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1950/11/27 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 厚生委員会 第1号
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1950/11/27 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 厚生委員会 第1号

#1
第009回国会 厚生委員会 第1号
昭和二十五年十一月二十七日(月曜
日)
   午後二時十六分開会
  ―――――――――――――
  委員氏名
   委員長     山下 義信君
   理事      小杉 繁安君
   理事      井上なつゑ君
   理事      有馬 英二君
           大谷 瑩潤君
           城  義臣君
           中山 壽彦君
           長島 銀藏君
           河崎 ナツ君
           堂森 芳夫君
           藤原 道子君
           常岡 一郎君
           藤森 眞治君
           深川タマヱ君
           松原 一彦君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○健康保險法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○小委員会設置の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山下義信君) これより開会いたします。本日は先ず健康保險法の一部を改正する法律案予備審査、これを日程に上程いたします。政府の提案理由の説明を求めます。
#3
○国務大臣(黒川武雄君) 只今上程いたされました健康保險法の一部を改正する法律案につきまして、簡單に提案の理由を説明申上げます。
 政府管掌の健康保險におきましては、二十五年度において、すでに三十億円を国庫余裕金から繰替使用いたしまして、保險給付の支拂に充てている実情でありますが、本年度の保險財政の見通しといたしましては、保險給付費等支出の総額は約百七十七億円、保險料等收入の総額は百四十九億円となりまして、約二十八億円の赤字が予想されているところであります。
 そこで改正案の第一点は、右に述べました保險財政の赤字に対処するために、保險料率を現行の千分の五十五から、千分の六十に引上げようとするものであります。この保險料率の引上げによりまして、本年度約三億円の收入増が見込まれます。
 次に改正の第二点は、被保險者の資格喪失後において継続して保險給付を受ける者の資格要件といたしまして、継続して六ケ月以上被保險者であつたことを必要とする資格期間を設けますとともに、被保險者の資格喪失後における分娩に関して保險給付を受ける者につきましても、同様な資格期間を設けようとするものであります。この改正は保險制度の趣旨から申しますと、あまり好ましい措置とは考えられないのでありますが、本来の給付のみに対する財源すら充分でない現状におきましては、この種付随的な給付に一定の制限を設けることも止むを得ないと認められるとともに、他面においては、この種の保險給付を受けるために被保險者の資格を得て不当に給付を受けようとする者を排除しようとするものであります。この改正によりまして、本年度において約六千万円の支出が節減されることとなりまして、前に述べました保險料率の引上げによる收入増と合せますと、三億六千万円の赤字を縮減できることとなります。従いまして、予想されました二十八億円の赤字は約二十五億となるわけであります。そこで本年度末におきましては、二月分及び三月分の診療費等約二十五億円の支拂を若干遅延させて頂き、これを二十六年度で支拂うことによりまして、保險收支の調整をいたしたいつもりでおります。
 次に、改正の第三点といたしましては、政府管掌健康保險の料率の変更に伴い、健康保險組合の組合員である被保險者の保險料の最高負担限度が、従来標準報酬月額の千分の三十であつたのを、千分の三十五に引上げようとするものであります。なお、右に述べました改正は、来年一月一日から施行する予定となつているところであります。
 以上簡單に改正案の内容について説明申上げた次第でありますが、何とぞ御審議の上速やかに御決定あらんことを希望するものであります。
#4
○委員長(山下義信君) 続いて政府委員から本案の内容に関しまして、詳細な説明を求めることにいたします。
#5
○政府委員(安田巖君) 只今大臣からの提案理由の御説明に多少附加えて御説明申上げます。
 一番今度の改正で主なるものは、料率が現在千分の五十五でありますものを六十に引上げようとするのでございますが、それにつきまして、この二十五年度における健康保險の保險経済の現状並びに見通しにつきまして、最初に申上げたいと思います。で、お手許に差上げてございます健康保險法の一部を改正する法律案の参考資料というのがございますが、それを一枚めくつて頂きまして、第一頁の昭和二十五年度政府管掌健康保險收支状況というのを御覧頂きたいと思います。一番左が月別でございます。本年四月から来年四月まで、その次が保險料の調定額、それからその次が保險料及びその他の收入済額、それから保險料累計收入率、その次の大きい欄が保險給付費及びその他の支出、それからその次が收支の差額、こういうことになつております。御覧になりますように、来年の四月、つまり健康保險の保險経済の年度に参りますというと、四月の末日が二十五年度の終りになるのでございますが、これを御覧頂きますと、收入済額が百五十一億八千四百万円となつております。その隣りを見ますと、〇・九〇〇と書いてあります。これがつまり昨年の実績から考えまして、四月の終りに大体九割とれるだろうという見通しで、こういう数字が出たのであります。それからずつと右へ参りますというと、保險給付費及びその他の支出の累計のところのその四月の欄を見ますと、百七十六億七千三百万円、これで先程の收入済額と比較いたしますというと、そこに收支の差額の欄に三角の印しが付いて、二十四億八千九百万円とあります。これが一応赤字になるわけでございます。併しこれは九割徴收をいたしました場合に、二十四億八千九百万円の赤字でございますが、この徴收されないものは翌年度、つまり二十六年度に繰越されるわけでございます。で、御覧のように若し一〇〇%としますというと、一番下の最後の欄にございますように、收入が百六十八億六千九百万円に対しまして、支出が百七十六億七千三百万円でございますから、純粋の赤字は八億四百万円、こういうことになるわけであります。そこで今度の料率を改正いたしまして、約三億何千万円かの増牧を得まして、なお足りないところは、これは年度を越して、繰越して参りまして、支拂いも少し遅れますけれども、一番右の欄を御覧になつて頂きますと書いてございますが、備考欄に、本年の四月に国庫余裕金二十億円繰替使用します。又六月に五億借りた、八月に五億借りた、それから十月に一億返還しておりますから、都合二十九億の国庫繰替、つまり国庫余裕金を一時借りるわけであります。これを三月の終りになりますと、返しますけれども、返しまして、今の私どもの予定では、四月にできれば新らしい年度になりまして、又借替をいたしたい、で、そういう意味で今の二十四億ばかりの赤字はございますけれども、これを一応そういうふうな借替によりまして、大して支拂いに支障なくやつて行けるのではないかと存じます。併しながら、それは二十六年度の、又遅れまして又借りるべき二十六年度の保險経済としての見通しは立つていないじやないかという御疑問がございますと思いますが、それにつきましては、明年度は、一枚めくつて四頁を見て頂きますと分りますが、昭和三十六年度の保險料率としては、二十六年度が大体ここにありますが、百七十六億九千六百三十一万一千円、保險料率の真中に線が引いてありまして、二十六年度支出総額が百七十六億九千六百三十一万一千円になつておりますが、これが二十六年度所要額、これに対しまして、平均標準報酬が七千二百五十円といたしまして、それが十二ヶ月分で一年になります。それに平均被保險者の数が三百三十九万五千人でありまするから、これで割りますと、二十六年度の料率は幾らでやつて行けるかということが出るのであります。千分の五十九でありますから、千分の六十に今度の臨時則会で御改正を願つて、それをやりますならば、二十六年度において、明年度に遅れましても、二十六年度においては一応收支のバランスがとれる、こういう見通しの下に千分の五十を千分の六十に引上げたのであります。こういう議案でございます。
 それから次に、この被保險者の資格喪失後継続して保險給付を受ける者は、その資格要件として、被保險者の資格を喪失した日前六ケ月以上継続して被保險者であつたことを必要とするように改める。これは御承知と思いますけれども、現在におきましては、そういう資格要件がございませんので、例えば昨日入りまして、本日は辞めたというような極端な場合がございましても、入つたときに病気になりまして、すぐ医者にかかつておりますと、その後二ケ年間というものは継続して給付をすることになつております。又同時に傷病手当金を出すというような制度になつておるのであります。ところが現在いろいろな資料を調べて見ますというと、先程の参考資料の二頁を御覧になつて頂きます。参考資料の二頁の上の方に2と書いてございますが、「資格喪失後継続受給者の資格期間設定による費用節減の見込額」とございます。それによりますというと、その下の欄の表を見て頂きます。資格喪失までの資格期間が六ケ月未満と、それから六ケ月以上、つまり今度そういうように制度を変えますということは、現状を分折するというと、どういうことになるか、六ケ月未満のものに対して継続給付する額が二億四千百万円で、六ケ月以上のものが十億四千三百万円、これの比はつまり四分の一であります。統計いたしまして十二億でございます。それに対しまして大体二割になる。つまり会社や工場に入りまして、六ケ月以内に病気になつて辞めるものの比率が、実は二割もあるという数字であります。これは普通常識で考えますと同じような割合でなければならんわけでございますが、それが二割もあるというところに、実はいろいろと弊害もあるわけであります。先程大臣の御説明にもございましたが、そういう点も併せて直したい。なお又一般の給付が非常に苦しくなつておりますときに、辞めたあとの給付でございますので、この程度の犠牲は止むを得ぬじやないかというような意味におきまして、本案を提出いたしたのであります。同様な意味におきまして、妊娠をいたしておりまして事業場に入つて参りまして、そうして辞めた、六ケ月に未だ達していないというような人に対しましては、分娩に関するところの給付を廃止したい。これは今の疾病の場合の継続給付を打切るというのと同じ理窟に基いておるわけでございます。それから健康保險組合の料率と言いますものは、これは現在は千分の三十から千分の八十までになつております。つまり組合はいろいろ業種によりまして疾病率その他も違いますので、そのくらいの幅を持たせてあるわけであります。その際に政府のほうが大体従来でございますというと、千分の五十五でございますから、千分の五十五の半分の千分の二十七・五が労働者の負担になつておる。それよりも組合であるが故に、労働者に余計な負担をかけるということはよくございませんので、そこで組合のほうの料金につきましては、一応千分の三十から千分の八十までになつておりますけれども、労働者の負担は政府管掌のほうの保險料率に鑑みて、千分の三十より超えてはいかぬということになつておりますが、併し今回政府管掌のほうが千分の六十までに上りますから、従いまして健康保險組合のほうの労働者負担の限度も三十五に上げたいと、こういうことであります。併しこれによりまして、健康保險組合の料率におけるところの被保險者、つまり労働者の負担分が殖えるわけではございません。殖えさせる余地ができますけれども、併し現実にこれをやつてすぐ殖えるという問題ではございませんから、お含み置き願いたいと思います。以上が今回御審議願います改正法律案の要点でございます。
#6
○委員長(山下義信君) 本案の審議は後刻に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#8
○中山壽彦君 この際結核予防に関する小委員会及び保險経済に関する小委員会を設置し、小委員会の数は五人としまして、その委員選任の方法は成規の選挙の手続を省略して、委員長の指名による動議を提出いたします。
   〔「賛成と」呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(山下義信君) 只今の中山壽彦君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あか〕
#10
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。
 それでは結核予防に関する小委員会及び保險経済に関する小委員会を設けまして、小委員の数は、おのおの五名とすることに決定いたしまして、その指名は後刻委員長から指名することにいたします。
#11
○中山壽彦君 看護婦、助産婦、保健婦の制度並びに待遇改善に関する小委員会を設置し、小委員の数は五人とし、小委員の選挙は成規の選挙の方法を省略して、委員長の指名に一任する動議を提出いたします。
   〔「賛成と」呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(山下義信君) 只今の中山壽彦君提出の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(山下義信君) それでは看護婦、助産婦、保健婦の制度並びに待遇改善に関する小委員会を設けまして、小委員の数は五名とし、その指名は後刻委員長から指名することにいたします。
 他に御意見ございませんか……別に御発言もございませんければ、本日はこれを以て散会いたします。
   午後二時三十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山下 義信君
   理事
           小杉 繁安君
           井上なつゑ君
           有馬 英二君
   委員
           中山 壽彦君
           長島 銀藏君
           河崎 ナツ君
           堂森 芳夫君
           藤原 道子君
           松原 一彦君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 黒川 武雄君
  政府委員
   厚生省保險局長 安田  巖君
ソース: 国立国会図書館
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