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1950/12/08 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第11号
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1950/12/08 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第11号

#1
第009回国会 通商産業委員会 第11号
昭和二十五年十二月八日(金曜日)
   午後二時二十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○資源調査に国庫負担金交付の請願
 (第一三号)
○中小企業緊急金融対策等に関する請
 願(第三四号)
○中小企業者に対する金融対策の請願
 (第四四号)
○横浜繊維製品検査所川俣支所の本所
 昇格および小高支所設置に関する請
 願(第六二号)
○ジエーン台風による関西罹災中小工
 業復旧に関する請願(第九〇号)
○喫煙用具輸出の保護育成に関する請
 願(第三〇五号)
○琉球民間貿易促進に関する請願(第
 三四五号)
○中小企業信用保険法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深川榮左エ門君) これより通産委員会を開会いたします。小田橋專門員。
#3
○專門員(小田橋貞壽君) 第九臨時国会にこの委員会に付託されました請願、陳情は七件でございまして、お手許にその項目をお配りしたような七件でございます。
 先ず請願第十三号、これは青森県の県会議長から出ておる請願で、資源調査に国庫負担金交付の請願で、その要旨は「わが国再建整備のためには、従来の企業を拡充強化すると共に、国内資源の明確な調査が必要である。然るに現在開発すべき資源が明らかにされていないため、地方における開発計画は公共事業の拡充に終る傾向が多いから、国家は資源を指定して調査させると共に、短期間に完了させるため、資源調査に対して国庫負担金を交付せられたい」という請願であります。要するに資源調査をする場合には費用もかかるし、これを早急にやるためにはどうしても大きな力でこれを援助する必要があるので、国庫からこれに関する費用を支弁して欲しいという趣旨の請願であります。
 次は請願第三十四号で、中小企業緊急金融対策に関する請願、それから同じような請願が第四十四号に出ておりますが、これは中小企業者に対する金融対策の請願と共に、最近の我が国の中小企業者が非常に金融に苦しんでいるから、種々の方策を講じて、この危機を突破するような援助を與えて欲しい、又そういう政策をして欲しいという請願であります。この中に盛られておりますところの項目は、第三十四号について申上げますと、見返資金による設備資金の枠を拡大して欲しい、それから国民金融金庫資金の枠の拡大、それから政府資金の長期預託、それから中小企業の税対策、こういうようなものであります。第四十四号について申上げますと、これからこの委員会で問題になると思いますところの中小企業を対象とする信用保険制度、これを確立してもらいたいということ。二番目に預金部資金地方還元による中金債の引受並びに預託信用組合その他地方金融機関への資金の放出をして欲しい。第三番目には、中小企業者に対する金融資金利率の引下等、中小企業者に対する適切なる金融対策を講じて欲しいという請願であります。
 それから請願第六十二号は、しばしばこの委員会にも提案されたことがありますところの、川俣における繊維製品検査所、これは現在横浜繊維製品検査所の支所になつておりますが、これを昇格して本所にしてもらいたいということと、小高という場所に支所を設置して欲しいという請願であります。
 それから第九十号はやはり金融対策とも言えるのでありますが、先般関西を襲いましたところのジエーン台風による関西地方の中小工業者に非常に犠牲者が多く、被害のほども著しいので、この復旧に関して対策を講じてもらいたいという請願であります。九月三日に京阪神を襲いましたジェーン台風はいろいろの計算があるようでありますが、総額約二千億円に上る損害を與えている。こう言われておりますが、そのひどいのは大阪、尼崎、堺、泉、大津、岸和田、貝塚こういう地方でありまして、その後この台風ばかりでなく、その際起りました例の高潮で浸水いたしまして被害が非常に多く、その被害の大部分が実は中小工業に特に強くなつております。従いましてこれが復旧のために預金部資金、見返資金、財政資金等、そういうような国家資金の運用融資を特に図つてもらいたいという請願であります。
 第三百五号喫煙用具輸出の保護育成に関する請願でありますが、これは曾てこの委員会にもしばしば出て来ましたが、結局物品税の引下に関する請願なのであります。喫煙用具の輸出の保護と申しますが、喫煙用具を輸出するために作つても実は売れない場合がある。それを内地向で消化しなければならないが、その際に物品税が高率であるために内地で販売する妨げになつているから、喫煙用具の輸出の保護育成のためには、この内地向けの商品に対して物品税を引下げてもらいたい、こういう請願であります。こういう請願は、この前からこの委員会にも若干出て参りましたし、又大蔵委員会に大部分はかかつておりますが、要するに輸出製品を造る場合には、物品税の問題は起らないにしても、製造業者は輸出品のみを造るのでなくて、内地品と輸出品と両方造つており、その交互転換が行われないと、なかなか輸出振興にも役立ち得ないから、内地向けの製品に対する物品税引下が強く要望されておるわけであります。
 第三百四十五号、琉球民間貿易促進に関する請願でありまして、宮崎市の議会議長から出ておりますが、宮崎県の持つておる特性は、御承知のように、非常に林産物が多い県であります。戰前にはこれが朝鮮、中国等に輸出され、内地としては、琉球に相当量輸出されておつたのでありますが、現在琉球その他の方面から各種木材の大量の発注が伝えられておるにもかかわらず、その輸出がはかばかしく行かない。従いまして、琉球との民間貿易を促進することによりまして、この林産物の輸出を促進するように御配慮を願いたいという請願であります。
#4
○小野義夫君 只今説明のありました請願は、第六十二号を除いて願意おおむね妥当と認めますので、本委員会において採択せられんことを望みます。
#5
○委員長(深川榮左エ門君) 只今の小野君の御発言に別に御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○古池信三君 ちよつとお伺いするだけですが、第六十二号はどういうわけで除かれるのですか。
#7
○專門員(小田橋貞壽君) 第六十二号は、元はこれは鶴岡の支所であつたのであります。それが横浜の繊維製品検査所の支所に指定されることを前から請願されまして、そうしてそれが今その支所になつておるのであります。横浜に本所が変つたわけであります。それによりまして、大体輸出関係において差支えないということになつておるようであります。で最近にそういう変更があつたばかりでありまして、そういう意味におきまして、この委員会としては或いは保留したほうがいいのではないかというような意見が、この前の委員会に出たのでございまして、この前の委員会におきましても、保留になつておるわけであります。以上が今の小野委員の御発言の御趣旨だろうと思います。
#8
○古池信三君 なおお尋ねしたいのは、横浜の支所になつたのはいつ頃ですか。
#9
○專門員(小田橋貞壽君) ちよつと年次は忘れておりますが、一年ぐらい前だと思います。
#10
○古池信三君 それから小高支所というのはどういうのですか。
#11
○專門員(小田橋貞壽君) 只今の点につきましては、この請願の趣意書にははつきりと明示されておりませんので、いずれ調査してから御報告申上げたいと思います。
#12
○委員長(深川榮左エ門君) それでは、第六十二号の請願のうち小高支所に関しては、後で調査をしてからいずれ申上げることにいたしまして、七件のうち六件、第十三号、第三十四号、第四十四号、第九十号、第三百五号、第三百四十五号は採択いたしたいと思いまするが、ほかに御意見ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○加藤正人君 今古池さんからお確めになつたのは、小高支所だけの問題ですか。川俣支所を本所に昇格するということについても、その必要があるかどうかということについて確められたいというのですか、小高支所だけの話ですか。
#14
○古池信三君 私が申しましたのは、川俣支所の本所昇格の問題は、極めて最近横浜本所の支所になつたのであつて、まだ経過年数が短いのであるから、当分留保するほうがよかろうというような御意見のように伺いました。
 それから小高支所を新たに設置するという点につきましては、この留保にする理由が判明しなかつたのでお尋ねしたのでありますが、その点は追つて調査の上で報告するということでありましたので、大体そういうふうな意味で私は了承したのであります。
#15
○加藤正人君 そうすると、小高支所に関することだけがまだ残つておるわけですね、
#16
○古池信三君 そうです。
#17
○加藤正人君 わかりました。
#18
○委員長(深川榮左エ門君) それでは第六十二号以外の六件については、採択することに決定いたします。
  ―――――――――――――
#19
○委員長(深川榮左エ門君) 次に本委員会に予備付託になつております中小企業信用保險法案に関し、政府側の提案理由を聽取したいと思います。
#20
○国務大臣(横尾龍君) 中小企業信用保險法案提出の理由を御説明いたします前に、ちよつとお断りをして置きたいと思います。期日も切迫しました今日に提出いたしまして、早急に御審議を願い御決議を願うことは恐縮でありますが、いろいろの事情で遅れましたので、この点悪しからず御了承を得て置きたいと思います。
 政府は先に、中小企業の振興に必要な事業資金の融通を円滑にするために、中小企業信用保險法案の立案に着手し、鋭意愼重に検討を進めて参つたのでありますが、今回漸くその成案を得るに至りましので、ここに中小企業信用保險法案を提出して御審議を仰ぐ次第であります。
 改めて繰返すまでもなく、中小企業者は我が国経済の中核体であります。現下経済政策の第一の目標である日本経済の自立と安定とを達成するためには輸出の振興、雇用の増大等が不可決の要件でありますが、このことは我が国経済において重要な地位を占める中小企業者の健全な発達なくしては期し得べくもありません。而して中小企業振興には経営面、技術面等各方面からの強力な対策を総合的に推進いたすことが必要でありますが、現下の情勢におきまして、中小企業者が当面している最大の困難は、何と申しましても、大企業に比して金融上の便益が著しく少いことであります。本来、中小企業金融は、小口の金融であり、且つ担保力等の薄弱なものでありますが、特に長期融資となりますと金融機関は相当長期の見透しを必要といたしますので中小企業者の生産設備の弱少性等に基く信用力、担保力の不足、経済変動に対する抵抗力の薄弱等の理由により、経営自体としましては良好でありましても、貸出しに著しく消極的となり勝なのであります。従いまして株式社債等証券市場を通ずる資金調達の手段を殆んど有しない現状においては中小企業者にとりまして長期且つ安定的な資金の入手は非常に困難であります。このことは、中小企業の合理化を妨げ、輸出の伸長を阻害する大きな原因の一となつております。
 本法案の目的と致しますところは、金融機関が中小企業者に対する貸付を行つたことにより被ることあるべき損失を填補するところの信用保險制度を創設いたしまして、中小企業金融の隘路となつておりますところの企業の信用力、担保力を補強し、更には中小企業者が経済変動により受けるシヨツクを金融機関に対して緩和するところの措置を講じ、以て企業合理化に必要な長期資金の融通を円滑ならしめんとするものであります。
 次に本制度の主要な点につきまして御説明申し上げます。
 第一に本制度の適用を受けます中小企業者は資本金五百万円又は従業員二百人以下の会社、個人及び各種の協同組合となつております。
 第三に保險される貸付金につきましてはその限度額は一中小企業者に対し合計三百万円、中小企業等協同組合は一千万円となつております。又貸付金の範囲は貸付期間六ケ月以上の事業資金であつて、設備資金でも運転資金でも差支えないこととなつております。
 なお本制度による貸付金の総額は毎年度予算と共に国会の議決を経ることといたしましたが大体年間百四十四億円を予定しております。但し本年度に限りましては本法の附則にありますように三十六億円といたしたいと考えます。
 第三に本制度の保險契約は一種の包括契約でありまして、金融機関は二定の額を限度として政府と契約を締結いたしましたら、後は貸付実行を政府に通知するのみで、それが約款に定められている条件に該当している限り、政府の事前の審査承認なくして自動的に保險されることになります。これによつて手續を極力簡素化いたしました。同時に本制度におきましては、保險金の支拂は回收未済額の七五%となつており、残りの二五%は金融機関において負担することになつでおりますので、貸出に当つて金融機関の自立性を尊重すると共にその健全な判断を働かすであろうことは十分期待されるのであります。
 第四に保險料率につきましては、本制度の建前であります独立採算性が維持できる範囲において保險金額の年三%以内の率を政令で定めることになつております。保險金額の年三%は貸付元本に対しては年二分二厘五毛に相当するのであり、而してその中の一部を債務者に転嫁できることにいたす予定であります。
 第五に業務の委託に関してでありますが、本制度の運営が多く金融に関する專門的知識と経験と迅速とを必要といたしますので、中小企業者の專門銀行とも申すべき商工中金に業務の一部を委託いたす所存であります。
 以上が本法案の概要でありますが、本制度は所謂金融の補助制度でありまして、これによつて直接中小企業に融資するものではありません、併しながら幸いごしまして多年の懸案でありました預金部資金活用も近く実現いたしまするし、商工中金その他の金融機関も漸次整備されて参りましたので本法の実施によりまして一層その円滑化か期せられるものと存じます。政府といたしましては是非本国会の御協賛を得て十二月十五日より本法を実施いたしたいと考えておりますので現下の中小企業金融疎通の緊急性に鑑み何とぞ愼重御審議の上速かに御賛同賜らんことを切にお願い申上げます。
#21
○委員長(深川榮左エ門君) 只今提案理由の説明がありました、本法案については別に中小企業信用保險特別会計法案があります。これは大蔵委員会に付託されております。この信用保險法案については中小企業者が重大なる関心を持つておりますので、本会期末に提案されて甚だ迷惑ではありますが、各位の御了承を得て特に審議をお願いいたしたいと思うのであります。そういう関係で、本来ならば本法案並びに特別会計法案関係の二件について、大蔵委員会との連合委員会を開会すべきかと思いますが、右のような関係から今回は連合委員会を開くことなく、別別に審議することにいたし、必要とあらば互いに委員長又は委員各位が他の委員会に出席して発言することにいたしたいと存じますが、その点は如何でございましようか。
#22
○栗山良夫君 大臣に伺いますが、愼重審議の上と言われますが、その程度はどうなんですか。
#23
○国務大臣(横尾龍君) 先刻、初めに申上げましたように遅く出しまして愼重審議をお願いするということは甚だ恐縮でございます。併しどうかこの必要性をお考え頂きまして、そうしてできるだけ速かにお願いいたしたいと思います。
#24
○栗山良夫君 この非常に不可能に近いことを御要請になるので、委員会がそのまま認めて愼重審議をしたということになると重大だと思うのですが、特に委員長は連合委員会を開きたいけれども開けない。こうおつしやつたのです。その辺をもう少し明らかにしておきたいと思うのですが。
#25
○委員長(深川榮左エ門君) 申上げます。会期も大分追つておりますし、もう連合審査をするだけの時間がないものですから、委員長でお互いに連絡をとるべきところはとつて、或いは委員でお互いに疑問があれば質して行くことにしたら如何でしようか。
#26
○栗山良夫君 そうしますと質問の予定もあるわけですが、時間的にはどれくらいで討論採決までやつてしまいたいとお考えですか。
#27
○委員長(深川榮左エ門君) 本日中に成るべく、まあとにかく本日中に上げたいと思つております。
 それでは次に質疑に入りたいのでありますが、本法案の重要性にもかかわらず、審議期間が非常に短いことを想像されましたので、委員長は專門員に命じて本法案の要綱として伝えられるものに関し、銀行、信用組合、無盡会社、中小企業団体等の意見を徴して参つたのであります。若し余裕があれば右のような関係業界のかたがたを参考人として当委員会に来てもらい、その意見を聞きたいと思いますが、何分時間がないのでこの際御異議がなければ、右調査の要点を專門員に報告させたいと思いますが、如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○委員長(深川榮左エ門君) 異議なしと認めます。それでは專門員
#29
○專門員(小田橋貞壽君) 只今栗山委員から申されましたように、非常に審議期間が短いのでありますが、どうもそういうことは初めから想像されておりましたので、委員長にお願いしまして、委員長名で実は銀行、信用組合、無盡会社、中小企業団体というようなところへ、伝えられるところの法案の要綱でもつて、皆さんの御意見を承わりたいという手紙を出して、その返事を頂いたのであります。やはりその回答も期日が非常に切迫しておりましたために僅か十一件しか参りませんでしたが、銀行関係から千代田銀行、興業銀行、東京銀行協会、信用組合関係が二件、無蓋関係が三件、中小企業団体関係としまして全国肥料商工組合連合会と、いわゆる全日本中小工業協議会、全中協というところと、それから東京商工会議所、合計十一件の回答が参りました。その回答の中味の概略をここで御報告申上げまして、審議の御参考にしたいと思います。
 この回答は先ほど御採択になりました請願の中にもありましたように、中小企業信用保險についてはいずれも賛成でありまして、できるだけ早くこの制度が実施されるように希望するというのが回答の先ず総論的な、総括的な結論でありますが、併し希望はするけれども、更にできるならばこういうふうにしてもらいたいというような意見が附け加えられておるのであります。それを以下申上げます。
 回答による意見を見ますと、先ず第一に出て来るのは、金融機関が、この保險法案が実施される際に、この保險制度によつて金融をしよいような条件を作るように考えてもらいたいという内容を持つたものが非常に多いのであります。そういう金融しよいような条件を作ること、ということに関係する要望事項を申上げますと、先ず第一は融資の限度をこの法案では一企業三百万円ということになつておりますが、これを是非五百万円ぐらいに、いわゆる中企業のものまでも拡張してもらいたい、中企業の上と申しますか、大企業の小と申しますか、そういうところまで引上げてもらいたい、いわゆる零細企業のみでなく、もつと上の大きいほうまでもこの中小企業の中に含めてもらいたいという意見であります。
 第二には、この法案によりますと六カ月以上の貸付金が保險されることになりますが、更にこれをもう少し今度は期間を少くして三カ月ぐらいの短期のものにもこれを適用してもらいたいという意見が出ております。その意見が一々どの団体から来ているというのは申上げかねますが、今の短期貸付にも適用して欲しいというのは、信用組合関係が非常に多く、それから興業銀行から言つて来ております。
 それから第三番目に、保險金の支拂は保險額の七五%だということが法律の要綱でありますが、これをもつと七五%以上まで保險金の支拂に入れてもらいたいという意見が多いのであります。それで先ず全部保險してもらいたいというのは、信用組合関係と興業銀行、全中協、この三つであります。それからそこまでは行かないが九〇%ぐらいまでというのは、無盡関係と東京商工会議所でございます。それからもう一つ同じ関係でありますが、二五%は保險されないのだから、この二五%については、只今あるところの信用保証協会というものの保証にしてもらえないかという意見が信用協同組合協会から参つております。それからもう一つ同じ関係でありますが、少額の損失の場合、例えば貸付金のうち全部がとれない場合には七五%だけ保險金がもらえるというのでいいけれども、若し二五%或いは三〇%というような少い割合のものが貸倒れになつた場合には、これは金融機関に全部やつてもらう、それは全部金融機関が持つという形にしてもらいたいという意見があります。
 それから今の融資条件の緩和方策として第四番目に出て来る問題は、保險金の支拂の時期、これは法案によりますと六カ月後になつて弁済期限が来て取れなかつたということが、即ち保險事故が起つてから六カ月後に初めて保險金を請求できるわけでありますが、これを六カ月後では困るからもつと早く三カ月にしてくれ、そうでないと資金の回転がまずいというのが、これは銀行、全中協、無盡会社というようなところからそういう意見が出ております。
 それから同じ融資条件に関する第五として、保險料率であります。只今の御趣旨にもありましたように、百分の三以内ということに法案はなつておりますが、これを大体只今の回答に寄せられたところでは全部が百分の三と読みまして、そして百分の三では高過ぎる、従つてこれを二%にしてくれという無盡会社の意見と、一%以下にしてくれという興業銀行の意見があります。それからもう一つこの料率が一律であるのはいけない、料率にはその業種とか或いは貸付条件とかその他によつて差を設けてくれというのが興業銀行から来ています。それから保險料金の負担の問題でありますが、この保險料を債務者が全額負担するようにし、或いは債務者が負担しない場合には、結局同じでありますが、金利を引上げるという形でもつて債務者に負担させて行くというのがあります。
 それから同じような融資条件の問題では、第六に根保証の制度を採用するという意見が全中協と興業銀行から来ております。
 回答の大きな分類の第二番目は、特別会計の管理関係に関するものであります。その第一は、これを管理するのが商工中金ということになつておりますが、それは市中銀行と競合して貸付をするところの商工中金がこれの管理をやるというのはいけないから、日本銀行にしてくれという意見が出ております。それからもう一つ保險金支拂後の管理事務、これを融資したところの銀行にやらせるのはいけない。ですから管理機関この法案で見ますと、商工中金に保險金支拂後の事務はやらせるようにしてくれという意見があります。 それから回答の大きな第三の分類といたしましてこの法案が法律になりました場合に運用についての点でありますが、その運用の第一点は不良貸がもともとあつて、現在不良貸になつておるのをそれを返済させて、そうして新らしい貸付のような形にしてこの保險の中へ繰込む金融機関がありはしないか。そういう金融機関があると保險の基礎が危くなる。危くなるからそれを防止するような、そういう方法が一体政府当局でとられておるかどうかということが心配されております。それから運用については、従来はどうも工業偏重の形があつて商業に貸さないという心配がある。だから中小商業にも融資をやつてくれ、それを決して偏頗にならんようにしてもらいたいというのが東京商工会議所からございました。それから同じく小さい三で金融機関に保險の割当をするのでありますが、その割当がどの金融機関に幾らというような割当を適正にやる、非常にむずかしいだろうが適正にやつてくれというのが、まあいわぱ弱小金融機関と申しますか、そういう方面からそういう意見が沢山出ております。それからその四が手續の簡素化であります。
 それから大きな回答の第四点といたしましては、資金源と申しますか、資金の源に関する問題であります。資金がなければ信用保險制度ができても実際には運用されないのだ。だから資金源を獲得して欲しい。その意味で差当り保險の基金になるべき部分が年間十五億というのが決定されておるがこの十五億でいいか悪いかということにつきまして、そう窮屈じやないのだから十五億で結構だという意見が一方にありますかと思うと、片方に十五億では不足である、年間百四十四億の貸付金だけを保險するのではまだ不足だという意見と、両面が出ております。それからそういうように基金の問題のほかに、先ほどから請願陳情で問題になりましたように、政府の資金をもつと金融機関に流すように配慮してもらわなければこの制度は運用が全きを期し得られないという意味におきましてそういう方面の政策を強調してもらいたいという意見が参つております。要するにこの信用保險制度はこれだけの回答から見ますと、この制度は制度として非常に歓迎するけれども、これだけでは何としても不十分である、もつとこれを拡大強化するような方法をお願いしたいというのが、まあ全体を通じての結論ではないかと思うのであります。
 以上が大体私共のところへ参りました回答を要約して申上げたところでございます。
#30
○委員長(深川榮左エ門君) そこで右の調査に基きまして委員長は二、三の点について政府に御答弁をお願いいたしたいと思います。その第一点は、業界一般は本法案の成立を希望しておる。この制度を遺憾なく運用するためにはやはり中小企業に廻る資金が枯渇していては何にもならない。この資金調達についてどういう見通しを持つておらるるかという点。
 第二点は、商工組合中央金庫に政府の業務を取扱わせる理由は何か。只今の意見にもありましたように、商工組合中央金庫もこの法律の金融機関として市中銀行と競合して貸付を行うので、その点はまずくないかという点
 それから第二点は、やはり只今の意見にありましたように、金融機関の不良貸付をこの貸付に肩替りさせる危險はないかということ。即ち今までに貸付けたもので焦げ付いているものを一旦返済させて、その後に新たに貸付けた形としてこの保險をつけるようなことはないかという点。右の三点について一つ政府側から御答弁をお願いしたいと思います。
#31
○説明員(記内角一君) 只今の委員長からの御質問にお答えいたしたいと思いますが、資金源といたしましては長期の資金を保險するということになつておりますので、今後供給されます中心でありますのは何と申しましても政府資金の運用の面でありまして、これにつきましては御承知の通り新聞等にも発表せられましたように、預金部資金が今後金融債を引受けるということによつて運用されて参るということになつておりますので、これらを使いまして、これに重点を置いて運用して参りたいというふうに考えておる次第であります。なお日本銀行が例の中小別枠ということで現在四十一億円の別枠を認めております。そのほかに関西の風水害用として五億円、更に、今度の年末対策というふうな意味をかねまして四億円ということをすでに内部決定をいたしておるわけでありますが、こういう資金がございます。これは主として短期の資金ということになつておりますが、場合によつては必要に応じて一年ぐらいまでの運用を認める、そういう建前になつておりますので、これらも十分活用できるかと思うわけでございます。更に月間大体十二億、年間百四十四億ということになつております。最近の各銀行の貸出状況を見ておりますというと、この資料の中にもありまするように、毎月相当多額の融資が行われておる。勿論これは短期資金が多いのでありますけれども、そのうちから相当部分、或る程度のものを長期資金に振向け得るというようなことも当然予想されるのではないかというふうにも考える次第でございます。
 それから第二点の商工中金に扱わせることで差支えないかどうかということでございますが、提案理由の御説明にも申上げましたように、この事務を金融的な專門知識を使つて、而も敏速に処理するというためにはどうしても金融機関の協力を得るということが必要でありますが、そこで一番問題になりますのは、日本銀行に頼むかということでありますが、日本銀行は特殊な使命を持つており、又いろいろな政府事務を委託いたしておりますので、更にここへこの保險事務を委託するというふうなことは却つて事務の処理に不都合を生じやしないかというふうなことを憂慮せられますので、あと残るところは全国的に支店網を持つておる商工中金に扱わせるのが一番適当じやないかということで、商工中金を事務取扱者として委託するということにいたししたような次第であります。商工中金の扱いまする事務の内容、範囲等を險討いたしますと銀行方面、金融機関といろいろな摩擦を生ずるというふうなことも余り想像せられないそういう心配は余りないんじやないかというふうに考えておるわけでありますが、若し万一そういう事態が不幸にして起きました場合におきましては、これは勿論政府におきまして十分善処したいというふうに考えておる次第でございます。
 御質問の第三点の不良債権を肩替りしてこれに乗換えるというふうな心配はないかという点でありますが、この制度の建前は新規貸付を保險するということを建前といたしております。その点は保險約款に十分明記して語つて参りたいというふうに考えております。従いまして個々の保險につける場合におきましては通知だけでよろしいので、政府においてこれを審査するということはありませんが、一体それの延滞になりまして保險金を支拂わなければならんということになりますれば、十分審査を加えまして、こういう不良債権の肩替りというふうなことがありますれば当然保險金の支拂をいたさないという手だてを講ずるということによりまして、これを極力防止して参りたいというふうに考えておる次第であります。
 以上の点につきまして御説明申上げます。
#32
○委員長(深川榮左エ門君) ほかに各委員から御質問がありましたら御発言をお願いいたします。
#33
○境野清雄君 政府にお伺いしたいのですが、明日きりない臨時国会で今日提出したということは、結局この国会で通して年末の中小企業の金融を幾分でも円滑にするというような意図があるのですか、ないんですか。
#34
○説明員(記内角一君) 私共といたしましては、最近におきまする中小企業の金詰りをできるだけこれによつて緩和したいという心組でおりますのでこれは一ときも早く実施いたしましてこの年末の対策の一助にもいたしたいというふうに考えます。そういう意味合で、実施期日もこの御協賛を得ますれば直ちに準備をいたしまして、この十五日から実施したいということを目標にいたしまして附則にも明示しておるような次第でございます。そういう意味合で是非とも今国会に提出して皆さんの御協賛を得て公布したいというふうに考えておる次第でございます。
#35
○境野清雄君 この法案は大変結構ですが、この法案だけで今一番問題の起つておる中小企業の金融難が解けるということは全然私どもも考えておりませんが、若しこれは時間があるものならこういうような条件において金融業者が貸出をするかどうかというようなことで、委員会としては公聴会でも開いて、市中銀行なり或いは興業銀行その他にお集まり願つてお聞きするほうがいいのですが、そういうような点に対して中小企業庁として一応この法案を作るときに、貸出をする銀行業者のほうへこうもうような条件であなたがたはこれに賛意を表して貸付けるかどうかというようなことを、応連絡を取つたのか取らないのか、その点について一つ。
#36
○説明員(記内角一君) この点につきましては事前に一種の公聴会を開きまして金融機関、特に銀行協会その他と打合をして意見を徴したのでございますが、大体いずれも趣旨において賛成であるという御意見だつたのです。
#37
○境野清雄君 この第二条にある信用協同組合、健全な信用協同組合はいいでしようが、最近何か大蔵委員会のほうを廻つておるような、野放しに信用協同組合を許可するというような場合がありましても、このものの運行ができ得るかどうか、この協同組合というものを果してほかの金融業者と一緒に謳つてもこれに懸念はないかどうか、その点を中小企業庁のほうからお伺いしたいと思います。
#38
○説明員(記内角一君) この第一条におきましては、御承知の通り信用協同組合、銀行等の金融機関が貸付機関として適用を受けるというふうになつておりますが、信用協同組合につきましては現在六百幾つできておりますが、まだ基礎も十分でない、この適用を受けることが果して適当かどうか疑わしいようなものもまま見受けられますので、そういうようなものにつきましては十分審査を加えまして、不適当なものについてはそういうこの法案の適用を除外するというふうにいたしたいと考えておる次第であります。
#39
○境野清雄君 これはこの保險料を大体三%というようなふうに謳つてあるようですが、保険料をきめる前にこの信用保險法で金利を制定せずに置いて、保険料の三%、この部分は金融業者に負つてもらうんだというような話でありますけれども、大体借りるほうが結局金利をきめないで、その保險料の部を金融業者が背負うとしたところが、背負つた分だけ金利を上げられる、六カ月以上の長期の資金の金融ですから、金融に一定の線がないので、そのために金利を上げてしまう、上げてしまつて実質においてはこの法案に謳つてあるように保險料の一部を金融業者が持つというか、実質的にそうでなくて借主が全部負担するというような憂いはありませんか。
#40
○説明員(記内角一君) 保險料の負担につきましては保険料は三分以内で定めるというこになつておりますが、差当つては三年分という計算でいたしたいと思つておりますが、この保險料は保險料に対して年三分でございますので、即ち保険金額は貸付元本の七五%ということになつております。がそれから逆算いたしますというと貸付元本の三分二厘五毛という金高になるわけであります。これは勿論金融機関が拂うべきものでございますので、第一次的には金融機関が負担するのではございますが、結局これを全部金融機関に負担させるのも如何かという考え方から、別途大蔵省の金利調整関係の方面で、本法によりまして適用を受ける貸付については、そのうちの幾分かを高く取つても差支えないというふうに金利調整法独自で指定する予定になつております。ただ金利調整法では一年以下の貸付の金利だけに適用があるのでありまして、一年以上になりますとこれは制限がございません。従いましてその場合におきましては或いは全額負担になるというふうなことも生じ得るわけでありますが、この面につきましては金融機関と十分連絡いたしまして、できるだけ全額負担にならないような方法で処置をいたして参りたいというふうに考えておる次第でございます。
#41
○境野清雄君 金利は今のお話のように理論的にはわかるんですが、どうしてこの法律をきめたときに大体幾らというふうに金利を決定でき得なかつたんですか。
#42
○説明員(記内角一君) 二分二厘五毛の範囲内でどうきめるかということにつきまして、目下大蔵省といろいろ打合をいたしておるところでございますので、本日までのところ確定はいたしておりませんが、いずれにいたしましても貸付元本に換算いたしますと二分二厘五毛ということになります。これを適当な方法において大蔵省と相談して定めて参りたいというふうに考えておる次第でございます。
#43
○栗山良夫君 この第二条の第二項に「政令で定める業種に属する事業を行うものをいう」とありますが、これはいつ決定になるわけですか。
#44
○説明員(記内角一君) これは本法の施行当日に政令を公布することになりますので、十二月十五日施行いたしたいと思います。
#45
○栗山良夫君 その内容をちよつとお話願いたいと思います。
#46
○説明員(記内角一君) これのきめかたにつきましては目下いろいろ検討を加えておりますが、大体一般的な製造業或いは販売業というふうなものは当然これの適用を受ける。ただいわゆる料理飮食店というふうな本法の適用を受けてまでそれに融資する必要のないようなもの、こういうものをむしろ消極的に指定して、それ以外のものは適用があるというふうな指定の仕方をいたしたいというふうに考えております。
#47
○栗山良夫君 そういたしますと、細かく業種別に、ほかの法令でありましたような工合に細かい枠をきめられるのじやなくて、総括分類で以て大体業種できめられる、こういうわけでありますか。
#48
○説明員(記内角一君) そうであります。
#49
○栗山良夫君 それからもう一つ伺いたいのでありますが、第四条の一人に合計三百万円というのでありますが、この限度はもうすでに今まで保証協会なり、或いは日銀の別枠なりいろいろな形で中小企業者が金融を受けておる。そのものが一定の限度に達しまする場合に、更にこの保險によつて貸増をしたいというようなものにも当然適用されるのでございますか。
#50
○説明員(記内角一君) そういうものにも当然適用される次第でございます。
#51
○西田隆男君 一、二点お伺いしたいのですが、附則によりますと、十二月の十五日から以降三月三十日までの間に三十六億円を限度とすると規定してありますが、三十六億円を毎月一定の額に分けて融通されるのか、それとも資金の必要の度に応じてやられるのか。それからもう一つは三十六億円を年度末なりにお貸出になる場合に、各種産業に対する比率についてお考えになつておることはあるのかどうか、この二点を一つお答え願います。
#52
○説明員(記内角一君) 第一点につきましては、第三条にございますように、政府は会計年度の半期ごとに契約をするということになつておりますので、ただ初年度におきましては三カ月半しかございませんので、これは回限りということになりますが、普通であれば年に二回の契約、即ち途中で契約が更新されるということになるわけでございます。第二段の御質問の点につきましては、業種別に枠をきめてどうするというふうなことは考えておりませんで、個々の金融機関に対しまして第三条によつて一定の枠がきめられますが、その範囲内でどういう業種に、又どういう業者に貸付けるかは、すべて金融機関の自主性に待つという建前であります。
#53
○西田隆男君 私のお聞きした第一点は、そういう意味ではなくて、三十六億円を仮に三カ月とするならば、一カ月十二億というような目安を置いて貸付けられるのか、それとも三十六億円を、十二月の十五日の日まで、法律公布と同時に借手があれば三十六億一遍に貸付けるお考えでおられるのか、というのが第一点の質問です。
#54
○説明員(記内角一君) これは三十六億は、いろいろな金融機関がたくさんございますが、政府がこの金融機関と契約を結ぶ総計額としてきめられておりますので、これは施行の日から逐次契約をして行きまして、三十六億に達すればそれで打切るという結果になろうかと思います。併し実際問題といたしましては、各金融機関からの要望を見まして、この三十六億を適当に配分するということになるわけでございます。
#55
○西田隆男君 第二の質問に対しては別に業種別、産業別には割当てはしない、金融機関が貸すということをきめたものに対する政府は契約をするのだという御説明でありましたが、大体において中小企業に対する今までの金融の状況をこの表によつて見ますと、主としてたくさんの金を借りられておるのは機械器具、繊維、化学、食料品、物品販売とかいうような各業種が比較的多額の金を借りておつて、鉱業のごときは五十億の貸出に対して九千四百万円というような誠に僅かな金額しか貸出されていないような状況ですが、この法律の施行に伴つて、資本が五百万円、使用人員が二百人というような制限はされましても、その範疇に入る鉱業を経営しているものは沢山あると思います。あなたも御承知のように現在では炭鉱業者の金融は非常に苦しいのですが、そういうものを中小企業庁は監督されるだろうと思いますが、中小企業庁としてはそういう方面に特段の考慮を拂われて金融をされるようなお考えを持つておられるかどうか。或いは現在までの貸出のこういう業種別のやつが、又平均的に貸出されるというようなことも考えられるので、特に今まで貸出さなかつた理由と、今後の金融について中小企業庁のお考えを一つ承わりたい。
#56
○説明員(記内角一君) これらの貸付は殆んど全部こちらで計画を立てて、こう貸付しろというような強制もできませんし、又これを仕付けるならば資金を融通するというふうな性格を持つて貸付たものではございません、專ら金融機関の自主性に待つ、残るところは政府が斡旋をする、或いは日本銀行を通じて金融の斡旋をするという建前でやりました結果が、こういうふうになつておるわけであります。従いまして鉱業、マイニングの方面に比較的従来関係の少かつた金融機関が非常に、多いのであります。マイニングに関係を持つのは極く大手筋の金融機関に限られたので、自然こういう結果になつて参つたのではないかと想像されるわけであります。我々はこの法案が通りましても、その建前におきましては金融機関の自主性に待つわけであります。ただ残るところは我々のできる限り鉱業方面の実情に応じて金融してもらうように斡旋努力いたしたいというふうに考えておるのでございます。
#57
○西田隆男君 今の御説明を承わりますれば、マイニングのほうは御承知のように二十四年の九月までは配炭公団がありまして、その方面からの前貸その他で金融が一時できておりましたが、その後マイニングの方面の金融というのは日銀の貸出の枠、これは大部分が大手筋、炭鉱、それから見返資金の放出される限度以外の、いわゆる中小に属する炭鉱の銀行との取引関係というものが、極めて短い時日であつたために、こういう結果に終つたと思いますが、従つて現在資金面に潤沢でない銀行はこの法律案が通過することによつて金を貸出します場合には、やはり過去の関連の深い方面に金が流れることが想像されますので、若しそういう方面に金が流されますと、今後この法案か通つても結局中小炭鉱のほうには依然として資金が入らないというような窮境に立つ。そういう観点から私は質問しているので中小企業庁として銀行に対して促進できないであろうと考えますけれども、そんな中小炭鉱の窮状を一つ御推察願つて中小炭鉱が銀行に金融を懇請した場合のときには、是非とも斡旋の方法をとつて頂くという決心を、決心というとおかしいのですが、お考え方を持つて置いて頂きたい。そうしませんとこの法律案通過後も、炭鉱の金融というものは依然としてこの表に現われておりますように、五十分の一以下の状態になつておりまして、これを私は心配しますので、その点を一つ十二分に中小企業庁としては御考慮をお願いいたしたい。
#58
○委員長(深川榮左エ門君) ちよつとお諮りいたしますが、只今文部委員会で採決するのに速記が必要だと言つております。又済んだらごつちへ来ますからちよつと一時はずしたいと思いますがよろしうございますか。……それでは一時速記を中止いたします。
   午後三時三十一分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時四分速記開始
#59
○委員長(深川榮左エ門君) 速記を始めて下さい。
#60
○高瀬荘太郎君 設備資金のほうは六カ月、運転資金は八カ月となつておりますね。普通設備のほうは長期であつて運転のほうが短いのだと存じますが、その点どうなりますか。
#61
○説明員(記内角一君) これはミス・プリントでありまして、一年六カ月であります。運転資金が八カ月です。
#62
○加藤正人君 この第一条の事業資金の融通ということになつておりますが、それの範囲はどういうふうに解釈していいのですか。設備、運転資金というのは無論いいには違いないですが、その他思惑といつてはなんですけれども、いろいろ材料を買うとか、赤字を補填するというものとの見分けはどうして付けて行くか。
 それから又この間関西に起つた台風の損害というものは非常に大きいので、年額百四十四億程度ではもう問題にならんのでありますがこのうちの損害の一部分でも、今請願もあつたような次第で、非常に資金の要望が多いのであります。こういつたような復旧の資金だけはこの保險の利用によつて救われる途があるのかということを一つ。今境野君が聞かれたことについて私は聞洩したのですが、金融の途がつくとすれば非常に有難いのですが、業者は金利についても非常に関心を持つておる。結局保險料に二分二厘五毛の中の一部分を負担するということになつて、結局この債務者の負担する金利というものは大体どのぐらいに見ていいものですか。これは担保にもよるし相手にもよるでしようけれども、大体の見通しはどのぐらい出しているか、この二点。
#63
○説明員(記内角一君) 第一条の事業資金というのは精神においては、例えば思惑資金とか、或いは赤字の穴埋資金とかいうふうなものは、これを除くという気持でいるわけでございますが、さてこれを具体的にそれじやどうかということになりますと、これはなかなかむずかしい問題であろうかと思うのでありますが、根本の精神におきましては、こういうものを除くということの事業資金というように考えた次第でございます。勿論旧来の借換え、或いは不良債権をこれに肩替りするということは認めないという見解をとつておるのでありますが、災害資金の補填につきましてはこれは当然その適用を受けるものというふうに考えておる次第でございます。
 なお保險料をどれだけ負担するかということになりますが、先ほど申上げましたように、保險料は保險金に対しての比率になりますが、これを金利の形で取ることになりますとどうしても元本債権ということになります。元本債権にそのままが全部転嫁すれば二分二厘五毛ということになるのでございますが、これをお互いに相殺いたしますか、或いは一分と一分二厘五毛といたしますか、その辺の見当で今折角大蔵省と折衝をしておるところでございます。その辺を睨み合せ、又計算の便宜ということも考えなければならないと思つておりますが、その辺を睨み合せてやつて行きたいというふうに考えております。
#64
○加藤正人君 結局金融機関対債務者の間の金利は別になるのでございますね。これはその後の問題として解決されるのですか。
#65
○説明員(記内角一君) 金利調整法で最高限に、例えば普通の七分五厘の金利でありますれば、これを一分二厘五毛負担させるとすれば八分七厘五毛、この適用を受ける貸付に限つて八分七厘五毛まで金利を取つて差支えないという告示をいたしたということに相成ります。具体的の点では個々の債務者と金融機関との話合ということになりますれば、その範囲内でやるということになります。いずれにいたしましても全額負担させましても二分三厘五毛ということになりますけれども、それを入れることは考えないと思います。
#66
○境野清雄君 一点だけお聞きしたいのですが、中小企業金融の現況という中に、信用保証協会の現況というのがありまして、保証現在高と代位弁済高とが大体三分五厘くらいの率になつておりますけれども、政府として今度の中小企業の信用保險に対してこういうような面に対しての検討なり、或いは他の金融機関のこういうような統計を調べたというようなものによつて、中小企業の今度の信用保險に関しては、このくらいのパーセンテージで貸倒れがあるだろうというような見通しはございませんか。
#67
○説明員(記内角一君) その見通しにつきましては御配付いたしてございます資料の最後から二枚目のところの、中小企業信用保險平均年間事業計画並びに收支予想表この中の()一の4でございます。貸付額一〇〇に対する弁済期経過債権額即ち最終弁済期までに回收不可能になる債権が一〇%で、整理対象債権額即ち金融機関から取得した債権のうち、政府において回收可能の分を六%、結局実損額は四%というふうに計算いたしております。
#68
○境野清雄君 さつき私発言したのですが、衆議院の何か本会議へこれが上つてそれを待つておるような形ですが、時間も長くなるから一時休憩したらどうでしようか。
#69
○吉田法晴君 差当り三十六億、来年度年間百四十四億の資金を中小企業に出すということですが、産業別に配分の御計画もない。金融機関別には配分をせられるようでありますが、或いは地域別にどうなるだろうかというようなことを考えますと、必ずしも所要に応じて公平に配分せられないのじやないかとこういう心配をするわけであります。そこでそれらの点につきましての御説明を大体でいいですから頂きたいのでありますが、更にその公正を期する意味において、金融問題について民主的な方法といつてもなかなかなかろうかと思いますけれども、公正を期する具体的な方法について考えて頂きたい。今のところどういうことを考えておられますのか伺いたいのです。
#70
○説明員(記内角一君) 第一点の資金の配分の問題でございますが、業種別に配分することは中小企業の性質上これは非常に困難でありますので、これは考えておりませんが、これを逆に地域別の配分で行くということになりますと、それは我々も当然考えなければならんというふうに存じております。幸い勿論大銀行は大都市に集中いたしておりますが、各府県にも少くとも一つのいわゆる地方銀行が存在いたしておりますので、これに配分することによりまして、全国的な分布を適当に按配して参りたいというふうに考えておるわけであります。従いましてその配分について民主的といいますか、何か適当な審議機関を設けるかということでございますが、目下のところこの配分の機関ということは、一面におきまして金融機関の信用というふうなことにも関連を持つて参りますので、そういうふうな機関でやるということがどうかということで、事実問題としていろいろ御意見を承わつて決定をいたしたいと思いますけれども、特別にそういう機関を設けるという意思は持つておらない次第でございます。
#71
○吉田法晴君 もう一点、これは先ほど西田委員からのお話が出ておりましたけれども、従来の実績からいいますならば金融関係との関連の点からいいまして鉱山関係というものは極めて少い。従つて又少くなるだろうということが考えられますので、これは福岡県における信用保証協会における場合でも初は枠がなくて、あとで銀行のほうでなくて、保証協会といいますか或いは県のほうから枠を拡げたのでありますが、その点については、これはこの政府のものにつきましても考慮を、考慮と申しますか実現を願いたいのでありますが、この点について先ほど御説明があつたかと思いますけれども、ちよつと伺つて置きたいと思います。
#72
○説明員(記内角一君) 地方配分にいたします、即ち個々の金融機関に配分いたします際に、その地方を管轄すると申しますか、担当する銀行の配分に際しまして、そういうふうな事情も十分加味して配分することにいたしたいというふうに考えております。
#73
○廣瀬與兵衞君 ちよつとお伺いしますが、この貸出は各銀行に任すわけですね、そうしますと中小企業者は担保物件もありませんし信用もそうないのですが、これに三百万円貸すというようなときにはどういうふうな方法で貸出しますか。銀行に任してやるわけですか。そうすると殆んどできないのではないでしようかどうでしようか。
#74
○説明員(記内角一君) これの折衝は專ら中小企業庁と金融機関との話合でやるということになりますが、まあこれによりましては勿論全然採算の見通しもない中小企業に金融をつけようという考えは持つておりません。ただいわゆる普通の観念におきまする、資力がないとか、信用がないとか、担保がないとか、併しながらその事業自体は非常に健全なものであるというふうなものであれば、これは普通であれば銀行は貸したがらないものでも、この制度によつて貸してもらう。又金融機関は普通の貸出であれば非常に厳密な操作をし検討も加えるのでありますが、こういう制度があれば、或る程度の見通しのところでふんぎりがつく、そういうことによつて、貸出もやかましくなくなれば事務の簡便も計り得るのじやないかというふうに期待しておる次第であります。
#75
○廣瀬與兵衞君 商工中金はどういう仕事をするのですか。
#76
○説明員(記内角一君) 商工中金は金融機関が貸出しました場合に、貸出の報告を政府にすることになつておりまして、それを受取りまして、これの整理とか、或いは審査はいたしませんけれども、果して約款に掲げられたような、何と申しますか機械的条件にマツチしておるかどうかというふうな形式審査を一応やります。或いは又債権が延滞になりまして、保險金の支拂の請求が出ました場合、果して適正な、即ち形式的でありますが、形式に合致した貸付であつたかどうかということを現地について、各地方において、現場において審査する、それを報告してもらつて、我々のほうで保險金を拂うべきものであるか拂わざるものか、拂うとすればどの程度まで拂うかというようなことを決定して行くというふうなことをやるわけです。
#77
○廣瀬與兵衞君 それに対していくらか金をやるのですか、政府は。
#78
○説明員(記内角一君) 手数料としまして保險料の大体五%程度を拂つて行きたいと考えております。
#79
○廣瀬與兵衞君 そうすると七五%の五%ですか。
#80
○説明員(記内角一君) 七五%の三%の五%です。
#81
○廣瀬與兵衞君 相当の金額になりますね。
#82
○説明員(記内角一君) 御配付の資料の中の予算面に、二十五年度の特別会計の予算が、途中から書いてありまする五頁というところにございます。終りから四枚目の頁でございます。そこの歳出に委託手数料というのがございます。この四百万円、これがそうでございます。
#83
○境野清雄君 どうです委員長、さつきの……。
#84
○委員長(深川榮左エ門君) ほかに質問ございませんか。……それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長    深川榮左エ門君
   理事
           古池 信三君
           廣瀬與兵衞君
           栗山 良夫君
   委員
           小野 義夫君
           重宗 雄三君
           小松 正雄君
           吉田 法晴君
           加藤 正人君
           高瀬荘太郎君
           境野 清雄君
           西田 隆男君
  国務大臣
   通商産業大臣  横尾  龍君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       小田橋貞壽君
  説明員
   中小企業庁振興
   部長      記内 角一君
ソース: 国立国会図書館
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