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2000/11/16 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 国土・環境委員会 第4号
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2000/11/16 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 国土・環境委員会 第4号

#1
第150回国会 国土・環境委員会 第4号
平成十二年十一月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十五日
    辞任         補欠選任   
     小川 勝也君     北澤 俊美君
 十一月十六日
    辞任         補欠選任   
     広中和歌子君     川橋 幸子君
     高野 博師君     木庭健太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                長谷川道郎君
                松谷蒼一郎君
                福山 哲郎君
                高野 博師君
                緒方 靖夫君
    委 員
                坂野 重信君
                清水 達雄君
                末広まきこ君
                田村 公平君
                月原 茂皓君
                橋本 聖子君
                脇  雅史君
                川橋 幸子君
                北澤 俊美君
                広中和歌子君
                藤井 俊男君
                加藤 修一君
                木庭健太郎君
                岩佐 恵美君
                大渕 絹子君
                戸田 邦司君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       建設大臣     扇  千景君
   政務次官
       建設政務次官   田村 公平君
       環境政務次官   河合 正智君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      根來 泰周君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       中央省庁等改革
       推進本部事務局
       次長       松田 隆利君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        上杉 秋則君
       環境庁企画調整
       局長       太田 義武君
       労働大臣官房審
       議官       鈴木 直和君
       建設大臣官房長  小川 忠男君
       建設省建設経済
       局長       風岡 典之君
       自治省行政局長  中川 浩明君
   参考人
       東京大学大学院
       経済学研究科附
       属日本経済国際
       共同研究センタ
       ー教授・センタ
       ー長       金本 良嗣君
       長野県更埴市長
       長野県市長会会
       長        宮坂 博敏君
       建設政策研究所
       副理事長     栗山 嘉明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(溝手顕正君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十五日、小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として北澤俊美君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(溝手顕正君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に中央省庁等改革推進本部事務局次長松田隆利君、公正取引委員会事務総局審査局長上杉秋則君、環境庁企画調整局長太田義武君、労働大臣官房審議官鈴木直和君、建設大臣官房長小川忠男君、建設省建設経済局長風岡典之君及び自治省行政局長中川浩明君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(溝手顕正君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に東京大学大学院経済学研究科附属日本経済国際共同研究センター教授・センター長金本良嗣君、長野県更埴市長・長野県市長会会長宮坂博敏君及び建設政策研究所副理事長栗山嘉明君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(溝手顕正君) 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律案を議題といたします。
 まず、参考人から意見を聴取いたします。
 この際、参考人の皆様方に一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様には、大変御多用中の中を本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
 参考人の方々には、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の会議の進め方について御説明いたします。
 まず、お一人十五分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人の方々の意見陳述は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず金本良嗣参考人にお願いいたします。金本参考人。
#8
○参考人(金本良嗣君) よろしくお願いいたします。
 急なお話であったので十分な準備ができておりませんが、私自身がこの法律を読ませていただいて、その感想といったものをお話しさせていただきたいと思います。
 まず、法案の概括的な評価については、この法案は公共工事執行の適正化に向けての貴重な一歩であるというふうに考えております。したがいまして、速やかな施行をお願いしたいというふうに思います。ただ、この法律で公共工事のいろいろな問題がすべて解決するというものではございませんということを御理解いただきたいというふうに思います。上請、丸投げ、談合といったふうな問題が指摘されておりますが、もう少し法律的には、よいものを安くということを納税者の期待にこたえて進めていく、こういう目的のためにさらなる努力が必要だということを指摘させていただきたいと思います。
 それで、法案の全部の問題について触れることは時間的な余裕がなくてできませんが、私が重要と思うところについて法案の意義を申し述べさせていただきたいと思います。
 まず、この法案はある意味では画期的な法案であるというふうに思っております。公共工事の問題は受注者が悪いといったふうな言い方が多いわけですけれども、私は基本的には公共発注者の側が多くの問題を抱えているということであるというふうに思っております。公共工事の問題は、公共発注者の改善なくしてはできないという認識に立ってこういう法律ができたということは、非常に画期的なことだというふうに思っております。
 もう一つ、一般的な意義として重要なのは、国だけではなくて、地方自治体を含むすべての公共発注者について義務づけがなされているということで、往々にして地方自治体等について問題が指摘されておりますが、こういった問題の解決に向けての第一歩になるのではないかというふうに考えております。
 この法案の個別の事項の意義について、幾つかの例を取り出して御説明させていただきたいと思います。
 まず、多分この法案で最も重要な要素というのは、透明性の向上にかかわることだというふうに思います。発注見通しとか入札参加者の比較等々について情報を公表するということが、すべての公共発注者について要求される。これはちょっと見た目には小さいことかと思われますが、長期的にはじわじわときいてくる非常に大きな転換点になるのではないかという気がいたしております。
 なぜかと申しますと、こういう透明性が向上しますと、公共発注者、これには政治、行政両方含まれるというふうに認識をしておりますが、これが選挙民の目にきちんと触れるということになる。こういうことによって、民主主義の基本的な構造がうまく働くようになるのではないかというふうに期待をしております。
 もう一つのポイントとしては、発注者の施工体制について、発注者自身がきちんと現場の点検等をしなければならないといった義務づけがなされているということであります。こういった発注者の責任を明確にするということによって、発注者の意識改革が期待できるのではないかというふうに考えております。
 次に、少し具体例を取り上げまして、こういった法律の意味、意義、そしてこの法律を超えてしなければならないことといったことをお話しさせていただきたいと思います。
 ここで例として取り上げるのは上請、丸投げ問題ということであります。最近ではいろんな事例が指摘されておりますが、特に道路舗装業については、大手道路舗装業の受注の約四割ぐらいが上請に属すると。もともとは公共の発注なんだけれども、民間の企業から受注をしていると、途中にどこかの会社が絡んでいるというふうなことであります。道路舗装業について非常に特殊なのは、普通の建設業と違って技能者も元請が抱えているという構造になっております。
 したがいまして、大手が中間の業者から受けているということは、普通の建設業の下請として受けているということではなくて、技能者も抱えている、全部自分でできる、通常はしている企業が途中の仲介業者を介して受けているといった事情になっております。こういった問題は非常に深刻で、とりあえず最近でも改善している雰囲気はないということであります。
 こういった問題の構造は、基本的にはお配りしてあるメモに一、二ということで書いてありますが、まず、公共発注者が低価格で工事ができる業者を発注の指名等から排除しているということから起きるわけなんです。上請する企業がもともと入っていれば、そういった企業が当然直接受注するはずだというわけですが、それを排除して入札を行っている。そうしますと、受注した業者がそれをほかのもっと安いコストで施工できる、あるいは技術力のある業者に下請をするということが当然起きるというわけです。こういう問題の根底は、二番目のステップにあるのではなくて、一番目のステップにあるということを認識していただきたいと思います。
 この一番目のステップを改善せずに二番目のステップ、上請、丸投げ等を禁止するだけだということでは問題の解決につながらない。もし低価格で施工できない業者が受注して、その業者が自分で施工しなければならないということになりますと、当然高いコストでそのまま工事が施工される。もっと悪いケースは、技術力のない業者が受注をしてその業者が施工をするということになると、不良工事が起きるということになります。したがいまして、こういう問題の解決のためには、最初の発注の段階できちんとした発注が必要だということになります。
 この問題で非常に重要なのは、往々にして工事を分割して地元中小業者に発注をするということが多いということであります。そういうものをどこかほかの企業をたくさん集めてまとめて効率的な規模にして工事をするといったことも多いということであります。
 もう一つ、この問題についてつけ加えておきたいのは、こういう問題は中小と大手の問題では必ずしもないということです。中小の中でも技術力があって工事ができる業者と、それをできないけれども受注をできるという業者といろいろいるということであります。こういった構造は、工事施工能力があるこれから伸びたい企業が伸びられないようにしているといった効果もあるということであります。
 こういった問題を考えますと、この適正化の促進に関する法律案の執行において、単に例えば丸投げ禁止というだけではなくて、もう少し本質を見た運用が望まれるということであろうかと思います。
 あと、この法律案が成立した後に残される課題として幾つか挙げておきました。まず、基本的には公共発注者、これは政治も含めて改善されなければ本質的な改善にはならないということであります。
 もう一つは、発注者自体がよいものを安くというインセンティブを持つ仕組みをつくる必要がある。この法律はそれほど厳しい具体的な細かい規制をするのではないというわけですが、そういった規制を上から押しつけるということは必ずしもうまく機能しない。地方自治体等のインセンティブが適切なものになるということを通して、みずからの力によって適切なものにしていくという必要があるんだろうというふうに思っております。
 もう一つは、この法律では既存の会計法等に手をつけていないということでありますが、日本の会計制度、財政制度あるいは独禁法といったものにも改善すべき点は残っているんではないかというふうに考えております。非常に厳格な単年度主義の制度をとっておりますけれども、欧米諸国ではもう少し緩やかな制度をとるということが行われております。何らかの形の複数年度会計への移行といったこととか、あるいは会計法、予決令、地方自治法といったものを弾力化して総合評価制度あるいはVE、CMといったものをもう少し広く使えるようにするといったことが重要かと思います。
 もう一つ、余り言われていないことですけれども、日本の入札の場合は自動落札主義ということで、最低価格の人がその価格で自動的に受注するということが一般的というか、制度上そうなっているというふうに聞き交わされております。欧米諸国を見ておりますと、必ずしもそういうことにはなっていない。最低価格が決まった後に最低価格の人と交渉をして値段を引き下げるとか、あるいは仕様等について変更の交渉をするといったことがあるようであります。こういったことがもう少し有効に機能できるような弾力的な仕組みが必要なのではないかというふうに思っております。
 とりあえず、私のお話は以上でございます。
#9
○委員長(溝手顕正君) 次に、宮坂博敏参考人にお願いいたします。宮坂参考人。
#10
○参考人(宮坂博敏君) かけたままで失礼をいたします。きょうは、国土・環境委員会に出席をさせていただき、意見を述べさせていただく機会を与えていただいたことを大変光栄に思っております。
 法案の内容等につきまして、十分に検討する時間がありませんでしたが、感じたことを述べさせていただきます。
 お手元の方にペーパーを申し上げてございますが、ごらんをいただければと思います。
 初めに、金本先生の御意見に発注者側の体制についてということでございましたが、公共工事、建設工事につきましては、予算の編成から予算の決定あるいは事業の執行などについて、国、都道府県、市町村などいわゆる発注機関によって多少の差はあると思いますが、いずれも法令等に基づいて適正に執行するように努力をしているということであります。ただいま審議をいただいております今回の法案につきましても、基本的な部分についてはすばらしい内容だなというふうに理解をいたしております。
 全般的なことについて感じたことをちょっと述べさせていただきますが、まず、入札制度の状況について見ますと、例えば一般競争入札とか公募型指名入札というような制度の取り入れということでございますが、国や都道府県では事業が大きいということもあって導入されておりますが、市町村段階では特別な事業、特定な大きな事業以外はなかなか導入するところは少ないんじゃないかというふうに思います。これは、一方では地元企業の育成、これは就労対策等も含めまして、そういったこともあるのでいろいろ困難じゃないかなというふうに思われます。
 この法案が成立をいたしますと、政令等はこれから決めていただくということになると思いますが、市町村の規模に大変格差があるために、実施が困難になる部分があるんではないか、その点をぜひ配慮をしていただきたいと思います。
 私どもの市は人口が四万人ほどの小さな市でありますが、私の市の場合を例に少し述べさせていただきたいと思います。
 内容は、国の機関の発注とかいろいろありますけれども、地方公共団体による情報の公開というのが第七条にございます。その中で、公共工事の発注の見通しに関する事項をできるだけ公表していくべきだということでありますが、自治体の予算編成について見ますと、いろいろ問題点がございます。特に、政令で定める規模はこれから決まると思うんですが、実際には用地の取得だとかあるいは地域の実情によって発注の時期とかあるいは事業の内容まで公表するということは実際にはなかなか困難ではないかな、そんなふうに思います。特に、補助事業については国や県との調整が必要となる部分もありますので、公表するためには補助金の交付決定、こういったものを早くしていただく必要があるんではないかな、そんなふうに思います。
 また、自治体ではいろいろ長期計画や実施計画を立ててやっておりますが、地元の調整等もあって、公表はしておりますけれども、いつどういう形で仕事を発注できるかというのはなかなか難しい面もございます。例えば、公表の時期も、年一回というのはこれは大変困難だと思いますので、四半期とかいろいろ分けて公表するならしていくということが大事ではないかと思います。
 また、小規模の修繕工事等についても、これは計画的に公表していくということは本当に難しい問題だと思いますし、特に突発する災害復旧等については、これはすぐやらなきゃいけないということで対象外になるのではないかなというふうに思いますが、その点にも御配慮をしていただきたいと思います。
 次に、地方公共団体による情報の公開ということで、第八条がございますが、これについて私どもの市の場合、以下に書いてございますが、事務処理規定とかあるいは入札制度の合理化対策要綱、こういったものを定めまして、不正な入札等が行われないように、また競争が阻害されないように、受注者側に対しての注意も喚起しておりますし、また発注者側の体制の整備とかあるいは考え方の整理もいたしているところであります。
 次のページへ移りますが、更埴市の入札結果等の公表について、これはもう大部分の自治体で実施をしておりますが、入札後、契約後においては工事箇所とか価格の公表というのはどこの自治体もほとんどやっていると思います。事前に予定価格の発表というのはもう最近行われている点もございますが、それについてはいろいろまだ問題もあるようでございます。それから、入札執行の公開についてということで、私どもの市では今入札をしているところを傍聴する希望者があれば公開をしていくということでやっております。
 それから、第十条でございますが、これは、現在もそのように公正取引委員会へ通知すると、これは談合等の場合ですが、そのようにいたしておりますが、条文の中で疑うに足る事実がある場合にはというような表現になっておりますが、実際にはこれは確認するのには大変ではないかなと、そんなふうに思います。
 それから、十二条の関係では、これは当然のことと思いますが、特に小さな町村では、一括下請になっているのかどうなのかなというのを現場で確認することは職員の関係等からちょっと困難ではないかなと、そんなふうに思われます。
 それから、十三条の関係で、施工体制台帳の提出ということでございますが、これについては、既にこれも実施している自治体が多いわけでございますが、問題点といたしましては、やはり私どもの市の場合、下の方に書いてございますが、施工体制を適正なものとするために点検その他措置を講ずるというふうになっておりますが、そういうことに対して対応のできない実は町村もあるのではないかなと、そんなふうに思われます。これは技術上の問題です。というのは、小さな町村では技術職員を抱えているところが少ないわけでありまして、そういった点でこのような理想的な形にはちょっとなりにくいんじゃないかなと、そんな感じがいたします。
 それから、「適正化指針の策定等」ということで、十五条でございますが、この中の二項の一でございますが、「地方公共団体の長による措置」ということが定められておりまして、また、その二では「学識経験を有する者等の意見を適切に反映する方策」と、こういうふうに述べられておりますが、問題点としては、学識経験者等の第三者の意見を適正に反映する方法として、例えば入札監視委員会等の設置が考えられているようですけれども、それ以外に、それぞれ自治体には監査委員もおりますので、そういった監査委員との関係はどのようになるのか、その辺についても何か御教示をいただければなと、そんなふうに思います。
 それから、第十八条の関係でありますが、これは文言の解釈のことであります。「特に必要があると認められる措置」というような内容は、これは政令等で決めていただけることになるかと思うんですが、非常に解釈が難しいのかなというふうに思います。
 それから、二十条の関係でありますが、「関係法令等に関する知識の習得等」ということですが、問題点として、やはり町村にあっては技術職の職員の確保が困難というようなことがありますので、そういった点で、教育研修は必要かと思いますが、なかなか専門的な教育研修までは難しいんではないかなと、そんなふうに思います。
 以上、感じた点を申し上げて意見とさせていただきますが、よろしくお願いをいたします。
#11
○委員長(溝手顕正君) 次に、栗山嘉明参考人にお願いいたします。栗山参考人。
#12
○参考人(栗山嘉明君) 私は、メモを用意しておりませんので、問題点をゆっくり申し上げますので、ひとつよろしくお願いいたします。
 最初に、私が所属している建設政策研究所の自己紹介をさせていただきます。
 この研究所は、一九八九年に設立して、建設関係の労働組合、中小建設業者が、学者、研究者の協力を得て運営しています。活動は、災害、環境破壊を起こさせない国土づくり、快適な国民生活に必要な社会資本の建設、建設産業の民主化、建設従事者の労働条件の改善と社会的地位の向上の立場から調査研究を行って、シンポジウム、研究集会、政策誌、ブックレットなどによってその提言を行っている、このような団体です。
 最初に、建設産業の現状に対する認識の問題ですが、建設産業は未曾有の危機に陥っています。大手ゼネコンがバブル時期にみずからの不始末、すなわち破綻への過程がそのまま建設産業の危機につながっています。
 いま一つは、建設産業の中でも、九八%とも九九%とも言える中小企業、業者の危機であります。とりわけ、そこで働く従業者の倒産、失踪、失業、自殺、家庭破壊は深刻であります。今後、建設投資が縮小することが予想されていながら、建設業の許可業者が増大し続けています。そのため、過当競争に陥ってダンピングが多発しています。汚職、談合事件も後を絶ちません。このようなときに法案が提出されました。私どもは、法案が建設業界全体の苦境を救済する一助となるという期待感を持っていました。しかし、この法案は、その期待を充足させるものではありませんでした。
 次に、公共工事、この適正化法案の評価についてですが、順次その内容について私の考えを述べます。
 本法案が入札、契約の透明性を高めて国民の信頼を回復するという目的を達成するためには、公共工事における情報開示、適正な施工の確保、不正行為の排除が行われれば一歩前進であると考えます。ただし、法案が、入札、契約の基本である会計法、予決令、地方自治法、あるいは独占禁止法の上に帽子をかぶせる形をとっていて、その基本部分には手が入れられておらず、その不備を改善できないということは弱点であると言えます。その上で、幾つかの点を指摘したいと思います。
 まず第一に、情報の公表が確実に進めば、透明性の確保という点では一歩前進です。しかし、不完全な情報開示になると、情報が大量に集中できる大手ゼネコンが有利になると言えます。今でもAランク業者がDランクにまで参入する例がふえています。それが一層助長される危険はないか、歯どめが必要であると考えます。
 次に、適正な施工の確保では、一括下請負の禁止がうたわれています。これは評価できます。いわゆる丸投げの背景に大手ゼネコンの受注競争があります。公共工事におけるランク制を厳格に守らせて、大手の中小市場への食い荒らしを規制することが必要であると考えます。
 また、工事の完成に当たって良質な建造物が保障できるかどうかということも重要な問題点です。実際に工事をするのは三次、四次の下請です。末端に行けば元請受注額の五割という金額になるのも珍しくありません。衆議院の質疑で建設省の風岡建設経済局長が、施工体制台帳へ二次以下の業者名と契約金額を記入させるなどの建設業法の施行規則改正の検討を進めているとの答弁がありましたが、ぜひ丸投げや工事代金、労働者賃金の際限のない切り下げをやめさせるよう実効あるものにしていただきたいと思います。
 請負業者の責任施工になってからコンクリート劣化問題がひどくなってきたと指摘されるようになっています。施工中、完成段階での発注者側による検査体制の確立や充実が急務であると考えます。
 次に、不正行為の排除では、衆議院で法案の修正が行われたように、談合問題は古くて新しい、治療困難なほどの根が深い病気です。今回、談合に正面から取り組むことは評価できます。不退転の決意で談合排除を進めていただきたいと思います。
 しかし、談合をなくすには、発注官庁や政治家による予定価格の漏えいなどの不正行為を排除できないと実効が上がらないことも周知のことです。また、政治家にとって地元に公共事業を誘致するために、その配分に当たっていわゆる選挙区ごとの箇所づけが行われていることも公然の事実であり、これも談合の一手段になっていると思います。
 この、いわゆる官製談合の排除がないと不正行為を根絶することにはなりません。この点では、自民党さんが独禁法改正の議員立法を準備されているという新聞報道がありましたが、それによって不正行為を排除できるよう期待するものです。不正行為とまでは断言できませんけれども、JVの弊害が目立っていると考えます。
 JVは、危険分散、技術の強化、経験の拡大、中小の育成という目的のために取り入れられて、一定の役割を果たしてきたと考えます。しかし、現在ではいわゆるスーパーゼネコンが村社会のおさとして取り仕切り、中堅ゼネコンでさえも村のおさの意向を無視しては経営方針が成り立たない、このような状態になっている部分があります。これが談合の一手段ともなっておりまして、この弊害を取り除く工夫や検討が必要であると考えます。
 もう一点、法案では、地方自治体の自主性への配慮がうたわれていますが、一方で、報告を求め、要請をすることができるとしています。今、地方自治体では、住民の意見を取り入れた町づくりなどの試みが行われ、住民参加の公共事業への取り組みが始まっています。国の基準を地方に適用するということから、地方の自由な発想を妨げないようにしてほしい、このように思います。
 最後に、公共事業の改善に向けてということについて述べます。
 今回、法案を提出するきっかけは中尾元建設大臣の受託収賄事件の発生があったからだと聞いています。そうであれば、政官財の癒着をなくすことが第一義であると考えます。また、森首相が所信表明で、真に国民に役立つ公共事業にすると言われ、扇建設大臣が、ヨーロッパには公共事業のための法律があるが日本にもつくると言われたそうですけれども、そうであれば、建設省が監修されましたこのような建設産業政策大綱という出版物がありますが、ここでも紹介されているように、雇用対策や地域経済振興などを重視するヨーロッパの制度をもっと参考にして、もう一歩踏み込んだ政策を示していただきたいと思います。
 さらに、利益を追求するために行う下請業者などへの大手ゼネコンの横暴を規制することも一つの問題です。名立たるゼネコンが施工していながら、次々にコンクリートの劣化問題を起こしています。責任施工という美名のもとに不良建造物をつくることは許されません。そのためには、何よりも建造物をつくる末端の業者や労働者が快適に作業できる環境をつくることがどうしても必要であると考えます。
 税金を使って行う公共事業だからといって、発注者側が、建設省、運輸省、農水省三省による三省協定単価の引き下げに見られるように逆スライド条項を発動して、これが労働者の労働条件を悪化させる役割を一つ果たしています。
 また、大手ゼネコンは、建設省が進めているコスト縮減政策を悪用して下請単価をたたき、手抜き工事が横行するような作業環境にして、結果として不良建造物をつくる。このようなことは社会的に許されるとは考えられません。
 特に、二十一世紀に向けて、社会に信頼され、良質な建造物を提供し、暮らしに役立つ公共事業にするように努力していただくことを強く要望して、私の意見といたします。
#13
○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。
 以上で参考人の皆様からの意見聴取は終わりました。
 それでは、これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。
 三人の先生方、朝早くからおいでをいただきまして本当にありがとうございました。お話を伺っておりまして、若干のニュアンスといいましょうか差はあるのかもしれませんが、三先生とも一歩前進であるというふうに受けとめられているように思いました。
 私も同じような思いなのでございますが、今回の法律、特徴を一言で言えば、今既に国で、直轄でといいましょうか国みずから契約をしているその手続、それを市町村にまで広げるといった、そういうことになるのではないかと思うんですが、そういう意味では、確かに私もプロセスがよりよくなるのでいいことだとは思うんですけれども、やはり情報の公開ということが一番大事なんだろうと私は思っております。
 ただ、宮坂先生でしたか、お話がありましたが、やはり市町村でそれを実際にやろうと思うと大変な人手も要るだろうしよく考えてもらわなければいけないといったことがありましたが、これは、この法律を運用していく上で大事なことかなと思うんですが、そこで、国で既に行われているということなんですね、この中身が。であるとすると、国でやっている契約、本当に業者の方もよくなったというふうに思っているんだろうか、そしてそういう国との契約を通じて国民に利益がもたらされているんだろうか、昔と比べてどうだろうかということを私はよく聞くんですが、どこの業者の人もちっともよくなっていないと言うんです。ただ、私の目から見れば、明らかに情報が公開されていたり、マイナスにはなっていないと思うんですけれども、何がよくなっていないのかと。
 私は、国民の常識というものが少し公共事業に対しては曲がってしまっているのではないかなということを思うんですが、一番の公共事業、業界を通じてやっていくということの中で重んじられなければいけないことは、国民にとっての最終的な利益なんですね。それは、よいものを、品質の高いものを後世につくって残していただく、そしてそれをつくっていく業者の人がその仕事を通じて健全な経営が営んでいける、それが継続的に将来にわたって確保されること。
 業界の業者の数というのは、仕事が多くなったらふえますし減れば減るのが当然なんですけれども、将来の我が国にとって適正な数の業者というのは何であろうかというのは難しい問題なんですけれども、それを確保していくようなことが公共事業を通じて行われていかなければいけない。そういう意味で、本当に一生懸命やる、能力の高い、経営力にすぐれて技術力にすぐれた業者が安心して将来経営を営んでいけるという環境になかなかなりにくい。それは、今仕事が全体として減っているということに一因があるわけで、必ずしも法制度にその原因を求めてはいけないんですけれども、そこがどうもちょっと正しく理解されていないのではないかなと。
 一つ例を申し上げると、埼玉県のある仕事で談合の疑いがあるということで入札をやり直したら、六億円だか何だか安く受注がなされたわけですね。そうすると、そのときの新聞は、六億も安くできたので非常に県民にとってよかったと。もともと物すごい高い値段で発注していたものが安くとれたんだから、これはよいことだというふうに新聞は書きますし、読まれた読者の方も大多数の方はそう思うと思うんですね。ところが本当かと。
 ここで金本先生にちょっとお聞きをするんですが、よいものを安くということは間違いではないんですけれども、これを聞いた国民の方は、安ければ安いほどいいというふうに誤解しちゃうんですね。私は、ですからしょっちゅう建設省にも申し上げているんですが、よいものを適切な価格でと言ってくださいと。栗山先生もおっしゃられましたけれども、公共事業を受けて、そして適正な価格でできるだけ安く仕入れた方がいいのかもしれません。物を安く仕入れていいものをつくる。その過程で会社は適切な利潤を生み、従業員にはきちっとした給料が支払える。安値で受注すればそれが弱い者にしわが行きますから、従業員の給料を切り下げたり、そういうことが結果として起こりますし、品質の悪いものが来て悪くなってしまうということがあるわけですから、私は、国民の間の常識で、公共事業というのはよいものを安く、安いというのは間違いではないんですけれども、適切な価格でというふうに言ってほしいというふうに再三申し上げているんですが、この辺につきまして、まず金本先生の御意見をお伺いしたいと思います。
#15
○参考人(金本良嗣君) 適切な価格というのはなかなか定義が難しい概念でございまして、これが何だということは定義が基本的には不可能なものだというふうに思っています。だから、私ないしはほとんどの経済学者はこういう言葉遣いをしないということかと思います。
 基本的には、当然安くというので、それで建設業者の方々がつぶれるといったことは維持できないわけで、よいものを安くということには、よいものが継続してできることを前提として、その上でもってなるべく安くということがございます。システムの設計としてはそういうことを念頭に置いて安くできるように競争をしていただくということになるということであります。
 あと、安くということが労働者等にはね返ってめちゃくちゃになるという議論がございますが、本当に安くなれば、例えば労賃が安くなれば、建設業に就業する人はいなくなるはずでありますので、長期的に考えればそういう調整が起こりますので、完全なスパイラルが起きてめちゃくちゃになるということはない。経済システム全体として見ればそれぞれの方々がよいものを安くということで一生懸命競争されていく、そのプロセスで労働者の賃金も生産性の向上に伴って上昇していく、こういったメカニズムであるというふうに認識しております。
#16
○脇雅史君 そうですか。お考えはわかりましたが、例えば東京周辺におけるとび職の日給が、年収でもいいんですけれども、三割ぐらい一番高いときから今下がっているんです。三割下がってもやめるわけにもいきませんし、大変苦しい生活をされている方がいるんです。それは経済原則でいいんだと言われればそうかもしれませんが、私は、公共事業の考え方は公務員給料に似ているんじゃないかなと。
 公務員の給料だって、国民にとってみれば、よいサービスを安くもらえればいい、そうすると公務員の給料は安いほどいいんだということになるんですね。そして、公務員の給料は安いほどいいんで、来たくなければ来ないんだから、来なくなる目前まで安くしてやれば国民のためだというようなことになってしまうんですけれども、そうではなくて多くの数を占める公務員というのが国民全体の経済活動の中で妥当な、適切という言葉は定義は難しいのかもしれませんが、それなりに国民全体が納得がいくような給与水準にしようという努力を毎年人事院もしているわけです。それと同じような考え方がやはり公共事業を発注する側のセンスとしては要るのではないかなということを私は感じております。これは議論をこれ以上はいたしませんけれども。
 それから、今一番問題が、金本先生も言われましたけれども、丸投げがなぜ起こるかというところで、低価格で施工できる業者は発注から除外すべきだ、排除すべきだということを言われて、なかなかそれが難しい、そこをどうしたらいいかということなんですが、このダンピングという問題が私が今まで申し上げたような中で今一番の我が国の業界の問題なんですね。
 つまり、予定価というのを発注者がつくるわけですけれども、これは誤解を恐れずに申し上げれば、要するに現在やっている工事の実態を調査いたしまして、例えば穴一つ掘るのに何人の人間が何時間かかって掘るのかという、その単価を全国の事例をもとにして決めて、それを積み上げて予定価というのをつくるんですが、予定価というのはいろんなケースがありますからばらつくんですね。そのばらつく中間の平均をとって計算してそれぞれの工事をやりますから、全部の現場で適切な値が出ているかどうかはわからない。全国的には平均的なところへ行っている。
 今、一般に思われているのは、予定価というのは、入札するのに一番高いアッパーの価格で、それ以上高い金で発注したら国民が損をする価格であるというふうに、これは誤解なんですけれども、誤解されているんですが、実態は平均値なんですね。そうすると、その平均値で決めていく予定価、うんとダンピングをする、仕事がいっぱいありますと、ダンピングの現場をもとにまたそれが計算されていきますから、拡大再生産されて予定価というものもだんだん下がってくる。非常に業者にとっては厳しい状態になって、これは市場原理というものに任せておくと、苦しくてもとりたい人は必ずいますからとまらないんです。
 そこで、今一番大事なことは、国民の利益を守るために公共的な仕事の発注者は何をしたらいいかというと、ダンピングを防止する、これはアメリカなんかよくやります。日本から安い鉄鋼がいっぱい行きますと、国内の業者を守るために発動して輸入させない。本当は米国の国民だって品質の高い日本のいい鉄鋼が入ってくればちっとも悪いことではないはずなんですが、国内業者、国内の国民の利益を守るという意味でそれを防止するということをやっているわけです。
 我が国でも公共的な仕事を発注している人は、今一番やらなくちゃいけないのは、そういう意味で市場原理に任せた、どうしても目先のお金が欲しい人が無理やりとってしまうというダンピング、やる能力もないくせにとってしまうというダンピングを防止することなんです、と私は思っているんですが、そういう意味では、意見が一致しそうな栗山先生、いかがでありましょうか。
#17
○参考人(栗山嘉明君) ダンピングが現実に行われている例が多いんですが、その中で問題と思われるのは、一つは総額請負主義、一括請負といいますか、つまり金額そのもので落札させる。先ほど低額入札というふうに言いましたけれども、一発入札ですか、そういうふうに言われましたけれども、そういうところにあるのではないか、一つの問題はそこにあるだろうと。
 つまり、私たちは予定価格は事前公表をすべきだというような考え方を持っているんです。そうすると、ダンピングをするとかそういうことを言っても、どこに問題があるのか出てくるという姿になるわけです。その中でどこは削ってはいけない、どこは削ってもいいものかという企業努力がかなり明確になるだろうという感じがするんです。したがって、そういうような今のやり方、これは責任施工とセットにしてたしか出てきたような気がするんですが、そのところを一つは検討することが必要なんではないかというように思うわけです。
 もう一点は、一方で建設省の言っているコストダウンというものが、利益を追求するということが今ある意味でいうと大手ゼネコンの場合は至上命令になっているわけです。不良債権をとにかくなくすということから至上命令になっていますから、その部分とコストダウンという政策があって、そのコストダウンの政策の考え方の中では、裏づけなしに公共価格のみを下げるような性急な方法で下請企業や労働者等が不当なしわ寄せをこうむるようなことをしないようにするべきだというのが、このコストダウンの基本的な考え方の一つであるにもかかわらず、ダンピングをしてさらにそれを下にたたいていくということが現実に行われているという、この問題をどう整理するかというのが一つの問題であると思います。
 それからもう一つは、期間の問題なんですね。ダンピングをするということがよい品質のものがやはりできないという結果を私は先ほど述べたわけですけれども、そういう中で、この建物は三十年でいいものなのか百年、二百年もたせるようなよいものをつくるべきなのかというように考えた場合に、コストの問題をもう一つ洗い直してみることも必要ではないかなというふうに思うわけです。
 したがって、ダンピング防止ということは私たちにとっても非常に大事な問題であるというふうに考えているわけです。
#18
○脇雅史君 どうもありがとうございました。時間が参りましたので、これで終わります。
#19
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。
 参考人の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、また急なお願いにもかかわらず貴重な意見をいただきまして、御足労いただきましてありがとうございました。
 時間がございませんので、早速質問をさせていただきたいと思います。
 まず、金本参考人にお伺いをしたいと思います。
 今回の法案については一定の評価をされているところでございますが、よいものを安くということにはさらなる努力が必要だというふうにおっしゃっておられます。例えば、この法案でいうと具体的な罰則規定がないとか、システムの問題としては今後の課題ということで参考人はおっしゃられたわけですが、具体的にもう少しわかりやすく、どういったものがシステムとして入れば上請、談合等の問題をより解決できるのかということが一点。
 それからもう一点は、建設業界というのは今、九二年ピークが約八十四兆円の規模だったものが、九九年には七十兆円の規模になっています。六十万社に会社もふえている、建設の労働者が六百六十万人というふうな状況だというふうに言われているわけですが、この状況を金本参考人は今どういうふうに評価をされているのか。つまり、将来的にはやはりここはもう少し、過剰な労働者であり、多少はやっぱり業界の再編も含めて建設業界というものの再編成をしていかなければいけないというふうに考えられての先ほどからの御発言なのか、もう少しほかのイメージがあるのかについて、まずお伺いをしたいと思います。
 それと、栗山参考人に一つお伺いをしたいんですが、先ほどおっしゃられました、中小の建設業者の方が大変厳しい状況に今あると。それは不況の一端でそうだというふうに私も承っておるんですが、その中で、実はおっしゃられたようにふえているわけですね、中小の建設業者が。このふえている実態というのは、さっき私が申し上げましたように、マーケットは小さくなっているにもかかわらず会社がふえていってしまっている、この実態の原因はどのようにお考えなのかということと、これについての現状についての御認識をまず御両人、お二方にお伺いできればと思います。
#20
○参考人(金本良嗣君) お答えさせていただきます。
 罰則については、例えば非常に重要になると思われるのは官製談合等についてどういうことができるのかというたぐいの問題があるんだと思いますが、公務員に対する懲戒関係の法令、それから独占禁止法の独占幇助、談合幇助罪といった、そういったものとのかかわりでどういうふうな法体系になるのかというのが私自身きちんと理解ができていない面がございまして、私の今のところの素人的な見方ですと、こういったたぐいの法律にそこまで入れるというのは難しいのかなという気がしております。
   〔委員長退席、理事長谷川道郎君着席〕
 それから、これから具体的に何ができるかということなんですが、これはどういう改善を目指すかによって非常に違う。それから、いろんな側面がございますのでいろんなことをやる必要があるということを思っております。
 上請の問題については、基本的には発注者が発注ロットをどうするか、それからどういう業者を指名するか、あるいはどういう要件をつけるかといったことにかかわるということで、それが適正に行われる必要があるわけですが、そこについて、例えば一般競争を全部義務づけるというのは今の段階ではなかなか難しいですし、弊害も大きいんだろうという気がしております。
 一般競争は、きちんと仕事をしてくれる業者といいかげんな仕事をする業者と、差別するのが非常に難しい。今の日本の指名競争入札の仕組みですと、いい仕事をしてくれた業者は次の指名で考慮するといったことが有効に機能できる仕組みですが、そういったものを一般競争のもとでどうやって導入するかというふうなことが解決できないと一般競争にすぐ全部移行というのはできないんだろうという気がしております。
 したがいまして、上請問題等については即効性のある国レベルの対策というのはなかなか難しいという気がしておりますが、ただ、基本的にはそれぞれの発注者が問題意識を持って取り組めば現行制度のもとでも改善は十分可能だというふうなことでありますので、その個々の発注者がそういう心構えを持つという環境をつくっていくということが重要なのかなという気がしております。
 あと、談合については、一番有効な対策は談合に入っていないアウトサイダーを入札に入れるということで、これ以外の対策は余り実際には有効ではないというふうに思っております。それも、やる気になれば個々の発注者がそういう対策をとることができるということであろうかと思います。
 あと、六百数十万人といった建設労働人口等が、あるいは企業数が非常に多いということについては、基本的にはこれから建設工事はそれほど大きな伸びはない、縮小の方向だということで調整は不可避だというふうに思っております。ただ、それが本当に問題かというと、少し長い目で見れば実はそれほど問題ではなくて、大体人口予想によりますとことしあたりが労働力人口のピークで、これからどんどん減っていくという状況ですから、建設労働人口も減っていくということはある意味では日本全体にとっては受け入れられることではないかという気がしております。
 あと、業界の再編についてですけれども、これは、公共工事以外ですと自由な競争市場でいろんな再編が行われるというふうに思っております。ただ、公共工事に依存している部分が非常に多いので、業界の合併等は非常に難しいという状況だろうかと思います。現状では合併しても受注額が以前よりふえるというのはほとんど期待できなくて、多分公共事業については下がるだろうという予想を業界の方は皆さんされておりますので、こういう状況で合併といったふうな金融機関に見られるような再編というのは非常に難しいだろうし、無理にする必要も必ずしもないんではないかという気がしております。
 企業が合併しなくても、個々の企業が実はもう既にかなりのリストラをやっております。場合によっては、建築部門とか土木部門とか片方をほとんどゼロにしてしまうといったドラスチックなことをやっている会社もございますので、多分そういった格好で業界の変化は進んでいくんだろうという気がしております。
#21
○参考人(栗山嘉明君) 非常に危機的な建設業の状態を認識しているという上でのサバイバルということがこの六十万業者に達してきている一つの大きな要因だろうと思います。
 それで、これは前にも建設省さんともお話ししたこともあるんですけれども、五十万業者になったときに、半減する、三十万業者にしたいという構想を出した時代がありました、二十年ぐらい前だったと思いますけれども。その時代に本当にできるだろうかというふうに言っていましたら、五十万がふえて五十二万業者になる、さらに五十六万業者になる。それで今度、建設産業政策大綱を出したときに、それじゃ技術力というふうに言って半減するというふうな話になったんですけれども、これも六十万業者を突破するというような状態になったというふうに思うんですね。
 一つは、商法の改正によって株式の取得ということが、一千万円以上は株式会社ができるということで、このときに急速にふえてきたということが一つ言えると思いますけれども、または分社ということによって、新たな技術を持っているという人たちを配しながらふやしているというような状況もあるというふうに思います。
 これがふえていきながら、実際にそれではどれだけ機能しているのかということが、これは建設省さんが本当は具体的に数字を示されるとわかるんですけれども、一年以上実際に仕事をしたというのが半分ぐらいではないのかというような話も聞いております。そういう意味では、どれだけこの部分は機能しているのか、どれだけ優良な業者が許可業者になっているのかということについて、私たちは一応疑問を持っておるわけです。
 しかし、いずれにせよ、これだけ急速にふえていく中で、これは笑い話として聞いていただければいいと思うんですれども、堺屋太一経済企画庁長官がなる前に「組織の盛衰」という本を出しまして、環境への過剰反応という言い方をしました。環境が厳しくなれば厳しくなるほど、それぞれの個々の部分というのは大きくなるために、みずからを守るために必死になると、それが一定に肥大化していくということは避けられないんだというふうに言うんですね。ただし、それは余り肥大化してしまうとマンモスのような状態になるということなので、今のうちにそういう意味で、やはり将来を見据えてこの問題をきちんと押さえていくことが必要だろうというふうに考えているわけです。
#22
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 では、続きまして、宮坂参考人にお伺いをします。
 宮坂参考人は県の技術職のトップの技監でいらっしゃいますし、長野県の建設業の協会の専務理事もやられて、現市長ということで、まさに多様な経験の中で今やられているということなので、細かいこともきょう御指摘をいただいたので、お伺いをしたいと思います。
 一つは、小規模工事についてどこまで出していくのかということに対して言及をいただきましたが、今、内々では二百五十万ぐらいではないかという話も出ているんですが、二百五十万という金額についてはどういうふうに感じられるかということと、それから例の談合の疑いの場合に、疑うに足りる事実の確保ということなんですが、一体これは、市長としてはどういうことが疑うに足りる事実だと公取に通知をするという判断をするのか、その辺のお言葉をいただきたいということと、正直申し上げて、小さい自治体に関して言うと、市長のところは四万人ぐらいだと承っておりますが、この法案によってどのぐらいの負担がかかるのか、これは人材的にも財政的にもですが負担がかかるのかということと、この法案それから今後の建設行政のあり方について率直な御意見をいただければと思います。四点ばかり、ちょっと欲張りましたが、時間もありませんが、よろしくお願いします。
#23
○参考人(宮坂博敏君) 小規模工事の点なんですが、これは小さな修繕から始まりますと、本当に百万以下の工事もたくさんあるわけなんです。ですから、二百五十万が適切かどうかということは工事の内容によってこれ違ってくると思いますね。本当に、側溝のふた一枚かえるのから始まってたくさんあるわけですから、ですから定義というのは難しいんじゃないかなというふうに思います。
 今度、営利というか企業の立場になれば、確かに余り小さな工事というのはメリットがないんじゃないかと、そういうふうに思いますけれども、しかし一方では、大きな工事だけ出すと、大きな企業は潤うけれども、小さな企業は仕事がなくなってくるというようなことで、逆に分割発注とかそういうことも言われてきております。その辺は予算の状況を見ながら、あるいは工事の状況を見ながら実際にはやっていると、それが実情だと思います。
 それから、談合の疑いに足る事実というのはこれは確かに難しいことで、例えば大体一番初めに報じられるのはむしろ業界の中よりも報道ですね。要するに、恐らくだれかが垂れ込みというか、こういうことがあるぞということを報道機関に訴えて、そこが書き立てると。これが一番わかりやすい事例だと思うんです。
 そのような事態がうわさされた段階で、発注者側としてはこれはすぐ事実を確かめます。当然、指名を予定している業者とか、当然、指名された業者の間ですから、それぞれ呼びまして、そういう事実があったのかないのかということは確認をいたします。もし、では事実があったらこの契約は成り立たないよということをはっきりその時点で言うわけですが、業者の方からは、そういう事実はないということが一般的には答えとしては返ってくるわけです。
 ですから、どういう場合に談合があったという、証拠を見つけ出すということはなかなか難しい点もあるというふうに思います。ですが、一方では、そういうことがない自由な競争をやるためには談合はしてはいけないんだと。それをやれば罪があるよと、あるいはペナルティーがあるよということをやっぱり言っておかないと、どうしてもそういう流れになってしまう傾向があるかと、そんなふうに思います。
 以上です。それから、何かもう一つあったですか。
#24
○福山哲郎君 自治体の負担について。
#25
○参考人(宮坂博敏君) 負担ですね。これは、小さな自治体では、一番は技術職の職員がいない自治体が多いわけなんですね。私どもぐらいの自治体でも、私が最初そこへ入ったときは本当に少なかったです。ですから、事務系の職員が実際にはやっていたと。それをだんだん技術系にかえてきまして、今はほとんどの事業ができるんですけれども、町村によっては恐らく無理だろうと思うんですね、事務的な職員が一つの仕事だけじゃなくて複数の仕事を担当するという中でやっていきますから。そうすると、当然職員をふやさなきゃいけない。どの程度の規模が適切かということはちょっと難しいんですが、少なくとも一人や二人の職員では成り立たないと思います。
 ですから、組織としての必要な職員数と、こういうことになってきますと、五人とか十人とか、そういうスタッフが必要になってくると思います。そのために、では事務系を削れるかといった場合に、これもなかなか大変ですが、そこまで育てていく段階が技術系の職員も大変だというふうに思います。
 実際、経費の点、まだ積算はしてみていないんですが、例えば最小限このぐらいあればやっていけるのかなというのはこれからちょっと検討してみたいと思いますが、具体的にはまだ今数字は持っておりません。
 以上です。
#26
○高野博師君 三人の参考人の方々には貴重な御意見をありがとうございます。
 まず最初に、金本参考人にお伺いいたします。
 談合あるいは丸投げ、上請、こういうことは本当になくなるのはどのぐらいまでなくなるのか。特に談合についてですが、談合というのは合意形成型の、コンセンサス型の日本の社会の中では一つの慣習あるいは文化でもあるわけですが、一種の文化とも言えるのかと思うんですが、簡単にはなくならないだろうと、法律を制定しても。
 そこで、この利益誘導型の政治から政府経営型政治への転換、こういうことが必要ではないかと、あるいは行政評価法というような法律の制定も必要ではないかと思うんですが、政府経営型政治への転換にはどうしたらいいのか、金本参考人にお伺いいたします。
#27
○参考人(金本良嗣君) 談合等がなくなるのか、どの程度なくなるのかという話は、これはどこの国でも談合が全くないという国はないと認識しております。それは程度問題にすぎない。談合をして価格を上げれば必ずもうかりますから、やりたいと思うのは当然だと。
 それを法制度等でどれだけ許すかということと、買う側がどれだけ対抗手段をとるかということにかかっているというわけで、基本的に私は文化の問題ではない、利害の問題だというふうに考えております。いろんな工夫をすることによってこれを変えるということは十分可能だろうと思いますが、いついつまでにどうすればどう変わるかということはなかなか難しいということであろうかと思います。
 あと、政府経営型政治への転換というのは、迂遠なようでありますが、そういう政治を標榜して、実際に行われる方々が当選するということにならないといけないということで、それに尽きるということだと思っております。
 行政評価法も有益だと思いますけれども、それでできるということではなくて、地方自治体ではトップがそういうことを志向するということがなければ絵にかいたもちだということになろうかと思います。
 この辺はアメリカ等を見ておりますと、かなり急速に変わり得るというように私自身は思っております。アメリカの地方政治においても、シカゴのデイリー・マシーンとかというのは非常に有名ですが、利益誘導型の仕組みががっちりとつくられた時代はあるんですけれども、これは最近では余り見受けられなくなっているということがあります。こういう変化は起き得るんだということだと思っております。
#28
○高野博師君 それでは宮坂参考人にお伺いいたします。
 地方分権ということが叫ばれて、財源、権限を地方に移譲していくということでありますが、その中で公共事業の比重は地方自治の中で相当増していくんだと思うんですが、地方のニーズに応じた公共事業ということが求められると思うんですが、今度は地方版のいわゆる利益誘導型の政治が行われるのではないか、地方の政治家あるいは政官業、こういう癒着の関係ができないようにするためにはどうしたらいいのか、今回の法律はそのために有効なのかどうか、お伺いいたします。
#29
○参考人(宮坂博敏君) 地方分権型にこれからなってくるという中で公共事業の比重ということでありますが、これは実際にはまだ地方分権の内容が、国から県段階までは相当おりてきておりますが、さらにそれが末端の自治体までというのは、今だんだんにされてきているということでありますが、公共事業等については余り変わってきておりません。というのは、例えば総合補助金だとかそんなような制度になってくればですけれども、今まではそれぞれやはり県を通じ、そして国へ要望しまして、そういう流れというのはまだ大きく変わってきておりません。ですから、これは今後の課題だろうと思います。
 もう一つは、地方単独事業にとってみれば、これはそれぞれの自治体の財政状況を見て予算を組み立てておりますから、この辺が地方分権になったからといって、すぐ財政問題、財源問題がついてこない限り大きく変わることはないというふうに思います。ですから、私たち自治体としてお願いしていることは、権限移譲と同時に税財政の移譲もお願いしたい。そういうことがだんだんはっきりしてくれば、いわゆる分権としての形が整ってくるのかなというふうに思います。
 それから、二点目のいわゆる地方版の利益誘導に対するいわゆる業官政の癒着といいますか、そういった問題がどうかということでありますが、現在のところはそういうような事例までは余り聞いておりません。というのは、今までの予算の組み立て方、執行の仕方、それから今まで議論してきました内容から見て、それぞれの自治体でいろいろ制度とかそういうものをつくりまして、そういうことを防ぐことを一生懸命やっております。ですから、一般にはそういう事例はないと思いますが、今度の法案の中でそれが読みとれるかどうかという部分についてはちょっとまだ不勉強でわかりませんが、この法案自身はそのことについては余り影響がないような内容ではないかなと、そんなふうに思っております。
 以上です。
#30
○高野博師君 それでは栗山参考人にお伺いいたします。
 この法律の目的には、「公共工事に対する国民の信頼の確保」と「建設業の健全な発達」ということがうたわれておりますが、先ほど参考人のお話では、建設業が未曾有の危機にある、失業、自殺、倒産、さまざまな問題が起きている、建設投資が減っている中で建設企業の許可、これがふえている、過当競争になっていると。こういうことですが、そういう事情の中で、公共事業を見直す、中止する、あるいは延期するなり、さまざま見直しが今考えられているわけですが、公共事業の見直しの一環としてはこの今回の法律があるわけですが、この公共事業の見直しと今の建設業界の関係については、どうお考えでしょうか。
#31
○参考人(栗山嘉明君) 一つは公共事業の見直しという今言われている内容の問題であります。今、二百四十三件でしたか見直しが始まっていて、結果的には何件かに異議があってうまくいっていないという報道などもありますが、そういう意味でこの見直しの一つは量の問題です。六百三十兆円というものが崩れていない、総額は崩さないということを基本に、森首相が繰り返し答弁されているということです。それは日本のそれこそ未曾有の財政危機を呼んでいるというこの問題をどうとらえるのかというのが一つの問題だろうと思います。
 私たちは時間をかけてやはりそれを減らしていくと。一時、公の場合には三十兆円ぐらいだったんです、バブルで八十兆円の全体の建設投資があったときに公は三十兆、民が五十兆。はじけた後に八十兆の建設投資規模を維持するということで、民間が三十兆になったのに公はそのまま五十兆を続けたわけです。それ以降に今度は公共投資計画が出て六百三十兆円が維持されてきたという、そういう非常にいびつなものになってきていますから、この基本の総額をどうするのかということがやはり一つの問題だろうと思います。
 もう一点は質の問題です。これは愛知でありましたように、海上の森が住民運動から始まって環境団体の運動に広がって縮小を迫られたわけですが、今の日本の状態で言いますと、単に政府が計画を立てたからといってそのまま遂行できるような状態ではなくなっていると。特に、住民の皆さんは、インターネットを通じて世界の最先端のそういう情報を手に入れながら、今の環境問題をどうするかという視点で物を考えているという状態があります。したがって、そういう視点、環境の視点を目に入れるということをしながらこの公共事業の見直しをやらないと、最初に計画ありきという姿でやろうとしても、それは無理があるのではないかというように思うわけです。
 したがって、全体としての縮小を私たちも避けられないと思いますし、それをどう軟着陸させていくかというのは非常に大きな高度な政治問題だと思いますが、そこのところに向かって努力する必要があるだろうというふうに思うんです。
 この法律がそれにうまく適応するかどうかということについては、先ほど発言でも述べましたし、上に帽子をかけているんですが、残念ながらちょっと透けて見える帽子なのかなというふうに思いますから、下の、今それぞれの建設業法の施行規則だとか努力をされているようですから、そのところをきちんとして押さえながら、全体としてこの法律が有効になるような努力をしてほしいというふうに思うわけです。
#32
○岩佐恵美君 きょうは参考人の皆様、朝早くからありがとうございます。貴重な御意見をいただいて、今までのやりとりを伺っていて、ちょっと質問もダブるかもしれませんけれども、改めて伺っていきたいと思います。
 この法律案は、中尾元建設大臣のいわゆる公共事業にかかわる受託収賄事件をきっかけに出てきたものなわけです。先ほどからお話があるように、従来の枠組みでこういう事件が起こってきているわけですけれども、今度の措置内容というのは、地方自治体に枠を広げるんですけれども、措置内容はほとんどそのままであるということですから、これで果たして政官財の癒着というのが断ち切れるのかどうか、そういう弊害を取り除いていけるのかどうか、ずばりその点について各参考人にお答えをいただきたいと思います。
#33
○参考人(金本良嗣君) どういう形の政官財の癒着があるかということについて、私自身はそういう筋の専門家ではございませんのでよくわかりません。
 ただ、日本の公共事業はいろんな問題を抱えているということは事実であるというふうに認識しておりまして、それを改善していく必要があるということですが、こういう法律ですべて解決できるかというと、そんなことではないだろうということは申し上げたとおりです。ただ、今回の法律で全面的に透明性が確保できるようになるということは、非常に長い目で見ればいい方向への一歩だろうというふうに思います。
 基本的に公共工事の問題は、民主主義のもとでは政治にかかわることで、政治にかかわることは民主主義のもとで政治が変えていく必要があるということで、そのための舞台装置の一つだろうというふうに思っております。
#34
○参考人(宮坂博敏君) 自治体の例から申し上げますと、私たちいろいろ今発注をやっている中では、発注者側の立場では完全にそれは排除するようにやっております。これはもう職員にも徹底しまして、例えばそういう話が来てもその問題は一切答えてはいけないと、こういうことで徹底をしております。
 ただ、予算の編成の中で、例えばことし体育館を一つ建てたいと。予算の中には体育館は幾ら幾らと、しかも節では工事請負費とかそういう名前まで出てきていますから、これはもう予算上は公表されております。そういう点では、積算の中身の問題とかそこらはいろいろ技術的な問題も出てくると思いますが、あとは総枠の予算というのがたくさんあるわけです。ですから、修繕費だとか道路をつくるには幾ら幾らとかというのは、枠で予算を立てていますから、個々にはそういう事例はないというふうに思っております。
#35
○参考人(栗山嘉明君) 今のこの公共事業のあり方の問題をもっと基本的に整理する必要があると、開発市場型と言われているこの中身を、もうこれでは限界に来ているのではないかというのは一般的に言われています。これからは維持、改修とか防災を中心にやはり考えるというようにしていく、それがかなり徹底して、そこに住民参加が入っていくということによってかなり改善はできるのではないかと。一挙になくなるというふうに私は思っていませんが、特に今の法律の中で、情報公開法だとかアセスメント法だとかそういう法律ができているんですが、オンブズマン制度はまだできていないというような問題を考えると、そういうような住民参加を本当に入れて国民の視点から見直していくということになると、今の政治のあり方を変えざるを得ないというようなところに行くのではないかというふうに思うわけです。
 法律的にはあっせん利得罪も今法案が出ていますが、残念ながら抜け道というんですか、不十分さが常に伴いながら法律はできる、妥協の産物かもしれませんが、これがさまざまな点で、最初は小さな抜け道なんですけれども、これが当たり前になって、だんだん広がってしまって、どうやってもいいよというような風潮ができ上がっていくというのが怖いわけです。
 したがって、軽い罪でも罰するということがよく言われますが、そういう目で、最初の時点での芽を摘むような努力をしていかないと、こういう癒着というそういう姿というのはなかなかなくならないというように思うわけです。
#36
○岩佐恵美君 参考人の皆さんから、政治がしっかりしろというふうに言われた思いをいたしますが、実は先ほどから発注者の責任ということが強調されています。
 私は、例えばごみの焼却施設だとかあるいは最終処分場施設だとか、そういう施設建設をめぐっていろいろ考えさせられることが多いのですけれども、例えば数万人の人口、それこそ二、三万とか四万、そういう人口の市町村が幾つか集まって百億円単位の大きな焼却炉を建てなければいけない。その場合に、とにかくこれが高いのか安いのかわからないという、自治体の側ではもう判断のしようがない。それから、企業の方も、私に率直に言うんですけれども、自治体さんは二十年、三十年に一遍しかこんな大きな買い物をしないんですから、そんなのをわかれという方が無理だと、だから言っては悪いけれども、企業の言いなりになるんですよということを言われるんです。これはちょっと大変だなという気がしました。
 それから、今新潟県の刈羽村で大変大きな問題になっているんですが、五千二百人の人口のところで八十五億円の事業が舞い込んできている。そういう中で、村にこれは八十五億円の事業をどうやってやっていくのかというそのノウハウも何もないわけです。その中で大変大きな不正が発覚をして、これは原発交付金にかかわる問題ですからもう交付金を返さなきゃいけないという事件にまで発展をしていっているわけですけれども。
 地方自治体の能力を超えたいろいろな事業というそういう問題は、一体どうこの入札だとかいろんな契約の透明化だとかしていってもなお余りある何かあるのではないかというふうに思うんですが、こういう問題についてどう解決をしていったらいいのかという点について、それぞれの参考人から伺いたいと思います。残り時間が余りないので短目にお願いをしたいと思います。
#37
○参考人(金本良嗣君) 非常に重要な問題だと思います。基本的に小さい市町村で発注関係の能力がないところについてはいろんな形のサポートが必要だということであります。
 現状の公共工事の発注については、発注者、官側が設計まできちんとして価格だけの入札をするということになっておりますが、きちんとした設計を、自分で作業をするわけではないですが、そこまで監督できる能力がないというのが非常に大きな問題で、一つは制度上もう少しそういうことを、そういう硬直的な仕組みでない仕組みでかなり、PFI等の議論がございますが、設計等も含めた形でどこかに入札等をするということが一つあります。もう一つは、外部のコンサルタントをうまく使う方式を考えるということで、欧米では小さい市町村の場合ですと非常に臨機応変にCM等といった格好でコンサルタントを雇うということがあるようですが、その場合問題なのは、そのコンサルタントが不適切なことをしないということが必要でして、そういうことをどういうふうに制度設計していくかということが今後の非常に大きな課題だと思います。
#38
○参考人(宮坂博敏君) 確かに、御意見にありましたように、ごみの焼却施設とかいうのは本当に何十年かに一遍、しかも経験することのないような施設をつくらなきゃいけない。また、その施設をつくるメーカーも、それぞれうちのメーカーは、会社は、こういう特徴を持っていますということのPRというのはやっているわけなんですが、それが果たしてそのとおりの成果が得られるのかというのは本当にこれは難しい問題だと思います。
 一般には、今、金本先生がおっしゃいましたように、コンサルのやはり前段ではお力をかりざるを得ないということで、そのまたコンサルの選び方が大変だという、本当にそのとおりだと思います。ですから、そのためにいろんな情報を集めまして、そして場合によっては、サポートじゃないんですが、県の段階に相談したりあるいは国の方へも相談してよその事例等もお聞きをしまして、そういう中から適正なコンサルを選んで、そしてそこにある程度任せるということをとらざるを得ないというのが現状であります。
 確かにコンサルの選び方までいくとこれは本当に大変なことだと思いますが、お互いに心してその辺はできるだけチェックをしながらやろうというふうに思っております。
#39
○参考人(栗山嘉明君) 最初の計画が一体どうなのかというのが私は非常に疑問なんですが、その大規模なものをだれが考えるのかということですね。それが地域住民にとって必要なのか、または国とか県にとって必要なのかというのをはっきりさせながら、その上で住民の知恵、住民の知恵というのはそこに住んでいる人だけではなくて、それぞれの専門家も含めてで結構ですが、そういうものを入れながら計画を一定期間練るということが必要なんだろうというふうに思うんです。
   〔理事長谷川道郎君退席、委員長着席〕
その上での財政負担のあり方についてどうするかということで、国の責任、県の、特にやっぱり国のそれに対する援助体制が必要であるというように考えるんですが、まず計画の立て方がむしろ私の方には疑問に思います。
#40
○岩佐恵美君 私も、今のごみの例で言うと、例えば百トンの百億円のものが必要なのかどうかというところから問題があるんですけれども、その点についてもきちっとチェックできる、そういう機能を強化していかなきゃいけないと思いますが、先ほど欧米の例ということで御紹介がありましたけれども、栗山参考人、そうした先進的な例、一分半ぐらい時間がありますので、もしあれば御紹介いただきたいと思います。
#41
○参考人(栗山嘉明君) 私が先ほど申し上げた内容とちょっと違うんですが、公共事業のあり方についての問題というのがこの本には書かれているわけですね。そこでは、一つは住民の参加ということと、雇用の確保ということと、地域経済の振興に寄与するということと、中小建設業の育成という形で全部で十四ぐらいの事例が載っていまして、ドイツ、フランス、アメリカ、それから近くは韓国、マレーシアなどの例が載っています。
 そういう中身についての制度をもっと、ちょっときょう、今時間が一分ほどしかありませんので話す時間がありませんけれども、そういうような内容について検討を深めるということは必要なのではないかというふうに思うわけです。
#42
○岩佐恵美君 ありがとうございました。終わります。
#43
○大渕絹子君 社会民主党の大渕絹子でございます。
 三人の参考人の皆様方には、本当にきょうはありがとうございました。
 それで、まず金本参考人にお伺いをいたしますけれども、今まで我が国はこうした今回の法律をつくる前段といたしましては、通達行政によってこれらのことが全部、各県段階におろされていって、公共事業の監視あるいは体制づくりをしてきたというのが実態でございました。この通達行政によって行われてきたことそのものが、政官財の癒着の構造を引き起こしてきたのではないかというようなことを考えるわけですけれども、この点についていかがお考えでございましょうか。
#44
○参考人(金本良嗣君) 一般的な通達行政とそういう特殊なこととの間の因果関係というのは、なかなか把握するのが難しいというふうに私自身は思っております。通達行政についても、中央省庁から通達を出せば自動的にそれが守られてというふうなことになっているケースもございますが、なかなか市町村等でそれどおりやらないという分野もあるようでありまして、事実関係としてどうかというと、特に公共事業については通達を出してもそれが本当にぴたっと守られるかというとそうでない面も若干あるように見ておりますので、やはりそういう一般的なことについては結論を申し上げるのは難しいかなという気がしております。
#45
○大渕絹子君 今回のこの法案も、今まで建設省が通達によって行ってきたことを総仕上げする形で法体系化してきたというのがこの法案の実態なんですね。ですから、実効性を上げるための制裁措置等々も中には組み込まれておらなくて、実効性が極めて乏しいのではないかなというふうに思っていますけれども、地方自治体、公共団体を含めて国レベルまで引き上げていくということでつくられてきたという、そこは私は認めるわけなんですけれども、そういう意味からすると、まだまだ不足、不十分な部分というのはあるのではないかなというふうに思っておりまして、お聞きをしたところでございます。
 そこで、宮坂参考人にお聞きをいたしますけれども、さっき宮坂参考人は、御自分の市では徹底的に不正業者は排除することに成功しているというふうにおっしゃいましたけれども、この法案でも建設業の育成ということも片やうたわれているわけなんですね。そうしますと、地元の産業育成という観点からすると、できるだけ地元の業者に請け負わせていただいて、市とそれから業者とで市の活性化を図っていこうというようなことも配慮しなければならないというふうに思っております。
 そうしますと、どうしても大きな事業になりますと、地元の業者に請け負わせますと上請というのでしょうか、そういうことが起こってきたり、あるいは小さく分割させて請け負わせなきゃならないというような状況で、コスト高というようなことも起こってきて、これまでも全国的にもさまざまな問題が起こってきているわけでございますけれども、この不正業者の徹底排除と地元の業者育成という観点で何か御示唆いただけるところがあったら、お聞かせいただきたいと思います。
#46
○参考人(宮坂博敏君) 御意見のとおりだと思うんですが、確かに地方自治体が今発注している工事は大きなものから小さなものまでたくさんございますね。そこで、大きなものの場合には、例えば地元の業者だけでは無理なものもあります。こういうような場合、あるいは特殊な技術を要するものについてはJV、共同企業体を組んでもらって、そして発注をしているわけですが、その共同企業体は公募方式をとっております。ですから、こういう事業に対して公募を、手を挙げてください、それによって地元の業者と手を結んでやってください、こういうような今仕組みでやっておりますが、それが結局、ある意味では地元の企業の育成につながると。
 そういうことを何回か重ねますと、地元の業者も自分でできるようになります、確かに技術力が高まって。そうなれば、今度は地元だけでも発注していけると。こんなふうになりますので、そういう点は、育成とそれから工事の内容によって地元の企業が生きるようなことも考えながら実際には発注をやっている、そんな状況であります。
 それから、不正業者の排除についてですけれども、そういう情報が入れば当然もうしっかり糾明しまして、場合によれば警察に相談してみたり、どの程度の内容か、そこら辺まで実は調査をしまして、そしてそれが事実かどうかを確かめた上で排除をするのかしないのか、それを決めていると、そんな状況です。
#47
○大渕絹子君 栗山参考人にお伺いをいたします。
 官製談合の規制のために法制化の準備も進めようかという話があるわけですけれども、この法案の中にそういうことができるような体系づくりを入れたら、もっと私は実効性を上げることができたのではないかなというふうに思っているわけですけれども、そこのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#48
○参考人(栗山嘉明君) 私もそのとおりだと思います。
 しかし、先ほど申し上げましたような、今の法体系を基本的にいじらないというところで、この帽子をかぶせるというやり方をしたということのために、独占禁止法との関係が難しい。
 それからもう一つは、官というのは悪いことをしないんだということの基本の法体系があって、そういうのを前提にして法律がつくられているために、そこを規制していくというんですか、防止していく、それが、その法の不備があったんだと思うんですね。したがって、そういうことにメスを入れながら今準備されているという中身をきちんとしていただいて、官製談合というのは、これは北海道などで非常に大きく報道されていますが、やはりそういうものをなくしていくような努力が必要であろうというふうに思うわけです。
#49
○大渕絹子君 最後に、三人の参考人にそれぞれお伺いをしたいと思いますけれども、今、日本の建設工事費の積算体系の中には工事の安全費というのが盛り込まれておりません。そして、安全対策をとるために使われる費用の出どころというのはやっぱり各請負業者が算出をしていかなければならないわけですけれども、工事費の積算体系の中に安全費も盛り込むべきではないかという議論があるわけでございますけれども、このことについて、それぞれの参考人の皆さんのお考えをお聞かせいただけたらと思います。
#50
○参考人(金本良嗣君) 非常に一般的な話ですが、積算体系をどこまで細かくするかということは、それを細かくしたときにどの程度良質の情報がとれるのか、使えるような形の情報があるのかということが非常に問題になるかと思います。細かくすればするほど非常によく見た目には見えるんですが、個々の項目のいろんな単価の置き方、積算根拠等があいまいになる可能性がありまして、この場合安全についてどういうふうにするかということは、そういうことも勘案して決める必要があるということだろうかと思います。
 今この場で安全についてどうすべきかということについては、私調べておりませんので、お答えはできかねますが、一般的にはそういうことだというふうに思っております。
#51
○参考人(宮坂博敏君) 確かに、今の積算体系の中に安全対策が入っていないという御意見なんですが、実は現場経費とかそういう中に当然そういったものが平均的には入っているわけですね。ですから、それ以外に特別な場合には、それはやっぱり正式に積算の中に入れるべきだろう、そんなふうに思います。
 以上です。
#52
○参考人(栗山嘉明君) 今かなり大がかりなトンネルじん肺の賠償請求の問題が行われていますが、この中で一つ問題になっているのは、例えばマスクをかけなさいというんですが、そのマスクは大体四千円ぐらい、一つ四千円ぐらいのものです。しかし、それはミクロン単位と言われるものは肺の中にたまって、それが肺胞から出ないで必ずじん肺にかかって死亡していくという、そういう原因の非常に恐ろしい病気なんですね。そのマスクではそれは防ぐことができない。そういう状態にあるわけですね。したがって、エアラインマスクだとか電動ファン式のマスクというのは大体五万円から六万円ぐらいするんですね。今大手のスーパーゼネコンさんはそれを始めるという努力はされているようです。
 したがって、今言われたように、この問題については、安全というのはコストがかかるというのが一つある。もう一方で、よいものを安くというこのせめぎ合いになっているわけですね。
 私たちは、公共事業が人を殺さないという意味では安全というのは非常に重いものだ、人の命というのは重いものだという前提に立って、これは安全経費を考えるべきだという立場に立っています。
#53
○大渕絹子君 ありがとうございました。終わります。
#54
○戸田邦司君 自由党の戸田邦司でございます。
 参考人の皆様方には、朝早くからおいでいただいて、大変貴重な御意見をいただきましたことを心から感謝申し上げます。
 まず第一に、金本参考人にお伺いしたいと思いますが、公共事業分野で、この分野の市場ということを考えますと、今までこの市場が透明かつ健全であったとはとても言い切れない、そういうような状況にあったんじゃないかと私は考えております。
 いろいろな要因があると思います。これは、この業界の慣習もおありでしょうし、また一方でそういうような慣習といいますか悪習を容認していた面がなかったとは言い切れない。それについては私は行政側に相当の責任がある、こういうふうに考えております。今回の法案の運用で、特にそういった市場の健全化という面から考えますと特にどういう点に気をつけていかなければならないか、そういう点をどのように考えているか、お話しいただければと思います。
#55
○参考人(金本良嗣君) まず、今回の法律は、市場の健全化のためにこれこれこういうことをするといった直接的な政策になっている部分は少ないのだろうという気がしております。ですから、透明性を高めて、その結果として間接的にこういう市場が健全化することをねらうといったことであろうと思います。したがいまして、この法律の実際への適用においては、この法律のもとに健全化するような方策がとられるようにするということであろうかと思います。
 一つ例を挙げさせていただきますと、丸投げ問題等については、今さっき申し上げましたように、丸投げに罰則をかけると、これは業者に対して罰則をかけるということですが、その丸投げが起きる原因はそれを起こすような業者に発注をしているところにあるというわけですから、そちら側の対策も怠りなくやっていただきたいというふうなことであろうかと思います。
#56
○戸田邦司君 ありがとうございました。
 それでは次に、宮坂参考人にお伺いしたいと思いますが、談合問題です。
 参考人のところでは、大変厳しくといいますか適切にそういったものは排除しているというふうに私は理解いたしましたが、一般的に言いますと、やはり大方の市町村で談合を容認しているといいますか、今までの慣習上ある程度は仕方ないと、こう思っているところが相当あるんじゃないかと思いますが、その辺については参考人の目から見てどういうふうに感じておられますでしょうか。
#57
○参考人(宮坂博敏君) 談合問題については、先ほどもいろいろ御意見があったんですが、談合というふうに認める基準、これは確かに発注者側から見れば向こう側の話になりますので、なかなかこれは大変だろうと思うんです。
 やはり談合があったかどうかということの情報をつかむということが大変なわけでありまして、たまたまそういうのが事例として起きた場合に報道によって発表される。そのために発注側とすれば、そのことの事実の確認とか、あるいは場合によっては指名がえをするとか、そこまでいってきていると思うんですが、今度のこの法案の中でその点は、確かに前に金本先生おっしゃったように、ある部分を厳しくすることによってそういうものに波及させるというか、そういう内容はこの法案から読み取れるんじゃないかと思います。ですから、あとは発注者側がこれはやはりしっかりした気持ちでやっていかなきゃいけないだろう、そんなふうに思います。
#58
○戸田邦司君 ありがとうございました。
 それでは最後に、栗山参考人にお伺いしたいと思います。
 先ほどの栗山参考人の御説明の中で一つ注目すべき点は、ジョイントベンチャーのあり方、これはいろんな形のジョイントベンチャーがあり得るだろうと思いますし、それから非常に健全な形でのジョイントベンチャーも当然のことながら大部分であると、こう考えてよろしいんじゃないかと思います。この点について問題があるとすればどういう点にあるか。
 それからもう一点は、下請を圧迫している、元請が下請に非常に安い値段で押しつけて酷使しているというような問題があるわけですが、これはまあ一種のダンピングであり、やっちゃいけないことだろうと思うんですが、現在の法制上はそういったものを例えば独禁法で取り締まるというわけにもなかなかいかないというようなことではないかと思いますが、そういったことの防止について具体的にはどんな方策が考えられるか、この二点についてお伺いしたいと思います。
#59
○参考人(栗山嘉明君) ジョイントベンチャー全体が悪いということではありませんが、出発し、それがだんだん成熟というんですか時間がたつに従って、それが談合を、JVを組むところからまず話し合いが始まるわけですから、かなり大型に組まれていく。
 昔ありましたけれども、リニアモーターカーを出すときに十一の区間を分割発注しましたけれども、全部別の業者で見事にジョイントベンチャーが組まれたということで、競争入札の結果だとは思いますけれども、びっくりしたわけですね。そういう面から見て、今のこの実態がどうなっているかを一層チェックをすることが必要なんであろうというように思うんです。本当に技術を向上するということが中小企業にとっては大事なことなんですが、入って実際に仕事をするのは別の人というような状態になったのではこれは効果がない。それからどの程度の規模、どこまでジョイントベンチャーを認め、どこからはもう解消するのかということも含めて検討することが必要なのではないかということで、私のところの研究所でもできるだけ早くこの問題の整理をして、ジョイントベンチャーのあり方についてもう一回見直しをする必要があるんじゃないかということを今検討を始めたところなんですね。
 それから、下請の圧迫の問題については、これは建設省さんが繰り返し、下請代金というのは初めの前払い制度を使いながら、さらに今度は現金を下に流すということと、下請の支払いを適正にするということについて繰り返し通達を出されています。それでもなかなかうまくいかないという現状にあります。
 ただし、支払い方法についての適正化が中心でありまして、代金がどうかということについてまで踏み込んでいない。踏み込んでいるかもしれませんけれども、私はそういうふうに聞いているんですが、そのことをやはりもう一度整理しながら、今後の施工体制台帳ですね、その問題の中で今言った契約金額とそれでやるというふうな仕組みを整理してほしいというふうに思うんですね。
 私がここで先ほど言いました半値八掛け二割引きというのは当たり前でして、これがひどいところでは五割引きというふうになりますから、二〇%から二四%ぐらいのことで仕事を押しつけられるというような状態があって、みずからその労賃を支払ってしまって自分の財産はすっからかんになってしまったというような下請業者も聞くわけですね。だから、そういうことのないようにぜひ建設省さんにも御努力をお願いしたいというふうに思うんです。
#60
○戸田邦司君 大変ありがとうございました。これで終わります。
#61
○島袋宗康君 二院クラブの島袋宗康でございます。
 きょうは、朝から本当に貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございます。
 まず、金本参考人にお伺いいたします。
 発注者の責務の明確化によって発注者の意識改革が期待できるというふうに述べられておりますけれども、これについてもう少し具体的に御説明願いたいと思います。
#62
○参考人(金本良嗣君) 発注者が責任を持って工事の検査、監督をしなければならないということに基本的になっているんですが、なかなかそのための体制が組めないといったことが特に市町村等ではあるようです。そういう責任があるということを明確にすれば、それに対応していろんな対策をとっていくということでもありましょうし、現場でやっておられる職員の方々もそれなりの勉強をされるという、そういうことをここでは念頭に置いております。
#63
○島袋宗康君 それで、こういった従来の建設業関係の構造そのものがやはりいろんな贈収賄とか問題を起こしたんじゃないか、あるいは工事の施工状況というものが実際には発注者の思いどおりいっていないというふうなこともあったんじゃないかというふうに思うんですけれども、建設業の構造改革というものに先生の方ではどういうふうな御意見を持っておられるか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。
#64
○参考人(金本良嗣君) 建設業の構造改革と一般的に申しますと、特に大手はかなり民間工事と公共工事と両方抱えておりますので、どうしても民間工事の問題と公共工事の問題がダブってきます。それで現状では、民間工事が非常に厳しい、建設業界にとっては厳しい状況だということで、そちらの問題が実は建設業界にとっては非常に大きな問題であろうかと思います。公共工事の問題は、業界にとっては、少なくともここ数年間はかなりの工事量が確保できたというふうな事情だろうかと思います。
 民間工事の問題あるいは公共工事を合わせた全体の総額の問題については、基本的には八〇年代に多量の工事があって、膨れ上がった設備それから人員を調整していくというプロセスにあるんだろうと思います。そういったことは、基本的には市場での競争を通じて調整されていくんだろうというふうに思っております。
 構造改革として一番問題なのは、公共工事のところでもう少し透明な競争ができるような形にしていくということであろうかと思います。若干、御質問の意図がよく理解できないということがございまして抽象的な回答になって失礼でありますが、とりあえず以上のようなことを考えております。
#65
○島袋宗康君 ありがとうございます。
 宮坂参考人にお伺いしますけれども、先生は地方の首長をなさっていますので特にお聞きしたいんですけれども、公共事業の見直し問題が盛んに今言われておりますけれども、地方自治体の方ではこの公共事業の見直しについてどういうふうな見解を持っておられるか、その辺についてちょっとお伺いします。
#66
○参考人(宮坂博敏君) 本当に公共事業にもいろいろありますので、例えば大きなダムだとかプロジェクトのような橋をかけるとかそういうものから、本当に自分たちの生活につながるような公共事業まであるわけですね。ですから、この公共事業がいけないとか反対とかという議論は私はおかしいというふうに思うわけであります。
 例えば、自治体の長なり議会の立場になりますと、地域の例えば災害を想定しますと、災害から守るためにはどうしたらよいかとか、そのために場合によれば川の改修とダムとの比較論というようなものが出てくると思います。あるいはまた、地域にとって渋滞があるとすれば、じゃ道路をどうすればいいかとか、あるいは下水道がまだ完全に整備されていないという自治体が多いわけですから、その下水道の整備をどうすればいいか、こういうのはすべて公共事業になるわけですね。
 ですから、公共事業の進め方というのは、地方にとっては本当にそれがすなわち住民の生活につながり、また向上につながるというふうになると思うんですね。ですから、その辺の判断は、この工事は本当にその地域にとって利益がある、益があるのかどうか、それは自治体のやはり首長が判断する問題だろう、そのように思います。
#67
○島袋宗康君 ところで、各地方においては地元企業を優先、あるいは地元企業を育成するというふうな面で分離分割発注というのが今相当各地方自治体で行われているわけでありますけれども、先生の方では、その分離分割発注というもの、それから地元企業優先という問題についてはどういうふうな姿勢で臨まれているのか、あるいはまた今後どうあるべきかというふうな点について、何か御感想がありましたらお聞かせください。
#68
○参考人(宮坂博敏君) 確かに、地元企業育成という面ではできるだけ地元の企業に発注をしていきたい、これはどこの自治体も同じ考えだろうと思うんです。ですから、一般に言われている一般競争入札とかいうのは必ずしも取り入れにくいという点があるかと思いますが、ただ、分離分割については、従来は一括して発注していたようなものも、例えば造園だとか電気だとか設備だとか分けられるものは極力分けて、その業界の皆さんの方へ発注していく、そういう努力はどこもやっていると思います。ですから、大きなゼネコンが全部集中的にとれるということができないように、むしろできるだけそれは専門業者に分割をして発注する。
 それからもう一つは、発注別にランクというのが実はあるわけです。ABCからEぐらいまでありますけれども、その規模によって、例えばA級の業者だけが潤ってCだとかEだとか下の方の業者が全然仕事がない、これではやはり困るわけですから、そういう業者のためには例えばある程度切れるものは切って工区を分けて出してやるとか、これは発注側にすればちょっと手数のかかることです、設計が一回でできるものを二つに分けるということは。そんなことはそれぞれの自治体でもやはり工夫をしていると思います。
 以上です。
#69
○島袋宗康君 栗山参考人にお伺いいたします。
 先ほどJVの話が出たんですけれども、この問題については危険を未然にある程度分散するというふうな御説明がありましたけれども、いわゆるいい面も悪い面も出てきているというふうなことでありますけれども、そのよしあしについてもう少し御説明願いたいと思います。
#70
○参考人(栗山嘉明君) これまでも幾つもの工事が行われてきて、そこで例えば大手全体がその工事をとっていってしまって、地元の中小の人たちが困るというふうなことがあるということで、この制度というのは始まったというふうに思うんです。
 最近、県外の業者がJVを組んで地元の業者を全然入れないという事件が起こって、それで議会がそれを否決してしまいまして、それをやることに対して、もう一度やり直して今度は地元の業者が入ってやったというような姿が始まりました。やはり、これは本来のJVの考え方を逸脱した行為で、議会が拒否権を発動したというふうに私たちは見ているんですが、そういう姿が一つあるということです。したがって、地元の業者がそれに参画しながら地元の業者を育成するという視点をやはりきちんと押さえながらこれをしないと、形式だけが流れてその上に談合が起こるというようなことになると思うんです。
 先ほどちょっと申し上げたんですが、もう一つは三多摩談合が摘発された後に、大手スーパーゼネコンの方、名前は言いませんけれども、関東一円を仕切っていたということだったわけです。一地方の談合で始まったというふうに見えたものがいつの間にか関東一円になってしまうというように、初めに一つ、これはこれでうまくいった、これはこれでいいんじゃないかということを次々に起こすことによってそれが蔓延してしまうというような仕組みがあるだろうと。ベトナムではぬかるみの靴と言って、新品の靴は初めぬかるみを歩かないようにするんですが、一つ泥がはね、二つ泥がはねたらそのうちばしゃばしゃぬかるみの中を歩いてしまうというふうな話がありますけれども、そういうことが繰り返し今、日本の中で起こっているということだと思うんです。
 中尾元建設大臣の問題が起こったときには、中村喜四郎元建設大臣が逮捕されて大問題になっている時期だったというふうに私は記憶しているんです、九六年というのは。その時期にもうそういう状態が起こるというような状態です。これをやはり構造的に防ぐ。だからJVも同じような意味で、そういう構造的な弊害が生まれてきたらそれを防ぐような手だてを今見直すという時期に来ているのではないかなということを感じているわけです。
#71
○島袋宗康君 もう一点お伺いしたいんですけれども、いわゆる建設市場の国際化というふうな問題についてどう対応すればいいのかということについて、何かありましたらお聞かせ願いたいと思います。
#72
○参考人(栗山嘉明君) すべてについて国際化するということに必ずしも賛成でなくて、日本は日本の基準を基本的には持つべきだろうというふうに思います。
 しかし、先ほどもちょっと申し上げましたが、情報化、それから世界的には人権問題、環境問題というのを抜きにして今度の二十一世紀は語れないような時代が来るだろうというふうに見たときに、私たちは日本の国だけ、先ほど村社会と言いましたけれども、その国だけで日本の国を守れるという状態ではないというふうに思うんです。だから、世界のそういう先進的なものも積極的に取り入れながら、やはり日本は日本として経済の発展に合わせた体を持つ、そういう企業に発展していくことが必要だろうというふうに思うんです。
 そういう意味では、建設産業の体質が残念ながら相当おくれているというふうに見られるので、先ほど申し上げましたような人権的な感覚、安全問題も含めての人権、それから環境問題、これは日本の地球環境を守るということも含めてですが、そういう考え方。さらにそれは新たな技術も取り入れながら情報を私たちがうまく使っていくということだと思います。
 最近、ISOがありまして、ISOを取得すれば入札資格に入れるというのがありますけれども、ISOを先んじて取ったところがコンクリートのひび割れ事故を起こしたり、品質管理を一生懸命やっているところが品質がだめという、これはゼネコンの皆さんもISO9000をほとんど取っていますから、したがって、その問題にもう一つメスを入れないで形だけよくてもまずいのではないかという意味では、ぜひ二十一世紀に向けての建設産業が健全に発展して国民の信頼を得られるように私たちもしていきたいと思うし、そうしないと私たちも歩いていて肩身が狭い思いをしていますので、ひとつよろしくお願いします。
#73
○島袋宗康君 お三名の方々、どうもありがとうございました。終わります。
#74
○委員長(溝手顕正君) 以上で参考人に対する質疑は終わりました。
 参考人の皆様に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多用中のところ、長時間にわたりまして極めて有益な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して一言御礼を申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時十一分開会
#75
○委員長(溝手顕正君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#76
○北澤俊美君 最初に、大臣に一言お伺いをいたします。
 午前中の参考人質疑その他でもいろいろ論議をされましたが、この法律はある意味では画期的な法律であります。ただ、運用の仕方、そういうものによって何の価値もない法律になる可能性も極めて高い。そういう中で、国民に向けて、この法律はわかりやすく言うと何を求めておるのか、何を規制しようとしているのかということを簡潔にちょっとお答えいただきたいと思います。
#77
○国務大臣(扇千景君) 今、北澤先生から冒頭の第一問、本当にわかりやすくとおっしゃいましたけれども、私はぜひこの際皆さんにも御理解いただきたいと思いますのは、短くということでございますから難しいんですけれども、戦後今日まで、日本の今日あるのは大きな公共事業等々、日本が今日の立派な国土復興できたということは私は国民の皆さんがひとしく感じるところであろうと思いますけれども、昨今の公共事業に関しましては、北澤先生も御存じのように、マスコミ等々、民主党さんも随分おっしゃいましたけれども、丸投げだとか談合だとかむだ遣い、ばらまき等々で公共事業に対する一般国民も含めた冠、上につく名前がよくない印象を私は持たれていると思いますし、また現実的にも談合が行われたり丸投げが行われているという記事もよくあるわけでございまして、そういう姿勢を私たちは何とか正さなければいけない。
 すべての公共工事が悪であるということではないということも含めて、私はそれを何とか是正するために何か法律でしなければならないことがないんだろうかということを調べましたら、日本には公共工事の基本法的なものがなかったということで、何としても私は国民の皆さんに真の公共事業のあり方を改めて考えていただくために、発注者、今までは業者でございましたけれども、今回は発注者を含めた法案にしたいということを考えたのが最初でございますので、そのように御理解賜ればありがたいと思います。
#78
○北澤俊美君 私の質問の趣旨がちょっとわからなかったのかもしれないですけれども、結構です。質問取りに来た職員の方には、大臣からはこの法律の目的は談合と贈収賄と丸投げをやめさせていくんだということを言っていただければいい話でして。
 では、質問を続けさせていただきますが、局長、先ほどもお聞きになっていたと思いますが、この法律で大きな焦点になるのは体制の整っていない弱小の市町村にどれほどの過重な負担がかかるか、こういうことですが、そこのところをきっちり押さえないで法律が先に動いている、こういうことだというふうに思います。そこのところを建設省としてどういうふうにお考えになっているか、まずお聞かせください。
#79
○政府参考人(風岡典之君) 先ほど参考人の先生方からもそういった指摘をいただきました。
 この入札契約の適正化を進めていくためには、これは私ども発注者全員足並みをそろえて進めていきたい、このように考えているわけでございますが、ただいま先生御指摘のように、発注者の中には規模の小さな市町村等、実際こういったところではこの事務を実施するに当たっては相当な事務負担ということも予想されます。
 そういう中で私どもとしても、例えば情報の公表についてですけれども、例えば小規模な工事については対象から外すというようなこと、あるいは公表のやり方も閲覧方式というような若干簡便なやり方、こういったこと。さらには、入札監視委員会等の第三者機関を設置する場合も、これも各小さな市町村に全部一つずつ置くというのではなくて、例えば共通に置いていただくとかあるいは既存の組織を活用するとか、そういうような配慮もしていきたいというふうに思っております。
 また、指針の中で掲げております工事成績の評価だとか、あるいは施工体制の点検というようなこと、こういったことにつきましてもやはり一定の技術者というものがないとなかなか的確にできませんので、こういったものにつきましては、例えば外部のコンサルタント等を活用するというようなことも含めて、できるだけいろんな力を結集して柔軟にやっていきたい、このように考えております。
#80
○北澤俊美君 さっきも、あの人はどなたかな、一番向こうにいた参考人の方、コンサルの話をしていました。残念ながら、我が国のコンサルタント、さまざまなものがあるというふうに思いますけれども、これもどうしてもなりわいを成立させるためにいろんな業界と結びついているんですよ。そういう人たちがコンサルで入ってきたときに公平性を保てるかということは極めて難しいというふうに思います。
 そこで、今、地方分権の時代に入ってきた中で、広域連合みたいなものを活用する中でこの問題を解決していけないかな、こう思うんですが、どうですか、こういう問題について。
#81
○政府参考人(風岡典之君) ただいま私は、それぞれの小さな公共団体が何とかこういったものができるようにということでこんな工夫もしておりますというふうにお話をさせていただきました。
 先生御指摘のように、もう少しやっぱり広域的に公共団体が連携を保っていくというようなやり方も、確かにこういったものについて円滑にやっていく上では必要な施策じゃないかというふうに思っておりますので、この辺は自治体の御意向なんかも十分お聞きして、どういうやり方がいいのかということについて十分検討していきたい、このように思っております。
#82
○北澤俊美君 このことはぜひ前向きに考えてほしいと思う。
 ただ、町村長さんたちというのは、それぞれ政治家として当選を果たしてきていますからかなりの思いを持ってやっていますから、自分の中でやること、町村の中でやることを共同で、今まで表へ出さなかったことを出すわけですから抵抗があると思うので、その辺は建設省の指導を相当強くしなきゃならぬと思いますが、私は技術職員を、人口千五百人だとか二千人、さっき来られた市長のところでさえ四万人でしょう。彼のところはたまたま彼が県の職員のトップにいていろんな経験を積んでいるからそういう職員を育て上げることができたが、なかなかできないと思うんですよ。そういう意味において、新しい道を模索しながら指導していくということをやっていただきたいと思います。
 そこで、ちょっともとへ戻るような格好になりますが、今我が国の公共事業に対する受注者側、発注、受注、入札、落札と、こうありますね。談合はどのぐらい行われているというふうに認識されておりますか。
#83
○政府参考人(風岡典之君) 建設業界におきましては、そういう談合というような形で摘発されるケース、残念ながら相当見られております。
 今ちょっと手元に数字を持っておりませんので、公正取引委員会がたしか一年間に二、三十件の入札談合という形で摘発をしているのではないかと思いますけれども、そういう形で明らかになっているものについては公取の立件という形で示されているというふうに考えております。
#84
○北澤俊美君 もう一つは、最近よく官製談合ということを言われますね。官製談合というのは、局長はどういうふうに理解しているんですか。私もよくわからない、官製談合というのはね。教えていただかぬとわからぬのですが。
#85
○政府参考人(風岡典之君) 一般に官製談合というものは、業者が談合するに当たりまして、発注者、官の立場で何らかの形で関与しているというのが通常、官製談合というように言われているというふうに理解しております。
#86
○北澤俊美君 それは、先ほどの質問にも出ておりましたが、今でも間々あるということなんでしょうか。
#87
○政府参考人(風岡典之君) 最近のケースでは、北海道庁の関係で、官製談合というような形でたしか公正取引委員会が北海道庁に対して要請文書とか注意喚起文書を出したというように承知をしております。
#88
○北澤俊美君 昔流に言うと、よくもめた後、天の声が出てそれで一件落着と、こういうわけですが、今はもう建設省はそういうことはやっておらぬのですか。
#89
○政府参考人(風岡典之君) もちろん業者の談合、あってもならないことでありますし、ましてや官がかかわるということは当然あってはならないと、このように思っております。
#90
○北澤俊美君 そこで、ここから先はお立場からすれば表へ出たものを言う以外にないんだろうというふうに思いますが、我が国のこの建設業というのは、私から申し上げるまでもなく、もともと明治の近代国家がスタートした段階から役所が海外へ技術を求めて職員を出して、もともと国に技術があったんですね、この公共事業をこなすのは。それがだんだん、民間はまあ江戸時代で言う人入れ稼業、人を出すということであったわけですけれども、それが徐々に株式会社を設立するようになって、そこへ官で持っていた技術を持って人がそこへ移っていったという歴史があるわけですけれども。そこのところから天下りだとかあるいは官による指導、育成ということがきたから、その中で我が国の建設業界というのは育ってきたわけでありますから、その歴史というのはまず一つ押さえておかなきゃいかぬわけでありますけれども。
 談合というのは、先ほどもお話しになったように、約六十万社、六百六十万人に及ぶ大きな産業界ですね。これが、私はほぼ一〇〇%と言っていいと思いますけれども、九〇%以上、談合で限られたパイを分け合っているんですね。これを一概にすべて、談合は刑法上バツになっていますから悪いことなんですけれども、今までの育ち方からすると、これを全部なしにした場合に、我が国のこの六十万社の会社がどのぐらい生き残れるか。一切談合がゼロになりましたよ、どんなことをしたって重箱の隅をつついても捕まりますよと、こういったときに、産業界、どのぐらい残るか。私は大ざっぱに言うと三分の一ぐらいになると思うんだけれども、その辺、どういうふうにお考えですか。
#91
○政府参考人(風岡典之君) 現在、建設業の許可を得ている業者数は約六十万社と、こう言われております。その中で、公共事業に従事している会社数、これは九万社弱だというように把握をしております。六十万社全体が公共事業をやっているのではなくて、九万社弱が公共事業に従事している、こういうことであります。
 私どもとしましては、公共事業に従事している会社についても、残念ながら丸投げをする会社だとかあるいは談合をする会社だとか不良業者というものもあるわけでございますので、業者数を見るときには、まず不良業者を徹底的に排除するということで、九万社のうち何万社が不良業者かというのはちょっと数字はわかりませんけれども、そういったまず努力をしていくと。
 その上で、残った会社について、今後の投資規模あるいは市場の規模というようなものを踏まえて、どういうような経営形態が望ましいのかということは、これは各社もちろん経営の話ですから個別に判断することだと思いますけれども、行政としてもそういうためにどういうような支援措置が必要なのか、環境整備が必要なのかということを検討すべきことかなというふうに思います。
 ですから、九万社という業者数を前提にどういうような業者数を適正と見るのかということかと思います。
#92
○北澤俊美君 それは非常に形式的なことなんだ。公共事業に直接かかわるのはそれは九万社かもしらぬけれども、その背景に下請やそれから局部的にお手伝いする業者、そういうものを含めて六十万社。これは建設業協会に全部参加している人たちがどのぐらいか私はちょっとよくわからぬけれども、しかし、いずれにしても公共事業と、もう一つは大きなのは民間の設備投資の中で生きているわけですね。これが、倒産という形なのか廃業という形なのか、撤退していくということになったら、雇用の問題が大きく出てくるわけですね。
 ところが、私は、今この新しい法律を見て、政令で決めたりすることがたくさんありますが、そういう事態にはならぬと思うんですよ、幸か不幸か。そんな何社もつぶれて我が国の建設業が三分の一になるような事態にならない。
 ということは、相当厳しくこれをやろうと思っても、この法律の成果を担保する罰則というものが非常にあいまい。そこのところをどういうふうに効果を担保するための、やっぱり法治国家ですから法律的に罰則がきちんとしていないとならない。それで、一つには、公正取引委員会へ通知をしなければならぬ。これ通知しなかったらそれまでのことですからね。その辺のところは、どういうふうにお考えになっていますか。
#93
○政府参考人(風岡典之君) この法律におきましては、違法行為に対しては、これは特にこの法律で罰則を定めているわけではありませんで、先生御指摘のようにそれは独占禁止法に違反するものであれば独禁法の方で、あるいは建設業法に違反するものであれば建設業法にと、こういう整理をさせていただいております。
 ただいま先生御指摘の、通報みたいなことが行われないというようなケースがあるじゃないかという話でございますが、この点につきましては、基本的にはこの法律で、それぞれのすべての発注者に対しまして、違法行為があったと疑うに足りる事由があった場合には必ず通知をしなければならないという制度として組み立てられておりますから、私どもとしては当然そういったことが行われるというふうに期待しております。
 仮にそういった違法行為に対する通知がもし行われないというようなことであれば、その点については、例えば自治体でそういう仮にケースがあったとすれば、例えば国土交通大臣と総務大臣がまたその辺についてのいろいろ相談をするとか、あるいはさらに進まないというような事情があれば、これは地方自治法に基づいてやはり是正要求ができるという仕組みになっておりますので、そういうようなことを担保措置として使いながら着実にやっていきたいというふうに思っております。
#94
○北澤俊美君 冒頭にもちょっと申し上げましたように、私はこの法律はいいと思うんですよ、我が国にとっては。ただ、この法律の運用の仕方をきちんとした考えを持ってやらないと。
 私は、いささか推測しておるんですが、こういうこわもての法律をまずつくっておいて、罰則とかそういうことについては定かでない部分がたくさんある。それで、まずこういうことでこれから始めますよということを発注者にも受注者にも知らしめていく、ある意味で予告編みたいな気がしてならないんだが、そういうお考えでまずひとつやっておるのか。こういう法律がありますよ、こういう法律があって変なことをしたらだめですよと、こう言いながら実効性はなかなか担保できていない。
 例えば、疑いがあると思ったら通報しろと、こういうわけでしょう。今疑いがあって、報道が報じたりあるいは投書が役場へ行ったりするケース、たくさんありますね。だけれども、結果的にはほとんどが調べてみたけれどもその疑いがなかったと、こう言うんですよ。それで、通報したとおりの業者が落札をしている、このケースがほとんどですね。
 そうすると、そのことを今度この法律の中へはめ込んで、通知しなければならぬと、こういったときに、調べてみたらそんなふうには思えなかったということをそこの発注者が言えば、それで一件落着。それを、じゃ、そんなことはないよとだれがどこで言うんですかね。公取が乗り出してきて、逆に、いやおかしいじゃないかということはやらぬわけでしょう。
 町村長さんたちが、そういう投書もあったりいろんなことを言われたり報道もされたけれども、当事者に聞いたらそんなことはなかったと、こう言うんですね。それは、談合をやっているらしいよと言われた被指名業者に聞いてみたら、談合していますと言う人はいないわな、これは。談合はしていないと、こう言うと、いやそうはいったっておまえやっているだろうと。談合をしている場所をビデオで撮っておったのなら別だけれども、そういうことは本当にまれですわな。
 だから、そういうことを、今、前段の話と、それから現実論としてどういうふうに機能できるのかということをちょっと教えてください。
#95
○政府参考人(風岡典之君) ただいま先生の方から、談合に、違反するような行為があると疑うに足りる事実があった場合、そういったものが本当に適切に通報されるのかという御指摘がございました。私ども、この法律の十条では、今申し上げましたように、例えば入札談合に、違反する行為があると疑うに足りる事実があるときには公正取引委員会に対して通知をしなければならないと、こういうようにしております。
 この違反する行為があると疑うに足りる事実というのは、例えば投書等がありまして、こういう工事についてどこどこの業者が例えば幾らで落札するというような具体的な事実があった場合には、それが本当にそのとおりかどうかということは別にしまして、疑うに足りる事実があったということで、もう主観的な判断を入れずに通知をするというような考え方がこの法律の考え方でありまして、その点はいろんな発注者、たくさんの発注者がおりますから、私どもとしてもそういった考え方をお互いに共通に持てるようにこの法律の考え方の徹底というものは行っていきたいということで、今申し上げましたように、そういう事実関係が、客観的なある程度の外形上の事実があればそれは通報する、こういう処理をさせていただきたいというふうに思っております。
#96
○北澤俊美君 今、局長、かなり重要なことを言われたんですね。そういう客観的な事実ということは、この世界の中では、それはもう投書とかそれから電話なんかによる通報とかいうこと以外にほとんどないと思うんですね。自己申告する人はいないから。
 そうすると、それはもうそういうものが来た段階で公正取引委員会へ通知をしなきゃならぬ。今までのように、自分で調べて何にもなかったよというのではなくて、そういうものがあったらもう公正取引委員会へ通報しなければならぬ、こういうふうに理解すると私の今までの理解からがらっと変わるんだけれども、どうですか。
#97
○政府参考人(風岡典之君) そういうような具体的に、先ほど申し上げましたように、通報内容が具体的にどういう工事についてだれだれが落札をするというような、そういうような内容を伴うものであれば、その時点で通報するということであります。
 もちろん、発注者の立場で業者を呼んでどういう状況にあるのかということを聞くこともあるわけですけれども、それとは別に公正取引委員会の方へ通知をすると、こういうような考え方に立っております。
#98
○北澤俊美君 それはもう大変前向きな話でして、そういう通報があったら、みずから調べてみて、それで一件落着にしないで、私たちもこう調べてみたがというコメントを添えて公正取引委員会へ通知をすると、こういうふうに理解していいですね。はい、わかりました。たくさんお聞きをしようかと思っておったんですが、なかなかうまくいかないな、これは。
 一つ、この施工体制の適正化ということですね。これで、受注者は発注者に対し施工体制台帳を提出しなければならないと、こうなっております。これは、我が党は、入札の段階でやれ、金額を付してやれと、こういうふうに言いましたが、これは確かになかなか大変なことであります。
 この施工体制台帳というのは、下請へ発注するときの金額、例えば建物でいえばサッシだとか、土木でいえばコンクリだとか、さまざまなものがありますね。そういう金額までもここへみんな入れると、こういうことですね。
#99
○政府参考人(風岡典之君) 今回の法律では、業者の方に、施工体制台帳を発注者の方に提出をしていただくということを義務づけをしております。
 施工体制台帳は、元請がだれだとか下請がどうとか、それぞれどういう業務内容になっているのかとか、あるいは技術者をだれを立てているのかというような現場の実態のわかるものでございますが、この施工体制台帳には添付書類として契約書というのが添付されております。現在の制度におきましては、元請と一次下請の間の契約につきましては、これは具体的に金額も入れた契約書を必ず提出していただく、二次下請以下につきましては、これは必ずしも具体の金額を入れなくても結構だということで、しかしその他の契約書に係る部分についてはあわせて提出をしていただく、こういうような考え方に立っております。
 ただいま先生御指摘のように、下請との契約金額みたいなものも全部提出をするのかということにつきましては、現在の制度は今申し上げましたようなことになっておりますので、今後、私どもとしましては、二次下請以下の契約について、契約金額も明記をするというようなことも含めて施工体制台帳の拡充について検討させていただきたいということで、そういう方向で積極的に使えるような形にしていきたい、このように考えております。
#100
○北澤俊美君 それはぜひ、二次下請へも金額を明示したものを出すようにしないとだめだと思うんですよ。
 今行われていることはどういうことかというと、一次下請に相当大幅な、丸投げとは言わぬがそれに近いような下請の仕方をさせている。そこから先の金額がもうわからぬわけですよ。今こういう不景気なときになってきますと、先ほどここで参考人の方々とやりとりしていた中では、三割引きだとか四割だとかのんきなことを言っていましたが、今はそうじゃないですよね。業界で七五三だとかなんとか変な言葉がはやっているようでありますけれども、サッシなんか三割だとこう言うから、三割ぐらいは下請で仕方がないじゃないかという話をしたら、そうじゃなくて、受けるのが三割で、七割サッシの世界は今やられていると、こういう話ですね。ゼネコンが取って、末端へ行くと三割。
 この三割というのはどういう金額かというと、多分建設省の単価あたりから言うんじゃないかと思うが、もうちょっと聞いてみると、どうもサッシのような世界はそうじゃなくて、自分たちが、製造している方が適正な価格だと思っているのに対して三割だと。それで生きているのはこれまた不思議な話なんだけれども、そうなっているんですね。
 これは要するに、今の現状でいいますと、ゼネコンは、しっかりやっているところもあるが、大半は債権放棄をしてもらったりして、その債権放棄をせざるを得なかった銀行は税金が入っておるわけですから、国民の税金や生活感情とも非常に密接につながっているんですよ。そういう中で、受けたゼネコンが下請をぎゅうぎゅう搾って、乾いたタオルぐらいにしてまで利益を上げて、上げていったものがじゃ社会還元されるかというと、後ろに山ほどしょっている不良債権の処理に終わっていくということで、そこから公共事業の経済的な波及効果が減退しているという現実もあるわけです。
 そういうところからすると、この条文は、きちんとさえやってくれたら建設業界の末端にいる下請業者にとっては干天に慈雨ですよ、これは。だから、ここのところはしっかりやったら建設省は大変業界から感謝されると思うんです。不当な利益を元請が受けて不当に下請がいじめられるという体質を脱却すればこの産業界は大きく近代的に前進すると思うんです。そこのところはどうですか。
#101
○政府参考人(風岡典之君) 建設業界は、全体的な工程管理を行う元請と直接施工を担う下請と、これはお互いに役割分担をして協力して初めて目的物が完成できるわけでございます。したがいまして、元請、下請、あるいは下請相互間の契約というのも適切に締結をされるということが私どもとしては当然必要なことだと。
 そのために、今、施工体制台帳の活用というものもその一つの方策かなということで検討させていただくというふうに申し上げましたが、そのほか、当然契約でありますから文書によって適切に契約を締結する必要がある。文書によって残念ながら契約をしていないのもあるものですから、そういったものの指導。それから、契約金額も、一方的な指し値ではなくて、見積もりを出して協議をして、まさに対等な立場で契約をするというような、そういった基本的なことについても非常に重要なことだということで、こういうことも含めまして元下関係の適正化ということについて努力をしているところであります。
#102
○北澤俊美君 そこへ戻っちゃうとだめなんです、話は。入札をするときに見積もりをつくりますね。そのときに、自分たちで十分に本社も含めた共通経費も賄えるような形で見積もりを出すわけですから、それで受注会社は真っ当な仕事ができるわけですから、今度それを下請業者と改めて念を押して削っていく。多少削ることはそれは企業ですからあると思うけれども、さっきの話のような三割しか残らなかったような話になっていっちゃうともとのもくあみになるんです。だからここのところはしっかりやらなくちゃいけない。
 それと、やっぱり建設省で毎年出しているんですか、単価表、あれが必ずしも業界で信憑性があるのかという話がある。あれは建設省で出しているんじゃなくてどこかほかで出しているのかわからぬが。
 要するに、私も一つ体験したんだけれども、今アスファルト舗装がありますね。あのアスファルトというのは、昔は全部プラントをその現場へ持っていって、そこで組み立てて、そこで製造をして舗装したんです。だから、運ぶのと組み立てるのと解体するのが全部単価の中へ入っていたわけだ。ところが、名神高速道路をやるようになってから工場生産に入っていったわけです。大きなプラント、バーバーグリーンの、あの当時は百トンなんというもの、今は百トンは何でもないが、大きなものを据えて、そこで製造してやったから飛躍的に単価は安くなった、品質もよくなった。
 ところが、これを建設省が単価を変更するまでに何年かかったか、大変な年数がかかった。だから、そこで工場生産した会社はべらぼうにもうかった。六割、七割もうかったんです、アスファルトの骨材を製造していた会社は。それは、時代の流れになかなか建設省も乗れないということと、もう一つは、全国的にそれが波及しないとなかなかそういうふうにできないというものもあったんだろうというふうに思いますけれども、そういう機敏性がないとなかなかだめだ。
 そういう意味で、このことは私の方からもよく御要請を申し上げておきますが、二次下請まできちんと金額を明示して発注者に提出をするというふうにしていただきたい、こう思います。
 それから、次は発注予定の工事を発表することです。これは、地方公共団体においては建設物、箱物みたいなものは割かし限られているからやりやすい。私も県会議員をやっていたからあれですが、毎年正月に設計の団体が新年会をやりますと、そこへ県の、当時は何と言ったか、建築部の設計の方の課長が来て、一年間どこそこではこういうものを建てますよと発表するんです、これはもう随分昔から。そうすると、長野県で一年間ああこれだけのものをつくるのかということがわかった。だけど土木工事になりますとピンからキリまであってなかなかやりにくい。
 それからまた、市町村なんかになると、これはまた、年二回となっているのは、多分箇所づけの時間差のこともあるんだろうというふうに思いますが、ここのところは地方自治体に負担をかけるのかかけないのか。それから、受注する方の側の産業界からこれは歓迎されるのかされないのか、その辺どうなんですか。
#103
○政府参考人(風岡典之君) 毎年度の発注見通し、年二回公表させていただきたいというふうに思っております。
 業者にとりましては、こういう公表をすることによりまして、一部の人だけが特別な情報を持つというようなことを避けることができるということで、また、広く意欲のある方々がこういう入札に参加できる機会というものにもつながるということで、私どもとしては業者の方においても歓迎されることではないかというふうに思っております。
 また、これを発表します自治体の立場の業務量の話というのはやっぱりここでも出てきまして、どんな小さな発注工事も全部発表するということになりますと、労力の関係がありますので、やはりある程度小さいものは発表の義務の対象から外していきたいということで、その辺は政令で軽微なものについては具体的に範囲を決めて統一的にやっていきたいというふうに思っております。
#104
○北澤俊美君 官房長おいでですから、建設省全体を見ながら、天下り、それから先ほどの官製談合、そういうものも言われる中で今度の新しい法律ができていくわけですが、冒頭にも申し上げましたように、私は、談合は非常に歴史的に根の深いものでありまして、これがある意味では今の建設産業を支えている一番の柱になっているということも言えると思うんです。
 建設業協会を組んで、建設業協会の中で決められたパイを、いい悪いは別にしまして分け合っている。それを根底から建設省は崩そうと。また、大臣はそのことをこの前の法案の趣旨説明の中でも盛んに言われておった。その覚悟のほども知りたい。
 それから、本当に根の深いというのはどういうことかといいますと、指名された人たちがそこで話し合いをするときに、何で優位になるのかということが、もう十分御存じだと思いますが、最後へ行くと、あの橋は、あの橋のたもとのところでうちのおじいちゃんの代からあそこで川で泳ぎをしていたよ、おれたちは、おれはそこで育ったんだよと、これが大きな決め手になる業界なんです。
 それから、もっと言うと、建築物でいえば、小学校を建てかえる。壊したときに見てもらえばわかるように、あそこのはりにはおれの三代前の大工の棟梁の名前が書いてある、今うちは大きな建設会社になったと、こういうことがまかり通るんです。だから、非常に根深いところでお互いが陰に隠れて分け合っている社会であります、これは。
 だから、そこのところを本当に切り込んでいって談合のない業界にするということになれば、先ほど参考人も、世界で談合のないところはない、ただ極端に少ないのと極端に日本のように多いのとの違いがあると、こう言いましたが、この談合を本当に日本で根絶やしにしていくということになれば、労賃だとかあるいは材料費だとか、あるいは外注費だとかという大きな仕分けの中で、そこのところをこことここだけは全然別個の世界で担保しておかなくちゃいけないとか、そういうまた別の法律を整備しなかったらできていかないと思うんですね、アメリカのように。
 そこを、全体を通して、私に納得できるような御答弁をいただければと思います。
#105
○政府参考人(小川忠男君) 建設業界、いろんな意味で縦横斜めのいろんなしがらみのある分野であろうというふうなことは私どもも重々承知いたしております。ただ、このままでいいのかというふうな強烈な問題意識があるというのもまた御理解をいただきたいと思います。ただ、その場合に、何か施策を講じたらすべてが一気にわかりやすくなって明朗濶達な状況になるというものでもないというふうなのは、これまた認めざるを得ないと思います。
 ただ、やはり将来を考えた場合には、今回のような法律の一つの価値判断の枠組みを法的な制度としてはっきりした上で、それを軸にして一歩でも二歩でも少しずつきちっとしたものに整備していくというふうな努力は必要だろうと思いますし、そういうふうな観点からすれば、今までいろんなことが議論されながらその価値判断を議論する尺度としての法律の枠組みがなかった状況のもとにおいて、今回御審議していただく大きな枠組みを法律としておつくりいただくというふうなことはやはり将来に向けて非常に大きな前進だと思いますし、枠組みを大事にしながら一歩ずつ前進させていただきたいと思います。
#106
○北澤俊美君 まことに当を得た答弁だと思いますよ、えらい褒めてどうこうするわけじゃないけれども。
 私はこう思っているんです。この法律は大事な法律。だけれども、今までも談合についてはいろんなことをやってきた、すべてが効果がなかった。だけれども、今度はそうしてはいけないと思うんですよ。だから、これがまた今までのようなことで結局は何にも変わらなかったということになれば、依然として建設省が出す指導は偽善だったと。だから、今度は法律でやるわけですから、初めて。偽善の手伝いを議会がしたということになったら、これは大変なことですよ。
 だから、私はそんなことにならないように強く希望しますし、そういう意気込みでぜひやっていただきたいというふうに思いまして、この法律につきましては成果が上がるか上がらないかは、建設省の姿勢と、それから政令等で定める、これも姿勢の問題だな、そういうことをしっかりやっていただくように希望いたしまして、少し時間が過ぎましたが、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#107
○福山哲郎君 福山でございます。よろしくお願いいたします。
 今、我が党の北澤委員からるるいろいろな質問がございました。もともと用意をしていた、事前通告をしていた質問の順番を少し変えて、せっかく出てきた話の続きから行かせていただきたいというふうに思います。お許しをいただきたいと思います。
 先ほどから参考人質疑、それから今の質疑の中でも問題になっていました、不正行為があったときに談合があると疑うに足りる事実と認めた場合にはどういう要件かということで先ほど大変重要な御答弁がありました。
   〔委員長退席、理事松谷蒼一郎君着席〕
 投書にしてもいろんな通報にしても、客観的な事実があればそれは公取に通知をしなければいけないんだというふうなお話がありました。私もここをお伺いしたかったんですが、もう御答弁があったので、お伺いします。
 そうすると、公取へ各発注者がいろんな形で通知をしなければいけない機会が今までの多分数倍ふえていくんではないかというふうに感じるわけですね。例えば、投書といってもいろんな投書があります。わけのわからぬ投書から、報道がある程度裏をとって報道する場合、いろいろあるんですが、先ほどのお話だと結構そこは客観的事実だからそのままスルーして公取に通知をしなければいけないんだという話になるんですが、来られた、通知された公取はたまったものじゃないという状況の中で、まず、膨大な通知が行くのではないかということに対して建設省はどういうふうに見られているのか、お答えいただけますか。
#108
○政府参考人(風岡典之君) 入札談合を疑うに足りる事実があるときということで、ただいま先生は通報が何かあればすべてスルーでという意味だというふうに御理解いただいているようでございますが、私ども、先ほど申し上げましたのは、通報内容をやはり見てということでありまして、単に談合があったというだけではなくて、どういう工事についてだれだれが受注するというようなある程度の特定性、そういったものがある場合にはその時点で公正取引委員会の方へ通知をさせていただく。その時点、そういう客観的なものがあればそれでやります、発注者の主観的な判断というのは入れないようにいたします、こういうふうに申し上げました。内容としてはそういうことで御理解をいただきたいと思います。
 こういう法律でルールとしてできますので、当然、そういうことにならないことが望ましいんですけれども、通報するケースというのが少なくとも今よりはふえてくるということを心配もしております。
#109
○福山哲郎君 多少ふえるということも今お認めをいただいたわけですが、では、そういった通知が今まで以上に来た場合に公正取引委員会としてはどのように処理をされるおつもりなのか、お答えいただけますか。
   〔理事松谷蒼一郎君退席、委員長着席〕
#110
○政府特別補佐人(根來泰周君) 見込みとしてはいろいろあると思いますけれども、ある面ではこういう法律ができて談合の抑止力になるというような面もあると考えれば、むしろこれから事件が減るということもあり得るんではないかということも考えられますし、おっしゃるようにまたふえるということも考えられると思います。
 ただ、この談合というのは、各一件一件の事件を処理していくということではなくて、やはり全体を通じて談合があるかどうかということを慎重に検討してやるものですから、一件一件件数がふえたからそれだけ業務量がふえるということではなくて、そういう端緒を我々が得て、全体的に見られるという機会を与えられたものと考えますので、事件がふえたから業務がふえたというような、直接的にはつながらないんじゃないか、こういうふうに考えております。
#111
○福山哲郎君 ということは、各発注者が疑いを持ったときにそれを公取に通知をする。通知をするけれども、それはふえても、それぞれ一件一件に関しては公取は調査をしないということですか。
#112
○政府特別補佐人(根來泰周君) これはもう従来からそうでございますけれども、例えばAという会社がこちらの事件に関与しているというだけで直ちにやるということになるとなかなか証拠がつかみにくい。それから、今度はそのAという会社が違う事業にも何か談合に関与しておるというような二つの話がありますとここで調べるタイミングかなというような話になるわけでございますから、各一件一件があったから直ちに調査権を発動するということにならないというふうに私は一般的に思うわけであります。
#113
○福山哲郎君 ということは、公取としてはいろんな通知が来た、見た通知の中でいろんな状況を総合的に判断をして、これは根が深い、これは完全に談合があるんだということをストックとして持って、それに応じてその場その場の判断で調査をしていくというふうな状況でございますね。
#114
○政府特別補佐人(根來泰周君) おっしゃるとおりでございまして、調査のタイミングあるいは証拠の積み上げというようないろいろな見地から判断して、具体的に職権を発動するかどうかを決めるものと考えております。
#115
○福山哲郎君 建設省としては、これを公正取引委員会に通知しなければいけないという義務規定にしたということと、今の公正取引委員会の答弁等に対して建設省自身のねらいということとのずれはないんですね。
#116
○政府参考人(風岡典之君) 私どもは、先ほどのような状況のものがあれば、この法律に基づいて通報を必ず行うということにしております。そこを受けてどうされるのかにつきましては、今、委員長からお話があったようなとおりでございます。
 私どもとしましては、いずれにしましても、これは発注者がそういった情報があった場合には毅然として対応する、このことに非常に意味があるというようにも理解をしております。
#117
○福山哲郎君 一件一件通知が行くということで、先ほど委員長が言われたように、談合に対する抑止力が逆に働くということも僕は十分あり得ると思いますので、そこに関しては評価をさせていただいているつもりです。
 一つ、これも細かい話で恐縮なんですが、いろんな通報が来たと、あそこで談合があるんじゃないか、どうじゃないかという話が来たときに、その中に官製談合が含まれる可能性があると思うんですね。
 先ほど言われたように、官製談合というのは発注者全体でやっているわけではなくて、例えば発注者の中のどこかの課のだれかがやっているとかいうような個人的な関与みたいな話があって、通知だとか投書だとかで、これは官製談合の疑いがあるのではないかというふうに例えば首長が判断したときに、それは自分の責任にそのまま返ってくるわけですよね。それを公取に通知をするというのは非常に実は考えにくいのではないかなと。
 情報の中には、官製談合の疑いがある、その官製談合は自分の役所の部下がやっていると。それは首長は自分が責任を問われる可能性があるわけですから、それを公取へ通知をするというのはちょっと考えにくいなというふうに思っておりまして、そこに関しては建設省はどのように判断しているんでしょうか。
#118
○政府参考人(風岡典之君) 私どもとしましては、公正取引委員会への通知という義務が発生するものは、これは例えば官製談合というようなものも含めて、あらゆるものについてそういう形で通報の義務が発生するというように考えております。したがって、官製談合の場合も発注者は当然、法律上の義務として公取の方へ通知をする責任があるということです。
 先生おっしゃるように、そうはいっても今のような御指摘のケースではなかなか通報されないんじゃないかというような御指摘だと思います。
 それにつきましては、仮に私どもの方でそういうようなことがあったというようなことを承知すれば、それはその辺の状況を確かめるなり指導するなり、そういうようなことは当然行うべきであり、もう少し厳密な法律論を言いますと、それでも行わないというようなときであれば、これは地方自治法に基づいて改善要請というようなところまで最終的には行くと、こういうような法律上の組み立てになっております。
#119
○福山哲郎君 地方自治法上では改善要請はできるという話ですが、私はここで一番懸念するのは、例えばその首長さんが非常に正義感があって、これは通知をした方がいいんじゃないか、自分のところの、例えば役所の中で何かあってもこれは通知をしてやるべきではないか、粛正するべきではないかと判断したときに、変にマスコミとか周りの世論が首長の責任論だというような話になって、思っていたものと、目的と全く違う方向に行っちゃう可能性があるなというふうに私は思っていまして、ここの運用に関しては慎重な必要もありますし、実効性に関しては多少僕は今の局長の御答弁だと納得できない部分があって、だからといって、もし首長が正義感を持ってやられたときに、その首長に逆に責任論が行くようなのも本意ではないなというふうに思って、大変難しいと思っているんですが、そこは局長いかがですか、くどいようですが。
#120
○政府参考人(風岡典之君) 法律的な手当てとしては、そういった事情が発生した場合も、これは当然十条に基づいて通知をしなければならないと、こういうように法律上は言わざるを得ないというふうに思っております。
 あとは、仮にそういうような状況が期待できないような場合、これは何もいきなり地方自治法に基づく改善要請をするというわけではなくて、その間の状況についてもいろいろお聞きをするというようなこともできるわけでございますので、その辺は個別状況を見ながら、全体としてどういう方法がいいのかということを判断していくことではないかなというように思っております。
#121
○福山哲郎君 そうしたら、現実にでは官製談合の通知が来たというふうに仮定をしていただいたときに、公正取引委員会としては、官製談合に対しては現状の法的な措置ではどのような対応が可能なのでしょうか。
#122
○政府特別補佐人(根來泰周君) 常々御説明しておりますように、私どもは、官製談合と言っていいか発注者談合と言っていいか、その辺言葉を選ばせていただきますけれども、発注者が責任のある場合、これはまあAから最後までいろいろ態様があると思いますけれども、深く関与している場合とか、あるいはもう少し注意をしてくれればこういう談合は起こらないというような場合、いろいろあると思いますけれども、私どもの方は、要請文ということで発注者に対してこういう点は注意してくれというお願いというか要請をしているわけでございます。
 また、非常に目に余る場合は、これは個人責任になるわけでございますが、これは検事総長に刑事事件として告発するというときに、やはり幇助犯、従犯ということで個人の責任を問うということもあり得ることだと考えております。
#123
○福山哲郎君 公取の中に、自民党さんが議員立法でという新聞趣旨も出ていますが、この官製談合について法的な措置が必要だというような話もるる飛び交っておるわけですが、これに関しては、公正取引委員会としては現状、どのような御認識でいらっしゃいますでしょうか。
#124
○政府特別補佐人(根來泰周君) 先ほど申しました要請というのは、一つの事実行為といいますか、それこそ言葉どおり要請ということでやっているのでございますけれども、これについて法的な裏づけがありますればもっと効果があるのではないかという考え方をしております。
 先ほどお話しになりました本法案の発注者からの通知につきましても、一つは私どもが情報を得られるということもございますし、一つはやはり抑止力という問題も起こってくるということで、私どもは非常にありがたいと思っておるのでございますが、そういう意味を絡めて申しますと、やはりそういう要請について法的措置、法的根拠が与えられますと、さらに効果が発揮できるのではないか、こういうふうに考えております。
#125
○福山哲郎君 今、委員長が法的措置があればより効果があるのではないかというお言葉は重要に受けとめ、立法府の方としても検討していかなければいけないのではないかなというふうに思っております。
 ではその中で、実は今、発注者が公取に直接通知ができるような状況になった中で、入札監視委員会というのが現行ございます。この入札監視委員会の現実の機能が、今のお話でいうと、発注者は通知ができるわけですから、この監視委員会の機能自身について少し、必要性があるのかどうか、それから、これがどのように今後活用していかれるのかということについて若干疑問が残るわけですが、政務次官、お答えをいただけますでしょうか。
#126
○政務次官(田村公平君) 建設省には八つの地方建設局がありまして、そこに入札監視委員会をそれぞれ設置しております。
 この委員会の構成メンバーは、法律を専門にやっておられる大学の先生だとかあるいは弁護士さんだとか、あるいは建築、土木の大学の先生とか、そういう方々で構成をしておりまして、八つの地建にとりましては独立したまさに公正な機関というか委員会であります。それで、大体年四回開催しておりまして、二時間半から三時間ぐらいそういうことで審議をしていただいております。現在までのところ、八つの地建に対しまして、不正があったとか、いわゆる答申というか、こういう点が悪いということは通達をされたことはありません。
 ただ、しかし、この法律案ができていくことによって、より機能の強化、現在、全部の建設省直轄で発注しております工事の約一・三%を八つの局の入札監視委員会で取り上げておりますけれども、もう少し機能の充実を、この法律ができた場合に、公正取引委員会に発注者が言うだけじゃなくして、やはり談合とか不正が行われないために、より機能の強化、それから審査対象の工事もふやしたいと、このように考えております。
#127
○福山哲郎君 今回の法律により、この八つの入札監視委員会よりも、各市町村並びに連合体としてかもしれませんが、広域連合として入札委員会がつくられるというふうに承っておるんですが、そうなったときに、今の有識者等も含めてですが、各小さい自治体とか市町村に対してこの入札監視委員会が実際機能するのかとか、設置が本当にできるような状況にあるのか、その辺の御認識はいかがですか。
#128
○政務次官(田村公平君) 正直言いまして、私の田舎にも人口が六百三十人の村があります。そこに設置しろといっても、これは人手も足りませんし、それからそれほど村発注の工事もはっきり言って過疎のところではありません。
 そういう意味では、大変近い将来かもしれませんが、広域行政をやっておる地域もありますし、やっていないところもあります。そういう中で、力があるといったら語弊があるかもしれません、まずそういうことができるところから、隗より始めよじゃないんですが、そういう中で我々の方から、ましてや地方分権の時代で、あなたこういうふうにしなさいよというふうに言うわけにもいきませんので、いい意味でのお手本ができて、広域的なところでやっていけるようになれば非常にいい方向になっていくんじゃないかというふうに考えております。
 はっきり言いまして、小さなと言っては悪いですが、地方自治体に無理強いをしてできるというふうに甘いものではないと思っております。
#129
○福山哲郎君 大変真摯にお答えをいただき、ありがとうございます。
 この法案の中で、先ほど北澤委員からも御指摘がありましたように、やっぱり小さい自治体に対する負担が過重にかかるのではないかと。今の入札監視委員会にしてもそうですし、毎年度の発注見通しの公表にしてもそうですし、それは逆に言うと、これも難しい問題ですが、逆に実効性を上げないことがこの法案の不信感につながることも非常に逆効果だというふうに思っております。
 ということは、今の政務次官のお答えからいうと、入札監視委員会と公取へ通知をすることは全く別建てだ、これは第三者機関として存在をするんだというふうな受けとめ方でいいわけですね。逆に言うと、投書や通知があったときに、発注者側が入札監視委員会に例えばこれを調べてくれみたいな機能は有しないということですね。
#130
○政務次官(田村公平君) 入札監視委員会というのは、それぞれ八つの局に対してこういうことをアトランダムに、先ほど申し上げましたように今のところ全発注の一・三%でございますが、その中に不正とかおかしなことがあるかどうかというのを調べていただく制度でございます。
 それに対して、地建局長に対して、もしあった場合ですけれども、こういうことがおかしい、不正があると。それを受けて、今度は発注される局が受注者の業者さんに、こう言っているけれどもどうだと。それがまた公取に行ったり、あるいは明らかにいわゆる談合とかあるいは談合金の受け渡しがあったとかいうことになると、これは当然検察なり警察が出てくる話でありますので、趣旨はちょっとそういう意味では違うというふうに御理解いただきたいと思います。
#131
○福山哲郎君 それと、これも先ほどから出てきているお話ですが、発注者側の毎年度の発注見通しの公表、入札、契約にかかわる情報の公表についてですが、建設省としては今最低限をどの程度というふうに御判断をされているのか、お答えをいただけますでしょうか。
#132
○政府参考人(風岡典之君) 毎年度の発注計画、年二回公表するということであります。すべての発注情報を公表するということにつきましては、やはりちょっと業務量の関係があります。少額工事の場合にはそういうものから、例外として公表から外したいと。
 現時点で、少額工事につきましては、最終的には政令で定めさせていただきますけれども、二百五十万程度のものをもって少額かなというように今の時点では考えております。
#133
○福山哲郎君 私には、小さい自治体にとっての二百五十万という金額が多いのか少ないのか、実はすごく判断しにくくて、そこは政令で御検討いただくのと、各自治体の声をやっぱりしっかりと聞いていただいて、少額工事の規模についてもしっかりと、一律に二百五十万が本当にいいのかどうかということに対してはちょっと御検討いただきたいと思うんですが、局長、いかがでしょうか。
#134
○政府参考人(風岡典之君) 具体の範囲はいずれにしましても政令で定めさせていただきますけれども、先ほど私、二百五十万ぐらいのものは少額工事というふうに申し上げましたが、これは現在、会計法で随意契約によることができる金額ということで、少額なものは随意契約でも構わないという規定がありまして、それが二百五十万ということでありますので、現時点ではそういうように考えております。
 いずれにしましても、自治体にも絡む話でございますから、よくいろんな御意見も聞きながら最終的に決めていきたい、このように思っております。
#135
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 それから、先ほども参考人にお伺いをした件なんですが、建設省の御意向もちょっとお伺いをしたいと。
 前回の委員会でもほかの委員の方が質問されたやに覚えておりますが、中小建設業許可業者数が非常に増加をしていると。公共事業並びに建設投資の額というのはマーケットが小さくなっているのにもかかわらず、中小の許可業者が増加していることについては、どういった理由で増加をしているというふうに御認識か、お答えをいただけますか。
#136
○政府参考人(風岡典之君) 業者数については、平成十二年三月末で全国で約六十万社ということであります。これは前年に比べまして二・五%増加をしておりまして、趨勢的には平成九年以降、毎年伸びているわけです。しかし、ことしに入りましてからのデータを調べてみますと、四月以降は少し減少傾向になってきているということであります。
 いずれにしましても、かなりの業者数になっているわけでございますが、業者数が伸びている基本的な要因は、いろいろあるわけでございますが、一つは、平成六年のときの建設業法の改正によりまして許可の有効期間が従来の三年から五年に延びまして、少しその影響がまだ残っているというようなこともあります。
 また、いろんな団体でも調べているわけでございますけれども、現在、建設業の許可は一件当たりの工事が五百万未満のものにつきましては許可を要しないのですけれども、そういった業者が最近許可をとるような傾向が非常に強くなっていると。もう少し大きな工事にも参入したいというような意向があるんでしょうか、そういうこともありますし、また倒産等をした業者が、またその中の人が独立して建設業の許可を取得するというようなことも許可の増加の要因の一つではないかというように思っております。
 いずれにしましても、もう少し正確に実態を把握したいということで、今私どもとしても建設業の許可業者数の増加要因についてのいろんな調査をしておりまして、もう少し時間をかけてしっかりとした分析をしていきたい、このように思っております。
#137
○福山哲郎君 そのうちで、いわゆる不良不適格業者数というのは一体建設省はどの程度だというふうに今御認識をされているのか、お答えをいただけますか。わからない場合にはわからないで結構でございますが。
#138
○政府参考人(風岡典之君) 不良不適格業者という言葉を私ども使っておりますけれども、これはどういうものをもってそういうふうに言うかという明確な必ずしも定義があるわけではなくて、私どもとしては、技術力とか施工能力を全く有していないようなペーパーカンパニーとか、あるいは経営を暴力団が支配しているような企業とか、あるいは技術力はあるんですけれども既に仕事をいっぱい受けて新しい仕事について技術者が立てられないようなケースとか、いろんなケースがあります。全体を不良ないし不適格業者というふうに判断をしておりますが、こういう形での具体的な調査をしているわけではありませんので、全体の中でどれぐらいだということについては、数字上お示しすることはできません。
 ただ、不良不適格業者の一例としまして、直近の例としては平成十一年で、これは独禁法の入札談合に関しまして処分がありましたのが年間三十五件というようなケースもありますが、そういったようなところは少なくともこういう不良不適格業者だというようには言えようかと思います。
#139
○福山哲郎君 ありがとうございました。
 大臣、大変お待たせをいたしました。もう質問の時間も終わりに近づいてまいりました。この法案が大臣の強い決意のもと出されたことも承っております。
 先ほどありましたように、談合、丸投げ、上請等の不正行為排除に対して、この法案が第一歩としては大変評価をできるものだと私も思っていますが、それについての大臣の決意、それから過剰業者を抱えているとか過剰労働者を抱えているとか言われているこの建設業者の二十一世紀への形、この法案を第一歩にこれから先どういった形の建設業界をお考えいただいているのか。談合、丸投げ、上請等の不正行為の排除についての決意と、将来の建設業界のイメージをどのように考えられているのか、大臣、お答えをいただけますでしょうか。
#140
○国務大臣(扇千景君) 今、るる御質問等々を拝聴しておりまして、我々は、少なくとも公共工事は建設省のみならず大小の差違はありながら全省庁に及びます。けれども、少なくとも私は、建設省としてこれは一番大事なことであるということで、建設省が主になって提案をさせていただきました。そして、冒頭に、さっきも北澤委員がお話しになりましたように、世間で言われております、今、福山先生もおっしゃいました談合、丸投げ等々言われるようなことをいかにしたら排除できるのか、その方法論をやはり私どもとしては少なくとも考えていくということから、私はこの法案の立案の原点に立っているわけでございます。
 御存じのとおり、公共工事、国民の税金によって賄われているわけですから、いかに公明で正大で、なおかつ国民に喜ばれる公共事業をしていくかというその基本理念に立った上では、こういう法案が今までなかったことの方がむしろ不思議だと私は大臣就任以来考えたわけでございますから、私はこれによってすべて一〇〇%なくなるということは保証できません。それは法案にしろ何にしろ完璧なものというのは、まず私は今の時代に沿っては今少なくともできる範囲の中ではベストであろうということで提案させていただいておりますので、ぜひこの法案を施行した後の業界のあり方、また社会に対するこの法案によってどの程度是正されるかということも、二十一世紀を迎えるからこそ私は重要であるというふうに考えております。
 今おっしゃいましたように、この法案によって、るる討論がございましたように、少なくとも不適格業者というものを排除でき、真に国民のための公共事業になるその基礎になれば、私は大変、今世紀最後の国会で皆さん方に御審議いただいたことが意義があるものになるであろうと思っております。
#141
○福山哲郎君 終わります。
#142
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 私は、法案審議に入る前に、前回の委員会で取り残した質問について確認をさせていただきたいと思います。
 平成十一年の七月八日でありますけれども、内閣法の一部を改正する法律案等中央省庁等改革関連十七法案に関して、それに附帯決議がついておりまして、その附帯決議の一つとして、「省庁再編に伴う人事については、適材適所を旨として行うとともに、将来の人事に影響を与えるような既存省庁間の合意等は一切行わない」というふうに明示されているわけでありますが、この文言は極めて重要な意味がありますし、かつ十分効力のある重要なものである、そういうふうに私も考えておりますし、これに違背することがあってはならないものであるというふうに考えておりますけれども、これは推進本部の方にちょっとお願いしたいんですけれども、イエスかノーかということで簡単にお答えください。
#143
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 先ほどの十七法案の際の附帯決議につきましては、当然各省も十分承知いたしておりまして、重く受けとめるべきものと理解しております。
#144
○加藤修一君 別の角度から重ねてお尋ねしますけれども、これも簡単に御答弁をお願いしたいと思います。
 十七法案のときの附帯決議につきましては各省庁においても十分承知している、それから附帯決議に示されている合意等については一切行われていないと、前回の答弁を踏まえてお聞きしているわけですけれども、これも簡単にお答えいただきたい。
#145
○政府参考人(松田隆利君) 私どもとしては、そのような合意等が行われているのは承知しておりません。
#146
○加藤修一君 合意等については一切行われていないという意味ですね。
 また、重ねてですけれども、省庁改革の趣旨に反しないようにこれまでも徹底してきている、引き続き徹底を図っていくということで理解してよろしいですね。
#147
○政府参考人(松田隆利君) ただいま先生御指摘の考え方で臨んできているところでありますし、これからも臨んでいきたいと考えております。
#148
○加藤修一君 前回、十一月九日の委員会でこういった関係について質問したわけでありますけれども、ただ十二日の新聞によりますと、再編後の中央省庁の幹部人事が取り上げられておりました。本当にこういうことなのかどうなのか、そういった面についてさらに踏み込んだ形で質問をしたいと思いますけれども、さまざまな現在の省庁が組み合わさってつくられる統合省では、たすきがけ人事の色彩が強いことや、あるいは環境省では植民地人事が続くことなどが報道されていたということですね。
 そこで、環境省の人事について私はお尋ねしたいんですけれども、環境省の幹部人事について他省庁との間で何らかの合意があるのかということなんです。それと、植民地人事と報道されていることについてどういうふうに我々は理解していいのか、その辺について御答弁いただきたいと思います。環境庁お願いします。
#149
○政務次官(河合正智君) お尋ねの件でございますけれども、環境省に関する人事につきましては、既存省庁間での合意というものはございません。
#150
○加藤修一君 それでは、新たな環境省の人事は、環境行政の責任者たる環境大臣の判断によって、他省庁のいわゆる植民地人事とやゆされることのないように適材適所の人事が行われるべきだと、このように私も考えるわけですけれども、環境庁はどういうふうにその辺は見解をお持ちですか。
#151
○政務次官(河合正智君) 加藤先生おっしゃいますように、環境省の人事に関しましては、その責任を十分果たせますように職員の知識、能力、経験等を踏まえまして配置いたしますことが適材適所であると考えております。
#152
○加藤修一君 前回の委員会でこういう答弁がございました。審議官ポストを二つ国土交通省関係省庁から環境省に移管したと、こういう答弁がございまして、これは環境省の審議官ポストを国土交通省関係の職員が占めることが決まっているという意味であれば、これはいわゆる植民地人事そのものであると思います。
 そうであるならば、既存省庁間の合意等は一切行わないという附帯決議に反することになって極めて問題ではないかなと私は思いますけれども、先日の答弁の中身というのは、やはり環境省の機能強化のために国土交通省関係の省庁の組織の枠を移管することを意味するものであって、人事についての決め事があるわけではない、こういうふうに理解しておりますけれども、これでよろしいでしょうか。
#153
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 前回の答弁で、国土交通関係行政と環境行政のかかわりの中で環境行政の方に共管化が進められております、その関係で再編省庁後の事務の円滑な遂行あるいは人事交流の活性化に資するということで、審議官ポスト二つを国土交通関係省庁から環境省に移管したと御説明申し上げたところでございます。
 したがいまして、そのような組織改革の経緯を踏まえまして、適材適所を旨として人事が行われるものと考えておりますが、いずれにしましても任命権者たる大臣の御判断によるものと考えております。
#154
○加藤修一君 ちょっとわかりづらいので再度確認したいんですけれども、共管化とかそういうことでなくして、要するに、もう一度言いますよ、環境省の機能強化のために国土交通省関係の省庁の組織の枠を移管することを意味するものであって、人事についての決め事があるわけではない、こういう理解ですが、イエスかノーか、簡単にお答えください。
#155
○政府参考人(松田隆利君) ただいま申し上げましたように、組織の改革の経緯を申し上げたわけでございます。したがって、人事についての取り決めを申し上げたわけではございませんが、いずれにしましても、そのような組織の改革の経緯を踏まえまして適材適所を旨とした人事が行われるものと考えておりまして、その御判断は任命権者たる大臣によるものと考えているところでございます。
#156
○加藤修一君 適材適所ということを旨にして、きちっとやっていただきたいと思います。
 新聞などによりますと、環境庁はこれまでも他省庁のいわゆる固定ポストによる植民地人事が横行してきたというふうに言われているわけでありますけれども、やはり設置後もう三十年を経ているわけでありますし、そういった面ではプロパーの職員が続々と育ってきていると。いわゆる国民の期待にこたえることができるような環境省になるためには、そういった環境問題に対する経験が深い、見識が深い、センスを持っている、そういう職員が拡充されるポストにつくべきではないかなというふうに私は思います。
 そういった点は、すなわち人材のいわゆる適材適所、そういったことになるわけでございますし、我々公明党としても、これから地球環境問題を含めてますます深刻になっていく中にあるわけでありますから、適材適所ということで機敏な対応が最も求められる省であるというふうに理解しておりますので、こういった面については適切に我々も物事が運ぶようにウオッチをしていきたいと思います。以上でございます。それでは推進本部の方、退席してよろしいです。
 それでは、法案審議に入りたいと思います。
 公共工事の入札、契約に関して、最近いわゆる受注に関する贈収賄事件あるいは入札の談合にかかわる独禁法の違反などが多発していると。不正行為が横行しているのがそういった意味では実情ではないかなと思います。建設省が各地方建設局から一九九九年度に発注した直轄工事の入札、契約に関するデータをまとめたものが発表されておりますけれども、いわゆる建設省直轄工事契約関係資料、これがございますけれども、指名停止業者数、さらに件数と延べ業者数、これは九八年と九九年とを比較しますと急激に増加しているわけなんですけれども、この辺についての具体的な数値についてお示しをお願いしたいと思います。
#157
○政府参考人(小川忠男君) まず、一九九八年度でございますが、指名停止件数は延べで二百十八件でございます。業者数で延べ五百九十七社でございました。それが、一九九九年度には指名停止件数が延べで二百六十五件、指名停止業者数は延べ二千六百二社というふうになっております。
#158
○加藤修一君 指名停止件数が二百六十六件、それから延べ業者数が二千六百二社ということで、前年に比べると延べ業者数が数倍になっているわけですけれども、これは急激にこういう形になったというのはどういう背景があるわけなんでしょうか。
#159
○政府参考人(小川忠男君) 件数、業者数、いずれも確かに増加しておりますが、子細に中身を見ますと、例えば愛知県下あるいは住都公団関係、道路公団関係の一連の発注工事において、一つの事案で多数の業者がかかわった事案が幾つか集中的に起きたというふうなことが主たる要因だろうと思っております。
#160
○加藤修一君 大臣にお尋ねしたいんですけれども、こういった形で極めて増大していることもありますし、悪質な事件も多くなってきている。そういった観点から考えていきますと、公共工事そのものに対してはやはり国民の信頼感が著しく損なわれてきている状況である、税金を使っている公共工事でありますからやはり言うまでもなく公正でなければならないと。こういった実態について、建設大臣はどのようにとらえているか、率直な見解をお示し願いたいと思います。
#161
○国務大臣(扇千景君) 今、官房長から数字をもってお答えいたしましたように、加藤先生も今発言なさいましたように、国民の税金によって賄われているというその基本原則というものを考えるときに、少なくとも私は、国民に疑惑を持たれるようなことをどうすれば適正に指導しまた適正に実施できるかということを私たちは大きな課題として課せられたわけでございますので、その意味においても今度の法案におきまして公共工事の入札、そして契約の適正化について基本原則を明らかにする、これはもう大前提といいますか、大原則でございます。
 それから、少なくとも入札結果あるいは受注者の選定過程、これをすべて公表するということで、今まで見えなかった部分も透明性の確保ができる、それも大きな進歩であろうと思いますし、これを国民に明らかにするということでは、私は、今加藤先生がおっしゃったようなことに対して、少なくとも公正な競争の促進と、あるいは世間で言われております談合、丸投げ等々というものに関しては、不正行為の防止あるいは徹底、そして適正な施工の確保を図るという点では大きな私は成果を上げ得ることができるであろうというふうに法案を読み取っていただきたいと存じております。
#162
○加藤修一君 公共工事のいわゆる透明性の公示や不正行為の排除、そういった徹底を行う法案である、あるいは適正化を考えている中身になっていると。
 法案では不正行為等に対する措置として、発注者は談合があると疑うに足りる事実を認めた場合には公正取引委員会に対し通知しなければならないと。それからもう一つは、発注者は一括、いわゆる丸投げがあると疑うに足りる事実を認めた場合には、建設業許可行政庁に対し通知しなければならない、こういうふうに通知しなければならないというふうにあるわけであります。
 これは先ほどから議論になっている部分でありますけれども、通知することが義務づけられてはいますが、違法業者に対する処罰、これは従来どおりだと思うんですね。従来どおり、独禁法やあるいは建設業法、そういった既存の法律によって行われている、ある意味で発注者による指名停止処分にゆだねられている、そういうことになっているわけですけれども、これはある意味ではちょっと現行の指名停止措置基準、これが非常に緩いんではないかなという感じがするわけなんです。
 この辺について、例えば、実際の不正行為等を行った場合について、それが発覚した、そういったケースについては処分がなされるわけでありますけれども、最短で一カ月、それから最長で一年の指名停止処分を行えると、そういうふうに定められているわけですけれども、先ほど申し上げましたように、もっと指名停止基準を強化すべきであると。
 やはり私は、新法がどこまでこの不正行為というものを排除することができるか、あるいは効果をより一層あらしめるためにはこういった指名停止基準、これを強化する、見直しをする、こういうことが極めて重要ではないかなというふうに考えているわけでありますけれども、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。
#163
○国務大臣(扇千景君) 今、加藤先生おっしゃいますように、談合、丸投げ等々が後を絶たないということから考えますと、今後この不正行為を見逃さないという厳正な姿勢、これがこの法律によって縛られる、また是正される、そしてお互いに通知を義務づけるということも私はかなりな効果があろうと思いますけれども、今少なくとも先生がおっしゃいましたように、通知を義務づけるといいますけれども、あとは公正取引委員会等々、先ほどからも御論議がありました。
 ですから、現段階において、少なくとも今の運用基準で行ってきたことでも既に談合、丸投げが後を絶たないということから考えますと、この委員会において御論議がありますことにかんがみては、今後この運用基準をどういうふうにするかということも私は今後の検討の大きな課題であろうと思いますけれども、まずはこの法案が通って、通知を義務づけたことによってどの程度抑止効果があるのか、あるいは現実に数が減るのか、これも見ながら運用に関しては検討していきたいと思っております。
#164
○加藤修一君 それは将来的には、シンプルな言い方をいたしますと指名停止基準を見直す、そういう理解でよろしいでしょうか。
#165
○国務大臣(扇千景君) それも含めて、今後この法案が施行された後の世間一般の姿勢というものも私は見るべきだと思いますし、またそのための法案でございますから、その結果、少なくとも業者においては、私は大きなこの法案によっての効果というものが出てくると思っておりますし、今既にこの問題に関しても、法案が出るということで一部では大変な話になっているということも御考案いただいて、私は世間の姿勢というものを見ていって、それによって考えていかなければならないと思っています。
#166
○加藤修一君 ぜひ積極的な対応をお願いしたいと思います。
 次に、それではJVについて、共同企業体に関しての質問でございますけれども、一般にJVを組むのは、リスクを分散し工事を確実に施工する、そういったことがいわゆる本来のとらえ方、考え方であるというふうに認識しておりますが、ただし、日本の現状、この辺については極めてそういう形になっているわけではなくして、工事を分配するとか再配分するとか、そういったことに重きを置いて進んできているように思います。そういったことがさらには談合を誘発する、そういったことになってきているのではないかなと思います。
 先ほどペーパーカンパニーの話がございましたけれども、と同様にペーパーJV、そういったものも後を絶たないと言われておりますが、そういった意味ではJVが本来の目的から外れてゆがみが目立ってきているのではないかという指摘が最近されております。
 確認のためにお聞きしたいわけですけれども、JVの目的は何か、それからこれにかかわる課題としてどういうふうにお考えをお持ちか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#167
○政務次官(田村公平君) 先生御案内のとおり、共同受注、ジョイントベンチャーの本来の目的は、例えば長大橋だとか隧道だとか高速道路とか、技術的に大変高度な工事について特定JVというのをやっております。それから、中小零細企業の方々が受注の機会がふえるということで、これは経常JVと呼んでおりますけれども、そういうのが本来の目的でありました。
 ただ、御指摘のとおり、仕事をとるための手段だとか、あるいは先生先ほどおっしゃっておられたように、似て非なる業者さんが一緒になっておるものですから、その技術力に差があったり、非効率な面も確かにあります。ただ、これからそういう非効率な、あるいは不都合のある部分についてはどんどん直していきたい、そのように思っております。
#168
○加藤修一君 私はJVに対する制度というのは見直しを考えるべきだと思うんですね。建設省はたしか九九年十一月に、直轄工事に対しては一社でもいい、あるいはJVを組んで入札に参加できるいわゆる混合入札を導入されていますように、要するに変わってきている。
 そういった点から考えていきますと、その背景としては、やはり先ほど申し上げましたように、JVの制度それ自体がゆがみを生じ始めてきている、見直しをしなければいけない、そういうふうに考えるわけですけれども、見直すことをやはり積極的にやるべきだと私は思うんですけれども、この辺について御見解はどうでしょうか。
#169
○政務次官(田村公平君) 先生御指摘のとおりでありまして、これからJVについて運用基準の策定と、適正な運用を含めてJV本来の、これはどうしてもやらなければならないJVもあるものですから、そのように進めていきたいと思っております。
#170
○加藤修一君 JV制度の見直し、その場合、局長にちょっとお尋ねしたいんですけれども、当初の目的に比べると大きく乖離し始めているJVの制度である、それを見直ししなければいけない、さまざまな不都合が生じてきていると。それは実態としてあるんでしょうけれども、その実態というのをもっともっと克明に調べる必要も私はあるのではないかなと思うんです。
 それで、JVの現状、その実態把握のためにやはり調査をすべきでないかなと思いますけれども、この辺について局長、どうお考えでしょうか、ぜひ調査をやるべきだと私は思いますけれども。
#171
○政府参考人(風岡典之君) JV制度につきましては、かねてからいろんな問題点が指摘をされておりまして、中央建設業審議会におきましてもJVのあり方というものの基本的な議論を平成十年に実はしたところでございます。
 その時点では、確かに施工能力のない業者がいるとか、JVの数が非常に多くてお互いに技術力を補うというか、共同施工がなかなかできないような状況にあるとか、あるいは受注配分的な問題もあるというようないろんな御指摘をいただきまして、JV制度についてはそれなりに見直してきたつもりでありまして、私どもとしましては、中央建設業審議会で示されました運用準則というのがありまして、それに基づいて各発注者が具体に運用の基準というのを定めていまして、それに基づいて運用するという今体系になっておりまして、大分運用の基準というのは各発注者でできたわけでございますけれども、問題はその運用の基準にのっとって適切にJVが組まれているかどうかということがポイントかなというふうに思っております。
 先生いろいろな御指摘をいただきましたので、直ちに調査ということはともかくとしまして、もう少し私どもも御指摘いただきましたようなJVの実態について業界の方の実情も少し探ってはみたいと思いますが、とりあえずは中建審の方向に沿って、運用基準というものに沿った運用がまず優先されるのかなと思います。
#172
○加藤修一君 ぜひ調査も含めてしっかりした対応をお願いしたいと思います。
 それでは次に、公共事業に関連しての話でございますけれども、いわゆる従来型の公共投資とあるいは環境対応型の公共事業ということを考えていきたいと思うんですけれども、いわゆるここで言うところの環境対応型の公共事業というのは地球温暖化対策推進大綱、そういった中に盛り込まれている事業なんですけれども、例えば紹介申し上げますと、未利用エネルギー活用設備とかあるいは太陽光発電設備、公共交通機関、路面電車を含めてですね、あるいは物流の効率化投資、いわゆる自動車走行設備、立体化を含めての話ですけれども、あるいは緑化推進等でございます。
 これを環境対応型の公共事業というふうに言っておりまして、従来の公共投資とこれを比べて経済効果を比較した報告書が出ているわけなんですけれども、この報告書によりますと、いわゆる四兆円をそれぞれに投入した場合に、産業連関分析によって波及効果がもたらされる、従来型の生産誘発額は七・六兆円である、一方、環境対応型については約一三%多い八・六兆円の結果が出たと。
 前回の委員会で、たしかどなたかがいわゆる気象変動に対応した国土の保全ということで、公共投資についても違った方向から検討しなければいけない、それについても政府も十分対応していかなければいけないという、そういった答弁があったわけであります。
 やはり公共事業の中身それ自体も変えていかなければいけない、その変えていく中身の一つとして環境対応型の公共事業と。こういった視点についても、今申し上げましたようにメリットが非常にあるというふうに考えられるわけでありますけれども、なぜこの一三%がこのような形で出てきているかということについて、御見解があれば環境庁並びに建設省にお願いしたいと思います。
#173
○政府参考人(太田義武君) ただいま御指摘の研究は、地球環境戦略研究機関、略称IGESと申しておりますが、そこでの研究の論文でございまして、ただいま委員が御指摘のように、環境保全型公共投資、いわゆる九分野、ただいまのお話の九分野に四兆円を投資した場合にどういう結果が出たかというのを産業連関分析で計算して出されたというふうに伺っております。
 その結果は、ただいまの委員のお話のように八・六兆円と七・六兆円ということで一三%の違いはございますけれども、このような分析におきます経済波及効果というものは、基本的にはただいま申されました各事業、公共投資にどういう財あるいはサービスが必要になるかということによって結果に違いが生じてくるものと思っております。
 そこで、御指摘の論文の筆者によりますと、環境対応型公共投資というのは通常の公共投資に比べまして電機とか輸送機器とか精密機械など多くの産業部門から投入が必要となっておるということで、経済波及効果が大きいというふうに指摘されておるところでございます。
 以上でございます。
#174
○加藤修一君 建設省お願いします。
#175
○政府参考人(風岡典之君) ただいまの環境庁からのお話もありましたように、この論文で指摘をしております環境保全型公共事業、その内容を見ますと、電気機械あるいは輸送機械、精密機械、そういった生産誘発効果の大きい部門が非常にウエートが高い。そのことがこの論文におきましては波及効果の差にあらわれているというように理解をしております。
#176
○加藤修一君 分析結果を見ますと、従来は環境対策をすると景気の足を引っ張るとか、こういうことを言う人はほとんどいなくなったと私は思いますけれども、この分析結果を考えてまいりますと、景気にプラスの影響を与えるというふうに考えざるを得ないと思うんですね。短期的な景気浮揚策になるし、それから二点目としては、やはりこういった継続的な積み重ねを実施することによって長期的には持続可能な社会への基盤整備に役に立つ、このように考えることができるのではないかと思いますけれども、この辺について、短期的な面と長期的な面、以上の二点をどのようにとらえているか。
 環境庁としては、こういった公共事業について今後いかなる形で積極的な対応を考えていらっしゃるか、その辺についてお願いいたします。同じく建設省もよろしくお願いします。
#177
○政府参考人(太田義武君) 環境対応型公共投資の短期的、長期的経済効果ということでございますけれども、先ほどの論文では必ずしも具体的な分析が行われたわけではないようでございまして、私どももここで定量的にお答えするというのはなかなか難しゅうございます。
 しかし、環境保全型公共投資というのは、いわば現在問題となっております環境を保護し、あるいは改善していくための投資でございますから、当然適切に行わなければならない。これが適切に行われなければそもそも持続可能な社会というのは形成できないことになるということで、大変重要なことだと思っております。
 さて、その経済的な効果でございますけれども、今、短期的、長期的というお話がございましたが、いわゆる比較的短期では、環境対応型公共投資が経済全体の生産力の増強には必ずしもすぐには直結しないかもしれません。直ちに、そしてどの程度大きな経済効果を期待することができるかどうかということを明確に申し上げることはすぐには困難なのでございますが、長期的には、この投資が適切に行われる場合には資源の持続的な利用が可能となりますし、環境汚染による経済的被害が予防できるということもあります。環境問題が経済成長を制約化する事態に立ち至らずに済むということもございますので、経済的にもプラスになるというふうに私どもは考えております。
 なお、もう一つ、今後どうするかという点につきまして簡単にお答え申し上げますと、ただいま実は中央環境審議会におきまして新しい環境基本計画というのを策定中でございます。その中におきましては、社会資本整備の重点分野としてこの環境関係で四つの点が挙げられておりまして、ちょっと簡単に申し上げますと、環境負荷の低減とか処理のための投資、二つ目には環境維持、復元、創造及び健全な利用のための投資、三つ目は資源エネルギーの使用の削減、効率化とか再生可能なものへの転換等のための投資、そして最後に四つ目には持続可能な社会に関する技術開発、モニタリングのための投資の推進を図っていく必要がある、こういうふうに今検討されているところでございます。
 私どもといたしましては、この基本計画の策定とか実施、あるいは環境庁には環境保全経費の見積もり方針の調整という権限がございますので、今後、政府全体として環境対応型公共投資が推進されていきますように我々は意を用い、努めてまいりたい、このように思っておるところでございます。
#178
○政府参考人(風岡典之君) 公共投資に関する経済効果、短期のフロー効果とそれから長期的なストック効果の二つがあろうかと思います。
 その環境対策の関連の事業につきましては、そういう直接的なフローの効果のほかに、生活環境の維持、改善あるいは資源の持続的な利用の確保というような、そういう長期的な効果も有するということで、もちろんこういった事業も積極的に行っていかなければならないというふうに思います。
 一方、公共事業全般を担うという私どもの立場からしますと、そういった環境への対応あるいは少子高齢化、情報化といろいろ幅広い社会の変化に対応していくということもあわせて実施をしなければならないということで、例えばストック効果、道路整備を進めることによって走行時間の短縮あるいは物流の効率化というような、そういう経済的な効率性の向上というようなこともありますし、また公園、下水道の整備によって生活の質あるいは快適性の向上というようなこと、あるいは河川整備等を進めることによって安全の向上と、いろんなテーマもあるわけでございますので、私どもとしましては、そういった課題にこたえられるようなバランスのとれた事業展開というものが必要かなと、このように思っております。
#179
○加藤修一君 大臣にお伺いしたいんですけれども、従来からあるいわゆる地球温暖化対策推進大綱、これに対応した公共事業というものも当然考えておられると思いますけれども、具体的にどのような形で今展開されているか、お示しを願いたいと思います。
#180
○国務大臣(扇千景君) 今、加藤先生の御論議を拝聴しておりまして、これからの公共工事によって環境問題が重要視されるということは私たちは大変重要視しておりますし、また、事例を一つ一つ挙げはいたしませんけれども、少なくとも運輸部門からの二酸化炭素の排出の削減、これを図ろうということ。
 例えば例を挙げますと、高速道路の渋滞は三割が料金所で渋滞しているわけでございますけれども、この道路の三割渋滞していることだけでも、年間の経済効果も今おっしゃいましたけれども、年間三千億円の時間的な損失もしておりますし、その三割渋滞することによって十二万トンのCO2が排出されているという事実も出ておりますので、私は、少なくとも、円滑な道路の交通の確保、あるいは環境負担の少ない町づくり、そして住宅等の省エネルギー化等々、まして建設廃棄物の排出の削減とリサイクルと、こういうことで建設業界におきましても環境に優しい二十一世紀型の建設行政というものを私は考えていくのが今後の大きな課題であろうと思いますので、今、先生の御論議を聞いておりまして、ぜひ私たちはそういう一つ一つの環境対策が可能な分野においては努力していきたいと思っております。
#181
○加藤修一君 よろしくお願いいたします。
 それで、平成六年十月七日、閣議了解になりました公共投資基本計画の中身について多少質問したいと思います。
 全部でこれ八項目から成っておりますけれども、第七項目めに「社会資本の整備・運営に当たっての課題」というところがございます。その中の二つ目に同じように地球環境の問題について触れているわけですけれども、この問題というのは深刻になってくることが予想されると。「環境、エネルギー等の問題に適切に対応し、持続可能な経済社会を構築していくため、」「社会資本の整備や運用においても、環境への負荷の低減、自然と人間との共生の確保、エネルギー利用の効率化等の課題について、国民ニーズの高度化、多様化にも配慮しつつ、新たな対応を行う。」と書いているわけですね。これが一点目。
 二点目は、「社会資本整備が環境に及ぼす影響について計画段階から調査予測等を行い、」と、こういうふうに書いているわけなんですけれども、その「新たな対応」というのは具体的に一体どういうことを指すのか。さらに、調査予測等を行うというふうに書いてございますけれども、さまざまな公共事業がある中で、例えば温暖化効果ガスの収支分析を行うとかCO2の収支分析を行うとか、そういった評価にかかわるようなものを入れていくということもそれは予測等の中に入ってくるように私は思います。
 この二点について、どのようにお考えでしょうか。
#182
○国務大臣(扇千景君) 細かいことに関しては参考人から伺っていただいて結構だと思いますけれども、私たちは少なくとも、今、加藤先生がおっしゃった新たに何をするかという御指摘でございまして、私どもとしましては、新たに平成十七年度までに要するに直轄工事におけるいわゆるコンクリート、アスファルトあるいは木材の廃棄物をゼロとするということで目標を、ゼロ・エミッションということで、私たちは十七年度までにこれを廃止するということを目標に取り組むというふうに努力してまいりたいと思っております。
#183
○政府参考人(風岡典之君) 社会資本整備につきまして、温暖化ガスの収支分析等を行う必要があるのではないかという御指摘でございます。
 建設省といたしましても、社会資本整備の設計、施工段階から維持、管理、あらゆる段階におきまして環境の負荷を軽減するような取り組みということを真剣に考えていかなければならないというふうに思っております。このため、社会資本のライフサイクル全体を通じました温暖化ガスの排出量等の環境負荷の評価手法、こういったものや環境負荷の軽減方策というものにつきまして、予算をいただいて今一生懸命勉強しているというところであります。
#184
○加藤修一君 では、その辺についてより一層積極的にやっていただきたいことをお願いして、私の質問を終わります。
#185
○緒方靖夫君 日本共産党はこの法案について賛成でございます。
 午前中の参考人質疑は、法案審議を深める上で大変有益だったと思います。それを踏まえながら、入札、契約等の改善を図るという立場で幾つか質問させていただきます。
 まず、一般競争入札の導入についてです。
 政府の行動計画が策定されて以降、一般競争入札を採用する地方自治体がふえております。現状ではしかし試行の域を出ていない状況にある、そんなふうに感じております。建設省が自治省と共同で行った九九年度の実態調査でも、一般競争入札方式を導入している自治体は全体の二八%にとどまっております。
 こうした傾向は建設省の直轄工事でも言えると思うんですけれども、年間の発注工事に占める一般競争入札の割合はどのぐらいになりますか。
#186
○政府参考人(風岡典之君) 建設省の直轄工事におきましては、工事一件当たり七億五千万以上の工事につきまして一般競争入札を導入しているところであります。
 平成十一年度の一般競争入札の実施状況につきまして御報告をいたしますと、まず件数ベースでいきますと、全体で二百五十二件であります。これは十一年度の発注全体のパーセンテージとしては一・四%、このようになっております。
 一方、これを金額ベースで見ていきますと、全体としましては約四千二百億円でありまして、これはやはり全発注金額に占める割合というのは約二〇%、こういうような状況になっております。
#187
○緒方靖夫君 発注ベースで一・四%。一・四%というのは本当にわずかだと思うんです。依然として指名競争入札が主流になっている、これが現状だと思います。一般競争入札の導入は会計法で入札制度としての原則とされている、そういう課題だと思うんです。しかし、その採用が遅々として進まない要因、これは恐らく幾つかあるでしょう。建設省もいろいろ説明されております。
 例えば、建設省が挙げる第一には、入札参加者が増大して不良不適格者の排除が困難だと、先ほど言われました。それから二番目に、資格審査等の事務量が増大する、そんなことをこれまで伺っております。それに加えて、その対象となる公共工事が政府の行動計画によって一定規模以上とする、このように促されている。今、局長言われましたように、国の場合ですと七億五千万以上となるわけです。公団あるいは都道府県、政令都市、これは二十五億円以上となる。そういうことがやはり結局一般競争入札を進めることの阻害になっていると思うんです。
 ゼネコン汚職事件の反省に立って採用されたものであるわけですから、入札の透明性、競争性を高める上でもやはり一般競争入札を促進する、これが有効だと考えるわけですけれども、その点のお考えをお伺いします。
#188
○政府参考人(風岡典之君) 一般競争入札を実施する場合の問題点、今、先生御指摘をいただきましたとおりの問題点が私どもとしても基本的にあるというふうに思っております。したがいまして、私どもにおきましては、建設省では、技術力も十分あって、不良工事のおそれの少ない大手建設業者等を対象とする大規模工事ということで一般競争入札を導入しているところであります。
 先ほど件数で一・四%ということを申し上げましたけれども、これはあくまでもすべての発注の件数に占める割合でありまして、逆に大手ゼネコンが入札に参加している入札方式としてはほとんど一般競争入札でやっている、こういうことであります。
 私どもとしましては、いろんな課題があるわけでございますので、またその課題を克服するための勉強というのは一生懸命やりたいというふうには思っておりますけれども、現時点で直ちにこれを拡大するということにつきましては、責任を持った品質の工事を実施するというような観点からなかなか難しいなというのが現状でございます。
#189
○緒方靖夫君 局長、やはりなかなか情けない答弁だと思うんですね。なかなか難しいと。だってあれじゃないですか、原則として一般競争入札を行うと言っていながら、それを原則としながら難しいと。これ、大臣、矛盾していますよね。
 それで、結局この間の教訓として透明性を図る云々云々と、もう大臣が繰り返し言われてきたそういう問題、その教訓として出されている問題です。しかも、主流である指名競争入札がどういう問題を生んでいるか、これも明らかなんです。談合の温床になりやすい、業者の政界への働きかけ、あるいは政治家の介入が行われやすい。これはもう非常に自明のことです。
 そうすると、大臣、今話にありましたように、これが広がらない非常に大きなネックとして、やはり一定規模以上の事業ということがあるわけです。国でいうと七億五千万以上、地方自治体等々によると二十五億円以上。やはり、これについて、私はこの基準を下げる、そういったことで一般競争入札をやりやすい環境をつくっていく、これが大臣が力を込めて強調されている、まさに透明性をつくっていく、また公正さをつくっていく、その点で非常に大事な点だと思うんですけれども、その点で大臣の御所見、とりわけその基準を下げるという点についてお尋ねしたいと思います。
#190
○国務大臣(扇千景君) 衆議院でも御論議ございました。また、きょうも参議院でこうして御論議いただいております中で、果たしてこの法案によってどの程度透明性ができるのかと。これはもう大きな課題になっておりますけれども、私は究極の透明性は電子入札だと思っております。
 これも今、内閣で電子政府と言っておりますけれども、私は一番、今、緒方先生が御指摘になった、透明になりすべての人に見られるようになるというのは、私は二十一世紀型の最終目標は電子入札である、これをもってして、私は今の御回答が得られて、またそれが実効が上げられるように、少なくとも一日も早くそういうことが実行できるようにと願っております。
#191
○緒方靖夫君 大臣のせっかくの御答弁ですけれども、重ねてお伺いしたいと思うんですが、私も電子入札はいいと思うんです。しかし、それにはやはり幾ら急いでも時間がかかると思います。
 差し当たって、今この問題について透明性を確保するという問題では、やはり金額が高い。だから、一・四%という件数にして、そういう状況になるわけですね、金額では二〇%を占めるとしても。これも当たり前の話なんですよ。金額が大きければそうなっていく。ですから、その一・四%を仮に、これを多少とも上げていく、その方策として私は具体的にやはり基準の引き下げ、これを大臣に御指示いただくとか、あるいは大臣がそれを検討せよと言う、このことがやはり電子入札よりも手っ取り早い方法で、電子入札も心待ちにしておりますけれども、そういう方法を、ぜひ大臣としてリーダーシップを発揮していただきたい、そう思うんですが、いかがでしょうか。
#192
○国務大臣(扇千景君) 私は、今おっしゃったことで一長一短があろうと思います。
 少なくとも、今まで一般入札をして、先ほどから緒方先生もおっしゃいましたように、不良不適格業者が多くなったとか、あるいはそれが見えないとか、その人が参入してくるとか、あるいは資格審査が大変行き届かないとかというそういう欠陥もあろうと思いますし、私は、諸外国の中で日本がこの法案ができていなかったということを皆さんに申し上げました。
 少なくとも、イギリスにおいても当初は一般入札ということを実施しておりました。けれども、今申しましたような、先生もおっしゃったような事情によって、一般入札の場合は、一般競争する場合は少なくとも価格のみに重点を置いたということで、少なくとも仕事の仕上がりがよくなかったというような反省からも、イギリスも一般入札というのを今回は指名競争入札に変更してきたと、そういう反省があったわけでございます。
 ですから、私は、諸外国の、アメリカもそうですけれども、時間がかかりますから言いませんけれども、一般入札によるメリット、デメリット、そしてあるいは指名入札によるメリット、デメリット、それは多々あろうと思いますけれども、こういう議論を通じて、一番日本が、国民の目に見え、しかも国民に平等な業者の入札ができるようにということには、こういう委員会で御論議いただくことによって一つ一つ、私は業者の認識ももう変わっていると思うんですね。
 ですから、今回の法案によって施行してみて、今お話ございましたように、まだ不的確な部分があるのであれば今後私は大いに検討し得る範囲を残しておくと。一〇〇%の法案でないということを申し上げましたのは、そういう意味で、私はまずこれを二十一世紀に施行することによって世の中の業者の姿勢自体も変わってくるというふうに考えておりますので、私は、まずその業者を信用するということから始めていきたいと思っています。
#193
○緒方靖夫君 指名競争入札というその大きな問題点、これはもう言うまでもなくはっきりしていると思います。しかし、それが建設省の直轄の工事でも主流になっていると。一般競争入札はわずか一・四%の件数しかないというその現状はやはりこのままでいいのかと、大臣もそう思われると思います。今のことでお考えはわかりましたけれども、そういう方向も、今ここで答弁は難しいようですので、今後ぜひ御検討いただきたいと思います。
 それから、私、この問題一つ提案したいことがあるんです。それは、確かに今、いろんな形で一般競争入札のデメリットもあるということを言われました。事務量が多いとか、そういうことも言われました。そこで、私、一つの方法を提案したいと思うのは、資格審査を入札後に行うやり方、これをやってはどうかと思うんですね。
 つまり、入札参加希望者をあらかじめ資格要件を明示した公告で集めて入札を実施する。最も有利な価格を提示した業者について発注者がその要件を満たしているか否かの資格審査を行い、満たしている場合はその業者が落札する、そうでない場合は二番目に有利な価格を提示した業者を資格審査する。そうすれば、まさに入札前の事務量は軽減できる、そしてまた不良不適格の業者も排除できる、そういうことになると思うんですね。
 ですから、ぜひこういう方向、これは一介の野党の提案とは思わないで、偏見なくいいものはいい、悪いものは悪い、これは当然ですけれども、そういうふうに考えてこんなやり方をやってはどうかと。私は、以前から入札制度のときにはそういうことを思っていたんですけれども、その点についてお考えをお伺いしたいと思います。
#194
○国務大臣(扇千景君) 私は、やはりこういう法案をつくって、今つくづくよかったなと思っております。
 それは、そういう内容について、それぞれの党派を超えた御意見をいただいたり御論議できるということによって、初めて国会の場でこういう論議ができて、私たちも参考にさせていただくし、それを今後も、もしよければ取り入れていくという姿勢を持つということの御論議ができたことで、私は本当に意義があったなと思って今感謝しております。
#195
○緒方靖夫君 大事な問題ですから、この場でこうやってぱっと聞いて即断できるような話じゃないと思います。後で必要ならば大臣に資料もお届けして、いろいろな形で多面的に検討していただきたいと思いますので、その点についてお願いしておきます。いい御答弁をいただきました。
 次に、施工体制の適正化に関連してお伺いしたいと思います。
 建設省令では、施工体制台帳について、下請や孫請など当該工事に係るすべての業者の名前や工事内容を記載するように定めております。下請代金について一次下請のものだけが明らかになる仕組みになっているわけですけれども、これについて、九八年二月の中建審、中央建設業審議会の建議で、下請代金設定の合理化を促す観点から、二次下請以下の下請代金も施工体制台帳で明示する必要性を打ち出しております。
 日本共産党は、以前から台帳への二次下請以下の契約代金の記載義務化を求めてきたわけですけれども、私は、この中建審の建議、これは非常に大事な点だなと思っているんですけれども、その点について、建設省の考え方をお伺いしたいと思います。
#196
○政府参考人(風岡典之君) 御指摘のように、平成十年二月四日の中建審の建議で、先生御指摘のように、二次下請負以下の下請代金金額についても施工体制台帳で明らかにすることを検討する必要があるというような建議をいただいております。
 実はこれ、その後いろいろ議論をしてまいりまして、二次下請以下の契約関係というのは基本的には民民関係、民間同士の契約関係というような性格もあるものですから、この辺の取り扱いをどのようにするのかということについての議論も正直言っていろいろやってまいりました。
 今回、この法律におきまして、施工体制台帳を発注者の方に提出を義務づけるということで施工体制台帳をより一層有効に活用していこうという考え方に立っておりまして、この点につきましては、御指摘のように、平成十年の二月に建議もありますし、また今回の法律の考え方に沿って、二次下請負以下のところについての金額を明らかにするようなことも含めて、どういうようなやり方がいいのかということについて検討していきたい、このように思っております。
#197
○緒方靖夫君 建議から二年半余りたっているわけで、どういう方向でやっていくのかという、そういう方向での検討の今御答弁がありました。
 建設工事は元請のゼネコンから系列外の孫請まで重層的な下請関係にある。これはきょうの参考人の質疑の中でもその点、問題点としても明らかにされました。契約書によらないあいまいな契約が横行する、契約代金の不払いなどの前近代的な悪弊がまだまだ残っているわけです。こうした不透明さを払拭する上でも、再下請代金の記載義務化、これは非常に私は大事だと思うんです。零細業者の倒産につながる契約不履行などのトラブルを防止する点でも効果があると思います。
 具体化に当たって施行規則の改正が必要になるわけですけれども、今、局長、非常に前向きな答弁をされて、その点を進めていくと言われましたけれども、しからばお聞きしたいんですけれども、大体いつまでにその作業を完成させていくのか、あるいはいつごろ実施するのか、その辺についての見通しもこの機会に伺っておきたいと思います。
#198
○政府参考人(風岡典之君) 御指摘の点につきましては、現時点では検討させていただくということであります。
 ただ、私どもとしましては、この法律が成立をしました場合の施行時期というのは来年の四月からということでありますので、できるだけ早目に結論を得たいと、このように思っております。
#199
○緒方靖夫君 これは零細業者が心待ちにしている点でもありますし、公共事業を公正に進めるという点でも非常に大事だと思います。ですから、その点で、今大体のめどについても言われたように思いますけれども、ぜひその点はしっかりと進めていただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。
 次に、公共工事の適正な施工を確保するためには、発注者の責務として工事現場の施工体制を十分チェックする、このことが非常に大事になっていると思います。本法案では、発注者がみずからの責任で施工体制を監督し、不良不適格業者の排除を徹底するために、公共工事については特定建設業者に施工体制台帳の写しを提出するよう義務づける一方で、発注者には提出された台帳をもとに施工体制と施工体制台帳の記載が合致しているかどうか、この確認を義務づけているわけです。
 そこでお尋ねしたいんですけれども、建設省の直轄工事で結構ですけれども、その中で虚偽記載などによって指名停止を受けた業者数、過去五年間でどのぐらいになりますか。
#200
○政府参考人(風岡典之君) 建設業法に基づきまして施工体制台帳の作成、それから現場への備えつけの義務化というのは、実は平成六年の建設業法の改正でスタートしたわけでございます。六年からですから、大分たつというような気もしますし、まだ本格的に始まったばかりだというような状況とも言えようかと思います。
 こういう状況でありますので、建設省の直轄工事におきまして施工体制台帳の虚偽記載によって指名停止がなされましたのは、平成七年度、これが動き出した以降ということで、五年間で見ますと、ことし八月にありました一件というのが指名停止の実情でございます。
#201
○緒方靖夫君 確認いたします。一件だけですか。
#202
○政府参考人(風岡典之君) 今申し上げましたように、制度が比較的まだ歴史が浅いということもありまして、一件という状況でございます。
#203
○緒方靖夫君 私が事前に建設省から説明を受けているのは二百二十二業者、年間でそれぞれ、何年何年と年次ごとに挙がりますけれども、二十件から七十件ぐらい近い、そういう数字が挙げられているんですけれども、ちょっと事実関係ですのでもう一回確認、お願いいたします。
#204
○政府参考人(風岡典之君) 事前に先生の方に御説明をしましたのは、各年度ごとの指名停止の件数の総数を多分御報告させていただいたというように思っております。内容として施工体制台帳に係るものはその内数ということでありまして、先ほど御説明しましたように一件ということでございます。
#205
○緒方靖夫君 わかりました。事実関係わかりました。
 それでは、今、局長が言われた八月の件、それについてお尋ねしたいんですけれども、先月、建設省の中部地建が発注した静岡県内の電線共同溝工事をめぐって道路舗装業界大手の飛島道路が施工体制台帳の虚偽記載で一カ月の指名停止を受けていた、このことが発覚いたしました。問題の工事の契約内容、指名停止に至る経過、これについて説明していただけますか。
#206
○政府参考人(風岡典之君) 平成十年度に中部地建の静岡国道工事事務所が発注しました電線共同溝の工事でございますけれども、この施工に当たりましては、元請であります飛島道路が作成をいたしました施工体制台帳におきまして、実態上は一次下請でありました福田道路の記載がなかったということ、また飛島道路が福田道路に対しまして一括下請を行ったのではないかというような観点から、現在、関係者を呼びまして調査を行っている状況であります。
 一方、少なくとも施工体制台帳の虚偽の記載というこのこと自身は現時点でも既に事実が明らかになっておりますので、既に中部地建におきましては一カ月の指名停止を行ったところであります。
#207
○緒方靖夫君 飛島道路は、業界大手の福田道路、これ今、局長が言われたとおりですけれども、一次下請だった事実を隠して、書類上は飛島が直接地元業者に発注したかのように装っていた、こういうことだと思います。
 建設省の直轄工事で、しかも入札、契約の適正を図る目的から本法案を審議する、今しているわけですけれども、そのやさきに発覚したという、そういう問題として、私は発注者の建設省の責任は極めて重い、そう思うわけですけれども、その点の自覚、そして反省はいかん、その点をお伺いしたいと思います。
#208
○政府参考人(風岡典之君) 事実関係につきましては現在調査中でございます。ただ、こういった誤解あるいは疑惑を持たれるような取り扱いがなされているということが報道されたこと自身は極めて残念であります。
 いずれにしましても、実態を十分調査して、問題があれば建設業法に照らして厳正な対応をしていきたいと、このように考えております。
#209
○緒方靖夫君 ちょっと言葉が足りないような感じがするんですがね。それだけの話かという感想を持ちますよ。
 それで、私は、今調査中と言われましたけれども、虚偽記載についてははっきりしているわけですね。もう一つの福田道路との関係、これについて調査中と言われたと思います。いずれにしても、違反行為を的確に排除する上で大変大事なこと、それは発注者である建設省が今回の問題にどれだけ厳格な態度で臨むか、このことだと思います。
 飛島道路は、施工体制台帳の虚偽記載だけではなくて、これは既に処分済みですよね。同じ大手同士が元請と下請の関係になる、いわゆる横請、これはちょうどラグビーボールを横にパスするような、だから横請ということで業界で言われるわけですけれども、まさにその横請と呼ばれる丸投げ行為を福田道路との間で行っていた疑いがあるわけですね。
 今、それを調査中だと言われました。調査中だと言われたんだけれども、大臣、せっかく大臣がこういうイニシアチブをとって法律をつくっているやさきにこうした事案がある、今お聞きのとおりです。そうしたときに、私はこの法律違反そのもの、大変残念なことだと思います。今、局長も遺憾だと言われたと思いますけれども、しかし私は、これは既に発覚して随分時間がたっている、しかも今この横請の問題で調査中、こんな長い期間がかかるというのは、やはり扇大臣のもとにある建設省らしくないと私は思います。
 大臣はこの件についてどれだけ、またいつお聞きかということについて私は伺っておりませんけれども、こういう問題について、この法律を通す以上、やはり厳正にやらなければ私は非常に大きな片手落ちだと思います。この問題に対してどれだけ厳正に行うか、それがやはり、業界もよく見ていると思いますね。ですから、私は大臣がこの点で建設省を叱咤激励して、その点でこの事実調査等々についても、私ははっきり言って随分おくれていると思いますけれども、これについてきちっとした形で調査をしていただきたいということをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#210
○政府参考人(風岡典之君) 調査につきましてはもちろん精力的にやっておりまして、調査につきましてもかなり大詰めの段階に来ているということであります。
 いずれにしましても、相手方の弁明の機会、そういう法律に基づく手続というものも必要でありますので、できるだけ速やかに事実関係を判断していきたい、このように思っております。
#211
○緒方靖夫君 大臣から後でまとめてお伺いしたいと思います。大詰めに来ているという、そういう大事な言葉を今答弁をいただきました。
 やっぱりこういった問題については、いろいろあるでしょう、法的な関係等々。しかし、みずから公表して迅速に行う、これがやはり扇大臣のもとの建設省のあり方だろうと、私は率直に思います。ですから、その点で、何をもたもたしているのかという感想を率直に持ちます。
 この問題について、聞くところによると、両社は建設省の事情調査に対して、飛島道路は監理技術者二人を出した、福田道路も一名の技術者を工事現場に派遣しているから丸投げではないと主張しているそうです。現場に人を出せばいいというものじゃないですね。技術者を配置したといっても、飛島道路は工事の主要部分を約一億七千万で福田道路に発注しているわけです。福田道路はこれを別の地元業者に孫請させて、利益を得ているわけでしょう。
 私、手元に飛島道路が偽装した施工体系図のコピーを持っております。これを見ると本当にひどいですよ。福田道路、書記一人となっている。これを見ても福田道路との関係、それからまた虚偽の記載、これはやはり重大だと思うんです。ですから私は、施工体制についての建設省の承諾、これは全く受けていないだろうと思います。
 この丸投げ疑惑について答弁をあいまいにするということは、建設省は、社員一人で請負金額の約半分を得るという利ざや稼ぎを容認する、そう言われても申し開きできないような事態だろうと思うんです。ですから、その点で調査を急ぐという意味、それからまたこれについてきちっとした形で結果を公表するというのは、まさにそういう建設省自身の姿勢、これが問われるからだと思うんです。何かありますか、局長。
#212
○政府参考人(風岡典之君) この問題の評価につきましては、現時点では調査中でありますのでそれ以上のことについては差し控えさせていただきたいと思いますが、当然我々調査をしているわけでございます。一括下請負というものに当たるかどうかも含めて今最終的な詰めを行っておりますので、改めてまた最終的な判断が出ました時点で公表させていただきたい、このように思います。
#213
○緒方靖夫君 丸投げについてですけれども、建設省が九十二年十二月に出した通達、これによりますと、丸投げに該当するか否かの判断として、「本体工事の大部分を一業者に下請負させ、本体工事のうち主要でない一部分を自ら又は他の下請負人が施工する場合などが典型的」、そのように定められております。このことからも、今回の行為が建設業法で禁止されている丸投げであることは私は明白ではないかと思うんです。
 通達にもあるように、丸投げ行為を容認することは、いいですか、「中間搾取、工事の質の低下、労働条件の悪化、実際の工事施工の責任の不明確化等が発生」、そのほか「施工能力のない商業ブローカー的不良建設業者の輩出を招くことにもなりかねず、建設業の健全な発達を阻害するおそれがあります。」、このように通達は述べているわけです。
 この法案で丸投げ行為を全面禁止する以上、私は、大臣にお伺いしたいんですけれども、やはり徹底調査を行ってこの問題に対して厳しく対処する、これが当然であると思いますけれども、その点で大臣の御決意を伺っておきたいと思います。
#214
○国務大臣(扇千景君) 私もこのことを初めて建設省で事情説明を聞きました。まさかこんなことがあるとは思えないというのが第一番の私の印象でございましたけれども、書類の中にない名前が、片方からはなくて、下の方から、地域から上がってきたのには名前が出ているという、もうそれを見ただけでもクエスチョンマークの福田道路というのが間に入っているわけですから、こんな単純なことをしてごまかせると思うという方が私には信じられない。しかも、それが立派な業者がなおかつそんなことをするということは私は本来は信じられないことだったんですけれども、現実に起きてしまって私に報告がございました。
 それで、今、局長から御答弁がございましたように、調査中ではございますけれども、もうおおむね調査も完了しているというふうに私には報告が来ております。報告が来ておりますけれども、業者の方にも少なくとも言い分はあるであろうということで、もう間もなく終了いたしますことに関しては、業者の言い分をもう一度聞いて、そしてその言い分がどうあるべきかというのが、弁明書というのがきちんと出てくるのが十七、八日ごろというので、間もなくであろう。きょうは十六日ですから、もうあす、あさってにも弁明書が出てくるであろうというふうに聞いておりますので、果たしてそれが弁明に値するものか値しないものか、それは私は見なければわかりませんので今即答はできませんけれども、弁明書によっては厳正な対処が必要であろうと思いますし、そのための建設業法があるわけですから、私は厳重にそのことに対しては対処していきたいと思いますし、この法案を皆さんに御審議いただいている前にこういうことが出てきたということは、まさにこういう公共工事の入札あるいは契約に関する適正化法が必要であるということが、なお私は証明されたと思っております。
#215
○緒方靖夫君 大臣が言われるように、本当に子供だましなんです。これを見ても子供だまし。しかし、こんなことを通ると思って、中小じゃないですよ、名のある大手がやる。これは要するに通るかもしれないと思っているわけで、建設省の直轄の工事でこれをやっているわけでしょう。ということは建設省はなめられているということですね。
 ですから、私は、役人の皆さんにこの場で言っておきたいけれども、今までなめられてきたわけだから、それについてはきちっと、遺憾なんてそういう簡単な言葉じゃなくて、やっぱりきちっと反省していただきたい、このことを述べておきたいと思うんです。そして、調査結果はもうすぐ出るということですので、出ましたらぜひ報告をお願いしたいと思います。
 ところで、本日付の建設通信新聞、ここに持ってまいりましたけれども、これによると、建設省では今回の事態を受けて、「すべての直轄工事の施工現場を対象に、施工体制の実態を把握するための調査に乗り出す。」、こう書かれているわけですが、これは事実ですか。
#216
○政府参考人(小川忠男君) 御指摘のとおり、すべての工事現場を対象にして悉皆の調査をかけたいと思っております。
#217
○緒方靖夫君 この新聞の報道によると、今回の調査は道路舗装工事が中心で、その調査規模は数千件に上るというわけです。また、調査では施工現場に調査員が出向いて行い、現場に施工体系図を掲示しているか、下請の契約関係は明確か、元請としての責任を果たしているかなどを調べる予定というわけですけれども、そのとおりですか。
#218
○政府参考人(小川忠男君) まず、基本的には、すべての工事現場におきまして、施工体制台帳と実態とが突合しているかどうかという観点、それから監理技術者の常駐等に疑義がありやなしやという観点、これについての実態調査を実施いたしたいと思います。
 加えまして、さらに幾つかの分野といいますか、特に舗装工事でございますが、これにつきましては、さらに元請、下請関係の業務分野の実態について必要に応じて直接ヒアリングを行う、あるいは実地調査を行うというふうな、より詳細な調査を行いたいと思っております。
#219
○緒方靖夫君 とても大事な調査だと思います。
 ところで、大規模な調査になると思いますけれども、調査期間はどの程度なのか、またその結果を公表されるのかどうか、それについて伺っておきたいと思います。
#220
○政府参考人(小川忠男君) 時間はこの場で断言はできませんが、当然、集約した上で本省にはきちっとした報告が来ると思いますし、必要に応じて公表もいたします。
#221
○緒方靖夫君 その調査、注目していきたいと思います。
 次に、第三者機関による入札契約手続の監視についてお尋ねいたします。
 建設省直轄工事では、九四年度から入札監視委員会を設置しているわけですけれども、本法案はこのような制度の設置を適正化指針を通じてすべての公共事業の発注者に求める、このことが想定されております。原則として三カ月に一度の割合で開催される監視委員会の定例会議では、過去三カ月間の発注工事の一覧表をもとに、この一覧表から監視委員が無作為抽出した工事について地建の担当職員から必要事項を聴取した上で審議が行われる、このようになっていると思いますけれども、間違いありませんか。
#222
○政府参考人(小川忠男君) ただいま御指摘のとおりでございます。
#223
○緒方靖夫君 入札監視委員会の九九年度の実績として、定例会議で報告された総契約件数と、そのうち抽出審議した件数の割合、これはどうなっていますか。
#224
○政府参考人(小川忠男君) 全体で一万三千六百十三件でございますが、このうち任意に無作為に抽出し審議した対象でございますが、約一・三%の百七十七件というふうな結果になっております。
#225
○緒方靖夫君 ちょっと耳を疑うんですけれども、余りにも審査件数が足りないのではないかと、そういうふうに感じます。監視委員会の目的は、公共工事の入札、契約手続から発注者の恣意性を排除することにあるわけですけれども、その対象で、その範囲で、その機能が十分に果たされている、そういうふうにお考えですか。
#226
○政府参考人(小川忠男君) 現段階では精いっぱいの努力をしているつもりでございますが、法律の成立を受けまして、審議件数の拡大等々についていま一段の努力をしたいと思います。
#227
○緒方靖夫君 いま一段、二段、三段ぐらいの努力が必要だと私は思うんですね。
 それで、入札監視委員会は、建設省を初めそのほかの発注機関でも設置されているわけですけれども、例えば私いろいろ調べてみましたけれども、日本道路公団の場合、その同公団の関東地区入札監視委員会の中村英夫委員長、これは日経コンストラクションに載っているんですけれども、そこでは三カ月に一回程度会議を開いている、そう述べながら、それではとてもすべての契約を見ることはできない、そういうふうに率直に述べているわけですね。
 確かにそうだと思うんですよ。中村氏の言うとおりだと思います。ですから、何のための監視機関なのかという疑問が今のままではわいてくるわけです。今、官房長は、これをさらに強めていきたいと言われる。私はその方向がまさに求められていると思います。
 昨年、住都公団が発注した塗装工事をめぐって、三十四社が談合を繰り返していたことが発覚して、昨年の六月に公正取引委員会から独禁法違反で排除勧告を受ける、そういう事案がありました。日本道路公団でも、昨年十二月、同じく塗装工事をめぐって二百九十五社が談合で排除勧告を受ける、そういう事件が起きております。しかし、いずれの談合事件も入札監視委員会は機能を果たせなかった、これが冷厳たる事実だと思うんです。
 公団側から話を聞いたわけですけれども、結局、無作為抽出のために発注工事全体を調査する、そういうことはしていなかった、これが一つ大きな問題ですね。さらに、業者側のやりとりが巧妙であればあるほど監視は不可能だと率直に認めているんですね。
 これでは、やはり今のままでは、多少一歩努力してちょっと対象を広げたとしても、相手はなかなか知能を使っている、そういう点ではなかなか摘発が難しい、その点で問題を発見するのが難しい、そういう認識はおありだと思うんですが、いかがですか。
#228
○政府参考人(小川忠男君) ただ、一点申し上げておきたいのは、第三者機関が抽出をした上でチェックをするというふうなことの前提には、当然第一義的な責任は発注者である私どもであり県であり公団に責任があるというのが前提でございますので、その上でなおかつ第三者機関がどの程度チェックを第三者的にするのかという問題でございます。
 したがいまして、施工体制台帳を強化するとかというふうな観点から、まず私ども発注者がより責任を全うする体制を強化する、これが前提になった上で、先ほど申し上げましたように、第三者機関である監視委員会についてもいろんな意味で拡充強化を図りたいと、こういうふうに今御答弁申し上げたわけでございます。
#229
○緒方靖夫君 入札監視委員会による監視、これをあまねくさまざまな発注工事に適用する、このことがやはり求められているかなというふうに思うんですね。実務的には大変なことになるかもしれません。しかし、現状ではそういう構えで進める、このことがやはり大事かなと思います。
 そして、適正化指針による努力義務扱いではなくて、地方自治体でも監査委員制度との調整を行って、すべての発注者に入札監視委員会の設置を義務づける、そういう方向、これは先ほど政務次官からも六百何人の村で云々という話がありました。そういう実情があることはよくわかります。
 ですから、そういう精神で、そういう構えでやっぱりやる、その点は今の公共事業に対する大臣が言われる、上に何かがつくという、そういう時勢にあって、やはり建設省としてはそのことに心を配るということは必要ではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
#230
○政府参考人(小川忠男君) 現段階において十分な体制のない発注主体が相当多いというのは事実でございます。したがいまして、一律に同じ形でというのには無理があると思いますが、いろんな工夫をしながらできるだけというふうなことで努力させていただきたいと思います。
#231
○緒方靖夫君 いろいろな工夫をしてできるだけと、非常にあいまいですけれども、しかしうんと前に進もうという、そういうことかなと理解もできます。
 次に、入札監視委員会の開催回数についてお聞きしたいと思います。建設省は、九六年三月、総務庁から勧告を受けて、監視委員会の開催回数を年二回または年二回以上としている関係特殊法人について、開催回数をふやすなどの監視委員会の一層の活用を指導するよう求められたわけですけれども、その後、この勧告、生かされておりますか。
#232
○政府参考人(小川忠男君) 直轄におきましては、昨年度あたりは四半期に一遍、年四回というふうなことで、勧告の趣旨にはこたえているというふうに思います。
#233
○緒方靖夫君 私もいろいろ実態調べてみました。総務庁が勧告しているのはその開催回数のことですね。
 関係特殊法人の監視委員会の開催状況について見ると、日本道路公団の場合、関東地区では年四回確かに開催されている。しかし、北海道や東北、関西、九州など、ほかのすべての地区では年二回しか開催されていないわけです。都市公団でも中部支社や九州支社では年二回しか開催されていない。本四公団でも年二回が通例。そういう状況です。
 官房長、その点について御存じだったかどうかはわかりませんけれども、やはりこれでは総務庁の勧告をしっかり受けとめてやっているとは言えない、そういうことになりませんか。
#234
○政府参考人(小川忠男君) 恐らく年間を通じた発注量の多さ、少なさというふうなことも相当程度影響すると思います。関東と九州ではやや違うとかというふうなことだろうと思いますが、いずれにいたしましても、法律の施行状況をにらみながら、その一環として監視委員会のありようについても拡充の方向で検討させていただきたいと思います。
#235
○緒方靖夫君 総務庁の勧告には事業量の多少、そういうことを述べてなく、要するに開催回数について述べているわけで、ですからそれを額面どおり受け取る、その勧告に従うということになれば、それは少なくとも年四回開くということになるわけで、ですからそういう方向でぜひ建設省の方からも関係のところに指示をしていただく、あるいは注意を喚起していただく、そういう措置をとっていただきたいと思います。よろしいですね。
 さらに、監視委員会の委員構成にも問題があると思います。九四年六月の衆議院予算委員会で監視委員会のあり方が問われ、委員構成について、建設省のOBなど入れないだろうなとただされた際に、ここにありますけれども、当時の伴官房長、「これは全く建設省以外の学識経験者の方で、公正中立な方を選んでおります。」と、そういうふうに答弁しております。しかし、建設省提出の資料を見ますと、東北地建や関東地建の監視委員会の中には建設省のOBがしっかりと名を連ねている。これはどういうことですか。
#236
○政府参考人(小川忠男君) 今、私の手元のデータにはOBと直ちに確認できる人間は入っていないと思いますが。
#237
○緒方靖夫君 ですから、前職だけ見るとわからない。官房長はわかるでしょうけれども、名前見ればすぐに。それをしっかり、それはわかるでしょう、名前を見ればすぐわかりますよ。だからそんな言い方しないで、まあいいですよ、ここでわからなければ、答えがなければ。官房長はみずから手のひらに乗せていただいて、その状況はどうかということを報告していただき、大臣にもきちっと報告して、やはり国会で伴官房長が当時述べているわけで、OBはだめだよと。どんなOBだってだめなわけですよ、前職があれば。前職が大学教授だとしてもですよ。ですから、そういう形できちっとしていただきたい。何か言うことがあったらどうぞ。
#238
○政府参考人(小川忠男君) もし間違っていたら直ちに御報告させていただきたいと思いますが、今ここで確認する限りには入っていないと思います。ただ、万一もし入っていましたら直ちに、何といいますか委員から外したいと思います。
#239
○緒方靖夫君 そういうときには調べてみますということで済むわけですよね。それでいいんですよ。ですから、その後のこともちゃんとおっしゃっていただきましたので、それで結構だと思いますけれども。
 先を言っていただきましたけれども、OBだから問題ないというそういう説明は成り立たないわけで、例えば自治体の監査委員制度をとってみても、九一年の地方自治法の改正でわざわざOB制限を設けたのも、監査委員会が中立公正な機関としてそれを行うということで述べているわけだからですよね。入札監視委員会も、公共工事の入札、契約の手続から発注者の恣意性を排除することを任務とするなら、監視委員会の構成から建設省のOBを省く、これはもう自明のことなんですよ。ですから、そういうことでお願いしたいと思います。
 最後に、大臣にお伺いいたします。きょうは朝から参考人質疑があり、そしてまたここで同僚議員が質問し、これまでやってきました。後も質問が続きます。やはり私は、はっきり言って、先ほどの飛島道路と福田道路のあの関係の問題、大臣がまさに子供だましと言って驚いた問題、それが大手の業者によって行われているという、しかも建設省の直轄事業で行われているということ、これは言ってしまえば、先ほども言いましたけれども、建設省がなめられている、その証拠だと思いますよ。
 ですから、そういった意味で、やはりそうした現実があるということを踏まえながら、今後こうした問題についてどう対処されるのかを含めて最後に総括的な御所見を伺って、質問を終わりたいと思います。
#240
○国務大臣(扇千景君) 私は、参議院においては午前中に参考人も審議をしていただき、また当委員会においても建設的な御論議、またこの法案が果たしてどの程度有効性があるだろうかということも真剣に御論議をいただきました。
 私はもともと、先ほどから申しましたように、公共工事というものに対しての透明性、そしてまた公正な競争の促進、そして談合、丸投げ等々の冠がなくなるようにというようなことも先ほど申し上げさせていただきましたけれども、少なくとも私は、諸外国に見られますように、国だけではなくて地方も含んだ発注者責任というものも今まで論議されなかった。今までは業者の側に立ってだけの見直しでしたけれども、今回はこの法案によって、要するに国も地方もそして特殊法人も含めた適用をするということが今回の法案の全く今までと違った、またこれが二十一世紀型の私は建設省を含めたすべての公共工事のあり方の基本になるであろうと。
 そういう意味で、大変重要な御論議をしていただいたと感謝申し上げておりますし、まだ残る御質問の中でもるる皆さん方の御意見にあったその中で必要なもの、また法案を施行されたときにきょうの御論議の中でまた補足しなければいけないものがあるということが出てきた場合には、私はこの委員会の御質疑が大変参考になるであろうと思って、きょうは真剣に皆さんの御論議も拝聴させていただきましたし、私も真剣にお答えをさせていただきました。
 ただ、これが施行されましたときに、少なくともこれが具体化されたときには、果たして適切に私どもがフォローアップができるだろうか、そういうことが建設省としては大きな役割として今後残ると思いますけれども、でき得る限り、この法案の適切な施行あるいは適切な適用というものに対しての建設省の姿勢としては、完全に私たちは今後のフォローアップに継続的な努力をしていきたい、そのように思っております。
#241
○緒方靖夫君 終わります。
    ─────────────
#242
○委員長(溝手顕正君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、広中和歌子君及び高野博師君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君及び木庭健太郎君が選任されました。
    ─────────────
#243
○大渕絹子君 続きましてお願いをいたしたいと思います。
 今、大臣は緒方委員の質問に対して、建設省がフォローアップできるかどうかというようなこともおっしゃっているわけですけれども、私はこの法案を読ませていただきまして、今まで建設省が通達行政の中で行ってきたことを網羅的に法文化した内容であるということを認識しております。ですから、今までずっと建設省がやってきたことなんですね。
 ですから、フォローアップというのはもちろん大切だと思いますし、新たに加わることもあると思いますので、必要だというふうに思っておりますけれども、実際には現行行われてきた制度の法文化にすぎないというふうに私自身は見ておりますけれども、その現行行われてきた制度と本法案との比較を大臣にそれではお伺いいたしましょう。どこが違っているのか。
#244
○国務大臣(扇千景君) 私は、今まで建設省あるいは建設行政等々をとってみて、通達あるいは指導等々できること、そして今最後にもお答えしましたけれども、今までは業者の方のみに目を向けたいろいろな通達あるいは政令、省令等々があったと思いますけれども、今回は発注者責任というものを入れたということは大きな進歩でございますし、これまでになかった画期的なことでございますし、私はこれで、フランス、イタリア、ドイツ等々、公共工事の基本法というものがありますけれども、日本にはなかったということ自体、先ほどの御答弁にも私申し上げましたけれども、あるいはそういう意味で、新たに今回は法律として国、地方を一括してこれを適用するということに関しては、今までのことの繰り返しではございませんし、全く違ったしかも画期的なことであるということ自体は私は申し上げられると思います。
#245
○大渕絹子君 業者の方に向かって通達は出されるのですか。今、大臣は通達は行政の方に出されてきたとおっしゃいましたけれども、通達は業者に出されるんでしょうか。
#246
○国務大臣(扇千景君) 今、私が申しましたのは、今までとどこが違うかとおっしゃいましたから、今までやってきたものと違うところは、発注者責任というものが重いものであるということを私は今回は入れたと、しかも国と地方とあるいは特殊法人も含めたものをこの法案で明記したということは、今までかつてないことであるというふうにお答えしております。
#247
○大渕絹子君 今まで通達行政の中で行われてきて、ほぼそのことが適正に行われた状況を見届ける形で法律ができるというのは、今までよく各省庁がとってきた手法なんですね。
 ですから、今回の法律もこの時期をとらえて出されてきたことは私は評価をいたしますし、しかも、地方公共団体の発注者に対してもこの法案の適用がきちっとできるようにするということは、非常にそういう意味ではこの法案の意義というものを評価しているものでございます。また、これから適正な入札が行われることについても、恐らくいい方向を出していける中身であるというふうに思っていますけれども、実際には建設省が行ってきたことの後追いの法文化であるということを私は重ねて指摘をしておかなければならないと思っております。
 そして、先ほど来、緒方委員の方からも丸投げの全国調査について詳しく御審議がございました。私も予告をしておりましたけれども、緒方委員の審議に尽きておるというふうに思いますので、私はこの件につきましては、建設省がこうしたすべての公共工事について監督責任というものがあるわけなんです。その監督責任のある建設省が行ってきている、その責任を、丸投げの全国調査をしなきゃならないというような状況になっている、このことの責任についてどのように考えるかということを、お伺いしたいというふうに思います。
#248
○政府参考人(小川忠男君) 極めて残念だと思います。
 ただ、残念と言っているだけでは済まないというふうなこともございますので、恐らく初めてだと思いますが、全事業について点検のメスを入れるというふうなことでございます。
#249
○大渕絹子君 責任の所在を聞いています。
#250
○政府参考人(小川忠男君) 当然のことながら、発注者である私どもに責任があるわけでございますので、その責任を全うするという観点から点検させていただくということでございます。
#251
○大渕絹子君 違反業者に対する制裁措置について、これは平成十年の建議の中で明快に制裁措置の強化ということが必要だというふうに書かれていますけれども、今回、せっかく扇建設大臣が画期的だと、こう言っている法案なのに、この制裁措置の強化について建設業法や独禁法あるいはほかの関連法案について制裁措置の強化が同時に行われなかったのは極めて遺憾だというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
#252
○政府参考人(風岡典之君) 不正な行為を行いました建設業者に対する制裁措置、これにつきましては、平成五年の中建審の建議を踏まえまして平成六年度に大幅に強化を図ったものであります。平成十年度の建議につきましては、違反業者に対する制裁措置として厳正に対処するというように書かれているわけでございまして、私どもとしましては、基本的には平成六年度に大幅に見直しをしましたものをまず厳正に適用するということが重要ではないかというふうに思っております。
 ただ、先ほど大臣の御答弁にもありましたように、今後の指名停止の取り扱いにつきましては、いろんな御意見を踏まえながら、現在の運用基準で十分なものかどうかについてはこれは検討してまいりたい、このように考えております。
#253
○大渕絹子君 具体的にどう検討なさるのか、ちょっと教えてくださる、今のところ。
#254
○政府参考人(風岡典之君) 指名停止の運用につきましては、最近における談合の事案の発生あるいは贈収賄事件等こういった事件の問題、あるいはこの国会におきますいろんな御議論、そういったものを踏まえまして、現在の基準で十分制裁として有効なものかどうかということについて、これは基準の内容は非常にきめ細かくなっておりますので、一律にどうという意味じゃなくて内容を十分見ていきたい、こういうように思っております。
#255
○大渕絹子君 この法案の審議の最中に、与党側から官製談合防止のための新制度が必要だということで法案をつくろうというような動きがあるように新聞報道をされていますね。
 ということになりますと、この官製談合防止に対してこういう動きがあることを御存じだというふうに思いますけれども、どう考えていらっしゃるでしょうか。
#256
○政府参考人(風岡典之君) 官製談合の問題でございますけれども、発注者が受注者の談合に関与するような行為を行った場合には、これは刑法の談合罪に当たる場合とかあるいは独禁法の違反に当たる場合には、これは受注者に対する共犯として処罰できるというのが現在の刑法あるいは独禁法で規定をされているところであります。
 現在、公正取引委員会の方でいろいろ御検討をいただいているというふうにお聞きしておりますのは、行政措置、いわゆる排除勧告、こういったものにつきましては、現在の独禁法ではこれは受注者のみに対して行うという体系になっておりまして、発注者に対して行政措置を行うという体系になっていないということでありまして、その辺の問題を公正取引委員会として、どういう法体系になるのかは私ども詳しく承知しておりませんけれども、そういった立法措置の必要性も含めて検討をしているというようにお聞きしております。
 ですから、罰則につきましては、既往の刑法あるいは独禁法の適用問題で足りているんじゃないかというふうに思っております。
#257
○大渕絹子君 ですから、そういう検討が必要であるならば、この法案の作成段階でそういうことも恐らく言及をされながら当然検討されておったというふうに思うんです。
 でも、ここに盛り込まなかったのは、今回の法の中に独禁法の改正をこうするということが入っていてもおかしくなかったわけですけれども、そういうことも盛り込まなかったわけです。そこのことを聞いているんですけれども。
#258
○政府参考人(風岡典之君) この法律は、公共事業に関する入札契約適正化法ということでありまして、公共調達というのは幅広く、工事以外も物品調達あるいは役務、いろいろ幅広くあるわけでございます。
 そういった、この法律における取り扱いの範囲の問題、それからこれは多分公正取引委員会の方の考え方だろうというふうに私どもは推測しますけれども、やはり官製談合の問題は受注者に対応する問題と、それからまたそれに関連する発注者の対応と、これは同じところで扱うというのが基本かなということで、その辺のこともありまして、この法律の体系にはなかなかなじみにくい、こういうようなことがあったわけでございまして、いずれにしましても、行政処分の取り扱いについては公正取引委員会がいろいろな御検討を並行的にされている、このように思います。
#259
○大渕絹子君 大臣は冒頭、発注者責任を明快にするために画期的な法案だというふうにおっしゃっているわけで、ところが、今度は発注者の方に網をかける法案は今ここには、検討になじまないということでしょう。ちょっと違うんじゃないかなというふうに思うんですが、そこはどうですか。
#260
○政府参考人(風岡典之君) 罰則の適用につきましては、いずれにしましても刑法、独禁法で手当て済みの話でございますから、その点については、この法律で罰則ということではそもそも議論として私はないのではないかというふうに思っております。
 行政処分につきましての取り扱いは、これはどういう体系でやるのがいいかという議論でありまして、必ずしも、この法律の体系というのは公共工事というふうに限っておりますので、ここで取り扱うということよりは別途の方法が望ましいというように判断をされているところであります。
#261
○大渕絹子君 公共工事に限っているということですけれども、官製談合というのは公共工事に限って起きてくる問題なんじゃないんですか。(「全然違うよ」と呼ぶ者あり)違うんですか、それは。違うんですか、そうですか。私はまた公共工事というか、公共事業そのもの、官がかかわって民間に委託をするというようなことになってきたときに必ず官製談合というのが起こってくると、発注者も談合の業者の話し合いの中に加わりながら指名を決めていくというようなことではないのかな、こういうふうに思っているわけですけれども、違うんですか。
#262
○政府参考人(風岡典之君) 公共の調達というのは、確かに請負契約、公共工事の請負契約という形での契約もありますし、物品の調達というようなこともありますし、役務の提供というようなこともあって、幅広い範囲があります。
 官製談合というような形で過去の事例を見ましても、別に公共工事という世界だけの固有の問題では、私は過去の事例から見ましてそういったものに限定されるものではない、このように思っております。
#263
○大渕絹子君 それでは次に、全く視点が違うのですけれども、公共工事の設計労務単価というものについて、ちょっとお聞きをしていきたいというふうに思っています。
 近年の動向と今後の見通しについて、お知らせください。
#264
○政府参考人(風岡典之君) 先生御案内のとおり、公共工事の設計労務単価でございますけれども、これは公共工事の工事費の積算に使うということで極めて重要なものでありまして、毎年調査を行っているわけでございます。
 最近の状況でございますけれども、平成九年度まではこの単価というのは大体増加の傾向にありました。その後、横ばいから減少というように推移しておりまして、本年十一月に決定をしました単価は、ピーク時の平成九年度から見ると一五%程度減少というような状況になっております。
 今後の見通しにつきましては、この賃金につきましては建設市場の動向とか雇用環境とか、そういったものの中で決まってくるわけでございますが、建設投資の伸び悩みあるいは悪化する雇用情勢というようなことを考えますと、この労働市場を取り巻く環境は非常に厳しいということかなというふうに思っております。
 いずれにしましても、毎年その時点で適正に調査をするということになろうかと思います。
#265
○大渕絹子君 大幅低下の原因と、その評価について、続けてお願いいたします。
#266
○政府参考人(風岡典之君) 本年四月の単価は御指摘のとおり大幅に下落をしたわけでございますけれども、これは平成九年度以降の建設投資が大幅な減少をしました。また、そういった流れの中で労働力が供給過剰という状況にもなり、雇用面も非常に悪化をしてきた。こういった経済環境というものが基本的に影響しているのではないかというふうに思っております。
#267
○大渕絹子君 そのことが請負工事単価への影響、あるいはまた建設労務者賃金に悪い影響が出てくるかというふうに思うのですけれども、ここはどうでしょうか。
#268
○政府参考人(風岡典之君) この労務単価をもって個々の労働者の賃金がそのとおり決まるというものではなくて、賃金につきましては、それぞれの経験年数とか、あるいは年齢とか技量とかいうようなものをもって決まります。
 ただ、今私どもが調べております労務単価というのは、平均的な人について、その人の賃金がどれぐらいの水準なのかということを調べているわけでございますので、一般論としては、当然その実勢を反映しておりますので、それぞれの労働者の賃金の設定には全体的なものとしては影響は当然出てくるというふうに思っております。
#269
○大渕絹子君 さっき建設業界全体で労働者が過剰ぎみだということをおっしゃったわけですけれども、建設産業全体に与える影響といいますか、そういうものについてもちょっと答えていただけますか。
#270
○政府参考人(風岡典之君) 建設業界の状況につきましては、建設投資が伸び悩む中で業者数は非常に増加している、また労働者の数も六百七十万ということで非常に大きいわけでございます。
 それで、中長期的に見ましても投資は当然伸び悩むということを見込まざるを得ないわけでございまして、そういう状況の中ですと、やはり労務単価の下落という、影響というものが全体的にはどうしても出てくるのではないかというふうに思っております。
 しかし、全体的な傾向はそれはそれとしまして、労務単価の下落が下請業者へのしわ寄せとか労働条件の悪化ということに直ちに、そういった形につながらないように、私どもとしては、これは元請業者に対して元下関係の健全な関係の確立ということを日ごろ指導しているわけでございますので、そういった全体的な傾向はそれはそれとして、そのことが全面的に労働者の賃金に影響しないようなそういった指導というものは今後とも行っていきたい、このように思っております。
#271
○大渕絹子君 公共工事が適正に行われるためには、下請業者の扱い方というのも極めて重要でありますし、先ほど来同僚委員の質問の中でも、二次以下下請業者の施工体制台帳への記載の義務づけなども検討するという御答弁をいただいておりますので、ここはもう私が重ねて聞く必要はないわけでございますけれども、そのことをきちっとやっていただいて、下請の業者が安全で、そして安心して営業ができるような、仕事ができるような体制づくりをぜひやっていただきたいというふうに思っております。
 また、現場労働者の質の向上ということも極めて重要な問題だろうというふうに思っておりまして、そのためには賃金とか福利厚生とか、あるいはまた安全対策などが十分に行われなければならないというふうに思っているわけですけれども、残念ながら公共土木工事費の積算体系の中に安全費というものの項目がないということで、これをぜひ総工事費の一%ぐらいは安全対策費として積算に入れるべきではないかという現場の声があるわけですけれども、このことにどう対処なさるのか、お答えいただきたいと思います。
#272
○政府参考人(風岡典之君) 公共工事の積算における安全費の計上の問題でございますけれども、これは先ほども御答弁がありましたが、現在の積算体系の中には、安全費については施工に共通的に必要な経費である、いわゆる共通仮設費の一部として安全経費というのを見ておりますし、また現場の安全対策に関する費用につきましては、これは現場管理費という中で安全訓練費とかそういったものを見ているわけでございます。
 したがいまして、積算の中にはそういったものについても含まれている。ですから、それは実態を適切に反映するというような、積算上の反映ということは必要でありますけれども、内容としては十分含まれているというふうに私どもは理解しております。
#273
○大渕絹子君 内容として含まれているとしても、下請業者がそのことを元請業者に対して主張することができるような状況にはなっていないわけです、明確に安全費としてのっていないわけですから。
 きょうの参考人質疑の中でも、安全な体制をつくっていくためにもこれは必要なんだという御意見が三人のうちお二人まで明快に答えておられたわけですから、これも少し検討をしていただいて、今後の課題でしょうけれども、ぜひ盛り込まれるような方向づけを出していただきたいことを要請しておきたいというふうに思います。
 それから、現場労働者の質の向上を図っていくために、公契約における労働条項に関する条約、いわゆるILOの九十四号条約というのがあるんですけれども、残念ながら日本はまだこれを批准しておりません。公的な工事契約というと建設省ということがまず頭にくるわけですけれども、建設省はこのことに対してどのようなお考えを持っておられますか。
#274
○政府参考人(風岡典之君) 先生ただいま御指摘をいただきましたように、ILOの九十四号条約について我が国は批准をしていないということでございますが、一般に賃金、福利厚生、それから安全確保等の労働条件に関する事項というのは、公契約に基づく労働であるか否かにかかわらず、これは労働基準法等に定められておりまして、これに反しない限りは当事者間の自主的な取り決めにゆだねられるということが基本ではないかというふうに思っております。
 ただ、私ども建設産業、当然健全な発展を遂げていくためには、そこに働く人たちの雇用労働条件の改善というのは当然私どもも力を入れていかなければならないということで、建設省としては今後とも現行制度の適切な運用ということに努めるとともに、特に雇用労働条件ということでありますから、労働行政とも十分連携をとって、私どもの立場で労働者の雇用労働条件の改善には努力をしていきたいというふうに思っております。
#275
○大渕絹子君 労働省においでをいただいていますけれども、労働省はこの公契約における労働条項に関する条約の批准についてどのような取り組みをなさっているのか、お聞かせください。
#276
○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘のありました九十四号条約、この内容につきましては、公契約に基づいて使用される労働者の労働条件、これにつきまして当該地方の関係ある職業または産業における同種の労働者の労働条件に劣らないようにすべき等の内容を規定したものでございます。ただ、これにつきましては、我が国におきましてはこの内容を直接実施する法令はございません。
 それからまた、今ほども御指摘ありましたように、公契約のもとにおける労働であるか否かにかかわらず、民間部門における賃金等の労働条件につきましては、労働基準法等に定める法定労働条件に反しない限り、個々の労使当事者が自主的に取り組むべきものでありまして、これに政府が介入するということは適当でないと考えております。そういったことから、本条約の批准につきましては困難であるというふうに考えております。
#277
○大渕絹子君 困難であるということではなく、ILOでこういう条約が必要だということで提示をされているわけですから、そこに批准が、できるだけの法体系を準備しながら批准をしていくという方向づけが見えてこなければならないと思うのですけれども、努力をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#278
○政府参考人(鈴木直和君) この九十四号条約、これにつきましては、この批准自体は今の国内の法令の体系から考えて私どもは残念ながら困難であると考えております。
 ただ、どちらにしても建設関係の労働者の労働条件が向上することは大事な問題でございますので、私ども建設雇用改善計画等をつくりながら、建設省と協力しながら対策を講じておりますので、今後とも頑張っていきたいと考えております。
#279
○大渕絹子君 入札監視委員会の充実強化策につきましては同僚委員が詳しく質問をしていただきましたので省かせていただきまして、本法施行による地方自治体の負担が大変大きくなるんじゃないかというふうに思っておりますが、その地方自治体の負担に対してどんな軽減策をしていこうとなさっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#280
○政府参考人(風岡典之君) 先生御指摘のように、入札契約の適正化を進める過程の中で、規模の小さな市町村における事務負担という問題が予想もされるわけでございます。
 先ほどもお答えをさせていただきましたけれども、そういったことへの対応として、例えば情報の公表については、その意義を損なわない範囲で小規模なものについては公表の対象からは外すというような取り扱いとか、公表の方法につきましても完璧なものにするということではなくて、閲覧とか掲示とか簡便方法も含めて、規模の小さい自治体でも取り扱いやすいような方法というようなものも考えながら、そういった事情に十分配慮をしてやっていきたい、このように思っております。
#281
○大渕絹子君 最後に大臣に、本法律が公共工事の適正化の第一歩であるということを常々申されておりますけれども、第一歩だとするならば二歩目、三歩目というようなことはどんなようなことを考えておられるのかお聞きをして、終わりたいと思います。二十七分までですので、よろしくお願いします。
#282
○国務大臣(扇千景君) 先ほどからこの委員会での御審議を通じて、私は、この法案の正確性、また基本的に何を考えて法案を皆さん方に御審議いただいているかということを申し上げました。
 ですから、この法案を施行することによって少なくとも、先ほども申しましたように、国あるいは特殊法人そして地方自治体、そういうことがすべからく発注者の入札と契約に関する適正化を実行していくということに対しては、私はぜひこれによって前の見える建設行政なり公共工事の姿が見えてくると思いますし、また午前中の参考人で本当に、金本先生がおっしゃってくださいましたけれども、この法案に対して第一歩だということも参考人がおっしゃいました。
 そして、私は今までの業者は悪いということではなくて、これで少なくとも発注者も含む画期的なものであるという参考人のお言葉がございましたけれども、私もそのことによって実際にこの参考人に言っていただいたようなことが実施できるかどうか、そういうことも、先ほど緒方先生にも申しましたけれども、建設省としてできるフォローアップを完全にして、少なくとも今世間に言われております公共工事の上につく悪い冠が取れて、そして業者が発注者も一緒になって真に公共事業の公共事業たり得るものが実行できるかということに、私はまずやってみて、そしてきょう委員会で御指摘がございましたようなことが、施行した上でまた改めてこれが足りないではないかというような事態が出てきたときには、私は最初から法案が一〇〇%でないと言ったのはそういう意味でございますので、皆さん方の御意見を参考にしながら、この法案が施行されたときの社会情勢というものを確実に見守っていきたい、そのように考えております。
#283
○大渕絹子君 終わります。
#284
○戸田邦司君 自由党の戸田でございます。
 質問も大分進んでまいりまして、できるだけダブらないようなことで御質問申し上げたいと思います。
 最初に、公正取引委員会にお伺いすることにしたいと思いますが、その後で建設省には建設経済局長から二、三お伺いして、最後に大臣から一言ということになるかと思いますので、大臣はしばらくお休みいただいて結構です。
   〔委員長退席、理事長谷川道郎君着席〕
 まず第一の問題ですが、今回の法案の柱の一つに談合問題があります。
 談合については、今まででも独禁法上これはしてはいけないことになっていたはずなんですが、なかなかなくならない。本当に浜の真砂じゃないですが、業者自身が談合はあるよと、それから今度の新法ができても談合はなくなりませんよと、何を書生さんみたいなことを言っているんだと言わんばかりのことを言っております。
 そこで、まず第一に公正取引委員会にお伺いしたいと思いますが、例えば昨年などの例で結構ですが、建設省、これは地方も含めてですが、談合について通知があったもの、件数、それでそれをどういうふうに処分されているか、そこからまずお伺いしたいと思います。
#285
○政府参考人(上杉秋則君) お答えいたします。
 ただいまお尋ねの発注者からの談合情報の件数というのは、発注機関の範囲をどうとらえるかとかいろいろ問題がございまして厳密なものとしては作成していないわけでございますけれども、平成十一年度中に私どもの方で発注機関から通知があった談合情報としてカウントしておるものは全体で四百五十三件ございました。
 入札談合につきましては、典型的なカルテルということで最も悪質な独占禁止法違反行為というふうに認識いたしておりまして、常日ごろから談合情報の収集というのに努めているわけでございます。これらの発注者から通知されました談合情報も参照しながら、公取として収集した情報に基づきまして独占禁止法違反の疑いがあると考えられる具体的な端緒に接した場合には、法律に与えられました権限を発動いたしまして調査を行うこととしているわけでございます。
 そういった調査の結果、談合あるいは独占禁止法違反行為が認められるということであれば、厳正に対応しているところでございます。
#286
○戸田邦司君 この新法の運用の中でもこれから談合の摘発というのは相当今までより進んでいくのかと思いますが、独禁法の中でも一般的な情報交換はこれは許されているというようなことですが、具体的に考えますと、一般的な情報交換か入札案件に関する情報交換か、これを見きわめるといいますか突きとめるというのはなかなか骨が折れるんじゃないかと思います。
 そういった点から考えますと、アメリカなどはもう非常に厳正でありまして会っただけで摘発されちゃう、疑わしきは罰する、こういうような非常に厳しい運用をしておりますが、その辺については線引きといいますか、これは明らかに談合だ、発注案件に対する談合だというような線引きはどんなふうに考えてこれから運用していかれるか、お伺いしたいと思います。
#287
○政府参考人(上杉秋則君) ただいま御指摘のように、情報の交換という行為をどうとらえるかというのはなかなか難しい点がございます。
   〔理事長谷川道郎君退席、委員長着席〕
 特に、こういった公共工事、公共入札にかかわる場合にどうとらえるかというのは非常に難しい点がございましたので、平成六年に私どもとして入札のガイドラインというのを作成いたしております。その中で、例えば問題となるような情報交換としてはこういうものがある、それから逆に例えばジョイベンを組む相手方を探すために必要なことを情報交換しませんと適切な相手が見つかりませんので、こういったものは問題ないんだよということを示した具体的な考え方を示しているわけでございます。
 先生のお尋ねに対する答えとしましては、独占禁止法上は情報の交換を行ったから違反だというふうにはなっておりませんで、そういったことを通じて、その結果として市場における競争が実質的に制限されるということになる場合に問題となるということでございますので、こういった点は確かに個々の事案ごとに私どもの方で証拠を精査しながら判断させていただいているわけでございますけれども、その判断ができるだけ外部の人にわかりやすく示せるようにということでガイドラインで示しているわけでございます。
#288
○戸田邦司君 これは、実際の法の適用に関して非常に難しい点だろうと思いますが、やはり十分な情報収集、これが一番もとになるんじゃないかと思っております。そういう点では、今の公正取引委員会の体制で談合の摘発をきちっとやっていけるのかどうかという点については、私はいささか疑問に思っております。
 処分の仕方についても、指名入札の停止何カ月、こういうことをやっておりますが、先ほど一カ月とかそういうようなものはあるやに伺いましたが、実害がない、あるいはそういう処分をされても非常に軽微であるというようなことが多過ぎるんじゃないかという気がします。その辺についてはどんなふうにお考えでしょうか。
#289
○政府参考人(上杉秋則君) ただいまお尋ねの入札談合ということ、独占禁止法上は不当なる取引制限ということで、そういった違反が認定されますと、私どもの方で勧告といいますか行政処分を行うということのほか、その間に受注した金額に応じまして課徴金の納付を命ずるというような制度がございます。
 ちなみに、昨年、公正取引委員会として全体で二十七件の法的措置を講じたわけでございますけれども、そのうち十八件程度が入札談合にかかわるものということで非常に比率も高くなっているわけでございます。特に最近は、大型といいますか大規模な、たくさんの事業者にかかわる入札談合事件というものがございまして、御案内のとおり、北海道の入札談合事案というのは非常に多くの事業者にかかわるものでございました。
 全体として公正取引委員会で法的措置を講じた事件の関係人の数といいますか、それにかかわった事業者の数でございますが、これは九百三十八事業者ということ、これは過去最高になっております。このうち、ざっと数えたところでも九百以上の事業者というのが入札談合事案にかかわっていたということでございまして、御指摘のようにいろいろ数が多いということではあるかと思いますけれども、私どもの方で調査した上で行政的な処分を行う、あるいは課徴金納付を命ずる、さらには発注官庁の方で指名停止等の措置をとられるということで、相当の抑止力があるようには考えております。
 今後とも、引き続き厳正に対応していきたいと考えております。
#290
○戸田邦司君 やっぱりその世界において健全な市場メカニズムが働かないといけない、そういうような市場形成が非常に大事であるという観点があると思いますが、なかなかそこまでいかないんじゃないかという気がしまして、これは私の心配事、おまえが心配しているだけだという話かもしれませんが、実際にはそうじゃないんじゃないかという気持ちが私は非常に強いんです。
 ついでですから申し上げますが、例えば不当廉売についてもこれはいろいろ摘発したりそれから勧告したりしているということは承知しておりますが、これも十分じゃないんじゃないか。やっぱり不当廉売をしてそれで勧告を受けて、たび重なる不当廉売をしているというケースが多々あるように思いますし、また、その場合に、景品などで不当廉売のからくりをまた複雑にしているというようなケースもあるようですから、ひとつその辺も含めて、公正取引委員会は、やはり社会全体が事後チェック型になっていくときですから、その姿勢、体制を含めて断固たる取り組みをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#291
○政府参考人(上杉秋則君) ただいま不当廉売に対する取り組みについて御指摘がございました。
 私ども、規制緩和が進む中で中小事業者に不当に不利益を及ぼすような行為がふえてきておるということで認識いたしておりまして、やはりこういった問題にも入札談合同様に的確に対応していくことが重要ではないかと考えているわけでございます。
 とりわけ不当廉売というのは、廉売行為が続く間は当然周辺の中小小売業者に対する影響が大きく出るわけでございますので、通常の談合事案のように六カ月とか一年かけて調査をして、結論が出たころにはもう全然影響があらわれてしまっているということではいけないということで、これはいろいろ国会でも指摘があるわけでございますので、私どもとしてはこういった小売業における不当廉売については端緒に接しまして、つまり情報が寄せられてからすぐに行動を開始いたしまして、もう二カ月以内に我々としての結論を出して、問題があるものは問題があると指摘しよう、こういう取り組みをしているわけでございます。
 全体として我々の処理の体制がどうかということにつきましては、私どもも十分だとは考えておりませんが、こういった行政改革の中で我々としても関係当局に人員の増強については働きかけているわけでございますけれども、全体の中でなかなか我々だけふえるわけにはいかないという事情も我々としては十分認識しているわけでございます。
 したがいまして、持てる力を十分高めるべく職員の研さんなどに努めて、とにかく来た情報に対しては迅速にかつ厳正に対応できるように努めていきたいと考えております。
#292
○戸田邦司君 人員増などについては、たしかことし増員していたと思いますが、なかなか難しい情勢の中でどんどんふやしてくださいというわけにはまいらないと思いますけれども、ひとつ公取全体の体制として必要なものは必要、こういってこれから要求していただくことになるんじゃないかと思います。公正取引委員会、これで結構です。ありがとうございました。
 それで、建設省にお伺いしたいんですが、今回の法律の中で丸投げは禁止されることになりました。まず第一に、丸投げを禁止した理由をちょっと最初にお伺いしておきたいと思います。
#293
○政府参考人(風岡典之君) 一括下請負、いわゆる丸投げの禁止でございますけれども、これはそもそも請負契約の締結に際しまして発注者が元請に寄せた信頼を裏切るという行為でありますし、またそれが行われることによりまして不当な中間搾取が行われるとか、あるいはまたそれに伴って手抜き工事が行われるとか施工の問題が出てくるとかというような問題がありまして、品質の問題等も含めて、この問題については極めて問題が多いということで禁止をしているわけでございます。
#294
○戸田邦司君 そういう元請、下請契約の間でいかに不公正な取引が行われていたかということのあらわれではないかと私は思っておりますが、適正に行われる丸投げというのもないわけではない。
 例えば、工事事業者にファイナンスをしてやるとか、工事中の資材手当てその他についてファイナンスをしてやる、それから工事については全責任を負うとか、そういうことも考え得るんだろうと思うんですが、疑わしいものはもう全部やめるんだという姿勢だろうと思いますから、これはこれでよろしいんじゃないかと思います。
 ただ、こういうことになりますと、丸投げではありませんと言って実質的に丸投げをする、こういうケースが出てくるんじゃないかと思うんですよ。元請業者が周辺のちょっとした工事をやって、それで実質的な工事はほとんど下請業者にやらせる、そういうケースもあるかと思いまして、そこの線引きというのは非常に難しいんじゃないかと思いますが、その辺は具体的な法の適用上どんなふうに考えておられますか。
#295
○政府参考人(風岡典之君) 確かに、丸投げの定義というか要件というものにつきましてはなかなか難しいわけでございますが、私どもも、具体的にこういった要件に当たると丸投げに当たるんだと、一括下請負に当たるんだというようなことをかねてから通知等で指導もしているところでありまして、基本的には請け負った建設工事の全部を他の業者に請け負わせるということ、あるいは請け負った工事の一部でありましても主たる部分を他の業者に請け負わせるということは、その工事の施工に実質的に関与しているということと認められる場合を除いては一括下請負になるということであります。
 また、具体的なケースとして、例えば建築物の新築工事を例にとりますと、もちろんその工事全部を下請に出す、丸投げすればこれは一括下請負違反になりますけれども、例えば内装の一部はみずからやると、あとの主要な部分は全部他の業者に任せるというようなケースもこれも丸投げに当たるのではないかというふうに考えております。
 また、下請に出しました業者におきまして、技術者を立てていて一定の活動をしている場合には、そういったケースについても丸投げとは言えないわけでございますけれども、例えば技術者が全体の施工計画についての企画とか、工程の管理とか、安全についての指導とか下請業者全般についての指導とか、そういうような形での実質的関与を下請に出した業者がやっている場合には、今のようなケースであってもそれは丸投げとは言えませんけれども、要するにどういった部分について契約をしているのか、また技術者がどのような役割を果たしているのかというようなことを判断して、丸投げに当たるかどうかを見きわめているところであります。
#296
○戸田邦司君 具体的な運用はそういったマニュアルをつくったりしてきちっと見きわめていかないとならない点だと思いますが、実際上は、これはいろんなことを考えるでしょうね、業者は。ですから、その辺もよく見きわめていただいて、運用を適切にということをお願いしておきたいと思います。
 ちょっと先日お伺いした件に関連してですが、これも丸投げではないかと私は思っておりますんですが、例の愛媛県の須田トンネル問題で、案件の中身を簡単に申し上げますと、九七年八月に、八幡浜市の堀田建設というのがこの須田トンネル工事を十七億一千百五十万円で請け負ったと。これを若築建設に下請に出しておりますが、その下請金額が七億七千万円と。一方で、若築建設が建設省に出している報告書によりますと、若築建設は西田興産から十二億百三十五万円で請け負ったと。そこで、何が何だかわからなくなってくるという案件なわけです。
 実際は、私は、西田興産が仕切って、それで堀田建設に元請させて、実質的には自分のところでそれらを受けて、それで西田興産が若築建設に十二億百三十五万円で下請に出したと。西田興産あるいは堀田建設がどれほどの工事をしているかわかりませんが、これも丸投げのケースではないかと、こういう疑問を持っていまして、先日お伺いしましたが、その後、建設省の調査でわかったところがありましたら、お教えいただきたいと思います。
 この案件、実は道路整備の特別交付金が出ておりますですね。五五%が国からの交付金になっていると、そういうような案件でもありますので、ひとつわかるところがあったらお教えいただきたいと思います。
#297
○政府参考人(風岡典之君) 御指摘の件につきましては、愛媛県の方とも連絡をとり合っているわけでございますけれども、最新の情報を得ているところによりますと、現在、元請であります堀田建設から県が事実関係をヒアリングをしているということで、先週から今週にかけてということでヒアリングが行われているようであります。県の方は、追って若築建設それから西田興産からヒアリングを行うというようにお聞きをしております。
 全体的にはまだそういう途中の段階でありまして、現在調査中ということでありますので、私どもも、愛媛県からちょっと詳しいことはまだ十分聞けていない状況であります。建設省としても愛媛県とも連絡をとりながら、私どもとして必要であればまた私どもなりの調査も進めたいということでありますが、当面、愛媛県の方で進めておりますので、その様子も見ているというようなところであります。
#298
○戸田邦司君 結果がわかりましたら、ひとつよろしくお願いいたします。
 さて、最後に大臣に一言お願いしておきたいと思いますのは、この法律、なかなか運用が難しいといいますか、運用が非常に微妙だといいますか、運用の仕方次第でその効果も違ったものになるような気がして仕方がありません。
 今まで、独禁法やその他でいろいろやってはきておりますし、それから建設業界、それは法の網の目をくぐって何をやろうかと、こう考えているんじゃないかと思いますから、それらの業界とのせめぎ合いみたいなところがあるような気がいたします。
 そこで、この法の運用、これを適切に進めないと効果がなかなか望めない点がありますので、ひとつ大臣初め建設省の皆さんで、その辺適切な運用のためにマニュアルも必要かもしれません、あるいは地方に対するいろんな指示が必要かもしれません。そういったところも含めて、最大限の効果が上がるようなことをひとつお考えいただきたいと、こう思いますので、その点についての御見解をお伺いしておきたいと思います。
#299
○国務大臣(扇千景君) 私は、今回のこの法案を委員会で御審議いただきましたこの重要性、しかも委員会でるる御指摘いただきました、これで果たして今まで公共事業の上についていた悪い冠、ばらまきあるいはむだ遣い、丸投げ等々の冠がとれるかどうかと、本当に私は大きな責任を感じておりますし、法案はつくったけれども全然効果なかったじゃないかと、これでは今回皆さんに真剣に御審議いただいた意味がございません。
 そういう意味では、今、戸田先生がおっしゃいましたように、丸投げというものを、もともとこれはもう全面禁止の当然のものでございますけれども、今回の施工体制台帳の活用等によりまして、少なくとも現場の施工体制の点検を処置していくということの決意、そしてまた、国あるいは特殊法人、そして地方等々が一体になって、この法案に対しての対応というもの、少なくとも発注者も毅然とした対応をとるということが、少なくとも今までと違った形になれるのではないかと。また、それを望むためにこの法案を提出させていただいたというのが原点でございますので、ぜひ皆さん方の、先生方のお地元においても、今回こういう法案ができてこうなるということも皆さんに御指導いただき、建設省としても、少なくとも先ほども申しましたように、この法案に対してのバックアップ体制あるいは周知徹底等々を図っていきたいと思いますので、ぜひ皆さん方の御協力をいただきたいということで、この法案の効果というものが上がるように私はぜひ指導もしていきたいし、御協力もいただきたいと思います。
#300
○戸田邦司君 終わります。ありがとうございました。
#301
○島袋宗康君 最後の質問者になりましたけれども、重複する部分がたくさんあるかと思いますけれども、せっかく準備しておりますので、御誠意ある御答弁をお願いします。
 平成六年の建設業法の改正によって、建設工事の適正な施行の確保及び請負契約の適正化の措置がとられたはずでありますけれども、今回、改めて本法案が提案された理由はどこにあるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#302
○国務大臣(扇千景君) 今、島袋先生がおっしゃいましたように、平成六年に行われました建設業法の改正、少なくともこれによって、今、先生がおっしゃいましたように、私ども、不良不適格者、そういうものを排除するということで、平成六年に行われた建設業法の改正では、私はある程度明記できたと思っております。けれども、なお現在におきましても、その当時の許可あるいは監督処分の強化等々と言われておりますけれども、現段階におきましても、なお今るる委員会でも事例がございましたように、これが適正に適用されていない部分があるんではないかと。
 また、今おっしゃいましたように、経営事項の審査の義務づけ、それからきょう委員会でも御審議いただきましたような施工体制台帳の作成の不備、あるいはそれをごまかして台帳をつくって、しかもそれが直轄工事でもありながら通ってしまうというようなところはどこに欠陥があるのか。そういうことも、大いに私は反省材料であろうと思いますし、今、先生がおっしゃいました六年の建設業法の改正でなおかつ不備があり、またそれが適正に施行されていないという現状を考えましたら、もっと大きな網で、国と地方一体になって、もう一つ強硬に縛るもの、また国民に透明性を図るというようなことを表示することによって、今までの法になかった、あるいは法をくぐって業者の悪行があったという事実にかんがみまして、今回それをより少なくし、また適正な公共工事のあり方というものの本業に立ち返って、国民の目に見えるようにしていきたいということが大きな目的でありますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
#303
○島袋宗康君 よくわかりました。ありがとうございます。
 平成六年六月二十日の本院建設委員会における建設業法の改正に当たっての附帯決議の趣旨に対してはどのような措置がとられたのか、お伺いいたします。
#304
○政府参考人(風岡典之君) 平成六年の建設業法の改正では、四点につきまして附帯決議が付されたところであります。私ども、この六年の時点での法律の施行に当たりましては、この附帯決議の趣旨というものも十分踏まえて、それにのっとったものとなるように努めてきたところであります。
 一例を申し上げますと、附帯決議の一番目の項目では、法改正の的確な運用と、中小零細業者への配慮という項目でありました。これについては、強化されました許可基準に基づく厳正な許可の審査、あるいは法改正に対応しました適切な事務の執行を都道府県にも通達するというようなこともやってまいりました。
 また、改正内容が中小業者の排除につながらないようにということで、経営指針あるいは施工体制台帳の作成というものについての規模の要件につきましても適切な下限を設定するというようなこともやってまいりました。
 さらには、経営指針の対象工事の設定とか、あるいは監理技術者の資格の取得の促進の関係、あるいは閲覧制度の充実という御指摘をいただきました点を踏まえて施行に努めたところであります。
#305
○島袋宗康君 次に、本法案第一条中に、「建設業の健全な発達を図る」という目的規定が入っておりますけれども、これは建設業法第一条の目的規定にも入っている文言であります。必ずしも重複して規定する必要はないのではないかと。
 したがって、本法案第一条は、国民の信頼の確保を目的とすると言えば足りるのではないかというふうに考えておりますけれども、いかがですか。
#306
○政府参考人(風岡典之君) 法案の目的についての表現の問題でございますけれども、私どもとしましては、いろんな不正行為が発生をしまして国民の信頼が揺らいでいるということであるわけでございまして、こうした不正行為を防止するためには、公共事業を担う担い手であります建設業者からこのような不正行為を行う不良業者の排除ということを行っていくと、このことが建設業の健全な発展につながるという認識をしているわけでございます。このため、本法案におきましては、その目的として建設業の健全な発展というものを掲げているところであります。
 なお、建設業法につきましても同様に建設業の健全な発展というのは確かに御指摘のとおり目的として使っているわけでございますけれども、それぞれ、建設業法の場合におきましては許可制度あるいは監督処分等を通じまして、これが建設業の健全な発展に資するように努めるということでありまして、それぞれの法律の内容というものが建設業の健全な発展につながるということで、両方の法律ともそういった同様の目的規定を置いたわけでございます。
#307
○島袋宗康君 現在、本院の特別委員会においていわゆるあっせん利得処罰法案が審査中でありますが、本法案との直接的なかかわりはないにしても、今公共工事をめぐって国民の信頼を回復すべく重要な時期にあるという点においては、両法案は軌を一にする側面を持っていると言えると思います。
 公共事業に対する国民の信頼を確保する上で、今政府としてなすべき最も重要なことはどのようなことであるのか、それをお伺いしたいと思います。
#308
○政府参考人(風岡典之君) 公共工事につきましては、これは国民の信頼あるいは理解を得て進めると、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように適切、適正に実施をしなければならないということは当然のことであります。
 残念ながら、いろんな事件が出てしまったわけでございまして、私どもはそういったものを踏まえながら、今回は公共工事の入札契約の適正化ということをこの法律でまとめさせていただいたわけでございまして、内容的には、既に御説明をさせていただいておりますように、あらゆる発注者につきまして入札契約についての守るべき四原則というものを明らかにすると。また、具体的な義務づけ事項、さらには発注者全体が共通に努力する事項というような形で整理をさせていただいたわけでございまして、いろいろ公共事業をめぐる環境の中で入札・契約制度についての改革を進めていくということが私どもにとっての課題である、このようなことからこの法案を提案させていただいたところであります。
#309
○島袋宗康君 そこで、先ほどから言われておりますように、この公共工事の発注に際して談合が頻発しているというふうなことがよく言われておるんですけれども、この要因というものはどこにあるのか、それをもっと具体的に説明していただけませんか。
#310
○政府参考人(風岡典之君) 談合の要因ということでありますけれども、私どもとしましていろんな書物を見まして、実はきょう参考人で御出席をいただきましたが、金本先生の「日本の建設産業」という本がありまして、そこで若干そういう背景的なことについて記載がありました。それによりますと、競争によりまして価格が下がってきますと、自分が仮に運よく落札できたとしてももうけが少なくなる、このため企業は談合することによって価格競争を避け、お互いに各社の利潤をふやすことができる、こういったようなのが背景として指摘をされているわけでございます。
 また、建設業は製造業等と異なりまして、地域性というか地場性というのが非常に強いわけでありまして、現地生産ということが主でありまして、そういった地理的条件から見ましても、入札に参加をする、あるいは関心を持つ方というはおのずと一定の範囲があるというようなことも背景にあるんじゃないかというふうに言われているわけでございます。
 いずれにしましても、私どもとしてはこういったものを少しでもなくしていくという努力をしなければならないということで、この法律もそういったことをも大きなねらいとして内容に盛り込ませていただいたわけでございます。
#311
○島袋宗康君 公共工事にかかわるいわゆる談合に類する不祥事、それは欧米諸国においてはどういう発生状況があるのか、もしおわかりでしたら御説明願いたいと思います。
#312
○政府参考人(風岡典之君) 諸外国におきます談合の摘発の状況、必ずしも正確な資料を持っておりませんけれども、アメリカでは談合の発生件数というのが比較的少ないということは言われているわけでございます。他の国の状況につきましては、今後もう少しいろんな資料を整理したいというふうに思っております。
#313
○島袋宗康君 この法案をつくるに当たって、そういった談合の問題について、欧米諸国ではどういうふうなことが実際行われているかということは調査されていないんですか。
#314
○政府参考人(風岡典之君) 独禁政策の面につきましては公正取引委員会ということでございますので、私どもとしましては、こういった談合をなくすために各国が入札・契約制度についてどういう努力をしているのかというようなことについては当然検討をさせていただきました。アメリカは一般競争入札というようなものが中心になっておりますし、ヨーロッパの方は指名競争入札というのが中心でございますが、ただその場合に、技術力による競争というものができるように、単に金額の安い人だけが落札するんじゃなくて総合的な評価をする、そんなような工夫もしているわけでございまして、そういうことも調べました。
 その上で、今後、我が国におきます入札、契約につきましても、大規模なものについては一般競争入札を行っていく。それ以外のものについては、基本的には指名競争入札ですけれども、できるだけ競争性の高まるような形での取り組みをする。また、技術による競争ができるだけ進むように、VE方式とか総合評価方式とかそういったものもできるだけ積極的に進めていく、こういうような考え方に立って取りまとめを行ったわけでございます。
#315
○島袋宗康君 建設市場の国際化によって我が国の企業はいかなる影響を受けているのか、その辺でもし具体的な説明ができましたら、よろしくお願いします。
#316
○政府参考人(風岡典之君) 我が国の建設市場は非常に規模が大きいということで、外国企業においても非常に関心が高い市場であります。これまではいろんな取り組みがあったわけでございますけれども、最近では平成六年に行動計画を閣議了解しまして、これによりまして内外無差別の一般競争入札の導入ということも行いました。また、平成八年にはWTOの政府調達協定の発効ということで、これによりまして都道府県あるいは政令指定都市についても一般競争入札の導入というようなことも行われたわけでございます。
 最近の我が国市場における外国企業の参入状況でございますけれども、我が国の市場の方も大変厳しい環境にあるということで、競争が激化しております関係上、外国企業の参入実績というのは少しこのところは落ちているということでありますが、しかしながら外国企業にとっても非常に関心の強い市場であるということであり、日本の企業も非常に多いということで、大変厳しい競争環境が今後とも続くのではないか、このように思っております。
#317
○島袋宗康君 外国の企業が受注をした場合、工事の施工、監督上の問題点はどういったものがあるのか、それを説明していただけませんか。
#318
○政府参考人(風岡典之君) 外国企業は、日本の公共市場に参入する場合には日本企業とジョイントベンチャーを結成するというようなやり方、あるいは外国企業が単独で受注するというケースも出ているわけでございます。全体的な状況としましては、日本企業とジョイントベンチャーを結成して事業に当たるということになりますと、日本企業との協力関係ができますので、その工事の施工、監督上の問題というのは比較的ないんじゃないかというふうに思っております。
 最近では単独で受注しているケースもあるわけでございますけれども、外国企業も日本の市場に相当習熟をしてきておりまして、適切な下請企業を選定するとか、あるいは資材業者の確保というようなことも、いろんなノウハウを持っているわけでございまして、私どもが承知している範囲では、外国企業が単独で受注したケースについても特に大きな混乱はあったとは聞いておりません。
#319
○島袋宗康君 監督上の問題。
#320
○政府参考人(風岡典之君) 監督上の問題につきましても、特に外国企業だからということで問題点あるいは混乱があったということは承知しておりません。
#321
○島袋宗康君 平成十年二月四日の中央建設業審議会の「建設市場の構造変化に対応した今後の建設業の目指すべき方向について」と題する建議において、建設業の構造改革の推進が強くうたわれておりますが、この構造改革の現状はどのようになっているのか、お伺いします。
#322
○政府参考人(風岡典之君) 建設市場につきましては、投資が伸び悩む中で業者数がふえるという構造的な問題を抱えております。六十万業者がおりますけれども、そのうち公共事業については、先ほど御答弁させていただきましたように、約九万業者ということになっているわけでございますけれども、いずれにしましても市場全体、利益率が低下して極めて厳しい経営環境が続いているということであります。
 各社、当然、個別の企業の経営判断というようなことで、懸命なリストラを行うというようなことで努力をしているわけでございますけれども、私どもとしましては建設産業を再生するためには個別企業だけの努力では限界があるのではないかということでありまして、個別企業のレベルを超えた取り組み、連携的な合併あるいは企業連携も含めたそういった取り組みが必要になってくるんではないかというふうに考えております。そんな流れの中で一部に企業連携の動きというのも大分出てきておりまして、今後、私どもとしましてはそういったものが促進されるような環境づくりというものについて行政面で対応していかなければならないというように思っております。
#323
○島袋宗康君 皆さん方の指導によって会社の合併とかそういったふうなものが成功事例として何件ぐらい今あって、いい方向に進んでいるのか、その辺についてもし説明できるのだったらお願いします。
#324
○政府参考人(風岡典之君) よく建設会社の合併につきましては一足す一が二にならないということで、受注が減少するという問題点が指摘されております。こういった状況につきまして、私どもとしては合併をした場合に企業評価を従来よりも引き上げるというようなことで、できるだけ合併企業が高い評価を得られるようにという努力もしてきております。
 まだ残念ながら、大きな数字にはなっておりませんけれども、今後ともそういった取り組みを目指す企業というのは私は必ず出てくるんじゃないかというふうに思っております。
 また、中小企業等を中心にしまして、合併という形ではなくて経常JV制度、これを使って、通年的に連携して企業の経営力とか施工力を高めるという動きがあるわけですが、この経常JVにつきましては、ちょっと今手元に数字はありませんけれども、かなり数がふえてきております。
 いずれにしましても、一つの企業を超えた取り組みというのがだんだん広がってくるのではないかというふうに思っております。
#325
○島袋宗康君 ぜひそういったことを促進していただきたいというふうに要望しておきます。
 平成十一年十二月二十七日付で公正取引委員会の経済取引局長及び建設省建設経済局長の連名で「行き過ぎた地域要件の設定及び過度の分割発注について(要請)」という都道府県知事あての通達がありますが、沖縄県においては、昭和四十七年以来、三次にわたる十年単位の振興開発計画が策定され、本土との格差是正と自立的発展に向けての基礎条件の整備に取り組んできております。その過程で、地元業者の育成の観点から、地元企業への優先発注の必要性が叫ばれてきているわけであります。
 この点については御理解いただきたいと思いますが、通達との関連でどのような見解を持っておられますか。お願いします。
#326
○政府参考人(風岡典之君) 一般論としまして、地域の住宅、社会資本の担い手でありますし、また地域経済、雇用を支えております地方の建設業者の振興育成を図るということは、これは我々産業行政の中でも非常に重要な課題だというふうに思っております。
 先生御指摘の昨年十二月二十七日の通知でございますけれども、これは、その通知文にもありますように、公共工事の発注に係る地域要件の設定や分割発注ですけれども、これは地元の状況を踏まえた円滑な工事施工への期待や地域経済の活性化、雇用の確保等の観点から行われるものであると、そういう評価をしております。
 しかしながら、行き過ぎた地域要件の設定とかあるいは過度の分割発注ということは、これは建設業法で禁止をしております一括下請負を誘発するあるいは助長するというようなこともありますので、そういった事例が発生したことにかんがみて通知を出したわけでございます。
 この通知の内容につきましては、地域要件の設定とかあるいは分割発注を行う上で競争性の確保には十分配慮してくださいということ、さらには建設業者の施工能力等も十分勘案の上、施工能力のないような業者が含まれないような地域要件を設定してほしいということ、それから施工の合理性に反するような分割発注を行わないことというようなことをお示ししたものでありまして、当然、一生懸命やっております地域の業者についての振興というのは、これはこれとして非常に重要な課題として進めていくという考えであります。
#327
○島袋宗康君 その通達によって地元の業者がびびらないような形でぜひ御指導をお願いしたいと思います。
 そこで、時間がちょっとありますので、質問事項にはないんですけれども、実は四、五年前に私、沖縄の建設業界の皆さん方から陳情を受けた、要請を受けたことがありますけれども、当時、沖縄に公共投資が五兆円、今六兆円ぐらいに行っていると思いますけれども、その当時の試算によりますと公共工事のいわゆる投資額の約七四%が本土に還流をされているということで、地元にはわずかしか落ちていないと。したがって、沖縄の自立経済を図る、あるいは格差是正というものに対しては、余りにも中央省庁での入札がとられているために、これは国直轄ですよ、国直轄の工事について中央省庁で発注がされているために、地元の業者はほとんど下請、孫請というふうな形で、先ほども申し上げましたような七四%が還流をされているというような形でありますから、大変沖縄の経済には、それほど投資された形では余りもたらされていないんじゃないかというふうな気がします。
 ということは、二十八年復帰してからたっておりますけれども、依然として県民所得は全国平均の七一%、失業率も八・四%、これも依然として本土に比べて約二倍の失業率がずっと続いているわけですから、そういうふうな失業あるいは県民所得というふうなものを考えた場合には、どうしても国直轄の事業であってもやはりもっと地元の業者に発注できるような、受注できるような形の制度をもう少し研究する必要があるんじゃないかと。
 これは管轄が違うかもしれません。本当は沖縄開発庁長官だと思いますけれども、その辺について、もし何らかの是正が図られるということであれば、これは建設省の立場からこの問題について何らかの配慮をしていただきたいなというふうなことをお願いしたいんですけれども、その辺についての御見解をお願いして終わりたいと思いますけれども、よろしくお願いします。
#328
○国務大臣(扇千景君) 今、島袋先生から沖縄の現状等々、またこの法案に対して外国との相対性、あるいは公共工事の外国と日本との対比等々の御質問を伺いながら、私は大変重要な点を御指摘いただいたと思っております。
 私も、この法案を最初に考えましたときに、まず外国を調べさせていただきました。そのときに、フランスを最初に調べましたときにも、フランスはやっぱり基本法的なものがつくってございまして、そしてこれを変更して、一番最初は国だけに施行しておったんですけれども、この施行が一九六〇年、それで国だけを今度は改正しようということで、一九九三年には地方にも広がっていったというのがフランスの状況でございまして、しかもドイツにおきましても、これは連邦そのほか、連邦だけではいけないというので、これも州、地方自治体にも広げました。そして、また、イタリアにおきましても一九九四年に国及び地方自治体も一緒に入れて法案をつくったというような、諸外国の例を参考にいたしまして初めて日本ではこういう法案がつくられたというのが、私のささやかな経験の中でも調べさせていただいた、大きな重要な原点でございます。
 そういう意味でも、今、先生が御指摘になりましたように、諸外国の法案と比べて、日本がなぜこういう公共事業に対する悪い印象がぬぐえないのかということの反省から、私は何としても、国民の皆さんの公共に対するきちんとした、国民の税金で賄われているものが国民にそういうふうに悪く言われないようにしていこうと、少しでも正しい、二十一世紀型の公共工事のあり方を考えようというのが原点でございました。
 そういう意味では、今、先生の御質疑のありましたことも大いに参考にさせていただきながら、しかも公共工事というものに対して諸外国の門戸を開くことによって、なお、きょうも御審議いただきました一般競争入札というものを世界じゅうに門戸を開いたら日本の業者がよけい狭くなるのではないか、苦しくなるのではないかということも私はきょうの御審議で大いに参考にさせていただきましたし、そして外国にただ門戸を広げればいいと言いますけれども、じゃ後のメンテナンスは責任を持って外国ができるのであるかということも門戸を開くときの大きな要素になろうと思いますので、今後そういうことのないように適正な法の適用を私は指導していきたいと思いますし、皆さんにも御協力をいただきたいと思います。
 最後に、沖縄に対しての切実な御要望がございました。島袋先生が今おっしゃいました沖縄の苦しさというものは、私たちも十分に認識しなければいけませんし、またそのために沖縄開発庁というものが今も現存しているわけでございます。また、私は、小渕前総理のお気持ちというものが本当に日本全土の国民にそのお気持ちがわかってことしの沖縄サミットというものが日本で開かれて全世界に沖縄をアピールできたというふうに考えております。
 今、先生がおっしゃいました、公共工事の沖縄の量が少なくとも七四%本土に還流されているではないかという御指摘がございましたけれども、今後、ことしのサミットを契機として、沖縄が日本の中でアジアの玄関口になるということを考えますときには、今後、沖縄の公共工事というものの量もふえるし、また外国への玄関口として大きな役割を果たしていただけるものと思っておりますので、沖縄に対する国民全員の認識として、二十一世紀、明るい沖縄の未来が見えるというふうに私も考えていきたいし、またそのように国会議員としても私は頑張っていきたいと思いますので、きょういただいた御論議を体して対処していきたいと思っております。
 ありがとうございました。
#329
○島袋宗康君 最後に非常に沖縄に対する思い、決意を込められた御答弁に対して、ありがたく感謝します。よろしくお願いします。
 終わります。
#330
○委員長(溝手顕正君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#331
○委員長(溝手顕正君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 福山哲郎君から発言を求められておりますので、これを許します。福山君。
#332
○福山哲郎君 私は、ただいま可決されました公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、適正化指針の策定等その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、国民の負担による公共工事の受注者の選定に関し、国民の疑惑を招かぬよう努め、談合、贈収賄等の不正行為の根絶に向けて、厳重な監督処分、指名停止の運用基準の見直し等を行うこと。
 二、一般競争入札における審査体制の整備、指名競争入札における指名基準の公表等公共工事の入札及び契約制度について更なる改善を推進すること。
 三、入札予定価格の公表の在り方については、今後の検討課題とし、少なくとも事後公表を行うよう努め、地方公共団体においては事前公表を行える旨を明確にすること。
 四、発注者は、入札参加者に対し、対象工事に係る入札金額と併せてその明細を提出させるよう努めること。
 五、公共工事の入札及び契約に関して監視や苦情処理等を行う第三者機関については、実効を伴った効果的な活動がなされるよう努めること。
 六、不良業者を排除する一方で、技術と経営に優れた企業の育成に努め、地域の雇用と経済を支える優良な中小・中堅建設業者の受注機会が確保されるよう配慮するとともに、建設労働者の賃金、労働条件の確保が適切に行われるよう努めること。
 七、施工体制台帳の活用等により、元請企業等と下請企業の契約関係の適正化・透明化に努めること。
 八、いわゆるダンピング受注は、手抜き工事、下請へのしわ寄せ等につながりやすく、また、建設業の健全な発達を阻害するので的確に排除し、公共工事の品質の確保を図ること。
 九、公共工事の入札及び契約全般について事務の簡素化・効率化及び競争性・透明性の一層の確保等を図る観点から、IT化を促進するよう努めること。
 十、公共工事の入札及び契約制度の改善を進めるに当たっては、公共工事の大宗を占める地方公共団体における改善の徹底を図るとともに、規模の小さい市町村等に関しては、その実情を勘案して、執行体制の確保を図るための必要な助言を行うなど、適切な支援措置を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#333
○委員長(溝手顕正君) ただいま福山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#334
○委員長(溝手顕正君) 全会一致と認めます。よって、福山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、扇建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇建設大臣。
#335
○国務大臣(扇千景君) 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律案につきまして、本委員会におきまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審査中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました入札及び契約制度のさらなる改善の推進、中小・中堅建設業者の受注機会の確保等の課題につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長初め委員会の委員の皆さん、各位の御指導と御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 ありがとう存じました。
#336
○委員長(溝手顕正君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#337
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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