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2000/11/17 第150回国会 参議院 参議院会議録情報 第150回国会 本会議 第11号
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2000/11/17 第150回国会 参議院

参議院会議録情報 第150回国会 本会議 第11号

#1
第150回国会 本会議 第11号
平成十二年十一月十七日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十一号
  平成十二年十一月十七日
   午前十時開議
 第一 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協
  力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び
  区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位
  に関する協定第二十四条についての新たな特
  別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国と
  の間の協定の締結について承認を求めるの件
  (衆議院送付)
 第二 書面の交付等に関する情報通信の技術の
  利用のための関係法律の整備に関する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第三 公共工事の入札及び契約の適正化の促進
  に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、農地法の一部を改正する法律案(趣旨説明
  )
 一、ヒトに関するクローン技術等の規制に関す
  る法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(井上裕君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 農地法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。谷農林水産大臣。
   〔国務大臣谷洋一君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(谷洋一君) 農地法の一部改正に当たりまして、同法案の趣旨について御説明申し上げます。
 新しい農業基本法ができ、そして足腰の強い農家経営を育成するためには地域の農業の振興が最も必要であります。そのためには、農家経営を法人化することが最も緊要かと考えます。
 これらの問題について農地法の改正をするものであります。
 衆議院におきましては、その一部改正をすることに同意していただきました。
 また、議運の御了解をいただきまして、その内容につきましては、石破総括政務次官から説明をさせていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
#6
○議長(井上裕君) 石破農林水産政務次官。
   〔政務次官石破茂君登壇、拍手〕
#7
○政務次官(石破茂君) 農地法の一部を改正する法律案の趣旨につき、大臣にかわる事情につきまして議院運営委員会の御理解をいただき、私からその詳細を御説明申し上げます。
 効率的かつ安定的な農業経営を育成し、地域農業の活性化を図りますためには、農業経営の法人化の推進が重要になっております。
 このため、農業生産法人の要件を見直し、経営形態の選択肢の拡大や経営の多角化等を進めますとともに、あわせて、農地の投機的取得等の懸念を払拭する必要があります。
 また、地域の実情に応じた農地の権利移動が行われるよう措置する等の必要があります。
 これらの内容を実施するため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明を申し上げます。
 第一に、農業生産法人の要件の見直しであります。
 農業生産法人について、一定の条件のもとに株式会社を認めるとともに、事業範囲の拡大等の措置を講ずることといたしております。
 第二に、農業生産法人の要件適合性を担保するための措置であります。
 農業生産法人が、毎年、事業の状況等を農業委員会に報告することを義務づける等の規定を設けることといたしております。
 第三に、農地の権利移動許可の要件の弾力化であります。
 農地の権利移動許可の要件となっている下限面積につきまして、都道府県知事が独自の面積を定める際の農林水産大臣の承認を廃止することといたしております。
 このほか、小作料の支払い形態の自由化等を行うこととしております。
 なお、農地法の一部を改正する法律案は衆議院におきまして一部修正されておりますが、その概要は次のとおりであります。
 政府は、この法律の施行後五年を目途として、農業の多様な担い手及び優良な農地の確保のための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることであります。
 以上、農地法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。小川勝也君。
   〔小川勝也君登壇、拍手〕
#9
○小川勝也君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま趣旨説明のありました農地法の一部を改正する法律案に対しまして、農林水産大臣及び関係大臣に質問いたします。
 さて、このたびの一部改正は、離農者、耕作放棄地の増加に歯どめがかからない中で、農業参入や農業経営のあり方への多様なニーズに対応しようとしながら、新しい農基法に盛り込まれた自給率の増大に向かおうとするものであり、一応の評価はできます。しかしながら、この農地法や農業を取り巻くさまざまな問題を含め議論しなければなりません。
 皆様御承知のとおり、二十一世紀は飢餓の世紀と呼ばれています。爆発する世界の人口と地球上で生産することができる限りある食料、そんな中ですべての国が、その国で生産でき得る限界までの食料を生産しなければならない時期が必ずやってきます。世界には耕作に適さない地域がたくさんあります。私たちの国日本は、狭い島国とはいえ、まさに農業にとっては魅力的な大地であります。農地は原則的にはしっかり守っていくべきでありましょう。その日本の農業が、農地が大変な状況にあります。まず、このことを御認識いただかなければなりません。
 新規就農者を募るのも、農業者が生産法人や株式会社をつくるのも結構であります。しかし今、やる気のある農業後継者を含め多くの専業農業者が農業をあきらめようとしております。昭和三十五年、全国で六百万戸あった農家戸数は現在およそ半分になり、中でも専業農家は二百万戸から四十二万戸まで減少しております。効率的に農業経営をするためにはある程度の耕作面積が必要であり、その意味では政策的誘導がうまくいったのかもしれません。
 しかし、現在の専業農家地域は危機的状況であります。代表的専業地域である北海道では、その雄大な特色から大規模経営を志向するよう農水省から直接、間接指導を受けてまいりました。規模拡大を積極的に目指し、あるいは近隣の離農地をコミュニティーを維持するために資金的にきついのを承知で泣く泣く引き受けた例もあるでしょう。農地を買うために借金、それに見合う農業機械購入で借金、土地改良負担金でまた借金、そのあげくに、米価の暴落、農産物価格の低迷です。昭和の時代には、昭和七十年代には米価が二万円を超えるだろうと言われ、それを信じ込まされ、規模拡大に向かわされた人たちもたくさんいます。
 現状の米価を初めとする農産物価格では多くの負債は減っていきません。減らない大きな負債とは反対に、将来が見えない不安から農業者の農業経営に対する意欲がどんどん低下していくのが目に浮かんでまいります。後継者がいない農家はいつかは農業が維持できなくなります。後継者でさえ離農を考えなければならない今、農地の引き受け手はほとんど見つからないでありましょう。離農したくても、農地が売れなければ負債の整理ができないので離農もできないという皮肉な、余りにもむごい現状と言わざるを得ません。
 精魂込めてはぐくんできた農家にとって魂と言っても過言ではない農地を手放す人に対して、あなたの土地は売れません、あなたの農地は一反幾ら幾らでもだれも買いません、そんな会話が交わされていることでありましょう。農業委員の方々もほとほと困っています。
 このたびの改正で若干のニーズが生ずることは認めますが、本質的な農地問題、特に専業地域の大きな問題には何の方向性も示されておりません。農林水産大臣の御認識をお伺いいたします。
 専業農業地域の悲惨な状況の一端を御報告させていただきましたが、それほど我が国は農業をないがしろにしてきたでありましょうか。戦後の食料増産、農地解放から始まって、現在の農水省予算三兆数千億円、六兆円を超えるウルグアイ・ラウンド対策費、逆に都市住民からは恨みが聞こえるような額であります。でありながら、農業者が悲鳴を上げている現状を見ると、予算の使い方がおかしかったと考えるべきではないでしょうか。
 農業は、今や内政でありながら国際化の波にさらされています。米余りの中でもミニマムアクセス米を輸入しなければなりません。WTOの交渉も非常に厳しい状況であります。身近な野菜までもが外国産表示がしてある。何しろ我が国農業は、世界一高い農地で、世界一高い労働力で、世界一高い諸物価の中で農業生産を行わなければならない。我が国農業は、それでもなお世界の農産物と戦っていかなければならないのであります。その場しのぎの政策の連続では、農業者の将来に対する不安が払拭できないのも無理はありません。
 そこで、私は、欧米の国々で実施されている、通称緑の政策と呼ばれている直接支払い制度を農業政策の中心にすべきと考えます。農地の持つ多面的な機能については、森林の持つそれとともに、ここで多くの説明を加える必要はないでしょう。
 我が党は、森林を中心とした緑のダム構想とともに、我が国に適した直接支払い制度を検討しております。少しでも将来が見える制度の方が営農しやすいという理由はもちろんのこと、何よりも透明でわかりやすい制度の方が納税者たる国民の理解を得られやすいと考えます。現在の農業予算の使われ方については、とても納税者に説明できるものではありませんし、数多くの補助金メニューに至っては、我々でも到底理解できませんし、ましてや補助金を受ける側でさえ複雑でわからない現状ではないでしょうか。
 ダム、干拓、大規模林道についてはきょうは触れませんので、直接支払い型導入を前提とした農業予算の改革に対する農水省及び農水大臣のお考えをお示しください。
 農地法は農地の転用を厳しく規制する法律としてスタートいたしました。農振法の運用と相まって、現在でもその精神は変わっていないはずであります。
 しかし、農地面積は激しく減少しました。昭和三十六年、旧農基法が制定された年ですが、六百九万ヘクタールあった農地は、平成十二年、四百八十三万ヘクタールにまで減少しているのです。厳しい法の精神とは裏腹にあいまいな運用と抜け道があったと言わざるを得ません。農地法の持つ、優良農地の転用を制限するという最大の目的を果たしているとは言い切れないでしょう。
 また、農水省自身も、昭和五十年に始まった農用地利用促進事業に見られるように、自作農主義から耕作者主義への転換を打ち出し、賃借権や利用権の設定による規模拡大路線を明確に打ち出してきました。しかも、その政策は、農地法の中の例外規定を根拠にするという極めていびつな形で運用されてきたのです。一部の改正を続けている限界がここにも見えます。
 都市計画法との関係においてはさらに複雑です。
 さきにも述べたように、我が国の農地転用規制は、農地法と農振法という農業分野の法律が制度上大きな役割を占めています。その一方で、都市計画法では、市街化区域と市街化調整区域の線引きを行い、市街化区域の農地については転用規制が全くなく、市街化調整区域も将来の宅地化予備地として位置づけられ、五年ごとの見直しにより実質的な市街化区域への段階的編入が進められてまいりました。また、市街化調整区域においては、一定規模以上の開発であれば開発が許可されてきたように、大規模開発プロジェクトの前にはほとんど無力の状態であります。
 このように、農地法、農振法といった農業関係法と都市計画法の双方が優良農地を奪い合い、その結果として今日の農地の著しい減少につながってまいりました。食料の自給率が四〇%にまで落ち込んでいる現在、食料・農業・農村基本法の理念にもある国内農業生産の増大とそのための農地の確保は、これからの我が国農政の重要な使命であります。しかし、この使命を果たしていくには、現在のようなばらばらの土地利用法制のままでは実効性が上がるとは到底思えません。
 この際、我が国の土地利用計画について時間をかけて見直してみてはいかがでしょうか。農地法や農振法、都市計画法など土地利用にかかわる法制度全般について広く検討を行い、その一元的法整備を目指すべきだと考えます。農水大臣、建設大臣の見解を伺います。
 二十一世紀という言葉を好んで使うようになってしばらくがたちました。その二十一世紀はあと一カ月と少しでやってきてしまいます。そのことを考えると、私たちは、二十世紀中に解決しなければならなかった多くの課題を二十一世紀に持っていかざるを得ない事実を反省を込めながら厳粛に受けとめなければなりません。巨額の赤字を抱えた財政の問題はもとより、農業、食料そして農地をめぐる問題もその大きな一つであることを指摘して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣谷洋一君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(谷洋一君) ただいま三点の質問があったかと思います。
 その第一点は、専業農家が大変苦しんでいらっしゃるというお話がございました。
 私は、これからの農業は専業農家を中心とする農業形態でなければ、なかなか兼業農家では自給率の向上が図れないと思っております。しかしながら、先ほど来お話がございましたように、現在の専業農家もなかなか苦しい立場でございまして、一朝一夕では専業農家として夢と希望を持っての農業経営ということをしていただくことができないというのが今の実態であります。
 そこで、農林省としましては、長期金融の貸し付け等々の問題を初め、規模の問題あるいは経営の問題等々に立ち入っていろいろと御相談にあずかり、そしてそのお一人お一人の専業農家の方々の意向を打診しながら積極的に立ち上がっていただきますようにお願い申し上げております。
 専業農家と申し上げましても、北海道から沖縄まで考えてみますと、まさに北海道は専業農家の中心地帯と言わなければならないほど近年すばらしい専業農家がふえつつございます。そういう点を考えてみますと、北海道であればこそ専業農家が生きていけるんだと、こういうところまで力強く活力のある姿で専業農家を育てていきたい、こういう考え方のもとに取り組んでおりますし、今後もこの取り組み方を積極的にやり、後継者を育成するところまでやっていただければ大変ありがたいと考えております。
 第二の問題は、予算の問題であります。
 我が国の国家予算も大変厳しい状態であることは十分判断しておりますものの、しかしながら、この第一次産業と言われる農、林、水ともに厳しい立場に追い込まれておりまして、これからの農、林、水の第一次産業というものをどういう形で解決していくかということが大変至難な問題でございましょう。
 しかしながら、外圧がありましても、これを何としてでもはねのけて、そして活力ある農業の姿を取り戻したい、それが我々農林水産省の考えであります。しかしながら、これは一朝一夕ではなかなか思うようにいかないというのが現実の姿でございますので、鋭意努力に努力を重ねてこの達成をしていきたいと考えております。
 そういうことでございますので、予算につきましては平成十二年度から中山間地域の問題を取り上げておりますけれども、これは国土保全の立場に立ってやろうということでございます。
 もともと、農地、水田というものは緑のダムと称されますように、やはり国土保全のためには何といっても必要なところでございますし、また水資源の涵養あるいは環境の保全等々を考えますと、山林はもちろんのこと、農地につきましても大変大きな使命を持っております。そのためには、中山間地域の皆さん方に活力を与えたいということで、そういう国土保全のための施策を講じたわけでございます。
 こういう問題は、今公共事業が云々されておりますけれども、やはりこれだけの経済大国になった日本の姿から見ると、農村も山村も都市も同じように恩恵を受けたいという考え方がございましょう。その意味におきまして、集落排水であるとか下水道であるとか、適宜山村、農村におきましてもこれらの施策をすると同時に、また都市の住民の方々に山村に交流していただいて、都市と農村の交流を図っていく、こういうことも大きな使命かと思います。
 そのためには、農家の方々が山村に住めどもやっぱり力強く頑張っていただきたい、そういう思いがしておりまして、それを、農林水産省の予算において適宜この問題を振興させていくということが我々の使命かと考えております。
 最後に、土地利用の関係についてお話がございました。
 私ども農林水産省の立場から言いますならば、都市であろうと農村であろうと、ともかく都市計画法にのっとるところでございましても優良農地を確保するということが食料の自給率を高める原点でございますから、その意味におきまして、何としてでも優良農地の確保をすることに最大の問題があると思います。今回、衆議院におきまして修正をしていただきましたけれども、その問題にいたしましてもこの問題と密着な関係がございます。
 どうか、その点を十分勘案いただきまして、参議院におかれましても、衆議院の修正を含めて十二分の御審議を賜りますことをお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(扇千景君) 小川議員から都市計画法と農地法との一元化についてのお尋ねがございました。
 都市計画は、その基本理念として農林漁業との健全な調和を図ることを挙げておりますし、また運用面においても、この理念を受けて、農地の一方的な宅地への利用転換を誘導することではなく、優良な農地の保全には意を用いて今までやってまいっております。
 現在の制度では、国土利用計画法のもと、都市計画法、農地法の個別法がその目的に従って必要な規制を行っておりますので、これらを一元化することに関しましては、今後、慎重に検討していきたいと思っております。(拍手)
#12
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#13
○議長(井上裕君) この際、日程に追加して、
 ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(井上裕君) 御異議ないと認めます。国務大臣大島科学技術庁長官。
   〔国務大臣大島理森君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(大島理森君) ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 近年の生命に関する科学技術の著しい発展に伴い、生命科学をどこまで人間に適用することが許されるのかという新たな問題が生じています。平成九年二月、英国において、哺乳類で初めて羊の成体の体細胞の核移植により、クローン羊が誕生いたしましたとの発表がありました。これにより、人についても、成体の体細胞の核移植によるクローン個体を誕生させること、すなわち人に対するクローン技術の適用が現実の問題として懸念されることとなり、同年六月のデンバー・サミットにおきまして、これを禁止するとの首脳宣言が採択されました。
 このような動きを受けて、我が国においては、同年九月、総理の指示により科学技術会議に生命倫理委員会が設置され、自然科学系の研究者だけではなく、法学者、宗教学者、言論人等国民各般の多様な意見を代表する委員により、この問題について精力的に議論が行われてまいりました。この間、委員会の取りまとめに対し、広く国民から意見公募なども行われました。その結果、昨年十二月に、人クローン個体の産生は、人の尊厳等を侵害するものとして、罰則を伴う法律により禁止するべきとの最終的な結論を取りまとめ、公表いたしました。
 また、クローン技術と同等もしくはそれ以上の重大な影響を人の尊厳に与える可能性があるものとして、ヒトの細胞と動物の細胞を融合または集合させる技術、これを特定融合・集合技術と呼びますが、この技術により生じた胚から、人と動物のいずれであるかが明らかでない個体がつくり出される可能性があることなども、生命倫理委員会において指摘されています。
 本法律案は、このような生命倫理委員会での検討の結果を踏まえ、また、この研究分野における国際的動向も勘案し、人クローン個体等の産生を禁止するとともに、クローン技術等により作成される、特定胚と呼ぶさまざまの胚の適正な取り扱いを確保するための措置等を講ずるものであります。
 なお、本法律案はさきの通常国会に提出いたしましたが、残念ながら十分な審議時間が確保できず審議未了、廃案となりました。しかしながら、その後のクローン技術の一層の進展等により、人クローン個体等の産生の危険性がますます高まっており、本法案を早期に成立させる必要があることから、本臨時国会に再度提出したものであります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、本法案を制定する目的であります。
 本法案は、クローン技術等が、その用いられ方いかんによっては人の尊厳の保持、人の生命及び身体の安全の確保並びに社会秩序の維持に重大な影響を与える可能性があることにかんがみ、クローン技術等を規制し、社会及び国民生活と調和のとれた科学技術の発展を期することを目的としております。
 第二に、人クローン個体等の産生を禁止することであります。
 具体的には、クローン技術または特定融合・集合技術により作成される胚を人または動物の胎内へ移植した場合、特定の人と同一の遺伝子構造を有する人、もしくは、人と動物のいずれであるかが明らかでない個体をつくり出すおそれがあり、そのような胚を人または動物の胎内へ移植することを禁止することとしております。
 第三に、クローン技術等により作成される特定胚の適正な取り扱いの確保のための措置であります。
 文部科学大臣は、特定胚の作成、譲り受けまたは輸入及びこれらの行為後の取り扱いの適正を確保するため、総合科学技術会議の意見を聞いて、その取り扱いに関する指針を作成、公表しなければならないものとし、特定胚を取り扱おうとする者は、この指針に従って行うとともに、一定の事項を文部科学大臣に届け出なければならないものとしております。
 また、この届け出をした者は、文部科学大臣がその届け出を受理した日から六十日を経過した後でなければ、その届け出に係る特定胚の取り扱いをしてはならないものとし、文部科学大臣は、届け出をした者の特定胚の取り扱いが指針に適合しないと認めるときは、届け出をした者に対し、当該特定胚の取り扱い計画の変更、取り扱いの中止その他必要な措置をとるべきことを命ずることができるものとしております。
 さらに、文部科学大臣は、届け出をした者に対し、必要な事項について報告を求め、または、その職員に、事務所等に立ち入り、必要な物件を検査させ、もしくは関係者に質問させることができることとしております。
 第四に、届け出をした者は、特定胚の取り扱いについての一定の事項に関する記録を作成し、保存するとともに、特定胚に係る個人情報の漏えいの防止等必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとしております。
 第五に、禁止行為に違反してクローン技術または特定融合・集合技術により作成された胚を人または動物の胎内に移植した者等に対して、懲役等の罰則を設けることとしております。
 第六に、この法律については、施行後、クローン技術等を取り巻く状況の変化等を勘案して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしておりますが、衆議院において修正が行われた結果、本法律案につきまして必要な措置を講ずるに当たっては、法律の施行後三年以内にヒト受精胚の人の生命の萌芽としての取扱いの在り方に関する総合科学技術会議等における検討の結果を踏まえ、この法律の規定に検討を加えることとされております。
 以上がヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案の趣旨でございます。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(井上裕君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。内藤正光君。
   〔内藤正光君登壇、拍手〕
#17
○内藤正光君 ただいま議題となりましたヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案に対し、民主党・新緑風会を代表して質問をさせていただきます。
 一九九七年、イギリスのロスリン研究所でクローン羊が誕生したとのニュースは大きな驚きを持って迎えられました。哺乳類である羊でクローンの産生に成功したからには、ヒトのクローンも時間の問題であろうと考えられたからであります。このことから、当初はヒトラーやアインシュタインのコピーを作成できるといった空想科学のような議論もなされました。
 しかし、ここで真剣に考えなくてはならないことは、このクローン羊の産生は無性生殖によりヒトが生まれる可能性が現実味を帯びてきたということであります。人類が地球上にあらわれて以来かつてなかったことであり、政府の説明をかりるならば、人間の尊厳の保持等に重大な影響を与えかねないものとして受けとめられました。
 民主党は、政府案が提出されたとき、これではとても不十分であると考えました。というのも、特定の人間の遺伝形質を有する特定胚の作成などは、単なる指針にゆだねるのではなく、しっかりと法律の中で規制されるべきであるし、また人間の尊厳を考えるとき、人の生命の萌芽であるヒト胚の扱いについて、保護という観点から十分な規制が加えられるべきであると考えたからであります。
 そして、衆議院においてヒト胚の取り扱いにまでしっかり言及した民主党案を提出させていただきました。しかしながら、当面、人間の尊厳を損なうことなく研究が行われるよう必要な規律を定めるためには政府案を修正することが次善の策であると認識し、合意のもとに修正を見たわけでございます。
 したがって、現在議題となっております衆議院送付案に対して、衆議院において民主党は賛成はいたしましたが、あくまで次善の策としてであり、今後も国民的論議を高めながら議論を進め、よりよい法律づくりに努めていかなければならないものと思っております。
 以下に、ただいま申し述べた立場から、本法律案について質問をさせていただきます。
 本法律案は、まずクローン技術を規制しようとするもので、その限りにおいては妥当なものであると考えます。しかし、本法律案の目的とする、無性生殖による人間の出現の可能性が人間の尊厳の保持等に重大な影響を及ぼすということの意味、つまり、なぜクローン技術を規制しなければならないのか、改めて御説明願います。
 欧米のキリスト教の国々では、このクローン技術規制については比較的受け入れられやすいかとは思いますが、生命倫理の考えが国民の間に広く行き渡っているとは言えない我が国において、人間の尊厳という言葉でクローン技術を規制するとは何を意味するのか、科技庁長官にお尋ねをさせていただきます。
 さらに、その目的規定の中で、「社会及び国民生活と調和のとれた科学技術の発展を期する」としております。しかし、具体的に、クローン技術と国民生活との調和とはどのように考えればよろしいのでしょうか。また、遺伝子工学、脳科学等、生命科学の分野では、生命倫理と生命科学との調和は避けて通ることができない大変重要な問題であると考えます。長官の御所見をお尋ねいたします。
 これに関連をいたしまして、学問、研究の自由との関係を確認しておきたいと思います。
 クローン技術規制は、言葉では単に技術の規制ではありますが、中身は研究の自由を抑制するものでもあります。学問、研究の自由は、憲法第二十三条に規定された自由権の一つでもあります。科学の進展は、この研究の自由によってもたらされてきたことは改めて申し上げるまでもございません。
 種々の医薬品の発明、内燃機関の発展、自動車の発達、飛行機の発明、ラジオ、テレビジョン放送の発達等、二十世紀の科学上の発見は、人類の福利の増進に多大な貢献をしてきました。二十一世紀には、電気通信技術、脳科学、遺伝子工学に加え、医療の分野における組織工学の発展など、数々の期待できるものがございます。これらの研究が自由になされることが、私たちの未来に多大な貢献をなすものであると私は信じております。この研究の自由という憲法上の権利を規制しようとするものですから、これを制限することについては慎重にならなければならないと考えます。
 クローン技術において、これを制限することが国民の意思にかなうものであるとする理由について、科技庁長官に御説明願います。
 また、このような規制を行うことについては、多くの、全国民の同意が必要であると考えます。国会は確かに国民の意思を代表するものではありますが、それでもこのような憲法上の自由を制限する法案については、事前に十分な国民への説明と合意形成がなされなければなりません。政府は、この点についていかなる努力をしてきたのでしょうか、御説明願います。
 クローン羊ドリーの誕生後、主要国サミットにおいてもこの問題が取り上げられ、デンバー・サミットにおいて各国が協力をするという合意がなされました。一部の国においては、既にクローン人間をつくろうとの動きもあると聞いております。現在までのところ、このクローン技術に関する世界の研究状況はいかなるものでしょうか。既に規制が行われている国もあると承知はしてはいますが、その実態はいかがなものでしょうか。
 また、この問題は一国だけの規制では十分に効果が得られないものと考えますが、諸外国との連携協力をいかにとろうとしているのでしょうか。特に、この種の研究規制は、欧米先進国との連携もさることながら、そのほかの発展途上国との協調も大いに必要があると考えますが、どのようにお考えでしょうか。また、協力取りつけのための国際会議の開催計画等、具体的にお示し願いたいと思います。
 このクローン技術は試験管内で研究が可能であり、また受精卵は顕微鏡で扱うほど小さなものですから、実際にどのような研究が行われているのか、はた目にはなかなかわかりにくいものであります。また、何らかの理由でクローン個体を望む人がいた場合、胎内にクローン胚が移植されたことは容易には判明しないのではないかと思います。
 これらのことを防ぐには、すなわちクローン技術等の規制を旨とする本法律案の趣旨が徹底されるには、かなりの努力が必要ではないかと思います。一般の人々あるいは胚研究者に対するこの法律の趣旨の徹底について、現在どのようなことを政府として考えているのか、その実施計画はどのようになっているのか、科技庁長官にお尋ねをいたします。
 さらに、残念ながらこの法律に違反して万が一クローン個体が生まれてしまった場合、どのような対応を考えているのか、お尋ねをいたします。
 この問題は大変大きな問題で、親子関係、相続問題等、さまざまな法律上または社会上の問題が生じることが想定をされます。さらに、生まれてきた生命に罪はありません。この生命について差別につながらないような対策も考えなければなりません。簡単には答えが出ない問題ではありますが、現在のお考えを法務大臣にお尋ねをさせていただきます。
 初めに申し上げましたように、私たちはヒト胚の取り扱いについても保護という観点から規制を加えるべきではないかと考えました。それは、ヒト胚研究の素材として提供されるヒト胚は、そのほとんどが生殖補助医療において実際に使われずに残った胚、いわゆる余剰胚が提供されている実態があるからです。現在のところ、研究に実際に使用されているヒト胚が果たして提供者の十分な納得を得たものであるのか、残念ながら多くの批判がございます。さらに、生命の萌芽であるヒト胚が十分尊重されているのかについても多くの問題が指摘されているところでございます。
 それで、これらの点については、私ども民主党の主張を踏まえ、附則第二条に、ヒト胚の取り扱いについて総合科学技術会議等での検討結果を織り込んで三年以内に法規定を見直す旨が盛り込まれました。
 科学技術会議生命倫理委員会の議論においても、ヒト胚は生命の萌芽との見解が出され、ヒト胚の扱いに関する規制についても議論が展開されてきたと思います。やはり、生殖補助医療の問題も含めて、その取り扱いについてはさらに十分な検討が必要と考えます。これは政府としても否定するものではないと思います。
 生命倫理委員会での議論の内容並びにこれらを踏まえての政府の考え方、さらに、今後どのように対応しようとしているのか、科技庁長官、そして厚生大臣にお尋ねをさせていただきます。
 以上、何点かにわたって、私たち民主党・新緑風会の立場を踏まえて質問をさせていただきました。どうぞわかりやすい御答弁をお願い申し上げ、私の質問を終えさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣大島理森君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(大島理森君) 内藤議員にお答え申し上げます。
 人間の尊厳の保持という観点から、まさにクローン技術を規制する場合に、その尊厳の保持というもう少し具体的な考え方を示せということではなかったかと思います。
 人間の尊厳という問題について、私どもはこのように申し上げてまいりました。
 一つは、クローン人間、そして無性生殖により人間を生み出すということは、人間の道具化ということが一つ考えられます。それから唯一性の侵害につながるのではないか、さらに人間の誕生に関する基本的認識から著しく逸脱する、そういうふうな三つの問題点というものを中心に人間の尊厳というものを考えてまいっております。
 したがって、そういう観点から、いずれにしろ、クローン人間の産生ということは非常に強い反社会性があるという認識から、厳しい罰則規定を設けた次第でございます。
 生命倫理と生命科学との調和という問題についてどう考えるかということでございますが、例えば原子力の問題につきましても、原子力の人類に対する寄与ということを人類が考えるためには、何といっても、そこには大前提として安全性があるがごとく、ましてやライフサイエンスの問題は、私は、調和という言い方がいいのかどうかわかりませんけれども、生命科学の研究は、すべてにおいて生命倫理というものがまずなければいかぬと思います。
 そして、その上に立って法律がどのように規制するかということは、先ほど申し上げましたように、反社会性という観点から厳しく法律として律していかなければならないものと思います。そして、その上に立って生命科学の進展というものを考えていくということのそういう基本的な考え方に立たないと、どこかに穴があきますと、この生命科学のいわば今後の発展、活用というものは、ある意味では、人類に刃向かう科学技術となり得る可能性もあると思っております。
 したがって、調和ということをあえて言えば、生命倫理が大前提にあり、反社会性という観点から法律をつくって、その上において生命科学の研究が進められるべきもの、このように思っております。
 次に、研究の自由は憲法上の権利であるが、クローン技術について制限することは国民の意思にかなうことか。
 すべての自由は公共の福祉という、私はこれも大きな前提があると思います。そういう観点から、私どもは、科学技術会議生命倫理委員会の議論を忠実に反映したものでありまして、意見公募あるいはアンケート調査を踏まえ、多くの国民の皆様方に参加をしていただいた結果生まれた規制である、したがって国民の意思にかなうものであると、このように思っております。
 さらに、これまたある意味ではそれとつながった形のお答えですが、合意形成を行ったかということでございますが、先ほど申し上げましたように、科学技術会議生命倫理委員会の結論、そこにはさまざまな皆様方の御意見をちょうだいしました。
 そして、何よりも大事なことは、国家の意思を決定するのは国会でございます。衆議院の議論でもちょうだいし、そして民主党さんのも、あるいは野党の皆様方ともお話し合いをした結果、いわばほとんどの政党の御賛成をいただいて参議院に送付させていただきました。参議院においても、やはり国民の代表者であるこの参議院での御意見、また私どもの説明をしながら合意形成を行い、そして国家の意思を決めるということの意味において幅広く合意形成がなされている、あるいはなされつつあると、このように思っております。
 クローン技術に関する世界の研究及び規制の状況はどうかということでございます。
 クローン技術の研究につきましては、今、先生が御紹介ありましたように、平成九年のクローン羊ドリー誕生の発表以来、牛、マウス、豚などの個体産生が行われております。また、ヒトに係る研究については、一部の国で人クローン胚がつくられたとの報道がございます。
 クローン技術の規制の状況につきましては、英、仏、独のように、既に生殖医療について規制の枠組みが存在する国においては、その枠組みの中でクローン人間の産生を禁止しているところもありますし、他方、そのような枠組みがなく、我が国と同様にクローン技術に的を絞った規制を行う方向で検討を進めている国々もあると承知しておるところでございます。ただ、そういう意味ではまだ検討中の国もかなり相当ございます。
 以上が、今、世界の研究及び規制の状況でございます。
 諸外国との連携が必要ではないかという御指摘ですが、全く同感でございます。
 なるがゆえに、日本のこの国会で意思としてこのクローンの規制法をつくるということは、世界にその問題を発信することになる。私は、そういう意味でも大変重要なことであり、それぞれの国々でこの問題に対して一つの結果を見ながら、世界じゅうがそういうことに対しての同じ認識を持つことがとても大事である、重要である。先生は、特に、先進国のみならずというお言葉を使いましたが、そのことについても意を体して我々は努力していかなければならないと思っております。
 ユネスコ等の国際的な場や二国間協議の場において、これからさまざまな方法を通じて働きかけ、国際協調が実現できるよう努力してまいりたい、このように思います。
 さらに、先生からは、国民に周知徹底することがとても大事だという御指摘がございました。
 これも全くそのとおりだと思います。やはり、人間の中には産む権利、産まざる権利ということが世界じゅうの一つの常識になっている権利でございます。なるがゆえに、いかなるそこに人間の要望があったとしても、クローン個体だけは絶対これは生み出してはならぬ、こういうふうな徹底を、国民の皆さんにわかりやすいパンフレットあるいは解説書を作成するとともに、インターネット等を通じて徹底して我々は周知をしてまいりたいし、また研究者、医学界にも説明をしてまいりたい、このように思っております。
 生殖補助医療を含めたヒト胚の取り扱いに関する問題でございます。
 衆議院の議論において、民主党さんあるいは各野党の皆様方との議論が、ここがある意味では一番大きな議論でございました。民主党さんの案におきましても、生殖補助医療そのもの全体をひっくるめて規制をするという考えはないようでございます。しかし、そこのあり方について真剣に考えろという御議論をいただきましたし、特にES細胞についての御議論が活発でありました。
 私どもは、そういう御議論を踏まえながら、科学技術会議生命倫理委員会におきまして、ヒト受精胚は人の生命の萌芽としての意味を持ち、倫理的に尊重されるべきとする一方で、ヒト受精胚の研究全般に関する規制のあり方については今後の検討課題である、このように認識しておりますし、しっかりと議論をし、また、そこで得た議論、国民の合意、そういうものを踏まえながら、必要であれば法制度も必要でありましょうし、また皆さんに御論議いただかなければならないと思っておりますが、今後の重要な課題と認識しております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣保岡興治君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(保岡興治君) 内藤議員にお答え申し上げます。
 人クローン個体が生まれた場合の対応に関するお尋ねがございました。
 議員が御指摘のように、万が一特定の人と同一の遺伝子構造を有する人クローン個体が生まれた場合、その両者の間の身分関係については議論のあるところでございますが、まずは本法案の制定及びその厳格な運用により、人クローン胚の取り扱いの段階から万全の規制措置を講ずることによって、人クローン個体の産生を徹底的に防止することが肝要であると思います。
 なお、万が一にも人クローン個体が生まれてきた場合には、その人権を尊重し、通常の人と同様の取り扱いを行うことが適切であると認識いたしております。(拍手)
   〔国務大臣津島雄二君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(津島雄二君) 内藤議員からヒト胚の取り扱いにつきまして、生殖補助医療のあり方を含めた対応いかんという難しい御質問をちょうだいいたしました。
 まず、精子、卵子、胚の提供等による生殖補助医療のあり方につきましては、平成十年十月より、厚生科学審議会先端医療技術評価部会のもとに、医療、生命倫理、法律等の分野の専門家から成る専門委員会を設置し、御検討いただいているところでございます。
 同専門委員会におきまして本年中に報告書を取りまとめていただいた後、厚生科学審議会としての意見集約をしていただく予定でありますので、厚生省としては、その結果を踏まえ、適切に対応していきたいと考えております。
 また、御質問にございました人の生命の萌芽としてのヒト受精胚の取り扱いのあり方については、さきに文部大臣御答弁のとおり、総合科学技術会議等での検討が行われることになりますが、そうした検討結果を踏まえ、関係省庁と十分な連携をとりながら、厚生省としても今後必要な対応を行ってまいる所存でございます。(拍手)
#21
○議長(井上裕君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#22
○議長(井上裕君) 日程第一 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交・防衛委員長服部三男雄君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔服部三男雄君登壇、拍手〕
#23
○服部三男雄君 ただいま議題となりました協定につきまして、外交・防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この協定は、一九九六年四月一日に効力を生じた現行の米国との地位協定第二十四条についての特別措置協定の有効期間が来年三月三十一日までとなっていることにかんがみ、在日米軍基地労働者に対する基本給等の支払いに要する経費、在日米軍が公用のため調達する電気、ガス等の支払いに要する経費、我が国の要請に基づき在日米軍の訓練の移転に伴って追加的に必要となる経費を引き続き我が国が負担することを規定するとともに、合衆国がこれらの経費の節約に努めること等について定めるものでありまして、二〇〇六年三月三十一日まで効力を有するものとされております。
 委員会におきましては、二十一世紀の日米同盟のあり方、日米安保条約の今日的意義、日米地位協定の見直し、我が国が米軍駐留経費負担を継続する理由、在日米軍訓練移転経費の負担範囲等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党の小泉理事より反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十八  
  賛成            百九十二  
  反対             三十六  
 よって、本件は承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#27
○議長(井上裕君) 日程第二 書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済・産業委員長加藤紀文君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔加藤紀文君登壇、拍手〕
#28
○加藤紀文君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済・産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、民間における電子商取引を促進するため、書面の交付あるいは書面による手続等を義務づけているものについて、従来の方法に加え、電磁的方法を認めようとするものであります。
 委員会におきましては、電子商取引における消費者保護対策、デジタルデバイドの防止対策等につきまして質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わりましたところ、日本共産党を代表して西山委員より、法律施行後三年以内に施行状況に検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずる旨を附則に追加する修正案が提出されました。
 次いで、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百三十  
  賛成            二百三十  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#32
○議長(井上裕君) 日程第三 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土・環境委員長溝手顕正君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔溝手顕正君登壇、拍手〕
#33
○溝手顕正君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土・環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国、特殊法人等及び地方公共団体が行う公共工事の入札及び契約について、その適正化の基本となるべき事項を定めるとともに、情報の公表、不正行為等に対する措置及び施工体制の適正化の措置を講じ、あわせて適正化指針の策定等の制度を整備すること等により、公共工事に対する国民の信頼の確保とこれを請け負う建設業の健全な発達を図ろうとするものであります。
 委員会におきましては、本法律案の目的と効果、談合その他の不正行為の排除方策、入札・契約制度改善のための取り組み、元請下請関係の適正化、入札監視委員会の実効性等について質疑を行うとともに、参考人より意見聴取を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#34
○議長(井上裕君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#35
○議長(井上裕君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#36
○議長(井上裕君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成           二百三十二  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#37
○議長(井上裕君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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