くにさくロゴ
2000/10/31 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 労働・社会政策委員会 第1号
姉妹サイト
 
2000/10/31 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 労働・社会政策委員会 第1号

#1
第150回国会 労働・社会政策委員会 第1号
平成十二年十月三十一日(火曜日)
   午前十時八分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         吉岡 吉典君
    理 事         大島 慶久君
    理 事         大野つや子君
    理 事         小山 孝雄君
    理 事         木俣 佳丈君
    理 事         長谷川 清君
                上杉 光弘君
                釜本 邦茂君
                斉藤 滋宣君
                清水嘉与子君
                溝手 顕正君
                川橋 幸子君
                笹野 貞子君
                前川 忠夫君
                但馬 久美君
                浜四津敏子君
                八田ひろ子君
                大脇 雅子君
                高橋紀世子君
                魚住 汎英君
                友部 達夫君
    ─────────────
   委員の異動
 九月二十一日
    辞任         補欠選任
     大野つや子君     日出 英輔君
     小山 孝雄君     畑   恵君
     溝手 顕正君     佐藤 泰三君
 九月二十二日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     成瀬 守重君
     大島 慶久君     国井 正幸君
     佐藤 泰三君     山崎 正昭君
     畑   恵君     小山 孝雄君
 十月三十日
    辞任         補欠選任
     八田ひろ子君     笠井  亮君
 十月三十一日
    辞任         補欠選任
     笠井  亮君     八田ひろ子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉岡 吉典君
    理 事
                斉藤 滋宣君
                清水嘉与子君
                日出 英輔君
                木俣 佳丈君
                長谷川 清君
    委 員
                釜本 邦茂君
                国井 正幸君
                成瀬 守重君
                山崎 正昭君
                川橋 幸子君
                笹野 貞子君
                前川 忠夫君
                但馬 久美君
                浜四津敏子君
                笠井  亮君
                八田ひろ子君
                大脇 雅子君
                高橋紀世子君
                魚住 汎英君
   国務大臣
       労働大臣     吉川 芳男君
   政務次官
       法務政務次官   上田  勇君
       大蔵政務次官   村田 吉隆君
       労働政務次官   釜本 邦茂君
       自治政務次官   中谷  元君
       金融再生政務次
       官        宮本 一三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
   政府参考人
       法務省入国管理
       局長       町田 幸雄君
       外務大臣官房領
       事移住部長    今井  正君
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       厚生省老人保健
       福祉局長     大塚 義治君
       社会保険庁次長  高尾 佳巳君
       通商産業省生活
       産業局長     林  良造君
       労働事務次官   伊藤 庄平君
       労働大臣官房政
       策調査部長    松崎  朗君
       労働省労働基準
       局長       野寺 康幸君
       労働省女性局長  藤井 龍子君
       労働省職業安定
       局長       渡邊  信君
       労働省職業能力
       開発局長     日比  徹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○労働問題及び社会政策に関する調査
 (現下の雇用失業情勢及び雇用対策に関する件
 )
 (少子・高齢化社会における労働力確保等に関
 する件)
 (財団法人ケーエスデー中小企業経営者福祉事
 業団の経理内容等に関する件)
 (繊維産業労働者の雇用安定に関する件)
 (介護労働力の確保等に関する件)
 (外国人技能実習生制度の改善等に関する件)
 (小・中学校における職業教育の必要性に関す
 る件)
〇労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の
 徴収等に関する法律の一部を改正する法律案(
 内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(吉岡吉典君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、直嶋正行君、高嶋良充君、溝手顕正君、大野つや子君、上杉光弘君、大島慶久君及び八田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君、前川忠夫君、日出英輔君、成瀬守重君、山崎正昭君、国井正幸君及び笠井亮君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(吉岡吉典君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に清水嘉与子君、日出英輔君及び斉藤滋宣君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(吉岡吉典君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、労働問題及び社会政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(吉岡吉典君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 労働問題及び社会政策に関する調査のため、本日の委員会に法務省入国管理局長町田幸雄君、外務大臣官房領事移住部長今井正君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、厚生省老人保健福祉局長大塚義治君、社会保険庁次長高尾佳巳君、通商産業省生活産業局長林良造君、労働大臣官房政策調査部長松崎朗君、労働省労働基準局長野寺康幸君、労働省女性局長藤井龍子君、労働省職業安定局長渡邊信君及び労働省職業能力開発局長日比徹君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(吉岡吉典君) 労働問題及び社会政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○斉藤滋宣君 おはようございます。自民党の斉藤滋宣でございます。
 昨日この委員会室に入りまして、大変立派になったのはいいんでありますけれども、余りにも広くなりまして、大臣を初め委員の先生方の御尊顔が遠くなったことを少し寂しく感じますし、何か委員会も閑散とした感じがするわけでありますけれども、せめて議論だけは白熱した議論ができるように頑張っていきたいと思います。
 私は、過去の日本経済に貢献してきた中高年層には相応に報いていく一方で、未来の労働力である若年層の雇用を守ることが極めて重要な課題だと思っております。そういう中で、ことしの労働白書は、サブタイトルが「高齢社会の下での若年と中高年のベストミックス」ということでありましたから、大変私も興味深く読ませていただきました。きょうは、この白書の中身を中心にしながら、質問主意書に従いまして質問させていただきたいと思います。
 まず、大臣にお伺いしたいと思いますけれども、けさほど総務庁の九月の労働力調査の発表がありました。総体的には、前年比そしてまた八月の調査から見ると若干悪化しているようにも思えます。完全失業率では四・七%、完全失業者数では三百二十万人、非自発的離職者が九十九万人、就業者数六千四百八十万人、就業者数以外若干でありますけれども悪化しているのが今回の調査報告だと思います。
 そこで、大臣の御所信をお伺いしたいと思いますのは、この雇用情勢をどのように理解されておるのか、大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(吉川芳男君) 順次お答えさせていただきます。
 今ほどお述べのように、雇用関係の指標を見ますると、九月の完全失業率は四・七%と前月より〇・一ポイント上昇し、有効求人倍率は〇・六二倍と前月と同水準となっております。本年二月及び三月の完全失業率四・九%よりは低い水準となっていますけれども、現下の雇用情勢は依然として厳しい状況にあると認識しております。
 しかしながら、新規求人がサービス業、製造業など主要な産業で増加し、特に情報通信技術や介護関連の分野等においては本年一月以降連続して前年に比べて二〇%以上増加しております。また、雇用者数も前年同月と比較して五カ月間連続で増加しております。このような状況が続いていることから、雇用情勢には改善の動きが見られると判断しております。
#12
○斉藤滋宣君 政府の見解によりますと、景気の底は昨年の四月だったと言われております。有効求人倍率、いろんな指標を見てみますと、昨年の五月に底を打ちまして、それ以降上昇している。また、先行指標である製造業の所定外労働時間も、昨年の夏ぐらいに底を打って、前年同月比プラスに転じているところであります。そういう意味では、今大臣がおっしゃったように改善の兆しが見えてきたなという感じがいたします。
 今までの例を見てみますと、求人倍率の底から失業率がピークを打つところまでのパターンを見てみますと、バブル崩壊後の最初の景気後退期には約十カ月間かかっていました。こじつける気は毛頭ないわけでありますけれども、今回求人倍率の底が昨年の五月、そして今大臣がおっしゃったように、完全失業率のピークが三月、四月、大体十カ月周期になっているかなという感じがいたします。
 いろいろ、その間の上がり下がりはあるわけでありますけれども、そろそろ完全失業率のピークは来ているのかなという感じがするわけでありますけれども、大臣の見解はいかがでしょうか。
#13
○国務大臣(吉川芳男君) 雇用関係の指標を見ますると、九月の完全失業率は四・七%と前月よりも〇・一ポイント上昇いたしまして、有効求人倍率は〇・六二倍と前月と同水準となっており、本年二月及び三月の完全失業率四・九%よりは低い水準となっておりますが、現下の雇用情勢は依然として厳しい状況にあると思っております。
#14
○斉藤滋宣君 ということは、まだピークが過ぎていないという見解と認識してよろしいでしょうか。
#15
○国務大臣(吉川芳男君) お説のとおりだと思っております。
#16
○斉藤滋宣君 そこで、さらにお伺いしたいと思いますけれども、先ほど言ったように、確かに求人倍率の底から完全失業率のピークを打つまでそのタイムラグが、遅効性があってタイムラグがあるのはわかりますけれども、今までのパターンからするとちょっとその足取りが遅いような気がするんですけれども、失業率の遅効性というものがさらに強まっているんではないのかという感じがいたします、もし今大臣の認識のとおりでありますと。
 その辺の認識は、労働省いかがでしょうか。
#17
○政府参考人(渡邊信君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、最近の雇用情勢の特徴は、確かに失業率は横ばいないし若干微増というところなんでありますが、新規求人、特にITとか福祉を中心とした求人の伸びは大変大きいということから見ると、私どもとしてはかなり雇用の回復傾向は見られるのではないかというふうに見ております。
 ただ、そういったITの例えば需要が大変、安定所にも随分出てくるわけですけれども、それが就職する方が例えば一割とか二割までいかないとか、非常に少なくて、実際に求人はあるんだけれども結びつかない、それから若い人の離転職が大変多い、こういったことがあって、なかなか求人は出ているけれども失業率にすぐに反映してきていない、ミスマッチの傾向というのは強くなってきているんではないかというふうに考えております。
#18
○斉藤滋宣君 次に、ことしの労働白書を見てみますと、完全失業率のうち、需要不足による失業が全体の約四分の一、それ以外の約四分の三、三・五%ほどが構造的・摩擦的失業というふうに言われております。そこで、白書に載っている「構造的・摩擦的失業率、需要不足失業率の推移」を見てみますと、需要不足失業率が大幅に下がったときに構造的・摩擦的失業率も下がっている傾向が見られると思います。
 白書の中で、この説明に対して言われているのは、いわゆる構造的・摩擦的失業というものと需要不足失業というものはなかなか線引きが難しいんだと。だから、この需要不足、いわゆる求人が大幅にふえたとき、本来であれば若年層に向かう求人が、余りにもそれが大きくなり過ぎたがゆえに、本来であれば向かわない中高年層に向かったときに構造的・摩擦的な失業が減る傾向にあるんだという説明がされていると思うのであります。
 そうしますと、今まで労働省でもこのミスマッチ解消のために、また構造的失業のためにいろんな施策を打ってきたけれども、もしそういう説明をすると、今まで打ってきた政策がこの構造的・摩擦的な失業率の低下に余り寄与してこなかった。確かに、それは下支え効果もあったし、その施策をしなければもっと上がっていたんだという議論はあると思います。
 ただ、そういう説明をしてしまうと、今までの施策が何も効果なく、ずっと上がり続けてきているのかなという感じがするわけでありますけれども、その辺、労働省はいかがなお考えでしょうか。
#19
○政府参考人(渡邊信君) 今、委員御指摘のように、我が国の失業率のかなりの部分は構造的・摩擦的失業ということで、例えば安定所の求人だけを見ましても年間五百万人くらいの求人が来るわけですが、結局これは充足されないでそのまま残ってしまうというふうなことになっておりまして、仕事がないから失業がひどいという状況ではないというふうに思っているわけでありますが、これがなかなか結びつかない、そういったものを称しまして構造的・摩擦的失業というふうに言っているわけであります。
 そのミスマッチの大きい原因というものは、例えば能力の問題である。先ほど申しましたように、ITの需要はあるけれども供給の能力が追いつかないというような問題。能力の問題と、それから大変大きいのが年齢による制限。中高年になりますと、これが大変大きな壁になりまして就職に結びついていかないというふうなことがあります。それから、あとは労働条件の問題等々いろいろあるわけであります。
 そういったことで、この構造的問題というのは、能力の開発にしろ、年齢制限の緩和という問題にしろ、大変我が国の抱えている大きい問題がそこにあって、今まで随分私どもも努力を積み重ねてきておりますし、また来年度に向けましては百万人のIT教育というふうなことも考えているわけでありますけれども、確かになかなか時間がかかる、いま一つ時間がかかると。根本的に取り組んでいく問題ではなかろうかなというふうに思います。
 それから、若い人が自発的に転職をする傾向は、景気の厳しい中でも、バブルのころよりも今は転職をされる若い人が多いわけで、必ずしも景気が悪いから転職が減るという状況でもない。若い人がやはり自分に合った仕事を求めてどんどん転職していくということがあります。そういったところに対しては、的確な再就職の情報というものを迅速に的確に提供する体制というものを整備しなきゃいけないというふうなことを考えておりまして、この構造的な失業の問題というのは実はなかなか大きい問題であって、効果があらわれるまでには相当の時間もかかるのではないかなというふうに考えているところであります。
#20
○斉藤滋宣君 先ほども申し上げたとおり、構造的・摩擦的失業と、それから需要不足による失業、この線引きはなかなか難しい、両方がダブっているダークゾーンというのもあるのはよくわかります。
 白書の説明の中にもあるわけでありますけれども、この区分というものは厳密に線引きされるものではないけれども、例えば政策展開のときにその数値をあらわすことによって、今どういう政策を選択したらいいのか。例えば需要不足対策をするべきなのか、構造的・摩擦的な対策をするべきなのかという一つの大きな指針といいますか、そういうことになるだろうと思うんです。
 そこで、今までもこのミスマッチ対策、いわゆる数次にわたる雇用対策をやってきましていろんな成果が上がっている。実際に資料をいただいている中にもその成果がいろいろ評価されています、数がたくさんありますので紹介はしませんけれども。
 しかし、現実に、今申し上げたとおり、それでもなおかつ失業率が上がっているし、構造的・摩擦的失業率の改善が見られていない。これはある意味では、さっきも言ったように、その区分というものがどういう政策展開をしたらいいのかという一つの指針になるとするならば、やはり幅の大きい構造的・摩擦的な失業率に対する対策が今までもいろいろ行われてきて、労働省がおっしゃるようにいろんな数値での成果を上げられているけれども、先ほど来言うように、確かに下支え効果はあったのかもしれないけれども、本当に効果があったのだろうか。
 大変失礼な言い方で恐縮です、今までの雇用環境を見ると、急激に一気に悪化してきましたから、どうしても対症療法的にならざるを得ない面はあったと思います。しかし、私は、もうそろそろこの構造的・摩擦的失業率の低下のために抜本的な対策、そういったものを総合的に、それこそ構造的にやらなければいけない時期に来ているのではないのか。
 そのためには、各省横断的に総合的に対策を練るとか、やはりもっと突っ込んだ対策をしなければなかなか完全失業率が下がってこないのではないかと懸念するものでありますけれども、労働省の御意見をお伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(吉川芳男君) 御指摘の構造的な問題の解決を図るためには、良好な雇用機会の創出、確保を図るとともに、円滑な労働移動に対する支援など、労働力需給のミスマッチを解消するための施策をより一層効果的に講じていく必要があると考えております。
 また、経済・産業構造の変化に対応した雇用の安定のための具体的な支援策につきましては、現在、関係審議会で御審議をいただいているところでありまして、その検討結果を踏まえて、法的整備も含めて適切に対処していきたいというふうに考えております。
#22
○斉藤滋宣君 私は、やっぱり完全失業率を下げる、極端な言い方かもしれませんけれども、そのためには有効需要政策だとかマクロ経済政策だけではもう下がってこなくなってきているのではないか。ですから、今大臣がおっしゃったように、その報告を受けて法的な整備も含めて考えていくということ結構でありますけれども、やはりここでもう少し構造的・摩擦的失業に対して抜本的な、そしてまた総合的な対策というものを一歩労働省が大きく踏み出すべきだと思っておりますので、ぜひとも御検討いただきたいと思います。
 次に、雇用政策研究会の報告によりますと、労働力人口は二〇〇五年に六千八百五十六万人をピークに減少に転じていく、五年後の二〇一〇年には六千七百三十六万人となる。わずか五年間で百二十万人の激減になると予想されています。しかも、年齢構成の変化は、一九九八年から二〇一〇年の十二年間で見ますと、十五歳―二十九歳の若年層が約四百万人減少するのに対して、五十五歳以上の高年齢層が約三百八十万人増加すると見込まれております。この二つの年齢層の人口増減が非常に対照的であります。
 こうした人口構造の変化によって、現在、高度成長時代のピラミッド型の人口構成時にビルトインされてきた税収だとか年金だとか企業経営といったものが、そういった機能がうまく機能してこなくなってきている、私はそのように思うわけであります。そういう意味では、雇用制度だとか雇用政策もまたその例外ではないのではないかと思うわけであります。
 こうした少子高齢化の進展に労働市場がどのように影響を受けて、そして雇用制度や雇用政策にどのような変化を与えると認識されているか、お伺いしたいと思います。
#23
○政府参考人(渡邊信君) 昨年、第九次の雇用対策基本計画を策定するに際しまして、今委員御指摘の雇用政策研究会で、これからの労働力人口の推移というのを見通しをしていただいたわけでありますが、今御指摘ありましたように、二〇〇五年にピークになりまして、それ以降、労働力人口は絶対的に減少していくということで、これは恐らく我が国有史以来のことだろうというふうに思います。その減少していく労働力人口の年齢構成を見ますと、これも御指摘のように、若い層が減りまして高齢者がふえていく、高齢者の供給はどんどんふえていくということでございます。
 したがいまして、特段の対策を講じないということになりますと、現状では若い人に対する労働需要は旺盛でありますが、高齢者に対する労働需要は大変少ないというふうなことでありますから、このままいくと年齢間のミスマッチ、労働力需給のアンバランスというものがますます拡大をしていくだろうというふうに考えられますし、高齢者が十分活用されないということになりますと労働力人口は減るわけでありますから、国民総生産が減少していく、経済が縮小再生産していく、こういうふうになっていくのではないかというふうに思います。
 こういったことを考えますと、まだまだ六十歳定年が主流であります我が国の高齢者の働き方、あるいは女性の方が持てる力を本当に発揮できるような環境の整備、こういったことを行っていかないと、先ほど申しましたように労働力が絶対的に減少していく中で、我が国の経済は縮小せざるを得ない。したがって、高齢化対策あるいは女性の働きやすいような環境の整備、こういったことが労働市場対策として今後大変大きい課題ではないかというふうに、大変一般的ですが申し上げますとそういうことになるかと思います。
#24
○斉藤滋宣君 労働力の減少下にあっても今までと変わらない一人当たりのGDPの伸びを維持していくためには、幾つかの方策があろうかと思います。ざっと考えましても、一つには労働力率の低下を上回って労働生産性を伸ばしていく、それから減少労働力の代替として若年労働者の就職率のアップや女性や高齢者の活用が考えられると思います。
 そこで、お伺いしたいんですけれども、白書の中でも書かれていますけれども、二〇二五年までのラフな予測によれば、高年齢者、女性の積極的な活用を図れば、一人当たり二%の経済成長が達成可能と白書の中には書かれております。ちょっと私はこの分析がよく理解できないのでありますけれども、高年齢者、女性の積極的な活用によって二%の経済成長をなさることができるのであれば、今やったらまた経済成長二%伸びるのかという気がするわけですね。
 だから、今もうそれをやってみたらどうですかという気になってしまうわけでありますけれども、揚げ足取りみたいで恐縮なんですが、そこのところが私にはちょっとよく理解できないものですから、そこのところを説明していただきたいことと、同じ白書の中で、産業構造審議会の分析として、「研究開発・情報化投資を過去の趨勢程度増加させ続ければ、資本蓄積をGDPの伸び以下に抑えても、労働力人口減少下において二%程度の成長は実現可能」との記述もあります。そこのところも含めて、この分析について御説明いただきたいと思います。
#25
○政府参考人(松崎朗君) 御指摘のように、ことしの平成十二年版の労働白書におきましては、「今後、高年齢者、女性の積極的な活用を図れば、一人当たり二%成長率は二〇二五年まで達成可能と考えられる」というふうに記述しております。これは、先ほど職業安定局長からも御説明がございましたように、一般論として、人口の減少またこれは労働力人口にも言えるわけでございますけれども、こういった労働力人口の減少というものが、供給側から見まして経済成長率を低める要因になるということが言われております。
 そういったことから、ほっておきますとそういうことになるわけでございますけれども、現在の労働力率、そういったものを高めるために、これはもう高年齢者または女性、こういった方は非常に意欲はあるわけでございますけれども、なかなか働きにくいという環境がございます。そういった環境を整備することによりまして、高年齢者、女性の就労というものが促進されることによりまして、就業率といいますか労働力率が上昇して就業が進むということになりますと、今申し上げた供給側からの制約というものはある程度薄められるんじゃないかという考え方でございます。
 それからもう一方は、産業構造審議会の推計でございますけれども、これは労働力の供給側というものではなくて、これは技術革新の観点から言ったものというふうに理解しております。これも、経済の成長には労働力の投入量の増加、それから資本蓄積の増加、それから技術革新、こういったものが寄与するというふうに言っておるわけでございますけれども、そういった中で、労働の投入量、すなわち労働力人口が減少したとしても、例えば情報化投資といったような技術革新によりまして補うことによって、全体として二〇二五年までに年平均で二%程度の成長、一人当たりにしますと二・三%は達成できるというふうに分析しておるものというふうに理解しております。
#26
○斉藤滋宣君 ちょっと前段よく聞き取れなかったんで申しわけございませんけれども。
 そうすると、両方足して四%という、そういう簡単な数字ではないでしょうけれども、それぞれの要素が違うわけでありますから、それに近い数字での経済成長率は可能というふうにとっていいんですか。
#27
○政府参考人(松崎朗君) それぞれ視点が違いますけれども、全体としましては労働力の供給という制約の面、それを緩和することによりまして、ほっておきますと確かに労働力人口が減ってまいりまして、供給は制約が出てまいります。これをいろいろ条件整備と環境整備をすることによって労働力率を高めるということで供給側の制約というものを低め、また一方では産構審の言っておりますように、一般的にOECDの各国におきましても、労働力人口が減っていく場合には生産性といいますか技術革新が進むということが確認できております。
 そういったことで、労働力人口は若干減っていくのは事実でございますけれども、そういった中でこの技術革新というものが進むことによってそちらの面からも経済成長というものをバックアップしていけるんじゃないかというふうな考え方でございます。
#28
○斉藤滋宣君 きょう、ちょっとダイジェスト版を持ってきたんですが、たしか本文の方では、表の六十表だったと思いますけれども、こちらでは第三十四表に表はあるわけですけれども、二十四ページですね。
 ちょっと最初の方がよく聞き取れなかったんで、もう一回この分析についてお伺いしますけれども、私は逆に、この表を見る限り、一人当たりのGDPの成長率を二%にするためには、そういう労働力人口が減っても労働生産性上昇率、質を高めていけば、一・九%にすれば二%の経済成長ができるんですよということなのか。それとも、今部長の御説明にあったように、最初はちょっと聞き取れなかったんですが、いわゆる高年齢者やそういう女性労働を活用することによってこの労働生産性というものが一・九%に上がるから経済成長率二%というのが達成できるんだと、そういうことなのか。ちょっとよく聞き取れなかったので、もう一回お願いします。
#29
○政府参考人(松崎朗君) 申しわけございません。
 この二十四ページの三十四表でございますけれども、ここで二〇一〇年から二〇二五年のところにそれぞれ労働力人口の増減率等が書いてございます。ここで括弧の中の数字が書いてございますけれども、これは注意書きにございますように、これはほっておくとということで一番下の三にございますように、括弧内は二〇二五年の年齢別労働力率が二〇一〇年の推計値と同様で推移するということでございます。したがいまして、ほっておきますと〇・六%減少するということでございます。
 そういった場合には、先ほど申し上げました技術革新等そういったものが進むということで、労働生産性については二・三%ということは計算上できるわけでございますけれども、そうではなくて、こういった環境整備によりまして、括弧の外に書いてございますように、労働力人口の増減率をマイナス〇・六ではなくて、環境整備をすることによってマイナス〇・三にやっていくことによりまして労働力の供給側の制約をなくすと。その場合には、確かに技術革新のところはそれはストレートに出ないということで、若干一・九というふうになりますけれども、それを補って二%達成というものができるんではないかというふうに推定したわけでございます。
#30
○斉藤滋宣君 なぜ、私ここにこだわるかというと、今やはり若年労働者の失業率が非常に高いわけでありますよね。けさの数字でも十五歳から二十四歳の完全失業率は九・三%、もう男性に至っては一〇%を超えているという状況にあるわけですね。この人たちが、今仕事がない、中には働きたくない、そういう人たちもいるでしょうし、実際に仕事につけないで困っている人もいる。
 後でまた質問しますけれども、こういう若年層がこれだけ失業しているときに、例えばそういう高齢者や女性の活用によって経済成長二%達成ということになってきますと、やっぱり将来的な経済成長の面から見るんではなくして、日本の人的資源という面から見れば、こういうことはあってはならないことなのかもしれませんけれども、経済成長率ということだけを考えれば、だったら今若い人が働かないで年寄りとか、年寄りという言い方は怒られますね、高年齢者だとか女性をその代替労働力として使えば、技術革新が進んで経済が成長していくという論になってくると思うんですね。
 ですから、ここのところで、ただこういう書き方をすると、非常に今一方では若年労働者の完全失業率が高いことが問題になっているのに、何か腑に落ちないといいますか、ひっかかるものを私は感じるんですけれども、ですからもう少し書き方を丁寧にするといいますか、決してそういう取ってかわればいいという話ではなくして、結果としてそうなってくると。だけれども、そのときに今部長がおっしゃったように、産業革新だとか労働生産性の上昇によって労働力率の質を高めていくとか、そういうことによって経済成長率を二%達成することも可能なんですよという、そういう書き方をすべきではないのかなという気がするんですけれども、いかがでしょうか。
#31
○政府参考人(松崎朗君) 確かにおっしゃるとおり、ちょっと舌足らずの面があったかもしれません。
 ただ、白書の中で、高齢者それから女性の活用によって労働力の供給側の制約というものは薄れるということを記述しておりますのは、やはり一部で、労働力が減っていくので単純労働力についても外国人を入れるべきではないかという議論が一方であるわけでございます。そういうことに対しまして、そういった一般的な労働力全体につきましては、もちろん能力の点等々ございますけれども、一般的な労働力全体として見た場合に、高齢者、女性、そういった者が活用されることによってそういった外国人に頼らなくても二%程度の成長率というものは確保できるんだということを述べたわけでございます。
#32
○斉藤滋宣君 今、説明を聞いて理解はできるんですけれども、ただ、どれだけの人がこういうのに目を通すかわかりませんけれども、やはり白書を出す以上は数多くの人に目を通していただきたいというつもりで書いているわけですし、そのためのダイジェスト版だと思うんですね、そういう機会を多くするための。ここの部分を読んでしまうと、どうも私は今の労働行政の中における一つの課題というものと、それからここに二%成長と書かれてしまうと、何か合わないといいますか、違和感を感じるんですね。
 大変失礼な言い方になるかもしれませんが、もしこれから以降こういう記述があるとするならば、もう少し丁寧に書いていただければありがたいと思います。
 次に移りたいと思いますが、今もちょっと話題にしましたが、若年労働者の問題について質問したいと思います。
 学卒未就業者の状況を見ますと、昨年四月が二十三万人でことし四月が二十四万人となっています。雇用人員判断DIを見ていますと、雇用人員の過剰は九九年三―六月がピークで三二%ポイント、その後、昨年十二月実績一八%ポイント、ことし九月実績で一一%ポイント、十二月予測では九%ポイントと改善しております。そういう意味では、ことしの春言われたような、就職氷河期の最たるものという、そういう時期は越えてきたかな、少し明るい兆しが見えてきたかなという気はするわけであります。
 しかし、その反面、学卒無業者の増加を私は大変気にしているわけであります。一九九九年には高卒無業者比率が三割を超えました。大学、短大卒でも約四分の一を占めるに至り、学歴計では学卒無業者が約三十万人になっています。労働者の技能習得の主要な部分が仕事につきながらの訓練によっていることを考えますと、若年者が失業するとOJTが受けられなくなるわけでありますから、若年者の技能形成が阻害されるということが考えられます。このことが、将来にわたり日本の人的資源の低下につながるんではないかと危惧するものであります。
 また、その一方で、若者の失業は社会的不安を増大させると言われます。ある研究によれば、少年犯罪発生率と新規学卒求人倍率には長期的、安定的な関係があると報告されております。
 若年者の失業問題を考えるときに、やはり若年者の意識変化だとか産業構造変化に伴う構造的な問題への対応が不可欠と私は考えるわけでありますけれども、労働省のお考えはいかがでありましょうか。
#33
○政務次官(釜本邦茂君) 学卒無業者は、ここ数年御指摘のとおり増加してきております。また、不安定な就労を繰り返すいわゆるフリーターも大幅に増加しているところであります。
 これら学卒無業者や不安定就労者が増加することは、若年期における有形無形の技能形成や経験の蓄積の大きな支障となり、職業人としてのキャリア形成が十分なされないおそれがあるものと思われます。
 さらに、今後、若年労働力が大幅に減少していく中でこうした若年者がそのまま高い年齢層に移行していくとすれば、労働生産性や経済活力の維持などの面で我が国の経済社会全体に大きな影響を与えることが懸念されるところであります。
#34
○斉藤滋宣君 労働白書によりますと、各国の学卒無業者について比較可能な統計資料がないので、就職者に占める正規就業についていない者の比率を比較しております。その中で、諸外国では我が国以上に学校から正規雇用への移行が円滑にいっていないという、そういう指摘がなされています。
 この問題に関するそれぞれ各国の対応を見ていますと、アメリカのスクール・ツー・ワーク法、ドイツのデュアルシステム、フランスの若年者雇用の就業拡大に関する法律、イギリスのニューディール、そういう政策の中身を見ていますと、日本よりも学卒無業者に対する手当てといいますか対策というものが手厚く行われているんではないのかなと私は読ませていただきました。
 白書が言うように、我が国以上に各国が学校から正規雇用への移行がスムーズに進んでいないとするならば、各国よりも施策展開が手薄い我が国においては、今後の問題を考えたときに、もっとその手当てを諸外国以上に厚くしなければこの学卒無業者問題というのはなかなか解決できないんではないのかなと考えます。
 今後、労働省はこの学卒無業者対策というものをもっと本腰を入れてやっていく気がおありなのかどうか、お伺いしたいと思います。
#35
○政務次官(釜本邦茂君) 御指摘のとおり、学卒無業者やフリーターが増加している原因については、ここ数年の厳しい雇用情勢が背景となっていることが大きいと思われますが、一方では若年者の職業意識が不十分であるとの御指摘もなされているところであります。
 このため、労働省といたしましては、雇用機会の創出、確保に一層の努力をするとともに、若年者が適切に職業選択を行い安易に無業や不安定な就労を選ぶことがないよう、インターンシップの導入等についてこれから文部省と連携し、学校教育の早い段階からの職業意識啓発に努めているところであります。
 今後は、文部省と共同で研究会を設け、こうした若年者の職業上の諸問題について実態把握を行うとともに、諸外国の状況も踏まえつつ対策を検討してまいりたいと思っております。
#36
○斉藤滋宣君 私も、今政務次官から御説明あったように、インターンシップの効果というものは評価するものでありますし、労働省でいろんな施策をとられて、そういう若い人たちの必要な知識を多く持たせるようにしたり、そういう体験を多くしたりとか、そういうことは非常に評価するのでありますけれども、今もお話のあったとおり、やはり一つには、若い人たちが要するに働きたくないという意識層の人たちもかなりいることは確かだと思うんですね。これはやっぱりある意味では教育の問題ですから文部省も大事でしょうし、それからもう一つは家庭といいますか、いわゆる自分がつきたい仕事がない、またつきたいと思う仕事がなければ、ある程度生活が豊かになってきていますから、親御さんが、無理して働かなくてもいいよ、しばらくうちにおっていい仕事が見つかるまでアルバイトでもしていたら、フリーターでもやっていたらどうというようなこともあると思うんですね。いわゆる若年層のパラサイト化といいますか、そういう現象も起きていると思うんです。
 ですから、今とられている制度、施策については私は評価するものでありますけれども、そういう若年者の意識改革、職業に対する意識だとか、それから人生というものを考えていく、そういうものを支えていくためには、やっぱり地域だとか家庭だとか学校だとか、そういったものが全部連携して、そしてまた労働省も入って対応していかなければいけない問題だと思うわけであります。
 ですから、やっぱり私は、もっと抜本的な部分に触れるような、各省庁横断的にいろんな知恵を出し合ってこの問題を解決していかないと、なかなか若年者の、さっきも言いましたけれども、男性では一〇%を超えるような失業率の改善、それが進まないのではないのかなという気がしてなりません。
 いま一度その辺をお伺いしたいと思います。
#37
○政府参考人(渡邊信君) 我が国では若年失業率が大変高くなってまいりまして、ただいまおっしゃいましたように、十五から二十四歳層を見ますと一〇%程度の失業率という若年失業率であります。
 また、若年者の失業の問題は欧米においても大変大きい問題で、欧米におきましてもやはり若年者の失業率が高いんですが、ことしの労働白書でも指摘をしておりますけれども、欧米と日本の若年失業率の決定的な違いと申しますのは、欧米の場合には若い人は非自発失業が多いわけで、就職したくてもできない。高齢者の方を優先するといいますか、そういったことでありますけれども、日本の若年失業の特色はほとんどが自発失業なわけであります。それと、今おっしゃったように、毎年三十万人もの、何をしていいかわからない無業者が出るというふうなことで、欧米と日本と若年者の失業率はやや似ていますが、中身は決定的に違っているというふうに思っております。
 そういった意味でも、私どもは、若い人たちの職業意識の啓発というものが大変大きな問題で、そのためには労働行政も文教行政も、あるいはおっしゃいました地域や家庭の問題も大変大きい、それぞれが相まって若い人の働く意欲を引き出していくといいますか、そういったことになろうかと思っているわけでありますけれども、当面は、先ほど政務次官から御答弁申し上げましたように、労働省と文部省とで、次官を初め関係局長が集まりまして、これからそういった若者の職業意識、職業対策について検討しようということにいたしました。
 今までの雇用対策の中ではどうしても中高年の非自発ということが重点でありましたが、これからの日本を考えていきますと、先ほどの国民総生産のお話にもありますが、若い人が働かなくてはIT革命も絶対にできっこないわけでありまして、そういった意味で、この若い人の就職問題、職業意識の啓発の問題、大変大きい課題として位置づける必要があろうか、ようやく私どもの行政もそういう段階に来たところじゃないかと思っております。
#38
○斉藤滋宣君 表現が当たっていないかもしれませんけれども、今まではどちらかというとそういう就職にかけるコスト、意識改革だとかそれから学校での技能習得だとか、そういった部分というのが意外と教育の場では、大変労働省側から言うのは言いづらいことなのかもしれませんけれども、私はやっぱり手厚かったとは言えないと思うんです。それが今やっぱりここに来て若い人たちの職業意識の変化になり、そしてまたこういう若年者の失業率の大幅なアップにつながってきていると思うんです。
 やはりここで、大変言いづらいのかもしれないし、労働省として指摘しづらい面もあるかもしれませんけれども、やはり労働行政としての限界というものはこの若年労働者の失業者数の増加の中ではかなりあると思うんです。これは教育の部分、文部省だけに責任を押しつける気はありませんけれども、やはり他省庁にまたがる対策というものをしっかり講じ、今までみたいにそういうこともやっていますよではなくして、職業啓発活動だとかそういうことをやっていますよということではなくして、ある意味ではそれも主体的になってくるような、そういう行政というものが省庁横断的に行われなければなかなか解決しづらい問題だと思います。
 今、文部省ともよくお話をされているという御答弁でありますので、ぜひともその辺も深く掘り下げて、大変言いづらい話かもしれませんが、この問題解決のために、労働省としてはやはり言うべきことは言うという姿勢をしっかりと持っていただきたいと思います。
 次に、女性の問題で、先ほども話がありましたが、女性の有効活用という問題でちょっとお聞きしたいと思います。
 労働力人口の減少の対応として女性の有効活用が必要だということは先ほど来議論があったところであります。しかし、現実に見てみると、就職を希望しながら、育児との両立の難しさ、能力を生かせる形での雇用機会の不足などから、十分に女性の労働力の有効活用が図られているかというと決してそういうふうにはなっていない。これからそういう女性の有効活用が社会発展に必要だと白書も述べております。
 労働力調査特別調査を見てみますと、その中で私はわけても気になるのは、学歴別の就業率を見てみますと、女性がどんどん高学歴化しているにもかかわらず、逆に高学歴の女性の労働力率が下がっているという調査結果が出ています。この状態が続きますと、一方では高学歴化が進んでいって、高学歴化が進むことによって労働力率が下がってくるということになりますと、労働力人口の減少の対応として、先ほど来言うように、女性の活用が重要だと言っておきながら、そのことが期待されながらそれが実現できないような方向に向かっているのではないかということを心配するわけであります。
 高学歴女性の労働力率の低下がどういった原因によるものなのか、そしてまた労働省はその対応をどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
#39
○政府参考人(藤井龍子君) 先生が今御提起なさいましたような問題意識、まさに私どももかねてから持たせていただいておりまして、平成十一年度の「働く女性の実情」、通称女性労働白書と呼んでおりますが、これで学歴別の女性の就業パターンの分析をしてございます。これによりますと、二十歳代では高校卒の女性の労働力率よりも大卒、大学院卒の女性の労働力率が高くなっているわけでございますが、育児期を経た三十歳代後半から六十歳代前半では逆に高卒の女性の労働力率に比べまして大卒、大学院卒の労働力率が大体一〇%ほど低いという状況になっております。
 この要因といたしましては、私どもは、一つは高学歴女性は一般的に結婚・出産年齢が遅くなりますので、子育てが一段落して再就職をしようという年齢がどうしても遅くなる。ところが、企業の方で中途採用については大抵年齢制限を設けておられる。それが三十歳代後半というのが多いようでございます。これが一つ再就業を困難にしているのではないかと分析しております。
 それから二つ目は、高学歴の女性の方々は再就職に当たりましてやはり仕事の内容を非常に重視される。少し本格的な仕事をしたいと。ただ、それにしては自分の能力が現状ではそこまで行っていないのではないかというお気持ちでなかなか再就職できないといったこともあるのではないかというふうに分析しております。
 それで、私どもといたしましては、この求人の年齢制限につきましては、人材の有効活用という観点から年齢制限を緩和していただくよう企業に対して啓発を進めてまいりたいと思っております。さらに、十三年度から、新たに本格的に労働市場に参入したいという女性の方々のために、企業や社会のニーズも高いし、女性の側のニーズも高いと思われます情報通信関連や国際関係の職業分野、こういった分野への再就職のためのキャリアカウンセリングあるいは能力開発技法を行います。また、それに基づいて職業能力開発や職場体験を実際に実施していただく、そういうことをモデル的に実施したいと考えているところでございます。
#40
○斉藤滋宣君 そこで、今局長からお話のあった年齢制限の緩和について、同じように女性の立場からだけではなくて、高齢者側でもそういう問題はあろうかと思います。
 先ほど来ずっと議論してきたように、労働力人口の減少の中で、女性と同様に高齢者の活用が言われてきたわけでありますけれども、高齢者側からすれば、年金受給が六十五歳に上がることによって必然的に今まで以上長い期間働かなければならないという理由もあります。
 高齢者の勤労意欲の旺盛さ、それはやはり日本にとって非常なメリットだと思うのでありますけれども、しかし高齢者の就業、雇用を促進するためにはいろんなハードルを越えなければいけないものがあると思います。わけてもその中で私が気になるのは、やはり今言った年齢制限の問題と、それから定年制の問題であります。
 一方では、ある程度の年齢になったから会社をやめなさい、また一方では仕事を求めたときに年齢制限にひっかかって就職することができない。今、六十五歳定年制を導入している会社は六%にすぎませんし、求人平均上限年齢は四十一・一歳となっています。今、職業人生が長くなることが求められているときに、今言ったように、一方によっては年齢で会社をやめなければならない、また一方ではその年齢制限によって勤めることができない、そういう問題が今起こっています。そのことでなかなか高年齢者の再就職が難しくなっているという現状だと思います。
 高年齢者の活用を図るためには、この問題をやはりクリアしなければなかなか雇用の促進が進まないのではないかと思いますけれども、労働省のお考えをお伺いしたいと思います。
#41
○政府参考人(渡邊信君) 今、御指摘されましたように、高齢者については、定年は六十で、再就職しようと思うと求人の九割には年齢制限があって四十一・一歳だというようなことになっているわけで、大変厳しい状況に現在なっているわけであります。
 私どもといたしましては、六十五歳までは現役として働ける社会ということを目指していろいろとやっておりまして、毎日毎日、安定所の窓口では年齢制限があるものについては、例えば五歳アップしてくださいと指導しているわけであります。
 先般、全国の労働局の安定部長に通達を出しまして、部長みずから企業なり企業の団体を回って年齢制限の緩和というものを訴えるように指示いたしました。また、そこでどういった問題があるのか十分聞いてくるように、それを十二月中には本省にまた上げてくるようにというようなことを指示もして、努力もしているわけであります。
 また、先般の、さきの通常国会の高年齢者雇用安定法の改正では、六十五歳に向けて定年年齢そのものの引き上げの努力義務というものも規定をさせていただきました。高齢者は補助的な働きをするのではなくて、やはり今までいた企業あるいは企業グループで定年の延長というようなことによって正規労働力として十分働ける、そういったことが必要かという気持ちでございます。
 こういったことを通しまして、企業に年齢制限あるいは定年の撤廃、あるいは定年の延長を訴えていきたいと思っておりますが、この根本には我が国の長い間の慣行といいますか年功的な処遇というものがあるわけでありまして、これもなかなか一朝一夕には難しい問題であろうかと思いますが、私ども、全国の高齢協会等とタイアップして、定年の延長あるいは安定所を通じた年齢制限の緩和を指導いたしますとともに、定年の延長の制度を導入する企業に対する助成金の制度あるいは高齢者のための職場改善のための融資の制度、こういったことも用意をしておりまして、あらゆる角度からこの六十五歳現役ということの実現に向けて努力していきたいというふうに考えておるところでございます。
#42
○斉藤滋宣君 もう時間がありませんので、またその問題につきましては、後日議論させていただきたいと思います。
 最後に、労働白書を見ますと、若年者と中高年齢者の雇用トレードオフ論には否定的な御意見だと思います。
 その根拠としては、挙げられているのをちょっと読ませていただきますと、一つとしては、「現在の失業の四分の三は一方に未充足求人がありながら、結合がうまくいかないために起きている構造的・摩擦的失業であることを想起する必要がある。」、二として、「若年者の職種や企業規模によるミスマッチへの働きかけを一方で行いつつ、他方で「より少ない若年とより多い中高年」による仕事の進め方により、年齢間のミスマッチを軽減していけば、構造的失業問題はかなりの程度、改善されるものと考えられる。」、さらに三として、「今後、若年労働力人口が急速に減少していくことを考えあわせると、六十五歳までの雇用継続などの高年齢者への対応が必ずしも若年者に悪影響を及ぼすということにはならない」という考え方を示して、そして続けて、「ゼロサムを前提にしてトレードオフを悲観するのでなく、「より少ない若年とより多い中高年」による、」「若年者と中高年齢者のベストミックスの仕組みによって、新たな価値を生み出せる状況を作り出し、雇用創出につなげ、各々が社会の中でその能力を十分に発揮できる状況を目指すべきである。」と結んでおります。
 私は、この白書の結びについて、中長期的にはこうなっていただきたいなと思うし、その考え方にくみしたいという気はするんですけれども、でも現実に、今長々としゃべりましたけれども、今言った中身の話というのは今までもずっと政府や労働省が対策として講じてきていることではないのかな、いろんな対策を講じたけれどもなかなか改善が進まないでいるんじゃないのかな。だから、今まで議論してきたように、高い構造的、摩擦的失業に多くの失業者が苦しんで、学卒未就職者や学卒無業者が多くなっている、そして働く意欲がありながらなかなか仕事がない高齢者の方も多いということを考えたときに、この結論というのが、大変言葉は悪いかもしれませんけれども、余りにもきれい過ぎるというか、余りにも理想的過ぎるんじゃないのかなという気がしてなりません。
 白書という性格を考えたときに、なかなか具体的に踏み込んで書けないということは理解するわけでありますけれども、やはりこういう現状、冒頭大臣が言ったように、まだまだ雇用改善が若干進んでいるけれども底を打ったとは言えない状況下にあって、現状を打破していく、現状を緩和するというのが、そういう積極的な姿勢を見せていくことが私は今行政に問われているのではないのかなと考えるわけであります。
 白書を興味深く拝見させていただきましたけれども、どうもこの結びだけは非常に、繰り返すようで申しわけないんですが、理想的に結ばれているなという感じがしてなりません。先ほども申し上げたとおり、やはり労働行政の中で各省庁にまたがる問題も数多くあるわけですから、言うべきことは言う、そして今の現状を少しでも緩和していくという姿勢を私は見せる必要があったのではないかと思うんですが、この辺最後にお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#43
○国務大臣(吉川芳男君) ことしの労働白書では、中高年熟練技能者は若手に熟練の技能を、また若手は中高年齢者に数値制御の機器の操作をそれぞれ伝授し合って、地域ぐるみで新しい物づくりに挑戦している例などを紹介されまして、若年者と高齢者のベストミックスによる雇用創出につなげていくべきであると指摘しているわけでございますが、このため、現在も講じておる高年齢者の雇用機会の確保策、若年者の雇用の安定の促進策等を引き続き推進するだけでなくて、若年者と高齢者のベストミックスについてその具体策を検討するため、現在予算要求をしている段階でございます。
 どうぞ、御支援のほどよろしくお願い申し上げます。
#44
○斉藤滋宣君 おっしゃることはよくわかるんですけれども、やはり私はここで若年者と中高年齢者のベストミックスということを言うのであれば、もう少し例えばワークシェアリングに踏み込んでみるとか、今の賃金体系のフラット化の問題に踏み込んでいくとか、そういった議論をもう少し深く掘り下げていくことがベストミックスにつながっていく、そういうふうに思うんです。
 今の御意見もよくわかりますけれども、ぜひとも今後そういうところも踏まえながら御検討いただければありがたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#45
○木俣佳丈君 おはようございます。
 民主党・新緑風会の木俣佳丈でございます。
 まず冒頭、今景気が若干上向いたとかいろいろお話はありますが、株価も非常に低迷しておりまして、半年前と比べても本当にびっくりするぐらい、一万五千円を割れたり、また乗せたり、こういう一進一退を続けているわけでございます。
 今の経済状況を見るときに、倒産件数、特に中小企業の倒産件数、そしてまた最近では伝統的な生命保険会社さえ次々につぶれている、こういう状況がございます。これをまず、質問の通告ございませんが、労働大臣はいかがお考えになりますか。
#46
○国務大臣(吉川芳男君) 私も、今御指摘のような大きな生命保険会社の次々の倒産、中小企業の倒産は非常にゆゆしき、また憂うべき事案だというふうに思っております。
#47
○木俣佳丈君 特に、我々民主党も中小企業に何とか元気をつけていただきたい。全事業数の九九・八%を占める中小企業、昨国会で中小企業基本法が改正されまして、新たに資本金、そしてまた従業員数、変わっております。多くの方々が中小企業になっているわけでございますが、私も中小企業の経営者の息子として非常に痛切に現在の倒産のあり方等々を考えるわけです。そしてまた、中小企業の言ってみるとおやじ連中、また従業員の方々も、働いている時間も二十四時間体制、特に雇用主の方も非常に大変な中で二十四時間、一日も休みがない中でやっていらっしゃる方が多いと思うんですよ。
 そこで、そういったものに目をつけて、最近評判になっておりますケーエスデー中小企業経営者福祉事業団、このKSD、こういったものが昭和三十九年にできたわけでございますが、これを労働省は当初どのように思っていたか、大臣御存じですか。
#48
○国務大臣(吉川芳男君) あなたの御質問については、ようやくきのう取材をさせていただきまして全部出そろったところでございますが、けさから私も見せてもらっておるわけでございますが……
#49
○木俣佳丈君 もうちょっと大きい声でしゃべってください。
#50
○国務大臣(吉川芳男君) はい。
 あなたの質問についてレクチャーも受けておるわけでございますが、今急に、大分先の質問項目の中にあったと思うのでございますけれども、できたら取材の順番でひとつお聞き願いたいと思うのでございます。
#51
○木俣佳丈君 ちょっとお話になりません。順番が変わって質問ができないという大臣は私初めてお目にかかりました。ちょっとそれは不見識というかおかしなことだと思いますけれども、大臣、ちょっとその件、ちょっとお答えください。
#52
○国務大臣(吉川芳男君) KSDの前身である中小企業経営者災害補償共済会は任意団体であったと承知しております。また、共済事業の実施主体を規制する法律は承知しておりません。
#53
○木俣佳丈君 労働省も、これができて、昭和三十九年の一年後に、昭和四十年に新しい労災関係の事業主を対象とする特定加入という制度を始めたのを御存じですか。
#54
○国務大臣(吉川芳男君) それもこの問題が起きてから聞かせてもらっているというわけでございます。
#55
○木俣佳丈君 もう一度、これは何年からできたか御存じですか。
#56
○国務大臣(吉川芳男君) 今御指摘の団体は、昭和四十年、四十四年ですね、二月に東京都の許可を得まして財団法人ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団となっておるわけでございます。
#57
○木俣佳丈君 全然違いますよ。再答弁を求めます。全然違うことを申し上げていらっしゃるので。違います。労働省の施策の中で特定加入制度というのがこの団体ができた前後にできているんですよ。現在百五十万人がそれに加入しているんですが、そのことを言っておりますが、いかがですか。全然違いますよ、お答えが。
#58
○国務大臣(吉川芳男君) 今、局長からは三十九年であったと思うというふうに御指摘がございました。
#59
○木俣佳丈君 それはKSDの発足じゃないの。労働省、ちゃんとやってよ。ちょっともう一回答えて。
#60
○国務大臣(吉川芳男君) そのことにつきましては、後ほど正確に調べて御報告申し上げます。
#61
○木俣佳丈君 労働省、じゃ教えてよ、大臣に。労働省、大臣に教えてくださいよ。そんなことわかるでしょう、基本的なことでしょうが。
#62
○政務次官(釜本邦茂君) もう一度趣旨を御説明願います。
#63
○木俣佳丈君 時間をとめてもらわないと、ちょっと時間がもったいないんだけれども。
 要するに、中小企業の労災ということを名目にKSDの前身の中小企業経営者災害補償共済会というのができたんだけれども、しかし労働省も同じような施策をつくったんじゃないんですかと。この設立年月日を、設置年月日を聞いているんです。
#64
○国務大臣(吉川芳男君) 今、事務当局から御指摘がありまして、昭和四十年でございます。
#65
○木俣佳丈君 そのとおりだと思うんですよ。それはそれでいいんですが、このKSDの問題でかなり問題になっているわけですよね。これに関して労働大臣、今どのようにお考えになっているか。
 特に、先般の十月二十八日付ぐらいの報道ですね、大臣が、政治団体豊明会政治連盟、通称豊政連がパーティー券を購入しているが、十月の二十七日で現金書留で同連盟に返却したとあるが、これは事実ですか。
#66
○国務大臣(吉川芳男君) そのとおりでございます。事実でございます。
#67
○木俣佳丈君 そのときに豊政連というのはありましたか。
#68
○国務大臣(吉川芳男君) この問題についてちょっと経緯を説明いたしますと、その日の二十六日でしたか、ある通信社よりKSD関連の資金というものがあるかどうかということを聞いてまいりましたので、調査いたしましたところ、平成十一年と平成十年のこの二回、私パーティーをやっておるわけでございまして、その節、豊明会中小企業連盟にそれぞれ三枚分ずつ六万円、計十二万円のパーティー券を購入してもらっていることが判明いたしましたので、こういう時期でもありますし、また立場も立場でございまするから、早速に返却するようにということを秘書に言いつけて、そのようにした次第でございます。
#69
○木俣佳丈君 もう一度お答えいただきたいんですが、いわゆる豊政連の方に返却したということでよろしゅうございますか。
#70
○国務大臣(吉川芳男君) 返還につきましては、政務秘書官が豊明会中小企業政治連盟の事務局に連絡した上で、先方の事務所に送ったものでございます。
#71
○木俣佳丈君 豊政連に返したということでいいですか。もう一度ちょっと。
#72
○国務大臣(吉川芳男君) それでよろしゅうございます。
#73
○木俣佳丈君 豊政連は実は十月の十八日に解散しております。十月の十八日に解散していて、十月二十七日に返すことができますか。
#74
○国務大臣(吉川芳男君) 解散しても、やっぱり事後処理のためにいらっしゃる方がいまして、こちらから返却しますよということを申し上げたら、そのようにしてくださいということで受け取っていただきました。
#75
○木俣佳丈君 私どもも十月二十日に調べました。口座は閉鎖されておりました。ですから、返せないはずなんです。
 それから、このような時期だからというお答えがございましたが、このような時期というのはどういうことを指すか、具体的に教えてください。
#76
○国務大臣(吉川芳男君) その趣旨は、財団法人ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団をめぐりまして先般来、前理事長の背任容疑で捜査中でもあり、また当該公益法人を所管しておる労働大臣の立場として、これは返還するのが適当と考えたわけでございます。
#77
○木俣佳丈君 なぜそれを適当だと思われたんですか。
#78
○国務大臣(吉川芳男君) 私の感性と思ってください。
#79
○木俣佳丈君 感性ですか。感性で返した。感性で返したとはどういうことですか。十月六日にKSDに捜査が入っている、家宅捜査が入っている。だから返したんじゃないんですか。感性で返した。もう一度答えてください。
#80
○国務大臣(吉川芳男君) 私は自分でこのパーティーの処理というものは、冒頭、私申し上げたでしょう、その通信社が言ってこなければ全然わからなかったことなんです、私自身は。だけれども、一遍よく調査せよということでわかったものだから、たまたまその日が二十六日だか七日だったというわけでございましたから、そう言われましてもちょっと返答に困りますが。
#81
○木俣佳丈君 何を言っているんですか。何が問題で、だからこそ返したか、それを聞いているんですよ。何が問題でなぜ返したか、そういうことを言っているんですから。何を言っているんですか。
#82
○国務大臣(吉川芳男君) これも私申し上げたけれども、先般来、前理事長の背任容疑で捜査中でありまして、このことについていろいろ問題もあるわけでございまするから、返還するのが適当だと考えたところでございます。
#83
○木俣佳丈君 KSDの一体どのあたりが、もうちょっと具体的に言ってほしいんですが、どのあたりが背任容疑に今なっているか。所管の大臣として明確にお答えください。
#84
○国務大臣(吉川芳男君) その点は、捜査当局が一番やっぱり詳しく調査しておるわけでございますから、私としてこれ以上申し上げることはできません。
#85
○木俣佳丈君 労働大臣は、捜査が入っているからといってどのあたりが問題かというのも推測もできないということでよろしいんですか。
#86
○国務大臣(吉川芳男君) それは、考えていることもありますけれども、今の段階でどういうことだからどうだというふうに私が断定するわけにはいかないと思っております。
#87
○木俣佳丈君 今まで労働省がこのKSD財団に対して何度も勧告をしているのを御存じないということですね。
#88
○国務大臣(吉川芳男君) いやいや、それは私もちゃんと報告を受けていますので、前後四回にわたって口頭ないしは文書でもって指摘をしているということはちゃんと報告を受けています。
#89
○木俣佳丈君 じゃ、どのあたりが問題か御説明ください。
#90
○国務大臣(吉川芳男君) 私も今申し上げたようなわけでございまして、それにつけ加えて何か物を申せと言いましても、過去のことでございますれば役所はみんなよく知っているわけでございますから、政府委員をして答弁させてはいかがでしょう。
#91
○木俣佳丈君 いや、だってこれは御存じだと、もう大臣に、あなたにもう御説明があったと言ったじゃないですか。今世間を騒がせている第一番目の問題と言ってもいいことですよ。ですから、早急に答えてください。そんな、政府委員じゃない、大臣が答えるべきですよ。
#92
○国務大臣(吉川芳男君) 平成十二年五月十七日、十八日、立入検査をいたしまして、平成十二年八月十日、改善勧告の交付書を文書でもってしてあります。
 その中身につきましては、一つは評議員会、評議員の設置等のことについて改正をせよということを前々申し上げているわけでございますが、それがまだなされていないということ。また、二番目といたしまして、豊明会との関係における審査、検査体制の確立、補助金の使途の明確化並びに組織、職員、場所についての明確な区分ということについても指摘してあります。また、三番目は、豊明会における経理について、補助金と他の経理との区分経理をはっきりする。また、四番目といたしまして、KSDの会館の使用の適正化、五番目といたしましては、KSDの行う事業の適正化、宗教法人への融資の解消、関係会社への便宜供与の是正ということを指摘しております。
#93
○木俣佳丈君 簡単に申しますと、要は経理区分が余りにもごちゃごちゃになっていて、いわゆるKSDという財団と、それから、それからいった豊明会というものが会計区分が全くなされていない、こういうことで労働省から勧告をしている。しかしながら、その勧告に対して全くそれに反応していない。ただ、それじゃ明確にしますと、そういうやりとりだけなんですよ。だから、全くおかしなやりとりというか、もう無意味なやりとり、勧告しかやっていない。
 簡単に申し上げますと、このKSDというのは、加入者一人当たり月額二千円、これ経費で落ちるというふれ込みで、要は信金とかが窓口になってどんどん販売促進をしている。年額二万四千円で、いわゆる共済ですよね。これ労災のように見えますが共済制度で、これが経費で落ちるというふれ込みで半強制的に信用金庫から売り出している。何とその年額が、トータルが掛け捨てで二百四十億円のこのシステム、その中で実際に、いわゆる括弧つきの災害補償、労災じゃないですよ、災害補償、労災と書いてあるけれども、これは労災じゃない。単なる死亡からあと損害保険、こういったものです。これに使われているのが七十億、二八%しか十年度では使われていない。そのほかの百七十億が勝手に使われている。こういう問題なんですよ。
 しかも、このお金の流れ、どのぐらい労働省はつかんでいらっしゃいますか。KSDから豊明会へ、豊明会から自民党の豊明支部へ、そしてまた、自民党の豊明支部から豊明会中小企業政治連盟へ、そしてまたそこから先政治家へ、この一連の流れをどういうふうにつかんでいるか、大臣、お答えください。平成七年から十年まで。
#94
○国務大臣(吉川芳男君) KSD本体については、公益法人を認可しておる立場の労働省といたしましてもこれは把握しておりまするけれども、その先の団体については、これはもう任意団体でもあるわけでございますし、また、政治団体のことにつきましては、労働省としては正確な数字をつかんではおらないと思っております。
#95
○木俣佳丈君 いや、これ担当者が言うことと大臣の言うことと大分違うんです。つかんでいるというのが私が担当者から聞いた話です。もう一度伺いたいんですが、KSDの豊明会から自民党の東京都豊明支部へ献金がされた、こういうことで了解してよろしゅうございますか。
#96
○国務大臣(吉川芳男君) 豊明会から自由民主党東京都豊明支部に対し平成七年から九年にかけて寄附が行われていることは承知しておりまするけれども、平成十年十一月にKSDから受けた説明によれば、豊明会から自由民主党東京都豊明支部への寄附に対する支出にはKSDからの補助金は充当しておらず、それ以外の収入から充当しているということでございました。
#97
○木俣佳丈君 それ以外の資金というのはどういうものがあるんですか、この豊明会として。
#98
○国務大臣(吉川芳男君) その収入は自前の収入でやられているというふうに聞いております。
#99
○木俣佳丈君 自前の収入というのは何ですか。幾らありますか。
#100
○国務大臣(吉川芳男君) 今お聞きするところによりますと、二億四千万円ほどでございますが、いろんなイベント等に使われ、また観劇等があるわけでございますが、そういうときに補助金的な意味も含まれて支出されているというふうに聞いております。
#101
○木俣佳丈君 その補助金がKSDから出ているわけでしょう。まあいいや。ちょっと、まずその前に、自治省から政務次官おいでいただいていますね、ありがとうございます。
 自治省がつかんでいるKSD豊明会から自民党の東京都豊明支部へ、そしてまたそこから豊明会中小企業政治連盟、豊政連へ、この流れを平成七年からできる限り最近まで、きのう東京都の方発表しておりますので、十一年まで御報告いただきたいと思います。
#102
○政務次官(中谷元君) 東京都の選挙管理委員会に確認したところ、KSD豊明会から平成七年に八千五百四十万円、平成八年に五千二百万円、平成九年に五千万円、平成十年に三千万円、平成十一年に四千万円の寄附を受けた旨の記載がございます。
 また、平成七年から十一年における豊明会中小企業政治連盟の収支報告書の要旨に係る官報告示または収支報告書を確認したところ、自民党東京都豊明支部から平成七年に七千七百四十万円、平成八年に五千八百六十万円、平成九年に五千百三十二万円、平成十年に四千二百万円、平成十一年に四千万円の寄附を受けた旨の記載がございます。
#103
○木俣佳丈君 ありがとうございました。
 もう一度労働大臣に伺いますが、この政治献金、トータルするとえらい額ですね。二億円近いお金でございますか、これは例えば豊明会から自民党東京都豊明支部へ、先ほど言われたように豊明会から出たということでよろしゅうございますか。
#104
○国務大臣(吉川芳男君) KSDから豊明会への補助金につきましては適切に執行される必要がありますが、平成十年十一月にKSDから受けた説明によれば、豊明会から自由民主党東京都豊明支部への寄附に関する支出にはKSD補助金は充当されておらず、それ以外の収入、例えば会員負担金及び雑収入から充当されているという説明でございました。
#105
○木俣佳丈君 よく調べてくださいよ。
 労働省にこの豊明会の決算収支を出してということを言ったら、これ十年しかないというんですね、平成十年しか。実際には我々もう集めてるんですよ、九年も八年も七年も。まずその辺言いたいんですが、時間ありませんからちょっと申し上げますと、今収入の部で、いわゆる会員負担金、つまり会費ですよね、これが例えば平成九年の場合で言うと二億二千五百万円、いいですか、それしか集まっていない。しかしながら、支出の合計は三十二億五千万円。もう一度言います、会費が二億二千五百万円しか集まっていないのに、支出では三十二億五千二百万。
 どういうことかというと、ここに括弧つきの補助金、つまりKSDから横流れしたお金がどんと入っている。これが三十億円。三十億円入ってようやくとんとんになるんですよ。その事実は知っているでしょう。知っているでしょう、知りませんか。知らないなら知らないで結構ですよ。
#106
○国務大臣(吉川芳男君) 金額のすべてにわたっては聞いておりませんけれども、そういう流れになっているということは聞いております。
#107
○木俣佳丈君 ですから、私が申し上げたのは、豊明会から出たとしたって、自民党支部に、この献金はつまりKSD本体から献金がされているということじゃないですか。だって、会費でやれない、補助金でやっている、つまり括弧つきの補助金ですよ、KSDから横流れしてきた三十億、丸めてようやく収支が合う。だってそうでしょう、百億の何かをやるのに会員収入が三億しかない。九十七億赤字なのに献金する人、そんな会社ありますか。そんな会社ありますか。たくさんあってお金が余っているから政治献金しようというんでしょう。
 だから、つまり何が言いたいかというと、結局会員の収入ではやり切れない。だから豊明会からじゃないですよ、つまり財団本体から政治献金をしているということでしょう。間違いありませんか。
#108
○国務大臣(吉川芳男君) そういうふうに決めつけられますけれども、私は財団から……
#109
○木俣佳丈君 収支を見て言っているんだ。決めつけているんじゃないよ。決めつけているんじゃないでしょう。収支見て答えてくださいよ。答弁にならないよ、そんなのは。答弁になってないですよ、これは。収支を見て言ってるんだから。決めつけじゃない、あるんだから。
#110
○委員長(吉岡吉典君) 発言を求めて。今答弁中ですから。
#111
○国務大臣(吉川芳男君) 事務方から説明させてもらっていいですか。
#112
○木俣佳丈君 だめです。基本的なことですから。
#113
○委員長(吉岡吉典君) すぐ答弁できませんか。
#114
○国務大臣(吉川芳男君) 非常に詳細な数字がここにありまするけれども、その点はひとつ、これは後ほど委員にお示しをしろといえばさせますけれども、今おっしゃったようなことをにわかに、私も金の出どころはどこだという断言はできないものだと思っているんです。
#115
○木俣佳丈君 答弁になっていません。これはちょっと、再答弁願います。
 収支がきちっとあって、会員収入が要は二億二千五百万しかないのに事業規模で三十二億五千万のことをやっている。そしてこの平成九年のときに既に五千万円豊明会から自民党へ献金がされているというこの事実、ではこの五千万はどこから出ているんですかと、こう言っているわけでしょう。当然、だから会員収入からではないということは間違いないでしょう。
#116
○政務次官(釜本邦茂君) 平成十年十一月にKSDから受けた説明によれば、豊明会から自由民主党東京都豊明支部への寄附に関する支出にはKSD補助金は充当しておらず、それ以外の収入から充当しているとのことでございます。
#117
○木俣佳丈君 じゃ、どの収入ですか。具体的にお答えください。
 答えてもあれだろうからちょっと申し上げますと、例えばスポーツ関係で収入が五千百万、これ支出は、決算額、これは平成九年度ですよ、スポーツ関係で一億三千二百万、同様に旅行関係、文化関係、現代生活向上関係、女性部関係、青年部関係、いずれも決算の方が赤字になっている。どういった事業で収入が上げられるわけですか。どこを見てそれは政務次官お答えになっているんですか。つまり、断言していいと思うんですが、これは全部補助金が賄っている。つまり補助金から献金をしているのに間違いないじゃないですか。何か反論ありますか。
#118
○政務次官(釜本邦茂君) 豊明会の支出の中には、福祉事業にはKSDからの補助金は使えるということでございまして、KSDからの補助金が政治献金に流れたということには当たらないのじゃないかと思います。
#119
○木俣佳丈君 先ほどの答弁とちょっと違うんじゃないですか。事業の収入から得たお金で要は献金したと言いましたね、先ほどは。今のお答えとちょっと違うんじゃないですか。じゃ、献金はどこから出ていますか。もう一度。
#120
○政務次官(釜本邦茂君) それは豊明会への会員からの負担金だとか雑収益からしているということでございます。
#121
○木俣佳丈君 だから、何度も言いますように会員からの会費は平成九年度で二億二千五百万しかないんですよ。事業の全体の規模は三十二億五千万、一けた以上違うんです。十六倍ぐらいなんですよ。だから会員の収入から献金なんかできようがないわけなんです。企業というのは大きくもうけているからそこから企業の献金をしよう、個人も大きく、だって赤字で借入金がある人が政治家に寄附しようというのは、それこそ何か大きなおかしなことがあるからでしょう。そんなことはありようがないじゃないですか、それは常識で考えてくださいよ。
#122
○政務次官(釜本邦茂君) 豊明会の収支には、決算には三十三億ということになっております。その中の三十億ほどがKSDから補助を受けていると。それはそういう福祉事業に使われているという中の、先ほども申し上げましたように豊明会に直接入ってくる中から寄附行為をしているということで御理解していただければと思います。
#123
○木俣佳丈君 そんなばかな。金に色をつけて、こっちから入るお金はこっちへ使っていて、献金はここからするなんて、そんな会社がありますか。献金用会費ですか、これは。献金用の会費とするならば、これは規約にしっかり明言してあるわけね。どうですか、政務次官。
#124
○政務次官(釜本邦茂君) それは御指摘のとおりだというぐあいに思います。そういうところがあいまいであったために、労働省といたしましてもそれをはっきりするようにという指摘をしたわけでございます。
#125
○木俣佳丈君 これはあいまいじゃないんだな、これが。豊明会の定款、ここにありますよ。ここの中に明確に書いてある。この中に、第二章の六条(九)「中小企業支援事業」として「豊明会中小企業政治連盟の支援に関すること。」、まさに豊政連を支援するというのはこの定款の中に書いてある。こういったことが明確になっているんですよ、明確に。これを、労働省、どう思っているんですか。大臣答えてくださいよ、最高責任者なんだから。答えて。
#126
○国務大臣(吉川芳男君) 豊明会からいろいろ資金が流れているということについては私もわかりまするけれども、そのことについて直接労働省がタッチして、それがいかぬとかなんとかということにはならないと思っております。まあ、まだそのことについては聞いておりません。
#127
○木俣佳丈君 それじゃ、世の中の財団法人というのは何でもできちゃうじゃないですか、そんなこと言ったら。財団法人つくっておいて、一応そこはもう公益法人化しておいて、一つだけ幽霊団体つくって、そこをスルーすれば何でもできるという話じゃないですか。そんなばかな話がありますか、そんなのは。
 だから、要は二億の会費で三十億の事業をやっているわけですよ、赤字なんだから。赤字分を三十億補てんしているの明確じゃないですか、これ、KSDから。そして、その豊明会から要するに任意団体だからということで団体献金を自民党にしている、五千万、例えば一年間に。もっとしているところもありますよね。一億近く、八千五百万、平成七年ではしているわけですよ。これを問題だと思わないんですか。問題だと思うか思わないか。
#128
○国務大臣(吉川芳男君) それは十分問題だとは思っています。そのことについては捜査当局が鋭意調べているところでございまするから、いましばらくやっぱり時間的な猶予を与えてあげたらいかがでしょうか。
#129
○木俣佳丈君 いや、そんな人ごとみたいに言ってほしくないですよ。問題だと思っているのなら、初めからそうやって言えばいいじゃないですか、初めから。政務次官の答えと今の大臣の答え違うんだぜ、それは。政務次官は、今、事業収入の中からやったと言って、大臣はそんなこと言ってないじゃないですか、今。問題があるというふうに発言している。全くだから労働省の中で全然意見が違うことが今同時的に行われているわけですよ。こういった事態、本当におかしいと思うんですが、もう一回大臣ちょっと言ってください。
#130
○国務大臣(吉川芳男君) お金の件は連日のように新聞等に部分的に出ているわけでございまして、それを一つの流れのもとにこうなっているということについては私はまだ全部、全貌を把握するまでの報告を受けていないということを申し上げたかったわけなんです。
#131
○木俣佳丈君 何を言っているんですか。十月の六日から、きょう何日ですか、三十一日でしょう。三週間も四週間もたっているのに報告を受けてない。何だよ、監督官庁というのはどういうものなんですか。財団法人の担当の、認可した官庁というのはどういう意味だと思っているんですか。そんなもの職務怠慢じゃないですか。単なる認可を与えて、好き放題やらせると。しかも、中小企業が泣いているのにもかかわらず、そんなことお構いなしだと。これは、社会的にこれだけ問題になっているのにまだ、細かいというよりも、細かくないよ、大まかなことだって全然わかっていないじゃないか、大臣。違いますか。言ってください。
#132
○国務大臣(吉川芳男君) これは、KSDは、これは公益法人でありまするから、先ほど来私が申し上げているように事情を聞く権利もあるし、またそういう義務もあるわけでございまするけれども、豊明会につきましてはそこからまたいっているわけでございまするけれども、これはやっぱり任意団体であるということなるがゆえに正確な数字を把握することにはなれないというふうなことをひとつ御理解願いたいと思います。
#133
○木俣佳丈君 何を言っているんですか、平成五年ぐらいから既に勧告をしたと自分が言ったじゃないですか。平成五年からやっていて、今何年ですか、七年もたっているよ。七年もたっていて、それをわからない、わからないって言い続けるのが所管の官庁だと言えますか。とんでもない話だ、そんなことは。
 もうちょっと申し上げますと、この財団法人KSDは政治献金できますか。できるかできないか、イエスかノーかを答えてください。
#134
○国務大臣(吉川芳男君) それじゃ、答弁させてもらいます。
 KSDの「寄附行為」は政治献金を行うことができない旨を明確に規制しているものではありません。
 しかしながら、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」、平成八年九月二十日付閣議決定においては、「後援会等特定個人の精神的、経済的支援を目的とするもの」は「公益法人として適当でない。」とされていることにかんがみれば、公益法人たるKSDが特定個人の精神的、経済的支援を目的として政治献金をすることは適当ではないと考えております。
#135
○木俣佳丈君 ちょっと待ってくださいよ。財団法人の規約に当たるこの「寄附行為」、この中に政治献金の項目はありますか。これが上位の組織の要は規約ですよ、財団法人だったら。この中に献金していいなんて書いてありますか。だから、行政権限じゃないだろう、そんなのは。何を言っているんだ。そんなでたらめなことを言うな。
#136
○国務大臣(吉川芳男君) それは、確かにしちゃいけないとも実は書いていないわけでございますが、してもいいとは書いていないんですね。
#137
○木俣佳丈君 軍隊のネガティブリストじゃありませんから、これをしちゃいけないなんて規約に書くばかはいますか。ふざけたことを言わないでください。
 「寄附行為」というのは、こういうことをしましょう、ああいうことをしましょうと、目的とその事業について書いてある会社の定款ですよ。この中に入っていないと言っているのに、しちゃいけないとは書いていないなんて何を言っているんですか。全くわかってない。
 この「目的」、「この法人は、中小企業における災害防止活動を促進し、及び労働条件の改善、国際化等に対応した人材の育成を図る事業に対する助成を行うほか、中小企業に係る災害補償を実施し、もって中小企業の健全な発展と福祉の増進に寄与することを目的とする。」、これが財団のミッションステートメントですよ。これがミッション、使命でしょう。使命を果たしているのは何割だと思っているんですか。たったの二八%、三割弱しか支援をしていない、使命を果たしていないのに財団法人格をずっと与え続けている。こんな財団はあり得ますか。
 一般的に言われて、これは行政権限内だと伺っておりますが、四五%から五〇%この目的に沿った事業をしない財団というのは、財団法人について疑義を有するというものが普通の一般的な常識です。これについてどう思いますか。
#138
○国務大臣(吉川芳男君) 大変詳しく御指摘でございますが、委員長、いかがでございましょう。この問題について、政府委員の……(発言する者あり)
 この災害補償の給付につきましては、災害の程度等に応じた補償内容や請求手続を定めている事業団規約に基づき、補償委員会を開催して公正に支給決定を行うなど適正に運用されているところであり、その結果として災害補償の支出が三〇%となっておるということを承知しております。
#139
○木俣佳丈君 話にならないので、きょうは警察と特捜を担当する法務省の政務次官にも来ていただいております。特定事件ですのでこの件に詳しくお答えすることはされないと思いますので、ちょっと仮説を置いて、これについてどういう犯罪行為になるのかお答えをいただければと思っております。法務政務次官さん。
 例えば共済会費ということで、このとおりにしましょう、月額二千円を払った、年額二万四千円、そしてこの共済団体が要するに全然規約にない政治献金をしていた、つまり流用ですね。この場合には、この仮説にはどういう犯罪が生じるとお答えになりますか。
#140
○政務次官(上田勇君) 今、委員からもお話がありましたけれども、個別具体的にお答えするわけにはまいりませんし、犯罪が成立するかどうかというのは、収集された証拠に基づいてその罪に当たるかどうかが判断されるべき事柄でありますので、その事例について詐欺罪等が成立するかどうか具体的にお答えすることというのは難しいわけでありますけれども、あくまで一般論として申し上げれば、こうした報道等で詐欺罪等に該当するのではないかというようなことがありますが、あくまで一般論として申し上げれば、詐欺罪というのは人を欺いて財物を交付させた場合に成立することがあるものだということでございます。
#141
○木俣佳丈君 今言われたように、まず詐欺罪にこの仮説のケースは当たる。まさにKSD、この財団は詐欺罪、そしてまた理事長においては、これはまさしくこの定款にない、つまり「寄附行為」ににない行為をしていた、ですからこれは背任に当たる。背任行為でと新聞紙上に出ていますよね。こういうことだと結論をつけたいと私は思うわけでございます。
 さて、そういった中でいろんなマスコミの方々がかなり綿密に調査をされております。これ週刊朝日さんが非常に熱心にやっていらっしゃいますね、こういうふうに。「疑惑全真相」「六カ月 ぶっちぎりスクープ」という題で挙げていらっしゃいますが、この中で、きょう委員会の方にも私も御氏名を挙げました労働省の伊藤事務次官、お答えをいただきたいと思っております。
 この新聞の中で、お歳暮をいっぱいもらったと。特にハム、九一年には、「ハムの値段は四ランクに分けられており、「特」は二万七千円、「A」は九千円、「B」は七千二百円、「C」は四千五百円。当時の大臣、元大臣、事務次官が「特」、官房長、局長、部長、課長が「A」、課長補佐は「B」、「C」はその他。贈り先は労働省だけで約四十人にのぼった。大蔵省は六人。」、こういうことを書いてありまして、この中に、九一年当時、総務課長である伊藤庄平さんが上がって、リストを掲載してあります。
 この御記憶があるかどうか、事務次官にお答えいただきたい。事務次官にお答えをいただきたい、委員長。
#142
○委員長(吉岡吉典君) 事務次官については、政府参考人としての決定になっておりませんので、本日出席しておられません。
#143
○木俣佳丈君 ちょっとこの場をおかりして申し上げたいのは、これ国会をまさにジャックしている状況が今の労働省であると私は申し上げたいと思います。ジャックしているというのは乗っ取っている。全くファシズムですよ、こんなことは。
 きのうの夜、私は参考人を呼ぶべく事務次官に通告をしました。この案件で質問をしたいから事務次官を呼んでいただくように、これを労働省に言った。しかし、きょう朝来てびっくりしました、理事会で。参考人招致のこの案の中には労働事務次官の名前が一切入ってない。これはだれがやったんだ。こんなことが国会史上あるんですか。通告をしておるのにもかかわらず、その名前が入っていない。理事会にかける前に割愛している。これ、だれがやったか、大臣、答えてください。
#144
○国務大臣(吉川芳男君) 私は、そのことについては全然知りませんでした。
#145
○木俣佳丈君 知らないで済まないでしょう。国権のこの権利を要は勝手にだれかが割愛している。こんなことがあるんですか。労働省の大将じゃないか。おかしいと思いませんか、それは。おかしいと思いませんか。国政調査権をゆがめているんですよ。まさに、国会議員を軽視して、国政調査権を軽視している。憲法違反じゃないか、そんなことは、全く。この委員会のことを何だと大臣は思っているんだ。だから、なぜ次官が出てこないんだ。出てくる前になぜこれに載らないんですか。
#146
○国務大臣(吉川芳男君) 私は、ちょっとこの委員会が始まるのが少し数分おくれたので、その理由についてちょっと聞きましたけれども、それまでは知らなかったわけでございまするから、ひとつ呼ぶの呼ばぬのというのはこのやっぱり理事会の決定によるものでないかと思いますがね。
#147
○木俣佳丈君 私はそんなことを言っているんじゃない。この参考人名簿の案の中に私が要請した伊藤事務次官の名前がないということなんだ、まず、それが第一番目。
 そして、理事会の中で、これは国会の慣例だそうですね。私も新参なものですからわかりません。事務次官を呼んでいけないなんというそんな国会法があるんですか。憲法にそんなことが書いてあるんですか。国政調査権は事務次官には波及しないというそういうあれがあるんですか、規定が。だから、ちょっと大臣。
#148
○委員長(吉岡吉典君) 今の問題については理事会で協議していきたいと思います。
 したがって、どうですか、一たんちょっと待ってもらって。
#149
○木俣佳丈君 質疑ができません。(「委員長、とにかく時計をとめて、速記をとめてください」と呼ぶ者あり)
#150
○委員長(吉岡吉典君) じゃ、速記をとめてください。
   〔午後零時二分速記中止〕
   〔午後零時十八分速記開始〕
#151
○委員長(吉岡吉典君) 速記を起こしてください。
#152
○木俣佳丈君 この週刊誌に事務次官がお答えいただいて、明確な数々の情報があるにもかかわらず、国会の因習で、習慣として、ならわしとして事務次官がこの場にお出になれない、こういうことであるならば、我々は事務次官に対しまして、委員長、証人喚問を要請いたします。要求いたします。
#153
○委員長(吉岡吉典君) ただいま木俣君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議いたします。
#154
○木俣佳丈君 先ほどの質問の続きでございますが、KSDから特、A、B、Cに分けてお歳暮が届いていた、この事実は何年まで続いたか、大臣、お答えください。事務次官にかわってお答えください。
#155
○国務大臣(吉川芳男君) 大分前から継続していられるようでございますけれども、何年から何年まであったかということについては、私は了知しておりません。
#156
○木俣佳丈君 そんなことじゃ、だから事務次官のかわりにならないじゃないか。政務次官。
#157
○政務次官(釜本邦茂君) 大分以前から数年前までというやに聞いておりますが、その期日がいつからいつということは私にはわかりません。
#158
○木俣佳丈君 これは通告していますから、何年まであったかお答えください。事務次官のかわりですよ、皆さん。事務次官のかわりに大臣か政務次官がお答えに──局長、要らない。通告していないんだよ、通告してないんだ。要らない。だから答えなくて結構です。委員長、だから指名しないでください。委員長、指名しないでください。
#159
○委員長(吉岡吉典君) 指名していませんから。
#160
○政務次官(釜本邦茂君) そのようなことはわかりません。
#161
○木俣佳丈君 調べてください。通告してあります。
#162
○委員長(吉岡吉典君) 午前の会議はこれまでとしまして、午後一時二十五分まで休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十九分開会
#163
○委員長(吉岡吉典君) ただいまから労働・社会政策委員会を再開いたします。
 この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 労働問題及び社会政策に関する調査のため、本日の委員会に労働事務次官伊藤庄平君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#164
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#165
○委員長(吉岡吉典君) 休憩前に引き続き、労働問題及び社会政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#166
○木俣佳丈君 午前に続きまして質疑を続行させていただきます。
 事務次官、お着きでございます。事務次官のかわりに大臣、政務次官がお答えになるということをおっしゃっていたんですが、事務次官がまさに時間があったようでございましていらっしゃったということなのですが、冒頭、どのようなお気持ちなのか、こうして国会に呼ばれること、今までなかったということなんですが、ちょっとお答えいただけますか。
#167
○政府参考人(伊藤庄平君) このKSDの問題につきましては、私、担当局長のころからいろいろと問題点について指摘し、前理事長にも指導等も行ってまいりました。結果的には、いろいろ報道等にありますように、お騒がせする事態になっていますことを大変残念に思っております。
 そうしたこともございまして、当委員会に私出席を求められましたわけでございますので、御質問にも誠心誠意お答え申し上げたいと存じます。
#168
○木俣佳丈君 次官がお出になったのは、次官御自身の御意思なんですか、それとも委員から要請があったからということですか。今、許容されたからお出になったというふうにお答えになったと思うんですが、どちらでございますか。
#169
○政府参考人(伊藤庄平君) 私ども役人は国会の方から委員会等に出席を求められればいつでも出席する構えでおりますので、そうしたことで国会の方の決定があって出てこい、また質問等にもお答えをしろと、こういうことであればいつでも出てくる覚悟でおりました。
#170
○木俣佳丈君 きのうの時点で私が労働省の方に次官に出てきてくれというふうに伝えたのは伝わっておりますか、次官に。
#171
○政府参考人(伊藤庄平君) 先生がそうした点を要求されているというふうには伺っておりました。ただ、私ども、政府参考人の立場で出席いたしますので、当委員会ないしは理事会においてそうしたことが決定されるかどうかというところを私ども待っておった次第でございます。
#172
○木俣佳丈君 いや、これ組織的な犯行というか行いなのか、ちょっと伺いたいんですけれどもね。私が要求したんですよ。しかし、要求したけれども、理事会に出てきたその要請のリストの中には次官のお名前も影も形もなかったわけなんですよ。
 だから、こういった問題について次官はどのようにお考えになりますか。国会の理由なのか、それとも労働省の理由なのか、ちょっと伺いたいんですけれども。
#173
○政府参考人(伊藤庄平君) ただいまのリストについては、私、承知いたしておりません。私どもとしては、先生からそういう要求があったということで、ほかの用務等もいろいろ勘案して、全部キャンセル等もいたしながら、当委員会の理事会でどういう運びになるかを待っておった次第でございます。
#174
○木俣佳丈君 いや、承知していないというよりも、最高責任者ですよね、事務方の、執行部のですね。要は、全体の責任者として、それを知らぬ存ぜぬで、それが通じるんでしょうかね。つまり、労働省から政府委員の方に来たその資料の中にそれが入っていなかった。それは労働省側の責任だと思いませんか。どう思いますか。
#175
○政府参考人(伊藤庄平君) 参考人のリストという点についてのお尋ねだと思いますが、そうしたものについて、委員会の方から求めがあれば局長等の氏名を書いて出すことはあるかもしれませんが、そうしたリストを私どもが理事会等に提出するものとして作成することはないんではないかというふうに思っております。
#176
○木俣佳丈君 いや、今まで慣例上、習慣上、事務次官が国会の場で御答弁されることはないというふうに言われたんですが、それは事実ですか。
 それで、それが事実だとすれば、それをどのようにお考えになりますか。しかも、この事実、週刊誌にはお答えになって、国会で御答弁されたくない。いや、されたくないというより今呼ばれていないという話なんですが、呼ばないのか呼ばれていないのか、労働省の中でそれを調整されたかわかりませんが、そういった今までの慣習について破らなきゃいけないと思うんですが、いかがお思いになりますか。
#177
○政府参考人(伊藤庄平君) 中央省庁の事務次官は、大臣あるいは総括政務次官をいろいろ事務的に補佐申し上げながら、省全体の動向等についていわば統括をしてまいる立場でございます。
 第一義的には各局の局長が責任を持ってそれぞれの局の事務をまとめ上げて推進していくわけでございますので、第一義的には恐らく国会等で答弁申し上げるのは担当局長が最適であるというふうなことで、私ども事務次官は、通常、委員会等には出席して答弁申し上げない、直接携わっている担当局長が責任を持って申し上げるのが一番最適であろうということで、今までこうした形で進んでいるものと理解をいたしております。
#178
○木俣佳丈君 それじゃ、きょうお越しの局長さんの中で、ハムをもらった方はいらっしゃいますか、この中で、じかに。いらっしゃったら御答弁ください。お歳暮、KSDからハムをもらった人、九一年当時。
#179
○政府参考人(伊藤庄平君) 平成三年のお歳暮リストに私の名前があることは先生御指摘のとおりでございます。私としても、正直申し上げて詳細な記憶はないのでございますが、そうしたリストがある以上、大変うかつだった、遺憾なことであるというふうに思っております。
 また、その後、私自身が、現に行ってまいりましたように、KSDに対しましていろいろ指導等を行う立場になった後の軌跡を考えますと、大変そのうかつさに自分自身恥じ入る気持ちでおります。
#180
○木俣佳丈君 いや、そうじゃないですよ。事務次官に伺っているんじゃなくて、きょうお越しの局長の方々で、要はハムをもらった人はいますかと僕は聞いているわけ。いらっしゃったら前へ出て御答弁いただきたいと、そういうことなんですよ。
#181
○政府参考人(野寺康幸君) 労働基準局長でございます。
 私もその週刊誌に載っておりますリストに名前が載っているようでございます。
#182
○木俣佳丈君 いずれにしましても、次官、今ごろ出てきていただいて、私は非常に変な気持ちがするんですよ。次官のことをまさにじかに話さずに、大臣、政務次官が次官のことを答弁する。全く本末転倒というのはこういうことだと思うんですが、これは大臣、どう思われますか。次官のことを大臣が答える、こういったあり方についておかしいと思いませんか。ちょっと大臣。
#183
○国務大臣(吉川芳男君) 午前中からの御質疑でございまするけれども、そういう事態にはなっていなかったと思うのでございます。
#184
○木俣佳丈君 どういう事態ですか。何を認識しているんですか。大臣、だから、寝てんじゃないのか、そんなのは。おかしいじゃないですか、そんなのは。(「暴言だよ、それは」と呼ぶ者あり)
#185
○国務大臣(吉川芳男君) ハムの問題とか……
#186
○木俣佳丈君 違いますよ。まだ質問中です。何を言っているんですか。朝から、大臣か政務次官が次官のことについて答弁するというふうに言われたんですよ。私は通告はお二人にしかしていない。それについてどう思うかと聞いたら、午前中とは違うとはどういうことなんですか。どういうことか答えてくださいよ。
#187
○国務大臣(吉川芳男君) 私もこの理事会の取り運びについて仄聞をして、あなたが要求なさった事務次官が出てこられて円満に議事が始まるのはいいことだなと思って待っておりました。
#188
○木俣佳丈君 この事件の本当に重要さというか深いやみの部分というのか、そしてまたこれは大問題で、百万人の中小企業者、三百五十万人の国民を巻き込んでいる事件、そしてまた全くおかしなところを、任意団体を通ってやみの献金がされている。まさに詐欺行為、きょう、朝言われたじゃないですか、法務政務次官が、詐欺であって背任。こういったものを、何をそんな寝ぼけたことを言っているんですか、大臣。そんな思いだから、いつまでたってもこの件が全然進まないじゃないですか。
 労働省は何年からこれを知っていたか、ちょっとこれを事務次官お答えください。これが問題があるという指摘をいつから知っていたか。
#189
○政府参考人(伊藤庄平君) 週刊朝日のインタビューに対する私の答えに即して申し上げるべきだろうと思います。この取材につきましても急な形で受けましたし、記憶をたどりながら担当記者の方に話をいたしました。また、週刊朝日の方の私の答えぶりについての表現も必ずしもそのままではないということを前置きさせていただいて、その点御理解をいただきながらお話を申し上げたいと思います。
 私がKSDについて問題認識を持ちましたのは、正直言いまして、たしか平成五年、六年にかけてだと思いますが、当時、このKSDの創業時に前理事長古関氏と一緒に仕事をしていた者が、その後、その段階でいろいろといさかいがあったようでございまして、古関氏をやめさせるべきだということで私のところへ参りました。
 その際に向こうから指摘がありましたことは、一つは、関連会社等をつくって私物化する形が見え始めているということが一つ。それから、信用金庫の業務範囲を超えた形の会員の募集があるのではないかという点が一つ。それから、私が記憶している限りではもう一つ、ただいま先生が御指摘になりましたお歳暮リストを持って、こうした形で私にも、おまえも名前が載っていると、こういうことを挙げて、古関氏と自分とのいわば橋渡しないしは古関氏をやめさせることを私に求めてまいりました。そのこと自体は非常にいさかいの段階にございましたので、冷静に私どもも対応しながら、ただそうした背景が事実だとすれば、やはり公益法人として問題もあるので、その時点でそうしたことのないように古関氏に対してまず指導したことが、記憶の、そうした認識を持ち始めた最初でございます。
 それから、その後私は、それは平成六年当時でございますが、その後担当の職務を離れておりましたので、また労働基準局長として戻りましたのが平成八年の後半でございますが、そのころに八年から九年にかけまして、一つは内部投書の告発等も正直ございました。KSD会館と呼ばれているもの、当時は迎賓館と呼ばれているものでございましたが、そうした計画、あるいは豊明会に出されている補助金の経理区分がなされていない、そういうところからくる不透明さ、こういうことについての内部告発もございました。また、先ほど申し上げた男性が再度私の方に参りまして、選挙管理委員会の方に届けられている献金の所在について私に指摘をしたこと等がございました。そうしたことをこの週刊朝日の記者の方にも申し上げ、その時点でまた古関氏も呼んだり、担当者が説明聴取を行ったりということを行った経緯をお話しをいたしました。
#190
○木俣佳丈君 今、事務次官が九三年か四年かということなんですが、これは労働省からもらった資料だと、初めに立入検査をしたのが平成五年の三月二十五日、平成五年の三月。ところが、こちらで言っているのが、記者が言っているのは、「伊藤さんが審議官だった九四年に、」と、「九四年の五月が最初だったと思う。」と。これ事実が違うでしょう、まず。これはどっちですか。
#191
○政府参考人(伊藤庄平君) 記者の方は私にそういう話を持ち込んだ人がいるがという質問でございましたので、それは私がKSDとかかわるといいますか、KSDの存在を認識したのは担当した審議官のときが最初でございますので、その時点から話を申し上げたわけでございます。
 ただ、そこにあります九四年五月というのは、私の記憶にあれば、自分でそうした時期をはっきり記憶しておりませんので、申し上げた記憶は正直ございません。
#192
○木俣佳丈君 いえ、これおかしいですよ。だって、記者の方が「九四年に、」、こう言ったら、次官の方が「九四年の五月が最初だったと思う。」と明確に答えているわけですから、これはおかしい、非常に。
 それから、その後、「KSDから豊明会に流れている二十億から三十億円の補助金の使途が不明瞭になっているという指摘だった。」と。これは実際、このころから、平成五年当時から不明瞭になっているということは気づいていたんですか、気づいていないんですか、どっちですか。
#193
○政府参考人(伊藤庄平君) その記者に申し上げたのは、その点、不正確に記述されている部分であろうと思います。
 先ほど申し上げましたように、繰り返しになりますが、その古関氏といさかいの段階にあった男性が最初私のところに来た時点で話があったこととして私が記憶しておりますのは、さっき申し上げた三点でございます。それは私物化する傾向が出てきている、それから信用金庫の業務範囲を超えて会員募集があるのではないか、それからお歳暮等を出していると、こういう三点でございました。
 それで、KSDと福利厚生事業等を会員のために実施している任意団体である豊明会との関係について、二十億ないし三十億の補助金が出ている、その中から豊明会の方が政治献金をしているのではないかということで、選挙管理委員会の資料等を私に提示したのは私が局長になってからでございまして、実際は、私の記憶詳細でございませんが、早くとも平成八年の後半、多分平成九年に入ってからではないかというふうに記憶をいたしております。
 その辺がこの豊明会との関係について私が明瞭な認識を持った最初でございます。
#194
○木俣佳丈君 ちょっと不明確なので、いつごろから二十億、三十億というこの使途不明金があるというふうに思われたか、もうちょっと言ってもらえますか。
#195
○政府参考人(伊藤庄平君) 二十億、三十億の使途不明金と言われますと、私、週刊朝日にそうした点で答えたことは正直ございません。
 私どもの問題意識は一貫して、KSDから福利厚生事業を会員のために実施する任意団体である豊明会に二十億ないし三十億の補助金がある、その中から政治献金がなされているのではないかという指摘に対しまして、それはいろんな説明はありましたけれども、経理区分をしない限りそうした指摘に対してやはり説得力を持った説明にならないんだということを指導していたのは、私は平成八年から九年にかけて、その後も引き続き行いましたけれども、そのころが最初であるというふうに私は認識をいたしております。
#196
○木俣佳丈君 ちょっと今の答弁も全然、労働省から指導監督状況というのでこれもらっていますが、今言われた八年、九年なんて一個も書いてないですよ、ここに、何やっていたかなんということは。平成十年の十一月に初めて、「豊明会におけるKSDからの補助金の使途の明確化」と、こう書いてある。それ以前は何にもないんだよ。何にもないのに何かやったなんということを、今さら何ですか、それは。国会の場で何を言っているんですか。これが労働省の報告書だよ、これ、国会に、議院に出してきた。これはどういうふうに考えるわけですか、次官は。
#197
○政府参考人(伊藤庄平君) 何にもないことは今申し上げたとおりないわけでございまして、私どもそうした問題に対して内部告発あるいは外部からのそうした指摘を受けまして、KSD、そこに福利厚生事業を目的として流される補助金の使途の明確化といいますか、いわば経理区分をするようにということはかねて言ってきていたわけでございます。
 私の記憶によれば、先生御指摘の点は、平成十年になりまして、さらに国会サイドの方からもそうした政治献金についての問い合わせが正直ございました。そうしたこともやはり経理区分ができていないからそうした問題が指摘されるということで、私どもその段階でまた重ねて指導し、国会の方にも先生にも報告した経緯がございますが、その際にいろいろ、十一年度に向けては経理の明確化に努めたいというような返事もKSDから出されて対応した記憶がございます。
 そうした点の、今申し上げた最後の点を先生は御指摘になっているんだろうというふうに思います。
#198
○木俣佳丈君 大臣にちょっと伺いたいんですが、何年から問題があったか、それだけ。問題があると指摘をし始めたか、それだけちょっと聞きましょう。──何でそんなことわからないの。だから、早く答えてよ。
#199
○国務大臣(吉川芳男君) 事柄の真否を確かめる意味におきまして、局長から答弁させていただきます。
#200
○木俣佳丈君 何を言っているんだよ。疑惑がいつからあったかだよ。だめです、委員長、これは。そんなのだめ、局長も手を下げて。そんなの、だから大臣が答えなきゃだめだ。
#201
○政府参考人(野寺康幸君) 事実だけ……
#202
○木俣佳丈君 だめ、だめ、だめ、そんなの事実じゃないよ。細かなことじゃないじゃないか。だめですよ、理事、これはだめ、そんなの。何を言っているんだ。
#203
○政府参考人(野寺康幸君) 私の後で大臣から……
#204
○木俣佳丈君 いつからと聞いているんだから、次官が今言ったじゃないか、いつからというのは。聞いていればわかるだろう、そんなのは。何言っているんだよ、だめだ。だめ、だめ。
#205
○国務大臣(吉川芳男君) 平成六年ごろから豊明会への補助金の使途について不明瞭な部分があるから、古関理事長に対し経理を明確化するよう指導してきたところであります。
#206
○木俣佳丈君 それじゃ、大臣、平成十年のときはまさに不明瞭だということは明確になったわけね。平成十年。
#207
○国務大臣(吉川芳男君) 平成十年十一月十二日にはKSD理事を出頭させ、KSD豊明会に対して支出されている補助金の使途の明確化、豊明会の経理に関し、KSDからの補助金とそれ以外との区分経理を指導したものであります。これに対して、KSDからは一層明確な管理を進めていくということの返事がありました。
#208
○木俣佳丈君 平成十年の時点で何があったかというと参議院選挙なんですよ。だから、平成九年に大体選挙運動というのは始まるらしいんですが、こういったものは見たことありますか。(資料を示す)これは、「中小企業経営問題議員連盟幹事長」、「私たちは村上正邦先生を支援します」、「KSD豊明会会長古関忠男」と書いてある。これは見たことありますか。
#209
○国務大臣(吉川芳男君) 私は見たことはございません。
#210
○木俣佳丈君 何を調べているんだよ、所管の官庁として。今まで問題があると言ったじゃないか。平成六年から問題があると言ったじゃないか、あなたが今。今、現に言っただろう。その問題のところが、関連したところがこういったものを出しているのに、知らない存ぜぬで通じますか、大臣、ちょっと聞きたい。それは責任者に聞きたい、責任者に、大臣。
#211
○国務大臣(吉川芳男君) 豊明会のそれは政治活動の一環と見ていいと思うのでございまして、労働省とは関係ないと思います。
#212
○木俣佳丈君 ちょっと待ってよ。だから、財団が問題がなくても豊明会と財団の経理に問題がある、その所管が労働省だ。そこまではっきり言った。そして何年からある、平成五年か六年から問題がある。平成十年の時点、九年の時点では必ず問題がある。そういうふうに明言したじゃないですか。労働省は所管じゃないじゃなくて、所管中の所管ですよ。豊明会へ不正な経理があるという指摘をしているわけだから、何でそんな逃れるんですか、大臣。
#213
○政府参考人(野寺康幸君) ちょっと事実関係を……
#214
○木俣佳丈君 大臣ですよ。だって、それはおかしいじゃないか、そんなの。大まかな話じゃないか、事実関係じゃないよ。
#215
○政府参考人(野寺康幸君) その後で申し上げます。
#216
○木俣佳丈君 だめ、だめ、だめ、局長。委員長、大臣が答えるよう言ってくださいよ、これ肝だもの。だめだよ、そんなの。大臣答えろよ、そんなことは。何でそんなことわからないんだ。自分が今まで並べたエビデンスからすれば絶対おかしいじゃないか。
#217
○国務大臣(吉川芳男君) 平成十年というふうに限定されますけれども、そのときにそういう選挙、事前の文書が出ているということについても私は知りませんでした。知らないのを知らないと言っていいじゃないですか。
#218
○政府参考人(野寺康幸君) ちょっとだけ……
#219
○木俣佳丈君 要らないですよ、要らない。
#220
○政府参考人(野寺康幸君) 事実関係のところだけ答えさせていただきたいと思います。
 先生御指摘でございますけれども、あくまで私どもは豊明会という任意団体にKSD本体から補助金が行っている、その補助金が適正に使われているかという観点からの監督指導責任があるわけでございます。
 そういう意味で、KSDの方から例えば平成十年の補助金に係る収支計算書を出させておりますが、これを見る限り政治活動に使ったという記載はございませんので、当方としてはこの件に関しましては豊明会独自の判断でおやりになった政治活動であるというふうに考えております。
#221
○木俣佳丈君 局長、さっき午前中の審議を聞いていたんでしょう、そんなことよくも言えたね。豊明会の収入が二億二千万、平成九年でも。使ったお金が三十二億ですよ。どうやってやるんだ。補助金があったから、そういうふうにできたんでしょう。しかも、この豊明会をスルーして自民党の豊明支部に献金されているんだから。こんなの事実無根と言えるわけないじゃないか、そんなの、そうでしょう。
#222
○政府参考人(野寺康幸君) また事実関係であると思いますので、お答え申し上げます。
 確かにKSDから豊明会に三十億近い金が流れております。それから、豊明会自身の自前収入と申しますのは、これもたびたびお答え申し上げておりますけれども、会員のいろんなイベントにおける負担金、それから雑収入といったものでございまして、これは大体年によって違いはございますけれども、二億数千万という金額でございます。
 先生御指摘の政治資金といいますか政治寄附、これは金額的には数千万というふうに承知いたしておりますので、この自前収入の中から支出したというふうに我々は報告を受けておりますので、問題はないというふうに考えております。
#223
○木俣佳丈君 だから、朝言ったように、これ、収支報告を見れば言えるんだけれども、朝は政務次官、違うことを言ったんだよ、事業収入からそうやって出したと言っているんだ。今、会費収入からでしょう。もうころころころころ変わっているのよ。統一見解が全くないんですよ。全くないんだよ、それは、全くないんですよ。
 だって、いいですか、会費収入が二億二千万しかないのに三十二億の事業をやるんですよ。補助金が三十億KSDから行っていて、そこから五千万、平成九年だと、記憶によれば、五千万行っているんですよ。それで結局、補助金から行ってないよ、お金に色はないと言うかもしれないけれども、普通の考え方で考えてよ。借金をたくさん抱えていて補助をもらわなきゃいけないような機関が、だから補助金をもらっている例えば企業は、または補助金をもらっているところは献金できないでしょう。当然じゃないですか。収益の方が少なくて支出の方が多いのに、何でしかも政治献金できるんだよ。そんなばかな話があるか。それ自体が監督権者としておかしいということを言ったんです。
 そんなことを言っていると時間がなくなりますから、とにかく今のおかしいと言っていたところがこうやって出しているわけだ、村上さんのこの名簿を集めましょうということで。これは、「ご協力頂きましたこのご署名は、自由民主党内における参議院比例代表区候補の順位を決めるための資料となります。」、「なお、この署名を頂いた方にご支援確認のお電話が来年三・四月頃までにかかる事がございます。その際には、@自由民主党を支持する。A村上正邦先生を支援(推薦)している。以上のようにお答え下さいますようお願い申し上げます。」と、こういうふうな御丁寧な手紙をつけて送っているんだよ、豊明会が。問題のこの任意団体が送っているんだよ、大臣。今わからないなら、これ見てください、どうぞ。これについてどう思うか。
#224
○国務大臣(吉川芳男君) 政治はおよそ公明正大に堂々とやれるのが一番いいと思っているんですね。ですから、この団体もだめだ、この団体もだめだということじゃなくて、やっぱり労働省、本体はそれはできないことはよくわかりますけれども、豊明会支部というのは、任意団体でやっていらっしゃるそうですから、私は悪いことだと思っていませんですね。
#225
○木俣佳丈君 全然違いますよ。「KSD豊明会会長古関忠男」と書いてある。任意団体の「KSD豊明会会長古関忠男」と書いてある。どうですか。
#226
○国務大臣(吉川芳男君) それはたまたま古関忠男さんが両方の理事長、会長をなさっていると。しかも、定款上だか何か私ちょっと記憶には、KSDの会長は即この豊明会の会長になるというような仕組みになっているようでございまして、その方の名前が出たからといって、これはいかがなものでしょうか。
#227
○木俣佳丈君 御自分で言っていることを整理して物を言ってくださいよ。今の、今までKSDと豊明会がぐちゃぐちゃになっているからおかしいと言ったんでしょう。
#228
○国務大臣(吉川芳男君) それは経理部門じゃないですか。
#229
○木俣佳丈君 経理部門がぐちゃぐちゃということは、要は人的な役員ももうぐちゃぐちゃに重なっているんですよ。そんなこと知っているでしょう。それがおかしいと言っておきながら、自動的になるんだからしようがないって、そんなばかな話がありますか。全然論理的じゃないよ、そんなことは。
 しかも、これが送られてきた人たち、証言がいろいろありますよ。例えば、天下の公器に載った証言だけでも、十月七日朝日新聞、知らないうちに自民党員になっていたというんですね。KSD会員の神奈川県内の建築会社社長六十歳、この人も、自分が知らない間に自民党総裁選の封書が飛んできて、投票してください、こういうことを言われたそうですよ。
 そしてまた、これは五月五日、総裁選前や村上正邦さんの参議院選挙前になると、豊政連が中心になって大量に架空の党員をつくった。古関理事長の指示ですよ。こういう話がずっとあって、自民党費九万人分を負担していたというのが新聞にずっと載っている。そしてまた、我々も今全国でこれを調査しています。
 では、これについてどう思いますか。
#230
○政府参考人(野寺康幸君) ちょっと事実関係を。
#231
○委員長(吉岡吉典君) 先に大臣に。
#232
○国務大臣(吉川芳男君) 政治活動が自由であると同時に、あなた様が一定の立場でもって調査をなさっているということもこれは自由だと思います。
#233
○木俣佳丈君 大臣、ちょっと伺いたいのは、無断で名前を使うことが政治活動なんですか、政治活動が大事だといって。無断で使われたという数々の証言があるのに、それが大事なの。どういう大臣ですか。だから、どういうあれなの。何を言っているの。
#234
○国務大臣(吉川芳男君) 無断で使ったとか人の名前を使ってやったんだということについては、私らはそんなことは知りませんですね。
#235
○木俣佳丈君 だめだよ、そんなの。質問できません。質問できない、そんなの。ちょっと理事、質問できません、ちょっと全然もう。
#236
○委員長(吉岡吉典君) 吉川労働大臣、つけ加えることはありませんか。
#237
○木俣佳丈君 そんなの知らないはずがないじゃないか。ずっと新聞を追って見てみろよ。(発言する者あり)
#238
○委員長(吉岡吉典君) 不規則発言はやめてください。
 吉川労働大臣に再度、ちょっと静かに、再度あれですが、今質問者は、人の名前を勝手に党員として使ってやることをどう思うかという質問なんです。それに対して再度答弁をしていただきまして。
#239
○国務大臣(吉川芳男君) 人の名前を勝手に使うということは、原則論からいえばそれはよくないかもしれません。しかし、政治活動はやっぱり相手の人にも、自分は村上先生を支持しているという人ならば、何とか当選してもらおうというつもりで、あなたも入っていただけませんかということまで、それはいかぬというぐあいにはいかぬのじゃないですか。
#240
○木俣佳丈君 時間がございませんが、大臣、今の雇用の状況とか中小企業の状況を考えた答弁に全然なっていないと私は思いますよ、本当に。
 私は大臣の辞任を求めて、質問を終わりたいと思います。
#241
○但馬久美君 公明党の但馬久美でございます。
 私は、繊維業界の危機問題、そして介護労働問題、そしてシックハウス症候群に関する問題、この三点についてお伺いいたします。
 まず、繊維業界のこの危機的な状況を、先日、中部そしてまた京都、兵庫の方々が来られまして、いろいろ問題を持ってこられました。それを伺いまして、私、非常に心を痛めております。
 それを前提といたしまして、先般、十月の初旬に、東南アジアなどの輸入攻勢に圧倒されている国内繊維業界が、繊維の産地の市長や町長、そしてまた商工会などの関係者の参加を得て、約三千人の産地危機突破大会というのを都内で開催いたしました。そのまま国会にその方々が来られまして、いろいろ訴えておられました。
 経営危機よりもさらに重い産地危機という、ここまで来たかというようなことを感じておりますけれども、繊維産業は、戦後いち早く復興のために、輸出の増進とそして国民の衣料の確保のために、我が国の経済の自律的発展のために大きく貢献してきたことはもう言うまでもありません。さらに、大半が中小企業で、全国で繊維産地を形成し、地域産業にも大きな役割を果たしてきたところであります。しかし、一九七〇年代を境に、米国を初め欧州の輸入規制に加えて、東南アジア諸国の繊維産業の追い上げによって、我が国の繊維産業は内外においても後退を余儀なくされてきているのが実情であります。この辺の状況について、まず通産省からお答えをいただきたいと思います。
 なお、繊維業界の要望は、欧米先進国並みの輸入規制、輸入制限措置ですね、これを講じていただきたいというのがその要望の趣旨でありましたけれども、こうした繊維産地の状況を察知して通産省としてはどのような対応を図ろうとしていらっしゃるのか、まずお伺いしたいと思います。
#242
○政府参考人(林良造君) 通産省の生活産業局長の林でございます。
 ただいま但馬委員から御指摘ございましたように、大体昨年からことしにかけまして、中国からの繊維の二次製品、織物と言われますいわゆる衣類でございますが、その輸入が、大体年率、前年比二〇%前後の増という形で急増しております。この結果、繊維産業、とりわけ御指摘ございましたように、産地の中小企業が深刻な影響を受けておる事態は今お話にあったとおりでございます。
 このような輸入急増の背景でございますけれども、消費全体が冷え込んでおるというサイクル以外のものに加えまして、消費者の志向が変わってきたというような経済的な大きな変化、あるいは特に中国の繊維産業の品質が向上してきたというようなことがあると考えております。また、輸入の内容をつぶさに見てまいりますと、現地でむしろ我が国企業が生産をし、日本向けに輸出するというケースが多いというような、やや複雑な要因を持っておるというふうに認識してございます。
 こういう状況でございますので、本年四月から繊維産業界各団体と、それから通産省でタスクフォースをつくりまして、今まで十回の議論、あるいは中国に行き、米国に行き、欧州に行きという調査を重ねてまいっております。
 そのような検討のプロセスで明らかになってきた点といたしまして、一つは輸入急増に対応するための通商面での対応だけではなくて、むしろ、アメリカ、ヨーロッパの繊維産業が同じようなことを経ながら再生してきたわけでもございますし、そういうことを踏まえた競争力をどういうふうに強化していくのかといったようなことを含めまして、総合的な対策を考えていかなくちゃいけないということが今タスクフォースの共通認識としてでき上がってきつつあるわけでございます。
 具体的には、輸入急増に際しましての緊急措置でございます繊維のセーフガードを機動的に活用できるようにするということのほかに、供給過剰が発生しないような産業界での生産とそれから販売の間の情報が共有されていると。製販一体というような言葉も最近言われておりますけれども、そういう仕組みでございますとか、あるいは過剰な発注でその後それを受け取らないというような形での商慣行、返品が事業主にあいまいな商慣行といったものを改善していかなくちゃいけないという点でございますとか、あるいはイタリアが六〇年代に成功したわけでございますけれども、海外に向けたブランドを確立して海外に向かって展開していったケース、あるいはアメリカで見られましたような、情報技術を活用したベンチャー企業などが中心になってコスト競争力も含めた競争力をつけていくということによって再生してきたケースといったような、そういうことを考えながら、そういう海外展開の支援でございますとか、あるいはベンチャー企業の支援といったような繊維産業の競争力を強化するということの視点に立って、総合的な対応を取りまとめつつあるところでございまして、これは非常に大きな政策転換にもなりますので、繊維産業審議会を開催して年内に、急いで年内に、今そういう大きな取りまとめ、基本的な政策の方向、具体策を取りまとめていかなくちゃいけないと思っております。
 こういうラインに従って進めていくことによりまして、政府が環境をつくり、そして繊維産業の創意工夫、バイタリティーを発揮するということができ得れば、もともと非常に質の高い消費者市場、消費者のある市場を持っておりますし、また高い技術力を持った産地というものもございます。そういう市場あるいは企業の集積というようなものを核にして、我が国の繊維産業がアメリカ、イタリアにありましたように、また大きな雇用を引っ張っていけるような地域産業としても再生していけるのではないかというふうに期待しておるところでございます。
#243
○但馬久美君 どうも細やかにありがとうございました。
 それを聞きまして、私は労働省にお伺いしたいと思うんです。
 そこで、繊維輸入及び輸入の浸透率を見ますと、この輸入浸透率というのは国内の需要量に対する輸入量の割合でありますけれども、一九九〇年では輸入量が九十三万三千トンで輸入浸透率は三四・四%だったものが、九年たちまして一九九九年では輸入量が千百四万トン、そして輸入浸透率は六〇・六%と倍増しております。つまり繊維の輸入品が国内の六割を占めているということなんです。
 また、繊維製造業の主要指標を見ますと、昭和六十一年では事業所数が十四万一千カ所で従業員が百三十三万人だったのに、平成十年では事業所の数が九万五千カ所で従業員が八十三万五千人と、十三年間に事業所数が五万も減って、従業員数が五十万人も減っているんです。
 繊維産地としては、例えば京都府なんかでは事業所数の大体四九・一%、約五割です。そして従業員が一九・三%、つまり二割は繊維業界であります。兵庫県の播州繊維も同じようなことが言えます。
 労働省としては、こういう雇用を守るため繊維業界に対してどのような対策をとっておられるのか、お伺いしたいと思います。
#244
○政務次官(釜本邦茂君) 現在、業種雇用安定法に基づき、産業構造の変化による構造的な不況に陥っている綿・化学繊維紡績業等の業種を指定し、これらの業種に雇用される労働者を雇い入れた事業主に対し賃金や教育訓練費の一部を助成するなどにより、雇用の確保を図っているところであります。
 また、景気の変動等に伴い事業活動の縮小を余儀なくされ、休業等を行うことにより労働者の雇用維持を図る毛織物業等の業種に属する事業主に対し雇用調整助成金を支給することにより、失業の予防を図っているところであります。
#245
○但馬久美君 今、政務次官が答えられました産業構造の変化による構造的な不況業種に対して、業種雇用安定法の適用で特定不況業種及び特定雇用調整業種に指定して、その再就職援助や特別職業訓練また職業指導、給付金の支給が行われているということですね。
 このほか、雇用調整助成金の指定も繊維関係に行われているようですけれども、しかし一方で、本当に雇用されている方々にとって安心できる雇用対策になっているのかということを疑問に思っております。もっと従業員にとって不安のない雇用政策が要求されると思いますけれども、労働省の方はこの点どういうふうに考えていらっしゃるのか。また、廃止期限が平成十三年の六月三十日となっている特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法、このあり方についてどのように取り計らっておられるのか、この二点、大臣にお伺いしたいと思います。
#246
○国務大臣(吉川芳男君) 業種雇用安定法、正確に言えば特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法におきましては、綿・化学繊維紡績業等の繊維産業を初め構造的な不況に陥っている業種を指定し、失業なき労働移動や再就職の促進等のための措置を講ずることといたします。
 現在、関係審議会において今後の雇用政策全般のあり方について御議論をいただく中で、業種雇用安定法の取り扱いについて来年六月三十日に廃止期限を迎えることを念頭に置いて検討いただけるところであり、その検討結果を踏まえて適切に対処してまいります。
 なお、その結果、現行の対策が変更になる場合でも、経過措置等必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
 以上であります。
#247
○但馬久美君 構造的な不況業種に対しまして、本当に今、特にきょうは繊維業界を取り上げましたけれども、ぜひ関係審議会でいろいろ審議していただきたいと思っております。
 それでは次に、介護労働に関する問題について質問させていただきます。
 今、世界に類を見ないスピードで我が国の高齢社会が進展しております。これは言うまでもありません。高齢社会は長生きができるという喜ばしいプラス面もありますけれども、長寿とともに心身の衰えというのは回避しがたく、その心身の弱体化を支えるのは従来は家族の責務として考えられてきたものでありますが、家族の負担にも限界があるということで、ことしの四月から介護保険制度が発足し、家族の負担を社会全体の負担というふうに置きかえてシステムが生まれたと思います。
 発足以来この半年、財政負担の問題や認定の問題等いろんな課題が山積している中で、労働問題として浮上してきているのが介護労働者の不足の問題であります。
 増加する介護サービス、この需要に対応するためには、厚生省を初めとしてホームヘルパーなどの介護労働者の養成が多く行われておりますけれども、他方、養成研修を終了しても実際にヘルパーとして働く比率が少なかったり、せっかくヘルパーとして就職したにもかかわらず経営難などで事業が縮小する、やむを得ず仕事をやめざるを得ない、そういうケースも出てきております。人手不足と言いながら、他方、育成した人材を有効に生かさない状況がうかがえるんですけれども、そこでお尋ねしたいと思います。
 ホームヘルパーの必要数は、厚生省のゴールドプラン21によりますと、介護保険サービスの提供の見込みを考えて平成十一年度末の時点では十七万人、平成十六年度末には三十五万人となっております。平成十一年度末のホームヘルパーの実働数及び不足数はどれぐらいあるのか、これをお伺いいたします。
 また、厚生省のホームヘルパーの養成研修の二級課程以上の修了者数は平成十一年度末の時点で延べ何人となっているのか。この二点。政府参考人で結構でございます。よろしくお願いします。
#248
○政府参考人(大塚義治君) お尋ねの件の第一点の方でございますが、現在の実働者数とその不足数というお話でございました。
 直近のデータとして持っておりますのが平成十年度末の数字でございます。十六万人弱。正確に申しますと十五万七千人の方がヘルパーとしてお働きになっておられます。十一年度末でいわゆるこれまでの新ゴールドプラン目標数十七万人ということでございました。ここ一、二年、各年一万人を超える増加が見込まれておりますので、十一年度末、ほぼ見込みどおりの数字が確保できるのではないかというのが現在の見通しでございます。
 それから、養成研修の関係でございますが、データそのものに若干の限界がございます。平成三年度から、ただいま申しましたように平成十年度までが最直近でございます。この間八年間でございますけれども、八年間にわたります累計でございますけれども、全体で申しますと、お尋ねは一級、二級でございましたが三級までとりあえず含めますと、全体で五十五万人、これは累積でございますけれども五十五万人。うち一級及び二級課程を修了された方が両方合わせまして二十八万人程度ということでございます。
#249
○但馬久美君 ではそこで、養成研修の二級課程以上の修了数は実働者数に比較して平成十年度末時点では少なくとも十万人以上いるという計算になりますね。
 ただ、カウントの仕方にももちろん問題があるとは思うのですけれども、例えばレベルアップのために複数の課程の研修を終了した場合、一人が重複してカウントされているような実態があるようで、単純に各課程の修了者数を足し合わせたものがそのまま人材の数に結びつかないという面も考慮をしなければならないと思います。
 それでもなおかつ、実働に結びつかない研修修了者数が多数いることは事実と考えられるんですけれども、このゴールドプラン21で掲げている、先ほど十七万と三十五万というのは、必要数を掲げているけれども、これらの必要数に対してどのような根拠で養成研修修了者数あるいはまた研修定員を定めているのか。つまり、必要数に対して実働に結びつかない研修修了者がいるということ、大体何倍の数の研修修了者が必要であると考えていられるのか。例えば、平成十年度末の時点で十万人以上の実働に結びつかない研修修了者の数は予定の数だったのかどうか、この辺をお伺いしたいと思います。
#250
○政府参考人(大塚義治君) 率直に申し上げまして、お尋ねのケースについてきちんとした数字で申し上げることが難しゅうございます。
 一つは、一級、二級、三級課程のこれまでの累積の受講修了者の方に重なり、ダブりとかあるだろうと、これもおっしゃるとおりだと思います。どのくらいの比率かはわかりかねますが、一部あろうかと思います。それから、研修を受けた方が即労働といいましょうか雇用に結びついておらないのも数からいいましても明らかでございますが、私どもはもちろんその受講が労働雇用に結びつくということも大事なことでございますけれども、いろいろアンケート調査などをいたしておりますと、自分の知識として、あるいは将来場合によっては労働することもあり得べしということで受講されている方も少なからずございますので、それはそれで介護の基盤を広げるという意味では大事な要素だとは思っております。
 いずれにいたしましても、研修修了者と実働者数が少しギャップがございますし、将来この必要数がふえてまいるのも事実でございますから、これまで幸いにも毎年のように研修の規模が膨らんでまいっておりますし、実際には地方自治体、都道府県が中心になって地域の実情あるいは御要望あるいは受講希望、こういうものを勘案して毎年の講習事業を決めるわけでございますけれども、幸いにもここのところ急激にふえてきている。
 例えば、平成九年度の、これは全体でございますが、受講修了者が八万九千人でございました。平成十年度、これは介護保険制度がいよいよ近づいてきたということもあろうと思いますけれども、十七万人でございます。
 そういったここ最近の傾向も勘案いたしますと、今後五年後の平成十六年の三十五万人という目標、なかなか大変ではございますけれども、私どもは現在の状況が続けばある程度対応ができる見込み、またそのためには関係各方面の御協力も得なければならないというふうに考えております。
#251
○但馬久美君 実働に結びつかない原因の一つに、養成研修のみでは実習の不足などで実務に必要な技能のすべてが修得できずに不十分な技能で実務に入らざるを得ない状況があるという意見もあります。
 そして、このために労働省は養成研修二級課程の修了者を雇用した事業主に対して実習生一人当たり五万円程度の助成金を支給して実務経験不足を補おうとする実習制度を平成十三年度から導入する予定になっているところでありますね。
 その実習制度についてでありますけれども、これはどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。労働大臣にお願いします。
#252
○政府参考人(渡邊信君) 労働省におきましても、これから需要増大が予想されます介護労働者の養成に努めているところでありまして、現在、二級、三級のホームヘルパーを中心に年間二万人ないし三万人介護労働安定センターで研修を行っているところでありますが、ただいま御指摘のように、養成研修、研修を終わりましても実務の経験がないということでなかなか実際の就労に結びつかないというケースがあるということ、実情であるようでございまして、今御指摘のように、ホームヘルパーの二級研修の修了者を中心にいたしまして一人一カ月当たり五万円で、二カ月十万円ということになりますが、約三千人分の三億円程度の予算を来年度予算で今要望中ということでございまして、こういったことを通じまして、研修修了者が実技も身につけましてスムーズに実際の就労に移行できるという施策を行っていきたいというふうに考えております。
#253
○但馬久美君 また、実働に結びつかない直接な原因として考えることは、もう一つ、労働条件の低さであると思うんです。
 介護報酬のうち実際にホームヘルパーに対して支払われている比率は三から四割程度にとどまって、週に数回または二、三時間だけ働くという非常勤的な雇用形態が多く、ホームヘルパーにとって時給の低さを与えていると思うんです。
 ホームヘルパーの労働条件の改善に向けた取り組みを今後どのように行っていかれるのか、これをお伺いしたいと思います。
 また、労働省は今後厚生省と連携して実働に結びつかない研修修了者の労働力化をどういうふうに対策を持っていかれるのか、この辺お尋ねしたいと思います。
#254
○政務次官(釜本邦茂君) 介護保険法の施行に伴い、同法に基づく介護サービス事業に新規参入する事業者が多数認められるところでございますが、労働基準監督機関としましては、介護サービス事業者の労務管理の状況、労働者の就労実態の把握に努めるほか、これら事業主に対し労働基準法等の関係法令の周知のための集団指導を実施し、監督指導等においてこれら関係法令違反の問題を把握した場合にはその遵守を指導するなどの対応をとっているところであります。
 今後とも的確な監督指導を実施することなどにより、介護サービス事業に従事する労働者の法定労働条件の履行確保を図ってまいりたいと考えております。
#255
○政府参考人(渡邊信君) 厚生、労働行政の実務研修の協力の問題でございますけれども、厚生労働省になるわけでありまして、ホームヘルパーの研修を終えた方について実際に実技の研修をしていただくところの紹介を厚生省の方でお願いするというふうな形によりまして、この実務研修がスムーズにいくというふうなことを考えております。
#256
○但馬久美君 もう一つちょっとよくわからなかったんですけれども、今後どのようにそういう労働条件の改善に向けた取り組みをなさるのか、その辺をもう少し詳しくお答えくださいますでしょうか。
#257
○政府参考人(野寺康幸君) 基本的には、介護保険法の施行に伴いましていろんな新規参入がふえておりますので、こういったところについてはなかなか基本的な労働条件、労務管理等々が必ずしも十分周知されているというふうには承知いたしておりません。したがいまして、政務次官の方からお答え申し上げましたとおり、全国に三百幾つある監督署を通じまして、そういった事業主個々に基本的な理解を、特に労働基準法関係の基本的な理解をお願いするということがまず中心でございます。
 いずれにしましても、問題が起きる前に、こういった特に今後発展が期待される介護の労働力分野でございますので、基本的な労働条件が十分守られるようにしっかり指導してまいりたいというふうに考えております。
#258
○但馬久美君 介護労働、そしてまた介護保険が導入されて、各地域によってそれぞれ違うようになっておりますけれども、それを一つにまとめるということは大変難しいことだと思います。そこを労働省としてはやはり労働条件をきちっと定義することによってバランスを図っていただきたいと思います。
 介護労働者に対する雇用安定対策についてでございますけれども、この介護労働は全体として供給不足が問題になっておりますけれども、他方、経営難を理由とする企業の事業縮小などによって職を失う介護労働者が出てきております。
 なぜ経営難かと申しますと、利用者や利用料の伸び悩みなどが原因でありますし、また、潜在的なサービス需要があるにもかかわらず、それが実際の需要に反映されないで、結果として供給があふれてしまうような状況になっているのが実態のようです。利用の伸び悩みは利用料の設定など介護保険制度自体に存在する問題で、これは厚生省の問題でありますけれども、こうした制度発足間もない時点で、不安定な事業経営を理由として職を失うおそれのある介護労働者に対して雇用安定のための特別対策が必要だと思うんですけれども、この点、これはぜひ大臣にお答え願いたいと思います。
#259
○国務大臣(吉川芳男君) 介護分野は、急速な高齢化の進展に伴い労働需要の大きな拡大が見込まれる分野であります。一方、依然として厳しい雇用失業情勢が続く中で、このような成長が期待されている分野で労働力確保と良好な雇用機会の創出等を図っていく必要があります。
 このため、本年四月に施行された改正介護労働者法に基づき、介護分野における良好な雇用機会の創出、能力開発の推進等を図るための対策を強力に推進してまいるつもりでございます。
#260
○但馬久美君 介護雇用創出助成金の実施状況についてお伺いいたします。
 改正介護労働者法が施行されまして半年がたちますけれども、同法により創設された人材確保助成金を初めとする介護雇用創出助成金の実施状況はどのようになっているのか。また、この助成金による雇用創出効果はどの程度のものになっているのか、これは労働政務次官からお答えをいただきたいと思います。
#261
○政務次官(釜本邦茂君) 本年四月に創設された介護分野における新たなサービスの提供や、事業の開始に伴う良好な雇用機会の創出等を支援するための助成措置である介護雇用創出助成金については、本年九月末日時点で、この助成金の支給申請の基礎となる改善計画の提出件数は二千四百八十二件となっております。
 また、この計画に基づく雇い入れ予定数は既に一万三千三百人程度となっており、年度当初の予定である年間一万人の雇用創出効果を大きく上回ることが予想され、介護分野の良好な雇用機会の創出の支援に極めて有効に機能していると考えております。
#262
○但馬久美君 ありがとうございました。
 介護問題はこの辺にいたしまして、次に、私は以前にも化学物質の過敏症について取り上げたことがあります。シックハウス症候群に関する問題について何点かお伺いいたします。
 このシックハウス症候群とは、御存じのとおり、住宅建材に含まれているホルムアルデヒドという化学物質が原因で頭痛や吐き気、そしてまたひどいときには呼吸困難など体調不良を起こすということを言いますけれども、住民のみならず内装工事の従事者なども比較的長時間にわたって室内で仕事をしている、そういう人たちが低濃度の化学物質を日常的に吸い込みます。そのときに健康に影響するおそれがあり対策が必要であると思うんですけれども、まず労働省の実態調査についてでありますけれども、これは労働大臣にお伺いしたいと思います。
 労働省はシックハウス症候群に関する健康被害実態調査を来年度から二年間にわたって実施するようでありますけれども、どのような目的で、どのような作業に従事している方を対象として行おうとしているのか。まずこれが一点。
#263
○国務大臣(吉川芳男君) 今お話しのとおり、近年、新築、改築等の住宅やビルにおいて、ホルムアルデヒド等の化学物質による目、鼻、のど等への刺激、頭痛等、いわゆるシックハウス症候群と呼ばれる症例が数多く報告されております。
 労働省といたしましては、この問題が職場においてどのような実態にあるかを把握し、対策を確立することにより、職場におけるシックハウス症候群の発生の防止を図りたいと考えております。
 このため、木造家屋建築工事、ビル工事における内装工事などを対象として、化学物質の作業環境中の濃度を測定するとともに、医師による問診等により労働者への健康影響を調査することといたしております。
#264
○但馬久美君 それで、今、このシックハウス症候群の労災の申請がないと言われているんですけれども、これは実際どうなっているのか、お伺いしたいと思います。
#265
○政府参考人(野寺康幸君) シックハウスにつきましてはまだまだわからない部分がいろいろございます。先ほど先生はホルムアルデヒドというふうにおっしゃいましたが、それ以外のいろんな物質も関係しているように思います。またさらに、その影響、つまりどういった場合にどういう因果関係があるか、なかなかこれは難しい面があるというふうに承知いたしております。
 現在のところ、先生御指摘のとおり、労働者が業務上に起因してシックハウス症候群を発症したといったような形の労災請求はなされておりません。ただ、仮にそういった請求が行われました場合には、労働者の具体的な作業の内容、それから被曝の程度、発症するに至った経緯等、具体的に詳しく調査をさせていただきまして、因果関係を十分確認できれば的確な判断を行うということになるわけでございます。
#266
○但馬久美君 シックハウス病、今まだそうやって調査の段階であると言われておりますけれども、非常にアレルギー性疾患、これを含めてこれから問題になってまいります。ぜひこの辺をしっかりと踏まえていただきたいと思います。
 平成十二年の六月に厚生省のシックハウス問題に関する検討会、そこから中間答申が出されました。新たに三物質について指針値が定められたところでありますけれども、シックハウス症候群の疑いがあるか否か、判定する場合の判断基準の策定については今後どのようにされていくのか。そしてまた、この実態調査は今後二年をかけて行われる、その間労働者に起こるだろうと予想されるこのシックハウス症候群の対策はどのように行っていくのか、この二点をお伺いします。
#267
○政府参考人(野寺康幸君) 先生御指摘のとおりでございまして、ただ、労働省の場合、職場におきますシックハウス症候群という場合には、一般人の状況とは少し異なる、例えば一般人と申しますとこれは赤ちゃんからお年寄りまでみんな入るわけでございますが、職場というのは大体成人の方が中心でございますので、若干厚生省で出されております一般的な濃度基準とは違ったものが必要ではないかというふうに思っております。
 いずれにしましても、まず、今後いろいろな調査を通じまして、厚生省が既に出しておられます指針値を一つの基準にしまして、私どもなりの検討会を設置して、職場における指針値といったものをできるだけ早急に設定してまいりたいと思います。
 また、それに至るまでの間でございますけれども、これは残念ながら一般的な基準がない状態でございますので、個々具体的に判断しながら必要な対策を打ってまいるということになろうかと思います。
#268
○但馬久美君 もう時間がまいりましたので、最後、もう一点。
 作業環境測定というので第三類に含まれている化学物質に対する対策は現在どのように講じられているのか、この一点だけお伺いいたします。
#269
○政府参考人(野寺康幸君) 御指摘の点は、安全衛生法施行令の別表第三に掲げる第三類物質のことかと思いますが、漏えい事故によります急性障害を防止するといったようなことを目的といたしまして、製造過程あるいは取り扱いの際に設備の基準を定めております。こういった日常管理にかかわります措置を講ずることにしておるというのが一般的な状況でございます。一方、作業環境測定に関しましては、日常業務におきます健康障害というのを防止する観点から測定を義務づけておるわけでございます。
 いずれにしましても、第三類の物質を扱う設備は、これは密閉した系統の中で行う、そして日常におきます異常漏えいに対します措置がそういった形で講じられているということで、そういう密閉の中でありますので、特に作業環境を測定する必要はないというふうに考えております。それが一般的な状況でございます。
#270
○但馬久美君 ありがとうございました。
 作業環境の実態を正確に把握することが健康管理の第一歩だとあります。どうかその辺、しっかり踏まえて、よろしくお願いいたします。
 以上です。ありがとうございました。
#271
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。
 今、労働行政をめぐって看過できない問題が起こっております。言うまでもなく、背任容疑で東京地検の家宅捜索を受けた労働省所管の財団法人ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団をめぐる問題であります。
 そこでまず、吉川労働大臣に伺います。
 KSD関連の政治団体豊明会中小企業政治連盟、豊政連に計十二万円分のパーティー券を購入してもらっていたという問題、けさもありました。大臣の答弁は、通信社から指摘されて、調べたらあった、言ってこなければ全然わからなかったことだと言われました。強制捜査から三週間もたった十月二十七日になって、指摘をされて慌ててその日に書留で返送すると。
 労働省は、ことし五月にKSDに立入検査し、そして大臣就任後の八月には改善勧告書も出されている。しかも、大臣は、強制捜査後の記者会見で、適切運営の指導の徹底を指示したと述べられ、公私混同や行き過ぎがあったと指摘までされていました。
 本来、問題を熟知する立場にある最高責任者であります。三週間もありました。私は、強制捜査をされたら、直ちにみずからのKSDとの関係について調べたり確認をされる。これは自民党の議員、政治家の問題が絡んでいるということが当初から言われているわけですから、これは当然だと思うんです。その点について、指導監督の最高責任者として責任をどのように感じておられるか、答弁を願いたいと思います。
#272
○国務大臣(吉川芳男君) 新聞でも、またきょうの委員会でももう既に私からも述べてありますように、十年、十一年と二年にわたって……
#273
○笠井亮君 経過は結構です。
#274
○国務大臣(吉川芳男君) はい、それならやめますが。
 どういう認識かということでございますが、私は名簿によって、この名簿というものがまたいろいろ言われて困るわけなんですけれども、これは自民党と友好的な団体あるいは会社等の一覧でございまするけれども、そんな会合、パーティーのときには大抵御案内をしているという名簿でございまして、それはお願いして、どれだけのところからどれだけのお金が入ったかなんということについては、私は任せてあるものですから中身まで見ておりませんので、今あなたがおっしゃるような段階に立つまで調べてもみなかったというのが実態でございます。
#275
○笠井亮君 労働省所管の財団法人がこれだけ問題を起こしている。政治家絡み、政党絡みと言われている。私は問題の重大性が本当にわかっていらっしゃるのかと問いたいと思います。
 けさの、世論調査では支持率一五%に低下、危険水域に入ったという新聞もありました。私は、今の森内閣に共通する、そしてこの問題では所管大臣としての問題の重大性、そして指導監督の立場にある者からしてみずからまず正すという点で、余りに鈍感な対応だと言わざるを得ない。これは厳しく申し上げたいと思います。
 KSDというのは、中小企業の経営者に労災保険がないことから、経営者を対象に災害補償の共済を運用することなどを目的につくられました。共済保険の掛金は月二千円、年間二万四千円の掛け捨てであります。加入者は約百万人で、掛金総額は年間二百四十から五十億円になる。本来、これは会員のための会費収入であることは当然であります。
 ところが、KSDの場合に、あの霊園問題は周知ですけれども、我々がそのほかに調べただけでも乱脈ぶりは大変なものです。中小企業の経営者の血と汗の結晶である、そのなけなしの会費を食い物にしていると申し上げたい。
 乱脈ぶりの第一は、KSDの役員報酬の問題です。大体これがべらぼうであります。今年度の役員は何人で、その報酬総額、予算ベースで結構ですから、幾らになっているか。そのうち古関前理事長の報酬は年俸幾らになっていたか。局長、どうなっていますか。
#276
○政府参考人(野寺康幸君) 十一年度でお許しを願いたいと思うんですが、十一年度の役員報酬総額は二億九千四百万でございます。これは役員が現在二十五名以下と定められておりますが、現在員は二十三名というふうに承知しております。それから、理事長の給与は年収七千二百万というふうに承知いたしております。
#277
○笠井亮君 二十三名で二億九千四百万といえば、一人当たりにしますと二千万円程度ですかね。
 大臣に伺いますが、特に今、古関前理事長の報酬、これは聞いてみますと、ほかの財団法人だと大体二千万円程度というふうな形が役員の報酬になっているようですけれども、それと比べてもこの七千二百万円というのは異常に高い。大臣、これでいいというふうに思われますか。いかがですか。
#278
○国務大臣(吉川芳男君) 閣議で民間のベースよりも上回らないようにと、極端に上回らないようにというお達しがあったそうでございますが、そういうことから敷衍して考えまするに、やっぱり正常ではないというように思いますね。
#279
○笠井亮君 これは正常じゃないで異常ですよ。総理大臣が今四千四百七十万円だと思います。そして、最近まで年俸が五千万以上ということで高くて問題になった日銀総裁でも、ことしの場合は三千九百四万円。公益法人のトップがその倍近くと。民間から比べてもかなりですよ、これ。驚くべきです。
 正常ではないというのだったらば、これは労働行政のあり方が問われています。所管である労働省は、こういう役員報酬の問題についてなぜチェックできないんですか、これ。
#280
○政府参考人(野寺康幸君) 基本的には私ども公益法人の役員報酬は総額で幾ら、そしてそれが何人に対して総額で幾らというふうに把握しております。それ以上、一人一人の役員が幾らもらっているかということは、これはある意味でプライバシーの問題でもございますし、ここについては従来から立ち入っておりません。
 ただ、総額で今二億八千万と申し上げましたが、これを平均した場合にこれが異常な額になるということであれば、初めてそれはちょっとおかしいのではないかというふうになるわけでございます。
#281
○笠井亮君 とんでもないですよ、これはプライバシーの問題じゃないですよ。だって、古関前理事長は私物化の問題とかたくさん問題になってきたわけですよ。まさにその当事者が、理事長という一番最高の責任者の立場で七千二百万円と、これ全部合わせた、丸めた数なんということで掌握していることで、これ会員とか公益法人のあり方、会員から見たっておかしい、世の中から見たっておかしいじゃないですか。
 労働省が八月にKSDに対して出した改善勧告書、これでも報酬について一言も触れていないんですよ。ずさんきわまる。私は、こういうことで労働行政をちゃんとやれるのかと。大臣、こういうあり方についてどう思われますか。
#282
○国務大臣(吉川芳男君) この問題が起きてからはいろいろと世間常識に合わないなと思うような案件もあるようでございますので、これらは強制捜査が終わり次第やっぱりきちんとしなけりゃならぬことかなというふうに思っております。
#283
○笠井亮君 この問題が起きてからじゃないんですよ。大体、労働省だって平成五年から少なくとも問題点を指摘していたわけでしょう。こういう問題だって当然視野に入れてどうだったのかちゃんと検討すべきですよ。会員のお金から成り立っている公益法人で、こういう形でどういう運営がされ、報酬が使われているのかと。
 第二のKSDの乱脈ですけれども、これはKSDが抱えている保有資産についてであります。
 その一つとして、ゴルフ会員権、これを保有していると思うんですが、KSDは幾つ持っていますか。
#284
○政府参考人(野寺康幸君) 十七であるというふうに承知しております。
#285
○笠井亮君 私も一覧表をここに持っていますけれども、これらのゴルフ会員権、このゴルフ場というのはKSDの一般会員はだれでも使えるようになっていますか。
#286
○政府参考人(野寺康幸君) 私どもが立入検査をしましたところ、一般の利用規定についてきちんと定められておりませんでした。したがいまして、さきの先生も御引用なされました八月の改善勧告におきまして会員の利用規定をきちんと定めろという趣旨の勧告をいたしているわけでございます。
#287
○笠井亮君 一般の利用規定がないということは、一般に使われないということですよ、一般の会員は。しかも、私ども調べてみて、これらのゴルフ場、政治団体である豊政連が使っているところと不思議に符合をいたします。これ、役員が政治家を接待しているのではないかという疑問も出てくるわけでありますが、そういうことはないと言えますか。
#288
○政府参考人(野寺康幸君) そういったことがあるかどうか確認いたしておりません。
#289
○笠井亮君 これは問題ですよ。KSDそのものは公益法人としてあなた方の所管なんですから。そして、これだけ問題になっているのに、きちっと調べてくれますか、じゃ。
#290
○政府参考人(野寺康幸君) その点だけではございませんが、今後KSDにつきまして、これは後ほど出るかと思うんですが、自主的な改善の計画も発表しております。そういったものがきちんとなされているかどうかということも含めまして全部しっかり監督してまいりたいと思っております。
#291
○笠井亮君 その点も調べるということですね。
 KSDは、このような先ほども述べたような高額の報酬を出している一部役員だけが勝手に使えて一般会員が使えないようなゴルフ場、会員権、そして、その上に立派な軽井沢クラブとかヴィラ熱海などを持っている。これもゴルフ会員権と同じ問題が出てきます。
 第三の乱脈の問題、あるいはこれ非常におかしな問題である問題点といいましょうか、天下りの温床になっているという点であります。
 KSDの役員、顧問、相談役、参与は合わせて何人で、そのうち労働省出身者を含む国家公務員の退職者というのは何人おられますか。
#292
○政府参考人(野寺康幸君) 現在のところ、KSDに在籍する役員、顧問、相談役、参与の数は、非常勤監事を除きますと、役員二十一名、顧問九名、相談役一名、参与六名の計三十七名でございます。
 このうちで、常勤の公務員の過去を持っております者は、役員のうち六名、顧問のうち五名、参与のうち二名、計全部で十三名でございます。
#293
○笠井亮君 三十七名中十三名、実に三分の一強であります。
 労働省の出身者では、一九八九年に東京労働基準局長を最後に退官された方が九八年七月からの理事になられている、そういう方々がいる。理事以外にも全国の労働基準局長など多数がいわば天下っている。
 KSD側は、監督官庁からお願いしますと頼まれて受け入れたと、長い間にわたって二期四年ぐらいずつ受け入れており、ローテーションのようなものだというふうに言っている。労働省から再就職を依頼したんじゃないんですか。
#294
○政府参考人(野寺康幸君) 労働省からこちらの方に行っている人間につきましては、それぞれの専門分野におきます知識、経験を買われて就職しているというふうに承知いたしております。
#295
○笠井亮君 労働省はどういうかかわりを持っていますか。紹介したりとかそういうことをやっていますか。
#296
○政府参考人(野寺康幸君) ちょっと失礼、御質問がちょっと把握できませんでした。
#297
○笠井亮君 労働省としてどういうかかわり方をしているか。紹介するとか、あるいはお願いしますと言っているのか、そこのところです。
#298
○政府参考人(野寺康幸君) 労働省の方としては、こういった団体からこういう実力のある方を紹介してほしいと頼まれました場合に紹介しているということでございます。
#299
○笠井亮君 紹介していると。
 KSD自体をとっても、今見たように三つの乱脈でずさんな実態がある。最初に見ましたけれども、本来、会員のための会費収入でやっていくんだと、しかしどうして、こういう実態を見ると、会員のための会費収入になっていると言えるか。それをまともにチェックもせずに天下りだけは紹介して確実に送り込む。これでは公益法人を健全かつ適正に運営するように監督をする労働行政の責任の私は放棄と言わざるを得ないと思うんですが、大臣、いかがですか。
#300
○国務大臣(吉川芳男君) これから捜査当局においても、また監督をしておる労働省におきましても、今言われているような問題について逐一調査、点検すると思いますから、それによってどのような措置がなされるかということは十分研究してみたいと思っております。
#301
○笠井亮君 これまでも何回も問題点を指摘して指導あるいは問題点を提起する、それで回答を求めるということをやってきて、それが変わらないという事態も、この労働省の文書自体でも事態が改まらない。評議員会の問題でもつくれと言ってもつくらないということが言われているわけですから、これ本気でやらなかったら労働省もそういう乱脈を一緒になって容認していると、天下りも絡んでいるわけですから、こういうふうに見られるわけで、これはしっかりやらなきゃいけない、そういう問題だと思います。
 次に、KSDと政治活動との関係について伺いたいと思います。
 本来、公益法人たるKSDが特定の政治家や団体を支援する活動をやってはならない、これは当然ですね、大臣。
#302
○国務大臣(吉川芳男君) そのとおりでございます。
#303
○笠井亮君 ところが今、この中小企業経営者の会費、年間二百四十から五十億円の中から自民党や自民党議員に、つまり特定の政治家や政党に相当な資金が流れていることが指摘をされており、この問題は極めて重大だと思います。
 お手元の配付資料の1をごらんいただきたいと思うんです。
 まず第一の問題は、財団法人KSDからKSD豊明会、これに対して年間約三十億円ずつ、九五年以降の五年間で見ますと百三十七億円の補助金が出されている。政治資金収支報告書によりますと、同時期にその豊明会から、先ほど午前中答弁ありましたが、昨日公表された九九年の四千万円を含めて、自民党の東京都豊明支部に対して二億五千七百四十万円という巨額の資金が寄附をされています。これは、いろいろ伺っていますが、結局、KSDからの補助金からこの金が出ているということじゃないんですか。
#304
○政府参考人(野寺康幸君) 先生のお配りになられた資料でございますが、KSD本体からKSD豊明会という任意団体に対しまして、福利厚生事業をしていただくということで毎年三十億弱のお金が補助金として流れているのは事実でございますが、そこから先の、豊明会から自民党支部あるいは豊政連といったような流れについては、労働省としては確認いたしておりません。
#305
○笠井亮君 公益法人からの補助金が政治献金に使われてはならないのは当然であります。ところが、豊明会の収支計算書、これ最初のときは決算書と書いてあるんですが、最近では計算書になっていますが、これを私、九五年以降のものを持っております。総括というそれぞれ一枚物でありますが、これを見てみますと、収入の部の内訳はKSD補助金、それから会員負担金、雑収入の三つであります。同会の収入の九十数%は補助金であります。あとは会員の福利厚生費の負担金であり、雑収入、これも取るに足らないもの。つまり、豊明会から自民党支部への献金は補助金から出ているということではないか。
 先ほどの議論、私も聞いていましたけれども、ごまかしちゃいけない。一体このどこから政治献金が出ているか。あなた方は、KSDの補助金からは、福利厚生の補助金からは出ていないから問題がないと言いたいようですけれども、そうしますと、会員負担金かあるいは雑収入かしかない。ところが、考えてみると、会員負担金というのは福利厚生費の負担金であり、万が一これを政治献金に流したと、こうなりますと、これは重大です。福利厚生と言っておきながら、負担金を取っておいて、それを政治献金に流している。不正のきわみであります。そんなことはないと思うんですが、どうですか。
#306
○政府参考人(野寺康幸君) 私どもは、これも午前中の繰り返しになりますけれども、KSD本体から福利厚生事業をするという趣旨でKSD豊明会に流れております約三十億のお金がそういった目的に使われているかどうかということを収支計算書、総括表という形で事情聴取をし、調べておるわけでございまして、それ以外の自前収入が、先生おっしゃいました会員負担金あるいは雑収入といった、この場合二億数千万でございますか、そういった収入がどのように使われているか、これは私どもの監督の権限外でございます。
#307
○笠井亮君 福利厚生費というのは福利厚生費に使っているんでしょう、だって。使っていないというわけですか。もしそれを政治献金に流したら重大じゃないですか。
 残るところというのを見ると雑収入だけですよ。しかし、その雑収入というのは、これを見てみますと、九五年が五十一万円、九六年が五十五万八千円に対して、自民党支部への政治献金はそれぞれ八千五百四十万円、五千二百万円。雑収入どころか丸々補助金から出ているという以外にないじゃないですか。そうならざるを得ない。九七年、九八年も全く同様だ。
 つまり、豊明会におけるKSD補助金の使用実態というのは、会員の福利厚生を行うためという本来の補助の目的から完全に逸脱をして、自民党への献金に使われているというのは明らかじゃないですか。
 大臣、補助金から出ていたら好ましくない、こんなことは当たり前ですよね。いかがですか。
#308
○国務大臣(吉川芳男君) 平成十年の十一月にKSDから受けた説明によれば、豊明会から自由民主党東京都豊明支部への寄附に関する支出にはKSDからの補助金は充当しておらず、それ以外の収入から充当しているということでありましたが、先ほど来局長もその点については答弁しておりますので、よろしくひとつ。
#309
○笠井亮君 伺いますけれども、そうしますと、そういう説明があったと。補助金から使っていないと。じゃ、あなた方はそういう説明を聞いて、会員負担金から政党にお金が流れている、そういう認識を持っているんですか。それも指摘もしていないわけですか。そうでしょう。雑収入というのは五十万程度ですよ。あとは会員負担金でしょう。福利厚生のためにと、あなた言われましたよね、そのために会員から負担金を取っていると。じゃ、労働省としては、そのお金を政治献金に回している、こういう認識を持っているということですか。
#310
○政府参考人(野寺康幸君) その点については確認いたしておりませんので、私どもの監督権限外でございます。
#311
○笠井亮君 だって、その三つしかないんだから。確認するも何もその三つしかないんでしょう。補助金がちゃんと使われているかということが問題になっているわけだから。あなた方、この会員の負担から出していると、それはそうだというふうに見過ごしているわけですか。福利厚生のためのお金でしょう。補助金と会員負担金と雑収入と。補助金ではない、雑収入でもないと。確認していないというのは、あなた方はそういうことを容認しているわけですか、じゃ。
#312
○政府参考人(野寺康幸君) 何度も申し上げますが、公益法人を認可している労働省として監督が必要である範囲というのはあくまでもKSDから豊明会に流れている三十億の使途でございまして、それ以外の自前収入がどのように使われているか、これは私どもの監督権限の及ばざるところでございます。
#313
○笠井亮君 任意団体だから、本体は公益法人だけれどもこっちへは及ばないと、さんざん聞きましたよ。しかし、これは本当に成り立たないと思いますよ。労働省自身、改善勧告書の中で、公益法人たる貴財団の福利厚生事業を行う福利厚生部が任意団体たるKSD豊明会事務局と組織、職員及び場所において同一であることは問題だと指摘している。KSDの会員というのは自動的に豊明会の会員になるんですよ。しかも、本部だけではなくて地方でも全部一体ですよ。私たち調べました。
 しかも、私、調べてみますと、任意団体の豊明会、知るところでないと言いますけれども、この豊明会主催の中小企業決起大会、これ、やられています。KSDの機関誌の「沙羅双樹」という、これコピーですが、この中に大きく出ていますよ。当時の橋本総理大臣、それから伊吹労働大臣、豊明会の行事にちゃんと堂々と出て東京ドームであいさつしていますよ。
 そのほかにも私たちいろいろ調べてみました。リストを持っています、一々言わないけれども。青年部の大会とかあるいは記念行事、地方の行事などに歴代の労働大臣や労働省幹部が出席してあいさつしている。
 野寺局長、あなたも大臣官房審議官時代の九五年十月十六日、豊明会主催のゴルフ大会、労働大臣杯というのに出席されています、うなずかれていますが。
 さらに言いましょう。ここに去年の十月十五日付のスポーツ新聞があります。これ一面、豊明会の特集で、よくこういうことを記事というか、面を買い取りながら記事をつくるのかもしれませんが、私は経過を知りませんが、特集が出ています。「KSD99 内閣総理大臣杯・労働大臣杯・NHK会長杯 チャリティプロ・アマゴルフ大会 主催 KSD豊明会」、大々的に報じております。
 労働省が、豊明会関係ないと、関知しないなんということは言えないじゃないですか。少なくともあなた方が出た行事について、どういうお金を使っているかということだってかかわるわけですよ。
 伺いますけれども、私は労働大臣杯というのはよく知らないんですが、労働省も知らないそういう労働大臣杯というのはないですよね。当然、労働省はちゃんと、これはそれ、こういうことだということで認めてやるわけですよね。
#314
○政府参考人(野寺康幸君) 今の労働大臣杯の話でございますけれども、KSDは毎年チャリティーゴルフということで、チャリティーを目的に豊明会の会員のゴルフ大会をやっているようでございまして、そのチャリティーの上がりが労働省の日本障害者雇用促進協会に寄附される、二百万円ぐらいでしたかね、そういう関係がございまして、労働大臣杯というカップをお渡ししているわけでございます。中小企業の事業主の福利厚生を図るということ自身はこれは大変結構な問題でございまして、それに対して労働省が支援することは決して間違っていないと思っております。
 ちなみに、そのコンペとおっしゃいますが、私は別にゴルフをやりに行ったわけではございませんので、カップを持っていったと、こういうことでございます。
#315
○笠井亮君 いや、それ自体を私は問題にしているわけですよ。労働大臣のカップを持っていったわけですからね。公認、認知しているわけですよ、当然そういう形で。
 あなた方が豊明会は任意団体だから関知しないんだと言われるから、私はこうやって、それどころか深くかかわっているじゃないですかと、そんな使い分けをしてもだめでしょうということを言っているんです。いいですか。
 福利厚生費について会員からの負担金が、さっきの問題に戻るけれども、じゃ政党に流れているかもしれない、それだけ深い関係にあるんだからただして当然でしょう。それもやらないで、いや、はっきりしないんです、補助金じゃないんですと、そっちの言うことだけは、KSDの言うことをうのみにして、あとはわからないんです、こんな無責任なことないでしょう。補助金と負担金と雑収入、額でさっきもう言いました。どう見たって補助金から出ている以外にないでしょう。負担金から使ったら、もう大変な問題ですよ、これ。
 私は、豊明会の、そこまで言うんだったら収支計算書、一枚物で毎年一枚しかこれは来ない、私たちの手に入っていませんが、詳細があると聞いています。本部のもの、それから都道府県別、全部あると聞いている。使途不明金の問題も指摘されているわけですから、これ全部出してください。
 それから、そういう問題について、少なくとも調査をすると、大臣、きちっとこれは大臣として答弁をいただきたい。
#316
○政府参考人(野寺康幸君) その前に……
#317
○笠井亮君 いや、いいです、労働大臣。時間がないですから、大臣。
#318
○国務大臣(吉川芳男君) 豊明会の収支の問題について、直接労働省としての権限がございませんので、今確たる答弁は差し控えさせてもらいます。
#319
○笠井亮君 KSDからの補助金が使われているかどうかという、そういう問題を言っているわけですよ。そして、もうそれしかないということを今私は申し上げたわけですよ。その問題についてきちっと調べると、これぐらい言って当然じゃないですか、豊明会だって深い関係があるんだから。労働大臣杯まで出しているんです、歴代。そうやって豊明会についてお墨つきを与えているんですから、労働省は。責任があるんですよ。大臣、答えてください。
#320
○委員長(吉岡吉典君) 吉川労働大臣、先に答えてください。
#321
○政府参考人(野寺康幸君) 先に私じゃまずいでしょうか、事実のところだけ。
#322
○笠井亮君 事実といったって、そこは……
#323
○政府参考人(野寺康幸君) 先に私が……
#324
○笠井亮君 大臣の姿勢ですよ、これは。どういう態度をとるかということを聞いているんだから、大臣。(「そもそも大臣の認識自体が甘いよ」と呼ぶ者あり)
#325
○国務大臣(吉川芳男君) KSDからの補助金の使途が明確でないことに問題があるから、KSD補助金とそれ以外の収入を区分処理して勘定を別にするようKSDに対して指導してきたところであります。
#326
○笠井亮君 指導してきているけれどもはっきりしないと言っているじゃない、さっき局長が。わからないと言っているんですよ、指導してきたのに、今。そうでしょう。私、別にそんなあれですけれどもね。指導してきたけれども、わからないと言われているんですよ、現時点でも。
 だから、収支報告書をきちっと出して、詳しいやつを、そしてこの問題に対して少なくとも調査するということぐらいは大臣、言ってくださいよ。これは姿勢の問題です、基本的な。これだけわからない問題になっているわけですから。
#327
○国務大臣(吉川芳男君) 先ほども申し上げましたように、この強制捜査が終わって、この事件の何たるかはいろいろ明らかになるはずでございますし、また労働省といたしましても何をただすべきかということを十分論議しますから、そうした上で全貌が明らかになればこれはもう隠し立てなんてするわけでないんですから、それまでちょっと待っていただきたいということです。
#328
○笠井亮君 労働省として、大臣としてこの問題を積極的に解明して、本来のあり方にふさわしい形にどうするかと。指導監督するという責任感が私、感じられません。もう時間がないから次に行きますけれども。
 第二のこの問題で言いたいのは、幽霊党員にかかわる問題であります。
 私たちも会員の方々、百数十人は少なくとも調べました。その中で、東京では例えば、私は入党届にサインはしたけれども党費は払わなくていいと、自民党ですよ、こういう会員の方がいました。神奈川の会員からも、入党届に家族の名前もまとめて書いたけれども党費は一切払っていないと、こういう証言を得ました。たくさんあります。それだけではありません。
 実際に千葉支局の職員からの内部告発によりますと、前回の参議院選挙のとき、KSD本部から千葉支局で一万人の自民党員をつくれという指示が来た。これは古関から来ると。職員はこれを必死になってやらされる。通常の業務の中で、自民党の署名運動というふうな名称を仕事としてつけてやる。KSD会員の名簿、自民党後援会の名簿、それにどこかの学校の卒業生名簿を勝手に使って職員が三文判を数百個買いに走ってそろえてくる。それをどんどん書いて本部に送っている。職員の間ではこんな仕事っておかしいよねという声があり、仕方がなくやっていると。自民党豊明支部の党員数、これを見てみますと、九五年以降の四年間で二十二万五千五百八十五人、掛ける自民党党費四千円だと思いますが、これで約九億円が党費として自民党に入っていることになる。これが党費立てかえとそれから幽霊党員づくりと言われている実態だと思うんです。そうした資金まで豊明会から出ている疑いが濃厚であります。
 労働省として、これはKSDの仕事としてやっているというわけですから、きちっと解明する責任があるんじゃないですか。いかがでしょうか。
#329
○政府参考人(野寺康幸君) 今、先生御指摘のような事態というのは、当方としては現在のところ確認しておりません。ただ、本件につきましてはいろんな角度から検察の方で捜査に入っているようでございますので、そういった解明を待ちたいというふうに考えております。
#330
○笠井亮君 これが労働省所管の公益法人であるKSDの仕事としてやっているという問題が問題になっているんですよ。だから、捜査にまちたいじゃないんですね、これ。私たちだって、調べれば調べてある範囲でこういうことが出てくるわけですから。なぜこれを調べないんですか。
#331
○政府参考人(野寺康幸君) くどいようでございますけれども、私どもが毎年収支計算書等も含めましてKSDの経理運営につきまして報告を受けている。その中でのいろいろな調査によりましては、先生が御指摘のような事実は確認できておりません、KSD本体としては。
 したがいまして、私どもとしては、確証が得られない段階でございますので、一方で検察の方が広い角度から捜査に乗り出しているわけでございますので、あまつさえかなりの書類が現在そちらの方に押収されているというふうにも聞いておりますことから、本件に関しましては捜査当局の推移を見守りたいというふうに考えております。
#332
○笠井亮君 私、先ほどから伺っていて大変疑問を持つんですが、この問題について、労働省の対応の仕方というのが非常におかしいと思うんですよ。検察当局の捜査にまちたいと言うけれども、そういう問題じゃないですよね、実際に所管のそういうところがこんな問題を起こしているということがあるわけですから。これを労働省としてきちっと責任を持って調べるということで徹底してやらなかったら、これは本当に信頼を失墜するばかりですよ。
 ここに平成九年の資料があります。平成九年度臨時神奈川県KSD豊明会正副支部長、正副女性部長、正副青年部長合同会議議事録。平成九年五月二十一日、豊明会が出している神奈川の文書でありますが、この中にこういうのがある。
 村上正邦参議院自由民主党幹事長の比例代表区における支援のための署名活動について、豊明会中小企業政治連盟より、別紙資料一及び二より説明があった。なお、神奈川県から十万以上の署名をいただきたい。また、九月末までを締め切りとさせていただきたいとの補足があった。この後、県会長よりKSDにとっても中小企業にとっても村上氏を支援する必要があるので、当選させるようよろしく願うとの補足があったと。
 この提起に基づいて、先ほどもありましたけれども、こういう署名簿が配られて、(資料を示す)そしてこういう返信用の封筒があってやるわけですよ。そして、この結果どうだったか。豊政連、政治連盟の機関紙にあります。
 平成十年六月一日、「村上正邦先生の署名に、ご協力ありがとうございました!」「総数九十五万名に及ぶ署名をいただき、誠にありがとうございました。この署名が本年七月の参議院選挙で大きな力となります。」と。選挙ではよろしくと書いてあるんです。
 もはやKSD、それからKSD豊明会と豊政連、これは三位一体の関係というのは明らかじゃないんですか。これでも違うんだということを言えますか。大臣どうですか、大臣。
#333
○国務大臣(吉川芳男君) 今、お話の中に、KSDの会員は知らないうちに自民党の党員にされたようだ、こういうくだりがございますけれども、これはやっぱり、その会と、会のどなたであるか知りませんけれども、大勢の中ですから、その中で党員集めに走って回っているうちに、その説明が少し足りないと。それから、お金をもらわなかったということについても、これはやっぱり当然一人四千円、家族党員であれば二千円をもらうということが原則なんですけれども、受け取る方も、金が名簿と合わなくても受け取っていたというようなところがあるんでないかなというふうに私も憶測をしているわけでございます。
#334
○笠井亮君 大臣自身が実態を半分認めたようなものですよ。ひどいじゃないですか、これ。しかも、個別にだれかがちょっと勇み足でなったというんじゃないですよ、組織的にこれをやっているんだから。(発言する者あり)やっているでしょう、私は先ほど言ったじゃないですか。
 では今度、KSDが今度の事態の中で発表しました「KSDの改革について」。「(2) 豊明会を解散し、KSDは一切の政治活動を行わない。また、特定の政党、政治家に対する支援も行わない。なお、豊政連は事実上既に解散している。」。これが改革の問題として言われているんですよ。
 なぜこういうことを改革として言わなきゃいけないか。それは実態がその逆だからですよ。KSDが政治活動をやってきて、特定の政党、政治家に対する支援をやって、豊政連と一体になってやってきたからだという実態があるから、だからそれを改革として逆のことで言わなきゃいけない。KSDそのものがそういうことを告白しているじゃないですか。
 三つ目の問題、時間がないので言いますが、このKSDと自民党との関係、これはもっと直接的かもしれませんが、KSDそのものから自民党の機関紙「自由民主」、「自由新報」へのこういう広告、(資料を示す)これが一面使った広告というのが出ております。
 特に、九五年以降、急増している。グラフにしてきました。九四年はゼロ、九五年は九回、九六年は十二回、九七年は十八回、九八年二十五回、九九年は三十六回。三十六回というのは、九九年に出た毎号すべてにこのKSDの一面全部を使った広告が出ている。ことしは十月十日、ここまで三十回で、あの六日の問題があったから、それ以降は広告はなくなっています。私、これも実質的には事実上の政治献金と変わらないんじゃないか。
 労働省はこの問題でも、これらの広告料が総額幾らになっているか、調べてきちっと報告していただきたい。いかがですか。
#335
○政府参考人(野寺康幸君) まず、KSDが事業をやっているわけでございますから、その事業に伴いましていろいろなPRをする、そしてそのPRを依頼する先がどこになるか、それはKSD自体が判断すべき問題だというふうに思っております。事業を継続している以上、事業の拡大、PRをするのは当然であるというふうに思います。
#336
○笠井亮君 これはもう、そもそもこの団体自身が自民党とか政界の絡み、いろいろ問題点がある中でこういう問題が出ているんですよ。局長としてはそんなことを言ったらだめです。これは幾らになっているか調べてほしいと言っているわけですから、調べて報告することがなぜできないんですか。広告費というのは、これは重大な問題としてこの間も繰り返し問題になってきたんですよ、政党への機関紙広告費というのは。こういう問題だって、公益法人がちゃんと適正な運営をしているか、きちっとやっているかという問題について、健全にやっているかというような問題について指導監督するんだったら、これ調べるのは当たり前でしょう。大臣、これ調べるぐらい言ってくださいよ、KSD本体なんですからね。総額幾らになっているのかという広告料の額です、額。
#337
○国務大臣(吉川芳男君) 額の点については、これはいろいろ聞いてみなけりゃわからぬところだと思うんですね。
 それから、大体あうんの呼吸で、はっきり言わなくても、我々はやっぱりわかるだけのことは調べるようにということを申し上げているはずじゃないですか、何回も、今までの間に。
#338
○笠井亮君 いや、はっきり言ってください、調べるんですね。額ですから、KSDの経理について。
#339
○国務大臣(吉川芳男君) KSDのことについては今捜査のさなかでもございますし、これも終わり、資料も戻ってきたら、できるだけわかるように調べましょうというふうに申し上げております。
#340
○笠井亮君 この間、質問を伺う中でも、いろいろ資料をちゃんと、それは捜査中だってわかるものはあるんですよ。聞けば、ことし幾らだとか、そういう広告料ぐらいわかるでしょう。これさえ言えないっていうんでも調べますとまず言ってくださいよ。相手が出せる出せないはまた次の段階だから。調べる姿勢もないのかという問題です。──いや、大臣、それをちょっと一言言ってくれないと終わらないですよ、これ。いやいや、大臣、調べるぐらい言ったらいいでしょう、向こうがどうだというのはまた別なんだから。
#341
○国務大臣(吉川芳男君) 全体のこの問題についての中に、皆さん方からも御理解いただけると思いますよ。その捜査が終わり、みんな資料も戻ってきたところで、一つきちんとしたものをひとつ調べてみたいと言っています。
#342
○笠井亮君 それじゃ自民党に聞いてください。自民党の機関紙ですから、自民党でこれ広告料を幾ら払っているか、それを調べたらいいでしょう。労働省、これはKSDというのは公益法人なんだから、捜査中で資料がないんだったら自民党で調べられるはずです。
#343
○政府参考人(野寺康幸君) 事業主体であるKSDが、その本来の事業主体の目的からしていかなるところにどの程度の広告料を払うか、これはKSDの自由でございます。したがいまして、調べる必要はないんではないかというふうに思います。
#344
○笠井亮君 ちょっと、そこまで言ったらだめですよ。大臣だってあうんの呼吸とまで言っているのに、調べる必要がないんだったら全然だめですよ、大臣以下だもの。
#345
○国務大臣(吉川芳男君) それでは、政治家吉川芳男として、自民党の本部に広告費はどれぐらい払っているのかということについては聞いてみましょう。
#346
○笠井亮君 もう時間ですので終わりますが、KSD会員の会費が知らないうちに乱脈あるいは自民党への献金、党費のために使われている、あるいはその疑いがある、これは本来の趣旨に反している重大問題だと思います。そこに今多くの会員が怒っているし、抗議と退会の動きが相次いでいる。我々のところにもいろんな抗議が来ます。所管の労働省としても真相究明がどうしても必要だし、それが筋だと。きちっとやっぱり調べて、必要な資料を出していただきたい。
 そして最後に、当委員会として、真相を解明するために、古関忠男前理事長の証人喚問並びに必要な関係者の当委員会への参考人招致を求めたいと思います。委員長、理事会で諮っていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
#347
○委員長(吉岡吉典君) ただいまの要求につきましては、後刻理事会で協議いたします。
#348
○大脇雅子君 KSD問題についてさまざまな議員から御質問が相次いでおりますが、私ども社会民主党が十月十九日、二十日、二十三日の三日間、KSD問題ホットラインを開設いたしまして、電話及びファクスにより市民から情報の提供を受けました。総数において二百三件来ております。
 その中で、最も多いことはKSDの問題それ自体についてですが、これは信用金庫、信用組合、商工中金、銀行など取引先の金融機関から半強制的に入会を迫られて入会をした、これほどまで多くの金融機関がいかなる理由でKSDの会員の獲得に躍起になったのか、その真相を解明してほしいという声がたくさん寄せられております。
 こうした組織的な入会獲得行動というものは、信用金庫法に定められた業務範囲を逸脱して信金法違反の疑いが強いとすら思われるわけですけれども、そういう認識というのは労働省はお持ちなんでしょうか。またさらに、KSDの新会員を獲得したら二千円もらえるシステムがあるところもある、新会員を五十人獲得して十万円の表彰状をもらった人がいるとか、あるいはKSDの共済の会費以外に、中小企業の声を政治に反映するという名目で年三千円出してくれと言われて渋々応じたところ自動引き落としで取られているとか、こういった実態の声が寄せられていますが、これらの点について、今後とも労働省はどういう認識を持たれて調査をされる、まさに調査をされなければならないと思うんですけれども、この点について、通告はしてございませんが、労働大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
#349
○政府参考人(野寺康幸君) よろしければ私の方から……。
#350
○委員長(吉岡吉典君) 労働大臣、公式に言っていただけませんか、局長に答弁させるということを。
#351
○国務大臣(吉川芳男君) 局長に答弁していただきます。
#352
○政府参考人(野寺康幸君) 一般論でございますけれども、共済事業をやっておりますKSDとして事業の基盤を確立することは当然でございます。そういう意味で、会員拡大のためのいろんな活動をやるということもこれまた当然であろうというふうに思います。
 一方で、信用金庫等が、先生御指摘のように、公益法人等から奨励金なるものを受け取りながら当該法人の会員の拡大に協力するといったようなことが金融機関の活動として果たして適切かどうかという問題は、これは金融当局が判断し対処するべき問題であると考えております。
 そういうことでございますが、労働省としても、今後、そういった金融当局の判断を待ちながら歩調を合わせて必要な対応をしてまいりたいというふうに思います。
#353
○大脇雅子君 信用金庫がもちろん組織的な入会活動というのはよくないんですが、KSDでもそうした半強制的な組織的な会員勧誘というものは、これは大問題だと思うんですが、あくまでもそれは監督官庁として、労働省としてはKSDそれ自体にやはり捜査、調査をされるべきであるというふうにお尋ねしたいのですが、今後やられるかどうか、じゃ今度は大臣に重ねてお願いいたします。
#354
○国務大臣(吉川芳男君) 局長に答弁していただきます。
#355
○政府参考人(野寺康幸君) 何分にも御通告がなかった問題でございますので、大変失礼ながら御答弁申し上げます。
 一般論としては、今申し上げましたとおりでございます。したがいまして、金融機関に関します行動が適切であったかどうか、それは金融当局の判断を待つわけでございますが、一方で、会員獲得の上で先生御指摘のようにもし行き過ぎがあるというようなことがあれば、これはそういうことはあってはならないわけでございますので、今後ともそういった観点から必要な調査はいたしたいというふうに思います。
#356
○大脇雅子君 加えて、私が申しましたのは、中小企業の声を政治に反映するという名目で会費以外の徴収をしているところもあるというふうな声が寄せられているので、その点も調査をしていただきたい。調査するかどうかということについて、大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
#357
○国務大臣(吉川芳男君) そのような強制的にわたるような勧誘の方法があったかないかというわけですね。
#358
○大脇雅子君 そうです。
#359
○国務大臣(吉川芳男君) その点については、各方面に聞いてみたいと思っています。
#360
○大脇雅子君 私は、きょうは外国人の研修・実習生の制度に関連して問題をお尋ねしたい。
 質問通告の順序と少し入れかわりますが関連でお尋ねしたいと思うんですが、外国人の研修・実習生問題ではこれまで、パスポートを強制的に企業主等が持つ、あるいはお金を賃金から取ってそれを送る、それから受け入れ企業による積み立ての強制貯金がされるというようなことがいろいろ言われておりまして、十月二十七日のNHKニュースによりますと、財団法人アイム・ジャパン、正確には財団法人中小企業国際人材育成事業団というところがパスポートの預かり制度をそういう誓約書をとって行っていたという報道がなされました。このアイム・ジャパンというのは理事長が古関忠男氏であります。
 こうした点について私がお尋ねしたいのは、このアイム・ジャパンというのはインドネシアからの研修生、実習生はほぼ一〇〇%行ってきておりますし、あるいはタイとかからも受け入れておりますし、これからはベトナムからも受けるということでありますが、まず、こうした受け入れ機関というのは具体的にどのくらいあるのか、それから受け入れ機関は何人の研修生や技能実習生をそれぞれ受けているのか、その中でアイム・ジャパンは何%の研修生を受け入れているのかということについて、お尋ねしたいと思います。
#361
○政府参考人(町田幸雄君) 研修生の受け入れにつきましては、いろんな形態で行われているわけでございますが、例えば、我が国の企業等が現地法人等から直接研修生を受け入れて、研修して、また国へ戻すというようなやり方をしている、そういうこともかなりございますし、また民法第三十四条の規定により設立された法人、いわゆる公益法人でありますとか、あるいは商工会議所、商工会あるいは中小企業団体または農業協同組合などが第一次的な受け入れ機関として種々の責任を負う場合に、その傘下の中小企業等がより緩和された基準により研修生の受け入れを行うことができる、そういうことになっております。
 そういう第一次的な受け入れ機関は、傘下の中小企業等の研修実施能力を補完して日本語教育などのいわゆる座学研修の実施とか、生活指導員、研修指導員の育成、傘下の中小企業等が行っている研修の監査報告を行うなど、研修が適正に実施されるよう研修事業の実施主体としての責任ある役割を果たすことになっております。
 このような第一次受け入れ機関による受け入れ実績は、平成十一年においては約二万人となっております。必ずしも正確な統計数値ではありませんが、その内訳では、中小企業団体が約一万一千人ぐらい、それから商工会議所とか商工会が約千五百人とか農業協同組合が千百人というようなことになっております。
 アイム・ジャパンが何名というのをちょっと私も手元に今、御質問に事前になかったものですから直接は持っておりませんが、個別企業のこれ、私どものところには今、統計数字、アイム・ジャパンという形では持っておりません。
#362
○大脇雅子君 財団法人中小企業国際人材育成事業団、アイム・ジャパンの「研修生受入事業の現況」という紙があるわけですが、これによりますと、現在、インドネシアからは在留約六千五百名というふうな規定があります。そのほか、タイとかベトナム等受け入れるわけですが、一万一千人が中小企業団体というふうに言われると、この団体はおよそ六千五百人ですから、かなりの半数以上の研修生を受け入れているということになると思うのですが、こうした受け入れの中小企業団体というものはどういう基準でどこが認可して決めるんでしょうか、どういう要件で決めるんでしょうか。
#363
○政府参考人(日比徹君) ただいまの御質問にお答えする前に、ちょっと数字の面でございますが、先ほどの一万一千名ほどというのは技能実習生に年々切りかわる量というふうにお考えいただければと思います。
 それで、六千有余名という数、これは現在きちんとした数字をお持ちしなくて恐縮でございますが、アイム・ジャパンの場合にはインドネシアからは大体年々二千人ほどということでございまして、技能実習移行後、今は最大、最初の研修期間も含めますと三年いるケースがございますので、年々量ではなくて現在日本に今いる技能実習生、これがアイム・ジャパン経由ですと六千名ぐらいにはなろうかと思います。
 それで、その受け入れ団体、現在約三百五十ほどあろうかと思いますが、これにつきましては、どういう団体で受け入れ団体をやってもらうか、これにつきましては特段本来は制限ないわけでございますが、ただし、いろんな事務を的確にやっていただくということが必要でございますので、商工会議所等の事業主団体といいますか、そういうところあるいは公益的な性格を持つような団体というところを中心にしてやっていくということで、これは法務省の御判断というのは相当強いわけですが、法務省のほかにも私ども関係省庁集まりまして、受け入れ団体、おのずからの範囲ということで先ほど申し上げましたようなことを決めてやっておるところでございます。
#364
○大脇雅子君 そうしますと、このアイム・ジャパンという財団法人というのは関係省庁で認めた受け入れ機関と、こういうふうに理解していいですか。第一次受け入れ機関ですよね。三百五十あるわけですか、それが。
#365
○政府参考人(日比徹君) 受け入れ団体、現在約三百五十程度でございます。この受け入れ団体と言っておりますのは、先ほども申し上げましたが、商工会議所あるいは協同組合というものもございまして、非常に規模の小さいところも当然ございます。
 それで、アイム・ジャパンにつきましては、こういう事業をやるということにつきまして、これは何といいますか、許認可というような認めるということではございませんが、事実、技能実習移行含みの研修生を受け入れており、その関係でこういう現在事務をやっておる、そしてその事務に基づきまして事実として技能実習生に切りかわっている人を出しているそういう受け入れ団体だと、そういう意味で認めているかと言われますと、確かに認めております。
#366
○大脇雅子君 このアイム・ジャパンがインドネシアからずっと受け入れているわけですが、こうした外国人の研修・実習制度をサポートしているNGOの方から問題が三つ提起されております。
 一つは、パスポートをこのアイム・ジャパンが預かっているということで、これはパスポートの取り上げ、預かりということはこうした研修生や実習生の逃亡を阻止して強制労働に駆り立てるという効果があるわけで、これは強制労働を禁止する労基法五条に違反するのではないか。そうした預り証の誓約をとっているということで、NHKでは実習生に返還して今後はしない旨の報道はされたんですが、これは徹底しておられますか。どのように指導し、その結果がどうなっておるでしょうか。
#367
○政府参考人(町田幸雄君) 今お尋ねの財団法人中小企業国際人材育成事業団における研修生等の旅券の取り扱いにつきましては、報道されたとおり、旅券の保管の事実が把握されましたので、法務省としては実は前から改善方指導してきたところであります。しかし、この点に対する理解がまだ十分徹底していないと考えられますので、今後とも引き続き指導してまいりたいと考えております。
#368
○大脇雅子君 それから、研修生の貯金名目で二万円ずつ徴収をして、それを本国に一括して送っているということが言われておりますが、この点については労働省は把握しておられますか。何か調査をされておられますか。
#369
○政府参考人(日比徹君) ただいまの二万円の、これはインドネシアのケースではないかと思いますが、送金問題、これは私ども正直に申し上げまして把握しておりませんでした。
 ただ、報道等なされており、送金ということを少なくともやっておったというようなことは聞いておりまして、その送金の仕方等についてはるる聞いてみますと本人の家族口座にとかいろんな実態はあるようでございますが、いずれにしましても、先ほどのパスポート問題もそうでございますが、送金の問題その他につきましても不適正なところがあれば当然指導しなければならないと思っておりますので、今後十分慎重に労働省としても対応してまいりたいと思っております。
#370
○大脇雅子君 二万円を研修生の数だけ別々にそれぞれの家族に送金すると送金手数料など非常にかかるのでアイム・ジャパンが負担して一括して送金しているという事実が報告されておりますので、この点はやっぱり問題だろうというふうに思いますので、調査をしていただきたいと思います。
 それからまた、さらに、三年間の研修、技能実習を終了して帰国した場合には、受け入れ企業が積み立てた資金六十万円、研修時一万円、技能実習時月二万円を一種の起業資金や退職金として、帰ったらインドネシア労働省に代行してアイムが集めてインドネシア労働省に送金するという事実が行われていて、ベトナムで今度直接に政府からこのアイム・ジャパンが研修生を受け入れるときの契約書にもこういうふうに書かれていると思うんですが、これはどうも私はひっかかるんですね。どういう性質なのか。給料の全額払いの原則に反するのではないか。確実に帰った研修生や技能実習生に渡るという保証はないわけですから。
 私もこの間ベトナムに行きましたときにこの点をいろいろと聞いたのですけれども、なかなかそうした今までの保証金とかそういうものが過重で、失踪して不法就労するという人も多数あるというふうに聞いておりますので、この六十万円のいわゆるその受け入れ機関、企業が積み立てた資金というのは一体何に当たるのかなというふうに考えるわけですが、どんな御見解でしょうか、労働省。そういう実態がある場合に、どういう形でこれを見られるのかということをお尋ねしたいと思います。
#371
○政府参考人(日比徹君) ただいまのインドネシアの六十万円というケースでございますが、詳細なところを承知しておらなくて大変恐縮でございますが、パンフレットその他等で私ども把握しておる限りで申し上げますと、インドネシア労働省とその御本人、こちらに来られる方、その間の問題として処理されておるようでございまして、金のルート等いろいろちょっと詳細把握していない点があって恐縮ですが、パンフレット等によりますと、金額は明示してございませんけれども、一定の額、これが恐らく六十万円相当ではないかと思いますが、帰国後インドネシア労働省から本人に支払うという形をとっておるようでございます。
 なお、どういう実態等にあるかにつきましては、これは私ども労働の対価とかそういう性格ではなかろうという気もいたしておりまして、労働省としてどこまで関心を持つべきか、いろいろあろうかと思いますが、ただ技能実習制度につきましてはいろいろな適正な運営というものを図らなければならない、そういう時期あるいはそういう問題であろうかと思っておりますので、この点につきましても十分念頭に置いておきたいと思っております。
#372
○大脇雅子君 六十万円を帰ってから渡すという場合、こちらで働くときの賃金が一般の日本の労働者と違って非常に低いわけですから、やはり私は賃金相当部分と理解できるのではないかというような感じがして、大きな疑問を持っております。十分に調査をしていただきたいと思います。
 これまで、外国人研修生、技能実習生の受け入れに関しては、その本国からの送り出しにおいて登録料とか違約金とか保証金とか渡航費用というような名目で、ローンとして日本における労働の結果として手にする賃金から返済する、このことが多く指摘されてきたわけです。どうしてもそうした高い賃金を得ることができなければ、家族へも送金できないという理由で失踪したり不法就労したりするということもまた多数現実に存在するわけですから、こうした事実関係について当該省庁としてどのように把握して、そして政府としては、私は政府間会議というような形で送り出しの国と正式の外交関係を用いての解決が非常に重要だというふうに考えるわけですけれども、法務省と外務省の方々にお尋ねしたいと思います。
#373
○政府参考人(町田幸雄君) お尋ねの失踪とかあるいは不法就労の関係について御説明いたします。
 昨年の一年間に研修受け入れ機関から報告を受けました研修生の失踪者数は三百五十四名であります。この数字は、その前年の新規入国者が約五万人、研修で入国したのが五万人おりますので、五万人の中で三百五十四名というぐあいに考えていいかと思います。また、同様に報告を受けました技能実習生の失踪者数は百五十九名となっております。同様に、技能実習に移行した者が前年約一万三千人でありますので、その中の百五十九名が失踪したというぐあいに考えておりまして、これら失踪した研修生及び技能実習生の大半は在留期限を超えて不法残留、不法就労していると考えております。
#374
○政府参考人(今井正君) お答え申し上げます。
 外国人研修生、技能実習生の受け入れは、我が国において蓄積されました技術、技能または知識の移転により、諸外国の人づくり等、経済社会の発展に寄与することを通じまして我が国として国際貢献をすることを目的とする有意義な制度であると考えております。
 この制度は、相手国送り出し機関と我が国受け入れ機関との契約に基づいて活用されておりまして、御指摘のような問題につきましても相手国送り出し機関と我が国受け入れ機関との間で問題解決に向けた直接的な話し合いが行われているというふうに承知しております。
 外務省といたしましても、本制度が適切に運用され、不法就労等の問題が生じないようにすることが重要であると考えておりまして、今後とも適切、必要な働きかけを行っていく所存でございます。
#375
○大脇雅子君 第二次出入国管理基本計画というものによりますと、研修時の技能実習制度はこれからさらに拡充をしていくということで新たに独立した在留資格として創設するということを検討することになっておりますが、現在どのような状況にあるでしょうか。
#376
○政府参考人(町田幸雄君) 技能実習活動につきましては、実はこれまで特定活動という在留資格で対応してまいりました。この特定活動と申しますのはどういうことかといいますと、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動をできるというような非常に包括的なものでありまして、例えば日本にございます在外公館、外国の大使館等で大使館員が雇う外国人メードだとか、あるいはワーキングホリデー制度に基づいて入国した外国人についてとか、そういうような種々雑多なものについて認める制度をいわば流用するような形で行ってまいりました。
 しかし、この技能実習への移行者数が毎年一万人を超える状態となっておりますし、また技能実習制度は制度として十分定着してきたと認められます。また、いつまでも法的な枠組みをあいまいにしておくのは適当でないと考えられますので、御指摘のように技能実習制度のための独立した在留資格を新設したいと、そのように考えて出入国管理及び難民認定法の改正にちょうど着手したところでございます。
#377
○大脇雅子君 先回、外国人研修生実習制度の問題について、私は千葉県銚子市の生鮮食料品協同組合、あるいは武生のコンフィクソンに関する問題をお尋ねしました。この現状のフォローアップは少し時間がございませんので次回に回させていただきまして、そのとき労働大臣に五省庁連絡会議というものを労働省のイニシアチブでつくるというお約束をいただいて、それが実現しておりますが、これらの体制整備というものについてどのような具体的な対策を表明され、その後この連絡会議による具体的な施策はどのように進捗しているのかお尋ねをいたしまして、質問を終わります。
#378
○国務大臣(吉川芳男君) 今お話しの国際研修協力機構を共管しておる省庁、五省庁ですね、労働省、法務省、外務省、通商産業省、建設省による五省庁連絡会議は、国際研修協力機構の業務運営のあり方等に関する意見交換を含む内容として年二回程度開催しております。最近では、本年三月七日及び六月二十日に開催し、同財団の事業計画や事業報告、技能実習職種の追加、入管法に基づく第二次出入国管理基本計画等について具体的な議論を行ったところでございます。
 労働省といたしましても、今後とも本連絡会議の場も活用しながら関係省庁との密接な連携を図り、技能実習制度の適正かつ円滑な推進に努めてまいりたいと思っております。
#379
○高橋紀世子君 八月九日の委員会で、私は、小学校や中学時代のような学校教育の早い段階からインターンシップ制度などを導入したり、職業教育の重要性について述べさせていただきました。
 早い時代にどういう職業についたらいいか、そんなことを学ぶことが職業意識を向上させて、何になりたいかな、大きくなったらこういうことをやりたいかなと、そういうふうに子供たちが思うことが少年少女時代の生活を充実させることにもつながるのではないかと思うんです。そして、やはり少女時代、少年時代の人間生活をより豊かにするのではないかと考えるのであります。
 その後、新聞などを見ておりましたら、労働省や文部省が共同してそんな研究会を発足させるお話が出ていましたので、とてもうれしく思いました。そして、文部省ではキャリア教育の導入を提言したようなことが載っていましたし、これから中学校や高校でそういうカリキュラムの研究がなされたらとてもうれしいと思います。
 その新聞が出たのをちょっと持ってきたんですけれども、十月五日に産経新聞で、文部省と労働省と合同研究、「ストップ・ザ・フリーター 行政 本格取り組み 社会問題化危ぐ」。
  全国で百五十万人を超える「フリーター」について、文部省と労働省は四日、増加に歯止めをかけるため、両省合同で対策を取ることを決めた。職業人としてのキャリア形成が十分になされないおそれがあり、「今後、深刻な社会問題となりかねない」とフリーターという存在に対し、「望ましくない」との認識で文部省と労働省が一致した。
 そんなあれが出ていましたけれども、フリーターが悪いとは思いませんけれども、若いときから文部省や労働省やみんなが力を合わせて子供たちに職業の教育をするというのはすごくいい傾向だと思います。これは十月五日の新聞なんです。
 こちらは八月二十九日、やりたいことを早く探そう、「職業意識、小学校から教育」、これは日本経済新聞の八月二十九日なんですが、「文部省専門家会議が提言」、特別活動など活用。
  高校卒業後に進学も就職もしない「フリーター」のうち、約二二%が「何をやりたいのか分からなかった」ことを理由に挙げていることが二十八日、文部省の初の意識調査で分かった。
 生徒の職業観や社会人としての能力の未成熟さなどが背景にあるとして、同日、小学校段階から職業意識を植え付ける「キャリア教育」の導入などを提言する中間報告をまとめた。
これも新聞に出ていました。
 労働省と文部省が共同して研究会を発足させるなど、こういう取り組みがどんどん出てくることは本当にうれしいことだと思います。そしてまた、文部省ではキャリア教育の導入を提言したと知りましたし、本当にそれは、これからの子供たちの職業に対する気持ちが若いときから根づいてくるということは大変いいことだと思います。
 いい学校に行くというのが、今までは何でいい学校に行かなきゃならないのか、職業との関連がわかっている子供たちが余りいなくて、私も三人子供を育てましたけれども、何の職業につきたいかということになるとどの子もみんな迷いが多くて、本当に最後まで考えあぐねておりましたから、できれば中学校から何の職業につくか考えようというような教育がもう少し徹底できたらすごくいいと思います。
 労働省及び文部省の方に、学生の職業意識を高めていくための取り組み方、今考えていらっしゃることを、もし何かお考えがあったら伺いたいと思います。
#380
○政府参考人(御手洗康君) 小学校の段階から働く意義や目的あるいは具体的な職業生活のあり方、さらには中高等学校段階におきまして職業生活に必要な基礎的な知識や技術を身につけさせていくということは、学校教育上極めて大きな課題でございます。
 文部省といたしましては、そのために小学校段階から物づくりや生産活動などの体験的な活動を重視していこうという方針を新しい学習指導要領のもとにおきまして出したところでございまして、現在におきましても、例えば小学校の三、四年生や五年生段階では、地域の生産や販売の仕事あるいは我が国の農業、水産、工業、通信などの産業の様子、こういったことについて具体的な学習を始めますとともに、道徳教育におきましては、小学校段階から働くことの意義を理解し社会に奉仕する、さらに公共のために役立つ、こういったことを目標に進めているところでございます。
 具体的には、中学校段階になりますと、実際に職場を体験したり、あるいは技術者など社会人の方のお話を直接学校においでいただいてお伺いしたりと、こういった体験的な学習を積極的に導入しているところでございます。
 また、高等学校におきましては、特に専門高校を中心といたしまして、具体的な職業に必要な各種の専門的な教育を体系的に施すということをしておりますし、その中でも実際の実験、実習の場におきましては、就業体験いわゆるインターンシップを積極的に導入する、場合によってはインターンシップによる実験、実習体験をすべて授業として振りかえることができる、このような措置も図りながら、各学校におきますインターンシップの充実に努力をしているところでございます。
 このためにも労働省との協力ということは大変重要な課題でございまして、去る十月四日には両省の事務次官をキャップにいたしまして第三回の教育・労働問題連絡協議会を開催いたしまして、インターンシップの推進につきましても今後、連携協力していくという基本的な合意を見たところでございまして、十月二十三日には労働省、文部省を初めといたします関係省庁によりまして高校生のインターンシップ推進のための関係省庁連絡会議を開催いたしまして、関係省庁が今後とも密接に情報交換を進めながら、それぞれの学校、地域におきます具体的なインターンシップ授業の推進に努力することを確認したところでございます。
 今後とも、文部、労働を初めといたしまして関係各省庁とも協力しながらインターンシップの条件整備というものを進めてまいるとともに、各都道府県教育委員会等を通じて具体的な各学校あるいは地域の連携体制づくりに努力をしてまいりたいと考えております。
#381
○政府参考人(渡邊信君) 高校生あるいは大学生につきましては、いわゆる無業者がふえているような状況、きょうの委員会でも御議論ございました。それから、非常に早い段階での離転職がふえてきておりますし、いわゆるフリーターというような方も、百五十万という数字は少し前の数字ですから現在はもっとふえているのではないかというふうに思いますが、今こういった若年者の就職、就業の問題というのは大変大きい問題になってきておりまして、このまま放置すると我が国の将来にとっても大変ゆゆしき問題であろうというふうに私ども考えております。
 労働行政は、従来、再就職の切迫度といいますか、中高年の解雇、倒産による離職者の再雇用対策というものを最重点にしてやってきておりましたけれども、そういった課題は引き続きもちろん重要ですけれども、今申しましたようなことから若い人たちの職業意識の啓発あるいは職場への定着ということが大変大きい課題であるというふうに労働行政としても再認識をしているところでございます。
 今、文部省から御答弁ありましたように、文部省と協力をしましてインターンシップをさらに促進しますこととか、あるいは職業ガイダンスを在学中から行っていきますこととか、そういったことを積極的にこれから進めていこうと思いますし、今お話がありましたように、文部、両省共同で勉強会も開催して、若い人たちの職業意識の啓発にこれから検討していくというふうなことで、行政の大きい課題として私ども取り組んでいきたいというふうに考えております。
#382
○高橋紀世子君 ありがとうございました。
 私は、九歳の子供と十一歳の子供と一緒にアメリカの田舎町で二年間暮らしたことがあったんですけれども、公立の学校に子供をやったんですが、そのときにキャリアといいまして、授業といっても勉強じゃなくて、職業を考えるという科目が中学に一年からありまして、毎日ではない週一なんですけれども、その科目があるんです。
 その科目は何かというと、何になりたいかということを子供たちと先生が授業の中で会話をしたり、それからいろんな職業についてる人のところに行って話を聞いたり、ただそれだけの科目なんですけれども、中学一年からそういうのがあったのがすごく印象的だったので、またいろいろお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、私は、キャリア教育というんですか、学校のカリキュラムのあり方について議論する場合は、議論する場所は政府が決めた審議会や研究会の場所だけではなくて、やはりどんなカリキュラムをしたらいいかというのは、もう少し国会の場で自由に皆さんとお話し合いができるようにしたらいいのではないかと思っています。
 つまり、学習指導要領のようなことは国会の承認を必要としない、つまり国民の同意の必要のないレベルで決定されるべきことではないと思うのです。だから、やはり学校教育法の抜本的な改正を含めて、もっと国会議員が学校教育の姿を国民の前に広く提示して、国会の中でどんなカリキュラムをしたらいいかということを議論するようなふうにしていってもいいのではないかと私は思っています。
 日本の停滞した労働市場を活性化するためには、想像力と個性のあふれた人材の育成が本当に必要なんですけれども、そのためには学校自体が今後地域の特色があるものに、もう少し学校自体が一つずつ個性があっていいと思うのですね。そうすると、今ですと文部省主導のやり方が全国に行き渡って、どの学校でも同じカリキュラムでやるようなことになっていきますけれども、もう少し地域でカリキュラムを決めたり学校の中でカリキュラムを決めたり、それからもう少し学校それぞれがそれぞれの地域性に合ったカリキュラムで動いてもいいのではないかと思いますけれども、そのことについて文部省の方や労働大臣、どういうふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
#383
○政府参考人(御手洗康君) 御指摘ございましたが、現在文部省におきましては、小中高等学校におきます基本的な学習の内容を定める基準といたしましてそれぞれ学習指導要領をつくっているわけでございまして、そこで国語、社会、算数、理科というような各教科の基礎的、基本的な内容については全国どの学校でもきちっと教えて、子供たちが身につけるべき内容という意味での内容を定めて教科書をつくり、そして実際にそれに基づいて授業を行っていただくという仕組みにしております。
 しかしながら、御指摘ございましたように、各学校がそれぞれ地域の中で地域の特色を生かしながら、ある意味では地域を支える人材をつくっていく、ひいてはそれが国を支える人材になっていく、あるいはそれぞれの子供たちの個性に即した能力を開花させていく、こういったことは極めて重要でございまして、文部省といたしましてはこういった基礎、基本の上に立って、子供たちがみずからの考え、みずから課題を見つけて、そして実際にその課題を自分の力で主体的に行動して解決することができるように、こういう学習活動が今後極めて重要になると思っているところでございます。
 こういった観点から、小中高等学校を通じまして、教科の内容については学習指導要領では定めない総合的な学習の時間というものを小学校で三時間、中学校で二時間ないし三時間、あるいは高等学校では卒業までに三単位時間、三単位分というようなことを必ずどこの学校でも実施していただいて、そこで地域の文化、伝統あるいは環境問題、福祉の問題、こういった問題に教科を超えて横断的に課題学習を体験的に、実際に社会に出ていったり、地域に出ていったり、自然体験に触れたり、こういった学習をやっていただこうと。そのかわり、その中の具体的な内容をどうするかということはそれぞれの学校のカリキュラムの編成に任せよう、こういう時間をつくっているところでございます。
 また、中学校の段階になりますと、国語、社会、数学、理科というような教科につきましても選択の時間を設けまして、この選択の時間は学習指導要領の中身で縛らずに、それぞれの子供の興味、関心に応じてさらに発展的な内容を学習したり、あるいは基礎的な内容を繰り返したりということで、子供の進路あるいは理解の程度、そういったものに応じた個別学習ができるようにというような学習指導要領の工夫もいたしているところでございます。
 特に、高等学校につきましては、全体として必修として学ぶべき教科科目というものは全体の三分の一程度の単位数にとどめておりまして、その後の物理あるいは生物、あるいは地理、歴史、そういった専門的な教科につきましてはそれぞれの進路に応じて子供たちが必要に応じて単位を積み重ねて卒業していく、こういった非常に弾力的な形で学習指導要領も構成しているところでございまして、こういった学習基準に従いまして、御指摘ございましたように、それぞれの地域で特色ある学校づくりをしていただくよう、私どもとしても今後とも十分配慮してまいりたいと考えております。
#384
○国務大臣(吉川芳男君) ただいま高橋委員から、御自分のお子様も含めてアメリカでのユニークな体験についてお知らせいただきまして、大変示唆するところがたくさんあったと思います。
 その中で、自分は将来何になりたいかというテーマを持って上手に職業の重要さ、働くことの楽しさ等について理解をしてもらうというところは大変私、勉強になったと思うのでございまして、文部当局の方も来ていらっしゃいますので、十分その精神は生かされると思っております。
#385
○高橋紀世子君 やはり、学校の場所が自由に楽しくなりましたら、子供たちも学校での生活がもっと楽しくなって、学校に行きたくなる子供や、いじめや何かがなくなってくれるようにと思っています。
 それからもう一つ、近年、過労死やリストラを心配する自殺とか、仕事上の精神的ストレスによる疾病等が社会的な問題になっています。
 私は、過労死やリストラを心配して自殺するような社会問題を引き起こす根本的な原因の一つに、日本社会における終身雇用制の神話崩壊という現実に労働者が適応できていないことが挙げられると思います。この社会にいられなかったら私の人生は終わりだと思い詰めて死を選択する人も多いのではないでしょうか。
 終身雇用、年功序列のような時代に合わなくなった古い価値観を脱却し、組織中心社会から個性重視の社会に転換していくためにも、人生のいつの時代からも転換の可能な労働力が円滑に流動することのできるような確固たる新しい社会的価値観による制度の構築が急務と考えます。
 就職していた企業からのリストラが人生の終わりではなく、第二、第三の人生の始まりと希望を持って自然に迎えるような社会づくりのために必要な施策、例えば転職を希望する人のための相談窓口のようなものがもっともっとふえる、それから会社でストレスがたまった人に相談窓口がどんどんふえる、もしそういうような具体策を何かお考えになっていたらお聞きしたいと思います。
 やはり、本当に会社で疲れてストレスがたまったり、それからリストラにおびえたりする、そういう人たちにどうやったら救いの手が差し伸べられるか、そういう点で何かいい方法を考えたり、対策を練っていらっしゃることがありましたらぜひ聞かせていただきたいと思います。
#386
○政府参考人(渡邊信君) 現在でも、我が国は三百万人の失業者、これは大変荒っぽく申しますと、そのうち約百万人は解雇や倒産という非自発的な失業者でありますけれども、残りの二百万人の失業者というのはその大部分は自己の意思で転職をしていく人たちでありまして、現在でも失業者に占める自己転職の方の比率が高いわけであります。
 さらに、現在、産業構造が大きく転換しているわけでありますから、今後ともこういった労働移動の傾向というのは強まっていくのではないかというふうに考えておりまして、今委員おっしゃいましたように、転職移動というものをできるだけスムーズにいけるような体制の整備というものが私どもも必要であろうかというふうに思います。
 身近なところから申しますと、各都道府県の主要な安定所には転職を考えている在職者のための相談コーナーも今設置を始めているところでございます。
 さらに、この転職について考えますと、やはり職業能力の再開発とか、的確な情報が迅速に手に入れられる体制の整備とか、さらに中高年の方にとっては年齢制限の問題が大変大きいわけでありまして、こういったことをいろいろ考えながら、次の国会には何とかこの移動を含めた雇用の安定というものについて法的整備も含めて体制整備ができないかどうかということを今検討している真っ最中でございまして、これからの産業構造の転換等に合わせた雇用対策にしていく必要があろうかというふうに私どもも考えておるところでございます。
#387
○国務大臣(吉川芳男君) まず、御指摘の過労死等の予防対策といたしましては、健康診断の実施、心身両面にわたる健康づくり等を推進しているところでありまして、また過労死等の予防のための第二次健康診断等に係る新たな保険給付を創設することを内容とする労働者災害補償保険法の改正案を今国会に提出しているところでございます。
 また、職場におけるストレス等を感じる労働者の割合が増加していることから、本年八月に、事業場における労働者の心の健康づくりのための指針を策定し、その普及啓発を図るとともに、労災病院等における相談体制の整備を図っているところであります。
 さらに、労働者の自殺予防対策については、厚生省との統合に伴い、職域及び地域両面からの施策として総合的にその防止のための調査研究、相談、啓発活動を進めていきたいと考えております。
 労働省といたしましては、今後とも、これらの施策を通じ、過労死等の予防対策及び職場のメンタルヘルス対策の推進に努めてまいりたいと思っております。
#388
○高橋紀世子君 心のケアの健康診断のことでも、やはり健康診断でも通り一遍の診断では本当のことがわからないので、もし今度改正するときはやはりその心のケアみたいなことには十分注意が払える健康診断にしていただきたいと思います。
 私も、去年クモ膜下出血で倒れましたが、人間ドックに入ったりいろいろ自分では健康診断はしていたつもりなんですけれども、やはりクモ膜下出血になるかならないかの健康診断はしていなかったらしいんですね。
 ですから、やはりいろいろ考えて、少々費用がかかっても、やはり最大限の努力をして、なるべくでしたら予防できるような健康診断に今度していっていただきたいと思います。
 きょうの質問は終わります。
#389
○委員長(吉岡吉典君) 本日の調査はこの程度といたします。
    ─────────────
#390
○委員長(吉岡吉典君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、笠井亮君が委員を辞任され、その補欠として八田ひろ子君が選任されました。
    ─────────────
#391
○委員長(吉岡吉典君) 労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。吉川労働大臣。
#392
○国務大臣(吉川芳男君) ただいま議題となりました労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、過労死等の労災認定件数が増加傾向にあり、その発生を予防し労働者の健康を確保することが重要な課題となっております。また、建設業における災害率が低下していること等に対応し、所要の制度の改正を行うことが必要となっております。
 政府といたしましては、このような状況にかんがみ、本法律案を作成し、労働者災害補償保険審議会その他関係審議会の全会一致の答申をいただき、ここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
 第一は、労働者災害補償保険法の改正であります。
 労働安全衛生法に基づき事業主が行う健康診断において、労働者に業務上の事由による脳血管疾患及び心臓疾患の発生に関連する高血圧、高血糖等の異常の所見があると診断されたときに、その労働者に対し、医師による二次健康診断及びその結果に基づく保健指導を労災保険の保険給付により行うこととしております。
 第二は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の改正であります。
 建設工事など事業の期間が予定されている事業である有期事業に関し、事業主の災害防止努力を促進するために事業場ごとの災害率により保険料を増減させるいわゆるメリット制について、その増減幅の上限を百分の三十から百分の三十五に拡大することとしております。
 なお、この法律は、平成十三年四月一日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#393
○委員長(吉岡吉典君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト