになるアネックス、附属書Tの国々、それからそれの議論に非常に影響を与える途上国たちが大きく不満足感を持つかどうかということではないかなというふうに感じております。
#46
○福山哲郎君 本当に率直にお答えいただいて、ありがとうございます。
 確かに、参加国が不満足感を持って批准に対して二の足を踏むような形ですとやはり成功だとは言えないと思いますし、結果として批准に至るプロセスがどの程度スムーズに行くかというのも十一月二十四日の時点では判断できないわけですから、一概に成功失敗というのは言えるとは思わないと私も思っておりますが、今まさに長官がおっしゃられました妥協でも合意に至ると。それぞれの国が妥協でもやはり合意に至らなければいけないということと、それから途上国の問題に対してどういうふうな道筋ができるのかという、ここは非常に大きな論点だというふうに思っておるんですが。
 環境庁長官は、途上国問題でオランダのプロンク環境大臣から、先進国の中での途上国の問題について多少そのパッケージを含めて汗をかいてくれというふうにボールを投げられたというふうにあちらこちらでおっしゃられているように伺っておるわけですが、十月に先進国を招いて途上国問題についての意見交換をしたというふうに伺っておりますが、その中身についてちょっとお披瀝をいただけますでしょうか。
#47
○政府参考人(浜中裕徳君) 御説明を申し上げます。
 そもそもワシントンで実は会合が開かれたわけなのでございますが、先月、オランダのアムステルダムの近郊でございますマウデンという場所で開催をされた非公式の閣僚会合、COP6に向けての非公式の閣僚会合におきまして、プロンク大臣から途上国支援については先進国の共通の回答を作成する必要がある、そういう要請を受けまして、我が国やカナダ、フランスなどが中心となって準備を進めまして、主要な先進国が参加をして非公式に開催をされた会合でございます。我が国は、この会合にその技術移転とか人材育成など、先進国が協調して効率的で実効ある形で支援策を打ち出すということが必要だという認識に立って会合に参加をいたしました。
 この会合におきましては、非常に率直な意見交換が行われました。やはり途上国支援の具体策をつくっていくということがCOP6の成功を左右するかぎであるという認識では共通でございまして、何が必要かつ実施可能な支援策であるかということについて熱心に議論をいたしました。
 しかしながら、この種の会合は実は初めてなのでございまして、そういう意味で、具体的な合意がどこまでできたかという点になりますと、もう少し話し合いを続ける必要があるということでございますが、ただいま申し上げましたとおり、やはりこれはCOP6の成功を左右する大変重要な問題であって、先進国としてこれに真剣に取り組む必要があるという点ではほぼ一致をしたわけでございます。
 現に、一昨日になりますでしょうか、EUとしての環境相理事会が、COP6の対処方針を議論する会合が開かれて既に声明が発表されておりますが、その中にも一つのパラグラフで、やはりCOP6を成功に導くためには欧州連合としては他の加盟国、特に発展途上国と密接に協力することを希望しているということで、具体的に能力の育成だとか技術移転だとかそういったことなどについても言及をしておりまして、EUとしても真剣に取り組むんだということを表明しております。
 また、アメリカも、いろいろな御主張はございますけれども、やはり途上国問題の解決が必要だと、COP6を成功に導くためには必要だという点においてはやはりEUや我が国と共通する認識を持っているというふうに受けとめております。
 したがって、せっかく始まったプロセスでございますので、COP6での合意に向けまして、引き続きこのワシントンでの会合、協調のための会議、これをさらに先進国が協調して検討を進めるということが合意されたわけでございます。
#48
○福山哲郎君 一つだけ確認させてください。
 今のその十月の会議、ワシントンで行われた会議にはアメリカも当然出てこられたわけですね。アメリカも出てきたんですね。
#49
○政府参考人(浜中裕徳君) 出席をしております。
#50
○福山哲郎君 今、浜中さんから技術移転それから人材育成等の話があったんですが、日本としてこの途上国支援に対して何か具体的なアイデアとかこういうものの提示をCOP6でしようというようなものは今何か、交渉事ですから今お披瀝いただけるかどうかはまた別でございますが、何か具体的なアイデア等は今お持ちでございますでしょうか。
#51
○政府参考人(浜中裕徳君) これは先進国で協調してCOP6で途上国側に対して先進国の真剣な姿勢を見せようということでございますので、まだそういう意味での具体的なアイデアが固まっているというわけではございません。
 ただ、先生も御案内のとおり、我が国としては、アジア太平洋地域を中心に既に京都会議のときから京都イニシアチブという形で、我が国のODAを活用して途上国の地球温暖化対策への取り組みを支援するということで現在既に相当の実績を積み重ねてきております。例えば人づくりとかそういうことでですね。それから、環境庁といたしましても、エコ・アジアという会議でございますとか、あるいは地球温暖化アジア太平洋地域セミナーというような会合をもうこの十年ぐらいずっと積み重ねてきております。そういう実績を踏まえまして、そういう経験を生かしまして、実効ある支援策に貢献をしていきたいというふうに考えております。
#52
○福山哲郎君 そこで問題になるのは、アメリカの問題だというふうに思っています。
 アメリカが途上国の問題、支援に関しまして新たな対話ということを言い出しておりまして、それに対して資金援助も含めて新たな対話にのると。これはもともとアメリカが主張している途上国の参加ということにかかわる問題なんですが。
 今、浜中部長がおっしゃられたように、アメリカもその途上国支援については解決に向けて努力をしたいと言われていますが、しかし、この新たな対話等が出てきて、このアメリカ側の言っている新たな対話というのには途上国は多分まないたにのってきそうにないだろうというふうに思っておるんですが、このアメリカのポジションについては今どのように御認識されていますか、長官。
#53
○国務大臣(川口順子君) まず、その途上国の参加の点でございますけれども、アメリカも、それからそういう意味ではEUも基本的に途上国がどこかの時点でこの温暖化防止のための温暖化ガスの削減に何らかの形で参加をするということは非常に重要なことだと思っております。それは日本もそういうふうには思っております。
 というのは、二〇一〇年に、IPCCの調査ですと、途上国の温暖化ガスの排出量が全部合計しますと先進国のそれを超えるということになっているわけですね。ですから、どの時点でという話はちょっとおきまして、地球温暖化を抑制するというそういう観点からは全地球の国が参加をしていくということは大変に必要なことだというふうに考えているわけです。
 それは例えば、そういうことになりませんと、企業が温暖化の抑制義務を持っていない国に移転する、資本移動する、あるいは工場がそこにできるということにもなりますし、そういうことになれば、むしろ途上国でそういうことをやる方が全体として温暖化、温室効果ガスの排出がふえてしまうということにもなりかねないということで、どこかの時点ですべての国がかかわるということが望ましいということはみんなが共通して考えているわけですし、途上国も温度差はありますけれども幾つかの国はそういうふうに思っているということです。
 それで、アメリカの話ですけれども、多少その差がございますのは、アメリカとEUを比較した場合に、どの時点でどういうように途上国と話をしていくかということについての現実的なアプローチという意味で考え方が違うということでございます。
 そういう意味で、差は全くないということではありませんけれども、これは現実的に国際交渉の場で議論をしていくという過程で調整が可能になる話でございますので、このCOP6の場所で、この場で何らかの話し合いが、途上国問題というのは非常に大きな問題でございますので、話し合いが行われている過程で何らかの調整がなされるのではないだろうかというふうに思っております。
#54
○福山哲郎君 私の理解が正しいかどうかわかりませんが、今の長官の御発言は結構重要なポイントだと思っていまして、COP6を合意に至らしめるというときに、途上国の参加問題について、今長官はどこかの時点で参加をしてもらわなければいけないと。しかし、それはある意味でいうと原則論に戻るわけで、そういう議論をこのCOP6の中で日本はポジションとして今とられるということですか。そこは非常に実は大きなポイントではないかなと思うんですが、長官いかがですか。
#55
○国務大臣(川口順子君) 私が前段で申し上げましたことは、COP6の場でということではございませんで、したがいまして、どこかの時点でというふうに申し上げましたのは、歴史のどこかの時点でということでございまして、COP6の場所でそれについての合意を得るということを日本の方針としているわけではない。ただ、温暖化防止という観点からいうと、先進国だけが義務を負っているという状況で、しかも二〇一〇年になると実質的に排出ガスは発展途上国の方が大きくなるということを申し上げているだけでございまして、今の時点であるいはCOP6の場でそれがメーンの議論になるということを申し上げたわけではございません。考え方でございます。
#56
○福山哲郎君 私は、今アメリカのCOP6に向けてのスタンスと日本のポジションについてお伺いをしています。
 今の長官のお話は、確かに原則論としては非常に重要なポイントだと思います。しかし、それを持ち出すことによってCOP6の合意というものは、最初、冒頭に長官の言われた重要な合意というものがとんざする可能性があると。じゃ日本は議定書の交渉の中でその話は出されるんですか。短目にお答えください。たくさんお伺いしたいことがありますから。
#57
○国務大臣(川口順子君) 今度のCOP6について限定して申し上げますと、COP6の場では、途上国にかかわる議論とそれから京都議定書についての意見の相違を埋めるというのと二つの柱があって、二つが非常に重要だということを申し上げております。
 そのときに、途上国の部分がなぜ重要かといいますと、条約において、技術移転ですとか、先ほど浜中部長から御説明を申し上げましたような点について先進国は途上国に対して支援の約束をしているにもかかわらず、それをやっていない。それから、途上国から見た場合に、先進国が今削減の努力を積極的にやっているというふうに必ずしも見えないということに途上国の大きな不満があるわけでして、ここの解消を何らかの形で努力をして途上国にそれを理解してもらうということが今度のCOP6の議論の中で非常に大事である。これは非常に大事なことなんです。
 ということでございまして、それをぜひやりたいというのが、この間のワシントンの会合等でも先進国の足並みをそろえるということで、日本が足並みをそろえる努力を裏方で一生懸命しているということの理由でございます。それが、今度のCOP6に向けての途上国との関係でいえば日本政府の考え方です。
#58
○福山哲郎君 なかなかよくわからない、釈然としないところもあるんですが、次へ行きます。
 その中で、アメリカが途上国に対して非常にかたいポジションを崩していないと。特に、九七年アメリカ上院のバード・ヘーゲル決議にありますように、途上国の参加がなければこの議定書は批准をしないんだという決議がアメリカ議会にはあります。アメリカ議会の批准するしないにかかわらず、日本としては合意をした後、このCOP6で合意が得られれば、日本としてはアメリカの批准、非批准にかかわらず早期批准に向けて動き出すという認識でよろしいんですね。短目にお答えください。
#59
○国務大臣(川口順子君) なかなか短くお答えするのが難しい御質問でございまして、アメリカの上院の決議はございまして、それからきのうの選挙の結果を見て上院の力関係がそれほど変わっているか、全然変わっていませんし、それからあれはそもそも超党派の決議でございますので、依然としてそういう実態はアメリカには存在すると思っております。
 それで、議定書の発効要件からいいますと、アメリカがそれを批准しないということと発効要件とは別な話でございますので、だからといって議定書が発効できなくなるわけではないというふうに思っております。
 ただ、実際上アメリカは世界最大の排出国でございますから、アメリカがそれに参加してくれないという状況ではどれぐらいその効果があるかという意味でアメリカの参加は非常に重要だと、環境保全という意味から重要だというふうに考えておりますので、私どもとしては、これはうんと先の本当に仮定の話でございますので、選挙の結果もわかっておりませんから、そういうことは余りはっきり申し上げない方がいいんですけれども、仮にそういうようなことが将来あるとしたら、私どもとしては一生懸命アメリカに参加を働きかけていきたいというふうに思っております。
#60
○福山哲郎君 今私の質問にお答えいただいていないんですが、アメリカに批准してもらうことが重要だということは私も本当にそのとおりだと思います。それができる合意がこの二十四日に必要なこともわかっているつもりでございます。しかし、アメリカの批准いかんを問わず、長官が今まさにおっしゃられたとおり、アメリカの批准に関係なく議定書の発効要件というのはあるわけですから、日本はアメリカの批准を問わず早期批准に向けて、COP6後は早期批准を目指すということでよろしいんですね。
#61
○国務大臣(川口順子君) COP6の場でまず大事なことは、国際的に不満足な国が出ないような合意にまず達するための最大限の努力をすることだと思っております。それを踏まえて日本の国内制度の構築に一生懸命に力を尽くすということが大事だと思っておりまして、それをまずやるということが当面の目標でございます。
#62
○福山哲郎君 余りお答えいただいていないんですが、それは国内制度の整備に努めるのはもちろんで、その後に批准という話があるわけですが、お答えいただけないみたいですが。
 少し懸念をするのは、先ほどの途上国に対するポジションも、いつかは参加をしていただかなければいけないと長官が御発言になった。今、アメリカが批准するかしないかにかかわらず、日本はこれに対してCOP3の議長国として批准をする用意があるのかと言ったら、それも明言をいただかなかった。これに関しては、これから交渉に当たるに関しては少し懸念をすると。余りアメリカ追随ではない方が、僕はこういう議論は余り好きじゃないんですが、これは日本が議長国として積極的に早期批准を求めていく、日本自身もそれに向けて頑張るということが必要だというふうに思っているんですが、もう一言だけ長官、いかがですか。
#63
○国務大臣(川口順子君) 委員の全くおっしゃるとおり、私は、今度のCOP6での私の発言の中には、二〇〇二年の発効を目指してということを言うことが非常に大事だというふうに思っております。
#64
○福山哲郎君 またうまく答えられて、二〇〇二年発効に日本が参加するかしないかということは、まあ、いいです。では、これも短目にお答えください。
 京都議定書は、長官、法的拘束力があるものだとお考えですか、お考えではありませんか。
#65
○国務大臣(川口順子君) これは短くお答えできますが、答えはおっしゃるとおりということです。あると思っております。
#66
○福山哲郎君 法的拘束力があるという状況の中で、日本は条約事務局に出しているペーパーで、不遵守に対して、要は第一約束期間に守らなかった国に対する不遵守に対して政策措置の勧告ということを日本は言われています。政策措置の勧告でございますから、私としては、法的拘束力があるというふうに今、長官がお認めになって、日本が出しているペーパーでは不遵守のところに対しては政策措置の勧告をしましょうという話でございまして、法的拘束力と政策措置の勧告という形がどうこれが合理的に説明できるのか、ちょっと理解ができないんですが、そこは御説明いただけますでしょうか。
#67
○国務大臣(川口順子君) 日本が遵守についてずっと国際会議で言っておりますことは、実効性があってそれで遵守を促進し、不遵守を未然に回避するということを申し上げているわけです。それで、不遵守、例えばコミットメント、六%のコミットの削減の約束が守れないということがあった場合に、じゃどうすればそれを次の段階で守れるようになるだろうかということが一番大事でございまして、日本が政策的に、例えば政策の話をしておりますのは、まさにそういう政策で何をやるかということ、何が理由でできなかったかということが明らかになって、それに対応するための新たな手が打てるようなことにその国がなるということが一番、次に約束を守られないような状態がなくなるという意味で大事だということが一つの理由でございます。
 それからもう一つは、これも私はたびたびあちらこちらで申し上げている話でございますけれども、京都の議定書、今度の会議では京都の議定書の意見の相違を埋めることが、しかもできるだけ早く埋めることが大事でございまして、京都の議定書自体は九七年に大変な、時計をとめての議論の末、微妙なバランスの上に成り立っている議定書でございまして、その議定書の内容を改正するというようなことをやりますと、パンドラの箱をあけるといいますか、ほかのここを変えたいというふうに思っている、ほかの場所についてこれを変えたいと思っている国がたくさんあるわけですから、そういうものが一遍に出てくるおそれがあるということでございまして、京都の議定書の改正につながるようなことはやらない方がいいだろうというのが日本のポジションでございます。これは、できるだけ早く京都の議定書を批准可能なものにして発効させるという観点からの議論をしているわけです。
 それで、もし不遵守の結果、例えば罰金ですとかそういうような強制的な措置が必要になるという場合には、京都の議定書ではこれは改正が必要だというふうに書かれておりますので、したがってそれを必要とするような不遵守の措置というのを考えるということは、早期の発効に向けての努力という観点から言うと問題ではないだろうか。その二つの理由で今、日本がとっているポジションをとっているということでございます。
#68
○福山哲郎君 今のことで二つのことをお伺いしたいと思います。
 そうしたら、政策措置の勧告はいいと。だけど、政策措置の勧告でもし第一約束期間に不遵守の国が出てきたときに、その不遵守の国が、遵守していない、守っていないときには未達成の数量分は一体どうなるのか、どのように日本政府はその未達成の部分を考えておられるのかということが質問の一つ。
 それから二つ目は、早期発効のために改正を伴う罰則規定はだめだということならば、発行後なら法的措置、法的拘束力を有する措置を考えるポジションはあり得るのか、発行後なら、あり得るのかという二点についてお答えいただけますか。
#69
○政府参考人(浜中裕徳君) 御説明を申し上げます。
 我が国がこれまで提案して主張してきておりますのは、数値目標の不履行に対してその公表、ある国が実際に守れなかったんだよということを公表していく、そしてそれを是正するための政策措置を勧告をする、こういうことでございます。
 それで、実際に守れなかったらどうするのだということでございますけれども、実際問題といたしまして、これは民間の法人なり個人を対象とする制度ではございませんで政府を対象とするもので、これまでの国際協定においてもなかなか罰則などの強制的措置を伴う国際協定というのはほとんど例がございません。環境条約についても同様でございます。モントリオール議定書などもそうでございますけれども、それでも実効を上げてきているということでございますから、やはり我々はそういう我々の提案しているようなものがやはり現実には国際間の協定としては実効があるものではないかというふうに考えているところでございます。
 それから、実は発効してからそうしたらいいじゃないかというお考えをお示しになられたわけでございますが、これはそうなりますといわば強制力を伴う遵守措置の必要性からもう一回改正をするということになりますと、改正前の議定書に加盟する国と、それから改正をされた後の議定書に加盟をする国、これが一致するかどうかというような問題がまた出てまいりまして、前の議定書、改正前の議定書にはこれは締結し得るので批准をしたと。しかし、その不遵守の際の措置について、改正をされたその改正後の議定書の内容については我が国としては同意できないので批准できないというような国が出てくる可能性は理論的には十分あり得るわけでございまして、そうした場合にその運用がなかなかうまくいかなくなるおそれもあるという、いろんな難しい問題がございます。
 そうした複雑な法的に非常に面倒な事態になりその発効がおくれると、実施がおくれるということになるのではないかということを懸念しているということでございます。
#70
○福山哲郎君 もう時間がございませんので、あと二つぐらいお伺いをしたいと思います。
 八月九日、日本が条約事務局にいわゆるシンクのポジションを、算定方式をFAOのアクティビティーベースで提出をされました。これが新聞等でも、委員会等でも言われておりますから余り繰り返しませんが、実際の本番のCOP6の議長のテキストからこの日本の提案をしているFAOアクティビティーベースの算定方式というのが落とされているということに対してどのように長官は評価をしているのかということと、八月の九日、私がこの委員会でFAOアクティビティーベースとIPCCベースについてのシミュレーション、日本の数字を、今出している数字を挙げてくれと言ったら、浜中部長が検討させていただきますというふうにおっしゃられましたので、できればもうCOP6が目の前でございますから、恐らくもうその数字を持っていかないと交渉成り立ちませんので、その数字について御披瀝をいただいて、二点いただきたいというふうに思います。特に、伐採後の再植林に対して何%の削減の数値を持っているのかについてお答えをいただければありがたいと思います。
#71
○国務大臣(川口順子君) それでは、最初の御質問だけ私の方からお答えをさせていただきます。
 吸収源の現在のテキストに、FAOの三条三項についてですが、FAOの方式が入っていないということは事実でございます。
 ただ、吸収源というのは三条三項とそれから三条四項と一体として評価をすべき話ということでございますので、日本は三条三項、三条四項一体として考える、その日本の考えている定義というのはIPCCの定義と同じになるということでございますので、それは三条四項の議論を引き続き、もし三条三項が議長のテキストということに仮になるということがありましたら、それは三条四項の議論も含めて一体として考えたいというふうに思っています。
#72
○政府参考人(浜中裕徳君) 数字の関係について、お答えを申し上げます。
 京都議定書三条三項につきまして、FAOの定義とIPCCの定義があるわけでございますが、我が国が提案しておりますFAO活動ベースの定義を用いました場合には御案内のとおり温室効果ガス排出量、基準年排出量に対しまして年平均〇・三%という吸収量が見込めるわけでございますが、一方、IPCCの定義を用いますと〇・二%の排出になるというふうに推定をしております。
 したがいまして、その差でございますのはいわゆる伐採後の再植林、これが実は〇・五%分の吸収というふうに考えておりまして、これが抜けますとその他の部分というのが〇・二%の排出になると、こういう結果になるわけでございます。
 なお、FAOには土地ベースT、土地ベースUという算定方法がIPCCの報告書には出ておりますが、これらにつきましてはその算定に必要な土壌中の炭素に関する科学的なデータが我が国では不足しておりますので、現在のところちょっと算定することができないという状況でございます。
#73
○福山哲郎君 ありがとうございました。
 もう本当に駆け足の質問になりまして大変失礼いたしました。とにかく来週から始まりますので、私はどちらかというと、こうやって質問させていただいておりますが、応援団のつもりでおりますし、こんなところで言うと怒られますが、私は長官に行っていただきたいと思っている方のうちの一人でございます。これはあくまでも個人的な意見でございますが、ぜひ御奮闘をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#74
○広中和歌子君 民主党の福山議員からCOP6についての御質問があったわけですけれども、私は、地球温暖化一般について、建設大臣並びに環境庁長官に御質問させていただきたいと思っている次第でございます。
 地球温暖化による異常気象、それによる災害が地球規模で各地に起こっているわけでございます。長雨による浸水、それから大雨による洪水、片や砂漠化も進行しているわけでございます。
 ここに御本がございますが、「人類は80年で滅亡する」と、ちょっとショッキングなタイトルの本でございますが、立派な学者が書いていらっしゃる。東北大学の西澤潤一先生と上墅勲黄先生、このお二人の書いていらっしゃる本でございますけれども、ともかくこの温暖化問題というのは本当にゆゆしき問題になっているわけでございます。
 四方を海に囲まれております我が国、その海岸線は非常に長いわけでございますけれども、その海岸線の護岸、もう既に半分ぐらいされているわけでございますけれども、その護岸を幾ら高くしても、あるいはダムを幾つつくったとしても、やはり自然の威力には結局はかなわないのではないかと。少なくとも、二十一世紀までの日本あるいは世界がどれだけ温暖化防止に真剣に取り組むかということが今世界的に問われているんではないかと思います。
 環境問題というのは、省庁の壁を越えて、環境の視点から政策も予算の獲得も行われるべきであるというのが私の持論でございますけれども、環境庁は来年から省になります。省庁の壁を越えて環境の視点からいろいろ政策を行っていただくという点で、今総理府のもとにあり各省庁と連携をとりながらやっていくというスタイル、それは今までその実力が十分にあったかどうかということは別といたしまして、そういうスタイルから離れて省として今度は独立するということになりますと、二十一世紀に向けて本当に環境庁のリーダーシップが求められているときにどれだけのコーディネーションパワーというのでしょうか、調整力が発揮できるのか、そのことについてお伺いいたします。
 時間の制約もございますから、この委員会についてでございますけれども、省庁再編の後には環境委員会ということになるんだろうと思いますが、現在はむしろ幅広く建設省、国土庁、北海道開発庁なども参加していろいろここで討議が行われているということは大変結構なことだと思っているわけですが、この委員会におきましてどのような成果が上がってきたのか、それについても御意見をお伺いいたします。
#75
○国務大臣(川口順子君) 広中委員は、環境庁長官としては私のもうはるか先輩の方でいらっしゃいますし、それから環境に関する知見、それから当然人生の先輩ということでいらっしゃいますので、環境庁の今までの実績なりあるいは実力なりあるいはこの委員会の成果なり、多分私なんかよりもはるかに御存じの委員の方に御質問をいただきますと、非常にどういうふうにお答えしようかなと迷うわけでございます。
 環境省になるに当たりまして、環境政策という意味では、今まで持っていなかった権限といいますか、仕事が環境省のところに来るということでございます。それは単に仕事の範囲がふえるということではなくて、例えばリサイクルで共管になるとか、廃棄物行政を実際に持つということでございますので、足場というとちょっと言葉が悪いかもしれませんが、を持つ官庁として政策面の企画立案ということも当然でございますし、それから実際に政策を実施に移していくという観点、両方の観点から、まさに一生懸命に引っ張っていくということが期待されていますし、それをやっていきたいと思っております。
 それ以外にも、今後二十一世紀を考えますと、いろいろな分野ですべて環境を抜きには語れないということでございますので、幅広く日本において行われていることに注目をして、環境の観点から発言をすべきことがあれば発言をどんどんしていくべきだというふうに思っております。
 それから、この委員会はもう今まで数々の法律、非常に基本的な法律も含め大変にいい仕事をしていただいたというふうに、私はずっと政府の外におりましたけれども、外から見ていてもそういうふうに拝見をいたしておりまして、今後ともその環境庁を、あるいは環境省を引き続き御指導、御鞭撻をいただきたいというふうに思っております。
#76
○広中和歌子君 では、建設大臣にお伺いしたいと思います。
 建設省はさまざまなお仕事をなさっているわけでございますけれども、環境という視点で、先ほども同僚議員へのお答えにもありましたように、アメニティーという形で、護岸も単にコンクリで固めるだけではなくて環境に優しいという形でいろいろやっていただいたり、またさらに住みやすい住環境ということでも御努力なさっていることは大変評価するわけでございますけれども、もっと抜本的にこの温暖化問題についてやることがいっぱいあるんではないかというように思うわけです。もう既に建設省の行政の中に上がっていることだろうとは思います。
 例えば、屋根がわらをそのままソーラー発電でやってしまうとか、ビルの外壁であるとか、それから断熱、二重窓、複層ガラスなどさまざまな省エネのやり方があるし、また質の高い長もちをする住宅など、やることがいっぱいあると思います。
 エイモリー・ロビンス、それからハンター・ロビンスとワイツゼッカーの共著で「ファクター4」という本があるわけですけれども、エネルギー生産性を四倍にし物質生産性を四倍にすれば、私たちは今使っているエネルギーの半分で二倍の豊かさを享受できるというようなことを言っているわけですが、現実にこういうことができるとわかっていても、少なくとも日本の住宅行政などで積極的な対策がとられていないような気がします。
 例えば、せっかく総理官邸が新しくできるわけでございますけれども、私たち環境に熱心な議員は、その中には自民党の議員もいっぱいいらっしゃいましたけれども、例えばぜひソーラーパネルでやるようにとかいうようなことを申し上げたわけですけれども、何も実行されていないということでございまして、ここは扇建設大臣の出番だろうと思うわけでございますけれども、ぜひ前向きな指導力をこの分野でも発揮していただきたい。
 申し上げるまでもなく、環境問題でさまざまな高いハードルを設けるということは、経済の発展にもつながる、産業の発展にもつながるということでございますので、ぜひこの点は通産省と御一緒にさまざまな経済的な手法、つまりインセンティブを設けるとか規制を設けるとか、そういう形でやっていただけないものか、そのことをぜひきょうはお伺いしたいと思っております。
#77
○国務大臣(扇千景君) 今るるお話を伺っておりまして、御存じのとおり二十一世紀は地球規模での環境の世紀だと言われております。私はそういう意味において、この機に、今、長官が横にいらっしゃいますけれども、広中先生、環境庁長官経験者等々が努力なさって、環境庁が環境省に格上げするということも、二十一世紀にまさに時宜を得たいいことであったと。今度省庁再編が行われますけれども、そういう意味においても、二十一世紀が地球規模での環境の世紀だと言われる中において、大いに皆さん方の知恵と、そして広中先生のような御経験を生かして私はそれに対応するべきであろうと思います。
 また、そのことに対して建設省としてしなければならないこと、そして歩調を合わせて、省庁を超えてこの地球規模の環境の世紀だと言われるものに対応するということは欠くべからざるものであるし、今、先生がおっしゃいましたように、省庁を超えて壁を超えてとおっしゃいますけれども、まず、私は今建設省でございますから建設省としてできるものは何なのかという件に関しましても、省エネルギー法に基づきましても、私たちは断熱材、今、先生がおっしゃいました二重窓等々の住宅の省エネ基準、それを決めておりますので、それに沿った住宅というものをつくっていかなければならない。
 また、その基準に適合した断熱性の高い住宅などに対しても住宅金融公庫、その金利上の優遇等々も、私たちはそういうものを使った住宅に対してはそれを適用しております。今割り増しの融資の適用も行っておりますし、そういう意味では私はかなり皆さん方に環境に対する認識というものが出てきた。またそれをすることによって、融資枠をふやしてもらえるとか、あるいは制度を適用してもらえるとかという特典を利用して、大いに若い人たちのそういう意識が高まってきたと私は思っておりますけれども、少なくとも今おっしゃったように耐久性の高い持久力を持った建築をするということにも私は大きく寄与するものであろうと思いますし、今年度から住宅金融公庫の木造住宅の融資条件も改めました。ですから、そういう意味では耐久性の高い基準を少なくとも要件化したということに対しても私は大きな変革であろうと思っております。
 またさらに、省エネ性や耐久性の高い住宅への補助制度を積極的に活用するとともに、本年十月から制度運用を開始した住宅性能表示制度、これはこの住宅が適合しているか、いい性能の住宅であるかという制度も十月から実施しておりますので、住宅の省エネルギー性や耐久性あるいはそれらの表示を行って少なくとも消費者の選択の目安とする。
 そういうことで、皆さんが安心して、この住宅を買えばいい住宅だなと、表示が張ってあれば安心して買っていただける、そういうことも十月からは導入しておりますので、今後もこのような制度を含めてより環境に優しい、そして今まではおおむね建設省はハードという面での行政が多うございましたけれども、私は二十一世紀の公共事業も含めてソフトであると、ソフトの部分をいかにするかということに力を入れることによって、環境に優しい住宅あるいは環境あるいは町づくり等々に私は寄与していきたいと思っております。
#78
○広中和歌子君 この後、公共事業についてお伺いしたいと思っておりますが、お時間であれば代理の方で結構でございます。
 ともかく、日本では既に建っている住宅を買うときに中古というふうに言いますよね。土地が中心で、幸いにして土地の値段も下がっておりますから、これからは同じ値段であれば住宅にもっとお金をかけるということで、二十五年で壊してしまうような住宅政策はぜひおやめいただきたい。よその国と比べて日本の住宅がいかに粗末であるか、少なくとも中身において粗末であるということを十分御検討いただければと思う次第でございます。
 次に、公共事業についてなんでございますけれども、GDPの八・七%、先ほどの御説明を聞いておりますと年間約三十六兆円だそうでございます。諸外国に比べて非常に群を抜いて高いわけです。戦争後に日本は瓦れきと化した中での再建でございますから、民間だけではなくて公共事業も含めましていろいろお金をかけるということが大切だったことは十分にわかるわけでございますけれども、もうダムも十二分にできた、道路も非常にあちこち、都心にはもうちょっといいものが欲しいわけでございますけれども、かなりいい線まで行っているという中で、やはり大切なもの、そして住民が本当に望んでいるものに限っていくというようなやり方が必要ではなかろうかと思います。
 そういう中で、民主党は公共事業の見直しというものを党の政策に掲げているわけでございますけれども、幸いにして与党の方も見直しに着手してくださったということについては非常に評価させていただきますが、それが実効のあるものであってほしいと思うわけでございます。
 そういう中で見直しというときに、地元に検討委員会をつくると反対だというのが既に、例えば公共事業中止、約三割が拒否をしている、それは当然だろうと思います。やはりこれは地元の声を反映しながら、やるべきものはやらなきゃならない、しかし、むだなものはやめていくということですけれども、川辺川ダムにつきましては、これは地元のかなりの人たちが反対をしているという中でなぜやらなければならないのかということで、私どもは疑問に思っているところでございます。
 先週の週末、民主党としては川辺川ダムの視察に行ってまいりました。そして賛成派の方たちの声も聞きましたが、反対派の方々の声も聞いたわけでございます。そして集会を夜に開いたわけですけれども、あの小さな村で千人ぐらいの方がお集まりになって、やはりおかしいんではないかという声が大きい中で、結論を出す前に、私はぜひ環境庁にあるいは環境庁と建設省が一緒になって環境アセスを行っていただきたいとお願いする次第です。つまり、せめてそれくらいはやる義務が住民に対してあるんではないかと思うわけですけれども、環境庁長官の御所見をお伺いいたします。
 なぜ今まで環境アセスがなされていなかったのかといえば、御案内のとおり、この事業がかなり前に始まっていて、環境アセス法が通る以前の問題であるから要らないということなんですけれども、ともかく、今既に存続していて、しかも完成までかなりの時間がかかるというこういう事業に対してアセスをすることは、新しい法律に照らしても必要ではないかと思うわけでございます。
#79
○国務大臣(川口順子君) 広中委員がおっしゃられましたように、この川辺川ダムの建設事業というのは、そもそも実施計画調査に着手をしましたのが昭和四十二年ということでして、相当昔から始まっている話でございます。それで、昭和五十一年に特定多目的ダム法に基づく基本計画策定というのがなされていまして、それ以降、それに基づく環境調査というのがなされたというふうに理解をいたしております。
 それで、基本的に環境影響評価と申しますのは、事業者がみずから環境に与える影響を事前に調査をし、それから予測をし評価をするということでございまして、基本的にはそういうことで事業者がみずからやるということでございます。
 それで、先ほど申しましたように環境影響評価法というのが、先ほど委員もおっしゃられましたように昨年のことでございまして、それから特定多目的ダム法に基づく環境評価というのがなされたのが昭和五十一年ということでございますので、アセス法に基づく環境影響評価というものの手続はなされていない。そういう観点からは、環境庁はその調査には環境アセス法の観点からはかかわっていないということでございます。
 それで、建設省の方がいらっしゃると思いますけれども、環境影響評価法の標準項目というのがございまして、それを踏まえた調査が実施されているというふうに聞いておりますので、環境庁としましては、動植物などに与える影響ということを考えてその環境保全に適切な配慮がなされる、事業者によってなされるということを期待いたしております。
#80
○広中和歌子君 扇大臣がいらっしゃらなくて大変残念なのですけれども、建設省の方がここに御出席だと思います。建設大臣あて、また九州地方建設局長、川辺川工事事務所あてに要望書が出ております。ダム本体着工の前に環境影響評価について調査のやり直しを行うこと、再調査に当たっては調査範囲や項目、方法などについて専門家と市民団体を交えた川辺川ダム環境影響評価委員会を設置し十分な議論を進めること。
 川辺川ダムの建設については、総工事費が二千六百五十億円なんですが、もう既にその半分を使い切っているわけです。しかし、それと同時にほかにもさまざまなそれに伴う予算がかかって、その総額は四千三百六十二億円でございます。また、熊本県の負担は五百八十億、それはダム本体でございますけれども、それだけ負担しなければならない。そしてまた、その他を含めますと八百八十億円という、非常にこれだけの予算が住民、つまり市民の税金にかかるわけでございますし、私ども熊本に住んでいない人間にとりましても、国税が非常に多く投ぜられる。
 既に投ぜられたのは仕方がないにしても、これからこのように大きな額の税金が投じられることに関しては、やはり慎重の上にも慎重にしていただかなければならない。特に、反対運動があり裁判も起こされ、そして要望書が出ているときには、ぜひぜひ誠実に対応していただきたいと思うわけでございますけれども、建設省からお答えいただければと思います。
#81
○政府参考人(竹村公太郎君) 川辺川ダムに関しまして、御質問にお答えいたしたいと思っております。
 川辺川ダムは、九州の熊本県、球磨川の、山の中に人吉盆地という大きな盆地がございます。その盆地は、九州におきまして台風の通り道でありますし、なおかつ台風が来ますと三百六十度の山から水が押し寄せてくる。そして、その人吉盆地から出ていく川は球磨川といって大変急流でございまして、地形図を見ますと自然のダムのような形をしておりまして大変危険な場所でございまして、過去三十年間で七回の大洪水を受けております。そして、この人吉盆地を初めとする球磨川の方々の、水害から守ってくれという地域の方々、二市六町十村の方々の強い要望、私ども要望書を受け取り、各市町村が議会の議決を経て強い要望を行っているというのを私ども認識してございます。
 この地域、球磨川流域の治水と利水の必要性から私どもこの事業を実施しているわけでございますが、現在、水没の方々が五百四十九世帯と大変多うございます。この方々の御了解を得るために大変時間がかかりましたが、現在この方々のすべての御了解を得られまして、もうすべての方々が代替地に移転するという段階に至ってございます。
 このような事業の進捗のあるダムでございますが、特に環境につきまして御指摘がございましたのでお答えさせていただきますと、この事業が五十一年に開始された直後に、私ども動植物の調査、昭和五十一年から開始してございます。そして、二年目の五十三年から水質調査を開始してございます。そして平成五年からは、クマタカ、猛禽類、約七年前でございますが、猛禽類についての認識が高まりまして、平成五年からは私ども、クマタカ、猛禽類の調査を専門家の委員会を設けましてさまざまな観点から検討を進めてございます。これらの調査結果をすべて熊本県知事に御報告し、熊本県知事のまた御意見をもらい、そして内容はすべて一般に公表してございます。
 私ども、環境アセスメント法が成立する以前にスタートした事業でございますが、実質環境アセスメントと同程度の調査を行ってきておりまして、その調査結果についてさまざまな、インターネット等を通じまして一般の方々の御意見も聞いて、この事業の必要性と環境に十分配慮しながら実施していきたいというような、両方の要望をきちんととらえて事業を進めていきたいと考えてございます。
#82
○広中和歌子君 多分議論は平行線だろうと思いますけれども、ぜひ御理解いただきたいのは、ダムをつくることによって非常に水質が悪化するということでございます。(資料を示す)こちらはダムのない部分、そしてこちらは、ダムをつくった後の水の色を見ても歴然たるものがございます。さらに川辺川ダムの地学的問題ということで、元熊本大学の教授、松本さんという方が、古い地層の中でこういうダムをつくることによって危険が生ずるんじゃないかというような言い方もされているわけでございまして、ぜひこれは慎重の上にも慎重に対応していただきたいと心からお願いする次第でございます。
 次に、最後の質問に移らせていただきます。
 先ほども同僚議員、福山議員からございましたように、COP6についてですが、地球温暖化対策として我が国はCO2削減のために吸収源として森林に熱い期待を寄せているというような感じを、印象を受けております。別の言い方をすれば、他の措置を怠って森林にその役割を押しつけているような感じがしないでもないと思います。
 我が国土の六七%が森林として残されていることはすばらしいことだと思います。しかし、なぜ残されているかといえば、木材需要の現在八〇%を海外からの輸入に依存している。我が国は伝統的に白砂青松それから山紫水明と、自然を愛する国民だからこれだけ森林を残していると言ったらば、それじゃよその国の森林はどうなんですかと言われてしまいます。自分の国の森林が大切であるなら、そして緑のダムとして、これは民主党が推進しているアイデアでございますけれども、緑のダムとして森林を日本の山に残しておきたいと、そう願うのであれば、やはり日本の森林同様によその国の森林も大切にしなければならないということは当然だろうと思います。それが国際社会の中で、グローバルな社会で生きていく上に非常に大切なことだと思います。
 なぜこういうことが起こってきたかというと、もう非常に安い木材を売る国があるということもあります。それからまた、円高もあるし、日本の経済力が上がるにつれて労賃が高くなって森林経営というのが割に合わなくなったということなのでございましょうが、しかしながら、森林には非常に多様な機能があるということでございます。保水の機能だけではなくて、本当にこれから、森林浴とか自然に親しむ、さまざまな形で森林の存在というのが評価される時代が来ると思います。
 そういうようなことで、環境庁に、国内だけではなくて国外の植林についてリーダーシップをぜひ発揮していただきたいということでございます。そして、その資金が必要であるならば、私は、サーチャージというんでしょうか輸入関税、あるいは輸出関税をかけていただいてもいいわけですけれども、輸出する国に対してですよ、輸出する国が輸出税をかけていただいてもいいんですけれども、何かそういう形で資金を捻出することによって植林を推進していただく、そのリーダーシップをぜひとっていただきたいということが一点でございます。
 この前、国連大学におきまして、国連大学主催で世界森林会議というのがございまして、それを環境庁が共催で御支援くださいましたことを非常に感謝しておりますし、また環境庁長官におかれましても、御出席いただき、すばらしいスピーチをいただいたことを大変感謝しているわけでございますけれども、ぜひ今後ともこの森林行政を林野庁とともに環境の大きな柱としてとらえていただきたいというお願い。
 それから、最後にですけれども、国連にいろいろな国連の何とか年というのがございますね、女性年とか少数民族年とかいう年がございますけれども、そういうふうに設けますと非常にそのテーマに対して意識が高まるということがございますので、国連に世界森林年みたいなものをぜひつくっていただきたい、それを我が国から、環境庁長官が総理に働きかけてくださることによってぜひ実現していただきたいというお願いでございます。
#83
○国務大臣(川口順子君) 広中委員もおっしゃられましたように、森林はさまざまな機能を持っておりまして、また多くの世界の人々にとっては重要な生活の場でもあるわけでございます。
 森林は非常に重要だというふうに私ども思っておりまして、委員が、先ほどもちょっとおっしゃいましたけれども、非常に森林の分野で指導的な役割をお果たしになっていらっしゃり、先ほどおっしゃった国連大学の会議の場でも本当にリーダーシップを、まさにリーダーとしてその会合をなさっていらっしゃるということに私は大変に深い感銘を受けております。
 それで、環境庁といたしましては、森林の保全、管理のますますの充実という意味で非常に関心がございまして、例えば森林の保全と持続可能な管理のあり方に関する検討、調査を国環研、国立環境研究所ですとか、それからほかの調査を通じてそういう面での調査にも積極的に支援を今しているところでございますし、それから環境事業団に地球環境基金というのがございまして、NGOの方々のさまざまな活動に支援をしておりますけれども、森林分野というのもこの点から入っておりますし、今度、UNEPの親善大使に加藤登紀子さんをお願いいたしましたけれども、この方にもいつか海外で植林活動をしているNGOの方々の支援等もやっていただきたいなと私としては思っております。
 それで、林野庁との連携も含め、そういった森林活動の支援には一生懸命にこれからリーダーシップを発揮していきたいというふうに思っております。
 それから、森林年ですけれども、委員おっしゃられましたように、国連でいろいろな年が、女性年ですとかボランティア年ですとかいろいろございまして、森林の持つ価値を世界的に認識してもらうという意味で非常に意味があるというふうに思っておりますし、この間、広中委員がリーダーシップをとられた国連大学における会議においても、声明にこの国連森林年の話が出ているということもよく知っております。
 それで、その発案というお話でございますけれども、非常におもしろいといいますか非常に意味のあることだと思いますので、これは検討をさせていただいて、ほかの省庁とも相談が必要ですので検討をさせていただいて、できる限り前向きにと思っております。
 以上でございます。
#84
○広中和歌子君 終わります。どうもありがとうございました。
#85
○委員長(溝手顕正君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十一分開会
#86
○委員長(溝手顕正君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土整備及び環境保全等に関する調査のため、本日の委員会に中央省庁等改革推進本部事務局次長松田隆利君及び国土庁大都市圏整備局長板倉英則君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#88
○委員長(溝手顕正君) 休憩前に引き続き、国土整備及び環境保全等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#89
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 私は、さきの通常国会で成立いたしました循環型社会形成推進基本法、これに関連いたしまして、不法投棄の問題について取り上げたいと思います。
 先日、川口長官も不法投棄の増加が依然として大きな社会問題になっているということで、所信的あいさつだったでしょうか、その中で述べていらっしゃいますけれども、これは循環型社会をつくり上げていく経過的な中では出てくる問題だとは思いますけれども、やはり十分にこれは対処していかなければいけない、極めて深刻な問題に発展し得る可能性もあると思いますので、それについて質問させていただきたいわけです。
 十年度では不法投棄が千二百七十三件、あるいは不法の投棄量については四十四万トンを超えている、また不法投棄が小口多発化しているという現状になっているわけでありますし、それから原因者による原状回復ですか、これについて三割にすぎないのが実態である。
 そういったことを考えていきますと、基本法の中でも、関連して、不法投棄を厳しく取り締まるためにもいわゆる委託後も排出事業者に責任があるということが明記されているわけでありますけれども、これに関連して、さらに改正廃棄物処理法の中では、排出事業者である企業に対して最終処分を確認することを義務づけしているわけであります。違反した場合は、都道府県は不法投棄された廃棄物の撤去を企業に命じることができるようになったわけであります。
 これは、そういった意味では排出事業者責任の強化というふうに考えることができるわけでありますし、処理をほかの者に委託するか否かにかかわらず、最終処分が行われるまで排出事業者の責任が徹底される、そういったことで極めて重要な部分であると思います。そういった意味では、ごみ問題、こういった点に関しまして大きな前進と評価しているわけであります。
 そこで質問でございますけれども、十月の十一日に、公明党としては森総理に、いわゆる循環型社会構築のため廃棄物の不法投棄絶滅に向けて早急な対策を求めると、こういうことに関しまして申し入れをさせていただいたわけでありますけれども、電子マニフェストシステム、これは当然ながら改正廃棄物処理法に適合するように改善しなければいけないわけですけれども、こういった関係についても、この制度の信頼性を高め、あるいは円滑な運用を図るように、そういう内容についても触れております。
 ただ、従来のマニフェストについては、処理情報を十分に把握できないとか管理が徹底していない、あるいは処分終了を示す架空の紙のマニフェストが出回る、売買されている、そういったことの中で不法投棄が進んできているという、そういう実態があるように聞いておりますし、そういった観点から、厚生省が、一昨年末でありますけれども、コンピューターのネットワークを使ったいわゆる電子マニフェスト制度をスタートしている。
 この電子マニフェスト制度については、事務処理の効率が上がり、虚偽の報告ができづらい、あるいはこれが普及すれば不法投棄が後を絶たない現状を改善できるというふうに言われておりますけれども、ただ排出業者におけるこの制度の導入というのは現在、約二年になりますけれども二百社程度でしかないと。
 これはやはり全国的に普及させていくべきだと私は思っておりますけれども、この辺の取り組み、政府はどのようにお考えか、お示しを願いたいと思います。
#90
○政府参考人(岡澤和好君) 電子マニフェスト制度に対するお尋ねでございますけれども、御指摘のように電子マニフェストの仕組みというのは記載事務の簡素化と同時に、不法投棄の未然防止のために大変有効な手段だというふうに考えております。
 また、今回、廃棄物処理法の改正が行われましたけれども、無許可業者の排除を含めた電子マニフェスト制度のシステム改良につきましてはIT関連予算としてことしの補正予算で前倒しで要求をしておりまして、これによって廃棄物処理法の改正法に即した電子マニフェストの対応ができるというふうに考えております。
 また、今御指摘のように、産業廃棄物処理業者の中で電子マニフェスト制度に対応できる業者が非常に少ないという状況ではございますけれども、一方で、私ども、処理業者に関する情報というものをインターネットを通じて事業者に提供するようなシステムを考えておりまして、その提供システムの中に電子マニフェストの制度に対応できるかどうかというふうな情報も含めて提供したいというふうに考えておりまして、そういうことによって少しでも電子マニフェストの普及を図ってまいりたいというふうに考えております。
#91
○加藤修一君 計画的に、定量的な意味で、数値的な意味でどのぐらいのスケジュールでもってその辺のことを考えていらっしゃいますか。今、二百件ということなんですけれども、その辺、明確なお考えはございますか。
#92
○政府参考人(岡澤和好君) 先ほど申し上げました産業廃棄物処理業者の情報をインターネットで提供するシステムというのがもう既に試行的に始まっておりまして、これはだんだん充実させていきたいと思っています。
 そうした対象業者の中に、これをどのぐらい、これもカバーしている率が今のところ必ずしも多くないんですが、こうした処理業者の情報を提供するシステムの中にカバーする処理業者をだんだん含めていって、できれば数年以内にある程度の重立った業者がこの情報提供システムにカバーされて、かつ電子マニフェストに対応できるようにしていくということを一応念頭に置いて考えております。
#93
○加藤修一君 循環型社会への移行を効率的にやっていく、あるいはそごのないようにやっていく上ではこの部分というのは極めて大きな問題であると思いますし、深刻に考えなければいけないとも思っていますので、十分対処を、最善を尽くしてやっていただきたいと思います。
 それで次に、いわゆるマニフェストに関係してくるわけでありますけれども、廃棄物の処理に関して、何をもって最終処分が終了したか、その辺のことが非常に重要だと私は思います。
 百四十七国会の折でございますけれども、衆議院の厚生委員会で、答弁として岡澤政府参考人が次のように発言されております。排出業者がみずからの判断で最終処分が適切に終了したと自分が判断できるというような状況であることを確認するという趣旨になっている。一言でなかなか理解できない部分がちょっとあるんですけれども、最終処分が終了したという何らかの基準を考えなければいけないのではないかなと私はこの答弁で思うんです。
 つまり、それぞれの排出企業者によって判断のあり方が違ってくる可能性が生じやすい、そういう可能性がある。であるならば、ある意味では一般的な共通するような判断基準というのがあってしかるべきではないかというふうに私は思うんです。
 要するに、最終処分に当たっての、最終処分が終了したと紙が届けられ、マニフェストが届けられて、それを見ただけでその企業によっていろいろ変わってくる可能性が当然あるので、適切な判断基準、そういったもの、判断基準的なものをやはり定める、つくり上げる、そういうことが必要ではないかと思いますけれども、どうでしょうか。
#94
○政府参考人(岡澤和好君) 最終処分が終了したということを確認するということは、法律によって処分基準というのが定められておりまして、その処分基準に従ってみずからが処分を終了するか、あるいは処理業者に委託して処分を行わせるということになるわけですが、最終処分、マニフェストによりまして今回の法律改正で最終処分が、最終処分業者が最終処分、埋め立て最終処分という埋め立て行為が終わった段階で中間処理業者にその管理票の写しを送付いたしまして、その中に最終処分の終了した旨を記載することになっているわけでございます。
 それを受け取りました中間処理業者は、最終処分の終了した旨を記載した管理票の写しを再度、今度は事業者の方に送付することになったわけでございまして、これによりまして最終処分業者が最終処分を行ったという行為について事業者が確認したという証拠になりますけれども、それを排出事業者の方に届いて、その排出事業者がそれを確認することができるということになったわけでございます。
#95
○加藤修一君 私の質問に必ずしも適切じゃないなと思うんですけれども、答弁が。
 排出事業者が処理業者に発行したマニフェスト、最終的にいわゆる虚偽のマニフェストがつくられるおそれもあるんですけれども、これは排出業者が最終処分場まで出かけて確認するというのは、まあそれがベストなんでしょうけれども、物理的にそれは不可能だと思いますけれども、それじゃ、どういう判断で最終処分が終了したというふうに考えることができるのかなという非常に素朴な疑問なんですよね、私としては。そして、それが企業によってそれぞれ違ってくる可能性があるので、そこをやっぱり共通した判断基準があって、それがあったとしてもというのがちょっとあるんですけれども、その辺のところをもう少しお考えを聞かせていただきたいと思うんです。
#96
○政府参考人(岡澤和好君) 排出事業者は、みずからの排出した廃棄物が適切に最終処分まで適切に処分されたということを確認する義務が一義的にあるわけでございまして、それは、虚偽のというふうなことになると全く違うんですけれども、一般的に、信用できる業者に委託契約をして、その信頼できる業者から信頼できると思われるような形でマニフェストが排出事業者に返ってくるということで排出事業者としては一応その義務が足りているというふうに考えています。
 ただ、その中で最終処分が適切に行われたというふうに信じ、そういうことを疑わせるような状況というものを排出事業者が把握した場合には、排出事業者はその最終処分が確実に行われているのかどうかを、場合によったら現地の確認も含めて確認しなければならないということでございまして、そこのところは排出事業者が一般的に善良な意図で自分で出した廃棄物の行方を追跡して、最終処分が完了したことを確認できるということをもって一応この仕組みとしては最終処分が完了したというふうに考えるというふうに考えております。
#97
○加藤修一君 ちょっとわからないので、これは時間がたってしまいますので別の機会にやりたいと思います。
 これに関しまして、都道府県の責任とかあるいは関心というのは極めて重くなると思うんですけれども、群馬県ではこういった深刻な不法投棄問題について、対策として産廃Gメンのパトロールを強化するとか、あるいは休日は警備会社に委託する、そういったことを通して不法投棄の防止策に懸命に取り組んでいるというふうに聞いているわけですけれども。さらに、住民からの情報を受ける産廃一一〇番のフリーダイヤルを設けている、そういうことらしいんですけれども、公明党も申し入れの中では環境省に環境Gメンを創設して、監視や取り締まりあるいは立入調査、これを行うように要望してございます。
 こういった環境Gメンの創設、あるいは国と都道府県さらには警察等の連携の強化、さらにはこうした不法投棄問題で重要なのは、やはり行政と住民との協力関係が必要だと思うんですけれども、いわゆる行政と住民との連絡協議会のようなそういった場ですね、あるいは機関、あるいは不法投棄監視パートナーシップ制度、そういったものを設置することも一つの対応策ではないかなと思うんですけれども、この辺についてどのように考えておりますか。
#98
○政府参考人(岡澤和好君) 不法投棄の防止のためには、都道府県におきまして不法投棄監視員という者を配置して不法投棄の監視に当たっているほか、地域のボランティアの方を不法投棄監視連絡員に委嘱しまして、行政と協力して不法投棄の監視に当たっているというふうなのが実情でございます。
 また、御指摘のように、休日パトロールとかフリーダイヤルとか、そうした仕組みについても、あるいは不法投棄対策協議会につきましても、これは地方自治体単位で措置されているわけで、すべてのところできっちり同じ形というわけではございませんけれども、そういうような仕組みについてもそれぞれの自治体でとられているわけでございます。これにつきましては厚生省の方でも予算で補助をいたしまして、今回の補正予算の中でもさらにこの仕組みを強化するような要求を行っているところでございます。
 また、来年度の要求におきましては、環境省の方から地方環境対策調査官、いわゆる環境Gメンの設置の要求を行っているわけでございますけれども、こうした調査官というのが地域に配置されることになれば、今申し上げましたような都道府県の不法投棄監視員、それからボランティアの連絡員、そうしたところとの連携、あるいは警察との連携というものを深めて、不法投棄対策がさらに実効を上げていくようなことになるのじゃないかと思いますし、また、そうした方向を指導してまいりたいと思っております。
#99
○加藤修一君 ぜひ積極的にその辺については対応をしていただきたいと思います。
 それでは次に、いわゆる不法投棄に対する罰則が強化されたわけでありますけれども、いわゆる処理業者が法令違反を犯した場合の情報、これはやはり国民を初め排出事業者へ開示する必要が極めてあると思いますし、それこそがまさに不法投棄について減少させるような一つのインセンティブになるように思いますけれども、適性処理センターの業務対象が今回産業廃棄物業者に関する情報を収集し、事業者に対し提供すること、こういうふうになったわけでありますけれども、この提供する情報の中にはいわゆる処理業者の法令違反の情報、そういったことについても含まれるかどうか、その辺の確認をちょっとしたいわけですけれども。
#100
○政府参考人(岡澤和好君) 今、先生の方からお話のあった産業廃棄物の業者の情報提供システムでございますけれども、ことしの十一月からインターネットを活用したシステムについて試験的に稼働させておりまして、十二月から本格的にこれを運転させていきたいというふうに準備を進めているところでございます。
 御質問の、違反行為があった場合の情報をここで含めているかということでございますけれども、現在のシステムの中ではそこまで対応しておりません。しかし、こうした違反行為の有無、あるいは違反行為の内容等について業者情報としてそこに含めるということは大変重要なことだと思っておりますので、このシステムの中にそうした違反情報というものをどういうふうに組み込んでいくのかということを早急に検討していきたいと思っています。
#101
○加藤修一君 法令違反の行為だけじゃなくして、やはり行政指導を受けたとか注意、勧告を受けたとか、そういったことについても細大漏らさず入れて対応をしていただきたいと思います。また、処理業者の格付の問題も極めて重要だと思いますので、これについても積極的に取り組んでいただきたいと、そのように思います。
 それでは次に、中央省庁再編に伴います人事案についての関係なんですけれども、明年一月六日から、いわゆる中央省庁の再編が始まるわけでありますけれども、この関係でやはり省庁の幹部ポストをめぐってさまざまな話が入ってくるわけでありますけれども、昨年の通常国会で審議された中央省庁等改革関連十七法案が成立した、その附帯決議の中では、いわゆる中央省庁の再編の目的にかなうためにはこれこれのことが必要ですよということで附帯条件がついている。公明党も賛成しているわけでありますけれども。そのうちの一つに、「省庁再編に伴う人事については、適材適所を旨とし」「将来の人事に影響を与えるような既存省庁間の合意等は一切行わない」と、既存省庁間の合意等は一切行わないという、そういう決議がなされているわけであります。
 これは中央省庁等改革推進本部の方にお聞きしたいんですけれども、これは中央省庁再編のスタートに当たって、例えば審議官あるいは局長、そういった幹部ポスト、それはその省からの職員によって充てられると、こういうふうに理解して構わないわけですね。これはまともな理解の仕方ですよね。
#102
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 先生御案内のように、人事につきましては、まさに適材適所を旨としまして、各人事権者が御判断されることでございます。したがいまして、新たな省庁再編におきます新たな省の人事につきましても各大臣が御判断されるべきものと考えております。
#103
○加藤修一君 これまでの要するに省庁の人事交流、こういうふうに言っていいかどうかはよくわかりませんが、他省庁から幹部ポストについていたことはある意味では日常的に行われていたと。このような人事は行うべきでないという趣旨が先ほどの附帯決議の意味だと私は理解しておりますけれども、この中央省庁再編に向けて、私はこういうふうに附帯決議に基づいて考えるならば、既存の省庁間でそういう合意などが全く行われていないと、こういうふうに理解したいわけなんですけれども、この辺についてお考えはありますか。
#104
○政府参考人(松田隆利君) 先生、先ほどお述べになりました十七法案のときの附帯決議につきましては、各省庁におきましても十分承知いたしているところでございまして、ここで言われておりますような合意等については行われてはおらないというふうに考えております。
#105
○加藤修一君 この中央省庁改革の関係については、おたくの本部がある責任、役割を持っているわけですけれども、今そのような答弁があったということは一つの確証のもとにお話ししていると思っておりますけれども、省庁別にそういった情報開示をすべきではないかと私なんかは思いますけれども、その辺についてはどうお考えですか。
#106
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 省庁間でのいろいろな合意につきましては、省庁改革の趣旨に反しないようにということでこれまでも徹底してきているところでございます。したがいまして、先生お尋ねのようなことはないものと考えておりますが、引き続き徹底を図ってまいりたいと考えております。
#107
○加藤修一君 ないものというのは、本部の方としては善意に解釈してそういうふうにおっしゃっていると思います。後ほど出てきたらどうするかというのは私はあると思うんですけれども。
 環境省の関係でお尋ねしたいんですけれども、これは審議官のポストはたしか四。ということは、つまり、今の環境庁のポストが二ですから倍増すると。一方、運輸省、国土庁、北海道開発庁が一緒になってできる国土交通省、これはいわゆる四省庁の合計ですから三十二から二十六に審議官等のポストが減ると。調査した結果そういうふうになっているわけで、これは間違いないということでよろしいですか。
#108
○政府参考人(松田隆利君) 府省再編後のそれぞれの省の組織の検討過程におきましては、できるだけ既存組織の合理的な再配置を考えるということで種々検討を行ってきているところでございます。
 先ほど、先生御指摘の環境省の審議官ポスト二につきましても、国土交通省関係省庁から移行をさせることにいたしております。その趣旨は、国土交通関係行政と環境行政とのかかわりの中で関係行政の方に共管化が進められているところでございまして、その関係で府省再編後の事務の円滑な遂行、あるいは人事交流の活性化に資するということで、審議官ポストを二つ国土交通関係省庁から環境省に移管をいたしているわけでございます。
 最終的には、その具体的な人事は、先ほど来申し上げておりますように任命権者である大臣がお決めになることと考えております。
#109
○加藤修一君 そうしますと、私が先ほどから質問している流れから考えていきますと、ちょっと今矛盾した答弁になるんではないかなという感じがするんですね。
 私はこれをなぜ取り上げているかというと、環境庁から環境省になると、ということは環境の機能、役割というのは強化できるというふうに考えているわけで、より一層環境行政が十全に発揮し得るように考えた結果こういう質問をしているわけなんです。だから、ある意味では環境庁の応援をしている、将来の環境省についても応援をしている、そういう観点からとらえていただきたいんですけれども。
 今の答弁を考えると、先ほど私は、この附帯決議というのは、従来のいわゆる慣例的にやってきた人事交流、いわゆる適材適所を基本にするということですから、従来の慣例的な人事のあり方ではなくて、まさに省庁再編の目的にかなうようなあり方を考えていくと、いわゆる既存省庁間の合意等は一切行わないと。なぜ行わないかというと、将来の人事に影響を与えると。影響というのはこれは悪い影響だということだと思うんですね、当然の話。
 ですから、共管とかそういう話はあるかもしれませんが、私はやはり環境省ということになっていく中で、三十年近くになるんでしょう、環境庁ができて、ずっと二十数年にわたって一生懸命環境行政をやってきた方々、たくさんスタッフがいるわけでありまして、そういうセンスを持っている、見識を持っている、そういう方々が審議官になっていくべきであって、どこからか、これは霞が関で言われている話ですけれども、植民地的な人事、そういったことがあってはならないというふうに考えているわけなんです。
 ですから、その辺についてはもう十分今後とも対処していかなければいけないということは一般的に私は言えると思います。
 今のお話によると、環境庁の審議官の四つのポストのうち二つはこれは国土交通省ということになるわけですか、そういうことですね。
#110
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 先ほど来御説明申し上げておりますように……
#111
○加藤修一君 簡単でよろしいですよ。
#112
○政府参考人(松田隆利君) はい。府省再編後の組織につきましては、既存組織の合理的再配置で対処するという方針でやっておりまして、先ほど申し上げましたように、国土交通関係行政と環境行政との共管化というものを背景にいたしまして、国土交通関係省庁からの審議官ポストを環境省に移行させることにしたわけでございます。
 そのような調整を踏まえまして予算と法令等が制定されているところでございまして、組織の経過はそういう経過になっておりますが、先ほど来申し上げておりますように、最終的な人事につきましては人事権者の御判断によるものと考えております。
#113
○加藤修一君 この人事のあり方については、一回限り二、三年の合意等だというふうな話も流れてはいるんですよ、一回限り二、三年です。これ、確認のしようがないんですけれどもね。環境庁長官に、今までのいろいろとやりとりを聞いていて、この人事のあり方を含めて所感がございましたらお願いいたします。
#114
○国務大臣(川口順子君) 環境省は、こちらの委員会の委員の先生方の御支持を初めとしまして多くの方の御支持によってできることになった役所でございまして、まず一番大事なことは、環境行政を国民の皆様の期待に沿うようにできるという陣容をつくることだと思っております。そういう意味で、過去の経験等も踏まえまして適材適所で人事を行いたいと思っております。
#115
○加藤修一君 この問題は非常に重要な問題だと思います。合理的に再配分を考えたという話ですけれども、合理的ということが一体どういうふうに考えれば合理的であるかというのは極めて、さまざまな考え方があるものですから一概に言えないと思いますけれども、その合理的という中身がわかりませんので、また別の機会によろしくお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
#116
○高野博師君 大臣が若干おくれているようでありますので、質問の順序を変えてお伺いいたします。
 まず最初に、公共事業についてお伺いいたしますが、所信的あいさつの中で「我が国経済は、緩やかな改善が続いているものの、民需はいまだ力強さを欠いており、景気をしっかりした自律的回復の軌道に乗せることとともに、日本経済の新生に向け新たな発展基盤を構築することが現下の喫緊の課題であります。そうした点から、公共事業の果たす役割は大きなものがあると認識しており、」と、こう言われておるんですが、果たしてそうなのかどうかという点についてまずお伺いいたしますが、そもそも経済全体に占める公共事業の割合、役割、これがかなり低くなっているんではないか。
 それから、従来型の公共事業、鉄道とかあるいは港湾、橋、道路、こういうインフラ整備、これを本当に必要な部分に限定した上で経済構造を、例えばIT革命に沿った構造に変えていくとか、あるいは高齢化社会に対応する福祉に重点を置いた公共事業を進めるとか、さらには環境保全や循環型社会形成のための公共事業を推進するとか、結局そういうことが経済効果を高めるんではないかと思うんですが、今一般に公共事業は景気回復に大きな役割を果たしていないと見られている理由について、建設省はどうお考えでしょうか。
#117
○政府参考人(林桂一君) お答えをいたします。
 公共投資の経済効果、いろいろなものがございますけれども、いわゆるフロー効果、公共投資を一単位行いますとどのようなGDPの増加が期待されるかとか、あるいは生産がふえるかとかいうことでございますが、これにつきましては長いトレンドを見ますと若干最近低下してきているという状況はあるわけでございますが、しかしまだかなり高い水準であるということが言えるわけでございます。
 乗数効果においては三年間で二・一三、一単位の、例えば一兆円の公共事業を追加しますと三年間でそれが二兆千三百億のGDPの増加となってあらわれるというようなことでございます。また、生産誘発効果については一・九六ということで、一兆円の投下をした場合には一・九六という国全体の生産を引き上げる効果があるというふうに言われているところでございまして、そのような数字から見る限りにおきましては、公共投資の経済フロー効果というのはまだ高いものがあるということでございます。
 私たちはそういうふうに理解をしておりますが、それにもかかわらず最近公共事業の経済効果に対して各種の御意見、御指摘があるということでございまして、私どもが先ほど申しましたことについて十分理解をいただいていないというところが感じられるところでございますけれども、その原因をいろいろと考えてみますと、幾つかのことがあろうかと思います。
 先ほど申しましたように、長期的な傾向を見ますとやはり少し低下してきているというのは事実としてあるようでございます。しかし、引き続き高い数字にあるということを申し上げたいわけでございますが、この低下してきているという原因としては、例えば最近輸入という、要するに一単位の公共投資の追加、あるいはほかの需要項目も同じでございますが、そういった需要の増加によりまして海外からの生産といいますか海外からの輸入で賄うという部分がふえてきているということなので、国内の生産の増加につながる部分が少し減ってきているというような意味で、そういう乗数効果等のやや長期的な低下傾向というのはあるのではないかということが言えるかと思います。
 しかし、それについては他のいろいろな需要項目、消費ですとかあるいは投資関係、そういったことにつきましてもほぼ同じような傾向で低下してきているということでありますので、公共事業につきましてはそれらの項目との比較においては相対的にはまだ高いものがあるというふうに考えているところでございます。
 それから、そういった全体の傾向の中で最近のやや特殊な状況というものを申し上げますと、最近は特に地方公共団体の財政が悪化しているということでございまして、公共団体による公共事業の伸び悩み、落ち込みということで言ってもよいかと思いますが、そういうものが生じてきているわけでございます。
 そういう関係で、政府としましては景気対策として公共投資の追加をいたしますけれども、一方で地方単独事業等を中心にしました地方公共団体の公共事業が落ちているということで、いわゆるIGと言っております公的資本形成、これの総額で見ますと伸び悩み、あるいは時期によっては低下というようなこともございますので、そういうことが全体としてはやはり景気全体の上昇というところに結びついていないという面もあるわけでございますが、ただ一方、このことは、じゃそういうことをやらないでおいた場合にはさらに落ち込むというようなこともありますので、下支えをしているという効果は少なくともあるのではないかなというふうに思います。
 そういったことがフロー効果についての考え方でございますが、さらに御指摘もありましたようなもうちょっと幅広く見た場合にむだな公共事業をしているのではないかとかいうような御指摘、あるいはこれからの将来を考えたときの経済構造の変革というようなものにうまく対応してないんじゃないかというような御指摘というようなものがやはりあるわけでございます。
 そういうことに関しましては、私どもも例えば費用対効果分析というものをこれはもうすべての新規採択する事業には適用しておりますが、そういうことによって効果をきちっと把握した形で事業を進めるとか、あるいはもう少し幅の広い考え方で、新世紀に向けた経済構造改革というものに資するもの、例えば建設省関係でございますと、IT革命に資するような公共投資、あるいは都市の基盤整備、国際競争力を備えた都市の構造というものに資するような都市基盤整備、そういうものをやることによりまして実質的なストック的な意味での経済効果を高めるような公共事業も進めていかなきゃいけないというふうに考えているところでございます。
#118
○高野博師君 今のお話の中で、公共事業は相対的には経済効果としては高い位置を占めているということなんですが、最近落ちてきている理由の一つに、地方公共団体の財政赤字の問題、今御指摘がありましたが、そのほかにゼネコンの不良債権というのがあるんではないかと思うんですが、いわば穴のあいたバケツのようなもので、そこからどんどんこぼれていく、あるいは不良債権に吸収されていく。したがって、中小の建設関連業者、これはもうほとんど今操業するのがやっと、あるいはもう倒産している、相当悲鳴を上げている。この辺についてはどういう認識をされているのか、簡単にお答えください。
#119
○政府参考人(風岡典之君) 建設産業を取り巻く経営環境、大変厳しいものがありまして、ゼネコンにおきましては経営改善計画をつくって懸命なリストラというようなものを行っております。
 御指摘の不良債権につきましては、全体としましては着実に減少してきておりますけれども、その内容を見ていきますと、大手ゼネコンのように比較的順調なところと、それからそうでないようなところと二極分化しているというふうに判断をしております。また、中小企業、これ建設業全体の中で九九%ということで非常に大きな割合を占めておりますけれども、そこにおきましては、やはり民間投資の落ち込みあるいは厳しい財政事情からの公共投資の期待が困難な中で、今後とも極めて厳しい経営環境にあると。
 私どもとしましては、中小企業の育成、振興ということは、これは大きな課題だということで、官公需法によります契約目標の設定等を実現するために各種施策を積極的に推進しているところであります。
#120
○高野博師君 それでは、地球温暖化、気候の変動との関係での公共事業について一つお伺いしたいと思いますが、気候変動の現象によって世界各地ではんらんとか洪水が起きて、被害が激増しているんではないか。我が国でも東海地方の豪雨等があったわけですが、一年間の雨量が数日間で降ってしまうというような異常気象が起きているわけですが、そういう中で、従来はこの公共事業については百年に一遍とか五十年に一遍の災害に対処するための公共事業はいかがなものかという議論が相当あったわけですが、しかし、この気候変動によって相当自然災害というのがこれから起きてくる可能性があるのではないか。
 そういうことも考えますと、中長期の公共事業のあり方として、こういう部分も十分考慮に入れなくてはいけないのではないかと思うんですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
#121
○政府参考人(竹村公太郎君) ただいま気候変動を考えた自然災害の取り組みについてのお尋ねがございました。
 災害を担当している私どもは、計画や立案に関しましては過去の気象データ、明治以降でございますが、過去の気象データをずっと並べて将来もそのデータが再現するだろうと、同じことが繰り返されるだろうという前提で計画を立てております。ところが最近、気象データを見ておりますと、過去のデータと極端に状況の異なる集中豪雨だとか渇水だとか台風の発生が見られます。
 具体的に申しますと、集中豪雨ですと、つい最近の名古屋も一日雨量四百二十八ミリと、明治観測以来、気象庁始まって以来の名古屋のデータとか、例えば台風でございますけれども、平成十一年、去年台風の発生したところは、大体いつもですと東京から南千二百キロぐらいのところでずっと発生していたんですが、去年だけは南六百キロ、非常に台風の発生する場所が、マニラで発生したものが沖縄のちょっと南で発生するというような、大変珍しいというか、我々が今まで手にしていなかったデータを入手してございます。
 このため、この原因が地球温暖化なのかどうかということはまだ確定できませんが、私ども、こうしたことから気象変動と国土保全について本格的に取り組まなければいけないという認識のもとに、地球温暖化に伴う気象変化なのか、または現在起きている私どものデータが国土への影響にどういう影響を与えるのかという調査費を関係省庁と連携して平成十三年度、来年度で要求しまして、本格的に今度は気象変動と国土保全という概念で調査に入っていきたいと考えてございます。
#122
○高野博師君 ぜひその点の対応もよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、大臣には最後にお伺いしたいと思いますが、公共事業の事業評価についてですが、与党三党で公共事業の見直しをやったときの基準が四つほどありまして、これは、採択後五年以上経過して未着工のものとか、あるいは完成予定を二十年以上経過してまだ未完成のもの、それから現在休止事業のもの、それから実施計画調査着手後十年以上経過して未採択のものという基準で二百八十一ほどの事業を中止ということを決めたんですが、建設省はまた別の基準がありまして、建設省独自に三十四の事業を中止するということを出したわけですが、事業採択後二十年以上経過しても継続中の事業で当面事業の進捗が見込めないもの等と、こういう基準を出しているんですが、二百八十一の事業のうち地方の方から、きのうの新聞でも約三割については継続ないしは休止にしてくれという現地からの、地元からの要望があったわけです。
 そもそも事業評価の客観性というか、本当に必要なのかどうかというところは、これはやっぱり事業評価の基準をどうするかによるんだと思うんですが、先ほど広中議員からもお話がありましたように、事業評価の基準の中に環境というのは全然入っていないわけですが、この辺について本当に必要なのは一体どこなんだと、基準が場所によって違う、国も地方もあるいは建設省も違うということであると、一体どれが本当に必要なのかというのがわからないということで、この事業評価の基準についてどうお考えか、お伺いいたします。
#123
○政府参考人(小川忠男君) 現在、私どもの所管する事業百三十六事業について、それぞれ事業評価監視委員会で御審議いただいて、その上でそれぞれの事業主体が最終的に方針を決める、決めた上で私どもに御報告をいただいて国としての最後の方針を決めるというふうなことでございますが、いろんな基準について申し上げますと、例えば五年を経過している、あるいは二十年を経過してもなおかつと、いろんな基準がございました。事業の種類によっていろんなファクターがあり、いろんな基準があり得るんだろうとは思いますが、検討の俎上にのせる一応のメルクマールというふうなことで与党三党の三つの基準あるいは私どもの独自の基準、やはりそれはそれなりの合理性が一般的にはあるんだろうなと思います。その上で事業評価監視委員会でいろいろな御議論があると思います。
 基準としては明示されておりませんが、やはり世の中変わったということもあれば、環境に対する見方がより重くなってきたというふうなことを考慮に入れた上でやはりやめようかというふうな結論に達するケースもあろうかと思います。その意味では基準は二段階構えで、スクリーンに乗せるための一つの全事業を通ずる基準が一つ、これは世の中にいろいろ流布されている例の三基準であり、二十年以上ということだと思います。
 したがって、後段の方のいろんなことを吟味した上で評価委員会がどう考えるかということについては、もろもろのファクターが入ってくると思います。なかなか白か黒か、右か左かと、計数的には、画一的には申し上げにくいと思いますが、繰り返しで恐縮でございますが、いろんなことを御考慮された上で報告が上がってくると、こういうふうなことであろうと思います。
#124
○高野博師君 この事業評価監視委員会のメンバー構成等についても、例えば環境の専門家を入れる等の考慮は必要ではないかなと私は思います。
 それでは最後に、大臣に一つだけお伺いいたしたいと思いますが、大臣が国民、マスコミの注目を浴びながら登場されたわけですが、大臣に就任されてからさまざまな改革をやってこられたと思います。公共事業についても独自の見直しを出したりとか、あるいは建設省内部の改革等もやったと思われるんですが、扇大臣でなければこれはできない、できなかった、あるいは将来できないだろうと思われるような点について、自己評価についてぜひお願いしたいと思います。
#125
○国務大臣(扇千景君) 私、就任早々申しましたように、全く思いもかけない、まして当日の朝の新聞辞令は全部建設大臣というところは私の名前ではございませんでした。そういう意味で全くの予期しないポストに、まして女性として初めて建設大臣というポストが回ってまいりました。随分ためらいもいたしましたし、そういう何かがあったから女という不純なことには許せないという気持ちも私はございました。
 けれども、少なくとも引き受けた以上は何としても私は、建設行政と国民の疑惑を晴らす、また、あるのであれば是正する、そういうことに敢然と私は挑戦していこうというふうに覚悟を決めてやらせていただきました。
 また、今まで疑惑がございましたるるのこと、ゼネコンの疑惑あるいは汚職等々事件がございましたけれども、それと建設省のかかわりはどうなのか。また、どれほど建設省が過去の例によって改革してきたのか。そういうことも含めて私は検証し、なお私はそのときに、今も失礼したのは、衆議院の本会議で通していただきましたけれども、今まで公共事業に対する基本法がないということ自体が私はこの国にとっては大変不幸なことであろうと。戦後五十五年、土建国家と言われながらも、公共工事の基本法さえ我が国はなかったと。しかも、外国には、フランスもあるいはイタリーもアメリカも含めて基本法、アメリカの場合はちょっと州が多くて別途違いますけれども、そういうことのためには私は何としても、ただ公共事業は悪だというイメージよりも、それを払拭する手当てにはどうしても法案が必要だということで、本来であれば閣法で五年ぐらいかかります、政府の法制局も通して私はかかるのをわずか二カ月で、少なくとも私を手伝ってくれた役所の中では二人ばかり倒れたのもいましたけれども、それくらいみんなが熱意を持って建設省ぐるみ、これはぐるみでございます、建設省ぐるみで努力してくださり、また森総理が、全省庁の公共事業にかかわるものですから全省庁に声をかけていただいて二カ月ででき、たった今衆議院を通させていただいて参議院に回ってくるわけですけれども。
 こういうことも、やっぱり本来であればいろいろしがらみがあってできないと思いますけれども、私は全く真っ白で建設省に入ったものですから、あえて言わせていただければ、真っ白だったから、私だったからできたかなと。いろいろしがらみのある方にとっては本来はしたくない法案だったかもしれませんけれども。
 そういうことで私は、戦後初めてこういうものができて、世紀末、来年二十一世紀を迎えるときに当たっては本当に、しかも衆議院では全会一致で御賛同いただいたということも私は大きな成果であったと思って、今やっぱりこの大臣のポストに入ってこれができたなということは大きな私は喜びを今感じている次第でございます。
 また、公共事業の見直しも、今高野先生がおっしゃいましたように、与党三党でも出しましたけれども、与党三党で百二の事業の見直しをしましたけれども、私は就任当時、二カ月という猶予を持って、建設省独自というのを指令しましたのが、二カ月後に建設省独自でも三十四という事業の見直しの数を出しましたことも、他省庁に先駆けて建設省がそれに着手し、なおかつその名前も地元の皆さんに土曜、日曜かけて大至急で連絡をとって公表させていただいたということも私は大きな前進であり、国民の目に見える公共事業の見直しということが私は目にとまっていただいたのではないかと。また、国会でそのことに対してこういう場で御論議いただける材料の提供に私は寄与できたのではないかと思っておりますので、この件に関しても、今後の御審議の中でぜひ進捗させていただきたいと思います。
 それから、災害がどういうわけですか立て続けにございまして、本当に私は申しわけないなと思うんですけれども。災害と同時に私は三宅島あるいは新島、神津島、そしてまた重ねては名古屋の秋雨前線によるあの集中豪雨、あの大水害、そういうことも経験して現地を見せていただきましたし、また、続いては鳥取の西部地震がございまして、現地へもこれも入らせていただきまして、私は神戸出身でございますから、阪神・淡路大震災直後にも行ったんですけれども、今回もこうして鳥取に行きまして多くの経験をさせていただきました。日本列島全部地震列島と言っても過言ではない中で私は多くの経験をさせていただき、教訓も受け、そして私は、これからも早急に国民に不安を与えないような対応ができる。鳥取県が防災の訓練を事前にきちんとなすっていたということが、全市町村に対しても各都道府県に対しても私は大変な教訓になったと思っておりますので、これも大変いい経験をさせていただいたと思っております。
 また、就任早々から、ちょうど来年の六月で切れます住宅ローン減税に対しても、今の状況を考えれば私は経済の発展あるいは経済の抑揚ということを考えても、来年六月で切れる住宅ローン減税に対しては、これは時限立法ですから、新たに私は住宅ローン減税の必要性というものを就任の記者会見でも言いましたけれども、今、政府税調、与党税調等々で御論議になっておりますけれども、この住宅ローン減税は新たな選択をしながら私は大幅に延長させていただきたいということも申し上げました。
 そして、まだたくさんございますけれども、今の渋滞緩和ということによって高速道路を速やかに通れるようにETCの導入ということも促進するようにということで、十三年度は本当は六百と言っておりましたけれども、これも八百カ所に早急に上げてもらいまして、十四年度九百カ所に拡大するということで、これも大きな前進になって経済効果が上がるものであるというふうに私は思っております。
 また、私は公共事業の電子入札をしようということで、電子政府というのを森総理がおっしゃっておりますけれども、公共事業がより透明性、そして多くの皆さんが参加できるように電子入札という方法も取り入れるということも今回は法案の中にも書かせていただきました。
 また、二十一世紀の新生プランというのが森内閣の目標ではございますけれども、その中で特に、少なくとも建設省関係で多くの事業のスピードアップとそしてコストの削減に私は寄与していきたいと思っております。
 また、これも大きなことですけれども、二十一世紀の日本の国際レベルのあり方はどこにあるか。これは国際都市も含め国際空港も含めあらゆる物流も国際的に可能かどうかということも含めまして、これも私どもは大きな建設省としてのグランドデザインを国民に提示するというのはことしじゅうにお示しし得るという作業を今行っておりますので、これも今まで、先ほどもちらっとお答えしましたけれども、公共事業のハードだけではなくて二十一世紀のソフト面を、女だから気がつくという面も少しはございますので、女らしくないかもしれませんけれども、その辺のところも含めたグランドデザインを提示したいと思っております。
 また、省内に「知恵箱」というのを設置しまして、皆さん、職員と全部会えませんので、インターネットを通じて私に要望を全部出してもらうというのをしておりますけれども、これも少なくとももう百以上の職員からの要望が出てまいりまして、意見交換をするというのも建設省始まって以来とみんなに言われております。
 るるございますけれども、そういうことも多くの皆さんの御理解と御協力があって、建設行政の正確さあるいは貢献度というものを促進していきたいと思っております。
 長くなって失礼いたしました。
#126
○高野博師君 終わります。ありがとうございました。
#127
○緒方靖夫君 私は、公営住宅の家賃の減免制度について質問したいと思います。
 この減免制度は低所得者や災害による生活困窮者、入院加療のため生活保護の住宅保護を停止された方などを対象にした家賃の減額、免除を行う、そういう制度でありまして、入所者にとってはまさに欠くことのできない大切な制度だと思います。
 この制度に対して、まず最初に大臣の御所見を伺いたいと思います。
#128
○国務大臣(扇千景君) 少なくとも今お話にございましたように、我々は、公営住宅の家賃というのは、入居者の収入及び少なくとも公営住宅から受ける便宜に、便益に乗じて決定されるということでございますけれども、その例外として、例えば、緒方先生も御存じのとおり、病気にかかっていること、その他の特例の事情によって決定される家賃をそのまま徴収することが入居者の負担能力に顧みて少なくとも不適当な場合、そういう場合に対応するために家賃の減免をすることができるというのが姿勢でございますので、私はこの減免措置というものの有効性というものをうまく利用していきたいと思っております。
#129
○緒方靖夫君 大臣からこの制度の有効性ということについて言及されました。非常に大事な点だと思います。
 建設省は、各都道府県ごとの公営住宅の家賃の減免の数、これについて、その推移をどのように把握していますか。
#130
○政府参考人(三沢真君) 公営住宅法に基づきまして、公営住宅の家賃の減免につきましては条例で定めるということになっております。これにつきましては、各都道府県、四十七都道府県において条例を定めてそれぞれ家賃の減免をしているところでございます。
#131
○緒方靖夫君 数の推移について伺っているんです。
#132
○政府参考人(三沢真君) 平成七年度で申しますと、全国で約二十万戸ぐらいについて減免がなされておりました。それにつきまして、平成十一年度では二十七万戸という数字でございますので、少しずつ減免対象者、対象戸数がふえているという現状でございます。
#133
○緒方靖夫君 私は都道府県ごとにということをお尋ねしたわけですけれども、それについては調査ができていないわけですね。それならば申しわけありませんが、減免の件数の推移、それからまた減免対象者の数の推移、これは後日で結構でございますから調査をお願いいたします。
 今言われたように、全国で二十万戸から二十七万戸にふえているというお話がありました。私はこれについて、東京都の資料、これは都営住宅ということですけれども、その減免件数、これを調べてみましたけれども、東京都によると、過去五年間で四万人から六万五千人と増加しております。これは全国の傾向とぴったりするわけです。管理戸数は二十六万戸あるわけですから、その二割強の居住者がその対象になっている、大変大きなウエートを占めているわけです。この制度の減免期間はどのぐらいですか。
#134
○政府参考人(三沢真君) 東京都の場合は、減免については六カ月というのと一年というのがございます。そのどちらかを適用するということでございます。
#135
○緒方靖夫君 そういうことで、その資格がある人はそれを後更新していく、そういう制度なわけですね。この制度の減免対象の収入基準はどのぐらいですか。
#136
○政府参考人(三沢真君) 減免基準はそれぞれの都道府県ごとの条例で決めておりまして、それについてはそれぞれ違います。
#137
○緒方靖夫君 要するに、条例に共通した考え方はどこにありますか。
#138
○政府参考人(三沢真君) それはそれぞれ条例の中でお決めいただくわけでございますが、一般的に申し上げますと、共通的な考え方は、例えば入居者が病気によって著しい支出が必要な場合であるとか、あるいは災害によって著しい支出が必要な場合とか、あるいは職を失われて収入が著しく低額である場合というようなことについて、それぞれの基準をもって条例で定めているということでございます。
#139
○緒方靖夫君 局長はポイントを外して答弁されたと思いますけれども、条例で共通しているのはおおむね生活保護基準程度以下の収入ということですね。これが模範回答になるわけですが、もちろん各地域によって違っておりますけれども、そういうわけです。
 それから、大臣が見事にお答えになりましたけれども、家賃の負担能力を考慮して、当然その能力がなければ減免する、その基準がまさに生活保護基準がどうかということ、これを基準にしているわけですね、どこでも。そういうことですね。
 それで、おおむねこういうことになった場合、生活保護基準程度以下の収入が基準とあるわけですけれども、その減免対象を認定する際の収入はどうやって決定されますか。
#140
○政府参考人(三沢真君) これも公共団体によっていろいろございます。一つは、いわゆる課税所得以外に年金等の非課税所得まで含めてそれで収入を判断しているものもございます。それから、課税所得だけで判断しているものもございます。それはいろいろそれぞれの公共団体の条例によって異なるわけでございます。
#141
○緒方靖夫君 いろいろあるんだけれども、これもやはり基本は年金等の非課税所得を含む収入によって減免の程度を決めるという、これが共通した考えになっていると思うんです。非課税所得を含む収入によって減免程度を決定する場合、減免申請者の収入状況等の把握、これはどのように行われますか。
#142
○政府参考人(三沢真君) 非課税所得を所得の中に入れて認定している場合について、これもいろいろございますけれども、一つは、本人の申告だけに基づいて把握しているという例がございます。それから、いわゆる年金の振り込み通知書等の資料を添付させているというのがございます。それから、本人の承諾を前提に社会保険事務所から資料の提供を受けるということによって把握するという、これは東京都はそういう例でございますが、そういうのがございます。
#143
○緒方靖夫君 これも全国共通して、どうも局長はちょっとあれですが、この問題でもっと勉強していただきたいと率直に思いますけれども、結局、決め方というのは、福祉事務所とかあるいは民生委員等の連絡調整をして行う、これが基本になっているわけです。したがって本人の申告だったりいろんな形があるわけです。
 そこでお聞きしたいんだけれども、その収入を実際に知る際に実態調査が当然必要なわけですけれども、その実態調査に当たって見過ごすことのできないそういう事例があるわけです。それは、東京都が都営住宅の家賃の減免申請をする際に収入調査に関する同意書の提出を一律に義務づけている、全員に対して義務づけているという問題なんです。
 ここに私は東京都住宅局の「住宅使用料の減免申請について」という書類、これを持っております。そこには「申請に必要な書類」ということで、「収入調査に関する同意書」とはっきり書かれているわけです。同意書の提出は、収入等の実態調査に当たって減免申請者にどこで何を調べても構いません、そういう内容のまさに包括的な白紙委任、これを迫るものなんですね。その心理的圧迫感から申請抑制につながりかねない、そういう重大なものなわけです。
 建設省は、東京都のこういうやり方について、先ほど少し言及されましたけれども、これについてきちっと把握されていますか。
#144
○政府参考人(三沢真君) 先ほどお答え申し上げました中で、どういう方法で把握しているかという中で、一つだけ、東京都は本人から減免の前提として、こういう社会保険事務所へのいろいろな問い合わせについての同意を手続としてお願いしているということがございます。そのことについては私どもも承知しております。
#145
○緒方靖夫君 私はこのやり方がまさに驚くべきやり方だと思います。
 ここに東京都の説明書があります。これには文字どおり、減免を申請するすべての方に同意書の提出をしていただくと書かれている。つまり、減免を受けるからには白紙委任をする、これは義務になっているわけですね。
 こういうやり方について、局長はどのようにお考えですか。
#146
○政府参考人(三沢真君) 東京都の場合、減免申請がありました場合に、申請者の非課税年金を含む所得を踏まえて減免の決定を行うということにしておるわけでございます。その場合に、その非課税年金の受給の確認を的確に行うためにどうしたらいいかという方法が問題になるわけでございます。
 これにつきましては、一つは、当然その申請者の申告によってこれを確認するということでございますけれども、社会保険庁に非課税年金の支給状況に関する情報提供を求めることが必要な場合が出てくるわけでございまして、その際に、その必要な同意書の提出を減免申請時に求めているというのがその手続かと思います。
 これにつきましては、その家賃の減免の手続についてどういう書類を必要とするかということにつきましては、それぞれ各事業主体で御判断いただくことでございますけれども、やはり東京都としては、家賃の減免の判断を厳正的確に行うという趣旨からこの提出をお願いしているんだというふうに理解しているところでございます。
#147
○緒方靖夫君 局長、今大変な答弁をされたと思いますよ。
 確かに、社会保険庁等に情報を求める場合、必要な場合があると思います。そのときには同意書というのはあっても構わない、それは仕組みですからね。しかし、東京都の場合は全員に、減免を申請する全員に同意書を書くことを求めているわけですよ。それを今、局長は、それは厳正的確にやるために事業者が決めていることだと言われた。私はその答弁を疑うんですが、そういうやり方が実際に同意書を出す人たちに対してどういうことになっていくのか。
 これは本当に大変なことで、要するに自分も含めて家族が丸裸にされる、自分たちの財産がない、そういう状況について丸裸にされる、恥ずかしいという気持ちを持っているわけですね。なぜ全員に必要なんですか。必要なときには認めますよ、それは決まりだから。なぜ全員に必要なんですか。はっきり言ってください。
#148
○政府参考人(三沢真君) これは、要するに必要なときに同意書を求めればいいのではないかというお尋ねだと思います。
 それにつきましては、私どもが東京都から聞いておりますのは、減免申請の受理後に改めて同意書の提出を求めるということになりますと、東京都の場合、減免申請が年に六万件ぐらいございます。このことが結果的にその審査に時間を要して減免の決定がおくれるから、なかなかそういうことは難しいのであるというふうに東京都からは聞いているところでございます。
#149
○緒方靖夫君 そういう説明を納得されているわけですか。
 いいですか、ここに同意書がありますけれども、ここには私及び私の世帯員の減免審査の対象となる収入状況について調べて結構ですという、これを全員署名して捺印するんですよ。その結果、五万から六万に上る人たちの収入とか財産の所有の状況、この場合には財産がほとんどないということについて、いつでもどこでも調べて結構ですということを出すわけですよ。そういうことを東京都がやっているわけですね。
 それについて、事務の手続が早くなるから、今そういうことを理由として東京都が言っていると説明されましたけれども、住宅局長としてそういうやり方を了とされるのかどうかということを伺いたいと思います。
#150
○政府参考人(三沢真君) いずれにいたしましても、家賃の減免につきましては条例に基づきまして各事業主体がされるということで、その手続につきましても各自治体、事業主体がその判断でいろいろ考えているところでございます。
 先ほどの繰り返しになりますけれども、東京都については非課税の年金所得まで的確に把握するためには必要な措置であるという御判断のもとにこの措置をとっているということでございますので、これも一つのやり方であろうというふうには理解しているところでございます。
#151
○緒方靖夫君 住宅行政の元締めになる局長がそういう答弁をするのは、私は非常に情けないと思いますね。
 この問題では厚生省においても共通した問題がありました。かつて厚生省が生活保護の申請に当たっていわゆる一二三号通知、これによって一律に、今言っているように同意書を求めて画一的な指導、指示を行った。その結果、当時百五十万いた被保護世帯がその十年後に九十万人に減ったという事態が起きたわけですね。そのひどさに全国から抗議が寄せられて、そしてこの問題でついに厚生省は、ことしの三月末ですけれども、同意書の提出の義務化、これをやめた経緯があるわけですよ。このときに日弁連も、こうした法的根拠がなく不当に人権侵害を行う、このことはやめるべきだということを再三意見を述べた。そして、厚生省は生活保護に当たってこの義務化をやめたわけですよ。そういう経緯があって、私は性格としてはまさにこうした問題について申請者の人権を擁護するという立場から共通する問題だと思うわけです。
 この問題について、生活保護ではこういう対応をした。これは国がやったわけですよね、こういうふうに変えた。義務化からそれを外したわけですけれども、今、問題になっているのは東京都ですけれども、住宅局長はそういうことについて少し考えてみようというお気持ちはないんですか。
#152
○政府参考人(三沢真君) 生活保護の問題につきましては、私、今この場で十分承知しておりませんので公営住宅の問題と同一に論じられる問題かということについてはちょっと確かなお答えはできませんが、いずれにいたしましても、公営住宅法に基づきまして自治体が条例ですべて減免を定める、その手続も自治体の主体的な判断において定めるという、そういう前提に基づきまして、やはり的確に所得を把握するためにはほかに選択肢がないんだと、こういうことでもし選択されたとすれば、それは一つの方法ではないかというふうに考えております。
#153
○緒方靖夫君 こういう同意書の提出を求めている自治体は、全国でほかにどんなところがありますか。
#154
○政府参考人(三沢真君) この公営住宅の家賃減免に関しましては東京都だけでございます。
#155
○緒方靖夫君 私も全国の聞き取り調査を行いました。すると、確かに東京都だけなんですよ、こういう自治体は。唯一東京だけです。
 ほかの自治体は減免申請に際してどうやっているか。年金額改定通知書とか恩給扶助料証書とか振り込み通知書、源泉徴収票などを提出させている。これで十分済むと、私も直接伺いましたけれども、そう答えているんですね。東京と同じ、財政難だから厳正にそういうことを行わないと困るという考え、よく言われますけれども、同じ財政危機にあえいでいる大阪とか岡山とか神奈川、私こういうところに聞きましたけれども、皆そういう方法でやっているわけですよ。そういう方法で十分可能なわけですよね。
 ほかのところで可能な形がなぜ東京でそういうことをやられるのか。これは問題じゃありませんか。
#156
○政府参考人(三沢真君) 先ほどお答え申し上げましたように、確かに非課税所得の把握の方法、非課税年金の把握の方法として、年金の振り込み通知書等の資料を添付させてそれで確認するという都道府県が相当数ございます。
 ただ問題は、要するに非課税年金がある場合には確かに振り込み通知書で把握できる。ないということについて、どうやって確認するかということについてなかなかいい手段がないと。そのことのために東京都の工夫として今回こういうことをお考えになったというふうに理解しております。
#157
○緒方靖夫君 社会保険庁も一律に同意書をとっているというのを非常に驚いているんですね。私もそれは伺いましたよ。ですから、必要な場合にとるのは当然ですよ、しかし一律に全員の申請者に対してとる、これはやはりとんでもないことだと私は思うんですね。
 先ほど、東京都の事務のため云々と言われました。私、この九月に、東京都生活と健康を守る会の皆さんと一緒にこの問題で東京都と一緒に交渉を行いました。私もそれに同席いたしました。
 その際、東京都の役人は、同意書の提出の理由についてこんなことを言ったんです。申請手続の事務量の軽減のために必要だ、自分たちの事務が一遍に同意書をとっておけば楽だからと。今あなたが言ったのと同じようなことを言った。私はそれを聞いて驚いて、そんなことのために減免申請させるとしたらこれは重大な人権侵害だ、取り消せと迫って、取り消しましたよ、その役人は。今のは大変失言でしたと言って取り消した。
 私は、ここに本音があると思うんです。みずからの事務処理量を軽減するために人権無視、そういうことをさせる。これは私はとんでもないことだと思うんです。
 ですから、こうした問題について、あなたはさっきからそう言われる。それでは大臣にお伺いしたいと思います。
 大臣は、政治家として、私が今述べた問題について、そしてまた局長が答弁されたことについて聞かれたと思います。同意書の提出の問題というのは、減免申請者やその家族に対して、一律に包括的な形で、自分たちの財産はどういう形でも調べて結構ですという、そういう白紙委任に応じるものなんです。これがいかに恥ずかしいものか。先ほど大臣は女だから気がつくという、いい点もあると言われました、高野議員の質問に。女性らしい優しさ、また家庭を思うそういう気持ち、そういうことを考えたときに、やはりこういったことがどれだけやられる本人にとっては恥ずかしいことなのか、心理的な圧迫感があることなのか、そのことを私は訴えたいと思うんです。
 そうすると、減免、これは法的に保障されている制度にもかかわらず、そして、大臣が先ほど言われた、これがやはり有効性を発揮してもらいたい制度だと言われた。そういうことで言えば、これが十分に請求権が行使されないような事態、請求する、それを抑制するようなことにもなりかねないわけです。
 したがって、私は大臣に、きょうこういうやりとりというのは初めて聞かれたかもしれません。やはり大臣にこうした問題をきちっと把握していただいて、やはり必要な形で、さっき自己分析についてさまざまなことを述べられました。やはりこうしたことについてもこれでいいのかと実態をきちっと把握していただいて、そしてお調べいただいて、しかるべき大臣としての、また政治家としての判断をお下しいただきたい、そのことを求めたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#158
○国務大臣(扇千景君) 今、緒方先生のやりとりを聞いておりまして、私は東京都のことに関して一定のことを申し上げるつもりはありません、東京都は東京の都議会で御論議いただけばいいことですから。ここはやっぱり国会でございますので、私は、今お話聞いておりまして、とにかく東京都が六万件に及ぶ申請があるとおっしゃいましたけれども、私は、少なくとも公営住宅に対して、入るときにその方の収入あるいはその方の年収によってどこへ入るかというのは、これはもう決められた規定があって、少なくとも公営住宅というのはそういう方々に供与できるということで、私は公営住宅というもの、そもそもの形があろうと思います。
 それが特別な理由でどうしても家賃が払えなくなったというときには、やっぱりきちんと払っている方があるわけですから、そういう意味の公営住宅にお入りいただいている皆さん方、最初に入るときの規定も、収入もわかり、そして入るところも決まり、そういうことで供与しているわけですから、少なくとも今私が申しましたように特別な理由で入れなくなった方のみの今の減免申請でございますから、そういう意味では、どの程度煩雑になるのか、六万戸というのが普通に申請を受ければどの程度時間がおくれていくのかというのは今ちょっと私には想像がつきませんけれども、私は、少なくとも公平という意味では、今緒方先生、人権とおっしゃいましたけれども、これは普通に払っている人も人権があるし、そしてまた、皆さんからいただいてお預かりしているお金で公営住宅もできているわけでございます。
 そういう意味では、すべての皆さんに公平に、ましてこの減免措置というのはどうしても理由があって払えなくなった皆さんに対しての言ってみれば配慮でございますから、私は、そういう意味でもっとこれが喜んでいただけるような減免でなければ、そういう今緒方先生がおっしゃったような御不満が一部にあるということも初めて伺いましたので、そういうことがあるということは、今後、東京都ともしもお話し合いをする機会があれば私は伺ってみたいと思います。
 ですから、普通に手続をすれば、一々全部同意書がなくても六万戸処理するとすればうんとかかって減免の措置がなかなか認可がおりないのか、減免してもらえないのか、その辺の事務手続の時間というものをぜひ一度聞いてみたいと思います。
#159
○緒方靖夫君 その点はぜひお調べいただきたいと思います。
 それで、私は、ほかの道府県では同意書なしでやっている、そしてそれでうまくいっているそうなんです。なぜ東京がやるのか、その点も同時にぜひお調べいただきたいと思います。その点は、同じ居住者であっても、減免を受けるにしても、そこには不公平があるわけです。
 ですから、そういうこともぜひ調べていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。
#160
○岩佐恵美君 今月十三日からオランダのハーグで開かれます気候変動枠組み条約第六回締約国会議、COP6は、京都議定書の二〇〇二年発効にとってタイムリミットとなる、COP3以降でも最も重要な会議です。
 気候変動に関する政府間パネル第二次リポートでは、地球温暖化の影響について、病害虫や火災の増加等による森林の損壊、氷河の消失や永久凍土の融解、乾燥地帯での水循環への影響、熱帯、亜熱帯地域での食糧生産の低下、海面上昇による国土の消失や高潮被害、マラリアやコレラ等の増加などの深刻な被害を警告しています。しかも、温暖化が加速しているということから、百年後の気温上昇予測、この数値一ないし三・五度を、一・五度から六度に上方修正しています。
 温暖化で国土がなくなる、そういう危険にさらされている国々の叫びは深刻です。私は、COP4に参加をして、そういう国々の声をじかに伺って本当に胸をつかれましたけれども、ことし九月のミレニアム・サミットでもやはりこういう皆さんが発言しておられます。
 例えば、ナウル共和国大統領は、ナウル国民は地球温暖化と海面上昇を通して大量虐殺の危険にさらされている。マーシャル諸島の共和国の大統領は、地球温暖化と海面上昇はまさに我々の存在を危機にさらしている。キリバス大統領は、海抜二メートルの細長いサンゴ礁の小島から成る島国であるキリバスにとって、地球温暖化、気候変動、海面上昇は我々の存在基盤を脅かす。我々の余命は幾ばくもないと時に思う。私は、危険に陥れられた人々の大義を主張し、さらなる破壊と生命への悪影響からこの地球を救い、将来の世代がこの地球の資源と美を享受できるようにすることを他の島国の国々とともに強く訴える、こういう発言があります。
 私は、京都会議の議長国としての日本の責任は大きいと思います。気候ネットワークや、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議いわゆるCASAなどNGOは、国内措置で京都会議で約束した六%削減は十分達成できる、そういう具体的なシミュレーションを実施して、やればできる、そう言っています。世界の環境NGOなどは、日本政府が森林による吸収を削減量に含めることなどで抜け穴を拡大する、そういう主張をしていることを非常に心配しています。
 私は、日本のNGOの提案あるいは世界のそうした皆さんの気持ち、これを真摯に受けとめて、日本として、産業活動に起因するCO2の削減、これは、それだけではなくて国民生活にかかわる問題もあると思います。それは国民の皆さんの協力が必要だと思いますが、そういう形でCO2のガスそのものを減らすという当たり前のことにきちんと取り組むべきだ、そのことを最優先させてやるべきだというふうに思いますが、まず長官のお考えを伺いたいと思います。
#161
○国務大臣(川口順子君) 私は、温暖化の抑制ということにつきましては、委員もおっしゃられましたように、国民の一人一人がこれに対応をしていくということが非常に重要だと思っております。特に、最近、エネルギー起因の二酸化炭素ということからいいますと、産業界はむしろ減っていて、民生部門ですとか運輸部門ですとか、そういうところで減っているというのも現実でございます。
 それで、私は、そういう観点からNGOの方々と一緒にこの問題を議論させていただきたいというふうに思っておりまして、ずっといろいろな方にお会いをしてお話をさせていただいております。委員おっしゃられましたCASAですとかそれから気候ネットワークですとか、そういう方々の対策の考え方についても大変に関心を持っておりまして、精査はいたしておりませんけれども、ざっと目を通させていただいております。
 今後、COP6以降、国内対策をやっていくに当たっては、これは国民全体で取り組まなければいけないことでございますので、何が可能か何ができないかということについて、NGOの方々も含め、一般の市民の方も含め、いろんな方とお話をしながらそういうことをやっていくことが必要だと思います。私がざっと拝見させていただいた範囲で、例えばCASAの案等についても、前提その他で幾つかそれでできるだろうかと私なりに思うところもございまして、そういう相互の疑問をぶつけていって何が可能で何が可能でないかということを議論していくことが大事だと思っております。
 それで、国内対策を中心にやっていくということは、日本はそういうことで考えております。これは私どもの政府の方針としてきちんと方針にも述べているところでございまして、平成十一年の四月に閣議決定しました地球温暖化対策に関する基本方針というのがございますけれども、ここにおきましても「国内対策の着実な推進」ということを定めているところでございます。
#162
○岩佐恵美君 しっかりNGOあるいは国民の声を吸い上げて、それで吸い上げながらよく議論をしていくということが大事だと思いますので、その点、再度、取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、低周波の公害問題について伺いたいんですが、低周波音による健康被害、長期間低周波音にさらされるということで、頭痛、目まい、吐き気、不眠症などの症状が起きて、心理的、肉体的ストレスによって自律神経失調症を併発するということで、ひどい場合には半年間で二十キロも体重が減る、寝たきりになるほど衰弱してしまったという例だとか、周りが静かになる夜には隣のマンションからきいんという音が聞こえてきて苦しくなる、家の中にいられないで一晩じゅう車で過ごしている、あるいは情緒不安定となって御近所とも家庭でもトラブルが絶えないなど、被害者の皆さんの声は本当に深刻です。
 このような問題が三十年も前から起こっていたにもかかわらず、被害防止と救済策が講じられてきませんでした。ですから被害者は長い間苦しめられてきたわけですけれども、環境庁はようやく先ごろ低周波音の測定方法に関するマニュアルをつくりました。
 今回作成したマニュアルですけれども、これは被害者の声を反映させているのかどうか、また全国で起こっている低周波音による影響の実態、被害をきちんと把握していけるものなのかどうか、その点について伺います。
#163
○政府参考人(廣瀬省君) マニュアルの原案の作成に当たって、留意したことがございます。まず、学識経験者、地方公共団体職員等から参加をいただきましたが、これらの人々は実際に被害者、苦情者と接しているということを頭に置いて参加をしていただいております。そういう意味では、原案の中に反映されているというふうに考えております。
 それから、今まで測定技術がしっかりしていなかったわけでございますが、しっかりした測定器ができてきたということで、やはり測定する技術、統一した方法で低周波音をはかっていくということを進めることですので、このマニュアルを使うことによって被害の実態把握、それから因果関係の解明ということに大変資するものというふうに理解しております。
#164
○岩佐恵美君 低周波音の被害ですけれども、これは工場とか公共施設だけじゃなくて、最近ではエレベーターとかクーラー、あるいは電気温水器などの被害も増加をしていて、当事者同士は低周波音で被害、影響があるのかどうかということについて認識がなかなか統一できないものですから、隣近所、問題がこじれたりあるいは深刻になっている、そういう場合も少なくありません。
 低周波音による影響について各自治体の担当者がきちんと理解をする、マニュアルを活用して個別問題にも対応できる、そういう体制が必要だと思います。私は国として援助、協力、これが求められるのではないかと思います。そして、健康被害についてのマニュアルに基づいていろいろデータが上がってくるでしょうから、それを解析する、あるいはそれらに基づいて被害を防止する、それから被害者の治療方法の確立、そうした総合的な低周波音公害対策が必要だと思いますけれども、その点についていかがですか。
#165
○政府参考人(廣瀬省君) 先ほど申しました、マニュアルを作成するときに留意してつくっておりますが、それを本年十月に策定しまして、地方公共団体に配付いたしました。そして、全国的な統一的な方法で測定して精度の高いデータを集積したいというふうに考えておりまして、その集積したものを調査研究していくという体制をつくってまいりたいというふうに思っております。
 なお、先生申されましたとおり、低周波に対する理解ということが十分でないという状況の中では、対処事例というものをまとめて低周波音対策事例集というのをつくってまいりたい、そして地方公共団体にぜひそれを使って支援をしてまいりたいというのが、まず初歩的な始まりというふうに思っております。少しでも先に進むよう、努力してまいります。
#166
○岩佐恵美君 きょうは環境庁長官、女性の大臣ということで、審議会等への女性委員の参加について伺いたいと思います。
 きょう、委員長の御了解を得て資料を皆さんにお配りをさせていただいておりますけれども、一九九六年十二月に決定しました男女共同参画二〇〇〇年プランでは、審議会等の委員の女性参加を国際的目標三〇%、これをおよそ十年程度の間に達成するよう努めるとともに、当面二〇〇〇年度までのできるだけ早い時期に二〇%を達成するよう努めると明記をしています。
 さらに、男女共同参画審議会は、二十一世紀に向けた基本計画の考え方を九月二十六日にまとめました。この答申では、新たに環境問題を重要な課題として取り上げて、具体的な意思決定過程に女性の参加を一層拡大していくということを求めています。
 中央環境審議会を見てみますと、委員総数七十八名、うち女性十八名と達成しているわけですけれども、政策方針の具体的な方向性を検討している部会とか専門委員会への女性の参加、これは極めて低いんですね。男女共同参画推進本部として、この問題をどう考え、どう対応しようとしておられるのか、伺いたいと思います。
#167
○政務次官(中原爽君) 総理府といたしましては、男女共同参画社会の形成に当たりまして、政策方針決定の過程について女性の方の参画の拡大ということを目標として、もちろん一番重要な課題であるということで認識をいたしております。
 したがいまして、御指摘がありましたように、これまでも国の審議会等における女性委員の登用につきましては、平成八年の五月に、平成十二年度末で二〇%を当面の登用の目標ということを立てました。これが、幸いという言い方は失礼かもしれませんけれども、一年前倒しで、平成十二年度末までに二〇%を達成するという目標が、期限より一年早い時点、すなわち十二年の三月三十一日というところで二〇%を達成いたしました。全省庁の平均が二〇%を超えたということでございます。
 したがいまして、この八月に男女共同参画推進本部で、八月十五日でございますが、さらに御指摘がございました、国際的な目標であります三〇%を達成するという目標を立てるという趣旨で、平成十七年度末までのできるだけ早い時点でこの国際的な目標である三〇%を達成しようということを決定いたしました。新たな目標でございます。あわせて、その決定のときに、今回正規の委員の方ではない、通常の委員だけではなく臨時委員、特別委員、専門委員の方々につきましても、「女性の積極的な登用に努める」ということを表記いたしました。ただ、通常の委員の方とこの臨時等の委員の方とはお立場が違いますので、この方々については具体の数値を上げて表記はしてございませんけれども、「積極的な登用に努める」という表現を表記いたしました。
 以上でございます。
#168
○岩佐恵美君 そこで、この環境庁関係の審議会等、専門部会等の一覧表をお配りさせていただいたんですが、中環審の部会は十あるんですが、そのうちの三つの部会は女性委員が二〇%未満です。特に総合部会と騒音振動部会は一〇%以下です。十部会の合計で百七十七人中三十三人が女性で一八・六%。
 ところが、小委員会、専門委員会になるとひどいんですね。二十三委員会中十七委員会が女性委員がゼロなんです。二〇%を超えている委員会は一つもありません。一〇%台が四つの委員会、一〇%未満が二つの委員会、全体として二百九十二人中女性は七人で二・四%です。特に大気部会というのは委員会が六つあるんですけれども、女性委員は一人もおられないんですね。水質部会でも、七つの専門委員会中五つの委員会は女性がゼロです。
 部会や専門委員会が、私は女性に専門家がいないということではないというふうに思います。専門という意味でいうと、先ほどから大臣のお話もありますけれども、女性特有のやっぱり感性だとかあるいは子供を産み育てるだとか家庭を預かるとか、そういう特殊性もあると思うんですね。
 いずれにしても、そんな形での参加というのが望まれると思います。もっと広く女性の声がいろんなところで反映されていくべきだと思いますが、環境庁長官、ぜひこの点、御努力をいただきたいと思います。
#169
○国務大臣(川口順子君) 私も審議会に女性の委員をふやすということは非常に大事なことだと思っております。環境庁も今度、三〇%という政府全体の目標がございますけれども、できるだけ平成十七年度末という期限を待つことなく、できるだけ早い時期にそれを達成したいというふうに思っております。
 それで、お尋ねの部会、専門委員会のことでございますけれども、政府としての数値目標は個別の部会ごとにそれを設定しているということではないということではございますけれども、全体としては、先ほど申し上げたように、できるだけ早く達成をしたいと思います。
 それから、専門部会あるいは小委員会といったような分野については、対象が非常に限定された狭い分野についての議論をする場であるということから、必ずしも数が多くないというのは事実御指摘のとおりでございます。
 女性の場合に、人材をむしろ発掘する努力をより積極的にやっていくことが必要だろうというふうに考えておりますので、部会ごとあるいは専門部会ごと、小委員会ごとに目標をということではございませんけれども、極力新しい人材を今まで委員をしていらっしゃらない中から見出して登用をするという努力を重ねたいと思っております。
#170
○岩佐恵美君 次に、東海水害の問題について伺いたいと思います。
 九月十一日から十二日にかけて愛知県を襲った東海水害ですが、亡くなられた方が六人、重軽傷者が八十一人、六万七千棟が浸水をする、そのうち二万七千棟が床上浸水という大きな被害を出しました。私は、十月三日、四日と現地調査を行いましたけれども、予想を超える雨量、これはもちろんそうなんですけれども、そういうことだけでは済まされない重要な問題点があると思いました。
 まず今回、溢水した建設省直轄の庄内川ですが、二百年に一度の降雨を目標に河川整備をしているわけですけれども、堤防の整備率というのが二六%なんです。しかも問題なのは、現在の堤防が計画高水位、これを下回っているということです。そのために溢水が起こっています。
 中部地建の今年度の事業費というのは総額三千六百九十億円ですが、そのうち道路が六八・五%、治水関係は二七%にすぎません。しかも、ダムや砂防などを除く河川事業費は四百四十四億円で、わずか一二%です。そのうち庄内川が五十九億円、中部地建河川事業費の一三・二%で、中部地建全体の一・六%しか占めていません。中部地建の中でも特に堤防整備がおくれている庄内川の整備への予算配分、これが余りにも少ないのではないかと思います。
 河川の整備というのは国民の命と財産にかかわる問題です。庄内川はもちろんですが、こういうところにこそ予算を使うべきだと思いますが、いかがですか。
#171
○政府参考人(竹村公太郎君) 東海水害で被害を受けました庄内川の河川改修につきまして御質問がございました。
 庄内川は昭和四十四年に直轄事業になりまして、平成十二年度まで約五百三十億円で事業が進んできております。大変住宅密集地でございまして、事業、職員ともども大変難航しているところでございますが、現在、平成十二年度では事業費、今御指摘のございました五十九億円をもって、最も流下能力が不足している庄内川下流部のうちで、大蟷螂地区におきまして用地の取得、堤防のかさ上げ等を実施しておるわけでございます。
 なお、庄内川の事業費につきましてお話がございましたので、中部地建の確かに河川事業費四百四十四億円のうち一三・二%でございます。一三・二%と申しますと、中部地建の中では十三水系のうち木曽川に次いで第二番目でございます。そして重要なのは、一キロ当たりどの程度毎年投資しているかということでございますが、一番大きい木曽川であっても、平成十二年度でございますけれども、一キロ当たり約八千七百万円でございます。庄内川は七千九百万円となりまして、中部地建全体の平均の約六〇%増しの事業費を投入している川でございまして、大変重要な川と認識しておりまして、私ども、これからさらに予算を確保して河川事業を推進してまいりたいと考えております。
#172
○岩佐恵美君 時間がなくなってしまったのでまた次の機会にきちんと質問したいと思いますが、予算をふやすということと同時に、今求められているのは、住民の安全を守るためのきめ細かな河川管理ができない一因に現場職員数の削減があります。
 中部地建の職員定数は、一九八五年三千百十二人、そして今年度は二千六百四十八人。十五年で一五%、四百六十四人減っています。補正を含めた事業費は、一九八五年度千九百五十七億円、九九年度が四千九百六十九億円で二・五倍。その結果、職員一人当たりの事業費は八五年度の約三倍になっています。
 これでは、発注業務とか行政部内の折衝などが精いっぱいで、きめ細かい河川管理には手が回らない。出張所の職員は三、四人で、地元から漏水の電話があっても、とても職員が現場へ出向いて確認できない、そういう状況だと聞いています。
 庄内川の工事事務所は職員が六十六人で、事業対策官など三名は本局に吸い上げられているので、河川の工務課の職員九人、課長一人、予算係二人、専門係二人、係長一人、係員三人、実際に設計、積算などの作業は四人。もうとにかく災害復旧事業の急増に到底対処できる人員ではないというふうに悲鳴を上げています。
 こういう、予算をふやすと同時に人員の手当ても必要なところにはしていかなければいけない、これが私が現地に伺って実感したところでございます。その点いかがでしょうか。
#173
○国務大臣(扇千景君) 今、岩佐先生のお話ございましたけれども、私も直ちに現地に参りましていろんなお話も聞いてまいりましたし、特に今おっしゃいました人員の話が出ましたけれども、少なくとも建設省の直轄事業、それに関しましては、防災体制につきまして、現行の事務所の体制の中で臨時の班を編成して、どこで何が起こるかわかりませんから、すべからく人数さえいればいいというものではございませんので、なるべく早く対応できるようにということで特別班をつくって緊急にそこへ配置しております。岩佐先生おいでになってお感じになったかもしれませんけれども、少なくとも徹夜で近隣から二十台のポンプ車を建設省は派遣して、これも対応したわけでございます。
 そういうふうに、常時人がいればいいというものではなくて、その災害等に応じてどの人員を、どういう技術者を、またどういう機具を持っていくかということが肝心であって、日ごろの訓練と、そして皆さんからお預かりしているお金の中で最大限に節約をしながら最大限の効果を発揮するということが私は一番重要であったと思います。今回も、私、現場に参りまして、庄内川における災害につきましても、本局及び他の事務所からの応援体制、災害発生時における臨時応援職員が二十名でございましたし、また復旧に向けた職員も三名、技術者で専門家が行っております。
 そういう意味では、私は、どこが少なくてどこが人がいればいいということではなくて、建設省としては、各地建等、災害等に対応できるような日ごろからの体制づくりの方がもっと大切だと思っておりますので、人がいることよりも、その災害に応じた人と機械あるいは技術を適切に対応するというふうに今対処しておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
#174
○岩佐恵美君 終わりますけれども、私、人をふやせばいいということを言っているのではありません。それはもう予算がふえる、それに従って人が伴わないのではないだろうか。それから、災害が起こるそういう地域について、体制と言われましたけれども、体制をつくるのは機械だけではなくて人も必要なんですね。それは訓練も必要でしょうけれども、数というのも要るわけですから、そういう点で、災害が起こったところについてよく見直して、予算をつければいいということではなくて、人の面もきちっと考えていくべきではないだろうかということを申し上げたわけでございます。
 その点をよく御検討いただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
#175
○大渕絹子君 国土庁長官にお伺いをいたします。
 長官は所信あいさつの中で、首都機能移転について「国会における審議を重要視し、今後も国会での御議論を活発にしていただき、国民の皆様にもより御理解を得られるよう努めてまいる所存であります。」と申されました。
 国民の皆様にもより御理解を得られるという、その御理解というのはどういう理解でしょうか。
#176
○国務大臣(扇千景君) 少なくとも、今お話ございましたけれども、国会の中で首都機能移転の特別委員会が衆参に設置されました。けれども、この間、テレビをごらんになったかどうかわかりませんけれども、私たまたま夜テレビを見ておりまして、この話を知っていますかという街頭のインタビューを撮っておりました。ほとんどの人が何の話ですかとおっしゃるんですね。
 事ほどさように、首都機能移転のせっかく特別委員会をつくりながら、今までの審議時間等々を勘案しましても、平成二年からでございますから、今日に至るまでの多くの国民の皆さん方にその首都機能移転の必要性、あるいは重要性、あるいは今この十年たった現在とどう整合性があるのかということに関して、御理解をいただいていない方が大勢いらっしゃいます。
 ですから、そういう意味では、ぜひこういう国会論議がありますときとか、あるいは国民の皆さんに例えばテレビのレポーターがインタビューを撮っていても何の話ですかと言われるようなことがないように、国民全体として首都機能移転だけではなくて、国の、国土のあり方ということに関してもぜひ関心を持っていただきたい、二十一世紀型の日本づくりを国民とともに考えたいという意味での御理解という意味でございます。
#177
○大渕絹子君 国土庁の担当官にお聞きをいたします。
 今、長官はそのようにおっしゃいましたけれども、平成二年からこの間、国土庁はこの問題が起こってから国民に理解を得るための御努力は何もなさってこなかったのでしょうか。
#178
○政府参考人(板倉英則君) 私どもといたしましては、この首都機能移転の問題につきまして、従来からシンポジウムとか講演会の開催、あるいはパンフレットの作成、それからニューズレターの発行、それから最近では新都市イメージ図を内容としますCD―ROMの作成、配付というようなことをやってきておりますが、さらに最近になりまして、インターネットのホームページを充実しようということで、例えば意見交換が自由にできるチャットルームというものを設けたり、さらにオンライン講演会の開催、さらに私どもの職員が学校などに出向きまして、小中学校で出前講座をしたり、あるいは大学でいろんなディベートというのがございますが、その材料を提供させていただいたり、私どもいろいろと工夫を凝らしながらさまざまな方法で広報活動を展開しているところでございます。
#179
○大渕絹子君 長官、議院内閣制をとる我が国で、国会と国務大臣の位置はどんなふうに考えておられますか。
#180
○国務大臣(扇千景君) 今の日本においては三権分立ということが確立されておりまして、私が申し上げるまでもなく、先生も今その意味において御承知なんだろうと思いますけれども、少なくとも行政において私は責任者として今この業に当たり、きょうも御答弁に立っているというのがその意味でございますし、また国会は国会で、国民を代表する皆さん方がこうして御論議をいただくというのがこの立法府の大きな意義でございますので、改めて私が申し上げるのもおこがましいと思いますけれども、以上でお答えをいたします。
#181
○大渕絹子君 あえて議院内閣制と私は申し上げました。立法府でつくる法律に基づいて行政を担当する、そういう位置関係にあるというふうに思っておりまして、そういう位置関係にある大臣が、まず今、国会で衆参両院で国会決議をされて、私は必ずしもその首都移転、東京から出ていくことがいいか悪いかという結論には私自身はまだ入っておりませんけれども、そのことで特別委員会が設置をされ、議論、検討が進められている中で、また行政府の政府といたしましても、昨年総理大臣が諮問をし、その検討委員会、国会等移転審議会がずっと協議をし、そして昨年十月その答申を出しました。その答申に基づかれて、(「十二月」と呼ぶ者あり)昨年の十二月ですよね。何か違うことを言いましたかしら。十二月に出されていますでしょう。そして、そういう中で議論が進められているというふうに思っております。
 あるいはまた、私自身は阪神・淡路大震災、それから鳥取の大地震等々を見るときに、東京都と関東地域にあのような地震が起こったときに、果たして首都機能が麻痺をしないで健全に運営ができるのだろうかというところも考えるときに、先のことも、将来的なことも考える必要があるのではないかなという思いもございます。
 大臣は一極集中の度合いが変わったと申されていますけれども、相変わらず東京には一千二百万人もの人が住み、一極集中はまだ続いておるという状況でございまして、流入はないですよ、流入は多くなってはいませんけれども、いまだにそこに集中しているという事実はございます。
 さらに、徳川家康が江戸に幕府を持ってきたときには、旧来の政治手法を断ち切って新しい政治に転換をしたいという思いの中で多分江戸に幕府を開いてきたという歴史的な経過もあると思います。中央集権がそのときからスタートするわけですけれども、中央集権の政治から、これから将来の日本がもし、地方分権がさらに進むというような状況の中で、政権交代の兆しも今見えているところなんですけれども、そういう政権交代が起こったときに、旧来の政治から脱却するためには首都機能をしっかりと移転をし、真っさらなところからスタートさせるというようなこともあるいはあるかもしれない、そういうような広範な考え方がされなければならない今大事な時期だと思います。
 その大事な時期に、その担当する国土庁長官、トップであられる長官が、私は反対なんだということを明らかにして、議論の喚起をさせるということで発言をしたとおっしゃっていますけれども、私はちょっと見当が違っているんじゃないかなというふうに思っているんです。
 国土庁長官がこういう発言をしていいのかどうか。もしそういう発言をし続けるならば、国土庁長官の任には私は最もふさわしくないと思っておりまして、直ちにやめるべきだというふうに思っておりますが、いかがでございましょうか。
#182
○国務大臣(扇千景君) ありがとうございます。そういう御意見であれば、私も本当によかったなと思っていることが今現実としてわいてまいりました。
 と申しますのも、今おっしゃいましたように、昨年の十二月に答申が出ましてからも、私は首都機能移転問題特別委員会、この間参議院で初めて御論議をいただきました。参議院だけで御論議いただいて、衆議院はまだ一度も開かれておりません。そのように私は、少なくとも冒頭に御質問ございましたように、国民の認識度がどの程度かということでございますけれども、そのように委員会で御論議がないということ、また私の発言によって初めて気がついたとか、まだそんな話あったのという投書もあるいはいただきました。そのように、世の中というものは、国会の中のことをすべからく、インターネットで先ほども申しましたように国土庁も流してはおりますけれども、認識の中にはまだ浸透していないと。
 また、移転地として候補になった三つの地点以外の皆さん方はいまだにあの話あったのというような投書も私もいただいておりますし、そういう意味では委員会で論議すること自体が私は意義があると思っておりますから、私が発言したときに国会の特別委員会の御論議を尊重しながらということも、これは首都移転だけを言ったわけではありませんし、今、先生が東京に地震があったらどうするんだとおっしゃいましたけれども、少なくとも私が国土庁長官として全国の地殻変動等々見ましても、日本列島すべからく地震列島と言っても過言ではないぐらい今多くの要素を持っております。ですから、どこへ行けば安全であるか、どこへ行けば一〇〇%移転しても大丈夫よというようなことは大変今言えない状況でありますし、日本列島の中には、この間のように、かたい地盤のあるところ、そして軟弱なところのその違いはございます。
 例えば、今おっしゃいましたように、私も神戸出身でございますから、阪神・淡路大震災のときの震度と鳥取の震度と、私はどんなに大変かと思って鳥取に行きましたけれども、住宅の少ないのと土地のかたいのとによってそれだけ違ったということによっては、どこに首都を持っていけば安全だということが今の段階では一〇〇%言えないということも国民の皆さんは御承知でございますので、私は論議を喚起する、また御論議が深まるという意味においてみんなで考えることで、今の経済状況と平成二年とは十年の隔たりがあるということもぜひ御認識賜りたいと思います。
#183
○大渕絹子君 首都機能移転のための特別委員会が慎重にあるいは活発に御議論がなされていることをぜひ、その人たちの名誉のためにも、実は盛んに議論はされているんだということを申し添えておきたいと思います。
 公共事業の見直しについてお伺いをいたします。
 建設省、農水省、運輸省の担当の方にきょうは来ていただいておりますけれども、建設省では百三十六カ所、農水省では八十四カ所、運輸省では六十一カ所、計二百八十一カ所について見直し評価作業が行われているというふうに聞きましたが、これは十一月七日の朝日新聞には、その中で与党勧告の三割を拒否するような状況になっているというふうに書かれていますけれども、その評価見直しの作業の進捗状況について、それぞれ簡潔にお答えをいただきたいと思います。
#184
○政府参考人(小川忠男君) 現在私ども、合計百三十六事業につきまして、それぞれの事業主体が事業評価監視委員会で盛んに議論をいたしております。中には終了したものもございますし、現在進行形のものもございます。できるだけ早く事業主体から最終的な結論を私どもに報告をいただいて、それを集約した上で、できるならば来年度予算の決定ごろまでには最終的な決断といいますか決定をしたい、こういう段取りで現在進んでおります。
#185
○政府参考人(田原文夫君) 農林水産関係でございますけれども、いわゆる三党合意の関係では七十地区、それに我が省独自の基準ということで、合計八十二地区ということで現在見直しの作業をさせていただいているというところでございます。
 このうち、例の中海の干拓の関係、これは既に中止ということでございますので、残りの八十一地区につきましてそれぞれ事業主体ごとに再評価を行いながら第三者機関の意見を聞く、こういう状況になっております。
 私ども、こうした検討作業の中で、その結果を受けまして、最終的には本省段階におきましても第三者委員会におきまして総合的な検討をしたいと考えておりまして、最終的な取り扱いを決定するということにしております。
 いずれにいたしましても、十三年度予算編成に向けまして、できるだけ早い段階で最終的な判断を下しまして、またあわせまして、その結果につきましては速やかに公表していきたい、かように考えている次第でございます。
 以上でございます。
#186
○政府参考人(岩村敬君) 運輸省関係の事業でございますが、採択後五年以上経過してまだ着手していないものが二十五、それから現在休止または凍結しているものが三十六ございまして、これにつきまして、与党三党の勧告を受けて、事業主体でございます地方公共団体等に対して厳正な事業評価の実施を要請しているところでございます。
 今後は、地元の調整状況を踏まえまして、個々の事業の中止の適否について判断をしてまいる所存でございます。タイミング等につきましては、先ほど建設省、農水省からもございましたように、できるだけ早く判断をしたいというふうに考えているところでございます。
#187
○大渕絹子君 新聞発表がされるぐらい新聞社の方の調査が進んでいるという状況の中で、国会のその専門のことを議論する場所に、大体こことここがこうだということを私は資料として出してほしいと言っているわけですけれども、それがされなくて、今、本当に通り一遍なことを、私が言ったようなことしか言えないような状況ではなかなか私はいけないというふうに思っておりまして、できるだけ早く、もう評価が終わったところについてきちんと私たちには教えてくれるように努力をしていただきたいというふうに思っております。
 全部がまとまらなければ出せないんじゃなくて、一つ一つの事業についてこれは決まりましたよというところがあれば、きちっと出していただきたいということでございます。再評価委員会がどういう結果を出したかということがわかった段階でまた検討ができると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
#188
○国務大臣(扇千景君) いいですか。
#189
○大渕絹子君 いいえ、済みません、後でまたまとめてお聞きをいたします。
 事業費を、これが全部中止をした場合、二兆八千億円が削減できると試算をされているというふうに聞いていますけれども、その浮いた財源について今後どういうふうに使おうとなさっておるのでしょうか。それぞれ、じゃ建設省に代表して答えていただきましょうか。
#190
○政府参考人(小川忠男君) 浮いた財源という見方はなかなか難しいのでございますが、やめたというときに、やめなかったならば総事業費は残り幾らであろうかという額は、試算としてははじき出すことは可能でございます。ただそれは、浮いた、だから公共事業に当然かと言われますと、政府全体として使わなくて済む額になったというふうなことでございますので、仮にでございますが、それだけの額を公共事業予算としていただけるならば、真に必要な公共事業に充当させていただきたいと思います。
#191
○大渕絹子君 名回答かなというふうに思っていますけれども。
 今度の見直しのことでわかったわけですけれども、計画を決めて採択を決めたときに担当責任者であった者が、中止を決めたときにはその担当者はもう全然どこに行っているかわからない。じゃ責任は一体だれがとるのか、こんな事業採択を一体だれがしたのか、こういうことになるわけですけれども、これから先もこういうことが起こっていくことは私は本当にあってはならないことだというふうに思いますが、建設省は、これからの公共事業でこういう責任の所在を明確にするためにはどうしなければならないと思っておるんでしょうか。
 私自身は、短い期間の中でつくり上げるということで、その担当官がそこにずっとプロジェクトのチーフになったらそこがもう終わるまでそこにいるぐらいのことがなければ、とても責任を持ってよい公共事業をやり抜くということにはならないと思うんですけれども、その点について、大臣、お答えいただけますか。
#192
○国務大臣(扇千景君) 今おっしゃいました最後のことは、少なくとも事業を計画したときの人が最後までいるということ、そして責任の所在はだれにあるのかということに関しましては、私はそれが大事だと思いましたから、先ほど申しましたように、きょう衆議院で通していただきまして、参議院に来ます公共工事の入札及び契約の適正化に関する法案、これによって明確な責任の所在を、発注者もそして受注者も国も地方もこれを明快に責任を持って情報を公開し、なおかつ国民の皆さん方に、いつだれがどこでどの工事を幾らで請け負ってというのを明快にするというための法案をつくったので、参議院に来ましたら、ぜひ先生にもよろしく御審議いただいて、今の責任の所在というものを明快にしたということを御認識賜りたいと思いますのと、一つ、先ほど評価が済んでいるものは公表しろとおっしゃいましたので、時間をとったら悪いので三つだけ、ちょっと今わかっていることを申し上げてよろしいですか。
 今、私ども建設省としては百三十六、俎上に上げておりますけれども、その中で事例を挙げますと、広島県でございますけれども、河内町の特定環境保全公共下水道事業、これは処理区域内におきまして開発計画の見通しが立たないこと、あるいは終末処理場の用地確保が困難であるために着工できておりませんので、これはいまだ着工していない事業という枠に入っておりますので、これも中止するということに該当することが決定しております。
 また、熊本県、高遊原地下浸透ダムでございますけれども、これも平成元年度に実施計画調査に着手しましたけれども、地質調査等の技術調査の時間を要しているために、これも実施計画調査後十年以上という経過の枠に入っていますので、これも中止するという枠に入っております。
 もう一点だけ申し上げますと、これは沖縄県でございますけれども、一般国道五十八号の那覇北道路、これも事業に関連する那覇港の港湾計画の改定が遅延しておりますためにこれも着手のめどが立っておりません。そのために事業採択五年以上経過してという枠に入っておりまして、これも中止せざるを得ないというふうに判断しておりまして、ちなみにこの沖縄の例をとってみますと、那覇北道路に関しましては、事業採択年度、平成六年でございますけれども、これまでに調査費を五億円使っております。けれども、その総事業費は、残りが三百七十五億円でございますから、三百八十億円の中の五億円だけ調査に使って、これを中止しますと単純に三百七十五億円がむだにならないというようなことでございますので、事例として挙げさせていただきました。
#193
○大渕絹子君 ありがとうございました。
 そういうふうにしてできるだけむだを省いていただきたいと思うんですけれども、今回の見直しにあわせて、その事業が有意義かどうか客観的に評価をする法律の制定が必要というふうに思いますが、それの御準備はどうなっているか。
 また、もう一つは、中止を決定いたしますと、取りやめるに当たってその撤退方法の手順、撤退の手順を法制化しないとさまざまなトラブルが起こってきて、結局は中止は決まったけれども撤退はできない、引き続きずるずると予算を流し続けなければならないというような事態が起こりますけれども、この法制化について、二点についてお答えください。
#194
○政府参考人(小川忠男君) 前者についてでございますが、公共事業だけについてというふうな考えは現段階ではございませんが、政府全体として政策評価一般を法制の枠組みの中でというふうな議論がございます。その一環としてどういうふうに位置づけるかというふうなことは政府として検討させていただきたいと思います。
 それからもう一つは、事業を中止した場合の後の話ですが、少なくとも現段階では、私どもの所管事業について申し上げますと、百三十六の事業について俎上にのっているわけでございますので、そのけじめをつけるというのがまず最優先でございます。その後、何らかのかわる事業が必要であるのかないのか、ないしは、やめる場合にいろんなリアクションがあったときに何らかの対応が必要であるのかないのかというふうなことは次のステップの話だとは思いますが、いずれにいたしましても、現段階では百三十六の事業を整理した結果として何が問題としてあるのかというのを個別に整理し、集約した上でその後の対応を考えるというのが現在の率直な状況でございます。
#195
○大渕絹子君 それでは間に合わないというふうに思うんですよ。
 例えば、今ここに手元に、これは大分県の大野町にある矢田ダムというのが建設中止になったということで、三十年間、このダムがつくられるために地元の人たちは自分がそこに新しいおうちをつくることもできず、若者たちは町に転出をするというような状況が起こる。今度中止になったから、じゃ今までおくれてきた社会資本整備、いわゆる下水道とか、あるいはさまざまな生活基盤がダムができて沈むのだからということでおくれてきた、そういうことに対して、中止になったんだから今度はそれを復活させていかなきゃならないですね。活性化させていかなければならない。そのための財政支援が受けられる法的根拠というのは全くないわけですよね。
 ですから、そういうものの法的な枠組みづくり、システムづくりというのはぜひ必要じゃないかというふうに私自身も思っておりまして、ぜひこれは御検討いただきたいというふうに思っております。次のステップと言わないで、中止を発表したら直ちに中止するためにはどういう手順が必要で、どういう法律がなければ財政的な裏打ちができないというようなことをきちっと検討されて、プロジェクトチームをつくってやるぐらいの意気込みを見せていただかないと、建設省が本気でその見直しに取り組んでいるのかどうかというのを疑わざるを得ないわけですから、ぜひここは大臣、よろしくお願いいたします。
#196
○国務大臣(扇千景君) 当然なことでございまして、ある一定のところまで工事をしているものをストップして、そのまま放置して、あるいは住民の皆さん方に危害を与えたり、あるいはそういうことにならないように万全を期すというのは当然のことでございまして、建設省がそういう無責任な中止の仕方をしないということだけはぜひ御理解をいただき、また地元の皆さんからも、今後それに対しての、ここは中止したけれどもこっちの工事の重要性というものもぜひ、公共事業の公平性ということに対しては、私は地元の認識が第一であるというのが公共工事の基本であろうと思っていますので、地元の皆さん方の要請、それをぜひ尊重してまいりたいと思っております。それがまさに地方分権だと思っております。
#197
○大渕絹子君 時間があと五分になりましたので、ちょっと予定していた質問を省略させていただきまして、実は私は新潟県の出身なんですけれども、私が住まいをしておりますところに清津川ダムの建設計画がございます。これは今回の見直しの中で、直轄事業の中の中止の一つの項目として挙げられております。地元からは水の利水が必要なのでつくっていただきたいという要請があることも事実でございますけれども、三十年以上たって本当に必要なのかどうかという検証を私は改めて的確にやっていただきたいというふうに思っております。
 さらに、平成十年度に事業評価監視委員会が開かれたんですけれども、そのときに出された利水計画と、今度見直しに当たって事業評価監視委員会の中に出された利水計画が、大幅に減少している。毎秒三十五トンから二トンに減少するという状況の中で、これは明らかに大幅な変更があり、本当に利水のためにこのダムが必要なのかどうかというところをもう一度詳しく検証しなければならない時期に来ているというふうに思っております。
 建設省は、もう言うまでもなくわかっておられると思いますけれども、私が住んでおったり、この事業の中心的な地域を担うのは小千谷市なんですけれども、小千谷市には妙見堰という、信濃川の中腹に堰を築いて水の利水をつかさどれるようにできているわけでございます。そしてまた、魚野川の上域には三国川ダムもでき、その利水もできる状況があります。
 そういうところも全部勘案をし、あるいはこれからまた、農業用水あるいは工業用水に回っている水を直接水道水源に振り向けることも、そういう基準の見直し等々も行っていけば毎秒二トンの水の確保というのは可能ではないかなというふうに私は思っているわけですけれども、ここらもあわせて考えていただきたいと思います。
 時間がありませんので、これらについては後でまた竹村局長のところにお伺いをして話をさせていただくということにいたしまして、きょうは一つだけ、建設省が環境調査を行っていると思いますけれども、この地域、清津川ダムの建設予定地の中に猛禽類、いわゆる天然記念物に指定されている猛禽類、何と何が生息をしているのか、魚の類はどうなのか、あるいはレッドデータブックスに載っている植物類は何種見つかっているのか、それの実名をちょっと答えていただきたいと思います。
#198
○政府参考人(竹村公太郎君) 平成十年度から猛禽類の調査等をやってございます。平成十一年の二月には、日本自然保護協会や新潟県の自然観察指導員の会の方々、いわゆる自然保護団体と猛禽類に関する意見交換を行いまして、九月には野鳥の会の方々、自然観察指導員などの八名から成る猛禽類の調査会を設けまして、私ども調査を実施しております。その結果、イヌワシ一つがい、クマタカ二つがい、魚ではアカザという学術上非常に希少な魚を私ども確認してございます。
 今、植物と申されましたが、今手元に植物のは用意しておりませんでしたので、また後ほど届けさせていただきます。
#199
○大渕絹子君 ありがとうございます。届けてください。
 それがなぜ必要かというと、環境庁長官、こういうものがダムの建設地域できちっと確認をされているんです。そうしますと、生物多様性の観点から、あるいは種の保存法の観点から、こういうところにダムというものが建設をされ、開発をされることに環境庁としてはどういう取り組みをなさっていくのかということを最後にお聞きしておきたいと思います。
#200
○国務大臣(川口順子君) イヌワシのような猛禽類が生息をしているところで開発が計画される場合には、環境庁は平成八年のたしか八月に「猛禽類保護の進め方」という指針をつくっておりまして、この中で、事業の実施をするという場合には、専門家の助言や指導を仰ぎながら調査を実施して、その調査の結果を踏まえて検討をしていただくということで申し上げておりまして、それから、猛禽類以外の希少種についても同じような考え方で対応していただくということをお願いいたしております。
 以上です。
#201
○大渕絹子君 終わります。
#202
○戸田邦司君 委員会もこの時間になりますとだんだん終わりの方になってまいりまして、答弁者側もあるいは委員の皆さんも早く終わらないかと思っているに違いないという圧力を私はいつも感じております。
 本日は建設大臣に御出席をいただいておりまして、私は、一番最初に公共事業のコスト縮減の問題について二、三お話しさせていただきたいと思います。
 建設白書の中でも、公共事業の効率的な事業の実施とかそういった観点から、公共工事のコスト縮減について今までどういうことをしてきたかというようなことが書いてありまして、例えば平成九年の関係閣僚会議決定に基づいて、公共工事コスト縮減対策に関する行動計画、いわゆるアクションプランをつくって、それでいろいろな施策を実施した。その場合の縮減のターゲットが大体一〇%というようなことだそうであります。
 公共工事のコスト縮減をどういうふうにとらえていくかというのはなかなか難しい点もあるかと思います。一般的に言われておりますのは、大体、資材費が一般に比べて高くないか、それから何人で何時間かかっているか、いわゆる人工、そういったものの効率性を上げていく、工事の方法、その他もあると思いますが、そういったところで相当切り詰めてやっていくということかもしれません。
 私は長い間造船業を見てきております。委員長も造船業に大変詳しいわけでありますが、造船業の例なんか考えますと、かつて百二十億だった大型原油タンカー、二十八万トン積みぐらいの原油タンカーが今七十五億円。これは、一つのコスト削減の要因としては、国際競争にさらされている、円のレートがしょっちゅう変わっている、円高になっていくと途端に競争力に影響が出てくる、そういったことがありまして、血のにじむような努力をしてきているということが一面にあるわけであります。
 私は、建設関係のコスト縮減についてはまだまだそこまで行っていないのかなという感じを持っておりますが、大臣はその辺はいかが感じておられますでしょうか。
#203
○国務大臣(扇千景君) 今、戸田先生が大事な点を御指摘になりましたけれども、少なくとも日本は公共工事は特にコスト高であるというふうに思われております。私はそういう面もあろうかと思いますけれども、弁解する意味ではございませんけれども、少なくとも、米国を一とした場合の日本の建設コスト、例えば土木工事に関しましては〇・九八%、一ドル百四十一円で換算した場合でございますけれども、それからまた、代表的な資材の単価につきましては、アメリカを一としました場合に日本は〇・八九、そういう数字が出ていますから、必ずしも物によっては高いとは言えないものもあろうかと思います。けれども、一般的に今、先生がおっしゃいましたようなコスト高を少なくとも我々としては縮減するように努力するのは当然なことでございます。
 例えば事例を挙げてみますと、少なくとも私たちは、今現在は建設の資材に関しましては平成八年と比べますと、今約七%安くなっております。それも努力の一端だと思いますけれども、今後は発注機関の異なる資材の規格やサイズを集約して、それで統一的に大量生産しやすくするということも私はこれは一つのコスト削減になろうと思います。
 それとまた、低価格の海外の資材を活用する、これもモデル工事をしていく上に私は大事なことだろうと思います。日本の業者の抵抗もございますけれども、よりコスト削減ということには海外の資材を活用することも私は一つの手であろうと思います。
 そしてまた、ITを使って資材の取引の効率化を図るシステム、ITシステムというものを利用して、資材がより安くより低価に、どこに何があるかというのはITを使うと一番近いもので一番安いものを使えるということもありますので、そういうことに努力しながら、より低廉な公共事業の、あるいは建設業の資材のコスト減を図っていきたいと思っております。
#204
○戸田邦司君 私の認識も実際を知らない面があったかと思いますが、コスト縮減につきましては、役所が幾ら一生懸命やってもなかなか達成できないところもあるということだと思いますので、建設省が業界団体を指導しながら進めていかれるのかな、こう思っております。
   〔委員長退席、理事松谷蒼一郎君着席〕
 そこで、そういうまじめな真っ正面からの取り組みがある一方で、巷間言われておりますように談合問題あるいは丸投げ問題、そういったことが行われているということだろうと思います。
 この談合の問題というのは、アメリカあたりではアンタイ・トラスト・ローの適用が非常に厳しくて、同じ業種の業者が集まって飯を食っただけで挙げられちゃう、これは弁護士立ち会いでないと飯も食えないような厳しい適用をしていると。我が国の場合は、そこまではとてもとても行っていないし、やる必要もないということかもしれませんが、しかしいずれにしましても、談合というのが公共事業の入札その他について値段を押し上げているというか、競争をしていないということになっているかと思っていますし、一方で元請、下請の関係で丸投げが行われている場合があると。しかも、元請と下請の間ではかなりの価格差があるというようなことも、事実そういうことがあるということではないかと思いますが、その辺につきましては大臣はどのようにお考えでしょうか。
#205
○国務大臣(扇千景君) 先ほどからも申し上げましたとおり、戸田先生も御認識賜っていますし、また今、世の中でもこれだけ与党三党で、あるいは建設省独自で公共事業の見直しをしようということも、むだな、ばらまきな、そして丸投げ、談合、そういう冠がついた公共事業を今世紀のこの終わりの時期に、二十一世紀に改めてそれをなくしていこうというために何ができるか、どうすればいいのかということで、これは一〇〇%ではございませんけれども、少なくとも公共工事の入札と契約の推進に関する適正化法というものをつくることが私は一助にはなると。
   〔理事松谷蒼一郎君退席、委員長着席〕
 必ずしもその法案で、すべての談合がなくなるとか丸投げが全部なくなるというような一〇〇%の法律はないと思いますけれども、私は戦後五十五年間の総決算と来年度への、今おっしゃった丸投げあるいは談合等々ばらまき、そういうものが少なくとも国民の中に透明になってみんなが見えるようなシステムをつくるということのために本案をつくったというふうに御理解賜りたいと存じます。
#206
○戸田邦司君 この公共工事の入札契約の適正化法、これはまさしくそういう目的で、それなりの効果と言われると大臣に怒られちゃうかもしれませんが、大臣がおっしゃられたとおりの効果が期待できると思っております。先の問題としては、いろいろ途中でというか、実際この法を適用してみて修正する部分も出てくるのかと、こういうふうに思っております。
 そこで、ちょっと具体的な問題になりますが、これは私も新聞報道で知り得た情報ですので正確に物をつかんでいるかどうかについてはちょっとお許しいただきたい点がありますが、その報道によりますと、十一月六日に開かれた愛媛県議会で、県道八幡浜保内線の須田トンネル工事、これが大きな問題になっておりますという報道であります。
 地元紙の報道によりますと、このトンネル工事は九七年八月に八幡浜市の堀田建設が十七億一千百五十万円で落札している、それで県と契約したと。その後、工事内容の変更で二億円増額している。結局、十九億一千百五十万円、そういう契約だったという内容だそうでありますが、これは国の補助金が出ている工事でしょうか、おわかりでしたらちょっと教えてください。
#207
○政府参考人(風岡典之君) 御指摘の工事でございますけれども、ちょっと事前に確認をしてこれなくて申しわけございません。改めてまた御報告させていただきたいと思います。
#208
○戸田邦司君 結構です。後ほどお知らせいただければと思います。
 問題は、この堀田建設が九七年十二月にトンネルの掘削工事部分を大手の若築建設に七億七千万円で下請させたと。この下請につきましては、これは県との発注のときの契約書にもあって、そういう報告をしなければならないということになっているようですが、この若築建設がことし七月に建設大臣に提出した決算に関する変更届出書というのがあるんだそうです。この掘削部分の工事は西田興産から十二億百三十五万円で請け負ったことになっている。
 ですから、県に対しては堀田建設から下請した、建設省に対する報告では西田興産から十二億百三十五万円で請け負ったということになっているというようなことですが、この報告書の中身について、わかるところでよろしいんですが、教えていただけませんでしょうか。
#209
○政府参考人(風岡典之君) 先生御指摘いただきましたように、この若築建設が須田トンネルの工事の完成後、すなわち平成十二年七月に建設省の方に工事の経歴書というのを提出しております。
 この内容は、御指摘のように、堀田建設からではなくて西田興産の方から下請した、金額は約十二億というように記載をされていると、その旨の報告が私どもの方に出てきているところであります。
#210
○戸田邦司君 私も、こういう土木工事、公共事業のそういった部門で実際どういうような契約の仕方になっていくかとかいうことを余りよく知りません。
 そこで、私自身はその堀田建設と西田興産の通称言われている裏ジョイント、そういうようなことで西田興産からの発注ということを若築建設が報告しているのかなという想像をしておりますが、この点について何か御意見がありましたら。
#211
○政府参考人(風岡典之君) 御指摘の点でございますけれども、私ども、新聞報道を見まして愛媛県の方とも連絡をとらせていただいておるわけでございますが、愛媛県の方におきましては、この件について、工事の請負契約書、これは第七条に基づきまして下請負人の通知義務というのがあるわけでございますが、それの関係でということで、県におきまして早急に調査を開始するというふうに聞いております。
 まだ具体的にどういうような事実関係かというのは全くわかりませんので、今の時点で推測的なお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#212
○戸田邦司君 建設省の方でも実態把握しておられないということであれば、実態がわかった段階でまた御報告いただくようにお願いしておきたいと思います。
 この西田興産ですね、西田興産というのは現内閣の閣僚であります西田大臣の所有する会社ということになっておりまして、そこで丸投げなどが行われて、その利ざやが通常の商取引におけるコミッションより大幅に大きいなどということになれば非常に問題ではないかという問題意識を私は持っておりますので、一言申し添えておきたいと思います。
 そこで、まだ時間もありますので、大臣にはつけ加えて二点お伺いしておきたいと思います。
 一点は、大臣のこの間の所信のごあいさつの中に、「我が国経済は、緩やかな改善が続いている」と、そこで日本経済の新生に向け、新たな発展基盤を構築することが、現下の緊急の課題であります、とこういうところがありまして、私も長いこと政策関係を担当してまいっておりますので、この新たな発展基盤という点について大臣の思い描いておられるところを、これは教えていただきたいということでお願いしたいと思います。
#213
○国務大臣(扇千景君) 行政の長い経験をお持ちの戸田先生に教えてくださいと言われると、私の方が恥ずかしくて、逆に私はお知恵をいただきたいと思っておりますけれども、今世紀最後の日本の今の状況を考えますと、私は物流的にも果たして世界に伍していけるんだろうかと。
 先生は運輸関係ですからよく御存じですけれども、一つの物を日本の中で、国内で、例えば新潟を例に挙げますと、新潟から横浜に百キロの物を陸路で運んだら幾らかかるか、千四百九十円かかると。じゃ、横浜から今度北米まで送ったら幾らか、これは千円で済むと。そういう物流のコストが高いということが果たして二十一世紀の日本としていいのかどうか。そういうことも含めますと、建設省としても少なくとも私はそういうことをなくしていかなきゃいけない。
 ですから、御存じのとおり、少なくとも渋滞ということがもう慢性化しております。それはもう大都市は特にそうでございますけれども、それによる時間の喪失と経済の喪失、私は大きなものがあろうと思いますけれども、例えば年間国民一人当たり約四十二時間の時間損失をしているというのがデータで出ております。四十二時間時間喪失をしているのを経済効果で見るとどうかといいますと、全国で少なくとも年間で約十二兆円の経済効果の損失を、経済効果と言うとおかしいですかね、経済損失をしているというのも数字で出ております。
 ですから、少なくとも私はボトルネック対策、どうしてもやはり、あかずの踏切が全国で一千カ所ございます。これも私は今度の補正も含めまして来年度予算で、この一千カ所のうち少なくとも約半数、今後十年間でこれを全部立体交差化するというボトルネック効果というものも私は図っていかなければいけないと思いますし、今までこのボトルネック効果を、約一千カ所を言っておりましたけれども、十年でというのは長過ぎるということで、これもなるべく早く解消しようというふうに私は言っております。
 また、御存じのとおり、高速道路で料金所の渋滞というのがもう全国ですごく、日曜、特に祭日等々は起こっておりますけれども、これもETCを使って料金所でお金を払わないで通過できるものを私は促進していきたいと。それによってこのスピードアップをしようということで、これを入れますと料金所の処理が今までの四倍の速度でできるようになります。今、料金所が一時間に約二百三十台処理はできておりますけれども、このETCを導入することによって料金所が一時間に一千台通過できるということだけでも私は大きな経済効果ができますし、今現在は六十一カ所で実験をしておりますけれども、これを今度十三年度では八百カ所、そして平成十四年度には九百カ所に持っていきたいというふうに考えております。
 そのように、二十一世紀に向けた私は新たな発展の基盤、そして光ファイバーを、今御存じのとおり、世界で光ファイバーは第二位でございます。インターネットは世界で十三位に下落いたしました。けれども、世界で二位ということはアジアで光ファイバーは一位ですから、何としてもそれを、街角まで来ていますけれども、下水道管を使って家庭に全部設置しようと。それで私は、この間を公共事業でしていただきたいと言ったんですけれども、これは公共事業と認められないということで、今いろいろ交渉しております。
 そのように、私は世界に冠たる生活基盤あるいは都市基盤、あるいは国の国際化、日本がどのくらいの位置にいられるかということも含めて私はやっていきたいと。東京の先生方も大勢いらっしゃいますけれども、東京都に今建っておりますビル、工事中のビルでも、すごい高層ビルができてもそのビルに光ファイバーが入っていなかったら国際商社は全部入りません。海外商社は光ファイバーが入っていないビルには入居しません。
 そのように国際的な条件を備えるということも私は大きな発展基盤の確保になると思いますので、そういうことを一つ一つ建設省は目標を立てて、皆さんの御理解をいただきながらやっていきたいと思っております。
#214
○戸田邦司君 社会資本の整備という点から考えますと、確かに相当大きな投資が要る部分と、それから先ほどのETCの話じゃありませんが、余り大きな投資額でなくとも相当の効果を上げ得る部分があるというようなことではないかと思います。そういった点では行政側でその辺をよくお詰めいただいて、どんどん進めていただきたい、こう思っております。
 最後にお願いであります。前の委員会でもお願いしまして、大臣から非常に心強い御答弁をいただいておりますが、例の公共事業関係の地方への補助金、これの一括交付ですね。この点についてはいろいろ忙しい点もあるかと思いますが、実力大臣ですので、どうか現内閣で実現する方向に持っていけるように、ぜひともお願いしたいと思います。
 お願いしまして、質問を終わらせていただきます。大臣、何かありましたら、一言。
#215
○国務大臣(扇千景君) 戸田先生の、先日も私に対してその御意見をいただきまして、私はかつて自由党で御一緒させていただいたときから、地方分権には予算を伴わなければ、権限だけでは地方分権にはならないということを言い続けておりましたのを、今、保守党になりましても、大臣という立場になりましても、私は日本の国の地方分権の原点がそこにあろうと思います。ですから、私はお金を添えて、添えてと言うと変ですけれども、事業費も権限と一緒に地元に配分することによって私は真の地方分権ができる。また、地方の公共事業のあり方は地元の人が一番よく知っているわけですから、どの公共事業をどの順番でどれくらいの金額をつけるかというのはそれぞれの地方が判断されるというのが私は理想であるということは、今も考え方は変わっておりませんし、またそうしていきたいと。
 また、一言加えれば、私は国際的に日本が立ち得るためには二十一世紀、できれば国家的な事業に対しては事業別予算というものを組んでいきたい、単年度予算では大きな事業はできない。それが今の成田も関空も含めて、私はいい例だろうと思います。一本しか滑走路がなくても国際空港とつけたら外人が笑うんですね、これで国際空港かと。
 少なくともそういうことでは、国家的プロジェクトに関しては事業別予算をつけるということも、私は将来の目標として、今実力大臣ではございませんのでなかなかできませんけれども、皆さんの御同意を得たり、また戸田先生の運輸省の御経験も含めて、私はそういうことが二十一世紀の日本のあるべき姿になろうと思いますので、非力ではございますけれども、努力していきたいと思っております。
#216
○戸田邦司君 まだ五分ほどありますが、皆さんの早く終わらないかという気持ちを大事にしまして、これで終わります。
#217
○委員長(溝手顕正君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト