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2000/10/31 第150回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第150回国会 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第5号
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2000/10/31 第150回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第150回国会 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第5号

#1
第150回国会 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第5号
平成十二年十月三十一日(火曜日)
    午後零時三十分開議
 出席委員
   委員長 自見庄三郎君
   理事 小林 興起君 理事 鈴木 宗男君
   理事 西野あきら君 理事 細田 博之君
   理事 長浜 博行君 理事 堀込 征雄君
   理事 河上 覃雄君 理事 塩田  晋君
      荒井 広幸君    岩崎 忠夫君
      小坂 憲次君    桜田 義孝君
      高鳥  修君    高橋 一郎君
      中馬 弘毅君    中谷  元君
      野田 聖子君    林  幹雄君
      菱田 嘉明君    福井  照君
      松宮  勲君    八代 英太君
      渡辺 博道君    阿久津幸彦君
      大石 尚子君    加藤 公一君
      鹿野 道彦君    玄葉光一郎君
      島   聡君    手塚 仁雄君
      松本  龍君    山花 郁夫君
      遠藤 和良君    久保 哲司君
      中井  洽君    木島日出夫君
      児玉 健次君    吉井 英勝君
      今川 正美君    北川れん子君
      平井 卓也君    小池百合子君
    …………………………………
   議員           亀井 善之君
   議員           玄葉光一郎君
   議員           木島日出夫君
   議員           辻元 清美君
   自治政務次官       中谷  元君
   自治政務次官       荒井 広幸君
   衆議院調査局第二特別調査
   室長           牧之内隆久君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月三十一日
 辞任         補欠選任
  桜田 義孝君     渡辺 博道君
  下村 博文君     菱田 嘉明君
  中谷  元君     福井  照君
  鍵田 節哉君     大石 尚子君
  木島日出夫君     吉井 英勝君
同日
 辞任         補欠選任
  菱田 嘉明君     下村 博文君
  福井  照君     中谷  元君
  渡辺 博道君     桜田 義孝君
  大石 尚子君     鍵田 節哉君
  吉井 英勝君     木島日出夫君
    ―――――――――――――
十月三十一日
 参議院選挙制度の改悪反対に関する請願(木島日出夫君紹介)(第六七五号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第六七六号)
 同(山口富男君紹介)(第八〇六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員長不信任動議
 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案(亀井善之君外十七名提出、衆法第一号)
 公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案(菅直人君外十二名提出、衆法第二号)

    午後零時三十分開議
     ――――◇―――――
#2
○自見委員長 これより会議を開きます。
 堀込征雄君外四名から、私、委員長に対する不信任の動議が提出されております。
 本動議は私の一身上の問題でありますから、この際、本席を理事鈴木宗男君に譲ることといたします。
    〔委員長退席、鈴木(宗)委員長代理着席〕
#3
○鈴木(宗)委員長代理 委員長の指名によりまして、私が委員長の職務を行います。
 これより堀込征雄君外四名提出の政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長自見庄三郎君不信任に関する動議を議題といたします。
 まず、提出者の趣旨弁明を許します。長浜博行君。
#4
○長浜委員 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長自見庄三郎君は、選挙制度改正という国民の参政権にかかわる重要な法案の審議にもかかわらず、中立公平であるべき委員長の職責に反し、理事会等における十分な合意形成も図らずに、委員長の職権において採決を強行しました。これは、議会制民主主義を破壊する暴挙であり、わずか三日間の審議でこのような重要法案の採決を行うなど、断固として容認できません。このような委員会運営を行う委員長自見庄三郎君は、今国会の重要法案を審議する政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会の委員長として、その職務を遂行するには不適当と判断しました。
 本法案は、もともと参議院で与党単独で強引な審議、採決を行い、本院に送付されたものであります。与党は本会議質疑も行わず、わずか三日の質疑で採決を行ったことは、言論の府たる国会の任務を放棄するものと言わざるを得ません。
 この三日間の審議の中でも、この非拘束名簿方式は、三百人から四百人に上る大量の名簿登載者の立候補が予想され、提案理由にある顔が見える選挙になるどころか、顔が見えないわかりにくい選挙になること、政策を競う選挙にはならず、同じ政党内の他の候補よりも一票でも余計にとろうとする熾烈な同士打ち選挙になること、旧全国区と同じ膨大な金のかかる選挙になること、さらに最大の問題は、個人名投票を強引に政党投票にすりかえるトリックの仕組みがあり、憲法第四十三条一項に違反する可能性が高いこと等々が明らかになってまいりました。しかし、提案者はこうした疑念にまじめに、理論的に答弁しようとせず、審議の深まりは実現されませんでした。
 与党答弁を通じて、この法案は、顔が見えない、金がかかる、熾烈な同士打ちの最悪の仕組みであることが明らかになったにもかかわらず強行採決した理由はただ一つ、このままでは来年の参議院選挙で与党は勝てない、だから土俵を変えようとする党利党略しかないと言わざるを得ません。
 しかも、久世前金融再生委員長の大京グループによる党費立てかえ問題、KSDからKSD豊明会、自民党豊明支部への金の流れなど、本法案と関連する疑惑の解明をめぐる審議も尽くされておりません。
 国民にわかりやすい透明な審議を行うことは、国会に与えられた使命であります。こうした使命を放棄し、強行的に採決を行ったことは、まさに議会制民主主義の自殺行為と言わざるを得ません。政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長自見庄三郎君が、こうした審議の経過及び次々と疑惑が発生している状況を無視し、採決を強行したことは、断じて認めることはできません。
 これが本動議を提出する理由です。(拍手)
#5
○鈴木(宗)委員長代理 趣旨弁明は終わりました。
 これより採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#6
○鈴木(宗)委員長代理 起立少数。よって、本動議は否決されました。
 委員長の復席をお願いいたします。
    〔鈴木(宗)委員長代理退席、委員長着席〕
     ――――◇―――――
#7
○自見委員長 亀井善之君外十七名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案及び菅直人君外十二名提出、公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 順次提出者より趣旨の説明を聴取いたします。亀井善之君。
    ―――――――――――――
 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#8
○亀井(善)議員 ただいま議題となりました自由民主党、公明党並びに保守党の三党共同提案の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案につきまして、提案理由とその内容の概要を御説明申し上げます。
 今日、世界の情勢が歴史的な転換を遂げようとしている新しい時代の中で、対外的にも国内的にも、恒久的な平和と繁栄の道筋をつける節目のときを迎えています。この変革期に、我々は、確固たる将来見通しのもと、後世のため、国の正しい進路を定める歴史的責務を負っていることを深く自覚しなければなりません。そして、戦後の混乱期にもまさる熱意を持って、日本の明るい未来づくりの事業に的確に対応できる体制を一刻も早くつくり上げていかなければなりません。
 将来に目を移すとき、政治はその性格を、内外の課題に国全体の視点から的確、機敏に対処する政治主導の総合政策立案型に転換しなければなりません。また、一層の地方分権を図って、陳情行政の行き過ぎを解決し、地方の創意工夫を尊重することは、今後の我が国の経済、文化、社会の新しい飛躍を期す上で極めて大きな力になると確信しております。
 翻って、我が国の政治を謙虚に振り返れば、国民の政治不信や政治離れは依然として根強いものがあります。国民の信頼と負託にこたえることが政治の原点です。国民の信頼を得られなければ、政治は成り立ちません。また、国民が期待する政策を創造できなければ、政治はその意義を失います。
 我々三党は、最近の一連の不祥事に端を発する深刻な政治不信を重大に受けとめ、同時に、今日の歴史的変革期に世界に通用する内外政策を樹立する方途について、徹底した議論を重ねてきております。その結実の一つが、今回提案する法律案であります。
 また、もとより議会制民主主義のもとにおいては、政党、政治団体や政治家の活動を通じて国民の政治的意思が形成され、政治が遂行されており、この政治活動の自由は極めて重要な憲法上の権利であります。その意味で、政治活動のあり方は、議会制民主主義の健全な発展にかかわる重要な問題であると認識しております。
 我々は、このような認識に立ち、いわゆるあっせん利得の課題について、政治家としての使命感に燃えながら、昼夜を分かたぬ真摯かつ精緻な議論を積み重ね、基本的考えを共有することができました。その主な考えを御説明いたします。
 一つは、主権者たる国民の厳粛な信託によって選出された公職にある者は、国民全体の利益のために奉仕、行動する責務を負っていることを強く自覚し、みずからの政治活動を厳しく律する必要があるとの決意のもと、本法律を定めることにより、公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持し、これによって国民の信頼を得ることを目的としたことです。したがって、本法律案の罪は、公務員の職務自体の性質に着目し構成されている刑法のわいろ罪とはその趣旨を異にするものであります。
 二つ目は、刑法のあっせん収賄罪が対象とするあっせん行為は公務員に職務上不正の行為をさせるものに限定されているのに対し、本法律案の罪が対象とするあっせん行為は公務員の職務上の不正な行為に限らず広く公務員に適正な職務行為をさせるもの一般をも対象としており、あっせん収賄罪に比べ広い範囲を対象とするものであります。したがって、本法律案の罪の対象となるあっせん行為自体を明確にする必要があることです。
 三つ目は、地方議会の議員及び長も、地域住民全体の利益を図るために行動することを期待されており、国会議員と同様、その政治に関与する公務員の活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する地域住民の信頼を得る必要があることから処罰の対象としたことです。また、公設秘書についても、公務員として国会議員の政治活動を補佐する者として、国会議員の権限に基づく影響力を行使し得る立場にあることから処罰の対象に加えたことです。
 四つ目は、国または地方公共団体が二分の一以上を出資している法人は、国または地方公共団体に準ずるものと言うことができ、当該法人の役職員も、公務員に準ずる者と言うことができます。したがって、公職にある者が当該法人に係る一定のあっせん行為を行いその報酬を得ることは、国または地方公共団体に係る一定のあっせん行為を行いその報酬を得た場合と同様に、当該公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を害することとなります。そこで、この場合についても処罰することとしたことであります。
 五つ目は、本法律案の罪は、適正な職務行為に係るあっせん行為にまで対象を広げていることや、政治活動の意義の重要性を正しく評価すること等から、その適用に当たっては、政治活動を不当に妨げることのないように運用に留意しなければならないとの規定を設けることとしたことです。
 六つ目は、本法律の趣旨、内容等を国民に正しく理解していただく必要があることや、地方議会の議員及び長等を処罰の対象としていることから、一定の期間を置いて周知徹底させる必要があることであります。
 これらの基本的考え方をもって、我々三党はあっせん利得処罰法案をまとめ提出する必要があるとの結論に達したものであります。
 以上、本法律案をまとめ提出するに至った考えについて申し上げました。
 次に、この法律案の内容の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、公職者あっせん利得に関する事項であります。
 その一は、衆議院議員、参議院議員または地方公共団体の議会の議員もしくは長、すなわち公職にある者が、国もしくは地方公共団体が締結する売買、貸借、請負その他の契約または特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、またはさせないようにあっせんをすること、またはしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したときは、公職者あっせん利得罪として処罰するものとし、その法定刑を三年以下の懲役としております。
 その二は、公職にある者が、国または地方公共団体が資本金の二分の一以上を出資している法人が締結する売買、貸借、請負その他の契約に関して、当該法人の役員または職員に対し、今述べたことと同様のあっせん行為の報酬として財産上の利益を収受した場合も同様に処罰するものとしております。
 第二に、議員秘書あっせん利得に関する事項であります。
 その一は、衆議院議員または参議院議員の秘書、いわゆる国会議員の公設秘書が、国もしくは地方公共団体が締結する売買、貸借、請負その他の契約または特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、当該議員の権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、またはさせないようにあっせんすること、またはしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したときは、議員秘書あっせん利得罪として処罰するものとし、その法定刑を二年以下の懲役としております。
 その二は、公設秘書が、国または地方公共団体が資本金の二分の一以上を出資している法人が締結する売買、貸借、請負その他の契約に関し、当該法人の役員または職員に対し、今述べたことと同様のあっせん行為の報酬として財産上の利益を収受した場合も同様に処罰するものとしております。
 第三に、没収及び追徴に関する事項であります。
 第一及び第二の場合において、犯人が収受した財産上の利益は没収するものとしております。その全部または一部を没収することができないときは、その価額を追徴するものといたしております。
 第四に、利益供与罪に関する事項であります。
 これまでは財産上の利益を収受した側の行為を規定するものであるのに対し、これは、第一または第二に係る財産上の利益を供与した側の行為を規定するものであり、当該財産上の利益を供与した者を利益供与罪として処罰するものとし、その法定刑を一年以下の懲役または二百五十万円以下の罰金といたしております。
 第五に、国外犯に関する事項であります。
 日本国外において本法のあっせん利得罪を犯した公職にある者や公設秘書にも本法を適用することを規定したものであります。したがって、公職にある者や公設秘書が国外において請託を受け、本法に規定するあっせん行為の報酬として財産上の利益を収受した場合にも、本法の罪による処罰の対象とすることとしております。
 第六に、適用上の注意に関する事項であります。
 本法の適用に当たっては、公職にある者の重要な政治活動である民意を反映させる行為等が不当に制約されることのないよう、公職にある者の政治活動を不当に妨げることのないように留意しなければならないと規定しております。
 第七に、施行期日に関する事項であります。
 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行するものとしております。
 第八に、公職選挙法の一部を改正する事項であります。
 公職者あっせん利得罪により実刑に処せられた場合は、選挙権を実刑期間とその後の五年間、被選挙権を実刑期間とその後の十年間、停止するものとしております。また、執行猶予の場合には、その執行猶予期間、公民権を停止するものといたしております。
 第九に、その他所要の規定を整備することとしております。
 以上が、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○自見委員長 次に、玄葉光一郎君。
    ―――――――――――――
 公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#10
○玄葉議員 ただいま議題となりました民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党並びに社会民主党・市民連合の四会派共同提案の公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容の概略を御説明申し上げます。
 国会議員を初めおよそ政治家たる者は、高度な倫理観、正義感に基づき職務を遂行すべき責務があることは言うまでもありません。選挙によって選ばれた者は、主権者たる国民、住民から政治に関する厳粛な信託を受けているのであり、国民全体、住民全体の奉仕者として行動すべき責務を負っていることもまた当然であります。特定の者の利益のために行動し、その対価を得るがごときは、政治倫理にもとるのであります。
 ところが、政界の一部には、あっせんは政治家本来の仕事であり、その見返りに金品等を受け取っても構わないという誤った風潮があります。私どもは、この風潮を断ち切り、特定の者の利益のためにあっせんをし、その報酬として金銭等を受け取ることがあってはならないという政治倫理を確立しなければなりません。
 今から三年前、大蔵省職員の接待汚職、自民党議員の株取引事件等を契機に、公務員倫理、政治倫理の確立が重要な政治課題となり、第百四十二通常国会以来、関係法案の提出が相次ぎました。その一環として、当時の野党各党から、政治家が役所に口ききをし、その報酬として利益を得ることを処罰しようとする法案等が何本も出されましたが、いずれも、自由民主党の抵抗により実質的な審議に入らないまま廃案となりました。
 我々四会派は、去る七月六日、共同で国会議員の地位利用収賄等の処罰に関する法律案を提案いたしました。この法案は、昨年五月二十一日に、民主党、社会民主党及び参議院の会が公明党と一緒に参議院に提案し、本年六月二日に廃案となった法案とほぼ同じ内容のものであります。
 その後、与党三党でも、いわゆるあっせん利得罪の創設について検討を進められ、去る九月二十二日、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案を提案されたわけでございます。しかしながら、与党案の内容は、犯罪の成立に過重な要件を付した実効性のないものとなっており、これではあっせん利得罪を創設する意味がほとんどないと言わざるを得ません。
 国会議員の収賄については、現行刑法の各種収賄罪によって処罰されることとなっております。しかし、刑法の収賄罪は職務権限を要件としており、国会議員の収賄罪の適用に当たっては、その職務権限の不明確さゆえに処罰することは非常に困難であります。このため、昭和三十三年の刑法の一部改正であっせん収賄罪が導入され、公務員が請託を受けて他の公務員に職務上不正な行為を行わせることをあっせんし、その報酬として金品等の利益を得ることも処罰されることになりました。しかし、あっせんする行為の内容が不正な行為に限られており、また、請託が要件とされていることから、その立証が困難で、あっせん収賄罪は国会議員については二件のみの起訴にとどまっているのが現状であります。
 新法は、現行収賄罪のこのような問題点を取り除くものでなければなりませんし、政治の体質の抜本的改革につながるものでなければならないというふうに思います。このため、私ども四会派は、与党案も踏まえつつ、さきに提出した法案を撤回し、より内容が適切で実効性が高い新たな法案を提出した次第であります。
 以下、法案の概要について、与党案との相違を中心に御説明申し上げます。
 第一に、犯罪の主体につきましては、国会議員、地方公共団体の議員もしくは長またはこれらの者の秘書とし、公設秘書だけでなく私設秘書も含むものといたしております。
 第二に、与党案では、犯罪の成立に請託が要件とされておりますが、私どもは、立証が困難なため実効性のない法律とならないよう請託は要件といたしておりません。
 第三に、与党案は、犯罪の成立を「その権限に基づく影響力を行使」した場合に限っておりますが、これでは、既存の単純収賄罪や受託収賄罪と同様、職務権限の有無が不明確で適用できないという問題が生じ、新法がほとんど意味を持たなくなりますので、私どもは、このような限定を加えておりません。
 第四に、与党案は、あっせんの内容を契約の締結と行政庁の処分に関するものに限っておりますが、これでは、予算措置や予算の箇所づけ、租税の特別措置や補助金交付要綱の改正などは、たとえ特定の者のためにするあっせんであっても対象外となります。このため、私どもの案は、このような限定を設けず、公務員の職務全般を対象としております。ただし、広く国民一般のための制度改正の要望などが不当に制限されないよう「特定の者に利益を得させる目的で」行うあっせん行為に限ることといたしております。
 第五に、与党案には第三者供与を処罰する規定はありませんが、秘書や親族、関係する政治団体や政党支部に供与させるという抜け道をふさぐため、第三者に供与させる場合も処罰することとしております。
 第六に、与党案は、処罰の対象行為を収受に限っておりますが、私どもの案は、刑法の各種収賄罪と同様、収受のほか、その要求、約束も処罰の対象としております。
 第七に、法定刑について、与党案は秘書の法定刑を二年以下の懲役としておりますが、私どもは、秘書も議員等と同じく三年以下の懲役としております。
 公民権の停止の内容等は、与党案と同じであります。
 以上が、この法律案の提案の趣旨及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 以上です。
#11
○自見委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る十一月二日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十四分散会

ソース: 国立国会図書館
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