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2000/11/01 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 本会議 第5号
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2000/11/01 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 本会議 第5号

#1
第150回国会 本会議 第5号
平成十二年十一月一日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第五号
  平成十二年十一月一日
   午前十時開議
 第一 租税特別措置法の一部を改正する法律案
  (衆議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 一、議員岡利定君逝去につき哀悼の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員、裁判官訴追委員
  及び同予備員辞任の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員等各種委員の選挙
 一、国家公務員等の任命に関する件
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第五番、選挙区選出議員、滋賀県選出、山下英利君。
   〔山下英利君起立、拍手〕
#4
○議長(井上裕君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、山下英利君を地方行政・警察委員に指名いたします。
     ─────・─────
#5
○議長(井上裕君) 議員岡利定君は、去る十月二日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。
 弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされました 議員従四位勲三等岡利定君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
    ─────────────
#7
○議長(井上裕君) 伊藤基隆君から発言を求められております。この際、発言を許します。伊藤基隆君。
   〔伊藤基隆君登壇〕
#8
○伊藤基隆君 本院議員岡利定君は、去る十月二日、肝不全のため東京逓信病院で逝去されました。
 岡利定君は、その全生涯を郵政行政の発展と国民生活の利便の向上に尽くされ、二十一世紀にはこの情報通信サービス分野が日本の産業の中心となることが確実視される中、時代の動きに合わせて今後の郵政行政の改革に情熱を持って取り組んでおられたやさきに、志半ばにして倒れられたことは、まことに痛惜の念にたえません。
 私は、ここに皆様の御同意をいただき、議員一同を代表して、従四位勲三等故岡利定君の御生前をしのび、謹んで哀悼の言葉をささげたいと存じます。
 岡さんは、昭和九年五月十日、和歌山県那賀郡那賀町で二人兄弟の長男としてお生まれになりました。那賀町は、紀ノ川の中流に位置し、江戸時代の医師、華岡青洲の出身地として知られております。
 周りはミカン畑などののどかな田園風景が広がり、御両親はそこでレコードや蓄音機、ラジオなどを販売する電器店を営んでおられたことから、少年時代は「ラジオ屋のトッちゃん」と呼ばれておりました。
 日本が第二次世界大戦に突入した年に国民学校に入学し、遊びといえば兵隊ごっこ、紀ノ川で泳いでいるときに米軍機から機銃掃射を受け、また空襲で大阪市や和歌山市の上空が赤くなったのを見られたそうです。
 国民学校五年生のときに終戦を迎え、それまで信じていた価値観が一夜にして百八十度変わったことから、「私には、世の中には絶対的なものは存在しないという意識がある。これは終戦体験の結果であり、こうした体験を持った昭和ひとケタ生まれの特徴」と御自身の著書「二十一世紀への提言」の中で述べられております。
 戦後の復興期とともに、地元の新制中学、隣町の県立粉河高等学校を経て東京大学法学部に進学された岡さんは、昭和三十四年の卒業とともに郷里に戻り家業を継がれました。
 この年は、皇太子御成婚による折からのテレビブームとなり、経営の傍ら、屋根に上ってテレビのアンテナを立てる毎日を送られましたが、思うところあって、国家公務員上級職試験を受験され合格。郵政省の面接試験には、伊勢湾台風で倒れたアンテナの修理のため真っ黒に日焼けされた顔で駆けつけたとお聞きしました。
 昭和三十七年に郵政省に入省されると、岡さんは、大臣官房文書課に配属され、新設の宇宙通信連絡室兼務となり、東京オリンピックを直前に控えた通信衛星による宇宙中継に取り組まれました。日米間の初めてのテレビ中継にケネディ大統領暗殺のニュースが飛び込み、衝撃的な映像を目の当たりにして、新しい技術の時代の幕あけを人々に強く印象づけたのでした。衛星テレビ中継の成功は「ラジオ屋のトッちゃん」面目躍如の場面となったのであります。
 岡さんは、主に郵政省で人事労務、電気通信畑を歩まれ、退官されるまで二十八年間を過ごされました。この間、地方の民放テレビ局やFM放送の開局、ケーブルテレビ普及のための施策を推進し、未来型コミュニケーションモデル都市構想、いわゆるテレトピアをまとめられました。さらに、北海道郵政局長を経て大臣官房審議官として活躍されましたが、岡さんの周りにはその人柄からいつも多くの人たちが集まり、談論風発の光景が見られ、夜ごと郵政省の中に通称「岡バー」が開店したとも伝えられています。
 人生の回り道が人柄に膨らみとやわらかさをもたらし、商売の御苦労で人とつき合うコツを会得された岡さんは、平成四年に参議院比例代表に立候補され初当選。その後八年四カ月、参議院議員として職務を全うされたのであります。
 議員となられた岡さんは、逓信委員会、財政・金融委員会、総務委員会などに所属され、専門の郵政行政ばかりではなく、ライフワークである少子高齢化社会対策など、我が国の将来の課題について真剣な議論を展開されたのです。
 平成八年に岡さんは、第二次橋本内閣の科学技術政務次官に就任されますが、在任中に動燃東海村の核燃料再処理施設で火災爆発事故が発生すると、直ちに現場に赴き陣頭指揮に当たり、事故原因の究明と安全性の再点検を命じました。電器店の経営者時代と同じく現場を踏む姿勢を大事にして、原子力行政の信頼回復に尽くされたのです。
 このころ、郵政事業の経営形態が盛んに議論され、一見派手な郵政民営化論が注目を集めました。専門家であり郵政事業懇話会事務局長の職にあった岡さんは、「郵政事業に税金が使われている」などの誤解に基づいた議論があっても、「誤解する方が悪いのではない。郵政事業について十分に説明してこなかった自分たちの方に問題があったのだ」と言って、意見を異にする相手の説得に当たられたのです。
 そして、郵政事業は来年の中央省庁再編、さらに三年後には国営の公社設立により再出発しますが、二十一世紀に向け、郵便局を全国津々浦々に広がる国民に身近なネットワークとして活用を図ることにより、一層国民のニーズに的確にこたえ、地域の発展に貢献させていくという、岡さんの念願されていた方向に歩み出そうとしています。
 岡さんの好きな言葉は、和歌山県の「和」でした。「和」という字を見ていると何となく落ちつくと語られていたとおり、和を大切に人と接し、和の政治を目指してこられました。専門知識を持ち、人生の苦労を知った上で「和」を座右の銘とし、楽しく議論を行い、必要な改革には情熱を持って取り組む男。これが良識の府参議院の議員として、あるべき政治家、岡利定氏の姿だったのであります。
 最後に、個人的な思い出を申し述べさせていただきます。
 私がまだ四十代の労働組合の役員で、岡さんが北海道郵政局長のころからのおつき合いですが、郵政省の労使関係でも国会の会派でも異なる立場にありながら、新しい時代の郵政事業のあり方は共通の課題であり、大いに議論もさせていただきました。時にはカラオケで岡さんのちょっとしゃれた歌もお聞きしたものです。
 ことしの二月ごろ、早朝に岡さんが奥さんを伴ってウオーキングに出かける姿を見かけました。私は、「六十を過ぎたら細心の注意を払って、朝はコップ一杯の水を飲んでから始めないといけませんよ」と申し上げたところ、後日、「伊藤さん、あれから必ず水を飲んでから歩いているよ」と笑顔で言われました。
 しばらくして、岡さんが体調を崩されたとのお話を伺いましたが、思えばあのころから体の変調に気づき、体力をつけようとされていたのでしょうか。私が八月に参議院財政・金融委員長に就任した際にお祝いをいただきましたが、岡さんが病床から「がんばれよ」と送られたメッセージに、快方に向かわれたものと思い、うれしさとともにほっとしたものです。
 岡さんは、「引退したら手品を習いたい」と言っておられました。人間関係をより豊かにするために、「和」を追求する技術をさらに磨こうとされていたように思えるのです。岡さんが手品を勉強する時間をとうとう持つことができなかったことは残念でなりません。
 岡さんは万人が認める良き人でありました。
 ここに謹んで、御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げ、故人の御冥福をお祈りし、お別れの言葉といたします。
     ─────・─────
#9
○議長(井上裕君) この際、お諮りいたします。
 岡野裕君及び白浜一良君から裁判官弾劾裁判所裁判員を、太田豊秋君、加藤紀文君及び服部三男雄君から裁判官訴追委員を、市川一朗君から同予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#11
○議長(井上裕君) この際、欠員となりました
 裁判官弾劾裁判所裁判員二名、
 裁判官訴追委員三名、同予備員一名、またあわせて
 検察官適格審査会委員、同予備委員各一名、
 国土審議会委員二名の選挙
を行います。
 つきましては、これら各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、これを議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 裁判官弾劾裁判所裁判員に上杉光弘君及び森本晃司君を、
 裁判官訴追委員に河本英典君、野間赳君及び矢野哲朗君を、
 同予備員に鈴木政二君を、
 検察官適格審査会委員に藁科滿治君を、
 同君の予備委員に谷本巍君を、
 国土審議会委員に陣内孝雄君及び風間昶君を、
それぞれ指名いたします。
 なお、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、鈴木政二君を第一順位といたします。
     ─────・─────
#13
○議長(井上裕君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、
 人事官に佐藤壮郎君を、
 公安審査委員会委員長に藤田耕三君を、同委員に木村治美君、西室泰三君及び波多野敬雄君を、
 電波監理審議会委員に濱田純一君を、
 また、中央労働委員会委員に磯部力君、今野浩一郎君、岡部晃三君、落合誠一君、小野旭君、菊池信男君、菅野和夫君、諏訪康雄君、曽田多賀君、西田典之君、山口浩一郎君、横溝正子君及び若林之矩君を
任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 これより採決をいたします。
 まず、人事官、電波監理審議会委員並びに中央労働委員会委員のうち磯部力君、今野浩一郎君、落合誠一君、小野旭君、菊池信男君、菅野和夫君、曽田多賀君、西田典之君及び横溝正子君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#14
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#15
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            二百三十  
  反対               一  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#16
○議長(井上裕君) 次に、公安審査委員会委員長、同委員のうち西室泰三君及び波多野敬雄君並びに中央労働委員会委員のうち諏訪康雄君及び山口浩一郎君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#17
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#18
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成             二百八  
  反対             二十四  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#19
○議長(井上裕君) 次に、公安審査委員会委員のうち木村治美君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#20
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#21
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            百九十六  
  反対             三十五  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#22
○議長(井上裕君) 次に、中央労働委員会委員のうち岡部晃三君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#23
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#24
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成            二百三十  
  反対               二  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#25
○議長(井上裕君) 次に、中央労働委員会委員のうち若林之矩君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#26
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#27
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            百九十五  
  反対             三十六  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#28
○議長(井上裕君) 日程第一 租税特別措置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政・金融委員長伊藤基隆君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔伊藤基隆君登壇、拍手〕
#29
○伊藤基隆君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院大蔵委員長提出によるものでありまして、政治活動に関する個人の寄附を引き続き促進するため、税制上の優遇措置の期限を延長するものであります。
 委員会におきましては、提出者衆議院大蔵委員長萩山教嚴君より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
     ─────────────
#30
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#31
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#32
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百三十四  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#33
○議長(井上裕君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時二十八分散会
     ─────・─────

ソース: 国立国会図書館
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