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1950/12/04 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 厚生委員会 第2号
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1950/12/04 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 厚生委員会 第2号

#1
第009回国会 厚生委員会 第2号
昭和二十五年十二月四日(月曜日)
   午前十時三十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月一日委員長島銀藏君辞任につ
き、その補欠として森田豊壽君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○社会保障制度に関する調査の件
 (警察予備隊の結核問題に関する
 件)
○薬事法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○毒物及び劇物取締法案(内閣提出)
○船員保険法等の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○未復員者給與法の改正案に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山下義信君) これより委員会を開会いたします。
 本日の案件は公報で御通知申上げた通りでございますが、なお都合によりまして健康保険法の一部を改正する法律案予備審査並びに社会保障制度の調査、この二件を本日の案件として追加いたします。
 日程の最初に社会保障制度調査の一環といたしまして、最近警察予備隊の隊員の中で結核に侵されておりまする隊員の処置の問題に関連いたしまして、当委員会におきまして法務総裁からその説明を受けたいと思いますので御了承願いたいと存じます。一応委員会からこの問題につきまして法務総裁の説明を求めたいと思います。法務総裁に伺いますが、警察予備隊の隊員の中に結核に侵されておりまする者につきまして或いは解傭といいますか、解除といいますか、一応それをやめさせまして帰郷させるという処置をとつたということが伝えられてあるようであります。衆議院の一部におきましても質疑があつたようでございますが、この点について伺いたいと思うのでありますが、先ず一応順序としまして当初の隊員の採用の際におきまする健康診断といいますか、身体検査と申しますか、そういうようなものはどういうふうにして行われましたか。その点を承わりたいと思うのであります。これか第一点。その場合に今の結核の疾患をどうして発見しなかつたかという点であります。
 それから第一点といたしましては、結核性疾患の患者は隊員中何名あるかという数であります。先ず一応この問題につきましての状況を御説明願いたいと思います。
#3
○国務大臣(大橋武夫君) 先般警察予備隊におきまして、隊員に対しましてレントゲンによる結核の診断をいたしました。その結果の処置につきまして国会におき度していろいろと御心配を頂いておりますることは誠に恐縮に存ずる次第でございます。只今委員長の御質問になりましたるこの問題についての経緯を申上げたいと存ずるのでございまするが、実は七月八日のマツカーサー元帥の書簡によりまして、急速に警察予備隊を設置することに相成つて来まして、その後政府といたしましては警察予備隊本部長百を選任いたし準備をいたすことになつたのであります。その後八月二十三百までに急遽第一回の隊員を募集する必要を生ずるに至りまして、政府といたしましてはこれが募集に当りまする場合に、警察予備隊固有の機関を用いて募集するということは困難でございまするので、止むを得ず国家地方警察の全国にありまする機関を一時この募集の事務のために転用するの止むなきに至つた次第でございます。従いましてこれの募集につきましては国家地方警察本部を煩わしまして、その監督の下に国家地方警察の各府県にありまする警察隊において実際募集の作業に当つたわけであります。この際におきましては身許調査、体格検存並びに本人の採用試験、これは筆記試験及び口述、人物考査ということに相成つておつたのであります。この際におきまして、当然身体検査はいたしたわけでごいまするが、ただ早々の際でありまするので、この間中央と地方との連絡よろしきを得ませず、その結果レントゲンによりまするところの検診は完全にはうことができたかつたわけであります。併しながら応募者といたしましては全国におきまして約五十万に上り、この中から七万五千を採用いたすことに相成りましたので、頗る優秀なる隊員を集め得ることに成功をいたしたのであります。而して採用いたしましたる七万四千が大体十月の初句までに入隊を終つたのでございまするが、その後だんだん秋口になりまして風邪をひくとかそういうような者もぼつぼつ出て参りまするので、この際全国的にレントゲンによる検診をすることが必要ではないか、こういう議が起りましてこれが全国の各像において一斉に行われることに相成りました。その方法は地元におきまする相当信用ある医師を煩わしまして、そうして最初は間接撮影によりまして一応の診断を遂げ、必要のある者につきましては直接撮影を行いまして、レントゲンを以ちまする胸部疾患の診断をいたしたわけでございます。この診断の結果は非常に全般的には好成績でございまして、多少過去において或いは現在において注意べき状態にあると認められましたる者は、五百名以下であつたわけであります。然るにその後におきまして本部と現地各部隊との連絡が不行届でございまして、これらレントゲンの撮影によりまして胸部に陰影ありとされましたる者を一斉に無條件で解雇をするというような措置がとられた次第であります。これは中央地方におきまして連絡の不十分の結果、手続上に齟齬がございましたるために、中央において予想せざる処置が実際に行われたということに相成つた次第でございます。なぜ連絡上の錯誤があつたかと申しますると、現在部隊におきましては七万四千の一般隊員はすでに募集せられております。而してこれが指揮統率に当る者といたしまして、一般隊員の中より選抜いたしまして、仮に幹部の職に当る者が現地において任命をせられておるのであります。併しこれは仮の統率者でありまして、将来正規に任命せられましたる幹部が就任いたしまするならば、それと交代をいたす、こういう定めの下に選任をいたしておつたのでございます。従いましてその人数も極めて少数でございまして、毎日の作業の訓練に当ります最小限度の必要の員数だけしかこれらの仮の幹部の任命を見ていなかつたのであります。中央より各原隊を指揮し、又この部隊を管理いたしまするに十分なる幹部としての員数を満しておらない。その結果、中央、地方の事務の監督或いは連絡等におきましては、現在の状態におきまして極めて欠くるところが多いことを痛感いたしておるのであります。もとよりこの幹部の任命は適当なる幹部要員を養成いたしましてその中より速かにこれを幹部に充てるように、只今警察予備隊といたしましてはあらゆる努力をいたしておると共に、他方約一千名の一般隊員以外の方面からの募集によつて、或いは個別的交渉により充足するという計画の下に、只今幹部を選衡並びに訓練をいたしておるとこういう実情でございます。一月中旬頃までには各部隊において最小限度の所要幹部の選任を終りまして、原隊に対する中央よりの管理を十分ならしめたいとかように考えておるのでございまするが、さような次第でありまして、今日までのところ一般隊員は募集せられ又現地において作業の訓練は受けてはおりまするが、中央よりの管理並びに指導監督ということが非常に不十分であります。
 これらの事情の結果といたしまして、只今申上げました結核患者に対する措置として、中央が予期しておりませんでした解雇の措置がとられると、こういうことになつたのでございます。その後予備隊本部といたしましては、現地より解雇処分を行なつたという情報を聞きまして、これは当初本部において意図しておつたところと違いまするが、これが善後措置をいろいろと考えておつたのでございまするが、解雇処分をとりました各原隊におきましては、無條件にこの関係者を帰京せしめまして部隊の指揮から離して上まいました。これらの人たちは若し予備隊が採用をしてくれなかつた場合におきましては、従来の職場におきまして仮に結核が発病いたしましたる場合におきましても、相当期間は従来の職場において療養を受け得るという可能性を持つておつたわけでありまして、それがたまたま警察予備隊に採用になりましたばかりに、警察予備隊から一片の辞令によつて解雇せられ、而もその後の療養については何らの措置がとられないというような事情に相成りまして、当人たちといたしましても非常に将来について困惑をいたしたものと存ずるのであります。これらが漸次中央の予備隊本部に対して事情を訴えて来る。或いは又最近におきましては国会においてもさような行動をとりまして、皆様にいろいろと御心配を煩わすに至つた次第でございます。警察予備隊本部といたしましては、かような事態については当初から予定しなかつたことでございまして、この結果につきましてはすこぶる責任を痛感いたしたのでありまするが、至急これが対策を立て何とかこれらの諸君に対して十分なる予備隊としての責任ある処置をとりたい、かように考えまして関係筋ともいろいろ協議をいたしましたる結果、現在においては次のような措置をとることに相成つたのであります。
 即ち結核患者といたしまして先般原隊において誤つて解雇の措置をとりましたる人々に対しましては、この解雇処分を一応取消すことにいたしました。而してこれら約五百名の諸君はこれを二通りに分けることができます。一部の諾君は現在軽度ではありまするか発病状態にありまして、直ちに原隊に復帰することが困難であるという人人であります。第二の部数は現在何ら発病の状態にない、併しながらレントゲンの検診の結果として影がある、従つて予備隊の勤務にはこのままでは適当でない、こういうふうな診断を受けた人。この二通りの種類の人たちがあるわけであります。そこでこの二通りの種類の人たちにつきましてそれぞれ別個の処置をとることにいたしました。即ち現在発病中のものにつきましては、予備隊におきまして病院に収容し、或いは自宅に療養せしめまして十分責任を持つて今後の治療をなさしめるという方法でございます。
 それから現在発病していない人たち、これにつきましては現在発病しておらないと同時に、先の検診の見立てが多少極端であつてこの程度ならば予備隊において十分注意して勤務せしめまするならば、作業の種類によつては十分将来勤務できるのではないかというふうに認められる人たち、これは医師二名の診断に基きまして、さような診断が與えられましたならば直ちに原隊に復職せしむる。又多少作業には直ちにつくことは、現在発病はいたしておりませんが、それによつて発病の可能性があるのではないかと認められるような人たちに対しましては、自宅において或る期間療養せしむる。或いは状況によりましては原隊に復帰いたしましたる上、近くの病院において療養せしめるというような措置をとる。こういう方針をとることにいたしましたのでございまして、予備隊といたしましてはかような措置をとりまして当分の間様子を見まして、もう半年乃至一年ぐらいのあとにその結果によつて何分の恒久的な処分を決定いたしたい、かような方針を立てまして、現在それによつてこの事態を解決いたしたい、かような運びに相成つておる次第でございます。
#4
○委員長(山下義信君) 只今の法務総裁の説明に対しまして御質疑のありますかたはどうぞ。
#5
○松原一彦君 法務総裁に伺いますが、私どもこの請願書を見て驚いたのであります。そうしてこの請願者に接して事情を聞きました。誠に乱暴極まる処置だと思うのであります。この七万五千名の集団的な、而も多額の国費を使つて新らしく組織せられた部隊が、何ら自分上の保障もないというような根本的の面に誤りがあるし、その故に病気になれば直ちに片道の旅費を與えて郷里に帰してしまうというような残酷無情なことが一体どこから考えられたかということを私は疑つたのであります。又只今の御説明によつてほぼ分りましたが、中央はそういう命令を出したことはない、これは連絡土の誤りであつたと言われまするけれどもか、五百名に上るこの患者と言われる人たちが、一斉に全国から解雇せられたところに、私はそうじやないと思う、疑うようでありますけれどもが、全国一斉に解雇したという事実には、私は中央幹部の当局の命令が必ずあつたと思う。なくしてこういうことが行われるはずがない。その罪を現地の諸君に負わせて、そうして呼び返すという命令をお出しになつたとすれば私はいささか卑怯じやないかと思う。併し過ちを改めることには何も差支えございませんから、改められることは結構でございますが、この七万五千の大部隊、この人々の身分、殊に健康上の問題等につきましては、私は今後もつと愼重にやつて頂きたいと思う。昔一銭五厘の葉書一枚で兵隊ができたと言われる乱暴な陸軍時代でさえも、結核になつた人々のためにはほうぼうに大きな寮舎を拵えて十二分の手当を施したのであります。いわんや今日のこの平和の時代、又厚生省のほうでは多額の国費を使つて特に社会保障制度の一番先に取上げて、そうして強行しようとする問題が結核対策であります。厚生委員はこれについては絶えず苦労をいたし、明年度には病床も増し、且つ十二分に発病前の調査まで、全国的にいろいろ結核をなぐしようとしておる際に、警察予備隊ともあろうものが結核慰者を無條件で追つ拂うなどということはあり得べからざることであり、何という乱暴なことであるか。私は国民に対してもこれは相済まぬことであると思う。而もその責任は健康診断、身体検査を行なつて入れたのであります。で、あるならばすでに予備隊の隊員であります。たとえその幹部が暫定的の幹部であろうともその責任を免れることはできない。それを一体どういう見地からか片道の旅費をやつて無條件に厚生省とも連絡をせず、結核患者とわかる者を追つ放してしまうということは、実に私は言語道断だと思う。私はこの人々に、これは心配することは要らぬ、必ず隊において療養させねばならぬ責任がある、私はそれを保証する、安心しておれ、かように申したのであります。ところがこの人々の言いますのには、呼び返され、二人の医師の診断を受けるということも聞いておりますが、私どもは旅費を貰つております。これはもう使い果してしまつておる、呼び返えされてその旅費を戻せと言われても、もうありません、もう今日困り切つておるのであります、かように申しておるのですから、私はそういうことは毛頭心配する必要はない、これは一方的に出したものであつて、それは呼び返されれば戻さねばなるまいが、それは何カ月間かの月賦にして、そうして当然当局が諸君を苦しめない処置をとるに違いない、諸君の請求した旅費でないから当局の一方的にくれたのだから、そういう心配は、諸君は今さらする必要は毛頭ないと、かように申したのでありますが、こういう点につきまして、当局は果して地方との連絡の齟齬から来たる結果と言われるでしようか。検診の結果、結核の疑いある者は直ちに解雇しろという命令をお出しになつたことはあるのでしようかどうでしようか。
#6
○国務大臣(大橋武夫君) 警察予備隊本部といたしましては、結核患者を解雇すべしという命令は出しておらないのであります。又この問題につきまして或いは私が先程申上げたることが不十分であつた結果でありまするか、只今松原委員から政府の態度が現地の指導者に対して、責任を負わせるがごとぎ卑怯極まる態度である、かように仰せられたのでありまするが、私はこの問題について、現地の幹部に責任を負わせるという考えは毛頭ございません。これは全く現在の警察予備隊本部及び現地との連絡の不行届のことが原因である、そしてそれは現在の未完成の編成から原因いたしたることでありまして、この関係の当局者たちにおいては何ら責任がない、止むを得さる事柄であつたということを考えておるのであります。従いまして、かようか編成が未完成であるということにつきまして、最高の責任者といたしまして、私自身の責任ではありまする。併しその他の本部或いは現地の部隊の諸君の責任であるというふうには、私自身全然考えておらないのでございます。従いましてこの点につきましては、私自身極めて遺憾に存じて恐縮をいたしておる次第でございまするが、今後におきましてはでき得る限り速かに編成を完成いたし、再びかくのごとき齟齬のないように十分気をつけたい、かように存じておる次第でございますから、その点を御了承願いたいと存ずるのであります。
 なお又只今旅費の点を言々ということを隊員が申上げたということでございまするが、この旅費の問題は、隊の命令により要して帰郷せしむるために給與いたしましたる旅費でございまするから、後に呼び返されたときこれを回収するというようなことは到底予備隊の措置としては考え得られないものであるということをば加えて申上げておきます。
#7
○委員長(山下義信君) 法務総裁は衆議院の予算総会に呼ばれておりますので、又他の機会に御質疑を……。
#8
○松原一彦君 どうも警察予備隊は外からはつきりいたしません。警察予備隊のことはどうもわからないのであります。それで何か秘密があるような気がして仕方がない、疑いを持たせます。私は一応法務総裁のお言葉を信じますから、どうか警察予備隊の本部から地方隊幹部に與えた指令の等しをどうぞ見さして頂きたい。御提出を願いたい。
 それから旅費は、今度は又呼び迎えるならば、どうぞ又隣に復帰するところの片道の旅費を與えて頂きたいことを希望しておきます。
#9
○国務大臣(大橋武夫君) 指令の写しと申しますと健康診断関係ですか。
#10
○松原一彦君 その通り、それを。
#11
○国務大臣(大橋武夫君) 健康診断の関係につきましては、本部からの指令といたしましては善後措置に対して指令を出しておりまするが、その義後措置に関して幹部から出した指令を出します。
#12
○松原一彦君 その前の指令が欲しい。
#13
○国務大臣(大橋武夫君) その前に指令をいたしておりません。
#14
○委員長(山下義信君) 帰るかたの旅費はどうかという御質問に対するお答え……。
#15
○国務大臣(大橋武夫君) 旅費は必要に応じて当然支給すべきものと考えております。
#16
○委員長(山下義信君) 法務総裁は後刻又衆議院のほうの答弁が済みましたならば、必要に応じて出席するということでございますから。なお警察予備隊の次長の江口見登留君が、出席いたしておりますから、関連して御質疑がありましたら江口次長から答弁いたしますから御質疑を願います。御質疑ございませんか、只今の問題。
#17
○藤原道子君 私は重複を避けまして納得の行かない点を少しお聞きしたいと思います。
 先ず第一に、今度の解雇に当りましては米軍によつて直接解雇された。そのときに、隊員は、日本政府に雇われたのであるから、日本政府の近接の命令を聞きたいと言つたけれどもそれは今の場合在方がないのだから了承してくれというようなことであつたということを聞くのでございますが、大体警察予備隊の本質、その責任の所在というものをこの際明らかにして頂きたい。
#18
○政府委員(江口見登留君) 私からお答え申上げます。警察予備隊は、警察予備隊令に規定されておりまするように、内閣総理大臣の直轄に属しまする日本の政府機関でございます。ただ出発の過渡的な時期におきまして装備の点などの事由から、米軍の将校の強い指導と援助を受けておるのでございます。従いましてその間多少指揮系統、命令系統に齟齬が生ずる場合がないとは申されません。殊に通信施設も甚だ不完備な今日におきまして、只今問題になりました結核患者の扱いなどにつきましてのような齟齬がときたま起るということもあるのでございます。従いましてその点は我々といたしましてもできるだけ齟齬のないように調節を行いまして、又誤つて処置が取られました際に、その善後措置をしてできるだけ予備隊員の希望に副うように処置し続けて行くつもりでございます。責任はあくまで日本側にあるのでございます。それがたまたまこういうような問題でどこに責任があるのかというような疑問を呈する場合もありますが、飽くまでこの問題にいたしましても現地の機関、仮の責任者の名前において、そういう処置が誤つてとられたと申上げるよりほかないのでございます。その処置をもとから我々のほうが承知をしましたしで改めてその措置を講じて行きたいというような考えでおります。
#19
○藤原道子君 先程の法務総裁の御答弁を聞いておりまして、どうも納得が行かなかつたのでございますが、これからいろいろなことを調整しながら恒久的態勢を整えるというようなことでございましたけれども、七万五千というような厖大な数に挙がる予備隊を設置するに当つて、何ら身分の保障というようなものが考えられていなかつたということ。
 そしてそれと今一つは給與の問題でございますが、新聞では非常に甘い餌で釣つたような形があるのでございますが、そうして今度の人にしても、前の会社の課長をしていたとか、或いは学校の優秀な教員であつたとかいうような人が前職をなげうつて、そうして国家のこの治安維持のためにと進んで採用を願い出て採用された。ところが入つて見ると結局給與のごときもまだ暫定拂いというようなことで二千五百円くらいしか與えられない。従つて隊員の殆んど四割、五割に及ぶ者は家元からの送金によつて、漸く過しているというようなことを切々として訴えておりましたし、新聞にそういうことが散見されるのでございますが、果してこういう実情に放置されているのかどうかこの点を一つ伺いたい。
 そして今一つは、入隊のときに、嚴重な身体検査をした、併しレントゲン検査ができてなかつたので、かぜひきが出たから今度レントゲン検査をしたのだというお話でございましたが、私聞くところによると間接撮影は一斉にした、ところがそのときに疑義のあるものだけを今度面接撮影をしたというのですが、ところか間接撮影をして疑義のあるものに何ら休養を與えていない。疑義がありながらそのまま同じ猛訓練を続けて来た。そして面接撮影をいたしてその結果そのまま裸で、はだしで解雇を申渡をしている。そうして申渡された隊員はいろいろ折衝したけれども本部へも何十通使つて電話連絡等したけれども、今の場合仕方がないのだということだけだつた。そして万策つきてこの人たちは日赤病院へ泣きついた。日赤病院戸も余りかわいそうだから是非療養させてやりたいけれども、本部の承認があつたならば日赤でも引受けると言われたけれども、このことを本部へ言つたならば、そういうことはできないということを言明された、拒否されたということを私は聞いているのでございますが、果してそういう血も涙もないような解雇を本部がされたのかどうかということを私は聞きたい。
 それから食事の問題でございますが、今何カロリーくらいを與えておいでになるかということを、私は伺いたい。
#20
○政府委員(江口見登留君) 予備隊員の身分保障の問題でありますが、これは予備隊の性質、指名、目的に鑑みまして、一般の国家公務員のような身分保障制度をとつていないのでございます。非常に規律を嚴正にする必要がある点から申しまして、殊に最初の六ケ月間におまましてはそういう身分保障を講じない。つまりアツピールの方法などをこの予備隊については取入れていないという仕組にいたしているのでございます。
 それから給與の問題でありますが、給與は最初に公募いたします際に月平均五千円程度ということで募集を始めたのでありますが、それはいわゆる一等警察補以下の階級を通じまして五千円程度ということを公告いたしたのであります、初任給といたしましては四千五百円から出ることになつております。これが本ぎまりになりますまでに我々といたしましては多少事務上の手違いはあつたかと存じますが、すべての方面に了解をつけたものという前提の下に、八月の九日でございましたかこの数字を発表いたしまして募集に入つたのでありますが、その後これを具体化するにつきましていろいろな故障がほうぼうから出て参りまして、その調整に二カ月ほどかかつたのであります。その間、あの三千円というような数字が新聞などに出たりして、非常に予備隊員は勿論世間のかたがたにも御心配をかけたのでありますが、漸く先月の初項にかけまして初任給四千五百円という数字がきまりまして、我々最初公約した通りの給與が出せるようになりました。ただそれまでの間一月も一月半も給與なしではいけませんので、入隊いたしました時期によりまして或いは二千円或いは三千円の内拂いをして来ております。それも今申上げました給與がはつきりきまりましたので、十一月末日を以ちまして全部の清算を完了するということの指令を出しましてその報告が入つておるような次第でございます。
 それから入隊時の身体検査でございますが、胸部疾患の問題につきましては一応検査はいたしておりますが、併し詳細なるレントゲン検査と申しますかそこまではやつておらなかつたのであります。六ケ月の仮入隊の期間内にもう一度隊に入つて詳細な検査をした上で、病気の疑いのあるものについては適当な措置を講ずるという前提を加えて、国警のほうにお願いして募集して来たのでございます。それで予備隊のほうには未だ十分な診療機関も備えておりませんので、その検査が非常に遅れましたことがこのような問題を起した一つの理由になるのでありますが、つまり今度の検査の結果、本当にその人の体格というものがきまつてこれならば予備隊に入つて働いてもらえるという人だけを残す目的のために検診が行われました。従いましてこれの疑いのあるものにつきましては先程も法務総裁からお答えいたしましたように、適当な措置をとつて、或いは静養を、或いは退職を申渡すべきであつたのでありまするが、いろいろな理由の手違いなどから一応隊から出て貰う、我々はこれを退職と解しておりません、一応隊から出てもらう、ほかのものに感染しては困るということを主たる眼目といたしまして一応出てもらう。その間の給與なり療養なりの点をきめて、それらに通知をする。こういう気持でおるのであります。それから通信施設とか或いはその事務連絡が十分に行きませんので、東京の部隊におきましては我々自身で、本人に自覚症状がない、それじやもう一遍違う医師にみてもらつてはどうか、こういうような世話までいたしまして、そうして違つた医師二人の証明によつて取消したという事例が数人ございます。東京におきましては。ただ地方におきましてはそれだけの親切が廻らなかつた所がありますのでいろいろ不平を訴えて来た所もございますが、それらにつきましては今後の決定的措置におきまして遺憾のないようなことをして行きたいと思います。
 カロリーにつきましては各キヤンプによつていろいろやりかたがありますので一応整つた数字は出ておりませんので、三千百カローぐらいは平均して食べてもらつているということが言えるのではないかと思います。キヤンプによりましては未だに請負制度でやつておる所もあります。或いは隊員自身の自炊に切り替つておる所もありまして、食糧費も予算としましては大体二千円というつもりでおりましたが、二千二百円から三千四百円くらいかけておる所もありますので、これは今専門家に依頼してカロリーを調査中でございますので平均したはつきりした数字は申上げられませんが、その程度は食べてもらつていると申上げられるかと思います。
#21
○委員長(山下義信君) 厚生大臣も御出席でございますから、関連する御質問でございましたら許可いたします
#22
○藤原道子君 委員長にお伺いいたしますが、官房長官はおいでになるのですか。
#23
○委員長(山下義信君) 官房長官は直接の関係が、この問題につきましては知るところも実は少ないので満足な御答弁ができるかどうか分りませんので、必要があれば出るということでございますから、一応法務総裁と予備隊次長とがお答えをするということになつております。
#24
○藤原道子君 ではもう一つだけお伺いしたいのでございますが、厚生大臣にも御一緒にお伺いしたいと思うのであります。
 誠に御答弁の中に不満足な点が多々ございますけれども、これは一つ又次に法務総裁等にお伺いしたいと思いま子が、今の食事問題でございますが、すべてのそうした、何というのですか用度の関係ですか、これが請負というかその筋の関係で雇い入れた商人が扱つておるというような点から大分不正があるやに聞いておりますので、あなたが只今十分なカロリーを與えてお出でになるはずだということでございますが、直ちに現地でどういうものが給與されておるかというようなことを十分調査してもらつて、そうして大切な予備隊員なるが故にその給與の上に遺憾なきを期するだけの親心を私は欲しいと思います。
 それから警察であり、或いは文部省であり、或は又国鉄であるというように、大切な結核対策が国家で立てられておる今日、個々ばらばらに扱つておいでになるが、この結核の問題は社会保障において特に結核対策ということが強く取上げられておる今日、今後もこういう個々ばらばらの方法でおやりになるつもりであるかどうか。私どもはセクシヨン的な考えを捨てて本当に真劔に結核対策に取組んでもらいたい、統一した対策を立ててもらいたい。かように存じておりますがこれに対してどういうお考えがございますか。
 それから今一つは殊に関西方面において、或いは各地においていろいろな事態が起つております。こういう際にそうした不測の事態が起つたときに、今の動搖しておる隊員の心持で果して十分に治安を護つて行くだけのお覚悟がございましようか、行けるだけのお見通しがございましようか。
 これらについてのお考えとそれから今一つだけ伺いたいことは、隊員の中に、聞くと入つて見るとは大きな違いがあるので非常に失望いたしまして、何と申しますか辞任をしたい人が沢山おる。ところがこれは理由がなければ認められない。理由薄弱で殆んど却下されておる。そうして若しそれでもやめたい者はやめたあと二年間は公職につけないといつておどかされておるそうでございますが、今あなたのお話では公務員とは性質上別箇の取扱をしておるというお言葉でございますが、何だか私、縛つて叩くようなこの処置について納得が行かないのでありますが、これらの点を一つ御説明願いたいと思います。
#25
○委員長(山下義信君) 今の藤原委員のお尋ねでございますが、結核に対しての統一的な政策があるかということは厚生大臣に……。では江口次長からお尋ねの点についてお答え願います。
#26
○政府委員(江口見登留君) 炊事の問題に関連いたしまして不正があるのではないかという御懸念でありますが、当初キヤンプを設置いたしましたときに隊員では到底やれませんので、地元の方々或いは国警などにお願いしまして適当な方々も見えましてそれによる食事をさしておつたのでありまするが、大体のキヤンプにおきましてはその期間を一月か二月ぐらいに打ち切りましてその間入りました隊員自身の手によつて経理を行い炊爨をやつて行くというように切り換えつつあるのでありますので、そういたしますれば御懸念の不正の点も非常に減つて参るとこう我々は考えておるのであります。それからそういたしましたほうが又安い値段で栄養価のあるものを食べさせることができると考えますので、その意味から申しましてもできるだけ請負いの手を離れて隊員自身で炊爨をやつて行くように考慮中であります。
 又栄養価の問題につきましても勿論我々なおざなりにしておるのではありませんので、栄養研究所の先年がたにも調査をして頂きまして、先般北海道におきましての調査におきましては、やはり訓練の状況から申しまして三千五百カロリーぐらいはやはり與えなければ無理であろうというような御意見が出ております。この御意見につきましては目下我々検討中でありますが、益千五百カロリーの栄養価をとらせるということにしますと、先程申しました二千円とか三千二百円というのが食事の予算では到底やつて行けないのでありまして、来年度予算では一応二千八百五十円見込んでおります。この二千八百五十円の数字はまだ本ぎまりではございませんが、できれば来年の一月からでもこういう程度の高いものに上げてやつて見たいとこういうふうに考えておる次第でございます。
 それから隊員がいろいろここで精神的に動搖してはいないかというお言葉でございますが、当初におきましては先程申しましたように給與の問題がきまらず、又採用された場所が郷里より遠隔な地であつたことなどからいたしまして非常に動搖した場合もございます。併し給與の問題も片付きまするし、隊員の一番渇望しております自分らのし級幹部の任命もやや緒について参りました。これらの上級の幹部ができますればそれらの統率の下に隊員が今後は十分規律を持つた予備隊員として、不安なく落着いて勤めて頂けるものだとかように確信いたしております。
 それから退職者に対する扱いでございますが、そういう事例もございました。七万五千の充実を期待する余りできるだけやめてもらわないという点と、又入つて見たところ悪いのでやめると言つて直ぐやめられたんでは編成上からも困るので、一応は少くとも二年間はやめてもらいたくない、特別の事由がなければやめないという約束で入つております。併し全然思想的に、到底こういう隊に入つて勤めることができない。或いは自分の入るとき予想しておつた予備隊とは全然違うというように、根本的に誤つた考えで入つて来てこれではいかんのでもう是非やめたいという人があつた際には、それは強いてとめないという方針を我々は最近確立いたしました。勿論関係方面の了解を得なければなりませんが、そういう方法で去る者は追わずという態度を実はとつておりまするし、そのことはすでに地方へも指令をいたしたような次第でありまして、今後は本当に自分の気持に合つた予備隊であるという気持で幾つて頂く人だけでこの予備隊を組織したいと、こう考えております。
#27
○藤原道子君 年間公職につけないということは。
#28
○政府委員(江口見登留君) 今申上げましたように、退職希望者に対しましては、これは別に懲戒処分によつて退職させるということはいたしておりません。本人がやめたいというときにはやめてもかまわないという方針をとつたがために、懲戒処分でやめさせるのではないのでありますから、二年間公職につけないということにはならないと思います。
#29
○藤原道子君 それははつきりしておりますね、
#30
○政府委員(江口見登留君) はつきりしております。
#31
○国務大臣(黒川武雄君) 結核対策につきまして一本にやるようにしたいという熱望は十分ございますが、衛生管理が任地或いは任務等その拙いろいろ関係する点が多いのでございまして、理想といたしましては結核対策一本にしたいと存じますが現実においてはできておりません。ただ事務連絡協議会がございますので調整いたしまして、できるだけ同一方針によつて進みたいと存じております。
 なお厚生省には最近結核対策本部を設けましたのでこの点も促進することができると信じます。
#32
○藤原道子君 現在そうなつておるということは知つております。これからどういう対策を立てる、どういう方針で進まれるというお考えであるか。もう一つ結核対策についてお伺いしたいのですが、今朝の新聞を見ますと、長野県の北佐久郡の小学校三年生のクラス五十一名中四十名結核に侵されておるということが出ておりましたが。そしてこの学校では昨年度の健康診断もやつていないし、BCGも予防接種も行なつていないということが出ておるのでありますが、これは果して事実でありますかどうか。
 それから予防接種は法律で決定しておるので奉るか、やらなければやらないのにそのまま済ましておるのであるか、これをちよつとお伺いいたします。
#33
○国務大臣(黒川武雄君) 結核対策を一本にやりたいということは先程申上げた通りであります。これからも大いにやります。長野県の集団結核発生事件は今日の新聞ではなくて、大分前に出ておりました。
#34
○藤原道子君 私は今朝です。
#35
○国務大臣(黒川武雄君) 藤原委員としては珍らしいことであります。もうすでに三木局長を派遣いたしまして帰つて来ておりますから詳しく局長からお答えいたします。
#36
○政府委員(三木行治君) お答えいたします。長野県の学童集団の結核感染の事件でございますが、これはかいつまんで申しますと、御代田小学校と申します小諸と軽井沢との中間にございます小学校でございまして、そこに二年の東組に二人の結核死亡者が出ておりまして本年の九月のことでございまするが、それがたまたま所轄の小諸保健所の保健婦が病院に通院しております兒童を見付けましたことから発見いたしまして、調査いたして見ますると、この小学校の二年の東組におきまして、八三%の結核ツベルクリン反応の陽性者があるのでございます。そうして更にこれをレントゲン撮影その他によりまして調査いたしてみますると、所見がございます人員が五十一名山三十七名でございまして、そのうち自宅療養をしております者が二十二名、養護学級に收容いたしており、ます者が十五名というようなことに相成つております。でこれは私どもといたしましても誠に遺憾に堪えない事件でございまして、当初現地におきまして保健所長の指揮の下に県の教育委員と協同で以ちまして、養護学級を十月十九日に作つたのでございまするが、それが厚生省にわかりましたのは十一月のことでございまして、その養護学級を作りましたにつきまして、若干の厚生省からの補助がないかというようなことがきつかけとなりましてわかつたのでございます。十一月十一日に直ちに厚生省の小川結核予防課長、津田、若松技官、結核予防会の小池部長等が現地に参りまして、現地の長野県衛生部長、予防課長、保健所長、それから阪本小諸保健所長、及び村当局が一緒になりまして、取りあえず隔離病舎を整備いたしまして保健所に転用するということ、それらの経費負担をどうするかというような問題等も協議いたしまして、私が三十日に参りましたときにはその保養所は殆んどでき上つておりまして入るばかりに相成つておつたというようなわけでございまして、この事後措置といたしましてはおおむね順調にいつておるのではないか。ただこれらの入所せしめました児童の療養費の問題というようなところに若干の割切れないところがございますけれども、この兒童の措置、及びこの患者、家族、及び全村の結核検診というような点につきましては遺憾なく措置が講ぜられておるように存ずるのでございます。で私どもといたしましてはこのような世界でも珍らしい、日本におきましては勿論最初の集団結核感染というような事件を詳細に取調べまして、なお研究班も設置いたしておるのでございますが、これらの経験を折込みまして結核予防対策の重要なる教訓にいたしたい、かように考えておるのでございます。
#37
○委員長(山下義信君) 今の藤原委員の質疑に関連して委員長からも伺いますが、結核関係の施策を一本にしたらどうかという質問に対して、厚生大臣は将来考慮するということてございますが、例えば現在の当面しておる警察予備隊の患者の処置の問題でも、将来は予備隊は直接医療機関を持つと思いまするが、直ちには医療機関を持つていないのです。そうすればやはり現存の他の医療機関によらなければならぬ、そういうことに対して厚生省と警察予備隊は何らか連絡して善処しておりますか。今現在国内にはそういう多数の結核患者を収容するいわゆる余裕というものがない実情なのです。急速に何か病院というものを仮に警察予備隊直属のものを作るのか、現在の他の除外の医療機関に託するというのか、若し託するならば費用はもとより予備隊から出すだろうけれども、そういう医療機関との連絡というものは厚生省に話をしなければできないはずだと思う。そういうところの関連と申しますか、そういうものは差当つてはどうするのか、将来はどうするのか。厚生省も例えば今問題になつておるのは結核教員をどうするかというので、文部委員会のほうでは騒いでおる、あればあれで文部委員会のことだ、教員は教員で教員の特例法のほうで片附けるのだ、厚生省は知らん、そういうふうに行くのか、これらの対策を一本にするのかどうかという点が問題になつたであろうと思う。一応当面の警察予備隊のほうの結核患者に対する対策として、厚生省と十分協議してやるかどうかという点が一点。
 厚生省のほうとしては今言つたような結核の教員等に対する問題もその他の問題も、すべて結核に関する限りは大いに厚生省として乘出して、将来統一ある施策をする考えでおるかどうかという点をなお確かめておきたいと思う。関連して江口次長と厚生大臣から重ねて御答弁を願いたいと思います。
#38
○政府委員(江口見登留君) 予備隊員の結核、その他医療問題につきましては、お話申上げました通りまだ十分な医療機関を予備隊として持つておりませんので、そういう場合におきましては、そのキヤンプにできるだけ近い国立病院などと御相談いたしまして、どういう病気のときにはどういう対策を講ずる。結核患者ができればどのくらいベッドの余裕があつて、こちらのほうに割いて頂けるのかどうかというようなことを詳しく、近くの有力なる病院と打合せをした結果進めておる次第でございます。将来におきましては勿論予備隊といたしましても、大きな病院を一つ中央に、それからそれよりも小さい病院を全国にニケ所くらい設置いたしたいと考えております。非常に困りまする問題は、隊員の病気の治療などにつきましては、隊の中におりまする衛生警察官によつて処置するのが一番よいのでございますけれども、給與の面その他から申しましてなかなか適当な衛生関係の隊員が得られないので、現在のところにおきましては只今申しまするように近くの国立病院などと契約を結んで参りますか、或いは病院の不便な所におきましては医師のかた二名、それに看護婦を二名付けで頂きまして、日々そのかたたちに謝金を差上げて、来て頂いておるというような方法で、予備隊員の健康管理を続けているような次第でございます。
#39
○委員長(山下義信君) 厚生省と連絡しますか。
#40
○政府委員(江口見登留君) 厚生本省と直接書面の取交わしをしたことはございませんが、今後それらの問題につきまして、結核の問題が大きく取上げられておりまするが、十分厚生省のお立てになる政策に順応して、予備隊とししも御相談を申上げながら、隊員の結核患者を扱つて行きたいと、かように考えております。
#41
○委員長(山下義信君) 了承いたしました。
#42
○国務大臣(黒川武雄君) 結核につきましては厚生省といたしましては、国民全般に対する対策でありますので、あらゆる方面に向つて統一的に画一的に一本化して行きたい、こういう考えでございます。
#43
○井上なつゑ君 只今警察予備隊の健康管理は、嘱託医師一名に看護婦二名とおつしやつておられますが、すでに警察には警察病院というものがおありになるはずでありますが、この全国の警察病院を活用なさることはできないのですか。それからいくつぐらいございますか。現在の警察の衛生組織、衛生設備をちよつと資料を頂きとうございます、あとでも結構ですが。
 それからもう一つ、只今厚生大臣から厚生省の結核対策本部のお話がございましたが、結核対策本部の組織と、本部から各府県の支部に対しまする支部の組織でもお作りになつておりますかどうか。それから本部の構成をちよつと承わりたいのでございます。本部にどういうかたがおつて、結核対策本部を作つておられるのでありますか承わりたい。
#44
○国務大臣(黒川武雄君) 結核対策本部の具体的の支部とか本部とかいう組織のことでございますが、これはもう暫らく時日をかして頂きたいと思います。
#45
○委員長(山下義信君) 結核対策本部というのは省内で作つておられるのでしようが、その組織、メンバーを聞かせてくれということですから、ちよつとあとから資料を出して頂きたいと思います。警察病院関係のことを江口次長から。
#46
○政府委員(江口見登留君) 警察病院は私まだ調査いたしておりませんが、今の予備隊のキヤンプと睨み合せまして利用し得るかどうかということの調査はまだいたしておりませんが、今申しましたように主として国立病院その他有力なる病院ということで出発しております。又我々といたしましては、予備隊自身の診療機関をここ一年乃至一年半の間に完備いたしたいと考えております。警察病院自体としては余力かないと考えられますので、警察病院に対する委託と申しまするかそういうようなことは今考えておりません。できるだけ独自の病院を持つて行きたい、それまでの間できるだけ近くの病院を利用したいと思います。
#47
○委員長(山下義信君) 日程に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
#48
○井上なつゑ君 ちよつと結核対策本部のことにつきまして一つの希望がございます。厚生省にお作りになつておられます結核対策本部の構成でございますが、何か医務局関係のかたが主になつて作られるというような話を聞いたのでございますが、これにでき得べくんは、何と申しましようか、保健婦とか看護婦とかのメンバーをお加えになつて頂くことを要望いたします。
  ―――――――――――――
#49
○委員長(山下義信君) 日程に入ります。薬事法の一部を改正する法律案、毒物及び劇物取締法案、これを一括上程いたします。先ず政府の提案理由の説明を求めます。
#50
○国務大臣(黒川武雄君) 只今議題となりました薬事法の一部を改正す略法律案につきましてその提案理由を説明いたします。
 医科器械、歯科材料等の用具、白粉、クリーム等の化粧品は、その品質如何によつては、保健衛生上重大な関係がありますので、現行薬事法においては、その製造業者、輸入販売業者及び不良又は不正表示の用具、化粧品について取締を行なつているのであります。
 医薬品につきましては、同法第三十二條及び第三十三條において、基準の制定及び国家検定を行い得る旨の規定により、製造、輸入、販売の取締、不良、不正表示医薬品の取締のほかに、医薬品による保健衞生の完璧を期している次第であります。
 用具及び化粧品については、その基準の制定並びに国家検定の法的な措置をとることが困難であるため、今回薬事法の第五十二條及び第三十三條を改正いたしまして、これを行い得るようにすることが必要であると考えるのであります。
 勿論用具又は化粧品であつても、品目によつては必ずしも基準を定め、国家検定を行わなくとも差支えないものがあると考えられますので、保健衛生上危害を防止する必要のあるとき、これらの最低基準を設け、又最低基準のある用具、化粧品について国家検定を行わんとするものであります。
 なお現行法では、用具及び化粧品の販売業者には公務員が立入り検査を行い得ないことになつておりますが、これらの業者についても立入り検査を行い、検定制度と共に保健衞生上の万全を期すると共に、財産権尊重の趣旨から、不良の疑いのあるものについて無償で收去する規定を改め、「無償」の字句を削ることが望ましいと考えるのであります。
 以上が薬事法の一部を改正しようとする趣旨であります。何とぞよろしく御審議の上速かに可決せられるよう希望いたします。
 次に毒物及び劇物取締法案について、その提案の理由を御説明申上げます。
 毒酸カリのような毒性の強いもの、又は苛性ソーダのような劇性の強いもの、これらはそれぞれ毒物又は劇物として現在その製造業者、輸入業者及び販売業者を対象とする毒物劇物機業取締法が制定されているのであります。
 併しながら現行法におきましては、製造業者、輸入業者は都道府県知事に届け出で、販売業者はその許可を受ければ営業を行なつてよいことになつており、保健衛生上密接な関係を有する毒物及び劇物の貯蔵、陳列等の取扱の基準がなく、又最近問題となつております四エチル鉛のような毒性の強烈なものについての十分な取扱規定がないため、毒物劇物の取締上遺憾の点が多いのであります。
 更に現行法におきましては、毒物劇物の営業者のみの、取締規定であるため、営業者でなくて業務上毒物又は劇物を取扱う者は法の対象外に置かれていたので、工場、事業場から毒物劇物の横流れが行われ、兇悪な犯罪の手段に用いられる危険が多く、保健衛生上安全を期し難いように考えるのであります。
 そこで製造業、輸入業については厚生大臣に、販売業については都道府県知事に登録せしめると共に、一定の期間を限つて登録の更新を行わしめ、登録に当つては、法律で貯蔵取扱に関する基準を定めて、これに適合するもののみを登録せしめることによつて、常時毒物及び劇物営業者の実態を把握することが必要であります。又営業者以外は毒物の販売授與を禁じ、四エチル鉛のような毒性の強烈な毒物については、その製油、輸入、販売、貯蔵、混入等の技術士の基準を定め、製油所、営業所、店舗には薬剤師その他法律で定められた資格を有する事業管理人を置くと共に、毒物劇物の容器、被包に詳細な表示を行わしめることによつて、営業者でなくとも一定の種物劇物を扱取う者には、貯蔵取扱、表示に関して営業者に準じてこの法律による取締の対象とすることが必要であると考えるのであります。
 以上が毒物及び劇物取締法を制定しようとする理由でありますが、何とぞよろしく御審議の上速かに可決せられるよう希望いたします。
  ―――――――――――――
#51
○委員長(山下義信君) この際、船員保険法等の一部を改正する法律案、予備審査を併せて議題に供します。政府の提案理由の説明を求めます。
#52
○国務大臣(黒川武雄君) 只今議題となりました船員保険法等の一部を改正する法律案を御審議せられるに当りまして、本法案の提案理由を御説明申上げます。
 今回の改正の主眼とするところは、最近の船員保險事業の実績に徴しまして、船員保險制度の運営の適正化、並びに船員保険経済の健全化を図らんとするのでありまして、標準報酬の最低額を適正額まで引しげること、低額年金を増額すること、最近の傷病給付の実情が鑑み、これに対する財政の不均衡を是正するため幾分保險料の引上けをしたことであります。その他厚生年金保険法等の関係條文の調整を行うため、改正をいたそうとするのであります。
 これがこの改正法律案を本国会に提出した理由でありますが、その改正内容の要点につきまして御説明申上げます。
 第一に標準報酬でありますが、船員保険における標準報酬は従来最低二千円を第一級とし、最高二万四千円を第十九級として、十九の段階になつているのでありますが、最近における船員給與の事態に即応せしめると共に、適正な保険給付と保険経済の安定の資とするため、この最低二千円を当分の間三千五百円として措置するようにいたしました。
 第二に、保険給付の改善でありますが、昭和二十二年十三月前に発生した障害年金及び遺族年金の額は、職務上の来由によるものにつきましては、昭和二十三年九月から五倍にした額で増額支給したのでおりますが、今回更にこれを二倍に引上げ、又職務外の事由による障害年金は現在まで財政上の理由によつてそのままにしていたのでありますが、今回これも職務上と同様にするため十倍にした額まで増額して支給し、最近の経済情勢に即応せしめることといたしました。
 次に船舶が滅失又は沈没した際におきまして、被保險者が行方不明となつた場合、三ケ月後死亡推定によつて保険給付をする場合の最終標準報酬月額を、その海難のあつた日の属する月の標準報酬額としました。これは従来解釈によつて、死亡推定の原因となつた事故の発生した日の属する月の標準報酬月額として、改正法案と同様の趣旨で運用しているのでありますが、これをこの際、明文化いたしまして法律関係を明瞭にいたしました次第であります。
 第三に、保険料率の改正でありますが、最近の経済情勢の下におきましては、医療費及び受診率の増加等によりまして傷病給付に対する費用が著しく増加いたしましたので保険財政の均衡を保持するため、主として短期保険における保険料率を若干引上げたのであります。即ち全部給付を受ける者一六%、失業保険金を受けない者一四%、その他任意継続被保険者の資格に関する規定と年金、一時金の受給者に同順位者が二人以上ある場合において、その人数によつて等分して支給する規定につきまして、厚生年金保険法等の規定と同様にいたした次第であります。
 以上、船員保險法等の一部を改正する法律案の内容の要点につきまして御説明申上げたのでありますが、何卒速かに御審議の上可決されますようお願い申上げる次第であります。
  ―――――――――――――
#53
○委員長(山下義信君) 議事につきましてお諮り申上げます。薬事法の一部を改正する法律案、並びに毒物及び劇物取締法案は、当参議院のほうが先議でございますので、この際両法案の事務当局の説明を求めることにいたしまして、爾余の案件の審議は次回に讓りたいと存じますが御異議ございませんか。
   〔「、異議なし」と呼ぶものあり〕
#54
○委員長(山下義信君) 御異議ないと認めます。それでは薬事法の一部を改正する法律案、並びに毒物及び劇物取締法案につきまして薬務局長の説明を求めます。
#55
○政府委員(慶松一郎君) 薬事法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申上げます。
 現在用具或いは化粧品の製造につきましては、同法第二十六條におきまして、製造の登録を必要とするのであります。併しながらこれは製法の登録だけでございまして、それによりまして別に製造したそのものにつきましての制限があるわけではございません。なおこの化粧品或いは用具の広告につきましては、第三十四條におきましてその制限、即ち誇大に亘るとか虚僞に亘るとかという点につきましては禁止されております。なお化粧品につきましては、同法第四十三條におきまして、不良な化粧品即ち汚染された所で作られておつてはいけない、或いはそういうものが入つて来るような状況において作られてはいけないというように規定してございます。なお同法第四十三條におきまして不正表示、即ちそのレッテルに製造業者の名前は書いておらないのはいけないとか、或いは品名がはつきりしておらないものはいけないとかいうような規定はございます。なお用具につきましても同じく同法第四十條におきまして、不良用具の取締の点がございます。又第四十一條におきまして不正表示の用具の取締がございます。併しながらこの用具と化粧品につきましては、ただ不良なものはいけないというようなことはございますけれども、併しながらそれにつきましてどういうものが不良であるとかいうようなはつきりした基準をきめる点が現在の薬事法にはございません。と同時にこれを不良であるかないかというようなことを国家が検定いたしますための法的措置が何らございません。従いまして、その意味におきまして今回改正案を提出いたした次第でございます。実際白粉或いは口紅とか、或いは頭に使いますローシヨンのようなもので外を受ける点もなきにしもあらずでございます。又例えば赤ん坊の使いますベビー・パウダーというようなもので被害を受ける例もなきにしもあらずでございますが、それにつきましても基準が今日まで法的に定め得られない状況にございます。従いましてその意味におきまして法的な基準が定め得るようにいたし、又これを国家で検定いたすようにいたしたいと序ずるのであります。なお医薬品につきましては、すべてそういう点におきましては同法三十二條或いは三士三條におきまして、基準の制定、国家検定を行い得る規定がございますのでありますが、同じく取締或いはその品質の確保を図るためにございます薬事法におきまして、用具、化粧品におきましてはその点に欠くるものがございますので、その点を完全にいたしたいということがこの法案の趣旨でございます。
 なお次に、毒物及び劇物取締法案の御説明をいたします。この法案の要点は、毒物或いは劇物につきましては、保健衛生上必要な取締を行うことを目的といたしております。毒物劇物の品目を法律で定めましてその品目を追加変更いたそうとする際には、これを政令で定めることにいたしたのでございます。従来は勿論、毒物劇物営業取締法なるものがございますが、その中におきましては品目の制定は、厚生大臣の即ち省令によつて行われているような状況でございます。
 次に、毒物劇物製難業及び輸入業は厚生大臣、又販売業につきましては都道府県知事の登録を受けさせることにいたしたのであります。製造業及び輸入業につきましては、五年ごとにその更新をいたさしめ、又販売業につきましては二年ごとにその更新を受けさせるようにいたしたいのであります。
 医薬品或いは化粧品或いは用具等につきましては、薬事法におきまして一年ごとに製造業或いは輸入業、或いは販売業の登録の更新をさせているのでございますが、毒物劇物におきましては、製造業者或いは輸入業者といたしまして、登録をさるべく予想されますのが約五百軒ございます。且つその貯蔵或いは殊に貯蔵設備でありますが、貯蔵設備の耐用年限から考えまして、若し五年ごとに更新せしめれば十分その実態を把握し且つその設備につきまして完全を期することができると考えまして、五年ごとに更新を受けさせることにいたしたのでございます。一方販売業につきましては、予想されます登録するであろうという販売業者は全国で三万軒くらいございます。販売業につきましてはその設備その他が簡單でございますことと、なお数が多いという意味におきまして、この実態を把握するために二年ごとに更新を受けさせるということにいたしたいと存ずるのであります。なお登録を受けたもの以外のものが、販売又は毒劇物を販売又は授與すること、或いはこれらの目的でもつて製造、輸入することを禁止いたしますと共に、登録基準と登録事項は法律で定めることにいたしたのでございまして、即ち同法三條、四條、五條、六條においてこの点に規定を設けたのでございます。事実今日におきましては、毒物劇物の取扱につきまして登録に際しまする基準が何らございませんのです。従いましてその点での危険を防止するという意味におきまして、登録基準を法律で定めることにいたしたのでございます。即ち毒物劇物が漏れ出しましたり或いは盜まれたりすることにつきまして、特にこれを嚴重に防ぎたいというのがその目的でございます。毒物劇物営業者はその製出所、営業所又は店舗ごとに法律で定める資格を有する事業管理人を置かしめまして、その実務を管理させることにいたしまして、且つ事業管理人を置いたとき又は変更したときは届けさせることにいたしたのでございます。即ちそれが同法第七條及び第八條に定められておるところでございます。即ちこれらの毒物劇物につきましては、その劇性或いは毒性につきまして十分な知識を持つた者、技術を持つた者をして当らしめるという意味からして、事業管理人を置くことを定めておるのでございます。
 次に毒物劇物営業者が、毒物又は劇物の取扱に当りまして必要な貯蔵、運搬、陳列等の取扱方法を定めまして、毒物又は劇物の販売又は授與いたしますときには、その容器或いはその包紙に一定の事項を表示させることにいたしたのでございます。即ち第十一條にその定めをいたしたのでございまして、成分含量、更に毒物劇物に対しまして解毒剤がある場合にはその解毒剤を記せしめるようにいたしたのでございます。一方農業上使用されます毒物又は劇物につきましては、色を着ける義務を課したのでございます。勿論これにつきましては現在の毒物劇物営業取締法におきましても、色を着けることにいたしておるのでございます。即ち例えば砒酸鉛或いは水銀の製剤等につきましては青を着けさせ、又砒酸石灰或いは弗化砒酸石灰というものについては赤い色を着けることになつておるのでございます。なお同法第十三條におきましては、極めて毒性の強い品物を取出して空いた容器の返還、これは元へ返還せしめるとか或いはその処理をはつきりせしめるようにきめておるのでございます。
 次に毒物又は劇物を営業著聞で販売又は授與するときには、取引の都度一定の事項を書面に記載する。即ち売り渡したほうで書面に記載せしめる。又営業者以外に販売又は授與するときは、一定の事項を記載いたしまして捺印した書面を提出せしめまして、且つその書面を五年間保存せしめますと同時に、法律で定めますものには毒物又は劇物の交付を禁ずることとしたのでございます。それが第十四條第十五條でございまして、現在の毒物劇物営業取締法におきましては、ただ単に十四才未満の者には毒物劇物を売つてはならないということだけの規定があるのでありますが、今回は十八才未満の者又は精神病者、又は麻薬、大麻の中毒者に売渡すこと、手渡すことを禁じておるのでございます。なお現在の毒物劇物営業取締法におきましては、業者間におきます取引におきましても、やはり文書に捺印をさせたものを買うほうから出さしておつたのでございますが、それは業者間におきましては十分な知識を持つております。又その営業に関しましては、一々その必要がないと認めまして、ただ売渡したほうで一定の事項を記載しまして、そうしてはつきりして置くということにいたしたのでございます。
 次には四エチル鉛と申しますのは、殊に戰時中使われたのでございまして、ガソリンの力を強めるために航空機ガソリン等に使われたのでございますが、これは非常に毒性が強うございまして、それを呼吸いたしておりますと遂に死に至るというような非常な猛毒でございます。それらの毒性の強いものにつきましては品目を政令で規定いたしまして、政令でその製油、貯蔵等に関します技術士の基準を特にきめることにいたしまして、且つ右の基準がきめられますまではその製造、輸入、販売等が禁止されることにいたしたいと存ずるのであります。
 第十六條であります。この基準と申しますのは、従業員の身体検査、或いは防毒、或いは毒を除くという、そういう設備、処置等につきまして基準をきめたいと考えておるのでございます。
 次は厚生大臣又は都道府県知事は、毒物劇物営業者につきましてその登録の取消又は業務の停止を命じまして、又毒物劇物監視員をしてその営業所、工場等に立入検査を行わしめることにいたしたのでございますが、現在におきましては毒物劇物監視員なる制度はございません。ただ立入検査権に基きます当該官吏の資格において検査をやつておるに過ぎないのでございます。
 次は登録を取消し、又は業務を停止させます場合には、関係者から意見を述べさせることにいたしたのでございます。第三十條でございます。
 次は毒物劇物営業者が登録を取消され、又は営業を廃止いたしましたときは保健、衛生上必要なる措置を講ぜしめることにいたしたのでございまして、それは第二十一條でございます。例えて申しますと昨年三月に青森県でこういう事件がございました。それは硫酸工場が廃業いたしましてその措置が十分でございませんでしたために、その廃工場の硫酸が附近に流れ出まして、ために附近の井戸に入りましてそうして死者が何人か出たというような例がございますので、従いまして廃止いたしましたときは、そこにあります毒物劇物の処理につきまして必要な方途を講ぜしめることにいたしたのでございます。
 次は本法で規定いたします毒物又は劇物の貯蔵、運搬、表示、営業廃止等の場合の規定は、憲物劇物常業者以外のものでありまして亭主省令で定める毒物劇物を業務上使用するものに準用することにいたしたのでございます。現在におきましては毒物劇物、例えて申しますとメッキに使います青酸カリというようなもの、或いは塗料工場におきます毒物劇物のようなものにつきましては、それらの業務上使いましたものにつきましては、何らの規定がございません。従いまして青酸カリのごときものがメッキ工場から外に出まして、かの帝銀事件のような問題も起り得るのでありますが、これにつきましては業務上使用するものにつきましての何ら制限規定がございません。従いまして、その規定を本法で規定いたします毒物又は劇物の営業者に対しまする規定を、業務上使用いたしまするものに対しまして準用し得ることにいたしたのでございます。それが第二十二條でございます。
 なお本法律につきましての予算につきましては、この実施が大部分は府県において実施されますので、この実施に際しましては営業登録に対しまする手数料で大体賄い得ると見ておるのでございまして、本省におきましては先ず予算の必要はないと考えられるのでございます。なお且つ毒物劇物監視員につきましては、現在員の補職を以て足りると私どもは考えております次第でございまして、その点も御了解を得る次第でございます。
 なおこの法律は保健衞生の見地のみから立案されておるのでございまして、従いまして登録につきましても経済統制的な面は一切考慮すべきではありませんし、又考慮いたされておらないことも申添えたいと存ずる次第でございます。
 以上二つの法律案の事務的な御説明を終つた次第でございます。
#56
○委員長(山下義信君) 御質疑はございませんか。
 これは何ですか局長、あの毒物劇物は、こうしてこの取締法によつて法律で指定する毒物劇物と、政令で指定する毒物劇物と、厚生大臣が省令で指定する毒物劇物と大体三段階あるのですか。
#57
○政府委員(慶松一郎君) そうではございませんで、この最初の法律におきまして指定するわけでございますが、ただその間におきまして若しも追加等がございますれば政令を以て指定し、将来におきましては政令で以て指定されますものは法律改正によつて法律になつてしまう、こういうことにいたした次第でございまして、省令で以て指定するのはございません。ただ私の説明がいささかまずかつたので、省令というふうにお取りになつたと思いますが、それは現在の省令で指定しているという意味を申上げたのでございます。
#58
○委員長(山下義信君) いや本案の中にあるのです。本案の審議する各條文の中に、省令で指定する云々、指定した云々ということが言われてある。それは結局あとで厚生大臣が追加してする場合を取つておるわけなんですね。ですから法律で指定する毒物劇物のこの名前以外に、ほかに毒物劇物という指定が政令若しくは省令等で別にあるわけじやなしのですね
#59
○政府委員(慶松一郎君) そういうことではありません。
#60
○委員長(山下義信君) 本案の審議は次回に讓りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  ―――――――――――――
#61
○委員長(山下義信君) この際、引揚援護局長が出席いたしておりますから井上委員から御質疑がありますから御質疑を願いたいと思います。
#62
○井上なつゑ君 ちよつとお伺い申上げますが、承わりますところによりますと、今度未復員者の給與法が改正されまして本国会に提案されるというお話でありますが、それにつきましてこの前の国会でこちらの厚生委員会だつたと思いますが、私は赤十字の方から軍属の待遇を受けて前にずつと戰地へ派遣されておる看護婦の、まだ抑留されておりますところの待遇についてお伺い申上げたことがございますが、この未復員者給與法が今度改正されますと、その人たちにも大変に影響が大きくなつて参りますので、実は娘を戰地へ送つておりまして未だ帰つて来ないという人たちの両親たちが引揚促推運動に東京に参りまして、ついでに国会に参りましてそれを大変にこと細かに陳情して参りましたので、これは御承知のように男のかたで軍人として行かれたかたが未復員者給與法が適用されますが、この赤十字の看護婦の中で軍人軍属の待遇を受けておりましてもその手続を知らないとか、それがどういうふうにたつておりますのか、一家の扶養者でないというような関係で得られなかつたのか、いろいろそこに事情があると思うのでありますが、来ておらないようなことをその両親が申しまして、五年間赤十字から月給をもらつた以外終戰になつて以来一文も貰つていない、娘を誰か交替して早く帰して欲しいと申しておりましたが、そうした人たちが手続が知らないのかも知れませんが、ほかにいろいろ原因があるのじやないかと思いますが、そうした人たちのこともこの未復員者給与法の改正についてお考慮頂いておりますか、どうでございますか、ちよつと承わりたいと思います。
#63
○説明員(田邊繁雄君) 日本赤十字の看護婦で中共地域等に在留するものは総数三百三十二名ということに相成つておりますが、これの大部分殆んど全部が背の軍属と相成つております。従いまして当然に未復員者給與法の対象になるわけであります。今度給與額が増額になれば、留守家族の給與が増額になるわけであります。
#64
○委員長(山下義信君) よろしうございますか。
 それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山下 義信君
   理事
           小杉 繁安君
           井上なつゑ君
           有馬 英二君
           城  義臣君
           中山 壽彦君
           河崎 ナツ君
           藤原 道子君
           常岡 一郎君
           松原 一彦君
  国務大臣
   国 務 大 臣 大橋 武夫君
   厚 生 大 臣 黒川 武雄君
  政府委員
   厚生省公衆衛生
   局長      三木 行治君
   厚生省薬務局長 慶松 一郎君
   厚生省保険局長 安田  巖君
   警察予備隊本部
   次長      江口見登留君
  説明員
   引揚援護庁援護
   局長      田邊 繁雄君
ソース: 国立国会図書館
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