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1950/12/07 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 水産委員会 第6号
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1950/12/07 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 水産委員会 第6号

#1
第009回国会 水産委員会 第6号
昭和二十五年十二月七日(木曜日)
   午後二時三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水産業協同組合法の一部を改正する
 法律案(木下辰雄君外六名発議)
○水産物増産対策に関する調査の件
 (漁区拡張に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。
 只今委員会に付託になりました水産業協同組合法の一部を改正する法律案を議題に供します。この法律案は本委員会において十分に審議いたしまして、更に衆議院の水産委員会とも打合せいたしました結果、議員提出といたしまして、委員長のほかに青山委員、千田委員、秋山委員、それから櫻内委員、松浦委員、入交委員、以上七名の発議を以て提案いたしました法律であります。この内容は今までの委員会において十分御検討願いましたので、すでに提案者の各位には十分おわかりになつたことだろうと思います。如何でございましようか、質疑討論を打切りまして、直ちに採決に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。それでは本案全部を議題に供しまして、本案に賛成の各位の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#4
○委員長(木下辰雄君) 全員挙手と認めます。よつて本案は可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によりまして、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑の要旨、及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出いたしまする報告書につき、多数意見者の署名を附することになつております。本案を可とされたかたは順次御署名を願います。
 多数意見者署名
   青山 正一  千田  正
   秋山俊一郎  入交 太藏
   松浦 清一  櫻内 義雄
#6
○委員長(木下辰雄君) 次に、請願並びに陳情を議題に供するはずでございますが、それ以前に秋山君から漁区の問題について発言いたしたいという要求があります。この際許可します。
#7
○秋山俊一郎君 漁区の問題につきましては、以西底曳業者が三年、四年に亙りまして、この漁区の拡張乃至は撤廃につきまして、心血を注いで今日まで運動を続けて参つたのでございます。最近の情勢は非常に好転しつつあるということを耳にいたしまして、業者はひとしくその朗報を非常な期待を以て待ち受けているのでございます。然るところ最近、極めて最近承わりますところによりますると、この漁区の問題は見込がないといつたような情報が伝わりまして、かなり確実な筋からの情報でございまして、今まで非常に張りつめた気持を以て幾多の困難と闘いつつ、この漁区緩和を待望いたしておりました以西底曳業者は、正に青天の霹靂のごとく、殆んど呆然なすところを知らないような状態に陥つている現状であります。私もこの情報は恐らく誤報であれかしと期待しているものでありますけれども、事実は必ずしもそうでない模様でございまして、若しそうであるとするならば、今日まで殆んど業者が、たくさんの倒産者も出ておりますし、又非常な困難に遭遇しつつ辛うじてこれを切抜けて来ております幾多の業者が、如何に今後切抜ければよろしいか、殆んどその方途を見失つている状態でありまするので、この噂は果してさように受取つていいものであるか、若しそうであるとするならば、水産庁当局といたしましては、今後の以西底曳業に対して如何なる方法をおとりになられる考えであるか、この点を長官にお伺いいたしたいと思います。
#8
○政府委員(家坂孝平君) 漁区の拡張問題につきましては、只今秋山委員からお話がありましたように、我々といたしましても、業者といたしましても、一日も速かに拡張なれかしと考えて、参つておつたのであります。業者側においても非常に、率先して取組船を増強することに賛意を表されて、みずから提供されたというような状態もありまして、私どもとしましては、実に感激に堪えなかつたのであります。そしてなお政府の措置といたしましても、又業界の措置といたしましても、或いは日本全体の産業を左右しておりまする日産協あたりの措置としましても、十分に陳情するところは陳情し、誠意を披瀝して参つておつたのでありまするが、極めて最近に至りまして、この問題が非常に望み薄になつたというような雰囲気が現われて参りましたので、私どものほうとしましても、NRSのほうにこれが真相を究めたい、かように考えまして、いろいろ手を尽したのでありまするが、たまたまヘリントン部長が今旅行中で不在でありまして、それでネビル次席がおられますので、その話を伺いましたところ、実はそういつた話が今あるのだ、現在漁区を拡大するということについては非常に見通しがむずかしくなつて来た、こういうお話を得たのであります。それで実は明日大臣と私とスケンク局長に会うために申入れをいたしまして、向うの快諾を得ておりまするので、明日私ども参りまして、そしてその真相をはつきりと究めたい、かように考えておるのであります。それでなお今後その見通しが非常にむずかしくなつたということになつた場合については、どういう措置をとるべきかということに関しましては、その真相を究めました上、私どもも十分に審議いたしまして対策を考えたいと、かように考えております。
#9
○秋山俊一郎君 只今の御答弁によりまして、大体私どもの承わつておる噂が裏付けられて参つたのでありまするが、この問題が業者にとりまして如何に深刻なものであるかということは、長い間の熱烈なる運動によりましても、凡そ御想像が付くことと存じます。業者は今日以西底曳網業者に限らず、水産業は非常な苦境に立つておるのでありますが、特に以西底曳網の業者といたしましては、たくさんの漁船を減船いたしまして、それに伴う困難も大きなものでありまするが、まさに風前の灯と申しますか、経営が殆んど行きつくところに行きついてしまつて、もう一日も一時間でも早くこの漁区の拡張を待ちこがれておつた矢先に、かような不幸な情報を得ました衝動は、漁業者が今後どういう方法をとつて行くであろうかということは、凡そ私どもにも想像ができるのであります。私は先般来業者の皆さんに、もう漁区の拡張も近きにあるから、是非とも慎重な態度で暫らく我慢をしてもらうように、若し万一この際になお且つ違反を出すようなことがあるならば、漁区の拡張が阻止されることは勿論のこと、単に漁業者の威信を失墜するばかりでなく、日本国民としての諸外国に対する威信を失墜いたしまして、国家のこうむる損害は漁業の問題どころではない、今後の講和条約その他において非常に大きな不利を招く虞れがあるから、是非とも慎重な態度を持つてもらいたいということを私はお願いをして参つて来たものでありますが、事ここに至りまして業者は望みを失つた。今後漁業を経営して行く上の望みを失つた場合に、果して如何なる態度に出るか、これを阻止して行く上には如何にして行くべきかということは重大な問題だと私は考えます。単に以西底曳とか、漁業のみの問題ではございません。非常に大きな悪影響を国家にもたらすことが非常に恐ろしいのであります。そこで水産庁当局といたしましては、その関係筋の御意向を確めて後に計画を立てるというようなことでは到底間に合うものではありません。すでにこのことは為政者として前以て十分研究して策を考えて置くべきものであると私は考えております。非常にむずかしい問題であるということは、もう四年も、五年もかかつて今日まで来ておる状態から見て想像が付くのであります。殊に又昨今の国際情勢が如何に動いておるかということから考えましても、この問題が非常にむずかしく動くのではないかという想像も恐らく付いておつたことと思います。今日その事実に直面いたしまして、真相を確めてから計画を立てるのではどうにもならんと思います。すべからく只今からでもこれに対する対策を考えまして、そして国家に大きな損失を招かないように、これは一水産庁の問題でなく、日本政府としてしつかり考えて方策を立てなければ、取返しの付かない問題が生じやしないかと考えます。かるが故に私は特に水産長官に要望するところは、大臣及び総理等と篤と御相談下さいまして、漁業者の向う途を示し、国をして誤まらしめないような何らかの対策を立てて頂きたいことを強くお願いする次第であります。
#10
○委員長(木下辰雄君) この問題で御発言ありませんか。
#11
○青山正一君 朗報居士が農林大臣でありますから、水産長官以下がすべてこれに伝染したようなふうであつて、何でもかでも朗報的に扱つておることが非常に不都合だ、私はそういうふうに考えております。例えば只今秋山委員からお話の漁区の問題と言い、或いは手数料の問題と言い、一言半句だつて信用はできない。どうも農林大臣の朗報居士と同じような行きかたである、こういうふうに私どもは考えておるわけであります。何から何まで都合が悪いことがありますと、向う様がどうだとか、こうだとかいうふうに責任を負わず、そういう気持が私どもは非常に気に食わないと思います。できるだけやはり水産長官なり或いは農林大臣が自主的に考えてやつて行かなければいけない、こういうふうに考えております。まして朝鮮の動乱関係は、漁業に関する影響というものは非常に大きいものだと私は考えるのであります。例えば只今秋山委員のおつしやつた韓国或いは北鮮、中共あたりを中心とした以西底曳の漁業と言い、或いは北方カムチヤツカ、北樺太及び北千島の漁と言い、これは世界の三大漁場の二つを日本は戦前まで占めておつたと、私どもはこういうふうに解しておるのであります。こういつた関係のものを講和条約と結付けて行く場合において非常な難点があろうと思うのであります。例えば講和条約等と結付けて行けば、この両方の漁場というものは少くとも全面講和的に進んで行かなければいけないというふうにも考えられるわけであります。例えば秋山委員のおつしやつたような漁場は、これは中共なり或いは北鮮、韓国も一部分は占めておりますが、ソヴイエトと、こういうふうな国とはつきり漁業協定なり、或いは漁業条約を結んで行かなければならないというふうに考えております。又北方の漁は、少くともこれはソヴイエトが主体的に浮び上るものでありまして、いずれにいたしましても、この講和と漁業条約或いは漁業協定というのは非常に難点に置かれておるのであります。これに対して長官は今後どういうふうに捌かれて行くか、又これは国家として非常に大きな問題であるには違いなかろうと思いますけれども、その御心情を一つ御発表願いたいと思います。
#12
○政府委員(家坂孝平君) 只今お尋ねになりました点につきまして、私といたしましては、この日本の漁業から見まして、北洋漁場の重大性並びに東支那海、黄海に亙る重要性、これは私漁業に身を投じまして以来実に数十年になりまするが、私もその点は只今のお話と同じような感じを持つているのであります。実は私も黄海、支那海に漁業をしたこともあります。北洋にも参つたことがあるのでありますが、特にその感を強うするのであります。それで今後この二つの漁場、これを如何に確保して行くかということにつきましては、私もそうした体験上非常に深く考えるところがあるのでありまするが、大体講和条約を契機といたしまして、或いはそれ以前に隣接諸国と協定を結ぶ場合も予想されます。又講和条約ができた後でなければ漁業協定を結ぶことのできない場合もあると思つているのでありまするが、私はできるだけ早い時期に、講和条約の締結以前に結べるならば結んで参りたい。そういう国家との繋がりを十分検討いたしまして、できるだけ早い時期に漁業協定を結んで漁場の拡張進出を図つて参りたい。かように考えているのであります。併し私想像いたしまするに、北洋漁業というものの漁区拡張ということにつきましては、なかなかそう早急にはできかねるのじやないかと思つているのであります。又黄海或いは東支那海、これはソ連のごとく或いは長い先まで不可能であるとは断じて考えてはおりませんけれども、これとてもなかなか中共或いは韓国方面に関しましては、すぐさま協定ができようとも私は考えておりませんけれども、この点は只今の朝鮮動乱の推移如何によりまして、まだそう先でなくても或いは話合いが付けられるものじやなかろうかというふうに考えているのであります。とにかく私どもといたしましては、できるだけ早い時期に一日も早くこの北洋並びに東支那海、黄海の漁場の進出が有利に自由にできるように措置を講じて参りたい、かような方針で進みたいと考えているのであります。
#13
○委員長(木下辰雄君) ほかに御意見ありませんければ次の問題に移ります。ちよつと速記を止めて……。
   午後二時二十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時五十五分速記開始
#14
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて……。それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時五十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           青山 正一君
           千田  正君
   委員
           秋山俊一郎君
           入交 太藏君
           松浦 清一君
           櫻内 義雄君
  政府委員
   水産庁長官   家坂 孝平君
ソース: 国立国会図書館
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