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1950/12/07 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第10号
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1950/12/07 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第10号

#1
第009回国会 通商産業委員会 第10号
昭和二十五年十二月七日(木曜日)
   午後二時六分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○自転車競技法を廃止する法律案(衆
 議院送付)
○土地調整委員会設置法案(内閣送
 付)
○特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改
 正する法律案(内閣提出・衆議院送
 付)
○採石法案(内閣送付)(第八回国会
 継続)
○鉱業法案(内閣送付)(第八回国会
 継続)
○鉱業法施行法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深川榮左エ門君) 只今より通産委員会を開会いたします。
 先ず予備審査として提案されております自転車競技法を廃止する法律案につきまして、提案者のお一人であるところの加藤さんから御説明をお願いいたします。
#3
○衆議院議員(加藤充君) 急いでプリントしました提案理由書を今日漸くお手許にお渡しできるところまで至つたのでありますけれども、大変字組も汚うございますし、読みにくいので恐縮だと思います。なお誤字、脱字などもございまして、その点は誠に申訳ない次第であります。
 御指名によりまして只今議題になりました自転車競技法を廃止する法律案の提案理由の御説明を申上げます。自転車競技法は、これを制定かたを希望するという輿論に基きまして、自転車業界の窮状を克服し、同時に窮迫しておる地方財政の増收に寄與するという目的を以て制定いたしまして今日に至つておるものであります。
 さて私どもの提案理由の第一といたしましては、地方財政の問題でありまするが、地方財政の窮迫は、本国会におきましても、衆議院地方行政委員会が満場一致の決議を以ちまして、平衡交付金の増額を要請しましたように、窮乏はその極に達しております。この原因は、平衡交付金が従来の地方配付税国庫補助金の半額程度しか交付されず、この交付金さえ返還をいたさなければならないような事態になつておるのであります。加えまするのに、地方住民の生活の破綻、又地方産業の衰退、多額の国税などによりまして、地方税の徴收率は現在全国平均二割乃至三割という状態なのであります。この状態を解決いたしまする途は、自転車競技法の存續というような手段を以ちましては、一時の糊塗すら可能ではございません。まさに右に申上げましたような原因を根本的に除去する以外にはないと考えております。而も現実には屡次に亘る不祥事件のために、その都度多数の警官を動員するための自治体警察費を初め、直接間接の経費は地方財政にとつて却つて負担となつております。このたびの中止措置によりまして、地方財政にあけられた赤字の影響は深刻である点も重要であります。このようないつ再び中止事件を惹起するか予測のできないような不安定な財源に地方財政が依拠するというようなことは、極めて不健全財政と言わなければなりません。
 第二には、我々の挙げる理由といたしまして、不正と腐敗の問題であります。競輪場の開設、経営をめぐりまして暴露されました官公吏、地方財界、業界、地方ボスから中央政界にまで及ぶ不正腐敗事件、又レースの八百長をめぐる不逞ボス、これらに結び付いた極右暴力団の跳梁、暗躍、選手の腐敗等、今や競輪は不正腐敗の温床となつているものであります。
 第三には、宇都宮、鳴尾競輪などに見られました放火、殺傷事件、これに対する警察官の発砲騒ぎ、多数の検束騒ぎなどが惹起されて、社会不安の問題となつております。更に一言附言いたしますれば、これらの被検挙者中に、およそ被疑事実とは無関係の多数の人たちがむやみに検挙されている事実であります。これは人道、人権の立場からも看過できないことなのであります。
 第四に、道義の頽廃の問題であります。最近頽廃的な映画の輸入や、これに刺戟されました淫猥な映画、演劇、小論の氾濫、ビンゴと称する賭博類似遊戯の輸入、流行と相待ちまして、これが国民の健全な文化に與える恐るべき悪影響は、單に家庭生活の破壊にとどまらず、民主独立日本の将来に重大なる害悪となるであろうことは、公知の事実なのであり、この実情は全く植民地様相を呈しているのであります。
 以上私どもは競輪法実施後の実情と、これに対する輿論の現状に鑑みまして、直ちに国家的、大局的見地に立ち、本法案を提案するものでありまするが、最後にこの法案廃止後の問題につき、特に次の点について適切なる御考慮を政府において拂われたいと考えるものであります。
 即ち第一は、すでに設置されました競輪場その他の附属施設については、低賃金のためにその肉体すら消耗して、肺病亡国が重大な問題化しておりまする今日、勤労国民のリクリエーシヨンのための活用、或いは青少年のための健全なスポーツ施設への転用、遊び場を奪われました子供たちのための公園への転用などを急速に図ること、第二は、この廃止に伴いまして生ずるいわゆる競輪関係の従業員の失業対策、第三は、これに依拠しておりました地方財政の赤字に対する政府の処置であります。
 以上が提案理由の要旨であります。なお法律案の中身につきましては、簡單でありますので、説明を省かせて頂きたいと思います。何とぞ事態の重要性に鑑みまして、速かに御審議の上司決せられんことをお願いいたす次第であります。
#4
○委員長(深川榮左エ門君) 只今説明になりました自転車競技法を廃止する法律案につきましては、その質疑応答は後刻に讓り、本日は提案理由の説明だけにとどめて置きたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(深川榮左エ門君) 異議なしと認めます。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(深川榮左エ門君) それでは土地調整委員会設置法案につきまして、委員各位の御質問がございましたら、御発言をお願いいたします。
#7
○吉田法晴君 この点は或いは衆議院でも問題になつたかも知らんと思いますが、土地調整委員の罷免の問題、九條、十條に亘つておりますが、九條の三号には「委員会により、心身の故障のため」云々という理由を挙げて、その委員会がこういう理由があるということを認めたときにはやめなければならん、こういう規定がありますが、この任命は国会で両院の承認を得てされる、罷免だけは国会の承認を要しないという建前になつておるわけですが、第九條の一号、二号は、これは、禁治産或いは破産の宣告を受けたとき、禁錮以上の刑に処せられたときという法律上の手續によるのでありますから、議論の余地はないと思います。それから三号の「心身の故障のため」というのも、これも大して問題の起ることはないと考えられますが、「職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行があると認められたとき。」という、この非行の認定、こういうものについて、これは委員会の認定によるということになりますので、或いは日発総裁、副総裁の罷免の例に鑑みましても、現在のように委員の顔ぶれが片寄りがちなときにおいては、その辺についても法上の保障は得られぬということになりますので、任命の場合と同様、第十條に、国会で両院の承認を経てというような文句を入れる。或いは九條三号の「委員会により、」を削る。こういつたように罷免の場合も国会の承認を経るというように直したほうがいいのではないかと考えられますが、その点についてどういう御意見でしようか。
#8
○政府委員(高辻正巳君) 御尤もな御質問と拜聽するのでございますが、この御指摘の第九條第三号の特に後段について、「職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行があると認められたとき。」というこの「正委員会により。」という認定が、その恣意に任される場合もあり得ようじやないか。そういう場合も顧慮して、罷免の場合も両議院の同意を得ることにしてはどうかというお話なのでございますが、この第九條第三号の委員会の認定につきましては、更にあとの條項を御覽下さいますと、第十二條の第三項におきまして、委員会は、第九條第三号の規定による認定をするには、特に本人を除く全員の一致がなければならないということを法律上の要件といたしておりまして、委員会が、やはり本人は除きますけれども、それ以外の者の全員の一致があるということでありますれば、これは委員会としては公正な判断をするということになろう、それも多数決であつては困るけれども、全員の一致であればよろしかろうというようなことで、一方に身分の保障を置くと同時に、この認定には極めて愼重な会議の議決方法を作つておるわけでございます。従つて御懸念のようなこともないと思うのでございまするし、なお罷免の場合に両議院の同意を得るということも考えられないことではございませんけれども、これは今申上げましたような、愼重な手續を経てやることでありますれば、あえてそこまで行かなくても、普通の他の法律の規定と同様に、この点は両議院の同意を経るということを、この規定上必要としなかつたわけでございます。勿論この罷免がありますと、後に委員を補欠しなければなりませんので、その際は勿論両議院の同意を経て任命するということになることは言うまでもないところでございます。
#9
○委員長(深川榮左エ門君) ちよつとお諮りいたします。只今隣りの農林委員会で討論採決があつて速記が要るらしいのですが、速記は向うへちよつとやつて、又向うが済みましてから、こちらへ呼びますから御了承を願えますか。
#10
○吉田法晴君 それでは二、三点お尋ねしてあとお讓りをするということにして頂きたい。この点につきましては、今の委員の罷免の問題はあと廻しにしまして、次の点をお尋ねをいたして置きたいと思います。委員会の委員長及び委員についてでありますが、本委員会の委員長及び委員は法律に明文化されていないのでありますが、常勤でありますのか、非常勤でありますのか、常勤であるとすれば、身分は何でありますか、その点をお伺いいたして置きたいと思います。
#11
○政府委員(高辻正巳君) お答え申上げます。この委員長及び委員は常勤でございます。と申しますのは、普通法律におきまして非常勤とする場合には、特に非常動とするという言葉を使つておるのが通常でありますのと、それからこの委員長、委員の給與でございまするが、これはこの附則にありまするように、特別職の職員の給與に関する法律の一部を改正いたしまして、この電波監理委員会の委員等と同格の給與が受けられることになつております。それでこの委員については常勤と考えております。勿論特別職でございます。
  ―――――――――――――
#12
○委員長(深川榮左エ門君) ちよつとお諮りいたしたいと思いますが、吉田君の貸間中でございまするが、ちよつと一時御質問を打切つて頂いて、そうして特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案を議題に供したいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(深川榮左エ門君) 御異議ないと認めます。本法案に対して御質疑がございましたら、どうぞ御質疑をお願いいたします。他に御発言もございませんようですから、質疑は盡きたものと認めて御異存ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(深川榮左エ門君) 御異議なしと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#15
○山川良一君 私は本案に賛成するものでありますが、一言述べて置きたいのは、本一部改正案中、第十一條の「(被指定者がその者の負担において施行する復旧工事)」についての説明としまして、「その者に係る特別鉱害の復旧工事」から第五條第二項の規定により施行者が定められるものを除いてあるが、これは当然第五條第一項をも含まれるべきものと解釈されますので、これが法的措置については、できるだけ早い機会に政府として善処されんことを要望いたしまして、本案に賛成いたします。
#16
○政府委員(首藤新八君) 只今山川委員から御指摘なされました第十一條の「第五條第二項」の上に第一項を入れるということでございます。全くこれは政府の大きなミスでありまして、誠に申訳ないと存じておるのであります。御趣旨によりまして、近い機会にこれを修正いたしたいと存じますると共に、それまでにはこの運用上におきまして、この欠陥のために被害のないような措置を十二分に講じて行くつもりをしておるのであります。なお又幸いに実際問題といたしまして、この一項に該当いたしますのは、主として国の直営工事が多いのでありまして、その他には余り大した影響はないと思いまするが、いずれにいたしましても、運用上におきまして、この一項を入れたと同様の措置を講ずることにいたしたいと存じまするので、何とぞさよう御了承下された上、このまま一応御決定願いたいと存じます。
#17
○委員長(深川榮左エ門君) ほかに御発言はございませんか。……ほかに御意思もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異存ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(深川榮左エ門君) 御異議なしと認めます。
 それでは特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案を採決いたします。特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#19
○委員長(深川榮左エ門君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりまするが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(深川榮左エ門君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。
 多数意見者署名
   駒井 藤平   古池 信三
   高瀬荘太郎   松本  昇
   上原 正吉   西田 隆男
   小野 義夫   山川 良一
   小松 正雄   吉田 法晴
   加藤 正人
#21
○委員長(深川榮左エ門君) ちよつと速記をとめて……。
   午後二時三十八分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時十二分速記開始
#22
○委員長(深川榮左エ門君) 只今中村衆議院議員から説明のありましたことに対する質問はございませんか。
#23
○吉田法晴君 お尋ねをいたします。先ほど委員会では共産党を除いて全会一致修正ができたと、それからなお決議について附帶決議をするということにきまつたということでありまするが、附帶決議について、これは恐らく本会議でも、只今の御説明では共産党を除いた全員で決議ができたのかと思うのでありますが、前にも一般鉱害につきまして決議がなされております。私どもの見解では、この前の決議の後にどういう工合にその決議が実行されたか、或いは決議の実行について衆議院或いは衆議院の通産委員会としてどういうことをされましたのか、伺いたいのであります。と申しますのは、この前の一般鉱害に対する決議は、その後どういう反響を呼びましたのか、不敏にして知らぬのでありますが、そういう附帶決議を附けられますことによつて、どういう効果があると考えられておられまするか、或いはその点についてのお見込、お見通しを伺つて置きたいと思います。
#24
○衆議院議員(中村幸八君) お答え申上げます。前の国会におきまして、一般鉱害についても特段の措置を講ずるように決議がありました。その後通産委員会といたしましては、常に政府を督励して、これを実行に移すように努めておつたのであります。併しながら今日までそのことなく経過をいたしましたことは、私どもとしては誠に遺憾に堪えないと共に、申訳なく考えておる次第でございます。併し今回の決議案によりまして、我々はただ決議をするということだけではなくて、即刻我我の原状回復の要望達せられますように、速かに学識経験者或いは関係政府職員、或いは又利害関係者により成る審議会と申しますか、委員会を設けまして、即刻着手するようにという、こういう決議でありまして、衆議院の委員会におきまする政府側の答弁におきましても、その趣旨に副つて直ちに着手する、こういう答弁を得ておるのでありまして、我々は衆議院の通産委員会の全員が非常な熱意を持つておりますので、政府を督励いたしまして、この目的が貫徹されますようにと期待いたしておる次第でございまして、なお今日までどういう経過になつておるか、その点につきましては政府側からお答えを願つたらいいんじやないかと思つております。
#25
○吉田法晴君 政府側からの答弁を求めようとは思つておらぬのでありますが、と申しますのは、一般決議をし頂いたのは衆議院でありまして、むしろその後決議の精神に従い、鉱害の問題についての推進は、衆議院の通産委員会としてこそやつてもらうべきであつたと思うのでありますが、過去のことはもう申す必要はないと思いますが、これは希望になりますけれども、我々もこの問題について相当の努力を續けて参りまして、多少附帶決議ということに関連いたしまして、そういう前の決議があり、このたびも附帶決議で同じようなことを繰返されてもどうか、こういうことを考えますので、一応過去の御努力を伺い、今後の御努力をお願いして置きたいという意味で御質問申上げたわけであります。それから次にいろいろ修正がなされたようでありますが、衆議院の共通的な基礎になりました考えと申しますか、或いは端的に言いますならば、指導精神、そういう問題について伺いたいのであります。と申しますのは、新らしいこれは鉱業法が出ておりますが、今までの現行法の修正ではなくて、新らしい鉱業法として提出なさつた。それには或いは石炭行政の民主化という狙いも一つは入つておるかと思います。或いは工業、それから農業その他まあ條文には林業その他の産業と書いてありますが、公益の調和という狙いも大きな新鉱業法の狙いとしてあると思うのであります。それが従来の経過を見ますというと、政府原案でも或る程度新鉱業法の目標というものが多少昏迷しかけておる。不統一が現われておることが言えると思うのでありますが、更にそれを衆議院で修正を加えられました結果、新鉱業法の狙いがどこにあるか、全くわからなくなつてしまつておるように思うのであります。それならば初めから衆議院の改正されようとする意図を以ていたしますならば、現行鉱業法でよかつたのでははないか、こういう感じを抱くのであります。そこで衆議院として改正を試みられました個々の点でたく、共通した狙いはどこにあるかということをお尋ねしたいと思うのであります。申上げるまでもなく、衆議院において自由党が絶対多数をとつておられますので、巷間伝えられますように、女を男とし男を女とする以外のことは何でもできると、こういうことが言われておるのでありますが、そういう下において、これは個々の修正を貫きます精神においては、新鉱業法の制定の精神にマツチしたものでなければならん。ところがその点については、先ほどから申しますように、新らしい鉱業法ではなくて、旧来の法律でよかつたのではないかと思われるような修正をせられたかのような印象を受けるのでありますが、修正の指導精神について一つ伺いたいと思います。
#26
○衆議院議員(中村幸八君) お答え申上げます。今回の改正案の最も大きな狙いといたしましては、鉱物資源をより一層合理的に開発する。又農業、林業その他の産業、又は公益と鉱山業というものとの調整を図る。それから更に文法の運営を民主的にすると、こういう三つの、そのほかにもありましようが、大きな狙いがあるのではないかと、かように考えるのであります。法の運営を民主的にする、そのためには土地調整委員会にいろいろの手を煩わす、或いは地方鉱害賠償基準協議会というようなものを設ける、或いは又通産局長が重要な処分をするときに公開による聽問会を開くというような、各種の方法を併用しておるのでありまして、誠にこの点至れり盡せりではないかと考えております。それから又他産業との調整、或いは公益との調整という問題につきましても、内閣に新らしく土地調整委員会というものを設置して、公平なる而も学識経験ある立派なかたがたの智慧を借りて決定して行くと、こういうような仕組にできておるのでありまして、まあそういうような面におきましては非常によくできておる法案ではないかと、かように考えます。併しながら先ほども申上げましたように、仔細に検討して見ますと、鉱物費源の合理的開発という面におきまして、いささか足らない点があると思います。それで私ども修正いたしました点が、たまたま現行法に逆戻りしておる点が多々ある。例えば存續期間の三十年とあるのを現行法通りにした、或いは鉱業権者の出願出中の名義変更を認めることにした、これも現行法通りしたのでありまして、或いは石炭等の鉱区面積を十五ヘクタール、即ち現行法の五坪に近いものにしたというように、折角政府が改正したにもかかわらず、又衆議院で修正して、現行法につまり逆戻りしたのではないか。こういうような又御非難もあるようでありまするが、私どもはこの点につきましては、全国各地にこの八月の閉会中に参りまして、各地の実情もよく調査し、又関係業者の御意見等も聞き、或いは公聽会等も二日間に亘つて二十四人の公述人の意見を聽取するというふうに愼重に検討いたしました結果、存續期間の問題或いは鉱区面積の問題その他は、政府原案は行き過ぎではないか、むしろ現行法に則つて行くのが鉱物資源をより合理的に開発できるのではないか。こういう結論に達しましたので、先ほども申上げましたように修正をいたした次第であります。
#27
○西田隆男君 私中村さんに修正された鉱業法の一点についてお伺いしたいのですが、この修正の條文を見ますと、祖鉱権者と鉱業権者とが鉱害の賠償について連帶責任を負わなければならんという規定になつておるようですが、どういうわけで租鉱権者と鉱業権者とが賠償について連帶責任を負わなければならんように修正せられたか、その理由を一つ御説明願いたいと思います。
#28
○衆議院議員(中村幸八君) この鉱業権者と租鉱権者との連帶ということは、原案にはなかつたのでありますが、いろいろ検討して参りますると、この租鉱区の開発、租鉱権の設定というものは、主として残炭その他を合理的に、残りを少なからしめる意味において開発せしむると、こういう趣旨からできておるのでありまするが、勢い残炭を掘るにつきまして、まあそう申しては失礼でありまするが、租鉱権の存續期間も五ケ年という短期間でありまするし、まあ残つたものを掘るというので無責任な掘りかたをする者もありはしないか、それからなお租鉱権者となるようなかたには、とかく資力の薄いかたがたも多いように観察するので、かたがたいたしまして、若し租鉱権者の作業によりまして鉱害が発生いたしました場合に、租鉱権者だけの責任にいたして置きますると、被害者が非常に不安に思う。鉱害賠償が請求できない場合も起り得るのではないか、これでは被害者にとつて甚だお気の毒であるというような社会政策的な見地からもいたしまして、租鉱権者と鉱業権者と連帶して責任を負うようにしたらよかろうと、こういうことにいたしたわけであります。
#29
○西田隆男君 表面上の御説明は今もやつて頂いてわかるのですが、そうしますと、さつき古田君の質問に対して御説明のあつたように、附帶決議も附けられておる。従つて衆議院としては、この鉱業法案の中に盛られておる金銭賠償だけでは必ずしも鉱害の賠償は完全でないという前提に立つておられる。こう私は考えるのですが、今のお話を承わつておると、租鉱権者になるごとき者は、ややもすると乱暴な掘りかたをする、而も資力が乏しいために、この法案に規定されておる金銭賠償の目的すらも達せられないことがあつて、被害者が非常に迷惑をするから、社会政策的な意味合からでも、こういう規定をいたしたほうがよかろうという御考慮に基いたという御説明でありましたが、純粋な法律論は別といたしまして、少くとも鉱業権者が、租鉱権者たらしむるために、双方話合つて適当だと認め、且つ通産局長もこれを適当だと認める以上、少くとも租鉱権の設定された鉱利において、この法案に規定せられておるくらいの金銭賠償の義務を負い得ない、或いはそれから脱落すると思われるごとき者は、通産局長において租鉱権者として認めないという結論が私は生れて来なければならん、又通産局長としてはそれだけの責任を持つて当事者双方から申請されたものに対しての決断を與えなくちやならん、私はこういうふうに考えております。中村さんも長らく鉱山行政にタツチされておつたので、私が現在まで知つておる租鉱権の、租鉱権として認められる実体についてこれからお話を申上げたいと思うのですが、元来この租鉱権、今まで行われておりました使用権、その前の斤先掘権なるものは、鉱業権者自体から実際に鉱利の開発の上においてそうしたほうがよろしいからという意慾に燃えて、斤先掘をしたり、使用権を設定したりするという事例は殆んどなくて、租鉱権者たらんとする者、使用権者たらんとする者、斤先権者たらんとする者等から、大体大きな鉱区を持つて、鉱業権者自体が開発しないでうつちやつている所を、無理に自分たちの力で開発したいという嘆願というか、懇願というか、そういう形において斤先権なり、使用権なり、これから法案に規定されている租鉱権が恐らく設定されるであろうと私は考えるのであります。従つて通産局長としては、この決定を認定する場合には、さつき申しましたような考慮が十分拂われねばならないし、併しながら人間の……、人間のというとおかしいが、今までの実態を考えれば、そういう申出があつた場合に、大鉱業権者と申しますか、租鉱権を與えるほうの側に立つ者は、いやいやながら実は今まで與えておつた、何か拒否する理由があればそれを拒否したいという考え方が一ぱいであつたというふうに、私は実情をそういうふうに解釈をしているのですが、この規定を設けることによつて、鉱害の賠償、被害を受けられたところに対する賠償の義務が完遂されるということよりも、むしろこの法案に規定されている租鉱権というものが有名無実になる虞れはないか。という理由は、大鉱業権者が租鉱権を設定する場合に、損害の賠償までも鉱業権者が租鉱権者と十分連帶して負わなければならんということでは、さつき中村さんからお話があつたように濫掘をする虞れもあるし、或いは資力の乏しい点もあるであろうからという意味で、迷惑をこうむるのはもういやだという考え方に基いて、損害賠償の連帶責任を唯一の拒否理由として、恐らく今後の日本における租鉱権の設定が全くないとは申されませんが、非常にその数が少くなる虞れがあつて、折角この法案に一脈流れております地下資源を完全に公共の福祉に副うように開発するという趣旨が沒却されがちになる虞れはないかということを、私は非常に懸念するのですが、この点に対しては衆議院においても十二分の考慮が拂われたであろうとは考えておりますが、なお一応中村さんの御見解を承わつて置きたいと思います。
#30
○衆議院議員(中村幸八君) お答え申上げます。只今西田さんからのお尋ねでありますが、御意見御尤もな点もあるようにも考えます。併しまあ大鉱業権者といたしまして、中小のそういう斤先等と協力して行かなければ、日本全体の石炭の増産はできないものでありまして、話合いでそのようなことのないように政府も指導して行かなければならないし、又我々もそれを希望するのであります。御説御尤もでありまするが、さりとて一方被害者の立場を考えまするときに、荒涼たる、草木も生えていないような北九州地方の惨状を見まするときに、何とかこの窮状を打開して上げたい、こういう熱意に我々は燃えているのでありまして、そういう意味からいたしまして、先ほど御説明申上げましたような、取りあえず今度の法案では金銭賠償を原則とするが、政府においては一般鉱害についても原状回復ができるような研究に着手する、即刻これを実施に移すように、こういう決議をいたしているのであります。いろいろこの問題はむつかしい問題と思いまするが、何とぞ我々の修正するに至りました意のあるところをお酌みとり頂きまして、御賛成願えれば誠に仕合せと、かように考えるものであります。
#31
○西田隆男君 あなたのお話は一応我我として納得ができるのですが、租鉱権者の與える被害という点に、余りに重点を置かれてお考えになつているように、特に福岡県地帶の荒涼たる被害を眺めるとおつしやいましたが、これはあながち租鉱権者だけの被害ではない、一般の鉱害のための被害で、我我としましては、国全体の立場から地下資源を採掘されるであろう全体の被害について修理できないもの、復旧できないものを如何にして復旧するかという点に重点を置いて、これについて結論が生れれば、租鉱権のごときはそう考える必要はない。さつき申しましたように、これから先の日本の租鉱権設定の客観情勢が急速に変れば別問題ですが、こういう規定を置くために、却つて租鉱権の設定が阻まれ、それによつて地下資源の採掘にいささかでも支障を来すというがごとき現象を若し誘致したならば、これは立法の趣旨と全く逆行する結果になる、かように私は考えるのであります。併しもう会期も迫つておりますし、会期中においてこの條文を修正するとか何とかいうようなところまでは考えておりませんが、これは一つ衆議院のほうでもよくお考えになつて、適当な機会においてこの條文は政府原案通りに御修正になるというお気持になつておいて頂きたいと思います。そういうことを前提條件として、私はこの條文の今国会における修正という点については断念をいたして置きます。それともう一つ関連してお伺いしたいのは、さつき吉田君も質問しておつたように、衆議院で附帶決議を附けられた、この前も決議を附けられておつた、併し政府に対しては種々鞭撻するであろうけれども、政府自体として何らこれに対して処置を構じなかつたというのが現在までの実情でございます。而もそういう実情にあるにかかわらず、再び衆議院で附帶決議を附けてお通しになつたが、その間においているいろいろ政府当局とも衆議院側としては折衝されただろうと考えております。併しながら遺憾ながら本委員会において、通産委員会の小委員長としての中村さんの鉱業法案に対する修正意見を開陳された中において、政府のこういう確約をとつたから、今度こそはこの附帶決議が生きて、急速に早急に実施されて、鉱害賠償の問題については、被害者に安心してもらえるのだという明確な御説明がなかつたように聞いております。当委員会におきましても、鉱害の賠償という問題については、この鉱業法が施行された後の鉱害は勿論、過去において発生したまま放置されている特別鉱害以外の一般鉱害の問題につきましても、非常に重点を置いて種々論議されました。関係閣僚すべての出席を求めているいろいろ議論をいたしました結果、今日多分政府側から御答弁があろうと思うのでありますが、当委員会としては、衆議院側で附けられた附帶決議を、即日からでも実施できる態勢に閣議決定を見ない以上は、この法案は本委員会は通過させないという非常に強い各委員の要望があつたのであります。衆議院側としては、ちよつとそういう点については促進かたについて御協力下さると思いますけれども、本日中村小委員長からの御説明の中にありませんでしたから、それを政務次官から、閣議の模様がどうなつているか、我々が当委員会において主張し、要請し、希望した通りに閣議決定を見たかどうかという点について御答弁願いたい。
#32
○政府委員(首藤新八君) 一般鉱害の原状復旧に対しまして、政府が急速に審議会を作るということは、昨日並びに一昨日もこの委員会で御報告申上げた通りでありますが、一昨日閣議の了解を頂戴いたしまして、更に昨日正式に閣議の決定を見たのであります。この内容は昨日大体御報告申上げたと同じでありまするが、多少字句に二、三訂正されたところがありまするので、鉱山局長からその内容を詳細に御報告をいたしたいと思いまするが、衆議院におきまして、第七国会で附帶決議が行われたのでありまするが、政府といたしましても、この決議をこれを十二分に尊重いたしまして、至急に対策を講じたいということで、関係各省の担当官と二、三回協議をいたしましたのでありまするが、何分にも特別鉱害の査定に相当時間を費やしましたのと、更に又復旧公社の活動が、予算措置の点で関係筋と政府との見解を異にいたしましで、それがためにあの問題が相当解決に時間をとられたというようなことから、つい一般鉱害の原状復旧に対するところの対策が遅れたような次第でありますが、幸いに特別鉱害に対しまする御決議も先ほど頂戴いたしまして、今後はこの復旧を実施するのみと相成りましたので、事務的にも相当余裕ができるかと思いますので、今後は一般鉱害の対策につきまして急速に具体的な案を決定いたしたいと、強い熱意を持つていることを御了承願いたいと思うのでありますそれでは鉱山局長から閣議決定の内容を一応御報告いたします。
#33
○政府委員(徳永久次君) 只今のところ内閣では或る程度閣議決定が進みまして、最終決定になりましたものが、ただ持ち返りまして折衝中でございますので、いずれでき上りまして、又本委員会にコピーをお届けすることになりますが、昨日一応出しましたものを原案として、我々用意いたしましたものをお配り申上げておつたのでありますが、それが若干の字句の修正が行われております。但し本旨は全然変つていないわけでありまして、起案者のほうでそうそうの問に起案いたしましたような関係で、各省持ち廻りました際に、重要性の少い字句その他場所を変えるとかいうような点で修正がありますが、趣旨においては変りはありません。念のために変りました点をかいつまんで申上げますと、昨日閣議で決定いたしました案の中には、審議会を組織するということが一であります。所管、これが二の組織となつております。これが書きかたが少し不明確になつておりますので、所掌事務及び組織及び運営というような件名に直りまして、原案にはなかつた字句としまして、審議会に誰が諮問するかということが第一の点でありますが、その点が一つであります。それからこの点で一番ポイントになつております民間人、学識経験者、例えば石炭鉱業権者とか或いは被害者とか、学識経験者というものを、これだけのものを挙げております。それから審議事項の中に、第四番目の復旧工事施行方式というのを括弧書きをしまして、工事施行主体を国とするか、鉱業者とするか、或いは農事組合とするかというような括弧書があつたのでありますが、これは実は私どものほうから修正をいたしまして、特別会計勘定としまして、国が当事者となることは適当でないと思いますので、括弧書は削除してもらいたいということで削除いたしました。件名としては工事施行の方法を謳つているわけでございます。それから六番目に、鉱業権者並びに地方公共団体その他受益者の経費負担及び限度という項目がございますが、この項目の中は受益者の点を書くだけでございますから、地方公共団体をこの中に入れるのでは適当でないという意見がありまして、この中から削除いたしました。次の項目に移りまして、次の七番目の項目に限度という項目がございますが、この項目の中は受益者の点を書くだけでございますから、地方公共団体をこの中に入れる、原案は「公共事業費その他財政負担の限度、方法の検討」ということに相成つておつたのでありますが、そのほうへ修正をいたしまして、これを「公共事業費その他国及び地方公共団体の材政負担の検討」というふうに字句が訂正になつたのであります。只今申上げましたごとく両者の間に変更ができました関係で、文章を仕上げるための字句の修正をいたしましたが、内容の修正は行われておりません。なお最終案を刷り上げまして、お手許にお届けするように取運びたいと思います。
#34
○西田隆男君 中村さん、今お聞きになりましたような結果になつております。恐らく国会で附帶決議を法律案に付けて通す前に、閣議でその附帶決議を充足する、施行する内容が閣議で決定しておるというようなことは前代未聞だろうと思います。従つてあなたは衆議院に席を持つておられると同時に、政府の與党である自由党の党員であられるので、この鉱害賠償の問題は、参議院だけに任せるというお気持じやないと思いますけれども、今の閣議決定の内容に基いて一日も早く急速に一般鉱害の復旧の緒につかれるように、今後とも全面的な政府の御鞭撻と御協力を一つ自由党のほうから要請して、被害の人に一日も早く安心感を與えるように御努力をお願いいたしまして、私の質問をこれで終ることにいたします。
#35
○吉田法晴君 私自由党の修正案に関連しまして、政府側に尋ねて置きたいと思うのでありますが、先ほど中身は中村小委員長にお尋ねしたわけでありますが、旧法を修正するという形でなくて、新らしい鉱業法を出すという形で政府提案が出て来たわけであります。而もその中には繰返して申すまでもなく、これは新らしい理念を持つておつたものと思うのです。それが自由党の修正案によつて相当土地調整委員会或いは地方の賠償基準協議会等の点を除くなら別でありますけれども、殆んど旧法に近い線に帰つた。それからこの調整委員会なり或いは協議会の結果についてはすでに衝いて参つたわけでありますが、甚だしきに至つては試掘権のごときは旧法よりもなお長くなつておる。初めは二年々々に区切つて試掘権の独占その他を解放しようとする意図があつたのでありますが、だんだん自由党の案その他で以て元以上の長いものに実際においては帰つたという結果に相成つております。政府として一つの理想、一つの観念を以て新らしい鉱業法を出されたのが、精神的には全く逆戻りをしました今日、どういう工合に考えられますか、その点を伺つて置きたいと思います。
#36
○政府委員(首藤新八君) 政府といたしましては、できる限りマツチする法案を作りたいというのが一番大きな希望であります。只今修正されました全市ではありませんが、例えば面積の問題であるとか、或いは又試掘権の期間であるとかいうようなことは、鉱業法を改正いたしまする委員会におきましても、しばしばこれが問題になりまして、この修正通りにするほうが実情に適するという意見が非常に強かつたのでありまするけれども、関係筋の御了解を得ることが困難でありましたので、一応原案通り決定いたしたのでございます。併しながらその後この法案を審議いたしまするに際しまして、衆議院の通産委員の皆さんが親しく現地を視察いたしまして、業者の意向を十二分に拜聽いたし、更に又公聽会を開きまして、二十数名に亘る公述人の意見を徴しました結果、殆んどの現地のかた、或いは公述人が、只今修正されたように非常に強く要望いたしておるのであります。従つてこの改正したアイデアというよりも、根本的に実情に即して地下資源を開発する上において支障のない措置を講ずることが適当である。かように考えまして、政府はこの修正案に同意をいたした次第であります。
#37
○吉田法晴君 一昨日であらましたか、成るべく鉱業法の審議を促進してもらいたいという意味で通産大臣が言われましたことは、こういう工合に修正せられるであろうからという意味を含んだ発言もあつたのであります。只今の説明を聞いておりましても、政府のなし得なかつたところ、政府の希望するところを、衆議院の自由党その他でその筋の了解を得るための工作をされたかのような印象を受けるのであります。それは自由党の政府として或いは当然かも知れんとも思うのでありますが、従来鉱害賠償審議会なり、或いは鉱害賠償基準協議会等の論議を通じて見ましても、そういう民主的な運営の面においては十分意図を実現することができなかつたという意味において、自主性の確保において足りなかつたところがあるように思うのでありますが、これらの点について政府として今後なお努力し、改善をする意図があるかどうか、その点だけもう一つお尋ねして置きたいと思います。
#38
○政府委員(首藤新八君) 御説までもなく、今後法案を実施いたしまして、なお実情にそぐはない点がある、修正したほうが便利だというような点がありましたならば、潔よくそれらは修正いたしたいと考えております。
#39
○小松正雄君 さつき西田委員より衆議院の委員長である中村さん切々たる衆議院の空気を懇願いたしましたが、それに附加いたしまして、一言お願いを加えて置きたいと思います。昨日の委員会でこの審議会が作られる、この作られるのはいつ頃であるかということを質しましたところ、政府としては、この月末には作り上げて、そうして発足するのだという、日限的にもはつきりここで申されておりまするので、どうか衆議院におかれましても、こういつたことを併せて御鞭撻を願つてお願い申上げて置きたいと思います。
#40
○衆議院議員(中村幸八君) 只今の御意見、我々といたしましては、最善を盡しまして政府を鞭撻し、輿論の趣旨に副い、又参議院の皆様がたの熱烈なる御希望に副いたい、かように考えております。なお先ほど修正案の提案理由で御説明いたしました際、私は鉱業法案ほか三法案を一括して全部御説明申上げたつもりでありまするが、ちよつとその点御疑問があるように伺いますので、釈明いたして置きまするが、先ほど御説明した中で、現存試掘権についても更に延長を認めるということは、これは鉱業法施行法の改正修正案になつております。それから鉱業権と採石権との間の調整規定を設けるというのは、これは採石法の中の修正になつております。それから土地調整委員会の設置法案につきましては、これは鉱業法案なり、採石法案の修正に伴つての整理的の修正でございますので、念のために申上げて置きます。
#41
○西田隆男君 鉱業法案の修正点が大分あるようですが、これをもう一遍簡單に御説明して頂けませんか。
#42
○衆議院議員(中村幸八君) 鉱業法施行法案の修正点は大部分が鉱業法の修正に伴う條文の整理でありまして、主たる実のある修正点は、現存試掘権についても、石油等は更に二年ずつ再延長を認める。それから石炭等については二年の延長を認める、この点が主な修正でございます。そのほかは大体鉱業法案の修正に伴う整理の修正であります。
#43
○委員長(深川榮左エ門君) ほかに御発言ございませんか……。御発言もないようでございまするから、衆議院通産委員会中村幸八君に対する衆議院における修正に関する質疑はこれで打切ります。
  ―――――――――――――
#44
○委員長(深川榮左エ門君) この際お諮りいたします。昨六日付参議院農林委員会より文書を以て鉱業法案及び採石法案に対する修正に関する申入がありましたが、これが取扱いに関して協議をいたしたいと思つております。先ず申入の内容について山本專門員より報告をいたさせます。
#45
○專門員(山本友太郎君) 御指名によりまして、参議院の農林委員会から当通産委員会に申入のありました鉱業法案及び採石法案及びその修正に関する件を御報告いたします。文書の形式で以て申入があつたわけでありまするが、文書は形式といたしましては、公文書の形式はとつておられません、刷り物として参つております。一心内容について朗読をしながら御説明を申上げますが、それによりますと、「鉱業法案及び採石法案に関し、これが運用の適正を期し、鉱業と共に、農林業の健全な発達に資するため、左記の要領によつて、本両法律案を別紙の通り修正せられたく右申入れする。」、こういうことで、内容になつておりますのは、第一点といたしまして、鉱業法案が一応例にとつてございまして、採石法案もこれに準ずるという取扱方で参つております。要点は四つございまして、その第一点は「通商産業局長が鉱業権の設定を許可するに当つて知事に協議した場合、この協議がととのわないときは、関係主務大臣(農林業に関するものは農林大臣――以下同じ。)に協議することとすること。」、これは第二十四條関係でございます。第二点は、「鉱業用の事務所又は鉱業に従事する者の宿舎若しくは保健衞生施設の設置に利用するため他人の土地を強制的に使用することができることを取りやめること。」、これは第百四條第八号関係でございます。第三点は、「通商産業局長が鉱業権者等に対し他人の土地を使用し又は收用する許可を與えるに当つて知事に協議した場合、この協議がととのわないときは、関係主務大臣に協議することとすること。」、これは第百六條関係でございます。次の第四点は、「損害の賠償について原状回復の請求権を強化すること。」、これは第百十一條関係でございます。先ほども申上げましたように、採石法案につきましては、鉱業法案に準じて取扱う、かような内容を以ちまして、條文修正の案もそれに附けまして、農林委員会のほうから申入があつたわけであります。
#46
○委員長(深川榮左エ門君) 只今山本專門員から御説明があつた四点について、通産省当局の御見解をお伺いしたいと思います。
#47
○政府委員(徳永久次君) 只今四つございましたが、第一点としまして、府県知事に協議をいたしまして、協議が整わなかつた場合には問題を中央に持上げて、中央で措置するという点でございますが、この委員会でもこれに関連する御質問があつたのでありますが、この法の趣旨が、極力現地の実情に即しながら、実際の運用に当る者に責任を持たせまして、この事務運営の簡素化を図るというような趣旨が出ておりまして、その趣旨から大半の権限を通産局長に委任いたしているわけであります。而して通産局長はそれぞれの関連に応じまして、地方の府県知事とも御相談を申上げ、実情に即した措置をとるということに相成つているわけであります。従来の法規の関係から見まして、協議いたしました際に、冷たいほうの解釈からいたしますれば、最終的に協議が整わない場合には、通産局長が決定権を持つているというのが従来の解釈の例でございますが、鉱業の場合につきまして、同様の例が全然ないといことは否定申上げませんが、実情におきましては、一応の協議を申上げて、ノーという結論が出ました際におきでましても、極力事態の実情というものを十分御相談申上げて措置をいたしているというのが例でございまして、又それによりまして、各県におきまして円滑に運営されていることでもございますので、問題が地方で一回限りノーになつた場合には、又それを中央に持上げるということにいたしましても、結局中央も又地方の実情というものを聞いて、地方からの意見を聞いて、それによつて処置するということになりますので、却つて問題は、中央で一段上のようではございまするが、実情に遊離しておりますだけに、却つて中央でこじれるという弊害も予想されるというふうにも考えますので、修正の点は適当ではないのではないかというふうに考えるわけであります。
 それから第二点として出ておりましたこの土地使用、收用の場合に、宿舎寺であつたと記憶いたしますが、收用を認めないようにという御趣旨であつたと記憶いたしますが、この点はこの委員会でもお話がございましたように、宿舎等の利用は、鉱業というものが、点から與えられたる場所によつて仕事をしなければならんという自然の制約があるわけでありまして、その特殊性に基きまして、この使用権というものを認めなければ、鉱業が円滑に行かないという趣旨から来ているわけでありまして、これを認めないということにいたしますならば、この前もお答え申上げましたが、例えば山の上で仕事をしなければならないという場合に、労務者は由の下でしか宿舎が認められないということになりますと、一里も二里も毎朝登山しなければ鉱山に入れないというようなこともまあ例として起るわけでありますが、そういうようなわけで鉱業が円滑に参るはずはございませんし、この法案にはどうしても認めなければならない、ただ認める場合におきましても、他に換地が求められないという制約もこの條文に付いていることでございますから、鉱業実施上止むを得ない場所の場合に認めるということであります。これは鉱業の特殊性から来る止むを得ざる規定でございまして、この削除ということは不適当と考えるわけであります。それから第三点といたしましてお話のございました、この使用、收用の場合に、府県知事に協議いたしました場合の第二段の措置という点でございますが、これは第一の点と同様な趣旨のようでありまして、適当ではないのではないかと考えるわけであります。それから第四点といたしまして、鉱害賠償の責任を、抽象的でございますが、強化しろという趣旨につきましては、鉱業法で鉱業権者に負わすべき責任の限度というものは、この委員会でくどく御議論がございましたように、この法に定めているものが最高の限度ではないか、ただ残る問題として、国家的な国土の総合利用、或いは農業食糧増産というような見地から問題が残つていることは、我々も認めるわけでありますが、その点につきましては、当委員会で十分御審議されて、又政府案に対する善処につきまして、御鞭撻を頂いた方向によつて解決することが最も妥当なる方法であると考えまするので、この原案における鉱業権者の責任を強化するということには賛成しかねるのであります。
#48
○委員長(深川榮左エ門君) 只今の農林委員会からの申入は如何に取扱つたらよろしいかと思いますが、どういたしましよう。
#49
○上原正吉君 これは只今鉱山局長さんから御説明があつたように、我々の委員会ですでに大体論議研究したことでございまして、その結論にもすでに近付いておりますのでございますから、当委員会といたしましては、承わり置くということで、従来の我々の結論を覆えさないようにお願いいたしたいと思います。
#50
○山川良一君 なお只今当局からお話がありましたが、この農林関係のかたがこう考えるのも無理はないので、実際に鉱業法の運営に当りまして、通産省としてもこの希望にできるだけ副うような、実際的な措置を運用上なさるように一つ要望いたします。
#51
○政府委員(首藤新八君) 了承いたしました。
#52
○委員長(深川榮左エ門君) ほかに只今の農林委員会からの申入についての取計らいについて御意見ございましたら、お願いいたします。
#53
○小野義夫君 賛成でございます。
#54
○委員長(深川榮左エ門君) それでは只今述べられました上原委員の説のように取計らうことにいたします。
#55
○西田隆男君 私は鉱山局長に鉱業法の施行法案についてお伺いしたいところがあるのですが、この前の委員会で、第十三條の問題について大分質疑をしたのですが、その際に第十三條の末項にある「追加鉱物の掘採について相当の補償金を請求することができる。」という條文について、鉱山局長の御答弁では、六ケ月か、一年かということであつた。それに対して通産局長は、そういうふうなことでは、次の項には担保の問題もあるのですが、決定がしにくいではないか、條文の中にその規定を置くのは別問題として、一応の基準を通産局長には示すべきであろう。その基準をどういうふうにしたらよいかということを研究して御答弁願いたいという質問をしておつたのですが、その後私も委員会でこの問題に触れて質問をしておりません。今日は最終回のようだから、鉱山局長のほうでどういうふうなことにお考えをおまとめになつておるのか、その点を一つ御答弁を願いたい。
#56
○政府委員(徳永久次君) 先般御指摘に相成りました第十三條の補償金の問題につきまして、最終的に通産局長が処置しなければならないということが予定してございますので、それに対して中央からその基準を與えなければならないという、その與える用意をしておらぬじやないかという御指摘があつたのでございます。私どもとしては、早速その点につきましては準備を開始しておるところでございます。と申しまするのは、本省といたしまして、取りあえず新らしい鉱主の関係のところにつきまして、交渉して集まるだけの、既往の当事者間の契約の事情を調べる手配をしております。それから地方におきましても、その地方でわかる資料の收集を手配いたしております。なおこの問題につきまして、地方等の担当者の事情、準備の仕方及び既往によつてわかつている状況というものをとりまとめるということで……。それから来週でございますが、担当者の会議も予定しておりますような状況でございましてまだ結論にまで至つておりませんが、その準備に着手いたしております。法の施行までに実情に即した妥当な結論を出して、中央から指示するようにいたしたいと考えております。
#57
○西田隆男君 只今調査中であるという御答弁のようでしたが、勿論この法律の施行は六ケ月内に政令を以て定めるということになつておりますので、法律の施行までには案ができるであろうと思われます。が併し今後こういう問題については、そういうふうな御答弁でなくて、事前に十分に調査されて、法案の條文を審議しておる過程において必らずそういうふうにお示しを願いたい。お示しを願わなければこの十三條の問題は実は解決が付かぬわけで、解決が付かなければ、この委員会ではこの法律を通すわけには行かぬということは、極めて常識的な考え方である。併し当委員会で関係法案の審査の過程において、誠に真摯に、まじめに、熱心に政府側から御答弁がありましたので、私は鉱山局長のお言葉を信頼して、極めて適切妥当な方法が生まれるであろうということを、私だけ考えまして、私は一応第十三條の問題を打切りますけれども、よほど考えて置いて頂かないと、新憲法による国会というものは、国会自身が法律を作る権能を持ておる。あなたがたはそれを補助的にされるだけのことなんですから、結局そういう一般的に手ぬかりのないように準備をされて、法案を提出される場合は考慮されたい。重ねて鉱山局長に私要望いたしまして、公正妥当な案を必ず作つてもらいたい。六ケ月間の、政令できめられる施行期日までに案ができて、その案が悪かつたにしたところで、もはや国会でどうこうするということはできませんので、又次の国会で法案を修正しなければならん段階に追い込まれて、国民諸君に対しては誠に遺憾なことになりますから、その点を十分御勘案の上で、只今中村委員長からも聞きましたが、衆議院でも非常に問題になつたという点もお話で聞きましたので、その点も考えられて、公正妥当な結論を出して頂くことにして、この第十三條の問題を打切ります。
#58
○吉田法晴君 もう一点、委員会の審議の終るまでに考慮すると言われました問題で、地上の利益と地下の鉱業権との調整の問題でありますが、この鉱業権の設定をいたします上に半永久的な鉱業施設を作る場合において、鉱業権者が一応協議をすると申しますが、そういう点について、これは條文は協議することができるというようなことであれば、できるかも知れないけれども、こういうお言葉がありましたが、最終段階になりまして、その点の修正に出て参らなかつたのでありますが、それでは政府としてはこの問題についてどういう工合にすることによつて解決するか、今日それをやつて行くという具体的な解決策が條文以外においても立つているのでありますか、その点を明らかにして頂きたいと思います。
#59
○政府委員(徳永久次君) その点はここで……、非常にむずかしい問題でありますから、研究して申上げるということを実はお答え申上げて置いたのでありますが、両三日あとでございましたか、参議院で行われました公聽会の際に、実は私どもがお答えしたのではありませんが、法律の專門家であります我妻先生が言及されたのであります。と申しますのは、私ども法制局及び法律のテクニツクの問題でございますので、專門家の我妻先生のところに御相談に参つたのであります。その結果我妻先生は、御意見を詳細に亘りまして御説明されましたので、差当りのところ、それによりまして私は御了解して頂いたようなつもりでおりましたので、特にお答え申上げなかつたのでありますが、結局結論的に申上げますと、事前に鉱業権者のほうから協議するというようなことを規定いたしまして、それによつて地上の所有権者、或いは土地の利用について権利を持つておる人が何らかの不利益を受けるというような、例えば協議しなかつたことによつて賠償の際に不利益を受けるとかいうような趣旨の法文を置くとなれば、これは極めて地上権なり、所有権との調整の問題としても非常にむずかしい問題であつて、簡單に結論も出しにくいし、又法制的にもむずかしい問題である。ただ單純に鉱業権者側から通知することができる、その法律的な効果を何ら規定しない趣旨の條文を挿入するということならば、それは法律上の問題としてやかましい問題に相成るが、併しそれは單純なまあ準法律的な意味の規定を入れるというのにとどまると、さような趣旨のあれがあつたと思われるのでありますが、記憶しておるのでありますが、私どもこの委員会で問題になりました実質問題としての問題は、鉱業権者側といたしまして、できるだけこの会議でも御引用になりましたような、重要な建造物が造られる際に連絡をされるというようなこともして頂きたいと思いますし、それにつきまして、現地の通産局がその條文にあるような措置を行政の問題としてやる、お手伝いするということには異議ございませんが、法制の問題としての規定をいたしますると、非常にむずかしい問題を含んでおりますので、一応私どもといたしましては、将来の研究に讓つて頂きたいと思つておる次第であります。
#60
○委員長(深川榮左エ門君) 鉱業法案、採石法案、鉱業法施行法案、土地調整委員会設置法案、四案の取扱い方につきまして、隔意なき御意見を承わりたいと思いますので、一時速記を止めて懇談にいたしたいと思います。ちよつと速記をとめて……。
   〔速記中止〕
#61
○委員長(深川榮左エ門君) 速記を始めて……。
 鉱業法案、採石法案、土地調整委員会設置法案並びに鉱業法施行法案、右四案に対する質疑は盡きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(深川榮左エ門君) 異議なしと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べをお願いいたします。
#63
○吉田法晴君 それで社会党を代表いたしまして、鉱業法、鉱業法施行法、採石法、土地調整委員会法に関します條件附賛成と申しますか、不満ではあるけれども、賛成をするという趣旨の討論をいたしたいと思います。
 我が日本社会党は、御承知のように勤労者の利益を代表し、社会主義を民的に実現する政党として、鉱業法、採石法その他ここに上程されておりますような基礎産業或いは基幹産業とも言うべきものを規定いたしております法律のありかた、この恒久立法に対しましては、その制定の指導理念が社会主義的なものでなければならん、或いは社会化の方向を指向するものでなければならんという建前をとることは明らかであります。従つてここに提出されました鉱業法、採石法以下の法案が、我々が見まして、原則的に不満足なものであるということは明らかなのであります。具体的に申しましても、この新らしい鉱業法が出て参るにつきましては、鉱業法の運営を民主的にする建前をとつて、いろいろな制度が設けられておるのでありますが、その鉱害賠償基準協議会或いは土地調整委員会等に現われておりますこの原案の制度は、最初意図されましたものから考えて見まして、不十分なものであり、或いは理念として分断されておるということは、これは審議の過程を通じて明らかであります。或いは又鉱業と農業、林業その他の産業の調整というような精神、或いは公作との調整その他新らしい理念を持とうといたしました最初の意図が、審議の途中において極めて不十分な、或いは不完全なものになつていることは明らかであります。いわば政府において原案を提出せられるについて、十分な自主性を確保して出されたとは考えがたい点があるので、政府の原案が十分な自主性を確保し、そして新らしい鉱業法としての制定の趣旨を十分生かしておらなかつた故に、白田党の修正を以て今日衆議院から提出せられました法案は、新らしい鉱業法の精神を全く沒却、いたしまして、いわば旧法の制度或いは精神に帰つた点が多々見受けられるのであります。多少の理想、多少の指導的理念を持つて出されて参りました政府原案を、全く資本主義的な立法として後退せしめられました点が明らかであります。そういう点から考えまして、社会党としてはむしろ原案の試掘権は、一般鉱物につきましては、二年の更に二年を延長することができる。石油、天然ガスについては、二年々々の更に二年を延長し得るというような原案のほうがむしろ正当である。或いは委員会の点につきましても、政府原案に更に民間人を入れ得るように民主的な構成になすべきである。或いは鉱山局長の権限が多過ぎるといつたような点について意見を持つており、その修正への努力をしたのでありますが、現状を以ていたしますれば、この社会党の意見も十二分に実現することが困難である実際の議会の実情にある点も考え、なお鉱害の被害を受けております農民その他大衆の利害を考え、特別鉱害において解決せられました以外の一般鉱害についても、原状の回復或いは原状の効用が回復し得るような途が立てられることが、実際的な現段階において我々の努力すべき最大の観点と考えまして、本委員会を通じて、この一般鉱害の原状回復の途をあけるために最大の努力をして参り、特別法制定のために審議会を作る段階にまで、民主党その他委員各位の協力を得て参つたのであります。そこで実際問題といたしまして、今日の段階においているいろいろ希望もあり、理想はあつても、この最大の問題であつた一般鉱害の原状回復の途をあけ得たということを以て満足し、そして鉱業法施行法、採石法、土地調整委員会法の採決に当りまして、不満足ではありますけれどもこれに賛成をする態度をとりたいと考えるわけであります。
 以上社会党を代表しまして、簡單でありますが、討論をする次第であります。
#64
○西田隆男君 私は国民民主党を代表して、本法案の審議の過程においての意見を述べて、本案に賛成するものであります。
 元来終戰後の日本の経済情勢、これに伴う産業の構成という問題は、非常に重大な問題として考えねばなりません。而もこの四つの法律案は、二ケ年に亘る実は審議を経て国会に提案されたのでありますから、法案の中に流れておりまする精神は、新らしい時代に最もふさわしい法律を作ろうという狙いは一応狙われておるようでありますけれども、多々まだ不満な点が多いのであります。而も鉱害の問題に関しましては、政府はどこまでも金銭賠償を原則とした賠償方式しか考えていない。これは全く古い時代の資本主義的な構想によつて考えられる賠償の規定でありまして、私たち民主党としましては、社会連帶主義を標榜いたしておりまする関係上、仮りに国に絶対必要不可欠な産業であつても、このために迷惑をこうむる国民が多数あつて、その国民を放擲して置いてよろしいという結論は我々はどうしても生み得ないわけでありまして、でき得ればこの法律案は、審議の過程において金銭賠償による損害賠償の原則を変えて、原状復旧若しくは土地その他の利用価値のあるようなふうの復旧ができるようなふうに、この條文を修正したいという念願に燃えておりましたけれども、臨時国会の審議期間の問題と関係方面との交渉の余裕を打たなかつたために、当委員会においても種々論議した結果、政府の熱意が示されて、法律案審議の過程において一般鉱害並びに今後発生するであろう鉱害に対しましては、我々は満足ではないけれども、或る程度のことができるであろうという一応の見通しを持つに至りましたので、この損害賠償に対する條文の修正をしないまま本案に賛成したいと考えておるのでございます。併しながら如何に当委員会を通過して本会議でこれが決定されましても、新らしくできた四つの法律を施行する過程において、若し我々が当委員会において質疑応答をした精神が十分に汲み入れられないような実施の結果が生じました場合においては、我々としては、この法律案を修正することに決してやぶさかでない。従つて政府は当委員会における質疑応答の趣旨を十二分に忖度して、委員会の意思のあるところを汲みとつて、この法案の実施に当られんことを強く要望いたしまして、この法律案の通過に養成をするのでございます。
#65
○委員長(深川榮左エ門君) ほかに御発言はございませんか。
#66
○古池信三君 私は自由党を代表いたしまして、賛成の意見を披瀝いたしたいと存じます。
 この問題になつておりまする四つの法案につきましては、それぞれ立場によりまて、いろいろと議論はあるのでありますが、今まで多年に亘つて愼重に調査研究を遂げられた結果、立案せられたものでございまするし、又国会といたしましても、参議院といたしましても、予備審査、本審査に亘つて長期間の質疑応答、審議を経たものであります。内容につきましては、時代の進運に即した適当なる案と認めまするので、自由党はこれに賛意を表する次第でありまするが、本委員会におきまする審議の過程におきまして、只今他の委員からも申述べられましたごとく、政府の今後の行政の運用におきまして、いろいろと希望が述べられております。どうぞ行政当局といたされまして、これらの委員の希望或いは意見のあるところを十分にお汲みとりの上、運用上万遺憾のない処置をおとりになることを希望いたしまして、法案の通過に賛成いたすものであります。
#67
○委員長(深川榮左エ門君) ほかに御発言はございませんか……。別に御意見もないようでございまするから、討論は終決したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(深川榮左エ門君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。鉱業法案、鉱業法施行法案、採石法案、土地調整委員会設置法案、右四案、いずれも衆議院送付原案について採決いたします。四法案を衆議院送付原案の通り可決することに賛成のかたの挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#69
○委員長(深川榮左エ門君) 全会一致と認めます。よつて本四案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつてあらかじめ多数意見者の承認を経たければならないことになつておりまするが、これは委員長において、本四案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(深川榮左エ門君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の署名を願うことになつておりまするから、本四案を可とされるかたは順次御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
   駒井 藤平   古池 信三
   加藤 正人   高瀬荘太郎
   上原 正吉   西田 隆男
   栗山 良夫   山川 良一
   小野 義夫   小松 正雄
   吉田 法晴   廣瀬與兵衞
  ―――――――――――――
#71
○委員長(深川榮左エ門君) 御署名漏れはございませんでしようか……。御署名漏れはないと認めます。
 それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後四時四十六分散会
 主席者は左の通り。
   委員長    深川榮左エ門君
   理事
           古池 信三君
           廣瀬與兵衞君
           栗山 良夫君
   委員
           上原 正吉君
           小野 義夫君
           松本  昇君
           小松 正雄君
           吉田 法晴君
           加藤 正人君
           高瀬荘太郎君
           山川 良一君
           駒井 藤平君
           西田 隆男君
  衆議院議員    加藤  充君
           中村 幸八君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       首藤 新八君
   資源庁長官   始関 伊平君
   法制意見第一局
   長       高辻 正巳君
   資源庁鉱山局長 徳永 久次君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       山本友太郎君
ソース: 国立国会図書館
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