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1950/12/06 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第9号
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1950/12/06 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第9号

#1
第009回国会 通商産業委員会 第9号
昭和二十五年十二月六日(水曜日)
   午後二時二十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○土地調整委員会設置法案(内閣送
 付)
○鉱業法案(内閣送付)(第八回国会
 継続)
○採石法案(内閣送付)(第八回国会
 継続)
○鉱業法施行法案(内閣送付)
○特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改
 正する法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深川榮左エ門君) それでは只今から委員会を開会いたします。
 土地調整委員会設置法案を議題供します。先ず政府の提案常の説明をお願いします。
#3
○政府委員(高木松吉君) 只今議題となりました土地調整委員会設置法案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
  この法律案は、別に提出されております鉱業法案並びに採石法案と密接不可分の関連を有し、これと表裏一体をなすものであります。鉱業又は採石業は、国の経済力を増進する上におきまして極めて重要な産業でありますから、一方において、大いにその開発を奨励しなければならないことは申上げるまでもありませんが、他方において、これが農業、林業その他の産業及び一般公益に及ぼす影響、殊に開発の対象となる土地に関して及ばす影響が極めて重大なものであることは、鉱業又は採石業の規模の点から見ましても、当然予想されるところであります。ここにおきまして、土地に関して、鉱業又は採石業と農業、林業その他の産業及び一般公益との間の調整を図るための公正な機関として土地調整委員会を設ける必要がありますので、この法律案を提案いたした次第であります。
 以下この法律案の要点を申し上げます。
 土地調整委員会は、総理府の外局とし、委員長及び委員四人をもつて組織し、委員長及び委員は、識見の高い学識経験者のうちから、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命することになつております。なお、委員会の事務を処理させるために、事務局を設けることにいたしております。
 委員会の権限といたしましては、鉱区禁止地域の指定及びその解除を行うこと、鉱業権又は採石権の設定又は取消、鉱区の増減に関する異議及び鉱業のための土地の使用又は收用に関する異議に対する裁定を行うこと等がその重要なものでありますが、この鉱業禁止地域の指定又はその解除を行い、或いは異議に対する裁定を行います場合には、聴聞会を開いて一般の意見を求める等愼重な手續を経ることといたしております。
 なお、土地調整委員会の組織及び機能に鑑みまして、その裁定又は裁定の申請を却下する決定に対する訴の第一審の受訴裁判所は、東京高等裁判所といたしたのであります。
 以上がこの法律案の大綱であります。なにとぞよろしく御審議のほどを御願い申し上ます。
#4
○委員長(深川榮左エ門君) 只今御説明のありました土地調整委員会設置法案に対する質問は次回に譲ります。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(深川榮左エ門君) 次に鉱業法案、同施行法案、採石法案並びに特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、御質問がございましたら御発言をお願いいたします。速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#6
○委員長(深川榮左エ門君) 速記を始めて下さい。
#7
○吉田法晴君 第一点については私御言明を得て安心をして、審議会がこれから発足し運営することについて期待をかけたいと思うのですが、第二点のほうにつきましては、大体御了解を得ておるように考えますが、その金額、それから方法その他については今後の論議に待たなければならないと思いますけれども、概括的にいいまして、従来も災害復旧の補助その他については今お話のように実質的には国から出ておりまして、従いましてこれを今後制度化する点が違つておるだけだと思います。その中において国の……程度の問題はとにかくといたしまして、或る程度の補助頂きますことについては、概括的にここで研究をして援助、補助をして行こうということは、御言明頂けるわけでありますか。
#8
○政府委員(石原周夫君) 補助率を何か他の公共事業に比べまして、特別に高い補助率を出すかというお尋ねでありますれば、それに対しましては、今日そういうような考え方はないだろうと思います。どういうようなやり方によりますかは、これは審議会の結論にもよりますので、そこら辺で今後考えて参りたいと思います。
#9
○吉田法晴君 これはこの委員会の審議の途中にも出たことでありますが、或いは工事と申しますか、復旧工事の性質によつて一律には行かんかも知れんが、現に特別鉱害の場合には、鉄道それから道路、河川、そういつたような公共事業、その他の公共事業とそれぞれ率が違つておるわけでありますし、一般鉱害の場合についても同率に行かんのではないかという議論がある。その点は具体的には一般鉱害の場合にはどうなるかということは、今後の研究問題だと思いますが、それにもかかわりませず、概論的にいいまして、国家の補助を願わなければならんと申しますのは、鉱業法において鉱業権の賦与はこれは国がなすのだ。その鉱業の由来が国にある。そして賦与された鉱業権によつて鉱業が行われるが、その鉱業の運営というものについても、実施ということについても、実際問題として期限が、或いは経営能力といつたようなものが起つて参りましようが、基礎産業として單価なら單価についても制限がある。従つて権利を賦与したという根本の見地から遡つて見て、それによつて生じた鉱害について国が補助をし、援助をするのは当然ではないか。こういう強い意見もありましたし、又実際問題として、この鉱業権者なら鉱業権者によつて十分のこの復旧というものができがたい実態から考えるならば、国或いは公共団体も含みますけれども、特に国からの補助がこれは寄せられることは当然の話であります。それらの点について実際と理論を織込んだ上で、この制度を作ることについてこの委員会の意見がだんだん進んで参る。従来のところではおおむね各省の大臣から承認を得たものだと考えておるのでありますが、その点について大蔵省としてお認めを頂けるかどうか。こういうことをお尋ねしておるわけであります。
#10
○政府委員(石原周夫君) 国が一般鉱害の復旧に対しまして補助をいたします目安を、只今おつしやいますようなそもそも鉱業権そのものに関連をいたしまする国の関係から考えまするよりは、私どもはやはりその災害を、災害と申しますか、鉱害を復旧いたしますことが、やはり国の国土の利用という点から申しまして重要であるというような着眼点に主として立つべきではないかというふうに考えます。併しながら今お述べになりましたような事情もございますので、そこら辺を斟酌をいたしまして、他の一般公共事業の場合におきまする補助率とも睨み合わせまして、審議会におきまして、今後十分に御検討頂きたいというふうに考えるわけであります。
#11
○委員長(深川榮左エ門君) ほかに御質問ございませんか。
#12
○吉田法晴君 実は最初私どもが考えておりましたのは、この鉱業法制定と同時にでなければまあ承知が相成らんと、こういう意向が強かつたのであります。これは鉱業法の百十一条の条文を変更せよ、現在では金銭賠償が出ております。法案では金銭賠償が中心ですが、原状回復が例外的に、賠償金額に比して著しく多額の費用を越えない場合において原状の回復をすることができるときは、被害者は原状の回復を請求することができる。こういうようなことが記載になつておりますが、原状回復は従来但書になつておる、それを逆にせよ、こういう要望もありましたし、若し本条の修正ができないならば、特別法を一緒に審議をして、この鉱業法の成立と同時に特別法を作るべきだ。こういう意見が強かつたわけであります。ところが特別法を国会で共に成立せしめますについてはいろいろな難関もあるのじやないかという、これはまあ実際もありましようが、それから思惑と申しますか、考えもあつてそれでは少くとも要綱をこしらえ、そうして審議会を作るというところまで行かなければ了解ができない。こういうことになつたわけでありますが、実際に審議会が動き出しますると、半年で結論が出ますか或いは一年で出ますか、この辺はわかりませんけれども、いずれにしても早くその結論が出、実際にこの工事に着手し得る、復旧に取りかかり得るということに相成ると思うのでありますが、その場合にこの前の通常国会で通過し、今度改正案が出ておりますこの特別鉱害復旧との関連性も出て参るわけでありますが、早急にこの一般鉱害復旧についての審議会の結論が、或る場合におきましては並行的に進むようなことにも相成るかと思うのでありますが、そういう点につきまして並行して進み得るかどうか。これは時期の問題と関連して参ると思うのでありますが、それらの点について大蔵省としてどういう工合に考えておられますか、お伺いしたいと思うのであります。
#13
○政府委員(石原周夫君) 審議会の審議がどういうふうに参るかということは、勿論私どもも予断できないのでありますが、一面には今おつしやいましたように特別鉱害の問題がようやくその緒についたばかりでございまするし、全体の公共事業としての見方そういうような点から考えまして、或る程度まで並行ということに相成りましても、両方そう一緒に多くの量はできないということに或いはなりはせんかというふうに考えておりますが、そこら辺はいろいろ審議会が進んで参りましてから、両者睨み合わせて考えたいと思います。
#14
○吉田法晴君 その辺は先ほど申しましたように、我々としては原則的にはとにかく鉱業法の条文の中の問題が特別法になつておる。その特別法をそれでは今国会で制定をし、成立せしめるということが特別鉱害との関係からいたしまして実際問題として相当困難であるというならば、最低限それでは要綱を作り、法律制定のために出発をし、そのための審議会を作る。こういう点でこれは止むを得ずだんだん下つて来てそこまで参りましたのでありますので、これは実際の結論が出まして数字その他ということになりますれば、いろいろ実際問題とし折衝を要し、考慮しなければならん点も出て来るかと思うのでありますけれども、問題の経緯とそれからこの委員会の経過と申しますか、この点は十分一つお考え置きを頂いて、私ども議論して参りました中に、年々金銭賠償ではあるけれども金は鉱業権者からも出ておる。それから又従来の旧法の下においても或る程度原状回復というものが行われておる。若し金銭賠償のみを續けて参りますならば、これは金は出る、或いはもらうけれども、耕地の陥落なり或いは鉱害はそのままになつて、いつまでたつても原状回復、或いは鉱害回復というものには歩を進めない。それからなお又国としてもこういう制度がない場合においても災害防止その他の名目を以て何らか出ておつた。問題はそれを制度化し、取りまとめるということだけが残つておる。それから又特別鉱害で現在荒手しておるものの例をとつて見ましても、例えば五、六十万の金を投じてポンプを据えることによつて二、三十町歩の耕地が、去年は全然できなかつたのが今年はできた。こういう点もありまして、或いはこれは資本の蓄積と同じことになるかも知れませんけれども、早ければ早いだけ、何と申しますか、早い機会に実現し得る或いは効果が現われるわけでありますから、その点十分御勘案の上、大蔵省としては最大の御努力をお願いいたしたい。これは審議会の審議等を待たなければなりませんけれども、その点特に一つこれは要望ではありますけれども、お願いをして置きたいと思います。なおちよつと途中になりますけれども、これは通産省の次官にお尋ねをして置きたいのですが、審議会の設置がきまりましたが、実際にはいつ頃からメンバーが揃い、出発いたします見通しであるか、その点ちよつとお尋ねをして置きたいと思います。
#15
○政府委員(首藤新八君) 現在閣議の正式決定を得まするために持廻りをしておりまするが、大体明朝までには全部決定いたす予定になつております。そこで関係各省の構成員になつて頂くかたはきまつておると思います。外部のかたはまだわかりませんが、これも今原局で人選を進めておりますので、急速に決定いたしまして、今月中に少くとも一回ぐらいの審議会を開催いたしたいと、かように考えておるのであります。
#16
○西田隆男君 大蔵省からお見えになつておるそうで、大体古田君が主な点については御質問いたして、おおむね満足すべき御答弁を頂いたというお話ですが、私重ねて一、二の点について御見解を承りたいと思います。
 御承知でもあろうと考えますが、新鉱業法案の審議に当つて、鉱害の問題についてこれを如何に処理するかということが、当委員会では非常に重要な問題として今日まで論議されて来たわけでございます。私たちは鉱業法案を見てみますというと、現在のこの鉱業法が施行された後の鉱害賠償の問題についてこの法案中に規定されておるだけの方法だけでは必ずしも鉱害の復旧ができるとは思われないような条文しかここに規定してありません。そのために新鉱業法施行後の鉱害について熱心に今まで研究して来たことと、この鉱業法を通す通さんの問題に関連しまして特別鉱害以外の過去における現行の鉱業法による採掘等の被害の賠償に対しては完全に賠償が実行できなくて、一般鉱害として十数億に上る莫大な被害が現在残つておる。この被害に対しても何らか処置を講じてもらいたい。こういうのが我々の基本的な考え方で、関係各省とここでも質疑応答を繰り返したり、大いに懇請をしたりして今日まで参つたのでありますが、昨日の委員会におきまして、資源庁の岡田次長、なお農林大臣、その前回の委員会におきましては建設大臣、安本長官というかたがたに御出席願いまして、そして今申しました特別鉱害以外一般鉱害の復旧と、新鉱害法施行後の鉱害の善後措置についていろいろ懇請いたしました結果、関係各省、通産省、農林省、安本、建設省、大蔵省、この間で十二分な協議をして頂くことにお願いをしました。そうして急速に鉱害賠償に関する審議会を閣議決定事項として設置して頂くということについてあらかた了解を求めたわけでありますが、いずれにせよ、大蔵省として予算措置について考えて頂かねばならんことが一番先決問題になりますので、今日はわざわざ御出席を願つたわけであります。この問題については吉田君からいろいろ質疑がされたことと思いますが、私が大蔵省側にお伺いしたいことは今申上げたような考え方から通産省内に審議会が作られまして、この審議会で一般鉱害に対する結論が生まれました場合は、大蔵省側といたしましては、これに対する予算措置について一つ是非とも急速に実現のできるように御協力をお願いいたしたい。国の予算のことですから、必ずしも我々が考えておるような方向に進まなくても、取りあえず一般鉱害に対する復旧に着手できるということを、最も短い期間において大蔵省側としては予算措置を、各省から要求がありました場合は是非やつて頂きたい。これに対しての大蔵省側の一つ見解を伺いたい。
#17
○政府委員(石原周夫君) この審議会の構成には恐らく大蔵省も参加をいたすことに相成るのであると思います。その席上におきまして私どもの意見も勿論申述べることに相成つておりますが、この委員会で結論が出ましたことにつきましては、今西田委員のおつしやつたように、財政全体の睨み合わせかございますので、その許します範囲内で、できるだけその結論に即して参りたいということを考えております。
#18
○西田隆男君 もう一点お伺いしたいのは、これはお尋ねしなくてもいいことであるかもわかりませんが、我々は審議会が発足いたしますと、今までの審議会のようでなくして、関係五省の間で御協議願うことでもあるし、急速に結論が必ず得られるであろうと考えております。従つて補正予算はもう本国会を通過するでありましようし、二十六年度予算も十五ヵ月予算としてすでに編成済みであるかもわかりませんが、そういう関係から、仮に審議会の結論が生まれました場合において、二十六年度においては予算措置がもうできないというような考え方を大蔵省でお持ちにならずに、二十六年度算が十五ヵ月予算として編成終了済みでありましても、その後において補正予算等の形においても、大蔵省側でこの審議会の決定に基く一般鉱害の賠償に対して御考慮が願えるかどうか、この点についてもう一言承わりたいと思います。
#19
○政府委員(石原周夫君) 今日その審議会はまだ発足をいたしまする前でございますので、お話のように二十六年度予算乃至は補正予算でどうなるかということについてはちよつとお答えがむずかしいのでありますが、私どもとしましては、結論が出次第、できるだけ早い機会に措置をいたすということで御了承を願いたいと思います。
#20
○委員長(深川榮左エ門君) ほかに石原主計局次長に御質問がございましたら御発言お願いいたします。……それではないようでございますから、主計局次長に対する質問は一応これで打切りたいと思います。
 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#21
○委員長(深川榮左エ門君) 速記を始めて下さい。本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長    深川榮左エ門君
   理事
           廣瀬與兵衞君
           古池 信三君
   委員
           小野 義夫君
           重宗 雄三君
           小松 正雄君
           吉田 法晴君
           山内 卓郎君
           山川 良一君
           西田 隆男君
  政府委員
   法務政務次官  高木 松吉君
   大蔵省主計局次
   長       石原 周夫君
   通商産業政務次
   官       首藤 新八君
ソース: 国立国会図書館
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