くにさくロゴ
2000/11/16 第150回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第150回国会 逓信委員会 第2号
姉妹サイト
 
2000/11/16 第150回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第150回国会 逓信委員会 第2号

#1
第150回国会 逓信委員会 第2号
平成十二年十一月十六日(木曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 小平 忠正君
   理事 小坂 憲次君 理事 佐藤 剛男君
   理事 佐藤  勉君 理事 伊藤 忠治君
   理事 田並 胤明君 理事 高木 陽介君
   理事 佐藤 公治君
      岡下 信子君    亀井 久興君
      熊代 昭彦君    左藤  章君
      佐田玄一郎君    坂井 隆憲君
      阪上 善秀君    園田 博之君
      高橋 一郎君    宮腰 光寛君
      山口 俊一君    山本 明彦君
      大出  彰君    大畠 章宏君
      武正 公一君    中村 哲治君
      山村  健君    神崎 武法君
      矢島 恒夫君    横光 克彦君
      平井 卓也君
    …………………………………
   郵政大臣         平林 鴻三君
   郵政政務次官       佐田玄一郎君
   会計検査院事務総局第四局
   長            渡辺 孝至君
   参考人
   (日本放送協会会長)   海老沢勝二君
   参考人
   (日本放送協会専務理事・
   技師長)         中村  宏君
   参考人
   (日本放送協会専務理事) 松尾  武君
   参考人
   (日本放送協会理事)   芳賀  譲君
   参考人
   (日本放送協会理事)   山村 裕義君
   参考人
   (日本放送協会理事)   笠井 鉄夫君
   参考人
   (日本放送協会理事)   山田 勝美君
   参考人
   (日本放送協会総合企画室
   〔経営計画〕局長)    三枝  武君
   参考人
   (日本放送協会経理局長) 加藤 陽三君
   逓信委員会専門員     大久保 晄君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月六日
 辞任         補欠選任
  山本 明彦君     吉野 正芳君
同日
 辞任         補欠選任
  吉野 正芳君     山本 明彦君
同月十六日
 辞任         補欠選任
  野中 広務君     岡下 信子君
同日
 辞任         補欠選任
  岡下 信子君     野中 広務君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書

    午前九時三十分開議
     ――――◇―――――
#2
○小平委員長 これより会議を開きます。
 日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題とし、審査に入ります。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として日本放送協会の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、会計検査院事務総局第四局長渡辺孝至君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#5
○小平委員長 まず、郵政大臣から説明を聴取いたします。平林郵政大臣。
    ―――――――――――――
 日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#6
○平林国務大臣 ただいま議題とされました日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書並びに監事の意見書について、その概略を御説明申し上げます。
 本資料は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものであります。
 平成十年度の貸借対照表の一般勘定については、平成十一年三月三十一日現在、資産合計は六千三百三十九億七千百万円、負債合計は二千五百六十七億三千八百万円、資本合計は三千七百七十二億三千二百万円となっております。
 資産の内容は、流動資産一千七百五億九千六百万円、固定資産四千四百七億三千四百万円、特定資産二百二十六億四千万円であり、負債の内容は、流動負債一千七百五十九億三千三百万円、固定負債八百八億四百万円となっております。
 また、資本の内容は、資本三千六十五億七千六百万円、積立金五百三十九億二百万円、当期事業収支差金百六十七億五千三百万円となっております。
 また、受託業務等勘定については、資産合計、負債合計とも、七百万円となっております。
 損益計算書の一般勘定については、経常事業収入は六千三百三十七億一千百万円、経常事業支出は六千七十九億七千五百万円となっており、経常事業収支差金は二百五十七億三千六百万円となっております。これに経常事業外収支及び特別収支を加えまたは差し引いた当期事業収支差金は百六十七億五千三百万円となっております。
 また、受託業務等勘定については、経常事業収入は四億七千万円、経常事業支出は三億七千七百万円となっており、経常事業収支差金は九千三百万円となっております。これに経常事業外収支差金二千百万円の欠損を加えた当期事業収支差金は、七千百万円となっております。
 以上について、監事の意見書においては、監査の結果、財務諸表は、日本放送協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認められております。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#7
○小平委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本放送協会会長海老沢勝二君。
#8
○海老沢参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに監事の意見書の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、一般勘定の当年度末の資産総額を財産目録、貸借対照表で見ますと六千三百三十九億七千百万円で、この内訳は、流動資産一千七百五億九千六百万円、固定資産四千四百七億三千四百万円、特定資産二百二十六億四千万円、このうち固定資産の内容は、建物一千二百七十七億四百万円、土地三百三億八千三百万円、機械及び装置一千三百三十五億三千万円、放送衛星百三十三億八千百万円、その他の固定資産一千三百五十七億三千五百万円でございます。
 当年度末資産総額を前年度末と比較しますと、百八十八億三千五百万円の増加となっておりますが、これは建設計画に基づく新放送施設の整備、番組制作設備の整備等によるものでございます。
 一方、これに対する負債総額は、二千五百六十七億三千八百万円で、この内訳は、流動負債一千七百五十九億三千三百万円、固定負債八百八億四百万円、このうち固定負債の内容は、放送債券二百九十六億八千万円、長期借入金二百九億一千四百万円、退職手当引当金二百九億七千三百万円、その他の固定負債九十二億三千七百万円でございます。
 当年度末負債総額を前年度末と比較しますと、二十億八千百万円の増加となっておりますが、これは未払い金の増加等によるものでございます。
 また、資本総額は、三千七百七十二億三千二百万円で、この内訳は、資本三千六十五億七千六百万円、積立金五百三十九億二百万円、当期事業収支差金百六十七億五千三百万円でございます。
 この当年度末資本総額は前年度末と比較し、百六十七億五千三百万円の増加となっております。
 次に、受託業務等勘定について見ますと、当年度末の資産総額及び負債総額は、それぞれ七百万円でございます。
 次に、損益計算書について申し上げます。
 まず、一般勘定の経常事業収支について見ますと、受信料等の経常事業収入は六千三百三十七億一千百万円で、前年度と比較し、百十九億一千五百万円の増加となりました。
 これは主として、受信契約の維持・増加に努めた結果によるものでございます。
 なお、有料受信契約件数は、二十九万件増加し、当年度末には三千五百五十三万件となりました。
 次に、経常事業支出は六千七十九億七千五百万円で、この内訳は、国内放送費二千四百二十億一千四百万円、国際放送費六十九億六千九百万円、契約収納費五百七十九億三千五百万円、受信対策費十九億九千三百万円、広報費三十億一千百万円、調査研究費八十億七千六百万円、給与一千四百六十五億九千九百万円、退職手当・厚生費五百五十四億六千五百万円、一般管理費百三十四億八百万円、減価償却費五百五十三億三千二百万円、未収受信料欠損償却費百七十一億六千九百万円となっております。
 これは前年度と比較し、五十八億六千四百万円の増加となりましたが、主として、受信料収入の確保に向けた契約収納活動の推進に伴う事業運営費の増加等によるものでございます。
 以上の結果、経常事業収支差金は二百五十七億三千六百万円となり、これに経常事業外収支及び特別収支を加えまたは差し引いた当期事業収支差金は百六十七億五千三百万円となりました。
 このうち、債務償還に充てた資本支出充当は九十億五千四百万円であり、事業収支剰余金は七十六億九千九百万円であります。
 なお、この事業収支剰余金は、翌年度以降の財政安定のための財源に充てるものであります。
 次に、受託業務等勘定の経常事業収入は四億七千万円で、経常事業支出は三億七千七百万円となりました。その結果、経常事業収支差金は九千三百万円となり、これに経常事業外収支差金二千百万円の欠損を差し引いた当期事業収支差金は七千百万円となりました。この当期事業収支差金につきましては、一般勘定の経常事業収入へ繰り入れております。
 なお、監事の意見書では、貸借対照表等は、監査の結果、協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。
 これをもちまして、概要説明を終わらせていただきますが、今後の協会経営に当たりましては、公共放送としての使命と責務を深く認識し、放送事業の一層の発展に努力してまいる所存でございます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#9
○小平委員長 次に、会計検査院当局から検査結果について説明を求めます。会計検査院事務総局渡辺第四局長。
#10
○渡辺会計検査院当局者 日本放送協会の平成十年度決算につきまして検査いたしました結果を御説明いたします。
 同協会の平成十年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書等は、平成十一年六月十一日内閣から送付を受けましたが、その検査を終えて同年十一月十九日内閣に回付いたしました。
 同協会の十年度の決算につきまして検査いたしました結果、特に法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項はございません。
 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。
#11
○小平委員長 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#12
○小平委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。左藤章君。
#13
○左藤委員 おはようございます。自由民主党の左藤章でございます。
 このたび、逓信委員会での質問の時間を賜り、厚くお礼を申し上げたいと思います。本日は、平成十年度のNHK決算に関する質問と、それに関連して、NHK、郵政省にいろいろとお尋ねをしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず、受信料関係でお尋ねをしたいと思います。NHKの平成十年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書によりますと、資産総額で平成九年約六千百五十一億円、平成十年約六千三百三十九億円になっております。約百八十八億三千五百万の増加としております。
 また、平成十年度の損益計算書を見ますと、経常事業収入約六千三百三十七億円に対して、経常事業支出約六千七十九億七千万で、差し引き、経常事業収支差金が約二百五十七億円、また、経常収支差金約百五十億円となっております。百五十億円が一般の企業でいう黒字ということであります。
 本当にすばらしい結果でありますし、これらのことは営業努力、本当にNHKさんの努力の結果だと思いますが、具体的にそういう数字になったということはどのような、いろいろな努力があったと思いますが、その具体的な対策をお聞かせください。そして、来年度以降、平成十一年度以降の見通しも含めてお聞かせをお願い申し上げます。
#14
○海老沢参考人 お答えいたします。
 私、平成九年に会長に就任した際に、経済情勢は非常に、バブルが崩壊し、悪化をたどる、そういう中で、世界的に市場原理に基づく自由な競争時代に入りました。そういうことで、これからの経済情勢は非常に厳しいものになるだろうということで、我々のこれまでの仕事のやり方、業務の運営についてやはり抜本的な改革が必要だろうということで、私、経営理念の一つとして、改革と実行ということを掲げました。
 そして、これまで七十数年の積み重ねがありますけれども、これをもう一度、聖域をなくして一からひとつ出直してみよう、すべての面で、むだはないか、削減することはないか、いわゆるコスト意識を徹底させようということで、まず職員の意識改革を進めました。そういう結果によって百五十億のいわゆる黒字を出すことができましたし、また十一年度も百六十一億の収支差金を生み出すことができました。
 そういうことで、我々、やはり視聴者にできるだけ負担をかけない、つまり受信料を値上げしないでやっていくというのが基本でありますので、そういう面で、十一年度末の決算では五百三十三億の財政を安定化するための繰越金を生み出すことができました。今後とも、そういう経営努力を続けてまいりたいと思っております。
 具体的には、一つの番組をつくるに当たっても、スタジオを有効に使う、つまり、同じ大道具でもそれを何回も使用する、あるいは撮影のやり方を抜本的に変えるとか、いろいろな工夫をして、今、節減といいますかコストの削減に努力しているということでございます。
#15
○左藤委員 ありがとうございます。いろいろな努力をなさってこれだけの黒字ということで、本当に心から感激をしております。
 それで、また次なんですが、我が国の放送というのは、御存じのようにNHKさんと民放とが共存をしております。NHKのみが視聴者から受信料を徴収して経営、放送を行っているわけであります。平成十年度のNHK経常事業収入六千三百三十七億円のうち約六千二百四十三億円が受信料であります。受信料も約百二十六億六千万円の増収、そして契約数も、平成十年度は三千五百五十二万五千件で、平成九年度に比べると二十八万九千件の増加となっています。
 これを見るとすごくすばらしいのですが、残念ながら受信料の未収が平成九年度約百八十六億円、平成十年度約百九十四億円とふえています。平成十年三月の逓信委員会の附帯決議にありますように、受信料の公平負担の観点からも受信契約の確実な締結と受信料の収納に努めるべきでありますが、残念ながら、平成十年度の受信契約総数は、予算の増加目標数を下回っております。
 これらの原因と対策、また、大都会での単身赴任者がふえて大変徴収に御苦労されていると思いますけれども、これらの徴収状況と未収対策について、どのように行っておられるか、お答えをお願いします。
#16
○芳賀参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、NHKの受信料制度は、事業運営に足る財源を確保するということと公平負担の徹底が何よりも大切だということで、十年度は四十七万件の増加目標を設定して精力的に活動を展開したわけでありますが、近年、都市部を中心として単身者あるいは共働き世帯がふえていて、なかなか面接ができない。あるいは、多メディア・多チャンネルの中で対価意識が出てきて、視聴者意識の多様化、こういうものがありまして、大変厳しい状況になっています。加えて、一番大きいのは、不況が長引いていて、やはり契約あるいは受信料の収納、この両面で大変困難な状況になっています。
 特に十年度につきましては、不況による影響が大きくて、まず、一般的な契約の取次数が伸びませんでした。加えて、ホテルや事業所の閉鎖や倒産がございまして、残念ながら二十九万の増加実績にとどまりました。その結果として、九年度の決算に対しましては百二十六億の増収を果たし得たのですが、予算に対しては三億七千万の減収となって大変申しわけない、残念だというふうに考えています。
 私どもは、こういう困難な状況を乗り切るために、まず、土日とかそれから早朝、深夜、これはお客さんに多少迷惑もかけるんですが、お会いできる時間の訪問対策を強化する。それから、それでもお会いできない方が多うございますから、電話や文書を組み合わせた効果的な対策も強化しているところであります。また、ことしでありますが、インターネット営業センターというものを設けまして、二十四時間、お客さんからの自主的な契約あるいは転居等のお申し出もできるようにいたしました。
 それから、先生御指摘のように、大都市圏の単身世帯が大変ふえています。二人以上の御家庭ですとおよそ九割の方からは御契約をいただいていますが、単身者の場合は、なかなかお会いできないということが大きな原因でありますが、六一%程度の契約にとどまっています。
 したがいまして、私どもは、ここに対して、例えば、学生さんの多いところは、四月、五月を中心に、学生さんあるいは単身世帯に的を絞った集中的な対策を展開している。あるいは、学生向けのいろいろな雑誌、漫画とかなんかありますが、そういうところについても受信料制度の理解を求めるPRをしてきたところでございます。
 今後とも、受信料制度の理解を進め、あるいは営業活動を強化する中で、単身世帯の受信契約率を高めることも含めて努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
#17
○左藤委員 今お話がありましたが、大変御苦労なさっていると思います。いろいろな方法を考えながら、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 この受信料未収が予算の目標額を下回っている件、郵政省におかれましてはどのようにお考えになっておられますか。
#18
○佐田政務次官 今NHKの方から御報告があったとおりでありますけれども、平成十年度における受信契約総数の増加が二十九万件ということでありまして、予算の増加目標が四十七万ということは、達成率が六割にとどまったということでありまして、受信料収入は六千七十一億円となりまして、四年ぶりに予算の目標を、これは受信料収入でありますけれども、三億円下回った、こういうことでございます。
 これはまた説明もダブりますけれども、都市部を中心に単身世帯など面接困難世帯の増加に伴う契約の伸び悩みや、長引く景気低迷の影響によりましてホテルなどの事業所契約が減少しているということもありまして、また、引っ越しやマンションでの共同受信等の理由により、受信機の設置確認が困難になってきておりまして、受信契約の締結までに時間を要している現状にあり、これらを踏まえた営業活動の展開をこれからやっていきたい、こういうふうに思っております。
 NHKの主たる経営財源が受信料であるということから、業務報告書に付する郵政大臣意見の中で、受信料の公平負担の観点から、契約件数の増加を図るためになお一層の努力が必要であると指摘し、NHKに対しまして、営業職員の能力向上や面接困難世帯への適切な対応など、また、営業活動の強化を図ることを今求めているところでございます。
#19
○左藤委員 海老沢会長におかれましては、本年七月に再任されたわけでありますけれども、そのときに、さっきお話がありましたように、受信料の値上げは行わないとおっしゃっております。
 そのためには、ますます、今問題になっていますけれども、受信契約の締結と徴収をしっかりやっていただくとともに、これまで以上にまた大変な御努力ですが、経営の効率化も含めて進めていただきたいと思います。収支を均衡させるためには、間違っても番組の質を下げるとかそういうことのないように一層の御努力をお願い申し上げたいと思います。
 次に、関連の質問をさせていただきたいと思います。放送のデジタル化についてでございます。
 いよいよ本年の十二月からBSデジタル放送が始まりますが、今後、地上放送もデジタル化されます。地上放送のデジタル化は国民生活に大きな影響を与えると思いますけれども、今の放送がデジタル化すれば国民にどのような負担が生じ、またその分どのようなメリットがあるのか、十分に国民には知らされていないと思います。
 そこで質問ですが、地上放送をアナログからデジタル化にするメリットは具体的に何ですか。デジタル化にすることの意義をどのようにして国民の理解を得てデジタル放送を普及させていくのですか。郵政省にお伺いをしたいと思います。
#20
○佐田政務次官 先生御指摘のとおり、デジタル化に移行するわけでありますけれども、放送のデジタル化のメリットには大きく分けまして二つメリットがありまして、サービスの向上がまず第一、それと周波数の有効利用、この二つの大きなメリットがあります。
 最初のサービスの向上という観点からしますと、従来の放送に比べまして、高画質でそしてまた高音質な放送ができるということであります。それとまた、多チャンネル化が推進できる。そしてまた、ゴーストの解消や、安定した移動体向け放送ができるということであります。そしてまた、なおかつ、より情報量の多いデータ放送やインタラクティブ、双方向のサービスができる。そしてまた、字幕番組の充実等、障害者、高齢者の方にも優しい放送ができる。そしてまた、そういう意味におきましては、視聴者の多様なニーズにこたえていける、そういう意味におきますサービスの向上ということができるわけであります。
 また、二番目の周波数の有効利用という点につきましては、原則として親局と中継局とで同じチャンネルを使えるようになりますので、使用する周波数を大幅に削減することが可能になりまして、サイマル放送を終了しすべてのデジタル放送に移行した段階におきましては、周波数のあきが相当できてまいりまして、電波需要の増大に対応することが非常に可能になってくる。
 こうした放送のデジタル化のメリットを国民に理解していただくために、放送デジタル化の動向等を紹介するリーフレットやホームページの作成をやっております。そしてまた、なおかつ、地上デジタル放送パイロット実験のデモンストレーションや、全国十カ所の研究開発用施設の一般公開なども実施しているところであります。
 デジタル化のスケジュールや意義などにつきましては、引き続き国民視聴者への一層の周知を行って、デジタル放送を普及してまいりたい、かように思っております。
#21
○左藤委員 BSデジタル放送は、ハイビジョン放送が中心となると思います。ハイビジョンは、日本が世界に先駆けて開発した技術であります。NHKさんの技術力もかなりあると思います。単にきれいな画像が見られますということでは、番組編成設備を含めた多くの投資をしてハイビジョン化する意義がどれだけあるのか非常に国民にわかりにくいんじゃないか、このように思います。
 ハイビジョン放送は、鮮明な画像が見られるという以外に視聴者にどのようなメリットがあるのか、今お答えもありましたけれども、そしてなおかつ、ハイビジョンの技術は放送以外の分野での活用ができると考えられますけれども、郵政省及びNHKさんにお伺いします、どのような活用も含めてお考えでしょうか。
#22
○佐田政務次官 先生の御指摘のとおりでありまして、これからの高精細な、そしてインタラクティブな放送・通信という観点を考えますと、今言われたほかの利用ということは非常に重要になってくるのではないか、かように思っております。
 本年十二月一日からBSデジタル放送においてデジタルハイビジョン放送が開始されるところでありますけれども、先生も御案内のとおり、デジタルハイビジョン放送は、千百二十五本の走査線により鮮明な画像を視聴できるばかりでなく、十六対九のアスペクト比の画面で臨場感あふれる画像を視聴できる、こういうことであります。
 また、番組に関連するデータを映像と同時に送ることが可能でありまして、画面とデータを一緒に送れるということであります。例えば、野球中継の際に選手の詳細な成績が見られたり、またはショッピングの注文ができるなど、多様なサービスを映像とともに提供することができるようになると期待をされておるところであります。
 加えて、今先生が御指摘になりました、ほかにどういうことがあるか。これはもちろん高精細、非常にはっきりしておりますので、いろいろなものに利用できます。
 例えば、全国の美術館、博物館等におけるハイビジョンによる名画、美術品等の保存と鑑賞もできますし、また、病理診断、集団教育そしてまた研修等など医療分野での利活用もできるわけであります。それに加えまして、文化遺産等の記録、保存など、放送以外の分野でも、非常にはっきりと画面が出ますから、いろいろなことに使えるということであります。
#23
○中村参考人 お答えいたします。
 ハイビジョンは、今先生がお話しのように、従来のテレビと比較しまして、きめ細かく質感のある映像でございます。この特性を生かしまして、十二月一日から始まりますBSデジタル放送の中核のものということで、データ放送とともに普及をしていくと信じております。
 それから、ハイビジョンの特性を生かしまして、放送以外の分野でどのような応用がなされるかということでございますけれども、まず映画での利用がございます。これは、従来のフィルムカメラのかわりにハイビジョンカメラで撮影するということが行われております。それから、美術工芸品をハイビジョンで撮影、記録いたしまして、いつでも利用者の方が自由に鑑賞できるハイビジョン美術館というものもございます。また、医療の分野におきましては、手術の詳細な状況をハイビジョン撮影いたしまして、それを診断や教育に利用するということが行われております。
 さらに、美術品鑑賞や医療などの分野におきましては、より臨場感の高い映像を提供できる立体ハイビジョンの導入も始まっております。
#24
○左藤委員 本当にすばらしい、多様な方向で展開をしていただきたいと思います。
 今ありましたけれども、地上波も今後デジタル化をしてまいるということで、ハイビジョンに対応した設備投資をしなければならない。そこで、アナ・アナ変換によって全国で二百四十六万世帯が影響を受け、その対策として総額で、これはNHKだけではありません、民放も含めてだと思いますが、八百五十二億円が必要と聞いております。郵政省及びNHKさんに、この対策経費はどのように補うつもりなのか、御方針をお聞かせください。
#25
○佐田政務次官 先生御指摘のとおり、アナ・アナ変換はデジタルの移行に非常に重要なことでありまして、我が国の厳しい周波数事情の中では、デジタル放送用の周波数を新たに確保するためには、現在アナログ放送に用いられている周波数の一部を変更することが不可欠であります。
 地上放送のデジタル化は電波のより効率的な利用に資するものであり、デジタル移行の完了によりほかの用途に割り当て可能となる空き周波数が生じまして、これは無線局全体の受益になるわけであります。
 ただし、この変更を強いられる放送事業者にとっては、デジタル設備投資に加えまして、移行後は停波し不要となるアナログ放送の設備投資を行うこととなるために、その対策経費につきましてはやはり国がせざるを得ない、そのように考えております。
#26
○海老沢参考人 先生御承知のように、電波は国民共有の財産でありますし、有限でありますので、日本の場合は、郵政省がその権限と責任において周波数の確保、割り当てをしているものであります。私ども放送事業者は免許を受けて事業を展開しているということでございます。
 そういうことで、今度地上放送をデジタル化するということは、国民的なコンセンサス、合意が必要だろう。つまり、ほとんどの家庭がテレビを見ている、つまり、もうテレビは生活に欠かすことのできない必需品だということであります。そういう面で、これをやっていく場合には、やはり国民のそういう理解を得なければ順調に進まないだろうと私は見ております。
 そういう面で、周波数を確保するために、我々NHK、民放、郵政省が共同検討委員会をつくって、数年来検討を重ねました。その結果、今先生御指摘のように二百四十六万世帯が対象になるということであります。ですから、電波の周波数の確保というのは、やはり政府の責任において確保してもらいたい、いわゆる基盤整備事業だろうというふうに私ども放送事業者は理解しております。
 そういう面で、政府の責任において周波数を確保し、そういう中で、次の送信設備なり送出設備なり、そういうものは我々放送事業者が独自にそれを使わせてもらう、設備をしてそれを使わせてもらって、視聴者国民に新たな放送サービスをしたい、そういう段取りだろうと思っております。
 いずれにしても、世界的に今デジタル技術の進展によって、圧縮あるいは加工、蓄積という三つの大きな特色を持ったデジタル技術というものはやはりこれからが主流になるということで、私ども早急にそういうデジタル化推進の方向に向かって事業を推進していきたい、そう思っているところであります。
#27
○左藤委員 ちょっと時間がないので、次の質問をさせていただきたいと思います。
 BSのデジタル放送では、民間キー局も放送を開始するなど、一挙にチャンネル数が増加することになります。また、CS放送もBSと同じ百十度衛星で新しい放送を予定しているとも聞いております。
 このような多チャンネル時代の中で、番組が不足したり、またワールドカップサッカーやオリンピックのような国際的なスポーツイベントの放送権料が非常に値上がりしたりすることが懸念されます。国民的に関心の高いスポーツイベントの中継が一部の人だけにしか見られないということは極めて問題だと思います。
 非常に難しい話であると思うのですが、NHKさんはスポーツ放送権料の高騰にどのように対処していくお考えなのか、簡単にお答えをお願い申し上げたいと思います。
#28
○海老沢参考人 今左藤先生御指摘のように、非常に人気のある、プロといいますか、オリンピックも含めて世界的イベント性の高いものについては、本当に年々スポーツ放送権料は高騰しております。これは我々放送事業者にとっては非常に重大な問題であります。
 イギリス等では、御承知のように、国民の関心のある大きなスポーツイベントにつきましては独占というものを排除して、改正された放送法によって独占化を禁止するという措置もとっております。私どもとしては、そういう方向でなくて、できるだけ権利を持っているところと紳士的に話し合って決めたいということをとっておるわけであります。
 特に、オリンピックにつきましては、私ども、民放連と一緒になって、ジャパン・プール、ジャパン・コンソーシアムをつくって、できるだけ視聴者国民に新たな負担をかけないようにということで、オリンピックも、このシドニー・オリンピック、次のアテネ、二〇〇八年はまだ決まっておりませんけれども、この三つは既に取得しております。
 今問題になっておりますのは、二〇〇二年日韓共同主催によりますワールドカップサッカーであります。これにつきましては、これまで、我々既存の放送事業者に加えてCSの放送事業者が六十四試合すべての放送権、CS権をとったというふうに伺っております。私どもジャパン・コンソーシアムとしては、いわゆる仲介事業者の方と今最終的な詰めをしているところでございます。
 いずれにしても、このスポーツ放送権料は世界的にそういう傾向になっております。私どもは、できるだけ高騰を抑えるような方法を考えているわけでありますけれども、なかなか難しい問題であります。そういう努力だけは今後とも続けていきたいと思っております。
#29
○左藤委員 時間がないので、一つだけお願いを申し上げます。通信と放送の融合についてお願いします。
 IT時代を迎え、国民がさまざまな形で情報を得られるようになっております。インターネットを通じた情報入手は今後ますます便利になります。超高速インターネット網が整備されれば、映像を初めとするさまざまな情報が送れるようになります。また、通信と放送の融合と言われるように、通信と放送のそれぞれの特徴を生かしたさまざまなサービスが実現をしてくると思います。
 例えば、光ファイバー網を利用したケーブルテレビが開始されたり、通信衛星を利用した放送が普及してきたように、通信と放送の融合は既に国民に身近なものとなりつつあります。
 そこで郵政省にお願いしたいのですが、新たなサービスが開始され、国民の情報入手手段が多様化する中で、超高速インターネット網が整備されれば放送は不要となるのではないかという懸念もあるようでございます。これについて、IT時代における放送の役割について、郵政省さんはどのように考え、また御指導なさるつもりでしょうか。
#30
○佐田政務次官 先生の言われるとおり、これから通信と放送の垣根をどういうふうに区別していくかということは非常にこれからも議論が多いところじゃないか、かように思っております。
 放送のネットワークには、多くの人に対して一度に大量の情報を安く送ることができるということもありますし、また、災害時等においても、他の通信とは独立して情報を伝えることが確保されている、こういうメリットもあります。
 そしてまた、同時に多数の人が受信をしても情報の伝送が途絶したり品質が悪くなるといった問題が生じないというメリットもあるわけであります。また、視聴者がいわゆる受信機、テレビであるとかそういうことでありますけれども、簡便な受信機で受信できるという特性があるわけであります。
 現在のところ、通信ネットワークではこのような特性を持つことが技術的に困難でありまして、放送ネットワークが今後とも、こういう意味におきましては非常にメリットを含んでいる。
 ただ、先生御指摘のとおりで、通信と放送、これからどういうふうな垣根で、また法律の問題もありますけれども、できる限り、そういう意味におきましては、国民に利益のあるような方向で我々も考えていきたい、かように思っております。
#31
○左藤委員 ありがとうございました。
 最後に、私は、NHKのニュースを初めいろいろな番組を見させていただいております。特にNHKスペシャルとかクローズアップ現代、きのうも見ましたけれども「にんげんドキュメント」、また、最近の世界四大文明展など、NHKならではのすばらしい番組があります。
 これからも国民の多様なニーズにこたえてすばらしい番組をつくり、日本放送協会として、世界のメディアの先端として活躍をされますように心からお願いを申し上げ、質問を終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#32
○小平委員長 大出彰君。
#33
○大出委員 民主党の大出彰でございます。
 参考人の皆さん、御苦労さまでございます。よろしくお願いをいたします。
 NHKの決算をということで、この間、決算書類を中心といたしまして関係の書類を調べ、そして、NHKについても少しですが研究をさせていただきました。また、一般の市民の方にもNHKをどう思っているかということをお伺いしたりいたしました。そんな中で、NHKを考えるいい機会になったなと実は思っているわけでございます。
 そうでございますので、まず初めに、質問に当たっての質問の基調というものを述べさせていただきたいと思います。
 研究をいたしておりまして、NHKの自主財源であります受信料というものが大変重要であるということがわかりました。第二番目に、公正で、中立で、そしてユニバーサルな放送という限定をつけたNHKを私たち受信者が支え、育てていかなければならないという考えに至りました。このような基調から御質問をさせていただきたいと思います。
 多くの市民の皆さんにお聞きをしたところ、どうしても受信料のことについての苦情が多いものですから、受信料についての質問から始めさせていただきます。よろしくお願いします。
 放送法三十二条には、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」こう書いてあります。このように書いてあるものですから、一般の市民の皆さんは何とおっしゃるかというと、実際にはNHKを受信できない受像機などというものはないではないか、そんなものはないのに、見せられてしまって、取られてしまっているというお気持ちの方が結構多いようなんでございます。強制的なものを排除しようという自由の契機から物をおっしゃっているんだと思うのです。
 こういうことがありますので、実は、この点、憲法上問題がないのかということで質問しようとしておったのでございますが、時間がございませんので私の方から答えてしまいますが、過去の国会答弁等の中に似たものがございまして、これ自体は憲法に違反するものではない。例えば、憲法十九条の思想、良心の自由にも反しないし、二十九条の財産権にも反しないし、八十四条の租税法律主義に照らしても合憲だという、このような議論になっていると思うのです。
 その点について、イエスかノーかで総括政務次官、お答えください。
#34
○佐田政務次官 これは憲法第二十九条、今言われたそれに抵触しない、こういうふうに思っております。
#35
○大出委員 受信料がなかなか大切だということで思いましたので、NHKの自主財源であります受信料の法的性格についてお答えをいただきたいと思います。政務次官。
#36
○佐田政務次官 今御指摘ありましたように、受信契約締結義務を規定しております放送法第三十二条が、憲法第二十九条、財産権の問題でありますけれども、に保障される財産権等に、特に契約の自由との関係で問題がないかということだと思うのです。
 我が国の放送は民間放送と公共放送の二元体制を前提としておりまして、受信料の性格は、放送の全国普及と豊かでよい番組の放送、国際放送等を行う公共放送を維持運営するための特殊な負担金でありまして、これは負担金ということで、契約締結義務は、公共の福祉の観点から財産権に加えられる合理的な制約であるというふうに解釈しております。
#37
○大出委員 公的な負担金であるとおっしゃっておりまして、放送法では「受信することのできる」という書き方をしておりまして、受信料の対価というような考え方もできないことはないと思うのですが、どうして受信料の対価ではいけないのですか、政務次官。
#38
○佐田政務次官 受信料の対価ということではなくて、これはあくまでも国民が公共放送を支えていく、こういう観点からの負担金であるということで御理解いただきたいと思います。
#39
○大出委員 公共負担ということでおっしゃるのですが、私は、それを強調するならば、国民、国民とは限らないですね、受信者が支えるという意味におきましては、受信者が受信料を負担しなければ国家やあるいは財界から独立ができない、つまり干渉されたりする、だから受信者が支えているのだということをアピールした方が、多くの受信者の方々は、ああそうか、私たちが支えなければ表現の自由が守れないかもしれないということで、御協力いただけるのじゃないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
#40
○佐田政務次官 先生の言われる、要するに、今二元的に、受信料で支えるものとそうでないものがある。
 しかしながら、先生、放送は非常に公共性が高いものですから、そういう中におきまして、放送法でしっかりとそれは制約をされておりますので、その辺で不平等が生じることは私はない、こういうふうに思っております。
#41
○大出委員 そういう質問をしているのじゃございません。受信の対価ではまずいということで、公共負担であるということでよろしいのですが、その理由として、いわゆる国家や財界から独立を維持するために、むしろ受信者が支えていくのだというふうに強調をした方がよろしいのではないか、こう質問したのです。
#42
○佐田政務次官 ですから、NHKの受信料は、放送番組の視聴の対価としてではなく、NHKの組織、業務を維持運営するための特殊な負担金である。先ほども申し上げましたけれども。そして、NHKの放送を受信できる受信設備を設置した者に契約締結義務を課することにより徴収しておりまして、昭和二十五年の制度創設以来、国民に深く定着しているところであります。
 これはもう御存じのとおりでありますけれども、NHKは、公共放送として、放送の全国普及、豊かでよい番組の放送、国際放送などさまざまな放送を行っており、これらを視聴の有無によりその対価として徴収する料金によって維持することは困難でありまして、したがって、視聴の有無にかかわらず、公共放送に必要な資金を視聴者全体で負担する現在の受信料制度は最も適切な方法と考えております。
#43
○大出委員 議論がかみ合っておりませんで、私は、受信料の対価としてあるのだと言っているのではないのです。考えは同じなんですが、意義の強調するところが、国家や経済界等から干渉を受けないための、受信者が支えるということが重要なのではないか、そこを強調すべきではないか、こう申し上げたのです。
 空回りしますので、ほかに移ります。
 今のように、同じ考え方でございますが、NHKの事業運営の経費を受信者が負担するということ、そして、それが平等であるのが一番いいということなんですが、そこは憲法上もクリアできておるわけなんですが、問題になるのは、次に、三十二条の契約のあり方ですね。
 つまりは、受信機を設定したらということになっております。これは、いわゆるハードに着目をして、その後に契約をしなければならないという強制契約義務が出てくるわけですが、これ自体が合理的であるかどうかという点がやはり問題になると思うのです。この点はどのようにお考えですか、政務次官。
#44
○佐田政務次官 受信契約を締結しない場合でも、罰則等の法的な担保手段はなく、義務づけの対象も、自由意思によってNHKの放送を受信できる設備を設置した者に限定されることからも問題はないものと考えております。
#45
○大出委員 問題があるかないかと聞いたのではなくて、こういう受信機を設定したら契約をしなければならないということが出てくる合理的な理由はどこにあるかとお尋ねをしたのです、政務次官。
#46
○佐田政務次官 公共放送として、放送の全国普及、豊かでよい番組の放送、国際放送などさまざまな放送を行っており、これらを視聴の有無によりその対価として徴収する料金によって維持することは困難である。
 したがって、視聴の有無にかかわらず、公共放送に必要な資金を視聴者全体で負担する現在の受信料制度は最も適切と。ですから、そういう意味において、機械を入れて、徴収するということだと思っております。
#47
○大出委員 またかみ合っておりませんが、要するに、何を聞いているかといいますと、憲法二十九条はクリアできているのです、確かに。これは付合契約というような契約に似ていて、水道、ガス、電気なんかと同じような契約になっています。ただ、最初から受信機を設置してということが書いてありまして、着目点は受信機にあるのです。そうでない契約ならば、例えば、受信したい方は受信契約を結ぶ義務がありますよと端的に書けばいいのですが、そう書いていないところはどういう合理性があるのですかと聞こうとしたのです。
 長くなりますので、ひとつ、議事録に載ると思いますので、塩野宏さんという方が「放送法制の課題」という本を有斐閣から出しております。その中に、今言ったような制度の合理性について、これは先ほどの、前段で話した法的性格とは別でございます。こういうふうに言っております。
 その合理性の根拠は、NHKの自主的財源の確保及び負担の公平に求める以外にはないであろう。すなわち、契約の締結を事実上の視聴の有無にかからしめ、それを証明の問題に帰着せしめるとすれば、徴収の現場での大量的事務処理の混乱を招くおそれがあり、さらに、悪意の契約締結拒否者の続発や、場合によっては、訴訟提起の必要性が
訴訟提起の必要性というのは、NHKが払いなさいと訴訟を提起するということですよ。
 必要性がこれに加わることによって、結果的に、NHKの財政及び業務を阻害するとともに、受信者相互に不公平が生ずるからである。
このようなことが書いてありまして、合理的であるということなんでございます。
 では、それはいいことにしまして、そこで問題があるのは、もし、この三十二条で受信機を設置して、そして契約義務ができてくるわけなんですが、だとすると、これでいきますと、受信債権債務という契約はいつ成立することになるのですか、政務次官。
#48
○佐田政務次官 ですから、契約を締結した時点です。(大出委員「契約を締結した時点ですか」と呼ぶ)
#49
○小平委員長 挙手をして発言してください。
#50
○佐田政務次官 要するに、機械を入れて契約を締結したという時点です。
#51
○大出委員 その根拠はどこですか。
#52
○佐田政務次官 失礼しました。受信機を設置した時点です。
#53
○大出委員 受信機を設置したときなんですね。
 これは、日本放送協会放送受信規約四条一項に書いてありまして、「放送受信契約は、受信機の設置の日に成立するものとする。」つまり、ずれているのです。どういうことかといいますと、受信装置を持っています、十年じゃ時効になってしまうかもしれませんが、四年後に債権債務契約を結んだとしても、さかのぼるのですね。そういうふうに規定されていますので。
 つまり、どうしてもそういうふうになってしまうのは、ハードに着目して規定ができ上がっているからなんです。要するに、三十二条の、二十一世紀に向かってソフトが重要視されてくる中で、これでいいのかというような問題提起の意味で、前段の質問をさせていただきました。
 そして、最後には、政務次官に質問なんですが、今申し上げたように、当初、昭和二十五年に放送法ができたときには、地上波中心に考えておりまして、BSは予定していなかったわけですね。そうしますと、一般の市民の方がおっしゃるのは、BS放送もどうして強制的に見せられるのだ、ほかの有料チャンネルを見たらスクランブルがかかっているじゃないかと。
 確かに、地上契約については今までの形でいいかもしれないけれども、BSについていうならば、例えばケーブルテレビに入ると必ず契約させられてしまうというふうにとらえているわけでしょう。させられるのじゃなくて、本当は本人の意思で契約するのですが、そうとらえてしまう。だとすると、スクランブルをかけておいて、最初から視聴するのもしないのも自由ということが、現代の科学ならできるではないかということについてはどのようにお考えでしょうか、政務次官。
#54
○佐田政務次官 先生は、要するにスクランブルをかけられるんじゃないかということですか。
#55
○大出委員 そういうことでございます。スクランブルをかけて、BS1にチャンネルを合わせたら最初は見えない、見たい人は契約をすればいいではないか、そういう一般の声があるという話なんですが。どうぞ。
#56
○佐田政務次官 NHKの受信料は、放送の全国普及、豊かでよい番組の放送、国際放送等の公共放送の役割を果たす義務を維持運営するために特殊な負担金でやっているというのは先ほど申し上げました。
 そういう中におきまして、これらの業務は、視聴者からのサービスに対する対価によって実現することが困難な業務であり、仮にNHK放送にスクランブルを導入するとすれば、実際に視聴する者のみが受信料を支払うことになりまして、有料放送としての性格を有することとなるために、慎重な討議が必要じゃないか、こういうふうに思っております。
#57
○大出委員 わかりました。
 それでは、NHKの会長の方に御質問いたします。
 私、先ほど、受信料が大切であるということと、公正中立、そしてユニバーサルな放送という限定づきだと申し上げました。
 そこで、時間がございませんので、一番最初に、内容には入りませんけれども、公正の点についてちょっと疑問のあるようなのがありますので、そこから御質問させていただきます。
 ここに十月三十一日の日刊ゲンダイがありまして、これは、内容は読みませんけれども、中には入りませんけれども、日曜討論というのがございました。私も二十九日の日に実は見ていたんです。そうしたらこれが次の日に出ていまして、ああ、私と同じところを押さえているなと思いまして、何と書いてあるか。
 「二十九日NHKTVが放映した「日曜討論」に重大な疑惑」「果たして司会の山本解説委員は公平公正な番組の進行を行ったのか」、大見出しでは「天下のNHKの政治番組は森デタラメ政権の政府広報PR番組なのかという怒りの声」こうなっておるわけですね。
 「倒壊寸前ヨレヨレの森無能無責任政権を巧妙にヨイショした番組の進め方に、視聴した有識層から疑問の声。なぜ福田新官房長官や堺屋経企庁長官の弁解や言いたい放題をそのままタレ流ししなければならないのか。また与野党討論では与党の側にくみするのか」と。
 これは一方の側の考え方でございまして、多分そうでないという反対論もあるはずでございますので、この点についての御所見をお願いいたします。
#58
○海老沢参考人 今、日刊紙の記事の質問がありましたけれども、先ほど先生からるるお話がありましたように、我々は、あくまでも視聴者国民と向き合って、国民の支持がなければ成り立たない公共事業体であります。
 つまり、我々は視聴者の理解と信頼の上に成り立っているということで、そういう面で、すべて、一人一人の視聴者国民から受信料をいただいて事業を運営しているということであります。つまり、株式会社に例えれば、国民は株主でありますし、この場は株主総会だろうと思っております。
 そういう面で、我々は、先ほどからるるありますように、NHKの存立の基盤は、政治的に公平であること、そして中立を保つこと、そして、お互いいろいろな意見があるものはそのまま伝えて、できるだけ視聴者国民の判断の材料にするというのが基本だろうと思っております。
 そのほか、民主主義の健全な発展に資するとかあるいは緊急時に十分対応するとか、日本文化の向上に尽くすとかいろいろありますけれども、そういう面で、この政治的な公平さというものは、我々としてはやはり最重要ということで対応しておるわけであります。
 ですから、日曜討論等いろいろな番組についても、今価値観が多様化しておりますし、また政治的にもいろいろな立場の方があります。見方によってはいろいろな御意見があろうかとは思いますけれども、我々としては、そういう面で、国民の基盤に立った事業体として、できるだけ中立で公平であるということを基本に番組を編成しておりますし、司会の方もそういう趣旨でやっているというふうに信じております。
 ただ、人間でありますから、いろいろな面でちょっと勇み足するとか言葉が足りないとかという面はあろうかと思いますが、いずれにしても、公平中立を旨にやっていくということを今後とも続けてまいりたいと思っております。
#59
○大出委員 公平中立、そしてユニバーサルというところを意識しながら御努力いただけるということと理解いたしました。
 次に、委託協会国際放送事業というのがございますね。それについてもまた、八月十八日の週刊朝日にこういうのがありましたね。「NHK大赤字 海外事業テレビ・ジャパン 受信料年間十数億円垂れ流し」こういう書き方をしているんですね。
 私は、先ほど受信料が大変重要であるということで、書いてあるこの基本線は、要するに、皆様からもらっている受信料を赤字の企業にぶち込んでいるではないか、こういうことなんですね。テレビ・ジャパンの下にJNG、JSTVというのがございまして、そういうことなんですね。
 ところが、私個人はこの基本線には必ずしも賛同しているわけではございません。と申しますのは、私も行政書士というのをやっておりまして、TV5というフランスの国営放送が日本で放映をしたいということなものですから、日本とフランスの友好のためですので、私も行政書士なんですが、ボランティアで、その放送が日本に入ってくるための努力をしたのです。
 しかし現実には、資本は四分の一しか入れませんので、その辺を本当は郵政省さんに規制緩和の問題でお願いをしなければいけないのですけれども、なかなか難しいものがあって、そのときに事業計画等を見たのですが、もともともうかるような話じゃないんです。
 ですから、海外で日本の放送を流そうというときの御苦労は当然あるだろうと思うので、私は、受信料をつぎ込んだからそれがいけないという基調には立っておりません。
 しかしながら、逆に言いますと、そうであったとすれば、ここに書いてあるように、平成七年から帳じりだけは黒字になっているというところをとらえて、受信料で賄っているんだろうということを言うのですが、私は、その受信料自体をつぎ込むことが悪いというのではなくて、透明性がやはり問題だったのだろうと思うので、御反論が多分あると思いますので、お願いをいたします。
#60
○海老沢参考人 こういう国際化の時代を迎えて、海外にいる在留の日本人、あるいは日本語を学んでいる方、あるいは日本に関心を持っている方に、できるだけ日本の国情を映像によって伝えるべきだろうという意見が平成の初めから出てまいりました。そういう面で、私ども、国会の決議にもありますように、できるだけ多くの情報を映像による国際放送という形で発信すべきだという決議も受けております。
 そういう中で、NHKの本来業務ではなくていわゆる自主事業といいますか、そういうことで、いろいろな面で協力申し上げましょうということで、平成三年にニューヨークで、伊藤忠商事を中心とした日本の企業二十数社がテレビ・ジャパンという形で一つの会社をつくりました。ヨーロッパはロンドンに、丸紅を中心に、これも三十数社の企業がかかわってそういうテレビ・ジャパン事業を推進しました。
 それに私どものニュースなり番組を有償、有料で提供していくということにしましたけれども、なかなかこの経営が苦しいという中で、NHKが本来業務としてやるべきではないかということで、平成七年に放送法改正をお願いして、この委託国際放送事業というのがスタートしたわけであります。
 これを早急に普及するためには、先生も御承知のように、今三つのPANAMSATという衛星を使ってやっております。これはCバンドでありますので、二・五メートルという大きなアンテナをつけないと見えません。それで、アメリカとヨーロッパでやっているものはKuバンドということで、わずか六十センチのパラボラアンテナで見えるということでありますから、そういう面で、できるだけ普及促進するという意味で、テレビ・ジャパンに委託して放送の普及を図ろうということにしたわけであります。
 現在、私ども、アメリカでは今五億八千万の委託費を支払っておりますし、ヨーロッパでは七億九千万、合わせて十三億七千万円を平成十二年度に支出しようということで今やっているわけであります。そういう面で、これはその会社の赤字補てんというよりは、普及を図るための必要経費ということでやっているわけであります。
 御承知のように、今アメリカではハワイを含めて三万八千世帯まで直接契約を結んでやっておりますし、ヨーロッパでは八千六百世帯でございます。これをできるだけ多くさせようということで今努力しておりますし、特に、アメリカ、ヨーロッパの主なホテルは大体NHKのニュースなり番組が見られるように努力をしてまいりました。アメリカでは八万の部屋、ヨーロッパでは七万の部屋で見られるというふうになりましたし、ちなみにアジアに対しても、今十数万の、ホテル等で見られるということまで努力してまいりました。
 そういうことでありまして、いずれにしても、できるだけ、私どもは受信料を有効に使うのが使命でありますし、そういう面で、この二つのテレビ・ジャパンの事業の方もさらに普及を図り、合理化を進めて、我々の負担を、委託費を少なくするようにさらに努力していきたいと思っております。
#61
○大出委員 テレビ・ジャパンの関係のJNG、JSTVというのが将来も明るいんだということを考えてよろしいのでしょうか。
#62
○海老沢参考人 私は、この二つのテレビジャパン事業は今後さらに、いろいろな面で認知度が高まってきておりますし、評価も得られてきております。そういう面で、急には大きく、全世帯というわけにはいきませんけれども、段階的に拡充といいますか、いい方向に行くだろうというふうに思っているところであります。
#63
○大出委員 わかりました。
 受信料低廉化という観点から御質問なんですが、関連会社がございますね。健全であることが前提でなければいけませんけれども、副次収入を多くいたしまして受信料を下げてくれないかという意見が市民からあるのですが、その点についてはいかがお考えでしょうか。
#64
○海老沢参考人 私ども、放送法の改正によって関連会社を設立することができまして、それによって、視聴者国民の受信料の負担を軽くする、いわゆる受信料でなくて関連会社の副次収入によっても賄っていくべきだろうという意見にのっとって、今事業を展開しております。
 そういう中で、一方ではやはりNHKの商業化というような意見もありますし、そういう面で、私どもは、民放との共存共栄といいますか併存体制の中で、お互いの分をわきまえながら、節度を持って事業展開を今しているところであります。
 そういう面で、この副次収入の方も、平成十年度、十一年度とも五十二億程度の副次収入がありました。全収入の一%まで達しておりませんけれども、これはもっとふやすべきだという意見と、そういう面では、余り副次収入がふえますと民業を圧迫するのではないかというようないろいろな意見があります。
 ただ、我々はそういう放送法の趣旨にのっとって適正な利潤といいますか副次収入を上げて、NHKの財政に役立つという面もありますものですから、その辺のバランス感覚といいますか、バランスをとりながら節度ある運営をさらに続けていきたいと思っております。
#65
○大出委員 最後になります。
 地域スタッフという方がおられると思うんです。委託集金員の方でございますが、この方々が受信者の受信料を一生懸命集めていただいているわけですね。そうしますと、集めるときにお金を投げられたりすることが起こったりするらしいんですね。大変屈辱的なこともありながら一生懸命頑張っていただいているということで、その方々に感謝の念等をお持ちであるかどうかを一言お聞きして、質問をやめにしたいと思います。
#66
○芳賀参考人 受信料制度を堅持して財源を確保するという観点では、地域スタッフが基幹戦力であります。何よりもこの方々が第一線でお客さん一人一人に対応し、暑さの中寒さの中でも働いていただいているから受信料が集まっているということでありまして、私どもは大変感謝しております。
 と同時に、この方たちが働きやすい環境を整えるということで、移動管理が効率的に行える新しいシステムの開発でありますとか、受信料制度の理解促進のためのPR等いろいろ努力しているところでございます。
#67
○大出委員 終わりますが、会長の御意見が聞きたかったんです。
#68
○海老沢参考人 私どもは地域スタッフの人たちの日ごろの苦労に対して敬意を表しておりますし、今後とも地域スタッフの人たちが働きやすいように努力してまいりたいと思います。
#69
○大出委員 ありがとうございました。
#70
○小平委員長 山村健君。
#71
○山村委員 民主党の山村健と申します。ことしの六月に初当選させていただいて、初めての質問の場に立たせていただけるんですけれども、非常に光栄に思います。
 ただ、きょうは大臣が参議院の方にとられてしまっているのは非常に残念なんですが、IT国会と別名言われる本国会、IT基本法が議題にかかっているということですので、本日の逓信委員会、NHKの決算についてという議題にのっとって質問をさせていただきたいと思います。
 それではまず最初に、非常に重い問題なんですけれども、二十一世紀の社会、いわゆるIT社会という中で、放送と通信との融合について、非常に垣根といいますか、低くはなってきているんですけれども、制度に対して実際の世界といいますか、非常に進んでいるように思います。そういう点で、郵政省並びにNHKとして現時点でどのように考えてみえるのか、それぞれ御所見をお願いいたします。
#72
○佐田政務次官 情報通信の高度化ということでありますけれども、いわゆるインターネット放送のような通信と放送の中間領域的なサービスが今登場しております。そしてまた、一つの伝送手段を通信にも放送にも用いることができる情報の伝達手段の共用化であるとか、電気通信事業と放送事業の兼営、こういうことも行われております。そしてまた、通信・放送双方に利用できる端末の登場といった、いわゆる通信と放送との融合と呼ばれる現象が先生言われるとおり近年非常に顕著になってきております。
 このような融合の現象は、御指摘のように、放送のデジタル化の進展やインターネットの高速化に伴って今後一層進展していくんじゃないか、かように思っております。
 通信と放送の融合に積極的に対応していくことがこれから大変必要である、こういうふうにも考えておりまして、インターネット放送等の公然性を有する通信については、情報流通ルールを確立するための方策の検討やら、伝送路の共用化については、CSデジタル放送やCATVについてハード利用をより柔軟にして、ハードとソフトの分離を一層円滑に進めるための制度の整備等を適切に行ってまいる所存であります。このハード、ソフトの分離ということはこれから非常に重要な課題になってくるのではないかと思っております。
 そしてまた、事業の兼営につきましては、特殊法人として業務が法定されているNTTであるとかNHK、これは規制されていますから、それらを除き自由でありまして、現在百九十八社のCATVの事業者が第一種電気通信事業を兼営しているという現状がもう既にあります。
 端末の共用化につきましては、民間により、創意工夫を凝らした端末が開発されまして、国民が簡便かつ安価にさまざまな情報を享受できるようになることを、とにかくこれから進めていきたい、こういうふうに思っております。
#73
○山村委員 どうもありがとうございます。
 続きまして、NHKの会長の方からも、現時点での融合化について一言お願いします。
#74
○海老沢参考人 今先生御指摘になりましたように、放送と通信の垣根が低くなる、つまり、融合の時代に入ったという認識であります。私ども、放送・通信の技術的な融合が進んでいることを十分認識しております。
 そういう意味で、インターネットが世界的に爆発的に普及をしておりますし、また、デジタル技術も急速な進展を見せて、いわゆるIT革命と言われる時代に入ってきたわけであります。そういう面で、そういう新しい技術を我々が視聴者国民のためにどのように利用し、活用したらいいかというのが、我々にとっても最大の課題であるわけであります。
 そういう面で、新しい伝送路、一般的にはツール、道具と言われておりますけれども、そういう新しい道具をいかに国民生活の向上なり文化の発展に役立たせるかということであります。そういう面で、我々公共放送としては、できるだけこういう新しい伝送路を活用する、いわゆる節度を持ってこれを活用して、視聴者のサービスの高度化を図っていきたいというふうに思っているところであります。
 ただ、いろいろな伝送路ができますけれども、問題は、やはり内容といいますか、コンテンツ、ソフトが、質が高く、人々の心を豊かにするようないい番組でなければ意味がありません。そういう面で、いつの時代になっても、技術が発達しても、やはりそういうソフト、コンテンツを、いいものをつくっていく、大事にしていくというのが今後も必要だろうと思っております。
#75
○山村委員 どうもありがとうございます。非常に深い問題ということなんですけれども、これはまた後ほど、個々にお伺いしたいと思います。
 ただ、本日、いわゆるNHKの決算、株主総会というような概念で私臨んでおりますので、民間の株主総会に近い形で、こちらの報告書に準じて質問させていただきたいと思うのです。
 まず、経営の根本というのはやはり営業にあり、NHKの場合ですと、受信料というものにまず第一義あると思うのです。さきの国会等々の議事録を、今回質問に立つに当たっていろいろと見させていただいたんですけれども、一番やはり気になったのが、受信料不払いの問題の中で、いわゆる米軍基地の施設内の受信料徴収の問題というのは現在どうなっているのかということをお伺いしたいと思います。
#76
○芳賀参考人 お答えいたします。
 残念ながら、現在、在日米軍の基地内にはNHKの受信契約はございません。
 受信料というのは、NHKを維持するためにお支払いをいただくものでありますから、日米地位協定で免除の対象とされています租税または類似の公課には当たらないということでずっと説明をしてきているわけであります。したがいまして、NHKの放送を受信できるテレビを設置すれば、在日米軍の軍人軍属及びその家族においても受信契約の対象となるということでありますが、アメリカ軍の考え方は違っていまして、租税または類似の公課だということであります。
 昭和五十三年以来、さまざまに話し合ってきているわけでありますが、残念ながら、米軍の、受信料は租税に準ずるものであって支払いは免除されるという解釈を変えさせるというところまではいっていません。
 また、私どもが基地内に立ち入って受信機の設置を確認してお願いをするということも許されませんので、結果として、残念ながら受信契約はないということになります。
 最近では、平成八年に、アメリカ大使館、米軍それから外務省、郵政省、NHKの五者の実務担当者による会合を開催いたしまして、再び私どもから受信料の性格の説明を行いました。
 また、平成十年にも、NHKから三回にわたって米軍に文書を提出いたしまして、関係者による会合を準備いたしましたけれども、結果として、米軍の都合により中止をされております。
 ことしの春にも、郵政省を介して外務省に対し、関係五者の会合の開催について依頼を行っているところです。
 今後とも、郵政省あるいは外務省の協力をいただきながら、米軍に対しても、受信料が必要であるということを説得し、受信料を徴収させていただきたい、こういうふうに考えているところであります。
#77
○山村委員 先ほど大出委員の方からもありましたが、その根幹をなす受信料制度、これは税金じゃなくて、あくまでも公共放送としての受信料ということであるならば、その辺の説明をアメリカへ、外務省を通じてということになるんだと思いますが、早急に決めていただきたいというふうに思います。
 これは、私どもも、今回質問に立つに当たって、インターネット上、メールを通じていろいろと一般の人の意見もいただいております。それは、やはり受信料制度については、一番国民にとりまして身近な問題として、あそこの集金人がどうであったとかどうこうという話がございます。ただ、受信料、私たちの今の概念としても、税金のひとつ形の変わったものじゃないかというような概念もございました。
 とするならば、きょう、外務省の方から私どもも答弁者を招集しておりませんので、そこまでは答えにくいのかもわかりません。これはある種の思いやり予算じゃないのかな。思いやり予算として言明していただければ納得できる問題でもあるわけなんですが、受信料制度を維持していくということであるのなら、郵政省の方から、閣議においても明確にその主張をしていただければと思います。
#78
○佐田政務次官 先生の言われるとおりでありまして、国にも関係することでありますから、先ほども説明ありましたけれども、従来より、NHKの受信料は、日米地位協定によりまして免除されている租税には該当しないというような立場に立って、在日米軍人等にも受信契約を結ぶ義務があると考えておりまして、その旨を、外務省を通じまして在日米国大使館及び在日駐留米軍との折衝を行ってきたところであります。
 外務省と協力しまして、我が国の主張に対して理解を得るべく米国側と折衝し、先ほども御報告ありましたけれども、平成八年一月に、日米間で実務レベルの会合を実施しまして、受信料の法的な性格につきまして説明したところでありまして、本年四月及び十一月にも、実務レベルにおいて、外務省に対しまして日米間での実務レベルの会合の開催を要請したところであります。
 今後とも、受信料に対する日本側の主張を、外務省と協力しながら、根気よく米軍側に説明し、解決に向けて頑張っていきたい、かように思っております。
#79
○山村委員 本当に、私、今回逓信委員を志望させていただいた動機といいますのも、放送であり、通信であり、郵便事業であり、二十一世紀の基幹をなす委員会であると。国会において、そういう場で、いわゆる情報通信、放送といった分野が主にならなければ、国際化社会というものへの仲間入り、いわゆるその中で責任を持った行動ができないというふうに思った次第で、志望させていただいた部分でもございます。
 先輩方が多数見える中で、放送の役割等々ございますが、古い話になりますけれども、ベルリンの壁が崩れたのは第一義に放送、いわゆる壁を超えて西から東へ流れた情報によって、ああいう市民革命といいますか、そういう事態が起きたと思います。私どもの近隣諸国においても、南北の分断国家というような問題もございます。
 そういったことを踏まえて、NHKが今後ますます日本の公共放送として国際社会の中で認知されるためにも、逆に言えば、日本国内における外国人の問題といいますか、米軍の基地内であったとしても、いわゆる郷に入りては郷に従え、日本の法律に従えという形を積極的に推進していただきたいと思います。
 時間がございませんので、また次の問題へ移らせていただきますけれども、主な営業収入というのが受信料であるとするならば、いわゆる従といいますか、関連会社の営業形態、副次収入になるわけなんですが、現在、報告書によりますと、放送番組の企画制作、販売について関連会社が十四社、業務支援分野六社、公益サービスが七団体、福利厚生団体二団体、その他団体といいますか、孫請といいますか、表記してあるものですと三十六社あるわけなんです。
 放送番組の企画制作、販売、いわゆる関連会社の具体的な業務について、これはNHKの会長の方からお伺いしたいのですけれども、地方における、いわゆる番組の受信料制度も含めて、NHKを説明していくといいますか、PRしていくために、さまざまなイベントが展開されております。
 それは、いわゆるNHKの関連会社の企画会社と申しますか、イベント会社というようなところが請け負って推進しているような状況でもあるわけなんですけれども、その関連会社に、なぜ、NHK何々、NHKどうのこうのとNHKの看板というのが必要なんですか。その辺を御答弁願います。
#80
○海老沢参考人 NHK関連会社、株式会社二十社ほか二十七社でいろいろな事業を展開しておりますが、NHKというブランドといいますか、非常に信頼度が高いと我々は自負しておりますし、NHK本体と関連会社が一体となって事業をしている、そういう信用度が非常に高いということでつけている面もあるわけであります。
 御承知のように、我々は番組を制作するのが一番の仕事でありますけれども、これも、NHKだけでつくっておりますと、どうしてもマンネリ化する、あるいはコスト意識が低下する、そういう面で、外部の力、外部の知恵もかり、はたまた外部のアイデアもかりながら、いい番組をつくるのが目的でありますから、そういう面で、今外部へ関連会社を通じて二割から三割近く委託しております。それによって番組の質の向上を図るという面、それが業務委託である。
 と同時に、また、私ども放送だけでなくていろいろな、例えば世界四大文明展だとか、あるいはいろいろな催し物を全国で展開しております。
 そういう中で、関連会社を通じて、NHKの仕事は、放送と同時に、そういういろいろな、視聴者と結びついて、また地域の経済の活性化なりあるいは地域の文化の振興に役立つということで、そういう地域の関連をつくって、そことNHKが一緒になって、そういう文化、福祉事業を展開する、それによって視聴者との回路といいますか結びつきを強化していきたい、強くする、それによってNHKに対する信頼、理解を深めていこう、そういう意味合いで事業を展開しておるわけであります。
#81
○山村委員 そこで、関連会社というよりも、これは、私、思うのですけれども、NHKに当然今も事業部というセクションはあるとは思うのですが、なぜそれが事業部ではできないのかということをお伺いしたいのです。
#82
○海老沢参考人 事業部は今事業局ということに格上げをして、事業局に、いろいろな地域なりいろいろな団体、あるいは個人等から、こういう事業をやってもらいたい、公演をしてもらいたい、一緒に主催をしてもらいたいという要望がもう数限りなく来ております。その窓口を今事業局でやっております。
 そういう中で、この部分はNHKエンタープライズがいいだろう、あるいは、これはNHKプロモがいいだろうという仕分けをする。そして、NHK総体として、視聴者国民のために役立つ事業展開ということで仕分けをしている、いわゆるヘッドクオーター的な役をしております。
 そういう面で、実際に人手をかけて事業展開するのを関連会社に委託している、委託しているというか、整理をしている、そういう役割分担をしているわけであります。
#83
○山村委員 ヘッドクオーター的な役割とおっしゃられるわけなんですけれども、私が申し上げたい部分といいますか、私の考え方といたしますと、実を言いますと、私も、地方において、広告であるとかイベント企画というような業種を経営しておりました。
 その中で、地方に行きますと、中央で言いますところの、名前を挙げさせていただきますのは恐縮なんですが、例えば中央ですと、広告会社で電通、博報堂といえば、知らない人がいないぐらいのブランドになっております。地方に行ったときには、NHK何がしとついた場合に非常に強いブランド力がございます。
 といいますと、明らかに民業圧迫といいますか、質じゃなく、NHK何とかという名前がついた地方自治体の、特に町おこしイベント等々につきますと、NHKという冠がついていることで、イコール放送と勘違いされて、NHKで全国中継されるからというような言い方が非常に強うございます。
 そういう意味で、私の方からお願いしたい部分といたしますと、事業局からいわゆるNHKの関連会社に仕事をおろすのではなく、公共放送という立場であるNHKですので、いわゆる公共事業に近い形になるのかとも思います。
 そういった場合に、民間のいわゆる代理店と申しますか、企画会社も含めてプレゼンテーションを受け、透明性のもとに、この地域のこういう仕事はこういう形でオリエンテーションをします、いわゆる入札をしますという形で進めていっていただければなというふうに思う次第なんですが、今後、そのような考え方というのはNHKの方としてはございますでしょうか。
#84
○海老沢参考人 イベントとか催し物、そういうものの展開はいろいろなやり方があろうかと思います。私どもも、そういう広告代理店と一緒に仕事をする、あるいは地方公共団体と一緒に事業を展開するとかいうような形の多様な組み合わせでやっております。
 そういう面で、先ほど言いました事業局から振り分ける面もありますし、また地方の関連会社が独自に地方公共団体と一緒にやるとか、今はもう十数年の経験を積んでおりますので、そういう面で、そういうすみ分けといいますか、業界の中でのすみ分けが最近は十分に行き渡ってきたのではなかろうかと思っています。
 ただ、いずれにしても、これからも多様な事業が展開されるわけでありますので、そういう面では、いろいろな面で気配りをしながら、お互いにプラスになる方向で努力していきたいと思っております。
#85
○山村委員 まさに、こちらの報告書にもあるのですけれども、放送番組の多角的活用、催し物の企画実施等、公共放送にふさわしい形で、節度ある営業努力という形で、節度を持ってやっていただければと思います。
 次に、時間がないので非常に残念なんですが、公共放送の役割について先ほども冒頭で御答弁いただきましたけれども、NHKは、今後、二十一世紀、どのような放送局を目指していくのか。抽象的な質問ではございます。
 それを具体的に申しますと、デジタル放送、当然キーワードとして大切な部分で、今国会に限らず、ここ数年来御協議いただいているわけなんですけれども、BSデジタル放送がことしの十二月に始まります。その後に、二〇〇三年ですか、地上波デジタルの導入を踏まえてというような郵政省の方針といいますか、各民放を含めて進んでいることだとは思うのですけれども、これは私の考え方なんですが、BSデジタルだけでいいのじゃないか、地上波デジタルというものがなぜ今さら必要なのかということを御答弁いただきたいのですが。
#86
○佐田政務次官 衛星放送やCATVの普及状況を見ますると、国民に最も身近な基幹的メディアであります地上放送がデジタル化されなければ、デジタル放送のメリットを国民が十分に享受することはできない、こういうふうに考えているところであります。
 事業者にとっても、高品質なテレビジョン放送、データ放送、双方向、インタラクティブなサービス、そしてまた多チャンネル放送等の、サービスの多様化による新たな事業機会の創出といったメリットもあるわけであります。
 そしてまたなおかつ、BSデジタル放送、光ファイバーケーブルとの比較でいうならば、光ファイバーケーブルは双方向性にすぐれていますけれども、地上放送の方がコストが安く情報を送信でき、また、BSデジタル放送は一波で全国をカバーすることができますけれども、地上放送のような地域のきめ細かい情報を提供することはできない。
 こういうふうにメリット、デメリットがあるわけですけれども、このようなそれぞれのメディア特性を生かして、全体として発展していくことがいいんじゃないか、こういうふうに思っているわけであります。
 地上デジタルテレビジョン放送については、郵政省としましても、ローカル局を中心とした民放局の設備投資の負担の軽減のための施策等、必要な支援措置も講じながら、デジタル化のメリットを国民が早期に享受できるように、全体としてあらゆる方向でやっていきたい、こういうふうに思っております。
#87
○山村委員 NHKとは少し離れるわけですけれども、今デジタル地上波の問題が出ましたので、もう一度郵政省の方にお伺いしたいのです。
 郵政省の中には、先ほども申しましたとおり、放送と通信と郵便事業というものがございます。その冒頭の、いわゆる通信と放送との融合ということに際してなんですけれども、ケーブルテレビ会社が全国に百九十社ですか、現在ある中で、ケーブルテレビ会社が地域において今非常に勢いを増してきている部分、これは郵政省からの指導ということもございますが、通信と融合したからと。
 私どもの地元におきましても、十年前からケーブルテレビ会社が発足しております。しかしながら、インターネットがつながるよ、今まで月三千円で放送を三十数チャンネル見られるよというときにはなかなか普及しなかったのが、インターネットをつなぎっ放しにして五千幾らというような状態にしますと、一気に、若い世代といいますか世帯に広がったという実績もございます。これは私どもの地元だけでなく、全国的にそのような傾向にあると思うのです。
 とするならば、NHKサイドに立った話でいきますと、いわゆる放送局サイドに立った話でいきますと、受信料が現在、千どれだけかの金額になると思うのですが、それに通信を融合させた場合、月々三千円になろうと五千円になろうと、それだけのサービスが提供されるのであれば、放送会社が通信の領域に広がっていくということもありなのかな、またその一方、逆に通信の方から放送の領域に広がってくるということもあると思います。
 時間が来てしまいましたので、そういう意味から、今後とも郵政省の中におきまして、放送と通信、バランスよい二十一世紀のIT社会といいますか、放送業界も含めて御指導いただきたいと思いますので、最後に郵政省の方から一言お願いいたします。
#88
○佐田政務次官 先ほどもそういう御質問がありましたけれども、これから、先生の言われるような形が展開されるのじゃないかと思っております。
 そういう中におきまして、今、大臣の懇談会の中でも通信と放送につきましては議論をしているところでありますし、先ほども申し上げましたように、例えばCATV会社が通信に光ファイバーを利用したり、それに伴うところのハードとソフトの分離というか、ハード部分をいろいろな形で、コンテンツを流すことができるという形であるとか、いろいろな議論をさせていただいておりますし、そういう意味におきましては、できる限り国民にプラスになる、利益になるように、これからもしっかりと議論をしていきたい、かように思っております。
#89
○山村委員 どうもありがとうございました。
#90
○小平委員長 高木陽介君。
#91
○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 わずかな時間でございますので、内容のある質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、NHKの場合は放送を全部やっておるのですけれども、その中で特に報道の分野、これはかなり重要な位置を占めていると思うのです。そういった中にありまして、やはり言論、表現の自由、本当にこれは守っていかなければいけない大切なものでありますけれども、そういった中で今現在、政府の方で、個人情報の保護基本法というか、そういったものを法制化しようということで、専門委員会の答申が先日ございました。
 そういった中にあって、義務化する部分がかなりあるのですけれども、報道機関はそれを義務対象から外す。これはもちろんいいことだと思うのですが、そういった中で、基本原則は適用しようと。これに関しまして、特にNHKを初め民放連、さらに新聞協会等もさまざまな懸念を表明されていると思うのです。
 そういった中にあって、私自身もマスコミの出身ということもありますし、また、会長はそういう報道の分野で長年経験を培われてきた、御経験のある方だと思うのですけれども、言論、表現の自由を守っていくためには、逆に個人情報を守らなければいけない。なかなか相反する部分があると思うのです。特に、とみに最近は、一部マスコミによって、メディアによって報道被害を受けている、こういう批判もかなりあると思うのです。
 そこら辺の兼ね合いの中で、個人情報保護、これはしていかなければいけない、プライバシー等を守っていかなければいけない、そういった問題と、表現の自由、言論の自由を守っていくという、その報道分野の兼ね合いについてどのようにお考えか、お伺いいたします。
#92
○海老沢参考人 今、日本は民主主義国家であります。主権在民であります。そういう面で、私どもは、やはり表現の自由、言論の自由を守っていくことがその基本だろうと思っております。私ども、そういう面では、自主的にいろいろな面で、そういう個人情報の扱いとかあるいはプライバシー、名誉を守っていくとか、そういう面を努力しているわけであります。
 そういう中で、今、プライバシーなり名誉を傷つけるような報道が一部されるというような指摘もされております。そういう面で、私どもも常に視聴者国民の立場に立って、こういう表現の自由、言論の自由というのを守っていくことが基本だろう。その兼ね合いが非常に難しいということは言うまでもありません。
 こういう民主主義の健全な発展に資するのが我々の仕事でありますから、そういう面で、その辺の兼ね合いを十分にわきまえながら、今後とも個人の名誉とかプライバシーを侵さないように、またいろいろな面で我々も、自主的な判断にのっとって、視聴者国民に信頼されるような報道をするということが我々の使命だろう、基本的にはそう考えております。
#93
○高木(陽)委員 そのとおりだと僕も思うのですが、そういった中で、日本の民主主義の発展過程を見てみますと、この自由という問題、特に表現の自由、報道の自由というのは民主主義にとって根幹をなすものだと私も考えております。
 そういった中にあって、例えば欧米社会はそういう自由の権利というものを、本当に血を流しながらかち取ってきた、そういう経緯があると思うのです。しかし日本の場合には、戦後、敗戦とともに憲法が改正され、そういった中で、本当に市民が、国民が、一人一人がそういう自由というものをかち取ってきたという、実感を持っている人もいるかもしれませんが、多くの国民が、それは何となく与えられたもの、元来あったものだ、こういうような感覚があるのではないかな。
 そういった中にあって、報道機関の方がすべて自由なんだという安易な発想に立ってしまうと、これはまた大変なことになる。逆に言えば、プライバシーというこれまた大変な人権問題、これを本当に守っていかなければいけないと思うのです。
 そういった中にあって、この個人情報保護法というものが法制化されるという流れにあって、プライバシーを守ろう、そういう報道被害からも守っていこう、こういう考え方があると思うのです。
 これはこれで守っていかなければいけないのですが、逆に、一歩間違えると、これこそ報道機関、言論機関に対して権力側が手を突っ込んでいってしまう、そういう武器にもなりかねないという懸念を、私自身は与党であるのですけれども、持っております。
 では、どうすればいいのか。それは、逆に報道側が、言論機関が自分たちの中でしっかりと自律というものを持った上でやらなければいけないのではないかな、そういうふうに思うのです。
 もちろん、NHKを初め重立った、新聞協会さらには民放連といったところはそういった論議もしているとは思うのですけれども、逆に言えば、そこら辺のところがすきをつくってしまうと、権力側というのですか、それがすぐ突っ込んでくる。逆に、すきを与えないだけの、自分たちを律していく、これをしっかりと持たなければいけないのではないかな。これは朝日新聞か何かの社説にも、今回の個人情報保護の問題を通じながら、報道機関もそれをしっかりやっていかなければいけない、こういうことが書かれていました。
 それを逆に目に見える形にしていかなければいけないだろうし、そういった部分では、例えば北欧、スウェーデン等は、オンブズマンみたいな形で、第三者機関が報道被害を初めそれをチェックするような形、逆に言えば反論権も与えていくというような形、こういうものがあると思うのですけれども、こういう問題についてどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
#94
○海老沢参考人 今先生が指摘されました自由の問題、民主主義は自由が基本でありますけれども、自由にはやはり責任が伴うんだ、そういう責任感が欠落している部分が非常に多い点が今問題だろうと思っております。
 そういう面で、私どもも、今まさにおっしゃるように、自律といいますか、自分を律する、そして自主的にこれを判断して責任持って対処をするというのが基本だろうと思っております。そういう面で、我々も、いわゆる放送される側、書かれる側の立場に立って、やはり相手の痛みを十分考えながら物を処していかなきゃならぬということもこれは基本であります。
 そういう面で、私どもも、現場に放送倫理委員会を設けたり、あるいは放送ガイドラインをつくったり、そういう面での職員の研修、教育に力を入れておりますし、また、民放連と一緒になって放送倫理基本綱領もつくりました。
 そしてまた、人権問題につきましては放送と人権等権利に関する委員会もつくり、また番組の問題については放送番組向上協議会というものをつくって、我々放送事業者が自主的に第三者機関をつくってその中でいろいろな御意見を賜る、そして我々も十分に意見を聞きながら、我々の責任において処理していく、そういう方向で我々もさらに一段の努力を続けていくつもりでおります。
#95
○高木(陽)委員 しっかりと報道機関、言論機関としてそこのところをよくよく考えながら、そしてまたそのすきをつくらないでいただきたいな、そんなふうに思います。
 これは御答弁は要らないのですけれども、自分自身の考え方として、例えば誤報だとかミス、新聞にしてもまたは放送にしても、そういうものがあったときに、おわび、訂正の記事なんかも、新聞なんかは、一面使ってばっとセンセーショナルに書かれたものが、例えばおわび、訂正の記事がこんな小さかったり、テレビも、ばっと放送、報道した後、それがもし間違っていた場合等々、このことは間違っておりましたということは言うのですけれども、特に放送というのは一過性の部分がありますので、そのニュースを見た、翌日その間違いがわかって訂正を流したとしても、それを見ていない人もいるわけですね。
 そうなりますと、そのままその誤報が、テレビが流したから、またはNHKが流したから、民放がこうやって流しているからということで信じたままいってしまう場合もあるということで、そういった中での、誤報だけではないのですけれども、放送のあり方というものを本当に慎重に考えていただきたい。
 再度申しますけれども、権力の側がそういう言論機関に手を突っ込んではいけない、また突っ込ませてはいけないという民主主義の基本原則、逆に、言論側というのはしっかりと権力のチェック機関としてあるべきだと自分自身も思っています。そういったことを踏まえて、御努力のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。
 続いて、先ほどからも何度か各委員から質問がありましたけれども、放送と通信の融合、これはこの数年、一気にインターネット等も普及する中で、本当にこの垣根がなくなってきた。
 そういった中で、放送と通信というのが融合した場合の放送法のあり方または電気通信事業法という法律のあり方、どこまでが放送でどこまでが通信かわからないときにどの法律を適用してやるのか、こういった問題等がございますけれども、郵政省の方としてみれば、現行の放送法の枠内で今後も対応できるのかどうか、そこら辺のところのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#96
○佐田政務次官 先生の御指摘のとおりでありまして、放送と通信の中間的な分野が大変広がりつつある、こういうことであります。
 いわゆるインターネット放送のような通信と放送の中間領域的なサービスの登場やら、または一つの伝送手段を通信にも放送にも用いることができる情報の伝達手段の共用化であるとか、または電気通信事業と放送事業の兼営、そしてまた通信・放送双方に利用できる端末の登場といったいわゆる通信と放送の融合という現象であると私も思っております。
 例えば、CSデジタル放送やCATVについて、ハード利用をより柔軟にして、ハード、ソフト分離を一層円滑に進めるための方策を検討する等、通信と放送の融合に対応して放送制度の適宜適切な見直しをやっていきたい、こういうふうに思っております。
 さらには、インターネット放送やホームページのような、いわゆる公然性を有する通信における匿名性を有する違法・有害情報について、権利の侵害を受けた被害者の救済を図るため情報流通ルールを確立すること等が必要であると考えております。
 御指摘のような通信の秘密との関係についても十分に考慮しながらルールの整備に努めていくと同時に、例えば、インターネットが随分進んできておりますけれども、これからプロバイダーの責任等も議論の対象になってくるのじゃないか、こういうふうに思っております。
#97
○高木(陽)委員 この問題は本当にこれから重要な問題になってくると思いますので、鋭意頑張っていただきたいなと思います。
 続きまして、NHKは公共放送というふうに言われておりまして、公共放送というのは公的な部分を占めるわけですね。ところが、これから、今お話のあった放送・通信の融合、エリアがだんだん広くなってくる、こういうような状況にあって、あと、世は今規制緩和の流れということで市場原理でもって一つの物事が動いていく、こういう形になりつつあります。
 そういった中で、NHKというのは、よく民放連、民放の方から巨大化批判、肥大化批判、向こうは受信料でお金が集まって、それでいろいろな子会社をつくっていろいろな事業にも展開しているじゃないか、こっちは本当にCM、広告料ですね、そういうところで営業努力をしながら、そういった中で対抗できるのかというような言い方をされておりますけれども、そういった部分でのNHKの巨大化、肥大化の批判について、会長はどのようにおこたえになられるか。
#98
○海老沢参考人 よくNHKの巨大化、肥大化、商業化という言葉が使われておりますけれども、私は、その議論はちょっとNHKの現状を十分理解していない発言だろうと見ております。
 といいますのは、御承知のように、私どもの受信料、事業計画等はこの国会で審議をされ、この決算も国会で審議をされるということで、我々が自分で受信料を値上げできるわけじゃありませんし、そういう面で、こういう場でNHKの受信料は決まっているわけでありますから、我々が独自に事業を拡大するわけにはまいりません。
 それと同時に、今、新しいCS放送なりCATVなり、あるいはいろいろな、これからも放送に類似した放送が出てくると思います。
 そういう中で、放送業界におけるNHKのシェアといいますか、占拠率というものは年々減ってきております。四、五年前まではNHKは二〇%をこの業界で占めましたけれども、最近は一七%まで下がってきています。これは当然NHK受信料を値上げしない限りは補いようがありませんで、そういう受信料収入の中でどういうふうに効率的な仕事を進めていくかというのが我々の課題であります。
 そういう面で、関連会社についても、先ほどから話が出ていますように、私どもは、いわゆる民業を圧迫するというような意味を持っていませんし、あくまでも視聴者国民のために貢献するんだということが基本でありますし、また、いただいた受信料で我々がつくった番組を二次利用するとか、あるいは我々が持っているノウハウをそういうイベント等で社会還元していくということで、節度ある事業運営を今展開しているわけであります。
 今後ともそういう方針には変わりありませんし、いたずらな拡大を図るつもりもありませんし、そういう面で、こういう審議の場でも皆様方からいろいろな御意見を賜りながら事業展開をしていきたいと思っております。
#99
○高木(陽)委員 今の会長のお話、私自身もそのように思うんです。
 今度は郵政省の方にお伺いしたいのは、そういった中でも、今、受信料の方と民放は民放での収益のあり方という、二元論というか二つの形がある。そういった中での放送業界での公正な競争、こういうことと、そのためには、さっき申し上げましたけれども、規制緩和の流れというのがあります。特に電波をオークション制にしろだとか、そういった御意見もいろいろとありますけれども、そういった中での公正な競争と前提となる規制緩和、そういったものの考え方について郵政省はどのように考えているか、お願いいたします。
#100
○佐田政務次官 今会長の方からお話がありましたように、NHKとしては民業を圧迫しない、そういうふうな形で我々も考えておるところであります。
 受信料を財源とする公共放送と広告収入等を財源とする民間放送の二元体制のもとに我が国では発展してきた、そういう状況でありまして、今後、多メディア・多チャンネル化に伴い競争が進展する中においても、我が国の文化水準の維持や放送の健全な発展の観点から二元体制の持つ意義は重要であり、今後とも基本的には維持すべきものと解釈しているところであります。
 いずれにいたしましても、技術の進展に伴う多チャンネル化や社会情勢の変化に応じまして、NHKの保有メディアや関連会社の業務範囲等、NHKのあり方について絶えず検討することが必要であろう、かように思っております。また現在、放送政策研究会でこういうことにつきましても検討をいただいております。
 それと、今先生、オークション制度の電波の話がありましたけれども、これにつきましても議論はあります。イギリスであるとかアメリカ等でもこれはもう既に行われていることでありますけれども、いいところと悪いところがありまして、アメリカなんかですと、やはりなかなか、大変な高額なものですから会社が非常に大変な状況になってしまったり、そしてまたサービスが低下したりという部分もありますので、これからもしっかりと、ここら辺につきましても規制緩和も議論していきたい、かように思っております。
#101
○高木(陽)委員 時間が参ってしまいました。
 もっといろいろとお話をお伺いしたいと思うんですが、一番最初に申し上げました言論、表現の自由、この部分だけは今後とも自分自身も考えてまいりたいと思いますし、やはり、民主主義という、日本にとって一番大切なというか、私たち国会議員としても本当に考えていかなければいけないこの問題を、報道機関、言論機関の方々もそういった意味ではしっかりと考えていただきたいな、そういうことを申し添えまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#102
○小平委員長 佐藤公治君。
#103
○佐藤(公)委員 自由党の佐藤公治でございます。きょうも余り時間がないので、簡単にお答えを願えればありがたいかと思います。
 まず、ことし十二月からBSデジタル放送が始まります。また地上放送についても、二〇〇三年から関東、名古屋、関西を中心にデジタル化が予定されていると思います。これによって、日本が世界に先駆けて開発したハイビジョン放送が本格的にスタートするだけではなく、多くのチャンネル化やデータ放送が実現するというふうに私は思っております。さらに、地上デジタル放送の実現によって、自動車などの移動体に対する各種の放送サービスも可能になり、日本の放送は、昭和二十八年のテレビ放送開始以来、大変な大変革を迎えることになる。
 ただ、その一方で、ケーブルテレビが放送のデジタル化にどう対応していくのかということが今ちょっと横に置かれてしまっているのかなという気がいたします。日本のケーブルテレビ加入世帯は難視聴を含めると千八百万世帯を超え、BS放送や地上放送デジタル化がされても、ケーブルテレビがきちんとデジタル化に対応しなければ、加入者は新たなサービスを享受できないというふうに私は考えております。
 そこでお聞きしたいんですけれども、郵政そしてNHK、両方にお聞きしたいんですが、ケーブルテレビ側のデジタル化への対応はどのように考えて、どうなっているのか、現状と見通しを簡単にお話しくださいませ。まず政務次官からお願いします。
#104
○佐田政務次官 ケーブルテレビにつきましては、みずからの伝送効率を高めるためのデジタル化という必要性以外に、地上放送や衛星放送がデジタル化することに伴って、再送信メディアの立場からデジタル対応をせざるを得ない必要性もあるわけであります。
 郵政省では、既にケーブルテレビのデジタル伝送の技術基準を策定しておりますけれども、特にBSデジタル放送への対応については、この技術基準に基づきまして、日本ケーブルラボという民間機関においてデジタル対応機器の標準化作業が行われ、統一仕様が九月に決定したところであります。
 現在、多数のケーブルテレビ事業者がBSデジタル放送への対応を準備中でありますけれども、デジタル対応機器の導入や伝送路のチャンネル数の増加等の新たな設備投資が必要になってきておるわけであります。
 財政基盤が非常に脆弱な小規模のケーブルテレビ事業者が多いので、郵政省としましても、新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業によりまして、補助金、税制、そしてまた無利子、低利融資等の支援措置を講じているところでありますけれども、今後ともケーブルテレビが円滑にデジタル対応できるように一層の充実を図っていくという方針でございます。
#105
○海老沢参考人 今先生御指摘のように、CATVの普及は年々増加しております。私どもも、このCATVを使って普及しなければ、BSも地上波も普及が進まないと思っております。私ども技術陣が伝送方式を新しく開発して、そのための伝送実験なりあるいは技術的な面での公開とか、いろいろやっております。
 そういう面で、今後とも、NHKの新しい技術開発を利用していただくためにいろいろな面での協力を惜しまないつもりでおりますし、CATVがさらにデジタル化へ向けて普及するように我々も努力していきたいと思っております。
#106
○佐藤(公)委員 海老沢会長にまたお尋ねさせていただければありがたいんですけれども、そういう中で、NHKとケーブルテレビと、お互い組むなり、協力をし合いながら、何かできるようなことはございますでしょうか。
#107
○海老沢参考人 私ども、民放とも、あるいはCATV事業者とも、いろいろな面での共存共栄を今、図っております。私自身もそういうCATVの事業者のところを視察したり、あるいはいろいろな会合に出てNHKの業務について説明を申し上げております。
 そういう面で、今、BSあるいは将来の地上デジタル放送に向けてのデジタル技術の面での技術協力、その辺を具体的に進めているところでありますし、今後ともそういう面で努力したいと思います。
#108
○佐藤(公)委員 郵政政務次官に続けてお聞きしたいんですけれども、そういう中で、アメリカのケーブルテレビシステムにおいて、その地域で視聴できるすべての地上波テレビ局のチャンネルを無料で配信することを義務づけた規則、これはマストキャリーということでございますけれども、日本においてのマストキャリーということをどうお考えになって、またこれからどういう方向性を持ってやろうとしているのか、お考えをお聞きしたいと思います。
#109
○佐田政務次官 ケーブルテレビが普及しております米国は、もう七〇%ぐらい普及しておりまして、すべての視聴者が地上放送を視聴できるよう、ケーブルテレビ事業者に一定の基幹的放送番組を流すことを義務づけるということで、マストキャリールールというものがあるわけであります。
 一方、ケーブルテレビが米国ほど普及していない我が国におきましては、受信者の保護の観点から、有線テレビジョン放送法におきまして義務再送信が制度化されております。米国のようなマストキャリールールの制度はありませんけれども、そういうルールじゃありませんけれども、再送信する場合には放送事業者の同意が必要、こういうことが制度としてあるわけであります。
 今後、我が国におきましてもケーブルテレビは広く普及すると予想されておりますけれども、現行の義務再送信制度とは別にマストキャリールールを導入するか否かにつきましては、ケーブルテレビの普及の状況であるとか、またはBSデジタル放送や地上デジタル放送の普及等を見ながら、放送政策全体の中で幅広く検討していく、また慎重に検討していくつもりでございます。
#110
○佐藤(公)委員 政務次官、検討事項はわかりますが、政務次官としては、これは必要か必要じゃないかという個人的な観点また見解はいかがにお考えでしょうか。
#111
○佐田政務次官 これは繰り返しになって恐縮なんですけれども、ケーブルテレビが米国みたいに七〇%ぐらいいくと、必要なものを流す、必要なものを国民に知らしめる、こういうことも非常に必要になってこようかと思います。
 日本の制度、今私が申し上げた制度は別の意味がありますけれども、しかしながら、そういうふうな状況になれば私は必要になってくるんじゃないか、こういうふうに思っております。
#112
○佐藤(公)委員 その辺はよく御検討を願いまして、私どもの地元においても、難視聴というか、見ることが非常に厳しいところがたくさんございますので、この辺をよく御検討願いまして、また、多くの方々にそれなりにあまねくやはりNHK、ほかの民間放送も含めて見てもらうというか、見られるような環境、状況ということをつくっていただければありがたいので、また一層の御検討を願えればありがたいかと思います。
 また、行政においても、通信と放送の融合、融和ということもございますが、ケーブルテレビのデジタル化に積極的に取り組むべきであるというふうには当然思うのですけれども、特にBSデジタル、地上デジタルとか、ケーブルテレビを担当する部署が相互に連携をとりながら、より一層、将来のデジタル化に向けての作業をしていかなければいけないかと思いますけれども、政務次官、いかがでしょうか。
#113
○佐田政務次官 それはもう先生のおっしゃるとおりであります。
 全放送メディアのデジタル化を推進しておりますけれども、例えば、端末の共用等により全体としてできるだけコストを下げるよう、技術基準策定の際など、それぞれのメディア担当部署が十分に連携をとり合って、これからBSデジタルであるとか地上デジタル、CATV、いろいろありますから、その辺を連携をとって、先生言われるとおりだと思っております。
 特に、再送信メディアという特性を持つケーブルテレビのデジタル化については、衛星放送や地上放送を確実に再送信できるように、担当部署間の連携が非常に重要になってくると思いますので、よくその辺を協議していきたい、かように思っております。
#114
○佐藤(公)委員 今後ともその辺のあたりを、今の状態を私、見ていて、果たして連携がとれているかといったらば、まだまだとれていないような状況にも思えますので、より一層の大臣と政務次官の力強いリーダーシップ、調整能力で、その辺を推し進めていただければありがたいと思いますので、それはお願いいたします。
 また、ケーブルテレビの加入者世帯は今後もふえていくことが予想されていると思いますが、その一方で、郵政は、通信事業者がケーブルテレビに参入できるようにする方針だと聞いております。ケーブルテレビのデジタル化の進展には寄与することになると思いますが、中小のケーブルテレビ業者が成り立たなくならないような、そんなようなことに配慮すべきものがあると思いますが、その辺のあたり、政務次官はどうお考えになりますでしょうか。
#115
○佐田政務次官 先生の言われるとおりでありまして、これを広くあまねく広げていかなくてはいけないと思っております。
 現行制度上では、電気通信事業者、これはNTTを除くわけでありますけれども、のケーブルテレビ参入は、許可をとれば可能であるにもかかわらず、なかなか実例が今ないというのが現状であります。
 そしてまた、通信用の光ファイバーを用いて動画を家庭まで配信するサービスをケーブルテレビ会社に提供する、いわゆる映像伝送サービスは、実験的に今提供中であります。
 このように、電気通信事業者の提供する電気通信役務や設備を利用してケーブルテレビ事業を行う場合について、規制を緩和しまして、ハード、ソフト分離を一層進めることを内容とする法制度を現在検討しております。その分離ができてくれば、いろいろな形で放送と通信の融合にも寄与してくるのではないかと思っております。
 また、利用コスト等を総合的に勘案すると、ケーブルテレビ事業者の経営に影響を与えるものではなく、むしろ、ネットワーク整備の選択肢が多様化することがメリットとして挙げられておるわけであります。
 いずれにしましても、御指摘いただきました中小の事業者の経営につきましてはこれからも十分に配慮していきたい、こういうように思っております。
#116
○佐藤(公)委員 デジタル化が進む中、ケーブルテレビの方が何かやはりちょっとその枠の外に出たような状況で物事が進んでいると思います。
 特に私ども地方におきまして、ケーブルテレビが、ある意味で情報不足、もしくはスタンダード、いろいろな部分の規格、規定、こういうことにおいて大変、特に財政面において苦しんでいるところがございますので、十分その辺を配慮して、また考えを持って、また、やはりその規格に関してもいち早く、郵政として、行政として推し進める、またあらわすべきところはあらわしてもらいたい。
 そうでないと、もう地方の方は行き詰まって、せっかく自立してやっていこうというところをつぶしてしまうことになりかねません。ですので、その辺は十分注意をしていただきたいということが私からのお願いでございます。
 最後になりますけれども、海老沢会長にお尋ねをいたします。
 これは事前通告をしておりませんが、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法が今論議として進んでおります。IT基本法というものでございますが、これに会長も多く関与されてこの法案を推し進めている部分があるかと思います。
 私どもとしましては、これは衆議院におきましては反対をさせていただきました。将来の目的、目標、ビジョンをきちんと明確に、信念また理念、きちんとしたものがなければ、この基本法案は無意味である。今までもやってきた論議、審議において、総理の決断と実行力があれば、当然できることだと私は思います。そういう部分で、余りにも中途半端なものをこういう形で出すに際しては反対をした、これが私たちの理由でもございます。
 こういう部分で、海老沢会長がこの法案に携わる中、どのようなお考え、もしくは個人的な、またよりよい形があり得るのか、御意見を聞かせていただければありがたいと思います。
#117
○海老沢参考人 私、IT戦略会議の委員のメンバーに加わっております。この審議の中でいろいろな議論が出ております。
 その中で案がまとまったわけでありますけれども、日本は特にインターネットが欧米に比べておくれている、そういう面で、この五年のうちにいわゆるブロードバンドのインターネット網を構築して、アメリカに追いつき追い越せというのが基本であります。
 この議論の中で、IT革命といいますか、このインターネット、デジタルの技術をさらに発展させることが日本の経済の再生を図ることに一層役立つ、いわゆる経済産業面での議論が今非常に出ております。
 それも非常に重要なことでありますけれども、私は、やはりITの活用によって国民の生活が向上し、そして日本の文化の水準がさらに進展する、福祉の増進に役立つということも非常に大事だろうと思っております。
 そういう面で、心と物とのバランスある発展ということを述べております。言いかえれば、ゆとりある社会と活力ある経済の再生を目指すべきだということも言っているわけであります。
 そういう面で、そういう産業面と同時に文化の向上に役立つようなIT戦略にしてもらいたいというのが私の考えであります。
#118
○佐藤(公)委員 どうもありがとうございます。これからも、いいIT社会をつくる上でやはりいい御助言をいただけたらありがたいと思います。
 もう最後になりますが、NHKの平成十年度の決算等の報告をいただきましたが、郵政大臣の意見等にもありますように、まだまだ鋭意努力すべき点があると思いますので、引き続き御努力をお願い申し上げます。
 また、最後に私からのお願いでございますが、NHKさん、公平中立ということで、政治的、政党的に偏りがないようにひとつお願いを申し上げ、また、会長の御発言は私的であっても大変重い発言でございますので、そういう意味でその辺を御注意願いまして、私からの本日の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#119
○小平委員長 横光克彦君。
#120
○横光委員 社民党の横光克彦でございます。
 いよいよBSデジタルの放送開始まで、もう二週間余りと迫ってきたわけでございます。この問題について、これまでるる各委員の質問がございました。かなり、かなりというか非常に大きな技術革新といいますか転換だと私は思うんですね。やはりこれまでテレビというのは見るものだ、そういった意識しかなかった、それがいよいよこれからいろいろなデータ放送を通じてテレビを使うことができる、そういった新たな時代が始まるわけでございます。
 視聴者にとりまして、このデジタル放送の魅力、いろいろ説明がございました。大変多くの魅力、これは視聴者だけでなく放送事業者にも魅力はあるわけですが、ハイビジョンあるいはハイビジョンによる高画質あるいはデータ放送を通じて、いろいろなことができるようになるということでございます。そのことをNHKは番組の合間に一生懸命PRされている、またいろいろなデモンストレーションもやられておる。このために、国民の中でもかなり期待感が高まってきているんではなかろうかと思っております。
 しかし、何といいましても、大変画期的な転換でございますので、いわゆる受信料という中で幅広いサービスをNHKは提供をしているわけですが、これだけ大きな新しいデジタルサービスが始まるわけですので、やはりいろいろな問題点があろう、難しい点も出てくるだろうと思っております。そういった意味で、視聴者の多様な期待にしっかりとこたえていかなければならないわけでございます。
 私は、このデジタル放送がいかにこれから普及していくかというキーポイントは、やはり受信者に対する信頼、それから魅力ですね、信頼と魅力が不可欠でございます。魅力はいろいろPRされて徐々に高まっておりますが、信頼というところで、ちょっと最初にスタートをするときに一、二、疑問点がございましたので、小さな問題かもしれませんが、お聞きいたしたいと思っております。
 このデジタル放送開始に伴って、会長はかねてから、ニュース番組をハイビジョン化でスタート時点では五〇%から始めたいという意欲を語られておりました。そして、その目標はほぼ達成されるであろうという報道も見ております。
 ところが、同じようにニュース番組を、五〇%でなくていきなり最初から七〇%ハイビジョン化できるんだという記事もあったわけです。これは五〇%と五五%というのは大差ないですが、五〇と七〇というのはかなり大きな差だと思いますし、七〇となりますと必要な経費等も随分違ってくるでしょうし、また視聴者も、最初からニュース番組を七〇%もハイビジョンで見られるという意識を持っていくわけですが、この差が、やはり二つ数字が出ると大変誤解を与えますので、どこから七〇という数字が出たのか、そしてまた、本当にそこでスタートできるのか、そこのところをまず御説明いただきたいと思います。
#121
○海老沢参考人 放送というのは技術を活用した文化というふうに私日ごろ言っております。そういう面で、技術をどのように我々が活用していいニュースなり番組をつくるかということであります。
 そういう面で、デジタル放送を始めるに当たって、やはり我々NHKとしては、ニュースをできるだけハイビジョン化したい、それが視聴者に対する大きなサービスだろう。普通の番組はさらに進んで一〇〇%近くデジタル化できますけれども、ニュースの場合は全国展開であるものですから、東京だけでなくて四十七都道府県すべてをやらなければいけません。
 そういう面で、それに対する設備投資あるいは機材の調達が間に合わないというようなことで、とりあえずこの十二月一日のスタート時点では五〇%を目指そうということで準備を進めてきました。そういう面で、十二月一日には五〇%の達成率ができるだろうと私は見ております。
 そういう中で、一部七〇%というのが報道されているように私も聞いておりますが、これは担当の方としてはできるだけ、将来は、とにかく一〇〇%いきませんから、そういう中で、日によっては、例えば大きな事件、事故等の中継等がありますとほとんど今はハイビジョン中継車で行きますから、それを見ますと七〇%いくのかなというような面を、ちょっと口が滑ったと私は理解しております。
 いずれにしても、これから五〇%をまず達成し、その後、六〇、七〇、八〇、一〇〇というふうに進めていかなきゃならぬと思います。それにはやはり段階を経ながら、十分研修をしながら進めていかなきゃならぬだろう、そう思っております。
#122
○横光委員 最初ですから、やはり視聴者は五〇、七〇、地方、大都会、いろいろそういった思いでは数字も違ってくることもあろうかと思いますが、確かにこれから八〇、九〇、一〇〇を目指していかれるわけで、最初から、ああ、これだけ見られるのかと思って期待感を抱かせ過ぎるとまたこれは困ったことになると思いますので、そのあたりをちょっとお聞きしたかったのです。
 それからもう一つ、これはNHKとは直接関係ないのですが、これもニュースで、BSデジタル放送の受信機が六万台余りふぐあいが見つかったというニュースが流されました。これは、衛星から送られてくる信号を正しく受信できない場合もあるというようなふぐあいが起きたわけですが、これは回収して放送開始までには間に合うようでございます。
 こういったニュースが流れてしまうと、やはりこれまで購入した人あるいはこれから買おうとしている人たちにとってちょっと腰を引くようなニュースでございますので、NHKとしては、受信機メーカー等も技術的な面では非常に協力しているとは思います。思いますが、郵政省としては、恐らく管轄外ではございましょうが、やはりデジタル化への方針転換というのは国の政策でございますので、そういった意味では、デジタルに関連するこういった問題が起きたときにはどのように対応されているのかをお聞かせいただきたいと思います。
#123
○佐田政務次官 先生の言われるとおりでありまして、ふぐあいのあるBSデジタル放送の受信機が実際に出荷されたということは、本当に残念なことだと郵政省としても考えておるわけであります。
 今回のふぐあいは、新たな放送サービスが将来開始されるときに対応できるように受信機に用意された機能に問題があったものでありまして、現在、通常の番組視聴に全く問題がないものであるというふうには聞いておるところであります。また、メーカーに対しましては、ユーザーにきちんと情報を提供するとともに、必要な対策を早急にとるように指導をしたところでございます。
 メーカーでは、本放送開始前までにすべての購入者を訪問いたしまして、ふぐあいの修正を行うということでありますけれども、視聴者が安心してこれからもBSデジタル放送受信機を購入できるように、万全の体制を整えて、そして、先生言われたとおり、不安がなくなるようにやっていきたい、かように思っております。
#124
○横光委員 やはり視聴者が安心して購入できる、そういった体制が必要でしょうし、先ほど言いましたように、かなり期待が高いんでしょう。メーカーサイドのラインがまだ低下している部分、これからということもあるんでしょうけれども、私も、テレビでなくてチューナーの方を近くの電器屋さんに頼んだけれども、まだ来ない。もう十二月一日まで間に合わないらしいですね。そして、受信機のことも聞きましたら、到底間に合わない、メーカーによっては十二月に頼まれているのが恐らく三月ごろになるんではなかろうかという話もあるんです。
 要するに、それぐらい期待と要求が高いんではないかという気がしているわけですね。これはNHKとか郵政省の問題じゃない、あくまでも受信機メーカーの経営、営業の問題でございますが、やはりかなり期待がある。とはいえ、やはりまだ値段が高いんですね。もうちょっと普通の庶民の方が手ごろに買えるような値段になっていかなければ、そのためにはやはり普及であろう、このように考えておるわけです。
 これはちょっと初歩的な質問ですが、BSデジタル受信機を購入すれば、それで、二〇〇三年からは地上波デジタルも大都市圏では放送開始の予定になっていますね。そうしますと、BSデジタルの受信機で地上波デジタルも、もうあと実質二年後ですが、この地上波デジタルも同時に受信、視聴できるんでしょうか。
#125
○中村参考人 お答えいたします。
 現在販売されておりますデジタルテレビ受信機につきましては、BSデジタルテレビ放送を受信するためのチューナーを内蔵している受信機と、チューナーが内蔵されていない受信機がございます。いずれの受信機にいたしましても、地上デジタルテレビ放送を受信するためには、電波の性質がBSデジタルと地上デジタルは異なりますので、地上デジタルチューナーが必要でございます。
 現在、地上デジタルテレビ放送受信機につきましては、BS・地上共用受信機の検討も含めまして、電波産業会におきまして詳細な検討を進めております。NHKもこれに参画いたしまして、積極的に検討を行っております。
 NHKでは、受信者の方々にデジタル放送の受信方法等も説明して、今後とも積極的に対応していきたいと思っております。
#126
○横光委員 これもやはり、今度のBSデジタル受信機を購入された方は、その後地上波デジタルが始まっても当然見られるだろうと、恐らくほとんどの方が思っているだろう。しかし、今まだそこまではっきりわからないというようなお話でもございましたし、そこでまた新たな負担がかかるようなことでは、最初に説明しておかなければいけないだろうという、これは放送事業者の責任だと私は思うんですね。
 そういったことで、やはり後になっていろいろな問題が起きるより、これは地上波のときは見られるようになるかまだわからないんですよとか、いずれそうなるんですよとか、やはり説明が要るんではなかろうか。
 いずれにしても、大変な新しいサービスのスタートでございますので、視聴者に無用な誤解を与えないためにも、その段階段階でできること、あるいはできないこと、こういったことを視聴者に説明を十分尽くしていく、それがデジタル化を着実に進めていくことになるのであろう、そしてまた、そのことにNHKも御努力してもらわなければならないということをお願いしたいと思います。
 先ほど、同僚議員から質問ございました、十年度の事業収支、契約件数の増加が当初予算に比べてかなり落ちた、三億円ぐらい実績で落ちているわけですね。この要因は、先ほど説明ございました。都市部を中心とした単身者の増加によってなかなか面談ができないとか、いろいろな理由もございました。また、対策もお話がございました。
 土日、深夜の訪問等を強化していく、あるいはいろいろな学生対策もやる、いろいろなことでこれからも御努力をされていかれるわけですが、これだけいわゆるメカニカルの時代になったときに、唯一視聴者との接点は、ここのいわゆる委託スタッフである営業の受信契約なんですね、受信料の徴収なんですね。もう人と人との接点はここしかない。
 ですから、これから新たなデジタル化になると、大変な業務が委託スタッフの皆さん方に来るんじゃないかという気が私はしているんですね。例えば、デジタル放送の魅力を視聴者にPRしていかなければならない、契約へとつなげていくためにもこれは必要ですし、いろいろなことが、これから今まで以上に仕事の責任はふえてくるだろう。
 こういったことから、会長は効率化による営業コストの削減ということに努力してこられて、それももちろん大事でございますが、効率化し過ぎるとまた受信料の収納低下ということも招きかねないこともあり得るわけで、そういったことからすると、負担の公平性ということにちゃんと注意しなければなりませんし、いずれにしても、この受信料制度を維持していくための要員パワー、これもこれからもしっかりと確保して、大事にしていっていただきたいと思っております。
 時間が参りましたので、一言、ちょっと感動したことをお話しさせていただきたいんですが、NHKはこれまで大変、民放と違って、民放が取り組めないようないろいろな企画等に取り組んで、すばらしい番組をこれまで輩出してきました。
 最近、この中で特に私感動しておりますのは「プロジェクトX 挑戦者たち」この番組を毎週、今見られないときはビデオに撮って見ているんですが、やはりバブルが崩壊して国民の気持ちが沈滞化している中で、ああいった、過去にあくなき挑戦をした人たちのドキュメンタリーを非常に大量な資料を集めてつくっておられる。私は感動して毎週見させてもらっているのですが、このプロジェクトXの制作スタッフに心から敬意を表しまして、質問を終わります。
#127
○小平委員長 平井卓也君。
#128
○平井委員 21世紀クラブの平井でございます。
 きょうは、もう時間が限られておりますので、海老沢会長にBSデジタルを中心に御質問をさせていただきたいと思います。
 いよいよ十二月一日からスタートするBSデジタル、もうカウントダウンに入ったわけですが、言うまでもなく、デジタル放送の魅力は高品質、高画質のハイビジョンと、双方向機能を持ったデータ放送にあると言われています。しかし、御存じのとおりかもしれませんが、当然ですが、かつてNHKが開発したハイビジョンのミューズ方式は、残念ながら世界標準にはなりませんでした。そのハイビジョン技術が、これから発展が期待されるBSデジタルの中核になるということには若干の不安も覚えておるわけであります。
 と考えますのも、画質がよいということは、これは当然すばらしいことではありますが、新たな出費をしてまで視聴者が望んでいるかといえば、必ずしもそうではないと私は思っています。視聴者は高画質というためだけにお金を払わないということは、これはある程度実証されていることでありますし、次世代テレビについての視聴者アンケートの一番目に来ることは、見逃した番組をもう一度見たいということが、約半数の方がアンケートに答えています。HDTVのように品質というか画質のよいテレビを見たいと答えたのはわずか数%でありました。
 また、画質がよいということは、それだけ多くの情報量を必要とするわけで、例えば、高画質であるということによって、はっきりと視聴者の目に映り過ぎてしまう。例えば女優のしわ、これは逆にNHKは、映り過ぎるので、それをぼかす技術を開発しているというふうに聞いておりますが、いわば高画質であるということは、より多くの制作費というものも必要であります。
 そういった技術を踏まえて、NHKのすばらしい放送技術が現在世界のレベルでどのあたりにあるのかも含めて、視聴者のニーズはどこにあるのか、ハイビジョン技術の現状と今後の可能性について伺いたい。
 それともう一つ、公共放送であるNHKとしては、放送技術にしても、社会還元をしていく責務があると考えております。つまり、民間転用といいますか、民放も含めた放送界全体にどのようにその技術力を生かしていくおつもりなのか。合わせて二問、お答えをいただければと思います。
#129
○海老沢参考人 まず、NHKが開発しましたハイビジョンの中のミューズ方式、これは伝送方式の一つであります。私どもは、当然将来はデジタル時代になるという予測でやりましたけれども、デジタル化するためにはかなりの技術的なレベルの向上あるいは開発資金も要るということで、そこへ行くまでの中間的な段階として、ミューズ方式というものを編み出したわけであります。
 これはITUでも国際的な標準になったわけでありますが、残念ながら、その後、MPEG2という新しいデジタル伝送方式が開発された。これはNHKも関与しております。そういう中で、やはり技術というのは日進月歩でありますので、そういう面で、今我々は、MPEG2の伝送方式にのっとってBSデジタル放送を始めたということであります。
 いずれにしても、基本は、十六対九の中身はすべてデジタルでありまして、伝送部分だけがミューズ方式だったわけであって、この技術は生かされて、ことしの三月にはITUでスタジオ規格の国際規格になったことは、もう先生も御承知だと思います。
 そういう面で、NHKのハイビジョン、HDTVは世界最高水準を行っておりますし、私は、アメリカ、ヨーロッパに比べても五年も十年も先に進んだ、日本が誇るべき開発商品だろう。
 それは、この前のアメリカの大統領選挙、共和党、民主党両大会あるいは九月の国連のミレニアムサミットでもわかりますように、世界の各首脳がNHKのハイビジョン技術に敬意を表したのもその点だろうと思っておりますし、七月の沖縄サミットで私も直接クリントン大統領、ロシアのプーチン大統領にも説明しましたけれども、そういう面では、私は世界最高水準を行っているものだろうというふうに自負しております。
 このハイビジョンは、高画質だけではなくて、先ほど来るる説明がありますように、これはインターネットにも接続できますし、双方向にもなりますし、また、データ放送、文字を中心としたデータ放送にも活用できるということで、非常に多機能を持った機材であります。そういう面で、私は、これはもう将来は世界的に普及していくだろうと見ております。
 そのためには、まだまだ受像機、チューナーというものが高い、庶民の手に届かない値段である。私は、これが大量生産になれば、爆発的に普及するだろう、今のカラーテレビのようになるだろうと見ております。
 いずれにしても、白黒からカラーに移ったように、またカラーからこれからハイビジョンというように、そういう段階を経ていけば、私は、かなりの値段が下がれば、国民も納得して購入し、今の日本の経済発展のためにも進展していくだろう、そう見ております。
 それから、二問目は……。
#130
○平井委員 もう結構です。大体わかりました。
 よくわかりましたので、その技術力を放送界全体のためにお使いいただくようにお願いをします。
#131
○海老沢参考人 技術の社会還元でありますけれども、私ども、今、国内、国際とも、千三百ほどの特許を持っております。私どもはそういう、世界でも有数の放送技術を持っておりますし、いろいろな技術を改良し、これをメーカーなりいろいろなところに普及させるために公開しております。
 そういう面で、特許料はわずか一億でありますけれども、もっとこの特許料を取るべきだという意見がありますけれども、テレビを普及させるためにできるだけ開放して、社会還元をしているということであります。
#132
○平井委員 もう一つ、B―CAS、コンディショナル・アクセス・システムについてお尋ねを申し上げます。
 本放送を開始するBSデジタル放送では、CASと呼ばれる機能がテレビに付加されます。この機能は、放送の受信者を特定できるようにすることで、いわばペイ・パー・ビューのような有料チャンネルを可能にしたり、データ放送による新しい双方向サービスを生かすことができる一方、ある特定の視聴者に対してスクランブルをかけて見えないようにすることもできるわけであります。
 このスクランブルについては、受信料の公平負担の観点からさまざまな議論がされていると思いますが、私は、受信料は税金ではないという理解、もう一つ、NHKさんは国営放送ではなくて公共放送であることを国民に理解していただく上にも、スクランブルをかけるか否かを含めて、CASという機能をどのように使っていくかということが一つのポイントになってくると思います。
 個人的には、もうスクランブルをどんどんかけてしまって、中途半端なテロップを流すのをやめちゃうというのも一つの方法かと私は思いますが、それでは普及しないという議論が一方にあるかと思います。しかし、今でもBS受信の契約率は約八割前後ではないかなと私は思っておりますので、せっかくのコンディショナル・アクセス・システムを導入するわけですから、これからどのようなお使い方をなさるか、そのことについて御所見を伺いたいと思います。
#133
○芳賀参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、このコンディショナル・アクセス・システムは、スクランブル技術の応用でございます。画面を通してデジタル受信機の設置のお届けをお客さんにお願いするというものであります。しかしながら、受信契約の有無によってそのデジタル放送をストップする、そういうものではございません。NHKは、デジタル放送時代におきましても、当面、BSスクランブル有料放送を導入する考えはございません。
 今まで、私どもは、衛星放送の受信者というものは目で追って探してまいりました。しかし、ケーブルテレビあるいは集合住宅については、特に発見の効率が悪うございます。
 そういうことも勘案をいたしまして、画面の左隅に、受信機を設置の場合はNHKにお届けをお願いしますというものを、NHKのチャンネルにスイッチを合わせると同時に十五分間だけ表示をさせていただく、こういうものでありまして、番組を全く見えなくするスクランブル放送とは基本的に異なるものでございます。そこは十分留意をしながらやっていきたい、こう思っております。
#134
○平井委員 私の質疑の時間はあっという間になくなってしまったわけでありますが、本当にこのB―CASというのは、NHKにとっては聴視料を集める意味で実は画期的だと思います。十分にお考えになってお使いになった方が、不公平感がなくなると思っております。
 それと、最後に、千日間で一千万台を目標ということですから、ぜひスタートでつまずかないように頑張っていただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
#135
○小平委員長 矢島恒夫君。
#136
○矢島委員 海老沢会長にお尋ねしたいと思います。
 会長はことし七月に再選されまして、二期目の任期に入られました。きょう審議しております九八年度の決算ですが、この九八年度というのは、海老沢会長が年度初めからかじをとられた、そういう年度であると思います。そこで、この決算の審議に当たって、海老沢執行部のかじ取りについて質問したいと思うんです。
 まず、受信料金の問題。
 三月の予算審議の当委員会で、私は海老沢会長に、二〇〇〇年まで値上げしないという公約を延長するという考えがあるかどうか、このことをお尋ねしました。そうしましたら、会長は、できるだけそういうふうにいきたいが、私の任期は七月三十一日までなので、今ここでそういう公約をすることは非常に僣越なことでありますので、できるだけ新たな負担をかけないよう努力したい、こういう答弁をされたわけです。
 そこで、再選されました。その再選時の会見で海老沢会長は、歯を食いしばってでも受信料金を値上げしないよう、こう述べられております。そこで、値上げしないということを公約していただきたい。
#137
○海老沢参考人 私ども、こういう経済情勢でありますし、国民に新たな負担をかけないように努力するのが我々の使命だろうと思っております。
 そういうことで、先ほども答弁しましたように、経営の効率的な運用、経費の節減、コスト意識を持ってやっていこうということで努力している一方、やはり受信料の公平負担ということで受信料の収納に結びつけていきたいと思っております。これまで、今度の十年度でも二%を上回る受信料を集めたわけでありますけれども、十二年度は二%は難しいということで、今一・七%の増収を見込んでおります。
 そういうことで、非常に厳しい情勢でありますけれども、私どもは、さらに経営の効率化を図りながら、できるだけ私の任期中は受信料を値上げしないように一層の経営努力を重ねていきたいと思っております。
 そういう面で、経済情勢はどうなるかわかりませんが、いずれにしても、受信料をできるだけ値上げしないように一層の努力を重ねていくということをお誓い申し上げておきます。
#138
○矢島委員 決算書を見ますと、財政安定のための繰越金、九八年度で五百三十三億円ですか、九九年度も六十億五千万で、それぞれ単年度の収入も黒字になっています。ひとつその方向で頑張っていただきたいと思います。
 次に、海老沢会長みずから、ハイビジョンの伝道師としてハイビジョンの推進の旗を振っておられたわけです。ハイビジョン放送というものが生きるのはやはりスポーツだとかあるいはドラマだとか、そういう映像にインパクトがあるソフトだと思うんですね。このハイビジョンのためにほかのソフトにしわ寄せにならないかという点でお聞きしたいんです。
 例えば、政治で焦点となっている問題を公平に、国民にわかりやすく多角的に掘り下げて放送する、これは放送法に定められているいわゆるNHKの使命であるわけですが、この分野がどうも九八年以降、海老沢会長になってから弱くなっているのではないかということ。
 例えば、NHKスペシャルはNHKの看板番組ですが、九三年には「日本の選択・徹底討論―税制改革で日本をどう変えるか」、九四年には「臓器移植法案・今何が問われているのか」、九六年には「徹底討論 住専処理―なぜ税金を使うのか」、九七年には「日本再建・連続討論 省庁再編」と、その時々の重要な政治課題、あるいは出されている、論議されるであろう法案を特集として取り組んできた。ところが、九八年以降、なかなか見つけるのに容易じゃない、ほとんどないと言っていいくらいです。
 ハイビジョン優先で、どうしてもハイビジョン映像が生きる番組、NHKスペシャルでもそういうものを取り上げて、なかなかこういう国民的な課題である政治課題というのが後景に押しやられている。これではまずいんではないかなと思うんですが、会長のお考えをいただきたい。
#139
○海老沢参考人 私ども、国民的な課題についてはいろいろな面で、NHKスペシャルなり、あるいはクローズアップ現代なり、あるいは特集番組等でやっておりますし、またこの二年内は、「世紀を越えて」というような長時間の番組等でやっております。
 ただ、先生御指摘のように、討論番組が若干少なかったかなという印象はありますけれども、いずれにしても、やはり国民の立場に立った課題を取り上げるのが我々の使命だろうと思っております。
 そういうことで、今月も、来週から教育フェアということで、教育問題を重点に取り上げるいろいろな番組をつくろうと思っておりますし、来年は食糧、農業問題を重点的に取り上げていくということも今企画しております。
 そういう面で、当然大きな問題については、番組のつくり方はいろいろあると思いますけれども、討論番組でなくていろいろなやり方がありますが、いずれにしても、国民的な立場ということを忘れないでいろいろな形で問題を掘り下げていきたいと思っております。
 今、二十一世紀を迎えていろいろな課題がありますので、それにも十分考慮しながらいい番組をつくっていきたいと思っております。
#140
○矢島委員 クローズアップ現代など、そのほか全体を通して番組を検討させていただきましたけれども、例えば九九年度、クローズアップ現代でも、もちろんNHKスペシャルでもですが、例えばこの国会で重要な問題になりそうだというガイドライン法、五月二十五日にクローズアップ現代では放映されているんです。「周辺有事・日本は何をするか」という題です。ところが、五月二十五日、その日はもうガイドライン法は終わっちゃった後なんですね。
 今までの私が挙げました九三年以降九七年までは、いずれもこの国会であるいは次期国会で重要な問題になるんじゃないかなというのを積極的に取り上げていらっしゃる。後追いになっちゃっているというか、終わっちゃった後だという部分があるんです。
 もう一つ言いますと、やはり九九年度、国民の中でいろいろな意見があった日の丸・君が代や通信傍受、こういうものは取り上げられておりません。取り上げられたのは、介護保険が取り上げられた。「動き出した介護保険」というので、これは動き出した後なんですね。既に法案としては成立して四月に終わりました。これは九九年の十月十五日からやった番組です。
 結局、いろいろな問題があるという提起はよろしいんですけれども、しかし、こういう法案が今度国会で論議されるんだぞというのにはもう時間的に遅いわけですね。
 そういうような問題がありまして、私たち、先ほども同僚議員が指摘しておりましたけれども、放送内容に立ち入るつもりはもちろんありません。しかし、海老沢会長になってからこうした変化があるのではないか。政治記者出身で、先ほど雑誌の紹介がありましたが、政権与党との深いつながりを指摘する報道というのもやはり見るわけです。もしそうしたことが原因で政治的な大きな問題を多角的に掘り下げる番組が後退したということになると、これはやはりNHKの自殺行為だと言わなきゃなりません。
 そこで、放送法の第一条やあるいは第三条を申し上げるまでもなく、ハイビジョンも結構です、きれいな映像や、そのほかメリットの点は先ほど来いろいろ話がありました。政治という国民の重要課題を民主主義の発達に資するように放送すること、これは放送事業者の使命と言っていい。多チャンネル化が進んでおります。こうした中でこれを後景に押しやるようなことのないように、ぜひ会長の決意をお願いいたします。
#141
○海老沢参考人 私ども、政治的には公正中立を旨としておりますし、今後ともその方針を堅持していきたいと思っております。
 先ほど述べましたように、私ども、やはり国民的な課題、政治的な大きな問題につきましては、適宜これを番組化していくというのは我々の使命だろうと思っておりますので、先生方の御意見をいろいろ承りながら、いろいろな角度から検討し、取り上げていきたいと思っております。
#142
○矢島委員 私の持ち時間は極めて短いので、さらに質問通告は会長の方にやっておきましたけれども、参議院のIT基本法の時間をやりくりして大臣が出席されておりますので、残り時間を大臣の質問に当てていきたいと思います。
 そこで、NHKはいろいろなリスクを負いながらもハイビジョンへの傾斜を強めております。その背景に民放が当てにならないという認識があるんじゃないかな、これは私の勘ぐりですけれども。
 つまり、トライアル21という九八年の報告書を私は三月のときに取り上げたんです。「デジタル受像機の普及はNHKが相当頑張らざるをえない。」とそこでは報告をしております。また、民放系のBS新会社に対しては、普及もしないのに金はかけられない、こういう声もあるという報告もあります。
 そこで、日本テレビが新BS会社に、おまえら死んだふりをしろという指示をしたという話もあるのですね。いろいろな問題があります。今も、これは朝日に出ておりましたが、魚のいないところにえさを投げても仕方がないと在京のキー局の社長が発言した、こう報道されています。既にデジタルテレビやチューナーを購入した国民や視聴者に大変失礼な話だと私は思うのです。国民の共有財産である電波を利用して、BSデジタルという新たな放送文化をつくり上げよう、こういう気概がこれらの発言から感じられないのですね。
 郵政省としては、最終的に、いわゆる民放系列の会社にBSデジタル放送の免許を認可したわけです。各局がこんな姿勢では、BSデジタルの電波が有効に活用されないではないかと私は心配するわけですが、大臣、御見解はいかがですか。
#143
○平林国務大臣 この十二月一日から、テレビ八社、それから音声放送が十社、データ放送が八社によりまして、BSデジタル放送が開始されることになっております。
 もう間近でございますが、今日まで、NHK、BS民放各社、受信機メーカー等が連絡会議を設けて、平成十一年の十月から、各種のセミナーとかイベント、あるいは共通のロゴマークなどをつくって、十二月一日に向けて鋭意努力中でございます。
 民間の調査機関の話では、相当BSのデジタル放送の認知度が高まってきたということも聞いております。委員がおっしゃるような諸説紛々の面もあるかもしれませんが、私どもとしては、この十二月一日の放送に向けて万全の体制で取り組んでおられるもの、そのように承知をいたしております。
#144
○矢島委員 民放キー局がBS放送に十分投資しない理由というのはいろいろあると思うのです。視聴者ゼロから始めなければならない、あるいはBSデジタルの特殊性、これだけじゃなくて、二〇〇三年に控えている地上波デジタルへの巨額な投資の問題があると思うのです。
 先ほど話がありました。千日千万人、こういう話が出ました。私は、もし、こういう目標、これがこういうテンポで進まない場合には、この二〇〇三年の開始を見直してもいいんじゃないかと思っているのですが、そういうおつもりは、大臣、ありますか。これが最後です。
#145
○平林国務大臣 恐らく関係者で非常に御努力をなさるものと考えておりますので、今後もその順調な進展を期待いたしております。
#146
○矢島委員 終わります。
#147
○小平委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#148
○小平委員長 これより本件について討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 日本放送協会平成十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書について採決いたします。
 本件について異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#149
○小平委員長 起立総員。よって、本件は異議がないものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#150
○小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#151
○小平委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十五分散会

ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト