くにさくロゴ
2000/09/29 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 農林水産委員会 第1号
姉妹サイト
 
2000/09/29 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 農林水産委員会 第1号

#1
第150回国会 農林水産委員会 第1号
平成十二年九月二十九日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         若林 正俊君
    理 事         亀谷 博昭君
    理 事         須藤美也子君
    理 事         谷本  巍君
                岩永 浩美君
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                鶴保 庸介君
                中川 義雄君
                三浦 一水君
                森下 博之君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                高橋 千秋君
                谷林 正昭君
                羽田雄一郎君
                鶴岡  洋君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                石井 一二君
    ─────────────
   委員長の異動
 九月二十一日若林正俊君委員長辞任につき、そ
 の補欠として太田豊秋君を議院において委員長
 に選任した。
    ─────────────
   委員の異動
 九月二十一日
    辞任         補欠選任
     若林 正俊君     太田 豊秋君
 九月二十二日
    辞任         補欠選任
     亀谷 博昭君     若林 正俊君
 九月二十九日
    辞任         補欠選任
     大沢 辰美君     井上 美代君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 豊秋君
    理 事
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                郡司  彰君
                須藤美也子君
                谷本  巍君
    委 員
                岩永 浩美君
                佐藤 昭郎君
                鶴保 庸介君
                三浦 一水君
                森下 博之君
                若林 正俊君
                小川 勝也君
                高橋 千秋君
                谷林 正昭君
                羽田雄一郎君
                渡辺 孝男君
                井上 美代君
                石井 一二君
   政務次官
       農林水産政務次
       官        三浦 一水君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       横田  淳君
       農林水産大臣官
       房長       竹中 美晴君
       農林水産省経済
       局長       石原  葵君
       農林水産省農産
       園芸局長     木下 寛之君
       農林水産省畜産
       局長       樋口 久俊君
       食糧庁次長    新庄 忠夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (平成十三年産米の政府買入価格に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(太田豊秋君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 去る九月二十一日の本会議におきまして農林水産委員長に選任をいただきました太田豊秋でございます。
 本委員会は国民への食料の安定供給等を使命とする農林水産業を所管する重要な委員会でございます。委員長としてその職責の重さを痛感いたしておるところでありまして、本委員会の運営に当たりましては、委員皆様方の御協力を賜りまして、公正かつ円滑に行ってまいりたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げましてごあいさつにいたします。(拍手)
 この際、前農林水産委員長若林正俊君から発言を求められておりますので、これを許します。若林君。
#3
○若林正俊君 一言ごあいさつを申し上げます。
 昨年の八月から本年九月までの約一年間、当委員会の委員長を務めさせていただきましたけれども、理事及び委員の皆様方の御協力を賜りまして委員長の職責を全うすることができました。この場をおかりいたしまして、厚く御礼を申し上げます。
 なお、引き続き本委員会に籍を置くことになりましたので、今後とも皆様方の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 ごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)
    ─────────────
#4
○委員長(太田豊秋君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る八月十日、峰崎直樹君、藤井俊男君及び郡司彰君が委員を辞任され、その補欠として直嶋正行君、小川勝也君及び高橋千秋君が選任されました。
 また、去る十九日、小川敏夫君が委員を辞任され、その補欠として郡司彰君が選任されました。
 また、去る二十日、直嶋正行君が委員を辞任され、その補欠として谷林正昭君が選任されました。
 また、去る二十一日、若林正俊君が委員を辞任され、その補欠として私、太田豊秋が選任されました。
 また、去る二十二日、亀谷博昭君が委員を辞任され、その補欠として若林正俊君が選任されました。
 また、本日、大沢辰美さんが委員を辞任され、その補欠として井上美代さんが選任されました。
    ─────────────
#5
○委員長(太田豊秋君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に金田勝年君、岸宏一君及び郡司彰君を指名いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(太田豊秋君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(太田豊秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に農林水産大臣官房長竹中美晴君、農林水産省経済局長石原葵君、同農産園芸局長木下寛之君、同畜産局長樋口久俊君、食糧庁次長新庄忠夫君及び外務大臣官房審議官横田淳君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#11
○委員長(太田豊秋君) 農林水産に関する調査のうち、平成十三年産米の政府買い入れ価格に関する件を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。三浦農林水産政務次官。
#12
○政務次官(三浦一水君) 平成十三年産米穀の政府買い入れ価格及び米穀の標準売り渡し価格の米価審議会への諮問につきまして御説明申し上げます。
 米穀の政府買い入れ価格につきましては、食糧法のもとで、自主流通米が米流通の主体となったことを踏まえ、自主流通米の価格動向を反映させるほか、生産コスト等を参酌し、米穀の再生産を確保することを旨として定めることとされておりまして、平成七年十二月に米価審議会の意見を聞いて現行の算定方式が設定されたところであります。
 平成十三年産米穀の政府買い入れ価格につきましては、米穀の需給動向、市場評価を反映させつつ、安定的な価格運営が図られる現行の算定方式に基づき算定することといたしまして、本日の米価審議会に諮問を行い、御審議いただいているところであります。
 また、米穀の標準売り渡し価格につきましては、食糧法の趣旨を踏まえ、米穀の需給動向、財政の事情等を総合的に考慮することを内容とする諮問を行い、政府買い入れ価格とあわせて御審議いただいているところでございます。
 以下、これらの諮問の概要につきまして御説明申し上げます。
 初めに、「諮問」を朗読させていただきます。
    諮問
  平成十三年産米穀の政府買入価格については、米穀の需給動向・市場評価を反映させつつ、安定的な価格運営を図るとの観点に立って算定を行い、この算定に基づき決定する必要があると考える。また、米穀の標準売渡価格については、米穀の需給動向、財政の事情等を総合的に考慮し、これを決定する必要があると考える。これらについて米価審議会の意見を求める。
  平成十二年九月二十九日
       農林水産大臣 谷洋一
 次に、「諮問の説明」がございます。これにつきましても朗読させていただきます。
    諮問の説明
  食料・農業・農村基本法の理念を踏まえ、昨年十月に「水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱」を取りまとめたところであり、これに即し、需要に応じた米穀の計画的生産の徹底と水田における麦・大豆・飼料作物等の本格的生産を二本柱とする総合的施策を推進しているところであります。
  また、平成十二年産米穀の作柄及び最近の需給・価格動向にかんがみ、緊急に米穀の需給と稲作経営の安定を図る観点から、米穀の持越在庫水準の早期適正化、平成十三年産米穀の生産調整規模の拡大、稲作経営安定対策についての臨時特例措置などを柱とする総合的な米対策を取りまとめたところであります。
  平成十三年産米穀の政府買入価格及び米穀の標準売渡価格につきましては、計画流通制度の運営の一環として、「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」の規定に基づき、適切に決定する必要があります。
  具体的には、平成十三年産米穀の政府買入価格につきましては、引き続き、自主流通米の価格の変動率及び生産コスト等の変動率を基礎として、需給動向・市場評価を反映させつつ、安定的な価格運営が図られる現行の方式により算定することとしてはどうかということであります。
  また、米穀の標準売渡価格につきましては、備蓄運営を的確に行えることを旨とし、米穀の需給動向、財政の事情等を総合的に考慮して決定することとし、ミニマム・アクセス輸入米は、国内産米の価格体系との整合性も踏まえながら決定することとしてはどうかということであります。なお、実際の売却に当たっては、備蓄の適切な運営を図る観点から、標準売渡価格を基準としつつ、需給動向等に対応して弾力的に予定価格の設定を行う必要があります。
 次に、資料番号二の「平成十三年産米穀の政府買入価格の試算」という横長の資料について御説明申し上げます。
 一ページでございます。
 一に、政府買い入れ米価の算定の考え方を整理してございます。従来どおりの算定方式でございますが、まず自主流通米価格形成センターにおいて形成されます自主流通米の入札価格の動向の比較により価格変動率を求めます。次に、生産費調査に基づく米販売農家の全算入生産費の動向の比較により生産コスト等の変動率を求めます。この二つの変動率を均等のウエートにより前年産政府買い入れ価格に乗じて算出することとしております。
 なお、政府買い入れ米価について、需給事情、市場評価を反映させつつ、安定的な価格運営を図る観点から、自主流通米価格の変動率、生産コスト等の変動率を求めるに当たりましては、二ページにございますとおり、移動三カ年平均による比較を行うこととしております。
 以上御説明申し上げました考え方に基づく平成十三年産米穀の政府買い入れ価格の具体的な算定要領は三ページ以下で説明しておりますが、その算定結果につきましては、二ページの二、算定に示しておりますとおり、六十キログラム当たり一万四千七百八円、前年産価格に対し三百九十六円の引き下げ、率で申しますと二・六%の引き下げとなります。
 なお、この価格は、注として書いておりますように、ウルチ一―五類、一―二等平均、包装込み、生産者手取り予定価格でございます。
 三ページ以下、算定要領ということで、各算定要素について説明しております。時間の都合もございますので、簡潔に説明させていただきます。
 基準価格につきましては、先ほど御説明いたしましたように、前年産、すなわち平成十二年産米穀の政府買い入れ価格一万五千百四円を用いております。
 次に、自主流通米価格の変動率でございますが、自主流通米価格の中期的なトレンドを反映させるとの観点から、すべての上場銘柄の加重平均価格の直近三カ年平均とその前年の三カ年平均とを比較することにより求めております。
 その結果、自主流通米価格の変動率は九六・四八%と算出され、三・五二%低下していることになります。
 生産コスト等の変動率につきましては、四ページにございますとおり、家族労働費の変化率と物財・雇用労働費等の変化率という二つの変化率についてウエートづけを行い、これを反収の変化率で割り戻すことにより、生産コスト等の全体の変動率を求めております。
 これにより、生産コスト等の変動率は九八・二七%と算出され、一・七三%低下していることになります。
 最後に八ページをお開きいただきたいと存じます。この八ページでは類別等級別価格の算出について説明しております。
 これまで御説明申し上げた方法により算出いたしましたウルチ一―五類、一―二等平均、包装込み、生産者手取り予定価格を基礎にして、ウルチ三類一等裸価格を求めます。この価格に銘柄間格差、等級間格差を加減いたしまして、右の表にあります類別等級別の価格を算出いたしております。
 以上が平成十三年産米穀の政府買い入れ価格の試算についての御説明でございます。
 次に、資料番号三の「米穀の標準売渡価格の改定内容(案)」について御説明申し上げます。
 まず、一ページ目の国内産米についてでございます。
 国内産米の標準売り渡し価格の設定の基本的考え方でございます。食糧法のもとで政府米が備蓄運営の機能を有することを踏まえながら米穀の需要及び供給の動向、家計費並びに物価その他の経済事情を参酌し、消費者の家計を安定させることを旨として定めることとされております。
 次に、標準売り渡し価格の設定に際して参酌すべき米穀をめぐる事情でございます。
 まず、(1)の最近の需給動向でございます。
 米穀の全体需給は、近年大幅な緩和基調で推移してきており、本年十月末の国内産米の在庫は、政府米が二百五十六万トン、自主流通米が二十四万トン、合計二百八十万トンと適正水準を大きく上回る状況となっております。また、十二年産米の作況も一〇三と豊作が見込まれております。
 このような中で、緊急に米穀の需給と稲作経営の安定を図る観点から、米穀の持ち越し在庫水準の早期適正化、十三年産米の生産調整規模の拡大、稲作経営安定対策についての臨時特例措置などを柱とする総合的な米対策を取りまとめたところであります。
 次に、(2)の家計費及び物価の動向でございます。
 最近における家計費及び物価の動向を見ますと、米流通の主体である自主流通米価格の低下等を背景として、家計の消費支出に占める米類の割合が低下傾向にあります。標準売り渡し価格の前回改定時である平成十二年一月と現時点との比較で見ますと、消費者物価指数は総合で〇・一%の低下、米類については〇・六%の低下となっております。
 次に、(3)の政府管理コストでございます。
 適正備蓄水準を大幅に超える備蓄保有、備蓄米の保管期間の長期化等により、保管経費は高水準で推移しております。
 一ページめくっていただきまして、二ページ目でございます。(4)の政府買い入れ価格は先ほど御説明いたしましたとおりでございます。
 次に、標準売り渡し価格の改定の内容でございます。
 ただいま申し上げましたような状況を踏まえつつ、政府買い入れ価格の引き下げ効果を消費者に適切に還元することとし、国内産米の標準売り渡し価格につきましては、消費者家計の安定が図られるよう改定するということでございます。
 具体的には、平成十三年一月一日以降、水稲ウルチ玄米一―五類、一―二等平均、包装込み、六十キログラム当たりの消費税額を含まない標準売り渡し価格を百八十八円、率にして一・一%引き下げ、一万六千三百四十八円とするものであります。
 銘柄別・等級別の標準売り渡し価格は、四ページのとおりでございます。
 最後に、二ページの下の(4)でございます。
 要するに、実際の政府米の売り渡しに当たっては、今申し上げました標準売り渡し価格を基準として売り渡し予定価格を定めることとしておりますが、この予定価格につきましては、最後の二行にございますように、需給や市場価格の変動に対応し得るよう適切かつ弾力的に設定することとしております。
 三ページはミニマムアクセス輸入米の標準売り渡し価格でございます。
 国内産米の価格との整合性を踏まえ、平成十三年一月一日以降、水稲ウルチ玄米M3、正味六十キログラム当たりの消費税額を含まない標準売り渡し価格を百三十八円、率にして一・一%引き下げ、一万二千四十九円とするというものであります。
 銘柄区分ごとの標準売り渡し価格は、次の四ページのとおりでございます。
 その他の配付資料につきましては、説明を割愛させていただきます。
 以上でございます。
#13
○委員長(太田豊秋君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○岸宏一君 岸でございます。
 農林省の三浦政務次官並びに幹部の皆さん、本当に御苦労さまでございます。
 今回のこの米価の諮問に当たりまして私に質問の番が回ってきたわけなんですが、実は昨年の十一月の一日ですか、同じように米審に関する各委員会、両院の農林水産委員会の会議録を実はちょっと見てまいりました。これによりますと、やはり平成十一年も今と同じように緊急の米の総合対策というものを立てて何とか需給関係のバランスをとらなきゃいけないと、こういうことで大臣あるいは谷津、当時の政務次官のお話があったわけでございます。今回もまた、三浦政務次官から、非常に昨年度と似たやっぱり緊急の総合米対策というものが発表される。
 米の需給のバランスをとるというのは本当に難しいものだと、皆さんの御苦労もこれは大変なものがあるなということはつくづく感じるわけでございますが、国民から見ますと、やっぱりなぜこんなにいつも需給のバランスが崩れるのかという、そういった素朴な疑問というものはどうしてもあるのではないか。そこで、やはり私たち農業に関係する者は、あらゆる組織や団体が力を合わせて、なぜこうなってなぜこうしなきゃいけないかということをやはりもう少し真剣に国民に語りかけていく必要がある。今回のこの自民党、政府が考えた平成十二年の緊急総合米対策についても、マスコミの論調なんかを見ますと、やはりまた批判が出るのではないかといった、懸念されるといった、そういうニュースが多いように思うわけでございます。
 そこで、まず最初に国民にわかりやすく説明する意味で、このお米の値段も今度下がるわけですけれども、下がる原因というのは、お米は自主流通米が安くなったからであります。安くなるにはそれなりの事情があって安くなった。これは当然、需給のバランスが悪くなったから、緩和基調であるから安くなるということになるわけでございましょうから、ここで平成十一年産米から引きずってきているものがあるわけでございますので、どうして十一年、十二年とバランスが崩れてこういう対策を講じなきゃならなくなったかという、米の需給の状況を政務次官から国民の皆さんに語りかけていただきたいと思います。
#15
○政府参考人(新庄忠夫君) 先生今お尋ねの需給事情でございますが、十一年産の自主流通米の価格、これは長引く景気の低迷、こういったことによりまして消費者の低価格志向、こういったものを強く受けたということが一つございます。それからもう一つは、十一年産は出回り当初豊作予想がございまして、これがその後の価格形成にも影響を与えたということ。さらには、十一年産の場合、品質が余りよくなかったというようなこと。そういったことでかなり低位に推移をしたわけでございます。
 そういう状況の中で、在庫でございますけれども、これは次の米穀年度に持ち越します持ち越し在庫と言っておりますが、これが計画では二百十九万トン、こういう計画でございましたけれども、これが六十万トン程度上回る大体二百八十万トン程度、こういう見通しになっている。これはことしの十月末時点での見通しでございますけれども。
 この要因でございますけれども、引き続く景気の低迷、あるいは十二年産がまた豊作の予想と、こういうことになっておりまして、価格がまた下がるんじゃないか、そういった先安感の中で卸さんあるいは小売さんの持っておりますいわゆる流通在庫、こういったものが減っていく。要するに、在庫減らしと申しますか、当用買いと申しますか、そういった動きがございまして、そういった中で自主流通米、それから政府米、これの売れ行きが非常に落ちている、こういうことでございます。
#16
○岸宏一君 今の御説明のとおり、どうも計画どおりにいかなかったというのが米の状況だと、こういうふうになるわけでございますけれども、どうなんでしょうか、これ。
 昨年の九月に米の緊急需給安定対策を決定して五十七万トン分を市場隔離した。その内訳は、十一年産の生産オーバー分十七万トン、これを飼料用へ使う、それから食糧援助、食糧支援基金への政府持ち越し国産米の十万トンの備蓄という、そういう措置を昨年の九月に決定して、この措置をとったわけです。にもかかわらず価格の下落が続いて、さらに十二年産米においても持ち越し在庫量が増加する、こういうふうになるわけでございますけれども、今の御説明ですと景気の低迷が非常に大きな原因だというふうに聞こえるわけですが、もう少し次長さん、わかりやすく国民に語りかけるつもりで語ってもらいたいんですが。
#17
○政府参考人(新庄忠夫君) 先生御指摘の昨年の緊急対策、十一年産の豊作によります生産オーバー分、これは十七万トン、えさ処理というようなことで消化した、あるいは政府の在庫、これの販売凍結等々といった対策、こういったものをやっておりまして、価格は低位ではありましたけれども横ばいで推移をした。
 そういう状況の中で、先ほども御説明いたしましたけれども、また十二年産の豊作の見通しというようなことで、繰り返しになって恐縮でございますけれども、価格が先行き下がるんじゃないか、こういう印象を持ちますと、卸さんあるいは小売さん、できるだけ在庫差損を防ごう、こういう行動志向、こういったものが起こるわけでございまして、そういうことでいわゆる在庫減らし、これが、結局持っていたものを吐き出していくというようなことで需給がだぶついて価格が下がってきている、こういう状況でございます。
#18
○岸宏一君 今の説明で大体わかってきたような気がいたします。
 さて、こういった状況を見て平成十二年の緊急総合米対策を策定されたわけでございます。これを策定するまでに大勢の皆さん、大変御苦労なさったということはよくわかります。また、この緊急需給安定対策というものはことし限りのものというふうに聞いておりますが、この中で新しい経営所得安定対策の検討をするというふうにうたっているようですけれども、毎年同じような緊急対策を続けるということは、やはりどうも国民から見て納得がいかないと思うんですね。ですから、新しい対策、対応というものを検討するということを言っておるわけですが、これに私たち大いに期待をしなきゃいかぬと思っております。これはどういうものかということを後からちょっと、どんなことを考えているかということをこれは後からひとつ政務次官からお話をお聞きしたい。
 それで、そこで、十二年度のこの総合米対策につきまして御質問を少ししたいと思うんですけれども、まず最初、一番に、「政府持越在庫については、緊急食糧支援事業による援助用として七十五万トンの市場隔離(別枠扱い)を実施する。」と、こういうことになったわけでございますが、この措置は大変私はいい措置だと思うんです。
 そこで、これ、国民といういわば専門家でない者から見ますと、こういう市場隔離して別枠扱いにするのであれば、これは外務省のODAか何かの予算を使って隔離をすれば大変いいのではないかといった、こう素直な考え方というんでしょうか、こういうことを言う人も中にはいると思うんですが、これは不可能なんでしょうね、これ。どうですかね、これ。
#19
○政府参考人(新庄忠夫君) 食糧援助、いろいろやり方はあろうかと思います。幾つかございますけれども、ODAの予算を使って食糧援助をするというスキームもございますので、そういったスキームも今後積極的に活用しながら、積極的な食糧援助を進めていきたいというふうに思っております。
#20
○岸宏一君 大変いい答弁なんですけれども、具体的にどうですか、これ、どれぐらいそちらの方から回せる自信がありますか。
#21
○政府参考人(新庄忠夫君) 食糧援助はやはり相手国といいますか外国の、あるいは国際機関、こういったところの要請があって初めて実行できる、こういう性格のものでございますので、現時点で具体的にどのぐらいの援助があるということを申し上げるというのは、大変恐縮でございますができかねるということでございます。
#22
○岸宏一君 それでは、わかりました。じゃ、積極的にODAの方を回してやる、努力すると、こういうことでよろしいですか。
#23
○政府参考人(新庄忠夫君) はい、そのように努力していきたいというふうに思っております。
#24
○岸宏一君 はい、ありがとうございました。
 それと、この一の中で、「機動的な需給計画の見直しその他必要な措置を講ずる。」と、こういうことでさまざまな方法をお考えになったわけでございますけれども、なかなかいいものがあるというふうに私は見ておりますが、「十二年産の豊作による生産オーバー分のうち十五万トンについては、生産者団体の主体的取組として主食用以外の用途に処理する。 主食用以外への処理に当たっては、主として、収穫した米粒を配合飼料原材料用に使用する。」、こういうふうなことをやることで、これも大分費用もかかるんじゃないかという気がするんですが、これらの仕組みというんでしょうか、これをちょっと説明していただけませんか。国がどれだけ負担するとか、あるいは生産者がどれだけ負担するとか、そういったことでございます。
#25
○政府参考人(新庄忠夫君) 先生お尋ねのスキームといいますか、それのまず初めに仕組みでございますけれども、この十二年産の豊作による生産オーバー分、二十六万トンございますけれども、そのうちの十五万トンですね、これにつきまして、政府の持っている古米でございますね、これと交換をいたしまして、古米の方をえさ処理に回す、こういうことでございます。政府は、したがいまして、十二年産の米を買い上げて古い在庫を生産者団体の方に売却していく、こういうことでございます。
 このスキームは実は昨年もやっておりまして、昨年の緊急対策、このときは十七万トンやっております。それで、その必要な財源として生産者団体の方から基金を積み立てておりまして、それに対して政府が助成をするということで、昨年の場合は十七万トンに対して政府の助成が九十億ということでございます。
 今回、具体的にどのぐらいの金額になるかということでございますが、これは現在細部を詰めておりまして、まだ確定的な数字はちょっと申し上げにくいわけでございますが、昨年の例に準じたような格好で対応していきたいということでございます。
 したがいまして、昨年十七万トンで九十億でございますので、十五万トンの場合、確定的数字は申し上げにくいわけでございますが、昨年の例からいきますと大体の目安というものは出てこようかというふうに思っております。
#26
○岸宏一君 次は、稲作経営安定対策についてお伺いをいたしますが、現在、平成十一年産の自主流通米の指標価格の全国平均は一万六千九百四円に対して、全額算入生産費の全国平均は一万八千円を示しておる。この価格が生産費を二千円も下回るという、そういう状況でございますから、経営安定対策というものはなかなかうまく目的に沿うような形で動いているかということが非常に、動いていくかということも含めて心配の種に私なんかは思うわけでございます。
 そういうようなことで、十一年も十二年も繰り返して臨時応急特例的な対応ということで、固定するという例の仕組みをやったわけでございますけれども、これは緊急的なことでございますからそれはそれとして、これもやっぱり、毎年、また来年も固定的な緊急な対策というのも、どうも国民に対しても説明がつかないのではないかという気がしてしようがないんですが、何かこの基本的な枠組みについて検討する余地というものがないものでしょうか。
 私には今どうすればいいという案はありませんが、何かもうちょっといい方法を考えたらどうかなという気がするんですけれどもね。
#27
○政府参考人(新庄忠夫君) 稲作経営安定対策でございますけれども、これ基本は、価格が市場で決まると。それに対して、経営安定ということで稲作経営安定資金というものをつくっているわけでございまして、その場合に、市場で決まる価格と、それから安定資金の算定の基礎になりますいわゆる基準価格、その差の原則八割を補てんする、こういう仕組みでございますが、この基準価格をどうするのか。
 一部に、これを固定すべきではないかと、こういった意見もございます。ただ、固定をしてその価格を、所得を補償するということになりますと、かつての食管時代のように、言ってみれば所得の下支え、こういう感じになるわけでございまして、やはり生産者の方々に市場のシグナルをよく感じ取っていただいて経営努力に力を注いでいただきたい、こういう趣旨から現在の仕組みでは過去三年の価格の平均をとっていると、こういうことでございます。
 そういう状況の中で、最近市場価格の方が下がってきているという状況の中で、十一年産につきまして一定の拡充措置をやったわけでございます。
 それから、十二年産につきましても拡充措置をやっておりますが、さらに今回緊急対策ということで、需給の改善を図っていくということで、来年その生産調整の一時的な、臨時的な強化といいますか、拡大を今回対策として打ち出したわけでございますけれども、それとあわせて、臨時応急的な対策というふうなことで幾つかの拡充措置を講じたということでございます。
 例えば補てん基準価格でございますが、これをその特例措置というようなことで、十二年産の算定の基礎になりました基準価格、それをそのまま適用するといったようなこと。それから、いわゆる経営安定資金の財源となります資金造成、これを追加の資金造成をする、こういうような措置を講じまして制度の充実強化を図っているということでございます。
 したがいまして、さらにこの制度の見直し云々という議論がございますけれども、基本はやはり過去の価格、これをベースにしながら、その時々の状況に応じて必要な改善を加えていくということであろうかというふうに思っております。
#28
○岸宏一君 次は、この総合米対策の中でリベート販売の監視の強化云々とありまして、自主流通米価格形成センターが行っている入札取引のあり方にも何か検討を進めたいと書いているんですが、何か今の入札制度にある種の欠陥か何かあるんでしょうか。
#29
○政府参考人(新庄忠夫君) この入札取引のあり方につきましては、これは自主流通米価格形成センターが運用しておりますけれども、その中に、この仕組みについての検討小委員会、こういったものを設けまして、これは生産者団体の代表、それから流通業界、卸さんとかそういった流通業界の代表、あるいは学識経験者、こういう者から成っておる検討小委員会でございますけれども、そこで議論が進められているということでございます。
 それぞれいろんな意見が出て問題意識が提示されておりますけれども、例えば上場の数量。現在、自主流通米の集荷数量の三分の一以上が義務上場ということになっておるわけでございますけれども、この量をもっとふやしたらどうかとか、あるいは現状を維持すべきであるかとか、それから、毎月一回入札が行われておりますが、これを前場・後場という格好で、一回の入札に前場・後場ということで二回入札をかけているわけでございますけれども、これを一回にすべきかどうかとか、そういった問題等々につきまして今鋭意検討が進められている、こういう状況でございます。
#30
○岸宏一君 時間があれなんですが、それでは次に進めさせていただきますけれども、この総合米対策の中で最も問題となったのは来年度の転作の面積の拡大だったと思います。これについては、五万ヘクタールを転作する、それと、作況指数が一〇〇を超えた場合の対応としてさらに五万ヘクタールの需給調整水田というものを置くという、そういうことになりました。これも生産者団体とのさまざまな意見の調整の末にでき上がったというふうに聞いておりますが、これを生産者団体の主体的な取り組みとして行うというふうになっております。
 さて、それでは、今度五万ヘクタールの転作の割り当てというんでしょうか、これは全国平等というんでしょうか、そういうことになるのか、あるいは転作率をよく守っている地域は優遇するだとか、そういうことがあるのかないのか、基本的にどういうふうに考えていらっしゃるか、ここでお話しできる範囲でひとつ。あるいは生産者団体にすべて任せるとか、いろんな方法があると思うんですけれどもね。
#31
○政府参考人(木下寛之君) 十三年産緊急拡大分の都道府県配分のあり方でございます。これまで生産者団体の中で、十三年産生産調整の拡大をするとすれば、限界感がある中でどういうような配分のあり方が望ましいのかということについて熱心な討議検討が行われた経緯がございます。
 私ども、生産者団体におきます討議結果を十分踏まえまして適切な配分を実施していきたいというふうに考えておりますけれども、昨日取りまとめられました総合対策の中で、緊急拡大に取り組む都道府県を対象に、一つは臨時応急特例的な対応としての政府の買い入れ、それから第二点といたしましては、緊急拡大分に相当する面積への追加的助成を行うほか、稲作経営安定対策につきましての臨時応急特例措置を講じることとしたところでございます。このようないわばメリット措置を踏まえまして早急に生産者団体におきまして意向の取りまとめが行われるものというふうに承知をいたしております。
#32
○岸宏一君 つまり、生産者団体に対してこういうメリットを与えるからやってくれと、それで手を挙げてくる、都道府県になりますかね、それを生産者団体の中でまとめてくると、こういうことになりますか。
#33
○政府参考人(木下寛之君) まさに五万ヘクタール、二十五万トンでございますけれども、そのようなメリット措置を踏まえましてまずは生産者団体における意向集約を待ちたいというふうに思っておりまして、そのような都道府県生産者団体の意向を踏まえまして私どもとしては配分していきたいというふうに考えております。
#34
○岸宏一君 わかりました。
 これはかなり、農家の皆さんに聞いてみますと、転作はまたやらなきゃいけないのか、もう限界だといったような声をよく聞きますけれども、しかしながら、この米の価格というものをあるいは需給のバランスをしっかりとしたものにして、そして価格は市場の動向に、少しずつではありますけれどもそういうものに誘導していくというのが、今そういった意味で過渡的な段階だというふうに思いますので、非常に微妙な問題がこれらの施策を行っていく上でさまざまな形でやっぱり生産者の皆さんや団体から出てくるものが多いと思うんですね。どうぞ、そういうことがありましても、ぜひひとつ丁寧に皆さんの意見をよく聞いて、農家のためになるようなそういうメリット措置というものをやっていただきたいものというふうに期待をいたしております。
 それから、需給調整水田という、これは新しい考え方でございますけれども、これは一口で言ってなかなかいいアイデアではあろうと思いますが、実際これを進めるあるいは決定する段階で、役所や生産者団体の仕事というのはそう簡単なもんじゃないと思うんですね。理論としては非常におもしろいわけですが、おもしろいというか、なるほどという面はありますけれども、これはなかなか簡単ではないんじゃないかと。黙ってつくっていて例えば一〇三になったから、なりそうだから、あなたのところは、何というんですか、ホップ何とかというやつですね、実のある稲を乾燥するやつですな、そういうことにしてくれとかという、そういうふうに、そういう何というんでしょうか、作況を見ながら決定していくわけでしょう。そういうことは非常に難しいような気がしますが、これはどういうものですか。
#35
○政府参考人(新庄忠夫君) お尋ねの需給調整水田でございますけれども、先生今おっしゃいましたように、作況が一〇〇から一〇三までの間で豊作になりそうだと、こういったときに、その米をそのまま米として収穫しないで事前に青刈りとかそういったような形で稲による転作をやると、実施すると、こういうものでございます。
 この仕組みを今回緊急対策の中で一つ打ち出したわけでございますけれども、それまでの間、生産者団体といろいろ議論、協議を続けてまいりまして、こういう仕組みでやろうじゃないかと、こういうことになったわけでございます。基本的には生産者団体による主体的な取り組みと、こういうことがベースになるわけでございますけれども、それに対して政府も一定の支援をしながらこの制度が有効に働くようにしていきたいというふうに思っております。
 今後、その成果なりあるいはその実施状況なり、こういったものを見ながらさらに充実といいますか、そういったものも考えていきたいというようなことでございます。
#36
○岸宏一君 まだまだ聞きたいことがたくさんあるんですけれども、時間の関係もございますからここで最後といたしたいと思いますが、最後に三浦政務次官にひとつ、この十二年の緊急総合米対策に対して、どのようなお気持ちでこの対策を遂行していくか。それからもう一つ、さまざまな検討を進めるとかあるいは新しい経営所得安定対策につき速やかな検討に入るとか、そういう来年の夏をめどに備蓄の問題とか結論を出さなきゃならないといった宿題もこの中に結構あるようでございますね。それらを踏まえてひとつ決意のほどをぜひこれは国民に向かって披瀝していただきたい。それと同時に、農家の皆さんに、今後、活力ある農業というんでしょうか、元気のある農業が展開していけるのだという勇気を与えてくださるような、そういう気持ちをひとつ農家の皆さんにメッセージとして伝えていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。
#37
○政務次官(三浦一水君) 今回のこの状況に至りましては、岸委員いろいろ御指摘がございましたように本当に説明し切れない点もあるのかと、率直にそう思っております。そのような中で三百十万トンに及ぼうとしております在庫見込みにどう対処するかということは農家経営を考える上におきまして最重要の課題ということで、今回、与党とも御相談の上にこのような緊急対策を考えさせていただいたところでございます。
 政府在庫の援助用の隔離、これにつきましても、私もこれまで委員として農政に携わってくる中で、相当踏み込んだ、思い切った市場からの米の隔離になるんではなかろうかという印象を持っております。決して手褒めをするつもりではございませんが、率直にそのような印象を持っております。
 昨年に引き続き、飼料米につきまして十五万トンを政府米から処理をしていこうと、これも財政の大きな負担を考えますときに非常に大きな効果を生むことではなかろうかというふうに考えております。
 それから、若干、今回の政策を遂行していくに当たりまして、これまで正直者がばかを見ると、いわゆる減反政策あるいは稲経の取り組みにおきましてそのような状況が現場の農家で非常に強く指摘をされてまいりました。今回のいわゆる減反増加分あるいは政府米の買い入れという点におきましては、それぞれにその不公平を是正する形で思い切った踏み込み方をした点等々を考えますと、私は相当踏み込むことができたんではないかと思っております。
 望むべきは、ことし早急に米の相場安定、あるいは下落傾向にありますものを上昇傾向に持っていくということが即可能かということについては、率直にその効果につきましては疑問も残ります。しかし、来年、十三年米につきましては必ずやその効果を生み出し、そして農家経営の安定に大きく貢献することができるんではないか、そのように突っ込んだ対策になることができたんではなかろうかと思っております。
 それにしましても、いわゆるこの制度そのもの、あるいはこの対策にかかわらず、いろんな政策、農政で我々が取り組みをしたいということがWTOの舞台のルールの中で非常に制限をされているという現状でございます。これらのものにも果敢に積極的に、そしてまた大きな連携の輪をつくりながら取り組むことも決意として申し上げ、そしてそのことが農家の展望を開くことにつながるように努力することの決意を申し上げまして、お答えにさせていただきたいと思います。
#38
○岸宏一君 どうもありがとうございました。
#39
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。よろしくお願い申し上げます。
 まず最初に、今回、私の地元でもございますけれども、東海豪雨で、ちょうど米の収穫期でございまして、大変な被害を受けられた農家の皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。
 今回、米のことでということで、私の家は実は専業農家でございまして、米をつくっております。その農家の立場からも質問をしてみたいと思います。
 ことしのこういう論議されている中身を見ますと、私の父親やおじいさんたちが、私が小さいころから、米を一粒一粒大事にしろと、それから一生懸命毎日朝から晩まで、夜遅くまで仕事をしながら、少しでも多くの米を、そして少しでもいい米をつくりたいという、そういう努力を一生懸命やってきたと思います。ことしのこの中身を見ますと、一生懸命やって多くつくることがどうも悪のような、そういう雰囲気になってしまっているということは非常に残念であります。
 そして、まず最初にお聞きしたいのは国産米の在庫見通しでありますけれども、二百八十万トンという、非常に当初の見通しからは六十万トン以上の差が出てしまっている。これは誤差と言うには余りにも大き過ぎる数字じゃないかなと思うんですが、これはある程度予測できるものではなかったのかなというふうに思うんですが、この誤差の理由をまずお伺いしたいというふうに思います。
#40
○政務次官(三浦一水君) 十二米穀年度末の計画流通米の在庫は、自主流通米につきましては持ち越し予定十六万トンを上回る二十四万トン強という見通しでございます。また、政府米につきましては、自主流通米との協調販売を行ってきました結果、持ち越し予定の二百三万トンを五十三万トン程度上回る二百五十六万トン程度、合計で、委員御指摘いただきましたように、二百八十万トンの在庫見込みとなっております。
 この要因につきましては、一番には景気の長引く低迷というものを分析しております。また、豊作の見通しによります先安感が広がりましたことで、結果としまして、卸あるいは小売あるいは外食等の各流通の段階におきまして保有しておりました米の量を減らすという現象が起きたようでございます。その分、自主流通米に加えて政府米が協調販売の中で売れなかったということによるものであります。
#41
○高橋千秋君 理由はさまざまあるかと思うんですが、景気の中身についてもある程度予測できたのではないかなというふうに思うんですが、この六十万トンというのは本当に大きな数字だと思うんです。
 単純に、これ予測できなかった、だからもうことしはそれで緊急のというような話で、先ほど岸委員からも何度も話出ていましたけれども、緊急緊急という、毎回緊急と言っていまして、毎年緊急と言っていたらこれは緊急じゃなくなってしまうと思うんですが、予測できなかったということはただで済まされないと思うんですが、その点についていかがでしょうか。
#42
○政府参考人(新庄忠夫君) 先ほど政務次官の方から御説明されましたように、いろんな要因がございます。いろんな要因がある中でやはり一番大きな要因というのは価格の先安感、こういったものが非常に意識されたと。
 十二年産の作況も、九月十五日現在の作況で一〇三、こういう数字が公表されております。そういったような中で、価格の先安感、これによりまして、やはり流通段階、卸、小売あるいは外食、こういったところの手持ちの在庫、これを放出する、当用買いといいますか、そういった行動がかなりとられてきている、そういった中で需給が緩和してきている、こういう状況が一つございます。
 それから、私どもそういったことを見通せなかったのかと、こういうことでございますが、昨年秋に需給計画を策定した段階では、昨年の緊急対策というようなことで、やはり十一年産の生産オーバー分の十七万トン、これのえさ用への処理でございますとか、あるいは政府の持っている在庫、これの三十万トン販売凍結、こういったようなことを内容とします総計五十七万トンの供給縮減、こういうものを実施したわけでございまして、そういった中で需給の安定は何とか図られるんじゃないか、こういう思いでいたわけでございますが、それが、先ほども申しました民間流通在庫の縮減、こういったものによりまして、まことに残念でございますけれども、価格が依然として低迷しているという状況でございます。
#43
○高橋千秋君 これ、ことし緊急ということなんですが、来年以降、こういう計画を今立てていただいていて、二〇〇二年にはある程度減るという予定を立てておみえになりますけれども、やっぱり農家は一生懸命豊作のために頑張るわけでありますし、気候もどうも日本は熱帯地域に入ったんではないかなというふうな言われ方もされていますけれども、今後豊作も当然あり得ると思います。
 ことし一〇三という数字が出ていますけれども、実際のところこの一〇三という数字が本当に一〇三程度なのかということもありますが、今後やっぱり計画と実際の収量の差だとか消費の差というのが出てくると思うんです。そういうときにどういうふうに処理をしていくのか。緊急で毎年やるんではなくて、あらかじめシステムとしてきっちりとつくっていく必要があると思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#44
○政府参考人(新庄忠夫君) 先生御指摘の需給調整の仕組みのシステム化といいますか、そういった御意見でございます。
 その点に関連して申し上げますと、今回の緊急対策、ここで平成十四年十月末に在庫水準を相当思い切って圧縮するというようなことで、もろもろの対策を講じるわけでございますが、その中の一つといたしまして、十四年十月末までの間に予期しない需給の変動が生じたというような場合には、その対応としまして需給調整水田といったような仕組み、こういったものもつくりましたので、これによって対応していきたいと。
 さらには、必要であれば需給計画を機動的に見直していくといったようなこと、こういったことも考えていきたいというふうに思っておりまして、今申し上げましたような措置によりまして需給の安定を図っていきたいというふうに思っております。
#45
○高橋千秋君 ということであれば、二〇〇二年十月末ぐらいで百二十五万トンでしたか、その数字にするという自信をお持ちだということですね。
#46
○政府参考人(新庄忠夫君) 今のような御紹介したような措置、それから生産調整の来年の緊急拡大あるいは七十五万トンの援助用隔離、こういったもろもろの措置を講ずることによりまして需給均衡が図れるものというふうに思っております。
#47
○高橋千秋君 自信あるということでとらさせていただきたいと思うんですが。
 次に、適正備蓄の水準についてお伺いをしたいと思います。
 適正備蓄の水準が百五十万トンプラスマイナス五十万トンということになっていると思うんですが、これの根拠をお教えいただけますでしょうか。
#48
○政府参考人(新庄忠夫君) お尋ねの適正備蓄の水準でございますけれども、この備蓄水準、これは不作の場合に需給バランスを何とか維持するというようなことで設けているものでございますので、そういう意味で、過去の不作の経験、こういったようなことも踏まえながら考えておりまして、具体的には過去の平均的な不作ですね、これが二年連続して生じた場合でも需給に悪い影響を与えない、円滑な供給が行われるようにというようなことで百五十万トンを基本としているところでございます。
 作柄によって需給変動が生じた場合にも弾力的に対応できるようにというようなことで、一定の幅を持ちまして、具体的には百五十万トンプラスマイナス五十万トンというようなことでございますが、そういったことで運用をするということにしております。
#49
○高橋千秋君 他国ではもっと備蓄しているというふうに聞いているんですが、やはり価格安定ということもあるんですけれども、もっと備蓄の水準を引き上げるべきではないかなというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#50
○政府参考人(新庄忠夫君) 先生御指摘のように、備蓄の水準を引き上げるといいますか、十分な備蓄水準ということであれば、そこは供給に心配がないということで一定の安心感はあろうかと思います。
 ただ、一方で、やはり膨大な財政負担ということも考えなければいけないというふうに思っておりまして、そういうことで、先ほど御説明をいたしましたような考え方で備蓄水準を設定しているということでございます。
 現在、この適正備蓄水準を政府米の在庫が大幅に上回っておりますが、やはり一定水準を超えたかなり大きい備蓄水準、こういうことになりますと、それ自体が需給緩和要因といいますか市況を軟化させる要因と、そういうふうに受け取られる、こういうことがございますので、そういった意味で、先ほど御説明の百五十万トンプラスマイナス五十万トンというのが私どもとしては適正な水準であろうかというふうに思うわけでございます。
#51
○高橋千秋君 それでは、それについては変更をしないということですね。
#52
○政府参考人(新庄忠夫君) 今申し上げましたような考え方でございますけれども、今回の緊急総合対策で、最後に「備蓄の効果的運営を図る」というようなことで、今後そのあり方について検討するという考え方も打ち出しているわけでございまして、現在のところ先ほど御説明しましたような考え方でございますが、今後未来永劫にわたってそれを変えないかどうかということになりますと、そこはまたそのときの状況を見ながら、どうあるべきかということは必要に応じてそこは検討すべき問題であろうかというふうに思っております。
#53
○高橋千秋君 それでは次に、生産オーバー分の処理についてお伺いをしたいと思います。
 先ほど冒頭にも述べさせていただきましたが、日本は古来以来、祭りなんかでもやっぱり豊作を願った祭りというのがどこでも行われるわけで、豊作を願わない農家はないと思います。その意味でも、豊作は本当に農家にとって非常にうれしいことだと思うんですが、一方、価格下落という、当然そういう問題が出てきています。
 この処理が生産者、生産者団体による主体的な処理に任せるということになっていて、国は経費の一部を負担するということなんですが、そういう生産者団体等に単純に任せておくということだけでよろしいんでしょうか。私は、ぜひ政府の方もそれに積極的にもっとかかわるべきではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
#54
○政府参考人(新庄忠夫君) 政府が積極的にかかわっていくべきではないか、こういう御意見でございます。
 需要に対して過大な供給といいますか、すなわち生産オーバー、この場合、それを放置いたしますと、供給量が過剰というようなことで当然その価格は下がるわけでございます。価格が下がると生産者の利益の減少につながっていくということでございます。
 したがいまして、それを避けるために生産オーバー分を主食用以外に回す、こういうような処理を昨年もやりましたし、ことしもそういった緊急対策ということで打ち出しているわけでございますけれども、こういった措置は自主流通米の価格安定というメリット、これを生産者がまず受け取る、こういうことでございますので、基本的にはやはり生産者自身の取り組み、それに対して政府が積極的に支援をしていくという考え方をとるべきではなかろうかということで、そういった考え方のもとに政府は支援しているということでございます。
#55
○高橋千秋君 そういうことであれば、生産オーバー分について、その処理経費というのは計画流通米を出荷する生産者の方から徴収するということになっていると思うんですけれども、実際、価格の浮揚という部分について言えば、米全体、米の販売全体に及ぶことで、そういう計画外のいわゆる政府のやり方やら農協のやり方に対して協力をしない農家も平等にメリットを受けていると思うんですね。私の地元の三重県でいえば、計画内というのは三十数%しかない。残りの六十数%の方々はそういうことに協力をしなくても同じようにメリットを受けているわけです。
 ですから、先ほど政務次官の方から最後のお話ありましたが、まじめな本当に協力をしていただいている農家がばかを見る、そういうようなやり方になっているんではないかと思うんですが、公平性ということも考えればこの仕組みというものを変えなきゃいけないと思うんですが、いかがでございましょうか。
#56
○政府参考人(新庄忠夫君) 先生御指摘のように、確かに需給改善効果、これは計画外の米も、計画外流通米ですね、も含めましてその効果が及ぶわけでございます。
 そういう中で、やはりできるだけ幅広い生産者の方が参加をしていただいて公平に処理していくという、そういった考えのもとにこの需給調整に充てる経費、これについて生産者はそれぞれ拠出をしているわけでございますが、面積に応じて拠出をするというふうな仕組みになっているわけでございます。
 それから、十二年産米から計画外流通米につきましても稲作経営安定資金、これの対象にしたわけでございますけれども、その際、先ほど御紹介をいたしました需給調整用の経費に充てるための生産者の拠出、この拠出を計画外流通米出荷者にも求めるということで、その拠出が稲作経営安定対策の加入要件、こういうことにしているわけでございまして、こういった措置によりまして、この経費の拠出に応じない計画外流通米出荷者、計画外出荷米、これとの公平性の確保を図っているということでございます。
#57
○高橋千秋君 今お伺いした対策も確かに重要なことだと思うんですが、現状の、現場の見た感じでは、やっぱりそれだけではまじめな農家が報われるということにはならないと思うんですね。もう少し実効性のある仕組みを考えていただきたいなと思います。
 次に、生産調整のことについてお伺いをしたいと思います。
 先ほど岸委員の方からも出ておりましたが、今回五万ヘクタール、需給調整水田も含めると十万ヘクタールをするということなんですけれども、現状問題、九十六万三千ヘクタールという減反、これになったときもかなり現場は苦労して、農協の方も一軒一軒農家を回って説得をしながらようやく対応してもらったというふうに思うんですが、この九十六万三千という数字については一〇〇%今のところ達成しているんでしょうか。
#58
○政府参考人(木下寛之君) 本年度の生産調整の実施でございますけれども、一〇〇・三%ということで、全国レベルでは予定どおりの数量を生産調整しているという状況でございます。
#59
○高橋千秋君 それでは、その五万ヘクタール、ひょっとしたら十万ヘクタールになるということですが、これの面積配分、先ほど質問が出ましたけれども、いつごろ確定をするのか。
 それと、先ほどの面積配分で、これは多分もめる、一番もめる要因ではないかなと思うんですが、実際、私のところにも、昨日新聞発表があって、すぐに幾つかの農協の担当者からも電話がかかってまいりました。私の三重県ではどれぐらいの割り当てになるんだということで教えてくれというので言ってきたんですが、まだ決まっていないよということで報告はしておいたんですが、いつごろ決めて、その方針ですね、先ほど少しお話がありましたけれども、改めてお聞きしたいと思います。
#60
○政府参考人(木下寛之君) 今回、緊急拡大することになりました二十五万トン分の配分でございますけれども、来年度の生産調整の円滑な実施という観点からいたしますと、それへの準備もございます。私ども、できるだけ早く取りまとめを行いたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、今回の緊急拡大に取り組む都道府県を対象といたしまして、一つは臨時応急特例的な対応としての政府の買い入れ、また緊急拡大分に相当する面積への追加的助成、さらには稲作経営安定対策につきましての臨時応急特例措置を講じることとしたところでございます。
 このような生産調整の緊急拡大に対しますメリット措置を踏まえまして、できるだけ早く生産者団体において意向の取りまとめが行われることを期待しているところでございまして、そのような生産者団体の意向を踏まえまして、私ども適正に配分を実施していきたいというふうに考えております。
#61
○高橋千秋君 できるだけ早くというのは、まだいつというのも全然想定はできないわけでしょうか。
#62
○政府参考人(木下寛之君) 繰り返しになりますけれども、昨日、緊急対策を決定したばかりでございます。円滑な来年度の生産調整の実施に向けまして、生産者団体の皆様方、あるいは現場のいろいろな行政、農協団体の皆様方のことを考えますと、できるだけ早く実施をしたいというのが私どもの考えでありますけれども、いずれにいたしましても、まずは団体におきます意向の取りまとめを急いでもらうように私ども指導していきたいというふうに考えております。
#63
○高橋千秋君 と申しますのも、先ほど言いましたように各担当は、数字が決まったからあなたのところやってくださいというような、そんな単純なものじゃないんです。やっぱり一軒一軒、各農家はやっぱり少しでも多くつくりたいという意向もありますし、なるべく減反は少なくしたいという意向はあると思うんですね。ですから、なるべく早目に決めていただいて、現場のことを考えていただきたいなというふうに思います。
 先ほど出た需給調整水田についても、作況指数を見て決めるというようなお話でしたけれども、やっぱりそんな単純に、はい、数字が出たから減らしてくださいというふうにはできないと思うんですが、それは自信があるということでよろしいんでしょうか。
#64
○政府参考人(新庄忠夫君) 需給調整水田は生産者団体の主体的取り組みというのがベースになるわけでございますが、あらかじめ登録をいたします。登録をいたしまして、作況一〇〇を超えた場合にそこは転作をしていく、こういう登録という意味で意思表示と、こういうことになろうかと思いますので、私どもとしてはそれが実効が上がるものというふうに期待をしているところでございます。
#65
○高橋千秋君 水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱、ここで需要に応じた米の計画的生産と、麦、大豆等の本格的生産を進めるということにしているわけですけれども、私の家は水田のど真ん中にありまして、耕地整理も終わっているものですからこういう対応については比較的やりやすいわけですけれども、やはりそれに対応できないところがまだかなりあると思うんですね。湿田地帯もありますし、特に中山間地、私の地元でも中山間地でもかなり稲作をやっているところもありますけれども、こういうところについては現状問題としてそれにすぐ対応できるということにはならないと思うんですが、その具体的な対策というのは考えておみえになりますでしょうか。
#66
○政府参考人(木下寛之君) 本年度から実施をいたしております活性化大綱の中で、先生御指摘のとおり、需要に応じた米の計画的生産と、麦、大豆などの本格的生産を推進しているところでございます。
 御指摘のように、中山間地域でございますけれども、平場地域に比べまして立地上の問題があるというのは御指摘のとおりだろうと思います。そういうような観点から、山村地域の団地化の要件四ヘクタールのところを七割までしているということとか、あるいは団地化ばかりではなく、担い手への土地利用集積も要件に加えまして、地域の実態に即した選択ができるようにしたところでございます。
 また、湿地帯でございますけれども、水田農業振興計画、各市町村でつくっていただいているわけでございますけれども、そのような計画におきまして、麦なり大豆などの主産地形成を図ることとしている地域に対しまして排水対策等の基盤整備、また機械・施設の助成等を重点的に実施しているところでございまして、このような対策を通じましてこれらの作物への本作の取り組みを推進したいというふうに考えております。
 実際に、各地域におきまして、今回の活性化大綱を受けまして新たに集団麦作をこのような湿地帯でも取り組むというところで、湿害を回避しながら良好な収量を得るべく成果を上げられているというような事例も多々承知をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、このような優良な取り組みを点から線へ、また線から面へというふうに普及させていくことが何よりも重要だというふうに考えております。
 望ましい水田営農対策の確立に向けまして、私ども国、都道府県、市町村、また生産者団体と一体になりまして対策の推進に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
#67
○高橋千秋君 おっしゃるように、まだ点の段階だと思うんですね。まだ線にもなっていないと思うので、ぜひ面になるようにさらに努力をしていただきたいと思います。
 次に、稲作の経営安定対策、稲経ですけれども、こちらについてお聞きをしたいと思いますが、この数字が過去三年の価格を基準とするというところがあると思うんですが、ずっともう下がり続けているわけですから、過去三年を基準にしていけばどんどんどんどん下がっていくのは目に見えていて、ことしにしてもそうだと思うんですが、やはりその基準自体を見直すべきではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
#68
○政府参考人(新庄忠夫君) 現在、私ども食糧行政ですね、米価、この価格の安定、それから需給の安定が最大の眼目でございますけれども、基本的にはやはり需要に応じた米の計画的生産というのがベースになろうかと思います。そういう中で、やはり価格が市場の需給によってある程度決まる、それから、生産者の方にその需給状況がシグナルとして伝達されると、こういうことがやはり強い農業、こういったものを目指していく上で必要であろうかというふうに思うわけでございます。
 そういう中で、価格変動による経営への影響、これを緩和するために稲作経営安定対策というものがあるわけでございますので、そういう意味で、やはりその価格の動向をある程度反映をされたといいますか、価格の変動の要素がある程度入った経営安定対策というものがやはり必要ではないかというふうに思うわけでございまして、そういう意味で過去の価格の、現在の仕組みでは三年平均をとる、こういうことでございますが、そういった考え方でこの制度を設計しているということでございますので、御理解をいただきたいというふうに思います。
#69
○高橋千秋君 ということは、それは変えないということで判断してよろしいんですね。それはもうそれで変えないという、当面は。
#70
○政府参考人(新庄忠夫君) 基本的な考え方は今申し上げたとおりでございまして、ただ、今回の緊急対策、それから昨年の緊急対策、こういったものによりまして特例的措置というようなことで一部拡充措置を講じているということでございます。
#71
○高橋千秋君 先ほど答弁の中にもありましたけれども、稲作、麦作、大豆作、それぞれいろいろやりながらやっぱり水田農業全体の経営安定ということを考えていかないと、日本農業の多くはやっぱり水田農業でございますのでその安定対策というのは必要だと思うんですが、直接所得補償制度も含めて、何かその対策ということを検討を行っておみえになるんでしょうか、お伺いをしたいと思います。
#72
○政府参考人(竹中美晴君) 農業経営の安定を図っていくための対策でございますが、現在、価格政策につきまして見直しを行いまして品目別に新たな経営安定対策を導入しつつあるといった状況でございまして、まずは当面、この推進が重要であるというふうに考えております。
 その上で、今後、お話にもございましたような、農業経営を全体としてとらえてその安定を図る観点から、価格の変動に伴う農業収入や所得の変動を緩和する仕組み等につきましては、これまで諸外国の事例等の研究等を進めてきているところでございますが、今後、新しく策定をいたしました食料・農業・農村基本計画に基づきまして、品目別の価格政策の見直しや経営安定対策の実施状況等も踏まえ、また関連いたします農業災害補償制度などとの関連等につきましても十分勘案しながら、今後検討を行っていく考えでございます。
#73
○高橋千秋君 先ほどの質問の中で、ぜひ国民に語ってほしいという言葉が何回かありましたけれども、今回の米のこの問題につきまして、やはり景気の動向で消費が減ったということもあるんですが、米の消費をふやすための運動というのは、過去に、私も経験がありますけれども、何度かやっていますが、農水省と農協等の生産者団体だけの中にとどまってしまっていてどうも国民的な広がりがないように思うんですが、やはり買ってもらうためには何らかのそういう努力をしていかなきゃいけないと思うんですね。
 農家というのはこれまで、つくるのはプロでありましたけれども、売るということに関してはやっぱりアマチュアに近い、そういう状態だったと思うんです。やはり米の消費拡大に向けてもっと国民を巻き込んだ方法というのを具体的に取り組んでいただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#74
○政府参考人(新庄忠夫君) 先生御指摘のように、米の消費拡大、国民を幅広く取り込んだような形で運動として進めていくということはまさにおっしゃるとおりであろうかと思います。
 そういうような考え方で、私どもも先般、食生活指針というものを厚生省それから文部省と共同でつくりまして、健全な食生活の実現、あるいは食料自給率の向上、こういうものを図っていく、その中で御飯食も推進していってもらうというようなことで運動を進めているところでございます。
 特に、米の消費の問題で重要なのは、最近、日本人の食生活、いわゆるPFC、たんぱく、それから脂肪、それからでん粉質、これのバランスが崩れてきている、脂肪分のとり過ぎだということが大分最近問題になっております。そういう中で、御飯食の栄養面あるいは健康面から見たメリット、こういったものを積極的にアピールしていきたいというようなことで、医者あるいは栄養士、こういった方々と連携をしまして運動を進めていきたいというようなことでございます。
 一例をちょっと御紹介いたしますと、地方自治体、それから生産者、消費者、企業、こういったものが一体となりまして、「ごはんを食べよう国民運動」、こういうようなものも推進しているところでございまして、あらゆる機会をとらえて御飯食の推進というものを積極的に進めていきたいというふうに思っております。
#75
○高橋千秋君 そういう御努力はぜひ頑張っていただきたいと思うんですが、やはりどうも農業関係者以外への広がりはまだまだだなと思うので、そういう狭い世界に陥らずにぜひいろいろなところに出ていっていただきたいと思いますし、一般の農業と関係のない、そういう国民の方々にぜひ広げていただきたいなというふうに思います。
 次に、先ほどのこととかかわってきますけれども、今回の緊急の需給改善対策ですけれども、これは確かに異常事態という判断だと思うんですが、やっぱり今後再生産もままならないようになってくる可能性もあると思いますので、追加の対策がまた必要になってくるんではないかなという心配が当然あると思うんですね。
 その中で、今回のこの機会にもっと抜本的に見直していただく必要があるんじゃないかなと思うんですが、一番最初に言いましたが、緊急がずっと続いていて、異常が毎年続いていると、異常が異常でなくなってしまいますので、ぜひそのことについて見直すべきではないかなと思うんです。米の政策自体を見直すべきではないかなと思うんですが、いかがでございましょうか。
#76
○政府参考人(新庄忠夫君) 今回の対策、もろもろの対策が盛り込まれておりますけれども、これによりまして米の市場に一つのメッセージを送るというようなことで、私どもとしましては、価格の低下傾向に一定の歯どめがかかるということを期待しているわけでございます。
 抜本的な米政策の見直しというようなことでございますけれども、私どもといたしましては、食料・農業・農村基本法、これに基づきますもろもろの対策、一例を挙げますと、昨年、水田を中心とした土地利用型農業の活性化対策大綱といったようなもので、水田における麦、大豆等の本格的生産の推進、あるいは需要に応じた米の計画的生産というようなことを積極的に進めていくということにしておりまして、基本的にはこの考え方は、特に現時点でそれを直すというような必要はなかろうかというふうに思っております。
#77
○高橋千秋君 時間がもう少なくなってまいりましたので、最後にお伺いをして終わりたいと思うんです。
 今回の米の問題、何度も言っておりますが、緊急ということで対応をするわけでありますけれども、私も農家の長男と生まれて、親からは後を継いでくれというふうにずっと小さいころから言われておりました。私の家の周りもほとんどが農家でありますが、結局は、もう今周りを見回すと専業農家というのはほとんどいなくなってまいりまして、ほとんどがどこかで働いている。結局、稲を多くつくっても、新入社員で工場でちょっと働いた方がむしろお金がもらえる。そういう状況になっていて、本当に日本の農業がこのままで生き残っていくんだろうか。これは、産業ということもありますけれども、文化という意味でも非常に大事なことであろうというふうに思うんですね。
 ただ、やっぱりこれ、ずっと過去からも言われてきていることでありますが、どうも日本の農政というのにビジョンがないのではないか。若い人たちが本当にこれから農業に参入して農業の後を継いでやっていこうという、そういう気持ちになるような本当に明るい未来というのがどうも示されていないように思います。特にことしのようなこういうことがあれば、本当に親としてももう農業を継ぐ必要はないということにどんどんなってくるんじゃないかなという心配もしていますし、私の地元の三重県というのは工業地帯でもありますから就職したりするのは簡単でありまして、結構そういう兼業農家がほとんどなんです。
 農業を守ってもらうために、日本の文化、古来の文化を守ってもらうためには、やっぱり農業に就農していただく方をふやしていかなければいけないと思うんですが、今のままではどうもそのビジョンが示されていなくて、本当に親としても勧めて農業に従事してくれということは言えない状況にあると思うんですね。ですから、緊急ではなくてもっと長い目で見られる、そういうビジョンをぜひ示していただきたいと思います。
 そのことをぜひお願いしたいのと、それについてどう思われるかということを最後に、私の質問を終わりたいと思います。
#78
○政務次官(三浦一水君) 農業団体でも御活躍された御経験を持ちます高橋委員の思いを込めたお話でございます。私も非常に感慨が共有できる点があると思いながら拝聴させていただきました。
 本来農業が持っております非常に独創的な仕事である、そういう面が発揮されるべき、またそれを実現するのが我々農政に携わる者の責務ではなかろうかと日ごろ考えております。
 そういう中で一点目指しておりますのは、他産業従事者と同等の労働時間で、さらに同等のその地域におきます所得を上げられること、これが何といってもその地域での農業従事者を確保していくのに肝心なことであろうと考えております。労働時間につきましては、具体的には、原則として千八百時間として、二千時間を上限としながら考え、整理をしておるものでございます。また所得につきましては、二・二億円から二・八億円、生涯所得としての一つの基準をイメージしながら農政の枠組みを考えているところでございます。
 本年三月に、このような観点から、代表的な営農の類型ごとに十年程度後を一つの目標とします将来展望を農業経営の展望として示したところでございます。かなり具体的な類型に基づいた踏み込んだ一つの展望ではなかろうかと考えております。この展望を踏まえまして、担い手への農地利用の集積、あるいは農業生産基盤の整備、それから技術向上等の諸政策を展開していくことによりまして、先ほど来申しておりますような効率的かつ安定的な農業経営の育成に努めてまいりたい所存でございます。
#79
○高橋千秋君 ありがとうございました。
#80
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 平成十三年度米の政府買い入れ価格などに関連して質問させていただきたいと思います。
 先ほどの谷農林水産大臣の米価審議会への諮問では、政府買い入れ標準価格は六十キロ当たり一万四千七百八円と前年比二・六%減、売り渡しの標準価格は国内産米で六十キロ当たり一万六千三百四十八円と前年比で一・一%引き下げとなっておりまして、客観的数値をもとにして算定したとはいいながらやはりさらなる引き下げとなっておりまして、生産者の立場から見ると非常に身を切られるような思いを感じるものとなっております。
 豊作、そしてまたMA米輸入などによりましての供給過多の状況、そしてまた在庫増、そしてそれに加わって消費の低下、あるいは低価格志向などが加わりまして、米の価格は下落圧力が一段と強まっているという状況でありまして、価格低迷に歯どめがかからない、そういう大変な状況であります。
 具体的には、自主流通米の平均価格が一九九四年産米の六十キロ当たり二万一千三百六十七円であったものが、本年度八月の段階では一万六千三百五十円にまで下がってしまっているということでありまして、これでは世界的な市場開放の流れの中で生き残る、競争力をつけ、そしてまた食料自給率の向上を目指す二十一世紀の日本農業の諸改革の中心的担い手である稲作を主体とする専業農家の経営が成り立たない。そういう意味では、新しい食料・農業・農村基本法にのっとり行われる諸改革の入り口で挫折してしまうような大変な危機的状況であると私自身は考えているわけであります。
 そこで、米の需給調整を通じての米価安定化対策、それと稲作経営安定化対策、海外への食糧支援などについて質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、米の需給調整を通じての米価安定化対策、経営安定化対策等について農林水産省に質問させていただきます。
 最初に、政府が今後取り組む余剰米の対策につきまして、三浦政務次官にお伺いしたいと思います。
#81
○政務次官(三浦一水君) 十二年産米の作柄及び最近の需給・価格動向にかんがみまして、緊急に米の需給と稲作経営の安定を図る観点から、平成十二年緊急総合米対策を、昨日、策定いたしたところでございます。
   〔委員長退席、理事金田勝年君着席〕
 その主な内容は、政府持ち越し在庫の援助用の隔離ということで七十五万トン、十一年産自主流通米販売残の処理、さらに十二年産の豊作によります生産オーバー分の処理、さらに生産調整の来年に向けましての緊急拡大、臨時的な、なお特例的な措置としての政府買い入れ、さらに稲作経営安定対策の臨時応急特例措置等でございます。
 これらの対策によりまして、米の需給・価格の安定と稲作の経営安定に大きく寄与するものと考えております。
#82
○渡辺孝男君 本年度作況指数が一〇三と、やや良となっておりますが、このような作況指数に応じた需給調整の方針がどのようになっているのか。先ほど述べられましたけれども、需給調整水田の考え方について特にお伺いしたいと思います。
#83
○政府参考人(新庄忠夫君) 需給調整水田の考え方でございますが、作況が一〇〇を超える場合の需給調整、これを機動的に実施するということを目的とするものでございまして、その規模は、作況一〇三の場合にその調整が対応できるスケールということで五万ヘクタールを考えているわけでございます。
 この需給調整水田においては、水稲を作付けまして作況が一〇〇以下の場合、この場合にはそのまま食用の米を生産するということでございます。それから、作況が一〇〇を超えて一〇三以下の場合、これは一〇〇を超える程度に応じまして、食用の米を生産しないで稲による転作を実施するというものでございまして、作況が一〇三を超える場合、この場合には需給調整水田の転作だけでは足りないということになった場合、また別途の方策を考える、こういうことでございます。
#84
○渡辺孝男君 一〇〇から一〇三の間で需給調整水田を行う場合に、その支援というのは、助成というのはその場合はどの程度になるんでしょうか。今の予定では、十アール当たりどの程度になる予定ですか。
#85
○政府参考人(木下寛之君) 需給調整水田に対する助成のあり方でございますけれども、需給調整をする際には、それにつきまして生産調整の取り扱いをするということでございますから、例えばホールクロップサイレージにする際には、通常の転作の上に、来年度につきましてはプラス二万円の助成措置をするというようなことになろうかというふうに考えております。
#86
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
 今、ホールクロップサイレージの話が出ましたのですが、国内の飼料生産の推進のためにはやはりホールクロップサイレージが大変重要である、そのように思っております。ただし、まだまだそれが十分に日本国内で行われていない。我が山形県では、平成十年度は二ヘクタール分ホールクロップサイレージ用につくっておりますけれども、十一年度はそれより多くなりまして十一ヘクタールになっておりますが、まだまだ微々たるものであります。
   〔理事金田勝年君退席、委員長着席〕
 やはり、ホールクロップサイレージ生産を推進するためには生産者側あるいはそれを受ける畜産家側の支援がなければ進んでいかないのではないか、そのように思うわけでありますけれども、この推進策についてお伺いしたいと思います。
#87
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、水田におきます飼料作物の本作化の中で、稲という点で取り組みやすさという観点から、今後ホールクロップサイレージ用稲の取り組みが期待されているというふうに考えております。
 ただ、ホールクロップサイレージ用稲につきましては、稲作農家それから畜産農家双方にとりましてなじみの薄い取り組みでございます。その普及定着を図るためには、一つには助成措置の採択基準の制度面からの改善を図ること、それから二つ目は、農家の取り組みの煩わしさを解消して稲作農家それから畜産農家の間の円滑な取り組み環境の整備が必要であるというふうに考えております。
 このために、今回、土地利用集積の面積要件の緩和、従来は一・五ヘクタールでございましたけれども、それを〇・八ヘクタールまで緩和をする。また、ホールクロップサイレージ用稲の栽培技術要件の選択メニューにつきましても拡大をする。それから、耕種農家、畜産農家の間の利用供給計画でございますけれども、従来五年というふうにしておりましたけれども、一年に短縮をするというような緩和措置を講じたところでございます。
 また、現地での推進体制をやはり強化する必要がございます。水田農業推進協議会などを活用しながら、農協あるいは行政による畜産農家と稲作農家の間を引き合わせる体制づくりにつきましても推進をしていきたいというふうに考えております。
#88
○政府参考人(樋口久俊君) ホールクロップサイレージについてお尋ねがございますので、畜産サイドから幾つかポイントを補足して御説明申し上げたいと思います。
 御指摘ございましたように、稲のホールクロップサイレージ、これは稲の実のところと茎葉、全部とにかく発酵させて飼料に使うということでございまして、その粗飼料としての価値は牧草のサイレージとほぼ同様でございまして、十二年産から少しずつ広がりを見せておるものでございます。正直言いまして余り、お話ございましたようになじみがあるものではございませんが、水田に稲をつくるということでございまして、栽培そのものには特別な新しい技術や機械は要らないということでございますので、水田の有効利用、あるいは、ひいては飼料の自給率の向上につながるというメリットがございますが、一方で念頭に置いておかなければならないことが幾つかございます。
 一つは、先ほど農産園芸局長から答弁申し上げましたけれども、これは稲作サイドと畜産サイド、特に作業を分担します際にいろんな形がございますけれども、最終的に収穫をしまして調製をする、一般的にはラッピングをいたしておりますけれども、その作業というのは畜産サイドでしかできないという作業上の制約がございますし、またその作業の時期が牧草の収穫時期と非常に重なるということもございまして、一定の利用の契約といいますか、利用先が決まっていないとなかなか成立しにくいということがございます。つくれば売れるというわけではございませんで、そういう商品性上の制約と。したがって、きちっとした約束事がないといけないということがございます。
 もう一点は、特にこれを使いますのは酪農家でございますが、乳量、乳質を維持するためにかなり緻密な飼料の設計をあらかじめ立てておられます。したがいまして、現在ではほとんどの農家はなじみがないわけでございまして、給与することについてはかなり不安を抱いておられますので、そういう不安を取り除いてあげないといけないということでございますので、飼料給与の実証のための事業ということで、今回、稲作農家と約束をして引き取られるという農家に対して十アール当たり二万円の助成措置を講ずるという実証事業を行うということにしておりますし、さらにあわせて、それがうまくいくようにということで、例えば種子の増殖をするためにいろんな助成をするとか、あるいは給与のマニュアルをつくるとか、そういう普及のためのいわば道具立てといいますか、そういうものも用意しまして不安感を解消しようということに努めまして、これを推進したいというふうに考えておるところでございます。
#89
○渡辺孝男君 やはりなかなかなじみのないものでありますので、いろんな環境を整えてやらないと推進できないので、その点よろしくお願いしたいと思います。
 次に、外務省の方にお伺いしたいんですけれども、政府の方は政府の持ち越し在庫の七十五万トンを米の緊急食糧支援のために使用する方針を固めたというふうに聞いておりますけれども、食糧支援は人道の上でも好ましいものであり、日本のできる国際貢献としてはやはり積極的に推進すべきであると私は考えているわけであります。
 米の食糧支援の対象国の一つとして、本年度も干ばつや台風による不作で米不足で困っていると伝えられております朝鮮民主主義人民共和国が考えられているわけでありますけれども、この点について外務省に質問したいと思います。
 まず最初に、朝鮮民主主義人民共和国の米不足の状況について政府の認識をお伺いしたいと思います。
#90
○政府参考人(横田淳君) 北朝鮮の食糧事情でございますけれども、まず第一に、本年七月に発表されました国連食糧農業機関、FAOと申しますが、それから世界食糧計画、WFPの特別報告によりますと、去年の十一月からことしの十月までの北朝鮮の穀物生産量は三百四十二万トンとされておりまして、約百三十三万トンの穀物輸入が必要と見込んでおります。
 また、今月の十五日でございますけれども、それに発表されました世界食糧計画によれば、ことしの北朝鮮は干ばつがひどく、また秋の台風による被害もあり、ことしの米とトウモロコシの収穫高は大幅に落ち込む可能性が指摘されております。このために、WFPのバーティーニ事務局長は、追加的な拠出が得られない限り何百万人もの人々が深刻な食糧不足に直面することとなろうと述べています。
 さらに、昨日、きのうでございますが、WFPは明年の緊急食糧支援必要量は少なくとも本年並み以上になることが確実である旨明らかにしております。このほか、先般、北朝鮮の農業省幹部が、干ばつ、高温、台風による被害のため、ことしの穀物生産量が約百四十万トン減る、つまり不足するというふうに述べたと報じられております。
 以上の種々の情報を勘案いたしまして、私どもとしては北朝鮮の食糧事情は依然厳しいものというふうに考えております。
#91
○渡辺孝男君 次に、これまでの朝鮮民主主義人民共和国への食糧支援の実績についてお伺いしたいと思います。
#92
○政府参考人(横田淳君) 我が国がこれまで行いました北朝鮮に対する米の支援でございますけれども、まず九五年の六月に無償で十五万トン及び延べ払い輸出十五万トンの計三十万トンの米を支援いたしました。同じく九五年の十月、延べ払い輸出二十万トンを支援いたしました。さらに、九七年に至りまして十月、これは六・七万トン、それから本年の三月に十万トン、この場合には世界食糧計画を通じまして政府米を支援いたしました。
 それとは別でございますけれども、九六年の六月にはWFPに対しまして五百二十五万ドルを拠出いたしまして、それによりましてWFPは約一・五万トンの食糧、これは三分の一が米でございますが、残りは混合穀物と承知しておりますが、これを調達して北朝鮮に支援を行いました。
#93
○渡辺孝男君 次に、支援のために送られた米が朝鮮民主主義人民共和国でどのように米不足で困っている人に届けられたのか、国民のために役立ったのか、その検証についてお伺いしたいと思います。
#94
○政府参考人(横田淳君) ことしの八月でございますが、八日から十二日の間、私どものアジア局参事官を団長とする政府調査団が訪朝いたしまして、我が国による対北朝鮮食糧支援に関する調査を実施いたしました。
 この調査は、我が国がことしの三月にWFPを通じて行った十万トンの食糧支援の実施状況に関して調査をしたものでございますけれども、ピョンヤン市を基点に南浦市、それから平安北道、平安南道、黄海北道を訪問いたしました。調査対象は、我が国の支援米が届けられる各地の穀物保管倉庫、食料配給所に加えまして、幼稚園とか託児所、孤児院等の最終配付先を対象といたしました。
 三日間という制約の中での調査でございましたけれども、調査した限りでは北朝鮮の配給システムはよく機能しており、少なくとも調査対象につきましては日本の支援米の配給が所期の目的どおり行われていることを確認いたしました。なお、その訪問先の幾つかにつきましては、突然希望の訪問先を変えるなどいたしまして、できる限り調査の質の向上を図ったつもりでございます。
 また、世界食糧計画側よりは、日本の支援米の配付につき百九十七回のモニタリングを実施してきておりまして、もちろん一定の制約のもとではございますが、WFPとしては、輸送に伴う一%程度のロスはあるものの、米が末端まで届いていると確信している旨の説明がございました。
 最後でございますが、先般の日本による米支援につきましては、WFP、北朝鮮側責任者、各地の末端の最終受益者は、北朝鮮の食糧不足の最も厳しい時期に差し伸べられた支援ということで高く評価しておりまして、繰り返し感謝の言葉を調査団に対して述べておりました。
#95
○渡辺孝男君 時間がなくなってきたので簡潔にお答えいただきたいんですが、今後の政府としての朝鮮民主主義人民共和国への米の食糧支援の基本方針と直近の支援計画についてお伺いしたいと思います。
#96
○政府参考人(横田淳君) まず基本方針でございますけれども、我が国の対北朝鮮食糧支援は、これまでも北朝鮮の深刻な食糧事情を勘案いたしまして人道的観点から行ってきたものでございますけれども、こうした人道上の考慮に加えまして、日朝国交正常化交渉を初めとする日朝関係の進展の度合い、国際社会の朝鮮半島情勢への取り組み、拉致問題を含む日朝間の諸問題や国際社会の諸懸念に対する北朝鮮の姿勢なども踏まえまして、総合的な観点から検討していくべき問題だと認識しております。
 第二点の今後の見通しということでございますけれども、政府といたしましては、先般のWFPの発表もありまして、北朝鮮への食糧支援につき種々の観点から検討しているところでございます。しかし、現時点におきまして、我が国政府として具体的な方針を固めたわけではございません。
#97
○渡辺孝男君 時間が超過して申しわけありませんでした。
 大韓民国の方でも六十万トン支援するというようなお話もありまして、政府の方でも積極的に検討していただければと思います。
 ありがとうございました。
#98
○須藤美也子君 冒頭に政務次官から緊急総合米対策についての御説明がありました。しかし、その中にはミニマムアクセス米について何ら言及されておりません。米の需給と米の価格に対して極めて重要な影響を与えているミニマムアクセス米について質問したいと思います。
 まず、九五年十一月から九九年十月までの四年間、二百二十二万トンの輸入がされました。その用途は、加工八十七万トン、援助用備蓄八十九万トン、飼料用備蓄十九万トン、主食用二十七万トン、これらはもちろん国産米で賄うことができるものです。言いかえれば、ミニマムアクセス米が輸入された分、国産米の生産が圧迫され、国産米の行き場を輸入米が奪ってしまっている、そしてその結果、在庫が積み上がった、こう言えるのではないでしょうか。
#99
○政務次官(三浦一水君) ミニマムアクセス米につきましては、ミニマムアクセスの導入に伴う転作の強化は行わないとの閣議了解に基づきまして、国産米の需給とは区分して運営してまいってきております。
 具体的には、ミニマムアクセス米の販売に当たっては、国産米で対応しがたい加工用等の需要を中心に供給するとともに、生産調整面積につきましても、ミニマムアクセス米の輸入量とは無関係に国産米の需給ギャップを縮減することのみを旨として算定するなど、ミニマムアクセス米が国産米の需給に影響を与えないよう措置いたしております。
#100
○須藤美也子君 それは後から追って、順に具体的に申し上げたいと思いますが、とりわけ主食用、SBSで十万トン、ミニマムアクセス米で十万トン、これが普通であれば国産米だけの市場に十万トンの外米が入るわけです。政府はこれを援助米として、在庫から十万トンを援助として出してやると、その分。しかし、市場は十万トンふえるわけですから、米の市場供給量は変わるどころか逆にふえる、その分価格が下がっていく。これはだれが見てもはっきりしていると思うんです。
 さらに、輸入米を、今影響しないと、何ら影響しないとおっしゃいました。本当でしょうか。それは、加工米にしてもあるいは援助米にしても、その分国産米でそれをやればそれだけ国産米が減るわけですから、影響しないはずがないんです。そういう論理は私はごまかしの論理だと、こう言わざるを得ません。
 そこで、例えば価格の場合、中国、アメリカの短粒種精米価格は十キロで二千三百円から二千四百円です。ところが、国産の生産米は精米価格で三千円強、低価格の自主流通米の今回の入札では約二千七百円。これでは政府米が売れないのは当たり前ではありませんか。国産米の価格低下の要因になっていることは明白だと思うんです。影響を与えないとおっしゃる、そういうきっぱりした言い方をしていますが、中身は大変な影響を与えている、こう言わざるを得ませんが、いかがですか。
#101
○政府参考人(新庄忠夫君) 先生今御指摘の点でございます。
 まず一つは、ミニマムアクセス米で主食に十万トン回っているというようなことで、その分国内の市場を圧迫しているのではないかという点が一つ御指摘ございました。
 ミニマムアクセス米、基本的にはこれは加工用需要を中心に供給しているわけでございますけれども、SBS方式で輸入いたします米、これにつきましては主食に供給されている面がございます。その場合には、それに見合う量以上の量を援助用に回しておりますので、海外援助用に、したがいまして、本来、国産米の市場がミニマムアクセス米に奪われたということではなくて、そこは国産米の需要量としては援助用に回った分、その分需要量があるわけでございます。
 そういったようなことでございますので、ミニマムアクセス米の輸入が国内の需給に影響を与えているというふうには私ども見ていないということでございます。
#102
○須藤美也子君 ちょっと、先ほど私申し上げましたけれども、真意がおわかりされていないようですけれども、この主食用市場の供給量は変わらないばかりか、ふえるんじゃないですか。援助用に回す、主食用でSBSで十万トン市場に入る、その分は援助用に回すとおっしゃいました。しかし、それは市場から回すのではなくて、在庫米から回すわけでしょう。ですから、逆に市場は十万トンふえる。その分競争が激しくなって、価格が下がっていく。これはだれもがわかることです。
 また、もう一つ、もう一点申し上げますと、日本農業新聞ですか、マスコミ等でもおっしゃっておりますけれども、書いておりますけれども、「小売り関係者は「在庫がたとえ適正水準の百五十万トンになっても、買い手の需給緩和意識は変わらない。ミニマムアクセス米も七十万トン以上ある」と、少々の過剰対策では価格の回復どころか、下落の歯止めすら見込めない」、こういう見方を示しているんです。
 SBS米を初め、ふえ続ける輸入米があれば価格は下がると言っているわけです、買い手の方々は。今回の対策は、生産者に負担を強いる、私は、国産米だけの対策、これは公平さを欠いていると思うんです。
 そういう点では、SBS米の廃止を初めミニマムアクセス米の削減について、私は、十分これを検討したのかどうか、この総合対策を決める際に十分この問題について農民の立場に立って検討を加えたのかどうか。イエスかノーかで結構です。政務次官にお尋ねします。
#103
○政府参考人(新庄忠夫君) 一点、先ほど先生、ミニマムアクセス米で主食用に回った分、その分政府の在庫が売れないから、その分市場が食われているんではないかと、こういう趣旨の御指摘ございました。
 そこは、私ども、政府の在庫、販売を凍結といったような、協調販売というふうなことを一方でしておりまして、その一方で援助の方に向けていると、こういうことでございます。したがって、政府の在庫がそれによって圧迫をされているということではないということをまず御理解をいただきたいというふうに思います。
#104
○須藤美也子君 済みませんけれども、もう繰り返しませんが、主食用市場の供給量は変わらない、それどころか十万トンのSBS米が入ってくる、この資料を見れば十万トンでしょう。SBS米十万トン、ミニマムアクセス米十万トン、主食用に入っているわけです。ですから、市場のこの枠内と在庫米の問題は全く別なわけですよ。積み上がった在庫米から援助用に回しても、それは主食用の市場に影響を与えない。例えば、その十万トンを、SBS米とかミニマムアクセス米の主食用の十万トンを政府が買い上げるなら別ですよ。買い上げないで市場で売り買いするわけですから、これは変わらない。この問題については、十分私の方でも調べておりますし、皆さんの方からもお聞きしておりますから、この問題については、時間がありませんので、これだけでやっちゃうと際限なく続いていきますので、食糧庁次長さんですか、その問題についてはもう少し分析していただきたいというふうに思います。
 次に、ミニマムアクセス米の需給状況を見ますと、初年度、八年度の輸入量は四十三万トン、無理やり使っても三十一万トン残った。次の年、買ってきた米を飼料用に備蓄し、援助に使い、加工用に回し、その分国産米の需要を奪った。このように、無理やり使っても毎年十万トン持ち越し在庫になっているわけです。
 そこで、ミニマムアクセス米は、WTO協定では義務と明記されていなくとも、政府統一見解で国家貿易だから全量を輸入しなければならない、こうしております。しかし、ミニマムアクセスとは最小限の輸入機会であります。国家だとはいえ、全量輸入しても使い道がない。そうであれば、次の年にその輸入は削減する、あるいは必要のないものは輸入しない、そういう弾力性があってもいいのではないかと思うんですが、その点は三浦次長、どうでしょうか。三浦政務次官ですね、済みません、大変失礼しました。
#105
○政務次官(三浦一水君) どっちが答えていいかわからなかったので、とりあえず名前を優先して私が答えさせていただきます。
 ミニマムアクセス米の機会提供につきましては、八年にわたるUR交渉の中で、全体のパッケージの一つとして、すべての加盟国が同意をした上で、従来輸入がほとんどなかった品目について最低限度の市場参入機会を与えるという観点から、国内の需給事情とは関係なく設定をされたものであります。
 その法的な性格につきましては、平成六年五月二十七日の衆議院予算委員会において政府統一見解がされております。その主な内容は、WTO協定において、ミニマムアクセス機会を設定する場合には、米の国内消費量の一定割合の数量について輸入機会を提供するという法的義務があります。ただし、我が国は、米を国家貿易品目として国みずから輸入を行い輸入米を管理するとの委員御指摘の立場を選択したことに伴いまして、ミニマムアクセスについて輸入機会を提供すれば、通常の場合、当該数量の輸入を行うべきものと考えておりますというものであります。
 米につきましては、国家貿易によるミニマムアクセスの一元的な輸入体制をとることにより、マークアップの徴収を通じて国産米価格体系との整合性を図ることができます。
 次に、その販売に当たりましては、国産米で対応が難しい加工用等の需要を中心に供給することが可能であります。よって、ミニマムアクセス米が国産米の需給に影響を与えないように措置をしているところであり、民間貿易による場合はこのようなことができなくなるということで、国産米の需給・価格に悪影響を与えるおそれがあるわけでございます。したがいまして、国内の需給状況によってミニマムアクセス機会の提供の義務が免除されたり、あるいは削減できるものではないということでございます。
#106
○須藤美也子君 日本の農業をどうするのか、主食である米をどうするのか、これを真剣に考えてミニマムアクセス米に対してその解決的な方向を決めるために乗り出す、そういうときだと思うんですね。しかも、マスコミでもミニマムアクセス米の影響は、先ほど申し上げましたように、これは大変な影響を与えているわけですから、この問題については影響はないと、こういうような考え方は間違っている、こう言わざるを得ません。
 さらに、輸入米はふえる。減らない。一方、今度の対策で国産米の供給を減らそうとしています。減反をしながら一方で輸入米を入れる、こういう国はあるんですか。日本だけだと思うんです。こういうむちゃくちゃなやり方は、これはやめるべきだと思うんです。そして、今回の稲作農家にとっては死活問題である総合米対策は、本当に重大な問題だと思います。特に、減反の拡大、青刈りの制度を設けたことであります。
 農の心は、植えたものは収穫するまで心を込めてはぐくみ育てる、これが農の心であります。その農の精神までも踏みにじる青刈り、これはもう多くの農民は怒っていると思います。こういう農の精神までも踏みにじってわずかな助成金で農業や農の精神をだめにする道に転落する、こういう対策、こういうものは私はつくるべきではない。
 SBSの十万トン、ミニマムアクセス米の余り十万トン、これはそれぞれ約二万ヘクタールの水田に相当します。加工用の二十八万トンは五万から六万ヘクタールの水田に相当します。これをやらなければ、こんな青刈りとかあるいはさらに減反を上乗せするようなこういう対策を講ずる必要はないはずです。
 そういう点で、農民からももう限界だと、農の精神を踏みにじる青刈りはこれはやめるべきだ、こういう声がどんどん上がっております。こういう青刈りの強制はやめるべきだと思いますが、その点はどのようにお考えでしょうか。
#107
○政府参考人(新庄忠夫君) 米の需給、それから価格の安定ということが食糧行政の最大の目的でございますけれども、やはり需要に応じた生産というのが基本であろうかと思います。そういう意味で生産調整をやっておるわけでございますけれども、その中で供給が過剰になると、生産が過剰になるとそれによって価格が下がる、こういうことになりますとやはり農家の所得がまた減ってしまうわけでございますので、そういったものを回避するというようなことで需給調整というようなことを行っておりまして、それの一環としての青刈りと、こういうことでございます。
 その青刈りにつきましても、政府が強制的に、農家の意向を無視して強圧的にやらせるというようなことではございませんで、あくまでも生産者、生産者団体の主体的な取り組みの中で行われるというものでありますので、そういった点を御理解いただきたいと思います。
#108
○須藤美也子君 政府が輸入の見直しをしないからこういう問題が起きているわけです。そういう中で、そういう手上げ方式でやる、こういうことでございましょうが、私は、農民は本心から青刈りなんかだれもやりたくない、こういう状況だと思いますよ。ですから、青刈りとか大幅減反を上乗せして約百六万ヘクタールも大幅減反になる、そうなったら一体日本の農業はどうなるでしょうか。一方で大幅減反をして一方で輸入米を入れる、このような政治は根本から私は転換していかなくちゃならない、こういうふうに思います。
 そこで、例えば九五年当時から反当たりの所得は半減しています。先ほど食糧庁の次長さんは需給を見ていろいろやっているというふうにおっしゃいましたけれども、現場の農民の所得は一体どうか、その点をお考えになったことがございますか。所得は半減して大規模農家ほど深刻な打撃を受けています。借金も生活費も払えない。まさに米主食の生産基盤、国民の生存の基盤が破壊されようとしている重大な事態、異常事態であります。
 例えば、東北六県の米どころ、秋田を見ますと、五年前、平成六年、農業所得、販売農家一戸当たり百七十五万でした。ところが、十一年度は八十六万二千円です。これで農家一戸暮らしていけるでしょうか。こういう実態を御存じでしょうか。これは全部半減しているあるいは半分近い所得になっている、こういう実態を踏まえた対策を私は講ずるべきだと。ところが、政府の今回の米価は、これまでどおり、従来どおりの試算で、先ほど御説明がありましたが六十キロ一万四千七百八円、こう諮問しております。
 皆さんは米価を上げてほしい。政府米米価は自主流通米の価格にも大きな影響を与えます。そういう中で政府米価格を下げるということは、今後米価が下がる、大きな影響を与える、こういう問題であると思います。ですから、下げるのではなくて適切な米価の引き上げこそ私は今緊急にそれこそ求められている、こういうふうに思います。
 ことしは特別な情勢にあります。従来の試算式でなく、こういう実態を踏まえた計算で米価の引き上げを考えていただきたい、こう思いますがいかがでしょうか。
#109
○政府参考人(新庄忠夫君) 政府買い入れ米価でございますけれども、これはやはり市場で決まる価格、それから米の生産費、こういったものを勘案いたしまして決めてきている、こういう実態にございます。そういった中で市場価格が減少傾向、それから生産コスト、これも市場価格ほどではないんですがやや減少と、こういったことで米価の引き下げということになっておるわけでございます。ただ、そういう中で市場価格の方はかなり下がっております。そういった中で、それに比べますと今回の米価の引き下げ、二・六%という引き下げ率は、市場価格の下落に比べるとその引き下げの幅といいますか、そういった程度は少ない、こういうことでございます。
 それから、市場価格の低下に伴い、先ほど先生、所得が非常に減少していると、こういう御紹介がございました。それに対応するために稲作経営安定対策というものを講じているわけでございまして、これによりまして、ちなみに十一年産の自主流通米の価格、これも十年産に比べまして下がっておりますけれども、稲作経営安定対策による補てん金を加味して比べますと、十年産に比べてそれほど遜色のない水準ということになっているわけでございます。
 そういったことで、私ども、市場の動向も勘案しながら、かつ農家の経営にも配慮しながら、一定の稲作経営安定対策といったような、そういった措置を講じているわけでございまして、これも先ほど来御説明させていただいておりますけれども、必要な場合には特例的な措置というようなことでできるだけ農家の所得の減少をカバーしてきている、そういうことでございます。
#110
○須藤美也子君 最後になりますけれども、これまでもそのようなことをおっしゃりながら、年々年々価格が暴落してまいりました。もうやっていけない、後継者も生まれない、生産意欲も持てない、こういう現場の声はもうおわかりだと思いますけれども、下落をすれば供給を抑えて減反やえさ米処理にしようとする。これまでも何度も何度も政府の米政策がいろいろ緊急対策と称して打ち出されてきましたけれども、現在の、今の状況を見れば完全に破綻していると思うんです。ですから、稲経の問題もそうです。
 ですから、根本的に安定できる制度をつくっていく、これが重要だと思うんです。そのためには、繰り返し繰り返し申し上げますけれども、値幅制限を復活させて下限価格を生産費に償うものにする。そして、それで落札ができなかった場合は政府が買い入れる、こういう仕組みをつくること、これは私は今の段階で強く提案をしたいと思います。
 それを受けとめて、現場の農民の皆さんに、本当に二十一世紀、国民の食料と日本農業を希望のある、そういう世紀にするためにこういう提案をさせていただいて、この実現のために農水省の方でも検討していただきたい、このように思います。
 最後に、決意のほどを政務次官、ございましたら。決意がなければいいです。
#111
○政務次官(三浦一水君) 自主流通米の入札取引につきましては、自主流通米価格形成センターに自主流通米の入札取引の仕組みに関する検討小委員会が設けられ、現行方式の評価と、それを踏まえた改善の方向について検討が進められているところであります。
 検討の成果を今後の入札取引の仕組みに反映してまいりたいと考えております。
#112
○須藤美也子君 終わります。どうもありがとうございました。
#113
○谷本巍君 米過剰の状態が続いてきたその背景的事情として見逃してならないのは、私は、一つはミニマムアクセス米の問題であり、もう一つは備蓄のあり方なのではないかと、こう思います。ミニマムアクセス米については、今、須藤議員から質問がありましたので、私の方から繰り返しません。
 私の方から申し上げたいのは備蓄のあり方であります。備蓄のあり方は、現行百五十万トンプラスマイナス五十万トンとなっております。この制度をつくるときに、回転備蓄ということで、言うならばせいぜい百二十万トン程度だなというのが大方の見方でありました。それを百五十万トンにしましたのは、不作の年に外米輸入をしないで済むように、それも二年続きの不作にも耐えられるようにということで百五十万トンプラスマイナス五十万トンができ上がったということでありました。当時はちょいちょい不作がありました。
 この制度ができ上がりましてから、一変したかのように地球温暖化ともいうべき時代が続きました。現行制度でいいますというと、平年作が続いても過剰在庫はふえていくんです。そういう仕組みになっております。そこへ、今度は豊作豊作ときましたから、過剰状況がたちどころに発生せざるを得なかったということであります。
 こうしてみますと、備蓄の数量というのをもう一度、百五十でいいのかどうなのかと、ここのところを検討しなきゃならぬ時期に来ました。同時に、今のようなやり方を続けていくのならば、過剰状況が生じた場合に棚上げ備蓄方式を加味しませんというと、備蓄制度によって生産者が犠牲にされてまいります。価格が下落するからであります。そういう問題点を抱えるようになってきたわけでありますから、この制度のあり方についてそろそろ本格的な検討をしてよいのではないかと思うのですが、当局はどうお考えでしょうか。
#114
○政府参考人(新庄忠夫君) 備蓄水準でございますけれども、先生御指摘のように、二年続きの不作にも耐えられる水準ということで、百五十万トンプラスマイナス五十万トンという水準を設定しているわけでございます。この水準でございますけれども、私どもとしては適正水準だというふうに思っておりますけれども、若干繰り返しにもなりますけれども、時代の変化といいますか、状況の変化に応じてそこは見直すことはあろうかと思います。
 ただ、直ちに見直すかどうか、未来永劫にわたってこれを維持する、例えば全体の需要水準もどうなるかという問題がございますし、そういった中で必要に応じて見直すという努力はしなきゃいかぬというふうに思っております。ただ、それを直ちにやるかどうか、そこはここでは答えられないということでございまして、今回の緊急総合対策に、一番最後でございますけれども、備蓄のあり方について検討する、こういうようなことで幅広い検討をしていきたいというふうに思っております。
#115
○谷本巍君 次に伺いたいのは、産米の飼料化の問題であります。
 天候がよくなっちゃってたくさんとれた、とれた分はひとつえさの方に回そうではないかと。それも、負担については政府と生産者側がフィフティー・フィフティーというようなことでスタートをしたというふうに私は伺ってまいりました。
 ところが、実際は農家側の負担の方が大きくなっていますね。確かに数字で見てみますというと、昨年の十七万トンを処理した場合、かかった経費が三百八十五億円とされておりますが、国の方が九十億、基金が九十億、まさにフィフティー・フィフティーであります。ところがもう一つ大きな問題は、県段階の共同計算、これによるものが二百五億であります。フィフティー・フィフティーと言ってまいりましたが、実質はやっぱり生産者側の方が過大に負担させられているのではないのかと私はそう思います。
 この点について、ともかくも農家側から非常に不満が多いです。不満が多いところの一番大きな問題はここなんです。ですから必ず決まって出てくるのは、この問題については費用対効果からいってどうなんだという議論から始まってくる。やはり過剰が生じた場合に、過剰処理というのは生産者の側が主体的にやれるようにするような条件整備をきちっとしていかなきゃなりません。そのためには、やはり文字どおりフィフティー・フィフティーになるようなひとつ検討が願えないかと思うのだが、いかがでしょうか。
#116
○政府参考人(新庄忠夫君) 今回の緊急総合米対策、ここにおきます十年産米のえさ処理対策、農家負担が政府に比べて非常に過重ではないかと、こういう御指摘でございます。
 ただ、これは基本的に、生産オーバーでございますから、需要に対して生産が、供給がオーバーする、こういう状態を何とか防ぎたいということで取り組むわけでございますので、価格を維持するという効果があるわけでございます。価格維持の効果は、単にえさ米の処理の分量ではなくて、計画流通米全体にその効果が及ぶわけでございますので、そういう意味で農家の利益というのは、計画流通米の価格の下落を防止するという、そういったメリット、これをまず考えるべきであろうかと思います。
 そういった中でやはり農家が主体的に取り組んでいくということでございますので、それに対して国が、生産者が拠出する基金と同等の金額を国が助成するということで、この需給の改善のための取り組みを生産者をバックアップするような形で国も取り組んでいるということでございます。
#117
○谷本巍君 これは米だけの問題じゃありませんが、農政全般についてよく農家から出るのは、新聞に発表になった、それを読んでこれならいけるだろうと思って取り組んでみたら、そうはいかなかった、つまり書かれていたことと実際が違うという場合が多いということであります。
 率直に申し上げますというと、これまでの政府のやり方は、全体として目につく部分についてはきちっとしたものは出す、直接目につかない部分、そういうところについては非常に冷たい。この飼料化の問題だって似たような問題ですよ。
 それから、この際もう一つ申し上げておきますが、調整保管の金利、倉敷助成ですね。これにしたって以前は十二月からやっていましたよ。今はどうなったか。一番出回るのは三月だから三月からでいいじゃないかと、こういうことになってきていますよね。この助成の問題は、削減された分はめぐりめぐって農家の負担にいくんですよ。ですから、自主流通米価格は幾ら幾らになったといっても、実際の手取りがそれと大きな幅が生じてきやすいということが指摘されるのも、そういう細かい問題がたくさんあってのことなんですよ。
 これは一例だけ時間がありませんから申し上げておきますが、だからそうした問題についてもっときちっとやっぱり、何といいましょうか、見えないところほど親切にやってほしい、そう思うんですが、いかがでしょうか。
#118
○政府参考人(新庄忠夫君) 先生御指摘の金倉助成の問題でございます。これも、農家あるいは生産者団体の米の販売進度の調整といいますか、できるだけ売り急ぐことによって価格が下がるというのを防止する、まさにこれは農家のためにやっている取り組みということでございまして、それを政府がバックアップする、こういう性格のものでございます。
 そういった中で、こういった売り急ぎといったような問題が、問題といいますか、必要性が具体的に生じるというのは、集荷がおおむね終わりまして生産者サイドが在庫を大量に抱えるというのが大体三月ごろということになるわけでございますので、その時期に合わせて金利、倉敷の助成を行っているということでございます。
 くどいようでございますけれども、あくまでも農家の利益のために進度調整というのをやっている、政府がそれをバックアップしているということでございます。
#119
○谷本巍君 生産者が主体的にやるものだから削っていいという話でしょう、それは。そういう理屈でやったら農政というのは成り立たないですよ。そういう意味で私は申し上げているんです。
 次に伺いたかったのは価格形成についてのことでありますが、持ち時間がなくなってきておりますので、それを飛ばして最後の方に入らせていただきたいと存じます。
 前に、臨時国会のときに、量販店の安売り状況が続いてきますというと、川上の入札価格への影響が出てきますよと、そこのところについての対策というのを今から考えてほしいということを申し上げました。三浦政務次官から前向きの検討をするという答弁をいただきました。
 どんな検討をされておるでしょうか。
#120
○政府参考人(新庄忠夫君) 川下の動きが川上の入札価格を左右すると、こういう問題でございます。
 これは、自主流通米の価格、御案内のように自主流通米……
#121
○谷本巍君 時間がないので簡潔に答えてください。
#122
○政府参考人(新庄忠夫君) はい。
 センターで価格形成が行われております。この場合に売り手側が希望価格を提示するということができますので、その価格以下では売りたくないという場合にはこれは取引が成立しないと、こういうことになりますので、そういう意味で川下の価格引き下げ圧力がこのセンターの入札価格に反映されるということは仕組み上ないということになっております。
#123
○谷本巍君 次長、今の話も結構でありますが、具体的な事実に即して申し上げますと、超安値の米というのは、その多くは計画外流通米であり、ブレンド米だという特徴があります。この状況をなくしていくにはどうすればいいか。やっぱり、計画流通体制を守るということが一つあります。それと同時に、もう一つ考えていかなきゃならぬのは、素性の知れた米を消費者の皆さんに食べていただく、この努力が必要なんじゃないでしょうか。
 来年の四月からJAS法による表示の問題がスタートいたします。三点表示ですよ。これ私も量販店に聞いてみました。それは、まともな量販店は、安心、安全の時代だから素性の知れた米を売るようにいたしますと。表示問題、私のところもしっかりやりたいと思うと。ところが、ディスカウントショップ的なところは反応は全然逆ですよ。
 こうであってみますと、来年四月から発足をするこの表示、これは一つの大きな勝負どころになってくるのではないか。そのためには行政がこのことについて積極的な努力をしてしかるべきではないか。幸い食糧庁には食糧事務所があるんですよ。そういうところでひとつ業界の皆さんとの話し合いをやるとか、あるいはまた民間団体とも現にやっているところ今ありますからね、そういうところを積極的に支援していくとか、この努力をしていただきたいと思うのだが、いかがでしょう。
#124
○政府参考人(新庄忠夫君) 表示の適正化の問題でございます。
 これまでも食糧事務所を中心に巡回点検指導というようなことで適正化に努めてきたわけでございますけれども、来年から、来年度からJAS法によります表示、これに移行するわけでございますけれども、従来にも増して私ども、その適正化、そのための点検指導、こういったものに努めていきたいというふうに思っております。
#125
○谷本巍君 時間が参りました。
 終わります。
#126
○委員長(太田豊秋君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト