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2000/11/27 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 財政・金融委員会 第2号
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2000/11/27 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 財政・金融委員会 第2号

#1
第150回国会 財政・金融委員会 第2号
平成十二年十一月二十七日(月曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月三十一日
    辞任         補欠選任   
     八田ひろ子君     笠井  亮君
 十一月六日
    辞任         補欠選任   
     櫻井  充君     平田 健二君
 十一月七日
    辞任         補欠選任   
     平田 健二君     北澤 俊美君
     三重野栄子君     渕上 貞雄君
 十一月八日
    辞任         補欠選任   
     北澤 俊美君     櫻井  充君
     渕上 貞雄君     三重野栄子君
 十一月九日
    辞任         補欠選任   
     櫻井  充君     小宮山洋子君
 十一月十日
    辞任         補欠選任   
     小宮山洋子君     櫻井  充君
 十一月十五日
    辞任         補欠選任   
     世耕 弘成君     鹿熊 安正君
 十一月十六日
    辞任         補欠選任   
     鹿熊 安正君     世耕 弘成君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任   
     世耕 弘成君     常田 享詳君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任   
     常田 享詳君     世耕 弘成君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         伊藤 基隆君
    理 事
                岩井 國臣君
                林  芳正君
                勝木 健司君
                海野 義孝君
                池田 幹幸君
    委 員
                上杉 光弘君
                片山虎之助君
                河本 英典君
                沓掛 哲男君
                世耕 弘成君
                野間  赳君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
                浜田卓二郎君
                笠井  亮君
                三重野栄子君
                椎名 素夫君
   衆議院議員
       大蔵委員長    萩山 教嚴君
   国務大臣
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    相沢 英之君
   政務次官
       大蔵政務次官   七条  明君
       金融再生政務次
       官        宮本 一三君
       総務政務次官   海老原義彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   楢崎 憲安君
       警察庁生活安全
       局長       黒澤 正和君
       金融再生委員会
       事務局長     森  昭治君
       金融庁総務企画
       部長       乾  文男君
       金融庁監督部長  高木 祥吉君
       経済企画庁総合
       計画局長     牛嶋俊一郎君
       大蔵省主計局次
       長        藤井 秀人君
       大蔵省主税局長  尾原 榮夫君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       国税庁長官官房
       国税審議官    塚原  治君
       郵政大臣官房長  團  宏明君
       郵政省貯金局長  野村  卓君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十一年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理
 の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○酒税法の一部を改正する法律案(衆議院提出)

    ─────────────
#2
○委員長(伊藤基隆君) ただいまから財政・金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月三十一日、八田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として笠井亮君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(伊藤基隆君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十一年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案の審査のため、本日の委員会に金融再生委員会事務局長森昭治君、金融庁総務企画部長乾文男君、金融庁監督部長高木祥吉君、経済企画庁総合計画局長牛嶋俊一郎君、大蔵省主計局次長藤井秀人君、大蔵省主税局長尾原榮夫君、大蔵省理財局長中川雅治君、郵政大臣官房長團宏明君及び郵政省貯金局長野村卓君を、また、酒税法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君、警察庁生活安全局長黒澤正和君及び国税庁長官官房国税審議官塚原治君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(伊藤基隆君) 平成十一年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。宮澤大蔵大臣。
#6
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました平成十一年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 さきに決定されました日本新生のための新発展政策を受けて編成いたしました平成十二年度補正予算(第一号、特第一号及び機第一号)については、今般成立いたしましたが、当該補正予算における国債の追加発行を極力抑制するとの観点から、平成十一年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理についての特例を定める必要があり、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして御説明申し上げます。
 財政法第六条第一項においては、各年度の歳入歳出の決算上の剰余金の二分の一を下らない金額を翌々年度までに公債または借入金の償還財源に充てなければならないこととされておりますが、平成十一年度の剰余金については、この規定は適用しないこととしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(伊藤基隆君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。
 まず最初に、これは通告をけさちょっとさせていただいたんですが、土曜日の朝日新聞の方に、経営難の特殊法人に対して税金を投入して救済するということを宮澤大蔵大臣が二十四日の会見でお話しになったということでございますが、まずこの件について、この新聞内容は本当でございましょうか。
#9
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題の新聞記者諸君との話し始めの部分は、後ほど御説明いたしますが、お互いにわかり合って問答をしておったわけですが、だんだん聞いている方がそれを少しストレッチしまして、いかなる場合にもそういうことをするのかというふうに一般化して報道した嫌いがございます。
 つまり、話の初めは関西空港であるとかあるいは有料道路であるとかいうことであったわけでございます。つまり、私が考えておりますことは、財政の透明性というやや将来の問題ではありますけれども、問題があるのであるから、なかなか償還できないような借入金をいつまでもして大きな事業に取りかかるというのはいかがなものであろうかという、これは例えば関西空港とかそういう話ですが、そういう話をしておった。その延長上で、それならば借金で賄っている特殊法人も一般的に税金を入れるのかというところまで行って、しかしそれは、場合によってはだめなものはやめたらいいんだよといったようなところまで話は別に行かなかったわけですけれども、そういう一般論としてああいう報道になったと、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
#10
○櫻井充君 しかし、大臣は関西空港の話はされているわけですけれども、関空とかその他、本四架橋公団でしょうか、その辺のところには税金を投入していくということのお考えなんですか。
#11
○国務大臣(宮澤喜一君) 関西空港につきましては、本来これは運輸大臣の御所管のことでございますので御相談もせずに私が余り申してはいかぬことでございますけれども、それを仮にお許しいただくとしまして、関西空港について私が先般関西に行きましたときに投げかけた問題は、現在の関西空港、予定発着量は年間十万回余り、十一万とか十二万とか十五万とか、それがこの数年間、東南アジア並びに我が国の不況によりまして十分にそのターゲットに行っていないというところから収入が思ったとおりに入ってこないということがありまして、そういうコストの関連で関西空港は、一つは日本の発着料が高いからであると考えて、それを引き下げる、そのための財源の減少を国においてある程度補てんしてほしいという、そういう予算要求がベースにあるわけです。
 であるわけですが、そもそもそのような関空の現状というものは、一時的に発着回数が減っておるからであるのか、あるいは当初の見積もりが過大であるのか。最近多少回復の兆はあるものの当初の見通しをかなり下がっておるわけでありますから、そういう問題もあり、また地盤沈下の問題も終わったとは言えないという、現状においてかなり問題があるように思うが、その上で一兆五千億円余りの金を投じて新しい滑走路をつくるということになりますと、さらに将来、会社が赤字経営を続けるという危険はないのだろうかと。
 海外に新しい飛行場が大分できてまいっておりますし、近くにも、実は神戸でつくろうというようなことがある。そういう供給側の増加を考えていきますと、一兆五千億円というこれからの第二期工事というものは借金でやって大丈夫なんだろうかということをお互いに考えてみようではないかということを、余り具体的なことを考えてもおりませんし申してもおりませんが、関西に参りましたときにそういうことで示唆をいたしたわけであります。
 それは自然に関西財界あるいは地方団体等々にも関係することですが、私もしかし、そう申した以上、政府側も全く空手でもってそういう話をするわけにはいかないということは承知の上でございますので、そういうことで何か、将来に向かって悔いを残さないような方法をこの際、たまたま発着料金を下げるという予算要求があった、たまたまというのはそういう意味でございますけれども、そういう問題が出たときに見直してはどうだろう。大新聞には一遍工事をやめたらどうだという意見が幾つか出ておるわけですから、その工事をやめるということは余り建設的な考えではない、私自身は、そういう財政的な裏づけができるのならばやっぱりこの仕事はやった方がいい、そういう立場からの発言でございますがと言ってそういう一つのサジェスチョンをいたしてみて、それにつきましてこれから具体的な話に入れるかどうか、もとよりこれは運輸省当局が一番の中心になるわけでございますけれども、たまたま、大臣の御了承を得て仮に私が話をすることを許してくれということで話してみておるのが現状でございます。
#12
○櫻井充君 結論だけもう一度お伺いしたいんですが、来年度この関西空港に対して税金を投入する予定はあるんですか、ないんですか。その一点だけ、まずあるかないかでお答えいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(宮澤喜一君) 私の申しておることは、いろいろ言えば、発着回数が予定より最近よくなっておるのならば、何も着陸料を減らさなくてもいいでしょうというふうなことは言えますよね。言えますが、将来の問題が来月末までに解決しなければ着陸料を低減することについて国は知りませんよと言い切っていいのかどうかということはございますね。
 大事な問題だと思うが、この一月ぐらいの間に決めなさいと言うにしては、大阪府の財政もございますし、いろいろございますでしょう。ですから、私はその問題の解決を一月や二月でやってくださいと申すつもりはありません。
#14
○櫻井充君 一月や二月でそのようなことを簡単にはおっしゃらないということになれば、要するに来年度は投入しないということなんでしょうか。
 もう一つお伺いしておきたいのは、こういうものを税金投入しますという形にするとすれば、やはり今経営がどうなっているのかということのディスクロージャーをまず先にしていただかなければ審議が全くできないと思います。大臣はそういう情報をいろいろお持ちかもしれませんけれども、我々はそういう情報を全く持っておりません。ですから、そのような考えをお示しする前に、関西空港が現状どうなっているのか、営業状況がどういうふうになっているのかをもっと国民の皆さんにきちんと知らせることの方が先だと思いますけれども、いかがでございましょう。
#15
○国務大臣(宮澤喜一君) 前段で櫻井委員のこういうことだねとおっしゃいましたことは、必ずしも私はそう申していないわけでございます。
 それから次の問題は、行政府として予算編成に当たってそういうことを精査することはもとよりでございます。国会で予算の御審議がありますときは、もとより関係資料をごらんいただかなければなりません。
#16
○櫻井充君 それでは、関西空港のほかに今のところ大臣がどの特殊法人に税金を来年度投入しようとお考えなのか、その点について御説明願いたいと思います。
#17
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、予算査定の最中で、しかも本格的にはこれからでございますから、私からそれを申し上げるだけの事務当局の準備がございません。
 ただ、しばしば話題になりますのは、本四架橋公団、これは仕事は一遍終わったわけでございまして、大変な借金を残した状況にあるということでございますから、それなどは、どういうふうにするかは別といたしまして、考えなければならないケースなのではないかと想像いたしますけれども、事務当局はまだそういう意味での検討を十分いたしておりません。
#18
○櫻井充君 それでは再度確認しておきますが、もしそういう特殊法人に税金を投入するというような場合には、その特殊法人の経営状況をきちんと我々が納得できるだけの資料を提出していただけるということですね。
#19
○国務大臣(宮澤喜一君) それはもとよりでございます。本四公団のごときは、もう仕事は、いわば架橋という問題は一応ないわけでございますから、これ以上全体がどうなるといいましても、一種の最終的な処理みたいな話でございますし、また財政当局としても、税金を投入してもよくならないという話には簡単に税金を投入するわけにはまいらない。仕方がない、もう済んじゃったと、借金だけ残っちゃったという話は別でございますけれども、そういうものは大変特殊な例ですから、そう簡単に税金を出したらいいということは考えておりません。
#20
○櫻井充君 今、税金を投入しちゃいけないというようなお話だと思いますが、もし仮にですけれども、このようなところに税金を投入しなきゃいけないとなれば、財源はどうされるんですか。今までの一般会計の中から出されるんですか。それとも、さらに国債を発行して、そしてそちらから投入するということをお考えなんですか。
#21
○国務大臣(宮澤喜一君) その辺になりますと、先ほども申しましたように、全く予算編成過程でそういう話が進んでおりませんから何とも申し上げかねますが、しかし、例えば本四公団なら本四公団でいえば、それに関係する特別会計がありますし、関西空港についても特別会計があるわけでございますから、そういうことも考えながらいろいろに議論が進んでいくんだと思いますが、そこまで実は行っておりません。
#22
○櫻井充君 宮澤大蔵大臣、これは九月六日の記者会見ですけれども、要するに亀井さんがあの当時十兆円規模の補正予算をという話をされたときに何とおっしゃっているかといいますと、国債の大幅増発を許したら大蔵大臣は落第だと。そしてもう一つは、何でも国債を出せばよいという状況ではないことを共通認識として持ってもらう必要があるというお話をされているわけでございます。
 そういう意味で、これまで特殊法人といいますか、相当な赤字を抱えて、借金を抱えているだろうと言われているところに税金を投入するようなきっかけができれば、またさらにどんどん税金を投入しなければいけないようになって、そして結果的には国債の増発につながるんじゃないだろうか、そう思うんです。大臣は九月六日には間違いなくこのように言われているわけであって、ですから、今お伺いさせていただいたのは、国債をさらに増発してその分で特殊法人の救済に当たられるのかどうか、そこら辺のことだけははっきりさせておいていただきたいんです。
#23
○国務大臣(宮澤喜一君) ごもっともなお尋ねだと思います。
 国債であれ何であれ、これから新しい借金を政府関係機関になるべく生じさせないということが大事でございますが、今御議論の対象になっておりますのは既に借金が生じておる幾つかの機関についてでございますから、生じてしまった借金についてはどうかしなければならないという問題は、これはいつのときにか必ず出てくるわけでございましょう。経営体質を改善してそれをなくしていくことができればよろしゅうございますけれども。
 したがって、私が申しましたことをもう少し普通の言葉で申せば、将来、財政再建をして、本当に隠れ借金とかなんとかいうものを全部洗い出してその処理をするというのが財政再建の終局の姿だと思いますが、そのときにはぞろぞろあちこちから出てくるだろうということは、もう既に生じておるものについては想像ができるわけであって、それをどうするかということは長くない先の問題でございます。
 したがって、今私が、なるべく当面借金というものを、国債というものを減らしていきたいと申しますのは、今生じようとする債務についてなるべくふやしたくないと言っておることでございまして、既に生じておる債務あるいは回復できないような債務についてどうするかということは、財政再建上、極めて深刻な将来の問題だと思います。
#24
○櫻井充君 済みません、その借金をつくった責任はではだれになるんですか。その責任は追及されなくていいんですか。
#25
○国務大臣(宮澤喜一君) その責任は、第一義的には政府にあると申し上げるべきでありましょう。
 もとより、国会においていろんな観点からそのような予算を御承認いただいたことは事実であるけれども、しかし、そういう予算を提案したのは政府でございますから、第一義的には政府の責任と考えなければなりません。
#26
○櫻井充君 そうしますと、その関西空港に関しても政府の責任ということになるわけですね。
#27
○国務大臣(宮澤喜一君) 関西空港が将来収支償うであろうと考えて政府がこれについて金を出すということであれば、それは、そういう見通しの誤りということにならざるを得ないし、本四架橋については、これがやがてもうかるであろうと考えて金を出したとすれば、それは多分間違いでありますけれども、しかし、その上でなお本四架橋が必要であったかというようなことは議論の生ずるところであろうと。広い意味での責任というのはそういう意味でございます。
#28
○櫻井充君 そうではなくて、現在ある借金をどうにかしなきゃいけないからと、できてしまったものに対してどう処理するかということを先ほど大臣はおっしゃっていたんじゃないですか。
 ですから、今できてしまった借金の責任はだれにあるのかとお伺いしたときに、政府にあるんだと宮澤さんお答えになったじゃないですか、今。ですから、関西空港に今でき上がっている借金は政府の責任なんですねと私はお伺いしているんです。
#29
○国務大臣(宮澤喜一君) もとより、国は金を出したということについての責任はございます。それで本当は私はお答えをやめた方がいいんだと思うんで、しかしそれを知りながら、なお空港をつくった方がいいかどうかという判断は、これはあるんだと思いますけれども、それは余計なことかもしれません。
#30
○櫻井充君 なぜこんなことにこだわって、こんなことにというか、非常に重要な問題であって、正直申し上げておきますと、これだけの借金を抱えて、返すのは我々の世代なんです。我々以降の世代がこの借金を返さなきゃいけないんです。余計な借金をこれ以上つくってほしくないんですよ。これは我々四十代以下の当然の声ですよ。ですから、国債なんかもうこれ以上出さないでくださいというのは我々のお願いです。
 今回、補正予算を組みました。補正予算を組んで株はどうなったでしょう。株価百円以上下がっていますよ。一体何なのか。こんな補正予算を組んだってしようがないということじゃないですか。その前日です。森さんの、我々が出した内閣の不信任案が否決されました。それで百何円また株が下がっていますよ。結果的に、今のやり方をしていたらこの国はよくならないという市場の判断だと思います。これは市場だけではないですよ、今、株投資しているのは世界の国ですから。世界の国々からそういう声が上がっているんじゃないですか。いかがでしょう。
#31
○国務大臣(宮澤喜一君) 一概にそういう議論は間違いだと思いませんけれども、それならば、将来の方々、関西空港は要らない、明石架橋も要らない、本四架橋も何も要らない、先輩はつまらないことをしてくれたという議論になると、また違う考えもあると思います。
#32
○櫻井充君 納得できる部分とできない部分とあると思います。
 要するに、その見積もりが正しかったか正しくなかったかだと思いますよ。つまりは、最初から工事費がこのぐらいになりますと言われて、あの工事費が一・五倍ぐらいになったかと思います。そして今度は、発着回数がどの程度だったかといいますと、発着回数が七割ぐらいだったかと思いますが、たしか三割ぐらい減っていたと思いますけれども、ちょっとこの数字は定かではありませんが、少なくとも工事費は上乗せされていて、そして離着陸の回数は減っているわけです。
 最初からそういうふうに見積もりが低くて、なおかつ今度は、じゃなぜ二期工事までやらなきゃいけないんですか。そして、中部もつくらなきゃいけないんですか、神戸もつくらなきゃいけないんですか。今度成田に二つ目の滑走路ができるじゃないですか。アジアで言えば、韓国のところに新しい国際空港ができるんであって、本当にそういうことを考えた上で二期工事が必要なのかどうかという議論さえなされないで、先ほどは税金を投入すべきだというお話をされていました。そして、四国と橋で結ぶのは確かに大事だと思いますが、本当に三本必要だったんでしょうか。三カ所も必要だったんでしょうか。まず需要を見ながら一つ一つつくってから考えていくというやり方だってよかったんじゃないですか。それを何が何でもやらなければいけなかったか。
 そしてもう一つ、宮澤さん、財投改革の際におっしゃっておりましたけれども、肥大化した財投資金があったがゆえに、むだな事業をやったことは否定しないとおっしゃったじゃないですか。そういうことを今になって、こうやって借金をつくってきたから今度は税金を投入して穴埋めしなきゃいけない、その理論は成り立たないんじゃないですか。
#33
○国務大臣(宮澤喜一君) ですから、一般論としてはなかなか言いにくいところであって、関西空港についてもあるいは何々架橋についても、東京にも何かございますけれども、いいかげんな見積もりをした、だから損になっちゃったと。ちゃんと見積もりをすれば、それがわかっていればつくらなきゃよかったと。そうですか。
#34
○櫻井充君 つくらなければよかったというよりも、例えばその年数をこんな短い期間で本当につくらなければいけなかったのかということ、それからもう一つは、なぜ有償資金を用いなきゃいけなかったかということです。本来であれば無償資金でもよかったはずです。その有利子があるからこそまた苦しんでいることも事実じゃないですか。
#35
○国務大臣(宮澤喜一君) 税金でやれとおっしゃるならば、まあ日本の経済の将来をどう考えるかにもよりますが、日本の経済がなお発展していくというふうに考える限り、将来の国民のことも考えて、借入金で仕事をするということも決して、必ずあってはならないということにはなかなかならないのではございませんか。
#36
○櫻井充君 昔は資金が少なかった、だからその財投資金を使っていろんなものを、社会のインフラ整備をする、これはよかったと思います。決してそれがだめだと言っているわけではありません。しかし、いつまでもずっと同じことを続けていっていいのかどうかという議論だと思います。そして、その続けていってよかったことに対して、もっと早くにやめるか、そのやり方を変えるか、なぜしなかったのか。すべてが先送りされてきて、結果的にはこれだけいろんな問題が出てきて、それからやり直しをしましょうということじゃないですか。
 宮澤さんは、不良債権のことだって十年以上前から気がついていたとおっしゃった。これは本会議場で話をされておりました。そのときになぜ処理をしてくださらなかったんですか。あのときに宮澤さんはその処理をできる立場にあったはずなんです。そして十年以上、いまだに不良債権の処理が終わっていません。それで今また銀行が苦しんできています。ですから、そういう先送り先送りしてきたこと自体に問題があるんじゃないかと私は思っていますけれども、いかがでしょう。
#37
○国務大臣(宮澤喜一君) それは一概に否定いたしません。日本の財政あるいは経済がずっと一九八五年ぐらいまで伸び続けてきた、もう少し後までですが、それが急にこういう形になったということから、今、櫻井委員がまさしくおっしゃるような問題が露呈してきたわけでございます。そして、いまだになお財政再建の見通しが立たないわけですから、おっしゃいますように、いつリカバーできるのかねということについて、こうやってなかなかお答えもできない。経済、財政がこういう大きな変革に入ってしまったということを見通せなかったことは、それは問題なく政府の責任だと私も思うんです。
 思いますが、その上で申し上げることですが、やがて日本の経済というものをもう一度きちんと立て直して立派な財政にして、そして借金では何にもできないといったような情けないことでないようなことにしなければいけないというのは、これは将来の私どもの決心だし、それは可能だと思っていますけれども、しかしそれは、今までした、ここのところの弁明にはならないよとおっしゃれば、その責任は認めなければなりません。
#38
○櫻井充君 わかりました。
 もうちょっと先のことを考えたときに、だったら、なるたけ早くこの特殊法人すべての情報公開をしていただきたいと思います。
 つまり、銀行の不良債権の処理だって、その評価方法が変わったからまたふえたんだというお話をされてきていますけれども、日本のすべてのことにおいてのディスクロージャーの制度というのは非常にあいまいだし、それから不透明な部分が多過ぎると思うんです。本当に、銀行が終わりました、第三セクターの問題が今度は出てきました、今度はまた特殊法人が出てきました、次から次に出てくるわけです。本来恐らくこれはわかっていたことだと思うんですよ。
 ですから、そういうわかっていたことを、この問題が終わってから一遍に出したら大変だからということなのかどうかわかりませんが、とにかく隠し通せるところまではずっと隠しておきましょう、その間に何とか繕いましょうと。結局、繕い切れなくなったら全部出てくるわけですよ。林野庁の問題にしたって、三兆何千億入れたかと思いますけれども、あれだってああやってパンクしなきゃ出てこないわけでしょう。国鉄の処理だってそれと全く同じじゃないですか。
 そうやって、先ほど大臣がおっしゃっていましたけれども、隠れ借金が露呈し始めてとおっしゃっていました。あと隠れ借金が幾らあるのか、そのことがわからないことも僕らにとっては不満なわけですよ。
 ですから、こういう発言をされたとするのであれば、特殊法人をこの際思い切って、よかろうが悪かろうが全部情報を公開されたらいかがですか。そうじゃなければ先に進まないんじゃないですか。
#39
○国務大臣(宮澤喜一君) まず、そのいわゆる隠れ借金といったようなものは、これはいずれの事情にせよ国会に申し上げなければもとよりならないことで、それはもとよりそういたさなければなりません。ただそれは、不良債権、不良債務ということと必ずしも一緒ではないということは申し上げなければなりませんが、本来、不良債権というものは、初めは不良でなかったはずのものが不良になるわけでございますから、そういう意味で申しまして、今ある借金はすべて見通しのないいいかげんな借金だとは、これは言えない。しかし、隠れ借金というものは、そう言われる限りでこれは国会に報告をしなければならないことはもとよりと思います。
#40
○櫻井充君 ちょっとわかったようなわからないような説明を今されたんですけれども、果たして本当にその当時不良債権にならないと思ってやっていたのかどうかというのは、わからないところはいっぱいあると思いますけれども、途中からこの借金を隠すために、こういう資本の移動を考えなきゃいけないとかいろんな手だてをやってきているわけですよ。
 もう一つ言えば、例えば熊谷組が債権放棄を要請しているわけです。新生銀行はどうしているかというと、新生銀行はメーンバンクの住友が買えと言っているわけですけれども、住友が買わざるを得ないんですよ、今。これだって、不良債権だと最初からわかっているものを買っているわけじゃないですか。違いますか。
#41
○国務大臣(相沢英之君) 熊谷組の債権処理については今なお検討が行われている段階と承知しておりますけれども、今お話のございました点についても今なおそういうような話が行われているということでありまして、確かにそのような方向になったというふうには承知しておりません。
#42
○櫻井充君 要するにどういうことなんですか。ならないということですか、なるということですか。まだわからないということですか。
#43
○国務大臣(相沢英之君) これは既に公的管理を離れて誕生した新生銀行の業務としての債権処理の問題でありますから一々私どもの方から指図をすることではないと思いますが、いずれにいたしましてもその債権処理に関して我々は関心を持っております。ただし、その債権処理がどのような形で今進んでいるかという詳細なことについてはまだ承知をいたしておりません。
#44
○櫻井充君 指図をする立場にない、それはおかしいんじゃないですか。中小企業の貸出枠を二兆九千億にしなさいとか、そういう指示をしているじゃないですか。違いますか。
#45
○国務大臣(相沢英之君) それは、公的資金を投入したところの都市銀行に対しまして、中小企業に対する融資の枠をこの程度ひとつ確保してもらいたいということを言っておりますが、それは全体としての話でありまして、具体的に各銀行がどのような企業に対してどういうふうな処理をするかということについて、一々これを指図しているわけではないということを申し上げたのであります。
#46
○櫻井充君 全体と言いますけれども、個別行当たり中小企業の貸出枠は幾らというふうに設定していると思いますよ。そうじゃないですか。
 それからもう一つは、不良債権をふやすようなことを起こそうとしている、それでもなおかつそのことをとめる権限はないということですか。税金を投入した銀行が、公的資金を注入した銀行がみずからの不良債権をふやそうとする行為をしているわけです。それをとめる権限は行政側には全くないんですか。我々国民は、我々国民が払った税金を注入した銀行がそういうことをやろうとしているのに対して何にも言えないんですか。
#47
○国務大臣(相沢英之君) これはあなたも御理解いただけると思うのでありますけれども、個々の銀行についてのそういう処理について一々そうすべきだこうすべきだというようなことを、これは監督的な立場にある金融庁としても言うべきことではない。ただし、今あなたがおっしゃるように、それによって損失をふやしているようなことをしているじゃないかということにつきましては、そうじゃないのです。
 それはそもそも、そのような債権の一部を放棄することによって企業が立ち直る、そしてまたそのことによってその企業に対する残りの債権についての回収も容易になるというような、そういう判断ができる場合において各銀行の判断においてやっているわけでありまして、あなたのおっしゃるように直ちに、債権放棄することが損失をふやすことになるんだ、それを黙って見ていていいのかと、こういう問題になるわけじゃないと、このように思っています。
#48
○櫻井充君 私は、債権放棄のことを言っているんじゃなくて、債権を買い取っていると言っているんですよ。全然違うじゃないですか。住友が買い取れと言っているじゃないですか。
#49
○国務大臣(相沢英之君) それは、住友銀行と新生銀行との話し合いのもとにそういったような債権についての処理が行われているという話は聞いておりますけれども、詳細は存じておりませんし、またそのことに関して一々こちらの方から申し上げるものではないということを申し上げたのであります。
#50
○櫻井充君 仮に、そういう行為をもしアメリカの銀行がやったら、もしアメリカで公的資金が注入されていてそういうことが行われて、アメリカの当局は全く何も口出ししないんでしょうか。
 アメリカは銀行の格付を行っています。CRAのところで四つのランクに分けているわけです。そして、支店を出すときに、あなた方のところはこういう不備があるから支店を出すことはできないとかいろんな注文がついてくるわけであって、物すごく制限されている中で、ただし、彼らは自由にやっているというふうになっていますけれども、日本ほど、これほどあいまいではないはずですよ。
 日本の行政側の方だって、銀行がどうならなければいけないのかということははっきりわかっているわけですから、ですからそれに向けてどうしていきなさいということを指示することはできるんじゃないですか。
 もう一つ、なぜ金融再生委員会というのは来年の三月でなくなってしまうんですか。その間にきちんとした処理をするという約束だったんじゃないですか。それが全然進んでいないからこそ、この間もそういう話になりましたけれども、そういうことがあるから今話をさせてもらっているんですが。
#51
○国務大臣(相沢英之君) これは御案内のように、一昨年のいわゆる金融特会におきまして金融に関する二法を審議し、そしてそれは与野党の言うなれば話し合いのもとに成立した法律によってそのことが定められているわけでありますから、それに対して私の方から今とやかく申し上げる立場にはないと思います。
 なお、再生委員会は三月までではなく、来年の一月五日まででございます。
#52
○櫻井充君 済みません、勉強不足で。一月五日であれば、もっと早いということだと思いますけれども。
 そしてもう一つ、そうやって不良債権を買い取ることは自由かもしれませんけれども、今その不良債権の処理をできるだけの銀行は体力があるんですか、余力があるんですか。どう判断されていますか。
#53
○国務大臣(相沢英之君) ちょっと御質問のあれがはっきりいたしませんが、それは住友銀行がと、こういう意味ですか。
#54
○櫻井充君 住友銀行でも結構ですし、それから大手十五行でも結構でございますし、銀行自体がこれから不良債権の処理をまた進めていくことができるのかどうか。
 つまり、今不良債権の処理に充てているものは何かといいますと、株の含み益であったり株式の売買を充てているわけです。今、株価がこれだけ下落している中で、果たして含み益がどれだけあって、株の売買によってどれだけの利益が得られるかです。不良債権というものが少なくなればなるほどいいはずなのに、そのようなものを買い取って処理できる体力があるとお考えですか。
#55
○国務大臣(相沢英之君) 銀行として健全な運営をすることについて、これはバブル崩壊の影響が大きいわけでありますけれども、問題があったればこそ、皆さん御案内のような公的資本の注入その他、通常においては考えられないような財政的な援助も行ってきたわけであります。そういうような処置によって、銀行の運営についても従来よりも当然健全性が確保されてきたと思いますし、また不良債権の処理も御案内のように相当進んでまいりました。私は、その峠を越したんじゃないかというふうに思っております。それから先の問題は、各銀行がそれを十分自分のところの経営の問題として御判断なさってやっていることでありますから、その一々の行動について私の方から指図するのもいかがかと思いますし、またそういう立場にはないと思っております。
#56
○櫻井充君 今、峠を越したとおっしゃっておりました。それからもう一つは、考えられないような財政措置をとられたと今おっしゃっていました。峠を越して、考えられない財政措置をこれまで行ってきたとすれば、もう二度とこの先、考えられないような財政措置はとらないということですね。
#57
○国務大臣(相沢英之君) 先のことがよくわからないのが世の中だという気がいたしますが、しかし、いずれにいたしましても、七十兆円もの公的資金、これは必ずしも税金じゃありませんけれども、それも投入をして金融機関の再生を図る、健全化を図るというようなことは今後あってはならぬと思いますし、そうならないように努力をしなければならぬと思っています。
#58
○櫻井充君 ならないような方向のことをやっているから言っているんじゃないですか。
 それからもう一つ、将来のことが見渡せないで、なぜ峠を越したと言えるんですか。
#59
○国務大臣(相沢英之君) それは、今後十年、二十年先のことを申し上げているんじゃないんで、少なくともバブル崩壊後における金融機関の経営状況というものを見ますと、今私が申し上げましたように、不良債権の処理については相当なテンポでこれが進んでおりますし、それはあなたも十分御承知と思いますけれども、当時の状況に比べれば、経営の安定性というのははるかに増している、不良債権の処理に関しても峠を越しているというふうに思っておりますが、あなたもそうお考えじゃないかと思います。
#60
○櫻井充君 私はそう考えておりません。ですから質問させていただいているんであって、不良債権の処理がこれだけどんどん進んでいるのは、今までグレーゾーンで要注意先と言われているところがまた破綻し始めているからです。ですから、当初の予定よりも一・五倍とも一・八倍とも言われる不良債権の処理をしなきゃいけない現状に追い詰められているわけです。
 そして、じゃ、額はどうなっているのか。この間金融特で質問させていただきましたけれども、九八年度末と九九年度末三月期決算でむしろふえていた。そして、それは評価方法が違うからだとおっしゃいますけれども、それは評価方法が今まで甘かっただけの話であって、結果的にはほとんど減っていない。だからこうやって申しているんです。その額が本当に減っているんですか、そしてこのペースでいいんですか。そうお考えなんですか。
#61
○政務次官(宮本一三君) 確かに不良債権、非常に大きな問題で依然としてあるわけでございますけれども、金融当局、それからまた金融機関それぞれが大変な努力をしてまいりまして、いわゆる不良債権といいますかリスク管理債権、相当縮小をしてまいっております。
 不良債権の処理でございますけれども、この八年間を見ますと、累積六十六兆円といいますか、かなりの額に達しておりますし、またそれもほとんどが直接償却という形でなされておりまして、もちろん一部引き当ての増という形で処理されているものもございます。そういう形でございますけれども、先生今御指摘されましたように、十二年の三月期のリスク債権、これが四十一兆円ぐらいでございますが、これも前年に比べますと確かに少しふえたというふうな評価はございますけれども、これは今先生もおっしゃられましたように、地方銀行あるいは第二地銀等における審査といいますか、評価といいますか、それをアメリカのSEC並みに非常に厳しくやってもらうというような制度の改正といいますか、そういったことが影響しておりまして、もしそれを考えなければ、むしろ二・四兆円ぐらいの減少になっているということも確かでございます。
 また、数字が最近発表されましたけれども、この九月期においてもやはり改善の跡は見えておりまして、これは大手十六行だけでございますけれども、この九月末のリスク管理債権額でございますが、これはこの三月期に比べまして、もちろんふえた銀行もございますけれども、全体で見ますと、三月末の十七兆三千四百億、これから六千億ほど減少いたしまして、この九月期には十六兆七千四百億というふうになっているのも事実でございます。そういう形で非常に努力をしてまいっておりまして、それなりに成果は進んでいると思います。
 ただ、最初にも申しましたように、やはり経済の実態あるいは株価の下落、さらにまた地価の下落といったようなこともございますので、正直言いまして、抱えている不良債権額というものの減少は非常に難しいということも事実でございます。
#62
○櫻井充君 話は長かったんですが、要するに峠を越えていない、まだなかなか厳しい状況にあるという話じゃないんですか、私はそう理解しましたけれども。
 それでは、先ほど申しましたとおり、その不良債権の処理をするに当たって何が大事かというと、銀行が持っている株式の含み益です。株式市場でTOPIXがどの程度の値であれば大手の銀行が含み益を得るというふうに判断されていますか。
#63
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。
 株価の水準とその含み益の関係でございますが、その中身につきましては、個々の金融機関がどういうものを持っているか、ポートフォリオにもよりますし、あるいはさらにいろんな売買も繰り返しておりますので、一概にどの水準であれば含み益がなくなるということは言えないことを御理解いただきたいと思います。
#64
○櫻井充君 おのおのじゃなくて結構です。平均でどうですか。一般論でも結構です。理論的にどうですか。
#65
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。
 今申し上げたような事情で理論値等をはじくのは大変難しいということでございますが、この九月期の大手十六行の株式の含み益は約二兆三千億という状況でございます。
#66
○櫻井充君 そうしますと、幾らだったらゼロになるのか、もしくは、TOPIXが前回どのぐらいの値で、それからどの程度下がって、例えば森さんが総理になられてから六カ月で、TOPIXではわかりませんが、日経平均は六千円ぐらい下がっているわけですけれども、そのぐらい下がって、では含み益はどの程度下がっているんですか。
#67
○政府参考人(高木祥吉君) 最初に申し上げますが、いずれにしても、TOPIXが動こうと日経二二五が動こうと、それぞれ構成が違いますから、必ずしもそれの動きによって含み益がどうこうということは言えないということであります。
 ただ、現実に実績として挙がっている数字を申し上げますと、平成十二年三月期の主要行の決算で見ますと、有価証券の含み益が約七兆六千億弱ございます。先ほど申し上げましたように、九月期の決算では約二兆三千億ということでございます。
#68
○櫻井充君 つまり、株が下がればこれだけ大きな影響を受けるんだろうと思います。
 そういう意味で、また大蔵大臣にお伺いしたいんですけれども、これは整合性があるかどうかわかりませんけれども、私が調べた範囲では、内閣不信任案が否決されて日経平均が百二十三円下がって、TOPIXは一三ポイント下がりました。衆議院で補正予算が通過したときに、日経平均が百七円下がってことしの最安値を更新しました。一万四千三百一円です。TOPIXも一一・五五ポイント下がって一三四六ポイントとなっています。この原因は何だとお考えですか。
#69
○国務大臣(宮澤喜一君) わかりません。
#70
○櫻井充君 こういうことに関しての分析はされないんですか。
#71
○国務大臣(宮澤喜一君) 株式市場における売買の関係で価格が決まっていくわけですから、そのことがいろいろに起こる社会現象とどのように関係があるかということにならざるを得ませんので、それ以上の分析というのは、やってみても実際は大して意味のあることではないだろうと思います。
#72
○櫻井充君 本当にそうでしょうか。
 これは新聞紙上によるものですから果たして当たっているかどうかはわかりませんけれども、一つは、アメリカのナスダックの指数が下がったということが大きいと言われております。そしてもう一つは、今の政府のままでは大きく構造改革が進まないであろうから、将来に向けて大きく変わる期待感を持てないからこのように株価が下がったと、そういうふうな説明がございますが、じゃ、この意見に対してどうお考えですか。
#73
○国務大臣(宮澤喜一君) ナスダックのことはこれは事実でございますから、今の内閣ではなかなか気のきいたことはできないだろうからと、そういうことを思われる人はきっとたくさんあると思うんです。だから株が下がったという最後のところが、因果関係が言えない。
#74
○櫻井充君 わかりました。
 それでは、今の内閣では大きな構造改革ができないと考える方が多くいらっしゃると今おっしゃいましたが、それはそうお考えなんですね。
#75
○国務大臣(宮澤喜一君) これも政府としては知り得ないことですけれども、幾つかの報道機関の世論調査を見ておりますと、そういう傾向が見えるように思います。
#76
○櫻井充君 ちょっとお伺いしたいことがありますけれども、それでは、宮澤さんのところの派閥の長が今回ああいう形で不信任案に賛成しようかとおっしゃったときに、お答えしにくいかもしれませんけれども、宮澤大蔵大臣としてなぜ加藤さんに同調されなかったのか教えていただけませんか。
#77
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は森内閣の閣僚でございますから、内閣を不信任するということは自分を不信任するということなんで、そうしたいんなら、やめてしなければならない。
#78
○櫻井充君 そうしますと、おやめになる意思はなかったということですね。ほかの政務次官の方で辞表を出された方はいらっしゃいますが、そういう意思は全くなかったということでございますね。
#79
○国務大臣(宮澤喜一君) それはおのおのの考え方があると思うんですが、私の人間としての考え方は、ちょっとこれは申し上げていいのかどうか、お尋ねですから申し上げていいんだと思いますが、共産党と一緒になって何かをする、不信任をするということは、私の哲学にはないんです。共産党に失礼のつもりで申すのでありませんので、お許しいただきたいんですが。
#80
○櫻井充君 わかりました。どうも済みません、ありがとうございました。
 それでは、今回の法案についてちょっとお伺いいたしたいんですけれども、今回の法案が成立すれば確かに新規の赤字国債の発行額は減らせるかもしれません。しかしながら、赤字国債の残高という点で考えれば、今は見た目は若干下がったように見えるかもしれませんが、将来にわたって考えれば実質的には変わりないということであって、そうだとすればこのような法案を出す意味は全くないんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょう。
#81
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっとこれには経緯がございまして、私は本来、今回の補正というものは、経済回復の様子から見て、前回、前々回ほど大きなものは要らないと前から申し上げてもおりまして、考えてもおりました。バトンタッチが民需にうまくいくと、企業活動の方はうまくいきましたが、四―六まで見ていましても、どうも家計、雇用というのは思ったほどいっていない。ある程度の補正をしておかないと年度末の公的需要が弱くなるかもしれないということと、二十一世紀に向かってのIT等々のことも準備が緊急を要するということで補正をさせていただきましたけれども、その程度のものでございますので、それならばできるだけ自分の財源でやりたいというふうに考えるようになりまして、したがいまして、今年度の国税収入見積もりも、いろいろ専門家と相談いたしまして、ある程度増額することができるということがわかってまいりました。
 それであるならば、ここのところも、剰余金も法律を出して国会のお許しを願って全部使わせていただければ、まあそれでも半分ぐらいは自分の財源でいける。半分はやはり国債をお願いしなきゃならないのではあるが、しかし、半分やれたということは、来年度予算編成につきましても何とか国債の新規発行を減らしたいという気持ちに私の気持ちの中でつながるものがあるものですから、前年、前々年に比べて国債はとにかくこの程度で、いいことはないが、それでも済んだということをやはり財政当局としては大事に考えたいと思ったわけでございます。それは、もとより来年度の予算編成につながることでございますけれども。という気持ちがございましたものですから、それでしたら、国会にお許しを得て、その半分も使わせていただきたいと考えました。
 と申しますのは、国債整理基金そのものは一定の金額を持っておらなければならないわけでございますけれども、ここでその半分がそこに入る入らないということは、また別のやりようもございますので絶対ではない、に対して、新しいものを出さなかった、その限りにおいて出さなかったということは、先ほど申しましたように意味のあることであろうと私としては考えたわけでございます。
#82
○櫻井充君 どうも今のお話をお伺いしていると、大臣は積極的には補正予算は必要なかったんじゃないだろうかという見解なんでございましょうか。そしてもう一つは、今回このぐらいの規模になりましたけれども、この程度の規模は、本来は必要なかったんじゃないだろうか、そうお考えだったんでしょうか。
#83
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほども申し上げましたが、企業活動の方はもうほとんど満足と言っていいぐらい回復しつつあるんですが、どうしても雇用、家計、ここのところに従来の経験よりも長くかかっているのは、もしかすると、雇用についても構造的な変化が起こっているのかもしれない。いずれにしても、ITとかいうものが進んでいきますとそうなるんでございましょうから、その先取りの起こっているリストラクチャーの中にもそういうものがあるのかもしれないという気もいたしまして、わかりません。これはわかりませんが、ことしの夏のボーナスなんかを見ていると、もうちょっとよくてもよかったんだがという思いがするものですから、念には念を入れておかないといけないなというのが、補正をやっぱりせざるを得ないなと思いました理由でございます。
 今になりまして、もうしばらくすると七―九がわかってきますが、新しいGDPの算入方法にしましても、どうも余り私は楽観できない気持ちがありまして、この程度の補正はしようがないなと。それで、いろいろございますけれども、まあ半分はともかく国債でない方法でファイナンスできたと。やっぱりどっちかとお尋ねになれば、四―六あたりのQEを見ておりましても、この程度の補正はやっぱり必要だと私は自分で考えるようになったわけでございます。
#84
○櫻井充君 それじゃ、ちょっときょうは郵政省の方に来ていただいているので郵政省の方にお伺いしたいんですが、平成十二年度のIT関連に関して、一般会計補正予算に電気通信格差是正事業等に必要な経費とございますけれども、この内訳、そしてこれはどのように使われるのか、教えていただきたいと思います。
#85
○政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
 平成十二年度の一般会計の補正予算に計上しております電気通信格差是正事業等の必要な経費でございますが、総額三百三十三億円でございます。
 項目別の内容でございますけれども、まずIT、情報通信技術の特別対策の推進のために、一つは、地方公共団体等が施行します地域生活情報通信基盤高度化施設の整備というものにつきまして一部補助を行うという事業でございます。具体的には、光ファイバー等を使いました新世代地域ケーブルテレビの施設整備事業、これに八十四億円でございます。
 もう一点は、民間団体が行うデジタル加入者線の導入促進基盤整備事業の事業費への補助でございますが、これは具体的にはDSLの導入促進基盤整備事業ということでございまして、十八億五千万円でございます。
 次に、教育・青少年・科学技術等特別対策の推進のための事業でございますが、これも地方公共団体等が施行する先進的な情報通信基盤整備等の一部補助ということでございまして、具体的には、一部ソフトも含めました先進的な情報通信システムモデル都市構築事業としまして一億五千万円でございます。
 三つ目の分類になりますけれども、IT関連の特別対策の推進を図るために、これも地方公共団体等が施行します地域生活情報通信基盤高度化施設の整備というものに対する一部補助でございます。具体的には、地方自治体等が地域にイントラネットを整備するという整備事業のための補助等、こういう分類のものが二百二十九億円、以上でございます。
#86
○櫻井充君 済みません、これはどちらの地方公共団体で使うかもう決まっているものですか。そして、その地方公共団体ではどういうものに使おうとしているのか、もうこれは決まっていることですか。
#87
○政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
 これは確定しているわけではございません。補正予算ができましたので、一応の需要等は聞いておりますけれども、具体的にはこれから確定していくというものでございます。
#88
○櫻井充君 逆だと思うんですよ。
 要するに、地方公共団体に何をしますかということ、どこがどれぐらい必要ですかということをこれから聞くんですよ。おかしくないですか。補正予算というのは本来は、緊急性を要するもの、そのために補正予算があるんじゃないでしょうか。つまり、こういうものは来年度に回してもよかったはずなんです。こういう事業をやりましょう、さあ、じゃ皆さん地域でどのぐらいお金を必要としますか、どういう事業をやるからどのぐらいお金が必要ですかということを上げてもらって、その上で組めばいいものなんです。それをこうやって最初に予算ありきで、そしてまたばらばらばらまいているわけです。こういうものに対して果たして本当に予算を組まなきゃいけなかったのかどうかです。
 私はこの間、平成十年度の決算委員会のときに、交通バリアフリー対策費として平成十年度五十億円の予算が計上されておりましたが、その年、運輸省は一円も使っておりません、これはなぜかと聞きましたら、補正予算だったからだというような答弁もございました。しかし、本来であれば、そういうものはどこに使うのかということをきちんとはっきり示した上で、むしろ一般予算の方で、通常の予算の方で出してくるべきものじゃないか。ここで何カ月間か早く出したところで私は大きく変わらないと思います。なぜなら、くどいようですけれども、何に使うかは決まっていないからです。こういうものの私は積み重ねだと思っています。
 大蔵大臣、これでも補正予算は必要だったでしょうか。
#89
○政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
 その前に、具体的な確定をしていなかったではないかというお話でございますが、これは例えば地域イントラ事業などにつきましても、過去の予算においても予算をとっておりまして、実行しております。
#90
○櫻井充君 過去のことなんか聞いていません。
#91
○政府参考人(團宏明君) 今回につきましても、およその事業につきましてはいろいろ希望を聞いてやっておりまして、この程度の事業は必ず実施できるというもくろみのもとに要求しているものでございます。
#92
○櫻井充君 この程度のもくろみのもとにやれるとかやれないとかじゃないんじゃないですか。今これだけお金がない時期に、きちんとしたものが上がってきて、どういう事業内容だから、じゃこれにお金を出しましょうという、そういう時代じゃないでしょうか。私はそう思います。
 大蔵大臣いかがですか。
#93
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府の将来に向けての新経済対策でもそういう決定を基本的にしておりますし、場合によって今のような部分があるかもしれませんけれども、仕事そのものは繰り越しすることが認められておりますから、それは早く始めることが大事だということは理由のあることだと思います。
#94
○櫻井充君 繰り越しすることも認められているということは、結果的には最初に予算ありきじゃないですか。最初に予算があって、とりあえずのところとってきておいて、後から。だから、これがばらまき型だと言われているんじゃないですか。ばらばらばらまいて、後から皆さん勝手に使ってください。そういうことじゃないんじゃないですか。
 補正予算でもし本当に国債を発行されたくなかったということであれば、こういうものを全部削ってもよかったじゃないですか。本当に緊急に必要なものだけ、きちんと上がってきているものだけ組めばよかったんじゃないですか。
#95
○国務大臣(宮澤喜一君) しかし、やることに大事な緊急性があって、しかも正確にはどこどこということを全部言えない状況ではあるが、そういうことが現実になりつつあるという場合には、繰り越しをすることもできますから、それは早くスタートした方がいいと考えてもいいのじゃないかと思いました。
#96
○櫻井充君 しかし、補正で本当にやることでしょうか。四月なら四月に予算がつくわけであって、そうだとすれば、このようなことをこれからまた地方自治体に聞いて歩くわけであって、そんな必要はなかったんじゃないだろうかと、私はそう思います。
 済みません、時間がなくなったので、ちょっとあと二、三お伺いしたいことがあります。
 財投機関にこれから税金を、どれだけつくかわかりませんが、税金をつぎ込むことになるんでしょう。その一方で、庶民の楽しみでありますアルコールとかそういうものに今度課税することになって、発泡酒でしょう、特に。それからワインなんかも値上がりすることになるんだろうと思いますけれども、なぜこの税率の変更が必要なのか、その点について教えていただきたいと思います。
#97
○国務大臣(宮澤喜一君) これはまだ決定をいたしておりませんので、そういう段階のこととしてお聞き取りいただきたいわけですが、今の発泡酒のことについて申せば、結局、麦芽が一〇〇%であるとか、少なくとも三分の二はなければいけないというような物の考え方が伝統的にあって、それがビールというものである、それに満たないものはビールと言わない、こういうことで課税をしてきたようですが、専門家の話を聞きますと、やっぱり一つは技術革新だというふうに言います。
 それだけ麦芽を使わなくてもそれに類似した効果を出す方法があって、まあテーストが変わったかもしれませんが、したがって、事実上麦芽を六〇%以上使っておったものとそれ以下のものと現実には同じものができていると。同じものかどうか、専門家から見てまあまあ同じというんでしょうか。そういうことに現実になっておるについては、その間の税率がこれだけ違うということは実態に合っていないというふうに専門家は考えるという説明でございます。
 それはそうでも、一缶で税金にして四十円も安いということは、やっぱり愛好家からいえばそれはいいことだねというような議論をしておるわけですけれども、どうも二千億円ぐらい税金がつまりそれで変わってくるというものですから、この際申しわけないが、どこかから税金をいただけるとすれば、そういうところが比較的罪のないところかなというような議論を今いたしておるところでございます。
#98
○櫻井充君 罪がないって、こんな罪なことないじゃないですか。そして、そのお金をもし関西空港に二千億円なら二千億円つぎ込むようなことがあったら、こんなひどい話ないじゃないですか。庶民のわずかな楽しみをとって、そしてそんなどうでもいい、どうでもいいと言ったら怒られるかもしれないけれども、むだなといいますか、その見積もりが甘かった、そのために赤字を出しているようなところにつぎ込むようなことになってもらっては、これは庶民は黙っていないと思いますよ。私はそう思います。
 そしてもう一つ、なぜ今になってアルコール度数一度につき幾らという形で税率を定めるんだという話になってきています。それでは、今までなぜ整合性のないやり方をしていたんですか。
#99
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、WTO、当時ガットですが、長いいきさつがありまして、御記憶でいらっしゃると思いますが、ウイスキーの輸出国イギリス、サッチャー女史あたりがしょっちゅう言っておったことでございます。ウイスキーとしょうちゅうとこんなに税率が違うのは何だというような議論が長いことあって、結局、蒸留酒についてはやっぱりアルコール分で考えるしかないなと、WTOもそう言うわけです。ですから結果としては蒸留酒が上がりウイスキーが大変下がったということになったわけですけれども、あのときにアルコールでひとつやっぱり税率を定めようという、蒸留酒についてはそういう基本が決まったと。これは大分前でございますけれども。それをだんだんさや寄せして今のところになったわけでございますから、そうしますと、清酒の中でも三倍醸造とかなんとかいう大変アルコールを投入している清酒がございますので、これなどは米だけでつくる清酒よりはむしろ蒸留酒に近い。そういうことから、やっぱりアルコールを基本にしてそういう部分も直してまいったということでございます。
#100
○櫻井充君 そうしますと、筋は筋で通さなきゃいけないということですよね、恐らく。そうしますと、株式に関して来年四月一日から申告分離課税一本にしますという約束をしていたわけです。これも筋は筋ということで通されるわけですね。
#101
○国務大臣(相沢英之君) その件に関しましては、一昨年の税制改正の際に御案内のように有取税が廃止になりましたが、それと関連があるかどうかでありますけれども、いずれにいたしましても、選択制を廃止するということが一応決まったわけであります。
 その期限が来年の三月末ということになって四月一日からそれが始まるわけでありますが、しかし、その後における株価の推移等も勘案いたしまして、先ほどお話がございましたように株価は相当下がっていることがある。特にまた個人の投資家の市場離れというような現象もございます。いろいろと検討いたしますに、やはり源泉分離と申告分離の両制度を一本にするということについてはいろいろ問題がある。ほかの利子課税等との関係もございますが、やはり源泉分離課税をこの際残すべきではないかという議論をやっておりまして、金融庁からも来年の税制改正に関しましてそのことの要望も出しているわけでございます。それは、一遍変えたことはてこでも変えちゃならないということではなくて、やはり政策というのはその情勢に応じまして弾力的に考えてしかるべきものだと私は思っているのであります。
#102
○櫻井充君 先ほど株価の下落の原因はと言ったときに、株価の下落の原因は考えない、そうおっしゃっていたじゃないですか。株価の下落の原因に関してどうですかと聞いたときに、株価の下落の原因というのは追及しなくていいんだというようなお話もされておりました。しかし今度は、こういう話を出してくるときは株価の下落云々ということを持ってきたりとか。つまりは、もう一つ申し上げておきますけれども、これはいろんな団体から言われてきたから、都合が悪かったら皆先送りしていくと構造改革は進まないという、これはまた一つ明らかになったことなんじゃないだろうかというふうに思います。
 お願いがとにかく本当にございまして、最初に申しましたけれども、借金がふえて払っていかなきゃいけなくなるのは我々の世代以降なんです。その人たちの世代のために、なるたけ借金を多くつくらないような努力をされていただきたい。その一つ一つをきちんと吟味した上で、本当に必要なものだけをやっていかなきゃいけないということであれば、税金の使い方を皆さんも納得されると思いますけれども、今の一番の不満は、税金がどういうふうに使われているのかわからないという点に庶民の本当の怒りがあるんだということを御理解いただきまして、私の質問を終わります。
#103
○海野義孝君 公明党の海野でございます。
 先週末に、平成十二年度の補正予算、四兆七千八百億円が成立しまして、きょうはその関連法案の審議ということでございまして、これまでの議論の中でもいろいろありましたけれども、私は率直にいろいろと大蔵大臣にお聞きしたいと、こう思うんです。
 まず第一点は、景気の現状及び今年度の見通しについての御認識と、そして今回の補正予算の効果といった点について教えていただきたいと、こう思うんです。
 ということは、このところ景気の問題につきましては、先般、経済企画庁で今年度の実質GDP一%を一・五%というように政府見通しを変えられたわけでございますけれども、一方では、十一月の月例経済報告では、これまで一年余にわたっての言うなれば回復の見方からややトーンダウンしてきたというようなことがあります。それからまた、経済関係の大臣等の新聞あるいは雑誌等の発言等を見ておりましても、どうも景気は今年下半期は昨年と同様に、一月から六月はかなり成長したけれども、後半マイナスになったと。ことしもまた、七―九、十―十二についてはマイナスになるんじゃないかというようなことを言われている。片や景気の見通しは、経済成長率は上がると言っておいて、最近またどうも厳しいぞというようなこと。折しも補正予算の審議さなか、あるいはその成立を控えていたといううがった見方もないではないけれども、私はそうは思わない。現実の経済は大変厳しいんじゃないかと私は思うんです。
 問題は、そういった中でいかにして国債の発行を抑え、そしてまた効果のある補正予算を組むかということが、今政府におかれての喫緊の問題だということで苦慮された結果が今回のこういった補正予算の歳入歳出の中身になってきたんじゃないかと、こういうように私は思うんです。
 率直なところ、当面というよりも今年度の景気の認識と、そして補正予算の効果が本当にあるかということを、過去においても第二次補正なんかを組んだ年もありましたけれども、確かにこのところ、一昨年の緊急経済対策においては、事業規模二十七兆円、補正予算の国債依存が十二兆三千億。昨年度の場合は、経済新生対策で事業規模十八兆円、そして補正予算の国債発行分が七兆六千億。今年度は、日本新生のための新発展政策で事業規模が十兆円、そして補正予算の国債発行が二兆円というように、確かに事業規模も縮小してきておりますし、国債の発行も縮減されてきておるというその努力の面が見られますけれども、なかなか経済効果というか、景気の面にはいま一つという感じが私は大変残念であると思うわけであります。
 この点の景気の御認識と、今回の補正予算は大丈夫か、効果があるというように御判断になっているか、その辺いかがでございますか。
#104
○国務大臣(宮澤喜一君) 今のお尋ねでございますけれども、もう海野委員はお詳しいのでその点は詳しく申し上げる必要はございませんが、統計から申しますと、今年度がかなり高いところから、成長率と申しますか、一―三月、前年度の終わりがいわばはね上がったということがございまして、したがいまして、高いところからスタートいたしますので、ある意味で申しますと、最初にスタートが高いので、後の四半期の幾つかは余り高くなくても平均としては相当高い結果になるという、そういう統計上の問題が確かにございます。それが先ほど海野委員の言われました、最初はよかったが後になってどうなるのかなと。しかしまた、最後の一―三はどうなるのかという、従来のパターンでいいますと逆の問題もございますので、それで政府は一%と考えておりましたが、統計上から見ると、一・五と考えても恐らく統計的な誤りはないのではないかというのが経済企画庁の試算であると思います。
 しかし、そのことは、おっしゃいましたようなパターンとして、年度後半はかなりだれてもそれだけの答えは出るということに非常につながりやすい、そういうことでございますから、したがいまして、統計的には悪くない、目標は達成した、むしろオーバーしたといっても、現実に後半の景気というのは、そういうふうな流れであるかどうかというのは必ずしも一緒の話ではないという、そういうお尋ねでございます。そういうお尋ねでございまして、そのことは私どもも心配をしなきゃならない問題であると思います。
 それに加えまして、むしろ私が思いますのは、秋には民需がバトンタッチをしてくれると思いました企業関連は、これはもう満足と言っていいほどよろしゅうございますけれども、それが雇用なり──雇用も統計的には決して、有効求人倍率もよくなっているので決して統計的に悪いというわけではありませんが、もう一つ雇用に元気はないし、家計にはなお消費という形でそれが響いているということで、バトンタッチの片方がどうしても思ったほど盛り上がってこないということには何か理由があるのかもしれない。従来の不況脱却のときと比べまして、構造的な雇用についての変化が生まれておるかもしれない。これはわかりませんですけれども。冬のボーナスあたりがどのぐらいであろうか、ちょっとぐらいプラスかといった程度のことでございますと、これは企業側の利益の状況とはかなり違う景色でございますから、その辺に雇用とか家計とかいう問題があるのかもしれない。こういうふうに結局考えておりまして、補正をさせていただいたということでございます。
 おっしゃいますように、補正の規模そのものは、過去二年におけるよりはかなり小さくなってまいりましたし、また将来に向かってのIT等の部分も含んでおります。それから、なかんずく中小企業金融対策に事業規模としては四兆五千億円充てておりますから、これが十一兆の中の四兆五千億円でございますから、かなりそういう部分もありまして、悪くない補正の姿とせいぜい考えておるわけでございますが、これをやっぱりしておかないと年度末の公需というものは弱まるパターンになりそうでございますので、そういたしました。
 そこで、長いこと申し上げましたが、どう考えているのかということにつきましては、統計的には何とかここまでやってきておりますけれども、景気回復の力というものは、民需の半分しか動いていないという意味で、決して強いとは申せない。それもやがてしかし回復してくるのかということになりますと、どうも七―九につきまして、七―九は統計のベースが変わりますのでちょっとそこは正確に申しかねますけれども、七―九で非常に民需なり雇用が改善してきたということは、どうでございましょうか、もう来月の最初の週ぐらいにはわかるわけですけれども、どうも七―九というものの感じは、生きてみてそうでなかったという感じがいたしております。
 ですから、悪くなってはおりませんけれども、回復の基調というものは余り強いとは言えない、それは主として消費と雇用においてである、こういうふうに考えております。
#105
○海野義孝君 私は、今回の補正予算の内容的に見まして、いわゆる四つの大きな項目、つまり都市の基盤整備、それから少子高齢化対策、それから環境対策、それからITへの取り組みと、こういったまさに、今世紀はもう残り少なくなりましたけれども、失われた十年と言われるような中で、大変喫緊に対応しなくちゃならない諸問題について、金額は私は少ないと思います。
 社会資本整備の中のこの四項目について見ますと、一兆四、五千億ぐらいの予算措置ですから、これは私はちょっと少ないんじゃないかと思いますけれども、いずれにしても、これは言うなれば、平成十三年度に向かっての十五カ月の連続予算的な意味合いも含めて、単なる景気対策というよりも、国民に対して日本の将来の経済・産業のビジョン、そういったものをある程度予算措置を通じてはっきりさせたという面で私は大変多とするものだと思いますけれども、果たしてこれで効果があるかという点について、大臣はどのような御認識をお持ちでしょうか。
#106
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに今回の場合、今仰せになりました四つの項目、事業規模でITが八千億円ぐらい、環境が六千億、高齢化五千億、都市基盤整備九千億等々、これは一つは、従来のいわゆる公共事業とそれから将来に向かっての環境整備、両にらみの予算をしたという感じのものでございます。したがって、今お述べになりました四つは、これは当然来年度の本予算につながっていくもののいわばその最初の部分と、こう一遍で済む話ではない最初の部分、こういう色彩が強うございます。
 それでもしかし、事業が行われてまいりますから、それなりの景気浮揚の効果はある、加えまして在来のものと、こういうことでございまして、この点からも過去二年間の補正予算とは違った性格を持っております。それだけある意味で景気は回復してきたということでございましょう。これを従来どおりの公共事業だけでぶちましても、どういう効果があったかということも問題がございますから、両にらみの予算を組んでおるということでございます。
#107
○海野義孝君 次に、補正予算の中身の中で歳入の点でございますけれども、今回の補正予算の中で、平成十二年度の税収につきまして一兆二千三百六十億円の増収というように見通しを上方修正されたということでございます。これまで大体十月まで実績が出ているかと思いますけれども、この七カ月の累計でも結構ですけれども、その前年比の状況、例えば法人税とか所得税であるとか、こういう状況についての主な点。
 それから、当初予算に比べて税収見積もりを一兆二千三百六十億円にさらに上方修正されたと。これはあくまでも予測でありますので、歳出の方は予算どおりにやっていくとなった場合に、歳入の方の予測が狂ってくるとなるとちょっと頭が痛い問題なんですけれども、こういった上方修正された根拠というか、その辺について関係の方から御答弁いただきたいと思います。
#108
○政府参考人(尾原榮夫君) お答えいたします。
 十二年度、一兆二千四百億円の増額補正をさせていただきました。これは、今回の補正予算の編成に当たりまして、これまでの課税実績あるいは大法人に対する聞き取り調査を行いました。また、最近の経済状況等を踏まえますと、個別税目ごとに合わせまして一兆二千四百億円の増収が見込まれるということになったわけでございます。
 具体的にもう少し申し上げますと、法人税につきましては、企業収益が大変改善してございます。そういうことで約八千七百億円の増収を見込みました。
 さらに、源泉所得税でございますが、当初予算の見積もり時に比べまして、残業手当等の所定外給与が改善してまいっております。それから、企業収益がよくなってまいりまして配当が戻っているわけでございます。そういうことから、源泉所得税については五千二百億円余の増収を見込んだわけでございます。
 ただ、申告所得税でございますが、十一年度決算におきまして、土台の減少といいましょうか、いわば管理職の方、二千万円以上でございますと申告していただくわけでございますが、リストラが進んでいるということで、申告所得税関係では千五百億円余の減収を見込みました。
 以上を通じまして、今回一兆二千四百億円の増収を見込み、四十九兆八千九百五十億円というふうにさせていただいたわけでございます。適正な見積もりと考えております。
#109
○海野義孝君 平成十二年度の当初予算の税収見積もりも、昨年に比べてプラスに転じる見通しを立てられ、今回の一兆二千億円余の補正で上方修正されたと。前年に比べて合計約二兆円余の増収になるということで、言うなれば財政再建に向かってのそういった面で、健全な経済の中に健全な財政が宿るという言葉もあるようですけれども、そういう意味からいうと、経済の上向きという中でようやく税収の面でも水面上に出てきたかなということで、大変御同慶にたえないと、こういう次第でございます。さらに、景気が今年度残された段階においてもプラスになっていっていただきたい。
 ただ問題は、さっき大蔵大臣おっしゃったように、たしか年度スタートが〇・八八ぐらいのげたがありましたから、そういう面からいうと、フラットないしちょぼちょぼで行っても一%ぐらいの成長になりますけれども、来年の三月末、つまり平成十三年度への発射台の段階でどうなるかということがやっぱり大事な問題でございます。
 そういう意味からいっても、この補正予算の効果というのが最大に発揮されるように、それが国民にとっても消費の面においても、そういった補正予算の措置によって少し前向きに向かう、あるいはこの暮れのボーナス、あるいはまた来年度の定昇、あるいはまたそういった中での消費者の方々のマインド、こういったものがようやく上向きに転ずるという形が数字の上で出るということを期待します。
 もう時間がありませんので、あと、剰余金の問題についてとか、あるいは企画庁の方々とかいろいろ御質問申し上げたい点もありましたけれども、大臣からの御答弁、あるいはまた主税局長からのお話で大体理解できますので、これで質問を終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
#110
○国務大臣(宮澤喜一君) 総括的に、これからの考え方、注意すべき点について御指摘いただきまして、ありがとうございました。
#111
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸です。
 最初にちょっと申し上げなければならなくなったんですが、先ほどの櫻井委員と大蔵大臣の論議の中で、森内閣不信任案をめぐっての問題で大蔵大臣は、加藤さんに同調できなかったのは、共産党と一緒になって内閣を倒そうということだからだという答弁がありました。
 ちょっとこの点について一言申し上げたいのですが、事の経緯はもう御承知のとおり、野党四党一致して森内閣不信任案を出そうということになっておった。それに対して、加藤さんがそれに賛成するということを表明なさったんですね。
 我々は、当然、自民党であれ何であれ不信任案に賛成していただくということは大いに歓迎なんですが、しかし、そのことと、加藤さんと野党四党が一緒になってやっているということは別問題です。共産党初めどの党も、あの時点で加藤さんと一緒になってやっているという事実はありませんでした。あのとき私ども、志位書記局長、当時の志位書記局長ですが、談話を出しました。不信任案に賛成してもらう、それはそれとして、その後、加藤さんの政策あるいは政治姿勢、そういったものを我々は支持するものではないんだ、一緒にやることはないんだということもはっきり申し上げましたので、先ほどは、加藤さん、共産党と一緒になってとおっしゃいましたけれども、この点については、そういう表現は正しくないということを申し上げておきたいと思います。
 さて、本題に入ります。
 この法案は、昨年度の剰余金一兆四百億余りを、財政法六条一項を適用しない、つまり償還財源として本来ならば五千億円余り入れないといけないのだけれども、それをやめますという法案なわけですね。
 その理由を、先ほどの説明にもありましたが、補正予算の編成に当たり国債の追加発行を抑制するためだというふうに説明されました。これはちょっとおかしいのじゃないかと思うんです。何のために国債の追加発行を抑制するのかといえば、当然、財政をこれ以上悪くしないためだということだと思うんです。
 そうしますと、ちょっと考えればわかるんですけれども、今度の措置は、補正の歳出枠は変えないと。歳出枠を変えないで、借金返済をやめた分だけ新たな国債を発行しなくてよくなるんだと。それはそうです、変えない限りは新たな国債を発行しなくてよくなる。その説明はそうだけれども、しかし、それによって財政の悪化を防げるのかというと、それはそうじゃないだろうと思うんです。
 私はこれは、こういう表現が当たっているかどうか、朝三暮四の手法のように思えるんですね。結局、当面を糊塗するものだと。例えて言えば、病人の顔色をよくするために酒を飲めといったような、そういったことになるんじゃないか。それをやれば病人はますます病気が悪化します。
 今度の場合も、確かに今年度の補正では国債発行しないけれども、先送りですから、これでは本当に財政再建の方向を考慮したことにはならない。本当に財政再建を考慮するというのであれば、補正の規模の縮小、少なくとも国債に頼らない、本当に頼らないという方向に持っていくべきだと思うんです。このことは私は本会議でも質問させていただいたんですけれども、改めて伺いたいと思うんです。
#112
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初の御発言の部分でございますけれども、私も気が進んで申し上げたことではございませんでしたので、速記録等におきましては、どうぞ委員長にお取り扱いを御一任いたしまして、私は異存ございません。
 それから、次の部分でございますが、それだけ財政が苦しいということでございます。一言で朝三暮四とおっしゃいましたが、そうおっしゃっても、当たらずといえども遠からずという感がいたします。
#113
○池田幹幸君 いわゆる一般会計の剰余金については、六条でその処理のあり方が定められている。今回はそれを適用しないということなんですけれども、その一般会計はおきまして、特別会計を見ますとこの規模ははるかに一般会計より大きいんです。
 この特別会計での剰余金の処理、これはどうなっているのかといいますと、いろいろと事前に大蔵省からも説明いただいたんですけれども、なかなかこれはそうすんなりと理解できない、非常にあいまいな状態に置かれておると思います。
 例えば、一般会計予算の規模は約八十五兆円ですね。それに対して、特別会計の歳出規模は合計で三百十九兆円超。重複部分を控除しますと、合計二百八・八兆円ということで説明されております。そうしますと、当然その剰余金も一般会計と比較にならないほど多く出るわけなんです、実際出ております。にもかかわらず、その処理についてはそれぞれ個々の特別会計法によってやるということになっておりますから、本当にその処理のやり方はばらばらなんですね、統一されていないんです。
 結局、一体どんなことになっているのかということについて非常に疑問を感じる数字、まずそのことについて伺いたいと思うんですが、特別会計全体で、翌年度繰越額及び不用額、これは非常に多額に出ておりますが、ここ二、三年で結構です、額を説明してください。
#114
○政府参考人(藤井秀人君) お答え申し上げます。
 十年度決算の数字で申し上げますと、歳出の不用額全体で約十一兆円、それから、翌年度の繰り越し事業分といたしまして約六兆四千億円弱ということでございます。
#115
○池田幹幸君 これらの不用額が何で発生したのかというその理由について、主な理由、非常に特別会計多いですから、少し類型的に示してちょっと説明いただけますか。
#116
○政府参考人(藤井秀人君) お答え申し上げます。
 御承知のとおり、特別会計全部で三十八ございます。今おっしゃいましたように、それぞれの設置目的によりまして広範な事業を実施しておりますので、なかなかこれを総括して申し上げるというのは非常に難しいかと思います。そこで、今先生がおっしゃいましたように、ややこれをカテゴリー的に分けてその不用の発生要因等々について御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、保険事業を行う特会、いろいろございます。これにつきましては、不測の保険事故に対処するための予備費を使用する、その必要性が結果的になかった、あるいは簡易生命保険特会等々におきまして、保険事故が少なかったということで、保険費を要することが小さかったというようなのが一つの不用の要因として挙げられると思います。
 次に、整理区分会計、例えば国債整理基金特会等々でございますが、これにおきましては、国債利子等の支払いが予定より少なかったということで、利子及び割引料、これにつきまして結果的に不用が生じたというような類型がございます。
 さらに、資金特別会計、例えば資金運用部特別会計等々ございますけれども、これにおきましても利率の改定というものがございます。その結果といたしまして、預託金利子の支払いを要することが少なかったというようなことがございます。
 おおむねこういう三つの類型で、それぞれの特会の不用の要因というものを分析できるのではないだろうかなというように思っております。
#117
○池田幹幸君 保険などは、ある意味でその不用額がふえる、これはよくわかるんです。
 しかし、その他の会計で毎年度ずっと続けて多額の不用額が出ている。先ほど説明いただいた十年度の数字がそうなんですけれども、これは平成元年からずっと見ましても、ほとんど十兆円、十二兆円というオーダーで不用額が出ているんですね。
 何でこんなことになるのかな、当然その歳入歳出の関係も出てくるから、歳入が減った分だけ減ったのかなと思って見てみましても、歳入は毎年度見ても二兆円から三兆円程度しか減っていないんですね、予算から実際に入った歳入、税収額。ところが不用額は十兆円、十二兆円という形でどんとふえておるんですね。だから、どうも単なる見通しの甘さということではないというふうに思えるんです。
 一体、これだけの歳入が減った分と、不用額がこれだけふえた分と、こんなに大きな差額が出てくるのは今の説明でどうしても私は理解できないんですよね。その辺についてはどうお考えですか。
#118
○政府参考人(藤井秀人君) お答え申し上げます。
 もとより、特別会計におきましても、国のいわば財政資金ということでございますから、予算編成におきましては、その適正な予算編成ということに努めておりますし、また一方で、執行におきましても、その執行の適正さというものを十分に考えているところでございます。
 そこで、今先生おっしゃいましたように、十年度でいいまして約十一兆円の不用が出ているわけですが、結果的に、先生御承知かと思いますけれども、この十兆円といいますものはあくまでも歳出権の不用ということでございます。したがいまして、それぞれの特会におきまして歳出歳入のギャップたる剰余金というものがどうなるかという話とは、これはある意味で別次元の話でございます。
 若干付言して申し上げますと、例えば貿易保険特会のように、歳出の不用等々との見合いで特会におきましては借入金が一方で減らされるとか、あるいは特会によりましては歳入額の範囲内で支出をする、したがって歳入が減少すれば結果的に歳出は減少せざるを得ない、その部分が不用に立たざるを得ないというようなものもございます。したがいまして、歳出権の不用とそれぞれの特会の剰余金というのは、必ずしも一義的には連動しないということでございます。
 ただ、話が初めに戻りまして恐縮でございますけれども、いずれにいたしましても、各年度の予算編成におきまして、特会におきましても歳出歳入それぞれ、見込まれる来年度の経済状況、あるいは支払い人員、あるいは支払い数量等々、適正にデータに基づきまして予算編成を行っている、それに努めているところでございますが、なお今おっしゃいましたような実際問題として不用等々の問題もございますから、引き続きなお検討をさせていただきたいというように思っております。
#119
○池田幹幸君 歳出と歳入の差ですね、それが余りにも大き過ぎるということで私申し上げているんで、最後になお検討とおっしゃったのでそれでいいと思うんですけれども、私も何も不用額が全部剰余金だなどと申し上げているわけじゃないんです。もちろん、先ほど言いましたように保険などは事故率の見通し等で大きく違ってきます。実際、地震保険なんというのは不用の方がいいわけですからね。使うような事故がない方がいいわけですから、その辺はよく承知した上で伺っていることなんです。しかしそれでも、この不用額が毎年非常に多額で、その不用率三六%、五〇%、四〇%、六〇%というようなのが九年、六年、五年というふうにずっと毎年続いているというのは、これはやっぱりちょっと検討する必要があるんじゃないかと思うんです。
 しかも、その検討するときに統一した基準がないんです、最初に申し上げましたけれども。個々ばらばらの会計法に基づいてやっていますからね。だから、そういう基準もきちんとつくった形でチェックする必要があるんじゃないか、ともかく一般会計だけ見ておったんでは間尺に合わぬじゃないのかなと思うんですけれども、これは大蔵大臣いかがでしょうか。
#120
○政府参考人(藤井秀人君) 話がもとに戻って恐縮でございますが、特別会計それぞれその存在理由といいますか、その趣旨、目的といいますものは特会によって若干異なっているわけでございます。そこで、今先生おっしゃいました具体的な各年度におきます不用なりあるいは剰余金、その発生につきましては、類型的にそれぞれの処理方式というものが法律等によって決められているわけでございます。
 先生既に御案内のとおり、例えば保険事業特会、これにつきましては翌年度以降の保険給付等の財源として積み立てをするというようなこと、あるいは整理区分特会等々におきましては、国債の仮に不用等の剰余金が生ずるとすれば償還財源として翌年度歳入に組み入れられているということでございますので、なかなかこれを一義的に一つのメルクマールでもって基準立てをするというのは難しい状況でございます。
 いずれにいたしましても、繰り返して恐縮でございますけれども、各年度の予算編成におきましては、今までの状況等々をにらみながらなお引き続き検討してまいりたいというように思っております。
#121
○池田幹幸君 事前にいろいろと説明は受けたんです。結局、剰余金が非常にはっきりしない形なんですね。十兆円、十一兆円あるんだけれども、それじゃどれだけが不用の中身なのかと聞いてももう一つはっきりしなかったので伺っているんですけれども、三百兆円上回るという規模なんですから、結局、それぞれの特別会計法、それぞれの省庁に扱いを任せておくという状態、これは将来も全体像がわからないまま推移していくということになるんだと思うんです。そういった点では、やっぱり国民の目から見たら不透明なんです。
 いろいろ説明なさいますけれども、結局、財政再建が急務となっている今、こういう状態は改める、つまり、一般会計だけ見るんじゃなくて特別会計も見ていかなければいけないんじゃないか。そういった点で、きょうは時間がありませんが、今後この問題は重視して取り上げていきたいと思っております。
 もう一つどうしてもお尋ねしておきたい、酒税の問題について私も伺いたいと思うんです。
 酒税問題は、新聞報道によりますと、来年度から、清酒、ワイン、それから発泡酒、これについて増税する、それもかなりの大幅な増税計画だと伝えられているんですけれども、八八年以来、酒税については三回税制改正をしてきておりますが、そのときそのときの説明はあるんですけれども、結果的にいいますと、いわゆる高級酒については税率を引き下げて、いわゆる大衆のお酒といいますか、国民の多く消費するような酒類については税率を引き上げるというような形になってきたんじゃないかと私は見ております。
 特にそういった状況がありましたので、私たちはこういった税制改定には反対してきたんですけれども、今度の特に発泡酒の税金のあり方を見ますと、今までの大蔵省の説明からしても整合性のないものになっているんじゃないかなというふうに思うんです。
 そこで、発泡酒の問題なんですけれども、これをビール並みにする、税率をビール並みにするということです。今度改めて説明を聞きますと、同種同等のものには同じ負担を求める、税率格差はこれ以上放置できないというふうに大蔵省主税局から説明を受けたんですが、そうしますと、大蔵大臣、発泡酒とビールが、先ほどの御説明でもよく理解できなかったんですが、同等同種だというふうに大蔵大臣自身も専門家の意見を聞いた上で判断されたんでしょうか。
#122
○国務大臣(宮澤喜一君) 私も酒税の考え方の変遷につきましては今池田委員の言われるような感なきにあらずでございまして、古いことが頭にあるものですから、いわゆる上等な酒とそうでないものという気持ちがありまして、しょうちゅうとウイスキーが一緒になっちゃうみたいなことは、そうなりましたが、昔はそんな考え方はしておりませんでしたし、それから、清酒の中でもなるべくアルコールが入っていない方がいいんだろうと。そんなことを言っても、それは必ずしもすぐそうだということにもならない。
 ですから、大衆のお酒という観念は、どうも今まで思っておったのと違うようなことになってまいった。そういうアルコール中心というのはそういうことに、ガットのこともあってなってまいったんだと思います。それはそういう変遷があったと申し上げるしかないのであろう思います。
 今の発泡酒の話は、これはまたちょっと違う話だと思いますので、長いことモルトの使用度等々で分けておりましたものが、技術革新等々のことでモルトを使わなくても同じようなものができちゃったということの現実にどう対処するかということなんだろうと思います。同じものではないように私なんか素人で思いますけれども、それはテーストが違うということであって、中身でいえば、結局、方法は違うけれども同じものができていると専門家は考えるのであろうと思います。
 そういうことで、世の中の御議論にもひとつ問うてみなさい、また国会の御議論もあるかもしれませんがということで、今、試案として業界等々にもリアクションを聞いておるというのが現状のようでございます。
#123
○政務次官(七条明君) 私の方からも今大臣が言われたことに対して補足説明をさせていただこうと思います。
 酒税などのいわゆる消費課税につきましては、税制の中立性等から、同種同等のものについては同様の負担を求めると、こういうような物の考え方をいたしておるところでありますし、当然、今の発泡酒、今先生が申されました、あるいは大臣の方から技術革新というような話もありました。
 確かに、今の発泡酒につきましては、製造方法やらあるいは品質から見ましてもビールに非常に極めて似てきた。ただ、製造上、今の配合等々の関係から違うといえば違うのでありますけれども、似てきたことだけは事実でありますし、消費課税の基本的な考え方を踏まえて、ビールとの負担のバランスについて今問題意識が非常に出てきておりますから、それらを今後勉強しながら、いずれにいたしましても、来年度の政府税制調査会の御検討を踏まえながらこれらを検討してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#124
○池田幹幸君 その検討の際なんですが、今までもそうなんですけれども、大蔵省は、酒、ビールメーカー、こことはよく話をするんです。今回もビールメーカーには、これぐらい発泡酒増税したいんだがどうだということで、その案をもう既に投げかけておられるようです。ところが、これは確かに直接税金を納める納税義務者は酒メーカーでしょうが、負担するのは国民なんですね、税を負担するのは。その国民の声はどうやって吸い上げているんですかと伺ったら、やっていないんですね。じゃ一体国民の声はどうなんだといいますと、あれほど酒つくる方とかあるいは専門家の方々は同等同種だと言うけれども、国民はとてもこれは同等同種とは見ていないんです。
 あるアンケートによりますと、ビールと比べて発泡酒がおいしいという方、これは八%なんです。そうは思わないという方が五四%なんですね。これはやっぱり発泡酒とビールは違うんだということの一つのアンケート調査の証明だと思うんです。
 これは結局、発泡酒の場合には、今の発泡酒は麦芽が二五%未満ということのようです。そういうことから違いが出てきているんでしょうけれども、しかしメーカーの努力によって、大蔵大臣がおっしゃったように、飲んだだけではなかなかわからない。私もこれを質問するに当たってちょっと飲み比べてみました。確かに一口目ははっきりわかります。その後はだんだん酔っぱらってくるとわからないかもしれないけれども、やっぱり違うんですね。消費者は、ビールとは違うんだ、価格が安いし、そういうことを承知して発泡酒を飲んでいるんですよ。
 ところが、それをいきなり増税で値段を上げられるということになると、これはとてもじゃないけれどもたまったものじゃない。少なくとも、検討とおっしゃった、それならば消費者に意見を聞くべきですよ、パブリックコメントを求めるべきですよ。消費者の団体もあります。個人からも集めることができます。そういったことをやらなければいけないんじゃないでしょうか。
 特に、同等同種だというふうにおっしゃるなら、それだけ自信があるんなら堂々と消費者に聞いてみたらいかがですか、どうでしょう。これは大蔵大臣どうですか。
#125
○国務大臣(宮澤喜一君) 上げるということはやはり容易なことでありませんので、殊に今のような、本当に同じものかいというようなこともございますから、もう少しあちこちの御意見は聞いてみなければならぬとは思っております。
#126
○池田幹幸君 重ねて言うようですけれども、前回、前回というと九六年ですけれども、税制改正されました。そのとき発泡酒を、五〇%から六七%ですか、その間と、五〇%から二五%、二五%未満と分けて税率を変えたんですね。そのときに増税したわけなんですけれども、あのとき一番問題になったのは、麦芽六七%以上がビールだと言われていたのを、六五%ぐらいのやつをつくってそれで安く販売したということがありまして、これはもう節税というよりも何か税逃れかというふうなことがあって、やった面もありました。
 しかし、それだけじゃなしに、発泡酒全体に増税をしたわけなんですけれども、そのときの説明が結局いろいろ論議がありまして、五〇%以上、これをビールと同じだと考えて同じ税率にするというふうにした際に、いろいろ質問を受けて、それじゃ今後もう少し時間がたってうまいものができてくると、五〇%未満でもビールだというふうにするんじゃないのかというふうに聞かれて、当時の主税局長は、そんなことはないというふうに答弁しているんですよ。
 わずか四年前ですよ。四年間に技術革新が物すごく進んだというふうにおっしゃるのかもわからぬけれども、これはやっぱり余りにもその場その場の言い逃れというようなものじゃないのかと。大蔵省として責任を持って九六年時点で答弁した以上、今度もそういうことを守り抜くべきじゃないでしょうかね。
#127
○政務次官(七条明君) 今先生が言われることも一つ一つ踏まえてまいりたいと思っておりますし、この発泡酒の世界、もともとなぜ発泡酒が出てきたかというのは、恐らく、業界の中で競争が激化してきた。特にビール業界の中でも市場原理を取り入れて非常に競争が激化してきたために、何とかそれらのコストをダウンしたい。当然、酒税もできるだけ安いものをつくれないかという技術革新が起こってきた結果もあったと思うわけでありますし、当然、それらが不当廉売という形に連動してくるおそれがあるんじゃないかというようなことも問題意識を持たなきゃならない。それらのこともいろいろ踏まえながら考えていかなきゃならないということも、恐らく今、政府税制調査会の中ではそういうことも御検討の中に含めてお考えをいただいているものではないかと思っておるところでございます。
 いずれにいたしましても、ビールとの負担のバランスについては問題意識を持って勉強していかなければならないと思っておりますし、来年度の税制改正の内容については、これらの政府税制調査会において御検討いただけるものではないだろうか。そういう御意見を聞きながら、今後とも、先生の今言われたことも踏まえて考えていこうと思っておるところでございます。
#128
○池田幹幸君 今言われたのは、不当廉売の問題は全く違いますよ。同じ物を不当に安く売るのが不当廉売なんで、私、さっきから同じじゃないんだと申し上げているんですから、そのことを御理解いただきたいと思うんですね。
 もう時間がないので、大蔵大臣には感想だけ伺いたいと思いますけれども、結局、今までの酒税の上げ方を見ますと、大蔵省がかなり高目の増税をぼんと出すんですね。それで酒税メーカーが反対するんです。それで、業界と話し合って、そこへ自民党が出てきて少し低目のやつを出して、それで手打ちをやると、こういうやり方がまかり通ってきているんです。
 やっぱりこういうやり方ですと、税制をゆがめるだけですし、これはもうやめる。そして、先ほど来申し上げましたように、本当に酒税の増税が今求められている、国民の理解も十分に得なければいけないものだというふうにおっしゃるのであれば、それだけの過程を踏んでいただきたい。少なくとも、先ほど申し上げましたように消費者の意見を大いに聞くべきです。そうすれば、私は、到底今増税なんかできないなという判断に、この酒税の増税は、特に発泡酒の増税は正しくないなということになると思います。大蔵大臣、いかがでしょうか。いろんな方法があるじゃないですか、パブリックコメントの方式も。
#129
○国務大臣(宮澤喜一君) 果たしてそういう段階があるといたしますと、今お答えするのはなかなか難しくなりますが、各方の意見もよく伺ってみたいと思います。
#130
○池田幹幸君 終わります。
#131
○委員長(伊藤基隆君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#132
○委員長(伊藤基隆君) ただいまから財政・金融委員会を再開いたします。
 平成十一年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#133
○三重野栄子君 社民党の三重野栄子でございます。
 私ども社民党は、補正予算を受けて提出されました本法律案につきましては、単に剰余金を先食いするものであって、問題の先送りにすぎないということから反対の立場を表明してまいりました。その折に関連して質問もさせていただきましたけれども、改めまして今後の財政問題について何点か質疑を行いたいと思います。
 まず、世代間負担の問題でございますが、ボストン大学のコトリコフらの試算によりますと、日本は先進国中最も世代間負担の格差が大きい国であることが指摘されておりまして、この点については本年度の経済白書でも紹介されているところでございます。今後急速に高齢化が進む中で、現在の財政手法が継続されるならば、世代間負担の格差をさらに拡大することになると予測ができます。
 こうした世代間負担の問題について、大蔵大臣はどのような見解をお持ちでしょうか。今後どのような対処を行うべきとお考えか、お伺いいたします。
#134
○国務大臣(宮澤喜一君) 世代間負担の格差と言うのでございましょうか、それがいかにあるべきかということは、恐らく一義的にはお答えができにくいことであろうと思います。その国のいわば国勢と申しますか、隆替もございましょうし、その国独特の問題を持つ時期もあろうと思いますし、また人口の増減ということも一様ではございません。
 ですから、一義的にお答えできない問題であると思いますけれども、今の我が国の状況であれば、非常に大きな負担を後の世代に残すということは残念ながら明らかであると思います。それは直接的には、今の世代がこの二十世紀の後半、それも最後の十年余りのところで非常に大きな経済変動に遭いまして、それに対応しなければならなかった。それは、国として将来に向かって生き延びていって、さらに国勢を強めていかなければならない状況の中でやむを得ないことであったかと思いますが、これは次の世代の負担になっていくことは明白でございますので、残念ながら今の現状は、次の世代に大きな負担をしょわせておるということは、これはそのとおり認めるべきものと思います。
#135
○三重野栄子君 その点が大変心配なのでございますが、次に、国債の償還年限に関しましてお伺いいたします。
 国債の円滑な消化を図る観点から、年限の多様化が実施されることも影響いたしまして、最近では中短期債の比重が高まっているところでございます。しかし、年限の短縮化については、借りかえの頻度が高まり、大きな金利リスクにさらされるとの副作用を懸念する声もあるようでございますので、国債の償還年限の構成に関しまして大蔵大臣の見解をお伺いいたします。
#136
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般御審議いただきました補正予算におきましても二兆円ほどの国債の発行を必要といたしますが、十五年変動利付債で四千億円、五年債で八千億円、二年債で七千九百億円といったような発行を予定しております。
 それで、おっしゃいますように相当多量の国債を発行いたしますし、明年もそうでございますから、どうしてもこれは市場で歓迎される、受け入れられるものでなければなりませんので、発行につきましては十分市場の様子も見ながら、話も聞きながらいたすことが大事であると思います。中心になりますのは十年物ということは変わらないと思いますけれども、おのおのの時期等々につきましてやはり中身を、バラエティーをつくっていかなければならないということは発行者として当然気をつけなければならないことでございます。
 ただ、申し上げるまでもないことでありますが、今たまたま金利としては非常に低い状況にございますから、比較的短期の国債を発行いたしました場合には、借り入れの時期になって金利がただいまより上昇している公算が大きいと考えなければなりませんので、そういう観点からすれば、今の金利で長い国債を発行しておいた方が発行者としては有利ではある。しかし、市場がそればかりを喜ぶというわけではございませんので、そこはやはり将来の負担も考えながら市場に摩擦のない国債の発行をしていかなければならないということは、どうもやむを得ない状況であると思っております。
#137
○三重野栄子君 それでは、国債に関連してでございますが、郵政省の方からお答えをいただきたいと思います。郵便局での国債の販売についての問題でございます。
 今月七日に発売されました国債に人気が大変集中いたしまして、郵便局に購入を申し込んでいたにもかかわらず購入できない顧客が続出したとの報道がございました。私の方にもそういう苦情が参りまして、銀行の方にはまだあるみたいだけれども私はやっぱり郵便局がいいんだ、郵便局でなぜそんなに買えなかったのだというような話もございましたんですけれども、定額貯金が集中満期を迎えまして、その資金が国債にシフトするということは十分予測可能なことだったと思うんです。不足だという皆さんの御不満、そういう事態を発生させたことは残念に思うところでございます。
 今後こうした事態を発生させないためには、あらかじめ的確な需要予測を行うことが必要であると考えるんですけれども、例えば、銀行の分と郵政省の分、そんなことがあったんでしょうか、それがよくわかりませんが、今後の対応を含めまして郵政省の見解をお伺いいたします。
#138
○政府参考人(野村卓君) お答えいたします。
 平成十二年度の郵便局窓口における国債販売の計画額は、先生お話しのように定額貯金の大量満期ということもございましたので、前年度の販売実績に比べまして約五倍の二兆五千億円ということで予定しておりました。
 先生御指摘の十一月の二年の利付国債につきましても、昨年の販売額は二百六十六億円だったんですけれども、ことしは千五百三十億円ということで五倍以上にふやして販売したわけでございますけれども、御案内のように大変人気がありまして即日完売という状況でございました。
 その原因といたしましては、昨今非常に低金利の中でこの国債の金利が高かったということが一点でございます。二つ目は、先ほど先生何回も御指摘でございますけれども、定額貯金の満期、十一月期が大変多かったということが原因ではないかなと考えております。
 そこで、今後の対策でございますけれども、十二月はまだ国債の発行条件等決まっておりませんけれども、十二月も十一月と同じように定額の満期が大量にございます。そういったことから、我々の窓口で売る二年の利付国債の増額を考えておりまして、当初の予定は二千二十億を予定しておりましたけれども、それを大幅に増額する方向で現在検討中でございます。
 以上でございます。
#139
○三重野栄子君 国民が期待しているところでございますから、御努力をお願いしたいと思います。
 最後に、財投債の発行と長期金利との関係について大蔵大臣にお伺いいたします。
 先ほどから国民に大きな負担があるということでお話がございましたんですけれども、財投計画要求から推測をいたしますと、平成十三年度の財投債の発行総額は二十兆円を超える規模になると考えられます。このうち半分以上は郵貯等が引き受けることになっており、すべてが市中で消化されるわけではありませんが、しかし、国債がこれだけ大量に発行される上に、十兆円前後の財投債が市中で消化されなければならないとするならば、長期金利が上昇し、景気に悪影響を与える懸念は払拭できないと考えるところでございます。財投債の発行が長期金利に与える影響について、どのような見解をお持ちでしょうか。
 また、財投債の発行を抑制するためには、財投機関債の発行を拡大することが不可欠であると私は考えておりますが、概算要求から約三カ月が経過いたしました現在、大蔵省としても各機関に対して財投機関債の発行を働きかけてきたと思いますけれども、その間の攻防を含めまして、大蔵大臣の率直な見解をお伺いいたしたいと存じます。
#140
○国務大臣(宮澤喜一君) 財投機関債につきましては、先般、その問題を御審議いただきましたときにいろいろな御議論がございました。
 機関のためには、機関債というものが受け入れられるというほどの信用を持っていなければならない、それが全くできないというようなことになればやはり自分自身の合理化をしなければいけない、そういうことで財投機関についてもいわばリストラクチャリングを強いる結果になる、それが一つの効果であると考えてまいっておるわけです。ただ、そういう機関でございますから市場でいわば格付の信認を受けなければならないという問題がございまして、各財投機関もいろいろに努力をしておるようでございます。
 まだ終結をしておらないわけでございますけれども、一兆円まで行けるかどうかといったようなことが現状のようでございますが、それでもしかし、自分のところの債券を買ってもらえるだけの体質はやっぱり持っていなければならないという意味で、合理化のために一つのよすがとはなると思っております。したがって、財投債にかなりの負担がかかってくることはおっしゃいますとおりで、そういうことも予想いたしまして、郵政省等々にもいろいろ支援をお願いしているというのはおっしゃいますとおりでございます。
 しかし、それでも何がしかのネットのプラスにならざるを得ないということになりますので、その財投債そのものについてもやはり工夫が必要であろう。いわんやその上の国債の発行につきまして、両方とも国債でございますが、いわゆる国債の発行につきまして、さらに来年度はいろいろな工夫を要する状況でございます。
 どうでございましょうか、民間の資金需要が出てくることによって発行条件が悪くなるということぐらいに民間の経済活動がよくなってくれば、それはそれでよろしいことだと思いますが、いずれにしても注意をして発行していかなければならない状況には変わりはございません。
#141
○三重野栄子君 漫画のような話ですけれども、郵便局の国債がどんどん売れていることについてはいかがお考えでしょうか。
#142
○国務大臣(宮澤喜一君) 満期という異常な状況がございましたので起こったことだと思っておりますが、二年物というのはちょっと考えますと、今の預金金利等々を皆さんがお考えになるときに、二年物の利回りは割にいいではないかということであったんだと思います。それは金融資産としてはよろしいわけでございますけれども、国としては二年というのはかなり例外の短さでございますので、しかし、買ってくださることはありがたいので文句を申すつもりではございませんけれども、しょっちゅう繰り返されることでもない特殊な事情であったと思います。
#143
○委員長(伊藤基隆君) 時間でございます。
#144
○三重野栄子君 終わります。ありがとうございました。
#145
○椎名素夫君 無所属の会の椎名素夫でございます。
 けさから質疑を伺っていて非常にいろいろ勉強になりましたが、このところしばらくの予算のつくり方を見ておりますと、当初予算があって、これもそう小さなものじゃないけれども、その間、間に、時には年に二回、補正予算という山をどかんどかんとつくって運営をしているという形が続いておりますけれども、本来、余り健康な形ではないような気がいたしますね。
 予算に飛躍なしとかいうことを申しますが、確かに、当初予算ずっと比べてみると、何となしにつじつまが合っているようだけれども、その間に大きな補正予算の山があって何とかかんとか埋めていくというのは、何か出たとこ勝負のような運営で余り感心しないと思うんです。その上に、どうもほかの法案なんかでもちょっとそういう傾向が見られますが、政府がお決めになった、あるいはもう決めようと言っているときに、いわゆる与党から大変な大声が上がって、それを変更してしまうというような感じがどうも目立つんじゃないかという気がするわけです。
 この補正予算でも、十一兆円という規模の経済対策、それに従ってこれが出てきたわけですが、先ほどの質問に対する大臣のお答えで、少し前までは補正予算要らないんじゃないかというような感じがあったのが、やはりこのぐらいはということにお変わりになった。その理由については御説明が確かにありました。ありましたけれども、どうも見ておりますと、最初に大声を上げて十兆だ、十一兆だとこう言ってしまったところにみんな引きずられて、その大きな総枠をどうやって埋めるかというような、話の順序が逆になっているんじゃないかという気がしてならない。
 先ほども、櫻井さんですか、御質問がありましたけれども、本当に使う当てがあるのかどうかわからないようなものが大分まじっているように思います。いろいろ御説明では、いや、ITというのがあるし、これに力を入れているんだし、これが将来につながるものなのでというような御説明がありますが、これ、仮にITでもなかったら一体どうしたんだろうと思うんですね。あちこちで耳にすることですけれども、政府周りのいろいろなところで先月、先々月ぐらいからIT関係で何かアイデアを出せと。そして計画を立てて十二月までに幾ら幾ら使い切るようなプランを立てろというようなことでそこらじゅうに下知がかかって、一体どうすればいいんだろうということでみんながきりきりと働かされているというような話も聞く。どうもこういうところをもう少しまともな形に戻せないのか。これをやらないと景気が失速してしまうと言うけれども、本当にこれだけ全部要るんですかという気はどうしても残ってくる。それが、一般国民という言葉は余り好きじゃありませんが、空気として何かむだ遣いのばらまきをやっているんじゃないかという話につながっているというのは、これはまことに健康でない話だと思うわけです。
 それで、実は、この通常国会で前にいろいろ伺いましたときに、例のパラダイム論というのがありました。あのときは、例えば財政の中期試算というような数が出て、あれによれば、三%ぐらい成長してもまだまだ大変なことだという数が出る。これ一体どう考えるんだということへのお答えとして、今やパラダイムが変わってくるんだと。これは、旧パラダイムの延長線上でやるとこうなっちまうけれども、それは様相が変わってくるんだということだろうということをおっしゃったと思うんです。しかし、今の実際に政府がやっていらっしゃることを見ていると、旧パラダイムの中でのその手法というのしか見えない、ほとんど。
 よくわからないので伺いたいんですが、旧パラダイムの中の手法を徹底的にやると、急にある時点で新しいパラダイムに飛び移るというようなことになるとお考えになっているのかどうか、それをちょっと伺いたいのですが。
#146
○国務大臣(宮澤喜一君) 今のお話、確かに実情についてお触れになっておられると思いますが、ここ何年間かの背景は、非常に大きな不況があった、したがって、これを脱出するということは、雇用から見ても国民生活から見ても、我が国全体の経済はもちろんですが、大事なことである。殊に二年余り前から、そのためにはとにかく、財政は多少緩んでも不況脱出一本でいくしかない、二兎を追うことはなかなか難しいということでやってまいったわけでございますから、したがいまして、おっしゃいましたように、補正というものも相当大きなものが必ずあって、それがしかも前からわかっておりますから、そういう意味からいろんな弊害も生じてきたということも、そのとおりと思います。
 そういう中で、今おっしゃいましたような古いパラダイムが行われておるその状況は、結局は私は、財源としての制約があって、歳出自身のメリットはともかく、財源がないということでありませんと財政というものはなかなか健全にはいかない。国債が発行できるということであれば、財源の制約はあるといってもないに等しいわけでございますから、それではなかなかその古いパラダイムから出られないということを椎名委員がおっしゃっていらっしゃると思います。そのとおりだと私も思います。
 それで、財政当局としての努力は、したがって、国債を出せばいいんだという物の考え方を、不況克服との関連においてでもやはり打ち出さなければならないときが来つつあるということで、このたびの補正予算でいわば固有財源を半分ですけれども使わせていただいた。来年度においては、新規の国債発行額は何とかかなり目に見えて削減をいたしたい。それは歳出もそうしなければなりませんが、場合によっては、経済の回復に従って多少税収入の増も期待できるかもしれない。そう大きな話にはなりますまいけれども、毎年予算は大きくなり、国債発行は毎年毎年前年より大きくなるというトレンドだけは何とかもう直していかないといけないと考えまして、来年度予算はぜひそういたしたいと思っております。
 また、今度の補正でも、ささやかなことではございますが、そんなことで自分の財源も投入しようといたしました。しかし、今の大きな累積債務から申しますと、百年河清を待つとは申しませんが、それに近い長い長い努力が必要でありますが、基本的には、この補正予算といいますかあるいは来年度予算といいますか、そういうパラダイムを何とか変えていきたいという努力は財政の上であらわしていきたいと思っております。
#147
○椎名素夫君 もう少し今の話をやりたいんですが、もう時間があと三分ぐらいしかないので。
 午前中の櫻井委員とのやりとりを聞いておりまして非常におもしろいと思ったんですが、おもしろいと言っちゃ悪いな、これは重要なことだと思うんですけれども、要するに、我々の世代と、それからこの借金を返さなきゃいけない世代との間の非常にぶつかり合いみたいなものを感じまして、大臣がおっしゃったのは、それじゃ橋みんななくてもいいのかとかいうようないわば御反論があった。
 確かに、この問題は非常に大きな問題だと思うんですね。本当に要らないかもしれない、要らないかもしれないけれども、これだけつくっちゃったものだし、あれどうしようかというので引きずっていって、しかも、どう計算しても先になって赤字が解消しないというようなものを抱え込んだときにどうするかという話ですよね。
 それで、要りもしないと思いながら後世代の方がその借金を払い続けなきゃいかぬというのは、これは気の毒な話なんですが、私ら古い方の世代から申し上げると、もしも要らないということになるんだったら、むしろ壊しちまうという公共事業でもやったらどうかと思うんですね。橋が要らないというんだったら橋を壊しちゃう。壊すのにも相当お金がかかって、これはどういうふうに技術的にやるかどうかわかりませんが、なくなってみたら、困る、もう一回つくろうと言ったら、その世代の方がおやりになればいいというようなぐらいの、実際は別にして、考え方というのは何かあるんじゃないか。
 確かに、つまらないものをたくさんつくっていると思うんです、こんなものどうしてつくったんだろうと。それこそオークションにでもかけて、安く買える人がいたら、これまた商売になるかもしれないというようなこともある。ですから、余りつくることばっかりに熱中していると妙なことになる。
 私は、冷戦時代に、ソ連の軍事的な増強はすごいからこれは大変だ大変だと言ったけれども、いや頑張っていれば大丈夫だろうと思っていたんです。というのは、軍艦や飛行機を幾らつくっても、更新とかあるいはそのメンテナンスをやらなきゃいけない、これでくたびれちゃうに違いないと。つくればつくるだけくたびれるというようなことがあって、現実にそうなったと思うんです。そういう過ちを我々犯さないためにはどうするかということを一回考えてみたらいいんじゃないか。
 来年への抱負をちょっとおっしゃいました。今度、内閣改造で何かもうおやめになるというようなことが新聞に出ていますが、私は、そんなことをおっしゃらないで、というよりもむしろ、客観的に言って、来年の省庁再編で予算の編成権が内閣にきちっと移る、そしてそれを本当にどうやって統一してつくっていくかということについて、今の総理大臣では大丈夫かなというのは自民党の方も入れて皆さん考えているんだと思うんです。客観的に言いまして、党内事情は存じませんが、宮澤さんがやっていただくと一番いいんじゃないか。前からのいきさつも全部御存じだし、それから財政もわかり、経済もわかり、そうしないと、また経済財政諮問会議、何とか閣僚会議、何とかかんとかというので、一体これどこで手綱が一本になるのかというようなことを考えると、どういうふうに自民党の方はお考えになるか知らないけれども、もう少し、まだお元気なようですから頑張っていただいて、少なくともこの次のパラダイムが見えるぐらいのところまで頑張っていただけないものかどうか。
#148
○国務大臣(宮澤喜一君) 橋を壊す話はそれといたしまして、ここまで来ますと、私は二十一世紀の最初の十年か二十年を展望いたしますと、いわゆる財政再建という言葉で表現される問題は、もとより財政だけの問題ではございません。税制の問題でもあるし、中央、地方の行財政の関連でもございますし、もっと差し迫って社会保障、諸問題の問題でもあります。
 したがって、財政だけの再建ということはあり得なくて、それらの問題全部を含むようなやはりマクロモデルみたいなものをつくって、そしてすべての需要が、ニーズが同時に決定されるような政策を探すしかないのではないだろうかと。したがいまして、それは負担と給付といいますか、コストとベネフィットと言ってもいいし、そういう問題を同時的に決めるのにはどうすればいいかという、そういうモデルをつくることによって答えを求めるしかもうないような気がいたしておるわけです。
 それは、常識的にはある程度見えておるわけですが、これだけの、国が与える、国が供給しなければならないのであるとすれば、そのための負担はどれだけか、高福祉とか高負担とかいろんなことがございますけれども、それを整合的に同時に満足する値を探すしかないのだろうと思っていまして、ばらばらに議論しておったのではいつまでも答えが出ない。給付と負担との関連を一義的に同時に決定するような、これはもう選択でございますから、その選択をすることによって、それからあとのそれらの問題についての政策を組んでいくしかないのではないかということを、これはどなたがやられましてもそうでありませんと、新しいパラダイムというのが求められないのではないかということを感じております。
#149
○委員長(伊藤基隆君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#150
○勝木健司君 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となっております平成十一年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。
 反対理由の第一は、本法律案は、国債償還のため設けられている減債制度のルールを踏みにじり、有名無実化するものだからであります。決算において剰余金が発生した場合、剰余金の二分の一以上を公債償還のため国債整理基金に繰り入れることが義務づけられており、この措置は、定率繰り入れ、予算繰り入れと並んで減債制度の根幹をなすものであります。それにもかかわらず、国債を増発するよりましだとのまやかしで、財政法第六条の特例を安易に設け、財政節度を財政当局自身が放棄した今回の措置は、断じて容認できないのであります。
 反対の第二の理由は、本法律案は、将来の国債の増発につながるからであります。宮澤大蔵大臣は大きな補正予算は組まないと一昨年から再三国会で述べられておりました。しかし、平成五年度以降、今回を入れて十五回補正予算が組まれていますが、今回の補正予算における歳入追加の規模は実に四番目に巨額なものです。与党の、国民におもねた増額要請に安易に応じ、借金財政を拡大する財政当局は、もはや金庫番の役割を返上してしまっていると断じても過言ではありません。
 反対理由の第三は、国民が財政の先行きに大きな不安を抱いているのに、それに逆行する財政運営を行っている点であります。今回の一連の措置に伴い、本年度末の国債残高は三百六十五兆円に、来年度の国債発行は借換債を含め実に百兆円を超える発行になると見込まれます。そのような中で、本来国債の償還に充てるべき財源まで補正予算で浪費してしまうことは、財政の健全性に逆行し、国民の国債償還に対する信頼を喪失させるものであって、到底納得できるものではありません。
 今日の財政状況のもとでとるべきことは、剰余金全額を国債の償還に充てることであり、これこそが政府の本来の務めであることを強く訴えて、私の反対討論といたします。
#151
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、平成十一年度剰余金の処理特例法案に対して、反対の討論を行います。
 本法案は、財政法の規定にもかかわらず、平成十一年度の剰余金の全額を補正予算の財源に充てようとするものであります。決算剰余金が出た場合、少なくともその二分の一は公債の償還等に充てなければならないとの財政法の規定は、財政が未曾有の危機にある今こそ尊重されなければならないものであります。
 まして、平成十一年度は歳入の四割以上が国債で賄われており、たとえ決算で剰余金が出たとしても、それは借金の使い残しという性格のもので、本来の剰余と言えるものではありません。にもかかわらず、本法案は、この剰余金の全額を補正予算の歳入に組み入れ、大型公共事業を初めとする従来型景気対策に充てようとするものであり、断じて認められません。
 以上をもって、本法案に反対する討論といたします。
#152
○三重野栄子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表いたしまして、平成十一年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案に対し、反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、本法律案の前提となる補正予算の必要性自体に疑義を抱いているからであります。補正の必要はないと繰り返してこられた宮澤大蔵大臣の答弁は一体何であったのでしょうか。今回の補正予算は、ばらまき体質から脱却できない自民党政治の象徴そのものであり、到底賛同できるものではありません。そうした補正予算と表裏一体である本法律案についても容認できないことは当然であります。
 反対の第二の理由は、公債の発行額を抑制するために剰余金を全額活用するという政府の理屈に納得できないからであります。
 こうした手法により、政府は、特例国債の発行を回避し、建設国債の発行も二兆円程度にとどめることができたと自画自賛されております。しかし、これは問題の先送りにほかならず、国民を欺くものだと言わざるを得ません。こうした先送りを続ければ、世代間負担の格差はますます拡大し、将来に対する国民の不安も高まるばかりであることに政府は気づくべきであります。
 国債の発行がこれほど膨らんでいる状況にかんがみても、財政法の定めにあるとおり、剰余金の少なくとも半分は借金の返済に充てるべきでありましょう。
 最後に、森政権による経済政策、財政政策は、限られた業界や階層をターゲットにしたものにすぎず、大多数の国民にとっては将来の増税不安を大きくするものであることを申し述べ、私の反対討論といたします。
#153
○委員長(伊藤基隆君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入るのですが、若干お待ちください。特段の問題があるわけではございません。
 これより採決に入ります。
 平成十一年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#154
○委員長(伊藤基隆君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#156
○委員長(伊藤基隆君) 酒税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院大蔵委員長萩山教嚴君から趣旨説明を聴取いたします。衆議院大蔵委員長萩山教嚴君。
#157
○衆議院議員(萩山教嚴君) ただいま議題となりました法律案について、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 本案は、去る十日、衆議院大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出したものでありまして、最近における社会情勢にかんがみ、未成年者の飲酒防止に資するため、酒類の販売業免許の取り消し事由に、酒類販売業者が未成年者飲酒禁止法の規定により罰金の刑に処せられた場合を追加する等所要の改正を行うものであります。
 以上が本案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#158
○委員長(伊藤基隆君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#159
○勝木健司君 今回提案されております酒税法の改正案の目的は未成年者の飲酒防止ということで、全く私どもも異存はないわけでございますが、目的が達成できることを期待いたすわけでございます。
 しかしながら、この酒類販売業免許の問題は、規制緩和の問題と切っても切り離せない問題でもございますので、特に今回の改正の背後には、酒類小売業免許に係る需給調整規制の距離基準の廃止先延ばしの問題があるわけでございます。本年九月一日に予定されておりました距離基準の廃止が来年の一月一日に延期されたわけでありますが、そもそも規制緩和推進三カ年計画で定められた当初の廃止期限については、経済団体などからも前倒しの要望さえ出ていたものであるわけでありますが、逆に先送りをされたわけでありますけれども、まず大蔵大臣に、この距離基準廃止が先送りされた経緯とその理由につきまして、私に与えられた時間は確認質問の十分でありますので、簡潔にお願いをいたしたいと思います。
#160
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、大蔵省はかねて三カ年計画を持っておりまして、九月一日にこれを実施することを考えておりましたが、その後、八月になりまして、未成年者の飲酒防止対策あるいは酒類販売におけるいわゆる公正取引の問題など、この規制緩和を円滑に進める上での環境が十分に整備されていない、それを整備せよということで与野党間の合意がございました。
 その合意の内容はただいま申し上げましたことそのものでございますが、未成年者飲酒禁止法の罰則強化、酒税法の免許取り消し事由の追加について次期臨時国会において法改正を行うということの中で、不正取引の排除に関するガイドライン等々につきまして環境整備をすべきであるということが決定されましたので、したがいまして、この環境整備を待ちまして法の改正をお願いすることとしたわけであります。
#161
○勝木健司君 どうもこの延期の理由というものは、直接小売業の免許基準の規制緩和に結びつくものではないように思われるわけであります。
 そこで、もう一点確認いたしたいのは、このような先送りが再び行われることのないようにという点でございます。自民党内では、不当廉売の防止対策に関連して、距離基準の廃止時期についてもまた再延期もあり得るなどという意見もあるようでありますけれども、この未成年者の飲酒防止あるいは不当廉売問題などについての対応は別に対処を考えればよい問題でありまして、規制緩和の先延ばしというものはあってはならないものというふうに考えるわけであります。そういった意味で、大蔵大臣、また総務庁の政務次官、お越しでございますので、確認をしておきたいというふうに思います。
 それとあわせまして、平成十五年九月から実施される予定の人口基準の規制緩和につきましても、経済団体からもむしろ前倒しをしてくれという意見もあるわけでございますので、そこら辺の前向きな答弁もいただくということで確認をさせていただきたいというふうに思います。
#162
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど、あるいは与野党合意と申し上げたかもしれません。失礼いたしました。政府・与党合意でございます。
 それで、この合意に盛られましたことをほぼ整備いたしましたので法案の御審議をお願いいたしておるわけでございまして、政府といたしましてさらにこの時期を延長するという意思は持っておりません。
#163
○政務次官(海老原義彦君) ただいま大蔵大臣からもいろいろとお話をいただきましたとおり、去る八月の酒類小売業免許に係る距離基準による需給調整規制の緩和の延期につきましては、未成年者飲酒禁止法とか酒税法の改正などの踏み込んだ措置がとられることとなった経緯から、所要の準備等の期間等を設ける意味合いで延期措置を講ずることにしたものであって、あくまでも例外的な措置であります。政府としては、規制緩和は予定どおり粛々と進めてまいる所存であります。
 また、後段に御設問のありました人口基準による需給調整規制につきましては、平成十年三月の閣議決定におきまして、平成十五年九月一日をもって廃止することを決定したものでありまして、政府といたしましては、今後とも、規制緩和の取り組みにいささかの変更もなく規制緩和推進三カ年計画を着実に実施してまいる所存であります。
#164
○勝木健司君 次に、不当廉売防止対策について公正取引委員会にお伺いしたいと思います。
 公正取引委員会はこの二十四日にいわゆる酒類のガイドラインを公表しております。この中でも、仕入れの際に添付される他の商品、また、年度末等に事後的に額が判明するリベート、広告費、販売活動補助のための協賛金等については値引き等として考慮しないとしておるわけでありますが、これらが値引き等に該当しないというのは、さまざまな形で不当廉売が行われている中での実態にそぐわないのではないかという危惧がされておるところでありますけれども、こうした点、なぜ値引きに該当しないのか、その点を確認しておきたいというふうに思います。
 そしてまた、もとよりこの中小小売業者の実態を踏まえた不当廉売防止対策は極めて重要なものでありますので、そのためにも基本的な考え方なりあるいは基準というものを明確に示して周知を図っていくことが大切だろうというふうに思いますので、あわせてお伺いしたいというふうに思います。
#165
○政府参考人(楢崎憲安君) 先生御指摘のように、十一月二十四日に、いわゆる酒類のガイドライン、不当廉売と差別対価について規制の考え方を示したものでございますけれども、御指摘のリベート等について、なぜ値引きとして考慮していないのかということでございますけれども、リベート等につきましては二つのタイプがございます。
 一つは、例えば、現金決済であれば二%リベートをあげます、あるいは、百ケース売ってくれるから二%リベートをあげます、これはまさに実質的な値引きと同様のものでございます。
 しかし、年度末一括して支払われるようなリベートは、取引をする際に幾らもらえるかどうかわからないものでございます。例示としていろいろ書いてございますけれども、そういったものは値引きとは認めない。したがいまして、不当廉売の規制基準でございます実質的な仕入れ価格をさらに引き下げる要因とは見ないというものでございます。
 もう少し具体的に御説明いたしますと、帳簿上の仕切り価格が一ケース三千五百円であったと、そして、ここに書いてあるようなリベート、年度末一括のリベートとか、あるいはメーカーの協賛金等を含めると一ケース百円あるいは二百円に相当する額であったといたしますと、規制基準はあくまでも三千五百円の仕入れ価格でございます。それを三千三百円の仕入れ価格とは見ません、三千三百円を上回っていれば不当廉売ではないという考え方をとるものじゃないということでございますので、仕入れ価格の判断基準を酒類取引の実態に合わせて明確化したものだというふうに考えてございます。
 こういった考え方を関係業界等に周知してまいりまして、不当廉売案件につきましては厳正に対処していくという方針をガイドラインでも示しているところでございます。
#166
○勝木健司君 警察庁にお伺いしますが、いわゆるIDカードの所持義務のない我が国におきましては、未成年者への酒類販売を防止するには、未成年者と思われる顧客に対する販売時点での年齢確認しか方法がないわけでございますが、こういう販売当事者の主観によるところでありますので、販売者としての義務の範囲はどこまでを考えられておるのかということと、そしてまた、違反した場合は免許取り消し等、行き過ぎではないかという意見もあるわけでありますけれども、その点いかがでありましょうかということと、もう一つは、違反をした場合、販売者の責任として罰則を受けるということは是といたしましても、なぜ小売業者だけに適用されるのかということもあわせて確認をしておきたいというふうに思います。
#167
○政府参考人(黒澤正和君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、酒類の販売者が未成年者が飲酒をすることを知って販売することを処罰することといたしておるわけでございますが、これは、刑罰によってそのような行為がなされないことを期待しているものと考えております。
 したがいまして、年齢確認が期待される範囲につきましては、購入者の外見でありますとか、動作でありますとか、購入量など具体的な状況に照らしまして、未成年者が自分で飲むのではないかと思われるかどうかなどにつきまして総合的な判断をしなければならないものと考えられますが、処罰の対象となっておりますのは、構成要件上「知リテ」となっておりますので、未成年者が飲むために購入することを販売者が認識している場合であると考えておるところでございます。
 それから、もちろんこれは販売者だけに限らず、例えば保護者でありますとか未成年者自身でありますとか、そういった未成年者の飲酒や喫煙が健全育成上問題があるということをよく認識をしなければならないわけでございまして、販売者だけではなくて、社会全体が未成年者の健全育成のためにこの問題に取り組んでいく必要があろうかと考えておるところでございます。
#168
○勝木健司君 もう時間が参りましたので、要望だけ申し上げたいというふうに思いますが、インターネットを利用した酒類通信販売の普及や、あるいは会社分割法制の導入に伴いまして分社化等の動きなど、酒類の小売販売業免許に関しても大きな影響を与えておるわけでございます。これらのインターネット取引等の通信販売に係る免許の取り扱いや、分社化等による営業主体の変更の際の免許条件の問題など、酒類販売業免許に関してはさらに規制緩和を進めるべきであるというふうに考えておりますので、大蔵大臣、また所管の総務庁政務次官にぜひ御理解をいただきたいというふうに要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#169
○笠井亮君 未成年者の飲酒防止策の一つとして今回の法案は賛成できるものでありますが、私は罰則強化にとどまらない対策がさらに必要だと思うんです。この観点から、コンビニエンスストアでの酒の販売について伺っておきたいと思います。
 厚生省の調査でも、例えば高校二年、三年男子の入手先で一番多いのがコンビニであります。国税庁も、未成年者の購入を責任持って防止できる者の配置など、夜間の酒類販売の体制整備を業界に繰り返し要請してきたと思います。
 国税庁に伺いたいんですけれども、通達を出してから二年半ぐらいたつと思うんですけれども、責任者を配置しているコンビニというのはこの酒販のコンビニ約二万店のうち何%ぐらいになるでしょうか。
#170
○政府参考人(塚原治君) お答え申し上げます。
 酒類を販売しているコンビニエンスストアの数については正確に私ども承知しておりませんが、コンビニエンスストアに限らず、すべての酒類小売販売業者に、販売場ごとに酒類販売責任者を設置するよう指導してきているところでございます。また、年に一度、酒類販売業者から販売場ごとに所轄税務署長に提出される酒類の販売数量等の報告書に販売責任者の氏名等を記載させており、ほとんどの酒類販売業者において、販売場ごとに酒類販売責任者が設置されていると考えております。
#171
○笠井亮君 私の質問に対して具体的な数字も言われないという、そういう形ではフォローされていないという点でいいますと、やはり私、形だけ通達を繰り返し出すという形で済ませているんではだめだと思うんです。
 先日、JR駅構内のコンビニで、制服を着た中学生にアルバイト店員が酒を売って、その企業と店員が書類送検されるということがありました。この店員は、中学生とは思ったが、忙しくて確認せずに売ってしまったと話しております。さらにほかの例で言いますと、未成年者のアルバイトの店員が未成年者に対して売る場合もあると。これでは、実質的には自動販売機とそんなに変わらなくなってしまう。
 先ほど言った例の店では、キオスクの直営コンビニ店でありました。酒を販売するならきちんと管理者を置いて、それができない時間帯は酒の販売をしないなど、やはり身をもって襟を正すように、直営店を運営している大手コンビニの本部、これについては少なくともしっかり私は指導すべきだと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
#172
○政府参考人(塚原治君) お答え申し上げます。
 国税庁においては、平成十年四月に、コンビニエンスストア業界団体を含む関係団体に対して、年齢確認の徹底、夜間における酒類販売体制の整備、清涼飲料水との分離陳列、従来型酒類販売機の撤廃、従業員の研修の実施などについて要請するとともに、具体的な取り組み方法について指導してきているところでございます。また現在、関係省庁と連携して、これらの関係団体に対して、未成年者飲酒防止のための取り組みをさらに強化するよう、改めて要請する準備を進めているところでございます。
#173
○笠井亮君 フランチャイズ加盟店にはいろいろ配慮が要るということもあると思うんですが、ただ、直営店については、直ちに徹底できるし、それにこたえる力もコンビニ本部は十分持っていると私は思うんです。
 そこで、フランチャイズの加盟店の方なんですけれども、加盟店主の多くは、商道徳を守りたいということをもって頑張っている。ところが、責任を持てる時間内で酒を売りたくても、コンビニ本部の厳しい締めつけもあって、二十四時間年中無休の営業を強制されるなど、店主の自由にならないのが現状であります。フランチャイズ契約やコンビニ本部の対応にまで踏み込んだ、私はそういう意味での規制がなければだめだと思うんです。
 今、関係省庁とありましたけれども、せっかく七省庁で取り組んでいるんですから、他省庁とも協力して、コンビニの本部に対して実態に合った指導も行ってきちっと問題解決に当たるべきだと思うんですが、これは大蔵大臣いかがでしょうか。
#174
○政府参考人(塚原治君) 国税庁といたしましては、今後とも、議員御指摘のように、各小売店に対する指導はもとより、業界の団体を通じた中央での指導も行ってまいる所存でございます。
#175
○笠井亮君 これまでもやっているし今後ともということなんですけれども、今の話を伺っていて、本当にきちっとやれるのかというのがいま一つ響いてくるものがないんですね。コンビニでの販売規制に責任を持って本気で取り組むということで、私はやっぱり具体的に示してほしいと思います。
 町の酒屋さんは今、自動販売機の撤去に取り組んでおります。売り上げの減少につながって経営的には大変苦しいけれども、青少年対策だと身を削る思いで頑張ってやっていると。しかも、撤去費用も小売店の負担であります。コンビニでは有効な手が打たれないまま事実上放置されているのと、私は対照的だと思うんです。
 撤去状況を見ますと、予定台数を勘案した数字で六〇%という状況でありますけれども、そういう状況の中で、お酒屋さんは非常に頑張って今努力もされていると。未成年者対策に取り組むと言いながら、コンビニ本部に対して要請を行うということでやってきたし今後もやるということで、これはいわばお茶を濁すということではいけないと思います。
 私は、具体的な中身のある酒販売の規制強化に国税庁が本気で取り組まずに、来年一月から拙速に免許条件の規制緩和をすべきでないと、このことを強く申し上げまして、質問を終わります。
#176
○三重野栄子君 社民党の三重野栄子です。
 この法案につきまして、賛成でございますけれども、この法案の目的を達成させるためにも何点かお尋ねいたします。
 まず、未成年者の飲酒防止のための実効性の確保の問題でありますが、未成年者の飲酒問題は社会的に極めて大きな問題でありまして、今回の改正案に関しては、青少年の健全育成という観点からもその趣旨に大いに賛成いたしております。しかし、未成年者の飲酒の現状を考えますと、その実効性の確保というのは大きな問題となってくると思います。
 今回の改正案では、別途、未成年者飲酒禁止法の罰則の強化もあるわけですが、酒類販売業免許の取り消し事由に、未成年者飲酒禁止法に違反した場合を追加するということですけれども、この法改正によりまして、実際に未成年者の飲酒防止にどのような効果が上がるとお考えでしょうか。提出者である衆議院大蔵委員長にお伺いいたします。
#177
○衆議院議員(萩山教嚴君) ただいま御審議をお願いいたしております酒税法の一部を改正する法律案は、提案理由にもございますように、最近の社会情勢にかんがみて、未成年者の飲酒防止に資するため、酒類の販売業免許の取り消し事由に、酒類販売業者が未成年者飲酒禁止法の規定によって「罰金の刑に処せられた場合」を追加する内容のものでございます。すなわち、致酔性、依存性のある酒類の商品特性に着目して、酒類に係る社会的規制、とりわけ未成年者の健全育成という観点から、未成年者への酒類販売防止の徹底を図ろうというのが今回の提案の趣旨でございます。
 御案内のとおり、未成年者を取り巻く環境の中で、未成年者の飲酒問題というのは大変重要な問題となっております。こうした事態に的確に対応していくことは、未成年者の健全育成のために極めて重要であるというふうに考えておるわけであります。もとよりこの問題は、ひとり酒類販売業者だけの問題ということではなくて、地域社会、関係省庁の一体となった取り組みが必要であるということは十分御承知であろうと思います。
 提案者といたしましては、そうしたことを十分に配慮しつつ、本改正法の適正かつ確実な執行が行われ、改正の趣旨が実現されますことを強く期待しておるところでございます。
 終わります。
#178
○三重野栄子君 その場合に、国税庁にお伺いしたいのでございますけれども、取り消し及び再申請の免許交付の運用でございます。
 実効性の確保という点から今回の法案を見ますと、酒類販売業免許の取り消し事由に、未成年者飲酒禁止法に違反した場合が追加されるわけでありますけれども、あくまでも「取り消すことができる。」との規定であって、この「できる。」という部分をしっかりと運用していかないと十分な効果が期待できないのではないかと思います。また、免許が取り消された者の再申請についても、同様に「免許を与えないことができる。」との規定になっております。
 もちろん、免許の取り消しに当たりましては、販売業者に対する不利益処分となるわけですから、行政手続法に基づく聴聞の実施など、適正な手続が必要なことは言うまでもありませんけれども、未成年者の飲酒防止の実効性の確保のためには厳しい運用が求められております。
 この点に関しまして、取り消し及び再申請の際の免許交付につきまして、国税庁の方から運用基準について伺いたいと存じます。
#179
○政務次官(七条明君) まず、私の方から総論的なものを申し上げておきたいと思うわけでありますけれども、ことしの八月三十日に制定をされました、いわゆる未成年者の飲酒防止等対策及び酒類販売の公正な取引環境の整備に関する施策大綱におきまして、未成年者飲酒禁止法及び酒税法の一部改正案が成立を見ましたときに、その適正な施行に取り組んでいかなければならないという観点に立ちまして、法案が成立した場合には、これらの権限の運用に当たりまして、行政手続法の趣旨にのっとる、あるいは酒類販売業免許の取り消しが酒類販売業者の営業活動あるいは生活に大きな影響を及ぼす点にもかんがみまして、その当該企業が未成年者飲酒禁止法違反として処罰されるに至った事由、あるいは特にそのときの事情等を十分に勘案しながら、慎重かつ適正に運用をしていかなければならない、特にそういう観点に立って慎重に適正に運用していかなければならないというふうに考えておるところでございます。
#180
○政府参考人(塚原治君) 御質問の二点目であります、免許を取り消された者が再申請を行った場合の運用について簡単にお答え申し上げます。
 今回の改正においては、未成年者飲酒禁止法違反で罰金刑に処せられた者が免許の取り消し事由に追加されるだけではなくて、この取り消しが行われた場合に、免許申請に当たっての拒否事由に該当することとされております。したがって、申請者が免許を取り消された者であるような場合には原則として免許を付与することはできないと考えておりますが、いずれにいたしましても、慎重かつ適切な運用を行ってまいりたいというふうに考えております。
#181
○三重野栄子君 その具体的なことをお伺いしたいんですけれども、それ以上はきょうは申し上げません。
 今度は警察庁に伺いたいんです。私は、取り締まりを強化すればいいというふうには思いませんけれども、未成年者飲酒禁止法をつくった以上は、実効性の確保のために、運用という観点からお伺いしたいと思います。
 未成年者飲酒禁止法違反による昨年の検挙件数はわずか六十件ということでございます。この数字というのは、実感からしますと氷山の一角にすぎないのではないかと思いますが、特に未成年者飲酒禁止法では、未成年者が自分で飲むことを知って販売しないと処罰の対象にならないわけでして、こういった部分が検挙件数にあらわれているのではないかと思います。幾ら免許取り消し事由を追加したといっても、肝心の処罰適用が今のような状況では期待ができません。
 この点、今回の改正を踏まえまして、どのように取り締まりを進めていかれるのか警察庁に伺いたいのでございます。でも、適用がふえればいいということは思っておりませんが、先ほども御説明ございましたけれども、もう一度お願いします。
#182
○政府参考人(黒澤正和君) 私どもの各種の警察活動によりまして、酒類の販売実態につきましてその的確な実態把握に努めまして、悪質な事案につきましては、的確な捜査により違法行為を立証いたしまして、取り締まりを行っていく所存でございます。
 なお、未飲法の検挙の件数につきまして今御指摘がございましたが、そのほかに補導いたしておるのが昨年、三万数千件ございます。それから、風俗営業適正化法というもので、飲食店等におきまして未成年者に酒、たばこを提供した場合には罰則がついておるわけでございますが、これにつきましては昨年は約二百件の検挙を見ておるところでございます。
#183
○三重野栄子君 では、簡単にあとお尋ねいたします。
 自動販売機を設置されているとどうしてもそんなことになるわけですけれども、酒類自動販売機の設置台数がどれぐらいで、どのように減らされていっているのか。それから、コンビニエンスストアの問題ですが、先ほど指導に当たると国税庁の御答弁がございましたけれども、これは七省庁でいろいろお話があっているということでございましたから、国税庁だけでやるのじゃなくて、その他の省庁にもぜひ国税庁から積極的にお話しかけをいただきたいと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#184
○政府参考人(塚原治君) お答え申し上げます。
 酒類の自動販売機でございますが、全国小売酒販組合中央会が五年前に自主的に撤去する決議を行いました直後の設置台数が十八万六千台でございまして、本年六月一日現在では十一万九千台になっておりまして、六万七千台減少しているところでございます。
 従来型の酒類販売機の撤去、あるいは本人の年齢確認ができる改良型の自動販売機への切りかえにつきましては、国税庁も関係省庁と協力いたしまして引き続き指導を行ってまいりたいと考えております。
#185
○政務次官(七条明君) 今お話がありましたように、関係七省庁、国税庁、特に大蔵省といたしましても、積極的にリーダーシップをとれる部分はとって頑張ってまいりたいと思っておるところでございます。
#186
○三重野栄子君 終わります。ありがとうございました。
#187
○委員長(伊藤基隆君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 酒税法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#188
○委員長(伊藤基隆君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#189
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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