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2000/11/07 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 総務委員会 第2号
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2000/11/07 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 総務委員会 第2号

#1
第150回国会 総務委員会 第2号
平成十二年十一月七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡崎トミ子君
    理 事
                大野つや子君
                仲道 俊哉君
                長峯  基君
                森田 次夫君
                千葉 景子君
    委 員
                石井 道子君
                上野 公成君
                海老原義彦君
                中原  爽君
                西田 吉宏君
                石田 美栄君
                小山 峰男君
                輿石  東君
                高嶋 良充君
                風間  昶君
                木庭健太郎君
                阿部 幸代君
                吉川 春子君
                山本 正和君
                高橋 令則君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   政務次官
       総理府政務次官  中原  爽君
       総務政務次官   海老原義彦君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       人事院事務総局
       任用局長     上村 直子君
       内閣総理大臣官
       房男女共同参画
       室長       大西 珠枝君
       総務庁人事局長  中川 良一君
       総務庁行政管理
       局長       坂野 泰治君
       総務庁行政監察
       局長       塚本 壽雄君
       厚生省社会・援
       護局長      炭谷  茂君
       労働省女性局長  藤井 龍子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調
 査
 (経済財政諮問会議と財政首脳会議に関する件
 )
 (政治の信頼回復に対する政府の姿勢に関する
 件)
 (警察行政に対する行政監察への取組状況に関
 する件)
 (男女共同参画に関する件)
○一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関
 する法律案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(岡崎トミ子君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として人事院事務総局任用局長上村直子さん、内閣総理大臣官房男女共同参画室長大西珠枝さん、総務庁人事局長中川良一さん、総務庁行政管理局長坂野泰治さん、総務庁行政監察局長塚本壽雄さん、厚生省社会・援護局長炭谷茂さん及び労働省女性局長藤井龍子さんの出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岡崎トミ子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(岡崎トミ子君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○仲道俊哉君 自由民主党の仲道でございます。
 総務委員会は初めての委員会でございますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいというふうに思います。
 一般質疑の時間を与えていただきましてありがとうございました。まず、中央省庁再編をめぐる問題について質問をいたしたいと思います。
 一問目は内閣府のあり方についてでありますが、政策決定システムを官僚主導から政治家主導に移行され、縦割り行政の弊害を除去するためには、内閣総理大臣の指導力と新設される内閣府の強力な調整機能が求められるわけですが、内閣としては新設される内閣府のあり方に対しどのような考えをお持ちなのかお伺いをいたしたいというふうに思います。
#6
○内閣官房副長官(上野公成君) 官房長官がちょっときょう記者会見の都合がありますので、副長官の上野でございますけれども、お答えをさせていただきます。
 今、仲道委員御指摘のとおり、まさにこの改革というのは政治家主導を目的として一連の改革がなされたわけでございます。そして、中央省庁等改革におきまして内閣府というのが新しく設置をされるわけでございますけれども、これは内閣府法に書いてあるわけでございますけれども、内閣の事務を助けることのために内閣府というものを設置したわけでございまして、そしてその内閣の強化のために、各行政のいろんな政策の統一を図るための企画立案でありますとかそれから総合調整、こういったことを行うこととされております。
 この内閣府の設置によりまして内閣の統括機能が一層強くなるわけでございまして、各省に比べましても、ほかの省と比べると一段と高い位置に位置づけられているわけでございまして、各省に対して強力な調整能力を発揮する、それが内閣の強化につながるという認識でございます。
 そして、総理がリーダーシップをどのように発揮するかということでございますけれども、こうした内閣機能の強化とともに、内閣府の設置として、内閣とそれから内閣総理大臣が十分に力を発揮できるような仕組みができたわけでございますが、これによって今まで以上にリーダーシップを発揮していかなければいけないというふうに考えております。
#7
○仲道俊哉君 続けて、内閣に新設される経済財政諮問会議の位置づけと役割についてちょっとお伺いしたいんですが、中央省庁再編の目玉の一つに、大蔵省が長きにわたって握ってきました予算編成権を首相直属の内閣府に移し、首相が経済関係閣僚や民間有識者から成る経済財政諮問会議を主宰し予算編成や経済運営の基本方針を決定するということでありますが、しかし一方、ことしの七月に首相と蔵相、与党首脳らで構成する財政首脳会議が実は発足をいたしました。十三年度予算の概算要求基準の見直しや本年度補正予算の編成で強い影響力を発揮しております。もし来年一月以降にもこの首脳会議が存続することになりますと、類似した二つの会議が併存することになるわけですね。せっかくの目玉である諮問会議が形骸化するのではないかという懸念さえ浮上をしております。
 そこでまず、財政首脳会議を来年一月以降も存続させるのかどうか、また経済財政諮問会議の意義、役割、位置づけについて内閣府としてどのように理解をしているのか、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#8
○内閣官房副長官(上野公成君) 今御指摘のとおり、経済財政諮問会議というのが来年の一月六日から発足をするわけでございます。しかし、予算編成を政治主導でやらなきゃいけないというのは、その前にでもやらなきゃいけないことでございまして、そのために平成十三年度の予算編成に当たりましては、総理がリーダーシップを強く発揮できるようにと、こういう趣旨から政府と与党が一体となって予算編成を進めていく、そういう場として財政首脳会議という場で調整が進められてきておるわけでございます。これはあくまでも政府と与党が一体となって調整をするという目的であります。一月六日になりますと、今御指摘のように平成十三年一月に発足する経済財政諮問会議というものができるわけでございまして、これは内閣機能の強化措置の一環として、有識者の意見も十分反映しつつ総理のリーダーシップを十分に発揮していこう、こういうことで内閣府に設置されるわけでございまして、そういった意味で、二つの会議の趣旨というのは少し違うわけでございます。片方は、今、政治主導でやるためにこういう財政首脳会議というのができたということでありますし、来年からは、総理のリーダーシップのもとにこういう新しい会議ができるわけでございます。
 そして、今御指摘は、今後財政首脳会議をどうしていくんだと、こういうことでございます。
 政府と与党との調整というのは、今後もこれはやっていかなきゃいけない問題であると思いますけれども、財政首脳会議という形でやるかどうかにつきましては、これは当然新しい会議の方が中心になるわけでございます。どういう形で政府・与党との調整をしていくかということにつきましては今現在検討している段階でありまして、今、総理中心にどういう方向が出るかという段階でございます。
#9
○仲道俊哉君 今の御答弁だと、一月以降その首脳会議をどうするかということはどうもはっきりしていないがと、しかし総理主導のもとでそういうことをやるんだというような今の答弁だと、何か一月以降もそのまま首脳会議が残るような感じがいたすわけですが。
 そこで、もしそういうことで今後その両会議が併存するというようなことになりますと、しかも今の御答弁のように、はっきりいたしませんが、首脳会議が常設の政策決定機関でありますと、今せっかくの行革の目玉である諮問会議が単なる意見を述べるだけの機関になりまして、形骸化するおそれが出てくるんじゃないか、両者の関係が不明確になり、権限や役割分担をめぐって無用な混乱が起きるんじゃないかという懸念をするわけですね。そういうことから、政府として両者の関係、役割分担を明確にしておく必要があると思うんですが、このあたりのところをわかりやすく御説明願いたいと思います。
#10
○内閣官房副長官(上野公成君) 今の私の答弁でちょっと正確ではなかったかと思いますが、あくまでも経済財政諮問会議というのを中心にやっていくということは今申し上げたつもりであります。ただ、政府・与党との調整というのは、もちろんこれは予算を国会で通していただくわけでありますから当然調整は必要なわけでありまして、それがどういう形かわかりませんけれども、どんな形かで残るんではないかなということを申し上げたわけでございまして、あくまでも主たる方は新たにできる会議だということでございます。一部いろんな御意見がありますので、まだそこまで結論が出ておりませんけれども、あくまで中心は一月六日からできる経済財政諮問会議であるということだけは申し上げておきたいと思います。
#11
○仲道俊哉君 今のこの問題につきましては、一月以降どういう形になるかということで、その時点で何か問題点があればまた質問いたしたいというふうに思います。
 次は職員の登用制度についてですが、職務上の業績によらず、採用時の試験区分のみによってごく少数割合の者だけが生涯の処遇面で特権扱いを受けるいわゆるキャリア制度が行政組織にとって決して好ましい姿ではないとの声があります。民間では実力主義で人材を登用することが当たり前であります。そうでなければ、この厳しい経営環境のもとで会社が生き残れないわけです。人事院も能力、適性に基づく人事管理を言っているようですが、ぜひ公務員も実力主義の人事配置を推進してもらいたいと思います。
 今、社会は能力と業績の公平な評価とキャリア制度の改革を求めております。岡光事件や新潟県警の不祥事など問題が起こるたびに、これを契機としてそれぞれの省庁別に、別個にキャリア改革に取り組んでいるようですが、私は、キャリア制度の弊害が全省庁に共通のものである以上、すべての省庁が足並みをそろえ、整合性をとりつつ行うべきだと考えますが、この点について人事院総裁、また関係があれば、場合によっては総務庁長官にもこのことについてお伺いをいたしたいと思います。
 一方、ノンキャリアと言われるU種、V種採用の職員でも能力のある者は大勢いるはずですから、そういう者を積極的に登用していくことが職員の士気を上げるためにも必要であると考えます。
 そこで、U種、V種採用職員の幹部職員への登用についてどのような措置を講じているのか、人事院にお伺いいたしたいと思いますし、この点につきましても総務庁長官の御意見があればまたお伺いもいたしたいというふうに思います。
#12
○政府特別補佐人(中島忠能君) 幹部公務員の不祥事というものを契機にいたしまして、国家公務員の人事管理のあり方についていろいろな御意見を賜りました。その過程で私たちが考えなきゃならないなというふうに考えました管理上の問題は、一つは、やはり公務員の世界が閉鎖的であるということだと思います。交流が少ない、あるいは省庁間においても交流が少ない、同じ省庁の中においても特定のセクションについては省庁内での人事交流が少ないという閉鎖性があるだろうというふうに思います。もう一つは、やはり公務員の世界というのは広い裁量権に基づく行政権を持っておりますので、特権的な性格というものを持ちやすいということがあるだろうと思います。
 そこで、不祥事に関連して、私たちは交流というものを民間との関係においても他の省庁との関係においても、また同じ省庁内においても十分交流をやっていこうじゃないか、そしてまた特権性というものをなくするためにやはり裁量権というものをできるだけ少なくするというか、基準化できるものは基準化していこうじゃないかということも各省に呼びかけております。
 さらにまた、今おっしゃいますように、幹部公務員いわゆるキャリアという人たちが試験に合格したことによって特別な昇進コースというものが用意されておる。そして、その中でますます特権的な性格を強く持つようなことになってはいけませんので、国民の目線で物を見る、国民の目線で物を考える、国民と同じ価値観を持つような公務員というものをつくっていかなきゃならないというので、私たちの方では今、幹部公務員として採用した職員については三カ月お預かりいたしまして、老人ホームに行って老人の介護をさせるとかあるいは市町村の方に行ってごみ収集をさせるとか、いろいろな経験をさせておりますけれども、そういうことをさせながら、やはり国民の価値観と同じ価値観を持つように育てていかなきゃならないということをやっております。
 今、先生がお話しになりましたU種、V種の職員というものを能力ある限りにおいては幹部公務員に登用していこうということを各省に呼びかけて、私たちの方は指針をつくりまして、その指針に基づきまして各省が幹部公務員として養成する候補者というものを今選抜して私たちの方に推薦しております。きょうもそういう各省から推薦された公務員というのを集めて特別な研修を行っております。そういう人たちというものを特別に研修して各省にお返しする。それで、各省がどのように登用するか、どのようにとにかく養成していくかということのフォローアップをする。また、連絡会議を設置いたしまして、各省のいろいろな情報交換もしていく。そういう中で、特別によくできる人については海外留学の機会というものも与えていこうということを考えております。
 やはり能力ある限りにおいては、合格した試験の種別にかかわらず、十分なとにかく昇進の機会が与えられるようにやってまいりたいというふうに思います。公務員の世界の民主化のためにもぜひ必要なことだというふうに考えております。
#13
○国務大臣(続訓弘君) 仲道議員の御質問の趣旨は、私は全く同感であります。キャリア制度の改革、そしてまたU、V種職員の幹部職員への登用、これは御指摘のとおりだと存じます。また、そのことについてただいま人事院総裁からお答えをいただきました。
 この前の所信の中に申し上げましたけれども、八月四日に森総理大臣から私どもに指示がございました。公務員制度の抜本的な改正を断じてやれ、こういう指示でございました。その指示に基づいて、ただいま与党と政府とが一体となって協議を進めております。御指摘の趣旨を踏まえながら、そういう改革に全力を注ぎたいと存じますので、御理解を賜りたいと存じます。
#14
○仲道俊哉君 時間ですので。
#15
○千葉景子君 おはようございます。民主党・新緑風会の千葉景子でございます。
 きょうは、まず、福田官房長官にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 長官も、このたびの御就任、何と申し上げていいのか、御苦労さまですと、こう申し上げるのが率直かなという感じがいたしますけれども、この間の中川前官房長官の辞任ということを受けられて、そして就任をなさったということになります。
 中川前官房長官の辞任に至るさまざまな問題は既にいろいろなところで取り上げられているところでもございますが、そういう後を受けて就任なさったということになりますので、そういう意味ではそれ相当の御覚悟といいましょうか、あるいは改めて信頼を回復しようと、そういう御決意、こういうものを多分秘めておられるのではないかというふうに推測をいたしているところでございます。
 そういう意味で、まず、冒頭になりますけれども、長官の御覚悟といいましょうか御決意、こういうものを改めてお尋ねをさせていただきたいと思います。
#16
○国務大臣(福田康夫君) ただいま先生から、冒頭、御苦労さまというごあいさつをちょうだいいたしまして、私もまさにそのような感じであると。そのためにまた、そういう状況に対してどういうふうにやっていくかということについていろいろ思いをめぐらせておったところでございます。
 今般、中川前長官が御自身にまつわることで、これは問題と申しますか、問題で辞任をされるということにつきまして、私も大変これは大きな問題である、重要な問題であるというような認識をいたしておるところでございます。
 そういうような事態を受けて私がこのたび就任いたしたわけでございまして、今、日本が置かれているいろいろな状況、政治も経済も、そしてまた外交問題も極めて重大な状況の中において、私としましては森内閣を支えて、ただいま申し上げましたようないろいろな課題に積極的に挑戦をしていく、そしてまた、一つ一つ課題を着実に解決していくということによって森内閣の存在意義を明らかにし、また私の責務を果たしていくということになろうかと思います。
 いずれにしましても、一生懸命誠実に対応させていただく、このことを申し上げたいと思います。
#17
○千葉景子君 長官がそういう御覚悟であるとするならば、挑戦をいただかなければいけない問題というのが山積をしているのではないかというふうに思います。
 少し具体的にお尋ねをしたいというふうに思うんですけれども、中川前長官の辞任に至るさまざまな疑惑などの中で、一つ、捜査情報が漏えいをされていたのではないかと、こういう問題がございます。
 これは、総理補佐を務めておられた当時、中川前官房長官が、ある女性に、覚せい剤の関係で警察が動いているので気をつけろと、こういう電話をされた。この会話の中で警視庁の保安課が動いているというようなこともおっしゃっておられるわけですね。これらの会話が、これがどういう経緯でとられたかどうかは別といたしまして、録音テープが存在をし、そして前官房長官も、どうやら自分の声だということもおっしゃっている。
 こういうことになりますと、本当に捜査情報が漏れるというようなことが事実だとすれば、これは非常に官邸のあり方、そういうことが問われるわけですし、そして逆にそうでないとすれば、そういう身分を使って、いわばそういう捜査情報などに触れられる地位を利用して相手を脅かしたような、そういうことにもなりかねない。
 いずれにしても、この問題は、今、長官がおっしゃったように、信頼を回復するのであるとすれば、改めてきちっと調査をするなりして、やはりこれが事実であるのか、あるいはこういう事情であったんだということをはっきりさせる必要があるのではないかというふうに思います。
 長官も大変大きな御覚悟を持って就任をなさったということであるとすれば、まず最初にやらなければいけないことは、こういうさまざまな疑惑などについて積極的に、内閣として、そして内閣を取りまとめる立場にある長官として調査をし、そして事実をはっきりさせることではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#18
○国務大臣(福田康夫君) 中川前長官は、衆議院の内閣委員会において一連の問題について疑惑を否定されておられます。また、官房長官辞任に際しての記者会見においても、明確に情報の漏えいということには否定をされておられるわけです。
 ですから、これは一般論でありますけれども、警察情報が漏えいするというようなことがあっては、これはもうとんでもないことでございますし、またそういうことがあるということは、私は一般的には考えにくいことであるというように考えております。
 捜査の必要性があるというようなことになれば、警察の方でもって法と証拠に基づいて正当に捜査がされる、こういうふうに思っておりますので、そういうことについては適切な対応を警察当局、捜査当局に求めたい、このように思っておるところでございます。
#19
○千葉景子君 中川前長官が御自身で疑惑を否定されている、捜査情報を漏らしたようなことはないとおっしゃっているということではございますけれども、それで多くの人がそうだと本当にそれを信頼し、あるいはそれが事実だというふうにもう受けとめているでしょうか。私は、決してそんなことはない、この間の前長官の他の問題も含めて、決してその言葉が本当に信頼を得ているかどうか、そして内閣としての信頼を回復しているかどうかといったら、全くそういうことはないというふうに思います。
 そういう意味では、御自身の考え方を述べられたことはそれは別として、むしろこれは政府として、内閣としてきちっと対処をする、それによって本当に国民にも信頼が回復できるし、あるいは本当に捜査というのが適正、厳正に行われているんだという信頼もつくられていくのではないでしょうか。御本人が言っているからそれはそうだろう、これじゃ今の事態を私は収拾したりあるいは解決をすることには決してならないというふうに思いますが、改めてお尋ねをいたします。
#20
○国務大臣(福田康夫君) ただいま申し上げましたように、中川前長官は国会で、公の場でもって、これは言ってみれば国民に対してというふうに言ってもよろしいんじゃないかと思いますけれども、非常に明確な回答をされているわけですね。私も実は個人的に何度かお尋ねをいたしたことがございますけれども、その折においてもやはり明確に、法的な問題がないということははっきりと言っておられたというようなことでございますので、私は今の段階でもって、もし情報が漏えいするとかいうようなことがあるのであれば、捜査当局が自主的に判断して捜査をされるということが妥当ではないかというように考えております。
 このことを鮮明にするためには、やはり中川前長官がこれからどういうふうにされるかということも大事だと思います。いろいろな措置を今考えておられるというように私伺っておりますので、その動向を見守っていきたい、今はその段階ではないか、このように思っております。
#21
○千葉景子君 私が申し上げているのは、中川前長官の個人の問題ということだけではなくて、政治全体に対する、あるいは捜査に対する信頼、こういうものを損ねているという状況について、やはり官房長官として対処をする必要があるのではないかということを申し上げているわけです。今後、どういう推移になっていくか、改めて私たちもしっかりと見詰めてまいりたいというふうに思っておりますが、ぜひその趣旨をよくよく頭に置いていただきたいというふうに思います。
 そしてさらに、やはり政府として、あるいはそのかなめとして、官房長官として改めて考えておいていただかなければいけないことに閣議決定の問題もあるというふうに思うんですね。
 これももうたびたび取り上げられておりますけれども、私どもの同僚議員でもあります小川議員の質問主意書に対して政府として閣議決定を出されております。しかし、この閣議決定が本当に事実と合致するものであるかどうか、こういう疑問がまだ残されたままでいるということになりますが、その閣議決定ということについても、もう一度きちっと閣議決定のあり方、そしてこれが本当に事実をきちっと調査した上での結論であったのか、誤りがないのかということもお調べをいただき、そして明確な回答をお出しになるべきではないかというふうに思いますけれども、その点については、ちょっとこれは事前にお伝えしてなかった部分で恐縮ではございますけれども、お考えがあればお示しください。
#22
○国務大臣(福田康夫君) 今の段階でその閣議決定を取り消すとか変更するとか、そういうことは考えておりません。
#23
○千葉景子君 それでは、その閣議決定については誤りはない、正しいものだということで受けとめさせていただいてよろしいでしょうか。
#24
○国務大臣(福田康夫君) 質問主意書に対する答弁書ということで閣議決定してお出ししたわけでございますけれども、中川前官房長官は、日本青年社とは何らかかわりがないと、こういうことでございまして、内閣としてうそをついたというそういうことではないので、そのとおり私どもは承知をしておるわけでございます。ですから、先ほど申しましたように、この点について何ら問題はない、こういうふうに思っております。
#25
○千葉景子君 閣議決定については全大臣もかかわりを持っておられるということになろうかと思いますが、続長官、ちょうどおいででございますが、ちょうどって申しわけない、やはり閣議決定について閣僚としての責任をお持ちであろうというふうに思うんですね。どうですか、誤りのないものだと、正しかったというふうに今お考えでしょうか。
#26
○国務大臣(続訓弘君) ただいま官房長官もお答え申し上げましたとおり、中川長官御自身がかかわりないということでございます。そのもとで閣議決定されたものでございますので、問題はないと、このように存じております。
#27
○千葉景子君 問題はないというお答えでございましたので、これは万が一にもそれに反するような事情があったとすれば、これは大変なことになりますけれども、きょうはそういう意味で、問題がない、正しいものだというふうにお考えであるということをお聞きしておきたいというふうに思います。
 こういうさまざまな問題を残しながら、それから、さらに官房長官とすれば、森総理も先般、拉致疑惑などについて第三国で発見されるようなそういうやり方ではどうかということをブレア首相に話をされると。こういうことになりますと、これはもう外交のイロハもわきまえておられないんじゃないかと、こういう感じもいたします。
 これらの、本当に政府として、あるいは閣僚の立場にある者として、あってはならない、あるいは疑いを抱かれてはいけないような、そういうことがもうこのところ本当に続出する。もうまたきょうも何かあるんじゃないかとみんなが本当に思わざるを得ないような、そういう事態になっているわけですね。
 こういう中で、官房長官、先ほどお尋ねをさせていただきましたけれども、こういう具体的な事例、一つ一つ何ら解決はされていない、疑惑はむしろ増幅されている状況だというふうに私は思います。国民の不信といいましょうか、信頼感を本当に地に落としたようなこういう事態に対して、これは政府もそうですけれども、そういう意味では政治全体に対して大変大きな汚点をこのところ残しているのではないか。
 こういうことに対して改めて、官房長官、これからどういういろいろな具体的な対処あるいは取り組みをされていかれるのでしょうか。毎日がチャレンジだというお話ではございますけれども、お言葉をやっぱり具体化していかなければ長官としての責任を果たし得ないのではないかというふうに思いますが、改めてお尋ねをいたします。
#28
○国務大臣(福田康夫君) 一つ一つ私どもの反論をしたいというそういう気持ちもないわけではないわけでございますけれども、しかし御指摘のような批判があるということも事実でございまして、これは謙虚に受けとめさせていただきたい、このように思っております。
 私は、こういうような状況にあるときこそ原点に立つ、基本に立ち返って国家国民のために何が必要であるかということを中心に考えていきたい、このように思います。
 今は、景気を本格的軌道に乗せるということもございますし、IT革命への対応、これはもう政府は大変重要な一つの政策の柱として取り組んでおりますけれども、このIT革命への対応、そして教育改革やまたこれから御議論いただかなければいけない社会保障政策、これの改革を実現させていかなければいけない。そういう政策課題を一つ一つ積み上げていくということが大事なんだろうというふうに思っております。
 それにしましても、国民の声に真摯に耳を傾けて国民とともに歩むというそういう姿勢、また国民から信頼される政府、こういうことを目指して、これから森内閣の掲げております日本新生というそういうテーマに向けて努力をしてまいりたい、このように思っております。
 まずは国民の信頼を回復すること、これが大変大事だと思いますので、私の仕事は、その部分非常に大きなものがあろうかと思っております。
#29
○千葉景子君 国民の信頼を取り戻すには、先ほどから私が何点か挙げさせていただきましたが、それらを含めてきちっとやはりわかるようにしていただくこと、これがもう最低限の私は条件だというふうに思いますので、ぜひこれについては今後も引き続き取り組んでいただくことを要求しておきたいというふうに思いますし、今やらなければいけないことは、景気、IT、教育等挙げられました。しかし、こんな状況で教育論なんかやって、だれが信用しますか。あるいは、子供たちが何を信頼しますか。まずそこからじゃないでしょうか。ITといっても、このままでは、結局は何か自分たちの都合のよいばらまきにすぎないんじゃないか、こういう声すら上がっている。やはりその根本から正さないことには、私は政府に教育論議などはやってもらいたくない、このくらいの気持ちです。
 きょうはそれだけ指摘をさせていただいておきますが、ぜひ肝に銘じておいていただきたいというふうに思います。
 さて、こういう中で私たちは、ぜひ新しい社会に向けて取り組むべき課題、信頼を回復しつつやらなければいけないことの大きな課題に男女共同参画社会の実現ということがあろうかと思います。
 これは、いよいよ二十一世紀がもう間もなくやってくるという中で、私は最も重要な課題であろう、日本が改めて新しい力を持ち、そしてだれもが国際的にも尊重されるようなそういう社会をつくるのであるとすれば、やはりこの共生型の社会、こういうものを日本が本格的に築き上げること、これが私は必要な最重要課題であろうというふうに考えております。これは既にかなり共通の認識になってきているのではないかと、それは大変うれしく思っているところでございます。ただ、そうはいっても、具体的にはなかなか一つ一つこの社会を築くための具体策というのが進んでいかないというのが実情でもございます。
 こういう中で、ちょうど九月二十六日に男女共同参画審議会が、今政府の方で基本法に基づいて基本計画というのを策定されるということになっておりますが、この策定に当たってどういう点が重要な課題なのかということを示す答申を出されました。私はこの答申、いろいろな問題もまだ残されていようかというふうに思いますけれども、大変重要な指摘をされているものというふうに受けとめさせていただいております。
 特に、この答申の中で、男女共同参画を推進する社会システムの構築ということが一番重要なポイントだということで最初に指摘をされているんですね。これは大変重要なことで、そのためには、一つには、あらゆる社会システムへの男女共同参画の視点の反映が必要だ、それから二つには、積極的改善措置、いわゆるポジティブアクションと言われるものですけれども、これの具体化が必要だということが指摘をされております。
 そこでちょっと、せっかくの機会ですので具体的にお尋ねをしたいというふうに思いますけれども、このあらゆる社会システムへの男女共同参画の視点ということで重要なことに、いわゆる一見見ると別に男女差別をしているわけではない、しかしながら社会制度あるいは慣行の中で結果的に男性、女性に中立的でない制度あるいはシステム、こういうものがあるわけです。
 今回のこの答申の中でも指摘をされておりますけれども、例えば今社会保障や税、そういう面でも世帯を単位としたシステムが非常に残っております。これは、結果的には男性、女性に中立的に働かず、女性に対して不利に働くというような作用を持っているわけです。こういうものもやはり具体的に見直していく必要があるのだということを明確に示しているわけです。
 その中で、例えば今言ったように世帯単位を個人単位にする、それから民法の夫婦同氏制を、選択的に夫婦が別氏を名乗ることができるようなそういう制度も取り入れよと、こういう指摘がされております。これらは、長年にわたりまして議論をされてきた問題でもございますし、それから私ども、先般この臨時国会に民法の改正案も議員立法として提案をさせていただきました。ぜひ、ここまでもう議論は煮詰まり、そしてまた具体化せよと、こういう答申も出ているわけです。
 今度、基本計画を策定されるに当たりまして、こういう社会制度、慣行などの見直しを、具体的にいつまで、どういう手順でやっていくんだというようなことを明確にやはり示すべきではないかというふうに思いますが、その点について、官房長官、担当大臣でいらっしゃいますので、お考え方、そしてこの基本計画の策定についてどういうことを今考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
#30
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘のとおり、男女共同参画社会基本法、これで男女共同参加社会の形成についての基本理念、これを掲げておるわけであります。その一つとして、社会における制度または慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとする、御指摘のとおりでございまして、そういうものに配慮をしていかなければならないということになっております。
 また、そういう中でもって、ただいまおっしゃったような選択的夫婦別姓制度とか、また世帯単位から個人単位というような観点から、年金だとか税制、健保、そういうようなことについて二十一世紀の最重要課題と、こういうように称した答申がございまして、その答申に基づいてこれからいろいろな議論をしていかなければいけない。ただ、国民生活に極めて大きな影響を与える、こういう問題でございますので、さまざまな角度からの議論が必要だと、こんなふうに思っております。
 具体的な内容については、今これからやっていかなければいけない、しかしそんな悠長なことはしていられないというように思いますけれども、御質問のいつまでということを今ここで明確に申し上げることはできない、そういう状況でございます。
#31
○千葉景子君 さまざまな議論は既にこれまで随分やってまいりました。そして、これは実は法務省の方で法制審議会の議論を経て一たん立法案を取りまとめたという経過もあるんですね。もうこの国会でどれだけ議論されたりあるいは立法提案がされたりしてきた問題か、もうあとはどう具体化していくか、いつまでにどういう手順でやるか、こういう段階だというふうに私は思います。今おっしゃった、悠長にはしていられない、二十一世紀はもうあと一カ月余りなんです。そういう意味では、この問題、ぜひ今の悠長にしていられないというそのお言葉をやはり実質的にちゃんと実のあるものにしていただくように私は要請をしておきたいというふうに思っております。
 それから、二番目の積極的改善措置、ポジティブアクションと言われるもの、これにつきましても、審議会の答申では、既にその是非を論じる段階から、具体的にいかなる措置を講じていくかを検討して取り組むもう段階だと、こういう指摘がされているわけです。これも先ほどの問題と同じように、いい悪いということではなくて、これは積極的に取り入れ、そして具体化していくべきものだということでございますので、これをどのようにこれからの施策の中に、あるいは基本計画の中できちっと位置づけていくのかということをお尋ねしておきたいと思います。
 例えば、これまでも国の審議会委員などについて一定の目標値をつくりまして女性委員の登用ということを進めてまいりましたけれども、こういうことについても、やはりさらなる新たなる目標などをつくってその流れをさらに加速をしていく。あるいは、きょうこれから公務員の問題などもいろいろな議論があろうかというふうに思いますけれども、国家公務員の採用、登用などにつきましても、なかなか女性の比率は多くない。試験では大変優秀な成績をおさめるということも聞いておりますけれども、実質的になかなか登用ということになると少のうございます。
 こういう意味でも、中長期的といいましょうか、そういう形での目標値などを設定して、そして具体化をしていく、こういう段階だというふうに思うんです。努力しますとかいうことはこれまでもあったんですけれども、やっぱり具体的に数値などできちっと示していく、これこそが積極的な改善措置、ポジティブアクションということでございますので、これらポジティブアクションについて今後どのように取り込んでいくのか、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#32
○国務大臣(福田康夫君) これは、先生のおっしゃられることはまことにもっともだと思っております。また、例えば国の審議会への女性委員の登用、これなんかを見ますと、案外うまくいっているような感じもいたします。これは十二年度末に二〇%を目標といたしておりましたけれども、一年繰り上げまして二〇%を超えておる、こういうこともございますし、さらにナイロビ将来戦略勧告というのがございまして、これは二〇〇五年に三〇%、こういうことがございますけれども、これを目指して今やろう、こういうことでございます。
 官僚の女性の比率を高めるとかいうこともございますけれども、国会議員の比率を高めるということもそれにも増して大事なのかなというように思いますけれども、そのためにはいろんな事情等がありますから、そういうものを総合して考えていくしかないんだろうというように思っております。
#33
○千葉景子君 全くこれまで努力していないということはないんですけれども、何しろ二〇%という、やっぱりもう少しきちっと男女共同参画ということにふさわしい目標値をつくって、そしてそこにじゃ何年で到達しよう、こうやって努力しなければ、いや少しずつ上がってきた、よかったよかったで終わってしまうわけですから、今回のこの答申、そして世界のいろいろな潮流、その中で日本がどれだけやっぱりおくれているかということもきちっと把握をいただいて、ぜひ積極的な取り組みをしていただきたい、これも要望しておきたいというふうに思います。
 時間がもう限られておりますので、続長官、大変恐縮でございます、一点だけお尋ねをしておきたいというふうに思いますが、公務員制度につきまして、今度、任期付採用の法案ということで提起がされます。しかしこれ、省庁再編などに伴って、その基本法の中では公務員制度についてさまざまな改革が必要だということで幾つかのポイントが挙げられております。
 例えば、政策の企画立案に関する機能とその実施に関する機能との分離に対応した人事管理をしなさいとか、人材の一括管理のための仕組みの導入とか、あるいは多様な人材の確保及び能力、実績等に応じた処遇の徹底あるいは退職管理の適正化、こういうことが取り組み課題として挙げられているわけでございます。
 今回、任期付採用ということで一つの具体化ということになろうかというふうに思うんですけれども、これからの公務員制度のあり方、こういうことについてどんなお取り組み方それから長期展望、こういうものをお持ちなのでしょうか。その点についてお聞かせをいただいて、そしてまた一つ一つ今後の私たちの参考にさせていただきたいと思いますが、お願いいたします。
#34
○国務大臣(続訓弘君) 先ほどもお答え申し上げましたけれども、森総理から今御質問の趣旨について厳しく指示がございました。そこで、私ども総務庁も、政府としても、そしてまた与党としても今活発な議論をやっております。
 今、先生の御質問の趣旨にもございますように、公務員というのは全体の奉仕者であると。公平無私、そしてまた国民の痛みを知る、そういう行政を果敢に実行する、それが公務員だと。したがって、そういう目的のために公務員制度はあるべきだと、こういう御指摘だと存じます。それを踏まえながら私ども今汗をかかせていただいております。近々のうちに発表させていただきますけれども、御趣旨を踏まえた公務員制度をつくらせていただく、こういうつもりでおりますので、御理解を賜りたいと存じます。
#35
○千葉景子君 時間ですので、終わります。
#36
○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。
 初めに、警察庁の不祥事案対策に関する総務庁の行政監察について伺います。
 神奈川県警や新潟県警の一連の不祥事案が国民の怒りと不信を呼んだことは記憶に新しいところです。また、私の地元埼玉県では、桶川市における女子大生のストーカー殺人事件や、あるいはお酒を飲んで酔った方が警察が放置したために死亡してしまったという事件など、県民の怒りと不信を呼んでいるところです。
 私は、市民を守るべき警察の人権感覚の麻痺は重大だと思いまして、昨年九月の決算委員会とことし三月の当委員会で警察行政について質問した経緯があります。特にことし三月の当委員会において、警察のみずから起こした不祥事を隠し立てする身内に甘い秘密主義の体質は系統的に育成されているのではないかということを、「日刊警察」、これは新聞です、それから「警察公論」、専門誌ですが、これらに掲載されている昇任試験問題とその模範解答例で示して、総務庁の警察庁への行政監察の際はここにもメスを入れるようにと要望いたしました。
 長官は、そのような「模範解答等々があったとすれば、これはゆゆしき事態」、「しっかりした調査、監査を実施することをお約束申し上げます。」と、こう言ってくださいました。実際にどのような監察が行われたのでしょうか。
#37
○国務大臣(続訓弘君) 今、阿部委員の御質問、確かに三月十四日の当委員会におきましてお答え申し上げましたとおり、仮に委員御指摘の記事にある解答例が警察の方針であるととれるようなことがあればゆゆしき事態であることから、御指摘のような事案についても、警察庁においてどのように認識し対処しているか、しっかりした調査を実施する必要があると考え、私からその旨事務当局に指示したところでございます。
 ただいま事務当局としましては、警察庁における不祥事案対策に関する行政監察におきまして不祥事案の発生時対策、不祥事案の未然防止対策、特別監察の実施状況などにつきまして、警察庁が実施中の不祥事案対策の実効を確保する観点から調査を実施中であり、今御指摘の問題につきましても取り上げております。このことを、お約束どおりにただいま実施しておりますことを申し上げさせていただきます。
#38
○阿部幸代君 実際に警察内部の不祥事、例えば警察官の飲酒運転による交通事故などが起こったときどのような措置をするかというような試験問題があったのかどうか、その際、秘密の保持が解答として要求されたのかどうか、ここを調べる必要があるんだと思うんです。私はそういうことを希望いたしました。現場の警察の協力を得て、実際に試験問題とその解答に当たるようなことをしたんでしょうか。
#39
○政府参考人(塚本壽雄君) 調査の内容に関することでございますので、参考人より御答弁させていただきます。
 御指摘の点でございますけれども、先ほど長官から御答弁申し上げましたように、警察庁におきます認識という観点から調べるということを行っております。確かに調査の方法についてはいろいろな視点があろうかと思いますけれども、私どもはそのような観点から、具体的には調査の一環といたしまして、当該日刊紙を発行いたします出版社の協力を得まして把握した事実関係、こういうものをもとにいたしまして、警察庁に対しまして不祥事案対策の徹底の観点からどのように認識、対処しているのか、こういう観点の調査を現在実施しているところでございます。
#40
○阿部幸代君 長官がおっしゃったように、ことし四月から六月に実施された総務庁の行政監察は、警察庁における不祥事案対策に関する行政監察でしたね。私は、この不祥事案対策に関する警察の昇任試験問題とその解答例を問題にしたわけです。まさに監察の中心的な内容に据えられてもいいようなことなんですね。
 それで、今の答弁ですと、警察の認識、認識ということをおっしゃっているんですね。私は、実際に警察の協力を得て試験問題とその解答に当たったのかどうか、それが知りたいんですけれども。
#41
○政府参考人(塚本壽雄君) お答え申し上げます。
 この点につきましては、調査の方法論ということに関する点かと存じます。
 私どもといたしましては、この不祥事案対策に関する行政監察そのものが、今後におきまして警察庁が全国警察を統括していくに当たりまして、こうした不祥事案の発生の対処、それから未然防止という観点から、我々といたしまして、総務庁といたしましてどのような勧告等がなし得るかという観点から調査を組んだところでございます。したがいまして、関係出版社、そして警察庁、本庁でございますけれども、これの調査というもので足りるのではないか、こういう観点で調査を進めてまいっております。
#42
○阿部幸代君 どうも私は信用できないのですね。昇任試験問題ですから、「日刊警察」というのは警察庁長官の訓示が載っている、そこにそういう問題例と解答例が出ているわけですから。それから、専門誌については本当に専門家が執筆しているんですね。根深いものだというふうに認識したんです。ですから、事実をつかむ調査、監察をしていただきたいんですね。
 総務庁は、今後各省庁の業績評価に取り組むいわばセンター的な機能も発揮するようになりますね。それから警察は、今国会に提出されている警察法の改正で、外部監察を結局導入しないで内部監察にとどめようとしているわけですね。両省とも基本姿勢が私は問われていると思うんです、私が取り上げている問題について。総務庁は行政評価に臨む姿勢ですね、それから警察はそれに協力することによって内部監察にも厳しく取り組む姿勢、これを示すということですね。やっぱりあいまいにしない監察を実施していただきたいんです。まとめるのはまだ後のことだと思うんですけれども、あいまいにしない監察の実施ということで、長官、どうですか。
#43
○国務大臣(続訓弘君) 御案内のように、私どもは国民の目線で行政がいかにあるべきかということをしっかり監視役をさせていただいているわけであります。したがいまして、三月十四日に御質問がございました件につきましても、今申し上げたように直ちに調査をさせていただいているわけです。そういう視点でこれからも取り組ませていただきます。
 不偏不党、要するに何が国民の立場なのかということをちゃんとわきまえて各省庁の監察をし、そしてまたそのことを国民の皆様に公表し、そしてそのことが結果として行政を正しく国民のために行う、そういうサイクルでやらせていただいておりますことを御理解賜りたいと存じます。
#44
○阿部幸代君 勧告をする前に、あいまいにしない監察を実施していただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。
 次に、男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方に関連して質問いたします。
 男女共同参画審議会の答申は女性たちの運動や切実な願いを反映していまして、積極的な内容も持つものになっているというふうに思います。
 例えば、性別による差別的扱いをなくしていくことは男女共同参画社会の基本的理念である、訴訟等々において差別の立証は実際上容易ではなく、雇用の場における性別による差別的取り扱い等差別の有無が疑われるような場合には、申立人の立証責任を軽減し、相手方の反証責任を重くしていくような方法について広く検討する、こんなことを言っていたり、仕事と家庭の両立支援のための育児・介護休業制度の充実、時間外労働免除制度、看護休暇制度、転勤や単身赴任に関する配慮、保育サービスの整備などなど、それから経済の構造変化に応じた今後の取り組みとして、男女雇用機会均等法の調停制度のあり方を含め、法の履行確保手段の実効化とかパートタイム労働者と通常の労働者との処遇、労働条件の均衡の確保のための施策の推進等々です。
 基本計画は、二十一世紀の最初の十年間を展望してつくられます。これらの積極面を検討から実施へと確実に進めていく大臣の決意をまず伺いたいと思います。
#45
○国務大臣(福田康夫君) 女性と男性が喜びも責任も分かち合いつつその個性と能力を十分に発揮していく、そういう男女共同参画社会、これは、急激に変わります少子高齢化社会への転換とか、また家族構成、地域の変化、また経済構造が変化する、そしてまたなおIT社会というように新しい因子も出てきたという中でもって、この問題を真剣に、また先ほど申しましたように早急にいろんな施策を実現していくというためにこれから相当真剣な議論をして一刻も早く実現するということに持っていかなければいけない、そのように思っております。
 ただ、いろんな問題がございまして、その中で早くできるもの、少し議論を進めなければいけない問題、いろいろとございますので、そういうことはございましても、大きな流れとして、また方向としてこの問題は大変重要であるということを認識いたしております。担当大臣として積極的に取り組みたい、こう思っております。
#46
○阿部幸代君 問題は、これらの積極面が、少子高齢化に応じた今後の取り組みそれから経済の構造変化に応じた今後の取り組みとして進められようとしていることです。大臣も今お答えになったときに最初にそのことをおっしゃっていました。
 少子化は、それ自体日本社会の重要な克服課題であり、日本共産党もそのための政策を発表しています。しかし、女性の人権と地位の向上、男女平等の推進が少子化に対応するために行われるというのは、どうも動機が不純といいますか本末転倒ではないかというふうに思うんです。
 具体的に考えてみます。
 「女性労働と企業社会」というこの本の中で紹介されているんですけれども、正社員比率と年収三百万円未満比率、これを低賃金比率と言っているんですけれども、これを男性と女性で比べています。正社員比率は、男性が八一%なのに対して女性は五四%。低賃金比率は、男性が二五%なのに対して女性が七四%です。パート等を含めると女性の平均賃金が男性の五一%であるということはよく知られています。
 この格差を是正していく対策を進め、女性の地位向上を図っていくということは、少子化への対応ではなく、それ自体が二十一世紀にまで持ち越されてしまった、したがってなるべく早く解決されなければならない重要な課題なのではないでしょうか。
#47
○国務大臣(福田康夫君) おっしゃるとおり、少子化解決のために、こういうことではないと思います。しかし、全く関係ないわけではない、こう思います。
 今おっしゃった中で企業など、企業に限りませんけれども雇用の問題なんかにも触れられていらっしゃいますけれども、この問題は企業経営とかそういったような問題にも関係するわけでございまして、そういう意味においては広く民間、社会の協力がなければできない問題でもあるというように思っております。私は、行政面で何ができるかということになりましたらば、やはり労働行政がそういう必要性を熱心に説くということ、そして協力を求めるということが必要なのではないか、こんなふうに思います。
 私も数字を頭の中に置いて申し上げているわけじゃないんですけれども、そういう雇用関係も私の承知しております限りではだんだんと改善されてきている、こんなふうにも思っておるわけでございます。ただ、それが不足であるということでありますから、さらにそれを積極的に進めるということはしていかなければいけないと思っております。
#48
○阿部幸代君 時間ですので。
#49
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 官房長官、私も男女共同参画問題について質問をいたします。
 ことしの六月に国連特別総会女性二〇〇〇年会議がニューヨークで開かれまして、その中で経済の地球規模化の問題が焦点となりました。採択されました「北京宣言及び行動綱領実施のための更なる行動とイニシアティブ(いわゆる「成果文書」)」のパラグラフ三十五では、グローバリゼーションは第四回世界女性会議の目標へのコミット、誓約の実施に新たな課題を突きつけた、グローバライゼーションは男女の不平等を拡大した、途上国において貧困の女性化が一層深刻化している、このように指摘しています。
 九月に男女共同参画審議会の答申が出まして、そこでも、経済構造の変化によって女性に不利な影響が出ないようにする必要がある、男女の経済力の格差をなくしていくことは女性の人権の確立を図る上でも重要であるとされているというふうに指摘していますけれども、政府は、このグローバライゼーションについてどのように対応していくのでしょうか、簡潔にお願いします。
#50
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘のように、女性二〇〇〇年会議において、グローバリゼーションの女性に対する光と影という問題が議論されたというように伺っております。
 男女共同参画審議会において、基本計画策定の際の基本的な考え方について調査、審議を進めていただいておりましたけれども、同様な問題意識は持って議論が進められていたというように聞いております。
 政府としては、同答申及び女性二〇〇〇年会議の成果を踏まえまして、関係施策を総合的かつ計画的に推進していくという中で解決を図るようにしてまいりたいと思います。
#51
○吉川春子君 労働省、お見えですか。──職場における男女平等の実現を行っていかなくてはならないわけですけれども、男女共同参画審議会は九月にこの基本計画の内容について答申しまして、その中で、今、阿部さんも指摘しましたが、パートタイムの労働者と通常労働者との処遇、労働条件均衡の確保のための施策の推進が必要であるとしています。
 今、働く女性の地位向上というふうなことを問題にするときに、女性労働者の四割を占めるパート労働者の地位向上が焦眉の課題であると思います。
 それで、この十年間の男女賃金格差について報告をしていただきたいと思います。
#52
○政府参考人(藤井龍子君) この十年間の一般労働者とパートタイム労働者の賃金格差、一般の男性の労働者でございますか。
#53
○吉川春子君 そうです。一般の男性労働者と女性の賃金。
#54
○政府参考人(藤井龍子君) 男性労働者とパートタイムの女性の労働者ということでございますね。
 平成二年の時点で、男性の一般労働者の一時間当たりの所定内給与額は千六百三十二円となっております。同時期の女性のパートタイム労働者の一時間当たり賃金が七百十二円でございますので、格差といいますか、男性を一〇〇にした場合、パートの女性労働者は四三・六%の水準であるということでございます。
 直近の一番新しい数字で平成十一年の数字がございますが、男性の一般労働者は時間当たり所定内給与が二千十六円に上がっております。それから、女性のパートタイム労働者の時間当たり賃金も八百八十七円ということでやはり上がってきておりまして、その格差は四四・〇という状況でございますので、大体横ばいの状況ではないかと思います。
#55
○吉川春子君 男性労働者と女性のパート労働者の賃金格差、そして所定内給与及び年間賞与その他特別給与額を含めた額についての十年間の推移について報告してください。
#56
○政府参考人(藤井龍子君) ただいまお答えいたしましたのが男性の一般労働者とパートの女性労働者の十年間の所定内給与の推移でございましたので、つけ加えまして、所定内給与だけではなく年間賞与等を入れました十年間の推移についてお答えをさせていただきたいと思います。
 平成二年、一般労働者は二千百七十二円、パートタイムの女性労働者が七百六十八円でございますので、格差は三五・四ということでございます。
 これが平成十一年は男性の一般労働者が二千六百二十四円、女性のパートタイム労働者が九百三十六円でございますので、格差が三五・七ということでございまして大体横ばいと、先ほど申し上げた同じような傾向ではないかと思っております。
#57
○吉川春子君 ちょっと私、パネルをつくったんですけれども、わかりやすいようにつくってみました。(資料を示す)大臣、どうぞごらんいただきたいと思うんです。男性の賃金を一〇〇といたしますと、女性の賃金は五一・六、約半分なんですね。しかし、女性のパート労働者の賃金だけを比べますと、男性一〇〇に対して、今、藤井局長から答弁がありましたが、三五・七%、つまり女性のパート労働者の賃金は男性に比べて約三分の一、しかも十年間ほぼ零コンマ以下の推移で、上下がありますけれども、ほとんど変わっていない、こういう状況が続いておりまして、これは本当に男女平等などということとはほど遠い賃金の実態になっているわけです。
 それで、ちょっと時間がないので私の方で申し上げますと、同時に、このほか社会保険の加入状況を見ましても、これも労働省の数字なんですけれども、パート労働者で雇用保険の適用ありが三四、適用なしが六三%、健康保険が適用ありが一八・四、適用なしが七九・一%、厚生年金保険が適用ありが一七・六で、適用なしが七九・九%。ですから、賃金だけではなくて社会保険の面でも物すごい差別を受けているわけでして、こういう問題についてなぜこの十年間ほとんど改善されていないという状態が続いているんでしょうか、藤井さん。
#58
○政府参考人(藤井龍子君) 我が国のパート労働者の実態を見ますと、もともと非正規社員として雇われる方が多いものですから、正社員の方々とはついておられる職務等が相当違う、比較的単純で定型的な業務に従事される場合が多いというようなこと、あるいは勤続年数が正規職員の方とは相当違います。パートの方はやはり大変短いものですから、我が国のように勤続年数が賃金の非常に重要な決定要因になっているというところについては、なかなかそのあたりの賃金についての格差あるいはその他の格差についても縮小しがたいところがあるのかなという感じはしております。
 それからもう一つは、社会保険等につきまして、いわゆる就業調整をする方がパートの女性の三分の一ぐらいいらっしゃるというようなこともございまして、賃金につきましてはその上昇が抑制されるという現象も見られるというようなことがございますので、そういったところが今おっしゃったような横ばい状態ということの原因になっているのではないかと分析しておるところでございます。
#59
○吉川春子君 労働省のパートタイム労働に係る雇用管理研究会報告によりますと、パートタイム労働者の専門的、技術的従事者がふえている、勤続年数の長期化がある、こういうふうに言われていますので、今の局長の答弁についてはやっぱり修正する必要があるんじゃないかと思います。
 私は、パート労働法を本当に義務規定にして、一般の労働者との格差をなくしていくということが労働行政あるいは政府の男女共同参画の立場から最重要の課題だと思いますが、それについて、パート労働条約、こんなに差別的な扱いをしてはならないというILOのパート労働条約があるんですけれども、これが九四年に締結されて、いまだに日本では批准がされておりません。
 このパート労働条約を締結するについて、ぜひ緊急に取り組みが必要だと思うんですが、今までパート労働条約を締結するについてのいろんな研究とか対策とか、こういうことを労働省は練られているでしょうか。
#60
○政府参考人(藤井龍子君) 先生御指摘のILO百七十五号条約でございますが、この条約では、この条約に定義されるパートタイム労働者が比較可能なフルタイム労働者に与えられている保護と同一または同等の保護を受けることを確保するための措置等について規定しているものでございます。
 パートタイム労働条約と言っておりますが、これにつきましては、この批准等につきましては、国内でさまざまなパート対策法制度の整備も進んでおるわけではございますが、やはり国内法制との整合性の観点から慎重に検討するべきではないかというのが私どもの考えでございます。
 なお、この国際労働基準につきましては、私どもで平成九年に女性少年問題審議会におきまして、現在、平成五年に制定していただきましたパート労働法というのがございます、これの三カ年経過後の見直しということで検討していただいたわけでございますが、その検討の際には、この国際労働基準も十分考慮した法の見直しということで、公労使、三者構成で御議論をいただいたわけでございます。
 その席で、労働側からは均等原則について法制化を進めるべきであるという御意見が出されましたが、使用者側委員からはまずは現行法制の法律の周知徹底ということが重要であるという意見が出され、さまざまな御議論、審議を重ねた結果、立法化の結論には至りませんで、行政としては、それよりはまず現行法制の定着、周知徹底ということが必要であるという御指摘をいただき、それに従って私どもの方で、特に均衡原則、処遇における通常労働者との均衡な労働条件の確保というのが現行のパート労働法の第三条で事業主の努力義務規定になっているわけでございますので、これに基づきまして、関係労使で自主的に事業所内の通常労働者とパート労働者の労働条件等の均衡を図っていただくような御努力を促すという指導等を重ねているところでございます。
#61
○吉川春子君 そういう立場で労働省がやってきたけれども、十年間、この人権問題ともいうべき劣悪なパート労働者の立場は一向に改善されてこなかった。企業に努力義務規定を課してもだめだということは、男女雇用機会均等法を義務規定に改正した事例でも明らかなのであって、やっぱり努力義務規定というのは本当に限界があるわけです。それで、今の法律をいかに守れといっても、今の法律自体が非常に不備なわけですから、これは守ったところで、努力義務規定で努力しましたがだめですと言われれば、それ以上の強制能力はパート法にはありません。
 それで、私は労働省に対しては、このパート労働条約が批准するに当たってどのような障害があるのか、そういう研究をぜひ具体的にやってほしい。どこが障害で批准できないのか、どうすれば批准できるのかということをパート労働条約に的を当てた検討をぜひしていただきたい。それを藤井局長に答弁していただきたいと思います。
 そして同時に、官房長官、今お示ししましたようにもう驚くべき実態で、国連でも、貧困の女性化とかジェンダーの視点でグローバライゼーションの問題を考えよとか、文章には載っておりまして、これはすべて日本国政府も受け入れているわけですけれども、これはもう放置できない問題だと思うんです。同時に、共同参画審議会の答申にも非常に積極的に、ILO条約等の未締結のものであっても男女共同参画の視点から積極的な対応を図っていく必要があると、こういう答申を九月にされているわけでして、このILO条約の中にはまさに真っ先にパート労働条約も含まれると思いますので、パート労働条約だけではありませんけれども、とりわけまだ女性に関する条約で未締結、未批准のものについては、国の政策として男女共同参画を進めていく観点から積極的に対応を図っていただきたい。
 そのことを最後に官房長官に決意をお伺いして、終わりたいと思います。
#62
○政府参考人(藤井龍子君) 先ほどお答えいたしましたとおり、平成九年から平成十年にかけまして三者構成の女性少年問題審議会で御指摘の点も十分踏まえて御議論をいただいた結論が行政指導、現行法制の定着が重要であるということでございましたので、私どもとしてはそれに精力を注ぎたいと思っておるところでございます。
 ただ、今後とも、通常の労働者との均衡等を考慮した雇用管理の改善というのはパート労働法に基づいて私どもも指導を続けたいと思っておりますし、その指導に基づく改善の状況、実態把握というのは日々行わなければならないと思っておりますし、またその実態把握に基づいて必要な適切な対応をこれからは講じていかなければならないということは間違いないことでございますので、そういうお答えをさせていただきたいと思います。
#63
○国務大臣(福田康夫君) このILOパート条約が本答申に言っております女性にかかわりの深い未締結のILO条約の中に含まれるかどうかということは、これは定かでないのでございまして、ILO条約は女性のみを対象とした条約ではありませんけれども、本答申においてパートタイム労働についても言及していることなどからすれば、ILOパート条約も本答申を踏まえた検討の対象から排除されるものではないと、そんなふうに考えておりますので……
#64
○吉川春子君 もうちょっと積極的におっしゃったらどうですか。
#65
○国務大臣(福田康夫君) 今の段階ではそういうことでお許しをいただきたいと思います。
#66
○吉川春子君 時間なので、終わります。
#67
○山本正和君 委員長にお願いしますが、さんではなしに君で呼んでいただきますように、今後ひとつよろしくお願いしたいと思います。
#68
○委員長(岡崎トミ子君) じゃ、次は。
#69
○山本正和君 きょうは、二十世紀もあとちょっとですが、歴代の官房長官に私の方からずっとお願いし続けておることですけれども、二十世紀の我が日本の国の最大の問題は第二次大戦下における侵略戦争、敗戦ですね。その中で、今なおその傷跡を負っている日本国民が、あるいは日本国民との関係者がたくさんあるということを何とかこれは早く解決していかなければいけないという思いで私はいっぱいでおるものですから、そのことを、これは野中さんのときからずっと続けて言っておりますけれども、旧満州の開拓団の問題なんです。
 これは何遍も申し上げますが、国の国策として、当時、一番初めには若い青年を、青年といいますか、まだ未成年の男の子ですけれども、開拓義勇団というものを編成した。さらには、今度は農家の次男、三男の者を募集して、いわゆるソ満国境にずっと配置をした。一たん有事あれば戦えということなんです。屯田兵と一緒なんですね。そういうことで、国策として満州国境にずっと配置した。ところが、戦争がだんだん厳しくなってきて関東軍の主力もほとんど南の方へ行くという状況の中で、開拓団におった成人男子はことごとく徴兵されて、ほとんどの者がまた南の方の戦線に持っていかれた。残ったのは年寄りと女子と子供だけで、そこへ敗戦という事態が来た。関東軍は知らん顔して逃げたわけですよ。逃げたというよりも、いわゆる戦略がありますから、おらぬわけです。じゅうりんに任せたわけですね。その中で残されたのがいわゆる残留孤児なんです。赤ちゃんもおれば、大きい子で小学校の二年生、三年生ぐらいまでの子がおった。その人たちがずっと今なお中国の東北地区におった。この事実が私は痛ましくてならないんですよね。その人たちを国がどう扱うのかということです。
 これは、官房長官、私はお父様とかつてこういうことでお話ししたことがありましたけれども、いわゆる大日本帝国当時から国のあり方等を考えてずっと苦労してきておられた方々はまだこのことに記憶があるんです。ところが、だんだん入れかわってきます。なくなってくるんですね、もうそういうのが。何としてもこれをやっていただきたいということでお願いしてきたんですが、そうしたら歴代長官も、また続総務庁長官も、これは何とかしなければいけないなというお話はいつもいただいているんです。
 しかし、今度また、これはやっぱり法律をつくるときにはみんなが想定しないことが出るわけですね。要するに、法律をつくって、そういう残留孤児が我が国に帰ってくるときに何とかしようという法律をつくったわけですね。ところが、それは残留孤児が今大きくなって、四十歳、五十歳あるいは六十歳の者もおるんですけれども、そういう人が日本に帰ってくるときに、その人たちの家族は一緒に帰ってきてもいいですよ、どうぞ日本国籍を取得して帰ってきてくださいと、こういう格好で援護しようとなったわけですね。来るときはだからみんな家族を連れて来るわけですね。
 今度、朝日新聞にも報道されたんですけれども、帰るということで厚生省からちゃんと連絡が行った、旅費も払いますからと。そこで、安心してもう向こうで全部現地の財産を売り払ったわけです。そして、いよいよ帰る準備をしておったら、本人が死亡してしまったんです。もう六十歳ですからね。死亡してしまった。そうしたら、その家族が、だから奥さんと子供です。この人たちがもう帰る用意をしておったんです。日本政府も旅費を払いますと言ってやっておった。ところが、本人が死んだら、法律上これは国が世話を、面倒を見られなくなっちゃった。これは法律上の私は不備だと思いますね、そういうことを想定していなかったものだから。
 しかし、何とかしたらいいじゃないかと、こういうことで厚生省の方もいろいろと苦労してもらっておるようだけれども、結局、日本国籍を取らなければだめですとかなんとかいうような格好で、しかし大変残念なことですという丁重な手紙を厚生省の方からは本人のところへ送ってあるんです。これも私も調べまして、そして朝日新聞の方の取材の方にも聞いてやったんですが。
 ところが、現地の中国ではやっぱり問題になっておるわけですよ。日本の国はそうやって面倒を見てくれるというのを、そこまでしてくれるというのがもうだめになるのか、そんなことでと。現地の中国人はわからぬですよ、意味が。何でそんなひどい目に遭わすのだろうかと、こうなる。
 そこへもってきて、この前から私がお話ししていますように、中国で日本人の子供を育ててくれた養父母、貧しいんです、みんな。貧しい中で日本人の子供を育ててくれた。その人たちは、日本に帰ってくるときに一緒に来た人もいますけれども、残っている人も大分おるわけです。その人たちに対して、我が国から、本当に御苦労をかけました、お世話いただきましたということでのお礼の気持ち、これが最初に約束したのがもう二十何年前ですから、十三万円なんです。養育料十三万円払ってちょんなんですよ。あと何やかんやちょこちょこありますけれども、ほかのものが。現実に渡すお金はそれだけなんですね。そういうことでいいんだろうかと。
 日本という国が二十世紀、こうやってやってきて、いろんなことがあるけれども、経済的には世界の大国です、経済大国です。その国が、しかも二度とこういう戦争なんかせずに平和な国にしていこうと言っている国がこんなことでいいんだろうかというのが私が懸念されてならないことなんです。
 私どもも、私も実は旧制の中学が満州の奉天一中というところで、先輩には東大の向坊さんという学長もおれば、あの衞藤瀋吉さんもみんな私どもの先輩です。私の中学の同級生というのは、先ほど警察の話があったけれども、第一線の警察で、帰ってきたものですから、もう陸軍士官学校がだめになったから行くところがなくて警察に行ったんです。一人は築地の警察署長で定年で退職して、一人は四日市の南署で定年退職した。これはノンキャリアで一生懸命やった。キャリアもおるんですよ、一人。長野の本部長をして、もう偉い人になって、参議院に出るとかと言ったんだけれども、それはやめちゃったけれどもね。そういうのがおるんですよ。そうしたら、私どもにとってはそういう自分たちの青春の思い出とかかわって、この国が一体どうしてくれるんだ、こういうことはという思いに駆られてならないんですよ。
 これは、なぜこれが払えないかという理由を今から援護局長が説明してくれると思いますから、それを聞いていただいて、これは官房長官と総務庁長官、ひとつ何とか、これは法律が、有権解釈というのがあるんだから何とかできぬだろうか、有権解釈で一つは。どうしてもだめなら法改正するか何か特別措置を講ずるか、政府としての政策の中でできぬだろうかと、こういうことをちょっと冒頭にお伺いしたい。
 それで、援護局長の方からちょっとその辺のことを説明してほしいと思います。
#70
○政府参考人(炭谷茂君) 山本先生十分御存じのことでございますが、御質問でございますので御説明させていただきたいと思います。
 私ども、中国残留孤児の帰国の援護の基本的な考え方、これは平成六年の法律によってやっておるわけでございますけれども、援護の対象者は、今次の大戦の混乱によって国外、この場合は中国でございますけれども、中国に残留を余儀なくされた日本人の方々を国の責任で帰国させるというものでございます。したがって、中国残留邦人本人については帰国援護の対象として施策を講じているわけでございます。
 過般、朝日新聞に報道されましたケースにつきましては、終戦後、中国において両親のいずれかを中国人として出生し中国籍を得て中国国民として生活されていらっしゃった中国残留孤児の子供さんにつきましては、今次の大戦の混乱により国外に残留を余儀なくされたという事情がないことでございますので、法律上これを引き揚げの、援護の対象とはしておらないわけでございます。
 しかし、中国残留邦人の方々はそれぞれ高齢で日本での自立が困難であるということから、この法律におきましては、中国残留邦人の子供など親族が中国残留邦人の扶養などを行うために生活を日本で一緒にする、また日本へ一緒に帰っていらっしゃるという場合につきましては、一世代に限り特別に法律に基づき帰国援護の対象とされております。
 したがって、ただいまの御指摘のケースにつきましては、まことに先生も私も大変お気の毒で胸が詰まる思いがいたすわけでございますけれども、中国残留邦人の本人の方が亡くなった場合は、残念でございますけれども帰国援護の対象とすることができないという法律上の規定でございますので、御理解をいただければありがたいと思っております。
#71
○山本正和君 そういうふうに法律はなっているというわけなんですね。しかし、日本人であったという証明ははっきりとして、日本人の孤児だったということは政府も認めて、そしてその人が帰りたいということで申告をして、政府の方もこれを認めたと。それで帰ってこいと、こうなったわけですよね。ところが、帰ってくることになったんだけれども、四月に突然死んでしまったと。それで、その人がいないものだから、その人の奥さんや子供は日本に帰る用意をしておったんだけれども帰ってこられなくなった、こういうことでしょう、簡単に言うと。
 しかし、それは、法律をつくるときに、残留孤児の人たちがこっちへ帰ってくるときに、当然孤児であっても大きくなっているわけですから奥さんもおるだろうし子供もおるだろうと。その人たちが一緒に帰ってくることまでは保障したわけです、法律は、もともとが。その人たちはもう自分たちは日本人のつもりでおるわけですよね。それで、こっちへ帰ってくると。そうすると、近所の人もみんな、子供のときには「リーベンクイツ」と言って、東洋の鬼だ、やれ、その子供だと言われてさんざんいじめられたけれども、大きくなってきて、日本に帰ると。そうかと言ってみんな近所の人もお祝いして、じゃというのでさようならまでしたと。ところが、本人が死んだらもうその人たちは帰ってこられないというのは、いかに何でも、人間の心というか、情において私は忍びぬと思うんですよね。ですけれども、今法律はそうなっているわけですね。帰れないんでしょう、法律は。
 しかし、法律がそうなっていることについて、これは御感想はいかがですか。官房長官も総務庁長官もどう思われますか。そういうことでほっておいていいというふうなお考えでしょうか。法律がこうなっているからできないことは事実ですよ。しかし、そのことに対して果たしてこれでいいんだろうかという御判断をちょっと聞いておきたいんですがね。
#72
○国務大臣(福田康夫君) 満蒙開拓団の方々が大変中国で御苦労され、そしてまた日本に帰ってこられた方も大勢いらっしゃいます。実は私の郷里にもそういう方々が大勢いらっしゃいます。方々に満蒙開拓団の碑というものが建っていまして、それを私も拝見するたびにそういういろいろな御苦労を思うわけでございます。先生もこの問題に大変真剣にお取り組みになってくださっていることを本当に私も感謝申し上げたい、そういう気持ちでいっぱいでございます。
 今、援護局長から御説明申し上げたんですけれども、この朝日新聞に載っかっている記事に関することにつきましては、局長の御説明申し上げたとおり、制度として現状ではこれは何ともいかないということでございまして、まことにお気の毒と、こういう気持ちでございます。
 そういうことに対してどうするかということになりますけれども、まずこういう事態が発生しないような事前の対策を十分講ずるということは今後大事なのではなかろうか、こう思っております。帰国援護の決定を行う際に、残留邦人本人や同伴帰国者に対して制度の趣旨をまずは御理解いただくということ、PRをするということも必要でしょうし、またそういうことを行政としても努力していかなければいけない、こんなふうにも思っております。
 いずれにしても、政府として、中国残留邦人の円滑な帰国の促進と自立支援、このことについて全力を挙げて今後も取り組んでまいりたい、現在そのように思っておるところでございます。
#73
○国務大臣(続訓弘君) 山本議員の御質問、私は何回も伺いました。そして、伺うたびごとに同世代の者として私も大変涙を禁じ得ない、そういう状況でございます。
 そして、山本議員がずっと長年主張し続けられたことが法律の場ではなくて政治の場で解決したことが幾つかございます。したがいまして、今、総務庁長官という立場を離れて、今まで苦労しておいでになった、そしてまた山本議員が生涯の仕事としてこの問題の解決に情熱を注がれている、そういうことに対しましても、私は政治の場で解決をする必要があるんじゃないか。かつて、従軍慰安婦の問題に対してもそうでありました。
 したがって、これからもぜひそのことを主張し続けられまして、そして私どももそれなりのやはり対応をさせていただく、またすべきだ、こんなふうに感じております。ぜひ御理解を賜りたいと存じます。
#74
○山本正和君 これは厚生省の援護局の対策室から本人あてにも手紙が行っているんですね。知っていますか。行ってましてね、そしてあなた方が、あなた方というのは孤児の家族ですね。あなた方が日本人の子孫として来日を希望する場合は、必ずまず日本の家庭裁判所に対して宋進財の就籍手続、日本戸籍の手続をすることをしなければなりません、どうぞお大事にと。こうしたらまだ来れる可能性はありますよということを一応親切に言ってもらっているんですね。これをやるというのは大変なことなんです。しかし、これをやる手続ぐらいは政府として助けてやることはできるんじゃないだろうかと私は思うんです。現地にも領事館もあることですからね。あそこには、旧満州には。だから、その辺のことまでは何とかできぬだろうかと、こういう思いでいっぱいです。
 ですから、これはもうあとは政府部内でやれる範囲は何かということについて、官房長官からこれはやっぱり、私も自社さ時代に官房長官という仕事はえらいことをやるんだなというのが初めてわかったんだけれども、その辺のことも含めてひとつぜひ何とかいろんな形で知恵を出していただきたいと思います。今、続長官が言われたようなことで、これは私もどうしても法律をしなきゃいけないんなら議員立法でも何でもやらなきゃいけませんし、そうなったら、海老原先生が今、次官ですけれども帰ってこられたらひとつ、超党派の議連をつくるなら先生に知恵をかりたらできるからね、それをやろうと思いますよ。思うけれども、何とか現在の中で政府としてやれることは何かないだろうかと、これに対して。これの指示を官房長官から、政府の立場から厚生省に対しても出していただきたい。
 これだけ私要望いたしまして、時間が余りありません、もし一言あれば、まだ一分ぐらいありそうですから、お願いいたします。
#75
○国務大臣(福田康夫君) それでは、改めてまた検討させていただきます。
#76
○高橋令則君 自由党の高橋でございます。
 最初に、官房長官にお聞きをしたいわけです。官房長官は、当然のことながら総理の補佐として、そしてまた政府をまとめるというふうな極めて重要な仕事をされているわけでございます。そういう意味で、それだけにこの重職に対しましてお祝いを申し上げるというのが、それが筋かと思うんですけれども、前官房長官の更迭といいますか、そう言うのかどうかわかりませんけれども、残念な交代によって就任されたというふうに私は認識をしております。
 その経過については、これは新長官は入ってないわけですから私が申し上げるのは変ですけれども、そうは言ったってこの前官房長官の辞任の問題は政治の中でも大きな問題で今でもあるわけですね。したがって、新官房長官としてはこの前長官のいきさつというんですか、それに対する反省とかそういうことを含んでどういうふうな認識をお持ちであるか、それをまずお聞かせいただきたいと思います。
#77
○国務大臣(福田康夫君) 今回の中川前長官が辞任に至る事態、これは私としても大変大きなことであり、また重大であるという認識を持っております。中川前長官は、御自身にまつわる問題でこれ以上内閣に迷惑をかけたくないと、こういうお考えでもって辞任を決断されたと私は承知いたしておるところでございます。
 私は、実は中川前長官は官房長官としては非常に有能でございまして、また随分仕事もされてこられたというように思っておりますが、内閣として臨時国会において重要法案の審議をお願いし、また内外に迅速かつ適切に処理していかなければならないそういう課題をたくさん抱えている中で、やむを得ないものとして辞任に至ったものであるというふうに理解をいたしておるところでございます。
 私は、中川前長官は衆議院の内閣委員会、これは先ほど申し上げましたけれども、国会の場でもって、そしてまた辞任の記者会見の場におきましても御自身の身の潔白を再三表明しておられるというようなことがございますので、これは前長官が御自身の名誉回復のために調査もされ、とるべき処置もなされると、このように思っております。また、そのように準備をされていらっしゃるということも伺っておるところでございます。
#78
○高橋令則君 これはもう本人のあれだというふうな話もあるんですけれども、マスコミその他いろんなのを見ているとまだ問題が残っていると、それは公的にもそうなんだという言い方があります。個別に言いませんけれども。それは御本人だけの問題ではなくて、官房長官そしてまた内閣としてもやるべきものがあるとすれば早急にやらなければ、政治の道義というかそれを正すために必要ではないかと思うんですが、そういうことについての認識はいかがですか。
#79
○国務大臣(福田康夫君) 私どもは、国会とか国会記者会見とかいうような公の場でもって、これは何もその限られた新聞記者に対してとか、国会議員だけに対してというものでなくて、広く国民にその自分の立場を明らかにした、そういう中でもって御自身の身の潔白を述べられているわけでございますから、これは大変重いものだというふうに受けとめております。
 そういうことでございますので、後はただいまも申しましたように、御自身でどのようにされるかというところを私どもとしては静かに見守っていきたい、それはもうそれほど時間がかかる問題じゃないと思いますので、もうしばし待とう、こういうふうな気持ちでございます。
#80
○高橋令則君 これでとどめさせていただきたいと思いますけれども、御本人になるかどうかわかりませんけれども調査をしていただいて、そしてその経過によってはまた政府になるんですか、官房長官になりますか、そういう検討をする可能性とかそういうことは絶無ではないと、全くないということではないですね。それだけ確認したい。
#81
○国務大臣(福田康夫君) 新しい事実が出てそれが問題になる、例えば法的に、法に抵触するとかいうようなことがあれば、これはまた新しい事態だというように理解しております。
#82
○高橋令則君 その場合は適切に対応していただきたいというふうに思います。
 それからもう一点ですけれども、官房長官、最近のマスコミの多数、ニュースその他で見ておりますと、非常に内閣の支持率が下がっているわけですね。一番低かったのは毎日でしたか、一五%であります。それぞれ聞いておりますけれども、これはやっぱり重要な問題だと思うんですね。したがって、民の信を失ってきているというふうな見方もされるわけですね。歴代の内閣の支持率をずっと見ても、やっぱり心配されるわけですね。
 これでは困るんではないかと思うんですけれども、官房長官の認識とこれに対する対策というか対応についてはどういうふうに考えておられますか。
#83
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘のとおり、今、内閣支持率は非常に低迷をいたしまして、この支持率は世論の動きを示す一つの大きな重大な指標として私どもは真剣に受けとめておるところでございます。この最近の状況というのは謙虚に受けとめていかなければいけない、そういうふうに思っております。ただ、それをじゃどうこうしようと思って何かしてどうなるものではない、要するに小手先を弄して支持率を上げようということでどうにかなるものではないというようにも思っております。
 私どもは、こういう今非常に難問山積の、また動きの速い時代でございますので、そういう我々がなすべき政治課題を一つ一つ着実に進めていくと、それも時間のかからないようにやっていくということが大事なんだろうというふうに思っております。とりあえず経済の回復ということで、補正予算もこれからお願いするというようなことでございますけれども、あとIT戦略というものも推進させていただきたいと思いますし、また社会保障の問題とかまた教育改革ということも大変大きな差し迫った問題であるという、そういう認識をいたしておりますので、そういう課題を一つ一つ解決していくということの中でもって御批判を受ける、また御理解を賜るというようなことでやらせていただきたいと、このように思っております。
 いずれにしても、国家国民のためにやるんだと、この気持ちだけは必ず持っておるつもりでございます。
#84
○高橋令則君 これはどうもそういう言い方をするのはどうかと思うのですが、私は二つあると思うんですね。一つは、やっぱり政策を森総理自身の口できちんと明確にしていただくという、リーダーシップを見える形でおやりになる、それが一つ。もう一つは、大変失礼だけれども、総理のビヘービアというんですか、そういう問題は細かな問題かもしれませんけれども、それがどうも詰まってきているんじゃないかと思うんですね。行き詰まっていると。その部分については、やっぱり相当それを補佐する官房長官の役割が重要ではないかと思うんですね。大きく私はその二つかなというふうに思っておるんですけれども、ぜひとも官房長官には御努力いただきたいと思います。
 もう一つは、総務庁長官に御質問させていただきたいんですけれども、行革ですね。所信でお聞きをいたしました。近くまた大綱をおつくりになるというふうに伺いました。その中で私は、いわゆる官から民へ、それから中央から地方へというのは、まさに行革の要諦だと思うんですね。それはもう我が国がどうするかということのかぎを握っておると思うんです。しかし、その取り組みについてはだんだんに、一生懸命にやっているとは思いますけれども、焦っているというのは変ですけれども、そういう感覚がちょっとあるんですけれどもね。この辺についての認識と取り組みの基本的な考え方をまずお聞きしたい。この二点です。
#85
○国務大臣(続訓弘君) ただいま、森総理が所信に述べられました行政改革大綱についての御質問がございました。
 八月四日に森総理から私どもに御指示がございました。今御質問で御指摘がございましたように、国民のための行政改革を大胆にやるべしと、こういう指示でございました。しかも、具体的には八事項、二十四項目にわたる指示であります。
 そこで、その指示を受けまして政府内部で今議論し、かつ与党とも連携を図りつつ一生懸命汗を流して、森総理の指示は年内に結論を出せと、こういうことでございますので、その指示に従って今作業を進めておるという状況でございます。
#86
○高橋令則君 個別に二点お伺いをしたいわけですが、第一点は規制緩和の問題ですね。
 これについて、私は、膨大なあれがあるものですから個別には言いませんけれども、例えばIT関係に焦点を当てて、そして各省庁全部このITの政策をやるというような形で、頭から下までずっと通すというような形の、大体省庁を中心にやっていくものですから、しかしITの範囲というものはいろんなところに関与するわけですね。それを横に、横という表現は悪いかもしれませんけれども、私の考え方はそういう考え方なんですけれども、横にきちんと各省庁を通してできるような、そういうふうな規制緩和というんですか、見方もあるんではないかという気持ちがあるんですね。
 ばらばらにやっておりますと、個別の規制はそれぞれできても、全体的な事業あるいは政策についてはどこかでとまっちゃうとか不十分だとかいうふうなことがあるわけですので、そういう見方で検討もしていただきたいなという気持ちが第一点あります。
   〔委員長退席、理事千葉景子君着席〕
 それから、地方分権ですけれども、これはもう長官から大変私は御指導いただいた一人でありまして、進行していく中で、私はその中で極めて重要なのは、例えば多選禁止、いわゆる首長の、これはぜひとも必要だと思っているんですよ。新進党時代、長官の御指示によってやった一人であります。御存じのはずです。最近どうもそれがなくなってきているというふうな、項目としてですね、極めて残念だと思っておりますし、多選禁止がなくなるということは、民主主義というんですか地方の民主主義、それからまた地方分権には影響ある重要なことだと思っておるんですけれども、その認識をお聞かせいただきたいと思います。
#87
○国務大臣(続訓弘君) 最初の規制改革に関連をしては、御趣旨を踏まえながら、ただいま宮内委員長のもとで一生懸命議論をしておられる、そして御案内のように三年ごとに計画を出しているということで、特に森総理からは、これからの日本の社会は何といっても規制改革が必要なんだ、これに大胆に取り組めと、こういう御指示もございましたので、その指示に従って今、宮内委員長に一生懸命御努力をいただいていると、こういう状況でございます。そして、近々一応の案が出、そしてまた三月三十一日に改定の作業を公表すると、こういう段取りでございます。
 それともう一つ、地方分権の問題については、今、高橋議員御指摘のように、高橋議員自身も長年地方公共団体にお勤めになって殊のほか関心をお持ちでありました。新進党時代には自治基本法なるものをつくって、我々は大胆な改革案を、いわば具体的な法律をつくった、そういう経緯もございます。その中で、今御指摘のように、多選禁止といいますか、都道府県知事においては三選までという、そういう画期的な法律もつくりました。
 今、その問題を含めまして与党で活発な議論をして、我々がつくったときには三百の地方公共団体を想定しておりましたけれども、今、与党で議論しておられるのは千を議題にし、そしてまた、私どもが一生懸命関心を持ち続けていました財源配分につきましても、これまた何としても地方公共団体が単独で経営できるようにという趣旨で、今そのことについても議論をしていただいております。
 いずれにいたしましても、今御指摘ございましたような、地方分権はだれのためにあるのかという趣旨で議論をさせていただいて、近々大綱の中に公表させていただくと、こういう段取りになるかと存じます。
#88
○高橋令則君 終わります。
   〔理事千葉景子君退席、委員長着席〕
#89
○風間昶君 公明党の風間です。
 まず一点目に、政府・与党が八月の連絡会議で、規制緩和策として既に閣議決定しました酒販小売の件でありますけれども、九月から実施予定だったこの距離基準廃止を来年一月一日まで延期することを了承しましたけれども、これに対して規制改革委員長の宮内オリックス会長、委員長が、延期を決めたことは遺憾だと、延期の再延長はないことは当然として、今回の措置がほかの分野の規制改革に影響しないよう政府に強く求めたいというふうに談話を発表されて、与党にとっては厳しいおしかりを受けたわけであります。ところが、最近またぞろ、きのうの新聞にも出ていますけれども、再延長を認めるべし、あり得べしというのが出ております。
 確かに、中小の酒屋さん、経営が非常に厳しくて過当競争を招くおそれも全くないとは言えないし、また青少年に対する酒類販売の禁止を実効あらしめる法律や、あるいは酒税法の改正も絡んでくるわけですけれども、しかしこんなことは当然距離基準廃止の時期を策定したときからわかっていたことであって、再延長を正当化するにはちょっと僕は弱いんではないかというふうに思うわけであります。
 私自身は、宮内委員長の言うように再延長はあってはならないものと考えていますが、総務庁においても、いわゆる未成年者へのお酒の販売禁止、あるいはその不当廉売についても年末までに粛々と準備を進められておると思いますけれども、これに対する大臣の考えというか、姿勢をお伺いしたいと思います。
#90
○国務大臣(続訓弘君) ただいま御心配の件、感謝申し上げます。
 八月の二十九日だったと存じますけれども、与党連絡会議の中でこの問題は議論をいたしました。
 今、御指摘のように、政府が取り組むべき課題、そしてまた党が取り組むべき課題等々に仕分けをしまして、そしてそれを実行し、そしてその上で再延長はあり得ないということで実は協議が調ったわけでございますので、今御心配のような事態にはならない、なってはならない、このように考えております。そしてまた、今、不当廉売のことにつきましても、公取がちゃんとした結論を出しましたし、また青少年をむしばむ酒の販売規制につきましても与党で法案を準備しておられます。
 そういう意味では、すべて八月二十九日の与党協議の実効は担保されたと、このように私は考えております。
#91
○風間昶君 もう一点、規制改革の問題で、孫正義ソフトバンク社長が、先月の十三日ですけれども、政府の規制改革委員会が開いた公開討論会の場で、日本の通信インフラ整備が世界におくれた最大の理由は、NTTという独占企業が通信インフラを支配してきたからだというふうにおっしゃったわけですね。
 また、先ごろのIT戦略会議においても、電気通信事業者が線路を敷設する場合においてNTTや電力会社に電柱の開放を義務づける旨の意見表明もあったように聞いています。私たちも、党としても引き続き通信料金の値下げや大容量通信手段の整備がこの規制緩和の中で最も重要な課題であろうという認識を持っていまして、そういう意味でNTT法の改正も今視野に入れているところですけれども、こういった電気通信事業者のネットワークにおける競争条件も含めて、規制改革委員会としてはどういう取り組みをしていくのか、簡単に伺いたいと思います。
#92
○政府参考人(坂野泰治君) 御指摘の電気通信分野に関する委員会の取り組みでございますが、本年度の委員会の重点項目の一つとしてこの分野を取り上げてございまして、ことし七月に行いました論点公開におきましては、ただいま御指摘の通信事業者のネットワークにおける競争条件の整備、あるいは周波数の割り当てルール、あるいは通信と放送の融合などの問題について幅広く論点を提起いたしまして、関係省庁あるいは関係専門家からのヒアリングや討議を現在重ねておるところでございます。
 また、この委員会の委員長でございます宮内さんは、今御指摘のIT戦略会議のメンバーとして参加もされておられまして、IT戦略会議での問題提起は逐次この規制改革委員会の審議に反映をされつつございます。
 今後、委員会としては、電気通信分野におけます公正競争条件の整備、あるいは今御指摘の線路敷設の円滑化など、アクセス網における実質競争の促進、さらには通信と放送の融合に対応した設備の整備などを中心としてさらに検討を行い、この十二月を目途に最終見解を取りまとめる予定と承知をいたしております。
#93
○風間昶君 行政監察について伺いたいと思いますけれども、先ごろ特殊法人に関する調査結果報告書が発表されて、日本育英会の財務状況について報告、勧告されました。
 それによると、奨学金の貸付額は全体としては伸びているんだけれども、当年度分の回収率もまた高いんだけれども、滞納分の回収が極めて低下していると。こういう調査に基づく業務の改善が求められるわけだけれども、育英会の方の関係で文部省なのできょうは呼んでいないんですが、一般的に、そういった総務庁が勧告する場合の実効性の確保、勧告だけはだれでもできるんです、私だってできるわけですから。その実効性の確保やその後のフォローアップについて、どういう仕組みや姿勢で行っていくのかというのがまさに総務庁の行政監察の最大限の役割だと思うんだけれども、そこはどうでしょうか。
#94
○政府参考人(塚本壽雄君) ただいま、日本育英会の財務調査結果を例に挙げてのお尋ねがございました。
 こうした行政監察結果の勧告についてでございますけれども、まず制度的に、私ども総務庁設置法におきまして、長官は、「関係行政機関の長に対し勧告をしたときは、当該行政機関の長に対し、その勧告に基づいて執つた措置について報告を求めることができる。」、こういう規定がございます。これに基づきまして、私ども勧告に当たりましては、関係行政機関に対しましてこの勧告に回答期限を付しまして改善措置状況の報告を求めておるところでございます。
 具体的やり方でございますが、一般的には勧告から六カ月後、それからさらに、それより一年たちました都合一年六カ月後、この二回にわたりまして報告をとっております。これらによりまして勧告の指摘事項の実現を図りまして、また勧告の実効性を確保しているということでございます。
 なお、必要に応じまして、さらに一定期間経過いたしました後に、関係行政機関がとった改善措置の現場段階、この浸透状況について再度監察を行うということもございます。
 このようなことで改善の徹底を図る、実効性の確保を図るということを行っている次第でございます。
#95
○風間昶君 必要に応じて現場段階でフォローアップしたのは過去どのぐらいあるんですか。
#96
○政府参考人(塚本壽雄君) 手元に過去の例全部を持っておりませんけれども、最近の事例といたしましては、例えば、過去話題になりました社会福祉法人の経営に関する問題がございました。こういうものにつきましても、その以前に勧告を行っておりましたことも含め、この現場の徹底状況の監察を、再監察と申しましたけれども、いたした例がございます。
#97
○風間昶君 わかりました。
 次に、総務庁の政策評価制度の法制化に関する研究会、先般第六回会合が開かれたようでありますけれども、この会合では、来年一月の中央省庁再編に伴って導入される政策評価制度の法制化に向けてさまざまな問題点が指摘されたようであります。その対象範囲だとか、あるいは評価結果の政策への反映をどうするか、あるいは地方分権との関係、あるいは段階的に実施していく上で二つ三つのやり方が必要だということなども指摘されたようであります。
 来年の通常国会にこの政策評価法案の提出を目指していらっしゃるというふうに大臣は、そのように報道もされておりますし、またその決意も何かの機会で伺ったことがあるわけでありますけれども、行政評価をするシステムの実施に向けてどのような決意を現時点で、また来年の一月以降どういうふうに進めていかれるのか、大臣の姿勢、決意を伺いたいと思います。
#98
○国務大臣(続訓弘君) 行政評価法の法制化につきましてはかねがね議会等から御注文をいただいております。そこで、総理は所信表明の中で国民の皆様にお約束申し上げました。「来年一月に導入される政策評価制度を円滑に実施するとともに、その法制化も、次期通常国会への法案提出を目指し、検討を進めてまいります。」、これが総理の国民の皆様への約束でございます。
 ただいま検討委員会で種々議論をしていただいておりますけれども、この議論を踏まえながらこの法制化について、来年の通常国会を目指してちゃんと提案できるように努力をさせていただきたい、このように考えております。
#99
○風間昶君 終わります。
#100
○委員長(岡崎トミ子君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#101
○委員長(岡崎トミ子君) 次に、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。続総務庁長官。
#102
○国務大臣(続訓弘君) ただいま議題となりました一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、人事院の国会及び内閣に対する平成十二年八月十五日付の意見の申し出にかんがみ、専門的な知識経験またはすぐれた識見を有する者の採用の一層の円滑化を図るため、一般職の職員について、任期を定めた採用及び任期を定めて採用された職員の給与の特例を定めるものであります。
 この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、任命権者は、高度の専門的な知識経験またはすぐれた識見を有する者をその者が有する当該高度の専門的な知識経験またはすぐれた識見を一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事させる場合及び専門的な知識経験を有する者を当該専門的な知識経験が必要とされる業務に従事させる場合において当該者を当該業務に期間を限って従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要であるときは、人事院の承認を得て、五年を超えない範囲内で任期を定めて職員を採用することができることといたしております。
 第二に、任期を定めて採用された職員のうち、高度の専門的な知識経験またはすぐれた識見を有する者をその者が有する当該高度の専門的な知識経験またはすぐれた識見を一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事する職員には、特別の俸給表を適用することとし、特別の事情によりこの俸給表によりがたいときには、人事院の承認を得て、一般職の職員の給与に関する法律に定める指定職俸給表十二号俸の額に相当する額を上限としてその俸給月額を定めることができることといたしております。また、特に顕著な業績を上げたと認められる職員には、その俸給月額に相当する額を特定任期付職員業績手当として支給できることとしております。
 以上のほか、関係法律について所要の改正を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#103
○委員長(岡崎トミ子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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