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2000/11/30 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 交通・情報通信委員会 第8号
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2000/11/30 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 交通・情報通信委員会 第8号

#1
第150回国会 交通・情報通信委員会 第8号
平成十二年十一月三十日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     野沢 太三君
     内藤 正光君     本岡 昭次君
     藤井 俊男君     齋藤  勁君
 十一月三十日
    辞任         補欠選任
     本岡 昭次君     内藤 正光君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         今泉  昭君
    理 事
                景山俊太郎君
                鈴木 政二君
                寺崎 昭久君
                森本 晃司君
                渕上 貞雄君
    委 員
                泉  信也君
                鹿熊 安正君
                田中 直紀君
                常田 享詳君
                中島 啓雄君
                野沢 太三君
                山内 俊夫君
                齋藤  勁君
                内藤 正光君
                直嶋 正行君
                本岡 昭次君
                山下八洲夫君
                弘友 和夫君
                筆坂 秀世君
                宮本 岳志君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       郵政大臣     平林 鴻三君
   政務次官
       郵政政務次官   佐田玄一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   政府参考人
       郵政省放送行政
       局長       金澤  薫君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第四局長   渡辺 孝至君
   参考人
       日本放送協会会
       長        海老沢勝二君
       日本放送協会専
       務理事・技師長  中村  宏君
       日本放送協会専
       務理事      松尾  武君
       日本放送協会理
       事        芳賀  譲君
       日本放送協会理
       事        山村 裕義君
       日本放送協会理
       事        笠井 鉄夫君
       日本放送協会理
       事        山田 勝美君
       日本放送協会総
       合企画室[経営
       計画]局長    三枝  武君
       日本放送協会経
       理局長      加藤 陽三君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表
 及び損益計算書並びにこれに関する説明書(第
 百四十七回国会提出)
○交通機関における肢体障害者のための総合的整
 備等に関する請願(第二四九号外一二件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(今泉昭君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十九日、藤井俊男君、内藤正光君及び世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として齋藤勁君、本岡昭次君及び野沢太三君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(今泉昭君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の審査のため、本日の委員会に郵政省放送行政局長金澤薫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(今泉昭君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の審査のため、本日の委員会に日本放送協会の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(今泉昭君) 日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。平林郵政大臣。
#8
○国務大臣(平林鴻三君) ただいま議題とされました日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書並びに監事の意見書について、その概略を御説明申し上げます。
 本資料は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。
 平成十年度の貸借対照表の一般勘定については、平成十一年三月三十一日現在、資産合計は六千三百三十九億七千百万円、負債合計は二千五百六十七億三千八百万円、資本合計は三千七百七十二億三千二百万円となっております。
 資産の内容は、流動資産一千七百五億九千六百万円、固定資産四千四百七億三千四百万円、特定資産二百二十六億四千万円であり、負債の内容は、流動負債一千七百五十九億三千三百万円、固定負債八百八億四百万円となっております。また、資本の内容は、資本三千六十五億七千六百万円、積立金五百三十九億二百万円、当期事業収支差金百六十七億五千三百万円となっております。
 また、受託業務等勘定については、資産合計、負債合計とも、七百万円となっております。
 損益計算書の一般勘定については、経常事業収入は六千三百三十七億一千百万円、経常事業支出は六千七十九億七千五百万円となっており、経常事業収支差金は二百五十七億三千六百万円となります。これに経常事業外収支及び特別収支を加えまたは差し引いた当期事業収支差金は百六十七億五千三百万円となっております。
 また、受託業務等勘定については、経常事業収入は四億七千万円、経常事業支出は三億七千七百万円となっており、経常事業収支差金は九千三百万円となります。これに経常事業外収支差金二千百万円の欠損を加えた当期事業収支差金は七千百万円となっております。
 以上について、監事の意見書においては、監査の結果、財務諸表は、日本放送協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認められております。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#9
○委員長(今泉昭君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。海老沢日本放送協会会長。
#10
○参考人(海老沢勝二君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに監事の意見書の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、一般勘定の当年度末の資産総額を財産目録、貸借対照表で見ますと六千三百三十九億七千百万円で、その内訳は、流動資産一千七百五億九千六百万円、固定資産四千四百七億三千四百万円、特定資産二百二十六億四千万円、このうち固定資産の内容は、建物一千二百七十七億四百万円、土地三百三億八千三百万円、機械及び装置一千三百三十五億三千万円、放送衛星百三十三億八千百万円、その他の固定資産一千三百五十七億三千五百万円でございます。
 当年度末資産総額を前年度末と比較しますと、百八十八億三千五百万円の増加となっておりますが、これは建設計画に基づく新放送施設の整備、番組制作設備の整備等によるものでございます。
 一方、これに対する負債総額は、二千五百六十七億三千八百万円で、この内訳は、流動負債一千七百五十九億三千三百万円、固定負債八百八億四百万円、このうち固定負債の内容は、放送債券二百九十六億八千万円、長期借入金二百九億一千四百万円、退職手当引当金二百九億七千三百万円、その他の固定負債九十二億三千七百万円でございます。
 当年度末負債総額を前年度末と比較しますと、二十億八千百万円の増加となっておりますが、これは未払い金の増加等によるものでございます。
 また、資本総額は三千七百七十二億三千二百万円で、この内訳は、資本三千六十五億七千六百万円、積立金五百三十九億二百万円、当期事業収支差金百六十七億五千三百万円でございます。
 この当年度末資本総額は前年度末と比較し、百六十七億五千三百万円の増加となっております。
 次に、受託業務等勘定について見ますと、当年度末の資産総額及び負債総額は、それぞれ七百万円でございます。
 次に、損益計算書について申し上げます。
 まず、一般勘定の経常事業収支について見ますと、受信料等の経常事業収入は、六千三百三十七億一千百万円で、前年度と比較し、百十九億一千五百万円の増加となりました。
 これは主として、受信契約の維持、増加に努めた結果によるものでございます。
 なお、有料受信契約件数は、二十九万件増加し、当年度末には三千五百五十三万件となりました。
 次に、経常事業支出は、六千七十九億七千五百万円で、この内訳は、国内放送費二千四百二十億一千四百万円、国際放送費六十九億六千九百万円、契約収納費五百七十九億三千五百万円、受信対策費十九億九千三百万円、広報費三十億一千百万円、調査研究費八十億七千六百万円、給与一千四百六十五億九千九百万円、退職手当・厚生費五百五十四億六千五百万円、一般管理費百三十四億八百万円、減価償却費五百五十三億三千二百万円、未収受信料欠損償却費百七十一億六千九百万円となっております。
 これは、前年度と比較し、五十八億六千四百万円の増加となりましたが、主として、受信料収入の確保に向けた契約収納活動の推進に伴う事業運営費の増加等によるものでございます。
 以上の結果、経常事業収支差金は二百五十七億三千六百万円となり、これに経常事業外収支及び特別収支を加えまたは差し引いた当期事業収支差金は、百六十七億五千三百万円となりました。
 このうち、債務償還に充てた資本支出充当は九十億五千四百万円であり、事業収支剰余金は七十六億九千九百万円であります。
 なお、この事業収支剰余金は、翌年度以降の財政安定のための財源に充てるものであります。
 次に、受託業務等勘定の経常事業収入は、四億七千万円で経常事業支出は、三億七千七百万円となりました。
 その結果、経常事業収支差金は、九千三百万円となり、これに経常事業外収支差金二千百万円の欠損を差し引いた当期事業収支差金は、七千百万円となりました。
 この当期事業収支差金につきましては、一般勘定の経常事業収入へ繰り入れております。
 なお、監事の意見書では、貸借対照表等は、監査の結果、協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。
 これをもちまして、概要説明を終わらせていただきますが、今後の協会経営に当たりましては、公共放送としての使命と責務を深く認識し、放送事業の一層の発展に努力してまいる所存でございます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#11
○委員長(今泉昭君) 次に、会計検査院から検査結果について説明を聴取いたします。渡辺会計検査院第四局長。
#12
○説明員(渡辺孝至君) 日本放送協会の平成十年度決算につきまして検査いたしました結果を御説明いたします。
 同協会の平成十年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書等は、平成十一年六月十一日内閣から送付を受けましたが、その検査を終えて、同年十一月十九日内閣に回付いたしました。
 同協会の十年度の決算につきまして検査いたしました結果、特に法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項はございません。
 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。
#13
○委員長(今泉昭君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○鹿熊安正君 私は、自由民主党の鹿熊安正であります。
 海老沢会長さんを初めNHK役職員の皆さんには、公共放送事業者として、また受信料の公平な負担を徹底することが重要な課題であるとして、日夜御努力を払っておられますことに敬意を表したいと思います。
 それでは質問に入らせていただきます。
 初めに、平成十年度NHK決算収支についてお伺いいたします。
 平成十年度決算収支を見ますと、九年連続黒字でまことに喜ばしい限りであります。事業収支差金は百六十七億円となっており、平成十年度予算の事業収支差金九十億円と比べて七十六億円の改善予算となっております。
 まず、このような事業収支差が改善している理由をお伺いいたします。
#15
○参考人(海老沢勝二君) 平成十年度は、先生御案内のように、非常に日本は不況に見舞われて、税収等の落ち込みがあった中で、私ども、受信料収入に努力してまいりました。その結果、予算に対して受信料収入は三億七千万ほど不足いたしましたけれども、そういう不況の中で三億七千万の不足にとどまったということでございます。
 もちろん、税収も落ち込むというような中で努力したわけでありますが、それよりも、私、世の中が、経済社会情勢が大きく変化する中で、NHKの業務運営もこれまでのやり方を抜本的に見直して、一から出直す気持ちで改革を進めようということで、九年の会長就任以来、改革と実行、公開と参加という二つの経営理念を掲げて業務運営に当たっております。
 その結果、平成九年度は百十七億の経費削減をいたしましたし、十年度は予算よりさらに上回って百七十三億の経費節減を図ることができました。効率的な事業運営を展開し、またコスト意識を持たせて、そういうコストの削減を図った結果がこういう黒字につながったというふうに思っているところであります。
#16
○鹿熊安正君 今ほども会長さんからの御説明をいただいたわけでありますが、その一方で、受信料収入は予算額を下回っております。いわゆる三億七千六百万円の減収でありますが、その理由についてもう少し詳しく、NHKはどのように考えておられますか、説明をいただければと思います。
#17
○参考人(海老沢勝二君) 十年度は予算額六千七十五億の予算を組みましたけれども、先ほど御説明したように、これが六千七十一億、四億足らず、三億七千万の不足を生じたわけでありますが、先ほども御説明したように、やはりこの不況の影響といいますか、特にホテル、事業所等の倒産なり事業所閉鎖とかというようなことでの受信契約の解除とか、そういうのがかなり影響していましたし、また未払いも若干出てきたということで三億七千万の不足が生じましたけれども、これは私ども、NHKを健全に運営するためには、予算でありますから、できるだけ公平負担ということで予算では高い目標を掲げてやってきたと。そういう中で、不況の中で三億七千万の不足にとどまったということで、一安心といいますか、そういう状況だったという、そういう経済社会情勢だったということをひとつ御理解願いたいと思っておるところであります。
#18
○鹿熊安正君 いろいろ努力された結果だということでありますので、よくわかりました。
 次に、事業収支差金百六十七億円のうち、九十億円は債務償還に使用し、残りの七十六億円は翌年度以降の財政安定のための繰越金とする、その累計額は十年度末で五百三十三億円に達しておりますが、これは具体的にどのようなものを想定して繰り越しているのですか。例えば、受信料の値下げをするなど、国民すなわち視聴者に還元するなどのことのお考えがないものでしょうか、お伺いいたします。
#19
○参考人(海老沢勝二君) 今、先生御指摘のように、財政を安定化するための資金として今五百三十三億の資金を保有しているわけであります。これはもう御承知のように、経済といいますか物価の変動等によって、今インフレは行われておりますけれども、そういう経済の急激な変化に対応する、我々としてはできるだけ視聴者、国民に新たな負担をかけないようにする、つまり受信料を値上げしないで安定的な事業をしたいということで、こういう五百億の資金をこれからそういう経済の変動なり、あるいはこれから始めます地上デジタル放送への設備投資に膨大な資金がかかるということで、その辺も見越してこれを財政安定化するための資金として保有し、そしてこれからの地上デジタル放送への設備投資等に有効に活用していきたい。そういう意味合いで五百三十億を保有しているということでございます。
#20
○鹿熊安正君 次に、BSデジタル放送についてお尋ねいたします。
 いよいよ明日、十二月一日から本放送が開始されるBSデジタル放送は、カラーテレビ以来の技術革新と言われ、ハイビジョン放送に加え双方向機能を持つデータ放送がこれまでの放送にない特徴となっております。NHKのBSデジタル放送の大きな売り物と申しましょうか、目玉は何なのでしょうか。
 また、BSデジタル放送の普及を千日に千万世帯と言っておられるが、チューナーが約十万円、BSデジタルテレビが約三十万円から四十万円という高額と聞いておりますが、その普及に対する海老沢会長さんの御見解というか見通しは大丈夫なものでしょうか、お伺いいたします。
#21
○参考人(海老沢勝二君) 今、世の中、世界的にIT革命が進んでおります。そういう中で、インターネットのグローバル化については日本はアメリカ等に比べておくれていると言われておりますけれども、この放送分野、特にデジタル技術等の問題につきましては、私は日本が世界の最先端を行っているというふうに自負しております。特に、私どもNHKが一九六四年、東京オリンピックの後から開発しましたこのデジタル技術を中心としたハイビジョンが今世界的に大きな評価を受けているところであります。
 そのハイビジョン、HDテレビを前面に押し出して、高精細度、高音質で多機能を持った、そして多チャンネルのとれるこのデジタル技術のメリットを生かした放送をいよいよ十二月一日、あす十一時からNHKと民放七社、八社体制で十チャンネルで本放送を始めることになったということであります。これは我々放送事業者にとっては、やはり歴史的な大きな前進だというふうに思っているところであります。
 そういう面で、こういう新しいデジタル技術を駆使して、そしてこのデジタル技術の成果が、国民といいますか、視聴者の皆さんの生活の向上なり、あるいは福祉の向上、あるいは心豊かになるようなそういうところにお役に立てばということで、問題はその送る内容といいますか、コンテンツとよく我々は言っておりますけれども、質のよい、そしていい番組を一本でも多くこれによって提供していこう、そういう意気込みで今放送を始めるわけであります。
 そういう中で、できるだけこのメリットを生かしてもらうために、私どもNHK、民放とも、一千日で一千万世帯まで普及させようということでいろいろPR活動をしてきているわけであります。私は、問題はやはり受信機の値段が視聴者が求めやすい値段にまで下がるということ、それに見合って我々も質のいい番組を多く出すこと、つまりソフトとハードが一体となった車の両輪として進んでいけば目標は達成できるだろうというふうに見ているところであります。
#22
○鹿熊安正君 どうもありがとうございました。
 次に、民放放送については、BSデジタル放送では東京のキー局系のBS放送局が全国にCMつきの番組を流すため、民放地方局の広告収入減は避けられない見通しであると言われており、各民放地方局は広告収入の減少を大変心配していると聞いております。
 BSデジタル放送開始に伴う民放地方局への影響について郵政省はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
#23
○政務次官(佐田玄一郎君) 先生御指摘のとおり、十二月一日、あすからBSのデジタル放送が開始をされる予定であります。民放連研究所の推計によりますと、地上波のテレビ広告料は本年は二兆百三十四億円でありまして、二〇一〇年は、これは推計でありますけれども、一兆九千九百二十三億円になると予想されておりまして、BSデジタル放送開始により地上波テレビの広告料が激減することはないというふうに考えておるところであります。
 また、地上ローカルテレビジョン放送事業者全体の現在の経営状況においては、平成十一年度の経常利益で見ると、今のところ増益になっているということであります。一波で全国をカバーするBS放送に対して、地上ローカル放送局においては地域に密着したきめ細かいローカル番組の充実を図る等、各メディアがそれぞれの特徴を生かすことによって共存共栄を図っていけるのではないか、このように認識しております。
#24
○鹿熊安正君 次に、さらに地上波デジタル放送の開始に伴いまして設備投資も民放地方局に大きな負担であり、民放連試算では一局平均四十五億円かかるとされております。
 民放地方局の今後の経営は大変厳しい状況でありますが、地上波デジタル放送の開始に伴う設備投資の民放地方局への影響と、民放地方局に対する郵政省の支援策をお伺いいたします。
#25
○政務次官(佐田玄一郎君) 先生の御指摘のとおり、デジタル放送設備にかかわる投資額は、平成十年七月の民放連の、また試算でありますけれども、民放全体で五千六百億円、これは約でありますけれども、一社当たり仰せのとおり四十五億円とされておりまして、経営規模の小さなローカル局にとっては地上放送のデジタル化のための設備投資が大きな経営課題であることはもう皆さん方言われていることでありますけれども、郵政省としましても、デジタル放送設備にかかわる経費負担につきましては、第百四十五回国会で成立させていただいております高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法等によりまして、税制面または金融上の支援措置を設けているところでありまして、これを用いまして積極的に支援をしていきたい、こういうふうに思っております。
 また、デジタル放送の移行の前提となりますアナログ周波数変更に必要な経費といたしまして、アナ・アナ変換でありますけれども、八百五十二億円が必要と試算されているところでありますが、これについては、これは周波数を動かすことでありますから全額国費負担とすることといたしまして、平成十三年度につきましてはとりあえず百五十二億円の予算要求をしているところでございます。
#26
○鹿熊安正君 どうもありがとうございました。
 次に、平成十二年度NHK予算に付された郵政大臣意見では、「デジタル放送の開始に伴う新たな受信料の設定等受信料体系について、デジタル放送の普及状況等を勘案しつつ、検討を進めること。」とされておりますが、この考えについての郵政省の見解をお伺いいたしたいことと、こうしたデジタル放送の開始に伴う新たな受信料体系の検討についてNHKはどのように考えておられるのでしょうか、お伺いいたします。
#27
○国務大臣(平林鴻三君) まず、私の方からお答えを申し上げます。
 ただいま鹿熊委員がおっしゃいましたような意見を、郵政大臣として平成十二年度のNHK予算に対して付したところでございます。これは、デジタル放送時代の受信料の体系につきまして短期的な問題としてとらえておるものではございません。いわば長期的な課題として申し上げたというぐあいに御理解を願いたいわけでございます。
 受信料の公平負担の観点から、将来の受信機の普及状況に応じて、ハイビジョン放送を含めた受信料体系の見直しにつきまして、国民の意見を幅広く聞きながら検討すべきものであるという趣旨を述べたものでございまして、この観点から、今後ともNHKにおいて長期的な課題として御検討願いたいと、そういう趣旨でございます。
#28
○参考人(海老沢勝二君) 私ども公共放送NHKといたしましては、地上波放送、衛星放送、あるいは音声ラジオ放送、それから国際放送という四つの大きな波がありますけれども、この四つを我々は総合的に一体的に運用しております。そういう面で、すべての受信機を設置している世帯が公平に平等に負担し、そして健全な運営を図っていくというのがNHKの存立の目的、趣旨であります。そういう面で、私ども、今度のBSデジタル放送につきましても新たな料金を設定しないで、これまでの料金体制でやっていきたいというのが基本的な考えであります。
 そういう中で、このデジタル放送が将来大幅に普及する、社会情勢が一変するというような状況になったらどうなるかということもありますけれども、当面は受信料を値上げしないで、それと同時にまた新しい料金体制も設定しないで今の体制の中で維持していきたい、そういう考えでございます。
 いずれにしても、受信料の公平負担というのが大原則でありますので、今後とも効率的な経営をしながら事業運営を進めていきたい、そう思っております。
#29
○鹿熊安正君 NHK決算は、平成十一年度決算に至るまで十年間連続黒字という立派な経営成績をおさめておられるわけでありますが、二〇〇三年からの地上放送のデジタル化のためには多額の設備投資が必要になるものと思われます。海老沢会長さんには、地上放送のデジタル化の設備投資に幾らかかり、その財源をどのように手当てしようと考えておられるのかお伺いいたしたいと思います。
 そして最後に、相次ぐ青少年事件と放送のかかわりが指摘されたことを受けて、NHKと民放連はことし四月に共同で放送と青少年に関する委員会、いわゆる青少年委員会を設置したと聞いておりますが、既に半年が経過しております。十一月二十九日、初めての見解を公表されたと聞いておりますが、これまでにどのような活動を行い、またどのような議論をなされたのかお聞きいたしまして、終わります。
#30
○参考人(海老沢勝二君) 地上デジタル放送にどのくらいの設備投資資金が必要かというお尋ねでございます。
 私ども、今のところ二〇〇三年の末から東京、大阪、名古屋の三大都市圏、そして二〇〇六年の末からそのほかの地方で地上デジタル化を進めたいと、そういう今目標を掲げて、民放、郵政省とも十分協議しながらこの計画を進めようとしているところであります。
 私どもの今試算では、いわゆる全国をネットワーク化する送信設備をつくるために三千億の資金が必要だろうという試算をしております。先ほど、民放さんの方は五千六百億という数字が出ております。そのほかに、いわゆる放送するための送出設備が五百億かかります。そのほかにまたカメラだとかスタジオの改修とか、いわゆる地上デジタル放送するための施設が千五百億ということで、合わせますとこれからのNHKの地上デジタル放送についての設備投資は五千億ほどかかっております。
 まず一番問題は、ネットワーク化するための三千億の問題でございます。日本は、御承知のように非常に山が多く離島が散在しているし、アメリカの五十倍ほど電波が込み合っているためにいろんなところに送信所をつくらなければなりません。そのために、私どもは、これをNHKだけあるいは民放だけでやりますと非常にむだだろう。もっと効率的な合理的な方法を考えようということで、私、先月民放連大会で、この送信設備についてはNHKと民放各社が協力して共同建設をいたしましょう、できるだけ共同建設をいたしましょう、ただそのほかの施設等についても共同研究しながら共同開発してできるだけお互いの負担を少なくして効率的な運営を図っていこうということを提唱いたしました。
 今、NHK、民放それぞれが各地でそういう共同建設なり共同開発が進んでおりますので、三千億という数字を出しましたけれども、これが三割なり四割私は減っていくだろうというふうに期待しているところであります。
 そういう面で、非常に膨大な金がかかりますけれども、できるだけ負担を少なくするように一層努力したいと思っております。
#31
○参考人(松尾武君) 先生御指摘の放送と青少年に関する委員会でありますが、視聴者と放送局を結ぶ回路としてこの四月からスタートさせた、言ってみれば第三者機関という位置づけでございます。
 現在まで視聴者から多くの意見や希望、要望が寄せられております。六百四十二件というのが先月末までの報告でありました。その中で、各放送局が具体的に視聴者に回答を寄せるというものが百八十九件ありまして、それは視聴者にきちっと説明をいたしました。
 この中で一番視聴者から問い合わせの多かった、または要望の多かったのがバラエティー番組であります。バラエティー番組が、言ってみれば視聴者の目に余る部分を含めて指摘されましたので、八月以降現場のプロデューサーを委員会として呼んで、現場の意見と視聴者の意見をきちっと議論した。その結果、きのう発表しました二番組について、民放各社が持っております番組基準に則してそれはやはりフライングがあるということで、将来等も含めて番組基準にきちっとのっとってバラエティー番組を制作するように意見が出されました。
 NHKとしても、直接その種のバラエティー番組はつくっておりませんけれども、深く受けとめて、今後の青少年番組の向上に尽くしていきたいというふうに思っております。
 以上であります。
#32
○鹿熊安正君 どうもありがとうございました。終わります。
#33
○森本晃司君 公共放送としての役割を果たして、そして国民にその使命を全うしようとされておられます海老沢会長初めNHKの皆さんの日ごろの努力に私も心から感謝を申し上げ、敬意を表するところでございます。
 公明党の森本でございます。
 放送というのは随分いろんなところにいろんな影響を与えるものだなということを私はつくづく痛感しているところでございます。
 NHKの番組で私は「その時歴史が動いた」というのはもう大好きでございまして、あれをすべてビデオで撮って集めようと今努力しているところでございますが、ああいう番組があり、歴史の視点をいろんな角度から与えてくれる、我々に物の考え方も与えてくれる番組であるなというふうにも思いますし、同時に、この間不信任案が出された日のどたばたの中で、最後はどうなるのかということで夜遅くまで私テレビを見ていましたら、中国の石灰岩でできた池がたくさんあるのを夜中に、あれはNHKがプールしておられて放送してくださったんではないかと思います。半分居眠りをしながら見ておったわけでございますが、そういった遠い中国の秘境と言えるようなところへもテレビは我々を連れていってくれる。
 私は、テレビの影響というのは視聴者にいろんな夢や、あるいは知らないところへ連れていってくれたり希望を与えてくれたりするものであるという、その効果は大なるものがあるなと思っているわけでございますが、その影響力は物すごく大きいものがあると思います。
 今も鹿熊先生の御質問で、青少年に与える問題、これはやはり大なるものがある。相次ぐ青少年の不祥事件が続いておるわけでございまして、これは単にテレビの影響だけではなしに、学校教育、家庭教育、社会教育の中にあると思いますが、いろんな青少年の犯罪が起きてくる中で、テレビの影響があったということもまた言われているところでございまして、同時にまた、今PTAが家庭教育におけるテレビメディアの実態調査を行って、そのアンケートに基づいて、NHKのことではありませんけれども、一部番組に対してスポンサーに対して番組の提供をとどめようというようなことが行われている。
 本当にこの青少年に与える影響は私は強いと思うんですが、今の御質問と同じことになりますけれども、あえて私も申し上げさせていただきたいんですが、きょうの新聞に、NHKと民間放送連盟が共同で設置した放送と青少年に関する委員会で、暴力、性表現に問題があるとの見解を二つの番組について発表したということでございます。ことし四月設置されて、そして設置後、見解を出したのは今回が初めてだということでございます。
 こんなことがその中に書かれておりましたが、どういうことでその二つの番組が問題になるのかというと、「暴力やいじめ、のぞき、女性に対する差別を肯定しているとのメッセージを子供たちに伝える」と。子供たちに伝えるということになっているわけでございまして、同時に「原委員長は「これらの番組だけの問題ではない」と話している。」という記事が掲載されました。
 私は、公共放送としてのNHKで今そういったことはございませんけれども、やはりいろいろ視聴者の声を聞いていくということが大事でございまして、それをどう番組に生かしていくかということも極めて大事な問題でございます。NHKはどんな形で視聴者の声を聞き、どのように番組づくりに反映されているか、お尋ねしたいと思います。
#34
○参考人(海老沢勝二君) 私ども公共放送は、視聴者、国民の理解と信頼の上に成り立っていると私いつも申しております。国民の信頼なくしてNHKは存立できません。そういう面で国民がNHKの株主であり、国民の基盤の上に成り立った放送機関、国民の放送局という位置づけをしております。多くの視聴者の意見を率直に謙虚に聞いて、それを番組に反映させるのが我々の基本的な立場であります。
 平成十一年度一年間でも、電話とか投書とかファクスとか、そういう面で六百九件ほどNHKにいろんな意見が寄せられております。そのほかに中央の番組審議会とか地方の番組審議会あるいは視聴者会議あるいは消費者団体等の人たちの意見、学生あるいは地方に働く人たち、いろんな人たちからの意見をいろんな会合を通じて伺っております。そのほかにも世論調査なりアンケート調査をし、視聴者のこういう番組をつくってほしい、こういう番組はもっと改善してほしい、そういう意見を我々は取り入れながら、それを現場にフィードバックするといいますか現場におろして、現場の中でいろいろ議論を闘わせて番組をつくっていこうというのが基本的姿勢であります。
 ことしの四月から始まりました「プロジェクトX 挑戦者たち」という番組も、そういう視聴者からの要望といいますか、今、日本が不況で非常に混迷している、不透明な社会だ、そういう面で我々の先輩が果敢に物事に挑戦し、いろんなプロジェクトを立ち上げて成功させた、そういう国民、視聴者が元気が出るような、あるいは勇気づけられるような番組をつくっていくということでつくったのが「プロジェクトX 挑戦者たち」でございます。そういう面で絶えず耳を傾けるというのが基本であります。
 と同時に、今、青少年に及ぼすテレビの影響の話がございましたけれども、テレビの影響は非常に大きいものがありますので、我々は青少年の健全な育成が目的でありますから、そういう面で青少年向けの番組も、二、三年前からこれまでの土台の上に新たな試みとして少年少女プロジェクトチームというのをつくっていろんな番組にも挑戦しているところであります。
 いずれにしても、視聴者、国民あってのNHKだということを御理解願いたいと思います。
#35
○森本晃司君 ぜひ青少年に夢と希望を与える番組、それから同時に、子供たちが、青少年が考えることのできる番組をつくっていっていただきたいと思います。
 以前にも話したかと思いますけれども、遠い世界へ連れていってくれた、僕らの小さなときの「子どものためのお話」という番組を私はいまだ忘れることができないわけでございますが、どうぞぜひそういう番組づくりに頑張っていただきたいと思います。
 今、会長からお話がありました挑戦者、この間も私、コンビニ第一号のお店に挑戦していった人たちの番組を見ながら感動を覚えていたわけでございますが、こういう時代の中で頑張っていこうという人たちに希望を与える番組になっているのではないかなと。そういったことは視聴者の中から声を聞いておつくりになったというのは今初めて伺ったわけでございますが、ぜひそういう努力をお願いしたいと思います。
 次に、先ほど来出ておりまして、鹿熊先生からお話がございました、いよいよあしたからBSデジタル放送が始まるわけでございます。この間から、いよいよITの時代だということでIT基本法についてこの委員会でも議論をさせていただき、きのう基本法が通ったわけでございます。
 その中で、やっぱり新しいもの、これはもうぜひ必要ですし、改革を進めていかなければならないし、より多様なものを国民に与えていかなければならないんですが、便利になるものが生まれたときには光と影の部分がある。デジタルディバイドについて、IT基本法案を議論するときも随分そのことも議論されてまいりました。新しいBSデジタルが始まりますと、ここにもやっぱりデジタルディバイドが出てくるんじゃないかなと思うんです。
 大体、テレビを購入するには一インチ一万円強ということでございまして、三十二万から四十万円。私も早速購入しようかなと思ったんだけれども、三十万から四十万ではちょっとうちの財布がなかなか届かないなということで、またしばらく壊れかかったテレビで辛抱しながら、やがてだけど時代の先端を行かなければならないと思っています。これができても経済的な問題で買えない人たちもいます。さらにまた、それを操作するのに、せっかく多くの物がありながら、それがなかなか使いこなせないという場合がございます。
 今、携帯電話、私もiモードのやつを持っているわけですけれども、娘や息子たちが使っている機能のうちの十分の一も自分では使いこなせない状況にあると自覚しているわけですけれども、こういった問題についてのデジタルディバイドについて、このBS放送開始とどのようにお考えになっているか、お聞きしたいと思います。
#36
○参考人(海老沢勝二君) 先ほどの答弁の中で、視聴者からの電話、投書等、六百九件ではなくて六百九万件です。万が抜けておりましたので訂正させてもらいます。
 今、森本先生から、デジタルディバイドといいますか情報格差を来すんではないかと。BSデジタル放送がいよいよあすから始まりますけれども、デジタル技術、デジタル放送を見られる人とこれをまだ高くて買えないという人、そういう中での情報格差をどうするんだという、我々もこれを非常に心配しているところであります。
 これまで私どもBS放送、十六年前から試験放送、十一年前から本放送をして今千四百万世帯から千五百万世帯まで普及が進んでまいりました。そういう中でのデジタル放送、これはまたチューナーなり新しい受信機を買いかえないと見えないという事情があります。そういう面で、私はできるだけ手ごろな値段といいますか、今の地上放送の見える五二五と同じぐらいの値段まで下げてもらいたい。これは大量生産すれば私は必ず大幅に値下げをすると見ておりますが、まだ初期の段階でいろいろな開発の経費もかかっているということで三十万だ四十万だという値段がついておりますし、またチューナーも十万円前後と言われております。そういう面で、私はチューナーについても二万円台にしてほしい。あるいは受像機についても、一インチ一万円ぐらいにしてもらえば視聴者も購入してくれるだろうということでメーカー等にいろんな働きかけをしました。まだまだ、生産が大量生産にならないということで足踏みといいますか、私はこれから必ず安くなるだろうと踏んでおります。
 そういう面で、できるだけ情報格差ができないように、また情報弱者が生まれないようにするのが我々の務めだろうと思っております。そういう意味で、私どもこれまでも放送技術研究所を中心にデジタル技術の開発を進めてきましたし、いろんな放送機器の研究開発をしてこれを普及させるためにメーカーに技術を公開する、あるいは共同製作する、そういう面で努力しております。NHK自身が研究開発しても製品化できませんので、そういう技術を開放してできるだけ安い値段で普及させるというのが使命でありますから一層そういう努力を重ねていきたいと思っております。
#37
○森本晃司君 今、BSデジタル放送のデジタルディバイドの話でございましたが、今までもNHKは随分そういったデジタルディバイドを解消するために御尽力をいただいておりますし、さまざまなハンディキャップを持った方々に、同じようにあまねく及ぶように放送への努力をされていることと思っております。
 私も中央研究所を訪問させていただいて、そして私のしゃべった音声が、殊に字幕放送について私は関心を持っているわけでございますが、字幕放送が、私は関西弁でしゃべったものだからすぐになかなか翻訳できずにおかしな言葉がいっぱい出てきたわけでございますけれども、ここはいろいろ御苦労してくださっているんじゃないかと思っています。
 耳の不自由な方々に対する字幕放送については、二〇〇七年までにニュースやスポーツの生放送など特定のものを除いて一〇〇%字幕化を達成すると。これは郵政省の方針も出ているはずでありますけれども、NHKで字幕放送は、今現在の地上放送ではどこまで進んでいるのか。また、新しく始まるBSデジタル放送では字幕放送についてはどんなふうに取り組んでいくのか。ニュースについての字幕化は特に要望が強いと思いますが、いかがでございますか。
#38
○参考人(松尾武君) 先生御指摘の総合テレビ、基幹放送でございますが、そこの十二年度の達成率、要するに行政指針による達成率は七〇・六%でございます。時間で申し上げますと、十一月三十日現在でございますが三十一時間二十三分、これは週単位でございます。この三十一時間の中にはニュース、スポーツ等々生で対応する番組は含まれておらないわけでありますから、二十四時間の放送の中からその分を抜いた残りで計算を申し上げますと大体七割ぐらいが今字幕率を達成しているということでございます。
 ニュースについては、現在七時のニュースをしております。音声認識装置を使いながらやっておるのですが、やはり全体平均を申し上げますと四割強というぐらいが字幕化されております。回線等々の理由によって地方から発信するものについてはまだ機械的にできない部分もあります。最善の努力をしながら今後さらに充実する方向を検討していきたいというふうに思っています。ニュースについては、今七時でやっておりますけれども、来年度は九時にもそのニュース字幕化を、今の率にはなりますけれども、試みてみたいということで検討中でございます。
 それからデジタルについては、大変にそういう意味で優しいテレビということになります。デジタルハイビジョンでは十二月一日から、週単位でありますけれども、五時間十九分の字幕放送を実施するところからスタートして、将来、御指摘のように限りなく一〇〇に近づくような努力をしていきたいというふうに思っております。
#39
○森本晃司君 終わります。
    ─────────────
#40
○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として内藤正光君が選任されました。
    ─────────────
#41
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございますけれども、私も明日からスタートするBSデジタル放送、海老沢会長は、このBSデジタルを一千日で一千万世帯の普及、こういう目標を、新たなる一千万世帯を達成しよう、こういう決意であるというふうにお伺いしているんですけれども、先ほど来、内容もともかく、受信機器の価格というのが非常に高い。チューナーが十万円、テレビは四十万円台と。森本議員が買えないものは私も買えないわけでございまして、どうしようかなという気持ちでございますけれども。それから一千万世帯、一千日で一千万やるんだと、こう言われておりますけれども、そういう価格の面だとかいろいろな障害があると思いますが、これの達成見込みというか、決意というのを会長にお伺いしたいと思います。
#42
○参考人(海老沢勝二君) 今、IT革命の中で私どもデジタル放送を世界に先駆けてこれほど大がかりにやるのは日本が初めてだろうと思っています。アメリカでやっておりますけれども、それよりは日本の方がいろんな面で先頭を行っているという、先ほども申し上げましたけれども、そういう中で、やはりこれが普及しなければ何のためのデジタル放送かということになりますので、今、先生御指摘のように一千日一千万世帯という目標を掲げております。それにはやはり受信機それからチューナーとか、そういう機材が手ごろな値段にならなければ普及はおぼつきません。そういう面で、先ほども申しましたようにメーカー等に対してできるだけ安い値段で、そしてまた使いやすい受像機をつくってほしいという要望を発言しております。今、新しい半導体の開発というものが非常に難しい、いわゆるコンピューター技術を駆使したものになりますので、いろんなまだふぐあいも一部では出ているようでありますけれども、これはメーカーの努力によって克服できるという話を聞いております。
 いずれにしても、新しい技術の開発でありますから、そういう面で少し今手間暇がかかっているというふうに私は理解しております。来年の今ごろにはかなりの大量生産になって安くなるだろうというふうに期待しているところであります。
 私は、このBSデジタル放送が軌道に乗り成功しませんと、次のやはり地上デジタル放送も順調に進まないだろうという思いもしております。そういう面で、ぜひBSデジタル放送を成功させ、その基礎の上に、本命といいますか国民の一番期待しているといいますか、関係のある、すべての世帯が今地上波を持っているわけでありますから、国民の理解、合意を得ながら進めなければなりませんので、そういう面でまず地上デジタル放送に先立つBSデジタル放送を成功させたいと、そういうことでさらに努力を重ねていきたいと思っております。
#43
○弘友和夫君 ぜひこうした目標達成のために、また価格面についても、普及促進会議等もあるようでございますので、ぜひメーカーの方にも協力していただいて達成をしていただきたいなと、このように思います。
 それと、先ほど少し出ておりましたけれども、先日の朝日新聞ですか、BSデジタルの受信料の問題ですね。「契約世帯以外は見られない方式 スクランブル化盛る」と。政府の規制改革委員会が年内にまとめる見解の草案の中に一律負担の見直しだと、要するにスクランブル化してNHKも同じようにしていこうと、こういうことだと思うんですけれども、これはどういう意味なのか郵政大臣にまずお聞きして、そしてまた郵政省としては、規制改革委員会の答申といいますか、そういうものに甘んじていくのかどうか、郵政省としての方針、それから、NHKさんは当然反対をされているわけでございますけれども、NHKとしての見解というのをお聞きしたいと思います。
#44
○国務大臣(平林鴻三君) 弘友委員がおっしゃいます規制改革委員会がNHKのBSデジタル放送をスクランブル化するということを検討中という話でありますが、私もそのようなお話は伺っておりますけれども、これは相当慎重に対処すべき問題だと思っております。
 仮に、規制改革委員会の考え方に基づいてNHKのBSデジタル放送にスクランブルを導入するとすれば、実際に視聴する者のみが受信料を支払うということになりまして、従来の考え方とかわって有料放送としての性格を持つことになります。したがって、視聴の有無にかかわらず受信機を設置した者から徴収する現行の受信料制度、NHKは今受信料制度でやっておるわけでございますが、そういう受信料制度にかえて有料放送としての性格を有する料金制度をBS放送に導入した場合、従来から公共放送としてNHKに期待されている役割が確保できるかどうかということについて、申し上げましたように、慎重に検討する必要があると思っておるところでございます。
#45
○参考人(海老沢勝二君) このスクランブル化というのは、もう先生御承知のように、いわゆる有料放送、料金を払わなければ見れなくするという方法であります。つまり、対価といいますか、対価主義に基づく発想だと思います。これは御承知のように、今CSデジタル放送とWOWOWがこれを導入しております。
 そういう中で、NHKも衛星放送についてはスクランブル化したらどうだという意見が出ている。私どももこれに対して反対の意見を今述べているところでございます。それはNHKの存立の基本にかかわる問題でありますし、私どもは、いつでもどこでもだれでもが簡単に安い負担で見られるというのが公共放送の使命でありますし、そしてそのためには各世帯からひとしく公平に負担をしていただいて運営するという、いわゆる対価主義をとっておりません。そういう面で、これを導入しますと、NHKそのもののこれからのあり方を抜本的に変えなきゃならぬだろうという問題があるわけであります。
 それと同時に、もう一つ考えなければならないのは、有料化しますとどうしてもやはり視聴率優先主義という問題にたどり着きます。ですから、視聴者が見られるものに迎合するという形になってきて、必要な情報なり文化性の高い番組ができないことになってしまう。どうしても画一的な、視聴者におもねるような番組になってくる、質の低下を招くというのが、これまでのところでもそういう傾向があるわけであります。
 そういう面で、私どもは、できるだけ質の高いいい番組をつくるというのが我々の使命でありますから、そういう面でスクランブル化はいかがなものかという見解をとっておりますし、今、アナログ放送も九百四十五円の受信料でやっておりますし、これをまたスクランブル化すれば相当また複雑な問題が絡むということで、今の受信料制度を維持する、そういう基本的な方針の中で、今の料金体制で視聴者に新たな高度な放送サービスを展開していきたい、そういう考えで反対しているわけであります。
#46
○弘友和夫君 今、大臣、また会長の御答弁にもありましたように、私はこれは単なる今回のBSデジタルの料金だけの問題じゃなくて、やはり公共放送とは何なのかというもう本当に基本にかかわるお話だと思うんですよね。まだあれが出ていないんですけれども、正確には。ただ、新聞報道によりましたら、例えば「テレビを持つ全世帯に課せられる受信料は不払いが目立ち、NHKによると地上波で約二〇%、BSで約三〇%に達している。このため草案は「負担者間の公平性とNHKの経営の透明性確保の点から、有効な措置を講ずるべきだ」」と。そして、「さらに、受信料制度自体について「視聴するか否かといった意思に関係なく義務づける制度について、公共放送のあり方を含め検討を行う必要がある」と問題提起している。」、このように書いているわけですね。
 だから、BSデジタルのスクランブルをやって、今回の規制改革委員会というのは、とにかくそれをもっともっと、見たくない者からお金を取るのはおかしいじゃないかと、こういう受信料制度のあり方そのものに触れられているわけですから、必然的にそういうふうになってくるというか、このまま放置すれば。
 先ほど来質問が出ておりますけれども、本当に私は公共放送のあり方というのは、会長もこの対談の中で、「われわれは流通業じゃなくて、日本の伝統文化を守り、そのうえに新しい文化を創造していく集団だ。われわれは放送は文化だという理念で仕事をしている」と、こういうふうに言われております。まさしく、見ない人は払わないんだと、こういう感じであれば、悪貨は良貨を駆逐するじゃありませんけれども、だんだん、今のほかの放送も見ましても、やはり方向性としてはそういう方向になりますし、視聴率競争になってくると、本当にすばらしい、先ほどから出ているいろいろな、視聴率に関係なく有意義な放送をするという視点が崩れてくると思うんですよ。
 そういう意味で、ぜひこうした流れ、規制緩和というのは大事なことです。だけれども、文化は守るとか、そうしたものに対しては、やはりただ単なる規制緩和という観点ではだめなんだということをはっきりとこれは郵政省としても貫いていただきたいし、またNHKさんにも頑張っていただきたい、このように思うわけでございます。
 大臣のもう一度そうした流れに対抗する決意といいますか、それから海老沢会長の御決意をお聞きして、終わりたいと思います。
#47
○国務大臣(平林鴻三君) NHKが有しております公共性というものを考えますと、NHKを維持運営するために徴収する特殊な負担金としての受信料制度、これを変えてしまいまして有料放送としての性格を有する料金制度を導入するということ、これはちょっと、NHKに期待されている例えば災害に対応するとか、いろんな公共的な役割を維持することが困難になりはせぬか、そういう心配がございますので、今規制改革委員会でも検討中ではありますけれども、公共性を維持する放送がやはり必要であろう、そういう観点から取り組んでいくべきであろうと私自身は思っております。
 その他技術的な、例えばBSアナログ放送は二〇〇七年度まで実施される予定でございますから、BSデジタル放送のみにスクランブルを導入すれば、二つの視聴者間に取り扱いの不均衡を生ずるというようなそういう問題もございますので、慎重に今後検討してまいりたい、そう思っておるところでございます。
#48
○参考人(海老沢勝二君) 今の放送法が施行されてことしは五十年になります。この受信料制度で、受信料を主な財源とするNHKとそれから広告放送を主体とする民間放送のいわゆる二元体制で現在まで参りました。そういう中に今こういう有料放送という新しいまた考え方を導入したメディアが出てきたという、今三つの体制になってきております。
 そういう中で、私はNHKというのは、すべての国民が平等に負担するというこの制度は世界に冠たる制度だろうというふうに思っておりますし、世界各国からもうらやましがられるといいますか、NHKのあり方というものは理想的な形だというふうに評価されているようであります。なかなかこういう制度を維持するということは、非常に不断の努力といいますか、たゆまぬ努力が必要だということはもう言うまでもありません。
 そういう中で、私どもはいわゆる商業主義でできないような、視聴率に左右されないような教育問題、環境問題、いろいろ国民の基盤に立った問題を取り上げることもできますし、あるいは災害等、日本は災害が非常に多い国でありますから、災害等なりあるいは国会中継とか、民間放送にできないものをやる使命もありますし、そういう放送局は私は必要だろうと思っています。
 そういう面で、今のこの受信料制度を今後も視聴者の支持によって維持していきたい。また、NHKを維持する我々はさらに努力が必要だろう、そして理解を得なきゃならぬだろうということを今改めて痛感しているところであります。
#49
○宮本岳志君 日本共産党の宮本です。
 海老沢会長初め参考人の皆様、御苦労さまでございます。
 まず郵政大臣にお伺いいたしますけれども、本委員会でのIT基本法の審議で清原参考人が、情報保障はIT時代の基本的人権だと、こうおっしゃった。それを取り上げて私お伺いして、一昨日、森総理がこの場所で、昨日成立した法律がまさにその立場に立つものだと明言をされました。つまり、基本的人権という言葉を使うかどうかはともかくとして、すべての国民が情報にアクセスできることをまさに権利として正面から受けとめる、こういう思いだと思います。
 郵政大臣もその場におられましたけれども、もちろん大臣も同じ思いと受けとめてよろしいでしょうか。
#50
○国務大臣(平林鴻三君) 私も総理大臣と同様に、国民の情報アクセスの重要性につきまして十分に認識をして今後に処していくべきだと考えております。
#51
○宮本岳志君 今日、テレビは国民の日常的な情報源としてまさに基幹的な役割を果たしていると思います。大臣も今そういう同じ思いだということをおっしゃいました。当然、それにテレビも含まれるというふうに思うんです。NHKの海老沢会長も、IT戦略会議の方に御参加ですので、まさに同じ思いで取り組んでいただけるというふうに思うんですけれども、まずNHKにお伺いをいたします。
 字幕放送についてですけれども、あすから始まるBSデジタル放送では、全部の番組に字幕がつくというふうになるんでしょうか。つかないとすれば、どれだけにつくのか、いつまでに一〇〇%ということになるのか、お答えいただきたいと思います。
#52
○参考人(松尾武君) あすから始まるBSデジタルハイビジョン放送でございますが、現在のところニュースを除きまして、先ほども言いました週単位の時間は五時間十九分でございます。これは二十四時間で考えた場合に全体の三・二%でございます。そのほかに、先ほども言いましたようにハイビジョンニュースを始めます。これに字幕がつきますので、夜の七時のニュースは字幕つきということになります。
 以上でございます。
#53
○宮本岳志君 三・二%ということなんですね、ハイビジョンの方は。これは今の総合で見ましてもこの六倍はついていると思うんですね。だから、非常にこれはやっぱり少ないというように私思うんですね。
 NHKが九八年一月に発行した「デジタル時代へのNHKビジョン」、きょうお持ちいたしました。このビジョンによりますと、「デジタルテレビ」と表題のついたページには「見やすい字幕放送や解説放送など、「人にやさしい」サービスを行います。」、こう書いてあります。この種の何といいますか宣伝によって、デジタル化になればどんな番組も字幕つきで見られるようになるという期待が非常に広がったわけですね。従来の番組に満足している人でも、障害者の権利保障が進むことはいいことだと、こう思ったと思うんです。
 デジタル放送を受信するチューナーは、従来のアナログテレビと違いまして別途のデコーダーなしに字幕放送が見られるようになる。しかし、放送局から送られる電波に字幕放送が乗っていなければ、幾ら見られるといっても話にならないわけですね。つまり、これではデジタル化されてもアナログのままでも全く関係なかったということになってしまうのではないかと思うんですが、これは海老沢会長いかがでしょうか。
#54
○参考人(海老沢勝二君) デジタル技術を駆使しますといろんなサービスもできるのはもう当然であります。そういう面で、私どもも以前に先生からも御指摘ありましたいわゆるニュースの字幕放送、今、音声自動認識装置ということで七時のニュースを始めました。私ども、できるだけこれを拡大し、来年は九時のニュースもこれをやりますけれども、できるだけ朝、昼、七時、九時、そういう時間帯にも今やる方向でさらに精度を上げるように努力しております。そういう面で、これまでの平成十九年までの目標がありますけれども、私はこれは達成できるというふうに見ております。それと同時に、BSデジタル放送については今当面は五時間ちょっとでありますけれども、これもできるだけふやす方向でさらに整備を進めていきたいと思っております。
 それと同時に、デジタル放送でありますからデータ放送を、いつでもデータ放送は呼び出すと出てきます。そういう面で、いつでもニュースを呼び出して見ることができる、天気予報もしかりであります。あるいはもう災害情報は、データ放送でやりますと、すぐ、どこで地震があって今どういう状態かがわかりますので、そういうデジタル放送を受信しますと、データ放送をひとつ大いに活用してもらいたいと思っておりますし、それだけでは不十分でありますので、データ放送のほかにそういう字幕放送も強化していきたいと思っております。
 どこまでできるか、十三年度予算を今編成しておりますので、そういう中で具体的に提示できるだろうと思っております。
#55
○宮本岳志君 データ放送をいつでも呼び出せるといっても、とにかく字幕がついていなければ呼び出せないわけですよ、やっぱり。だから、字幕付与番組をきちっとふやさないと、三・何%では全然国民の期待と反してしまうと。
 そこで、郵政省にお伺いしたいんです。
 これまでこの委員会でも、デジタル化されれば字幕も簡単につくのだという、そういう議論がございました。郵政省の情報バリアフリー懇談会報告でも放送のバリアフリーにつながることが強調されております。また、昨年三月十五日の衆議院逓信委員会、当時の品川放送行政局長は、「デジタル放送というのはバリアフリー型サービスあるいはユニバーサルデザインサービスに大変向いておりますので、ぜひこういったこともデジタル放送のメリットとして御理解いただいて、」と述べております。
 しかし、実際に始まってみて、これまで可能だと言っていたのは機械のことだと。デジタル技術においては、字幕を送ること受けることが技術的に可能だということであって、現に放送するかどうかは別問題だというのでは重大な問題になると思うんです。幾らデジタル化されても、NHKであれ民放であれ、そもそもの放送局側が字幕を放送しなければデジタル化も意味がないと思うんです。郵政省、郵政大臣、そうじゃないですか。
#56
○国務大臣(平林鴻三君) おっしゃいますように、すべてのテレビを見る方が、聴覚障害のある方も楽に見られるようにという、それはもう我々が目指すべき当然の目標であると思います。技術開発がやはりどんどん進んでいくわけでございますから、さようなことが可能になるように、これからもその方面の技術開発に力点を置いて努力をすべきものだと思っております。
 これは冗談話のようなことでございますが、例えばアメリカや、要するにアルファベットを使っておるところは簡単に音声を字幕に変換ができるということでございますが、日本語のようにたくさんの文字を字幕に変換するということは、これはやはり相当の技術を要すると。平仮名や片仮名だけでだあっとやりますと、今度は画面が全部文字になって変換されてしまうということで、これはやってもむだなことになりますので、そこらのところを技術開発するということであろうと思います。
#57
○参考人(松尾武君) データ放送はデータ放送独自でございますので、文字情報として検索することは可能でございます。したがって、番組連動型データサービスというのもあわせて行っておりますので、これについては、料理番組の中でレシピであるとかどういう内容であるとかということは字幕には関係なく利用することができる。
 この字幕でございますが、もう先生御指摘のとおりですが、やはりハイビジョン、デジタルでございます。したがって、アナログ技術とちょっと違いまして、そういうことを含めて多少時間が、具体的には時間がかかっていくということが一つ。それからもう一つは、やっぱりハイビジョンのよさは、野外へ出た、スポーツであるとか風景であるとかそういうダイナミックなものでございます。この種のものはどうしても生になる可能性が大変強いということがありますので、生については今のところ地上波も含めて、やり方についてはなかなか難しい問題があって実現しておりません。したがって、そういうことを含めて三・二ということでございます。努力はいたします。
#58
○宮本岳志君 三・二%以外が生なわけないんですからね。皆さん方がおっしゃってきたこととの関係でも、これは進むものだともうみんなが期待していたはずなんですよね。それが総合テレビの六分の一というのでは余りにもひどいと。
 これは、先ほどの御答弁では一〇〇%いつまでにやるかというお話はなかったんですが、もちろん全体を、アナログ地上波放送については二〇〇七年を一、二年前倒しして一〇〇%という目標をお持ちですけれども、これはデジタルについてもこの期日になるんですか。
#59
○参考人(松尾武君) デジタルについては今現在十二月から始めますので、私どもとしては限りなく一〇〇%に近づく、郵政指針による一〇〇%に近づく計画を改めて来年度までには策定をしていきたいというふうに思っております。
#60
○宮本岳志君 次に、郵政省にお伺いをいたします。
 IT基本法の審議ではIT分野での日本の立ちおくれということが盛んに議論をされました。特に欧米に対しての立ちおくれと。しかし、日本が欧米に対して立ちおくれているのは決してインターネットの普及だけではないんですね。IT分野の中には当然放送が入るわけですから、世界水準からの立ちおくれを言うならば、放送のバリアフリーという問題こそ深刻に立ちおくれていると私は考えます。
 まず、郵政省にアメリカの現状を聞きたいと思うんです。アメリカでは字幕放送の一〇〇%付与をいつまでに実現するということになっておりますか。
#61
○政府参考人(金澤薫君) アメリカにおきましては、一九九六年の連邦通信法によりまして放送事業者に字幕付与を原則義務化しております。FCCが同法に基づきまして定めましたいわゆるFCC規則というのがございますけれども、これによりますと、一九九八年一月一日以降に制作される番組につきましては、二〇〇六年一月一日までに一〇〇%の字幕を付与するということが規定されているところでございます。
#62
○宮本岳志君 二〇〇六年一〇〇%と、目標、期日とも明確であります。
 では、イギリスの字幕放送付与の目標と期日は現在どうなっているか。そして、現在の付与状況はどうか。これもあわせて御答弁願います。
#63
○政府参考人(金澤薫君) お尋ねのイギリスにおきましては、一九九〇年の放送法というのがございますけれども、これによりまして一定時間以上の字幕放送を義務づけております。
 チャンネル3につきましては、一九九八年中に全放送時間の五〇%、二〇〇四年には八〇%に字幕付与ということを義務づけているところでございます。チャンネル5につきましては、二〇〇二年中に全放送時間の五〇%に字幕付与、これを免許の条件としているところでございます。なお、チャンネル4につきましては、法的規定の対象ではございませんけれども、チャンネル3と同様の条件で字幕放送を実施することとしているところでございます。
 さらに、イギリスにおきましては、公共放送であるBBCで約五〇%の番組に字幕が付与されております。民間放送は、チャンネル3で約六一%、チャンネル4で約六〇%、チャンネル5で約二七%の番組に字幕が付与されているというのが現状でございます。
#64
○宮本岳志君 それぞれ放送局ごとに目標と期日を明確に持たせているわけですね。今議論になっているような五〇%、六〇%というのはこれは日本とは違いまして、全放送時間中の付与状況ということになっていると思うんですね。
 それで、日本では、NHKはともかく、民放は目標も期日も一向に明確でないというふうに思うんですけれども、また各局ごとの実績すらなかなか報告をいただけないわけであります。民放の在京キー五局の二〇〇〇年の字幕付与放送時間数と総放送時間に占める字幕付与率はどのようになっておりますか。民放です。
#65
○政府参考人(金澤薫君) お答えいたします。
 郵政省は、在京キー五局に対しまして、本年七月二十四日から三十日までの一週間、視聴覚障害者向け放送の現状について実態調査を行ったところでございます。本調査によりますと、在京キー局における総放送時間に占める字幕放送時間の割合は二・九%ということでございます。
 なお、在京キー五局における字幕付与可能な総放送時間に占めます字幕放送時間の割合は九%ということでございます。
#66
○宮本岳志君 総放送時間からいうと二・九%というのが出されました。字幕付与可能に照らしても一割に満たないんですね、九%ですから。しかも、これは一週間の五局の合計ですから、一局平均一日四十一分ということになろうかと思います。情報を得たり楽しんだりできる番組が一日一局わずか四十一分ということなんです。
 まず、郵政大臣にお伺いしますけれども、字幕付与可能とされる四〇%、これは字幕付与は技術的に可能なんです、総放送のうちの四〇%は。これは自動音声認識装置も要りません。技術開発も要りません。そういうものがこの字幕付与可能な番組放送時間なんです。民放ではここにも字幕がなかなかふえていかない、その理由は一体どこにあるんですか、郵政大臣。
#67
○国務大臣(平林鴻三君) やはり相当お金がかかるということじゃないかと思います。
#68
○宮本岳志君 いや、お金がかかるというふうになっていること自身にやっぱり一つ放送局の姿勢が示されていると思うんです。
 それで、補助金についても、この間私どもも指摘してきましたけれども、ふやしてもそれに伴って放送時間がふえない、こういうことも言われております。それで、この問題の大もとにあるのは何か、これはやっぱり障害者向け放送というものに対する放送局も政府も考え方、姿勢に問題があるのではないかということを本当にきょうは問題提起をしたいと思ってやってまいりました。つまり、努力すればよいということになっているから、努力はしているがなかなかという状況がやはり解決されないのではないかと思うんです。
 実は、先日十九日に宮城県で放送バリアフリーシンポジウムというのが開催をされました。そこには郵政省放送行政局からも来賓として参加をされておりました。またNHKの編成局の方も来られておりましたし、民放事業者も参加をされておりました。私は報告を受けたんですけれども、そこでの議論は非常に白熱をして、字幕が進まない障害となっているのは何かということが随分はっきりとしてきたというふうに思っております。
 それは、先ほど紹介した前品川放送行政局長も触れられたユニバーサルデザインということが大事だと思うんです。この間、我が国ではバリアフリーということが随分言われて進められてまいりましたけれども、今世界の舞台ではもうバリアフリーからユニバーサルデザインへというふうに議論が移っていっております。
 つまり、ユニバーサルデザインというのは、障害者や高齢者や健常者の区別なしにすべての人々が使いやすいように製品や建物や環境などをデザインすることでありまして、当然そういう方々が、つまりバリアフリーというような障害者向けの特別の対策ではなくて、向こうには当然そういう方々も含めていらっしゃるということをもとから織り込んですべてのものをデザインするということであります。これこそ今世界の、そして時代の流れだと。
 テレビのユニバーサルデザインといえば字幕放送対応の、テレビをすべてそういうテレビにするということでありましょうし、また放送についてもこれは言えることだと思います。番組のユニバーサルデザインというのは、当然字幕もつけて、さらには解説放送もつけて初めてすべての人に対応したユニバーサルデザインとして完成する、こう考えたら、今それがついていないこと自身が未完成とも言うべきものなのではないか。これからはそこまでやって初めて完成したものができ上がったと認識すべきではないか。
 今、放送事業者は字幕をつける作業を番組ができ上がってからいわばプラスアルファのコストに見合わない仕事であると考えているのではないかと思うんです。これが字幕付与の障害となっている。私が言いたいのは、そもそも番組というのは字幕や解説がついて初めて完成された番組となるべきだと思うんです。こういう点で、ひとつ大臣、こういう考えに立ってこれは義務化する、義務化の方向で検討するということが必要だと思うんですが、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#69
○国務大臣(平林鴻三君) 郵政省で従来やってまいりましたことを簡単に説明をいたしますと、平成九年の十一月十七日に字幕放送普及行政の指針の策定をいたしております。すなわち、「字幕放送へのアクセス機会の拡大に向けて」、そういう表題で一連の方針を定めたわけでございます。先ほど来話になっておりますNHKは二〇〇七年までに字幕放送を実現していくというようなこともその中に書いてあるわけでございます。
 それで、お話にありますように、強制ということになりますと、これはすべての放送についてどうするかという問題になってまいりますし、強制するからには採算が合わない部分は税金で賄ってほしいというお話も当然出てくると思いますし、非常に多角的、総合的な議論をして決めていかなければならないと思っております。
 例えば、従来は地方の鉄道の駅でありますとかあるいは公共施設などにもエスカレーター、エレベーターの施設のないところがたくさんございましたけれども、今は、委員がおっしゃいますようにバリアフリーの考え方が非常に浸透してまいりまして、相当多額の経費をかけて、それもまた補助制度なり単独事業なりを上手に組み合わせて工夫をしながら徐々にバリアフリーの体制をつくっていっておるということでございます。
 放送通信の世界でも、恐らく、すぐにやれとおっしゃってもすぐにはなかなか難しいかと思いますけれども、徐々に目標を定めて必要な方策をとっていけばバリアフリーの世界が実現していくものと考えております。
#70
○宮本岳志君 強制という言葉をお使いになったので、強制というと非常にきつく感じるんですけれども、義務化というのは決してほかの分野でもないわけじゃないんです。
 大臣おっしゃるとおり、交通のバリアフリーは私たちこの委員会で法律をつくりましたけれども、新設のものについては義務ということになっておりますので、まさに義務化することによって補助やそういった問題もどうするかという議論になってくるわけですね。だから、むしろ全体としてこれはやらなくちゃならないものだというふうにすることが、では負担をどうするかという議論にも結びついてくると思いますので、私は、これは本当に今真剣に考えるべき問題だと思うんです。
 実は欧米が進んだ理由もここにあるんです。先ほど大臣は、アルファベットが簡単なので字幕にできるというふうにおっしゃいましたけれども、これはそうじゃないんですよ。アメリカの場合は字幕をつけることが容易だからつけているんじゃなくて、先ほど紹介があったように、字幕をつける義務があるから字幕をつけることになったんです。だから、その過程ではアメリカでもそれをどう入力するか、手入力、アナウンス原稿を流す等々の方法をいろいろ組み合わせて試行錯誤しながら、やはりこれはつけなきゃならぬものなので頑張ってつけてきたといういきさつも流れもあるわけです。
 世界ではそういう努力が始まっております。ITで世界最高水準を目指す、追いつかれたらまたさらにその上を行く、こういう議論をされたわけですけれども、放送についてはアメリカ、イギリスに比べてもいかにもおくれたままで、しかも進まないという状況なわけですから、少なくともこの取り組みが随分我が国は立ちおくれていると、このことは大臣どうですか、お認めいただけますか。
#71
○国務大臣(平林鴻三君) 国際比較の細かいことは、私も正直申して承知しておりません。
 我が国の現状をもう一度整理して申し上げますが、NHKは先ほど申し上げましたようなことでございますが、民放のキー局では字幕放送に対する着実な取り組みを今進めておるところでございます。そのことは我々も認識できます。
 放送法では字幕放送等に関する放送事業者の努力義務を既に定めておる、これは御承知のところだと思います。今申し上げましたように、民放キー局あるいはNHKの着実な取り組みをやっておる最中でございますから、この考え方をさらに推し進めていきたいと、そういうところでございます。
 したがいまして、今までも郵政省では放送事業者に対して随時、番組数の増加について要請を行ったりしております。引き続き、さような要請を行ってまいりますし、また字幕番組等の制作費用に対する助成及び字幕番組自動制作技術の研究開発を引き続き推進してまいりたいと、そう思っておるところでございます。
#72
○宮本岳志君 進んでいるとおっしゃいましたけれども、なかなか進まないので問題提起しているわけです。
 字幕制作技術という機械の話がすぐ出るんですけれども、今私が議論しているのは字幕付与可能な四〇%についての話ですから、何も自動で変換してもらわなくて結構で、きちっと時間もとって字幕を付与できる、それについていかないのはどういうわけかということを、やっぱり前に向かって進める必要があるのじゃないかということを問題提起しているんですね。
 それで、ちょっと進みますけれども、もう時間もありませんが、そもそもこの問題についての我が国の取り組みを振り返ると、それは九六年に衆参両院で関係者の方々の願いを込めた請願が採択をされた、これがきっかけで、これを受けて翌九七年に郵政省から放送法の改正案が提出をされました。同年の通常国会でこの改正案が成立したわけです。
 このときの請願の趣旨は義務化ということであったと思います。三年間の努力義務という形で、しかし同時に義務化という請願であったけれども、その後、法律にするときに、やっぱり放送事業者の自主的な努力を求めようということで努力義務という規定になったわけですよね、法律上は。
 ところが三年前の議論のときに、前郵政政務次官の小坂憲次議員がこういうふうに国会で議論をされておるんですね。「義務化されたのなら、ではそれに対応して何とか効率よくやろう、」「こうなりますが、そうでなければ、やはりそれぞれの仕事は、もちはもち屋、それぞれに分担でやろうということで、一気に進むことも難しくなってしまう。」と、こう述べておられまして、やっぱり義務化すべきではないかと指摘をされております。
 この議論から三年たったわけです。三年やってきたわけです。NHKはそれなりの御努力いただいているわけですけれども、民放は残念ながら、字幕付与可能なところでも、とても目標としている二〇〇七年義務化一〇〇%というのはもう到底おぼつかないという状況なんですね。
 私は、この小坂議員の御指摘というのはまさに現実になりつつあると。そういう点で、義務化するとここでとても大臣は答えられないと思うんですけれども、検討をやっぱり始めるべき時期ではないかと、三年という時点を踏まえて。これはいかがですか、検討はすべきというふうにお感じになりませんか。
#73
○国務大臣(平林鴻三君) おっしゃるような趣旨のことは既にずっと検討を続けておるわけでございまして、なるべく早くこういう字幕放送が完全に行えるように、普及するようにということの努力を続けてまいりたいと思います。
#74
○宮本岳志君 先ほど、予算がという話も出されましたよね、大臣から。事業者はお金がないのでというお話があったと思うんですね。二〇〇六年までに字幕放送の完全実施を義務づけているアメリカでは最大で総予算の二%までは放送事業者の担うべき責務としております。
 日本ではどうかといいますと、以前これはNHKにも御指摘申し上げたんですけれども、頑張っていただいているNHKでさえ二〇〇〇年度の予算で見ると実はわずか〇・〇九%なんですよ。一けた違うんですよね。それで、日本でもやっぱりアメリカ並みの負担を求めることは決して筋の通らないことではないのではないかと思っているんです。
 それは、例えば現在、障害者雇用促進法に基づく障害者の法定雇用率というのは一・八%、民間でなっております。公務員は二・一%。郵政省はこれをクリアされているということですけれども。やっぱり国民全体で障害者の方々のそういったコストや障害者の方々を支えていく、これは決してほかにない話じゃないんですね。当然この一・八とか二%というのは日本でもある一つのルールや考え方なんですよ。
 ましてや、先ほども申し上げたように、交通バリアフリー法では、駅のバリアフリーに関して新設のものについては事業者に義務づけるということもやったわけですね。だから、何か物すごい厳しいきついことを私は提案しているつもりはないんですけれども。やはりもう少し事業者に対して、そういう責任というものをきちっと受けとめてもらえるような策を、ずっといつも検討しているということですけれども、今後一層検討すると、そういう御決意はいただけないでしょうか。
#75
○国務大臣(平林鴻三君) 我々、国民の一つの目標として、障害者の方々にもあらゆる面でバリアフリーという考え方をとって福祉政策その他を進めていくということ、このことは共産党の宮本委員のお考えが恐らくほかの政党あるいは広く国民を通じての世論で高まっておることだと思っておりますので、今後につきましても、できるだけ努力をしてまいりたいと思っております。
 高い理想を掲げるということも大事でございますけれども、一歩一歩現実を理想に近づけるという、そういう地味な地道な努力も大事だと思いますので、その点の御賢察をお願いしたいと思っております。
#76
○宮本岳志君 そのとおりでして、一歩一歩現実のこの字幕放送付与率を引き上げていくためにも、やっぱり一つ一つの放送事業者に対して計画も持ってもらうし、到達点も事業者ごとに出すと、こういうふうに進める必要があると思うんです。
 そもそも、この問題は本委員会で採択した請願からできた制度です。しかも、放送法は昨日成立したIT基本法との関係でも遠からず改正が議論されると言われております。こういうときこそ、おくれを取り戻すという議論が一方ではされているわけですから、やはりこういった問題のおくれも思い切って取り戻すべきときだと思います。
 情報化社会のあるべき姿という意味でも、障害者の人権という意味でも、これは立法府として放置できない問題だと思いますので、本院においてその責務を果たすために、ぜひ各会派の共同を今後とも呼びかけて、私の質問を終わりたいと思っております。
 ありがとうございました。
#77
○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。
 本日は、各会派の皆様の御理解を得まして大変早い順番で質問ができますことをまず感謝を申し上げたいと思います。大変気分が違うものでございます。ただ、答弁席の皆様におかれましては、私が出てきたからといって最後だということをお思いにならないようにひとつお願いをいたしたいと思っております。
 先ほど来、いよいよあすからBSデジタルの開始だということでいろいろ御議論がございました。まさにこれは、BSに限らずデジタル放送の本格的な幕開けではないか、私はそういう認識を持っておりますが、現実にはNHKだけのことかもしれませんけれども、NHKにとりましても歴史に残る日になるのではないかなと御同慶にたえない次第でございます。
 そういう記念すべき時期ではございますが、このデジタル放送が開始されるということに対して、正直言いまして、私個人にしましては余り関係ないというのが実感でございます。つらつら考えますと、今まで見ておりましたBSのアナログ放送があしたから見られなくなるのかな、そういう心配があるぐらいのことでございまして、本来デジタル受信機を買えばいいのかもしれませんが、これも先ほど来いろいろなことで議論が出ておりますが、買えないことが一番大きいことでございますけれども、同時にまた、買おうとする衝動といいますか、そういうものがなかなか起きないということもあるんではないかなというような気がいたします。
 こういう新しい方式、よくBSデジタル放送を進めていく上にはいわゆる放送者、それと受信者、それと機器製造者ですか、その三位一体がお互いに利害得失がうまくかみ合っていかなきゃいけないということで、先ほど受信機がどんどんふえればどんどん放送も変わるというようなお話もございましたけれども、そういうものをただ待つだけではない、これは郵政省のお仕事になるのかNHKのお仕事になるのかわかりませんけれども、そういう全体としての指導といいますか誘導といいますか、そういうものもぜひ必要なんじゃないかなと思います。
 私は、結局すぐには買えないわけでございますが、同じ思いの一般受信者というのも大変多いと思いますので、一般受信者という視点に立って幾つか質問をさせてもらいたいと思っております。
 それでまず、あしたになってもデジタル受信機を持っていない、こういう人にとって、一方ではBSデジタルが始まっているわけでございまして、そのデジタル放送で何か特別な放送があるのを我々は指をくわえて見ていなきゃいけないのかなというような心配もあるんですが、聞くところによれば、サイマル放送というんですか、同時放送をやられるということで、その点の心配は要らないのかなと理解しているわけです。これはこれからずっと並立して進む時期があると思うんですけれども、これは結局二〇〇七年なんですか、二〇一〇年なんですか、そのぐらいのころまで同じような、完全にデジタル化に変換するまでずっとこういうふうにお続けになる方針をお持ちなのかどうか、その辺をまずお聞きしたいと思います。
#78
○参考人(海老沢勝二君) やはりテレビといいますか、これを普及するためには三方一両得、我々放送事業者もあるいは視聴者の方もメーカーも、三者がそれだけのメリットがなければ普及しないのは当然だろうと思います。そういう面で、我々もいろいろな努力をしなきゃならぬということは申すまでもありません。
 御承知のように、このBSアナログ放送は既に千四百万世帯から千五百万世帯の方がこれを視聴しているわけでありますから、そういう面でこの人たちに対するサービスも気をつけなければならぬことは言うまでもありません。そういう面で、今先生御指摘のように、アナログとデジタル放送はいわゆるサイマル放送、同時放送でありますので、今のアナログBS放送を見る方はそのまま見られるということには変わりありません。
 ただ、これはいつまで続くかということでありますけれども、これまで私どもの目標としているのは、二〇〇七年までにハイビジョン化、ハイビジョンというかデジタル放送へ持っていきたいと、できるだけデジタル放送の方へ移行してもらいたいということで今いろんな新しいサービスを展開しようとしているわけであります。地上の方は二〇一〇年ということを言っておりますけれども、いずれにしても、これがどういうスピードで普及するかにかかっております。やはり目標を設定しませんといけませんので、そういう一応の目安といいますか、目標を今立てておるわけであります。
 ですから、これが早く二〇〇五年までにいけば、アナログ放送をやめてデジタル放送に一本化しますし、またなかなかこの普及がおぼつかない、もっと長くなれば、やっぱりそれは視聴者を無視するというわけにいきませんし、視聴者保護という立場から延ばさざるを得ないだろうと思います。ただ、我々としては、できるだけ二〇〇七年ごろまでにオールデジタル化の方へ持っていきたい、そういう努力を重ねていきたい、そういうことでございます。
#79
○岩本荘太君 ちょっと今お聞きしていて、私自身の理解の不足があったのかもしれませんが、これ、サイマル放送というのは、BSアナログとBSデジタルのサイマルということですか。
#80
○参考人(海老沢勝二君) そのとおりでありまして、同じ内容のものが出てくると。デジタル放送の方は、そういう映像と音声もそうでありますけれども、そこにデータ放送が入る、あるいはインターネットを接続して双方向のやりとりができる、いろいろそういう新たな機能を付加するということでありますので、基本的なものは同じものが流れるということでございます。
#81
○岩本荘太君 そうしますと、先ほどの私の質問の中に入っていたことが一つ間違っていることがありましたので、訂正させていただきます。
 そこで、先ほど来、受信料を上げないというようなことを言われておりますけれども、まあ実際にはやっぱり費用がかさむと思うんですね。これはきょうの御議論を聞いていますと、一般の受信者には余り影響ないということでございますが、結局それはNHKさんが御努力をされて、あるいは今まで準備されていたのかもしれませんし、余裕があるのかもしれませんし、そういうことで吸収されると思うんですが、失礼な御質問かもしれませんが、大体どのぐらいの負担増になって、どんなふうにそれを吸収されていくのか、その辺の御方針をお聞かせ願いたいと思います。
#82
○参考人(海老沢勝二君) BSデジタル放送をするための設備投資というのは、十一年度、十二年度で予算化しました。これを合わせますと、大体百億の設備投資でBS放送ができるということであります。そういう面では、地上デジタルと比べますとかなり圧縮された設備投資でできるということであります。これを運用といいますか、運営するための予算というのは六億程度だと思います。もちろんこれは番組の内容は別でありますけれども、いわゆる運用費が大体六億程度、これの設備投資が百億と、そういう予算でできるということであります。
#83
○岩本荘太君 ついでにお聞きするんですが、受信料の値上げについては、会長かねがね、御任期中というか、しばらくは上げないというような御方針をお伺いしておったわけですが、何か最近、うわさなのかもしれませんけれども、ちょっと様子が違ってきたなと。先ほど郵政大臣なんかも、これからデジタル化の普及の度合いを見て変えるというようなお話もございましたけれども、そういう意味で、受信料について会長は今どんなお気持ちでおられるのか、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
#84
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、平成二年に受信料改定をお願いし、今十年にわたって据え置いてまいっております。こういう経済情勢、社会情勢でありますので、私どもとしてはできるだけ内部における経費の節減努力によって、視聴者、国民に新たな負担をかけない、つまり受信料を値上げしないで努力しようということで頑張っているところでございます。
 私、ことしの七月に再選されました。そのときにも申し上げたんですけれども、私の任期中はできるだけ値上げしないで努力しますというふうに視聴者に向かって述べたわけであります。そういう面で、ここ当分の間、値上げしないように努力を重ねていきたいと思っております。そういう面で、このBSデジタル放送の方も新たな値上げをするとかしませんで、今のアナログ放送と同じ九百四十五円で視聴者の皆さんにお願いしたい、そう思っているところであります。
#85
○岩本荘太君 テレビ等放送というのは、一般国民の本当に根っこの情報源でございますし、こういうものが値上げされたり、何か非常に環境が変わりますと、それこそ国民全体の基盤整備が変わるというような気がいたしますので、その辺を十分御配慮いただきまして、料金を変えないということはそれなりに大変な御努力かもしれませんけれども、ひとつその辺をよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、いわゆるデジタル放送、これで本格化されましたので、先ほどから議論ございましたけれども、地上のデジタル化にも視野を向けていかなければいけないと思っているわけでございます。その点で、先ほどもちょっと御議論が出ました周波数の変換ですね、アナ・アナ変換についてちょっとお聞きしたいんです。
 聞くところによりますと二百何十万かの戸数の人が影響を受けるというようなお話で、先ほど政務次官のお話では全体で八百五十六億ですか、そのぐらいの費用負担があると。来年、予算には百五十二億円、これは全額国庫負担だというようなお話で大変ありがたいといいますか、デジタル化というのは、これは世界的な趨勢でございますし、国民全体が同じような利益を、便益を受けるということはやっぱり大事なことだと思いますから、国民的な課題として国費でそういうことをやられるのも私はやむを得ないといいますか当然かなという気がいたすんです。これに関して、この二百四十六万戸というのは、私は今、全体額のお話も聞こうと思ったんですけれども既に政務次官の方から御答弁ございましたので、この二百四十六万戸というのは大体どんなふうなところにどんな条件で存在しているのかということをひとつお聞きしたいと思っているんです。ちょっとこれ、正確には通告していないんですけれども。
#86
○政府参考人(金澤薫君) 二百四十六万世帯と申しますのは、アナ・アナ変換の世帯を最少にするという前提でチャンネルプランを策定していくということでございます。その結果、有明海、九州でございますが、このあたり非常に周波数が混んでおりまして、このあたりにおけるアナ・アナ変換の世帯数が非常に多いということもございます。それから、あとは瀬戸内海を中心にした地域ということでございます。全国的に散在しておりますが、そういう地域に集中的にあらわれているということでございます。
#87
○岩本荘太君 それともう一つ、来年百五十二億円予算要求中だということでございますけれども、大体これ、年次計画というかいつぐらいまでで全域をカバーされるかというのは。
#88
○政府参考人(金澤薫君) デジタル化のスケジュールでございますが、二〇〇三年までに東名阪を行うと。二〇〇六年その他地域というふうになっておりまして、二〇〇三年までに東名阪についてのアナ・アナ変換を速やかに行いたいというふうに思っております。その次に、二〇〇六年その他地域についてのアナ・アナ変換をやっていくということでございます。
 ただ、先ほど申し上げました非常に周波数が混んでおりまして難しい地域、これにつきましては平成十三年度から進めていきたいというふうに思っております。
#89
○岩本荘太君 次に、これは時間が余ったら質問をさせていただきたいということで通告しておいたんですが、いわゆるデジタル化が予想どおりといいますか予想以上にどんどん進んできて、受信者も機器をどんどん買いかえるという喜ばしい事態になってきたと仮定した場合に、古い受信機をどんどん廃棄処分しなきゃいけないような状態が出てくると思うんですね。
 これは、実はきのうレクのときにそういうことをちょっとお話ししましたら、やっぱり古いものも同じ家に置いておくんじゃないですかというようなお話がございまして、つくづく私は郵政省の方というのは大きな裕福な家に住んでおられるのかなと感心した次第でございます。我々の家を考えますと、買いかえたら当然前のやつを処分しないととても住めるような状況じゃないと思っております。そういう状況の人が随分いると思うんですけれども、そういうような状況に対して、先の話なんでしょうけれども、郵政省としてはどんなふうにお考えになっているのか、教えていただきたいと思っております。
#90
○国務大臣(平林鴻三君) デジタル化をいたしますと、一定の間デジタル放送とアナログ放送を並行して行うといういわば視聴者保護の政策を採用しておるわけでございます。また、受信機自体は大体八年ぐらいで買いかえるサイクルになっておるというのが実情のようでございますので、受信機の買いかえという点で見れば、今申し上げましたようなことで、無理なく自然な形で視聴者の方々に対応していただけるものと考えております。
 デジタル化によりまして廃棄物がどっとふえるということにはならないだろうなという、いささか楽観的かもしれませんけれども、そういう感じで現状を見ておるところでございます。
#91
○岩本荘太君 今、どうなるかという予想は個人差があることでしょうから、これはもう少し進んだ段階でさらに議論を深めなきゃいけないと思うんですけれども、最近の環境問題等を考えると、やっぱり無視できない問題ではないのかなというふうに感じております。
 それで、アナ・アナ変換のところで、NHKの方でもやっぱり今までそういう受信対策の実績があるといいますか、そういう観点からNHKさんはどういうふうにお考えになっているか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#92
○参考人(中村宏君) お答えいたします。
 アナ・アナ変更に伴います受信対策を進めるに当たりましては、対象となります視聴者の世帯、それから事業者等の把握がまず必要かと思います。それから、そこにあります受信設備の実態調査が必要でございます。それから、対策が必要な世帯におきましては、テレビ受信機のチャンネルの変更とか、場合によりましては受信アンテナの変更が必要ということでございます。それから、共同受信施設で受信されている視聴者の方々もいらっしゃいますので、これは共同受信設備の受信部の機器の交換というようなことが作業として必要となってまいります。
 これらの対策につきまして、限られた期間内に全国各地で実施するということになりますので、施工業者の方とか作業員の方の確保ということも課題になろうかと思います。これらの対策を円滑に進めていきますために、視聴者の御理解、御協力が不可欠と思います。事前にアナ・アナ変更の必要性、これを十分に周知して進めることが重要だと考えております。
 NHKといたしましては、郵政省、民放、私どもNHK三者で共同検討を行っておりますので、これらの検討結果を踏まえまして、公共放送の立場といたしましてアナ・アナ変換対策の実施に向けまして具体的に検討を進め、協力をしていきたいと考えております。
#93
○岩本荘太君 それと、また元へ戻りますが、最後の、テレビが大臣はそう多くは出ないと思っておりますというような予想でございまして、NHKの方はどんなふうにその点を考えておられますか。
#94
○参考人(松尾武君) アナログからデジタルへの変更は必ずしもテレビを全部買いかえるという状態ではなくて、セットトップボックスを設置すれば今のアナログテレビも使えます。したがって、大臣がおっしゃったように、八年というサイクルで大きく流れていくんでしょうということなので、環境問題を含めてNHKは番組中取り上げておりますけれども、テレビそのものが環境を悪化させることのないように、もし何かそういう要請があればメーカーを含めて協力はしていきたいというふうに思っております。
#95
○岩本荘太君 どうもありがとうございました。
#96
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
 報道、表現の自由とメディアの規制の問題についてお伺いをいたします。
 メディアの及ぼす影響について、人権擁護の立場から弁護士会、それから子供を有害な報道から守るという法制化の動きの問題等がございまして、とりわけメディアへの規制の動きが強まっていると思います。
 そこで、NHKとしてどのように考えておられるのかお伺いをする。報道、表現の自由をどのようにして守ろうとしておるのかを次にお尋ねをしておきたい。それから、これらの批判に対して、報道機関の責務として今後どのように対処していかれようとしておるのか。BRO、放送と人権等権利に関する委員会や、放送と青少年に関する委員会などの具体的な活動もあわせ御報告いただきたいと思います。
#97
○参考人(松尾武君) 個人情報の保護、それから人権擁護等々、マスコミとしては自主的にそういう対応をしていくのが本来の筋であろうというふうに私は思っております。
 報道、表現の自由という一つの権利があり、片一方には責任があると。この責任が自主的にきちっと保たれていないと言論機関としては要するに責任を果たすことにはならないだろうというふうに思っています。その中で、民放連と一緒になって人権擁護という立場からBROを立ち上げましたし、青少年という問題、番組問題を含めて青少年委員会を立ち上げました。番組全体については向上委員会という一九六九年に立ち上げた機関が動いております。
 三つのこういう機関をうまく使って第三者機関的役割、視聴者からのさまざまな問題提起を真摯に受けとめる機関として運営していきたいというふうに思っております。
#98
○渕上貞雄君 次に、最近にぎわっておりますアメリカ大統領選挙の結果についてお伺いをいたします。同時にあわせ、来年の参議院選挙の対応についてお伺いいたしますが、アメリカ大統領の選挙報道、開票問題について現地のマスコミの報道もかなり相当当時は混乱しておったのではないかというふうに思っておりますし、私どもフロリダ現象と呼んでいるわけですが、アメリカ大統領の選挙についてNHKはどのように対応されたのか。
 次に、来年の参議院選挙、選挙法の改正に伴って、想像するにかなり複雑になってくるのではないかというふうに思っているところですが、今の時点でNHKとしてどのような具体的な対策を立てておられるのか、もし立てておられればお伺いをしたいと思います。
#99
○参考人(海老沢勝二君) アメリカの大統領選挙の開票速報についてアメリカのマスコミがこぞって誤りを犯してしまったということであります。
 私どもワシントンを中心に多元的に中継を交えて放送したわけであります。私ども日本のように自分の責任において人材を派遣し、予測をしながら、また現場の投票所へ行ってきちっとした取材はできませんので、アメリカの四大ネットワークあるいは新聞等の開票速報ぶりを伝えていく。また民主党、共和党の選対本部からの中継を交えながらそれを日本国民に知らせるという、そういう方式で中継をしてきたわけであります。
 アメリカの場合、出口調査というものをすべてのマスコミがVNSといいますか、開票ニュースサービスという会社にすべてを委託してやったために、フロリダ州でこの出口調査が簡単に言えば間違ってしまったということが大きな原因だろうと思っております。そういう状況をつぶさに報道する。それからアメリカの場合は、負けた方の候補が敗北宣言をするということで当落が決まるというシステムでありますので、そういう中で一時ゴア候補がブッシュ候補に電話をして敗北宣言をしたようでありますが、また取り消すというようないろんな動きがあったわけであります。
 そういう面で、私どももこれを他山の石として、やはり開票速報というものは非常に大事だということを改めて肝に銘じておこうということで、次の選挙に当たっても、やはり出口調査なり事前の調査、これは慎重にやるべきだろうと思っております。私どもは我々の責任において調査をし、そしてまた公平な判断という立場に立って速報体制をこれからつくるわけでありますけれども、いずれにしても予断を持たないで、やはり開票所の動きというものを十分に把握しながら、またそういう出口調査も参考にしながら総合的判断でやっていきたいと思っているところであります。
 今度の参議院選挙はもう御承知のといいますか、先生が一番関係深いわけでありますから、非拘束の方式でやるわけであって、政党それから個人の名前を書くということで非常に複雑になります。そういう面で、即日開票で終わらないで翌日にまたがる可能性もあるということで、私どももどういう体制になってもできるように、今新たな体制を組みかえて準備を本格的にしていきましょうということでこれから準備を進めていきたいと思っています。
 いずれにしても、二日間にまたがる、また非常に複雑な開票作業でありますので、そういう面では民主主義の健全な育成のための基本である選挙報道というのは最も我々も大事にしなければならない報道でありますので、慎重を期しながら的確な判断で対応していきたいと思っております。
#100
○渕上貞雄君 どうかひとつ万全の体制を組んで、遺漏なきをひとつ御要望を申し上げておきたいと思います。
 次に、公共放送のあり方についてお尋ねをいたします。
 NHKは基幹的な放送メディアとして、その重要性については十分私どもも評価を申し上げておきたいと思います。時代はデジタル時代でございますので、放送と通信の融合という時代を迎えていく。そういう場合に、NHKが放送の枠を越えていろんなことを考えていくのか。そうであれば、やはり積極的な情報公開と、関連団体を含む業務全体について公共放送としてのあり方を再検討すべきではないかというふうに思います。もちろん、放送と通信の融合というのは時代の要請かもしれません。そういうところをどのように今NHKは考えておられるのか、お答え願いたいと思います。
#101
○参考人(海老沢勝二君) 先生御承知のように、今このIT革命の中で、インターネットとかいろいろな伝送路、ツールが普及してまいりました。そういう面では放送と通信の垣根が低くなるといいますか、融合がこれからますます進んでいくだろうと思っております。
 ただ、私は、放送、通信、新聞というものはそれぞれの役割といいますか機能があるわけであって、これがすべて一緒になるとは考えておりません。それぞれの特性を生かしながら、そしてミドルメディアといいますか、その中間的なものをお互いに取り入れながら、補完し合いながら進めていく時代だろうと思っております。
 そういう面で、インターネットは我々放送だけではなくて新聞なり雑誌なりいろいろな方が、いつでもどこでもだれでもが世界的に利用しているメディアであります。私どもも新しいそういうツールといいますか道具を、放送のサービスを高度化する、放送のサービスをさらに機能化するという意味で、これをひとつ取り入れた補完的なサービスをしていかなきゃならない時代だろうと思っております。そういう新しいツール、伝送というものを放送としても補完的に活用しながら新たなサービスを展開する、それが新しい時代の視聴者や国民に対するサービスだろうと思っております。
 そういう面で、私どもはいたずらに肥大化、巨大化するあれはありませんし、NHKの事業計画、予算、決算というのは国会で承認されるわけでありますから、そういう枠の中で節度を持って視聴者サービスをしていきたい。そういう面では、やはり新しい知恵というものを出しながら、創意工夫をしながら、そういう新しい道具というものを使っていきたい、そう思っております。
#102
○渕上貞雄君 次に、番組のバリアフリー化問題について、先ほども御質問がありましたが、四点についてお伺いをいたします。
 一つは情報の格差解消に向けて今後どのように取り組まれようとしておるのか、二つ目は音声認識装置によるニュースの字幕放送は現在どのくらい用いられておるのか、それから、三つ目には優しい放送を目指した具体的な取り組みと進展状況について、次にはデジタル化に伴う障害者へのハード上のメリットについてお伺いいたします。
#103
○参考人(松尾武君) 情報のバリアフリーということについては、先ほどユニバーサルな意味での計画ということを踏まえて今後やっていかなきゃならないということを自覚しております。
 それで、やはりデジタル化時代でも複雑な受信機、複雑な何かやり方をもって見なければならないということは、そういう意味で大変不便さを発生します。したがって、機器類の簡単な使用の仕方というのが一つの大きな条件になるのではないかというふうに思っています。
 二点目のニュースの字幕でありますが、今は七時台のニュースをしております。生とそれから地域から発信するのは、回線の事情という大変複雑な事情があるんですが、回線の事情等々でこれはなかなか実現が難しいということで、先ほども申し上げましたように、平均で四割強ぐらいの感じでやっている。日によっては、七割、八割の字幕率でやることもあり得ます。それで、来年度は、先ほど会長もちょっと申し上げましたが、九時のニュースもその割合で広げていきたいということで現在検討しております。
 それから、優しい放送というのは、現在文字放送というのをやっています。その文字放送の中に字幕という項目があって、大体百項目のポケットがあるんですが、全部は使えませんけれども、例えば大河ドラマの粗筋であるとかテレビ小説の粗筋であるとか、それから地域便りであるとか、ニュースはいつでも見られるというような、言ってみれば耳だけではなくて目で追える情報の提供を文字放送としてやっております。
 これをデジタル化の中ではデータ放送に置きかえていく。要するに、データ放送により付加させて、目で見る情報としてきちっと整理したものを提供したい。これはクリックすればいつでもニュースならニュースが見られるわけですから、番組に関係なく天気予報が見られたり地域の情報が見られたりするということであります。それに伴うさまざまなハードの整備というものをあわせてデジタル化時代には実施していくということでございます。
 以上でございます。
#104
○渕上貞雄君 次に、ネットの配信についてこれからの事業の展望と業務のスリム化についてお伺いいたします。
 NHKがインターネットによる情報発信を手がけることによって、九月二十七日の郵政省の公聴会で民放連はますます肥大化につながるというふうに反対をしているわけでございますが、現行放送法ではインターネットによる情報発信をNHKが手がけることは認められていませんが、郵政省は放送法の改正を視野に検討が進められているようですが、NHKのこれからの事業の展望についてお尋ねをしたい。あわせて、業務のスリム化についての指摘についてどのようにお考えになっておられるのか。
#105
○参考人(海老沢勝二君) NHK、今一万二千数百人という体制で仕事をしているわけであります。いずれにしても、番組の質の低下を招いてはいけませんので、放送の番組制作部門については毎年強化しておりますけれども、関数的なものにつきましては今毎年二百名前後の削減をし、いわゆる効率いい仕事をしていこうということで業務を展開しております。ただ、私は、あと一、二年で、余りにも減らすと仕事に差し支えがありますので、そういう面で一万二千人体制の中でいろんな工夫をしていかなきゃならぬだろうと思っております。
 そういう中で、こういう新しい技術革新の時代で、新しいまたツールを使わなきゃならないわけであります。ワンソース・マルチユースという言葉が今使われておりますけれども、一つの素材をデジタル技術によってさらに加工していろんなメディアに活用していくというそういう時代であります。そういう面で、こういうデジタル技術のメリットであります圧縮技術あるいは加工しやすい、そしてまた蓄積し、それを再利用できるというメリットがあるわけですから、そういうデジタル技術のメリットを生かしながら新しいサービスをしていかなきゃならぬだろうと思っています。
 それには、受信料が値上げできるような状態でもありませんし、また受信料収入を一生懸命やらなきゃならないわけでありますから、そういう中で、効率いい仕事を心がけてサービスを強化していきませんと、公共放送としての使命と責任を果たせないという立場でありますので、そういう面でできるだけ創意工夫をしながら効率いい仕事、そして同時にまた現場の士気が高まりませんといい番組ができない、いい仕事ができないということもありますので、人材の育成等にもさらに力を入れなきゃならぬだろうと、そういう今気持ちでやっております。
#106
○渕上貞雄君 次に、デジタル放送の受信料問題についてお伺いをいたします。
 同僚議員からもお話ありましたように、十二月からはBSデジタル放送が本放送されるわけでございますが、今後の問題といたしまして、地上波デジタル化に際しては、送信施設を初め膨大な設備投資費用が要るというふうに言われておりますけれども、これらのことを考えますと、今後デジタル放送に対する受信料の問題というのはいや応なしに検討していかなきゃならない問題であろうというふうに思います。その際、受信料引き上げを視聴者に負担を求めるのかそれとも求めないのか、負担を求めない場合はどうやってそういう設備投資に対する資金を調達していくのか、その展望について、将来の考え方についてお示し願いたいと思います。
#107
○参考人(海老沢勝二君) この地上デジタル放送は国民的な課題でありますし、我々も視聴者国民の理解を得なければできない地上波デジタル放送であります。そういう面で、先ほども申し上げましたように、地上デジタル化するためには送信施設だけでも三千億円以上かかるということでありますので、これをできるだけ民間放送とも一緒になって共同研究するなり、共同開発してこれを圧縮していきたい、三割なり四割を圧縮していきたいと思っております。
 それと同時に、それでもやはりかなりの金がかかるわけであります。四十七都道府県の県庁所在地等の送信設備では総合、教育合わせて百局ということを見ますると、大体一千億の資金が必要になります。日本は山が多い国でありますから、また離島が散在する国でありますから、そういうところを、情報に格差なくあまねくこれを受信してもらうためにはさらに二千億かかるということであります。
 問題は、そういう山合いなり過疎地域にどれだけのスピードで情報格差をなくするために施設を整えるかという問題だと思います。これまでNHKラジオ、テレビで全国を網羅しているわけでありますけれども、ラジオについても三十年、四十年、テレビについても三十年から三十数年の月日をかけて全国ネットワークをしたわけであります。そういう面で、市場原理に基づいてやるとなると相当時間がかかってしまう。やはり情報格差をなくするためにはNHKの今の受信料の中でできるかどうか、その辺が一番頭が痛いところであります。
 そういう面で、そういう具体的に過疎地あるいは山合いをやるためには、また、地域の振興のためにどうするんだという議論が当然出てくると思いますので、その段階でさらに皆様方の御意見を賜りながら具体的に検討していきたいと思っております。今のところ我々としては自主的な財源でやっていきたい、そう思っております。
#108
○渕上貞雄君 今後、ますます公共放送としてのNHKの役割、そして表現の自由、報道の自由の問題を守っていただきますことを御期待申し上げて、質問を終わります。
#109
○委員長(今泉昭君) 本件に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#110
○委員長(今泉昭君) ただいまから交通・情報通信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題として質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#111
○内藤正光君 どうも、こんにちは、民主党・新緑風会の内藤正光でございます。私の方からは、持ち時間四十五分でございますが、主に三つの柱でお伺いをさせていただきたいと思います。質問をさせていただきたいと思います。
 まず、CSデータ放送参入の件でございます。
 私も二年間余りこの委員会、ずっと携わらさせていただいておりますが、思い返せば通常国会、たしか会長の方からCSデータ放送の参入に対して力強い決意が述べられたかと思うんですが、その後だんだんしぼんで、九月ごろ、何か正式に断念ということを発表されたことを私は報道を通じて知りました。
 あれだけ力強い決意を表明されておきながら、なぜ急に九月になって突然断念ということに至ったのか、説明をしていただけますでしょうか。
#112
○参考人(海老沢勝二君) 当時、このCS百十度の問題が大きくクローズアップされました。その前に、BSデジタル放送でデータ放送をするためのいわゆる帯域の幅がツースロットという狭い幅での認可しか得られないと。そうしますと、いわゆる大災害、阪神・淡路大震災のような大災害が起こった場合の安否情報とか、そういうものに対して不都合ができる、つまり十分な視聴者サービスができないということになりました。そういう面で、もっと公共放送として非常災害等に十分に情報を送れるような幅の広い帯域がどうしても必要だと。そういう中でCS百十度ならば十分これを使えるだろうと。いわゆるBSのツースロットの五倍以上、十スロット以上の帯域が必要だというふうに考えたわけであります。
 それで、御承知のように、この百十度はNHKが中心になって十数年にわたってここを開拓したといいますか、今千四百万世帯から千五百万世帯までBSアナログ放送を普及させてきたわけです。そのところに今度はCSが打ち上げられるということになったわけですね。そうしますと、BS、CSが同じアンテナ、同じ受信機で受信できるということになったわけでありますから、そういう面で、このCS百十度でそういう我々が十分BSでできない部分を補うことができないか、そうした方が視聴者、国民のためになるだろうということで、この席でも、我々としては百十度のCSでデータ放送をし、視聴者に対する非常災害等における十分サービスをしたいと、そういうことで私は発言をしたわけであります。
 その後、このCS百十度の問題につきましてはいろいろな企業者、これまで放送に関係なかった総合商社なりメーカーなり、そういうものが名乗りを上げ、いろんな業者がここに入ってくるようになりました。そういう面で、このCS百十度の使い道について非常に世間の関心が高まりました。
 そういう中で、それをNHKに認めると、今放送法のNHKの業務の範囲の中にはCSの利用については書いてありませんので、そういう面で行政当局の方から、これは放送法を改正し業務範囲を見直さない限りはこれに参入できないというようなお話がありました。私どもも、それには時間的に、国会審議をお願いするまでの時間はない、そういうことで、今募集をして、これから間もなく郵政省の方から認可がおりると思いますけれども、それには到底間に合わない、今の右偏波では間に合わないということで断念せざるを得なかったというのが正直なところでございます。
#113
○内藤正光君 今、会長の方から放送法の抜本的な改正、見直しという話が出ましたが、会長がさきの通常国会でCSデータ放送への参入に意欲を示されたのを機に、五月二十三日でしたか、放送政策研究会が立ち上げられたかと思います。私は、その放送政策研究会の大きな目的は、やはりNHKの業務のあり方について検討をするのに加えて放送法の抜本的な見直しというものもあったかと思うんです。そして、半年後には中間報告まで出すというようなことも私は伺ってはいたんです。
 そこで、改めてお伺いしますが、放送政策研究会を立ち上げたその趣旨、そして主な検討課題、そして今日までの検討状況、これらについてお尋ねをさせていただきます。
#114
○国務大臣(平林鴻三君) 内藤委員のお話しの放送政策研究会でありますが、本年五月から、制度面を中心とした放送政策全般について検討することを目的として審議を開始いたしております。その中では、通信と放送の融合に対応した放送制度の整備や民間放送のあり方といった論点とあわせて公共放送のあり方についても検討をされることになっております。
 なお、公共放送のあり方につきましては具体的には三点ほどあります。デジタル時代においてNHKが公共放送として果たすべき役割は何か、第二点としてそのようなNHKの役割の達成のために必要な保有メディアは何か、第三点として受信料制度のあり方についてどう考えるか等々につきまして、NHKや民放から意見を聞く場も設けた上で議論が行われてきたところでございます。現在、まだ検討中ということであります。
#115
○内藤正光君 先ほども私は申し上げましたが、五月二十三日に立ち上げた時点で、ほぼ半年をめどに中間報告を出すというふうにおっしゃったというふうに私は記憶しているんですが、もう既にそれから数えて半年、中間報告が出る気配がございません。なぜ出せなかったんでしょうか。
#116
○国務大臣(平林鴻三君) 実は、私も初めの経過はよく承知しておりませんけれども、放送政策研究会では本年中に十回の会合を開催する予定でありまして、本年中に審議経過報告を取りまとめていただくという予定にいたしております。
 当初は本年中に中間報告としてまとめていただく予定でありましたけれども、これまでの審議では、通信、放送の融合のうち、伝送路の融合に対応した放送制度の整備といった方向性がまとまったという点もありますけれども、全体として結論が集約されたという段階にはございません。したがって、むしろ審議経過報告という形で取りまとめる方が適当であるとの委員の方々の御見解がありまして、この御見解に基づいて経過報告という形でまとめて公表することになったものと聞いております。
#117
○内藤正光君 では、本年中に審議経過報告を出すということで、再度改めて中間報告を出されるというか、出さなきゃいけないはずなんですが、予定としてはどれぐらいをめどに考えていらっしゃるんでしょうか。
#118
○国務大臣(平林鴻三君) この研究会は、めどとしては、五月に発足して二年間検討期間を予定いたしておりまして、したがいまして年明け以降も引き続き多角的に御審議をいただいて、今から申せばあと一年半検討期間が設けられておる、そういうことで御承知おきを願いたいと思います。
#119
○内藤正光君 今から一年半後に出しても中間報告にならないわけでして、それは最終報告になるはずですから、大体もうあと半年とか、あるいはまた数カ月というやっぱりある程度のめどを区切ってしっかりと進めていかなきゃいけない。
 というのは、放送法の改正というのはもう待ったなしなんだろうと思います。今のように宙ぶらりんな状態でこのままNHKがいくと、本当は公共放送の役割としてやるべきことに手が出せずに結局中途半端に終わってしまう。これなどは、さきのNHK予算のときに私申し上げましたが、イギリスの公共放送等を見てみますと、今のNHKの業務範囲というのはかなり狭められていて、また、ユーザーサービスというんですか視聴者サービスという点からでもかなり私は制約があるんじゃないかなと思うんです。
 ですから、できるだけ早く私はある程度中間報告というか方向性を出すべきではないかと思うんですが、単に今から一年半以内に出すというんじゃなくて、ある程度の何かその辺の見当をおっしゃっていただければ大変うれしいんですが。
#120
○国務大臣(平林鴻三君) この委員会の構成メンバーの方々のお考えで、中間報告という取りまとめを審議経過報告という形の取りまとめに変えられたということでございます。
 したがいまして、いつごろ中間報告が出るとか、そういうようなことも委員の方々のこれからのお考え次第であろうと思いますけれども、委員がおっしゃいましたような御意見もあるということを委員会にもお伝えしておきたいと思います。
#121
○内藤正光君 CSデータ放送の件はこの程度にいたしまして、次にインターネットによる情報配信についてお尋ねしたいと思います。
 まず、会長にお尋ねをいたしますが、九月、東海地方で大変な水害が発生をした。その際、マスコミ各社、ほかの民間放送は積極的にインターネットを通じてその被災状況をリアルタイムに提供していった。その際のNHKの対応はどんなであったか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
#122
○参考人(松尾武君) 基本はテレビ、ラジオでございましたので、そこでいたしました。ただし、九月十二日、翌日ですね、翌日以降Eメール等でNHKとしてインターネットのホームページにそういうものは載せられないのかという意見が視聴者から寄せられました。したがって、九月十二日の地域ニュースの中で、ホームページの中にそういう情報が入っていますよということをお知らせいたしました。そうしましたらば、名古屋のホームページ、ふだんの十五倍と急増いたしまして、十二日だけで百三十万のヒット数になりました。
 私どもは災害時のインターネット利用というのはここで初めて利用したわけでございますが、今後、地域のホームページ、各局ほとんど持っておりますので、それを含め本部の東京でのホームページ活用ということで、災害情報であるとかライフラインの情報確保であるとか、そういうことを含めて視聴者の要望にこたえていきたいというふうに思っております。
#123
○内藤正光君 大変な視聴者からの抗議を受けて一日明けて始められたということなんですが、参考までにどれぐらい抗議があったのかとか、どんな抗議があったのかを教えていただけますでしょうか。
#124
○参考人(松尾武君) 具体的には百件ほどの電話がありました。これはほとんどが情報を知りたいということでございまして、インターネットについてその意見が、インターネットでやってくれということはインターネットのホームページ、Eメールそのもので寄せられております。それが正確には五、六件の範囲でございますけれども、他の、要するに視聴者からの要望等を含めて考えると、一々電話で答えているのも大変な業務量になるということでインターネットで必要な情報を送ろうということですから、百件の電話は間接的にはそういう要望を受けた結果だというふうに私どもは考えております。
#125
○内藤正光君 先ほど、NHKではテレビだとかラジオを通じて逐一情報を提供されてきたと。しかし、中にはやっぱり自分が欲しいと思った情報を欲しいときに求める、それがもっとインターネットで積極的に情報提供しろという苦情となってあらわれてきたんだと思います。
 そこで、先ほどもちらっと触れられたわけなんですが、今回の一件を踏まえて、NHKとしては災害時の情報提供に関しては積極的に取り組んでいくというふうに理解してよろしいわけですね。
#126
○参考人(海老沢勝二君) 公共放送の使命の大きな一つに国民の生命、財産を守るということが私はあると思います。日本は災害の多い国でありますし、また大事件、大事故も相次いで起こるような情勢であります。
 そういう面で、あらゆるそういう伝送路といいますかツールに向かって情報を発信していきませんと、多メディアが立ち上がれば立ち上がるほど逆に選択幅が広がって肝心な情報が行き渡らない、つまり情報過疎になってしまうおそれもあります。私どもはこういう新しい多メディア時代になればなるほどいろんなツールに情報を提供しなければ視聴者は納得してくれないだろうと思っています。
 そういう面で、有珠山の噴火、三宅島の噴火、あるいは先ほど出ました東海地方の集中豪雨、また鳥取県の西部地震等におきましては、それぞれのローカル局のホームページの中でそういう災害情報をやっていこうということで、積極的にこれに取り組んでいこうということにしております。
 ただ、今御指摘のように、東海地方集中豪雨については若干おくれてしまったという反省が我々にもあります。今、NHKボランティアネットという全国ネットがありますけれども、それに加えて、各放送局ごとのホームページでそういう災害報道については積極的にやらなきゃならぬだろうというふうに思っているところであります。
#127
○内藤正光君 そこで考えますのは、果たして災害時の情報提供だけで十分なんだろうか。やはり日常的に本当に意味のある情報を提供し続けて、そして視聴者あるいはユーザーの間にその認知度を高めてこそ私は災害時の情報提供というのが大きく意味を持つものなんだろうと思います。
 私なども、日ごろ朝日新聞だとかいろんな新聞各社がホームページ上で情報提供しておりますが、私は結構机の前に座るとインターネットを立ち上げてそこで情報を入手するというのが一つのくせになっているんですが、やはりNHKさんとしても本当にすごい大変な情報を持っていらっしゃるわけですから、私はそういったものをインターネットで日常的に提供していくべきだと考えるんですが、その辺についてはいかがお考えでしょうか。
#128
○参考人(海老沢勝二君) やはり、私どもは時代の変化に応じて的確に対応していかなきゃならぬだろうという認識を持っております。
 御承知のように、もうインターネットはどこの国でもいつでもどこでもだれでもが自由に利用し、自由にこれを使いこなしている時代になっていっております。そういう面で、なぜNHKはそういうニュースの情報提供をしないのかというおしかりを各方面から私受けているところであります。
 そういう中で、私どもは五、六年前からインターネットのホームページでNHKの広報宣伝、番組の広報なりあるいは番組制作におけるいろんなニーズを受けながら番組づくりもインターネットでやっておりますが、情報提供というのはそういう方向で私もやるべきだということで今検討をしている最中でございます。
 報道機関として、日本の新聞、テレビ、どこでも今そういうニュースをやっております。NHKだけがやらないのはなぜかという御意見も当然だと思います。そういう面で、NHKの業務の展開についていろんな意見も我々は聞いております。しかし、こういう時代が変化し、またあらゆる伝送路、ツールを使わなければ情報が行き渡らない、つまり情報端末機を持って災害があったら避難するわけですから、そこに私ども公共放送の情報が流れなければ、NHKは何をやっているのかということは当然起こってきます。そういう面で、今、鳥取の西部地震においても情報を流しているのはその点であろうと思います。これをこれから東京を中心にいつでもそれができるようにするのが私は公共放送の使命ではなかろうかと思っております。
 ただ、これを具体的にはどうするかについては、先ほどお話ありましたように放送政策研究会等でもいろいろ論議をしておりますし、これからそういう放送政策研究会の意見等も踏まえながら対応していきたいと思っているところであります。
#129
○内藤正光君 大臣にお尋ねをさせていただきますが、NHKがそういったインターネットを利用した情報配信をすることに対する民放各社の反応はどんなものなんでしょうか。
#130
○国務大臣(平林鴻三君) 民放の方は、ただいま申し上げました放送政策研究会においてでございますけれども、民放連の放送計画委員会の委員長さん、朝日放送社長の広瀬さんでありますけれども、民放連からヒアリングを行ったところでございます。
 その際、NHKのインターネットによる情報提供については、NHKが既に行っているホームページ的なものであれば問題はないが、放送番組等の動画、動く絵、動画を送ることについてはNHKの基本的な役割を逸脱するのではないかという反対意見でございますが、出されておると聞いております。
#131
○内藤正光君 ということは、動画については逸脱するのではないかということなんですが、いわゆる文字情報の提供についてはその限りではないと。つまり、NHKの放送の業務内だというふうに理解してよろしいわけですね。
#132
○国務大臣(平林鴻三君) 私、正確な表現は承知しておりませんけれども、今申し上げましたように、NHKのインターネットによる情報提供については、NHKが既に行っているホームページ的なものであれば問題はないがというそういう前提を置いて、それで放送番組等の動画を送ることについてはNHKの基本的な役割を逸脱するのではないかという御意見であったようでございます。
#133
○内藤正光君 そこで、NHKにお尋ねをさせていただきますが、既にホームページを立ち上げて番組情報等を提供されているわけなんですが、ここでもし仮にあすから日常的な情報提供を始めようとしたと仮定します。それによって新たに生じる経費だとかあるいはまた新たに必要となる人員、どれぐらいなものがあるんでしょうか、差分をお尋ねします。
#134
○参考人(海老沢勝二君) 御承知のように、NHKは報道機関でありますし、全国に放送局、通信部、海外にも総支局、あるいは海外の映像会社等からも映像を購入しておりますし、また世界の四十九の放送機関と協力協定を結んでいろんな情報が入ってきています。そういう面では、いわゆる第一情報、素材というのは映像あるいは原稿を含めて膨大なものが入ってきます。それに映像をつけてテレビに流したりあるいはラジオに流す、あるいは国際放送にそのまま流す、それをワンソース・マルチで多様に使っております。
 ですから、今度のBSデジタル放送でもそれを活用してデータ放送をつくるわけであります。そのデータ放送をもとに、あるいは映像をそれに入れてインターネットに流すわけでありますから、ほとんど経費はかかりません。
 ただ、そのためにはやはりそれを送り出す要員と、それからサーバーというようなものがあります。ですから、今十三年度の予算を編成しておりますけれども、今現場から上がってきている予算要求は三億数千万で、すべてのNHKに入ってくる情報を、すべてといいますか、インターネットに流す情報は三億数千万あればできるという意味で、受信料を値上げしたり、また、ほかの予算を削ってやるほどの経費はかからない、非常に安い値段でできるということであります。
 ちなみに、BBC等では四十数億の金を使っております。それは、自分たちの情報にさらにまたインターネット用の情報を付加するためにかかっておるわけであって、我々はあくまでも今の放送を補完してサービスを高度化する、つまり附帯事業として今のサービスを補完していくんだ、そういう姿勢でやっていくのであって、また新たにニュースを、インターネットのために取材網をつくったり、あるいはまた別な映像を買ってきたり、わざわざ撮ったりするわけではなくて、これまでの情報をインターネット用に加工して流すだけでありますから、ほとんど経費はかからないということが言えると思います。
#135
○内藤正光君 まあ三億円程度かければもう本当にいろいろな、インターネットを使ってどんどん情報を流せるということ、私は、これは本当に視聴者サービスという観点からも、できる限り少ないお金でもってカスタマーサービスと言うんですか、視聴者サービスを拡大できるということで、大変すばらしいことだと思うんです。
 よく、新聞を見ますと、NHKがインターネットによる情報配信を始めるとNHKの肥大化だなんていう批判があるんですが、私は、この論議というのはどうも何か視聴者の利便性という観点が全く欠如しているんじゃないかなと思うんです。
 私は、ここで整理させていただきたいのは、NHKの情報、ニュース情報、いろいろな情報すべてですが、だれのものか。それは紛れもなく受信料を払っている視聴者のものだと思うんです。ニュース情報も含めてすべて視聴者のもの、受信料を払っているわけですから。そして、二つ目といたしましては、もう今の時代、通信と放送の融合がどんどん技術的に進んでいく、そういったときに、いやこれは通信だからだめですよとか、いや放送だから大丈夫ですよと、この手段だけをとらまえて、だめだ、オーケーだなんて言うのも余りにも意味がない私は議論だろうと思います。
 要は、ポイントは、視聴者の持ち物である情報を、今あるいろいろなあらゆる技術を使って、伝送手段を使って視聴者のところへ、手元へ届ける、それを欲する人のところへ届ける、これが私は公共放送としてのNHKの役割ではないかと思うんですが、会長並びに大臣、いかがお考えでしょうか。
#136
○参考人(海老沢勝二君) 今、委員が指摘したとおりだろうと思います。
 私どもは、受信料という国民から預かったお金を大事に視聴者のためにそれを還元していくというのが使命であります。そういう面で、我々がいたずらに巨大化、肥大化するわけではなくて、巨大化、肥大化とよく言われますけれども、何をもって巨大化、肥大化とするか、私にはわかりません。受信料を値上げして新しい事業を展開するというならば、肥大化、巨大化と言われても仕方がありませんが、受信料は値上げをしない中で、また、要員の削減をしながら経費の節減をしながら、そういう新しいサービスをしていこうという我々の立場であります。そういう面で、NHKの今の経営の姿勢なりといったものを見てもらえれば、そういう批判は出てこないと私は思います。
 そういう中で、いかに国民、視聴者のためにどのようなサービスをするのか、どのようなサービスをすることが視聴者にとって有意義なのか、その辺をきちっと踏まえてやればわかるわけであって、私はあくまでも視聴者、国民のために、皆様のためにそういう新しい伝送路を使ったサービスをしていきたい、そういう信念でやっておるわけであります。
#137
○国務大臣(平林鴻三君) 現在NHKがやっておりますインターネットのことについて、郵政省の見解をまず申し上げたいと思います。
 現在、NHKがインターネットにより提供しております内容は放送番組の広報宣伝等であります。NHKからは、今後も当面現行放送法の範囲内でインターネットにより情報提供を行いたいと聞いております。NHKのインターネットによる情報提供の今後のあり方につきましては、郵政省としては、現在開催しております放送政策研究会における議論も踏まえて今後検討してまいる所存でございます。
 そこで、災害時においてインターネットによって関連のニュース番組や安否情報を提供しておるということについてでございますが、これは放送法上具体的な規定はありませんけれども、非常災害時における特殊事情を勘案した場合、NHKという法人としては当然認められる行為であると考え、解釈をいたしております。
#138
○内藤正光君 大臣は現行のホームページを前提にということで答弁されたんですが、正直言って、大変申しわけないんですが、現行のNHKさんのホームページを見ても余りおもしろくないんですね、番組情報だけで。だったら新聞を見ればいいんじゃないかとかいう話もあります。
 私はそれを考えますと、私も当然受信料を払っているわけでして、もうちょっと、なかなか家に帰ってNHKを見るということはできないわけなんです。大臣はそれ以上にお忙しいから、なかなかテレビを見るお時間ないでしょう。でも、私もちゃんと払っているんです。払っているからにはやはり、しかし家ではNHKはなかなか見られない、こういう人はたくさんいるんだろうと思います。であるならば、私は、インターネットなり何なり私に合った情報入手の方法でもって情報を入手できるというのが理想の姿なんだと思います。
 ですから、私は、こういう視聴者のためにも、もっと私の所有物であるこの情報を何とか閲覧できるような、そんな方向に持っていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#139
○国務大臣(平林鴻三君) 放送と通信が融合しつつあるという時代におきまして、今後のNHKのインターネットの取り扱いというものは、確かに御議論をいただいて一定の結論を得るべきものと考えております。したがいまして、今、放送政策研究会の議論を踏まえて検討をさせていただきたいというぐあいに申し上げたわけでございます。御意見を私も否定するものではございませんから、研究会の方にもそういう御意見があったということは伝えたいと思っております。
#140
○内藤正光君 この件についてはここまでにしたいと思います。
 次に、NHK会長に何点かお尋ねをしたいと思います。
 国際放送のテレビ・ジャパンについてなんですが、ことしの八月十八日の週刊朝日にこういう四ページものの記事が出ました。ちょっと簡単に見出しだけを読んでみますと、「NHKが国際放送テレビジャパンに委託料という名目で受信料から毎年十数億円の「補助」をしていることが本誌が入手した極秘資料でわかった。それでも累積赤字は海外二法人で約四十億円。明らかに事業としては失敗である。こんな形で受信料の「垂れ流し」を許していいんだろうか。」という内容の記事でございます。
 この記事に対する見解を伺う前に、国際放送テレビ・ジャパンというものの事業の内容について簡単に御説明をしていただけますでしょうか。簡単で結構ですので。
#141
○参考人(松尾武君) 国際放送は今現在三つの衛星放送で世界をカバーしております。ほぼ一〇〇%に近い形になっております。それで、この三つの衛星はCバンドというアンテナを使います。これが大体二・五メートルぐらいのアンテナを必要とします。このCバンドで出した場合に、都市部とか環境問題等で必ずしもアンテナが立てられるものではありません。したがって、Kuバンドという、六十センチぐらいですか、のアンテナで受ける方法が必要になってまいります。
 平成七年度に国際放送を始めましたけれども、Kuバンドによるテレビ・ジャパン事業を平成七年度から現地法人に委託する形で始めております。この現地法人がJSTVであり、JNGというヨーロッパとアメリカのKuバンドによる再送信ということでございます。これは本来は有料でございます。しかしながら、NHKは国際放送をしておりますので、それの時間をかりまして、JSTVについては六・五時間、それからJNGについては七時間分ニュース等の情報番組を提供しております。したがって、この部分はノンスクランブルになっております。それがNHKとテレビ・ジャパンの事業の概略でございます。
#142
○内藤正光君 設立されたのはいつ、JSTVとJNGの設立の経緯といいますか、何年ぐらいに設立されたとおっしゃいましたか。
#143
○参考人(松尾武君) 国際放送を委託したのが平成七年からでございます。テレビ・ジャパン事業が現地法人で起こったのは平成三年でございます。
#144
○内藤正光君 はい、わかりました。
 この週刊朝日の記事の中に委託料という言葉が何度も出てきますが、ここで言う委託料というのは何に対する対価なのか。委託料に関しての過去数年の推移を教えていただけますでしょうか。
#145
○参考人(松尾武君) 委託料というのは、先ほども言いましたように、本来はスクランブルをかけている有料放送であります。それをノンスクランブルKuバンドで放送してもらうということでございますので、その時間に対するこちらの必要経費をお支払いするということでございます。
 七年度では予算で十三・六億、八年度は十三・六億、九年度は十四・六億、十年度が十七・〇億、十一年度が十八・二億、ここで要するに効率化ということの努力を現地法人にしていただきまして、十二年度予算は十三・七まで減少しております。
#146
○内藤正光君 この十三・六というのは単位は億円ということですね。
#147
○参考人(松尾武君) はい、億です。
#148
○内藤正光君 こう見ると何かふえているように見えるんですが、これは何か理由があるんですか。
#149
○参考人(松尾武君) 経費がふえておるのは、徐々に時間枠をふやしております。それと、人件費を含めて現地法人の必要経費がふえてきている、そういうことでございます。
#150
○内藤正光君 この間はドルと円のレートがかなり変動したかなと思うんですが、その辺の影響はあるんですか。
#151
○参考人(松尾武君) それも十分要因としてはございます。
#152
○内藤正光君 先ほどおっしゃったのである程度わかったんですが、平成七年度からこの二つの、テレビ・ジャパンという事業は平成三年度から始まったんだけれども、平成七年度から国際放送ということで委託するようになった、だから委託料を支払うようになったということですね。まあ、これはいいです。
 そこで、この記事も再三再四言っているんですが、この委託料の算定根拠があやふやだとか妥当じゃないんじゃないかという、そういう批判的な論調で述べられているんですが、その委託料の算定根拠並びにその妥当性についてNHKとしての見解をお伺いしたいと思います。
#153
○参考人(松尾武君) 業務委託費の算定に当たっては、実施計画、それからそれぞれの年度ごとの現地での決算等々をチェックいたしまして、そして個々にその経費、要するに時間で買うわけでございますから、時間当たりの経費を算定いたしまして、そして最終的に時間数で掛けております。したがって、現在十二年度予算で十三・七億という数値は私どもは妥当な数字というふうに思っております。
#154
○内藤正光君 会計検査院に来てもらっておりますが、その辺も当然検査していると思います。その妥当性についてお尋ねをします。
#155
○説明員(渡辺孝至君) お答え申し上げます。
 日本放送協会の検査に当たりましては、支出につきましては、各種の経費が適正かつ効率的に使用されているか、契約額は妥当なものとなっているかなどに重点を置いて検査をいたしてきております。
 御指摘のテレビ・ジャパン事業の契約につきましては、本年の協会本部等の検査の際に調査いたしておりますが、契約額の妥当性について特に不当であるとして指摘するような事態は見受けられませんでした。
 以上でございます。
#156
○内藤正光君 実はこの週刊朝日の記事は、その委託料がちょっと算定根拠があいまいだ、何か赤字補てんをしているんじゃないか、そんな論調で書かれている。もう本当に四ページにわたって貫かれているわけなんですが、今の会計検査院さんの話にもありましたように、不明な点はないということでした。
 しかし、それに安心することなく、やはりNHKとしてもその経営の透明化、運営の透明化に努めていかなければならない。確かに情報公開のその義務の対象からは外れてはおりますが、しかしNHKは、何度も言うようですが、国民の受信料で賄われているわけです。ですから、幾ら義務を負わされていなくても、みずから積極的にその経営の透明度をどんどん高めていかなければならない、その責務を負っているかと思います。
 そこで、最後に会長にお尋ねをさせていただきたいのは、経営の透明化に向けた具体的な決意をお伺いさせていただきたいと思います。
#157
○参考人(海老沢勝二君) 私どもは視聴者、国民あってのNHKでありますし、そういう面ではできるだけNHKをガラス張りにするといいますか、透明度を高めていくのは当然であります。そういう面で説明責務といいますか、それは公共放送ですから当然あるわけであります。
 そういう面で、今回、東京大学名誉教授の伊藤正己先生を中心に五人の委員の先生から成るNHK情報公開研究会というものをつくっていただいて、NHKが情報公開に当たってどういうふうな点を留意すべきか、どういうことがいいのか、諮問をいたしました。今月十七日に伊藤座長の方から、NHKはそういう情報公開について積極的にやっていくべきだという答申をいただきました。それに基づいて、私ども今その公開の基準というものをつくっております。
 私としては、これからこれをやるためには、NHKの定款を改正しなきゃなりませんし、また郵政大臣の認可といいますか、これも受けなきゃなりません。そういう手続を経ながら、できれば来年七月の初めのころから情報公開といいますかそれを積極的に進めていきたいと思っております。
 日本のマスコミでこのような情報公開をするのは私は初めてのことだろうと思っております。そういう面で、我々としてはできるだけ情報公開の方へ一歩踏み出していきたい、そう思っておるところでございます。
#158
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。日本放送協会平成十年度の決算に賛成する立場でございます。そういう立場で幾つか質問させていただきたいと思います。
 この臨時国会もあとわずかでございまして、国会法等改正がございましたけれども、きょうの質疑でいうと交通・情報通信委員会としての質疑は、まだ何かあれば別ですけれども、一般的にはどうも、私さっき思いまして、交通・情報通信委員会という名称の委員会の質問者の最後なのかなと思いまして、質問の中身は全くそんなことと関係ないんですけれども、そういう思いで立っております。
 さて、今、内藤委員からいろいろニュースの話が出たんですが、私が一番NHKニュースを見るのはこれなんですよ。携帯電話のiモードでNHKニュースというのは一番見る機会が多いんです。会長も見られますよね、見ないかな。NHKと、私はマイメニューに登録しているんですけれども、朝日とそれから、幾つも見られませんから、時事ニュースですね。ニュースはそれぞれ独自の取材網ですから、違いがあって当たり前の話ですけれども、私どもがこれを見るについてもし改善点があればと思いまして、こうした委員会でやりとりするのがいいのかなと思いましたけれども、せっかくの機会でありますので。
 時事ニュースは何月何日何時何分というのが出てくるんです、一番最初。新しい順に古いのがどんどんこうやって下の方へ行くわけですね。NHKは、多分新しい情報が一番トップだと思うんですけれども、何月何日何時何分というのはないんです。ですから、いつ見たのかなという記憶も途切れるときがあるんですが、これは改善できるんじゃないですか。片方のこれは時事ニュースはできるわけですから、NHKニュースもこのiモードで発信する、何月何時何分と。ちょっと事前にお話ししなかったので、たくさんいらっしゃるので、このことはどなたかお答えできるんじゃないかなと思って。
#159
○参考人(松尾武君) 今現在、NHKがそのiモードに流している情報、要するにJNが流しておるわけですけれども、それは刻々入ってくるもののトップニュースを絶えず順番に入れかえながら下に落としていくわけです。時間については、変化する時間が大変多いものですから、入れかえる、差しかえるという時間があるものですから、何時何分現在というのは今現在入れていません。
 おっしゃるように、入れることは技術的にはそう不可能なことではありませんので、文字の大きさ等も含めてJNとして今現在さまざまな角度から検討しておるという話は聞いております。
#160
○参考人(海老沢勝二君) ちょっと補足しますと、NHKニュースということでやっておりますけれども、これはNHK本体がやっているわけでなくて、まだそこまでNHK本体はやっておりません。これは関連会社でありますNHK情報ネットワークという株式会社が、NHKニュースの二次利用という形で放送法九条に基づいてやっている仕事であります。そういう面で二次利用をしているために、ニュースがそれでも遅いとか十分でないとかという指摘を情報ネットワークは受けているようであります。そういう面で、まだ我々本体でなくて関連がやっているということをひとつ御承知願いたいと思います。
#161
○齋藤勁君 答弁では可能であれば、本体ではなくてNHK―JNと書いてあります、確かにね。こっちのJNの方だと思うんですけれども、これでもNHKニュースなんですから、NHKニュースが何月何時何分というのを、技術的に可能であれば、してやることがこれは利用者にとって親切なことじゃないかと思うんですね。早期に取り組まれると、また登録する人も多いんじゃないですか、これは。やっぱりNHKのニュースというのは非常に期待するところ大だと思いますので、ぜひJN、もう一つの会社の方と相談していただいて、取り組んでいただきたいと思います。
 さて、先ほど弘友委員から過日の政府の規制改革委員会についてのやりとりの質疑がございました。私も関連しましてお尋ねをしたいと思います。
 十一月二十三日木曜日付の朝日新聞でございます。郵政省は今現在どういう段階ですか。これは郵政省じゃなくて総務庁の方かもわかりませんけれども、政府に対して規制改革委員会、きょうの時点では既に年内にまとまったのか、何かもう事実上文書か何か受け取られているのか、どういう段階というふうになっていますか。
#162
○国務大臣(平林鴻三君) 目下検討中というふうに伺っております。
#163
○齋藤勁君 検討中のことが時折一部報道とか幾つかの報道で出るというのは多々この間歴史にはあります。ありますけれども、極めて問題ではないかなというふうに思いまして、これは直接所管する郵政省ではない、総務庁として所管をするという規制改革委員会かもわかりませんが、これは複数の報道に出たわけじゃないですね、一紙だけだと思うんです。だれかがこの内容について漏らしたから、これは相当詳しい報道ですよ。これは何面だったですかね、一面だったですかね。それとあとまた別に解説記事も出ています。
 私は、また別にたしか電通審か何かのこともまだやっている最中に一部報道が出たというふうに思っているんですが、政府内部でのいわゆる情報管理ということについて、会見するなら中間でも何でもいいから会見すればいいわけであって、規制改革委員会の委員の人から漏れたのならこれはまた委員に対してきちんと私はやるべきだと思いまして、事のよしあしまで議論をしますと、内容的な点については弘友さんもやられましたけれども、まず政府内の情報管理、委員の方も含めてですけれども、郵政大臣、直接所管していないからなんということではなくて、政府でございますので、多分これを見られたときに、あれどうなっているんだという感じ方は多分郵政省もされたと思うんですよ。いかがですか。
#164
○国務大臣(平林鴻三君) いろんな政府の附属機関、今申した規制改革委員会とか郵政省で申せば電気通信審議会とか、さような附属機関の審議の状況につきましては、それぞれの附属機関で委員の方々が相談されましてどのような公表の仕方をするかを決めていらっしゃるはずでございます。
 電通審におきましても同じことだと私は理解をいたしておりまして、これは事柄の次第あるいはタイミング等を勘案してのことでございましょうが、委員の間で本日の議事はだれそれが発表いたしますというようなことをお取り決めになってやっておる、それが普通でございますし、情報公開という考え方を強く入れなきゃいかぬ時代でございますから、今申し上げましたようなことは差し支えのない範囲でしかるべき方が記者会見等でおっしゃるというのが普通であろうと思っております。
#165
○齋藤勁君 このことは複数紙じゃないようですね、今度のことは。複数紙ならばなるべく情報公開でお知らせしましょうということはあると思いますが、全体的なトーンはどうも、私は、世論操作とまで言葉は言えないかもわかりませんが、情報を誘導していくみたいな感じが見受けられますね。
 大臣、やっぱりこれはごらんになって一紙だけだったでしょう、このことは。一紙だけだったですよ。やっぱり政府の大臣として、関連する省庁の大臣として、大問題だと今ここで言えないにしても遺憾であるとか、これもう十一月二十三日ですからきょうで一週間たっていますから。省内でもそういう話に、話題にはならないんですか。本当、これは大事なことだと思うんですよ。
#166
○国務大臣(平林鴻三君) これはいろんなとり方があると思いますけれども、他方でいわば報道の自由と申しますかそういうようなこととの兼ね合いの問題がさまざまございまして、私がこれはけしからぬとかこれは結構だとかいうようなことは、行政を預かる立場におきましてはなるべく申さない方がいい、目に余るようなことがあれば申し上げなきゃいかぬ、そういうことで私は考えております。
#167
○齋藤勁君 私も報道の自由とか非常にやっぱり尊重したいと思います、それは。これはやっぱり知る権利という情報公開の原則も私は根底にあると思うんですね。ですから、いろいろ会議の模様についてできるだけ中間的に国民に知らせていくというのは、これはまたすべて私は共通することだと思うんです。ですから、そういう点であれば、担当の方のどなたでも、複数ブリーフィングをするというのはいろいろあると思います、中間的に。
 これはどうもそういうことではないから私は言っているので、そのことについては先ほどのやりとりですとどうも郵政省としては慎重にしていきたいとか、このことがもし実施されればNHKとしては受信料体制で賄っていることが根底から崩れていくわけです、経営形態が。大変な問題なわけですから。そういうことをある意味では意図している考え方が、どうも全体的にトーンが流れているものですから、あえて指摘をさせていただいております。どうも感覚的にちょっとかみ合わないなという気がいたします。こんなに時間をとるつもりはなかったのであれですけれども。
 このスクランブルについては、先ほど大臣は慎重にと、NHK会長はこれはもう問題だということを、再度コメントいただけますか。
#168
○参考人(海老沢勝二君) 私どもは今のNHKの受信料制度を維持していきたいという方針でございますし、また我々事業を進める上、また国民にとっても受信料制度が私は日本にとって非常に好ましい制度だろうというふうに思っております。そういう面で、有料放送、スクランブル化というのは私はまだまだなじまない制度だろうと思って、こういう考え方には反対を表明しておきたいと思います。
#169
○国務大臣(平林鴻三君) 私の考えは先ほど申し上げたとおりでございますから、そういうことで御理解をいただきたいと存じます。
#170
○齋藤勁君 過日、私はこの委員会で、郵政大臣から、デジタル化に伴います県域放送の実現に向けまして、明日からいわゆるBSがデジタル化と、二〇〇三年までいろいろ準備をして、また三大広域圏、関東、近畿、中京で二〇〇三年末までに地上デジタル放送については放送開始をしていきたい、また二〇〇六年末までには本放送すべて地上デジタル放送をやっていくんだと、こういうことで、とりわけこの二〇〇三年までの関東県域放送実現に向けていろいろやりとりをさせていただきました。
 NHKに知事会あるいは議長会から要望ということについても紹介をさせていただきました。きょうは海老沢会長が見えています。この二〇〇三年まで関東県域放送実現、順調に今進んでいるというふうに受けとめてよろしいですか。
#171
○参考人(海老沢勝二君) デジタル技術のメリットといいますか地上デジタル放送をするメリットとして、私ども今のアナログ放送では関東一都六県、広域放送ということで、東京で一波しか出しておりません。ほかの県のように、各県域放送、ローカル放送をしておりません。そういう面で、できるだけ情報の格差をなくしていくべきだろうと私は思っております。そういう面で、デジタル技術を導入する機会に当たって、できれば関東一都六県もそれぞれ県域放送を持ってローカルサービスを強化したいと、そういう考えで私はいるわけであります。これを今具体的にどうするか。これから郵政当局とも十分詰めて、これが円滑にその方向に進むように努力していきたいと思っております。
 私は各地域のローカル放送、民間放送と私ども公共放送がいろんな面で協力していけば共存共栄をしていくことができるだろうと思っております。そういう面で我々も十分これから皆さんに説明をしながら円滑にこれを進めていきたいと、そう思っております。
#172
○齋藤勁君 ぜひ実現に向けて努力をしていただきたいと思います。
 いただきました資料に地域放送番組放送時間、テレビジョン、ラジオ第一放送、FM放送ということで、局名別の年間放送時間が書いてあります。これは地域的に非常に時間をうまくバランスとっているなと。平均的にとっているんですね。ただ、一方の資料ですと、都道府県別放送受信契約件数、これはお金にも出てくる話ですけれども、この契約総数は、これは当然のことながら人口によって違うのは当たり前です。私が住んでいます神奈川県は二百四十四万六千九百四十二件、東京に次ぐ二番目の受信契約件数です。ある意味ではアンバランスが、格差があるわけです。ぜひ県域放送の実現と、これまた県域放送ということになりますと、現場でやはり取材をして放送をするという体制がこれは当然必要となるんですが、そのこともNHKとして、県域放送実現に向けて、現場人のスタッフをきちんとしていくということは当然だと思いますが、備えていくということについて決意をいただきたいと思います。
#173
○参考人(海老沢勝二君) 県域放送を強化するとなれば、当然要員あるいは資金面で大変なことは十分承知しております。私ども、これまでいろいろな経験を積んでおりますので、そういう中で適正な人員の配置を見直すとか、適正な配置をしながらできるだけ効率的な体制で臨みたい、そう考えております。
#174
○齋藤勁君 時間ですので、終わります。
#175
○参考人(松尾武君) 委員長、ちょっと補足訂正をさせていただきたいと思います。
 先ほど内藤委員の御質問の中で、災害時のインターネット利用で私が初めてと申し上げましたのは、地方局発信のインターネットは初めてという意味でございまして、有珠山等で、東京のボランティアネットというのがございます、ここでは例えば有珠山のときにもやっておりますので、地方局でやったことに関しては初めてという意味でございます。
#176
○委員長(今泉昭君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#177
○委員長(今泉昭君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって是認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#179
○委員長(今泉昭君) これより請願の審査を行います。
 第二四九号交通機関における肢体障害者のための総合的整備等に関する請願外十二件を議題といたします。
 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、保留することに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#180
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#181
○委員長(今泉昭君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#183
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#184
○委員長(今泉昭君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#185
○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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